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仮面ライダーぼっち(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。×仮面ライダー龍騎)
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- 1 : 2013/12/08(日) 08:36:04 :
- やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。のキャラクター達が、ライダーバトルを繰り広げる物語です。
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- 2 : 2013/12/08(日) 09:00:54 :
- 『青春とは、嘘であり欺瞞である。
青春を謳歌せし者たちは常に自己と周囲を欺く。
自らを取り巻く環境すべてを肯定的にとらえる。何か致命的な失敗をしたとしても、それすら青春の証とし、思い出の一ページにするのだ。
例を挙げよう。彼等は万引きは集団暴走などの犯罪行為に手を染めては、それを若気の至りという。試験で赤点を取れば、学校は勉強をするためだけの場所ではないという。
彼等は青春のニ文字の前でなら、どんな一般的な解釈も捻じ曲げてみせる。
彼らにかかれば、いかなる出来事も青春を彩るスパイスでしかない。
仮に失敗することが青春の証だというのなら、友達作りに失敗したものもまた、青春ど真ん中でなければおかしいではないか。しかし彼等はそれを認めないだろう。何のことはない。すべては彼らのご都合主義でしかないのだ。
なら、それは欺瞞だろう。嘘も欺瞞も、糾弾されるべきものだ。彼等は悪だ。
結論を言おう。青春を謳歌せし者たちよ、砕け散れ。』
「高校生活を振り返って」という作文の課題に対して以上の物を提出した俺こと比企谷八幡は、職員室で説教を受けていた。
「なぁ、比企谷。私が君たちに出した課題は何だったかな?」
現代文担当の教師平塚静が俺に詰問する。
「……はぁ、高校生活を振り返って、だったと思いますが。」
「それで、どうしてこんなものが出来上がるんだ?」
「どうしてといいましてもね……俺は素直に思った事を書いただけですよ?」
「君は素直になると犯行声明を書いてしまうのか?」
静がため息をつく。
「犯行声明って……ずいぶん物騒なことを言いますね。」
「物騒なことを書いたのは君なんだがな。……君の眼は腐った魚のような目をしているな。」
なんでいきなり俺の眼の話になるの?今までの流れとまったく関係ねぇだろ。
「そんなにDHA豊富そうに見えますか?賢そうですね。」
ぴくっ、と、静のこめかみに青筋が現れる。
おーこわ、怒りっぽい人だなぁ。
「比企谷、一応言い訳くらいは聞いてやる。」
「言い訳、ね。その時点で俺の意見を認める気がないじゃないですか。そんな人に言うことはありませんよ。」
「ほう、言うじゃないか。だがこういうときは普通、自分のことを省みると思うのだがな。」
「普通、ね。嫌いなんですよその言葉。俺いっつも集団からはじかれるような人間なんで。」
「屁理屈を言うな、小僧。」
「小僧って……そりゃあなたの歳からしたらゴフゥッッ!」
腹パンされた。なに?こいつ暴力教師かよ。
「何すんですかっっ!」
「言葉では伝えられないこともあるだろう。」
「あんた国語教師だろうが。早々に言葉の力をあきらめてんじゃねぇよ。」
「ふっ、国語教師だからこそさ。言葉にはできることとできないことがあると知っている。」
「わかりましたよ、書き直せばいいんでしょう書きなおせば。」
「当たり前だ。それと比企谷、きみに質問がある。」
「なんですか?」
不機嫌さを隠さずに俺は言う。もうこいつと話したくないんだけど。おっかない。
「君は、部活とかやっているのかね?」
「いいえ。」
「友達とかはいるのか?」
「平等を重んじるのが俺のモットーなんで、特に親しい人間は作らないようにしてるんですよ。」
「つまりいないんだな?」
「まぁ、そういう解釈もできますね。」
「やはりそうか!私の見立て通りだな!」
なんだこいつ。そんな俺を傷つけるだけの事実確認がしたかったのか?
「彼女とか、いるのか?」
とかってなんだよ。俺が彼氏いるって言ったらどうするつもりなんだこの人。
「今はいないですね。」
まぁいたことないけどね!
「そうか……よし、こうしよう。レポートは書き直せ。」
まぁ、異論はない。さっき自分で認めたしな。
「はい。」
「だが、君の心ない言葉に私が傷ついたのも事実だ。女性に年齢の話をしないのは常識だろう。」
「そっちは俺の体を傷つけたんだからお相子でしょう。」
「体の傷はすぐに治る、だが心の傷は一生治らないんだよ。」
知ったこっちゃねぇよんなもん。
「罪には罰を与えないとな。君には、奉仕活動をしてもらう。」
「奉仕活動……?」
なんだよ、面倒くせえな。こいつ俺の揚げ足とって自分の仕事手伝わそうとしてるんじゃねぇの。ま、いいか。今後は当たり障りのないことを書くようにしよう。
そう自分に言い聞かせる。
「付いてきたまえ。」
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- 3 : 2013/12/08(日) 09:04:21 :
- 平塚先生に連れられて、俺は、我が総武高校の特別棟の廊下を歩く。
嫌な予感がする。というかこの人といて嫌な予感がしなかったことがない。まぁとても短い付き合いではあるけども。
階段を上り、ついに最上階の四階まで来た。
「着いたぞ。」
先生が立ち止ったのは何の変哲もない教室。プレートには何も書かれていない。
俺が不審に思っていると、先生はがらりとそのドアを開けた。
教室内には机と
椅子が無造作に積み上げられており、そのスペースの約半分が埋め尽くされている。
物置代わりか何かだろうか。特別な内装などは一切ない、普通の教室。
その中心に、彼女はいた。
座って本を読んでいる少女は、まるで世界の終わりが来ても彼女だけはそうしているんじゃないかと思わせるような、そう錯覚させるような雰囲気。
不覚にも俺は見とれてしまった。
彼女は来訪者に気付くと、本を閉じてこちらを見上げる。
「平塚先生、ドアを開ける時にはノックをお願いしたはずですが。いつになったらあなたには常識が身につくんですか?」
端正な顔立ち。しかしそこから放たれた言葉は刺々しかった。
「ノックしても君は返事をしないだろう?」
「返事をする前に先生が入ってくるんですよ。」
彼女は不満そうな顔をする。
俺は、この少女を知っている。二年J組雪ノ下雪乃。常に学年一位をとる秀才。その上容姿端麗で、この学校で知らない者はいないというほどの有名人だ。
「それで、そのぬぼーっとした人は?」
ぬぼーって、お前。俺は水地面タイプのポケモンじゃねぇッつーの。
「彼は比企谷八幡。入部希望者だ。」
「二年F組比企谷八幡です。って、おい、入部ってなんだよ。」
ここがなに部かも把握していないってのに。
「君にはペナルティとしてここでの部活動を命じる。異論反論抗議質問口答えは認めない。」
「そうですか……。」
俺はくるりと背を向けて歩き出す。俺は早々と帰ることにした。
「おい!どこへいく!」
「いや、口答えすんなっていったのはそっちじゃないですか。だから行動で示してるんですよ。」
「そんな言い訳が通じると思うのかね。」
「俺は別に悪いことしてませんからね。先生に年齢の話をしたからって理由だけで部活なんてまっぴらごめんですよ。」
「知らないのか?女性に年齢を聞くというのは、それだけでセクハラになるんだぞ?」
「別に聞いたわけじゃねーし。なら訴えるなりなんなりご自由にどうぞ。次は法廷で会いましょう。」
ったく。こんな茶番に付き合っていられるか。
「デス・バイ・ピアーシングッッ!!」
何故ブラックロータスの必殺技を?と聞く前に俺は勢いよく蹴り飛ばされていた。
「何すんだよ!」
「うるさいうるさい!口答えするな!いいからここで部活しろ部活しろ部活しろー!」
なんだこの人……子供かよ。
平塚先生に腕を掴まれ、再び教室内に引き戻される。
「というわけで、彼はなかなか根性が腐っている。そのせいでいつも孤独な哀れむべき奴だ。」
こいつ本当に殴ってやろうかな。
「人との付き合い方を学ばせれば少しは変わるだろう。」
暴力でしかコミュニケーション取れないあんたが言っても全く説得力ねーけどな。
「こいつを置いてやってくれ。彼の孤独体質の改善が私の依頼だ。」
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- 4 : 2013/12/08(日) 09:05:54 :
- 「それなら先生が殴るなりなんなりして躾ればいいじゃないですか。」
なんてことを言いやがるんだこの女は。
「私だってそうしたいが最近そういうのはうるさくてなぁ。」
テメェさっき思いっきり俺に攻撃しただろうが。
「お断りします。その男の下卑た目を見ていると身の危険を感じます。」
雪ノ下が襟元をなおながら、俺を睨みつけながら言う。
「はっ!言ってくれるなぁ自意識過剰女。」
「自意識過剰、ね。仕方ないじゃない。私はあなたと違って美しいんだから。」
その通りなのが腹正しいところである。
「安心したまえ、その男は自己保身にかけては長けている。決して刑事罰に問われるようなことはしない。こいつの小悪党ぶりは信用していいぞ。」
「釈然としねぇ……。それは常識的判断ができるとか言えないんですかね。」
「小悪党……。なるほど。」
なんで初対面の相手にこんなに罵倒されなならんのだ。
「まぁ、先生からの依頼とあれば無碍にはできませんね。いいでしょう、その依頼、受けましょう。」
「そうか、なら後は頼んだぞ。」
あーああ、面倒事に巻き込まれちゃったよ。ポツンと取り残される俺。
なんだあいつは。もしかして美少女と二人で同じ部活をやっていれば、アニメやラノベよろしく人気者になる!とでも思っているのだろうか。だとすればとんだ見当違いである。訓練されたぼっちは甘い話など断じて持ち込ませない。
殺してぇー。
それに俺は、好きで一人でいるのだ。他人にどうこう言われる筋合いはない。
つーか俺は、ここでこの美少女様と何をすればいいんだろう。
「何か?」
俺の視線に気づいたのだろうか。雪ノ下が声をかけてきた。
「ああ、どうしたものかと思ってな。」
「何が?」
「いや、俺何も説明受けてなくてな。ここがなにする場所なのかもいまだにわかってない。」
俺がそういうと、雪ノ下は不機嫌そうに本を閉じ、こちらを睨みつけた。
こいつ睨まないと会話できねぇのか?
「では、ゲームをしましょう。」
「ゲーム?」
「そう、ここが何部かを当てるゲームよ。」
「あんた以外に部員は?」
「いないわ。」
ふむ、そうだな……。本物のぼっちには、常人にはない能力が一つだけある。それは、深い思考力だ。普段の生活で他人との会話にエネルギーや時間を使わないため、その分自分の中での思考は高度なものとなる。
特別な道具を必要とせず、一人でも活動が成り立つ。
ピカンと来たぜーッ!
「文芸部、だな。」
「違うわ。……死ねばいいのに。」
なんでクイズに失敗しただけで死ななならんのだ。
「あー、お手上げだお手上げ。わかんねぇよ。」
「今私がこうしてあなたと会話していることが最大のヒントよ。」
なんだそりゃ?さっぱり正解に結びつかない。
「比企谷君、女子と最後に会話したのはいつ?」
……そう、あれは二年前の六月のことだ。
女子『ねぇ、ちょっと暑くない?』
俺『ていうか、蒸し暑いよね。』
女子『え?あ、うん。』
まぁ、俺に話しかけられてたわけじゃないんだけどね。俺の黒歴史の一つである。
「持つ者が持たざる者に救いの手を差し伸べる。これを奉仕というの。ホームレスには炊き出しを、もてない男子には女子との会話を。困っている人に救いの手を差し伸べる。それがこの部活よ。」
「ようこそ奉仕部へ。」
ふむ、つまりはスケット団みたいなものか。
「優れた人間には、哀れな人間をすくう義務がある。あなたの問題を強制してあげるわ。感謝なさい。」
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- 5 : 2013/12/08(日) 09:06:31 :
- 憐れむべき人間……か。そんなふうに思っている奴には、誰も救うことなんかできねぇよ。」
「へぇ……口だけは立派ね。」
「つーかお前俺とあってから十分もたってねぇだろうが。俺が口だけかどうかなんてわからないんじゃねぇの?」
「……やはり、あなたの孤独体質はそのひねくれた考え方が原因のようね。それに、目も腐っている。」
こいつも俺の眼のこと言うんだ……。なに?俺の眼が腐ってるっていうのは人類の共通認識なの?
「目のことはいいだろ。」
「そうね、今さら言ってもどうしようもないものね。」
「そろそろ俺の両親に謝れよ。」
「確かにそうね。いちばん傷付いているのはご両親よね。」
「もういい、お前には罪を認めるということができないんだな。なら、これ以上話すことはない。」
「そうね、ある程度の会話シュミレーションは終了ね。私のような美少女と会話ができたのだから、大抵の人とは会話できるはずよ。」
雪ノ下は満足そうな表情を浮かべている。
「はいはいそれはどうも。」
「納得していないようね……。」
突如、がらりとドアが開けられる。
「雪ノ下、苦戦しているようだね。」
「この男がなかなか自分の問題を認めないんです。」
問題ね……。
「いい加減にしろよ、あんたら。さっきから変革だの問題だのと好き勝手に言いやがって。俺はそんなもの求めてない。あんたらの自己満足のために俺を巻き込むな。」
はたから見ればあなたの人間性には大きな問題があると思うわ。そんな自分を変えたいと思わない?向上心が皆無なの?」
「少なくとも、お前らよりはまともな人間だと思ってるよ。変わるだの変われだの、他人に俺の『自分』を語られ宅たくねぇンだよ。つーか、人に変われと言われた程度で変わるなら、そんなもんは『自分』じゃねぇ。」
「自分を客観視できないだけでしょう?」
「あなたのそれは、ただの逃げよ。」
「変わることだって、現状からの逃げだ。」
「それじゃぁ悩みは解決しないし、誰も救われないじゃない。」
「ああ、その通りだ。お前にはだれかを救うことなんてできない。」
俺と雪ノ下は激しく睨みあう。
「二人とも、落ち着け。」
険悪な状態の俺達を、平塚先生が止める。
「それではこうしよう。今から君たちのもとに悩める子羊たちを送り込む。彼らを君たちなりに救ってみたまえ。そして自分の正しさを証明するといい。スタンドアップ!ザ!ヴァンガードっ!!」
「お断りです。それと先生、年甲斐もなくはしゃぐのはやめてください。見ていて気分が悪いので。」
「と、とにかくっ!勝負しろったら勝負しろっ!お前らに拒否権はないっっ!」
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- 6 : 2013/12/08(日) 09:07:14 :
- 俺達は表情を曇らせる。こんなとこだけは息ぴったりである。
「むぅ……なら君たちにメリットを用意しよう。勝った方がなんでも命令できる、というのはどうだ?」
なんでも……か。
「この男が相手だと貞操の危険を感じるのでお断りします。」
「貞操、ね。そんなもんじゃないさ。俺が勝ったらお前には、死んでもらう。」
「へぇ、おもしろいわね。いいわ、その勝負、受けてあげる。」
「決まりだな。」
はっ!しまった!いつの間にか乗せられてた!ちくしょーっ!
「勝負の裁定は私が下す。まぁ、適当に頑張りたまえ。」
そう言って、平塚先生は部室を去った。残された俺達は、それ行こう一切口を利かずに、読書をして、チャイムが鳴ると帰路に就いた。
ああ、面倒臭いことになっちまった。
予告
次回、ついにライダーベルトが登場しますっ!八幡と雪乃はどんなライダーになるのか!乞うご期待!
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- 7 : 2016/11/26(土) 19:08:16 :
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