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ジャン「エピソードⅤ」 ミカサ「帝国の逆襲」 ③ 進撃×スター・ウォーズ
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- 1 : 2015/12/22(火) 15:11:48 :
- 進撃×スター・ウォーズ、エピソードⅤ、帝国の逆襲の第3話になります。
よろしくお願いします<m(__)m>
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- 2 : 2015/12/22(火) 15:16:31 :
いったいどういう星の元に生まれつけばそうなるのか。
ジャンとミカサの受難は続いた。
ミレニアム・ファルコンの背後にはTIEファイターが四機。
その背後にはスター・デストロイヤー。
運悪く彼らは帝国軍の追撃を受け、ミレニアム・ファルコンは必死の逃走劇を繰り広げていた。
「喚かなくても見えてんだよ! チューイ!」
「見えたって何が!?」
「スター・デストロイヤーだ! 正面から二隻、俺を挟み撃ちししようってか!?」
ミカサからの問いかけにぶっきらぼうに答えるジャン。
いくら敵がいるからといっても、ハイパースペースへ逃げ込めばこっちの勝ちだ。
「船長! 私が思いますに――――「このうるさい鉄くずを黙らせろッ!!」
C-3POがまた口を挟んできたので今度は怒鳴りつけるジャン。
その瞬間に船体に衝撃が走り、C-3POはチューバッカに倒れ掛かった。
当然、ものすごい勢いで吠えられる可哀相なC-3PO。
そんなことなどお構いなしに、ジャンはミレニアム・ファルコンを操縦し続けた。
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- 3 : 2015/12/22(火) 15:17:04 :
「この俺を舐めんじゃねえぞ!」
一気にレバーを引き、ミレニアム・ファルコンは急降下。
「!! ぶつかるぞッ! 回避行動!」
スター・デストロイヤーの艦橋に士官の声が響いた直後、機体が大きく揺れた。
ミレニアム・ファルコンを追跡していたスター・デストロイヤーと向かってきた二隻のスター・デストロイヤーが正面衝突したのだ。
「ざまあねえな、よし、出し抜いてやったぞ!」
スター・デストロイヤーの追撃を躱してジャンは得意げだったが、ミカサはまだ安心しきってはいなかった。
「油断しない、まだTIEファイターが四機追撃してくる。」
「だいじょぶだって、もう光速ジャンプの準備は済んでんだ。」
「でも、船長!」
C-3POが喚くのを聞き流し、ジャンは光速ジャンプのレバーに手をかけた。
「敵が近づいている。」
「はっ、そうかよ、まあ見てなッ!」
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- 4 : 2015/12/22(火) 15:17:39 :
ギュンギュンギュンギュンギュン・・・・・・・・・・・・
ジャンがレバーを引いた途端、何かが停止するような音が聞こえた。
「・・・・・・何を見るの?」
「こりゃヤバイかもな。」
「よろしければお話しますが、ハイパードライブ起動装置が故障しています! 光速航行は不可能です!」
たまにはC-3POも役に立つ。
そう、たまには。
「ヤバイ、ヤバいぞ!!」
ジャンは叫びながら、チューバッカといっしょにラウンジエリアへと走り出した。
ハイパースペースに逃げ込めなければ、追撃を躱し続けるしかない。
肝心な時にハイパードライブ起動装置が故障し、ジャンとミカサはいよいよピンチに陥った。
第3話
確率3720分の1
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- 5 : 2015/12/22(火) 15:18:34 :
ラウンジエリアの床を開け、ジャンはミレニアム・ファルコンのエンジン部分へと入っていった。
ジャンが魔改造を施したおかげで、配線や配管が複雑に絡み合い、まるで魔窟のようになっているエンジンルームは、ところどころ蒸気が噴き出して大変な状態になっていた。
「チューイ! 水平ブースターだ! アルヴィル・ダンパーか・・・・・・いや、ハイドロ・スパナをよこせッ!!」
手当たり次第にラウンジにいるチューバッカに指示を出し、機材を修理していくジャン。
チューバッカがエンジンルームへとつながる穴の側に道具箱を置いたので、ジャンは穴から顔を出して呟いた。
「どうやってこれを切り抜けたらいいんだかな。」
流石のジャンも自信なさげに道具箱からハイドロ・スパナを取り出すと、再び魔窟の中へと潜っていった。
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- 6 : 2015/12/22(火) 15:19:43 :
ドゴオォオン!
その瞬間、ミレニアム・ファルコンが大きく揺れた。
道具箱が穴の中へ落ち、ジャンの頭に直撃した。
「いってええなあッ!! おい、チューイ!」
怒鳴りながらジャンが穴から顔を出すと、もう一度機体が大きく揺れた。
「・・・・・・・・・・・・何か当たったぞ?」
経験上、この揺れはレーザーじゃない。
何かが期待に当たって揺れたに決まってる。
「ジャン! 今すぐ来て!」
「!! 来い、チューイッ!!」
コクピットのミカサから通信が入り、ジャンは再び船内の中を走る。
席についたジャンの目の前には、信じられない光景が広がっていた。
「小惑星帯よ。」
「おいおい、ここまでツイテねえと逆に笑えて来るな。」
ホス小惑星帯。
大小さまざまな小惑星が飛び交い、たまにホスへと墜落する隕石となる。
勿論、航行するにはあまりに危険で、普通のパイロットなら避けて通る道である。
だが・・・・・・・・・・・・
「チューイ、コース271をセットしろ。」
「何をする気? まさか突っ込むつもり!?」
「あいつらも追って来るほどいかれちゃいねえだろ!? 恨むんなら死に急ぎを恨めよ!」
ジャンは構わず隕石飛び交う小惑星帯へと突っ込んでいった。
「ジャン、私の気を引くつもりならこんなバカな真似は止めて欲しい!」
「船長! 小惑星帯を無事に通過できる確率はおよそ3720分の1です!」
「確率なんざクソくらえだッ!!」
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- 7 : 2015/12/22(火) 15:20:07 :
- 期待してます!
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- 8 : 2015/12/22(火) 19:07:21 :
- 直方さん、いつもありがとうございます!
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- 9 : 2015/12/22(火) 19:56:28 :
飛び交う小惑星の間を、動く鉄くずが全速力で駆け抜けていく。
その後を追いかける四機のTIEファイター。
そのうちの一機が隕石を躱しきれずに激突。
更にもう一機が、左側のパネルに隕石が命中、きりもみして爆発。
「くそ、ヤバイぞ・・・・・・。」
ジャンも思わず息をのみ、祈るような気持ちで操縦桿を握っては隕石を躱していく。
巨大な隕石が飛び回り、回転し、目の前に迫って来る。
「うわあ、危な・・・・・・うわああぁああぁぁッ!!」
C-3POが悲鳴を上げて顔を両手で隠した丁度その時、
巨大な隕石同士がミレニアム・ファルコンの目の前で衝突、爆発。
「うおおおぉおぉぉッ!!」
ジャンが叫び声をあげ、必死に操縦桿を左右へ動かし、間一髪、飛び散る破片を躱していった。
「おい、ミカサ・・・・・・お前、悪運は続かないって言ってたな。もうすぐその様を見れるぞ。」
「撤回する。このままじゃ私たちは粉々になる。」
「同感だな。」
皮肉の応酬は一時休戦。
とにかく生き残らなければ・・・・・・・・・・・・ジャンとミカサ考えが、久方ぶりに一致した。
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- 10 : 2015/12/22(火) 20:01:20 :
「あの巨大な小惑星に接近するぞ。」
「あの小惑星に? 無茶ですよ、船長!」
C-3POが泣き言を言っているのを無視し、ジャンは巨大な小惑星帯を目指し始めた。
機体を急降下させ、巨大な小惑星の谷間へと降りていくミレニアム・ファルコン。
その背後をしつこく追撃する二機のTIEファイター。
狭い谷間を全速力で駆け抜けていくと、極端に狭い谷間の出口が見えてきた。
「!! ヤバイッ!!」
力いっぱい舵を振り切り、機体を縦に傾け、何とか谷間を切り抜けた。
そして、背後を追ってきたTIEファイターは躱しきれずに谷間の壁に激突して火花を散らした。
「やっと振り切ったぞ。」
「それで、これからどうするつもり?」
「見ろ、あそこにいいところがあるぜ?」
ジャンはそう言うと、小惑星の地表に空いた大きな穴を指さした。
身を隠すにはちょうどいい穴だ。
「おあつらえ向きだな。お前もきっと気に入るぜ?」
「どこが?」
「あの・・・・・・ミカサ姫、私たちは一体どこへ行くのでしょうか?」
C-3POの不安をよそに、ミレニアム・ファルコンは大きく宙返りをすると、真っ直ぐ暗い穴の中へと入っていった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 11 : 2015/12/23(水) 08:46:51 :
「見ろよ、R2。これが・・・・・・・・・・・・ダゴバだ。」
反乱同盟軍から一人離れたエレンは、フォースに導かれ、遂に謎の惑星、ダゴバへと辿り着いた。
発見した未知の惑星に目を奪われるエレン。
そんな彼に警告を出すように、R2は電子音を立てた。
「わりいけど、今更心変わりなんてありえないな。文明らしきものは無さそうだが、何だろう・・・・・・すげえ生命力だ。」
エレンの気持ちは、揺るぎようがなかった。
父の後をついで、立派なジェダイになること。
そして、死んでいった父を始め、フランツおじさんやハンナおばさん、アルミンの仇を必ず取ると、エレンは心に固く誓っていた。
濃い霧の中に降下していくエレンのXウィング。
すると、いきなりエレンの機体にトラブルが発生した。
「!! クソッ! 計器が故障しちまった! 着陸するぞ! R2、しっかり掴まってろ!」
エレンが叫び、R2が悲鳴のような電子音を立てた。
機体は木の枝に突っ込んでいき、そして・・・・・・・・・・・・
ドボオオンッ・・・・・・・・・・・・
沼地に突っ込んで不時着した。
__________沼の惑星、ダゴバ。
うっそうと茂っている森の中に、不気味な色をした沼が広がっている。
生命に溢れた、未開の惑星。
http://www.starwars.jp/wiki/images/1/17/Dragonsnake_Bog.jpg
コクピットを開けると、鼻が曲がりそうなほどの悪臭。
やれやれ、とんでもない惑星に来ちまったな。
エレンは心の中で毒づくと、荷物を纏め始めた。
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- 12 : 2015/12/25(金) 01:38:31 :
ドボォンッ・・・・・・
エレンは沼の中へと飛び込み、それから岸辺へと上陸した。
すると、R2もXウィングのソケットから身を乗り出すので、エレンが窘めた。
「おいおい、お前はここにいろよっておい!!」
エレンが叫ぶのとどちらが早かったか、R2はバランスを崩し、池の中へドボンという音を立てて落ちてしまった。
「R2ッ!!」
心配したのも束の間、暫くするとR2は、水面にスコープをひょこっと出してきた。
「何だよ、心配させやがって・・・・・・。」
R2は水の中でも進めます。
心配して損したと思った次の瞬間だった。
沼を泳いでいくR2の背後に、大きな影が迫った。
と、次の瞬間にR2はその影に飲み込まれてしまった。
「!! R2ッ!!」
エレンの叫び声が、沼地に虚しく響き渡る。
すると突然、湖から大きな音がした。
ウワアアァアアァォッ!!
あまりのまずさに、この沼の主であるドラゴンスネークはR2を吐き出し、R2は悲鳴を上げながら岸辺へと投げ出されたのである。
一瞬何が起こったのか理解できなくて、エレンはポカンとしていた。
やがて我に返ったエレンはR2の元へと駆け寄った。
「随分とひどい目に遭ったな、R2。どこか壊れてないか?」
エレンが声をかけると、R2は返事の代わりに、体の中に入ってしまった泥を吹きだした。
「うえ・・・・・・お前がここに来るのは気が進まねぇって言ってたけど、俺も初めて同意出来たぜ。」
この沼地の惑星は、見れば見るほど不気味な惑星だった。
本当にこんな所にジェダイ・マスターがいるのだろうか・・・・・・。
「はぁ、何だか・・・・・・夢から覚めたみてえだ。」
エレンはそうぼやくと、R2といっしょにこの未知の惑星を探索し始めた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 13 : 2015/12/25(金) 02:01:45 :
ヴェイダー卿の旗艦、エクゼキューター。
ヴェイダー卿が瞑想をしている中、トーマス提督は報告のために彼の部屋へと入ってきた。
その時、トーマスは、マスクを外したヴェイダー卿の後頭部を目撃した。
・・・・・・・・・・・・重度の火傷のせいか、髪の毛はなく、後頭部の皮膚は爛れたような跡がある。
この傷はかつて、師匠であるアルミンに敗れた際に負わされた、いわば残り火のようなものだった。
ヴェイダー卿は重度の火傷のせいで肺をやられており、人工呼吸器とマスク無しでは生きられない体となっていた。
マスクを外していられるのは、酸素の濃度が調整されたドーム型の瞑想室の中でのみ。
やがてヴェイダー卿の頭上へと、例の黒いマスクが降りてきた。
マスクがヴェイダーの顔に装着されると、椅子が回転してヴェイダー卿はトーマス提督と向かい合った。
「何だ、提督。」
「ヴェイダー卿、我々はミレニアム・ファルコンを発見したものの、小惑星帯へと逃げ込みました。あまりに危険なため――――――――「小惑星帯など知ったことか。」
鋼鉄の声でヴェイダーはトーマスの言葉を遮り、彼を詰問した。
「何としてもミレニアム・ファルコンを捕えるのだ。弁明は聞かん。」
「はい、閣下・・・・・・。」
ヴェイダー卿の執念は比べるものがないほどだった。
それに、彼がミレニアム・ファルコンを執拗に追い回すのには理由があった。
__________全ては、エレン・イェーガーを捕えるため。
ミレニアム・ファルコンに乗っているジャンはいわば、囮。
その為にはいかなる犠牲をも厭わない、ヴェイダーは冷酷な男。
瞑想室のドームが閉まり、トーマス提督は踵を返してヴェイダー卿の瞑想室を退室した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 14 : 2015/12/25(金) 19:41:13 :
さて、洞窟の中に着陸したミレニアム・ファルコンの中で、ジャンとミカサは銀河帝国が追跡を諦めるまで待機することにした。
「よし、非常用以外の電源を落とすぞ。」
用心のため、電源を最低限にまで落とすジャン。
「あの、船長?」
すると、C-3POがおずおずと尋ねてきた。
「もしかすると、私まで電源を落とされるのでしょうか?」
「いいや、お前さんには、ハイパードライブのどこが悪いのか、ミレニアム・ファルコンと、お話をしてもらう。」
全般に、ジャンはC-3POへの当りが強い。
鬱陶しいC-3POへ、ジャンの皮肉たっぷりの言い回しは今日も絶好調。
グラッ・・・・・・
突然、船内が大きく揺れた。
この小惑星帯は非常に不安定なようだ。
暫くはここに隠れて、ハイパードライブの修理に専念した方がいいだろう。
ジャンがそんなことを思った矢先、またしてもC-3POが一言。
「船長、この小惑星はそれほど安定していないみたいです。」
「そうかい、それはわざわざご丁寧にどうも! おいチューイ、この大先生をハイパードライブへとお連れして差し上げろ!」
こうしてC-3POはチューバッカに連行され、ハイパードライブ装置の発する言語を翻訳させられるはめになった。
「時々人間の行動が理解できません。何で私がこんな目に・・・・・・。」
・・・・・・・・・・・・絶望的なまでに空気の読めないマヌケさを、C-3PO本人は全く理解していなかった。
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- 15 : 2015/12/25(金) 20:08:52 :
チューバッカがC-3POを連れていくと、コクピットにはジャンとミカサの二人だけになった。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
するとどうしたことだろう、お互い話をする内容が見つからず、なんとも気まずい空気になった。
いたたまれなくなり、ミカサがラウンジエリアへ行こうと椅子から立ち上がった。
グラッ・・・・・・
「!!」
まるでタイミングを見計らったかのように、再び船が大きく揺れた。
突然の揺れにミカサはバランスを崩し、なんとジャンの膝の上へと倒れ込んでしまった。
すると、ジャンはまるで何でもないかのようにミカサを後ろから抱きしめていた。
ジャンに抱えられたミカサは、次第に顔を真っ赤にして呟いた。
「離して、ジャン。」
「しっ、静かにしてろ。」
船内はまだぐらついていた。
ジャンは右人差し指をミカサの口に当てて彼女を黙らせた。
やがて揺れが収まり、その必要が無くなってもまだジャンはミカサを抱え続けるので、今度は口を尖らせてミカサはジャンに抗議をした。
「離して、ジャン。」
「おいおい、興奮するなよ。」
「あなたみたいな馬面なんかに興奮など、しない!」
ミカサはジャンの腕を振りほどいてすっと立ち上がると、ツカツカと音を立ててラウンジエリアへと歩いて行った。
__________悔しかったのだ。
不覚にも顔を赤くしてしまった自分が。
それに、胸が・・・・・・・・・・・・ときめくのを感じてしまった自分が。
そしてそれは、エレンが与えてくれる安心感とは違う、何というか、私の心を埋めてくれるような、そんな充足感に満ちていた。
「・・・・・・・・・・・・そんなこと、あり得ない。」
ミカサは頭を振り、一言、呟いた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 16 : 2015/12/25(金) 20:42:47 :
「はぁ、何にもねえなぁ・・・・・・。」
ジャンやミカサが小惑星の洞窟へと潜んでいたころ、エレンは惑星ダゴバにおいて、着陸した地点を一通り探索していた。
ただし、見つかるのは蔓が複雑に絡まった、うっそうとした森ばかり。
らちが明かないのでエレンは腰を下ろし、R2を持ってきた充電器につないでいた。
弁当を食べながら休憩を取るエレン。
「なあ、充電は終わったか、R2?」
エレンの問いかけに、R2は頷くような電子音を立てた。
・・・・・・・・・・・・周りを改めて見渡しても、やはり蔓の絡まった木しか見えない。
「全く・・・・・・・・・・・・これからヨーダという人を探さなきゃならねえのになぁ。何なんだよここ、薄気味悪いったらありゃしねえよ。」
大好物のチーハンを食べながら、R2に向かってぼやくエレン。
「ホントにこんなところにジェダイ・マスターがいるのかよ・・・・・・。でも、何でだろうな、何だか・・・・・・・・・・・・懐かしい感じがする。」
「ほう、それはどんな感じじゃ?」
声が聞こえた瞬間、エレンは即座にブラスターをその声の主に向けた。
その声の主は、ワッと声を上げて顔を両手で覆った。
それは、身長が70センチにも満たない、小柄な緑色のエイリアンであった。
顔は皺だらけで、両耳はとがっており、右手には杖を持っていた。
「お前に見られてる感じだ。」
「銃をしまってくれ。わしは悪いことはせんよ!?」
やれやれと呆れつつ、エレンは銃をしまった。
全く、人探しをしなくちゃならないってのに・・・・・・とんだエイリアンに絡まれてしまった。
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- 17 : 2015/12/25(金) 21:05:27 :
「ところでお主、ここでいったい何をしておるのじゃ?」
すると、その緑色のエイリアンは興味ありげに尋ねてきた。
応対するのもめんどくさかったが、ここは気持ちをぐっと抑えて質問に答えた。
「俺は今、人を探してんだよ。」
「人探しじゃと? ならお主はもうわしを見つけたというわけじゃな?」
「ま、まあな。」
何なんだ、このエイリアンは?
少しづつイライラしだすエレン。するとこの緑のエイリアンは、こんなことを言い出した。
「どれ、わしが助けてやるぞ!」
「いや・・・・・・俺は今偉大な戦士を探してんだよ。」
「ほうほう、偉大な戦士か・・・・・・戦争は人を偉大にはせんぞ。」
何言ってんだこいつ。
そう思っていると、今度は人の弁当に手を突っ込み始めた。
「!! おい! 俺の夕食を返せよ!?」
「う~む・・・・・・こんなものを食べて良く大きくなれたのう。」
「はあ!? チーハンを馬鹿にすんじゃねえ!!」
やれやれ、今日は何て日なんだろう。
大好物のチーハンを横取りされた挙句にけなされるなんて・・・・・・。
と、そんなことしてる場合じゃなかった。
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- 18 : 2015/12/25(金) 21:06:04 :
「あのなぁ、俺だって戦闘機を沼に沈めなきゃあんたに会うことだってなかったんだぜ? クソっ、どうやって戦闘機を引きずり出せばいいんだかな・・・・・・。」
「ほう、戦闘機が沼に沈んで動けないというわけじゃな?」
戦闘機が使えないことは、エレンにとって頭の痛い問題だった。
徒歩での捜索範囲は限られるし、そもそもこの惑星には文明がないため、船がなくては脱出など夢のまた夢・・・・・・。
先ほどまでエレンは偉大なるジェダイ・マスターと会うことを夢見ていたのに、今は一転して悪夢を見ているような気分だった。
「って、今度は何してんだよ!?」
ふと我に返ると、緑色のエイリアンがエレンのバックの中を漁り始めていた。
全くこいつは何で俺を苛立たせるんだ!?
「ホホホホホホッ!!」
緑色のエイリアンは小さなランプを手に取り、ご満悦な様子だった。
「あっち行けよホントに!? ほら、俺にそれをよこせよ!」
「これはわしのじゃ! くれないと助けてやらんぞ!?」
「はあ!? 最初から頼んでねえし! ていうかお前の助けなんか必要ねえよ!!」
すると、R2がこっそりとアームを出し、小さなエイリアンが持っているランプを掴んだ。
途端に引っ張り合いになり、緑色のエイリアンは喚きだした。
「わしのじゃ! わしのじゃあッ!!」
カンカンカンとしまいには杖でR2を殴りだす始末。
「もういいよ、R2。そいつにランプをくれてやってくれよ。」
エレンはため息をつき、R2にそう命じた。
電子音を立て、しぶしぶアームを放すR2。
「ふんっ!」
挙句に緑色のエイリアンは杖でもって最後の一撃をR2に加えた。
カンッという音が小さく響く。
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- 19 : 2015/12/25(金) 21:07:03 :
「ったく、そのランプを持って消えてくれよ。」
「いやじゃ、わしはお前と一緒におるぞ! どれ、友人探しを手伝ってやろう!」
ランプをやったのにまだ纏わりついてくるつもりかよ!?
流石に堪忍袋の緒が切れたエレンは、声を荒げてこう言った。
「俺は友達を探してんじゃねえんだよ! ジェダイ・マスターを探してんだ! 分かったらとっとと消えろ!!」
すると、そのエイリアンは小さな声で呟いた。
「ジェダイ・マスターか・・・・・・・・・・・・ヨーダのことじゃな!?」
「!!」
そのエイリアンは、確かに“ヨーダ”と言った。
俺が名前も教えていないのに。
「待ってくれ、じいさん。お前、ヨーダを知ってんのか?」
「連れていってやるぞ! じゃが、その前に腹ごしらえじゃ。わしの家に来い。たんと上手いものを食わせてやろう! ホホホホホホッ!!」
そう言うと緑色のエイリアンは、杖を突いて歩き始めた。
「こっちじゃ! ついて来んか!?」
「何なんだろうな・・・・・・あいつ。」
エレンはため息をつきつつも、偉大なるジェダイ・マスターの手がかりを掴めたことにほっとしていた。
まあ、その為にはあのめんどくさいじいさんに付き合わなくちゃならないわけだが。
エレンはしぶしぶ、緑色のエイリアンの後を歩き始めた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 20 : 2015/12/26(土) 00:48:33 :
- 期待です!いや支援です!
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- 21 : 2015/12/26(土) 17:13:18 :
- 空山さん、いつも期待&支援ありがとうございます!
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- 22 : 2015/12/26(土) 17:49:10 :
「ああ、こんな時にR2は一体どこにいるんだろう?」
ミレニアム・ファルコンの中で、C-3POはR2の不在を嘆いていた。
元々不安定な思考回路を持つC-3POであったが、R2がいないとき、彼はいよいよ不安定になった。
「船長!」
「何だよ?」
「この船がどこで会話を学んだのか知りませんが、奇妙な訛りが強すぎます。恐らく陰性軸のパワー連結器が二極分化していると言っています。交換する必要があるかと存じます。」
「勿論交換するさ。おい、チューイ・・・・・・・・・・・・陰性パワー連結器を交換してくれ。」
相変わらずC-3POへの当りが強いジャンであった。
さて、ミカサは別の部屋にて、ハイパードライブに関係する装置の修理を行っていた。
額に汗を浮かべ、ミカサは機械の修理に没頭していた。
没頭することで、忘れたかったのだ。
「く・・・・・・うご、かない・・・・・・。」
筒状の機械を閉じ、レバーを横から縦に動かそうとしたのだが、中々動いてくれなかった。
すると後ろから、そっと、ジャンがミカサに手を添えた。
「!! 止めてッ!!」
突然のことにビックリしたのもあるが、いきなり触ってくるなんて不意打ち過ぎる。
無性に腹が立ってミカサは肘でジャンの腕をはじいた。
__________なぜだろう?
触れられた箇所が・・・・・・熱い。
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- 23 : 2015/12/26(土) 17:50:13 :
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「おい、勘違いすんじゃねえぞ、お姫様よぉ?」
「そんな呼び方をしないで。」
「分かったよ、ミカサ。」
思わず私はため息をついてしまった。
ジャンは本当にひねくれていて、どうして私の思い通りにならない。
腹が立ってばかりなのに、何でか嫌いになれない。
「時々、あなたのことが分からない。」
「俺もだ。全くお前ってやつは分からねぇ。だがな、少なくとも、お前は・・・・・・・・・・・・いいやつだ。お前も俺のことをそう思ってんだろ?」
この自惚れ屋の馬面は、私がそう思っているに違いないと思っている。
だからどうしても、一矢報いたくなってくる。
「時々。少なくとも、あなたが悪党みたいに、振る舞っていないときは。」
「悪党? 悪党か・・・・・・・・・・・・いい響きだな。」
その時私は、ジャンが笑っているのを見た。
いつの間にか、私とジャンは向かい合っていた。
そして、ジャンは私の両手を、その大きな両手で握っていた。
熱いのは、握られている両手だけではない。
全身が、中に火をともしてしまったかのように熱い。
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- 24 : 2015/12/26(土) 17:52:43 :
「や、止めて・・・・・・。」
「何を止めるんだ?」
「私、手が・・・・・・汚れてる。」
「俺の手だってそうだ・・・・・・今更何を怖がってんだ?」
「恐がる・・・・・・私が?」
「震えてるぜ?」
「震えてなど、いない。」
ジャンはますます顔を近づけてくる。
右手を私の後ろの機械につけて、囁くように言ってくる。
「悪党だから惚れたんだろ? お前の周りにはいなかった。」
「・・・・・・・・・・・・優しい人が好き。」
「優しいぜ。」
「嘘つき。」
気が付くと、ジャンの唇が私の唇に触れていた。
瞳を閉じて、彼を必死に求めていた。
__________ああ、そうだったんだ。
私は、ジャンのことが・・・・・・・・・・・・
「船長! 船長!! 背面のパワー・フラックス連結器を絶縁しておきました!」
さて、せっかくの雰囲気をぶち壊したのは、C-3POである。
折角のファースト・キスを邪魔されて、ジャンはカンカンになった。
「よくもやってくれたな? 心から感謝するぞ?」
「ど、どういたしまして。」
そのままC-3POは、怒ったジャンによって再びパワー連結器へと連行されていった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 25 : 2015/12/26(土) 20:29:24 :
ジャンの思惑は、完全に外れてしまった。
ヴェイダー卿率いる死の小艦隊は、小惑星帯の中へと入って来ていた。
エグゼキューターの艦橋では、ヴェイダーが他のスター・デストロイヤーの艦長たちのホログラムと打ち合わせを行っていた。
途中、隕石が艦橋に衝突して消えたホログラムもあったのだが、ヴェイダーは特に気に留めることもなく話を続けた。
『ミレニアム・ファルコンの姿は見当たりません。小惑星に追突してしまったのではないでしょうか?』
「それは違う、ミリウス艦長。奴らは・・・・・・生きている。」
ヴェイダーはフォースを通じ、ジャンやミカサがこの小惑星帯の中にいることを確信していた。
必ずジャンとミカサはこの俺が捕える。
ヴェイダーの執念は、どこか異常なほどであった。
「必ず奴らを生け捕りにするのだ。」
ヴェイダー卿の言葉に、艦長たちのホログラムは一礼をしてから消えた。
「ヴェイダー卿。」
すると、奥の方からトーマス提督がやってきた。
「何だ、提督?」
「皇帝陛下が連絡せよとの仰せです。」
銀河皇帝にしてシスの暗黒卿、パルパティーンから通信が入ったのだ。
ヴェイダー卿は直ちに返信をすべく、トーマスに命じた。
「ここでは通信が乱れる。小惑星帯の外へと移動するのだ。」
「はい、閣下。」
超大型戦艦、エグゼキューターが小惑星帯の中をゆっくりと移動していく。
やがて、小惑星帯からエグゼキューターは抜け出し、皇帝との通信体制が整った。
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- 26 : 2015/12/26(土) 20:31:17 :
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ドーム型の瞑想室の前にある円形のスペース。
ヴェイダーはそこに跪き、前の空間を見上げて声を発した。
「お呼びでしょうか、マスター?」
すると、目の前に大きな青い幻影が映された。
黒い大きなフードを被り、白くて皺の縒った顔に、シス特有の黄色い目。
銀河皇帝、シーヴ・パルパティーンは、ヴェイダーを見下ろして話し始めた。
http://vignette4.wikia.nocookie.net/starwars/images/6/6d/Threatofskywalker.png/revision/latest?cb=20130320044145
『フォースに乱れが感じられる。』
「私も感じます。」
『新たな敵が現れた。デス・スターを破壊した若者だ。その若者は間違いなく、エレン・イェーガーの血を引くものだ。』
「!! そのようなことがありうるでしょうか?」
『お前も感じているはずだ、ヴェイダー卿。それが真実であるとな。』
__________やはり皇帝も、感づいていたようだ。
ヴェイダー卿は密かに、皇帝を殺し、自分が銀河の支配者たらんという欲望をその心の内に秘めていた。
ただし、アルミンによって半分機械の体にされてしまったヴェイダーには、最早皇帝を殺すことは不可能だった。
「・・・・・・・・・・・・彼はただの子供です。アルミンも彼を手助けすることは出来ません。」
『あやつはフォースが強い。イェーガーの息子をジェダイにしてはならん。』
皇帝はエレンを警戒している。
ヴェイダー卿は本心を隠しつつ、皇帝に提案した。
「ダークサイドに転向させれば、頼もしい味方となるでしょう。」
『ふむ・・・・・・・・・・・・頼もしい味方となるだろう。』
__________そしてエレンが貴様を殺し、俺がエレンと銀河を統べるのだ。
ジャンとミカサを執拗に追い回すのも、エレンを誘い込むために仕組んだ罠。
エレンの怒りを駆り立てて、ダークサイドに誘い込むため。
ヴェイダーの心の奥底で、暗い欲望が渦巻いていた。
『出来るか、ヴェイダー卿?』
「味方にならなければ、殺すまでです、マスター。」
皇帝に対して静かに頭を垂れた後、ヴェイダー卿はゆっくりと立ちあがった。
・・・・・・・・・・・・誰かが、すすり泣くような声が聞こえた、気がした。
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- 27 : 2015/12/26(土) 20:39:26 :
- 以上で、第3話は終了になります。
空山さん、直方さん、いつも閲覧ありがとうございます<m(__)m>
次も頑張りますので、よろしくお願い致します!
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- 28 : 2015/12/26(土) 21:00:33 :
- 次回作にも頑張って下さい!
応援してます!
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進撃×スター・ウォーズ ~帝国の逆襲~ シリーズ
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