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この作品は執筆を終了しています。

MACROSS 7 ~Re.FIRE!!~

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  1. 1 : : 2016/11/23(水) 14:08:59
    ご無沙汰しております、進撃のMGSです。

    今回は珍しく、進撃と他作品のコラボから離れ、最近好きになったマクロスのSSを執筆してまいりたいと思います。



    よろしくお願いします<m(__)m>
  2. 2 : : 2016/11/23(水) 14:10:34












    2009 第一次星間戦争


    2045 バローダ戦役
    2059 バジュラ戦役


    2060 ウィンダミア第一次独立戦争


    __________FIRE BOMBER、新アルバム、Re.FIRE!!発表







  3. 3 : : 2016/11/23(水) 14:11:38
    ききききききキマシタワーッッッッッ!
    キマシタワーの建設を急げ!興奮がやまない!(^ω^)ペロペロ!
    期待っ!
  4. 4 : : 2016/11/23(水) 14:12:30
    >>3
    期待ありがとうございます(*´▽`*)
  5. 5 : : 2016/11/23(水) 14:13:16








    「やっと! やっとこの日がやってきたぞぉ!!」



    民間軍事プロバイダー――――――S.M.S

    そこに所属するスカル小隊の隊長、オズマ・リーは外に出るなり、声を張り上げて目の前の道を走り始めた。









    __________西暦2060年




    バジュラ戦役が終結し、第25次新マクロス級移民船団であるマクロス・フロンティアが、バジュラ本星へと入植を開始してから一年が過ぎ、もうすぐ二年が過ぎようとしていた頃・・・・・・・・・・・・。







    「んもう、お兄ちゃんったら、あんなにはしゃいじゃって・・・・・・。」





    オズマの妹であるランカ・リーはため息をつき、窓の外を走って遠ざかっていくオズマの後姿を眺めていた。

    とそこへ、緑色の体を持った小さな生物がランカへと近づいてきた。



    足元へとすり寄ってきた小さな生物の顎をランカが撫でまわすと、その生物は嬉しそうに目を細めた。





    「でも、無理もないよね、アイ君。だって・・・・・・・・・・・・今日はFIRE BOMBERの新アルバムが発売される日なんだもんね!

    そういえばシェリルさんも、すっごくはしゃいでたんだよ?」





    ランカは嬉しそうにそうつぶやくと、意気揚々と鞄を持って玄関へと移動する。

    振り返って、少し寂しそうにしているアイ君に手を振った。





    「じゃあ、行ってくるね、アイ君!!」







    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  6. 6 : : 2016/11/23(水) 14:27:28









    __________約八ヶ月前






    雪の降りしきる白銀の大地に舞い降りる黒い翼。




    漆黒のVF-22――――――三つの形態変化が可能な可変戦闘機(バルキリー)

    戦闘機モードの機体の中から、藍色の髪を持つガタイのいい男が降りてきた。





    「ふう。雪は・・・・・・・・・・・・白いな。」




    銀河の辺境、ブリージンガル球状星団、惑星ウィンダミアⅣ。

    その地表の大半が急峻な山岳地帯となっており、雪疵がまるで、白い牙のように天へと突き出している。





    「うう、ライト隊長。やはりここは寒いですね。」




    後から降りて来た赤と緑の二色ラインのバルキリー――――隊長と同じく戦闘機モードのVF-22から降りてきたのは、まだ統合軍にいた頃の、若きアラド・メルダース。

    アラドは体を震わせ、彼の慕う上官に向かって堪らなそうに話しかける。



    すると、その上官――――・・・・・・・・・・・・ライト・インメルマンは、笑いながら答えた。





    「いい思い出話になりそうだな。」

    「そういえば隊長には息子さんがいらっしゃいましたね?」


    「ああ。今年で10歳になる。この任務が終わったら、また会いに行くつもりだ。」





    ライト隊長は目を細め、懐から写真を取り出した。



    そこには、一人の男性に肩車されて、嬉しそうにはしゃいでいる子供が写っていた。

    青い髪を持った男の子は、嬉しそうに両手を広げている。






    「・・・・・・・・・・・・ここ何年も会ってないからな。待っていてくれ、ハヤテ・・・・・・。」





    ライトはそうつぶやくと、気を引き締めて任務の遂行にあたり始めた。





  7. 7 : : 2016/11/23(水) 14:34:11







    ライト・インメルマンに課せられた任務。

    それは――――・・・・・・・・・・・・偵察であった。






    __________地球統合政府とウィンダミアとの間には、不平等条約が存在した。






    大規模な地球人移民計画――――――その計画の一環として惑星ウィンダミアⅣに偶然着艦したメガロード4。

    その中に乗っていた人類と初めて、ウィンダミア人は交流を持った。



    だが、この交流は、あまり良い結果をもたらしているとは言えなかった。

    というのも、前述の不平等条約に加え、ウィンダミア人が自分の寿命の短さを嘆くようになってしまったからだ。






    ウィンダミア人の平均寿命は約30歳前後。





    それは平均して80年もの時を生きる人類と比べ、あまりにも短いものだった。

    さらに、この惑星から産出する貴重な鉱物――――――――フォールド・クォーツの搾取が憎悪に拍車をかけた。



    そして、その憎悪は軋轢となり、局地的にはバルキリーによる衝突行為も頻発するようになっていた。






    統合軍偵察部隊、ライト・インメルマンとその部下のアラド・メルダースは、ウィンダミアの辺境にて不穏な動きがないかどうか、偵察を行う任務を担っていた。








    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  8. 8 : : 2016/11/23(水) 14:45:38
    期待です!!(^_^)
  9. 9 : : 2016/11/23(水) 14:50:10
    >>8
    期待ありがとうございます(∩´∀`)∩
  10. 10 : : 2016/11/24(木) 01:27:32













    「へへ、ここがウィンダミアか・・・・・・。」





    寒冷窮まるウィンダミアの空を飛ぶ一筋の炎。

    赤と白のツートンカラーのバルキリーは、黒と白の雪を頂いた急峻な峰、凍てつく青空の中にあって、抜群の存在感を放っていた。




    VF-19P―――・・・・・・・・・・・・惑星ゾラのパトロール隊から勝手に拝借したバルキリー。

    ただでさえ操縦の難しさで知られるそれを、この男は何と、操縦桿にギターを押し当て、意のままに操縦していた。






    __________伝説のロックバンド、FIRE BOMBER





    そのリードギターにして、メインボーカル。

    バローダ戦役において、歌で戦争を終わらせた過激なロッカー。






    銀河一の大馬鹿野郎――――・・・・・・・・・・・・熱気バサラ。







    バローダ戦役の一年後に、マクロス7船団から姿を消し、放浪の旅に出たバサラは、銀河の辺境にあるブリージンガル球状星団の中でも、さらに辺境にある惑星ウィンダミアⅣへと流れついた。

    今年で36歳になるこの男は、しかし、老いの影など微塵も感じられず、天才マックスや撃墜王ミリアと同じように、若々しい青年といった見た目も変わっていなかった。




    飽くなき歌への情熱も衰えることなく、年取ってなお意欲は燃え盛るばかり。


    初めてみるウィンダミアの風景に刺激され、熱気バサラは丸い眼鏡の奥にある瞳の中に炎を燃やし、大声で叫んだ。





    「なかなかいいところじゃねえか! よぉし、山よ、俺の歌を聴けぇ!!」




    ギターをかき鳴らし、バサラはその魂から噴き出す熱い炎の如き声で歌い始めた。







  11. 11 : : 2016/11/24(木) 09:56:29












    「・・・・・・・・・・・・何だ、この・・・・・・熱い風は?」




    その歌声は、丁度訓練を行っていたウィンダミアの騎士たちの耳にも届いていた。

    いや、正確に言うと、音楽を、その魂を感じ取っていた。





    「くそぉ。このウィンダミアの空を汚しやがって!!」

    「人間め、舐めた真似を!!」





    ウィンダミア独自の白のバルキリー――――・・・・・・・・・・・・Sv-131、通称ドラケンⅡに乗り、実践さながらの訓練を行っていた騎士たちが憤る中、ある一人の騎士は動揺を感じていた。

    騎士たちの風が逆巻いていく中で、一人だけ、バサラの巻き起こす熱風を感じ取っていたのは・・・・・・・・・・・・当時“ダーウェントの白騎士”も務めていたウィンダミアの王、グラミア・ネーリッヒ・ハインツ。



    齢は既に28歳と、当時としても高齢だったグラミアは、長い白髪の前髪の先についている二つの赤いひし形のルンを輝かせ、その熱風の持ち主を観察していた。






    (まるで、溶岩のような、弾丸のような・・・・・・・・・・・・怒涛の熱風だ。このウィンダミアの雪さえも溶かしかねん。)





    グラミアが一人思索にふけっていると、仲間の騎士たちが一斉に熱風の吹き荒れる方向へと飛んでいく。

    憎悪に駆られた騎士たちは、ウィンダミアの風を穢している熱風を止めようと、まっすぐに加速していく。





    「・・・・・・・・・・・・やむを得んか。」




    いずれ、人類とは戦争になる・・・・・・・・・・・・。


    戦いの時が近付いていると感じたグラミアは、せめて熱風を巻き起こしている人間を追い払おうと、操縦桿に力を込めた。







  12. 12 : : 2016/11/24(木) 10:02:33













    「へへ、今日もいい感じだぜ。」





    そんなこととは知らないバサラは、上機嫌でギターを弾きながら、熱い魂を歌に込めていく。

    ギターの弦になっている銀河クジラの髭は今日も、バサラの思い描く通りのメロディを奏でていく。



    その熱き弾丸のような歌は、しかし、外的要因によって中断を余儀なくされた。













    __________突如、コクピットの中に鳴り響く警告音。







    「な、なんだ!?」



    驚いたバサラがコクピットから外を眺めると、ウィンダミアの騎士たちの駆る白いドラケンⅡが飛来してきた。





    「穢れた風め! これでも喰らえ!!」



    統率のとれたウィンダミアの騎士たちのドラケンⅡから、無数のミサイルが放たれる。

    様々に複雑な軌道を描くミサイルの群れは、赤と白のツートンカラーのバルキリーめがけて飛んでいく。





    「へっ、上等じゃねえか!! 俺の歌を聴けぇ!!」




    バサラは叫び、ギターでレバーを押し込む。


    刹那――――――――――ツートンカラーの戦闘機が変形し、真紅の人型ロボット(バトロイド)形態へと変化した。






  13. 13 : : 2016/11/24(木) 10:05:02









    緑色のツインアイを光らせ、口のついたVF-19Pのバトロイド形態。

    バサラは操縦桿にギターを押し当て、華麗にミサイルを回避していく。



    その動きは騎士たちの予想をはるかに上回り、ドラケンⅡの攻撃が当たらないどころか、かすりさえもしない。








    「なっ、なんだあの動き!?」

    「くそぉッ!!」





    信じられない技巧の連続に、騎士たちが目を見張り、あるいは憤る中、グラミアはほかの騎士たちとは別の処で驚愕の念を隠せなかった。








    (あのパイロットは・・・・・・・・・・・・あれだけの動きをしながら、熱い風を巻き起こし続けているとでも言うのか!?)







    そう、熱気バサラは一切攻撃をしようとせず、ミサイルや銃弾を躱しながら、ギターをかき鳴らして歌い続けていたのである。




    バサラの乗るVF-19Pは、なんと武装の類をほとんど装備していない。

    積んでいるものといえばスピーカーポッドや、時空共振スピーカーユニットなど、場所を選ばず相手に歌を聴かせるためのものばかり。




    敵も味方もない――――――バサラにとって戦場は、相手に歌を伝えるための、命がけのステージなのである。







    間もなくほかの騎士たちも、バサラの駆るVF-19Pがただの民間機であること。

    そして、戦う意志はなく、ただ自分たちに歌を聴かせるためだけに飛んでいることに気が付いた。







    「なぜ、あの機体は攻撃してこないんだ!?」


    「なんて熱い、風だ・・・・・・!」

    「ぐっ、穢れた・・・・・・風め、退去しろ!!」







    だが、既に振り上げてしまった拳を上手く降ろす事が出来ず、騎士たちはバサラを追い払うためにミサイルや銃弾を撃ち続けることしか出来なかった。

    対してバサラも、さらに魂を燃え上がらせ、熱く激しく歌を聴かせ続ける。








    熱気バサラの『弾丸ソウル』は、攻撃を続ける騎士たちの心にさえ、刺さり始めていた。








    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  14. 14 : : 2016/11/24(木) 17:33:59









    「何だって? バサラの歌エネルギーが? 本当なのか、千葉?」






    バサラの発する歌エネルギーは、銀河の辺境から遠く、銀河の中枢へと旅を続けている第37次超長距離移民船団―――――マクロス7へと届いていた。



    未だ移民の途中であり、巨大なドーム型の居住艦であるシティ7。

    その中に住む地球人やゼントラーディ人が居住可能な惑星を求め、銀河を彷徨っているマクロス7船団。





    銀河では何が起こるかわからない。








    2045年―――――――バローダ戦役。





    新天地を求め、長い長い航行を続けていたマクロス7船団に、突如として襲い掛かってきた知的生命体、プロトデビルン。

    やがて、マクロス7船団と七体のプロトデビルンとの争いは、ほかの全生命体の命運を賭けた死闘へと発展していく。






    その戦いを終わらせたのは・・・・・・・・・・・・“歌”であった。







  15. 15 : : 2016/11/24(木) 17:36:12









    居住艦、シティ7の先には、1500mもの巨大さを誇るマクロス級戦艦―――――――バトル7が接続している。


    そのバトル7の一室に、ドクター千葉の研究室は存在した。






    千葉に呼び出された軍人―――――――ガムリン木崎は、歌の持つエネルギーを研究する千葉からの報告を聞き、思わず声を上げた。







    「ああ、間違いない、ガムリン君。とても微弱なものだが、間違いなくこの歌エネルギーはバサラ君のものだ。」






    千葉は確固とした様子で言葉を継ぐ。




    千葉の完成させたサウンドエナジー理論に基づく計器は、確かにバサラのものと思われる歌エネルギーをキャッチしていた。

    が、バサラのものの割には、あまりにも貧弱だ。


    よほど遠くにいるのだろう・・・・・・・・・・・・ガムリンは頭を振って、それから千葉に尋ねた。







    「千葉、バサラが今どこにいるのか、分かるか?」

    「ああ、勿論だ。そうでなければ君を呼んだりはせんよ。」


    「それで、今バサラはいったいどこにいるんだ?」






    すると、千葉は一瞬ためらった後、言葉を漏らすように呟いた。







    「バサラ君は今・・・・・・・・・・・・ブリージンガル球状星団、惑星ウィンダミアⅣにいる。」








  16. 16 : : 2016/11/24(木) 17:37:16








    「なに!? よりによってウィンダミアだと!?」


    その名前を聞いて、ガムリンははっとした。







    ウィンダミアといえば、地球人とウィンダミア人との対立が激化している地域・・・・・・・・・・・・。

    その情報は、バトル7の艦長であるマクシミリアン・ジーナスを介して、ガムリンの耳にも入っていた。







    ガムリンの脳裏に、15年前の光景が蘇る――――・・・・・・・・・・・・

    戦場のただなかで、プロトデビルンたちに歌を届けようと、真紅のバルキリーの中で熱唱していた男の姿。






    不吉な予感に駆られたガムリンは、同じく深刻そうな顔をしている千葉に向かって呟いた。








    「バサラのことだ。ウィンダミア人にも歌を聴かせようとするんだろうが・・・・・・・・・・・・無茶をするなよ、バサラ。」








    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  17. 17 : : 2016/11/24(木) 22:35:35









    「隊長! この音は!?」





    ウィンダミアの空を偵察を兼ねて飛んでいたアラドは、遠くから聞こえてくる音に気が付いた。

    ライトもまた、異変を察知して、聞こえてくる音に耳を傾ける。



    だが、聞こえてくる音は、普通だったら絶対に結びつくはずのないものであった。






    「アラド、俺の聞き間違いか?」

    「隊長?」


    「爆発音の中から聞こえてくるのは・・・・・・・・・・・・“歌”か!?」






    通信機越しに、ライトとアラドは顔を見合わせる。

    ともかく、普通じゃ考えられない事態が起きていることだけは確かなようで、数秒の後、ライトとアラドは音のするほうへと操縦桿を切った。









  18. 18 : : 2016/11/24(木) 22:36:20










    「なぜ・・・・・・なぜ攻撃が当たらない!?」

    「なぜ歌う!? 穢れた風めッ!!」






    ウィンダミアの騎士たちは、苛立っていた。





    とんでもなくピーキーなVF-19Pで、しかもギター越しに操縦している熱気バサラに攻撃が当たらないから。

    それもあったのだが、それよりも、バサラの歌が騎士たちを揺り動かし始めていたから。



    憎むべき人間を心の底から憎み切れない・・・・・・・・・・・・相反する二つの感情を騎士たちは感じ、それは彼らを苛立たせていた。







    (この私が・・・・・・・・・・・・感動しているというのか!? あの熱い風に!?)





    ここに至ってグラミアは、操縦桿を握っている自分の手が震えていることに気が付いた。

    説明のつかない感情の揺らめきに戸惑うグラミア。






    「ぐぅ、そんなことが・・・・・・・・・・・・あってたまるものか!!」



    動揺したグラミアは、普段の彼に似ず、通信機に向かって大声で叫んだ。







    「お前は・・・・・・・・・・・・お前は何者だッ!?」








  19. 19 : : 2016/11/24(木) 22:39:33







    演奏がちょうど間奏に入り、バサラはギターをかき鳴らしたまま、グラミアの叫びに応える。

    常に落ち着いているはずのグラミアが叫び声をあげたのに動揺する騎士たちを尻目に。







    「俺は――――・・・・・・・・・・・・」




    グラミアの叫びに応じるバサラの叫び声は、しかし、続くことはなかった。









    『警告する! 今すぐ民間機への攻撃を中止せよ!!』





    ウィンダミアの寒冷な空を切って乱入してきたのはバサラとグラミアの間に入ってきたのは、黒と、赤と緑のカラーを持つ二機のバルキリー。

    機体には、地球統合政府の紋章。



    統合政府偵察部隊であるライトとアラドが、ウィンダミアの騎士団に襲われているバサラを救出すべく、警告を出してきたのである。








    「!! あれは・・・・・・・・・・・・くっ、地球人め!!」

    「今すぐ撃ち落としてやる!!」






    ライトとアラドの登場は、騎士たちの揺らいでいた憎悪に再び油を注いだ。

    統率を失っていたドラケンⅡが左右に展開し、そして・・・・・・・・・・・・ミサイルと銃弾の雨を二機のバルキリーに降らせ始める。






    「!? ライト隊長!!」

    「・・・・・・・・・・・・仕方ない!!」





    二機のバルキリーもまた散開し、それぞれがバトロイド形態へと変化。

    ライトがミサイルを放って騎士たちを攪乱し、アラドが浮足立ったドラケンⅡを狙ってレーザーを掃射する。






    凍てつく上空は敵味方入り混じり、銃弾の飛び交う混沌とした戦場と化した。








  20. 20 : : 2016/11/24(木) 22:40:53









    「このウィンダミアの空を、穢させはせん!」





    グラミアのドラケンⅡはバトロイド形態のまま、空に見事な弧を描き、二人の攻撃を躱しつつ、反撃の銃撃を加えていく。

    グラミアの視界が反転し、地面が真上にやってくる。






    それは・・・・・・・・・・・・二人のバルキリー乗りが驚愕するほどに、美しい軌道を描いた。








    「戦いをやめて、俺の歌を聴きやがれッ!!」



    事態の急変にバサラが叫び、歌を歌っても、最早彼らの耳に歌は届かなかった。









    グラミアは、攻撃を躱されて隙のできた赤と緑のバルキリー―――――――アラド・メルダースに狙いを定めた。






    「!! アラド!!」



    ライトがグラミアの狙いに気が付いたのは、グラミアが火器の照準を合わせた半歩後。





    「!? しまっ――――・・・・・・・・・・・・」



    アラドがそれに気が付いたときは、完全に手遅れ。









    「さらばだ・・・・・・名も知らぬ地球人よ。」



    グラミアは刹那の一瞬に呟き、そして、操縦桿についているトリガーを、人差し指で引いた――――・・・・・・・・・・・・





















    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  21. 21 : : 2016/11/25(金) 14:49:57








    星空瞬くシティ7の星空ホール。






    シティ7のドームから飛び出すように作られた、宇宙空間を望むことの出来るこの大ホールは、観客の熱気で溢れかえっていた。

    観客たちは一様に、彼女たちの登場を、今か今かと待ちわびている。



    ホールの照明がパッと落とされ、アナウンスが大音量で流されると、観客の声援がまたひときわ大きくなった。






    「皆! 私たちジャミング・エンジェルスのライブに足を運んでくれてありがとう!!」





    ステージに現れて、熱狂的な拍手を浴びているのは、ピンク色の長い髪の女性。

    後から、他の女性メンバー三人もステージに現れて、会場の熱気はいよいよ最高潮に達した。






    __________今年で結成14年となるジャミング・エンジェルス。






    そのリーダーである女性――――・・・・・・・・・・・・ミレーヌ・フレア・ジーナスは、ソロ歌手としても絶大な人気を誇っており、ひとたび彼女がシティ7でコンサートを開けば、いつもホールは超満員。

    FIRE BOMBERへ加入した当時は14歳の少女だったミレーヌも、今や29歳となり、昔とは違う、大人びた魅力を振りまくようになっていた。






    「それじゃいくよ? だけどベイビー!!」



    昔と変わらない声の高さに大人びた艶やかさを加え、ミレーヌは可憐かつ妖艶な歌を聴かせ始める。

    会場の熱気と一体になり、ミレーヌは声に甘美さを加えて観客を熱狂の渦へと巻きこんでいく。






    歌手として一回りも二回りも大きくなったミレーヌは、今や押しも押されもせぬ大歌手の道を歩み始めていた。







    ―――――

    ――





    ――――――
    ―――


    ―――――




    ――――
    ―――――




    ―――






  22. 22 : : 2016/11/26(土) 11:57:23








    「その話、本当なの!? ガムリン!?」





    そのニュースがミレーヌの耳に入ったのは、ライブ直後の事であった。

    まるで、フライパンで後頭部を殴られたかのような衝撃に、ミレーヌは眩暈を覚える。







    「・・・・・・・・・・・・バサラの、歌エネルギーが感知されたんだ。」




    ガムリンは暗い表情で話を続ける。







    「それが途絶えて暫くして、軍に情報が入ってきた・・・・・・。



    惑星ウィンダミアⅣにて統合政府とウィンダミア人が戦争状態に入ったと。

    戦争勃発の原因は、赤い民間機が・・・・・・・・・・・・ぐっ、撃墜されたからだと。」





    「・・・・・・・・・・・・そんな、そんなこと・・・・・・。」






    ミレーヌは反論したかったが、言葉が続かない。

    牢獄のような静けさが、楽屋の中を包み込む。




    これまでにもバサラが死にかけたことは・・・・・・・・・・・・ある。




    だが、その都度バサラは信じられない生命力で復活を遂げてきた。

    「どしたのお前ら? しけた面しやがって?」と寝起きのような顔で目を覚ましたバサラを、ミレーヌやガムリンはまるで昨日のことのように覚えている。







  23. 23 : : 2016/11/26(土) 12:31:12







    「・・・・・・・・・・・・まったく、どうしてバサラはいっつも世話ばっかりかけるのよ!」





    ややあって、ミレーヌは怒り出した様子で立ち上がる。

    ガムリンは特に驚いた様子は見せず、むしろ冷静にミレーヌに問いただした。







    「どこに行くんです? ミレーヌ?」

    「決まってるでしょ? あの馬鹿の目を覚ましに行くのよ!」


    「そう言うと、思っていました。」






    ガムリンはふっと微笑み、それからミレーヌに声をかけた。







    「ミレーヌ・バルキリーはいつでも飛べますよ。」

    「ガムリン・・・・・・。」


    「気にしないでください。ミレーヌが向こう見ずなのはいつもの事ですから。」



    「何よ、私を馬鹿にしてるつもり!?」

    「いえ、そんな訳では・・・・・・。」



    「・・・・・・・・・・・・まあいいわ。」







    ミレーヌはふっと微笑みを返すと、ガムリンを残して楽屋を出ていった。




    FIRE BOMBERの一員として、バサラにもう一度、歌を届けたい。

    そして、もう一度・・・・・・・・・・・・FIRE BOMBERとして皆に歌を届けたい。






    去り際に、ミレーヌはぼそっと呟いた。






    「ありがとう・・・・・・・・・・・・ガムリン。」







  24. 24 : : 2016/11/27(日) 16:19:10









    __________バサラと、もう一度・・・・・・・・・・・・。






    ミレーヌがそっと楽屋を出ると、そこに二人の影が差した。

    一人はガタイのいい、褐色の肌を持つ男性であり、もう一人は大柄で緑がかった肌、とがった耳を持つゼントラーディの女性であった。






    「ミレーヌ。バサラに会いに行くのか?」

    「レイ・・・・・・。」




    FIRE BOMBERのキーボード担当であり、今は音楽プロデューサーとしても活躍するレイ・ラブロック。

    バサラの最大の理解者でもあり、幼きバサラとレイとの出会いから、FIRE BOMBERは始まった。




    バサラの演奏に感動したゼントラン、ビヒーダ・フィーズが後にドラマーとして加わり、紆余曲折を経てベースのミレーヌが加わって、今のFIRE BOMBERとなった。





    レイはミレーヌに、静かに問いかける。

    対してミレーヌは、突っぱねるように答えた。






    「当り前じゃない! 止めようったってそうはいかないんだから!」

    「誰も行くなとは言ってないさ。」





    レイはゆっくりと頷き、ビヒーダを見る。

    すると、寡黙にしてほとんどしゃべることのないビヒーダが口を開いた。






    「私たちも、バサラに会いに行く。」

    「!! ビヒーダ・・・・・・。」







    ミレーヌの首元にぶら下がっているネックレス。

    そこにつながれているダイヤモンドの指輪は、キラキラと静かな光を湛えていた。







                     to be continued・・・







  25. 25 : : 2016/11/27(日) 16:54:38
    話のキリがいいので、話を分割して進めていきたいと思います。

    どこまで続くかはわかりませんが、一応大まかな構想はできていますので、楽しんで書いていきたいと思います。



    閲覧、ありがとうございます(∩´∀`)∩





    __________過激にファイアー!






  26. 26 : : 2016/11/27(日) 16:59:41
    お疲れ様でした。

    熱気バサラの曲を聞いて以来、マクロスのかキャラや歌に興味を持つようになれました。

    話の展開がどう進んでいくのか楽しみにしております(^^)



  27. 27 : : 2016/11/27(日) 17:04:20
    >>27
    縁縄さん、コメントありがとうございます(∩´∀`)∩


    興味を持つようになれましたかw
    ファンの一人としてうれしい限りです(*´▽`*)



    頑張って執筆してまいります( `ー´)ノ
  28. 28 : : 2016/11/28(月) 10:21:59
    ディ・モールト ベネ。
    次回に期待してます。
  29. 29 : : 2016/11/28(月) 10:47:15
    >>28
    お気に入り登録ありがとうございます(∩´∀`)∩
    期待に沿えるように頑張りますw
  30. 31 : : 2017/01/15(日) 15:34:02
    なんだこれは…読んでて、止まらない、だと……!!w

    期待×支援ヽ(゚∀。)ノウェ
  31. 32 : : 2020/10/26(月) 14:19:50
    http://www.ssnote.net/users/homo
    ↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️

    http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
    ↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
    ⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️

    ⚠️害悪登録ユーザー提督・にゃる・墓場⚠️
    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
    10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
    みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
    今回は誠にすみませんでした。


    13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
    >>12
    みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
    現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました

    私自身の謝罪を忘れていました。すいません

    改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
    今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
    あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
    SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
    本当に今回はすみませんでした。




    ⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️

    http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi

    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️

    56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ごめんなさい。


    58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ずっとここ見てました。
    怖くて怖くてたまらないんです。


    61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
    お願いです、やめてください。


    65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    元はといえば私の責任なんです。
    お願いです、許してください


    67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    アカウントは消します。サブ垢もです。
    もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
    どうかお許しください…


    68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    これは嘘じゃないです。
    本当にお願いします…



    79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ホントにやめてください…お願いします…


    85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    それに関しては本当に申し訳ありません。
    若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
    お願いですから今回だけはお慈悲をください


    89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    もう二度としませんから…
    お願いです、許してください…

    5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
    ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
    本当に申し訳ございませんでした。
    元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
    私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
    今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。

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