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仮面ライダーぼっち5
- やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
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- 1 : 2013/12/10(火) 12:11:30 :
- 仮面ライダーぼっち第五話です。
クッキー作りが終わったところから。
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- 2 : 2013/12/10(火) 12:41:47 :
- 「やっはろー!」
俺と雪ノ下が奉仕部の部室で読書をしていると、明るい声とともにドアが開いた。
由比ケ浜結衣だ。
「……何か?」
「あれ?あんまり歓迎されてない?ひょっとして雪ノ下さん、あたしのこと嫌い?」
すると、雪ノ下が顎に手を当てて、少し考えてから言う。
「……別に嫌いではないけれど、決して好きではないわね。少し苦手、といったところかしら。」
「それ、嫌いと同じだからね!この正直者めっ!」
由比ケ浜は雪ノ下戸の胸をぽかぽかと叩く。
「で、何か用かしら?」
「うん、こないだのお礼って言うの?クッキー作ってきたんだー!」
「え?」
雪下はけげんな声を挙げる。
しかし由比ケ浜は気にしている様子はない。
「いやー、料理って意外と楽しいね!今度お弁当とか作ろうかな!あ、それでさ。ゆきのんも一緒にお弁当食べようよ!」
「私はお弁当は一人で食べることにしているから。後、ゆきのんって呼ぶのやめてもらえる?」
「ええ、さびしくない?ゆきのん、どこで食べてるの?」
「ねぇ、話聞いてた?」
「あ、それでさ。暇なときはあたしも部活手伝うね!あ、気にしないで!これもお礼だから!」
「……話、聞いてる?」
由比ケ浜の連続攻撃に雪ノ下が困惑している。
と、その時だ。頭を裂くような高音が俺を襲った。
そして、奉仕部の窓からモンスターが飛び出してきて、雪ノ下を襲った。
「ゆきのんあぶない!」
由比ケ浜が雪ノ下を突き飛ばす。
攻撃をかわされたモンスターは、鏡の世界に戻っていく。
「大丈夫!?ゆきのん!……待っててね、すぐ戻るから。」
そう言って由比ケ浜は、ポケットから赤いバックルを取り出す。
こいつ、まさか!
「ゆきのんを危険な目に合わせるなんて、絶対許さないんだから!」
そう言ってバックルを前に突き出す。
「変身!」
由比ケ浜の姿が変わっていく。それは、昨日雪ノ下と交戦したライダーだった。
由比ケ浜が、鏡の世界に入っていく。
「驚いたわね……。こうしている、場合でもないわね。変身!」
雪ノ下が、仮面ライダーナイトに変身する。
こいつ、まさかまた戦うなんていわねぇよな?
とにかく、俺も黙って見てるわけにはいかないか。
「変身!」
俺達も、鏡の世界へと向かう。
由比ケ浜と戦っているのは、猿のモンスター。少し押されているようだった。
「Sword Vent」
雪ノ下が槍を持ち、走っていく。
そしてそのまま、モンスターを切りつける。
「あ!昨日の!あたしは戦う気なんてっ!」
「わかっているわ。由比ケ浜さん。」
「ほえ?どうして私のこと……。」
「仮面ライダーナイト。雪ノ下雪乃よ。」
「ゆ、ゆきのん!?あ、昨日はごめんね。」
「いいわ。私の方から攻撃したのだし。とにかく今は、こいつを倒しましょう。」
どうやら、雪ノ下に争うつもりはないらしい。よかった。なら俺も、思いっきり戦える!
「Strike Vent」
龍の頭の形をした、火器を右手に装着する。
「お前ら!どいてろ!」
「あれは、昨日ゆきのんと一緒にいた……。もしかして、ヒッキー!?」
「そう、仮面ライダー龍騎。比企谷八幡。」
「そうだったんだ……。」
「おい!さっさとどけって!」
「あ、ごめんごめん。」
二人はさっと左右に飛ぶ。
「デヤアアァァァッッッ!」
全力の一撃。巨大な炎がサルを飲み込む。
「ぐぎゃぁぁっっ!」
猿が爆発し、光の球が生まれる。モンスターのエネルギーだ。
俺の契約モンスタードラグレッダーが球を飲み込もうと向かっていく。
「待ちなさい!」
雪ノ下が、手にしていた剣をドラグレッダーに投げつける。回避のために横にどいたすきに、雪ノ下の契約モンスターダークウイングがエネルギーを吸収した。
「この野郎……なんのつもりだよ!」
「あなたが余計なことをしていなくても倒せていたわ。横どりはさせないわ。」
「それを言うならあれは由比ケ浜の物だろうが……。」
雪ノ下雪乃。案外ちゃっかりした奴だった。
「ま、まぁまぁまぁ。とりあえず、戻ろうよ。」
由比ケ浜の言葉に従い、俺達は部室へと戻る。
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- 3 : 2013/12/10(火) 12:51:10 :
- 「しかし、驚いたな。由比ケ浜がライダーなんて……。」
「そうね。基本的にライダーは、どうしてもかなえたいと思う人間がなるはずだけど……。あなたにも、願いがあるの?」
「ううん、これはもともとあたしのじゃなかったの。あたしの、いとこの物だよ。その子はね、こんな戦い馬鹿げてるって言って、モンスターと契約しなかったの。そうしているうちにモンスターに襲われて……死んじゃった。」
「……そう。」
「うん、だから私がこれを受け継いでね、ライダーバトルを止めるんだ!」
「でも、他のライダーはあなたたちのようには考えていないと思うわ。」
「うん、そうだと思う。それでも、止めたい。って……え?達って?」
「そこにいる比企谷君も、ライダーバトルを止めようとしてる。あなたたち、わかってる?他のライダーは、あなたたちを殺す気で来るのよ?」
「わかってるさ。最後になったら、お前も俺と戦おうとするんだろう。それでも、止めたい。そうだな、それが正しいとかじゃなくて。それが、ライダーとしての俺の望みなんだ。」
「……フフ、なら、私には止められないわね。」
「そういうこった。」
「えへへ、これからよろしくね!ゆきのん!」
そう言って由比ケ浜は雪ノ下に抱きついた。
「ねぇ、ちょっと、暑苦しいのだけど……。」
んじゃ、俺は帰るとするか。ドアに手をかけた、その時。何かが飛んできた。
「ヒッキーもありがとね!お礼の気持ち!」
それは、黒々としたクッキーだった。ま、くれるっつーンならもらってやるか。
俺は廊下でクッキーを口にした。
「……にが。でもまぁ……ちったぁましになったんじゃねーの。」
俺はひとりごちた。
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