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逆転ロンパ〜絶望と希望と逆転と〜 Chapter1 【逆転、そして絶望】
- ダンガンロンパ × 逆転裁判
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- 1 : 2016/10/15(土) 10:46:45 :
- はじめまして pvです!
誰も書いてないので自分でダンロン×逆転ssを書こうと思います
注意事項
・キャラ崩壊アリ(出来るだけ無いように気をつけます)
・オリジナル設定アリ
・ダンロンキャラは1〜3まで 逆転キャラは6の後の設定です
・雑展開注意!
以上が注意事項です それでは(全く自信ないけど)頑張るぞ!
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- 2 : 2016/10/15(土) 10:54:54 :
- ーー都内の一等地にそびえ立つ巨大な学園
ーーその天を貫くような気高い佇まいは、正に希望の象徴だろう
私立希望ヶ峰学園
通称『希望の学園』
日本全国から様々な『超高校級』の才能を持つ高校生が集まり、この国の希望を背負って生活している
卒業した暁には、将来を約束されたといっても過言ではない厚遇をあちこちで受ける事になる
正に『希望』の象徴…………
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- 3 : 2016/10/15(土) 10:58:38 :
- まさか……………
そんな希望の裏に絶望が蔓延るなんて…………
この時の僕らは想像すら出来なかったし、したくなかった……
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- 4 : 2016/10/15(土) 11:17:33 :
- ー3月 22日 都内某所
地方裁判所 被告人第3控え室ー
控え室にあった新聞を読む。
大々的に……とまでは行かないけど、やっぱり載ってる
3月22日 黎朝新聞
夜の住宅街で殺人事件
死亡したのは、容疑者の元同級生
容疑者は、この春私立希望ヶ峰学園に入学予定の少年
…………うぅ、毎度毎度見るたびに嫌な気持ちになるなぁ
それでも見ちゃうのは、やっぱり人間の性(さが)なのだろう
僕の名前は成歩堂龍一
これでも長い間弁護士をやっている
今回弁護するのは………
???「…あ、あのー…弁護士さん」
成歩堂「どうしたんだい? 苗木誠くん?」
この春、希望ヶ峰に入学予定の高校生だ
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- 5 : 2016/10/15(土) 11:21:17 :
- 支援
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- 6 : 2016/10/15(土) 12:04:51 :
- 僕は
苗木誠
大勢の抽選の中から選ばれた超高校級の『幸運』
超高校級の幸運っていうのは、毎年抽選で選ばれる一般人
つまるところ、僕には何の才能もない
今までも普通に暮らし、普通に学校生活を送ってきた極普通の人間だ
しかし、どういうわけか抽選で希望ヶ峰学園に入ることとなった
まぁ、本当に超高校級の幸運なら、冤罪くらって警察につかまるなんて、あんまりだけどね………
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- 7 : 2016/10/15(土) 12:28:14 :
- まぁ人と違う点を挙げるとすれば……
“少しだけ”前向きなところかな
苗木「あのー、弁護士さん… 本当に、僕の無実を証明してくれるんですか?」
成歩堂「ああ、当然だよ だって、君はやってないんだよね?」
苗木「は、ハイ…僕は人を殺してなんかいません!」
成歩堂「だったら安心してくれ。ぼくは最後まで君の味方だ」
だけど、この人の前向き具合には敵わないかも知れない
警察が僕を逮捕したという事は、僕が犯人だと言う証拠がいくつもあると言う裏付け
つまり僕は今、崖っ淵に居るの同じだ
それなのに、成歩堂さんは僕の無実を、訴えを信じてくれた
その曇りのない瞳に、僕は自分の命を託したくなった
だから成歩堂なんでも事務所に依頼したんだ
-
- 8 : 2016/10/15(土) 14:02:23 :
- カカリカン「間も無く開廷のお時間です 速やかに第3法廷に移って下さい!」
係官の低い声が狭い部屋に響く
そろそろ開廷時間だ
???「成歩堂さーーーん」
やれやれ、相変わらず武器は無いし
???「なーるーほーどーさーーーん」
王泥喜くんも風邪気味で休んじゃってるし
???「なーーーるーーーほーーーどーーー…」
大丈夫だ 今までだって何度も一人で法廷に立ってる 少しだけ緊張するがこのくらい…
???「さぁーーーーーん!!!」
成歩堂「わぁあ!?」
苗木「ひぃ!?」
???「酷いじゃないですか成歩堂さん!部下ほっといて勝手に法廷に出るなんて! 私も加勢しますよ!」
このうるさくて元気な子は希月 心音
僕の部下の弁護士で心理学について詳しい
成歩堂なんでも事務所の期待の新人だ
心音「うるさいは余計です!」
モニ太「ーウルサイワヨケイ!」
成歩堂「だから何度も言ったじゃないか ちゃんと目覚まし時計をかけた方がいいって」
心音「ううっ…だ、だって…あの目覚まし、音が小さすぎるんですよ…」
苗木「あ、あはは…」
苗木くんが僕らのやりとりを見て半分呆れ気味に笑っている 少しでもリラックスしてるといいけど…
カカリカン「…早急に移動願います」
成歩堂「わ、わかりました!如月さん、苗木くん、行くよ」
苗木「わかりました」
苗木「ううっ!足が痛いな…」
心音「よしっ!今日は王泥喜先輩も風邪で寝込んでる頃ですし、この如月心音に任せてください!」
ーーーーーーーーーー
王泥喜「ヘックシュン!」
王泥喜「うう、今後は季節の変わり目には気をつけよう…」
ーーーーーーーーーー
大丈夫だ
武器は無いけど、必ず真実を暴いてみせる!
そして苗木くんの無実を証明してみせるんだ!
-
- 9 : 2016/10/15(土) 14:18:54 :
- 法廷 1日目
ーーーー開廷ーーーー
希望ヶ峰学園入学予定の生徒が起こした殺人事件
傍聴席はいつも以上の人だかりだった
傍聴人「今回の裁判はどうなるんだろな…」
傍聴人「やだー殺人事件起きたのウチの近所じゃーん(笑)」
傍聴人「マジ?どこ住んでんの?」
傍聴人「ん?あの検事って…」
傍聴人「あの少年が殺したのか?」
傍聴人「こういうところくるの初めてだなぁ〜…」
傍聴人「あははは!さぁ、君の希望をみせてくれるかな?」
カン カン カン
冷たく鋭い木槌の音が、法廷を静寂に戻した
そして法廷を、いつものようなギリギリまで水を張ったコップのように張り詰めた空気が支配した
少しでも動かせば溢れてしまうような、そんな空気が…
裁判長は辺りを見渡し、今一度静寂を確認すると、口を開いた
サイバンチョ「これより、苗木誠の裁判を開廷いたします」
苗木「成歩堂さん どうして汗をかいているんだろう」
成歩堂(うう、聞いてないぞ…)
サイバンチョ「弁護側、検察側 準備はよろしいですかな?」
御剣「検察側、準備完了している」
あ、相手が御剣検事なんて聞いてないぞ!
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- 10 : 2016/10/15(土) 14:20:57 :
- 某希望厨Kがいた
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- 11 : 2016/10/15(土) 14:32:47 :
- 御剣怜侍(ミツルギ レイジ)
かつて法廷で共に切磋琢磨した仲であり、親友でもある 今は検事局長をやっており、検事としての腕前は衰えを見せるどころが更に熟達してる
彼の実力は僕が一番よく知っている
だからこそわかっている
手ぶらで彼に挑む無謀さを……
御剣「暫くぶりだな…成歩堂」
成歩堂「あ、あはは それはどうも…」
だけど、行くしかない
迷ってる暇は無い
これまで、何度も崖っ淵に立たされた
自分の弁護をしたこともあった
弁護罪で有罪を喰らい死にかけたこともあった
高い吊り橋から真っ逆さまに落ちたこともあった
弁護士バッジをとり、弁護士を辞めた事もあった
でも、一度だって最後に諦めた事は無かった
その執念で、いくつもの事件を解決してきたんだ
スゥッと深呼吸し、ゆっくり目を開ける
サイバンチョ「べ、弁護人、どうしましたかな?」
御剣……行くぞ!
御剣「…いい目になったな 成歩堂」
御剣「まぁ、そう来なくては始まらないからな」
成歩堂「弁護側も準備完了していす!」
ーーーー絶対に暴いてみせる!ーーーー
-
- 14 : 2016/10/15(土) 15:48:25 :
- サイバンチョ「…よくわかりませんが、では御剣検事 冒頭弁論をお願い致します」
御剣「仰せのままに」
御剣「被害者は井森 美優紀地(いもり みゆきち)被告人の友人だ」
御剣「動機は過去に受けた幾つかのイジメによるものである」
御剣「死因は、棒状の物で後頭部を叩かれたことによるショック死で、傷の大きさからしてほぼ即死と断定できる」
御剣「まずは解剖記録を提出する」
サイバンチョ「うむ、受理しますぞ」
証拠品『井森の解剖記録』を法廷記録にファイルしました
ーー井森の解剖記録
死亡推定時刻は午後10時から12時
死因は後頭部を棒状の物で叩かれたことによるショック死 ほぼ即死で、殴られた回数は1回
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- 15 : 2016/10/15(土) 16:01:23 :
- サイバンチョ「しかし、その棒状の物とは一体?」
御剣「殺害現場の光城公園(ひかりしろこうえん)に落ちてた、うんていの鉄パイプです」
御剣「この公園のうんていは数年前から劣化が進んでおり、取り外すのは比較的簡単と推測できます」
御剣「また、このパイプには被害者の血痕と被告人の左手の指紋が検出されました」
御剣「この鉄パイプも証拠品として提出する」
証拠品 『公園の鉄パイプ』を法廷記録にファイルしました
ーー公園の鉄パイプ
劣化したうんていからとったもの
井森の血痕と苗木の左手の指紋が検出
サイバンチョ「なるほど…私の孫もよくうんていで遊んでおりますぞ」
サイバンチョ「しかし、楽しむための道具を凶器にするなどとは…哀しいですな」
心音「成歩堂さん うんていって何ですか?」
成歩堂「公園にある遊具の一つだよ ほら、ハシゴを横にしたみたいな」
心音「あ、キャタツの事ですか?」
成歩堂「全然違うよ…そもそも現場の公園にキャタツなんて落ちてなかったよ」
心音「何でですか?どっちも似たような物ですし…」
心音「成歩堂さん!もっと本質を見ましょうよ!本質を!」
成歩堂「あ、あはは…」
成歩堂「何だろう、この既視感…」
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- 16 : 2016/10/15(土) 16:50:05 :
- 御剣「続いて当時の現場の状況を確認する」
御剣がそういうと法廷のテレビモニターに事件現場の公園の上面図が映し出された
どうやら現場の光城公園は、他の公園に比べて少し特殊らしい
一軒家が6、7軒ほどの広さがある四角形の公園で、周りは野球場のようなフェンスで囲まれており、入り口は一つしかない
公園の奥(入り口が南側にあるので、奥は北側)には立派な鳥居と賽銭箱と仏像を祀った大きな仏壇があり、年末年始になると近所の幼稚園の子供が集まり、初詣をするらしい(仏像の手入れは公園の管理人のお坊さんが行っている)
この公園は最近では珍しく様々な遊具が並んでいて、入り口から入って右側のすぐの所にブランコが4台あり、ブランコの奥には水道がある
入り口から入って左手には問題のうんていがあり、公園のど真ん中にはタコの山がそびえ立っている
また仏壇の左側(西側)の奥に砂 場、右側(東側)の奥に何故かトノサマンの銅像がある
また、タコの山の中には被害者の血痕があり、被害者と被告人が発見された場所でもあるためここで犯行が行われた事は間違いないようだ
証拠品 『光城公園の上面図』を法廷記録にファイルしました
ーー公園内には、鳥居、賽銭箱、仏壇、トノサマンの銅像、砂場、タコの山、うんてい、ブランコ、水道がある
水道は当時故障していた
タコの山の中で被害者と被告人が発見されたことから、現場はここで間違いない
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- 17 : 2016/10/15(土) 17:15:57 :
- 成歩堂(な、何だかどんどん不利な証拠品が…)
御剣「続いて現場写真を証拠品として提出する」
サイバンチョ「わかりまし…うむ? この写真の人は、被害者で間違いないのですかな?」
成歩堂(ん?どういう事だ?)
御剣「被害者の頭には何故か紙袋が被せられていた 犯人の意図は不明だが、一応この紙袋も証拠品として提出する」
証拠品 『紙袋』と『現場写真』を法廷記録にファイルしました
ーー現場写真
タコの山の中で倒れている井森の写真
頭には紙袋をかぶっている 壁に返り血が付いている
ーー紙袋
トノサマングッズ専門店の紙袋 分厚く作られているものの、被害者の後頭部の血が少しだけ裏写りしてる 意図は不明
成歩堂(…事件ある所にトノサマンアリだな…)
サイバンチョ「最早、トノサマンが真犯人のようにも見えてきましたな」
御剣「裁判長、架空のキャラクターでは人を殺す事は出来ません」
御剣「人を殺すのは、いつだって人間の狂気です」
成歩堂(何が何でも突き止めてやる!)
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- 18 : 2016/10/15(土) 17:29:00 :
-
御剣「それでは、そろそろ事件の証人を召喚しようと思う」
御剣「無論、事件の起こる瞬間を目撃した証人だ」
成歩堂「…」
成歩堂(い、いつも以上に不利な裁判になりそう…)
サイバンチョ「わかりました」
サイバンチョ「係官!証人を呼び出してくるように!」
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- 21 : 2016/10/15(土) 19:02:05 :
裁判所の門が開くと、派手な格好をした赤髪の少年が入ってきた
サイバンチョ「では、証人 名前と職業を」
???「………」
サイバンチョ「しょ、証人?」
???「うげぇ、何このかたっ苦しい空気? なんつーかすげぇ萎えるわ〜」
サイバンチョ「コラ、証人!名前と職業を!」
???「るっせーな!ジジイはすっこんでろ!!!!!!
サイバンチョ「な…………」
サイバンチョ「ジジイ…ジジイ…」
カン カン カン カン
サイバンチョ「うおおおおおおオオオオオオオオオオオオオオオオ」
木槌を連打する音と裁判長の絶叫がこだまする
サイバンチョ「もう怒りましたぞ!何なんですか最近の若者は!」
???「あーわかったわかった 自己紹介すりゃいいんだろー?」
成歩堂(裁判長も大変だな…)
心音「裁判長さん、カウンセリングします?」
桑田「俺の名前は、桑田怜恩(くわた れおん)だ!ヨロシクなっ!」
御剣「……職業は?」
桑田「働いてねーよ 学生だぜ? あ!今度希望ヶ峰学園に入学するんで、ヨロシク〜」
傍聴人「マジかよ…あいつも希望ヶ峰か」
傍聴人「うわー…中身なさそー…」
傍聴人「ッたく…みてるコッチがイライラするッてんだ…」
傍聴人「あの髭はなんなんだ?」
傍聴人「あははっ、裁判長のファインプレーだね!」
成歩堂(ここにきてまた希望ヶ峰学園か…)
心音「それはそうと、傍聴席に誰か変な人いません?」
サイバンチョ「ふぅ…さて、私の頭も冷えた事ですし、証言して下さい」
サイバンチョ「あなたが事件当日目撃したものを!」
御剣(………)
-
- 22 : 2016/10/15(土) 19:15:15 :
- ーーーー証 言 開 始ーーーー
事件当日について
桑田「あの日の晩、友達と遅くまで遊んでてさー」
桑田「遊び終わって帰ってたら、鈍い音がしたんだ!」
桑田「ありゃ間違いねぇ!人を殴った音だ!」
桑田「それで公園まで来てみたらよぉ〜」
桑田「タコの山ん中で誰かが棒を振ってたんだ!怪しく思って通報したぜ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
成歩堂(確かに一見決定的な目撃証言に思える)
成歩堂(でも、苗木くんが無実ならこの証言のどこかにあるはずだ!)
成歩堂(致命的なムジュンが!)
サイバンチョ「わかりました、証人 では弁護人、尋問をお願いしますぞ」
-
- 26 : 2016/10/15(土) 21:05:13 :
- ーーーー尋 問 開 始ーーーー
桑田「あの日の晩、友達と遅くまで遊んでてさー」
待った!
成歩堂「遊んでた…というと?」
桑田「パーティに決まっt御剣「成歩堂、事件とは関係ない事だ」
御剣「もっと別の事を尋問する必要性があるだろう?」
成歩堂「あ!す、すいません つい…」
桑田「って俺を無視すんなっつーの!!」
御剣「証人、続きを」
桑田「」
成歩堂「御剣も彼の扱いが面倒らしいね」
心音「彼の証言、信用していいんでしょうか…?」
ーーーーーーーー
桑田「遊び終わって帰ってたら、鈍い音がしたんだ」
待った!
成歩堂「鈍い音?詳しく聞かせて下さい」
桑田「でっけー音だったぜ!ガシャーンってな!」
成歩堂「…それ、鈍い音っていいます?」
桑田「へ、なんでた? 人を殺すと鈍い音が出るんじゃねーのか?」
成歩堂(この子、本当に事件を理解してるのだろうか?)
心音「ウソを言ってる気配は無いですけど…?何でしょう?」
御剣「なるほど…そういうことか…」
成歩堂「!」
御剣「写真には写ってないが、現場付近にこの様な物が落ちてた」
御剣ばそういうと、証拠品のバッグから何やら壊れた鎖を取り出した
その鎖には、何と血痕が満遍なくついていた
成歩堂「! 御剣!それは一体…?」
御剣「現場に落ちていた砕けた鎖だ 事件との関連性が証明されなかった故、閉まって置いたが…」
御剣「近隣住民に聴いたところ、数日前からこの公園に転がってたそうだ」
御剣「恐らく、被告人が犯人の頭を殴った時に、巻き添えにしたのだろう」
苗木「………? 鎖……?」
成歩堂「?」
サイバンチョ「被告人、心当たりがあるのですかな?」
苗木「い、いえ…」
成歩堂(あの鎖…どういう物なんだろう? そもそも返り血であんなにつくかな?)
成歩堂「血がベットリ付いてるんですよね?」
成歩堂「だったらそれが凶器の可能性があるんじゃないですか?」
御剣「この鎖からは被告人の指紋は発見されていない 最も、これが凶器だとしてもこの重さで人を即死させるのは不可能だな」
御剣「まぁ、人を拘束する程度には使えそうだが…」
証拠品『鎖』を法廷記録にファイルしました
ーー鎖
返り血が異様にベットリと付いている
現場付近に数日前から転がっていたため、事件との関連性は薄いとみられている 凶器にはならない
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- 29 : 2016/10/15(土) 21:18:52 :
- 日向とかは出るの?
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- 30 : 2016/10/15(土) 21:19:55 :
- >>29
そのうち出ます
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- 34 : 2016/10/16(日) 09:49:31 :
- 桑田「ありゃ間違いないねぇ!人を殴った音だ!」
待った!
成歩堂「鈍い音が聞こえたのは確かだとしても…」
成歩堂「何故それが人を殴った音だなんて断定出来るんですか?」
桑田「は?だって音がして現場に来て通報したらよぉ」
桑田「警察が鈍器で殴られた死体を発見したんだろ?」
桑田「だったらそれ以外に何があるんだよ!」
成歩堂(…この証言 何だか違和感があるな…)
成歩堂(もう少し追求して見るか…?)
>>35
追求するorやっぱりやめとく
-
- 35 : 2016/10/16(日) 12:11:34 :
- はい、だれも安価取らないので先進みます(泣)
成歩堂(もう少し追求してみるか)
成歩堂「あなたが聴いた音に付いて、もう少し詳しく証言してくれますか」
桑田「…」
成歩堂(ん?どうしたんだろう)
桑田「つっても、記憶が少しアイマイっつーかさ」
桑田「イマイチ何の音だったかはっきりしねぇんだよなぁ…」
桑田「あっ!でも鈍い音が聞こえたのは本当だぜ!」
桑田「だってその音で俺は公園に来たんだからな!」
成歩堂(余り収穫は無かったが…ムジュンが見えて来たな)
ーーーーーーーー
桑田「それで公園まで来てみたらよぉ〜」
待った!
成歩堂「何故公園に行こうと思ったんですか?」
桑田「イヤ、だから音が聞こえたからだって…」
成歩堂「イヤイヤ…音が聞こえて怪しく思わなかったんですか?」
桑田「何だと…俺がビビってるとでもいいてぇのか!?」
成歩堂「あ、イヤそういう訳じゃ…」
御剣「成歩堂、彼は善良な市民のすべき事を果たしたまでだ」
御剣「まさか、そんな彼の善意を否定するつもりではなかろうな?」
成歩堂「でも、彼は第一発見者です!」
成歩堂「犯人の容疑がかかってももおかしくないでしょう!!」
心音「な、なんか随分強引な切り出しですね…」
御剣「…」
御剣「事件後、彼の身体検査と家宅捜査を行なった」
御剣「凶器から、殺人の動機になりうるものまで何一つなかったが?」
御剣「オマケに凶器には彼の指紋も付いてない 事件当日手袋をつけてなかったことは既に調査済みだ」
御剣「彼は凡ゆる側面で、犯人であることはあり得ないのだ!!」
成歩堂「ぐおおおっ!! うう…」
桑田「そうだそうだ!テキトーな事言ってんじゃねー!証拠が無けりゃただのでっち上げだ!!認めねーぞそんなん!」
サイバンチョ「ふむぅ…弁護人」
サイバンチョ「根拠もなく人を犯人呼ばわりするのは感心しませんな」
成歩堂「ご、ごめんなさい…」
桑田「このアホ!アホアホアホアホ!!」
心音「な、何だか凄い必死ですね…」
成歩堂「リアクションだけなら本当に犯人みたいなんだよなぁ…彼」
-
- 36 : 2016/10/16(日) 12:23:49 :
- ーーーーーーーー
桑田「タコの山の中で誰かが棒を振ってたんだ!怪しく思って通報したぜ!」
待った!
成歩堂「つまり、犯行の瞬間を目撃した訳ですね?」
桑田「そうだぜ!それをみて通報したんだからな!」
サイバンチョ「ふむぅ、殺人犯に臆さず通報するとは…」
サイバンチョ「正に市民の鑑ですな」
桑田「そうだろ?やっぱ俺ってスゲーよな!!殺人犯相手にビビん無かったんだぜ俺!!」
桑田「やっぱり俺サイッコーにマキシマム!!」
サイバンチョ「………」
サイバンチョ「前言撤回」
桑田「はぁ?何でだよ!!」
成歩堂(でも確かに、ちゃんと通報したのは偉いよな…)
心音「成歩堂さんだと真っ先に逃げちゃいそうですからね」
成歩堂「あはは、否定できないな…」
ーーーーーーーー
心音「この証言の中に、本当に事件解決の手掛かりがあるんでしょうか?」
成歩堂「僕も正直わからないよ 彼の証言は曖昧な部分が多いからね」
心音「じゃあ、その曖昧な部分にムジュンがあるんですね!」
成歩堂「ああ、まず身近なムジュンからつつこう」
-
- 37 : 2016/10/16(日) 12:41:43 :
- 桑田「あの日の晩、友達と遅くまで遊んでてさー」
桑田「遊び終わって帰ってたら、鈍い音がしたんだ!」
桑田「ありゃ間違いねぇ!人を殴った音だ!」
桑田「それで公園まで来てみたらよぉ〜」
桑田「タコの山ん中で誰かが棒を振ってたんだ!怪しく思って通報したぜ!」
異議あり!
ーーーーーーーー
成歩堂「桑田くん、君は犯人が犯行を行う瞬間を見たんだね?」
桑田「おう!棒を振り下ろす瞬間はバッチリ見たぜ!」
成歩堂「しかし、それは少しおかしいんだ」
桑田「え、何でだよ」
成歩堂「君の証言通りだと、犯人は二回被害者を攻撃した事になる」
成歩堂「しかし解剖記録にはこう書かれている」
成歩堂「棒状の物で叩かれた事によるショック死でほぼ【即死】と…」
桑田「?…あっ!」
成歩堂「そう!つまり! 一発目の攻撃で即死してたならば!!」
成歩堂「【2度も凶器を振り下ろす】必要はないのです!!」
サイバンチョ「た、確かにそうです!」
サイバンチョ「1度目の攻撃で死んでるのに、2回も攻撃するなど…」
桑田「ま、待てよ! 本当に2回攻撃した可能性もあるだろ!!」
桑田「だってあいつは被害者に恨みがあったんだろ?だったら2回でも3回でも叩いてたっておかしくねーだろーがこのアホ!!」
成歩堂「では、御剣検事に聞きましょうか」
成歩堂「御剣検事 被害者の頭部には複数回殴った痕跡は?」
御剣「…殴られた痕跡はたった一つだけだ」
桑田「…へっ?」
成歩堂「当然です!何度も殴ってたら、傷口も潰れてしまうから即死だったかどうかもわかりませんからね」
桑田「ぐああああっ!」
傍聴人「ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…それは違うよぉ…ネットリ」
桑田「ぐぬぬぬ…」
-
- 38 : 2016/10/16(日) 15:36:02 :
- サイバンチョ「静粛に、静粛に! 静まらない者には退廷を命じますぞ!」
サイバンチョ「ふむぅ…頭の傷が一つだけとなると…」
サイバンチョ「問題なのは、どちらが被害者を殺害した時のものなのか、ですな」
桑田「言っとくけど、本当に俺は見たからな!! あいつが凶器を振り下ろす瞬間をな!!」
御剣「しかし、夜中に響いた鈍い金属音は近隣住民も聞いている」
御剣「どちらかがフェイクだとすれば、その音の可能性が高いな」
サイバンチョ「まぁ、2回目の時は証人が目撃してる訳ですからな」
サイバンチョ「この大きな音が、事件と関係があるとも言い切れませんし…」
サイバンチョ「証人」
桑田「何だ?爺さん」
サイバンチョ「事件現場の状況をもう少し詳しく証言してくれますかな?」
サイバンチョ「貴方の証言、どこか曖昧ですからな」
桑田「お、おう…わかったぜ」
成歩堂(そういえば、よく覚えていないって言ってたな…それなのに)
成歩堂(何で犯行の瞬間だけを鮮明に覚えているんだろう?)
-
- 39 : 2016/10/16(日) 16:48:01 :
- ーーーー証 言 開 始ーーーー
当時の詳しい状況
桑田「現場で犯行の瞬間を見たのは神に誓って本当だぜ!」
桑田「その時のガシャーンって音は、さっき言ってた鎖の砕ける音なんだろうな」
桑田「その後、ガシャガシャガシャって音が聞こえたぜ」
桑田「事件が起こった時はだれも公園を出入りしてないぜ!これで犯人は決まりだな!」
ーーーーーーーー
成歩堂(だ、誰も出入りしていないって…)
成歩堂(それじゃあ現場にいたのは被害者と苗木くんだけじゃあないか!!)
御剣「証言は以上かな?証人」
桑田「おうよ!あったりめーだろ!!」
桑田「んじゃ犯人もはっきりした事だし俺はもう帰るz
待った!
成歩堂「じ、尋問をしますから帰らないでください!」
桑田「え?だって現場にいたのはあいつだけだぜ?」
桑田「だったらこれ以上議論する意味なんてねーじゃん」
サイバンチョ「証人、付き合ってあげてください 弁護人も必死なのです」
成歩堂(な、なんか僕が可哀想な人みたいになってる…)
-
- 40 : 2016/10/16(日) 21:59:33 :
- ーーーー尋 問 開 始ーーーー
桑田「現場での犯行を見たのは神に誓って本当だぜ!」
待った!
成歩堂「本当に、はっきり見たんだね?」
桑田「だーかーらさっきからそう言ってんじゃん! あったまわりーなー」
成歩堂「でも、人間見間違えることぐらいありますよ!」
成歩堂「本当は見てないかも…
異議あり!
御剣「成歩堂、当て擦るような言い方はやめたまえ」
御剣「これ以上無闇に問いただすなら、ペナルティを受けて貰うぞ?」
サイバンチョ「受けて貰いますぞ」
心音「裁判長の心象が悪くなったみたいですね」
成歩堂(しかし、何故その部分以外は曖昧なのか…)
成歩堂(そういえばさっきも…)
ーーーーーーーー
成歩堂「鈍い音?詳しく聞かせて下さい」
桑田「でっけー音だったぜ!ガシャーンってな!」
成歩堂「…それ、鈍い音っていいます?」
桑田「へ、なんでた? 人を殺すと鈍い音が出るんじゃねーのか?」
ーーーーーーーー
成歩堂(鈍い音と鎖の砕ける音がごっちゃになってたな)
御剣「気にすることはない、証人 証言を続けてくれ」
桑田「わーったよ」
ーーーーーーーー
桑田「その時のガシャーンって音はさっき言ってた鎖の砕ける音なんだろうな」
待った!
成歩堂「先程は曖昧な記憶の発言がありましたが」
成歩堂「今回は大丈夫なんですか?」
桑田「しつけーな!大丈夫だっつーの!」
成歩堂(現場にも割れた鎖が落ちてたし、あの音が鎖が砕けた音なのは確実みたいだな)
成歩堂(しかし、だとしてもなぜ犯人がそんな事を?)
御剣「一応聞いておくが、現場に他に不審点はなさったかな?」
桑田「そんなん言われても、そもそも事件が起きてる時点で十分不審だし」
成歩堂(まぁ、彼の記憶もかなり不信【ふしん】だけど…)
桑田「現場に足を踏み入れた訳じゃねーし…」
桑田「あ!でもあったぜ!」
サイバンチョ「ふむ、では話して頂きましょう」
サイバンチョ「現場の不審点に付いて!」
ーーーーーーーー
-
- 43 : 2016/10/19(水) 18:11:30 :
- 桑田「その後、ガシャガシャガシャって音が聞こえたぜ?」
待った!
成歩堂「まるで何かが揺れる音ですね…」
御剣「ふむ…鎖をゆすった音か?…それとも…」
成歩堂「フェンスをゆすった音ですね」
心音「でも、あそこのフェンス、2、3階建てのマンション並の高さですよ?」
御剣「警察の到着には1分も経っていない つまり…」
成歩堂(1分未満であのフェンスを登るのは不可能…?)
サイバンチョ「つまり現場は半密室…という訳ですな」
成歩堂(現場は半密室…ここを崩さない限り…苗木くんの容疑は晴れないな…)
ーーーーーーーー
桑田「事件が起こった時はだれも公園を出入りしてないぜ!これで犯人は決まりだな!」
待った!
成歩堂「誰も出入りしていない…本当ですね?」
桑田「俺は入り口から見てたからな」
桑田「これだけは断言出来るぜ!」
御剣「あの公園には出入り口は一つだけだ」
御剣「当然、抜け道も穴もない」
成歩堂(…………)
ーーーーーーーー
-
- 48 : 2016/10/19(水) 21:07:16 :
- 心音「ど、どうするんですか成歩堂さん!」
心音「謎が深まっただけで一向に良い方向に進みませんよ!」
成歩堂(……)
御剣「証人は現場で犯行に及んだ被告人を目撃している」
御剣「更にに凶器からは被告人の指紋と加害者の血痕が発見されている」
御剣「動機、死因、死亡推定時刻、更に半密室の現場」
御剣「すべての証拠が、被告人『苗木誠』を示している…と言えるだろう」
苗木「………」
成歩堂「な、苗木くん!罪を認めてはダメだ!」
成歩堂「この状況で罪を認めたら、間違いなく有罪に…」
苗木「成歩堂さん……もう………いいん、です……」
成歩堂「!」
苗木「裁判長さん…」
サイバンチョ「む?なんですかな?」
苗木「20分程、休廷させて下さい」
サイバンチョ「と、言いますと?」
苗木「その間に…証言を整理します」
苗木「僕が……井森さんを殺したということについて…」
成歩堂「! そ、そんな…!」
心音「苗木くん…何で…何でなの!?」
御剣「つまり、君は認めるのだな…」
御剣「君が『犯人』である事を…」
苗木「…………………」
苗木「はい」
傍聴人「ま、マジか…」
傍聴人「彼、明らかに怪しいもんね」
傍聴人「全く、酷いな」
傍聴人「クソじゃああああああああああ」
カン カン
サイバンチョ「罪を懺悔する…と言う事ですな」
苗木「僕、自分の罪を償いたいんです…だから…」
サイバンチョ「…ヒトの命を奪う事は、とても重い罪です たとえ君が罪を告白しても…」
サイバンチョ「君への刑罰が軽くなる事はないでしょう…それでも良いのですか?」
苗木「…………ハイ 構いません」
苗木「僕は、死んだ人の思いも引きずって生きなきゃいけませんから…」
サイバンチョ「…………」
サイバンチョ「君がそこまでいうならば、法廷の番人である私も、真摯に対応せざるを得ませんな」
カン
サイバンチョ「これより、20分程の休廷を行います」
サイバンチョ「被告人と弁護人は、証言の準備をするように!」
ざわざわ…ざわざわ…
カン
サイバンチョ「では、休廷!」
ーーーーーーーー
-
- 50 : 2016/10/19(水) 21:41:15 :
- 弐大がいた!?
-
- 51 : 2016/10/19(水) 21:45:36 :
これで、良かったんだ…………
元々、彼女のことは憎くて憎くてしょうがなかった
僕が殺したんだ、そうに決まってる
周りの視線が、僕に痛いほど刺さる
無様な人間を哀れみるように
僕を含めた皆が、僕が殺人犯だと確信していた
成歩堂「………………………………」
ある、1人を除いて
-
- 56 : 2016/10/20(木) 07:16:42 :
3月 22日 某時刻
地方裁判所 被告人第3控え室
成歩堂「…………」
苗木「ごめんなさい、成歩堂さん…」
苗木「実は、ぼく…事件の時の記憶がないんです」
苗木「おかしいですよね…ヒトを殺した記憶だけ都合よく消し飛ばして…」
苗木「自分は…………やってないなんて
…」
成歩堂「…………苗木くん」
成歩堂「僕はまだ、諦めたわけじゃないよ」
苗木「!」
成歩堂「だって苗木くんは、自分が犯行した瞬間を覚えて無いんだろう?」
苗木「僕が覚えてなくても…桑田くんが見てたじゃないですか…!全部!」
苗木「僕は、自分の罪の意識から逃げようとして全てを忘れたんだ!!」
苗木「…僕は『有罪』になるべきなんだよ!」
成歩堂「苗木くん!!」
苗木「!?」
成歩堂「『依頼人を孤独に刺せない』…それが僕の信念だ」
成歩堂「たとえ君が本当に犯人だとしても、世界を敵に回しても、僕は君を弁護する義務がある」
成歩堂「それに…『真実』を見つけるのは最後まで諦めない人間だよ」
成歩堂「たとえ法廷の全ての人間が諦めたとしても、僕は絶対に諦めない」
成歩堂「だから…安心して欲しい」
御剣「キミの弁護など、安心して見れる物では無いがな」
心音「御剣検事…どうかしたんですか?」
御剣「少し、様子を見に来ただけだ」
御剣「成歩堂…この写真をお前に渡しとく」
ーー証拠品『水道の写真』を貰った
水道の写真
犯行当日の現場写真の一つ
複数のトノサマンジュース(メロンサワー味)の空きペットボトルが置いてある
御剣「そして…これも先程警察署から届いたものだ」
証拠品『紙袋』のデータを更新しました
ーー紙袋
トノサマングッズ専門店の紙袋
分厚く作られているものの、被害者の後頭部の血が少しだけ裏写りしてる
袋の内側から睡眠薬が検出
心音「睡眠薬…?つまり犯人はこれで被害者を眠らせたんですかね?」
成歩堂「被害者の頭に被らせてたから、そう思うのが自然だね」
御剣「もしくは…イヤ、なんでもない」
成歩堂「御剣…なぜ証拠品をくれたんだ?」
御剣「お互い、もう張り合うような年ではないだろう」
御剣「最も、弁護士などと馴れ合う事も無いが」
心音「でも、証拠品が増えた事で余計に謎が深まりましたね」
心音「水道のペットボトルとか…睡眠薬とか…」
成歩堂「ありがとう、御剣」
御剣「例を言われることはしてない……では失礼する」
心音「御剣検事も素直じゃないですね」
苗木「そういう人なのかも知れないね」
成歩堂(今回の事件…謎が多すぎる)
成歩堂(記憶のない苗木くん…桑田くんが目撃した犯行の瞬間…二回聞こえた音…フェンスの揺れる音…睡眠薬…)
成歩堂(きっと全てが繋がれば…別の可能性が見えるかもしれない)
苗木「成歩堂さん…………僕は、証言の整理はできました」
成歩堂「やっぱり、自白するってことかい?」
苗木「まぁ、そういう名目で休廷させた訳ですし…」
成歩堂「…わかったよ 苗木くん」
カカリカン「まもなく開廷のお時間です 準備をお願いします」
成歩堂「わかりました」
心音「成歩堂さん! ついでに、さっきの桑田くんの証言を大まかにまとめました!」
心音「証拠品の一つとして使って下さい!」
成歩堂(希月さんの大まかって…アテになるのかな?)
証拠品『桑田の証言』を法廷記録にファイルした
鈍い音を聞いた桑田怜恩は公園の入り口に駆けつける
桑田怜恩は苗木誠が凶器を振り下ろした瞬間を目撃 ガシャーンという音がした
その後、ガシャガシャというフェンスの揺れるような音を聞いた
成歩堂「ありがとう、使わせてもらうよ」
成歩堂「よし、苗木くん、行くよ」
苗木「イテテ…」
心音「歩きづらそうですね…バナナでも踏んで転びましたか?」
成歩堂(それは昨日の希月さんだろうに)
苗木「右足首に痣があって…歩くたび痛いんです」
成歩堂「いつ出来た怪我かな?」
苗木「事件の前には、こんな痣なかったのに…なんでだろう」
成歩堂(事件の前には無かった…つまり、事件中の怪我って事か…)
成歩堂(また謎が一つ増えたけど、これもメモしておこう)
『苗木誠の怪我』をメモした
ーー苗木誠の怪我
右足首の周囲を回るような大きな痣
事件の時に出来た怪我
成歩堂「歩けるかい?」
苗木「ええ、なんとか」
成歩堂(事件の謎を解くよりも、まずは苗木くんの容疑を晴らす事だ)
成歩堂(今はそれだけを考えよう…)
つづく
-
- 58 : 2016/10/20(木) 20:25:00 :
- 3月 22日 某時刻
地方裁判所第3法廷
ーーーーーーーー
カン
サイバンチョ「…では、審理を再開します」
サイバンチョ「御剣検事 おさらいがてら、説明をお願いします」
御剣「承知した」
御剣「今回の事件、被告人の自白により、犯人が苗木誠であることが判明した」
御剣「そして、被告人の要望により、殺害した動機と、その時の状況を証言してもらう」
傍聴人「もういいよ…さっさと有罪にしちまえよ」
傍聴人「なんでいちいちそんなこと…」
傍聴人「どうせ言い訳したいだけだろ…」
傍聴人「はぁ…呆れた」
傍聴人「まるで粗相した犬ッスね!」
バン!!
御剣「被告人とはいえ、彼の誠意には我々法廷は応えねばならない」
御剣「それに実行犯の証言は、重要な証拠になる」
御剣「不確定要素が多いこの事件、現場の状況を詳しく説明させる必要性があるからだ」
成歩堂(御剣…さっきはフォローを入れてくれてありがとう)
成歩堂(ここからが本番だ…!苗木くんの無実を証明するためには…)
成歩堂(現場に残ったいくつもの謎を繋げなければならない)
カン
サイバンチョ「では、被告人 証言台へ移動して下さい」
ーーーーーーーー
苗木(…)
サイバンチョ「では、名前と職業をお願いします」
苗木(…………)
サイバンチョ「あ、あの、証人?」
苗木「あ、は、はい!苗木誠です 仕事は、その…被告人やってます」
サイバンチョ「イヤイヤ!被告人が仕事の人がおりますか!」
苗木「は、はい……スミマセン」
成歩堂「苗木くん」
苗木「は、はい…?」
成歩堂「落ち着いて、あったことだけを話してくれないかな?」
成歩堂「僕は信じてる 君が『無罪』だという『真実』を」
成歩堂「だから、できる限り事実を話して欲しいんだ 」
苗木「……成歩堂さん」
苗木「どうして……そこまで僕の事を?」
成歩堂「君を…………1人にさせないためだよ」
成歩堂「被告人席という孤独な場所で……ね」
苗木「…………わかりました」
苗木「僕も…………少しだけ前向きになろうと思います」
カン
サイバンチョ「では、証言して頂きましょう」
サイバンチョ「事件当日、あなたが行なった事を!」
-
- 59 : 2016/10/20(木) 22:10:25 :
- ーーーー証 言 開 始ーーーー
苗木「僕、実は事件当日の事を覚えていないんです」
苗木「ヒトを殺したことによって、心神喪失した……と、いうことだと思います」
苗木「被害者の井森さんに強い恨みがあったのは、本当ですから…」
苗木「それに……桑田くんにバッチリその瞬間も目撃されてますからね」
ーーーーーーーー
成歩堂(……………)
サイバンチョ「ふむぅ……事件の記憶がないとなると」
御剣「私怨による突発的犯行で心神喪失する、というのは珍しい話ではない」
御剣「最も、それで判決が揺らぐ事はない」
御剣「罪を犯した者には等しく有罪が訪れるのだ」
心音「犯罪心理学では、衝動的殺人で心神喪失するケースは結構多いらしいですよ」
サイバンチョ「なるほど…確かに辻褄は合いますな」
サイバンチョ「被告人は被害者に対して強い恨みを持っており、尚且つ今回の事件には計画性が全くと言っていいほど無かった」
御剣「嫌、少なくとも計画性はあった」
御剣「被害者が被っていた紙袋からは即効性の睡眠薬が検出されている」
御剣「しかし、現場の調査結果からして衝動的殺人である事に変わりは無いだろう」
カン
サイバンチョ「では弁護人、尋問を行いますかな?」
サイバンチョ「被害者はもう自分の罪を認めていますが……」
成歩堂「最後まで依頼人を信じるのが弁護士です」
成歩堂「当然、尋問させてもらいますよ」
サイバンチョ「わかりました では、これより尋問を行います!」
-
- 62 : 2016/10/20(木) 22:54:51 :
- ーーーー尋 問 開 始ーーーー
苗木「僕、実は事件当日の事を覚えていないんです」
待った!
成歩堂「わかる範囲で、当日の事を思い出せるかい?」
苗木「厳密に言うと、公園に入ってからの記憶が無いんです」
苗木「気が付いたら、現場で血まみれの凶器を握ってて…」
心音「衝動的殺人で記憶が吹っ飛ぶことはありますけど…」
心音「さすがにかなりぶっ飛んでますね…」
心音「例えるなら、みぬきちゃんの手品みたいですね」
成歩堂(みぬきのマジックは本当にぶっ飛んだりするからな……)
成歩堂(マジックの実験台にされるこっちの身にもなって欲しいよ…)
御剣「証人、記憶がないことに付いて、君はどう考察しているか…」
御剣「証言できるかな?」
苗木「はい、わかりました」
ーーーーーーーー
苗木「ヒトを殺したことによって、心神喪失した……と、いうことだと思います」
待った!
成歩堂「どうして自分が心神喪失だとわかるんだい?」
御剣「先程も言った通り、被害者への怨みによる衝動的な犯行であるからだ」
御剣「彼は正気を保っているが、酷いものだと言葉すら碌に喋れない殺人犯もいる」
成歩堂「そもそも何ですが……何故衝動的殺人は心神や記憶の喪失を引き起こすんですか?」
心音「それに関しては、私が説明しますね」
御剣「犯罪心理学の専門家の意見だ 聞いておいて損はない」
サイバンチョ「わかりました では希月弁護人 私にもわかるように説明して下さい」
心音「了解です!」
心音「衝動的殺人や殺人の記憶がないいわゆる『心神喪失』は、先程何度か言った通り、深く憎んでいた相手に対する憎悪が引き金で起こりうる精神現象です」
心音「そういうタイプの殺人は、普段から殺意を意識して過ごしてる訳ではありません」
サイバンチョ「まさか、殺意がないのに殺人を犯す、という事なのですかな?」
心音「いいえ、違いますよ 裁判長 まぁ『当たらずも遠からじ』って所ですね」
心音「人の精神は三重構造です まずは『意識』 所謂理性の事です 私達の話す言葉も、大抵はこの部分が司ってます」
心音「続いて『意識と無意識の間』です 人がたまに言葉を言い間違えたりするのはここによる影響が大きいですね」
心音「最後に『無意識』 人が他の物に対して抱く感情はこの『無意識』のうちに入ります」
心音「衝動的殺人犯の場合だと、この『無意識』の部分に殺意がありますが、人は常々、他人に抱く感情を理性で制御します」
成歩堂「僕もあまり口に出すタイプではないからね」
御剣「その分、すぐ顔に出てるがな」
成歩堂「…よく言われます」
心音「つまり、他人に抱く感情を制御しすぎるあまり、自分の本心がわからないって事です このくらいは誰にでもありうる事ですけどね」
心音「そして、相手と接してるうちに自分でも気付かないうちに殺意が増幅して…爆発した無意識の衝動に駆られ、殺人を犯す 当然この時理性はありません 人間の脳は、理性による行動は記憶できますが、無意識の行動なんていちいち覚えていません」
心音「だから衝動的殺人には、心神喪失のケースが多いんですよ」
-
- 63 : 2016/10/20(木) 23:03:34 :
- サイバンチョ「つまるところ…理性以外の行動は覚えていないからこそ記憶がない、という事ですな」
御剣「難しい話のようで、案外シンプルな物だ」
心音「って…意気揚々と説明しちゃいましたけど…」
心音「コレって、私達の首を絞めてません?」
成歩堂「どうだろうね 希月さん 僕は全く別の可能性を考えてるけど」
心音「全く…別?」
御剣「では証人、証言の続きを頼む」
苗木「わかりました」
ーーーーーーーー
-
- 66 : 2016/10/21(金) 16:40:23 :
- 苗木「被害者の井森さんに強い恨みがあったのは、本当ですから…」
待った!
成歩堂「話しづらいと思いますが…なぜそこまで恨んでいたのですか?」
御剣「動機は被害者から受けたイジメによるものと聞いている…」
御剣「無理に言えとは言わない だができれば具体的な内容を証言して欲しい」
苗木「中学校時代に……よく殴られたり、現金を要求されたりしました」
苗木「……僕のバラされたくない過去をダシにして」
御剣「バラされたくない…過去?」
苗木「すみません 今は余り言いたい気分じゃないんです…」
御剣「失礼した…では、証言を続けてくれ」
ーーーーーーーー
苗木「それに……桑田くんにバッチリその瞬間も目撃されてますからね」
待った!
成歩堂「ちょっと待って下さい」
成歩堂(最初から疑問だった……)
成歩堂(桑田くんの証言の内容のばらつき…そして違和感…)
成歩堂「桑田くんの証言に付いて、少し疑問があるんですが…」
御剣「うむ…何だね 言ってみたまえ」
サイバンチョ「確かに彼の証言の内容には、不可解な点が多少ありましたが…」
サイバンチョ「まさか、彼の証言の中に嘘が混ざっていたとでも言うのですか?」
成歩堂「そうではありません」
成歩堂「ただ、彼の証言には、ある強い違和感があるのです」
成歩堂「そこから推測できることは…おそらく…」
>>67
1.彼は現場をしっかり見てなかった
2.彼は加害者を見間違えた
3.彼はアポアポだった
-
- 67 : 2016/10/21(金) 17:12:25 :
- 1かな?
-
- 70 : 2016/10/21(金) 20:39:28 :
- 成歩堂「……彼は現場を見てないのではないでしょうか?」
サイバンチョ「な、何を言ってるのですか弁護人!」
桑田「そーだそーだ!!しっかり見たっつーの!!」
成歩堂「うわああっ!い、いつの間に証言台に!?」
桑田「さっきから黙って聞いてりゃ人をアホ扱いしやがって…!」
成歩堂(? 違うのか?)
桑田「あーっ!!!今ぜってー心の中で俺の事馬鹿にしたな!?」
成歩堂「い、いえいえ そんな事…」
(あるんだよなぁ)
桑田「ったくよぉ!俺は事実を証言しただけだっつうの!!」
桑田「いつまでも判決ズルズル引きずってるおめーにポンコツ呼ばわりされる筋合いねぇってんだよこのアホ!!」
桑田「アホアホアホアホアホアホアホーーーー!!」
心音「ううっ!ノ、ノイズが…」
成歩堂(理由はわからないけど、彼は今かなり激昂してる…)
成歩堂(どうする?)
>>71
1・カウンセリングを頼む
2・もうちょい桑田で遊ぶ
-
- 71 : 2016/10/21(金) 21:48:45 :
- 真面目に1で
-
- 72 : 2016/10/22(土) 09:09:55 :
- >>71
うぷぷぷ…君って割と寄り道嫌いなタイプだね?
-
- 73 : 2016/10/22(土) 09:27:43 :
- 成歩堂「希月さん カウンセリング…おねがいしていいかな?」
心音「いいですけど…その為にまず証言を取らないと…」
成歩堂(彼が何に対して癇癪を起こしているか…か)
サイバンチョ「た、頼みますぞ弁護人!このままでは法廷の秩序が…」
桑田「なーにが秩序だこのハゲジジイ!そこの白髪検事もそうだ!何か反論しやがれ!」
サイバンチョ「ハゲ……ジジイ…」
御剣「白髪………?」
カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン
サイバンチョ「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
御剣「……これは白髪ではない 生まれつきだ」
御剣「それに、君の証言に不審点がいくつかあったのは事実だ」
成歩堂(も、もう収集がつかないな…)
心音「まるでTVのお笑い芸人ですね それも勢いだけはある人」
御剣「それとも証人は何か反論があるのかな?」
成歩堂(み、御剣…下手に煽らないでくれ…)
桑田「反論が…あるかって…?」
桑田あ、あるよ!あるあるある!あるに決まってんだろぉ!」
御剣「裁判長」
サイバンチョ「うおおおお…ど、どうなさいましたか、御剣検事」
御剣「こっちが言いたい」
御剣「証人は弁護人に対して反論があるようだ」
御剣「証言させても構わないだろうか」
サイバンチョ「う、うむ………」
カン
サイバンチョ「証人、証言をお願い致しますぞ」
桑田「…チッ」
サイバンチョ「それと、また私の事をハゲだのジジイだの罵ったら…」
サイバンチョ「名誉毀損で刑事告発しますぞ」
桑田「…仕方ねーな」
心音「裁判長の名誉って、ハゲって言われただけで揺らいじゃうんですね…」
成歩堂(…それと名誉毀損はちがうと思うな)
成歩堂「何はともかく、御剣が桑田くんを煽って『反論がある』という言葉を引きずり出してくれたのはありがたいね」
心音「これでどうにか証言を聞けそうですね」
サイバンチョ「では、証言をお願いします」
サイバンチョ「弁護人に対する反論を!」
-
- 74 : 2016/10/22(土) 14:22:05 :
- ーーーー証 言 開 始ーーーー
桑田「さっきからあーだこーだ言いやがって!俺は見たっつーの!」
桑田「現場での犯行の瞬間もな!」
桑田「音だってしっかり聞いてたんだよボケ!」
桑田「俺はビビらずにしっかり見たんだよ!このうずらボケェエ!!」
ーーーーーーーー
成歩堂「…」
御剣「…」
サイバンチョ「…」
心音「…」
苗木「…」
傍聴人「…」
…………
カン
サイバンチョ「弁護人、尋問はできそうにありません」
サイバンチョ「カウンセリングの準備をお願いします」
成歩堂「わかりました」
桑田「おい!何だよ今の冷たい視線!どいつもこいつも馬鹿にしやがって…!」
心音「では、私の出番ですね!成歩堂さん!」
そういうと希月さんは、モニ太のスイッチを入れた
途端に目の前にホログラムのディスプレイが登場し、四角い画面の四隅に顔文字のようなマークが現れた
これが『ココロスコープ』
証人の証言を読み取って、その言葉の裏に隠れた『喜』『怒』『哀』『驚』の4つ感情を探り出すことが出来る
成歩堂(今突き止めるべきは、桑田くんが怒っている原因となる感情…)
心音「不自然な感情や感情のムジュンがあったら、そこをつきましょう!」
-
- 75 : 2016/10/22(土) 18:43:08 :
- ーーーー証 言 開 始ーーーー
桑田「さっきからあーだこーだ言いやがって!俺は見たっつーの!」
怒
桑田「現場での犯行の瞬間もな!」
怒 驚
桑田「音だってしっかり聞いてたんだよボケ!」
怒
桑田「俺はビビらずにしっかり見たんだよ!このうすらボケェ!!」
怒 驚 哀
ここだ!
ーーーーーーーー
成歩堂「…桑田くん もしかして君は…」
成歩堂「『ビビってる』ことに怒りを感じているのかい?」
桑田「!なっ……何でだよ?」
成歩堂「君の証言、感情がおかしい部分があるんだ」
成歩堂「この最後の証言がね」
サイバンチョ「ど、どういう事ですかな?弁護人 私にもわかるように説明してください」
成歩堂「彼の最後の証言を見てください」
『俺はビビらずにしっかり見たんだよ!このうすらボケェ!!』
成歩堂「彼の心には、この証言にムジュンする感情が芽生えてる」
成歩堂「それが『驚』と『哀』です」
成歩堂「驚きと哀しみの二つの感情…コレはつまるところ…」
成歩堂「『恐怖』の感情ではないでしょうか?」
桑田「!?」
御剣「それが事件と何の関係がある!」
成歩堂「彼はこの証言以外でも、『ビビる』という単語に敏感でした」
ーーーーーーーー
桑田「何だと…俺がビビってるとでもいいてぇのか!?」
桑田「そうだろ?やっぱ俺ってスゲーよな!!殺人犯相手にビビん無かったんだぜ俺!!」
ーーーーーーーー
成歩堂「『ビビる』という単語に対する過敏な反応 その裏に隠れてた『恐怖』という感情…不透明な証言…」
成歩堂「その答えは一つ!」
成歩堂「桑田くんは現場を【見てない】のです!」
成歩堂「殺人の瞬間を見た【恐怖】からね!」
桑田「ア………」
桑田「アポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポアポーーーーーッ!!!」
ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…
カン カン
サイバンチョ「静粛に!静粛に!証人も静かに!」
サイバンチョ「…ふう しかし証人、本当なのですか?」
サイバンチョ「現場をしっかり見てないというのは…」
アポ「い、いや、待てって…」
成歩堂「彼の証言には、不自然な点が多々ありました」
成歩堂「現場の光景よりも、音ばかりを鮮明に記憶している!」
成歩堂「それが、彼が現場をしっかり見てない裏付けだったのです!」
成歩堂「さぁ、どうですか 桑田怜恩くん!! 」
アポ「……………」
桑田「し、仕方ねーだろ?」
サイバンチョ「ほ、本当に見てなかったのですか!?」
桑田「だ、だって殺人現場だろ?そんなもん平常心でみれるもんじゃねぇよ…」
桑田「だから…入り口前で固まってたんだよ!怖くて動けなかったんだ!」
サイバンチョ「な、何故そんな重要な事を隠してたのですか!」
桑田「だ、だってダセェだろ!『ビビって何も見てません』なんて!そんなん証言出来るか!」
成歩堂(な、なんて浅はかな理由だ…)
御剣「………証人よ 一ついいか?」
桑田「な、何だよ?白髪の検事さん」
御剣「生まれつきだ」
御剣「君が見なかった理由は、そこが【殺人現場】だったから…間違いないかね?」
桑田「お、おう」
御剣「では、依然状況は変わってないな この議論は降り出しだ」
成歩堂「ど、どういう事ですか?」
御剣「彼は殺人現場だと思って目を逸らした つまり…」
御剣「殺人の瞬間を【目撃】してることには変わらない」
成歩堂「……あっ!」
御剣「そうだね?桑田くん」
桑田「お、おう 殺人の瞬間だけだぜ 俺が見たの」
成歩堂(し……しまった!うっかり忘れてた!)
心音「そ、そんな!これじゃカウンセリングした意味ないじゃないですか!」
成歩堂「ぼ、僕に当たらないでくれ…」
心音「やれって言ったのは成歩堂さんです!!」
成歩堂(な、何か…!何か見落としはないか!? 証拠品や証言に…!)
成歩堂(ん…?見落とし?)
成歩堂(待てよ…!まさかそれって…だとしたら…)
サイバンチョ「ふむ…私としてはこの証人の証言は信用出来ませんが…」
サイバンチョ「確かに殺人の瞬間をはっきり目撃している以上、疑う余地はありませんな」
サイバンチョ「弁護人、何か反論はありますか?」
成歩堂「…ひとつだけ、彼の証言で気になることがありました」
桑田「え、まだあるのか!?」
御剣「どういう事かな?」
成歩堂「彼は一つ重要な事を証言してない!それは……!」
-
- 76 : 2016/10/22(土) 22:41:14 :
- 成歩堂「被害者の死体に付いてです!」
御剣「被害者の死体だと…!?」
成歩堂「考えても見てください 殺人犯の犯行の瞬間をはっきり目撃したならば…!」
成歩堂「真っ先に死体の事を証言するはずです!」
桑田「アポォオ!」
成歩堂「それなのに…」
ーーーーーーーー
桑田「現場で犯行の瞬間を見たのは神に誓って本当だぜ!」
桑田「タコの山ん中で誰かが棒を振ってたんだ!怪しく思って通報したぜ!」
ーーーーーーーー
成歩堂「彼は一言だって死体に付いて触れてない!」
成歩堂「つまり、彼は殺人の瞬間すらもしっかり見てないのです!」
桑田「アッポオオォ!!」
異議あり!
御剣「例え死体を見てなくても…彼は見てるのだ」
御剣「犯人が凶器の鉄パイプを振り下ろした瞬間を!はっきりと!」
成歩堂「くっ!」
桑田「あ、ああ 苗木誠が凶器を振り下ろした瞬間だけははっきり見えたぜ! 」
成歩堂(どういう事なんだ…?確かに彼は現場をしっかり見ていない)
成歩堂(でも、何で苗木くんが凶器を持ってたとはっきりと断言しているんだ…?)
成歩堂(!!………まさかそれって…!)
1・苗木そっくりの別人を見ていた
2・本当に苗木が凶器を持っていた
3・凶器を持っていたのは被害者だった
4・アポロ・アポ・アポストロフィー桑田
-
- 77 : 2016/10/22(土) 22:43:39 :
- ちなみに推理予想とかは自由に書き込んで構いません ただし核心に触れる内容だった場合、ネタバレ防止のために執筆修了後に非表示にするかもしれません
ご了承ください
安価>>78です
-
- 78 : 2016/10/22(土) 23:33:31 :
- 3
-
- 80 : 2016/10/23(日) 11:00:14 :
- 成歩堂「凶器を持っていたのは被害者だった…」
成歩堂「そう考えるのはどうですか?」
御剣「しかし、犯人は紙袋の睡眠薬で眠らされていたのだ」
御剣「被害者と犯人が争った形跡もなかった」
異議あり!
成歩堂「争った形跡ならありますよ…この砕けた鎖がね!」
御剣「では証人に聞こう」
御剣「この鎖が砕けた音はいつ聞こえた?」
桑田「苗木誠が凶器を振り下ろした瞬間だぜ?」
成歩堂「……あっ…」
御剣「そう、鎖が砕けたのは犯人の殺害と同時!したがって…」
御剣「あの鎖は【現場で争いあった形跡】にはならないのだ!!」
成歩堂「ぐああああっ!!」
サイバンチョ「と、すると…」
サイバンチョ「被害者が凶器を握った可能性はありえないのですな」
御剣「そもそも凶器には被告人の指紋以外検出されなかったがな」
成歩堂「うぐぐ…」(もう一度考え直そう…)
成歩堂(!!…まさか…それって…!)
1・苗木そっくりの別人を見ていた
2・本当に苗木が凶器を持っていた
3・おデコくん
4・アポロ・アポ・アポストロフィー桑田
-
- 81 : 2016/10/23(日) 12:12:36 :
- 4でwwww
-
- 83 : 2016/10/23(日) 12:49:07 :
- 成歩堂「アポロ・アポ・アポストロフィー桑田…」
御剣「? 何だね、それは…?」
成歩堂(うわっ、馬鹿!僕は何を言っているんだ!?)
心音「何ですかそれ? 今回の事件にそんな証拠品はないですけど…」
桑田「つか何で俺なんだよ」
成歩堂(い、勢いとハッタリでごまかすしかない!)
成歩堂「アポロ・アポ・アポストロフィー桑田とは…!」
成歩堂「今巷で大人気の特撮ヒーローです!!」
御剣「特撮ヒーローだと!?」
御剣「そ、そのアポロ何とかとやらは、どんなシロモノだ!」
成歩堂(…まさか食いつくとは思わなかったよ)
成歩堂「アポロ・アポ・アポストロフィー桑田とは、全世界の野球少年を守る特撮ヒーロー!」
成歩堂「秘技、『千本ノック』であらゆる敵を拷問死させ、『黄金バット』で全てを薙ぎ払う!」
成歩堂「まさに!無敵のヒーローなのです!」(全然違うけど!)
御剣「なん…だと…?」
心音「『黄金バット』は別の特撮ですよ…成歩堂さん…」
御剣(ふむぅ…世の中にはまだまだ見知らぬ特撮ヒーローが存在するのか…)
桑田「いや何でだよ!どう見ても俺を遠回しに馬鹿にしてるじゃねぇか!!」
カン
サイバンチョ「もはやつっこむ気も起きませんが…」
サイバンチョ「雑談はここまでにして、審理に戻ります よろしいですね?皆さん」
成歩堂「あ、は、ハイ スミマセン…」
御剣「う、うム、わかった」
成歩堂「もう一度考え直そう」
成歩堂(!!まさか……それって…!)
1・苗木そっくりの別人と見間違えた
2・本当に苗木が凶器を持っていた
3・おデコくん
4・いいんじゃないかな(どうでも)
-
- 85 : 2016/10/23(日) 13:32:57 :
- 1で
-
- 89 : 2016/10/23(日) 15:07:26 :
- 成歩堂「苗木くんそっくりの別人と見間違えた… とか?」
御剣「まさか弁護人…現場に彼の双子の兄弟がいたとでも言い張るつもりかね?」
成歩堂「苗木くん、どうなんですか?」
苗木「い、いやぁ、僕には一応妹はいるけど…」
苗木「僕より背が高いし、何よりあまり似てないんだよね…」
御剣「彼女の写真なら、証拠品として手元にある」
御剣「証人、あの時現場にいたのはこの少女だったかな?」
桑田「少しにてるけどそいつじゃねぇぞ」
桑田「俺が見たのは間違いなく苗木だったぜ」
成歩堂「ぐううっ!」(クソ…ぐうの音も出ない…)
心音「そもそも、現場に駆けつけた時は苗木くんしかいなくて…」
心音「現場からは誰も出てないんですよね?」
成歩堂「なるほど、つまり…」
成歩堂(!!まさか……それって…!)
>>90
1・さいころ錠
2・本当に苗木くんが凶器を持っていた
3・おデコくん
4・いいんじゃないかな(どうでも)
-
- 90 : 2016/10/23(日) 15:21:26 :
- 4でwww
-
- 92 : 2016/10/23(日) 15:32:54 :
- 成歩堂「いいんじゃないかな」(どうでも)
御剣「……失望したぞ、成歩堂」
サイバンチョ「…伝説の弁護士の看板にも、もうカビが生えましたな」
成歩堂「…あれ?」(冗談のつもりだったのに)
カン
サイバンチョ「そこまで!」
サイバンチョ「本法廷は、これ以上の審理の必要性を認めません」
異議あり!
成歩堂「ご、ごめんなさい!ちゃんと考えますから!」
サイバンチョ「……本当に答えが出せるのですかな?」
御剣「…諦めの悪い男だ」
成歩堂(今に始まったことじゃないし、それはお前もだろ!)
心音「成歩堂さん…」
成歩堂「そ、そんな敵意剥き出しの目で睨まないでくれ…」
成歩堂(考えろ…!答えを出すんだ!)
成歩堂(!!まさか……それって…!)
1・本当に苗木くんが凶器を持っていた
2・本当に苗木くんが凶器を持っていた
3・本当に苗木くんが凶器を持っていた
4・本当に苗木くんが凶器を持っていた
-
- 94 : 2016/10/23(日) 16:19:36 :
- 1(どうあがいても絶望)
-
- 97 : 2016/10/23(日) 17:13:21 :
- 成歩堂(もしかして…)
成歩堂(苗木くんが凶器を振ってたのは本当だった…?)
成歩堂(だとしたら、本当に苗木くんが犯人じゃないか!)
サイバンチョ「ど、どうしましたか弁護人」
サイバンチョ「そんな汗をダラダラ流して」
御剣「フッ…どうやら真実はもう決まったようだな」
御剣「現場にいたのは被害者と被告人の2人のみ」
御剣「そこで被告人が鉄パイプを振り下ろす瞬間が目撃され」
御剣「その証拠に凶器には被告人の指紋と被害者の血痕がべっとり付いていた」
御剣「遠回りに議論を重ねたが…この2つの事実は揺るがなかった」
サイバンチョ「確かに不明な点はいくつかありますが…」
サイバンチョ「被告人が被害者を殺害したことはもはや事実ですな」
異議あり!
成歩堂「裁判長!これには人の命がかかっているのです!」
成歩堂「疑問の余地を残したままの判決なんて許されません!!」
サイバンチョ「う、うむぅう…それも一理ありますな」
御剣「………では一つ提案がある」
サイバンチョ「な、なんですかな?御剣検事」
御剣「…証人をもう1人召喚する」
成歩堂「証人…?」(この事件、他にも証人がいたのか…)
御剣「その証人から証言をとり、何も進展がなかった場合は…」
御剣「速やかに判決に移りたい」
サイバンチョ「ふむぅ…そうですか…」
御剣「証人は現在、本法廷にはいない」
御剣「そのため、呼ぶのに30分程時間がかかってしまうが…よろしいかな?」
サイバンチョ「わかりました」
カン
サイバンチョ「これより、30分の休廷をとります」
サイバンチョ「弁護側、検察側の双方は、証言や証拠の整理をお願いしますぞ」
カン
サイバンチョ「では、審理を中断します」
ーーーーーーーーーー
-
- 100 : 2016/10/23(日) 20:00:11 :
- 3月22日 某時刻
被告人第3控え室
成歩堂「…苗木くん 事件の時の状況は思い出せるかい?」
苗木「ううん、まだです だけど…」
苗木「あの血まみれの鎖、既視感があるんです」
成歩堂「既視感…?」
苗木「はい、もしかして本当に僕が…」
心音「な、苗木くん!ネガティヴになっちゃだめ!」
成歩堂「大丈夫、君の『無実』は僕が証明する」
苗木「…わかりました 成歩堂さん」
苗木「僕のことを最後まで信じてくれて…嬉しいです」
成歩堂「僕も『人より少し前向きな所』が取り柄だからね」
心音「それより、次の証人って誰なんでしょう…?」
成歩堂「僕が思うには…聞き込みした近隣住民の代表者とかかな」
成歩堂「もしくは、公園の管理人さんとか…」
成歩堂(たくさんの謎と事件の関連性…僕にわかるかな…)
成歩堂(いいや、考え込みすぎるのはよそう)
成歩堂「それじゃあ、そろそろ時間だし、行こうか」
苗木「はい…イテテ」
心音「大丈夫ですか?苗木くん」
心音「無理せずにここで休んでも…」
苗木「心音さん…そうはいきませんよ」
苗木「僕のことを信じてくれている成歩堂さんのためにも…」
苗木「この裁判、最後まで見届けたいんです!」
成歩堂「…わかったよ 付いてきて、2人とも」
苗木「ハイ!」
心音「わっかりました!」
ーーーーーーーーーー
-
- 101 : 2016/10/23(日) 20:06:04 :
- 3月22日 某時刻
地方裁判所 第3法廷
カン
サイバンチョ「これより、審理を再開します」
サイバンチョ「では、御剣検事 早速お願いします」
御剣「承知した」
御剣「今回召喚する証人は、この光城公園を管理していた寺の僧侶だ」
御剣「彼は目撃者では無いが、事件前に起きた音は聞いている」
御剣「それも含めて証言してもらう予定だ」
カン
サイバンチョ「わかりました では、時間がありません 準備をお願いしますぞ」
御剣「係官!証人を証言台へ!」
ーーーーーーーーーー
-
- 102 : 2016/10/23(日) 20:17:54 :
- ???「………」
サイバンチョ「証人、名前と職業を」
???「ア、こりゃ失礼!申し遅れました!」
サイバンチョ「なんかやけにテンションが高いですな」
???「イヤイヤ、スンマセンスンマセン なんせ法廷で証言なんて38年生きてて初めてなもんで、いやーしかし法廷のデザインは綺麗ですなー スタイリッシュで無駄のないこの清潔感と張り詰めた空気を演出する無機質さ加減、これぞまさに人と自然の調和ですn
カン
サイバンチョ「証人、職業と名前を」
サイバンチョ「雑談なら、先程散々聞かされましたからな」
御剣(アポロ・アポ・アポストロフィー桑田…)
成歩堂(御剣、何考えてるんだ?)
三日丸「私、三日丸 某図(みっかまる ぼうず)と、申します」
三日丸「以後、よろしゅうに!あいやっ!」
成歩堂(何か、お坊さんっていうよりかは落語家さんみたいだな)
サイバンチョ「では、雑談を始めだす前に早速証言していただきましょう」
サイバンチョ「あなたの事件当日の行動と、見聞きしたことを!」
-
- 103 : 2016/10/23(日) 20:27:36 :
- ーーーー証 言 開 始ーーーー
事件当日
三日丸「あの時、住宅街周辺をランニングしてました」
三日丸「トシをとったら、健康に気をつけなきゃいけませんからね〜」
三日丸「公園の方向から鈍い音が聞こえたのは存じてますが、無視しました」
三日丸「その後は、寺に戻って弟子たちと朝まで修行です!これがまたしんどいのなんの!!」
三日丸「更に朝に警察の方々が訪ねてきて、ビックリギョーテンしましたぞ!」
三日丸「まさか、公園のうんていで人が殺されてるなんて…哀しきことよ…」
ーーーーーーーー
サイバンチョ「この証言を聞いた限りでは…」
御剣「怪しい所は見当たらないな」
御剣「では、弁護人 尋問を行いたまえ」
成歩堂「ええ、必ず事件の真相を暴いてやりますよ!」(ハッタリでも言いがかりでもね!)
-
- 104 : 2016/10/23(日) 22:25:06 :
- ーーーー尋 問 開 始ーーーー
三日丸「あの時、住宅街周辺をランニングしてました」
待った!
成歩堂「なぜ夜中にランニングを?」
三日丸「最近は、朝昼晩と3回ランニングするのが習慣でしてね」
三日丸「これをやるとあら不思議!あっという間に筋肉が付くではありませんか!」
成歩堂(あっという間に筋肉が付くって…ありえないよな)
御剣「証人はかつて『超高校級のクライマー』と呼ばれていた」
御剣「日頃から運動を怠らない人物なのだ」
三日丸「ちょ、ちょっと!検事さん!」
三日丸「勝手に私の個人情報を喋らないでくだせぇ!そりゃあ『超高校級』って呼ばれるのは悪い気はしませんが…」
御剣「む…そうだったな、すまない」
成歩堂(この人も…希望ヶ峰出身なのか…)
傍聴人「希望ヶ峰って呪われてるのか?」
傍聴人「なんだか怪しいな」
傍聴人「おいおい、すごいな…」
傍聴人「うわー、ロリペドだよーキモいよー」
傍聴人「模擬刀の先制攻撃だべ!」
カン
サイバンチョ「静粛に!静粛に!」
サイバンチョ「係官!うるさいのは何人かつまみ出して構いません!」
三日丸「ほらーみんな困惑しとるがなー」
三日丸「みんな!!俺の頭を見て落ち着くんだ!!」
ピカーーーーン
成歩堂「うわっ!?ま、眩しすぎる…!」
御剣「ぐぅう!」
三日丸「……これぞ我が寺院に代々伝わる西松流蜉蝣拳(にしまつりゅうかげろうけん)奥義、『御来光波』(ごらいこうは)!!」
三日丸「これぞ日頃の修行の賜物なり!」
成歩堂(一体何者なんだよあの人は!)
心音「私もあれくらい眩しくなりたいなー」
成歩堂「まずは丸坊主にしなきゃね」
サイバンチョ「さて、改めて聞きますが
…」
サイバンチョ「何故あの時ランニングをしてたのですか?」
ーーーーーーーー
三日丸「歳をとったら健康に気をつけなきゃいけませんからね」
待った!
成歩堂「先程も聞きましたが、元『超高校級のクライマー』なんですよね?」
三日丸「まぁ、いくら元『超高校級』でも定期的に運動しないと、身体が鈍ってしまいますからね」
三日丸「己を鍛える道は心技体を鍛える道ですからな!」
三日丸「『鷹は飢えるとも穂を摘まず』ですからな!」
成歩堂(それって意味が違くないか?)
三日丸「それで、それからなんですが…」
ーーーーーーーー
-
- 107 : 2016/10/24(月) 19:57:43 :
- 三日丸「公園の方向から鈍い音が聞こえたのは存じてますが、無視しました」
待った!
成歩堂「何故無視したんですか?」
三日丸「成歩堂さん…そりゃ確かに怪しいけど、そんな怪しい場所にわざわざ足を運ぶかい?」
三日丸「わざわざそんなんするのはアホぐらいですよ」
成歩堂(アポォ…)
御剣「つまり、現場には来てないのだな?」
三日丸「モチのロンですわ!あいやっ!」
サイバンチョ「ふむぅ。弁護人、今の発言、証言に追加しますかな?」
成歩堂「…多分、重要な証言になると思います」
成歩堂「証言に追加してくだせぇ…じゃなかった、ください」
カン
サイバンチョ「では証人!証言に追加するように!」
ーーーーーーーー
三日丸「事件現場には出入りしてません」
待った!
成歩堂「当日は現場に出入りしてない、本当ですね?」
三日丸「ホントもほんと、マジほんとですがな!」
成歩堂「ま、マジほんと…?」
三日丸「『マジ』と『ほんと』を掛け合わせた若者言葉ですぞ」
サイバンチョ「うーむ…最近の若者には、古来より伝わりし日本の言語文化を大切にしてほしいですな」
三日丸「どうでしょう、我々がかつて使って来た言葉も、古典の教科書に出てくるものそのものではなかったでしょう?」
三日丸「言葉というのは人の心の流れを映す鏡でございます 時代による言葉の変化を楽しむのも、また一興だと思いますぞ」
サイバンチョ「ふむぅ、意味は深いですが…」
サイバンチョ「話が長くなりそうなので、証言に戻ってください」
御剣「ただでさえ押してる 速やかな証言と尋問をお願いする」
三日丸「あいやっ!こりゃ失敬!」
成歩堂(…………)
ーーーーーーーー
-
- 108 : 2016/10/24(月) 20:39:38 :
- 三日丸「その後は、寺に戻って弟子たちと朝まで修行です!これがまたしんどいのなんの!!」
待った!
成歩堂「お寺に戻ってから、朝まで修行してたんですね?」
三日丸「まぁ、ランニングした後の修行は辛いもんですわ」
成歩堂「そういえば…ランニングするときは運動靴に履き替えるんですね」
三日丸「えぇ、まぁ」
御剣「聞き込みによると、彼は事件前、下駄を紛失していたらしいからな」
三日丸「まぁ、そういうことですわ!あの事件の時も履いてましたよ!」
成歩堂(この証言…重要視した方がいいかな…)
成歩堂「証人、今の言葉を証言に追加してくれますか?」
三日丸「仰せのままのモチのロンですわ!」
ーーーーーーーー
三日丸「当日は運動靴を履いてました」
待った!
成歩堂「どんな運動靴ですか?」
三日丸「アメリカのブランドの運動靴ですよ」
三日丸「お値段なんと3,980円!!あいやっ!」
成歩堂「と、突然通販を始めないで下さい…」
成歩堂「その靴、クライミングの時も使用してる物ですか?」
三日丸「当然!私はこれでも元『超高校級のクライマー』ですからな!」
御剣「断崖絶壁を這い上がる、か…」
御剣「まさに今の君の状況だな、弁護人」
成歩堂(僕は何回崖から落ちてるんだろう…)
三日丸「それからなんですが…」
ーーーーーーーー
三日丸「更に朝に警察の方々が訪ねてきて、ビックリギョーテンしましたぞ!」
待った!
成歩堂「修行中に突然訪ねてくるなんて、そりゃビックリしますよね」
三日丸「全く、警察も空気を読んでいただきたい!」
三日丸「あんなタイミングで訪ねて来たものだから、わたしお湯を自分にぶっかけて肩を強打し、挙句の果てに身体が柱に絡まって戻れなくなりましたぞ!!」
成歩堂(どんな修行をしてるんだよあの人は!)
心音「成歩堂さんもやってみたらどうですか?」
成歩堂「知り合いに凄い極道の人いるけど、あの人ぐらい強くなれるなら…」
心音「極道の人?」
成歩堂「うん、裸にヘビ柄のジャケット着てる眼帯の人だよ」
心音「こ、これでもかってぐらい極道な見た目ですね…その人…」
成歩堂(そういえばあの人たち…今頃何してるんだろう…)
三日丸「まぁ、ショックでしたよ なんせ…」
ーーーーーーーー
-
- 110 : 2016/10/24(月) 22:07:39 :
- 三日丸「まさか、公園のうんていで人が殺されてるなんて…哀しきことよ…」
待った!
成歩堂「余程ショックでしょうね…」
三日丸「ええ、この公園では毎年近所の幼稚園の子供達初詣が開かれる物ですから、今年は開催できるかどうか…」
三日丸「しかし私はこれでも僧侶の生まれ!お経を読んで御霊を成仏させることぐらいは出来ますぞや!」
成歩堂(ナユタ検事が言いそうだな…)
サイバンチョ「ふむぅ……自分の管理する公園で事件が起こる、辛いことでしょう」
サイバンチョ「心中、お察ししますぞ」
三日丸「やめてやサイバンチョさん!私は前向きだけが取り柄の男!これぐらいではへこたれませんぞ!」
サイバンチョ「な、なんと… 逞しい限りですな 目頭が熱くなりますぞ」
成歩堂(………何だろう、この違和感…)
ーーーーーーーー
成歩堂「ついに新しい証人が出てきたね…」
心音「ここで何か進展が無いと、苗木くんは…!」
成歩堂「わかってる まずはこの証言を打ち崩すことから始めよう!」
-
- 113 : 2016/10/24(月) 23:58:59 :
- 三日丸「あの時、住宅街周辺をランニングしてました」
三日丸「トシをとったら、健康に気をつけなきゃいけませんからね〜」
三日丸「公園の方向から鈍い音が聞こえたのは存じてますが、無視しました」
三日丸「事件現場には出入りしてません」
三日丸「その後は、寺に戻って弟子たちと朝まで修行です!これがまたしんどいのなんの!!」
三日丸「当日は運動靴を履いてました」
三日丸「更に朝に警察の方々が訪ねてきて、ビックリギョーテンしましたぞ!」
三日丸「まさか、公園のうんていで人が殺されてるなんて…哀しきことよ…」
異議あり!
成歩堂「三日丸さん 早くもボロが出ましたね」
三日丸「…何の話ですかな?」
成歩堂「三日丸さん、あなたは先程こう証言していました」
成歩堂「【事件現場】には【出入りしてない】と…」
三日丸「………あっ!」
成歩堂「三日丸さん!【事件現場】に出入りしてないのに、なぜ【うんていの鉄パイプ】で殺されたことを知っているのですか!」
三日丸「うぐおおおお!!」ピカーン
成歩堂「ううっ!」(ま、眩しすぎる…)
三日丸「い、いやイヤ嫌違いますぞ!!」
三日丸「私はここにくるまでに、警察の人に聞いたんですわ!」
三日丸「そこで、【解剖記録】をみせてもらっただけです!」
成歩堂(解剖記録をみせてもらっただけ…?)
成歩堂(本当に……本当にそうだろうか…)
御剣「確かに、車の中で事件の説明がてら、解剖記録と被害者、加害者の身元について話した」
御剣「知っててもおかしくは無い」
異議あり!
成歩堂「そうはいかないよ 御剣検事」
御剣「ム?どういう事だ?」
成歩堂(本当に話した情報がそれだけなら…!)
成歩堂(彼は何故あの事実を知っていたんだ?)
成歩堂「解剖記録と被害者と加害者…これを聞いただけなのに、彼は絶対に知り得ない情報まで知っている!」
カン
サイバンチョ「それでは弁護人に問います!」
サイバンチョ「彼が絶対に知り得ない情報とは!」
1・凶器の鉄パイプの存在
2・犯行現場
3・死亡推定時刻
>>114
-
- 114 : 2016/10/25(火) 00:43:23 :
- ムズカシスギィィィ!!?
1か?1なのか?いや、3も怪しい……
-
- 115 : 2016/10/25(火) 01:03:33 :
- 成歩堂「彼が知り得ない情報とは…【凶器】ですよ」
御剣「凶器…?」
成歩堂「解剖記録にはこう書かれています」
成歩堂「【棒状のもので殴られたことによるショック死】とね…」
御剣「はっ!…まさか!」
成歩堂「そう!ここには棒状のもので殴られたと書いてあるだけで…!」
成歩堂「【うんていの鉄パイプ】が凶器であるなんて、一言も書いて無いのです!!」
三日丸「ぐぼァァアァァア!!」ピカーン
成歩堂「三日丸さん!何故凶器がうんていの鉄パイプであると知ってたのですか!?」
三日丸「ぐ…嫌、これは、ソノ…」
三日丸「た、単純に!あの現場で使える凶器はうんていの鉄パイプぐらいですよ!」
三日丸「あそこは劣化してて取り外しやすいし、気軽に凶器に出来ますがな!」
御剣「それとも成歩堂、あの鉄パイプ以外に凶器が存在するとでも言いたいのかね?」
成歩堂(鉄パイプ以外の凶器……検討もつかないな…)
成歩堂(だったら!!)
バン!
成歩堂「…あの鉄パイプが凶器ではない可能性があるとしたら…」
成歩堂「話は変わってきますよ…御剣検事」
御剣「何だとっ!?」
成歩堂(以前の議論でも…あの鉄パイプが争点となった)
成歩堂(だけど……苗木くんがあの鉄パイプを振り下ろしたという事実を変えることは出来なかった)
成歩堂(でも…もし【鉄パイプ】を使わざるを得ない情報だったら…?)
成歩堂(あらゆる証拠品と証言を整理するんだ! そうすれば…道は開ける!!)
成歩堂「可能性を…提示してみせましょう…」
成歩堂「あの鉄パイプが凶器でなかった可能性を!!」
カン
サイバンチョ「その自信…どうやら一見の価値はありそうですな」
サイバンチョ「では、弁護人に証拠の提示を求めます!」
サイバンチョ「あの鉄パイプが凶器ではない可能性を示す証拠品を!」
1・解剖記録
2・桑田の証言書
3・苗木の足の怪我
4・紙袋
>>116
-
- 116 : 2016/10/25(火) 06:56:15 :
- 3かな?
-
- 117 : 2016/10/25(火) 12:05:07 :
- サイバンチョ「こ、これは…大きな痣ですな…」
成歩堂「これは、事件当日に付いていた苗木くんの足の怪我です」
成歩堂「この様に…何かで足を強く締め付けたかの様な痣があります」
御剣「それがどうしたというのだ?」
成歩堂「では、僕の推理を説明しましょう」
ーーーーーーーー
まず犯人は公園にいた井森さんを殺害します
そして今回の被告人、苗木誠くんが、井森美由紀地さんとの待ち合わせで公園に入ります
苗木くんが公園に入ろうとした瞬間を狙って、犯人が紙袋の睡眠薬で眠らせます
そして、寝ている間に、苗木くんの足に強く鎖を縛りつけたのです!
目を覚ました苗木くんは、自分の足に鎖がついていて、尚且つ目の前に死体と血が飛び散ってる光景をみてしまうのです!
そんな光景を目の当たりにしたから、当然苗木くんは焦りますね
しかし、逃げようと思っても逃げられません 何故なら自分の片足は鎖で繋がれてて、身動きがとれませんからね
そこで、彼は犯人によって意図的に用意された鉄パイプを掴んで振り下ろしてしまいます
そして、鎖を砕いたのです!
ーーーーーーーー
-
- 118 : 2016/10/25(火) 12:30:16 :
- 成歩堂「さぁ、どうですか!三日丸さん!」
異議あり!
御剣「成歩堂…今のガバガバの推理のどこが【凶器が鉄パイプではない】可能性なのだ?」
成歩堂「い、いいですか?事件が起きた後のタコの山の中は、当然血が飛び散ってます!」
成歩堂「彼は、そこで血塗れの鎖を鉄パイプで砕いたのですよ?」
サイバンチョ「……ハッ!ま、まさか…」
成歩堂「そう、彼は【血塗れの鎖】を【鉄パイプ】で叩き割ったのです!」
成歩堂「そうすれば鉄パイプに血が付く!」
成歩堂「これで、【血と指紋のついた鉄パイプ】が完成するのです!!」
サイバンチョ「な………」
サイバンチョ「なんですとぉおおぉお!」
ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ
カン カン カン
サイバンチョ「静粛に!静粛に!」
サイバンチョ「確かに辻褄は会いますな…桑田くんの聞いたガシャーンという音…それに、不自然に血のついた鎖…」
サイバンチョ「全ては【真犯人】が被告人を嵌めるために仕込んだ罠ということですか!」
成歩堂「ええ、その通りです!」
成歩堂「これで、苗木くんの心身喪失の理由も判明しました 死体を見たら誰でもパニックになりますからね」
サイバンチョ「ハッ!…なるほど 被告人が記憶をなくしたのは…」
サイバンチョ「死体を見た【ショック】だということですか!」
成歩堂(よし、これで完璧に決まった!)
御剣「……………」
三日丸「あひゃひゃひゃひゃ!!」
成歩堂(完璧…の…ハズ……何だけど……あの余裕は何だ?)
三日丸「いやぁー成歩堂さんったら本当に推理がお上手で!!あれだけの証拠品を断片的に繋げて一つのストーリーを生み出すとはまさに『クリエイティブ』ですなぁ!あひゃひゃひゃひゃ!」
成歩堂「あ、あの…」
御剣「では成歩堂、君に問おう」
御剣「今の推理通り、【鉄パイプ】が被告人を嵌めるための偽物の凶器だとしたら…」
御剣「本物の凶器はどこにあるのかな?」
成歩堂「え!えっと〜それは…」(い、勢いに任せすぎた…)
御剣「そして、真犯人は誰か?被告人が鎖を砕いてる中、犯人はどこにいたのか?」
御剣「それくらいは考えていての発言なのだろう?」
成歩堂「ぐううぅ!!」
(く、クソ!どうする? このままじゃ…)
成歩堂(!待てよ…凶器になり得るもの…)
成歩堂(それに…あの音…あのペットボトル…)
成歩堂(なにかが閃きそうだ! 一旦推理を整理してみよう!)
-
- 119 : 2016/10/25(火) 12:44:35 :
- 成歩堂(…………そうだ…たったひとつだけ……)
成歩堂(凶器になり得るものがある!)
成歩堂「ひとつ、凶器の可能性があるものがあります」
御剣「…それは何だ? 言っておくが、あの後現場とその周辺、証人達の家も捜索したが…」
御剣「【棒状の凶器】など見つからなかったぞ?」
成歩堂「まぁ、見落とすのも無理はないでしょう」
成歩堂「普段は【棒状】ではありませんからね」
御剣「なに!」
成歩堂「そう!犯人が使った本当の凶器は…!」
1・紙袋
2・お賽銭
3・鎖
4・模擬刀の先制攻撃だべ!
>>120
-
- 120 : 2016/10/25(火) 12:59:25 :
- 2
即席ブラックジャック
(闇医者でも、カードゲームでもないよ)
-
- 121 : 2016/10/25(火) 13:23:06 :
- >>120
確かにお賽銭は主に小銭だけだ、一纏めにしたり袋に入れれば即席の鈍器になる。
だがしかし、鎖でも可能だ!
よって私は3を提示する!
-
- 122 : 2016/10/25(火) 13:46:03 :
- >>121
前半で御剣が話した通り、鎖は全力で振ったとしても人を即死に至らしめることはできません(解剖記録には即死と書かれている)
人を拘束させる程度なら出来ます
-
- 124 : 2016/10/25(火) 14:04:21 :
- >>122あ、本当だ。
-
- 125 : 2016/10/25(火) 14:14:30 :
- 成歩堂「お金ですよ」
御剣「金…?」
心音「つまり、犯人はお金を出して殺し屋を雇ったってことですか?」
成歩堂「そういう意味じゃないよ、希月さん」
成歩堂「あの現場には、お賽銭箱がありました」
サイバンチョ「ふむぅ…確か年末年始は近くの子供達で賑わってるそうな」
サイバンチョ「…! ま、まさか弁護人!」
御剣「…そういうことか!」
成歩堂「そう!穴の空いた小銭を集めて、縦に積めば…!!」
成歩堂「【棒状の凶器】が完成する!そしてそれこそが…」
成歩堂「【被害者の命を奪った凶器】なのです!!」
三日丸「ハ…………」
三日丸ハゲエエェエエェェェエエェエエェェェ絵ええええ!!」ピカーン
成歩堂「御剣検事!お賽銭箱の中にある硬貨をルミノール検査してください!」
成歩堂「被害者の血痕がついてる筈です!」
異議あり!
三日丸「コラコラ弁護人!さっきから黙って聞いてれば!」
三日丸「御剣検事!あんた!」
御剣う、うム!? 何かな、証人…」
三日丸「あんたが調査した時、お金には血がついてなかったんだよね?」
御剣「犯人が洗い流したのだろう」
三日丸「犯人が洗い流したなんてありえないんですよ!」
三日丸「だってあの時、水道の水は出なかったでしょう?」
三日丸「だったら、どうやって洗い流したんですか!」
異議あり!
成歩堂「簡単な話ですよ 証人」
三日丸「…ふぇ??」
成歩堂「この証拠品を見れば、一目瞭然です!」
1・紙袋
2・水道の写真
3・光城公園の上面図
4・鎖
>>126
-
- 126 : 2016/10/25(火) 16:28:41 :
- 3かもしれない…違ってたら2だ…
-
- 127 : 2016/10/25(火) 17:57:49 :
- 成歩堂「これがその証拠品です!」
御剣「…」
成歩堂「どうですか!『グヒィ』でも『アヒィ』でも何でも言ってください!」
御剣「……コレでどうやって証明するのだ」
成歩堂「…アレッ?」
御剣「洗い流すべきは『凶器の血痕』ではなく…君の推理の方だ!」
成歩堂「グヒィ!!」
三日丸「その穢れた魂、我が太陽の力で浄化してくれる!!」ピカーン
成歩堂「アヒィ!!」(クソ…違かった)
三日丸「どうだい?凶器を洗い流した証拠なんてやっぱりないじゃないか!」
成歩堂「いえ、ありますよ!」
成歩堂「この証拠品を見れば、一目瞭然です!」
1・紙袋
2・水道の写真
3・桑田の証言書
4・鎖
>>128
-
- 128 : 2016/10/25(火) 18:00:33 :
- 2で
-
- 130 : 2016/10/25(火) 18:27:32 :
- 成歩堂「この水道の写真にデカデカと写っているじゃないですか」
御剣「…あっ!」
心音「た、確かに…!」
心音「空きペットボトルが写ってます!」
成歩堂「そう!わざわざ水道の水を使わなくたって…!」
成歩堂「事前に【水】を用意すれば済む話なのです!」
成歩堂「この写真がそれをはっきり証明している!」
三日丸「エエェエエェェェ!!」ピカーン
三日丸「マテマテ!そ、それだって事件より前にあったかも…」
成歩堂「じゃあ、証明してみましょうか?」
三日丸「で、できるもんならやってみろ!このトンガリ頭!」
成歩堂「では御剣検事!お賽銭箱の中身の小銭を集めてルミノール検査を行なってください!」
三日丸「エエ!?何でそうなるんですか!?」
三日丸「まだアレが凶器と決まった訳じゃあ…」
異議あり!
成歩堂「残念ながらそうはいきません! アレを検査すれば、【水で血が洗われた】のか、【そもそも血がついてなかった】のかがわかります!」
成歩堂「そうすれば、あのペットボトルの水が使われたかどうかも裏付け出来ます!」
成歩堂「『水が使われたかどうか証明してみせろ』といったのは…」
成歩堂「あなた自身ですよ!三日丸さん!!」
三日丸「ほげほげエエェエエェェェ!!」ギラーン
成歩堂(ううっ!さらに眩しい…)
心音「警察の特殊装備にあんなのありますけど、それ以上の光かも…」
御剣「…では、ルミノール検査を行う」
御剣「ここにいると眩しすぎて余計に目がおかしくなりそうだ」
三日丸「ま、待って…」
ーーーーーーーー
-
- 133 : 2016/10/25(火) 19:35:21 :
- 御剣「…………」
御剣「検査の結果が出た」
御剣「お賽銭箱の中ある一部の硬貨から……」
御剣「【被害者のものと同じ血痕】が検出された!」
傍聴人「これはいよいよ訳が分からねえな」
傍聴人「怪しいわね…あのお坊さん」
傍聴人「苗木くん ここまで言えば わかるわね」
カンカン
サイバンチョ「静粛に!静粛に!」
三日丸「ぐぬぬぬ…」
心音「やった!やりましたね成歩堂さん!」
成歩堂「ああ、ここまできたら…もう決まってるね」
成歩堂「弁護側は三日丸 某図さんを告発します!」
成歩堂「勿論、【今回の殺人事件の真犯人】として!!」
三日丸「ハゲエエェエエェェェエエェエエェェェ!!」ギラーン
御剣「…我々はもう少しで真実に辿り着けるな」
三日丸「ま、待て待て待て待て!!何で私が犯人なのですかい!!」
三日丸「第一、私が現場にいたとでも言うのですかい?」
三日丸「そりゃ、私のアリバイを証明してくれる人はいませんけど…」
三日丸「私が現場にいたことを表す証拠品でもあるのですかい!?」
サイバンチョ「ふむぅ…確かに証人が現場にいたという証拠品は存在しませんな…」
心音「そんな!…ここまできて終われないです!!」
成歩堂「大丈夫だ 僕もここで終わらせる気は毛頭ないよ」
成歩堂(そうだ…この裁判には、苗木くんの希望に満ちた将来が…)
成歩堂(いや、苗木くんの命がかかっているんだ!)
心音「でも…証拠品が無いのにどうやって証明するんですか?」
成歩堂「こういう時こそ……僕らにしかできない事をやってみるんだよ」
心音「それって、つまり…」
成歩堂「そう、【発想の逆転】だよ」
成歩堂「【犯人が現場にいたことを示す】のではなく…【犯人が現場にいなければならない理由】を考えるんだよ」
三日丸「へっ!現場にいなけりゃならない理由なんてどこに…!」
成歩堂「可能性を示す事は……出来ますよ」
三日丸「ナニィィ!?」
成歩堂(ここで立ち止まったら終わりだ…考えろ!)
成歩堂「犯人が現場にいなければならない理由…それは…」
1・現場を見られないため
2・苗木くんに罪を着せるため
3・アリバイを作るため
4・アポイント・アポ・アポカリプト桑田
>>135
-
- 135 : 2016/10/25(火) 20:37:38 :
- 安価は2で
あと、>>120のブラックジャックというのは、そういう名前の武器があるんですよ。
(袋に小銭や小石を入れた鈍器のことです)
-
- 136 : 2016/10/25(火) 21:25:31 :
- 成歩堂「苗木くんに罪を着せるためですよ」
サイバンチョ「ほほう…弁護人、詳しくお願いします」
成歩堂「今回の殺人事件は、『衝動的殺人』ではなく、その真逆の『計画的殺人』です」
成歩堂「つまり、犯人は自分に罪が被さらない様に様々な工作を行なっていた、という事です」
成歩堂「そのほかにも…犯人は確認する必要があるのです」
成歩堂「それを確認するまでは、現場から離れる事は出来ませんからね」
サイバンチョ「その、確認すべきこととは?」
成歩堂「苗木くんが、鎖を砕いたかどうかの確認ですよ」
成歩堂「それが達成できなければ、今までの計画が水の泡ですからね」
成歩堂「そして、鎖を砕いた苗木くんを、第一発見者のフリをして通報する…それが犯人の算段だったのでしょうね」
待った!
三日丸「弁護士さんよ!あんたの主張は間違ってるどすえ!」
三日丸「仮に、彼に罪を着せようとする真犯人がいたとして…」
三日丸「何で私が犯人呼ばわりされなきゃいけないんですか!?」
成歩堂「あなたが、今の計画で殺人を実行しようとした、とすると…」
成歩堂「色々辻褄が合うんですよ」
三日丸「!!」
御剣「では、どこが辻褄が合うのか…彼の弁論を聞いてみようではないか」
成歩堂「ありがとう、御剣」
ーーーークライマックス 推理ーーーー
成歩堂「まず犯人は、睡眠薬で眠らせた被害者をタコの山に連れ込み、小銭の束の凶器で被害者を全力で殴って撲殺させます」
成歩堂「その後、諸々の隠蔽工作を行い、次は公園に来た苗木くんを睡眠薬で眠らせます」
成歩堂「そして苗木くんの足をあらかじめ血まみれにした鎖で拘束し、近くに鉄パイプを置かせます」
成歩堂「パニックになった苗木くんは、鉄パイプで鎖を粉砕 ここまでは犯人の思惑通りでした 後は苗木くんが逃げる前に第一発見者のフリをして現場から離れる…」
成歩堂「しかし、そこで計算外の出来事がおきたのです なんと、被害者を殺害した時の鈍い音を聞きつけて、【本当の第一発見者】である桑田くんが苗木くんを通報してしまった」
成歩堂「桑田くんの存在に気づいた犯人は、今すぐにでも現場から逃げたい気持ちだった… しかし逃げられない 入り口には桑田くんがいますからね」
成歩堂「桑田くんと遭遇する事を恐れた犯人は、桑田くんがビビって縮こまってる隙に、フェンスを登って公園から脱出する事を思いついた 桑田くんが聞いた、【ガシャガシャガシャ】という音は、犯人がフェンスをよじ登る音だったのです」
成歩堂「普通ならこの高さのフェンスを登ろうとは思いません しかし犯人にはそれができた 何故なら犯人は元【超高校級のクライマー】だからです!」
成歩堂「そうして犯人は、誰にも怪しまれる事なくお寺に帰ったのです」
成歩堂「これが出来る人間は…たったひとり!!」
成歩堂「三日丸 某図さん!!あなただけなのです!!」
三日丸「あ、ああ、嗚呼嗚呼…」
三日丸「嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼!!!!」
-
- 138 : 2016/10/25(火) 21:53:38 :
- 成歩堂(これで…終わった…のか?)
三日丸「ハァーーー ハァーーー」
三日丸「成歩堂さんよぉ、あんた重要なことを忘れてるぜぇ…ハァ ハァ」
成歩堂「?」
三日丸「ハァーーー あんた言っただろ?」
三日丸「本当の凶器は、お賽銭を束ねた鈍器だってよぉ」
成歩堂「え、ええ…そうですが…」
三日丸「だったらよぉ…ハァ…ソレを【束ねてたモノ】はどこにあるのか、ちゃんと言えんのかい?」
成歩堂「あ…」
成歩堂「ァァアァァア!!」
(し、しまった!お賽銭をまとめる物を忘れてた!)
三日丸「ハァ…それの居場所はわかるかい?わかる訳がねぇ…オレは犯人なんかじゃねーからなぁ…」
成歩堂(ク、クソ…………ここまで来て、引き下がる訳には…)
三日丸「ザマァないな弁護士ィイイィイイ!!オレは犯人じゃねぇええんだよぉおおぉお!!」
成歩堂「ぐうぅうう!!」
三日丸「オマエのぉぉおお、負けだァァアァァアァァアァァア!!」
それは違うよ!
-
- 140 : 2016/10/25(火) 22:05:26 :
- 成歩堂「…………」
成歩堂「…? 今の声は…」
苗木「僕です 成歩堂さん」
サイバンチョ「ひ、被告人!!何故あなたが!!」
苗木「成歩堂さん!諦めないで!!」
成歩堂「! 苗木くん…」
苗木「僕ら、まだ会ってから数時間しかたってないけど…」
苗木「成歩堂さんはここで諦めるような人じゃない!!」
苗木「成歩堂さんは………絶対に『希望』を捨てたりしない!!」
成歩堂「苗木くん……ひょっとして君にはわかるのかい?」
成歩堂「凶器を纏めていた物が!」
苗木「あ、い、イヤ…その…ハッキリとはわかんないけど…」
成歩堂「え。」
苗木「でも、何か、その…すごく身近な物を見落としてる気がして…」
成歩堂「……」
御剣「被告人、被告人席へ戻りなさい」
苗木「でも…!」
御剣「安心したまえ」
苗木「!」
御剣「彼は……もう気付いたようだからな…」
御剣「そうだろう?成歩堂」
成歩堂「ええ、わかりましたよ」
-
- 141 : 2016/10/25(火) 22:08:55 :
- 心音「私にはもう何が何だか…」
カン
サイバンチョ「では、弁護人に意見を求めます」
サイバンチョ「どこに凶器を纏めていた物があるのか!!」
成歩堂「凶器を纏めていた物!それは…」
1・公園内にある
2・寺の中にある
3・この法廷の中にある
>>143
-
- 143 : 2016/10/25(火) 22:13:23 :
- 小銭を束ねたって事は暇だよなぁ…
ハゲの履いてるのが靴紐が付いてるのなら反抗は可能だよなぁ…
寺の物ってなんだっけ?数珠を繋げる紐とか?
-
- 145 : 2016/10/25(火) 22:17:52 :
- 3だ!
-
- 147 : 2016/10/25(火) 23:00:47 :
- 成歩堂「凶器を纏めてたもの…それはこの法廷の中にあります!」
三日丸「!? 何だと……!?」
成歩堂「確かに、あのお金を凶器として使うには、真ん中に通す紐が必要不可欠です」
サイバンチョ「まさか、弁護人…」
成歩堂「ええ、そのまさかです」
成歩堂「その【紐】も、凶器のお賽銭のようにカモフラージュされてるのです!!」
三日丸「なっ…!た、タワゴトだ!!誰も弁護士に耳を貸すな!!貸すなァァアァァア!!」
成歩堂「そのカモフラージュした紐とは…!!」
成歩堂「三日丸さん!!あなたの靴紐ですよ!!」
三日丸「ぐうおぁあぁぁああ!!」
成歩堂(あの時、彼は運動靴を履いてたと証言していた!)
成歩堂(だったら…答えは一つ!!)
成歩堂「御剣検事!!彼の靴紐をルミノール試薬で検査して下さい!!」
成歩堂「【被害者の血痕】が残ってる筈です!!」
三日丸「ぶわあぁぁあああぁぁあああぁぁあああ!!!!」
成歩堂「三日丸さん!!」
成歩堂「もう罪を認めたらどうですか!!!!」
三日丸「そ、そんな…辞めろ…辞め、ろ……………」
三日丸「辞めろ辞めろ辞めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろヤメろヤメろヤメろヤメろヤメろヤメろヤメろヤメろヤメろヤメろヤメろヤメろヤメろヤメろヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロ箭雌蘆箭雌蘆箭雌蘆箭雌蘆箭雌蘆箭雌蘆箭雌蘆箭雌蘆獺儺獺儺獺儺獺儺獺儺獺儺獺儺獺儺獺儺苦楚苦楚苦楚苦楚苦楚苦楚苦楚苦楚苦楚苦楚苦楚苦楚苦楚苦楚苦楚苦楚苦楚苦楚苦楚苦楚苦楚苦楚苦楚苦楚南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏ーーーーッ!!」
三日丸「壷ん儺箏咫瘡ンダーーーーーーーーーーー!!!!!!」
バタン
-
- 148 : 2016/10/25(火) 23:26:25 :
- 三日丸「……………あの女は………………殺すしかなかった」
三日丸「私の娘が………私の娘が死んだのは彼女のせいなんだ………………」
三日丸「彼女に弱みを握られて、毎日のように人権を無視したイジメを受けたんだ!!!!」
三日丸「それで数日後…………娘は部屋で自殺しててよぉぉぉおお!!」
三日丸「憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて仕方なかった!!何が憎いって…彼女も憎かったが、娘を救ってやれなかった自分が最も最も最も最も最も最も最も最も最も憎かった!!!!!!!!」
三日丸「…………私の娘は、この公園が大好きだった………だからこの公園に来るといつも聞こえるんだよ!!」
三日丸「娘の泣き叫ぶ声が!!娘は成仏すら出来ないのだ!!!!妻が亡くなってからは娘だけが心の支えだった!!!!」
三日丸「そんなある日、公園にあの女が居たんだ そこで会話を盗み聞きした…」
ーーーーーーーーーーーー
井森「明日の夜、苗木をここに呼ぶんだ〜」
女子A「ハァ?あいつ何の為に呼ぶのよ?」
井森「決まってんじゃん 私に金を払わないと秘密をネットにバラすよ!ってね♬」
井森「超高校級の幸運だか何だか知らないけどさ〜 中学の頃私に踏み躙られて分際で粋がんなよって話よwww」
女子B「ええーいいじゃん!いつ呼ぶのよ?」
井森「明日の深夜よ」
女子A「マジで?私達も混ぜてよ!」
井森「怪しまれるからダーメっ♬」
あはははははは
ーーーーーーーーーーーー
三日丸「最初で最後のチャンスだと思ったよ…彼女に復讐する最後の…ね……」
三日丸「復讐は………達成出来たけど……何でしょうねェ、このやるせなさ」
三日丸「やっぱり天元様の教え通りですな………『負の感情の連鎖は、負の感情を増幅させるだけ』…とな!あいやっ!」
サイバンチョ「……………そんな辛い過去をお持ちだったのですね…」
三日丸「やめてや!そんなんもう過ぎたこと!後は刑務所の中で一生を送るだけですわ!」
御剣「………一つ質問がある」
三日丸「?なんですかな?御剣検事殿」
御剣「何故、犯行に鉄パイプを使わなかったのだ?」
成歩堂(あっ!確かに)
御剣「わざわざこんなめんどくさい凶器を用意しなくても…鉄パイプを使って殺害し、ソレを被告人に押し付ける方がよっぽど効率がいいが?」
三日丸「………この公園は、娘が愛してやまない場所だったのです」
三日丸「その公園の遊具を使って人殺しなんて……とてもじゃないが出来ません」
成歩堂(そういえば…証言してる時…)
ーーーーーーーー
三日丸「まさかうんていで人が殺されてるなんて、哀しきことよ…」
ーーーーーーーー
成歩堂(確かにあの時の表情、本気で悲しそうだったな)
三日丸「苗木くん」
苗木「はい」
三日丸「あなたに罪を着せるような真似をして……………本当に申し訳ない…………」
苗木「僕は………大丈夫です」
苗木「少しでも……僕は前向きに生きたいから…」
三日丸「そうですか……今時の高校生はナヨっちいとばかり思ってましたが…」
苗木「そ、それは…」
三日丸「あなたは強い人です 私なんかより、何倍も…………」
苗木「三日丸さん…」
サイバンチョ「では、被告人、証言台へ…」
-
- 149 : 2016/10/25(火) 23:34:25 :
- サイバンチョ「長かった裁判も………コレでようやく決着ですな」
成歩堂「苗木くん」
苗木「なんですか?成歩堂さん」
成歩堂「あの時、僕を励ましてくれてありがとう」
成歩堂「あの励ましが無かったら、僕は諦めてたかもしれないね」
苗木「成歩堂さんが僕にしてくれた事を、そのまま返しただけですよ」
苗木「成歩堂さんがあの時信じてくれなければ……僕は有罪になってました」
心音「くぅ〜〜〜っ泣かせますね〜!!!!」
御剣「裁判長、三日丸某図は、先程緊急逮捕した」
御剣「のちに高等裁判で再び裁く事となる」
サイバンチョ「わかりました」
カン
サイバンチョ「では、ここに被告人、苗木誠に判決を言い渡す」
ーーーーーーーー無 罪ーーーーーー
法廷の至るところから歓声が湧いてくる
みんなの祝福の声
そうだ………僕は…………
無罪なんだ……!!
カン
サイバンチョ「では、これにて閉廷!」
-
- 150 : 2016/10/25(火) 23:46:48 :
- 3月22日 某時刻
被告人第3控え室
心音「やったーーーー!!逆転無罪ですよ!!成歩堂さん!!」
成歩堂「ああ、これも皆んなの協力あってこその無罪判決だ」
成歩堂「希月さん、それから苗木くん、ありがとう」
苗木「成歩堂さん…!ありがとうございます!」
御剣「フッ…君は百戦錬磨だな、成歩堂」
成歩堂「御剣!」
御剣「そんな険しい顔で睨むな 無罪判決を祝いに来ただけだ」
御剣「………」
御剣「そこにいるのは誰だ?」
???「……」
苗木「ああっ、君は…」
桑田「あははは…」
苗木「桑田くん!」
桑田「………あのさぁ、苗木…」
苗木「?」
桑田「ホントーーーにごめん!!!!」
苗木「ど、どうしたの急に!」
桑田「だ、だってよぉ…何か俺の証言が悪かったせいで冤罪くらいそうになったんだろ?」
桑田「ホントゴメン!土下座するから!お詫びになんでもするから!!」
成歩堂「落ち着いて、桑田くん」
桑田「ウルセェ!!オメーは黙ってろ!なーにがアポロ・アポ・アポストロフィー桑田だよ!ふざけやがって…」
成歩堂「アポォ…」
苗木「でも、桑田くん 僕が無罪になったのは君のお陰でもあるんだ」
桑田「…ハァ?」
苗木「これが無かったら、僕は今頃有罪になってたよ」
言弾
[桑田の証言書〉
[鎖〉
[紙袋〉
>>151
-
- 151 : 2016/10/26(水) 00:05:35 :
- 桑田の証言かな?
-
- 152 : 2016/10/26(水) 11:46:06 :
- 桑田「それ…俺の証言か?」
苗木「この証言書にはすごく重要な手掛かりかあったんだ」
苗木【フェンスを揺すった様な音】がね」
苗木「これが、あの半密室の現場の謎を解く鍵になったんだ」
苗木「この事件が解明されたのは、成歩堂さんのお陰でもあり、心音さんの、御剣さんの、裁判長さんの…」
苗木「そして、【桑田くん】のお陰でもあるんだよ」
桑田「………」
苗木「だから、僕は君を憎むどころか、感謝しなくちゃいけないんだよ」
苗木「証言してくれて…ありがとう、桑田くん」
桑田「………苗木…」
苗木「ん?」
桑田「オメェめっちゃくちゃいい奴じゃん!!!!ありがとよ〜苗木!!オメーのお陰で心が晴れたぜ!!」
苗木「桑田くん…あははは…」
成歩堂「そういえば御剣」
御剣「ん?どうした」
成歩堂「どうして今回の件、お前が担当することになったんだ?」
成歩堂「たしか、今日は別の検事さんが出席する予定だったらしいけど…」
御剣「上からの命令で、急遽私に変更になったのだ 詳細までは聞かされてない」
成歩堂「………この事件に何か特別なことがあったのかな?」
御剣「………恐らく私に指示を下した大元は…【希望ヶ峰】だ」
成歩堂「希望ヶ峰…か」
御剣「希望ヶ峰の生徒が殺人を犯した……希望ヶ峰学園側としてはかなり手痛いだろう」
成歩堂「だから有能な検事を使って……苗木くんを有罪にしようと?」
御剣「言っておくが、私は何も聞いてなかったぞ!これもただの推測だからな!」
成歩堂「わ、わかったよ…」
こうして僕らの裁判は、いつも通りの大逆転勝利で幕を閉じた………
その裏で…さらなる事件の続きがあると知らずに
-
- 153 : 2016/10/26(水) 11:55:10 :
- ーーーーーーーーーーーー
いつも通り、目を覚ます
いつも通り、歯を磨く
いつも通り、朝ごはんを食べる
いつも通り、こまるやお母さんが話しかけてくる
いつも通りの、日常
一つ違うとすれば…
今日から、僕のいつもの日常が終わる
今日は希望ヶ峰学園の入学式だ
今日から僕は『超高校級の幸運』として、希望ヶ峰で寮生活を行うことになる
希望の生徒の1人として…
最も、才能は何もないけど
希望ヶ峰学園………
都内の一等地にそびえる希望の学校
全国から様々な才能を持つ高校生が集まる私立高校で、僕は2年間通う事になる
二年生の先輩達にも合う事だろう
そしてここを卒業した暁には…
将来を約束されるという…
苗木「それじゃあ、いってきまーす」
こまる「いってらっしゃーい!」
僕は高鳴る期待と逸物の不安を胸に、走って行った
行かなきゃよかった…
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- 154 : 2016/10/26(水) 12:00:56 :
- 苗木「ここが…希望ヶ峰学園か…」
校門の前に立つと、なんだか自分がちっぽけな存在に見えて、烏滸がましい気持ちになる
いや、僕は『超高校級の幸運』なんだ!
運だろうと何だろうと、胸を張ってこの門をくぐればいい!
僕の取り柄は『人より前向きなところ』だから!
だから…この学園生活でも………
周りの才………能…………に………
うも…………………れ………ずに………
バタン
いつの間にか遠のく意識に疑問を抱き…僕はその場に無様に倒れた
絶望は終わってない
ここからが本当の絶望だ
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逆転ロンパ〜絶望と希望と逆転と〜
Chapter1
『逆転、そして絶望』
おわり
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- 156 : 2016/10/26(水) 12:31:12 :
- お疲れ様です!!
この先が気になる...
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- 157 : 2016/10/26(水) 17:48:35 :
- ところどころに逆転裁判に関するネタを仕込んでるんですけど気がついた人いましたかね?
眼帯の極道の下りとか
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- 158 : 2016/10/26(水) 20:22:48 :
- 続・編・期・待!
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- 159 : 2016/10/27(木) 09:37:54 :
- 桑田よ、疑ってすまなかった!
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- 160 : 2016/10/28(金) 23:02:31 :
- だいぶネタが整理されて来たので、そろそろChapter2も書き始めようと考えてます
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- 161 : 2016/10/29(土) 13:02:21 :
- Chapter2–1
http://www.ssnote.net/archives/49808
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- 162 : 2016/10/30(日) 23:58:08 :
- 面白かったです^ - ^ 続編期待!
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- 163 : 2016/11/01(火) 12:58:06 :
- うおおお!Deさんが米してる!!
ありがとうございます!!
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- 164 : 2016/11/11(金) 08:35:00 :
- 見易さを重視するため、関係ないコメントを丸ごと消させていただきました
ご了承下さい
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- 165 : 2016/11/15(火) 21:08:57 :
- 眼帯の極道がどうしても思い出せない…極道と聞くと3のうらみや4の滝太を思い出すけど、うらみは違うし、滝太とはそもそも面識無さそうだし…誰だろう…
あっ、少し遅くなりましたけどスゴく面白かったです!
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- 166 : 2016/11/15(火) 21:31:01 :
- >>165
バンダイナムコ主導のクロスオーバーゲーム、pxz2に登場した『龍が如く』の真島吾朗ですね
ここだと、過去の東城会を巡る事件で真島吾朗が堂島の手によって無実の罪を着せられた時に、ナルホドくんが無罪を証明した、という経緯が明かされます
まぁ、逆転裁判の本編作品では無いので、無理もありませんね
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逆転ロンパ〜絶望と希望と逆転と〜 シリーズ
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