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episode1「入学式」
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- 1 : 2015/02/15(日) 15:29:52 :
- オリジナルな世界、ストーリーで進めていきます。
基本的に進撃のキャラをお借りして進めていきます。
いわゆる現パロです。
コメントとかしてもらえると非常にテンション上がって更新速度も比例しちゃうのでよろしくです(´ー`)
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- 2 : 2015/02/15(日) 15:43:39 :
……幽霊。
それは人が死に、この世に未練があるためにあの世へいけなかった魂達の総称。
ある人は言った。
そんなもの、科学で証明出来無いじゃないか。
そんなものは存在しない……と。
正論だ。
だが俺は、こう言おう。
それは……存在するのだと。
何故なら……俺のみる世界にそいつ等はいるのだから。
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- 3 : 2015/02/15(日) 15:46:49 :
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『あ、お兄ちゃん!!』
見覚えのある道の角を曲がると、これまた見覚えのある女の子。
エレン「……」スタスタ
『ねーねー、今日はお花、くれないの?』
またいつものようにお供えの花をねだるコイツは、俺の目にしか映らない特別な存在。
エレン「……夕方な」
『わーい!!じゃあ待ってるね!』
いわゆる、“幽霊”ってやつだ。
エレン「」スタスタ
『学校がんばってねー!』フリフリ
そんな非現実に見送られる俺。
エレン「……はぁ」
???「わっ!!!」ドン!!
エレン「うおわ!??」ビクッ!!
クリスタ「おはよ、エレン♪」
エレン「お、おはよじゃねえよ!なにガキみたいなことやってんだ!」
クリスタ「だってまだ15だし、まだまだ私たち子供だよ?」
エレン「今日から高校せいだろーが!」
クリスタ「だーかーら!まだ15歳!!」
エレン「だとしても幼すぎんだよお前は!!」
クリスタ「そんな事ないもーん」プイ、スタスタ
エレン「……ったく」
クリスタ「あ、そういえば夕方ってなんのこと?」
エレン「あ?」
クリスタ「さっき言ってたよね、夕方なって」
エレン「別に何でもねえよ」
クリスタ「ふーん……いい加減1人でブツブツ言う癖、治した方がいいよ」
エレン「あーはいはい。努力します」
1人じゃないんだがな。
クリスタ「あー、今適当に言ったでしょー?」
エレン「お前がうるさいんだ。さっさと自分の学校行け」
クリスタ「私もこっち方向なんですーだ!」ベェ
エレン「ああそうかい。ほら前向いて歩かねえとぶつかるぞ」
こいつは俺とは違う学校の制服を着たチビ幼なじみのクリスタ。
幼稚園からの付き合いだが、今日でその腐れ縁ともおさらば。
クリスタ「……エレンもうちの高校に来ればよかったのに」ボソッ
エレン「なんか言ったか?」
クリスタ「エレンの癖が移っただけですー!」
こいつの行く学校は中学からエスカレーター式で行ける高校だ。
無論、俺もそこに行くことも出来たんだが、まぁ事情があって別の学校に進学する。
いや、させられるってのが正解か?
親がここにしろって言うから行くんだからな。
面接だけでいいらしいから大人しく言うこと聞いたんだけどさ。
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- 4 : 2015/02/15(日) 15:51:22 :
ざっくり言うと、俺には霊感がある。
幽霊が見える。
テレビとかでたまにいる、霊がいるのがわかるとか言う奴らの同じ類のものだ。
俺はハッキリと姿見えるし、会話も出来てしまうから相当強い霊感なんだろうけど。
ガキの頃からずぅっとそうだった。
アイツら、ふつうに私服で足もちゃんとあるから一般人と見分けつかずに一緒に遊んだりもした。
端から見たら1人でキャッキャラ遊んでるイタい子供だったろう。
因みに、クリスタは見えない。
霊感ゼロの一般人。
みんな俺のこと気味悪がって近寄らない中、コイツだけはひっついてきたんだよな。
お陰で俺は心が病むことなく健全に高校生になることが出来ましたっと。
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- 5 : 2015/02/15(日) 15:52:31 :
クリスタ「あ、ここ!ここが私の高校だから、覚えてね♪」
エレン「はいはい」
何故かクリスタの学校まで送らされた俺。
クリスタ「じゃ、また放課後ね!」
エレン「は?なんのことだよ」
クリスタ「校門の前で待ってるから!よろしく!」タッタッタッ
エレン「ちょ、おい!……ったく何だってんだよ」ガシガシ
不満もあったが、気を取り直して県立矢白高校へ足を向ける。
で、駆け足。
クリスタ送ってたせいで呑気に歩いてると遅刻しちまう……!!
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- 6 : 2015/02/15(日) 15:56:48 :
キーンコーンカーンコーン…
エレン「やっべ、なってんじゃねえかよ…!」ハァ、ハァ
駆け足でなく、全力疾走したがことごとく信号が邪魔をして遅刻決定の俺は、恐らく体育館で入学式があるだろうと予想し荷物は下駄箱付近に放り投げてただ走る。
焦りで体育館シューズも鞄に入れっぱなしだが、そんなことに気づいちゃいない。
校内にある、大きなドーム状の建物。
ハジメマシテ。ワタジガコウチョウノ‥
始まってる……!
開会の挨拶かなんかだろう。
体育館の入り口のドアを勢いよく、開ける。
『一度、死んでもらいます』
カァァァンン……
エレン「……は?」
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- 7 : 2015/02/15(日) 16:12:31 :
- なんかBLEACHみたい
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- 8 : 2015/02/15(日) 16:12:44 :
- 期待!
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- 9 : 2015/02/15(日) 16:40:30 :
- 〉エレクリ.エレペト大好きさん
そうですね、ちょっとBLEACHに近いかもしれないんですが、なんとかパクリにならないようにはしていきたいです(^^;;
期待ありがとうございます!
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- 10 : 2015/02/15(日) 16:45:54 :
何だ?
でっかい体育館、その中心教壇寄りの椅子に座ってるのが恐らく俺の同級生。
大人しく、礼儀正しく座ったままピクリとも動かねえ。
その両脇で、教壇ではなく新入生に向かって椅子に座っているのはおそらく上級生。
カァァァンン……
その上級生1人1人が手に持つ何かを上から下に振り下ろす。
あれは……木槌か?
だが、木槌は何かに叩きつけて音を響かせるもんだ。
それをアイツらは……、
カァァァンン……
何かに叩きつけるでなく、“振り下ろす”だけで鳴らしてるのか?
エレン「……宗教かなんかかよ」
カァァァンン……
また、響く。
『さぁ、昇りなさい』
マイクを通して伝わる、低く落ち着いた声。
それと同時に中央に座る100余りの新入生から浮かんできたもの。
それは制服を着て、今座る1人1人と瓜二つの姿をしていた。
エレン「……マジ、かよ」
驚嘆した。
言葉すらでなかった。
それは俺が朝会話をしていたものと同じ。
“霊魂”そのものだった。
一つ違うのは白く淡く、だが確実に白い糸が椅子に座る体に伸びていること。
何となくわかる。
“肉体”と“霊魂”を結んでいる何か……。
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- 11 : 2015/02/16(月) 01:31:05 :
「お、おい君!!」
エレン「……ぁ、あ?」
_
駆け寄る足音。
かけられた声。
それに気の抜けた返事しか出来ない。
仕方ねえだろ。
カァァァンン……
この音が耳に入る度、体が重く、視界は歪んで、その場で立つことが精一杯になってたんだからな。
いつの間にか膝は折れ、仰向けにぶっ倒れちまっていた。
「この制服……うちの生徒か!くそ、なんてタイミングだ」
「グンタ先生、どうかされましたか?」
グンタ「この生徒、『結いの議』を済ませてないみたいだ」
「え、ウソでしょ!!?」
何だよ、『結いの議』ってのは。
マジで宗教にしか見えねえな。
カァァァンン……
グンタ「!!……くそっ!」
何度目かの木槌を打ちつける音。
瞬間、体が軽く……いやこれは浮いてるのか?
さっきよりも見上げる天井が近く、近く……!
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- 12 : 2015/02/16(月) 01:35:50 :
グンタ「おい、君!!」
主観的に後ろ、客観的に言えば下からの声。
恐らく俺が見えるんだろう。
“霊魂”の姿の俺が。
グンタ「“光の魂”を探せ!とびっきりデッカいやつだ!そうじゃないと君は~~!!」
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- 13 : 2015/02/16(月) 11:06:40 :
- 期待
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- 14 : 2015/02/16(月) 13:29:04 :
- 〉名無しさん
期待感謝です!
もう少しで投稿しますので、よろしくです(^ω^)
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- 15 : 2015/02/16(月) 13:43:53 :
天井を突き抜けると、そこは空ではなく“闇”だった。
浮遊感はない。
だが地面に足をついている感覚も皆無。
形容するなら、光も届かない深海に漂うようだ。
瞼を閉じようと、開こうと変わることのない景色。
ここは、どこだ?
体の重さは無くなった。
自由に動ける。
しかし、歩もうとしても進んでいるかもわからない。
地面を蹴る感触も無ければ、景色もただ“闇”一色。
上も下もわからない。
エレン「……俺は、死んだのか?」
あの教師が最後に言った言葉。
『君は死ぬぞ』
するとここは黄泉の世界か?
はたまた天国か地獄か?
エレン「……アホか」
なんであんなんで死ななきゃなんねぇんだ。
変な宗教の集会かなんかに飛び込んだのは悪いと思う。
だがあそこは学校の体育館なわけで、そこに入っただけだぞ?
エレン「死んでたまるか……!」
その時だった。
俺の体の中心、そこから闇に向かって延びる白い光の糸が現れた。
こいつは……もしかしてあの体育館にいた生徒から伸びてたアレか!?
だとしたら帰れるんじゃないか?
とりあえず俺は、その糸が指す方へ歩くことにした。
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- 16 : 2015/02/16(月) 13:44:42 :
エレン「……なんもねえ」
どれくらい歩いた?
白い糸以外はただの闇だから距離は全くわからんが、時間的には1時間は経ったんじゃないか?
そろそろ出口的な何かが見えても良いんじゃないか?
いい加減挫けそうなんだが。
エレン「……ん?」
よく見ると、俺の体から伸びる白の糸。
そいつが少し細くなった…のか?
そう思った瞬間時だった。
……プツン。
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- 17 : 2015/02/16(月) 13:45:37 :
エレン「お、おい!なんで消えんだよ!?」
消滅した。
エレン「嘘だろ!?どうやって帰れってんだ!!」
俺は叫んだ。
エレン「ざけんな!!何で俺はこんなとこに放り出されなきゃいけねえんだ!!」
黒で塗りつぶされた空間。
エレン「出せよ!!」
なにもなく、なにもわからないという不安にいた俺の“帰れるんじゃないか”という淡い希望。
エレン「俺は矢白高校に入学しにきただけなんだぞ!!」
その白い糸が消え、押さえ込まれた不安感が溢れ出てきた。
エレン「何でこんなことになんなきゃいけねえんだ!!」
夢だと思いたい。
エレン「何が『君は死ぬ』だ!!」
だが、夢とは思えないほどこの非現実は現実だと俺に確信させるほどのリアルな死の予感を与えている。
エレン「人事みたいに言いやがって!!何とかしやがれこの野郎!!」
怖い。
エレン「俺はまだ15だぞ!!」
死が近づいてくるのが、怖い。
エレン「何で俺なんだ!!」
もうすぐ、俺自身も“闇”に溶けるのか?
エレン「俺にはまだやることがあんだよ!!」
そして、無くなるのか?
エレン「高校でダチつくって!バカやって!勉強して!」
俺は今日で、終わりか?
エレン「高校卒業して!進学とか、就職して!」
俺は、死ぬのか?
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- 18 : 2015/02/16(月) 13:46:40 :
エレン「それで……ゲホッゲホ」ハァ、ハァ
声がかすれてきやがった。
“霊魂”になるのは初めてだが、そういうとこはホント生身と変わんねえのな。
エレン「ゼェ、ゼェ‥」
あれ、そういやなんか忘れてないか?
進学とか、卒業とかよりももっと前。
ダチつくるよりも先にやんなきゃなんねえことって何だっけ……。
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- 19 : 2015/02/16(月) 13:47:19 :
エレン「……ははっ」ハァ、ハァ
クリスタ『じゃ、また放課後ね!』
エレン「お前かよ」
クリスタ『校門の前で待ってるから!よろしく!』
何で俺クリスタのこと思い出してんだろ。
笑っちまうぜ。
エレン「……夕方、だったっけ?」
家までの最短ルートから少し外れて、俺の通った中学校の隣にある高校。
そこの校門に行かないといけないんだったな。
エレン「……めんどくせ」
でも、行かねえと後がうるさいからな。
しゃーなし。
行ってやるか。
気がつけば、また白い糸が伸びていた。
心なしか、先程よりも強い糸に感じられる。
その指す方へまた、歩き出そうとした……その時だった。
『何だ、てめぇは』
声が聞こえた。
糸の先から、こだまするように響いてきた。
『来るなら、さっさとしやがれ』
エレン「は?……うおぉぉぁあああ?!!」
何かはわからないが、ものすごく強い力で引っ張られた。
為す術もなく、俺は糸の方へどのくらいの速度かはわからないがとにかく高速で引き寄せられていく。
エレン「な、なんだってんだよぉーー!!」
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- 20 : 2015/02/16(月) 13:51:29 :
高速に感じる割には“闇”は一向に晴れず、体感で数10分引っ張られた後、ようやく光の根元が見えてきた。
それは、あまりにも小さな光の玉。
スーパーボール以上、野球ボール以下と言ったところか。
エレン「オェェ‥やっと、、止まった」ハァ、ハァ
『何だよ、起こしやがって』
さっきの声。
どうやらこのちっっこい玉から響いてるようだな。
エレン「な、なんのことだ」
『とぼけてんじゃねえよ餓鬼んちょ』
エレン「とぼけてねぇわチビ」
『てめぇがここにいる時点で俺様の眠りを妨げてんだよチビ助』
エレン「好きでこんなとこに来たんじゃねぇよ。後チビにチビって言われる筋合いはない」
『俺様が本気だしゃあ、お前なんぞ米粒だ』
エレン「今の俺にとってアンタは野球ボール以下だ」
っていうか俺なにやってんだろ。
光の玉と会話とか意味分かんねえ。
『くっそ生意気な餓鬼んちょだ。……ん?お前“道しるべ”はどうした?』
エレン「なんだそりゃ」
『体との“絆”のことだ。それがなけりゃ、帰れねぇだろ』
エレン「そ、それがあれば帰れるのか!?」
『おう』
エレン「それはどこで手にはいるんだ!?」
『知るかよ』
エレン「頼む!さっきのことは謝るから!」
『知らねえっつってんだよ。第一、ここに来る奴らは全員その命綱を付けてくるもんだろうが』
エレン「じゃあ何で俺には無いんだよ!」
『だから知らねえって言ってんだろ!!』
エレン「!!……くそっ!」
なんだよ“道しるべ”って。
“絆”ってなんなんだよ!!
『諦めな餓鬼んちょ』
エレン「……何とか、なんねえのか」
『無理だな。てめぇは死ぬ』
サラッと言いやがって。
何で俺が死ななきゃなんねぇんだ。
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- 21 : 2015/02/16(月) 13:53:07 :
『心配すんな、痛みはねえ』
エレン「……ダメだ」
『あ?』
エレン「俺は帰るんだ」
『おい、餓鬼んちょ。俺様の話を聞いてたか?』
エレン「うるせえ!俺は帰るんだ!!」
『呆れたぜ。餓鬼んちょどころか、駄々をこねるクソ餓鬼か?』
エレン「何とでもいいやがれ」
俺は、帰んなきゃなんねえんだ。
夕方、俺を待ってる奴がいんだ。
迎えに行かねえと、後が怖いんだよ。
だから……、
エレン「俺がここで死ぬとか、そういう問題じゃねえよ」
『あん?』
エレン「俺が行かなきゃいけねえから、帰るっつってんだよ……!」
『……へぇ』
俺は、死なねえ。
“道しるべ”が無いから死ななきゃなんねえだと?
“体との絆”が無いと帰れねぇだと?
んたこと俺の知ったこっちゃねえ。
俺は死なねえ。
ただそんだけのことだ。
『良い目してんじゃねえか、餓鬼んちょ』
エレン「そりゃどうも」クルッ
『おい、どこ行こうってんだ?』
エレン「出口探しに決まってんだろ」
『んなもんあるわけねえだろ』
エレン「無いなら他に方法を探すだけだ!」
『無駄無駄。んなもん存在しねえよ』
エレン「お前の理屈なんて知らねえ!!存在しないなら俺が造ってでもこんなとこ出てってやる!!!」
『……好いねぇ、気に入ったぜ』
光の玉に向けた背後から、光が俺の視界に入る。
エレン「な、なんだ?」クルッ
振り返る。
そこにあるもの、それは俺がさっきまでチビとバカにした光の玉ではなく、俺の伸長をも上回るほどの大きな光の塊。
『てめぇ、名前は?』
エレン「な、なんだよいきなり」
『さっさと名乗れや』
エレン「え、エレンだ。エレン・イェーガー」
『……ほぉ、良い名だ』
光の固まりは更に大きさを増し、“闇”を染めていく……!
『エレン、俺は今お前に惚れた』
エレン「は、はぁぁあ!!??」
『俺様が一緒に行ってやる。感謝しろよ』
エレン「な、何のことだよ!」
『行くぜ、餓鬼んちょ!!』
光がさらに強く俺を……いや、“闇”ごと俺を飲み込んでいく……!!
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- 22 : 2015/02/16(月) 14:00:15 :
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- 23 : 2015/02/16(月) 14:02:15 :
- 今回のスレはここで終わりです!
最後にシリーズのうらる貼っときますね↓↓
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では、気に入ってくれたらまた続きのスレを読んで下さい!
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取り憑かれのエレン シリーズ
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