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魔王「姫よ、我の妃としてむかえいれよう!ハハハh」姫「勝手にさらわれても困ります」
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- 1 : 2016/06/20(月) 03:24:44 :
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魔王「え?」
姫「え?、じゃないです」
魔王「…」
姫「…」
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- 2 : 2016/06/20(月) 03:26:25 :
魔王「き、貴様!自分が置かれている立場を分かっているのか!」
魔王「お前は我が部下にさらわれてこの魔王城に…」
姫「あなたこそわかっているのですか?」
魔王「え?」
姫「え?、じゃないです」
魔王「…」
姫「…」
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- 3 : 2016/06/20(月) 03:27:20 :
魔王「く…どうやら痛い目をあわないとわからないようだな」
姫「そうなるとこちらも手加減はできませんよ」
魔王「え?」
姫「え?、じゃないです」
魔王「…」
姫「…」
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- 4 : 2016/06/20(月) 03:27:51 :
魔王「く、くははは!手加減をしないと?我に?この魔界を統べる我に?」
魔王「無礼!」
魔王「小娘風情が我と戦えると思うこと自体甚だしいわ!」
姫「わたし元勇者ですよ?」
魔王「え?」
姫「え?、じゃないです」
魔王「…」
姫「…」
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- 5 : 2016/06/20(月) 03:28:43 :
魔王「そ、そんなはったり…」
姫「あなたから見ればわたしはあなたの祖父の仇かと」
魔王(あれ、たしかおじい様って歴代最強って謳われてなかったっけ?)
魔王「…」
姫「ふふ」
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- 6 : 2016/06/20(月) 03:29:27 :
魔王「い、いや、まて!よく考えたらおじい様が当時の勇者に倒されたのは1000年以上も前のことではないか!」
姫「わたし元勇者ですから」
魔王「え?」
姫「え?、じゃないです」
魔王「…」
姫「…」
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- 7 : 2016/06/20(月) 03:30:01 :
魔王「あ、あの…」
姫「はい?」
魔王「…勇者っていうものはそんなにも生きるものなのですか?」
姫「もちろん」
魔王「…」
姫「…」
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- 8 : 2016/06/20(月) 03:30:56 :
姫「え?、はないんですね」
魔王「なんか驚きすぎてもう…ん?」
姫「どうしました?」
魔王「ということはあなたは1000歳をこえt」
姫「え?」
魔王「…」
姫「…」
魔王「え?じゃないです」
姫「ふふ」
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- 9 : 2016/06/20(月) 03:31:23 :
姫「そもそもわたしをさらったってことはわたしに気があるんですよね?」
魔王「いや、あなたに気があるっていうか。人間界の姫をさらったという肩書が欲しかったといいますか…」
姫「はい、いま姫ちゃんポイントが60ポイント下がりました」
魔王「え?」
姫「え?、じゃないです」
魔王「…」
姫「…」
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- 10 : 2016/06/20(月) 03:33:03 :
魔王「あ、あの…恐れながら姫ちゃんポイントとは…」
姫「わたしの好感度を数値化したものです」
魔王「好感度、ですか…」
姫「そうです。わたしに求婚してきた方たちのわたしに対する想いをわたしの独断と偏見でランク付けしているのです」
魔王「求婚?」
姫「しましたよね?」
魔王「はあ…」
姫「熱意が伝わらない、マイナス2ポイント」
魔王「…」
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- 11 : 2016/06/20(月) 03:33:25 :
姫「ちなみに持ち点100からのスタートです」
魔王「ならいま私は38ポイントですね」
姫「違います」
魔王「え?」
姫「え?、じゃないです」
魔王「…」
姫「…」
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- 12 : 2016/06/20(月) 03:34:02 :
姫「まず第一にわたしをさらった件。この時点で重犯罪ですがわたしへのあふれんばかりの愛が抑えきれなかったがゆえ、という点を考慮してマイナス0ポイント」
魔王「….」
姫「としたいところですがランチ前にさらわれたのでやはりマイナス8ポイント」
魔王「そういえば独断と偏見でしたね」
姫「はい」
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- 13 : 2016/06/20(月) 03:34:36 :
魔王「では私はいま30ポイントでよろしいですか?」
姫「違います」
魔王「え?」
姫「え?、じゃないです」
魔王「…」
姫「…」
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- 14 : 2016/06/20(月) 03:35:38 :
姫「最初のわたしに対する暴言、さらにわたしが元勇者だと知らなかったことからわたしについて何も知らないで求婚してきたことがうかがえる点、わたしの年齢を詮索したことから合わせてマイナス60ポイント」
魔王「もはやマイナスですね」
魔王(…たぶん年齢がポイント大きいんだろうな)
姫「ちなみに持ち点が0点になった場合わたしへの侮辱罪ということで死刑、わたし自ら手を下させていただきます」
魔王「え?」
姫「…お覚悟」
魔王「ちょ、ちょ、ちょ!」
姫「なんですか」
魔王「いままであったツッコミがないとリアリティが増すんですけど!?」
姫「リアリティもなにも本気ですので」
魔王「え!?」
姫「え!?、じゃないです」
魔王「…」
姫「…」
魔王「少し落ち着けました」
姫「それはなにより」
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- 15 : 2016/06/20(月) 03:36:08 :
魔王「そもそも侮辱罪ってほんとにあるんですか?」
姫「ありますよ、うちバリバリの独裁政権なので」
魔王「…それ求婚してくる人いるんですか?」
姫「…」
魔王「え?」
姫「…あなたが初めてです」
魔王「でしょうね」
姫「くっ…」
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- 16 : 2016/06/20(月) 03:36:48 :
魔王「それじゃあなんですか?」
魔王「いまから魔王VS元勇者の戦いが始まるのですか?」
姫「いいえ?」
魔王「…」
姫「あなたが少し…その…なんていうか///」
魔王「…」
姫「タイプで///」
魔王「…」
姫「ですからプラス100ポイントで///」
魔王「…」
魔王「え?」
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- 17 : 2016/06/20(月) 03:37:21 :
魔王「…」
姫「独断と?」
魔王「偏見でした」
姫「それにわたしまだまだ寿命が長いんです」
魔王「勇者だから?」
姫「勇者だから」
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- 18 : 2016/06/20(月) 03:37:57 :
姫「だから普通の人とは仲良くなることさえなくて」
姫「…いえ、違いますね」
姫「恥ずかしながら正直に申し上げますと怖いんです、誰かと親しくなることが」
姫「わたしは老いないのに周りは皆死んで逝ってしまうから」
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- 19 : 2016/06/20(月) 03:38:21 :
姫「1000年前共に戦った者はもちろんその後の暮らしで関わり親しくなっていく人は優しい人ばかりでした」
姫「ですが変わっていくんです。わたしを見る目が」
姫「不老不死さえ思わせるこの体のせいで親しかった、優しかった人皆がわたしを気味悪がり避けはじめ…そしていなくなるのです」
姫「わたしの前からも、この世からも」
姫「なにもおかしくはないんです。むしろそれが普通です」
姫「だってわたしは人からすれば化け物なんだから…っ」
姫「魔王と恐れられるあなたなんかよりよっぽど…」
魔王「…」
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- 20 : 2016/06/20(月) 03:39:26 :
姫「それにつらいんです、親しかった人が死んでゆくのも」
姫「優しかった人たちの中でわたしが死んでゆくのも」
姫「でももう慣れました、むしろ親しい人を作らなければいいんだって思えるようになりました」
姫「そうやってやけくそになって作ったのが侮辱罪です」
姫「もともとあんなの執行する気なんてさらさらないんですよ」
姫「あれは人を寄せ付けなくするただの魔法の言葉なんです」
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- 21 : 2016/06/20(月) 03:39:56 :
姫「…でも、あなたとなら…わたしと同じくらい寿命の長いあなたとなら!」
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- 22 : 2016/06/20(月) 03:40:39 :
姫「対等な関係でいられると思うんです!」
姫「だからあなたにさらわれたときじつは嬉しかった」
姫「虫のいい話ってことはわかってます」
姫「だってあなたの家族をわたしは殺めているのですから」
姫「このことをあなたに打ち明けるときは怖かった」
姫「またいつもみたいになるかと思うと…」
姫「これはただの甘えです」
姫「わかってます」
姫「自分のしてきたことを棚に上げてるんです」
姫「あなたの幸せを壊していながら自分の幸せを願っているんですから」
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- 23 : 2016/06/20(月) 03:42:10 :
姫「それでもわたしはあなたに言うのです」
姫「わたしは長い間独りだった、と」
姫「同情を求めるように」
姫「やはりおかしいですか?、と」
姫「わたしが人並みの幸せを望むのはいけないことなのですか、と」
姫「わたしと一緒になってと」
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- 24 : 2016/06/20(月) 03:42:39 :
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魔王「….」
姫「…」
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- 25 : 2016/06/20(月) 03:43:40 :
姫「…すみません。やはりいまのは忘れて…」
魔王「長い!!!!!!」
姫「……え?」
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- 26 : 2016/06/20(月) 03:44:22 :
魔王「え?、じゃないです」
魔王「だいたい私、おじい様とあったことすらありませんし」
魔王「それに先に人間界に侵攻したにはおじい様だったはずです」
魔王「さらに言うと魔族からすればあなたたち人間が持つ家族愛みたいなものは祖父母に対してあまり持ちません」
魔王「魔族は直接関わる関係を持った者でなければ愛さないのです」
魔王「だから何が言いたいかというと、あなたが気に病むようなことではありません」
魔王「むしろあなたみたいな人と最期に剣を交えることができておじい様は幸せだったと思います」
魔王「つまりわたしはあなたからの求婚を断る理由は見つかりません」
姫「…」
魔王「ぜひ末永くよろしくお願いします」
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- 27 : 2016/06/20(月) 03:44:57 :
姫「….」
魔王「…元勇者でも泣くんですね」
姫「…う"るざいです…….」
魔王「え?」
姫「もう……ふふ」
姫「え?、じゃないです―――――――」
姫「こちらこそよろしくお願いします」
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- 29 : 2016/06/20(月) 03:46:21 :
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- 30 : 2016/06/20(月) 03:46:37 :
おまけ
兵士「王様!大変です!」
王「なにかあったのか?」
兵士「姫が魔物にさらわれてしまいました!」
王「なんだと!勇者を!勇者をよべ!」
勇者「どうされましたか王様!」
王「うむ、姫が魔物にさらわれたのだ」
勇者「なんと!」
王「勇者よ、すまぬが…」
勇者「はい!この勇者めにお任せを!」
王「たのんだぞ」
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- 31 : 2016/06/20(月) 03:47:16 :
兵士「あの、王様,,,」
王「なんだ」
兵士「よく考えたらあの姫様なら別に大丈夫じゃ…」
王「…」
兵士「…勇者行っちゃいましたね」
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- 32 : 2016/06/20(月) 03:47:48 :
王「まあ問題はなかろう。ちょっと勇者をパシったと思えば…」
兵士「でも姫様の機嫌が損なっていたら…」
王「い、いや…さすがそれは…」
兵士「実は姫様がさらわれたのはランチ前でして…」
王「…」
兵士「…」
王「勇者、大丈夫かな」
兵士「正直、生きて帰ってこれるか…」
王「…」
兵士「…」
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- 33 : 2016/06/20(月) 03:48:49 :
王「だいたいあの人、姫とか言うわりに強すぎるんだって」
兵士「普通に王様より生きてますしね」
王「そりゃわしはあんなのと違って普通に人間やってますから」
兵士「もう人間扱いすらしてないwwwwwww」
王「できるかwwwあいつ1000年生きてるwwwww魔王より年寄りだぞwwwwww」
兵士「しかも魔王より絶対強いですよwwwwwwwww」
王「ちがいないwwww魔王不憫wwwwwwww」
兵士「実質この国の独裁政治の実権握ってますしねwwwwwww」
王「そwwれwwwwなwww」
王「わし民主主義がいいのにwwwww」
兵士「まさかのwwwwww」
王「国民に慕われたいww」
兵士「下心丸見えw」
王「見るなしwww」
兵士「wwwww」
王「魔王がこのまま引き取ってくれないかなwwwwwww」
兵士「そんなことww…」
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- 34 : 2016/06/20(月) 03:49:15 :
王「…」
兵士「…」
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- 35 : 2016/06/20(月) 03:49:34 :
王&兵士「それだあああああああああああああああああああああああああ!」
次回
王「魔王がつくったチャンスを無駄にするな!今すぐ勇者をとめろおおおおおおおおおお!」
勇者「さらわれた姫を救う旅に出たはずがなんか指名手配されてるんだが」
※もちろん続かない
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