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エレン「エピソードI」 アルミン「ファントム・メナス」 ⑥ 進撃×スター・ウォーズ
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- 1 : 2015/09/19(土) 18:08:09 :
- 進撃×スター・ウォーズ、エピソードI、ファントム・メナスの第6
話です。
これがファントム・メナス最終話になります。
よろしくお願いします。
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- 2 : 2015/09/19(土) 18:11:36 :
流線型のヌビアンはハイパースペースを抜け、ヒストリアの故郷であるナブーの近くに姿を現した。
コクピットではエレンがパイロットにあれこれと教わるのを、アルミンが後ろから眺めていた。
「これが前方スタビライザーだ。」
「それで、この二つがピッチを制御するんだな!?」
「飲み込みが早いな、坊主。」
教えたことをすぐに吸収するエレンに対し、パイロットは感嘆を禁じえなかった。
____________確かに、この少年の才能は驚くほどだ。
僕なんかよりも全然、飲み込みが早い。
アルミンもまた、エレンの才能の豊かさに驚かされていた。
もしエレンがジェダイになったら、どんな騎士になるのだろう・・・・・・。
いやいや、エレン・イェーガーは危険なんだ!
でも・・・・・・。
アルミンは、エレンのこれからを見てみたい、と密かに思った。
____________どうやら僕は、自分が思っているほど規則に従順ではないらしい。
規則に反することに抵抗を覚えつつも、アルミンはエレンのフォースの強さを感じ取っていた。
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- 3 : 2015/09/20(日) 16:13:18 :
別の部屋ではエルヴィンがヒストリア女王を前に、これからのことを話しあっていた。
「あの通商連合の野郎どもは、着陸した途端にヒストリアにサインを求めるだろうな。」
「ユミルの言う通りです、陛下。」
「それでも我々は、失われたものを取り返すのです。」
「たく、うちの女王陛下は強情っぱりだな。」
ヒストリアの意志は固く、どうあっても故郷を取り戻す。その思いに溢れていた。
「だがよ、私たちには軍隊がない・・・・・・さすがに数が少ないのに戦うってのは無謀だろ? ヒストリア?」
「それに、我々ジェダイもあなたをお守りすることが精一杯です。」
____________ユミルやエルヴィンの言うことももっともだ。
でも・・・・・・。
「ジャー・ジャー・ビンクス。」
「え? ミー?」
「あなたの力をお借りしたいのです。」
____________戦う方法ならまだあるはずだ。
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- 4 : 2015/09/20(日) 16:13:43 :
「通商連合のバトルシップを一隻、捕捉しました!」
パイロットが叫び、コクピットに緊張が走る。
「恐らく向こうも感知しているだろうね。」
「どうすりゃいいんだよ、アルミン。」
「大丈夫だよ、エレン。」
アルミンは落ち着いていた。
どうやらバトルシップは一隻のみ。
恐らくドロイドをコントロールするドロイド船だ。
あのドロイド船を落とせば、ナブーに展開するドロイドは機能停止する。
「首都シード郊外の森の中に船を降ろしてください。まずは身を隠しましょう。」
パイロットに指示を出し、アルミンは幾分か緊張した面持ちで遠くにあるドロイド船を覗いていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 5 : 2015/09/20(日) 16:14:22 :
「マスター、ジャー・ジャーはあの沼地からグンガン人の都市へ行きました。」
「ふむ、あのグンガン人たちを説得するのは簡単ではないだろうな。」
ナブーに戻ったはいいものの、こちらには戦力がなかった。
頼みの綱は、“グンガンの偉大なる軍隊”のみ。
「女王陛下もなかなかの博打好きらしいな。」
「きっとマスターのせいですよ。あなたはいつも出たとこ勝負なんですから。」
エルヴィンとアルミンはお互いくすっと笑うと、急にアルミンがばつの悪そうな顔をした。
「あの、マスター・・・・・・。」
「ん?」
「ごめんなさい。エレンについて、出過ぎたことを言いすぎました・・・・・・。僕は決して、マスターのことを悪く言うつもりではなかったんです。」
エルヴィンは笑ったまま、アルミンの頭に手のひらを置いた。
「お前は賢い弟子だ、私よりもな。それに、急場の時ほどお前はその真価を発揮する。」
ジェダイ評議会の時とは違い、本心からそう語ってくれるエルヴィンに、何だかこそばゆい思いがした。
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- 6 : 2015/09/20(日) 16:15:29 :
____________思えば僕は、力の弱いジェダイだった。
体力は無い。
ライトセイバーは上手く扱えない。
そもそも僕は、フォースが弱い・・・・・・。
フォースの感知者として、幼い頃にジェダイ聖堂に連れてこられた僕は、他の幼い子供たちに引け目を感じていた。
だから、知識だけは負けないようにと一生懸命勉強したのが懐かしい。
結局僕は弱いままで、15歳になっても師匠となる人と巡り合えなかった。
そのまま農場送りになるのが僕の運命だったのだ。
でも、そんな僕の運命は、エルヴィン・スミスとの出会いで変わった。
こんな僕を弟子にしてくれて、10年もの間、一緒に修業をしてきた。
「あ、ありがとうございます! マスター!」
思わず力んでそう言ってしまった僕に、エルヴィンは優しいまなざしを向けたまま、真摯に答えてくれた。
「いずれジェダイ・ナイトになるための試練を受けることが出来る。アルミン、それまで気を抜かずに修行に励むんだ。」
「はい!」
____________この任務が終わったら、ジェダイ・ナイトになって、マスターに恩返しがしたい。
僕は密かに、そう誓った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 7 : 2015/09/20(日) 23:23:48 :
沼地から上がったて来たジャー・ジャーは、何だか冴えない顔をしていた。
・・・・・・まぁ元々マヌケヅラだけど。
「失敗したのかい?」
「いいや、誰もいなかったよ。中は荒らされた後だけ。」
____________とりあえず最悪の事態ではなかったものの、十分に悪い事態ではあった。
「ミーたちグンガン人には、聖なる場所があるよ!」
「聖なる場所?」
「グンガン人何かあると皆でそこいくよ。」
とはいえ、まだ終わったわけではないらしい。
「案内を頼んでいいか、ジャー・ジャー?」
「もちろんよ! ミーそこへ案内するよ!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 8 : 2015/09/20(日) 23:24:11 :
ジャージャーの案内で、僕たちはグンガンの聖域とされている場所へと行った。
そこには古代の石像の頭部がそこかしこに転がっている森の中で、湿地帯でもあった
グンガンの親衛隊の隊長を務めるターパルスに連れられ、僕らはボス・ナスの前へと連れてこられた。
「閣下、ナブーのヒストリア女王が見えました。」
木の幹の上にいるボス・ナスに向かって、恭しい礼をするターパルス。
「や、やあボス。あ、お久しぶりね。」
声を震わせながらしゃべるジャー・ジャーに、ボス・ナスは静かに、しかし怒ったような口調で迫った。
「そこにいるよそ者 はだれだ?」
「閣下、私はヒストリア女王です。」
「ああ、ナブーにすむ思い上がった者たちか・・・・・・。ユーがあの機械の兵隊連れてきた!」
どうやらボス・ナスは酷い誤解をしているらしかった。
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- 9 : 2015/09/20(日) 23:25:14 :
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「閣下!」
すると突然、侍女のクリスタが前に出た。
「ん? お前は誰だ?」
「私がヒストリア女王です!」
「え!?」
「はぁ!? 何言ってんだよ!?」
ジャー・ジャーとエレンが驚きの声を上げた。
咄嗟にエレンはエルヴィンとアルミンの顔を確認したが、二人は特に驚いた顔をしていなかった。
「エルヴィンさんとアルミンは気が付いていたの!?」
「今目の前で起こっていることが真実だ、エレン。」
相変わらず涼しい顔で答えるエルヴィン。
本物のヒストリア女王は話を続けた。
「彼女は私の忠実な影武者です。閣下を騙したことをお詫びしますが、そうでなければ身を守れませんでした。」
そのままヒストリアは膝をつき、ボス・ナスに訴えた。
「通商連合がこの惑星のすべてを破壊しました。どうか、閣下の力をお貸しください。私たちは閣下の忠実な僕。私たちの運命は、あなたの手の内にあるのです。」
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- 10 : 2015/09/20(日) 23:26:52 :
ナブーの人々が女王に習い、ボス・ナスに対してひざまずく。
彼らに合わせて、エルヴィンやアルミン、エレンもボス・ナスに対して頭を下げた。
「う~~~む。」
あごに手を当てるボス・ナス。
だが・・・・・・
「はっ! あはははははははっ!!」
しばらくしてボス・ナスは豪快に笑い始めた。
「ユーたちミーたちより優れていると思ってはいないな!? ミーは気に入ったぞ!! ユーとミーは、友人になれる!」
どっと、人間とグンガン人から歓声が上がった。
ほっと胸を撫で下ろすヒストリア。
こうして、人間とグンガンの、長い誤解を解く第一歩が踏み出された。
そして同時に、通商連合によって奪われた故郷を取り戻すための共闘が始まったのである。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 11 : 2015/09/21(月) 12:52:11 :
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シード宮殿。
ガンレイ総督は既にモール卿と合流し、シディアス卿の指示を仰いでいた。
「偵察隊を派遣しました。女王の宇宙船が沼地にあることを既に突き止めています。間もなく捕えられるでしょう。」
『あの小娘がここまでの動きを見せるとは・・・・・・用心せよ、モール卿。奴らに先手を打たせるのだ。』
「はい、マスター。」
寡黙なシディアス卿の殺人マシーン、ダース・モールは囁くように答えた。
____________シスは忍耐強い。
千年もの間、復讐の機会を窺い、闇の中に潜伏してきた。
そしていよいよ、彼らの復讐の第一歩が踏み出されようとしていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 12 : 2015/09/21(月) 13:28:43 :
- 期待でする
勿論TPPは買いましたよね?
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- 13 : 2015/09/21(月) 13:34:21 :
- 期待ありがとうございます!
TPP、買いましたよ!
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- 14 : 2015/09/21(月) 13:40:59 :
通商連合が彼らに偵察部隊を放ったように、ヒストリアもまた、偵察部隊をシード宮殿に送っていた。
「帰ってきたぞ!」
「了解だ!」
丘の上にある石像の上にて偵察部隊の帰還を待っていたターパルスが叫んだ。
エレンがそれを伝えにヒストリアの元へと走り出す。
「クリ・・・・・・じゃなかった、ヒストリア! 帰ってきたぞ!」
「良かった・・・・・・。」
ヒストリアはユミルを斥候に出してきた。
こんな危険な任務は、信頼のおけるユミルにしか任せられなかったが、やはり気が気ではなかったのである。
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- 15 : 2015/09/21(月) 13:41:26 :
「よくやったぞ、ジャー・ジャー。ユーがナブーとミーたちを一つにした。」
ボス・ナスはご機嫌な様子でジャー・ジャーと肩を組んでいた。
「いえいえ、そんな・・・・・・。」
「よってお前を、グンガンの将軍に任命する。」
「将軍!?」
余りにビックリしたのか、ジャー・ジャーはボス・ナスに寄りかかり、そのままふらふらと倒れてしまった。
ボス・ナスは豪快に笑いながら、帰還したユミルの元へと歩き始めた。
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- 16 : 2015/09/21(月) 13:42:21 :
「シードの様子なんだが、市民はほとんど捕えられて収容所送りだ。地下でレジスタンス活動をしている奴が数名。こいつは大した数じゃない。それに引き換え、通商連合のドロイドの数は予想以上だ。」
ユミルの報告は、いかに絶望的な状況かを把握するのには十分過ぎた。
すると、アルミンがあごに手を当てて話し始めた。
「陽動作戦はどうでしょうか、陛下?」
「といいますと?」
「グンガンの軍隊が囮になって、シードのドロイドたちを誘き出します。その隙に僕らは宮殿に上がり込むんです。R2、宮殿のホログラムを映せる?」
R2は電子音を発し、宮殿のホログラムを映し始めた。
「ガンレイ総督はきっと女王の間にいるでしょう。ただ、警備は厳重だと思うのですが・・・・・・。」
まだ自信がないのか、言葉が尻すぼみになるアルミン。
「随分と自信なさげじゃねえか、男女のジェダイさんよ。」
「なッ!?」
「まぁ、難しいのは女王の間に入るまでだ。その後は簡単だ。」
からかいながらも、ユミルは作戦に同意した。
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- 17 : 2015/09/21(月) 13:43:28 :
「一つ、いいだろうか?」
今度はエルヴィンが口を挟んだ。
「この作戦ではグンガンに大量の死者が出る。」
「心配には及ばない。ミーたちは戦士だ。それくらいの覚悟はできている。」
ボス・ナスは力強く答えた。
グンガン人は誇り高く、敵前逃亡など微塵も考えてはいなかったのだ。
アルミンはさらに、説明を続けた。
「ドロイド船に戦闘機を送り込み、これを破壊します。ドロイド船を失えば、ドロイドたちを無力化できます。」
「ナブーの戦闘機ではドロイド船のシールドは破れないだろう。それと、もう一つリスクがある。」
エルヴィンは慎重に、この作戦の欠点を指摘した。
「もし総督をここで逃せば、さらに大軍を率いて戻ってくるだろう。」
「だからこそ、総督を捕えるのは絶対なんです。」
「・・・・・・やりましょう、アルミンさん。」
ヒストリアは、アルミンの立てた作戦に乗り気だった。
「やれやれ、うちの女王様は乗り気みたいだぜ。」
一旦こうと決めたら梃子でも動かない。
ヒストリアの頑固さを知っているユミルはあきれたような笑顔を浮かべた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 18 : 2015/09/21(月) 13:49:27 :
シード宮殿。
『意外と愚かな小娘だ。』
シディアス卿は淡々としていた。
目下のところ、ヒストリア女王の動きは予想外であったが、それでも彼の計画を覆すには至らない――――――そう判断しての言葉だった。
「沼地に集結している軍隊は原始的な民族の寄せ集めです、閣下。ドロイドの全軍を派遣しました。」
『よろしい。それは我々にとって有利となろう。』
「では、攻撃を開始してもよろしいでしょうか、閣下?」
ガンレイの質問に、シディアス卿は極寒の宇宙と同じ冷たさで答えた。
『皆殺しにしろ。一人残らず。』
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 19 : 2015/09/21(月) 15:15:00 :
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第6話
ナブー騒乱
霧のかかった湿地帯。
その奥から、カドゥと呼ばれる二足歩行の生物に跨ったグンガンの戦士たちが姿を現した。
グンガンの偉大なる軍隊。
いよいよいくさが始まる・・・・・・。
楽器を吹き鳴らし、士気を鼓舞、八千にも及ぶ軍団が草原の上を進軍していく。
「止まれ!」
ターパルスが号令をかけ、全軍が停止。
「シールドを起動せよ!」
巨大なファンバの背中に乗せたシールド発生装置を起動。
※ファンバ
http://www.starwars.jp/wiki/images/8/8a/Gungan_Grand_Army.jpg
バシュウッ!
軍を覆い囲むように、半球状のシールドが三つ出現し、グンガン人の軍隊を包み込んだ。
緊張した面持ちで敵を待つジャー・ジャー将軍。
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- 20 : 2015/09/21(月) 15:15:28 :
すると、丘陵の向こうから、通商連合の戦車が姿を現した。
その後ろにはMTT――――――ドロイドを満載した輸送車が後続している。
戦車がまず前列に整列。
様子を除いていた指揮官役のバトル・ドロイドが命令した。
「ウテッ!」
砲台からまばゆい赤いレーザーが放たれた。
レーザーはシールドに衝突、すさまじい爆音を立てて霧消した
◇◇◇◇◇
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- 21 : 2015/09/21(月) 15:17:55 :
ナブーの首都、シードの街中を移動する数人の影。
ヒストリアが建物の物陰から、赤いレーザーポインターで合図を出す。
向こうの建物からは青のレーザーポインター。
これはユミルからの合図である。
街中は数台の戦車とバトル・ドロイドが警備をしているだけであった。
「マスター、いつでも行けます。」
「分かった。」
エルヴィンは頷くと、エレンの前にしゃがんで話を始めた。
「いいか、戦いが始まったらお前は安全な場所に隠れるんだ。」
「え? 何で!?」
「お前はまだ9歳の子供だ。隠れたら動くなよ?」
有無を言わさぬエルヴィンの眼差しに、しぶしぶ頷くエレン。
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- 22 : 2015/09/21(月) 15:18:21 :
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ゆっくりと、砲台を積んだスピーダーが建物の影から出ていき・・・・・・
バシュウッ!
ドゴオォオンッ!!
火を噴いて戦車を破壊し、戦闘が開始。
たちまちのうちに女王の親衛隊と、ドロイドたちの放つレーザーで街は埋め尽くされた。
ビュウウンッ!
ビュウウンッ!
二人のジェダイが物陰から出てライトセイバーを起動。
「はぁッ!!」
行く手を塞ぐドロイドをアルミンが駆逐していき、エルヴィンは女王を護衛。
「アッチニイッタゾ!」
ドロイドがそう叫ぶ頃には、ヒストリアはもう宮殿の入り口に到着していた。
ヒストリアたちは、難無く宮殿への侵入を果たした。
宮殿の窓から市街地での戦いを覗くガンレイ総督は呟いた。
「戦いは遠くで起こっているのではなかったのか? 音が近いぞ!?」
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- 23 : 2015/09/21(月) 16:00:27 :
そのままヒストリア女王はスター・ファイターのあるハンガーベイへと到着。
エルヴィンとアルミンが先導し、護衛のドロイドが撃ちまくるレーザーを光刃で跳ね返していく。
「エレン! 隠れろ!」
「早く行くんだ! エレン!」
「分かった!」
二人のジェダイに交互に促され、エレンはハンガーベイの片隅へと走り出した。
「船に乗ってッ!!」
ヒストリアが叫び、スター・ファイターのパイロットがN1スター・ファイターへと乗っていく。
※N1スター・ファイター
http://www.starwars.jp/wiki/images/4/49/N-1_starfighter.jpg
キィィィ・・・・・・・・・・・・ゴオオオオッ!!
轟音と共に飛び立っていくスター・ファイター。
およそ30機のスター・ファイターがドロイド船を目指して大空へと消えていく。
「うわっ!」
レーザー飛びかうハンガーベイの中を、エレンは必死になって逃げ回っていた。
すると、R2がN1スター・ファイターに乗り込んだのを見て、エレンもコクピットに飛び込んだ。
「すっげぇな・・・・・・ジェダイって。」
隠れたコクピットから、エレンはエルヴィンとアルミンがレーザーを跳ね返しながら戦う姿を眺めていた。
____________いつの日か、俺もきっと・・・・・・。
◇◇◇◇◇
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- 24 : 2015/09/21(月) 16:01:08 :
宇宙へと飛び出していったN1スター・ファイターの一団は、視界にドロイド船を捉えた。
すると、ドロイド船からも、無数のドロイド・スターファイターが放たれた。
※ドロイド・スターファイター
http://www.starwars.jp/wiki/images/f/fe/Vulture_droid_starfighter.jpg
「敵機接近!」
ヌビアンのパイロットを務めたリックが叫んだ。
『了解! ブラボー・リーダー!』
『了解! ブラボー・リーダー!』
ナブーの一団――――――ブラボー中隊が一斉にレーザーを発射に、ドロイド・スターファイターも応戦。
ドロイド船の周りで、派手な空中戦の火ぶたが切って落とされた。
◇◇◇◇◇
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- 25 : 2015/09/21(月) 16:25:06 :
ドゴオォオンッ!!
ドゴオォオォォンッ!!
「ホウゲキヤメ!」
ドロイドの合図で、通商連合の戦車は砲撃を止めた。
シールドは強力で打ち破れないということが分かったからだ。
「まだまだ、焦るな。」
ジャー・ジャーが軽い調子で軍を宥める。
すると、後方のMTT輸送車が前方に出てきた。
正面のハッチが開くと、中からドロイドを満載した配置用ラックが地面へと降りてきた。
ガシャン!
ガシャン!
次から次へと、足と顔を折りたたまれたバトル・ドロイドが草原へと展開していく。
シールドの中では、前衛のグンガン人たちがシールドの盾を起動。
後方には、巨大なプラズマ・ボールを投石器に装填。
静かにその時が来るのを待っていた。
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- 26 : 2015/09/21(月) 16:25:43 :
遥か上空。
宇宙船が展開するドロイド船<サカック>の中で、ドフィーン艦長がオペレーターに命令を出した。
「ドロイドを起動せよ。」
「了解。」
オペレーターがスイッチを押したのと同時に、地上のドロイド軍が一斉に立ち上がった。
ガシャン!
折りたたまれていた頭部が上に上がり、背中につけていた銃を構えると、一万の大軍が一斉にグンガン人のほうを向いた。
「いよいよだ、時が来た。」
息を呑んだターパルスが呟いた。
重装歩兵を組んで、ドロイドはシールドへ真っ直ぐ行進。
シールドを通り抜けると、たちまちレーザーの嵐をグンガンたちに浴びせた。
グンガンの軍団は前衛が盾で防ぎつつ、後衛から大小さまざまのエネルギー・ボールをドロイドに向かって投げつけた。
バチィッ!
ボール中のプラズマが炸裂し、ドロイドをなぎ倒していく。
「放て!!」
ターパルスの合図で巨大なエネルギー・ボールが投石機から放たれる。
ドゴォオン!
周辺にプラズマが炸裂し、何体ものドロイドを破壊していった。
それでもドロイドの進軍は止められず、レーザーの嵐はますます近づき、グンガンの前衛を次々と撃ち殺していく。
―――――――――――原始的な武器しか持たないグンガンにとって、最新鋭の装備を備えたドロイド軍は大敵であった。
◇◇◇◇◇
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- 27 : 2015/09/21(月) 16:26:12 :
「総督は女王の間にいるはずよ。」
「よし、とっととあの気持ちわりい奴捕まえてこの戦いを終わらせるぞ。」
パイロットたちを見送った後、ヒストリアとユミルが先導して、女王の間へと向かい始めた。
すると、N-1スター・ファイターの操縦席に隠れていたエレンがひょこっと顔を出して言った。
「俺も行くよ! ヒストリア!」
だが、エルヴィンは首を縦には振らず、エレンを諭した。
「エレンはここで隠れているんだ。」
「でも・・・・・・。」
「ここにいろ。」
そのままハンガーベイの出口へと向かっていくヒストリアたち。
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- 28 : 2015/09/21(月) 16:26:49 :
すると、向かっていた扉が勝手に開いた。
そこには・・・・・・
シスの暗黒卿、ダース・モールが立っていた。
目を閉じて俯いていたモール卿は、扉が開くとその目を見開き、ゆっくりと前を見た。
「お任せを。」
「回り道をします。」
二人のジェダイ――――――――エルヴィンとアルミンがゆっくりと前に進み出て、ヒストリア率いるナブーの戦士たちは別の出口へと移動していく。
モール卿とエルヴィン、そしてアルミンがお互い対峙すると、ローブを脱ぎ捨てて、腰にぶら下げたライトセイバーに手をかけた。
ビュウウンッ!
ビュウウンッ!
モールのダブル=ブレード・ライトセイバーが起動、赤い両刃が柄の両端から飛び出す。
※ダース・モール
http://livedoor.4.blogimg.jp/jin115/imgs/c/d/cd728fd5.jpg
ビュウウンッ!
ビュウウンッ!
エルヴィンとアルミンも続いてライトセイバーを起動。緑と青の光刃を現出。
「はぁッ!」
アルミンが跳躍し、モールの背後に回る。
__________挟み撃ちにするように二人のジェダイがシスを攻撃し、戦いは始まった。
◇◇◇◇◇
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- 29 : 2015/09/21(月) 16:27:54 :
別の出口を目指し始めたヒストリアたちには、強力な敵が立ちふさがった。
出口の前にあろうことか、ドロイデカが三体も出現。
シールドを張り、ツインレーザーを猛射し始めた。
何とか物陰に隠れてレーザーをやり過ごすも、反撃をシールドに阻まれ、飛び出すことが出来なくなっていた。
「くそ、何とからならねえのかよ、R2!」
その様子をスターファイターから見ていたエレンは、焦っていた。
_______何とかヒストリアを助けてやらねえと!
エレンは手当たり次第に操縦席をいじりはじめた。
カチッ!
ブウウゥウゥン!
そしてエレンは、スターファイターのスイッチを押してしまった。
「あ、このスイッチじゃねえ! これか!?」
レバーを引くと、スターファイターの操縦席が閉まった。
「分かったぞ! これだ!!」
遂に操縦桿を見つけ、エレンはトリガーを引いた。
バシュウ!
バシュウ!
ドゴォンッ!
スターファイターから放たれたヘビーレーザーは、シールドを突き破ってドロイデカを駆逐した。
「よし、駆逐してやる!!」
緑のヘビーレーザーがもう一体を駆逐。
よろよろと後退を始めたもう一体のドロイデカも破壊――――――エレンの活躍で、ドロイデカは全滅した。
「行くわよ!」
「よし、ついてこい! テメェら!」
ヒストリアとユミルは出口めがけて走り出し、ナブーの戦士たちは、無事に宮殿へと侵入した。
「おいおい、これ、オートパイロットじゃねえか!?」
キィィ・・・・・・ゴオオオッ!!
エレンの乗ったスターファイターはそのまま加速し、ハンガーベイを飛び出した。
「何とかしてくれよ! R2!」
エレンは大空へと飛び出し、無窮の宇宙へと出撃していった。
◇◇◇◇◇
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- 30 : 2015/09/21(月) 16:33:09 :
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モール卿は二人の攻撃を巧みに捌ききっていた。
エルヴィンとアルミンのライトセイバー・フォームはどちらもフォーム4、アタロ―――――――とにかく手数で押す形であったが、ダブル=ブレードを意のままに操るモールに攻撃を防がれていた。
モールの使う形はジャーカイと呼ばれ、ダブル=ブレードに特化した、攻防一体、特殊な形であった。
ジェダイを殺害する殺人マシーンとして、モールは憎しみの限りを二人にぶつけた。
バキッ!
「がっ!」
エルヴィンがモールに蹴り飛ばされ、挟み撃ちが解かれたところで後退。
落ちていたドロイドの残骸をフォースで操り、背後の扉のコンソールめがけて投げつけ、扉を開けた。
_________くっ、切り崩せない。
すぐに追いかけてきたアルミンが斬りかかるも、巧みに攻撃は防がれ、エルヴィンが加わってもモールを切り崩せなかった。
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- 31 : 2015/09/21(月) 16:33:44 :
バキッ!
「ぐはぁっ!」
今度はアルミンが顔面を蹴飛ばされ、隙をついてモールは後方へと飛び上った。
__________モールは挟み撃ちにされないよう、慎重に戦っていた。
さすがのモールも、二人に一斉に攻められては勝ち目は薄いことを理解しており、出来るだけ一対一で戦うよう注意を払っていたのである。
斬りかかってきたエルヴィンを力で押し返し、次に斬りかかってきたアルミンを迎え撃つ。
そして戦場はハンガーベイに隣接するナブーの心臓部、シード・ジェネレーター施設へと移っていった。
※シード・ジェネレーター施設
http://www.starwars.jp/wiki/images/0/02/Theed_Generator.jpg
三人がにらみ合い、しばらくの沈黙。
_________今だ!
アルミンがフェイントをかけ、エルヴィンが攻撃。
バチィッ!
一撃を受け止め、後方へ宙返りをして手すりのない足場へと飛び移るモール。
エルヴィンとアルミンも足場に飛び移ってモールを追撃。
バチィッ!
三本の光刃が交差し、戦いはますます激しさを増していった。
◇◇◇◇◇
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- 32 : 2015/09/22(火) 19:42:00 :
宮殿の中を進んでいくヒストリアとユミル。
「!! 敵だ!」
大階段にまで差し掛かったところで、ドロイドの一団と遭遇。
たちまちのうちに銃撃戦となり、お互いが柱や窓枠に身を隠しながらの戦いとなった。
「くっそ、敵の数が多すぎるだろ!」
ユミルが毒づきながらもブラスターで応戦。
必死で銃を撃ち、突破口を探すものの、数に押されてヒストリアは足止めを喰らっていた。
◇◇◇◇◇
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- 33 : 2015/09/22(火) 19:43:02 :
「おい、見ろよR2。」
エレンの乗ったスターファイターは、真っ直ぐドロイド船を目指していた。
R2はだんだんと嫌な予感に駆られて、エレンに電子音で呼びかけた。
だが・・・・・・
「戻ろうだって!? おい、冗談だろ、R2? エルヴィンさんはここにいろっていってたんだぜ!?」
ニヒルな笑顔を浮かべ、エレンは操縦桿を握った。
_________あ、これダメなパターンだ。
「よし! R2! 自動操縦を解除してくれよ!」
R2が抗議の声を上げると、エレンはにやけたままこう言い放った。
「いいのか? このままじゃ俺たち二人とも撃墜されておしまいだぜ!?」
エレンに言い負かされて、しぶしぶR2が自動操縦を解除。
「よし! さすがR2だッ!」
水を得た魚のように、エレンはスターファイターを操縦し始めた。
「待ってろよ・・・・・・俺が全部駆逐してやる!!」
◇◇◇◇◇
-
- 34 : 2015/09/22(火) 23:36:16 :
囮役となっていたグンガン人は、ドロイド軍と大混戦になっていた。
二足歩行のバトル・ドロイドだけでなく、ドロイデカも戦列に加わる。
ツイン・レーザーが容赦なく火を噴き、グンガン人たちをなぎ倒していく。
爆音が響き、
閃光が走り、
悲鳴が上がる。
そんな戦場の中を、ジャー・ジャーは一生懸命に逃げ回っていた。
「う! うわあぁあぁっ!」
破壊されたバトル・ドロイドの上半身がジャー・ジャーを襲う。
ジャー・ジャーはドロイドの腕をつかみ、目の前に投げつけると、必死になって踏みつけ始めた。
「この! この! お前なんかこうだ!」
が、足に配線が絡まって取れなくなってしまった。
「や、止めて! 放して!!」
振りほどこうとするジャー・ジャーに他のバトル・ドロイドが近づいていく。
すると、必死に動かすうちに足に絡まった残骸が偶然レーザーを発射。
ジャー・ジャーは何度も何度も奇跡的に敵を駆逐していた。
◇◇◇◇◇
-
- 35 : 2015/09/22(火) 23:36:44 :
「くそ! 敵のシールドが強力すぎて破れない!」
エルヴィンの予想通り、宇宙船での戦いも困難を極めていた。
プロトン魚雷を発射し、球体のドロイド船に攻撃を仕掛けていたが、硬いシールドを全く破れなかった。
「うわあぁあぁっ!!」
ドゴオォオンッ!!
四連式ターボレーザーが火を噴き、ドロイド船に魚雷を放つスターファイターを撃墜していく。
勇敢なパイロットが次から次へと散っていく中、一人図抜けた反射神経で敵のドロイド・スターファイターを撃墜していく少年がいた。
「よし! 討伐数10!!」
宙返りし、追撃するスターファイターの後ろに回り込み、華麗に敵機を撃墜していくエレン少年。
「あのパイロット、一体誰なんだ?」
『まあいいじゃねえか! 心強い味方じゃねえか!』
『そうね、私たちも負けていられないわよ。』
予定にはなかった謎のパイロットの活躍に、ブラボー中隊は奮起。
再び魚雷を撃つべく、ドロイド船へと突っ込んでいった。
◇◇◇◇◇
-
- 36 : 2015/09/22(火) 23:37:45 :
「ちっ、キリがねえ!」
ユミルがイライラしながら銃を撃つ。
次から次へとやってくる後続のドロイドに、ヒストリアたちは完全に進路を立たれていた。
「ユミル、伏せて!!」
突然、ヒストリアが叫んだ。
バァンバァンバァンッ!
ガシャガシャガシャァンッ!!
「い、いきなり私の頭の上撃つんじゃねぇよ!!」
いきなりヒストリアがユミルの頭上に向かって発砲し、窓ガラスを破壊した。
「今です!」
「おい聞けよッ!!」
ユミルの言葉を無視し、通路の端から反対側の端、打ち壊した窓へと移動するヒストリアと兵士たち。
-
- 37 : 2015/09/22(火) 23:38:05 :
「アセンション・ガンを準備して!」
「全くうちのお姫様ときた日にはよぉ。」
ヒストリアとユミル、そして数人の兵士たちが窓の外に出、銃を上に向けた。
バシュウッ!
銃の先からワイヤーを発射。
ワイヤーは上の階に刺さり、ヒストリアたちを持ち上げ始めた。
上の階の窓の外に到達したヒストリアたちはワイヤーを切断。
ヒストリアとユミルが銃を窓へ向けた。
バァンッ!
ガシャアァンッ!!
爆音とともに窓が木っ端みじんに吹き飛ばされ、女王の間があるフロアへ、ヒストリアとユミルは侵入を果たした。
◇◇◇◇◇
-
- 38 : 2015/09/22(火) 23:38:46 :
ナブーのコアから吸い上げられたプラズマの柱が眩しく周りを照らすシード・ジェネレーター施設。
その柱の周りに取り付けられた手すりのない足場の上で、三本の光刃が火花を散らしていた。
____________戦いは長引いていた。
経験不足のアルミンを、エルヴィンがかばいながらの戦い。
二対一であったにもかかわらず、二人はモールに有効な一撃を繰り出せていなかった。
「はあっ!!」
アルミンが斬りかかるも、一撃は防がれ、光刃を下方へ捌かれ・・・・・・
バキッ!
「ぐあッ!!」
蹴り飛ばされてアルミンは足場から落下。
_________別の足場へ何とかその両手をかけてぶら下がった。
弟子と引き離されたエルヴィンは、決意を込めて攻勢に出た。
ドカッ!
バキッ!!
一気に間合いを詰め、肘鉄からの裏拳。
モールはアルミンとは別の足場へと落下。
すかさずエルヴィンもその足場に飛び移り、モールに光刃を振り下ろそうとした。
バキッ!
「ぐっ!」
仰向けになりながらもモールはエルヴィンの顔面を蹴り、彼がよろけた隙をついて体勢を立て直した。
-
- 39 : 2015/09/22(火) 23:40:41 :
エルヴィンはなおも攻勢の手を緩めない。
激しい攻撃の嵐に、モール卿は押されて後退を余儀なくされる。
アルミンはぶら下がっていた足場によじ登り、目の前に落ちた自分のライトセイバーを拾うと、別の足場で戦っているマスターを見た。
エルヴィンは全身全霊を込めて攻勢に出ていた。
力強い斬撃が、モールを奥へ奥へと追い詰めていく。
____________マスターは、賭けたんだ。
シスの暗黒卿は、自分以外には止められない。
だから、ここで一気に短期決戦に持ち込んだんだ。
アルミンはマスターの意図を理解した。
でも、自分だけが傍観していることは出来なかった。
アルミンはマスターが戦っている足場へと飛び移り、ライトセイバーを起動した。
-
- 40 : 2015/09/22(火) 23:41:23 :
緑の光がエルヴィンを包み、モールを追い詰める。
モールは次第次第に後退し、二人はジェネレーター施設の最奥、溶解ピットへと通じる細い通路へと入っていく。
上、下、斜めからの足元への攻撃。
光刃で防ぎ、或は飛んで躱すモール。
熟練したエルヴィンの一撃を、滑らかな体捌きで躱していく。
刃が接触し、狭い通路の中で火花を散らす。
エルヴィンが次の一撃を繰り出そうとした丁度その時―――――・・・・・・
バシュウッ!
通路に突如として赤いシールドが幾重にも張られた。
その内の一枚がエルヴィンとモールを隔て、最後の一枚がアルミンの、通路への侵入を阻んだ。
____________溶解ピットへ続く通路は、何か異常を感知するとシールドで閉じられる仕組みとなっていた。
エルヴィンはすぐに光刃を納め、その場で正座をした。
モールはライトセイバーでシールドを突くも、破れないと分かると両刃をしまった。
通路の外のアルミンも光刃を消した。
待ちきれないといった様子で、シールドの前をうろつくモール卿。
エルヴィンはゆっくりと息をつき、その目を閉じた。
◇◇◇◇◇
-
- 41 : 2015/09/23(水) 00:26:14 :
- >>1さんの作品面白くて好きです。期待してます。
-
- 42 : 2015/09/23(水) 07:39:34 :
- 期待ありがとうございます!
-
- 43 : 2015/09/23(水) 15:35:33 :
バシュウッ!
ドゴオォオォォンッ!!
ドロイデカのツイン・レーザーがファンバの背中に乗せたシールド発生装置を破壊。
グンガンの巨大なシールドが失われた。
____________これは、まずい!
ターパルスが合図を鳴らし、グンガン人が撤退を始めた。
防ぐシールドが失われ、戦車がレーザーやミサイルを撃って進撃してくる。
「撤退ッ! 撤退ッ!!」
ジャー・ジャーが喚きながら逃げ、エネルギー・ボールを満載した軍用ワゴンの下に身を隠した。
「もう嫌・・・・・・。」
泣き言を言っていると、軍用ワゴンを牽引しているファランパセットが走り出し、ジャー・ジャーは取り残されてしまった。
「ま、待ってよぉ!」
必死に軍用ワゴンにしがみつくジャー・ジャー。
すると、カーゴ・ランプをジャー・ジャーはうっかり外してしまった。
「うわあぁっ!!」
地面に投げ出されるジャー・ジャー。
そこに、ワゴンに積まれていた巨大なエネルギー・ボールがいくつも転がり始めた。
転がってきたボールから、ジャー・ジャーは必死に逃げまくった。
-
- 44 : 2015/09/23(水) 15:36:07 :
-
バチィイッ!
転がったエネルギー・ボールは、どういうわけか通商連合の戦車に直撃。
数台の戦車が、ジャー・ジャーのドジによって破壊された。
「うわあぁっ!! 助けて! 乗せて!!」
なおも逃げるジャー・ジャーを、カドゥに乗ったグンガン人が拾い上げて後ろに乗せた。
ドゴオォオォォンッ!!
「うわああぁあぁッ!!」
戦車の放ったミサイルが彼らの前で炸裂。
吹き飛ばされたジャー・ジャーは別の戦車の砲台の上へと投げ出された。
「ジャー・ジャー!! エネルギー・ボールを使え!」
砲台の上に乗ったジャー・ジャーに、ターパルスが声をかける。
「でも、ミーエネルギー・ボールないよ!」
「ほら、これを受け取れ!」
懐から取り出したエネルギー・ボールを投げるターパルス。
「よっ! ほっ! うわっ!!」
ジャー・ジャーはそれを取り損ね、エネルギー・ボールはたまたま、戦車の中から姿を現したバトル・ドロイドに直撃した。
乗り手を失い、大きく進路を曲げて暴走する通商連合の戦車。
その拍子にジャー・ジャーはバランスを崩し、砲台にぶら下がった。
「助けて~ッ!!」
将軍とは思えないほど情けない声で助けを求めるジャー・ジャーに、カドゥに乗ったターパルスが再び近づいた。
「飛べッ! ジャー・ジャー!」
情けない将軍を助けるために、懸命に声を張り上げるターパルス。
だが、飛び降りたジャー・ジャーはターパルスの手を引っ張ってしまい、二人もろとも地面へと落ちてしまった。
◇◇◇◇◇
同じころ、
ようやく女王の間のあるフロアへと到着したヒストリアたちも、ドロイデカを初めとするドロイドたちに囲まれてしまっていた。
「・・・・・・どうやら、これまでのようね。」
「ちっ、テメェら、銃を床に置け。」
ゆっくりと地面に銃を置いてから両手を上げるヒストリアとユミル。
そのまま二人は兵士たちと一緒に、ドロイドたちに連行されていった。
◇◇◇◇◇
-
- 45 : 2015/09/23(水) 15:38:17 :
「!! しまった!!」
スターファイターを操るエレンもまた、ピンチを迎えていた。
ドロイド・スターファイターに後ろを取られ、レーザーの連射を浴びるN1スターファイター。
ウワアァアァオッ!!
R2が悲鳴を上げるなか、一発のレーザーがエレンの機体に直撃した。
「ヤバイ! うわああぁあぁッ!!」
一瞬制御を失い、スピンするエレンのスターファイター。
機体はそのまま、ドロイド船のハンガーベイへと侵入してしまった。
「ぶつかる! ぶつかるって!!」
ドロイド船の内部を、何とか制御を取り戻したエレンの機体が駆け抜けていく。
上陸艇やMTT輸送車、防火扉の間をすり抜けていく。
「分かってんだよ! R2! 止まらねぇんだよッ!!」
何とか機体を止めようとするエレン。
無理やり胴体着陸を敢行し、長い金属音の後、ようやく機体が停止した。
「やっべ・・・・・・・・・・・・機体がオーバーヒートしちまったよ。」
コクピットの周りにはドロイドが集結しつつある。
焦る気持ちでエレンは機体の起動スイッチを連打し始めた。
◇◇◇◇◇
-
- 46 : 2015/09/23(水) 15:39:11 :
-
牢獄に閉じ込められた獣の如く、赤い光の中でエルヴィンを見つめて彷徨するモール卿。
静かに呼吸を整え、その時を待つマスター・エルヴィン。
バシュウッ!
ビュウウンッ!
シールドが開くと同時に、エルヴィンは目を開け、モールに斬りかかった。
エルヴィンとモールは、底の見えない穴のようになっている溶解ピットの淵で激しく刃を交える。
最後の扉が開き、アルミンも一気に通路を走り出した。
バシュウッ!
が、溶解ピットまであと少しというところで、シールドは再び閉まってしまった。
アルミンはまたしても、二人の戦いを見守ることしか出来なかった。
____________おかしい。
二人の戦いを見て、アルミンはそう思った。
マスターの動きが極端に悪い。
普段の半分も動けておらず、次第にマスターはモールに押され始めている。
力と経験。
モールとエルヴィンでは、エルヴィンのほうが上だった。
だが、モールはエルヴィンが既に失ったものを持っていた。
・・・・・・・・・・・・エルヴィンはもう、若くなかったのだ。
「はぁ、はぁ。」
懸命に防御に回り、何とか攻撃を防ぎきるエルヴィン。
____________何としても・・・・・・何としても私がこの男 を倒さねば・・・・・・。
歯を食いしばり、力を振り絞る。
だが、どんなに気力を振り絞っても、もう体がついて行かない。
既に戦う力を失ったエルヴィンに、モールの猛攻が襲い掛かる。
そしてその時は、訪れた。
-
- 47 : 2015/09/23(水) 15:40:06 :
-
____________すべては一瞬の出来事だった。
必死になって猛攻を防ぐエルヴィン。
その一瞬の隙をついてモールはライトセイバーの柄でエルヴィンの顔面を殴った。
「ぐっ!」
不意打ちを食らい、生じた一瞬のひるみ。
ドスッ!
「ぐはぁっ!」
その一瞬を突いたモールの光刃は、エルヴィンの腹部を貫いた。
「うああぁああぁぁぁあぁぁッ!!」
アルミンの絶叫が、シールドの中でこだまする。
腹部から光刃が抜かれ、エルヴィンはゆっくりと膝をつき、それから、床にくずおれた。
____________嘘だ!
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だッ!!
「あ・・・・・・あぁ・・・・・・。」
アルミンには、しかし、絶望に浸る時間は与えられなかった。
モール卿は既に、アルミンと溶解ピットの淵を隔てるシールドの前で徘徊している・・・・・・。
この時アルミンは、次のことを理解した。
_________たった一人で、この獰猛なシスの暗黒卿を止めなくてはならないということに。
残酷な試練に、アルミンは晒された。
◇◇◇◇◇
-
- 48 : 2015/09/23(水) 18:46:48 :
シールドを失ったグンガン人たちは、瞬く間に攻め込まれ、取り押さえられてしまった。
両手を上げたグンガン人たちが、ドロイドに銃を突きつけられて、何か所かに集められていた。
「諦めるな、ジャー・ジャー将軍・・・・・・ミーが何か考える。」
立ちあがったターパルスが必死にジャー・ジャーを説得する。
だが・・・・・・
「手を上げろ!」
「はい上げた!」
ジャー・ジャーは速攻で手を上げ、ターパルスは思わず手で顔を覆った。
◇◇◇◇◇
ドロイドに連行されたヒストリアたちは、ガンレイ総督と副官のハーコが待つ女王の間へと連れていかれた。
ガンレイは如何にも我儘な小娘に言い聞かせるような口調で迫った。
「反乱ごっこはもう終わりですな、陛下。協定書にサインし、無駄な戦いを終わらせましょう――――――――「総督!!」
驚いたガンレイが部屋の外を見ると、女王の格好をした女性が兵士を引き連れてきていた。
「あなたの企みこそおしまいです!」
「追いかけろ! こいつは替え玉だ・・・・・・。」
慌てたガンレイは護衛のドロイドの何体かに女王と思しき女性を追わせた。
-
- 49 : 2015/09/23(水) 18:47:30 :
突然、ヒストリアが動いた。
椅子に近づいたかと思うと、肘掛けのスイッチを押して中のブラスター・ピストルを二丁取り出した。
「ユミル!」
ブラスターを受け取ると、ユミルはすぐさまドロイドを撃ち始めた。
「なっ!? なぁっ!?」
ガンレイとハーコがおどおどしている間に、ヒストリアとユミルがドロイドを破壊。
兵士たちがドロイドの銃を奪ってガンレイを取り囲んだ。
「さ~て、ドアを閉めろ!」
にやけながら兵士に命令するユミル。
____________女王の間に入れば、武器があるので制圧は簡単であった。
「では総督、新しい協定について、話し合い を始めましょうか?」
改めてヒストリアは、ガンレイとの交渉をスタートさせた。
ガンレイ総督、捕縛成功。
◇◇◇◇◇
-
- 50 : 2015/09/23(水) 18:49:38 :
____________弱い自分に何が出来る?
どうやったら、このシスの暗黒卿を止められる?
・・・・・・・・・・・・いや、止めなくちゃならならないんだ。
僕が、止めなくては・・・・・・・・・・・・
戦わなくちゃ、勝てない!
時間が来たのを悟り、アルミンとモールはライトセイバーを起動した。
バシュウッ!
その直後、シールドが開いた。
アルミンはそのままモール卿に突っ込んでいった。
バチィッ!
二人の間に火花が散り、光刃と光刃がぶつかって激しい光を放つ。
両刃から繰り出されるモール卿の攻撃を恐れず、アルミンは果敢に暗黒卿を攻め立てた。
____________考えろ! 考えろ!!
必ず隙はある!
必ず勝機はある!!
____________今だ!!
「はぁッ!!」
バァンッ!!
フォースに導かれたアルミンの刃は、モール卿のダブルブレード・ライトセイバーの柄を真っ二つに切り裂いた。
二本の両刃は、一本の光刃となった。
-
- 51 : 2015/09/23(水) 18:50:33 :
-
ドカッ!
「う゛ッ!」
そのままアルミンは蹴りを喰らわし、モール卿は後方に倒れた。
隙をついてアルミンはモールの後方へと飛ぶ。
が、モール卿は素早く体を起こして後退。すぐに刃を構える。
すかさずアルミンも追撃。
迎え撃つモール卿。
バキッ!
「がはっ!」
顔面に蹴りを喰らわせるモール卿。
アルミンはそのまま空中で一回転、着地して剣を構えた。
____________僕は、絶対に負けない!
僕が、この男を・・・・・・・・・・・・殺してやる!
意地でモール卿に食らいつくアルミン。
エルヴィンを倒された・・・・・・・・・・・・怒り。
この時のアルミンは、ダークサイドに片足を突っ込んでいた。
-
- 52 : 2015/09/23(水) 18:51:09 :
「うおおぉおぉッ!!」
怒りと怒りがぶつかり合い、アルミンはこれまでにない力を引き出していた。
_________何でもできそうな気がした。
力まかせに剣を振るい、刃が接触、火花を散らす。
つばぜり合いになる。
刃に力を乗せたアルミンは、モール卿を押していると思い始めていた。
ドゴォン!!
「うわあぁっ!!」
その一瞬の隙を、モール卿は見逃さなかった。
モール卿は不意に片手を突き出し、アルミンをフォースで突き飛ばした。
突き飛ばされたアルミンは、ライトセイバーを取り落して溶解ピットに落下。
「ぐぅッ!」
何とかピット内のでっぱりにしがみつくアルミン。
モール卿は足元に落ちたアルミンのライトセイバーを溶解ピットに蹴り落とした。
_________そんな、僕の・・・・・・ライトセイバーが・・・・・・。
底の見えない穴の中に、アルミンのライトセイバーは落ちていった。
◇◇◇◇◇
-
- 53 : 2015/09/23(水) 19:33:50 :
「よし! パワーが戻ったぞ!」
何度も何度も起動スイッチを押し続けた結果、ようやくエレンのスターファイターの動力が戻った。
シールドが起動し、機体が浮かぶ。
周りのドロイドたちが遅まきながら発砲し始めた。
「はっ! んなもん効かねぇよ!」
エレンは操縦桿を握り、レーザーを浴びせてドロイドを駆逐していく。
「よし、纏めて駆逐してやる!!」
エレンは操縦桿を引き、ドロイドめがけてプロトン魚雷を発射した。
が、魚雷はドロイドを外れ、その奥にあったものに直撃した。
-
- 54 : 2015/09/23(水) 19:35:21 :
-
ドロイド船<サカック>の司令室において、異常が検知された。
「動力が切れました! 原子炉に異常発生!!」
「あり得ぬ! 我々のシールドは無敵だ。」
ドフィーン艦長は一蹴したが、船は既に連鎖反応が始まっていた。
「やっべぇな・・・・・・ずらかるぞ! R2!!」
エレンは操縦桿を思いっきり引き、スターファイターを急発進させた。
ドゴォオン!!
ドゴオォオンッ!!
「!! 何が起こっているの!? 内側から船が爆発しているわ!」
「俺たちじゃないぞ!?」
爆発し、火を噴くドロイド船。
炎にくるまれる船内を、勢いよく一機の戦闘機が駆け抜けていく。
「ははっ! まるでポッドレースみてぇだ!!」
「見ろ! 英雄が船から出てくるぞ!!」
ドゴオォオォォンッ!!
「うおおぉおぉッ!!」
火を噴く船内の中から、エレンのスターファイターが飛び出した。
「うおおおぉおぉぉッ!!」
幼いエレンが雄叫びを上げ、右手を上へと突き上げた。
ブラボー中隊のメンバーも勝どきを上げる。
ドゴオォオォォンッ!!
「ぐああぁあぁあぁぁぁッ!!」
ドロイド船は眩しい光に包まれて大爆発、ドフィーン艦長は船と運命を共にした。
-
- 55 : 2015/09/23(水) 19:36:05 :
-
ブゥゥゥン・・・・・・
「あれ!? いったい何があったの!?」
ジャー・ジャーが素っ頓狂な声を上げる。
ドロイド船が大爆発した直後、地上ではドロイドの活動が完全に停止した。
「ドロイド船が落ちたんだ。見ろ!」
ターパルスがスイッチの落ちたドロイドを突き飛ばして倒した。
「皆壊れた。」
ジャー・ジャーも停止したドロイドを押し、ドロイドはそのまま地面に倒れた。
どっと、グンガン人たちが歓声を上げた。
多大な犠牲を払ったグンガン人の、魂が報われる時がやってきたのである。
◇◇◇◇◇
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- 56 : 2015/09/23(水) 19:41:34 :
バチバチィッ!
バチバチィッ!
穴の淵をライトセイバーで削り、モール卿は出っ張りに捕まるアルミンに火花を浴びせていた。
____________考えろ。
考えるんだ・・・・・・。
敵は油断している。
まだ、まだピンチを切り抜ける方法はあるはずだ。
この時、
アルミンは初めて恐怖、怒り、
そういった負の感情をコントロールできた。
そして、
アルミンの意識は、エルヴィンの一振りに辿り着いた。
____________この瞬間にすべてを賭ける!!
-
- 57 : 2015/09/23(水) 19:44:40 :
-
「はぁッ!!」
出っ張りから飛び上り、エルヴィンのライトセイバーを呼び寄せるアルミン。
ビュウウンッ!
そのままアルミンはモールの上を飛んで着地。
ザシュッ!
「うっ!!・・・・・・うぅ・・・・・・ぅ・・・・・・・・・・・・」
目を大きく見開き、苦痛に顔を歪めるモール卿。
一瞬の油断。
これが二人の明暗を分けた。
アルミンの刃は、モールの腰を切り裂いた。
モール卿は後ろに倒れ、真っ二つになって溶解ピットの中へと落ちていった。
-
- 58 : 2015/09/23(水) 19:46:30 :
アルミンはすぐに光刃をしまい、エルヴィンの元に駆け寄った。
横になったエルヴィンを抱き上げ、頭を膝に乗せて介抱するアルミン。
「・・・・・・俺は・・・・・・もう・・・・・・手遅れだ・・・・・・・・・・・・」
「嫌だ・・・・・・嫌だ!!」
アルミンの目から大粒の涙がこぼれ落ちていく。
その涙を掬うように、エルヴィンは手のひらをアルミンの頬に当てた。
「アルミン・・・・・・やく・・・そく・・・してくれ・・・・・・あの子を・・・・・・・・・・・・エレンを・・・・・・鍛えて・・・・・・くれ・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・僕が、必ず!」
エルヴィンは微笑んで、苦しそうに言葉を継いだ。
「彼こそ・・・・・・選ばれし者・・・・・・・・・・・・フォースに・・・・・・バランスを・・・・・・もたらす・・・・・・・・・・・・」
たのんだぞ。
そう言ってエルヴィンは、フォースと一体となった。
____________マスター、僕が、エレンを必ずジェダイにします。
必ず・・・・・・・・・・・・
「あぁ・・・・・・うあぁぁ・・・・・・あああぁああぁああぁッ!!」
アルミンは動かなくなったマスターの顔を抱き寄せ、慟哭した。
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- 59 : 2015/09/23(水) 19:48:56 :
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- 60 : 2015/09/24(木) 13:35:03 :
翌日。
共和国のシャトルが一艘、シード宮殿前の大広間の前に着陸した。
アルミンによって共和国の当局に引き渡される直前、ガンレイ総督はヒストリア女王と最後の会話を交わした。
「総督、議会において自らの罪を告白するのです。」
「けっ、これで貿易特権とやらもおさらばだな。」
ユミルはここぞとばかりに思いっきり毒づき、ガンレイはアルミンにと共に船を目指した。
すると、船から共和国の人間たちが降りてきた。
かつての元老院議員、シーヴ・パルパティーンがアルミンとエレンに近づき、アルミンは深く頭を下げた。
パルパティーンは二人に気が付くと、気さくに声をかけた。
「今回の事件では大活躍だったね、アルミン・アルレルト。それと、君もだ、エレン・イェーガー。君の将来を楽しみにしているよ。」
パルパティーンはエレンの肩にポンッと手を乗せた後、ヒストリア女王の元へと参上した。
「当選おめでとうございます。パルパティーン最高議長。」
「いえいえ、ナブーのために戦われた陛下こそ称えられるべきです。」
重責を担ったパルパティーンは、幾分か緊張の面持ちで話した。
「共に、共和国の平和と発展に力を尽くしていきましょう。」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 61 : 2015/09/24(木) 13:35:32 :
共和国からやってきたのは最高議長だけでなく、リヴァイやヨーダ、ミケやエルドといったジェダイ協議会の主要メンバーも含まれていた。
今回の戦いにおいて活躍した、アルミンとエレンの処遇について決める為である。
夕日が差し込むシード宮殿の一室で、ヨーダはアルミンと話をしていた。
「お前をジェダイ・ナイトにするのに反対はせん。じゃが、エレンを弟子にするのは、わしは反対じゃ!」
「マスター・エルヴィンは、エレンが選ばれし者であると強く言っていました。」
ヨーダは思案顔になり、やがて険しい表情で話し始めた。
「・・・・・・選ばれし者かもしれん。じゃが! あの少年を訓練するのには大きな危険が伴うぞ?」
「でもそれがマスターの遺言なんです。私はエレンを弟子にします・・・・・・たとえ評議会の決定に逆らっても、です。」
「師匠に似て反抗的じゃな、困ったものじゃ・・・・・・。」
ヨーダは一息つき、それからゆっくりと話した。
「・・・・・・評議会はわしが説得しよう。」
「エレン・イェーガーは、お前の弟子じゃ、アルミン。」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 62 : 2015/09/24(木) 13:36:06 :
やがて日が暮れて、夜になった首都シード。
その郊外に作られた葬儀寺院において、ジェダイ・マスター、エルヴィン・スミスの葬式は営まれていた。
アルミンやエレン、ヒストリア女王やボス・ナス、パルパティーン最高議長やユミル、ジャー・ジャー・ビンクス、ジェダイ評議会のメンバーたちが見守る中、エルヴィンの遺体は中央の台に乗せられて、荼毘に付されていた。
エレンはそっとアルミンを見、アルミンはエレンと目を合わせた。
「・・・・・・俺は、これからどうなるの?」
「君は必ずジェダイになれる。僕が、約束する。」
エレンの目から、一筋の涙が流れた。
泣くものか、と思っていても、どうしようもなかった。
「・・・・・・エルヴィンを殺した謎の戦士は、やはりシスだ。」
ヨーダの側でエルヴィンの火葬を見守っていたリヴァイが呟く。
「うむ、彼らは常に二人おる・・・・・・師匠と、弟子じゃ。」
____________トゥー・オブ・シス。
シスは常に一子相伝。
師匠と弟子が一人ずつ、暗黒卿は二人いる。
「倒れたのは、師匠か、弟子か・・・・・・どっちだろうな。」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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- 63 : 2015/09/24(木) 13:37:47 :
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翌日。
この日、ナブーの首都シードは、盛大な音楽に包まれた。
グンガンの軍楽隊が先導して音楽を吹き鳴らし、グンガンの偉大なる軍隊がゆっくりと大通りをパレードする。
道の両脇からは市民が勝利を祝い、ありとある花びらを投げて街は花吹雪に包まれた。
王宮入り口前の大階段には中央にヒストリア女王。その傍にユミルとパルパティーン最高議長。
脇にジェダイ評議会のメンバーであるリヴァイ、ヨーダ、ミケ、エルド、イーヴン・ピールらが立っていた。
そして、隅っこのほうにはR2-D2。
ジェダイ・ナイトに昇格したアルミン。
新しいジェダイ装束に身を包んだエレン少年の姿があった。
ボス・ナスは乗ってきたファランパセットから降り、ジャー・ジャーとターパルスを引き連れて階段を昇り始めた。
片手をあげ、歓声に応えるボス・ナス。
女王の両手には、紫色に光り輝く珠―――――グローブ・オブ・ピースが握られていた。
階段の上まで登ったボス・ナスがその珠を受け取ると、彼はそれを空に掲げて叫んだ。
「平和をッ!!」
街中から歓声が上がった。
街が歓喜に包まれる中、女王はそっと、エレンの方を振り返る。
すると、エレンが口角を上げて微笑み、ヒストリアも笑顔になった。
ナブーは通商連合から解放され、
ナブーとグンガン人が和解し、
取り戻した平和を分かち合ったのだった。
The Phantom Menace
The end
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- 64 : 2015/09/24(木) 13:43:01 :
- 以上でエピソードⅠ、ファントム・メナスは終了となります。
コメント、お気に入り登録ありがとうございました!
まだ後5話残っていると思うと気が遠くなるのですが、頑張って執筆しますのでよろしくお願いいたしますwww
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