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エレン「栄光への掛け橋」 後編
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- 1 : 2015/05/04(月) 21:34:42 :
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皆さん初めましての方は初めまして、どこかでお会いした方はどうもこんばんわ!アラン・ファブレガスです!
今作は エレン「栄光への架け橋 前編」の続編です。↓(前回のURLです)
http://www.ssnote.net/archives/25040#top
残念ながら私は野球の経験はないので、経験者に失礼なことが書いてしまう恐れがありますのでそこら辺はご注意ください。
このSSを参考にしているアニメ・漫画・ドラマ等があります。 ですので不可解に思った方々にはちょっとお気に召さないかもしれません。
それでも良い方はどうぞごゆっくりお読みください。
目次 第三十四話 再始動 >>3
第三十五話 ミカサ・アッカーマン >>6
第三十六話 新入部員 >>15
第三十七話 強くなって帰ってくるから >>18
第三十八話 抽選会 >>23
第三十九話 夏の始まり >>29
第四十話 しばしの別れ >>32
第四十一話 初戦 >>40
第四十二話 油断と緊張 >>48
第四十三話 絶望の中で鋭く光る >>59
第四十四話 ヒーロー >>62
第四十五話 主将と4番 >>66
第四十六話 自分のバッティング >>79
第四十七話 故郷と旧友 >>84
第四十八話 中央第一憲兵大付属高校 >>90
第四十九話 蛇の猛毒 >>94
第五十話 潜在能力解放 >>100
第五十一話 怒りと策略 >>114
第五十二話 完全模倣 >>117
第五十三話 本気 >>123
第五十四話 マルセル・ベリック >>129
第五十五話 更なるステージへ >>135
第五十六話 取材? >>148
第五十七話 蒼の騎士 >>154
第五十八話 見失った憧れ >>163
第五十九話 新しい選択 >>170
第六十話 取引 >>175
第六十一話 コンビニ大事件 >>180
第六十二話 準々決勝 >>186
第六十三話 亀裂 >>189
第六十四話 天才 >>195
第六十五話 仲直り >>207
第六十六話 少年がくれた夢 >>213
第六十七話 野球をやる理由 >>218
第六十八話 過去から未来への放物線 >>224
第六十九話 十人十色の優しさ >>233
第七十話 勝つための変更 >>242
第七十一話 涙と純情 >>255
第七十二話 1年団結 >>263
第七十三話 対駐屯高校戦 >>268
第七十四話 紅の魔術師 >>275
第七十五話 嫉妬からの苛立ち >>279
第七十六話 名門校の実力 >>282
第七十七話 先輩と後輩の衝突 >>290
第七十八話 下手くその意地 >>297
第七十九話 指揮者の行方 >>308
第八十話 無茶は疲弊に変わる >>312
第八十一話 極限の集中状態 >>318
第八十二話 エース復活 >>328 後編終了
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- 2 : 2015/05/04(月) 23:22:27 :
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前回までの 「栄光への架け橋」
主人公である、【エレン・イェーガー】は過去中学時代にいわゆる、いじめ、というものにあったためビビリ症候群になってしまった。
そんな彼は【シガンシナ高校】という一般的な偏差値の私立高校に来た。
その学校では野球部が廃部していた。だがエレンはその野球部を復活させようとした。
そこで色々な仲間と出会った。
バカで背は小さいだけど、野球は超上手い【コニー・スプリンガー】
冷却で物静、だが野球はめちゃめちゃ上手い!?まだまだ謎だらけの【ミカサ・アッカーマン】
慎重派で真面目、だがまだまだメンタル面では問題あり?バントが上手な【マルコ・ボット】
現実主義者で無茶なことはしない、キャプテンシーが一番あるのはこの男【ジャン・キルシュタイン】
ザ・シンプル男といえばこの男【トーマス・ワグナー】
影が薄い一言で言ってしまうとこんな感じ、実は意外と頼りになる男【ミリウス・ゼルムスキー】
勉強ダメ、運動ダメ、ルックスもダメ...何をやっても中途半端でまさにダメ男...だがチーム一の努力家【ダズ】
あの【自由の翼】の正捕手、捕手としては県一?バッティングとしても県一位二位を争うほどの実力とセンスを持つ男【アルミン・アルレルト】
クールだが野球では熱血?ドS女王として学校で美女ランキング1位の座を座っている。シガンシナ高校の監督を務めるのは【アニ・レオンハート】
面倒くさがり屋で普段はゲームしかしてないダメな教師、だが心理学や生物学を野球に活かす奇行種は...【ハンジ・ゾエ】
若くて美人で漫画でしかいないような最高の先生!と評判、だが字が下手で少し頼り難いところがあっておっちょこちょいな【ペトラ・ラル】
小柄で金髪で美人で言うことなし!学校のいや世界の女神と言われた。学校ではクリスタファンクラブというのがあるらしいが先ほど消されました。【クリスタ・レンズ】
いつもクリスタにくっついていて、目つきや接し方が怖い...だがスタイル抜群でそのきつい目つきも好印象を持っている。どうやら裏ではユミルの民というクラブがある【ユミル】
とても高校球児とは思えない野球センスと実力の持ち主、彼のストレートを受けた捕手はほとんどが怪我をし、トラウマになり辞めていく人が続々といた。【リヴァイ】
アルミンの親友であり、良きライバルだった。【モーゼス・ブラウン】
見た目はラグビー部?だが性格は兄貴肌?クラスのみんなには頼れる兄貴と知れている。事情があって野球が出来ないらしい【ライナー・ブラウン】
名前が覚えにくいと評判の彼だが190cmという超身長を持っている、ライナーに親しんでいて校内ではゲイ?という噂も流れている【ベルトルト・フーバー】
そして、5月の末に名門校調査高校(2軍)と練習試合をした。前半では勢いに乗って良い雰囲気になってこのままいけば勝てる!と思ったのもつかの間...相手の策略によりシガンシナズはみるみる落とし穴にはまっていく。
さらにはアルミンが怪我をするなど、シガンシナズに不運が続くなか、エレンは今まで間違っていた自分を変えようとした。そして見事に流れは切れた...
だがしかし、相手は選手交代で1軍にいるはずのリヴァイが出てきた。
リヴァイが出てきたことにより調査高校は勢いに乗り、一気にケリをつけてくる。
結果...負けてしまった。だがこんなところでくじけて何かいられないシガンシナズは自分たちの目標を決めた。
さぁ、これからがシガンシナズの反撃だ!!
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- 3 : 2015/05/08(金) 23:21:09 :
あの試合から3日後...
ジャン「おーっし、次はバッティングランやるぞ!!」
「おうッ!」
カチッカチッ
あれからチームの雰囲気は徐々に上がり、今や調査高校と同じくらいの質だ。
トーマス「ストレート、130kmいきまーす」
コニー「おっしゃぁー、来いや!!」
パシュッ!
カキーンッ!
ダズ「こ、こっちスライダーいきます!」
パシュッ!
キーンッ
ミリウス「シュートいきます
パシュッ
カキーンッ
アニ「さぁ、打ったら走るんだよ」
そんな中、ただ一人様子がおかしい。それは...
アニ「次!」
ミカサ「...」
ジャン「おい、ミカサ!次お前だぞ!」
ミカサ「あ...はい、すみません」
彼、いや彼女?どちらかは僕はわからないが明らかに変だ。ミカサの様子がおかしくなったのはあの試合以降からだ。
アニ「次、○○○○!」
○○○○「はい!」
そうそう、最近変わったことがあるとすれば、追加新入部員が増えたこと。名前は...
カキンッ!
○○○○「うっ、くそ!」
アニ「独り言言ってないで、さっさと走る!ライナー」
ライナー「あ、はい!」ダッ
【ライナー・ブラウン】中学ではピッチャー・外野手の経験あり、しかも4番を打っていたらしい。風格も外見もチームで最も4番らしい打者だ。
そんな彼がなぜ今頃入ってきたかはわからない、だがまた問題児が増えたということは確かだ。
練習後
エレン「ぷはぁー...疲れたぁ」
ライナー「おう、お疲れさんエレン」
エレン「おぉ、ライナー!どうだ?もう部活には慣れたか?」
ライナー「まだ完全に馴染めてるってわけではないが少しずつな」
エレン「良かった」
ライナー「それにしても、驚きだな...」
エレン「?」
ライナー「本当にアルミン先輩がここにいるとはな...」
エレン「確かに天才って呼ばれてる人がこんな弱小校にいるのはおかしい話だけど、悪い話ではないだろ?」
ライナー「まぁな」
エレン「それより、お前大丈夫なのか?」
ライナー「何がだ?」
エレン「バイトだよ、バイト!お前言ってただろ?バイトが忙しいって」
ライナー「あ、あぁ...まぁもうバイトには慣れたから大丈夫だ、心配させて悪かったな」
エレン「別にいいけどよ、よく体力長続きするよな」
ライナー「昔から体力には自信があったからな」
エレン「そう言えばお前と一緒にいた奴はいいのか?」
ライナー「ベルトルトのことか?あぁ...あいつは正直...」
エレン「なんだよ?何かあるのか?」
ライナー「...なぁ、エレン...頼みがある」
エレン「な、なんだ?」
ライナー「...俺が野球部に入ってることは...ベルトルトには内緒にしててほしい」
エレン「内緒?別にいいけど...何かあるのか?」
ライナー「あ...まぁ色々とな、あとで必ず話す」
エレン「わかった、他の奴にもそう伝えたほうがいいか?」
ライナー「あぁ、頼む」
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- 4 : 2015/05/09(土) 00:07:11 :
それから数日後...事件は起きた。
カキーンッ!
パシッ
アニ「ナイスファースト!次、セカンド!」
カキーンッ!
マルコ「ッ!」ダッ
パシッ
シュッ
アニ「次、ショート!」
カキーンッ!
ミカサ「...」
ボスッ!!
「え!?」
ドタンッ!!
コニー「おい、ミカサ!大丈夫か!?」
マルコ「ミカサ!しっかりしろ!」
ミカサ「(わたしは...なにを...)」
「ミカサ!ミカサ!しっかりしろ!ミカサァ!」
ピーポーピーポー
医師「...命に別状はありません。」
ジャン「良かった...」
エレン「...」
「ただ...」
医師「相当疲れているようですね。肉体的にも、精神的にも...」
医師「さらに深く言えば...精神的にかなりストレスを感じているようです。」
アニ「というと...練習でのストレスでしょうか?」
医師「いえ、普通スポーツでの練習というのは肉体的に響くもので、精神的に来るものとすれば新しい環境になれてないとか...」
医師「色々ありますがアッカーマンさん場合は別です」
エレン「別...?」
医師「今から話すことは出来ればご親族の方、または配偶者の方に話したいのですが...今連絡は取れているのは...」
タッタッタ
ガラッ!!
○○○「ミカサ!!ミカサはどこだ!?」
ナース「お客様困ります、ここは関係者以外の方は...」
医師「いやいいよ、彼はご親族の方だ」
ナース「そ、そうですか...失礼致しました。」
○○○「ミカサ...バカヤロウ...こんなにボロボロになるまで頑張りやがって...」
エレン「あ、あの...あなたは...?」
○○○「ん?おぉ、悪い悪い!申し遅れたな!」
○○○「俺の名前は【ケニー・アッカーマン】だ。ケニーおじさんって呼んでくれ」
アルミン「(ケニー...アッカーマン...?)」
医師「では...ご親族の方以外の方は席を外して頂いてよろしいでしょうか?」
アニ「ッ、はい...今日はありがとうございました。」
スタスタ
「ちょっと待て」
エレン「?」
ケニー「そこの悪人面と金髪美人な姉ちゃんとインテリ金髪キノコは残れ」
エレン・アニ・アルミン「え?」
医師「ですが」
ケニー「いやいいんだ、こいつらには知ってて欲しいんだ」
アニ「いやでも、いくら私達でもそこまでは...」
ケニー「いいんだって言ってるだろ?ま、それ以外の連中が聞いてても何も得もないしな」
アニ「...」
アルミン「どうする?」
アニ「残ろう、ジャン」
ジャン「はい!」
アニ「先に帰って練習を再開してて」
ジャン「はい!」
スタスタ
ケニー「悪いな、おめぇさん達」
ガラッ
ジャン「失礼します!」
「します!」
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- 5 : 2015/05/09(土) 01:02:14 :
- 突然ですがここから「フォーレ シチリアーノ」という曲を聞きながらご拝聴ください。(強制ではありません、が私は強くおすすめします。)
アルミン「(この人はなんでエレンを残したんだ?まだ僕やアニならわかるし...この場合なら顧問のハンジ先生か主将のジャンだろ?なのになんでエレンなんだ...?)」
アニ「(ここにエレンが呼ばれた理由は2つ考えられる)」
アルミン「(1つは、ミカサと何らかの関係があったか)」
アニ「(もう1つは、冤罪をかける獲物にされたか...まぁこれは0に近いね)」
エレン「(なんで俺...残されたんだ...?)」
ケニー「なんで俺は残されたんだってか?」
エレン「えっ」
ケニー「まぁそれは後で説明してやる」
医師「ではいいですね?」
ケニー「あぁ」
医師「今のアッカーマンさんの精神状態は極めて危険です」
エレン・アニ・アルミン「!?」
医師「これは今のアッカーマンさんの脳です。そして、ここが何か詰まっているのはわかりますか?これは過去のトラウマや思い出したくない記憶が蘇った時に出るものです。」
医師「過去に何度か通院して、治ったと思ったのですが...最近になってその記憶が蘇ってしまったようです。何か心当たりはありますか?」
「えっ、ちょっと待って下さい!」
医師「どうしました?」
エレン「ミカサが...前に通院してたって何の話ですか?それに過去のトラウマとか思い出したくない記憶って...」
医師「アッカーマンさん、彼らにはまだお話していないのですか?」
ケニー「あぁ、あとで説明するつもりだ」
医師「わかりました。では引き続き説明させていただきます。」
エレン「(ミカサは...こいつは...一体...どうなってるんだ...?)」
・・・
医師「では私はこれで」
ケニー「先生...本当...ありがとうございます!」
ガラ
ケニー「ふぅ、取り敢えず...お前ら座れよ」
スッ
ケニー「まぁ色々と話さなきゃいけないんだけどよ、めんどくせぇなぁ...」
エレン「あ、あの...俺、シガンシナ高校の野球部で」
ケニー「あー、お前のこともお前ら野球部のことも全員知ってるから大丈夫だ」
アルミン「全員...?」
ケニー「おう、お前の名前はアルミン・アルレルト、ポジションはキャッチャーで自由の翼の正捕手だった奴だろ?」
アルミン「ッ」
ケニー「で、お嬢ちゃんはアニ・レオンハート、去年からこの高校の野球部の監督をやってるすげー姉ちゃんだってな」
アニ「えっ」
ケニー「それで...問題のお前さんだ」
エレン「お、俺!?」
ケニー「エレン・イェーガー、ピッチャーでビビりな性格だけどそれは中学で出来た性格」
アルミン「(エレンの過去まで知ってるのか?ミカサが喋ったのか?)」
ケニー「さぁてとまず何から話すかぁ...そうだな...」
ケニー「まぁまず始めは俺の名前はケニー・アッカーマンってことはさっき教えたよな?」
アルミン「はい」
ケニー「じゃぁ俺がこいつの実の親でないってことは話してないよな?」
エレン・アニ・アルミン「えっ!?」
エレン「いやだってさっきアッカーマンって同じ...」
ケニー「あー確かに苗字は同じだな、だがまぁなんだ...簡単に言っちまえば俺はこいつの叔父...つまり俺の弟がこいつの実の父親でってわけだ」
アルミン「(なるほど、そう来たか)」
ケニー「そいであとは...あ、そうだ...まずこいつの顔拭いてやんなきゃな、可愛い乙女の顔が台無しになっちまう...」
エレン・アルミン「えぇ!?今なんて!?」
ケニー「は?いやだから、顔を拭いておかなきゃ可愛い乙女の顔が台無しになっちまうだろって...あ、まさかお前ら...」
ケニー「こいつが女ってことも...知らなかったのか?」
エレン「!?」
アニ「(やっぱりね、なんだかんだそうは思ってたけど...本当にそうだとは思わなかったよ)」
アルミン「(アニの言ってた通りだ、本当にミカサは...女の子だったのか...にしてもあの飛距離といい...凄いな...)」
ケニー「あ~ったく、こいつはどんだけ人に隠し事してんだよ...」
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- 6 : 2015/05/09(土) 12:50:34 :
ケニー「あ~...じゃぁまずこいつの本性を知らなきゃだな」
ケニー「こいつの名前はミカサ・アッカーマン、歳は16歳で性別は女」
ケニー「次になぜ叔父である俺がこいつの世話をしてるかを説明するとな...」
ケニー「それとなんで女のこいつが変装して野球部に入ったか、さっき先生が言ってた過去のトラウマとはなにか...これは全部繋がる話だ、いっぺんに話すぞ」
ケニー「まずこいつの家族構成から話す」
ケニー「こいつの家族は...ごく一般的な家族だった、4人で父・母・兄...そして妹のこいつだ」
ケニー「じゃ、家族構成を話したことだし...そろそろ本題にいくか」
エレン「(本題...?)」
ケニー「お前ら思ったと思うが...なんで病院に先に駆けつけたのが叔父である俺か...まぁこれは一言で言わせちまえば実の親は死んだからだ」
エレン・アニ・アルミン「!」
ケニー「それがなぜ死んだか...これを次に話す」
ケニー「お前ら...5年前に起きた【夫婦殺人事件】を覚えてるか?」
アルミン「! それって確かその家族の娘さんを人身売買するつもりで親を殺した...事件ですか?」
ケニー「そうだ、結局犯人は殺されちまったけどな」
アニ「! もしかしてミカサの親は...」
ケニー「そう、こいつの家族が...その事件の被害者だ」
エレン「じゃ、じゃぁミカサが...」
ケニー「...あぁ、人身売買されそうになったその娘だ」
ケニー「目の前で親を殺されたあげく、知らねー変態おやじ共に体売られるところだったんだよ...」
アニ「そう...だったんですか...」
ケニー「だが、そう簡単に終わる話しじゃねぇんだよ...こいつの過去はな...」
エレン・アニ・アルミン「え?」
ケニー「...じゃぁ次に...なぜこいつが男に変装して野球部に入ったか、だ」
ケニー「まぁこれも色々と複雑なんだよな...順に追って話す」
ケニー「さっき言ったがこいつにはたった一人の兄がいる、その兄は小学校の頃から野球をしてた...」
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兄「...」スッ!
ドッ!!
兄「ッ!!」シュッ!!
パシンッ!!
審判「ストライク!バッターアウト!!」
妹「うわぁー、お兄ちゃんまた三振取った!!」
母「うんうん、凄いねお兄ちゃん!」
妹「私も...私もお兄ちゃんみたいになれるかな?」
父「なれるとも、なんて言ったってお前は私とお母さんの子だからな!」
妹「じゃぁ私もお兄ちゃんと野球やりたい!」
母「ふふっ、じゃぁ今日試合が終わったらお兄ちゃんに言ってあげなさい?きっと喜ぶわよ!」
妹「はぁい!」
・・・
妹「おにーちゃん!!」
兄「ん?見に来てくれたのか」
妹「うん!お兄ちゃんの試合はいつも見てるよ!!」
兄「そうか、ありがとうな」ナデナデ
妹「ふふっ、私もお兄ちゃんと野球したい!」
兄「えっ...お前も野球...したいのか?」
妹「うん!私もお兄ちゃんみたいに三振取りたい!ホームランも打ちたい!すごいキャッチもしたい!速く走りたい!!」
兄「...そうか、でもいきなりは難しいから帰ったら俺が教えるよ」
妹「わぁーい!!」
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- 7 : 2015/05/09(土) 12:57:14 :
ケニー「それからというのも...毎日毎日兄に野球を教わっては真似をして...妹はいつしか兄は憧れの選手となっていた」
ケニー「だが...そんな幸せは長くは続かなかった」
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妹11歳(小学校5年生)、兄13歳(中学校1年生)の頃...悲劇は起きた。
その日はちょうど、妹の誕生日だった。だが、兄は部活の試合があったため誕生日を祝うのは試合後のことだった。
兄「悪いな、すぐ帰ってくるから」
妹「ううん!大丈夫!あ、じゃぁその代わりに...」
兄「? どうした?」
妹「今日の試合...勝ってね!!」
兄「!...あぁ、絶対勝ってくる」
妹「本当?絶対だよ?」
兄「あぁ、すぐに試合を終わらせてきて...そしたら誕生日ケーキを食べよう」
妹「ッ!! うん!!」
兄「じゃぁ少し間お留守番我慢するんだぞ?」
妹「うん!大丈夫!」
兄「じゃぁいってきます」
妹「いってらっしゃーい!!」
母「妹はお兄ちゃんのこと大好きね!」
妹「うん!!だってお兄ちゃんかっこいいんだもん!!」
父「パパも負けてないぞー?」
妹「パパもかっこいいけど、やっぱお兄ちゃんがかっこいい!!」
父「」ガーンッ
妹「私将来はお兄ちゃんのお嫁さんになる!」
母「それは無理よ」
妹「どうして?」
母「血の繋がってる家族・兄弟は結婚出来ないルールがあるの」
妹「えー」
父「ならパパと結婚するか!?」
ピンポーンッ
母「あなたー、ちょっと出てくれる?」ピキピキッ
父「(あ、怒っちゃった...)」
ピンポーンッ
父「あ、はいはい!今行きます!」
ガチャッ
父「どちら様でしょうk」 グサッ
人売り「すみません、ちょっとお話を聞いていただけませんか」ニヤッ
母「ッ!!」
人売り「やわなことはしたくありませんので、言うことを聞いていただければそれでいいんです」
妹「おと...おとう...さん...?」
母「いい?逃げなさい!」
妹「に、にげ...逃げるって...どこに...」
母「うあぁぁぁああああああ!!!」ダッ!
人売り2「うわっ!?なんだこいつ!?」
ガシッ
母「今のうちに逃げなさい!!」
妹「え...ど、どこに...」
人売り2「こ、こんにゃろ!!大人しくしやがれ!!」スッ!
グサッ!
妹「ッ!?」
バタンッ
母「み...か..さ...にげ...t」ピクピクッ
妹「お、おか...あ...さん...」
人売り2「いいか?お前は大人しくしてろよ!!」スッ!
バコンッ!
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- 8 : 2015/05/09(土) 12:57:31 :
タッタッタ!
兄「(思いの外長引いちまった...くそっ、早く帰りたいって時に...)」
キキーッ!
兄「ハァ、ハァ、ハァ...よし」
ピンポーンッ
兄「...?いないのか?」
ピンポーンッ
兄「...おーい、母さん?父さん?ミカサ?」
ガチャッ
兄「あれ...鍵開けっ放しにしてる...不用心にもほどがあるぞ...」
スタスタ
兄「ッ...」
母「...」
父「...」
兄「え...ど、どういう...ことだ...」
スタスタ
叔父「ふんふんふーん、きょ~はかわい~かわい~姪っ子のたんじょ~びっ♪」
ガチャッ
叔父「あれ...開いてるし」
スタスタ
叔父「おぉ、○○○○!どうし...ッ!?」
兄「...」
叔父「お、おい...こ、これ...どういうことだ...」
兄「...た」
叔父「え?」
兄「...た、たけてくれ...」
叔父「お、おい何があっt !」
兄「妹が...」
叔父「?」
兄「妹が...ミカサが...見当たらねぇ...んだ...」
ガシッ
叔父「お、おい!なにすんだ!?」
兄「たのむ”、ミカサを見つけてくれ”!!!頼む”!!!」ウルウル
叔父「ッ...よし、まずは警察に連絡するんだ!」
兄「あ、あぁ!」
叔父「ミカサ...どこにいるんだ...」
・・・
妹「(寒い...痛い...)」
人売り「ったく、何してくれてんだよ!!!」
妹「(どうして...私は...誕生日なのに...こんなに苦しいの...)」
妹「(なんであなた達は...私の親を...殺したの...)」
妹「(なんでお兄ちゃんは...帰ってこないの...今...何時なんだろ...)」
コンコンッ
人売り「なんだ?あぁ?」
叔父「失礼しまーす、ここに俺の姪がいると思うんですが...あ、いた」
人売り2「てめぇなんでここがわかった!?」
叔父「おいおい...可哀想に...女の子なのにそんな暴力振るって...」
人売り2「あぁ?舐めたこと言ってんじゃねぇ!!」ダッ
バコンッ!
ドタンッ!
叔父「お前ら...よくも俺の弟と...その嫁と...娘に手出してくれたな...」
人売り「!?」
ドタンッ!
ピーポーピーポー
叔父「ミカサ、大丈夫か?俺が誰かわかるか?」
妹「おじ...さん、私は...どこに帰れば...いいの...」
叔父「ッ...それは...」
妹「寒い...帰りたい...お家に...」
スタスタ
兄「ミカサ...」
妹「...お兄ちゃん?」
兄「悪かった、俺が試合に行かなかったら...こんなことにはならなかったのに...」
バッ
兄「!」
妹「あなた...誰...」
叔父「み、ミカサ...どうした?」
妹「あなた...誰...来ないで...いや...嫌だ」
兄「ミカサ...俺が誰だか...わからないのか...?」
妹「違う...あなたは...私の...お兄ちゃんじゃない...」
兄「ッ」
妹「お兄ちゃんはどこ...どこなの...」
叔父「...今はそっとしてやろう...」
兄「...あぁ」
それからミカサとその兄は施設に預けられた。
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- 9 : 2015/05/09(土) 14:24:00 :
ケニー「んで...まぁそっからがまた複雑なんだけどよ...」
ケニー「ある日...あの兄が俺に会ってきて...こう言ったんだ」
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兄「...ケニー叔父さん...あんたに...頼みがある」
ケニー「なんだよ...お前さんからの頼みなんて珍しいじゃねぇか」
兄「...あいつを...」
ケニー「?」
兄「妹...ミカサを...引き取ってほしい」ペコッ
ケニー「は...ハァ!?な、何言ってんだお前...」
兄「俺は...あいつに何もしてやれない」
ケニー「いや...だからって施設にいれば...」
兄「聞いた話によると...あの施設のお偉いさんは...どうもミカサを気に入ったらしい」
ケニー「ど、どういうことだ?」
兄「...あいつらは...ミカサを変態爺達に...売るらしい」
ケニー「ほ、本当か!?それは」
兄「あぁ...」
ケニー「だとしたら...危ないな」
兄「だからケニーおじさん...あんたに頼んでる」
ケニー「いやだからと言っても...俺もそんな支えられるような金は稼ぇでねぇし...」
兄「...親が残した貯金がある、それを全部使ってほしい」
ケニー「ッ...いいのか?」
兄「あぁ、親は元からそのために貯めていたらしいからな」
ケニー「お前はどうするんだ?」
兄「俺は中学まではあの施設に残る、中学を出てからは...働くのが一番早いかもな」
ケニー「...いやもっと早く金が手に入って、なおかつお前さんだったら実現出来る可能性が高いのがある」
兄「?」
ケニー「プロ野球選手だ」
兄「!」
ケニー「高校は行け、俺が払ってやる」
兄「...いや高校に行くんだったら...スポーツ推薦で入るよ」
ケニー「そうか」
兄「それと」
ケニー「?」
兄「俺は今日から苗字は捨てる」
ケニー「は、は...?」
兄「アッカーマンは今日でやめるって言ってるんだ」
ケニー「いや...意味がわからねぇぞ」
兄「俺は...今日からただのリヴァイだ」
ケニー「...そうか、なら俺はただのケニーだな」
リヴァイ「!」
ケニー「中坊のくせに...かっこつけやがって、ま、ミカサは任せとけ」
リヴァイ「あぁ、頼んだ」
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- 10 : 2015/05/09(土) 14:56:41 :
ケニー「それからのあいつは~...腐ってたねぇ、何をやるにしても、うん、しか言わねぇし」
ケニー「だぁけど...そんな暗闇に迷い込んでるある日に...野球馬鹿に出会っちまったんだよな」
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ワーワー
ミカサ「...」
「おい、何してんだ?」
ミカサ「...うん」
「おい!お前に言ってるんだよ!」
ミカサ「...うん」
「うん、じゃねぇ!!」ガシッ
ミカサ「!?」
「お前...何してんだ?」
ミカサ「えと...私は...」
「取り敢えずさ、野球やらね?」
ミカサ「え?」
「今人数いなくて困ってるんだよ!ダメか?」
ミカサ「...い、いいけど...私は...」
「じゃ、決まり!」ダッ
ミカサ「あ、ちょっと!」
「みんな~、あと一人集まったぞ!!」
ミカサ「い、いややっぱ私...」
「お前名前は?」
ミカサ「え...ミカサ」
「ミカサか、俺はエレンって言うんだ!」
エレン「よろしくな!」
ミカサ「う、ん」
エレン「お前野球経験者か?」
ミカサ「う、うん...お兄ちゃんと少しやってた」
エレン「そっか、なら話は早いや!」
・・・
シュッ
キーンッ
エレン「やべっ」
パシッ!
ミカサ「あ...入った」
エレン「おぉ、すげぇ!!お前上手いな!!」
ミカサ「え、いや今のはたまたま...」
エレン「じゃ、次も頼むよ!」
ミカサ「え、いやだから今のは...」
シュッ
キーンッ
エレン「ミカサ!」
ミカサ「!」ダッ!
パシッ!
「おぉ!」
エレン「やっぱお前すげぇよ!!」
ミカサ「そ、そんな...///」
エレン「じゃぁ次バッターな!」
-
- 11 : 2015/05/09(土) 14:57:21 :
キッ
エレン「くそっ!」
ミカサ「あ、あの...エレン」
エレン「ん?どうした?」
ミカサ「今の場合もう少し腰を落として、肩に力を入れ過ぎない方がいいと思う」
エレン「腰を下ろす...こうか?」スッ
ミカサ「そう、それで肩に力を入れずに振る」
ブンッ!
エレン「おぉ!今の音すげぇ!お前やっぱすげぇな!どこかチームに入ってたのか?」
ミカサ「いや...お兄ちゃんに教えてもらっただけで」
エレン「その兄ちゃんすげぇな!」
ミカサ「あ...うん」
エレン「どうした?」
ミカサ「...エレンは...野球...好き?」
エレン「は?いやそんなの当たり前だろ!好きだからやってるんだろ?」
ミカサ「そう...だよね」
エレン「お前は違うのか?」
ミカサ「え...いや...その...」
エレン「?」
ミカサ「...わからない...」
エレン「何が?」
ミカサ「最近...何が楽しくて自分が生きてるんだろうって...」
エレン「何だそれ?そんなの人それぞれだろ?」
ミカサ「うん...そうだけど、私にはもう...生きる価値が...なくなってしまった」
エレン「え?なんで?野球楽しくないのか?」
ミカサ「...いやそんなことは...」
エレン「? よくわからんねぇけど、お前兄ちゃんのおかげで野球好きになったんだろ?」
ミカサ「ッ」
エレン「だったらいいじゃん!お前はそのままで」
ミカサ「私のまま...?」
エレン「お兄ちゃんはお兄ちゃん、お前はお前だろ?誰のためにやってるわけでもなくお前が楽しいからやってたんだろ?」
ミカサ「!」
エレン「そんなまどろっこしいことなんか気にしてないで、早くアウト取ってやろうぜ!」
ミカサ「...うん!!」
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________________________________
エレン「...お、俺ですか!?」
ケニー「そうだよ、たった一人の兄より...たった一人のある野球馬鹿にたまたま野球を誘われて...やった結果、結構元気になった」
アルミン「(エレンとの繋がりはそういうことだったのか...)」
アニ「ちょ、ちょっといいですか?」
ケニー「?」
アニ「実の兄は...今調査高校のエースナンバーを背負ってる...リヴァイが兄なんですか?」
ケニー「おう、そうだぜ」
アルミン「(! だからあのフォームといい...なるほど、すべて繋がったぞ)」
-
- 12 : 2015/05/09(土) 14:58:11 :
ケニー「それで最後になぜ女のこいつが野球部に男に変装して入ったか、これはまぁさっきの話聞いてわかったと思うが...」
ケニー「その野球バカに...恩返しがしたいんだとよ」
エレン「え...俺に...?」
ケニー「そうだよ...全くどれだけ説得しようが関係ねぇ、あいつも誰かに似て頑固だよ」
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ミカサ15歳(中学3年生)
スタスタ
ミカサ「(もう一度...あの人に会いたい...ありがとうって言いたい...けど、言えない...)」
マルロ「は、はぁ!?エレンの奴他の高校行くって!?」
ミカサ「(え、エレンって...)」
ボリス「あぁ、そう言ってたぜ」
マルロ「なんだよ...なんていう高校だって?」
ボリス「さぁな、確か隣街のシガンシナ高校?って学校だった気がするぞ」
マルロ「なんだよ...ったく」
ミカサ「(シガンシナ...高校?)」
タッタッタ
ガチャッ
ミカサ「ただいま」
ケニー「おーう、おかえりー!」
ガサコソ
ケニー「なんだ?何か探しものか?」
ミカサ「えっと...シガンシナ高校...」ペラペラ
スタスタ
ケニー「なんだ?高校決めてるのか?」
ミカサ「あった!!」
ケニー「どーれ」チラッ
そこには...ケニーにはとてつもなく高い数値の偏差値が書いてあった。
ケニー「え...お前...こんな高校受けるのか...」
ミカサ「え?あぁこっちは特進だと思う」
ケニー「特進?なんじゃそりゃ」
ミカサ「普通の人よりもっと頭が良い人が入って、もっと頭が良くなるように勉強するコース」
ケニー「へー...」
ミカサ「私でもこっちは無理そう...だから普通科のコースを受ける」
ケニー「...いやいやいや、普通科のコースでも結構頭良くねぇか!?(ケニー叔父さんは勉強が苦手なだけ)」
-
- 13 : 2015/05/09(土) 14:58:21 :
ミカサ「私...ここの野球部に入る!」
ケニー「は...?野球部?そこの野球部って女子のあんのか?」
ミカサ「いや男子の」
ケニー「は、はァァァああ!?入れるわけねぇだろ!!普通女子が入っていいのは少年リトルまでだ!!」
ミカサ「え...でも...あ、じゃぁ」
ケニー「そう、諦めればいいんだよ」
ミカサ「私...高校から男になる」
ケニー「そうそう、変装すればバレない...ん?男になるって!?」
ミカサ「うん」
ケニー「バカか!?やっぱり馬鹿なのか!?ごまかせれるはずがないだろ!!」
ミカサ「大丈夫、髪の毛は少し短めに切ればいける」
ケニー「いやいやいやいや」
ミカサ「叔父さんあとで切って」
ケニー「あぁわかった、いや違う!だから話を聞け!!」
ミカサ「叔父さん...私は...あの時救ってくれたあの人に恩返しがしたい」
ケニー「い、いやでもそれは野球部で返さなくてもいいだろ?結婚するとか、S○Xしてあげるとか」
ミカサ「叔父さん...それ本気で言ってるの?」ピキピキッ
ケニー「すいませんでした、そうじゃなくて...普通に女子として行ってマネージャーとかになればいいだろ」
ミカサ「...それでも私は...あの人の役に立ちたい...もしそれで本当にS○Xをしてほしいと言われればする...けど、あの時私は野球の楽しさを思い出せてくれた」
ミカサ「だから私は野球で恩返しがしたい!」
ケニー「...どうしてもか?」
ミカサ「うん、どうしても」
ケニー「...ハァ、わかった」
ミカサ「!」
ケニー「だけど、少しでも無理してるってのがわかったら俺はすぐさま学校側に言ってお前を退学させるからな」
ミカサ「...うん!ありがとう!叔父さん!!」
ケニー「べ、別に俺は大したことはしてねぇし」
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-
- 14 : 2015/05/10(日) 17:34:27 :
エレン「...」
アニ「...」
アルミン「...」
ケニー「おいおい、そんな暗くなるなって!」
アルミン「でも、ミカサにそんな過去があるなんて...思ってもみませんでした」
ケニー「...さて、お前らこの間調査高校と練習試合したそうだな?」
エレン「え、あ、はい!」
ケニー「どうだ?アイツ(リヴァイ)強かっただろ?」
エレン「ッ...はい...凄く強かったです」
ケニー「そりゃそうだろ、このケニー様が野球を教えてあげたんだからよ」
アルミン「! そうだ、ケニーさん一つ聞いてもいいですか?」
ケニー「なんだ?」
アルミン「ケニーさんは...元プロ野球選手でしたか...?」
エレン「え!?」
アニ「ッ」
ケニー「...なんだ、お前俺のこと知ってたのか?」
アルミン「昔、父にプロ野球の試合をみさせてもらった時にあなたを見た覚えがあったので」
ケニー「なんだよ、俺のファンだったのかよ!」
エレン「ぽ、ポジションって...」
アルミン「うん、君と同じ...ピッチャーだよ」
エレン「!」
ケニー「あ、そうだ!エレン!お前のストレート何か変なんだってな!見させてもらったぜ!!」
エレン「え、いつの間にですか!?」
ケニー「ミカサからDVDを貸してもらったよ」
エレン「///」
ケニー「お前...結構面白い人材なんだよな」
エレン「え...」
ケニー「俺が本物のストレートを投げられるように指導してやる、どうだ?乗るか?」
エレン・アルミン「!」
エレン「え...でも」チラッ
アルミン「...君の好きにしな、決めるのはエレンだ...」
エレン「...お、俺は...」
グググッ
ケニー・アルミン・アニ「!」
エレン「俺は...強くなりたいです...」グググッ
ケニー「強くなりたい...ねぇ」
エレン「はい!」
ケニー「まるでどっかの誰かと似てるな」
エレン「?」
ケニー「(あぁこの感じ...あの時と同じだ)」
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「お願いだ!!」
ケニー「いやでも...教えていいもんかねぇ」
リヴァイ「俺に野球を教えてくれ!!」
ケニー「(困ったもんだ...小学生のガキにここまで頼まれると...)」
リヴァイ「俺は強くなりたい」
ケニー「!」
リヴァイ「野球が上手くなりたい!強くなりたいんだ!!だから頼む!!」
ケニー「...ハァ、全く...わかったよ」
リヴァイ「! 本当!?」
ケニー「あぁ...ただし小学生のお前はまだ体が出来ない、最低限のことしか出来ないが...それでいいか?」
リヴァイ「あぁ!!」
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ケニー「...なぁ、お前らの目標はどこなんだ?ベスト8か?」
エレン「! 俺達は...」
アルミン「」コクッ
エレン「調査高校を倒して...甲子園に出ることです!!」ギリッ
ケニー「ッ!!」
ケニー「お、おいおい...正気か?調査高校って言ったらここ最近甲子園連覇してるそうじゃねぇか相手が大きすぎなんじゃ...」
アルミン「僕達は本気です」
ケニー「...はははっ、あっはっはっは、こりゃ面白い!」
ケニー「じゃぁ俺もその旅をご一緒にさせてもらうかな」
エレン・アニ・アルミン「え!?」
ケニー「俺も最近野球をしたくなってきたし、ちょうどいい...それに...」
ケニー「見てみたいんだよ、小さい物が大きな物に挑戦して...勝つところをな」
-
- 15 : 2015/05/10(日) 18:19:05 :
その頃グラウンドではまた別の出来事が起きた。
ジャン「おし、じゃぁ再開すんぞ!」
「おうッ!!」
スタスタ
カキーンッ!
スタスタ
ジャン「お前ら声出せぇ!!」
スタスタ
「ライナー...君は何をやってるんだ...」
マルコ「?」
「ライナァァァアアア!!君は...何をしてるんだ!!!!」
ライナー「ッ、ベルトルト!?」
ジャン「あぁ?何してんだライナー!!」
ライナー「わ、悪い!少し外していいか?」
ジャン「ハァ?練習中だぞ?」
マルコ「知り合いが来たみたいだね」
ジャン「知り合いだぁ?」
ベルトルト「...」
スタスタ
ライナー「ベルトルト...なぜわかった...」
ベルトルト「...先生から聞いたよ、最近ライナーは野球部のグラウンドで部員としてやっていると...」
ライナー「...その...すまん...」
ベルトルト「なんでなんだライナー...あれほど...辛い経験をしたのに...また君はあの思いをするつもりなのかい!?」
ライナー「...」
ベルトルト「黙ってないで答えてくれよッ!!」
ジャン「なんだ?修羅場か?」
ベルトルト「中学時代...君は肩を怪我した...」
ベルトルト「あの当時...臆病だった僕を救ってくれたのは君だ、だけど僕の代わりに犠牲になるなんて...」
ベルトルト「だから僕は...もう君の辛い顔は見たくないから...野球から遠のけて来たのに...それなのに君は...」
ライナー「...すまない、お前の気持ちも知らないまま俺の独断で行動してしまって」
ライナー「だが俺は...アイツを見ていると...あの頃の自分が...懐かしく思えて...また野球がしたいって...思っちまうんだ」
ベルトルト「アイツって...彼のことかい?」
ライナー「...あぁ、同じクラスのエレンだ」
ベルトルト「...だったら...」
ライナー「?」
ベルトルト「この野球部が...潰れれば...君はもう...野球をしたくならないよね...」
ライナー「お前...何を...」
ベルトルト「悪いとは思ってる...けど、これもライナーのためなんだ...」
ジャン「おい、お前ら何してんだ?」
ライナー「ジャン!来るな!!」
ベルトルト「!」
ジャン「ハァ?」
ベルトルト「うぁああああああああ!!!」ダッ!
ジャン「うぉッ、危ねッ!?」スルッ
ベルトルト「!?」
ダズ「え...!?」
ドスッ
ダズ「ひでぶっ!?」
バタンッ
-
- 16 : 2015/05/10(日) 18:19:16 :
トーマス「どうしたダズ!?」
タラーッ
トーマス「ち、血だ!?」
「ダズゥゥゥウウウ!!!」
ベルトルト「ハァ...ハァ...ぼ、僕は...なんてことを...!?」
ライナー「ダズ!!しっかりしろ!!!」
ジャン「あぁ、大丈夫だろ」
ライナー・ベルトルト「え!?」
マルコ「うん、ベルトルトに刺される前に自分で転んでるからね」
ベルトルト「で、でもここに血が...」
ミリウス「それは多分トマトだと思う」
ライナー「トマト!?」
ダズ「いっててて...転んじまった」
トーマス「おぉ、生きてた!」
ダズ「え?ってかなんかケツがビショビショ...ってトマト!?」
スタスタ
ハンジ「やぁ、君達!ここにトマト落ちてなかった?」
マルコ「あ、トマトだったらさっきダズが踏んじゃいましたけど」
ハンジ「え....えぇぇぇぇえええええ!?」
ダズ「な、何かまずいことでもしたのか俺!?」
ハンジ「あのトマトは...おふくろが送ってくれた...幻のトマトだったのにぃいい!!!!!」
ジャン「じゃぁなんで外にほったらかしてんだよ」
ハンジ「ぐぬぬ、解せぬ...解せぬ、誰だぁぁ!私のトマトを踏んだのは!!!」
マルコ「いやだからダズだって言ってるじゃないですか」
ハンジ「お前だろぉおおおおおお!!!!」
ベルトルト「え...えぇ!?僕!?」
ハンジ「絶対に許さないからなぁ...弁償してもらうからな...」
ベルトルト「い、いや...僕は何も...」
ハンジ「弁償として、君は今日から野球部で活躍してもらうからね」
ベルトルト「えぇ!?」
ライナー「はは、そりゃいい」
ベルトルト「ライナーまで!?」
ハンジ「はい決まりね!よろしくね!ベルトルト君!!」
ベルトルト「え、えぇ!?で、でも」
ハンジ「なに?入部しないの?そっかぁ、じゃぁ仕方ない...弁償として5万円払ってもらわなきゃねぇ」
「(汚ねぇ野郎だ)」
ベルトルト「わ、わかりました...入ります!」
ハンジ「本当?絶対?嘘なしだよ?やっぱ辞めますはなしだよ?」
ベルトルト「は、はいぃ!!」
ハンジ「よっしゃぁ、決まりぃ!!」
「(こんな大人には絶対なりたくない)」
-
- 17 : 2015/05/16(土) 01:02:41 :
アニ「集合ッ」
ジャン「! はい!」
「はい!」
アニ「ミカサは大丈夫だから、一週間様子見で入院することになったから」
ジャン「一週間...ですか」
アニ「そうなると練習試合が厳しくなるね...」
ジャン「あ、それなら大丈夫ですよ」
アニ「?」
ジャン「ベルトルト」
ベルトルト「は、はい!」
ジャン「今日から野球部に入った奴です」
アニ「入部希望聞いてないけど?」
ジャン「実はライナーの知り合いなんだとか」
アニ「そういうことね、野球経験は?」
ベルトルト「えっと...あの...ゴニョゴニョ」
アニ「え?何って言ってるか聞こえないんだけど?」
ベルトルト「小学校と中学校の頃...ゴニョゴニョ」
アニ「ゴニョゴニョ言ってないではっきり言ってくんない?」ピキピキ
アルミン「(怒った)」
ジャン「(こえー)」
ベルトルト「あ、あの...ぴ、ぴ、ピッチャーと...外野手を...少々」
アニ「! コニー、取ってくれる?」
コニー「俺っすか?はーい」
アルミン「ベルトルトの球を見るの?」
アニ「うん、即戦力になるかどうかだけね...あんただって気にしてるんでしょ?この先うちはエレン一人じゃやっていけないって」
アルミン「!」
ジャン「(え...?)」
アルミン「...まぁ正直エレン一人で甲子園にいけるほど簡単ではないってことはわかってるけど」
アニ「それに今のチーム状態だとどうもガタガタだからいつまた誰かが怪我をするかわかったもんじゃないしね」
アルミン「ッ、つまりアニはみんなにサブポジションを一個作らせる気でいるの?」
アニ「元々こんな少人数じゃポジション一個はきついでしょ?」
アルミン「確かに良いタイミングではあるけど...今のチーム状況じゃどうなるか...」
アニ「最悪2個取ってもらうかもね」
アルミン「...誰をどこに置くつもり?」
アニ「ま、あとで話すよ」
ザッザッザ
ベルトルト「ふぅ...」
アニ「ライナー」
ライナー「! はい!」
アニ「あいつってどんな投手?」
ライナー「どんな...世に言う速球派ですかね」
アニ「MAXは?」
ライナー「中学の頃は120km前半くらいでしたね」
アニ「(1年としては合格ライン、コントロールやスタミナ、変化球はアルミンに任せて...問題はエレンと同じ、いやそれ以上の臆病な性格)」
ドッ!
アニ「(! あいつってサウスポーなの!?)」
ベルトルト「ッ!!」シュッ!
パシンッ!!
アルミン「(125kmくらい...にしては速く感じたな)」
ドッ!
シュッ!
パシンッ!!
アルミン「(くそっ、一球だけでも取れればどんな感じかわかるのに...)」
アニ「次、変化球何か投げられる?」
ベルトルト「あ、はぃ」
ドッ!
シュッ!
コニー「(うげっ、すっぽ抜けかよ!!)」
アルミン「(いやすっぽ抜けにしては球威と回転が多い...まさか)」
クイッ!
コニー「!?」
ポタッ! コロコロ
「おぉおおお」
アニ「(今の変化球...)」
アルミン「(縦に落ちる...カーブだ...)」
※ドロップカーブ、別名12to6カーブ(トゥエルブトゥ・シックスカーブ)とも呼ばれる。日本ではドロップという。カーブの中でも水平方向よりも鉛直方向に大きく変化する。
ベルトルト「あ、あの...」
アニ「...ん?な、なに?」
ベルトルト「もう一球種あるんですけど」
アニ「あ、あぁ投げていいよ」
アルミン「(サウスポーであのドロップカーブを持ってることだけでもかなり即戦力なのに...まだあるとは変化球豊富だね...)」
ドッ!
ベルトルト「ッ!!」シュッ!
アルミン「!」
クイッ!
パシンッ!
コニー「フォークボール!?」
アルミン「(こりゃ...エレン、早速スタメン争いが忙しくなりそうだよ...)」
-
- 18 : 2015/05/16(土) 01:59:23 :
病院
ミカサ「...」
エレン「ミカサ...」
ギュッ
エレン「...俺お前にそんな過去があったなんてわからなかった」
ミカサ「...ン」
エレン「え?」
ミカサ「..レン...エレン...わたし..が..たす..ける...から」
エレン「...ちげぇよ、今は...俺がお前を助ける番なんだよ...」
ギュゥッ
エレン「俺...強くなってくるから、お前の兄ちゃんリヴァイさんに勝てるくらい強くなるから...」
スタスタ
ガラッ
エレン「...」
ケニー「覚悟は出来たようだな?」
エレン「...はい!」
ケニー「実際のところ今からやって、大会までに間に合うかどうかわからねぇが...それでもいいか?」
エレン「はい!俺に...野球を教えてください!!」
ケニー「...おう、その意気込み買ったぜ...」
エレン「よろしくお願いします!」
ケニー「まず最初は下半身を鍛えることだ、ひたすら走って足腰鍛えるぞ!」
エレン「はいッ!」
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
リヴァイ「悪いな、ミカサ」
ミカサ「いやだ...いや...いやだッ!!行きたくないッ!!!」
リヴァイ「もう決まったことなんだ」
ミカサ「どうして!?お兄ちゃんは私の事が嫌いになったの!?私いい子にするから!!だからお願い!!」
リヴァイ「安心しろ、俺はお前のことは嫌いにはならない」
ミカサ「なら...ならどうして...私が邪魔なの...?」ウルウル
リヴァイ「...」
ミカサ「ねぇ、答えてよっ!!私が邪魔なの!?そうなの!?」ウルウル
ケニー「...クッ」
リヴァイ「...」
ミカサ「どうして答えてくれないのお兄ちゃんッ!!!答えてよッ!!!私治すから!!悪いとこ全部治すから!!だから...お願い...」ウルウル
リヴァイ「...あぁそうだよ」
ミカサ「ぇっ...」ウルウル
リヴァイ「...お前は邪魔だ、お前がいると野球に集中出来やしねぇ...だからだ」
ミカサ「そん...な、だ、だったら私...もう、お兄ちゃんの試合は見に行かないし、応援もしない!だから...」
リヴァイ「ダメだ、お前はおじさんのところに行け」
ミカサ「なんで...なんでよっ!!」ポロポロ
リヴァイ「お前は今後一切俺と係るな、もちろん俺の友達にもな」
ミカサ「グスンッ...グスンッ」
リヴァイ「...ならこういった方がいいか?」
リヴァイ「『俺とお前はもう家族でも兄弟でも何でもない。赤の他人だ』ってな」
ケニー「なっ、リヴァイ!お前そこまでいう必要ないだろ!!」
リヴァイ「...仕方ねぇだろ、世界は残酷なんだからよ」
ケニー「ッ」
リヴァイ「あばよ...」
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
ミカサ「...で」
ナース「? ミカサちゃん?」
ミカサ「...いかないで...」ウルウル
ナース「ミカサちゃん...」
エレン「...ちげぇよ、今は...俺がお前を助ける番なんだよ...」
ミカサ「!」
ガバッ!
ナース「ミカサちゃん!?」
ミカサ「え、エレン...? え?私は...どうしてここに...」
ナース「覚えてる?部活の事故で病院に運ばれたんだけど」
ミカサ「えっ...」
ナース「あ、それからミカサちゃん宛に手紙があるわよ」ニコッ
ミカサ「私...宛...?」
-
- 19 : 2015/05/16(土) 02:36:02 :
ミカサ「誰からだろう...」ペラッ
ミカサへ
体の調子はどうだ?今この手紙を読んでいるってことはお前が起きたってことだよな。 まぁ無理せず戻ってこい。
バタバタッ
ナース「ミカサちゃん!?どうしたの!?」
ミカサ「エレンのところに行く!!」
ダッ!
ナース「あ、まだ動いちゃダメ!!」
ガラッ
タッタッタ!
ケニーさんからお前の過去にあったこと教えてもらった。お前も色々辛い経験してるんだな。実のお兄さんがリヴァイさんって聞いた時は正直驚いた。まぁだからあんなに上手いんだろうな、とは思ったけど。
お前、過去に俺と会ったことがあるって言って俺に恩返しをするって聞いたぞ。バカヤロッ!!そんなことしなくてもいいんだよ!!俺はお前の母親でも姉でもねぇんだぞ!!
ミカサ「ハァ、ハァ、ハァ」アセ
タッタッタ!
先生「おー、アッカーマンさん!大分元気になっt」 ビューンッ
先生「あっはっは、元気でよろしい!」
話は変わるが俺は本気で【甲子園】を目指してる。このチームのみんなで...俺は甲子園に行きたいと思ってる。ならまずやることはエースである俺が強くならなきゃいけないことだ。
ミカサ「ハァ、ハァ、ハァ、え、エレン!!」
俺はケニーさんから本物のストレートを教えてもらおうと思う。大体まずは野球の初歩から入るとは思うけど...
だから俺はしばらくケニーさんの指導で練習にはたまにしか参加出来なくなる。もちろん学校には行くが。お前の目標どうなんだ?チームのみんなの目標が一致しないとチームはバラバラだと思う。お前も甲子園行きたいだろ?だったら兄貴倒して行こうぜ!
その代わりって言っちゃなんだけど...
ウィーンッ ガラガラ
スタスタ
エレン「...」
タッタッタ!
「エレンッ!!!」
エレン「!」チラッ
ミカサ「ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
エレン「ミカサ...」
ミカサ「んっ、ハァ、ハァ、ハァ...私の...目標は...」ゼェハァ
エレン「!」
ミカサ「エレンと..シガンシナ高校野球部のみんなと...甲子園に行くこと!!!」
エレン「ッ」
周囲の人「なんだ?」
ケニー「はっはっはっは、いいねぇいいねぇ面白いぞ!」
ミカサ「だから...エレン...ハァ、ハァ...」ゼェハァ
ミカサ「エレンが...あなたが帰ってくるまで...負けない! 私が絶対にシガンシナ高校を守ってみせる!!だから...だから...」
エレン「...ふっ」ニッ
エレン「おう、頼むぞ!ミカサ!」スッ
ミカサ「ッ......うん...う”ん...」ポロポロ
スッ
ミカサ「いってらっしゃい!!エレン」ニコッ
エレン「あぁ!」ニコッ
スタスタ
ザワザワ
ミカサ「...グスンッ...うぅっ...グスンッ...」ポロポロ
「やっと言えたじゃない」
ミカサ「え...?」
「あなたがお兄ちゃんに言えなかった言葉」
ミカサ「私が...兄さんに...言えなかった言葉...?」
「そう、あなたが今過去のトラウマから逃れられないのは過去に後悔があったから。お兄ちゃんに『いってきます』が言えなかったことを後悔してる」
ミカサ「ッ...」
「でももう大丈夫、あなたは今エレン君にちゃんと言えたじゃない。『いってらっしゃい』って」
ミカサ「!」
「もう大丈夫だから...大丈夫...」
ミカサ「待って...あなたは...誰...?」
「大丈夫...大丈夫...」
ミカサ「...おか...あさん...?」
ガチャッ
ナース「あ~いた...もうミカサちゃん?ダメよ、勝手に外に出るなんて...ましてやまだ動ける状態じゃないのに...」
ミカサ「もう大丈夫です」
ナース「え?」
ミカサ「もう...大丈夫です!」ニッ
-
- 20 : 2015/05/17(日) 00:44:02 :
そして翌日...
スタスタ
ジャン「! ミカサ!?もう大丈夫なのか!?」
ミカサ「うん、心配かけてごめんなさい」
ジャン「いやまぁ俺達は大丈夫だけど、お前1周間は入院するって...」
ミカサ「ううん、大丈夫...私はもう負けない!」
ジャン「は?誰に?」
ミカサ「誰にも...私達の目標の邪魔をする奴みんなに負けないッ」ギリッ
ジャン「ッ、目標って...甲子園か?」
ミカサ「うん、ジャンはどこにするの?」
ジャン「えっ、俺は...」
ミカサ「?」
ジャン「俺は...俺も...いや...」
ミカサ「...」
ジャン「お、俺は...」
ミカサ「大丈夫」スッ
ギュゥッ
ジャン「えっ!?」
ミカサ「ジャンの目標は私達と同じだってわかる」
ジャン「えっ、はっ、えぇ!?なんで!?」
ミカサ「だってジャンは...よくエレンに突っかかってくる」
ジャン「あっ、いやそれは...」
ミカサ「けどそれはエレンと正反対の人間だから、じゃなくてエレンの意見も理解出来るけども自分の意見を曲げたくないだけ」
ジャン「ッ」
ミカサ「ジャンは他の人の意見も理解出来る数少ない人、けどジャンは現実主義者だから夢や願望よりも今という状況を優先するタイプ」
ジャン「み、ミカサ...お前...占い師かよ」
ミカサ「みんなそれくらいのことはわかるよ、だってみんなジャンが好きだから」
ジャン「...はははっ、な~んか...変わったなミカサ」
ミカサ「? 私は今も昔もこんなんだと思う」
ジャン「いいや変わったよ...ま、変わったんじゃなくて変えられたのかもな...アイツに...」
ミカサ「アイツ?」
ジャン「...ふぅ、仕方ねぇ...俺も甲子園を目標にする」
ミカサ「うん、そうしよう」
ジャン「半端な練習じゃ辿り着かねぇ所だぞ」
ミカサ「わかってる、けど私達なら行ける...エレンもそう言っていた」
ジャン「エレンねぇ...お前どこまでエレンにぞっこんなんだよ...」
ミカサ「けど、ジャンが同じ目標にしてくれて良かった...ありがとう」ニコッ
ジャン「」シロメ
ミカサ「じゃぁ練習に行こう!」
ジャン「(天使だ...あぁッ、今ならもう死んでもいい...)」ツーッ
-
- 21 : 2015/05/17(日) 01:22:09 :
コニー「おぉ、ミカサ!お前もう大丈夫なのか?」
ミカサ「うん、心配をかけて申し訳ない」
エレン「ったく、ホントにもう大丈夫なのかよ」
ミカサ「ッ、エレン...」
エレン「なんだよ、まるでいない人がいるかのような目で見やがって」
ミカサ「あ、いや...だって叔父さんに...」
エレン「監督に今日だけは来てくれって言われたし、それに俺だって毎日ケニーさんに教えてもらえるわけでもないしな」
ミカサ「確かに叔父さんは仕事もあるから」
エレン「だから週4日土日と火曜木曜に教えてもらうんだ」
ジャン「どうせすぐ折れて、泣きながら帰ってくんだろ」
エレン「ハァ?お前俺がいつ泣いたんだよ!!」
ジャン「合宿の時だろ?監督に慰めてもr「うわぁぁぁあああああ」
ジャン「んだよ、うっせぇな」
エレン「な、な、なんでお前それ知ってるんだよッ!!///」
ジャン「はぁ?そら俺がキャプテンだからに決まってんだろ」
エレン「それとこれとは関係ねぇだろ!!///」
パンパンッ
アニ「はい、じゃぁ全員いるね...?」
「はいッ!」
アニ「今日練習始める前に決めておきたいことがあるんだ」
ミリウス「何をだろう?」
ダズ「打順とかか?」
トーマス「いやまぁ打順もあり得るけど、一番の高確率は...」
アニ「今このチームに足りないところはいっぱいあるけど、この少人数じゃどうしようもない...またアルミンみたいに怪我をしたらポジションが動いちゃう...」
アニ「そんな時のためにまぁ保険と思ってもらって構わないけど、今日から一人ずつポジションを2つ以上守ってもらうよ」
「はいッ!!」
アニ「それでまずは...このチームに何が必要だと思う?」
スッ
アニ「アルミン」
アルミン「投手はあと2人欲しい」
エレン「ッ」
アニ「うん、そうだね」
エレン「えッ!?」ガーンッ
フラフラ
トーマス「ん?どうした?エレン」
アルミン「?」
エレン「いや...何でもない...」orz
アニ「(あらら、アルミンと話し合って良い感じになってくれると思ったけど、やっぱりマウンドを取られたくないか...)」
コニー「監督、マッキーペンないっすか?」
アニ「え?あぁ、あるけど」スッ
コニー「あざーっす」
カキカキッ
ジャン「おまっ」
マルコ「ちょっ、コニー!?」
コニー「ほい、出来たッ!」
エレン「え...1...番...?」チラッ
コニー「1番はお前のだからよ、いつも背負っとけ!」
「(うわぁ、これっていじめになるんじゃ...)」
エレン「え、えっ...」チラチラッ
トーマス「は、ははっ、よ、良かったな!」
ミリウス「に、似合ってるよ」
ダズ「か、かっこいい...ぞ?」
エレン「...」モジモジ
エレン「えへへっ、うひひっ」ニヤニヤッ
「(そんなんでいいんだ...)」
アニ「じゃぁ、話戻すけど...投手経験あるのは...ベルトルト」
ベルトルト「ッ、あ、はい...」
アニ「この間見せてもらったけど、かなりやるみたいだね...スカウトとか来なかったの?」
ベルトルト「あ、えと...その...」
ライナー「スカウトは来ましたけど、蹴りました」
「えっ」
アニ「なるほどね、大体は予想つくよ...それから...」
スッ
アニ「ッ、ミカサ?」
ミカサ「私がやります」
エレン・アルミン「!」
アニ「い、いいけど...あんた出来たの?」
ミカサ「元々兄さんに初めて教えてもらったのがピッチングでした。それに社会人草野球でもやっていました」
「おぉ!」
アニ「じゃぁベルトルトとミカサにしようか」
パチパチ
アニ「それから...捕手は...まぁあの練習試合の通り...コニーで行こう」
コニー「俺っすか?まぁいいっすけど!」
アニ「じゃぁ決まりだね」
パチパチ
・・・
アニ「じゃぁ練習始めるよ」
「はいッ!!」
-
- 22 : 2015/05/17(日) 02:08:04 :
アニ「ファースト!」スッ
カキーンッ!
ダズ「ゲボリュッ!?」ボスッ!!
ドタッ
アニ「すぐ立つ!セカンド!」スッ
カキーンッ!
トーマス「うっ!?」スッ
パシッ ポロッ
アニ「エラーしてもいいけど、すぐ返球する!次、ショート!」スッ
カキーンッ!
マルコ「ッ!」ダッ
パシッ
マルコ「えいッ!!」シュッ
ポタッ コロコロ
アニ「キャッチまでは良かったけど、返球に力ないよ!もっと速く返球しないと追いつかないよ!次、サード!」スッ
カキーンッ!
ライナー「うぉぉおおおお!!」スッ
パシッ
ライナー「うおらッ!!」シュッ!
ダズ「ひっ!?」
カシャンッ!
アニ「キャッチ側が取れないボール投げない、悪送球すぎる!」
スタスタ
○○○「お、やってますね!」
アルミン「ふっ、ふっ」ギーコギーコ
○○○「あのぉ~すみません」モグモグ
アルミン「え?あぁはい」
○○○「あお、あいえんぁいは、いあすか?」モグモグ
アルミン「え?いやなんて言ってるか聞こえないし、喋りながら食べるなんて汚いと思うよ」
○○○「」ゴクンッ
○○○「アニ先輩はいますか?」
アルミン「アニ?アニならあっちにいるけど...」
スタスタ
アニ「ん?あぁ良く来たね」
○○○「も~急に呼び出すからびっくりしましたよ!」
アニ「ごめんごめん、あとでメロンパンおごってあげるから」
アルミン「(あのアニが誰かに奢る!?)」
トーマス「やべぇ、あちぃ...」
コニー「ん?誰だ?あの女」
エレン「?」
○○○「し、仕方ないですね...アニ先輩の頼みなら...」
アニ「ありがと、じゃぁ今からみんなに自己紹介しな」
○○○「えぇ!?私からですか!?」
アニ「じゃぁ私が紹介するよ、集合ッ」
「はいッ!」
アニ「紹介するよ、こいつは【サシャ・ブラウス】私の中学時代の同じ野球部のマネージャーをやってた子」
サシャ「ウォール・ローゼ南区ダウパー村出身、サシャ・ブラウスです!」
エレン「あ、サシャか?」
サシャ「え?あ、エレンじゃないですか!」
ミカサ「あ」
サシャ「あれ、それにミカサまで...はっ、ライナーやベルトルトまでいるじゃないですか!!」
ライナー「サシャ...お前ここでなにしてるんだ?」
サシャ「今日から野球部のマネージャーになることになりました!よろしくお願いします!」
ジャン「あ、えっと俺は主将のジャンだ、よろしく」
サシャ「よろしくお願いします!」
アルミン「(マネージャー...?あのアニが他人を頼るなんて...まぁ確かに一人で全部をやるのは辛いだろうけど...あのアニが?)」
アニ「じゃぁまぁ雑用係になっちゃうけど、頼んだよ」
サシャ「はい!他の誰からの頼み事なら断りますがお世話になったアニ先輩の頼みなら断れるはずがないですよ!」
アニ「ふふっ、良い後輩を持って良かったよ」
サシャ「その代わり...メロンパンおごってくださいね?」
アニ「あぁ、今日だけね」
サシャ「え”っ!?」
アルミン「(やっぱりアニだった...)」
-
- 23 : 2015/05/17(日) 18:29:21 :
そして2週間後...
ザワザワ
マルコ「うわぁ...人多いねぇ」
ジャン「そりゃウォールマリアだけで住民は1億人言われてるからな」
トーマス「うげぇ、そんなにいるんだ」
エレン「みんな...でかい」
アルミン「まぁまだ君は1年だからね」
エレン「ッ」
コニー「あったりまえじゃん!俺達全員1年なんだからさっ!大きくなるのはこれからっしょ!!」
「えぇ?全員1年!?」
「どこどこ、超当たりてぇ」
マルコ「コラッ、コニー!大きい声出すな!」
コニー「えぇ~、だって事実じゃん!」
アルミン「僕は2年だけど?」
コニー「あっ、そうだった!!」
ガシッ
アルミン「僕のこと馬鹿にしてるよね?完全に」ギュゥギュゥ
コニー「いてて、いてて、いててててて!!!間違えました、ゲンミツに!!」
マルコ「ジャン、ごめん...お腹痛くなってきちゃった...トイレ行ってきていい?」
ジャン「ハァ?また神経質の下痢かよ、さっさと行って来い」
エレン「お、俺も行く!」
ジャン「ハァ?お前もかよ!」
アルミン「先行って待ってるよ」
エレン「はい!すぐ戻ります!」タッタッタ
・・・
ジョーッ
エレン「ハァ...スッキリした...」
スタスタ
マルコ「エレ~ン、いる?」
エレン「え?あぁいるぞ」
マルコ「ごめん、トイレットペーパー探してくれるかい?こっちになくて」
エレン「あぁ、待っててくれ!」
コソコソ
エレン「な、ない...」
マルコ「ま、まずいな...ごめん、係の人にもらってきてもらえる?」
エレン「お、おう!任せろ!」ダッ
ドサッ
エレン「いっててぇ...あ、ご、ごめんなさい!」
「いってぇな...トイレで走るんじゃねぇよ」
「まぁまぁ、怪我してないんだからいいじゃないっすか!」
エレン「あ...」
「あ?」
エレン「(り、ヴァイ...さん...だ....)」
リヴァイ「お前は確か...誰だ?」
○○○○○「覚えてないんすかい!!」
リヴァイ「いや見覚えはあるが...」
エレン「(こ、ここで会うなんて...)」
リヴァイ「まぁいい、次からトイレ走るんじゃねぇぞ」
エレン「は、はい!」
ピピピッ
エレン「うぉっ!?」ピッ
アルミン「エレン?今ホール入ったから」
エレン「あ、あの!リヴァイさんに会いました!!」
リヴァイ「はっ...?」
アルミン「え?なんて言ったの?もしもし?」
スタスタ
リヴァイ「なんだ?俺のこと知ってるのか?」
エレン「い、いやあの...」
リヴァイ「お前...どこの学校だ?」
エレン「あ、あ、あ...」
「シガンシナ高校です」
リヴァイ「シガンシナ...?」
マルコ「はい、この間そちらの2軍の方たちと練習試合をしたと思うんですが...」
リヴァイ「...なるほどな」
エレン「え、あ、はい」
スタスタ
エレン「あ、あの!!」
リヴァイ「?」
エレン「俺は...あなたに勝ちます」
リヴァイ「あ?」
エレン「俺は...俺達は...」
エレン「あなた達を倒して甲子園に行きます!」
リヴァイ「...そうか、なら一つ良いことを教えてやる」
エレン「!」
スタスタ
ボコッ!
エレン「ッ!?」
ドタッ
リヴァイ「そういうのは勇敢とは言わない、舐めてるって言うんだよ」ギロッ
○○○○○「ちょ、いくらなんでも酷くないっすか?何も殴らなくても」
リヴァイ「こういうのは躾をしなきゃダメだ」
グググッ
リヴァイ「!」
エレン「俺は...俺達は...本気ですッ」ギリッ
リヴァイ「...ほう、面白い」
リヴァイ「ならば勝ち上がって来い、現実を教えてやる直接な」
-
- 24 : 2015/05/17(日) 18:30:50 :
「あ、あのぉ~」
エレン・リヴァイ・○○○○○「?」
マルコ「だ、誰かトイレットペーパー持ってきてくれませんか~?」
エレン「あ、そうだった!」
○○○○○「トイレットペーパーないんすか?」
エレン「あ、はい!」
スタスタ
○○○○○「はい、これ」スッ
エレン「あ、ありがとうございます!!」
リヴァイ「どこから持ってきた」
○○○○○「隣の女子トイレっす」
エレン・リヴァイ「女子!?」
○○○○○「あぁ中には入ってないっすよ、取ってきてもらったんす!まさか中には入りませんよ!リヴァイ先輩エッチっすねぇ」
リヴァイ「殺すぞ」イラッ
エレン「ありがとうございました!」
スタスタ
エレン「マルコ、落とすぞ?」
マルコ「お~、良かった...」
ホール
スタスタ
トーマス「おーい!エレン!マルコ!」
マルコ「ハァ...スッキリした」
コニー「マルコ!お前緊張すると下痢になるんだってな!あっはっはっは!」ゲラゲラ
マルコ「なっ、ジャン!もしかして言ったのか!?」
ジャン「つい口が滑っちまった」
マルコ「絶対わざとでしょ!!」
エレン「あ、アルミン先輩!さっきリヴァイさんに会いました!」
アルミン・ミカサ「!」
アルミン「そう言えば電話で言ってたね」
エレン「はい、それで...俺ちゃんと言いました」
アルミン「何を...?」
エレン「あなた達に勝って...俺らが甲子園に行くんだって」
アルミン「...うん、そうだね」
ミカサ「ふふっ」
キーンッ
「!」
司会者「それでは只今よりウォール・マリア大会県予選の抽選会を始めます。まずAシード...調査高校と駐屯高校両校の主将は名札を持ってこちらに来てください。」
ミケ「...ふっ」ニヤッ
キッツ「クッ、バケモノめ...」
スタスタ
トーマス「! そう言えばエレンは隣街から来たんだっけ?」
エレン「あぁ」
トーマス「なら調査高校有名だけど、駐屯高校は知ってるか?」
エレン「あ、あぁ確かここ10年県予選決勝ではあの2校しか勝ち上がって来ないとか」
マルコ「へぇ、あっちでも駐屯高校は有名なの?」
エレン「まぁ強いとしかわからないが」
-
- 25 : 2015/05/17(日) 18:31:01 :
司会者「中央第一憲兵大付属高校」
サネス「ハァ...かったりぃ...」
アルミン「...」
トーマス「あ、エレンはさすがに中央憲兵は知らないだろ?」
エレン「あ、でもアルミン先輩に聞いたことはある」
司会者「マリア・ウォール教高校」
トーマス「お、出たな!最近やたらと力つけてるところだ」
マルコ「あと2校くらいかな?シードは」
司会者「バルト学院高校」
トーマス「うわ、出たよ...金だけ学校...」
マルコ「ボンボンが集まるところって聞いてたけど、本当に貴族学校なんだな...」
司会者「リーブス商業高校」
トーマス「あ~そう言えばリーブス商業も頭ひとつ抜けてたな」
マルコ「それに今年はここ10年で一番の役者揃いだってね」
ブシューッ
マルコ「あ...もう限界かも」
トーマス「え?あぁエレンには厳しいか」
エレン「(多すぎる...)」シロメ
・・・
司会者「到着番号1~30番までの学校の主将は名札を持ってこちらに来てください」
ザワザワ
ジャン「やっとシードが終わった...」
コニー「なぁなぁどこと当たりてぇ?」
マルコ「そうだなぁ、出来れば練習試合で当たったところがいいけど...」
コニー「俺すげぇ投手のところがいい!!ジャン!57番引いてくれ!」
ジャン「ハァ?57番?って駐屯高校じゃねぇか!!いきなり荷が重すぎんだろ!!」
コニー「なんだよ!?先当たってた方があとが楽になるじゃん!」
アルミン「(珍しくまともなこと言った...)」
ジャン「ぜってぇやだ!悪くて...Eシードくらいがいいだろ」
司会者「到着番号91~111番までの学校の主将は名札を持ってこちらに来てください」
ジャン「うし!行ってくる!」
コニー「頑張って引いてこいよぉ!」コソッ
アルミン「ハズレを引いても嫌な顔しないでポーカーフェイスでいなきゃダメだぞー」コソッ
ジャン「何の忠告っすか!それ!!」
スタスタ
ジャン「(うわぁ...みんなすげぇ顔が主将っぽく出来てるなぁ、どんだけ厳しいんだろ主将って...)」
ジャン「(うぉっ!?近くで見ると...櫓マジデケェ...さすが200校あることだけはあるな...)」
ジャン「(一回戦で...これが半分になる...二回戦で...4分の1...三回戦で8分の1...甲子園までの道のりって...すげぇなげぇんだな...)」
ジャン「(ッ、負けてられっか!もうここから勝負は始まってるんだ!)」
関係者「では名札をください」
ジャン「あ、はい!」スッ
関係者「ではクジを引いてください」
スタスタ
ジャン「(2回戦からところにいけば一試合無いから得する...)」
司会者「シガンシナ高校...」
スッ バッ
司会者「...」
ジャン「(どうなんだ...?俺はどこを引いたんだ!?)」
司会者「...」
ジャン「(溜めるんじゃねぇよッ!!!早くしろッ!!!!)」
司会者「...104番、シガンシナ高校104番です」
「おぉぉぉおお!!!」パチパチッ
ジャン「なっ!?なんだ!?」
コニー「なになに、何が起こったの!?」
トーマス「...! シード校がやっと当たったからだ」
コニー「え?どこ?」
トーマス「...リーブス商業だ」
カシャッカシャッ
記者「去年決勝まで行って、廃部寸前となったシガンシナ高校さん!まず今年の抱負をどうぞ!」
ジャン「が、がんばります...」
記者「今年の初戦の相手は去年夏大ベスト4まで行ったリーブス商業高校さんとですが何か感想はありますか!?」
ジャン「が、がんばります...」
-
- 26 : 2015/05/17(日) 19:27:07 :
トーマス「うわ...」
マルコ「な、なんというか...」
ダズ「ひぃぃい」
ミリウス「...」
ベルトルト「あ、えと...」
ライナー「そうだな、ベスト4はきちぃよな」
コニー「勝てねぇかな?」
「えぇっ!?」
コニー「だって俺ら、ここまで調査高校以外に負けなしじゃん?」
トーマス「(ど、どうやったらそう思えるんだ!?)」
マルコ「(能転気なの?それとも何か見えてるの!?)」
ダズ「(バカなのか!?それともやっぱ天才なのか!?)」
ミカサ「調査高校以外に全勝...と言ってもほとんど1年しかいないうち相手にだから、ベスト4相手とはやはり違うと思う」
コニー「なんだ、ミカサも弱気か?」
ミカサ「そんなことない、私達なら勝てる」
「えぇ!?」
コニー「にっひひ、だよな!」
アルミン「...」
コニー「ん?アルミン先輩まで弱気っすか?」
アルミン「え?僕が?まさか、きちんと打順を組めばリーブス商業相手だって4点は取れるよ」
「(マジで!?)」
アルミン「初戦はノーデータ覚悟してたけど、リーブス商業は露出多いからある程度は準備出来る」
アルミン「バッテリーの癖とバッターの癖をそろぞれ分析して、あとは守備で変なミスさえしなければ...うちは勝てる」
「おぉ...」
アニ「いいね、それに乗った」
「えぇ!?」
アニ「でもそのためにはまだまだやるべきことがあるんだけど、強い学校と弱い学校の絶対的違いってなんだと思う?」
コニー「え~、設備?あ、でもグラウンド小さいところでも強いしな...」
トーマス「部員数...もそうか」
マルコ「じゃ、じゃぁ...?」
アルミン「練習時間」
アニ「その通り、強い学校は練習時間が多いの」
アニ「練習は量より質みたいな問題じゃなくて、今の練習時間のままだとやりたいことを出来ないまま夏大に来ちゃう」
アニ「うちには照明がない...けど、知ってるかい?今の時期...4:30にはもう明るいってこと」
「(4:30!?)」
アニ「さすがに4:30じゃ電車が動いてないと思うから...5:00からにするよ」ニヤッ
アニ「夜は片付け含めて21:30上がりにしようか、それでも...午後授業を全部部活にあてる体育校には敵わないけど」
アニ「うちは人数が少ないから17:00~21:00で守備から攻撃まで一通りこなせると思う」
マルコ「(本気だ...監督は本気で甲子園に行くつもりだ...)」
ダズ「(監督が本気でやるって言うのに...)」
ライナー「(俺達が本気でやらなくて...)」
エレン「(誰がやるっていうんだよ...!!)」
トーマス「(俺らはまだ授業中に寝てられる...けど)」
ミリウス「(監督とアルミン先輩は特進だから休んでる暇はないんだ)」
ベルトルト「(僕らは自分たちの目的のためにやってるけど...)」
ミカサ「(監督は私達の目的のために最善を尽くしてくれてる...)」
アニ「シードに勝てれば私達の目標である甲子園に一歩近づけるから、ここをみんなで一緒に頑張るよッ」
「はいッ!!」
-
- 27 : 2015/05/17(日) 22:29:47 :
リーブス商業高校側
ディモ「なんだ?去年決勝まで行った学校か...」
ダン「監督、確かその高校ってあの自由の翼のアルミンがいるところっすよ」
ディモ「自由の翼のアルミンだぁ?んなもん知るかよ、こっちには飛べない豚の馬鹿息子がいるんだ」
○○○○○「おいおいおい!親父!!なんで親が子を馬鹿にすんだよ!!」
ディモ「ハァ?当たり前だろ?俺はこんな太ってねぇしブサイクでもねぇよ」
○○○○○「なんだとォ!?親父だって腹出てるじゃねぇか!!」
ディモ「これは腹じゃねぇ」
○○○○○「じゃぁなんだよ」
ディモ「腹筋だ」
○○○○○「バレる嘘すぎんだよ!!」
このそばかすの付いてるちょっとやんちゃそうな男の名は...【フレーゲル・リーブス】、この学校の校長である【ディモ・リーブス】の一人息子である。
ジム「あそこって確か去年の夏以来部員数減って廃部寸前じゃなかったっけ?」
ダン「ってことは人数ギリギリ?」
リーブス商業モブ1「うっわ、点数つきそう」
リーブス商業モブ2「じゃぁ2軍でやるのか?」
リーブス商業モブ3「いや、ベンチメンバーでやるんじゃねぇか?」
フレーゲル「ってことは俺様が活躍するってことだな!おーし、任せとけ!今度こそHR3本打ってやるぜ!」
パシンッ!
フレーゲル「いって!?」
ディモ「このアホンダラ...お前一本でも打ったことがねぇだろ!」
ディモ「それに他の奴らも聞いとけ、夏の大会初戦だぞ...あんまし舐めてるとぶっ飛ばすぞ。それと去年と同じ道が俺達に与えられるって思うなよ」
「ッ、は、はい!」
-
- 28 : 2015/05/17(日) 23:06:19 :
数日後...
アニ「さてと、そろそろ試験週間に入るけど、勉強の方は大丈夫だね?」
「い”ぃッ!?」
コニー「な、なんでそんな先生みたいなこと言うんすか!!」
アニ「え...そりゃだって...」
ハンジ「」ゴゴゴッ
アニ「野球するにもサッカーするにも、何をするのにも勉強は大事なのは普通なんだ」
アニ「例えばとある夏のある日...」
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
キキキキッ
コニー「あれ...俺って勉強しなくていいんだっけ...」
アニ「それでパラリと成績表を見る」
ゴロゴロガッシャーン
アニ「3つも4つも赤点が...」
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
アニ「そうなると部活より勉強を取らなきゃならないぞってなるわけ、言っとくけど部活サボってまで勉強はさせないからね...」
「」ゴクンッ
アニ「ちょっと聞いてみようか、国総やばい人」
コニー「は、はぁーい」スッ
アニ「数学やばい人」
コニー・エレン「はぁーい」スッ
アニ「世界史やばい人」
コニー・エレン・ダズ「はぁーい!」スッ
アニ「化学・物理主に理科系やばい人」
コニー・エレン・ダズ・サシャ「はぁーい!!」スッ
ガシッ!!
アニ「赤点取ったら...許さないから、ねッ!!」ギュゥッ!!
ハンジ「」キラーンッ
部室
ジャン「お前らどんくらいやばいの」
コニー「俺の身に何が起ころうとしているのかわからないくらいわからない」
マルコ「それはちょっとまずいね...」
ジャン「仕方ねぇな...今日付き合える奴付き合え」
トーマス「つーか、俺にも外国語教えてくれ」
ジャン「ハァ!?」
マルコ「外国語教えるから誰か数学わかる?」
エレン「...ミカサは大丈夫なのか?」
ミカサ「あ、うん...一応家に帰って復習してるから」
エレン「(うわ...ミカサにも負けてるのかよ...)」ガーンッ
ダズ「あ、だったらアルミン先輩に教えてもらえばいいんじゃないか?」
「...いやいや殺されるよ」
ダズ「えぇ!?」
ガチャッ
アルミン「遅いよ、そろそろ授業始まっちゃうよ」
コニー「あ、アルミン先輩!俺らに勉強を教えて下さい!」
アルミン「え?勉強?別にいいけど」
「おぉおおお!!!」
アルミン「じゃぁ今日終わったら寮に来て」
「はーい!」
-
- 29 : 2015/05/22(金) 23:20:08 :
数日後...
アニ「今日はアルミンとジャンと私とそれとハンジ先生も加えて、リーブス商業高校の、ごほっ、ごほっ、データ解析をするよ」
アルミン「大丈夫?」
アニ「うん、大丈夫」
トーマス・ダズ・ライナー「(取り敢えずリア充爆発してほしいです...)」
アニ「コニー、今日は悪いけどブルペンに入ってくれる?」
コニー「はーい」
エレン「あ、あの...アルミン先輩ッ!」
アルミン「? どうしたの?」
エレン「えっと...ですね、見てもらいたいものがあってですね...」
アルミン「いいけど、何を?」
エレン「あ、今持ってきます!」ダッ
タッタッタ
エレン「こ、これ...」
ハンジ「(! あの木の箱は合宿の時の...)」
スッ
エレン「これで...ここの上に乗って...」
サッ
アルミン・ハンジ「!」
エレン「えへへ、ど、どうですか...?」
ガシッ
エレン「?」
アルミン「君...これ練習終わったあとやってたの?」
エレン「や、や、やってないです!休み時間の間に教室でやっただけなんです!!」ブンブンッ
ガシッ!
エレン「え!?」
アルミン「全く君は...」ワシャワシャ
エレン「え、え、え、えぇ!?」
アルミン「(絶対リーブス商業...調査高校を倒して...エレンに甲子園の土を踏ませたいッ)」
アルミン「アニ、やろう!」
アニ「ごほっ、ごほっ、うん!やろうか」
スタスタ
エレン「お、お、怒られた...」
コニー「怒ってなかったぞ」
エレン「え?」
コニー「声に怒気がなかったもん」チラッ
コニー「!」
カキカキッ
コニー「背中の1番が薄くなってるから弱気が出るんだっ、ほら!」
エレン「さ、サンキュ...ッ、何か...本当に元気が出てきた気がするぞ!ありがとうな!コニー!」
コニー「おうよ!」
ライナー「平和なのはいいんだが...何かあの二人の会話聞いてると気が抜けるというか...」
トーマス「俺は肩の力が抜けちまうっていうか...」
ミカサ「? 私はそうは思わないけど...」
ライナー・トーマス「ハァ...」
-
- 30 : 2015/05/23(土) 00:54:26 :
そして、開会式の日...
サシャ「うわー...こりゃまた人が多いですね...」
アニ「そうだね...取り敢えずどこにあいつらがいるか...」
○○○1「おーい!アニ~!!サシャ~!!」
サシャ「! アニ先輩!あっちです!」
アニ「え?あぁ」
スタスタ
○○○2「やぁ!久しぶりだね!アニとサシャ!」
アニ「お久しぶりです。アンカ先輩とニファ先輩」
ニファ「本当に久しぶりだね!去年の夏大開会式以来?」
アンカ「だね!」
ニファ「でも、まさかサシャもシガンシナ高校に行くとはね!」
サシャ「私は最初野球部は入るつもりはなかったんですがアニ先輩に頼まれちゃったので!」
アンカ「あのアニの頼みとなれば断れないよね!」
アニ「先輩、それってどういう...」
アンカ・ラインベルガー...現,駐屯高校のマネージャーであり、アニとは中学時代の同じマネージャーだった。
ニファ...現,調査高校のマネージャーであり、アンカ同様でアニとは同じ中学
ニファ「それにしても今年のウォール・マリアは強豪揃いだよね」
アンカ「確かに、調査高校を始め...中央憲兵・マリアウォール教・バルト学院・リーブス商業...と、しかもアニ達の初戦って...」
アニ「はい、リーブス商業です」
ニファ「また凄いところと当たっちゃったね」
アニ「はい、けど...彼らはやる気ですよ、大丈夫...あいつらならやれる」ニコッ
アンカ「ふ~ん...アニ、変わったねぇ!」
アニ「え?」
ニファ「確かに!去年とは全然違う!」
アニ「そうですか?」
アンカ「だって前はそんなに笑わなかったもん!」
アニ「先輩...さっきから心にグサグサ刺さってるんですが...」
アンカ「まぁけど、去年うちはあんたと当たる前にニファにやられたけどね!」
ニファ「あの時はヒヤヒヤしたよ」
サシャ「確かあの時って12回まで続きましたっけ?」
アニ「うん」
アンカ「思い出しただけで...あ”ぁ...悔しいッ!!」
ニファ「また今年チャレンジしてねっ!」
アンカ「ニファ!今それ言われるとすっごいムカつく!!」
アニ「先輩達のブロックは...離れてますね」
ニファ「そうだね、ちょうどよく別れちゃった」
アンカ「けどまぁ、うちは順当に行けば決勝でニファと当たるわ!」
サシャ「私達は...げぇっ!?」 プッ プッ プッ ポーンッ
タッタカターッ タッタッターッ
代表「只今から全国高等学校野球選手権、ウォール・マリア大会の...開会式を行いますッ、選手入場」
♪♫♬
-
- 31 : 2015/05/23(土) 00:54:42 :
ウグイス「シガンシナ高校」
「イチッ、ニッ、イチッ、ニッ、イチッ、ニッ」
サシャ「おっ、来ましたよ!来ましたよ!アニ先輩!!」
アニ「はいはい、わかってるって」
スタスタ
エレン「イチッ、ニッ」
コニー「イチッ、ニッ」
ミカサ「イチッ、ニッ」
マルコ「イチッ、ニッ」
ジャン「イチッ、ニッ」
トーマス「イチッ、ニッ」
ミリウス「イチッ、ニッ」
ダズ「い、イチッ!に、ニッ!」
アルミン「イチッ、ニッ」
ライナー「イチッ、ニッ」
ベルトルト「イチッ、ニッ」
アニ「(本当に...ここまで色々なことがあった...けど、私達はこの大会で勝ち抜くために色々な経験をしてきた。どうか...どうか...あいつらが...甲子園に行けますようにッ)」
・・・
ダズ「ハァ...やっと終わった...」
トーマス「始まったの間違いだろ」
ダズ「え?あ、そうか!」
ジャン「じゃぁこのまま帰って練習の再開をすると」
アルミン「うん、それでいいと思うy「ジャン坊!ジャン坊!」
「?」
エレン「じゃ、ジャンぼう...?」
「ジャン坊!」
ジャン「なっ、うるっせぇな!!///クソババア!!」
ジャン母「見てたよ、ジャン坊!」
ジャン「用はなんだ?」
ジャン母「あぁ、監督さんに話があって...監督さんどこにいるのかわかるかい?」
ジャン「知らねー」
スタスタ
アニ「! ジャン君のお母様ですか?」
ジャン「!」
ジャン母「監督さん、初めまして!キルシュタインの母でございます!」
ジャン「はっ、またおせっかいが出たよ...」
トーマス「母さん!?」
トーマス母「あら、トーマス!見てたわよ!高校野球っていっぱいいるのね!」
コニー「母ちゃんに父ちゃん!?それにサニーにマーティン!?」
コニー母「コニー!あんたまた弁当忘れていったでしょ?」
コニー父「あれ...そう言えば俺なんでここいるんだっけ!?」
サニー「お父さん、お兄ちゃんの開会式を見に来るためでしょ!」
マーティン「バーカッ、バーカッ!」
エレン「みんな親が来てるんだな...」
スッ ギュゥッ
エレン「!」
ミカサ「大丈夫、私も今のエレンと同じだから」
エレン「ミカサ...」
「バーッカ、今のお前らには俺がいるじゃねぇか!」
エレン・ミカサ「!」
ミカサ「ケニー叔父さん...」
ケニー「よっ、見たぜ!カッコ良かったなぁ!お前ら!」
エレン「ケニーさん!?今日は仕事なんじゃ!?」
ケニー「ハァ?んなもんいいんだよ、今はお前らの晴れ舞台を見に来たんだ!」
ミカサ「叔父さん、私達の晴れ舞台は試合の日だよ」
ケニー「んなまどろっこしいことぁいいんだよ!!」
アニ「皆さん今日はお集まりいただきありがとうございます!」
コニー母「いいんですよ!いつも監督お一人さんに任せっぱなしでしたから!」
トーマス母「それに監督さんが本当に生徒さんがやってるだなんて、驚きました」
ジャン母「そうそう、監督さんに今日は御礼を言いたくて!」
アニ「私にですか...?」
ジャン母「はい、うちの子家ではあんまり話さないんですが今の野球部は本当に楽しいみたいで監督や先生のこと褒めるんですよ!」
アニ「えぇっ...」
ジャン母「中学じゃそんなことなかったんですから!すみません、今まですべておまかせしていて」
アニ「え?」
ジャン母「私達ちゃんと保護者会を作ってお手伝いしようってことにしたんです。さっきみんなで話し合ってそう決めたんです。おにぎりの具なんかも協力出来ると思うんです」
ジャン母「選手や監督さん達だけが本気でも応援する保護者も本気じゃなきゃ...本当に甲子園にはいけないと思うんです」
アニ「ッ...あ、ありがとうございますッ!!」
-
- 32 : 2015/05/23(土) 12:57:00 :
試合2日前
アニ「はい、今日はこれで上り!試合2日前だからねっ!しっかり柔軟するんだよ!」
「はい!」
アルミン「アニ」
アニ「ごほっ、ごほっ、何?」
アルミン「? 体調悪いの?ちゃんと薬飲んでる?」
アニ「ふふっ、ちゃんと飲んでるよ」
アルミン「ならいいけど...あ、それでリーブス商業戦だけど先発は誰にするつもりなの?」
アニ「そうだね...エレンが間に合うって言ってたから恐らくエレンだと思うけど、なんで?」
ミカサ「!」
アルミン「いや一応知っとこうと思ってね、それ相応の対応をしなきゃいけないからね」
アニ「気合入ってるね」
アルミン「うん、去年とは違うからね...大分」
アニ「...そうだね、勝てるといいね」
アルミン「勝てるといいね、じゃなくて勝つ...でしょ?」
アニ「...ふっ、そうだね」
タッタッタ
ハンジ「お~い、みんな~!新しいユニホームがギリギリ間に合ったよ!!」
ジャン「マジっすか!?」
パカッ
「おぉ!!」
トーマス「結構かっこいいな!」
ダズ「これっていくらくらいしたんだろう」
ハンジ「ふっふっふ、よくぞ聞いてくれた!なんと今回は...私の交渉により...本来ならば定価で2万したものを1万3000に値下げしてもらったのだ!!」
「おぉおおおおお!!」
アルミン「またどうせしつこく交渉してきたんだろうな...」
マルコ「どうやって値下げしてきたんですか!?」
ハンジ「ふふふっ、はははっ、聞くかい?そんなに聞きたいかい!?」
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
スポーツショップ
店長「こ、これ以上は...」
ハンジ「えぇぇえええ、そこを何とかしてよッ!!店長さん!!」
店長「いや私もここまで値下げしたのは初めてなんですが...」
ハンジ「そうか...うちにはあの【自由の翼】のアルミン・アルレルトがいて、なおかつ...あの調査高校に対抗出来るほどの役者が揃ってるというのに...」
店長「え!?」
ハンジ「ハァ残念だ...誠に残念だ...きっとうちは決勝まで行って、甲子園にだって出れるのに...そしたらユニホームの宣伝だって出来るのに...そんな会社は本当に利益が高くなるだろうな!!!!」
ハンジ「でもうちはまだ出来たばっかのピッカピカの学校だから予算だって低いんだよなぁ...」
ハンジ「うん、仕方ない...」 ピピピッ
ハンジ「ん?誰だ...?」 ピッ
ハンジ「はい、もしもし...あぁ監督?ごめんごめん、いやぁこの店じゃ私達の予算規模には合わなかったんだよ...」
店長「(だ、大丈夫...うちにはバルト学院さんからの依頼があるから大丈夫...大丈夫...)」
ハンジ「え?なに!?この近くにスポーツショップがもう一件あるからそっちに頼めって!?しかも、そこはここより安く提供してくれって!?そりゃ急がなきゃッ!!!」
店長「(!? この近くの店といえば...うちのライバル社!?そんなところに取られたら上が黙ってちゃいられない!!)」
店長「ま、待ってください!!...うっ...1万...3000,,,どうですか...」
ハンジ「」ニヤッ
ハンジ「えっ、いいんですか!?だってさっきこれ以上はって」
店長「だ、大丈夫です!」アセ
ハンジ「(計画通り)」ニヤッ
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
「(うわぁっ、やっぱ汚い人間だッ!!)」
ハンジ「どーだい!?これで私の力を思い知ったか!?あっはっはっは!!」
アルミン「(ちゃっかり僕の名前を使ってるし...)」
-
- 33 : 2015/05/23(土) 14:36:22 :
寮
ガチャッ
アルミン「ふぅ...アニ、シャワー使い終わったから入っていいよ」
アニ「はいよ」
アルミン「またPCの画面と格闘?そろそろ休んだら?」
アニ「乙女には色々とやることがあるの」
アルミン「でも、本当に休んだ方がいいよ」
アニ「はいはい、わかりましたって」
アルミン「! そう言えば最近また胸大きくn」 ゲシッ!!
アニ「平気でそんなこと言えるほど、まだ体力残ってるなんてとても逞しい先輩だことだね、ん?」ゲシッ!! ゲシッ!!
アルミン「す、すみません...もういい、いたっ、言いません!」
アニ「ったく...」
アルミン「ちょっとからかっただけだよ」
アニ「ッ...」ヨロヨロッ
アルミン「あ、そう言えば今度の試合お父さんに...」 バタンッ!!
アルミン「アニ...?」
アニ「」
アルミン「アニ!?アニ!!しっかりしてよ!!アニ!!アニィイイイ!!!!」
ピーポーピーポー
ガシャンッ ガシャンッ
救急隊「状態は!?」
救急隊2「高熱があり、意識がありません!」
アルミン「アニ!アニ!しっかりするんだ!!」
救急隊「レオンハートさん、レオンハートさん?大丈夫ですか?返事をください!」
救急隊2「病院に着きました!」
救急隊「よし、運ぶぞ!」
ガランッ ガランッ
医師「意識がない...熱も高い...すぐに緊急オペの準備を」
ナース「はい!」
アルミン「アニ...」
救急隊「アルレルトさん、レオンハートさんの保護者様がお着きになります。その時に事情を説明してください!」
アルミン「はい...」
救急隊「では、失礼します!」
アルミン「ありがとうございました」ペコッ
アルミン「...」
・・・1時間後・・・
ガラッ
アルミン「!」
医師「関係者の方ですか?」
アルミン「はい」
医師「一面は取り留めました。ですが...またいつ意識が失うか...それと...」
アルミン「?」
医師「...レオンハートさんは...もち病を持っていますね?」
アルミン「...はい」
医師「そのもち病が悪化しています...ここの病院では施設がそろっていません。シーナ大学病院ならこの病の治療が出来ます。」
アルミン「!」
医師「どうされるかは彼女とよく話し合ってください、では」ペコッ
アルミン「...はい、ありがとうございました」
-
- 34 : 2015/05/23(土) 14:36:33 :
スタスタ
ガラガラッ
アルミン「アニ...くそっ、どうして僕は気づいてあげられなかったんだ!!馬鹿アホ...使えないゴミ...この情けない奴め!!」
タッタッタ!
ガラッ!
アルミン「!」
アニ父「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ...アニ!!」
アルミン「...」
アニ父「...アニ」
アルミン「お久しぶりです。お父さん」
アニ父「...あぁ、そうだな...お前とは...いやアニともしばらく会ってない...まぁ取り敢えず表出ろ」
アルミン「...はい」
ガラッ スタスタ
ボコッ!!
ドタンッ!!
アルミン「うぐっ...」
アニ父「あの時...お前は言ったな...アニのことは任せてくださいって」
アルミン「...はい」
アニ父「じゃぁなんだ?このザマは?任せきれてないぞ」
アルミン「...はい、すみません」
アニ父「はい、すみませんじゃねぇよ!!」スッ!!
ボコッ! ゲシッ!! ゲシッ!!
アルミン「...」ボロボロ
アニ父「ハァ、ハァ、ハァ...お前のあの覚悟は嘘だったのか?あ?」
アルミン「嘘じゃありません...事実です」
アニ父「事実?じゃぁなんでアニのことを守れなかった?あぁ?」
アルミン「すみません...」
アニ父「勘当だ、もうお前にはアニを任せない」
アルミン「えっ...ま、待ってください!」
アニ父「まだ何かあるのか?女一人守れないクズ野郎が何をいうっていうんだ?」
アルミン「ッ...」
アニ父「もうアニの目の前に現れるな、アニはシーナ大学病院で治療をする」
アルミン「で、でも...2日後...試合があるんですッ!」
アニ父「試合?そんなものに娘を預けろっていうのか!?冗談じゃない!そんなチンケなものと命はどっちが大事なんだ!?」
アルミン「そ、それは...」
アニ父「もう出でいけ」
アルミン「...失礼します...あと...アニに伝えといてください...ありがとう、と...」
アニ父「ふんっ...知らねーよ」
スタスタ
アルミン「(当たり前だ...僕は...重大なミスをしてしまったんだから...)」
アルミン「(アニ...今まで...ありがとう...そして、ごめん)」
アルミン「(約束を...結局...果たせなかった...)」
スタスタ
「? アルミン先輩?」
アルミン「え?なんでエレンが...ここに?」
エレン「あ、いや...それはまぁ色々と...それよりアルミン先輩こそどうしてここに?それに痣や血が出てますよ!?」
アルミン「...なんでもないよ、ちょっと階段で転んだだけなんだ」
エレン「...嘘、付いてますね?」
アルミン「...」
エレン「...前にアルミン先輩はリヴァイさんに...【バッテリーに嘘はダメ】って話してましたよね?」
アルミン「...」
エレン「俺らも...バッテリーじゃないんですか?」
アルミン「...ハァ...わかった、話すよ...」
-
- 35 : 2015/05/23(土) 15:53:32 :
エレン「え!?監督が!?」
アルミン「うん...」
エレン「え、じゃぁ行かなくていいんですか!?」
アルミン「...いいよ、もうアニとは...縁が切れちゃったから...」ニコッ
エレン「...いいんですか?アルミン先輩は...こんな形で監督と別れて」
アルミン「...仕方ないよ、守れなかったのは僕だ...責任は僕にある」
グググッ
エレン「そんなんじゃ...アニ先輩に失礼じゃないですかッ!!」
アルミン「ッ」
エレン「どうして挨拶して来なかったんですか...何も言えないまま...お別れをするのは...凄く辛いんですよッ!!!!」
アルミン「...わかってる...わかってるよ...」
エレン「!」
アルミン「じゃぁ...どうすればよかったんだよ!?あのままアニのお父さんに引き続き僕に任せてくれって言うのか!?そんなの無理だ!!!」
エレン「最初から諦めてちゃ、何をやっても無理ですよッ!!!」
アルミン「諦めるしかないじゃないかッ!!!じゃぁエレンだったらどうするつもりだったんだい!?言ってごらんよ!!」
エレン「ッ...」
アルミン「ほら!言えないじゃないかッ!!」
ザワザワ
アルミン「ッ...ごめん、ちょっと言い過ぎた...」
エレン「い、いえ...」
アルミン「...けど、ありがとう」
エレン「え?」
アルミン「...本当は誰かにそう言って欲しかったんだ...ほら、僕今親とは別居だからさ...そういうこと言ってくれるのいないんだ」
エレン「...じゃぁ明後日の試合は...どうなるんですか?」
アルミン「...代理で誰かに入ってもらうしか無い...ハンジ先生は...ACだし、サシャはマネージャーだし...」
エレン「...監督に見てもらいたかったですね...俺達の晴れ舞台」
アルミン「うん...」
エレン「...」
グググッ
-
- 36 : 2015/05/24(日) 19:42:53 :
翌日
「えぇ!?」
ジャン「監督が...」
マルコ「病気で転校しちゃう...って本当ですか?」
アルミン「うん...けど、もう決まったものは仕方ないよ」
ジャン「いや仕方ないって言っても、監督がいなかったら誰がどう指導するんですか」
アルミン「...そこはハンジ先生と話すよ」
ライナー「今更どうこうしてもしょうがないし、取り敢えず明日のために練習をした方がいいんじゃないですか?」
アルミン「そうだね、そろそろハンジ先生も来る頃だし...そう言えばエレンは?」
ミカサ「今日は見かけてません、多分叔父さんのところに行ったんじゃ...?」
アルミン「え?アニの話じゃ今日は明日のために全員合流するはずだったんだけど...」
ジャン「どうせあいつのことだ、寝坊して来るんじゃねぇか?」
アルミン「...まぁこのままエレンを待つのも無駄な時間だから、アップ始めちゃおうか」
「はいッ!!」
・・・
その頃エレンは...
スタスタ
エレン「あの、レオンハートさんの部屋ってどこにありますか?」
ナース「えぇっと...3階の315号室でございます」
エレン「ありがとうございます」
スタスタ
エレン「...ここだな」
コンコンッ
「誰だ?」
エレン「シガンシナ高校野球部1年、エレン・イェーガーです」
「何の用だ?」
エレン「監督...アニ先輩のことについてお話があります」
ガラッ
アニ父「...こっちだ、ついて来い」
エレン「はい」
スタスタ
アニ父「...それで話ってなんだ?」
エレン「監督を明日の1日だけ...貸していただけないでしょうか?」
アニ父「...お前も奴と同種か...なら仕方ない、覚悟するんだな」
エレン「はい、覚悟は決めていますッ」ギリッ
アニ父「...ふん、だからどうした?」
スッ
エレン「お願いします、監督を貸してください...」
アニ父「ッ、舐めてるのかッ!このガキ!!」スッ
ボコッ!! ボコッ!! バキッ!! ゲシッ!!
エレン「げほっ、げほっ...」ボロボロ
アニ父「もう一度言ってみろ、次はない」
スタスタ
「おね...がい、です...どう..か、かんと..く、を...かしてください」
アニ父「クッ!!」スッ!!
バキッ!! ゲシッ!! ボコッ!! ボコッ!!
エレン「げほっ、げほっ...うぅ...」
アニ父「ハァ、ハァ、ハァ...諦めの悪い小僧が...」
ガシッ!
アニ父「!」
エレン「...おね...がいです...」
アニ父「往生際が悪いにもほどがあるぞッ!!!」スッ!!
ガシッ!!
アニ父「!」
アニ「お父さん...もうやめてあげて」
アニ父「アニ...ハァ、お前からも言ってやれ」
アニ「うん、わかった。じゃぁ二人にしてくれない?」
アニ父「あぁわかった」
スタスタ
-
- 37 : 2015/05/24(日) 19:43:46 :
アニ「あんた...知ってたの?」
エレン「昨日監督が倒れて病院に運ばれた時、俺もちょうどいたので...そこでアルミン先輩から聞きました」
アニ「...そうかい、あいつみんなに話した?」
エレン「それは...わかりません。けど、話してると思います」
アニ「...あのバカ...みんなに心配煽ってどうすんのよ」
エレン「監督ッ!!」
アニ「?」
エレン「お願いです。明日俺らの試合を見届けてください!お願いします!」
アニ「...気持ちは嬉しいし、行きたいのは山々なんだけど...父は頑固だから多分無理かもね」
エレン「え、で、でも!アルミン先輩との約束はどうするんですか!?みんなも本気で甲子園に行く気です!」
アニ「うん、約束を果たせなかったのは悔しいし、みんな本気になってくれて嬉しいよ...けど、どうやら私の体はもう限界らしい」
エレン「え...?」
アニ「...私元から体が悪かったんだ、小さい頃から」
アニ「それは多分母の遺伝だと思う...私の母さんはもち病で私が幼稚園になる前に死んじゃったから」
エレン「...」
アニ「でも...そんなか弱い私より小さくて...弱っちい奴が...野球を教えてくれて、なおかつ私より上手だった」
-
- 38 : 2015/05/24(日) 19:43:55 :
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
小学生の頃
アニ「ねぇ、あるみん」
アルミン「なに?あにちゃん」
アニ「なんであんたってわたしより体ほそいし、弱々しいのに野球がじょうずなの?」
アルミン「え、ひ、ひどいな...じょうずっていうか...これは才能とか努力とかとはちがって、僕はきもちの問題だと思うんだ。」
アニ「きもち?」
アルミン「うん、ひとってふしぎでね...きもちひとつちがえば色々な困難なことからのりきれるんだって!前に本に書いてあったよ!」
アニ「う~ん...あるみんのいってることむずかしくて、わからない」
アルミン「ようは、体がちいさかったり・よわかったりしても、きもち一つでかわるってことなんだ!」
アニ「そうなの?たとえば?」
アルミン「そうだな...あ、じゃぁいっこ良いれいがあったよ!」
アニ「?」
アルミン「さっきのあにちゃんのしつもんのこたえになる!あにちゃんが言った僕がやきゅうがうまいって言うのはきもちの問題なんだ!」
アニ「???」
アルミン「僕は体がちいさいし、第一印象はよわいやつって思われるかもしれない。だから僕があいてにかてるとしたらきもちの勝負なんだ!」
アニ「きもちの...勝負?」
アルミン「だからあにちゃんも、何か大きなかべにぶつかったときはきもちで負けないことだよ!!」
アニ「...じゃぁ、おかあさんも...きもちでまけちゃったのかな?」
アルミン「えっ...そ、それは...」
アニ「だってそういうことでしょ?おかあさんはきもちでまけちゃったから死んじゃったんでしょ?」
アルミン「...」
アニ「...わたしは負けない!」
アルミン「え?」
アニ「わたしは...おかあさんみたいにきもちで負けない!わたしはきもちで勝つ!!」
アルミン「! うん!そうだね!!」パァ
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
アニ「あの時は...アルミンを困らせたね」クスッ
エレン「へぇ...そんなことがあったんですか」
アニ「まぁ私が言いたいことは...気持ちの問題って言いたいんだよ」
エレン「...じゃぁ監督もなおさら負けるわけにはいきませんよね」
アニ「えっ」
エレン「さっき、私の体は限界って言いました。あれはもう監督が諦めてるってことですよね」
アニ「...ふっ、生意気な後輩だね、あんた」クスッ
エレン「あ、すみません」
アニ「いいよ、別に...そうだね、もしかしたら私はもう諦めてるのかもしれない」
アニ「...正直...あんた達と一緒に...戦いたかったよ」ウルッ
エレン「ッ!!」
アニ「けど、試合中に倒れたら...それこそ本末転倒だよ。あんたらに迷惑をかけちゃいられないしね」
エレン「じゃ、じゃぁ...監督...」
アニ「うん...悪いけど、私の気持ちは変わらないよ。私はこのままシーナに行く」
エレン「...そう、ですか...」
アニ「ここまで来てもらったのに悪いね」
エレン「...いえ、大丈夫です!明日は全力で戦って...監督に手紙書きます...勝利の報告を」
アニ「ふふっ、良い結果を待ってるよ」ニコッ
スタスタ
エレン「クッ...ソ...」ウルウル
アニ「(本当に...ごめんよ...ここまで来て...私だけ途中離脱...あんたらが甲子園に出れることを祈ってとくよ)」
-
- 39 : 2015/05/24(日) 20:21:28 :
そして...試合当日...
アルミン「...ふぅ...行ってくるよ、アニ」
アニ「...ごほっ、ごほんっ」
ガラッ
ナース「レオンハートさん、ご準備が出来ました」
アニ父「ありがとうございます、アニ...そろそろ行くぞ」
アニ「うん...」
アニ父「車でマリア駅から新幹線でシーナ駅に着いたら、そのまま迎えの車が来る...それに乗って病院にしばらく入院だ」
アニ「うん...」
アニ父「...アニ、解ってくれ...これもお前のためなんだ」
アニ「わかってるよ...」
アニ父「(ならそんな悲しい顔をしないでくれって...言っても無理か、枕に泣いた跡がある...昨日の夜覚悟を決めたようだな)」
・・・
ザワザワ
キース「シガンシナ高校の生徒・保護者様はこちらの入り口から入ってください!こちらからじゃないとチケット代がかかりますので」
リコ「そうか...アニの奴...そんなことを隠してたのか」
アルミン「うん...ごめんね、頼んだ当の本人がいなくて」
リコ「お前が謝るな、誰のせいでもない...今日はあいつのためにも勝つぞ」
アルミン「わかってる...応援の協力ありがとうね」
リコ「それならお前の彼女に御礼を言うんだな」
アルミン「うん...そうだね、さてと...そろそろ行こうか」
ダズ「うぉおおお...球場デケェ!!」
ミリウス「開会式をやったところの方がでかいよ」
ダズ「そうか?」
マルコ「うわっ、お客さんこんなに...僕らのために...」
ジャン「まぁそれもあるが...ほとんどは先輩狙いだろうよ」
マルコ「え?そういうことか...自由の翼のアルミン・アルレルト...再びグラウンドにってことで記事を書くのかな」
ジャン「さぁな、ただ先輩もあるが...やっぱ本命はあっちだな」
スタスタ
お客「おぉ!来た!!リーブス商業!!」
お客「俺達の町の代表校!!頼んだぜ!!ディモ・リーブス会長!!」
トーマス「お客の半分は商店街の人たちだ」
コニー「なんでなんだ?」
ミカサ「それは恐らく、リーブス商業高校の監督兼校長が町の会長でもあるからだと思う」
コニー「町の会長?」
ライナー「知ってるぜ、確かリーブス商業は町の住民が集めたお金で機材を買ってるとかな...しかも、それは住民が独自にだそうだ」
コニー「へぇ...愛されてる学校なんだな」
ミカサ「確か今年で創立100年だった気がする」
トーマス「げぇ!?創立100年ってマジかよ!?」
アルミン「相手の話をしていても余計ブルーになるだけだよ」
「! はい!!」
コニー「いやぁでも一時は監督誰がやるかと思ったけど...まさか先生がやってくれるとは思いませんでした!!」
ペトラ「も~...なんで私が監督代理をやらなきゃいけないのよ...ハンジ先生がやってくださいよ」
アルミン「ハンジ先生はACとして登録しちゃったので、それ以外にしなきゃならなかったんです。すみません本当に」
ペトラ「べ、別に大丈夫だけど...私何も出来ないわよ?アウトとかセーフとかわからないし...」
アルミン「大丈夫ですよ、僕らが勝ちます...それだけです」
ペトラ「ッ...ふふっ、そう...じゃぁ私は応援だけに専念するわね!」
ダズ「でも、何か華やかになったのは確かだな!」
トーマス「まぁアニ先輩よりは笑顔が出てるし...」
アルミン「へぇ...じゃぁ僕が威圧を出しまくれば前と変わらず緊張感が出るかな?」ゴゴゴッ
ダズ・トーマス「ひぃっ!?そんなことないです!!前と変わらず緊張感あります!」
-
- 40 : 2015/05/24(日) 22:08:53 :
ジャン「よし、スタメン発表するぞ!打順・ポジション・名前の順番で言っていくから呼ばれた奴は返事しろ!」
「はいッ!!」
ジャン「1番、サード、コニー」
コニー「はい!」
ジャン「2番、セカンド、マルコ」
マルコ「はい!」
ジャン「3番、キャッチャー、アルミン」
アルミン「はい」
ジャン「4番、ショート、ミカサ」
ミカサ「はい!」
ジャン「5番。ライト、ライナー」
ライナー「はい!」
ジャン「6番、レフト、ベルトルト」
ベルトルト「は、はぃ」
ジャン「7番、センター、ジャン」
ジャン「8番、ファースト、トーマス」
トーマス「はい!」
ジャン「9番、ピッチャー、エレン」
エレン「はい!」
ジャン「今呼ばれてない奴もいつ出るかわかんねぇから、準備しとけ!」
ダズ・ミリウス「はい!」
サシャ「そろそろうちのアップの時間です」
ウグイス「シガンシナ高校ノックを始めてください」
ジャン「っしゃ、行くぞッ!!」
「おうッ!!」
ジャン「お願いしますッ!!」
「お願いしますッ!!」
タッタッタ
ハンジ「じゃぁエレン君、私がノックしたら次のボール用意してくれる?」
エレン「はい!」
ハンジ「はーい、じゃぁファースト!」
カキーンッ
パシッ
ハンジ「ナイスファースト!」
「ナイスファースト!」
ハンジ「次、セカンド!」
カキーンッ
マルコ「ッ!!」ダッ
パシッ! シュッ
パシッ
ハンジ「ナイスセカン!次、ショート!」
カキーンッ
「へぇ、結構やるじゃねぇか」
スタスタ
ジム「元弱小校とは思えない動きだな」
ダン「守備は安定してるな...こりゃ点入れるのも難しそうだ」
ディモ「馬鹿いえ、うちには最強のデブがいるだろ」
ジム「あぁ、そうでしたね!」
フレーゲル「最強ってのは認めるが最後のデブは認めねぇ」
ダン「いや最後のそれを認めろよ」
タッタッタ
ジャン「ありがとうございましたッ!!」
「ありがとうございましたッ!!」
ダン「お、次は俺らか」
ジム「よっしゃ、いっちょやったりますかぁ!」
フレーゲル「ホームラン3本打ってやるぜ、へっ」
-
- 41 : 2015/05/30(土) 14:00:02 :
審判「整列!」
ダッ
審判「それではこれより、ウォール・マリア大会第一試合2回戦、シガンシナ高校対リーブス商業高校の試合を始めます。お互いに礼!」
「お願いしますッ!!!!」
ウーーーッ
審判「プレイ!」
敵援団「狙い撃ち~、狙い撃ち行きます!」
パンパンッ パパパパンッ パパパパンッ パパンッ テテテテテッ オイッ!! テテテテテッ オイッ!!
アルミン「(リーブス商業の援団は市民ごとやるから、かなりの迫力だ...けど、エレンはビビってない...)」
エレン「...」
アルミン「先頭きろう」
エレン「! はい!」
ウグイス「一回の表、リーブス商業高校の攻撃は...1番キャッチャー、モブ捕手君」
敵モブ捕手「っしゃ、来ーい!」
アルミン「(さぁエレン、行くよ)」スッ
エレン「」コクッ
スッ!
ドッ!
エレン「ッ!!」シュッ!
アルミン・ミカサ「!」
カシャンッ!
審判「ぼ、ボール!」
敵ベンチ「ノーコンノーコン!」
敵ベンチ「ピッチャーびびってるぞー!!」
エレン「(あ、あれ...可笑しいな...)」アセ
アルミン「(肩に力が入りすぎてるのかな?緊張してるのかな?もしかして)」
ミカサ「ピッチャー、球走ってる!落ち着いていこう!」
エレン「お、おう!」
エレン「(もう一回...初心に帰ったつもりで...)」スッ!
ドッ!
エレン「ッ!!」シュッ!
アルミン「ッ」
パシッ
審判「ボール!」
敵ベンチ「オッケーオッケー!球見えてるぞ!」
エレン「(可笑しい...なんで入らないんだ...いやなんでちゃんと投げられないんだ...?昨日までは普通に...)」
ズキッ
エレン「うぐっ...くそっ...こんな時にまたこの痛みかよ...」
アルミン「ピッチャー、楽に!後ろに任せるんだ!」シュッ
エレン「(後ろに...そうだ、コースさえ抑えとけばあとはみんなが取ってくれる!)」
ケニー「おいおいおいおい、エレンどうした...」
ドッ!
シュッ!
エレン「ッ」
パシッ!
審判「ボールスリー」
エレン「(くそっ!なんでだよ!?なんで入らねぇんだよ!?)」
ドッ!
エレン「(いい加減にしろ...この糞片腕がッ!!!)」シュッ! バキッ!
エレン「ッ!?」
ポタッ コロコロ
審判「ぼ、ボール...君大丈夫か!?」
「エレン!?」
タッタッタ
エレン「ぐっ...」ズキズキ
アルミン「エレンどうしたんだ!?」
ミカサ「エレン!?」
エレン「クッ...な、なんでもないです...ぼ、ボールを...」
審判「ダメだ、すぐに医者に見てもらおう」
エレン「なんでですか!?」
審判「あんな倒れ方したらすぐに異常であることがわかる」
エレン「俺は大丈夫ですッ、アルミン先輩!ミカサ!俺は大丈夫だから!」
アルミン「...でも」
「...交代して、エレン」
エレン・アルミン「!?」
ミカサ「...今すぐ」
エレン「は、ハァ!?何いってんるんだ!!これからって時に」
ミカサ「...まだわからないの?今のエレンじゃ...みんなの迷惑になってる」
エレン「えっ」
ミカサ「だからお願い...交代して」
エレン「...」
タッタッタ
ミリウス「エレン、ハンジ先生が交代だって」
エレン「...」グググッ
スタスタ
ザワザワ
ウグイス「シガンシナ高校選手の交代とシートの変更のお知らせをお伝えします。」
-
- 42 : 2015/05/30(土) 14:00:14 :
アルミン「じゃぁ...ベルトルトを...」
「私がやります!」
アルミン「え、ミカサ...?でも、ミカサは3回戦のために」
ミカサ「エレンを交代させたのは私です。私にも責任はあります。」
アルミン「え...う、うん...わかった」
ウグイス「ピッチャーのイェーガー君、代わりましてアッカーマン君。ショートのアッカーマン君に代わりましてボット君」
マルコ「え、僕?」
ウグイス「セカンドのボット君に代わりましてワグナー君、ファーストのワグナー君に代わりましてダズ君」
ケニー「おいおい...おいおいおいおい、大丈夫かよ...」
アルミン「3球!」
ミカサ「...スゥーッ」
ドッ!
シュッ!
パシンッ!!
敵ベンチ「結構速いな...」
敵ベンチ「いやあれぐらいならベスト4にもいるぜ」
審判「プレイ!」
敵モブ捕手「(さっきの奴は交代しちまったが、この投手はどうなんだ?)」
アルミン「〔ノースリーだ、慎重にいこう〕」スッスッス
ミカサ「」コクッ
エレン...あなたはいつでも私を救ってくれた。あなたは私にとって救世主...だから今度は...私があなたの救世主となってみせるッ!!
ドッ!!
ミカサ「ッ!!」シュッ!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
「...おぉぉおおお!!!」
敵ベンチ「なんだあいつ...速いぞ!?」
敵ベンチ「130km以上はあったか...?いやもっとか?」
敵モブ捕手「(なんだ今の球...)」
アルミン「(ミカサ...この速度的には全力投球か?)」
ミカサ「ふぅ...」
アルミン「(ふっ、全く...今年の1年は生意気な子が多いね)」
ドッ!!
ミカサ「ッ!!」シュッ!
敵モブ捕手「くそっ!」スッ!
パシンッ!!!
審判「ストライクツー!」
アルミン「(これで終わらせる)」スッスッス
ドッ!!
ミカサ「ッ!!」シュッ!
敵モブ捕手「〔ストレート!!〕」スッ
クイッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!バッターアウト!」
「おぉぉぉおおお!!!」
アルミン「ナイピッチ!」シュッ
パシッ
ミカサ「ワンァウト!」
「ワンァウトー!!」
-
- 43 : 2015/05/30(土) 15:09:44 :
ベンチ
エレン「(ミカサの奴...)」
医者「どこが痛いですか?」
エレン「えっと...肘...です」
医者「肘...っと」カキカキ
タッタッタ
ケニー「エレン、大丈夫か!?」
係員「すみません、関係者以外は立入禁止って言っても聞かないんです」
ハンジ「大丈夫ですよ、彼はコーチです」
係員「わかりました!」
ケニー「お前...まさか...肘を...」
エレン「えっ...なんで...」
ケニー「...くそっ、俺のアホがッ!!!」ガンッ!
ハンジ「どうしたんですか?」
ケニー「...実はあのフォームはひとつ...リスクがあったんだ」
「え!?」
ケニー「...俺はダイヤの原石が転がってきて...頭が狂っちまったんだな...もっと慎重に教えれば...」
エレン「そんなことないですよ、ケニーさん」
ケニー「え?」
エレン「俺は大丈夫です...それに」チラッ
パシンッ!!!
審判「ストライク!バッターアウト!」
ミカサ「ツーアウト!!」
エレン「...今のシガンシナにはあいつがいます。大丈夫ですよ」
ケニー「エレン...よし、今から病院に行くぞ!」
エレン「え、今からですか!?」
ケニー「当たり前だろ」
エレン「...この試合が終わったあとじゃダメですか?」
ケニー「...ハァ、わかったよわかった...終わったら速攻で行くぞ」
エレン「はい!」
カキンッ
アルミン「サード!」
パシッ シュッ!
パシッ!
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!」
-
- 44 : 2015/05/30(土) 15:41:00 :
タッタッタ
ジャン「んだよ、お前早速交代かよ」
ライナー「今は大丈夫なのか?」
エレン「あ、あぁ」
スタスタ
ミカサ「ッ、エレン...」
エレン「...」
ポンッ
ミカサ「!」
エレン「ナイピッチ...」
ミカサ「...ふふっ、うん」
ジャン「っしゃ、点入れるぞ!!」
「おうッ!!」
キース「皆さん、こんちわッ!!今日は我々のために集まって頂いてありがとうございます!!相手は去年ベスト4まで進出したところですが...我々も去年の夏は決勝まで行っています!」
キース「過去の結果がどうであれ、今結果を残さなければどうにもならないと思うので...皆さんの応援の力で選手達を盛り上げていきましょう!!」
「はい!」
援団部員2「では応援歌ページの2ページを開いて、演奏と合わせて掛け声をお願い致します!」
キース「リコ、頼んだ」
リコ「任せな、さぁ行くよ!」
「はい!」
テテテテテッ オイッ!!ドンッ! テテテテテッ オイッ!!ドンッ! テテテテテテテテテテテテッ
ウグイス「1回の裏、シガンシナ高校の攻撃は...1番サード、スプリンガー君」
コニー「おぉー、来い!!」
敵モブ捕手「〔ちっちゃい1番打者だな...こりゃ足にかけてきてるっぽいな...なら速球で押してみるか〕」スッスッス
ドッ!
敵モブ投手「ッ!!」シュッ!
パシンッ!
審判「ボール!」
コニー「〔初球は外角低めのストレートか...速さじゃミカサには敵わねぇから打てる!〕」
ドッ!
シュッ!
コニー「!」
クイッ!
パシンッ!!
審判「ストライク!」
コニー「〔スライダーだ...ビデオ以上に曲がるな〕」
アルミン「〔ストレートにスライダー...エンジンがかからないうちに1点でも多く取りたい...ならここは打っていこう〕」
コニー「〔はい!〕」
ドッ!
シュッ!
コニー「〔スライダー!〕」スッ
キーンッ!
敵モブ捕手「〔なに!?〕」
トーマス「三遊間抜けた!!」
ジャン「せーの!」
「ナイバッチー!」
コニー「っしゃぁあああ!!!」
ダズ「な、な、ナイバッチ!」
テーテーテ テレレッレッレレー テーテーテー テレレッレッレレー テーテーテー テーテーテー テッテテーテッテテーテッテテー
コニー・ダズ「お!」
ワァー
クラスメート「コニー!!ナイバッチー!!」
コニー母「コニー!!ナイスバッティング!!」
サニー・マーティン「馬鹿兄ちゃん!ナイバッチ!!」
コニー「おぉ!!母ちゃんもサニーもマーティンも来てたのか!?」
ダズ「俺のクラスメートもいっぱいいる!で、コニー!感触はどうだった?」ボソッ
コニー「感触?何のだ?」
ダズ「だ、だから球筋とか」
コニー「あぁ、ストレートはミカサよりは遅いし、スライダーは目で追えるけどマシンの軌道よりかは少し曲がるな」ボソッ
ダズ「おぉ、そっか!」ボソッ
「続けよ!マルコ!!」
ウグイス「2番セカンド、ボット君」
マルコ「お願いします!」
敵モブ捕手「〔チッ、なんだって弱小校の1番なんかに...まぁいい、うちの売りは守備じゃなくて打撃だ。この回は最悪1点で終わらせる〕」スッスッス
ドッ!
シュッ!
マルコ「〔! ミカサの球より速くない...これなら!〕」スッ
キッ!
「よっしゃ、ナイバント!!」
敵モブ捕手「ファースト!」
シュッ
パシッ
審判「アウト!」
「おっしゃぁ、ワンァウト二塁!」
-
- 45 : 2015/05/31(日) 17:43:22 :
ウグイス「3番キャッチャー、アルレルト君」
スタスタ
キース「(アルミン...頼むぞ)」
リコ「(去年のあんたと違うってところ...見させてもらうよ)」
敵モブ捕手「(来たなアルレルト、監督ここはどうしますか?)」チラッ
ディモ「〔4番にあの交代したピッチャーの奴か、だが所詮は弱小校の4番だ。一塁埋めていいぞ〕」スッス
敵モブ捕手「〔了解〕」
アルミン「!」
ジャン「一塁埋める気か!」
トーマス「チャンスだと思ったのに...」
エレン「馬鹿野郎4番・5番に座ってるのはミカサとライナーだぞ?得点率はまだ変わんねぇよ」
トーマス「そ、そうだな!」
パシッ
審判「ボールフォア」
アルミン「〔頼んだよ、ミカサ〕」
ウグイス「4番ピッチャー、アッカーマン君」
スタスタ
ミカサ「お願いします」
審判「プレイ!」
敵モブ捕手「〔この4番がどれほどの奴かはわからない、けどうちだってベスト4に行くほどの実力はあるんだぜ〕」スッスッス
ドッ!
シュッ!
パシンッ!
審判「ストライク!」
敵モブ捕手「〔どうだ、これだけのチャンスの場面で内に投げられたら力んで打てなくなるだろ!〕」
ミカサ「...スゥーッ...ハァーッ...」
敵モブ捕手「?」
ドッ!
シュッ!
ミカサ「ッ!」スッ!
敵モブ捕手「〔ここで手を出してきたか!だが1年坊のお前が内を引っ張るパワーなんてねぇだろ!〕」
ミカサ「ッ!!」ギュッ!!
カキーンッ!
敵モブ捕手「なに!?」
「レフトォ!!!」
タッタッタ
敵モブレフト「クッ、届かねぇ!!」
ポタッ
トーマス・ジャン「落ちたぁ!!長打コース!!」
ディモ「何だと!?」
ミリウス「回れ回れ!!!!」グルングルンッ
敵モブショート「モブレフト!ホームだ!!」
敵モブレフト「くそっ、取らせるかよッ!!」シュッ!
タッタッタ!
コニー「オラァ!!!」ダイブッ!
ズサーッ!
審判「セーフ!セーフ!」
「おぉぉぉおおおおお!!!」
ジャン「よっしゃぁ、ミカサナイバッチ!!」
トーマス「初得点だ!!」
サシャ「なおもランナーが二三塁でライナーですよ!!」
-
- 46 : 2015/05/31(日) 17:43:39 :
ウグイス「5番ライト、ブラウン君」
ライナー「おっしゃぁぁああ、来い!!」
アルミン「〔犠牲フライで十分だ〕」スッスッス
ライナー「〔はい!〕」
敵モブ捕手「〔くっそ、あの4番があんなバッティング出来るとは思わなかった...けど、こいつは最も4番らしいやつだ〕」
ドッ!
シュッ!
ライナー「〔ストレート!〕」スッ!
キーンッ!
敵モブ捕手「なっ、センタァアアア!!」
タッタッタ!
パシッ!
審判「アウト!」
ミリウス「ゴー!」
アルミン「ッ!!」ダッ!
敵モブ捕手「投げるな、追いつかない」
タッタッタ
アルミン「2点目!」
「おっしゃー!」
ディモ「〔チッ、廃部寸前の学校なんかにこんなクリンナップがいるなんて思わねぇじゃねぇか〕」
ウグイス「6番レフト、フーバー君」
ベルトルト「お、おねがぃします」
敵モブ捕手「〔ツーアウト、二塁で6番...しかもこいつ...デケェ〕」
ディモ「〔左バッターで助かったじゃねぇか、流してサードのダンに捌かせろ〕」
ドッ!
シュッ!
ベルトルト「〔! 二遊間が空いた〕」
キーンッ!
敵モブ捕手「〔なに!?外高めを流さずに二遊間方向に打った!?〕」
ジム「クッ!」ダイブッ!
ズサーッ!
「抜けたぁー!!」
ミリウス「ミカサ、ストップ!」
ミカサ「(いやあのセンターは肩が弱い、私の足なら間に合う!)」ダッ!!
トーマス「なっ!?何やってんだあいつ!!」
ダズ「ミカサ、戻れ!!」
タッタッタ!!
敵モブセンター「クッ、舐めるな!」シュッ!
ミカサ「ッ!!」ダイブッ!
ズサーッ!
・・・
審判「...セーフ!セーフ!」
「おぉぉぉおお!」
マルコ「3点目!」
コニー「せーの!」
「ナイバッチー!」
ベルトルト「や、やった」
コニー「続けよ!ジャン!」
ウグイス「7番センター、キルシュタイン君」
ジャン「っしゃ」
シュッ!
パシンッ!
審判「ストライク!」
シュッ!
パシンッ!
審判「ストライク!」
シュッ!
ジャン「このやろッ!」スッ
キンッ
敵モブ捕手「ショート!」
敵モブショート「うらっ!」シュッ
パシッ
審判「アウト!スリーアウト、チェンジ」
ジャン「くっそぉが!」
-
- 47 : 2015/06/01(月) 21:49:03 :
ウグイス「2回の表リーブス商業高校の攻撃は...4番ファースト、フレーゲル・リーブス君」
フレーゲル「おっしゃぁ、ぶっ飛ばすぜッ!!」
アルミン「〔フレーゲル・リーブス...1年ポジションはファースト、バッティングはとにかくブンブン振って当たればいい打球になるかも...〕」
アルミン「〔こいつはミケさんとは違って、パワー馬鹿ではない...がライナーくらいのパワーはあるから注意しつつ〕」スッスッス
ドッ!!
シュッ!
フレーゲル「(へっ、あめぇよ!内は俺の専門特化だぜッ!!)」スッ
キンッ!
フレーゲル「げっ!?」
アルミン「センター!」
パシッ!
審判「アウト!」
アルミン「〔春みたいに外野手は手薄じゃないから外野フライでも冷や汗は出ない、まぁダズとミリウスには申し訳ないけど〕」
ウグイス「5番サード、ダン君」
ディモ「〔今はこいつらの情報収集が必要だ、好きに打っていい。だがちゃんと探れよ〕」
ダン「〔はい!〕」
アルミン「〔5番のダンはチームじゃ一番のバッティング能力だ。けど、こいつがなぜ4番で使われないのか...それはフレーゲルみたいに一発がないからだ〕」
アルミン「〔ヒットで十分。リーブス商業がベスト4に行けたのはほぼこいつのバッティングのおかげでと言っても過言でもない〕」
アルミン「〔初戦でこういう相手と勝負出来るのは良い経験になるよ〕」スッスッス
ミカサ「」コクッ
ドッ!!
シュッ!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
ダン「〔初球は外高めにストレート、結構速いな...これを打ち返すのはちぃと厳しいな〕」
アルミン「〔振らなかった...見てるのか?データではダンは外の球は初球から振っていくってなってるけど...〕」
ドッ!!
シュッ!
クイッ!!
パシンッ!!
審判「ボール!」
アルミン「〔動かない...もしかして探らてるのか?ミカサの球種を確かめてるのかも...だとしたら〕」
ドッ!!
シュッ!
ダン「〔内甘いッ!打てる!〕」
クイッ!!
パシンッ!!
審判「ストライク!」
ダン「〔フォーク...!?それも速い...〕」
アルミン「〔ふふっ、ホント...あいつの兄妹だけあって野球センスは凄いや...なんて言ったって全球種投げられるって言うからね〕」
アルミン「〔それでも全球種投げられると言っても決め球に使えるのはストレートに緩急をつける、カーブ・シンカーあたりだ〕」
ダン「〔最初はびっくりしたけど、あの程度のフォークなら打てる〕」
ドッ!!
ミカサ「ッ!!」シュッ!!
ダン「〔内高め...ストレート!!〕」スッ
キッパシンッ!!!
審判「ストライク!バッターアウト!」
ダン「〔うぅ...結構伸びるね...君のストレート〕」
アルミン「ツーアウト!」
「ツーアウト!」
-
- 48 : 2015/06/01(月) 22:24:54 :
リーブス商業高校 0 0 0 0 0 0
シガンシナ 高校 3 0 0 0 0 0
ベンチ
ダズ「行けるよ!このまま勝てる!」
トーマス「あぁそろそろ勝希が見えてきたぜ」
アルミン「〔良かった、チームの雰囲気は崩れなかった...アニ...大丈夫、このチームは絶対甲子園に行くよ〕」
相手ベンチ
「このくそったれ共がぁッ!!」
ディモ「なんでボール球にポンポンポンポン振るんだよッ、んなもん見とけば相手の自爆になるんだから見ろってんだ!!」
「はいッ!」
ディモ「てめぇら...わかってんだろうな?去年のうちは確かに強かった、初のベスト4も行けた。だがな、今年もその道が俺らに用意されてるわけねぇだろッ!!」
ディモ「いいか、道は自分らで作っていくんだ!自分らで掴み取るんだ!わかったか!?」
「はいッ!!」
ディモ「じゃぁ3年、今の奴らのデータ解析を俺に要約してみろ」
ダン「はい、まずはあの1年生投手アッカーマンのことです。奴の球種はストレート・スライダー・カーブ・フォークです。」
ディモ「ほぉ、1年でよく投げ分けられてるもんだ...そんで他のデータはあるか?」
ジム「あの投手のコントロールは正確でした」
ディモ「正確もなにも、ピッチャーはキャッチャーの構えたところに投げるのが普通だろ?10球中何球だ?」
ジム「10球中...10球です」
ディモ「ハァッ!?んな馬鹿な話があるわけ...今はそれどころじゃねぇな」
フレーゲル「あ、親父俺思ったことあるんだ」
ディモ「監督って呼べっつってんだろ!この馬鹿息子が!!」
フレーゲル「馬鹿息子とはなんだ!?これでもこの学校の4番なんだぞ!?」
ディモ「それは親が監督なんだから贔屓に決まってんだろこのドアホが!!」
「(どうでもいいから早く話をしてほしい...)」
ディモ「ったく、でなんだ?」
フレーゲル「あの投手強いっていえば強いが...変化球の決め球が無い気がする」
ディモ「ハァ?ついに頭逝ったのか!?カーブだろそんなの」
フレーゲル「だってダンやジムの打席の時最後の決め球がストレートなんだ」
ダン「!」
ディモ「そら確かにストレートは多いがやっぱ決め球はカーブだろ?」
ダン「いえ、フレーゲルの言う通りです...俺の最初の打席も...ストレートで三振...」
ジム「! そう言えば俺の打席でも...外角高めを引っ掛けて...」
ディモ「他のやつはどうなんだ?」
敵モブ捕手「俺はカーブだった気がします」
敵モブショート「僕はスライダーです」
ディモ「〔だとしたらなんだっつんだ?普通変化球を使うのは危険・危ないバッターだろ...ん?待てよ確か馬鹿息子も変化球と来た〕」
ディモ「〔それでうちのクリーンナップのダンとジムには必ずストレートでアウトを取る...それはつまり変化球を見せないためか?いやそんな馬鹿な話があってたまるか〕」
ディモ「〔だとしたら...本当に奴の決め球はストレートなのか?〕」
ディモ「モブ捕手とモブショート...お前らはストレート何球見た?」
敵モブ捕手「そう言えば俺に投げてきたのは2.3球だけっすね」
敵モブショート「そう言われれば僕も...」
ディモ「〔こいつらには変化球で仕留めて、うちの仕事人の奴らにはストレートで仕留める...だとしたら...〕」
ディモ「いいか、全員よく聞け」
ディモ「奴らの決め球は打者ごとに変えてると思っとけ」
「えっ!?」
ディモ「俺が今分析してみたところ...ダンやジムには変化球が少ないってことはお前らには変化球は通用しないと思ってる、だからお前らはその変化球をたたけ」
ダン・ジム「はい!」
ディモ「他の奴らも変化球を狙っていけ、奴の変化球は多種多様だが対応出来ないほどの球は放ってねぇ」
「はいッ!!」
ディモ「それからもう7回だ...奴らに高校野球の厳しさをそろそろ教えてやれ!」
「はいッ!!」
-
- 49 : 2015/06/01(月) 22:51:55 :
ウグイス「7回の表リーブス商業高校の攻撃は...8番レフト、モブレフト君」
敵モブレフト「おぉー!」
アルミン「〔さぁ7回だ、あと2回で...ゲームセット...行くよ、ミカサ〕」
ミカサ「〔はい!〕」
ドッ!!
シュッ!
パシンッ!!
審判「ストライク!」
アルミン「〔今の全力投球は2割減ってところか、でも1年しては凄いほうだよ...球数を減らす...いや余裕なんてない...けど、ミカサが潰れる〕」
相手ベンチ
フレーゲル「おっしゃぁ、絶対逆転して勝って...決勝でリヴァイの球もぶっ飛ばしてやるぜ!」
ディモ「...なぁ、フレーゲル」
フレーゲル「?なんだ?」
ディモ「商売人って言うのは...人を見る目が必要なんだ」
フレーゲル「は?なんだ急に」
ディモ「俺はいつも親父に言われ続けてきた...そして、本当に町の会長になり、学校の校長になり...そして野球部の監督になった」
フレーゲル「ケッ、キャリア自慢かよ」
ディモ「違う...お前も人を見る目...これを身に付けろ」
フレーゲル「ハァ?そんなの野球に必要ねぇだろ?」
ディモ「必要だ、何をやるにしてもな...人を見極めて...その人を信用する...だから俺はこのチームを作り上げてきた」
フレーゲル「...何が言いたいんだ?」
ディモ「さっきお前さんにお前を4番にしたのは贔屓って言ったよな?」
フレーゲル「あーあれな...まぁもう気にしてないからいいっつの」
ディモ「そうじゃない、俺が言いたいのは...本当に贔屓でお前を4番にしたわけじゃないってことさ」
フレーゲル「...?」
ディモ「俺はお前を信じて...この学校の4番に座らせたんだってことだ。」
フレーゲル「!」
ディモ「ダンもジムも...去年は4番候補だったんだが...外れてもらった...それがどうしてかわかるか?」
フレーゲル「...俺に重圧をかけてるってのか?」
ディモ「それも違う...お前はもっと...自分を信じて打ってけってこった」
フレーゲル「ハァ?」
ディモ「ついこの間まで一回戦も勝てないような学校がベスト4までいった学校の監督だぜ?しかも、商売じゃ成功してる勝者が...4番に入れたってことは...お前はそれほどの奴ってことだ」
フレーゲル「ッ!!」
ディモ「だから俺は...お前を信用した...」
フレーゲル「なっ、何言ってんだ!?」
ディモ「愛してるぜ...我が息子」
フレーゲル「...チッ、気持ち悪いこと言ってんじゃねぇよ」
カキーンッ!
「おぉ、モブレフトとモブ捕手とジムさん出た!」
「満塁だぜぇ!!」
ウグイス「4番ファースト、フレーゲル・リーブス君」
スタスタ
フレーゲル「(親父...もしかして...もうそろそろ辞めるのかな...だから俺にあんなこと言ったのか...まるで、あとは任せたみたいな遺言残しやがって...)」
アルミン「〔ツーアウト満塁...ミカサも肩で息をし始めるようになってきた...まずいな〕」
フレーゲル「〔親父は...俺や...チームのみんなを信じて...このチームにしてきたんだ...それは親父だけじゃなく市民のみんなもだ〕」
フレーゲル「〔毎日きっつい練習のあと...スイカくれたり、アイスくれたり...後片付けを手伝ってもらったり、試合の遠征費を出してくれたり...これもみんな...みんなのおかげなんだ〕」
ザッザッザ!
フレーゲル「〔親父が俺を信用してくれたように...俺も...みんなを信用するッ!!〕」
-
- 50 : 2015/06/03(水) 22:51:19 :
アルミン「(満塁でフレーゲル...しかも、次は5番のダン...ここは慎重に...)」
ドッ!
ミカサ「ッ!」シュッ!
パシンッ!!
審判「ボール」
アルミン「〔ッ、今の入ってないのか!?くそっ、こっちは少しでも球数を減らそうとしたいって時に...〕」
ミカサ「ハァ、ハァ、ハァ」ゼェハァ
マルコ「ピッチャー!球走ってる!」
トーマス「おー!ツーアウトツーアウト!」
ミカサ「」コクッ
敵モブレフト「(頼むフレーゲル...)」
敵モブ捕手「(ここで...)」
ジム「(打ってくれ!)」
アルミン「〔大丈夫...大丈夫...落ち着いて...ここを抑えれば...ほぼ試合は決まったも当然〕」
ミカサ「(私には...守るものがあるッ、ここを抑えて...試合に勝たなきゃいけない義務がある!!)」
フレーゲル「(俺は今まで...ずっと俺一人のために野球をしてきた。だが今はちげぇ!親父のために...チームのために...応援してくれる人のために...)」
ミカサ・フレーゲル「〔絶対に...〕」
ミカサ・フレーゲル「〔抑える!(打つ!)〕」
エレン「ミカサ...頼むッ」
スッ!!
ドッ!!
ミカサ「...ウォォオオオオッ!!!!」
フレーゲル「ッ!!」
シュッ!!
ダン「(速い!?俺が三振されたのと同じ速さだ!?)」
フレーゲル「うぉぉぉぉおおっら!!!!!」ドッ!!
カキーンッ!!!
アルミン「〔よし、打ち上げた!〕」
フレーゲル「〔ちくしょう、打ち上げちまった!!〕」ダッ
ズコッ ドテッ
フレーゲル「ぐわっ!?」ドタンッ
フレーゲル「(やべぇ、転んじまった!?くそっ...結局オレは...チームの為に何にも...)」
アルミン「センタァァァァアアアア!!!!」
タッタッタ!
ジャン「お、おい...てめぇ待ちやがれ...どんだけ...のびんだよッ!!」ダッ!
ミカサ「ハァ、ハァ...ッ」
ポンッ!!
・・・
「おぉぉぉおおおお!!!」
フレーゲル「ん?なんだ?」
コーチャー「おい!フレーゲル立て!入ったぞ!!」
フレーゲル「は...?」チラッ
審判「ホームラン」グルングルンッ
フレーゲル「ッ!! や、やった!!」
観客「おおおおおおお、すげぇええええ!!!」
観客「逆転満塁ホームランだぜ!!」
アルミン「(そんな...打ち取る自信はあった...確かに振り遅れていたはずなのに...パワーで持ってかれたのか...)」
ミカサ「...クッ...」グググッ
タッタッタ
フレーゲル「おっしゃぁぁ、やってやったぜ!!」
ディモ「ケッ、やってくれるじゃねぇか...あの馬鹿息子野郎」
敵モブ捕手「すっげぇなお前!」
敵モブレフト「何だお前!初ホームランじゃねぇか!」
ジム「これがデビュー戦だな!」
フレーゲル「...へっ、うるっせ!これからどんどん打っていくっつの!」
-
- 51 : 2015/06/03(水) 22:51:33 :
ハンジ「(まずい...チームの雰囲気が落ちてる)」
ハンジ「エレン君、伝令」
エレン「え、あ、はい!」
アルミン「(僕の指示が間違ってたのか?いや実際ミカサのストレートはMAXだったし僕のリードも間違ってなかった...)」
ミカサ「(私のストレートが...通らなかった...)」
スタスタ
エレン「よぉ」
ミカサ「ッ...」ササッ
トーマス「? どうした?ミカサ...俺の後ろに隠れて」
ミカサ「」ユビサシ
トーマス「?」
エレン「なんだよ」
ミカサ「」ススッ スッスッス ススーッ
トーマス「え?なんのサインこれ」
コニー「エレンに合わせる顔がないってよ」
マルコ「なんでわかるの!?」
エレン「はぁ?なんで俺に合わせる顔がないんだよ?」
ミカサ「」スッ スススーッ スッス
コニー「ん?あぁ、逆転ホームラン打たれたから情けないって思ってるのか」
マルコ・トーマス・ダズ「(どんな通訳だよ!?)」
エレン「ハァ...んなことかよ、そんなんだったら俺はどうなんだよ...」
コニー「ははっ、そうだぜ!最初からフェンス直撃だもんな!」ゲラゲラ
エレン「あぁそうだぜ...って、コニー!お前何ゲラゲラ笑ってんだよ!!」
コニー「だって、ありゃねぇよ!あっはっはっは!!」
エレン「ちくしょう、言い返せる言葉がねぇ」
マルコ「うん、エレンとコニーの言う通りだよ。ミカサ」
エレン「え...マルコそれって...」グサッ
ダズ「そ、それにまだ1点差だ!エレンのボールよりは恥ずかしくない!」
エレン「おいダズ、お前ストレートすぎんだろ」
トーマス「そうだな、このままビビって後々打たれ続けたらそれこそ本末なんとか「転倒ね」
ミカサ「う...うん、わかった」
エレン「(ふぅ、良かった...元気取り戻したらしいな)」
ミカサ「あの...みんな...ありが...とぅ///」
「」キュンッ
ダズ「(な、なんだ今の!?///)」
トーマス「(え、俺今...ミカサにきゅんと来た!?)」
マルコ「(み、ミカサは男なんだ!正常に正常に...僕は正常だ!)」
コニー「(なんなんだ今の!?胸に結構響いたぞ!?病気か!?)」
エレン「(集中しろ!エレン・イェーガー!!今は試合中だぞ!?///)」
アルミン「よ、よし...まずこの回を切ろう...」
「おうッ!」
ダズ「ツーアウト!」
トーマス「楽にな!」
マルコ「打たせていこう!」
コニー「自分のペースで!」
ミカサ「う、うん!」
スタスタ
ハンジ「ありがとう、エレン君」
エレン「え、あ、はい!」
ハンジ「...どうだった?」
エレン「みんな大丈夫そうでしたよ」
ペトラ「そ、そう!良かったわ!」
ハンジ「...アルミン君は?」
エレン「え、あ...正直言って一番落ちてるのはアルミン先輩かもしれないです」
ハンジ「そう...やっぱりか、彼は自信を持ってて良いリードを出来るのは当然、相手を分析してその場での応用力もある...けど、その裏目に一度やられたら立ち直るまでに時間がかかるのが難だ」
エレン「ッ」
ハンジ「君も知っての通りさ、合宿でやった三星シガンシナ学園戦の時、練習試合の調査高校...彼の課題はメンタル面なんだけど...それがまだ時間が足りなかったみたいでね」
エレン「...アルミン先輩...」
-
- 52 : 2015/06/04(木) 00:10:37 :
ウグイス「5番サード、ダン君」
ダン「おぉぉおッ、来い!!」
アルミン「(ランナーはいないんだ...ダンで切るッ!)」スッスッス
ドッ!!
シュッ!
ダン「〔スライダー!〕」スッ!
キーンッ!!
アルミン「!?」
タッタッタ!
ベルトルト「ッ!」シュッ!
ズサーッ!
パシッ
審判「セーフ!」
「おぉぉぉおおお!!」
相手ベンチ「続いたぁ!!連打だ!連打!!」
相手ベンチ「続けよ!!」
ウグイス「6番ライト、モブライト君」
敵モブライト「よし来い!」
アルミン「(ツーベース...くそっ、欲張った!)」
観客「いいぞいいぞ!打て打て!」
観客「リーブス商業!!いけ!!」
アルミン「ッ」
ペトラ「これは...?」
ハンジ「最悪な状況だ...彼らはどうやら観客を味方につけたようだね」
エレン「えっ」
キース「ッ...」
リコ「クッ...飲まれるぞ」
ダズ「ひぃっ!?」
トーマス「(やべぇ、足が...プルプル震えてる...)」プルプル
マルコ「(さっきエレンの伝令で元気もらったのに...なんだこれは...)」
コニー「(おぉ、すげぇ...めっちゃ緊張してきた)」
ライナー「(集中しろ...飲まれるぞ)」
ジャン「(チッ、うるせぇ観客だぜ...少しは黙ってろってんだ!)」
ベルトルト「...」
ミカサ「(なに...この圧力...)」
ドッ!!
シュッ!
敵モブライト「うらっ!!」スッ
キンッ!
アルミン「ファースト!」
ダズ「ひぇ!?」
ポロッ
「あッ!!」
ガシッ
ダズ「あ...あ...ご、ごめん!」
ミカサ「ドンマイ!」
観客「いいぞいいぞ!もっとエラーしろー!」
観客「打ってけー!」
ハンジ「(練習試合では得られなかった経験...それは公式戦、本番での圧力と観客の勢いだ)」
ミカサ「(負けたくない...負けちゃダメ...打たれたら...ダメッ)」
ウグイス「7番ピッチャー、モブ投手君」
敵モブ投手「よし...」
ドッ!!
シュッ!!
敵モブ投手「ッ!?」
パシンッ!!
審判「ボール!」
観客「あっぶねぇ!」
観客「どこ狙ってんだ!!当たったらどうするんだ!!」
観客「ノーコンが!」
ミカサ「ッ...」
ドッ!
シュッ
アルミン「〔コースが甘い!?〕」
敵モブ投手「ッ!!」スッ
キーンッ!
ライナー「」パシッ!
タッタッタ
ダン「5点目!」
「おぉぉおおおお」パチパチ
ミカサ「ハァ、ハァ、ハァ」ゼェハァ
エレン「(ミカサの体力ももう限界だ...交代しないと本当に潰れるぞ!)」
アルミン「(ど、どうすれば...僕は...何をすれば...チームのために...)」
ウグイス「8番センター、敵モブセンター」
ミカサ「ハァ、ハァ、ハァ...ふぅ」
ドッ!!
シュッ!
敵モブセンター「うっ!?」
キッ
パシッ!
ミカサ「ふっ!」シュッ!
パシッ!
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!」
-
- 53 : 2015/06/06(土) 01:17:38 :
ベンチ
スタスタ
ジャン「ナイピッチミカサ」
ミカサ「え、あ、うん!」
ジャン「(ミカサはまだまだ大丈夫そうだな)」
ダズ「わ、わ、わ、わ、悪い...」ビクビクッ
マルコ「おい、ダズ!しっかりしろ!」
トーマス「(無理もない...あんな場面でミスしちまったんだから...俺だったら立ち直れねぇよ)」
ミカサ「大丈夫、もう終わったことを責めても意味は無い」
ダズ「み、ミカサ...あ、あぁ悪かった」
ライナー「点は取られたが、こっちはいつだって点を取ることは出来る!なんたって3番にはアルミン先輩に4番にミカサだからな」
エレン「それに5番6番には期待の新人ライナーとベルトルトもいるしな!」
ベルトルト「ぁ...ぇと...」
サシャ「相変わらずベルトルトは声が小さいですね...そんなんじゃまた監督に怒られちゃいますよ!」
コニー「でも今は...監督がいないんだ...よな」
「...」
ペトラ「(こ、こういう時監督代理はどうすればいいの!?みんなのやる気を上げるためには...えぇっと...あ、そうだ!)」
ペトラ「み、みんな!」
「ん?」
ペトラ「も、もし...この...この試合に勝ったら...そ、その...私からの...き、k「先生いいです!もういいです!無理しないでください!!」
エレン「だ、大丈夫ですよ!な?」
ライナー「お、おう!そうだな...(だがしかし、先生のキス...///)」ヨダレ
ジャン「あ、おうよ!(ペトラ先生と...///)」ゴクンッ
ペシッ! ペシッ!
ライナー・ジャン「いで!?」
サシャ「試合中ですよ?しっかりしください!全く...」
「(練習中のお前に言いたいよ...)」
ジャン「おっしゃ、この回は2番からだ!ぜってぇ諦めんな!まずは1点差...同点...逆転の順で1点ずつ返していくぞ!!」
「おうッ!!」
ウグイス「7回の裏シガンシナ高校の攻撃は...2番ショート、ボット君」
マルコ「お願いします!」
審判「プレイ!」
マルコ「〔ここで打てばアルミン先輩が...ミカサが...ライナーが続いてくれる!だから打って雰囲気変えていかないと!〕」
ドッ!
シュッ!
マルコ「〔ストレート!〕」スッ
キンッ!
ダン「ふっ!」シュッ
パシッ!
審判「アウト!」
観客「ナイピッチ!ナイサード!!」
観客「いいぞいいぞ!あとアウト7つ!」
マルコ「くっそ...」
-
- 54 : 2015/06/06(土) 01:17:50 :
ウグイス「3番キャッチャー、アルレルト君」
「先輩!!頼みます!!」
シガンシナ観客「頼むぞ!アルミン!」
キース「アルミン...ここで打て」
リコ「そろそろ結果残さないとやばいんじゃないのか?」
スタスタ
アルミン「〔この状況...アニ君ならどう指示する...僕には本当に彼らを甲子園にまで導ける力はあるのかな...〕」
ドッ!
シュッ!
パシンッ!
審判「ストライク!」
アルミン「〔くそっ、集中しろ!今アニのことはいいんだ!試合に勝たなきゃ意味がない...意味...何の意味だ...アニがいない今...僕は何のために戦っているんだ...?〕」
シュッ!
アルミン「ッ」
パシンッ!
審判「ストライクツー!」
敵モブ捕手「〔2球とも見逃し...こいつ全然集中してない...いける!〕」
アルミン「〔僕は...誰のために...野球をやってきたんだ...〕」
ドッ!
シュッ!
アルミン「!」スッ
キッ
敵モブ投手「ふっ」シュッ!
パシッ!
審判「アウト!」
シガンシナ観客「なんだよ...せっかく勝負してくれたのに...」
シガンシナ観客「今日のあいつ全然ダメじゃん...」
キース「おい、貴様らッ!!選手のやる気を奪うようなことを言うな!!」
シガンシナ観客「わ、悪い」
リコ「(だが、そいつらの言う通り今日のアイツは全然ダメだ...雑念が入りすぎている。だとしても結果を残さなければ勝てないのがスポーツなんじゃなかったか?アルレルト)」
アルミン「...」
ミカサ「ど、ドンマイです!」
アルミン「あ、うん...ごめん」
ウグイス「4番ピッチャー、アッカーマン君」
ミカサ「ふぅ...お願いします!」
ドッ!
シュッ!
パシンッ!
審判「ボール!」
敵モブ捕手「〔こいつは最悪歩かせてもいい〕」
ドッ!
シュッ!
ミカサ「〔外低め...ボールだけど、打つ!!〕」スッ!
キーンッ!
「おぉ!!」
パシッ!!
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!!」
ミカサ「...くそっ」
ハンジ「(三者凡退...そして、いぜん2点差のまま...このシナリオは非常にまずい...どこかで流れを変えないとこのまま)」
ウグイス「8回の表リーブス商業高校の攻撃は...9番センター、モブセンター君」
敵モブセンター「っさ、来い」
ミカサ「〔ここを0点に防いで...8、9回でみんな打ってくれる!私の役目はこれ以上点を取られないこと!〕」
ドッ!!
シュッ!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
ハンジ「(! ミカサちゃん、また速くなった...?ふふっ、本当に凄いねぇ若い子は)」
ケニー「(ミカサの野郎...そろそろ100球なのに...へっ、さすが俺の姪だ!)」
ドッ!!
シュッ!
敵モブセンター「うぐ!?」スッ
キッ
タッタッタ!
コニー「オラァ!!」シュッ!
パシッ!
審判「アウト!」
ディモ「(立ち直ったか、チッ、メンタルしぶてぇな)」
ウグイス「1番キャッチャー、モブ捕手君」
敵モブ捕手「〔ここいらで...アレやってみっか〕」
ドッ!!
シュッ!
敵モブ捕手「〔ストレート!?〕」スッ
キッ!!
ミカサ「ッ!!」ダイブッ!!
ズサーッ!
ミカサ「ごほっ、ごほっ...」スッ
審判「アウト!」
ウグイス「2番ショート、モブショート君」
ドッ!!
シュッ!
敵モブショート「〔これがストレート!?〕」
パシンッ!!!
シュッ!
パシンッ!!!
ミカサ「ッ!!」シュッ!!
敵モブショート「〔んのやろッ!!〕」スッ
パシンッ!!!
審判「ストライク!バッターアウト!スリーアウトチェンジ!」
-
- 55 : 2015/06/06(土) 02:17:40 :
マルコ「ナイピッチ!」
トーマス「凄いなミカサ!」
ダズ「やっぱ裏のエースは違うな!」
コニー「ぜってぇ勝とうぜ!」
ミカサ「う、うん!」
ウグイス「8回の裏シガンシナ高校の攻撃は...5番ライト、ブラウン君」
ライナー「おぉ!来い!!」
ドッ!
シュッ!
ライナー「〔初球のストレートに手出す!〕」スッ!
キーンッ!
敵モブ捕手「レフト!」
敵モブレフト「あ!?」ポロッ
審判「エラー!」
ライナー「え、あ...エラーか...良かったぜ...」
ウグイス「6番レフト、フーバー君」
ベルトルト「...」
敵モブ捕手「〔こいつは危険だ...外低めにひたすら〕」スッス
ドッ!
シュッ!
ベルトルト「〔外低めッ!〕」スッ!
キーンッ!
「おっしゃぁ、センター前ヒット!」
敵モブ捕手「〔くっそ、そこも当ててくるのかよ!〕」
ウグイス「7番センター、キルシュタイン君」
ジャン「しゃっす!」スッ
敵モブ捕手「〔バント...ワンァウト二三塁は危険だな...ここは内高めに〕」
ドッ!
シュッ!
ジャン「〔クッ、内かよ!?だが関係ねぇ!!当てろッ!!〕」スッ
キッ
「よっしゃ!」
シュッ
パシッ
審判「アウト!」
敵モブ捕手「〔チッ、決められた...あの7番確か主将だったっけか...最初から注意してればよかったぜ...〕」
ウグイス「8番セカンド、ワグナー君」
トーマス「〔ミカサが頑張ってるんだ...俺らだって...〕」
シュッ!
トーマス「〔出来る!〕」スッ
キーンッ
敵モブ投手「!?」
バッ
ポタッ コロコロ
「やった、ピッチャー返し!!」
トーマス「おっしゃぁ!」
ウグイス「9番ファースト、ダズ君」
ダズ「お、お願いします!」
シュッ!
パシンッ!
シュッ!
パシンッ!
シュッ!
ダズ「クッ!?」
パシンッ!
審判「ストライク!バッターアウト!」
ダズ「〔くそぉ、俺にはミカサに何も出来ないのか!?〕」
ウグイス「1番サード、スプリンガー君」
コニー「おっしゃぁあああ!!」
敵モブ捕手「〔こいつは要注意だ〕」
ドッ!
敵モブ投手「うっ!?」シュッ
敵モブ捕手「〔すっぽ抜け!?〕」
コニー「うらッ!!」
キーンッ!
「一二塁間抜けたぁ!!」
コニー「っしゃオラァ!!」
ウグイス「2番ショート、ボット君」
マルコ「します!」
敵モブ捕手「〔まずい、こっちもそろそろ限界が近づいてる〕」
ドッ!
シュッ
パシッ
審判「ボール!」
マルコ「〔あまりにもすっぽ抜けすぎだ...ここは自滅待つ方がいいかもしれない〕」
パシッ
審判「ボールフォア!」
マルコ「よし!」
敵モブ捕手「〔ちきしょう、ここで...〕」
ウグイス「3番キャッチャー、アルレルト君」
アルミン「...」
敵モブ捕手「〔いや...今日のこいつは明らかにおかしい...今ならいけるかも〕」
「頼みますッ、アルミン先輩!!」
ワーッ
ドッ!
シュッ!
アルミン「クッ」スッ!
キーンッ!
「おぉ!!」
パシッ!!
ダン「げほっ、げほっ...ん」スッ
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!」
アルミン「くっそぉ....」
-
- 56 : 2015/06/06(土) 15:23:02 :
ウグイス「9回の表リーブス商業高校の攻撃は...3番セカンド、ジム君」
ミカサ「〔この回さえ...抑えれば...〕」
ダズ「〔この回を...0点で終われば...〕」
トーマス「〔ここで試合が...決まる〕」
マルコ「〔ミカサが踏ん張ってるんだ、僕らも踏ん張らなきゃ...〕」
コニー「〔骨が折れてでも取らなきゃダメだッ...〕」
ドッ!!
シュッ!
パシンッ!!
審判「ボール!」
ジム「〔初球内低め...次は...〕」
シュッ!
クイッ!!
パシンッ!!
審判「ストライク!」
ジム「〔次は外に逃げるスライダー...次も変化球くんだろ...思いっきし引っ張ってやる!〕」
ドッ!!
ミカサ「ッ!」シュッ!
クイッ!!
ジム「〔来たっ、高速フォーク!〕」スッ!!
カキーンッ!!
ミカサ「ッ!?」
相手観客「左中間抜けた!!」
ジャン「くそっ!」ダッ!
マルコ「2つ!」
ジャン「おらっ!」シュッ!
パシッ!
審判「セーフ!」
相手ベンチ「おっしゃぁ、ノーアウト二塁!!」
ミカサ「ハァ、ハァ、ハァ...ふぅ」
ライナー「〔ミカサ...〕」
ジャン「〔頼む...〕」
エレン「〔踏ん張ってくれ...ミカサッ〕」
ウグイス「4番ファースト、フレーゲル・リーブス君」
フレーゲル「っさぁ、来い!もっかいぶっ飛ばしてやる!」
ミカサ「〔落ち着け...大丈夫...いつもの様に...全力で投げて...抑える...これだけ〕」
ドッ!!
シュッ!
パシンッ!!
審判「ボール!」
フレーゲル「〔速い...けど、さっきの打席よりかは遅くなってる...これなら〕」
ドッ!!
ミカサ「ッ!!」シュッ!
フレーゲル「〔打てる!!〕」スッ!!
カキーンッ!!!
ミカサ「ッ!?」
ポンッ!!
エレン「ッ...」
アルミン「...」
ジャン「...」
観客「勝ち越し2ランホームランだぁ!!」
観客「すげぇアイツ!2打席連続ホームランだ!!」
フレーゲル「っしゃぁあああ!!!」
ミカサ「〔そんな...〕」
マルコ「...」
トーマス「...ここまでかよ」
ダズ「俺が...ミスを...」
コニー「ま、まだ終わってねぇぞ!!」
ミカサ「の、ノーアウト!」
コニー「オーッ!!ノーアウt...おい、お前ら!!声出せ声!!」
トーマス「お、おう...」
マルコ「の、のーあうと...!」
ハンジ「〔まずい、完全に集中力が切れた...アルミン君ッ、どうしてみんなに声をかけないんだ!?〕」
ウグイス「5番サード、ダン君」
ダン「〔この勢いならいける...もっと追加点取れる!〕」ギリッ!!
ミカサ「〔抑えなきゃいけないのに...また失点を...〕」
ダン「〔さぁ、来いよ...俺がとどめを刺してやる〕」
ドッ!
シュッ!
パシンッ!
審判「ボール!」
ミカサ「〔私の責任は...私が〕」
ケニー「おいおいおい...もうミカサは精神的にも限界だぜ...」
ドッ!
ミカサ「ッ!」シュッ!
ダン「〔甘いッ!!〕」スッ!!
カキーンッ!!!
ミカサ「ッ」
観客「おぉ、センター返し!!」
タッタッタ!
ジャン「ッ!」シュッ!
パシッ!
審判「セーフ!」
ミカサ「ハァ、ハァ...」
アルミン「...」
-
- 57 : 2015/06/06(土) 15:25:10 :
-
ウグイス「6番ライト、モブライト君」
敵モブライト「」スッ
ダン「!」
ドッ!
ダッ!!
マルコ「! ランナー走った!!」
ミカサ「!」
シュッ!
パシンッ!
トーマス「! アルミン先輩ッ!!」
アルミン「えっ」
ズサーッ!!
審判「セーフ!」
アルミン「あ...ご、ごめん...」
ミカサ「ドンマイ...です...バッター勝負!」
アルミン「あ、うん」
ドッ!
シュッ!
敵モブライト「ッ!!」スッ!!
キーンッ!
観客「ライト前ヒット!これ3点差だぁ!!」
ミカサ「...ハァ...ハァ...」
ウグイス「7番ピッチャー、モブ投手君」
ドッ!
ミカサ「〔もっと...集中しなきゃッ〕」シュッ!
スッ
キッ
アルミン「ッ、一つ!」
ミカサ「ッ!」シュッ
パシッ!
審判「アウト!」
ミカサ「ワンァウト!」
コニー「ワンァウト!!」
ウグイス「8番レフト、モブレフト君」
ミカサ「〔そうだ...エレンと約束した...このチームは...私が守るって!!〕」
ドッ!!
ミカサ「〔嫌だ...負けたく...ないッ!!〕」シュッ!
敵モブレフト「〔こいつまた球威が戻りやがった!?〕」
キンッ!
ミカサ「セカンド!」
パシッ
敵モブライト「ッ!!」ダッ!
ミカサ「〔ッ、進塁打...最初から右打ちを〕」
パシッ!
審判「アウト!」
コニー「ツーアウトォ!!」
ミカサ「ツーアウト!」
ウグイス「9番センター、モブセンター君」
ドッ!!
シュッ!
敵モブセンター「ッ!?」スッ
キーンッ
ミカサ「〔よし...打ち取った...ッ〕」
ミカサ「ダズ!」
ダズ「え...あッ!?」
ポタッ!
観客「おぉ、またエラーした!!」
観客「アイツ何回目だよ!!」
観客「その間サードランナー帰ってきて4点差!!」
-
- 58 : 2015/06/06(土) 15:28:47 :
ダズ「ご、ごめん...俺...また...」ウルウル
ミカサ「大丈夫」ポンポンッ
ダズ「もう...無理だ...」
ミカサ「?」
ダズ「もう諦めるしかない...監督のいないチームなんて...機能するはずがないんだ...」
ミカサ「...」
ペシッ!
ダズ「いて...ミカサ...?」
ミカサ「なんで諦めるの...?まだ試合は終わってない」
ダズ「だ、だって...今からどれだけ打ったって...4点差なんて...ひっくり返せるわけない...」
ミカサ「諦めてしまっては...もう一生どんなに才能が...技術があろうがひっくり返せない...けど、諦めずに戦えば...勝てる希望はまだ消えてない」
ダズ「え...?」
ミカサ「戦わなければ、勝てない...」
スタスタ
ダズ「お、おい!」
ミカサ「〔そう...諦めずに...戦わなければ勝てない...ある人にそう教えてもらった...そのある人だって...今はまだ諦めてない〕」
「頑張れッ!!」
エレン「頑張って抑えてくれッ!!ミカサッ!!!」
ミカサ「〔私には...エレンがいる...あなたがいれば...私はなんだって出来る!!〕」
ウグイス「1番キャッチャー、モブ捕手君」
ディモ「〔そろそろこいつらに『希望』という名の二文字をぶっ潰してやれ〕」
敵モブ捕手「〔はい〕」
ドッ!!
ミカサ「ッ!!」シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
敵モブ捕手「〔なっ、また球威が上がりやがった!?〕」
ドッ!!
ミカサ「ッ!!!」シュッ!!
敵モブ捕手「くそッ!」スッ
パシンッ!!
審判「ストライクツー!」
ミカサ「ハァ、ハァ、ハァ...」
ドッ!!!
ミカサ「...ウォォォォオオオッ!!!!」シュッ!!
敵モブ捕手「ッ!?」
パシンッ!!!
審判「...ストライクバッターアウト!スリーアウトチェンジ!」
ミカサ「ハァ、ハァ...よし!」
-
- 59 : 2015/06/06(土) 16:03:07 :
ベンチ
エレン「ミカサ、ナイピッチ!」
ミカサ「あ、うん」
ダズ「...」
トーマス「...」
マルコ「...」
エレン「お、おい!お前ら何落ち込んでるんだよ!!まだ試合中だぞ?」
ジャン「そんなこと言ってももう試合は決まったようなもんだろ」
エレン「なっ、ジャンお前な...」
コニー「エレンの言う通りだぞ!!お前ら諦めるなよ!!」
ジャン「っつても...この1回で4点...いや4点取るだけじゃダメだ、5点取ってサヨナラにしないとミカサはもう限界だからそれこそ終わりだ」
コニー「だからって、このまま諦めて夏大を終わるってのか!?冗談だろ!?イチカバチかでこの1回で追い付くしかねぇよ!」
ジャン「あのなコニー...もしこれが漫画とかだったら救世主とかが来て...そんで逆転出来るんだろうけど...これは現実だ、そんなドラマは起きない」
コニー「じゃ、じゃぁここで俺らがウダウダやってても同じだ!どうせ負けるなら一生懸命やって負けた方が気持ちいいだろ!」
ジャン「珍しく頭を使ったなコニー...だがこの回は4番からだ...ってことはだ、もしミカサやライナー達が打っても...俺ら下位で打たなきゃいけないんだぞ」
コニー「だ、ダメ...か」
ジャン「ハァ...結局やる気出たところでまともな監督がいなきゃ...指揮は取れねぇ...指揮を取った所でこの点差・雰囲気・相手勢いに勝てるはずがねぇけどな」
サシャ「や、やりましょうよ、皆さん!!監督だってきっとこう言うはずです!みんなで力を合わせて頑張れば出来るって」
「...」
サシャ「あ、アルミン先輩だってまだ諦めてませんよね?」
アルミン「...」
マルコ「無理だ...この点差じゃ...いくら粘ったとしてもすぐに終わる...」
アルミン「...クッ」
サッ
アルミン「? ミカサ...?」
ミカサ「マルコ、この状況を一気に変えられるとすればそれは私が長打を打てば...変えられる...違わない?」
マルコ「あ、あぁそうだけど...いくらお前が頑張っても...これだけの差があったら...」
ミカサ「できる」
マルコ「え...!?」
スタスタ
スッ
ミカサ「私は...強い...あなた達より強い...すごく強い!」
ミカサ「...ので私は...この点差をひっくり返すことだってできる...例えば...一人でも」
トーマス「ッ...」
ミカサ「あなた達は...腕が立たないばかりか...臆病で...腰抜けだ...とても残念だ...ここで指をくわえたりすればいい...くわえて見てろ」
ダズ「め、めちゃくちゃだ!そんなの!勝算何かないのに...なんでそんなこと言えるんだ!」
ミカサ「...できなければ...死ぬだけ...勝てば...また明日野球ができる...」
ミカサ「戦わなければ...勝てない...」
スタスタ
トーマス「お、おい!?ミカサ」
ジャン「残念なのは...お前のその言語力だ...あれで発破かけたつもりでいやがる...」
ウグイス「4番ピッチャー、アッカーマン君」
ジャン「オイ!!俺達は監督に仲間を一人で戦わせろと教わったか!?お前ら本当に腰抜けになっちまうぞ!!」
ライナー「そいつは心外だな...」
ベルトルト「...」
サシャ「こ、この腰抜け!アホ!!」
トーマス「くっ...いいぜ...やってやる!!
シュッ!
ミカサ「〔外低めの変化球...流すッ!!〕」スッ!!
カキーンッ!!
「おぉ、ライト越した!!」
ポタッ!
「長打コース!!」
タッタッタ!!
ジム「ライト急げ!2つ!」
ミカサ「〔サード行けるッ!!〕」ダッ!!
ジム「なっ!?」
敵モブショート「あいつ二塁蹴りやがった!?」
タッタッタ!!
敵モブライト「調子に乗るなっ!!」シュッ!!
ミカサ「ッ!!」ダイブッ!!
ズサーッ!!
審判「...セーフ!!」
「おぉ!!スリーベースヒット!!!」
-
- 60 : 2015/06/17(水) 14:01:33 :
ウグイス「5番ライト、ブラウン君」
ライナー「おっしゃぁぁ、来いッ!!!」
ドッ!
シュッ!
ライナー「ッ!!」スッ!
キーンッ!
敵モブ捕手「〔初球打ち!?〕」
ポタッ
トーマス「レフト前のヒット!!」
タッタッタ!
マルコ「さらにミカサが帰ってきて3点差!!」
ライナー「うし!」
コニー「続けよ!ベルトルト!!」
ウグイス「6番レフト、フーバー君」
ベルトルト「」スッ
敵モブ捕手「〔バント...ワンァウト二塁であの7番か、この6番がバントでアウトもらえるならありがたくもらうぜ〕」
ドッ!
シュッ!
キッ
コニー「おし、上手く転がした!」
パシッ!
審判「アウト!」
ウグイス「7番センター、キルシュタイン君」
ジャン「〔ミカサといい、ライナー、ベルトルト...お前らの努力無駄にゃしねぇ!!〕」
ドッ!
シュッ!
パシンッ!
審判「ボール!」
ジャン「〔初球内低め...次は〕」
ドッ!
シュッ!
ジャン「〔外高め!!〕」スッ!
キッパシッ!
審判「ストライク!」
ジャン「〔くっそぉぉおお、ライナーの野郎よく打ったな...〕」
ドッ!
ジャン「〔上げちゃダメだ...低く...ローボールに...〕」
シュッ!
ジャン「〔今っ!!〕」スッ!
キンッ!
マルコ「なっ、早く振り過ぎだ!?」
トーマス「切れるな!!」
パシッ!
審判「フェア!フェア!」
敵モブ捕手「一塁間に合う!」
ジャン「〔んの野郎ッ〕」タッタッタ!!
ダン「ッ!」シュッ!
ドッ! パシッ!
ズサーッ!!
ジャン「げほっ、げほっ...」
審判「...セーフ!」
「おぉぉぉおおおお!!」
ジャン「っしゃぁ、見たかコラッ!!」
トーマス「これでワンァウト一二塁!!」
敵モブ投手「ハァ、ハァ...くそ」
ウグイス「8番セカンド、ワグナー君」
トーマス「〔相手は動揺してる...ここは待つ!〕」
パシンッ!
審判「ボール!」
トーマス「〔よし初球ボール...ちょっと揺さぶるか〕」スッ
敵モブ捕手「〔バントか...次は確か9番...前の打席とか見た限りはサブのサブ程度...送らせてもいい〕」
シュッ
敵モブ捕手「ッ!?」
パシッ
審判「ボール!」
敵モブ捕手「〔ランナー!〕」チラッ
ライナー「ッ、あぶね...」
敵モブ捕手「〔モブ投手の投球数は84球...だがあとツーアウトなんだ、踏ん張ってくれ〕」
ドッ!
シュッ
パシンッ!
審判「ボール!」
敵モブ捕手「〔入ってないのか!?今の〕」
ドッ
シュッ
パシッ
審判「ボール!フォア」
トーマス「よし!」
マルコ「ワンァウト満塁!」
-
- 61 : 2015/06/17(水) 17:30:47 :
ウグイス「9番ファースト、ダズ君」
ダズ「お、お、おし!来い!」
エレン「ダズ!頼む!!」
コニー「俺まで繋いでくれ!」
敵モブ捕手「〔正直予想外だが、このバッターならゲッツーも取れる...バッター勝負だ!〕」
ダズ「〔ミカサの奴...本当に一人でチャンスを作りやがった...俺なんかとは違って...あいつは才能があるんだな...〕」
ダズ「〔...でもッ、今はそんなこと関係ない!結果がすべてなんだ...絶対にコニーまで繋ぐ!なんとしてでも!!〕」
ドッ
シュッ
ダズ・敵モブ捕手「!?」
ドスッ!
ポタッ コロコロ
審判「で、デッドボール!」
エレン「ダズ!大丈夫か!?」
ダズ「だ、大丈夫だ...俺はには...こ、これぐらいしか出来ないしな...」
エレン「ダズ...」
ダズ「これで...俺、ミカサの...みんなの役に立てたかな...」
エレン「あぁ...十分だ」
ダズ「へへっ...」
ディモ「チッ、仕方ねぇ...」
ウグイス「リーブス商業高校選手の交代をお知らせします。ピッチャーのモブ投手君...代わりまして、モブ投手2君」
ドッ!
シュッ
パシンッ!
マルコ「速くはない...けど、コントロール良さそうだな」
ミカサ「変化球もそこそこ曲がる」
エレン「頼むぞ!コニー!!」
コニー「おぉ!!」
ウグイス「1番サード、スプリンガー君」
コニー「〔ワンァウト満塁、スクイズで着実性をとってもいいけど、ここは流れにそって打つ!〕」
ドッ!
シュッ
クイッ
パシンッ!
審判「ストライク!」
コニー「〔満塁なのにカーブ使ってくるのか、ってことはスクイズ警戒全くなしってことか...〕」
ドッ!
シュッ
コニー「〔外角!〕」スッ!
キーンッ!
敵モブ捕手「〔なっ、ストライクゾーンからボール2個分外したストレートだぞ!?それを引っ張るのか!?〕」
タッタッタ
ジャン「1点差!」
エレン「いける...みんながんばれッ!」
ウグイス「2番ショート、ボット君」
ハンジ「〔ここはもうスクイズで同点にしよう、この回に追い付かなきゃ元妹紅もないからね〕」スッスッス
マルコ「〔はい!〕」
敵モブ捕手「〔ここで2番...スクイズあるぞ〕」
マルコ「〔気づかれちゃダメだぞ...初球は見送って...2球目だ〕」
敵モブ捕手「〔1球目は外すぞ〕」
ドッ!
シュッ
パシンッ!
審判「ボール」
敵モブ捕手「〔初球じゃなかったか、だが次来るんだろ...なんとなく予想は出来るぜ〕」
ドッ!
トーマス「ッ!!」ダッ!
シュッ
マルコ「〔えっ!?〕」
ハンジ「〔外された!?〕」
マルコ「〔当てなきゃッ!!〕」スッ!
キッ!!
敵モブ捕手「〔なっ、当てやがった!?〕」
マルコ「トーマス!バック!!」
トーマス「!」
パシッ!
審判「アウト!」
エレン「トーマス!!戻れ!!」
トーマス「ッ!!」ダッ!
ジム「こいつで終わりだ!」シュッ!
ズサーッ! パシッ!
・・・
エレン「〔ど、どっちなんだ...?〕」
審判「...セーフ!!」
コニー「あぶねぇえええええ!?」
マルコ「ふぅ...良かった」
トーマス「ハァ...死ぬかと思った」
ハンジ「〔これで首の皮一枚繋がった...けど、次は...〕」
-
- 62 : 2015/06/17(水) 18:25:00 :
ウグイス「3番キャッチャー、アルレルト君」
アルミン「ふぅ...」
敵モブ捕手「〔監督...どうしますか?〕」
ディモ「〔今日この3番は3タコだ、良かったじゃねぇか!こいつでゲームセットだ!〕」
キース「...アルレルトォ!!打てェー!!!」
女子クラスメート「せぇーの、アルミン君!頑張れぇ~!!!」
男子クラスメート「打てよ!!アルミン!!!」
リコ「〔...本当に...お前は変わったのか...?〕」
リコ「〔私にはそうは思えんな...前のお前と同じにしか見えん〕」
ドッ!
シュッ
アルミン「ッ!!」スッ!
クイッ パシンッ!
審判「ストライク!」
アルミン「〔あぁ、くっそ!これで打てなかったら今までの努力の意味がなくなるんだ!!〕」
エレン「アルミン先輩ッ!!頑張ってください!!!!」
ジャン「広く広く!!!」
アルミン「〔あぁ...アニ...どうして君はこういう時にいてくれないんだ...いつも...〕」
アルミン「〔小学校のリトルリーグの時...大事な秋大で一人の失敗でチームが崩れかけた...その時もアニはいなかった〕」
アルミン「〔けど、途中から...あぁそうだ...アニが観客席から応援してくれたんだっけ...それで...僕がサヨナラを打って...勝ったんだっけか〕」
アルミン「〔そう言えば中学の1軍に上がるためのセレクションもそうだったっけ...アニ自体はいなかったけど...僕の心のなかで...一緒に戦ってくれた〕」
アルミン「〔僕は...アニがいなきゃ...何も出来ない人間だな...〕」
ドッ!
シュッ
アルミン「ッ」
パシンッ!
審判「ストライク!」
相手援団「あと一球!あと一球!」
シガンシナ援団「やっぱ無理なのか...」
リコ「〔ハァ...わかってたさ...最初から...あんたが変わるはずないって...人はそんな簡単に変わることは出来ないってことを...〕」
ジャン「くっそ...」
エレン「ぁ...」
ミカサ「...」
ライナー「...クッ」
ハンジ「〔みんな口には出してないけど完全に諦めている〕」
相手援団「あと一球!あと一球!!」
-
- 63 : 2015/06/17(水) 18:25:10 :
アルミン「〔結局...アイツには...リベンジ...できなかったな...〕」
アルミン「〔思い返せば...ピンチの時には...いつもヒーローがきてくれた...〕」
_____________________________
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小学校3年生
ゲシッ!
いじめっこA「おーら!悔しかったから殴り返してみろよ!」
アルミン「うっ...そ、そんなこと...するもんか!」
いじめっこB「なんだと!?」
アルミン「殴り返したら...お前らのやっていることと同じことをすることになる...」
いじめっこC「へっ、良い子ぶりやがって!本当は俺らが怖いんだろ?」
アルミン「こ、怖くなんか...ない!」
いじめっこA「へぇ、じゃぁもう一発!!」スッ
アルミン「〔もうだめだ...痛い...もう殴られるのは...蹴られるのは...いやだ...誰か...誰か助けて...〕」
ガシッ!
いじめっこA「何すんだよ!!」
○○「あんたらいじめってかっこ悪いことなんだよ?わかる?」
いじめっこB「なっ!?こいつ4組のレオンハートだ!?」
アニ「三対一なんてせこいことしないで一対一、正々堂々と勝負したらどう?」
いじめっこC「うるせ!」スッ
ガシッ!
アニ「ふっ!!」スッ!!
ブンッ!
ドタッ!
いじめっこC「いってぇぇええええ」
いじめっこA「〔背負投って...俺らより背が低い奴がやる技かよ!?〕」
アニ「次...あんた?」
いじめっこB「こんのぉおおお!!!」
クルッ ガシッ! ゲシッ!
グルンッ!!
ドタッ!!
いじめっこB「うぇぇぇえええええん、痛いよぉぉおおおおおお」
いじめっこA「〔な、なんだ!?今の技!?〕」
アニ「...最後はあんた?」
いじめっこA「...お、覚えてろよ!!」
スタスタ
アルミン「」プルプル
スッ
アルミン「ぇ...?」
アニ「大丈夫?アルミン」
アルミン「ぅ、ぅん...ぁりがとぅ...」
アニ「ハァ...あいつらも懲りないよね、全く」
アルミン「どうして...アニはいつも僕を助けてくれるの?」
アニ「え?」
アルミン「僕はアニとは違って弱々しいからいじめられる...けど、どうしてアニは...僕とは真反対なのに...僕を助けてくれるの?」
アニ「...ふふっ」ニコッ
アルミン「え?」
アニ「今は話してあげない...けど、いつか大きくなったら話してあげる!」
アルミン「? う、うん」
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_____________________________
-
- 64 : 2015/06/17(水) 21:05:39 :
アルミン「〔ピンチの時には...必ず来てくれる...僕を...助けに来てくれる...〕」
タッタッタ!
アルミン「〔あぁ...この光景...何か前にも似た光景だ...〕」
タッタッタ!
アルミン「〔そう...この足音は...僕のヒーローが...急いで来てくれてる...音〕」
ガシッ!
アルミン「〔そして...今の音はスタンドの鉄棒を手に乗せた音...ギュゥッと握りしめる音...〕」
「...スゥーッ...ちょっと...そこのバッター...」
キース「え?」
リコ「!」
「ちゃんと...見に来たから...ちゃんと...あんたの勝つ姿を...見に来たんだから...」
エレン「!」
ミカサ「か...」
ジャン「監督...!?」
アニ「ちゃんと試合に集中しなさいよッ...このキノコ頭で背がちっちゃくて女っぽい男で頭が良くて野球が私より上手くてすごい頼りになる...ホントにムカつく...」
アルミン「...」
アニ「...私の...ヒーロー...」
アルミン「ッ...」
アニ「〔...今の...あんたのスイングじゃ...一生経ってもボールには当たらないよ〕」
アルミン「〔アニ...〕」
アニ「〔...ふっ、私と...こいつらと...約束したじゃないか...甲子園に出るって...〕」
アルミン「...ふふっ」ニコッ
アニ「〔ホンット...どうしようもない...癖だよ...あんたの〕」
アルミン「〔うん...ごめん〕」
アニ「〔...打ちなよ...絶対〕」
アルミン「〔...うんッ〕」
ザッザッザ!!
敵モブ捕手「?」
アルミン「ふぅッ...」ギリッ!!
敵モブ捕手「〔こいつ...今までの集中力とは全然違う〕」
バキッ!! ボキッ!!
アルミン「...」
ドッ!
エレン「先輩ッ!!」
アニ「アルミンッ!!」
シュッ
アルミン「〔伝わる...アニの...みんなの...勝ちたいという闘志が...僕の心にまで...〕」
ドッ!!!
アルミン「ふっ!!」スッ!!!
カキーンッ!!!
敵モブ捕手「!?」
ポンッ!!!
エレン・アニ「!」
アルミン「...」
・・・
「おぉぉぉぉおおおおおお!!!!」
「ぎゃ、逆転サヨナラ満塁ホームラン!!」
「すげぇ!!やっぱアイツすげぇよ!!」
エレン「やったぁ!!」
ジャン「おっしゃぁ!!」
タッタッタ
アニ「〔...ふふっ、やれば出来るじゃないか〕」
アルミン「〔...ううん...僕だけの力じゃないよ...アニがいたから...僕は打てたんだよ〕」
アニ「〔...そうかい〕」
タッタッタ
審判「ホームイン!」
アルミン「...ふぅ...」
タッタッタ!
アルミン「え?」
ダキッ!
コニー「やったぁぁあああああああ!!!」
ドタッ!
マルコ「こ、コニー!?アルミン先輩下敷きにしてるよ!?」
コニー「ん?あ、やっべ!?」
アルミン「...」
アルミン「〔...たまには...いいかもしれない...こういう雰囲気も...〕」
-
- 65 : 2015/06/17(水) 21:05:59 :
・・・
審判「12対9で...シガンシナ高校...ゲーム」
「あっした!!」
ウーーーッ
敵モブ「くそっ...」ウルウル
ジム「泣くな、精一杯やっただろ!胸張って帰ろうぜ」
ダン「あぁ、そうだな」
スタスタ
ミカサ「ふぅ...」
ザッ
ミカサ「!」
フレーゲル「...良い試合をありがと」スッ
ミカサ「ッ...どうも」
ギュッ
フレーゲル「お前ら...俺らの分まで...勝って...勝って...そいで、絶対調査高校に勝てよ!!」
ミカサ「!」
フレーゲル「俺は...この試合でやっと気づけたんだ...仲間と共に戦うっていう...ことを」
ミカサ「...うん」
フレーゲル「けど、今更気づいても...意味はなかった...だから!!」
フレーゲル「それが出来てるお前らには...最後まで勝ってほしい!!」
ミカサ「...うん、わかった...私達はあなた達の分まで戦おう...そして、調査高校を倒して...甲子園に行く」
フレーゲル「頼んだぞ!」
ギュゥッ
スタスタ
エレン「? どうした?」
ミカサ「...いや、勝つことはもちろん嬉しいし...その分野球を続けられるから...楽しい...けど」
ミカサ「勝利の重みって...凄く重いものなんだなって...初めて知ったから...その」
ミカサ「少し...緊張している」プルプル
エレン「...ハァ、んだよ!そんなことかよ!」
ミカサ「え?」
エレン「これからもっと勝ち続けていくんだから一々そんなんで体調とか崩すんじゃねぇぞ!」
ミカサ「...ふふっ、うん!大丈夫!」ニッ
スタスタ
アルミン「...アニ」
アニ「...おめでとう、アルミン」
アルミン「うん、ありがとう...けど、どうしてここへ?」
アニ「そりゃ...やっぱ勝利の女神がいなきゃ勝てないと思ってね」
アルミン「...ふふっ、そうに違いないや」ニコッ
スタスタ
アルミン「!」
アニ父「...」
アルミン「じゃ、僕はもう行くね!今日はありがとう!その...あっちでも元気でね!」
アニ「?...うん」
アニ父「...ちょっと待て」
アルミン「? はい?」
アニ父「...どうやら...アニには...お前が必要らしい」
アニ「!」
アルミン「ぇっ...」
アニ父「...ハァ、次はないぞ...次アニに何かあったら...お前を殺す...いいな?」
アルミン「え...あ、はい!」
アニ父「アニ、荷物は全部戻しといた」
アニ「う、うん」
アニ父「お前には...大切な教え子がたくさんいるんだ、結果をちゃんと出せるように...指導しとけ」
アニ「...うん、ありがとう...お父さん」
スタスタ
アルミン「あ、ありがとうございます!!」
アルミン「...アニ」
アニ「...ッ」ダッ!
アルミン「ッ」ダッ!
タッタッタ!
ガチャッ!
タッタッタ
アルミン「アニ!!」
アニ「アルミン!!」
ダキッ!!
ライナー・トーマス・ジャン「〔先輩...感動の再開中悪いんですがグラセン手伝ってもらないっすか...それと後輩の前であんまりイチャイチャしないでください...〕」
ミカサ「ふふっ」ニコッ
エレン「良かったぁ...う”っ」ズキッ
ケニー「エレン、そろそろ病院にいk !?」
ミカサ「?」
ケニー「どうした!?エレン」
エレン「クッそ...肘が...クッ」ズキズキ
ケニー「こりゃいけねぇ...先生!こいつを今すぐ病院に連れてってきます!」
ハンジ「お願いします!」
ミカサ「...エレン...」
ポンッ
ミカサ「ッ」
ハンジ「大丈夫だよ、ケニーさんがついてるし」
ミカサ「...はい...」
-
- 66 : 2015/06/21(日) 11:43:08 :
翌日
ミーンミンミンミーッ
ライナー「しかし、暑いな...今年は」
ベルトルト「ぅん」
エレン「お前みたいな体しててもバテちまうんだな」
ライナー「まぁ俺は元々暑いのより寒いの方が耐えられる体だからな」
「お~い、エレン!ライナー!ベルトルト!」
エレン「お、コニー!」
コニー「あれ、ミカサは?」
エレン「今日は休みだ」
ジャン「さすがに昨日あれだけ投げれば疲労もたまるわな」
マルコ「それに今日は暑いしね!」
コニー「あ、エレンも今日ミカサのお家行くか?」
エレン「は?何の話だ?」
コニー「今日昼カレーだってな!楽しみだよな!!」
エレン「いやだから何の話だよ!」
コニー「もうご飯炊いたかな?メールしといて!」
エレン「話聞け!!」
ガシッ!!
コニー「いえ”え”、いえ”え”え”...こんにゃろ!」ツネリ
エレン「おあえがはあしきあないのあわういんあろ!(お前が話を聞かないのが悪いんだろ!)」ツネリ
マルコ「朝さ、コニーがミカサにメールしてさ、昼ご飯がカレーってことだから僕らF組でお見舞いついでに食べに行こうってなったんだ」
エレン「ん、メール帰ってきたのか」
コニー「来たよ!ったく、お前怪我人なのによくそんな動けるよな」
エレン「うるっせ!」
スタスタ
クリスタ「あ、エレン!」
エレン「ん?おぉクリスタ」
クリスタ「昨日は見に行けなくてごめんね、勝ったんだってね!おめでとう!」
エレン「あぁサンキュー」
ライナー「!?」
クリスタ「? こちらも野球部の人?」
エレン「え?あぁこいつは同じクラスでy「あ、あなたは...女神様ですか!?」
クリスタ「え、えぇ!?」
ライナー「あなたが...勝利の女神様だったんですね...会えて光栄です!!」
クリスタ「えっと...その...私は女神なんかじゃないよ!」
ジャン「おい、ライナー...うちのチアに手出すなよ...汚れちまうだろ」
ライナー「チア...だと!?」
クリスタ「あ、初めまして!私7組のクリスタ・レンズです!野球部チア担当してます!よろしく!」ニコッ
ライナー「」ブシューッ
バタンッ!
クリスタ「え!?大丈夫!?」
ジャン「あぁ、まぁ大丈夫だ」
マルコ「エレン達も一緒に行く?」
エレン「え、あぁ...けど、こんな大人数で行って大丈夫なのか?」
マルコ「あぁそうだね...じゃぁ連絡してみるよ」
エレン「あ、メールする時...俺がいるってこと秘密にしといてくれないか?」
マルコ「え?いいけど...どうかしたの?」
エレン「いや、まぁ...色々と」
-
- 67 : 2015/06/21(日) 12:09:38 :
ケニー・アッカーマン宅
チリンチリンッ
ミカサ「ハァ...暑い...」
ブーブブッ
ミカサ「ッ、コニー...かな」
パカッ
ミカサ「〔あ、エレンだったら...ど、ど、ど、どうしよう...まだ返信してない...〕」
ピッ
ミカサ「! マルコだ」
今日お昼休みにお見舞いに行くんだけど、ライナー達も来るんだ。 全員で8人になるけど...大丈夫?
ミカサ「大丈夫...叔父さんが多分来るだろうって...いっぱい用意してくれたから...送信...」
ミカサ「...え?8人...?」
ミカサ「ジャン・コニー・マルコ...アルミン先輩・監督...ライナー・ベルトルト...あとは...サシャかな...」
ミカサ「も、もしかして...え、エレン...?」
ミカサ「どどどどどど、どうしよう...エレンが...うちに来るなんて...か、か、片付けなきゃ」バタバタ
ピンポーンッ
ミカサ「は、はい!?」
コニー「なぁなぁ、ピンポンダッシュしたことある?」
ジャン「2回くらい友達のお家でやったことあるな」
マルコ「ひどすぎ」
アルミン「〔しかし、ミカサのお家が...こんなに...いや何でもない〕」
ガチャッ
ミカサ「いらっしゃい...こんにちわ」
コニー「おいーっす!!」ダッ!
ジャン「あ、てめ、コニー!!」
アルミン「まだ具合悪い?」
ミカサ「あ、いえ...大丈夫です」
アニ「ご飯は炊いてないなら私手伝うよ」
ミカサ「あ、大丈夫です...」
エレン「よっ」
ミカサ「エレン!?」
「ん?」
エレン「お前なぁ...なんでメール返信しないんだよ!」
ミカサ「ご、ごめんなさい...」
「〔いつの間にか親子になってる...〕」
エレン「オレのことが嫌いになったのかと思ったぜ...」
ミカサ「き、嫌いになんて...ならない!」
エレン「そうか、びっくりした」
ミカサ「ごめんなさい」
スタスタ
アルミン「そうだ、ミカサ体重測った?」
ミカサ「あ、今測ってきます!」
アルミン「〔減ってる...よね、多分〕」
コニー「やべぇ、超美味そう!!」
スタスタ
アルミン「ん?どうだった?」
ミカサ「67でした」
「〔えっ!?〕」
ジャン「〔67...マジで!?俺よりあるじゃん...〕」
マルコ「〔な、何か...まずいことを聞いちゃったような...なんでだろう...〕」
アニ「〔体重を普通に言えるなんて...女子じゃあんたくらいだよ〕」
アルミン「〔体重...僕よりあるのか...〕」
エレン「何キロ減ったんだ?」
ミカサ「2キロちょっと...かな」
「〔ってことは元は69キロ!?〕」
ライナー「〔なるほどな、だからあれだけの飛距離を打てるわけか〕」
エレン「じゃぁカレーいっぱい食って体重戻さねぇとな」
ミカサ「うん、おかわりもいっぱいあるから...みんないっぱい...食べて...ね」
「サンキュー!」
-
- 68 : 2015/06/21(日) 21:54:07 :
ジャン「あ、そう言えばミカサに渡すもんあったんだ」
コニー「お?ラブレターか?」
ジャン「んなわけッ、あるかぁーッ!!!」
ガサコソ
ジャン「ほら、これ」
ミカサ「?」
ジャン「クソババアがお前とお前の叔父さんにってよ」
コニー「??? DVDと新聞?」
コニー「まさかお前...AVか!?」
「」ブフーッ
マルコ「そんなわけないだろ!コニー!!」
ジャン「当たり前だっ、なんでババアが現役高校生と50代のおっさんにAVをあげなきゃいけねぇんだよ!!」
コニー「冗談だっつの!」
エレン「昨日の試合のやつか?」
ジャン「あぁ、試合とニュースどっちも編集したって言ってたな」
エレン「へぇ、お前の母さんPC系得意なのか」
ジャン「ちげぇよ、親父が教えたんだよ」
ミカサ「じゃ、じゃぁ見ながら...食べよう」
♪~皆さんこんばんわ、今日は一日中暑い日でしたが各球場では今日も熱戦が繰り広げられました。~♪
ジャン「...うっ、くそっ!カレーが美味そうだ...美味そうッ!!」
「美味そう!!いただきます!!」
パクパクッ
コニー「あっつくて、うめぇ!!」
ミカサ「うん!美味しい!!」
アルミン「〔食欲は十分だな...けど、2キロは怖いな...決勝まで行ったら12キロも減る...そうなるとスタミナもなくなるな...〕」
アルミン「〔これから僕らが勝ち上がっていくためには...次の試合からただ勝つだけじゃダメだ〕」
アルミン「〔早く終わってかつ、情報源を少なくする方法...あれしかない〕」
♪~南マリア地方球場第1試合では、今回初のショートで出場した調査高校のリヴァイ選手が今日の試合ではなんと2本のホームランを打って快勝となり初戦を飾りました。~♪
エレン「! リヴァイさん」
ミカサ「...」
エレン「やっぱ...凄いな」
アルミン「別に順当でしょ、Aシードだし」
エレン「うっ...だ、だって...」
アルミン「...何?」
エレン「だって俺らも...勝った...し」
・・・
「」ニヤッ
ジャン「だよな、なんて言ったって相手はEシードだもんな!」
アルミン「昨日エレンが病院行った後反省会やったんだけど、なんでうちが勝てたと思う?」
エレン「えっ...」
エレン「〔そりゃ...みんなが...打てて...ミカサが...みんなが守ったから...だ...俺は...何もして...ない〕」
アルミン「〔なぜ黙る...考えてる...ようには見えない...〕」
・・・10分後・・・
「ごちそうさまでした!」
アルミン「じゃ、お大事に」
コニー「じゃぁな!また明日な!!」
ジャン「あんま無理すんなよ」
ミカサ「う、うん...ありがとう」
エレン「じゃぁな」
ミカサ「うん」
-
- 69 : 2015/06/21(日) 22:36:49 :
翌日
北マリア地方球場
スタスタ
トーマス「うぉおお...すげぇ人」
ミリウス「俺らの試合の時もこんくらい来てたのかな」
マルコ「いや、もっといたよ」
アニ「バックネット裏はいっぱいだね...仕方ない、三塁側座席に行こうか」
「はい!」
アニ「ちょっと集まんな!今から次の3回戦のスタメンいうから、そのつもりで試合を見るんだよ」
「はい!」
アニ「1番...サード、コニー」
コニー「ちぇ~、また1番かよ」
アニ「ナンカモンクアルノ?」
コニー「いえいえいえいえ、全然ないっす!!」
アニ「2番...セカンド、マルコ」
マルコ「は、はい!〔前と変わらないってことは評価されてると思っていいんだよね?〕」
アニ「3番...キャッチャー、アルミン」
アルミン「はい」
アニ「4番...センター、ジャン」
ジャン「えっ...あ、はい!」
アニ「点入れてね」
ジャン「は、はい!」
アニ「5番ショート、ミカサ」
ミカサ「はい!」
アニ「6番ライト、ライナー」
ライナー「はい!」
アニ「7番ピッチャー、ベルトルト」
ベルトルト「ぇ...ぁ、はぃ」
アニ「声が小さい!」
ベルトルト「は、はい!」
アニ「8番ファースト、トーマス」
トーマス「はい!」
アニ「9番レフト...ミリウス」
ミリウス「! はい!」
アニ「以上、攻撃も守備も自分の役割を考えながら見るんだよ!」
「はい!」
サシャ「モグモグ、先行はウォール工業高校です。毎年部員は20人を超える学校で、去年の夏は三回戦進出・春は一回戦止まりです。」
サシャ「モグモグ、後攻のマリア西高校は、部員は10ギリギリでうち1人は3年生でその他全員は1・2年生です。去年夏は一回戦止まり、春は人数が揃わず大会に出てないです」
アニ「これだけ聞けば、ウォール工業の方が上だと思う、けどウォール工業は今年の夏はこれが初戦」
アルミン「マリア西はこの間の試合凄い接戦をしていたんだ」
1 0 0 3 2 1 0 0 0 1 0 1 9
0 1 4 0 0 0 0 1 1 1 0 0 8
・・・
サシャ「す、す、す、凄いです!!天才です!!」
アルミン「いやこれくらいなら覚えられるよ」
マルコ「〔いやいや...〕」
トーマス「〔何言ってるんですか...〕」
ジャン「〔そんなのあんたくらいだよ...俺は3回も見たっていうのに...〕」ナミダメ
アニ「まぁそういうこと、ウォール工業の方が実力的には上だろうけど、マリア西には勢いがあるの」
アニ「さぁどっちが勝ち上がると思う?」
エレン「〔どっちかな...けど、俺は...皆を精一杯応援するしか出来ないんだ...クッ...なんで...なんで...〕」
-
- 70 : 2015/06/21(日) 23:05:10 :
_____________________________
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試合後 病院
ケニー「先生...どうですか?」
先生「ふぅ...そうですね...結果から言ってしまうと...」
エレン「」ゴクリッ
先生「治りますよ」
エレン「良かったぁ...」
先生「ただ完治するまで1ヶ月・元の体に戻るまで2週間...そうすると1ヶ月2週間です」
エレン「えっ!?」
ケニー「そ、それじゃぁ...今年の夏の大会には...間に合わないというのですか!?」
先生「はい、完全に治るまではこれが最速です」
エレン「〔そんな...俺は...おれは...何のために...〕」
ケニー「先生...お願いです!」ドゲザ
先生「アッカーマンさん!!やめてください!!」
ケニー「お願いです!!どうにか...こいつを夏の大会中に投げられるようにはならないんですか!?」
エレン「ケニーさん!?」
先生「無理です!こんな状態の肘ではいつ爆弾が爆発するかわからないんですよ!?今のイェーガーさんはいわば、爆弾持ちなんです!!」
ケニー「けど...けど...それじゃぁこいつの努力が...」
先生「...一つ...案があります...が、これは莫大な費用が必要です」
ケニー「あ、あるんですか!?薬が!?」
先生「えぇ、ですが先程も言った通り、この薬には莫大な費用がかかります...」
ケニー「構いません!!俺が全額...命をかけてでも払います!!」
エレン「ケニーさん!!そこまでしなくてもいいです!!」
ケニー「でもよ...せっかくお前...あんだけ努力してきたんだぞ!?それで...いいのかよ!!」
エレン「...悔しいです、けど...何もケニーさんの責任ではないです!!」
ケニー「いいや、これは俺が勝手に指導したんだ...俺の責任だ!」
エレン「だとしても...」
「...ならばこうしましょう」
エレン・ケニー「え?」
先生「...イェーガーさん...あなたはあの調査高校相手に...どんあに大差をつけられても...勝ちを目指し、戦い続けますか?」
エレン「はい!戦います!!」
先生「...なら私はあなたにかけてみます」
エレン「え?」
先生「費用は私が全額負担します」
ケニー「いやいやいや、そりゃないぜ!先生!!」
エレン「そうですよ!なんで先生が払うんですか!?」
先生「実は私の息子も野球をしているんですがいかんせん体が弱く...とてもじゃないですが野球を出来る体ではありません」
先生「ですが息子があなた達の試合を見て...努力するようになったんです」
先生「だから、息子に勇気を与えてくれたあなたに恩返しがしたいんです」
エレン「い、いや...俺は何も...」
先生「あなたも今の息子ときっと同じ気持でいることでしょう」
先生「息子は努力してます...あなたも相当な努力で怪我をしているのでしょう」
先生「この薬は一時的な痛み止めのような物です。ですがこの薬はある程度の痛みでないと効き目がないのです」
先生「あなたが一番出たい試合は...調査高校との試合でしょう...その学校と当たるのは何回戦ですか?」
エレン「決勝です」
先生「まだ時間はありますね、ならば大丈夫でしょう」
ケニー「せ、先生...何をしようって言うんですか?」
先生「イェーガーさんにはギリギリまで回復していただきます」
ケニー「ってことは...」
先生「はい、決勝のために...イェーガーさんには他の試合を捨ててもらいます」
エレン「ッ」
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_________________________________________________
_____________________________
-
- 71 : 2015/06/21(日) 23:26:53 :
「監督さ~~ん!!」
アニ「ん、あ、キルシュタインさん」ペコッ
アニ「と...?」
ライナー母「こんにちわ、ブラウンです!初戦の試合見に来れなくてすみませんでした!」
アニ「ブラウンさん、初めまして!監督やらさせてもらってます!レオンハートです!」
アニ「ジャン、ちょっとの間よろしくね」
ジャン「あ、はい!」
ジャン母「キャプテン?しっかりするんだよぉ?」
ジャン「〔うるっせ、クソババア!!早く行け!!〕」ピキピキッ
ダズ「ジャンって母さんと仲良いよな」
「良かねぇよッ!!!!!!」
ジャン母「なるほど、画面はずらさずにこのままの方向を撮り続ければいいんですね?」
アニ「はい!あとここ日差しが強いんで塩分・水分こまめに取って熱中症には気をつけてください!」
ジャン母「私達」
ライナー母「観戦得意なんです!」
アニ「そうですよね、二人共確か小学校から好きなんでしたよね!」
ジャン母「あの~監督さんもやってたんですか?小学校の頃男の子に混じって」
アニ「そうですね、リトルリーグはやってました。中学ではマネージャーを」
ジャン母「へぇ、マネージャーなんですか!勿体無いって言ったら失礼かもしれないけど、へぇ~!」
ジャン母「実はうちの子が監督はノックが上手いからどこで習ったのかなんて言ってたもんですから」
アニ「上手いですか?」
ジャン母「はい!この間の試合のアップの時見させてもらいましたが上手かったです!」
アニ「ふふっ、そんな褒めてもらうまでもないですよ。まぁ実は私バッティングが得意でリトルでも上位打線に入ってたんです」
ジャン母・ライナー母「すご~い!!」
アニ「中学でもノックはマネージャーがやってました。監督は経験者ですが怪我をしていたので私がやってたんです。」
ジャン母「確かアルミン先輩?でしたっけ?幼なじみなんですよね?その人と同じ中学?」
アニ「いえ、あいつとは中学は離れて...高校で二人で野球部強くしようってことになったので」
スタッ
アニ「じゃぁ私戻ります、何かあったら携帯鳴らしてください!」
ジャン母「はぁ~い!」
-
- 72 : 2015/06/22(月) 22:09:09 :
時は過ぎ、8対7でウォール工業高校がリードのまま9回にまで来た。
ウグイス「9回の裏、マリア西高校の攻撃は...4番ファースト、モブファースト君」
ウォール工投手「ッ!!」シュッ
キンッ!
ワァーッ
トーマス「うわっ、土壇場で追いついたよ...」
ジャン「どんだけ粘っこいんだよ...ただ...」
エレン「? どうした?」
ジャン「なんでもねぇよ」
エレン「は?何怒ってるんだよ」
ジャン「別に怒ってなんかねぇよ!!」
「!」
ジャン「ッ...わ、悪い...怒鳴りすぎた」
エレン「いや俺も悪かった」
マルコ「ジャン...もしかしてまだ中学時代のアレ引きずってるのかい?」
ジャン「うるっせ...試合に集中しろ」
マルコ「...そうだね」
ミカサ「...」
そして...
審判「整列!」
ササッ
審判「9対8でマリア西高校...ゲーム!」
「ありがとうございました!!」
ウーーッ
アニ「さぁ、3回戦の相手は決まったね」
ジャン「〔あっちの4番...すげぇ打ってたな...バカッ、弱気になんな!試合で勝てば俺の勝ちだ!〕」
アニ「帰ってミーティングするよ、帰り道で声出して帰るよ」
「はいッ!!」
ジャン「さっさと並べよ~、ここから1kmはあるからな!」
「おうッ!!」
アニ「ジャン、走る前に円陣組んで行きな」
ジャン「! はい!」
スタスタ
ジャン「3回戦も勝って...甲子園出場、県大会優勝、調査高校を倒すぞッ!!!」
「オーッ!!!!」
ジャン「っしゃ、行くぞ!!シガンシナーズ...ファイッ!」ダッ!
「オウッ!!」
ジャン「ファイッ!」
「オウッ!!」
ジャン「ファイトーッ!!」
ジャン「〔3回戦のキーマンは...俺だッ!!〕」
-
- 73 : 2015/06/24(水) 22:20:57 :
シガンシナ高校 グラウンド
ジャン「おーし、じゃぁ3回戦に向けたミーティング始めんぞ!」
「はーい!」
ジャン「何か気づいたことあるやついるか?」
ノ
ジャン「ん、トーマス」
トーマス「守備について何だけど、相手は左打者が多いと思った」
ジャン「確かにな、1・3・4・8番が左だったもんな...よしじゃぁ左打者だった時ミカサ・コニー・ミリウス注意するように」
ミカサ・コニー・ミリウス「はい!」
ジャン「それとバント・フライ処理をしっかりするようにこれは全員要注意な」
「はい!」
ジャン「じゃぁ守備面はそういうことで」
アニ「うん、それでいいと思う」
ジャン「おーし、じゃぁ次攻撃面で気づいた奴はあるか?」
ノ
ジャン「ミカサ」
ミカサ「相手は守備連携が危ういので、積極的に振ってった方がよりチャンスは作れると思う」
ジャン「確かに結構エラーはあったな、じゃぁこれは全員積極的に振ること、振らなきゃ何も始まんねぇからな!」
「はいッ!!」
ジャン「じゃぁ他何か言いたいことある奴いるか?」
ノ
ジャン「! アルミン先輩」
アルミン「...次の試合からコールドをしたい」
・・・
「えっ!?」
ジャン「え、と...それってどういう...」
アルミン「うちはただでさえ部員が少ないうえに、投手は3人だけ...しかも、そのうちの1人は故障中」
エレン「うっ...」グサグサ
アルミン「それにもう一人はエレン以上の臆病者」
ベルトルト「ぇっ...ぁ、ぁ」
アルミン「さらにもう一人は自己中心的」
ミカサ「...?」
アルミン「ようは、うちが今後崩れるところがあるとすれば投手陣...つまり、早ければ明日のベルトルトいや、その次のミカサで崩れる可能性があるってこと」
トーマス「えっと...い、イマイチ意味が...」
アルミン「簡単にいえば、一試合の時間を短くして欲しいってこと」
コニー「あぁ!コールドだったら早ければ3回で終わるから楽かも!」
アルミン「そういうこと、この炎天下の中...前回の試合みたいに9回フルでやれば体力が次第になくなり、いつか崩れる...こういうこと」
ジャン「いや...まぁ、狙えればそれはいいんですが...でも出来るかどうか...」
アルミン「だから狙おうよって話だよ」
アニ「乗った、その話」
マルコ「監督?」
アニ「マリア西は得点率こそ高い、けどなぜ今まで延長を2回もやってるか、それは失点率も同じくらい多いからなんだ」
ライナー「! そうか、失点率が多ければそれだけ点をとれる...」
アニ「でも、相手のマリア西高校はリーブス商業よりかは攻撃力はないけど、このマリアでも注目されてるから守備は今まで通り辛くなると思うよ」
アルミン「けど、次はショートにミカサが入るから内野の守備力が一気に上がる、加えて投手はベルトルトだから早々点は取れないよ」
ダズ「お、おぉ!!」
ミリウス「何か...」
トーマス「出来そうな気がしてきたな!」
ジャン「〔お、おい...マジでコールド狙うのか?だとしたらそりゃ...4番の俺がしっかりしないと行けないんじゃないのか?〕」
アルミン「それと...ハンジ先生」
ハンジ「ん?なんだ~い?」
アルミン「ハンジ先生確かサウスポーでしたよね、相手の投手スクリュー投げるので、投げてくれませんか?」
ハンジ「おっ、久々に私の活躍来ちゃう?来ちゃう?」
コニー「おっしゃぁああ、燃えてきたぁぁ!!」
ジャン「あ、あのよ...もう何か意見あるやついねぇか?」
「ないでーす!」
ジャン「よ、よし...3回戦...コールドすんぞ!!」
「おうッ!!」
-
- 74 : 2015/06/24(水) 22:43:26 :
シガンシナ地方球場
「じゃん、けん...」
チョキ パー
ジャン「〔あっっぶねぇぇええ...こぇぇ、これ負けて後攻取られてたら...〕」
_____________________________
_________________________________________________
___________________________________________________________
コニー「おい、ジャン!」
ジャン「? なんだ?」
コニー「後攻取ってこいよ!」
ジャン「わかってるよ、んな馬鹿じゃねぇ」
ガシッ
ジャン「ッ!?」
アルミン「じゃぁ後攻...よろしくね?」
ジャン「はっ、は...はいぃ!?」
___________________________________________________________
_________________________________________________
_____________________________
ジャン「〔じゃんけんなんて...運なんだから負けても仕方ないじゃないっすか...まぁ勝ったけど〕」
ジャン「じゃぁうちが後攻で」
マリア西主将「! じゃぁ先行で!」
スッ ギュッ
ジャン・マリア西主将「よろしくお願いします」
マリア西主将「良かったですね」コソッ
監督「だな」コソッ
アニ「...」
スタスタ
アニ「ジャン」
ジャン「あ、はい」
アニ「あんたは今日、コールド出来ると思う?」
ジャン「えっ、いや出来るかどうかは...けど、やります!」
アニ「そう、私は相手の主将と監督を見て出来ると思ったよ」
ジャン「えっ!?」
アニ「今日はあんたがヒーローになるんだからね、しっかりしなよ!」バシッ!!
ジャン「いっで...あ、はい!」
審判「整列!」
サッ
審判「それではこれよりウォール・マリア大会予選3回戦第2試合、マリア西高校対シガンシナ高校の試合を始めます!お互いに礼!」
「よろしくお願いします!」
アルミン「3球!」
ドッ!
ベルトルト「ッ!!」シュッ!
パシンッ!!
アルミン「ナイスボール!」シュッ
敵モブ投手「あのリーブス商業を破ったチームか...」
敵モブ捕手「正直言って...きちぃよな」
敵モブセカンド「はい、そこ暗くなるな!まだやってもないのに勝ち負け決めるな!」
敵モブ投手「ッ、わかってます...すいません」
敵モブセカンド「うん、わかってたならいいけど、そんな暗くなっても何もいいことなんてないぞ!」
敵モブ投手「はい!」
ウグイス「1回の表、マリア西高校の攻撃は...1番ショート、モブショート君」
敵モブショート「お願いします!」
アルミン「」スッスッス
ドッ!
シュッ!
敵モブショート「〔ストレート!〕」スッ
キッ
敵モブショート「〔あれ!?〕」
アルミン「ショート!」
ガシッ!
ミカサ「ッ!」シュッ!!
パシッ!
審判「アウト!」
アルミン「ワンァウト!!」
「ワンァウト!!」
-
- 75 : 2015/06/26(金) 22:59:56 :
ウグイス「2番センター、モブセンター君」
敵モブセンター「しゃっす」
ドッ!
シュッ!
パシンッ!!
審判「ストライク!」
敵モブセンター「〔ストレート速いな...俺何かで当てられるのかな〕」
ドッ!
シュッ!
パシンッ!!
審判「ストライクツー!」
アルミン「〔決め球にフォーク投げさせて、相手を脅すか〕」スッスッス
ドッ!
シュッ!
敵モブセンター「〔すっぽ抜け!キタコレ!〕」スッ
クイッ!!
パシンッ!!
審判「ストライク!バッターアウト!」
相手ベンチ「え...今のって...フォークボール...だよな?」
相手ベンチ「あ、あぁ...」
敵モブセカンド「ははっ...こりゃ...参ったね...」
アルミン「〔さぁて、ベンチ軍は冷めたかな?〕」
ウグイス「3番サード、モブサード君」
敵モブサード「おっす!」
アルミン「〔表情は変わらないけど...〕」
敵モブサード「ぅ...ぅぅ...」プルプル
アルミン「〔足は震えてるよ、肩に力は入ってるし...こういう場面で内に入れられたら怖いよねぇ〕」スッスッス
ドッ!
シュッ!
敵モブサード「ッ!?」スッ
キッ
アルミン「ピッチャー!」
パシッ
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!」
スタスタ
敵モブサード「すみません...」
敵モブセカンド「ドンマイドンマイ!次打とうな!」
-
- 76 : 2015/06/29(月) 14:14:53 :
アニ「初回はまず2点、攻めるよ!」
「はいッ!!」
敵モブ捕手「〔初回2点?〕」
敵モブ投手「〔リーブス商業を破ったチーム...〕」
ウグイス「1回の裏、シガンシナ高校の攻撃は...1番サード、スプリンガー君」
コニー「おっしゃぁー!!」
敵モブ捕手「〔小さいな...これなら外角は届かないんじゃないか?〕」
ドッ
シュッ
コニー「〔外高め!〕」スッ!
キンッ!!
アニ「〔上手い!三遊間グラウンダーで抜けた!〕」
タッタッタ!!
コニー「ほっほー!!よっしゃぁ!」
「せぇーの!ナイバッチー!!」
ウグイス「2番セカンド、ボット君」
アニ「〔さぁ仕掛けるよ〕」スッスッス
マルコ「〔はい!〕」
敵モブ投手「〔リードでかいな...一球牽制するか?〕」
敵モブ捕手「ピッチャー!バッター勝負!」
敵モブ投手「〔お前がそういうなら...バッター勝負するか〕」
ドッ
トーマス「GO!」
ダッ!!
敵モブ投手「〔なっ、走りやがった!?〕」
シュッ
パシッ
敵モブ捕手「ッ!!」シュッ
ズサーッ!! パシッ
審判「セーフ!」
ダズ「やった!ノーアウト二塁!」
敵モブ投手「〔お前がバッター勝負って言うから...〕」
敵モブ捕手「わ、悪い!」
敵モブ投手「〔ハァ、そんでバントでワンァウト三塁か...〕」
ドッ
シュッ
キンッ
エレン「ナイスバント!」
敵モブ捕手「1つ!」
シュッ
パシッ
審判「アウト!」
ウグイス「3番キャッチャー、アルレルト君」
アニ「〔さて、アルミンか...任せるのもありだけど...どうしようか〕」
アルミン「〔打ちたいんだけど...打っちゃダメかな...アニさん...〕」チラチラッ
アニ「〔うわー...完璧に打ちたいオーラ出してるし...仕方ない、任せる〕」スッスッス
アルミン「〔やった〕」
敵モブ投手「〔こいつはあの自由の翼のアルミン・アルレルトだ...初球はボール球で〕」
ドッ
シュッ
パシンッ
審判「ボール!」
アルミン「〔初球は外角低めにボール球、僕には決め球であるスクリューで終わらせたいなら次は内に来る〕」
ドッ
シュッ
アルミン「〔スクリュー打って相手の調子を崩すのもありだけど、まだ1回だしいいかな〕」スッ!!
キーンッ!!
敵モブ投手「!?」
敵モブ捕手「〔内のストライクゾーン2個分外したところだぞ!?それを思いっきし振って流した!?〕」
敵モブライト「...クッ、伸びる!?」
ポタッ!
マルコ「長打コース!!」
トーマス「回れ回れー!!」
タッタッタ!
コニー「うっしゃ、先制点!」
タッタッタ!!
アルミン「ハァ、ハァ、ハァ...ッ!!」スッ!!
ズサーッ!!
パシッ
審判「...セーフ!」
マルコ「やった、スリーベースヒット!!」
「せぇーの、ナイバッチー!!」
アニ「〔あんたってホント...〕」
コニー「続けよ!!ジャン!!」
-
- 77 : 2015/06/29(月) 14:41:47 :
ウグイス「4番センター、キルシュタイン君」
ジャン「〔えっと...くそ、やることはかわんねぇ、俺は4番らしくしてればいいんだ〕」
アニ「〔確実に2点目は欲しいね、ここはスクイズにするよ〕」スッスッス
ジャン「〔ッ、スクイズ!?〕」
ジャン「」ホッ
審判「バッター!!」
ジャン「あ、はい!」
ジャン「〔あぁくそっ、気抜けたか?やめろよな...4番だってスクイズするよそりゃ〕」
敵モブ投手「〔こいつは7番から4番に抜擢された奴だ、初球速い球で...〕」
ドッ
シュッ
アルミン「ッ!!」ダッ!
敵モブ捕手「〔なっ、スクイズ!?〕」
ジャン「〔転がせ!!〕」スッ
キッ
アルミン「〔ナイスジャン!〕」
ズサーッ
審判「セーフ!」
トーマス「おっしゃぁ!2点目!!」
パシッ
審判「アウト!」
タッタッタ
ジャン「ふぅ...」
スタスタ
マルコ「ナイバント」
ジャン「おう、外されなくてよかったぜ」
スタスタ
ミカサ「ジャン」
ジャン「! ミカサ?どうした」
ミカサ「あのくらいで満足しないで欲しい」
ジャン「ッ、な、何が...?」
ミカサ「! してる...の?」
ジャン「〔は?満足?何がだよ?だって2点目入れたじゃねぇか、何が不満なんだよ〕」
ミカサ「エレン、水分補給はした?」
エレン「なっ、お前は俺の母親でも姉でもねぇんだぞ!!そんな心配すんな!!」
コニー「じゃぁ飲んだのか?」
エレン「うぐっ...の、飲んでねぇよ...」
ミカサ「ほら」
コニー「だっせぇ!!お前口だけじゃねぇか!!」ゲラゲラ
エレン「う、う、うるせぇ!!///」
ジャン「〔スクイズの指示出されるようじゃダメってことか?〕」
ジャン「〔いやあの状況は誰が打席に立とうがスクイズ指示出すだろ、例えアルミン先輩だろうとライナーだろうと...お前...以外はな...〕」
エレン「ってか次お前じゃねぇか!!さっさと行け!!」
ミカサ「わかってる、エレンは心配性」
エレン「お前には言われたくねぇよ!!」
ウグイス「5番ショート、アッカーマン君」
敵モブ投手「〔くそっ、どいつもこいつもダイヤの原石みたいに育ちやがって...〕」
ドッ
シュッ
ミカサ「〔内低め、ストレート〕」スッ!!
カキーンッ!!
敵モブ投手「なっ!?」
ポタッ
ダズ「は、」
トーマス「入ったぁぁあああ!!!」
マルコ「3点目だ!!」
ジャン「〔ケッ...ホント...お前って...憎たらしいよ...ライナーも...アルミン先輩も...〕」
タッタッタ
ミカサ「...」
コニー「お前ッ、すげぇな!!」
トーマス「このやろうッ、相変わらずのバッティングだな!!」
ミカサ「あ、いや...ま、まぐれ...だよ」クスッ
ダズ「この野郎!嫌味かよ!!」
ジャン「〔本当だぜ、嫌味にしか聞こえねぇ〕」
エレン「ナイバッチ、ミカサ」
ミカサ「エレン...ふふっ、ありがとう」ニコッ
ジャン「〔ハァ...心底腹立つぜ...〕」
アニ「...」
-
- 78 : 2015/06/29(月) 22:02:13 :
マリア西 高校 0 0 0 0
シガンシナ 高校 3 1 2
ウグイス「4回の裏、シガンシナ高校の攻撃は...3番キャッチャー、アルレルト君」
アルミン「〔3回で6点...今の流れからすると恐らく5回までには10点はいけそうだ〕」
ドッ
シュッ
アルミン「〔早めに終わらせて次の試合のデータ分析しなきゃッ〕」スッ!
キーンッ!
マルコ「センター前のヒット!!」
タッタッタ
アルミン「ふぅ」
ダズ「ナイバッチです!アルミン先輩!」
ウグイス「4番センター、キルシュタイン君」
アニ「〔さぁ頼んだよ、4番...今日はあんたのための試合でもあるんだからね!〕」スッスッス
ジャン「〔打て...〕」スッ
アニ「〔アルミンは2球目で走るんだよ〕」スッスッス
アルミン「〔了解〕」スッ
敵モブ投手「〔何か仕掛けてくるか?〕」
ドッ
シュッ
パシンッ
審判「ボール!」
敵モブ投手「〔気のせいか...〕」
ドッ
アルミン「!」ダッ!!
敵モブ投手「〔なっ!?また走りやがった!?〕」
シュッ
パシンッ
ズサーッ!!
審判「セーフ!」
ジャン「〔アルミン先輩...盗塁も上手い...天才は何でも出来るってか〕」
敵モブ投手「〔ランナーは関係ない、バッター勝負〕」
ドッ
シュッ
ジャン「〔くそっ、打てって言ってもどこに打ちゃいいんだ!?〕」スッ
パシンッ
審判「ストライク!」
マルコ「ジャン!肩の力抜け!」
コニー「広く広く!!」
ジャン「〔うるっせぇな、わかってんだ!〕」
ドッ
シュッ
ジャン「〔うっ、くそっ!〕」スッ
パシンッ
審判「ストライク!」
エレン「ジャン、落ち着け!」
ミカサ「よく見て!」
ジャン「〔だぁ、よりにもよっててめぇらかよ!ちょっとあっち向いてろ!!〕」
ドッ
シュッ
ジャン「クッ」スッ
パシンッ
審判「ストライク!バッターアウト!」
ジャン「...」スタスタ
ミカサ「あ、ジャン...ドンマイ」
ジャン「...悪いな」ダッ
ミカサ「えっ、お、惜しかったよ!」
タッタッタ
マルコ「ジャン...ドンマイ!次の打席打とう!」
ジャン「あぁ...」
アニ「〔完全に落ちてる...声かけるか?いや下手に気にさせて集中力切らせるよりかはいいか〕」
アニ「〔声出し忘れるくらいプレッシャー感じてるんでしょ?キャプテンなんだからしっかり頼むよ〕」
パシッ
審判「スリーアウト!チェンジ!!」
アルミン「〔この回は1点しか取れなかったな...まぁまだ3回残ってるし、7回までにはコールドにしたい...けど、今回の誤算...それは〕」
ジャン「...」
アルミン「〔4番ジャンの不調...本来ジャンの打順は6・7番...アニ起用からして狙いはジャンの意識を向上〕」
アルミン「〔けど...同じ1年でナンバー1のミカサ、ナンバー2のライナーがあまりにもデカすぎて後ろに隠れてる〕」
アルミン「〔この試合でジャンの意識も変わったらこのチームの攻撃力はさらに上がる...と僕は思う〕」
アルミン「〔けど、ジャンって人より2倍プライドが高いから...皆で下手にいじるより自力で答えを見つけてもらうしかない〕」
アルミン「5回...しまっていこう!!」
「おうッ!!」
-
- 79 : 2015/06/29(月) 22:57:09 :
マリア西 高校 0 0 0 0 0
シガンシナ 高校 3 1 2 1 1
ウグイス「5回が終わったので、両チームでグラウンドの整備をお願い致します」
「おうッ!!」
タッタッタ
エレン「...監督」
アニ「ん?なんだい?」
・・・
タッタッタ
エレン「...おい、ジャン!」
ジャン「あ?なんだよ死に急ぎ野郎」
エレン「何怒ってるんだよ、落ち着けよ」
ジャン「別に怒ってなんかねぇよッ!!」
エレン「それが怒ってるって言うんだよ!!」
ジャン「...ケッ、てめぇに何がわかるってんだ」
エレン「はぁ?何の話だよ」
ジャン「...お前は期待って言葉の...本当の意味を知ってるか?」
エレン「は?そんなの相手に期待してるとか、楽しみにしてるとかだろ」
ジャン「全然ちげぇよ...期待の本当の意味は...絶望から始まるんだ」
エレン「絶望?」
ジャン「...お前も本当は思ってるんだろ、俺は頼れる4番じゃねぇってこと」
エレン「...」
ジャン「〔やべぇ、本当はこんなことチームメイトに言っちゃいけねぇってわかってるのに...あぁッ、くそ!あと30分浮気ちびる噛み締めてれば言わずにすんだのによぉ〕」
ジャン「俺は...アルミン先輩やミカサ...ライナーやベルトルトと違って...チャンスを活かせる4番じゃない...悪いがもうこの際はっきり言ってくれ」
ジャン「〔あ~ぁ...言っちまった...でも、お前かわす技持ってないだろ?〕」
エレン「...確かにお前はチャンスの時に打てるかといえば打てないバッターなのかもしれない」
ジャン「ッ...」
「けどッ」
エレン「ジャン...お前はお前だろ、ミカサはミカサだ...アルミン先輩はアルミン先輩だ」
ジャン「は...?」
エレン「お前がミカサみたいにホームランかっとばせるなんて誰も思ってないし、アルミン先輩みたいに考えたバッティングが出来るとも思ってない」
エレン「けど、お前はお前だろ?お前は...ジャン・キルシュタイン...シガンシナ高校野球部のキャプテン、そうだろ!?」
ジャン「ッ...エレン」
エレン「期待は絶望から生まれる?んなもん知るかよ、お前が誰かに期待するのは構わない...けど、皆お前に期待してないかといえばそれは嘘だ!そんなはずないだろ!!」
ジャン「...」
エレン「確かにお前はチャンスを活かせるバッティングは出来ない、でもお前には...チャンスを作るバッティングは出来る...違うか?」
ジャン「〔俺には...チャンスを掴む力はねぇ...けど、俺にはチャンスを作る力が...?〕」
エレン「ハァ~ったく、キャプテンのお前がそんな調子じゃコールドも出来ねぇはずだ」
ジャン「うるせぇ」
エレン「ま、俺は何も出来ないけどな...」
ジャン「...なぁエレン」
エレン「ん?」
ジャン「お前は...お前は目の前にでっかい壁があって何度挑戦してもぶちのめされて...それでもお前は...そいつと競いあうか?」
エレン「はぁ?何言ってんだよお前...んなもん当たり前だろ、どんなに練習や試合で実力の差を見せつけられても...」
エレン「俺はそいつと競いあうよ」
ジャン「!」
エレン「あっ、お前もしかして俺が怪我してっからって、エースの座奪おうってか!?負けねぇからな!!」
ジャン「...ぶふっ、あはははっ、馬鹿かお前!そんなわけねぇよバーッカ」
エレン「ハァ?何だお前...」
ジャン「〔こいつ...俺とは全然違ったわ〕」
ジャン「〔こいつは...いつもミカサとベルトルト...いやチームの皆と戦ってたんだな、あの二人はお前と競う気なんてないはずのなのに...〕」
ジャン「〔このチームのエースは...お前なんだ、でもこいつにとって競い合える相手がいたほうがいいんだ〕」
ジャン「〔ッ、相手と比べて...いいのか?打っても守ってもいっつもあの三人には敵わなくて...どんなに自分の結果が苦しくても...いいんだ〕」
-
- 80 : 2015/06/29(月) 23:11:27 :
スタスタ
トーマス「あッ、ジャン!グラセン出てなかった!!」
ダズ「ずるいぞ!」
ミリウス「じゃぁ帰りの荷物はジャンに任せようか」
ジャン「ち、ちげぇよ...その話してたんだよ!な?」
エレン「ん?おぉ、話してたな」
コニー「なんだ?帰ってオ○ニーするって話か?」
ジャン「ちっげぇよアホ!!」
エレン「そうだとしてもなんで俺がこんな馬面としなきゃいけねぇんだよ!!」
ジャン「んだよ、その言い方!!」ガシッ
エレン「ハァ?何か間違ったこと言ったか?ってか離せよ!!暑いだろ!!」
スタスタ
ミカサ「!」
タッタッタ!
ジャン「つか、いいから早く片付けて戻るぞ」
ミカサ「ジャンッ、エレンを離して...暴力はやめて」ギロッ
ジャン「えっ、いやこれはその...」
ミカサ「エレンは中学の時いじめられてたの、トラウマが蘇ったらどうするの」ギロッ
エレン「べっ、別にいじめられてなんかねぇよッ!!」
ミカサ「...私は...エレンのために言ってあげたのに...その言い方は酷いと思うッ!!」
マルコ「お、おい!」
トーマス「お前ら」
エレン「お前の勝手な勘違いだ!!」
ダズ「お、お前ら喧嘩はやめろ!?」
ミリウス「まさかこの二人が喧嘩するなんて...」
ミカサ「ッ...すまなかった...私は冷静じゃなかった...ジャン、ごめんなさい...私の勘違いだった」
ジャン「お、おう...」
エレン「ほら、用がすんだらとっとと戻ろうぜ」
ミカサ「うん、エレンごめんなさい」
エレン「別にもう気にしてねぇよ」
ミカサ「!」パァッ
タッタッタ
トーマス「な、なんなんだ...あいつらの会話...」
ライナー「俺はもうクラスでいつも聞いてるから慣れたぜ」
ベルトルト「ぁ...ぼ、僕も...」
「ベルトルトが喋った!?」
ジャン「〔...俺は...ミカサとアルミン先輩とライナーと...競うぞッ〕」ギリッ
-
- 81 : 2015/07/01(水) 17:25:25 :
ウグイス「6回の表、マリア西高校の攻撃は...4番セカンド、モブセカンド君」
敵モブセカンド「おっし、来い!」
ドッ!
ベルトルト「ッ!」シュッ!
敵モブセカンド「〔クッ、せめて1点だけでも取って...先輩として後輩に最高のプレイを見せてやりたい!〕」スッ
クイッ!!
パシンッ!!
審判「ストライク!」
敵モブセカンド「〔くそ、フォークか...大体なんでリーブス商業とやった時の投手を使わないんだ?もちろんこの投手も強いけど...今ショートをやってる奴の方が明らか強いだろ!〕」
敵モブセカンド「〔それともなんだ?何か事情があるのか?〕」
ドッ!
シュッ!
敵モブセカンド「〔今度はストレートッ〕」スッ
パシンッ!
審判「ストライク!」
敵モブセカンド「〔ちくしょう結局謎も解けないままコールド負けかよ...〕」
ドッ!
シュッ!
パシンッ!
審判「ストライク!バッターアウト!」
アルミン「〔守備に問題なし、これなら次の4回戦でもコールドを狙える〕」
アニ「〔けど...コールドをするには十分な攻撃力が必要、今のチームでも相当な火力だけど...うちの攻撃で足りない物があるとすれば...〕」
アルミン「〔先頭バッター...コニーも1番バッターらしいけど、1番バッターに必要なのは、選球眼・走力・状況把握力・データ分析力...そして、チャンスメーカーであること〕」
アニ「〔はっきり言って、コニーでは1番バッターは難しい。それはなぜか?バッティング能力は1番そのものだけど、頭はチームワーストだからね...〕」
アルミン「〔かと言って、クリンナップに入れるとすると...それも際どい...うちにはなんて言ったって絶対的な4番がいるし、5番にはライナーも6番にはベルトルトも〕」
アニ「〔現時点でコニーはパワー不足、だからと言って7番に置いておくのもそれこそ勿体無い、だからコニーを最大限に活かすには...〕」
アルミン「〔1番バッターが必要不可欠...もしこのチームに1番バッターを任せるとすれば...〕」
パシッ
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!」
コニー「ナーイバッチ!ベルトルト!」
ベルトルト「ぁ...ぅ、ぅん」
トーマス「さぁこの回で決めようぜ!」
ウグイス「1番サード、スプリンガー君」
コニー「おーっし、来い!」
ドッ
シュッ!
コニー「〔スクリュー!〕」スッ
パシンッ!
審判「ストライク!」
コニー「〔初球からスクリュー投げてくるのか!強気だな...根性だけなら俺だって負けねぇよ!!〕」
ドッ
敵モブ投手「ッ!」シュッ!
コニー「〔もう一球スクリュー!〕」スッ
キーンッ!
ズサーッ!
トーマス「二遊間抜けた!」
「せぇーの、ナイバッチー!」
コニー「にひっ、俺の勝ちィ!」ニコッ
ウグイス「2番セカンド、ボット君」
マルコ「〔この回で点を取れなかったら次もベルトルトは投げなきゃいけない...今日はこんな猛暑だ、無理はさせたくない!〕」
ドッ
シュッ!
マルコ「〔スクリュー!?〕」スッ
キッ!!
審判「ファール!」
ドッ
シュッ!
マルコ「〔またスクリュー!?〕」スッ
パシンッ!
審判「ストライク!」
アニ「〔4球連続?次はさすがにないよ...ね〕」
ドッ
シュッ!
マルコ「〔うッ!?〕」スッ
パシンッ!
審判「ストライク!バッターアウト!」
マルコ「すみません」
アルミン「ドンマイ」
マルコ「全球スクリューです」
アルミン「オッケー、あとは任せて」
-
- 82 : 2015/07/01(水) 18:09:24 :
ウグイス「3番キャッチャー、アルレルト君」
アルミン「〔この回...あと2点入れればサヨナラだ〕」
スッ
アルミン「!」
アニ「...!」
敵モブ投手「〔いいっすね?〕」
敵モブセカンド「〔あぁ〕」
ダズ「け、敬遠...」
アニ「〔確かに今日アルミンは3-3...うち2本は長打〕」
シュッ
パシッ
審判「フォアボール!」
アルミン「〔あとは頼んだよ...キャプテン〕」スタスタ
ジャン「...」
ウグイス「4番センター、キルシュタイン君」
アニ「〔とんでもないチャンスが回ってきたよ...さぁ打ってきな〕」スッスッス
ジャン「...」スッ
スタスタ
審判「プレイ!」
敵モブ投手「〔? こいつ...左バッターだったか?〕」
敵モブセカンド「〔ということはバントか?いやまぁこの4番はスクイズしたけど...〕」
敵モブ投手「〔誰が来ようが全球スクリュー投げてやるよ〕」
ドッ
シュッ!
ジャン「〔スクリュー!〕」
パシンッ!
審判「ストライク!」
敵モブ投手「〔手が出ないのか?まぁいい、この4番今日は全然打ててない、そういう時はとことん打てないままさ〕」
ジャン「〔これなら届く...〕」
ドッ
シュッ!
ジャン「〔当たらなくてもいいから、振るっ!!〕」スッ!
キンッ!
審判「ファール!」
ジャン「〔当たる...うし、次で...打つぞ〕」
エレン「ジャン!」
ジャン「!」
エレン「...お前のバッティングだ...打てよ」
ジャン「〔へっ、怪我してるっていうのに...なんつー強気な目だ、全く頼もしいぜ〕」
ジャン「〔あぁ...この感じ久しぶりだな...中学で調子が良かった時はよくサードの脇ギリギリ抜いてたっけなぁ〕」
ドッ
ダッ!
敵モブセカンド「〔エンドラン!?〕」
シュッ!
ジャン「〔これが俺のバッティングだぁッ!!!!〕」スッ!!
キーンッ!!
「おぉ!!」
審判「フェア!フェア!!」
タッタッタ!
コニー「おっしゃぁ、9点目!」
タッタッタ!
敵モブ捕手「4つ!」
敵モブレフト「くっそ!」シュッ
アルミン「ッ!!」ダイブッ!!
ズサーッ!!
審判「セーフ!セーフ!!」
「おっしゃぁー!!!」
ダズ「コールドだ!」
ジャン「ふぅ...良かったぁ...」
審判「整列!」
サッ
審判「10-0でシガンシナ高校...ゲーム!」
「ありがとうございましたッ!!」
ウーーッ
アニ「ナイバッチ、良いスイングだったよ」
ジャン「え、あ、ありがとうございます!」
アニ「これからも頼んだよ」
ジャン「ッ、はい!」
ジャン「じゃぁ挨拶行ってきます」
アニ「うん」
タッタッタ
ジャン「おーし、じゃぁ応援席行って挨拶するぞ!」
「おうッ!」
アニ「〔立ち直った...かな?これからも手助けしていくからね、頑張るだよキャプテン!〕」
-
- 83 : 2015/07/01(水) 18:28:35 :
試合後
スタスタ
ジャン「あ、ミカサ」
ミカサ「?」
ジャン「...俺あんなんで満足してねぇから」
ミカサ「? それは1回のスクイズの時の話でしょ?」
ジャン「〔ッ、こいつ覚えてたのか〕」
ミカサ「あれはスクイズで満足してるようではまたすぐに私が4番を取り返すという意味で言った」
ジャン「? でもお前はそのほうがいいんじゃねぇか?」
ミカサ「...確かに、けどそれではお互い刺激が足りないまま勿体無いことになってしまう」
ジャン「...」
ミカサ「私はまだまだ弱い、今のまま調査高校と当たったらきっと負ける...」
ジャン「〔いや...今のままでも十分強いと思うんですが...〕」シロメ
ミカサ「だから...私は強くなるために...他の人と刺激し合い、お互いがレベルの高い競いをした方が効率が良くなる」
ジャン「!」
ミカサ「だから...」
ミカサ「ジャン、私と競い合おう」
ジャン「ッ...へっ、わかってるってんだよ!今日ある奴に散々言われたからな!」
ミカサ「?」
「みんな~!!」
コニー「?」
ライナー「!? クリスタ!?どうした!?」
クリスタ「試合見てたよ!3回戦突破おめでとう!」
「〔女神だ...〕」
ユミル「てめぇら何ジロジロ私はのクリスタを見てんだよ、ア?」ギロッ
「〔超こぇぇええええッ!!!〕」
スタスタ
アニ「さぁ帰るよ...と、あんた達は確か...」
クリスタ「こんにちわ、監督!あの...次の試合から援団で協力出来るようになったんです!」
アニ「そう、これで応援席も盛り上がるね...色々とありがとう」ペコッ
クリスタ「いっ、いえいえ!逆に私達何かでよければ使ってください!!」ペコッ
アルミン「〔次の4回戦...どこだろ〕」
サシャ「? あ!アルミン先輩!今次の相手どこって思いました?それならわかりますよ!」
アルミン「〔なんという第六感...〕」
サシャ「次は...中央憲兵大付属高校ですね」
アルミン・ライナー「!」
アルミン「中央憲兵...か」
ライナー「サシャ、中央憲兵大付属って言ったか?」
サシャ「え、あ、はい!」
ライナー「...ま、マジかよ...」
エレン「? どうした?ライナー」
ライナー「あぁ、いや...なんでもない...」
エレン「?」
-
- 84 : 2015/07/01(水) 22:28:46 :
翌日
アニ「さて、次の4回戦が中央憲兵大付属高校に決まったわけだけど、中央憲兵は守備が固いチームなの」
ダズ「そ、そうなんすか?」
アルミン「ん?あぁ一応去年準決で当たったから少しならデータがあるんだ」
アニ「当時は6-5でギリギリ勝ったけど」
マルコ「うわっ、結構ギリギリですね」
アルミン「運良く後攻を取れたから良かったよ」
ジャン「じゃぁ次の試合のスタメンは...」
アニ「うん、ベルトルトには悪いけど、連投してもらうよ」
ベルトルト「ぁ、はぃ」
アニ「そして...4番はミカサでいくよ」
ミカサ「はい!」
アルミン「〔ってことは最大火力・内野の守備を固めるのか〕」
アニ「相手の攻撃はほとんどが足にかけてきてる、だからアルミン・ミカサ・マルコは2盗に注意するんだよ」
アルミン・ミカサ・マルコ「はい!!」
アニ「そして外野手も今まで通りの送球してたらあっという間に走られちゃうからね」
アニ「ミリウス・ジャン・ライナー、注意するんだよ」
ミリウス・ジャン・ライナー「はい!!」
アニ「次の敵は初戦のリーブス商業戦よりも気を引き締めて行くんだよ!」
「はいッ!!」
アニ「ジャン、スタメン発表して」
ジャン「あ、はい!」
ダズ「〔もう決まってるのか〕」
エレン「〔早く言われたほうが準備出来るからかな〕」
ジャン「ッ...こ、これって...」
アニ「? どうしたの?」
ジャン「あ、いえ...」
ジャン「1番...センター...ジャン」
「えっ!?」
ジャン「えっ!? じゃねぇよ!!俺だって驚いてるんだよ!!」
アルミン「〔ついにいじってきたか〕」
ジャン「2番...サード、コニー」
コニー「え、俺?まぁいいけど、はーい!」
マルコ「ッ...ふっ、コニー!頼んだよ!」
コニー「おう!任せろ!」
アニ「〔...悪いね、マルコ〕」
ジャン「3番...キャッチャー、アルミン」
アルミン「はい!」
ジャン「4番...ショート、ミカサ」
ミカサ「はい!」
ジャン「5番...ライト、ライナー」
ライナー「...」
ジャン「? おい、ライナー?」
ライナー「お、おう...すまない」
ジャン「6番...ピッチャー、ベルトルト」
ベルトルト「は、はぃ」
ジャン「7番...セカンド、マルコ」
マルコ「はい!」
ジャン「8番...ファースト、トーマス」
トーマス「はい!」
ジャン「9番...レフト、ミリウス」
ミリウス「はい!」
ジャン「おし、次の試合...絶対勝って5回戦進出するぞッ!!」
「おうッ!!」
-
- 85 : 2015/07/11(土) 01:42:17 :
夜
タッタッタ
「ハァ、ハァ、ハァ...」アセ
「ほらぁ、どうした?もうへばったか?」
エレン「そんなこと...ないっすよ...ッ!!」ダッ
エレン・イェーガーはいつものようにケニー・アッカーマンから本物の球(ストレート)を投げられるようになるために特訓していた。
ケニー「(さすがに練習後5kmも走れば疲れるか...)」
ケニー「よし、一回休憩するぞ」
エレン「あ、はい!」
スタスタ
エレン「(やべぇ、マジできちぃ...最近は特に走りこみしかしてねぇからな...けど、そのお蔭で体力すっげぇついた気がする)」
スタスタ
エレン「?」
スタスタ
ガチャッ
バタンッ
「えっと...」ポチポチポチポチ
trrrr
trrrr
エレン「(あれ...ライナーか?)」
ライナー「...」
カチャッ
「はい、もしもし」
ライナー「あぁ俺だ、ライナーだ」
「おぉ、ライナーか!久しぶりだな!」
ライナー「本当に久しぶりだな...どうだ?肩の調子は?」
「おう、あれからリハビリして絶好調だぜ!そう言えばお前も肩壊したんだってな...大丈夫か?」
ライナー「あぁ、俺も大丈夫だ...それよりお前...高校は...」
「あぁ、次の試合お前と当たる予定の中央憲兵大付属だ」
ライナー「...なんでお前...あんな学校に行くんだ」
「...まぁ~、色々と事情があるんだよ」
スタスタ
エレン「お~い、ライr「3人で...甲子園に行くって約束したじゃねぇかッ!!」
エレン「ッ」
「うるさいな...そんな大声出すなよ」
ライナー「あ...あぁ、悪い」
「それに...俺だって...行きたかったよ、お前らと」
ライナー「ならどうしてッ」
「あっ、わりぃ!またかけ直す!」
ガチャッ
ライナー「お、おい!?もしもし?おい!」
・・・
ライナー「...くそっ」ガンッ
エレン「...」
ミカサ「エレン、そろそろ行こう」
エレン「は、はい...ってか!?なんでお前がいるんだよ!?」
ミカサ「暇だからついてきた」
エレン「ついてきたって...」チラッ
ケニー「(わりぃ、さすがにミカサには俺から何にも言えねー)」
エレン「...ハァ...わかったよ、わかった...行くよ」
ミカサ「うん、一緒に走ろう」
エレン「(ったく、こいつもよくやるよな...練習後っていうのに)」
ミカサ「エレン、これで汗を拭いて」
エレン「だぁ、もう!お前は俺の母親でも兄弟でもないんだぞ!」
ミカサ「ッ...」
エレン「(あっ、兄弟でもないって言ったらマズかったか...?)」
ミカサ「なら...チームメイト?」
エレン「ッ...へっ、そうだな!」
ミカサ「ふふっ」ニコッ
ケニー「オラァー、お前ら!いつまでもグダグダしてんじゃねぇぞ!」
-
- 86 : 2015/07/11(土) 02:16:01 :
練習
アニ「次っ、ライト!」
キーンッ!!
ライナー「ッ!」ダッ
パシッ!
アニ「そのままホーム」
ライナー「...ッ!!!!」シュッ!!
マルコ「え、うわっ!?」スッ
パシッ!!
アニ「...ナイスライト!」
ダズ「お、おぉ!ライナー気合入ってるな!」
ベルトルト「...」
アルミン「47球!」
ベルトルト「!」
ドッ!
シュッ!
パシンッ!!
アルミン「ナイスボール!」
アルミン「(ベルトルトのストレートはミカサほど球威はないけど、キレは恐らく同等...それ以上)」
アルミン「(変化球も指示したコースに投げられるようになってきたし...うん、大丈夫だ)」
アルミン「(けど...ベルトルトみたいな投手は...サネスにとって相性最悪だ)」
アルミン「(次の試合...何か奥の手を考えておかないと)」
ライナー「ハァ、ハァ、ハァ...もう一球!」
アニ「ふっ!」キーンッ!!
タッタッタ!
ライナー「ッ!!」ダイブッ
ズサーッ!
スタッ
ライナー「ッ!!!」シュッ!!
パシッ!!
エレン「いってて...あいつ気合入りすぎだろ、もう手が真っ赤だぜ」
ミカサ「ならエレン、私が「お前はショートだろうがッ!!」
アニ「(確かにエレンの言う通り今日のライナーは気合が...いや肩に力が入りすぎてる...明日の試合に緊張?じゃないこれはきっと何か裏がある)」
ジャン「ケッ、ライナーの野郎...助走なしであの返球かよ」
ミリウス「レーザービームみたいだな」
練習後
「お疲れ様でしたー!!」
ダズ「あ~疲れた」
ミリウス「眠いな」
コニー「腹減った!どっか行こうぜ!」
マルコ「そうだね、近くのコンビニで何か買う?」
スタスタ
エレン「! ライナー、お前まだ練習するのか?」
ライナー「あぁ...こんなんじゃダメなんだ」
エレン「?」
ライナー「こんなんじゃ...」ギュゥッ
ベルトルト「ライナー」
ライナー「! ベルトルト?」
ベルトルト「君はもうタイタン中学校のライナーじゃない、シガンシナ高校のライナー・ブラウンだ」
エレン「?」
ライナー「ッ...あぁ、そうだったな」
ライナー「悪い、先に帰っててくれ!課題を提出してなかったんだった」
エレン「お、おう」
タッタッタ
エレン「...なんだったんだ」
ミカサ「ベルトルト」
ベルトルト「!」
ミカサ「話してライナーのこと」
エレン「え?」
ベルトルト「...」
エレン「いや...いやいや、何の話だよミカサ」
ミカサ「エレンは少し黙ってて」
エレン「はっ!?」
ミカサ「話して...ベルトルト、私達に...ライナーに何があったのか」
エレン「えっ、どういうことだよ...ミカサ」
ベルトルト「...」
エレン「お、おい...ベルトルト...どういうことだ?」
ベルトルト「...わかった、話すよ」
エレン「!」
ベルトルト「...アルミン先輩や監督も...盗み聞きしないで...ちゃんと話しますよ」
エレン「えっ!?」
スタスタ
アルミン「バレてたか...」
アニ「あんたがコソコソしてるからだよ」
ベルトルト「...ライナーは...エレンと同じで...2つの人格があります」
「!」
-
- 87 : 2015/07/11(土) 03:19:49 :
エレン「えっ...」
アルミン「...」
アニ「それで?」
ベルトルト「僕とライナーは小学校からの幼馴染で、あともう一人幼馴染がいて...」
ベルトルト「中学では...タイタン中学校って知ってますか?」
アニ「!」
アルミン「知ってるよ、ウォール県外のとこでしょ?」
エレン「えっ!?」
ベルトルト「さすがです...」
エレン「ちょっと待て...お前とライナーは県外から来たってことか!?」
ベルトルト「...うん」
エレン「ま、マジかよ...」
ベルトルト「僕とライナーともう一人の名前はマルセル...はタイタン中学の野球部でした」
ベルトルト「ですが知っての通り...県外の学校...僕達のタイタン中学校はウォール大会には出れません」
ベルトルト「練習試合は出来ても、どの大会にも参加出来ません...出れるとすればウォール県内の高校に入ること」
ベルトルト「だから...僕達3人は高校に行ったら...甲子園に出ることが夢でした」
※説明しよう、エレン達が今いるところはウォール県内だが、ライナー達がいた故郷はウォール県外として扱われて全ウォール大会には出場が認められていないのだ。それはなぜか、ウォール県外は学校数が少ないからであるのと同時にウォール県外では現在住民が減っていることから、出場条件である部員数が足りてないために認められてないのである。
エレン「(だから昨日の夜...)」
ベルトルト「それで...中学2年の夏に...練習試合でマルセルが怪我をして以来...僕とライナーが交代交代で投手をすることになりました」
ベルトルト「マルセルの怪我は重症で今後野球が出来なくなる可能性も高いと言われるほどの状態でした、がある高校は怪我を治せる薬のお金を払う代わりに野球部に入れと言われたんです」
ベルトルト「僕達はなんとか断って欲しいと説得したんですが、本人は聞かず...中学2年以来ウォール県内に移民しました」
ベルトルト「ですが...僕らの不幸はまだ続いて...僕の臆病な性格のせいで...ライナーにまで肩を壊すはめになって...」
ベルトルト「ぇっと...」
「それ以上のことはもういい」
エレン・ミカサ・アルミン・アニ・ベルトルト「!」
ライナー「ったく、勝手に過去の話ししやがって」
ベルトルト「ぁ、ごめん...」
ライナー「いいよ、もう過ぎたことだしな...」
エレン「あのよ...ライナー...」
ライナー「?」
エレン「...その、お前の気持ち...わからなくもないぞ」
ライナー「!」
エレン「なんて言うんだ...何か...お前の中学時代...俺と似てるっつーか...」
ライナー「...ふっ、そんなことはない」
エレン「?」
ライナー「お前ほどの苦労は味わってない...だから...俺よりお前の方が凄ぇよ」
エレン「!」
アルミン「う~ん...」
ミカサ「アルミン先輩?」
アルミン「いやね...何か繋がってるのか繋がってないのか...よくわからないんだ」
ミカサ「!」
アルミン「ベルトルトの話を聞く限りだと、ライナーの二重人格であることがわかった。けどどうして二重人格になったかは...」
エレン「え?親友にいきなり裏切られて、しかも肩が壊れたからじゃないんですか?」
アルミン「...え?」
エレン「だろ?」
ライナー「医者にはそう言われたな」
エレン「そうだろ?ベルトルト」
ベルトルト「ぁ、うん」
アルミン「(君達はどういう繋がりで連携しあってるんだ...なぜ今の会話で理解出来るんだ...)」シロメ
アニ「あんた...今の話で理解出来た?」ボソッ
アルミン「全く」ボソッ
アニ「だよね...」
エレン「ってことは俺達結構似たもの同士なんだな!」
ライナー「かもな!」
ベルトルト「ぁ、うん」
ミカサ「(私も仲間に入りたい...のに理解し合えない...)」ウルウル
アルミン「ミカサなんて、涙目になりながら見てるよ...」
アニ「まぁ...ライナーはエレンに任せようか」
アルミン「そうだね」
ミカサ「(´・ω・`)」
-
- 88 : 2015/07/11(土) 11:37:15 :
試合当日
スタスタ
アニ「私達は2試合目だからこの試合の5回が終わったらアップするよ!」
「はいッ!」
アルミン「ミカサ!」
ミカサ「?」
アルミン「ちょっと今日の試合...」
エレン「?」
ライナー「試合前にちょっとトイレに行ってくるわ」
コニー「おう!漏らすんじゃねぇぞ!」
ジャン「汚ねぇよ!」バシッ!
コニー「いってぇな!」
スタスタ
ライナー「...」
ガチャッ
ライナー「(! 先客か...少し一人でいたかったんだが)」
「おぉ、お前がライナー・ブラウンか」
ライナー「!」
「まぁそう身構えるなって、今日はお互い良い試合が出来るといいな!」
ライナー「お前は...ジェル・サネスッ!!」
サネス「俺のこと知ってるのか」
ライナー「...あぁ、あまりいい噂は聞かないがな」
サネス「そいつはどうも!」
ライナー「何のようだ?ここは一塁側トイレだが、お前達は三塁側だろ」
サネス「いやぁどうもあっちは騒がしくてね、なんつーの?俺はぼっちタイプなんだ」
ライナー「...まぁどうでもいい」
サネス「おいおい、他人事とはひでぇじゃねぇか」
ライナー「当たり前だ、あんた何かは他人だからな」
サネス「冷たいねぇ...そんなんじゃまた親友を無くすぞ?」ニヤッ
ライナー「ッ、お前ッ!!」ダッ
サネス「ジョークだ、ジョーク...お前は冗談も通じない奴だったのか?それじゃぁマルセルとは上手くやっていけねぇぜ?」
ライナー「ッ...」
サネス「ま、よく考えて試合をするんだな!」
スタスタ
サネス「あ、それから...」
サネス「この試合お前達が勝つと...どうなるかわかってるよな?」
ライナー「ッ...何のことだ」
サネス「ポーカーフェイスのつもりか?見え見えだぜ、知ってるんだぜ?俺」
ライナー「だから何のことだ」
サネス「お前らが3人で甲子園に出るっていう夢をな!」
ライナー「...だからどうした?野球をやっている奴なら誰もが思うことだ「でも、残念だったな!お前ら3人別れちゃったからな...」
ライナー「...」
サネス「アイツは今、俺達と一緒に甲子園に行く約束をしてんだ」
ライナー「何が言いたい?」
サネス「つまり、もしお前らに負けたら...またアイツ潰れるぜ」
ライナー「ッ...」
サネス「それじゃ、そういうことで!」
スタスタ
ガチャッ
エレン「おーい、ライナー」
サネス「ちょいと、失礼」
エレン「あぁ。すみません...ん?あのユニホームって確か中央憲兵の...ってかライナー!もうアップするぞ!」
ライナー「...クッ」
エレン「ライナー?」
ライナー「ん?あぁすまない」
エレン「?」
-
- 89 : 2015/07/11(土) 11:56:12 :
パチパチ
ウグイス「勝ったシンゲキ高校はグラウンド整備をお願いします」
シンゲキ高校「オーッ!!」
アニ「スタメンはこの間言った通り、最大火力でいくよ」
「はいッ!!」
アルミン「(サネスか...1年振りか...)」
サネス「ん?おぉ、アルミン」
アルミン「...どうも」ペコッ
ラルフ「どうしたサネス、媚何か売って」
サネス「媚なんか売ってねぇよ!!挨拶しただけだわ!!」
サネス「それじゃぁ...ま、いっちょやるかねぇマルセル君」
マルセル「はい、キャプテン!」
ラルフ「今年は有望な1年が入って、2年もデュランがいるから今年こそアルミンに勝てるな!」
サネス「いいや...もう勝ちは確定してるぜ」ニヤッ
ウグイス「グラウンドの整備が終わったので、中央憲兵大付属高校はノックを始めてください」
サネス「行くぞ!」
「おうッ!!」
アルミン「...」
アニ「アルミン」
アルミン「え?」
アニ「...勝ってね」
アルミン「...ふふっ、うん!わかってるよ!」
ライナー「マルセル...」
コニー「先発は予定通りサネスか!」
トーマス「確かサネスの特徴って」
ミカサ「球速はMAX130km前半で球種がスライダー・カーブ・シンカー・シュートの4球種」
ジャン「ハァ、聞いただけでも嫌気がさすぜ」
アルミン「しかも、コントロールは10球中10球だからミカサ並のコントロールを持ってるよ」
コニー「うげっ、ミカサ並か...」
トーマス「けど、ミカサほど速くはないよな」
マルコ「確かにミカサのストレートほどキレはないし、球威もミカサの方が上だ」
ジャン「それに球種もミカサの方が多い...」
「(そう考えるとミカサって一体何者なんだ...?)」
ミカサ「クシュンッ...ズズッ、風邪を引いてないはずなのに...なぜ?」
-
- 90 : 2015/07/11(土) 12:22:25 :
審判「それでは両チーム整列してください!」
「おうッ!!」ダッ
審判「只今より、全国ウォール・マリア大会4回戦第二試合シガンシナ高校対中央憲兵大付属高校の試合を始めます。お互いに礼!」
「お願いしますッ!!!」
サネス「よろしく」
アルミン「お願いします」
ラルフ「!」
ミカサ「?」
マルセル「2年振りだな、ライナーにベルトルト」
ライナー「あぁ...そうだな」
ベルトルト「うん」
マルセル「ま、俺は外野手だからお前らと対決出来るのはバッターとしてだな!」
ライナー「...」
マルセル「? どうした?」
ライナー「ん、いや...なんでもない」
スタスタ
ラルフ「3球!」
ドッ!!
シュッ!
パシンッ!!
ラルフ「ナイスボール!」
ジャン「〔ストレートの球威は130kmくらい...か、調子に乗る前に点入れとかなきゃ後が厳しいぞ...ここは俺が打っていかねぇと〕」
審判「プレイ!」
ウグイス「1回の表、シガンシナ高校の攻撃は...1番センター、キルシュタイン君 背番号8」
ジャン「しゃっす!」
アニ「〔さぁ最初が肝心だよ〕」スッスッス
ジャン「〔はい!〕」スッ
ドッ!!
シュッ!
ジャン「〔ストレートッ!!〕」スッ
キッ!
カシャーンッ
審判「ファール!」
マルコ「ナイススイング!当たってるぞ!」
トーマス「球見えてるぞー!」
ジャン「〔当たった、ストレートだったら打てる!〕」
ドッ!!
シュッ!
ジャン「〔力むな!転がしていけッ!!〕」スッ!
キーンッ!
敵モブショート「ッ!」ダイブッ
ズサーッ
ダズ「抜けたッ!!」
マルコ「先頭出た!!」
「せぇーの、ナイバッチ!!」
ジャン「よっしゃ!」
サネス「あらら、打たれちゃうのかよ今の」
エレン「続け!コニー!!」
ウグイス「2番サード、スプリンガー君 背番号5」
コニー「おぉーッ!!」
ラルフ「〔ちっちゃい2番だな...こりゃ足にかけてきてるのか〕」
ドッ!!
ダッ!!
サネス「ッ」
ラルフ「〔走りやがった!?〕」
シュッ!
コニー「〔必殺...ギリギリフェアバントッ!!〕」スッ!!
キッ
ラルフ「〔この軌道...切れる!〕」
ポタッ コロコロ ピトッ
ラルフ「なっ!?」
審判「フェア!フェア!!」
タッタッタ!!
コニー「うっしゃぁー!!俺の必殺技決まったぜ!!」 ゴゴゴッ
ミリウス「コニー!コニー!」
コニー「ん?げぇ!?」
アニ「〔誰が勝手にセーフティーバントって言った?え?〕」ゴゴゴッ
マルコ・トーマス・ダズ・エレン「ひぃぃぃいい!?」ガクガクブルブル
ジャン「〔あの馬鹿...送りバント指示だっていうのに...本当に馬鹿なんだな〕」
ミカサ「でも、ランナー一二塁で」
ウグイス「3番キャッチャー、アルレルト君 背番号2」
アニ「〔本来ならここでワンァウト二塁でアルミンだったはずが...あの坊主のせいで...仕方ない、これは幸い中の不幸と考える〕」スッスッス
アルミン「〔うわ...アニ完全に怒ってる...2番にコニーを置くのは失敗だったんじゃ...〕」
-
- 91 : 2015/07/11(土) 12:43:28 :
サネス「ん...ふっ、アルミンか...懐かしいな」
スタスタ
アルミン「...」
審判「プレイ!」
観客「おぉ、アルレルトとサネスの対決だ!!」
観客「確か去年はアルレルトが4打数の3安打で勝ったんだよな!」
サネス「〔ハァ...嫌なこと思い出させるなよ...でもまぁ、その分データはもらったけどな〕」
ドッ!!
シュッ!
アルミン「...」
パシンッ!!
審判「ボール!」
ラルフ「〔ったく、変わってねぇなお前も...こんな球に引っかからないのはお前とリヴァイクラスだけだぞ〕」
ドッ!!
シュッ!
パシンッ!!
審判「ボール!」
トーマス「ノーツー!」
マルコ「ナイセン!ナイセン!」
アルミン「〔去年と全く変わってない...なら〕」
ドッ!!
シュッ!
ドッ!!
アルミン「ッ!!」スッ!!
カキーンッ!!
カシャンッ!
トーマス「あぁッ、惜しい!!フェンス直撃!」
マルコ「けど、ランナーは!」
タッタッタ!
ジャン「1点目!」
アルミン「...ふぅ」
サネス「〔マジかー...あれ打たれんのかよ...ないわー〕」
ウグイス「4番ショート、アッカーマン君 背番号6」
サネス「? アッカー...マン...?」
スタスタ
ミカサ「お願いします!」
サネス「〔どっかで聞いたことある苗字だな...〕」
ドッ!!
シュッ!
パシンッ!!
審判「ストライク!」
ミカサ「...」
サネス「〔んー...気のせいか〕」
ドッ!!
シュッ!
ミカサ「!」
クイッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
トーマス「うわっ、えぐ...何あのスライダー...」
アニ「〔ミカサのスライダーよりも曲がるなんて...正直驚いたよ、けど〕」
ドッ!!
シュッ!
クイッ!!
アニ「〔打てないっていうわけじゃないッ!!〕」
ミカサ「ッ!!」スッ!
キーンッ!!
ポタッ
トーマス「ライト前ヒット!!」
コニー「2点目~!!」
サネス「...マジで?俺の変化球で綺麗にヒットするの久々に見た気がするんだけど...」
ラルフ「感動してる場合か!」
サネス「おう、ラルフ!」
ラルフ「どうすんだよ」
サネス「まぁそう焦るなって、まだ試合始まったばっかだぜ?」
ラルフ「ま、調子崩してないならいいけどよ」
サネス「何をするのにも...情報収集ってのは肝心だぜ、相棒」キラッ
ラルフ「あぁそうだな...だが出来ればその顔はやめてくれ吐き気がする」
-
- 92 : 2015/07/18(土) 13:03:23 :
-
ウグイス「5番ライト、ブラウン君 背番号9」
スタスタ
ライナー「...」
マルセル「〔ライナー...見せてもらうぜ、お前の実力をな〕」
サネス「〔さぁてと、どうするか〕」
ドッ!!
サネス「〔ライトに打たせてやるかっ!!〕」シュッ!
ライナー「〔外高め...ストレート!!〕」スッ!!
キーンッ!!
サネス「うわぉっ!?」
タッタッタ!!
マルセル「〔さすがライナー...あのサネスさんの球を...けどっ〕」ダイブッ!!
ズサーッ!!
ミリウス「GO!」
アルミン「〔犠牲フライには十分!〕」ダッ!!
タタッ!!
ライナー「!」
マルセル「うらっ!!」シュッ!!!
タッタッタ!!
ズサーッ!!
アルミン「ッ」
審判「アウト!」
「おぉぉぉおおおおお!!」
ダズ「うそ...だろ?」
トーマス「フェンスギリギリのところから...ワンステップであんな送球かよ...」
アニ「〔決してアルミンのタイミングや速さには問題はなかった...こりゃ少し相手をなめてたね〕」
サネス「ナイスライト!」
マルセル「はいッ!!ツーアウト!ツーアウト!!」
スタスタ
アルミン「ごめんアニ、送球見てなくて判断出来なかった」
アニ「今のはタイミングもフライもバッチシだったよ、あれは相手を褒めるしかないよ」
ライナー「...」
エレン「ライナー!惜しかったな!」
ライナー「あ、あぁ...悪いな」
エレン「気にすんなよ!次打ちゃいいんだよ!」
ライナー「あぁ...そうだな」
ウグイス「6番ピッチャー、フーバー君 背番号7」
ベルトルト「お願いします」
サネス「〔ふ~ん...ベルトルト...フーバーね...〕」
ドッ!!
シュッ!
ラルフ・ベルトルト「ッ!?」
パシッ!!
審判「ボール!」
ジャン「うぉっ、あっぶねぇ!」
トーマス「ナイセンナイセン!よく見えてるぞ!」
アルミン「〔あのサネスが糞ボール...何か狙ってるのか?〕」
サネス「いやぁ悪い悪い、汗で滑っちまった」
サネス「〔チッ、煽りは効かないか〕」
ドッ!!
シュッ!
クイッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
ベルトルト「〔今のがスライダー...〕」
ドッ!!
シュッ!
ベルトルト「〔ストレート!〕」スッ!
キンッ
ラルフ「ショート!」
敵モブショート「」パシッ
シュッ
パシッ!
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!」
アニ「さぁ2点入ったよ、無理せず安全に守りに行くんだよ!」
「はいッ!!」
-
- 93 : 2015/07/18(土) 14:20:25 :
アルミン「一回、しまっていこう!!」
「おうッ!!」
ウグイス「一回の裏、中央憲兵大付属高校の攻撃は...1番ショート、敵モブショート君 背番号6」
アルミン「〔球数は少なくして抑える〕」スッスッス
ドッ!
シュッ!
パシンッ!!
審判「ボール!」
アルミン「〔このバッターは今の2球で終わらせる〕」スッスッス
ドッ!
シュッ!
敵モブショート「!」
キッ
アルミン「サード!」
タッタッタ!!
ガシッ
コニー「うらっ!!」シュッ!
パシッ!
審判「...アウト」
アルミン「〔タイミング的にはギリギリセーフだった...やっぱり最初から足にかけてきたか...なら〕」
ウグイス「2番センター、敵モブセンター君 背番号8」
ドッ!
シュッ
敵モブセンター「〔なっ、舐めやがって...スローボールかよ!!〕」スッ
キーンッ!
パシッ!!
ミカサ「ッ!!」シュッ!!
パシッ!!
審判「アウト!」
敵モブセンター「なに!?」
アルミン「〔悪いけど、うちの二遊間・三遊間はそう簡単には抜けないよ...なんて言ったって〕」
ミカサ「ツーアウト!」
トーマス「オー、ツーアウト!」
マルコ「ナイスショート!」
コニー「サード来いよ!サード!!」
アルミン「〔あのリヴァイの妹がいるからね〕」
スタスタ
敵モブセンター「くそぉ、すまない」
サネス「まぁそう、焦るなって」
ウグイス「3番ピッチャー、サネス君 背番号1」
サネス「おなしゃーっす」
アルミン「〔サネスか...〕」
サネス「久しぶりだな、アルミン」
アルミン「...そうですね、サネスさん」
サネス「お前...なんでまた戻ってきたんだ?やめたって聞いたが」
アルミン「まぁ...野球馬鹿に出会っちゃいましてね...」
サネス「野球馬鹿...ねぇ」
アルミン「容赦はしませんから」
サネス「おうおう、怖いな...それからアイツは元気でやってるのか?」
アルミン「?」
サネス「アイツだよ...」
サネス「俺が喰った奴だ」ニヤッ
アルミン「ッ、ふz「君達、私語を慎みなさい」
サネス「は~い、はい」
アルミン「...すみません」
審判「プレイ」
ドッ!
シュッ!
パシンッ!!
審判「ボール!」
サネス「〔初球ボール...ね、変わってねぇな相変わらず〕」
アルミン「〔いらない演技してる...変わらない人だ〕」
ドッ!
シュッ!
パシンッ!!
審判「ストライク!」
サネス「〔まだだなぁ、まだ足りねぇ〕」
アルミン「〔振ってこない...ならいいよ〕」
ドッ!
アルミン「〔遠慮なしで叩き潰す〕」
シュッ!
パシンッ!!
審判「ストライク!」
サネス「〔おぉ、本当に容赦ねぇな...だが〕」
ドッ!
シュッ!
パシンッ!!
審判「ストライク!バッターアウト!スリーアウトチェンジ!」
アルミン「〔なんで今...振らなかったんだ?いや4球とも見ていた...ってことは偵察か?〕」
サネス「いやぁ~やられちゃった...」
アルミン「〔あんなこと抜かしてるけど...あなたの演技は中学で嫌というほど味わったんだ、そう簡単には騙されないですよ〕」
-
- 94 : 2015/07/22(水) 21:49:33 :
・・・
シガンシナ高校 0 0 0 0
中央憲兵大付属高校 0 0 1 0
トーマス「くっそ、塁には出るのに...なんで点が取れないんだ!」
アルミン「〔トーマスの言う通りだ、決して中央憲兵の守備をなめていたわけじゃない...なのに取れない。それに...〕」
ゼェハァ
ベルトルト「ハァ、ハァ、ハァ」ゼェハァ
アルミン「〔ベルトルトの異常疲弊...確かに球数は少なくはない...クッ、これも全部あなたの作戦通りですか...サネスさん〕」
サネス「いやぁ、どうなるかと思ったけど...案外崩れるのももう少しだな」
ラルフ「作戦通り、一人ファールを2回打って、一打席に6球投げさせて...今あの投手の球数は57球」
マルセル「もういいんじゃないですか?そろそろベルトルトも疲れてきてるみたいですし...」
サネス「甘いなぁ、マルセルは」
マルセル「え?」
サネス「いいか?高校野球ってのは一回でも相手に隙を見せたら終わりなんだぞ?」
マルセル「は、はい!」
サネス「だから~彼にはもっと苦しんでもらわなきゃ...そうだなぁ...モーゼス君より苦しんでもらうか」ニヤッ
ウグイス「5回の表、シガンシナ高校の攻撃は...5番ライト、ブラウン君」
ライナー「〔マルセル...俺は...どうすりゃ...〕」
ドッ!!
シュッ!!!
クイッ!!!
パシンッ!!
審判「ストライク!」
ライナー「〔くそっ、これで...俺が勝ったら...マルセルは...だが、逆に俺が負ければ...エレン達との約束はどうするんだ...どっちが...どっちだよ...〕」
サネス「〔ははっ、すげぇ薬が効いてるなぁ!こりゃ試合が決まったのも同じか?〕」
ドッ!!
シュッ!
ライナー「ッ!!」スッ
パシンッ!!
審判「ストライク!」
トーマス「ちゃんと球見ろ!」
マルコ「広く広く!」
ライナー「〔わかってる...わかってるけど...〕」
エレン「なにやってんだよ、ライナーの奴」
ドッ!!
シュッ!
ライナー「クッ!!」スッ
パシンッ!!
審判「ストライク!バッターアウト!」
ベルトルト「〔ライナー...かなり振り遅れてる〕」
スタスタ
ライナー「...」
ベルトルト「ど、ドンマイ」
ライナー「ッ、あ、あぁ...悪い」
ウグイス「6番ピッチャー、フーバー君」
エレン「おい、ライナー...お前ちゃんと集中してるのかよ」
ライナー「あぁ...してる...俺がバッターとしてまだまだ未熟だからだ...すまない」
エレン「そうじゃねぇだろッ!!」
「!?」
エレン「今日のお前...何か変だぞ」
ライナー「おいおいエレン...八つ当たりはよせよ...いくら俺でも耐えきれんぞ」
エレン「八つ当たりだぁ?何のことだよ、俺は試合には出てねぇんだぞ」
アニ「?」
ライナー「...ははっ、そうだったな...悪かった、ちょっと暑くて頭が可笑しくなっちまった」
エレン「俺らに何か話すことあるんじゃねぇのかよ...ライナー」
ライナー「...は?」
エレン「気づいてねぇとでも思ったのかよ、バレバレなんだよお前の様子が変ってこと皆気づいてるんだぞ」
マルコ「〔えっ、待って...ぼ、僕だけじゃないよね...?〕」
トーマス「〔い...いや、俺も知ってたし...うん、知ってた知ってた!ライナーの様子が変なのは知っ...らなかった〕」
ダズ「〔気づいてない俺はやっぱりダメ人間なのか!?〕」
ジャン「〔なんでこいつわかったんだよ...俺は今日一番ライナーと話してる時間長かったはずなのに...〕」
ミカサ「〔さすがはエレン〕」
アルミン「〔いやまぁいつものライナーではないことは僕もわかってたけど...何か隠しているのは初耳なんだけど...〕」
アニ「〔あんた皆を巻き込むなんて...〕」
コニー「俺も気づいてたぜ!」
「〔あぁ、馬鹿にはわかってたってことね...〕」
-
- 95 : 2015/07/22(水) 23:09:30 :
ライナー「...」
エレン「なぁ、話せよ」
ライナー「...スゥーッ、ハァーッ...わかった、話す」
ライナー「...相手のライト...いるよな」
エレン「あぁ」
ライナー「あいつは昔から俺とベルトルトの親友だったんだ」
__________________________________
______________________________________________
___________________________________________________________
少年リトル時代
ドッ!!
マルセル「ッ!!」シュッ!
敵モブ「うりゃっ!!」スッ!
パシンッ!!
審判「ストライク!バッターアウトスリーアウトチェンジ!」
マルセル「おっしゃぁ!!」
ライナー「ナイピッチ!すげぇな!!マルセル!!」
マルセル「へへっ、だろだろ?」
味方モブ「ベリック!この回も頼むぞ!!」
マルセル「任せろ!!」
彼の名前は【マルセル・ベリック】...ポジションはピッチャー・外野手、本来はピッチャーだが彼の野球センスは類まれ無いほどのものだった。その圧倒的存在感はウォール県内にも声は行き渡り、全国の中学校から声をかけられている。
味方モブ「ゲェっ、でもこの回の先頭バッター...」
ウグイス「6番レフト、フーバー君」
マルセル「がんばれよ!ベルトルト!」
ライナー「打て!ベルトルト!」
ベルトルト「〔む、無理だ...僕なんかが...打てるわけない...〕」
パシンッ!
審判「ストライク!バッターアウト!」
ベルトルト「ぁ...」
味方モブ「ケッ、ベリックの前でランナー貯めたかったのに下手っぴがいるから」
ライナー「おい!あんまベルトルトを悪く言うな!!」
マルセル「おいおい、喧嘩すんなよ!試合中だぜ?」
ウグイス「7番ライト、ブラウン君」
ライナー「ベルトルト!そんな落ち込むな!」
ベルトルト「ぇ、ぁ、ぅん...」
ライナー「俺が代わりに打ってきてやる!」ニッ
ドッ!
シュッ
ライナー「ウォァアアアアアア!!!」スッ!
キーンッ!!
マルセル「おぉ!左中間割った!!」
ベルトルト「!」パァッ
ズサーッ!
審判「セーフ!」
ライナー「へへっ、言ったろ!!」ガッツポーズ
ベルトルト「ライナー...凄い!!」
そして、試合は6-5で逆転勝ちした。
ベルトルト「ベリックとライナーはどうしてそんなに強いの?」
マルセル「え?なんだよいきなり」
ライナー「強いって言ってもな...」
ベルトルト「僕も...僕も二人の力になりたい!強くなりたい!野球が上手くなりたい!!」
マルセル「...ははっ、いいぜ!ライナー!いつものあそこ行こうぜ!!」
ライナー「あぁ!」
ベルトルト「いつものって?」
ライナー「俺達の秘密特訓場だ!」
-
- 96 : 2015/07/22(水) 23:15:31 :
しばらくして...
ライナー「ここが俺らの特訓場だ!」
ベルトルト「でも...ここって神社なんじゃ...」
マルセル「大丈夫、大丈夫!ここ人滅多にこねぇから!」
ベルトルト「そういう問題じゃ...」
ライナー「じゃぁ今回からベルトルトも入れて、3人で毎日特訓しようぜ!」
マルセル「いいぜ!」
ベルトルト「ッ、いいの...?」
ライナー「当たり前だろ!」
マルセル「いっ...」ズキッ
ライナー「ん?どうした?」
マルセル「いや...何でもねぇよ」
この時ライナー達は気づいていなかった。マルセルの...異変に
そして、中学1年のある日に...肩の爆弾が爆発した...
「ぐぁぁぁああああああ」
ライナー「マルセル!?どうした」
マルセル「肩ガ...クッ」
ベルトルト「マルセル...びょ、病院に行ったほうが...」
マルセル「ば、馬鹿野郎...試合中に...行けるかよっ」
ライナー「いや行って来い、後で後悔するより今行った方が絶対的に安全だ」
マルセル「ライナー...すまねぇ...」
監督「なら...ベルトルト君交代」
ベルトルト「ッ、ぼ、僕が...」
監督「ん?嫌ならいいんだぞ、まぁその代わりお前は一生使わないがな!」
ベルトルト「ぅっ...」 ワシャワシャ
ベルトルト「! ライナー?」
ライナー「任せろ、ここは俺に」
ライナー「監督、俺が投げます!」
監督「そうか」
ライナー「ベルトルト、お前は心の準備をしとけ」
ベルトルト「ぁ、う、うん」
ライナー「ふぅ...保ってくれよ...肩」
・・・
7回の裏、あと一人抑えれば勝ちとなる場面...
パシンッ
審判「ボール!スリー」
ベルトルト「〔なんだ?いつものライナーじゃないような...確かにライナーはコントロールは良くないけど、何か腑に落ちない〕」
ライナー「〔くっそぉ、俺もマルセルと同じで...肩やっちまったらしいな...けど、ここで降りたらベルトルトに回される〕」
ライナー「〔あいつは自信があれば俺やマルセル...いやそれ異常だって行くかもしれないんだ...ここでアイツが落ちたら今までの努力が意味ねぇ!!〕」
ドッ!!
ライナー「ウォォオオオオッ!!!」シュッ!!
パシンッ!!
ベルトルト「!」
審判「ストライク!バッターアウト!ゲームセット!」
ベルトルト「ライナー!」
ライナー「...」
ベルトルト「ライナー?」
ドタッ
ベルトルト「ライナァー!!」
診断結果...肩の使いすぎで骨が曲がってしまったという
ライナー「なぁに、どうってことないさ」
ベルトルト「でも...君は...僕のために...」
ライナー「...ふっ、ベルトルト」
ベルトルト「?」
ライナー「もし気にしているなら...これからは俺のために投げてくれないか?」
ベルトルト「!」
ライナー「俺の肩はもう使い物にならん、けどお前には才能があるんだ」
ベルトルト「そんな...やめてくれライナー...僕は...君がいたから...」
ライナー「...俺はピッチャーは出来ん、だが外野手なら出来ると言われた」
ベルトルト「!」
ライナー「俺はこれから...投げる方ではなく、打つ方に専念する。その代わりお前は投げる方に専念してくれないか」
ベルトルト「...」
ライナー「...」
ベルトルト「...わかった、僕はライナーの分まで投げ勝ってみせるよ!」
ライナー「...あぁ、頼むぞ」
-
- 97 : 2015/08/21(金) 22:56:37 :
そして、中学2年以降...ベルトルトはスタメンで選ばれるまでに成長し、その実力はライナーやマルセルをも超えてしまうものだった。
ライナー「お前最近調子良さそうだな!」
ベルトルト「え、いやそんなことないよ...たまたまさ」
ライナー「かっこつけやがって...でも、安心したよ」
ベルトルト「え、何をだい?」
ライナー「お前が投手としてやってることだ」
ベルトルト「僕は...ライナーやマルセルがいたから...」
ライナー「相変わらずガッツキが足りない奴だなぁ、お前」
ベルトルト「そう言えばマルセルは...どうなったんだろう」
ライナー「さぁな...あれから連絡がないんだ...」
ベルトルト「早く...戻って、また三人で野球...したいな」
ライナー「大丈夫だ、高校はウォール県内の学校に入って...三人で甲子園に行くって約束しただろ?」
ベルトルト「...あぁ!」
ライナー「あいつは帰ってくる...それまでに俺達が強くなってアイツを驚かせようぜ!」
ベルトルト「わかった!」
ライナー「さぁてと、いつもの特訓行くか!」
ベルトルト「うん!」
こうして、ライナーとベルトルトは自分たちの夢に向かって練習していった。だが、その夢はすぐ叶わないこととなる。
中学3年夏の前
ライナー「なに!?マルセルがウォール県内行きの電車に乗って行っただと!?」
モブ「あぁ、昨日見たんだ!大きい荷物を持ってたな!」
ベルトルト「そ、そんな...」
ライナー「あ、ありえねぇ...そんなの嘘だろ!!」
モブ「いや嘘じゃねぇって!」
ライナー「あいつが...俺達を裏切って...先に行って...甲子園に行こうっていうことか!?」
ベルトルト「で、でも...まだそう決まったわけじゃないよ!もしかしたらウォール県内の病院に行ったのかもしれない!」
ライナー「ベルトルト...」
ベルトルト「信じよう!マルセルを!」
ライナー「...あぁ、そうだな...まだ何もわからないんだ...証拠もないのに疑っちゃ悪いよな!」
ベルトルト「そうさ!」
ライナー「そうだよな...よし、今年最後の大会で...良い成績出して、マルセルを迎えるぞ!」
「オーッ!!」
-
- 98 : 2015/09/04(金) 16:49:48 :
_______________________________
________________________
________________
ライナー「結局、アイツは俺達に何も言わずに一人で行っちまった」
「...」
ライナー「ッ、お、おい!そんな暗くなるなって!現に今はこうやって相手として戦ってるんだから...アイツがまた野球をしている姿を見れて、安心してる。」
ライナー「ただまぁ、今となってもアイツが何も言わずに行っちまった理由がわからないがな!」ハハハッ
アルミン「...」
アニ「...」
「...何が信じるだ...」
ライナー「え」
エレン「何が...安心してるだ...?」グググッ
ミカサ「エレン...?」
エレン「お前...本当にアイツ(マルセル)が行った理由がわからないっていうのか!?」
ガシッ ガンッ
トーマス「お、おい!エレン!」ダッ
ダズ「落ち着けって!」バッ
エレン「お前...冗談言ってるんじゃねぇよな...本当に...わからないのか!?」
ライナー「きゅ、急にどうしたんだ!エレン!それに...わからなくて当然だろ!?何も言わずに出て行くなんて...わかるはずがない」
ミカサ「エレン、やめて!」スッ
ガシッ
エレン「クッ、離せよッ!!」ギリッ
ミカサ「ッ」
エレン「アイツが...なんでお前らに理由を言わなかったのか...それが...わからないっていうのか...単純なことなのに...」
アルミン・アニ「!」
エレン「ソイツは...アイツは...お前とベルトルトと約束したんだよな...?」
ライナー「あ、あぁ」
エレン「だったらどうして...真っ先に病院にお見舞いに行ってやらなかったんだよ...」
ライナー「えっ...それは...アイツが来るなって...」
エレン「本当にそう思ってたのか?もしそうだとしたらお前らの友情って底が知れてる物だったってことだな」
ライナー「」ピキッ
ライナー「エレン、さすがのお前でも今の言葉は頭にくるぞ...いくら仲間だとしても言って良いことと、悪いことがあるぞ!」
コニー「そだぞ、エレン!今すぐライナーにあy」 ガシッ
コニー「モゴーッ、モゴモゴ」
ミカサ「静かに...」ギュゥッ
エレン「友達だったり、あるいは仲間だったら真っ先に心配するのは当然だろ!本当にアイツが来るなって言ったとして、それでも行くのが友達ってものだろッ!!」ガンッ!
ミカサ・アルミン・アニ「...」
ライナー「...クッ、わかってる...だけど...一人にしておく時間も必要だろう...わかるだろ、お前だって...」ウルウル
エレン「あぁ、わからんねぇな!そんなの」
ライナー「え...」
エレン「もしお前が怪我や病気で倒れたら...俺は真っ先にお前のところに行くよ、それがどんなに止められてもな...」
ライナー「...」
エレン「そんなんだから...アイツは余計にお前らを心配して...一人で怪我を治そうとしたんだろ」
ライナー「ッ」
-
- 99 : 2015/09/04(金) 16:49:58 :
-
バッ
エレン「お前が何に惑わされてるのかは知らないし、興味もない!だけどな、今は試合中なんだぞ!シャキッとしろよな!」
バシッ!
ライナー「いてっ、いってーな!この野郎!!」バシッ!
エレン「いっつ...何しやがるんだよ!!」
ライナー「お前が最初に叩いてきたんだろ!これでお相子だ!」
エレン「うるせ!」バシッ!
スタスタ
アルミン「戻った...のかな」
アニ「さぁね...けど、ライナーはもちろんだけど...」チラッ
ライナー「待てコラ!」
エレン「うぉっと!?」スルッ
アニ「本当にあいつは成長したよ...この半年間で」
コニー「お、なんだなんだ!?戦いごっこか!?俺も混ぜろよ!!」ダッ
バシッ! ボカッ! バシッ!バシッ!
アルミン「...そうだね、少なからず僕も世話にはなったよ...アニもでしょ?」
アニ「...ふっ、かもね」
ジャン「てめぇらッ、いい加減にしろ!!試合中だぞ!!」
アルミン「〔このチームは強くなってる...確実に...もう前と同じような想いは...しない〕」 バコッ!
「あっ」
コニー「に~っひっひっひ!悔しかったらやり返してみろよ!バーッカ!!」 ゴゴゴッ
ガシッ!!!
コニー「いってててててっ、なぁにすんだよ!!この馬鹿力...が...」ポカーン
アルミン「ふ~ん、やり返してみろよ!...か、いいねその言葉...気に入ったよ...とても...ね?」ピキピキ
コニー「あわわわわわ」
「(馬鹿はお前だよ...やっぱ)」
アルミン「サイン無視した挙句に、先輩の後頭部に拳を当てるなんて...コニー君はさぞ楽しかっただろうなぁ」ニッコリ
コニー「ひ...ひ...ぇ...」ガクガクブルブル
アルミン「あのさ...一つ聞きたいんだけど...誰か試合中にふざけて殴り合いをしていい...なんて言った?」チラッ
エレン「い”...えっと...それはその...」ガクガクブルブル
アルミン「あるいは、誰か止めようと思わなかったのかな?」チラッ
ライナー「え”...いやその...」ガクガクブルブル
アルミン「そう言えばある一人はそれを見て、止めるどころか自分まで参加してたっけ?」チラッ
コニー「あ...あ...あがっ」プルプル
アルミン「試合終わったら...一人ずつ...面談...しようね?」ニコリ
コニー・ライナー・エレン「は...はぃぃ」
ジャン「〔アホだ〕」
トーマス「〔俺も少し混ざってたことは秘密にしておこ...〕」
ミリウス「〔そう言えば俺のこと忘れられてるような気がするんだけど〕」
ダズ「〔あ、アルミン先輩と面談...担任の先生よりこぇぇええっ〕」
ミカサ「〔エレンはまだ子供っぽいところがある...これは叱らなければならない...先輩ほどほどに...〕」
アニ「...ふっ、前より楽しそうにしてるじゃないか...」
アニ「〔良かったね、アルミン〕」
アルミン「三人共この試合中ベンチにいる時はずっと正座ね」
コニー・ライナー・エレン「は、はぃぃ」
アルミン「それから今日の荷物持ちは三人で全員分を持ってもらうから...あ、言っとくけどバスは使わせないよ...歩きでね」
コニー「いやだぁぁぁぁぁあああああ、死ぬぅぅぅうううううううッッッ」ナミダメ
アルミン「なら最初からやらなきゃよかったんじゃない?」
「〔ごもっとも〕」
-
- 100 : 2015/09/04(金) 22:55:12 :
パシンッ!
審判「ストライクツー!」
トーマス「高いぞ!よく見ろ!」
ダズ「広く広く!」
アニ「〔さて、チーム感は取り戻したものの...依然点を取れないまま...一点差で勝っていても、特にこちらが押している流れでもない時っていうのは一番怖い〕」
サネス「〔さぁてと...ちゃんと流せよ?〕」スッ
ドッ!!
シュッ!
ベルトルト「〔外低め...ストレート!〕」スッ!
キーンッ!
「おぉ、良い打球!!」
パシッ!
ベルトルト「〔うっ、あれを取るのか!〕」ダッ!!
敵モブショート「ふっ!」シュッ!
ベルトルト「〔間に合え!!〕」ダイブッ!
ズサーッ
審判「...アウト、アウト!」
トーマス「マジかよ、今のアウトかよ!」
ダズ「ギリセーフかと思ったのに...」
ライナー「〔まるでベルトルトが三遊間に流すのをわかっていたかのような処理だったな〕」
アルミン「〔あんまり走るとスタミナ削れちゃうでしょ...でもまぁ、ナイスファイ〕」
ウグイス「7番セカンド、ボット君」
スタスタ
ベルトルト「ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
エレン「ナイスラン、ベルトルト」
ベルトルト「あ...うん...ハァ...ごめん...」ゼェハァ
エレン「何謝ってんだよ、負けてるわけでもないのによ!それよりほら、飲料取っとけ暑いだろ?」スッ
ベルトルト「あ、ありがとう...ハァ...エレンは...凄いね...」ゼェハァ
エレン「ハァ?俺のどこが凄いんだよ、怪我してお前らに迷惑かけて投げも出来ねぇ奴が背番号1なんかもらって」
ベルトルト「でも...エレンは...それでも...僕らと一緒に戦ってくれてる」
エレン「...ふふっ、あははっ...馬鹿か、お前」
ベルトルト「え...?」
エレン「そんなの当たり前だろ?仲間なんだから」
ベルトルト「ッ...あ、あぁ...そっか...そうだよね、僕らは...仲間...なんだよね」
エレン「なぁに当たり前なことを今気づいたようなこと言ってるんだよ」
ベルトルト「いや...ごめん...中学の頃は...君みたいに...僕をチームの一員として扱ってくれるのが...数人しかいなかったから」
エレン「...ハァ...お前らホント似てるな」
ベルトルト「え?お前...ら?」
エレン「そうだよ、ライナーの奴もそうだったよ...今はもう違うかもしれねぇが」
ベルトルト「ライナーが...僕と同じようなことを..思ってたってこと?」
エレン「そうだよ!ったく...タイタン中の奴らみんなそんな奴らばっかか?だとしたら俺の地元に来たら全員いじめにあってるぞ」
ベルトルト「は、はははっ...それは...勘弁してほしいな」
エレン「安心しろ」
ベルトルト「えっ?」
エレン「もう...中学の時みたいな想いはさせねぇよ...というかこいつらだったら絶対しないよ」
-
- 101 : 2015/09/04(金) 22:55:31 :
ベルトルト「!」
ジャン「そうだぜ、ヘロヘロデカ!お前一人で何悩んでるんだよ!いつもネガティブオーラ満載だけど、今のお前はテラネガティブオーラ満載だぜ!」
コニー「ジャンの言う通りだぜ!俺達はもうとっくに仲間なんだぜ?」
アルミン「もし一人で悩んで体調とコンディション落としたら、許さないからね」ユビサシ
ミカサ「大丈夫、私達ならもうどこにでも負けないチームになっている。もし不安があるのならそれは自分に自信がないだけ、でもあなたは今中央第一憲兵高校を無失点に抑えてる。自信を持って欲しい。」
ミリウス「俺はベルトルトとあまり接してないけど、俺はお前がいないとこのチームが成り立たないと思う...だから、まぁ頑張ろうぜ」
ダズ「ベルトルトは...凄いよな、野球の才能があって...正直言って羨ましい!けど、俺はまだレギュラーを諦めたわけじゃないぞ!だから覚悟しとけ!」
アニ「あんた...まだこいつらを信用出来ないっていうの?まぁ確かにあんたらが入ってきたのはこいつらに比べて日が浅いかもしれないけど...あんたの親友はもう信用してるみたいだよ」
ベルトルト「えっ...」チラッ
ライナー「ベルトルト...ふっ、勝った後マルセルにガツン!と言ってやろうぜ!そして...行くぞ、こいつらと甲子園に」
ベルトルト「ライナー...ぅっ...ごめん...僕は...」グスグス
ライナー「馬鹿、泣くな!男が泣いたらかっこ悪いだろ?」
サシャ「そうですよ、ベルトルト!またなよなよしてるとアニ先輩に怒られちゃいますよ?」
アニ「サシャ...あんたいつになったら...私のこと監督って呼ぶの?」ギロッ
サシャ「ひぃぃいいいいい、神ぃいいいいいいお助けぇぇエエエエ」
ゴリゴリ
パシンッ!
審判「ストライク!バッターアウト!スリーアウトチェンジ!」
アニ「さ、この回も無失点に抑えてくるんだよ!」
「はいッ!!」
-
- 102 : 2015/09/05(土) 00:05:34 :
ウグイス「5回の裏、中央第一憲兵大学附属高校の攻撃は...2番センター、敵モブセンター君」
敵モブセンター「しゃっす!」
アルミン「〔さ、この回をさっさと終わらせてグラセンをやってるうちに体力を少しでも回復させちゃおう〕」スッスッス
ベルトルト「〔エレンは...いやみんなはもう...僕のことを...仲間だと思ってくれてた...嬉しかった...〕」コクッ
ベルトルト「〔凄く嬉しかった...エレンが...みんながあんなことを言ってくれて...〕」スッ!
ドッ!!
ベルトルト「〔だから...僕は...そんな優しい仲間と一緒に...勝ちたい!!〕」
シュッ!!
敵モブセンター「!」
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
サネス「は...?どうかしたか?」
ラルフ「いや...今の球...今までより...速く見えたぞ」
サネス「そんなわけねぇだろ、アイツはもう限界なんだぜ?なのに球威が上がるわけ」 パシンッ!!!
審判「ストライクツー!」
サネス「おいおい、マジかよ!なんで当てねぇんだよ!?」
ラルフ「だから言ってるだろ!ストレートが...いやアレは...キレがよくなってやがる...まさしくノビのある球だ」
ドッ!!
ベルトルト「ッ!!」シュッ!!
敵モブセンター「くそっ!」スッ
パシンッ!!!
審判「ストライク!バッターアウト!」
観客「おぉぉおおおお!!」
アルミン「ナイピッチ!」シュッ
アニ「〔今のストレートといい、ベルトルトの素質はもしかして...〕」
アルミン「〔紛れも無い...この感触...ノビのある球だ...けど、ミカサとは違う〕」
アニ「〔ミカサやリヴァイのストレートが本来のストレート...キレと重さ...この二つが絶妙に揃った神業とも言える技術...これは普通の人間じゃさぞ難しい...〕」
アルミン「〔けど、稀に球のキレが凄まじいストレートを投げる投手が現れる...それは5年一度...いやもっと長い期間に...数人〕」
アニ「〔その数人の中に...まさかあの臆病なベルトルトが...なんて思わなかったよ〕」
アルミン「〔それに相手は今ベルトルトの状態をこう思っているはずだ、スタミナが切れて崩壊寸前...ってね、このラッキーはでかい〕」
-
- 103 : 2015/09/05(土) 00:05:43 :
ウグイス「3番ピッチャー、サネス君」
サネス「〔そんなはずがねぇ...球のキレが前より増してるだ?そんなの漫画じゃねぇんだ、あってたまるか!〕」
アルミン「〔さて、こいつを凌げば第一苦難突破ってところだ〕」
サネス「〔アイツの球種はマルセルによればストレート合わせて3つだ、縦に落ちるドロップカーブ...決め球のフォーク〕」
アルミン「〔今の流れは完全にうちだ、引くことはない...ストレート全力投球を内高めギリギリに〕」スッスッス
ドッ!!
ベルトルト「ッ!!」シュッ!!
サネス「〔クッ、内高め!!〕」スッ!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
アルミン「ナイピー!」シュッ
サネス「〔球が手元でノビやがった...一二打席目より...ありえるのか...そんなこと〕」
アルミン「〔合間を開けずに、外真ん中にストレート...今度は全力投球じゃないからね〕」スッスッス
ベルトルト「〔きっとアルミン先輩は3球で終わらせるつもりだ、だとしたらこの指示の真意は、主役を活躍させるための前準備〕」コクッ
ドッ!!
シュッ!
サネス「〔くそっ、今度は外真ん中!早めに振れ!!〕」スッ!!
パシンッ!!
審判「ストライクツー!」
サネス「〔なっ...さっきの球よりノビなかった...だと!?〕」
アルミン「〔そうじゃない、正しくはさっきのストレートより遅いストレートを投げさせただけだ。さぁこの球で決めるよ〕」スッスッス
ベルトルト「!」
ドッ!!
シュッ!
サネス「〔また外!今度は騙されるかってんだッ!!〕」スッ!
クイッ!!
パシンッ!!
サネス「〔なっ...縦に落ちる...カーブ...だと!?〕」
審判「ストライク!バッターアウト!スリーアウトチェンジ!」
ベルトルト「先輩最後の球...どうしてフォークじゃなかったんですか?」
アルミン「ん?答えは簡単だよ、君のカーブは普通のカーブより球威がある...もっとも、カーブに球威がある、なんてそんなのカーブじゃない!っていう人もいるけど」
ベルトルト「というと...?」
アルミン「サネスさんは変化球を捉えるのが上手いんだ。だけど、裏を返せば速めの球は苦手っていう意味さ」
ベルトルト「ならどうして...最後に変化球を...?」
アルミン「そりゃ決まってるじゃないか...」
ベルトルト「?」
アルミン「人の自信があるもので崩せば、相手は相当動揺するからね」ニコリ
ベルトルト「〔...僕は...思った...〕」
ベルトルト「〔こんなに頼れるキャッチャーが中学時代にもいれば...どれほど配球に苦しまずにいられたか、と...けど...でも...〕」
ベルトルト「〔この人が相手じゃなくて...本当に良かった〕」ウルウル
-
- 104 : 2015/09/05(土) 01:04:26 :
ウグイス「5回が終わりましたので、両チームでグランド整備を行ってください。」
「オーッ!!」ダッ
アルミン「ベルトルトはこのままベンチで休んでおくこと、カロリーと飲料取って...アンダー代えるなりしてて」
ベルトルト「はい!」
スタスタ
コニー「そう言えば次の回先頭誰からだったっけ」
トーマス「俺ッ!」
ミリウス「次は俺」
ジャン「そん次が俺か、お前らどっちでもいいから塁に出ろよ」
トーマス「任せろってんだ!」
ミリウス「あぁ!」
アルミン「〔恐らく次の回で点を入れるのは難しい...だから、7回で...動き出そう...〕」
エレン「ん、ライナー!」
ライナー「どうした?」
エレン「あれ」
チラッ
マルセル「よっ、ライナー」
ライナー「おぉ、マルセル」
マルセル「ソイツは?」
ライナー「あぁ...俺らのエース...エレンだ」
マルセル「エース...」
エレン「バカッ、何相手に挑発してんだよ!!」
ライナー「挑発なんてしてない、事実を言っただけだ」
「...あっはっはっは」
エレン・ライナー「!」
マルセル「そうか、お前がライナーの言ってた奴か...俺はマルセル・ベリックだ、よろしく」
エレン「あ、あぁ...エレン・イェーガーだ、よろしく」
マルセル「なぁ、あんたに一つ聞きたい」
エレン「ん?」
マルセル「率直聞くよ...なんで試合に出ないんだ?」
ライナー「!」
マルセル「まさかとは思うが...うちを舐めてるのか?」
ライナー「そ、そういうことじゃない!コイツには訳があって!」
エレン「ライナー!」
ライナー「!」
エレン「...腹を立てたら悪いと思ってます。けど、俺は別にあなた達を決して舐めているわけではないです。ましては今日のスタメンはうちの最大限です。」
エレン「エースである俺が試合に出れないのは...俺の自己管理が出来てなかったから、俺がまだ弱いから...だから、怪我をしてこのザマです。」
マルセル「...ふっ、それを聞いて安心したよ。俺の方こそ悪かった、失礼なことを聞いて」
エレン「いや全然大丈夫です」
「ハハハッ、いいねぇ...熱いねぇ!友情ってやつは」
マルセル「ッ、サネス先輩」
サネス「やぁ、君がシガンシナ高校のエースだって?」
エレン「...はい」
サネス「そうか、それで出れないのは怪我のせいだって?それは残念だ、エース対決をしたかった」
エレン「...そうですね、ですが今のうちの投手も十分エース級の奴です。何かご不満でも?」
ライナー「なっ、お前こそ何挑発して!」
サネス「ハハハッ、気に入ったよ!エレン君...どうだろう、その怪我も含めうちで野球をしていくのは?」
エレン「はっ...?」
サネス「もちろん、君だけを誘ったわけじゃない...ライナー・ブラウン君、君も1年としては勿体無いくらいの素材を持ってる。うちに来ないか?」
マルセル「ちょ、ちょっと待って下さい!どういうことですか!サネス先輩!」
サネス「うるせぇな、治ったばかりのガラクタが」ボソッ
マルセル「ッ」
サネス「てめぇの怪我を治させたのはどこの誰のおかげだと思ってんだよ、オイ」ボソッ
マルセル「うっ...すみません」
サネス「わかればいいんだ、マルセル君」ニコッ
-
- 105 : 2015/09/05(土) 01:04:37 :
- サネス「さぁ、どうかな?悪くない話だろ?君の親友もいる学校だ、かつ彼の怪我も治せる最新の治療技術も揃えてある。」
ライナー「うっ...」
サネス「また友達を怪我させて辛い想いをさせたいのか?そこら辺のことをよくわかっているのはライナー君...君だけだ、君だけがエレン君を救える」
ライナー「俺...だけが...」
「いいんだぜ、ライナー」
ライナー「え?」
エレン「お前が選べよ、こんな詐欺っぽいことを吹きこまれて他人の意志でお前は動いているのか...それとも自分の意志で動いてるのか...お前はどっちなんだ?」
ライナー「...俺は...俺は...」グググッ
マルセル「ライナー...」
ライナー「俺は...もう...大事なものを無くすのは...もう嫌だッ!!」
サネス「...そうだね、よく言った!それでこそ男だ!それじゃぁこの試合が終わった後すぐにそっちの学校n「何言ってんだよ、おっさん」
サネス「は?」
エレン「誰もあんたのところに行くなんて言ってないだろ」
サネス「な、何を言うんだ?エレン君、君はさっき聞いただろう?ライナー君の言葉を...そう、大事なものを無くすのは嫌だと」
エレン「そうだよ、ライナーはそう言ったんだ」
サネス「まだまだ頭が固いようだね、エレン君...いいだろう、うちに来ればその固い頭も豆腐のように柔らかい頭にしてあげy「だからさっきから何言ってだよ、おっさん」
サネス「ぐっ...君、いいかね?僕は仮にも3年生なんだ...上級生におっさんはどうかと思うよ?それにまだ理解出来てないようだね」
ライナー「理解出来てないのは...お前の方だ、サネス」
サネス「はぁ?」
ライナー「俺は大事のものを無くすのをいやと言ったんだ」
サネス「だから、うちに来るということだろう?」
ライナー「どうやら頭が固いのはあんたの方らしいな、俺はもう大事なものを無くすのがいやなんだ...それは怪我で友達を失うことじゃない...友達をどこかへ行かせてしまうことだ!」
マルセル「!」
サネス「ふふふっ...あはははっ、おいおい正気で言ってるのか?」
ライナー「俺は本気だ」
サネス「クククッ...あはっはっはっは、アホだ!バカだ!低知能め!友達をどこかへ行かせてしまうこと?笑わせるな!それをやったのは2年前のお前じゃないか!」
ライナー「あぁ...そうだ、俺はマルセルに...その過ちをしてしまった...だからこそ、もうそんなことを繰り返してはダメなんだ!」
ライナー「あの時俺のした過ちは、マルセルを引き止めることなく、行かせてしまったことだ!だが、今回はそうはいかない!俺はエレン達と甲子園に行く!!」
サネス「甲子園に...だ~っはっはっは、なぁに腑抜けたこと言ってんだガキが、お前らのような弱小校が俺達を倒して、かつ調査高校をも倒して甲子園に?ふふふっ...あっはっはっは!」
サネス「それに...お前、マルセルとの約束はいいのかぁ?確か三人で甲子園に行くとかほざいてなかったか?そんなことも破っちまう奴が甲子園に...くふふふっ、だっひゃっひゃっひゃ」
「...おい、何が可笑しいんだよ」
サネス「あ?」
エレン「仲間との決意を言って...何が可笑しいって言ってんだよッッ!!!!」
サネス「決意?はっ、また熱いことを言うんだな!そうだな、何が可笑しいか?簡単だ、てめぇらみたいなガキがホイホイ言う甲子園はそう甘くねぇってことだ」
エレン「...覚えてろよ、さっきの言葉」
サネス「覚えるねぇ...いいぜ、覚えてやるよ!お前らのそのドブネズミのような顔もな!」
エレン「...行くぞ、ライナー」
ライナー「あ、あぁ!」
スタスタ
サネス「ケッ、最近のガキはこれだから...」
マルセル「...」
サネス「おい、ガラクタ!さっさとずらかるぞ」
マルセル「...はい...」
グググッ
-
- 106 : 2015/09/11(金) 01:33:05 :
ウグイス「6回の表シガンシナ高校の攻撃は...8番ファースト、ワグナー君」
トーマス「おーっし、来い」
審判「プレイ!」
サネス「〔やれやれ、最近のガキは生意気なのが多いなぁ...ならここはいち人生の先輩として社会の厳しさを教えてやるか〕」
アニ「〔打者はトーマス、ランナーはなし...か、トーマスは本来打順としては2番に置いても面白い人材。バッティング・バント・ランニング、3点セット平均的はなかなかいない〕」
アニ「〔ここで積極的に打たせて経験を取るか、現状を受け入れ慎重行って結果を取るか...〕」
トーマス「〔監督、打たせてください!〕」キリッ
アニ「〔ッ...ふっ、どうやら心読まれてたみたいだね...いいよ、振ってきな〕」スッスッス
トーマス「〔はい!〕」
ドッ!!
サネス「ほれっ!!」シュッ!
トーマス「〔外...低め!〕」スッ
クイッ!!
パシンッ!!
審判「ストライク!」
トーマス「〔くっそ、スライダーだったか...確かこの人スライダー・カーブ・シンカー・シュートが持ち球だったよな...だとしたら次は内の高めストレート来るんじゃねぇか?〕」
ラルフ「〔外意識したよな...なら次は内高めに速い球を〕」スッスッス
サネス「〔いいや、ダメだな...〕」ブンブンッ
ラルフ「〔はっ...じゃぁ内低めにストレートか?〕」
サネス「〔それも違う〕」ブンブン
ラルフ「〔じゃぁどこだよ!?外連続投げたらこいつは打つぞ!この8番は打てる下位打線のやつだぞ!〕」
サネス「〔わかってるよ、だが内はダメだな...外高めにもう一球スライダーだ!〕」ドッ!!
トーマス「〔内高め...高め...この投手はミカサほど速くない!打てる!!〕」ギュゥッ
シュッ!
ラルフ「〔なっ、あのバカ!!〕」
トーマス「〔外...逆か、だが関係ねぇ!高めなら儲けものだ!!〕」スッ
クイッ!!
パシッ!
審判「ストライクツー!」
トーマス「〔スライダー!?もしかして俺読まれてたのか?〕」
ラルフ「ったく、ナイスボール!」シュッ
サネス「〔やっぱ内だって読んでやがった...鋭い感も実力がなきゃ意味がねぇぞ?ガキ〕」
ラルフ「〔お前の考えてることわかった気する...どうせ、次は外低めストレートだろ?〕」スッスッス
サネス「〔おっ、さすがは俺の相棒...わかってるじゃん!〕」コクッ
ドッ!!
トーマス「〔次はどっちだ...外か?いや次こそ内にストレートだ!〕」
シュッ!
トーマス「〔なっ、また外!しかも、低めに速いストレート!〕」スッ
キッ!
審判「ファール!」
サネス「ん、当てやがった」
ラルフ「〔マジかよ、外いっぱいのストレートだぞ...あれを当てるのか〕」
トーマス「〔俺はミカサやアルミン先輩みたいにホームランは打てない...けど、俺にだって出来ることがある!それは...〕」
トーマス「〔ヒットだ!どんなに汚い打球だろうがどんなにギリギリセーフな辺りだろうが塁に出りゃいいんだ!ましてや当てることなんて、パワプロの160km投げられる投手よりかはましだ!!〕」
サネス「〔ほー...やるな、そうだ...当てた褒美だ、喜べ〕」スッ!!
ラルフ「〔! まさかお前...〕」
サネス「〔1年からこんな球見れるなんて...なかなかないんだ、ありがたく思えよ!!〕」ドッ!!
シュッ!!!
トーマス「〔来た!内高め!!待ってたぜッ!!!!〕」スッ
ギュルルルルゥゥッ クイクイッ!!!
トーマス「ッ」
パシンッ!!!!
バタンッ
トーマス「いっ...てぇ...」
審判「ストライク!バッターアウト!」
-
- 107 : 2015/09/11(金) 01:34:11 :
・・・
観客「おぉぉおおおおおお、出た!サネスの決め球!高速シュート!!!」
観客「しかも、あのキレ、普通のシュートよりやべぇ!」
ライナー「ッ...」
アルミン「来たか...」
ミカサ「...」
アニ「〔チッ、また厄介な球...去年あの球でどれだけ苦労したか〕」
トーマス「〔す、ストレートとほぼ同じ速さで...〕」
アルミン「〔かつ、キレは通常のシュート以上に曲がる...ここで切り札を使って来たか〕」
スタスタ
ダズ「ど、ドンマイ!」
マルコ「あの変化球は難しいよ!」
トーマス「あ、あぁ...悪かった!次は当てる!」
ウグイス「9番レフト、ゼルムスキー君」
アニ「〔あのシュートを見せてくる以上...脅しってことだろうね、右打者にはストレートとほぼ同じ速さで食い込んでくる...ここは追い込まれる前に〕」スッスッス
ミリウス「〔はい!〕」
サネス「〔どーせ、追い込まれる前に打て...だろうな!なら嫌がらせしてやるよ!〕」ドッ!!
シュッ!!!
ギュルルルルゥゥッ クイクイッ!!!
ミリウス「ッ!?」
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
ミリウス「〔これは...ちょっとやそっとじゃ当てられないぞ...〕」
サネス「〔なんだ、その顔...当てるってか?随分と舐めたこと考えてるな!そんな悪い子にはお~しよきよッ!!〕」ドッ!!
シュッ!
ミリウス「〔外、って遠!?〕」スッ
キッ
サネス「は~い、あざーす」パシッ
審判「アウト!」
ラルフ「ツーアウト!」
ウグイス「1番センター、キルシュタイン君」
ジャン「しゃっ」
アニ「〔ジャンは幸い右でも左でも打てるスイッチヒッターだから良かったけど...左打者からしたら外に逃げる球に見える。逃げていく球の方が当てにくいけど、食い込むよりかは気持ちが楽だしね〕」
サネス「〔さぁて...馬面ちゃんはどうするか〕」ドッ!!
サネス「〔なんてな!答えは一つだ!〕」シュッ!!!
ジャン「...」
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
サネス「〔あ?今...見たのか?〕」
ジャン「〔ありゃ確かにやべぇな、マシンの軌道のボール4個分くらいか?いやもっとか?とにかく情報を引き出せ!〕」
ドッ!!
サネス「〔素人が見ても...何もわかんねぇよッ!!〕」シュッ!!!
ジャン「〔外低めッ〕」スッ
パシンッ!!!
審判「ストライクツー!」
ジャン「〔くっそぉ~、もっと左かよ!だとしたらボール6個分か!?んなわけねぇだろ!そんなんだったらキャッチャーが捕れてねぇ!〕」
サネス「〔へっ、当たるわけねぇよ...お前らにこの仕掛がわかるはずがない...ま、わかるとしたらアイツ一人だがな〕」
アルミン「...」
サネス「〔だが、そんな簡単に種をみつけられちゃこっちも困るんだよな!〕」ドッ!!
シュッ!
ジャン「〔うぐっ、おっっっっせぇ!!!カーブ...かよッ!!!〕」スッ
キーンッ
ラルフ「なっ!?」
ポタッ ガシッ
敵モブレフト「くそっ!」シュッ
「おっしゃぁあああああああ!!」
-
- 108 : 2015/09/11(金) 01:35:04 :
ラルフ「〔おいおい...マジかよ、2球とも速い球みせて内低めにカーブでタイミング崩したはずなのに...あれを当てるか!?〕」
ジャン「〔うっっぶねぇえええええ、もう少し遅かったら完全三振だったぞ!〕」
ウグイス「2番サード、スプリンガー君」
コニー「さぁっ、来いや!」
サネス「〔このガキは危ねぇ、だが次の奴はもっと危ない...仕方ない、連発で使うか〕」
アルミン「〔コニー、頼む...僕まで回してくれ〕」
ドッ!!
シュッ!!!
コニー「クッ」スッ
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
アニ「〔コニーでも難しいか...ならここはやっぱシュート以外の球を〕」スッスッス
コニー「〔うっす!〕」
ドッ!!
サネス「ッ!!」シュッ!!!
コニー「〔ゲェっ!?またシュートかよ!?〕」スッ
パシンッ!!!
審判「ストライクツー!」
ゴゴゴッ
コニー「ぃい”!?」
アニ「〔コニー?あんた今日の試合でサイン無視2回目だね?しかも、今日の試合だけで2回も...ね?〕」ゴゴゴッ
コニー「〔そうじゃないっす!そうじゃないっす!そうじゃないっsぅぅぅうううう〕」
サネス「〔さぁてと、終わらせるか〕」
ドッ!!
シュッ!!!
コニー「〔そうじゃないっす監督!!わかってくださいよぉおおおおお!!!〕」
ジャン「〔あのバカ!ボール見てねぇ!!〕」
ジャン「おい、バカ!バット振れ!!」
コニー「へ?」スッ!
キーンッ!
サネス「ッ!?」
敵モブショート「うっ!?」ズサーッ
審判「フェア!フェア!!」
「おぉぉぉおおお!?」
コニー「え?何が起きたんだ!?」
エレン「いいから走れ!バカ!!」
コニー「なんだと!?バカって言うやつがバカなんだぞ!あとで覚えとけよ!!」ダッ!!
審判「セーフ!」
-
- 109 : 2015/09/11(金) 01:35:18 :
観客「おぉ、ツーアウト一二塁で!!」
ウグイス「3番キャッチャー、アルレルト君」
アルミン「〔ジャン...コニー...繋げてくれて、本当によく頑張ったね〕」
ジャン「へっ」
コニー「にっひっひ」
アルミン「〔あとは...僕に任せるんだッ!!〕」
ラルフ「た、タイム!」
審判「タイム!」
スタスタ
ラルフ「ど、どういうことだ!?」ボソッ
サネス「知るか!俺だって聞きてぇよ!!なんで俺のシュートがあんなクソガキに打たれるんだよ!!」ボソッ
ラルフ「まさか...種がわかったのか?」ボソッ
サネス「んなわけねぇだろ、第一アイツ...途中までボール見てなかったぞ」ボソッ
ラルフ「ならどうして...」
サネス「んなことより...ここ重要だぞ」
ラルフ「あぁ、わかってる...敬遠するか?」
サネス「いやあの4番今日俺から2安打1打点取ってる...なら去年のお返しも兼ねてアイツで勝負するっきゃねぇよ」
ラルフ「だな、頼むぞ!」
サネス「当たり前だ!俺はジェル・サネス様だぞ!!」
スタスタ
審判「プレイ!」
アニ「〔さぁアルミン...頼むよ〕」
アルミン「よし...」ギュゥッ
サネス「〔アルミン...てめぇは中学の頃から俺の邪魔ばっかしてきたな...だが、今回はそうはさせねぇ〕」
サネス「〔てめぇのその鼻をへし折ってやるッ!!〕」ドッ!!
シュッ!!!
ギュルルルルゥゥッ クイクイッ!!!
アルミン「ッ!!」スッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
サネス「はっ、ざまぁねな!!」
アルミン「クッ...」
ドッ!!
シュッ!!!
アルミン「ッ!!」スッ!!
キッ
審判「ファール!」
シュッ!!!
キッ
審判「ファール!」
サネス「ハァ、ハァ、ハァ...てめ...ひつけぇんだ...よッ!!」シュッ!!!
アルミン「クッ!」スッ!!
キッ
審判「ファール!」
観客「お、おい...今ので何球目だ?」
観客「そんな覚えてねぇよ!ただ5球はゆうに超えてるぜ」
サネス「〔あぁくそっ!うっとおしい!!〕」ドッ!!
サネス「このキノコ頭がぁ!!!」シュッ!!!
アルミン「〔当たれッ!!!!〕」スッ!!!
カキーンッ!!
サネス「なっ...!?」
アルミン「ッ」
アニ「!」
ラルフ「ライトォォォオオオ!!!」
タッタッタ!
マルセル「うぉぉぉぉおおおおっら!!!!」ダイブッ!!
ズサーッ!!
アルミン「...」
ジャン「〔おっしゃ、落ちた!〕」
コニー「〔これで帳消しだ!〕」
スッ
マルセル「げほっ、げほっ、げほっ」
審判「...アウト!アウト!!スリーアウトチェンジ!!」
観客「おぉぉぉおおおおお、すげぇ!捕りやがった!アイツ!!」
アルミン「ぁ...クッ、くそッ!!!」
ラルフ「ナイスライト!!」
サネス「...はははっ、すげぇな!お前!」
マルセル「そんなことないっすよ、先輩の球の威力があったからこそあそこで捕れたんです!」
ラルフ「はっ、お前言うようになったな!」
スタスタ
アルミン「ごめん...打てなかった」
エレン「い、いやあれは仕方なかったですよ!」
ミカサ「エレンの言う通りです。あんなコースであの球をライトフェンス直前まで持ってただけでも凄いです!」
アルミン「ごめん...さぁ6回裏だ!切り替えよう!」
「はいッ!!」
アニ「〔落ちては...ないようだね、全く半年前までのあんただったら落ち込んで悲劇のヒーローみたいな顔してたけど...成長したんだね、アルミン〕」
-
- 110 : 2015/09/11(金) 23:11:35 :
ウグイス「6回の裏中央憲兵大付属高校の攻撃は...4番キャッチャー、ラルフ君」
アルミン「〔ラルフか、ラルフは長打を打つバッターじゃない。出塁率の高い4番だ、うちでいうならコニータイプだ。〕」
アルミン「〔そして、ベルトルトは速球タイプ。ストレートでカウントを稼いで決め球はフォークや縦のカーブどちらでも可か〕」
アルミン「〔正直スタミナがもうない。ファールで粘られたらたまったもんじゃない。好きなコースに打たせるから振ってくれよ〕」スッスッス
ベルトルト「〔内低めに、ストレート!〕」ドッ!!
シュッ!!
ラルフ「...」
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
アルミン「〔見送った...?〕」シュッ
アルミン「〔待機指示出てるのか?確かめる必要がありそうだね。〕」スッスッス
ベルトルト「〔真ん中に縦のカーブ〕」コクッ
ドッ!!
シュッ!
クイッ!
パシンッ!!!
審判「ストライクツー!」
アルミン「〔完全にクロ、だね〕」
ラルフ「〔今の真ん中にカーブか、今のを見送ったってことはコイツは待機指示を出してると読んだはずだ。〕」
アルミン「〔さすがに次は振ってくると思うからクサイところをついていこう。外角高めの全力投球だ!これで終わらせる!〕」スッスッス
ドッ!!
シュッ!!
ラルフ「ふっ!」スッ!
キーンッ!
ベルトルト「! ぅっ!?」バッ
ボスッ!! ポタッ コロコロ
ガシッ
ジャン「チッ、ドンマイドンマイ!ノーアウト!」シュッ!
ベルトルト「うん、ノーアウト!」パシッ
アルミン「〔外高めを思いっきり引っ張ってピッチャー返し...それだけならまだしも、ベルトルトのストレートを、当てた、のか〕」
アルミン「ノーアウト!バッター勝負!内野、ゴロだったらゲッツーあるぞ!」
「おうッ!!」
-
- 111 : 2015/09/11(金) 23:11:44 :
ウグイス「5番サード、デュラン君」
デュラン「します」
アルミン「〔5番デュランは、唯一のパワーヒッター。だけど、データがほとんどない...ベルトルトのストレートを打てるか?それとも変化球で稼ぐか...〕」
アルミン「〔さっき打たれたのは外のストレートだ、そしてコイツの得意コースは内だ。なら最後に内を投げるなら外低めに...〕」スッスッス
ベルトルト「〔縦のカーブ...〕」ドッ!!
シュッ!
クイッ!
パシンッ!!!
審判「ボール!」
アルミン「〔ん、入ってないのか?くそっ、なら次は外真ん中よりにストレートだ!〕」スッスッス
ドッ!!
シュッ!!
デュラン「...」
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
ベルトルト「!」
アルミン「〔また見た...?もしかして見てるのって体力削りじゃなくて、ベルトルトのストレートか?〕」
ベルトルト「〔何かこの人...前の打席より凄く威圧があるっていうか...何か打たれそうっていう予感がする...けど、負けてられない!〕」
アルミン「〔ならストレートを見せずにカーブを内低めに〕」スッスッス
ドッ!!
シュッ!
クイッ!
デュラン「!」スッ!
キッ!
審判「ファール!」
ベルトルト「〔よし、追い込めた!〕」
アルミン「〔ラストボールは内高めの全力投球だ!ベルトルトは左投手、相手は右打者...内に投げられたら食い込んで来るからそう打てはしない〕」スッスッス
ベルトルト「〔内に全力投球...絶対に抑える...〕」ドッ!!
シュッ!!
デュラン「...ッ!!」ドッ!!
アルミン「〔ッ、まずい!?〕」
デュラン「ふっ!!」スッ!!
カキーンッ!!!
ベルトルト「えっ...?」チラッ
ミリウス「くそっ...」
ポンッ! ポタポタッ
観客「おぉぉぉおおおおお、逆転ツーホームラン!!」
ベルトルト「そんな...」
スタスタ
アルミン「ごめん、内を要求すべきじゃなかった」
ベルトルト「ぁ、いや...そんなことありません。打たれた僕の責任です。」
アルミン「...よし、次で切ろう!まだノーアウトだ、バッター勝負で行くよ!」
ベルトルト「はい!」
-
- 112 : 2015/09/11(金) 23:45:51 :
シガンシナ高校 2 0 0 0 0 0
中央憲兵大付属高校 0 0 1 0 0 2
ラルフ「ナイバッチ!」
デュラン「ども」
サネス「よく打てたな、球種はなんだ?」
デュラン「ストレートです」
「えっ!?」
敵モブショート「お前...あのストレートを当てて、かつホームランにしたってことか?」
デュラン「まぁ、そういうことになります」
サネス「おいおい、わからねぇな...どうやって打てた?あのストレート」
敵モブベンチ「ってかラルフさんも普通に打ててましたよね?」
ラルフ「え?あ、あぁ...まぁなんだ...たまたまだろ」
デュラン「俺はまぁ一球じっくり見たんで、そのせいかもしれません」
サネス「〔あのストレートは伸びる...尋常じゃないほどに、俺以外の奴らだって当てることすら出来なかった...〕」
サネス「〔ん?当てる...か〕」
サネス「デュラン、お前打つ時どうやって打った」
デュラン「いやどうやってって...まぁ強いて言うなら、当てる、ことを意識してました」
「は!?」
デュラン「え?俺何か変なこと言いましたか?」
敵モブベンチ「言ったわ!何が当てることを意識しただ!そんなんでホームラン打たれたら苦労しねぇんだよ!」
サネス「いや、デュランの言うことは正しいぜ」
「え?」
サネス「俺達は最初奴のストレートを普通に打ってた。だが、5回以降奴のストレートは急に伸びた。それ故にタイミングを取ることが難しくなった。」
サネス「普通ならファールで粘って球筋を見極めるなりするが、俺達は動揺してつい当てに行くスイングじゃなく、打つ・振り抜くスイングになっちまってたんだ。」
敵モブベンチ「えーっと...つまり?」
サネス「奴のストレートは無敵じゃねぇってこった。当てに行けば絶対に内野を抜く」
敵モブショート「いや絶対はないだろ?ゴロとかになっちまったら内野抜けないしな」
サネス「うるせぇな、俺が話してんだろ?」ギロッ
敵モブショート「ぅっ、悪い」
サネス「言っとくがデュランがホームランに出来たのはたまたまじゃない」
「え!?マジで」
サネス「奴のストレートはキレが半端じゃない。しかし、キレのあるストレートほど軽い物何かねぇ...だろ?ラルフ」
「え?」チラッ
ラルフ「ん?あぁ、回転数が多い方が球は軽いからな」
サネス「球が軽いってことは、打った球がよく飛ぶってことだ。さっきデュランが打ったコースは内の高めだ。高めに軽い球を投げればそりゃ入っちまうよな」
デュラン「何か苦肉言われてる気がしてならないんすけど」
サネス「あぁ、うそうそッ!!冗談だ!」
サネス「だからまぁ、例え低めを引っ掛けたとしても内野はもちろん、外野も抜くかもしれねぇからそれ狙って行くぞ!」
「おうッ!!」
ウグイス「6番ライト、ベリック君」
敵モブショート「タイム!」
審判「タイム!」
アルミン「〔ん?なんだ?〕」
マルセル「何かサイン無視してましたか?俺」ボソッ
敵モブショート「そうじゃねぇ、いいか、あのストレートを狙え」ボソッ
マルセル「え?あのストレートを?」
敵モブショート「それと打つ時は、当てるを意識するんだ」ボソッ
マルセル「当てる...わかりました」ボソッ
敵モブショート「それと、低めだろうが高めだろうがとにかく当てろだってさ」ボソッ
マルセル「わかりました...あの、でもいいんですか?慎重に行かなくて」
敵モブショート「あぁ、ここで大量得点する予定だかんな!打てよ!」
マルセル「は、はい!」
スタスタ
マルセル「ありがとうございます!」
審判「プレイ!」
-
- 113 : 2015/09/12(土) 00:24:35 :
マルセル「〔当てる...か〕」
アルミン「〔コイツは外が得意コース、なら初球は外低めにストレートを外す〕」スッスッス
ベルトルト「〔打たれた...アルミン先輩はあぁやって言ってくれたけど、本当は僕の責任なんだ...だから、取り返さないと!〕」ドッ!!
シュッ!!
アルミン「〔! 高い!〕」
マルセル「〔来た、ストレート...当てる!〕」スッ!
キーンッ!!
アルミン「流された、ライトッ!!」
タッタッタ!
ライナー「クッ!?」バッ
カシャンッ!
審判「フェア!」
タッタッタ!
ズサーッ!
マルセル「うし!」
ベルトルト「〔また...打たれた!?〕」
アルミン「〔明らかに...スイングが違う、さっきとは比べ物にならないくらい...風切り音が全然しなかった。〕」
ウグイス「7番ファースト、敵モブファースト君」
敵モブファースト「っしゃ」
ベルトルト「〔くそっ、僕が抑えなきゃ...この責任は僕にあるんだ!中学の時のようなことにはしたくない!絶対にもう打たせやしない!〕」
アルミン「〔ストレート狙いなのか?この回3人共全員ストレートを打ってる...だけど、狙って打てるような配球じゃないし...〕」
アルミン「〔だとしてもだ、まだノーアウトなんだ...少しでも多くアウトを取っておきたい〕」スッスッス
ベルトルト「〔次は...内低め...カーブ〕」ドッ!!
シュッ!
パシンッ!!!
審判「ボール」
アルミン「〔制球力も速度も変化球のキレも落ちてきてる...ここで手を抜いた投球をさせるともっと打たれる...どうするか〕」
ベルトルト「ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
アルミン「〔踏ん張ってくれ、ベルトルトこの回だけでも...〕」スッスッス
ベルトルト「〔投げ抜きたい...みんなと...勝ちたい!〕」ドッ!!
シュッ!
敵モブファースト「〔あめぇよ、内ストレート!〕」スッ!
キーンッ!!
ベルトルト「なっ!?」
アルミン「くそっ、レフトッ!!」
カシャンッ!!
「長打コース!!」
タッタッタ!
マルセル「4点目!」
タッタッタ!!
敵モブファースト「〔あのレフトは肩がよえぇ!三塁行ける!!〕」ダッ!!
マルコ「ッ、ミカサ!中継入って!!三塁行った!!!」
ミリウス「くそっ!」シュッ
ミカサ「〔クッ、ここで刺すッ!!!〕」パシッ!!
シュッ!!
ズサーッ!!
パシッ!!
審判「...セーフ!」
「おっしゃぁぁああ」
ベルトルト「そんな...」
アルミン「...クッ、ノーアウト!外野、ホーム優先!」
「おうッ!!」
アルミン「〔くそっ、なんで急に打たれ始めた?さっきまでは全然打てなかった以前に当ても出来なかったはずなのに〕」
ウグイス「8番レフト、敵モブレフト君」
アルミン「〔腐るな、下位打線だ。8.9番を順当に討ち取ればツーアウトで1番バッターだ。そうすればこの回サネスまで回らない〕」
ベルトルト「〔外低めにカーブ...〕」ドッ!!
シュッ!
パシンッ!!
審判「ストライク!」
アルミン「〔なんとか入った。けど、ストレート抜きじゃどう抑えればいいんだ...フォーク使うしかないか〕」スッスッス
ドッ!!
ベルトルト「〔内低めにフォーク!〕」シュッ
アルミン「〔落ちない!?〕」
敵モブレフト「うらっ!」スッ
キーンッ!
タッタッタ
ミリウス「〔ッ、伸びる!?〕」
パシッ!
審判「アウト!」
相手コーチャー「GO!」
敵モブファースト「ッ!!」ダッ!!
ミリウス「ふっ!!」シュッ
アルミン「中継!」
パシッ!
ミカサ「ッ」
「5点目!!」
-
- 114 : 2015/09/12(土) 01:16:02 :
ウグイス「9番セカンド、敵モブセカンド君」
ベルトルト「ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
アルミン「〔交代するか...〕」
「まだ、やれます!!」
アルミン「!」
ベルトルト「やらせてください...僕に」ゼェハァ
アルミン「...わかった、けど少しでも無理だと感じたら言ってね」
ベルトルト「ありがとう、ございます!」ゼェハァ
スタスタ
アルミン「〔ここは気持ちを落ち着かせるために〕」スッスッス
ベルトルト「!」
ドッ!!
ベルトルト「ッ!!」シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
敵モブセカンド「〔嘘...あいつらよく打ったな〕」
ドッ!!
シュッ!!
敵モブセカンド「クッ!!」スッ
パシンッ!!!
審判「ストライクツー!」
「バカヤロー、打とうとするなー!当てにいけ!」
敵モブセカンド「〔わかってる...わかってるけど、当たんねぇぞ!〕」
ドッ!!
シュッ!
敵モブセカンド「ッ」
クイッ!
パシンッ!!!
審判「ストライク!バッターアウト!」
マルコ「ナイピッチ!ツーアウトツーアウト!」
ミカサ「ピッチャー、球走ってる!」
トーマス「バッター勝負!」
コニー「サード来いよ!サード!!」
ベルトルト「...ふふっ、ツーアウト!!」
「おいおい、2アウト取れたからって調子に乗んじゃねぇぞ」
サネス「地獄はこっからだぜ」
ウグイス「1番ショート、敵モブショート君」
サネス「〔わかってるんだろうな?〕」
敵モブショート「〔あぁ〕」
アルミン「〔さぁこっからだ〕」スッスッス
ベルトルト「〔絶対に...抑える!!〕」ドッ!!
シュッ!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
敵モブショート「〔真ん中低めにカーブか...だとしたら次は緩急つけてストレート来るんだろ!〕」
ドッ!!
シュッ!!
敵モブショート「〔来た!〕」スッ!!
アルミン「〔セーフティー!?〕」
キッ
アルミン「〔くそっ、決められた!〕」ダッ!
敵モブショート「」スッ
アニ「ッ」
ベルトルト「ッ、アルミン先輩ッ!!!」
アルミン「えっ...?」
ドスッ!!
敵モブショート「いってぇ...」
アルミン「ぅっ...」
審判「なっ、タイム!」
ベルトルト「アルミン先輩!」
アルミン「僕は大丈夫」
敵モブショート「うぅ...わ、悪い」
アルミン「え」
敵モブショート「こんな卑怯なことしちまって...」
アルミン「どういうこと?」
敵モブショート「俺、弱々しいからサネスの野郎に脅されてこんなことしちまった...だが、悪いのは俺だ」
アルミン「サネス...」ギュゥッ
審判「走塁妨害でバッターは一塁へ」
敵モブショート「こんなこと...もう何回もやってるんだ、アイツが気に入らない奴はすべて怪我をしている」
アルミン「ッ」
敵モブショート「頼む...相手チームに言うのは可笑しい話だが、お前らしかいないんだ。アイツを止めるのは」
サネス「へっ」ニヤッ
アルミン「...ふぅ、わかった」
敵モブショート「!」
アルミン「けど、そうなると僕らが勝つことになるけどいいの?」
敵モブショート「...ふっ、悔しいがアイツ止められるならいいさ。頼むぞ」
アルミン「あぁ」
スタスタ
ベルトルト「先輩」
アルミン「僕は大丈夫だって、それよりベルトルト」
ベルトルト「は、はい!」
アルミン「たった今決定事項があるんだ、手伝ってくれないかな」
ベルトルト「ッ、はい!何でもします!」
アルミン「サネスは...等々僕を怒らせてくれたからね」ギロッ
-
- 115 : 2015/09/17(木) 23:37:40 :
ウグイス「2番センター、敵モブセンター君」
アルミン「〔いいさ、そっちがその気なら...〕」スッスッス
ベルトルト「〔え、ど真ん中に全力投球?〕」
アルミン「〔打たれたら全責任僕に押し付けていい。今だけは...僕の言う通りにしてくれ〕」ギリッ
ベルトルト「〔わかりました〕」コクッ
ドッ!!
シュッ!
敵モブセンター「〔あ?ど真ん中だと!?舐めるなッ!!〕」スッ
キッ
審判「ファール」
アルミン「〔ストレート全力投球4割減ってところだ、そろそろ来るか...〕」
サネス「〔ゆさぶれ〕」スッスッス
敵モブセンター「〔おう〕」スッ
ベルトルト「〔体が...重たい、まるで岩になった気分だ...〕」ゼェハァ
ベルトルト「〔サネスさんに回る前に...このバッターで切らなきゃ...ダメだ〕」ゼェハァ
サネス「〔ベルトルト君、君にはがっかりだよ...あそこで声をかけなければ...君はモーゼス君のようにならなかったのに...〕」
アルミン「〔...外低めに〕」スッスッス
ベルトルト「〔...ストレート〕」コクッ
ドッ!!
ベルトルト「ッ!!」シュッ!
敵モブセンター「」スッ
アルミン「〔またセーフティー!〕」
キッ!
敵モブセンター「〔チッ、前に転がしすぎた!〕」ダッ!
ベルトルト「〔これを取ればツーアウトに!〕」ダッ
ガタッ!
ベルトルト「ぁっ」
バタンッ
アルミン・アニ「!」
タッタッタ!
審判「セーフ!」
敵ベンチ「よっしゃぁ、ワンアウト満塁で!」
ウグイス「3番ピッチャー、サネス君」
サネス「ジ・エンドだな、アルミン」ニヤッ
アルミン「...タイム」
審判「タイム!」
スタスタ
僕のせいだ。 僕のせいで...こんなピンチになって...
こんなことなら...ミカサと交代するんだった。そうだ...あの時だってこうなったじゃないか。なのに...僕は...
________________
________________________
_______________________________
リトルリーグ時代
ツーアウト満塁という場面でタイムになった。
モブ「チェッ、結局ダメじゃん」
ベルトルト「ッ...」
モブ2「ホントだよ、さっさとマルセルかライナーに代わればいいのにさ!」
モブ3「誰かさんが意地はったせいで...こんなピンチになってさ」
ベルトルト「〔僕が...投げたから...こんなピンチを招いた...僕が投げなければ...〕」ウルウル
_______________________________
________________________
________________
僕はもう...マウンドにいる資格なんて...ないんだ。
「ごめん」
ベルトルト「ぇっ」
アルミン「...ごめん、ベルトルト」
ベルトルト「ぁ、ぁやまるのは...僕の方です...」ウルウル
アルミン「いや...そうじゃないんだ」
ベルトルト「?」
アルミン「...スゥーッ...フゥーッ...」
その時先輩は...何かを結審したかのような顔をして、こう言った。
ベルトルト「このピンチ...この局面を作ったのは...僕だ。」
トーマス「え?」
コニー「ん?俺バカだから、よくわかんないっすけど...どういうことっすか?」
アルミン「僕が故意にこのピンチを作ったってこと」
マルコ「えっ!?」
ベルトルト「そ、それって...どういう...」
-
- 116 : 2015/09/17(木) 23:47:14 :
アルミン「ちゃんと...言った方が良かったかな...」
アルミン「僕らがこの試合に勝つために作った、プロセスだよ」
トーマス「ぷ、プロセスって...なんですか」
アルミン「ん~、一から話すと長いから今は言えないけど...簡単に言っちゃえば今から博打をするってこと」
コニー「爆竹!?「博打ね」
アルミン「ベルトルトには...本当に悪いことをしたとは思ってる...けど、これで僕らの勝ちは確定した。」
マルコ「ど、どういうことですか!ちゃんと説明してくださいよ!」
トーマス「お、おい!ミカサ、お前はどう思うんだよ?」
ミカサ「...私は...」
アルミン「いいんだ、ミカサ」
ミカサ「!」
アルミン「...ミカサも被害者だ、僕が全て仕組んだことだ」
コニー「い、いまいち状況がつかめないのは...俺が超バカだからじゃねぇよな!?「黙れバカ」
ベルトルト「ぇ...えっと...」
アルミン「事情は後でちゃんと話す。今話すことのは二つ」
アルミン「まず一つ...ベルトルト、もう限界だよね?」
ベルトルト「ッ...はい、すみません...」ウルウル
アルミン「そして、二つ目...ベルトルト、ミカサと交代だ」
トーマス「ま、まぁ当然...か」
マルコ「けど、ここで交代させたってことは何か意味があるんですよね?」
アルミン「うん、勝利の方程式さ」
コニー「方程式!?俺数学出来ねぇよ!!」
「...取り敢えず、黙ろうぜ...バカ」
コニー「お、おう」
-
- 117 : 2015/09/18(金) 00:21:20 :
アルミン「〔アニ〕」ジィーッ
アニ「...!」
アニ「エレン、伝令行って」
エレン「え、あ、はい!」
スタスタ
エレン「ベルトルト、大丈夫か?足」
ベルトルト「え、あ...うん」
アルミン「エレン、アニに伝えてくれ。ピッチャーにミカサ、ショートにマルコ、セカンドにトーマス、ファーストにダズだ」
エレン「はい!」
タッタッタ
エレン「監督、先輩が...」
アニ「...わかった、すみません交代お願いします」
サネス「〔へっ、何をやろうと変わらねぇよ!ここでお前らを地獄へ送ってやる〕」
ウグイス「シガンシナ高校、シートの変更と選手の交代をお知らせいたします。ピッチャーのフーバー君代わりましてアッカーマン君、ショートにボット君、セカンドにワグナー君、ファーストにダズ君が入ります。」
観客「ん?随分と動くな...」
観客「もう諦めたとか?」
キース「何を考えている...アルレルト」
リコ「まぁいいさ、私達はあいつらを信じて応援し続けるしかないよ。」
サネス「〔なんだ...?このシフトチェンジは...〕」
ラルフ「〔アッカー...マン...?やはりどこかで聞いたことのある苗字だ。それにあの顔...見覚えのある顔だ。〕」
アルミン「...ふぅ、散々待たせといて悪いね...準備はいいかい?」
「はい」
ミカサ「いつでも準備は出来てますッ!!」
アルミン「ふふっ、それは頼もしいね!さぁ、ワンアウト満塁でサネスだ...気を引き締めていこう!」
「オーッ!!」
サネス「作戦会議は終了か?アルミン」
アルミン「はい」
サネス「成功するといいな!」
アルミン「成功するといいな...?何を言ってるんですか?」
サネス「はっ...?」
アルミン「もう成功してますよ」
サネス「アァ?」
審判「プレイ!」
アルミン「」スッスッス
ミカサ「」コクッ
サネス「〔誰がピッチャーになろうが関係ねぇな、もう俺の勝ちは確定しているんだからな...だが、気に食わねぇなその態度〕」
サネス「〔中学の頃からそうだったな、その負けん気...あの頃とちっとも変わりはしない...ホント可哀想なやつだ〕」
サネス「〔お前はまた俺に喰われるんだからな〕」ニヤッ
アルミン「〔ジェル・サネス...あなたはやり過ぎましたよ。僕はこんな不愉快な野球をしたのは初めてだ。元々あなたとはまともに野球が出来ないことは知っていました。けど〕」
アルミン「〔よくよく考えたらあなたに出来るはずがない。チームメートにまで自分の野望を押し付けて、支配するあなたにはチームで戦う野球など絶対に出来ない!〕」
アルミン「〔これからあなたにみてもらうピッチングは...過去にあなたが散々やられにやられまくった...アイツの球をくらってもらうッ!!〕」
スッ!!!
サネス「!」
ドッ!!
ラルフ「なっ、あのフォームはッ」
サネス「〔まさか...そんなはずがねぇ...〕」
ミカサ「ッ!!」シュッ!!
サネス「クッ!?」スッ!
パシンッ!!!
・・・
審判「ストライク!」
観客「おぉぉおおおおお」
サネス「〔馬鹿な...ありえねぇ...なんで...なんでてめぇが...こんなところに居やがる...〕」
ミカサ(リヴァイ)「フゥーッ...」
ラルフ「思い出したぞッ」
敵ベンチ「な、何がだ!?」
ラルフ「アッカーマン...あの苗字は、リヴァイの苗字だッ!!」
敵ベンチ「なっ、なんだと!?」
「だから言いましたよね」
サネス「!」
アルミン「僕達の作戦は...もう成功されている、と」
サネス「クッ、このガキ...」
-
- 118 : 2015/09/18(金) 22:24:04 :
サネス「〔アイツのフォーム...〕」
スッ!!!
サネス「〔アイツの雰囲気...〕」
ドッ!!
サネス「〔そして...アイツの...球(ストレート)〕」
ミカサ「ッ!!」シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライクツー!」
敵ベンチ「ど、どうしたんだ!サネス!」
ラルフ「打てるはずがねぇ」
敵ベンチ「は?」
ラルフ「なんせサネスは...アイツ(リヴァイ)に一度も勝ったことがない。それにサネスは今完全に動揺してる...あいつら、まさかこのためだけに大量失点を!?」
アルミン「〔3球で決める〕」
ドッ!!
アルミン「〔サネス...あなたの陰謀は...これまでだッッ!!!〕」
シュッ!!
サネス「クッ!?」
パシンッ!!!
審判「ストライク!バッターアウト!」
観客「おぉぉぉおおおお」
アルミン「ツーアウト!」
ミカサ「ツーアウト!」
ベルトルト「凄い...アルミン先輩は...あの雰囲気を一気に変えた...いや変えたのはミカサだけど、この戦略を立てたアルミン先輩は...やっぱ凄い」
エレン「だから言ったろ?」
ベルトルト「え?」
エレン「もう中学のような想いはさせねぇって」
ベルトルト「エレン...うん、ありがとう」
ウグイス「4番キャッチャー、ラルフ君」
ラルフ「〔くそっ、マジかよ...アイツ(リヴァイ)に兄弟がいたなんて...〕」
ドッ!!
シュッ!!
ラルフ「〔内高めッ!!〕」スッ
キッパシンッ!!!
審判「ストライク!」
ラルフ「〔チッ、どんだけ伸びてるんだお前のストレート...ファール狙ったのにそのまま貫通しやがった〕」
アルミン「〔次、外スライダー...ボール〕」
ドッ!!
シュッ!
ラルフ「〔今度は外低め...変化球か!?〕」 クイッ!!
パシンッ!!!
審判「ボール」
ラルフ「〔変化球のキレもアイツそのままかよ!〕」
アルミン「〔もう一球外、次は高めの全力投球〕」
ドッ!!
シュッ!!
ラルフ「〔くっそ、とぉ!!〕」スッ
パシンッ!!!
審判「ストライクツー!」
ラルフ「〔なんだって急にこいつを出した!?元から出せば失点は防げたはずだぞ!?〕」
アルミン「〔確かに最初から出せば犠牲はなかった。けど、あなた達を地獄へ葬るには高波のてっぺんから突き落としたほうがベンチはどん底になりますから〕」
ドッ!!
ミカサ「ふっ!!」シュッ!
ラルフ「〔内低め!〕」スッ
クイッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!バッターアウト!スリーアウトチェンジ!」
観客「すげぇ、2者連続三振で抑えやがった!?」
観客「何者なんだ、アイツ!?」
アルミン「〔リヴァイのたった一人の兄妹...ミカサ・アッカーマンだ。覚えとけ!〕」
トーマス「ナイピッチ!」
マルコ「調子良さそうだね!」
ダズ「ハラハラしたぞ!」
コニー「こんにゃろ!なんでもっと早く出なかったんだ!」
ミカサ「それはまぁ...」
-
- 119 : 2015/09/18(金) 22:48:41 :
________________
________________________
_______________________________
試合当日
スタスタ
アニ「私達は2試合目だからこの試合の5回が終わったらアップするよ!」
「はいッ!」
アルミン「ミカサ!」
ミカサ「?」
アルミン「ちょっと今日の試合について話があるんだ」
ミカサ「なんですか?」
アルミン「今日の試合、恐らくベルトルト一人じゃとても抑えきれない」
ミカサ「えっ」
アルミン「相手はサネスだ。きっと何か仕掛けてくる...そう、中学時代の僕の友達もやられたからね」
ミカサ「モーゼスさんのことですか...?」
アルミン「ッ、知ってたの?」
ミカサ「はい、兄さんから少し」
アルミン「チッ、余計なことを...」ボソッ
ミカサ「え?」
アルミン「あ、なんでもないよ...それより、ミカサに協力してもらいたいことがあるんだ」
ミカサ「協力ですか...私でよければ」
アルミン「ありがとう」
ミカサ「あの、内容って」
アルミン「...ものすごく残酷で酷い話だけど...いいかい?」
ミカサ「...はい!」
アルミン「...ベルトルト本人には言いたくないんだけど、うちは7回で大量失点をする」
ミカサ「えっ、そ、それって」
アルミン「うん、まぁ言い方はきついかもしれけど、ベルトルトにはわざと打たれてもらう」
ミカサ「...」
ワルミン「それからサネスの打順になって相手が盛り上がってきた所で君の登場だ」
ミカサ「私...?ですか」
ワルミン「うん、サネスは君の兄さんには一度も勝ったことがないんだ。それともう一個、サネスはアイツを最も苦手な投手としてるんだ」
ミカサ「兄さんが...嫌われていた?」
アルミン「いやまぁ...人間関係的にはどうかわからないけど、球児としては好きになる人は少ないと思う」
ミカサ「...」
アルミン「あ、いや良い意味でだよ!アイツほど、球速速い奴いないし、変化球のキレだってコントロールだってそう...だからまぁ弱点を突くって思ってもらっていいかな」
ミカサ「その弱点が...私ですか?」
アルミン「うん、君のピッチングはアイツそのものだからね!上手くフラッシュバックすると思うんだ」
ミカサ「わかりました...けど、ベルトルトやみんなには?」
アルミン「来るべき時が来たら...ちゃんと話すよ、けど極力話したくない...かな」
ミカサ「でも、話さないとみんな納得しないと思うんですが」
アルミン「かもね...でも...けど...なんとか納得してもらうように説得するよ」
ミカサ「...わかりました、じゃぁ私はそれまで準備しておきます」
アルミン「え?あ、うん(準備ってなんだろう...?)」
スタスタ
アルミン「あの、ミカサ!一応聞くけど...準備って何?」
ミカサ「...兄さんのピッチングのフォーム・雰囲気...そして球のキレ...をイメージし直して完璧にする。という準備です」
アルミン「〔...リヴァイ...あなたの妹さん...色々と凄いね〕」シロメ
_______________________________
________________________
________________
-
- 120 : 2015/09/18(金) 23:24:06 :
ベルトルト「そう...だったんですか」
アルミン「...ごめんね、こんなの許されることではないとは知ってるんだけど...」
「当然だね」
ダズ「え!?」
アニ「...選手やチームを犠牲にしてまでするような戦略だったの!?え?」ゴゴゴッ
アルミン「すみませんでした...はい、以後気をつけます...」
「〔あのアルミン先輩が謝ってる!?さすが監督ッス!〕」
ミカサ「監督、アルミン先輩だけの罪じゃないです。私も共犯者です」
「〔犯罪犯してねぇだろ別にッ!!〕」
アニ「全く...私もちゃんと気づくべきだった。アルミンの様子が変だってことに...まぁ元から変だけど」
アルミン「うぐっ」グサリ
アニ「さっきまでコニーやライナーやエレンを説教してたけど、当の本人であるアルミン先輩はチームのみんなに迷惑をかけて、かつそれを話さないという大人の汚さを使うんですか?」
アルミン「ぐはっ」グサリグサリ
アニ「はい、ということで今日の荷物はあんたが運ぶんだよ。あ、因みに言っとくけどバスや電車やあんたのところのタクシーは使わせないから...ちゃんと歩きでね?」
アルミン「スミマセンデシタ」ドゲザ
ハンジ「いやぁ~、やっぱ女は強いねぇ!」
サシャ「ですね!あのアルミン先輩を土下座させましたからね!」
コニー「うぉー!?すげぇ、アルミン先輩が監督に土下座してるー!」
トーマス「〔うわぁ、すげぇ写メってフェイスブックに投稿してぇ...〕」グググッ
ジャン「〔その写真さえあれば...いつでも脅せるし...〕」グググッ
ライナー「〔何より怖いものがなくなる...だが〕」グググッ
トーマス・ジャン・ライナー「〔やったらやったで殺されるんだよな...〕」ナミダメ
ベルトルト「...ふふっ、あははっ...」
「ん?」
ベルトルト「ふふふっ、あっはっは...」クスクス
ライナー「は、はははッ」
アルミン「...ふふっ」
アニ「ふぅ...ふっ」
コニー「だっはっはっはっは~!!」
ガシッ!!
アルミン「笑いすぎだよねぇ、コニー君」ニコッ
コニー「すみませぇぇぇええええええええん!!!」
-
- 121 : 2015/09/19(土) 01:17:23 :
相手ベンチ
サネス「...」
マルセル「あ、あの...先輩?」
サネス「ん?なんだ?」
マルセル「守備...もうみんな付いてます」
サネス「...あぁ」
マルセル「...先輩!」
サネス「?」
マルセル「...勝ちましょうね!」
サネス「...さぁな」
マルセル「えっ」
スタスタ
ウグイス「7回の表、シガンシナ高校の攻撃は...4番ピッチャー、アッカーマン君」
サネス「ッ」
ミカサ「お願いします!」
審判「プレイ!」
サネス「〔なっ...こいつ...ピッチングだけじゃねぇ...〕」
ミカサ(リヴァイ)「...ふぅッ」キリッ
サネス「〔まさか...バッティングのフォームまで!?〕」
ラルフ「〔サネス、落ち着け!〕」
サネス「〔焦るな...だとしてもだ、こいつは今日長打を打ってない...アイツのようにデカイのを打てるはずが...〕」ドッ!!
シュッ!
パシンッ!!
審判「ボール!」
ラルフ「サネス!力抜け!」
サネス「わかってる...わかってる...」
ラルフ「〔なら全球こいつでいいだろ!〕」スッスッス
サネス「〔ッ、あぁ...そうだな、アイツを倒すために...この球を投げるようにしたんだ...〕」コクッ
ドッ!!
サネス「〔例えアイツが相手だろうと...この球が打てるはずがねぇ!!〕」シュッ!!!
ミカサ「...」
________________
________________________
_______________________________
7回表 始まる前 ベンチ
エレン「そう言えばミカサ、お前先頭だろ?」
ミカサ「うん」
アルミン「あ、ミカサ!」
ミカサ「はい」
アルミン「サネスの高速シュートだけど」
ミカサ「!」
アルミン「あの高速シュートの鍵は...残像だよ」
ミカサ「残像?何のですか?」
アルミン「1回~5回くらいまでは普通のシュートを頻繁に使ってたことは知ってる?」
ミカサ「え、まぁ」
アルミン「エレンのまっすぐの仕組みと同じさ、普通のシュートの残像が残った状態で高速シュートを投げられれば誰だって普通のシュートの軌道で振ってしまうんだ」
ミカサ「じゃぁどうすれば...?」
アルミン「答えは簡単さ」
_______________________________
________________________
________________
ミカサ「〔目をつぶって...とにかく振る!〕」スッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
サネス「〔へっ、やっぱこいつでも俺の高速シュートには手が出やしねぇ!〕」
ミカサ「〔うん...残像は残ってない〕」
ラルフ「〔一応普通のシュートも混ぜとくか?〕」
サネス「〔いいや、いらねぇ!こいつには全球高速シュートだ!〕」ドッ!!
サネス「くたばれっ!!」シュッ!!!
ザッ!!!
ラルフ「なっ!?」
ミカサ(リヴァイ)「ッ!!」スッ!!
カキーンッ!!
エレン「!」
ポンッ
「は、入ったぁぁああああ!!」
観客「すげぇ、アイツ内にえぐる高速シュートをそのまま引っ張りやがった!?」
観客「しかも、あの飛距離なんなんだ!?」
タッタッタ
サネス「なっ...」
ミカサ「...」
タッタッタ
リヴァイ「よぉ、もう年金頼りの爺になっちまったのか?サネス」
サネス「ぐっ...リヴァイ...てめぇ...」
審判「ホームイン!」
ライナー「ナイバッチ」
ミカサ「ありがとう」
-
- 122 : 2015/09/20(日) 17:11:13 :
ウグイス「5番ライト、ブラウン君」
アニ「〔ミカサの一打でサネスは完全に乱れてる。ならここは一気に行くよ〕」スッスッス
ライナー「〔はい!〕」スッ
サネス「...」
ラルフ「〔サネス、まだ4点差もあるんだ!気にするな!こいつならフライでアウトに出来る!〕」スッスッス
サネス「...」
ラルフ「〔おい、サネス!!〕」
ドッ!
シュッ!
ラルフ「〔なっ、ど真ん中!?〕」
ライナー「ッ!!」スッ!!
キーンッ!!
敵モブレフト「くそっ!」ダッ
ポタッ コロコロ
観客「左中間割った!」
ズサーッ
審判「セーフ!」
マルコ「やった、ツーベース!」
トーマス「続けよ!ダズ!」
ウグイス「6番ファースト、ダズ君」
アニ「〔ライナーの打席の初球、ど真ん中だったね...ならここは一球待ってみるのもありだね〕」スッスッス
ダズ「〔待て、だ〕」スッ
サネス「...」
ラルフ「サネス!しっかりしろ!」
デュラン「そうっすよ、ノーアウト!」
敵モブファースト「バッター勝負!」
ドッ!
シュッ
パシンッ
審判「ボール!」
ラルフ「〔ひっでぇ制球力...完全に落ちてるぞ〕」
アニ「〔相手は完全に落ちてる、甘い球来たらちゃんと叩いて打つんだよ〕」スッスッス
ダズ「〔待て解除だ〕」スッ
ドッ
シュッ
ダズ「〔甘い球来た!真ん中高め!〕」スッ
キーンッ
敵モブショート「クッ!?」ズサーッ
審判「フェア!」
エレン「二遊間抜けた!回れライナー!!」
ライナー「〔三塁で止まるか、それとも行くか!?〕」
「ストップ!!」
ライナー「!」
敵モブセンター「うらっ!!」シュッ!!
パシッ!
ラルフ「チッ」
ライナー「〔あぶねぇ、今行ってたら完全にアウトだったな〕」
ライナー「サンキューな、ミカサ」
ミカサ「あのセンターは肩が良かった、それだけ」
ウグイス「7番ショート、ボット君」
ラルフ「タイム!」
審判「ターイム!」
スタスタ
ラルフ「サネス、しっかりしろ!たった1点じゃないか!」
サネス「...」
ラルフ「おい、何か言ったらどうなんだよ!」
サネス「...」
ラルフ「...あぁそうかよ、ならピッチャー代わってもらうぞ」
「...る」
ラルフ「は?」
サネス「てめぇに...何がわかるんだよッッッ!!!」
ラルフ「何急に逆ギレしてんだよッ!!」
敵モブショート「落ち着けって!」
サネス「てめぇに...てめぇらに...俺の何がわかるっつんだよッ!!」
ラルフ「知るかよッ、お前が抑えられて・打たれて勝手にキレてるお前の気持ち何か知るわけねぇだろ!!」
サネス「うるせぇ...うるせぇ!!」
タッタッタ
敵伝令「あの先輩、監督がピッチャー交代だって」
サネス「...」
スタスタ
ラルフ「...取り敢えずノーアウト一三塁だ、スクイズはないと思うが一応頭に入れておくこと。いいな?」
「おうっ!」
スタスタ
ラルフ「外野、ホーム優先!」
「おうっ!」
ウグイス「中央憲兵大付属高校選手の交代をお知らせします。」
トーマス「え?もう交代?」
コニー「結構早いな!」
アルミン「それはそれでありがたいけどね」
-
- 123 : 2015/10/04(日) 15:44:40 :
シガンシナ 高校 2 0 0 0 0 0 1 3
中央憲兵大付属 高校 0 0 0 0 0 5 5
ラルフ「〔チッ、ノーアウト一三塁かよ...この点差でならスクイズの確率は低い...なら外野フライで80点、内野ゴロ100点だ!〕」スッスッス
敵モブ投手「」コクッ
ドッ!
シュッ!
パシンッ!
審判「ボール!」
アニ「〔スクイズ警戒されてないみたいだね、もう一球待ってみな?次配球を予想するんだよ〕」スッスッス
マルコ「〔スクイズか、なら監督はとにかくこの回で1点差に縮めようとしているんだ。よし、3球目で出来るならやるぞ!〕」
ラルフ「〔見たな...何か狙い球でもあるのか?コイツ(敵モブ投手)の球種はストレート合わせて3つ。カウントを稼ぐ...スライダー〕」スッスッス
ドッ!
シュッ!
クイッ
パシンッ!
審判「ストライク!」
マルコ「〔スライダーだ、けど、サネスよりかは曲がらない...これならタイミングさえ間違わなければ当てられる...ライナー!〕」チラッ
ライナー「〔! 次スクイズか!〕」
ラルフ「〔よし、次の球で決める...決め球は...〕」
マルコ「〔恐らくチェンジアップ!〕」
ドッ!
ミカサ「GO!」
ライナー「ッ!!」ダッ!!
敵モブ投手「なっ!?」シュッ
ラルフ「んだと!?」
マルコ「〔来た!チェンジアップ!〕」スッ!
キッ
ラルフ「〔くそっ、決められた!〕」
タッタッタ!!
審判「セーフ!」
ラルフ「ファースト!」
シュッ
パシッ
審判「アウト!」
マルコ「ふぅ...良かった」
ウグイス「8番セカンド、ワグナー君」
アニ「〔さっき回サネスに惜しいところまで追い詰めたトーマス...打ちたいよね、なら必死で喰らいついてみせな!〕」スッスッス
トーマス「〔はい!〕」
ラルフ「〔ノーアウト一三塁だぞ...しかも、2点差なんだぞ...それでもスクイズするのか...なんつー強気だよ〕」
トーマス「〔ワンァウト二塁...ランナーはダズでバッターは俺か...前回はサネスの決め球で三振させられたけど、この投手の決め球はチェンジアップ...タイミングだ、音ゲーだ!〕」ブンッ! ブンッ!
ラルフ「〔ワンアウト二塁か...進塁打打たれて9番に繋がれたら面倒だ、引っ張らせてサードゴロだ!〕」スッスッス
ドッ!
シュッ!
パシンッ!
審判「ストライク!」
トーマス「〔おろ...ストレート早くねぇな、これなら打てるかも!〕」
ラルフ「〔次...内低めのストレートだ、外せよ〕」
ドッ!
シュッ!
トーマス「〔ダンレボを思い出せッ!中学の頃散々やってただろ!!〕」タタッ スッ!!
キーンッ!!
コニー「うぉ!?」
マルコ「凄い当たりだ!」
ラルフ「〔内低めのボール2個分だぞ!?それを引っ張ってレフトオーバーだ!?〕」
敵モブレフト「くそっ、何やってんだよ!」シュッ
ラルフ「〔ふぅ、ランナーが足遅かったから良かったものの...ワンァウト二三塁かよ〕」
ライナー「トーマス、ナイバッチ!」
コニー「アイツなんであんな当たりを打てるんだ!?」
エレン「それほど練習してきたってことだろ!」
コニー「うぉぉお、俺も負けねぇ!!」
トーマス「〔本当は...ダンレボのステップを真似して打ったら勢いが付いた...なんて言えない〕」
アルミン「今...ステップしてたね」
アニ「だね、まぁ特に意味はないと思うけど」
-
- 124 : 2015/10/09(金) 23:15:11 :
ウグイス「9番レフト、ゼルムスキー君」
アニ「〔ワンアウト二三塁、犠牲フライやスクイズで着実に点をとってもいいんだけどもここは経験を積むために打つよ〕」スッスッス
ミリウス「〔はい!〕」
ラルフ「〔9番か、こいつは上げてしまえばパワーはない...外角高め〕」スッスッス
ドッ!
シュッ!
ミリウス「〔外高め!〕」スッ
キンッ!
エレン「上がった!」
マルセル「...」
パシッ!
審判「アウト!」
ミカサ「GO!」
ダズ「ッ!!」ダッ!
マルセル「〔うちはこれ以上点をやっちゃいけないんだ、ここで刺すッ!!〕」シュッ!!!
ミカサ「ッ」
ラルフ「よし」パシッ!!
ダズ「うぐっ」ダイブッ
ズサーッ
・・・
ラルフ「」スッ
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!」
「おぉぉぉおおおお、なんだあのレーザービーム!」
スタスタ
デュラン「ナイスライト」
マルセル「あざっす!」
ラルフ「お前、今日すげぇな!」
敵モブショート「ライバルがいるからか?」
マルセル「いやなんていうか...それもありますけど、俺改めて思ったんス...このチームで...絶対甲子園に行きたいって」
・・・
ラルフ「はっ、1年のくせに...」
デュラン「大丈夫だ、このままの勢いなら調査高校にだって勝てる」
敵モブショート「あぁ、行こうぜ!甲子園!」
マルセル「はい!」
ベンチ
サネス「...」
________________
________________________
_______________________________
アルミン「僕に喰われても
仕方ない
よねえ?」ギロッ
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
エレン「仲間との決意を言って...何が可笑しいって言ってんだよッッ!!!!」
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
「だから言いましたよね」
サネス「!」
アルミン「僕達の作戦は...もう成功されている、と」
_______________________________
________________________
________________
スタスタ
マルセル「先輩」
サネス「...なんだよ」
マルセル「俺は...このチームで甲子園に行きたいです。それがどんなに自分に困難な道だったとしても...俺はみんなで行きたいです!」
サネス「...そうかよ、勝手に行ってろ...俺はもう引退だ。無理だ、ボールは握れねぇ」
マルセル「いいえ、先輩はまだ...野球を辞められません」
サネス「は...?」
マルセル「先輩にはこの先も勝ち続けて甲子園に行く義務があります。それはただならぬ努力をしたから...とかではなく、あなたには野球のできなくなった人の分まで野球をしなければならないという意味です。」
サネス「俺が...野球の出来なくなった奴のために野球を続けろと...?ははっ、笑わせるな!なんで俺が野郎のためなんかに」
マルセル「あなたは罪を犯した。それだけです」
サネス「なんだと...?」
マルセル「調べてみたところ先輩は、中学の頃相手選手に怪我をさせた後自分も怪我をして途中離脱しましたね。」
サネス「ケッ、あの時はアルミンを見くびった...それにもう受けるべく罰は受けた」
マルセル「いいえ、まだ終わってません」
-
- 125 : 2015/10/09(金) 23:40:48 :
サネス「...てめぇ、いい加減にしろよ?誰がてめぇを復活させてやったと思ってるんだ!!」
マルセル「それはもちろん...先輩のおかげです」
サネス「あ?おかげってなんだ?俺は別にお前を助けたわけじゃねぇ!お前はただの駒だ!駒として俺に拾われたんだ!」
マルセル「例えそれでも...先輩に助けてもらったことには変わりません。」
サネス「...何が言いたい」
マルセル「俺は別に先輩を責めてるわけではありません、ただ俺は先輩にもう一度純粋に野球をしてもらいたいだけです」
サネス「純粋に野球だぁ?ふざけるな!野球なんてただのボール遊びだ!こんなのに純粋もクソもあるかッ!」
ラルフ「おい、マルセル!お前ネクスト入っとけ!」
マルセル「あ、はい!」
マルセル「先輩、最後に一つ...いいですか」
サネス「...」
マルセル「俺は____」
キーンッ!
シュッ
パシッ
審判「アウト!」
マルセル「失礼します!」
スタスタ
ウグイス「6番ライト、ベリック君」
サネス「〔あぁ...うぜぇ...なんなんだこいつら全員...〕」イライラ
敵モブショート「マルセル!打て!」
ラルフ「よく見ていけ!」
サネス「〔何が勝つだ...純粋に野球を楽しむだ?喧嘩売ってるのか...俺が本気で...野球何かやってるわけねぇだろ...そうだ...そうだよ...【本気】でやるわけねぇ〕」
________________
________________________
_______________________________
サネス小学生
サネス「お父さん!」
父「どうした?」
サネス「俺ね...プロ野球選手になりたいんだ!」
父「ッ...馬鹿者ッ!!」スッ!
パシッ!!
サネス「いてっ...うぅっ」
父「野球など、単なる遊びだ!【本気】でやろうとなんてするな!」
サネス「だ、だって...俺...本当に...」
父「いいか、サネス!野球のプロになれるのはほんの一握りだけだ!それも才能を持ち、相当な努力をした者だけがなれる境地だ!」
父「そのためには勉強など、今後の人生に必要なことを犠牲にしてまでやるものだ...それを軽々しくプロ野球になるなど、勉強を捨てると言ってることと同じだぞ!」
サネス「お、俺だって!才能はあるってコーチに言われた!このまま努力して、怪我さえしなければプロにだってなれるって「いい加減にしろッ!!!」
父「あれほど他人を信用するなと言っているのに...まだ友達やら上下関係などつまらん人間関係を築きあげているのか!」
父「いいか!この世で一番大切なことは他人を信頼しないことだ!自分以外の奴に騙されたり、裏切られたら損するのはお前なんだぞ!」
サネス「...」
父「ただし今後の人生人間関係をしなければ生きていけない道もやってくることだろう...その時は演技をしなさい。いいか?」
サネス「...はい」
父「それと怪我をして、治療をすれば復活出来る奴がいたらそいつは取っておけ!野球は高校までだが、それまでにみっともない成績を出さないために一応スカウト能力も身につけておきなさい」
_______________________________
________________________
________________
-
- 126 : 2015/10/11(日) 15:59:11 :
アルミン「〔この6番は要注意だ、すべての流れを断ち切った奴...一応慎重にいこう〕」スッスッス
ミカサ「」コクッ
マルセル「〔この投手球威はもちろん、コントロールや変化球も天下一品だ...ならここは一発を打つより後ろに繋げるバッティングを...〕」シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
マルセル「〔なっ!?速い...ベルトルトのより速いのか...〕」
アルミン「〔今の球を振らないのか?外低めギリギリで、打てばファール・見逃せばストライク...どの道カウント稼ぎだったんだけど〕」
ドッ!!
シュッ!
マルセル「〔遅い...カーブか!〕」スッ!
クイッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
マルセル「〔変化球のキレもうちの投手陣以上だ...へっ、ライナー達のチームのエースはこれ以上ってことか?出てなくてある意味ほっとしたよ〕」
アルミン「〔遊び球なしで〕」スッスッス
ミカサ「〔内高め...ギリギリに...全力投球!〕」ドッ!!
マルセル「〔来いよ、打ち返して...また突き放してやる!〕」ギュゥッ
ミカサ「ッ!!」シュッ!!!
マルセル「うっ!?」
スッバシーンッ!!!!
審判「ストライク!バッターアウト!」
アルミン「〔ふっ...全く、試合中に球威が上がるなんて...驚きの急成長だよ〕」
観客「すげぇ、今の何キロ出た!?」
観客「140...いやそれ以上にも見えたぞ!」
マルセル「は...ははッ...こりゃ...すげぇや...だけど...」
チラッ
ライナー「...?」
マルセル「〔久々に...投げ合いたくなった相手だぜ...さすがはライナーだ〕」
スタスタ
ラルフ「今の速かったな」
デュラン「はい...140は出てたか?」
「いえ」
ラルフ「?」
マルセル「多分アレは...ストレートのキレが凄いだけです。実際には130km後半くらいでしょう」
敵モブ「なんでそこまでわかるんだよ、お前打席の時スピードガン持ってったのか?」
マルセル「いや持ってってないよ...だけど、俺にはわかる」
敵モブ「はぁ?」
マルセル「一同じ投手としてわかる...すげぇ集中力だった」
ラルフ「そりゃリヴァイの兄弟共なればあれぐらい怪物だろうよ」
マルセル「...先輩、お願いがあるんですが」
-
- 127 : 2015/10/11(日) 17:33:29 :
ウグイス「8回の表、シガンシナ高校の攻撃は...1番センター、キルシュタイン君」
ジャン「しゃっす!」
ラルフ「〔この1番は今日3-2だ...少し脅すか〕」
ドッ!
シュッ!
ジャン「ッ」
パシンッ!
審判「ボール!」
ラルフ「〔さて立ち位置は?〕」
ジャン「ふぅッ...」
ラルフ「〔変わらない...な、チッ、可愛げのない野郎達だ。みんなダイヤの原石みたいな素材でその中でも金ピカなのはあの4番か〕」
ラルフ「〔嫌なムードはこの回で終わらせる...内高めでマルセルに取らせるぞ〕」
ドッ!
シュッ!
ジャン「...」
パシンッ!
審判「ストライク!」
ラルフ「〔振らない...?〕」
ジャン「〔今の球、もし俺が打ってたらまぁたライトの奴にファインプレーさせられて流れが渡っちまうかもしれなかったな〕」
ラルフ「〔1年でそんなことが読めるはずがない...だが、ここまで上り詰めた野郎たちだ...案外頭の良い連中なのかもな〕」
ジャン「〔狙い球は外に逃げるスライダーだ、三塁線ギリギリを狙って...〕」
ラルフ「〔スライダー〕」
ドッ!
シュッ!
ジャン「〔来たッ、スライダー!!〕」スッ!
キーンッ!!
トーマス「おぉ、三塁線ギリg」 パシッ!
ドサッ
ダズ「なっ、取ったのか!?」
ミリウス「けど、ワンバンしてる」
ジャン「〔んにゃろっ!!〕」ダッ!!!
ダッダッダッ!!!
デュラン「うらッ!!」シュッ!!
パシッ!!
ジャン「ハァ、ハァ、ハァ...」
審判「...セーフ!」
「おぉぉおおおお!!」
トーマス「間に合った!すげぇ、アイツ足速くなった!」
マルコ「そりゃコニーと毎日おっかけっこしてたら嫌でも速くなるさ!」
エレン「お前ら、久々にアレやるぞ!」
ダズ「お、おう!アレだな!」
トーマス「よっしゃ、いっちょ盛り上げますかッ!」
エレン「せぇーのっ」
「ナイバッチー!!」(/^O^)/
ジャン「〔ハァ、お前らまた懐かしいもんやってんなぁ〕」
アニ「〔今の流れはうちに来てる、審判も味方にしてくれたからね...さぁここは大事に送るんだよ〕」スッスッス
トーマス「あれ...でも次のバッターって...」
エレン・ダズ「あ」
ウグイス「2番サード、スプリンガー君」
コニー「おっしゃぁああああ、来いや!!」
ミリウス「いやまぁ...さすがにあれほど叱られたんだからね」
ダズ「だ、だよな!」
トーマス「やめろ!フラグを立てるな!」
ラルフ「〔ノーアウト一塁...送りバントで二塁...バッターはアルミン...次にアイツか...ここはバント成功させちゃダメだ〕」
コニー「〔今度こそバントだ!次間違えたら練習後のおにぎり減らされるしな...〕」スッ!
ドッ!
シュッ!
コニー「ん? ッ」キンッ!
審判「ファール!」
トーマス「えっ、コニーが...バント失敗?」
ダズ「珍しいな」
コニー「〔なんだ...?今変化したかな...?〕」
ラルフ「」スッスッス
ドッ!
シュッ!
コニー「〔今度こそ!〕」スッ!
キンッ!
審判「ファール!」
アニ「〔さすがに...驚くね〕」
アルミン「〔コニーがバントを2回も失敗するなんて...手元で変化してるのか?だとしたらシュートか?〕」
コニー「〔2球目はさすがに目で見えたな...手元で小さく変化するシュートだ...けど、狙えばちゃんと当てられる球だもんねぇ~〕」
ドッ!
シュッ!
コニー「〔いっただき~!〕」スッ!
ラルフ「」ニヤッ
クイッ!
パシンッ!!
審判「ストライク!バッターアウト!」
コニー「〔シュートじゃなかった...今のはスライダー...か?〕」
-
- 128 : 2015/10/11(日) 18:15:54 :
アニ「〔やられた...コニーの頭の硬さに...気づかれてたか〕」
スタスタ
コニー「すんません...監督」
アニ「謝るくらいなら今何をすべきかは考えな」
コニー「ッ」
アニ「別に責めてないよ、さっきのは相手が一枚上手だったってだけだから...けど、それを言い訳にして負けを認めるなら野球なんてやめたほうがいいよ」
エレン「えっ?」
アニ「悔しいなら...次から本気でやりな」
コニー「...グスンッ...はぃッ!」ウルウル
ガシッ ワシャワシャ
アニ「あんたが本気でやれば今よりもっと楽しい野球が出来るはずだよ」
コニー「ずんません...グスンッ...」ウルウル
エレン「〔コニーの奴...本気で泣いてる〕」
ダズ「〔あの能転気なコニーが...悔しがって泣いてる〕」
トーマス「〔...少し調子に乗ってたな、俺達〕」
コニー「俺、ランナーコーチャー行って来ます」
アニ「うん、頼んだよ」
スタスタ
アニ「〔コニーも少しは反省したみたいだね〕」
ウグイス「3番キャッチャー、アルレルト君」
アルミン「〔さて、ワンアウト一塁か...〕」
ラルフ「〔さぁて...どうするかはここからだ〕」
アルミン「〔僕がこの投手のキャッチャーなら4番のミカサと当たる前にランナーは二塁以上勧めたくない〕」
ラルフ「〔...これだ〕」スッスッス
ドッ!
シュッ!
パシンッ!!
審判「ボール!」
アルミン「〔初球は内低めのボール...次は〕」
シュッ!
クイッ!
アルミン「〔スライダー!!〕」スッ!
キーンッ!!
審判「ファール!」
アルミン「〔くそっ、コンマ2秒振り遅れた...〕」
ラルフ「〔あぶねぇ...ボール2個分外しておいて良かったぜ〕」
アニ「〔どうやら相手はアルミンでゲッツーを狙ってるみたいだね、だとしたらここは〕」スッス
アルミン「〔えっ...〕」
アニ「〔相手は予想してないと思うよ〕」
アルミン「〔...そうだね、ここはその案でいこう〕」
ドッ!
コニー「GO!」
ジャン「ッ!!」ダッ!!
敵モブ投手「〔なっ、エンドラン!?〕」
アルミン「」スッ
ラルフ「〔違う...バントか!?〕」
キッ
ポタッ コロコロ
審判「フェア!」
シュッ パシッ!
審判「アウト!」
ラルフ「〔アルミンがバント...?いやまぁアルミンのアウトをバントでもらえるならありがたいが...何を企んでるんだ?〕」
アニ「ナイスバント」
アルミン「まぁ、小学校の頃はバントだけは上手く出来たからねぇ」ハハハッ
アニ「の割にはスクイズは下手だったけど」
アルミン「あっ...いやまぁ...うん」
ウグイス「4番ピッチャー、アッカーマン君」
ラルフ「...」チラッ
監督「ん?」
審判「タイム!」
敵モブ「~~~~」
アルミン「ん?なんだ?」
アニ「〔ピッチャー交代?にしても早い...なら守備固め?〕」
スタスタ
ウグイス「中央憲兵大付属高校、選手の交代をお知らせ致します。ピッチャー、敵モブ投手君に代わりまして...ベリック君。ライトのベリック君に代わりまして敵モブライト君」
ライナー「!?」
ベルトルト「そんな...マルセルは肩を...」
ラルフ「うちでただカウンセリングやってたわけじゃないんだ、ちゃんと投げられるまで回復はしてるんだぜ」
ミカサ「〔あのライト...一体どれほどの実力〕」
アニ「ライナー、あいつの実力どのくらいなの?」
ライナー「...球威は速いです...ただそれは中学1年までの話であって...今はどうk」 パシンッ!!!
エレン「は...?」
スッ!!
クルッ!!ドッ!!!
マルセル「ッ!!」シュッ!!
パシンッ!!!
-
- 129 : 2015/10/11(日) 18:51:37 :
ラルフ「ナイピッチ!」シュッ
パシッ
マルセル「ふぅ...久しぶりだから、コントロールが不安だったけど...大丈夫そうだな」
マルセル「よし、まとめて相手してやる...来いよ、シガンシナ高校」
アルミン「〔あのフォームは...トルネード〕」
アニ「〔フォームだけならまだしも...球威もミカサ級...か〕」
ミカサ「〔速い...130km後半くらい〕」
審判「プレイ!」
マルセル「〔あぁ~この感じ...ひっさびさだな...すっげぇワクワクする〕」
ラルフ「〔あんまり興奮しすぎて漏らすなよ〕」スッスッス
クルッ!!ドッ!!!
マルセル「ッ!!」シュッ!!
ミカサ「ッ!!」スッ!!
キンッ!!
カシャンッ!!
審判「ファール!」
ミカサ「...クッ」ジンジン
ミカサ「〔手がジンジンする...この感触久しぶり〕」
マルセル「〔早速当てやがったこいつ...へっ、ドキドキするじゃん!〕」
エレン「〔ミカサ...頼むぞ!〕」
クルッ!!ドッ!!!
シュッ!!
ミカサ「クッ!?」
パシンッ!!!
審判「ボール!」
トーマス「あのミカサが反応出来なかった!?」
アルミン「〔手元で相当伸びてるんだ、ストレートにキレがある投手は準決勝以降は多くなってくる...今のうちには厳しいか?〕」
マルセル「っしゃぁ、行くぜ!!」スッ!!
ジャン「〔ッ、ワインドアップ!〕」ダッ!!
ラルフ「〔なっ、あの馬鹿!〕」
クルッ!!ドッ!!!
マルセル「ッ!!」シュッ!!
ミカサ「〔ッ、ど真ん中...舐めるなッ!!!〕」スッ!!
キーンッ!!!
審判「...ファール!」
ラルフ「〔あっぶねぇ...あの馬鹿!〕」
マルセル「〔ハハハッ、やっぱ全力投球は気持ちいいや...〕」
ミカサ「〔ど真ん中の球を...チッ、次は捉える〕」
ラルフ「〔この球で決めるか〕」スッスッス
マルセル「!」
クルッ!!ドッ!!!
マルセル「うらッ!!」シュッ!!
ミカサ「〔まんな...か!?〕」ガタッ
クイッ!!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!バッターアウト!」
「おぉぉおおおおお、あの4番を抑えやがった!」
ミカサ「〔今の球は...チェンジアップ...?〕」
アルミン「違う...あの落差と軌道...アレは【パームボール】だ。」
ダズ「ぱ、パーム?」
トーマス「なんすか?それ」
アニ「パームっていうのはチェンジアップより落差がある変化球のこと」
ミリウス「え...何が違うんですか?」
アルミン「チェンジアップっていうのは打者のタイミングを外す、いわば抜け球のことだ。ストレートとフォームが同じならだれだってストレートだと思っちゃうでしょ?」
エレン「確かに...空振りします」
アルミン「チェンジアップは落差はない。けど、パームは落差がある...そういうこと」
トーマス・ダズ・エレン「なるほどぉ」
スタスタ
ミカサ「すみません、打てなくて」
アニ「ストレート速かったね」
ミカサ「はい、キレと球威は私以上かと」
エレン「え...?」
ミカサ「ただコントロールは甘いです、さっきもど真ん中に来ました」
アニ「そう...次は頼むよ」
ミカサ「はい、必ず」
-
- 130 : 2015/10/18(日) 17:27:05 :
シガンシナ 高校 2 0 0 0 0 0 2 0 4
中央憲兵大付属 高校 0 0 0 0 0 5 0 5
ウグイス「8回の裏、中央憲兵大付属高校の攻撃は...8番敵モブレフト君」
敵モブレフト「さっ、こーい!」
アルミン「〔1点差で8回の裏か...うちが勝つためにはこの回を無失点に抑えて、次の回せめて同点にしないと勝機はない〕」
ミカサ「〔あの時...笑っていた...〕」
________________
________________________
_______________________________
マルセル「しゃぁッ!!」ニッ
_______________________________
________________________
________________
ミカサ「〔なんだか...昔の兄さんに似ている〕」
________________
________________________
_______________________________
リヴァイ 小学6年最後の大会
リヴァイ「ふぅ...」
ミカサ「お兄ちゃん!頑張れ!!」
スッ!!!
ドッ!!!
リヴァイ「ウォォォオオオオッ!!!」
シュッ!!!
敵モブ「このやろっ!」スッ!!
パシンッ!!!
審判「す、ストライクッ!バッターアウト!ゲームセット!!」
ミカサ「凄~い!お兄ちゃん!勝った!」
ミカサ母「ふふっ、そうね!お兄ちゃん凄いわね!」
ミカサ「でも...お兄ちゃんってあんまり喜ばないよね」
ミカサ母「え?どうしてそう思うの?」
ミカサ「だって、いつも試合勝っても...皆ではしゃいだり・ガッツポーズしたりしてないもん」
ミカサ母「...ふふっ、それはお兄ちゃんが自分に厳しい子だからよ」
ミカサ「厳しい...子?」
ミカサ母「そう、多分ミカサが見たのはね、予選っていって大きな舞台に行くための試練の最中だったの」
ミカサ「試練?お兄ちゃん、兵隊さんになるの?」
ミカサ母「あははっ、違うわよ!例えの話よ」
ミカサ「ふ~ん...」
ミカサ母「でも、今日はさすがに嬉しいようね」
ミカサ「え?」
ミカサ母「見てご覧なさい、お兄ちゃん...凄く喜んでるわよ」
ミカサ「え!?」チラッ
リヴァイ「っしゃぁ!!!」ガッツポーズ
味方モブ「やったな!リヴァイ!これで全国予選突破だ!」
味方モブ2「お前のおかげだな!」
リヴァイ「俺だけの力じゃない、お前達の力があってこそのこのチームだ。だから俺は...お前達と絶対に優勝するんだ!」
味方モブ「リヴァイ...お前って奴わ!!絶対優勝しようぜ!!」スッ
リヴァイ「...あぁッ!」ニッ
ミカサ「わ~...本当だぁ!!」
_______________________________
________________________
________________
ミカサ「〔...ふっ、だからこそ...絶対倒す!〕」ドッ!!!
シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
シュッ!!
敵モブレフト「くそっ!」スッ
キンッ
アルミン「サード!」
コニー「おらっ!!」シュッ!
パシッ!
審判「アウト!」
マルコ「ワンァウト!ワンァウト!」
ミカサ「ワンァウト!」
コニー「おぉッ!!サード来いよ!!」
トーマス「ピッチャー、打たせていけ!!」
ダズ「バッター勝負!」
-
- 131 : 2015/10/18(日) 17:47:03 :
ウグイス「9番セカンド、敵モブセカンド君」
アルミン「...」スッスッス
ミカサ「」コクッ
シュッ!!
敵モブセカンド「ッ!?」
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
ベンチ
マルセル「やっぱすげぇな、あの投手」
ラルフ「けど、実際...助かったぜ...あそこまで出さないでくれて」
マルセル「確かに...けど、一回打ってみてぇ」
デュラン「無理だろ、お前じゃ」
マルセル「なっ、どういうことっすか!それ!!」
パシンッ!!!
審判「ストライク!バッターアウト!スリーアウトチェンジ!」
ラルフ「ったく、いつの間に3人終わってるんだよ」
敵モブショート「悪い、あの投手ストレート回を重ねるごとに速くなってる」
ラルフ「ま、今となってはどうでもいいだろ!この回で決めるぞ!!」
「おうッ!!」
シガンシナ高校 ベンチ
ジャン「ナイピー、ミカサ」
ミカサ「あ、うん」
スッ
ミカサ「?」
エレン「ん...ナイピー」グッ
ミカサ「...うんッ!」グッ
ジャン「〔なんで俺の時はそっと静かな反応なのに、あの死に急ぎ野郎には笑顔で応えるんだよッ!!!何の差があるんだよッ!!〕」
アニ「さっ、この回で同点にしなきゃこの夏は終わっちゃうよ」
アルミン「...」
ライナー「...」
エレン「...」
アニ「まずは塁に出ること...そして、必ず同点にして...この回で決める気持ちで打っていくんだよッ!!」
「はいッ!!」
-
- 132 : 2015/10/18(日) 21:14:35 :
ウグイス「9回の表、シガンシナ高校の攻撃は...5番ライト、ブラウン君」
マルセル「...ふっ、来いよライナー!」
ライナー「...ふぅッ、お願いしますッ!!!」
審判「プレイ!」
ラルフ「〔この回で絶対に決めるぞ...まずはストレートを内にだ〕」
クルッ!!!ドッ!!!
マルセル「ッ!!」シュッ!!!
ライナー「〔ストレート!!〕」スッ!!
キッ!!!
審判「ファール!」
マルセル「〔へっ、さすがはライナー...当てやがった!〕」
ライナー「〔マルセルの奴...こんなに速くなってたのか...ふっ、お前らしいな〕」
マルセル「〔中学...いや出会った時からずっと想ってたんだ〕」
ライナー「〔お前は確かに強い...怪我さえしなければあの調査高校にもスカウトが来てたかもしれない...それこそベルトルトやミカサだってな...だが、これだけは言える〕」
マルセル・ライナー「〔コイツだけは、俺が倒さなきゃならねぇッ!!!〕」
クルッ!!!ドッ!!!
シュッ!!!
ライナー「ッ!」スッ!!
キンッ!!
審判「ファール!」
マルセル「〔チッ、しつけぇ奴だ〕」ニヤッ
ライナー「〔ふっ、すばしっこい奴だ〕」ニヤッ
ベルトルト「〔ライナー...マルセル...二人共凄いよ、僕が憧れてた二人に...今も変わりない〕」
「...チッ、何やってんだよ」
ザッ
エレン「おい、ライナーッ!!そんな奴早く打っちまえ!!」
ジャン「そうだぜ、俺まで早く回しやがれ!」
ライナー「ッ...お前ら...ふっ」
ザッザッザ!!
ライナー「〔来い、マルセル...あの時言えなかった答えを...今証明してみせる!!〕」
マルセル「〔最高だぜ、ライナー...同じ舞台でまさか敵として向かい合うとはな...〕」
クルッ!!!ドッ!!!
マルセル「ッ!!」シュッ!!!
ライナー「〔いつまでも...過去に囚われてちゃ...前に進めない...マルセル、お前いつかこう言ったよな...〕」ドッ!!!
ライナー「〔だったら...今のお前は今のチームで甲子園を目指してるんだろうな...なら俺は...エレンと...シガンシナ高校の皆と...お前を倒して、甲子園に行くッ!!〕」スッ!!!
ライナー「ウォォォオオオッッッラ!!!!」
カキーンッ!!!
マルセル「ッ...」
カンッ!
観客「おぉぉぉおおお、すげぇパワー!!」
観客「引っ張って、左のポールに直撃しやがった!!」
ライナー「...っしゃぁぁあああ!!!!」タッタッタ
マルセル「...はっ...全く...やられたよ、ライナー」
審判「ホームイン!」
マルセル「...だが、まだ負けたわけじゃねぇ!ここからが本当の勝負だぁ!!」
エレン「ライナー!!ナイバッチ!!」
コニー「すげぇな!!」
ジャン「ったく、打てたんなら最初から打てよ!」
ライナー「...ふっ、ミカサ風に言うなら...たまたま、だ」
・・・
ライナー「え?」
ジャン「」オロロロロッ
コニー「わりー、ライナー...お前がいうとどうしても吐き気がする」
ライナー「はぁ!?」
ミカサ「ごめんなさい...私もちょっと...」
ライナー「ミカサまで!?」
ギャーギャーッ
アルミン「...だとしても、凄い良い当たりだったよね」
アニ「そうだね、元々パワーではチームで一番あるから」
-
- 133 : 2015/10/18(日) 21:14:52 :
ウグイス「6番ファースト、ダズ君」
アニ「〔さて、ここからが問題だね〕」
ダズ「おなしゃっす!」
ドッ!!!
シュッ!!!
ダズ「ぐっ!?」スッ
パシンッ!!!
パシンッ!!!
パシンッ!!!
審判「ストライク、バッターアウト!」
ダズ「くそっ!!」
ウグイス「7番ショート、ボット君」
マルコ「します!」
アニ「〔ただ振れ、じゃ意味ないからしっかり決め球を絞るんだよ〕」
マルコ「〔狙い球を絞れか...なんだろう、そうだな...ストレートを狙ってみよう...と言ってもほぼストレートだけど〕」
ドッ!!!
シュッ!!!
マルコ「ッ」
パシンッ!!!
審判「ボール!」
マルコ「〔ライナー...よく打ったなこのストレート...けど、ミカサと同じくらいだと思ったら打てそうに思え...ないや〕」
ラルフ「〔2球で決めるか、内野フレイ狙いで...低めギリギリに〕」
ドッ!!!
シュッ!!
マルコ「〔う”っ、パーム!?〕」スッ
キッ
ラルフ「ベリック!」
パシッ
マルセル「ッ!!」シュッ!!
パシッ!!
審判「アウト!」
ウグイス「8番セカンド、ワグナー君」
トーマス「おうッ、来い!!」
マルセル「ふぅ...ッ!!」シュッ!!!
パシンッ!!!
トーマス「〔これだけの球放れるのに、中央憲兵にいんのかよ...実際調査高校にでも行けたんじゃねぇか?〕」
ドッ!!!
シュッ!!!
トーマス「〔ストレートだけ投げられてて...三振するかよッ!!〕」スッ
キンッ!
ラルフ「サードッ!」
パシッ!
デュラン「うらっ!!」シュッ!
パシッ!
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!」
敵モブショート「ナイピッチ!ベリック!」
デュラン「ホント、なんで今まで黙ってたんだよ?こんなピッチング出来るんなら投手陣に入ってればいいじゃねぇか」
マルセル「いやぁ、まぁ...色々とあるんで」
ラルフ「おっしゃ、この回で決めて...ベリックバテさせないようにしようぜ!」
「おうッ!!」
シガンシナ高校 ベンチ
トーマス「すみませぇん!」
アニ「今の球全球ストレート?」
トーマス「え?あ、はい!制球力はないみたいっすけど」
アニ「...そう、次打つイメージしといて」
トーマス「はい!」
アニ「〔ストレート一本勝負...コントロール甘め...これは次の回仕掛けるチャンスがありそうだね〕」
アニ「この回も無失点に抑えるんだよ!」
「はいッ!!」
-
- 134 : 2015/10/18(日) 22:06:05 :
ウグイス「9回の裏、中央憲兵大付属高校の攻撃は...2番センター、敵モブセンター君」
敵モブセンター「〔この回決めちまえば、サヨナラだ...だが、正直この投手からヒット打つなんて...難しい〕」
ドッ!!!
シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ボール!」
アルミン「ミカサ!高めに浮いてるよ!低く低く!」シュッ
敵モブセンター「〔低く?高めに浮いてる?今ので高いのか!?〕」
ドッ!!!
シュッ!!
敵モブセンター「〔なら低めに来るのk !?〕」パシンッ!!!
審判「ストライク!」
アルミン「低く!」シュッ
敵モブセンター「〔てっめぇ!!今俺を騙したな!?〕」
マルコ「〔アルミン先輩...浮いてるって言ってたくせに...次はインハイって...性格悪すぎですよ〕」
トーマス「〔先輩が敵じゃなくて本当...良かったぁ〕」
アルミン「〔もう一球〕」スッスッス
ドッ!!!
シュッ!!
敵モブセンター「〔へっ、今度は騙されねぇぜ!ボール球だ!〕」
クイッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
敵モブセンター「〔なっ!?今度はインハイにシュートだと!?〕」
アルミン「〔顔に出過ぎだよ、度肝抜かれた顔して...なら次はこんな球だったらどう?〕」
ドッ!!!
シュッ!!
敵モブセンター「〔また内...だが今度はコース甘いぜ!!〕」スッ!!
クイッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!バッターアウト!」
敵モブセンター「〔最後の球は...内にえぐりながら落ちる...シンカーだと!?〕」
-
- 135 : 2015/10/18(日) 22:06:40 :
スタスタ
○○○1「おぉ、やってるな」
○○○2「どことどこだぁ?」
○○○○「中央憲兵TO...シガンシナ...高校...あ、シガンシナ高校って確か」
○○○1「あぁ、アルミンの行った高校だ」
観客「ん?おい、もしかしてアレって...駐屯高校じゃねぇか!?」
観客「おぉ!マジだ!ウォール・マリア県内トップ2の名門校...駐屯高校!」
観客「今年は順当に準々決勝に進んでるらしいぜ!」
観客「しかも、今年は逸材が揃ってるとかな!」
駐屯モブ「おい、イアン!そろそろミーティング始まるぞ!」
イアン「ん、そうか...ミタビ・グスタフ!そろそろ行くぞ!」
ミタビ「そろそろも何も...今来たばっかじゃねぇか...はいはい、行きますよ」
グスタフ「イアン、シガンシナだZO?見なくていいのか?」
ミタビ「そう!俺もそれ言いたかったんだよ!」
イアン「試合はビデオ班に任せてあるから俺達は後でも見れるだろ?まぁ確かに直で見たほうがいいが」
○○○3「おい、貴様ら!いつまでちんたらしてるんだ!!さっさと集合せんか!!」アセ
○○○○2「おいおい、そんなに怒らなくてもいいだろぉ?」
○○○3「我々は最上級生である3年生だぞ!きっちり躾をしないと後で苦労するのは監督や今の2年生達なんだぞ!」アセ
○○○○2「だとしてもあんまりきつい言い方しなくてもいいだろうに」
○○○3「そんなのだから貴様は3年生になっても舐められてるのだ!しっかりしろ!ハンネス!」アセ
ハンネス「まぁまぁ落ち着けって、キッツ」
キッツ「私はいつでも落ち着いてるッ!!!!」アセ
「〔いや...絶対落ち着いてないっしょ...だって汗びっじょびじょだし...〕」
○○○○3「これこれ、相変わらず図体はデカイが繊細な性格で小鹿のような脳をしておるのぉ」
キッツ「はっ!?ぴ、ピクシス監督!?」
ピクシス「どうじゃ、ここいらで少し落ち着いてみるのは?」
キッツ「ま、真に申し訳ございませんでした!この私...最上級生にしてチームをちゃんと指揮しきれず」
ピクシス「あぁ、そういう堅苦しいことは毎回いいと言わせるな!キッツ」
キッツ「は、ハァ...すみません」
ピクシス「確かに...鉄壁の守備の名を誇る中央憲兵と今大会ブラックホールと言われたシガンシナ高校の勝負は少々気になるのぉ」
-
- 136 : 2015/10/18(日) 22:06:48 :
ピクシス「マネージャー、次の試合は何時からなんじゃ?」
アンカ「ハァ。監督...またボケたんですか?野球は延長がある限り何時に終わるかなんてわかりません!まぁ予定では14時30ですけど...この様子じゃ15時にも終わるかどうか」
「いや、それはないだろう」
アンカ「え?」
イアン「恐らく...この回で決まる」
ミタビ「おいおい!なんでわかるんだよ!お前預言者かよ!」
イアン「そうじゃない、見てみろ」
チラッ
ドッ!!!
イアン「今大会何度も皆の予言を覆してきた高校のエースピッチャー...ミカサ・アッカーマン」
ミカサ「ッ!!」シュッ!!!
イアン「まさにシガンシナのヒーローが絶好調なんだ、それに中央憲兵はあの球を捉えきれてない」
ラルフ「クッそ!?」スッ!!
イアン「加えて、中央憲兵の投手はサネスを下げ、中学の頃少し注目されていた、マルセル・ベリック。2年間肩を壊していたと聞く」
パシンッ!!!
イアン「今のシガンシナの勢いに中央憲兵がどれだけ調子の良い投手を出そうと止められやしない...恐らく延長で有利なのはシガンシナ高校だ。」
審判「ストライク!バッターアウト!スリーアウトチェンジ!」
タッタッタ
マルコ「ナイピー!」
トーマス「次で決めようぜ!」
ミカサ「! うん!」
ミタビ「ほ~、あのストレート...すげぇ伸びてるじゃねぇか」
グスタフ「140kmくらいか?球威もかなり速いZO」
ミタビ「だぁ~っくそ!てめぇ、グスタフ!お前のその語尾の棒読み感...なんとかならねぇのか!!」
グスタフ「俺は普通にしてるんだけどYO」
ミタビ「あぁあああ!!また言いやがった!!」
ハンネス「お前ら、仲良いな!」
ミタビ「別に良くねぇっすよ!!」
グスタフ「え!?そうだったのか!?ミタビ!」
ミタビ「あぁぁああ、嘘嘘!めっちゃ仲良い!!」
ピクシス「イアン、どうじゃ?この試合どっちが勝つと思う?」
イアン「俺はシガンシナが上がってくるかと」
ピクシス「う~む、そうか...あ、確かシガンシナの監督は...美人じゃったな!おぉ、こりゃ楽しみじゃ!主ら、今日は絶対勝つんじゃぞ!あの美人さんとまた握手が出来るんじゃからな!」
「〔そのために勝てと!?〕」
イアン「〔アルミンか...直接対決は中学以来か...ふっ、楽しみにしてるぞ〕」
-
- 137 : 2015/10/19(月) 02:02:30 :
ウグイス「10回の表、シガンシナ高校の攻撃は...9番レフト、ゼルムスキー君」
ミリウス「...」
ドッ!!!
シュッ!!!
ミリウス「ッ!」スッ!
キッ
審判「ファール!」
マルセル「?」
ラルフ「〔なんだ...今のスイング〕」
ミリウス「〔ふぅ、気づかれるな...〕」
ドッ!!!
シュッ!!!
ミリウス「ッ!」スッ!!
ラルフ「〔なっ!?セーフティー!?〕」
キッ!
審判「フェア!」
ミリウス「ッ!!」ダッ!!
マルセル「くそっ、行かせるかっ!」シュッ!! ズキッ
マルセル「うぐっ!?」
パシッ!!
審判「アウト!」
マルセル「ハァ、ハァ...うし!」
ミリウス「すみません」
アニ「どうだった?」
ミリウス「はい、言われた通り...高さは真ん中でコースは外内だけです」
アニ「そう、ありがとう!あんたのアウトは無駄にしないよ」
ミリウス「は、はい!」
ウグイス「1番センター、キルシュタイン君」
ジャン「っしゃ」
アニ「〔さぁ、勝負に出るよ〕」
ジャン「〔はい!〕」
ラルフ「〔さっきのセーフティー...何か狙ってるのか?〕」
ドッ!!!
シュッ!!!
ジャン「ッ!!」ギリッ!!
キーンッ!!
マルセル「なっ!?」
観客「おぉ、綺麗なレフト前のヒット!」
ジャン「っしゃぁ、見たか!」
マルセル「チッ、くそッ!!」
ウグイス「2番サード、スプリンガー君」
コニー「おぉーッ!」
ラルフ「〔落ち着け、このバッターは馬鹿だ!釣り球でゲッツー狙うぞ!〕」
マルセル「」コクッ
ドッ!!!
シュッ!!!
パシンッ!!!
審判「ボール!」
コニー「」チラッ
ジャン「」コクッ
ラルフ「〔次は内だ、全力で行け!〕」
マルセル「〔ねじ伏せる...もう絶対...打たせやしないッ!!〕」スッ!!!
クルッ!!!
ジャン「ッ!!」ダッ!!
マルセル「くそっ!」ドッ!!!
シュッ!!!
コニー「ッ!!」スッ!!! パシンッ!!!
審判「ストライク!」
ラルフ「〔くそっ、コイツ...わざと振って俺の送球を遅らせたのか!〕」
ズサーッ!!
審判「セーフ!」
トーマス「よっしゃ、ワンァウト二塁!」
エレン「続けよ、コニー!!」
アニ「〔ホントヒヤヒヤもんだわ、けど...これでワンァウト二塁...さぁ仕掛けるのはここからだよ!〕」
コニー「〔はい!〕」
マルセル「〔くっそ、こいつら...俺の癖を見破ったのか?〕」
-
- 138 : 2015/10/19(月) 02:03:02 :
観客席
ミタビ「おぉ!すげぇじゃねぇか!あのバッテリーから盗塁するなんて!」
イアン「トルネードスローは投げるまでほんの少しの時間だが、一瞬硬直があって隙が出来る...盗塁成功確率は60%ってところか」
グスタフ「だとしてMO、アイツの球威は決して走れる球じゃないZO?」
イアン「恐らくあの9番をセーフティーでアウトにしたのも、1番のスタートダッシュが速いことも含め...伏線を張ったんじゃないか?」
ミタビ「このチャンスを作るために9番を犠牲にしたってか?ひっでぇ監督だな、まぁその分チャンスは作れたけどよ」
イアン「何かを捨てなければ、何も得ることは出来ない...かつて、俺にこう言った奴がいてな」
ミタビ「ん?あぁ、アルミンか?」
イアン「ふっ、さぁ?どうだがな」
ミタビ「腹立つッ、今の顔腹立つ!ちょっとバッティングセンターでかっ飛ばしてくるわッ!!!」
ハンネス「おいおい、これから試合だぞ~?」
クルッ!!!
ジャン「ッ!!」ダッ!!
ミタビ「なっ、三盗しやがった!?」
ドッ!!!
マルセル「〔そう何度も、させるかよッ!!〕」シュッ!!
グスタフ「パームボール!?タイミング抜かれるZO」
クイッ!!
アニ「〔しっかり、踏ん張るんだよッ〕」
グググッ!!
ドッ!!
コニー「...うらッ!!」スッ!!
ラルフ「〔エンドラン!?〕」
キーンッ!!
トーマス「よし、抜けt パシッ!!
敵モブショート「ッ!!」シュッ!!
ダッダッダ!!
パシッ!!
審判「...アウト!」
観客「おぉ、これでツーアウト三塁で!」
ウグイス「3番キャッチャー、アルレルト君」
アルミン「...」
「アルレルトォ!!打てぇ!!」
「アルミンくーんッ!頑張ってー!!」
「アルミン~、打ってくれ~!!」
ミタビ「なんだなんだ?観客たち一気にシガンシナに味方しやがって」
イアン「それはまぁそうだろうな、なんせ俺達を脅かす存在なんだからな」
ラルフ「タイム!」
審判「タイム!」
-
- 139 : 2015/10/19(月) 02:03:37 :
スタスタ
マルセル「すんません、俺...」
ポンッ
デュラン「気にすんな、ただの三塁だ」
マルセル「えっ?」
ラルフ「そうだぜ、結局打たれたのは1番だけで...それ以外は盗塁だ、むしろ俺がやべぇよ」
敵モブショート「それよりどうするよ、アルミン」
デュラン「一塁空いてますし...埋めますか?」
ラルフ「そうだな、あの4番にはまだ打たれてねぇから4番で勝負っすっぞ!」
「おうッ!!」
スタスタ
審判「プレイ!」
スッ
アルミン「!」
シュッ
パシッ
審判「ボール!」
アニ「〔ハァ、そう来たか〕」
ミタビ「うぉっ!?マジかよ、マジかよ!?まさかのアルミンを敬遠かよ!?」
イアン「まぁ避けるだろうな」
パシッ!
審判「ボール!フォア!」
アルミン「ミカサ、頼んだよ」
ミカサ「...」
ウグイス「4番ピッチャー、アッカーマン君」
観客「出たぁ!流星のごとく現れた天才1年のミカサ・アッカーマン!」
観客「アイツピッチングだけじゃなくて、バッティングもすげぇんだよな!」
アニ「〔さぁ8回の時の三振...取り返してきな!〕」
ミカサ「〔はい〕」
スタスタ
マルセル「〔こいつにはさっき三振してやったんだっけ...なら今回も三振して返してやるよ!〕」
ミカサ「〔ふぅ...集中しろ、前の打席...コントロールは悪かったけど、ストレートの球威とパームの緩急で三振させられた...けど、もう二度目はない...二度も〕」
クルッ!!!ドッ!!!
マルセル「ッ!!」シュッ!!!
ミカサ「ッ!!」スッ!!!
キーンッ!!
審判「ファール!」
クルッ!!!ドッ!!!
マルセル「ウォォァァアアアッ!!」シュッ!!
クイッ!!
アルミン「〔ッ、パーム!〕」
ミカサ「クッ...」ググッ
スッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
ミカサ「〔くそっ、ストレートとパームの緩急があって...タイミングが取りづらい...どうすれば...どうすれば...〕」
トーマス「あぁ~、くそ!やっぱミカサでもパームは難しいのか!」
エレン「ミカサァッ!!よく見ろッ!!!!」
ミカサ「ッ、エレン...」
エレン「お前だったら...絶対打てるッ!!!」
ミカサ「〔...私は...何を考えていたんだろう...タイミング?そんなもの下半身で耐えて、腕で合わせればいい...〕」
ミカサ「〔兄さんだったら...そうするはず...狙い球なんて絞らず...ただ来た球を打て...って言うはず...〕」
ミカサ「〔例え、私の腕が...負荷を超えても...絶対に打つ〕」キリッ
マルセル「〔こいつ...パームのタイミング全然合ってない...〕」
ラルフ「〔ならパーム連続していくぞ!〕」
マルセル「〔いや、ここは...〕」
-
- 140 : 2015/10/19(月) 02:03:50 :
ベンチ
サネス「〔マルセルの野郎...なんであそこまで俺に付いてくるんだ?本当なら俺は恨まれてるはずなのに...どうして...どうして〕」
スッ!!!
ジャン・アルミン「〔ワインドアップ!〕」
クルッ!!!ドッ!!!
マルセル「〔コイツで...決めるッ!!〕」
マルセル「ウォォォオオッラッ!!!!!」シュッ!!!
アニ「〔ッ、ストレート!〕」
ザッ!!!
ミカサ「ッ!!」スッ!!!
ラルフ「」ニヤッ
アルミン「〔ッ、あの笑い...まさか〕」
クイッ!!!
アニ「〔ッ、SFF!?〕」
アルミン「〔駄目だ、このままじゃ空振りする!?〕」
エレン「ミカサァァァァアアッッッ!!!!!」
ミカサ「...うぅ”ッ!!」グググッ!! スポッ!!
ラルフ「〔はっ!?〕」
カキーンッ!!!
マルセル「ッ...」
マルセル「レフトォォオオオ!!!」
敵モブレフト「ッ!!」ダイブッ!!
ズサーッ!!
ザッ
ジャン「〔どっちだ...フライ取ったのか...取ってねぇのか!?〕」
コロコロ
ミカサ「ッ」
審判「フェアッ!!フェアッ!!!!」
観客「...おぉぉぉおおおおおおッッ!!!!」
観客「勝ち越しだぁ!」
ミカサ「ハァ...良かったぁ...」
ラルフ「〔そんな...なんで...なんでだよ...今、完全にタイミング抜いただろ!それに...ありえねぇ...打つ瞬間...〕」
________________
________________________
_______________________________
ミカサ「...うぅ”ッ!!」グググッ!! スポッ!!
_______________________________
________________________
________________
ラルフ「〔打つ瞬間...グリップ2本下にずらしやがった...!?〕」
マルセル「...ははッ、すげぇや...」
ラルフ「!」
マルセル「...ふぅ、やっぱアイツすげぇ」
アニ「〔...ふぅ、ホントに...凄いよ、あんた〕」
アルミン「〔さすがに...驚いたよ〕」
ウグイス「5番ライト、ブラウン君」
マルセル「...ふっ、今回は負けねぇぞ!」
クルッ!!!ドッ!!!
シュッ!!!
ライナー「ふッ!!」スッ!!
キーンッ!!
マルセル「なっ!?」
パシッ!!
デュラン「ん」スッ
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!!」
スタスタ
アルミン「ナイバッチ、ミカサ」
ミカサ「! はい」
コニー「お前ェ!!すげぇな!!」
トーマス「よく打てたな!」
ミカサ「いや...私は何も...」
エレン「ナイバッチ!ミカサ!」
ミカサ「...ふふっ、うん!ありがとう。けど、エレンのおかげ」
エレン「ハァ?俺のおかげ?なんで俺が出てくるんだよ」
ミカサ「エレンが応援してくれたから」
エレン「いや誰だって応援するだろ」
アニ「今の球、SFFだったね」
ミカサ「はい」
アルミン「ホント、凄いよ!よく耐えたね!」
ミカサ「いえ、エレンのおかげで耐えれま「だから、俺関係ねぇだろッ!!」
アルミン「〔ホントに...大したもんだよ、グリップ2本ずらすとか普通やらない...し、出来ないから...うん〕」
-
- 141 : 2015/11/03(火) 00:15:19 :
-
シガンシナ 高校 2 0 0 0 0 0 2 0 1 1 6
中央憲兵大付属 高校 0 0 0 0 0 5 0 0 0 5
アニ「さぁ、この回で決めるよ!」
「はいッ!!」
スタスタ
中央憲兵ベンチ
マルセル「くそっ...」
デュラン「ドンマイ、今回で絶対に取り返してやるから」
マルセル「うっ...すんません!」
ラルフ「バーッカ、なにへこんでるんだよ」
マルセル「だって、逆転...されたんですよ」
ラルフ「あぁ、そうだな」
マルセル「あぁ、そうだな。って...なんでそんな楽天的なんですか!」
ラルフ「楽天的?何言ってるんだ、お前」
デュラン「俺達がいつ楽天的になったって?」
マルセル「えっ」
敵モブショート「これでも一応焦ってるんだぜ?」
ラルフ「この回で決めなきゃ俺ら夏が終わるからな」
マルセル「ッ...失礼なこと言ってすんませんでしたッ!!」
デュラン「謝るなって、まだ負けたわけじゃないんだ」
マルセル「! そうですね!」
ラルフ「さぁ...泣いても笑ってもこの回で決めなきゃ俺達の夏は終わる...絶対逆転して...甲子園行くぞッ!!!」
「オーッ!!」
ウグイス「10回の裏、中央憲兵大付属高校の攻撃は...5番サード、デュラン君」
ザッザッザッ!
デュラン「〔今のチーム状況...前より格段と良くなってる。きっとそれはサネスさんが離脱したから...こんな形であの人達の夏を終わらせたくない!〕」
アルミン「〔ここは確実性を取ろう〕」スッスッス
ドッ!!!
シュッ!!
クイッ!!
デュラン「〔ッ、シュート!〕」スッ!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
デュラン「〔普通のシュートのキレじゃねぇだろ...けど、こいつがリヴァイの兄弟だと思ったら当たり前か〕」
アルミン「〔次はストライクからボールになるスライダー〕」
ドッ!!!
シュッ!!
クイッ!!
パシンッ!!!
審判「ボール!」
敵ベンチ「ナイセンナイセン!」
敵ベンチ「広く見ていけー!」
デュラン「〔くそっ、絞り球すら決められねぇ...球種多すぎんだろ〕」
アルミン「〔あと2球で決める...次は外低めにストライクからボールになるカーブ〕」スッスッス
ミカサ「〔カーブ...タイミングを...抜く!〕」
ドッ!!!
シュッ!!
デュラン「〔緩い!カーブ!!〕」ザッ!!
キンッ!!
審判「ファール!」
デュラン「〔くっそぉ、せっかく狙い球来たっていうのに...ファールで粘っちまった〕」
アルミン「〔今のスイング、最初から重心を後ろにして待ち構えてた...カーブ待ってるのか〕」
-
- 142 : 2015/11/03(火) 00:15:43 :
アルミン「ミカサ!」シュッ
ミカサ「え?」パシッ
アルミン「」サイン
ミカサ「!」
アルミン「〔サネスにも通用したんだ、そろそろ使える回数を増やせるようにしよう!〕」
ミカサ「〔あのサインは、7回の時に使った...兄さんのフォームコピー...すなわち、スタイルコピー〕」
アルミン「〔小さい頃からアイツ(リヴァイ)のフォームを真似してきたミカサならではの技だ。これを武器にしない手立てはない!〕」
スッ!!!
デュラン「〔カーブ...カーブ...カーブ!!〕」
ドッ!!!
ラルフ「なっ!?」
ミカサ(リヴァイ)「ッ!!」シュッ!!!
デュラン「ッ!?」
スッバシーンッ!!!!
審判「...ストライク!バッターアウト!」
「おぉぉぉおおお!!」
「なんて速さだ...140km...いや140後半は出てるか!?」
イアン「! 今のフォームは...」
ウグイス「6番ピッチャー、ベリック君」
スタスタ
デュラン「すまん、最後の一球だけ...かなり速かったぞ」
マルセル「大丈夫です、今度は絶対...アイツに勝ちます」
スタスタ
審判「プレイ」
ザッザッザッ!!
マルセル「〔ライナー...5回後グラセンの時にお前はサネスさんを悪く言ってたな...確かに他のプレイヤーを傷つけたり・人を駒のように扱うのはどうかと思う〕」
「〔だけど!!〕」
マルセル「〔あの人は...俺の恩人なんだ!中学1年の肩をぶっ壊した時...あの人がいなかったら俺は今も腐れ人間のままだったんだ!〕」
マルセル「〔だから俺は、あの人に恩返しをしたい!闇の中にいた俺を救ってくれたあの人に...甲子園の土を踏ませたい!それが俺に出来る...最大の恩返しだ!!〕」
マルセル「〔だから...だから...今お前らに...邪魔されるわけにはいかねぇんだよッッ!!!〕」ギリッ
ミカサ「〔何かこの人...私に...似ている気がする...あの目はまだまだ未熟だった頃の私の目にそっくり...恩人に恩を返すそれだけのことを考えてる私にそっくりだ。〕」
ミカサ「〔私も最初はその人に恩を返せれば...それだけでいい、と思った。けど...それは間違いだった...〕」
ミカサ「〔何かを【達成させたい】と何かを【一緒に達成したい】...この違いに私は気付かされた。〕」
ミカサ「〔だからこそ...あなたにはここで気づいて欲しい...自分一人で何かを成し遂げるのは絶対に無理だってことを...〕」
スッ!!!
ドッ!!!
ミカサ(リヴァイ)「ッ!!」シュッ!!!
マルセル「ッ!!」スッ!!
スッバシーンッ!!!!
審判「ストライク!」
アルミン「〔次は緩急を付けて、外低めボール球になるカーブ〕」
スッ!!!
ドッ!!!
シュッ!!!
マルセル「〔ぐっ!?カーブ!〕」スッ!!
パシンッ!!!!
審判「ストライクツー!」
敵ベンチ「マルセル頑張れ!!」
敵ベンチ「広く見ろ!」
マルセル「〔くそっ、コイツ本当に同じ1年かよ...化物みてぇだ〕」
アルミン「〔3球で決める!〕」スッスッス
-
- 143 : 2015/11/03(火) 00:16:46 :
中央憲兵ベンチ
デュラン「くそっ...マルセルでも無理なのかよ」
敵モブショート「アイツ本当に1年か?」
「はっ、打てるはずがねぇだろ...俺が打てなかったんだからな」
敵モブショート「! サネス!?」
サネス「俺を下げといて、このチームが成り立つとでも言いたいのか?そんな馬鹿な話はないだろ、エースを抜いたチームなんざ何も怖くねぇんだからよ」
サネス「それに、あんなヘボな1年何かに頼ってるなんて...無様だな敵モブショート」
敵モブショート「...」
サネス「アイツは所詮使い駒だ、なんも役にはたちゃしねぇよ」
「...おい、サネス今の発言...マルセルに謝れよ」
サネス「あ?」
ガッ
ラルフ「今の発言を...謝れって言ってんだよ!!」
敵モブショート「ら、ラルフ!落ち着けって!」
ラルフ「マルセルは...お前に恩を返そうとしてるっていうに...お前はそれを...」
サネス「俺に恩だぁ?ふざけんじゃねぇ、アイツに返される恩なんてねぇ!」
ラルフ「お前はそう思ってるかもしないけどな!!肩ぶっ壊してたマルセルを救ったのは...お前だろ!!!」
ラルフ「お前にとっちゃ駒かもしれないが、アイツにとっては恩人なんだよ!それをお前はッ!!!」
サネス「俺がどうこう思うとも...アイツには関係ねぇだろ!!」
「いい加減にしろ!お前ら試合中だぞッ!!」
サネス・ラルフ「!」
敵モブショート「3年にもなってみっともないぞ!1・2年の見てる前で、しかも今打席に立ってるのは1年なんだぞ!試合に集中しろよッッ!!」
ラルフ「わ、悪い」
サネス「...チッ」
敵モブショート「ラルフ、気持ちはわかる...けど、場所を考えろよな」
ラルフ「あぁ」
敵モブショート「そして、サネス...お前が俺達をどう扱っても構わない...けどな、下級生まで巻き込んでするようなことじゃないだろ!やるなら俺にしろ!」
サネス「...何言ってるんだ、お前...てめぇじゃ使えねぇからアイツにしてんだろ」
敵モブショート「使えなくても構わない、だけど俺らより歳が幼い奴にそんな残酷なことをさせるな!」
サネス「...馬鹿か、使える奴を使わないでどうすんだよ」
-
- 144 : 2015/11/03(火) 00:17:46 :
「ファール!」
マルセル「ハァ、ハァ、ハァ...クッ」
ミカサ「...ふぅッ」スッ!!!
ドッ!!!
シュッ!!!
マルセル「ッ!!」スッ!!
キッ!!!
審判「ファール!」
デュラン「おぉ、タイミング合ってきてるぞ!」
敵モブセンター「クサイ球カットしろー!」
マルセル「〔絶対...勝つんだ...あの人を...甲子園に連れて行くんだッ!!〕」
ミカサ「〔絶対に勝つ...もう誰にも負けない...エレンと...みんなと一緒に...甲子園に行くッ!!〕」
スッ!!!
ドッ!!!
ミカサ「うぉぉぉおおおおッッッ!!!!」
シュッ!!!
ザッ!!
マルセル「...ッ!!」スッ!!
キーンッ!!
ミカサ「ッ...」
マルセル「いっけぇぇぇええええええええええええッッッ」
ダッダッダ!!
ライナー「うぉぉぉッッ!!!!」ピョンッ!
ガッ!!!
ドサッ!
「!?」
タッタッタ!!
ジャン「ライナー!大丈夫か!!」
ライナー「うっ...うぅ...」
審判「...」
審判「...アウト!!アウト!!!!」
「おぉぉおおおおおお!!!」
タッタッタ スタ スタ
マルセル「...くっ、くそぉぉおおおおおおおッッッ!!!!」ガンッ!!
「あと一人ッ!あと一人ッ!」
敵モブショート「まだだぁ!まだ終わってねぇ!諦めるな!!」
敵モブセンター「まず塁に出ようぜッ!!!」
シュッ!!!
キンッ!
アルミン「ショート!」
パシッ!
マルコ「ふっ!」シュッ!
パシッ!
審判「アウト!ゲームセット!!」
「おぉぉおおおおッッ、準々決勝進出は...」
「シガンシナ高校だぁ!!!!!」
コニー「おっしゃぁああああ!!勝ったぞぉ!!!」
マルコ「やった!」
トーマス「よっしゃ、ベスト8進出!」
ダズ「すげぇよ!すげぇよ!!」
審判「整列!」
ビシッ
審判「6対5で、シガンシナ高校...ゲーム!」
「ありがとうございましたッ」
-
- 145 : 2015/11/03(火) 00:18:19 :
スタスタ
エレン「ナイピッチ!ミカサ!」
ミカサ「ありがとう」
ジャン「ってかそれよりライナー、大丈夫かよ」
ライナー「あぁ、昔から体だけは丈夫だったからな!それに、今はアドレナリン出てて痛くねぇ!」
アニ「ライナー、ナイスガッツ!あんたのこと少しは見なおしたよ」
ライナー「ありがとうございますッ!!」
ウグイス「勝ったシガンシナ高校はグラウンドの整備をお願い致します。」
ジャン「っしゃ、行くぞ!」
「おうッ!!」
中央憲兵ベンチ
ザワザワ
敵モブショート「泣くな!俺達は良くやっただろ!」
敵モブレフト「あぁ...けどっ...くそぉっ!」グスンッ
デュラン「...くそっ、すみません...俺があの時...塁に出てればっ」ウルッ
ラルフ「お前も泣くなって、元の責任は俺らだ。お前らにカッコ悪い姿見せちまって...悪かったな」
「ケッ、気持ちワリィ」
サネス「泣きわめきやがって...」
スタスタ
サネス「あ?」
「す”みません...でしだっ」
サネス「は...?」
マルセル「打てなぐて...しあ”いに”勝てなくで...せんばいを”甲子園にづれでいけなくて...ずみばせんでしたッ」ポロポロ
マルセル「おれ”がっ...あそごで...うっでだら...ちゃんとおざえでたら...」ポロポロ
サネス「...」
スタスタ
サネス「お前には...まだ来年あんだろ」
マルセル「ッ」
サネス「肩治ったお前なら...そんな打たれやしない」
マルセル「でもッ、俺は!サネス先輩を...甲子園に連れて行ってあげたかったです!!」
サネス「...ふっ、クックック...あっはっは、馬鹿かお前?年下のくせして行かせてあげたかったって...舐めてるのか」
マルセル「舐めてないです!俺...肩を壊して...その後先輩が「うるせぇ、それ以上喋るんじゃねぇ」
サネス「薄気味悪い...とっとと涙拭いて帰れ」
マルセル「...はぃ」
スタスタ
サネス「あ、お前俺を甲子園に連れて行きたかったって言ってたよな」
マルセル「え?はい」
サネス「なら...春の選抜で...卒業した後に甲子園に行け」
マルセル「えっ...」
サネス「そんときは、TV中継でも見てやっから」
マルセル「...」ウルッ
マルセル「はいッ、頑張りますッッッ!!!!」
ラルフ「ふっ、素直じゃないな相変わらず」
サネス「うるせぇ...悪かったな、ラルフ」
ラルフ「はぁ?何を今更」
サネス「...大学」
ラルフ「え?」
サネス「大学野球で...もう一度俺と野球をしてくれないか、今度はちゃんとした...バッテリーで」
ラルフ「...ぶっ、あっはっはっは」
サネス「ハァ!?てめぇ何笑ってんだよ!!」
ラルフ「いやいや、サネス...クサイからそういうの!だっはっはっは!」
サネス「死ね、一生顔見せるな!!」
ラルフ「冗談だよ、いいよ...大学で本当のバッテリーになって...今度こそ全国行こうぜ」
サネス「もういい、一人で行く」
-
- 146 : 2015/11/03(火) 00:18:38 :
敵応援団「シガンシナ高校の~、健闘を祈って~、フレーッ、フレーッ、シガンシナ!フレッフレッシガンシナ!フレッフレッシガンシナッ!!」
「ふっ、ついに来たな...アルミン」
イアン「中学以来の勝負だ...楽しみにしているぞ」
ミタビ「お~い、イアン!そろそろ行くぞ~!!」
イアン「あぁ、今行く」
スタスタ
アルミン「!」チラッ
イアン「ふっ...」スッ
アルミン「...」スッ
エレン「?」チラッ
イアン「あぁ、今行くって」
ミタビ「おっせぇんだよ!キャプテン怒ってるぞ!」
エレン「あの...アルミン先輩、知り合いですか?」
アルミン「ん?あぁイアンのこと?そうだね、中学の頃...いや今でも変わらず...僕のライバルだよ」
エレン「〔ッ、アルミン先輩の...ライバル...?〕」
アルミン「さぁて、さっさとグラセン済ませて帰って今日の解析しなきゃね」
エレン「あ、はい!」
スタスタ
エレン「〔アルミン先輩のライバル...一体...どんな人なんだろう〕」
-
- 147 : 2015/11/09(月) 14:43:24 :
現在公開可能な情報
(学校志望動機 S高校編)
E君...「母親が通っていた高校だったから、とにかく三星シガンシナから離れたかったから」
K君...「元々受ける高校はここより格段に偏差値が低いシガンシナ学園高校という学校に志願するつもりだったが、間違ってシガンシナ高校に出してしまい、運良くコロコロ鉛筆作戦で補欠合格した。」
Mさん...「恩人がこの学校を受けると聞いたから恩を返すため。」
M君...「模擬試験の成績でここがちょうど良かったから、大学進学率が高かったから」
J君...「親友が受けたから、美人な女性と会いそうな予感がしたから」
T君...「家が近かったから(片道5分)」
M君...「中学の皆がここにしたから」
D君...「彼女を作れるならどこでも良かった。義理の両親達に迷惑をかけないように近くを選んだ。」
A君...「幼馴染みを甲子園に連れていくため、調査高校(ある奴らと決着をつける)と戦うため。親元を離れるため寮があるところにしたかった。」
Aさん...「幼馴染みに甲子園へ連れていってもらうため、幼馴染みが心配なため、幼馴染みとまた一緒に野球がしたいため」
R君...「地元では高校がないため、自分が致命傷をして野球部がないところがいいから。」
B君...「幼馴染みを見張るため、幼馴染みと同じ学校がよかったから。」
Kさん...「両親に認めてもらいたかったから」
Yさん...「天使に会える予感がしたから」
K君...「レオンハートさんとお付き合いしたかったから」
Rさん...「中学の頃やってた吹奏楽で、この学校は強豪校だったから」
P先生...「母校だったから恩返しをしたいから」
H先生...「マリア県内で一番給料が高かったから」
-
- 148 : 2015/11/15(日) 22:57:11 :
-
・・・試合後・・・
スタスタ
ジャン「全員いるかぁ?」
「おーう!」
ジャン「じゃぁ帰るぞ~」
○○○「! あ、あなた達はもしかして...シガンシナ高校さんですか!?」
ジャン「え?あ、はい!そうっすけど」
○○○「あぁ~良かったぁ...帰ってなくて...あ、まず準々決勝ベスト8進出おめでとうございます!」
ジャン「あ、ありがとう...ございます(誰だ?この人...こんな真夏にベレー帽子何か被ってて)」
○○○「いやぁ、初戦のリーブス商業戦といい・3回戦のマリア西戦・そして、今回の中央憲兵戦...どれも熱い戦いでした!」
ジャン「ど、どうも...」
コニー「ん?誰だ?」
マルコ「知らない顔だなぁ、ジャンの知り合い?」
ジャン「知らねぇよこんな画家」
トーマス「もっ、もしかして...新聞記者とか!?」
「え!?」
・・・
「いやいやないない...」
○○○「~でして、あでもジャン選手のバッティングも僕好きですよ?~~~」
ジャン「〔こいついつまでべらべら喋ってる気だよ、つか独り言か〕」
○○○「ところで、監督・それか顧問の先生はいらっしゃらないでしょうか?」
ジャン「えっ、監督...ハンジ先生...は、車に荷物摘みに行ってるんだよな」
アルミン「どうかしたの?」
ジャン「あ、アルミンせn「あ、あ、あ、あ、あなたは!?」
ジャン・アルミン「?」
○○○「あなたはもしかして...自由の翼の正捕手...またの名は【蒼の騎士】のアルミン・アルレルトさんですか!?」
エレン「〔え?蒼の騎士...?〕」
アルミン「...まぁそうですけど」
○○○「うわあああああ、なんて日なんだ!アルミン選手に会える日が来るなんて...お会いできて光栄です!!握手してもらっていいですか!?」
アルミン「いや...その前にあなた...誰ですか?」
「〔ド直球!!〕」
○○○「あ、申し遅れました!私、ウォール・マリア新聞で記者をやらさせてもらってます!【ピュレ】と申します!」
「ウォール・マリア新聞!?」
ピュレ「あ、はい!まだ入社して間もないので自由に動かしてもらえないんですが、今回やっと許可をもらったので前から気になってたシガンシナ高校さんを取材させてもらおうかと!」
-
- 149 : 2015/11/15(日) 22:57:20 :
ジャン「ま、マジで記者だったのかよ...」
マルコ「僕達が取材を...」ゴクンッ
トーマス「やべぇ、俺取材初めてだわ!」
コニー「え?マジで?俺2回くらいあるけど」
ダズ「コニーの場合はあるかもしれないけど、俺らは初めてなんだよ!」
ミリウス「と言っても答えるのはほとんどアルミン先輩と監督じゃないか?」
ライナー「それとジャンもそうじゃないか?キャプテンなんだし」
ベルトルト「う、うん」
ミカサ「? エレン?」
エレン「...ん?なんだ?」
ミカサ「いえ...何かぼーっとしてた、ので」
エレン「あぁ悪い...けど、さっきあの記者アルミン先輩のこと蒼の騎士って言ってなかったか?」
ミカサ「うん、言ってた」
エレン「どういうことなんだろうって思ってな」
ピュレ「それで監督さんや顧問の先生っていませんか?」
アルミン「あぁ、アニならもうすぐ...「どうしたんだい?」ヒョコッ
アルミン「あ、アニ!この人ウォールm「初めましてぇ!!」グイッ
ピュレ「私、ウォール・マリア新聞のピュレと申します!この度はベスト8進出おめでとうございます!」
アニ「どうも、ありがとうございます。私アニ・レオンハートです。シガンシナ高校で野球部監督をやらさせてもらってます!」
ピュレ「〔おぉっ!?これは意外な一面だ!?この人外見は結構冷却無口そうに見えてたけど、結構愛想いいぞ!!〕」
ピュレ「あのそれで今回挨拶に来たのは他でもなく、シガンシナ高校さんを取材させてもらいたく来ました!」
アルミン「〔取材...か〕」
アニ「わざわざありがとうございます!ここじゃ暑いし、今日は選手たちも疲れてると思うので、明日でもよろしいですか?」
ピュレ「〔おぉ、取材と言われて舞い上がらずに選手第一に考えてる...これはいい記事が書けそうだ!〕」
ピュレ「はい!では連絡先教えておくので、今日のいつでもいいんで連絡ください!そしたら明日何時でもお伺いするので!」
アニ「はい!よろしくお願いします!」
ジャン「...」
アニ「」ゲシッ
ジャン「いてっ、なんすか!?」
アニ「あ・い・さ・つ」
ジャン「あぁ!ありがとうございましたッ!!」
「あ、ありがとうございました!」
ピュレ「〔おぉおおおっ!!選手達も行儀が良い...これは相当シビアな練習してるんだろうな...くぅうう、明日が楽しみだ!!〕」
ジャン「か、監督...さっきのまだ痛いんすけど...」ズキズキ
アニ「あんたが考えずにただぼーっとしてたのが悪いんだよ」
ジャン「で、なんで急に愛想よくしたんすか?」
アルミン「取材とか、世に出回る系には愛想よくしとくのが基本だよ、キャプテン」ポンッ
ジャン「え?そうなんすか?」
アルミン「だってもし、愛想悪くしといたらどんなこと書かれるかわかったんじゃないんだよ?」
ジャン「ッ、もしかして先輩去年...」
アルミン「え?あぁ去年は違う意味でズタズタにされたよ」ハハハッ
ゲシッ
アルミン「いたっ」
アニ「さて、全員いるね?じゃぁ帰るよ」
「はいッ!!」
-
- 150 : 2015/11/20(金) 23:09:37 :
・・・学校帰宅後・・・
アニ「それじゃぁまずストレッチやってから、その後今日の試合の反省会と次の相手のデータ分析するよ!」
「はいッ!!」
エレン「〔じゃぁ俺は...〕」
「エレン、やろう?」
エレン「え?あぁ...ミカサか」
ミカサ「あ...その、嫌だったら...」オドオド
エレン「いややろうぜ、ちょうど俺も探してるところだったから」
ミカサ「...うん!」ニコッ
エレン「〔! そう言えばコイツ...最近よく笑うようになってきたな...しかも、学校でもよく話すようになってきたし〕」
ミカサ「じゃぁエレンから」
エレン「ん、いやお前からだろ!試合後なんだし、俺何もやってねぇから」
ミカサ「うん、わかった...じゃぁお願い」
エレン「じゃぁ足開いて右からな」スッ
ミカサ「ん」サッ
エレン「いーち、にー...〔あれ...何かこの体制...まずい気がするのは俺だけか!?〕」
ミカサ「ふっ、ふっ」グイグイッ
チラッ
エレン「はがっ!?///」
その瞬間...エレンは見てしまった...
女の...ミカサの...汗を掻いた後の...うなじを...
ミカサ「え...?どうしたの?エレン」
「な...ん..ない」
ミカサ「え?」チラッ
エレン「なっ、なんでもねぇよッ!!///」
ミカサ「〔エレンはどうして顔を真赤にして...はっ!?もしかして熱中症!?それはいけない!今すぐ休ませないと!〕」
ミカサ「エレン!無理はいけない!今すぐ日陰に行って休まなきゃ」サッ
エレン「ハァ!?何の話だよ!俺は疲れてなんか」スッ
プチュッ
エレミカ「!?///」
ジャン「ん...?は、は、ハァァァァアアアア!?」チラッ
コニー「ん?どうしたジャン」
ジャン「かっ、かっ...」シロメ
コニー「おいどうしたジャン!?白目向いてるぞ!?熱中症か!?それともガンか!?それとも心臓発作って奴か!?」
マルコ「あぁもう、コニー黙って!」
ギャーギャーッ
スタスタ ドタッ
エレン「〔え...は...?今俺...な、なに...〕」
ミカサ「〔い...ま...のは...なに...〕」
エレミカ「〔き、キス!?///〕」
アルミン「...」
アニ「何ぼーっとしてるんだい?疲れて逝っちゃったの?」
アルミン「いやぁ若いっていいなぁって思って」
アニ「はぁ?何いってんの?」
アルミン「あれ、アレ」スッ
エレミカ「え...はっ!?ご、ごめ///」
アニ「あぁ...ま、恋する乙女は...どこにいたって変わらないさ」
アルミン「そっか...じゃぁアニ、僕達もk「却下」 ボコォッ
アルミン「あ...アニ...何も...殴らなくても...」グググッ
アニ「さぁ、柔軟終わったらさっさとやって今日は早めに上がるよ!」
アルミン「〔相変わらずのスルースキルです...〕」
-
- 151 : 2015/11/20(金) 23:40:49 :
アニ「さっ、まずは今日の反省会からね」
「はいッ!!」
エレン「〔な、なんだよ...この妙な緊張感...〕」ドクンッ
ミカサ「〔ど、動揺して...ま、まともに考えが...でき、ない...〕」ドクンッ
ジャン「」
アニ「じゃぁ最初は守備面から、良かった所があったらどんどん意見言って」
トーマス「えーと、じゃぁ...前半の三遊間・二遊間はすげぇ固い守備だと思いました!」
サシャ「三遊間・二遊間...前半」カキカキ
ミリウス「ん、俺か...今日は連携も良かったと思います。特にさっきも言いましたが三遊間と二遊間」
サシャ「三遊間・二遊間の意見二票目...め、目玉焼きハンバーガー...はっ!?」カキカキ
ダズ「えっと...俺も三遊間と二遊間...それとバント処理もちゃんと出来てたと思います」
サシャ「同じくと...それとバント処理...リゾットカレー...はっ!?」カキカキ
マルコ「あ、僕か...えっと、うん...自分で褒めるのも気持ち悪いけど、今日は二遊間が良かったと思います。主にミカサのカバーがやりやすいようになりました。」
サシャ「二遊間...ミカサ...サンドウィッチ!!」 パシンッ!!
アニ「いい加減食べ物から離れな?」
「〔監督が怒った...〕」
アニ「じゃぁ次」
ミカサ「」ポーッ
アニ「? ミカサ?」
ミカサ「え?あ、ひゃいっ!?あ///」
「〔ひゃ、ひゃいっ!?なんなんだ...今のドキドキ感は!?〕」ドキドキ
ミカサ「えっと...その...すみません、私は...やっぱり最後のガッツあるライナーのキャッチだと思います」
「おぉー、確かに」
ライナー「お前ら...今まで忘れてたのか...」ナミダメ
アニ「うん、そうだね。あのプレーがあったからこそ今日の勝利があったね。次」
ベルトルト「あ、えっと...僕は...ミカサが凄かったと思います」
アルミン「...うん、僕もミカサに一票だよ」
ライナー「あぁ、俺もミカサに一票です」
コニー「俺も俺もー!」
トーマス「まぁそこは俺もなんだけどさ」
マルコ「うん、僕もそう思うよ」
アニ「〔みんなミカサか、ちょっと嫌な雰囲気出てきたな...〕」
ダズ「...」
アニ「さっ、守備面はここまで!次は反省点ね」
トーマス「反省はやっぱいっぱいあるよな?」
マルコ「そうだねぇ、長所あり短所ありだからね」
アルミン「外野は大分まとまってきたけど、やっぱ内野がまだまだ隙だらけだよね」
ライナー「そうですね、今日も何本か内野ゴロで打ち取れた時はありましたからね」
ダズ「うっ...」
トーマス「まー確かに、でもまぁミカサが内野にいるおかげで大分守備力変わるしな!」
アルミン「でも、裏を返せばミカサが投手になれば内野の守備は薄くなるってことだよ」
マルコ「アルミン先輩の言う通りですね...」
アニ「はい、そこまで。悲観的な考えはもうしない!」
トーマス「おっとそうだった!」
マルコ「試合やった後だとどうしてもこう...悲観的な考えに走っちゃうんですよね」
ベラベラ
ピキッ ピキピキピキッ
エレン「〔!? なんだ、今の感じ...何か...今、何かが割れたというか...地響きが生えたというか〕」
アニ「はいッ、無駄話は終わりッ!!次はバルト学院のデータ解析するから視聴覚室に移動するよ!」
「はいッ!!」
エレン「〔なんだ...このモヤモヤ感...得体のしれない何かが...近くにいるような...〕」
-
- 152 : 2015/11/22(日) 21:28:50 :
翌日
スタスタ
ガシャッ
ピュレ「〔ついに今日...俺の人生初のインタビューが...始まる!〕」
スタスタ
ピュレ「〔さて、野球部は...っと?〕」
「ラスト、30球ッ!!」スッ!!
カキーンッ!!
ピュレ「〔えっ、何あの鬼ノック!?〕」
ダッ!!
マルコ「くそっ、取りそこねた!?」スッ
ピュレ「〔いやいやあんなの取れる方が可笑しいから...〕」
「カバー入る!」
ピュレ「え!?」
タッタッタ!! パシッ!!
ザッ!!
ミカサ「ッ!!」シュッ!!!
パシッ!!!
アニ「ナイスミカサ、今の良いカバーだったよ」
マルコ「危なかったぁ、助かったよミカサ」
ミカサ「いや今のは私の守備範囲内だったから」
ライナー「だとしても、すぐ動けるのはミカサだけだろうな」
ダズ「ハァ..ハァ..ハァ...」
ピュレ「〔あれが今噂になってるミカサ・アッカーマンか...凄い守備範囲広いな...というか〕」
ピュレ「〔なんで守備についてるのがあの5人だけなんだ!?他の6人はどうしてるんだ!?〕」
サシャ「はい、じゃぁこっちスライダー行きますよぉッ!!」スッ
パシュッ!!!
ジャン「〔外...!〕」スッ!!
カクンッ!!
ジャン「...って、今のスライダーじゃなくてフォークじゃねぇかよ!!」
サシャ「言った通りに来たら練習の意味無いじゃないですか!ランダムでやるからこそ意味があるんです!」
ジャン「〔チッ、まともなこと言いやがって...言いかせねぇじゃねぇかよ!〕」
サシャ「はい、次ベルトルト」
ベルトルト「お願いしますッ」
トーマス「おぉ、ベルトルトの奴大分声出るようになったな!」
助っ人1「前は監督から怒鳴られてばっかだったのにな!」
助っ人2「おい、ジャン!お前空振り何回あった?」
ジャン「5回だ」
助っ人2「嘘つくんじゃねぇよ!さっき空振りしてたから6回だろ!」
ジャン「うるっせぇな!本当は8回だよ!!」
助っ人2「嘘付いたから、腕立て・腹筋・スクワット10セットな!」
ジャン「だぁぁああああっくっっそおおおおおお!!」
トーマス「...じゃぁ最初から嘘つかなきゃいいのにな」
助っ人1「それな」
-
- 153 : 2015/11/22(日) 23:58:24 :
ピュレ「〔なんだジャン君達はここにいたのか...あれ、でもアルミン君達がいない...?〕」
ハンジ「はぁい、じゃぁボードに書いてある数字覚えてねぇ...行くよぉ...ホントに行くからねぇ...次こそ行くよぉ...もう行くからねぇ...」
エレン「ハンジさん!!早くしてくださいよ!!これじゃぁ集中力かけちゃいまs「ほい!」ペラッ ペラッ
ハンジ「はい、なんだった?」
エレン「...2と3...6と...9」
ハンジ「ぶっぶー、ブブブブブーッ!どれも合ってない!ちゃんと見てたの?答えは4,5,7,10だよ」
エレン「これ酷くないですか!?不意打ち過ぎですよ!!」
ハンジ「ちゃんと集中してなかった君が悪いんだよ~、はいじゃぁ次ね~」
アルミン「お願いします、真剣に」ギロッ
ハンジ「あっ...はい...」ペラッ ペラッ
アルミン「1,5,7,8」
ハンジ「正解です...」
エレン「差別ですよね!?これ差別ですよね!?」
コニー「バーッカだなぁ!これだから馬鹿はこまるよなぁ!ミリウス」
ミリウス「いや俺に振られても」
エレン「ならお前がやってみろよ!」
コニー「こんなもんチョチョイのチョイだぜぇ!」
ハンジ「行くぞぉ...ほいっ!」ペラッ ペラッ
コニー「.........1と2と3と4と5と6と7と8と9と10」
助っ人3「適当すぎんだろ!!」
ハンジ「なん...だと...当てられてる...」
コニー「んなぁぁっはっはっはっは~!!天才はやっぱ違うぜぇ!」
エレン「あれ...俺って...ダメ人間なのか...」orz
アルミン「ダメ人間じゃないと思うけど、天才でもないことは確かだね」
エレン「アルミン先輩...それフォローになってないっす...」
ピュレ「〔なっ...なんなんだ...この学校の練習は...バラバラじゃないか!?〕」
スタスタ
アニ「あ、もしかしてピュレさん...ですか?」
ピュレ「え?あぁ、どうも!こんにちわ!」
アニ「こんにちわ、今日も暑いですよね。取材はクーラーの効いてる教室でいいですか?」
ピュレ「えぇもちろん!その方がありがたいです!」
アニ「じゃぁ取り上げたい人を呼ぶんで、教えていただけませんか?」
ピュレ「は、はい!えーっと...まず主将のジャン君に正捕手のアルミン君、4番でエースのミカサ君にそれと監督さんと顧問の先生もお願いしたいです!」
アニ「わかりました。ジャン・アルミン・ミカサ!ちょっと来な!」
ジャン「え?あ、はい」
トーマス「取材かな?」
助っ人2「多分...ってことは俺らも聞かれるのか?」
マルコ「いやそれはないと思うよ」
助っ人「わかってるけど、夢ぐらい持たせろよ!!!!」
スタスタ
ピュレ「あ、こんにちわ!練習最中にすみません!今日は取材をさせてもらおうかと思いまして!それで、最初はジャン君いいかな?教室で一対一でお話したいのですが...」
アニ「構いませんよ」
ピュレ「じゃぁジャン君いいかな?」
ジャン「え、あ、はい!よろしくお願いします!」
-
- 154 : 2015/11/22(日) 23:58:41 :
スタスタ
アルミン「ふぅ...」フキフキ
アニ「どう思う?」
アルミン「どうって...何が?取材の人?」
アニ「それ以外にないんだけど」
アルミン「う~ん...悪い人ではなさそうなんだけどね...」
アニ「...そう」
ミカサ「あの...去年何かあったんですか?」
アルミン「ん~...まぁいずれは話さなきゃいけない道か...去年僕らが決勝で調査高校と戦ったことは知ってるよね?」ポリポリ
ミカサ「はい、もちろん」
アルミン「その去年も取材を受けたんだ、それでまぁ...結果からして言えば...ボロクソに書かれたってことさ」
ミカサ「...すみません」
アルミン「別に謝らなくてもいいよ...けど、正直...トラウマだなぁ...またあんなことが起こったら...また病院に通院だからね!」ニッ
ミカサ「ッ」
ガシッ
アルミン「えっ!?」グルッ
ゲシッ!! グルンッ!!!
ズドンッ!!
ミカサ「えっ...監督...?」
アルミン「いっ...ててて...何するのさ急に」
アニ「あんたは...今...自由の翼のアルミン・アルレルト...何かじゃない...蒼の騎士のアルミン・アルレルトでもない...」
アルミン「!」
アニ「あんたは...シガンシナ高校野球部の...正捕手の...アルミン・アルレルトでしょうがッ!!!」ボコッ!
アルミン「うっ!?」ズキッ
アニ「...先輩であるあんたが...シャキッとしないでどーすんのよ、私はそんな弱気なアルミン・アルレルトなんて...知らないよ」
アルミン「...ふふっ、そうだね...そうに違いないや」ニコッ
ミカサ「あ、あの...一つ聞いていいですか?」
アニ「ん?なんだい?」
ミカサ「蒼の騎士って...なんですか?」
アルミン「あぁ...それね...その異名が付けられたのは...中学の3年の時だったかな...」
-
- 155 : 2015/11/23(月) 00:01:51 :
_______________________________________
_____________________________________________________
__________________________________________________________________
【蒼の騎士】...その名を聞けば、誰もが口を揃えてこう言うであろう...
天才キャッチャー、アルミン・アルレルト...と
だが、一方...こう答える者もいる...
【紅の魔術師】の好敵手...と
では、その【紅の魔術師】とは誰なのか...?
始まりは...アルミンが中学3年の時の春ことである...
スタスタ
観客「おぉ、出てきた!センタマリア中の天才キャッチャー...いや自由の翼の正捕手...アルミン・アルレルト!」
アルミン「一回しまっていこう!」
「おうッ!!」
ナナバ「スゥーッ...」スッ!!
ドッ!!
シュッ!!
クイッ!!
パシンッ!!
パシンッ!!
パシンッ!!
審判「ストライク!バッターアウト!スリーアウトチェンジ!」
観客「はえぇ!?もうチェンジかよ!?」
観客「やっぱアイツのリードで引っ張ってるからじゃねぇか!?」
アルミン「ナイスボール!」
ナナバ「よし!」
観客「いやそれだけじゃない、今年はナナバも3年なんだ...エゲツねぇ成長してやがるぜ」
観客「っていうかさっき三者連続三球三振だったよな!?アイツらどんだけ攻撃的なんだよ!?」
ウグイス「4番キャッチャー、アルレルト君 背番号2」
スッ!!
アルミン「ふっ!!」ググッ!!
カキーンッ!!
ポンッ
観客「は、入ったぁ!?」
観客「マジかよ...いきなり2ランホームランかよ!?」
パシッ!
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!」
アルミン「...」スッスッス
ナナバ「ッ!!」シュッ!!
キーンッ!!
観客「二遊間抜けたか!?」
パシッ!!
シュッ!
パシッ!
審判「アウト!」
観客「あれを...取るのか!?」
観客「いや違う...シフトチェンジだ、アイツ...ショートをいつもより二塁側に寄せてたんだ!」
アルミン「ナイスショート!ワンァウト!」
観客「この攻撃的リードといい、あのバッティング...まさに騎士だぜ!」
観客「騎士、かっこいいな!あ、でも何か足りないような気がするな...」
観客「んなら最近全国で暴れてる【紅の魔術師】と並べて【蒼の騎士】っていうのはどうだ!?」
観客「おぉー、それっぽいな!」
観客「しかも、紅の魔術師って同じキャッチャーじゃねぇか!?」
観客「こりゃ...全中で当たる時が楽しみだぜぇ!!」
-
- 156 : 2015/11/23(月) 00:03:38 :
-
そして、無事に予選を勝ち抜き全中へと足を運んだセンタマリア中
その観客達が話していたように二人がぶつかる時が来た。
ザワザワ
観客「おいおい、今日のカードめっちゃ楽しみだよな!?」
観客「当たり前だろ!なんて言ったって...センターマリア中学校の【蒼の騎士】アルミン・アルレルト対駐屯中学校の【紅の魔術師】イアン・ディートリッヒの対決なんだからな!」
スタスタ
ミタビ「おいおい、今日いつもより騒がしくないか?」
グスタフ「そうだな...まぁやっぱりアイツTO...だからかな」
ミタビ「アイツ?あぁあの天才キャッチャー...いわゆる蒼の騎士って騒がれてる奴か...ケッ、だがお生憎様だな!こっちには紅の魔術師がいるもんな!」
イアン「おい、だからその呼び方やめろ」
ミタビ「なんだよ!?せっかくかっこいい異名をつけてもらってんのに」
イアン「そんな名誉はいらん、俺はただ...お前らと全国制覇したいだけなんだ」
ミタビ「イアン...お前...」
イアン「さてと、軽食でも取っとくか」
ミタビ「なんでてめぇ話逸らすんだ!せっかく感動のシーンなのに!!」
スタスタ
ミタビ「!」
イアン「どうした?」
ミタビ「あれ見ろ」
チラッ
アルミン「オルオは今日控えだから」
オルオ「なんだとォ!?」
イアン「ふっ...蒼の騎士...か」ニヤッ
ミタビ「ん?なんだ?」
イアン「いや...なんでもない...ただ、奴が俺と対等にやりあえるのかどうか考えてただけさ」
ミタビ「へっ、それでこそ俺らのキャプテンだぜ」
イアン「〔アルミン・アルレルト...この1年間で驚く成長をしてきた人材...身長こそないが、頭を使ったプレーで次々と相手を倒していく...か〕」
イアン「〔同じ頭脳派として...負ける気はしないがな〕」
審判「プレイボール!」
ウグイス「1番ショート、グスタフ君」
グスタフ「お願いします!」
アルミン「」スッスッス
ナナバ「」コクッ
グスタフ「〔イアンが目をつけていた奴か...お手並み拝見といこっTO〕」
シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ボール!」
グスタフ「〔キャッチは相当上手いな...もしかしたらイアン以上かMO〕」
シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ボール!」
ミタビ「なんだなんだぁ?ビビってんのか?」
イアン「...」
アルミン「ナイスボール!球走ってるよ!」
シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ボールスリー!」
観客「おいおい、どうしたんだよ!?」
観客「ピッチャーがコントロール悪いんじゃねぇか?」
グスタフ「〔大体のことはわかってんだYO...フォアボールと見せかけて...〕」
ドッ!!
グスタフ「〔外ギリギリいっぱいのストレート!!〕」
シュッ!!
グスタフ「!?」
パシンッ!!!
審判「...ボールフォア!」
-
- 157 : 2015/11/23(月) 00:04:13 :
観客「もしかしてあのバッテリー...ビビって勝負避けたのか!?」
観客「ハァ?蒼の騎士のアイツが逃げたってのか!?」
グスタフ「〔なんだYO...コイツ、期待ハズレだな〕」
ミタビ「おいおい、イアン...アイツお前と張り合えそうにないぞ」
イアン「...だな、期待して損したよ」
ウグイス「2番ライト、敵モブライト君」
シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ボール!」
グスタフ「〔またボールかYO〕」
相手監督「〔ここは手堅くバントだ〕」
グスタフ・敵モブライト「〔はい!〕」
アルミン「」スッスッス
ナナバ「」コクッ
ドッ!!!
ダッ!
イアン「〔! クイックが速い!?〕」
ナナバ「ッ!!」シュッ!!
敵モブライト「〔へっ、クイックが速くても当てりゃ問題ねぇんだよ!〕」スッ!
キュルルルッ クイックイッ!!!
グスタフ・敵モブライト・イアン「〔ッ、高速スライダー!?〕」
敵モブライト「クッ!?」
パシンッ!!!!
審判「ストライk「ッ!!」シュッ!!
パシッ!!
グスタフ「ッ」ズサーッ
審判「...アウト!」
観客「おおおぉぉおおおおお!!!!」
イアン「〔なっ...まさかアイツ...このためだけにグスタフをフォアボールにしたっていうのか!?〕」
「別に期待ハズレでもいいですよ」
イアン「ッ」
アルミン「その代わり...負けるのはあなた達ですよ」
スタスタ
グスタフ「すまない、刺された」
ミタビ「いや今のは仕方ねぇよ...」
「負けるのは...俺達...か」ニヤッ
ミタビ・グスタフ「は?」
イアン「面白い...気に入ったぞ...アルミン・アルレルト!」
-
- 158 : 2015/11/23(月) 00:04:21 :
アルミン「ナイスボールだったよ!ナナバ!」
ナナバ「ホントに上手くいったな...」
アルミン「え?」
ナナバ「いや正直言って成功するとは思わなかった...何か弱点でも見つけたのか?」
アルミン「う~ん...弱点というか、グスタフは足が速い一番打者じゃなくてミートで打率の高い打者だからさ、バントや盗塁を上手く誘って刺せればベンチの雰囲気も腐るんじゃないかなって思っただけだよ」
「〔やだこの子...可愛い顔して怖いッ!!〕」
アルミン「さ、ワンァウトずつ取りに行こう!」
「おうッ!!」
パシンッ!!!
審判「す、ストライク!バッターアウト!」
観客「うぉおおおおおお、なんなんださっきまでの乱れは!?」
観客「これもあの蒼の騎士の狙い通りなんじゃねぇか?」
ウグイス「3番キャッチャー、ディートリッヒ君」
観客「出たぁぁああああ、ついに夢のカード...【紅の魔術師】対【蒼の騎士】の対決だぁぁああああ!!!」
スタスタ
イアン「ふっ...先ほどは悪かったな」
アルミン「?」
イアン「正直言って、お前のことを舐めていたよ...だが、前言撤回だ。お前は俺と対等に渡り合える...唯一の好敵手だ」
アルミン「...あの」
イアン「?」
アルミン「奇遇ですね、僕もあなたをライバルだと思って...この試合に望みました。」
イアン「!」
アルミン「世間がどう言おうが関係ない...僕らは僕らの戦いをしましょう」ニッ
イアン「...ふっ、あぁそうだな」
審判「ん”ん、いいかね?」
アルミン・イアン「あ、はい」
アルミン「」スッスッス
ナナバ「」コクッ
ドッ!!
シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
イアン「〔初球ストレートを外低めか...ふむ、コントロールは良さそうだな〕」
ドッ!!
シュッ!!
イアン「〔内高め!〕」スッ!!
キーンッ!!
審判「ファール!」
イアン「〔チッ、引っ掛けたか〕」
アルミン「〔次で決める〕」スッスッス
ドッ!!!
シュッ!!!
キュルルルッ クイックイッ!!!
イアン「〔ッ、外低めの...逃げる...高速スライダーッ!!〕」スッ!!
アルミン「〔よし引っかかった!〕」
キーンッ!!
アルミン「ッ」
観客「おぉぉおおお、打ったァ!!!」
タッタッタ
パシッ!!
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!」
観客「おぉぉおおおおおおおッ、まず第一戦は蒼の騎士のアルミンが勝ちやがったァ!!」
アルミン「〔三振を狙うつもりで...コースだって決して甘くなかった...なのに...それをライトフライ...クッ〕」チラッ
イアン「〔完璧に捉えたとはずなのに...ライトフライ...くそっ!〕」チラッ
アルミン・イアン「〔次こそ...絶対に負けないッ!!〕」ギリッ
-
- 159 : 2015/11/30(月) 00:28:28 :
ウグイス「1回の裏、センターマリア中学校の攻撃は...1番セカンド~~」
観客「お、次はセンタマリアの攻撃か!」
観客「センタマリアはただでさえ県内最強の攻撃力を持ってるチームだからな...」
観客「しかも、今年からレギュラーに入った2年2人が蒼の騎士アルミンと自由の翼リヴァイに次ぐ天才らしいぞ」
イアン「〔センタマリアの1番か、厄介な打者だ...こいつを出したら先制点取られるぞ〕」
イアン「〔1番バッターに2年を入れるってことは...相当信頼してるんだろうなこのバッターを〕」
○○○○「っしゃ、来い!!」
イアン「〔だが、抑える方法が無いわけでもない。コイツは外野フライで打ち取る!〕」スッスッス
ドッ!
シュッ!
パシンッ!!
審判「ボール」
イアン「〔迷わず見送ったな...〕」
○○○○「〔このキャッチャー、紅の魔術師だっけか...嫌な攻め方される前にとっとと打っちまおう!〕」ザッ
イアン「〔! 軸足が前に移動した...次振ってくるな...なら〕」スッスッス
ドッ!
シュッ!
クイッ!
○○○○「〔げっ!?内シュート!?やっば!もう振っちゃったよ!〕」スッ!
キンッ!
イアン「ショート!」
グスタフ「ふっ!」シュッ!
ダッダッダ!
○○○○「こんのぉッ!!」ダッ!
パシッ!
審判「...アウト!」
○○○○「くっそぉおお!!あともう少しだったのにぃ」
スタスタ
○○○○「すんません...」
「だっはっはっは!!」ゲラゲラ
○○○○○「だっせぇ!ショートゴロ!」ゲラゲラ
○○○○「なっ!?/// う、う、うるっせ!!」
モブ1「ドンマイ、イザベル!気にするな!そして、ファーラン!お前少しは緊張感持て!」
ファーラン「緊張感なら持ってるっすよ!」
モブ1「にしてもお前試合中によく笑えるな!」
ファーラン「だって、さっきのイザベルの打席がおかしくって...ブフッ、やべぇ!ツボる!」ゲラゲラ
イザベル「じゃぁてめぇが打ってみろよ!!」
ファーラン「あぁ、いいぜ?なら俺と交代してくんね?セカンド、俺入るから!」
イザベル「やだね!絶対ゆずんねぇ!出たいならお前のポジションで出ろよ!」
ファーラン「チェッ、俺のポジションって言ったって奪えるはずがねぇもんよ」
イザベル「まっ、お前じゃアルミン先輩からポジションは100年経っても取れねぇな!」
ファーラン「うるせぇな!わかってるわ!!」
オルオ「コォルァ!!てめぇら!なに試合中にふざけるんだ!」
ファーラン「あ、今日出番のないオルオ先輩だ!」
イザベル「あ、今日登板じゃないオルオ先輩だ!」
オルオ「アァ!?てめぇラ今なんつったァ!?」ピキピキ
アルミン「オルオ、うるさいから黙って?集中出来ない」
オルオ「な、なぜだ...なぜ俺が怒られている...!?」
ファーラン「ぷぷっ、オルオ先輩怒られたっすね!」
イザベル「怒られた!怒られた!!」
オルオ「」ゴゴゴッ
グンタ「落ち着け、オルオ」
ウグイス「3番サード、シュルツ君」
グンタ「ん、もう俺の出番か」
ファーラン「んなら俺が代打で出ていっすか!?」
グンタ「駄目だ」
ファーラン「な、なぜだ...なぜ俺が出ちゃいけないんだ...」
オルオ「てめぇ、俺のこと馬鹿にしてるだろ!?」
ギャーギャー
ナナバ「今年はいつもより騒がしいな」
アルミン「ま、あの二人がベンチ入したからね」
ナナバ「あぁ、あの二人はかなりやるから...お前のレギュラーも危ないんじゃないか?」
アルミン「...かもね」
ナナバ「〔えっ、今私...冗談で言ったつもりなのに...スルーされた!?〕」
審判「アウト、スリーアウトチェンジ!」
アルミン「さ、2回もしまっていこう!」
「おうッ!!」
-
- 160 : 2015/11/30(月) 00:30:58 :
ウグイス「4番サード、ヤルナッハ君」
ミタビ「おっしゃーおらー!!」
アルミン「」スッスッス
ドッ!!
シュッ!
ミタビ「ふんッ!!」スッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
アルミン「〔ミタビはぶんぶん丸だから、コントロールさえ間違えなければ怖くないバッターだ〕」スッスッス
ドッ!!
シュッ!!
カクンッ!!
ミタビ「〔ッ、フォーク!!〕」スッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
ミタビ「〔くっそ、あんな良いコースに投げられたら打てねぇっつの〕」
アルミン「」スッスッス
ドッ!!
シュッ!!
ミタビ「〔今度は外高め!狙い球だぁ!!〕」スッ!!
パシンッ!!!
ミタビ「〔なっ...!?〕」
審判「ストライク!バッターアウト!」
イアン「〔ミタビが最も得意とする外角高め...ゾーンからボール2個分高めの釣り球に乗せられたか...ふっ、やはりやるな〕」
スタスタ
ミタビ「くそぉ、すまねぇ」
イアン「釣り球に引っかかったな」
ミタビ「あぁ、あいつ...想像以上にやりやがる...へっ、そっちの方が倒し甲斐があるがな!」
イアン「ふっ、お前らしいな」
ミタビ「なんだぁ?じゃぁイアンはこのまま負かしたままか?」
イアン「そんなはずがないだろう...次は絶対に勝つ...次はキャッチャーとしてな」
ウグイス「2回の裏、センターマリア中学校の攻撃は...4番キャッチャー、アルレルト君」
観客「ついにキタァー!!」
観客「待ちくたびれたぜ!」
観客「紅の魔術師対蒼の騎士...2戦目!」
観客「今度は蒼の騎士がバッターだ!」
スタスタ
アルミン「お願いします」
審判「プレイ!」
イアン「〔さぁさっきの分の借りを返さなきゃな〕」スッスッス
ドッ!
シュッ!
パシンッ!!
審判「ボール!」
アルミン「〔初球外低めにストレート...このピッチャーはカウント稼ぎにスライダーを使い、決め球にはスクリュー〕」
イアン「」スッスッス
アルミン「〔どう組み立ててくるかどうかはまだわからない...決め球のスクリューを狙うのも面白いけど、ここはやっぱり流れを掴みたい。こういう時はシンプルにストレート狙いだ!〕」
ドッ!
シュッ!
アルミン「〔外!〕」
クイッ
アルミン「!」ピクッ
パシンッ!!
審判「ボール!」
観客「なんだなんだ?逃げてるのか?紅の魔術師!」
観客「ちゃんと勝負してくれよ!せっかく楽しみにしてるんだから!」
-
- 161 : 2015/11/30(月) 00:34:07 :
イアン「...」
アルミン「〔危なかった、今外甘い球が来たと思ったけど...このピッチャーにはシュートもあるのか〕」
ファーラン「...見たか、今の」
イザベル「あぁ、若干変化したな」
グンタ「え?」
ファーラン「〔カメラで見てもわからないぐらいの変化だ...つーことは、あのキャッチャー...先輩を打ち取る気あるのか〕」
イアン「」スッスッス
ドッ!
シュッ!
アルミン「ッ」
パシンッ!!
審判「ぼ、ボール!」
観客「あっぶねぇ!」
観客「もうちょっとで当たる球だったぞ」
アルミン「〔狙ってるのか...?〕」
「危ない...とでも思ったのか?」
アルミン「え...?」
イアン「ただのインハイだ...危険球でもなんでもない、もしそう思ったならそれはお前が被さってるだけなんじゃないか?」
アルミン「!」カチンッ
審判「ちょっと君、私語を慎みなさい」
イアン「はい」
アルミン「〔今のが危険球じゃない...?ふざけるな、あともうちょっとで当たる所だったんだぞ〕」
イアン「...」
敵モブ投手「〔お、おい...イアン?〕」
ミタビ「〔おいおいおい...何やってんだよ!?早くサイン出せよ!!〕」
グスタフ「〔...! まさかイアンの奴...〕」
アルミン「...あの、まだ投げないんですか?」イライラ
イアン「〔...次はアウトローに...〕」スッスッス
ドッ!
シュッ!
-
- 162 : 2015/11/30(月) 00:34:20 :
アルミン「〔来た!アウトロー!僕を煽って内気をそらして...外で打ち取る...そんなことはバレバレだ!!〕」スッ!!
クイックイッ!!
アルミン「ッ!?」
イアン「ふっ」ニヤッ
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
観客「おぉー、スクリュー!!」
アルミン「〔クッ、やられた...完全にフォームを崩された〕」
イアン「〔今の一球でスイングが泳いだ、これでこの打席は持つ〕」
ドッ!
シュッ!
クイックイッ!!
アルミン「クッ!?」スッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
「...負けるな」
イザベル「え?何が?」
ファーラン「今のアルミン先輩じゃ...あの人には勝てない。だからこの打席...いや下手したらこの試合も負ける」
グンタ「な、何言ってるんだ!ファーラン!」
ファーラン「俺は冗談言ってないっすよ、事実を言っただけっす」
ナナバ「確かに...この状況はアルミンにとって不利だな...なんて言ったって...」チラッ
ザワザワ
スタンドでは、まるで波のように大きな声援が鳴り響いていた。
観客「紅の魔術師も負けてねぇ!!」
観客「あぁ!あのボール球も戦略のうちだったんだな!すっかり騙されたぜ!」
観客「こりゃこの勝負、勢いに乗ればこのまま紅の魔術師が勝つんじゃねぇか!?」
観客「いいぞー!紅の魔術師!!やれやれー!!蒼の騎士なんかに負けるな!!」
ファーラン「〔声のほとんどが紅の魔術師ことイアン・ディートリッヒ側が9割だ...こりゃさすがに同情っすよ先輩〕」
ドッ!
シュッ!
アルミン「ッ!!」スッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!バッターアウト!」
観客「おぉぉおお、第2戦目は紅の魔術師が勝ちやがった!」
観客「しかも、内容は紅の魔術師の方が上だぜ!」
スタスタ
グンタ「ど、ドンマイ!アルミン!気にするな!」
アルミン「うん...」
ギュゥッ
グンタ「〔ッ、さすがのアルミンでも...こんな悔しそうな顔するのか...そりゃそうか、同じキャッチャーで天才って言われてる奴だ...勝ちたいよな〕」
キンッ!
パシッ!
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!」
観客「おぉおおおお、センタマリア中相手に2回無失点!」
観客「こりゃ覆すんじゃねぇか!?伝統を」
ミタビ「この野郎ッ!どんな手を使ってくるかと思えば!こっすい手使いやがって!!」
イアン「別に狡くないさ、ただの心理戦だ」
「〔かっけぇ、やっぱこの人かっけぇ!!〕」
イアン「すまん、俺トイレ行ってくる」
「〔けど、どこか抜けてる気がする...〕」
-
- 163 : 2015/11/30(月) 00:36:28 :
そして、回が進み...
ウグイス「4回の表、駐屯中学校の攻撃は...1番ショート、グスタフ君」
グスタフ「〔今のアルレルトは崩れてるはず、勝負はこの回だ...ここで一気に決める!〕」
ドッ!!
シュッ!!
グスタフ「〔内低め...ストレート!!〕」スッ!
キーンッ!
グンタ「クッ!?」ズサーッ
審判「フェア!フェア!」
観客「三塁線抜けたァ!!」
タッタッタ! ズサーッ!
ミタビ「おっしゃぁ、ツーベースヒット!!」
ドッ!!
シュッ!!
敵モブライト「〔へっ、今度は失敗してたまるかってんだ!!〕」スッ
キッ
アルミン「くそっ、一つ!」
グンタ「おらッ!」シュッ!
パシッ!
審判「アウト!」
ウグイス「3番キャッチャー、ディートリッヒ君」
イアン「...」
観客「いっけぇー!紅の魔術師!!」
観客「このまま決めちまえ!!」
アルミン「〔くそっ、考えろ...考えるんだ...こいつを抑えなきゃ勝負に負ける!!〕」
ドッ!!
シュッ!!
パシンッ!!
審判「ボール!」
アルミン「〔駄目だ...何も思いつかない...ワンァウト三塁...あぁくそっ!!どうして僕はこういう時に限って...〕」
ドッ!!
シュッ!!
イアン「ッ!!」スッ!!
キーンッ!!
アルミン・ナナバ「!?」
観客「決まったぁぁぁあああああああ!!!」
審判「...ファール!ファール!」
観客「なんだよ、入っただろ!!」
観客「ただ蒼の騎士も終わったな!」
観客「案外ヘボいもんだな、リヴァイと組んでた時は凄かったけど」
観客「結局強い投手とじゃなきゃ光れない、ただのキャッチャーなんじゃねぇか?」
アルミン「〔だ、駄目だ...コースが...ない...〕」
イアン「ふぅーっ...」キリッ
アルミン「〔打ち取る自信が...勝負する勇気が...ない...嫌だ...負けるのは嫌だ...〕」
サッ
イアン「ッ」
ナナバ「えっ」
ファーラン「!」
ミタビ「んだとォ!?」
観客「お、おいおいおい...マジかよ、逃げるのかよ!?」
観客「ここまで来といてそりゃねぇよ!!」
アルミン「〔打たれて...負けるよりかは...4番のミタビで打ちとった方が...確率は高い...逃げたわけじゃない...逃げたわけじゃ〕」
シュッ
パシッ
パシッ
パシッ
審判「ボール、フォア!」
カランカランッ
イアン「...失望したぞ」
アルミン「ッ」
イアン「お前が...勝負を逃げるなんてな」
アルミン「〔に、逃げてなんかない...これも...これも作戦の一部だ〕」
モブ1「さ、さすがに...驚いたな、アルミンが逃げるなんて...まぁそれほどの相手だってことだし、4番のミタビで打ち取るっていう作戦なんだろうな」
「どーっすかね」
モブ1「え?」
ファーラン「...敬遠には2種類あるんすよ。一つは相手を煽る敬遠。もう一つは逃げる敬遠...今のアルミン先輩は後者っすね」
モブ1「で、でもよ!ここで点取られるよりかはマシじゃないか?流れを持ってかれる上に、試合事態も決めちまう可能性があるんだからよ!」
ファーラン「確かにそうかもしれないっすけど、4番で打たれたら本末転倒っすよ...ま、流れはもう...持って行かれてるっすけど」ボソッ
-
- 164 : 2015/11/30(月) 00:37:18 :
ウグイス「4番サード、ヤルナッハ君」
ミタビ「うっしゃぁ、コラァ!!来いや!!」
アルミン「〔大丈夫だ、落ち着け...落ち着け...ミタビはさっき三振で抑えたんだ...怖くない怖くない〕」スッスッス
ドッ!!
シュッ!!
ミタビ「...うらぁッ!!」スッ!!
パシンッ!!
審判「ストライク!」
アルミン「〔次は内低めに...〕」スッスッス
ナナバ「〔えっ、また内に...?ま、まぁアルミンの指示だ...大丈夫なんだろう〕」ドッ!!
シュッ!!
アルミン「〔よし、内低め!ギリギリ入ってる!!〕」
「へっ」ニヤッ
アルミン「ッ」
ミタビ「もらったぁぁぁああああッッッ!!!!!」スッ!!
カキーンッ!!!
観客「打ったァ!!今度こそ入ったぁぁあああああああ!!!!」
ポンッ!!
観客「3ランホームラン!!」
観客「すげぇ、アイツ何メートル飛ばしやがった!?」
ミタビ「ハッハッハ!ざまぁみやがれッ!!青臭い騎士がァ!!」
ザッ
審判「ホームイン!」
グスタフ「ナイバッチだYO!ミタビ!」
ミタビ「っだろ?タイミングも当てる場所もドンピシャだぜ!!」
イアン「...ふっ、この程度か」
スタスタ
観客「結局勝負は引き分けってか?気分わりぃな」
観客「あぁ、アイツがまさか逃げるなんてな!」
観客「だが、内容的には蒼の騎士はライトフライ、紅の魔術師は三振だから勝ったのは紅の魔術師じゃねぇか?」
観客「こりゃ決まったな!」
観客「なぁんだ期待して損したぜ!」
観客「あぁ、せっかく天才登場したのにな!」
ファーラン「〔逃げただけでも落ちこぼれなのに、4番の3ランホームラン...敗北決定だな...あ~ぁ俺の憧れてたアルミン先輩はどこに行ったのやら〕」
キンッ!
イザベル「ッ!!」シュッ!
パシッ!
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!」
スタスタ
アルミン「〔くそっ...なんでだ!?なんで内の低めに...あれに喰らいついてこれた!?〕」
監督「アルミン」
アルミン「ッ」
ナナバ「ん?」
オルオ・グンタ「〔ま、まさか...〕」
監督「外れて、少し頭を冷やせ」
アルミン「...はい...」
-
- 165 : 2015/11/30(月) 00:38:02 :
モブ1「ま、マジかよ...!?」
グンタ「か、監督!何も交代までしなくても!!」
監督「ん?交代?誰がそんなこと言ったんだ?」
アルミン・グンタ「え?」
監督「私はただキャッチャーから離れて頭を冷やせと言ったんだ」
アルミン「どういう...ことですか?」
監督「モブレフト、ファーランと交代だ」
モブレフト「は、はい!」
監督「アルミン、お前はレフトだ」
アルミン「はい...」
監督「ファーラン、行けるな?」
ファーラン「はい、行けるっすよ!少なくとも先輩よりかは馬鹿な真似はしないんで、無失点には出来るっす!」
ナナバ・グンタ・オルオ「なっ、お前!!」
ファーラン「え?俺何か変なこと言ったっすか?」
イザベル「当たり前だろッ!!おm「いいんだ、イザベル」
イザベル「えぇ!?」
アルミン「...頼むよ、ファーラン」
ファーラン「はい!この試合でレギュラー奪うんで、アルミン先輩はずっとレフト守っててください!」ニッ
アルミン「ッ...あぁ、その勢いで頼んだよ」
スタスタ
ファーラン「...なぁんか、つまんないっすねぇ...」
ガシッ
ファーラン「ちょ、ちょっと!何するんすか!」
オルオ「てめぇ...先輩に向かってなんて口の聞き方してんだ?自分がちょっと上手いからって調子に乗るのも対外にしろよ小僧!!」
グンタ「オルオ!抑えろ!!」
オルオ「今はッ、今アイツは...調子が悪いだけで...本当だったらあんな相手ボッコボコにしてんだよ、今頃!!!」
グンタ「お、オルオ...」
オルオ「...チッ、くそが!」
「そんなもん...とっくに知ってるっすよ」
オルオ・グンタ「え?」
ファーラン「いつものあの人じゃないってことぐらい...もう何年も背中を見てきたから...わかってるっすよ、それぐらい」
イザベル「先輩、今こいつの口の聞き方が悪かったのは事実です。すみません、でも!こいつはアルミン先輩をずっと憧れてきた奴なんです!だから...そのこいつなりに「やめろ、イザベル」
イザベル「えっ、でもよ」
ファーラン「んなフォローいらねっての...ちょっとキャッチボール手伝ってくれ」
イザベル「...あぁ!」
-
- 166 : 2015/11/30(月) 00:38:34 :
スタスタ
「あいつも...」
オルオ「あ?」
グンタ「あいつも...落ち込んでたな今...追いかけてた背中が...今は姿が薄れて...目標がなくなって寂しいんだろうな」
シュッ
パシッ
ファーラン「あのよ...さっきは...ぁりがとう...な」
イザベル「ッ...なんだよ、急に」
ファーラン「いや...俺も少し感情的になって...熱くなった...だから、抑えてくれて...あr」 ゴツンッ
ファーラン「い”ってぇぇえええ!?」
イザベル「何言ってんだよ気持ち悪ぃ!!お前らしくねぇな!」
ファーラン「なっ!?俺が俺らしくないだとォ!?この小学生が!!」
イザベル「ハァ!?てめぇ今なんつった!?今小学生って言ったか!?」
ファーラン「あぁ、言ったとも!小学生ってな!」
イザベル「てめぇもういっぺん言ってみろ!金属バットでぶん殴るぞ!!」
ファーラン「あぁ~何回でも言ってやるよ!小学生!小学生!しょ~がくせ~!!」
イザベル「ぶっ殺す!!絶対殺す!4回殺す!!」
グンタ「...ふっ、良い後輩を持ったな...アルミン」
-
- 167 : 2015/12/14(月) 01:16:13 :
ウグイス「センターマリア中学校、選手の交代をお知らせ致します。7番モブレフトに代わりまして...バッター、チャーチ君」
観客「誰だ?チャーチって...?」
観客「確か今年から上がってきた2年じゃねぇか?」
ファーラン「お願いしまッス!」
審判「プレイ!」
イアン「〔データにないバッターだな...2年か1年か?〕」
ザッザッザ
イアン「〔! 足場を慣らした...?〕」
ファーラン「ふぅ...っし!」ギュゥッ!
アルミン「〔ファーランと初めて会ったのがリトルの頃だ...〕」
アルミン「〔相手チームのキャッチャーが厄介だと...聞いていた〕」
アルミン「〔試合結果は勝ったものの、僕がファーランを抑えたのは3打席中1回のみ、逆にファーランが僕を抑えたのも1回、両者共に譲らない戦いだった。〕」
アルミン「〔そして中学にあがり、2年生になったある日...彼が僕の前に現れた。〕」
アルミン「〔まさか...同じ中学校に来るとは思ってなかったから...正直驚いた〕」
ファーラン「〔初めてあの人と出会ったのは俺が5年生の時...相手チームにすげぇキャッチャーがいるって聞いてドキドキした。〕」
ファーラン「〔けど...実際に会ってみたら拍子抜け...背は小さいし、めちゃめちゃ細いし...こんな奴に俺が負けるはずがないって思ってた〕」
ファーラン「〔だけど、試合をしてみたらびっくり仰天...あの身体からとても信じられないくらいのプレイを俺は目の当たりにしたんだ〕」
ファーラン「〔それからというもの、俺はあの人に憧れて...一緒に野球がしたい!一緒に戦ってみたい!今度は敵としてじゃなく...味方として、だから中学はあの人のいる学校を選んだ〕」
ファーラン「〔最初は2軍から始まり、1軍昇格に向け毎日の努力が惜しまない。それもそのはず...あの人は1年から1軍昇格をしたと聞く。やっぱあの人は...凄い!〕」
ファーラン「〔目標にいち早く近づくために...俺はどんなに辛い練習だってやった!なにせ...憧れの人と一緒にプレー出来るならそんなもの屁でもない〕」
ファーラン「〔そして、1年の冬になる前...ついに念願の1軍昇格を果たした。俺は早くあの人に会ってみたい!プレーを生で見たいと思い、グラウンドに行った...その結果〕」
ファーラン「〔あの人は...見違えるほどの成長をしていた。前とは違い、バッティング力が凄まじかった。俺はますますあの人に憧れた。〕」
ファーラン「〔だから...今あの人が自信喪失しているなら、今度は俺が...あの人を助ける番だ!!〕」キリッ
イアン「〔まずは様子見で外のボール球を...〕」スッスッス
ドッ!
シュッ!
クイッ!
パシッ!!
審判「ボール!」
イザベル「ファーラン!ぜってぇ打てよ!!」
ファーラン「〔! イザベル!〕」
イザベル「〔今まで背中を押されてたんだから...今度はお前が背中を押す番だぜ!〕」
イアン「〔こいつピクリともしなかったな...選球眼がいいのか?〕」
ファーラン「ふぅ...」
イアン「〔なら今度は外角低めにスクリューで...〕」スッスッス
ドッ!
シュッ!
ファーラン「ッ!!」ザッ!!
イアン「〔ふっ、引っかかったか!〕」
スッ!!
イアン「〔ッ〕」
カキーンッ!!
観客「おぉ!?打ったァ!?」
観客「右中間真っ二つ!!」
タッタッタ!
イアン「〔あのフォーム...まさか〕」
アルミン「ッ!!」スッ!!
イアン「〔...間違いない、あのフォームはアルミンのバッティングと同じだ〕」
-
- 168 : 2015/12/14(月) 01:17:06 :
- ウグイス「8番ピッチャー、ナナバ君」
ナナバ「〔2年が頑張って打ったんだ...このチャンスを無駄にする馬鹿な先輩はいない!!〕」
ドッ!
ファーラン「...」ジーッ
シュッ!
パシンッ!!
審判「ストライク!」
ナナバ「〔初球入れてくるのか、強気だな〕」
ファーラン「...」
イアン「〔次はさっきの打者と同じ外低めにスクリューだ、こいつは低めなら打ち取れる!〕」
ドッ!
ファーラン「ッ!!」ダッ!
ミタビ・グスタフ「なっ!?」
観客「走りやがった!?」
クイッ!!
パシンッ!!
イアン「〔くそっ、右バッターで投げるのが少し遅れるッ!!〕」シュッ!
ズサーッ!
パシッ!
審判「セーフ!」
観客「間に合った!?というか紅の魔術師から盗塁しただと!?」
観客「そんなに足が速いわけでもないのになんでだ!?」
アルミン「〔! そうか、左ピッチャーだとどうしても握りが一瞬見えてしまう。そして何より打席には右バッターのナナバ...スタートダッシュさえ遅れなければ間に合うんだ!〕」
ファーラン「ぷはぁっ...良かったぁ、間に合って」
ミタビ「〔チッ、こいつヘッスラのタイミングもドンピシャだった...なかなかやるぜこの2年〕」
グンタ「おっしゃ、これでノーアウト三塁!」
イザベル「チャンスだ!」
イアン「〔くそっ、完全に舐めていた...あいつはどうやらうちのレギュラー軍並の実力者らしいな〕」
ファーラン「〔ここでピッチャーが一番嫌がるのはスクイズ...そしてサウスポーは何よりサードランナーが見えないのが弱点だ〕」
敵モブ投手「〔チッ、後ろが見えないってめんどくさい...ってよりあのランナーだからこそ面倒だ〕」
イアン「〔大丈夫だ、突っ込んできても俺が力ずくで止める!〕」
敵モブ投手「〔あぁ、任せたぜ〕」ドッ!
ナナバ「」スッ
敵モブ投手「ッ!?」シュッ
パシッ!
審判「ボール!」
イアン「〔気にするな!バッター勝負だ!〕」
敵モブ投手「〔わかってる!わかってるけど...〕」
ファーラン「〔確かにこのキャッチャーを崩すのは難しい...けど、直接崩さなくてもこの投手を崩せば...自然消滅する〕」
敵モブ投手「〔畜生2年なんかに...俺が煽られてるってのかよ〕」
ドッ!
ダッ!
敵モブ投手「〔どうせまた...揺さぶり...だろッ!!〕」シュッ!
クイッ!
イアン「ッ!?」
ダッ ダッ ダッ!!
ファーラン「うぉぉぉおおおおッ!!!」ダイブッ!!
パシッ!!
ズサーッ!!
・・・
観客「ど、どっちだ...!?」
アルミン「...!」
審判「...セーフ!セーフ!」
観客「おぉぉぉおおおお!!」
イアン「〔そのまま...ホームスチール...だと!?〕」
ファーラン「にひっ、よっしゃぁ!」ガッツポーズ
ナナバ「よっしゃぁ!じゃないよ!!危ないだろ!!」
ファーラン「そうッスけど、1点入ったじゃないッスか」
ナナバ「そんなの結果オーライじゃないか!!」
ファーラン「ナナバパイセン、そんなの気にしてたら野球出来ないッスよ?」ニヤニヤ
ナナバ「誰かー!こいつ一発殴ってくれー!!」イライラ
ギャーギャー
アルミン「〔ファーラン...あの投手を崩そうとして...そうか、僕はまた自分だけで野球をやってたのか...〕」ギュゥッ!!
オルオ「ん?アルミン!どうした?小便でも漏れそうか?」
アルミン「...オルオ」
オルオ「どうした」
アルミン「攻撃時は僕とブルペンに入ってくれないかな?」
オルオ「ッ...へっ、あぁいいぜ?その代わり怪我しても知らねぇからな!」
アルミン「〔どんだけ僕は...馬鹿なんだッ...チームのために戦ってたつもりで、本当は自分の勝負だけのために...〕」
パシンッ!!
審判「ボールフォア!」
グンタ「ナナバナイセン!ナイセン!」
-
- 169 : 2015/12/14(月) 01:18:52 :
この回センタマリアは一挙3点を獲得し、ついに同点...そして、5回の表...
ウグイス「センターマリア中学校シートの変更のおしらを致します。レフトのチャーチ君に代わりまして...アルレルト君」
イアン「!」
観客「おいおい、マジかよ!?キャッチャーがシート変更って」
観客「監督は何考えてるんだ!?」
ファーラン「1球!」
ドッ!!
ナナバ「ッ!!」シュッ!
パシンッ!!
ファーラン「ナーイスボールッス!」
ミタビ「キャッチングは上手いな、普通に」
グスタフ「あぁ、アルレルトの二の次くらいだZO」
イアン「だからといってこのまま俺達が大人しくやられてちゃダメだろ」
ミタビ・グスタフ「...ふっ、そうだな!」
ウグイス「5回の表、駐屯中学校の攻撃は...7番ファースト、敵モブファースト君」
敵モブファースト「〔アルレルトじゃなかったらそう怖くねぇキャッチャーだ...長打を狙って...〕」
ファーラン「...」チラッ
ファーラン「...」スッスッス
ドッ!!
シュッ!
敵モブファースト「〔外のストレート!〕」
キッ!
イザベル「オーライ!」パシッ!
審判「アウト!」
観客「一球でアウト取りやがった...」
観客「ま、まぁピッチャーがナナバだしな!」
ウグイス「8番セカンド、敵モブセカンド君」
敵モブセカンド「〔キャッチャーは変わってもナナバは変わってないんだ...ストレートを狙って...〕」
ファーラン「...」スッスッス
ドッ!!
シュッ!
敵モブセカンド「〔来た!ストレート!!〕」
パシンッ!!
審判「ストライク!」
敵モブセカンド「〔なっ、真ん中高めのボール球に...釣られちまった〕」
ファーラン「...」スッスッス
ナナバ「〔! テンポ速いな...ま、私は嫌いじゃないけどねっ!!〕」ドッ!!
シュッ!!
敵モブセカンド「このっ!」スッ!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
ナナバ「〔おっ、これいい感じじゃん!〕」
イアン「!」
ファーラン「」スッスッス
ナナバ「〔ふっ、後輩のくせして...私の好みを知ってるなんて...全く頼りがいのある後輩だよ!〕」ドッ!!!
シュッ!!!
キュルルルッ クイックイッ!!!
敵モブセカンド「〔テンポ速すぎだろっ!?〕」スッ!
パシンッ!!!
審判「ストライク!バッターアウト!」
観客「おぉぉぉおおッ、三球三振!!」
ナナバ「よっしゃぁぁああ!!!」
ミタビ「くっそぉ、あいつ絶好調だな」
「いや上手く乗せただけだ」
ミタビ「はぁ?何に乗せたんだよ」
イアン「あの捕手が投手を上手く引き立ててるんだ、それもあの投手が好きな配球パターンにな」
ファーラン「ナイピッチッスよ!ナナバパイセン!」シュッ
ナナバ「おうっ!!」パシッ
イアン「どうやら向こうにはアルミン以外にもいるようだな」
自由の翼と同等の質を持った奴が...
イアン「世代が合えば奴が自由の翼の正捕手と言われても可笑しくない、それほどのレベルだ」
ミタビ「〔イアンの野郎があのワンプレーを見ただけで言うってことは...あいつもアルミン同様ってことかよ...チッ、厄介極まりないぜ〕」
キンッ!
ファーラン「レフト!!」
アルミン「」パシッ!
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!」
グンタ「良いじゃないか!ファーラン!」
イザベル「おめーにしては上出来じゃね?」
ファーラン「うるっせぇ!ノーヒット野郎が!」
イザベル「ハァ!?今から打つんだしィ~!!」
ファーラン「あぁ、そうかい!打ってみろよ!チビ!」
-
- 170 : 2015/12/14(月) 01:20:48 :
スタスタ
ナナバ「だが、本当に凄いなあいつ...上手いこと乗せられたよ」
アルミン「うん、それがファーランのリードだから」
ナナバ「でも昔のお前に似てるな!」
アルミン「え?」
ナナバ「リードの仕方とか、観察眼とか...まるでアルミンが2人いるかと思ったよ」
アルミン「僕ってそんなリードしてた...?」
ナナバ「あぁ、モーゼスがいた時はお前よくモーゼスのモチベーション上げるようなリードしてただろ?」
アルミン「!」
ナナバ「でも、今のお前はなんだか...リードされるというか、駒のように扱われてるって気がするんだ」
アルミン「ッ」
ナナバ「もちろんその攻めの姿勢は悪いとは思わないし、むしろここまで相手を脅かしてるんだから凄いと思うよ...ただやっぱり変わったなアルミン」
アルミン「...それは変わったんじゃなくて...きっと変わらされたんだよ...」
ナナバ「え?」
アルミン「...でも、ありがとう!ナナバのおかげで今のままじゃダメだってわかったから!」
ナナバ「え、あ、あぁ」
アルミン「オルオ!ブルペン行くよ!」
オルオ「任せろってんだ!!」
監督「〔変わらされた...か、悪いことをしたな...アルミン〕」
ウグイス「5回の裏、センターマリア中学校の攻撃は...1番セカンド、マグノリア君」
イザベル「おっしゃぁー!!来い!!」
イアン「...」スッスッス
ドッ!
シュッ!
イザベル「〔ファーランだけにいい格好させてたまるかっ!!〕」スッ!!
キーンッ!!
イアン「ッ」
観客「おぉ、センター前のヒット!!」
イザベル「っしゃぁあああ!!見たか!ファーラン!!」
ファーラン「ほぁ?」ハナホジ
イザベル「ちゃんっと見とけバカヤローッ!!!」
イアン「〔今の打席...完全にストレート狙いだったな...〕」
ウグイス「2番センター、モブセンター君」
モブセンター「」スッ
イアン「〔バント...二塁で3番...うん、いけるな〕」
ドッ!
シュッ!
スタスタ
「ん?なんだ、あいつら引き分けてるのかよ!!」
「まぁ相手は因縁の相手駐屯だから仕方ないのかもな」
「それにしても...アルミンといいナナバがいるのに...3点も取られてるのか」
「ふっ、みっともないな...」
ミケ「これじゃぁ連覇が出来ない」
モブリット「どう思う?リヴァイ」
「どーだっていい」
リヴァイ「興味がわかねぇ試合を見たって時間の無駄だ」
エルド「そう言ってる割にはスタジアムに来たじゃないか」
ケイジ「そうだよ!」
トーマ「ツンデレってやつか?」ケラケラ
リヴァイ「てめぇら全員歯を食いしばれ」
ケイジ・トーマ「うわーお、にっげろ~!!」ダッ!
リヴァイ「殺す!!」ダッ!!
エルド「...ふっ、あいつもあぁやって冗談が通じるようになったなんて...当初は思わなかったぜ」
ミケ「あぁ...それもこれも...アルミンのおかげだな」
オルオ「へ、兵長!?」
リヴァイ「あぁ?オルオか」
オルオ「見に来てくださったんですか!?」
リヴァイ「あぁ...まぁそんなところだ」
ナナバ「エルドさんにミケさんにモブリットさん...ケイジさんにトーマさんまで!?」
エルド「どうだ?調子は?」
ナナバ「絶好調です!」
リヴァイ「の割には3点も取られてんのな」
ナナバ「」ショボーンッ
「〔で、出たぁ!?リヴァイ(先輩)のナチュラルド直球本音攻撃!!〕」
リヴァイ「まぁ...大体察しはつくが...」
-
- 171 : 2015/12/14(月) 01:21:20 :
スタスタ
アルミン「ッ」
リヴァイ「...」ジロッ
アルミン「〔リヴァイさん...なんでここに...〕」
リヴァイ「〔...なんつー試合してんだ?みっともねぇ、草生えそうだ〕」
アルミン「〔僕は...あの時以降自分が喰われるくらいなら仲間なんて欲しくない...という考えで野球をして来ました。けど、今日それが間違ってるって気付きました〕」
リヴァイ「〔ほぅ...なら見せてもらおうじゃねぇか...お前の新しい選択をな〕」
アルミン「〔はい...見ててください...僕の新しい選択を...〕」
キーンッ!
パシッ!!
ミタビ「チッ、二塁させねぇか!」
観客「3番のシュルツをサードライナーに抑えたぁぁああ!!!」
観客「でも、次って...」
ウグイス「4番レフト、アルレルト君」
観客「蒼の騎士...アルレルト対紅の魔術師...ディートリッヒの4回目の対戦!」
観客「だが、もうアルレルトがディートリッヒに敵わないのがわかっただろ?」
「ビービーうるせぇんだよ豚野郎共」
観客「んだとぉ!?このや...ろ...」
リヴァイ「少しは黙って試合を見ろよ」
観客「り、リヴァイ!?なんでここに...」
リヴァイ「あ?俺がここにいちゃまずいのか?」
エルド「珍しいな、あのリヴァイがムキになるなんて」
ミケ「それは多分...聞いてられないんだろうな...元相棒が叩かれてるのを」
リヴァイ「それ以上口を開いたら、てめぇのその薄汚ねぇアゴをキャッチャーミットまで蹴り飛ばすぞ」
エルド「ふっ...変わったな本当に...」
ミケ「あぁ」
-
- 172 : 2015/12/14(月) 01:23:17 :
イアン「〔アルミンか...まぁこいつが打てることはもうない〕」
スタスタ
「...ふぅ...」パキッ ポキッ
イアン「ッ」
アルミン「...」ギリッ
イアン「〔なんだこの集中力...今までに感じたことのない集中力だ〕」
アルミン「〔今まで...大事な場面で...僕は何度も救われた〕」
アルミン「〔最初はリトルの時...次は1軍昇格試験の時...そして、中央憲兵戦...〕」
アルミン「〔僕は何一つ自分一人で何かを成し遂げたことはない...これまでも...そして恐らくこれからも...〕」
アルミン「〔だからこそ【仲間】というものがいるのかもしれない。僕は今日まで知っていたようで知ってなかった〕」
ファーラン「アルミンさんッ!!打てるッスよ!!広く広く!!」
アルミン「〔ファーラン...君は恐らく...僕を超える存在になるんだろうな...だからこそ、僕も君には負けたくない...今は...今だけはッ!!〕」
ドッ!
シュッ!
パシンッ!!
審判「ストライク!」
ドッ!
シュッ!
パシンッ!!
審判「ストライク!ツー!!」
アルミン「〔そして...イアン〕」
アルミン「〔君は本当に凄い捕手だよ、君がもしセンタマリアに来ていれば僕は間違いなくレギュラー落ちをしていた〕」
アルミン「〔この試合には...紅の魔術師対蒼の騎士の対決って言われてるけど...今は正直...どうだっていい〕」
ドッ!!
シュッ!!
アルミン「〔僕は今...センターマリア中学校4番で正捕手の...アルミン・アルレルトとして戦っているんだッッッ!!!!!〕」ザッ!!!
アルミン「ッ!!」スッ!!!
クイックイッ!!
イアン「〔よし三振だッ〕」
ゴッ!!!!
イアン「〔ッ...な...に...!?〕」
アルミン「うぉぉぉおおおおおッッ!!!!」グググッ!!! カキーンッ!!!
ミタビ「...ッ!?」チラッ
グスタフ「え...!?」チラッ
ファーラン「!」チラッ
リヴァイ「...」
バンッ!!!
観客「...は、入った...?」
観客「おぉぉおおおおおおおおおっっっ!!!!!!」
観客「は、入りやがった!!!」
ケイジ・トーマ「イェーガーッ!!!」
モブリット「す、凄い飛距離だな...」
エルド「あぁ、まさにここぞと言わんばかりの一打だな」
ミケ「ふっ、俺には敵わんがな」
モブリット「あんたより飛ばすバッターなんて見たことないよ...」
リヴァイ「...チッ、最初から打ちゃいいんだ」
タッタッタ
アルミン「よっし!」ガッツポーズ
グンタ「ナイバッチ!!」
ナナバ「すっげぇアイツ!!」
ファーラン「〔...やっぱ俺にはどうやっても超えられない...高い高い壁...だからこそ...憧れる...アルミンさんはやっぱすげぇ!!〕」
オルオ「俺は最初からあいつが打つことは知ってたぜぇ!!だけど、俺だったらもっと飛ばしてたけどな!!」
グンタ「水を刺すなオルオ」
ナナバ「黙れ扇風機野郎」
ファーラン「試合に出れてすらないくせに」
オルオ「やめろぉぉぉおおおおッ!!!!!」
タッタッタ
審判「ホームイン!」
イザベル「ナイバッチです!アルミン先輩!」スッ
アルミン「うん」スッ
コツンッ
「驚いたな...」
アルミン・イザベル「え?」
イアン「前の打席打てなかった外角低めいっぱいのスクリューだったんだ...それを打つなんてな」
アルミン「ん、ごめん...僕何を打ったか覚えてないんだ」
イアン「なっ!?」
イザベル「アルミン先輩それ嫌味ですか?」
アルミン「え、嫌味のつもりで言ったわけじゃないんだけど」
スタスタ
イアン「〔何を打ったのか...覚えてないだと!?〕」
-
- 173 : 2015/12/14(月) 01:40:49 :
監督「ナイスバッティングだ」
アルミン「! ありがとうございます!」
監督「戻ったようだな...ならキャッチャーに「いえ」
監督「!」
アルミン「今のまま...ファーランをキャッチャーに使ってください」
ファーラン「えっ!?」
グンタ「ど、どうしてだよアルミン!?」
アルミン「どうしてもこうもないさ、この流れを持ってきたのはファーランだ。なら今ファーランを変えたらまた流れが変わるかもしれないからね」
ファーラン「で、でも!」
アルミン「最後まで...ちゃんと投手陣を引っ張っていく...それが捕手の役目でしょ?」
ファーラン「!」
ポンッ
アルミン「頼んだよ、次期キャプテン」
ファーラン「えっ...」
アルミン「僕ら3年生の最後の試合...自分のポジションで守れなかったのは悔しいけど...もっと悔しいのは後輩の方が良いリードをしていること」
アルミン「世代交代は...避けて通れない道だ」
グンタ「〔アルミン...〕」
ナナバ「〔アルミン...〕」
オルオ「はっ、随分とご立派な論理だぜ!天才なら何でもありってか?」
イザベル「!」
オルオ「試合にも出れねぇ奴の気持ちは考えたことあるのかよ?」
アルミン「...もちろん試合に出れない選手達には申し訳なく思うよ、でもどんな天才でも怪物だろうとも...自分勝手な行動でチームに迷惑はかけちゃダメだ」
アルミン「僕はそれを...身を持って知ったから」
ナナバ「〔! もしかして...リヴァイ先輩のことか...?〕」
アルミン「だから責任を持って...僕はこのままレフトを守る。例えそれが外野からヤジが来ようとも...」
オルオ「...」
モブ「お、おい!?お前ら喧嘩はやめとけって!」
オルオ「...そうか、なら良いんじゃねぇか」
モブ「え」
アルミン「うん、理解してくれて助かるよ」
モブ「は?」
オルオ「んでも、攻撃時は俺がブルペン入るから取れよ!この金髪坊っちゃん!」
アルミン「そのつもりだよ」
モブ「え...こいつら喧嘩してるんじゃなかったの?」
グンタ「あぁ、いつものことだ気にするな」
モブ「なんだよ...」
ウグイス「3番キャッチャー、ディートリッヒ君」
イアン「クッ」
観客「あと一人!あと一人!」
ドッ!!!
ナナバ「ッ!!」シュッ!!!
キュルルルッ クイックイッ!!!
イアン「ッ!?」
パシンッ!!!
審判「...ストライク!バッターアウト!ゲームセット!」
観客「おぉぉぉぉぉおおおおッッ!!!!優勝は...センターマリア中学校だぁ!!!!」
ナナバ「やったぞ!!!」
ファーラン「うぉぉおおおッ!イザベル!俺達...本当に頂点立ったんだぁ!!」
イザベル「あぁ!夢じゃない!現実だぁ!!」
アルミン「ふっ...ん」チラッ
リヴァイ「...」スタスタ
アルミン「...」チラッ
ファーラン「うぉっしゃぁ!この後打ち上げパーティーで焼き肉とか行くんじゃねぇか!?」
イザベル「焼き肉!?マジでぇ!?」
アルミン「...ふっ、やっぱり僕は...そうすることにするよ」ボソッ
ナナバ「は...?何か言ったか?」
アルミン「え?あぁ、ううん...なんでもないよ!」
ナナバ「あ、あぁ...そうか」
スタスタ
アルミン「!」
イアン「...この勝負はひとまず俺の負けだ」
アルミン「...負けてないよ」
イアン「はっ...?」
アルミン「僕は勝っても負けてもないし、君も勝っても負けてもない...今日は引き分けってことにしようよ」スッ
イアン「ッ...ふっ、負けたのに引き分けにするなんて...この借りは高校で当たる時に返す」スッ
ギュッ
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- 174 : 2015/12/15(火) 12:27:07 :
現在公開可能な情報
S校野球部員の家族構成編
E君...「父親と母親がいて...グスンッ...なっ、なんでもねぇよ!!
は?彼女?いねぇよそんなの」
K君...「え...っと...母ちゃんに父ちゃん...サニー、マーティンに...婆ちゃん爺ちゃんだろ...?
彼女?なんだそれ?美味しいのか!?」
Mさん...「お父さんとお母さん...それと兄さんと叔父さん
えっ、い、いません!///」
M君...「父さんと母さんと母方のお婆ちゃん
そのうち可愛い彼女が出来ればいいかと思います。」
J君...「ババアとジジイ
ハァ?いるわけねぇだろ?ま、俺はミk」 ボコッ
T君...「兄貴と妹と父さんと母さん!因みに俺兄貴より身長高い!
彼女?あぁ中学の時からいるぜ!」
M君...「お爺ちゃんとお婆ちゃん、お母さんとお父さん...もう死んじゃったけど、姉さんがいた。
恋人はいません。」
D君...「お父さんとお母さん...だけど、今は義理の父と母にお世話になってて妹もいる!あんまりなついてくれないけど...
彼女欲しいです...けど、全然相手にされなくて...」
A君...「父と母がいます。祖父はつい最近まで生きてました。
え?アニが彼女ですけど...あ、まだ婚約はしm」 ボコッ
Aさん...「父親と母親
いるよ、ずっと出会ったときからね...なんてね誰もが憧れる乙女心さ」
R君...「父親と母親がいて、弟2人に妹1人がいます!
因みに婚約者はもうきm」 ボコッ
B君...「ぁ...えっと...父さんと母さん...です
好きな人は...いません」
Kさん...「父と母と祖母と祖父です。ペットも飼っていて犬と馬を飼っています!
す、好きな人はいません!///」
Yさん...「覚えてねぇー
興味ねぇー」
K君...「私は父、母だ!
因みに私の婚約者はアn」 ボコッ
Rさん...「パパとママ...はっ!?しまった!?
楽器が恋人さ...誰だ!!寂しい奴って言った奴!!」
P先生...「お父さんとお母さんですね。
え?か、か、彼氏ィ!?/// いるわけないでしょ...」
H先生...「父上と母上に育てられましたッ!
因みに恋女房はゲームと小説!え?恋人?そりゃもちろん!ky」 ボコッ
-
- 175 : 2016/01/03(日) 00:07:32 :
アルミン「...というわけさ」
ミカサ「...」
アルミン「〔あ、あれ...結構重い空気になっちゃった...?〕」
ミカサ「兄が大変ご迷惑をお掛けしました」ペコリ
アルミン「〔そっち!?〕」
ミカサ「でも...アルミン先輩のことが少し知れて...嬉しかったです」
アルミン「?」
ミカサ「私がアルミン先輩を知ったのは兄と離れた後でしたので、話を聞く機会がなかったので...その、前までは少し怖かったです。」
アルミン「えっ!?僕が怖い!?」
ミカサ「自由の翼としてのアルミン先輩しか知らなかったので」
アルミン「そっか...そうだよね、皆僕のことは...自由の翼の僕しk ボコッ!!
バタンッ
ミカサ「か、監督...?」
アニ「あんた何回殴らせる気?そろそろ疲れるんだけど」
アルミン「ご、ごめん...でも、ちょっと...手加減してくれないかな...本当に痛いんだけど...」プルプル
アニ「ハァ...ま、そういうわけ」
ミカサ「は、はい」
アニ「こいつがどんだけ凄かろうが野球は一人でやるものでも出来るものでもない、だからこそあんたらの力が必要なの」
ミカサ「!」
アニ「この先は恐らく前の試合みたいに上手くいくとは限らないからね、あんたも気合入れていくんだよ!」
ミカサ「...はい!」
スタスタ
ジャン「おー、ミカサ!次お前だってよ!」
ミカサ「ん、わかった...行こう」
ジャン「...何話してたんすか?」
アニ「ん~?別に...次の試合も先発はベルトルトで行くよって言っただけだよ」
ジャン「そうっすか...ならなんで...アルミン先輩倒れてるんすか...?」ガクガクブルブル
アルミン「」チーンッ
アニ「...さぁね、熱中症じゃない?さっ、続きやってきな!」スッ!!
バシッ!!
ジャン「い”っ!?は、はい!行って来ます!!」ダッ!
-
- 176 : 2016/01/03(日) 00:08:52 :
- 2-B組 教室
ピュレ「それではミカサ君、よろしく。」
ミカサ「はい、よろしくお願いします。」ペコリ
ピュレ「ではまずはじめに...えぇ~ミカサ君は【どこ中だったんですか?】」
ミカサ「【センターマリア中学校です】」
ピュレ「センタマリア中!?」
ミカサ「...? はい」
ピュレ「じゃ、じゃぁ...【野球部に入ってたんですか!?ポジションは!?打順は!?】」キラキラ
ミカサ「あ、えっと...期待に答えられなくてすみません【私は野球部に入ってません】」
ピュレ「えっ...!?な、なんで!?あんな上手いのに!?」
ミカサ「あ...えっと...」オドオド
ピュレ「あ、あぁごめんなさい!そこはタブーなんですね...では質問を変えて...【野球はいつからやってましたか?】」
ミカサ「【小学校では遊びとしてなら...それと中学では社会人の草野球を少々】」
ピュレ「え...つまり公式戦は今までに...」
ミカサ「はい、出たことがありません」
ピュレ「〔どういうことだ...?アレだけのプレーをしている選手がなぜ今まで無名だったんだ!?それに中学はセンタマリアで野球部には入ってないって...いやこれは野球部に入れなかった・または入部試験に落ちたのどっちかか?〕」
ピュレ「ありがとうございます、では次に...【これまでの戦いで一番記憶に残る試合は何でしたか?】」
ミカサ「...それは...これまでの練習試合も兼ねて...ということですか?」
ピュレ「あ、そうか...そうですね、練習試合も含めてでお願いします」
ミカサ「...やっぱり1番は5月の下旬頃にやった...調査高校2軍との練習試合...です」
ピュレ「なるほど...その試合で何か得たものなどはありましたか?」
ミカサ「得たもの...チームの目標が決まったこと...です」
ピュレ「チームの目標ですか!では次にそのチームの目標をお聞かせください!」
ミカサ「...」
スタスタ
ミカサ「アルミン先輩」
アルミン「あ、僕の番か」
アニ「何か変なこと聞かれたかい?」
ミカサ「いえ、変なことは聞かれてません」
アニ「...そう、なら練習混ざってきな」
ミカサ「はい」
アニ「〔変なことは...か〕」
-
- 177 : 2016/01/03(日) 00:10:43 :
ガラガラ
アルミン「失礼します」
ピュレ「どうぞどうぞ、えぇ~では早速いいですか!?」
アルミン「はい」
ピュレ「色々聞きたいけど...やっぱりまず...アルミン君が【野球を始めたのはいつですか?】」
アルミン「僕が野球を始めたのは...幼稚園頃に父と一緒にプロ野球を見てから...ですから【小学校からですかね】」
ピュレ「なるほど...それからリトルや中学でやり...ここに来た...というわけですね?」
アルミン「はい」
ピュレ「では次に...ズバリ聞きます...【なぜこの学校、シガンシナ高校を選んだんですか?】」
アルミン「...本当にズバリですね」ニッ
ピュレ「あぁ”...すみません...答えづらい質問で...ですが、去年の取材では...【偏差値的に丁度良かったから】と記載されていますが本当なんですか?」
アルミン「去年の記事...読んだんですね...当たり前かもしれませんが」
ピュレ「はい、一字一句見逃さずに...アルミン君の記事はすべて読みました」
アルミン「なら...決勝の記事も...その後の記事も...読んだ...ってことでいいですね?」
ピュレ「はい!ずっと取材をしたいと思っていましたので、当たり前です!!」
アルミン「...スゥーッ...フゥーッ...ピュレさん...」
ピュレ「! はい」
アルミン「僕はこれまで何度も取材が来て、その度に病院を通っていた...そのことは知ってますか?」
ピュレ「ッ」
アルミン「...」ジッ
ピュレ「...いいえ、さすがにそこまでは...ッ、だから今回の取材は受付出来ない...と?」
アルミン「いえ、逆です」
ピュレ「ぎゃ、逆?」
アルミン「僕は...いえ、僕達は調査高校を倒して甲子園に出ることを目標にしています」
ピュレ「! それは今年の目標ってことですか?」
アルミン「え、あぁ...それもありますが、今年は...去年より意識が高いってことです」
ピュレ「意識...ということは去年は低かった、ということですか?」
アルミン「...はい、事実僕は舐めていました...調査高校を...いえ自由の翼を...」
「ですが」
アルミン「今年は本気です!絶対に...甲子園に行きます!!いや、今年じゃなきゃダメなんです!!!」
-
- 178 : 2016/01/03(日) 00:11:00 :
ピュレ「あ...はい!それはもう試合結果でわかります!ですが今年じゃなきゃダメとは...?」
アルミン「それは...」ギュゥッ
ピュレ「!」
アルミン「今年が最後なんです...彼らと...自由の翼と戦えるのはッ!!」
ピュレ「えっ」
アルミン「だから...ピュレさんに協力してもらいたいことが!」
ピュレ「協力って...僕に言ってるんですか?」
アルミン「はい、僕は今ピュレさんを試しています。新聞記者としてのピュレさんに...すべてを話せる人かどうか...」
ピュレ「〔いやそんなこと本人に言っちゃまずいでしょ!!〕」
アルミン「だから...取引をしませんか...?」
ピュレ「と、取引!?」
アルミン「と言っても八百長や情報を引き出す...と言うわけじゃないです」
ピュレ「...では何を?」
アルミン「僕は...僕のすべてをピュレさんに話します!」
ピュレ「アルミン君の...すべて?」
アルミン「はい、それでピュレさんにはやってもらいたいことが...」
・・・
ピュレ「えぇ!?そ、そんなことを...!?」
アルミン「...僕は本気です!このチームが...甲子園に出るために...必要なんです!!」スッ
アルミン「お願いしますッ!!」ペコッ
ピュレ「〔あ、アルミン君は...本気だ...本気でこれを...!!〕」
「...いいんですか?」
アルミン「!」
ピュレ「こんな掲載...載ったら大変なことになると思いますよ?」ニヤッ
アルミン「...でも、これは事実です。ピュレさんだってこういう記事が書きたかったんでしょう?」ニヤッ
ピュレ「...ははッ、バレてましたか!でも...凄い覚悟ですね!」
アルミン「これぐらいしないと...世間は味方をしてくれません!それとこの事は誰にも言わないでください。絶対に」
ピュレ「わかりました。この事は僕とアルミン君だけの秘密ってことで...それにこれまで経験したアルミン君だからこそ...出来る策ですね」
アルミン「じゃぁ...お願いしますね、ピュレさん」
ピュレ「でもなんで僕に?」
アルミン「今まで取材に来た人って...金のためや会社ためって感じで大人という雰囲気が出てて...どこか怖いところがありました」
アルミン「ですがピュレさんは...何か...似てるんですよね...ある野球馬鹿に」ニコッ
ピュレ「ある...野球馬鹿?」
スタスタ
アルミン「お待たせアニ」
アニ「...随分長かったね」
アルミン「え、あぁ...うん!ちょっと回りくどい説明されちゃって...(本当は僕がしてたんだけど...)」
アニ「ふ~ん...」
アルミン「さっ、次は監督であるアニの番だよ!」
アニ「はいはい、じゃぁ練習戻っとくんだよ」
アルミン「うん!」
アニ「? やけにやる気のある返事だね」
アルミン「え?そうかな?いつも通りだと思うけど」
アニ「こりゃ明日雨でも降るかもね」
スタスタ
アルミン「〔...ごめんアニ...君のこと...いや僕達のことを...話しちゃった〕」
-
- 179 : 2016/01/03(日) 00:11:26 :
コンコンッ
「どうぞ~!」
ガラッ
アニ「失礼します」
ピュレ「いやいやすみません時間がかかってしまって...」エヘヘ
アニ「いえ、よろしくお願いします」
ピュレ「あぁはい!よろしくお願いします!(何かアルミン君より監督さんの方が怖い...前まで愛想良かったのに...やっぱ取材って嫌われてるのかな)」
ピュレ「ではまず...【このチームの魅力と欠点を教えていただけませんか?】」
アニ「はい、今年のチームは...【バランス型に特化してますね】」
ピュレ「バランス...去年の記事では攻撃型チームと書かれていましたが...」
アニ「はい、去年までは攻撃力を上げてとにかく点を取る野球をしてました。守りに関してはアルミンに任せていますので」
ピュレ「なるほど、では今年は守備にも走力にも投手力にも力を入れている...ということですね?」
アニ「はい」
ピュレ「では次に欠点を」
アニ「欠点ですか...あえて言うなら...【下位打線の弱さ】...でしょうか」
ピュレ「下位打線...確かこれまでだと、リーブス商業戦は7番ジャン君・8番トーマス君・9番途中交代でダズ君...3回戦では7番ベルトルト君・8番トーマス君・9番ミリウス君...そして中憲兵戦では7番マルコ君・8番トーマス君・9番ミリウス君と...なかなかいじってますけど」
アニ「上位打線は大分まとまりかけていて点も取れるようになってきました。ですが下位打線が今一歩...完成されていないんです」
ピュレ「なるほど...では今後の改善点は下位打線を強くしていくこと...ということですか?」
アニ「そうですね...まぁ下位打線が弱いっていうのはどこも同じだと思うんですが、それだと調査高校には勝てないので」
ピュレ「! 確かに調査高校の下位打線の得点率は他校と比べたら比じゃないですね」
アニ「こんな感じですかね」
ピュレ「ありがとうございます!次に...先ほど答えていただいたことでいくつか聞かせてください。【まず① 今年のチームのキーマンは誰でしょうか?】」
アニ「キーマン...やはり攻撃でも守備でも投手力でもキーマンとなっているのが...【ミカサ選手ですね】」
ピュレ「やっぱりそうですよね!僕もなんで彼は今まで無名だったんだろう?って思って質問したんです」
アニ「!」
ピュレ「結果は...どうやらタブーのようでしたが...でも、彼本当流星の如く現れた一種の天才ですよね!」
アニ「...あの」
ピュレ「えっ...?」
アニ「選手を評価したいただけるのはとても光栄です。ですが...」
アニ「そうやって持ち上げて...金魚鉢にするのだけはやめていただきたいです!!」
ピュレ「あっ、いえ...そういうわけでは...」
アニ「...ッ、すみません...」
ピュレ「(あっ、そうか...なんでいつも冷静な彼女がこんなに熱くなるか...それは多分アルミン君のことと重なって見えるからか...)」
ピュレ「先ほどはすみません、失礼な態度を取りました!では次に【② これなら目標である調査高校に勝てる!という所はどこでしょう?】」
アニ「勝てる...今はまだ...勝ってないかもしれませんが...」
アニ「【いつか...エースが帰って来たとき...うちは守備も攻撃力も...調査高校に勝てると思いますよ】」
ピュレ「ッ...エース...そ、そう言えばこのチームのエース番号を付けてる選手...見たことがないんですが...」
アニ「...ふっ...いますよ、シガンシナ高校...野球部エース...今はまだ出れる状態じゃないですが...彼はいつも私達と戦ってますから」
ピュレ「...ははッ、それはエースの登場が楽しみですね!!これは書いていいですか?」
アニ「いえ出来ればこれは書いて欲しくないです...だって...秘密兵器がバレたら秘密にしている意味がないんですから」ニコッ
ピュレ「(こぇぇえええっ!?なんだ今の笑みは!?絶対にバラしたら指一本持っていかれるくらいの威圧ぅううう!!!)」
ピュレ「あ、ありがとうございます...は、ハハッ...今日は...失礼します」シロメ
アニ「はい、ありがとうございました!」
-
- 180 : 2016/01/03(日) 03:32:41 :
練習後...
ジャン「おーし、ミーティングすんぞ~」
タッタッタ
ハンジ「お~い、次の対戦相手決まったよ~!」
エレン「ハンジさん!次はどこですか?」
ハンジ「次の相手は...バルト学院高校とだ!」
アルミン「バルト学院か...」
トーマス「去年当たったんですか?」
アルミン「いや今までで一回も当たったことがないんだ」
ジャン「つーことは...」
アニ「そう、ノーデータだね」
マルコ「ノーデータか...覚悟はしてたけど、いざ立ち向かうと怖いよね...」
トーマス「でもよ、それって相手も同じじゃね?」
ミカサ「今回は違うと思う」
トーマス「え?」
ミカサ「気づいてた人もいるかもしれないけど、中央憲兵戦で偵察が来てた」
ジャン・トーマス・マルコ・ミリウス「え”!?」
エレン「な、なんでお前そんなことわかるんだよ!?」
ミカサ「視線を感じたから振り向いたらカメラを向けられてたから」
「〔いや普通そういうことわかんねぇから!〕」
アニ「でも、こっちもただ何もなしで挑むっていうわけじゃないよ」
ライナー「! 何かデータがあるんですか?」
ハンジ「ふっふっふ~、じゃじゃーん!」スッ!
「おぉぉおおお!!DVD!」
ハンジ「君達の親御さん達が協力して撮ってきたものだよ?大切に使わないとね!」
コニー「だから今日母ちゃん出かけるって言ってたのか!」
マルコ「なるほど...感謝しなきゃね」
トーマス「応援してくれる人のためにも...だな」
アニ「ふっ...じゃ、今から視聴覚室からしっかり見るんだよ!」
「はい!」
-
- 181 : 2016/01/03(日) 03:33:16 :
コニー「あ~腹減ったぁ~」グゥゥッ
エレン「はぁ?お前さっき食ったばっかだろ?」
コニー「そうなんだよなー、でも腹減るんだよなぁ」
ライナー「わかるぜ、最近練習慣れてきてから食えるようになってきたしな」
エレン「まぁ確かにそうだけどよ」
コニー「この際だ!今のうちにコンビニ行って買ってくるか!」
エレン・ライナー「はぁ!?」
エレン「お前...本当に馬鹿だろ?バレたら怒られるだけじゃないんだぞ!」
ライナー「そうだ、学校側から言われるんだ」
コニー「でもよ...あ、エレン!久々にアレやるぞ!」
エレン「は...?アレ?」
コニー「そう、アレ」
エレン「いやわかんねぇよ!!」
コニー「なーんだよ、つっかえねぇな!馬鹿だな!空気読めないな!」
エレン「す、すみません...」
ライナー「なんでエレンが謝ってるんだよ」
エレン「ん?そう言えば前にもこんなことやったような...ってまさか!?」
コニー「そうだぜ!エレン!野球部復活させる時にやった...作戦会議だ!!!」
エレン「なっ、やだよ...アレ恥ずかしいし」
コニー「おい!いつから羞恥心を覚えたんだ!エレン!!」
エレン「前からあるわ!!」
コニー「前は乗ってくれたのに~つまんねぇ~」
エレン「グッ...くそっ!いいよ!やってやるよ!!」
コニー「にひっ、その意気だぜ!」
ライナー「(エレン、完全にコニーに乗せられたな...)」
コニー「おーっし、やるぞ!」
ライナー「ちょ、ちょっと待て!俺は何が何なのかわかんないぞ!」
コニー「ん?ノリやれば行けるだろ!あれ...ノリってなんだっけ!?食べる奴だっけ!?」
ライナー「もうやだ馬鹿...」
-
- 182 : 2016/01/03(日) 03:35:42 :
バッ
エレン「...これより...第二回作戦会議を始める...」
ライナー「お、おう」
コニー「社長!いや部長!いや課長!いや係長!」
エレン「なんだ馬鹿」
コニー「私に提案があります!」
エレン「言ってみろ」
コニー「...」ゴクリッ
エレン・ライナー「」ゴクリッ
コニー「すぐそこにあるセブンセブンに行くというのはどうでしょう?」
エレン「却下だ」
コニー「なんでだよー!!」
エレン「近くにあるんじゃバレちまうだろ!他の生徒の奴にも」
コニー「じゃぁどこに行くんだよ!?近くあるのあそこだけじゃん!!」
エレン「う~ん...(やべぇ、調子に乗って却下しちゃったけどそれしかねぇわ)」
スッ
エレン「! ライナー?どうした?」
ライナー「俺に名案がある...!」
エレン・コニー「な、なんだってー!?」
ライナー「それは...セブンセブンに今すぐ行く...という一見単純ですが一番効率の良いやり方がベストかと...!!」
エレン「なるほど...ライナーが言うと説得力あるよ」
コニー「なんだと!?それはまるで俺が馬鹿って言ってるように聞こえるんだが!?」
エレン・ライナー「...馬鹿だろ」
コニー「おう」
ライナー「と言うか視聴覚室に移動してる今がチャンス何じゃないか?」
エレン・コニー「おぉ、ナイスアイディア!!」
ライナー「だが...いくつか問題がある」
エレン「なんだ?」
ライナー「まず1つ目...正門近くに他の生徒がいたらまず怪しまれる...なんて言ったって...俺達...ユニホームだから」
エレン・コニー「あ...」
ライナー「だがタイミングを見計らえば一瞬で行ける、それほどの近さだ」
エレン「確かに...日頃走ってるから行けるな!」
ライナー「だが...超難問が次だ...」
コニー「なんだ!?」
ライナー「いいか、コンビニまでの距離は信号が無ければ本当に一瞬で行ける距離だ。」
エレン「ッ...そうか...アイツ(信号機)がいるから...くそっ!」
コニー「ちくしょう...あんな所にアイツが...絶対に許さねぇ...誰だ!?作ったやつ!!」
ライナー「落ち着けお前らまだ希望はある」
エレン・コニー「なに!?」
ライナー「その裏を返せば信号が青になっちまえば後は何にもないゴールまっしぐらだ」
コニー「確かに...そのままドアをくぐれば後は品を買うだけだしな」
エレン「でも信号まではいくら何でも時間が...」
-
- 183 : 2016/01/03(日) 03:35:53 :
ライナー「チッチッチ」ユビフリ
エレン「え?」
ライナー「わかっちゃいねぇな、お前ら!」キリッ
エレン・コニー「アニキ!?」
ライナー「今時の信号は...押しボタン式なんだぜ!」キラッ
エレン・コニー「そんな馬鹿な!?」
ライナー「ってことはだ...改めて作戦を言うと...」
まず【その1】 正門の前に人気がすれば待ちて、無人なればいざ行かん!
【その2】 敵の敵は味方ありけり、ボタン押すよろし!
【その3】 青なれば、神様が貴公に褒美下さる、いざ帰還!
ライナー「神の教は絶対なりける!!」
コニー「うぉぉぉおおお、すげぇぇえええ!!」
エレン「いやよくよく思ったらライナーキャラ変わりすぎだろ、さっきまでアニキキャラだったろ」
ライナー「んなことはどうだって良いんだよ!お前だって腹減ってるだろ?」
エレン「そりゃ...減ってるけどよ...やっぱやめないか?絶対嫌な予感がするんだが...」
ライナー「エレン...男には...引けない状況っていうもんがある...」
エレン「は...?何言ってんだ?」
ライナー「青春をしろ!少年!!」
エレン「誰だよお前ッ!!」
ライナー「俺は行く...必ず...そして帰ってみせる...誰にもバレずにな...」ギュゥッ
エレン「マジでキャラ変わりすぎだろ、大丈夫かライナー」
ライナー「コニー、お前は行くよな?」
コニー「あったりまえだろ!こんなチャンス滅多にねぇぞ!」
ライナー「エレン...お前はどうする?悪い話じゃないはずだ」
エレン「う~ん...(参ったな...昨日から頭がパンパンなんだよな...)」
ライナー「俺には...空腹過ぎて...もう何が正しいかわからん...」
ライナー「男なら...ここで引いちゃいけねぇ!今がそうだ!!」
コニー「ライナー!!やるんだな!?今ここで!!」
ライナー「あぁ!今ここで...決着をつける!!」
チラッ チラッ
ササッ
エレン「お、おい...マジでやんのか?」ボソッ
ライナー「あぁ、今しかない!グラウンドから視聴覚室までの距離はそう近くはないが遠くもない!保っても5分だ!」ボソッ
コニー「男なら行くしかないだろ!エレン!」ボソッ
エレン「わかぁったよ...行くよ」
ライナー「こちらA班ライナー...右よし!」
コニー「こちらえぇ~っと...Aの次は...D班!右よし!「左だろ!しかもAの次はBだ!馬鹿!」
エレン「えっと...C班中央よし」
ライナー「よし...行くぞ...」
コニー「あぁ...」
エレン「お、おう...」
ライナー「今だッ!!」ダッ!!
タッタッタ!!
ライナー「(よし、誰もいない!ボタンを押して!)」ポチッ
コニー「(あとは数秒待ちさえすれば...)」
エレン「(本当に行けるのかよ!?)」
ピッ 青
ライナー・コニー「うぉぉおおおおおおおッッッ!!!!!」ダッ!!
ガラッ プルプルプルーッ
店員「いっしゃっさっせー」
-
- 184 : 2016/01/03(日) 03:36:53 :
ライナー「よし!」
コニー「すげぇ!本当にここまで来ちまった!すげぇよ!ライナー!」
ライナー「ふっ、やめろコニー...褒めてもアイスくらいしかおごってやらねぇぞ?」キラッ
コニー「うぉぉぉおおおお!アイスおごってくれるのか!?」
ライナー「あぁ、ハーゲンゲッツ1個くらいなら...な!」キラッ
コニー「Foooooooo!!」
エレン「うるっさ、ってか完全に迷惑だろ...ん?」チラッ
ライナー「どうした?エレン」
エレン「いや...この新聞...」
調査高校、順当に勝ち進み今年も甲子園連覇確実か!?
今年の調査高校は最強のチームとなってしまった。なぜならば今年の主力メンバーが自由の翼だからだ。
なんと言ってもあの怪物リヴァイは投手としてではなく、遊撃手として活躍しており、その活躍ぶりから
プロからも注目を浴びており、投手ではなく野手としてプロ入りするのではないか?という声も上がっている。
エレン「リヴァイさん...なんで投げないんだろ...」
ライナー「怪我...じゃないか?やっぱり」
エレン「だよな...でも、アルミン先輩いわくもう治ってるって...それにあの時の試合だって...投げてた」
コニー「おぉーい!お前らもう買うもんは決まったか?」
ライナー「あぁ、俺は決まったぜ!エレンは?」
エレン「俺は...飲み物とパンでいいかな」
コニー「おっしゃぁ!じゃぁ早く買って食おうぜ!!」
店員「お決まりしったらどっぞー」
バッ
ピッピッピッピッピッピ
店員「8点で1240円になりあっすー」
コニー「あれ...」ゴソゴソ
エレン「ん?どうした?」
ライナー「や...」
エレン「ん?」
ライナー・コニー「やっちまったー!!財布忘れた!?」
エレン「は、はぁぁああ!?おまっ、どうすんだよ!俺は持ってきたけどよ」
ライナー「神様仏様エレン様...どうか、この場だけお金を出して貰えないでしょうか!?」
コニー「頼むぅぅうう!!!」
エレン「ハァ...仕方ねぇな、後で返せよ?」
ライナー・コニー「あざーっす!!」
店員「2000円いたっきまーす、760円のおかっすー!」
-
- 185 : 2016/01/03(日) 03:38:40 :
スタスタ
グィーン
店員「ありがとござっしたー」
エレン「ったくよぉ...ほら」スッ
・・・
エレン「ん?どうしたいらないのか?おまえ...ら...」シロメ
ジャン「あぁもらってやるよ、全部俺がな!」
ミカサ「エレン、買い食いはダメ!校則違反」
マルコ「ったく、いつまで経っても来ないと思ったら...」
トーマス「なぁんだよ、俺も行こうとしたのに!」
ミリウス「罰則だな」
ダズ「...」
ベルトルト「ライナー...見損なったよ...」
ライナー「ま、待ってくれ!ベルトルト!こ、これには深いわけがあってだな!」
コニー「そ、そうだぜ!」
「ふ~ん...深い...わけね...」
ライナー・コニー「あ...か、か、か、監督...」シロメ
アニ「じゃぁ言ってみ?その深いわけ...何時間使ってもいいからさ、ね?」ニッ
ライナー・コニー・エレン「すみませんでしたぁぁぁぁあああああッッッ!!!!!」ドゲザ
アルミン「全く...まぁこんなことだとは思ったけど...」
アニ「...で?誰が提案したの?」ジロッ
ライナー「え”...っと...」チラッ
コニー「い、い、いやぁ...だ、誰だっけ?」チラッ
アニ「ふ~ん...あんたなの?」ギロッ
エレン「へ?は...?いやいやいやいやいや!!俺じゃないですよ!!!!」
アニ「でもこいつらの目はこっちに向いてるけど?」
エレン「なっ!?」チラッ
ライナー「〔すまんエレン...許せ〕」ウインク
コニー「〔後で俺のハーゲンゲッツやるから許してくれ!〕」ウインク
エレン「なっ...なっ...なっ...」
アニ「それで...結局誰なんだい?」ギロッ
ライナー・コニー「コイツです」ユビサシ
アニ「へぇ...やっぱあんたなんだね」
エレン「...グスンッ...ヒグッ...」ポロポロ
エレン「ライナー...」
エレン「コニー...」
エレン「この裏切り者がぁぁぁあああああッッッ!!!!!!!」
-
- 186 : 2016/01/30(土) 00:36:18 :
ライ○ーゲーム事件後のミーティング...
ピッ
アニ「座ったら全員サシャからメモ用紙をもらって、その紙に気になった要点を書いといてね」
「はい!」
アニ「全員もらったね?じゃぁサシャ、お願い」
サシャ「はい!任せてくれ、です!」
バルト学院高校、今までの成績は良くてベスト16が最高でした。ですが、ここ最近スカウトに力をつけてきて去年の夏はベスト8まで勝ち上りました。
サシャ「バルト学院の注意すべき点はズバリ...」ゴクリッ
「」ゴクリッ
サシャ「...パン」
ジャン「は...?」
サシャ「...ンスパン」
アルミン「ん...?」
サシャ「フランスパンのように堅い守備ってことですよ!!!わからないんd ペシッ
アニ「あんたのための演説じゃないんだからね?」
サシャ「すびばせん...」ナミダメ
サシャ「中央憲兵よりかは堅くはありませんが、ベスト8まで勝ち上がっているだけあって今までの試合失点数が4点です」
マルコ「えっ、今までの試合で...たった4点?」
サシャ「はい、ですがハンジ先生のビデオを先に見たところどうやらバルト学院はズルをしてくるようですね」
エレン「ズル...?」
サシャ「はい、正確には八百長です。ビデオで何度も見直しましたが、得点するシーンで明らかにアウトのプレーをセーフにしたりと可笑しな所が多々ありました。」
アルミン「ズル...か」
サシャ「と言っても口で説明してわかるような皆さんではないので、早速見ましょう!」
「お前にだけは言われたくないッ!!」
・・・数時間後・・・
「!」
ピッ
アニ「さて、一通り見たね?それじゃぁ要点書き込む時間を3分あげるから1人最低でも3つは書くように!」
コニー「なぁなぁなぁ、お前何書く?」
ジャン「教えたら意味ねぇだろ、馬鹿」
エレン「...」
ミカサ「エレン...?」
エレン「ん?どうした?」
ミカサ「いえ、固まっていたので...」
エレン「そりゃ固まるだろ...明らかな誤審だしな...」
ミカサ「うん、私もそう思う...でも」
ミカサ「どんな事をしてこようとも、勝つのは私達。」キリッ
エレン「...へっ、当たり前だろ!」ニッ
アニ「はい、じゃぁひとりずつね」
ジャン「じゃぁ俺行きます。えーっと1つ目が守備の堅さもそうだけど【攻撃の時の積極性はかなりあったと思う。】」
トーマス「確かに初球から振ってきてたしな」
ジャン「それと、2つ目も攻撃時で【バントが少ない】」
アニ「うん、そうだね。相手がバントを使ってくるのは2番と7番だけって情報があるからね」
ジャン「あとはまぁ皆同じだと思うけど、誤審...ですね」
アニ「はい、次」
ジャン「〔冷たっ!?〕」
-
- 187 : 2016/01/30(土) 00:37:12 :
・・・
アルミン「ん、次は僕か」
アニ「寝てないで、ちゃんと起きてただろうね?」
アルミン「いやいや!アニ真隣にいたじゃん!!」
アルミン「【相手の連携の低さ】と【コーチャーの指示が甘い】と【系統で投手をコロコロ変えてくるとこ】かな」
「おぉ、さすが!」
アニ「〔ふっ、ホント...よく見てるよね...あんたの観察眼はストーカー並だよ〕」
アルミン「〔あれ今侮辱された気が...〕」グサグサ
ミカサ「私もアルミン先輩と同じで相手は上手く噛み合ってない気がします」
マルコ「確かに、守備堅いといってもエラーは結構あるな...」
ライナー「それにサインミスかどうかわからんがランナーも無理して走ってたな」
アニ「はいッ、じゃぁジャンまとめて」
ジャン「はい!つーっことは...相手は連携が出来てなくてチーム感は全然ない。んでも、個々の実力結構あるから油断しねーこと。」
ジャン「注意点はさっき出た通りで、守備...外野は肩がつえぇからランナーとコーチャーは気をつけること。特にセンターが強いんだな」
ジャン「相手はバンバン振ってくっからまぁ言うまでもないっすけど、アルミン先輩と投手陣頭に入れとくように」
アルミン・ミカサ・ベルトルト「はい!」
ジャン「それと守備時で相手結構プルヒッター多いからコニー・ミカサ・マルコ、ゴロ球はきっちり捕るように」
コニー・ミカサ・マルコ「はい!」
ジャン「つーっことで...いっすか?」
アニ「うん、良いと思うよ。」
ジャン「あ、あとそれと明日の試合から会場が今までより大きくなるからな!ビビってエラーしねぇようにな!!」
「おうッ!!」
ジャン「明日もぜってぇ勝つぞッ!!」
「オーッ!!!」
アニ「〔ふっ、あんたもしっかりキャプテンらしくなったじゃない〕」
-
- 188 : 2016/02/04(木) 00:26:02 :
-
現在公開可能な情報
ウォール・マリア県内の球場説明編
・【セントラル・ウォールマリアスタジアム】...通称CWM、ウォールマリア県内誇る一番大きい球場である。毎年決勝はここで行われている。因みにプロもここを使っている。(日本で言う明治神宮球場)
・【イースト・ウォールマリア球場】...通称EWM、ウォールマリア県内の東地区にある最大の球場である。ウォールマリア県内ではトップ2の大きさ、毎年準決勝はここで行われている。
・【ウェスト・ウォールマリア球場】...通称WWM、ウォールマリア県内の西地区にある最大の球場である。ウォールマリア県内トップ3の大きさ、毎年準々決勝はここで行われている。(←次はここが会場である。)
・【サウス・ウォールマリア球場】...通称SWM、ウォールマリア県内の南地区にある最大の球場である。東西の球場より大きくはないため、毎年ベスト16まで南北のどちらかが使われている。
・【ノース・ウォールマリア球場】...通称NWM、ウォールマリア県内の北地区にある最大の球場である。同じく東西より大きくないため、毎年ベスト16まで使われている。
・【調査高校1軍専用グラウンド】...調査高校の1軍が使うグラウンドである。機材などが揃っており、外野は天然芝生が使われている。
・【調査高校2軍専用グラウンド】...調査高校の2軍が使うグラウンドである。1軍よりかは優遇されてはないものの、他校のグラウンドよりかは遥かに機材が揃っている。外野は人口芝生。(エレン達が練習試合をやった時はここを使った。)
・【調査高校3軍グラウンド】...調査高校の3軍が使うグラウンドである。1・2軍より狭い上に外野が土であるが、機材は2軍同様に揃っている。
・【シガンシナ高校グラウンド】...校庭と分けられているため広く使うことが出来る。機材は学校側が揃えてはいるが正直物足りない模様。因みに校舎とは少し離れている。外野は土である。
-
- 189 : 2016/02/04(木) 01:08:55 :
ウェスト・ウォールマリア球場
シガンシナ一同「うぉぉ...でっけぇ...!!」
アニ「私達の試合は2試合目だから、この試合の5回でアップ始めるよ!」
「はいッ!!」
ジャン母「監督さぁ~ん!!」
アニ「あ、どうもキルシュタインさん!」ペコッ
ジャン「んだよッ...さっさと行けよッ!!!」ボソッ
ジャン母「今日は確かベスト4を掛けた試合...でしたよね?」
アニ「はい、今日勝てばベスト4進出です!」
コニー「母ちゃん!?」
コニー母「あ、コニー!見に来たわよ!頑張るだよ?」
サニー・マーティン「馬鹿兄ちゃんガンバ!!」
トーマス「ハンナ!?なんでいるんだよ!?」
ハンナ「トーマス君が頑張ってる所応援したくて、来ちゃった!」
マルコ「モブ先生も来てたんですか!?」
モブ先生「ボット頑張るだぞ?お爺さんやお婆さんが来れないから代わりに来てやったぞ!」
アルミン「ん、サムエルまで」
サムエル「よっ、アルミン!応援しに来たぜ!」
アルミン「別に無理しなくても良かったのに」
サムエル「なぁに言ってるんだよ!友達だったら来るだろ!な?お前ら!」
クラスメイト「おう、当たり前だぜ!」
ライナー「ふっ、これだけいると声援も相当大きくなりそうだな」
ベルトルト「そう、だね...ぁ、父さん」
ベルトルト父「ベルトルト!お前今日出るのか?」
ベルトルト「ぅ、うん...レフトで出る...よ!」
ベルトルト父「おっ...おぉ!声出るようになったな!」
ベルトルト「そ、そうかな...?」
エレン「へっ、こんだけの人が集まってくれてるんだ...絶対勝とうぜミカサ!」
ミカサ「...」
エレン「ミカサ?おい、ミカサ!」
ミカサ「えっ、あ、うん...そうだね」
エレン「どうしたんだよ?」
ミカサ「いえ...この間からダズの元気がないので」
エレン「んっ、確かに...あいついつもより元気ないかも」
ミカサ「それにダズの両親が応援に来てる姿も見当たらない」
エレン「...別にいいだろ?そんなこと、俺達が気にする事じゃないだろ」
ミカサ「うん...そう、でも...」
「なぁに心配そうな顔してんだぁ?そんなに相手が強いのか?」
エレン・ミカサ「! ケニーさん(叔父さん)」
ケニー「試合やる前から諦めるとか、お前らしくねぇじゃねぇか」
ミカサ「叔父さん安心してほしい、私は諦めてもないし不安でもない...ただ気になることがあるだけ」
ケニー「気になることだぁ?」
エレン「だから、別に気にしなくていいだろ!俺達が他所の事に首突っ込まなくていいんだよ!!」
ミカサ「わかってる...でも、どうしても気になってしまう」
エレン「ケニーさんからも何か言ってやってくださいよ!」
ケニー「んん~...って言われても俺だって部外者だしなぁ...ミカサも昔っから変な事を気にする癖があるし」
エレン「他人(ひと)の両親のこと何か...あんまし首突っ込むなよ...」プイッ
ミカサ「えっ...?」チラッ
エレン「おーい、ベルトルト!トイレ行こうぜ!」
ベルトルト「あ、うん」
ミカサ「エレン、気を悪くしてしまったなら謝る...そのg「監督、トイレ行って来ます!」
ミカサ「え、エレン...?」
ライナー「なら俺も行くかな」
エレン「は?お前とは一緒に行かねぇよ」
ライナー「なんでだよ!?」
エレン「おいおい、まさかあの事件...もう忘れたわけじゃねぇよな?(ライ○ーゲーム事件)」ギロッ
ミカサ「え、エレン!」
エレン「俺は絶対許さねぇからな!?」
ライナー「悪い、エレン!許してくれ!この通りだ!」ペコッ
エレン「ふんっ、知るか!」
ミカサ「え、えれ「おい、ベルトルト!早く行こうぜ!ライナーなんて置いてな!」
ベルトルト「えっ...でもミカサが呼んでるけど...」
エレン「やべっ、俺もう漏れちまう!」ダッ
ミカサ「ぁ...」シュン
ジャン「ん?どうした?ミカサ」
ミカサ「い、いえ...何でも...ない」
ジャン「ん、そうか...」
ライナー・ベルトルト「〔完全に喧嘩やぁ!?〕」
-
- 190 : 2016/02/04(木) 15:10:30 :
第一試合の5回が終わりグラセン時...
パンッ!
アニ「さっ、集まって」
サッ
アニ「相手の先発は予想通りのモブ投手、球種が豊富だからきっちり狙い球絞って打つんだよ」
「はいッ!」
アニ「スタメンは昨日言った通りの9人で行くよ」
1番 センター ジャン
2番 サード コニー
3番 キャッチャー アルミン
4番 ピッチャー ミカサ
5番 ライト ライナー
6番 レフト ベルトルト
7番 ショート マルコ
8番 セカンド トーマス
9番 ファースト ダズ
ダズ「お、俺がまたスタメン...よしッ」グッ
ミリウス「やったな、ダズ!」
ダズ「え、あ、あぁ!ありがとう!」
ミリウス「少しは自信ついたか?」
ダズ「あ、あぁ...ま、前よりかは...少しずつな」
ミリウス「お前...まだ両親に言ってないのか?」
ダズ「え?あ...うるさいな...まだ...見させるわけにはいかないよ」
ミリウス「もうベスト8だぞ?そろそろお前の努力が報われたところ...「だから、まだダメなんだって!!!!」
コニー「ん~?どうしたぁ?」
アニ「?」
ダズ「ぁ...い、いやな、なんでも...ない!ごめん!」
コニー「そっか!ダズも緊張してんだろうな!だって俺達ベスト8まで来たし!」
ダズ「〔ベスト...8...〕」ゴクンッ
アルミン「〔緊張...?にしては固くなりすぎだし〕」
アルミン「アニ」
アニ「わかってる...けど、今は試合に集中しなきゃいけないし」
関係者「シガンシナ高校さん!そろそろ準備室までお越しください!」
ジャン「ッ、はい!おし、じゃぁ行くぞ!!」
「おうッ!!」
-
- 191 : 2016/02/04(木) 15:11:23 :
ハンジ「〔...大丈夫なのかな...こんなバラバラで...〕」チラッ
ミカサ「...」
ハンジ「〔ミカサはさっきから落ち込んでるし...〕」チラッ
コニー「よっしゃぁ、行くぜ!ベスト4!!」
マルコ「まだ気が早いよ、コニー」
トーマス「でもまっ、ここまで来たら行くっしょ!」
ハンジ「〔あの三人はどこか気が抜けているし...〕」チラッ
ジャン「あ、てめぇ芋女!またつまみ食いしただろ!!」
サシャ「しっ、してません...何のことですか...?」
ハンジ「〔主将とマネージャーは周りが見えてないみたいだし...〕」チラッ
ライナー「あっ、プロテイン飲むの忘れてたぜ」
ベルトルト「ん、僕も水分補給しなきゃ」
ハンジ「〔まぁ...あの二人は通常運転だけど〕」チラッ
ダズ「大丈夫...大丈夫...大丈夫...」ギュゥッ
ミリウス「...」
ハンジ「〔ダズとミリウスはこの間の試合から様子が変だし〕」チラッ
エレン「...」
ハンジ「〔今回ばっかしは...エースである君も何か変だ〕」チラッ
アルミン「」ペラッペラッ
ハンジ「〔アルミン君は相手の分析...まぁさすがに自由の翼と言われているだけあって緊張はなさそうだね〕」
アニ「...ふぅ」
ハンジ「監督、ちょっと」ガシッ
アニ「えっ、あぁ!ちょっと!!」ズルズル
「〔拉致られたぁ!?〕」
スタスタ
ハンジ「アニちゃんはどう思うの?今の状況」
アニ「え、どうって...今はベスト8という高い壁を乗り越えるために...」
ハンジ「あぁ、そうじゃない!私は皆のコンディションのことを聞いてるわけじゃなくて、チームの状況のことを聞いてるの」
アニ「...正直言って...バラバラだと思います」
ハンジ「なんだ...わかってるのか、なら尚更なぜ注意しない?監督なら一言言うべきだろう」
アニ「そうです...ね、でも今はもう試合が始まっちゃいますし」
ハンジ「ハァァァアアアアア!?何言ってるのさ!!試合前だからこそチームを一つにしなきゃいけないじゃないの!?違う?」
アニ「...正論です、けど今とやかく言ってどうにかなる問題なんでしょうか?」
ハンジ「えっ...」
アニ「確かに現時点ではバラバラではあります...でも、彼らは今まで...自分達の力で何度も何度もピンチをくぐり抜けてきました。」
アニ「私何かの余計な一言で...チーム状況が悪化するくらいなら...私は黙って選手たちを信じます。」
ハンジ「!」
アニ「私には...それぐらいしか...あいつらにしてやれないですから」ニッ
ハンジ「ハァ...こりゃ参ったねぇ...カッコ悪いのは私の方か...」
アニ「ですが、心配していただきありがとうございます!」
ハンジ「...ふっ、一番心配してるのは...アニちゃんなくせに」
アニ「大丈夫ですよ」
ハンジ「ん?」
アニ「シガンシナ高校(うち)には...頼り難いけど一応名門校出身の...元キャプテンがいますから」
ハンジ「ぶふっ...あはははっ、はっはっはっは!そう言えばそうだったねぇ!いるんだよね...彼が!」
アルミン「はっくしゅん!」クシャミ
エレン「アルミン先輩、風邪ですか?」
アルミン「いや...そんなはずはないんだけど...」
-
- 192 : 2016/02/05(金) 22:20:45 :
ウーーーーッ
ウグイス「勝った駐屯高校はグラウンドの整備をしてください。」
「オーッ!!」ダッ!!
ジャン「やっぱ駐屯高校が勝ったか」
マルコ「順当に来たね...」
アルミン「...次のことはここで勝ってから考えよう」
ジャン・マルコ「!」
アルミン「今は準々決勝の...バルト学院との戦いに集中しよう」
ジャン・マルコ「はい!」
ハンジ「〔ホント...助かるね、名門校出身の子がいて〕」
ザッ
バルト候「ふっ、シガンシナという田舎の学校に我がバルト学院が負けるはずなどない。」
マネージャー「えぇ、そうですとも!我がバルト学院が今年こそ甲子園の切符を手に入れられます!」
バルト候「マネージャー、良いことを言うではないか!ほれ、いつもの5万じゃ」スッ
マネージャー「え、え、え?いいんですかぁ!?ぁありがとうございますぅ!!」
バルト学院一同「〔わざとらしくてうっぜー...〕」
バルト候「さて、そろそろチェスの時間じゃな...うむ、よし!監督あとは任せたぞぃ」
敵監督「は、はい!」
バルト候「おっ、そうであったな...前払いとして勝利の10万だ」スッ
敵監督「あ、ありがとうございます」
バルト候「それでは頼むぞ、また危なくなったら...あの手を使えばいいのだからの?」
敵監督「は、はぃ...わかっております」
バルト候「それでは諸君たち...今日も頑張ってくれたまえよ?ハッハッハッハ」
敵監督「ん”ん...よし、ベスト8だ。相手がシガンシナ高校であろうと気は抜くなよ」
「はいッ!」
ジャン「しゃっ、外出るぞ!」
「おうッ!!」
スタスタ
審判「整列!!」
「オーッ!!」ダッ!!
ダッダッダ!!
審判「それではこれより、ウォール・マリア大会6回戦準々決勝第二試合、シガンシナ高校対バルト学院高校の試合を始めます。お互いに礼!」
「よろしくお願いしますッ!!」
-
- 193 : 2016/02/05(金) 22:21:05 :
観客席
サムエル「ほぇー、結構客入ってんのな」
モブ「そう言えば先行はどっち?」
サムエル「えぇ~っと...先行はバルト学院だな、だからまずは守備からだ!」
モブ2「えぇ守備かよ、も~早く見てぇよ!アルレルトのバッティング!」
モブ3「いやいやあの先発のアッカーマンってやつもニュースで見たけど、すげぇ速い球投げるみたいだったぞ!」
サムエル「アッカーマン...?どっかで聞いたことある苗字だな...ま、いっか」
モブ4「そう言えばさ...なんでカメラ持ってんの?」
サムエル「え?あぁこれね...野球の小説書こうと思ってついでに取材もしちまおうと思ってな!」
ウグイス「先行はバルト学院高校...後攻はシガンシナ高校です。」
アルミン「一球!」スッ
ドッ!
ミカサ「ッ!!」シュッ!
パシンッ!! アルミン「ナイスボール!」シュッ!
アルミン「〔いつもみたいな力のある球じゃないな...疲れ?いや今回も調節は上手く行ったし...〕」
ミカサ「〔どうしよう...エレンを怒らせてしまった...確かにエレンの言う通りだった...他人の両親のことはあまり首を突っ込まない方が良い...なのに私は...〕」
アルミン「〔緊張でもない...なら暑さでやられたのかな...後で水分補給を取らせよう〕」
アルミン「二球!」
ミカサ「!」
ハンジ「〔やはり堅さがまだ取れてない...頼んだぞアルミン君〕」
審判「...プレイ!」
ウーーーッ
ウグイス「一回の表、バルト学院高校の攻撃は...1番ライト、モブライト君」
敵モブライト「お願いしまっす!」
アルミン「〔このバッターは足が速い...初球セーフティもある〕」スッスッス
コニー「〔! 了解っす!〕」
ドッ!
シュッ!
敵モブライト「〔甘い球!こんなのセーフティ何かするかよ!!〕」スッ!!
キーンッ!!
マルコ「クッ!?」ズサーッ
「三遊間抜けたぁ!!初球打ち!」
アルミン「〔今の球...外の真ん中甘い球...制球出来てない...?〕」
アルミン「ミカサ、ノーアウト!」
ミカサ「! ノーアウト!」
トーマス「おう、ミカサ!打たせていけ!」
-
- 194 : 2016/02/05(金) 22:21:45 :
ウグイス「2番セカンド、モブセカンド」
敵モブセカンド「おう!」スッ
アルミン「〔バント...このチーム唯一バントをしてくるのが2番と7番...サード、ファースト!〕」スッ
コニー・ダズ「〔は、はい!〕」
ミカサ「〔打たれてしまった...いつもなら抑えることが出来たバッターなのに...〕」
アルミン「〔初球は内低めにストレートを〕」スッスッス
ミカサ「〔この回が終わったら...もう一回エレンに話しかけてみよう...でも、また無視されたらどうしよう...〕」
アルミン「〔...?ミカサ?サイン見てるのか?〕」スッスッス
ミカサ「〔また無視されたら...どうし...「ミカサッ!!」
ミカサ「ぇっ?」チラッ
ダッダッダ!!
ミカサ「〔な、投げなきゃ...二塁に...でも...体が...動かない...今誰のために...なんで野球をしているの...〕」
ズサーッ!!
審判「セーフ!セーフ!」
観客「おいおい!?どうなってるんだよ!?シガンシナ高校の投手!!」
観客「棒立ちしてたぞ!?暑さで集中力切れたか?にしても早くね?」
アルミン「〔まずいな...外野のヤジがうるさくなる...〕」
アルミン「タイム」
審判「タイム!」
スタスタ
アルミン「どうしたの、ミカサ?どこか痛めた?」
マルコ・トーマス「えっ、怪我!?」
ミカサ「い、いえ...怪我ではないです...大丈夫です...」
コニー「んだよ、びっくりしたぁ!」
「いや大丈夫じゃないね」
マルコ・トーマス・コニー・ダズ「えっ!?」
ミカサ「え...?」
アルミン「さっきの抜け球といい、棒立ちでランナーを見てなかったことといい...全然集中しきれてない証拠だ」
ミカサ「...」
スタスタ
ミリウス「アルミン先輩、監督から伝令で『この試合の指揮はあんたに任せるよ』って言ってました。」
アルミン「...わかった...なら...ミカサ」
ミカサ「!」
アルミン「そんな中途半端な気持ちで投げるんだったら代わりなよ」
マルコ・トーマス・コニー・ダズ「か、代わる!?」
ミカサ「...はぃ...」
マルコ「で、でも系統通りだと7回以降にベルトルトと交代なんじゃ...」
アルミン「そうだけど、今はそんな計画性より現状を把握しなきゃダメだ」
トーマス「じゃぁいつも通り俺がファーストで...」
コニー「マルコがセカンド...ミカサがショートっつ~ことっすよね?」
ダズ「...」
アルミン「いや、ピッチャーは...」
マルコ・トーマス・コニー・ダズ・ミカサ・ミリウス「えっ!?」
・・・
スタスタ
観客「ん?なんだなんだ?もう交代か?」
ミリウス「か、監督!アルミン先輩が...」
アニ・ハンジ「!」
-
- 195 : 2016/02/05(金) 22:22:51 :
観客席
ミタビ「うっっぷぅー...あ~、腹いっぱい食った!ん?なんだ、どうした?」
イアン「...どうやら先に動いたのはシガンシナ高校らしいな。」
ウグイス「シガンシナ高校シートの変更をお知らせいたします。ピッチャーのアッカーマン君、代わりまして......
観客「え!?もう交代?」
観客「いくら何でも早くね?」
ミタビ「どういうことだ?あいつ以外に投げれる奴っていったらサウスポーしかいねぇじゃん」
イアン「...」
...アルレルト君、ピッチャーはアルレルト君に代わります。」
「...えぇ!?アルレルトォ!?」
観客「ちょ、ちょっと待て...アルレルトがピッチャーだぁ!?」
ケニー「おいおいおいおいおいおいおい...どーしちまったんだよ、ミカサ」
ミタビ「なんだなんだ!?あいつ、ピッチャーもやるのか!?」
イアン「〔どういうことだ、アルレルト...1回からこんな野球をしていたら掴まるのは時間の問題だぞ...〕」
アニ「〔ったく、一体どんな作戦で切り抜けようとするのかと思えば...〕」
敵監督「〔蒼の騎士のアルレルトが投手...?データにはないが...〕」
カチャカチャッ
アルミン「プロテクターちゃんとつけた?」
ミカサ「はい...」
アルミン「さてと...僕も久しぶりだからどれだけ投げられるかわからないけど...」
ミカサ「〔アルミン先輩は...一体どういうつもりで私と交代したんだろう...いくら天才と呼ばれていても...〕」
「いくら天才だからって、ぶっつけ本番じゃ無理なんじゃないかって?」
ミカサ「えっ...あ、いや...」
アルミン「わかってるよ、こんなやっつけな気分でやっても...どうせ長くは持たないさ...」
アルミン「でも...それでも...勝ちたいんだよ...僕は」
ミカサ「ッ」
アルミン「多分、前のミカサだったら...この気持ち共感できたんじゃないかな?」
ミカサ「...」
アルミン「ごめん、変なこと言って...でも嘘はついてないよ。勝ちたいから...僕は自分の出来るすべてをぶつける...」
ミカサ「!」
アルミン「さ、3球だけ捕ってもらって...そしたらプレイボールだ。」
ミカサ「...はい」
-
- 196 : 2016/02/05(金) 22:23:00 :
スタスタ
ドッ!!
アルミン「ッ!!」シュッ!
パシンッ!
観客「おぉぉぉぉおお、投げれるじゃないか!アルレルト!」
観客「確か去年の決勝でも投げてたな」
観客「あん時は相手が調査高校だったからボッコボコにされたが、アイツもいい球投げれるじゃねぇか!」
観客「やっぱ天才は違うな!」
アニ「...」
審判「プレイ!」
敵モブセカンド「〔チッ、舐めやがって!〕」
敵モブライト「〔隙があったら走ってやる!〕」
アルミン「...ふぅ...大丈夫...」ボソッ
ミカサ「〔! アルミン先輩...緊張してる...?〕」
ドッ!!
アルミン「ッ!!」シュッ!
敵モブセカンド「〔外高め!外れてる!〕」
パシンッ!
審判「ボール!」
ミタビ「130kmくらいか?」
イアン「あぁ、キレのあるボールに見えなかった」
敵モブセカンド「〔なぁんだ、天才だからもっとすげぇボール投げてくるのかと思ったが...案外普通じゃねぇか〕」
敵モブライト「〔これなら三盗ありだぜ...〕」ササッ
アルミン「」チラッ
サイン
マルコ「!」サッ!
敵モブライト「〔い~つ走ってやろ~かな...〕」ササッ
アルミン「...」スッ!
敵モブライト「〔今だッ!!〕」ダッ!
ミタビ「走ってきやがった!?」
アルミン「ふっ!」シュッ!
敵モブライト・セカンド「なに!?」
パシッ!
審判「...アウト!」
観客「おぉぉぉぉおおおッ!!ランナーを牽制で刺しやがった!!」
アルミン「ふぅ...良かった」
敵モブライト「〔あいつ...いつの間に俺のリード見てたんだ...〕」
敵モブセカンド「〔それもそうだが、捕ったショートも...まるで投手が牽制するのをわかっていたかのように...〕」
ミタビ「刺しやがったよ...あいつ...へっ、すげぇな」
イアン「〔キャッチャーがアッカーマンだから、てっきりサインを出すのはあいつかと思ったが...アルレルトが出してるとはな〕」
アルミン「ワンァウト!!」
「ワンァウト!!」
アルミン「〔簡単にゲームを運ばせるわけには...いかない!〕」
-
- 197 : 2016/02/11(木) 00:28:46 :
ドッ!!
アルミン「ッ!」シュッ!
パシンッ!
審判「ストライク!」
敵モブセカンド「〔なっ、こんな厳しいコース投げられるのかよ!?〕」
ミタビ「アルミンの野郎、コントロール良いじゃねぇか!」
イアン「...だな」
観客「これなら投手にコンバートしても良いんじゃねぇか?」
観客「あぁ、ストレートも走ってるしな!」
観客「あとは変化球がどれくらいかだな!」
アルミン「〔次は内低めに...〕」ギュッ!
ドッ!!
シュッ!
敵モブセカンド「〔ッ、変化球!!〕」スッ!
クイッ!
パシンッ!
審判「ストライクツー!」
観客「おぉ!スライダー!!」
観客「しかも、結構キレてるじゃん!!」
敵モブセカンド「〔なんだこいつ...変化球も一流ってか!?〕」
ドッ!
シュッ! クイッ!
パシンッ!
審判「ストライク!バッターアウト!」
アルミン「ツーアウト!」
マルコ「ツーアウト!」
トーマス「先輩、ナイピーっすよ!」
ミタビ「最後もスライダーか、バルト学院の奴等全然捉えてねぇな!これなら行けるんじゃねぇか?」
イアン「...ま、どうなるかはこっからだ」
ウグイス「3番サード、モブサード君」
敵モブサード「っしゃオラァ!」
観客「さぁ来たぜ!バルト学院のクリーンナップ!」
観客「バルト学院の3.4.5番は強打者だからな!」
観客「特に4番のモブファーストは今大会HR数15本ってヤバすぎだろ!!」
グスタフ「イアンはどう思う?バルト学院のクリーンナップ」
イアン「強打者ではあるな...特に4番...要注意打者だ」
イアン「だが、あの3番も陰ながら打率は良い」
アンカ「確かに、今大会は6割打ってるわ」
ミタビ「6割って...どんだけだよ」
イアン「4番をどう抑えるのかも重要だが、この3番を塁に出したら...試合が動くかもな」
-
- 198 : 2016/02/11(木) 00:29:48 :
アルミン「〔この打者は6割打者...ミート力はうちでいうミカサ級...はっきり言って...〕」
アニ「〔分が悪すぎる、敬遠しても次の4番はパワーヒッターだからね...ここちゃんと抑えるんだよ、アルミン!〕」
ドッ!!
アルミン「ッ!」シュッ!
敵モブサード「!」
パシンッ!
審判「ボール!」
観客「あっぶねぇー、もう少しで当たるところだったぞ!」
敵モブサード「〔ハッ、そんな煽り方...おこちゃますぎなんだよ、もっとマシな煽り方したらどうだ?〕」
ドッ!!
シュッ!
敵モブサード「〔胸元ギリギリボールで打者をこわばらせ...外の変化球でフォーム崩す、これがてめぇの野球だ !? パシンッ!
審判「ストライク!」
敵モブサード「〔また内の球...今度はゾーンの中...〕」
アルミン「〔データっていうのは、今現在の特徴や能力を示すものじゃない。その人の人間性・性格・未来の成長点までちゃんと見えてくるものなんだよ。〕」
敵モブサード「〔チッ、さすがに一筋縄ではいかねぇか...〕」
アルミン「〔君の特徴はこうだ。内の球は引っ張り、外は流すという両刀打者だ。さらに、荒れ球にはちゃんと見極めが付く選球眼。〕」
アルミン「〔一見付け所がないように見える。でも、人は誰にだって弱点はある。そして、君の弱点は...〕」ドッ!!
『打者のタイミングを抜く、チェンジアップだッ!!』
シュッ!
敵モブサード「〔来た外の球!あのファーストは初戦でエラーが多かったヘボ!そいつ狙っt !?〕」ガタッ
キッ!
イアン・ミタビ・グスタフ「!」
アルミン「セカンド!」
トーマス「オーライ、オーライ、オーライ!」パシッ!
審判「アウト!」
「おぉぉぉおおおおおおおっ!!!」
観客「バルト学院クリーンナップの3番を...2球で抑えやがった!!」
グスタフ「今の...」
イアン「あぁ、チェンジアップだ」
ミタビ「あんにゃろう!チェンジアップなんて投げれたのか!」
グスタフ「この回3人で絞めたのは大きいんじゃないか?」
イアン「かもな...」
ミタビ「なんだよ、イアン!あんまり嬉しくなさそうだな、おい!」
イアン「当たり前だ、俺はキャッチャーとしてのアルレルトを認めた...だが、こんな作は無謀すぎる」
ミタビ「んだよ...やけにピリピリしてんな...」
グスタフ「そりゃそうだRO、なんて言ったって...あいつ(イアン)が認めた唯一無二のライバルなんだからな...」
ミタビ「そりゃわかるけどよ...あいつらだって不本意でやってんだろ、しかもエースナンバー背負った奴いねぇし」
グスタフ「確かにな...あのチームにエースが不在...これはもっともな疑問だな」
-
- 199 : 2016/02/27(土) 00:45:36 :
ウグイス「1回の裏、シガンシナ高校の攻撃は...1番センター、キルシュタイン君 背番号8」
ジャン「しゃっす!」
審判「プレイ!」
ジャン「〔この投手の球種は4つ〕」
敵モブ捕手「〔このバッターは前の試合4割打ってる、1年にしちゃ出来過ぎなくらいだ〕」
ジャン「〔初球はピッチャーの調子のことも考えてストレートくんだろ...甘く入ったら打つ...「〔とか考えてんだろ〕」
敵モブ捕手「〔だとしたらカウント稼ぎのスライダーを外いっぱいに〕」スッスッス
ジャン「ふぅッ...」キリッ
敵モブ投手「〔1年のくせに出来た1番バッターなんだよな...選球眼も良い、ミート力もある、そして走力もある〕」
敵モブ捕手「〔だが、データさえ揃っちまえばこいつらなんてワンパンだぜ〕」
ドッ!
シュッ!
ジャン「〔ッ、変化球!〕」
クイッ! パシンッ!!
審判「ボール!」
敵モブ捕手「〔チッ、入ってないか〕」
敵モブ投手「〔あららっ、制球力には自信あるんだが...参ったねぇこりゃ〕」
敵モブ捕手「〔まぁいいさ、今の一球でこいつはいつもの俺らとは違うってわかったみたいだしな〕」
ジャン「〔おいおい、ストレートじゃねぇのかよ!序盤から変化球使って...もしかして俺のこと読まれてる?〕」
敵モブ捕手「〔さぁて、今の一球で立ち位置は変わったかな?〕」チラッ
ジャン「...」
敵モブ捕手「〔変わんねぇな...崩れたら脆いかと思ったが、全然だな...〕」
敵モブ投手「〔次は...〕」
敵モブ捕手「〔もう一球スライダー、今度はゾーンの中に〕」スッスッス
敵モブ投手「〔今度はストライクゾーン優先ね、はいよ!〕」ドッ!
シュッ!
クイッ!
ジャン「〔またスライダー!!〕」スッ!
キッ
審判「ファール!」
ウグイス「ファールボールにはご注意ください。」
ジャン「〔当たりはする...んでも、2球続けて変化球か〕」
アニ「〔あんたの仕事は少しでもバッテリーの情報を引き出すこと、それと塁に出ること...この2つは難しいけど、あんたなら出来るって信じてるからね〕」サイン
ジャン「〔うっす!〕」スッ
敵モブ捕手「〔また立ち位置が変わらない...このバッター意外としぶといな〕」
ジャン「〔今のところ引き出せてる情報は変化球が続いてること、スライダーはマシンの軌道そのままだから当てられは出来るっつーことだな〕」
敵モブ捕手「〔次は...これ〕」スッ
ドッ!
シュッ!
ジャン「〔ストレート!〕」スッ!
キーンッ!
トーマス「おっしゃぁ!二遊間割った!」
パシッ!
ジャン「はっ...!?」ダッダッダ!!
敵モブショート「ほいっ」シュッ
ガシッ! 敵モブセカンド「そいやーっ!」シュッ!
パシッ! ダッダッダ!!
審判「アウト!」
ジャン「くっそぉ...ショートゴロ」
アニ「〔今の当たり...いつもなら抜けてた打球をショートがいつもよりベース付近を守ってたね〕」
トーマス「何だよぉ!あの連携!プロじゃないんだからよぉ!」
エレン「でも、ストレート捉えきれてたな!」
ジャン「んなもん、打たされたに決まってんだろ!」
トーマス・エレン「えぇー...そりゃねぇわ」
ジャン「悪かったなッ!!!」
アルミン「〔今の配球...まるでジャンが考えてることを読んでるかのようなリードだった...もしかして...研究されてるのかも〕」
ライナー「コニー!打てよ!!」
コニー「おぉう!!」
-
- 200 : 2016/02/27(土) 00:47:10 :
ウグイス「2番サード、スプリンガー君 背番号5」
コニー「おっす!!」
敵モブ捕手「〔この2番は今までのデータからして恐らく...
...典型的な馬鹿だ。〕」
敵モブ捕手「〔でもこういう奴って何か察し力が高いっていうか...第六感が凄いっていうか...だからコイツにはいつも通り攻める〕」スッスッス
ドッ!
シュッ!
パシンッ!!
審判「ボール!」
コニー「〔さっきジャンの打席の時...ショートがいつもよりベース側に寄ってた気がする...でも今の俺にはいつも通りに見える〕」
コニー「〔だとしたらデータ通り攻めてくるんじゃないか...?ってあれ!?どんなデータだったっけ!?〕」
敵モブ捕手「〔全く動かない...まさかもう気づいたのか...?いやそんなわけないか〕」
コニー「〔取り敢えず馬鹿はもう相手にもバレてんだとしたら...こんな馬鹿でもチームの戦力にしてもらえるなら...〕」
ドッ!
シュッ!
コニー「〔打つしかねぇだろッ!!〕」スッ!
キーンッ!
敵モブ捕手「〔なっ、レフト前!?〕」
エレン「おし、コニー!ナイバッチ!!」
トーマス「上手く合わせたな!」
コニー「おっしゃぁー!!何打ったか覚えてないけど、よっしゃー!!」
敵モブ捕手「〔チッ、だから馬鹿って嫌なんだよな...何考えてるかわからないし〕」
アニ「〔でかした、馬鹿!さぁ、アルミン打つんだよ!〕」
-
- 201 : 2016/02/27(土) 00:47:18 :
- ウグイス「3番ピッチャー アルレルト君 背番号2」
アルミン「お願いします」
敵モブ捕手「〔くそ、アルレルトの前にランナーはためたくなかったんだが...仕方ない、バッター勝負だ〕」
敵モブ投手「〔おっしゃ、そうこなくっちゃ!〕」
アルミン「〔外野が後ろに下がってる...長打警戒っていうわけか、ならここは繋ぐバッティングで行くか...?いや今ミカサにチャンスは任せきれない...〕」
アルミン「〔ワンァウト一二塁でミカサでゲッツーじゃ意味が無い...ならここは...〕」
ドッ!
シュッ! クイッ!
アルミン「〔先手必勝...勝負に出るッ!!!〕」スッ!!
カキーンッ!!
敵モブ捕手「〔なっ!? 外いっぱいのスライダーだぞ!?〕」
コーンッ
審判「ファールボール!」
ウグイス「ファールボールにはご注意ください。」
敵モブ投手「〔うっっっっぶねぇぇえええ...マジで後5cmくらいじゃなかったか!?〕」
敵モブ捕手「〔だが完璧に捉えたわけじゃない...次は内低めに...〕」
アルミン「〔くそっ、ずれた...完璧に捉えたはずなのに〕」
ドッ!
シュッ!
パシンッ!!
審判「ボール!」
アルミン「〔2球目は内低めにストレート...ストレートボール球多いな...狙ってるのか?だとしたらかなりの制球力だ〕」
敵モブ投手「〔チッ、ま~た外れたよ〕」
敵モブ捕手「〔次も内低め...今度は...〕」
ドッ!
シュッ!
アルミン「〔またストレート、同じコース!!〕」スッ!!
クイッ キーンッ!
ガタンッ!
審判「ファール!」
ミタビ「〔あのアルミンが芯を外した...?〕」
アルミン「〔若干だけど...手元でシュートした...隠し球かな〕」
敵モブ捕手「〔こいつも目良いから本当なら見せたくない球なんだけど...仕方ない〕」
アルミン「〔今のじゃカメラでも見えない変化だ、なら球種は5つってことか?〕」
敵モブ捕手「〔これで手の内は4分の1晒したぞ...どうする?蒼の騎士〕」
アルミン「〔カウント稼ぐストレートにスライダー、それに決め球にはフォークとシンカーを...さらに微妙に変化するシュート...まるでミカサを相手してるようなもんだよ〕」
敵モブ捕手「〔だが、追い込んだのはこっちだ...決め球にフォークを使うもよし...だが、コイツには遠慮なく...〕」
ドッ!
シュッ!!
クイッ!!
アルミン「〔ッ、シンカー!〕」グググッ!!
キーンッ!!
敵モブ投手「〔当てた...?〕」
敵モブ捕手「チッ、レフト!」
タッタッタ
敵モブレフト「ぇっ...ま、マジかよ...!?」ピョンッ
敵モブ捕手「ッ」
パシッ!
審判「アウト!」
観客「あぁぁぁああ、おっしぃぃいいい!!!」
ミタビ「おっほー、すげぇ飛ばすな...」
グスタフ「フェンスギリギリか...やっぱバッティングの素質はピカイチだな、イアン」
イアン「...ふっ、だな」
スタスタ
アルミン「ごめん、捉えきれなかった」
アニ「シンカーだったね...ボール何個分だった?」
アルミン「マシンの軌道3個分かな」
ベンチ「えっ!?3個分...!?」
アニ「そう...じゃぁ次は「打つよ」
アニ「!」
アルミン「次は打つよ...さっきあれだけ捉え切れたから...次は打つ...」ギュッ!
アニ「そう...なら頼んだよ」
アニ「〔本当...いつの間にこんな立派な男になったんだか...嬉しいようで寂しいよ〕」クスッ
-
- 202 : 2016/02/27(土) 00:48:49 :
- ウグイス「4番キャッチャー、アッカーマン君 背番号6」
ミカサ「お願い...します」
敵モブ捕手「〔来たか、このチームで2番目に...いや下手したら1番の注意人物〕」
敵モブ投手「〔へー、近くでみると結構な美人じゃん!クールな天才か...二枚目だし・運動できるしって...マジ嫌味だろおい...〕」
敵モブ捕手「〔たださっき見た限りじゃ今日のコイツはスランプだったな...一球試す!〕」スッスッス
ミカサ「〔ベンチに戻っても...エレンは振り向いてくれもしなかった...やはり相当頭にきたに違いない...どうすれば許してもらえるのか... パシンッ!!
審判「ストライク!」
敵モブ捕手「〔やっぱりな...こいつ全然集中しきれてない、と言うかやる気あるのか?〕」
トーマス「何やってんだミカサの奴!いい球来てるのに!」
エレン「アイツ...」ギリッ
ミカサ「〔今思えば...私はエレンのためにこの学校を選んで...野球部に入って...そうしてきた。〕」
ミカサ「〔シガンシナ高校の皆と甲子園が行きたいと思って...努力もした、けどそれはエレンがいたから...エレンに守って欲しいと言われたから...〕」
ミカサ「〔私はエレンが居なければ...何も出来ない...ダメ人間...〕」
パシンッ!!
審判「ストライク!バッターアウト!スリーアウト、チェンジ!」
ミカサ「...」スタスタ
コニー「ミカサ、惜しかったな!次は打とうぜ!」
ミカサ「う、うん...」
ジャン「ドンマイ、ミカサ!切り替えていこうぜ!」
ミカサ「うん...」
アニ「...なんで見逃したの?」
ミカサ「...ボールが...見えてませんでした...次は頑張ります...」
アニ「〔頑張る...ね、本来のあんたになら頑張り過ぎないように”見張っとく”んだけど...今は”見守る”しか出来ないなんて...監督として無力だな私〕」
スタスタ
アルミン「ふぅ...「アルミン!」
アルミン「ん?」
アニ「...次の4番...危ないからね、頼んだよ」
アルミン「...うん、任せて」
-
- 203 : 2016/02/27(土) 00:49:33 :
ウグイス「2回の表、バルト学院高校の攻撃は...4番ファースト、モブファースト君」
敵モブファースト「ブォォォォオオオオッラ!!来いやぁ!!!」
観客「ぅおおおおおおおっ、出てきた!今大会本塁打15本も打った強打者!」
観客「対するシガンシナは、アルミンか...面白くなりそうだな!」
アルミン「〔モブファースト...今大会本塁打が15本と脅威の実績を残してる打者...〕」
敵モブファースト「〔自由の翼で正捕手...またの名も蒼の騎士...アルミン・アルレルトか...へっ、ほっせぇ体してよくあんなバッティング出来るじゃねぇか!〕」
グスタフ「イアン、どっちが勝つと思う?」
イアン「...ま、この打席は恐らく...勝つだろうな」
ミタビ「〔この打席は...?〕」
グスタフ「どういうことだ?」
イアン「まぁ...見ればわかるが...アイツ(アルミン)のストレートは...はっきり言って、糞球だ。」
ミタビ「糞球?それは...つまり...」
イアン「あぁ...そういうことだ。」
ドッ!
アルミン「ッ!!」シュッ!
パシンッ!
審判「ストライク!」
グスタフ「なんだ...この感じ...ストレートは速いにしても何か...遅く感じるZO」
イアン「なぜ...天才と呼ばれている、アルミン・アルレルトがこれほどの投球術も持っていて投手をやっていないか...」
イアン「もっと簡単に言えば、なぜ捕手の時には天才と呼ばれ...これまで他のポジションをやっても騒がれなかったのか...」
グスタフ「捕手の時には天才...その他は普通...わけわからんZO」
イアン「制球力はもちろん、変化球はほぼレギュラー陣並だ...だが、どんなに凄い制球力を持っていようとも、どんなにキレのある変化球が投げられようとも...」
ストレートにキレが無ければ...意味がない。
ミタビ・グスタフ「!」
イアン「さらに言えば、アイツの体格・性格や人相・風格という雰囲気...もっと細かく言うなら表情や顔つき...アイツは全部...投手というものに当てはまってない。」
グスタフ「とどのつまり...アイツじゃ投手でやっていけないってことか?」
イアン「あぁ、そういうことだ。」
ミタビ「なぁんだ?投手の条件って感じで...嫌な気分だな!やりたきゃやりゃいいのに!」
イアン「そんな甘い考えで全国...いやウォール・マリア(ここ)では勝てない。自分が輝ける世界(ポジション)を見つけなきゃ...勝てない世界。」
グスタフ「あれだけ天才と騒がれてたアルレルトでも...違うポジションをやれば才能という華は咲かない...か。今思うととんでもない世界だな」
イアン「恐らくそれはアイツも気づいているはずだ。なのに...アイツは自らその道を選択した」
「それで怒ってるのか、お前は」
イアン「!」
ミタビ「った~く...急に怒ったり・急に喜んだりと...情緒不安定か、おめーわ!」
イアン「...ふっ、お前には言われたくないな!ミタビ!」
ミタビ「んだとォ!?この野郎!!」
-
- 204 : 2016/02/27(土) 00:51:17 :
アルミン「〔よし...まずワンストライク先行した...〕」
敵モブファースト「〔ほ~ん...なるほどな...〕」
アルミン「〔次は外低めに...スライダー!〕」ドッ!
シュッ!
クイッ! 敵モブファースト「オゥンドリャァッッ!!!」スッ!!!
ブワァンッッ!!! アルミン「ッ」
パシンッ!
審判「ストライクツー!」
敵モブファースト「ったぁ~っは~...くそっ!もっとだ!もっとこう...」スッ!!!
ブワァンッ!!!
観客「お...おぉぉおおおおおっ!!!すげぇスイング音!!」
コニー「〔なんだよ、あいつ屁こいたのか!?〕」
マルコ「〔これだけ離れてても...風切り音が聞こえるなんて...〕」
トーマス「〔あの人がでっけぇうちわで扇いだら涼しそ~...なんてな〕」
ダズ「〔こっちに来たら...やばいッ〕」
アニ「〔凄いスイング音...このバッターに甘い球は禁物だよ!〕」
アルミン「...ふぅっ」
敵モブファースト「〔来い...来いよ!ぶっ飛ばしてやっから!!〕」ギラリッ
アルミン「〔大丈夫...こいつをアウトにすれば...なんとか!!〕」ドッ!
シュッ!
敵モブファースト「〔うぐっ!? チェンジアップ...!!〕」ガタッ スッ!!
ブワァンッ!!
パシンッ!
審判「ストライク!バッターアウト!」
観客「うぉぉおおおおおおおっ!!!!抑えた!!!!」
観客「しかも、三球三振!!」
アニ「ふぅ...」
マルコ「ワンァウト!!」
トーマス「おう!ワンァウト!ワンァウト!!」
ダズ「な、ナイピッチ!」
コニー「サード来いよ!!サード!!」
アルミン「...ハァ...」アセ
スッ
アルミン「ワンァウト!」
観客「へぇ~、アルレルトも投手になるとあぁやって大声出すんだな!」
観客「いつも声出してるけど、そこまで大きくはないよな!」
スタスタ
敵モブファースト「わーりぃ、良い変化球投げてくるぜ!」
敵モブセンター「おいおい、何の情報も持ってこなかったってことはないだろ?」
敵モブファースト「...へっ、アイツのストレート...全然ノビねぇぞ」ニヤッ
敵モブセンター「ほらァ、やっぱ持ってんじゃん!」ニヤッ
-
- 205 : 2016/02/27(土) 00:51:27 :
ウグイス「5番センター、モブセンター君」
敵モブセンター「しゃーっす!」
アルミン「〔気づかれなきゃいいけど...でもまぁ一順は持つかな...〕」
ドッ!
シュッ!
パシンッ!
審判「ストライク!」
敵モブセンター「〔天才キャッチャー・アルレルト、捕手としては文句の付け所がない。もはやプロに行っても可笑しくない...が、他のポジションは論外...なんて書かれたりしてな〕」ニヤッ
アルミン「〔見てきた...? 僕のデータがないから球筋を見極めるため...?〕」
敵モブセンター「〔次ストレート来たら、狙っちゃうよん!長打!〕」
アルミン「〔次はスライダーを...〕」ドッ!
アルミン「〔インローに!!〕」シュッ!
クイッ!
敵モブセンター「〔ッ、スライダーかよ!でも当てられる!!〕」スッ!
キッ!
審判「ファール!」
敵モブセンター「〔うっぶねぇ、結構変化するのな...お前のスライダー〕」
アルミン「〔くそ...当てるバッティングしてたな...ストレートがもっとマシなら...いや今はそんなことはいい!考えるんだ、この打者をどう抑えるのか...〕」
ミカサ「〔アルミン先輩は...いつもここに座ってボールを捕ってたのか...打者の近くで...考えて...〕」
アルミン「〔改めて思い知るな...ここ(マウンド)が怖い場所って...それともここは僕の居場所じゃないってことで怖いのかな...どちらにせよ...〕」
ドッ!
アルミン「〔今は...今だけは...僕がマウンドに立って・投げて...打者を抑える役目なんだ!!〕」ギリッ
アルミン「ッ!!」シュッ!
クイッ!
敵モブセンター「〔ッ、外低め...外れてる!〕」
パシンッ!
審判「...ストライク!バッターアウト!」
観客「おぉっ!!また三球三振!!」
観客「すげぇ、アイツ...ピッチャーでも十分出来るんじゃねぇか!?」
スタスタ
敵モブセンター「ごめん」
敵モブショート「マイドン、どうだった?」
敵モブセンター「スライダーはギリギリ捉えられるくらい、制球力はやべぇな...」
敵モブショート「そか、了解!」
敵モブセンター「あと、ストレート...狙い球だぜ」
敵モブショート「おうよ!」
ウグイス「6番ショート、モブショート君」
アルミン「ツーアウト!!」
「オーッ、ツーアウト!!」
アルミン「〔この打者だ...3人できっちり終わることが重要なんだ!〕」
ドッ!
アルミン「〔外高めを...外す!!〕」シュッ!
敵モブショート「〔! 抜け球!!〕」スッ!
キーンッ!
アルミン「ッ、レフト!!」
ベルトルト「〔長打になるか...?あっ!!〕」
ポタッ
観客「落ちたぁ!!レフト前のポテンヒット!!」
ベルトルト「ごめん!」シュッ!
パシッ! マルコ「ドンマイドンマイ!今のは仕方ないよ!」
アルミン「〔見逃して来ると思ったら...今度は初球打ち?どういうつもりだ?〕」
敵モブショート「〔良かった!悪球打ちだったけど...〕」
-
- 206 : 2016/02/27(土) 00:51:51 :
ウグイス「7番キャッチャー、モブ捕手君」
敵モブ捕手「おっす」
アルミン「〔この打者はインコースが得意...なら初球はインローにボール球!〕」ドッ!
シュッ!
クイッ!
パシンッ!
審判「ボール!」
敵モブ捕手「〔インローにスライダーか...狙って投げてるんだったらコントロール良いな〕」
アルミン「〔今度は見てきた?〕」
アニ「〔4・5・7番は初球見てきた...6番はたまたま打ってきたの...?〕」
ドッ!
アルミン「〔確かめる必要はない。今はそっちに構ってられるほど...余裕なんてないッ!!〕」シュッ!
敵モブ捕手「〔外!スライダーか!!〕」スッ!!
キーンッ!!
アルミン「ッ」チラッ
ポタッ 審判「ファール!」
アルミン「〔危なかった...ギリギリで逸れた〕」
アニ「〔完全に捉えられてたね...次狙われるよ〕」
アルミン「〔アイツ(リヴァイ)やミカサ...ベルトルトやエレンは...こんな状況でも逃げずに戦ってるのか...正直凄いな〕」
ミカサ「〔アルミン先輩...きっと今動揺してる。私がこの状況なら...ストレートをインコースに投げて外にチェンジアップ...エレンだったら...どう戦うんだろう〕」
アルミン「〔チェンジアップを使うか...?いやでもそんなに投げても後々掴まるだけだ〕」
アルミン「〔意を決して...ストレート投げるか...〕」ドッ!
シュッ!
敵モブ捕手「〔インコースッ!!〕」スッ!
キーンッ!
アルミン「ッ」
アニ「〔二遊間!?〕」
敵モブショート「〔よっしゃ、このまま... パシッ!
アルミン・アニ・敵モブショート・敵モブ捕手「!」
トーマス「マルコ!そのまま渡せ!!」ダッ!
マルコ「...トーマスッ!」シュッ
ガシッ! トーマス「うぉらっ!!」シュッ!
敵モブ捕手「なっ、あれを捕ったのか!?」ダッダッダ!
ダズ「うっ...ぐ、っと!」ノビッ パシッ!
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!!」
観客「おぉぉぉおおおっ!!綺麗に抜けたと思った当たりを...シガンシナの二遊間が止めやがった!!」
観客「良いコンビネーションじゃねぇか!!」
コニー「すげぇじゃん!お前ら!!」
ダズ「お、思わずしびれたぞ!」
マルコ「ははっ、トーマスがあそこに居てくれたからね」
トーマス「何を~?マルコの方こそあそこで捕ってくれなかったらアウト出来なかったぜ!」
アルミン「ナイス!マルコ、トーマス!!」
マルコ・トーマス「あ、ありがとうございます!!」
スタスタ
アニ「ナイスコンビネーション!よく捕ったね!マルコ!トーマスもあそこでカバーに入ったのは正解だったよ!」
マルコ「あっ...いや実は...普段ミカサやアルミン先輩に迷惑かけっぱなしだから練習後二人で守備練習したんです」
トーマス「シガンシナがアルミン先輩とミカサだけって思われたくないしな!」
アルミン「本当...助かったよ」
アニ「さぁ、守備が良かった時は攻撃も流れが良くなるよ!打ってきな!!」
「はいッ!!」
スタスタ
ミカサ「ふぅ...」
-
- 207 : 2016/03/02(水) 23:33:07 :
ウグイス「2回の裏、シガンシナ高校の攻撃は...5番ライト、ブラウン君 背番号9」
ライナー「お願いします!」
敵モブ捕手「〔5番のこいつはこの学校唯一のパワー型だ。だが、ミート力はある...ここは〕」スッスッス
ドッ!
シュッ!
クイッ! パシンッ!!
審判「ボール!」
ライナー「〔初球外にスライダー...この投手は球種が多い...狙い球絞って...〕」
ドッ!
シュッ!
クイッ! ライナー「〔来た、スライダー!〕」スッ!
キーンッ!
敵モブ捕手「〔チッ、レフト前...良いバッティングするな、この野郎〕」
エレン「ナイバッチ、ライナー」
ライナー「おう!」
ウグイス「6番レフト、フーバー君 背番号7」
ベルトルト「します」
敵モブ投手「〔でっけぇ...190?腕なっげぇ〕」
敵モブ捕手「〔一番やらしいバッターが来たか、データでは外を得意とするが内でも上手く合わせてる...付け入る隙がねぇ〕」
ドッ!
シュッ!
クイッ! パシンッ!!
審判「ストライク!」
敵モブ捕手「ナイスボール!」シュッ
ベルトルト「〔今のはスライダーか、ライナーはスライダーを打った...僕にはシンカーが来るんじゃないか...?〕」
敵モブ捕手「〔決め球はやっぱ左打者から逃げるシンカーにするとして...ストレート一球入れるか〕」
ドッ!
シュッ!
ベルトルト「〔難しい球は打てない、ストレートを...叩くッ!!〕」スッ!
キーンッ!
ジャン「上手く流した!!」
トーマス「左中間割った!長打コース!!」
ダッダッダ!
ズサーッ!
審判「セーフ!」
コニー「おっしゃぁ、ノーアウト二三塁!!」
ミリウス「先制点のチャンス!」
ウグイス「7番ショート、ボット君 背番号4」
マルコ「おし...」
アニ「〔さぁチャンスが来たよ、ここは先制点欲しいからね!慎重に行くんだよ!〕」スッスッス
マルコ「〔スクイズ...〕」
ライナー「〔マルコか...成功率は一番高いな〕」
敵モブ捕手「〔何で来る...スクイズか?エンドランか?それともヒッティングか?〕」
敵モブ捕手「タイムお願いします」
審判「タイム!」
スタスタ
アルミン「ここは絶対決めなきゃダメだね...」
ジャン「そう...っすね」
アルミン「なんて言ったって、試合の流れを決める二回目のターニングポイントなんだから...」
『一回目はあっちが動いた。二回目は...こっちが仕掛ける番』
コニー「つか、マルコってバント得意だから普通にいけんじゃね?」
ジャン「バーッカ、例え誰がやろうともスクイズの確立なんて五分五分だよ。」
「ふっ...そうでもないよ」
ジャン・コニー「え?」
アニ「マルコは最初2番に置いてたからね、なぜ2番っていうのはさっきコニーが言ったようにバントが一番上手いからだから」
アニ「でも、今回7番まで下げられた...その意味は本人が一番理解出来てるだろうしね」
ジャン「〔マルコが7番に抜擢された時は...正直驚いたぜ。代わりにこの馬鹿が入ることもな〕」
コニー「ミカサーッ、おーい?生きてるかー?死んでるかー?」
ジャン「〔監督は...どういう意図でこの打順にしたんだ...?今更ながら謎だぜ〕」
-
- 208 : 2016/03/02(水) 23:34:19 :
スタスタ
敵モブ捕手「ありがとうございます」
審判「プレイ!」
マルコ「〔相手はスクイズ警戒で内野は前進...外野は定位置についてる...一球目は見よう〕」
シュッ!
クイッ! パシンッ!!
審判「ストライク!」
アニ・アルミン・マルコ「〔バッター勝負...!?〕」
マルコ「〔今の...スライダーだよね...?ってことは警戒しつつ、バッターでアウトを取っていくってことか...〕」
アニ「〔何か動いてくれるならまだしも、バッターでアウトを取ってくるとは...少し考えが甘かったね〕」
アニ「〔タイミングはあんたに任せるよ。相手バッテリーに一番近いのはあんただからね〕」スッスッス
マルコ「〔ッ、任された...〕」
アニ「〔あんたなら...できるッ〕」ジッ
マルコ「〔監督が...ここまで信用してくれてたなんて...思わなかった。〕」
マルコ「〔打順変動で7番まで落ちた時は...正直悔しかった。何が悔しかったって...コニーに取られたからじゃなくて...〕」
マルコ「〔コニーと比べて...何も反論が出来なかったこと。コニーより打率も低ければ、パワーもない。あるのはバントだけ...〕」
マルコ「〔バントで野球は出来ない...けど、野球にバントがなかったら...それは恐らく...ホームランと三振だけの世界になってしまう。〕」
マルコ「〔野球はホームランや三振だけじゃない...バントという地味な技でも必要不可欠な場面はいくらでもある!〕」
マルコ「〔それに気づけたから...今のスタイルがある!何も恥じることはない!〕」
ドッ!
シュッ!
マルコ「ッ!!」スッ
キンッ
審判「ファール!」
敵モブ捕手「〔ヒッティング...?スクイズじゃないのか...?〕」
マルコ「〔今のファールで、相手にヒッティングの意識を頭に入れられたら60点...次の球でスクイズ成功したら100点!〕」サインッ
ライナー「!」
敵モブ投手「...ッ!」ドッ!
ダッ!!
敵モブ捕手「〔クッ、やっぱりスクイズか!〕」
敵モブ投手「〔やっぱりな!だが、させねぇよ!シュート指示正解だぜッ!!〕」シュッ!
マルコ「〔成功させるッ!!〕」スッ!
クイッ! キッ! マルコ「ッ...」
アニ・アルミン「〔ッ、上がった!?〕」
敵モブサード「うぉっしゃぁ!とったりィ!!」ダイブッ!
ライナー「〔くそっ、一か八か...行くっきゃねぇ!!〕」ダッ!!
ポタッ 敵モブサード「あっ」
「うぉおっ!!!」
敵モブ捕手・投手「なっ!?」
マルコ「ライナー今だ!!」
ライナー「うぉぉおおおおおおっっ!!!!」ダイブッ!
敵モブサード「うらっ!!」シュッ!
ズサーッ!
・・・
審判「...アウト!アウト、アウト!!」
「おぉぉぉおおおおおっ!!!!防いだ!!!!」
マルコ「あ...」シュン
エレン「ドンマイ」
マルコ「え、エレン...あぁ、ごめん」
スタスタ
ライナー「すみません」
アニ「いや今のは仕方ないよ、トラブルがいくつかあったから」
コニー「これでワンァウト一二塁か」
ジャン「気にすんな、ライナー!次点取ってやろうぜ!」
ライナー「あぁ」
-
- 209 : 2016/03/02(水) 23:35:34 :
ウグイス「8番セカンド、ワグナー君」
トーマス「オーッ!」
アニ「〔さて、どうするか...この後ダズが控えてるし...ダズはマイナスと考えて良い...なら〕」
トーマス「〔えっ、ヒッティング...!〕」
アニ「〔最悪でもゲッツーにはならないこと、いい?〕」
トーマス「〔はいっ!!〕」
アルミン「〔きっとマルコがスクイズした球はシュートだったんだろうな...くそっ、僕が教えてれば...〕」
シュッ!
トーマス「〔ストレート!〕」スッ
キンッ
トーマス「〔ゲッ!?セカンドゴロ!〕」
ダッダッダ
シュッ!
パシッ! 審判「アウト!」
パシッ! 審判「アウト!」
観客「ダブルプレー...」
観客「一番やっちゃいけねぇプレーをしちゃったな...」
シガンシナ応援「あ~...せっかくチャンスだったのに...」
キース「貴様らッ、選手に対して失礼だぞ!!」
シガンシナ応援「あっ、悪い!!」
リコ「〔しかし、ため息をつくのもわからなくもない...これだけのチャンスを活かしきれなかったんだからな〕」
スタスタ
トーマス「すみませぇん...」
アニ「ストレートに山派ってたの?」
トーマス「はい...」
アニ「ならいいよ、狙い球絞らないで打つのは一番やっちゃいけないことだからね」
トーマス「はい、わかってます...次は絶対ストレート打ちます!」
アニ「うん、その勢いでいいよ」
トーマス「よっしゃぁ、打てなかった分守ってやる!」
アニ「〔今トーマスには狙い球絞らずに来た球を打つのはダメとは言ったけど、これを全面否定したわけじゃない。〕」
アニ「〔なんて言ったって、中にはそういう打ち方をするバッターもいるからね。特にシガンシナ(うち)の3・4番はそうだからね〕」
-
- 210 : 2016/03/02(水) 23:36:04 :
アルミン「〔3回だ...この回を3人できっちりしめることが出来ればまた流れがこっちに来る!〕」
スタスタ
ミカサ「〔結局...声をかけることが出来なかった...本当に私を嫌ってしまったんだろう...あぁ何かこの感じ...前にもあった...〕」
___________________
___________________________
__________________________________
リヴァイ「...ならこういった方がいいか?」
リヴァイ「『俺とお前はもう家族でも兄弟でも何でもない。赤の他人だ』ってな」
__________________________________
___________________________
___________________
ミカサ「ぅっ...」ズキズキ
「...サ...カサ...おい!」
ガシッ
ミカサ「ッ!?」
ブンッ!
ミカサ「なっ、なにを...ッ、エレン...」
エレン「何を、じゃねぇよ...もう皆守備ついてるぞ」
ミカサ「えっ...あ」
エレン「防具も付けてねぇで...ほら、後ろ向け!付けてやるから」ガサゴソ
ミカサ「え...あ、いや...」ビクビク
エレン「なんだよ、俺が付けちゃまずいのか?」
ミカサ「...そぅ...じゃなくて...エレン...怒ってる...から...」
エレン「は?俺が?いつ」
ミカサ「さ、さっき...試合が始まる前」
エレン「試合が始まる前...?あぁ、あの時のか」
ミカサ「ので...その...謝ろうと...」
エレン「いやもう気にしてねぇよ」
ミカサ「...え?」
エレン「あんなの別に気にしてねぇって言ってるんだよ」ガサゴソ カチャカチャッ
ミカサ「ほ、本当に...?も、もう怒ってない...?」クルッ
エレン「しつけぇな、怒ってねぇって言ったら怒ってねぇよ!」
ミカサ「...良かった...良かった...」ウルウル
エレン「は、ハァ!?なんで泣くんだよ!!」
ミカサ「だって、エレンに...嫌われ、てる...と思ったから...」グスンッ
エレン「んだよ...そんなことで試合集中してなかったのかよ...嫌わねぇよ、そんなことで」
エレン「第一...お前しかいねぇんだよ...身近な奴...」ポリポリ
ミカサ「!」
エレン「だっ、大体なお前!俺がそんなことで嫌うとでも思ってんのか!?」
ミカサ「えっ...あ、それは...」
エレン「思ってたのかよ!!??」
審判「ん”ん...君達、まだ準備中かな?」
エレン・ミカサ「!」
エレン「すみません、もう準備出来てます!」スタスタ
ミカサ「え、あ...え、エレン!まだ話したいことが...」
エレン「...後で聞いてやるから、さっさと3アウト取ってこい!」グッ
ミカサ「...うん」コクッ
スタスタ
観客「やっと出てきやがった!」
観客「いつまで待たすつもりだったんだよ!!」
スタスタ
ミカサ「すみません」
アルミン「大丈夫、そっちは?」
ミカサ「いえ、問題ありません」
アルミン「! そう...じゃぁこの回も0点で抑えようか! 〔目色が変わった...?〕」
ミカサ「はい、抑えます...必ず」
スタスタ
アルミン「〔...ふふっ、必ずか...やっと、スイッチ入ったね〕」
-
- 211 : 2016/03/02(水) 23:37:10 :
ウグイス「お待たせしました。3回の表、バルト学院高校の攻撃は...8番レフト、モブレフト君」
敵モブレフト「あっす!」
アルミン「〔この学校の8・9番は特に注意のいるバッターじゃない...けど、足には注意だ。〕」
アルミン「〔内野安打だったら40点、ヒットで20点、四死球で10点...アウトを取れば60点だ。〕」
アルミン「〔球数も抑えたい...最善策はフライ...〕」ドッ!
アルミン「〔内低めにストレート!〕」シュッ!
パシンッ!
審判「ストライク!」
敵モブレフト「〔初球から入れてくるのか、制球力凄いからボールからだと思ってたけど...〕」
アルミン「〔よし、このストライクは大きい。コイツにはもうボール球しか投げない!〕」ドッ!
シュッ!
クイッ!
スッ!
アルミン「〔ッ、セーフティ!?〕」
キッ
アニ「〔決められた!?〕」
敵モブレフト「〔おっしゃ、上手く勢い殺せた!!〕」ダッ!!
アルミン「〔くそっ、今の体制で投げたら間に合わない...この次のバッターは投手だぞ、バントされてワンァウト二塁で1番だ...不味い...先制点を取られる〕」
ガシッ!! シュッ!!!
アルミン「えっ...」
パシッ!!
敵モブレフト・敵監督「ッ」
審判「アウト!」
観客「おぉぉぉおおおおおっ、すげぇ肩!!」
観客「レーザービームみたいだったぞ!?」
ミカサ「ふぅ...」キリッ
アルミン「み、ミカサ...?」
ミカサ「先輩が処理出来ないバントなどは...私がフォローします。」
アニ「〔ふっ、あんたって本当...無茶苦茶だよ〕」クスッ
アルミン「は...ははっ...凄い 〔反応も早かったけど...それよりも送球の速さ...僕より肩が強いよ〕」
ミタビ「うぉぉおおおおおっ、すっげぇ肩!アイツ、アルミンよりも地肩が強いんじゃねぇか!?」
イアン「あぁ、奴の実力は本物だ」
グスタフ「珍しくあっけない認め方だな、イアン」
イアン「奴の戦力は並の球児100人分に妥当する...それほどのものだ」
ミタビ「100人分って...言い過ぎだろ」
イアン「アルレルトで例えるなら並の球児500人分、そして...自由の翼のリヴァイ...奴を例えるなら...強豪一チーム分の実力だな。」
グスタフ「...ふっ、さすがに笑えないな」
ミタビ「つーことは、今のシガンシナには約600人分の実力があるってことか」
イアン「それ以外の奴も含めて言えばそれ以上だな」
ミタビ「確かにな...あの外野3人共...結構つえーしな」
グスタフ「何気にサードもな」
ミタビ「そう考えると今年のシガンシナってやばいな」
イアン「かもな...だが、甲子園に行くのは俺ら駐屯高校だ。」
ミタビ「っへ、あったりまえだ!!」
グスタフ「あぁ、その通りだ!」
イアン「〔そんな所で躓かないで...とっととここ(準決勝)まで来い...アルレルト〕」
-
- 212 : 2016/03/02(水) 23:37:45 :
ウグイス「9番ピッチャー、モブ投手君」
敵モブ投手「しゃーっす」
アルミン「〔ランナーがいない状態でのこの打者はほとんどが三振とフライだ、ここは積極的に...〕」ドッ!
シュッ!
パシンッ!
審判「ボール!」
アルミン「!」
ミカサ「〔今のは入ってない...?ギリギリだったと思うけど〕」
敵モブ投手「〔あっぶねぇー、ギリギリ入ってたわ~...けど、救われたぜぇ〕」
アルミン「〔くそっ、実際に投げてる側だと今の判定は少し来るものがあるね...〕」
敵モブ投手「〔投手やってるとこういう判定くらうってみると...本当に審判がうざくなるよなぁ~〕」
敵モブ投手「〔でもよ...俺はもっっとうざいと思うのがいるんだよ...それは...〕」
敵モブ投手「〔てめぇみたいに世界を甘く見てる奴だよ〕」ギロッ
アルミン「〔次は外低めに...スライダー!〕」ドッ!
シュッ!
クイッ!
パシンッ!
審判「ストライク!」
アルミン「...よし!」
敵モブ投手「〔天才なら何でもやれるってか?ふざけやがって...投手舐めんじゃねぇぞ〕」
アルミン「〔一球だけストレートを交えよう...〕」ドッ!
敵モブ投手「〔普段投手がどれだけ苦労してると思ってんだ...捕手の言いなりにでもなって奴隷やってる気分だぜ〕」
敵モブ投手「〔それをお前はわざわざ奴隷にしてくださいって言ってるようなもんだ。〕」
敵モブ投手「〔腹立つよ...本当にお前みたいなのがいると、な!!〕」
シュッ!
敵モブ投手「〔例えば...こんなキレも糞もねぇ...ストレート投げてくるあたりがなッ!!〕」スッ!
キーンッ!
アルミン「〔...? どこに打たれた...?ボールが見えない...?〕」
ミカサ「アルミン先輩ッ!!」
アルミン「えっ...」
ボコッ!!
アニ「ぁ...ぁ...」
「アルミンッ!!!!!」
ダッダッダ!
敵モブ投手「〔へっ、ざまぁねぇぜ!投手っていうのはピッチャー返しの危険もあるんだ!覚えとけ!〕」
た、立て...立つんだ...
せっかく...トーマスやマルコが守備で魅せてくれたんだ。
ミカサだって...やっと集中し始めたんだ!
アニ「...ミン!!...ルミン!!」
こんなところで...
イアン「...!」
こんなところで...
リコ・キース・サムエル「!」
敗けてたまるかッッッ!!!!!!
ガシッ! アルミン「ッ!!!」シュッ!!
パシッ!!
・・・
マルコ「〔どっちだ...セーフか...?〕」
敵モブ投手「〔それとも...アウトか...!?〕」
審判「...セーフ!セーフ!!」
「おぉぉぉぉぉおおおおおおっっっ!!!!」
観客「今のセーフだったか...?」
観客「いやアウトだったな」
観客「いやいやお前らちゃんと見たか?セーフだろ」
アルミン「ハァ..ハァ..ハァ...」ゼェハァ
ミカサ「! タイム!」
審判「タイム!」
-
- 213 : 2016/03/02(水) 23:41:48 :
スタスタ
アニ「アルミンッ!!」ダッ
アルミン「ごめん...みんな...アウト...取れなかった...」ゼェハァ
アニ「そんなこといいから、どこ当たったの?顔?」
アルミン「大丈夫、ギリギリ腕で防げたから」スッ
ミカサ「!」
マルコ「〔えっ...ちょっと待って...こんな...こんな...〕」
トーマス「〔やばっ、グロ...〕」
アニ「〔内出血してる...骨までには行ってない...けど〕」
アニ「アルミン、交代」
アルミン「...」
マルコ「...先輩?」
アニ「アルミン...?」
アルミン「まだ...やれる」
トーマス「えっ」
アニ「...強がりなのはわかってるから、さっさと交代するよ」
アルミン「いやだ」
アニ「は...?」
アルミン「僕がこのまま...投げる」
アニ「...あんた、その腕で投げるつもりなの?」
アルミン「うん」
アニ「へぇ、頭も一緒に打ったんだ?じゃぁ病院も行かないとね」
アルミン「頭は打ってないよ、腕だけだよ」
アニ「...あんたさ...」ギュゥッ
「先輩が大丈夫って言うんだったら、大丈夫なんじゃないっすか?監督」
アニ「はっ...?」
コニー「俺馬鹿だからこの状況がどれだけやばいのかわかんないっすけど...でも、自分でやれるって言ってる奴は本気でやれるってことは俺にでもわかるっす」
マルコ「こ、コニー!」
トーマス「おまっ、黙っとけって!!」
コニー「え?黙っといた方が良かったか...?」
ミカサ「...うん、コニーの言う通り」
「え?」
ミカサ「ここまで来て途中リタイアは中途半端...先輩はそれが嫌なだけです」
アニ「あんたね...選手生命を奪う可能性もある怪我だったらどう責任を取るつもりなの?」
ミカサ「責任、責任と言って外野からヤジられるのが...そんなに怖いですか?監督は」
アニ「!」
アルミン「...ふっ、あははっ...ミカサが正論だよ、アニ」
アニ「え?」
アルミン「外野がどうとか、世間がどう言おうが...僕達は僕達の野球をすればいいんだよ」
アニ「...」
マルコ「監督!」
アニ「?」
マルコ「アルミン先輩は僕達がフォローします!だからその...先輩にこの回だけでもやらせてあげてください!」
トーマス「俺からもお願いします!」
ダズ「おっ、俺からも!」
コニー「...あれ今何の話してたっけ...忘れたのは俺が馬鹿だからじゃないよな...?」
「黙れ馬鹿ッ!!」
コニー「なんだよぉ、お前ら皆して...」
アニ「...勝手にしな」スタスタ
アルミン「アニ」
アニ「...なに?」
アルミン「あとワンァウト...取るから」
アニ「...そう、頑張れば?」
スタスタ
トーマス「うぉー...こえぇー」
ダズ「し、死ぬかと思った...」
マルコ「ダズ、それ言い過ぎ」クスッ
アルミン「みんな...ごめん、迷惑かけて」
ミカサ「私はただ...先輩と同じことをしただけです」
アルミン「?」
ミカサ「先輩が出来ないプレーを私がカバーする...それだけです。だから...無理せず頑張りましょう!」ニコッ
「!?///」キュンッ
ダズ「〔ま、またこの感覚...なんだ!?///〕」
トーマス「〔ミカサか...ミカサがもし女だったら...やばっ、めちゃ可愛〕」
マルコ「〔また!?/// 正常正常正常正常正常...〕」ブツブツ
コニー「〔なんだ今の!?雷が落ちたぞ!?///〕」
アルミン「〔僕にはアニが...僕にはアニが...僕にはアニがぁぁぁああああ!!!!///〕」
スタスタ
ハンジ「交代しなくていいの?」
アニ「はい」
ハンジ「怪我...してそうだけど」
アニ「わかってます...でも...それでも本人がやるって言ってました。だからやりますよ...アイツは」
ハンジ「なんでわかるんだかねぇ...」ヤレヤレ
アニ「わかりますよ...だって私...監督ですから」ニッ
ハンジ「...アニちゃん...今晩私の家n ボコッ
-
- 214 : 2016/03/10(木) 00:42:47 :
スタスタ
ミカサ「ありがとうございます」
審判「プレイ!」
観客「なんだ?怪我か?」
観客「ピッチャー返しだったし...顔近かったよな?でも継続させるってことは...」
観客「いやいや普通交代させるだろ!脳に響いたら命がないんだ!」
観客「あの女監督...わかってて継続させたのか?だとしたらひでぇな」
ミタビ「...っへ、言いたい放題言われてんのな」
イアン「まぁ...それほどの出来事だったからな」
グスタフ「だが、他の観客の言う通りだZO!今は興奮状態で痛みはないかもだけDO...」
イアン「それでも現場にしかわからない状況がある...スポーツではよくあることだ、それに...」チラッ
アルミン「ハァ..ハァ..ハァ...」ゼェハァ
イアン「〔らしくないなアルレルト...冷静でいれてないのか...?〕」
ウグイス「お待たせしました。1番ライト、モブライト君」
敵モブライト「おっす」
アルミン「〔この打者の1打席目は初球三遊間...外の甘い球をもってかれたんだ〕」
アルミン「〔ふぅ...よし、落ち着こう...ツーアウト、ランナー一塁で投手だ...〕」
ドッ!
アルミン「〔初球はさっき同じ外...厳しいコースに!〕」シュッ
ミカサ「〔ッ、球威が落ちてる...!?〕」
敵モブライト「〔あめぇよッ!!〕」スッ!
キーンッ! アルミン「なっ!?」
ジャン「くそっ!」ガシッ
観客「センター前!」
観客「ツーアウトランナー一二塁!先制点のチャンス!」
アルミン「〔不味い...打たれちゃいけないバッターに...くそっ!〕」
ウグイス「2番セカンド、モブセカンド君」
敵モブセカンド「おっしゃ!」
アルミン「〔くそっ...3番には...絶対回しちゃダメだ...その次が...4番なんだ〕」
ドッ!
シュッ!
パシンッ!
審判「ストライク!」
敵モブセカンド「〔チッ、しぶてぇ野郎だな〕」
アニ「〔コースは悪く無い...いやむしろアドレナリンが出てるおかげで怪我の痛みが出ずに力が抜けた...けど〕」
イアン「〔明らかに球威とキレが落ちてる〕」
アニ「〔アルミン...あんたって本当...昔から負けず嫌いで...でも弱くて...しょっちゅう泣いて...〕」
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リトル時代
シュッ!
アルミン「ッ!」スッ!
パシンッ!
審判「ストライク!バッターアウト!」
アルミン「...う...うぅっ...」ウルウル
スタスタ
アニ「後は任せな」
アルミン「ごめぇん...ほんとに...ごめんっ」グスンッ
アニ「〔? 負けてもないのになんで泣いてるの?〕」
試合終了後
「お疲れ様でしたッ!!」
少年A「あ~腹減った!コンビニ寄ってこうぜ!」
少年B「いいな!おい、アルミン!お前も行くだろ?」
アルミン「僕はいい!」
少年A「なんだよ、ノリ悪いな」
アニ「?」
スタスタ
アニ「アルミン...あんたいつまd !」
ブンッ! ブンッ! ブンッ! ブンッ!
アルミン「くそっ!くそっ!次こそ絶対!絶対...絶対打ってみせる!」ゼェハァ
アニ「アルミン...ふっ、全く...負けず嫌いだね」
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- 215 : 2016/03/10(木) 00:44:22 :
アニ「〔本当...昔と変わらず...毎日毎日バット振って...悔しい想いをしては...バット振って...〕」
アニ「〔そんなあんたが...今このグラウンドでは...ピッチャーやってるんだもんね...全く人生ハチャメチャだよ〕」
アニ「〔思えばあんたって...興味を持ったものにはとことん追求して...無我夢中で何かを追って...でも...時々自分を見失って...〕」
アニ「〔それでも...私はあんたのその好奇心旺盛な性格に...どれだけ救われたか...〕」
ドッ!
アニ「〔ねぇ、アルミン...覚えてる...?あんたと初めて野球の試合を見た時のこと...〕」
アニ「〔あの時あんたの家に遊びに行って、テレビを一緒に見た...その内容はプロ野球じゃなくて...高校野球...甲子園の決勝戦〕」
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アルミンの部屋
アニ「ねぇ、アルミン...私お外で遊びたいんだけど」
アルミン「ちょっと待って!少しでいいから!ほんの少しだけでもいいからこれを見てよ!!」
アニ「んもう...なに?」チラッ
『さぁ9回裏ツーアウトランナーは二塁でバッターボックスには4番の~~~~~』
アニ「〔野球...?野球ならいつもお父さんが見てるから別に興味ないんだけど...〕」
アルミン「ねぇ、アニ!見て!もうすぐだよ!」
アニ「なに...?」
『スリーボールツーストライクのフルカウント...さぁ...次の一球で決まるのか...ピッチャー振りかぶって...投げた!』
シュッ!!
カキーンッ!!!
アニ「!」
『うっ、打ったぁぁぁぁあああああ~~~~~~!!!!!!!これは大きい!入るか!?入るか!?入ってしまうのか...!?』
ボンッ
『入ったぁぁぁぁああああああああ~~~~~~!!!!!入りました!逆転...サヨナラ...2ランホームラン!!!!』
アニ「〔あれ...野球って...こんなに綺麗なものだったっけ...〕」
アニ「〔甲子園って...こんなにも...広くて...こんなにも...人が入って...こんなにも...綺麗に輝くものなの...?〕」
アニ「っ~...」ポカーン
アルミン「ね?ね!?凄いよね!!あんな状況で...逆転出来るんだ!!野球って凄い...甲子園って...凄いよ!!」キラキラ
アニ「ぅん...うん...うん!凄いね!」
アルミン「ねぇアニ」キラキラ
アニ「なに?」
アルミン「いつか僕らが...高校生になったら...甲子園で野球やってみたいよね...!!」キラキラ
アニ「うん、私も...甲子園でアルミンと野球をしたい!」
アルミン「甲子園に...いつか...」チラッ
アニ「いつか、じゃなくて...高校生になったら...でしょ?」
アルミン「っ~~!! うん!!高校生になったら...絶対二人で甲子園に行こうね!!」ニコッ
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アニ「〔あんたがあの時あの映像を見せてくれなかったら...いや...あんたと出会ってなかったら...私は今ここに立ってなかった。〕」
アルミン「ッ!!」シュッ!
敵モブセカンド「オラァッ!!」スッ!
キーンッ!
アニ「ッ」
観客「一二塁間抜けたぁ!!」
観客「ランナー帰ってこれるか!?」
敵モブ投手「〔行けるか!?〕」
ガシッ! 「させるかぁぁああああああッッッ!!!!」シュッ!!
パシッ!! ミカサ「...」ジロッ
敵モブ投手「〔うっ...ぶねぇ...〕」
観客「おぉぉおおお!!ライトのレーザービーム!!」
ライナー「後ろは任せて下さい!俺達で防ぎますッ!!」
ジャン・ベルトルト「おうッ!!」
アルミン「ライナー...ハァ、ハァ...ごめん...」
ミタビ「何とか返さずに済んだが...次からクリーンナップだぞ」
-
- 216 : 2016/03/10(木) 00:49:32 :
ウグイス「3番サード、モブサード君」
敵モブサード「おっしゃぁオラァ!!」
アルミン「〔絶対に...防ぐ...じゃないと...次は...〕」チラッ
敵モブファースト「来い!来い!来い!!」スッ!!! ブワァンッ!!!
アルミン「〔前回はチェンジアップで引っ掛けさせたんだ...今回もチェンジアップ意識させて...〕」ドッ!
シュッ!
敵モブサード「へっ...ご愁傷様ッ!!!」スッ!!
カキーンッ!!
アルミン「んぁっ!?」ビクッ
ダッダッダ!!
ライナー「〔くそっ...どこまで行くんだよ!!〕」
カシャンッ!!
ウグイス「ファールボールにはご注意ください。」
観客「うぉぉぉおおおっしっぃいいいいい!!」
観客「あともうちょっとだったぞ!!」
アルミン「ハァ、ハァ...ハァ...ハァ...」ゼェハァ
駄目だ...僕じゃ...抑えられない...
アルミン「ぅっ...う...」
打たれる...
ミカサ「...」ピクピク
アルミン「〔ない...コースが...ない...〕」ビクビク
ドッ!
アルミン「うあぁぁあああああッ!!!」シュッ
敵モブサード「ゥオラァ!!」スッ!
キーンッ!
アルミン「あぁッ!?」チラッ
審判「ファール!」
アルミン「〔くそっ...自分からやるって言い出したのに...〕」
アルミン「〔僕がやるって言ったから...皆は信じてくれて...〕」
アルミン「〔無力だ...僕は...また何も出来ないまま...〕」ドッ!
アルミン「〔喰われるのか...〕」シュッ
パシンッ!
パシンッ!
パシンッ!
審判「ボールスリー!」
-
- 217 : 2016/03/10(木) 00:50:16 :
観客「お、おい...これ押し出しじゃねぇか?」
観客「なぁんだ、蒼の騎士アルレルト潰れる...かよ」
観客「結局いくら天才でも何でも出来るってわけじゃなさそうだったな」
エレン「なっ!?くそっ...言いたい放題言いやがって!!」
ハンジ「エレン君、抑えて」ガシッ
エレン「で、でも!」
ハンジ「一番ヤジを受けてダメージを覆ってるのは本人のアルミン君だよ、君がどうこうできる問題じゃない」
エレン「でも...それでも...何にも出来ないまま...ただ見てるだけって...」ギュゥッ!
ハンジ「〔エレン君も怪我で試合に出れず...フラストレーションが溜に溜まりまくってるんだろうな...〕」
アルミン「〔頼む...この球で...アウトになってくれッ!!〕」シュッ
敵モブサード「ッ!?」
ボスッ
審判「デッドボール!」
観客「あーらら、結局押し出しか」
観客「ちゃんと謝っとけよ」
敵モブサード「〔ちきしょう...打てないどころか当てやがって...〕」
ハンジ「アニちゃん!アルミン君はもう限界だ!」
アニ「わかってます...」ギュゥッ
アルミン「〔情けない...端ない...クズだ...あんなところで...強がってたりしてなければ...〕」ギュゥッ
『いいか、アルミン?』
アルミン「ぇっ!?」
『時に人は崩れることがある、これは仕方がないことだ。誰にでもミスを犯すことはある。』
アルミン「〔父さんの声...?〕」
『だが、お前にもし仲間がいるのであれば、信頼できる・頼れる仲間がいるのであれば...』
『その仲間に救われることも必要なことなんだ。だが、救われてばっかでもダメなんだ。』
『一人はみんなのために、みんなはその一人のために...自分の全力を尽くす...それが...チームというんだ。』
アルミン「...」
サッ
アルミン「」スッ
アニ・ミカサ「!」
ミカサ「た、タイムお願いします」
審判「タイム!」
観客「なんだ?またタイムか?」
観客「どうせしょーもない作戦考えるんだろ?」
スタスタ
ミカサ「アルミン先輩?」
アルミン「...」
スタスタ
エレン「アルミン先輩」
アルミン「...スゥーッ...ごめん!」
「えっ!?」
アルミン「さっき...あれだけ偉そうに...この回だけは投げ抜くって...かっこつけたけど...」
アルミン「僕にはここが...限界みたいだ。」
アルミン「ミカサ」
ミカサ「は、はい!」
アルミン「もう...投げられるよね」
ミカサ「...はい、投げられます!」
アルミン「じゃぁエレン...伝令よろしく」
エレン「え、あ、はい!」
タッタッタ
アニ「!」
-
- 218 : 2016/03/10(木) 00:51:31 :
ウグイス「シガンシナ高校シートの変更をお知らせいたします。」
観客「なっ、交代かよ!」
観客「チェッ、逃げるのかよ結局!」
ミタビ「おうおうおう...叩かれてんなぁ、あの野郎」
イアン「お前にはわかったか」
ミタビ「あぁ、大体の察しはつくぜ」
グスタフ「どういうことだ?」
イアン「あいつを叩いてる観客はわかってないが...今あいつの決断は試合を大きく左右するほどのこと。ということだ」
ミタビ「もしあの野郎がムキになって4番と勝負してたら打たれて終わってただろうな」
イアン「あぁ、そういうことだ」
グスタフ「なるほDO」
イアン「ある一人の決断はチームに影響し、チームの決断は試合の結果に影響する。これはバスケやサッカー...チームプレーをするスポーツ全般に言えることだ」
グスタフ「つまりアルレルトは、今の自分じゃ勝てないと察したわけか」
イアン「そういうことだ」
ウグイス「ピッチャーのアルレルト君に代わりまして、アッカーマン君。キャッチャーのアッカーマン君に代わりアルレルト君が入ります。」
カチャカチャッ
ミカサ「...」
「これで...わかったでしょ?」
ミカサ「!」
アルミン「これが...僕の限界...皆の思ってるような...天才じゃないんだ僕は」
ミカサ「...一つだけ、聞きたいんですが」
アルミン「ん?」
ミカサ「私はさっきまで...誰のために野球をやっているのだろう、と考えてました」
アルミン「は...はは...〔そんなこと考えてたんだ...〕」
ミカサ「先輩は...一体誰のために...何のために...野球をしているんですか...?」
アルミン「...ぶふっ、ふふふっ...あっはっはっは」クスクス
ミカサ「え...?」
アルミン「あ、いやごめん...何か君達ってとことん似てるなって思ってさ」
ミカサ「君達...?」
アルミン「うん...ついこの間さ...全く同じ質問されたんだよね」
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3日前...練習後の帰り道でのこと
スタスタ
「あ、あの...アルミン先輩」
アルミン「ん?なに?」
「えと...その...先輩って...誰のために...何のために...野球してるんですか...?」
アルミン「なにその質問」クスッ
「え、いえっ!全く馬鹿にはしてないですよ!!でも...その、最近リハビリしてて...思っちゃうんです...俺...誰のために、何のためにこんなことしてるんだろうって」
アルミン「う~ん...そっか、きっとそれはリハビリ生活でのストレスや不安から来るものだね」
「あ、はい...〔別に原因を聞いてるわけじゃ...〕」
アルミン「でもまぁ...わかるよ、その気持...僕もたまに考えちゃうんだ」
「え...?先輩もですか?」
アルミン「うん...結局答えなんて...すぐにわかるもんじゃないのかなって思っちゃったり...ってね」
「そ、そうなんです!今ここで考えても...見つかるものなのか?って思うんです!」
アルミン「...でもさ、一つわかったことがあるんだ」
「え...?」
アルミン「そんなことがわからなくても...良いんじゃないか?って」
「!」
アルミン「だって僕らは...自分の意志で野球をしていて...自分の意志で甲子園を目指してる...」
アルミン「グラウンドには...ボールがあって、ミットがあって、バットがあって...かけがえのない仲間がいて...それで良いんじゃない?」
アルミン「これ以上の答えなんて...見つからないよ」
「...へっ」ニッ
アルミン「どうしたの?」
「いや...やっぱりアルミン先輩は凄いなって思って...」
エレン「俺...やっぱ...ミカサと...アルミン先輩と...あいつらとやる野球が...大好きですッ!!」ニコッ
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-
- 219 : 2016/03/10(木) 00:51:52 :
アルミン「...ってね」
ミカサ「...」
アルミン「あ、それと...一応僕の答案だけど...」
アルミン「僕は...ずっと約束してることがあるから...ある人とね」
ミカサ「やく...そく...」
アルミン「さっ、そろそろ行かなきゃ...ヤジが飛んでくるし」
スタスタ
「あ、あの!」
アルミン「?」
ミカサ「私は......私も...」
「「みんなとの野球が大好きですッッッ!!!!!」」
アルミン「...ふふっ、良い答えだね、ミカサ」
ミカサ「はい!」
ミカサ「〔私は...何を迷っていたんだろう...何が不安だったのだろう〕」
ミカサ「〔みんなと野球ができる...こんな当たり前のことが...私の...今一番の...〕」
ミカサ「野球をやる理由だから!」ダッ
-
- 220 : 2016/03/18(金) 12:27:23 :
バルト学院高校 0 0 1
シガンシナ高校 0 0
観客「ワンァウト満塁で4番かよ...」
観客「しかも、投手は今日調子の悪かったアッカーマンだぞ?」
観客「終わったなシガンシナ高校も...今大会のブラックホールはベスト8止まりか」
キース「んなっ!? おのれぇ...言いたいことをズガズガと...」ギュゥッ
「抑えな」スッ
キース「プレンツェスカ...お前は悔しくないのか!」
リコ「悔しいよ...自分の学校で...しかも、応援してるチームをあそこまで言われたら誰だってムカつく」
キース「ならなぜそんなに冷静でいられる!!」
リコ「今ここで奴等を殴ったとしても...状況は悪化するだけだ。あいつらだって望まない」
キース「クッ...俺達は何も出来ないのか...!」
リコ「いや私達にだって出来ることはある、それは...応援だよ」
キース「!」
リコ「どんなに辛い状況下でも...私達の応援であいつらの気持ちは変わる、だがそれは逆も言えたことだ。」
リコ「もし私達の誰かが...諦めた瞬間、ため息一つ付いた瞬間...あいつらの集中力は一気に途切れることになる...」
リコ「応援っていうのは...選手のやる気を削ぐこもできれば、やる気にさせることもできる。」
キース「...あぁそうだな」
リコ「今...私達がすべきことはヤジを飛ばしてる観客達を殴ることではなく、グラウンドで戦ってる選手達を最後まで応援することだ。それが援団というものだろ!」スッ
ボコッ
キース「ぐぇぼっ!?」
バタンッ
リコ「さぁあんた達!わかってるね?」
吹奏楽部一同「はい!」
キース「〔俺は...諦めていたのか...アルレルトがあれだけ傷付きながらも...必死で戦っているのに...俺は...俺は...〕」
キース「アルレルトォォォォォオオオオオッッッ、頑張れェェェエエエエエエエ!!!!!」
アルミン「〔ん?キース...?〕」
キース「頑張るんだ...お前なら...このピンチを防ぐことが...できる!」
アルミン「〔いや...そんな顔されても...このピンチ僕が招いたんですけど...〕」
アルミン「でもま...」フッ
アルミン「ワンァウトォォォォオオオッッッ!!!!!」
「オーッ!!!ワンァウト!!!!」
ウグイス「4番ファースト、モブファースト君」
敵モブファースト「っっしゃぁぁあああ!!!!」
審判「プレイ!」
アルミン「〔バッターボックスで見てみると...大きな体してるな...これだけデカイなら外角を打てても可笑しくない。〕」
アルミン「〔初球は外のスライダーをボール球に...〕」スッスッス
ミカサ「」コクッ
エレン...やっぱり私は...あなたがいなければ...何も出来ない。
たった一つの事で喧嘩して...そして、お互いがお互いを避け冷戦は続き...
でも、仲直りはいつも呆気無く...そして...暖かい。
ミカサ「〔なぜだか、兄さんと喧嘩をした時よりも...ショックを受けていた。〕」
ミカサ「〔私...試合中あなたのことだけを考えてた。どうすればまた仲良くしてくれるだろうって〕」
ミカサ「〔でも、それが余計な考えなんだって今気づいた...だって、仲直りなんかしなくたって...喧嘩をしたって...〕」ドッ!!
ミカサ「〔私はあなたのことが...好きだから!〕」
ミカサ「ッ!!」シュッ!!
敵モブファースト「〔変化球!!〕」スッ!!!
クイッ!! ブワァンッ!!!
パシンッ!!!
審判「...ストライク!」
観客「初球外低めのスライダー釣り球を空振り!!」
観客「調子戻ったのか!!」
観客「相変わらずすげぇキレだな!!」
-
- 221 : 2016/03/18(金) 12:28:04 :
敵モブファースト「〔チッ、そう言えばオメーも...変化球すげぇんだったっけな〕」
アルミン「〔...ふっ、やっぱり僕は...キャッチャーが一番良い〕」シュッ
アルミン「ナイスボール!」
マルコ「ナイピー!球キレてるよ!」
トーマス「ワンァウトずつな!」
コニー「サード来いよ!サード!!」
ダズ「わ、ワンァウトな!」
ミカサ「...うん!」チラッ
「オッケー、オッケー!ナイスボール!!」
エレン「それでこそミカサだ!!」
ミカサ「〔やっぱり...私はエレン無しでは...生きていけない。〕」
ドッ!!
ミカサ「ッ!!」シュッ!!
敵モブファースト「〔へっ、また外の球!今度はストレート!!〕」スッ!!!
クイッ!! ブワァンッ!!!
パシンッ!!!
審判「ストライクツー!」
観客「また外の変化球!!」
観客「しかも、今度はボール球からストライクゾーンに入るシュート!!」
観客「ストレートと見分け付けるの難しいな!!」
敵モブファースト「〔くっそ!!こいつ球種いくつあんだよ!!〕」
アルミン「〔ラストは...〕」スッスッス
ミカサ「」コクッ
スッ!!!
敵モブライト・セカンド・サード「〔ワインドアップ!?〕」
ドッ!!!
ミカサ(リヴァイ)「うぉぉぉおおおおッッッ!!!!!」
シュッ!!!
敵モブファースト「ぐっ!?」
スッバシーンッ!!!!
・・・
審判「ストライク!バッターアウト!!」
「おぉぉぉぉおおおおおおっっっ!!!!」
観客「三球三振!!」
観客「最後は胸元に全力投球!!」
観客「バッタースイングどころか、見えてすらなかったぞ!!」
ミカサ「よし!!」ガッツポーズ
アルミン「ナイスボール!ツーアウト!!」シュッ
「ツーアウトッ!!!」
ミタビ「すげぇ...今...何キロ出てた...?」
グスタフ「わからない...けど...間違いなく、140km以上は出てる...いや下手したら...」
イアン「...いや実際には130km後半くらいだろうな」
ミタビ・グスタフ「えっ!?」
イアン「〔あのフォーム...やはりどこかで見覚えのあるものだと思ったが...やはりそうか〕」
イアン「あいつのフォーム...リヴァイのにそっくりだ...いや完全に一致している」
ミタビ「リヴァイ...って調査高校のリヴァイか!?」
グスタフ「なるほど、だから並のストレートより速く見えるのか」
イアン「フォームはただ投げやすくするものではなく、球を速く見せたり・打者に見えにくくするものでもある。」
ミタビ「じゃぁなんだって言うんだ?あいつがリヴァイに憧れて...」
イアン「いや、それはわからん」
ミタビ「だよな...」
ミタビ「...でm「わからん」
-
- 222 : 2016/03/18(金) 12:28:44 :
スタスタ
敵モブセンター「どーしたよ」
敵モブファースト「...へっ、自分で見てみろ」
敵モブセンター「なぁにキレてるの...まぁ」
敵モブセンター「〔確かに自分の目で確かめてみなけりゃわかんねぇわな...〕」
ウグイス「5番センター、モブセンター君」
アルミン「...」スッ
ミカサ「」コクッ
スッ!!! ドッ!!!
ミカサ(リヴァイ)「ッ!!」シュッ!!!
敵モブセンター「ッ!?」
スッバシーンッ!!!!
審判「ストライク!」
敵モブセンター「〔ネクストで見た時より...マジはぇぇ...〕」
アルミン「」チラッ
敵モブセンター「〔いや弱気になるのはまだ早い...こんだけ速いの投げればコントロールだっt スッバシーンッ!!!!
敵モブセンター「ぇっ」
審判「ストライクツー!」
アルミン「ナイスボール!」シュッ
観客「初球インローに、2球目は対角線で外高め!!」
観客「高めを恐れず攻めるなんて...やっぱ蒼の騎士...キャッチャーの時はやべぇな...」
敵モブセンター「〔ちょ...ちょっと待て...今の狙って投げたのか...!?〕」
敵モブセンター「〔あれだけ全力投球しても...制球力が乱れないもんなのか...!?〕」
アルミン「」ニコッリ
ドッ!!
シュッ!!
敵モブセンター「〔なっ、また外...今度は低め...って、おっっっっせぇ...!?〕」グググッ!
クイッ!! パシンッ!!!
審判「...ストライク!バッターアウト!スリーアウトチェンジ!!」
「おぉぉぉぉぉぉおおおおおおおっっっ!!!!最後は外低めいっぱいにカーブ!!」
ミカサ「やった!」ガッツポーズ
ダッダッダ
コニー・マルコ・トーマス・ダズ「ナイピッチッ!!!!」
ミカサ「あ、ありがとう!」
ダズ「凄いなミカサは!」
トーマス「すげぇなお前!」
マルコ「満塁なんて気にしてないみたいだったね!」
コニー「ホント、すげぇよ!!」
ライナー「あぁ、後ろから見てても気迫が伝わったぞ!」
ジャン「まっ、ミカサなら当然だな!」
ベルトルト「本当ミカサは凄いよ!」
ミカサ「私は...皆がいたから...エレンがいたから...守りきれた!だから...つ、次の回もよろしくっ!」ニコッ
「...///」ボッ
「〔なんちゅう笑顔やぁぁぁぁあああああああっっっ!!!!///〕」
アニ「ホント...なんでこんな子がうちにいるのか...信じられないよ」クスッ
アルミン「本当だね...」クスッ
ハンジ「〔チームの士気が...戻った、いや以前より良くなった!本当に...ミカサは...いやあの二人は凄いねぇ〕」
アルミン「ミカサ、水分補給するんだよ?」
ミカサ「はい!」
ハンジ「〔このチームなら本当に...甲子園に行けるかもしれない。〕」クスッ
-
- 223 : 2016/03/18(金) 12:29:53 :
ミカサ「〔さっきのストレート...いつもより気持ちよく投げれた...やっぱりエレンと仲直り出来たから...エレンは凄い〕」スッ ピトッ
ミカサ「ひぁっ!?」ササッ
エレン「ん、水分補給しとけって言われてるだろ」スッ
ミカサ「ぁ...ありが、とう...エレン」
エレン「しかも、今のなんだよ?ひぁっ、って...ぶふっ、あはははっ」クスクス
ミカサ「む、エレンが急に冷たいものを首に当てたのが悪い」プスー
エレン「いやでも普通あんな声出さねぇから!あっはっはっは!」クスクス
ミカサ「エレン、人を馬鹿にするのは良くない」スッ
ギュゥッ
エレン「いぎぃっ!?」
「いっっっっっってぇぇぇえええええっっっっっっ!!!!!」
エレン「何すんだよ!?馬鹿ッ!!」
ミカサ「エレンが先にちょっかいをかけてきた。ので、その仕返し」
エレン「だからって腕をつねることはねぇだろっ!!結構痛いんだぞっ!!」
ミカサ「そんなに強くしてない」
ライナー・ベルトルト・アルミン「〔あぁ...これが夫婦円満って奴か〕」
ウグイス「3回の裏、シガンシナ高校の攻撃は...9番ファースト、ダズ君」
ダズ「お、お願いします!」
敵モブ投手「〔チッ、せっかくこっちが盛り上げムードだったのに...〕」
ドッ!
シュッ!
パシンッ!!
審判「ストライク!」
ダズ「〔初球外のストレート...次はなんだ...変化球か!?〕」
シュッ!
ダズ「〔ストレート!?〕」スッ
パシンッ!!
審判「ストライクツー!」
ダズ「〔ま、まさか全球ストレート...?〕」
シュッ!
ダズ「〔来た!ストレート!〕」スッ クイッ!
パシンッ!!
審判「ストライク!バッターアウト!」
観客「おーい、なんだよ...せっかく守備では盛り上がってた所なのによぉ」
観客「あいつ守れもしないで...いる意味あるのか?控えの奴の方が良いんじゃないか?」
ダズ「く...くそっ...」
ジャン「ドンマイダズ!気にするな!」
ダズ「あ、あぁ...悪い...」ダッ
ジャン「〔ダズの奴...打ちたかっただろうな、いつもよりスイングが単調になってた...〕」
ダズ「〔くそっ、全球ストレート...相手に舐められてた...コースだって皆の時より厳しくなかったのに...〕」
コニー「惜しかったな!」
ダズ「ごめん...」
コニー「大丈夫だ!ジャンがきっと塁に出てくれるぜ!」
ダズ「あぁ...」スタスタ
アニ「全球...ストレート?」
ピトッ ダズ「...はい」
アニ「そう...狙い球絞った?」
ダズ「...はい、ストレートにしぼりました」
アニ「最後も?」
ダズ「はい...ストレートでした」
アニ「...本当に?」
ダズ「え...?」
アニ「私は最後の球...若干だけどシュートしてたように見えたよ」
ダズ「!」
アニ「さっきアルミンから聞いたけど、あの投手はどうやら隠し球を持ってるみたいなんだけど」
アニ「ごめんね」
ダズ「なっ、なんで監督が謝るですか!」
アニ「指示を上手く出してあげたり、アドバイスが出せなくて...監督として未熟だからさ...」
ダズ「で、でもそれは自分のせいで...普通の人だったら...打てた球なのに...俺...」
アニ「そんなに自分を攻めなちゃダメだよ」
ダズ「は、はい」
アニ「今は...我慢時だからね」
ダズ「...はい!」
アニ「〔本当に...私は監督として...やっていけてるのかな...選手一人支えてあげれないのに...〕」
-
- 224 : 2016/03/18(金) 12:31:06 :
ウグイス「1番センター、キルシュタイン君」
ジャン「おっしゃぁ!」
アニ「〔さぁ十分情報は出たよ、次のあんたの仕事はなんだかわかってるね?〕」スッ
ジャン「〔はい!1番バッターの役目...それは塁に出ること...おっし!〕」
敵モブ捕手「〔さぁて、2順目だ...そろそろ肩もあったまってきたろ?〕」スッスッス
敵モブ投手「〔おうおうおう、外低めにフォークか!気合入るなぁ!〕」ドッ!
シュッ!
カクンッ! ジャン「〔なっ、フォーク!〕」ジッ
パシンッ!!
審判「ボール!」
アニ「〔! フォーク?〕」
ジャン「〔いきなり決め球のフォークかよ...こりゃ本気で来てるな〕」
敵モブ捕手「〔見てきたな...変化球来るってバレてた?〕」
敵モブ投手「〔どっちにしても、こいつを塁に出したら駄目だ〕」
ジャン「〔前の打席はストレートを上手く打たされたんだ...今度はスライダーを流してやる!〕」
ドッ!
シュッ! クイッ!
ジャン「〔スライダー!〕」スッ!!
キーンッ!!
敵モブ捕手「〔なっ!?先っぽ!?〕」
敵モブレフト「〔くそっ、長打コース!?〕」
ポタッ 観客「左中間割った!!」
ライナー「ジャン!二塁余裕だ!!」グルングルンッ
ジャン「わぁってるよ!!そのつもりだぁ!!」ダッ!!
ダッダッダ!!
ズサーッ!!
審判「セーフ!」
「おっしゃぁ!ワンァウト二塁!」
エレン「よく走った!マキ○オー!!」
トーマス「疾走れマキ○オー!」
ミリウス「後で人参やるからなー!」
ジャン「ぶっ殺すぞ!?」
エレン「続けよ!コニー!」
コニー「任せろ!!」
ウグイス「2番サード、スプリンガー君」
コニー「天才バッターコニー様ことコニー様だぜぇ!あれ...使い方ってあってるっけ?」
「黙れ馬鹿~」
敵モブ捕手「〔くそぉ...2番の馬鹿か...一番嫌な流れだ〕」
敵モブ投手「〔関係ねー、ここで抑えればノープロブレム〕」
ドッ!
シュッ!
コニー「〔ストレート!〕」スッ!
クイッ! キーンッ!!
敵モブ捕手「〔なっ、また先っぽ!?〕」
カシャーンッ
審判「ファール!」
ウグイス「ファールボールにはご注意ください!」
コニー「〔ん?今シュートした?〕」
敵モブ捕手「〔ストレートのタイミングドンピシャだったな...あわやスリーベースコースだったぞ〕」
敵モブ投手「〔チッ、使いたくねぇが...仕方ねぇ〕」
ドッ!
シュッ! コニー「〔おっしゃぁ、キタァ~!!!〕」スッ!
クイッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライクツー!」
コニー「〔今の...〕」
アニ「〔初めて投げてきたね、今の球は...〕」
アルミン「〔左打者から逃げながら落ちる変化球の...シンカーだ。〕」
コニー「〔これが高校野球のシンカー...初めて見た〕」
ドッ!
シュッ! クイッ!!
コニー「〔またシンカー!?〕」スッ!
パシンッ!!!
審判「ストライク!バッターアウト!」
観客「最後は外低めいっぱいにシンカー!」
観客「バルト学院も負けてねぇ!」
敵モブ投手「〔にっひゃっひゃ、いい空振りだな!〕」
コニー「くそぉ...」
-
- 225 : 2016/03/18(金) 12:32:57 :
スタスタ
アニ「どう?高校野球のシンカーは」
コニー「!」
アニ「中学で見た時のより沈んだでしょ?」
コニー「...はい、全然違いしました」
アニ「次の打席も恐らく投げてくるだろうね」
コニー「...打ってみせます!絶対に!」
アニ「...ふっ、良い返事だね。それを聞けて安心したよ」
コニー「うっす!」
アニ「〔良かった、コニーが死んだらチーム全体のムードが悪くなる...でも、今後の左打者にとってはシンカーは厳しいだろうね〕」
アニ「〔大会が始まるまでやっとストレートの130kmが合わせられるようになったんだもんね、むしろそれだけでも成長したもんだよ〕」
アニ「〔時間が足りなかった、で片付けられちゃ言い訳にもならない。一試合こなすのでさえこの人数じゃ厳しい。〕」
アニ「〔私からしてみれば凄く尊敬できると思うよ。あんたらは〕」
アニ「〔それでも...上位打線までは完成しつつある...思い残しはやっぱり下位打線の火力の薄さ〕」
アニ「〔...でも今こんな後悔しても意味ない、現状で最高のスタメンを作る。それが監督としての役目なのに...〕」
「あのさ」
アニ「んっ、なに...?」ビクッ
アルミン「何か...考え込んでるでしょ?」
アニ「...別に」プイッ
アルミン「...アニってさ、嘘つくの...下手だよね」クスッ
アニ「は...?急になに?」
アルミン「いやぁ嘘つくと必ずそっぽ向くからさ」
アニ「そんなことよりあんた打席」
アルミン「うん、わかってるよ」
スタスタ
「気を楽にして良いからね」ボソッ
アニ「えっ...?」
アルミン「アニだけに責任は取らせないから...大丈夫だよ」ニコッ
アニ「ッ...」
ウグイス「3番キャッチャー、アルレルト君」
アルミン「お願いします!」
敵モブ捕手「〔アルレルトか...さっき腕を気にしてた...つーことは怪我してるのか?〕」
敵モブ投手「〔てめーにはぜってぇ負けねぇからな!〕」ドッ!
シュッ!
カクンッ!
パシンッ!!
審判「ストライク!」
観客「おぉっ!!初球外にフォーク!」
アルミン「...」
敵モブ捕手「〔反応出来てないのか?全く動かなかったな〕」
アニ「〔...まったく...あんたには何もかもお見通しってわけ?〕」
アニ「〔あんたのその人の心を読み取る癖って...良いところでもある反面嫌な所だね〕」
アルミン「〔ごめん、それがなきゃ...キャッチャー出来ないよ〕」
アニ「〔...ほらね〕」ヤレヤレ
アルミン「〔あははっ、ごめんごめん...でも、アニがあそこまで追いつめられてたとは...正直思わなかった。〕」
アニ「〔...あんたには絶対に気づかれたくなかったんだけどね〕」
アルミン「〔もう...何年以上僕といると思ってるの?〕」
アニ「〔確かに...幼稚園からだっけ〕」
アルミン「〔そう、幼稚園の...年中からだよ〕」
敵モブ投手「〔死にやがれ!!〕」シュッ!
アニ「〔あんた昔から無駄に記憶力あるね〕」
アルミン「〔そんなことないよ、僕はただ好きな人の思い出は...忘れないだけだよ〕」
アニ「〔...あんたが彼氏で...良かったよ〕」
アルミン「〔僕もアニが彼女で良かった。〕」
ザッ!!!
アルミン「ふっ!!!!」スッ!!!
ゴッ!!!
敵モブ投手「ッ!?」
アルミン「ッ!!!」グググッ!!!
カキーンッ!!!
アニ「〔あぁ...なんで私こんなに怖くて・恐ろしくて、手も震えてるのに...野球を嫌いになれないのか...わかった。〕」
アルミン「〔なんで?〕」
アニ「〔好きなんだ...ボールを打った時のあの音が...〕」
アニ「〔好きなんだ...打ったボールが遠くまで飛んでいくのを眺めるのが...〕」
アニ「〔好きなんだ...あんたが打って、描かれる...あの大きくて綺麗なアーチが。〕」
ポンッ!!!
「は、入ったぁぁぁぁあああ!!!!!」
-
- 226 : 2016/03/18(金) 12:34:08 :
観客「逆転2ランホームラン!!」
観客「しかも、打った球胸元インハイのストレート!」
観客「あんな難しい球を...打ちやがった!」
観客「やっぱ蒼の騎士はすげぇ!!!」
タッタッタ!
アルミン「〔これで...もう責任なんて...言葉はないよね〕」ガッツポーズ
アニ「〔...本当...あんたのそういう所...嫌い〕」スッ
ザッ
敵監督「くっ...やむを得ん...」
スタスタ
ジャン「ナイバッチっす!すげぇ飛距離でしたね!」
アルミン「そ、そうだったかな?」
ジャン「え、見てなかったんですか!?」
アルミン「あ、うん...見てなかった」
スタスタ
アルミン「これがさっきの答えだよ」
アニ「...ふっ、嫌な奴だねとことん」クスッ
アルミン「え、えぇ!?」
エレン「逆転...やっぱアルミン先輩すげぇ!」
ミカサ「うん」
エレン「って何してるんだよ、お前次バッターボックスだろ!」
ミカサ「いや何やらあっちで話をしている。ので、ここで待機中」
エレン「話?」チラッ
敵監督「~~~~~~」
審判「...」
エレン「なんだ?」
ザワザワ
審判「ゴホンッ、えぇ~只今バルト学院高校監督から指摘がありましたため、ご説明致します。」
シガンシナ一同「え?」
審判「先ほど打ったアルレルト選手のホームランは...取り消しとします。」
・・・
「...は?」
審判「アルレルト選手の前のランナーであるキルシュタイン選手はしっかりとホームベースを踏んでいましたが、アルレルト選手はホームベースを踏んでいないとのご指摘でした。」
「えっ...えぇ!?」
観客「おいおいおい、どういうことだよ!?」
観客「本当に踏んでなかったか!?」
観客「いやよく見てなかったけど、ちゃんとホームベースには行ってたぞ!」
観客「じゃぁ誤審?」
観客「でも、踏んだか?と聞かれたら...見てなかったんだよな」
ザワザワ
アルミン「ま、待ってください!僕はちゃんと踏みました!」
審判「こちら側から見ては居ましたが、踏んではいないと結論に」
アルミン「えっ...」
ジャン「俺も見ました!ちゃんと踏んでた!!」
審判「ですが、こちら側から見ると...」
アルミン「〔だ、ダメだ...確かにあの時...審判の横に投手がいて、前には捕手がいたから...それに微妙に砂煙がたってた...くそ、どう言っても覆せない...〕」ギュゥッ
「ルミーン!!アルミーン!!」
アルミン「...?」
ダッダッダ
カシャッ
サムエル「ここだ、アルミン!」
アルミン「サムエル...?」
サムエル「この...カメラを見てくれ!」
アルミン「ん...?」
ピッ
タッタッタ
ザッ
アルミン「」ガッツポーズ
アルミン「!」
サムエル「そのカメラを審判に見せて、大ドンデン返しだ!アルミン!」
アルミン「...あぁ、ありがとう!サムエル!」
サムエル「〔たまたま友達に持ってもらってて、たまたま写ってたなんて...言えない〕」アセ
スタスタ
アルミン「これ、見てください」
審判「?」
ピッ
審判「...!」
アルミン「これは完全なる証拠ですよね?」
審判「本当だ...間違いなく、ホームベースを踏んでる」
審判2「あぁ、何の不正もない。」
審判「ゴホンッ、えぇ~只今お客様が撮っていたデジタルカメラの映像で、アルレルト選手がホームベースを踏んでいることが確認出来たため、先ほどの2ランホームラン取り消しを...取り消し致します。誠に申し訳ございませんでした!」
パチパチパチパチ
アルミン「良かった」
審判「本当に申し訳ありませんでした!」
アルミン「い、いえ!とんでもないです!」
-
- 227 : 2016/03/22(火) 21:48:25 :
トーマス「な、何とかなったな」
マルコ「うん」
ライナー「だが、今の感じで...本当に不正をしていたんだな」
ベルトルト「あわよくば取り消しで同点だから...怖いなぁ」
エレン「あぁ...だけど、証拠があるんだ。いくら金を出しても意味ねぇ...何より...ここにいる観客一人一人のカメラ見て行ったら絶対写ってると思うけどな」
ミカサ「うん、でも...そんなことでずるをしても私達には勝てない...だって、私達の方が強いから」
アニ「さっ」パンッ!
「!」
アニ「逆転したよ!この流れで一気に叩くよ!」
「はいッ!!」
ウグイス「4番ピッチャー、アッカーマン君」
敵モブ投手「〔くそっ、これで不正バレたんじゃねぇのか...?〕」
敵モブ捕手「〔今はそんな心配するより、バッター集中だ〕」
敵モブ投手「〔おっと、そうか...バッターはこいつか !〕」
ミカサ「...ふぅッ...」キリッ
敵モブ投手「〔集中した時のコイツ...迫力?いや威圧っていうか...〕」アセ
敵モブ投手「〔やべぇ...どこ投げても...打たれる気がする...〕」アセ
敵モブ捕手「〔初球は外にスライダー外すぞ〕」
ドッ!
シュッ! クイッ!
パシンッ!
審判「ボール!」
敵モブ捕手「〔目だけで見送ったよ...どんだけ視野広いんだよ〕」
敵モブ投手「〔こいつには小細工が通用しなさそうだな...全球フォークでも良いんじゃねぇか?〕」
敵モブ捕手「〔次は内低めいっぱいにシンカーを〕」
ドッ!!
シュッ!! クイッ!!
パシンッ!!
審判「ストライク!」
観客「内にシンカー!怖くねぇのか!?」
観客「いやあんな低めいっぱいのコースにシンカー投げられたら誰でも打てねぇよ!」
敵モブ投手「〔当たり前だ、このコースを投げれるまでどれだけ苦労したか...〕」
敵モブ捕手「〔ピクリともしなかったな...見えてないだけか?〕」
ミカサ「...」
敵モブ捕手「〔...おし、なら次は外低めボール球になるフォークを〕」
ドッ!!
シュッ!!
ミカサ「ッ!!」ザッ!!
敵モブ捕手「〔動いた!だが、ボール球だ!残念だったな!〕」ニヤッ
カクンッ!! スッ!!
敵モブ投手「〔へっ、見事に餌に引っかかりやがっt ゴォッ!!
敵モブ投手・捕手「!?」
カキーンッ!!
カシャンッ
「入ったぁぁぁぁあああああ!!!」
観客「これで3-1!2点差ついたぞ!」
観客「今のフォークだったんだろ?よく合わせたな!」
観客「やっぱアイツは本物なんだ!」
-
- 228 : 2016/03/22(火) 21:48:47 :
タッタッタ
ミカサ「...」
トーマス「あいつ、ホームラン打ったのに笑顔一つ見せてねぇ!」
コニー「どんだけ無表情なんだよ!」
エレン「へっ、やっぱアイツは...すげぇ」
ザッ 審判「ホームイン!」
ライナー「ナイバッチ、ミカサ」
ミカサ「うん、ありがとう」
ジャン「ライナー、続けよ!」
ウグイス「5番ライト、ブラウン君」
ライナー「ヨーシ、コイ!」
エレン「調子良いじゃねぇか」
ミカサ「! うん、エレンのお陰で」
エレン「だから...ハァ、俺は何もしてないって言ってるだろ?」
ミカサ「ううん、エレンは私に戦う勇気をくれた...応援してくれなかったらこんなに力は湧き出てこない」
エレン「...そうかよ」プイッ
ミカサ「エレン?なぜそっぽ向くの?」グイッ
エレン「別にそっぽなんか向いて...ッ!?///」チラッ
ミカサ「? どうしたの?」
エレン「〔こいつ...わざと見せてるのか!?/// わざとやってるのか!?///〕」
エレンが見たもの...それは...
汗でアンダーシャツがベタつき、うっすらと見える...ミカサのふっくらとした...谷間だった。
エレン「な、何でもッ...ね、ねぇよ!///」プイッ
ミカサ「〔ッ、またエレンを怒らせてしまった...あ、謝った方が...いい...?〕」シュン
「ほ、ほらよ!」スッ
ミカサ「え...?」
エレン「お前...汗を掻いてる...から...アンダーシャツ...代えて...来いょ...///」
ミカサ「えっ...」チラッ
ポヨンッ
ミカサ「ぁっ...あ///」
エレン「は、早く行ってこいよ!!///」
ミカサ「う...うん」ダッ!
コニー「なんだ~?あいつ、トイレか?」
エレン「あ、あぁそうらしい」
コニー「おし、じゃぁ俺も行ってこよっと!」
エレン「はっ!?だ、駄目だ!!行くな!!」ガシッ
コニー「な、なにすんだよ!?漏れちまうだろうが!!」
エレン「ダメなもんはダメだ!」
コニー「なんだよお前!?ここで漏らせっていうのか!?」
エレン「そ、そうじゃねぇけど...今は試合中だぞ!?」
コニー「だったらなんでミカサは行ってるんだよ!!何の差別だよ!!」
エレン「差別じゃねぇよ!!あいつは特別なんだよ!!」
コニー「なんで特別なんだよ!俺にも特別扱いしてくれよ!!」
エレン「嫌だ!!」
コニー「なんで!!」
エレン「えっ...あ、えーっと...その...」ゴニョゴニョ
コニー「うぅ~...だぁぁぁぁああああああッ!!!俺はもう我慢出来ない!!トイレ行く!!」ダッ!
エレン「なっ!?やめろ!!コニー!!」
ガチャッ
エレン「〔終わった...すべてが終わった...〕」ショック
スタスタ
「エレン、どうしたの?正座なんかして」
エレン「え...?あ、み、ミカサ!?」
ミカサ「え?あ、うん...」
エレン「なんだよ...もう着替え終わってたのかよ...」
ミカサ「う、うん...」
エレン「あ~何か疲れがどっと増したような気がするぞ...」
ミカサ「え、エレン...あの...その...」モジモジ
エレン「なんだよ?俺は今すげぇ疲れて...「ぁりがとう」ボソッ
エレン「!?///」
ミカサ「エレンにまた助けられた...ありがとう」ニコッ
エレン「〔コイツ...今耳元で...!?///〕」
ミカサ「じゃ、じゃぁ応援...しよう!」
エレン「〔最近何か...可笑しいぞ...俺...まさかミカサのことが...いやいやいやいやッ!!そんなこと許されることじゃねぇ!!〕」ブンブンッ
アルミン「な、何してるの...一人で...」アキレ
エレン「はっ!?すみません!」
-
- 229 : 2016/03/22(火) 23:48:19 :
バルト学院高校 0 0 1 0 0 0
シガンシナ高校 0 0 4 0 1 1
3回以降シガンシナ高校は失点どころかランナーすら出さないピッチングをしているミカサ。
更に、攻めでは...連打こそ無くなったが、追加点を加え圧倒的な大差を付けた。
ミタビ「すげぇな...シガンシナ高校、あのバルト学院相手に6点も奪いやがった!」
イアン「今年のシガンシナの大きな違い...1つはやっぱり打線だな。」
グスタフ「確かに去年のシガンシナはアルレルトだけの打線だったな...それでも他の3・5番も打ててはいたZO」
イアン「はっきり言って、去年のクリーンナップと今年のクリーンナップは比べ物にはならないレベルの差がある。」
ミタビ「まぁそりゃ...アイツがいるからな」
ブルペン
アルミン「次ッ、ストレート!」
ドッ!!
ミカサ「ッ!!」シュッ!!
パシンッ!!! アルミン「ナイスボール!」シュッ
グスタフ「ミカサ・アッカーマンか...とんでもない化物が現れたな」
イアン「それ以外にもだ、先頭バッターのキルシュタイン...2番には小さいが器用なバッティングするスプリンガー...」
イアン「5番にはパワーヒッターのブラウンに、6番には腕が長く鋭いバッティングをするフーバー」
イアン「上位打線だけを見れば強豪校レベルだ」
グスタフ「上位打線?下位打線はダメなのか?」
イアン「ダメというわけではないが、上位打線ほどの魅力のあるバッターがいない...強いて言えばあの7番のボット」
ミタビ「あぁスクイズ失敗した奴か」
イアン「あそこで失敗はしたものの初戦や3回戦の時のバッティング...シニア育ちくらいだろうな」
ミタビ「じゃぁ...火力が馬鹿アップしたってことか」
イアン「あぁ、だがそれだけじゃない」
ミタビ「? なんだよ」
グスタフ「やっぱり”投手”じゃないか?」
イアン「あぁ、去年にはいない...個性的なピッチャーが揃ってる。」
ミタビ「確かに...あのサウスポー...背たけぇから上から振り下ろされる感じで...嫌な感じだな」
グスタフ「それだけじゃない、変化球も縦のカーブしかり、落差のあるフォーク...どれも決め球に使える。」
イアン「何より...あのストレート...ノビのあるストレートだ。」
ミタビ「だぁが、それはもう弱点見つけただろ?中央憲兵戦で散々やられまくったじゃねぇか」
イアン「そうは言っても...キャッチャーはアルレルトだ。」
グスタフ「やっぱり一番のポイントは...アルレルトか?」
イアン「いや...今回俺達が勝つためには...」チラッ
ドッ!!!
ミカサ(リヴァイ)「ッ!!」シュッ!!!
スッバシーンッ!!!!
ミタビ「うぐっ!?なんだ、今のエグい音は!?」
グスタフ「なるほDO」
イアン「ミカサ・アッカーマンの攻略が不可欠だ。」
-
- 230 : 2016/03/22(火) 23:49:15 :
ベンチ
アニ「アルミン、もうそれぐらいにしときな」
アルミン「うん、そうするつもり」
スタスタ
コニー「絶好調だな!3回以降ランナー1人しか出してねぇし!」
ミリウス「それに出したランナーもあっちのラッキーでポテンヒットだもんな」
ミカサ「次はもう一人もランナーを出さない」ゴゴゴッ
コニー・ミリウス「いぃっ!?わ、わかった!抑えろ!!」
エレン「あんまし飛ばし過ぎるなよ」
ミカサ「!」
エレン「お前あんまし体力無いんだから」
ミカサ「...大丈「間が空いてるじゃねぇかよ!」
アニ「ミカサ、ベルトルト!ちょっと来な」
ミカサ・ベルトルト「はい!」
アルミン「〔もしかしてアニ...もうミカサを代える気なのかな?まだ3回しか投げてないし...そんなことはないか〕」
アニ「次の回、7回からベルトルトで行くよ」
「えっ!?」
アニ「ミカサはそのままショート、ダズはミリウスと交代でレフトに入ってね」
ミリウス「あ、はい!」
ダズ「あ...」シュン
アルミン「アニ、ミカサはまだ球数に余裕あるよ」
サシャ「そうですよ!まだ40球弱ですよ!」
アニ「まぁ、確かに今の状態で交代させるのは試合の流れを切る。ってことになるだろうね」
アルミン「なら...「でも」
アニ「次の準決勝...駐屯高校相手に疲弊したミカサがどれくらい通用するかわかるの?」
アルミン・ミカサ・ベルトルト「!」
アニ「もちろんミカサだけじゃなく、ベルトルトだってそう...疲れきった体はどんなことをしても短時間で元には戻らない。」
アニ「私の言ってること...わかる?」
ベルトルト「はい」
ミカサ「ベルトルト...?」
ベルトルト「僕はミカサみたいに体力には自信ない...でも、ミカサやチームの皆に迷惑は掛けられない。だから少しでもミカサの代わりになれるなら...」
ベルトルト「自分を犠牲にしたっていいと思ってる」
ミカサ「!」
ベルトルト「やります!あと3回きっちり抑えてみせます!」
アニ「うん、頼んだよ」
アルミン「...本当にアニのそういう所には敵わないや」クスッ
アニ「なにそれ?馬鹿にしてるの?」イラッ
アルミン「してないよ!!」
ミカサ「〔監督は...本気で勝とうとしてる...〕」
ジャン「〔今の俺達に実力で甲子園に行ける力も人数もねぇ...けど〕」
エレン「〔こうやって試行錯誤して...勝率を少しでも上げるために考えてくれる監督がいるんだ!〕」
ライナー「〔俺達が信じないで...誰が信じるんだよ!〕」
ミリウス「〔こんな取り柄もない俺を試合で使ってくれるんだ...絶対に勝ちたい!〕」
コニー「なんで皆黙ってるんだ?疲れたのか?」
「もうマジで黙っとけ馬鹿!!」
-
- 231 : 2016/03/22(火) 23:49:58 :
ジャン「おーっし、ベルトルト用のシフトでもぜってぇ防ぐぞ!!」
「おうっ!!」
パシンッ! 審判「ストライク!バッターアウト!スリーアウトチェンジ!」
トーマス「すみません...」
ジャン「ドンマイ!次打とうぜ!」
コニー「いつものことだろ!」
トーマス「うるっせ、コニー!お前一言余計なんだよ!!」
ガヤガヤ
ダズ「...」ギュゥッ
ウグイス「シガンシナ高校シートの変更と選手の交代をお知らせいたします。」
イアン「!」
ウグイス「ピッチャーのアッカーマン君...代わりまして、フーバー君。」
ミタビ「お、おい...ピッチャー代わったぞ...」
イアン「〔どういうことだ...?この流れを作ったのはアッカーマンだぞ?それを代えるなんてリスクが高すぎる〕」
イアン「〔この策をやったのは...アルレルトか?いやあいつはこんなリスキーなことはしない...なら...〕」チラッ
アニ「...」
イアン「〔あの女監督の指示か...〕」
観客「おいおい、また大きく代えてくるな...」
観客「だが、アッカーマンはショートに入ったから内野の守備は強化するな!」
ウグイス「お待たせしました。7回の表バルト学院高校の攻撃は...7番キャッチャー、モブ捕手君」
敵モブ捕手「〔アッカーマンを下げただと?舐めてるのか?〕」
アルミン「」スッスッス
ベルトルト「」コクッ
敵モブ捕手「〔ってか...こいつ...打席で見るよりも...でかくね...?〕」
スッ!! ドッ!!
ベルトルト「ッ!!」シュッ!!
敵モブ捕手「〔ストレート!〕」スッ!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
敵モブ捕手「〔なんだ...今の...ストレートが...手元でノビた!?〕」
アルミン「〔ふふっ、そうそう...初めてベルトルトのストレート見るとミカサのとは違う速さに見えるよね〕」
アルミン「〔じゃぁ次はこんなのどう?〕」
ドッ!!
ベルトルト「〔外に縦のカーブ!〕」シュッ!!
敵モブ捕手「〔高い!〕」
クインッ!!
敵モブ捕手「なっ!?」
パシンッ!!!
審判「ストライクツー!」
敵モブ捕手「〔縦に大きく落ちる...カーブ...ドロップカーブか!?〕」
アルミン「〔あははっ、驚きすぎだって...全球種見せたら面白くない。なら決め球は...〕」
ドッ!!
シュッ!!
敵モブ捕手「〔ッ、今度はインハイのストレート!!〕」スッ!
キーンッ!
観客「おぉっ!三遊間!!」
パシッ!! 敵モブ捕手「〔取った!? だが、その体勢で送球出来ないだろ!〕」ダッ!
ザッ!! ピョンッ!!
ミカサ「ッ!!」シュッ!!
パシッ!!
敵モブ捕手「なっ!?」
審判「アウト!」
「おぉぉぉぉおおおおおっっ!!!」
観客「すげぇ!なんだあのプレー!!」
観客「まるでメジャーリーグのプレーみたいだったぞ!?」
-
- 232 : 2016/03/23(水) 00:33:07 :
アルミン「ナイスショート!!」
マルコ「ナイス!」
コニー「ったく、お前は相変わらずすげぇな!!」
トーマス「送球のコントロールもグラブドンピシャって...お前プロかよ!!」
ミカサ「わ、ワンァウト!」
「おう!ワンァウト!!」
ミカサ「〔良かった、気を逸らせて...〕」
○○○○「...チッ、危ねぇプレーしやがって...」
ケニー「!」
○○○○「...」スタスタ
ケニー「ま、待て!」ダッ
タッタッタ
ケニー「ハァ、ハァ、ハァ...どこだ...くそっ、あの野郎コソコソ見やがって...俺と一緒に見たほうがぜってぇ楽しいのによぉ」
ケニー「〔でもまっ...あいつもなんだかんだ心配なんだな〕」フッ
・・・
「あと一人!あと一人!」
観客「ベスト4をかけた準々決勝もあと一人で決着か!」
観客「いよいよ甲子園への切符を手にするのは誰か...見えてくるな!」
イアン「行くぞ」
ミタビ「お、おい!最後まで見ていかないのかよ!」
イアン「あぁもう試合は決まったも当然だからな」
ミタビ「チェッ、最後まで見てやればいいのに」
グスタフ「だが、あいつも嬉しいんじゃないか?」
ミタビ「...だな」クスッ
スタスタ
イアン「〔やっと来たか...待ちくたびれたぞ...アルレルト〕」
ドッ!!
シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!バッターアウト!ゲームセット!!」
ウーーーーーッ
コニー「おっしゃぁぁぁぁあああああ!!!」
マルコ「ベスト4...進出!!」
トーマス「このままノンストップ!!」
ミカサ「うん、私達なら行ける!」
ライナー「ナイピッチ!ベルトルト!」
ジャン「コラァ!先に挨拶だ!!」ニヤ
ミリウス「ジャン、顔がにやけてる」
イアン「〔中学の時の貸しを...返す時が来たな〕」
アルミン「ベスト4...」
アニ「どうしたの?」
アルミン「えっ...あ、いや...なんていうか...武者震いっていうのかな?」プルプル
アルミン「等々ここまで...来たんだって思うと...嬉しくて...」プルプル
アニ「...ふっ、まだまだこれからでしょ」クスッ
アルミン「え...あぁ...うん、そうだね」クスッ
まだ甲子園の切符を手にしたわけじゃない...決勝にも来たわけでもない...けど...
僕らは一歩...そしてまた一歩と、甲子園までの道のり...栄光への架け橋を歩んできている。
アルミン「本当の戦いは...ここからだ。」
エレン「アルミン先輩!」
アルミン「ん?どうしたの?」
エレン「あと監督」
アニ「ん?」
エレン「後で...話があるんですが」
アルミン「?」
アニ「わかった、でも学校でね。この後学校で今日の反省と次の相手のデータ分析するから」
エレン「はい!」
-
- 233 : 2016/03/23(水) 21:38:15 :
ジャン「おーっし、じゃぁ帰ってミーティングしてから次の相手のデータ分析して...今日は解散な!」
「はーい!」
ジャン「じゃ、バスは駐車場にありますよね?」
ハンジ「うん、用意してあるよ!」
ジャン「じゃぁ人の邪魔にならないようにな」
トーマス「ジャンは走らないようにな!「走んねぇよ!!」
ジャン「たぁっく、いつになったら静かに帰れるようになるんだか」ガチャッ
パシャッ パシャパシャッ
ジャン「ぬぉ!?」
記者「シガンシナ高校さんベスト4進出おめでとうございます!」
記者2「次の相手駐屯高校戦はどのように戦いますか?」
記者3「アッカーマン選手!一言お願いします!」
記者4「アルレルト選手もお願いします!」
記者5「次の駐屯高校には宿敵の紅の魔術師ことイアン・ディートリッヒ選手がいますがどう対策しますか?」
ジャン「〔なんだ!?これ全部俺らを取材しに!?〕」
ハンジ「は~いはいはい、選手達は試合で大変疲れていますので、取材はまた後日私が受け付けますので」ウインク
ジャン「!」
ジャン「おい、行くぞ!」
「おう!」
スタスタ
記者「あぁ!ちょっと!!」
エレン「ハンジ先生って意外に頼もしいよな」
ミカサ「エレン、意外には失礼」
「あ、アルミン君!」
アルミン「ん...?ピュレさん!」
ピュレ「どうも!ベスト4進出おめでとうございます!」
アルミン「あ、ありがとうございます!」
トーマス「また取材?」
ミリウス「だとしても俺らではなさそうだな」
ピュレ「それでアルミン君...例のアレなんだけど...」
アルミン「!」
アルミン「アニ!先に帰っててもらえるかな...?」
アニ「え、まぁいいけど...取材?」
アルミン「う、うん...そんなもの」
アニ「...そう、あんまり遅くならないでね」
スタスタ
アルミン「じゃぁピュレさん、行きましょう!」
ピュレ「はい!」
スタスタ
アニ「...」
ハンジ「監督~、バス出ちゃうよ~!」
アニ「あ、はい!」ダッ
プップー ブーンッ
アニ「〔また無理な取材受けてないと良いんだけど...〕」
ハンジ「あれ?アルミン君置いてきて良かったの?」
アニ「はい、先に帰ってていいそうです」
ハンジ「そっか...いやぁしかし...いよいよだねぇ」
アニ「はい、やっと準決勝...あと2勝で甲子園ですから...」
ハンジ「正直...今日負けるかと思っちゃったよ」ニカッ
アニ「確かに今日は危なかったですもんね...色々と」
ハンジ「でも、あと2回勝てば...チームの目標である甲子園出場が決まるね」
アニ「はい...あいつらなら...やれます。」
ハンジ「最初はどうなるかと思ったよ...いきなり監督不在なんてさぁ」
アニ「あはは...すみません...」
ハンジ「いやいや責めてるわけじゃないよ!むしろ褒めてるぐらいだよ...よくあんな高い壁を...次々と乗り越えてきたねぇ」
アニ「いえ、まだ超えてない壁はたくさんありますよ」
ハンジ「ん...そうか、まだ準決勝だもんね」
アニ「去年も...去年も決勝までは来ました...でも、決勝はあまりにも現実離れしている世界でした」
ハンジ「そう言えば...前から気になったんだけど...どうして二人共...この学校を選んだの?」
アニ「! それは...」
-
- 234 : 2016/03/23(水) 22:48:29 :
学校
アニ「じゃぁ先に柔軟して、それから今日の反省会するよ!」
「はい!」
アニ「〔アルミン...遅いね、何かあったのかな...〕」
ミカサ「エレン、柔軟やろう」
エレン「あぁ」
・・・
ジャン「おーっし、じゃぁ反省会すっぞ~!」
「うぃーっす」
ジャン「まず良かった点、そして悪かった点、最後に何をどうすれば解決するか。この順番でやってくからな!」
ジャン「じゃぁまずトーマスから」
トーマス「俺か...う~ん、良かった点...割りかし守ってて失点数が少なかったことに驚いた、かな」
ジャン「確かに、あのバルト学院相手に1点で抑えたのはでけぇな!これはもちろんミカサやベルトルトのピッチングのお陰でもある...けど」
ジャン「俺らの守備力が上がったっていう捉え方も出来るからな!そこは全員自信持とうぜ!」
「おう!」
ジャン「他には?」
トーマス「あ...あと一個、自画自賛になっちゃうけど...俺とマルコの...二遊間の守備が今日は本当に気持ちよく守れた!」
ライナー「確かにな!後ろから見ても安心できる!」
ミカサ「うん、私もピッチャーを安心して投げれる」
トーマス「ってことは前まで心配だったのかよ!!」
ミカサ「え...あ、うん...少し...「嘘だ!!」
ガヤガヤ
ジャン「あぁ~もう、うるっせぇ!!」
シーンッ
ジャン「とにかく...今日の試合は二遊間がレベルアップしたっていう実感が湧けた試合だってことだな」
トーマス「そ、そう!」
アニ「〔そうだね、守備の中で一番伸びしろがあるのは二遊間の二人...マルコとトーマスかな〕」
ハンジ「さぁ、トーマスみたいにもっと自分を褒めよう」
「えっ!?」
ハンジ「知ってる?人って誰かに認めてもらったり・褒めてもらったりすると...何がつくか」
ミカサ「自信」
ハンジ「そっ!ミカサ大正解!そして、自信がつくと...どうなる?」
ジャン「えっと...プレーが今まで以上に楽しくなったり...?」
ハンジ「そう!」
ライナー「自信過剰になるのはダメだが...自信がないと緊張した時に自分のプレーが出来ない?」
ハンジ「そうそう!」
マルコ「あとは...やっぱり...より上手くなるためのモチベーションが高くなる?」
ハンジ「そうそうそう!!」
コニー「自信がついたら俺もっと上手くなりたいって思う!!」
「黙れ馬「そうなんだよ!!」
「えっ...!?」
ハンジ「コニーが一番正解に近い!」
コニー「へっ、天才は何でもわかって辛いぜ...」
「〔なんだこいつ...うっぜぇ...〕」
-
- 235 : 2016/03/23(水) 22:48:48 :
ハンジ「まぁコニーが言ったのを少し付け加えて...自信がつくと、今やってるプレーが楽しくなったり・もっと上を目指したくなるでしょ?」
マルコ「確かに...」
エレン「あぁ俺もそうなる」
ハンジ「そうなるとどうなるか?答えは1つ...より効率的な練習が出来るようになる!」
ハンジ「そして、効率的な練習が出来るようになればどうなるか...?それはもう自分達でわかるよねぇ?」
「はい!」
コニー「...? これわからないのって...俺が馬鹿だからじゃないよな...?」
「〔やっぱ馬鹿だわ〕」
アニ「要は、自分の良いプレーを他の人に褒めてもらったりすると今よりモチベーションが上がる。ってこと」
「はい!」
アニ「というわけで、ハンジ先生...あとよろしくお願いします。」
ハンジ「はいよ~!」
スタスタ
ガサゴソ サシャ「〔皆ミーティングやってる間私は暇ですからね...だから、今日もらった差し入れを!〕」
アニ「サシャ、ちょっと今日撮ったカメラ貸して」
サシャ「ッ!!??」
アニ「早く...か・し・て?」ニタァ
サシャ「あ...あぁ...アニ...先輩...こ、これには深い事情が...ぁ...ぁ...」ビクビク
アニ「あんたが食べようとしてるんだ...私があんたを食べても...仕方ないよね?」
サシャ「...す、すびませんでしだぁぁぁぁぁぁああああああああっっっっっっ!!!!!!!」ダッ
アニ「ハァ...全く」
「大変そうだね」
アニ「!」
アルミン「もうミーティング始まっちゃった?」
アニ「え...あぁ、うん...始まってるよ」
アルミン「そっか、急がないとね」
アニ「あ、アルミン!」
アルミン「?」
アニ「だ、大丈夫だったの...?」
アルミン「何が...?」
アニ「いや...なんでもない」
アルミン「そっか」
スタスタ
アニ「〔私の考えすぎなのかな...?〕」
アニ「! そうだ...連絡しなきゃ」パカッ
prrrr prrrr ガチャッ
○○○「もしもし」
アニ「もしもし、アニだけど...」
-
- 236 : 2016/03/23(水) 23:17:36 :
ミーティング終了後...
ジャン「おし、じゃぁ今日はこの辺で解散つーことで」
アニ「うん、いいよ」
ジャン「あ、あと言い忘れてたけど...次の試合は間二日空くからな!その間しっかり調節すること!」
「おう!」
ジャン「それじゃぁ解散、お疲れしたッ」
「お疲れしたッ」
トーマス「帰ろ~!」
マルコ「今日は居残りやらないの?」
トーマス「いや今日ぐらいは休めよ!!」
ジャン「トーマスの言う通り、今日はしっかり体休めろよ!もう準決勝終わった後間一日しか空かないからな!」
マルコ「そっか...そうだね」
ミカサ「エレン、帰ろう」
エレン「あ、あぁ...ちょっと待ってくれ!俺アルミン先輩と監督とハンジ先生に用あるんだ!」
ミカサ「? 私も付いて行って...「ダメだ!」
エレン「すぐ戻る!」ダッ
ミカサ「...」プスーッ
ライナー「どうした?ミカサ、帰らないのか?」
ミカサ「エレンを待ってる」
ライナー「そうか、なら俺とベルトルトは先帰るぞ」
ミカサ「うん、お疲れ」
ライナー「また明日な」
ベルトルト「またね」
・・・
教室
アルミン「それで...話ってなに?」
アニ「...」
ハンジ「...」
エレン「あの...俺...~~~~~~」ギュゥッ
アルミン・アニ・ハンジ「!」
・・・
スタスタ
エレン「悪い、待たせた」
ミカサ「長かった、凄く長かった...すぐではなかった」プスーッ
エレン「だから謝っただろうが」
ミカサ「でも、エレンはすぐと言った」
エレン「だぁぁぁぁあああ、もう...悪かったって言ってるだろ!!」
ミカサ「...」プイッ
エレン「...ハァ...なら俺を煮るなり焼くなりしろよ...それで許してくれたらいい」
ミカサ「...なら...その...今日の夜ご飯...お家で一緒に食べて欲しい!!」
エレン「...は?そんなことでいいのか?」
ミカサ「うん!」
エレン「...わかったよ、行くよ」
ミカサ「!」パァッ
ミカサ「ありがとう、エレン!」ニコッ
エレン「べっ、別にそれぐらいなら...構わねぇよ...///」
エレン「〔何俺は想像してるんだ...初戦終わった後お昼ごはん食べに行っただろ...〕」チラッ
ダズ「...ハァ...」
エレン「ダズ...?」
ミカサ「そうみたい...一人で落ち込んでいる」
エレン「ちょっと声かけるか」
ミカサ「うん」
-
- 237 : 2016/03/23(水) 23:30:02 :
ダズ「〔今日もダメだった...結局途中交代させられちゃうし...「よっ!」パシッ
ダズ「ひぇ、ひぇっ!?」シェーッ
エレン「な、なんだよそのポーズ!」クスッ
ダズ「え...あ、あぁ!?こ、これは違う!」
ミカサ「ダズ、最近様子が可笑しい...何か悩みがあるなら私達に言って欲しい...解決できるかわからないけど、人に話した方がすっきりする」
エレン「そうだよ、俺ら友達だろ?」
ダズ「え...友達...か」
エレン「おーい、ダズ?聞いてるか?」
ダズ「あ、あぁ...悪い...」
ミカサ「...うん、そうしよう」
エレン「は...?何がだよ」
ミカサ「ダズ、今日うちに夕食を一緒に食べよう」
ダズ「え、えぇ!?」
エレン「〔なんだろう...何か凄く惜しいことをしたような気がするのはなぜだ...!?〕」ギュゥッ
ミカサ「エレンも一緒に来る、ので一緒に食べよう」
ダズ「い、いや...迷惑だろ、お前の叔父さんにも」
ミカサ「叔父さんは飲み会に行ってしまった。古い友人と飲むらしい。」
ダズ「で、でも...」
エレン「なぁ、ダズ...カレーとハヤシライス...どっちが好きだ?」ニッ
ダズ「えっ...か、カレー...だけど」
エレン「決まりッ!今日はカレーだな!」
ミカサ「この間きた時もカレーだった」
エレン「じゃぁミカサはいらないんだな!?」
ミカサ「いる...それに私の家で食べるんだから、私が食べられないのはおかしい」
エレン「なっ...くそぉ、ああ言えばこう言うなお前は!!」
ダズ「...ふふっ...」クスッ
エレン・ミカサ「ん?」
ダズ「お前らって本当...兄弟みたいだな!」
エレン「兄弟って...」
ミカサ「〔エレンと兄弟...なりたいかも〕」
ダズ「羨ましいよ...そうやって仲良くできて...」ボソッ
エレン「...おし、じゃぁスーパーまで買い物に行こうぜ!」ダッ
ダズ「あ、あぁ!」ダッ
ミカサ「あ...待って、エレン!」ダッ
スーパーマーケットマリア
エレン「カレーの肉...どっち派?」
ミカサ「私は豚派」
ダズ「俺は牛...」
エレン・ミカサ「牛!?」
ダズ「え...何かおかしなこといったか?」
エレン「〔普通カレーの肉といったら豚か鳥だろ...牛ってなに!?牛って!?上手いのか!?美味しいのか!?〕」ゴクンッ
ミカサ「〔叔父さんが節約してるお陰で今までに牛肉を使ってるカレーなんて知らなかった...美味しいのだろうか...〕」ゴクンッ
ダズ「〔あれ...この感じ...まさか俺違った回答してた!?〕」
ダズ「や、やっぱb「牛肉を使おう!!」
ダズ「え...?」
エレン「お、俺...牛肉のカレー食ったことないからすげぇ食ってみたい!!」キラキラ
ミカサ「うん!私も食べてみたい!!」キラキラ
ダズ「〔め、珍しくミカサが...ハイテンション...〕」
-
- 238 : 2016/03/31(木) 00:27:58 :
アッカーマン宅
ミカサ「どうぞ、上がって」
「お邪魔しまーす!」
スタスタ
エレン「おーし、そんじゃまぁ...作るか!」
ミカサ「エレン、その前に手を洗って」
エレン「なっ、わ、わかってるよ!」
ダズ「〔この二人...本当に兄弟みたい...いやどちらかと言ったらミカサが親でエレンが子だな...それって親子じゃん!?〕」
エレン「なんだ?ダズ、またびっくりして」
ダズ「い、いや...なんでもない!」
ミカサ「さぁ、美味しい美味しいカレーを作ろう!」
「おうッ!!」
・・・30分後・・・
グツグツ
エレン「」スンスンッ
ミカサ「お、お...」ウズウズ
ダズ「う、う...」ウズウズ
エレン・ミカサ・ダズ「美味しそうッッ!!!!」キラキラ
「いただきますッ!!!」
パクパク
エレン「う...上手い...」
ミカサ「お、美味ひい...」
エレン・ミカサ「生きてて良かった...」ホッ
ダズ「お前ら...本当に初めてだったんだな...牛肉カレー」
エレン「ふ、普通ねぇよ!」
ミカサ「そ、そう!ダズのお家が凄いだけ!」
ダズ「お、俺の...家...か...」
エレン「?」
ダズ「あ、なんでもない!早く食っちゃおうぜ!」
ミカサ「うん、まだおかわりあるからどんどん食べて」
ダズ「あ、ありがとう」
エレン「...なぁダズ」
ダズ「な、なに?」
エレン「前から気になってたんだけど...最近試合前あんまり元気なさそうにしてるだろ?どうしたのかなって思って」
ピトッ ダズ「!」
エレン「最初はミカサが気づいて、大丈夫だろうって言ったんだけど...今日の試合もそうだったから流石に、と思ってな」
ダズ「...だ、大丈夫だよ!どうってこと...ないよ!」
エレン「そうか...?俺には何かに悩んでるって顔してるように見えるぞ」
ミカサ「私もそう見えた」
ダズ「ぁ...」
エレン「ま、まぁ...なんだ?話したくないことも分かる...俺も中学の頃そうだったからな!」ハハハッ
ダズ「え、エレン...」
エレン「でも...俺この高校に来て...変われたっていうか...前の自分に戻った...って感じがするんだ」
エレン「それはお前らと...アルミン先輩と...本当の野球が出来てから...なんだ」
エレン「だから...無理に話せって言っても迷惑なのは承知のうえだ...けど、俺達に聞かせてくれないか...?」
ダズ「!」
エレン「...」ジーッ
ダズ「...」
ミカサ「エレン、あまりダズを追い込まない方が...「わかってる」
ミカサ「え?」
エレン「わかってる...でも俺は...ダズと...真剣に向き合いたい...」キリッ
ミカサ「エレン...」
「...凄いなエレンは...」
エレン・ミカサ「!」
ダズ「俺なんかとは違って...勇敢だよ」
エレン「そう...か?」
ダズ「そ、そうだよ!」
ダズ「だって俺...頭も良くないし、運動も出来ないし、ルックスだって...だから友達だって少ないし...それに...ビビリだし」
ダズ「きっと...俺がエレンだったら...高校は言ってないかもしれない...」
ミカサ「ダズ...? 何を言って...」
ダズ「どうしたら...そんなに勇気のいる行動が...できるのかなっていつも...思うよ」
エレン「俺は別に、自分が勇敢だ。とは思ってもないし、正義の味方ともヒーローとも思ってない」
ダズ「!」
エレン「だからダズに俺みたいに全部を話せとは言ってない」
ダズ「...」
エレン「...どうしても話したくなかったら...構わn「実はオレ...」
エレン・ミカサ「!」
ダズ「...エレンと同じ...で両親...いない...んだ」
-
- 239 : 2016/03/31(木) 00:28:48 :
エレン「えっ」
ミカサ「でも、野球部の懇親会には来て...」
ダズ「それは義理の両親達だよ」
ミカサ「!」
エレン「...」
ダズ「で、でも事故死だから...エレンみたいに複雑な別れ方じゃないよ!」
エレン「そ、そう...か」
ミカサ「じゃぁ今は、その義理の両親達と...?」
ダズ「あぁ、義理の両親と...あと...義理の妹も...」
ミカサ「妹...! だからさっき兄弟って」
ダズ「えっ!?き、聞こえてた!?」
ミカサ「うん」
ダズ「そ、そうか...」
エレン「い、言いにくいんだけどよ...その...ホームシックとかっていう...奴か?」
ダズ「ち、違うよ!!」
エレン「そ、そうか...悪い」
ダズ「...それで、義理の両親は優しい人達で...俺を本当の家族だと思って迎え入れてくれて...嬉しかったし安心した...でも」
ダズ「さっき言った、義理の妹...2つ下で今は中2なんだけども...あ、あんまり好かれてなくてさ...」
ダズ「もちろんそりゃ突然見ず知らずの奴が急に家に来て...それで兄妹ってなったら誰だって不審に思うから仕方ないんだけど...」
ミカサ「じゃぁダズが気にしてるのは兄妹の仲...?」
ダズ「そ、それもあるし...」
エレン「もう一個...あるんだな?」
ダズ「...うん」
ミカサ「それも話してほしい」
ダズ「...これは...こればっかしはエレンやミカサにわかってもらえないだろうけど...」
ダズ「俺昔から何やっても全然ダメで...勉強も運動も...だからなのか...本当の両親にもあまり愛されてなかった...と思う」
ダズ「そんな愛されなかった俺を...今では義理の両親が...愛してくれて...その...」ウルウル
ダズ「怖いんだ...また嫌われちゃうんじゃないかって...」ウルウル
エレン「...」
ダズ「高校行くためのお金や生活費を補ってくれたり...練習で汚くなったユニホームを洗ってくれたり...」ウルウル
義理の母「あら、ダズ君!おかえり!遅くまで頑張ってたわね!練習着脱いでカゴに入れといてね!洗っといてあげるから!」ニコッ
義理の父「おっ、ダズ君も帰ってたのか!どうだ~野球部の方は?」ニコッ
ダズ「疲れてクタクタになった俺に...美味しいご飯を作ってくれたり...」
義理の母「おかえり!丁度ご飯出来てるから、先にお風呂入ってきちゃいなさい!」ニコッ
ダズ「だから...だか、らっ...」グスンッ
ダズ「何か...申し訳なく...て」グスンッ
ダズ「! ご、ごめん!俺...こんなつもりじゃ...」
エレン「いいよ」
ダズ「えっ...」
エレン「構わないよ、お前がせっかく心開いて自分のことを話してくれてるんだ。嫌だなんて思わないよ」
ミカサ「うん、私達はもう甲子園を目指すチーム。その大切なチームメイトが悩んでるんだったら話を聞かなければ可笑しい。」
ダズ「え...エレン...み、ミカサ...うっ、うぅ...ごめんっ...お、おれぇ...」ポロポロ
エレン「つか、ずっと一人で悩んで抱え込んでたんだな...俺達が気付かなかった方が悪いよ、ごめん」
ダズ「な、なんでエレンが謝るんだよ!」
エレン「チームメイトが困ってるんだ、助けないことなんてねぇだろ?なのに俺らはそれに気づかないでいたから」
ダズ「!」ウルッ
ダズ「ごっ、ごめん...ちょ、ちょっと...うっ...トイレ...かり、る...」ギュゥッ
ミカサ「うん、リビング出て右、最初の扉」
-
- 240 : 2016/03/31(木) 00:31:19 :
ガチャッ
エレン「...あいつ、俺以上に辛く...しんどかったんだろうな」
ミカサ「...そう...かな...」
エレン「俺はまだ近所のおばさんとか...母さんがお世話になってた人達の支えがあったから大丈夫だったけど...」
エレン「あいつの場合...ずっと一人で...苦しんで...相談する人もいなかったんだ」
ダズ「ぐっ...うぅ...う...うわあ、あぁぁぁああああああああっっっっ!!!!」ポロポロ
ミカサ「でも義理の両親は優しかったって...」
エレン「そうは言っても、やっぱ本当の両親じゃなきゃ...言えないこともあるだろ?」
ミカサ「...そうだね」
エレン「それに...優しすぎても...時に相手を傷つける時もあるんだよ」
ミカサ「〔優しすぎる...か〕」
___________________
___________________________
__________________________________
ミカサ 8歳(小学3年生)
ミカサ「お兄ちゃん!いくよー!!」
リヴァイ「あぁ」
ミカサ「えぃ!」シュッ
パシッ
リヴァイ「ナイスボール!凄いなミカサは、もう50m投げられるようになったのか!」
ミカサ「えへへっ、でも...お兄ちゃんみたいに速くない...」
リヴァイ「ミカサの体がもっと大きくなって、練習をいっぱいすれば...俺みたいに投げられるかもな」
ミカサ「ぶーっ...あ、でもね!この間お兄ちゃんの友達に硬球ってボールを貸してもらったの!」
リヴァイ「はっ...?」
ミカサ「そしたらね!その友達がね、スライダーっていうお兄ちゃんも投げてr「誰からだ!?」
ミカサ「えっ...?」ビクッ
リヴァイ「誰から貸してもらったんだ!?」
ミカサ「い、いつもお兄ちゃんと一緒に帰ってくるモブって人だけど...どうしたの?」
リヴァイ「モブだな?チッ、あいつ...」ギリッ
ミカサ「お、お兄ちゃん?どうしたの?怖い顔して...」
リヴァイ「...ハァ、いいか?ミカサ...硬球っていうのはお兄ちゃんと同じ歳の人達から...小学4年生からしか使っちゃいけないボールなんだ」
ミカサ「うん!お兄ちゃんが使ってるから私も早く上手になろうと思って...そしたらね、その友達が貸してくれたの!」
リヴァイ「バカ野郎っっっ!!!!!!」
ミカサ「ぇっ...」ビクッ
リヴァイ「小さい子供はあのボールを使っちゃダメなんだ、なぜならボールが重くて硬くて怪我しやすいからだ!」
ミカサ「で、でもその友達はこのボールに早く使い慣れればもっと上手になるって...」
リヴァイ「そんなのは嘘だ、怪我をする確率が増えるだけだ!怪我をしたら最悪もう野球が出来なくなるかもしれないんだぞ!!」
ミカサ「...そ、そんなの...そんなの嫌だ...そんなの嫌だよぉっ!!お兄ちゃんと野球がしたいよぉっ!!」ウルウル
__________________________________
___________________________
___________________
ミカサ「〔あの時は怒った兄さんが怖くて、兄さんと野球が出来なくなると言われて泣いたけど...いつもの兄さんみたいに優しく教えてくれるんじゃなくて、時には厳しく強く叱ることも大切なのかもしれない...〕」
-
- 241 : 2016/03/31(木) 00:32:15 :
ガチャッ
ダズ「わ、悪い!遅くなった!」
エレン「おぉ、落ち着いたみたいだな!」
ダズ「...ありがとう!話せてよかった...スッキリしたよ!」
エレン「そうか、なら良かった!」
ミカサ「さぁ食べよう!まだまだおかわりがある!」
エレン「うぉっ、マジで!?じゃぁ俺おかわり!」
ダズ「お、俺も!」
ミカサ「うん」
ダズ「...あ、あとさ...」
エレン「ん?」
ダズ「今日帰ったら...家族と...ちゃんと向き合って話してみるよ!」
エレン「おう、頑張れよ!」
ミカサ「もし不安だったらまた私達に相談しても構わない」
ダズ「あ、あぁ!ありがとう!準決勝...見に来てもらうように誘ってみる!」
エレン「おぉっ!その勢いだ!」
ガチャッ
ケニー「たァらィま~///」ヨロヨロ
エレン「あっ、お邪魔してます!」
ダズ「お、お、お邪魔してます!」
ケニー「ん?おぉぉぉおおおぉぉぉぉおおおおおぉぉおおお?エレンにダズじゃねぇか!///」ヨロヨロ
ダズ「え、俺のこと...知ってるんですか...?」
ケニー「あっっっっっっっったりまえざねェかよォ?俺のかわうィ~かわうィ~ミィカサたんのたァいせつなァ?仲間なんだからy...うぶっ、やべ...はきそう...」グッ
ミカサ「飲み過ぎ、どうせまた席の近くに可愛い子がいたから、調子に乗ってイッキ飲みしたんでしょ」
ケニー「うぶっ...さ、さすがは...俺の...かわいい...かわいい...みかっ...うぶっ」オロロロロ
エレン「だ、大丈夫ですか!?」
ミカサ「エレンとダズはもう帰っても大丈夫だから」
エレン「え、でもよ」
ミカサ「後は私が処理するから」
エレン「あ、あぁ...それじゃぁお邪魔しました!」
ダズ「お、お、おぉお邪魔しました!」
エレン「また明日な!」
ミカサ「うん、明日」
ケニー「ぐァんばれよォ...うぶっ」オロロロロ
ミカサ「ハァ...仕方ない」
ケニー「わ、悪いなァ...毎回...まいかっ...うっ!?」
ミカサ「〔こういう時こそ...〕」
ミカサ「もう、なんでイッキ飲み下の!後々こうなることはわかってたんだから!次から無理しない程度に飲んで来なさい!!」プンプンッ
ケニー「ぁ...か、母ちゃん...?」
ミカサ「ボケても無駄!!」
ケニー「はい...すびばせん...」
ケニー「〔俺の可愛い姪の...ミカサちゃんはどこに行っちゃったんだぁ!?!?!?!?〕」
-
- 242 : 2016/04/07(木) 00:05:03 :
エレン達がカレーを食べている同じ時刻......
シガンシナ高校野球部監督である、アニ・レオンハートは
学校の支援金で借りているアパートで、ある人物を待っていた...
アルミン「...あ、のさ...」
アニ「なに?」
アルミン「誰か来るの...?」
アニ「そうだけど」
アルミン「僕...聞きそびれちゃったかな...あはは...」ハハハ
アニ「いや?私は言った覚えないけど」
アルミン「え...じゃぁ...僕いちゃ不味い...?」
アニ「あんたが居なかったら意味無いんだけど」
アルミン「あ、はい...」
・・・5分後・・・
アルミン「...あの...」
アニ「なに?」
アルミン「何か...怒ってます...?」アセ
アニ「なんで? あんた何かしたの?」
アルミン「ははっ...はははーっ...いや何も...」ニガワライ
アルミン「〔やばいよ、凄くやばいよ...どうしよう...アニがあぁやって逆ギレしてる時って物凄く怒ってる時だ...どうするアルレルト...どうする...〕」アセ
アルミン「ぁ...きょ、今日は暑いね!アイスでも食べようかな~...た、食べる?」
アニ「アイスなんてないでしょ」
アルミン「あ、あぁそうだったぁ~!僕何を勘違いしてたんだろう!」
・・・
アルミン「〔やばいって!いつもより5倍...いや8倍は愛想のない返事だぁぁああああ、何をしたんだ!?僕は...何を...何を...〕」アセ
「あんたさ...」
アルミン「ん!」
アニ「...また自分にだけ責任持たせて...悲劇の主人公演じるつもりじゃないでしょうね...」
アルミン「えっ...どういう...こと...?」
アニ「あんた...今頃になって私が気づいてないとでも思ったのかい?」グイッ
アルミン「いやっ...だから、なんのこと?」アセ
アニ「またそうやってしらを切って...あんた、いつまd ピンポーンッ
アルミン・アニ「!」
アニ「は、はい!今行く!」
アニ「取り敢えず...この話はまた後でね」
アルミン「え...いやだから...」
ガチャッ
アニ「上がって、狭いところだけど」
スタスタ
アルミン「〔アニは何のことを言ってるんだろう...僕がアニに隠し事?いやいや...何も...いやもしかして...〕」
「...おほんっ」
アルミン「! い、いらっしゃ...ッ、ここんばん...わ!」
アルミンとアニの住むアパートに入ってきた人とは...
アニ父「相変わらず変わってないようだな、糞小僧」
アルミン「〔あ、アニの...お父さん...!?〕」
-
- 243 : 2016/04/07(木) 00:05:31 :
アニ「まぁソファに座って」
アニ父「あぁ」
アニ「コーヒー?お茶?」
アニ父「お茶を貰えるか?少しばかり飲んできてな」
アニ「? 珍しいね、父さんが飲むなんて」
アニ父「今日は特別だ。古い友人と飲んでてな」
アニ「へぇ、だからこんなに遅かったんだね」
アニ父「それはさておきだ...で?俺にどうして欲しいんだ...アニ」
アルミン「...」
アニ「実はさ...見てもらいたい物があるんだけど」
ガサコソ
アルミン「〔! このDVDってシガンシナ(僕ら)の?〕」
アニ父「ほ~...まぁ大体言いたいことはわかった。」
アルミン「アニ...? 何をしようとしてるの?」
アニ「...今のシガンシナ(うち)の実力で...調査高校相手にどれぐらい通用するか...父さんに聞きたい。」
アルミン「!」
アニ父「全く...いきなり電話で呼び出したかと思えば...こんなことだろうとは思ったが...」
アニ「練習試合と公式戦含めて、全10試合分のDVD」
アニ父「...悪いが、やらないぞ」
アニ「父さん!」
アニ父「俺が最初から作ってるチームならまだしも、もう最初からお前が作ってるチームだ。俺が手を出せばチームが崩れるリスクがある」
アニ「で、でも!」
アニ父「ダメだ、俺にそんな責任は持てない」
アニ「...ハァ...わかってたさ...最初からこうは上手くいかないって...でもどうしても父さんの力が必要n「俺はただ、手出しはしないと言ったまでだ。」
アニ「え?」
アニ父「どういう判断を下すかは、お前次第だ...助言くらいならしてやるよ」
アニ「! 本当?」
アニ父「あぁ...」
アニ「...ふふっ、ありがとう」ニコッ
アニ父「ふん」
アルミン「...」
アニ「じゃぁDVD見といて、その間私お茶入れてくるから」
・・・2時間後・・・
ピッ アニ父「ふぅ...まぁざっと見た感じの感想だが...」
アルミン「」ドクンッ
アニ父「はっきり言えば、今のお前らの実力であいつらには......勝てないだろうな。」
アニ・アルミン「!」
アニ父「だが、現時点ではだ...完成度こそはまだまだだが...チーム全体のポテンシャルは何ら損傷はない。」
アニ「今はってことは...この先は勝てるの...?」
アニ父「そうだな...来年、いや今年の選抜を決める時には勝てるんじゃないか?だとしたら...今は選手の成長を目的に...「それはダメですッ!!!」
アニ・アニ父「!?」
アルミン「今年じゃなきゃ...今じゃなきゃ...ダメなんです...!」
-
- 244 : 2016/04/07(木) 00:06:07 :
アニ「あ、アルミン...? どうしたの、急に」
アルミン「あ...いやごめん、口を挟んじゃって...」
アニ「いやいいけど...」
アニ父「...どうしても...か?」
アルミン「えっ...?」
アニ父「どうしても...今じゃなきゃ...ダメなのか...?」
アルミン「ッ...はいッ!! 今じゃなきゃ...絶対にダメなんです!!!」
アニ父「...そうか」
アニ父「だが、実力では圧倒的に調査高校の方が格上だ。天と地の差...それでもか?」
アルミン「はい! どんなに実力差があっても...どんなに辛い試合になろうとも...どうしても、今...今大会じゃなきゃダメなんです!!」
アニ「〔アルミンが...冷静じゃない...? どうしたんだろう〕」
アニ父「...そのためなら、キャッチャー...辞められるか?」
アニ「ぇっ」
アルミン「辞めても構いません...いえ、僕がキャッチャーを辞めて勝てるなら...喜んで辞めます...!」
アニ「な、なに言ってるの!アルミン」
アニ父「...いいか、現状のお前らで...最高のスタメンで、あいつらに勝てる唯一無二の可能性を秘めているものがある、それは...」
アルミン・アルレルト...お前を4番にした、超攻撃的なベースボールだ。
アルミン・アニ「!」
アニ父「認めたくはないが...お前の、現段階の運動神経・才能・技術はチームでずば抜けてる...ある意味お前はこのチームの生命線だ。」
アニ父「DVD見る限りじゃ、今までは3番に置いてるな」
アニ「あ、うん...4番には凄い1年がいるから」
アニ父「確かにあいつもとんでもない才能と技術を持ってる...だが、彼...いや彼女には悪いが、あれ以上実力は伸びない。」
アルミン「〔えっ、どうしてミカサが女性ってことを...〕」
アニ父「それがどうしてかわかるか?」
アニ「...わからない」
アニ父「それは...彼女がお「あ、あぁぁぁあああ!そうだった!僕課題が残ってるんだった!!」
アニ「は...?」
アニ父「!」
アルミン「急いでやらないと!!」
アニ「いや、課題今日の休み時間にやってたでしょ」
アルミン「あ、あ、あれぇ...そ、そうだった!ごめん」
アニ「まったく...」
アニ父「〔まさかこいつ...〕」
アニ父「まぁなんにせよ...俺が考えるこのチームでのベストオーダーは...」
1番 センター ジャン
2番 サード コニー
3番 ピッチャー ベルトルト
4番 キャッチャー アルミン
5番 ショート ミカサ
6番 ライト ライナー
7番 ファースト トーマス
8番 レフト ミリウス
9番 セカンド マルコ
アニ父「これが今のお前らの最大火力かつ最大防御力でもあるだろうな」
アニ「ちょ、ちょっと待って...3番はミカサじゃないの?」
アニ父「あぁ3番・5番は少しばかり迷ったな...どちらでも良いと言えば軽く聞こえるが、どちらでも出塁率は高いだろうからな」
アルミン「確かに...これまでの試合...」
ミカサ 打率 .548 に対し ベルトルト 打率 .626
アルミン「本塁打数はミカサの方が多いんだけど、打点じゃベルトルトも負けてない...それに...」
アルミン「ベルトルトは長打も打てるけど、シングルヒットが最も多い打者だ。」
アニ「!」
アニ父「それでもまぁ...あの子を3番に置けば得点率は上がるかもな...どっちにしてもあの長身野郎は上位打線に抜擢しない手立てはない」
-
- 245 : 2016/04/07(木) 00:09:26 :
アニ「じゃぁ...もう一つ気になったんだけど...なんで7番にいたはずのマルコが9番に下がったの?」
アニ父「...それはまぁ...感だ」
アニ「は、ハァ!?」
アニ父「こればっかしは...高校野球をやってる奴にしかわからないだろうが...いわゆる、信頼関係って奴だ」
アニ「...意味がわからないんだけど」
アニ父「理屈じゃないからな...仕方ないことだが...主将の馬面いるだろ」
アニ「ジャンのこと?」
アニ父「そうだ、あのそばかすと馬面...相性というか...分かり合ってるんだよな...息もピッタリだ」
アニ「なら2番に置いたほうが良いんじゃない?」
アニ父「ならなんでお前はあいつを2番から外した?」
アニ「ッ、それは...」
アニ父「現時点で2番に的確なのはあのチビだ。小技なことは持って来いの野郎だ。」
アニ父「だが、そばかすはどうだ?バントは上手い...だが、所詮はその程度...調査高校に本気で勝ちに行くんなら...選手の犠牲も必要だ。」
アニ「わかってる...わかってるけど...」
アニ父「まぁ俺からは以上だな」
アルミン「ありがとうございました!」
アニ父「〔今のままじゃ...きっと守備時は苦労するだろうな...それにしても...〕」
アニ父「〔初戦で1回から交代したエース番号を背負った奴...もしあいつが今怪我をしていたとしたら...〕」
アニ父「〔エースの欠けた状態で...よくここまで這い上がって来れたな...〕」
アニ父「〔それにあの目といい...顔つき...まさか...アイツの子と関わるとはな...本当変な運命だ。〕」
アニ父「〔なぁ...お前もそう思うだろ...アルレルト〕」
-
- 246 : 2016/04/07(木) 23:07:20 :
そして、また同じ時間のある一家では...
ガチャッ
ダズ「ただいま」
義理母「あら、おかえりなさい!ダズ君!」
ダズ「おばさん、ただいま」
義理母「夕食は食べてきちゃったのよね?じゃぁお風呂入ってきちゃいなさい!」
ダズ「う、うん...!」
ドッドッドッド
「おか~さん、私のスマホどこにあるかしら...うわっ...」ヒキッ
ダズ「ッ、ミーナ...ただいま!」
ミーナ「...ねぇ、母さん!知らない?」
義理母「コラ、まずはおかえりを言いなさい!」
ミーナ「ハァ...なんで私が...別に帰ってこなくていいのに」ボソッ
ダズ「ぅっ...」ズキッ
義理母「あんたのスマホならリビングのテーブルにおいてあったわよ」
ミーナ「あぁ、そっか!」
スタスタ
義理母「...ごめんね、ダズ君...あの子も年頃だからあぁ言ってるけど、本当はそんなこと思ってないの」
ダズ「大丈夫ですよ...それに...俺、ちゃんとミーナとも...おばさんとおじさんとも向き合うって今日決めたんです!」
義理母「ッ、向き...合う?」
ダズ「あ、あのさ...この後ちょっと話があるんだ!だからおじさんが帰ってきたらリビングで集まってくれないかな?」
義理母「...ふふっ、いいわよ!何のお話か、楽しみに待ってるわ!」
ダズ「う、うん!」
ダズ「〔よし...明々後日の準決勝...見に来てもらうぞ...!〕」
・・・1時間後・・・
義理母「ミーナ、ちょっと降りて来なさい?」
ミーナ「エー、イマトモダチトデンワシテルンダケド~」
義理母「話したいことがあるの」
ミーナ「モー、ワカッタヨ」
スタスタ
義理母「あなた、ダズ君が話したいことがあるって」
義理父「ダズ君が?珍しいな...うん、すぐに行こう」
サッ
そして、カロライナ家のリビングに家族全員が集まった。
ダズ「あ、あ、あの...さ...」
義理母「うん、どうしたの?」
ダズ「も、もし良かったらなんだけど...」モゾモゾ
ダズ「〔や、やばい...緊張して...〕」
エレン「おう、頑張れよ!」
ミカサ「もし不安だったらまた私達に相談しても構わない」
ダズ「〔言うんだ...向き合うって決めたじゃないか...ちゃんと...家族と...〕」ゴクンッ
ダズ「あ、あの!「あのさ~、早くしてくれない?」
ダズ「えっ」
ミーナ「あんた何かに構ってられるほど、私暇じゃないの...だから、さっさと要件言ってお開きにして」
義理母「コラッ、ミーナ!!」
ミーナ「なんで怒るのよ!だって本当のことなんだもん!!」
義理母「お兄ちゃんがせっかくお話があるって言ってるのに、どうして聞けないの!」
ミーナ「話って言ったって...どうせ下らない話でしょ...」
義理父「まぁま、母さんとミーナ...まずはダズ君の話を聞こうじゃないか」
義理母「え、えぇ...そうね」
義理父「ダズ君、申し訳ないな...もう一度話してくれないか」
ダズ「は、はい!」
-
- 247 : 2016/04/07(木) 23:08:52 :
ダズ「......うん、大丈夫」ボソッ
ミーナ「〔は...?何が大丈夫?マジこんなダメな男何かに時間使ってらんないんだけど〕」
ダズ「じ、実は...今日の準々決勝...勝ったんだ...」
義理母「まぁ!凄いじゃない、ダズ君!!」
ダズ「う、うん...ありがとう!」
義理父「なら次は準決勝か...甲子園まであともう少しだな」
ダズ「は、はい...!」
「どうせ、あんたは足引っ張ってるんでしょ?」
ダズ・義理母「ッ」
ミーナ「なんだかんだで予想はつくもん...あんたが足引っ張って、ギリギリで勝った...もしくは、たまたま勝った...って所でしょ」
ミーナ「それに、友達から聞いたらあんたの学校...監督が女子生徒って聞いたけど...スポーツ舐めてるわよね」
ミーナ「ちゃんとした監督がいないで甲子園?行けるわけないじゃん...どうせ今は風向きが良いだけで、すぐ負けるわよ」
義理母「ミーナッ!!」
ダズ「大丈夫だよ、おばさん」
義理母「!」
ダズ「...確かにミーナの言う通り...俺はチームの足を引っ張ってばっかで...いつも皆に迷惑かけて...そのせいで危なくなった場面は多かった」
ミーナ「ほら」
ダズ「でも、俺達がこれまでの試合を運で勝ったというのは取り消して欲しい」
ミーナ「は...?」
ダズ「俺達は...本気で甲子園を目指してるんだ...だから、そのために毎日の練習が...自分との戦いが厳しくて...苦しくて、挫折を考えるほどもの...」
ダズ「だけど、監督は...そんな俺達の夢を本気で叶えさせてくれる応援と協力をしてくれるんだ!」
ダズ「今まで生きてきた中で...たった16年間だけども...今が一番...生きてて良かったって...思えるんだ!」
ダズ「だから...俺のことをどれだけ馬鹿にするのは構わない...けど、チームの皆を馬鹿にすることだけは...絶対に許さない!」
ミーナ「...な、なによ...名言言った気になって...」
ダズ「えっ、あ、いや...」
ミーナ「あんたのせいで...私や母さんや父さんがどれほど苦しんでるか...わかってるの...?」
ダズ「ッ」
ミーナ「あんたなんて...あんたなんて...」
義理父「やめなさい、ミーナ」
ミーナ「!」
義理父「お父さん達は、大丈夫だから...な?母さん」
義理母「えぇ、大丈夫よ!それに元気な男の子がいて、楽しいもの!」
ダズ「おじさん...おばさん...」ウルウル
ミーナ「なによ...私が悪者扱いになって...こんなの...こんなの絶対可笑しいッ!!」ダッ
義理母「ミーナ!」
ガチャッ バタンッ
義理父「...すまないな、恥ずかしい所を見せてしまって」
ダズ「だ、大丈夫ですよ!俺だって別にこんなつもりじゃ...」
-
- 248 : 2016/04/07(木) 23:09:17 :
義理母「そう言えばお話って...結局なに?」
ダズ「えっ、あっ!...あの、よければ...明々後日...イースト・ウォールマリア球場に...来てください!」
義理父「明々後日...もしかして準決勝かな?」
ダズ「は、はい!」
義理母「まぁ!ダズ君が出るの?嬉しいわぁ!是非見に行くわ!」
ダズ「ほ、本当ですか!? あ、いや俺は試合に出れるかどうか...」
義理母「でも、準決勝って確か決勝の前だったでしょう?凄いじゃない!おばさんも鼻が高いわ!」
ダズ「い、言い過ぎですよ」ハハハ
義理父「うん、是非とも応援に行かせてもらおうかな」
ダズ「し、仕事と被ってたりしませんか?」
義理父「あぁその日は特に予定がないから、それに...さっきダズ君がミーナに言ったことが胸に刺さってね」
ダズ「え...?」
義理父「チームの皆が本気で甲子園を目指している...そして、そのための練習が辛く・厳しく...毎日が自分との戦い...正直感動したよ」
義理母「えぇ、とても重みがあったわ」
義理父「本当の家族でもない私達に...ダズ君が勇気を振り絞って誘ってくれたんだ...見に行かないわけにはいかないよ」
ダズ「お、おじさん...あ、ありがとうございますッ!!!」
義理母「ミーナにも伝えておくからね!」
ダズ「あ...はい!ミーナに...見てもらいたいんです、こんなどん底男でも...諦めずに戦えば、チャンスは来るってことを!」
義理父「うん、きっと伝わると私は思うよ」
義理母「私もそう思うわ!明日のお昼ごはんも頑張って美味しい物にするからね!」
ダズ「あ、ありがとう!」
ダズ「〔良かった...ちゃんと向きあえば...ちゃんと話せば...わかってもらえるんだ...エレン達に御礼言わなきゃな...〕」
-
- 249 : 2016/04/07(木) 23:09:34 :
翌朝
スタスタ
ダズ「ふぁ~あ~ぁ...お、おはよう、おばさん」
義理母「おはよう!今朝ご飯作ってるから少し待っててね!」
ダズ「はい」
ダズ「〔先に顔を洗ってこよう...〕」スタスタ
ダズ「!」
ミーナ「ん...どいて、邪魔」
ダズ「あ、あのさ...ミーナ!」
ミーナ「なによ、うるさいわね」
ダズ「も、もし良かったら...明後日...準決勝があるんだ...見に来てくれないかな?」
ミーナ「ハァ?なんで私があんたの応援に行かなきゃいけないのよ!」
ダズ「実際に見て欲しいんだ、俺の...俺達の本気さを...」
ミーナ「なにその本気さって...あんたわかってないみたいだから、言っとくけど」
ミーナ「私中学校で...あんたが兄弟になってから、毎日馬鹿にされるようになったんだからねッ!!!???」
ダズ「えっ...!?」
ミーナ「今まで普通に接してた友達だって...あんたが兄弟だって知って、私を避けるようにして...」
ミーナ「勉強もダメ、運動もダメ...顔だってブスだし...そんなマダ男(まるで駄目な男の略)が兄弟って知られたら...そうなるわよ!!」
ミーナ「あんたが...うちに来なきゃ、何も苦しまずにすんだのに!!」ダッ
ダズ「ぁ...」シュンッ
-
- 250 : 2016/04/08(金) 23:00:08 :
練習前
スタスタ
エレン「よぉ、ダズ」
ダズ「え、エレン!おはよう!」
エレン「どうだ?話せたか?」
ダズ「あ、あぁ...お陰で話せたよ!」
エレン「そうか!良かった!」
ダズ「迷惑かけて悪いな!」
エレン「何言ってるんだよ、困ったときはお互い様だろ?」
ダズ「...ありがとう」
ジャン「おーっし、じゃぁ全員集まったみたいだな?練習始めるぞ!」
「オーッ!!」
ダズ「〔これ以上...チームの皆に迷惑は掛けられない...自分で何とかしないと...〕」
数時間後...
ジャン「おーっし...じゃぁ休憩な、水分忘れずにとれよ!今日は暑いからな!」
「うぃーっす」
タッタッタ
クリスタ「みんな~!」
ジャン「〔神様...〕」
トーマス「〔女神...〕」
ライナー「...結婚したい」
ユミル「おい、ライナー...今何か言ったか?」ギロッ
ライナー「...いやなんでもない」
クリスタ「暑い中練習お疲れ様!これ私達からの差し入れなんだけど、良かったら受け取って!」
「うぉぉぉおぉおおおおおっっ!!!チューチューアイス!!!」
サシャ「神ィィィィィィイイイイイイッッッ!!!!!!」
クリスタ「ごめんね、こんな安っぽいのしか持ってこれなくて...どうせならもっとちゃんとしたアイスが良かったよね...」
トーマス「そ、そんなことないよ!俺チューチューアイスめっちゃ好き!〔あとお前のことも好きだ!〕」
マルコ「そ、そうだよ!差し入れもらって嫌がる人なんていないよ!それにこんな暑い中わざわざ来てもらって、こっちこそごめん〔あわよくば、ここで評価を上げて...!〕」
ライナー「クリスタ...その...良かったら片方俺のw ガシッ
ユミル「ありがとよ、こいつはサシャにでも上げといてやるよ」ギロッ
ライナー「...あ、あぁ頼む...」アセ
ジャン「あっ、コラァ!コニー!!お前何2本目食おうとしてるんだよ!!」
コニー「ハァ!?俺まで1本しか食ってねぇよ!!」
ジャン「今その手に持ってる奴が2本目ってことだ、バーッカ!!!」
エレン「ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
ピトッ エレン「うぁッ!?」サッ
ミカサ「これ、クリスタからの差し入れ」スッ
エレン「あ、あぁ...悪い...ってか、お前!いきなりなにすんだよ!?」
ミカサ「エレンが前、私にやってきたことをやり返しただけ」
エレン「アイスでやってないだろ!? あの時は水でやっただろ!?」
ミカサ「アイスも水も変わらない、同じ冷たい物」
エレン「アイスの方が冷たいだろッ!?」
ミカサ「どっちだって変わらないじゃない...」
「もうすぐだね!エレン!」
エレン「あ? あぁ...クリスタか」
クリスタ「あ、ごめんなさい...ミカサと話してたんだね」
エレン「いや...別に大丈夫だけどよ」
ミカサ「」プスーッ
クリスタ「エレン大丈夫? ハンジ先生から聞いたけど、怪我してるって」
エレン「え? まぁ大丈夫じゃないと言えば確かだが...」
クリスタ「た、大会には間に合いそうなの?」
エレン「いやまぁ...「クリスタ、今エレンは練習で疲れている。ので、あまり質問責めはやめてほしい。」
エレン「はっ!?」
クリスタ「そ、そうだよね...! ごめんね!練習頑張って!ミカサも」
スタスタ
エレン「...なんで追い返したんだよ」
ミカサ「エレンが、答えづらそうだったから」
エレン「...まぁあながち間違っちゃねぇけどよ...さてと、走るか」
ミカサ「え、エレン!まだ休んでた方が...」
エレン「何言ってるんだよ、俺はお前達に置いて行かれてるんだぞ? そんな奴がのんびり歩いてられるかよ!」
エレン「一秒でも早く、またお前らと野球がしたいんだよ!」
ミカサ「ッ」
エレン「じゃぁ、この後ノックとかだろ? 俺外周行ってくるから、監督とジャンに伝えといてくれ」ダッ
ミカサ「エレン...」
-
- 251 : 2016/04/08(金) 23:02:07 :
スタスタ
アニ「! ピュレさん!?」
ピュレ「あ、どうも!」
アニ「な、何しにいらしたんですか?」
ピュレ「あ、いえ!アルミン君に用がありまして!」
アニ「〔またアルミンに...?〕」
ピュレ「えぇ~っと...あ!アルミン君!!」
アルミン「え?あ、ピュレさん!どうも」
ピュレ「例のアレ...」
アルミン「...! わかりました!」
ピュレ「じゃぁ教室を借りようか!」
アルミン「そうですね...アニ、ちょっと抜けていいかな?」
アニ「...なんで?」
アルミン「えっ、いやまぁそりゃ...取材...があってさ!」
アニ「...監督の私に一切アポが来てないんだけど」
ピュレ「あぁそのことでしたら、ハンジ先生にいってるはずです!」
アニ「ハンジ先生に?」
アルミン「うん」
アニ「...そう、なら行ってくれば?」
アルミン「う、うん...ありがとう!すぐ戻ってくるよ!」
タッタッタ
アニ「...」
練習後のミーティング
アニ「それじゃぁ、サシャから資料をもらってから席について」
エレン「〔そう言えばこの視聴覚室...すっかり野球部専用になってないか...?〕」
アニ「それじゃぁ皆もらったね?」
「はい!」
アニ「じゃぁサシャ、お願い」
サシャ「はい、任されました!」
サシャ「次の相手は、もう皆さんご存知かと思いますが、相手は名門中の名門校...駐屯高校です!」
サシャ「では、まず駐屯高校がどんなチームかを話していきます。」
サシャ「駐屯高校は、とにかく守備が堅いチームです。食べ物に例えるなら...そう!フランスパンの如く、堅いです!」
ジャン「〔例えが可笑しいだろ、例えが!〕」
サシャ「その守備力の要因が...彼、2年生ながら正捕手でクリーンナップを任されている。【イアン・ディートリッヒ】選手です」
サシャ「彼の特徴は、説明が面倒なので...簡単に言ってしまうと...アルミン先輩が相手だと思ってもらって構いません!」
トーマス「〔ぜってぇ、説明考えてきてないだろ!!〕」
サシャ「彼の武器はなんといっても、アルミン先輩よりも地肩が強く・相手の癖や特徴を読んだリードです。」
マルコ「〔いやいやさすがに、アルミン先輩怒るんじゃ...〕」チラッ
アルミン「」コクコク
マルコ「〔うなずいちゃってるよッ!! もう認めちゃったんですね! あのアルミン先輩が!!〕」
サシャ「更に、彼はキャプテンでこそないですが...チーム全体を引っ張る、リーダーシップ力があります。おかげで内野はマリア内...いえ、全国でもトップクラスの鉄壁と言われています!」
ジャン「鉄壁...か」
トーマス「ん?どうした?」
ジャン「いや...何か俺ら守備が堅いチームとばっか当たって来たからなのか、あんまりビビらねぇっつぅか」
マルコ「え...」
ライナー「あぁ確かにな...4回戦での中央憲兵も守備には定評があったしな」
ミカサ「それに昨日の準々決勝のバルト学院もそうだった」
アニ「うん、その通りだね」
「え?」
アニ「これまで当たってきた学校のほとんどが守備に定評があって、そしてその守備力を打ち抜き...勝ってきた、火力の高さじゃ互角だと思っても良いよ」
ミリウス「何か今日の監督...優しい?」ボソッ
コニー「俺もそう思った!」ボソッ
ダズ「な、何か良いことでもあったのか?」ボソッ
エレン「って言うより、俺達が日々成長してるってことだよ」
「えっ?」
アニ「うん、エレンの言う通り...あんた達は日々成長してる、これは紛れも無い事実だよ。」
アルミン「でも、まだまだ改善しなきゃいけない課題はあるよ」
「!」
アルミン「だからこそ、僕らはまだまだ成長出来るってことでもある。そうでしょ?アニ」
アニ「そう」
「おぉぉぉ~!」
-
- 252 : 2016/04/08(金) 23:04:11 :
サシャ「ん”ん...少し話は脱線しましたが、注意すべき選手はまだまだいるんです!」
サシャ「内野が鉄壁と言われてるくらいですから、内野の選手も逸材が揃ってます」
サシャ「まずは、ファーストのフーゴ選手です。足はそこまで速くないですが、パワーとミート力があり、守備でもいくつかファインプレーを見せています」
サシャ「次に、セカンド...ハンネス選手ですね!一見、あまり上手くなさそうな顔をしていますが...」
「〔今酷いことをさらっと言ったよな、こいつ〕」
サシャ「派手なプレーはしないですが、安定したプレーをするタイプです。バッティングでも、いぶし銀で渋い当たりを打ちますね。」
サシャ「そして、次はショートのグスタフ選手です。先ほど説明したハンネス選手とは対照にトリッキーなプレーを好む選手です。バッティングもそうですが、守備時では特にゲッツーを狙うことが出来る選手です!」
エレン「〔珍しくきちんと説明したな〕」
サシャ「内野の最後はサードのミタビ選手、小回りな技は出来ないものの大胆なプレーは出来る選手です!特に肩が強いですね!バッティングでもパワーが高く、ホームランも多く打っています!」
サシャ「そして...最後に対する外野手ですが...内野ほどの逸材は揃っていません。」
ジャン「まぁ確かに、外野は特にマークするほどの選手がいなかったな...」
サシャ「エースである...キッツ選手についてですが、コントロールが悪く・球種もそんなに多くはないです。決め球はフォーク、カウント稼ぎにシュートなどを使っています。」
ジャン「コントロール悪いから、速球派かと思ったが...案外技巧派なのか」
サシャ「いえ、速球派ですよ!MAX130km後半です」
ジャン「先に言えよ!!」
アニ「はっきり言って、うちとの相性はあんまり良くないだろうね」
マルコ「えっと...それは...守備が堅いからですか?」
アニ「ううん、そうじゃなくて...恐らくあっちも私達のことを研究してくる相手だと思うの」
コニー「研究!?俺理科の実験なんて無理だよぉ!!」
ジャン「そっちの研究じゃねぇよ!?」
アニ「研究してくるならまだしも、あっちは選手層も厚いから交代人数が多いってわけ...するとどうなるか、わかる?」
エレン「えっと...より多くの戦略を立てられる?」
アニ「そういうこと、あっちもあっちでうちとの相性のよし悪しを考えて、色んなシフトを用意してくると思う」
エレン「シフト...」
-
- 253 : 2016/04/08(金) 23:04:40 :
___________________
___________________________
__________________________________
調査高校2軍との練習試合...
アルミン「トーマス!そのまま渡して!!!!」
トーマス「アルミン先輩ッ!」シュッ
敵モブセンター「ッ!!」スッ
アルミン「なっ!? 〔ボールが逸れた!?〕」ダッ
パシッ アルミン「〔キャッチはできた...けどッ〕」チラッ
ズサーッ
アルミン「〔まずい......踏むッ〕」スッ
ドサッ!
ズサーッ!
_____________________________________________
ドッ!!!
リヴァイ「お前じゃ俺には勝てない」
シュッ!!!
ミカサ「...うぉぉぉおおおおッ!!!!」スッ!!
スッバシーンッ!!!
審判「ストライク!バッターアウト!ゲームセット!」
エレン「あ、あの...あのッ、あ、あし...グスンッ...うぅっ」ポロポロ
アルミン「ッ...」
エレン「まけ、まけ...ました...グスンッ...」ポロポロ
アルミン「...」ガシッ
アルミン「ごめん...何も出来なくて...ごめん...」ギュゥッ
__________________________________
___________________________
___________________
エレン「〔もうあの時の俺達とは...違うよな〕」
「...ン...レン...エレン?」
ミカサ「エレン!」
エレン「ッ、お、おう」
ミカサ「大丈夫?」
エレン「あぁ、少し疲れてボーッとしてただけだ」
ミカサ「そう...無理はしないで」
エレン「わかってるよ」
アニ「かと言って、こっちもただ単に戦ってたら勝ち目はないから...こっちも勝率の高い戦い方でいくよ」
マルコ「えっ、勝率の高い戦い方?」
アニ「うん、うちにも駐屯高校相手にちゃんと勝機はあるの...なんだと思う?」
トーマス「えっと...単純に考えたら...」チラッ
ライナー「まぁ...そうなるよな」チラッ
ミカサ「...?」
アニ「残念ながら、今回はミカサを中心でやらないよ」
エレン「残念...ながら?」
アニ「うちが唯一、あのイアンと戦って...勝った...そして、何よりうちが最も主力として引っ張ってってるのは誰か...」
ミリウス「!」
アニ「アルミン...頼んだよ」
アルミン「...うん、最初からそのつもりでいたよ」
コニー「やっぱアルミン先輩だよなぁ!あれ、でもアルミン先輩ってイアンより肩が弱いんじゃなかったっけ...?」
アルミン「ごめんねぇ、肩が弱くて」ニコニコ
「〔馬鹿め...〕」
アニ「確かにアルミンはイアンと比べれば、パワーでは敵わない...」
アルミン「え、ちょ...」
アニ「でも、そんなコイツでも...勝ってるところもあるんだよ。それは...」
アニ「イアンと少し似てるけど、相手の癖や特徴を読んだリード...それにプラスα...投手とのコミュニケーション、相手の裏をかくリード。がね」
「!」
アルミン「〔! アニ...〕」
アニ「それにイアンより勝ってるものはもう一個...知ってる?今コイツの打率」
ベルトルト「えっと...」
コニー「はいはいはい!俺覚えてる!」
「〔やめろ!また火に油を注ぐ気か!!〕」
コニー「えーっと、確かぁ。.495だったっけ?」
「〔嘘つけぇぇぇぇえええ!!!!〕」
アニ「そっ、打率ではあっちが3割、こっちはほぼ5割の4割」
「〔えっ...!? マジ?〕」
アニ「バッティングじゃ、こっちの方が有利だからね!」
「は、はい!」
-
- 254 : 2016/04/08(金) 23:05:01 :
アニ「じゃぁ今日は最後に明後日の打順を言ってから解散ね」
ジャン「〔もう組んでるのか...まぁ確かに変更点無ければ早めに言った方がいいしな〕」
アニ「1番、センター ジャン」
ジャン「はい!」
アニ「2番、サード コニー」
コニー「おっす!」
アニ「3番...ショート ミカサ」
「えっ!?」
ミカサ「はい」
アニ「4番、キャッチャー アルミン」
アルミン「はい」
アニ「5番、ライト ライナー」
ライナー「はい!」
アニ「6番、ピッチャー ベルトルト」
ベルトルト「はい!」
アニ「7番、ファースト トーマス」
マルコ「えっ」
トーマス「え、あ、はい!」
アニ「8番、レフト ミリウス」
ミリウス「! はい!」
アニ「9番、セカンド マルコ」
マルコ「は、はい!」
アニ「以上、今日寝る前とかにしっかりイメトレしてくるんだよ!」
「お疲れ様でしたッ!!!」
ジャン「〔おいおい、マジかよ...今頃変更かよ〕」
エレン「〔代わったのは3・4番だけじゃなくて、7・8・9番も代わるのか〕」
ダズ「〔ついにスタメン落ちか...そうだよな、トーマスよりエラーするし...打てないし...〕」
エレン「ダズ!元気出せ!」
ダズ「お、おう!」
エレン「代打とかで一発打ってやろうぜ!」
ダズ「...あ、あぁ!そうだな!」
-
- 255 : 2016/04/21(木) 22:55:53 :
翌朝
ジリリリリリッ
カチッ エレン「う~ん...あと10分...」ムニャムニャ
ピロピロピロッ ピロピロピロッ
エレン「う~...だれだよ、こんな朝から...」
ピロピロピロッ ピロピロピロッ
ガバッ ガチャッ
エレン「誰だよッ!! 朝っぱらから電話かけてくる馬鹿はッ!!!」ガミガミ
「あ、やっと起きた。おはよう、エレン」
エレン「なんだよ、ミカサかよ...ってまだ朝の5時半だぞ...練習は7時からだろ」ゴシゴシ
「うん、そう」
エレン「なら、なんでかけてきたんだよ...寝るぞ、俺は」イライラ
「ちょっとテレビを見て欲しい」
エレン「テレビ? なんでだよ」
「いいから」
エレン「あぁ~...目的を言え!目的を!」
「見ればわかるから、早くWHK(日本でいうNHK)を見て欲しい」
エレン「わかったよ...見ればいいんだろ、見れば」スタスタ
ピッ
エレン「〔ってか、この時間のWHKって熱闘高校野球ウォールマリア選手権の番組がやってる時間帯じゃねぇか〕」
「つけた?」
エレン「今つけたよ...ッ」ポロッ
ガタンッ ガタンガタンッ
エレン「な、なんだよ...これ...」
-
- 256 : 2016/04/21(木) 22:56:14 :
ニュースキャスター「さぁ、やって参りました!今日の熱闘ウォールマリア選手権の時間です!それでは松岡さん、よろしくお願いします!」
松岡「はい、今回のインタビューは...なんとあの選手に会ってきました!!」
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
松岡「さっ、今回はここ...シガンシナ区の都市部にある、シガンシナ高校にやってきました!」
キーンッ キーンッ
松岡「おぉっ!やってますねぇ!選手達の真剣な眼差しがこう...グッときますねぇ!」
スタスタ
松岡「さて、今回は中学時代では一躍有名になった、自由の翼の正捕手・またの名も蒼の騎士、センターマリア中学校出身の...アルミン・アルレルト選手にインタビューしていきたいと思います!」
スタスタ
アルミン「よろしくお願いします。」
松岡「どうも、初めまして!」
アルミン「あ、どうも!初めまして!」
松岡「えぇ、早速ですが...インタビューさせていただきたく思います!」
アルミン「はい、よろしくお願いします!」
松岡「TVインタビューされるのは...初めてですか?」
アルミン「そうですね...TVは初めてで...少し緊張しています」ハハッ
松岡「大丈夫ですよ!そう固くならずに! いやぁそれにしても...実際に会ってみて思ったんですが」
松岡「雰囲気ありますね!」
アルミン「えっ、そ、そうですか?」
松岡「何かこう、気力というんですかね...そういうオーラが伝わってきます!」
アルミン「本当ですか...今まで一度も言われたことがなかったので、少し嬉しいです!」
松岡「では改めまして...今回インタビューする、その内容なんですが! こちらに書いてあります!」 ババンッ
松岡「【その1 アルミン選手が野球をするようになった、きっかけとは!】」
アルミン「そうですね、僕は幼稚園の頃に父と一緒にプロ野球の試合を見に行ったんです。その時に見たワンプレーがきっかけですかね」
松岡「おっ、そのワンプレーとは?」
アルミン「9回ツーアウトランナー、二塁で4番が逆転サヨナラホームランを打った...このワンプレーで僕のありとあらゆる細胞が興奮し、一目惚れでした」
松岡「なるほどぉ!確かにそのプレーは野球をやっている誰もが興奮するであろう場面ですね!では次に」 ババンッ
松岡「【その2 アルミン選手はなぜキャッチャーを選んだのか!】」
アルミン「これも父のきっかけなんですが、父も前に野球をしていたと聞き、それ以降自分も父と同じポジションでやってみたいと思うようになってから...ですかね」
松岡「お父さんの背中を追いかけて...ということですね!いやぁ僕もそういう子供が居てくれたら感動して涙が出てきちゃいますねぇ!」
松岡「さて、次が最後の質問になります。 【その3 アルミン選手の目標とは?】」
アルミン「目標ですか...もちろんそれは甲子園出場、すなわち打倒調査高校です。」
松岡「おぉぉっ、打倒調査高校ですか!凄い目標ですね!」
アルミン「はい...ですが、僕の目標はあくまでも甲子園です...」
アルミン「いくら、調査高校との勝負にこだわっても...結果がすべてです」
松岡「というと...?」
アルミン「何も僕は調査高校との勝負にこだわってないということです。 このチームで甲子園に出れるなら...結果を出すまでです」
松岡「なるほど!では【なぜシガンシナ高校で甲子園を目標にするんですか?】」
アルミン「そう...ですね...この話は長くなるんですが...」
松岡「大丈夫です!いざとなれば、他のニュースをカットしますので!」
アルミン「ははっ、それはそれでまた...」ハハッ
アルミン「僕がこの学校で...シガンシナ高校で甲子園を目指そうとしてる理由...それは...」
-
- 257 : 2016/04/21(木) 22:59:19 :
_______________________________
___________________________________________
_____________________________________________________
それは...僕が小学校5年の時のことでした...
その頃の僕は、近所のリトルチームに入ってました。
そんなある日の、練習帰りのことです...
僕の幼馴染で、僕と同じく甲子園を目指してる子が...突然衝撃的な一言を口にしたのです。
河川敷
スタスタ
ゴクゴクゴクッ アルミン「ぷはぁっ、今日の練習もきつかったね...」
スタスタ
アルミン「今日も暑いから、きっちり水分補給しといた方がいいよ? ...聞いてる?」
「ねぇ、アルミン...知ってた?」
ピトッ アルミン「何を?」
「今日...監督から聞いたんだけど...私...甲子園に出れないんだって...」
アルミン「えっ...」
「女の私は...野球をやれるのは、小学生までだって...言われちゃった...」
アルミン「え...あ、え...」オドオド
「毎日毎日...高校生になったら、二人で甲子園に行こうねって...練習してたのに...」
「...何か私...馬鹿みたい...何のために、今まで汗水たらして...バット振ってきたんだろ...」
「あんなに必死に...あんたと甲子園目指してたのに...」
アルミン「ぁ...ぁ...」
スタスタ クルッ
アニ「あ~ぁ...立ってみたかったな...アルミンと一緒に...野球...してみたかったなぁ...あの場所で...」ウルッ
アルミン「ッ...」
アニ「だから...帰ったら...お父さんに伝えるの...」
アニ「野球はもう...辞めるって」ニコッ
アルミン「ぇっ...」
アニ「じゃぁ...私、もう帰るね!」ダッ
アルミン「あ、アニ!」
タッタッタ
-
- 258 : 2016/04/21(木) 22:59:56 :
-
その時に、実感しました。
僕はなんて...無力なんだろう。って
彼女が苦しんでいるのに、どうして僕は何も言ってあげられないんだろう。って
そして、僕は彼女が言ったその時の言葉である決断をしました。
選手としてでは甲子園に出れない、けど...
マネージャーや監督としてなら...彼女に甲子園の土を踏ませることは出来る。と
それと同時に僕は...あることを思ったのです。
甲子園に出るために必要なのは...
僕
が
強
く
な
っ
て
誰
に
も
負
け
な
い
よ
う
に
し
な
き
ゃ
ダ
メ
だ
。
彼女にもう...
涙を流させちゃダメだ。
彼女にこれ以上...
悲しい想いをさせちゃダメだ。
彼女に二度と...
夢を奪うような気持ちにさせちゃダメだ。
-
- 259 : 2016/04/21(木) 23:16:02 :
と...そのために僕は、中学を彼女と離れ...
強豪校である、センターマリア中学校を受験。自分を磨き上げるために...
小学6年の夏のこと...
アルミン「アニ!話があるんだ!」
アニ「なに?」
アルミン「あの...僕さ...中学は...」
アニ「うん、地元の南シガンシナ中学校でしょ?私もそこだけど」
アルミン「そ、そうじゃないんだ...!!」
アニ「え...?」
アルミン「い、言い難いんだけど...僕、中学受験することになったんだ!」
アニ「...そ、そう...どこ受ける...の?」
アルミン「...センタマリア中」
アニ「センタマリア中って...最近野球で強豪校になった新設校じゃ...ってまさかあんた...」
アルミン「あ、いや...スカウトは来なかったよ...ものの見事にスルーされちゃってさ!」アハハッ
アニ「じゃぁ何...一般入試?」
アルミン「うん」
アニ「そう...家から通うの?」
アルミン「さすがに...毎日3時間も電車に揺られながら行くのは厳しいから、あっちに別荘があるんだ。だから、家族揃ってそっちに引っ越すことに...なっちゃう」
アニ「ッ...そう...もう...会えないんだね...」
アルミン「そ、そんなことないよ!会おうと思えばいつだって会いに行くし、メールだって電話だって出来るから! その...」
アニ「...ふっ、あんたらしいフォローだね」クスッ
アルミン「え、あぁ...う...ごめん...」
アニ「なんで謝るのさ、別に仕方ないことでしょ...でもま...」
アニ「寂しくないって言ったら...嘘になるかな」クルッ
アルミン「あ...アニ...」
アニ「じゃ、勉強で忙しいんでしょ?さっさと帰ったら?」
アルミン「う、うん...じゃぁ...また明日」
アニ「...」
アルミン「〔ごめんアニ...でも...絶対に強くなって...帰ってくるから...〕」
アルミン「〔だから...それまでは...〕」
アルミン「アニ!」
クルッ アニ「?」
アルミン「離れてても...ずっと...ずっと...友達だから!!!」スッ
アニ「ッ...あ、当たり前...じゃない!!!」
アルミン「〔本の少しだけ...少しだけの...別れだから〕」ウルウル
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-
- 260 : 2016/04/21(木) 23:16:31 :
アルミン「これが...僕がこの学校で甲子園を目指している...真実です。」
松岡「...グスンッ、ありがとうございましたっ!!」
アルミン「...え?」
松岡「いやぁもう涙しか出ません!アルミン選手にそんな過去があったなんて思いませんでした!」
アルミン「いやいや、どこにでもある話だと思いますよ。」
松岡「今、その方に何か言いたいことはありますか?」
アルミン「あ...えと...その...」
アルミン「今年こそ絶対に...甲子園に連れて行くから...もう少しだけ...待っててください。」ペコッ
ピッ
エレン「...なんだよ...これ...」
エレンがその番組を見てる同じ頃...
とある寮では...
カチャッ ゴソゴソッ カランカランッ
アニ「ん...もう朝...」
クンクンッ アニ「アル...ミン?」
アルミン「あ、おはよう!アニ!」
アニ「何してるの」
アルミン「いやぁ、たまには朝ご飯作ろうかと思ってさ!」
アニ「いつもは私に起こされるくせに...今日はやけに早く起きるんだね」
アルミン「あ、あぁそう...だね!たまたま目が覚めちゃったんだよ!うん、たまたまた!」
アニ「なにその白々しい言い訳」
アルミン「そ、そんなことないよ!あ、ほら!机に座って!」
スタスタ
アルミン「これ、今日のおかずね!」
アニ「〔また豪華な朝食を...ってあんたにとってはこれが普通なんだっけ...〕」
アニ「待ってる間暇だし...テレビでも見ようかな」ガシッ
スッ
バッ アルミン「あ、アニ!! 何しようとしてるのさ!!」
アニ「は...? 何って、テレビ見ようとしてるんだけど」
アルミン「きょ、今日は面白そうな番組はやってないよ!」
アニ「そう?でも、WHKで熱闘高校野球やってるんじゃ」
アルミン「あ、うん...その番組今日はやんないらしいよ!何か昨日凄い事件あったしさ!」
アニ「あぁ...アレね...ま、潰れても仕方ないか...」
アルミン「〔ふ、ふぅ...良かった、アニには見せられないよ...〕」
アニ「でもま、どっちにしろ...WHKってニュース番組やってるし、今日の天気も見たいから」
バッ アルミン「あぁぁぁぁあああああっっ!!! そうだった!! 今日僕見たい番組あるんだったぁぁぁああああ!!!!!」
アニ「え?なに?」
アルミン「た、確か...これだったかな?」ピッ
「マジカル~、ヒストリアッ!! ♪♫♪」
アルミン「げっ...!?」
・・・
アニ「へぇ、あんたこんな趣味あったんだァ...ふ~ん、10年間一緒にいたけど、シラナカッタナァ」
アルミン「ウ、ウン...ジ、ジツハ...ボク、コウイウシュミガアッタンダァ...ハハハッ」シロメ
-
- 261 : 2016/04/27(水) 23:02:13 :
・・・練習開始前・・・
スタスタ
エレン「ちわーっす」
「ちわーっす」
コニー「おう、エレン!見たか?朝のアレ」
エレン「えっ、朝のって...アレのことか?」
コニー「そうだよ!それ以外何があるんだよ!」
エレン「あ、あぁそうだな...悪い」
コニー「びっくりしたよなぁ、何の予告もねぇもんよ」
エレン「そうだよな...でも...アルミン先輩と監督にあんな秘密があるなんて...思わなかった」
コニー「...は? なんでアルミン先輩と監督が出てくるんだよ!」
エレン「は...? いや...いやいや...は...? お前今朝のWHKの話してるんだろ?」
コニー「WHK?なんだそれ?「バーッカ、熱闘高校野球の話だよ」
エレン・コニー「!」
ジャン「よぉ、今日は早いんだなお前ら」
エレン「ジャン...お前ももしかして...」
ジャン「あぁ見たぜ、糞ババアに起こされて驚いたぜ」
コニー「お、おい!何の話してんだよ?」
エレン「俺はミカサから電話が来て...「ハァァァアアア!?」
エレン「? なんだよ」
ジャン「ミカサから...電話だと...!? モーニングコールだと!? ふざっけんな、てめぇ!!」ガシッ
エレン「なっ、急になにすんだよ!? 服が破れちゃうだろうが!」
ジャン「服なんかどうでもいいだろ!! 羨ましいッ!!!」
「二人共落ち着いて欲しい」
エレン・ジャン「あぁ?」
ミカサ「おはよう」
ジャン「み、ミカサ...お、おう...おはよ」
ミカサ「ジャンは見た?今日の」
ジャン「あぁ...その件に関しては...また後で話す、いいな?」
エレン・ミカサ「うん」
コニー「なぁ? だから何の話してんだよ!」
エレン「今日の朝飯の話だ!」
コニー「朝飯かぁ」
数分後...
ジャン「おーっし、全員揃ったな?」
「おう」
ジャン「じゃぁまずはアップするからな! 無理矢理体動かして怪我何かすんじゃねぇぞ!」
「ういーっす!」
・・・
アニ「じゃぁ次、バッティング行くよ!」
「はいッ!」
ガヤガヤ ワヤワヤ
トーマス「ん?なんだ?」
マルコ「え...なんで外にあんな人集りが出来てるの!?」
アルミン「〔人集り...〕」チラッ
モブA「頑張れよ!シガンシナ!!」
モブB「次の相手は、駐屯だが負けんなよ!」
モブC「決勝まで行って、調査高校にリベンジしてやれ!」
女子高生ABC「せーのっ、アルミン君!頑張ってぇ!!」
トーマス・マルコ・ライナー・ダズ「なっ!? 女子高生...だと...!?」
アルミン「あ、あはは...あ、ありがとう...」ニガワライ
トーマス・マルコ・ライナー・ダズ「〔うらめしやぁ...〕」ジロリ
ジャン「コラァッ、集中しろッ!!」
ミカサ「と言っても、これだけ騒がしいと...こっちも集中できない」
エレン「あぁ...でも...何か応援されるって...気持ちがいいもんだな」
ミカサ「...うん!」
女子高生DEF「きゃーっ、ミカサくぅーん!! こっち見てぇ!!」
ミカサ「えっ?」チラッ
女子高生DEF「きゃーっ!!! かっこいい!!」
エレン「〔前言撤回...やっぱ嬉しくねぇわ...!!〕」イラッ
-
- 262 : 2016/04/27(水) 23:03:42 :
ダズ「ふぅ...」
「ねぇねぇ、見た? あそこの人」
「見た見た! 野球部の中で一番ブ男な顔の人でしょ? しかも、野球下手だってきいたよ!」
ダズ「ッ...」
「アルミン君やミカサ君の邪魔しないでほしいよね」
「ホントホント...あいつがいるだけで、野球部の印象ガタ落ちじゃない?」
「下手なんだから辞めればいいのにね、チームで一人だけ浮いてる感じするし」
エレン「なっ...あいつら...」カチンッ
サッ
エレン「え...」
「あのさ」
女子高生GHI「え?」
アルミン「うちのチームを応援してくれるのは、嬉しいんだけど...選手の批判とかやる気を削ぐようなことは言わないで欲しいんだ」
女子高生GHI「は、はい! すみません!」
アルミン「わかってくれればいいんだ、僕らも必死だからさ...必死で努力してるのに、そんなこと言ったら自信喪失しちゃうから...ね?」
女子高生GHI「ごめんなさい」
ダズ「あ、アルミン先輩...」
アルミン「ん?どうしたの?」
ダズ「ど、どうして...俺のことを庇ってくれたんですか...」
アルミン「え、庇わない方が良かった?」
ダズ「いやっ、そんなことはないです! むしろ、嬉しいです!」
アルミン「...僕もダズと同じ気持ちになったことあるんだ」
ダズ「え...?」
アルミン「周りから押し潰されるような視線や期待感...そして、失敗した時の批判や失望感...あれって結構辛いよね」クスッ
ダズ「!」
アルミン「君と僕とじゃ違う立場だけど...まぁ似た者同士って言いたいわけなんだ」
ダズ「...ありがとう...ございます」
アルミン「また困った時があったら、僕に言って? その時は力を貸すよ」
「〔かっけぇ...マジかっけぇっす!!〕」キラキラ
アニ「...ふっ」
アニ「ほらっ、バッティング行くよ!!」
「あ、はい!!」
-
- 263 : 2016/04/27(水) 23:04:11 :
その頃...駐屯高校は...
カキーンッ! カキーンッ! カキーンッ!
記者A「うぉぉ、いつもより気合が入ってんなぁ」
記者B「そりゃそうだろ、準決勝はなんて言ったって...”蒼の騎士対紅の魔術師”の2回目の決戦なんだからな!」
記者C「そう言えば1回目は...どっちが勝ったんだ?」
記者A「確か...紅の魔術師じゃなかったか?」
記者B「いや、厳密には蒼の騎士だ...最後の打席...逆転2ランを打った」
記者A「そうか...だから、今年はやけに気合が入ってるわけだ」
シュッ!!
ザッ!! イアン「ッ!!」スッ!!
カキーンッ!!
ピクシス「ほー、今日はよく飛ぶのぉ」
ミタビ「けっ、あいつだけに...かっこつかせるかよ!!」スッ!!!
カキーンッ!!!
グスタフ「ふっ、それはこっちのセリフだZO!」スッ!!
カキーンッ!!
ハンネス「おぉ、おぉ...やっぱ若いっていいな」
「コラァッ!! ハンネス!!」
ハンネス「あ」
キッツ「また貴様はボーッとしていたな!! そんなんだから、後輩達にナメられ・実力で劣るのだ!!」アセ
ハンネス「あーいやいや、今のはたまたまだ!」
キッツ「貴様の言い訳にはもう聞き飽きたぞ! 集中しないのなら今すぐ2軍からやり直してこい!!」アセ
ハンネス「〔うへぇ、キッツの奴相変わらず厳しいな...ま、でも汗の量じゃダントツだけどな!〕」
記者C「だが、シガンシナもなかなか役者揃いだぞ」
記者B「確かに...今年は1番バッターといい、クリーンナップ...それに投手陣に恵まれてる」
記者A「こりゃ...いい勝負になりそうだな」
イアン「ふぅ...次、対アッカーマンシフト!!」
「はいッ!!」
記者A「...な、なんだ...? 対アッカーマンシフトって...」
記者B「お、おい...ピッチングマシンが7台も出てきたぞ!?」
駐屯モブ「準備出来ました!」
イアン「よし...監督、いいですか?」
ピクシス「うむ、よかろう」
駐屯モブ「では、対アッカーマンシフト行きます!」
シュッ!!
クインッ!!
記者A「〔なっ!? スライダー!? それもかなりのスピードとキレだ...こんな難しい球を... カキーンッ!!
記者A「えっ...!?」
シュッ!!
カクンッ!!
記者B「〔今度はフォーク!?〕」
カキーンッ!!
シュッ!!
クイッ!!
記者C「〔次は内のシュート!?〕」
カキーンッ!!
駐屯モブ2「よし、準備おk」カチャカチャッ ギュゥィィィイイイインッ
記者A「〔なっ!? 今度はなんだ!? 物凄く大きな音がするぞ!?〕」
パシュッ!!!
記者BC「〔は、速い!?〕」
カキーンッ!!
記者A「あ、あの...ピクシス監督...このピッチングマシンの速さって...?」
ピクシス「む? 確か...140km後半じゃったかのぅ?」
記者A「〔140...こんな速い球を...打ってるのか、駐屯高校は...〕」
記者B「こりゃ...いい勝負...とは、いかないだろうな」
記者C「あぁ...コールドもありゆるかもしれないな」
-
- 264 : 2016/04/27(水) 23:04:32 :
・・・練習後・・・
「お疲れ様でしたッ!!」
トーマス「あっちぃ...」
ミリウス「今日猛暑日って言ってたもんな」
コニー「にしても暑すぎだろ...」
アニ「明日は第1試合だから、いつもより早く集まるよ!」
「はい!」
アニ「それと...」
エレン「?」
アルミン「ん...?」
アニ「明日勝てば...ついに決勝だからね」
「!」
アニ「全員が全員...明日の試合を勝つ意識を持って...全力で戦うよッ!!!」
「...はいッ!!!」
・・・
ジャン「...よし、監督とアルミン先輩は帰ったな...?」
ライナー「あぁ」
エレン「多分な」
マルコ「...で、なんで僕らここにいるの...」
ジャン「ちょっと話があってな、1年全員で集まろうかと思って」
トーマス「話? なんだ?」
ジャン「見た奴もいるかもしれねぇが...今朝WHK...見てた奴手あげろ」
コニー以外「はい」ノ
ジャン「全員か...やっぱ見たんだな」
マルコ「そりゃ...でも、アルミン先輩が出てるなんて最初は気づかなかったよ」
ライナー「あぁ...それに...」
エレン「...」
コニー「? これ何の話してるのかわからないのは、俺が馬鹿だからじゃないよな...?」
「マジで黙れ、馬鹿ッ!!」
ジャン「だぁ~くっそ! 結論から言うだな...その...お前ら...どう思った...アルミン先輩の話聞いて」
トーマス「どうって...そりゃ...」
ミリウス「驚いた...だろ」
ベルトルト「僕も驚いた」
ミカサ「でも、別にそれがきっかけでアルミン先輩を嫌いになったとか、そういう想いはない」
ジャン「ちげぇよ、俺が言いたいのはな...なんつーか...その...」
エレン「俺はむしろ、次の試合勝たなきゃ。と思った」
「!」
エレン「もちろん、決勝もだが...何かこう...アルミン先輩の気持ち...なんとなくわかる気がするんだ...」
エレン「廃部になっていた野球部を再活動したのも...」チラッ
コニー・ミカサ・マルコ「!」
エレン「合宿に行って、俺やみんなのことを知れたのも...」チラッ
ジャン・トーマス「!」
エレン「調査高校と練習試合をやって、現状を理解できたのも...」チラッ
ダズ・ミリウス「!」
エレン「目標を見つけて、それに向かって努力するために、協力してくれるのも」チラッ
ライナー・ベルトルト「!」
エレン「今の俺達がここにいるのも...それもこれも全部...アルミン先輩と監督が居てくれたから、ここまで来れたと俺は思う。」
エレン「だから...俺は...」ギュゥッ
エレン「あの二人のためにも、絶対に勝ちたいッ!!!」
ミカサ・マルコ・トーマス「うん!」
エレン「勝って、調査高校と戦って...あの二人の努力が無駄じゃなかったって証明したいッ!!!」
ライナー・ベルトルト・ダズ・ミリウス「あぁ!」
エレン「そして...みんなと...甲子園に行って...野球をしたい...!!」
ジャン「...へっ、たぁ~っくよぉ! 俺の言いたいこと全部言いやがって...」
エレン「ジャン...」
ジャン「おぉーっし、シガンシナ高校野球部1年...全員で団結するぞッ」
ジャン「明日の試合...何が何でも...ぜっっっっってぇ...勝つぞォッ!!!!!!」
「オォーーーーーーッッッ!!!!!!!!」
-
- 265 : 2016/05/05(木) 23:08:03 :
その頃、ある居酒屋では...
ガラガラッ
ケニー「たぁっくよぉ、急に呼び出すんじゃねぇよ...ミカサに怒られちまうだろうが」
「おぉっ、ケニー!! 久しぶりだな!」
ケニー「ん...お前...もしかして...キルシュタインか!?」
ジャン父「何年ぶりだよっ!!」
ケニー「こっちのセリフだよ!!」
「お?ケニーじゃねぇか!」
ケニー「おぉ、おぉ、おぉ!! スプリンガーに、ボットに、ワグナーに、ゼルムスキーじゃねぇか!!」
トーマス父「高校以来だな!」
ミリウス父「元気にしてたか?」
ケニー「元気だねぇ、なんでこんな歳なのに今でもピンピンしてるのか、自分でもわかんねぇくらいな!」
「全く、昨日のことといい...やっぱ変わってないな」
ケニー「ん?おぉ、レオンハートも来てたのか! 昨日ぶり!」
アニ父「今日は飲み過ぎるなよ」
ケニー「そいつは無理な頼みだな!」
コニー父「これで全員か?」
ジャン父「あぁ、今日はこれで全員だ」
ボット父「なんだ、アルレルトは来なかったのか結局」
アニ父「あいつは来ない...それはわかっていることだろ」
トーマス父「でも、寂しい奴だよな...せっかくの同窓会っていうのにな」
アニ父「あいつはそういう人間だ、それにあいつは...」
アニ父「グリシャが他界してから、変わったんだよ...考え方がな」
コニー父「...グリシャか...あれから何年経つんだ?」
ジャン父「今年で3年だな」
ミリウス父「そうか...もう3年か...」
ケニー「まぁなんだ? こんな暗い話ししてても余計ブルーになるだけだ! 今日は久しく会ってないメンバーなんだ!飲むぞ!」
「オーッ!!」
・・・
ケニー「おーし、全員分のビールあるなぁ?」
「うぃーっ」
ケニー「よっしゃ、じゃぁ...高校以来の久々の集まりに...そして...」
ケニー「俺らのガキ達が甲子園に行けるようにッ...乾杯っ!!」
「かんぱーっい!!」
ゴクゴクゴクッ 「ぷはぁっ」
ケニー「そういやぁ...高校の頃も、練習後皆でファミレス食って行くって時は...アルレルトとグリシャの奴は...来なかったなぁ」
ジャン父「あぁ...あいつらは、常に練習練習...ゴールデンウィークだろうが、夏休みだろうが、冬休みだろうが関係なくやってたなぁ」
アニ父「結局...グリシャの奴はお前からスタメンを取れなかったがな...」
ケニー「...は? いやいや、俺スタメン落ちしただろうが!一回」
コニー父「えぇ? そんなことあったっけ?」
ケニー「あるよ!! 最後の夏...初戦の先発はグリシャが投げたんだよ」
トーマス父「いや違う! 確か、お前大会前に監督にタバコ吸ってるのバレて、試合に出させてもらえなかった。けど、なぜか急に起用を代えて...」
ミリウス父「あぁ、そうだ...グリシャがスタメンだったはずが...翌日メンバー表にはケニーになって...」
コニー父「で、余裕のコールド勝ち...だったよな?」
アニ父「あぁ」
ケニー「ぐっ...思い出したら、あの監督の怖さが今にも蘇るぜ...」
アニ父「お前が馬鹿をするからだ、大体今になって考えると...なんで起用が変わったのか、がわからないままだ」
ジャン父「ん? わからない...あぁそうか、お前らは知らないんだったな」
ケニー「何がだよ」
ボット父「キルシュタイン、何を知ってるんだ?」
ジャン父「試合前日に...グリシャが、監督に頼んだんだよ...ケニーを先発に使ってくれって」
「え?」
ジャン父「全く...馬鹿な奴だよ、せっかくのチャンスを自分で潰しちまって...」
ケニー「えっ...おいおいおいおい...待てよ、そりゃ...」
ジャン父「ん?」
ケニー「じゃぁ...あの時...グリシャが言った”チームを救ってくれ”って言った意味は...そういう意味だったのかよ」
アニ父「...ふふっ、相変わらずだな...その奥手さは、まさにグリシャだ」
トーマス父「...あぁ、だな」
-
- 266 : 2016/05/05(木) 23:08:23 :
ジャン父「すみませーん、ビール一杯」
店員「おいよ」スッ
ジャン父「あざっす」
ピンッ ポドポドポドッ
ジャン父「写真...持ってきたんだ」
スッ コトッ
ケニー「...へっ、この写真...懐かしいぜ」
アニ父「あぁ...アルレルトが...唯一笑った時の写真だな」
トーマス父「あいつ、全然笑わなかったもんな」
コニー父「んっ、そう言えばさ! 俺らの母校! 準々決勝で負けちまったらしいな!」
ボット父「本当か? それは残念だ」
ミリウス父「まぁ、当時俺らの時ほど...無双してた時はない」
ジャン父「懐かしいぜ...あの頃は...4番にマリアの牛若丸こと、アルレルトがいて...」
アニ父「エースには...当時プロ入で騒がれた...マリアの豪腕、アッカーマン」
ケニー「やめろ...お前らだって、そうだろ...1番には快速のキルシュタイン...3番には好打者のレオンハートだ。」
ジャン父「他にも...2番にはバント職人のスプリンガー、守備では絶対的安定感の二遊間のボットとワグナー...」
コニー父「それに、マリアの黒子役...ゼルムスキー!」
ミリウス父「未だにその称号は気に入らないな...」ハハッ
ボット父「そして...我らがシンゲキ高校の秘密兵器...イェーガー」
ジャン父「今思い出しても...あの頃はマジで負けなしだったっけなぁ」
ケニー「だが...今は俺らのガキに受け継がれたってわけだ」
ボット父「本当だな! まさか、自分らの子供達が同じ高校の野球部にいるなんてな!」ハハッ
ミリウス父「それに今良いところまで行ってるんだってな」
ケニー「あぁ、次は準決勝で駐屯高校だ」
ジャン父「駐屯って言えば...監督、まだ変わってないんだってな!」
コニー父「マジかよ!あのハゲまだやってるのか!」
トーマス父「変わってねぇな...何もかも...」
ミリウス父「あぁ」
アニ父「...明日、見に行くか」
「え?」
アニ父「なんだ」
ジャン父「いや...まさか、お前から言うとは思ってなかったっつ~か...」
アニ父「俺が言っちゃ不味いのか?」
ジャン父「別にそうじゃねぇけどよ」
ケニー「へっ、親父軍団で...応援してやっか!!」
「...へっ、おう!!」
-
- 267 : 2016/05/05(木) 23:29:25 :
現在公開可能な情報(特に要らない情報)
シンゲキ高校
称号 打順・ポジション・名前
マリアの快速 1番 センター、キルシュタイン
マリアの暴れん坊 2番 サード、スプリンガー
マリアの安打製造機 3番 ライト、レオンハート
マリアの牛若丸 4番 キャッチャー、アルレルト
マリアの豪腕 5番 ピッチャー、アッカーマン
6番 ショート、ボット
マリアのアルソック
7番 セカンド、ワグナー
マリアの黒子 8番 レフト、ゼルムスキー
名もなし 9番 ファースト、モブ
マリアの秘密兵器 ピッチャー、イェーガー
マルコ父・トーマス父「なんや、アルソックって!?」
-
- 268 : 2016/05/10(火) 22:23:11 :
「おいおい、見たか?あいつの点数」
「みたみた!すげぇ低かった! 馬鹿ってやだよねぇ、移りそうで怖いわ!」
ダズ「う...」ズキ
「ハァ...最悪、今度の席あいつの隣」
「えぇ~?マジィ? ついてないねぇ」
ダズ「...」ズキッ
_____________________________________________________
「おい、どけよ」
ドカッ
ダズ「うぁっ!?」ドタッ
「うぁっ!? だってさ」ゲラゲラ
「だっさぁ」ゲラゲラ
ダズ「〔なんで...なんで俺がこんないじめられなきゃならないんだ〕」ウルウル
_____________________________________________________
教師「...~~~ですので...誰か立候補してくれないか?」
スッ
教師「お、なんだ? モブ、やる気あるのか」
モブ「いえ、俺じゃなくって...ダズ君がやってくれるって!!」
ダズ「え...?!」
モブ「やってくれるよ...なぁ?」ニヤァ
ダズ「い...ゃ...」
モブ2「そんなこと言うなよぉ、俺達友達だろぉ?」ニヤァ
モブ女子「ダズ君やってくれるのぉ? マジ、かっこいいんだけどぉ~!」ニヤァ
ダズ「〔なんで...なんで...俺だけが...〕」
_____________________________________________________
高校 4月のある日...
教師「はぁーい、静かにィ? じゃぁまず隣の人と自己紹介してください」
ダズ「〔どうせ俺なんかが自己紹介したって...〕」
「ぁ...あの」
ダズ「え...?」
「お、俺...その...ミリウス...ゼルムスキーって言います...よろしく」
ダズ「え...あっ、お、お、俺...だ、だじゅっ、て言います!」
ミリウス「...ぶふっ、あははっ」
ダズ「〔最悪だ...最初の肝心なところで...噛むなんて...〕」
ミリウス「あの...さ、君も俺と同じかな...?」
ダズ「え...同じ...?」
ミリウス「あ、えっと...その、言いづらいんだけど...過去にいじめ、とか受けてた?」
ダズ「な、なんで...」
ミリウス「俺もなんだよ...俺もいじめられてた、というか...何か影薄くてさ!あんま覚えてもらえなかったり、いることさえ気づかれないんだ!」
ダズ「そ、そうなん...だ」
ミリウス「だから...その...俺友達とかも少ないから...」モジモジ
ミリウス「...俺と、友達になってくれないか?」
ダズ「ッ...」
ミリウス「ごめん...初対面の人にこんな変なこと言われたら引くよな...」
ダズ「俺の...こそ...」
ミリウス「え...?」
ダズ「俺の方こそ...友達になってくれッ!!」
_____________________________________________________
___________________________________________
_______________________________
ジリリリリリッ カチッ
ダズ「ん...あれ...夢...か」
ダズ「〔そうか...もう...あの時とは違って...友達もいて...いじめも受けないでいるのか...それに...〕」
ダズ「〔俺にはもう...目標に向かって一緒に戦う仲間がいるんだ...そうだ〕」
ダズ「〔俺は...シガンシナ高校野球部の...一員なんだ!〕」
タッタッタ
ダズ「叔父さん・おばさん、おはよう」
ミーナ母「おはようダズ君!」
ミーナ父「おはよう、いよいよ今日だね」
ダズ「あ...はい!」
ミーナ父「今日は家族全員で...ダズ君のことも、チームのことも応援させてもらうよ」
ダズ「っ~...はいッ!ありがとうございます!!」
ダズ「あ...でも...ミーナは...」
ミーナ父「安心しなさい、ミーナも応援に来るさ」
ダズ「...はい!信じます!ミーナを!」
-
- 269 : 2016/05/10(火) 22:24:40 :
イースト・ウォールマリア球場
キース「シガンシナ高校の応援する親御さんや生徒さんは、こちらの東出入り口からお入りください!!」
ゾロゾロ
ジャン母「そう言えば聞いた? 今回の準決勝からTV中継があるらしいわよ!」
「ホントォ!?」
トーマス母「凄いわねぇ、あの子達...」
コニー母「うちの息子大丈夫かしら...」
ミリウス母「うちの子も心配だわぁ、あの子上がり症だから...」
ライナー母「フーバーさんのお家も今日は仕事はお休みですか?」
ベルトルト母「はい!息子の活躍する所が見たいので!」
ベルトルト父「いやぁライナー君も昔より野球上手くなってましたなぁ!」
ライナー父「いやいや、ベルトルト君だってそうじゃないですか!」
ジャン母「全く、息子達が甲子園目指して頑張ってるのに...男どもは今日も旧友との集まりだとかで」
コニー母「本当よ、まったく...息子を見習ってほしいくらい...」
ポンポンッ
コニー母「どうしたの?マーティン」
マーティン「あそこに父ちゃんがいる!」
コニー母「そんなわけ...」チラッ
ゾロゾロ
ジャン父「さぁ、我が息子達のために...声を枯らそうではないかッ!!!!」
親父応援団「オーッ!!!!!!!」
コニー母「...なにあれ」
ジャン母「ふっ、まったく...本当に男って馬鹿ねぇ」
ジャン母「さぁ、私達(母さん)もあんな馬鹿共に負けたらダメよ!! こっちもエンジン全開で応援するわよ!!」
おばさん応援団「オーッ!!!!!」
リコ「キース、今日は何だかいつもとは比べ物にはならないくらい増えてる気がするんだが」
キース「あぁ...私もそう思う」
リコ「なんだ...? なんでこんなに...」
シガンシナ高校の応援する人が増えてるんだ...?
ザワザワ
観客A達「頑張って甲子園行ってくれよぉシガンシナァ!!」
観客B達「アルミーン!! 頼むぜぇ!!」
観客C達「せぇーのっ、アルミン君(先輩)頑張ってぇ!!!!」
観客D達「アッカーマン!! 今日も期待してるぜー!!!」
リコ「〔まだ試合が始まろうともしていないのに...なんだ、この観客の量は...〕」
「あの!!」
リコ「ん?」
クリスタ「サッカー部とバスケ部の試合が終わって、チアダンス部が空いてるので...今日人数増えてもいいですか...?」
リコ「どれぐらいだ?」
クリスタ「私達含めて丁度30人です!」
キース「さっ...30人!?」
リコ「弱ったね...振付も、何も合わせてないからバラバラになっちゃうかも...」
「その心配は無用よ、リコちゃん」
リコ「えっ...?」
ペトラ「一夜漬けだけど...全体の構造は大体叩き込んでおいたから!」グッ
リコ「ペトラ先生...」
ペトラ「大丈夫ね?皆」
チアダンス「大丈夫です! リコ、安心してね!ちゃぁんと恥を掻かせないように練習したから!」
リコ「〔...ふっ、今日の応援歌は...力が入ってるぞ、レオンハート〕」
-
- 270 : 2016/05/10(火) 22:26:11 :
スタジアム内の奥住では...
アニ「今日の相手は何度も言うようだけど、今まで通り戦ってちゃ勝てない相手だよ」
「はいッ!!」
アニ「相手がもし自分を研究してきてたら...どうするんだっけ」
ジャン「自分のバッティングを代えるか、それとも突き通すか...です」
アニ「そう...もうあの時の練習試合で体験したから...わかってるよね?」
「はいッ!!」
スタスタ
スタッフ「シガンシナ高校さん、準備出来次第入ってください」
ジャン「はいッ...おし、円陣組むぞッ」
アニ「!」
サッ
アルミン「〔もしかしてこの雰囲気...みんな...〕」チラッ
ミカサ「...」コクッ
アルミン「...」チラッ
エレン「...」コクッ
アルミン「〔...ふっ、そっか...よし、ならもう腹をくくらなきゃ、だ〕」
ジャン「スゥーッ...ぜってぇ勝つぞォッ!!!!!!!」
「オォーッッッ!!!!!!!!」
-
- 271 : 2016/05/10(火) 22:26:49 :
「皆さん、おはようございます。今日の天気は雲ひとつない快晴...まさに野球日和、最高気温32℃と猛暑の中でやるのは先程も言った通り野球。」
「今日、ここイースト・ウォールマリア球場では、全国高校野球ウォールマリア選手権大会準決勝を行います!」
「あ、申し遅れました。私今日の試合を実況させていただく”実況”と申します! そして、隣にいるのは諫山創です。どうぞよろしくお願いします!」
諫山さん「諫山です、よろしくお願いします。」
※なお、ここで登場している諫山創先生は実際の諫山創先生とは全く異なりますのでご注意を。 作者(私)が勝手に喋らせてるだけですので
実況「さぁ諫山さん、今日のカードをご存知ですか?」
諫山さん「もちろんです。第一試合では【シガンシナ高校対駐屯高校】 第二試合では【調査高校対三星シガンシナ学園高校】ですよね」
実況「さすがは諫山さんです。まず最初の試合は先程も言った通りの、シガンシナ高校対駐屯高校の試合をお送りいたします。」
スタスタ
実況「お、早速選手達がベンチに入った模様です。 右側ベンチにはシガンシナ高校、対する左側ベンチは駐屯高校です。」
ウグイス「シガンシナ高校、ノックの準備をお願い致します。」
ジャン「っしゃぁ、出るぞ!!」
「オーッ!!!」ダッ!!
実況「さぁシガンシナ高校選手一同がグラウンドでノックを始めました。それではここでシガンシナ高校のスターティングメンバーを紹介しましょう。」
実況「1番センター、主将で俊足のキルシュタイン
2番サード、小回りな技が得意なスプリンガー
3番ショート、守備・打撃・投球の3拍子揃ったスーパールーキーのアッカーマン
4番キャッチャー、蒼の騎士こと天才キャッチャーのアルレルト
5番ライト、大きな体を持ってして強肩強打のブラウン
6番ピッチャー、鋭い打撃とノビのあるストレートを武器にするフーバー
7番ファースト、走攻守抜目のないワグナー
8番レフト、影ながらチームを黒子役として支えているゼルムスキー
9番セカンド、守備とバントが売りなボット
監督は、アニ・レオンハート監督です。」
実況「諫山さんはシガンシナ高校をどう思われますか」
諫山さん「去年とは違って大分まとまりのあるチームになったと思います。特に守備ですね」
実況「確かに、去年のシガンシナは...失礼なことを言いますが、守備はお粗末でしたからね」
諫山さん「内野はアルミン君が何とかカバーしていましたが、外野までは手は届きませんからね」
実況「改善されたのは守備だけですか?」
諫山さん「いえ、投手陣や攻撃もですよ。今年のシガンシナ高校はなんと言っても火力が高いです」
実況「クリーンナップは、アッカーマン選手とアルレルト選手とブラウン選手ですからね」
諫山さん「はい、この3人をどう対応するかが鍵となるでしょう」
-
- 272 : 2016/05/10(火) 22:28:50 :
ウグイス「駐屯高校、ノックの準備をお願い致します。」
キッツ「行くぞォッ!!」アセ
「オーッ!!!!!」ダッ!!
実況「さぁ次は駐屯高校がノックを始めました。では、駐屯高校のスターティングメンバーを紹介します。」
実況「1番ショート、華麗な身のこなしで内野を守り 芸術的な打撃をするグスタフ
2番セカンド、安定した守備と渋さを魅せるバッティングをするハンネス
3番キャッチャー、紅の魔術師と呼ばれ チームのブレインであるディートリッヒ
4番サード、一振りで粉砕するパワーを持っているヤルナッハ
5番ファースト、チームで2番手のパワーヒッターのフーゴ
6番ピッチャー、主将でエース 速球派のヴェールマン
7番ライト、左と右どちらでも打てるスイッチヒッターのモブライト
8番レフト、守備範囲が広く 足も速い 塁に出たら厄介な男のモブレフト
9番センター、相手走者をホームに帰させない 強肩の持ち主モブセンター
監督は、今年で就任30年目になるドット・ピクシス監督です。」
諫山さん「今年の駐屯高校は、なんと言ってもキャッチャーにディートリッヒ選手がいるのが肝でしょう。」
実況「そうですねぇ、チームのブレインですから相当な手強さだと思います。」
諫山さん「更に、打撃では1番にチャンスメイクが得意なグスタフ選手がいて、次にハンネス選手ですからこの1・2番はシガンシナにとっては厳しいことになりそうです。」
実況「クリーンナップにもディートリッヒ選手だけじゃなく、4番にはヤルナッハ選手もいますからねぇ」
「ありがとうございましたッ」
実況「さぁ両校ともノックを終わりました。」
審判「...整列!!」
「オーッ!!!!!」ダッ!!
実況「さぁ今、両校の選手達がホームベースに向かって走って行きました。」
審判「それでは只今より、全国高校野球ウォールマリア選手権大会準決勝第一試合...シガンシナ高校対」
アルミン「ふぅ...」キリッ
審判「駐屯高校の試合を始めます。」
イアン「ふっ...」キリッ
審判「両チーム、お互いに礼ッ!!!!」
「よろしくお願いしますッ!!!!!」
イアン「よろしく」
アルミン「お願いします。」
アルミン・イアン「ッ!!」ギリッ
ミタビ「っへ、今年こそ俺らが勝つ!てめぇらに今回も負けねぇからな!!」
エレン「え、去年はやってないですよ」
ミタビ「んだよ!! ノリわりぃな!! そこはノリで合わせろよ!!」
エレン「あ、あぁ! すみません!」
ミタビ「ったぁく...「でも...」
ミタビ「!」
「勝つのは...決勝に行くのは...甲子園に行くのは...」
エレン「俺達だァッ!!!!」ギリッ
ミタビ「いい度胸してんじゃねぇか...1年坊主」ギリッ
グスタフ「お前が噂のアッカーマンか」
ミカサ「?」
グスタフ「同じ遊撃手として...絶対に負けないZO」
ミカサ「...はい! 私も負ける気はないので」
ハンネス「いやぁ暑いねぇ、色んな意味で」
キッツ「ハンネスッ!! 貴様また緩んでいたな!?」アセ
ハンネス「緩んでなんかない...むしろ...」
ハンネス「武者震いして...早く試合がしたいって...久々に思ったぜ」
キッツ「...ふん! 私だってそう思ってる...絶対に勝って甲子園に行く!」
ジャン「〔チッ、やべぇな...さすがに駐屯が相手ともなると...主将の貫禄が全然ちげぇ...あと汗掻きすぎだろ!?〕」
ウグイス「先行はシガンシナ高校...後攻は駐屯高校で試合を進めていきます。」
-
- 273 : 2016/05/20(金) 23:16:35 :
ベンチ
アニ「さぁ、わかってるね? 初回が大事だよ...点取りに行くよ!!」
「はいッ!!!」
キース「リコ、行くぞ!」
リコ「わかってる、チアもいいね?」
クリスタ「はい!」
キース「ん”ん...えぇ~皆さん、本日もお集まりいただき、真にありがとうございます!」
キース「今日は大変炎天下の中で応援となっておりますので、十分な水分を取りながら応援して行きましょう!!」
「はいッ!!」
キース「それでは、1ページ目の5行目...キルシュタイン選手の応援歌...狙い撃ち~」
援団A「狙い撃ち行きます! 皆さん、歌詞書いてありますのでその通りにお願いします!」
ジャン父「おっしゃぁ、声張るぞ!お前ら!」
親父援団「おうよ!」
ジャン母「私達も行くわよ!」
おばさん援団「はい!」
ウーーーーーーーッ
審判「プレイボール!!」
実況「さぁ今始まりのサイレンが鳴りました。試合が始まります!」
リコ「行くよ!1.2.3」
♪狙い撃ち♪
ウグイス「1回の表、シガンシナ高校の攻撃は...1番センター、キルシュタイン君 背番号8」
ジャン「しゃっす!」
実況「さぁ1回の表、先頭バッターは1番のキルシュタイン選手、諫山さんはこの選手どう思いますか?」
諫山さん「そうですねぇ、彼の特徴は冷静な判断によるバッティングと走塁の速さ...加速度が素晴らしいので、例え内野ボテボテの当たりだろうと内野安打にできる打者ですから要注意です。」
ジャン「〔ここ5年間ずっと調査高校とタメ張ってた相手のバッテリーだ...簡単にゃ打たせてくれねぇだろうがよ...〕」
ギュッ ジャン「〔俺だって生半可な気持ちで主将やってんじゃねぇんだ! 気持ちだけならぜってぇ負けねぇ!!〕」
ドッ!
キッツ「うォッ!!」シュッ!
パシンッ!!
審判「ボール!」
実況「初球は外高めのボール、諫山さん、今日のヴェールマン選手はどうですか?」
諫山さん「まだ始まったばかりなのでなんとも言えませんが、彼の長所はノビあるストレートとそれに加わった球速です。逆に短所はエンジンがかかりにくいところですので、駐屯としては彼を早いところエンジンをかけたいですよね」
ジャン「〔初球は高めのボール...荒れ球が多い投手だが、ここまではっきりわかる球はねぇな〕」
ドッ!
キッツ「うァッ!!」シュッ!
パシンッ!!
審判「ボールツー!」
実況「2球目もボール、内低め」
ジャン「〔このまま見送ってもいいが...〕」チラッ
アニ「〔ボール球は見送っていいよ、ただし甘い球が来たらしっかり叩くんだよ!〕」サイン
ジャン「〔はい!〕」
ドッ!
キッツ「うゥッ!」シュッ!
パシンッ!!
審判「ボール、スリー!」
実況「3球目もボール、諫山さんこれはフォアボールもあり得るんじゃないですか?」
諫山さん「可能性はありますね、彼の四死球は一試合に10個くらいですから...ですが、その分三振も多い投手です。」
ジャン「〔全くゾーンにこねぇ...だが、フォアボールでも結果は残せる...塁に出ればミカサやアルミン先輩が打ってくれる〕」
ドッ!
シュッ!
ジャン「!」
パシンッ!!
審判「...ボール、フォア」
実況「フォアボール、先頭バッターのキルシュタインに対してフォアボールを与えました。」
ジャン「〔っしゃ、塁に出たぜ〕」
キッツ「くそぅ...」アセ
-
- 274 : 2016/05/20(金) 23:18:27 :
ウグイス「2番サード、スプリンガー君 背番号5」
コニー「おぉーッ!!」
実況「さぁ2番はサードのスプリンガー、ここはバントでしょうか?」
諫山さん「定席にいったらバントでしょうが、シガンシナはもしかしたらここで仕掛けてくるかもしれません」
スッ
イアン「...」
キッツ「〔バントか...一死二塁でアッカーマンか...ふん、誰が来ようと関係がない!〕」
ドッ!
ジャン「ッ!!」ダッ!!
ミタビ「スチール!」
キッツ「くッ!?」シュッ!
キッ
ポタッ コロコロ
シガンシナベンチ「ナイスバント!!」
イアン「1つ!」
シュッ
パシッ
審判「アウト!」
実況「上手く転がしバント成功、ピッチャーのヴェールマンが捌いてワンァウト二塁」
観客「おぉ、来たぞ!!」
観客「アッカーマン!打ってくれよ!!」
ウグイス「3番ショート、アッカーマン君 背番号6」
ミカサ「お願いします」
イアン「...」
サイン
キッツ「!」
ドッ!
シュッ!
ミカサ「〔ッ、変化球〕」
クイッ! パシンッ!!
審判「ストライク!」
実況「初球は外甘いコースにシュート、変化球来ましたね」
諫山さん「そうですね、彼の持ち球はストレートとシュート...それに決め球のフォークボールがあります。ここでカウントを稼いだのは大きいでしょう」
ミカサ「〔初球に外高め...〕」
イアン「...」
ドッ!
シュッ!
ミカサ「〔! ストレート甘い!!〕」スッ!!
キーンッ!!
実況「打ったァ!! 左中間を真っ二つに割った!!」
敵モブレフト「なに!?」
ダッダッダ!!
エレン「帰ってこれる!!」
ミリウス「ジャン!回れェ!!」グルングルンッ
ジャン「わぁってる!!」ダッ!!
実況「三塁ベースを蹴ったァ! これは帰ってこれるかぁ!?」
敵モブレフト「うらッ!!」シュッ!
ズサーッ!!
・・・
審判「セーフ!」
ジャン「っっっっしゃぁぁ!!!!」ガッツポーズ
実況「先制点! 先取点を獲得したのはシガンシナ高校だァ!!」
諫山さん「キルシュタイン選手の走塁は上手いですからね、通常の走塁より速く帰って来れるんでしょう。」
コニー「ミカサ、ナイバッチ」
ミカサ「うん」
イアン「...タイム」
審判「タァイム!」
スタスタ
イアン「予定通り、シフトAで行きます。」
キッツ「あぁ、わかってる」アセ
イアン「内野もきっちり処理するんだぞ」
ミタビ「おう、任せろ!」
グスタフ「あぁ!」
ハンネス「お~」
フーゴ「おう」
イアン「...ふっ」
-
- 275 : 2016/05/20(金) 23:19:09 :
ウグイス「4番キャッチャー、アルレルト君 背番号2」
アルミン「...」
観客「アルレルトォ!! 打てよ!!」
観客「いきなりかっ飛ばせ!!」
JK「アルミンくーん! がんばって~!!!」
リコ「〔! 歓声がさっきより大きくなった...アルレルトの時に...どうして?〕」
キース「リコ、次行くぞ」
リコ「あぁ...」
アルミン「...」
アニ「〔ワンァウト二塁だから、ここは積極的に振っていこう。 ただし、ちゃんと狙い球絞るんだよ〕」サイン
アルミン「〔わかった〕」
実況「さぁ、観客席がざわついています。その理由は1つしかありません!」
諫山さん「ズバリ”蒼の騎士対紅の魔術師”だからでしょう」
実況「諫山さんはどちらが勝つと思われますか?」
諫山さん「両者ともに互角でしょうからなんとも言えないですね、ただ今の流れですとアルレルト選手が有利だと思いますよ。」
スタッ
アルミン「えっ」
アニ「ッ」
エレン・ミカサ「!」
実況「なんと...」
イアン「」スッ
実況「紅の魔術師の作戦は...敬遠!」
ザワザワ
観客「おいおい!そりゃねーだろ!!」
観客「勝負しろよ!!」
観客「そうだ!そうだ!!」
実況「観客からもブーイングが来ています」
諫山さん「そうなるでしょうね、特に駐屯高校などの名門校が敬遠をすると...更にそれが観客達が楽しみにしていたカードの”蒼の騎士対紅の魔術師”ですからね」
アルミン「イアン...一体どういうことだい...?」
イアン「何がだ」
アルミン「何がって...この状況だよ」
イアン「...試合中だぞ、集中しろ」
アルミン「!」
パシッ
審判「ボール、フォア!」
実況「予想外の展開になってきましたね、諫山さん」
諫山さん「そうですね、ですがそれほどアルレルト選手は注意されてるということですから、シガンシナにしては逆にチャンスです。」
ウグイス「5番ライト、ブラウン君 背番号9」
ライナー「よしっ!!」
実況「さぁ、ワンァウト・ランナーは一二塁で5番のブラウン」
アニ「〔いいとこで回ってきたね、ここは打ちたいよね...ならあんたのバッティングをしてきな!〕」サイン
ライナー「〔打て...最悪なのは内野ボテボテのゲッツー...チャンス潰すわけにはいかないぞ〕」
キッツ「ふっ!!」シュッ!
パシンッ!!
審判「ボール!」
実況「ブラウンに対しての初球は内高めのボール」
ライナー「〔浮いてるな...こりゃ甘い球来るぞ...思いっきし引っ張る!〕」ギュゥッ
イアン「...」
シュッ!
ライナー「〔来た、内甘めの...ストレー クイッ!
キッ!
ライナー「〔なっ、シュート?!〕」
ボテボテ
審判「ファール!」
「あっっっっぶねぇぇぇええええ」
ライナー「〔くそっ、この人のシュート...変化が薄いから、ストレートと見分けがつかねぇ...〕」
イアン「...」
ライナー「〔焦るな...この投手なら3球に1球は甘い球が来る...粘って... パシンッ!!
ライナー「ッ...」
審判「ストライクツー!」
実況「3球目は外低めにストレートが決まった!!」
諫山さん「良いコースでしたね、あのコースをどれだけ続けて投げれるかで試合結果は大きく変わっていきます。」
アルミン「〔まずい...ライナーが完全にハマった〕」
イアンの...バッターをも、魅了させてしまうリード...【幻想魅了(チャームファンタジー)】
ライナー「...」アセ
「さぁ始めよう...」
イアン「ショータイムだ。」ニヤッ
-
- 276 : 2016/05/22(日) 23:45:36 :
実況「カウントはツーワン、ブラウン追い込まれました。」
イアン「」サイン
キッツ「」コクッ
シュッ!
ライナー「〔今度は外高め...外れてる!〕」
審判「ボール!」
実況「僅かに逸れました、外高め」
イアン「...」
ドッ!
キッツ「ッ!!」シュッ!
カクンッ! ライナー「〔ッ、内低めにフォーク!?〕」スッ
キンッ!
エレン・コニー・トーマス「げぇ!?」
イアン「ショート!」
ガシッ! グスタフ「〔ゲッツー余裕だZO!〕」シュッ!
ハンネス「任せr「させるかっ!!」
グスタフ・ハンネス「!?」
アルミン「ッ!!」ズサーッ!!
パシッ! 審判「アウト!」
ハンネス「くそっ」ピョンッ
ハンネス「〔この野郎! ゲッツー崩しか!?〕」
グスタフ「先輩!」
ハンネス「こんのぉ!!」シュッ
ガシッ グスタフ「おらぁッ!!」シュッ!
パシッ!
審判「...アウト! アウト!!」
実況「ゲッツー! スリーアウトチェンジです! なんと駐屯高校の二遊間が魅せてくれました!!」
グスタフ「ナイス先輩!」
ハンネス「俺の方こそ助かったぜ!」
イアン「〔今のシーン...もしグスタフの反応が一瞬でも遅れたらゲッツーはなかった...〕」チラッ
アルミン「くそっ...」
イアン「〔アルレルト...とことんお前は厄介な相手だ...だからこそ...お前には尚更...負けん〕」キリッ
ライナー「すみません...」
アニ「来た球はフォークだったね」
ライナー「はい、ストレート・シュート・ストレート・フォークでした」
アニ「そう...次は狙い球をストレートに絞ってみな、あんたなら出来るよ」
ライナー「! はい!」
アニ「〔参ったね...あの流れで一番最悪な展開になった...〕」
アニ「〔先制点は取れた。でも、その後の攻撃ムードに水をさすかのようなゲッツー...正直今の流れはあっちにありそうだね〕」
アニ「アルミン!」
アルミン「なに?」
アニ「...頼むよ、本当に」
アルミン「...うん、任せて」
ジャン「先制点は取れた! この回無失点にして次も追加点取るぞ!!」
「おうッ!!」
-
- 277 : 2016/05/22(日) 23:46:56 :
ウグイス「1回の裏、駐屯高校の攻撃は...1番ショート、グスタフ君 背番号6」
グスタフ「お願いします!」
審判「プレイ!」
実況「さぁお次は駐屯高校の攻撃、1番ショートのグスタフです。」
諫山さん「彼は芸術的なバッティングを見せますからね、一体どのように対処していくのか楽しみです。」
アルミン「〔グスタフか、得意コースは特になし...不得意なコースもなし...一番厄介なバッターだ。〕」
アルミン「〔でも、太刀打ち出来ないってわけじゃない。 グスタフ用のリードもちゃんと考えてある。〕」
グスタフ「〔この投手は基本ストレート...なら短く持ってコンパクトにいこっTO〕」
ベルトルト「!」コクッ
スッ!! ドッ!!
シュッ!!
パシンッ!!!
審判「...ストライク!」
実況「初球は外低めを丁寧に制球してストライク!」
諫山さん「フーバー選手はノビのあるストレートが武器ですが、精確なコントロールも武器です。」
アルミン「〔攻撃の時何にも出来なかった分、守備で頭を使ってやる!〕」
ドッ!! シュッ!!
グスタフ「〔次も外か!〕」スッ!!
キーンッ!!
審判「ファール!」
実況「2球目も外低めいっぱいにストレート、それを流しましたがファール! ちょっと振り遅れましたか?」
諫山さん「そうですね、タイミングがまだ合ってないようです。」
グスタフ「〔くそっ、この投手...なかなかタイミング取りづらいZO〕」
ドッ!! シュッ!!
グスタフ「〔ッ、今度は内高m パシンッ!!!
審判「ボール!」
実況「3球目は内高めにストレートでしたが惜しくもボール、ツーワン」
グスタフ「〔なるほDO...外・外・内で決めたかったわけか...でも残念だったな、追い込んだのはこっちだZO〕」
アルミン「...」キリッ
シュッ!! パシンッ!!!
グスタフ「ぇっ...!?」
審判「ストライク!バッターアウト!」
実況「三振! 先頭バッターグスタフを三振に抑えました!!」
諫山さん「外・外・内と来たら誰しも次は外に来ると思ったでしょうが、裏をかいて内低めにストレートでしたね! 完全にやられました!」
グスタフ「すまない」
ハンネス「ドンマイ」
スタスタ
グスタフ「悪い、イアン」
イアン「大丈夫だ、まだ初回だからな」
ミタビ「と言っても、ミートの達人グスタフが...三振かよ」
イアン「まぁ最初から一筋縄ではいかないとわかってたさ」
イアン「だから仕掛けるなら...2順目」
キッ!!
アルミン「ショート!」
ミカサ「ッ!!」シュッ!!
パシッ!! 審判「アウト!」
観客「おぉぉぉおおおおお!!!」
実況「駐屯高校の1・2番をあっさり抑えました。」
諫山さん「駐屯高校としては少しまずい状況になりましたね。」
-
- 278 : 2016/05/22(日) 23:47:25 :
ウグイス「3番キャッチャー、ディートリッヒ君 背番号2」
イアン「ふぅ...」
アルミン「〔イアン...何を考えてるんだ...?〕」
アルミン「〔...イアンは最悪ヒットでもいい、ただ長打は禁物〕」サイン
ドッ!! シュッ!!
パシンッ!!! 審判「ストライク!」
イアン「...」
実況「初球内低めにストレートをストライク! 強気ですね、アルレルト」
諫山さん「彼の持ち味は攻撃的なリードと冷静な判断力です。 ディートリッヒ選手に対しても変わらない姿勢...やはり騎士と言わんばかりですね。」
アルミン「〔2球目...〕」サイン
ドッ!! シュッ!!
イアン「!」ピクッ
パシンッ!!! 審判「ボール!」
実況「2球目は外高め、浮きました。」
アルミン「〔! 外高めに反応した...?〕」
イアン「...」
アルミン「〔...確かめる価値はありそうだ〕」サイン
ドッ!! シュッ!!
イアン「〔! 外高め!〕」スッ!!
キーンッ!!
アルミン「〔クッ、やっぱり高め狙いか!〕」
アルミン「ライトォ!!」
タッタッタ
ライナー「!」
パシッ!
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!!」
タッタッタ イアン「...くそっ」
観客「惜しいぃぃいいいい!!」
観客「あっぶねぇぇえええ!?」
実況「打球は惜しくもライトフライ、定位置でした」
諫山さん「上手く合わせたと思ったんですが、打球が伸びませんでしたね。」
ミタビ「ドンマイ、イアン!」
イアン「...あぁ」
ミタビ「?」
イアン「〔あの時...確かに捉えた感じはした。〕」
イアン「〔! 外高め!〕」スッ!!
キーンッ!!
イアン「〔...くっ、あの頃(中学)の時と同じか...いや〕」
イアン「〔もう...あの時の俺らとは...違うぞ...そうだ...あの時の俺らとは違う...なぜなら...〕」
-
- 279 : 2016/05/22(日) 23:48:59 :
_______________________________
___________________________________________
_____________________________________________________
高校1年時 夏
ウーーーーーーッ
3年モブA「くそっ...」ウルウル
キッツ「...先輩...すみません!!」
3年モブB「何謝ってんだ!お前のせいじゃない!」
イアン「〔あともう少し...手を伸ばせば...届く距離なはずなのに...〕」
決勝で...奴等(調査高校)と戦っても...勝てない...
イアン「〔あんな球...見たことがない...〕」
ナナバ「ふッ!!」シュッ!!!
ミケ「ふんッ!!」シュッ!!!
リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!!
イアン「〔あれが...甲子園を連覇する...奴等の実力...あれが...甲子園に行ける...強さ...〕」
「絶対...来年...行こうな...」
イアン「え?」
ミタビ「先輩達の仇...絶対取って...俺らが来年こそ...甲子園...行こうな...」ウルウル
イアン「ミタビ...」
ミタビ「悪い...柄にもないこと言っちまって...」
イアン「〔甲子園に行きたい...だが、俺らと奴等の違いはなんだ...実力もそうだが、もっと何かあるはずだ...〕」
-
- 280 : 2016/05/22(日) 23:49:32 :
俺は今までにあった経験を思い出し...そして、ようやく理解した...
俺らと奴等の違い...それは...
生まれ育った...環境なのだと。
それと同時に俺は...ある一人の人物の顔を思い出した...
かつて、甲子園決勝で特大ホームランを打った...俺の憧れの選手...
その選手の名は...アルフォンス・アルレルト...
プロも注目していたが、プロ入を蹴り...彼は経営者として...ビジネスを始めた。
そして、彼には一人の息子がいる...
その息子も、父同様に生まれ持った才能で野球界に名を轟かせている。
俺は...そいつに強く嫉妬心を抱いていた。
なぜなら、そいつが生まれた環境は野球をするのに最適な所だったからだ。
そして、ある日...そいつと戦う時が来た。
アルミン「ふッ!!」スッ!!!
ゴォッ!!!
アルミン「うぉぉぉおおおおッッ!!!!」グググッ!!! カキーンッ!!!
結果は惨敗...俺は奴に敗れた...
だが、奴は...敗けた俺にこう言った。
「君は、負けてないよ」と。
俺はその言葉の真意を知らないまま...高校へと行ってしまった。
そして、今...その言葉の真意がやっと理解できた。
負けてもなければ、勝ってもない...つまり
「「今起きたことは...何もなかったことにしよう」」
いや、ゼロになった。と言うべきか...
奴は最初から、俺との勝負をする気がなかった。
だから奴は、負けてないよ。と言ったんだ。
信じられるか...? 今まで俺があの試合をどれほど楽しみにしてきたか。
なのに奴は...あの試合はただの試合にすぎない、と言わんばかりの顔だった。
そして、俺は...決意した。
高校へ上がったら、奴より上に行き...奴より早く甲子園に出て
お前より俺の方がキャッチャーとして上だということを。
お前の生まれ育った環境より、俺の育った環境の方が良かった、と...
絶対に...お前には...負けたくない。 その思い一心で俺は血反吐はくまで練習をした。
そして、高校1年の春...選抜高校野球で...俺はついに奴より先に甲子園へ行った。
だが、奴は...野球をしてなかった。
_____________________________________________________
___________________________________________
_______________________________
イアン「〔このもどかしい気持ち...悔しい気持ち...そして...〕」
イアン「〔あの時の...借りを...今ここで...すべてはらす!!〕」
ミタビ「...イアン」
イアン「? なんだ?」
ミタビ「...どうしたんだ? さっきから黙りこんで」
イアン「...いや、何でもない」
ミタビ「そうか...守備0店に抑えるぞ」
イアン「...あぁ」
-
- 281 : 2016/05/22(日) 23:50:36 :
スタンド
スタスタ
「うげぇ、なんだこの量...半端じゃねぇぞ」
「俺達の時とは大違いだな」
「うるっせ! 俺達の時は初戦だったんだ!」
フレーゲル「準決勝と違って当たり前だ!」
ジム「おぉ~、言うようになったな! フレーゲル!」
ダン「さすがは、副キャプテン...言うことが違うな!」
フレーゲル「うるっせぇ! ったく、どいつもこいつも茶化しやがって...」
「うるせぇぇええええ!! お前らちょっとは静かにみろ!」
ディモ「集中できねぇだろ!デブ!!」
フレーゲル「デブは親父もだろうが!!」
ディモ「バカっタレ!! だから、監督と呼べって言ってんだろ!!」ベシッ!
フレーゲル「んなことで一々叩くんじゃねぇよ!!」
ジム「ふっ、頼もしくなったもんだ」
ダン「あぁ、全くだ」
ジム「だが...まさか、フレーゲルが試合を誘ってくるとは思わなかったぜ」
ダン「確かにな」ハハハッ
フレーゲル「受験勉強が励んでなさそうだったからな!」
ジム「お前よりは頭いいっつの!」
ダン「〔こんな感じで戯れ合うの...前までなかった...それもこれも...あの試合以降からだったな...〕」
ダン「フレーゲル」
フレーゲル「なんだよ」
ダン「来たからには...ちゃんと応援しないとな」
フレーゲル「...っへ、当たり前だ!」
ジム「でも、どっち応援するんだ?」
フレーゲル「んなもん決まってんだろ」
「「あいつら(シガンシナ)を応援するんだ。」」
-
- 282 : 2016/05/22(日) 23:51:11 :
ウグイス「2回の表、シガンシナ高校の攻撃は...6番ピッチャー、フーバー君 背番号7」
ベルトルト「お願いします」
イアン「〔フーバーか...ここは最悪ヒットで...〕」サイン
キッツ「〔ッ...甘いコース...ふん、わざわざ打たれるようなコースに...投げる意味などない!!〕」ドッ!
シュッ!
ボトッ! イアン「ッ」
パシッ!
審判「ボール!」
実況「初球は外低めワンバンしました。」
諫山さん「まだエンジンがかかってないようですね。シガンシナとしては今のうちに叩きたい所です。」
イアン「〔逆球...〕」
キッツ「〔こんなクリーンナップでもない1年坊に...私が打たれてたまるかっ!!〕」
ドッ!
シュッ!
イアン「!」
パシッ!
審判「ボールツー!」
実況「2球目は外高めボール、荒れています。」
アニ「〔ボール荒れてるね、甘い球来るよ。 その時まで待機〕」サイン
ベルトルト「〔慎重打法...〕」
イアン「〔次は内低めに全力投球〕」
キッツ「!」
ドッ!!
キッツ「〔最初から...その指示を...出せ!!〕」シュッ!!
ベルトルト「!」
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
実況「3球目は内甘いコースでしたが、ストレート決まってストライク」
諫山さん「今の球速かったですね、全力投球でしょうか? いくら甘いコースでも、彼の球は走っていれば早々打たれはしません。」
ベルトルト「〔速いな...120後半かな...いや130出てたかも〕」
イアン「〔次は外低めに〕」
ドッ!
シュッ!
ベルトルト「〔甘い球!〕」スッ!!
カクンッ! キッ!
ベルトルト「〔フォーク!?〕」ダッ!
イアン「サード!」
ガシッ! ミタビ「うぉらッ!!」シュッ!!
パシッ!! 審判「アウト!」
イアン「ワンァウト!!」
ミタビ「オォーッ、ワンァウト!!」
グスタフ「ピッチャー、球走ってますYO!」
ハンネス「あんまり初回から突っ走るなよ~!」
キッツ「黙れェ!!」アセ
アニ「〔弱ったね...ベルトルトでも、あのフォークを打ち損じちゃうのか〕」
アルミン「...」
・・・
パシッ! 審判「アウト!スリーアウトチェンジ!!」
-
- 283 : 2016/05/22(日) 23:51:48 :
実況「さぁ次の先頭バッターは4番のミタビからですね」
諫山さん「彼はパワーヒッタータイプですから、甘い球は禁物ですよ。」
ウグイス「2回の裏、駐屯高校の攻撃は...4番サード、ヤルナッハ君 背番号5」
ミタビ「うぉっしゃぁぁあああああ!!」
アルミン「〔ミタビか...正直ベルトルトの球質を考えると、相手にしたくないバッターだな...でも、今日はコントロールも悪く無いから...〕」
ドッ!! シュッ!!
ミタビ「〔外低めっ!!〕」スッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
実況「初球は外低めにストレート、今日は上手くコントロール出来てますねフーバー」
諫山さん「何度も言うように彼のストレートはノビますから、それに制球力が付くということは、まさに鬼に金棒です。」
アルミン「〔加えて、今日のベルトルトは...フォークのキレが良い。 これを使わない手立てはない!〕」
ドッ!! シュッ!!
ミタビ「!」
スッ!! カクンッ!!
パシンッ!!! 審判「ストライクツー!」
実況「2球目も外低めに、今度はフォーク!」
諫山さん「今日の彼は制球も出来てますが、フォークがよくキレてますねぇ...これはシガンシナにとっては幸いなことでしょう。」
ミタビ「〔くっそぉ...ボールがちらついて...狙いが定まんねぇ...だが、狙い球は最初から決めてるだろ〕」
「「ストレートの球質が軽いんだ、当たれば場外だぜ。」」
ミタビ「〔だが、外・外と来たら普通は内に一球外すのが定席だが...アルミンなら外で勝負してくるかもしれねぇ〕」
アルミン「...」チラッ
サイン ベルトルト「!」コクッ
ミタビ「〔確かグスタフは内低めストレートで三振、イアンが打ったのは外高めのストレートか...ストレート多いんだな〕」
ドッ!! シュッ!!
カクンッ!! ミタビ「〔ぐッ!? また外のフォークかよ!?〕」スッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!バッターアウト!!」
観客「うぉぉぉおおおおおおおおッ!!!!!」
実況「三振! これで今日2個目の三振です!」
諫山さん「さっき投げたコースより、更に厳しいコースにまたもフォーク...さすがアルレルト選手、裏をかくのがとてつもなく上手い!」
ミタビ「〔チッ、ストレート狙いがバレてるのか...?〕」
グスタフ「ドンマイ!」
ミタビ「やられたぜ、今日のあいつ...フォークがやべぇな」
グスタフ「俺の時はストレート中心だったが...ミタビの時はフォークが多いな」
ミタビ「つ~ことは、ストレート狙いがバレてるのか」
グスタフ「どうする? イアン」
イアン「このままでいい、動くなら2順目だ。」
グスタフ「と言っても、何か策はあるのか?」
イアン「あぁ」
ミタビ「ならなんで今やらねぇんだよ!」
イアン「今やったとしても成功する確率が低いんだ、やるなら回を重ねた...そうだな、5・6回当たりがベストだな」
キッツ「」イラッ
ミタビ「だけど、その前に試合決められちまったら元妹紅もねぇぞ」
イアン「大丈夫だ、これ以上奴等が点を入れることはない。」
ピクシス「うむ、イアンの作戦でいいじゃろう」
キッツ「なっ、ピクシス監督まで...」
ピクシス「どの道、あの投手より...アッカーマンを引きずり出さなきゃ、意味は無いのじゃからな」
イアン「今焦ってアッカーマンと当たるより、ちゃんと準備をしてからやる。というわけだ」
グスタフ「まぁ、イアンがそういうなら問題なさそうだな!」
ミタビ「...あぁ、だな」
キッツ「」ギュゥッ
キンッ!
アルミン「レフト!」
ミリウス「」パシッ!
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!」
実況「三者凡退、今のところランナーは出ておりません!」
諫山さん「今日のフーバー選手は絶好調ですね、このまま順調に行けば駐屯高校は何か秘策を取らなければなりません。」
-
- 284 : 2016/05/22(日) 23:52:12 :
ウグイス「3回の表、シガンシナ高校の攻撃は...9番セカンド、ボット君 背番号4」
スタンド
スタスタ
ミーナ母「大丈夫かしら、あの子」
ミーナ父「大丈夫さ、あの子を信じよう...きっと来る」
スタスタ
「もぉ~なんで、私があいつの試合なんて来なきゃ行けないのよ...」
ミーナ父「ほら、噂をすれば」
ミーナ「しかも、暑いし...日焼け止め塗っても絶対意味ないでしょ~」
ミーナ母「ミーナ、こっちよ!」チョイチョイ
ミーナ「ハァ...なんでダメ男のために...」
ミーナ母「はい、これ!暑いから飲み物と、これは応援グッズね!」
ミーナ「なんで母さん、そんなにノリノリなの...」
ミーナ母「母さんこういうこと初めてだからわからなかったけど...結構楽しいものよ!」
ミーナ「どうせ結果なんて...」チラッ
シガンシナ 高校 1 0
駐屯 高校 0 0
ミーナ「〔うわぁ、うっそ...名門校相手に勝ってる...と言っても〕」
ミーナ「最初の序盤なんて、まだわからないでしょ。 スポーツは最後まで何があるかわからないんだし」
ミーナ父「よく知ってるな、ミーナ」
ミーナ「対外のスポーツなんてそうでしょ」
ミーナ母「でも母さん、こういうの好きだなぁ...だって、学校全体でクラスメート達を応援するなんて...青春じゃない!」
ミーナ「母さんはそういうドラマとか見過ぎなだけだって」チラッ
クリスタ「マ・ル・コ!」ササッ
ミーナ「〔えっ...うそ、あんな可愛い子がチアなの!?〕」
ユミル「マ・ル・コ」ササッ
ミーナ「〔こっちの人はスタイル良いし...あっ、そうだ! シガンシナ高校って吹奏楽とチアリーダー部が有名なんだった!〕」
ミーナ母「ねっ?良いもんでしょ!」
ミーナ「ぁっ...うぅ...別に! こんなの暑いだけだし! それに...」
ミーナ「友達の前とかで...あのダメ男が失敗したら...馬鹿にされるだけだし...」
ミーナ母「...」 ポンポンッ
ミーナ母「!」
ミーナ父「信じよう...ダズ君も...ミーナも」
ミーナ母「...えぇ、そうね」
-
- 285 : 2016/05/22(日) 23:52:58 :
実況「さぁワンァウト一塁、カウントはワンワンで、クリーンナップ3番のアッカーマン」
イアン「〔アッカーマン...前回の打席ではストレート甘い球を打たれたんだ...ここで打たれてアルミンに回ったら厄介だ。〕」サイン
キッツ「〔内低めにシュート...クッ、こんな金魚鉢1年には...変化球を使わずともアウトを取れるのに...〕」ドッ!
シュッ!
ミカサ「〔内低め!〕」スッ!!
クイッ! キーンッ!!
ミカサ「〔ッ、シュートした!?〕」
エレン「いやッ、でも打球は三遊間超えr パシッ!!
シガンシナ一同「ッ!?」
スタッ グスタフ「ほれッ!!」シュッ!!
コニー「マジかよ!?」ダイブッ!
パシッ!! 審判「...アウト!スリーアウトチェンジ!!」
実況「なんと...三遊間の当たりを...ショートのグスタフが素晴らしい反応でキャッチ、その後も素早く一塁に送球しゲッツーを取りましたッ!!!」
諫山さん「駐屯高校の守備の堅さの要因はディートリッヒ選手ももちろんですが、ショートのグスタフ選手もキーになってます。」
ミカサ「すみません」
アニ「球種は?」
ミカサ「ストレート・ストレート・最後はシュートでした」
アニ「そう...ストレートは大分見れたね」
ミカサ「はい、シュートとの見分けも次から出来ます」
アニ「なら大丈夫だね、次は頼むよ」
ミカサ「はい!」
アニ「〔段々嫌なムードになってきたね...〕」
-
- 286 : 2016/05/22(日) 23:53:41 :
ウグイス「3回の裏、駐屯高校の攻撃は...7番ライト、モブライト君 背番号9」
イアン「そろそろ、動き出すか」チラッ
敵モブライト「」コクッ
審判「プレイ!」
アルミン「〔基本下位打線の要注意バッターはいない...だからこそ、きっちり3人で絞めないとダメだ。〕」サイン
ドッ!! シュッ!!
敵モブライト「ッ!!」スッ!
キーンッ!!
アルミン「〔初球打ち!?〕」
アルミン「センター!」
タッタッタ!!
ジャン「〔くそっ、どこまで伸びるんだよ!!〕」
パシッ!! 審判「アウト」
観客「うぁぁぁああああ、おしいいいいいい!!!!!」
実況「打球は惜しくも、フェンス直前で止まりました。」
諫山さん「初球打ちでしたね...何か狙いがあったんでしょうか?」
アルミン「〔今の打席...バッターボックスギリギリ前まで立ってた...ストレート狙い?〕」
敵モブライト「すまん、イアン」
イアン「いやあれで十分だ」
ミタビ「どうだったよ?」
敵モブライト「あぁ、当たれば相当伸びる」
ミタビ「そうか...だが、当たらなきゃ意味ねぇんだよなァ!!」
イアン「...ミタビ」
ミタビ「お?」
イアン「次の打席、~~~~」
ミタビ「...! おう、任せろ!!」
イアン「グスタフも...いいな?」
グスタフ「あぁ、任せてもらおうか」
イアン「監督」
ピクシス「うむ、よかろう」
キッツ「クッ...く...」ギュゥッ
ハンネス「ん?どうした、キッツ」
キッツ「ふんっ、貴様に心配される立場ではない!」
ハンネス「別に心配してるわけじゃないんだが...」
キーンッ!
アルミン「サード!」
コニー「〔あっ、この打球高ぇ!!〕」ピョンッ!
コニー「〔とどっ...かねぇ!?〕」
ポタッ
審判「フェア!」
ミリウス「くそ、間に合わないか」
アルミン「〔さっきの7番といい...明らかに早めに打ちに来てる...決め球のフォークを嫌がってか...?〕」
アルミン「ドンマイ、球走ってるよ! 今のはあっちのラッキーだから、気にしないでバッター勝負!」
ベルトルト「はい!」
ウグイス「9番センター、モブセンター君 背番号8」
スッ
アルミン「〔...バントか、まぁツーアウト二塁でグスタフに繋げればチャンスは広がる...ここはさせちゃダメだ〕」サイン
ドッ!! シュッ!!
カクンッ!!
パシンッ!!! 審判「ボール!」
実況「初球、内低めにフォークはボール!ノーワン」
ドッ!! シュッ!!
カクンッ!! 敵モブセンター「ッ」
パシンッ!!! 審判「ストライク!」
実況「2球目は外低めにフォーク!諫山さん、今日のフーバーは本当に制球出来てますね!」
諫山さん「そうですね、特に外低めのボールがよくゾーンギリギリに集まってます。これはちょっとやそっとじゃ打てませんよ。」
アルミン「〔次は...〕」
ドッ!! シュッ!!
敵モブセンター「〔インハイにストレート!〕」スッ!
キッ
アルミン「〔くそっ、決められた!〕」
アルミン「1つ!」
コニー「ッ!!」シュッ!
パシッ! 審判「アウト!」
実況「送りバント成功して、ツーアウト二塁でバッターボックスには1番のグスタフ」
-
- 287 : 2016/05/22(日) 23:54:00 :
ウグイス「1番ショート、グスタフ君」
グスタフ「」チラッ
イアン「」コクッ
アルミン「〔ツーアウト二塁でグスタフか...ネクストにはいぶし銀のハンネス...その次は...〕」
アルミン「〔ここは守備範囲も兼ねて、ショートのミカサに捌かせよう〕」サイン
ベルトルト「〔外低めにフォーク〕」コクッ
ドッ!! シュッ!!
カクンッ!!
グスタフ「〔ッ、フォーク!〕」
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
アルミン「ナイスボール!」
グスタフ「〔初球低めにフォーク...今日はそこによく決まるな...〕」
ドッ!! シュッ!!
グスタフ「〔! 来た、ストレート!!〕」スッ!!
キーンッ!!
アルミン「〔外低め、ゾーンから2個分離したストレートを無理矢理引っ張った!?〕」
実況「これは鋭い打球! レフト線直通!!」
カシャンッ!
実況「フェンス直撃したぁ!! これはランナー帰ってこれるぞぉ!!!」
タッタッタ!
審判「セーフ!」
観客「おぉぉぉおおおおおッ!!!!! 同点!!!」
実況「グスタフの二塁打で同点です!!」
諫山さん「ストレートを強引に引っ張りましたねぇ、どうやらストレート狙いだったんでしょう」
エレン「〔か、簡単に...〕」
ジャン「〔同点に...〕」
ミカサ「〔なってしまった...〕」
アルミン「タイム」
審判「タァイム!」
スタスタ
実況「ここでシガンシナ高校タイムを取りました。」
諫山さん「同点にされて、一旦気持ちを整理したい所ですね。」
アルミン「今の打席全員...ストレート狙いだったの...気づいた?」ボソッ
ミカサ「はい」ボソッ
ベルトルト「僕も」ボソッ
コニー「俺が気づけないのは、俺が馬鹿だからじゃないよな?」
マルコ「黙れコニー! そして、グラブで口隠せ!!」ボソッ
アルミン「次のバッター、ハンネスは渋さを見せるバッティングだからドロップカーブを使って、内野で打ち取る」ボソッ
「はい!」ボソッ
アルミン「トーマスとコニーは、いつもより二歩ベース側に寄って守るんだ。」ボソッ
アルミン「マルコはいつもより、一二塁間を注意して守って。」ボソッ
アルミン「ミカサには大変で悪いけど、二遊間・三遊間を守ってもらう。」ボソッ
ミカサ「はい、大丈夫です」ボソッ
アルミン「よし...この回次のハンネスで切ろう。」
「オーッ!!!」
スタスタ
アルミン「ベルトルト!」
ベルトルト「!」
アルミン「バッター勝負!」
ベルトルト「! バッター勝負!」
アニ「〔ベルトルトの集中は切れてないようだね...このまま投手を支えるんだよ、アルミン〕」
-
- 288 : 2016/05/29(日) 23:17:34 :
実況「状況は変わらず、尚もツーアウト二塁、ここでバッターは...」
ウグイス「2番セカンド、ハンネス君」
ハンネス「おうッ」
アルミン「〔...初球から勝負〕」サイン
ドッ!! シュッ!!
クインッ!!
ハンネス「〔ッ、これは...!?〕」
パシンッ!!! 審判「ストライク!」
実況「初球内低めにドロップカーブが決まって、ストライク! 出ましたね、ドロップカーブ」
諫山さん「えぇ、初めはすっぽ抜けの高めが来た!と思うでしょうが、急に回転が掛かって縦に落ちるカーブ」
諫山さん「別名、Twelve for Sixカーブとも呼ばれています。 時計の12時から6時の方向へ落ちることからその呼ばれ方をしています。」
諫山さん「更に言うなら、フーバー選手は左利きなので右バッターにとっての内角は少し食い込んでくるように見えるので打ちづらいです。加えて、あのドロップカーブですから、まさに魔球ですね。」
ハンネス「〔これがあの投手の決め球...ドロップカーブか!〕」
アルミン「〔うん...悪くない、コントロールも出来てる。キレもいつも以上にある...これなら...〕」
ドッ!! シュッ!!
クインッ!!
ハンネス「〔ぐッ!? またドロップカーブ!?〕」スッ!
パシンッ!!! 審判「ストライクツー!」
実況「2球目も外低めにドロップカーブを空振り!」
諫山さん「いいですね、ドロップカーブもキレてます。 今日のフーバー選手は本当に絶好調です。」
アルミン「〔決め球は...〕」
ベルトルト「」コクッ
グスタフ「...」ジィーッ
ドッ!! ダッ!!
ミカサ「ッ、スチール!!」
アルミン「ッ」
ベルトルト「えっ!?」
アニ「〔ここで仕掛けてきた!?〕」
ベルトルト「〔ダメだ、完全にフォームを盗まれてるっ!?〕」シュッ!
クイッ
アルミン「〔曲がらない!?〕」
ハンネス「おらッ!!」スッ!!
キーンッ!! マルコ「〔ッ、エンドラン!? まずいッ、盗塁に気を取られすぎて一二塁間が空いたままだ!?〕」
トーマス「させるかっ!」ダイブッ!
トーマス「〔あぁくそッ!! 届かねぇ!?〕」 ズサーッ
審判「フェア!フェア!!」
実況「一二塁間抜けたァ!! ライト前まで転がった!!!」
グスタフ「ハッ、ハッ...」ダッダッダ!!
ライナー「〔今投げれば間に合うか!?〕」ガシッ!
アルミン「ッ、投げるなッ!! ライナー!!」
ライナー「オラァッ!!!」シュッ!!
ハンネス「〔今だッ!!〕」ダッ!!
実況「おぉっと!? 一塁にいたハンネスが、ライトの返球を見てから走った!!」
ライナー「ぁっ!?」
実況「このまま一気に逆転出来るかぁ!?」
ダッダッダ!!
アルミン「〔まだだッ、ここで僕がブロックすれば...!!〕」チラッ
グスタフ「負けんZO!」ダイブッ!!
ズサーッ!!
実況「グスタフ、ヘッドスライディング!!」
パシッ!!! アルミン「ッッッ!!!!」スッ!!
ズサーッ!!!
ミタビ「ど...どっち...」
エレン「なんだ...?」
・・・
審判「...セーフ!セーフ!!」
-
- 289 : 2016/05/29(日) 23:18:14 :
観客「うぉぉぉぉおおおおおおおッッッ!!!!!!!!」
実況「逆転!逆転です!! グスタフ、絶妙なタイミングでヘッドスライディングを決めました!!」
諫山さん「中学までの彼(グスタフ)は足がそんなに速いわけではなかったのですが、甲子園に行ってから変わりましたねぇ」
エレン「ぁ...あ....」
ライナー「くそぉ...〔俺があの時...もっと前進しとけば...間に合ったかもしれないのに...それに...〕」
ハンネス「ははっ、やるじゃねぇかグスタフの奴」
ライナー「〔俺が投げなければ、ランナーは二塁に行けなかったはずなのに...くそぉ...ちくしょうッ〕」ギュゥッ
「あんまし自分責めんなよ」
ライナー「ッ、ジャン」
ジャン「今はこの回を一刻も早く終わらせることだけに集中だ。 お前一人の責任何かじゃねぇぞ」
ライナー「...あぁ...そうだな、悪い」
ベルトルト「ぁ、ぁの...先輩...」
「くそッ」ガンッ!!
ベルトルト「ッ」ビクッ
スタッ アルミン「ごめんッ」
ベルトルト「え...?」
アルミン「アウトに出来なかった」
ベルトルト「ぇっ...いや、僕のせいです。あの時、動揺して甘い球を「そうじゃなくて」
ベルトルト「?」
アルミン「キャッチャーはチームのホームベースを守ることが仕事なのに、それが出来なかった...だから、ごめん」
ベルトルト「いや...だから、僕も...」
アルミン「あぁうん、わかってる...けど、こればっかりは...僕の責任だ。」
アルミン「でも、取られた以上は仕方ない。 今どうこうできる問題じゃないからね」
ベルトルト「!」
アルミン「次のイアンは...~~~~」
ベルトルト「! はい!」
アルミン「じゃぁ頼むよ」
ベルトルト「はい!」
ウグイス「3番キャッチャー、ディートリッヒ君」
イアン「〔来い...アルミン〕」
アルミン「...」サイン
ドッ!! シュッ!!
カクンッ!!
パシンッ!!! 審判「ボール!」
イアン「〔ん...? 内低めにフォーク?〕」
ドッ!! シュッ!!
カクンッ!!
イアン「〔またか...まぁいいッ!!〕」スッ!!
キーンッ!!
ベルトルト「ッ!?」
観客「おぉッ!!」
実況「内角甘めに入ったフォークボールを、そのまま引っ張ったァ!!」
カシャンッ!!
実況「レフト側フェンスまで運んだァ!! これは二塁ランナーまたもや帰ってこれるかァ!?」
ハンネス「ハァッ、ハァッ...」ダッダッダ!
イアン「〔ふっ、勝ったな...この勝負...お前に...ッ!?〕」チラッ
その時見た光景は、イアンにとって信じられないものだった...それは...
アルミン「レフト、間に合うッ!!」ニッ
アルミンが...負けているのに...逆転されたのに...ピンチなのに...
笑顔で...楽しそうに...野球をしている姿だった。
イアン「〔なぜだ...? なぜ負けている今...ピンチな局面の今...なぜ、そんな笑顔を出せる!?〕」ダッダッダ
イアン「〔どこから、そんな笑顔を出す余裕があると言うんだ...!?〕」チラッ
ガシッ!!! ミカサ「よし!」スッ!!!
イアン「〔ッ、まさか...!?〕」
イアン「ハンネスさん、もどっ「ッ!!」シュッ!!!
ハンネス「はっ...!?」
パシッ!!!!
アルミン「...」スッ
ポンッ
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!!」
観客「おぉぉぉぉおおおおおッッッ!!!!」
実況「あぁっと!? なんということだ!? ショート、アッカーマンから矢のような送球でホームタッチアウト!!」
イアン「〔まさかあの時...わざと俺に内角のフォークを引っ張らせたのか...?〕」
「取られたものはもう仕方がない。」
イアン「!」クルッ
アルミン「取られたら、取り返せばいい...それがスポーツの基本...でしょ?」
イアン「...クッ、アルレルト...」ギロッ
-
- 290 : 2016/05/29(日) 23:18:51 :
ウグイス「4回の表、シガンシナ高校の攻撃は...4番キャッチャー 、アルレルト君」
実況「4回の表、シガンシナ高校の攻撃です。先頭バッターは4番のアルレルト」
諫山さん「前回の打席では敬遠でしたが、今回はどうするのでしょうか?」
イアン「〔アルレルト...お前には一切攻撃では慣用させないぞ〕」サイン
キッツ「〔クッ、またこの指示か...たかが、中学時代騒がれてた小僧になぜこれほどまでに注意深くしなければならない!〕」アセ
ドッ! シュッ!
アルミン「!」
パシンッ!!
審判「ボール!」
実況「初球は外低めボール、浮いてますね」
諫山さん「前の回、アッカーマン選手をアウトした時はやっとエンジンがかかったと思いましたが、どうやらまだかかってないようですね。」
ドッ! シュッ!
パシンッ!! 審判「ボールツー!」
実況「またもや外れました。」
アニ「〔この感じ...もしかしてあのバッテリーはアルミンと勝負する気はない...?〕」
ドッ! シュッ!
パシンッ!! 審判「ボールスリー!」
観客「おいおいおい、勝負しろよッ!! ピッチャー!!」
観客「ビビってんのかー!!」
キッツ「〔なっ、好き勝手言いおって...これは私の指示何かじゃないのに...!!〕」イライラ
アルミン「〔イアンの指示だ、僕のやる気を挫く気なのか...それとも元々勝負する気がないのか...どちらにせよ、塁に出れることには変わらない。〕」
イアン「〔次の5番でゲッツー取れます。 今は我慢時です。〕」サイン
キッツ「〔私は...逃げたく...ないッ!!〕」スッ!!
ドッ! シュッ!
アルミン「ぅッ!?」
イアン「ッ!?」
パシンッ!!
審判「ストライク!」
実況「4球目にしてようやくストライクが入りました!」
諫山さん「敬遠ではないかと思いましたが、やはり勝負ですか...楽しみですねぇ」
イアン「タイム」
審判「タァイム!」
スタスタ
アルミン「〔...ここでタイムを取るってことは、やっぱり今の一球はイアンの指示じゃなかったのか...だとしたら、キッツの独断...?〕」スッ!!
ブンッ!!!
イアン「どうしたんですか、リード通りの球とは違ったんですが」ボソッ
キッツ「私...う...げ...い...だ」
イアン「え?」
キッツ「私はもうッ、限界だと言っているんだッ!!」
ハンネス「ん?」
グスタフ「!」
ミタビ「〔やばいな...またイアンの胃に穴があきそうだな〕」スタスタ
グスタフ「どうしたんだ?」
キッツ「こんな作戦馬鹿げてるッ!アルレルトなど、敬遠するほどの奴ではない!」
イアン「...ですが、奴の実力はキッツさん、あなたもよくおわかりでしょう」
キッツ「なっ...だ、黙れッ!! キャプテンは私だぞ!? 私に歯向かう気か!?」
ピクシス「...やれやれ、困ったのぅ...モブ、伝令じゃ」
敵モブ「はい!」
スタスタ
キッツ「貴様らもどうにか言ったらどうなんだ!? アルレルトは敬遠をしなくともアウトを取れると!」アセ
ハンネス「いやぁ俺はそうは思わないなぁ」
キッツ「貴様には聞いてないッ!!」アセ
ハンネス「えぇ~、だって今貴様らって言ったじゃねぇか...」
グスタフ「俺は別に...イアンの指示で良いと思います。」
キッツ「なっ!?」アセ
ミタビ「...」
キッツ「貴様はどうなんだ!?」アセ
ミタビ「俺は...」
ゴクンッ
ミタビ「俺は...キャプテンに勝負させても良いと思う」
イアン・グスタフ「!?」
グスタフ「お、おい...ミタビ、お前気は正気か...? 俺達は前回奴に敗けたんだぞ...?」
ミタビ「あ、あぁ...そうだな...だがよ...」
ミタビ「イアンの言い分もわかる...だが、キャプテンの言い分もわからなくもないんだ。」
イアン「ッ」
-
- 291 : 2016/05/29(日) 23:19:49 :
スタンド
スタスタ
「ハァ~...なんで俺がお前らと見に行かなきゃ行けないんだよぉ」
「まぁそう言うなって、せっかく後輩が誘ってくれたんだからよ!」
サネス「全く...とんだいい迷惑だぜ」
「ん?あ、先輩!こっちです!!」
ラルフ「おぉ、マルセル!」
マルセル「お久しぶりです、と言っても数週間ぶりですね!」
サネス「ったぁく、なんで準決勝なんか...しかも、俺らが負けた相手なんかの...」
ラルフ「いいじゃねぇか、気分転換に」
サネス「そんで...今は...」チラッ
シガンシナ 高校 1 0 0
駐屯 高校 0 0 2
サネス「ハァ...負けてやがるし」
ラルフ「あらま、でも1点差じゃん」
マルセル「さっき追いついたところですよ、やっぱ駐屯の正捕手...イアン・ディートリッヒって凄いっすね!」
サネス「イアン...か」
マルセル「知ってるんすか?」
ラルフ「当たり前だ、アルミンのことを蒼の騎士・イアンのことを紅の魔術師って呼ばれてるくらいだ。知らないはずがないだろ」
サネス「〔状況は...無死無塁のアルミンか...カウントはワンスリー...ははぁん、さては駐屯の奴等揉めてるなぁ?〕」
サネス「こりゃこの回に来て正解だったかもな」
ラルフ・マルセル「え?」
サネス「揉めてるぜ...あいつら」ニヤッ
マウンド
グスタフ「わからなくもない...ってどういうことだよ」
ミタビ「...キャプテンは...アルミンと勝負したかった...んですよね?」
イアン「!」
キッツ「...クッ、だからどうしたのだというのだ!? 強い奴と勝負したいと思うのは投手として、当たり前だろぅ!?」アセ
スタンド
ラルフ「揉めてる...? なんでわかるんだよ」
サネス「それは...あいつらがバッテリーだからだ。」
マルセル「あの投手の3年生、ストレート走ってれば良いピッチャーですよね...でもコントロールが...」
ラルフ「あぁ、キッツか...確かにあいつは制球力ないよな...それと、短気だし」
サネス「バーッカ、俺はそういうこと言ってんじゃねぇよ」
ラルフ「じゃぁなんだよ?」
サネス「俺はそいつ一人の問題じゃねぇって言ってるんだ。」
ラルフ「一人の問題...?」
サネス「まぁこればっかしは、仕方ないことなんだろうけどな」
ラルフ「何言ってるんだよ、お前」
サネス「俺が言いたいのは...キャッチャーのイアンの方だ」
ラルフ「イアン? なんで?」
サネス「相性って奴だ、人はみんな違う個性を持ってる。 だからこそ、相性抜群の奴等もいれば...相性が最悪な奴等もいるって話だ。」
ラルフ「?」
サネス「〔その点で言えば、俺は恵まれてたのかもな...もし、俺の相棒がラルフじゃなくてアルミンだったら/イアンだったら...どうなってただろうなぁ〕」
サネス「〔もしかしたら、今頃少年院に入ってたかも...しれねぇな〕」
マルセル「で、結局どういうことなんですか?」
サネス「は? あぁ...まぁ要は...捕手が投手の気持ちを理解してるかどうかだ。」
ラルフ「〔...なるほどなっ〕」クスッ
-
- 292 : 2016/05/29(日) 23:20:28 :
グラウンド
イアン「...」
ミタビ「だから、イアン...1打席だけ勝負してやったらどうなんだ? キャプテンの身にもなっt「ダメだ」
ミタビ・グスタフ・ハンネス・キッツ「!?」
イアン「何度も言うが、俺はこの試合...絶対に勝ちたい...そう...勝たなければならない...」
ミタビ「イアン...お前、どうした? 今日のお前、なんか...可笑しいぞ?」
イアン「...そんなことはない、いつも通りだ。 それと、アルレルトとは勝負はしません。敬遠してください」
キッツ「なっ!?」
スタスタ
イアン「〔絶対に奴とまともに勝負してはダメだ...簡単にアウトをくれる奴ではないし、流れを一気に持っていく力もあるんだ。〕」
イアン「〔作戦通りやれば...俺の作戦通りにやれば...絶対に勝てる!〕」
審判「プレイ!」
キッツ「クッ...くぅ...」ギュゥッ
ドッ! シュッ!
イアン「〔インコース甘い球!?〕」
スッ!!
アルミン「うッ!!」キーンッ!!
イアン「〔なっ...くそっ、なんでリード通りに投げないんだ!?〕」
カシャンッ!
審判「ファール!」
ウグイス「ファールボールにはご注意ください。」
実況「内角甘いコースにストレート、それをアルレルト得意の流し打ちでしたが、ファール」
イアン「〔フルカウント...どの道この人はコントロールが甘い...なら、厳しいコースを指示しておけば...〕」サイン
キッツ「〔! 勝負していいのか...ふんっ、最初から...〕」スッ!!
キッツ「〔そうすればいいのだッ!!〕」ドッ!
シュッ!
パシンッ!!
審判「ボールフォア!」
ミタビ「〔あのイアンがリードを変えた...? まさかあいつ...キャプテンのコントロールの悪さを利用して...〕」
実況「結局フォアボール!」
ミタビ「〔だが...あいつの考えなら...あり得るな...〕」
ウグイス「5番ライト、ブラウン君」
ライナー「っしゃぁ」
イアン「〔こいつならゲッツーを狙える...グスタフに捌かせて...〕」サイン
ドッ! シュッ!
ライナー「〔! 甘いコース、ストレート!!〕」スッ!!
キーンッ!!
パシッ!!
ライナー「ぇっ!?」
グスタフ「よっTO!」シュッ!
パシッ!! 審判「アウト!」
ハンネス「ほらよっと!」シュッ!
パシッ!!
審判「アウト!」
実況「ゲッツー、ブラウンどうしたのでしょうか? ここで2打席ともゲッツーです。」
諫山さん「ブラウン選手みたいなプルヒッターにはリードの自信があるようですね、ディートリッヒ選手は」
ライナー「〔くそっ、守備でも攻撃でも俺は...!〕」
ベルトルト「ドンマイ、ライナー!」
ライナー「ベルトルト...悪い、点を取ってやれなくて...」
ベルトルト「...ふっ、取られたものは仕方ない、取り返せばいい。」
ライナー「!」
ベルトルト「アルミン先輩の受け売りだよ...その通りだと思ったよ、だから僕...」
ベルトルト「自分で取られた点は、自分で取り返すよ」キリッ
ライナー「ッ...あ、あぁ...」
-
- 293 : 2016/05/29(日) 23:21:59 :
ウグイス「6番ピッチャー、フーバー君」
ベルトルト「ふぅ...お願いします」
イアン「〔フーバーか...その次はワグナー...ここはランナーを出さないで一気に〕」サイン
ドッ! シュッ!
ボトッ!! パシッ!!
審判「ボール!」
イアン「〔またバウンドボール...今日はやけに荒れてるな〕」
ベルトルト「ふぅ...」ギリッ!!
アルミン「!」
エレン「どうかしたんですか? アルミン先輩」
アルミン「いや...今ベルトルトから...凄い気迫を感じたというか...」ボーッ
エレン「? どういうことですか?」
アルミン「ううん...何でもない」ボーッ
エレン「〔どうしたんだ...?〕」
イアン「〔ならここは、シュートを内低めに〕」
ドッ! シュッ!
ザッ!!
イアン「〔よし、内のシュートに引っかかったか!〕」
ベルトルト「ッ!!」スッ!!
キーンッ!!!
イアン・キッツ「ッ」
実況「ライト線に鋭い打球!! これは長打コースか!?」
ボタッ!!
審判「フェア!フェア!!」
観客「おぉぉぉおおおおッッ!!!!」
ジャン「回れェ、ベルトルト!!」グルングルンッ
ベルトルト「ハッ、ハッ、ハッ」ダッダッダ!!
ハンネス「ライト、急げ!!」
敵モブライト「〔この野郎...って、は? もう二塁回ってるのかよ、あのデカブツ足速かったか!?〕」
ベルトルト「ふっ!!」ダッ!!
グスタフ「なっ!? 二塁も蹴りやがった!?」
ダッダッダ!!
ハンネス「急げ、ライト!!」
敵モブライト「このッ!!」シュッ!
パシッ!!
ハンネス「ッ...」
審判「セーフ!」
実況「スリーベース! スリーベースヒット!! なんとフーバー、自ら点を取りに行く姿勢を見せます!!」
諫山さん「今彼の集中力は凄く高まってます。これが彼の本当の姿なのだとしたら...今後が本当に楽しみですね」
ベルトルト「ふぅ...」
エレン「ナイバッチ、ナイランベルトルト!!」
ミカサ「ナイラン!」
ベルトルト「え...あ、うん!」
イアン「〔インロー胸元のシュートにつまらせずに、そのまま引っ張って長打に...くそっ、少し甘く見ていたな...〕」
キッツ「」イラッ
-
- 294 : 2016/05/29(日) 23:22:44 :
ウグイス「7番ファースト、ワグナー君」
トーマス「よし、来たァ!」
実況「ツーアウト三塁で、7番ファーストのワグナー」
アニ「〔このチャンス...絶対に逃がさない、ここはターニングポイントだよ!〕」サイン
トーマス「〔ヒッティング...って、え?〕」
アニ「〔ヒッティングでも、ただ狙い球を絞るんじゃそれは相手の思う壺...だから、ここは相手の嫌なことをするよ〕」サイン
トーマス「〔相手の嫌なこと...この状況で何を嫌がるんだ...? シングルでもツーベースにしろ、打たれたら嫌だとは思うけど...俺打ってかな...〕」
アニ「〔よぉく考えてみな? 今の駐屯は何か雰囲気悪そうな気はしないかい?〕」
トーマス「〔! そうか...チームの士気が下がってる時こそ、チームはバラバラなんだ!〕」
審判「プレイ!」
イアン「〔ワグナーか...こいつならシュートで...〕」サイン
キッツ「〔クッ、また変化球...〕」ブンブン
イアン「〔...なら、外低めにシュート〕」サイン
キッツ「」ブンブン
イアン「〔ッ...変化球じゃなきゃ、こいつは打ち取れない...ならフォークを〕」サイン
キッツ「クッ...」ブンブン
実況「どうしたのでしょう?なかなか投手がうなずきません。」
トーマス「ふぅ...」サイン
ベルトルト「!」
イアン「〔ここで同点にされたんじゃ意味がないんだ...ストレートじゃ当てられてサードランナーが帰ってくる...変化球じゃなきゃダメだ〕」サイン
キッツ「っ...」ピキピキ
ドッ! ダッ!!
ミタビ「なっ、サードランナー!!」
シュッ!
トーマス「〔投手のベルトルトが頑張って打ったんだ...俺ら野手陣で取り返してやらなきゃ...チームじゃねぇッ!!!〕」スッ!
イアン・キッツ「〔ッ、セーフティスクイズ!?〕」
キッ!
ポタッ コロコロ 審判「フェア、フェア!!」
トーマス「〔走りぬけろッ!!!〕」ダッ!
イアン「サードッ!!」
ダッダッダ!
ガシッ! ミタビ「〔ッ、ホームは間に合うか!? いや、なら一塁で刺す!!〕」シュッ!!
ダッダッダ!
トーマス「うぉぉぉぉぁぁぁぁああああッ!!!!」ダイブッ!
ズサァッ!!
・・・
審判「...セーフ!セーフ!!」
観客「同点だぁぁぁああああああああああッッ!!!!!!」
実況「同点、同点になりました!! バッターのワグナー、懸命に走りましたッ!!」
諫山さん「今の得点は、相手の意表をつく作戦でしたね。 駐屯高校がバラバラな今、あぁいったプレーは効果が高そうです。」
トーマス「よっっっしゃぁぁああああ!!!」ガッツポーズ
ワァァァァアア
ミーナ「〔え...なに、同点になったの...?あのマダ男がいるチームなのに...名門校に同点? どうやって...!?〕」
「ワ・グ・ナー!ワ・グ・ナー!わぁぁぁぁああああッ!!」パチパチ
エレン「ナイラン、トーマス!」
トーマス「おぉう!」
-
- 295 : 2016/06/03(金) 22:49:59 :
アニ「〔今の一点で試合の流れが変わった、ここは一気に行くよりじっくり削っていったほうが良さそうだね〕」サイン
ミリウス「」スッ
ウグイス「8番レフト、ゼルムスキー君」
イアン「...こんなはずじゃ...ないのに」
・・・
キーンッ!
グスタフ「ッ!!」ダイブッ!!
パシッ!!
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!!」
実況「ゼルムスキーの打席は、ショートライナーでアウト。」
ジャン「ったぁく、ナイバッチだよ!ベルトルト!」
ライナー「あぁ、野手の俺らも負けてられないな」
ベルトルト「あ...いや...僕はただ...みんなと戦って、負けたくないだけだよ。」
「!」
アルミン「...ふふっ、そうには違いないね」
エレン「〔この流れなら...!〕」
・・・
ミリウス「」パシッ!
審判「アウト!」
パシンッ!!!
パシンッ!!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!バッターアウト!!」
キーンッ
パシッ!! ミカサ「ふッ!!」シュッ!!
パシッ!!
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!」
審判「4回の裏、駐屯高校の攻撃は三者凡退であっという間に終わってしまいました。」
諫山さん「フーバー選手の調子も段々と上がってきてます。これはちょっとやそっとでは打ち崩せないでしょう。」
-
- 296 : 2016/06/03(金) 22:50:08 :
その頃...球場のバスターミナルには...
プップーッ
「おい、来たぞ!」
「おぉ、来た来た!」
「春夏甲子園を5連覇中...正真正銘、高校野球界の王者...」
「「調査高校ッ!!」」
スタスタ
ミタビ「ふっ...」ニヤッ
「おぉっ、出てきた!」
「ザカリアス選手、歴代調査高校の主将として一言コメントをお願いします!」
「今回の準決勝での相手は、毎年ベスト4に勝ち進んでる三星シガンシナ学園ですがどのような意気込みで?」
「やはり、今年の目標も甲子園連覇ですか!?」
スタスタ
ミケ「俺達は、別に連覇などには興味がありません」
「えっ!?」
ミケ「俺達は、ただ勝ちたいだけですので」
「ッ」
スタスタ
○○○○○「うっひょ~...すげぇ、記者の数」
○○○○「そりゃそうだろ、俺達は調査高校の1軍なんだからよ」
○○○○○「んなことは知ってんだよ!」
○○○○「知ってんだったら、一々驚くなよ!」
○○○○○「んだぁ?やんのか、チビ」ジロ
○○○○「あぁ?上等じゃねぇか、チャラ男」ジロ
バチバチバチッ
「んなことしてねぇで、さっさと歩け」
○○○○○「! リヴァイ先輩、珍しく起こさなくても起きたんスね!」
リヴァイ「誰もてめぇに頼んでねぇよ、起こされなくても自分で起きる」
○○○○○「そぉんなこと言って~、この間3回戦の時なんか、誰も起こしてくれなくて監督に注意されてたじゃないスか!!」クスッ
リヴァイ「そんなもん覚えてねぇ」
○○○○○「い~やッ、俺は覚えてるスからっね!ね?ね?」
リヴァイ「イザベル、メリケンサック持って来い」
○○○○○「そぉ~んなもんあるわけ...「はい」スッ
○○○○○「え”!?」
リヴァイ「丁度いい、起床後の軽い運動に付き合えファーラン」ゴキゴキッ
ファーラン「い...いや...あの...じょ、冗談...っスよn ボコォッ!!
・・・
ファーラン?「ず、ずびまぜんでぢだ...」ボロボロ
イザベル「だはははははっ、だっせぇ!調子乗ってるからそんな顔に...ぶふっ、あはははっ」ゲラゲラ
ファーラン?「ぐっそぉ...覚えてろよ...」
スタッ
エルヴィン「諸君、集まれ」
「はいッ」
エルヴィン「今日のスケジュールを言う。 ニファ」
ニファ「はい、ではまず試合開始までのスケジュールを説明します。」
ニファ「今球場内では、シガンシナ高校対駐屯高校の試合(準決勝)が行われています。」
ニファ「なお、試合経過は5回終了して2-2の引き分け、シガンシナ高校が試合の流れを取っているとのことです。」
ニファ「私達は今からすぐ、アップを始めて試合に向け準備します。」
エルヴィン「次に今日のスタメンを発表する。 ミケ」
ミケ「はい」
-
- 297 : 2016/06/03(金) 23:00:13 :
球場
観客「2対2で引き分けか...どっちが勝つと思う?」
駐屯側観客「やっぱ紅の魔術師ことイアン率いる、駐屯高校だろ!戦力だってこっちの方があるしな!」
シガンシナ側観客「いやいや、やっぱ蒼の騎士ことアルミン率いる、シガンシナ高校だろ!こっちには期待のルーキーだっているしな!」
駐屯側観客「アッカーマンか...確かに、あいつは手に負えないな...」
駐屯側観客「いや、だが穴がないってわけじゃないだろ? なんて言ったって、シガンシナにはあの”ボロ”がいるだろ?」
駐屯側観客「あぁあいつか...確かにな! でもよ、そいつ出さなかったら意味なくねぇか?」
駐屯側観客「あっ...そうか」
ミーナ「〔やっぱあのマダ男馬鹿にされてる...ほら、言った通りじゃない〕」
-
- 298 : 2016/06/03(金) 23:00:19 :
駐屯側ベンチ
ミタビ「くそぉ、今日のベルトルト...何か調子良くねぇか?」
グスタフ「あぁ、予定ではあいつを早く叩いてから、アッカーマンを引きずり下ろすはずだったが...想定外だな」
「想定外ではあるが、予想外ではない。」
ミタビ・グスタフ「!」
イアン「フーバーが良いピッチングをしていたのはこの試合だけじゃなかった、この間の試合もだ。」
ミタビ「けどよ、ここまで俺らが打ったヒットはたった5本だぞ」
グスタフ「5回で5本だと、1回に1本の計算だZO」
イアン「そうだな」
ミタビ「そうだなって...お前、このままでいいのかよ?」
イアン「心配するな、さっきも言っただろ?想定外ではあるが、予想外ではない。と」
ミタビ「けどよ...」
ピクシス「ミタビ、落ち着くのじゃ」
ミタビ「か、監督」
ピクシス「イアンには、何か考えがあってそう答えたのだろう?」
イアン「えぇ、奴等のプロセスは研究済みなので」
ピクシス「うむ、ここはイアンに任そうではないか」
ミタビ「...はい、わかりました」
キッツ「か、監督!」アセ
ピクシス「なんじゃ?」
キッツ「私の肩はもう温まっています! ですので、どうかアルレルトとの勝負の許可をお許しください!」アセ
ピクシス「う~む、この試合の指揮はすべてイアンに任せておるから、ワシに言われとものぅ...」
キッツ「でしたら...監督の方からイアンに言ってくれないでしょうか!? 必ず、奴には負けませんので!」アセ
ピクシス「む?なぜワシからイアンに...? お主が直接言えばよかろう?」
キッツ「直接言いました、ですが...クッ、奴はアルミンとの勝負は出来ないと、断固な拒否を...」
ピクシス「〔う~む、確かにイアンの言い分もわかる...じゃが、今日のイアンはどうにも熱くなっとる...アルレルトとの因縁関係はわかっとったが...〕」
ピクシス「そうじゃな...次の6回できっちり3人で抑えたのなら...考えてもよかろう」
キッツ「本当ですか!? わかりましたッ、絶対に3人で抑えてみせます!!」
ピクシス「〔この男...ドデカイ図体の割には小鹿のような繊細さを持つキッツ・ヴェールマン...この学校のエースナンバーを背負うものとして、申し分はない...じゃが〕」
ピクシス「〔根っからの短気...どうも些細なことでも腹を立ててしまうのが欠点...キャプテンとして...エースとして..自覚や責任は持てる男なんじゃが...〕」
ピクシス「〔そして、この学校期待の星...紅の魔術師ことイアン・ディートリッヒ、世間の言うようにエラーをすぐさま見つける認知・・冷静な判断...あらゆる面では優秀じゃ...〕」
ピクシス「〔しかし...すべてがすべて揃っとるわけでもない...欠けているとすれば...そう、蒼の騎士ことアルミン・アルレルトのように投手と...チームと”コミュニケーション”を取れる力〕」
ピクシス「〔このコミュニケーションは色々な意味がある...1つは、捕手としてチームを支えていくために必要なもの。 捕手が自己中心的の性格じゃとチームはまとまらんからのぅ〕」
ピクシス「〔そして...もう1つが、バッテリーである...投手との一体感。こればかりはどんな才能や努力をしようとも手にすることは難しいもの。〕」
ピクシス「〔今の主に足りないものとは...この2つ目の意味を持つ、コミュニケーション。 今の主とアルレルトの差とは、それが出来るか出来ないか...ではなく”やるか、やらないか”の差じゃ〕」
ピクシス「〔そのまま一生閉じこもったままでは、一生手にすることもできないのじゃぞ...イアン〕」
-
- 299 : 2016/06/03(金) 23:01:22 :
ウグイス「お待たせしました。6回の表、シガンシナ高校の攻撃は...3番ショート、アッカーマン君」
実況「さぁ試合は後半戦になりました。6回の表、先頭バッターは3番のアッカーマン」
ミカサ「〔同点のまま、7回に行くのはうちにとって少し分が悪い...ならここで叩くッ〕」キリッ
イアン「〔...動き出すか〕」サイン
キッツ「!」
ドッ!!
ミカサ「〔ストレート狙い...〕」ギュゥッ!!
キッツ「ふんッ!!」シュッ!!
ミカサ「〔この速さ...今までより速 ッ!? パシンッ!!!
エレン「なっ!?」
ジャン「お、おいッ!! 今当たりそうだったぞッ!!!」
審判「ボール」
実況「初球は内高め、バッターに当たりそうなコース、危ない球」
ミカサ「〔ブラッシュボール...? でも、この投手コントロールはイマイチ...狙ってやったわけではない?〕」
イアン「...」
ドッ!!
キッツ「ふんぬッ!!」シュッ!!
ミカサ「〔今度は外ッ!!〕」スッ!!
キッ!!
審判「ファール!」
キッツ「ふぅーっ...どうだッ、この金魚鉢め!!」
ミカサ「クッ...クゥ...」ピクピク
アニ「〔あのミカサが、捉えられない...? 肩が温まってきたのかな...ここは一回様子を見て...って!!〕」
ミカサ「ふぅ...」キリッ
アニ「〔ちょっと!? あんた、こっち向きなッ!!〕」
イアン「...ふっ」ニヤッ
ドッ!!
シュッ!!
ミカサ「ふッ!!」スッ!
キッ!
審判「ファール!」
ミカサ「うッ...くッ...」ピクピク
エレン「〔どうしたんだ、ミカサの奴...いつもよりさっきよりスイングが遅い...?〕」
アルミン「...」ジィーッ
ドッ!!
シュッ!!
ミカサ「ッ!!」スッ!
キンッ!
審判「ファール!」
実況「またもファール、粘りますアッカーマン」
諫山さん「段々ですが、ヴェールマン選手の本来の姿が見え始めてきましたね。」
キッツ「〔1年のひよっこが...私のストレートについてこれるわけがなかろうッ!!〕」ドッ!!
シュッ!!
ミカサ「ッ!!」スッ!
キンッ
審判「ファール!」
ミカサ「ふぅ...ふぅ...」アセ
エレン「〔息切れ...? それに、さっきから手気にしてるな...〕」
イアン「〔そろそろか〕」サイン
キッツ「〔ふんッ、絶対に...負けんッ!!〕」ドッ!!!
ミカサ「ふぅ...ふぅ...クッ」
エレン「〔ッ、もしかしてミカサの奴...さっきのファールで手首をッ〕」ダッ
マルコ「エレン?」
エレン「ミカサァッ、無茶すんなっ!!!!」
キッツ「ふんッ!!」シュッ!!!
ミカサ「〔絶対に負けない...このまま引き下がるわけにはいかないッ!!〕」スッ!!
ミカサ・イアン「ッ」
ゴッ!!! ミカサ「〔う”っ!?〕」ズキッ
キンッ コロコロ
イアン「サード!!」
ミタビ「おうよッ!!」
ダッダッダ!!
ミカサ「〔私が出れば...アルミン先輩は勝負してもらえるかもしれない...だから、絶対に...塁に出なきゃッ!!〕」ダッ!!
ミタビ「おぉっらッ!!」シュッ!!
ミカサ「〔間に合わない...いや、諦めるなッ!! 勝負はまだ...決まったわけじゃないッ!!〕」スッ!!
エレン「やめろッ!!! ミカサァァァァアアアア!!!!!」
ミカサ「ッ!!」ダイブッ!!
ズサァッ!!
審判「セーフ!!」
観客「おぉぉぉぉおおおおおおッ!!!!」
-
- 300 : 2016/06/03(金) 23:01:58 :
実況「間に合いましたッ、アッカーマン内野安打!!」
諫山さん「打った途端、サードゴロかと思いましたが...驚きの速さです」
グググッ
ミカサ「クッ...ぅっ...」ズキズキ
エレン「あの馬鹿ッ」ダッ!!
審判「どうしたんだ?君」
ミカサ「な、んでも...ないっ...ぅ”...です」ズキズキ
ミカサ「〔右の小指と薬指に...力が...はい、らないっ...〕」ズキズキ
審判「どこか、痛めていr「ナイラン、ミカサ」スッ
ミカサ「!」チラッ
エレン「ほら、早く”左手”出せよ」
ミカサ「ッ」
スッ
ガシッ ギュッ
ミカサ「あり...がと...」ズキズキ
エレン「んなことはどうだっていいんだよ、それよりさっきお前...右の指...当たっただろ」ボソッ
ミカサ「...」
エレン「隠すなよ、バレバレだぞ」
ミカサ「...」
エレン「...もっかい聞くぞ、さっき右のどこかの指...当たっただろ?」
ミカサ「...」コクッ
エレン「痛いのか?」
ミカサ「...」コクッ
エレン「そうか...なら監督に ガシッ
エレン「え...」
ミカサ「...ったい...こう...ない...」
エレン「は...?」
ミカサ「絶対に...交代しない...」キリッ
エレン「!」
ミカサ「ここまで来て...約束も守ってきたのに...ここで降りるなんて...絶対嫌だ...」
エレン「約束って...」
ミカサ「病院で...エレンとした...あの...約束...」
_______________________________
___________________________________________
_____________________________________________________
病院の外
ミカサ「んっ、ハァ、ハァ、ハァ...私の...目標は...」ゼェハァ
ミカサ「エレンと...シガンシナ高校のみんなと...甲子園に行くこと!!!!」
エレン「...へっ」ニッ
ミカサ「だから...エレン...」ゼェハァ
ミカサ「エレンが...あなたが帰ってくるまで...負けない! 私が絶対にシガンシナ高校を守ってみせる!! だから...だから...!」
エレン「おう、頼むぞ!ミカサ!」スッ
ミカサ「ッ...うん...う”ん...」ポロポロ
_____________________________________________________
___________________________________________
_______________________________
エレン「ッ、お前それって...」
ミカサ「エレンに...頼まれた...たった1つの約束だから...だから...」
バッ
ミカサ「ッ」
「馬鹿じゃねぇの?お前」
ミカサ「えっ...?」
エレン「何勘違いしてんだ? 俺がいつ、お前を交代させるように頼むって言ったよ」
ミカサ「!」
エレン「俺は単に、一人の仲間として...一人の友達として...お前のことが心配だから、監督に報告するだけだよ。」
ミカサ「じゃ、じゃぁ...」
エレン「...あぁそうだよ、頑張ってこい!」スッ
ミカサ「!」
エレン「今の俺じゃ、お前を止める資格も言う資格もねぇ」
エレン「だけど、無理だけはすんなよ!お前すぐ無茶するから」
ミカサ「...うん!」スッ
コツンッ
-
- 301 : 2016/06/03(金) 23:04:16 :
ウグイス「4番キャッチャー、アルレルト君」
イアン「タイム」
審判「タイム!」
スタスタ
イアン「今回ばかりは仕方がないですよね?」
キッツ「クッ...」ギュゥッ
イアン「ノーアウト一二塁でブラウンをゲッツーにする。」
ミタビ「確かに、あの5番は今日ダメダメだからな」
グスタフ「しかし、ベルトルトはどうする?」
イアン「それなら大丈夫だ。」
グスタフ「え?」
イアン「フーバーは恐らく...交代するだろうからな」
ミタビ「交代...? なんで交代なんだよ?」
グスタフ「シフト変更ならまだしも、交代はないだRO?」
イアン「いいや、交代するさ...なぜなら、この回でアッカーマンが投げるからな」
ハンネス「あ~...なるほどな」
グスタフ「どういうことですか?」
ハンネス「ようは、シガンシナのシフトチェンジを上手く利用するってわけだ。」
イアン「その通りです」
ミタビ「は? 全くわからねぇんだが」
イアン「シガンシナは、前半後半に分けて、投手を使い分けてる。」
フーゴ「それはもうわかってる」
イアン「そのために、内野を大きく動かさなければいけない」
グスタフ「...ん、そういうことか」
ミタビ「はぁ? 何がわかったんだよ」
グスタフ「アッカーマンが投げる時で、後半に投げる場合...ベルトルトは下がってるんだ。現に、4回戦の中央第一憲兵戦の時そうだったRO」
ミタビ「...待てよ、だとしたら次にあいつ(ベルトルト)の打席が回ってきたら...代打か?」
フーゴ「いや、だが...いくら代えるにしても、ベルトルトと控えの奴の実力差はあまりにも激しいぞ」
ハンネス「なら、この回打つのか?」
イアン「どちらにしても、アルミンの敬遠は不可欠です」
フーゴ「...だな、ってことだ。 キッツ、今回ばっかしは仕方ない」
ハンネス「だな」
キッツ「...む...」
ハンネス「ん...?」
キッツ「...のむ...」
イアン「?」
キッツ「...頼む、奴と...勝負をさせて欲しい...」ペコッ
「!」
キッツ「必ず抑えてみせる...もし打たれたら、私はこのマウンドから降りる...だから...頼むッ、一度...奴と勝負させてくれッ」
ハンネス「ま、マウンドを降りるって...じょ、冗談だろ?」ハハッ
キッツ「冗談ではないッ、私は...本気で言っている...」
イアン「...」
ミタビ「い、イアン...キャプテンがここまで言ってるんだ...勝負させてもいいだろ?」
グスタフ「あ、あぁそうだZO...それに、もし打たれてもアッカーマン対策は出来てるんだ。だk「駄目だ。」
「!!」
イアン「奴との勝負は...リスクが高すぎる」
ミタビ「お、おいっ! イアン!!」
イアン「言ってるだろ、アルミンには隙を見せちゃダメだと」
グスタフ「そうは言っても...」
キッツ「...なぜだッ、なぜ勝負に逃げる!? そんなに弱気なのか!? だったら他の捕手に代わってしまえッ!!!」
ハンネス「おい、キッツ!落ち着け!」
キッツ「貴様は先ほどからまるで、私にアルレルトは抑えられないと断言しているようにしか見えないのだが、どういうことだ!?」
イアン「...そうですよ、あなたにアルミンは...抑えられない」
「えっ...」
ミタビ「い、イアン...お前...今」
キッツ「クッ...生意気をッ バコッ!
イアン「ぅッ!?」
ドタッ
「!」
ハンネス「...いい加減にしろよ、イアン...いくら何でも言い過ぎだ。キッツに謝れ」
イアン「...」
スタスタ
グスタフ「い、イアン!」
イアン「...アルミンは敬遠します」
スタスタ
キッツ「...は、ハンネス」
ハンネス「ったく...お前ら少しはバッテリーらしくしろよな...まるで親子喧嘩だったぜ」
キッツ「...だ、黙れッ!!」
ハンネス「ハハハッ、いつものお前に戻ったな! 5番でゲッツー取ってやるから! 安心して投げろ!」
キッツ「...」
-
- 302 : 2016/06/03(金) 23:05:24 :
審判「プレイ!」
アルミン「〔...! やっぱり敬遠か...〕」
実況「おぉ~っと、またもや敬遠です。諫山さん、徹底してアルレルトとは勝負しませんねぇ」
諫山さん「観客席からはブーイングが飛んできてますが、ある意味正解なのかもしれません...それほどの実力を持ってますからね」
パシッ!
審判「ボール、フォア!」
アルミン「〔頼んだよ、ライナー〕」スタスタ
ウグイス「5番ライト、ブラウン君」
実況「さぁ、ノーアウト一二塁で5番ブラウン」
ライナー「〔このチャンス...絶対に掴む!〕」
審判「プレイ!」
アニ「〔ここはもうあんたのバッティングに任せるよ〕」サイン
ライナー「〔ッ...任された...ここまで2回もチャンスを潰してきた俺に...〕」
アニ「〔自分のバッティングを貫き通しな〕」コクッ
ライナー「〔監督...〕」
「ライナー!」
ライナー「!」
ベルトルト「...失敗してもいい...悔いが残らないように...全力でバットを振る...昔、ライナーが僕に教えてくれた言葉...今ここで君に送るよ」
ライナー「...ふっ、全く...頼もしくなったな...」ニッ
スタスタ
ライナー「お願いしますッ!!」
イアン「〔前回の打席と前々回の打席こいつは内の球を引っ張ってアウトになってる...なら今回も...〕」サイン
ドッ!!
シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
実況「初球は外高めにストレート、入りました!」
諫山さん「良いですねぇ、球が走ってます。」
ライナー「...ふぅ」
イアン「〔次...内低めに〕」
ドッ!!
シュッ!!
ライナー「ふっ!!」スッ!!
クイッ!! パシンッ!!!
審判「ストライクツー!!」
実況「2球目内低め、シュートでしょうか?」
諫山さん「えぇ、良いコースにキレも悪くはないです。」
イアン「〔追い込んだ〕」
ハンネス「〔絶対に取ってやるからな...キッツ〕」
クリスタ「...ライナー! 頑張って!!」
ライナー「〔クリスタ...もしこのチャンスを掴んだら...俺と結婚して欲しい...なんてな〕」
ライナー「〔男なら...決めなきゃいけねぇ場面がある...〕」
ドッ!!
キッツ「〔くたばれッ!!〕」シュッ!!
エレン「ライナー!!」
ライナー「〔今がそうだッッッ!!!!!〕」スッ!!
キーンッ!!
イアン「ッ、ショート!!」
審判「打ったァ!! これはショートの頭上! 抜けるかァ!?」
ライナー「〔抜けろォッ!!!!!〕」ダッ!
パシッ!!!
ライナー・ミカサ・アルミン「ッ!?」ピタッ
イアン「〔ふっ、勝った...このプレーで...流れを完全に持っていける〕」
グスタフ「〔トリプルプレー...もらったz ポロッ
イアン・グスタフ・ミタビ「!?」
ポタッ
審判「あぁ~っと!? 落としたァ!! ショート、グスタフ! ファインプレーかと思いきやエラーだァ!!」
ミカサ「〔進まなきゃッ!!〕」ダッ!!
アルミン「〔今ならまだッ!!〕」ダッ!!
イアン「フォローッ!!」
敵モブレフト「くそっ、せめてサードランナーだけでもッ!!」スッ!!
エレン「ッ、ミカサ!」
ミカサ「〔約束...守るッ!!〕」ダイブッ!!
シュッ!!
パシッ!! ズサァッ!!
エレン「セーフ、セーフだぁ!!!」
ミタビ「アウト、アウトだぁ!!!」
審判「...セーフ、セーフ!!」
観客「おぉぉぉぉぉおおおおおおおッッッ!!!!!!」
-
- 303 : 2016/06/03(金) 23:06:17 :
実況「セーフ! セーフです!!」
諫山さん「タイミング的にはアウトだと思ったんですが...セーフでしたか」
ライナー「あっぶねぇ...」ホッ
シガンシナ側ベンチ「おっしゃぁぁあ!!!」
実況「ノーアウト満塁です!! ビックチャンスが来ました!シガンシナ!!」
キッツ「クッ...やはりあの時...勝負していればッ」ギリッ
イアン「...ドンマイ、ノーアウト! 外野前進!ホーム優先!! 内野ゲッツー優先!」
実況「駐屯高校...この守備ですと、点を取られてでもアウトを優先ということでしょうか?」
諫山さん「この状況では1点は仕方ないという判断でしょう」
ベルトルト「ライナー...」
ライナー「〔ふっ、次はお前の番だぜ〕」スッ
ベルトルト「〔...ふふっ、やっぱライナーは...僕の憧れだよ〕」
スクッ
「待な」
ベルトルト「!」
マルコ・トーマス・ミリウス・ダズ「?」
アニ「...交代だよ、ベルトルト」
「えっ!?」
ベルトルト「...だ、代打ってことですか...?」
アニ「うん」
ベルトルト「で、でも...僕まだ投げれますし...打てます」
アニ「そう...でも、交代」
ジャン「だ、誰と...って...一人しか...いねぇ...よな...?」チラッ
「え...え...?」
アニ「...チャンスを掴んで来な...ダズ」
ダズ「お、お...俺...?」ビクビク
マルコ「え...いや...でも監督...どうして今...なんですか?」
トーマス「そ、そうですよ!! ベルトルトは今日絶好調なんですよ! バッティングでもピッチングでも!!」
ベルトルト「...はい、ダズ」
ダズ「えっ...」
ベルトルト「君の出番だ、絶対...必ず打ってきてくれよ」
ダズ「い、いや...俺は...俺は...」
トーマス「ちょっと待てよ、監督! 可笑しいですよ! なんで今交代なんですか!?」
マルコ「ベルトルトを交代させるとしても、守備の時でもいいじゃないですか!! なんで今このチャンスで...」
アニ「あんたらは...ダズが打てないと思ってるの?」
トーマス・マルコ「ッ...」
トーマス「い、いや...そういうことじゃ...」
アニ「でも、あんたらの言い分を聞くと...そう聞こえるんだけど」
マルコ「...そ、そうです! ダズじゃ、このチャンスは掴めないです! そう思ってます!!」
ダズ「ッ」
ジャン「ま、マルコ...お前」
マルコ「ジャン...お前だってそう思ってるだろ? ベルトルトとダズの実力差は言わなくてもわかるだろ!?」
ジャン「そ、そうだけどよ...」
マルコ「勝ち越しのチャンスは...今しか無いんです!! だったら、今一気に攻撃するべきです! わざわざ火力が下がるようなことはすべきでない!」
ミリウス「だ、ダズ...お前はどうなんだ?出たいだろ?」
ダズ「ひぇっ...?!」
ジャン「...そうだな、ダズ...お前はどうなんだ?」
マルコ「...」
トーマス「ダズ...」
ベルトルト「...」
ダズ「お、俺は...俺は...」ビクビク
-
- 304 : 2016/06/03(金) 23:07:53 :
エレン「...何やってんだ?ベンチで」
ミカサ「わからない」
エレン「...すみません、ベンチに呼ばれてるので行ってもいいですか? すぐに代えが来るので」
審判「許可する」
ダズ「お、俺は...」ビクビク
エレン「どうしたんですか?」
ジャン「!」
マルコ「エレン...聞いてくれ、今...監督がベルトルトに代打を送ろうとしてるんだ」
エレン「!」
マルコ「可笑しいと思わないか?この状況で...なんで絶好調のベルトルトを...「良いんじゃねぇの?」
「!」
ダズ「え、エレン...」
エレン「良かったじゃねぇか、ダズ!チャンスもらえて!」
ダズ「い、いや...でも...」
エレン「? どうした?」
ダズ「俺何かが出て...良いのかな...」
エレン「!」
ダズ「だって俺...ここまで...ヒット数1本だけだし...守備でもエラーばっかだし...」
エレン「...信じろよ、自分の努力を」
ダズ「だ、だけど...こんなチャンス...絶対...無理だ」
アニ「!」
ダズ「マルコの言う通り...俺には無理だ...ベルトルトと交代なんて...ベルトルトみたいに凄いバッティングが出来るわけでもないのに...どうしてここで俺が...」
ダズ「...こんなところで...チャンスを潰すくらいなら...代わらない方が...よっぽd ガシッ!!
「ざっけんじゃねぇッ!!!」
ダズ「!?」
エレン「何が、俺何かには無理だ? 何が、ベルトルトみたいに、だ? 何が、チャンスを潰すだ?」
エレン「んな弱々しい心構えで、いつも血反吐吐く練習してたのか!? お前の変わりたいと思った気持ちはその程度だったのか!?」
ダズ「!」
エレン「確かにお前にベルトルトみたいなバッティングは出来ねぇかもしれねぇ...けどな、お前はベルトルトじゃねぇだろ!? 違うか!?」
エレン「なに最初から、まだやってもねぇのに負け覚悟してんだ!? 試合はまだ終わったない、そうだろ!?」
ジャン「!」
エレン「お前らだってそうだ、なに仲間を敵視してんだよ!! マルコ、トーマス!!」
エレン「敵は仲間の内にいるんじゃない...敵は、グラウンドの向こうにいる...そうだろ?」
マルコ「えっ...いや...だって...エレンだって本当は、ダズがこのチャンスを掴めるはずがないって...思ってるだろ?」
エレン「ハァ? んなこと思ってねぇよ」
ダズ「!」
エレン「少なからず...俺は、俺が知ってる本来のダズなら...打てると思ってるよ」
エレン「だけど、今のお前じゃ打てない」
ダズ「え...?」
エレン「こんな弱々しいお前じゃ...いつまでたっても、昔のお前と一緒だってことだよ!!」
ダズ「昔の...俺...」
エレン「お前がそんなに出たくなかったら...もういい...すっこんでろ!」スッ
トーマス「お、おい...エレン? お前...」
エレン「お前が出ないんだったら...俺が出るッ!!」キリッ
ダズ「えっ!?」
ジャン「お、おい!お前怪我してんだろ!」
エレン「知らねぇよ、こんなやる気のねぇ奴が試合に出る権利なんてないだろ」
エレン「監督、俺に行かせてください」
アニ「...いいの?」
エレン「はい!」
・・・
実況「どうしたのでしょう?なかなかバッターが出てきません。」
ウグイス「シガンシナ高校選手の交代をお知らせ致します。」
観客「え?代打?なんで?」
観客「怪我したとかか?」
観客「でも、控えにいいやついたか?」
ウグイス「6番ピッチャー、フーバー君に代わり...代打、ダズ君 背番号11」
-
- 305 : 2016/06/03(金) 23:08:38 :
観客「え?」
観客「ダズ...? そんな奴いたか?」
観客「思い出した、初戦でエラー起こしまくったあいつだ!」
観客「ハァ?なんでそんなヘボに交代するんだよ?」
観客「ハァ...せっかくのチャンスなのに何やってんだシガンシナの監督」
観客「やっぱ女っていうのがダメだったんだろうな、野球を理解してねぇよ」
ミーナ母「今ダズ君の名前呼ばれたけど、出るの?」
ミーナ父「あぁ、代打で出る」
ミーナ母「まぁ!こんなチャンスの場面で? 応援しなくちゃ!」
ミーナ「〔何考えてるんだろ? なんであんなマダ男を出すのかな...チャンスだと思ったのに、はぁ~あ...また学校でいじられる...〕」
ミーナ「〔なんであんた何かが...うちに来たのよ...〕」
ダズ「お、お、お願いしますッ」
審判「プレイ!」
ダズ「...」
_______________________________
___________________________________________
_____________________________________________________
ベンチ
エレン「俺が出ます」
アニ「いいの?」
エレン「はい!」
ダズ「...」
スタスタ
ダズ「ま、待ってくれ!」
ピトッ
エレン「なんだよ」
ダズ「...が...いく」
エレン「?」
ダズ「お、俺が...出るッ!!」
_____________________________________________________
___________________________________________
_______________________________
ダズ「〔ぜ、絶対...打てる...!〕」ビクビク
イアン「〔固くなってるな...緊張か、でもなぜ今出した...?〕」
キッツ「〔クッ、ナメおって...格下の分際で...調子に乗るのも...大概にしろッ!!〕」ドッ!!
シュッ!!
ダズ「ひぇっ!?」
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
実況「初球は真ん中甘めをストレート」
イアン「〔球は走ってる...これならボテボテを狙える...〕」サイン
キッツ「〔内にシュートだと? こんな雑魚に変化球など投げなくとも...抑えられるッ!!〕」シュッ!!
ダズ「ッ!?」
パシンッ!!!
審判「ボール!」
イアン「〔ストレート...リード通りに投げない...それがあなたのやり方ですか〕」
観客「ブーッ、なんでお前が出てくんだよ!!」
観客「そうだそうだ!せっかくのチャンスを無駄にすんじゃねぇ!!」
観客「下手な奴は帰れ帰れ!!」
ミーナ「」ピクッ
観客「努力もしてねぇ野郎が、試合に出ても意味ねぇんだよ!!」
観客「邪魔すんな!!」
ミーナ「」ピクピク
観客「お前何か野球をやる資格もねぇんだよ!!」
観客「帰って球磨きでもしとけ!!」
パシンッ!!!
審判「ストライクツー!!」
観客「あぁ~もう...バット振れよバット...」
観客「なんで今頃になってあんなヘボを使うかな...」
ミーナ母「なっ!?」
ミーナ父「母さん」
ミーナ母「でも...」
ミーナ父「言わせておけばいい...私達はダズ君を信じて待とう...」
ミーナ母「えぇ...」
-
- 306 : 2016/06/03(金) 23:09:32 :
ダズ「〔やっぱり...ダメだ...俺なんかが...勇気を出して、でても...結果は同じなんだ...〕」
ダズ「〔最初からわかってたじゃないか...こうなるって...なのに...どうして俺は...〕」
「球よく見ろッ、脇しめろッ!! スイングに無良が出てるぞ!!」
ダズ「!」
エレン「いつもの練習後にやってた素振りみたいに、コンパクトに振ってけ!!」
ダズ「え、エレン...」
「そうだぜ」
ジャン「そんなんじゃ、打てる球も打てねぇぞ」
ダズ「ジャン...」
マルコ「広く広く! よく見て!!」
ダズ「ま、マルコまで...」
「ダズ!」
ダズ「!」
ミリウス「...打てっぞ!!」ニッ
ダズ「ッ!!」
キッツ「〔なっ、何が打てる...だと...この私の球を打てるわけが...ない!!〕」
キッツ「〔所詮はベンチ止まり...一生そこで大人しくしてればいいものをッ!!〕」
観客「ったく...こいつの家族が見てみてぇよ」
ミーナ「」ブチッ
観客「はぁ~あ、どうせろくでもねぇ家族なんだr「ちょっとあんた」
観客「え...?」
ミーナ「なにわかったような口聞いてんのよ」
ミーナ父・母「ミーナ!?」
ミーナ「あんた...アイツが...どれだけ努力してたのか...知らないくせに...」
観客「い、いや...」
ミーナ「あんた達に...アイツの何がわかるっていうのよ...」
ミーナ「私達のことをいくら馬鹿にしても構わない...でも...」
ミーナ「どんなに下手でも、どんなに失敗しても...好きなものに一生懸命努力してる人を...私の...私の...」
ミーナ「私のお兄ちゃんを馬鹿にするのだけは、ぜっったいに許さないッ!!!!」
イアン「〔決める〕」サイン
ドッ!!
ミーナ「見てなさいよ...絶対に...打つからッ!!」ダッ!
ミーナ母「ミーナ!!」
タッタッタ
ミーナ「〔打って...打ってよ...こんな奴等...見返して...土下座させるくらい...ドカンっと...打ちなさいよッ〕」タッタッタ
ガシッ!!
ミーナ「打てッ!! お兄ちゃんッ!!!!!!」
キッツ「おらぁッ!!」シュッ!!
エレン・ミーナ「ダズ(お兄ちゃん)ッ!!!」
ダズ「うぉぉぉぉぉおおおおおおッ!!!!!!」スッ!!
キーンッ!!
キッツ・イアン「ッ...!?」
ダズ「〔くそっ、当たったはいいけど...上げすぎた...!〕」ダッ!
ダズ「〔ちくしょう...ちくしょう...悔しい...こんなにまで言われたのに...結果が出せない自分が...嫌いだッ〕」
コニー「ダズ、早く回れ!!」グルングルン
ダズ「え...!?」
ハンネス「急げ、センター!!」
ダズ「ッ、あ、あぁ!!」ダッ!
タッタッタ!!
実況「センター返し!! そして、サードランナーのアッカーマンが帰ってきました!!」
ザッ
ミカサ「勝ち越し!」
タッタッタ!!
イアン「...ぁっ、バックホームッ!!!!」
アルミン「ハァッ、ハァッ、ハァッ」ゼェハァ
ザッ
アルミン「2点差!!」
タッタッタ!!
ライナー「〔ホーム行くッ!!〕」ダッ!!
パシッ!!
イアン「ホームッ!!!!」
グスタフ「こNOッ!!」シュッ!!
ベルトルト「ライナー! スライだ!!」
ライナー「うぉっらぁ!!」ダイブッ!!
パシッ!!
イアン「クッ!?」スッ
ズサァッ!!
・・・
審判「...セーフ!」
シガンシナ側ベンチ「や、やったぁー!!!!!!!」
観客「おぉぉぉぉぉおおおおおッッッ!!!!!!」
-
- 307 : 2016/06/13(月) 01:42:51 :
実況「3点差!! 3点差だァッ!!!」
ダズ「や...や...やったぁぁぁぁあああああッ!!!!!!!!」ガッツポーズ
ジャン・トーマス「うぉぉぉぉぉぉおおおっしゃぁぁああああ!!!!!」
アニ「ふっ」ニッ
「ダズ!!」
ダズ「!」
エレン「ナイバッチ!!」スッ
ダズ「...ハハッ、あぁ!!」ガッツポーズ
アルミン「〔ふっ...大したもんだよ、あのダズまでも変えるとはね...〕」
ミーナ「〔か...かっこいい...〕」
ミーナ「〔あんなダメダメで...ヘタレで...ブ男な奴なのに...かっこいい...〕」
ミーナ「〔これが野球なんだ...これが...お兄ちゃんのいる...チームなんだ...!!〕」パァッ
ミーナ「お兄ちゃんッ!!」
ダズ「ッ!」クルッ
ミーナ「な...ナイス...ナイバッチ!」グッ
ダズ「ミーナ...あぁ!」グッ
ウグイス「7番ファースト、ワグナー君」
ワァーッ
キッツ「〔なぜだ...なぜこんなことに...〕」
グスタフ「...」
ミタビ「...」
スタスタ
イアン「キッツ先輩」
キッツ「...のせいだ...」グググッ
キッツ「貴様の...せいだッ!!!」
イアン「なっ!?」
キッツ「貴様がアルレルトの打席を敬遠しなければ...いやもっと前から、最初から勝負していればこんなことにはならなかったのだッ!!」
イアン「自分が打たれたのに...今度はリードだけでなく、俺自身を批判ですか...いい加減にしてくださいよ」
キッツ「なにがだ!?」
イアン「あなたは今日の試合で何回リード無視を繰り返してきたと思ってるんですか、そのミスのせいでもあると俺は思います。」
キッツ「なっ...な、そ、そんなことは...」
イアン「それに、あなたがアルミンと勝負したところで到底敵うはずがないじゃないですか」
キッツ「はっ!?」
イアン「例え、アルミンの調子が悪かったとしても、絶対に抑えることはできない...出来るとすれば...調査高校の投手ぐらいです」
キッツ「クッ...く...」ギュゥッ
イアン「で、どうするんですか?ここまで俺の作戦に反対して...監督に聞きますか?どちらが交代すべきかを...」
キッツ「...だ...」
イアン「そうすれば、お互い気持ちよくプレーが出来るでしょう」
キッツ「だ...」
イアン「これまでのプレーを見て...監督がどのように判断するか...」
キッツ「だ、黙れッ!! 私はこの学校の主将なんだぞ!! 貴様をこのグラウンドから引きずり下ろすことだって難しくない!!」
イアン「...」
キッツ「大体貴様は、私より下級生のくせをして...何を生意気なことを言っているのだ。 目上の人間と話す態度か!? 失礼極まりないぞ!!」
キッツ「紅の魔術師だの、なんだの...そんなもの結果には直結しない!そんなものただの成果にしかすぎんのだ!!」
イアン「なっ...!?」
キッツ「世間がどのような評価を下ろうと、この学校のエース・主将は私なのだ! 一番上の人間は私なのだ!! この私に歯向かうなッ!!!!」
イアン「クッ...」
スタスタ
敵モブ伝令「あの、イアンとキッツ先輩」
イアン・キッツ「!」
敵モブ伝令「監督からの伝令です」
イアン「なんだ?」
敵モブ伝令「二人共、抑えろ。敵は味方の内にいるのではない、敵はグラウンドの向こうにいる...だそうです。」
イアン・キッツ「!」
敵モブ伝令「もし次、二人が争っているのを見たら...二人共、覚悟を決めておけ...とのこと」
イアン「〔なっ...なんで俺までが...!?〕」
キッツ「...」
敵モブ伝令「とにかく、バッター勝負でワンァウトずつ守っていけ...これが最後の伝令です。」
イアン「...」
スタスタ
観客「おいおいおい、どうしたんだ?駐屯の奴等」
観客「バッテリーが争ってなかったか?」
審判「プレイ!」
-
- 308 : 2016/06/13(月) 01:44:32 :
イアン「〔...ワンァウトずつ...〕」サイン
キッツ「...」
ドッ!!
キッツ「ふっ!!」シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ボール!」
イアン「〔俺が間違っているのか...?〕」
キッツ「〔私が...間違っているというのか...?〕」
ドッ!!
シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
イアン「〔俺とアルミンの違い...何が違うんだ...?〕」
ドッ!!
シュッ!!
トーマス「おらっ!!」スッ!
キーンッ!
実況「打ったァ、サードラインギリギリでフェアになるかァ!?」
イアン「ッ、しまった!?」
「まだだァッ!!!」ダイブッ!!
パシッ!!
イアン・キッツ「!」
審判「アウト!!」
ミタビ「オラァッ!!!」シュッ!!
ダズ「ッ!?」ダイブッ
パシッ!!
審判「アウト!!」
実況「ゲッツー!! サード、ヤルナッハ!! ファインプレー!!」
諫山さん「難しい当たりだったのですが...よく取りましたね」
イアン「すまない、ミタビ」
ミタビ「なぁにが、すまないだ」
イアン「!」
ミタビ「謝るくらいなら、とっとと立て直しやがれってんだ!」
イアン「ミタビ...」
ミタビ「お前がアルミンと張り合ってるっていうのはわかる...けどな、個人の勝負を今持ちだすんじゃねぇよ」
イアン「!」
ミタビ「それに...キャプテンすっげぇへこんでるぞ...ありゃ帰ったら2,3時間説教覚悟しなきゃだな...」
イアン「...お前は...どう思ってるんだ?」
ミタビ「あ?何がだよ」
イアン「俺とキッツ先輩...どっちが正しいと思ってる...?」
ミタビ「ハァ?何だよ急に」
イアン「俺は...正直どっちが正しいのか...今になってわからなくなった...」
イアン「俺は間違っていることをしてるとは思ってない...けど、もしかしたら...間違っているのかもしれないっていうのも、心の底にある」
ミタビ「...んなもん、どっちも正しくねぇだろ」
イアン「え...」
ミタビ「仲間同士で争ってる奴等、どっちも正しくねぇって言ってるんだ。 まぁ先輩の言い分もわかるけどよ」
ミタビ「だけど、他人の意見で...そんな簡単に流されていいのかよ、お前は」
イアン「ッ」
ミタビ「お前は俺達の柱なんだ。 もっとガツガツ行けよ、そして俺らのことも少しは信用しろよ」
ミタビ「お前は一人で何でも解決しようとし過ぎなんだよ」
ミタビ「ま...アルミンだったら...こういう時...投手とちゃんと話し合ってるんだろうな」
イアン「!」
ミタビ「取り敢えず、お前はキッツ先輩の気持ちも少しはわかってやれってこった!わかったか!この渋顔イケメンが!!」
イアン「...投手の...気持ち...」
審判「プレイ!」
ウグイス「8番レフト、ゼルムスキー君」
イアン「〔投手の気持ち...〕」サイン
キッツ「!」
ドッ!!
シュッ!!
ミリウス「ッ」
パシンッ!!!
審判「ストライク!!」
アルミン「!」
アニ「? どうしたの?」
アルミン「いや...イアンのリードが...変わったような気がして」
アニ「リードが?」
アルミン「わからない...断言はできない...でも...何かさっきとは違う」
イアン「〔次は...外高めでもいいから、ストレートを〕」サイン
ドッ!!
シュッ!!
パシンッ!!!
キッツ「〔この感じ...いつもより気持ちよく投げれている...?〕」
審判「ストライク!」
ドッ!!
シュッ!!
ミリウス「クッ!?」スッ
パシンッ!!!
審判「ストライク!バッターアウト!! スリーアウトチェンジ!!」
-
- 309 : 2016/06/13(月) 01:45:09 :
実況「三球三振!! 諫山さん、立ち直しましたね」
諫山さん「えぇ、打たれたのが逆に良い影響をもたらしたのかもしれません。」
スタスタ
ハンネス「ナイピッチ!! キッツ!!」
フーゴ「球走ってたぞ!」
キッツ「...ふっ、それくらいわかっている!!」
ミタビ「ナイスリード」
イアン「!」
ミタビ「ちょっとはバッテリーらしくなったんじゃねぇか?」
イアン「...ふっ、ありがとうな...ミタビ」
ミタビ「あぁ?なんだぁ?聞こえねぇな!!」
イアン「空耳じゃないか?」
ミタビ「んだと!?」
シガンシナ側ベンチ
アニ「〔何やらさっきから、あっちの雰囲気が良くなって来てるね...〕」
アニ「アルミン、ミカサ!」
アルミン「ん?」
ミカサ「はい」
アニ「ここから先は今まで以上に集中していくんだよ」
アルミン・ミカサ「うん(はい)!」
-
- 310 : 2016/06/13(月) 01:46:36 :
ウグイス「シガンシナ高校シートの変更をお知らせ致します。ピッチャーのダズ君...代わりまして、アッカーマン君...」
ミタビ「ついに来たか...」
グスタフ「本来の標的がやっと来たか...待ちくたびれたぜ...なぁ?イアン」
イアン「監督、1つ頼みが...」
ピクシス「なんじゃ?」
イアン「...俺は今まで...バッテリーとは捕手が投手を成り立たせて、捕手の手伝いを投手がする...そう思っていました。」
イアン「ですが...さっきミタビから、それはバッテリーではなく...そんなのはただの押し付けだということをわからされました。」
ピクシス「ふむ...して、何を言いたいのじゃ?」
ペコッ
イアン「散々に我儘を通してもらっておいて申し訳ないのですが...指揮を監督に戻させてください。」
ミタビ・グスタフ「!」
イアン「それと...ここまでの試合経過・個人の成績といい...チームに迷惑をかけました...なので」
イアン「試合から降ろしてください。」ペコッ
ミタビ・グスタフ「なっ!?」
ミタビ「お、おい!イアン!いくらなんでも!!」
イアン「いいんだ」
ミタビ「!」
イアン「これは俺一人の責任だ、お前らは口を出さないでくれ」
ピクシス「...言いたいことはそれだけじゃな?」
イアン「はい...どんな始末でも...受けます」
ピクシス「...そうか、どんな始末でも...のぉ」
ミタビ「か、監督まさか...本気で...?」
ピクシス「そうじゃな...本人自身が罰を受け入れようとしとるからには...罰は下さらんとな」
グスタフ「し、しかし監督!」
ピクシス「ふ~む、何の罰にするか...困ったのぉ...」
ハンネス「監督、キッツはイアンの続投を望んでます...もちろん、俺も」
ピクシス「うむ...よかろう」
ミタビ「か、監督!!」
ピクシス「イアン...主はこの試合...」
イアン「はい...」
ピクシス「責任を持って、勝ちに行ってもらおう」
イアン「えっ!?」
ミタビ「か、監督...?」
ピクシス「わしはいつ主にベンチに戻れと言うた、わしは引き続き主に指揮を取ってもらう」
イアン「監督、お言葉ですが...俺には責任があります、チームの皆に迷惑をかけたこと・バッテリーであるキッツさんに失礼な態度を取ったこと...」
ピクシス「不毛じゃな」
イアン「?」
ピクシス「お主はただ責任という言葉を使って、逃げたいだけじゃないのか?」
イアン「そ、そんなこと...」
ピクシス「果たしてそうかの? わしには、ただかっこつけて逃げてるようにしか見えんのじゃがな」
イアン「...」
ピクシス「わしは...お主にしか出来ぬことじゃと思っとる...他の誰でもない...お主にしかの」
ピクシス「シガンシナ高校のアルミン・アルレルトは噂に聞くように、とんでもない逸材じゃ...まさに天才という言葉に相応しい。」
ピクシス「じゃがの...そのアルレルトがこのチームの指揮を取ったとしても...恐らく上手くはいかないじゃろうな」
イアン「!」
ピクシス「なぜなら、主はずっと共に戦ってきた仲間がすぐそばにおるじゃろ?その仲間と共に過ごした時間や信頼などは...例え天才だろうとも、手にすることなど難しい」
ピクシス「もう一度言おう...このチームの指揮はお主にしか出来ぬことなのじゃ...それは決して、お主が紅の魔術師だからではない...」
ピクシス「わしは駐屯高校2年副キャプテンの【イアン・ディートリッヒ】という一人の野球選手じゃからこそ...任せたのじゃ」
ピクシス「いいの?」
イアン「...良いんですか...? 俺何かに...試合の...いえ、この歴史ある学校の未来を...俺何かに託しても...」
ピクシス「さっきから良いと言っとるじゃろ? わしはお主のすべてを信用して...選んだのじゃからな」
イアン「...ありがとう...ございます」
-
- 311 : 2016/06/13(月) 01:46:58 :
ピクシス「...それから」
ピクシス「皆に宣言しよう...」
「はい!」
ピクシス「わしは今まで通りイアンという男に...このチームの指揮を託す...それはわしの判断じゃ...何か反論があるのならわしに言って欲しい」
ピクシス「そして、ここから先はわしが命ずる!!」
ピクシス「今この場で...わしの指示...すなわち、イアン・ディートリッヒの出す指示に従えぬ者は今着ている、そのユニホームを脱ぎ捨て...ここから去るがいい!!」
「!?」
ピクシス「わしは本気じゃ...なんじゃったら、今この場で...指示に従えぬ者がいるならば...わしはすぐにでもこの場から追い出すと約束しよう」
ピクシス「ここから先は、自分達の意志で道を選ぶのだ!! わしはどっちでも賛成じゃ、だが...」
ピクシス「もしこの場からユニホームを脱ぎ捨てた場合は、主だけでなく...このベンチにまで上り詰めることが出来なかった者に恥を欠かすことになるということを...忘れないでいてほしい!!」
ピクシス「我々が目指すのは、甲子園!! こんなところで終わってはならん!! だからどうか...どうかここで、ここでユニホームを脱ぎ捨てて欲しいッ!!!!!」
キッツ「...ふんっ、私は元から監督に従うつもりであった...!」
キッツ「貴様らッ、私は宣言するッ!! 私は、イアン・ディートリッヒに...どんな作戦でも受け入れると...ここに誓うッ!!!!」
ザワザワ
モブ「俺はやるぜ」
モブ2「俺もだ」
モブ3「当たり前だ、俺だってそうだ!」
モブ4「うぉぉぉぉおおおおお、ぜってぇ逆転して...調査高校にも勝って甲子園に行ってやる!!」
イアン「み、みんな...」
ポンッ
ミタビ「つーことだ、まずは何をすればいい?イアン」
グスタフ「俺にも指示をくれ、イアン」
モブ「俺にも出来ることがあるなら!」
モブ2「俺にも!」
モブ3「俺も!!」
イアン「...ふっ、すまない...みっともない姿を晒してしまって...」
ミタビ「いっつもみっともねぇだろうが、それよりも...やっと対策を練りに練った...アッカーマン...どうするんだ?」
イアン「...ふぅっ、そうだな...まずは...」
-
- 312 : 2016/06/13(月) 01:47:58 :
ウグイス「6回の裏、駐屯高校の攻撃は...1番ショート、グスタフ君」
グスタフ「よし、来い!!」
ミカサ「ふぅッ...」
_______________________________
___________________________________________
_____________________________________________________
6回裏始まる前...
「ミカサ!」
ミカサ「! エレン...?」
エレン「お前...まだ指痛いんだろ?」
ミカサ「うん、でもアドレナリンが出れば大丈夫...だと思う」
エレン「お前なぁ...」
ミカサ「でも...絶対に防ぎきる...この3点はただの3点じゃない...チームが団結して取った3点...だから」
エレン「あぁもうッ、わかってるよ」
エレン「頼んだぞ、ミカサ」
_____________________________________________________
___________________________________________
_______________________________
ミカサ「〔大丈夫...今の私は...一人じゃない...エレンが...皆がいる...だから...〕」ドッ!!
ミカサ「〔絶対に勝つ!!〕」シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!!」
実況「初球は内低めにストレートをストライク! 諫山さん、アッカーマンがピッチャーですが...どう思われますか?」
諫山さん「彼はストレートも速いですが、精確なコントロールに、多種多様な変化球を持ってます。打ち崩すのはなかなか厳しいかもしれません。」
アルミン「〔よし、今日のミカサもいつも通り球が走ってる〕」
ミカサ「〔うん、何の痛みもない...アドレナリンが出てる〕」
アルミン「〔広い視野に滑らかなバッティングをするグスタフに対して...初球はストレートを...なら次は...〕」サイン
ドッ!!
シュッ!!
グスタフ「〔! 外の変化球...スライダーか!〕」スッ!
クイッ!! パシンッ!!!
審判「ストライクツー!」
実況「2球目は外いっぱいにスライダー、ストライク! 今日も変化球はキレてますねぇ」
諫山さん「あのコースにスライダーを投げられたら正直参ってしまいますよね」
グスタフ「〔なるほDO...これがアッカーマンのスライダーか...よし、イメージ出来た〕」
アルミン「〔3球で決めに行ければいいけど...ここはやっぱり遊び球を使おう〕」サイン
ドッ!!
ミカサ「〔内低めに...フォークッ!!〕」シュッ!!
ビリッ
ミカサ「ッ...」
パシンッ!!!
審判「ボール!」
アルミン「〔少しずれたな...でも、遊び球と思えば上場の出来...次で決めよう〕」サイン
ミカサ「〔今...何か...ビリって...気の...せいかな〕」スッ!!!
ドッ!!!
ミカサ「ッ!!」シュッ!!!
グスタフ「〔来たッ、決め球でインハイの...全力投球ッ!!〕」スッ!!
アルミン「〔読まれてる!?〕」
キーンッ!!
ミカサ「えッ!?」
タッタッタ!
ミリウス「〔どこまで伸びるんだ!?〕」
カシャンッ!!
実況「レフト線痛烈な当たりはそのままフェンス直撃ィ!!」
ダッダッダ!!
実況「グスタフ、そのまま二塁へ!」
パシッ!
審判「セーフ!!」
観客「うぉっ、マジかよ!? あのアッカーマンのストレートを簡単に弾き返したぞ!?」
観客「もしかして、あいつら対策か何かしてたんじゃ!?」
グスタフ「〔ふぅーっ、何とか打てたぜ...にしてもマシンの150kmとほぼ同じ速さに見えるとは...さすがに笑えねぇZO〕」
-
- 313 : 2016/06/13(月) 01:49:19 :
ウグイス「2番セカンド、ハンネス君」
アルミン「〔ここで2番か...十中八九ここは送ってくるだろうから、ワンアウト三塁でイアン...最悪1点は仕方ない〕」
ハンネス「〔さぁて、怪物君...静まってもらおうか〕」スッ
アルミン「〔やっぱ送りバント...ここは失敗する確率を取ろう〕」サイン
ミカサ「〔大丈夫、ここでアウトを取って...きっちり凌げば...〕」ドッ!!
シュッ!!
ハンネス「〔内ストレートかっ!!〕」バッ!
スッ!!
アルミン・ミカサ「〔ッ、バスターエンドラン!?〕」
ハンネス「おらッ!!」キーンッ!!
マルコ「〔ッ、コニーがバント処理で前出た代わりに、僕がサードに行った間に...二遊間はトーマスだけ!?〕」
トーマス「ちっきしょッ!!」ダイブッ!
審判「フェア!!」
実況「バスターエンドラン成功!! 二塁ランナーはホームを狙うか!?」
ジャン「させっかよ!!」シュッ!!
ハンネス「〔よし、ホームに投げたな!〕」チラッ
ダッ!!
「ストップ!!」
ハンネス「え!?」ピトッ
ミカサ「ハァ、ハァ、ハァ...」
ハンネス「〔あの野郎...中継に入ってやがったのか...全く、嫌な野郎だぜ〕」
アルミン「ナイスカバー!ミカサ」
マルコ「ありがとう、ミカサ」
ミカサ「いえ、元々打たれたのは私だから責任を果たすまで」
アルミン「ミカサ、次はイアンだ。慎重にいくよ」ボソッ
ミカサ「はい」
ウグイス「3番キャッチャー、ディートリッヒ君」
イアン「〔アルミン...中学の時のお前の気持ち...なんとなくだが、わかった気がするぞ...〕」
イアン「〔世間で騒がれて...勝手に勝負させて...煽る...俺達は別に世間のために野球をしているわけじゃない...俺達は自分らのために戦ってる。〕」
イアン「アルミン!」
アルミン「!」
イアン「負けんぞ」
アルミン「...ふふっ、こっちだって」
審判「プレイ!」
アルミン「〔ノーアウト一三塁でイアン...シングルで1点、長打で2点入る...次のミタビにチャンスの場面で回したくない...ならここは〕」サイン
ドッ!!
ミカサ「ッ!!」シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
イアン「〔初球は厳しいコース覚悟してたが...外甘いコースにストレート...このコースだとライトフライか...なるほど〕」
イアン「〔お前の考えはこうか? ”1点はやる、だがその代わりにお前のアウトをよこせ”と〕」
イアン「〔もしそうなれば、点差は2まで縮まるが...ランナーは一塁でミタビと勝負...全く相変わらずだな〕」
アルミン「〔次は外に...〕」
ドッ!!
シュッ!!
イアン「〔ッ、外高め!〕」スッ
クイッ!!
イアン「〔シュートか!?〕」グッ
パシンッ!!!
審判「...ボール!」
アルミン「! スイング、スイング」グルグル
三塁審判「...ノースイング!」
観客「おぉっ...これがキャッチャー主流同士のぶつかり合い...すげぇ!!」
観客「これぞまさしく...蒼の騎士対紅の魔術師ッ!!」
観客「うぉぉぉぉぉおおおおッ、すげぇぇぇええええ!!!」
観客「イアン!イアン!イアン!イアン!」
観客「アルミン!アルミン!アルミン!アルミン!」
アルミン「〔ワンワンか...まだボールは要求できる〕」サイン
ドッ!!
シュッ!!
イアン「〔内低め...遊び球か!〕」
カクンッ!!
パシンッ!!!
審判「ボール!」
イアン「〔ここまでストレート1球に、変化球2球...決め球はストレートか?〕」
アルミン「〔そろそろ決着をつけよう〕」
ドッ!!
シュッ!!
イアン「〔ッ、このコース...スライダーかッ!!〕」スッ!!
キーンッ!!
アルミン「ライト!!」
ライナー「ぐっ!?」
ポタッ
審判「フェア!」
実況「落ちたァ!! ライト線ギリギリに落ちましたァ!!」
タッタッタ!!
ザッ グスタフ「2点差!!」
-
- 314 : 2016/06/13(月) 01:52:46 :
実況「ランナーは一二塁で止まり、更にサードランナーは帰って2点差!!」
諫山さん「アッカーマン選手捕まりましたかね...?」
グスタフ「よっしゃぁ、帰ってきたZO!」スッ
ミタビ「おうッ、よく帰ってきたな!!」スッ
パンッ!!
ウグイス「4番サード、ヤルナッハ君」
実況「状況は引き続き駐屯高校のチャンスで、ノーアウト一二塁、バッターボックスには4番のヤルナッハ」
アルミン「ごめん、僕のミスだ」ボソッ
ミカサ「いえ、打たれた私の責任でもあります」ボソッ
アルミン「〔1点でもいい状況が、もう1点もやれない状況になった...くそっ、甘く見てた...〕」
アルミン「ミタビには打たれちゃダメだ、だから全力投球を連続で使うけど...バテないようにね!」ボソッ
ミカサ「はい!」
スタスタ
アルミン「〔この状況でミタビ...下手をすれば逆転もあり得る...慎重に...〕」サイン
ドッ!!!
ミカサ「ッ!!」シュッ!!!
ビリッ
ミカサ「ぅッ...」
ミタビ「〔来たなッ、全力投球!!〕」スッ!!!
アルミン「〔ッ、不味い! 狙われる!?〕」
カキーンッ!!!
ミカサ「ぁっ!?」
ピーーッ 審判「ファールボール!」
実況「打球は惜しくも逸れてファールボール」
アルミン「〔首の皮一枚繋がった...けど、完全に...〕」
アニ「〔タイミングが...ジャストミートされてた〕」
アルミン「〔それに...さっきから何球かコースが甘い...ストレートの回転もいつもより鈍くなってる...もしかしてどこか痛めてるのか?〕」
ミカサ「〔またこの痛み...アドレナリンが出てるはずなのに...〕」
アルミン「〔でも今は確かめてる余裕と時間はない...ストレートに狙いを絞ってるなら変化球で交わす〕」
ドッ!!
ミカサ「ッ!!」シュッ!!
ミタビ「〔グッ!? このタイミングでカーブ...かよ!!〕」スッ!!
クインッ!!
ミタビ「オラァッ!!」
パシンッ!!!
審判「ストライク!!」
実況「豪快なスイングは空振り! カーブでしたねぇ」
ミタビ「〔ちっきしょう...追い込まれたのは俺の方かよ...〕」
「ミタビ!!」
ミタビ「!」
イアン「自分のスイングを忘れるなよ」
ミタビ「...へっ、うるっせ!」
ミタビ「〔なんだろうな...気持ち...あいつと野球やってっと...時々思うんだ。〕」
ミタビ「〔あいつの期待に答えたい...あいつともっともっと野球がしたい...この気持ち...マジでなんなんだ...〕」
ギュゥッ!!
ミタビ「〔4番が仕事をしねぇで...どうするんだッ、俺が逆転ホームランを打てば...今までのことだって帳消しに出来るんだ!!〕」
アルミン「〔カーブでフォーム崩した...ならここで...〕」
ミカサ「〔エレンは信じてくれた...怪我をしている私を...アウトを取って、試合を決めるってことを...信じてくれた...〕」
ミカサ「〔信じてくれたら...やることはただ1つ...〕」スッ!!!
ミカサ「〔その信頼を...裏切らないように...答えるッ!!〕」ドッ!!!
ビリッ
ミカサ「〔う”ッ...耐えろ...こんな痛み...エレンの怪我に比べたら...何の痛みでもないッ!!〕」
ミカサ「うぉぉぉぉぉおおおッッッ!!!!」シュッ!!!
ミタビ「てめぇのストレートなんざ...アジャスト済みなんだよッッ!!!!!」スッ!!!
ゴォッ!!!
ミタビ「〔クッ...うぅ...パワーで...負けんじゃねぇッ!!!〕」グググッ!!!
カキーンッ!!!
スポッ!!!
ミタビ「んがっ、やべぇっ!?」
ガランガランッ
ミタビ「〔勢いのあまりバットぶん投げちまった!?〕」
ミタビ「〔あれ...つか...ボールは...?〕」チラッ
バンッ!!!!
ミタビ「!」
実況「入ったァァァァァァァァアアアアアアアッッッ!!!!! 逆転スリーラン、ホォォォォオオオムッ、ラァァァアアアアンッ!!!!!!」
タッタッタ
ミタビ「うぉぉぉぉぉぉぉっっしゃぁぁぁぁああああああ!!!!」
-
- 315 : 2016/06/13(月) 01:54:06 :
実況「なんというドラマでしょうかッ、勝ち越しをされた後...4番のその豪快な一振りで...粉砕しましたッ!!!」
ミカサ「ぁ...」
ライナー「...」
ジャン「ま、マジかよ...洒落になんねぇな...」ハハッ
エレン「...くそぉ...何も出来ねぇのか...俺はッ...」
アルミン「〔不味いな...皆顔が味気ない...無理もないか...今までミカサを中心にして戦ってきて、何度も何度も彼女に救われてきた...〕」
アルミン「〔だけど、今回ばかりは...その彼女でさえも...抑えることは出来なかった。〕」
アルミン「〔僕も...馬鹿だな、わざわざリスクのあるミタビと勝負しないで5番のフーゴと勝負するべきだった...〕」
アルミン「ノーアウト!」
マルコ「お、おう!ノーアウト!!」
トーマス「ぴ、ピッチャー!打たせていけ!!」
ミカサ「う、うん...」
アニ「〔ミカサ自身も驚きのようだね...まぁそれほど自信があったんだろうけど...アルミン、頼むよ〕」
グスタフ「ミタビ!!お前ぇ!!」
ハンネス「さすがは4番だな!!」
ミタビ「...へっ、やってやったぜ!!」
イアン「ナイバッチ、ミタビ」
ミタビ「イアン...あぁ!」
ウグイス「5番ファースト、フーゴ君」
フーゴ「おっしゃぁ!来い!!」
アルミン「〔兎にも角にも、まずはこの回をきっちり1点差で終えることが逆転へのプロセス...外低めに〕」
ドッ!!
シュッ!!
フーゴ「〔スライダー!〕」スッ!
クイッ!!
キーンッ!!
ミカサ「ぇっ!?」
パシッ!!
ジャン「っと...あっぶねぇ」
審判「アウト!」
アルミン「〔外低めのスライダーをそのまま打ち返した...球筋がバレてる...?〕」
ウグイス「6番ピッチャー、ヴェールマン君」
キッツ「来いッ!!」
アルミン「〔こいつなら...〕」
ドッ!!
シュッ!!
クイッ!!
キッツ「〔内高めに...シュート!〕」スッ!
キーンッ!
アルミン「〔ッ、今度はインハイのシュートにタイミングを合わせてきた!?〕」
コニー「うぉらぁッ!!」ダイブッ!!
パシッ!!
審判「アウト!」
キッツ「くそっ」
ミカサ「コニー、ありがとう」
コニー「おう、サード圏内は任せろ!」
実況「内野陣に助けられて一気にツーアウト」
アルミン「〔全員ミカサの球筋に慣れてる...? どうしてだ?〕」
・・・
パシッ!
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!」
アルミン「〔結局後の7番に三遊間抜かれて、8番をレフトフライ...今までと違って当ててるな...〕」
スタスタ
ミカサ「...」
アルミン「ミカサ!」
ミカサ「えっ、あ、はい!」
アルミン「どこか痛めてる?」
ミカサ「ッ...いえ、大丈夫です」
アルミン「...そっか、無理しないでね」
スタスタ
アルミン「〔”どこも痛くない”って返事じゃなくて...”大丈夫です”...か〕」
-
- 316 : 2016/06/13(月) 01:54:52 :
7回表 無死無塁 カウント 2-2 9番 マルコ
キッツ「ッ!!」シュッ!!
マルコ「クッ!?」スッ!
キッ!
イアン「サード!」
パシッ! シュッ!!
パシッ! 審判「アウト!」
一死無塁 カウント 1-3 1番 ジャン
シュッ!!
ジャン「ッ!!」スッ!!
キーンッ!!
キッツ「なっ!?」
パシッ!!
ハンネス「それっ!!」シュッ!
パシッ! 審判「アウト!」
2番 コニー 二死無塁 カウント 0-0
キッツ「ふっ!!」シュッ!!
コニー「おらッ!!」スッ!!
キーンッ!!
実況「打ちました、ライト前のヒットです!」
3番 ミカサ 二死一塁 カウント 2-3
キッツ「負けて...たまるかっ!!」シュッ!!
ミカサ「ッ!?」
パシンッ!!!
審判「ストライク、バッターアウト!スリーアウトチェンジ!」
7回 裏 二死二塁 カウント 1-1 4番 ミタビ
ミカサ「ハァっ、ハァっ、ハァ...」ゼェハァ
ドッ!!
ミカサ「ッ!!」シュッ!!
ミタビ「へっ、もらったァ!!」スッ!!!
カキーンッ!!!
ミカサ「あぁッ!?」
実況「打球は伸びる!伸びる!尚も伸びる...」
ポンッ!!!
実況「レフト見上げたァ!! ダメ押しの追加点!! これで3点差です!!」
実況「なんとヤルナッハ、今日の試合で2ホーマーです!!」
諫山さん「これは化けましたね」
ミタビ「っっしゃぁぁああああッ!!!」
観客「これはもう決まったろ!?」
観客「あぁ、だが...あのアッカーマン...調子悪くね?」
観客「1年だから、まだこの炎天下の中でやるのは慣れてないんじゃないか? もうバテてるし」
観客「流星の天才も暑さには敵わないってか!」
ミカサ「ハァっ、ハァっ、ハァ...」ゼェハァ
ジャン「〔ミカサ...〕」
ライナー「〔頼む...〕」
エレン「〔耐えてくれ...頼むッ〕」
審判「プレイ!」
ミカサ「ッ!!」シュッ!
フーゴ「ここだ!」スッ!!
キーンッ!!
ミカサ「ッ」
ダッダッダ!!
ライナー「ゥオラァッ!!!」ピョンッ
パシッ!!
ズサーッ ドタンゴロンゴロン
ジャン「ライナーッ!!」
ライナー「...」スッ
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!!」
実況「ライトのブラウンッ、よく取りましたッ!!」
諫山さん「根性見せますねぇ」
ミカサ「ハァ...ハァ...ハァ...」ゼェハァ
エレン「ミカサ...」
ミカサ「エレ...ン...ごめんなさい...」
エレン「...謝んな、取り返せばいいことだ」
ジャン「〔とは言っても...あっちのバッテリーは調子が上がっていく一方で打てはしねぇ...ましてや、アルミン先輩は勝負してもらえねぇ始末だ。〕」
ジャン「〔恐らくこの回も...敬遠してくるんだろうな〕」
-
- 317 : 2016/06/13(月) 01:56:00 :
ウグイス「8回の表、シガンシナ高校の攻撃は...4番キャッチャー、アルレルト君」
アルミン「お願いします」
イアン「〔...いいですね?〕」
キッツ「」コクッ
サッ
アルミン「...」
パシッ!!
審判「ボール」
実況「やはりアルレルトは勝負させてもらえません。」
諫山さん「もう1点も上げる気はない...ということでしょう」
パシッ!
審判「ボール!フォア」
ウグイス「5番ライト、ブラウン君」
ジャン「ライナァー!!打てよ!!」
ベルトルト「相手のペースに乱されるな!」
ライナー「〔俺は今日...この試合だけ見ればとんだポンコツの5番バッターだ...このまま黙ってゲッツーにしないぞ〕」
ライナー「〔それに...ミカサ一人があんなに頑張ってるんだ...ここで手みあげ何もなしに帰れないだろッ〕」キリッ
ドッ!!
シュッ!!
ライナー「〔何が5番だ、長打一本も打てねぇ5番なんて...クリーンナップじゃねぇ!!〕」スッ!!
キーンッ!!
キッツ「ぁがっ!?」
実況「ブラウン、綺麗なセンター前のヒットでランナーを進めました!」
ジャン「ナイバッチ!!」
ライナー「あぁッ!」
ウグイス「6番ファースト、ダズ君」
パシンッ!!
パシンッ!!
パシンッ!!
審判「ストライク!バッターアウト!」
キッツ「ふんっ、さっきのはまぐれのようだったな!」
ダズ「くそぉ...」
トーマス「ドンマイ、任せろ!」
アニ「〔バントでツーアウト二三塁でミリウスじゃ荷が重すぎる、ここは打つよ〕」サイン
トーマス「〔はい!〕」
シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
トーマス「〔えっ...ちょっと待って...何か...速くなってね?〕」
イアン「ふっ」ニヤッ
シュッ!!
トーマス「振るッ!!」スッ!
キッ!
トーマス「〔げぇっ!?〕」
イアン「」ダッ!
トーマス「〔内野フライかよ...〕」
ミタビ「オーライ!オーライ!オーライ!」
「ミタビ、取るなッ!!」
ミタビ「えっ!?」
アルミン・ライナー「えっ」
ポタッ
審判「フェア!」
実況「あぁっと!? サード ヤルナッハ、見落としてしまったぁ!?」
トーマス「うそっ!?」ダッ!
ガシッ!!
イアン「グスタフ!」シュッ!!
パシッ!! 審判「アウト!」
グスタフ「おらっ!」シュッ!
パシッ!
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!!」
観客「うぉぉぉぉぉおおおおおおおッッ!!!!!」
実況「なんというトリックプレーでしょうか!? 内野フライをわざと捕らずに、そのままゲッツーにしましたァ!!」
諫山さん「驚きです...こんなプレーをするとは...」
アルミン「...くそっ、イアン...まさかあぁくるとは...」
イアン「...ふっ、この試合は必ず...俺達が勝つ」
アルミン「...あぁ、僕らも負ける気は毛頭ない」
-
- 318 : 2016/06/13(月) 01:56:49 :
・・・
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
ミカサ「ぅっ...ハァ...」
二死無塁 カウント 1-3 8番モブレフト
ミカサ「ハァ、ハァ、ハァ...ふっ」シュッ!
モブレフト「ッ!!」スッ!
キーンッ!
ズサーッ! パシッ!
トーマス「マルコ!」シュッ
ガシッ! マルコ「ふっ!」シュッ!
パシッ!!
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!!」
実況「セカンド ワグナーが見事キャッチし、カバーに入ったボットが投げたスリーアウトチェンジ!」
実況「諫山さん、いよいよ最終回ですが...どう思われますか?」
諫山さん「そうですね、野球は9回ツーアウトからと言われますから、何が起こるかわかりませんよ」
アニ「いい?もう一回確認するよ」
アニ「このままじゃ...私達の夏は...終わるからね」
ジャン「...」
ミカサ「...」
アルミン「...」
エレン「...」
アニ「まずは塁に出ること、相手ピッチャーもそろそろ球数多くなってるからバテるはずだよ」
「はいッ!!」
アニ「しっかり振ること、しっかり見ること...そして...一生懸命戦うこと...いいね?」
「はいッ!!」
アニ「アルミンまで回せば...何か起こる、チーム全員で攻撃するよッ!!」
「オォォーーーーーッッッ!!!!!」
ジャン「っしゃぁ、お前ら! ぜってぇ出ろよな!?」
コニー「お前らが出ないと意味ねぇんだぞ...あれ、でもアルミン先輩敬遠されんじゃ!?」
エレン「手なら1つある...」
マルコ「うん」コクッ
コニー「えぇ!? なんだよ!?」
エレン「アルミン先輩の打席までに...満塁にすればいい」
ジャン「その通りだぜ」
コニー「...? 満塁にしても、敬遠されたら終わりじゃね?」
「もうやだ馬鹿...」
ジャン「振ってけよ、ミリウス!!」
エレン「打てるぞ!!」
ダズ「ミリウス!頼む!」
ウグイス「9回の表、シガンシナ高校の攻撃は...8番レフト、ゼルムスキー君」
リコ「あんた達、まだまだ力振り絞りなッ!!」
「はいッ!!」
クリスタ「ユミル!私達も今まで以上に盛り上げよ!!」
ユミル「うぃよ~」
キース「ん”ん...まだまだ行くぞ!!」
援団「おぉ!」
ケニー「オラァ!! お前ら根性見せろ!!!」
ジャン父「打てるぞぉ!!」
ジャン母「ミリウス君、頑張ってぇ!!」
スタスタ
ミリウス「〔焦るな...でも、緊張感は持て...ここで終わるわけにはいかないんだ...先輩達を...あいつらと...甲子園に行くためにッ〕」
イアン「〔さぁ終わらせましょう...そして、ここから始めましょう...俺達が甲子園で優勝するための...プロセスを〕」
審判「プレイ!」
-
- 319 : 2016/06/13(月) 01:57:45 :
ドッ!!
キッツ「ッ!!」シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ボールワン!」
実況「初球は外高めにボール」
キッツ「〔クッ、この夏の暑さは何度も経験してきたはずのに...私もまだまだということか〕」ドッ!!
シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ボールツー!」
エレン「おし、よく見えてるぞ!!」
トーマス「広く広く!!」
ライナー「クサイ球カットしろ!!」
イアン「〔このバッターなら...〕」
ドッ!!
シュッ!!
カクンッ!!
ミリウス「〔うっそ...この回でもまだフォーク!?〕」スッ!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
ミタビ「ナイスボール!」
グスタフ「ピッチャー!バッター勝負!」
ハンネス「打たせていけよ!」
ドッ!!
シュッ!!
ミリウス「〔ッ、フォークの後のストレート...やばっ!?〕」スッ!
キッ!!
イアン「ピッチャー、1つ!」
キッツ「ふっ!」シュッ!
ダッダッダ!
ミリウス「〔追いつけェっ!!!!〕」ダイブッ!
パシッ! ズサーッ!
審判「アウト!」
観客「おぉぉぉぉおおおおおおッッ!!!!!」
イアン「ふぅ...ワンァウト!!」
「ワンァウト!!!」
スタスタ
ミリウス「悪い...マルコ」
マルコ「ドンマイ」
ウグイス「9番ショート、ボット君」
マルコ「お願いします!」
イアン「〔あと...2つで...〕」
ドッ!!
キッツ「ッ!!」シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
マルコ「えっ!?」
実況「初球は外いっっっぱいにストレート、諫山さんヴェールマンですが...調子が上がってきてますね」
諫山さん「そうですね、エンジンがついて更に集中力が増しているように見えます」
マルコ「〔絶対出なきゃダメだ...今日の試合で一番活躍出来てないのは僕だけだけなんだ...〕」
キッツ「ふぅ...ふぅ...」
ドッ!!
シュッ!!
マルコ「〔何でもいい...とにかく塁に出るんだッ!!〕」スッ
マルコ「ッ」 ボコッ
ドタンッ カランカランッ
キッツ「...!?」
審判「で、デットボール!!」
審判「君、大丈夫か!?」
マルコ「...はい」
エレン「大丈夫か、マルコ!!」
マルコ「大丈夫、これでやっと...塁に出れた」
エレン「マルコ...」
マルコ「あとはジャンに任せる」
エレン「...あぁ、そうだな」
ウグイス「1番センター、キルシュタイン君」
ジャン「っしゃぁぁ!!」
ジャン父「ジャン坊!! 頑張れェ!!!」
ジャン母「ジャン坊!! ファイト!!」
ジャン「〔ぜってぇ塁に出る...何が何でも...死んでも塁に出る...そうすりゃ満塁でアルミン先輩まで回せる!〕」
キッツ「ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
ドッ!!
キッツ「ふんっ!!」シュッ!
ジャン「〔甘い球ッ!!〕」スッ!!
キーンッ!!
実況「打ったァ、ライト方向!! 切れるかァ!?」
ジャン「切れんなァッ!!!」
ポタッ
審判「ファール!」
ジャン「...くそっ!」
イアン「〔今の投球じゃ3割減か...それでもこの人はエースなんだ...最後まで投げさせたい...〕」
イアン「ナイスボール!良い球来てますよ!!」
キッツ「あ、あぁ...」
マルコ「ジャン!」
ジャン「!」
マルコ「...集中!」サイン
ジャン「ッ...」
マルコ「」コクッ
ジャン「...はっ...マジかよ...」
-
- 320 : 2016/06/13(月) 01:58:33 :
_______________________________
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_____________________________________________________
マルコ打席前
マルコ「ジャン」
ジャン「ん?どうした?」
マルコ「...もし僕がランナーに出たら...このサインが出たら...あることをやってほしい」
ジャン「は?」
マルコ「正直言って...僕個人では、ミカサやアルミン先輩...ライナーやベルトルトみたいなことは出来ない...でも」
マルコ「ジャン...お前が協力してくれれば...出来ないことが出来るようになる...」
ジャン「...つまり博打ってことだな?」
マルコ「...ハハッ、お前には何でもお見通しなのかな」
ジャン「ったりめぇだろ...で何すんだ」
マルコ「それは...」
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_______________________________
「「僕達にしか出来ないことだよ」」
マルコ「〔チャンスはたった一度きり...やったことはない...でも今日の試合で一度限り見た〕」
ジャン「〔成功する確率なんて、走ってる電車に雷が当たるくらい極めて低い...だが〕」
ジャン・マルコ「〔俺(僕)一人でやる確率と、二人でやる確率...どっちが高いかなんてたかが知れてる!!〕」
ドッ!!
ダッ!
ハンネス「! スチール!」
キッツ「〔なっ、この状況で...!?〕」
スッ!
ミタビ「〔! セーフティバントか!〕」
シュッ!!
バッ!
グスタフ「! ミタビ、それは罠だ!!」
ミタビ「はっ!?」
ジャン「ラァッ!!」スッ!!
キーンッ!!
ハンネス「ぐっ!?」ダイブッ!
ジャン「抜けろォッ!!!」
ポタッ!
審判「フェア!フェア!!」
シガンシナベンチ「よっしゃぁぁ!!!」
ダッダッダ!
マルコ「ふぅ...ナイバッチ!ジャン!」
ジャン「...へっ、お前だってナイスタイミングだぜ!」
グスタフ「〔今のバスターエンドランは...俺とハンネスさんが最も得意とする形の...ふっ、やってくれたな〕」
-
- 321 : 2016/06/13(月) 01:59:59 :
ウグイス「2番サード、スプリンガー君!」
コニー「来い!!」
実況「ワンァウト一二塁で、2番サードのスプリンガー」
イアン「〔甘い球が多くなってる...アルミンまで何が何でも回しちゃダメだ...ここで勝負に出ましょう〕」
イアン「外野、ホーム優先!内野、ゲッツー体制!」
実況「おぉっと!? これは駐屯高校勝負に出ました」
諫山さん「1点も与えないという強い意志が感じられます。」
アニ「〔実質コニーでゲッツーならゲームセット...ここはバントで送る...? いや、でも今のミカサの状態で打てるとは思わない方が良い...なら〕」
コニー「〔ヒッティング〕」
アニ「〔いい? 絶対内野ゴロだけはやめてね〕」
コニー「〔俺の次はミカサなのに...俺より長打が打てるのに俺が打つのか...よしぜってぇ打つ!〕」
シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ボール!」
イアン「惜しいです!ナイスボール!」
シュッ!
パシンッ!!
審判「ボールツー!」
キッツ「ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
イアン「〔あとツーアウトなんです、何とか振り絞って頑張ってください〕」サイン
ドッ!
シュッ!
コニー「ぅっ!?」
ボタッ! パシンッ!!
審判「ボールスリー!」
イアン「〔ッ...ランナー絶対前に進ませないぞ〕」キリッ
マルコ「〔うっ、危ない...〕」
イアン「〔不味いな...やはり代えてもらうか...?〕」
キッツ「バッター勝負!」
イアン「!」
キッツ「〔頼む...最後まで投げさせてくれ...〕」
イアン「〔...わかりました〕」
キッツ「...ふぅ...」
ドッ!!
シュッ!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
実況「4球目は内甘めのコースにストレート」
イアン「〔入ったはいいが...コースが甘い〕」
コニー「〔ギリギリ入れた感じがするな...ここは待ってみるのも...いや打った方がいいのか...?〕」
ドッ!
シュッ!
コニー「〔やっぱ振ってった方が良い気がするな!!〕」スッ!!
「コニー!! 監督からサイン出てる!!」
コニー「えっ!?」チラッ
パシンッ!!
イアン「ッ...」
審判「ボール、フォア!!」
コニー「うぉっ!? いつの間に...けどラッキー!」
観客「うぉぉぉぉおおおおおおッッ、ワンァウト満塁で...!!」
ウグイス「3番ピッチャー、アッカーマン君」
ジャン「頼むぞ!! ミカサ!!」
マルコ「打ってくれ!!」
コニー「ミカサ!!」
「ハァ、ハァ、ハァ...」
スタスタ
アニ「ミカサ?」
ミカサ「...は、はい」
アニ「大丈夫? 汗凄いけど...」
ミカサ「ハァ、ハァ、ハァ...はい」
アニ「...」
ザワザワ
ミカサ「〔打たなきゃ...絶対...私が取られた点なんだから...取り返さなきゃ...そうだ...約束したんだ...〕」
ミカサ「〔エレンと...皆と...甲子園に...行くんだ...!〕」
キッツ「...」
スタスタ
イアン「...キャプテン」
キッツ「あぁ...わかってる...ここで降板だな」
イアン「いえ、勝負しましょう」
キッツ「...え?」
イアン「何言ってるんですか今更、こんなところでリタイアなんて俺は認めませんよ」
キッツ「...いいのか」
イアン「何度も言わせないでください、俺はキャプテンと...一緒に甲子園へ行きたいんです。」
キッツ「!」
イアン「あと二つで...決勝です...必ず勝って、優勝旗を学校へ持って行きましょう!」
キッツ「っ~~!!」
イアン「さ、あと2つです...頑張りましょう」
キッツ「...あぁ!」
審判「プレイ!」
-
- 322 : 2016/06/13(月) 02:00:33 :
ドッ!!
キッツ「ふんっ!!」シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
ミカサ「ッ...!?」
ドッ!!
シュッ!!
ミカサ「ッ!!」スッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライクツー!!」
エレン「ミカサァ!!! 頑張れェ!!!」
ミカサ「〔私は負けられない...絶対に...守る約束がある!〕」
ドッ!!
キッツ「ウォォォオオオオッッッ!!!!!」シュッ!!!
ザッ!!!
ミカサ「ウォォォァァアアアアッッ!!!!」スッ!!!
パシンッ!!!!
審判「...ストライクバッターアウト!!」
観客「お...オォォォォオオッッッ!!!」
エレン「ぁ...」
観客「あと一人!あと一人!」
観客「あと一人で...駐屯高校が決勝か!!」
観客「しかし、シガンシナにはちょっと期待外れだな...この間の朝あの番組見てから俺グッと来たのによぉ」
観客「ま、どんだけ天才がいようともチームが強くなきゃ勝てないしな」
駐屯側観客「はいぃ~、夢崩れましたぁ!」
駐屯側観客「いやぁ可哀想だな!あんな夢持たせといて...彼女にも申し訳ねぇしな!」
駐屯側観客「結局蒼の騎士対紅の魔術師は0対2で紅の魔術師の勝利だな!」
「...」ギュゥッ
駐屯側観客「でもま、最後の一人がこいつならイアンも悪い気はしないだろう」
駐屯側観客「たしかにな!」
「...ふぅ」バキッ
スタスタ
ミカサ「すみません...本当に...すみま...せん」グググッ
「ドンマイ、ミカサはベンチで体を休めてるんだ」
ミカサ「え...?」
ダズ「結局...ダメなのか...」ググッ
ミリウス「...」
ベルトルト「...」
ライナー「...くそっ、俺があの時...「下を見るなッ」
「!」
アニ「まだ希望は捨てるんじゃないよ...仲間がまだ戦ってるのに、あんた達だけ諦めるのは間違ってる。」
アニ「それに...」
バキッ ボキッ
アニ「今のアイツは...誰にも抑えられないよ」
「え...?」チラッ
ウグイス「4番キャッチャー、アルレルト君」
「ふぅ...」バキッ
アルミン「...」ボキッ!!
-
- 323 : 2016/06/13(月) 02:03:13 :
スタンド
スタスタ
イザベル「あ...シガンシナ負けてる」
ファーラン「え?」
シガンシナ高校 1 0 0 1 0 3 0 0 5
駐屯 高校 0 0 2 0 0 4 0 2 8
ファーラン「うわぉ、マジだ...あの人何やって...!」チラッ
エルド「しかし、驚いたな...あのアルミンが駐屯に負けるなんてな」
ミケ「...ふっ、所詮は弱小校などに行く奴だ...その程度だった...ってことだろ」ニヤッ
イザベル「なぁ?ファーラン、この状況やばくね?」
ファーラン「あぁ...やべぇな...」
イザベル「どうするんだよ、このままじゃアルミン先輩と戦えn「見とけ」
イザベル「は?なんだよ急に」
ファーラン「いいから黙って見とけ...俺らなんつーベストタイミングで来ちまったんだろうな...」ニヤッ
イザベル「は...?」
スタスタ
リヴァイ「...」
審判「プレイ!」
イアン「〔ツーアウト満塁でアルミンか...正直何が何でもお前とは勝負するつもりはなかったが...もう9回だ、そんなこと言ってられる余裕はない〕」
キッツ「〔! やっと勝負出来るのか...!〕」
イアン「〔見せてやりましょう...俺達のバッテリー感を...!〕」サイン
キッツ「...ふっ、生意気な...」フッ
実況「さぁ状況は変わらず、ツーアウト満塁で4番のアルレルト! 諫山さん、この状況どうお考えですか?」
諫山さん「今日はじめての勝負ですからね、初めて見るヴェールマン選手のストレートにどれだけ追いつけるかが鍵となるでしょう」
ドッ!!!
実況「さぁ第一球...振りかぶって...」
シュッ!!!
実況「投げた!」
パシンッ!!!!
審判「ストライク!」
観客「おぉッ!!」
ライナー「! なんだ?この騒ぎ...」
エレン「...! 見ろ、バックスクリーン!」
チラッ
「 146km 」
ライナー「...なるほどな、今日最高速度だから歓声が湧いたってことか」
エレン「...アルミン先輩...」ギュゥッ
イアン「ナイスボール!」シュッ
イアン「〔キッツ先輩...今の自己最高記録じゃ...〕」
キッツ「...ふっ、ナイスリード」
イアン「!」
ミタビ「オーッ、ナイピー!ナイピー!」
グスタフ「ピッチャー、球走ってますYO!」
ハンネス「後ろは任せろ!思いっきり投げろ!!」
フーゴ「ツーアウト!あと1つ!」
イアン「〔みんな...アルミンに...シガンシナ高校に...調査高校に...勝ちたいという気持ちが一丸となって...より団結力が増したな!〕」
ドッ!!!
キッツ「ふっ!!」シュッ!!!
パシンッ!!!!
審判「ストライクツー!!」
実況「2球目も決まってツーストライク! さぁ、次で決まってしまうのかァ!?」
イアン「〔ふっ...悪いな、アルミン...結局お前とまともに勝負出来たのはこの一打席のみだったな...だが、残念だったな。いくらお前でも今のキッツ先輩の...俺らの野球を超えることは出来ない!〕」
バキッ!! ボキッ!!
イアン「...ッ」
アルミン「フゥーッ...」ギュゥッ!!
マルコ「先輩!打てますよッ!!」
ジャン「球見えてます!!大丈夫ッ!!」
コニー「アルミン先輩、打ってくださいッ!!」
-
- 324 : 2016/06/13(月) 02:03:44 :
実況「さぁ3球で決めに来るのでしょうか...!?」
ドッ!!!!
実況「ピッチャー振りかぶって...」
キッツ「ウゥゥォォオオッ!!!!!」シュッ!!!
実況「投げたァ!!」
イアン「〔これでゲームセットだぁ!!〕」
サッ!!! ザッ!!!!
イアン・ミタビ・グスタフ「〔ッ、動いた!?〕」
アルミン「...ふぅッ!!!」スッ!!!!
ゴォッ!!!! カキーンッ!!!!
ミタビ「んなっ...!?」チラッ
グスタフ「...!?」チラッ
ハンネス「!?」チラッ
キッツ「ハァ...ハァ...」チラッ
イアン「〔内角低めいっぱいの全力ストレートを引っ張ったんだ...そのコースはファールになる...それに...アルミンのパワーなら、スタンドまで飛ばせない!〕」
イアン「レフt ゴンッ!!!!
イアン「ッ...!?」
実況「は...はい...入ったァァ~~~ッ!!!!!!!」
観客「おぉぉぉぉぉぉおおおおおおッッッ!!!!!!!」
エレン・ライナー・ダズ「ぃよっしゃぁぁああああ!!!!」
実況「逆転...逆転満塁ホームランですッ!!!! なんというドラマなのでしょう!?」
タッタッタ
アルミン「...」
実況「4番アルレルトの放ったアーチは...なんとも美しくレフトポールに直撃したァ!!!!!」
ケニー・ジャン父「うぉぉぉぉぉおおおおおおおおお!!!!!!!」ダキッ
アニ「...ふっ、全く...本当にあんたのそういうところ...惚れ惚れする」クスッ
アルミン「...」ガッツポーズ
イザベル「す、すげぇ...」ビクビク
ファーラン「だから言ったろ...ベストタイミングだって...」
イザベル「な、なんで打つってわかってたんだ!? テレパシーか!? 未来から来たのか!?」
ファーラン「ちげぇよ...あの人の癖だよ」
イザベル「癖...?」
ファーラン「あぁ...あの人があぁやって...指の骨を鳴らす時...あれは、あの人が絶好調の時の印さ...」
ファーラン「〔小学校の時や、中学の時もあった...やっぱあの人...すげぇ...インローのストレートを...あんな体勢で引っ張るなんて〕」
スタッ
審判「ホームイン!」
アルミン「ふぅ...」
スタスタ
エレン「ナイバッチです...アルミン先輩!」グッ
アルミン「! あぁ...!」グッ
コツンッ
キッツ「...」
イアン「先輩...」
キッツ「!」
イアン「すみません...俺が3球で決めに行かなければ...」
キッツ「言い訳を言っても無駄だ」
イアン「! はい...すみませn「別に責めてるわけではない」
イアン「え...?」
キッツ「今どうこう出来るわけでないと言ってるんだ、今やるべきことは...この回を次で終わらせること」
イアン「...はい!」
キッツ「そして、次の回...必ず逆転してくれ」
イアン「はい、絶対に!」
ウグイス「5番ライト、ブラウン君」
ドッ!!!
キッツ「ふっ!!」シュッ!!!
ライナー「オラッ!」スッ!!
キーンッ!!
ハンネス「オーライ、オーライ、オーライ!」パシッ
審判「アウト、スリーアウト!チェンジ!!」
-
- 325 : 2016/06/13(月) 02:04:41 :
実況「9回の表、シガンシナの攻撃は4点で止まり、逆転しました。この裏の回ですべてが決まります...!」
カチャカチャッ
アルミン「...さぁ、行こう」
ミカサ「ハァ、ハァ、ハァ...ッ、はい!」
エレン「ミカサ!」
ミカサ「!」ピトッ
エレン「...とっとと3アウト取ってこいよ!」
ミカサ「...うん!」
ウグイス「9回の裏、駐屯高校の攻撃は...8番レフト、モブレフト君」
スタスタ
敵モブレフト「ウォーッ、来い!!」
審判「プレイ!」
アルミン「〔初球...ストレートを外低め...〕」サイン
ドッ!!
ミカサ「〔外す!〕」シュッ!!
アルミン「!」パシンッ!!!
審判「ストライク!」
アルミン「〔微妙にずれた...もうそこまで制球できないほど、疲弊してるのか...なら尚更、イアンまで回すわけにはいかないな〕」
ドッ!!
シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ボール!」
ドッ!!
シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ボールツー!」
アルミン「!」
ドッ!!
ミカサ「ッ!!」シュッ!
ボタッ!!
アルミン・アニ「!」
ガシッ!!
実況「あぁっと!? 落とした!?」
審判「ボールスリー」
アルミン「〔ミカサがここまで崩れるなんて...〕」
ジャン「〔...疲れてるのか? にしても...〕」
ライナー「〔制球が出来てなさすぎる...どこか余計に力んでるせいだ、怪我をしてるのか...?〕」
ミカサ「ハァ...ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
アルミン「ミカサ、ボール来てるよ!後ろに任せるんだ!」
コニー「オーッ、サード来いよ!サード!!」
マルコ「ミカサ、楽に!」
ミカサ「〔頭が...ボーッとする...真っ白だ...何も考えられない...息が...苦しい...〕」ゼェハァ
ドッ!
ミカサ「ッ!」シュッ
アルミン「〔逆球!?〕」
敵モブレフト「〔甘いぜッ!!〕」スッ!
キーンッ!
実況「打ったァ、センター前のクリーンヒットです! 諫山さん、アッカーマンどうしたのでしょう? ボールに勢いがありません。」
諫山さん「9回になって、かなり体力を消耗したのでしょう。 それに、今日は炎天下ですから」
アルミン「ノーアウト!」
「ノーアウト!」
ウグイス「9番センター、モブセンター君」
アルミン「〔バントか...?〕」
スッ
アルミン「〔定席通りか...ならここはコニーに捌かせて...〕」サイン
ドッ!
ミカサ「ッ!」シュッ!
敵モブセンター「クッ」キッ!
実況「おぉっと!? 上げてしまったァ!?」
アルミン「取れるッ!!」ダイブッ!!
ズサーッ!!
・・・
アルミン「」スッ
審判「アウト!」
観客「おぉぉぉおおおおおおッッ!!!!」
実況「キャッチャー、アルレルト! ダイビングキャッチし、見事取りました!」
アルミン「ワンァウト!!」
「ワンァウト!!」
敵モブセンター「悪い...グスタフ」
グスタフ「大丈夫、俺が代わりに打ってやる」
-
- 326 : 2016/06/13(月) 02:05:37 :
ウグイス「1番ショート、グスタフ君」
アルミン「〔ここだ...ここで勝負の分かれ目が変わる...〕」サイン
ミカサ「〔肩が...重い...指の感覚が...ない...握力が...ない...〕」スッ
ドッ ミカサ「ッ」
ズルッ シュッ
アルミン「ッ!?」
パシッ コロコロ
実況「あぁっと!? ワイルドピッチ!!」
グスタフ「ランナー、GO!GO!」
ダッダッダ!!
ズサーッ!
審判「セーフ!」
アルミン「くそ...」
ミカサ「ハァッ、ハァッ...」ゼェハァ
アルミン「ミカサ、立てる?」スッ
ミカサ「は...はい...」スッ
ガシッ
ミカサ「すみません...」
アルミン「大丈夫、ただのワイルドピッチさ! 点は入ってない」
ミカサ「...私...」
スッ ギュゥッ
ミカサ「えっ!?」
アルミン「んっ、これでよし...今僕の分の握力をミカサに分けてあげたから」ニッ
ミカサ「!」
アルミン「僕はリードしか出来ない...だから...君の力がどうしても必要なんだ」
アルミン「力を貸してほしい」
ミカサ「...はいッ」
スタスタ
実況「さぁ状況はワンァウト二塁で打席には1番のグスタフ」
審判「プレイ!」
アルミン「〔イアンの前で終わらせるために、グスタフのアウトは必須条件だ。〕」サイン
ミカサ「」コクッ
ドッ!!
ミカサ「ッ!!」シュッ!!
グスタフ「!」
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
アルミン「ナイスボール!」
エレン「オッケー、オッケー! 球はまだ死んでねぇぞ!!」
ミカサ「〔エレン...そうだ...私には...約束があるんだ...絶対に負けられない...何としてでも...勝つ!〕」ドッ!!
シュッ!!
グスタフ「〔これで1年か、3年になったら化物になるな...だが、もう余力はないみたいだな! この球威なら問題ないZO!〕」スッ!!
キーンッ!!
ミカサ「あぁっ!?」
実況「打ったァ!! ライト前のヒット!! ランナー帰って来れるかァ!?」
敵モブレフト「〔行ける!〕」ダッ!!
「させねぇぞッ!!」シュッ!!!
グスタフ「ふっ...」ダッ!!
敵三塁コーチャー「モブレフト、ストップ!」
敵モブレフト「うぐっ!?」ピトッ
パシッ!!!
アルミン「...」ギリッ
実況「二塁ランナーは帰って来れず、だがしかし、打ったランナーはそのまま二塁へ」
観客「あ~ぁ、なんで投げるんだ!」
観客「あのまま投げなければ余計にピンチにならなかったのによ!」
イザベル「っへ、馬鹿な連中だ」
ファーラン「あぁ...あの場合、投げなかったら帰ってたかもしれないんだ。ランナーを二塁に進めてでも1点を守るシガンシナは最適な手段だ...だけど」
ファーラン「〔どっちにしろ...次打たれたら最悪サヨナラの可能性も拭い切れない...どうするんだ、シガンシナ...投手ももうヘロヘロだぞ〕」
ミカサ「ハァッ、ハァッ、ハァッ...」ゼェハァ
アルミン「〔ミカサ...頼む、耐えてくれ...〕」
エレン「ミカサァ、頑張れ!!」
-
- 327 : 2016/06/13(月) 02:06:17 :
ウグイス「2番セカンド、ハンネス君」
実況「さぁ状況は変わらず、ワンァウト二三塁で2番のハンネス」
アルミン「〔何で来る...スクイズか...それともヒッティングか...それともエンドランか...?〕」
アルミン「外野前進!バックホーム優先!」
「オーッ!!」
アルミン「〔内野はどうする...スクイズなら、サードのコニーを前に出す...けど、エンドランで引っ張られたらサヨナラだ...〕」
アニ「〔なら、エンドランを防ぐために内野は後退したら...? それこそスクイズの可能性が上がって、同点にされる。〕」
アルミン「〔ミカサの状況を考えろ...ストレートは球威がない...制球力もほぼ無い...なら変化球で...いや変化球を投げるにしてもストレートはどっちにしろ必要だ...見せ球にするか...〕」
アルミン「〔考えろ...今何をすべきか...何が最も優先すべきか...同点に追いつかれでもハンネスのアウトを取るか、それともランナーを進めずにアウトを取るか...出来るなら後者をしたいけど...〕」
アルミン「〔何を捨てられる...三塁ランナーをブロックで止める手立てもある...僕以外に...何を犠牲にすれば...〕」
「スゥーッ...ワンァウトォォォォオオオオオオオオッ!!!!!!!!」
アルミン「!」
ミカサ「ハァ、ハァ、ハァ...エレン...」ゼェハァ
エレン「みんなあと2つだ!頑張れェ!!」
アルミン「...!」
アルミン「内野定位置で、ホーム優先!」
マルコ「! オーッ、トーマス!絶対に抜かれるな!」
トーマス「任せろッ、死んでも抜かせねぇ!」
コニー「ダズッ! スクイズ警戒な!」
ダズ「おうッ!!」
アルミン「〔これしかない...もう後戻りも...できない〕」サイン
ハンネス「〔来いよ...俺の手で終わらせてやる...キッツ、待ってろよ...今終わらせるからな!〕」
ミカサ「〔絶対に勝つ...何が何でも...思い出せ...あの時誓ったことを...〕」ギュゥッ!!
ミカサ「〔そうだ...エレンと...みんなと...甲子園に行きたい...〕」
ミカサ「〔私の約束以外にも...アルミン先輩と監督の約束もある...私だけじゃない...みんなのためにも...!!〕」スッ!!
ミカサ「〔ここに応援してきてくれてる...親や友達...地元の人たち...みんなの気持ちを込めて...〕」ドッ!!!
ミカサ「〔この一球に闘魂をッ!!!!!!!〕」シュッ!!!
ハンネス「〔俺がこの手で...けりをつけるんだッ!!!!〕」スッ!!
キーンッ!!
アルミン「ッ...」
実況「う、打ったァッ!!!!!」
エレン「ぁッ」
「だめッッッ!!!!!!」バッ
ゴリゴリッ!!! ミカサ「う”ぁっ!?」
エレン・アルミン・アニ「ッ!?」
実況「弾いたァ!? ピッチャーのアッカーマンが弾きました!?」
ハンネス「なっ!?」
ポタッ コロコロ
ドタッ ミカサ「うっ...うぅ...」ズキズキ
アルミン「ミカサッ!!」
敵モブレフト「〔まずは同点に!!〕」
ダズ「いか...せるかっ!!」ガシッ!!
シュッ!
敵モブレフト「うッ!?」ピトッ
パシッ!!!
アルミン「〔来るなら来い...骨が折れてでも...砕けてでも...止めるッ〕」ギリッ
敵モブレフト「〔くそっ、あんな威圧で...行けるかよ...〕」
-
- 328 : 2016/06/13(月) 02:08:05 :
実況「なんとか首の皮一枚繋がりました...が...」
アルミン「タイム!」
審判「タイム!!」
タッタッタ
アルミン「ミカサ、大丈夫?」
アニ「立てる?」
ミカサ「う...うぅ...だい...じょうぶ...です」ズキズキ
アニ「馬鹿...あんた、あんな無茶なプレーして...」
ミカサ「でも...それでも...」
アニ「?」
ミカサ「どうしても...この1点は守りたかったからっ」ウルッ
アニ「!」
審判「どうしますか?交代選手を使いますか?」
アニ「いや...でも今のうちに交代要因は...」
「オレを出してください、監督」
アニ・アルミン「ッ」
エレン「俺が出ます...ミカサの代わりに...絶対に抑えてみせます。」
アニ「あ、あんた怪我は?」
エレン「そんなこと...今は言ってられないですよ」
アニ「ダメ...あんたの怪我は、今投げられるような怪我じゃないんだから...「じゃぁどうするんですか!?」
エレン「ベルトルトはもう交代して代えられない...ミカサだって...投げれる選手なんていません!!」
アニ「...アルミン、投げられる?」
アルミン「えっ」
エレン「監督ッ!!!」
アニ「あんたがどんだけ言い訳や正論を言ったとしても...今回ばっかしは絶対にダメ」
エレン「どうしてですか!?」
アニ「さっきから言ってるんでしょ...あんたの怪我は今投げらr「投げられますッッ!!!!」
エレン「もう投げられます! 大丈夫です!!」
アニ「じゃぁ...医者から許可をもらったの?」
エレン「ッ、それは...」
アニ「それがなきゃ...私は絶対にあんたを登板させないからね」
エレン「...なら...」
アニ「...」
エレン「なら...このッ...この背中にかいてある背番号はなんなんですか!? 偽りのエースナンバーですか!?」
アニ「!」
エレン「この背番号を背負ってる人は...例えどんな状況だろうと...チームがピンチなら...それを救うのがエースの仕事...そうですよね?」
エレン「少なからず俺は...この背番号は...」
ガシッ!!!
エレン「俺一人の想いだけじゃなく...みんなの分の想いも背負う番号だと...俺は思いますッ!!!!!」
エレン「だから、監督...お願いします...」
エレン「俺をマウンドに行かせてくださいッッッ!!!!!!!」
アニ「...」
アルミン「アニ...」
スタスタ
アニ「すみません、選手交代をお願いします」
審判「! はい!」
ザワザワ
観客「おいおい、どうなってるんだ!?」
観客「ピッチャーのアッカーマンが、怪我をしたとか」
観客「じゃぁもう代えいねぇじゃん!? 終わった...」
マルセル「シガンシナ...このまま終わっちゃうんですか?」
ラルフ「かもな」
マルセル「えっ!?」
ラルフ「だって交代選手いなかったら、どうしようもないだろ」
「いや...まだ終わってねぇな」
マルセル・ラルフ「え?」
サネス「〔まだ一人...一人だけいる...試合記録が全くないが、毎試合ベンチでうるさいやつがいる...〕」
イザベル「あ~ぁ、ピッチャーいねぇんじゃ仕方ないな」
ファーラン「ハァ...なんで弱小校に行ったんだろ、あの人...弱小校ってこういう所あるのにさ...」
リヴァイ「...」
-
- 329 : 2016/06/13(月) 02:08:46 :
ウグイス「シガンシナ高校選手の交代をお知らせいたします。」
「え!?」
ウグイス「ピッチャーのアッカーマン君...代わりまして...」
ウグイス「イェーガー君...ピッチャーはイェーガー君に代わります。」
ザワザワ
観客「い、イェーガー?誰だ」
観客「俺に聞くなよ、俺だってしらねーよ」
観客「試合に出てか?」
イザベル「イェーガー...? 誰だ」
ファーラン「しらね...どうせヘボピーだろ」
リヴァイ「...」
ザッザッザ サラーッ
観客「どんな投手なんだ?」
観客「ここまで出てないってことは、相当酷いんじゃねぇか?」
「ふぅーっ...」
観客「あ~ぁ...シガンシナ敗退か...」
観客「惜しいな...せっかく役者揃いだったのにな」
「...」ギュゥッ!!!
アルミン「一球!」
イアン「〔この土壇場での登板...一体どんな奴なんだ...?〕」
ドッ!
シュッ!
パシンッ!!!
観客「おっせぇ...アッカーマンに比べて、遅いな...」
観客「比べる奴が間違ってるんだよ」
ドッ!
シュッ!
パシンッ!!!
イアン「〔遅い...? 本当にそう思うのか...? まぁ確かに...球速はそれほど速くはないかもしれない...だが...〕」
イアン「〔見た目の球威より...なぜこんなにキャッチの音が響く...? アルミンの技術が高いのはわかる...いやいくら技術があっても限度がある〕」
イアン「〔なら...どうやってそんな”音”を立ててるんだ...?〕」
アルミン「ナイスボール!」
アルミン「〔ふっ、本当に...この3ヶ月間...本当に怪我をしてたのか疑いたくなるな...〕」
「スゥーッ...フゥーッ...」
エレン「...ふぅッ、よし!」キリッ
_______________________________
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エレン 登板前
エレン「ありがとうございます!」
アニ「無理したと思ったら、すぐにでも危険をするからね」
エレン「大丈夫です...必ず抑えます」
アニ「...そう、じゃぁ頼むよ...エース」
エレン「はい!」
「え、えれん...」
エレン「!」
ミカサ「ハァ、ハァ、ハァ...ごめ...んな...さい...」ウルウル
ミカサ「やく...そく...まもれ...なかった...」ウルウル
エレン「...」
ポンッ
エレン「ミカサ...お前いつも俺に助けてもらったって言ってたよな」
ミカサ「え...?」
エレン「...逆だよ、いつも...いつも助けてもらってるのは...俺の方だ」
エレン「だから、今度は...俺がお前を助ける番だ。」
ミカサ「!」ウルッ
エレン「お前はベンチで休んでてくれ...大丈夫だ、安心しろ...」
エレン「試合には...必ず勝つ...お前が守った1点...絶対に守り切る。」
_____________________________________________________
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_______________________________
-
- 330 : 2016/06/13(月) 02:09:33 :
ウグイス「お待たせしました。 3番キャッチャー、ディートリッヒ君」
イアン「...お願いします!」
審判「プレイ!」
アルミン「〔エレン...守るよ、この1点〕」
エレン「〔はい...絶対守ります〕」
実況「ワンァウト満塁、この絶望的な状況で登板したイェーガー、果たしてどんなピッチングを魅せるのでしょうか?」
諫山さん「私も彼のプレーは見ていません...ですので、どんなプレーをするのか楽しみです。」
気持ちを抑えろ...もう何週間も前から準備は出来てたじゃねぇか...
この日をどれだけ待ち続けてきたか...思い出せ...あの辛かった日々を...
みんなこれまで...チームが勝つために、自分を変えようと必死で戦ってきたんだ...
ここで俺のやるべきことは...チームを勝たせること...
この試合(準決勝)は、ただの一試合じゃない...
色んな人たちが...自分の大切な人と約束をして...その約束を果たす...大事な試合なんだ
そんな大事な試合で...チームがピンチになってるんだ...
今まで俺が...どれだけこのチームに救われてきたか...感謝してもしきれない...
だから、俺は...投げるんだ...このチームのために...アルミン先輩と監督のために...ミカサのために...!
俺達の夢が、夢で終わらないように...戦え...戦え...戦え...!!
スッ!!
戦え...戦え...!!
イアン「...来るか」
戦え...戦うんだ...!!
ドッ!!
エレン「ウァァァアアアアアアアアッッッ!!!!!!」シュッ!!
イアン「!」スッ!!
パシンッ!!!!
・・・
審判「ストライク!」
観客「お...おぉ...」
イアン「クッ...」
アルミン「〔このストレート...ふっ〕」クスッ
アルミン「エレン!」
エレン「!」
アルミン「ナイスボール」シュッ
エレン「...はい!」パシッ
イアン「〔なんなんだ...今のストレート...!?〕」
ドッ!!
エレン「ッ!!」シュッ!!
イアン「〔またストレート!!〕」スッ!!
パシンッ!!!!
審判「ストライクツー!」
イアン「〔ッ、また...かすりもしなかった...!?〕」
イザベル「お、おい...ファーラン!何かすげぇぞ!」
ファーラン「へぇ、そうかい...フォアボールで押し出しか?」
イザベル「ちげぇよ!あのイアンを2球で追い込んだんだ!」
ファーラン「どうせファールで...って言っても音しなかったな」
イザベル「それがちげぇんだ...2球とも...空振り...それとも振り遅れ」
ファーラン「は...? おい、嘘だろ?」
イザベル「見てみろ」
実況「さぁ2球で追い込んだ!! イェーガー、たった2球であの紅の魔術師を追い込みました!!」
イアン「〔そんなこと...ありえるのか...? あのアッカーマンのストレートより...〕」
ドッ!!
エレン「オラァッッ!!!!」シュッ!!
イアン「クッ!?」スッ!!
パシンッ!!!!
イアン「ッ...!?」
グスタフ「え...」
ハンネス「ッ...」
ミタビ「お、おい...嘘だろ...?」
審判「ストライク!! バッターアウト!!!」
-
- 331 : 2016/06/13(月) 02:10:21 :
・・・
観客「おぉぉぉぉおおおおおおッッ!!!!!」
実況「さ、三振!! 三球三振です!! イェーガー、上場の立ち上がり!! そして、あと1つで試合が決まりますッ!!」
エレン「...ふぅ」
ジャン「〔あの野郎...三振取ったのに、ガッツポーズの1つも取らねぇ...相変わらず腹立つ奴だぜ〕」
ライナー「〔これがエレンのピッチングか!〕」
マルコ「〔ふふっ、やっぱエレンの後ろを守ってると...何かドキドキ感があるよね〕」
トーマス「〔エレンの奴、謙虚だなぁ...よっしゃの一言ぐらい言えばいいのによ〕」
アルミン「ナイピッチ!エレン!!」
観客「あと1つ!あと1つ!」
ウグイス「4番サード、ヤルナッハ君」
実況「さぁ状況は9回の表と全く同じ...そこに4番のヤルナッハ」
諫山さん「ここで打てばすべてが決まりますね、逆にシガンシナは抑えれば決勝進出です。」
ミタビ「〔あのイアンが...1球も当てられなかった...? そんなことがあるのか...?〕」
ドッ!!
ミタビ「〔なんなんだコイツ...誰なんだコイツは...!?〕」
エレン「ッ!!」シュッ!!
ミタビ「ッ!!」スッ!!!
パシンッ!!!!
審判「ストライク!」
実況「初球は外低めにストレート、ストライク!」
ミタビ「〔くっそ...なんなんだよ...なんで当たらねぇんだ!? タイミングは合ってるはずなのに...!〕」
ドッ!!
シュッ!!
ミタビ「〔ふざけんじゃねぇ...こんなところ...終わってたまるかッ!!〕」スッ!!!
カキーンッ!!!
実況「う、打ったァ!?」
エレン「ッ...!?」
ポーンッ
ウグイス「ファールボールにはご注意ください」
実況「打った球は左に巻いてファール」
エレン「〔さすがは駐屯の4番...簡単には終わらせてくれねぇか...〕」
ズキッ
エレン「〔う”ッ...くそっ、もう痛みが来やがった...痛み止めを打ってなかったとは言え...結構早いな...でも、関係ねぇ!!〕」ギリッ!
エレン「〔ここで引いたら...エースじゃねぇッッ!!!!!〕」
エレン「〔勝つ...絶対勝つんだ...〕」
ミタビ「〔逆転満塁サヨナラホームラン...どでけぇタイトル...ぜってぇ取ってやるからな...とらなくても...絶対勝つ!!〕」
エレン・ミタビ「〔調査高校にリベンジ(再戦)するのは...俺達だァ!!!!!〕」
スッ!!!
ドッ!!!
エレン・ミタビ「ッ!!」
エレン「ウォォォァァァァアアアアッッッ!!!!!!」シュッ!!!
ミタビ「ウォォォォオオオオオオッラァァアアアアッ!!!!!」スッ!!!
カキーンッ!!!
エレン「!?」
アルミン「ッ」
タッ タッ タッ
ミタビ「...!」
ダズ「う...うぅ....」ビクビク
ダズ「ん...?」スッ
審判「!」
審判「...アウト、アウト、アウトッ!!!」
-
- 332 : 2016/06/13(月) 02:11:11 :
・・・
「...ぃよっっっっしゃぁぁぁあああああああああッッッ!!!!!!!!」
コニー「やった!やった!やったぞぉぉぉおおおおお!!!!」
マルコ「ダズ!! ナイスファインプレー!!」
トーマス「エレンも!お前もよく投げたァ!!」
ジャン「てっめぇ、この野郎!! 美味しいところもってけやがって!!」
ライナー「ナイピッチ!エレン!!」
ミリウス「ダズ!やったな!」
ダズ「あぁ!!」
エレン「...ふっ、よっしゃぁ!!」ガッツポーズ
アルミン「ナイピッチ!エレン!!」
スタスタ
ミタビ「くそ...ちくしょう...」グググッ
ミタビ「ちくしょぉぉぉおおおおおッッ」ポロポロ
グスタフ「...くそっ...」ウルウル
スタスタ
イアン「負け...か...」
ポンッ
イアン「!」
キッツ「...整列だ」
イアン「ッ...はい」
審判「整列!!」
ザッ
審判「9-8でシガンシナ高校...ゲームッ」
「ありがとうございましたッ」
ウーーーーーッ
ジャン「よっしゃぁ、スタンドに挨拶するぞ!」
「オーッ!!」
スタスタ
イアン「...キッツ先輩」
キッツ「ん...?」
イアン「すみません...でした...」
キッツ「...」
イアン「俺が...先輩の気持ち...もっと早くに気づいてれば...こんな結果には...」
キッツ「貴様には...悪いことをした」
イアン「!?」
キッツ「貴様は...いや、イアンは...捕手としてもっともっと上を目指せるはずなのに...俺と組んだばかりに...こんな結果になってしまった」
イアン「な、なにをいってるんですか! キッツ先輩は何も悪いことなんて...」
キッツ「お前なら...俺より強い投手と組めば...もっと上に行けたかもしれないのにな...」
イアン「そ、そんな...」
キッツ「だが...最後の8回9回は...お前と本当のバッテリーっぽくなれて...ピッチングが楽しかった」
イアン「ッ」
キッツ「ありがとう...」
実況「試合が終了しました。結果は9-8でシガンシナ高校が逆転勝利。 諫山さん、今日の試合どうでしたか?」
諫山さん「なかなか白熱とした試合だったと思います。 特に終盤は熱いドラマが見れて、楽しかったです。」
実況「そうですね、それでは準決勝第一試合の、シガンシナ高校対駐屯高校との試合をお送りしました。この後は、第二試合の調査高校対三星シガンシナ学園との試合をお送り致します。」
エレン「ふぅ...」
「ナイピッチ」
エレン「!」
ミカサ「...」スッ
エレン「ミカサ...あぁ!」スッ
パチンッ
アニ「さぁ、荷物持ってベンチから出るよ! この後、柔軟やって昼食を取ったら次やる相手を決める...第二試合を見学するよ」
「はいッ!!」
アルミン「...」
イアン「アルミン」
アルミン「!」チラッ
イアン「...ありがとう」スッ
アルミン「え...?」
イアン「お前のお陰で...最後はチーム一丸になれて...本当のバッテリーになれて...試合が楽しめた。」
アルミン「...あぁ」スッ
ギュゥッ
イアン「俺も...アルミン達みたいな...バッテリーを作ってみせる...来年までに」
アルミン「ははッ、もう来年の話か...うん、こっちも負けないように今よりもっと強くなる」
イアン「...! そうだ、お前に1つ聞きたいことがあるんだが」
アルミン「ん?」
イアン「最後の...あの投手についてだ、奴は何者だ...? データになかった奴だったが」
アルミン「...あぁ彼は...」
アルミン「僕らシガンシナ高校の...エースさ」
イアン「...そうか、決勝...勝つんだぞ...俺らの分の想い...ちゃんと背負ってもらうからな」
アルミン「あぁ、絶対甲子園に行く」
-
- 333 : 2016/06/13(月) 02:15:26 :
その頃、球場の外では...
スタスタ
エレン「〔やべぇな...早いとこ、アイシングしないと...それに肘も.. ドカッ
エレン「いって...」
○○○「ッ、すみません!」
エレン「あ、いえこちらこそ...って...マルロ!?」
マルロ「え...? エレン...? エレンじゃないか!!」
エレン「お、お前どうしてここに...?」
マルロ「どうしてって...そんなの試合するからに決まってるだろ」
エレン「いやでも...」
マルロ「お前...もしかして俺らが勝ち上がってる見逃してたな...?」
エレン「」ギクッ
エレン「そ、そ、そんなわけねぇだろ!? ば、ば、馬鹿じゃねぇの?」アセ
マルロ「嘘下手だなぁ...相変わらず」
マルロ「...勝ったんだってな」
エレン「! あぁ」
マルロ「待っとけよ、決勝で」
エレン「...あぁ、待つよ...どっちが来ても...俺達が甲子園に行くんだ」
マルロ「ふっ、残念だったな!今年は俺達が甲子園に行くんだ」
エレン「は、ハァ!? 俺達に決まってんだろ!!」
マルロ「はぁ!? 俺達だ!」
エレン「俺達だぁ!」
マルロ「いいや、俺達だ!」
「ふっ、全く...試合前だというのに...遠足気分だな」フッ
エレン・マルロ「あぁ!?」
ミケ「まぁ、お前らどちらが来ようが両方手を組もうが...俺達には敵わないだろうがな」
マルロ「なっ!?あんたは...調査高校主将の...ミケ・ザカリアス!!」
エレン「! こいつが...調査高校の...!」
ミケ「...ふっ、怖いか?」
エレン「は...?」
ミケ「俺が怖いか?」
エレン「...怖くなんかねぇよ」
-
- 334 : 2016/06/13(月) 02:15:48 :
ミケ「そうか...ふっ、まぁどうだっていいことだ。 勝つのはどうせ俺達だからな」
マルロ「ッ、なんだと...?」カチン
ミケ「事実...戦力差があるのはどの道わかっている話だ、それ以外にも経験値・才能・練習環境・努力...お前らはどれも俺達に勝てない」
エレン「あぁ確かに、才能や経験値・練習環境はあんた達に敵わないかもしれない...でも」
エレン「”努力”だけなら...俺らだって負けちゃねぇよ」スッ
マルロ「エレンの言う通りだぜ...努力だけなら俺達だって...いや俺達が一番努力したって...自信はある...だからこそ」スッ
ガシッ
エレン・マルロ「お前ら、調査高校を倒して甲子園に行くのは...俺達だァッ!!!!!」
ミケ「...ふっ、無理だな...」フッ
マルロ「なっ...このッ...」イラッ
エレン「言いたい放題言いやがって...」イラッ
「やめろ、マルロ」
マルロ「! ナイルキャプテン!」
ナイル「口ではなんとでも言える...争うなら試合で...そして、示すなら結果でだ...」
ミケ「...ふっ、ナイル...今年も準決勝に来たか」
ナイル「あぁ、だが今年は、準決勝ではなく...決勝に行く...そして、奴等シガンシナ高校をぶちのめし...俺達が甲子園に行く」
ミケ「...ふっ、今年は俺達は眼中にないと...」フッ
ナイル「ないな、あるとすればシガンシナ高校のアルレルトくらいだ」
ミケ「...ふっ、口ではなんとでも言える...か」ニヤッ
マルロ「なっ、お前...」ググッ
ミケ「どっちしろ...お前達2校は俺達調査高校に潰される...断言出来る...」
エレン「そんなもんy「やってみなきゃわかんねぇだろうが」
エレン「!」
チラッ
ジャン「ったく、探したぞ悪人面」
エレン「ジャン...ミカサ、アルミン先輩...みんな...」
ライナー「勝負はやってみなきゃ...」
ミカサ「何が起こるか...」
アルミン「わからないですよ...ミケさん」
ミケ「...ふっ、これはこれは懐かしき友の...アルミンじゃないか」
アルミン「どうも...抽選会以来ですね」
ミケ「まさか...お前がここまで来るとは思ってもなかったな」
アルミン「そうですか、それは僕のセリフですね」
ミケ「なに?」
アルミン「夏の大会は...いえ、野球は何が起こるかわかりません。 弱いものが強いものに負ける世界だけじゃなく、強いものが弱いものに負ける世界にもなってますから」
アルミン「ですから、調査高校も今年はポッキリ準々決勝当たりで負けるかと」
マルコ・トーマス「〔アルミン先輩!? なに喧嘩売ってるんですかぁ!?〕」
ミケ「...ふっ、相変わらず喰えないな...お前は」
アルミン「それはお互い様でしょう」
ミケ「...ふっ、それだけ言えるのであれば...楽しみに出来そうだな」スタスタ
ダズ「こ、こ、こえー」
ミリウス「まるで会話が大人だったな...皮肉っぽいことも言ってたし」
ジャン「つーか...今ので余計思ったわ...」
ジャン「ぜってぇ決勝...勝つぞ!!!」
マルコ「...あぁ!」
トーマス「何を今更!」
ダズ「あ、あぁ!」
ミリウス「もちろん」
ベルトルト「うん、僕もそのつもりだよ」
ライナー「お陰で気合が入ったぜ...!」
ミカサ「うん、私達なら勝てる」
アルミン「勝とう...イアン達の分まで」チラッ
エレン「...はい!」
ジャン「つーわけで、三星シガンシナ負けんじゃねぇぞ」
ナイル「生意気な...言われなくとも勝つ...行くぞ、マルロ」
マルロ「はい!」
エレン「マルロ!」
マルロ「!」
エレン「...勝てよ、準決勝...決勝で待ってるからな」
マルロ「...ふっ、あぁ!待っとけよ!」
-
- 335 : 2016/06/13(月) 02:26:38 :
こうして、シガンシナ高校は危なげなく決勝へと進出したのだった...
準決勝第二試合は、調査高校対三星シガンシナ学園高校。どちらか一方が勝った方が決勝でシガンシナ高校と対決することになる。
夢の甲子園・約束の甲子園・目標の甲子園まであと一歩とまで近づいたシガンシナ高校...
決勝までに残された時間は3日間...
勢いに乗ったシガンシナ高校と対決するのは、どちらか。
更に、準決勝の最終回でまかさのエース復活で決勝を決めたシガンシナ高校だが、また新たな怪我人が...?
そして、決勝前にアルミンの父とアルミンの秘密が明らかに...
次回作、栄光への架け橋 完結予定
俺達が甲子園に行くまでの、栄光への架け橋は...まだまだこれからだ!!
終わり。
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- 336 : 2016/06/13(月) 02:43:03 :
あとがき
こんばんわ?こんにちわ?いやおはようございますですねw 時間帯的にw いかがでしたでしょうか?今回の「栄光への架け橋 後編」私自身この後編は、ミカサとアルミン視点の話を多く入れてみたんですが...途中からみたら主人公がもうアルミンでしたねw そこは反省点です。(と言っても、ストーリー上そうなってしまったんですが...)
私が一番頑張ったな!って思うシーンがいくつかありまして...w 1つ目が、中央第一憲兵戦の時のミカサ覚醒時ですね。あそこは書いていても楽しかったですし、書きながら自分自身ワクワクしていましたw 2つ目は、バルト学院戦での、アルミンとアニの心の会話ですね。初めてちょっと地の文的なのを入れてみて「あぁこういう感じもありだな」って思ったりw 3つ目は、準決勝前のアルミンとアニの過去についてです。実を言うと、あのシーンはもう頭の中で完成されていて、前編書いてる当たりから「よし、後編で書こう!」って決めてたんですw 4つ目は、準決勝でのミカサの最後の意地ですね。あのシーンも頭に入ってて「あ、合いそうだな...これ採用」って感じで脳内会議してましたw
皆様のお気に入りのシーンなども聞いてみたいな...なんて思ってるんで、是非是非感想をお願いします!続編に関しては、準備出来次第書いていくので、そちらも宜しければ見ていただければと思います!
それでは最後に...ここまで大変長い話になってしまいましたが、最初から最後まで見てくださった方・途中から最後まで見てくださった方々本当にありがとうございました! 2回目ですが、是非感想をお願い致します!w
それではまた会う日まで...
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- 338 : 2016/06/14(火) 00:12:09 :
>>337 uーmopさん、まずこの作品を読んでいただきありがとうございます! そして、お気に入り登録と感想投稿なども...正直久々のコメントだったので、感激してますw
アルミンの過去ですか!やっぱり良いですよね!自分で言うのも可笑しな話ですが、結構自信がある物語なんですよねw 私もアルミンの過去で一番気に入ってるのはそこなんですよねぇ!自画自賛ですねw すみません
ありがとうございます!今週中に次回作投稿予定ですので、宜しければ次回作もよろしくお願い致します!
今になって気付きましたw ごもっともです...野球好きな方には失礼かもしれませんが、見逃してやっといてください...以後気を付けますので。
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- 339 : 2016/06/17(金) 22:06:32 :
皆さんこんばんわ! 今回は エレン「栄光への架け橋」 完結編 を作りましたので、こちらに宣伝という形でURLを乗せて起きます。↓URL
http://www.ssnote.net/archives/46577
皆さん、是非見ていってください!
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- 340 : 2020/10/06(火) 13:26:53 :
- 高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
http://www.ssnote.net/archives/80410
恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
http://www.ssnote.net/archives/86931
害悪ユーザーカグラ
http://www.ssnote.net/archives/78041
害悪ユーザースルメ わたあめ
http://www.ssnote.net/archives/78042
害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
http://www.ssnote.net/archives/80906
害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
http://www.ssnote.net/archives/81672
害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
http://www.ssnote.net/archives/81774
害悪ユーザー筋力
http://www.ssnote.net/archives/84057
害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
http://www.ssnote.net/archives/85091
害悪ユーザー空山
http://www.ssnote.net/archives/81038
【キャロル様教団】
http://www.ssnote.net/archives/86972
何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
http://www.ssnote.net/archives/86986
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