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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

進撃のウォーキングデッド season2 ep5 追憶のかなたに

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  1. 1 : : 2015/01/03(土) 16:20:07
    前作の続きです。
    http://www.ssnote.net/archives/26209
  2. 2 : : 2015/01/03(土) 16:34:44
    期待
  3. 3 : : 2015/01/03(土) 23:22:44
    各キャラのプロフィールや、細かい設定など、これからグループ内でのスレを活用しようと思います。ちょっとした小ネタや、本家ウォーキングデッドの雑談などもしたいと思うのでどなたでも気軽に来てください。http://www.ssnote.net/groups/1051
  4. 4 : : 2015/01/04(日) 11:00:53
    期待っす!!
  5. 5 : : 2015/01/04(日) 17:54:59
    名無しさん FOXさん
    ありがとうございます!
  6. 6 : : 2015/01/04(日) 18:16:42
    ここで一度、時計の針を元に戻そう。

    その時彼は何を考え、何を決断したのか。

    そして、終わりの始まりは如何なるものであったのか。

    ーーーーーーーーーーーーー

    〜漁村が襲われる前夜〜

    鏡の前に立つジャン。顔は所々腫れ、返り血を浴びている。自分の行いは正しかったのか、自問自答を繰り返す。

    ジャン(いや、俺は間違えていない。そう、あの時から…)

    ーーーーーーーーーーーー

    ジャン「容体はどうなんですか?」

    医師「幸い命に別状はない。ただ強いショックを受けていて、目を覚ますのは時間を要するだろう。」

    ジャン「…あ、あぁ。良かった…」

    吉報を聞き、思わずベンチにへたり込む。

    パトロール中、事故に遭い急いでエレンを病院へと運んだ。ジャンの制服にもべっとり血がついている。
    かなりの出血だったのだ。

    医師「それにしても…あれだけ血を流して持ち直すなんて。大した生命力だよ。」

    ジャン「はは。こいつは昔っから悪運がつよいんです。」

    TRuuuuuu…

    ジャン「おっと、すみません。」

    ジャン「もしもし。ああ大丈夫だ、心配ないってよ。これから迎えに行く。」

    医師「奥さんかね?」

    ジャン「いや、俺のじゃなくてこいつの、です。愛されているんでね。」

    手術が終わり、ベッドに横たわるエレンを親指で指す。

    ジャン「…それにしても、さっきからやけに搬送されてくる人が多いですね。メインストリートで暴動があったと聞きましたが。」

    医師「それが全員そろっておかしな事を口にしていてね。人に噛まれた、とか。熱も酷くて、似たような症状ばかりなんだ。」

    ジャン「そいつは…妙な話しですね。」

    「ドクター。オペの準備が整いました。」

    医師「あぁ、今行くよ。ではお大事に。」

    ドクターの言った事がどうも腑に落ちなかったが、これ以上邪魔するのも悪いと思い頭を深く下げ、病院を後にした。

    ジャン(さてミカサを迎えに行って、上への損害賠償の言い訳も考えねぇと。ああ、頭がいてぇ…)

  7. 7 : : 2015/01/04(日) 19:56:52
    それから三日後。
    職務の合間を縫ってエレンの見舞いに訪れていた。 ミカサもパートの仕事がある。毎日来ているわけではなかった。

    ジャン「ミカサじゃなくて悪かったな。今日は俺だ。」

    ジャン「ミカサにはしこたま殴られるもんだと思ってたんだが…お咎めなしだったよ。あーあん時は死を覚悟したぜ。」

    ジャン「なぁエレン。いつ目を覚ますんだ?まさかこのままなんてことは…」

    言いかけてすぐにやめた。

    ジャン「そういえばな、昨日から街に厳戒令が敷かれた。理由は俺ら下のもんには説明されてないが、上層部は大慌てらしいぞ。まぁ、おかげでこうして早上がりできるんだけどよ。」

    ガタン!ガシャァァァ!

    なにやら廊下が騒がしい。

    キャァァ!!

    ジャン(何だ?悲鳴…?)

    只事ではなさそうだ。病室のドアを開ける。





    ジャン「おいおい…!どうなってるんだこりゃあ…!!」

    廊下では見るも絶えない惨劇が繰り広げられていた。
    人が人を、喰っている。

    銃をホルスターから抜きかけるが、すぐにない事に気付いた。しまった、病室に置いてきた。
    そもそも状況がわからない。思考回路がついていかないのも確かであった。

    ジャン「誰か、誰かいないのか?!」

    ナースステーションまで出てみる。

    医師「君は!すぐに逃げるんだ、もうここは…」

    ギャァッ!

    医師「あ、ああ!嫌だぁ、あぁぁぁぁ!!」

    そう言いかけた瞬間、階段を上がってきたウォーカーにあっという間に喰らいつかれた。

    ジャン「…!!」

    目の前のおぞましい光景に、思わず口をふさぐ。立ち上る吐き気を無理矢理戻した。

    ジャン(何だ、何なんだ?!とにかく、エレンを連れてすぐ逃げねぇと…!)

    簡単だ。あっちに気を取られている隙に反対側から出ればいい。
    エレンがいる病室のドアを、そっとスライドさせる…

    ガァッ!

    ジャン「なっ!」

    気づかれた。数体のウォーカーがこちらに駆けてくる。
    まずい、何か、何か使える物は…

    ジャン「!おらぁ!!」

    側にあったキャスター付きの担架を突き出すようにして見舞う。うまいこと転倒させたが、他のウォーカーにも気付かれてしまった。

    ジャン(おいおい何て数だ!!どうする、このままじゃ俺も…!)

    エレンの病室と迫るウォーカー達を交互に見やる。
    しかし、考えている間にも死への時間は近づく。

    ジャン(…すまん、許せエレン!!)

    胸を締め付けられる思いで先程の担架で、病室のドアを塞ぐ。




    ジャン(ちくしょう、ちくしょう!!俺は何て事を…!)

    目頭が熱くなるのもお構いなく、駐車場へと全力で走る。
  8. 8 : : 2015/01/04(日) 21:01:43
    楽しみすぎます!!
    ウォーキングデッドseason6も楽しみですね!
  9. 9 : : 2015/01/04(日) 23:50:32
    今こうして公道を走っていられるのも、怪異が発生した直後に病院にいたおかげだ。
    病院とは特定の人間がいる場所である。怪我人という名の。

    他の場所よりも襲われる危険が少ない。真っ先に襲われるのは、体の自由が利かない彼らなのだから。

    病院を出てから、襲われている人を無視してずっと車を走らせている。

    15年来の親友を見捨ててきたのだ。せめて彼が愛した女性くらい守らないと自分を許せない。

    ジャン(ミカサ、無事でいてくれよ…!)


    エンジンも切らずイェーガー家に駆け込む。

    ジャン「ミカサ!」

    ミカサ「ジャン?!エレンは…」

    ジャン「その話は後だ、すぐにここを出るぞ!」

    ミカサ「待って!せめてこれだけは!」

    タンスの上の写真立てを鷲掴みにすると、ジャンに腕を引かれるまま家を後にした。

    ジャン「早く乗り込め!…何?!」

    車の陰から現れたウォーカーに押し倒される。

    ミカサ「ジャン!!いや!」

    ジャン「ぐっ…!息が臭ぇんだよこの野郎!!」

    とっさに転がっていた石で頭部を殴りつける。
    危機を脱したジャンは素早く車のトランクを開けると、手にしたコルトパイソンでウォーカーを滅多撃ちにした。

    ジャン「うおぉぉぉ!!くたばりやがれ!」

    全弾を撃ち尽くし、薬莢が転がる。

    ジャン「おい…嘘だろ?何でまだ動ける?」

    口径の大きな銃で至近距離から6発喰らったにも関わらず、まだ立ち上がろうとしていた。

    ミカサ「ジャン、早く!」

    ミカサの声に我を取り戻し、目線を戻すと車の前方にウォーカーが数体確認できた。

    ジャン「…ちっ!」

    車に乗り込むと素早くバックギアを入れ、そのままバックした。

    ジャン「近所の奴やミリウスはどうなったんだ?!」

    ミカサ「ミリウスは絶対ドアを開けるなと言った後に悲鳴が聞こえた。多分もう…」

    ジャン「それでか…鍵を閉めて外に出ないのは懸命だったな。」

    ミカサ「ええ。合鍵を持っているのは、エレンかあなただけだから。」

    エレン…

    ミカサ「ジャン。それでエレンは?」

    ドクン…

    ジャン「しかしさっきの奴は何だ?とても人間とは思えん。あんなのがそこら中ウロチョロしてやがる!」

    ミカサ「ジャン!!…え?」

    一向に取り合ってくれないジャンの顔を見て、ようやく気付いた。頬を止め処なく流れる涙。
    ハンドルを持つ両手は震えている。

    ジャン「…ッ!すまない…俺は、俺はエレンを助けられなかった…!」

    ジャン「大勢に囲まれて、とてもじゃないが連れ出せる状況じゃ…」

    ミカサ「…」

    ジャン「すまないミカサ、俺は…俺は!」

    スッ

    ジャンの膝に手を置く。

    ミカサ「落ち着いてジャン。今は感傷的になっている場合じゃない。」

    ジャン「…ッ…その通りだな。とりあえず郊外に出よう。」
  10. 10 : : 2015/01/05(月) 00:28:08
    郊外に出る道路はものすごい渋滞であった。
    すぐに引き返そうにも後方にあっという間に列ができてしまい、身動きが取れなくなってしまった。
    ここ3時間は1mも動いていない。諦めて、道路脇でキャンプを張る人間も出てきた。

    ジャン「ったく、どこもこんな状態か?これじゃあ襲われたらひとたまりもlねぇぞ…」

    「全くだ。特に密集地帯じゃ対処のしようがない。奴らは群れる習性があるようだから。」

    前に並ぶキャンピングカーの男とは随分と打ち解けた。
    このアルミンという男は、自前のキャンピングカーを走らせて住民の救助に当たったのだという。

    ジャン「しかし奴らは一体何者なんだ?ゾンビとでもいうのか?」

    アルミン「非科学的だけど、それに近いんじゃないかと思う。襲われた人間がしばらくして転移するのも見た。」

    ジャン「…ははっ!B級映画が現実になっちまったのか?本当に頭がついていかねぇ…」

    アルミン「そういえば連れの女性は?」

    ジャン「…あぁ。少し一人になりたいいってな。」

    ーーーーーーーーーーーーーー

    〜道路脇の森林〜

    ミカサ「…うっ…うう…エレン、どうして…」

    15年間ずっと側にいた。警官時代、どんな危険な任務に当たっても必ず帰ってきた。一人になった瞬間、思い出が走馬灯のように蘇った。

    真っ赤になりながら想いを伝えてくれたエレン。
    3人一緒に警視庁に受かり、はしゃぐエレン。
    ジャンと飲み比べをして、あっという間に潰れたエレン。
    私が任務に失敗した時、駆けつけてくれたエレン。
    プロポーズをして、指輪をはめてくれたエレン。

    どれも昨日のようにはっきり覚えている。
    しかし残酷な事実がのし掛かる。




    エレンはもういない。

    もう手の届かない所に行ってしまった。

    ミカサ「エレン…エレン…ッ…」

    「あの…」

    小柄な女性がそっとハンカチを差し伸べる。それなりに年はいってそうだが、綺麗な顔立ちをしている。

    ミカサ「…ありがとう。」

    「あなたも都心から?」

    ミカサ「えぇ。あなたは?」

    「ごめん、自己紹介が遅れたわね。私はクリスタ、夫のダズと逃げてきたの。」

    クリスタの後方には、不機嫌そうに車にもたれかかる中年の男がいた。
  11. 11 : : 2015/01/07(水) 18:00:49
    夫婦。かつては自分もそうだった。

    クリスタ「これ、良かったら。」

    差し出されたのは500mlのペットボトルと、クラッカーだ。

    ミカサ「良いの?助かる。」

    家を出てから何も口にしていない。涙も流した。
    気付くと喉はカラカラだった。

    クリスタ「ううん、困った時はお互い様だから…」

    そう言うと、そそくさと夫の方に戻っていった。



    「おい、貴重な食料だぞ。何やってんだお前。

    クリスタ「いいじゃない、こんなにあるんだから。」

    「誰の金で買ったと思ってるんだ、偉そうに指図するな!」

    お世辞にも仲が良さそうには見えなかった。
    夫の態度は少し気にくわない所があったが、お節介と思いその場を離れた。

    ーーーーーーーーーーー

    ミカサ「まだ動かない?」

    ジャン「あぁ、さっぱりだ。先頭まで行ってきた奴の話じゃ、検問が引かれていて一向に通す気がないらしい。」

    エレンの事には触れずにチラッとミカサの顔を見やった。
    泣いていたのだろう、目が真っ赤であった。



    バババババ!

    ジャン「ん?何だ?」

    アルミン「あれは州軍のヘリだ!」

    ミカサ「見て!」

    ヘリが来た方向、すなわちアトランタの都心が爆撃を受けていた。
    崩れ落ちる高層ビル、燃え盛る炎は数10km離れたこちらまで明るく照らす。

    ミカサ「そんな…私達の街が…」



    キャァァァ!ワァァ!

    ジャン「今度は何だ?後ろが騒がしいな。」

    「た、大変だアルミン!奴らの群れだ、ヘリの音につられてやってきやがった!」

    坊主頭の青年が汗だくで走ってきた。

    アルミン「まずいな、すぐここを離れよう!コニー、早くエンジンを!」

    コニー「そんな事言ったってどこにだよ?!この渋滞じゃ身動きがとれないぞ!」

    アルミン「脇道を突っ切る!どのみちこのままじゃ奴らの餌食だ!」

    アルミン「君たちも来ないか?」

    ジャン「それしか選択肢は無さそうだな…!」

    クリスタ「いやあぁぁ!」

    ミカサ「!」

    ジャン「!おい、どこ行くんだ!」

    ジャンのホルスターから銃を抜き取ると、声の方に駆けていった。



    ダズ「くそ!来るんじゃねぇ!」

    クリスタ「や、嫌!」

    二人は車にも乗り込めず、ウォーカーに囲まれていた。



    タタンッ!

    ギャッ!

    ミカサ「…フッ!」

    的確に二体の頭を撃ち抜くと、すぐ様距離を詰めもう一体のウォーカーに前蹴りを入れる。

    タンッ!

    前かがみになったウォーカーの頭をほぼゼロ距離で射抜く。

    ミカサ(これで全部…?)

    クリスタ「危ない!!」

    ミカサ「?!」

    物陰から接近するウォーカーに気づかず、醜い顔が迫る。
    大口に喰らいつかれそうになった、その瞬間ー


    ドガッ!

    ジャン「何やってる!早く乗り込め、アンタらもだ!」

    ジャンが車で体当たりをかました。

    ダズ「ちょっと待て!車にはまだ食料が!」

    ジャン「んなもんと命、どっちが大事だ!」

    リュックサックを二つも背負っているにも関わらず、まだ取りに戻ろうとするダズの尻を蹴り、後部座席に押し込む。

    ウォーカーの大群に襲われる車の列を尻目に、林道へとはずれた。

  12. 12 : : 2015/01/10(土) 00:04:24
    悲鳴もすっかり聞こえなくなった住宅街。
    ウォーカーに襲われるスーツ姿の女性がいた。

    彼女は名をミーナという。地元のハイスクールで、若くして教鞭を振るう教師である。

    ガアッ!

    ミーナ「ひいっ!」

    ミーナ(どうして、どうしてこんな事に…!)

    訳も分からず授業中に襲撃に合い、クラスの生徒は皆襲われた。
    そう、彼女を追うウォーカーは全て自分の生徒だ。

    ミーナ(!!行きどまり…!)

    乗り捨てられた車がバリケードのように重なり、道をふさいでいる。
    行き手を阻まれ、思わず振り向いた。

    この間まで恋愛相談に乗っていた女子、自慢のおさげをネタにからかう男子、それらが生を宿していない鬼のような形相で、こちらに向かってくる。

    ミーナ「…あ…あ…」

    足がすくんで動けない。
    いや、動いた所で逃げる場所も無いのだ。

    グァァァッ!

    ミーナ「うっ…」

    目の前に迫るウォーカーの恐ろしさに気が遠のく。

    ミーナ「…?」


    「…シッ!」

    ミーナが気を失う直前に見たものは、金髪の女性が舞う姿だった。







    「おい、いつまで寝てるんだ。いい加減起きな。」

    ミーナ「ん…」

    頬を叩かれボンヤリ目を開けると、先程の金髪の女性がいた。

    ミーナ「ここは…?」

    どこかの部屋だろうか。比較的綺麗なツインのベッドルームだった。

    「私の隠れ家だ。アンタ、見た目の割に結構重たかったよ。」

    ミーナ「なっ…!」

    助けてもらって感謝はしているが、なんて失礼な物言いだろうか。

    ミーナ「…そりゃあ、つくもん付いてますから。」

    スレンダーな金髪の女性に対し、グラマラスな体を見せびらかすかのように、フンスと胸を張る。

    「さぁ行くよ、仲間と合流しないと。」

    ミーナ「…ちょっと!無視?!大体自己紹介だって…」

    「アニ。」

    ミーナ「え?」

    アニ「私の名前。モタモタしてると置いてくよ。」
  13. 13 : : 2015/01/10(土) 00:28:45
    〜車内〜

    ジャン「もう少し出るのが遅かったら、確実にやられてたな。」

    ミカサ「ごめんなさい。私のせいで。」

    ジャン「いや、ミカサの行動は立派だった。勝手に銃を掠め取ったのはいただけなかったがな。現場を長く離れてるってのに、職業病ってやつか?」

    ミカサ「ええ、多分一生もののね。」

    そう言うと軽く微笑んだ。その笑顔は緊迫した空気を和らげてくれた。

    ジャン「しかしどこまで行くんだ、大分走ったぞ。…ん、止まれってか?」

    前を走るキャンピングカーがウィンカーを出したのを見て、車道脇に停車をした。

    ーーーーーーーーーーーーー

    コニー「危なくないか?せめたどこかに隠れてからの方が…」

    アルミン「いや、ここまで来れば大丈夫だろう。奴らは単独ではあまり動かないはず。」

    二人を先頭に、キャンピングカーから降りてくる。

    アルミン「無事だったかい?これからの方針をまとめた方がいいと思ってね、自己紹介も兼ねて。」

    ジャン「なるほどな。」

    ダズ「そんな悠長な事言ってる場合か!もっと離れるべきだぞ?!」

    クリスタ「待って!ここは彼らの言う通りにしましょう!」

    ダズは気に食わなそうに舌打ちをしたが、やがて道脇に腰かけタバコを吹かし始めた。


    ジャン「そっちの彼らは?」

    アルミンの後ろには、若いカップルだろうか長身の男性と、気の弱そうな女性が寄り添っていた。

    「僕はフランツです。彼女はハンナ。」

    「よ、よろしく…」

    アルミン「8人か。とにかく日が落ちる前に、キャンプができそうな場所に移動しないか?」

    ジャン「水場が近い所がいい。あとは四方が囲まれていない事、退路が確保できないからな。」

    アルミン「わかった。すぐに行動しよう。」



    ミカサ「アルミンは信用できると思う。」

    ジャン「少しなら備蓄もあるらしい。これで車内泊は免れるか。」

    フロントミラーを見やる。

    ジャン「ダズとは長いのか?」

    クリスタ「ええ。今年で10年になるわ。」

    ジャン「そうか。これからよろしくな。」

    クリスタ「ええ。それとさっきはありがとう。」

    当のダズは心地好さそうに寝息を立てていた。

    ジャン(こいつ…全く、いい気なもんだ。)

    ーーーーーーーーーーーーー

    ミーナ「ねぇ、そろそろ休もうよ。」

    アニ「30分前に休んだばっかだ。」

    ミーナ「もう!30分も前に、だよ!」

    アニのペースが早く、ミーナが肩で息をしている。
    まるで勝手に付いて来いと言わんばかりだ。

    ミーナ「その格好…軍人さん?」

    アニ「そうだよ。」

    ミーナ「あ、まだお礼言ってなかったね。さっきはありがとう。…私の生徒達だったんだ、あれ。」




  14. 14 : : 2015/01/10(土) 00:38:25
    アニとしては、それ以上会話を続けるつもりは無かった。しかしそれを聞いて少し不憫に思ったのか、また口を開いた。

    アニ「アンタの事を当ててみせようか、今年大学を出たばっかりのルーキー教師ってとこだろ?」

    ミーナ「残念。四年目よ、もう26になるの。」

    アニの真横まで走ってくると、ベッとと舌を出した。

    アニ「嘘だろ?」

    ミーナ「嘘ついてどうするのよ。」

    自分と一つしか変わらない。こんなに童顔なのに。

    ミーナ「もしかしてあたし達、歳近かったりして?」

    少なからず動揺したが、おどけるミーナが小憎たらしく思えてまた足を早めた。

    アニ「さっさと歩きな。日が暮れる前に着かないよ。」

    ミーナ「はーい。」

    連れ立って歩く姿は、姉妹のように見えなくもなかった。
  15. 15 : : 2015/01/12(月) 03:39:08
    ジャン達は湖の近くでテントを宛てがった。
    依然見えない恐怖に怯えていたが、一息つける感覚が久しかった。

    簡単な食事を済ませると、各々が行動に出た。

    アルミン「軍部や政府はどの程度機能しているのか…そもそも情報が入ってこないんだ。ラジオやネット回線は全てパンク。…ねぇジャン、聞いてる?」

    ジャン「…」

    ずっと気がかりな事があった。ダズだ。協調性に欠け、自身の食料提供さえも拒んだ。
    クリスタへの暴力的な態度も気にかかる。



    クリスタ「洗濯は私達の仕事ね。」

    ハンナ「えぇ、この先ずっと同じ服を着るわけにもいかないもの。」

    二人は一行の洗濯を請け負っていた。
    女性同士、世間話に花も咲く。

    ダズ「随分と楽しそうだな。こっちは苛ついてるってのによ。」

    クリスタ「…」

    ダズ「お前がトロいから逃げ遅れたんだろうが!!」

    ハンナ「ちょっと!何するの?!」

    ハンナの制止も聞かず、クリスタの胸倉を掴み平手打ちをした。

    クリスタ「うっ!」

    ダズ「散々俺をイラつかせやがって…!」

    平手打ちを二回、三回と続く。

    ハンナ「お願いやめて!誰か!」

    ジャン「!」

    ジャンの中で何かが弾けた。

    ジャン「うおぉぉぉぉ!」

    ドガッ!

    ダズ「何だやる気かこの…」

    ダズ「がはっ!!」

    ジャン「おおおおおおお!」

    馬乗りになり、怒りのままに拳を振るう。

    ガッ!ゴッ!ドガッ!…



    クリスタ「やめて!」

    ジャン「!」

    クリスタの声で我に返ると、血に染まった拳と赤紫に腫れ上がったダズの顔を見て、ようやく現状を把握した。

    ハンナ「ひ、ひぃ!」

    一瞬目が合ったハンナは怯えた表情を見せ、後ずさりした。

    ジャン「…あ……すまん…」

    クリスタの顔など見れなかった。非があるとはいえ、目の前で夫をボコボコにしたのだ。

    ジャン「…っ…」

    震える右手を懸命に押さえ、森の奥にと走った。



    クリスタ「ダズ…」

    ダズ「ぐぅ…同情なんかすんじゃねぇよ。」

    こちらも何とか自力で立ち上がると、フラフラ自分のテントに戻って行った。

    ハンナ「クリスタ…あなたもしかして、ダズから日常的に暴力を…?」

    ーーーーーーーーーーー

    ジャン(俺は…何をやっていた?)

    ジャン(ダズの行動に腹が立ったのも事実だ。しかしあんなに激情的にならなくとも、もっと簡単に止められたはずだ。)

    ジャン(ましてや周りの声も聞こえないくらい熱くなって、)

    ジャン(俺は、変わっちまったのか?だとしたら、以前の俺なら…)

    ジャン(以前の俺なら、エレンを見捨てなかったのか…?)

    ーーーーーーーーーーー
  16. 16 : : 2015/01/12(月) 04:10:39
    ミーナ「ねぇ、これからどこへ行くの?」

    アニ「仲間の所に決まってるだろ。」

    ミーナ「軍隊の?」

    アニ「ああ。もうすぐそこだよ」

    かれこれ3時間は歩いたが、まだ目的地を知らなかった。

    ミーナ「仲間の事、聞かせてよ。」

    アニ「入隊当時からの腐れ縁さ。無駄に暑苦しいゴリラと、草食ノッポ、声が大きい双子。」

    口では貶めていたが、語るアニの顔はどこか穏やかだった。

    ミーナ「なんだか愉快なメンバーだね。」

    決まって軽口が返ってくることを期待していたのだが、アニの真剣な表情に気付いた。

    アニ「…」

    ミーナ「どうしたの?」

    アニ「妙だ、見張り台に誰もいない。」

    ホルスターからブローニングHPを取り出した。

    アニ「側を離れるな。すぐ後ろについて。」

    ミーナ「う、うん。」

    何かの公共施設であったのだろうか。バリケードが積み上がり、拠点化されていた。

    アニ(襲撃された形跡もない。おかしい、静かすぎる。)

    門を開けると、そのまま慎重に玄関へと進んだ。

    アニ「!」

    ミーナ「な、なんか変な匂いしない?」

    アニ(乾いた血の匂いだ…それも少量じゃない。)

    一階は特に荒らされた跡はなかった。

    アニ「…」

    二階に続く階段を上がる。鼻をつくような匂いが一層きつくなった。





    アニ「うっ…?!」

    ミーナ「え?」

    階段を上がってすぐ、踊り場に軍服を着た2人の男が倒れていた。

    アニ「マルセル…べリック…」

    ミーナ「そんな…アニの仲間の…?」

    アニ「そんな、なんで転移して…」

    傍目から見ても二人はウォーカーになっていた。もちろん、既に動いていない。

    アニ「…!」

    ダッ!

    ミーナ「!ちょっと!」

    アニは奥の部屋へと走った。






    ミーナ「はぁ、はぁ…どうしたの、ア…ニ…?」

    立ち尽くすアニの後ろから部屋を覗く。

    ミーナ「何、これ…」


    10人はいるだろうか。ある者は内臓が飛び出し、ある者は体の節々を撃ち抜かれていた。
    天井まで血が飛んでいて、部屋を紅に染めていた。

    ミーナ「…うっ!ゲェッ!」

    あまりの惨状に思わずミーナが嘔吐く。

    アニ「保護した住民達だ。まさか…あの時転移してた者が中にいたのか?」

    アニ「…っ、ライナー、ベルトルト!どこだ?!」

    部屋を出て名前を呼ぶが、返答はない。



    アニ(待て、落ち着け…そういえばジープも無かった。そうだよ、あいつらが死ぬはずがない。)

    アニ(しぶとい奴らだ。そう、死ぬはずがない。)

    ミーナ「アニ、残りの二人は…?」

    アニ「きっと、逃げたんだ。そうに、決まっている。」

    青白い表情のアニの肩にそっと手を乗せる。

    ミーナ「きっと、そうだよ。絶対生きてる。」

    震える方をそのまま抱き寄せた。



  17. 17 : : 2015/01/15(木) 18:47:11
    アニ「…そうだね。しぶとい奴らだ、簡単にはくたばらないだろう。」

    ミーナ「これからどうするの?」

    アニ「二人を埋葬したい。それから…」



    ドォォォォ!!

    一瞬の出来事だった。窓ガラスは瞬く間に割れ、熱気が轟音と共に室内に舞い込む。

    アニ「ッ!」

    アニはとっさにミーナを押し倒した。
    爆風はしばらく続き、ほとぼりが冷めたのを見計らって顔を上げる。

    ミーナ「爆発…?」

    アニ「いや、武装ヘリによる爆撃だ。」

    ミーナ「え?」

    アニ「軍はアトランタを見捨てたってことさ。この分だと多分、LAやNYもダメだね。」

    ミーナ「そんな?!まだ生存者だって…!」

    アニは軽く体を叩くとすぐ起き上がった。

    アニ「そういうもんさ、体制なんて。大きな流れには所詮逆らえない。」

    アニ「第2波があるかもしれない、すぐ離れよう。」

    アニ(マルセル、べリック…ごめん。)

    ーーーーーーーーーーーーーー

    クリスタ「あの、ジャンは?」

    アルミン「近くを見廻ってくるって。じきに日が暮れるから止めたんだけど…」

    クリスタ「…」





    あの後すぐにキャンプを飛び出した。体の震えが止まらず、いても立ってもいられなかった。
    何も言わずに飛び出した建前、すぐには戻りづらい。少し時間を置いてから戻るつもりだった。

    3kmほど車を走らせると、スタンドが見えた。
    ちょうどいい、何か物資でも残っているだろうか。
    車を停めると、戸をそっと開けた。

    ジャン(大して荒らされていない。放棄されたのは最近か?)

    コルトパイソンを構え、暗がりの中を慎重に進む。

    ジャン(くそ、暗くてよくわからん。とりあえず片っ端から…)



    棚の救急箱に手を伸ばした瞬間、鈍い音が頭に響いた。

    ゴッ!

    ジャン「ッあ…?!」

    頭部に蹴りを喰らったと理解したのは、脳が揺れた後だった。

    なんとか体勢を整え、ガードの姿勢を取る。

    「…シッ!」

    ジャン(蹴り技、テコンドーか?ちっ、さっきのでまだ視界が…)

    相手の前蹴りをなんとか抱え込む。

    ジャン「やめろ、俺は人間だ!」

    「…!」

    相手の動きが止まった。

    ジャン「くっ…」

    膝の自由が利かず、ついに床に倒れる。




    「アニ、何やってるの!人間じゃない!」

    別の声がした。

    「それはどうかな。善人かどうかなんてわかったもんじゃない。」

    「軽い脳震盪ね。少し休めば良くなるわ。」

    ふいに女性の膝に頭を乗せられる。

    ジャン「…アンタらは?」

    ミーナ「爆撃から逃げてきたの。」

    ジャン「ああ、アレは酷かったな。」

    暗がりから金髪の女性が現れる。

    ジャン「お前、軍人か?」

    アニ「アニ。」

    ジャン「は?」

    アニ「私はお前じゃない。」

  18. 18 : : 2015/01/15(木) 19:17:46
    ミーナ「いいの?仲間の了解も得ていないんでしょ?」

    ジャン「アンタらが悪人じゃない事位わかるさ、それに…」

    食料など持てるだけ抱えると、ジャンは二人をキャンプに誘った。

    ジャン「医療の知識と格闘のプロとなれば、こっちにも利がある。」

    アニ「アンタさ、見ず知らずの奴をそう簡単に信用していいの?」

    ジャン「ジャンだ、アンタじゃない。」

    アニ「…はっ。」

    お返しと言わんばかりに悪態をつく。

    ーーーーーーーーーーーーー

    ジャン「そういう訳だ。勝手に連れてきて悪いが、成り行きってヤツでな。」

    事の次第をアルミンに伝える。腕を組みしかめっ面をしていたが、やがてため息をつくと首を横に振った。

    アルミン「仕方がないね。確かに悪人には見えない。」

    アニとミーナは女性という事もあって、すぐに一行に迎えられた。





    クリスタ「ジャン。」

    ジャン「あー…その、すまなかった。これ、使ってくれ。」

    救急箱を差し出すと、背を向けバツが悪そうに歩いていった。

    クリスタ「ジャン!その…ありがとう、助けてくれて。」

    彼女なりの気遣いなのだろう、返答はなかったが。

    ーーーーーーーーー

    ミカサ「アルミンから聞いたわ。でも、勝手に出て行くのは頂けない。」

    ジャン「…」

    何も言わずにミカサの横に腰掛ける。

    ミカサ「クリスタは感謝してた。自分の夫を殴られて変な話だけど、あの二人は複雑なのね。」



    ギュッ


    ミカサ「…えっ、ジャン…?」

    ジャン「…逃げてぇよ…頼むよ、忘れさせてくれよ!全部…」

    ミカサは何も言わずにジャンを抱き寄せると、頭を撫でた。それはジャンの震えが収まるまで続いた。

    ーーーーーーーー

    〜翌朝〜

    ミーナ「あ、おはようジャン!」

    テントから出ると、テーブルや椅子が設置されていて食事が始まっていた。

    ジャン「炊き出しか?」

    コニー「あぁ、キットがあってな。アルミン様様だぜ。」

    そういえば病院から何も口にしていない。緊張が解けると、体は正直であった。

    ジャン「俺ももらっていいか?あ…」

    手を出してすぐに引っ込めた。配膳がハンナだったからだ。
    あんな光景を目の前で見て、自分の事を良く思ってないだろう。

    フランツ「ハンナ、彼は大丈夫だよ。」

    ハンナ「…うん。どうぞ、まだいっぱいあるからね。」

    フランツに諭されると、ハンナは緊張しながらも笑顔を見せた。

    ジャン「おう、サンキュ。」

    フランツ「こうしているとピクニックに来たようだね。」

    アルミン「あぁ、のどかだ。」




    ジャン(やめよう、もう気にするのは。)


  19. 19 : : 2015/01/15(木) 19:40:08
    皆の輪に混ざり、早速食事にありついた。

    ミカサ「焚き火の煙は大丈夫なのだろうか」

    アニ「問題ないね。音はまだしも、ウォーカーは視覚的なものには関心がないらしい。」

    ジャン「ウォーカー?奴らのことか?なるほど、確かに何をする訳でもなく彷徨ってやがる。」

    ミーナ「もう、食事中くらいその話はやめようよ。」




    アルミン「さて、これからの事を話し合おうか。アニ、君は軍人だったね。」

    ジャン「軍部はどの程度機能してるんだ?」

    アニ「司令部はどこも壊滅。実質動いているのは小隊規模で、それも連携は取れていない状況だ。」

    クリスタ「そんな、軍までもが…」

    コニー「でもよ、昨日ヘリが爆撃してたろ?」

    アニ「あれは私達とは指揮系統が違う。要人警護とか、どっちかって言うと特殊部隊なんだ。」

    フランツ「彼らが市民の救出に回っている可能性はないのか?」

    アニ「ないね。そういった下々の仕事はやらないらしい。とにかく、軍はあてにしないことだ。」

    アニはそう言い切った。

    ミカサ「移動の事だけど、ここを動く必要はないと思う。一時的な条件としては問題ない。」

    アニ「それは同感だ。むざむざ他所に危険を晒しにいく必要はない。」

    アルミン「とするとしばらくはここを拠点にして、情報収集や物資確保に努めるべきだろう。」

    無論反対する者はいなかった。
    協調性のないダズはというと、ジャンに殴られてから一行と距離を置いていた。


    ーーーーーーーーーーー

    今現在最低限必要なもの。
    ガソリン、銃器。

    これらの確保にジャンと土地勘のあるコニーが当たる事となった。




    ミカサ「ジャン、気をつけて。」

    ジャン「おう。昨日は、その…ありがとうな。」

    ミカサ「気にすることはない。あなたの介抱は慣れているので。」

    ジャン「ははは…」





    アニ「仲が良いんだね。」

    木にもたれるようにして呟いた。

    ミカサ「長い付き合いだから。」

    アニ「それよりも、だ。アンタ一般人じゃないね。今朝トレーニングしているのを見たけど、あれは訓練を受けた者の動きだ。」

    ミカサはアニの襟に触れた。

    ミカサ「あなたこそ、その年で曹長とは優秀。私は元警官。」

    アニ「MIA?ATL?」

    ミカサ「いいえ、LA市警。」

    一瞬驚いたように目を見開く。

    アニ「…冗談じゃなさそうだね。」

    それっきり会話は続かなかった。



  20. 20 : : 2015/01/16(金) 18:03:15
    コニー「銃か、実際の所死活問題だよな。」

    ジャン「拳銃が二丁に、ショットガンが一丁。とてもじゃないが、複数のウォーカー相手じゃ心許ないな。」

    ジャン「ガソリンは最悪かっぱらえばいいとして、どこか当てはあるのか?」

    コニー「あぁ、潜りの違法店がこの先にある。表立って店開けてる所よりかはマシだと思う。」

    山道を走らせること30分、田舎町と呼ぶに相応しい廃れた看板がお出迎えした。

    コニー「よし、まずはガソリンを盗っちまおう。お目当ては…ははぁ、アレだ。」

    業務用のトラックを指差した。

    ジャン「お前、根っからのコソ泥だな。」

    コニー「ルパンと呼んでくれたまえ。」

    ジャン「いや、お前はんな大それたモンじゃねえ。映画の冒頭ですぐに捕まる、モブ的な小悪党だ。」

    うるせえ、と悪態をつきながらも手際よく作業に取り掛かった。

    ジャン「それで違法店はどの辺りだ?」

    コニー「そこの角を曲がると細い道に出る。その一番奥のROSEって看板がそうだ。」

    ジャン「どれどれ…」

    暇を持て余し、角まで歩き顔を出した。




    アァァァァ…
    ハァァァァ…


    ジャン「?!」

    すぐさま顔を引っ込め、コニーの元に戻る。

    ジャン「おい!なんだよアレは!奴らがうじゃうじゃいるじゃねぇか!」

    コニー「なんだって?小便ならその辺で済ませよ。」

    ピシャ!

    コニー「痛ぇな!何も頭叩くことないだろ!」

    ジャン「ウォーカーが、群れで、道、塞いでんだよ!」

    耳元でわざと怒鳴る。

    コニー「何だって?そいつは参ったぞ。」

    ジャン「…」

    コニー「だがそれを何とかするのが天才ってもんだ。俺に妙案がある。」

    ニヒルに笑ったつもりだろう。だが完全に小物のそれだった。
  21. 21 : : 2015/01/16(金) 18:11:09
    このシリーズだいすきです!
  22. 22 : : 2015/01/16(金) 18:18:15
    ジャン「いたぞ、アレだ。」

    コニー「本当に周りにいないか?」

    ジャン「間違いない、俺の視力を侮るな。」

    井戸付近で一人彷徨うウォーカーに狙いをつけた。

    ジャン「言い出しっぺはお前だ、早く行けよ。」

    発破をかけたつもりだったが、意外にもコニーは素早く案を実行に移した。



    パンパン!

    コニー「へいへぇい!そこの兄ちゃん、一人で寂しく井戸端会議かい?!」

    手を鳴らしながらスキップしていく。

    ジャン(…こいつ馬鹿だ。)

    アァ…?

    コニー「何だ、兄ちゃんじゃなくて姉ちゃんか。あんまりゴツゴツしてるもんでよ、気づかなかったぜ。」

    ガァァァ…

    ジャン(よし、釣れた!)

    コニー「よしてくれよ、ゴツい女にケツ追いかけられる趣味はねぇんだ。」

    戯けながらも後退し、着実にウォーカーを誘い出す。

    アァ、ガァッ


    ジャン「おらっ!」

    物陰から飛び出すと、ナイフで頭を串刺しにした。

    コニー「どうだ、うまくいったろ。」

    ジャン「ああ…しかし本当にやるのか?正直気乗りしねぇ…」

    コニー「大丈夫だって、早いとこ準備に取り掛かるぞ。」




    グチャアァ、ズチュ

    ジャン「うぉっ!やめろ、顔には近づけるな!」

    ベチャア

    コニー「しっかり付けないときっとバレるぞ。我慢しろよ。」

    ジャン(うぅ…何でこんな真似を…)




    コニー「よし、バッチリだ。どっからどう見ても馬面のウォーカーだ。」

    ジャン「そういうお前は坊主の小ウォーカーな。ったく、顔までしっかり塗りたくりやがって。」

    コニー「では行くぞ。くれぐれも動きには気を付けろよ。」

    全身にウォーカーの臓器や血を塗りたくった二人は、のろのろと路地を歩き出した。

    コニー「アァァァ…」

    ジャン(…俺は絶対やらんぞ。)
  23. 23 : : 2015/01/16(金) 18:20:27
    名無しさん

    ありがとうございます!そう言ってもらえると気合がはいります。
  24. 24 : : 2015/01/22(木) 03:33:59
    ウゥゥゥ…
    アァァァ…

    今正にウォーカーの群れを通り過ぎようとしている。
    頭の悪い手段に思えるが、あいにく抜け道もなく迂回もできないのでこれしかないのだ。

    アァ…?

    ジャン(げっ、早速怪しまれてるじゃねえか。頼むからすんなり通してくれよ…)

    ウォーカーの一体がこちらに接近する。

    ジャン(そうだ、この坊主がおかしな真似するから…!あからさますぎんだよ。)

    しかしウォーカーはコニーではなく、ジャンに近づいてきた。

    ジャン(!)

    首をかしげ、おもむろに匂いをかぐ。
    するとなんだが納得いっていない様子で喚いていたが、やがて定位置に戻っていった。

    コニー(ほらな。今のは誤魔化せたが、真面目にやらないとまずいぞ。)

    俺は大真面目だ!お前こそ真面目にやれ!
    と叫びたいところだったが、命が危ないのだ。不本意だが…




    馬面のウォーカー&坊主の小ウォーカー「アァァァ…」

    うめき声をあげヨタヨタ歩くと、ウォーカー達は気にも留めず二人をスルーした。

    馬面のウォーカー(で、合鍵でもあるのか?)

    坊主の小ウォーカー(常連用に裏口があってな、そこから入る。)

    二人は逸る気持ちを抑え、不自然にならぬよう角を曲がっていく。

    ーーーーーーーー

    ジャン「ふぅ。ったく、生きた心地がしなかったぜ。」

    コニー「そうか?俺は結構楽しかったぞ。」

    ジャン「…」

    コニーはまるでコソ泥のように手際よくマンホールの蓋を外す。



    コニー「降りてすぐだ。しっかり蓋は閉めてくれよ。」

    ジャン「まるで自分の家みたいに言いやがって。まぁ、奴らと地下でご一緒になんのはゴメンだがな。」

    梯子を降りていくと、そこは下水道ではなかった。

    ジャン「なるほど。こりゃあ摘発を逃れる訳だ。」

    コニー「だろ?まさか誰もマンホールが入り口とは思わねぇわな。」
  25. 25 : : 2015/01/22(木) 03:58:47
    重たい鉄製の扉を開ける。

    コニー「はっはぁ。慌てて逃げたな、ほとんど残ってやがる。」

    明らかに違法な匂いがする銃が壁一覧に飾ってある。

    ジャン「9mm弾装填の奴をメインに選べ。弾の調達がしやすい。」

    コニー「おっ!こいつはイカしてるな!」

    ジャン「マシンガンやライフルの類はいらん。音がデカすぎる。」

    コニー「ちぇ、ケチくさいこと言うな。…お、これなら文句あるまい!」

    身の丈に合わない大型拳銃を手に取る。まるで子供がおもちゃを手にしているようだ。

    ジャン「デザートイーグルか?止めておけ。そんな大口径、扱いづらいだけだぞ。」

    ジャンの忠告は耳に入っていない。一頻り構えポーズをとった後、装填する50AE弾を漁っていた。

    ジャン(ったく、素人め。)




    コニー「これだけ集めればいいだろ。」

    ジャン「あぁ、十分だ、戻るぞ。」

    二つのバッグ一杯に銃器を詰め込み、部屋を後にする。

    コニー「先に上がってくれよ。俺が持つからさ。」

    もう少しだ。あとほんの一時間足らずでこの臭い体からオサラバできる。
    そう思うと足取りも軽くなる。マンホールの蓋をずらし、頭を上げた。



    ギャァァァァ!

    ジャン「…」

    ガタン!

    ジャン「うおぉぉぉ!」

    即座に蓋を閉め、急いで駆け下がる。

    コニー「何だ?足でも滑らしたのか?」

    ジャン「お前はホントにおめでたい野郎だな!聞こえねぇのか、あのおぞましいうめき声が!!」


    ガァァァ!
    バンバン!!

    コニー「うぉっ!何でだ、さっきは大人しかったのに…」

    ジャン「外見だけ真似ても、所詮は猿芝居だったって事だろ。どうすんだ、他に出口は?」

    ウォーカーの知能では、細かい作業はできないのでマンホールが破られる気配はなかったが、このままでは八方ふさがりだ。

    コニー「こうなったらROSEの正面入口から出るしか…」

    ジャン「マジかよ…最悪、またあそこを突っ切るしかないってことか。」

  26. 26 : : 2015/01/22(木) 07:34:08
    待ってました!
    期待です!
  27. 27 : : 2015/01/22(木) 17:58:17
    FOXさん

    いつもありがとうございます!
  28. 28 : : 2015/01/22(木) 19:16:21
    更新きたあああああ!
  29. 29 : : 2015/01/22(木) 20:11:50
    倉庫の奥から更に階段を上がり、ROSEの本店舗に出る。

    窓からそっと外を覗く。ここからでは見えないが、左側が騒がしいのでまだマンホールにつられているウォーカーがいるとみた。

    ジャン(ん?あれは…)

    ジャン「お前、足には自信あるんだろ?」

    コニー「ああ、こう見えても高校時代は州で有数のRBだったんだぞ。」

    ジャン「先に行け。俺が援護して進路を開く。」

    コニー「荷物は?」

    ジャン「俺が半分持つ。あの通りまで出たら、今度はお前の番だ。いいか、よく聞け…」



    ギィィィ…

    ジャン(大丈夫だ、まだ気づかれちゃいない。)

    二人はそっとウォーカーの背後に忍び寄る

    ジャン(まだだ、ギリギリまで行く。)

    ジリッ…

    ジャン(今だ!)

    コニー「!」


    コニーは合図で姿勢を低くし、駆け出した。

    パンッ!パンッ!

    ウォーカーがコニーに気づく前に射撃を始める。

    ジャン(ここまではプラン通り…)

    ギャァ!

    マンホールに気をとられていたウォーカーが銃声に気付き、こちらに向かってくる
    それと同時に進路上のウォーカーにも気付かれた。


    ジャン(さぁ、行くぜ。)

    ダッ!

    パンッ!

    ジャンは走り出すと、背後には目もくれず自分の進路をふさぐウォーカーのみを射抜いた。

    ジャン(大丈夫、こんな修羅場は何度もくぐってきた!)

    しかし、銃器を背負った状態では追いつかれつつあった。



    コニー「ジャン!準備OKだ!」

    ジャン「やれ、ぶちかませ坊主!」

    コニー「おう!…おりゃあああ!!」

    コニーは壁際のドラム缶を蹴り倒すと、ジャンの方に向け転がした。

    ダッ!

    それをジャンが飛び越える。
    追ってくるウォーカー達は何が起こるかなどわかっていないだろう。


    ジャン「あばよ!」

    パンッ!


    ドガァァァァ!!

    ジャン「おぉぉぉ?!」

    あまりの爆発に思わず身を伏せた。





    コニー「いやー!しかし大成功だったな。」

    ジャン「こっちは寿命が縮んだぜ…おい、バッグはどうした?」

    コニー「ん?ああ、途中で忘れてきちまった。」

    ジャン「…てめぇ!坊主頭!!」


  30. 30 : : 2015/01/22(木) 20:58:08
    戻ったのは夕方前であった。

    アルミン「で、半分は置いてきたと?」

    コニー「おう!すまねぇ!」

    アルミン「…ま、まぁ無事で何よりだ。ガソリンも確保できたみたいだしね。」

    ミーナ「それよりも体を洗ったら?かなり匂うよ。なにそれ?」

    ジャン「い、いやこれはコニーのやつが…は、はははは。」

    ーーーーーーーー

    アニ「こっちも情報収集に進展があった。去年出来た州の救助センターを覚えているかい?」

    ジャン「あの災害時やらの名目のやつか?」

    アニ「ああ。ここからかなり近い。あそこなら通信機もあるし、医療設備もある。」

    コニー「でもわざわざ移動するのもなぁ…」

    アニ「確かにそうね。アンタ達は構わない。だけど私の目的は仲間と合流すること。」

    ジャン「行くのか?」

    アニ「あぁ。夜明けにミーナと出て行く。世話になったね。」





    「ッ…う、うぅ…」

    ジャン「ミカサ…?」

    すすり泣くこえを聞いてテントに入る。

    ジャン「大丈夫か?」

    ミカサ「…何ともない。」

    ジャン「何ともないやつが泣くかよ。」

    ミカサ「なら、ジャンがなんとかしてくれるの?」

    こっちを見据えたその顔は色気が漂っていた。

    ジャン「い、いや、それは…」

    ミカサ「…慰めて。」

    ジャン「は?」

    ミカサ「これ以上言わせないで欲しい。」

    ミカサが服をはだけて迫る。

    ジャン「ミカサ…駄目だ。お前にはエレンが…」

    ミカサ「エレンは、もういない。」

    それを聞いてジャンの中で何かが切れた。理性の糸か、情の壁か。

    ジャン「ッ!」

    ミカサを押し倒し、唇を塞ぐ。

    ミカサ「…ジャン、あなたの好きなようにして…あなたを、感じさせて…」

    ーーーーーーーーーーーーー

    ダズ「…ちっ。」

    ダズ(ここの連中はどうも気に食わん、綺麗事ばかりだ。)

    ダズは少し離れた森でタバコをふかしていた。

    ガサッ

    ダズ「ん?誰だ、誰かいるのか?」


    ダズ「う、うわぁぁぁ!!」

    ーーーーーーーーーーーー

    アルミン「ジャン、ミカサ!急げ、ウォーカーだ!」

    事を終え、すっかり寝入ってしまいそうな二人は喧騒で叩き起こされた。

    ジャン「何だと?!」

    アルミン「急いで荷物をまとめろ、囲まれつつある!」




    コニー「よっしゃ、出番だ!…うぉっ!」

    反動が思ったよりも大きく、思わず後ろに転がる。

    アニ「ち、そんなもん使うから…」

    ジャン「アニ!」

    アニ「遅かったね。フランツ達が準備してる。それまでの辛抱だ。」

    ジャン「辛抱って…そんな悠長なこと言ってられる数かよ?!」

    まだ距離はあったが、かなりの数のウォーカーが見える。


    ダダダダ!

    ダズ「おらぁぁ!どんどん来やがれ!」

    後方ではダズがウージーを乱射していた。

    ジャン「あの馬鹿、どっからあんなもん!」

    アニ「まずい、止めるんだ!あっという間に囲まれるよ!」


    ダズ「はっはっは!のろま共がぁ!!」

    倒れるウォーカーを見て、満足げに笑うダズだったが、すぐに起き上がるその様を見て一気に顔が真っ青になった。

    ダズ「お、おお、何だってんだこいつら…!」

    クリスタ「ダズ!」

    ダズ「来るな、来るんじゃねぇ!」

    クリスタ「きゃあ!えっ…!」

    事もあろうか、駆け寄ってきた
    クリスタを盾に自分はそそくさと逃げ出した。


    ガァ、ギアァァッ!

    クリスタ「い、いやぁ!!!」

    タンッ!

    ジャン「ったく、あの豚野郎!!立て、行くぞ!」

    クリスタ「ジャン…」



    フランツ「ハンナ!もう荷物はいい、早く乗って!」

    ハンナ「待って、指輪が、指輪がどこにも…き、きゃぁぁあ!!」

    フランツ「ハンナ!!」

    あっという間にウォーカーに囲まれてしまった。

    フランツ「うおぉぉ!ハンナから離れろ!!」

    タンッ、タタンッ!

    ハンナ「ぎ、ぎぃあ、ああっ、痛い痛い!助けてフランツ!あ、あぁぁぁぁ!!!」

    フランツ「ハンナ、ハンナァァー!!」

    チュン!

    フランツ「ぐあっ!」

    目の前の残酷な惨劇に手元が狂い、自らの足を射抜いてしまう。

    アルミン「フランツ!立てるか、掴まれ!」

    フランツ「嫌だ、ハンナが!ハンナが!!」

    アルミン「ハンナはもう死んだ!彼女に報いたいのなら君は生きろ!!」
  31. 31 : : 2015/01/22(木) 21:22:02
    ミーナ「ジャン、クリスタ、早く!」

    ジャン「俺らが最後か?ハンナは?!」

    アルミンが首を横に降る。

    ジャン「何てこった…」



    ダズ「ま、待て。置いていくな。」

    クリスタ「ダズ!!」

    ジャン「お前、その腕は!」

    ダズ「ち、違う!木に引っ掛けただけだ!」

    ミカサ「ともかく今は逃げるのが先決。アルミン、出して。」

    必要最低限の物資だけを収容し、ジャンの車も残してキャンピングカーはその場を後にした。

    ーーーーーーーー

    コニー「どこに行けばいいってんだよ!」

    ジャン「こうなったら行くしかねぇだろ。その救助センターってやつによ。」

    フランツ「う、うぅ…ハンナ…」

    ダズ「ちっ、めそめそ泣きやがって!」

    ミーナ「ちょっと!ハンナが死んだのに…」

    ドガッ!

    アニ「いい加減にしな。外に放り出すよ。」

    アニが椅子を蹴りあげ、ダズを黙らせた。



    アルミン「見えたぞ!アレだ!」

    とてもりっぱとはいえない建造物が見えてきた。

    コニー「おい、中にも奴らがいるかもしれないぞ!」

    ジャン「周りを良く見ろ!外よかマシだ!」

    市街地には多くのウォーカーが集まっていた。



    ジャン「コニー!手伝え、シャッターを閉めろ!」

    ゲートの手前で車を降りると、ジャンは後退しながら射撃を始めた。

    タンッ、タタンッ!

    ジャン(長くは保たんぞ…!)

    ジャン「まだかよ?!」

    コニー「えっーと…よし!電源が入った!」

    返答と同時に下り坂を滑り降りる。

    ガァッ!
    ガシャアァァ!!

    コニー「うぉっ!やべぇんじゃねぇか、これ!」

    次々と飛びついたウォーカーが、シャッターを揺らす。

    ジャン「下手に刺激するとまずいな…」

    一旦は銃を構えた二人だったが、すぐに地下へと降りていった。




    ミカサ「ジャン!」

    ジャン「みんな無事か?!」

    全員の無事を確認する。電灯はついていたが、地下駐車場は不気味な静けさに満ちていた。

    アニ「とりあえずこの階にはウォーカーは見当たらない。」

    アルミン「だけど上はわからないね…」

    ジャン「しかし進むしかないな。」

    フランツはまだしも、ダズはかなりの深手だった。

    コニー「よし、このくらいの鍵ならすぐに開くぜ。」

    未知の扉の先を、一行は進んでいった。
  32. 32 : : 2015/01/22(木) 21:33:19


    それからダズが噛まれたのを隠していたこと。
    3日後にウォーカーがなだれ込んできたこと。
    脱出した先で、エレンやライナー達と合流したこと。


    オレンジの夕日に照らされた一つの影が、のろのろと重い足取りで歩き出す。

    アニ「色々あったけど、少なくとも私は変わっちゃいない。アンタは?」

    返答は、ない。

    アニ「はっ。今思い返すとアンタとは腐れ縁だったね。」

    しかし返答は、ない。

    アニ「だけど、死んじまったら何も意味がないんだよ。」

    影は一つ。故に返答は、ない。













    「…勝手に殺すんじゃねぇよ。」

    影がピクリと動いた。アニの肩の上で。

    アニ「そんだけ軽口叩けりゃ大丈夫だね。無茶するから、そんな高熱出すんだ。柄でもない。」

    ジャン「お前を助けたからだろうが。相変わらず口の減らねぇ女だ。」

    影は、孤独ではなかった。
    影はゆっくりと二つになった。
    そして二人は陽の当たる場所を求めて歩き出す。


    season2 ep5 end





    次回予告

    「失ったのはお前だけじゃないんだ。」

    「さぁ?数えてる暇なんかないからね。」

    「最後に、俺に何を言いたかったんだ?」

    season3 ep1 極寒の地にて
  33. 33 : : 2015/01/22(木) 21:37:13
    ようやくシーズン2も終わりました。
    最後駆け足でしたが、いかかでしたか?
    さて、シーズン3は大きく物語が動き出します。キャラも次々と登場します。

    感想などよろしくお願いします。
  34. 34 : : 2015/01/22(木) 21:46:40
    ぴーやさん

    お待たせしました!
    次作もよろしくお願いします!
  35. 35 : : 2015/01/23(金) 10:21:28
    いつもドキドキワクワクの連続です!
    最高です!楽しみー!!
  36. 37 : : 2015/01/28(水) 00:31:47
    次作です。
    http://www.ssnote.net/archives/30842

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著者情報
kazumax

ジョン@四聖剣とは虚名にあらず

@kazumax

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