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逆転ロンパ〜絶望と希望と逆転と〜Chapter3–1【超高校級の逆転】1日目
- ダンガンロンパ × 逆転裁判
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- 1 : 2016/12/07(水) 17:07:00 :
- やぁ、俺だよ pvです
苗小書けないので、さっさとChapter3を書きます!
注意点はChapter1をみてね!
それじゃあ始めるぞい!
-
- 2 : 2016/12/07(水) 17:15:18 :
そこにあったのは、決して約束された平和では無かった
あたり一面に、人々の悲しみ、そして嘆きの唄が染み渡っていた
俺はその虚しさと、仲間を失った喪失感に、こころからの恍惚を感じた
今日は俺の絶望記念日だ
こんな記念日には、何か飾り付けをしなくてはならない
そのためには、彼女の命が必要だろう
首を洗って待ってろ江ノ島盾子
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- 3 : 2016/12/07(水) 17:19:50 :
- 待ってました!
待機
-
- 4 : 2016/12/07(水) 17:29:12 :
少年は夢を見た
夢の中には、自分ではない自分が写っていた
自らが憧れてたあらゆるものを手に入れた少年は、見えるもの全てにある一点の不満を背負っていた
両手にこべりついた血を舐めとり、少年は小さくなにかを呟いた
「………………」
気がつくと、夢は醒めていた
少年は、自分のベッドが汗だくだということに気づき、シーツをひっぺ返した
「……まただ、またこの悪夢だ…」
少年は悪態をついた
その夢は、悪夢ながらも、自らの憧れにすら感じられたが、その夢の内容まで理解する事は出来なかった
夢はすぎてしまえば幻も同然だ
少年はしばらく思い出せない悪夢を忘れようとした後、いつも通りに荷支度をして外に出た
-
- 5 : 2016/12/07(水) 17:35:41 :
- 苗木「…………」
今日の夜は、全く眠る事が出来なかった
振り返ってみても、未だに現実が信じられない
こんな街に閉じ込められたこと
朝日奈さんと九頭龍先輩は、もうこの世には存在しないこと
希望なんて存在しないこと
苗木「……成歩堂さん、あなたなら………こんな時、どうするんですか?」
苗木「僕を助けたあなたなら……」
苗木は下に降り、玄関を開けた
春の夜の風は、まだ寒気が残る
苗木「ん?」
玄関前には、見慣れない人影があった
目を凝らしてみると、その正体はこっちに気がついたようだ
霧切「…苗木くん?」
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- 6 : 2016/12/07(水) 18:03:43 :
- 4月5日 午前8時
成歩堂なんでも事務所
成歩堂「……ふわぁ〜」
また今日はとんでもなく暇だ
歳をとって怠け癖がついてしまったのか、最近ではチャーリー先輩に水をあげるのも滞ってる
テレビニュースも新聞もここ最近はあまり読まないから、世の中の事情にも置いてけぼりだ
依頼が来ないと、ほとんど怠けて生活してしまうものだから、娘にもたまに怒られる
心音「成歩堂さーーーん!!!!!!!!」
成歩堂「うわっ⁉︎ び、びっくりさせないでくれよ!」
心音「暇だからって王泥喜先輩の看病サボるのやめてもらえますか! 観葉植物じゃないんですから!」
成歩堂「う、うん、そうだね…」
そう、最近のマイニュースといえば、王泥喜くんがクライン王国から久しぶりに日本に帰ってきた
クライン王国……
霊媒による繁栄がもたらされた異色の国で、弁護罪という罪深き法をかつて執行していた
この法によって処刑された弁護士は数知れず、俗に『諦めの法廷』とも呼ばれてた
しかし、全ての元凶であるガラン女王の失脚により、この国はガラリと変わった
王泥喜くんは、弁護士のいないこのクライン王国の行政司法を立て直すために、クラインに1人残ってナユタ検事、レイファ様らとともに法廷で奮闘していた
王族や優秀な外交官のお陰もあってか、クラインの法整備はかなり進んでおり、王泥喜くんは久々に暇を取った
それで僕らに会うために日本に一時帰国した訳だが…久しく日本にいなかったせいで体が日本の気候に慣れなかったのと、季節の変わり目で風邪が流行ってる影響を受けて、完全にノックアウトしてしまった
心音「ほら!成歩堂さん! うじうじしてないで動きますよ!」
成歩堂「う、うん…わかったよ…」
-
- 8 : 2016/12/07(水) 23:53:06 :
- 王泥喜「………………」
顔が真っ赤に腐食した野菜の様になって、文字通りの『ド腐れ赤ピーマン』と化した王泥喜くんが、布団に転がってた
心音「王泥喜先輩! 熱は下がりましたか?」
王泥喜「…そう簡単に下がったら苦労しないよ」
成歩堂「随分苦しんでるようだね、王泥喜くん」
王泥喜「うう、ホームシックだ…クラインに戻りたくなってきた…」
心音「ホームって、どっちかというとここじゃないですか?」
成歩堂「まぁ、クラインは王泥喜くんの生まれ故郷だからね」
王泥喜くんは風邪でくたばってはいるが、僕は再び王泥喜くんとこういう他愛もない会話を重ねることがとても懐かしく思えた
立派になって帰ってきた弟子を目の前に、少しばかり涙が出てきそうになる
王泥喜「…立派すぎる風邪を引いてしまいました…」
ガチャッ
成歩堂「? 事務所に誰か来たみたいだな…」
心音「ええっ! ど、どうします? 王泥喜先輩のこと」
王泥喜「な、成歩堂さん…見捨てないで…」
成歩堂「………」
成歩堂(まぁ、彼も悪運だけは強いから、どうとでもなるだろう)
成歩堂「それじゃあね、王泥喜くん」
王泥喜「エッ⁉︎ 責めて1人ぐらい残ってくださいよ!!」
成歩堂「冗談だよ、希月さん、看病してくれないかな」
心音「結局私が看病することになるんですか…」
吐き捨てる希月さんを後目に、僕はなんでも事務所の入り口を確認しに行った
???「…あの、ここが『成歩堂なんでも事務所』ですか…?」
見た目は高校生ぐらいだろうか 白い制服を着た女学生がいた
成歩堂「ああ、ここだよ」
???「成歩堂さん! どうしても成歩堂さんに頼みが…!」
成歩堂「う、まぁまぁ、少し落ち着いてくださいよ」
???「落ち着いてなんかいられないですよ! だって…だって!」
成歩堂「…?」
少女の狼狽で、成歩堂はなにか重いものを察した
成歩堂は、すぐさま態度を切り替えた
成歩堂「わかった 少しだけ落ち着いてほしい…要件はその後に聞く だから落ち着いて」
???「…は、はい…」
成歩堂「君、名前はなんていうんだい?」
???「名前は、苗木こまるです」
成歩堂「苗木…?」
聞き覚えのある苗字だった
珍しい苗字なので、思い出すのに時間がかかる
成歩堂「苗木こまるさんだね、わかった 要件はなにかな?」
こまる「…とても大変なことが起きたんです………」
成歩堂「とても…大変なこと?」
こまる「……私の兄が…苗木誠が行方不明なんです!!!」
-
- 10 : 2016/12/08(木) 13:29:42 :
- 成歩堂「苗木…誠くんだって!?」
記憶に新しい名前だった
つい先日、僕が弁護した少年の名前だ
しかし、どういうことだ…?
成歩堂「苗木くんが行方不明って、一体何があったんだい?」
こまる「…わからない、わからないんですよ…!何があったのかも」
僕はテレビのリモコンに手を伸ばしながら、しばらくニュースも新聞も観てなかった自分を叱咤した
まだ午前中の時間帯だ
ニュース番組がやってるかもしれない
ピッ
テレビをつけると、簡素に整備されたスタジオで、有名芸能人と評論家が気難しい顔をしてコメントに悩んでいた
画面の隅のテロップには、こう書かれてた
希望ヶ峰生徒、失踪
3日も行方知らず
成歩堂「なんだって…!」
こまる「お、一昨日あたりから希望ヶ峰学園の生徒の人達が行方不明になっていて…それで警察の人も捜査しているんですけど、誰も見つからなくて…!」
こまる「私、居ても立っても居られなくて、ここに相談に来たんですけど…」
成歩堂「……と言っても、警察ですら見つけられないなら、どうやって探せばいいんだろう?」
こまる「それは…わかりません」
成歩堂「………………」
こまる「………………」
こまる「す、すみません急に こんな事言われても困りますよね…別の人に当たってみます」
成歩堂「いや、僕も協力する」
こまる「…エッ?」
成歩堂「苗木くんが行方不明だなんて知って、そのままにしておくわけにはいかないよ」
成歩堂「依頼人を助けるのが弁護士の仕事だからね」
こまる「あ、ありがとうございます! 成歩堂さん! えっとー、依頼料はおいくらぐらいですか?」
成歩堂「…いや、今回は貰わないよ 僕個人としても苗木くんを助けたいからね」
こまる「本当に、色々ありがとうございます…良かったぁ…」
つい勢いで引き受けてしまったが、一度引き受けたら仕方ない
苗木くんの行方、なんとしてでもつけ止めないと……
どこにいるのか全く見当もつかないけど…まずはあそこに行かなきゃな
-
- 11 : 2016/12/08(木) 19:57:05 :
- 4月 5日 午前9時
希望ヶ峰学園前
希望ヶ峰の校門の前は、希望の生徒たちの失踪の謎を報道しようと、芸能記者が押し寄せていた
成歩堂「苗木くん…どこに行ったんだい?」
こまる「やっぱり希望ヶ峰学園の生徒が失踪した事件というだけあって、色々なメディア関係者が来てますね…」
成歩堂「仕方ない、強引にでも掻き分けて進まないと…こまるちゃん、ついて来て」
こまる「はい」
そしてカメラの山を掻い潜ろうとした時、一斉に大量のシャッター音が響いた
成歩堂「な、なんだ!?」
こまる「成歩堂さん…あの人」
マスコミの前に出て来たのは、僕と同じ30代半ばぐらいの爽やかな男性で、メディアに対して一喝入れた
???「申し訳ありませんが、あなた方に話す事はありません 学生たちの邪魔をしないで頂きたい」
それでもシャッター音は止まず、記者たちの執拗な問いかけが彼を襲った
生徒達が消えたことに関して何かありますか!
希望ヶ峰の管理問題が問われますが!
学園長として生徒の親御さん達にいう事はないですか!
耳の痛い質問を軽く受け流し、彼は呼び出していたタクシーに乗ってその場を離れた
あの人が、学園長…?
そして彼が帰った後は、何人か自転車で追いかけた記者もいたが、大半の人は撤収してしまった
こまる「あの人が学園長…?」
成歩堂「記者にも囲まれてたし、きっとそうだろうね」
???「ちょっと、そこの人!」
成歩堂「? 僕ですか?」
???「あんたしかいないじゃないのさ、ミッちゃんの友達の弁護士でしょ?」
成歩堂「? …………………アアアアアアアアッ!!!!」
こまる「? 成歩堂さん、どうしたんです?」
成歩堂「も、もしかしてあなたは…」
オバチャン「久しぶりじゃないのさ! 私だよ!大場だよ大場!」
成歩堂「あ、あなたはなんでこんなところに……?」
オバチャン「嫌だね、こっちの台詞だよそれ」
オバチャン「あんたのせいで前勤めてた警備会社も潰れちゃったし、この歳で再就職するって中々難しいのよ! まったく最近は転職情報雑誌なんてのもあるけどこんなオバチャンを雇ってくれる会社なんてそうそう無いし私だって今でこそちゃんと定職に食いつけたけど他の若いのより給料が300円も低いのよ? 迷惑しちゃうわね〜」
成歩堂「わ、わかりましたわかりました! とりあえず話を聞かせて下さい!」
オバチャン「ったく、オバチャンの話を無視しといて自分の話は聞けってかい? まったく相変わらず図々しいにも程があるわよ!」
オバチャン「…まぁいいけどさ あんたと私の縁だし、何か聞きたい事でもあるのかい?」
1・オバチャンについて
2・失踪事件について
>>12
-
- 12 : 2016/12/08(木) 20:06:46 :
- 2だね
-
- 13 : 2016/12/08(木) 21:14:53 :
- 成歩堂「オバチャンは、失踪事件に関して何かしってますか?」
オバチャン「さあね、私の仕事はそこまで踏み込んでないから、知ってるのはあんた達と同じ情報だけだよ」
オバチャン「それに、守秘義務ってのもあるからねぇ、ナルホドちゃんには悪いけど」
成歩堂「そこをなんとか…お願い致します」
オバチャン「しつこいところは何も変わっちゃいないね ったく、もっと真っ当に歳を食ったと思ってたのに…」
成歩堂(というか、オバチャンはあれから10年近くたってるのに全然歳をとらないな…)
オバチャン「まぁ、オバチャンの若さの秘訣は愚痴と羊羹だけどね」
こまる「せめて、何かおかしいと思った点とかってありますか?」
オバチャン「う〜ん、おかしい点ねぇ…無いことはないけど…」
成歩堂「でしたら、教えて頂きますか?」
オバチャン「…まぁ、あんたの顔に免じて教えてやるよ」
1・オバチャンについて
2・おかしなこと
-
- 14 : 2016/12/08(木) 21:18:44 :
- 2で
-
- 15 : 2016/12/09(金) 13:12:21 :
- 成歩堂「おかしなこと…聞かせてもらえますか?」
オバチャン「おかしな事といえば、何もない事だね」
成歩堂「な、何もない…?」
オバチャン「文字通り何もないんだよ 人が誘拐されるときは大抵、何か痕跡が残るのさ」
オバチャン「争った痕跡、鍵を壊した痕跡…そんなのがまったく無いらしいのよこれが」
成歩堂「全くない…? 不自然ですね」
オバチャン「そもそも、希望ヶ峰学園の警備を難なくすり抜けてくる時点でおかしいのにねぇ」
オバチャン「ほんとう不気味だね、まるで幽霊だよ幽霊!」
成歩堂(一切の痕跡を残さない誘拐犯……今回の相手も中々手強いな…)
こまる「そんな…お兄ちゃん…本当に、どこに行っちゃったの?」
オバチャン「嬢ちゃんもあまり気を落とすんじゃないよ その弁護士の腕前は私が安心補償しとくから」
オバチャン「ハッタリとヤケクソでこれまで幾つもの法廷を荒らし回ったんだって?」
成歩堂「そんな人聞きの悪いこと言わないで下さいよ!」
オバチャン「なんだい、事実じゃあないの」
1・オバチャンについて
>>16
-
- 16 : 2016/12/09(金) 13:41:58 :
- 1で
-
- 17 : 2016/12/09(金) 14:07:39 :
- 成歩堂「オバチャン、どうしてこんなところに?」
オバチャン「そりゃあ、私は今は希望ヶ峰の警備を担当してる警備会社の下っ端として働いてるからねぇ」
成歩堂「希望ヶ峰の警備会社?」
オバチャン「とは言っても、その警備会社も希望ヶ峰の傘下なんだけどねぇ」
オバチャン「今回の事で、上もこっ酷く叱られてるよ 気の毒に」
成歩堂「大変そうですね」
オバチャン「いや? オバチャンは下っ端だから特に痛くも痒くもないけど、だけどあんたが絡んでくるとなると、すごいことになりそうだねぇ」
成歩堂(…僕は何故こうも面倒事に巻き込まれやすいんだろうか)
オバチャン「そうだそうだ! ほれ、これみてよ!」
成歩堂「?」
カタカタカタカタカタカタ
成歩堂「うわわっ⁉︎ そ、それは…」
オバチャン「なんだい? オバチャンがレーザー銃ぐらい持ってても不自然じゃないだろう?」
成歩堂「不自然ですよ! しかも進化してるじゃないですか!」
オバチャン「これであんたもしばらく私には逆らえないよ!」
-
- 18 : 2016/12/09(金) 21:51:22 :
オバチャン「聞きたいことはそれだけかい?それじゃオバチャンは失礼させてもらうよ」
成歩堂「何か用事でも?」
オバチャン「いやね、今回の事で警察もピリピリしてるからね 警備員一人一人を事情聴取する本気っぷりさ」
こまる「また何かあったら、連絡下さい、オバチャン」
オバチャン「全く、あんたも気の毒だけど頑張りなよ あとそこの弁護士は悪運に呪われてるから気をつけな」
成歩堂(やれやれ…オバチャンも相変わらずで少し安心したよ…)
オバチャンはどこか嬉しそうに、(何故か)モンローウォークでその場を去っていった
成歩堂「…それじゃあ、僕たちも希望ヶ峰学園に入ろうか」
こまる「で、でも、勝手に入っていいのかな…?」
成歩堂「とりあえず、警備会社の責任者に問い合わせてみよう そして生徒の話を聞こう」
こまる「でも、あのオバチャン、もうどこか行っちゃったけど…」
成歩堂「……それじゃあとりあえず勝手に入ろうかな」
こまる「それでいいんですか⁉︎」
成歩堂「警察の許可だけ取れれば大丈夫だろう」(多分)
こまる「いいのかな…?」
マスコミがほとんどいなくなって、門の前は随分と小ざっぱりしてしまった
正体不明の幽霊のような誘拐犯か………
今回の敵も中々厄介そうだ
-
- 19 : 2016/12/10(土) 10:26:39 :
-
4月 5日 午前10時
希望ヶ峰学園 本科学生寮前
成歩堂「ここが学生寮か…」
こまる「希望ヶ峰学園の生徒用ってだけあって、かなりの規模ですね…」
成歩堂「よし、それじゃあ中に入れるかどうか、交渉してくるかな…」
???「おい、そこのトンガリ頭」
成歩堂「?」
???「オメーしかいねーだろ、そんなトンがったヘアースタイルの男はよォ」
成歩堂「は、はぁ…あなたはどちら様で?」
大和田「俺か? 本科の一年の大和田紋土だ」
ーー大和田 紋土(オオワダ モンド)
【超高校級の暴走族】
成歩堂「大和田……粘土?」
大和田「誰が粘土だゴラァ!!!」
こまる「成歩堂さん、大和田紋土って確か『超高校級の暴走族』の筈です」
こまる「暴走族チームの『暮威慈畏大亜紋土 のトップで、全国の不良学生の憧れの的となってる人なんですよ」
成歩堂「ぼ、暴走族か…」
(才能ならなんでもいいのか?この学校)
大和田「なんも用が無えんならよ、さっさと帰りな こっちは結構やばいんだよ」
成歩堂「イヤ、話を聞かせて欲しいんだ」
大和田「話だぁ?」
成歩堂「この希望ヶ峰学園の失踪事件について、本科の生徒なら何か知ってると思ってここに来たんだ」
大和田「ああ、そういうことか 悪いが話すことは出来ねぇな」
成歩堂「?」
1・大和田について
2・話せない理由
>>20
-
- 20 : 2016/12/10(土) 11:06:14 :
- 2で
全員いなくなったかと思ったけどそうでもないんだな
てか校則にあった代わりの生徒って誰のことなんだ…?
-
- 21 : 2016/12/10(土) 11:58:55 :
- 成歩堂「話せない理由…教えて頂きませんか?」
大和田「なにもそんなに難しい話じゃあ無え 守秘義務って奴さ」
大和田「サツの連中から釘を刺されたんだよ 今回の事件の事を安易に他人に話すなってな」
大和田「おれは交わした約束を破るほど腐っちゃいねぇ」
こまる「どうしてなの?」
大和田「よくわからんが、あいつらこの出来事を、あわよくば隠蔽しようとしてるんじゃねぇのか?」
成歩堂「隠蔽を…?」
大和田「…まぁ、俺の勘さ あんまりサツどもが慎重だったからな」
成歩堂「隠蔽しないにしても、大ごとにしたくないからってことか…?」
成歩堂「それとも…何か他に裏があるのか…」
1・大和田について
>>22
-
- 22 : 2016/12/10(土) 13:05:52 :
- 1
-
- 23 : 2016/12/10(土) 13:09:51 :
- 成歩堂「超高校級の暴走族…何だよね?」
大和田「おう、これでも全国にダチや舎弟がいるんだが…ここに箱詰めにされて、まともに顔も合わせやしねぇ」
こまる「暴走族って、基本的になにをするのかな?」
大和田「基本的っつってもなぁ…飛ばして喧嘩してぶっ壊して……」
大和田「まぁ、俺らみたいなヤツのやる事なんざそんなもんだろ」
成歩堂(そんな人が超高校級でいいのか⁉︎)
大和田「でもよ、高速をチャリでぶっ飛ばすのはかなり爽快感があるぜ」
大和田「そうだ、せっかくだから今度俺のケツに乗っけてやろうか? スリル満点だぜ!」
成歩堂「え、遠慮しておきます…」
(それは本当に善意で言ってるのかい…?)
こまる「…………………」
こまる「乗りたいかも!」
成歩堂「え。」
-
- 24 : 2016/12/10(土) 13:51:27 :
- 大和田「ところでよ、あんたら希望ヶ峰学園の事嗅ぎまわってるみてぇだけど…どこの組のモンだ?」
成歩堂「僕はフリーの弁護士だ 依頼人の捜索のためにここにいる」
大和田「依頼人の捜索? だれだそりゃ」
成歩堂「苗木誠くん…この学園の生徒で、失踪した生徒の1人です」
大和田「ンだと……⁉︎」
こまる「私の兄がいなくなってから、もう3日近くたってしまって…居ても立っても居られなくなって、成歩堂さんに捜索を頼んだんです」
大和田「……………………」
大和田「ったく、仕方ねぇ ほら、入れ」
成歩堂「警察の許可はないけど、いいのかい?」
大和田「ここで門前払いするほど、俺は冷徹じゃねぇ ほら、ばれる前にさっさと入れ!」
成歩堂「恩にきるよ、大和田くん 行こう、こまるちゃん」
こまる「ハイ! 大和田さんは恩人です!ありがとうございますね!」
大和田「…お、おうよ…」///
???「だれが勝手に入れていいと言った?」
大和田「⁉︎」
成歩堂「うわっ!」ドサッ
寮内に入ろうとした途端、急に大柄の男性にぶつかってしまった
身長は190ぐらいはあるだろうか、金髪でヒゲがとんがっており、ブラックの派手なブランドのスーツを着ていた
目元は鋭くギラついており、まるで極道の用心棒だ
成歩堂「イテテ…す、すみません」
大和田「…またあんたか、教頭センセーよぉ」
成歩堂「教頭先生……?」
???「これは失敬、君みたいな才能もない薄汚い存在には気配りできない体質なんだ許してくれたまえよ?」
成歩堂「なっ⁉︎」
(あ、会うなり散々な言われようだな…)
黯箸「私は希望ヶ峰学園本科の教頭、黯箸影丸 という…まぁ、よろしく頼むよ」
ーー黯箸 影丸(クラハシ カゲマル)
【元・超高校級の???】
【希望ヶ峰学園 教頭】
こまる「お願いします黯箸さん! どうか私たちも捜査に加わらせて下さい!」
黯箸「捜査に加わらせて欲しいぃ? たかが弁護士風情共が…しつこい女は嫌われるぞ」
こまる「でも…! キャッ⁉︎」ドスン
黯箸という男は、こまるちゃんの肩を手で突き飛ばした
身体をよろめかせ、尻餅をついた
大和田「テメェ…!!」
しびれを切らした大和田くんが食いかかったが、彼の筋力に力負けし、合気道の動きで壁に叩きつけられた
大和田「ウッ!!」
成歩堂「!」
黯箸「ふぅ…静寂を乱す輩は嫌いなんだ…まぁ君たちが私を暴行罪で訴えても、逆に君たちを訴えてやるけどね」
黯箸「さぁ、あんたも私が温厚なうちに帰るかい?」
成歩堂「……」
この男に対する怒りをぐっと噛み締めて、こまるちゃんを起こし、壁に寄りかからせる
成歩堂「…僕は話を聞かせて欲しいんです この事件について」
黯箸「…まぁ、その薄汚い根性に免じて、聞くだけ聞いてやろう」
1・黯箸について
2・希望ヶ峰学園について
3・失踪事件
>>25
-
- 25 : 2016/12/10(土) 14:23:38 :
- 1で
-
- 26 : 2016/12/10(土) 15:06:17 :
- 成歩堂「確か、希望ヶ峰の教頭なんですよね?」
黯箸「まぁ、『希望の才能を育てる仕事』というのはかなり高尚な業務でね、才能のかけらもない君たちには理解の及ばない次元の話だろうね」
成歩堂「…………」
大和田「…へっ、才能を育てる、か…」
大和田「予備学科の連中にあんな仕打ちしてるくせによく言うぜ」
こまる「予備学科?」
成歩堂「確か、この学校のもう一つの学科のことだね?」
成歩堂「超高校級の才能が無くても、厳しい試験と高額な金を払えば誰でも入ることができる学科だったね」
大和田「そんなんで済むならいいけどな…」
成歩堂「どういうことだい? 大和田くん」
黯箸「黙ってろ、お前の出る幕じゃない」
大和田「せっかくだから教えてやるよ この学園の現状って奴をよ…」
1・予備学科の現状
2・希望ヶ峰学園について
3・失踪事件
>>27
-
- 27 : 2016/12/10(土) 15:10:38 :
- 1
-
- 28 : 2016/12/10(土) 18:29:11 :
- 大和田「予備学科はよ、いうなら希望ヶ峰の
金蔓 だ」
大和田「必要以上の金を散々巻き上げといて、環境は劣悪そのもの、毎日不満を募られた野郎共がデモ行進するぐらいだ」
黯箸「……」
大和田「こいつらは予備学科の人間を教え子とも思っていねぇ、ただのクソ野郎ってわけさ」
黯箸「もういい、黙ってろ」
大和田「なんなら教えてやるぜ弁護士さんよ、こいつは本科の生徒に」
ドゴオ
大和田「うぐっ⁉︎」
成歩堂「⁉︎」
こまる「エッ?」
黯箸は大和田くんの鳩尾に一発入れ込み、大和田くんを気絶させた
すぐさま黯箸は携帯電話を懐から取り出し、希望ヶ峰学園の警備員を呼んだ
電話からものの数秒で、2名ほどの警備員が跳んできた
黯箸「大和田紋土くんが頭を打って倒れたんだ 至急医務室に運んでくれるかい?」
警備員「かしこまりました!黯箸様! ウル・ディーハラ・クラハシ!」
…このノリ、覚えがあるな
大和田くんは警備員に肩を担がれ、廊下の向こう側まで運んで行った
こまる「…酷い、なんで教師なのにこんなことを生徒に出来るんですか⁉︎」
黯箸「躾のなってない生徒を正すのは教師として当然の義務だよ、お嬢ちゃん なんなら君も躾けられないかい?」
こまる「……ッ‼︎」
こまるちゃんは奥歯を噛み締めた
捌け口のない怒りを堪えて、黯箸を険しい目つきで睨み返した
成歩堂「黯箸さん、こまるちゃんにまで手を出す様なら、暴行罪で訴えることを辞しませんよ?」
黯箸「ケッ…弁護士さんは口先だけは勇ましいものだな」
黯箸「まぁいいさ、あんたもじき思い知るだろうよ この学園の真の裏側って奴をな」
成歩堂「………………」
2・希望ヶ峰学園について
3・失踪事件
>>29
-
- 29 : 2016/12/10(土) 18:34:37 :
- 2で
どちゃくそ腐ってる…
-
- 31 : 2016/12/10(土) 19:39:13 :
- 黯箸「希望ヶ峰学園は、私の故郷みたいな場所でね…これでも結構思い入れがあるんですよ」
成歩堂「そ、そうですか…」
(この世にこれほど胡散臭い独り言が存在するだろうか)
黯箸「知ってますかい、私の肩書きを まぁ、これでも48歳ですから、さすがにご存知ないかと思いますが…」
成歩堂「…案の定、知りませんね」
黯箸「私の肩書きは『超高校級のストリートファイター』なんですよね」
成歩堂「ストリート…ファイター?」
黯箸「そ、ストリートファイター これでも全米格闘大会で何度か受賞した事があるんですよね まぁ、ついこの間失踪した大神さくらさんや弐大猫丸くんには敵わないかもしれませんがね…」
成歩堂(だから自分より弱い人間には容赦なく拳を振るうってことか…)
黯箸「一応念のため言っとくけど、手から気功波の類いは出ないからね? そっち系の格闘家じゃないから」
成歩堂「は、はぁ…」
こまる「そっち系の格闘家って、そもそも実在するんですか?」
成歩堂(……孤高の求道者とか、マスターズ財団の社長とか、インターポールの刑事とか……)
こまる「…もしかして知ってるんですか?」
成歩堂「う、うん、以前一緒に戦ったことのあるんだ」
成歩堂(他にも剣から気功波出す人も知ってるけどね)
黯箸「おっと、話が脱線してしまいましたな とにかくこの学園は今回の件、潔白ってことで打ち立ててるんですけどね…流石に責任問題な逃れられませんねぇ、おそらく」
成歩堂「と、言いますと?」
黯箸「学園長のクビがとぶってことですよ、わかりやすく言うと」
成歩堂(もしかして、この男が狙ってるのは…)
成歩堂(現学園長を失脚させて、自分がその座を奪い取るって算段なのか…?)
黯箸「おっと、話が過ぎた これ以上はゴキブリ以下の弁護士には話せませんな」
成歩堂「は、ハイ、どうも…」
(クソ、顔面に一発蹴りを食らわしたい…)
3・失踪事件
>>32
-
- 32 : 2016/12/10(土) 19:52:56 :
- まさかナルホドくんが格ゲーに参加するとは思わなかったよなー
3いこう
-
- 34 : 2016/12/10(土) 20:08:58 :
- 成歩堂「学生たちの失踪事件…何か心当たりはありますか?」
黯箸「それが全然無いんですよ みんないつも楽しそうに過ごしているのに、なぜこんな事になったのか…」
成歩堂「…そもそもお聞きしたいのですが…」
黯箸「?」
成歩堂「これは失踪事件ではなく、誘拐事件として処理するべきではありませんか?」
黯箸「はて、と言うのは?」
成歩堂「そもそもおかしいと思いませんか?生徒たちが一斉に失踪するなど」
成歩堂「誰かが何らかの意図でやったとしか思えないのですが…」
黯箸「そう言いましてもねぇ……これを誘拐事件だと思える根拠がないのですよ」
成歩堂「なぜですか?」
黯箸「おっといけない、私としたことが、口が滑りそうになりました お気になさらず」
成歩堂「…何も誘拐らしき証拠が現場に残ってなかった」
黯箸「何?」
成歩堂「争った痕跡、犯人が現場に入った痕跡…何ひとつもね」
黯箸「……何の事でしょうね」
成歩堂(この動揺…オバチャンの聴いてた噂話は嘘ではなかったみたいだな)
成歩堂(希月さんの精神誘導術がここで役立つとは…)
黯箸「とにかく、どちらにしても心当たりは全くありませんな」
-
- 35 : 2016/12/10(土) 20:12:14 :
- ネタバレなら容赦なく消していいですが…
失踪したメンツって予備学科の待遇に意義をたてた人らなんじゃないのか?
とりあえずこの教頭ぶん殴りてぇ…
-
- 36 : 2016/12/11(日) 09:51:14 :
- 黯箸「話は終わりかな? ならさっさとお引き取り願いたいものだが」
成歩堂「警察と話をさせてください 帰るのはそれからでも遅くありません」
黯箸「ったく、ムカつく野郎だ…ハイエナの如く嗅ぎ回ってくる奴は大嫌いなんだよ」
黯箸「それとも…君たちも見てみたいかい?堪忍袋の尾が切れた私を」
???「おっと、その必要はねェぜ」
成歩堂「?」
黯箸「…検事さんですか 捜査の方は如何程で?」
???「そこの弁護士は通していい…ッて言ッてるんだよ」
黯箸「? なぜですか? 今回の件は重大なんですよ? これ以上部外者を巻き込む事は…」
???「そいつは汚ねえ事にに手ェ出すような腐った弁護士じゃねェ 俺が補償する」
黯箸「……」
???「…常に監視の目をつける それでいいな?」
黯箸「チッ…」
黯箸は舌打ちを鳴らし、不機嫌そうな顔で僕らを横目に睨んでその場から去った
こまる「あ、ありがとうございます」
???「よう、成の字 相変わらずだな」
こまる「やっぱり、成歩堂さんと知り合いの人だったんだ…」
成歩堂(…やれやれ、まさかこんな所で再開するなんてな…)
成歩堂「久しぶりですね、ユガミ検事」
夕神「その悪運体質は変わらねェな、成の字 また面倒なことに巻き込まれたのか?」
1・ユガミについて
2・事件の調査内容
>>37
-
- 37 : 2016/12/11(日) 10:05:47 :
- 2で
-
- 38 : 2016/12/11(日) 16:07:34 :
- 成歩堂「捜査の状況はどうなってますか?」
夕神「そんなに上手くいくほど、世の中良くできちゃいねェさ」
成歩堂「手こずってるみたいですね」
夕神「ッたく、本科のガキどもも心当たりがねェとなると、本格的にお手上げだな」
こまる「現場に変わった点は何もなかったんですか?」
夕神「無論だ …現場にはな」
成歩堂「?…現場 には?」
夕神「事件当夜、監視カメラの映像がハッキングされてたンだよ」
成歩堂「監視カメラの映像が…パッキング?」
夕神「アホか、パッキングじゃねェ、ハッキングだ」
夕神「今は警備サーバーに流れ込んだウイルスの残留データの復元に苦労してる所なンだがな」
夕神「まぁ、全てはその結果次第ってことさ…こんな肝心な時に、『超高校級のプログラマー』とやらのチカラを借りれないのが惜しいぜ」
成歩堂「ちょっと待って下さい」
夕神「? なンだよ、成の字」
成歩堂「監視カメラの映像までハッキングされてるのに…なぜ『失踪事件』として扱われてるんですか?」
夕神「失踪事件だァ? 一体なんの話をしてンだ、成の字」
成歩堂「ん?」
1・ユガミについて
2・なんの話?
>>39
-
- 39 : 2016/12/11(日) 16:13:58 :
- 2
-
- 40 : 2016/12/11(日) 20:30:06 :
夕神「元から失踪事件として扱って無いぜ これは行方不明事件だ」
こまる「でも、TVの報道では、『失踪事件』とされていましたよ?」
夕神「…チッ、あの教頭か」
成歩堂「黯箸さんが?」
夕神「どうやら今回、希望ヶ峰学園はこれを『誘拐』ではなく『失踪』として印象操作を図ってるらしいな」
成歩堂「どういう事ですか?」
夕神「カンタンな話だ、成の字」
夕神「『誘拐』や『行方不明』として扱うと、生徒たちを保護していた希望ヶ峰学園の管理責任が追究される」
夕神「はっきり誘拐ってわかるまでは、『失踪事件』としてゴリ押すらしいな」
成歩堂「…あの教頭なら考えそうな事だね」
夕神「まぁ結局どちらにせよ、今回の件で学園に対する批難は免れないだろうな」
成歩堂(評判を落とし過ぎると、希望ヶ峰学園そのものの存続が揺るぎかねない…だから必要以上の批判を避けるためにこんな風評を操るようなマネをしてるのか…)
1・ユガミについて
>>41
-
- 41 : 2016/12/11(日) 20:37:12 :
- 1
-
- 42 : 2016/12/11(日) 22:24:44 :
- 成歩堂「ユガミ検事、希月さんの事件以来ですか、随分久しぶりですね」
夕神「まァナ、釈放されてからは検事の仕事が多くて忙しいったらありゃしねェ」
夕神 迅 ……
かつて殺人罪で投獄され、その矛盾した肩書や度々法廷で問題を起こすことから、法曹界 の歪みとまで言われた検事
夕神「お前さんの推理は突拍子も歪みもねェけどな…」
しかし、自身が死刑判決を受けたUR-1号事件の解決、そして無罪の証明により刑務所から解放され、以来この国の法廷を支える検事の1人となった
夕神「しかしあんたも少し見ねェ間にズイブンと老けやがって、まるほどうよォ」
成歩堂「……すみません、誰から聞いたんですか? その呼び方…」
夕神「同じ娑婆の仲間からさ、尤も、独房だから顔を合わせたことは無いがな」
こまる「成歩堂さんとユガミさんは仲良しなんですね」
夕神「バカヤロウ、別に馴れ合ってる訳じゃねェ」
成歩堂「ユガミ検事、お得意の心理操作は健在なのかな?」
夕神「なんだ?ナンなら成の字の恥ずかしい秘密を引きずり出してやっても構わんが…」
成歩堂「…遠慮しておきます」
夕神「………お前溺愛してた彼女にフラれた事あるだろ」
成歩堂「エェッ⁉︎ ど、どうしてそれを…?」
夕神「おめえさんレベルになると、いちいち聞かなくても顔に本心が書いてあるんだよ」
成歩堂(……健在どころか最早衰えを知らないな、この人は)
こまる「ええっと…だ、大丈夫ですよ!成歩堂さん! きっとまた素敵な人に巡り会えますから!」
成歩堂「…フォローになってないよ、こまるちゃん」
-
- 43 : 2016/12/12(月) 15:44:16 :
-
その男は、自室でノートパソコンをいじりながら、なにやら考えていた
デスクの隣には、ポケットWi-Fiが置いてあり、電波の感度は上々だ
???「これでどうだ?」
なにやらプログラムのようなものを書き込み、サーバー管理データに打ち込んだ
画面上に緑色の短いバーが現れ、ページ上部には『20%』と表示されていた
バーの伸び率とともに比例してその数字は膨らみ、『100% インストール完了』の文字が浮かび上がる
同時に男は高級な牛革を使用した手帳に手を取り、ページ後部のメモ欄にそのデータをかけるだけ箇条書きにして並べた
???「…そうか…なるほど、尻尾は掴めたぞ」
???「まさか、この事件にあいつらも絡んでいたとはな……」
???「フッ、いいチャンスだ 連中の権力を奪うにはな…」
十神「まぁ結局の話、この十神 白夜 に出来ない事など無いがな…」
ーー十神 白夜(トガミ ビャクヤ)
【超高校級の御曹司】
十神白夜は強かな笑みを浮かべ、椅子から立った
十神「しかし…参ったな この状況が続くようでは本科校舎に足を運ぶことすら出来ん」
十神「あの状況では、何か特別な用事でもない限り、通るのは難しそうだな…あのクズ教頭のこともある」
十神「………………チッ、他人に頼るのは虫唾が走るが、あの男の手を借りるか、あるいは…」
十神「この事件は解決させる…十神の名にかけて」
-
- 45 : 2016/12/13(火) 15:56:13 :
- 成歩堂「この学園…いったいどうなってるんだろう?」
夕神「少なくとも、あんた奴が教頭でマトモな学園には思えねェけどな」
こまる「ユガミさん、あの教頭先生のことを知ってるんですか?」
夕神「オゥ、嬢ちゃん あいつに変なことされなかッたか?」
こまる「苗木こまるです…特に、何も」
夕神「そうか、あいつは気に食わない相手にすぐに手を出すことでコッチの世界では有名な男だ」
成歩堂「面識があるんですか?」
夕神「直接の関係は無ェが、過去に奴の事件を取り扱ったことがある」
夕神「黯箸のクソ野郎は学生時代から散々アブねぇ真似してきた奴だ」
夕神「破落戸 どもとの殴り合いは当たり前、希望ヶ峰学園に入学した後も、教師とのトラブルが絶えなかったそうだな」
成歩堂「まるで昔のユガミ検事ですね…」
シュッ
成歩堂「うわあっ!」ズバァッ
夕神「成の字よォ、健在なのは心理操作だけじゃないぜ?」
成歩堂(わ、忘れてた…この人の手刀の斬れ味…)
成歩堂「でもなんでそんな問題だらけの人が教頭に…?」
夕神「知るか、俺もそこまで踏み込んではいねェ」
成歩堂「ところで…ユガミ検事」
夕神「?」
成歩堂「もし良ければ、事件の詳しい概要について教えて欲しいんだけど…」
夕神「ヘッ、お前さんだけに話したら、他に示しがつかねぇだろ?」
成歩堂(やれやれ…ここでも守秘義務か…)
こまる「…他に失踪した生徒さんは何人いるんですか?」
夕神「そうだな…苗木誠も含めると、失踪した生徒の人数は…」
夕神「【14人】だったな」
成歩堂「14人…結構な人数ですね」
夕神「俺の口から話せるのはここまでだ 後は自分で調べな」
成歩堂「? 僕を監視しなくてもいいんですか?」
夕神「ンなワケねェだろ、おい、ギン」
ピューーー
軽快な口笛で、どこからともなくユガミ検事の愛鳥、鷹の『ギン』が現れた
こまる「キャッ⁉︎」
夕神「言わなくてもわかるよな? こいつがお目付役だ」
夕神「お前が怪しい行動をしたら攻撃するように躾けてある まぁせいぜい糞をかけられないように気をつけるんだな、成の字」
成歩堂(なんでそんな躾けをしてるんだよ!)
ギン「ガァアアアアアアア‼︎」
成歩堂「わ、わかったから耳元で叫ばないでくれ!」
こまる「……ふふっ」
-
- 48 : 2016/12/14(水) 11:21:12 :
- 夕神「言っておくが、本科校舎や寮のムヤミな出入りは禁物だ ギンに目ん玉ひん剥かれたくなけりゃ、俺かサツに一声かけな」
成歩堂「わ、わかりました…」
(やれやれ…)
夕神「わかりゃいいッてモンだ そんじゃあばよ 成の字におまる」
こまる「こまるです!こ‼︎ま‼︎る‼︎ なんですかおまるって!」
夕神「おめえさんにはそっちの方が似合ってると思うケドな」
ユガミ検事はキザに身を翻して捜査に戻った
やっぱり、囚人時代よりも生き生きしてるよな…あの人
こまる「ちょっと、なんですかあの白黒逆パンダ‼︎ 人を便所扱いして! しかも子供用の!」
成歩堂「…………」
(こまる…おまる…こまる…)
こまる「? …成歩堂さーん」
成歩堂「い、いや、なんでもない 行こうか、調査」
こまる「はい!」
成歩堂「…と言っても、寮や本科校舎では行動が制限されるし、やることがほとんど無いけど…」
こまる「だったら、とりあえずこの校舎の周りを調べたらいいんじゃないですか?」
こまる「何か誘拐犯のボロが残ってるかもしれないし、人がいたら事情を聞くこともできます」
成歩堂「それがいいね、じゃあしばらくここの周辺を探してみようか」
-
- 49 : 2016/12/14(水) 16:33:16 :
- 希望ヶ峰学園の校庭は、そこらの私立学校よりも広く、尚且つ細かいところまで整備されている
中庭には植物園などもあるらしいが、校舎からじゃないと行けないので入れない
成歩堂「この辺りに、警察官の人でもいればいいんだけど…」
ギン「ギイイイ」
成歩堂「…こいつに目ん玉をひん剥かれたくないからなぁ」
こまる「証拠、もっと集まればいいんだけど…」
成歩堂「生徒に聞くのもダメ、警察に聞くのも多分ダメ…これだと調査のしようもないね」
しばらく歩いて、噴水のある広場のところまで来た
成歩堂「ん? あれは…」
噴水の前に、見慣れない人影があった
学生服を着て、ただ噴水の前に座っていた
手に携帯ゲーム機を持っていた あれは十数年前のモデルだろうか、懐かしい
腕時計をチラチラと確認しながら、少し貧乏ゆすりをしてる どうやら待ち合わせをしているようにみえた
普通に外に出てることを考えると…あの人は予備学科生か?
ひとまず声をかけよう
???「…………」
今日も俺は待ち続ける
その一報は余りにも突然で、非現実的すぎて…
未だに現実を受け付けられなくて
今にでも、この約束の場所で待ってれば、何事もなかったように帰ってきそうな気がして
そんな無駄な希望を抱いて、ただただ待ってる
ゲーム機を持って、彼女を待ち続けている
???「…………」
???「あのー、ちょっといいかな」
???「…誰ですか?」
???「ああ、自己紹介してなかったね 僕は成歩堂 龍一 、弁護士だ」
???「私は、苗木こまるです 今は、成歩堂さんの…えーっと、助手みたいなのやってます!」
???「そうですか、今は友達との待ち合わせ中なんです 話しかけないでください」
弁護士「う、は、ハイ…そうですか…」
助手「ダメですよ! そこもっと押さないでどうするんですか!」
???「いいからどこかに行ってください…迷惑です」
弁護士「僕は話を聞きたいんだ」
弁護士「希望ヶ峰学園の生徒が行方不明になった事件について」
???「⁉︎」
反射的に立ち上がり、ベンチが軋んだ
自分の中では、禁句だったんだけどな…
今のリアクションで、この弁護士さんに僕が本科の生徒と知り合いであることがバレてしまったみたいだ
弁護士「知っているみたいだね」
???「……俺ら予備学科の人間が、本科の生徒と知り合えるわけないじゃないですか」
助手「嘘言わないでくださいよ! だったらあのリアクションはなんなんですか!」
???「…なにか根拠があるんですか?」
弁護士「…ちょっといいかい? 名前を聞きたいんだけど…」
???「名前? ああ、俺の名前か…」
日向「俺は日向創 です 単なる予備学科生ですよ」
弁護士「…………」
-
- 50 : 2016/12/14(水) 17:15:51 :
- 成歩堂(君にはみえなくても…悪いが僕にはみえてるさ)
成歩堂(君が心の奥深くに隠した錠 がね…)
僕の視界に映るのは、複数の錠前と鎖に囲まれた日向くんの姿
これが、春美ちゃんから貰った力、サイコ・ロック
相手の心に隠されてる秘密が錠前のように見え、その数が多ければ多いほど、その秘密を解くには一筋縄ではいかなくなる
しかし…今は手元に証拠がない
とりあえず、聞けるだけ聞いてみよう
1・予備学科について
2・失踪事件
3・日向について
4・知り合いについて【サイコ・ロックがかかっているため、聞き出せない】
>>51
-
- 51 : 2016/12/14(水) 20:25:20 :
- 1
-
- 52 : 2016/12/14(水) 21:20:29 :
- 成歩堂「予備学科について教えてくれるかい?」
日向「予備学科か…」
日向「本当、馬鹿みたいですよね 安くない金払って、杜撰な施設で勉強して…それでも、みんないつかは超高校級になれるなんて夢見て…」
日向「それで、結局みんな現実を知って絶望するんですよ…笑えますよね?」
成歩堂「……僕は努力する人を嗤うほど嫌味な弁護士じゃないよ、日向くん」
こまる「そうだよ! それに、才能無いんだったら、私も同じだけど…これでも結構楽しく暮らしてるんだから!」
日向「……みんなそうだといいんだけどな」
こまる「?」
成歩堂(彼は、本科の人間に嫉妬している…?)
成歩堂(だったら、なんで本科のことを話した時、あんな反応を…?)
成歩堂(もしかして、彼は自分の心の中のムジュンに苦しんでいるのか?)
成歩堂「君は本当に、本科の生徒たちを妬んでいるのかい?」
日向「…………」
日向「予備学科の人間は、大なり小なり本科の人間に嫉妬してるんだよ 裏で陰口を叩くやつもいる」
日向「醜いよな、才能への嫉妬なんて 嫉妬したところで、満たされるのは優越感だけなのに…」
2・失踪事件
3・日向について
4・知り合いについて【サイコ・ロックがかかっているため、聞き出せない】
>>53
-
- 53 : 2016/12/14(水) 21:27:41 :
- 3
そして追いついた!
-
- 60 : 2016/12/15(木) 12:59:17 :
- 成歩堂「確か、日向くんは予備学科に通っているんだよね?」
日向「ああ、なんとかな」
成歩堂「なんとか…?」
日向「うちも希望ヶ峰学園に通うために、結構お金がギリギリなんだ」
日向「奨学金制度みたく、後から払えるものじゃない…だから、家計はギリギリまで切り詰めてここに通ってる」
日向「……当然、通ったところでなんの意味もないんだけどさ」
こまる「家計を切り詰めるって言っても、具体的にはどんなことをしてるの?」
日向「そうだな…カルビ一枚をオカズにご飯1合は軽いもんだな」
日向「他にも、風呂は銭湯のみ、趣向品は友達から借りる、エアコンはつけない、洗濯はコインランドリーでまとめてやる、とかな」
成歩堂(思った以上に徹底してるな…)
日向「俺は一般家庭育ちだから、他のお坊ちゃんと違って払うのには結構苦労するんだよ」
こまる「だったら、なんでこんなところに通い続けているの?」
日向「……探すためだよ あの人を」
成歩堂「あの人…?」
日向「…いや、なんでもない」
2・失踪事件
3・知り合いについて【サイコ・ロックがかかっているため、聞き出せない】
>>61
-
- 61 : 2016/12/15(木) 13:53:08 :
- 2ですね
-
- 62 : 2016/12/15(木) 14:08:46 :
- 成歩堂「失踪事件について…なにか心当たりはあるかな?」
日向「本科で起きた出来事なんて、予備学科の連中が興味を示すわけないですよ」
日向「それに……『失踪事件』ならまだ帰ってくる可能性だってある」
成歩堂「…その可能性は薄いよ」
日向「?」
成歩堂「詳しくは話せないけど、この事件は『失踪』ではなく『行方不明』なんだ」
こまる「それに、どこかに行くなら普通は家族とかに連絡するよね?」
日向「行方不明? だったら尚更なんでテレビで消えた生徒の名前が出てこなかったんですか?」
こまる「名前が…伏せられていた?」
成歩堂「…未成年が事件や事故を起こした時、ニュースでは基本的に匿名で報道されるんだ」
成歩堂「つまり、この事件をどうしても生徒たちの起こした事件にしたいということだね」
こまる「…確かに、新聞にはお兄ちゃんの名前は載ってなかった…」
成歩堂(しかし…不可解すぎる なぜそこまでしてこの事件を誤魔化そうとするんだ?)
成歩堂(あの教頭の企みは一体なんなんだ?)
日向「…失踪した生徒の名前…知ってますか?」
成歩堂「僕が知ってる名前は、『苗木誠』くんだけだよ」
日向「そう、ですか…」
-
- 63 : 2016/12/16(金) 17:14:26 :
-
日向「…話は終わりですか?」
成歩堂(…サイコ・ロックがかかってるから、これ以上は聞き出せそうにないな)
成歩堂「ああ、質問は終わりだ 協力ありがとう、日向くん」
日向「こちらこそ」
こまる「ありがとうね」
日向「…………成歩堂さん」
成歩堂「ん?」
日向「成歩堂さんは、どうしてその失踪した生徒を探してるんですか?」
成歩堂「きゅ、急にどうしてって言われても…」
成歩堂「…依頼人のため…かな」
日向「依頼人?」
成歩堂「依頼人を最後まで信じ抜く…それが僕の信念だ」
成歩堂「例え依頼人がどんなところにいようとね」
日向「…だったら、俺も信じるさ」
成歩堂「?」
日向「あいつが……七海 がここに来ることを」
成歩堂「七海…?」
日向「……独り言です 気にしないでください」
成歩堂「……わかった 失礼するよ」
日向「………………」
やかましい弁護士達は帰っていった
これで心置きなく彼女を待てる
………待てる
……………………………………
そう、待ってるふりをしたいだけ
本当は現実を受け止めたくないだけで、たった一握りの無駄な希望を持っているだけで
……なんで人は無駄だとわかっても希望を求めるんだろう
それは、人は希望にしか居場所を見出せないからかもしれない
希望でしか満たされない生き物なんて……
『t……r………』
日向「⁉︎」
急に激しい頭痛におそわれ、堪らず頭を抱えて倒れこむ
血の匂い
猟銃を持った男
唖然とする少年
その少年の顔が笑顔に変わる瞬間
様々な情景が頭を巡る
日向「⁉︎ ハァ……ハァ……」
頭痛、目眩、貧血、吐き気、眠気……
気がつくと、そんなことしか考えてなかった
さっきまで考えてたことをより深く考察する余裕はなかった
日向「…だ、れ………か…」
(ドサッ
-
- 68 : 2016/12/16(金) 23:40:38 :
- 4月 5日 午後1時
希望ヶ峰学園 一般開放エリア テラス
成歩堂「ハァ…しかし参ったな」
こまる「全然情報も集まらないし、本科の生徒にも会わせてもらえないし…」
ギン「…………♪」
こまる「よしよしギンちゃん」ナデナデ
成歩堂(こまるちゃん、なぜかギンを手なづけてるな…)
???「あのー、すみませーん」
成歩堂「?」
???「カフェテラス内では、ペットをお連れの方は入店禁止なんですが…」
成歩堂「ああ、すみません…ギン、外で待っててくれるかな???」
ギン「ギアアアアア!!」
成歩堂「わ、わかった!わかったから髪の毛を突かないでくれ!!」
こまる「な、成歩堂さん!出ちゃダメです!」
成歩堂「こ、こまるちゃん⁉︎」
こまる「新しい証人ですよ⁉︎ 聞かないでどうするんですか!」
???「しょ、証人?」
成歩堂「ええっと…僕たち、希望ヶ峰学園での生徒失踪事件を調査しているんです」
???「失踪事件⁉︎ まさかあなた達も…」
成歩堂「その反応だと、本科と関わりのある人みたいですね」
???「は、ハイ…一応本科の教師をやっています」
成歩堂(本科の先生か…生徒達が口封じされてる今、彼女から聞き出すのが一番だな)
???「ああ、そういえばまだ自己紹介してませんでしたね」
雪染「私、元・超高校級の家政婦の、雪染 ちさと言います よろしくお願いしますね」
ーー雪染 ちさ(ユキゾメ チサ)
【元・超高校級の家政婦】
成歩堂「弁護士の成歩堂龍一です」
こまる「えぇっと…成歩堂さんの助手…という名のただの一般人の苗木こまるです この子は鷹のギンちゃんです」
ギン「…………」
雪染「よ、よろしく…あはは…」
弁護士に、ただの女子高生に、鷹
この奇妙なトリオを前に、さすがの先生でも苦笑いせざるを得なかった
成歩堂「雪染さん、話を聞かせて欲しいのですが、構いませんか?」
雪染「とりあえず、聞きたいことってなんですか?」
1・雪染について
2・失踪した生徒達
>>69
-
- 69 : 2016/12/16(金) 23:47:44 :
- 2で。
-
- 70 : 2016/12/17(土) 09:51:41 :
- 成歩堂(この質問をしても、堂々巡りなのは目に見えてるけど…)
成歩堂「さ、さすがに失踪した生徒さんの事とかって…教えてもらえませんよね?」
雪染「す、すみません…話したい気持ちは山々なんですが、黯箸先生に口止めされてて」
こまる「でも希望ヶ峰学園って、王女さんとかアイドルもいますよね?」
こまる「本国や事務所から問い合わせが来たりしないんですか?」
雪染「私も、本来なら名前を伏せずに報道するべきだと思ってます だけど、学園側の意向で…」
成歩堂「……………七海」
雪染「!」
成歩堂「ある予備学科の生徒から聴いた名前です」
成歩堂「彼はその人を待っていたそうですが、その様子だと、ご存知のようですね」
雪染「ええ、存じてます」
成歩堂「できれば聞かせて頂けませんか? その七海さんについて」
雪染「もしかして、待っていた生徒って…日向創くんですか?」
成歩堂(!彼のことも知ってたのか)
こまる「日向さんと七海さんに、接点があるってことなのかな?」
雪染「はい、そうなんです」
1・日向と七海について
2・雪染について
>>71
-
- 71 : 2016/12/17(土) 11:47:43 :
- 一
-
- 72 : 2016/12/17(土) 11:59:14 :
-
成歩堂「日向くんと七海さん…どんな関係なんですか?」
雪染「七海 千秋 は、本科の二年生なんです」
雪染「肩書きは『超高校級のゲーマー』で
、いろんなゲーム大会で優勝してる娘なんです」
こまる「七海千秋…名前ぐらいなら雑誌でみたことあるかも」
こまる「『今話題の、癒し系ゲーマー‼︎』みたいな感じで」
成歩堂「その彼女がなぜ日向くんと?」
雪染「日向くんは、才能のない自分のことを僻んでたんです 自分はどうせ予備学科だ…なんて言ってて」
雪染「それで、日向くんのクラスメイトのサトウさんに頼んで、日向くんに本科の生徒を紹介してもらったんです」
雪染「それ以来、本科の生徒とは面識があって、特に七海さんと仲が良かったんです、彼」
成歩堂(だからゲーム機を持って待っていたんだな…)
こまる「七海って人は、今何をしてるんですか?」
雪染「え? ど、どうしてかな?」
こまる「あのまま待たせるのは可哀想だし…七海さん、少しの間呼んであげてもいいと思いますけど…」
雪染「……………ごめんなさい それは出来ないの」
成歩堂「?」
1・それは出来ない
2・雪染について
>>73
-
- 73 : 2016/12/17(土) 12:17:46 :
- 1
うーん…読めたような読めないような…
ただなんとなくエノジュンが黒幕って単純な個とではなさそう
-
- 74 : 2016/12/17(土) 16:19:56 :
- 成歩堂「どうしてダメなんですか?」
雪染「……いないんです、七海ちゃん」
こまる「えっ…」
成歩堂「…………つまり、彼女も行方不明なんですね」
雪染「そういうことに…なりますね」
こまる「……………」
成歩堂(やっぱり、か…)
成歩堂「彼女が行方不明になっていること、日向くんは知っているのかな?」
雪染「正確な行方不明者を知っているのは、希望ヶ峰関係者と本科の生徒、一部の一般人だけです」
成歩堂「雪染さんから話したのですか?」
雪染「いいえ、多分本科の他の生徒から聞いたんだと思います」
成歩堂「つまり、彼は来るはずのない七海さんを待っていたのか?」
雪染「待ってたのって、もしかして噴水の前ですか?」
成歩堂「よくご存知ですね」
雪染「日向くんはいつもそこで七海ちゃんと遊んでたんです」
雪染「これが、そのゲーム機なんです」
雪染さんが服のポケットから取り出したのは、古いゲーム機だった
さっき日向くんが持ってたのと同じ機種だ
こまる「どうして、雪染さんがそれを?」
雪染「2人を見てたら懐かしくなっちゃって、この間七海ちゃんから借りたの」
成歩堂「…それ、少しの間貸していただけませんか?」
雪染「? ええ、いいですけど…」
証拠品『七海のゲーム機』を手に入れた
ーー七海千秋が持っていたゲーム機
昔のモデルみたいだ
成歩堂(七海さんとお揃いのゲーム機…サイコ・ロックを解く鍵になりそうだ)
2・雪染について
>>75
-
- 75 : 2016/12/17(土) 17:21:08 :
- 2
-
- 76 : 2016/12/17(土) 17:24:15 :
- こまる「ちささんは、本科の先生なんですか?」
雪染「そう、去年から77期生の担任を勤めてるの」
成歩堂「教師というのも、大変なものなんですか?」
雪染「そりゃあもう、教室をぶち壊したりご飯に媚薬混ぜたりなんかは日常茶飯事で、正直、最初は腐ったみかんの詰め合わせみたいな物でしたよ」
成歩堂(…学校なんだよな?本当に)
雪染「でも、七海ちゃんを中心に、だんだんみんなもまとまってきて、いいクラスになってきてたんです」
雪染「それなのに…その矢先にこんなことが起こるなんて…」
成歩堂「失踪についての心当たりは?」
雪染「全く無いです…朝、気がついたらもう寮にはいなくて」
こまる「…やっぱりおかしいよ 誰も失踪について詳しく知らないなんて」
成歩堂「一切の証拠を残さず、なおかつ居場所も目星がつかないか…」
成歩堂(一体犯人はどうやって生徒を攫ったんだ?)
-
- 80 : 2016/12/18(日) 14:59:24 :
- 雪染「では、私はそろそろ会議があるので失礼させていただけますね」
成歩堂「会議というと…」
(まぁ、言わずもがな、失踪事件についてだろうな…)
雪染「あっ、それと成歩堂さん! 鷹を入れるのは禁止ですからね!」
成歩堂「わ、わかりました、ありがとうございました」
雪染さんは時計を見ながら駆け足でカフェから出て行った
成歩堂「証拠はイマイチ集まらなかったけど、とりあえずこれで日向くんを揺さぶれば新しい証言が得られるかもしれない」
こまる「よし!そうと決まったら早速さっきの噴水広場に戻りましょう!」
成歩堂「ああ そうだね」
(日向くん、口割ってくれるかな…)
十神は、図書室を訪れていた
希望ヶ峰学園の図書室は、豪華にも二階まで続いていた(入り口は一階のみ)
通常の教室の5倍ぐらいの広さが二階まで続いていた
小説、漫画、古典、図鑑、辞書…様々は本が視界に広がり、棚の中に所狭しと並んでいる
この蔵書の質なら、当然希望ヶ峰学園の歴史書もある
十神白夜ははっきりしない物事が嫌いだ
デイトレードでも何でも、常に先を見出せないと気が済まない
二階の本棚に図書室用のはしごを立てて、できるだけ正確なデータが並んでそうな書籍をしらみ潰しに拾っていく
十神「…まぁ、これだけ集めれば、希望ヶ峰に関連した人物は大体把握できるだろう」
黯箸「なにを把握するって?」
十神「⁉︎」
気がつくと、はしごの麓であのクソッタレ教頭がこっちを見上げてた
十神「何の用だ」
黯箸「こっちが聞きたいよ どうして本科の校舎にいる?」
十神「…あんたには関係ない案件だ」
黯箸「そうか…」
黯箸はタバコに火を付けて、つまらなそうな表情で下を向いた
図書室は禁煙のはずだが、この男には関係ない いつもこんなものだ
十神「用がないならさっさと消えろ 俺はお前の顔を見てると腹がたつ」
黯箸「消えるのは、お前の方さ …十神白夜」
グラッ
十神「‼︎‼︎」
突然、はしごが大きく揺れて、十神は焦った
必死に冷静になり、受け身を取ろうとした
黯箸「君は知りすぎたんだ…まぁゆっくり眠ってくれ」
十神「キサマッ…‼︎」
図書室に重い音が響いた
-
- 82 : 2016/12/20(火) 21:34:26 :
- pvさんの都合で、これからも頑張ってください!
今はごゆっくり休んで、また復帰してください!
あなたが復帰したときには俺はスッ飛んでSS支援します!
-
- 83 : 2016/12/20(火) 22:54:00 :
- 4月 5日 某時刻
希望ヶ峰学園 噴水前広場
成歩堂「日向くん!日向くーん!」
成歩堂(おかしいな…ここで待ち合わせてるっていってたのに、どこに行ったんだ?)
こまる「う〜ん、トイレにでも行ってるのかな?」
成歩堂(…おまる…おまる…)
こまる「…成歩堂さん?」ピキピキ
成歩堂「あ!い、いや、なんでもないよ!」
スタスタスタスタ
成歩堂「ん?」
気がつくと、辺りの警察官が何かを聞きつけて、各々一斉に走り出していた
成歩堂「…何かあったのかな?」
こまる「……ひょっとして、事件とか?」
成歩堂「アハハハ…まさかね」
しばらくするとパトカーまでやって来て、さすがに何が起きたかを僕は大方察してしまった
……やれやれ、僕はなんでこんなに不幸に巻き込まれるんだ?
成歩堂「…………」
成歩堂「警察のひとに話を聞きに行くから、こまるちゃんはここで待ってて!」
こまる「う、うん!」
自分の驚異的な悪運体質を呪いながら、僕は駆け足で走り抜ける警察官の後を追った
しかしその目に映ったのは意外な答えだった
成歩堂「‼︎」
成歩堂「そんな…日向くん⁉︎」
日向創が、警察官に連れて行かれる光景だった
夕神「………」
成歩堂「ま、待ってください!ユガミ検事!」
夕神「アァン? 成の字か」
日向くんと警察官を先導しているユガミ検事を問いただした
成歩堂「ひ、日向くんが…なにかしたんですか⁉︎」
夕神「なにかしたもクソもねェ」
夕神「コイツには、十神 白夜 の殺害容疑がかかってるんだ」
成歩堂「エ…」
成歩堂「エエエエエエエエエエッ⁉︎」
-
- 89 : 2016/12/23(金) 15:17:04 :
- 4月 5日 某時刻
留置所
心音「成歩堂さん! ほ、本当なんですか?」
成歩堂「ああ、苗木くんは誘拐されていて…それの調査をしていたら、殺人事件が起きた」
こまる「なんだか、信じられない事の連続で、軽くパニックですよ…」
成歩堂「ところで、王泥喜くんは大丈夫?」
心音「『成歩堂さんの為にどうしてもついていきたい!』とおっしゃっていたので…」
心音「みぬきちゃんに頼んでベッドに固定しました!」
成歩堂「固定⁉︎ だ、大丈夫なの?それって」
心音「ただでさえこの世で1、2を争うタチの悪い風邪を引いているんですよ?」
心音「王泥喜先輩には、あまり無理して欲しくないんです だから今は安静にして貰ってます」
成歩堂「うん…わかった」
(病人にそこまでするのか…怖いよ)
心音「それはそうと、成歩堂さんはどうして留置所に?」
心音「ハッ!ひょっとして…また無実の罪で捕まった人がいるんですか⁉︎」
成歩堂「いや、まだ無実かどうかはわからないから、それを確かめる為に来たんだ」
看守「入りなさい」
ガチャッ
日向「…またあなたですか 随分しつこいですね」
成歩堂「ここに来たのは他でもない 君と話がしたかったからなんだ」
成歩堂「今回の事件と行方不明…無関係とは考え難い だから話してくれないかな」
日向「………」
ガラガラガラガラ
バババン!
成歩堂(やっぱり出たか、サイコロック…でも、今の手元の証拠品なら…)
日向「話したい事があるなら、手短にお願いいしますよ」
成歩堂「ああ、そうだね 僕にも時間がないから、早く終わらせよう」
成歩堂(日向くん、悪いけど君のヒミツ…暴かせてもらうよ)
-
- 90 : 2016/12/23(金) 17:40:57 :
- 〜待ち合わせ〜
成歩堂「君は、あの場所で誰かと待ち合わせをしていた」
日向「ああ、そうだ」
成歩堂「誰と待ち合わせしてたか、話してくれるかな?」
日向「いい加減しつこいですよ 別にあなたには関係のない話でしょう?」
成歩堂「まぁ、確かに直接的な関係はないよ」
成歩堂「だけど、物事から推測する事が出来る」
日向「?」
成歩堂「君が待ってた人物を示す証拠品があるんだ」
1・弁護士バッジ
2・七海のゲーム機
3・証拠品はない
>>91
-
- 91 : 2016/12/23(金) 18:07:07 :
- 2で
-
- 92 : 2016/12/23(金) 18:07:17 :
- 2
-
- 94 : 2016/12/24(土) 01:38:41 :
- 4
-
- 95 : 2016/12/24(土) 10:39:52 :
- くらえ!
日向「その人は…!」
成歩堂「彼女の名前は雪染ちさ 本科の教師だ」
成歩堂「このゲーム機は、どうやら本科のある生徒から借りたらしい」
成歩堂「雪染さんは、君もその本科の生徒の知り合いだと言っていた」
日向「…!」
成歩堂「日向くん、ここまで言えばわかるよね?」
成歩堂「君が待ち合わせしていた人物、それは…」
1・苗木誠
2・雪染ちさ
3・七海千秋
4・成歩堂龍一
>>96
-
- 96 : 2016/12/24(土) 12:50:48 :
- 3
-
- 97 : 2016/12/24(土) 14:00:07 :
- くらえ!
成歩堂「超高校級のゲーマー、七海千秋さん…間違いないね?」
日向「………」
日向「そこまでわかってるのなら、隠すことはできませんね…」
成歩堂(よし!解除成功だ!)
解除 成功
日向「俺が行方不明事件を知ったのは、3日前でした その時は、誰が行方不明なのかもよく知らなくて…」
日向「だけど、風の噂である人が行方不明という噂を聞いたんです」
成歩堂「その噂の人物が、七海千秋…」
日向「察しが良いですね、成歩堂さん その通りです」
日向「七海がいなくなった…それが信じられなくて、絶対に嘘だと思いたくて…それで毎日あそこで待っていたんです」
成歩堂「…君には聞きたい事がいくつかあるんだ いいかな?」
日向「俺に答えられることなら、なんでも」
1・殺人事件について
2・行方不明になった生徒について
3・七海千秋について
>>98
-
- 98 : 2016/12/24(土) 14:28:13 :
- 3
そういえば苗木側と成歩堂側との時差ってとまのくらいなんだろうか…
-
- 99 : 2016/12/24(土) 15:32:38 :
- 日向「本科の生徒について知ったのは、サトウっていう同じ予備学科のクラスメイトを通してでした」
こまる「そこで七海千秋って人と知り合ったの?」
日向「いや、友達から紹介してもらったのは小泉真昼っていう人で、そこから徐々に本科の生徒と話すようになったんだ」
日向「だけど…俺は嫌いだったんだ 本科の生徒を妬んでる自分が…ほら、俺は予備学科出身だから、本科の生徒にはあまりいい印象を持ってなかったんです」
日向「そんな気持ちを変えてくれたのが七海なんです 人は才能なんて関係なく面白いんだって…」
心音「七海千秋さんのこと、大事に思ってるんですね、日向くん」
日向「ええ、まぁ…」//
成歩堂(?)
1・殺人事件について
2・行方不明になった生徒について
>>100
-
- 100 : 2016/12/24(土) 15:38:46 :
- 2
サトウや菜摘も心配だ…
トワイライト事件は起きてないのか?
-
- 101 : 2016/12/24(土) 17:33:38 :
- 成歩堂「七海さん以外に失踪したと思われる生徒の情報を知ってるのかな?」
日向「サトウが、小泉や西園寺と連絡が取れないって言ってました 多分その2人も…」
日向「他の生徒はわかりません…海外に行ってるやつもいるので」
こまる「というか、これって関係者の身内を当たれば誰が行方不明なのかワンチャンありえますよね?」
成歩堂「だったら、今度週刊誌でも買ってこようかな…」
日向「いいえ、おそらく希望ヶ峰は大金を払ってメディアを買収してるでしょうし、難しいでしょうね」
成歩堂「大金…具体的にいくらぐらいかな?」
日向「さすがにそこまで知りませんけど…希望ヶ峰の事だし、億単位の金はポンと出せるんじゃないですか?」
心音「お、億単位…」
成歩堂「希月さん、盗みに行こうとしちゃダメだよ」
心音「そ、そんな事するわけないじゃないですか!」
モニ太『スゴクホシー…』
こまる「にしても、そこまで徹底して死守してるんですか…?」
日向「ええ、未だにあの事件を報道してるのは一部のマスメディアだけで、大多数のTVや新聞はもう口封じさせられてる頃です」
成歩堂「そうなると、情報源は生徒達の身内、学園側、警察の3つに絞られてくるね」
日向「でも、どうしても事態を明かそうとしないことには、どんな理由があるのかな…?」
成歩堂「まぁ、何か企みがあるんだろうね」
(あの教頭とかが一番怪しいけど)
1・殺人事件について
>>102
-
- 102 : 2016/12/24(土) 17:46:15 :
- 1で
スクープの臭いを嗅ぎ付けてジャネットさんが来そうな予感
-
- 103 : 2016/12/25(日) 22:12:28 :
- 成歩堂「事件について、何か心当たりは?」
日向「それが…ほとんど無くて」
成歩堂「まさか、 また記憶喪失?」
日向「いえ、ただ外で七海を待ってたら、急に気分が悪くなってその場に倒れて…気がついたら本科の校舎の保健室にいました」
日向「正直、その時はチャンスだと思いましたよ」
こまる「えっ! …ひ、日向くん、ももしかして本当に…殺っちゃったってこと?」
心音「え〜っと…な、成歩堂さん!こういう時どうすれば良いんですか⁉︎」
成歩堂(まずすぐに動転するところを直せば良いんじゃないかな)
日向「いやいや、そういう意味じゃないですよ! 失踪事件について調べるチャンスって意味ですよ!!」
日向「七海達のいた三階の教室に行って、誰もいないうちに何か調べられないかなって思って探偵してたんですけど…警備員に見つかってしばらく拘束されてたんです その後、何がなんだかわからないまま殺人容疑をかけられてしまって」
成歩堂(…この人も相当な不幸体質のようだな)
心音「つまり、日向さんは殺人事件には関わっていないんですね?」
日向「は、はい! 俺は人殺しなんかしてません!」
日向「なのに、警察も聞く耳を持ってくれなくて…」
成歩堂「…」
-
- 104 : 2016/12/26(月) 20:53:23 :
成歩堂「日向くん、いろいろ証言してくれてありがとう」
日向「こちらこそ、大した収穫のない証言ですけどね ところで成歩堂さんはこの後どうするんですか?」
日向「事件が起きたりしたら学校にも入れないし、調べようがありませんけど」
心音「うう〜ん、それもそうですね…」
成歩堂「いや、あるよ ひとつ」
成歩堂「あの学校に真正面から入れるかもしれない方法がね」
日向「?」
心音「お、成歩堂さん やっぱりその気なんですね!」
成歩堂「その気がなければわざわざここに来たりしないよ」
こまる「その気って…どの気ですか?」
成歩堂「日向くん……君の弁護、僕に任せて欲しいんだ」
日向「!」
成歩堂「僕はこの失踪事件についてもっと調べる必要がある そのためには今回の殺人事件を調べる事も重要だと思う」
成歩堂「それを抜きにしても…僕には『無実の人を救う』という弁護士としての使命がある」
成歩堂「日向くん、今一度聞くよ 君は無実なんですね?」
日向「……………」
日向「成歩堂さん、ひょっとしたらあなたなら……七海達を見つけてくれるかもしれませんね」
日向「……俺は…やってません!」
成歩堂「わかった、日向くん 弁護士として、僕は君を最後まで信じ抜くよ」
日向「はい、おねがいします!」
心音「よし!決まりですね!それだったら、私が全力でサポートしますよ!成歩堂さん!」
こまる「えっ⁉︎ それなら、わ、私だって負けないからね!」
成歩堂「…あまり張り合わないで、ちゃんと協力してよ 2人とも」
成歩堂(しかし、もしこの事件の裏に行方不明の件が絡んでるとしたら……いや、いい加減は憶測はやめておこう まずは日向くんの無罪を証明しない限り始まらない)
成歩堂「それじゃあ、学校に戻ろうか、2人とも」
心音「任せてください! 王泥喜先輩がのびてる今は、私が全力でサポートします!」
こまる「えーと、よくわからないけどこっちもOK!」
-
- 105 : 2016/12/27(火) 00:10:04 :
- 4月 5日 某時刻
希望ヶ峰学園 噴水広場前
心音「さぁ!ちゃっちゃと調査しましょう!」
成歩堂「ああ、まずは日向くんがどうやって本科の校舎に運ばれたのか、そこを洗う必要があるね」
成歩堂「この噴水広場の周辺で拾われた…だとしたらここで誰かが日向くんを見つけたという事になる」
???「ぅん? おーい、誰だー?」
成歩堂「ん?」
???「おっさん達、誰なんだ? この辺じゃみねぇ顔だけどよ」
成歩堂「お、おっさん…?」
心音「そういえば、もう36近くですよね、成歩堂さん もうそろそろ初老が近いですね!」
成歩堂「できれば、生き生きとした中年生活を送りたいものだね」
心音「それ、今の怠け癖がついた成歩堂さんじゃきついと思いますけど…」
こまる「あのー、私たち、日向くんの事件について調査しているんです」
???「日向が…事件? なんでだ?」
成歩堂「僕は成歩堂龍一 弁護士をやっている」
???「便所飯?」
成歩堂「………弁護士です」
心音「日向くん、今は十神白夜って人を殺した容疑で捕まっているんです」
???「へ⁉︎ そうなのか⁉︎ 俺そんな話聞いてねーぞ…」
成歩堂「日向くんと知り合いなのかな?」
終里「おう! 俺の名前は終里 朱音 っつうんだ よろしくな、成歩堂のおっさん!」
ーー終里 朱音(オワリ アカネ)
【超高校級の体操選手】
成歩堂「よ、よろしく」
(いろんな意味で押しの強い人だな…この人)
終里「聞きたい事があんなら、なんでも教えてやるぜ? あ、スリーサイズとか知りたいか?」
成歩堂「い、いやいやいや!そこまでデリカシーのない人間じゃないよ!」
終里「そっか〜 お前ぐらいの歳のおっさんどもは大体喜ぶんだけどな〜」
成歩堂(普段から誰と話してるんだよ!)
心音「……あれぐらいグラマラスなボディ、私も欲しいかも…」
モニ太『ホシーーイ』
>>106
1・終里について
2・日向について
3・十神について
-
- 106 : 2016/12/27(火) 00:11:15 :
- 1で
-
- 107 : 2016/12/27(火) 00:12:30 :
- (それとココネはココネでスタイルいいと思うんだけどな)
-
- 108 : 2016/12/27(火) 13:17:31 :
- 成歩堂「終里ちゃんは、本科の生徒なのかな?」
終里「おう、周りの連中は『超高校級の体操選手』って呼んでるぜ」
成歩堂「体操選手か…なんだか雰囲気からは想像もつかないな」
終里「そうか? まぁ俺自身も金稼ぎの為だけにやってるようなモンだからな」
こまる「でもそれだったら、体操以外に何をやるんですか?」
終里「ああ、バトルとかな!」
成歩堂「ば、バトル…?」
終里「おう、文字通りのやり合いだぜ! ぶん殴って吹っ飛ばして、なんでもアリのバトルだ!
終里「これほど血が滾るモンはねーよな!」
成歩堂(…学級崩壊が起きそうだな、このクラスは)
終里「成歩堂のおっさんもどうだ? いい運動になるぜ?」
成歩堂「異議あり… 出来れば、法廷だけにしたい…」
2・日向について
3・十神について
>>109
-
- 109 : 2016/12/27(火) 13:31:05 :
- 2でお願いします。
-
- 110 : 2016/12/27(火) 14:19:57 :
- こまる「日向くんについて知ってる事ってある?」
終里「知ってるもなにも、もうクラスメイトの1人みたいなもんだぜ?」
成歩堂「そんなに馴染んでいるんですね」
終里「ああ、特に七海や小泉あたりとは仲がいいらしいけどな」
心音「日向くん、確か体調を崩して倒れたらしいんですけど、心当たりってありますか?」
終里「ああ、その時に日向を寮まで運んだのは俺だぜ?」
成歩堂「そうだったんですか…ん?」
終里「なんだ? どうかしたか?」
成歩堂「……たしか本科の生徒は寮に缶詰にされていたはずじゃあ…」
終里「そんないつまでも部屋でダラダラ過ごすなんて俺にはできねーよ 況してやクラスメイトまで誘拐されてんだ、うずうず出来るはずねぇ」
終里「だから警備員のツレって条件で、10分ぐらい外で憂さ晴らししてたんだよ」
終里「そしたら、日向がベンチから倒れてたんだ それで本科に戻って、罪木に診せてやったんだよ」
成歩堂「つ、積み木?」
終里「罪木蜜柑だ 俺のクラスメイトで、いっつもヒーヒーこいてるヤツだぜ」
2・罪木について
3・十神について
>>111
-
- 111 : 2016/12/27(火) 15:19:29 :
- 2で
-
- 112 : 2016/12/27(火) 16:27:40 :
- 終里「罪木はたしか『超高校級の保健委員』だったな」
終里「保健委員っつっても医者みてーに、人の顔色とかから体調を推測出来るらしいぜ?」
成歩堂「そのあたりはさすが超高校級といったところだね」
終里「でもすぐにビビって、許してくれーだのなんだの喚くんだ なーんか疲れそうだよな」
こまる「ところで、その人が日向くんを保健室に運んだんだよね?」
終里「ああ なんか焦ってたぜ?」
終里「まるで頭痛と吐き気と貧血と目眩と眠気を体現したような表情だったって騒いでたぜ」
心音「お、王泥喜先輩の風邪よりタチが悪いですね…」
成歩堂「日向くん、何か重い病気を拗らせているのかな?」
(本人はそんな事言ってなかったけど…)
終里「あいつ、いつもは体調が悪いなんてことはないけどなー 何があったんだろうな?」
3・十神について
>>113
-
- 113 : 2016/12/27(火) 17:02:54 :
- 3
-
- 114 : 2016/12/27(火) 17:38:07 :
- こまる「十神白夜って人には心当たりありますか?」
終里「十神って確か最近入った一年だよな? 御曹司とかいう肩書きで、今回いろいろ言われてるヤツ」
終里「あいつとバトった事あるけど、結構強えよなあいつ!」
こまる「誰とでも戦うんだ…」
成歩堂「十神白夜くんは格闘術も嗜んでいたのかな?」
終里「合気道、柔道、空手、八極拳、太極拳、燕青拳…これぐらいはやってるって本人言ってたぜ」
心音「今調べたところによると、財閥の御曹司でありながら、デイトレードで数億円の資産を持ってるらしいですよ」
心音「その上格闘技もマスターしてるなんて、まさに文武両道ですね!」
成歩堂(むしろ『超高校級の完璧』と呼ぶべき存在かもな…)
『十神のデータ』を法廷記録に書き込んだ
十神のデータ
ーー十神はデイトレード等で莫大な個人資産を持っており、さらに柔術も心得てる
-
- 115 : 2016/12/28(水) 02:21:11 :
- 成歩堂「話を聞かせてくれてありがとう、終里ちゃん」
終里「おう、日向のこともあるし、俺に協力できることならなんでもするぜ」
こまる「あ!だったら本科の校舎に案内してください!」
終里「本科か?おう、いいぜ!」
成歩堂「そのためにまずは許可を取らないとね」
こまる「入るチャンスがあるのは、ギンちゃんがいない今だけです! グズグズしてないで行きましょうよ!」
心音「おっ!こまるちゃんも結構エネルギッシュだね〜 私も行きます!」
終里「俺は構わねぇぞ?」
成歩堂「…許可がおりなかったら強行突破しかねないね」
(やれやれ…元気な女子相手は疲れるな…)
4月 5日 某時刻
希望ヶ峰学園 3F 図書室前
成歩堂(さて…まずはアポを取らなきゃな)
成歩堂(………アポを……とる……アポ……?)
成歩堂(……まぁ、いいや)
こまる「すまませーん! 誰かいますよね〜!」
終里「入れてやんねーと、これ以上ねぇくらいの痛い目見るぜ〜」
成歩堂「いやいや!キョウハクしてどうするの⁉︎」
???「unnnnnnnBelievable ‼︎‼︎」
成歩堂「うおっ⁉︎」
(な、なんだこのやけにテンション高い外国人は!)
???「suit は白く!heart は強く! 目指すは警視庁のmost excellent policeman !!!!!!」
???「この私、元・超高校級のpolicemanのメガー・フシアナーを差し置いて話を進めないでもらいたいね!」
こまる「う、ううう…」
終里「ほえーー…」
心音「うげぇ…」
成歩堂「す、すみません…」
(3人が一気に黙った…勢いが尋常じゃないぞ、この人)
白いスーツに、短金髪青眼とミケランジェロ彫刻のような美貌を兼ね備えた男が、突然目の前に現れた
肩にはよく西洋の貴族がつけてるようなモップみたいなものが乗っており、真紅のマントを暴れさせながら懐から取り出した薔薇をキザに突きつけてくる
……見た目と裏腹にかなり暑苦しい人だ
ーーメガー・フシアナー(メガー・フシアナー)
【元・超高校級のpoliceman(?)】
メガー「ん? 君は確か、ユガミ検事の知り合いだったかな?」
成歩堂「僕のことをご存知なんですか?」
メガー「ご存知も何も、あんたは法曹界ではちょっとした有名人じゃないか」
メガー「んで、その成歩堂弁護士がこんなところに何の用かね?briefly にexplanation 求める!!」
成歩堂「……日本語でお願いします」
メガー「I want 簡潔に説明」
成歩堂(逆になっただけじゃないか!)
成歩堂「僕は日向創くんの弁護士としてここに来ました どうか現場の捜査の許可をお願いしたいのですが…」
メガー「ふむふむ、なるほどね 弁護士なら仕方ない 常に監視していればno problem だな!」
心音「ありがとうございます!」
メガー「それでは、このelegant な私に聞きたいことはないかな?」
成歩堂「え? と、特にないですけど…?」
メガー「そうか!聞きたいことがいっぱいあるんだな! いいだろう!private なこと以外はできる範囲で答えるぞ‼︎ Let's go!」
成歩堂(やれやれ…あまり関わりたくないけど、嫌でも聞かなきゃいけないみたいだ…)
1・メガーについて
2・被害者について
>>116
-
- 116 : 2016/12/28(水) 12:52:59 :
- 1
-
- 117 : 2016/12/28(水) 13:25:32 :
- 成歩堂「メガーさん、超高校級の警察官だったんですか?」
メガー「nonnonnon、policemanと呼んでくれたまえ‼︎」
成歩堂「ぽ、ぽりすまん…」
メガー「そうだ!noble policeman!」
終里「つーかお前、警察官のくせにいつもここにいるよな」
成歩堂「いつもここに…暇なんですか?」
メガー「希望ヶ峰学園は、もしもの時のためのinsurance を欠かせないschool でね、何か急なaccident が起きた時のために、いつでもpolicemanが待機してるのさ!」
成歩堂「心音さん、通訳よろしく」
心音「保険として、何か急な事故や事件が起きた時のためにいつでも警察官を配置させてるってことですね」
メガー「その通り!exactly !そしてそのためには私のように希望ヶ峰学園を知り尽くした人間を配置するのがbest ! それがwise な選択! だから希望ヶ峰学園をgraduation したこの私が専属警官に選ばれたのだ!」
成歩堂(もっと他にいなかったのかな…)
終里「そいつの話は聞くだけ無駄だよ いつも意味わかんねーし」
メガー「とりあえず、現場のexamination を行いたいなら、私に一声please !」
成歩堂「お、お願いします…」
(あまり話したくないな…)
2・被害者について
>>118
-
- 118 : 2016/12/28(水) 14:28:20 :
- うぜぇ…
2で
-
- 119 : 2016/12/28(水) 14:43:18 :
- 成歩堂「被害者の解剖記録とかは…」
メガー「Sorry !残念ながらまだ渡せない! 十神クンの亡骸はまだdissection していないのだ」
成歩堂「でしたら、責めて現場の調査をさせて欲しいんですが…」
メガー「んん〜♫ 君みたいなattorney ならまだ仕方あるまい しかしordinary person 達は入れられないな!」
成歩堂「希月さん、通訳よろしく」
心音「弁護士さんなら通してもいいけど、一般人は捜査禁止だそうです」
こまる「そんな〜…」
メガー「おまけに、常に僕がwatch することになるが、それでもOKかい?」
成歩堂「現場の調査ができるなら、それでも構いません」
メガー「んん〜♫ いい心構えだ!justice !」
メガー「その輝かしい精神に応じて、軽く現場のsituation について話そうではないか!」
メガー「被害者は十神白夜、希望ヶ峰学園のstudent で、超高校級の御曹司と呼ばれた男だ」
メガー「彼は希望ヶ峰学園の本校舎に無断でadmission し、四階の図書室にいたのだ そこでキャタツに登って本を物色していたところを狙われた!」
メガー「なんと!back から近づく犯人に気が付かずにキャタツごと倒れた! その高さからfall した十神白夜は頭をうって失血死したのだ!」
メガー「criminal はキャタツに指紋を残し、なおかつ希望ヶ峰学園の本校舎に事件当時いた人物!そう!日向創に他ならないのだ!」
メガー「と、こんな感じでよろしいかな?成歩堂attorney?」
成歩堂(日向くんの指紋が検出されたキャタツか……法廷でもそこが争点になりそうだな)
成歩堂「お話いただき、ありがとうございます メガー刑事」
メガー「礼には及ばないさ!」
-
- 120 : 2016/12/28(水) 14:59:48 :
- メガー「それでは、そこの
badge をつけたattorney2人! 私についてきたまえ!」
メガー「girls 2人は外で待ってて貰おうか! それではLet's go!」
成歩堂「は、はぁ…」
(こ、こんなに疲れるのは番刑事以来だ…)
心音「よし!無実証明のためにも、早速調査を始めましょう!」
4月 5日 某時刻
希望ヶ峰学園 4F 図書室
成歩堂「ここが、事件の現場か…」
メガー「exactly! まぁ一通り捜査はしたから、君たちもfree に捜査したまえ!」
メガー「そうそう!くれぐれも勝手に現場の証拠品を触るのはNG だぞ!」
成歩堂「ありがとうございます メガー刑事」
成歩堂(さて…まず気になるところから捜査するか…)
1・本棚
2・十神の死体
3・キャタツ
>>121
-
- 121 : 2016/12/28(水) 16:34:18 :
- 2
-
- 123 : 2016/12/28(水) 18:21:54 :
- 成歩堂「十神白夜くんの死体はまだ動かしていないんですか?」
メガー「うむ! 現場をstorage する意味でも、彼の亡骸はまだそのままにしている! 夕方には解剖に回す見込みだ!」
心音「この感じだと…キャタツから落下して頭を打って死んでいますね…」
メガー「あゝ、真紅のblood がこんなに痛々しく広がってる… 犯人を決して許すわけにはいかない!」
成歩堂「この激しい広がり方だと、頭から強く打ち付けたみたいですね」
メガー「鋭いねattorneyくん! まぁ、正確な死因や死亡時刻はTomorrow までのお楽しみさ!」
1・本棚
3・キャタツ
>>124
-
- 124 : 2016/12/28(水) 18:35:30 :
- 3で
-
- 127 : 2016/12/28(水) 22:36:29 :
- 成歩堂「このキャタツが、十神くんが使ってたものか…」
メガー「十神くんの指紋も付いていたし、間違いないね!」
成歩堂「そのキャタツの、どこの部分に日向くんの指紋が?」
メガー「ちょうどこのキャタツの両脇あたりからさ!」
成歩堂「つまり、キャタツの両端を掴んで後ろに倒した…ってことですか?」
メガー「That's right !! 勘が冴えわたってるね!attorney!」
成歩堂(…勘じゃなくてただの推測なんだけどな)
心音「ん?ちょっと、成歩堂さん これ…」
成歩堂「これは…ネームシールか」
メガー「nameseal ? 和製英語は苦手なんだ…」
成歩堂「そのままの意味ですよ タイプライター式の名前の書いてあるシールです」
心音「小学生の時はよく文房具とかに貼ってました!」
メガー「oh…小学生時代はAmerica にいたからその例えもbe incomprehensible ‼︎」
成歩堂「希月さん、よろしく」
心音「アメリカ人だからそんな例え解らないって言ってます 私は海外時代でも愛用してましたけどね」
メガー「しかし、磨り減ってて文字が見辛いな……これは…雨冠か?」
成歩堂「雨冠…このキャタツの持ち主の名前かな?」
心音「雷さんとか、霙さんとか、雪崩さん…あれ?」
証拠品『キャタツ』の情報を法廷記録に書き込んだ
キャタツ
ーー日向と十神の指紋が付いていた
名前が磨り減ってて見辛いが、雨冠だけは認識できる
1・本棚
>>126
-
- 128 : 2016/12/28(水) 23:00:22 :
- 1で
-
- 129 : 2016/12/29(木) 12:00:53 :
- 成歩堂「十神くんが物色していたであろう本棚が思いっきり倒れてるね…」
心音「ひょっとして、十神くんが倒れたのと同時にこの本棚も倒れたんですかね?」
メガー「その可能性もあるな」
成歩堂「? 本棚の上の窓…空いてますよ」
メガー「それはおそらく十神くん本人がopen したんじゃないか?」
心音「換気目的かな…?」
成歩堂「…そういえば、十神くんは殺される前にどんな本を読んでいたんですか?」
メガー「指紋検査の結果から考えると、彼はどうやら希望ヶ峰学園のhistory book を片っ端から集めていたそうだ!」
心音「彼が読んでいたのは希望ヶ峰学園の歴史書らしいですね」
成歩堂「一応メモしておこうか」
『本棚』と『本』の情報を法廷記録に書き込んだ
本棚
ーーキャタツに覆いかぶさるように倒れている
本棚の上の窓は開いていた
本
ーー十神は希望ヶ峰学園の歴史書を漁るために図書室に来た
-
- 130 : 2016/12/30(金) 00:22:13 :
-
成歩堂「うーん、現場には特にヘンな部分はあまり見当たらないな…」
メガー「我々が日向くんをdoubt する理由もわかっただろう? 事件はとてもdecisive !そしてsimple !!」
成歩堂(指紋のついたキャタツに、日向くんが本校舎にいたという事実、か…やれやれ、今回も先が見えないな……)
心音「ところで、ずっと気になっていたんですが…?」
メガー「なんだねgirl!!question があるなら遠慮はいらないぞ‼︎」
心音「どうやって十神くんは本校舎に入って来たんですかね?」
メガー「ギクッ!!!!」
成歩堂(?)
心音「本科の生徒は寮に監禁されてましたけど、十神くんはなんでこんな場所に?」
メガー「……あ、あああいぁ、I don’t know !!」
心音「うわっ!」
メガー「い、いやすまないすまない、取り乱してしまったようだ……」
メガー「そもそも、十神くんがここに来た事は今回の殺人事件とはまた別件というか、その…」
ガラガラガラガラガラガラガラガラ
ババババン!!
成歩堂(サ、サイコロックが‼︎)
メガー「と、とにかく君たちはもうここに用は無いだろう⁉︎ さぁ、帰って証拠品の整理をするのだよ!弁護士どもよ! それが日向くんを弁護する君たちのするべき事だ!」
心音「ちょ、ちょっと待ってくださいメガーさん‼︎ 話したいことが…」
メガー「ヘイ警察官! かれらをつまみ出してくれ!」
成歩堂「ちょ、ちょっとメガー刑事⁉︎」
4月 5日 某時刻
希望ヶ峰学園 本校舎
こまる「結局、事件に関する証拠品は集まったんですか?」
成歩堂「まぁ、少しだけね」
(フタを開ければ、こっちに不利な内容だったけど)
心音「あれ?終里ちゃんは?」
こまる「寮に戻りましたよ 警備員数十名に抑えられて」
成歩堂(底なしの体力だな…終里ちゃん)
こまる「じゃあ、証拠品が揃ったなら、帰って整理してみますか?」
成歩堂「…イヤ、その前に一つだけ確認したい場所があるんだ」
こまる「?」
成歩堂(メガー刑事のあの狼狽…そしてサイコロック…)
成歩堂(彼は知っている…十神くんがここに来た方法を‼︎)
心音「彼の声も明らかに震えてましたし、調べる必要があると思います! イヤ、あります!」
こまる「で、でもどうやって調べるんですか?」
成歩堂「さっきギンがここの地図をくれたんだ」
成歩堂「この地図によると……どうやら本校舎の三階には、寮と直接繋がる通路があるらしい」
心音「どこかを通るか考えると、そこしかあり得ませんね!」
成歩堂「そういう事さ、行こう、2人とも」
こまる「……………」
成歩堂「? こまるちゃん?」
こまる「? あ、ハイ! 早速行きましょう!」
-
- 131 : 2016/12/30(金) 00:45:06 :
- 4月 5日 某時刻
希望ヶ峰学園 3F 寮へと続く廊下
こまる「やっぱり、十神って人はここから現場に来たのかな?」
成歩堂「そうだね 現場に行くには、ここからの方が近いのは確かだ」
成歩堂「まぁ、警備員が何人かいるけど、特に目立つものはないかな…ん?」
心音「成歩堂さん、どうかしましたか?」
成歩堂「……何か床に落ちてないか?」
心音「? 本当ですね、調べてみます?」
1・メガネ
2・空き缶
>>132
-
- 132 : 2016/12/30(金) 15:07:22 :
- 2
-
- 133 : 2016/12/30(金) 15:15:48 :
- 成歩堂「空き缶、か……」
心音「何のヘンテツもない空き缶ですね」
成歩堂「…ここは現場じゃないし、堂々とカガク捜査グッズが使えるな」
心音「え? …これもいちいち調べるんですか?」
成歩堂「まぁ、ひょっとしたら証拠品になるかもしれないし…」
(これ以上調べるものもないし…)
警備員A「それはもう調べても無駄だぞ」
警備員B「ああ、ここのものは全て警察官が調べたからな」
こまる「そうなんだ…」
成歩堂「この空き缶、何かの痕跡が残ってたりしませんでしたか?」
警備員B「さあな…本科の生徒の指紋が取れたってだけだったらしい」
『空き缶』を法廷記録にしまった
空き缶
ーーからの缶 本科生の指紋が検出
銘柄はコラ・コーラ
1・メガネ
>>134
-
- 134 : 2016/12/30(金) 15:26:14 :
1
-
- 135 : 2016/12/30(金) 16:12:14 :
- 成歩堂「このメガネ…老眼鏡かな?」
心音「老眼鏡…?」
成歩堂「老眼のひとが、近くのものを見るために使うメガネだよ 最近だと雑貨店とかで売ってるかな」
警備員A「ん? そのメガネ…大場さんのものか?」
成歩堂「?」
警備員B「昨日から大場さん、老眼鏡をなくしただのなんだの文句言ってたな…よかったら届けてくれないか?」
成歩堂「は、ハァ…」
心音「大場さんって、誰ですか?」
成歩堂「ああ、オバチャンだよ ここの警備員の」
こまる「ああ〜、あの人か〜」
『老眼鏡』を法廷記録にしまった
老眼鏡
ーーオバチャンの老眼鏡
事件前からなくしていた
-
- 136 : 2016/12/30(金) 16:27:01 :
- クロは黯箸か?メガーか?
-
- 137 : 2016/12/30(金) 16:42:43 :
- 心音「結局、特に何もありませんでしたね」
成歩堂「そうだね…それじゃあもう戻ろうか」
???「あのー、ちょっといいですか?」
成歩堂「?」
目の前に、突然少年が現れた
寮の方から来たということは、おそらくここの学生だろうか
茶色い学生服を身につけ、歪にフワついてる髪型、そしてなにより不思議な雰囲気が印象に残る少年だ
その佇まいには、どこか白く、そして黒いものが混同してるような不安定でムジュンしたオーラがある
???「なんかさっきから怪しく嗅ぎまわってるひとがいるって聞いたんですけど…あなたですか?」
成歩堂「? あ、怪しくしてるつもりはないんですけど…」
心音「私たち、希望ヶ峰で起きた殺人事件を調べてる弁護士なんです」
こまる「私は少し違うけどね」
???「と、なると……日向クンを弁護する人達なのかな?」
成歩堂「そうなんだけど…日向くんと知り合いなのかな?」
???「ああ、彼の知り合いだよ… なんだか『知り合い』って名乗るのも烏滸がましいことこの上ないけど…」
成歩堂「?」
???「いや、気にしないでください こっちの話ですよ」
???「あ、そういえば自己紹介をしてませんね…」
狛枝「僕は狛枝 凪斗 …っていうんだ 超高校級の幸運っていう、くだらない肩書きだけどね…」
ーー狛枝 凪斗(コマエダ ナギト)
【超高校級の幸運】
成歩堂「よ、よろしく…」
(なんだか底知れぬ何かを感じるな…)
狛枝「僕に何か聞きたいことってあるんですか? できる範囲で聞きますけど…」
成歩堂「あ、じゃあ、お言葉に甘えて…」
狛枝「ああ、失踪した生徒に関しては喋れないよ? 釘を刺されてるから」
成歩堂(そこは徹底してるんだな…)
こまる「それじゃあ、失踪してない人については話してくれるの?」
狛枝「うん、いいよ、何でも聞いて」
>>138
1・狛枝について
2・日向について
3・十神について
-
- 138 : 2016/12/30(金) 21:17:39 :
- 2
-
- 139 : 2016/12/30(金) 22:05:02 :
- 成歩堂「日向くんについて、何か知ってるかな?」
狛枝「僕たち77期生にとっては、日向くんは軽くクラスメイトみたいなもんだよ」
こまる「狛枝くんも仲良かったの?」
狛枝「当然だよ 彼こそまさに希望の象徴みたいな物だからね… ああ、友達なんて軽い言葉じゃ表せないな、むしろ…」
成歩堂「こ、狛枝くん?」
(どうしたんだ? 急に…)
狛枝「…いや、何でもないよ とにかく、彼とはかなり仲がいいんだよ 僕らは」
狛枝「ところで…なんで日向クンは殺人容疑で投獄されてるんですか? どうも彼が殺人を犯すような人間だなんて、未だに信じられなくて」
成歩堂「発見現場の証拠品が、彼を指していたからね」
成歩堂「当然、僕はその濡れ衣を晴らすために動いている」
狛枝「ヘェ…なるほどね……」
こまる「…狛枝くん、だっけ?」
狛枝「?」
こまる「なんか、自分と同じ学校の生徒が殺されて、尚且つ自分の友達が容疑をかけられてるのに…なんか飄々としてるよね」
狛枝「そう見えたかな? ボクだってそりゃ悲しいよ…ボクらの誇る希望の生徒が亡くなって、友達が濡れ衣を着せられてるんだから…」
狛枝「だけどさ…結局最後には希望が勝つんだよ」
狛枝「例えどんな過程があったとしても…最後には必ず希望が勝つようになってる 世の中はそうやって回ってるんだよ」
成歩堂「…?」
狛枝「正義の弁護士さんなら、わかるよね?」
心音「な、なんだかテツガク的な話になってるけど…」
成歩堂(なんだ…このブキミとも安らぎとも言い難い、この少年のオーラは…)
>>140
1・狛枝について
3・十神について
-
- 140 : 2016/12/30(金) 22:17:19 :
- 1
-
- 141 : 2016/12/30(金) 23:40:14 :
- 成歩堂「狛枝くんも、超高校級の幸運なんだよね?」
狛枝「ええ、まぁ 『も』ってことは、知り合いにもいるんですか? 超高校級の幸運を持ってる人」
成歩堂「僕は、『超高校級の幸運』苗木誠くんを探して、この事件に遭遇したんだ」
狛枝「苗木誠、か…確か彼も失踪した本科の生徒でしたね」
心音「ところで、ちょいちょい気になってたんですけど…超高校級の幸運って何ですか?」
成歩堂「そういえば、希月さんには説明してなかったね… 『超高校級の幸運』は、年に一度希望ヶ峰学園が抽選で選ぶ一般の高校生だよ」
心音「てことは…狛枝くんには実際には才能が無いってことですか?」
狛枝「あはは…身もふたもないけど、でも僕の幸運は少し違うんだよね…」
こまる「違う…?」
狛枝「そうだ、せっかくだから教えてあげましょうか?僕の体質のこと」
成歩堂「た、体質?」
(よくわからないけど…聞いた方が良いかな?)
1・聞いてみる
2・怖いからやめとく
>>142
-
- 142 : 2016/12/30(金) 23:53:19 :
- 1聞いちゃおう聞いちゃおう
-
- 143 : 2016/12/31(土) 00:32:28 :
- 成歩堂「じゃあ、せっかくだから…」
狛枝「そうだね…僕は、少しヘンな体質なんだ 生まれつきの幸運体質っていうのかな?」
成歩堂「幸運体質…?」
狛枝「早い話、僕はよく自分にとって幸運な出来事が起こるんだ この間も、自販機でジュースを買ったら、幸運にも大量に出てきてね…」
狛枝「あ、今度分けましょうか? 僕もあんなにコラ・コーラ飲めないし」
心音「ぜひお願いします!」
成歩堂「君がここに来たのも、その幸運体質…もとい能力なのかな?」
狛枝「察しが早いね、弁護士さん その通りだよ」
狛枝「僕の望みを毎回毎回狙ったように幸運が訪れる…それが僕の体質なんだ」
こまる「なんだか、すごい羨ましい才能だな〜」
狛枝「……そうとも限らないよ?」
こまる「?」
狛枝「世の中、利点しかない物なんて存在しないんだよ…」
成歩堂「ええっと、つまり、どういうことかな?」
狛枝「……この間もね、僕はコンビニ帰りに、チンピラに絡まれたんだ」
狛枝「さすがに鬱陶しいと思ったよ…ても幸運は、その僕をチンピラから守ってくれた……『事故死』という形でね」
成歩堂「⁉︎」
(じ、事故死って…何を言ってるんだ? この人は?)
狛枝「それに、幸運と不幸は必ず±0にならなきゃいけないんだよ…」
狛枝「まぁ例えるなら、シロが存在する限り、クロも存在する…ってことかな?」
成歩堂「…それは幸運の代償って意味かな?」
狛枝「その通りだよ、成歩堂さん だから僕の身に幸運が降り注いだ時、必ずその後に不運がある… そして不運が僕を襲う時は、必ず幸運が僕を救ってくれるんだ 奇妙ですよね、本当に」
心音「で、でも! それで幸運が手に入るなら良いじゃないですか!」
成歩堂(まぁ、須々木さんみたいに不幸しかないよりはマシだと思うけど…)
狛枝「……それさぁ……自分の親が殺されても言えるのかな?」
成歩堂「⁉︎」
心音「えっ…」
狛枝「そんな大事なものを失ってまで……幸せを勝ち取りたいと思う?」
成歩堂「……………………」
狛枝「…イヤ、なんでもないや 僕の寓話を信じるか信じないかは、あなた達次第ですよ、弁護士さん…」
成歩堂「……わかった、狛枝くん」
(今の猟奇的な目つき…何だったんだ?)
『狛枝の体質』についてメモした
狛枝の体質
ーー狛枝は自ずと自分の望みを引き寄せる幸運体質
しかしそれが過剰防衛になることもあり、さらに幸運の後には不幸が待っている
事実かどうかは不明
3・十神について
>>144
-
- 144 : 2016/12/31(土) 01:05:02 :
- 3
-
- 145 : 2016/12/31(土) 13:13:25 :
- 成歩堂「十神白夜くんについて話を聞きたいんだけど…」
狛枝「ああ、彼は凄いよね…本当に 自分の身を犠牲にしてまで真実に向かおうとするあの意思は尊敬されるべきだよ」
成歩堂「真実に向かおうとする意思?」
狛枝「…………もしかしたら、弁護士さんたちなら到達できるかもしれないね…十神クンの求めた真実に」
成歩堂「十神くんに関して、なにか知ってるのかな?」
狛枝「彼は調べていたんだよ 希望ヶ峰学園の生徒が失踪した事件についてね」
狛枝「まぁ、その矢先に亡くなってしまったんだけど…それでもきっとあなたほどの希望の持ち主なら真実に辿り着ける筈だ…」
成歩堂「ええっと…うん、ありがとう」
狛枝「『まるで何を言ってるのかわからない』って顔ですね… 成歩堂さん」
成歩堂「うん、正直」
狛枝「それじゃあヒントを出しましょうか? 真実へと繋がるヒントを」
心音「真実へと繋がる……ヒント?」
狛枝「そう、ヒント 弁護士さんも法廷記録が寒そうだし、聞いて損はないと思うよ?」
こまる「せっかくだし、聞きましょうよ!」
成歩堂(どうする? こんな狛枝くんの証言を聞くか?)
1・聞いてみる
2・やばそうだからやめとく
>>146
-
- 146 : 2016/12/31(土) 13:22:29 :
- 1で
-
- 147 : 2016/12/31(土) 13:32:11 :
成歩堂「じゃあ、お言葉に甘えて…教えてください ヒント」
狛枝「そうですね…… うん、まぁ下手に濁しても仕方ないし、はっきり言ってみようかな」
こまる「………」ゴクッ
心音「………」ゴクッ
成歩堂(さて、デタラメが出るか事実が出るか…どうだろう?)
狛枝「僕が十神クンを殺したんだ」
こまる「エェッ⁉︎」
心音「ホェッ⁉︎」
成歩堂「エ………………エエエエエエッ‼︎」
(と、突然なんだ⁉︎)
狛枝「あははは! いかにも信じられないって表情だね」
成歩堂「イヤイヤイヤ! ほ、本当なのかい?その話は…?」
狛枝「成歩堂さんはどうおもいます?」
成歩堂「そ、そんな事急に振られても……僕は違うと思いたいけど…」
心音「な、成歩堂さん‼︎ 早いとこひっ捕らえて警察に突き出しましょうよ‼︎‼︎」
こまる「う、動かないでよ‼︎」
成歩堂「イヤイヤ‼︎ 2人とも落ち着いて‼︎」
狛枝「でも今から僕を告発しても、なにか証拠があるのかな?」
心音「それは…追い追い見つけます‼︎」
成歩堂(それじゃダメじゃないか…)
狛枝「まぁ、僕を犯人だと疑うも、違うと思うも、全ては弁護士さんたちの推理次第ってところかな…」
成歩堂「希月さん、どうだった?」
心音「ウソを言ってる声ではありませんでした! 絶対犯人ですよ!」
成歩堂(本当にそうなのか? ………だったら、彼の目的はなんなんだ? 自分が犯人だと主張することで彼は何を起こそうとしている…?)
成歩堂「…どちらにせよ、彼の証言には証拠がない 彼を告発するのはむりだと思うな」
心音「うう、そんな…」
『狛枝の証言』を法廷記録にメモした
狛枝の証言
ーー自らが犯人だと主張している
しかし証拠も無いので、ただの狂言の可能性もある
-
- 148 : 2016/12/31(土) 15:55:40 :
- 狛枝「それじゃあ、僕はこのへんで失礼しますね、弁護士さん 明日の法廷、傍聴席で見守ってますから、頑張ってくださいね」
成歩堂「………………」
狛枝「それじゃあね、弁護士さん」
心音「結局何者だったんですか? あのコ…」
こまる「親が殺されるだの、自分が犯人だの、もう何言ってるのかわからないよ…」
成歩堂「僕にもわからない…ただ、彼は事件について重要な事を知ってる可能性があるのは確かだね」
心音「どうしてです?」
成歩堂「彼の証言を思い出してみてよ、希月さん」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
狛枝「ああ、彼は凄いよね…本当に 自分の身を犠牲にしてまで真実に向かおうとするあの意思は尊敬されるべきだよ」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
成歩堂「ひょっとしたら十神クンは…何かこの事件についての『秘密』を知ろうとしたんじゃないか?」
心音「つまりその結果消された…ってことでしょうか?」
成歩堂「こんな状況で殺人事件が起こる理由は限られているよ」
成歩堂「もしもそれが本当だとしたら…この事件を解けば、行方不明事件の解決の糸口が掴めるかもしれない」
夕神「そのタメにも、おめえさん達には頑張ってもらわねェとなァ」
心音「あっ!ユガミ検事!」
こまる「ユガミさんって、確かギンの飼い主の?」
成歩堂「今回の事件、やっぱりユガミ検事が検察席に立つんですか?」
夕神「そういうコトになるなァ まァ安心しろ いつも通り、手加減するつもりはねェからよ」
心音「ユガミ検事もたまにはもう少しお手柔らかにしてくださいね!」
夕神「ッたく…なんで俺が手ェ抜かなきゃなんねェんだ?」
心音「だったら証拠品を手刀で斬ったりするのやめてください‼︎」
夕神「証拠品の肉まんモグモグ食ってた奴のセリフか?月の字ィ」
心音「あれはユガミ検事が斬ったから…」
待った!
成歩堂「そろそろ収集がつかなくなるから続きは法廷でやろうよ」
夕神「先ずはナゾを解かない限り前には進まねェ…向こうでも習っただろ?」
心音「わかりました! 絶対に法廷でユガミ検事をギャフンと言わせてやりますよ‼︎」
成歩堂「そっちが目的なのか?」
こまる「成歩堂さん 明日の法廷、私も観に行きます! だから、頑張ってください!」
成歩堂「ああ、最初からそのつもりだよ」
いよいよ始まる……真実に近づくための法廷が
苗木くんたちを見つけるためにも………
日向くんを助けるためにも………
そして…狛枝くんの証言を確かめるためにも
明日の法廷、絶対に負けられない…………
-
- 150 : 2016/12/31(土) 19:41:06 :
- 4月 6日 某時刻
地方裁判所 被告人第3控え室
成歩堂(ふぅ…ストレッチも終わり、いよいよか…)
日向「成歩堂さん、ちょっといいですか?」
成歩堂「どうしたんだい? 日向くん」
日向「実は、最初から気になってた事があるんです」
成歩堂「気になってた事…?」
日向「俺、誰にも気づかれないように三階の教室まで移動したんです なのに、なんであの時警備員に見つかっちゃったんだろう…って」
心音「日向くんはたしか、噴水広場で気絶して、保健室で目が覚めたんですよね?」
日向「ああ、そこで保健室に罪木がいないことを確認して、誰にも気づかれないように非常階段を使って教室に向かったんだ」
成歩堂「地図だと確か、非常階段は図書室と本科の教室の間の位置だったよね」
日向「そのはずです 図書室と教室は結構離れてますけどね」
『日向の証言』をまとめた
日向の証言
ーー誰にも見つからないよう、非常階段を使って教室に行った
図書室と教室は同じ階だが結構離れてる
心音「今回の事件の争点はどこになるんでしょうか?」
成歩堂「十神くんが図書室に来た方法もあるけど…事件に直接的な関係性を示さない限り議題にあがることはないと思うよ」
成歩堂「そうなると、現場に残った被告人の痕跡についての議論が最優先になるだろうね」
心音「まずは日向くんの疑いを晴らすところから、ですかね?」
成歩堂「そうだね、とにかく僕らがやることは変わらないよ」
心音「証言と証拠品のムジュンを暴く、ですね…よし!やってやりましょう!」
カカリカン「被告人!弁護人!そろそろ開廷の時間となります!」
成歩堂「…呼び出しがかかったね、行こう!希月さん、日向くん」
日向「はい!」
心音「わかりました!」
僕の頭で、またあの少年の顔がよぎる
僕が十神クンを殺したんだ
狛枝くんの目的はなんなんだ……?
僕らを撹乱して楽しんでるのか……?
それとも本当にヒントなのか…………
今はわからない
真実はこの法廷でハッキリさせる‼︎
-
- 151 : 2016/12/31(土) 22:48:42 :
- 4月 6日 某時刻
地方裁判所 第3法廷
カン
サイバンチョ「これより、日向創の裁判を開廷いたします」
成歩堂「弁護側、準備完了しています」
心音「準備OKです!」
夕神「…………」
サイバンチョ「え、ええと、検察側は…」
夕神「………ヘッ…言うまでもねェ」
サイバンチョ「ど、どうやら完了しているようですな」
成歩堂(裁判長、相変わらずユガミ検事にビビってるな…)
サイバンチョ「そ、それではユガミ検事、冒頭弁論を」
夕神「…………………」
サイバンチョ「……………………」
カン
サイバンチョ「では私が変わりに冒頭弁論を行いましょう」
成歩堂(この流れも相変わらず、か…)
夕神「イイぜジイさん、俺がやる」
夕神「今回の事件の被害者は十神白夜、希望ヶ峰学園78期生の『超高校級の御曹司』だ」
夕神「図書室でキャタツを使い本棚に登ったところを、キャタツごと後ろに倒され頭から落下し、死亡した」
夕神「まずは解剖記録を提出するぜ」
サイバンチョ「受理しますぞ」
『解剖記録』を法廷記録に挟んだ
解剖記録
ーー被害者・十神白夜
死亡推定時刻・11時〜1時
死因・後頭部を強打 即死
他にも右半身に軽い打撲跡が複数あり
左頬に軽い火傷の痕
サイバンチョ「では、現場の詳しい状況の説明をお願いいたします」
夕神「そう急ぐなよ、ジイさん 余計なシワが増えるだけだぜ?」
サイバンチョ「よ、余計なシワ……」
夕神「現場の詳しい状況に関しては、デカに証言してもらう」
成歩堂「刑事って…あのうるさい人ですか?」
夕神「もちろんあのうるさいデカだ 他のうるさいデカはもう警視庁にいねェからなァ…」
サイバンチョ「おお!あのやたらハイカラな言葉を喋るうるさい刑事ですな!」
成歩堂(ハイカラって言うか…ただの英語というか…)
カン
サイバンチョ「わかりました 気は進みませんが、係官! メガー刑事を証言台へ!」
-
- 152 : 2017/01/01(日) 01:05:40 :
- サイバンチョ「では、証人 名前と職業を」
メガー「………」
サイバンチョ「しょ、証人?」
メガー「YEAHHHHHH !!!!」
サイバンチョ「ヒィッ⁉︎」
成歩堂(な、なんだ?)
サイバンチョ「な、何ですか証人‼︎ 急に叫ばないように‼︎」
メガー「この集まる視線!! そして背徳感‼︎ んん〜、実にFANTASTICK ‼︎‼︎MARVELOUS ‼︎‼︎」
成歩堂(なかなか自己顕示欲の強い人だな…)
メガー「んん‼︎ 気に入った‼︎ ここは私がexplication するにappropriate なstage だ!」
成歩堂「希月さん」
心音「『ここは私が証言するのにふさわしい舞台だ‼︎』って言ってます」
カン
サイバンチョ「では、茶番は無視して…メガー刑事、さっさと説明をお願いいたします」
サイバンチョ「ヘンな事を言ったら…私から個人的なペナルティを与えますので」
メガー「understand !!!!!!!!」
成歩堂(ゼッタイ理解してないよ…)
-
- 153 : 2017/01/01(日) 01:29:58 :
- ーーーー証 言 開 始ーーーー
現場の状況
メガー「現場に残った決定的証拠品は2つ‼︎」
メガー「それはキャタツに残った日向創の指紋‼︎ そして十神白夜の後頭部のinjury ‼︎」
メガー「そして警備員の目撃証言‼︎ そう‼︎事件の全ては明白なのだ‼︎」
ーーーーーーーー
成歩堂「ちょっといいですか?」
メガー「なんだね?attorney」
成歩堂「証言、短すぎませんか?」
夕神「それぐらい事件がメーハクって事なんだろうよォ」
夕神「おめえさんもいい年して欲しい欲しいってダダこねるなよ、成の字ィ あんたもう今年で36だろうが」
成歩堂「さ、36、か…」
(よく考えたら、結構年下のはずなんだよな…ユガミ検事)
サイバンチョ「わたしは今年で…はて?いくつでしたっけ?」
サイバンチョ「まぁ、それはともかく…弁護人、駄々をこねる前に尋問をお願いいたします」
心音「成歩堂さん こういう時はどうやってムジュンを突きつけるんですか?」
成歩堂「どうだろうね 現場の事実を証言してるだけならムジュンのつきつけようがない ここは出来るだけ多くの証言を引きずり出そう 」
心音「そこにムジュンが生まれるかどうかはともかく、とにかくまずは情報ですね!」
成歩堂(とにかく必要な情報を上手く聴きだすんだ…!)
-
- 155 : 2017/01/01(日) 14:51:24 :
ーーーー尋 問 開 始ーーーー
現場の状況
メガー「現場に残った決定的証拠品は2つ‼︎」
待った!
成歩堂「決定的な証拠、ですか…」
メガー「とんでもなく決定的な証拠‼︎ これでattorney!! 君をhell 送りにしてやる!!」
成歩堂(何を対抗意識燃やしてるんだ?)
夕神「しっかり頼むぜ、デカよォ」
夕神「オレが現場の調査をしてねェぶん、テメェの手にはちゃんとタカは回ってるんだからよォ」
メガー「no problem! ユガミ検事、任せてもらいたい!」
心音「? ユガミ検事、現場の調査をしていないんですか?」
サイバンチョ「ほほう、あの現場主義者のユガミ検事が、珍しいですな」
夕神「…今回の捜査は全面的に希望ヶ峰に詳しいソイツに任せてる オレは関係者からの聞き込みだ」
メガー「私をtrust して頂き感謝する!Thanks! 」
夕神「…チィ……」
成歩堂「?」
サイバンチョ「では証言してもらいましょう その決定的な証拠品について!」
ーーーーーーーー
メガー「それはキャタツに残った日向創の指紋‼︎ そして十神白夜の後頭部のinjury ‼︎」
待った!
成歩堂「スミマセン、いんじゅりーってなんですか?」
メガー「傷という意味だ! よく覚えておくといい!」
夕神「十神はキャタツから落下した衝撃で後頭部を強打した 傷のデカさからみて、ほぼ即死とみて間違いねぇな」
成歩堂「はぁ…なるほど」
メガー「そしてもう一つが、そのキャタツに残った日向創の指紋だ!」
成歩堂「…現場を調べてる時から疑問だったんですけど…」
成歩堂「現場では、十神くんが調べていた本棚が倒れてましたよね?」
メガー「倒れていたな‼︎」
成歩堂「だったら、日向くんがキャタツを倒したとしたら、キャタツ諸共下敷きになりますよね?」
サイバンチョ「た、確かにそうですね…」
異議あり!
夕神「本棚が倒れたのとキャタツが倒れたタイミングが同時…そんな証拠はねェ」
夕神「日向創が五体満足の健康体で生きてる以上、キャタツが倒れたタイミングと本棚が倒れたタイミングはそれぞれ別と考えるべきだろうなァ」
成歩堂「…すみません、今の話、証言に追加していただけますか?」
メガー「OKだ!」
ーーーーーーーー
-
- 156 : 2017/01/01(日) 18:18:25 :
メガー「キャタツと本棚、倒れたtiming は同時ではない‼︎」
待った!
成歩堂「間違いありませんね?」
メガー「んん! 間違いなし!」
夕神「さっきおまえさんが証明した事だろうが、成の字」
夕神「自分の言った事、ちゃんと覚えとけよ」
サイバンチョ「まぁ、歳をとると物忘れが激しくなりますからな」
サイバンチョ「私も最近証人の発言を3分ほどで忘れることが増えましたぞ」
成歩堂(そんなんでよく裁判長続けられるよな…あの人)
夕神「最終的にいつも正しい判断を下してくれるともっぱらの評判だが、いかんせんそろそろボケが回って来てらァ」
サイバンチョ「ムム…マゴにも全く同じことを言われました」
心音「裁判長、カウンセリングしてみます?」
サイバンチョ「まぁ…その前に証言の続きですな」
メガー「よろしい‼︎ 証拠は指紋‼︎ 傷‼︎」
ーーーーーーーー
メガー「そして警備員の目撃証言‼︎ そう‼︎事件の全ては明白なのだ‼︎」
待った!
成歩堂「警備員の、目撃証言?」
メガー「とある警備員が、殺害現場から逃げる犯人を見つけ、捕らえたのだ!」
成歩堂「その警備員って誰なんですか?」
メガー「んん‼︎ その警備員の名前は…大場 カオル‼︎」
成歩堂「お、大場ァ⁉︎」
(あ、あの人なのか…日向くんを拘束したのって…)
サイバンチョ「ああ、あのオバチャンですか‼︎ 久しくお会いしていないような気がしますな…」
ーーーーーーーー
-
- 157 : 2017/01/01(日) 19:47:06 :
- カン
サイバンチョ「証言は、そこまでとさせていただきます メガー刑事、ありがとうございました」
メガー「それでは次はprison の中で会おう‼︎ attorney!!」
成歩堂「な、なんで僕が捕まるんですか!」
夕神「シャバが辛くなったら電話しな 成の字 他の囚人と仲良くできる方法でも教えてやるよ」
成歩堂(アンタは独房だろ!)
メガー「see you again ‼︎haaahahahahahahahahaha !!!!!!」
心音「最後までうるさい人でしたね…あの人」
成歩堂「なに、希月さんには負けるよ」
心音「どーいうことですか成歩堂さん‼︎」
夕神「ギャーギャー騒ぐな、月の字ィ」
サイバンチョ「しかし…次の証人はやはり…」
夕神「トウゼン、さっき話題に出た警備員だ」
夕神「警備員のバアサンからは、どうやって被告を見つけてとっ捕まえたのかを証言してもらう」
サイバンチョ「うむぅ…あの人の機関銃の如く喋りは耳が追いつかないから、少々苦手ですが…」
成歩堂(どうやって日向くんを見つけ、捕まえたか……)
心音「そこにムジュンを見出さないといけないってことですね」
成歩堂「ああ、ここが踏ん張りどころだよ」
カン
サイバンチョ「わかりました 係官! 大場カオルを証言台へ!」
-
- 158 : 2017/01/01(日) 21:33:30 :
- サイバンチョ「では証人、名前と職業を」
オバチャン「……ハァ…」
サイバンチョ「?」
オバチャン「ほんとアンタは見た目が変わらないねぇ、裁判長のおじいさんさ 今でもそのボケ老人っぷりは健在なのかい? そうそうアンタのマゴはどうしたんだい? 昔どうやらマックスなんとかティカっていう手品師が好きだったって聞いたけど今はなにが好きなんだい? あっ、でもあれから10年近く経ってるからアンタのマゴもそろそろそういうのに興味示さなくなっちゃったかい?」
カン
サイバンチョ「証人、質問は一つずつでお願いいたします」
サイバンチョ「ええと、確かうちのマゴは今年で…」
夕神「ジイさんよォ…クダらねぇ世間話は休廷中のお楽しみにしときな」
サイバンチョ「おおっと、これは失礼 証人、名前と職業を」
オバチャン「大場カオル、いろいろあってまた警備会社で警備員やってるわ」
夕神「オバチャンよォ、あんさんには喋ってもらいたいことが色々ある」
オバチャン「あのアンテナのガキンチョを見つけて捕まえた話でしょ? 任せときなよ!」
オバチャン「それに、アンタみたいなハンサムで渋い男にお願いされたらオバチャンもう張り切っちゃうから!」
夕神「………チッ、調子が狂うぜ…」
成歩堂(…今から話されるのはオバチャンの視点から見た真実… それが僕の知ってる真実とズレが生じたら、そこがウィークポイントだ!)
カン
サイバンチョ「では、証言していただきましょう!」
サイバンチョ「あなたが目撃したもの、そして被告人を捕まえるまでの経緯を!」
-
- 159 : 2017/01/02(月) 11:05:17 :
- ーーーー証 言 開 始ーーーー
目撃証言
オバチャン「あの時は警察の事情聴取が終わった後でね、3階の職員室で休んでたワケ」
オバチャン「そしたら廊下を堂々と歩くアンテナのガキンチョを見つけたワケよ」
オバチャン「確か本校舎は出禁なんだろ? 怪しいからとっ捕まえてやったよ」
オバチャン「その後は、そいつの手足を縛って押入れに詰め込んでおいたのさ」
ーーーーーーーー
サイバンチョ「フムゥ…なるほど これは決定的な証言ですな」
サイバンチョ「被告人を見ただけでなく、その被告人を拘束してたとは…」
オバチャン「あの後向こうから電話がかかって驚いたよ 殺人事件が起きたってねぇ」
オバチャン「でも確かに、あの時本科の校舎をウロウロできたのは、私と被害者とそこのガキンチョだけになるねぇ」
成歩堂「そういえば…オバチャンは1人だったんですよね? あなたは何かアリバイを示せるものが有ったんですか?」
夕神「死亡推定時刻の間、そこのバアさんはずっと職員室でくつろいでいた」
夕神「職員室の監視カメラにはバッチリ写ってるぜ?」
オバチャン「懐かしいね、その悪態のつき方 アンタも全然変わっちゃいないね、なんとか歩道」
心音「成歩堂さん、あの人むかしからこんな感じなんですか?」
成歩堂「10年以上前からあんな感じだよ、希月さん」
カン
サイバンチョ「それでは弁護人、尋問を始めて下さい」
-
- 160 : 2017/01/02(月) 19:35:07 :
ーーーー尋 問 開 始ーーーー
目撃証言
オバチャン「オバチャン「あの時は警察の事情聴取が終わった後でね、3階の職員室で休んでたワケ」
待った!
成歩堂「事情聴取ですか?」
オバチャン「まぁ私みたいなヒラの警備員に聞くことなんて、ありきたりなモノさ」
成歩堂「ちなみに事情聴取を受けていた時間は?」
オバチャン「確か9時半から30分近くだよ」
成歩堂(となると、死亡推定時刻と大きく逸れてるな…)
成歩堂「わかりました 証言を続けてください」
オバチャン「わかったよ その後私はゆっくり休んでたんだけど…」
ーーーーーーーー
オバチャン「そしたら廊下を堂々と歩くアンテナのガキンチョを見つけたワケよ」
待った!
成歩堂「堂々と…?」
オバチャン「そりゃもう堂々と歩いてたよ! ドア越しでもわかるぐらいにね!」
成歩堂「ドア越し…? オバチャン、しっかり日向くんをみてないんですか?」
オバチャン「まぁ…言っちゃうとそうなんだけどね」
オバチャン「でも見間違いしようがないよありゃ! ゼッタイあのアンテナのガキンチョだから!」
夕神「3階にはこのオバチャンと日向創と十神白夜、後は一部の警備員だけだ 職員たちは4階の会議室で緊急会を開いていたはずだ」
成歩堂「そういえば疑問だったんですけど…この事件の第一発見者は誰なんですか?」
夕神「ガイシャは当時3階にいた警備員の宮崎、杉田、石田の3人が図書室を訪れた時に発見された」
夕神「そいつらは常に互いに行動していた アリバイは充分にあるぜ」
オバチャン「チョットチョット! 私を差し置いて話を進めないでくれよ!」
オバチャン「とにかく、私がみたのはそこのガキだから!」
カン
サイバンチョ「では、そろそろ次の証言をお願いいたします 証人」
サイバンチョ「被告人を発見したあなたは、その後どうなさいましたか?」
ーーーーーーーー
-
- 161 : 2017/01/03(火) 13:34:36 :
- オバチャン「確か本校舎は出禁なんだろ? 怪しいからとっ捕まえてやったよ」
待った!
成歩堂「そういえば、予備学科の生徒は平常通りに登校してたんですか?」
夕神「この時は予備学科も休校していたはずだ こんな緊急時に学校に来いなんて言うアホはいねェよ」
成歩堂「休校ですか…つまりこの時学校にいた予備学科生は…」
夕神「日向創のみってことだ」
成歩堂(となると、犯人は日向くんが学校に来てることを知ってた人物…?)
オバチャン「それでそいつをとっ捕まえた後は…」
ーーーーーーーー
オバチャン「その後は、そいつの手足を縛って押入れに詰め込んでおいたのさ」
待った!
成歩堂「お、押入れですか?」
オバチャン「ああ、警備員たちに連絡して、その時警備員が来るまでの間は押入れに突っ込んでおいたのさ」
サイバンチョ「ほほう、その豪快さは変わりませんな」
オバチャン「アンタも声がデカい所は変わらないね、弁護士よ」
成歩堂「最近僕も始めたんですよ、発声練習」
サイバンチョ「おや、そういえば…最近あの王泥喜弁護士は見かけませんが、彼は?」
成歩堂「彼は…今は外国で弁護士をやってます」
(今は帰国してるけど)
サイバンチョ「彼の大きな声、今思うと懐かしくなりますな」
ーーーーーーーー
心音「成歩堂さん ムジュンはありましたか?」
成歩堂「ああ、あの証言に少し違和感を感じてた所だ」
心音「それじゃあもう一度よく聞いてみましょう!証言!」
成歩堂「そのつもりだよ」
-
- 162 : 2017/01/04(水) 00:26:00 :
- オバチャン「あの時は警察の事情聴取が終わった後でね、3階の職員室で休んでたワケ」
オバチャン「そしたら廊下を堂々と歩くアンテナのガキンチョを見つけたワケよ」
異議あり!
成歩堂「オバチャンの証言、相変わらずムジュンがありますね」
オバチャン「な、なんだい急に! イチャモンだったら承知しないヨ‼︎」
成歩堂「オバチャンはこう証言しました 【堂々と歩くところを目撃した】と」
成歩堂「それはこの証言書の内容とムジュンしてるんですよ」
サイバンチョ「これは…?誰の証言書ですかな?」
成歩堂「日向創くんの証言です これによると、彼は【バレないように非常階段を登って】来たそうです」
サイバンチョ「な、なんですと! 非常階段というと…」
成歩堂「この地図を見れば一目瞭然です!」
成歩堂「非常階段は職員室と教室の間…つまり! 非常階段から上がって教室に向かった人物を見つけるのは不可能なのです!」
サイバンチョ「なんと…‼︎ 確かに非常階段から直接教室に向かえば、職員室の前を通るまでもなく教室に向かえます!」
サイバンチョ「これは重要な事実ですぞ‼︎」
待った!
オバチャン「私の証言にケチつけて! 全く成長してないねアンタは!」
オバチャン「私は確かにみたのよ! この目でしっかりと!」
成歩堂「どうでしょう…少なくとも【しっかり】見たわけじゃないんじゃあないですか?」
オバチャン「ヒェッ⁉︎」
カン
サイバンチョ「弁護人、あなたはこの証人が被告人を見てなかったと言いたいのですか?」
成歩堂「ええ、そのつもりです!」
カン
サイバンチョ「では、証拠品の提示を求めます」
サイバンチョ「証人が被告人を見てなかったという証拠品を!」
1・七海のゲーム機
2・本棚
3・空き缶
4・老眼鏡
>>163
-
- 163 : 2017/01/04(水) 02:58:12 :
- 4で。
-
- 164 : 2017/01/04(水) 23:31:45 :
- くらえ!
サイバンチョ「それは…老眼鏡ですか?」
成歩堂「この老眼鏡、見覚えはありませんか?」
オバチャン「ああっ!それは…!」
成歩堂「証人の同僚が証言してくれました この老眼鏡は、【事件が起こるより前に証人が失くしたもの】だと…」
成歩堂「証人、あなたがしっかり見てなかったのは…この【老眼鏡が無かったから】じゃないですか?」
オバチャン「…………」
オバチャン「ああっもう‼︎ そうよ‼︎ 老眼鏡がなかったからよく見てなかったんだよ‼︎」
傍聴席「ざわざわ…ざわざわ…」
カン カン
サイバンチョ「静粛に、静粛に!」
サイバンチョ「ふむぅ……証人、本当に人を見たんですか?」
オバチャン「しっかりみたわよ!」
オバチャン「…いや、しっかりではないけど、でも見間違いようがないよ! あのスーツの学生服にアンテナ頭!」
オバチャン「どうみたってそこのガキンチョじゃないかい!」
夕神「となると、アンタのその証言書とやらの信ぴょう性も怪しいなァ 成の字」
カン
サイバンチョ「センエツながら、私個人の意見を述べさせていただきます」
サイバンチョ「私の見解としても、証人がウソをつく理由が見当たりません」
サイバンチョ「やはり疑わしいのは、被告人の証言の方ですな」
オバチャン「それ見たことか!」
心音「な、成歩堂さん! どうしますか! この証拠品が通らないと…!」
成歩堂「…………」
心音「な、成歩堂さん?」
成歩堂「裁判長」
サイバンチョ「どうしましたか?弁護人」
成歩堂「少し、僕の見解を述べてもよろしいですか?」
サイバンチョ「と、いいますと?」
成歩堂「日向くんは【非常階段を使った】と証言している…」
成歩堂「一方オバチャンは【歩いてくる日向くんをみた】と証言している… 」
成歩堂「この明らかにムジュンした2点を繋げると…ひとつの仮説が生まれるのです」
夕神「ひとつの…」
オバチャン「仮説…?」
カン
サイバンチョ「では、弁護人に問います」
サイバンチョ「その『仮説』とは一体なんなのか!」
1・日向くんの証言がウソ
2・オバチャンの証言がウソ
3・どちらも事実の証言
>>165
-
- 165 : 2017/01/05(木) 04:57:58 :
- 3で
-
- 166 : 2017/01/06(金) 10:23:01 :
- 成歩堂「この2つの証言…両方を本当だと考えることはできませんか?」
サイバンチョ「りょ…両方?」
異議あり!
夕神「成の字、ズイブンと踏み込んだ仮説だなァ」
夕神「そんな戯言を聞くために俺は検察席に立ってるワケじゃねェ」
夕神「その仮説…裏は取れてるんだろうな?」
成歩堂(今はわからないけど……ここにしか可能性はない!)
成歩堂「ええ、当然です!」
(伝家の宝刀、『ハッタリ』で突き抜ける!)
カン
サイバンチョ「ここは…弁護人の見解を聞く必要がありますな」
サイバンチョ「弁護人、ひとまずは仮説の詳細を述べてください」
成歩堂「わかりました」
成歩堂「先ほども話したように、オバチャンは【廊下を歩いている日向くんを見た】と証言している」
成歩堂「対して日向くんの証言は、【非常階段を使った】…」
心音「非常階段から教室に向かったなら、当然職員室の前を通るはずありませんよね?」
成歩堂「そう、だとしたら……考えられる可能性はこれしかあり得ません!」
1・オバチャンが別の誰かと間違えた
2・日向の勘違い
3・日向のドッペルゲンガー
>>167
-
- 167 : 2017/01/06(金) 13:48:26 :
- 1で
-
- 168 : 2017/01/06(金) 15:38:14 :
- (日向くんの証言に嘘は見えなかった… オバチャンの証言も同様…… そしてオバチャンははっきりとは見てない)
成歩堂(だったら、これしかあり得ない!)
成歩堂「オバチャンは、日向くんとよく似た誰かも見間違えた…そうとしか考えられません!」
異議あり!
夕神「だったら…おめえさんは答えられるのか? その見間違えた人物ってやつを」
成歩堂(……そう、まだほとんど検討はつかない だからこそ!)
成歩堂「弁護側は、オバチャンにさらに詳しい証言を求めます!」
成歩堂「廊下で見かけた人物についてのさらに詳しい証言を!」
夕神「!」
オバチャン「さ、さらに詳しく? まぁ別に構わないけど…」
カン
サイバンチョ「うむぅ…弁護人の主張はハッキリ言って少し無茶ですが…証人がしっかり見えてなかった件も考えると、少しは検証の余地はあるでしょう」
サイバンチョ「証人、証言をお願いしてもよろしいですか?」
オバチャン「全く仕方ないねアンタらも 思い出せる範囲で思い出すわ」
成歩堂「ありがとうございます」
成歩堂(もしこの証言から犯人が絞れたら……そこがチャンスだ!)
心音「犯人の特徴、しっかり聞き逃さないようにしないといけませんね!」
-
- 169 : 2017/01/06(金) 19:09:47 :
- ーーーー証 言 開 始ーーーー
目撃した事
オバチャン「詳しく話せと言われてもねぇ…」
オバチャン「そのアンテナ頭のガキだった気がするけど…」
オバチャン「ちょっと白髪じみてたかしら? それでもやけに堂々としてたわ」
オバチャン「あとは…スーツタイプの制服を身につけてたわね」
オバチャン「うーん、たしかにそこのガキと体格は似てるのよねぇ……」
ーーーーーーーー
オバチャン「まぁ、こんなところね 今思い出せる範囲では」
サイバンチョ「わかりました、それでは弁護人、尋問を…」
黙りなァ!
サイバンチョ「ユ、ユガミ検事? どうかなさいましたか?」
夕神「この証言は証人ができる範囲で引っ張りだしたモンだ この証言を揺さぶる余地はねェ」
心音「そ、そんな! ズルいですよユガミ検事!」
サイバンチョ「し、しかし弁護人には証言の尋問をする権利が…」
夕神「つまりこう言う事だ……揺さぶるよりも、異議があるならさっさと言えってなァ!」
成歩堂「!」
夕神「もっと言うなら、証言を言い尽くした今、これ以上揺さぶる必要がねェって事だよ 理解したか?」
成歩堂(……確かに、オバチャンの証言はこれ以上掘り下げても余計にぼんやりするだけだ)
成歩堂(揺さぶりがダメなら、相手の証言を見て一発勝負、か……)
成歩堂(……でもこの中におかしな点ってあるのか?)
カン
サイバンチョ「ふむぅ…わかりました それでは弁護人 尋問をお願いいたします」
サイバンチョ「揺さぶり禁止なので、できればスパっと片付けて欲しいものですな」
成歩堂「わかりました」
(やるしかない! この中にヒントを見出すんだ!)
-
- 170 : 2017/01/06(金) 22:12:22 :
- ーーーー尋 問 開 始ーーーー
目撃した事
オバチャン「詳しく話せと言われてもねぇ…」
オバチャン「そのアンテナ頭のガキだった気がするけど…」
オバチャン「ちょっと白髪じみてたかしら? それでもやけに堂々としてたわ」
異議あり!
成歩堂「………」
成歩堂(……ひょっとして、本当に…?)
サイバンチョ「ど、どうしましたか?弁護人 異議を唱えた途端黙りだして…」
成歩堂「証人、あなたが目撃した人物…この少年ではありませんか?」
オバチャン「んん?どれどれ………ああっ!」
サイバンチョ「べ、弁護人、その写真の人物は?」
成歩堂「この写真の少年は狛枝凪斗くんです」
夕神「本科の2年で、『超高校級の幸運』だったな」
オバチャン「確かに似てるよ! この髪型、私が見たのとそっくり!」
傍聴人「ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…」
カンカン
サイバンチョ「静粛に!静粛に!」
サイバンチョ「なるほど…ただの仮説が少しずつ真実味を帯びてきましたな」
サイバンチョ「現場の三階にいたのは、被告人と証人、そして被害者だけではなかった可能性がここで生まれました」
黙りなァ!
サイバンチョ「ひ、ヒィッ!」
夕神「成の字、本来法廷は『証拠品が全て』だ」
夕神「そもそも狛枝凪斗が怪しいという証拠はあるのか?」
心音「狛枝くんが怪しいって証拠品……ああっ‼︎」
成歩堂「ええ、ありますよ! とんでもなく怪しい証拠品が!」
夕神「何ィ?」
カン
サイバンチョ「でしたら話が早いです 早速提示させてもらいましょう」
サイバンチョ「狛枝凪斗が怪しいということを示す証拠品を!」
1・狛枝の証言書
2・日向の証言書
3・空き缶
4・七海のゲーム機
>>171
-
- 171 : 2017/01/06(金) 22:25:29 :
- 4
-
- 172 : 2017/01/06(金) 22:31:48 :
- くらえ!
成歩堂「さぁ、どうですか!」
夕神「……………」
心音「……………」
サイバンチョ「……………」
オバチャン「……………」
………………………………
カン
サイバンチョ「一番怪しいのは弁護人の頭の方ですな」
夕神「おめえさん、頭に石でもつめてんのか?」
心音「成歩堂さん…それじゃないですよ…」
オバチャン「…あんたまでボケ始めたのかい?」
成歩堂「ぐううううう‼︎」
(うぐゥ……ここまで総スカンを食らったのは初めてだ…)
カン
サイバンチョ「では……気を取り直してもう一度、証拠品の提示をお願いいたします」
サイバンチョ「狛枝凪斗が怪しいという証拠品を!」
1・狛枝の証言書
2・日向の証言書
3・空き缶
4・弁護士バッジ
>>173
-
- 173 : 2017/01/06(金) 23:39:52 :
- 1?
-
- 174 : 2017/01/07(土) 16:11:27 :
- くらえ!
成歩堂「これは狛枝凪斗くんの証言です」
サイバンチョ「むむ…大丈夫ですかな? あなたの手元の証言、信ぴょう性に欠けますからな」
成歩堂「この証言書には、こう書かれています……」
成歩堂「『十神白夜』を殺したのは自分』だと」
夕神「!」
オバチャン「エェッ⁉︎」
サイバンチョ「な……………」
サイバンチョ「なんですとおおおおおおお!?!?!」
傍聴人「ざわざわ…ざわざわ」
カンカンカン
サイバンチョ「静粛に!静粛に!」
サイバンチョ「べ、弁護人! あなた!なぜ今までそんな重要な証言を話さなかったんですか!」
成歩堂「まぁ…話すタイミングがなかったもので」
心音「成歩堂さん、もしかして本当に彼が犯人なんでしょうか?」
成歩堂「……それを確かめるためにも、彼には証言台に立って貰わなくちゃならないんだ」
成歩堂「狛枝凪斗くんは自分が犯人だと言っていた…そして犯行時に立ち去るところをオバチャンに見られた! そう考えれば辻褄は合います!」
成歩堂「弁護側は、狛枝凪斗くんの出廷を要求します!」
夕神「証言がウソかマコトかは、法廷に来させて明らかにしようって魂胆か… イイぜ、ノってやる」
成歩堂「ありがとうございます」
カン
サイバンチョ「ここで、しばらくの間審理を中断したいと思います」
サイバンチョ「弁護側は証言の整理、検察側は狛枝凪斗を本法廷に呼んでください」
夕神「おい、メガー」
メガー「called !!jump out !! 即、come out !!」
サイバンチョ「うわっ! ど、どこにいたんですか!」
夕神「大至急、ホシの手配だ!急げ!」
メガー「Roger ‼︎」
カン
サイバンチョ「ふぅ…では、閉廷!」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
-
- 175 : 2017/01/08(日) 15:10:30 :
- 4月 6日 某時刻
地方裁判所 被告人第3控え室
日向「なんだか、被告人席って生きた心地がしませんね…」
成歩堂「ああ、毎回なんとかして首の皮一枚繋げるのがやっとだよ…」
日向「……ところで成歩堂さん」
成歩堂「どうしたんだい?」
日向「本当に、狛枝が殺したんですか?」
日向「俺、どうしても信じられないんです! あいつに人が殺せるはずないんですよ!」
成歩堂「…実際に彼から言ったんだ 【自分が十神白夜を殺した】って」
心音「その時の声、覚えてます 薄気味悪くて、人の心の隙間に霧のように忍び込んでくるような…」
心音「でも少なくとも、ウソを言ってる様には聞こえませんでした」
日向「そんな…! そんなの、俺の知ってる狛枝じゃ…」
成歩堂「日向くん、悪いけど証拠次第では、僕は狛枝くんを告発しようと思っている」
日向「そんな!」
成歩堂「でも…狛枝くんが犯人じゃない可能性もまだ捨ててない」
成歩堂「彼の言葉がウソなのか、ホントなのか、それとも…両方なのか 次の審理ではそれを明らかにする必要がある」
心音「それじゃあ、今までの流れを一通り振り返ってみましょうよ」
成歩堂「たしか、日向くんが目覚めたのは保健室に行った後だったんだよね?」
日向「ええ、その後で罪木がトイレに行ったスキに外に出ました」
日向「そして、誰にもバレない様に外側の非常階段を使って三階へと登ったんです」
成歩堂「そこでなぜかオバチャンに見つかって、押入れに閉じ込められる、と…」
心音「非常階段から別の人が校舎に入れたりするんですか?」
日向「たしか校舎の非常階段は内側からしか開けられないから、あそこから第三者が入ることは出来ないんだ」
『非常階段』についてメモをした
非常階段
ーー非常階段の鍵は内側からしか開けられない
成歩堂「まぁ、現段階で振り返れるのはこれぐらいかな…」
カカリカン「弁護人、被告人! 間もなく審理再開の時間です!」
成歩堂「よし、そろそろか…」
心音「成歩堂さん、次の法廷では、間違いなく狛枝くんが出てくるんでしょうか?」
成歩堂「ああ、彼が証言台に立つことでどこまでこの事件が動き出すか…全てはそこにかかっている」
成歩堂(生憎、狛枝くんに関する証拠品は少ない…… 狛枝くんの証言が舵を左右することは間違いなさそうだな)
成歩堂「2人とも、行こう」
心音「ハイ!」
日向「わかりました」
-
- 176 : 2017/01/08(日) 20:15:47 :
- 4月 6日 某時刻
地方裁判所 第3法廷
カン
サイバンチョ「では、審理を再開します」
サイバンチョ「ユガミ検事、例の彼は連れてきたのですか?」
夕神「ああ、狛枝凪斗はついさっきこの法廷に呼び出した」
夕神「証言にも応じる姿勢だ」
カン
サイバンチョ「でしたら話は早いです 早速彼を証言台へ!」
成歩堂(いよいよ、か……)
ーーーーーーーーーーーーーーーー
サイバンチョ「それでは証人、名前と職業を」
狛枝「名前は狛枝凪斗… 学生です」
夕神「ボウズ、おめえさんが呼ばれた理由はわかるな?」
狛枝「ええ、存じてますよ 僕が犯人なのかどうか…ですよね?」
成歩堂「狛枝くん、単刀直入に聞こう」
成歩堂「本当に君が、十神白夜くんを殺した犯人なのかな?」
狛枝「……?」
狛枝「アレ?おかしいな…」
成歩堂「?」
狛枝「僕は確かに『十神くんを殺した』と証言したけど……でもね、『僕が犯人』だなんて一言も言ってないよ?」
成歩堂「…………え?」
狛枝「僕を疑ってるらしいけど、あなたは僕を告発することは出来ないんだよ? 成歩堂さん」
成歩堂「…スミマセン、さっきから何言ってるんですか?」
狛枝「いや、そのままの意味だよ成歩堂さん」
狛枝「僕は犯人じゃないんだ、だから本当はこんなもの…」
黙りなァ!!
夕神「くだらねェ押し問答を続けるなら、オレから質問するぜ」
夕神「今、おめえさんには大きな疑惑がかかっている ハッキリ言え、どこまでこの事件に関わってる?」
狛枝「ん?それを調べるのが検事さん達の仕事じゃないのかな?」
狛枝「あ、それとも証拠品がなくて困ってるから僕が証言台に立ってるってことかな?」
心音「な、成歩堂さん!どうしましょう… あの人やっぱりヘンな人ですよ!」
成歩堂「狛枝くん!!」
成歩堂「僕は証言を要求します! 君がどれだけ事件について知ってるのか!」
サイバンチョ「弁護人の意見を認めます 証人、我々を錯乱させるのが目的ならば、法廷侮辱罪を適応しますぞ」
狛枝「まぁ、そうですね 僕が喋らないと始まらないって言うんなら……証言しますよ」
カン
サイバンチョ「ならばさっさと証言に移りましょう」
サイバンチョ「あなたが事件について知ってることを話してください」
-
- 177 : 2017/01/08(日) 20:25:15 :
- ーーーー証 言 開 始ーーーー
狛枝について
狛枝「そもそも僕は犯人なんかじゃないよ」
狛枝「よく考えてよ、そもそも僕らは寮に閉じ込められてたんだよ?」
狛枝「移動してたのは罪木さんぐらいじゃないか」
狛枝「どうやれば本科の生徒が本校舎に行けるのかな?」
ーーーーーーーー
成歩堂「しょ、証人! 言ってることが二転三転してるじゃないですか!」
夕神「言いてェ事はハッキリしな!」
狛枝「そうかな? これでも無責任な政治家とかと違ってある程度のスジは通すよ?」
成歩堂(い、一体何が言いたいんだ? 彼は…)
狛枝「大丈夫だよ あなたなら持ってるはずだよね?」
狛枝「真実へと近づくピースを……それに導かれて、僕はここに立ってるんだ」
カン
サイバンチョ「聴けば聴くほど訳がわかりません」
サイバンチョ「弁護人、スパッと尋問してやってください」
成歩堂「え、ええ…わかりました」
(やれやれ、全く先が見えない)
-
- 178 : 2017/01/08(日) 22:21:11 :
- ーーーー尋 問 開 始ーーーー
狛枝について
狛枝「そもそも僕は犯人なんかじゃないよ」
待った!
成歩堂「さっきから奇妙な発言ばかりですね…」
狛枝「そうかな? これでも近所では素直な子だって評判だったんだけどな」
成歩堂(大方、噂話でもされてるんじゃないか?)
狛枝「それとも僕が犯人だっていう決定的な証拠はあるのかな?」
成歩堂「それは…これから見つけます」
成歩堂「って、あるじゃないですか! あなたの証言が!」
狛枝「だからさぁ、僕は殺したけど犯人じゃないんだって…」
夕神「成の字、その話題をしても堂々巡りだ 別の観点から切り込んだ方がいいんじゃねェか?」
成歩堂「そ、そうですね…」
(やれやれ、ユガミ検事にすら助けられるとは…)
成歩堂「じゃあ…逆に君が犯人じゃないという根拠は?」
狛枝「そんなの、決まってるじゃないですか」
ーーーーーーーー
狛枝「よく考えてよ、そもそも僕らは寮に閉じ込められてたんだよ?」
待った!
成歩堂「たしか希望ヶ峰の生徒が行方不明になった事件を受けて、寮で管理しているんですよね?」
狛枝「当たり前の事を聞きますね そうですね、これ以上の被害者を出さないためにも、学校の手のひらの方が安全でしょうし」
成歩堂(まぁ本当に安全なら、殺人事件が起きたりしないけどな…)
サイバンチョ「それで、移動した生徒はどのくらいいたんですか?」
ーーーーーーーー
-
- 179 : 2017/01/09(月) 14:46:41 :
- 狛枝「移動したのは罪木さんぐらいかな」
待った!
成歩堂「罪木さんと、終里さんでしたよね?」
狛枝「ああ、終里さんも確かに外に出てたね 警備員の同伴で」
成歩堂「それ以外に出た人はいないんですか?」
狛枝「僕の知ってる限りではそれだけだね」
狛枝「だけどさ、そもそもよく考えてよ、弁護士さん」
ーーーーーーーー
狛枝「どうやれば本科の生徒が本校舎に行けるのかな?」
待った!
成歩堂「それを明らかにするための審理ですからね」
狛枝「にしても…カゴの中に閉じ込められたペットが外に脱出するのはほぼ不可能だよね」
狛枝「だって鍵は飼い主さんが持ってるんだから」
成歩堂(それを言ったら終わりなんだけど…)
狛枝「…もし飼い主さんがドジっちゃったら別だけどね」
成歩堂「?」
狛枝「なんでもないよ、気にしないでください」
ーーーーーーーー
成歩堂(狛枝凪斗…腹の底が知れない少年だな)
心音「証言も不可解な点が多いです…世界観が独創的すぎですよ、あの人…」
成歩堂(下手に深読みして踏み外すよりも、まず目先のムジュンを解決するか…)
-
- 180 : 2017/01/09(月) 23:26:33 :
- 狛枝「そもそも僕は犯人なんかじゃないよ」
狛枝「よく考えてよ、そもそも僕らは寮に閉じ込められてたんだよ?」
狛枝「移動してたのは罪木さんぐらいじゃないか」
狛枝「どうやれば本科の生徒が本校舎に行けるのかな?」
異議あり!
成歩堂「狛枝くん、その証言にはm異議あり!
夕神「イヤ、少なくとも本科に行くことは可能だったはずだ」
狛枝「どうやってですか?」
夕神「…過程じゃねェ」
狛枝「過程じゃない…?」
夕神「全ては結果が物語ってるのさ 確かに本科に行くことは可能だった!」
夕神「その証拠に本科にはオダブツになった十神白夜の死体があったからなァ!!」
狛枝「っ!」
心音「おお〜、ユガミ検事の鋭い切り込みが炸裂しましたね!」
成歩堂(僕の胸いっぱいの異議ありはどこに飛んだんだ)
狛枝「で、でも図書室で撲殺されたとは限りませんよね? 」
狛枝「犯人は寮で生徒を殺してその遺体を図書室に運んだ…そう考えるのはどうですか?」
成歩堂「!」
(い、今…確かに言ったぞ⁉︎)
異議あり!
成歩堂「狛枝くん、ついに尻p異議あり!
夕神「ようやく化けの皮が剥がれかけてきたか、狛犬ボウズ」
狛枝「なんの事ですか?」
夕神「そもそもおめえさん、どうして被害者が撲殺だって知ってるんだァ?」
狛枝「え………」
狛枝「ぼ、僕はさっきまで傍聴席にいたから…」
黙りなァ!!
夕神「ウソは良くねェな、俺は知ってるんだぜ?」
夕神「おめえさんとこの学校、今生徒を寮に缶詰にしてるだろ?」
狛枝「………!」
夕神「ずっと檻に閉じ込められてた囚人がどうやって外の様子を確かめられるんだ?」
心音「た、確かにそうです! どうやって死因を知ったんでしょう…?」
成歩堂(僕の希望いっぱいの異議ありはどこに消えたんだ)
カン
サイバンチョ「どうやら…証人にはさらなる証言を要求しなくてはならないようです」
狛枝「…わかりました そろそろ彼らも気がつくかも知れないので」
成歩堂「? どういう意味ですか?」
狛枝「あ、今から証言するから、少し静かにしててね? 弁護士さん」
成歩堂「え、ええハイ、わかりました……」
サイバンチョ「では、証言してもらいましょう あなたの潔白を!」
-
- 181 : 2017/01/11(水) 23:27:57 :
- ーーーー証 言 開 始ーーーー
潔白
狛枝「死体についての詳しい話は刑事さんから聞いたんだよ」
狛枝「ていうかよく考えてくださいよ 僕が十神くんを殺す動機はなんなんですか?」
狛枝「仮に僕が彼を殺すのなら、一体いつ寮から出たんですか?」
狛枝「それに、決定的な証拠はおろか状況証拠すらないですよね?」
ーーーーーーーー
狛枝「これで納得してくれましたか? 僕が犯人じゃないって」
成歩堂(…確かに狛枝くんの一連の疑いには証拠が一切ない)
成歩堂(立証できるのか…? 彼の犯行を)
心音「証拠がないのなら、なんとかして可能性を示すしかありませんね」
成歩堂「狛枝くんが本科にいた可能性…是が非でもこじつけないとね」
カン
サイバンチョ「それでは弁護人、尋問を」
成歩堂「はい、わかりました」
(ひとまず、彼の底なしの腹をどこまで探れるか試してみるか…)
-
- 182 : 2017/01/12(木) 16:24:57 :
- 成歩堂「……………」
(いや、待てよ…?)
ーーーーーーーーーーーーーーーー
…イヤ、なんでもないや 僕の寓話を信じるか信じないかは、あなた達次第ですよ、弁護士さん…
まぁ、僕を犯人だと疑うも、違うと思うも、全ては弁護士さんたちの推理次第ってところかな…
ーーーーーーーーーーーーーーーー
成歩堂(ひょっとして彼は、もう腹の底をさらしてるのか?)
サイバンチョ「べ、弁護人、どうかしましたか?」
サイバンチョ「早い所尋問を始めてください」
成歩堂「いえ……尋問の必要はありません」
サイバンチョ「? な、何を言ってるのですか?」
心音「成歩堂さん? どうして尋問を拒否するんですか?」
成歩堂「たった今、彼の証言から重大な事実が明らかになったからだよ」
心音「重大な事実?」
狛枝「それは僕が犯人だってことに繋がる事実なんですか?」
成歩堂「わからない…けど君が怪しいっていう十分な証拠にはなるよ」
狛枝「…ヘぇ…」
夕神「成の字、何をもったいぶってるのか知らねェがどういうことだ?」
成歩堂「彼の証言には、どう考えてもオカシイ部分があるんですよ」
心音「どう考えても…」
サイバンチョ「おかしい部分?」
成歩堂「彼の証言のオカシイ部分、それは…」
1・死体のこと
2・動機のこと
3・日向のこと
>>183
-
- 183 : 2017/01/12(木) 22:47:40 :
- 1
-
- 184 : 2017/01/13(金) 18:01:10 :
- 成歩堂「そもそも彼が死体のことを知ってるのがおかしいんですよ」
狛枝「?」
夕神「成の字ィ……耳ン穴かっぽじってよく聞いとけ そいつは刑事から聴いたと言ってるだろ?」
成歩堂「正確には、『刑事から聴いた』ことがおかしいんですよ」
心音「どういうことですか?」
成歩堂「そもそもよく考えてよ、希月さん 僕らが現場の捜査ができた理由を」
心音「たしか、私たちは日向くんの弁護士だったから…ですよね?」
心音「……ああっ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
メガー「んん〜♫ 君みたいなattorney
ならまだ仕方あるまい しかしordinary person
達は入れられないな!」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
成歩堂「そう、事件に関係ない人物が現場の詳しい状況を知ってるはずがないんです!」
成歩堂「なぜなら、メガー刑事は事件の関係者にしか概要を説明してないからです!」
心音「まぁ、あの場に居合わせてた終里ちゃんとこまるちゃんは聞いてたけど」
夕神「そうか、なるほどなァ……」
成歩堂「狛枝くん、君がその情報を知ってるということは…君は事件の『関係者』ということになるね」
夕神「おい、メガー」
夕神「…………」
夕神「メガー‼︎」ギロッ
メガー「ソ、sorry !! なにかなユガミ検事?」
夕神「ソイツに現場の状況を話したのは本当なのか?」
メガー「う…いやーその、ははは…」
メガー「ヴォアゥ!!!!」ズバァッ
夕神「ウッカリ漏らしたで済むと思うなよ?」
メガー「いや、違うんだ! それはただ単純に…」
夕神「単純に…? 単純にどうかしたのかァ?」
メガー「…………ウグググググ」
夕神「刑事、あんたが俺を外に追いやったのは、そのミスがバレないようにって事かァ? 粋なマネしてくれるじゃねェか」
メガー「こ、言葉を選びたまえ! 私は刑事だぞ!」
狛枝「……………」
狛枝「ハァ…もういいよ、刑事さん」
成歩堂「?」
メガー「こ、狛枝くん…? た、助けてくれ!
僕はなにもしてないんだ!」
狛枝「いやー、もう自分の失敗を隠すのもそのくらいにしておいた方がいいですよ なんだかもう見苦しいし」
メガー「なっ……⁉︎」
成歩堂「失敗…?」
狛枝「裁判長さん、これから証言をしたいんですけどいいですか?」
サイバンチョ「い、一体なんの証言ですか?」
狛枝「もちろん、メガー刑事の失敗についての証言です」
メガー「イヤイヤ! 違う!違うんだ!」
カン
サイバンチョ「意味深ですが…まぁ聞くだけ聞きましょう」
サイバンチョ「メガー刑事の失敗について証言してください」
メガー「あァ……ああ…」
成歩堂(なんだ? 彼の焦りっぷりは…)
-
- 185 : 2017/01/13(金) 20:52:20 :
- ーーーー証 言 開 始ーーーー
失敗
狛枝「あの時、寮から学校に続く通路を見張ってたのはメガー刑事なんだ」
狛枝「だけど罪木さんが日向くんを運んでるときに、トラブルがあってね…」
狛枝「そのとき通路はガラ空きだったんだ」
狛枝「その隙に十神くんは本科の校舎に移動したんじゃないかな?」
ーーーーーーーー
サイバンチョ「ほ、本校舎に続く道が…」
夕神「『ガラ空き』だった…だとォ⁉︎」
メガー「う、うわわわわ…」
メガー「諸行無常 !!!!!」バタッ
夕神「自分のクビ惜しさに隠ぺいしてたってか、気に食わねェ」
夕神「メガー、次の給与査定…覚えとけよ」
メガー「あうう……うぃー…きゃん…どぅー…いっつ……あれれ?」
カン
サイバンチョ「係官、そこのだらしない刑事をつまみだしてください」
成歩堂(あのときメガー刑事が抱えてた秘密って、これのことだったのか…)
サイバンチョ「さて…衝撃的な言葉が出てきました まさかあの場所がガラ空きだったなんて…」
夕神「だとすると、これまで前提もいろいろ覆っちまうなァ」
成歩堂「裁判長!この証言はとても重大な意味を持ちます!」
サイバンチョ「わかっておりますぞ 弁護人、尋問をお願いいたします」
成歩堂(メガー刑事のミスが発覚した今、新しい可能性が浮かんだはずだ! 気をつけて証言を読み取らないと…)
-
- 186 : 2017/01/14(土) 02:09:57 :
- ーーーー尋 問 開 始ーーーー
失敗
狛枝「あの時、寮から学校に続く通路を見張ってたのはメガー刑事なんだ」
待った!
成歩堂「メガー刑事が見張りを…?」
狛枝「そう、あの通路は彼が見張ってたんです」
成歩堂「でも彼は警備員ではないんですよね?」
狛枝「基本的にメガー刑事の役目は警備員と同じなんですよ」
狛枝「警察官と言っても、事件が起きない限り動けませんからね」
成歩堂「メガー刑事はいつも希望ヶ峰学園にいるんですか?」
狛枝「身内の不幸か病院沙汰でもない限り、彼は毎日希望ヶ峰学園を警備してますよ」
成歩堂「わかりました、証言を続けてください」
狛枝「そう、メガー刑事はさっき言ったようにそこの警備を担当してたんですけど…」
ーーーーーーーー
狛枝「だけど罪木さんが日向くんを運んでるときに、トラブルがあってね…」
待った!
成歩堂「確か終里さんが発見して、罪木さんが寮に連れて、そこから廊下を通って保健室でしたよね?」
狛枝「そこで罪木さんが廊下を通ろうとした途端、それは急に起こったんだ」
成歩堂「急に…?」
狛枝「そう、急にね」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
罪木さんは、日向くんを抱えて廊下を使って校舎に向かおうとしたんだ
メガー刑事はそれを快く許して、罪木さんを先導しようとした……その時だったんだ
罪木さんが、何もないところで突然躓いて転んでしまったんだ しかもよりによって、メガー刑事も巻き込んでね
メガー刑事はそのまま、ゴミ箱に頭から突っ込んでしまってしばらく動けなかったんだ
ーーーーーーーーーーーーーーーー
狛枝「これが事件の真相だよ!」
成歩堂「…………」
(そ、そんなマヌケな理由で十神くんを通してしまったのか?)
夕神「そんな事故が起きたら、ガラ空きになった廊下を使わない手はないだろうなァ」
心音「その時に十神くんが本科の校舎に移動した…そう考えるのが自然ですね」
成歩堂「…それでもどこか不自然な気がするんだよなぁ」
心音「不自然…?」
成歩堂「狛枝くん、今の言葉を証言に追加して欲しいんだけど…」
狛枝「こんな僕の言葉でいいなら、喜んで」
ーーーーーーーー
-
- 187 : 2017/01/14(土) 02:41:32 :
- 狛枝「罪木さんは何もないところで転んで、それにメガー刑事が巻き込まれたんだ」
待った!
成歩堂「その証言に間違いはありませんか?」
狛枝「それを見つけるのが弁護士さんの仕事だと思うけど…」
成歩堂「ま、まぁ言ってしまえばそこまでなんですけど…」
夕神「俺にゃおかしな点があるようには聞こえんがな」
心音「私にも聞こえませんでした 彼がウソをついてるようには思えませんし」
成歩堂(…本当にそうなのか?)
成歩堂(何か…引っかかる部分があるな…)
狛枝「ここまで言えばわかりますよね?」
ーーーーーーーー
狛枝「そのとき通路はガラ空きだったんだ」
待った!
成歩堂「その時、メガー刑事はゴミ箱に刺さってたんだよね?」
狛枝「罪木さんもいたけど倒れていたし、ガラ空きだったことには変わりないね」
成歩堂「そういえば、その詳しい話はだれから…?」
狛枝「罪木さん本人からだよ、当然」
夕神「なるほどな、『刑事から聞いた』よりもよほど現実的だ」
サイバンチョ「まぁ、それなら知っててもおかしくないですな」
狛枝「ガラ空きだったってことはつまり…」
ーーーーーーーー
狛枝「その隙に十神くんは本科の校舎に移動したんじゃないかな?」
待った!
成歩堂「それ以外の方法で出ることはできないんですか?」
夕神「なんども言ってるが、希望ヶ峰学園の寮は全面的に封鎖されていた」
夕神「事故でも起きねェ限り、外に逃げ出すなんてこたァねェな」
成歩堂(まぁ、起きちゃったけどね 事故)
心音「事件まで起きましたし…」
サイバンチョ「ともかく、これで十神白夜が移動した方法がほとんど明らかになりましたな」
成歩堂(…そう、ほとんどなんだ)
成歩堂(まだモヤがかかってよく見えない部分がある だがそこを切り払えば、自ずと答えはみつかるはずだ!)
ーーーーーーーー
心音「十神白夜くんが移動した方法は、こういうことだったんですね…」
成歩堂「やれやれ、思った以上に単純すぎる理由だったね」
心音「でもこれは【あたらしい事実】ですよ!成歩堂さん!」
成歩堂「ああ、この事実にはどこか謎を解くヒントが隠されてるはずだ」
成歩堂(まぁそれよりも、まずはムジュンを指摘しなきゃな…)
-
- 188 : 2017/01/14(土) 12:41:39 :
- 狛枝「あの時、寮から学校に続く通路を見張ってたのはメガー刑事なんだ」
狛枝「だけど罪木さんが日向くんを運んでるときに、トラブルがあってね…」
狛枝「罪木さんは何もないところで転んで、それにメガー刑事が巻き込まれたんだ」
異議あり!
成歩堂「あの廊下には何もなかった…それはムジュンしています!」
サイバンチョ「なんですと?」
成歩堂「裁判長、これをご覧ください」
サイバンチョ「どれどれ、これは……私にはただの空き缶に見えますが?」
成歩堂「ええ、その通りです ですが問題は、この空き缶がどこにあったかなんです」
夕神「今の話のミャクラクからすると…そいつはあの廊下に落ちてたのか」
成歩堂「その通りです」
成歩堂「彼女は何もない廊下で転んだんではなく、これを踏んで転んだと考えるのが自然ではありませんか?」
異議あり!
夕神「成の字、だとしたら何が変わるってンだ?」
夕神「空き缶1個でこの状況が覆るとは思えんがなァ」
成歩堂「ええ、普通はそう思います ですが、この空き缶にはある特徴があったんです」
狛枝「ある特徴?」
成歩堂「これには、本科の生徒の指紋が付着していたそうです ユガミ検事、少し調べてもらえますか?」
夕神「ギン」ピューーー
ギン「ギョエエエ!!」
成歩堂「うわっ⁉︎」
(びっくりした…)
夕神「どれどれ………ン?」
サイバンチョ「ど、どうしました?ユガミ検事」
夕神「コリャ…おめえさんの指紋だぜ、狛枝凪斗!」
狛枝「ッ⁉︎」
成歩堂「狛枝くん、この空き缶はひょっとして君が仕掛けたトラップなんじゃないかな?」
異議あり!
狛枝「あははは!流石に冗談きついですよ、弁護士さん」
狛枝「どうやって空き缶一つで罪木さんを…」
異議あり!
成歩堂「いや、君に限ってそれは可能だったんだよ、狛枝くん!」
狛枝「え…?」
サイバンチョ「では弁護人に問います」
サイバンチョ「なぜ彼に限ってそれが可能だったのか!」
成歩堂「彼に限って罪木さんを意図的に転ばせることは可能だったわけ、それは…!」
>>189
1・狛枝の幸運体質
2・罪木の不注意
3・メガーの不注意
-
- 189 : 2017/01/14(土) 13:26:22 :
- 1かな?
まあ罪木自体何もないところで転ぶけどね
-
- 190 : 2017/01/16(月) 17:50:07 :
- くらえ!
成歩堂「狛枝くん、君はいたって特殊な体質を持っていたはずだ」
サイバンチョ「特殊な…体質ですか?」
成歩堂「彼の特殊な体質…いかにも信じがたいんだてすが、幸運を意図的に引き起こせると言ってました」
サイバンチョ「幸運を…」
夕神「意図的にだと?」
成歩堂「ええ、これは彼自身の証言です!」
成歩堂「ってグワァ!!」ズバァッ
夕神「ジイさん、救急車を呼べ このボンクラが手遅れになる前に頼む」
成歩堂「イ、イヤイヤイヤ!本当に彼が言ってたんですよ!」
心音「私も信じられないんですけど、確かにある程度意図的に幸運を起こすことができる…彼はそう言ってました」
カン
サイバンチョ「うーむ、もはや議論があらぬ方向に進み過ぎてますが…」
サイバンチョ「弁護人、何か根拠はあるのですか?」
狛枝「弁護士さん、確かに僕は幸運体質だけどさ…」
サイバンチョ「…ある前提で話を進めるんですか?」
狛枝「まずそもそも、僕がその体質を利用する必要があったのかな?」
狛枝「何がどうして、『メガー刑事が転んでゴミ箱に刺さる』のが幸運なんだろうね? それこそ十神くんを殺したいだけなら、わざわざ図書室に行かなくてもその前にやればいい話だし…」
成歩堂「君にとってそうじゃなくても…別の誰かにとっては違うかもしれないよ 狛枝くん」
狛枝「どういう意味です?」
成歩堂「少なくともこの人物は、本科の校舎に行きたがってただろうね」
1・十神白夜
2・黯箸影丸
3・七海千秋
4・日向創
>>191
-
- 191 : 2017/01/16(月) 20:40:25 :
- 1
-
- 192 : 2017/01/17(火) 17:23:18 :
- 成歩堂「君にとってそうじゃなくても…別の誰かにとっては違うかもしれないよ 狛枝くん」
狛枝「どういう意味です?」
成歩堂「そもそもよく考えてみようよ、何故図書室に十神くんがいたんだろうね?」
夕神「誰かに連れ去られた、とは考えづらいな」
夕神「奴は事件が起きるまで流暢に本棚を物色してたことは現場検証で明らかだ」
成歩堂「そう、彼は【自ら望んで】図書室に行った」
成歩堂「つまり、【あの廊下が空く】ことを望んだのは狛枝くんではない…むしろ被害者の十神くんの方だった…そう考えられるでしょう」
サイバンチョ「ええと…つまり、どういうことですかな?」
成歩堂「狛枝くん、君は頼まれたんじゃないか?」
成歩堂「十神くんに、『一緒に図書室に行く』ことをね」
夕神「一緒に図書室に…?」
成歩堂「十神くんはこの学校に来てまだ日が浅かった だから図書室に向かうには、この学校の構想に詳しい人間が必要なはずです」
成歩堂「そこで十神くんは君に目をつけたんだろうね」
心音「狛枝くんに、ですか…?」
成歩堂「彼は希望ヶ峰学園の二年生で、この学園のことをよく知る人物の1人です」
成歩堂「そして彼はあの廊下を通る可能性を持った唯一の人間だった…そう、幸運体質だよ」
サイバンチョ「つまり、証人と被害者は…【いっしょに図書室にいった】ということですか!」
夕神「つまり…仲良く歩いてたそこのもやしボウズが犯人に近い人間だと言いてェのか?」
成歩堂「ええ、そうなると全てのつじつまが合うんです」
夕神「辻褄だとォ?」
成歩堂「では、一通り流れを整理してみましょうか」
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まず十神くんは、狛枝くんの幸運を利用して廊下を通るために、彼に同行をもちかけました
そして狛枝くんの幸運が発動し、現場は一時空白の時間となります この隙に十神くんと狛枝くんは図書室へと移動したのです
そして図書室についた狛枝くんは十神くんをはしごから落として殺害し、現場から離れます
狛枝くんはここであえて三階から直接戻るのではなく、非常階段を逃げ道に使いました
この時三階は警備員が多めに配備されていたことに対する回避策なんでしょう 実際死体を発見したのも、狛枝くんを発見したのも警備員でした
狛枝くんは四階を経由してまた三階に降り、廊下まで戻って来ました
おそらくメガー刑事は驚いたでしょうね なにせ自分が知らない間に関係ない生徒が本科に行ってたのですから…しかしそれまでならまだ単なる監督不行届で済みました
ですが、いっしょに逃げてた十神くんの死亡が発覚した事により、メガー刑事も尚更喋るに喋れなくなってしまったんだ 自分の管理責任がいくら追究されるかは明らかだったからね
こうして狛枝くんは彼の弱みを握る事によって、自分が疑われない環境を生み出した…いたってシンプルなトリックです
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成歩堂「これで【メガー刑事がこの事を黙ってた理由】と、【狛枝くんが死因を知っていた理由】が合致します!」
成歩堂「それは…狛枝くんがこの事件の真犯人だから…!それに他なりません!!!」
狛枝「なっ………!?」
狛枝「………………………………」
狛枝「……………………………………………」
-
- 193 : 2017/01/17(火) 18:20:59 :
- 狛枝「………フッ」
狛枝「あははは…あっはっはっはっは………」
成歩堂「!?」
心音「これは…感情の暴走!? でもこの感情って…!」
狛枝「あはははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!」
狛枝「凄いよね…どんな逆境の中でも真実に向かって突き進む気高い精神、それこそまさに僕が一番欲しかった希望だよ」
狛枝「そうだよ……僕が殺したんだ…十神くんを」
狛枝「ことの発端は十神くんは僕に頼んできたことだったよ、あの時の苦虫を噛み殺したような苦渋の表情は今でもよく覚えてる…」
狛枝「彼は僕にこう頼んだんだ…『その幸運であの道を空けろ』って、僕は喜んで引き受けたよ、なんせ彼は他の超高校級の中でも別格の人間だから尚更気持ちが高ぶったよ SNSで世界に拡散したいぐらいさ!」
狛枝「そして幸運にも、僕がうっかりポイ捨てしてた空き缶を罪木さんが踏んで事故は起きた 僕は十神くんを図書室まで案内したんだよ……」
狛枝「まさか逃げるときに警備員さんに気づかれるとは思わなかったよ…でも、非常階段を使えば難なく逃げられたよ あの人はどうやら別の人と勘違いしてたみたいだし」
狛枝「でも幸運だったなぁ……ここで新しい希望を見つけることができたんだ 本当に幸運だよ」
狛枝「『超高校級』とも『絶望の対極』とも言い難い希望…いわば、『絶望の中だからこそ輝く希望』…素晴らしいよ、成歩堂さん! あなたはあらゆる絶望を打ち砕く希望だよ!!」
-
- 194 : 2017/01/17(火) 18:39:22 :
- カン
サイバンチョ「ふぅ…長かった審理も、ようやくここで終幕ですね」
夕神「狛枝凪斗は先ほど身柄を確保した メガーには後で洗いざらい吐いてもらうとするぜ…」
心音「成歩堂さん…これで良かったんでしょうか?」
心音「日向くん、相当ショック受けるんじゃないでしょうか…自分の友達が犯人だなんて」
成歩堂(……確かに本当にこれで終わりでいいのか?)
成歩堂(僕は真実を明らかにした…なのになんだ? この胸の奥の歪み…)
カン
サイバンチョ「では、被告人、日向創に判決を下します」
異議あり!
サイバンチョ「!」
成歩堂「!」
心音「ユ、ユガミ検事?」
夕神「判決はまだ早いぜ? ジイさん せっかちな老人は孫に嫌われるぜ?」
サイバンチョ「ど、どうかしましたか?」
夕神「忘れてもらっちゃ困るなァ 今回の事件、あのボウズの化けの皮を剥がしただけで…日向創の疑いは一向に晴れてねェ」
心音「……ああっ!! う、うっかり忘れてた…」
成歩堂(…そうか、それが僕の推理を邪魔する要因だったのか)
サイバンチョ「し、しかし…被告人が怪しいという証拠品は…」
夕神「成の字、もうわかってンだろ?」
成歩堂「ええ、わかってます」
サイバンチョ「い、一体被告人が怪しいという証拠はなんなのですか?」
1・七海のゲーム機
2・解剖記録
3・キャタツ
4・本棚
>>195
-
- 195 : 2017/01/17(火) 18:47:04 :
- 3…狛枝ぶれねぇな…
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- 196 : 2017/01/18(水) 01:51:40 :
- 成歩堂「キャタツについていた日向くんの指紋、ですね…」
夕神「あのキャタツに日向創の指紋がついていた、そして日向創は本科の校舎三階でとっ捕まえられた… これでも無罪判決を下せるか? ジイさんよ」
サイバンチョ「う、うむむむむ……確かにそうですな…」
心音「でも、狛枝くんが犯人に一番近い人物なのは間違いないですけど…」
成歩堂(…ひょっとしたら、日向くんに罪を着せたい第三者がいるのか…?)
成歩堂(と言っても、これ以上審理するための証拠品も証言も手元にないしな…)
心音「寧ろ、証拠品も無しでよくここまで議論が続きましたね…」
カン
サイバンチョ「私の見解を述べさせていただきます」
サイバンチョ「確かに現場の証拠品は、犯人が日向創であると示している」
サイバンチョ「しかし、現場には今まで判明してなかった第三者が存在した これは決して見逃せない新事実です」
サイバンチョ「法廷では、一つの疑問の余地も、そこに全てを覆す可能性がある限り、無視することはできません」
サイバンチョ「ひとまず、今回の審理はここまでとさせていただきます」
サイバンチョ「弁護側、検察側はそれぞれ次の審理の準備を整えておくように」
成歩堂「わかりました」
夕神「依存ねェ」
サイバンチョ「では、本日はこれにて審理を中断します」
カン
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逆転ロンパ 〜絶望と希望と逆転と〜
Chapter3−1
『超高校級の逆転』1日目
つづく
-
- 197 : 2017/01/18(水) 01:53:41 :
- 乙です!
-
- 198 : 2017/01/18(水) 01:53:53 :
- Chapter3−1、これにて終了です
明日か明後日ぐらいに続き建てるのでお楽しみに
意見や感想、クロ予想や考察などはこっちにお願いいたします
http://www.ssnote.net/groups/2286
-
- 199 : 2017/01/19(木) 23:24:35 :
- Chapter3の後編になります
http://www.ssnote.net/archives/51421
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