多重人格の彼女
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- 1 : 2016/07/15(金) 23:59:58 :
- 解離性障害についてです。
ネットで少し調べただけなので、おかしなところがあるかもしれません。いや、あります(確信)
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- 2 : 2016/07/16(土) 00:05:04 :
「大好き、愛してる!!」
「しゅんや…すき」
「あああああセックスしよ駿哉!!」
「殺して……駿哉になら殺されていいから……」
「しゅーんちゃん、愛してるよー、殺してー」
僕の彼女は、解離性障害です。
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- 3 : 2016/07/16(土) 00:09:49 :
「つ、つ、付き合ってください!!優空 さん!!」
「ふぇ…?しゅ、駿哉くん…?」
大学生になった、春。
僕は公園で出会ったゆあさんに告白した。
「ぼ、ぼく…頼りなくて、イケメンじゃないし、頭も良くないけど……ゆあさんが、好きなんです!!!」
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- 4 : 2016/07/16(土) 00:24:17 :
- 告白したことは、ある。
確か小学四年生の夏だ。
同じクラスの優しい女の子に、微笑みながらごめんなさいと言われたのを覚えている。
でも、それ以来人を好きになることもなかったし、人から好きになられることもなかった。
そんな僕の、一世一代の告白。
「…駿哉くんっ」
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- 5 : 2016/07/16(土) 13:09:51 :
- 期待です!
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- 6 : 2016/07/16(土) 16:29:03 :
- >>5
ありがとうございまっす!
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- 7 : 2016/07/17(日) 08:58:44 :
- 名前を呼ばれて、頭をあげた。
その瞬間、鼻に嗅ぎ慣れた(って言ったら変態かな)ゆあさんの匂いが飛び込んできたんだ。
「駿哉くん……わ、私、そんなこと言われたの…は、はじめて…でね…」
抱きしめられている。
その事にようやく気付いた僕は、顔を真っ赤にしてゆあさんの背中に腕を回した。
だってほら、男が抱きしめられっぱなしって、カッコ悪いじゃん?
「ほんと…恥ずかしい…んだけど…ずっと…ずっと駿哉くんのことが…駿哉くんのことがずっと好きで……」
「あの、だから、ぜんぶまとめて言うとね…あの……こんな私で良ければ…付き合ってくだ、さい」
あああああああああ!
僕の恋が実った瞬間なんだ。これは。
「でも…私病気持ってるから…迷惑かけちゃう…」
うん、うん!
ゆあさんが辛いことは、僕が受け止めるよ!!
「ゆ、あさん…っ、好きです…!」
「ほわわ、そんなに言われると恥ずかし…っ」
僕の恋が叶った瞬間から、僕の恋が終わった瞬間まで。
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- 8 : 2016/07/27(水) 18:44:35 :
- 「ゆあさん、おはよう…」
元々一人暮らし同士だった僕らは、付き合い始めてからすぐに同棲生活を始めた。
「…おは、よう…」
「…ゆあさん?大丈夫?」
「うん…だい、じょぶ……」
その顔が酷くやつれていたから、背中を少しさすった。
「…っ、駿哉くん…私の病気が…二重人格ってことは言ったよね…!ありえない時に出たりするから、嫌いにならないで…!」
そう言って、いきなり僕に抱きついてきた。
「ゆ、ゆあさ…!」
「1人は嫌…嫌なの…」
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- 9 : 2016/07/27(水) 18:47:17 :
- 期待
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- 10 : 2016/07/27(水) 18:49:26 :
- >>9
ありがとうございます!
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- 11 : 2016/07/30(土) 21:26:41 :
- 「いや…いや…いや………!!」
「えっ、あっ、え!?」
ゆあさんは僕のシャツを掴んで、抱きついたまましばらく放心していた。
通常のゆあさんなら僕も恥ずかしがってイチャイチャできたかもしれない。
でも今のゆあさんは本当に様子がおかしい。
「……お前誰?」
ゆあさんが、そう言った。
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- 12 : 2016/07/30(土) 21:31:12 :
- 期待っす(b・ω・)b
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- 13 : 2016/07/30(土) 21:36:13 :
- kitai!
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- 15 : 2016/07/30(土) 23:09:46 :
- 期待だ
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- 16 : 2016/07/30(土) 23:33:00 :
- 期待だぜよ
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- 17 : 2016/07/31(日) 00:50:51 :
- 期待しています、自分のペースでどうか頑張って下さい。
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- 19 : 2016/07/31(日) 22:37:58 :
- 「……え?ゆあさん!?」
「…ゆあ?…あぁ、あいつのことか。聞いてなかったっけ…多重人格なの」
「いや…っ、き、聞いてはいたけど、でも…」
ゆあさんの体(今はゆあさんではないらしい)は僕のシャツから手を離し、自分の手首を見た。
「…ゆあ、今回はリスカしてないみたい」
ふふ、と微笑み、僕を見つめる。
「お前のおかげか。お前がいたからゆあはしてないのか」
「え…?え…っ?」
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- 20 : 2016/08/01(月) 17:24:06 :
- 「…何も知らないの?解離のことも、ゆあのことも、俺達のことも」
「そんな…教えられてないし…!」
「なに?教えられてないから恋人の心の痛みから目を背くの?」
そんなこと言ってない。僕は、僕は、僕は…!
「そんなの恋人って言わないじゃん。それだったら俺の方が向いてるし。お前はいらないんだよ。ゆあの痛みを何も分かってないクソ童貞」
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- 21 : 2016/08/02(火) 10:47:54 :
- 嫌だ…ゆあさんの姿で、声で、目でそんなことを言われたら、ゆあさん自身に否定されているような…拒否されているような…そんな感覚がする。
「俺達はゆあを守るためにいたのに。いや、正確にはゆあではない基本人格の子だけど…でも恋人が自傷癖があるの知らなかったとか、最低じゃん」
確かに、ゆあさんのことは何一つ知らなかった。
『ゆあさんは解離性障害。違う人格が出てきて僕を傷付けても仕方がない』
それは分かっている。分かっていた。分かっているつもりだった。
「図星か?あ?」
お願いだ、分かったから、もう辞めてくれ。
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- 22 : 2016/08/02(火) 17:33:16 :
- 「…どうせ外部の人間なんて俺達のことを何も分かろうとしないんだ…俺達は俺達だけで生きてゆく…そう決めたのに、決めたのにお前がしゃしゃり出てきて…!」
「っ、あぁっ」
頭をおさえ、しゃがみこむ。
随分と辛そうだ。
「だ、大丈夫!?」
手や唇が震え、こちらに縋るような目つきで手を伸ばす。
僕は耐えきれず、ゆあさんに抱きついてしまった。
「…っ、あ、安心して…僕はゆあさんの……いや、皆の味方だから…」
背中を擦り、ぶつぶつと言葉を呟いていると、ゆあさんの目に光が入った。
「………?しゅんや、くん……?」
「ゆあさん!?」
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- 23 : 2016/08/08(月) 09:21:25 :
- 「あ、あああ……ごめんね駿哉くん…私覚えてないけど…分からないけど駿哉くんに酷いこと言った気がする…ごめんね…ごめんね…ごめんなさい…」
「ううん…大丈夫…大丈夫だから…泣かないで…」
本当は、僕も全然大丈夫なんかじゃなかった。
多重人格とは、解離性障害とはこんなにも変わるものなのか、と絶望し、ゆあさんの病気を本当に理解してあげられるのだろうか、とも不安に思った。
「…ゆあさん、僕……」
『…どうせ外部の人間なんて俺達のことを何も分かろうとしないんだ…』
僕はゆあさんのことを出来る限り全てを愛したい。全てを知った上で愛したい。
…けど…
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- 24 : 2016/08/08(月) 09:38:37 :
- 期待でっす
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- 25 : 2016/08/08(月) 21:08:09 :
- >>24
あざす!!
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- 26 : 2016/08/30(火) 19:27:29 :
- 「自分を守るため」というのは、
ビリーという外国の方を思い出しますね。
期待しています。
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- 27 : 2018/03/16(金) 16:41:26 :
- >>26
!!!!ありがとうございます!!(2年ぶりの返信)
ビリーさんと私は考えが似てるかもしれません(とても失礼)
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