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ミカグラ学園対抗戦 文芸部編
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- 1 : 2015/08/11(火) 21:35:18 :
- こんにちは、キミです。
最近ミカグラがアツいんですよ。カゲプロも疎かにならないよう気をつけないとね。
今回、対抗戦の裏をかいてみることにしました。
エルナやうさ丸、トンきゅん、そしてアスヒくんやおとねちゃんの裏で頑張ってきた人たちの物語。
今回は、文芸部・伊集院小春を中心とした物語です。
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- 2 : 2015/08/11(火) 21:41:03 :
- 伊集院小春が文芸部に入ったのは、入学式のすぐ後行われた対抗戦だった。
部活に入る時期の中で、一番早いと言えるだろう。
小春には文芸部しかなかったのだ。
ほかは活発で五月蝿くて、そしてハイレベル。
小春に合う部活は文芸部しかなかった。
先輩後輩関係はまったくなくて、おとなしくて、執筆活動にせいいっぱい打ち込める。
小春は、文芸部が大好きだ。
だから、勝たないといけない。
その思いが胸をよぎって、小春は顔を上げる。
向こうでは、対戦相手、演劇部・パン菜がすっくと立っている。
ルーキー戦一回戦、それが今、開幕しようとしていた。
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- 3 : 2015/08/11(火) 21:51:30 :
- 部活に入る時期が早いほど、能力に目覚めるのも早い。
そう考えていたが、どうやらそうではないらしい。
文芸部に入った新入生は、小春とあと2人だけ。その2人はどちらも寝袋を経験して入部をしてきたのに、ベテラン(?)の小春より早く能力に目覚めた。
しかし、小春が目覚めた時期は遅かったものの、とても使える能力が目覚めたのだ。
その名も、『スプラッシュワード』。
小春が万年筆で原稿用紙に文字を書くと、その文字が相手の頭の中をまわり、混乱する能力だ。
しかも、原稿用紙を飛ばして撹乱させ、更にクリスタルを割ることだって出来る『スプラッシュペーパー』もできる。
小春はせいいっぱい練習した。
彼女は学園指定の単発対抗戦でも勝ったのだ。
相手は書道部の花袋めいか。聞くと寝袋を卒業したばかりだという。
『食らってください!キューティーインク!』
書道部代表・八坂ひみに伝授されたと言う技...
しかし。
花袋めいかはまだまだ筆が使いこなせていなく、書くのが遅かった。小春はにやりとする。
『スプラッシュペーパー』
『うわあっ!?』
花袋の視界が遮られ、書いていた文字も破壊される。
すかさず小春は叫ぶ。
『響け、スプラッシュワード!』
『きゃあああああああっ!』
花袋は床にしゃがみこむ。小春はひたすら書く、書く。
花袋の苦しみが最高潮に達した時、
『スプラッシュペーパー、終わらせて。』
静寂が閉ざしていた。
パン菜の強い視線。
それに負けずに、あの感覚を思い出して。
私は勝つ、絶対に。
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- 4 : 2015/08/11(火) 23:39:10 :
- おお!新作ですな!
いいね、技のネーミングセンスと効果が。
期待!
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- 5 : 2015/08/12(水) 10:10:59 :
- >>4ありがとう!
平行して執筆中の「演劇部編」もよろしくね!
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- 6 : 2015/08/12(水) 12:41:53 :
- 「いやぁ〜よろしくね?」
にこやかに微笑んで握手を求めてくるパン菜。
小春は勢いよくその手を掴み、
「よろしくお願いします。手加減はしません」
と力一杯パン菜を睨みつけた。
「伊集院さん、話はきいてるよ?私なんかよりレベル上な、対抗戦でも勝っている期待のルーキー、ってね?」
皮肉っぽくプレッシャーをかけてくるパン菜に、小春も負けていられない。
「こちらもきいています。まだ能力が出ていない、ルーキー戦に間に合わなかったルーキーさん、でしょう?」
小春はパン菜の顔をじっと見やる。
引きつった笑みかと思いきや。
パン菜は更に、心からの笑いをかましていた。
「はは、言えてるね。ま、伊集院さんが私のことをどれだけ見下してくれてるかよくわかったよ?良い戦いにしようね」
「すぐ終わるかもしれないけれどもね」
2人は怖い笑みを浮かべながら定位置についた。
『試合開始』
「よっしゃ!」ダッ
小春は原稿用紙を飛ばそうとして、息を呑んだ。
「消えた...!?」
パリィン
「1つゲットぉ!」
「嘘...!」
小春がセーブするその前に、一つクリスタルはパン菜によって握りつぶされた。
「こっちだって負けないんだから!『スプラッシュペーパー』!」
「うわちゃっ!」
背後に立ちはだかっていたパン菜に四方八方から原稿用紙が襲いかかる。2つのクリスタルが砕け散る。
「あと1個...!」
「私もあんたのクリスタル、1個壊したんだからね!?」
「本気を出すわよ!『スプラッシュワード』!!」
小春は思った。もう終わりだ、と。
「響け!苦しめ!」
小春は、自分は負ける、あいつには勝てないなどネガティブな言葉を用紙に書きちらす。
「苦しめェェェェェェェっ!」
「......愚かだね、伊集院さん?」
「え?」
それで気づいた。
よけるすべはないと思っていた、自分の『スプラッシュワード』がパン菜に一つも当たっていないことに。
「どうして...」
パン菜は手に持っていたペンライトで飛んでくる言葉を跳ね返したり、素早い身のかわしで言葉をよけたりしていたのだ。
「...もう、終わらせようか?」
「...あんた能力に目覚めてないでしょ!?」
「ほんと愚かだね。私はもう、目覚めてるよ。」
次の瞬間。
「『アタックライト』」
そう呟いたパン菜。
まばゆい光。
パリィン
パリィン
一瞬で、小春の残りのクリスタルは飛び散った。
『勝者 パン菜』
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- 7 : 2015/08/12(水) 16:08:03 :
- おぅ、予想外の展開。
すごいな、やっぱり。
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- 8 : 2015/08/12(水) 17:11:40 :
- >>72回もありがとう!
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- 9 : 2015/08/12(水) 18:41:09 :
- 「嘘...私がこんな奴に...」
ワアアアアアアアアアアアアアアア サイコウー エッ?イジュウインガマケタ!?
「みんなありがとうー!」
パン菜は涼しげに手を振っている。信じられない。小春は座り込んだまま立つことが出来なかった。
「嘘、嘘...」
見下していたのが悪いとしても。
対戦相手の情報を取り入れていなかったとしても。
これはさすがに酷過ぎる展開だ。
「もう嫌...!」
小春は拳を床に叩き付けた。
それから小春は、能力を研ぎすまし、運動神経と体力を強化した。
小説をかいてばかりでまったく運動していなかったのだ。
「スプラッシュワード!」
そう叫ぶ彼女には、新しい決心が芽生えた。
「中間試戦、絶対勝つ!」
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