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仮面ライダーぼっち2
- やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
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- 1 : 2013/12/08(日) 09:22:52 :
- さて、あんなことがあった次の日のことである。
今日もやっと、最後の授業が終わった。早く帰ること風のごとし!
部活?何それ。食べられるの?
教室のドアを開けるとそこには、悪魔がいた。
「やぁ、比企谷。今から部活かい?」
「……ええ、その通りです。」
「そうかそうか。それは良かった。逃げたらどうなるか、わかっているな?」
「わかってますよ。」
しぶしぶ俺は、奉仕部の部室へと向かう。その足取りは当然重い。
「ん?なんだこれ?」
三階から四階へとつながる階段で、俺は黒いバックルを見つけた。拾い上げてみてみるが、表にも裏にも何も書かれていない。真っ黒だ。
よく見てみると、バックルには2枚のカードが挟まれていた。
「SEAL」と書かれたカードと、「CONTRACT」と書かれたカードだ。
トレーディングカードか何かだろうか?まぁいいや。後で紛失物入れに入れといてやろう。
そう思い、ポケットの中にバックルを入れる。
部室に着くと、その鍵は開いていた。
椅子にすわり、一人読書をする。まぁ、こんだけでいいんならさほど生活に支障はないかな。
それは、突然の出来事だった。
「うっっ」
今までに味わったことのないような激しい頭痛に襲われた。
気持ちわりい。なんなんだこれ……。
次の瞬間、俺は自分の目を疑うことになる。
教室の窓から、突如糸が伸びてきて、俺の体に巻きついたのだ。そしてその窓の中には、巨大なクモの化け物が。
「が…はっっ…」
ものすごい力で糸に引っ張られる。
「や、めろ……くそ、ほんとに何なんだよ……」
そして俺は、
鏡の中に入った。
何を言っているんだと思うだろうが、事実なのだから仕方がない。
間違いなく、俺は鏡の中に入ったのだ。
その瞬間、重力が消えた。謎の浮遊感に見舞われる。頭痛はいつの間にか消えていた。
浮遊感が消え、目を開けるとそこは、先ほどと変わらぬもとの奉仕部の部室だった。
いや、変わらないわけではない。そこには、俺を引きずりこんだクモの怪物がいた。
「ひうっっ……」
俺は情けない声をあげてしまう。ふと、自分の手を見ると、それは先ほどまでの自分の物ではなかった。
灰色なのだ。手が、灰色。灰色で、金属質な感じがする。
「ああ?」
これは、夢だ。そうに違いない。いやだって鏡の世界なんて存在するはずがないし、俺の体おかしくなってるし。
すると、クモが巨大な脚で俺に攻撃を仕掛けてきた。
「ガァッ!」
痛い。めちゃくちゃ痛い。たとえ夢だとしても痛いのは嫌だ。俺は逃げようと思い、動こうとしたがその前に蜘蛛が糸を吐き出し、再び俺の体を拘束した。
身動きが取れない俺に、蜘蛛は容赦なく攻撃を仕掛けてくる。
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- 2 : 2013/12/08(日) 09:35:16 :
- 「ガキィン!」
その足が、俺の体を抉ろうとしたまさにその時。
何者かがその攻撃を止めた。
「驚いたわ。まだ契約していないライダーがいるなんて。」
どこか蝙蝠を連想させるような体の色をした、俺と同様金属で身を覆われたそいつは、俺にそう語りかけた。
「け、契約……?」
「どうやら何も知らずにきてしまっているようね。後ろで隠れてなさい。」
「Sword Vent」
そいつは俺が手にしたのと同じようなバックル(ただ、そいつのそれには中央に蝙蝠型のマークがあった。)からカードを取り出し、持っていた短剣にスキャンさせると、空から細長い槍が降ってきた。
その槍で蜘蛛に攻撃を繰り出す。
なるほど、あれで武器を出すのか。
「Sword Vent」
俺もバックルからカードを取り出し、(いつの間にかカードが一枚増えていた。)左手の機械にスキャンする。
同じように、空から剣が降ってくる。
「よしっっ!」
しっかりと剣を両手で握る。
「ウオオオオオオオッッ!」
「馬鹿、やめなさい!」
俺の振るった剣が、蜘蛛の足を切断する。
……そうはならなかった。無残にも砕け散ったのは俺の剣の方だった。
「ブランク体でモンスターが倒せるわけないでしょう!いいから下がってて!」
「す、すまん……。」
「キン!ガキィン!」
そいつは、蜘蛛と激しい戦いを繰り広げる。すげえ迫力だな。
「これで決めるわ!」
「Final Vent」
すると、どこからともなく蝙蝠が他のモンスターが現れる。
「ま、またモンスター!?」
「ダークウイングッ!」
そいつはそう叫び、高くジャンプする。すると、その体を蝙蝠が覆った。どうやらあいつは味方らしい。
蝙蝠と合体し、ドリルのような形で、敵に向かって急降下する。
「飛翔斬っっ!」
その攻撃は、蜘蛛の銅を貫いた。
大きな爆発を挙げて、蜘蛛が消滅する。
「すげぇ……」
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- 3 : 2013/12/08(日) 09:52:16 :
- 戦いを終えたそいつが、俺の方に向かってくる。
「あなた、いったい何者?どうも巻き込まれただけのようだけど。」
「な、なぁ!これっていったい何なんだよ!教えてくれ!」
「本当に何も知らないのね。まぁ、いいわ。元来た道を戻りなさい。」
「元来た道?」
「鏡からこの世界に入ったでしょう。入ってきた鏡に体を触れれば、もとの世界に戻れるわ。」
「そ、そうか……グオッッ!」
突如空から、炎が降ってきた。見上げると、赤い龍のモンスターが空からこちらを見上げていた。
「無双龍、ドラグレッダー……。」
そいつはつぶやく。
「ハアアァァァッッ!」
叫び、龍のモンスターに向かっていく。
しかし、相手は空中にいるんだぞ?攻撃届くのか?
「Advent」
少女がカードをスキャンすると、再び蝙蝠のモンスターが現れる。
そして、そいつの背中にくっつくと、そのまま空中に飛び上がった。
なるほど、こうやって空中戦をするつもりか。
しばらくは力が拮抗していたが、敵は炎攻撃という遠距離技を持つのに対し、どうもあいつはそれを持たないようだ。
徐々に押されていた。
「グガァァッッ!!」
龍が頭からそいつに突進を仕掛ける。その勢いを殺しきれず、そいつは思い切り地面に叩きつけられる。
「ガァァーーーッ!」
追い打ちをかけるように、龍が空中から炎を吐く。
やばいだろ。このままじゃあいつやられちまうぞ。
俺はとっさにそいつのそばに駆け寄る。
「や、やめなさい。あなたでは何も……。」
いや、一つだけ可能性がある。おれがもっている「Contract」というカード。これは確か、「契約」とかそういう意味だったはずだ。
あいつが蝙蝠のモンスターを味方にしているのを見る限り、このカードを使えば、龍のモンスターを味方にできるかもしれない。
まぁ、この状況ではそれ以外に手はないだろう。
「おい!龍野郎!これを見ろっ!」
「ば、バカ……そんな事をしたら!」
龍が、俺に突進してくる。
くそ、無理だったか……?
しかし、俺が吹き飛ぶことはなかった。
龍のモンスターは、俺がかざしたカードに吸い込まれていった。
カードの絵柄が変わる。
先ほどまで渦が描かれていたそこには、赤き龍の絵が。
「Drug Redder」
「ドラグ……レッダー……。」
突如、俺の体に変化が起きる。
さっきまで灰色だったその体は、深紅の色に染まる。
力が、みなぎる。最後に、真っ黒だったバックルに、龍の紋章が浮かび上がった。
「仮面ライダー……龍騎……。」
そいつは静かに、つぶやいた。
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- 4 : 2013/12/08(日) 10:00:43 :
- 「龍騎、ライダーになったからには、あなたは私の敵よ!」
そいつはいきなり、俺に攻撃を仕掛けてきた。
「な、何だ!何のつもりだ!」
「ライダーは、共存できないっ!」
「なに言ってやがる!」
「冥土の土産に聞きなさい。私は……仮面ライダー、ナイトっ!」
そいつ、いや、ナイトは、鋭敏な動きで槍を突き出す。
「くっそっ!とち狂いやがって!」
俺はバックルのカードを探る。契約したことで、そのカードは増えていた。
「何かないか……これだ!」
「Guard Vent」
龍の腕を模した楯2つを手に持ち、攻撃をしのぐ。
しかし、守るだけではジリ貧だ。
「この野郎、いい加減にしろっ!」
「Strike Vent」
龍の頭を模した武器を、左腕に装着する。
「くらえッッ!」
それを突き出すと、勢いよく炎が噴き出した。
「グウウッッ!」
敵がのけぞる。
ったく、こっちには戦う気なんかないっつーの!
「ちょっとだけ時間を稼いでくれよ、相棒。」
「Advent」
契約した龍が、敵に襲いかかる。
その隙に、俺は窓と俺の間にいたナイトを通り過ぎる。
「あばよっっ!」
入ってきた奉仕部の窓に飛び込み、俺は元の世界に戻った。
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