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MACROSS 7 ~Re.FIRE!!~ PARTⅣ

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  1. 1 : : 2016/12/15(木) 06:42:45
    Re.FIRE‼も漸くPARTⅣに入りました(∩´∀`)∩

    ここまで長くお付き合いいただいた皆様に感謝しつつ、PARTⅣを執筆してまいります。



    よろしくお願いします<m(__)m>


  2. 2 : : 2016/12/15(木) 06:44:06














    マクロス7船団は、居住艦であるシティ7を中核として、六つの大型艦がミルキーロードと呼ばれるホログラムハイウェイで繋がれている。

    人々はここを自家用車で移動する事が出来、まるでそれは銀河を横たわる天の川のように見えることからそう命名されていた。



    本来は海洋研究が目的のリゾート艦、リビエラ。

    通信基地機能も兼ね備えるアミューズメント艦、ハリウッドなどは、銀河でもよく知られた施設である。







    それら大型艦のうちの一つ、ピラミッドの形をした学術艦、アインシュタイン。






    ここは、マクロス7船団の頭脳とも言える場所であり、優秀な学者たちが日夜研究に励んでいる。

    その学者たちの中に混じって、緑色の巨体を持つゼントラーディ、エキセドル・フォルモは、モニターに映る資料を分析していた。






  3. 3 : : 2016/12/15(木) 06:45:21








    『エキセドル参謀、お疲れ様です。』




    モニターの端に、バトル7のブリッジオペレーターである美穂大尉の顔が写り込むと、エキセドルは笑みを浮かべて触手を休め始める。




    エキセドル参謀の話は女性ばかりのバトル7のブリッジでも退屈しないと評判であり、彼がバトル7を離れるとオペレーターたちはこうして公然と通信をかけてくる始末。

    エキセドルも最初期こそ注意していたが、今ではむしろ微笑ましく通信を受けていた。







    「どうしましたかな? 美穂大尉?」

    『マックス艦長が参謀の研究の成果をお聞きしたいと。今日はお仕事なんです。』


    「おじさん少し残念ですな。」






    意外にも茶目っ気溢れる性格をしているエキセドル参謀に思わず笑みを漏らす美穂大尉。

    モニターが美穂大尉からマックス艦長に切り替わる。



    エキセドルが表情をただすと、マックスは話を切り出した。







    『エキセドル参謀、先日、惑星ウィンダミアⅣで発見された遺跡の事だが、参謀の見解を聞きたい。』







  4. 4 : : 2016/12/15(木) 06:47:47









    エキセドルは元々、第一次星間戦争において人類と敵対していたゼントラーディ軍の参謀であった。



    戦闘力が低い代わりに、記憶力の図抜けたエキセドルは、彼らの失ってしまった『文化』、とりわけ『歌』に強い関心を示していた。

    後の和平交渉において、音程を外しまくった『私の彼はパイロット』を披露するほどエキセドルは『文化』に入れ込み、これを滅ぼそうとした上司であるゴル・ボドルザーに反旗を翻した。






    結果としてエキセドルは、人類とゼントラーディという、異なる種族の橋渡し役を務めることになり、ますます『文化』の研究にのめり込んだ。

    さて、そんなエキセドルの重大な関心事は、『プロトカルチャー』の研究であった。







    「うむ、模様から見て、あの遺跡は間違いなく『プロトカルチャー』の残した遺跡ですな。」







    『プロトカルチャー』―――――・・・・・・・・・・・・今からおよそ50万年前、その高度な技術力で銀河に一大文明を築いた種族。


    地球人類やゼントラーディは、彼らの遺伝子操作によって生み出された種族とされており、エキセドルは他の星にも、そうした種族がいるのではないかという推測を立てていた。







    『参謀の推論はこの遺跡によって証明されることになりそうだ。』

    「そうですな。しかし、今までこの遺跡が見つからなかったのが不思議に思えますなぁ。」







  5. 5 : : 2016/12/15(木) 06:48:44







    参謀がそう呟くと、マックスは表情を曇らせる。

    その表情から、参謀は艦長の複雑な心境と、置かれている状況を読み取った。







    「・・・・・・・・・・・・統合政府は、この遺跡を、どのように扱うつもりですかな?」

    『・・・・・・・・・・・・。』






    眉間にしわを寄せ、静かに目を閉じるマックス艦長。

    ややあって、艦長は目を閉じたまま、静かに語り始めた。







    『つい昨日のことだ。ウィンダミアのプロトカルチャー遺跡が、ウィンダミア人の手によって再び奪還された。そして――――・・・・・・・・・・・・』







    ――――


    ―――――――
    ―――




    ――――――





    ―――――
    ―――――――







    ―――










    話を聞き終えたエキセドル参謀は、彼にしては珍しく、非常に憤っていた。

    マックスは努めて冷静に、ため息をつくように話を続けた。






    『いつもの本部のやり方だ。キム艦長はこの決定に抗議し、軍閥の力を結集したらしいが、決定は覆らなかった。』







  6. 6 : : 2016/12/15(木) 06:49:25








    マックス艦長の言葉に、沈黙するエキセドル参謀。

    普段は場を和ませるエキセドルの沈黙に、オペレーターたちもピリピリとした空気を感じ取る。




    やがて、エキセドルは、怒りを押し殺したような声で話し始めた。








    「マックス艦長。私は、地球人の持つ『文化』に憧れ、自ら進んで地球人の味方をした。」

    『・・・・・・・・・・・・分かっている。』


    「その地球人が、『文化』を蔑ろにするとは・・・・・・・・・・・・何とも情けない限りですな。」



    『・・・・・・・・・・・・それは、昨日に始まった話では、ない。』







    重苦しい沈黙が、学術艦アインシュタイン、バトル7のブリッジの中を凍らせていく。

    その沈黙を打ち破ったのは、マックスのこの言葉だった。








    「・・・・・・・・・・・・参謀。バトル7に戻ってくれないか?」

    『・・・・・・・・・・・・何をするつもりなのですかな?』







    マックス艦長は、きゅっとした表情で、ブリッジに命令を下した。








    「参謀が戻り次第、本艦はシティ7からの切り離しを行う。切り離し終了後、本艦は惑星ウィンダミアⅣへフォールドする。準備急げ!!」







    雷に打たれたような緊張が、ブリッジを走る。

    突然に下された戦闘準備の命令に、ブリッジの対応は迅速であった。








    「止めねばならん・・・・・・・・・・・・何としても。」







    貴重な『文化』を、自らの手で消すような愚を犯させるわけにはいかない・・・・・・・・・・・・。

    マックスは手を組み、肘をついて決意を固めた。









    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇









  7. 7 : : 2016/12/19(月) 08:37:36











    「・・・・・・・・・・・・トランスフォーメーション、開始!」







    バトル13のブリッジに、キム艦長の命令が響き渡る。













    ウィンダミアの遥か上空、大気圏近く―――――・・・・・・・・・・・・








    戦艦型のバトル13が変形を開始。

    1500mもの巨体が、蒸気を噴出しながら、鋼鉄の巨人へと姿を変えていく。





    艦内に警報が鳴り響くなか、バトル13は戦艦型から強攻型へと変形を完了した。





    船底部に当たる巨大な砲身―――――・・・・・・・・・・・・マクロス級戦艦の最終兵器、『マクロス・キャノン』のトリガーをその巨大な右手に掴み、胸部から取り外す。

    砲身の先端に、莫大なエネルギーの奔流を収束させていく。






    「マクロス・キャノン、発射まで・・・・・・・・・・・・10(テン)! 9(ナイン)! 8(エイト)! 7(セブン)!」







    艦内のオペレーターがカウントダウンを開始するのを聞いて、厳粛な表情を浮かべないものはいない。





    この一撃が、どれほどの被害をもたらすのか、誰もがその光景を思い浮かべていた。

    それでも、その後にもたらすであろう被害には、遠く及ばないのだ。





    __________一年前、対バジュラ用に開発された、あの兵器(・・・・)には・・・・・・・・・・・・。










    3(スリー)! 2(ツー)! 1(ワン)!! 0(ゼロ)!!」

    「マクロス・キャノンッ! 発射ッ!!」









    悲痛な表情を浮かべるキム艦長の口から、厳しい声で命令が飛び出す。




    刹那__________マクロス・キャノンの砲身が大量の蒸気を噴出し、巨大な白い槍のような、眩い光を放つレーザーが、まっすぐ地表に向かって放たれた。




















  8. 8 : : 2016/12/19(月) 16:40:00









    多くの神話に語られているように、北方神話にも世界の終末に関する予言――――・・・・・・・・・・・・神々の運命(ラグナロク)と呼ばれる話がある。





    神々の殆どが死に絶え、世界は炎に焼き尽くされる。

    世界を終末へと導くかのように、その光は真っ直ぐに降り注いだ。










    「・・・・・・・・・・・・嵐が、やってくる。」





    王都ダーウェントの王宮の玉座に座っていたグラミアは立ちあがって叫び、外を覗く。

    一筋の光の槍が、まるで、北方神話の主神オーディンの持つグングニルの槍の一撃の如くに振り下ろされ・・・・・・・・・・・・









    「!! 上空に強大なエネルギー反応!! 敵の砲撃が―――――・・・・・・・・・・・・」







    ダーウェントから遠く離れた、ウィンダミア王国の駐屯基地に降り注いだ。

    中の士官が警告を伝え終える前に、降り注いだ光は、基地を丸ごと消し去って、凄まじい地鳴りとともに、激しい火柱を立てた。








    「な、なんだよ、あれ・・・・・・・・・・・・。」



    外で一人、雪原の上でギターを弾いていたバサラの目にも、その光景が飛び込んできた。







    爆発によって巻き上げられた土ぼこりが、天高く昇っていく・・・・・・・・・・・・。








    「くそ・・・・・・・・・・・・軍の奴らは、何をやりやがったんだ!!」





    激しい怒りに駆られ、バサラはギターをぎゅっと握り、バルキリーへ向かって走り出した。

    彼の操る、真紅のバトロイド形態のバルキリーへと向かって。







  9. 9 : : 2016/12/22(木) 03:54:49










    「砲撃は、駐屯基地に直撃しました・・・・・・。」




    オペレーターが、天高く舞い上がる爆炎と土埃を見つめて呆然と呟く中、モニターに映っている中将は、にやけ面を浮かべて呟いた。






    『そうだ、それでいい。』

    「・・・・・・・・・・・・あんたって男は・・・・・・。」





    怒りに顔を歪ませ、押し黙ったような声を漏らすキム艦長。

    最終戦争の狼煙が上がり、疾風を告げるように艦内に警報が響き渡る。






    「艦長! 敵機接近!!」

    「あの機体はドラケンⅡ・・・・・・―――――空中騎士団です!」







    上空を飛行する巨大な鋼鉄の巨人――――・・・・・・・・・・・・バトル13へと向かって、白き翼の群れが空を切って接近。

    迎撃するバルキリー部隊の翼の波を掻い潜り、あるいは撃墜して火花を散らし、バトル13へと接近していく。







    「ダイヤモンド・フォース、発進! 直ちに空中騎士団を迎撃せよ!」






    キム艦長の命令がブリッジに響き渡り、ブリッジの先にあるカタパルトのカバーがそれぞれ開き、三角形の台座が三つ、中からせりあがってくる。

    それぞれの頂点に取り付けられた灯が、空中に三角柱の光のレールを描く。






    「ダイヤモンド・フォース・・・・・・・・・・・・発進!」




    隊長のガムリンが表情を引き締めて合図をとると、光のレールの中に浮かんでいた三機の黒いVF-25 メサイアが一斉に射出された。







  10. 10 : : 2016/12/22(木) 03:57:52







    「あの男の風を感じる。今度こそ決着をつけてくれるぞ。」






    空中騎士団の白騎士であるグラミアは赤い二つのルンを輝かせ、射出された三機の黒いバルキリーのうち、黄色いラインマーキングの入った機体へと真っ直ぐに飛んでいく。

    ガムリン機もまた、運命に吸い寄せられるかの如く、白いドラケンⅡへと突撃していく。







    __________惑星の薄青い大気圏のすれすれ、昼と夜とを隔てる分水嶺で、ミサイルが尾を引き、爆発して眩い光を放つ。







    メサイアとドラケンⅡは、互いに複雑な軌道を描きながら銃弾を撃ち、ミサイルを放って交戦。

    星々瞬く宇宙空間の闇から、太陽の輝く昼のウィンダミアの青空へと、機体が許すギリギリの速度で激しい攻防を繰り広げた。








    「艦長! ウィンダミアのバルキリー部隊の攻撃です!」

    「第一次防衛ライン、突破されました。」


    「戦艦ギャラルホルン、主砲損傷! バルキリーの数が足りません!」


    「戦艦テュールは至急下がって! このままだと各個撃破される!」







    バトル13のブリッジにオペレーターたちの声が荒波のように響き渡る中、ウィンダミアの他の翼たちも戦場へと到着。

    新統合軍は今のところ後退を余儀なくされ、第二次防衛ラインを突破されかかっていた。







  11. 11 : : 2016/12/22(木) 03:59:16








    同刻―――――・・・・・・・・・・・・







    「・・・・・・・・・・・・―――――マクロス・エリシオン、発進する。」




    アーネスト艦長の命令で、カーライル地方にある新統合軍の駐屯基地から、強攻型で基地と接続していたマクロス・エリシオンが密かに動き始めた。

    全長800mと、バトル艦に比べて半分より少し大きい程度の大きさしかないマクロス・エリシオンは、浮き上がるとすぐに戦艦型へと変形し、低空を飛行し始めた。








    「目標・・・・・・―――――プロトカルチャー遺跡。」






    マイクローンサイズでも2mを超える巨体を持つアーネスト艦長は、厳しい顔で静かに命じる。

    ブリッジに乗っているオペレーターとて、笑みを浮かべるものは一人としていない。



    その表情にわずかに苦痛を滲ませ、アーネスト艦長は言葉を継いだ。








    「これより我々は、プロトカルチャー遺跡に・・・・・・・・・・・・“次元兵器”を投下する。」









    次元兵器(ディメンション・イーター)”―――――・・・・・・・・・・・・一年前のバジュラ戦役において開発された決戦兵器。






    これまでで最高の威力を誇る兵器は、宇宙でも使用できるように調整された核兵器である“反応弾”であった。

    だが、バローダ戦役ではプロトデビルンに、バジュラ戦役ではバジュラにそれぞれ反応弾が使用されたものの、大した戦果を挙げることは敵わなかった。






    銀河条約で使用を制限されている反応弾ではあるが、それだけでは力不足であったがために、地球人類は新たなる兵器を開発した。








    起爆の際に重量子核崩壊によって疑似ブラックホールを発生させ、威力圏内の全物質を取り込んだ後に強制フォールド、つまり、異次元へと消し飛ばしてしまう。

    この兵器はバジュラでさえも防ぐ事が出来ず、加えて未曾有の惨事も引き起こした。








    __________バジュラ戦役において陰でバジュラを操っていた、グレイス・オコナーらマクロス・ギャラクシー船団首脳部の手により、惑星が一つ、食いつぶされたのである。










    このあまりにも危険な兵器は銀河条約によって禁止され、バジュラが別次元の宇宙へと旅立った今、もはや使用されることはないはずであった。







  12. 12 : : 2016/12/22(木) 16:48:53









    「・・・・・・・・・・・・次元兵器、装填。」






    マクロス・エリシオンの船倉内では、ライト・インメルマンが黒いVF-22 シュトルムフォーゲルⅡへの兵器の装填をチェックしていた。

    そんな中、まだ若かったアラドは、上官であるライトに声を荒げて突っかかった。








    「悔しくはないのですか! ライト隊長!!」





    アラドの表情は、怒りと悔しさと悲しみとがないまぜになって、それを隠しきれないといった様子であった。

    これまで信じて従ってきた新統合軍のやり方に反発する、若き新兵のそれである。



    対して、ライトは達観したかのようにアラドを諭し始めた。









    「昨日今日に始まった話ではない、アラド。」

    「しかし!!」


    「これが・・・・・・・・・・・・地球にある統合軍本部の最終決定だ。軍人である以上、命令は絶対だ。」


    「命令だから? だからこんな非道が許されていいんですか!?」

    「アラドッ!!」








    なおも食い下がるアラドを、ライトは一喝した。

    悔しそうな表情で少しばかり後ずさるアラドに、ライトは静かに語りかけた。








    「お前はまだ若い、アラド・メルダース。お前は優秀な兵士だが、軍人にはなり切れないようだな。」

    「隊長、それは・・・・・・・・・・・・どういう意味でしょうか?」


    「その年でそう結論を焦る必要はない。いずれ決断の時は来る。その時まで、その命・・・・・・・・・・・・大切にとって置け。」








  13. 13 : : 2016/12/22(木) 16:50:28








    「ライト隊長・・・・・・―――――まさか!?」








    アラドが大声で何かを言いかけた、丁度その時であった。

    マクロス・エリシオンのブリッジに、女性オペレーターの声が響き渡る。







    「艦長、上空にデフォールド反応を確認!」

    「む!? デフォールド反応だと!?」


    「巨大な質量を持った物質が近付きつつあります!」







    艦内に警報が鳴り響く中、ブリッジから上空を見上げるアーネスト艦長。

    ウィンダミアの寒冷な青い空に、突如として紫色の光が走り、そこへ・・・・・・・・・・・・―――――――マクロス・エリシオンの倍ほどもある巨大な戦艦がフォールド・アウトしてきた。








    「あれは・・・・・・―――――――バトル級戦艦か!?」






    アーネスト艦長が声を上げると、出現した戦艦から通信が入ってきた。

    艦長が通信に出ると、青く長い髪を後ろに束ね、眼鏡をかけた男がモニターに表示された。







    『私は、バトル7艦長、マクシミリアン・ジーナスだ。』

    「マクロス・エリシオン艦長の、アーネスト・ジョンソンです。このような形で始めてお会いすることになるとは、残念です。マクシミリアン艦長。」







    恭しく頭をさげるアーネストに対し、マックスもゆっくりと頷く。







    『我々は、次元兵器の投下を全力で阻止する。そのために、私はキャリアを投げ打つ覚悟だ。』

    「・・・・・・・・・・・・やむを得ないですな。」







  14. 14 : : 2016/12/22(木) 17:45:27








    一触即発の睨み合いの中、お互いのマクロス級戦艦からバルキリー部隊が編隊を組んで発進していく。

    銃弾を撃ちあい、ミサイルを発射しあって、戦艦と戦艦の間で激しい爆発が立て続けに起こる。







    マックス「バトル7はこれよりトランスフォーメーションを行う。変形完了後、マクロス・キャノンを発射する。」

    アーネスト「マクロス・エリシオン、トランスフォーメーション開始! マクロス・キャノンのエネルギーチャージ急げ!」







    二機の巨大戦艦が、蒸気を上げてトランスフォーメーションを開始し、お互いが鋼鉄の巨人へと姿を変えていく。

    反応炉をフル稼働させ、その巨大な砲身へエネルギーを収束させていく。



    幾度も爆発が起こり、目も眩むばかりの眩しい光がブリッジに差し込む中、二人の艦長は、命令を下していく。







    アーネスト「ピンポイントバリア展開! 右斜め下に降下しつつ、マクロス・キャノンを発射!!」





    マックス「砲撃のポイントを、マクロス・エリシオンより3ポイント左斜め下に修正。」

    美穂「艦長!?」


    マックス「敵は必ずそこへ移動する! 私を信じろ!!」


    エキセドル「天才の勘というやつですな。」







  15. 15 : : 2016/12/22(木) 17:47:17








    特に指示を出さなくとも、マクロス・エリシオンの射線から退避していくバトル7。

    対して、指示通りに退避したマクロス・エリシオンは、自らバトル7の射線へと入ってしまった。






    「!! しまったっ!!」





    アーネストが声を上げた時には、もう既に手遅れであった。

    砲身の先に充填されたエネルギーが一気に放たれ、マクロス・キャノンの一筋の光は、まだエネルギーをチャージしていたマクロス・エリシオンの砲身に直撃。







    __________その瞬間、マクロス・エリシオンのブリッジにすさまじい衝撃が走り、エリシオンのマクロス・キャノンが大破した。








    「ぐうっ、これが・・・・・・・・・・・・実力の差か!」




    アーネストは何とかエリシオンの態勢を持ち直し、バトル7へ向けて攻撃をするように指示。

    右肩から黒煙を上げる機体から、大量のミサイルや銃弾が放たれる。




    そのうちの数発がバトル7に直撃して爆炎を上げるも、上空の機体はそれをものともせず、激しい銃弾やミサイルによる攻撃を加えてきた。







    「撃墜まではしなくていい。戦闘不能にまで追い込むんだ。」






    冷静な口調でマックスは命令を下す。



    往年の天才の戦術に一点の曇りなし。

    二つの戦役を潜り抜けた兵士たちの練度の高さも段違い。





    バトル7の的確な猛攻に、マクロス・エリシオンはなす術もなく後退を余儀なくされていた。







  16. 16 : : 2016/12/23(金) 22:46:04
    僕がいない内にこの作品もとうとうⅣまで来ましたか!

    ということは、Ⅴもあるのかな?

    期待しています
  17. 17 : : 2016/12/24(土) 17:13:24
    >>16
    期待&お気に入り登録ありがとうございます(∩´∀`)∩

    どこまで続くかはまだ予想が付きませんが、頑張ります!
  18. 18 : : 2016/12/24(土) 17:26:28









    「劣勢ね・・・・・・・・・・・・ウィンダミアの騎士団の戦いぶり、誇りに満ちているわ。」






    第二次防衛ラインを突破され、バトル13はいよいよ劣勢に立たされていた。

    ウィンダミアの熾烈な猛攻にバルキリー隊の足並みは乱れ、戦艦の攻撃は空を切った。


    頼みのマクロス・キャノンもエネルギーの再装填に手間取り、発射までに時間を要していた。






    つまり、マクロス・キャノンによる最初の一撃はウィンダミア人の闘志を奮い立たせ、加えて、エネルギーの再装填の必要によって守勢に回らざるを得ないという、非常に不利な状況を作り出していた。








    『どうなっている! キャビロフ中将!!』




    モニターの向こうでわめいている中将を無視し、キム艦長は複雑に動いていく戦況を分析し、必要な指示を出していく。

    戦艦をバトル13の周辺に集中させながら、少しずつ後退し、チャージの時間を稼いでいく。




    すると、この苛烈窮まる戦場に、あの男の叫び声が聞こえてきた。







    「戦いなんか下らねぇぜッ! 俺の歌を聴けぇッ!!」

    「どうやら、あの男が来たようね・・・・・・。」







    モニターに映る赤い機体、白とピンクの機体、緑と黒の機体を眺め、笑みを浮かべるキム艦長。


    戦場に響き渡るは『Planet dance』――――・・・・・・・・・・・・FIRE BOMBERのデビュー曲であり、彼らを代表する曲の一つ。








    「ぐう、来たか・・・・・・歌う愚か者め!!」

    「し、刺激的すぎる!!」





    熱狂的なビートが戦場に響き渡り、グラミアをはじめとするウィンダミア人の戦意を挫いていく。








    「サウンド・ブースター・・・・・・・・・・・・発進!!」





    バトル13から三機のブースターが発進し、背中にそれぞれ合体する。

    三機のブースターが一斉に起動し、それぞれの巨大なスピーカーから歌ビームが放たれる。




    三本のオレンジに輝く光はまっすぐ上空へと飛んでいき、散開してウィンダミアの兵士たちへと降り注いでいった。







  19. 19 : : 2016/12/24(土) 17:27:18








    『今が好機だろう? なぜ敵を撃ち落とさない!?』




    敵の戦意が挫かれていくのを見て、中将が喚くも、キム艦長は取り合わなかった。






    「この戦い、私たちに大儀がないわ。大儀のない戦いに、無駄な犠牲など出すつもりなんてない。」

    『ぐっ。』






    キム艦長にぴしゃりと言い切られ、中将は顔を歪めて通信を切った。

    ため息をつき、キム艦長はぼそりと呟いた。






    「さて、これが私の最後の戦いとなるかしら。」



    「!? 艦長!?」

    「それってどういう?」






    だしぬけに放った言葉に動揺するオペレーターをよそに、キム艦長は覚悟を決め、深々と息を吸う。

    ふぅと息を吐き出してから、艦長は命令を下した。







    「現在、バトル7が次元兵器を積んだマクロス・エリシオンを足止めしている。」

    「!! 艦長、まさか!?」



    「後は次元兵器がライト・インメルマンによって遠くに持ち去られる手筈になっているわ・・・・・・。

    次元兵器の投下は、何としても阻止するわよ。」







    キム艦長がそう言い放った瞬間だった。








    __________遠くから、響き渡る爆音。



    バトル7がちょうどマクロス・キャノンを発射し、マクロス・エリシオンの砲身を破壊した音が響き渡ってくる。








    キム・キャビロフとマクシミリアン・ジーナス。




    ・・・・・・・・・・・・―――――――二人のキャリアを投げ打った、決死の作戦の狼煙が今、上がった。







  20. 20 : : 2017/01/05(木) 11:40:37









    マクロス・キャノンの一撃が、再び戦場を揺るがす。








    「な、何だ!?」

    「何? 何が起こったっていうの?」







    突如として聞こえてきた爆音に、演奏を中断するバサラとミレーヌ。




    熱いビートが途切れたことに、ウィンダミアの騎士たちもかえって困惑。

    グラミアはそのルンに、激しい嵐の予感を感じ取っていた。






    「この不吉な風は・・・・・・いったい何なのだ。」





    百戦錬磨のグラミアも困惑を隠せず、激しい爆発があった方を眺める。

    誇り高い王のその鋭い目に、バトル13とは別の巨大なマクロス級戦艦の、下方へとミサイルや弾丸を撃ちこんでいる姿が飛び込んできた。






    「どういうことだ。あそこには・・・・・・何もなかったはず?」






    グラミアは一瞬思案し、状況を悟った。


    峰々に隠れて見えない真下には恐らく、統合軍の軍勢・・・・・・・・・・・・。






    (なるほど・・・・・・・・・・・・彼らも一枚岩ではないということか。)






    冷静に状況を見極めつつ、爆音の響き渡った方角へと、戦闘機形態でバルキリーを走らせる。

    風雲急を告げる中、ガムリンは急峻な山々の向こうに、強攻型となって銃弾の雨を降らせるバトル7の姿を認めた。







    「あれは・・・・・・・・・・・・バトル7!? なぜここに!?」





    状況が呑み込めずにガムリンが困惑する中、真紅のバルキリーが戦闘機形態へと変形して飛び出していく。

    それは、バチバチと焚き火から噴き出す火の粉のように、弾けては飛び出していく一筋の炎のごとくであった。






    「!! どこへ行く!? バサラ!!」

    「決まってんだろ!? 俺の歌を聴かせに行くんだよ! 風向きも変わったみたいだしな!!」






    ウィンダミア人がよく使う風のたとえを織り交ぜながら、新たな戦場へと飛び出していくバサラ。

    ミレーヌとレイは半ばあきれながら、しかし、どこか嬉しそうに呟く。





    「んもう、バサラはいつまでたってもバサラなんだから!」

    「俺たちでバサラを援護するぞ、ミレーヌ。」







    飛び出していくバサラ機を、戦闘機形態へと変形して追いかけるガムリン機。

    その後ろを、やはり戦闘機形態で追いかけるミレーヌ機とレイ機。



    バトル7と交戦するマクロス・エリシオンを視界に捉えながら、バサラは再び大声で叫んだ。








    「最高に熱いやついくぜッ! ルンピカファイヤー!!」










  21. 21 : : 2017/01/05(木) 11:42:16
















    「・・・・・・・・・・・・いよいよか。」





    爆発によって大きく揺れ、パラパラとホコリが落ちてくるマクロス・エリシオンの艦内。

    時折大きな揺れとともに照明が一瞬落ちては点く。





    ほとんどのバルキリーが出撃し、人気のない格納庫の中に佇む、一機の黒い翼。






    シュトルムフォーゲルⅡのコクピットの中で、ライト・インメルマンは静かに、モニターを眺めながら機体の状態をチェックしていた。


    この機体の中に積まれているのは・・・・・・・・・・・・――――――次元兵器。






    ライトは統合軍本部の中将から、密命を受けていた。



    その密命とは・・・・・・・・・・・・――――――最近発見され、敵の手に落ちたプロトカルチャー遺跡を、王都ダーウェント共々次元兵器で吹き飛ばす事。







    ライトは、はぁと小さくため息をつく。






    __________手に入れる事が出来なければ消す。





    これは何も昨日今日に始まった話ではない。

    統合政府の黎明期―――――・・・・・・・・・・・・反統合政府軍との統合戦争の時でさえ、プロトカルチャーの遺物である鳥の人をマヤン島もろとも消し去ろうとしている。






    「歴史は・・・・・・・・・・・・繰り返すか。」





    覚悟を固め、ライトは操縦桿とスロットルを汗ばんだ両手で握る。




    不意に、ライトは歌を口ずさみ始めた。

    この戦争が始まってから、ずっとその歌を聞かされてきたあの男の新曲――――・・・・・・・・・・・・『Magic rhapsody』







    するとどうしたことだろう。


    艦の外から、バサラとミレーヌの歌声が響いてくるのが、ライトの耳にも聞こえてきた。







    「歌っているな・・・・・・・・・・・・熱く、激しく・・・・・・。」





    ライトは目を瞑り、思いを馳せる。

    瞼の裏に映るのは、故郷に残してきた妻と、息子(ハヤテ)の幼い姿。










    「・・・・・・・・・・・・待っていてくれ。」




    目をカッと見開き、操縦桿とスロットルを握る両手に力を籠め、黒い翼は格納庫から発進した。








  22. 22 : : 2017/01/15(日) 14:52:21







    戦場を駆ける真紅のバルキリー。

    その後ろを駆けるミレーヌ機とレイ機。



    そこから溢れ出さんばかりの熱い血潮は、バトル7のブリッジからでも確認できた。





    「艦長! 熱気バサラです!!」

    「来たか・・・・・・・・・・・・バサラ。」





    バトル7とマクロス・エリシオン―――――・・・・・・・・・・・・二つの巨大な戦艦が激しい火花を散らす中を掻い潜り、バサラは戦場に向かい、声を張り上げた。





    「戦いをやめて、俺の歌を聴きやがれぇ!!」




    後から追いかけてきたレイとビヒーダが熱いビートを刻み、バサラとミレーヌがその渾身の歌唱を披露する。

    魂を振り絞るような絶唱で、二人は『Magic rhapsody』を歌いだす。



    バサラとミレーヌの歌う比重がちょうど同じの、FIRE BOMBERとしては珍しい楽曲。






    「バサラ、ミレーヌ・・・・・・・・・・・・この戦いを止められるのは、お前たちだけだ。歌え、思いっきり・・・・・・。」



    ここまで全力で戦い抜いてきたガムリンが独り言をつぶやき、FIRE BOMBERの背後に控えて護衛に回る。

    とはいえ、統合軍同士の争いとなっているこの戦場では、バサラに攻撃をしようとするものは現れなかった。






    さて、グラミアに従ってここまでついてきた空中騎士団のメンバーは、この状況にひたすら困惑していた。





    「陛下。この状況はいったい・・・・・・。」

    「穢れた風共め・・・・・・・・・・・・このウィンダミアの空を、穢しやがって!」





    部下たちの通信を聞いて、グラミアは、静かに命令を下す。

    その命令は、部下たちの予想を覆すものであった。





    「我が翼に誇りを持つ騎士たちよ。あの・・・・・・・・・・・・熱き風を持つ大馬鹿者を援護せよ。」







  23. 23 : : 2017/01/15(日) 14:53:54







    「陛下!?」

    「それは、どういう思し召しで!?」




    どう判断していいのか迷うばかりの部下たちに対して、グラミアは決然として言い放つ。





    「ここは、我らの故郷だ。かの新統合政府の思惑に、我らの風をこれ以上穢させるわけにはゆかぬ。まずはこの戦いを終わらせる。そのための布石だ。」





    グラミアの口調には、有無を言わさぬ王としての威厳が備わっていた。

    しかしながら、決して冷然としているわけではなく、どこか熱を帯びたような、そんな口調であった。





    (これで、舞台は整った。お前の歌の力・・・・・・・・・・・・今一度見せてみろ。熱気バサラ。)





    グラミアは笑みを浮かべ、真紅のバルキリーを見上げる。

    ここに来て、グラミアの脳裏には、散々苦しめられた熱いビートの数々が、花火のような輝きをもって蘇っていた。






    その時だった―――――・・・・・・・・・・・・


    マクロス・エリシオンから、黒い翼が、勢いよく飛び出したのは・・・・・・・・・・・・。















  24. 24 : : 2017/01/15(日) 16:10:32
    ki ta i sien☆
  25. 25 : : 2017/01/22(日) 14:33:38
    >>24
    あざッス(*´▽`*)
  26. 26 : : 2017/01/22(日) 14:34:19










    「キム艦長! マクロス・エリシオンの艦内から、ライト機が飛び出しました!」

    「いよいよね・・・・・・。」





    ライトと事前に示し合わせていたキムもまた、オペレーターたちと同様に緊張の表情を浮かべる。

    祈るような気持ちでモニターを見つめるキム艦長。





    『キム艦長・・・・・・。』

    「!?」




    とここで突然、モニターが切り替わる。

    映し出されたのは、統合軍本部の、あの憎き中将であった。





    『あなたの企みも、ここまでですな。』

    「何の真似かしら? 中将さん?」


    『ふっ、相変わらずさばさばと抜け目のないことだ、キム艦長。』





    底意地の悪い笑みを浮かべ、キムをあざ笑う中将。

    まるでお前の考えていることなどお見通しなのだと言わんばかりに、横柄な口調なのがキムの癇に障った。




    「今忙しいのよ。後にしてくれるかしら?」

    『そうは参りますまい。ご命令通りに次元兵器を落とすのを見届けるまでね。』





    すると、オペレーターの一人から、うわずった声が上がった。





    「艦長! ライト少佐と連絡が取れません!!」

    「何ですって!?」


    『ご安心を。ライト少佐とは、こちらが直接連絡を取っています。きっちりと任務をこなせるようにね。』






    その話を聞いて、思わずひじ掛けをバンと叩くキム。

    眉間にしわを寄せ、体をわなわなと震わせる艦長とは対照的に、中将は冷酷な笑みを浮かべていた。





    「謀ったのね・・・・・・よくも。」

    『人聞きの悪い。“ファルコン2”はしっかりと任務をこなしている。あなたと違ってね。』





    当てつけに独自のコードまで披露する中将に対し、キムの怒りは頂点に達した。





    「あんたってやつは・・・・・・・・・・・・人の心がないのかッ!!」

    『ふん。貴様が私と同じ階級でなかったら、即座に罰してやるところだがな。』





    吐き捨てるように言うあたりに、中将の本性が表れていた。







  27. 27 : : 2017/01/22(日) 14:55:46








    『ファルコン2、そのままコースを維持せよ。』




    統合軍の地球本部から入ってくる通信に耳を傾けるライト。

    オペレーターの声が変わったのを聞き、ライトは、統合軍本部の作戦が始まったことを感じ取っていた。



    その時、ライトは・・・・・・・・・・・・コクピットに張った、二枚の写真に目を落とした。




    そのうちの一枚には一人の女性が。

    そしてもう一枚には、ライトに肩車される男の子が映し出されている。





    (アサヒ・・・・・・ハヤテ・・・・・・・・・・・・俺は・・・・・・・・・・・・。)





    刹那、目を瞑るライト。


    その時、耳に入ってきたのは、バサラとミレーヌの歌う『Magic rhapsody』―――――・・・・・・・・・・・・






    (・・・・・・・・・・・・絶対に、穢れた銃を撃たせはしない!!)






    やがて、再び目を見開いたライトは、意を決したように操縦桿を切った。














  28. 28 : : 2017/01/22(日) 15:00:46








    以下の録音は西暦2068年に、戦術音楽ユニット、ワルキューレのメンバーであるレイナ・プラウナーによって解析された、フライトレコーダーの記録である。







    『ファルコン2。進路を外れている』

    『こちらファルコン2。乱気流が発生している。迂回して目的地を目指す!』





    (前者はオペレーターの声と推測され、後者はライト・インメルマンの声と推測される。

    また、エンジンの轟音に紛れて聞こえてくる演奏は、FIRE BOMBERのものと思われる。)





    『衛星で確認したが乱気流は認められない。ルートを元に戻せ。』

    『おかしいな・・・・・・もう一度。』


    『いや待て。敵機が2機向かっている。速やかに王都ダーウェントの遺跡に向かえ。』




    (敵機と思われるエンジン音。)




    『まだだ・・・・・・もっと遠くに向かえ・・・・・・。』




    (機体の操縦が遠隔操作に切り替わる。次元兵器投下の準備が始まる。)









    『帰るって約束、守れそうにない・・・・・・。悪いな、アサヒ・・・・・・ハヤテ・・・・・・・・・・・・。』







    (巨大な爆発を思わせる轟音。

    そして、墜落を思わせる轟音が響く。)









    ______________記録終わり










  29. 30 : : 2017/01/23(月) 10:05:21











    一人の少女(フレイア)が、一人のリンゴ農家(カシム)が・・・・・・・・・・・・その光景を目撃した。








    戦闘空域からは離れていたはずのカーライル地方。

    統合軍の駐屯地があった場所に、黒い嵐が吹き荒れた。



    巻き込まれた駐屯基地は異次元に飲み込まれ、跡形もなく消滅した。

    その爆風はすべてを吹き飛ばし、近くの村やリンゴ畑に甚大な被害をもたらした。






    そして、ウィンダミアの神聖な大地に、えぐられたような、巨大な円形の爪痕が残った。







    この惨事は後の世に、こう言い伝えられることとなる。







    _____________カーライルの黒い嵐と・・・・・・・・・・・・












    その嵐は人間と、ウィンダミア人との間に、決定的な溝をもたらした。

    が、そのあまりの被害の甚大さから、双方がなし崩し的に停戦を余儀なくされた。




    こうして、第一次ウィンダミア独立戦争は双方に癒しがたい傷を残し、最悪の形で終結を迎えたのである。







    ――――――――

    ―――




    ――――――
    ―――――――――



    ―――



    ―――――――








  30. 31 : : 2017/01/23(月) 10:09:17











    カーライルの黒い嵐がもたらした大地の裂け目に、稲妻が走っている。









    時空のひずみによって発生する稲妻は、この裂け目が出来て以来、止むことがなかった。







    その裂け目を前に、地球人類とウィンダミア人の、二人の男が佇んでいた。



    一人はとんがった頭にタングトップにジーンズ、丸い眼鏡をかけた男で、ギターを背負っている。

    そしてもう一人は、ウィンダミアの格式ばった白騎士の衣装を身にまとった男であった。






    バサラはその場に胡坐をかくと、ギターを片手に歌い始める。



    彼の歌う『Waiting for you』は、これまでグラミアが聞いたことがないほど悲しいものであった。












    やがて、バサラが歌い終わると、グラミアは静かに頭を下げた。



    普段の王らしい威厳ではなく、あくまで一人のウィンダミア人として、率直にバサラへと語り掛ける。

    敬意を払いつつも、消えない憎悪を、言葉に宿しながら。





    「歌う愚か者よ。お前の歌は・・・・・・・・・・・・確かに我々ウィンダミアの風にも届いていた。

    我々は、この傷を忘れることは出来ん。だが、同じように、お前の風も忘れはしないだろう・・・・・・・・・・・・。」






    それからグラミアは大地に残された傷跡を見つめた。



    時空がひずみ、激しく逆巻く風を二つのルンに感じ取って、グラミアは踵を返すと、静かに歩いて去っていった。














    それから暫くして、FIRE BOMBERは新しいアルバム―――――――Re.FIRE!!を発表した。


    それ以降のFIRE BOMBERの活動は、知られていない。










                   to be continued to MACROSSΔ









  31. 32 : : 2017/01/23(月) 10:15:35
    以上で、MACROSS7 ~Re.FIRE!!~は終了になります。


    最終話に時間がかかってしまって、かなりお待たせすることになってしまって申し訳ないです(;´・ω・)

    最終的にマクロスΔへと話をつなげようと、かなり頑張りました。



    ようやく書き切ってホッとしていますが、ハッピーエンドではく、もやもやするようなエンドになったかなというのが率直な感想です。


    皆さまからの感想をいただけたら幸いです。




    最後に、ここまでお付き合いいただいた読者の皆様に、この場を借りてお礼を申し上げます。


    ありがとうございました!!!




  32. 33 : : 2020/10/26(月) 14:19:24
    http://www.ssnote.net/users/homo
    ↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️

    http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
    ↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
    ⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️

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    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
    10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
    みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
    今回は誠にすみませんでした。


    13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
    >>12
    みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
    現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました

    私自身の謝罪を忘れていました。すいません

    改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
    今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
    あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
    SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
    本当に今回はすみませんでした。




    ⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️

    http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi

    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️

    56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ごめんなさい。


    58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ずっとここ見てました。
    怖くて怖くてたまらないんです。


    61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
    お願いです、やめてください。


    65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    元はといえば私の責任なんです。
    お願いです、許してください


    67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    アカウントは消します。サブ垢もです。
    もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
    どうかお許しください…


    68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    これは嘘じゃないです。
    本当にお願いします…



    79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ホントにやめてください…お願いします…


    85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    それに関しては本当に申し訳ありません。
    若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
    お願いですから今回だけはお慈悲をください


    89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    もう二度としませんから…
    お願いです、許してください…

    5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
    ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
    本当に申し訳ございませんでした。
    元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
    私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
    今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。

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hymki8il

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MACROSS 7 ~Re.FIRE!!~ シリーズ

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