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蛍②

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  1. 1 : : 2016/03/13(日) 16:08:49
    オリジナル設定多数。
    キャラ崩壊・・・在ります。



    下手くそですが・・上記をご理解の上、お付き合い頂きます様お願い申し上げます。


    過去スレ


    http://www.ssnote.net/archives/44134
  2. 2 : : 2016/03/20(日) 19:34:05



    夜の帳の中、明るくも儚い月明かりが彼女の影を朧げにコンクリートの岸壁に映し込んでいた。



    鎮守府敷地内の、海に面した突堤の一番先端部分に彼女は座り、ずっと月明かりに浮かぶ海を眺めていた。

    海方向から吹き抜ける柔らかな南風が長い髪を緩やかに揺らす。





    岸壁に両手をつき、時折足をぶらつかせると、彼女は足元の海面に目を落とし、波に揺られる月を見ていた。



    ちゃぷちゃぷと足元で凪いだ波が音を立てる。
    夏の匂いが潮風にのって彼女の体をすり抜けた。



    酒でも持って来れば良かったかな・・・
    彼女はそう思うと、視線をまた遠方に移す。



    紅い瞳を細め、瞬きもせず彼女はその先を見つめていた。



    月明かりに照らし出される、海に伸びる白い光の筋はまるで彼女をどこかに導いているようだった。

    もし・・・今この白い道に導かれるまま進んでゆけば・・・彼に会えるのかもしれない。


    彼女はそんな事をぼんやり思い浮かべると、その思いに自嘲な笑みを口元に浮かべた。






    呉と言う街は三方を山に囲まれ、その山から一番下ったところに平地があり、街になる。

    鎮守府はその一番海側------

    一番海抜が低い場所にあった。




    目の前には江田島が見える。

    彼女は月明かりに照らされた江田島の島影を見ながら、物思いに耽っていた。

  3. 3 : : 2016/03/20(日) 19:37:02






    彼女は明日、解体される。






    本来なら、解体される艦娘は逃げ出さないように軟禁状態で外に出ることは許されない。


    艦娘が解体されるという事は、その存在が世の中から消えるという事だ。
    たとえその身が生体の彼女達とはいえ、それは免れるものではなかった。


    過去にも数度、解体を嫌がり逃げ出そうとした艦娘もいた。
    しかし彼女は前作戦の武勲艦でもあり、今着任している提督にも信頼が厚かった。


    恩赦・・・というよりは末期ぐらい好きにさせてあげたいという提督の配慮なのだろう。








    現在、深海棲艦との戦闘は小康状態だった。



    数年前、大規模作戦が実施され、世界中の艦艇、艦娘、航空戦力が投入され、死力を振り絞った。



    戦闘は1ヶ月以上断続して続き、多くの艦娘や人々が失われた。



    しかしその作戦以降、深海棲艦の出現数は減退の一途を辿った。
    世界の海上交通路、制海権は回復しつつあった。



    今まで様々な理由でいがみ合う事の多かった世界。

    一時的にせよそれらを棚上げし、一つにまとまる事が出来た。
    ある意味、快挙だったのかもしれない。



    それも全世界が共通する脅威に晒されたからであって、このことが沈静化し、何十年も経てばそれらもまた風化し、忘れられ・・・・また同じ事が繰り返されるのだろう。




  4. 4 : : 2016/03/20(日) 19:39:00


    彼女が所属するこの呉鎮守府からも、多くの艦娘がその海域に出撃し、そのうち幾人かは帰らぬ人となった。

    そして海軍の艦艇も同じように何隻も犠牲になった。

    彼女もその際の戦闘で被弾し、そして大事なものも失っていた。







    「よう・・・此処にいたのか」


    物思いを中断させるように彼女の後ろから声がかけられた。
    彼女には声の主は判っているのだろう。


    振り向きもせず、その声にただ俯いた。


    紫の外はねした長い髪が月明かりに浮かぶ。
    赤いパンツスカートに白いジャケット・・・


    一升瓶を片手に、もう片方にはぐい飲みが二つ。


    隼鷹は彼女の隣に腰を下ろすと、一升瓶をコンクリの上に置く。
    コンと澄んだ音を立てると、片手に持っていたぐい飲みを隣の長門に手渡した。


    長門は黙ってぐい飲みを受け取ると、隼鷹がそこに一升瓶の酒を注ぐ。
    隼鷹が自分のぐい飲みに酒を注ぎ、無言で乾杯をする。





    「く~・・・・美味い!」




    一気に飲み干した後、隼鷹は腹のそこから搾り出すような声を出し、笑顔で口元を拭った。


    長門はそんな隼鷹の姿を見ながら、同じく口元を拭うと微笑んだ。


    足元では相変わらず同じリズムで凪いだ波の音が繰り返される。
    月明かりが流れる雲に遮られ、江田島の島影が見え隠れしていた。



    二人は暫し、杯を交わしながら遠方を眺めていた。

  5. 5 : : 2016/03/20(日) 19:43:55


    「なぁ・・・なんで解体なんだ?」



    隼鷹が立膝に顎を置き、ポツリと呟いた。
    長門はその問いに答えず、手酌でぐい飲みに酒を注ぐと、一気に飲み干した。


    「大和型は、9月の異動で武蔵がこの鎮守府から横須賀への移籍が決まってる。移籍するって言うか・・・古巣に戻るって言うか・・・。金剛型だって皆それぞれに舞鶴や佐世保、横須賀へ移籍が決定している。幾ら戦闘が小康状態だからって・・・まだ戦艦は必要だろう?」



    隼鷹は被せる様に質問を重ねる。

    伏せ目がちに、なんとなく答えは察している様子だったが、どうしても本人の口からその理由を聞きたいのだろう。

    もしかしたら吐き出す事でその考えを変えてくれるという淡い思いもあったのかもしれない。





    正直、長門の解体処分は誰も望んではいなかった。
    その噂を聞いた時、陸奥、大和、武蔵など主要メンバーは提督に詰め寄り抗議したほどであった。


    幾ら戦艦といえど、大和型よりは燃費も資材の消費も若干ではあるが長門の方が良い。


    戦時ならともかく、此処半年は戦闘の数も減り続けている。
    経費が削減されるのは道理かもしれない。


    その理論から言えば真っ先に解体の話が上がるのは大和型だが、幕僚はそれでも大和型の解体はしない方針だった。


    あと数年は最低でも様子を見守らないと・・・深海棲艦どもの発生原理や生態は不明な点がまだまだ多かった。





    「あと数年もしないうちに・・・この戦闘は終わる」


    長門はぐい飲みを手で転がすように握ると、残っている酒を一気に飲み干す。


    「私は・・・もう思い残す事も無い」


    「・・・やっぱり・・あの事かい?」


    隼鷹は一言そういうと自分のぐい飲みに残っていた酒を一気に飲み干した。



    長門は何も言わず、夜空の月を見上げる。



    酒を飲んだせいなのだろう。
    隼鷹の一言がなんだか心に刺さって痛い。



    胸に込み上げ、息を詰まらせる思いが、目尻に露となって流れ落ちようとしているのが判る。



    彼女の瞳の中に映る月は、あの日の前夜を思い出させるように揺らめいた。



  6. 6 : : 2016/03/23(水) 19:48:41






    日本に軍隊、それも専守防衛だけでなく、先制攻撃も可能とするだけの国防能力が復活した事で米国の負担は軽減された。

    それに伴い、中国、韓国など近隣諸国とも防共協定を締結し近海のみならず、全海域の制海権奪還、海上交通路の復旧を目指した。



    相変わらず深海棲艦との戦いでは苦戦を強いられたが全く太刀打ちできない訳ではなく、少しでも物資を、燃料を運ぶため、海軍はそれこそ命がけの船団護衛を行っていた。



    ある時、南シナ海を日本に向けて航海していたタンカーが深海棲艦に襲撃された。


    海軍は必死に応戦したが、目の前で5隻ある大型タンカーの内、一隻が火を噴き落後していった。
    護衛のイージス艦5隻も一隻が大破炎上、もう一隻が中破と危うい状態だった。



    艦隊司令が諦めかけた時、海軍を援護するように彼女達は突然現れた。




    背中に艦体の一部らしきものを背負い、手に持った連装砲で敵を撃破、高速で隊列を組み、勇猛果敢に深海棲艦に立ち向かう少女たち・・・
    波飛沫をあげ、海面を滑る様に駆け抜けるその姿は、戦場で女神を見ているようだった。



    戦闘が終わると、彼女達は艦隊司令とのコンタクトを求めた。
    乗艦した旗艦『こんごう』の司令官室に通された代表の少女は艦隊司令、艦長の前で説明を始めた。



    彼女達は自分達を旧帝国海軍の軍艦の生まれ変わりと言い、現国防軍に編入を求めた。


    先ほどの戦闘を見ていればその戦力は一目瞭然、直ちに戦闘時の映像を持って国防省へと上申がなされた。



    彼女達は幾多の質疑応答や戦闘試験、様々な研究解析を経て日本国海軍に編入が決定。



    彼女達を集中運用するための『鎮守府』が呉や各地に開設された。

  7. 7 : : 2016/03/23(水) 19:49:55
    彼女達のは旧海軍の軍艦の艦魂を宿した生まれ変わりであり、そんな彼女達を人々は『艦娘』と呼んだ。



    海軍は艦娘達のテクノロジーを学び、修理、整備、運用・・・様々な知識を理解していった。


    また、それまでは戦闘後に保護されていた艦娘以外にも、自分達で艦娘を『建造』する術を習得。


    それと同時に対深海棲艦用の一般兵器開発も進められた。


    ATD-Xとして開発が続けられていた『心神』も第5世代ステルス艦上戦闘機として完成。
    いずも型護衛艦2隻も航空母艦に改装、急ピッチで戦力の拡大が成されていた。



    彼女達の活躍で、徐々にではあるが深海棲艦たちとの戦闘でも勝利する事が出来るようになった。

    世界各地でも同じように艦娘達が活躍し始め、それぞれの海域で制海権の奪還が成され始めると、深海棲艦の本拠地を探す調査が始った。



    調査の結果、各海域に点在する無人島等を拠点としている事が判明、太平洋地域ではどうやらミッドウェー諸島らしいと判明した。


    その諸島でどうやら新たに『建造』も行われている事も判った。


    各国海軍はそれぞれの海域の敵拠点に対し一大反抗作戦を開始すべく準備を整えた。


    大西洋海域はEU各国と米国の海軍が担当し、太平洋、ミッドウェー諸島に対しては日本、米国が担当する事となった。





  8. 8 : : 2016/03/26(土) 20:48:17



    先週、インターネット回線を利用し、各国国防長官級の会議が行われた。
    その席で深海棲艦に対する一大反抗作戦が話し合われた筈だ。




    作戦要綱についてはまだなんら連絡は無いが、太平洋における敵本拠地掃討作戦は我が軍の担当となるだろう。




    呉鎮守府付海将補である大川は椅子から立ち上がると、窓を開け後ろで手を組みながら外を眺める。

    第二種軍装の白の詰襟が初夏の陽光に照らされ、真新しい金地に銀の碇マークと桜が二つの肩章が輝いていた。



    青々と茂る葉が柔らかく湿った南風にそよぎ、大川のすぐ横にあるレースのカーテンを緩やかにはためかせている。

    彼は被っていた帽子を取ると、柔らかな風に自らの髪を靡かせた。
    執務室から眺める遠方の海は太陽を浴びて煌びやかに輝いていた。



    海将補と言えば旧軍では少将に匹敵する階級であり、彼も歴とした提督だった。


    見た目は若いが、実年齢も若い。
    異例中の異例で昇進し、提督と言う地位の正に末席で頑張るうら若き30代である。



    外を眺めながら暫しの間風を浴びていると、ふっと思い出したかのように自分の事務机に向き直る。


    事務机と言っても流石に提督の執務室である。
    机も紫檀製の分厚い天板、全体に質実剛健な作りである。


    彼はおもむろに机の端にある電話の受話器を取ると、内線で工廠を呼び出した。


    「はい、工廠、明石です。」


    歯切れの良い元気な声がする。
    大川はその声を確認すると、口元を緩ませた。


    「こちら執務室、大川です。お元気ですか?明石さん」

    「おかげさまで元気ですよ。どうしました?」


    大川の冗談に半笑いで答える明石。
    彼女の笑顔が想像され、大川は帽子を人差し指でくるくると回しながら椅子に座った。


    「それは結構。明石さんは元気が一番良く似合う」

    「提督、冗談はこのくらいにして・・・この前のお話の件ですか?」


    明石が受話器の向こうで軽く大川をたしなめると、それまでニコニコと話していた大川の表情が引き締まった。


    「そうです。準備の方は如何な物かとおもいましてね」

    「こちらはいつでも大丈夫です。」

    「結構、では当人には僕の方から伝えますから・・・後でそちらに向かわせますね」


    大川は明石の歯切れの良い了解の返事を聞くと、電話を切った。
    指で回していた帽子はいつの間にか机の上に飛ばされていた。
  9. 9 : : 2016/03/27(日) 13:05:07

    大川は暫し机の上で手を組み考え事をしていた。


    じっと目の前の扉を眺め、意を決すると再び受話器を取り、軽く咳払いをすると館内一斉放送のスイッチを入れる。



    「え~・・・提督より達する。戦艦長門、執務室へ出頭。至急」


    ドア越しに、開け放たれた窓からも彼の声が鎮守府内に響き渡っている事が判る。


    大川は受話器を置き、大きく息を吐くと背もたれに凭れ掛る。
    彼女が来るまで暫し時間も掛かろう。


    椅子を回転させ大川は窓の外を眺めた。


    彼女が来たら、この話の内容をどう伝えようかと様々な例文を考え、彼女とのやり取りを想像する。

    きっと彼女ならこう伝えたらこう返してくるだろう・・・もしかしたら断ってくるかも・・・様々な想像が瞬時に頭の中を駆け巡った。


    そういえば今彼女はどこにいたっけ・・・?







    「提督、何か御用ですか?」


    背中から声がかかる。

    戦艦らしい落ち着いた物腰、包容力と厳格さを併せ持つようなその言の葉。
    透き通るような綺麗な声は聞き覚えのある・・・


    「あれ!?何時からいたんですか!?」


    頭の中で様々なシュミュレーションの最中、放送からほんの5秒程度でかけられた声に思わず高速で椅子を回転させ身を乗り出してしまった大川。


    ノックがあって、申告があって・・・

    そういう入り方を想像していた大川にとって、心の準備もさせないこの登場は心臓を跳ね上げさせるのに十分な驚きを与えた。



    「先ほど提督が『お茶が飲みたい』と仰られたので隣の給湯室に・・・」



    お盆の上に湯気の立つ湯飲みをのせ、何故館内一斉放送で呼ばれたのかイマイチ理解できずぽつねんと立つ長門。



    「あ~・・・そうでしたっけか・・・」


    大川はバツが悪そうに頭をかいた。


    しかしその目はお互いに笑っており、長門は静かに提督の机に湯飲みを置くと、お盆を左手に持ったまま気をつけの姿勢をとった。


    大川は出されたお茶を啜ると、美味いと一言発してから席を立ち、咳払いをした。

    一抹の恥かしさは帽子を深く被りなおす事で収め、長門を見つめた。
  10. 10 : : 2016/03/27(日) 13:06:06

    「え~・・・先週、ネット回線を利用したテレビ電話で国連加盟国の国防長官級の会議が行われたのはご存知ですか?」

    「はい。先々週から提督が『そういう会議があるんだ』としきりに話されていたので知っています。」



    秘書艦ですから・・・と言う言葉は飲み込んで長門が答える。
    長門の微笑に、大川は更に帽子を深く被りなおした。


    「えっと・・それでですね・・・その会議の席には国防大臣や統合幕僚長、三軍の幕僚長なんかも参加されていてですね・・・」

    「提督・・そろそろお昼ですが・・・」

    「ああ・・・もうそんな時間ですか・・では掻い摘んで・・・」



    きっとさっきの驚きでシュミュレーションも何も無く、しどろもどろになっているんだろう。

    長門は笑ってはいけないと思いつつ頬の緩みを抑えることが難しくなってしまった。

    全く提督は・・・執務と戦闘においては修羅の如きなのに・・・
    こういうことは苦手と言うか・・・



    長門はそれとなく提督を促し、要点を引き出そうとした。



    大川は長門に促され、一旦深呼吸をすると帽子を取り机の上に置いた。
    表情を引き締め長門を見つめる。

    長門はその真直ぐなとび色の瞳に姿勢を正した。


    「これからおそらく敵拠点を叩く大規模作戦が発動されるでしょう。大分前からだしていた大和型の改造申請も海軍幕僚監部を通り、現在最後の武蔵さんが工廠で明石さんと夕張さん指揮の元、作業が進んでいます。明日には終了する予定です」


    大川は一旦言葉を切り、大きく息を吸い込んだ。


    「空母、重、軽巡洋艦、駆逐艦の艦娘達も近代化改修、改造が終わっています。まだ改修を受けていないのは長門さんだけです。明日より工廠へ入り近代化改修を受けてください」


    大川は最後まで言いきると、長門を見据えた。
    長門は了解と腹から声を出すと、綺麗な敬礼をする。



    その敬礼に答礼を返すと、大川は初めて微笑んだ。

  11. 11 : : 2016/03/27(日) 13:06:58

    此処まで長門が改修を受けなかったのには彼女なりの理由があった。



    3週間前まで散発的な戦闘が南シナ海や日本海などで頻発していた。



    ベトナム海軍や中国、韓国海軍が討伐に当たっていたが、苦戦を強いられており、呉、佐世保から多くの艦娘が出動、その分作戦行動が多岐にわたり、提督の負担が増していた。


    秘書艦である長門はその事を憂慮し、近代化改修を戦闘が落ち着くまで遅らせていたのだ。



    近代化改修には資材も時間も必要だ。



    レーダーや動力炉の交換、制御プログラムの更新、火砲、可動部の上位互換品との交換等・・・すべての資材が揃っていれば、最短で2~3日、下手をすれば1週間以上の時間を要する。

    特にプログラムに関してはアップデートが上手く行かない、アップデートで更に状況が悪くなった場合はバグを見つけ出し修正するという手間が増える。



    結局装備は良くても制御が古く、性能を遺憾なく発揮できないと言う事態が発生し、プログラムが出来上がるまで以前より制御が悪い状況になってしまうこともある。



    戦場でそんな事になってしまえば命取りだ。



    大和型は大和、武蔵の順に改造を受けていたので多少は融通も利いた。
    明日武蔵の改造も終わる。


    金剛型4姉妹は2隻づつ交互に終わらせていた。
    他の艦娘も同様に姉妹艦が交互に改修や改造を受けていた。



    長門の場合、陸奥が先に改修を受けていて、不具合も報告されていなかったのだが、長門が秘書艦だったこと、また改修自体に3日以上かかる事を考え、改修を見送っていた。

    少しでも提督の力になりたいと強く願っていたからだ。
  12. 12 : : 2016/03/27(日) 13:07:49

    三日程度と思われる方もいるだろうが、深海棲艦との戦闘の場合、短時間で決着がつくパターンが多い。


    戦闘が始ってしまえば三日と言う時間は結構貴重なのだ。


    ましてや今の護衛艦やイージス艦は重装甲を纏っていない。

    現在の戦闘艦艇は近距離戦闘を想定しておらず、先んじてレーダーで敵を捕らえ、ミサイルで敵を打つと言うのが近代戦の戦い方だ。


    しかし深海棲艦は的が小さく、相対的に移動速度も速いため、レーダーで捕捉できず懐に飛び込まれて砲弾を打ち込まれるケースが多く、装甲の薄い艦艇は一発被弾してしまえばその時点でほぼ行動不能となってしまう。



    しかもミサイルは近接戦闘には向かない。
    捕捉、照準、飛翔、着弾と手間がかかりすぎるからだ。



    さらに現在の戦闘艦艇は搭載している砲も75mm、125mmが平均で、敵の最小火砲である15,5cmよりも小さい。

    頼みは速射性である。


    当然接近戦で撃っても当たらず、当たっても相手の重装甲に跳ね返されるのがオチである。


    ベトナム軍、韓国軍、中国軍は通常のイージス艦配備が多く、艦娘達の配備がほぼ無いため苦戦を強いられるのはそういう理由であり、長門が近代化改修を待ったのも予断を許さない状態だったからである。





  13. 13 : : 2016/03/27(日) 13:08:16




    お互いに敬礼をし、一区切りついたところで大川の腹が鳴った。
    きっと緊張と言うか、気恥ずかしさと言うか・・そういったものから開放されたのだろう。


    長門も敬礼を解き、その見事なまでの音を聞くと、思わず噴出してしまった。


    「提督、お食事はこちらに運びましょうか?」


    長門がにこやかにたずねる。


    窓から流れ込む緩やかな風が長門の髪を緩やかに揺らす。
    彼女の仄かな香りが初夏の風に乗って部屋中に広がってゆくような気がした。


    大川はふっと外を振り返る。
    緑の葉が眩しい。
    暖かな初夏の空気とこの部屋の柔らかな空気が気分を高揚させる。


    「いや・・・皆のところに行って食べましょう。今日は執務も落ち着いていますし、久々に皆とご飯を楽しく食べたいですから」


    大川は長門に振り返ると机の上においてある帽子を取りかぶり直した。
    長門は、踵を返すとお盆を給湯室に戻し、提督の後に続いた。



  14. 14 : : 2016/03/28(月) 19:28:22
    新しいスレです

    http://www.ssnote.net/archives/44614
  15. 15 : : 2023/07/17(月) 10:35:43
    http://www.ssnote.net/archives/90995
    ●トロのフリーアカウント(^ω^)●
    http://www.ssnote.net/archives/90991
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3655
    http://www.ssnote.net/users/mikasaanti
    2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
    sex_shitai
    toyama3190

    oppai_jirou
    catlinlove

    sukebe_erotarou
    errenlove

    cherryboy
    momoyamanaoki
    16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ちょっと時間あったから3つだけ作った

    unko_chinchin
    shoheikingdom

    mikasatosex
    unko

    pantie_ero_sex
    unko

    http://www.ssnote.net/archives/90992
    アカウントの譲渡について
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3654

    36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
    理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな

    22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
    以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。

    46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね

    52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
    一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑

    89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
    noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ

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