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風花-カザハナ-【夏花杯】
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- 1 : 2016/07/10(日) 20:18:09 :
- http://www.ssnote.net/groups/835
こちらのグループで企画された、『夏花繚乱 夏花杯』への参加作品です。
他の参加者の方々の作品も見たい!という方は、
タイトルで『夏花杯』と検索するか、
http://www.ssnote.net/groups/835/archives/46
↑こちらのスレッドからご覧になってください。
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では、宜しくお願いします!
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- 2 : 2016/07/10(日) 21:09:46 :
_______私は、風花 よ。
冬の空に煌めいて…
そして、消えていくの。
そんな、儚い風花。
嗚呼、残念ね_______
風花は、夏には輝けないの。
風花-カザハナ-
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- 3 : 2016/07/10(日) 23:27:31 :
- 僕の愛した人は、
名前を教えてくれなかった。
「私のことは“風花”って呼んで」
彼女はそう言った。
すこしだけ、哀しそうな笑顔を浮かべて。
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- 4 : 2016/07/10(日) 23:41:14 :
- 「ね、
淳 …」
「ん?」
「淳は、ずっとずっといつまでも、私を愛してくれる?」
「…もちろんじゃないか」
「そう…よかった」
そして、風花はまたあの笑みを見せる。
時折、そんな会話が続く。
…その度に不安を覚えるのはきっと気のせいだ。
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- 5 : 2016/07/11(月) 21:35:10 :
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- 6 : 2016/07/11(月) 21:42:28 :
- 私の愛した人は、
私のことを、全部見抜いているみたい。
駄目だわ…
あなたの声に酔わされてしまうの。
全てをあなたにさらけ出してしまいたくなる。
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- 7 : 2016/07/11(月) 22:20:12 :
- もしかしたら…
分かってるんじゃない?
“風花”の意味。
この呼び名に込めたメッセージ。
気付いてもらいたくないのに、
気付いてもらいたいなんて。
我儘過ぎるね。
…なんて考えも、見透かされてる気がするのはきっと気のせいよ。
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- 8 : 2016/07/12(火) 01:14:08 :
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- 9 : 2016/07/12(火) 01:18:25 :
- 知ってるんだ。
知ってるのよ。
君は、
あなたは、
隠してるんだろう。
気付いてるんでしょう。
本当は、
本当は、
ずっと前から、
ずっと前から、
知ってたんだ。
知ってたのよ。
君と僕は、
あなたと私は、
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- 10 : 2016/07/12(火) 01:19:15 :
「「もう長くない」」
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- 11 : 2016/07/13(水) 23:40:36 :
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- 12 : 2016/07/13(水) 23:45:57 :
- 風花は元気に振る舞っているみたいだった。
いつも笑顔でいたけど、
食欲が少しずつ減り
痩せていっているのを僕は見逃さなかった。
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- 13 : 2016/07/16(土) 16:49:02 :
- それだけじゃない。
最近の風花はおかしい。
僕と関わるのを避けているみたいだ。
抱擁もキスも、拒んでくる。
あの日
あの時
微笑んでくれた風花は、…
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- 14 : 2016/07/16(土) 16:53:17 :
- ◆◆◆
プルルル…
プルルル…
FAXの受信を告げる音が部屋に響く。
プルルル…
プルルル…
嫌だ。
嫌だよ。
プルルル…
プルルル…
辞めっ、
プルルル…
プルルル…
「嫌だああああっ!!!」
がっしゃああん。
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- 15 : 2016/07/16(土) 21:41:55 :
- 「はあっ、は…」
放り出された電話機から印刷されたFAXがのぞく。
『7月24日ごろ、ご来院下さい。』
「・・・」
「淳…っ!」
独りは、さみしいよ…。
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- 16 : 2016/07/20(水) 23:58:36 :
- ◆◆◆
7月24日 ○○病院ロビー
『淳へ』
『大切な話があるの』
『7月24日、9時に』
『○○病院のロビーで』
『_____風花』
この最近、君がおかしかったのは
このことだったのか。
風花_____
「淳…私は」
「あなたと別れることにした…から」
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- 17 : 2016/07/21(木) 23:50:53 :
- 淳は、表情を変えない。
「私は病気なの」
「病態がかなり悪化してきたから」
「これから集中治療に入るわ」
「…そうか」
「治療…頑張って」
私をあんなに溶かした淳の声が
あまりに単調でどきりとした。
「うん…」
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- 18 : 2016/07/23(土) 08:09:52 :
- 「治療に何年かかるか分からない」
「もしかしたら、治療の甲斐なく死んでしまうかもしれない」
「だから…もう終わりにしたいの」
風花が無になったみたいでどきりとした。
君はもういなくなる。
風花は、もうあの笑顔を見せることも、ない。
なら
教えて欲しい。
「最後にひとつだけ…」
「君の名前を、聞かせて」
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- 19 : 2016/07/23(土) 21:01:14 :
「そうね…」
「これが最後の置き土産」
「私の名前は」
「_____」
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- 20 : 2016/07/23(土) 21:10:57 :
- 「じゃあね」
「楽しかった」
伝えることを伝えた私は淳に背を向ける。
あっけない。
本当にあっけない別れ方。
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- 21 : 2016/07/24(日) 07:45:48 :
ああ
あんなに愛した人が
あんなに愛された人が_____。
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- 22 : 2016/07/24(日) 07:46:21 :
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- 23 : 2016/07/24(日) 07:51:33 :
- ◆◆◆
5年後 7月24日
ちょうど5年前のあの日を思い出していた。
全てが終わったあの日を。
今日は何故か、風花が降っている。
僕の愛した人は、今_____。
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- 24 : 2016/07/24(日) 07:53:09 :
「淳!…」
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- 25 : 2016/07/24(日) 08:02:57 :
- 彼女は5年前と同じに僕に笑いかけた。
ああ
本当に君は風花みたいな人だ。
綺麗で、繊細で、儚くて、
僕は君のその儚さに惹かれたんだよ…。
「彩夏 _____。」
風花-カザハナ-
-END-
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- 26 : 2016/07/24(日) 08:08:23 :
- 終わり。
こういう純恋愛ものを書くのは初めてです。ぐだぐだになってしまい申し訳ないです…。最後まで読んで下さりありがとうございました。
夏花杯の主催部の皆さんも、このようなssを書く場を設けて下さり、ありがとうございます。どうぞ厳密な審査をよろしくお願いします。
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- 27 : 2016/07/24(日) 15:28:11 :
- 執筆お疲れ様です!
全然グダッてないですよ!
とても綺麗で美しい話でした!
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- 28 : 2016/07/24(日) 16:14:16 :
- u-mopさん
ありがとうございます!文才はありませんが頑張りましたよ(笑)このようなコメントがいただけて嬉しいです。
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