このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
エレン「シャドーモセス事件」 ③ 進撃×MGS
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- 1 : 2016/03/10(木) 00:58:11 :
- 進撃×MGSのコラボ、パート3となります。
よろしくお願いいたします<m(__)m>
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- 2 : 2016/03/10(木) 01:10:50 :
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アルミンと別れた後、俺はミカサを探すためにエレベーターに乗り、核弾頭保存棟の地下一階へと降りた。
そして・・・・・・・・・・・・
「大佐、聞いてくれ! ミカサがここに入っていくのを見たぞ!」
『!! 何処だ?』
「女子トイレ。」
敵兵士に変装したミカサ――――――だが俺には、その歩き方で、そのお尻のおかげで彼女だと分かった。
この俺が間違えるはずがない。
ミカサを追って、俺は女子トイレへと潜入した。
『何やってるのッ! そこは女子トイレでしょッ!!』
「ミーナ、大声出すなよ、耳に響く。それに、ミカサがここに入っていくのを見たんだ。」
『だったら尚更入っちゃダメじゃない! ヘンタイッ!』
キーキーと声を荒げるミーナ。
だがそれくらいで、俺が潜入を諦めるはずがない。
「だが妙なんだ、大佐。」
『妙?』
「中に入ったんだが、ミカサの姿がどこにも見えないんだ。」
『仕方ない。一部屋ずつ探すより策は無いな。』
「了解だ。一つずつ探してみる。」
『大佐まで・・・・・・・・・・・・男ってホント信じられないッ!!』
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- 3 : 2016/03/10(木) 03:01:28 :
さて、そんなこんなで俺は女子トイレを隅から隅まで探し始めた。
すると、一番奥の部屋に、脱ぎ捨てられた服があった。
「これは・・・・・・・・・・・・敵の制服か?」
恐らくミカサが看守から奪った服に――――――――「動くな。」
「!!」
「全く、二度も後ろを取られるなんて、伝説の男が聞いてあきれる。」
後ろを振り返ると、そこには間違いなくミカサがいた。
人を慈しむような目に、つややかな黒い髪・・・・・・・・・・・・間違いない。
ミカサは黒いタングトップ姿で、俺に銃を向けていた。
「よう、ミカサ・・・・・・・・・・・・お前、男に成りきるには無理があったな。」
「どういう意味? ここは男子禁制。あなたが入ってくるのは良くない。」
「ふん、お前が随分と女らしいってことだよ。」
「トイレで口説かれても嬉しくない。」
「その減らず口・・・・・・・・・・・・間違いなくお前だな。」
エレンはにやけてそう言うと、「怪我はないか?」とミカサを気遣う。
エレンの不器用な気遣いを感じ取り、ミカサは少し微笑むと、柔らかい口調で答え始めた。
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- 4 : 2016/03/10(木) 03:06:21 :
「今のところ。私、ゲノム兵に変装してたから。」
「今も着てる方が安全だぞ?」
「私・・・・・・・・・・・・もう自分を偽るのやめた。それに、服から血の匂いがして・・・・・・。」
と、ここでミカサの左肩に、何かタトゥーが入っていることにエレンは気が付いた。
昔、俺がトレードマークとして使っていた狐 のタトゥー。
「そのタトゥーは?」
「これ? ただのペイント・タトゥー。」
「昔のFOXHOUNDのタトゥーだろ? 俺も昔使ってたエンブレムだ。」
「私・・・・・・・・・・・・エレンやあのチビがいた頃のFOXHOUNDが好きだった――――――――英雄たちがいた頃のFOXHOUNDが。」
すると、エレンの顔が急激に、何か悲しみのようなもので曇った。
「戦場に英雄はいないぞ、ミカサ。俺の知ってる英雄はみんな死んだか刑務所に入っているかのどちらかだ。」
「でもエレン、あなたは英雄、違う?」
「俺は、戦場でしか価値を見出せない男だ。傭兵には勝敗なんか意味がないからな。戦争で勝利を収めるのはいつも民衆だ。」
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- 5 : 2016/03/10(木) 03:33:13 :
その言い方の中に、言葉に出来ない切実な何かを私は感じ取った。
それが何なのか、私にはよく分からなかった。
「分からない・・・・・・エレン、あなたは人のために戦っているのに。」
「俺は・・・・・・・・・・・・人のために戦ったことはない。」
「えっ?」
「俺に未来はない。過去もな・・・・・・・・・・・・あるのは今この瞬間。俺が生きてるって実感するのは、死線をくぐってる時だけだ。」
私が盲目的に慕っていた伝説の英雄の実像は、戦いでしか自分の生きがいを見つけられない男だった。
過去もなく、未来もない。したがって、彼の中には何もない。
戦うためだけに、エレンはここに存在している。
でも、私にはそれだけだとはどうしても思えなかった。
さっき見せてくれた不器用な気遣い――――――――その優しさが心に引っかかった。
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- 6 : 2016/03/10(木) 03:34:10 :
「人の死によって、生きがいを感じてるの? 戦争を愛して止まない――――――歴戦の兵士ってそういうものなの?」
ミカサの黒い瞳が、悲しみに沈んでいくのが分かった。
俺は答えられなかった。
頭の中がモヤモヤして、俺も今すぐは答えに辿り着けそうにない。
俺は、話題を変えることにした。
「ミカサ、何より無事でよかった。」
「一つ聞きたい・・・・・・・・・・・・どうして私の変装が分かった?」
「一度逢った女は忘れないさ。それに、お前のその尻で・・・・・・・・・・・・あっ。」
「流石は伝説の英雄・・・・・・・・・・・・最初は目で、今度はお尻、次はどこ?」
皮肉ったような口調で迫ってくるミカサ。
少し気まずくなった俺は、むしろ真面目に答えることにした。
「戦場では次を当てにしないほうがいい。」
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- 7 : 2016/03/10(木) 03:40:10 :
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__________さて、今の俺たちの状況を整理しよう。
大佐の話では、国防総省 との交渉は進展がないらしい。
つまり、あのテロリストどもの核発射を俺たちが食い止めるしかないということだ。
その方法は二つ。
①PALキーを使い、起爆コードを解除する。
②メタルギアREXを直接破壊する。
出来れば②の方法は取りたくない。
そりゃそうだ。俺は今まで2回もメタルギアと直接やりあったことがあるが、どれも楽じゃなかったからだ。
それに、何より、ミカサはPALキーを持っている。
「ミカサ、俺にPALキーを渡してくれ。」
「分かった。」
ミカサはそう言うと、胸の谷間に手を突っ込んだ。
おお、そこに隠していましたか。
「これがPALキーだ。」
差し出されたのは、一枚のカードキーだった。
「んっ? 一枚だけか!? 確かセーフティは3つあると。」
「でも、渡されたのは一枚だけ。もしかするとほかに二枚あるのかもしれない。」
「・・・・・・・・・・・・はぁ。」
①の方法の可能性が遠のくのを感じた。
思わず俺はため息をついて、独り言を呟いた。
「やっぱり、破壊するしかないか・・・・・・・・・・・・。」
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- 8 : 2016/03/10(木) 16:36:05 :
- 期待!
ぐへへ、ミカサのお尻ぐへへ(自重できません
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- 9 : 2016/03/10(木) 19:34:12 :
- 初めてMGS作品を作りました!
似てたらすみません!
頑張ってください!
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- 10 : 2016/03/10(木) 19:40:56 :
- 私も自重出来ませんw
頑張ります( ̄^ ̄)ゞ
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- 11 : 2016/03/10(木) 19:55:33 :
- お帰りでーす
毎度ウザいと思いますが頑張ってください!MGS5TPP誕生日に買う予定です!
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- 12 : 2016/03/11(金) 01:26:59 :
- >>11
おお、是非とも遊び尽くしてみてくださいね(*^^*)
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- 13 : 2016/03/11(金) 01:27:13 :
「・・・・・・・・・・・・エレン、私、やっぱりあなたの力になりたい。」
「足手まといだ。お前は実戦経験が少ない。」
「足手まといにはならない。」
「もしそうなったら?」
「・・・・・・・・・・・・自分の始末は、自分でつける。」
そう言うとミカサは、洗面台の鏡の前に立った。
鏡の奥に、もう一人のミカサが、まるでこちらを覗き込んでくるかのように映っている。
「私、普通の女の子のように化粧なんてしない。ので、鏡に向かう習慣もない。そう言う女になるの、嫌いだった。」
自分と向き合い、鏡の向こうの自分と対話をするように、ミカサは呟いた。
「軍人になるのは夢だった。でも違った―――――――私の父は、小さいときに戦争で死んだ。軍人になれば父が分かると思った。」
「それで軍人にか?」
「今日までそう思ってた。でもほんとは・・・・・・自分を見るのが恐かった。自分で行き方を決めるのが怖かった―――――もう自分を偽りたくない。自分を見つめる勇気を持ちたい。私が何者であるか、何ができるか。私が生きてきた人生が、何だったのか・・・・・・。」
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- 14 : 2016/03/11(金) 01:29:46 :
「・・・・・・よく見ておけよ、ミカサ。しばらくは鏡は見られなくなるぞ。顔も洗えなくなる。」
ややあって、エレンは厳しい声でミカサに呟き始めた。
「これは訓練じゃない・・・・・・生死をかけた戦いだ。英雄もヒロインもいない―――――――負けりゃただの犬死だ。」
「・・・・・・・・・・・・分かってる。」
そう言うとミカサは、呼応するように50口径デザート・イーグルを構えた。
「50口径か・・・・・・・・・・・・お前には少しでかいんじゃないか?」
「心配いらない。この銃なら8歳から使っている。ブラジャーより付き合いが長い。」
そう言ってミカサはエレンに微笑むと、北にあるというメタルギアの地下整備基地までのルートを示し始めた。
「地下整備基地は通信棟の北にある。北に行くにはこのフロアの所長室を抜けなくてはいけない。地上のルートは氷河で塞がれている。所長室のセキュリティ・レベルは5、この鍵で開く。偶然兵士の服に入っていた。」
「見かけによらず、結構重要なところを守ってたんだな、あの坊主頭の兵士は・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・行こう、エレン。私がポイントマンになる。」
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- 15 : 2016/03/11(金) 01:33:29 :
- 期待です!
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- 16 : 2016/03/11(金) 01:37:21 :
- >>15
期待ありがとうございます!
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- 17 : 2016/03/11(金) 02:21:16 :
準備を整え、まずミカサが女子トイレを飛び出す。
銃を構えて周囲を警戒するミカサ―――――――その後をエレンがついて行く。
外を覗いたミカサが、ぼそりと呟いた。
「・・・・・・・・・・・・変だ。敵兵の姿が、見当たらない―――――さっきまで廊下をうろついていたのに。」
すると、エレンの耳に、何か・・・・・・・・・・・・音楽のようなものが聞こえてきた。
「ミカサ・・・・・・・・・・・・なにか、音楽のようなものが聞こえてこないか?」
「音楽? 私には聞こえない。」
何か・・・・・・・・・・・・地の底から湧いてくるような、不気味なコーラスを伴った――――――「ぐっ!?」
「おあああぁあぁぁああぁぁぁあぁああぁあぁああぁぁぁあぁぁぁッ!!」
突如、エレンは頭を抱え、張り裂けそうな絶叫と共に床へと座り込んだ。
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- 18 : 2016/03/11(金) 02:22:51 :
「!? エ、エレン!?」
「あ、あた、マが・・・・・・アアァアッ、あ、頭がああぁあぁあぁッ!! あああアあぁあぁぁアあアァぁアァああぁァああぁアアぁああぁぁァァァッ!!」
膝をつき、しばらく床についた頭を抱え込むエレン。
ややあってエレンは、何事もなかったかのように、すっと立ち上がった。
「え、エレン?」
「・・・・・・・・・・・・大丈夫だ、何でもない。行くぞ、ミカサ。」
本当に何事もなかったかのようで、却ってミカサには不気味に感じられた。
そう思っている間にも、エレンは先へと歩いていき、所長室の中へと入っていった。
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- 19 : 2016/03/11(金) 06:11:02 :
所長室の中には誰もいなかった。
大きな机、
座り心地がよさそうなソファー、
ガスマスクを被せられた胸像が二つ、
それに、割れた全身鏡・・・・・・・・・・・・
「エレン・・・・・・・・・・・・ここ、何かがおかしい。」
「ん?」
不思議そうな声を上げ、エレンが振り返る。
「どこが不思議だっていうんだ? 何処もおかしなところはないだろ?」
「!!」
その瞬間、私はハッと息をのんだ。
エレンは・・・・・・・・・・・・私に対して、銃を向けてきた。
「こ、これは・・・・・・!?」
「言っただろ、俺に・・・・・・・・・・・・未来はない、過去もないって。だから、俺に生きる実感をくれよ。」
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- 20 : 2016/03/11(金) 06:11:32 :
部屋の中に響く一発の銃声。
静かに弾倉がカランという音を立て、コロコロと転がる・・・・・・。
ポタッ
ポタタッ
鮮血が飛び散り、右頬をつぅっと伝っていく。
放たれた銃弾は、ひどい手ぶれのせいで、ミカサの右頬を掠めて後ろの扉へと当たった。
「エレン・・・・・・・・・・・・どうして?」
「どうして? 言っただろ・・・・・・・・・・・・俺が生きがいを感じるのは、死線をくぐって――――「どうして私を撃てなかったの?」
「!!」
その時のエレンの顔を、私は忘れない。
まるで、この世のすべての悲しみを背負ってしまったような、悲痛で、苦痛に満ちた表情をしていた。
「何言ってんだ・・・・・・・・・・・・俺が、撃てなかった? 実の父親さえ殺したこの俺が!?」
「!!」
エレンが心の中に抱えるもの。
底いなき深淵のような暗闇を、私は垣間見た気がした。
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- 21 : 2016/03/11(金) 06:12:46 :
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これは、あのチビ から聞いた話だ。
エレンはアウターヘブン、ザンジバーランドで、二度にわたってビッグボスと戦った。
二度目の決闘の際、エレンは衝撃的な事実を告げられたのだという。
__________ビッグボスは、エレンの父親。
結局、親子は分かり合うことができず、エレンは自らの手で、父親を殺害した・・・・・・。
この時、エレンの人生から、未来が消えた。
同時に、これまでの過去も、エレンは失くしてしまった。
ザンジバーランドの後、エレンは人から遠ざかり、拉致同然の手段でここに呼び戻されるまで、酷寒のアラスカに隠遁していた。
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- 22 : 2016/03/11(金) 06:13:55 :
「エレン・・・・・・・・・・・・大丈夫。」
そっとミカサは近づき、銃を握っているエレンの震える手を、優しく包み込む。
「・・・・・・・・・・・・何の真似だ? 俺はお前を殺そうとしてるんだぞ?」
「あなたに私は撃てない。」
「ぐっ、止めろ、止めろおおぉおぉぉおぉぉぉぉッ!!」
エレンは乱暴にミカサの手を振り払うと、すぐに銃を構えた。
背後に向けて。
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- 23 : 2016/03/11(金) 06:16:23 :
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「姿を、現せ・・・・・・。」
息を取り乱し、エレンが唸るように言うと、何処からともなくシュコー、シュコーという呼吸音。
それに続いて人の声が聞こえてきた。
「やるじゃないか・・・・・・・・・・・・洗脳ソングによる俺の洗脳を解くなんてな。」
「姿を現せッ!!」
エレンが怒鳴ると、ヒュンという音と共に、ガスマスクを身に付け、宙を浮く男。
その強力な超能力と猟奇的な性格から蟷螂 の異名をとる男。
FOXHOUND部隊の一人―――――――ナイル・ドークが姿を現した。
「!! お前、あの時の・・・・・・。」
「そうだ。俺がFOXHOUND部隊のサイコ・ソルジャー、ナイル・ドークだ。」
「随分と、ふざけた真似を、してくれたな・・・・・・・・・・・・だが、分かってしまえば、手品の種というのは、幼稚なもんだ。」
「私は、あなたを・・・・・・・・・・・・許さない。」
エレンとミカサが、共に銃を構える。
対して、ナイルはガスマスクの中で怪訝な表情をした。
「貴様ら、俺の能力を信じていないな? いいだろう、世界最高の読心 能力と念力 ・・・・・・今から貴様らに見せてやる。」
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- 24 : 2016/03/11(金) 14:33:04 :
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「!! くるぞ、ミカサッ!」
「分かってる!」
強力な超能力をもつサイコ・ソルジャー――――――――ナイルは早速、その力を発揮した。
「ブラックアウトッ!!」
ピーーーー・・・・・・・・・・・・
┏━━━━━━━━━━━━┓
┃ ヒデオ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┗━━━━━━━━━━━━┛
次の瞬間、目の前のテレビが暗転 し、画面右上に“ビデオ”ならぬ“ヒデオ”という文字が表示された。
「なんだこれ!?」
「エレン、何も見えない。」
「お、やっと点いたぞ?」
漸くテレビが映った頃には、ナイルは二人の目の前から姿を消していた。
「だぁ~はっはっはっ!!」
ナイルの高笑いの声だけが部屋の中に響き渡る。
プレイヤーをも巻き込んだ、完全なるただの目くらまし―――――――それがブラックアウトである。
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- 25 : 2016/03/11(金) 16:15:42 :
- こんにちわ
今日は悪魔の日3.11ですなぁ
黙とうを今日は学校でささげました
頑張って下さい!上のは気にしなくていいです!
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- 26 : 2016/03/12(土) 04:01:07 :
- >>25
頑張ります(`・ω・´)ゞ
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- 27 : 2016/03/12(土) 04:01:35 :
「くそ、舐めた技使いやがって!!」
「油断しない。」
思わずエレンが毒づき、ミカサが窘める。
すると、部屋中においてあったソファーやランプ、肖像画や胸像が宙を浮き始めた。
「どこを見ている? 俺はここだ!」
「!!」
背後に出現したナイルに向けて、反射的に振り却って銃弾を放つエレン。
その銃弾は、しかし、ソファーに全て防がれ、そして・・・・・・・・・・・・
ドゴッ!
「うぐっ!」
飛んできた胸像がエレンのみぞおちに直撃した。
メリメリと、めり込むような音を立て、エレンは仰向けに吹き飛ばされた。
「!! エレン!!」
「大したものだな、女・・・・・・・・・・・・この期に及んで他人の心配か!?」
吹き飛ばされたエレンを心配するミカサへ向かい、壁にかけられていた肖像画が飛んでくる。
間一髪しゃがんで躱すミカサ、とそこへ大きな壺が飛んできて。
ドゴッ!
「うッ!!」
壺が頭に直撃し、ミカサは仰向けに倒れ、そのまま気を失ってしまった。
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- 28 : 2016/03/12(土) 04:02:09 :
「おっと。」
刹那、ナイルは自分の体の目の前にソファーを持ってきた。
ソファーに弾丸が撃ちこまれ、ナイルは完璧なタイミングで銃弾を防ぎぎった。
「油断も隙もない男だ、エレン・イェーガー・・・・・・だが言ったはずだ。俺は人の心が読めるとな。」
『エレン、聞こえるか!?』
「!! 大佐。」
『厄介な奴だな・・・・・・・・・・・・テメエの心を読み切って、先読みして行動するとは。』
「ああ、だが俺の見たところ、超能力を除けば、身体能力が特別優れてるって訳でもなさそうだ。」
『何か種があるはずだ。お前の心を読む、何か特別な方法がな。』
ナイルは常に、エレンの行動を先読みして攻撃を加えてきていた。
銃を構えて撃とうとすれば、必ず何かしらの物を目の前に持ってきて銃弾を防いでくる。
かといって、その場を逃れようとすると、必ず物を投げ飛ばし、或はステルス迷彩を駆使してあたかも瞬間移動をするかの如く、突然目の前に現れたりしてくる。
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- 29 : 2016/03/12(土) 04:03:02 :
幸か不幸か、エレンに対して致命傷になるような攻撃をナイルは繰り出しては来なかった。
だが、このままでは・・・・・・・・・・・・
(くそ、ジリ貧だ・・・・・・・・・・・・。)
正体の分からないナイルの能力に対し、エレンは苦戦を強いられていた。
「俺の力が分かっただろう? これは種も仕掛けもない―――――――正真正銘の力だ!」
認めざるを得なかった。
幽霊とかオカルトとか、そんな類は一切信じちゃいなかったが、目の前にあるのは確かに超能力で、自分の目にしたものを疑うわけにもいかない。
『しっかりしろ、エレンッ!!』
「マスター・・・・・・・・・・・・全く嫌になりますね、今まで信じて無かったものに圧倒されるなんて。」
『今目の前に起こっていることを冷静に対処しろ。バグか、などと疑わずにな。』
全く、それが出来たら人間どんな状況にだって柔軟な対応が出来てるよ。
心の中でほぞをかみながら、エレンはナイルに銃を向ける。
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- 30 : 2016/03/12(土) 04:04:03 :
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ナイルは姿を消し、突如思いもがけないところから現れる。
部屋中のものを浮かしては、攻防を自在に使い分け、エレンの銃撃を防ぎつつ攻め立ててくる。
『・・・・・・・・・・・・分かったぞ、エレン。』
「!! なんだ、大佐?」
『あいつは・・・・・・・・・・・・お前の心、いや、お前のコントローラ操作を読み切って、それから行動しているに違いない。』
「はあ!? こんな時に何言って――――――『いいから、お前のコントローラを、コントローラ端子2につなぎ替えろ!』
さっきっからブラックアウトとかバグを疑うなとかコントローラ端子だとかメタ発言が多すぎる。
そう思いながらもエレンはコントローラをコントローラ端子2へとつなぎ替えた。
その瞬間、ナイルが動揺し始めた。
「!? 馬鹿な・・・・・・男の心が読めん!?」
体を余り鍛えていないナイルは、状況の不利をすぐに悟った。
すぐに姿を消したナイルは、次の瞬間には、気を失って倒れているミカサの側へと現れた。
そして、ナイルは卑怯なやり方でエレンを攻め立ててきた。
「確かに貴様は大した男だ。だが、貴様の弱点は分かっている。さあミカサ。この男の前で、自らの頭をぶち抜くのだ!」
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- 31 : 2016/03/12(土) 16:23:14 :
気絶して無防備になっているミカサに、ナイルは暗示をかけ始める。
すっとミカサが立ち上がり、右手に握った銃を頭のこめかみに向け始めた。
『ぐっ、あの野郎、ミカサを操り、楯にッ!』
リヴァイが思わず激昂し、歯をギリリと噛みしめる。
そんな中、エレンはそっと、グレネードのピンを抜いた。
バァンッ!
その瞬間、目も眩むような閃光と、耳をつんざくような音が部屋の中に広がった。
「なっ!?」
思わずナイルも顔を覆い、閃光を防ぐ。
閃光と爆音をもろに浴びたミカサは再び気を失い、そのまま床へと倒れ込む。
__________至近距離でエレンが投げたのは、スタングレネード。
閃光に目をやられ、耳がキーンとする。
ほとんど自爆に近いやり方の中、エレンはナイルへと銃を向け、そして・・・・・・・・・・・・
放たれた数発の銃弾は、ナイルの腹部へと命中した。
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- 32 : 2016/03/12(土) 16:38:15 :
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「大佐・・・・・・ミカサは、何とか無事だ。」
『・・・・・・・・・・・・すまない、世話をかけた。』
エレンの報告に、リヴァイは無線機の向こうでホッと胸を撫で下ろした。
__________ミカサには、とある出生の秘密があった。
戸籍上はリヴァイの弟の子供であったミカサだが、実のところ、弟の嫁と関係した末に生まれた子供。
それだけに、戸籍上は姪、本当のところは実の娘であるミカサを、リヴァイは深く愛していた。
すると、ペトラが通信に割って入ってきた。
『どうしてミカサを助けたの?』
「俺は・・・・・・目の前で女が血を流すのを見たくない。」
『分からないわ・・・・・・あなたは人の死なんて気にも留めない筈じゃ。』
『ぺトラ・・・・・・確かにエレンは人の死に多くかかわってきた。だが、殺人鬼じゃねえ。』
「人殺しには違いないだろ・・・・・・。」
再びペトラは沈黙し、エレンは通信を切った。
ややあって、エレンはミカサの側によって、そっと声をかけた。
「立てるか、ミカサ?」
「大丈夫・・・・・・・・・・・・ごめん、私、また足手まといに。」
「いや、お前がいなかったら俺は死んでた・・・・・・・・・・・・お互いさまだ。」
意識を取り戻したミカサはゆっくりと立ちあがり、二人は仰向けに倒れて血を流しているナイルの側へと歩み寄った。
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- 33 : 2016/03/12(土) 17:16:09 :
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「そうか・・・・・・もう一つの、コントローラ端子とは・・・・・・・・・・・・俺には、予知能力はなかった・・・・・・。」
死にかけたナイルは、ガスマスクの中で息も絶え絶えになりながら、二人に話しかけてきた。
「そんなもんいらねえよ。未来を変えていく勇気さえあれば十分だ。」
「ふん、なら・・・・・・・・・・・・その未来とやらを、お前たちに見せてやろう。」
すると、二人の頭の中に、映像が流れ込んできた。
「ここから北へ、行くための地上ルートは、氷河で埋まってしまっている。この部屋の、右奥にある本棚の裏に、隠し扉がある。
そこから廊下に出て、通信棟へと繋がっている。その棟にある渡り廊下を使うんだ・・・・・・・・・・・・通信棟を、超えていけ。」
「今更になって、なぜ急にそんなことを?」
エレンはそう言いながら、ナイルのガスマスクを外した。
ガスマスクの中からは、額と右頬につぎはぎをしたような傷のある、ナイルの素顔が現れた。
ミカサがその傷の酷さに息をのむ中、ナイルは振り絞るように話を続けた。
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- 34 : 2016/03/12(土) 17:18:57 :
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「俺は・・・・・・人の心が読める。今まで何千人もの心の中にダイブして、その心のうちを覗いてきた。
どいつの頭の中にも、欲望という名の夢、種の保存という利己的な思想が詰まっていた・・・・・・・・・・・・反吐が出るくらいに。
地球上のあらゆる生命は、子孫を引き継ぐために生きる。
その方程式がゆえに争う。
人は、他人を幸福にするようには創られていない。
生まれ落ちた時から、人を不幸にするように運命づけられている。
だが、エレン・・・・・・お前は違う。むしろ、俺たちと同じだ。
過去も未来もない。今この瞬間を生きる・・・・・・ただそれだけの存在だ。」
「初めてダイブした相手は、実の父親だった。
親父の頭の中には、俺に対する殺意しかなかった。
俺の出産が原因で、母親は命を落としたと・・・・・・。
その時、俺の未来は消えた。同時に、過去もなくした。
気が付いた時、村は炎に包まれていた。」
「お前、過去を清算するために、村を焼き払ったのか・・・・・・。」
「くく、お前の中にも、同じトラウマがあるな?」
__________確かに、ナイルの言う通りだ。
ナイルが村を焼き払ったのと同様に、俺は即席の火炎放射器で父親 を焼き払った。
その時のことは、今でも忘れることはできない、トラウマだ。
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- 35 : 2016/03/12(土) 17:25:13 :
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「お前は、俺と同じだ・・・・・・俺は、そんな貴様に、賭けてみたくなった。
俺は、ボスの蹶起に賛同している訳ではない。
奴の目的にも、理想とやらにも興味はない。
ただ、殺戮に至る正当な理由が欲しかっただけだ。」
「何て奴。」
「言わせておけ、ミカサ。こいつはもうすぐ死ぬ。」
「俺は、本当の悪魔を見た。
だが、エレン・・・・・・・・・・・・貴様を見ると、落ち着く。
貴様はボスと同じ、いや、それ以上だよ。俺はまだまともだ。」
するとナイルは、今度はミカサの姿を見た。
ナイルは力を使い、ミカサの中へと入り込んだ。
「その女の、心を読んだ。
女の心に、お前がいた―――――――お前が、心の中で、大きな存在となりつつある。
これが、お前たちの未来かどうかは分からんがな。」
ナイルはふっと微笑み、それから再びエレンに目線を戻した。
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- 36 : 2016/03/12(土) 17:26:59 :
「・・・・・・・・・・・・頼みがある。」
「なんだ?」
「マスクを・・・・・・被せてくれ。このままでは人の思念が入ってくる。最後くらいは、自分でいたい。俺だけの世界にこもりたい。」
「・・・・・・・・・・・・分かった。」
エレンはそっと、ナイルの顔に再びガスマスクを被せる。
シュコー、シュコーという音と共に、ナイルは安心したようにため息をついた。
「そこの扉を開けてやろう。未来が知りたければ、扉をくぐればいい。」
最後の力を使い、ナイルは本棚を動かして、後ろにある隠し扉を開いた。
「力を、誰かのために使ったのは、これが、初めてだ・・・・・・・・・・・・
妙だ・・・・・・何故だか、懐かしい・・・・・・感覚が・・・・・・・・・・・・する・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
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- 37 : 2016/03/12(土) 17:58:48 :
エレンは、静かに、ナイルの亡骸の側から立ち上がった。
「行くか・・・・・・ミカサ。」
「ごめんなさい・・・・・・エレン。」
「後悔するなら置いていくぞ? 後悔は人をネガティブにする―――――後悔よりも反省することだ。」
「分かった、もう迷惑はかけない。」
エレンはそのまま、隠し扉に向かって歩き始めた。
「待って、エレン・・・・・・。」
「なんだよ?」
ミカサに対して背を向けたまま、エレンは答える。
エレンの態度は、やはり、素っ気なかった。
「あなたの・・・・・・ホントの名前、教えて?」
「戦場には名前なんて意味はないぞ。」
「歳は?」
「お前よりは死人を多く見てきてる。」
「家族は?」
「育ての親ならいくらでもいる。」
「・・・・・・・・・・・・好きな人は?」
暫くの間、沈黙が二人を包む。
ややあって、エレンはやはり背を向けたまま答えた。
「他人の人生に興味を持ったことはない。他人の人生に深入りすれば、自分を守れなくなるからな・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・悲しい人。ナイルの言う通り、あなたには何もない。」
「・・・・・・・・・・・・行くぞ。」
エレンはそう言って、隠し扉をくぐっていった。
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- 38 : 2016/03/12(土) 18:17:17 :
- なんかシャドーモセスっていうとき
シャドー・・・モセスって読むのは病気でしょうか(´・ω・`)
頑張ってください!(`・ω・´)ゞ
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- 39 : 2016/03/12(土) 19:24:54 :
- >>38
MGS4でスネークがそうやって溜めてから言う場面がありましたよね。
頑張ります(`・ω・´)ゞ
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- 40 : 2016/03/12(土) 19:25:11 :
薄暗い廊下を進んでいくエレンとミカサ。
やがて二人は扉をくぐり、外へと出た。
目の前には巨大な通路があり、その先には通信棟が見える――――――通信棟はA棟とB棟の二つからなり、屋上と中腹を渡り廊下で結んでいた。
http://vignette1.wikia.nocookie.net/metalgear/images/2/2f/Comm_tower.png/revision/latest?cb=20110815013409
「これが、通信棟。」
「はぁ、これを敵に見つからずに登るのは、中々骨が折れそうだな。」
遥か上まで聳え立つ通信棟を見上げ、ため息をつくエレン。
ミカサはここでくすっと笑い、エレンを見つめた。
「ん? 何がおかしいんだ?」
「あなたはさっき言った・・・・・・・・・・・・後悔は人をネガティブにする。」
「別に後悔はしていない。登るぞ。これしか道がないんだからな。」
少し拗ねたように言うエレン。
ミカサはふっと微笑み、二人は通信棟を目指して歩き始め――――――――・・・・・・・・・・・・
突然、銃声が響き、ミカサの右太ももから鮮血が飛び散った。
-
- 41 : 2016/03/12(土) 19:25:58 :
「あ゛ッ!!」
「!! ミカサッ!!」
咄嗟に、エレンは通路の脇に身を隠す。
その間にもミカサは左太ももを撃たれ、血の中に沈んだ。
と同時に、ミカサの目の前にデザート・イーグルが音を立てて落ちた。
__________エレンに、迷惑をかけられない。
ミカサは右手を伸ばし、自分で始末をつけようとする。
だが・・・・・・・・・・・・
バァンッ!
銃声が響くと同時に、ミカサの右腕に銃弾が撃ち込まれ、ミカサは悲鳴を上げた。
「ミカサッ!!」
「来ちゃ・・・・・・ダメッ! 私でも、分かる・・・・・・・・・・・・これは、罠ッ!!」
そんなことは分かっている。
狙撃手がとる古典的な罠――――――――わざと急所を外し、救助しようと出てきたところを狙撃する。
つまり、ターゲットは・・・・・・・・・・・・この俺だ。
-
- 42 : 2016/03/12(土) 19:26:38 :
-
「エレン・・・・・・私を、撃って。自分で、始末を、つけられない。」
「ダメだ、俺には撃てない!」
息も絶え絶えになりながら、ミカサは必死に言葉を押し出した。
「ごめんなさい・・・・・・私、足を引っ張ってばっかり・・・・・・。
エレン、私・・・・・・・・・・・・分かったことがある。
軍人なんかに憧れて、私、馬鹿だった・・・・・・。
戦場じゃ何も生まれない。戦争じゃ何も変わらない。」
「もう喋るな! 体力を消耗しちまうだろッ!!」
感情を揺り動かされて、精一杯叫ぶエレン。
ミカサも、エレンに想いを伝えようと必死になって。
「エレン・・・・・・私の最後の言葉、聞いて。」
「ふざけるな! お前は必ず俺が助ける!!」
「エレン・・・・・・・・・・・・あなたは、生きて。そして、誰かを・・・・・・好きになって・・・・・・。」
涙を流して、ミカサはエレンに、想いを伝えた。
-
- 43 : 2016/03/12(土) 19:28:26 :
-
言葉で想いを伝えて、ミカサは通路の真ん中でぐったりとなった。
とび出すこともままならず、物陰に隠れたまま、エレンは通信に出た。
『エレンッ! 飛び出すな、これは罠だッ!!』
「分かっている、大佐。無理をするな。ミカサは必ず俺が助ける。」
珍しく感情的なリヴァイに対し、エレンは漸く冷静さを取り戻したのか、諭すように声をかけた。
『この正確な狙撃、間違いないわ。狼 の異名をとるFOXHOUND最高の狙撃手――――――――アニ・レオンハートよ。』
『ちっ、敵は恐らく通信棟の二階のベランダにいる―――――――廊下を撃ちおろすことが出来る、絶好のスナイピング・ポイントだ。』
「どうすればいい・・・・・・・・・・・・通信棟までは身を隠せるものがない。銃で対抗しようにもピストルじゃ遠すぎる。」
天才女狙撃手――――――アニ・レオンハートは物陰に隠れるエレンめがけて、威嚇射撃を浴びせてきた。
迂闊に飛び出せば、すぐにでも頭を撃ち抜かれてゲームオーバーになりかねない。
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- 44 : 2016/03/12(土) 19:29:59 :
『アニは何時間でも、何日でも何週間でも姿勢を維持できる。そして、狙った獲物は逃さない。』
「くそ、厄介だな・・・・・・・・・・・・そうだ。」
エレンは通信を切り替え、アルミンに通信を取った。
「アルミン、聞こえるか?」
『うん、どうしたの、エレン?』
「この施設にスナイパーライフルはないか!?」
『えっと、確か武器格納庫の地下二階にPSG-1スナイパーライフルが持ち運ばれたのを見たよ。』
「なっ!? くそ、遠すぎるぞ!」
何とかアニに対抗しようと、エレンはスナイパーライフルを手にいれることにした。
だが、肝心のスナイパーライフルは、武器格納庫―――――――エレンが最初に潜入した建物にしかなかった。
このままでは、傷ついたミカサをみすみす見殺しにすることになる。
-
- 45 : 2016/03/12(土) 19:30:33 :
『エレン・・・・・・・・・・・・ミカサを助けたいの?』
「ああ! 当たり前だろ、ペトラ!」
『エレン・・・・・・・・・・・・あなたの遺伝子には、殺人を助長する遺伝子が含まれているのよ。』
「生憎俺は自分の遺伝子に何が書き込まれてるかは知らない。だが、俺はミカサを助ける――――――俺のためにな。他人のためにじゃない。大佐、安心しろ・・・・・・・・・・・・俺が必ず。」
『・・・・・・・・・・・・頼む、エレン。』
すると、ぐったりとしていたミカサが、きっと俺を睨んで怒鳴った。
「何をしているッ! 早く行ってッ!!」
通信を切って、エレンは走り出した。
__________ミカサ、お前は、必ず俺が助け出す。
必ず・・・・・・・・・・・・。
-
- 46 : 2016/03/12(土) 20:20:19 :
- MGS5 TPPの値段知りたいです(´・ω・`)
てかAMAZO○でPS4版のMGS5がめっちょやすくなってて草
いやぁ、値段を知りたい(´・ω・`)
明日買いに行きます!多分!
てことで頑張ってください!
いつも合間に見てます!
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- 47 : 2016/03/13(日) 10:37:48 :
- 買って現在プレイ中です!
頑張ります!
あ、頑張ってください!
-
- 49 : 2016/03/13(日) 19:04:00 :
__________俺には分からない。
ずっとそうだ・・・・・・。
自分の力を信じても、
信頼に足る仲間の選択を信じても、
結果は誰にも分からなかった・・・・・・・・・・・・。
PSG-1スナイパーライフルを手に取り、俺は再び、通信棟へと通ずる通路へと戻ってきた。
通路の中央には血の池の後こそあったが、ミカサの姿は無くなっていた。
「!!」
通路に足を踏み入れた途端、冷気のように凍てつく殺気。
急いで飛びのくと、足元に銃弾が突き刺さるかのごとく飛んできた。
-
- 50 : 2016/03/13(日) 19:05:32 :
__________あいつは、まだここにいた。
物陰に隠れ、PSG-1を握りしめるエレン。
ギリリと歯を食いしばり、いなくなってしまったミカサの姿を一瞬思い浮かべ。
(あいつだけは、俺が・・・・・・・・・・・・殺す。)
その深緑の瞳の中に、エレンは殺気を滾らせる。
姿勢を低くし、そっと物陰から半身を覗かせ、PSG-1を構えてスコープを覗く。
「!!」
エレンがその時目にしたものは、虎視眈々と獲物を狙う、アニの氷のような目線。
それから、スナイパーライフルの先から放たれる、マズルフラッシュ。
「ぐあっ!」
アニの銃弾が、エレンの右肩に撃ちこまれ、PSG-1が後ろへと弾き飛ばされた。
-
- 51 : 2016/03/13(日) 19:38:39 :
(ぐっ、何て冷静な奴だ・・・・・・。)
再び物陰に潜み、撃たれた右肩を押さえる。
ペトラによって撃ちこまれたナノマシンによってすぐに止血が始めるが、痛みまでは軽減されない。
あの瞬間、アニは眉一つ動かさず、標的を過たずに俺を撃ってきた。
その氷のようなさっきからは、躊躇いは微塵も感じられない。
『エレンッ! しっかりしろッ!!』
「マスター・・・・・・・・・・・・あいつ、強敵ですよ。」
『そんなことは分かっている。だがな、いついかなる時も成功をイメージして行動しろ!』
「はは、ビッグボスの言葉・・・・・・・・・・・・ですね。」
『そうだ。お前なら勝てる。それに、ミカサを救い出すんだろう!?』
「言われるまでもないですよ!」
後ろに弾かれたPSG-1を拾い直し、隙を伺う。
すると突然、まるで氷を直に当てられているような、アニの殺気が消えた。
驚いた俺はスコープを覗くと、ベランダからアニの姿は消えていた。
-
- 52 : 2016/03/13(日) 19:40:24 :
(どうなってる・・・・・・あいつもまさか、ステルス迷彩を!?)
必死にスコープを覗き、エレンは通信棟のベランダに目を凝らした。
・・・・・・・・・・・・いた。
あいつは、柱の陰に隠れて、隙を伺って・・・・・・・・・・・・
「動くなッ!!」
「!!」
気が付くと、エレンは後ろから、ゲノム兵に銃を突きつけられていた。
アニの殺気に当てられ、背後から近付くゲノム兵たちに、気が付かなかったのだ。
(くそ・・・・・・・・・・・・俺としたことが、大失策だ。)
銃を捨てさせられ、両手を頭の上に組まされるエレン。
すると、廊下の先に、あの女がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。
ステルス迷彩など、アニは使っていなかった。
最初はわざと殺気を放ち、それから気配を消し、エレンが罠にかかる瞬間をアニは待っていたのだ。
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- 53 : 2016/03/13(日) 19:41:34 :
獲物を罠に嵌めたアニはエレンに向けて銃を向け、冷たい声で言い放った。
「ここからじゃ外す方が難しいね。馬鹿な男だ、女のためにのこのこ戻ってくるとは。」
「女の暗殺者にしてやられるなんてな。」
「世界一流の暗殺者の65%は女だ。そのことを知っているのかい?」
次の瞬間、アニの口角がわずかに上がった。
こいつ・・・・・・・・・・・・
「選ぶといい・・・・・・・・・・・・今ここで死ぬか。それとも、あの女の死体を確認してから死ぬかをね。」
目も眩むような怒りが、エレンの頭の中を貫き、全身の血がカーッと沸騰した。
怒りのあまりに声が震えるのを何とか抑え、エレンはアニを睨みつけた。
「お前を殺すまで、俺は死ねない。」
「少しは骨がある・・・・・・・・・・・・気に入ったよ。」
銃を降ろし、アニは俺に近づいてきた。
左手を俺の右頬にそっとあて、そして、狼が獲物を引き裂く如く、爪を立てて俺の頬を切り裂いた。
つーっと頬から赤い血が流れるのを見て、アニは微笑んだ。
「お前に印をつけた・・・・・・・・・・・・お前を殺すまで、お前しか見えない。」
そう言い放つアニの氷の瞳は、獲物を狙う獰猛な狼そのもの。
再び凍てつくような殺気を放った後、アニは部下に命じた。
「連れていけ。」
ゴッ!
その瞬間、後頭部に重量のある一撃を喰らったエレンは、その場で卒倒した。
朦朧とする意識の中で垣間見たのは、引きずられて、遠ざかっていく通信棟の姿だった・・・・・・・・・・・・
-
- 54 : 2016/03/13(日) 19:47:54 :
- 以上で、③は終了になります。
いつの間にか多くのお気に入りを頂けて、感謝、感謝です(∩´∀`)∩
本当にありがとうございます<m(__)m>
次回も、よろしくお願いいたします!
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進撃×MGS ~シャドーモセス事件~ シリーズ
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