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絵理「人生ってのは、判らないものね」

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  1. 1 : : 2015/10/31(土) 15:16:59

    穂乃果「いきなり何の話?絵理ちゃん?」

    絵理「あの時、敵同士として出会った私と穂乃果が、今はこうして一緒にいるってことがよ。」

    穂乃果「あぁ、あの時のこと?」

    絵理「えぇ。」
  2. 2 : : 2015/10/31(土) 15:25:34

    絵理「ロシアを飛び出してあの場に流れ着いた私は、実戦経験もないくせにいきなり、革命勢力の指導教官というポジションを得たわ。」

    穂乃果「ロシア語での営業トークは当時から得意だったんだねぇ。」

    絵理「茶化さないでよ。」

    絵理「…ツイてなかったのは、穂乃果が正規軍側に雇われていたことね。」
  3. 3 : : 2015/10/31(土) 15:32:42

    絵理「今でも忘れてられないわ、あっという間だった…」


    絵理「穂乃果たちの待ち伏せ攻撃で私の部隊は瞬時に半数が倒され、パニックを起こした私は、頭の中が真っ白になってしまったわ。」


    絵理「お陰でその後の指揮は酷い有様、結局部隊はーー」

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  4. 4 : : 2015/10/31(土) 15:42:53

    ダダダッ! ダダダッ! バキッ


    そっちだ!

    行け!

    そっちだ!


    ダッ!ダダダッ!バンッ!


    右に回れ!

    撃て!


    ダダダダッ! バキッ!ドォーン!


    喰らえ!

    伏せろ!


    バババン!


    こっちだ!

    走れ!走れ!

    行け!


    ダダダン!バキッ!


    行け行け行け行け行け!


    ダダダッ!ボォーン!


    左に回れ!

    右だ、右!


    ダダダン!バキッ!
  5. 5 : : 2015/10/31(土) 15:51:44

    ザッザッザッザッザッ


    ダダダダッ!

    反政府軍C「ぐあああぁぁっ!」バタッ


    反政府軍A「待ち伏せだ!」


    反政府軍A「どうします、教官…エリー教官!」


    絵理「ええ…ええと…」


    反政府軍A「教官!」


    絵理「二手に分かれる、あなたはついてきて」


    反政府軍B「待ってくれ、俺は…?」


    絵理「あっちよ、言うことを聞いて!」


    反政府軍B「あんた、俺を囮に…!」


    絵理「違うわ!急いで!」
  6. 6 : : 2015/10/31(土) 15:59:01

    ダダダッ!


    反政府軍B「うわああぁぁっ!」バタッ


    絵理「は、走って!こっちよ!」


    反政府軍A「教官?そっちは!」


    絵理「はぁ…!はぁ…!はぁ…!」


    ダダン! ダダン!


    反政府軍A「ぐうわああぁぁぁっ!」バタッ


    反政府軍A「エ、エリー教官!」


    反政府軍A「ぐふっ…!」


    絵理「ちょ…ちょっと!」
  7. 7 : : 2015/10/31(土) 16:07:31

    ダダダッ!バキッ!


    絵理「はっ!?」


    ダダッ!ダダダッ!バキッ!


    絵理「はぁ…!はぁ…!」


    カチッ

    ボオォォォン!!


    絵理「仕掛け爆弾ね…もう!」


    ザッザッザッザッザッ!

    カチッ!


    絵理「しまった…!」

    ドオォォォン!!


    絵理「うわっ!!」


    絵理「きゃあっ…!」ドサッ


    絵理「はぁ…はぁ…ふ…ふふっ…」


    絵理「ふふ…あははは…!」
  8. 8 : : 2015/10/31(土) 16:15:29

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    穂乃果「負傷者の後送急いで」


    穂乃果「鹵獲兵器は可能な限り持って帰るよ」


    穂乃果「遺体は道端に並べてタープをかけてあげてね」




    穂乃果「おぉーい!大将ー!」


    絵理「はっ…!」


    穂乃果「武器を捨てて!両手は頭だよっ!」


    絵理「はぁ…!はぁ…!」
  9. 9 : : 2015/10/31(土) 16:20:43

    穂乃果「日本語はわかる?」


    絵理「手が…」


    穂乃果「聞こえないよ!」


    絵理「…手が、上がらないわ…」




    穂乃果「大将、余計なことは考えないでね?」


    穂乃果「あなたの部隊は全滅だよ」
  10. 10 : : 2015/10/31(土) 16:31:01

    絵理「わ…私は…」


    絵理「私はロシアから来た…」


    穂乃果「ん?」


    絵理「自ら望んでやって来たわ!」


    絵理「それは…ここしか…」


    絵理「ここしか私に、居場所がないからよ!」


    穂乃果「わかったから両手を見せて」








    絵理「…介錯を、お願い」


    穂乃果「かいしゃく?」


    絵理「切腹、ハラキリよ…!」


    絵理「私はこれでも日本人よ…サムライよ…!自分でお腹を切るわ…!」


    絵理「その時私の首を落として頂戴、これが介錯よ…」


    穂乃果「ほえぇー、そうだったんだ」
  11. 11 : : 2015/10/31(土) 16:37:58

    絵理「後ろから、延髄の下めがけて一気に振り下ろして」


    絵理「でも皮一枚で刃を止めるのよ、振り切ると首がどこかに転がってしまうわ、ことりのおやつは嫌よ…!」


    穂乃果「うーん…」


    絵理「できないの?ふふっ…!」



    穂乃果「…マチェットを」


    ヒデコ「はい、穂乃果」


    絵理「…ありがとう…直ぐ済むわ…」






    絵理「じゃあね…!」

    カチッ!
  12. 12 : : 2015/10/31(土) 16:46:44

    フミコ「グレネードだよ!!」


    絵理「ふっ…!」




    ミカ「穂乃果っ!」


    穂乃果「はぁっ!」タタタタタッ!





    絵理「⁉︎」ガシッ!ギリギリ…!



    穂乃果「安全レバーが外れなければ手榴弾は起爆しないよ」


    絵理「手を…離して!」


    穂乃果「そうはいかないよ!」


    ヒデコ「穂乃果!」カチャッ


    穂乃果「待って!」


    ヒデコ「あっ…!」







    穂乃果「あなた…自爆しようとしたね?」


    絵理「く…うぅっ…!」


    穂乃果「はぁっ!」グイッ


    絵理「きゃっ…!」ドサッ


    穂乃果「…これでよしっと」カチッ
  13. 13 : : 2015/10/31(土) 16:54:13

    絵理「うぅっ…!」





    絵理「私は…私はもう、二度と負けない!」


    絵理「例えどんな…!手段を使おうと!」


    絵理「決して……負けない!」







    絵理「負け……な……」ガクッ


    穂乃果「・・・・・」
  14. 14 : : 2015/10/31(土) 17:01:40

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




    ピッ ピッ ピッ ピッ ピッ


    絵理「…ん、うぅっ…」


    絵理「…野戦病院?いや、テント?」




    穂乃果「政府が建てた、臨時収容施設だよ」


    絵理「⁉︎」


    穂乃果「思ったより顔色がいいね、よかったよ」


    絵理「くっ!」ガタッ


    絵理「うぅっ…!」


    穂乃果「動くのはムリだよ」


    穂乃果「お昼は暑いだろうけど我慢してね」
  15. 15 : : 2015/10/31(土) 17:08:09

    絵理「……帰って……」


    穂乃果「話が終わったら帰るよ」





    穂乃果「武器もないから、あなたも手榴弾はなしだよ」


    絵理「……帰って……!」






    穂乃果「…ホントなら穂乃果も怒っていい立場なんだよ?」


    穂乃果「こっちも仲間をやられたからね」


    絵理「くっ…!」


    穂乃果「ほら、差し入れだよ」ガサッ


    穂乃果「開けてみてよ」
  16. 16 : : 2015/10/31(土) 17:21:22

    絵理「何しに来たの…?尋問かしら?」


    穂乃果「違うよ」


    穂乃果「あなたのことはもう知ってるんだ」


    穂乃果「絢瀬 絵理」


    絵理「フン…」


    穂乃果「日本人とロシア人の血を引く女性、日本人とロシア人のハーフだね」


    絵理「ハーフじゃないわ、クォーターよ」


    穂乃果「音ノ木坂学院生徒会長、目立った実戦経験は無し」


    穂乃果「にもかかわらず、二ヶ月前から反政府勢力の教官として一個小隊を指揮、すごいよねぇ」


    絵理「見舞いならもう帰って!」


    穂乃果「それも違うよ、そっち座るね」


    穂乃果「よい…しょっと」チョコン


    絵理「…意外に静かに座ってくれるのね…」
  17. 17 : : 2015/10/31(土) 17:31:51

    穂乃果「スカウトに来たんだよ!」


    絵理「え?」


    穂乃果「絵理ちゃんを仲間に、友達にしに来たんだよ!」


    絵理「友達?」


    穂乃果「そうだよ!」








    絵理「ふ…ふふふっ!」


    穂乃果「どうしたの?穂乃果ホンキだよ?」


    絵理「革命軍には私のクライアントがいるわ、支払いも悪くないの」


    穂乃果「まるでビジネスマンだねぇ」


    絵理「この国の混乱は当分続くはずよ」


    絵理「なのに政府軍に鞍替えしろって言うの?」


    穂乃果「それも違うよぉ」


    絵理「どう違うのかしら?」
  18. 18 : : 2015/10/31(土) 17:41:37

    穂乃果「政府当局との契約は昨日で切れたんだ、絵理ちゃんたちと戦ったのが最後だよ」


    絵理「……そう」


    絵理「あなたも私と同じ、お金で雇われたーー」


    穂乃果「お金のためじゃないよ」


    穂乃果「私たちはみんな、自分のために戦ってるんだよ」


    絵理「つまり、お金のためでしょ?」


    穂乃果「はぁ…」


    穂乃果「希ちゃんが”えりちは頑固やから話し合いは大変だよ”って言ってた訳だよ」


    穂乃果「あなたの説得には時間がかかりそうだね」


    絵理「いらないわよ…もう帰って頂戴」
  19. 19 : : 2015/10/31(土) 17:53:03

    穂乃果「…絵理ちゃん、回復したら監獄入りみたいだよ」


    穂乃果「あの人たちの尋問は過酷だよぉ…」


    穂乃果「なにしろ海未ちゃんの仕込みだからねぇ」


    絵理「それが?」




    穂乃果「例えば海未ちゃんが弓道部の精神統一の時間に使った、薄い竹べらで思いっきり肩を叩くってやつだよ…!」


    絵理「肩……」ゴクッ


    穂乃果「こいつはひどく痛いんだよ」


    穂乃果「穂乃果も海未ちゃんに肩が真っ赤になるまでやられた時は、思わず泣きわめいたよぉ」


    穂乃果「ことりちゃんに慰めてもらっちゃったけどねぇ」


    絵理「脅し?」
  20. 20 : : 2015/10/31(土) 18:01:40

    穂乃果「でも生き物っていうのは、痛みだけで死んじゃうことはないんだって真姫ちゃんが言ってたんだ」


    穂乃果「肩は二つ、何だったら背中だってあるよ」


    穂乃果「それを一つずつ、真っ赤になるまで叩く…!」


    穂乃果「それが終わったら?まだ肩と背中が真っ赤になっただけ、人間の痛点はまだたっぷり残ってるよ…!」


    穂乃果「ほっぺなんかどう?顔に二つもあるよ?」


    穂乃果「絵理ちゃん、叩かれたことは?」



    絵理「はぁ…はぁ…」ブルブル
  21. 21 : : 2015/10/31(土) 18:09:22

    穂乃果「差し入れ開けてみてよ」


    ガサガサ


    絵理「これは…」









    絵理「おまんじゅう?」


    穂乃果「その時食べれば慰めになる、”ほむまん”だよ」


    絵理「…ふふっ」
  22. 22 : : 2015/10/31(土) 18:17:52

    穂乃果「外見てみてよ」

    ザワザワ…





    カチャッ


    政府軍兵士「撃てぇ!」


    ダダダダッ!

    アアァァアァァァァ!
    ギャアァァァァァァ!
    ウワアァァァァァァ!

    バタッ…








    穂乃果「正規軍の人たちが言う”処刑”……」


    穂乃果「ここじゃあ見慣れた風景だよ」


    絵理「くぅぅっ…!」
  23. 23 : : 2015/10/31(土) 18:26:00

    穂乃果「どう、穂乃果たちのところに来れば、全部チャラ、無罪放免にしてあげるよ?」


    絵理「雇われ兵のあなたに、何ができるの?」


    穂乃果「ここの基地司令官の海未ちゃんと穂乃果は、”仲良し”でねぇ」


    絵理「仲良し?」


    穂乃果「海未ちゃんの、みんなに知られたくない秘密が書いてあるノートの場所を、穂乃果が知っているくらいのね」


    絵理「……黒歴史ノートね」


    穂乃果「海未ちゃんにとっては命だよ」
  24. 24 : : 2015/10/31(土) 18:30:59

    ガサガサッ


    ハムッ



    キョウモパンガウマイ!



    絵理「ちょっと!病室よ!」


    穂乃果「ごめんごめん、でも絵理ちゃんしかいないしさ!」


    絵理「もう…」








    絵理「でも何で私を?ここを抜け出したら、軍隊復帰するかもしれないのよ?」


    穂乃果「いやぁ、噂を聞いたんだよ」


    絵理「噂?」
  25. 25 : : 2015/10/31(土) 18:40:33

    穂乃果「絢瀬 絵理は、反政府組織を壊滅させるために潜入した政府側の工作員だったというね」


    絵理「デタラメよ」


    穂乃果「政府軍のディスインフォメーション工作、UTXの入れ知恵かなぁ……?」


    絵理「くだらないわ」







    穂乃果「でも反政府組織はどう思うかな?」


    穂乃果「部隊は全滅、絵理ちゃんの死体は残っていないし」


    穂乃果「絵理ちゃんを疑うよねぇ?」


    絵理「あなたね?あなたがその噂をーー」


    穂乃果「いや!」





    穂乃果「でもどっちにしても、絵理ちゃんはもう戻れないよ」
  26. 26 : : 2015/10/31(土) 18:50:41

    穂乃果「反政府軍は裏切り者 絢瀬 絵理に報復に出るはずだよ」


    穂乃果「単独のフリーランサーとしてはやりにくくなるよね、少なくともこのへんじゃあ……」


    穂乃果「とは言っても、出国も命がけだよ?」




    ガチャッ


    政府軍兵士「撃てぇ!」


    ダダダダダッ!

    グワアァァァァァァ!
    ヤメテクレェェェェ!

    ドサッ





  27. 27 : : 2015/10/31(土) 18:59:37

    穂乃果「反政府勢力に荷担するのは割が合わないよ、お金も装備も無いけど、責任は重たいからね」


    穂乃果「でも政府軍もやめておいたほうがいいなぁ、権力の腐臭が体に染みつくよ」








    穂乃果「私のところに来てよ」


    穂乃果「設備も自前で揃ってる、過去の挫折も先輩後輩も関係ない」







    穂乃果「夢を追い求める人たちの理想郷だよ」







    絵理「私があなたにつくですって?」


    絵理「いくら雇われでも、敵方のあなたに?」
  28. 28 : : 2015/10/31(土) 19:09:58

    穂乃果「……夢を追うことを生き甲斐としている人たちがいる」


    穂乃果「自分の意思か、あるいは誰かの影響を受けたか」


    穂乃果「夢に向かって、真っ直ぐに走り続けたい人たちが、ねぇ」


    絵理「・・・・・」







    穂乃果「でもその夢って何なのかなぁ?」


    穂乃果「名誉?家族?お金?」


    絵理「私はーー」


    穂乃果「どうでもいい!」


    穂乃果「でもそういう人たちが、同じ境遇を持った人たち同士がーー」




    穂乃果「……仲間になったほうがいいよ」


    穂乃果「……傷つけあうくらいならね」
  29. 29 : : 2015/10/31(土) 19:28:06

    絵理「勝利か……さもなくば死か……」


    穂乃果「ん?」


    絵理「私は…あなたへの負けを認めてないわ」


    穂乃果「そっか」


    絵理「あなたにつく理由がないの」


    穂乃果「あれれ…」


    絵理「そうね……勝負をしない?」


    穂乃果「勝負?」


    絵理「あなたが勝ったら仲間になってあげるわよ、でも負けたら、私を逃して頂戴」


    穂乃果「何をするつもりなの?」


    絵理「あなたと決着をつけたいだけよ」


    絵理「どう?傷を治して一週間後よ」


    絵理「勝負の内容と場所は、私が決めるわ」




    穂乃果「…いいよ」

    ガタッ トコトコ



  30. 30 : : 2015/10/31(土) 19:36:36

    絵理「ねぇ、私が勝って自由になったら、噂を流すわよ」


    絵理「あなたは工作員で、反政府勢力に情報を流してるってね」


    穂乃果「ふふふっ!」


    絵理「何がおかしいの?」


    絵理「尋問はあなたが受けるの…これもあなたが食べなさい!」バッ!


    穂乃果「おっと」パシッ


    穂乃果「わかったよ、何か必要なものがあったら、ここの人たちに言ってよ、穂乃果から伝えておくから」


    絵理「そうするわ」


    穂乃果「あ、そうだ」


    絵理「なに?」


    穂乃果「脱走は考えないでね、ここの兵隊は従順だけど気性が荒いんだ」


    穂乃果「下手に動いたら、勝負は永遠にお預けになっちゃうよ?」


    絵理「ええ」


    穂乃果「じゃあまたね、絢瀬 絵理ちゃん!」


    タッタッ

    バサッ


    絵理「待って」


    穂乃果「どうしたの?」


    絵理「…私は、お金のために戦っているんじゃないわ」


    穂乃果「じゃあ、絵理ちゃんの夢って、何?」


    絵理「…いや…あなたに話すようなことじゃないわ」
  31. 31 : : 2015/10/31(土) 19:42:23

    絵理「何て呼べばいい?」


    穂乃果「私?」


    絵理「ええ」











    穂乃果「ボスって呼んで」


    絵理「ふっ…ふふふ!」


    穂乃果「あはは!」







    穂乃果「私は穂乃果だよっ!」


    絵理「穂乃果!一週間後よ」


    穂乃果「うん!」


    穂乃果「これ、ここに置いておくよ」カサッ



    バサァッ!

    タッ タッ タッ…

  32. 32 : : 2015/10/31(土) 19:54:28

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    絵理(ええ、あなたが言ってくれたおかげでしょう)


    絵理(キャンプの兵士たちは協力的だったわ)


    絵理(監視役の兵士はついたけど、病院の敷地内なら自由に動けたわ)


    絵理(監視役はこう言ったーー)


    雪穂「ボ…ボスにそうしろって頼まれましたから」


    絵理(ボスっていう呼び方は慣れてなかったけど、目は真っ直ぐだったわ)


    絵理(不思議ね、あなたはもう政府軍を離れている)


    絵理(でも、彼女はいまだに、慣れない口調ながらもボスと呼び、しかもそのことに喜びを感じている)
  33. 33 : : 2015/10/31(土) 19:58:28

    絵理(自由に歩き回ったおかげで、残念なこともわかったわ…)





    絵理(脱出はムリね、見張りは厳重、24時間隙がないわ)


    絵理(まぁ、想像はしてたわよ)
  34. 34 : : 2015/10/31(土) 20:06:42

    絵理(勝負に向けて……と称して、必要なものを調達してもらったわ)


    絵理(ゴーグル、時計、モリ……)


    絵理(マッチシューティング用のセミカスタムガバにまでOKが出たわ)


    絵理(気前が良すぎるわね)


    絵理(でも兵士は言ったわ)


    雪穂「お姉ちゃん…じゃなかった…!ボスに銃は無駄ですよ、一瞬で”撃てなく”しちゃいますから」


    絵理(手品でも使うのかしら…?)


    絵理(でも彼女はーー)


    雪穂「ふふっ!試してみればわかりますよ」


    絵理(と付け足したわ)
  35. 35 : : 2015/10/31(土) 20:20:34

    絵理(ここの兵士たちは、象徴として、それかリーダーとしてのあなたに、深い敬意を抱いていたわ)


    絵理(軍を辞めてついて行きたがっている人たちも沢山いたわ)


    絵理(あの人のためなら、命も惜しくない)


    絵理(かつての仲間にそこまで慕われるリーダー、それが、あなたの強さの秘密なのかしら)





    絵理(……私は……)


    絵理(私は革命軍の人たちを、まるでムチで追い立てるように扱っていたわ)


    絵理(彼らもそれなりに動いてくれたけど…)


    絵理(私について来てと言って、従う人がどれだけいたのかしら)







    絵理(部隊は全滅……もう確かめようがないわ)
  36. 36 : : 2015/10/31(土) 20:40:40

    絵理(最後の準備…)


    絵理(取り寄せたスコッチを報酬として、ミエール{ミツバチ}と呼ばれている地元の行商人に手紙を渡したわ)


    絵理(しばらく観察してたけど、兵士はみんな、彼には気を許していたみたい)


    絵理(酒瓶をちらつかせると、ミエールはその名のとおり、蜜蜂のように寄って来た)


    絵理「よし、行って!」


    ミエール「・・・・・」コクッ

    タタタタタッ







    絵理(宛先は、私が目をかけていたゲリラ戦士達)


    絵理(優秀で信用できる)


    絵理(あの時は居残り組だったから、まだ健在のはずよ)
  37. 37 : : 2015/10/31(土) 20:44:10

    絵理(すぐに蜜が運ばれて来たわ)


    絵理(説明を理解、計画も了解、これでいいわ)




    絵理(この時は、勝利を確信していたわ)
  38. 38 : : 2015/10/31(土) 20:54:42

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    絵理(一週間が経った)






    ブロロロロ…






    絵理「よし、このあたりで止めて!」


    ガーッ キィッ


    ガチャッ




    バタン





    絵理「穂乃果も下りてきて!」


    バタン




    穂乃果「絵理ちゃん、このあたりはダメだよ、場所を変えよう?」


    絵理「怖がらないでよ、前人未到のジャングルよ、ここのワニは、人肉なんて食べたことないわよ」


    穂乃果「メガネカイマンのことじゃないよぉ」


    絵理「危険な動物はいないわよ、毒ヘビの扱いだって慣れてるんでしょ?部下の花陽から聞いたわ」





    絵理「ここなら邪魔者も入らない…!」
  39. 39 : : 2015/10/31(土) 21:06:28

    穂乃果「…山賊風情のゴロツキさんがこのあたりを拠点にしてるって聞いたことがあるんだよ」


    穂乃果「麻薬を栽培してカルテルに売っているような人たちだよ?よそ者がウロウロするのは好まないでしょ?」


    絵理「え…?あぁ…」


    穂乃果「前人未到って言ってたよね?よく見てよ絵理ちゃん、人間が通った跡だらけだよ」


    穂乃果「折れた草、木の幹に刃物の傷」


    穂乃果「あそこ見てよ、裏返った小石がまだ湿ってるよ、数時間以内に誰かがここに来てるんだよ、それも一人や二人じゃない」


    穂乃果「ねぇ絵理ちゃん、ここはやめたほうがいいよ…これ以上面倒くさいことを背負いたくなければね?」



    絵理「う……」
  40. 40 : : 2015/10/31(土) 21:14:14

    絵理「場所はここでなければいけないわ…!」


    穂乃果「どうして?」


    絵理「ああ……待って、何を怖じ気付いてるの穂乃果?」


    絵理「あなたの仲間に見張りをさせておけばいいじゃない、そいつらが近付いてこないように…」


    絵理「あと、私が逃げられないようにね?」


    穂乃果「もちろんそのつもりだよ」


    絵理「この人数と装備を見たら、誰も近付いて来ないわ、そうでしょ?」





    穂乃果「むー、わかったよぉ、で、何をする気なの?」
  41. 41 : : 2015/10/31(土) 21:22:39

    絵理「モリで魚を突く、スピアフィッシングよ、やったことは?」


    穂乃果「ナイフでならね」シャキン


    絵理「え?ナイフで?」


    穂乃果「こんな便利なものは持ってないからねぇ」


    穂乃果「凛ちゃんほどの運動神経はないけど、自信はあるよ!」


    絵理「そう…まぁいいわ」






    絵理「捕った魚の数と大きさで競うわ、平和的でしょ?ほら!」ブン


    穂乃果「うん!」パシッ


    穂乃果「これで穂乃果が勝ったら納得するんだね?」


    絵理「もちろんよ、あなたをボスって呼んであげるわよ」


    穂乃果「よーし!じゃあ、始めよう!」
  42. 42 : : 2015/10/31(土) 21:51:43

    穂乃果「勝負っ!はぁっ!」ザシュッ!



    おぉー!



    穂乃果「行くよ!」ザシュッ!


    おぉぉー!!



    穂乃果「みんなに届け!!」ザシュッ!


    おおおぉぉぉー!!





    穂乃果「すごくいい感じ!」ザシュッ!


    絵理「で…でかい…!」


    穂乃果「アロワナだらけだよ!いい穴場を知ってたねぇ、だからここにしたかったの?」


    絵理「…まぁね」


    穂乃果「絵理ちゃんは何匹獲った?」


    絵理「二匹….…」ピチピチッ


    穂乃果「小さいねぇ、これじゃモズの餌だよ」


    絵理「穂乃果は…」アジン、ドゥヴァ、トゥリー…


    絵理「七匹…しかもどれも1メートル近い…!」
  43. 43 : : 2015/10/31(土) 21:58:01

    穂乃果「ふぇー」


    穂乃果「よし、絵理ちゃんにハンデをあげるよ!」


    絵理「ハンデ?」


    穂乃果「この先、たった一度でも穂乃果に勝てば、その時点でライブ成功だよ!」


    穂乃果「絵理ちゃんを逃して、穂乃果は完全に手を引くよ」


    絵理「くぅ…!」




    穂乃果「えへ、で、次は?」


    絵理「…腕相撲…アームレスリングはどう?」


    穂乃果「わかったよ」
  44. 44 : : 2015/10/31(土) 22:14:37

    ここあ「レディー、ファイッ!」


    絵理「ぐっ…!」


    穂乃果「えっ?ホントに!?ホントですか!?」


    絵理「ウソっぽいもん穂乃果ぁ…!」






    穂乃果「ごめんなさーい!」バシーン!


    絵理「あああああ…!」


    ここあ「勝負あり!ボス!」




    流石です!ボス!



    穂乃果「…他に得意なことは?」


    絵理「銃の分解組み立て競争といきましょう!ロシアじゃ一番早かったんだから!」


    穂乃果「じゃあ穂乃果、目隠ししてやるね」


    絵理「え?」
  45. 45 : : 2015/10/31(土) 22:23:48

    こころ「始め!…です!」


    ガッ! カチャカチャ…


    絵理「あれ……これが……いやまって」


    絵理「この先っぽ……わ、ハラショ……あれ、おかしいな…?」



    カチャカチャカチャ

    ガチッ!


    穂乃果「よしっ!」ガタッ


    こころ「そこまで!…です!」


    おぉー!




    ガサガサッ


    ハムッ



    キョウモパンガウマイ!




    ゴソゴソ



    穂乃果「あはは!何それ絵理ちゃん!月着陸船?」


    絵理「」ガタッ!


    絵理「……次は早食いよ」


    穂乃果「早食い?何を?」


    絵理「あれよ」
  46. 46 : : 2015/10/31(土) 22:31:27

    ビチビチッ!

    穂乃果「さっき獲った魚!アロワナを!?」


    絵理「そう、しかも、煮たり焼いたりは無しよ」


    穂乃果「生で食べるの?」


    絵理「そうよ、ナマは嫌い?」


    穂乃果「好んで食べたりはしないけど…」





    絵理「アイドルたるもの、食べられる時に食べられるものを食べられるだけ食べる、そんなお腹を持っているべきよ」


    穂乃果「そう…なのかなぁ?」


    絵理「だからそれを競うの!」


    穂乃果「いいよ!」

  47. 47 : : 2015/10/31(土) 22:45:02

    穂乃果「よーし、試しにあれを使ってみようか!」










    穂乃果「”練習”開始、だよっ!」ピロリン


    絵理「練…しゅ…えぇ?」


    ピロリン


    キュルルルルル!


    キラリーン!


    ”SUCCESS”



    穂乃果「はむっ」


    絵理「うわ!そんな一息に…!」


    穂乃果「うまい!」

    おぉー!


    絵理「ほ、穂乃果…生魚食べられるの?」


    穂乃果「ロー・フィッシュを食べる人といえば日本人でしょ?」


    絵理「いえ、日本人でも、魚ごとかぶりつくことはあまり…」
  48. 48 : : 2015/10/31(土) 22:55:25

    穂乃果「はぁっ!」


    ピロリン


    キュルルルルル!


    キラリーン!


    ”SUPER SUCCESS”



    穂乃果「はむっ」


    穂乃果「うますぎる!」


    おおぉー!!






    穂乃果「どうしたの絵理ちゃん、早くたべようよぉ!」


    絵理「えぇ……」



    ピロリン


    キュルルルルル!


    キラリーン!


    ”ULTRA SUCCESS”



    穂乃果「はむっ」


    穂乃果「最高だよっ!」

    おおぉぉぉー!!



    絵理「…凄まじいわね…」


    穂乃果「食べてみると美味しいもんだねぇ」


    絵理「アイドルがやっていビジュアルじゃーー」


    穂乃果「これは勝負なんだよ絵理ちゃん!」


    絵理「でもーー」
  49. 49 : : 2015/10/31(土) 22:57:12

    ピロリン


    キュルルルルル!











    絵理「待った!」


    穂乃果「ん?」


    絵理「も…もういいわ」


    穂乃果「そう?」

  50. 50 : : 2015/10/31(土) 23:02:26

    穂乃果「で?」


    絵理「え?」


    穂乃果「もう観念して穂乃果たちのところに来てよ」





    絵理「……いや……これからよ…!」


    絵理「よし、次の勝負はーー」


    穂乃果「えぇー?まだやるのぉ?」


    絵理「もちろんよ…!」


    穂乃果「今度は何?クイズ?エアファイト?」


    絵理「何よそれ…?」

  51. 51 : : 2015/10/31(土) 23:13:42

    絵理「いいえ違うわ…射撃ーー」





    絵理「スピードシューティングよぉぉ!!!」





    穂乃果「ぅ絵理ちゃん!大声出しちゃダメだよぉ!」


    絵理「順番に銃を撃って、6つの的を撃ち倒した時間を競うわ」


    穂乃果「わかった、けどそろそろ日が沈むよ、それに銃が聞こえたらゴロツキさんたちが近付いてくるよ、これが最後の勝負だよ?」


    絵理「もちろんよ」


    絵理「もし私が負けたら、今度こそ認めましょう」


    穂乃果「その言葉、忘れないでよ?」


    穂乃果「誰か、ガバをちょうだい」


    カチャッ
  52. 52 : : 2015/10/31(土) 23:22:25

    虎太郎「スタンバーイ」

    ビーッ!

    カタッ カタッ カタッ


    穂乃果「はぁっ!」

    バババンッ!!




    虎太郎「2秒52ぃー」



    おぉー!


    絵理「ううん、やるわね」


    穂乃果「今度は絵理ちゃんの番だよ?」


    絵理「えぇ」

    カチャ








    絵理「でもターゲットはーー」ガチャッ


    絵理「穂乃果、あなたよ!」
  53. 53 : : 2015/10/31(土) 23:34:51

    ザッザッザッザッザッ


    ガチャッ! ガチャッ! ガチャッ!


    ヒデコ「囲まれた…!」


    絵理「待たせたわねぇ…!やっとあなたたちの出番よ…!」






    穂乃果「さっきの大声は合図かぁ」


    穂乃果「この人たちは?山賊じゃないよねぇ?」


    絵理「私が一番信頼している人たちよ」


    穂乃果「予めここに集めておいた、だから絵理ちゃんはこの場所に固執したんだね?」


    絵理「まあそんなところよ」


    穂乃果「さっきまでのお遊びは、日が暮れるまでの時間稼ぎ?」


    絵理「うふふ、楽しかったわよ…!」
  54. 54 : : 2015/10/31(土) 23:48:54

    絵理「でも、あなたの飼い犬になるつもりはないわ」


    穂乃果「飼い犬?私のところに来てって言っただけだよ?」


    絵理「同じことよ」


    絵理「覚えているかしら?私はお金のために戦ってるんじゃないわ」


    穂乃果「うん、何のため?」


    絵理「私には夢がある」


    穂乃果「私にだって夢はあるよ?」


    絵理「そんなことは聞いてないわ」


    絵理「でも私も学校を守る、守るために活動する、私のやり方でね…!」


    穂乃果「ほぇー、絵理ちゃんもそうだったんだ」
  55. 55 : : 2015/11/01(日) 00:01:06

    絵理「時代は何もしなくても勝手に進んで行く、古き伝統は記憶から消え去り、消滅していく時代が来るでしょう」


    絵理「その時、私は愛する学校を守るために、全てのちからをそこに捧げる…!」


    絵理「学年も、組織も、思想も関係ない…!学院中のね…!」


    絵理「生徒会を中心とした生徒たちが、学校情勢や、風紀を動かす…!」


    絵理「私は、この学校を守る生徒会長となる!」


    穂乃果「学校のために義務感で動く生徒会長なんて珍しくないよ」


    絵理「そんなケチなものじゃあ……」
  56. 56 : : 2015/11/01(日) 00:10:06

    絵理「あなたの説得には時間が掛かりそうねぇ」


    穂乃果「いらないよ」


    絵理「どう?あなたこそ私の元で働かない?彼らと一緒に」


    穂乃果「そのゲリラ兵たちと?」


    絵理「そう、教官をやってた時に目を付けた精鋭達よ、最も信頼できる、私の生徒会の立ち上げメンバーだと思っているわ」


    絵理「どう?穂乃果も加わらない?」


    穂乃果「えへへ、それは難しいねぇ」


    絵理「交渉決裂ね…残念よ…!」ガチャッ!

  57. 57 : : 2015/11/01(日) 00:19:07

    ザワザワ…!




    穂乃果「…私を撃つの?」


    絵理「命を取る気はないわ、無事逃げたいだけよーー」




    穂乃果「はぁっ!」タタタタタッ!


    絵理「来るわ……!」


    ガシッ!


    絵理「うわっ!?」

    カチャッ…

    穂乃果「えーいっ!」


    絵理「きゃあぁっ!」ビターン!


    絵理「もうっ!」カッ


    絵理「!?私の銃の…スライドが無い!?」


    穂乃果「これのこと?」ヒラヒラ


    絵理「いつの間に…!?」


    穂乃果「えいっ!」ポイッ ポチャン

  58. 58 : : 2015/11/01(日) 00:24:53


    絵理「みんな!こいつを捕まえて!」


    穂乃果「いいよぉ!」

    ガタガタッ


    絵理「え?え?ちょっと、違うわよ…私じゃない、穂乃果を…離して!」


    亜里沙「お姉ちゃん、ゴメンね?」


    絵理「なん…だと…?」
  59. 59 : : 2015/11/01(日) 00:36:24

    穂乃果「あはは!」


    穂乃果「ミエールだよっ!」


    絵理「え?」


    穂乃果「ミエール、ミツバチ!絵理ちゃんが治療中に手紙を渡した相手だよ」


    絵理「何故それを…?」


    穂乃果「あの手紙を、彼は真っ先に穂乃果に見せたんだよ」


    絵理「あれもあなたの仲間なの…!?」


    穂乃果「で、穂乃果は宛先のメンバーをまわった」


    穂乃果「するとみんな、穂乃果のところへ来たいって言ってくれたんだよ」


    絵理「裏切ったの!?」


    穂乃果「決断をしたってことだよ、だよね!?」



    ゲリラ兵A「はい、ボス」
    ゲリラ兵B「はい、ボス」
    亜里沙「はい、穂乃果さん」
    ゲリラ兵C「はい、ボス」
    まこ「はい、穂乃果ちゃん」


    絵理「くぅぅっ…!」
  60. 60 : : 2015/11/01(日) 00:43:46

    穂乃果「それにしても絵理ちゃん、監視役が一人だけだと思ったの?諜報活動はまだまだだねぇ」


    絵理「スネークじゃないからね」


    穂乃果「でも人を見る目は凄くいいよ!絵理ちゃんが選んだこの人たちは、みんないい人たちだよ」


    穂乃果「絵理ちゃんが政府軍の工作員だっていうブラフの件もすぐに理解してくれたよ」


    絵理「どうやって抱き込んだの?」


    穂乃果「しっかり顔を見て話し合っただけだよ」
  61. 61 : : 2015/11/01(日) 00:53:36

    穂乃果「さぁ、これで絵理ちゃんも観念したでしょ?」



    絵理「そうね……カリスマの違いってわけね」









    ゲリラ兵A「さぁ立ってーー」グイッ

    ガッ!

    ゲリラ兵A「どあぁっ!」

    シャキン

    絵理「どけ!」ダダダダッ!


    待て!

    待てっ!





    絵理「私は、一人でも、生きる!!」


    まこ「止まれ!撃つぞ!」ガチャッ!


    穂乃果「待って!」



    まこ「モリを持っていったよ!」


    穂乃果「あぁ、あっちはマズいよぉ…」


    まこ「山賊、だよね?」


    穂乃果「日も暮れる…みんなはここで待ってて」ガサッ タタタタタッ!


    まこ「穂乃果ちゃん!」





    まこ「気をつけて…!」
  62. 62 : : 2015/11/01(日) 01:01:29

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    絵理「はぁ…!はぁ…!はぁ…!」タッタッタッ


    絵理「はぁ…はぁ…っ!くぅ…!」カランカラン


    絵理「うっ…くぅ…!」



    タッタッタッ!



    穂乃果「絵理ちゃん!諦めようよ!」


    絵理「・・・!」ガシッ


    穂乃果「ん!?」





    絵理「やああぁぁぁぁぁっ!」ブオン!


    穂乃果「ふっ!」スカッ ガシッ!


    絵理「うあっ!!」ビターン!

  63. 63 : : 2015/11/01(日) 01:09:40

    穂乃果「立って!さぁ!」


    絵理「うぅぅっ…!」カラン


    穂乃果「どうしたの?かかって来なよ!」


    絵理「えぇい!!」ブオン!


    穂乃果「隙だらけだよっ!フンッ!」スカッ ガシッ!


    絵理「きゃあぁっ!!」バシーン!






    穂乃果「絵理ちゃんの作戦も隙だらけだったけどねぇ…」
  64. 64 : : 2015/11/01(日) 01:16:26

    絵理「こんのおぉぉ…!」カラン


    穂乃果「いいよ、突いて!私を刺してみてよ!正面から堂々と!!」


    絵理「でやあああっ!!」ブオン!


    穂乃果「ダメだ!先がブレてるよ!!」スカッ ガシッ!


    絵理「ああぁぁぁっ!!」ドガッ!!









    穂乃果「・・・・・」ガシッ! ギリギリッ…!
  65. 65 : : 2015/11/01(日) 01:24:32

    絵理「……離して…!首が…折れる…!」


    穂乃果「さぁ、穂乃果たちの友達になるか、あるいは今度こそ本当に切腹するか?」


    穂乃果「かいしゃくはしてあげるよ?」


    絵理「うぅっ…くあぁっ…ぅっ…!」ギリギリッ!




    穂乃果「どっちも嫌なら、このまま穂乃果の腕の中で眠る?」


    絵理「あ…ああぁぁぁっ…!」ギリギリッ!


    穂乃果「さぁ、どうする!?」


    絵理「うっ…!うあぁ…!ぐぅぅっ…!」ギリギリッ!
  66. 66 : : 2015/11/01(日) 01:32:02

    絵理「判った…判ったから…離して…!」


    穂乃果「うん」パッ


    絵理「はぁ…!はぁ…!はぁ…!」







    絵理「あなたからは…逃げられない…!まるで…蛇に睨まれたカエルってところね…!」


    穂乃果「観念した?」


    絵理「あなた、強すぎる…しかも、私の部下や、妹まであっさり手なずけてしまったわ…」


    穂乃果「じゃあ降参する?」


    絵理「いや……私は負けてない……」


    穂乃果「えぇ〜?」
  67. 67 : : 2015/11/01(日) 01:43:48

    絵理「まだ、最後の……決着は付いてないわ…」


    絵理「私は負けてない」


    穂乃果「絵理ちゃん、まだーー」


    絵理「でも…あなたと一緒にやりたい、協力しましょう、つまりーー」


    絵理「共同経営者ってやつよ」


    穂乃果「お金儲けをするつもりはないよぉ」


    絵理「そうじゃないわ」
  68. 68 : : 2015/11/01(日) 01:45:37

    絵理「私たち日本人は、エコノミック・アニマルだなんて呼ばれてるわ、金の亡者だってね」


    絵理「でも違う、誰も、心動かされないことに惹かれたりしない」


    絵理「私は世間の期待に見合う価値を売るの、それに見合うなら売り込みもする」


    絵理「でも、私の目的はお金じゃない!」


    穂乃果「なに?」








    絵理「認められたい…証明したいのよ…!」

  69. 69 : : 2015/11/01(日) 01:54:08

    絵理「私には夢がある、あなたにも夢がある」


    穂乃果「私のはそんな大それたものじゃないよ」


    絵理「私には判る、あなたとならそれが出来る、そう確信したのよ」





    穂乃果「……でもーー」


    絵理「仲間の指示は私に任せてくれればいいわ」


    絵理「あなたが望む、組織も、思想も、学院も越えたアイドル…!」








    穂乃果「うーん…」

  70. 70 : : 2015/11/01(日) 01:58:21

    絵理「一緒に作りましょう」


    絵理「夢を追う者の理想郷を、あなたが望む理想郷を…!」





    穂乃果「9人の歌の女神……」


    絵理「えぇ」

  71. 71 : : 2015/11/01(日) 02:05:01

    穂乃果「あはは、絵理ちゃん」


    絵理「なに?」


    穂乃果「コネも実戦経験もないのに、なんで教官職の契約が取れたのか、理由がわかった気がしたよ」


    絵理「そうかしら?」


    穂乃果「結局失敗した理由もね」


    絵理「相手があなたとはね……ツイてなかったのよ…」
  72. 72 : : 2015/11/01(日) 02:08:50

    穂乃果「立てそう?」


    絵理「起こして頂戴」


    パシッ






    絵理「宜しくね、ボス」


    穂乃果「穂乃果でいいよ」


    絵理「決着もいつかつけるわ」


    穂乃果「いいよ」
  73. 73 : : 2015/11/01(日) 02:15:49

    絵理「そうだ、穂乃果、ファンは何人くらいなの?」


    穂乃果「ん?」


    絵理「モノにしたファンのことよ…!」


    穂乃果「ああ….ぅ絵理ちゃんは!?」


    絵理「うーん…これくらい…」ペシペシ

    絵理「いや…これくらいよ…」ペシペシ



    穂乃果「ほぇー…」


    絵理「穂乃果は?」


    穂乃果「穂乃果!?穂乃果はーー」
  74. 74 : : 2015/11/01(日) 02:28:56

    ガサガサッ


    穂乃果「ん…?」


    絵理「…穂乃果…」


    穂乃果「…気付いた?」



    ザッザッザッザッザッ


    ガチャッ! ガチャッ!



    穂乃果「…囲まれた」


    絵理「縄張りに入り込んでしまったみたいね」


    穂乃果「来る…二人だ!」


    ガサガサッ!


    山賊A&B「でええぇぇぇい!!」



    穂乃果「連続!」ガシッ

    山賊A「うわっ!?」


    穂乃果「C!」ブオン!

    山賊A「ぐわあぁぁぁっ!」ビターン!

    穂乃果「Q!」ガシッ


    山賊B「うおっ!?」

    穂乃果「C!だよっ!」ブオン!

    山賊「ぶあぁぁぁぁっ!」バシーン!



    絵理「見事よ穂乃果!」
  75. 75 : : 2015/11/01(日) 02:36:44

    カチャカチャ


    穂乃果「銃を持ってたよ!使える?」ポイッ


    絵理「古いわねぇ!」パシッ


    穂乃果「無いよりいいでしょ?」


    絵理「この辺りは政府軍、反政府勢力、どちらの勢力圏でもないわ」


    穂乃果「やっぱり無法地帯の山賊風情だよね」


    絵理「ほぼそうよ」





    ダダダダン! ダダダダダッ…!





    穂乃果「みんなが危ない、戻るよ!」


    絵理「まずは包囲網の突破ね」


    穂乃果「これは戦いだよ、避けられないこともあるけど……救える命は奪わないでね?」


    絵理「了解よ!」
  76. 76 : : 2015/11/01(日) 02:44:24

    カチャカチャッ

    ガチッ!



    穂乃果「メンバーの腕前を、拝見といくよ!」



    ダダダダダン!ダダダダダッ!



    絵理「コンタクト!十時!軽機!」



    ガチャッ!
    ダダダン!


    山賊C「ぐわあぁぁぁぁぁぁ!」


    ダダダダダッ!ダダダダダッ!



    絵理「コンタクト!正面!サブガン!」



    ババン!バババン!


    山賊D「どわぁぁぁっ!」



    絵理「クリア!ムーブ!!」


    ダダダダダッダダダダン!

    バババババッ!

    ダダダダンダダダダン…!


    ダダダ…!





    fin
  77. 77 : : 2015/11/01(日) 02:49:56

    後書き失礼


    私のハマっているもの2つを組み合わせたらこうなりました。
    初めてのSSでしたが、楽しんでいただけたなら幸いです。

    なお、この元ネタは
    ”メタルギアソリッドV グラウンド・ゼロズ”
    に収録されています。
    気になったかたはぜひ、
    pwとtppも合わせて触れてみて下さい。

    それでは

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