このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品はオリジナルキャラクターを含みます。
《銀のエルフと冥府の石》⑥
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- 1 : 2016/02/13(土) 13:51:06 :
- 進撃×指輪物語
第6話です!
今回は第1章の最終話となります。
まだまだ発展途上の作品ですが、面白いと思っていただけるよう努力してまいります!
感想などもお待ちしておりますので、気兼ねなく書き込んで下さい!
では、始めます!
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- 2 : 2016/02/13(土) 15:45:43 :
- 期待です!
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- 3 : 2016/02/15(月) 21:41:12 :
アルミン「はぁ、はぁ…」
ミカサ「アルミン、大丈夫?苦しいのなら私がかわりに荷物を持とう。」
アルミン「だ、大丈夫だよこれくらい。自分で持てるさ…うわあっ!」
ドザザッ!!
ミカサ「……そう」
一行は険しい山道を進んでいた。
敵の目につきやすいため、平坦な道は使えない。
道無き道を進む彼らの顔は険しく、疲労と緊張で強張っていた。
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- 4 : 2016/02/15(月) 21:41:53 :
エレン「お前は余裕あるな、ミカサ…」
ミカサ「私は体力には自信あるから…」
エレン「いや、そうだろうけども…」
ユミル「…」
リヴァイ「…」
先頭を行くユミルと殿を務めるリヴァイには疲れの色は見えないが、彼らはまた別の脅威に神経を尖らせているようである。
エレン「あの二人がいつになくピリピリしてる。その《オルド=ガレリン》とかいう所にはいったい何があるんだ…?」
ミカサ「わからない。けれど、ユミルは本来そこでオークの追跡をまこうと考えていた。ので、安全な場所であることは間違いないと思う。」
エレン「……だといいけどな。」
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- 5 : 2016/02/15(月) 21:43:53 :
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アルミン「いてててて……うん?」
エレン「どうしたアルミン。」
アルミン「ねえ…もしかしてあれって…」
アルミンの指差す先には豊かな緑の生い茂る巨大な森が広がっていた。
ディンネン川の豊かな水が木々を育み、隙間なく地に根をおろしている。
ユミル「着いたぞ…緑の高地だ!」
ウワ-! ヤットツイタァ!
オイ!アルミン!! マテヨォ!
一行はとうとう最初の目的地《オルド=ガレリン》にたどり着いたのだった。
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- 6 : 2016/02/16(火) 13:34:14 :
森は巨大な常緑樹が傘となり日の光は程よく遮られる。
その下には少ない光で育つ比較的背の低い落葉樹が落とした木の葉が、上質な絨毯のように地面を覆っている。
その上をリスやウサギなどの小動物が愉快に跳ね、頭の上では鮮やかな蝶が舞う。
それまでの険しい山道が嘘のように、豊かな自然が一同を迎え入れた。
ミカサ「美しい…なんだか心が洗われるような…」
エレン「ああ…境の森とは比べものにならねえよ。」
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- 7 : 2016/02/16(火) 13:34:52 :
森に入り少し進むと、そこには蔦や落ち葉に覆われた大きな石の台が横たわっていた。
周囲にはその石を取り囲むように太い木の根が這っている。
フワッ…
アルミン「!?」
エレン「どうしたアルミン?」
アルミン「なんだろう…この木の根を跨いだら、なんだか不思議な感覚が…」
リヴァイ「ほう、感じたか?」
エレン「え、何をです?」
リヴァイ「ここの魔力だ」
エレン「魔力?」
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- 8 : 2016/02/16(火) 13:35:33 :
ユミル「《タラン・エレダイン》」
ユミル「上古の昔、北のヴァレリアンドの魔王に対抗するため、エルフと人間の同盟がなされた石舞台。」
ユミル「古の白の魔力に守られ、今なお闇の力を寄せ付けない伝説の遺跡だ。」
アルミン「す、すごい。何千年も健在な結界なんて…さすがはエルフの魔法だ!」
さっきまでの疲れが嘘のように、イキイキとしたアルミンが叫ぶ。
ユミル「ここまで来れば一先ず安心だ。円陣の外に出なければオークどもに襲われることはない。」
ユミル「ひとまずここで休憩にしよう。」
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- 9 : 2016/02/16(火) 22:46:05 :
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パチ…
パチパチ…
エレン「おいアルミン。そんなに火を焚いて大丈夫なのか?居場所がばれちまうぞ。」
アルミン「あー、さっきユミルさんに聞いたんだけどね、この結界の中にいるものを外にいるものが見ることはできないらしいんだ。」
アルミン「だから日のあるうちは焚き火をしても問題ないって。」
エレン「へぇー。つくづく便利だな、魔法ってのは。」
エレン「俺も練習したら使えるようになるのかな?」
アルミン「うーん、どうだろうね……」
ユミル「そいつは無理だな。」キッパリ
アルミン「ゆ、ユミルさん…」
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- 10 : 2016/02/16(火) 22:47:12 :
ユミル「魔術ってのは剣術とは違って生まれつき備わってるもんだ。いわば才能だ。」
ユミル「エルフでも使えるものは限られてくる。昔はほとんどのエルフが何かしらの魔力を持っていたらしいが、私らも弱くなった。」
ユミル「谷が滅んだ時点で、銀のエルフで魔法が使えたのは一部の王家の人間だけだった。私も魔法は使えない。」
エレン「そうなのか…じゃあクリスタが使ってた目に見えない力は、訓練して身につくもんじゃないんだな…」
ユミル「ははっ、まあそう気を落とすな!エルフの女王様と同じ力を人間が持てるわけがない。」
ユミル「それにあいつだって……ん?」
エレン「どうした?」
ザッザッザッ
ユミル「おいミカサ!クリスタはどうした!?」
ミカサ「え?」
ユミル「クリスタだ!」クワッ
ミカサ「し、知らない……」
ユミル「バカな!いったいどこに…」
彼女が腰を下ろしていた木の根元にはクリスタの弓矢と荷だけが遺されていた。
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- 11 : 2016/02/17(水) 15:39:46 :
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
〈ヒストリア…ヒストリア…〉
〈返事をしてヒストリア…〉
クリスタ「やめて…」
〈どこにいるの?私のヒストリア…〉
クリスタ「やめてよ…」
〈いかないで…ヒストリア…ヒストリア!〉
クリスタ「やめて!!消えてよ!いったい誰なの!」
クリスタ「私はクリスタ!あなたのヒストリアじゃないの!」
クリスタ「はやく!はやく私の中から出て行ってよ!!」
クリスタ「はあ、はあ、っ!」
おもむろに石を取り出し、撫で始める。
クリスタ「うう…助けてよ…お姉ちゃん……」
クリスタは頭の中に響く女の声にうなされ、自分でも気づかないうちに結界の外に出てしまっていた。
森の奥に進むにつれて日の光は少なくなり、木々は風を受けて不気味な声をあげる。
クリスタ「迷っちゃった…」ヘタッ
四方八方を木に囲まれ、クリスタは途方にくれた。
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- 12 : 2016/02/17(水) 15:40:43 :
リヴァイ「おい!」パシッ
クリスタ「きゃあ!!」ビクッ
驚いて振り返ると、リヴァイが眉間にしわをよせて立っていた。
リヴァイ「こんなところでなにしてやがる」
クリスタ「リヴァイさん!」ホッ
クリスタ「あ、あなたこそ…結界の外に出るなんて危険です!」スッ
咄嗟に石を隠す。
リヴァイ「ハッ、てめえが言えたことかよ。」
リヴァイ「フラフラとうなされてる割には早足だったが、悪い夢でも見てたのか?」
クリスタ「夢なんて…別に、そんなことはないですよ。ただ…」チラッ
リヴァイ「ただなんだ?」
クリスタ「ただ……そう、薪を拾いにきたんです。アルミンが火を焚いていたでしょう?」
リヴァイ「だとしたら手頃な枝が転がってただろ。クセェ芝居はよせ。」
クリスタ「し、芝居だなんて…」
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- 13 : 2016/02/17(水) 15:41:53 :
(あいつはその石が欲しいんだ…)
クリスタ「えっ?」
突然、先程までとは違う声が頭の中で呟いた。
(お前と会った時からずっと狙ってたんだ、その石をなァ…)
クリスタ「そ、そんなこと…」
(こいつだけじゃァないさ…あの人間のガキも、娘も、みぃんなその石が欲しいんだ…)
クリスタ「う、うるさい…黙れ…」
リヴァイ「なんだ、どうした?大丈夫か?」
リヴァイがクリスタに近づき、手を伸ばす。
クリスタ「や、やめて!!」バッ
リヴァイ「!?」
クリスタはリヴァイの手を強くはらった。
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- 14 : 2016/02/17(水) 15:43:55 :
クリスタ「はっ、ごめんなさい!こんなつもりじゃ……」
リヴァイ「……とりあえず戻るぞ」
リヴァイ「あまりユミルを心配させるな。お前の代わりはいないからな。」
クリスタ「は、はい…」
リヴァイ「お前も……その“石”もな。」
クリスタ「……!!」
クリスタ「いやぁ!!」
ドンッ!
リヴァイ「なにしやがる!」
クリスタ「はぁはぁ・・・・・はっ !」
クリスタ「あぁ…ごめんなさい、ごめんなさい……」
リヴァイ「……チッ」
石の魔力は少しずつクリスタを蝕んでいた。
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- 15 : 2018/08/22(水) 15:59:40 :
- 続きはいつですか?期待
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