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仮面ライダーぼっち3
- やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
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- 1 : 2013/12/08(日) 10:09:47 :
- 仮面ライダーぼっち3です。ミラーワールドから帰還した八幡。
そこに現れるのは……
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- 2 : 2013/12/08(日) 10:32:56 :
- 謎の世界から帰還した俺。夢オチかな?
そうだといいなぁ。
龍の紋章が浮かび上がったバックルを眺める。
「ガララッ」
そこに、雪ノ下雪乃が入ってきた。
「よお。」
「こんにちは、もう来ないと思った……え?」
「ん?どうした?」
「あなた、それ……」
「ああ、これか。俺もよくわかんねぇんだけどよ。」
「そう、ふふ。奇妙な縁もあったものね。」
「あ?何言って……」
雪ノ下はそう言って、ポケットに手を突っ込む。
「本当に、奇遇よね。」
彼女が手にしたのは、俺と同じようなバックル。そしてその中央に描かれているのは、蝙蝠のエンブレム。
「お前……。」
「そう、私は仮面ライダーナイトよ。比企谷君。いいえ、仮面ライダー龍騎。」
「お前!さっきは何なんだよ!いきなり襲ってきやがって!」
「当然でしょう?ライダーは共存できないって、言ったじゃない。」
「それが訳わかんねぇッつってんだ。何だよライダーって!」
「……そうね、別に教えてあげる義理はないけれど、何もわかっていない相手を攻撃するというのも卑怯かもしれない。いいわ、教えてあげる。」
「私も細かいところまでは知らないけどね。このバックルを手にして、モンスターと契約したものは、仮面ライダーと呼ばれる存在になる。そしてライダーは、モンスターや他のライダーと戦うのよ。」
「モンスターと戦うってのは、なんとなくわかる。だが、なんで同じ人間であるライダー同士が戦うんだよ。」
「最後に生き残ったライダーは、なんでも願いをかなえることができるのよ。」
「は、はぁ?なんでも願いがかなうって、お前それ本気で言ってんのか?」
「そうね、確かに普通ならあり得ないし、信じる方がおかしいんでしょう。でも、それでも、それにすがるしかない。そんな者がライダーになるの。どうしてもかなえたい願いがある者だけが。」
そうつぶやく雪ノ下の表情は真剣そのもので、とても茶化すことなどできなかった。
「仮面ライダーって、もっと単純な話だと思っていたんだがな。怪人を倒すとか、世界を救うとか。」
俺は毎週日曜日スーパーヒーロータイムを見ているが、そんなどろどろした仮面ライダー見たことない。クウガ、アギト、ファイズ、ブレイド、響鬼、カブト、電王、キバ、フォーゼ、ダブル、ディケイド、ウィザード、鎧武……そんな重い話はなかったはずだ。
「さぁね、これを作った人の皮肉なんじゃないの?」
「そんなもんかね……。」
「まぁ、そんなこと私の知ったことじゃないわ。というわけで、ライダー同士が戦う理由はわかったかしら?それじゃぁ、戦いましょう。」
「ま、待てって!それで、負けたライダーはどうなるんだ?」
「死ぬのよ。」
いとも簡単に、彼女はそういってのけた。
「戦いに負けたら死ぬ。戦うことから逃げて、モンスターにえさを与えられなくなったら、契約モンスターに食い殺される。」
「えさ?」
「倒したモンスターやライダーのエネルギーが、契約モンスターの力になる。エネルギーを与えれば与えるほど、モンスターの力は強くなり、それに比例してライダーも強くなる。さぁ、もういいかしら?」
「だから待てって!俺は戦う気なんてない!」
「あなたになくても私にはあるのよ。それに昨日言ってたじゃない?勝負に勝ったら私には死んでもらうって。そんなことを言っていいのは、死ぬ覚悟のある人間だけよ。」
「あれは……それとこれとは話が……ウオッ!」
鏡の世界から、蝙蝠のモンスターが飛来し、俺を襲った。幸い回避できたが、一瞬でも遅れたら危なかった。
「なんのつもりだ?」
「わかっているでしょう?戦わないというなら、私はこうしてあなたを襲わせるわよ?」
「言ってもわかんねぇ奴だな。なら、一発ぶん殴って無理矢理にでも言うことを聞かせてやる。」
「その言葉を待っていたわ。」
俺達二人は鏡の前に立つ。
雪ノ下が、バックルを前にかざす、すると、鏡の中からベルトが出現し、彼女の腰に巻きつく。
「ミラーワールドに行く時はこするの。まぁ、あなたは今日で行くのが最後でしょうけどね。」
「変身!」
バックルをベルトに入れると、彼女の姿は雪ノ下雪乃から、仮面ライダーナイトへと変わった。
「まっているわ。」
そう言い残して、彼女は鏡の中に入って行った。
「くそ!やるしかないのか!」
バックれたいが、あんな化け物にしょっちゅう襲われてはやってられない。それに、家で襲われたら家族にも危険が及ぶ。
小町への危害は絶対に許さない。
雪ノ下がしたように、俺もバックルをかざす。
「変身!」
俺は再び、謎の世界へと入って行った。
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- 3 : 2013/12/08(日) 10:51:28 :
- 「来たのね。しっぽを巻いて逃げると思っていたのに。
「あんなふうに脅されちゃあかなわんだろうが。こんなバカなこと、俺が止めてやる。」
「戦いを止めるために戦うライダー、ね。馬鹿なのかしら。」
「馬鹿はそっちだろうが。テメェにどんな願いがあろうと、絶対止めてやるからな。こんなこと、認めてたまるか。」
「なら、あなたは勝っても私を殺さないのかしら?」
「悪いかよ。」
「ふん、お人よしね。そんなことを言ったら私が手加減するとでも思っているのかしら?だとすれば甘すぎると言わざるを得ないわね。」
「別にんなこと思ってねぇよ。お前には昨日会ったばかりだが、そんなことをする奴じゃないということくらいはわかる。」
「そう、それはよかったわ。なら、そろそろ始めましょうか。」
「Sword Vent」
ナイトが再び槍を手にする。
「Sword Vent」
こちらも剣を手にする。先ほどのよわっちい武器ではなく、龍のしっぽを模した立派な剣だ。
「行くぞ!」
先に動いたのは俺だった。
「Nasky Vent」
ナイトが新たなカードをスキャンすると、契約モンスターである蝙蝠が飛来する。
「キィィィィィィィィィンッッ!」
とてつもなく高い音が、俺の耳を襲う。
平衡感覚を失う。何だ、これ……。
「ガキィ!ガキィ!ガキィン!」
まともに動けない俺を、ナイトが何度も槍で痛めつける。
剣で応戦しようとしたが、どうやらいつの間にか放してしまったようだ。
「ウアアッッ!」
最後に思い切り振りあげた彼女の攻撃で、俺は勢いよく吹き飛んだ。
「くそ……。」
「Strike Vent」
先ほど彼女を撃退した龍の頭型の火器を呼び出す。
「くらえええっっ!」
しかし彼女はジャンプして、軽々とそれをよける。
「Advent」
蝙蝠が再び現れ、彼女の背中に装着される。
そして、彼女は空高く跳びあがる。
くそ、空中戦?そんなのできね……いや、そうでもないか。
「Advent]
「ガアアアアアアァァァッッ!!」
けたたましい咆哮をあげ、ドラグレッダーが現れる。
その背中に乗り、俺も空中へと舞い上がる。
「頼むぞ!ドラグレッダー!」
龍のはきだす炎と、俺の左手から出す炎で、ナイトに遠距離攻撃を仕掛ける。
「そっちに遠距離武器がないのはわかってんだよ!」
彼女はさっきから、回避行動しかとれていない。
「蝙蝠が龍に勝てると思うなッ!」
「そっちこそ、あなたごときが私に勝てると思わないことね!」
「Final-Vent」
やべぇ、さっき見たあいつの必殺技だ。
ドリル状になって急降下する超威力の技だ。あんなもんくらってたまるかよ!
どうする?もうあいつは攻撃態勢に入っている。
俺はカードを取り出し、眺める。
これだっ!
龍のエンブレムが描かれた、他のカードとは少し使用が違うカード。
俺はそのカードを急いでスキャンした。
「Final-Vent」
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- 4 : 2013/12/08(日) 11:04:37 :
- そのカードをスキャンすると、俺は自然と高くジャンプした。
そのまま、キックの体制をとる。そんな俺の後ろから、ドラグレッダーが勢いよく炎を吐く。その炎が俺にあたったが、不思議と何の痛みも感じない。
「飛翔斬っ!」
「ドラゴンライダーキックっ!」
即座に命名したはいいが、何ともダサい。
俺とナイトが激突し、大きな爆発が起きる。
「グアアアアァァッッ!」
「うううううっっ!」
俺達二人は、無様に地上を転がる。
何とか立ち上がるが、完全に肩で呼吸している状態だ。
「はぁ……はぁ……まだ、やるつもりかよ。」
「そうしてもいいんだけどね。まぁ、いいわ。今日はこのあたりにしておきましょう。」
「へっ、そりゃよかった。」
俺とナイト、雪乃は元の奉仕部部室へと戻った。
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- 5 : 2013/12/08(日) 11:18:05 :
- 「はぁぁぁ……酷い目にあったぜ。」
「ライダーになった以上、それは宿命ね。」
「けっ、戦いを仕掛けてきたお前のせいだろうが。」
「勝手に契約したあなたが悪いわ。」
さっきまで命がけの戦いをしたというのに、彼女の態度は昨日と寸分たがわない。
何というか、きもの座った女である。
そういう俺も、あんな戦いをしたというのに、彼女に対して悪感情は抱いていなかった。むしろ昨日よりも好感を持っているとさえいえる。
本気で戦ったら友情が芽生えるというあれだろうか。
なら、なら、俺と彼女は。
「なぁ、雪ノ下。俺と友達に」
「ごめんなさい。それは無理。」
「えー、まだ最後まで言ってないのに。」
この野郎、断固否定してきやがった。こいつ、全然可愛くねェな。
やはり、俺の青春ラブコメはまちがっている。
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- 6 : 2013/12/25(水) 07:24:03 :
- 感想とかどうですかね♪
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