このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
進撃のウォーキングデッド season2 ep4 かすかな希望
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- 1 : 2014/10/26(日) 18:36:44 :
- season2 ep3 の続きです。http://www.ssnote.net/archives/21318
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- 2 : 2014/10/26(日) 23:14:33 :
- 待ってました!
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- 3 : 2014/10/26(日) 23:15:27 :
- 期待だよっヽ(´o`;バシっ
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- 4 : 2014/10/27(月) 02:56:01 :
- ウォーキングデッド知ってるですか?
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- 5 : 2014/10/31(金) 20:36:22 :
- 待ってました!期待です!
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- 6 : 2014/11/04(火) 17:10:44 :
- 期待!
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- 7 : 2014/11/10(月) 17:24:17 :
- 皆さん!お待たせしました投下します!!
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- 8 : 2014/11/10(月) 18:08:41 :
- エレンが一行のリーダーとなってから3日が過ぎていた。
ここに来た理由を忘れてはいけない。
そう、船だ。
ユミルを馬小屋でつかまえた。ハンエスでは取り合ってもらえなさそうだったからだ。
ユミル「船だって?」
エレン「ああ。」
ユミル「それは親父が使っているような小型ボートじゃなくて、移動用のって事か?」
エレン「そうだ、俺たちは元々それを求めて南下してきたんだ。
ユミルはしばらく考え込んだ後、口を開いた。
ユミル「…難しいな。ここいらの連中はこぞってそれで逃げ出したからな。でも、州立記念公園ならまだ残ってるかもしれない。」
エレン「遠いのか?」
ユミル「車で片道2時間ってとこだ。だが、やめたほうがいい。あっちは都心部に近いから、奴等がウヨウヨいると思うぞ。」
エレン「だが船がある可能性があるんだろ?」
ユミル「あ、あぁ。まぁ、違いねぇけど。」
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エレンは一行をキャンプに集めた。
ベルトルト「つまり、偵察と待機の2つに分けるってことだね?」
エレン「そうだ。今回はあくまで偵察だから、船があるか、動かせるかの確認だけでいい。」
アニ「仮に船があったとしても行き先は?おそらくアメリカ大陸はもうどこも同じような状態だろ?」
クリスタ「でも行動範囲は広がるよね。少なくとも、移動中にウォーカーに襲われる心配は無くなるんじゃない?」
ライナー「そうだな。クリスタの言う通りだ。」
すんなり案がまとまった。アルミンやジャンも特に不服ではなさそうだ。
エレン「こっちは少数でいい。俺を含めて4人もいれば。むしろ不在の間に何かあったらまずいからな。」
ベルトルト「なら僕が行こう。船舶免許を持っているから。」
コニー「ベルトルトって意外と有能だよな。」
アニ「こんなんでも一部隊を預かる中尉殿だからね。」
ベルトルト「はは…」
話し合いの結果、ベルトルトとコニーが同行することとなった。
エレン「ライナー。留守の間は頼む。…特にアルミンは最近おかしい。それに船の当てが無かった時は身動きがとれなくなる。そうなったら…」
ライナー「任せろ、ハンネスとはうまくやっておく。」
エレン「すまないな、面倒なことばかり任せて。」
ライナー「何を言うんだ。お前は俺たちのリーダーなんだから、もっと堂々としていればいいんだよ。」
エレンの肩に手を回す。
一時期はどうなることかと思ったが、この男は本当に頼りになる。
ライナー「そういえば、道はわかるのか?大通りを避けていくから、かなり複雑な道を行くんだろ?」
エレン「あぁ、それなんだが…」
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ハンネス「何度も言わせるな、くどいぞ。」
ユミル「なぁ親父。よく考えてみろ。船が見つかれば、あいつらはここから出て行く。それが親父にとっても一番良いんじゃないのか?」
ハンネス「…娘をむざむざ危険に晒す親がどこにいる。」
ユミル「今回は下見だから大丈夫だって。」
ハンネス「あの坊主頭がそんなにいいのか?あんな不真面目な…」
ユミル「コニーは関係ねぇよ。」
しばらくの沈黙の後、ハンネスが切り出した。
ハンネス「危なくなったら見捨ててでも戻って来い。それが条件だ。」
ユミル「よし、決まりだな。」
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ユミル「という訳で私も同行する。」
エレン「そういう訳なんだ。」
ライナー「なるほど。コニーとはうまくいっているのか?」
ユミル「うるせぇよゴリラ。あんたこそクリスタにずいぶん熱心じゃねぇか。」
ライナー「な、何のことだ。知らんな。」
この3日間ライナーとクリスタは常に一緒に行動していた。
エレン「…あー。昼過ぎには出発するからな。それまでには準備をすませてくれ。」
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- 9 : 2014/11/25(火) 03:23:03 :
- ウォーキングデッド僕も好きなので期待してます
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- 10 : 2014/11/26(水) 15:49:15 :
- 名無しさん
コメントありがとうございます!
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- 11 : 2014/11/26(水) 16:16:00 :
- コニー「ハンネス、ロープって借りれるか?」
ハンネス「倉庫にいくらでもある。…他に必要なものがあれば勝手に持っていけ。」
コニー「サンキュー。」
ガシッ
コニーの頭はわしづかみにされていた。
ハンネス「いいか坊主頭。俺の娘に何かあったら、その頭をブチ抜いてやるからな。」
コニー「…は、はい。くれぐれも気をつけます…」
一方、エレンはジャンをミカサが横になっている寝室に呼び出した。
エレン「…こうして三人だけで話すのは久々だな。」
ジャン「そうだな。まるであの頃に戻ったみたいだ。」
どこか関心なさそうにジャンがぼやく。
エレン「あの事件の後もこうやって話したよな。LAから出ようって。」
ミカサ「エレン。昔話がしたかった訳ではないでしょ?本題に入って。」
エレン「あ、あぁ。その…はっきりさせておこうと思って。後ろめたいことがないように。俺たち三人の関係を…俺たちは」
ジャン「15年来の腐れ縁だ。お前とミカサは夫婦。そして俺はお人好しの良き理解者。」
踏み出せないエレンにため息をつき、ジャンが切り出した。
ミカサ「ジャン…」
エレン「お前…」
ジャン「他人ばかりを気にするのはお前の昔っからの悪い癖だな。なんだかんだ理由をつけて、一番吹っ切れてないのはお前自身じゃないのか?」
俺はもう吹っ切った、と付け足す。
あぁ、その通りだな。本当に。
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エレン「じゃあ、留守は任せた。」
クリスタ「みんな、気をつけてね。」
ベルトルト「往復で6時間かからないから、日が暮れる前には戻るよ。」
ライナー「しっかり働けよ、コニー。」
コニー「うるせぇ、お前は俺の母ちゃんか!」
アニキノツモリダガ?ハァ?
エレンは何も言わず木に寄りかかるジャンに目で訴えかけた。ジャンも愛想のない会釈でそれを返す。
ミカサ(エレン…どうか無事で。)
窓越しから見送る眼差しはどこか寂しげだった。
ミカサ(わたしも、いい加減吹っ切れないとね。)
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- 12 : 2014/11/26(水) 17:02:12 :
- ライナー「よっと。」
積み上げた干し草を馬に宛がっていく。田舎の何てことない生活に見えるが、生き物と触れ合うこと自体が新鮮なのだ。
ライナー「こんなもんか?一通り終わったぞ。」
ハンネス「十分だ。助かる。」
ライナー「俺は生まれも育ちもアトランタの都心部でな。こういう経験は一度もしないもんだと思ってた。」
ハンネス「この辺りは集落も多い。人も昔はそれなりに住んでいた。だが皮肉だな。怪異が起きて、我先にと都心に逃げた連中は恐らく死んだ。未練がましく残った俺達だけが生き残るとは。」
ライナー「俺も運が良かった。都心部に配置された部隊は全滅した。なぁ、アンタはこれが神の意思だと思うか?」
その言葉を聞いて、シャツのボタンをいくつかはずすとロザリオをつまみ上げた。
ハンネス「この世のすべてがそうだと思っている。自然、生命、天候、全てだ。」
ライナー「…そうか。だったら俺たちの天命はいつだ?」
ハンネス「…何が言いたいんだ?」
ライナー「ミカサも直に回復する。だがお目当ての船が見つからなかった場合、行く宛てがない。この漁村は特殊だ、唯一ウォーカーを寄せ付けない。できればこのまま置いて欲しい。」
ハンネス「…見た所アンタやエレンは悪人ではない。話もわかる。だがな、よそ者は受け入れない主義なんだ。」
ライナー「言いたい事はよくわかる。主義主張を変えろと言うつもりはない。ルールには従う。」
しつこいと言わんばかりにハンネスは首を横に振った。
ハンネス「…ここに少しでも長くいたいのなら厄介ごとを持ち込まんことだ。」
去り際にそう呟いた。
ジャン「ライナー。ちょっといいか?」
ライナー「ん?」
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ライナー「米俵の数が足りない?」
ジャン「朝ハンネスに言われてチェックした時よりも明らかに減っている。確実に2つ3つは足りない。」
ハンネスの心証を少しでも良くしようと昨日から生活の手伝いをライナー発案で始めていた。ジャンが率先して動いてくれたのは意外であったが。
ライナー「流石にちょろまかすようなやつは俺らの中にはいないぞ。」
ジャン「だから問題なんだ。俺らじゃないとしたら外部の仕業だ。俺達以外にも、人が近くにいるってことになる。」
ライナー「なんだと?そいつはまずいな…」
ジャン「思い過ごしであれば一番だけどよ、念のため調べに行った方がいいと思ってな。」
ライナー「そうだな…この件は俺に任せてくれないか。」
ジャン「おいおい。そんなに俺は信用されてないのか?クリスタの時の事は悪かったって…」
両手をオーバーに広げてみせるジャンに真剣な顔で伝える。
ライナー「違うそんなんじゃない。アルミンのことだ。極力一人にさせたくないんだ。最近の変わりぶりはお前も知っているだろ?何をしでかすかわからない。」
ジャン「まぁ、そう言われりゃ。だがよ、そんなに気にする事か?」
ライナー「お前が一番良く思われてないんだぞ。お前を見るときのアルミンの視線、ありゃ仲間を見る目じゃない。仲間を疑いたくないが、一人のときはくれぐれも注意しろよ。」
ジャン「…あぁ、わかったよ。ただ何かわかったら俺にも知らせてくれ。」
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- 13 : 2014/11/26(水) 18:03:03 :
- 当のアルミンはキャンプですぐに捕まえた。
アルミン「なるほど、それは確かめるべきだね。」
アルミンは二つ返事でOKを出した。
ライナー「ハンネスには言っていない。余計に疑われるだけだからな。」
アルミン「そうだね、他のみんなにも伝える必要はない。僕らだけで行こう。」
備蓄庫の裏側は険しい森になっていて、地面の高低差も激しい。ウォーカーはもとより、人間であってもそう簡単に行き来できるとは思えなかった。
だが悩みの根は早めに摘んでおきたい。エレンがいないこの状況下では。
ライナー「見ろ足跡だ。しかも最近のものだな。」
アルミン「よく見分けがつくね。僕にはさっぱりだよ。」
足跡をたどり、茂みの中にはいっていく。
ライナー(俺もエレンも考えすぎか…?いつも通りのアルミンじゃないか。)
ライナー「ウォーカーではない可能性が高いな。」
アルミン「やつらは群れる習性がある。油断せずに行こう。」
ライナー「なぁ…アルミン。お前何かあったのか?何かあったらいつでも言ってくれよ。お前の知識と経験にはみんな助けられてるんだ。」
アルミン「…」
アルミン「ねぇ、君は身近に危険がある時どう対応する?」
ライナー「俺か?…そうだな、まず確かめる。できれば力は行使したくない。ウォーカーは別だがな。」
ライナー「…アルミン、お前は?」
!!
言いかけた直後に人の気配を感じた。この木々の向こうに誰かがいる。ライナーは警戒して身を屈めたが、アルミンは構わず進んでいった。
ライナー「おい、待て!!」
ザッ、ザッ、ザッ。ジャキ。
まるでそこに人がいることをわかっているかのように銃を構えた。
「!!ま、待ってくれ!!撃つな、俺は人間だ!」
アルミン「そんなことは見ればわかるよ。君はただ僕の質問に答えればいい。漁村から米俵を盗んだのは君だね?」
「な、何の話だ?知らない、何もやってないんだ!!」
ライナー「アルミン、一旦銃を下ろせ!」
ライナーが思わず駆け寄るが、銃はしっかりと青年に向けられていた。
アルミン「もう一度言う。盗んだのは君か?」
「知らない…俺じゃない!!」
アルミン「……」
パァァッン!
乾いた音が辺りに響いた。
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- 14 : 2014/12/02(火) 15:28:07 :
- ライナー「なっ…!」
男は即死だった。
ライナー「おいアルミン!!どういうことだ?!」
アルミン「テントの裏を見てごらん。」
視線を向けると米俵がのぞいていた。
アルミン「盗んだのは彼だったんだ。」
ライナー「だとしてもだ!弁明くらい聞いてやっても…!」
アルミン「無駄だよ。あれはどうしようもないゲスの顔だ。その場だけ懸命にとりつくろって、後から尻尾を出す。そういう人間だ。」
そう冷徹に言い放った男は、最早ライナーが知るアルミンではなかった。
ライナー「…お前…」
アルミン「僕ならどうするかって話だったね。危険は即排除する。容赦はしないよ。」
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ジャン「なぁ。」
ジャン「お前俺のことが嫌いじゃなかったのか?不思議なんだがな、どうも。」
アニは相変わらず銃の整備をしながら答えた。
アニ「人間としてはね。反吐が出るくらい気に食わない。」
ジャン「そこまで言うか普通…」
アニ「…でも男としては」
アニ「いつまでも引きずらずに、身を引く姿勢は嫌いじゃない。」
ジャン「…あ?…!」
そっとアニが寄りかかってきた。
ジャン「…そりゃ誘ってるのか?」
アニ「あんたの好きなようにとればいい。」
ジャン「…後悔すんなよ。」
アニ「まさか。私も寂しいんだ。」
2人は草むらに倒れた。全てを吐き出すように、激しく情熱的に絡み合った。
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- 15 : 2014/12/02(火) 16:04:05 :
- ユミル「見えたぞ。あれが記念公園だ。」
車を走らせること2時間強。ウォーカーとの遭遇を避ける為に、一本はずれた道を走行した。
公園というよりは、港といった方がしっくりくるだろう。
観光客向けの古いダイビングやボートの看板が嫌に目に付く。
エレン「気をつけろよ。これだけの広さだ、いつウォーカーに出くわしてもおかしくない。」
ベルトルト「車は脇道に止めておこう。何かあった時に対応しやすいように。」
まっ先に車を降りたユミルはコニーを伴って下見に出た。
ユミル「どこかしこもカギがかかってる。面倒だな。」
コニー「まずはカギか?そうなると…管理室を目指せばいいのか。」
地図を広げウンウンと悩む。
ユミル「そんなもん無くても大体見当はつく。この辺りは悪さやってた時に、さんざん回ったからな。」
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下見から戻ったユミルが提示した案は簡単なものであった。
行動は必ず4人で。管理室でカギを入手してから船の保管庫に入る。
エレン「先頭は俺とユミル、無駄な発砲は避けろ。邪魔にならなければ奴らの相手をする必要はない。」
ユミル「なるべく迂回するが、一度大通りに出なきゃいけない。私の指示には最優先で従ってくれ。」
公園に入ると早速おかしなものに出くわした。
電柱に首輪で繋がれているウォーカーだ。明らかに人為的なそれは、誰の目から見ても明らかだった。やせ細っていて、首輪がなかったとしても、とても歩ける状態ではない。
ベルトルト「…酷いことを。餓死かな。きっと転移する前からこの状態だったんだろう。」
ユミル「命を弄ぶような行為は許されることじゃない。…世界が壊れてもそれだけは変わらないんだ。」
せめてもの慈悲か、ユミルがナイフでとどめをさした。
管理室へはさほど時間をかけずにたどり着いた。障害というと、進路をふさいでいたウォーカーを二体ほど片づけたのみであった。
エレン「何かうまくいきすぎてる気がするな…」
ベルトルト「エレンもそう思う?僕も嫌な予感がするんだ。」
思ったよりもトントン拍子で事が進んでいるのはむしろ喜ばしいことであった。しかしこの状況ではそれすらも恐ろしい。
ユミル「そのカギだ、ベルトルさん。保管庫はもう少し先だ。」
コニー「入口からどんどん離れていくなー。何にもなきゃいいけど…」
コニー「ん?」
エレン「どうした?」
コニー「…いや、何でもない。」
エレン「?変なやつだな、行くぞ。」
ベルトルト「…」
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その頃、漁村ではミカサとクリスタがキッチンを借りて料理をしていた。きっかけはミカサの一言だった。
ミカサ「何か、私たちにできることはないだろうか。」
ハンネスには恩義がある。ミカサは撃たれたことを全く根に持っていなかった。
最初は無用な接触を避けているハンネスが関わりを持つことを渋ったが、撃った相手の頼みとなれば無為に断るわけにはいかなかった。
ミカサ「今の私たちにできることは、ハンネスとの距離を少しでも縮めること。ご都合主義みたいな感じがして、本当は嫌なのだけど。」
要は料理でもてなしたいとのことだった。
常人ならばまだ起き上がることも難しいのだが、ミカサの回復力には誰もが舌を巻いていた。
クリスタ「せめて座って作業してよ。まだ安静にしてなきゃ。」
ミカサ「自分の体のことはよくわかる。もう、平気。」
ミカサ「それより、あなたは変わった。」
クリスタ「え?」
ミカサ「はっきりと物事が言えるようになった。以前に比べて。」
クリスタ「長く一緒にいると、性格とか移るのかもね。」
視線の先にはライナーがいた。
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- 16 : 2014/12/02(火) 16:13:01 :
- ライナー「そのあと死体は埋葬して、米俵は元に戻した。」
ジャン「…何だって?」
ライナー「このことをみんなに話すべきか…」
ジャン「やめておけ、混乱が広まるだけだ。しかしアルミンがそこまでするとはな。」
ライナー「常識を逸脱している。あれは壊れた人間のやることだ。」
興奮気味に両手を広げる。
ジャン「おい落ち着けって。エレンが戻ってきたら話そう。それまでは見張るくらいしかできねぇだろう。」
ライナー「…そうだな。せっかくミカサ達がハンネスと交流をとってくれている。台無しにするようなことが起きなきゃいいんだが…」
アルミンはキャンピンカーに閉じこもっていた。読書をする彼は至って普通に見えるが、時折急に首をかしげたり、一人言か何かをばやいたりしている。
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- 17 : 2014/12/07(日) 14:51:35 :
- グループを作りました。気軽に来て下さい。
http://www.ssnote.net/groups/1051
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- 18 : 2014/12/14(日) 18:09:08 :
- 保管庫までの道のりはスムーズにいった。懸念されていたウォーカーも、進路を塞いでいた二体を難なく片付けただけであった。
ユミル「うぉっ…立派なもんだな。しかし動くのかこれ。」
サイズは言うことなしだったが、多少年季が入っているように思われた。少なくとも数年動かした形跡がない。
ベルトルト「中に入ってエンジンを見てくる。コニー、手を貸して。」
ベルトルトはハンネスから借りた機材を取り出すと、コニーを伴って船の中に消えていった。
エレン「なぁ、聞いてもいいか?」
ユミル「質問の内容によるな。」
エレン「ハンネスの俺たちに対する態度がどうも気にかかってな。何というか、必要以上に余所者を毛嫌いしてるっていうか…」
ユミルは目を細めた。
ユミル「…昔ちょっとな。詳しくは親父に聞くといい。」
やはり。何かを隠している。
ベルトルト「ダメだ、駆動系がショートしている。直せない訳じゃないけど、かなり時間がかかるよ。少なくとも僕らだけじゃ無理だ。」
エレン「そうか。ま、確認できただけでも御の字だな。一旦戻るか。」
ベルトルト「…」
ガッ!
ユミル「おい?どうしたんだベルトルさん。」
ベルトルト「そうやっていつも君は上から目線だ。僕はそれがずっと気に食わなかった。」
エレン「お、おい。急に何だよ。」
ベルトルト「ちょうどいい機会だ。ライナー達もいない邪魔は入らないだろう。」
ドガッ!
突如エレンに殴りかかった。
エレン「ぐっ!!」
コニー「どうしたってんだよ!!やめろベルトルト!」
コニーの静止を振り切り拳を続けざまに振るう。
ベルトルト(……)
エレン「?!…そうか、やろうってんだな。腰ぎんちゃく野郎が!」
突然の事に熱くなったのか、エレンも殴り返す。
ベルトルト「上等だよ!うおぉぉぉ!」
エレンの腹部にタックルをかまし、勢い余って二人は外に飛び出した。
ユミル「馬鹿が…!あの二人相当熱くなってやがる。止めるぞ!」
コニー「お、おう。…は?!」
しかし外に出た二人が目にしたものは、瞬時に理解ができないものだった
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- 19 : 2014/12/14(日) 18:41:00 :
- ベルトルト「動くな、大人しくするんだ。」
エレン「くそ…いつからだ?」
二人の男がベルトルトとエレンに拘束されていた。
コニー「ど、どういうことだよこれ!!」
ベルトルト「僕らは後をつけられていたんだ。おそらく管理室辺りからね。」
エレン「とりあえず中に入ろう。話はそれからだ。」
ベルトルト「ああ。思い切り殴って悪かった。ああでもしないと不意をつけないと思って。」
エレン「全くだよ。かなり効いたぜ…」
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二人の男は両手を縛られ正座させられていた。
ベルトルト「…さて。後をつけまわした理由は?」
「生きてる人間を久々に見たんだ。話しかけようとしただけだ。」
「なぁあんた達一旦戻るって言ってたが、どこか隠れ家があるのか?」
ベルトルト「銃を構えていたのに?脅すの間違いじゃないか?その質問には答えるつもりはないよ。」
ベルトルト(どうするエレン。今ハンネスのところに厄介ごとを持ち込む訳には・・・)
エレン「ベルトルト、こいつらをあの柱に縛り付けてくれ。」
「お、おい!ちょっと待ってくれ!」
「見殺しにするのか?!」
二人は次々に嘆願の声を上げる。
コニー「おい!いくら何でもそれは…!」
ベルトルト「黙ってろコニー!忘れたのか、リーダーはエレンだ。」
数分後二人は布で口を塞がれ、柱にロープで縛り付けられた。
コニー「…」
ユミル「何してんだ、行くぞ。」
コニー「あ、あぁ。」
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帰りの車内は重い空気が漂っていた。
エレン「…なぁベルトルト。俺は間違っていたと思うか?もっと他にやり方があったのかな…」
ベルトルト「いや、君の判断は正しかった。僕も多分同じ事をしたよ。」
コニー「でもさ。流石に酷くないか?同じ人間だぞ?」
ユミル「何を持って同じ人間ってわかるんだ?ましてや会って数分の、何も知らない相手だぞ。」
コニー「それは…そうだけどよ…」
ベルトルト「手は緩めに縛ってある。時間をかければ、自力でほどけるよ。漁村までつけられる訳にはいかないからね。」
エレン「…」
ベルトルト「エレン?君が気に病むことはない。」
この世界では想定ができた事態。しかし善悪がつけられるだろうか。だがエレンとコニーはもやもやしたものを胸に抱えていた。
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- 20 : 2014/12/14(日) 21:06:47 :
- ミカサ「どう?」
ハンネス「…ああ。うまいな。」
自分のためにとわざわざ作ってくれた料理だ。食べないわけにはいかないと、渋々口にするが表情は一変して穏やかなものに変わった。
クリスタ「良かった。大したものができなかったけど…」
ハンネス「そんなことはない。料理なんて妻にまかせっきりだったからな。暖かみのこもった味だ。」
バタン!
ライナー「みんな!エレンが戻ったぞ!」
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ライナー「それで肝心のものはどうだったんだ?」
ベルトルト「残念ながらなかったよ。もぬけの殻だった。」
コニー(…)
ジャン「マジかよ…八方塞がりだな。」
エレン「あぁ、とんだ無駄足になっちまった。ハンネスはどこだ?」
ミカサ「リビングにいる。」
エレン「なんとか置いてくれるように話さなきゃな。」
エレンは早足で向かった。
ライナー「なぁベルトルト。何かあったのか?」
ベルルト「…何も。ウォーカーにも大して出くわさなかった
。問題ないよ。」
ライナー「ならいいんだが…」
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エレン「船はなかった。もう行くあてもない。」
ハンネス「くどいぞ。嬢ちゃんが回復するまでの約束だ。」
エレン「来た道は戻れない。ウォーカーが溢れてる。」
ハンネス「戻れとは言わない。どこにでも行けばいい、ここではないどこかにな。」
ハンネスはそう言うと食器を片付け始めた。
エレン「あんた…良心はないのか?俺たちなんてどうなってもいいって思ってるのか?」
ハンネス「そうだ、余所者だからな。」
エレン「そう、俺たちは余所者だ。そしてこれまでもその余所者を大勢見捨ててきた。…そうだろ?」
ハンネス「…」
エレン「そうして自分たちだけが生き長らえてきた。当然だよな、ここはアンタの土地だ。そうする権利がある。」
エレン「だが聞かせてくれ。なぜ余所者をそんなに嫌う。」
ハンネスは一瞬何かを考え、キッチンの脇にある写真たてをとった。
そこには三人の家族が移っていた。笑顔に溢れていて、今のハンネスからは想像もつかない。
ハンネス「…五年前、まだ怪異が起きるずっと前だ。この集落も人がそれなりにいて、活気に溢れていた。」
ハンネス「元々都会から離れていたこの村は争いとは無縁だった。近所の顔はみんな知っているからな。だがあの日…」
エレン「あの日?」
ハンネス「二人の流れ者がやってきた。村の入り口までたどりついた時にはすでにボロボロだった。身なりや顔つきに引っかかるものがあって、私は受け入れることを反対したんだ。しかし妻は違った。どんな者であれ、救うべきだと。結局それに押されるように村人の意見も統一されてな。」
頬杖をつく手がかすかに震えていた。
ハンネス「意見の不一致というつまらないことで妻と喧嘩をした。今もまだ後悔している。腹を立てた私はしばらく口も利かなかった。数日立つと二人はすっかり回復したようで、村人と馴染んでいった。そのうち出て行くだろう。その時はそう思ったんだ。」
ハンネス「…その日は大雨だった。二人がささやかなお礼でもてなしたいと、皆を集会所に集めた。私だけがそこに行かなかったんだ。」
エレン「ユミルは?」
ハンネス「反抗期ってやつだ、家にはほとんどいなかった。この日も夜から帰ってこなかった。」
ハンネス「私は無意識にテレビをつけた。するとあの二人に良く似た男が、指名手配されていることに気づいた。慌ててライフルを片手に集会所に向かったが、途中悲鳴が響いた。」
エレン「そんな…まさか…」
ハンネス「扉を開けると、むせかえるほどの血の匂いに思わず吐きそうになった。村人は皆殺しだったよ。そして奥に進んで見たものは、必死に懇願する妻を笑いながら撃ち殺す男たちの姿だった。」
それを聞き、エレンは全てを理解した。
ハンネス「気づいた時にはライフルを乱射していた、二人はミンチになっていたよ。ユミルが帰ってきたところに偶然出くわしたらしく、警察を呼んでいてその後はご想像通りだ。」
エレン「じゃあこの村に住民がいないのも…」
ハンネス「そうだ。皆怪異が起きて逃げ出したんじゃない。生き残りが私とユミルだけだからな。」
エレン「そんな…五年も二人だなんて…」
ハンネス「この村を壊したのも、妻を奪っていったのも、全て余所者なんだ。わかったら今日は一人にさせてくれ。誰とも話したくない。」
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- 21 : 2014/12/14(日) 21:31:10 :
- エレンが出て行った後、入れ替わるようにユミルが入ってきた。
ユミル「話したんだな。」
ハンネス「ああ…。」
ユミル「なぁ親父。私を更生させてくれたことは感謝している。今も、これからも、ずっとだ。」
ユミル「でもさ、あいつらを信じて見ないか?母さんが良く言ってたよな、どんな者であれ救うべきだって。」
ハンネス「…」
ユミル「いいやつらだ。反吐が出るほどの善人だよ。自分たちの希望を、ここに迷惑かけるわけにはいかないってむざむざ捨てるほどのな。」
ユミル「もし母さんが生きていたら、どうするんだろうな…言いたいことはそんだけだ。今日は疲れた、もう寝る。」
ユミルは二階に上がっていった。
ハンネス「…」
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エレン「…何だって。アルミンが?」
ライナー「ああ、正気の沙汰とは思えん。」
ジャン「今話したことは俺ら以外は知らない。口外禁止だぞ。」
戻ったエレンに二人は今朝のことを打ち明けた。
エレン「確かにこの間の話し合いの時といい、様子はおかしかったな。」
ライナー「だろ?皆といるときはいたって普通なんだが。」
ジャン「一人にさせるのはよくないって、なるべく目の届く場所にはいるつもりだがな…」
エレン「少しそっとしておこう。無論俺も気にするようにする。」
ジャン「リーダーはお前だ。任せる。」
ジャンはそそくさとジープの方に向かっていった。
ライナー「あいつ最近アニとよくいるんだ。孤立気味だったから安心したよ。」
ふと目をやると確かに親密そうに話している。もう彼が自分で言ったとおり、吹っ切ったのであろう。
エレン「兄貴としては複雑なんじゃないのか?」
ライナー「馬鹿言え。もうお互い大人だ、そういうことは本人に任せるさ。」
ライナー「…それと、ベルトルトにも聞いたが記念公園ではほんとに何もなかったんだな?」
急に顔つきが変わった。
エレン「…ああ。」
ライナー「本当だな?」
エレン「しつこいな、何だよ?」
じっとエレンを見据えていたが、いつもの快活な笑顔に戻った。
ライナー「いやぁ、すまんすまん。ならいいんだ。」
そう言うとクリスタの方に向かって歩いていった。
エレン(…きちんとはなすべきだろうか、みんなに。)
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- 22 : 2014/12/15(月) 13:06:46 :
- 期待です!!
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- 23 : 2014/12/19(金) 20:28:42 :
- 面白いです!!!!
期待!!!
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- 24 : 2014/12/20(土) 06:02:11 :
- FOXさん
進撃のMGSさん
コメントありがとうございます!シーズン2も残すところあと少しですが、最後までお付き合い下さいませ。
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- 25 : 2014/12/26(金) 20:55:04 :
- 「動くな!銃を捨てろ!」
「ハッ、どの口が言いやがる!こっちには人質がいんだぞ!」
「おいエレン…どうする、どっちを選ぶんだ?」
ーーーーーーーーーーーー
〜エレン達が戻って二日後〜
クリスタ「アニ、悪いんだけど水を汲んできてくれない?」
バケツを三つほど差し出す。
アニ「あぁ、構わないよ。」
アニ「…待ちな。アンタも手伝うんだよ。」
そそくさと側を通り過ぎようとしていたベルトルトがビクッと肩を震わせた。
ベルトルト「珍しいじゃないか、君から誘うなんて。」
アニ「たまたまアンタがぬぼーっとしてたからだよ。」
ぎこちない会話のまま井戸へ向かう。
ベルトルト「…最近良くジャンといるね。」
アニ「一緒にいて気を遣わないからね。」
気を遣わない、とは自分に対する当て付けだろうか。ライナーと違って、ベルトルトはあまりジャンのことを良く思っていなかった。
ベルトルト(人が良すぎるんだよ、ライナーは。)
アニ「私が汲むからアンタは運んで。」
ベルトルト「…えぇー。僕が運ぶの?」
バシッ!
ベルトルト「…ツ!!」
アニ「私に歩かせる気?でかい図体して、女々しいこと言ってんじゃないわよ。」
アニのローキックに思わず飛び上がったが、それと同時に思わず安心した。
ベルトルト(良かった、いつものアニだ。)
バケツが小さいためか、一度にあまり汲み上げられない。その内しゃがむのが億劫になってきた。
アニ「ん…?」
目の錯覚だろうか。一瞬数メートル向こうに人影が見えた気がした。しかし気には留めず、アニは作業を続けた。
アニ「……!」
急いで腰のホルスターに手をかける。この漁村は確かに平和だが、世界が元に戻った訳ではないのだ。
この平穏な空間に慣れすぎていた。少し前のアニならば、即座に警戒したであろう。
ジャキ。
「おっと。動くなよ。」
アニ「くっ…!」
首筋に冷たい嫌な感触。刃物だろうか。
「質問に答えろ。記念公園にいたのはお前らの連れか?」
アニ「…それが何か?」
「仲間が酷い目にあったんでな。それにしても、まだこんな場所があったとは。食料はどれ位あるんだ?」
アニ「答えるつもりはないね。」
「おいおい、あんまり調子に乗るなよ?」
男がナイフの角度を変える。
ベルトルト「?!アニから離れろ!」
戻ってきたベルトルトは事の次第に気づくと、空になったバケツを離しすぐさま銃を構えた。
「あ?兄ちゃんは状況がわかってないようだな、こいつは人質ってやつだ。」
-
- 26 : 2014/12/28(日) 02:29:35 :
- 決してそれは脅し文句ではなかった。草陰から三人の男達が出てくる。
「間違いない、コイツだ!俺はコイツにやられたんだ!」
あの時に拘束した二人組みの姿があった。
状況は更に不利。4対1で人質をとられたとなっては。
エレン達を呼ぶ手段もない、絶体絶命だ。
だが2人は訓練を受けた人間であった。
ベルトルト「…」
アニ「…」
ガシッ!
「がっ?!コイツ…!」
2人は視線で合図を送ると、反撃を開始した。
アニが一瞬の隙をつき、背後に回る。
タン、タタン!
「クソッ!」
ベルトルトの威嚇射撃に残りの三人は慌てて木に隠れる。
それを確認するとアニは腕の関節を極め、男の体を盾にした。
アニ「形成逆転だね、今の銃声を聞いて直に仲間達も来る。」
この間、わずか10秒ほどであった。
ライナー「お前ら、一体何があった!」
ライナーを筆頭に全員がやってきた。後方にユミルとハンネスの姿も見える。
コニー「何だ、どうなってんだこれ!」
エレン「あの二人は…まさかあの時の…」
ライナー「…おい、それは一体どういうことだ?」
エレン「…実は船の捜索中に出くわしてな。姿を見られた以上拘束するしかなかった。」
クリスタ「ちょっと待って、なんでそんな乱暴を…」
ジャン「そこまでしておいて跡をつけられたのか?!なんてザマだ!」
一行は紛糾した。
今回の件は詳細を知らされておらず、ライナーは説明を求め、ジャンは怒りを露わにしている。クリスタでさえも、不信の色を浮かべていた。
ハンネス「すぐに説明してくれ、どういうことなんだ?」
エレン「待ってくれ、それどころじゃない!」
ハンネス「いやそういう訳にはいかん、争いごとはたくさんだ。」
エレンはアニに駆け寄った。
アニ「こいつらも相当頭にきてる。まずは落ち着かせないと…」
エレン「おい!すぐに立ち去ってくれ!危害は加えない!」
「ふざけるな!お前らの言うことなんて信じられるか!」
「食料だってもう底をつきている、行く場所もねぇんだ!」
たちまちに怒号の返答が返ってくる。
エレン「くっ…受け入れる訳にはいかない!頼む、帰ってくれ!」
「…そうだな、そこのキャンピングカーをもらえるならいいぜ。」
アニに拘束されている男が条件を提示した。
アルミン「何だって?!待てエレン、そんな話に付き合う必要はない!」
コニー「…いや、大人しく帰ってくれるなら車の一台くらい…」
アルミン「ふざけるな!あれは僕の車だ!」
コニーの胸倉を掴み上げる。
ミカサ「落ち着いてアルミン、一回話し合いましょう。」
ライナーとコニーがベルトルトと共に男達を見張ることとなった。
ライナー「…俺は何も聞いていない。お前もエレンも嘘をついたんだな?」
ベルトルト「あの状況では仕方がなかった。ゴタゴタをここに持ち込む訳には…」
ライナー「その結果がこれだろう?お前、変わったな。」
ベルトルト「…」
-
- 27 : 2014/12/28(日) 03:06:13 :
- コニー「何事もなく、うまくいけばいいな…」
アニ「あれがないと私達も困るからね。」
「おい、それは俺たちと事を構えるってことか?」
ジャキ!
アニ「粋がるんじゃないよ。主導権はこっちにあるんだ。」
依然として男には銃が突きつけられたままであった。
コニー「もし…エレン達が条件を飲んだら?」
アニ「…その時は従うさ。」
10分後、話し合いが終わったようであった。
アルミンの納得がいってない表情からして、条件を飲むことになったようだ。
エレン「積荷は全て下ろした。銃を頭の上に上げて、ゆっくり出てこい。」
男達は素直にも木陰から出てきた。
アニ「さぁ、アンタも行くんだ。」
ジャン「妙な真似はするなよ。」
クリスタ以外の全員が銃を構えていた。
エレン「ミカサ…」
ミカサ「わかっている、少しでも変な素振りを見せれば腕を撃ち抜く。」
アルミン「…」
「約束は守る。直ぐに出て行き、アンタらには二度と関わらない。」
「おい、いいのか?もっといい条件が他に…」
アルミン「…」
スッ…
クリスタ「…え?」
パンッ!
突如アルミンが発砲した。その弾丸は、一人の男の足を捉える。
「ぎゃあああ!」
「何しやがる?!話と違うぞ?!」
ドカッ!
ジャン「てめぇ!何で撃った?!」
アルミン「アハッ…アハハハハハハハハハハハ!!」
ジャンが思わずアルミンを突き飛ばす。しかしアルミンは倒れてなお笑っていた。
「始めから生かすつもりなんてなかったんだ!やっちまえ!」
エレン「待て!誤解だ、話せばわかる!」
タン、タタンッ!!
既に銃撃戦は始まっていた。
ジャン「エレン、こうなっちまった無駄だ!撃て!」
クリスタはハンネスとユミルを避難させ、7対4の構図ができあがっていた。
憔悴しながら引き金を引くライナー、逃げ出した男の背中を撃つミカサ、狂ったように笑い続けるアルミン。
銃声と悲鳴だけがこだまし、シュールなスローモーションがエレンの眼前に展開している。
「あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
飛び込んできた男の悲愴な表情がエレンを現実に戻す。
パンッ!
撃ったのはベルトルトであった。
クリスタ「何で…何でこんなことに…」
へたり込むクリスタの目の前には地獄絵図がひろがっていた。
男達はもはや1人も息をしておらず、芝生を紅に染めている。
それを見つめる者たち。誰もが肩で息をしていて返り血を浴びている者もいる。
ライナー「他に、他に選択肢があったはずだ!人間同士争うなんて馬鹿げてる!!」
やりきれない叫びが、青空に響いた。
-
- 28 : 2014/12/28(日) 20:34:21 :
- うぉぉぉ!楽しみすぎますぅ!!!
-
- 29 : 2015/01/01(木) 17:37:07 :
- 幸いこちら側には怪我人はいなかった。
死体はは放っておけばウォーカーになる。嫌な後処理が続いていた。
ベルトルト「…ごめん。」
ライナー「俺に謝っても仕方ないぞ。早く弔ってやるんだ。」
アニ「エレンは?」
ライナー「ハンネスの所だ。今回ばかりはダメだろう。」
その向こうでは処理が済んだ死体を、ジャンとクリスタが埋葬していた。心ここにあらずのクリスタに対し、ジャンはモヤモヤしていた。
一度はエレンのやり方に従ったが、状況は悪くなっていくばかりだった。厄介事を招く体たらく、募る不信感。
しかし今一番許せないのは、アルミンの事であった。彼の奇行がなければ無事に事は済んだはずだった。
ジャン「…」
ギラついた視線は、間違いなくアルミンへと向けられていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夜になり、ジャンは納屋付近に佇んでいた。
エレンの説得も虚しく、朝にはここを出ないといけない。ただ、その前にどうしてもやらねばならないことがある。
「珍しいね、君からの呼び出しなんて。」
今回の事の元凶、アルミンが暗がりから姿を現した。
ジャン「もうわかってんだろ?呼び出された訳も、これから何をするのかも。」
アルミン「ねぇジャン。僕はどこかおかしいのかな?」
ジャン「言うまでもねぇ。トチ狂ってやがる。」
アルミン「わかってないなぁ。車を渡したら最後、奴らはまた揺すりに来ただろうさ。」
アルミンの主張は間違っていない。そんな事はわかっている。ただどうしても
殴りたかった。
ドガッ!
アルミン「ッ!!さすがは現役警官だ!腰が入ってるねぇ!」
すかさずアルミンが殴り返す。
バキッ!
ジャン「ぐっ…!てめぇのせいで、俺たちはメチャクチャだ!」
アルミン「後ろからエレンを撃とうとした奴がよく言うよ!今思えばあれが始まりだったんだ!」
ジャン「人のせいにしやがって!てめぇがてめぇでぶっ壊れたんだろうが!」
ガッ!ドタッ!
ジャンがアルミンを倒すが、すかさず起上がり数歩下がる。
アルミン「ハハッ!お望みならやってやるよ!」
男を撃った時と同じ、狂気の笑顔にジャンは目を見開いた。だが、ジャンが見ていたものは別にあった。
ジャン「おい!後ろだ!」
アルミン「アハハ!…えっ?」
-
- 30 : 2015/01/01(木) 18:03:59 :
- ガァッ!
突如物陰から現れたウォーカーに乗り掛かられる。
アルミン「う、うわぁ!離れろ!」
体勢を整える間もなく、組み付かれる。
ジャン「…くそ!」
銃を取り出しウォーカーを狙うが、アルミンに被さってうまくいかない。
アルミン「ジャン、早く!…あ、嫌だぁ!ぎゃああああああああああ!!」
腹を裂かれたアルミンの悲鳴が響いた。
ジャン「ちくしょう!」
ダンッ!
ウォーカーの頭を打ち抜きアルミンに駆け寄るが、あまりの無惨さに足を止めた。まるでスプラッター映画のように腹部はパックリと開かれ、臓器がむき出しになっている。
エレン「アルミンか?!一体何が…」
皆が一斉に駆け寄ってくる。
コニー「うっ…おいおい嘘だろ、何だよこれ!」
ライナー「ハンネス、どうにかならないのか?!」
すぐさま状態を見るが、すぐに首を横に振った。
ミカサ「ジャン?!何があったの!」
ジャン「…」
アルミン「かっ…はあぁー…はあぁー…!」
エレン「おいジャン!!黙ってちゃ何も…!」
パンッ!
「!!」
苦しそうにうめいてた男は、それっきり動かなくなった。
エレン「?!ジャン、お前…」
あっという間の出来事でジャンを咎める者は誰もいなかった。
ジャン「ウォーカーと揉み合いになったんだ。助けようとしたが、うまく標準が合わなかった。」
手は震えていたが、何かを悟ったように言い切った。
ライナー「その顔…アルミンとやり合っていたな?」
エレン「だからって何もすぐに撃つことは…!」
ジャンの胸倉に掴みかかった。
ジャン「…お前だったら転移するまで情けをかけたんだろうな。そして悪状況を招く。」
エレン「なっ…」
ユミル「お二人さんとも、そこまでにしときな。死者の前だ」
ミカサ「とにかく落ち着きましょう。弔うのが先。」
親しい仲間の死だ。埋葬後、朝改めて集まろうということになった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ジャン「…」
鏡に映る自分の顔は血にまみれている。汚れている。
ジャン(アルミンを殺したくて仕方がなかったんだろう?)
ジャン(違う!許せなかっただけだ!殺すつもりはなかった!)
ジャン(へいへい、お決まりの綺麗事か。そりゃ結果論ってやつだぜ。素直になれよ、今のエレンのやり方じゃお前に居場所はないってこった。)
ジャン(黙れ!消えろ…消えろ!!)
ジャン「はぁ…はぁ…」
自分でも何故あの行動をとったのかわからなかった。何故エレンに咎められたのかもわからなかったし、自分の行動が、良心か悪意かもわからなかった。
ジャン「俺は変わっちまったのか?」
いや、 違う。最も最善だと思う事をしたまでだ。そこに悪意も善意もない。
ジャン(そうだ。俺は間違えてなんかない。そう、あの時から…)
-
- 31 : 2015/01/01(木) 19:07:19 :
- エレン「アルミンは頼りになる奴だった。経験豊富で、その知識には何度も助けられた。」
エレン「だが同時に、手を焼かされることもあった。皆を思うあまり、敏感になりすぎたんだ。」
アニ「…」
コニー「…」
エレン「そしてそうさせてしまったのは俺だ。」
形だけの墓前に皆で並ぶ。
〜同時刻 漁村から北に20km離れた北の上空〜
「この辺には生存者は見当たりません。」
通信機越しに話す男。
「そうか。そのまま海を迂回し帰還しろ。任せたぞグンタ。」
グンタ「了解しました。リヴァイ隊長。」
グンタと呼ばれた男は通信を切ると、ヘリの操縦を続けた。
「ァ…?」
大きすぎるヘリの音がウォーカーを気付かせ、一心不乱にその後を追う。
ーーーーーーーーーーーーーー
コニー「出て行くしかないのか…」
ユミル「今回ばかりはダメだろう。親父は頑固だからな。」
二人は村内を回っていた。
コニー「せっかく会えたのにな。」
ユミル「…はぁ?何言ってんだお前。私達は恋人同士でも何でもないだろ。」
コニー「そりゃぁ、そうだけど…」
ユミル「気まぐれで一度セックスした。ただそれだけの関係だ。」
くちごもるコニーにそう言い切った。
コニー「…」
ユミル「あん?…何だありゃ?!」
ベルトルト「荷物はこれで全部?」
クリスタ「この車に乗せるのはね。…ねぇベルトルト、ジャンをどう思う?」
ベルトルト「何で?」
クリスタ「あんな事になっちゃって、その…」
あんな事とはアルミンの事だろう。察してベルトルトは答えた。
ベルトルト「…正直好きじゃないし、エレンほど信用していない。悪人ではないのは分かるけど。」
クリスタ「それはアニの事も関係してるの?」
そう言われると、急に慌てふためいた。
ベルトルト「う…何で知ってるの。」
クリスタ「だってよく見てるじゃない。」
アニがジャンと一緒にいることが気にならない訳ではなかった。しかし、だからと言って何かできる訳でもなかった。
ベルトルト「クリスタはどう思ってるの?」
クリスタ「私は…感謝してる。ベルトルト達に会う前にね、色々助けてもらった事があって。」
ベルトルト「エレンの事は?」
クリスタ「今は…わからない。」
ライナー「エレンはまだ説得を続けているのか?」
ミカサ「ええ。まだみたい。」
ライナー「だが恐らく無駄だろう。これからどこに行けばいいのやら…」
ミカサ「結局どこに行っても同じなのかもしれない。」
ライナー「おいおい、そんな事を言うもんじゃないぞ。落ち込む気持ちもわかるが、今までこうやって生き残ってきたじゃないか。」
ミカサ「…そうね。ありがとう。あなたには随分と助けられてきた。これからもエレンの力になってあげて。」
ライナー「…どうも今日はお前らしくないな。それは妻のお前の役目でもあるだろうに。」
ミカサは俯いた。
ミカサ「…吹っ切ったはずなんだけども。今の私には愛される自信も、愛す自信もない。」
ライナー「何だそんな事で。だったら面と向かって言ってやればいいんだ。愛してるってな。」
その発言に、ミカサは口を開けた。
ミカサ「…ふふっ。…あなたって…本当に…
ライナー「何だ、変な奴だな。俺が何かおかしな事でも言ったか?」
-
- 32 : 2015/01/01(木) 19:18:51 :
- ハンネス「くどいぞ!何度も言わせるな!」
エレン「今回の件は謝る、だが俺たちもアルミンを失った!今の状態では外には出られない!」
エレンとは目を合わせず、何度も突っぱねるがその度にエレンは訴えかけた。
ハンネス「私も一度はお前を信じた。だがやはり余所者は余所者だった。これ以上この土地を汚さんでくれ!」
エレン「あんたの奥さんは信じたかったんじゃないのか?だから反対を押し切ってまで受け入れた!」
ハンネス「…!」
エレン「虫が良すぎる話だ、勝手なのもわかってる!だが俺たちはあんたにすがるしかないんだ!」
バタンッ!
ユミルが息を切らし、家の戸を開けた。
ユミル「大変だ、親父!ウォーカーの大群が…!」
ーーーーーーーーーーーー
タン!タタンッ!
ジャン「
何だってんだ畜生!今までどこにこんな数が!」
アニ「これだけの数だ、囲まれたらお仕舞いだよ!」
あちらこちらで応戦をしていたが、ウォーカーは森から次々と現れる。その数はこれまでと比べ物にならなかった。
ライナー「ミカサ、ベルトルト!後退しろ、このままじゃまずい!」
そう言いながらライナーはシャドウのエンジンを吹かし、ボウガン片手に群へと向かう。
ベルトルト「ミカサ、一旦家の方に下がろう!」
コニー「うわぁぁぁぁ!撃ちまくれクリスタ、」
フェンスに群がるウォーカーの脇を走らせながら叫んだ。窓越しに懸命にハンドガンを撃ち込むクリスタだったが、広範囲に展開するウォーカーには効果が薄かった。
クリスタ「もう無理よ!フェンスが保たない!」
コニー「こうなったら車をバリケード代わりにするしか…!」
ヒュン!
続けざまに頭上を矢が飛び交う。
ライナー「ここはもういい!家まで下がれ、みんな集まってる、」
クリスタ「でもこのままじゃ入り口が!」
ライナー「無駄だ。対処できる数じゃない。ブラウン式によれば、"さっさとトンズラ"ってやつだ!」
コニー「すまん!先に行くぞ!」
ジープが発進したのを確認すると再びボウガンを構えたが、ついにフェンスが押し倒されたのを見ると諦めた。
ライナー「一体何だこれは…!俺たちが何したってんだ!」
-
- 33 : 2015/01/01(木) 19:57:31 :
- ハンネス「何だ…何なんだこれは!」
そこは最早ハンネスが知る愛しの漁村ではなかった。銃声と呻き声。
エレン「ジャン、これは…」
ジャン「とっとと逃げるぞ!ここはもう無理だ!」
アニ「逃げようにもどこかしこにもウォーカーがいるけどね!」
ライナーを最後に全員がやっと揃ったが、迫るウォーカーに圧倒され退路を見いだせずにいた。
ハンネス「ちくしょうが!ここは俺の土地だ!!」
ショットガン片手にウォーカー目掛け突撃する。
ジャン「あの馬鹿親父が…!!」
ジャンは連れ戻すために後を追った。
アニ「ジャン!私も…!」
ベルトルト「待てアニ!君は行くな!」
アニ「ごめん…ベルトルト。」
ベルトルトの腕を振り切り、アニも後を追った。
ハンネス「おおおおお!クソが!!」
おおよそ神を崇拝するものとは思えない台詞を叫び、手当たり次第にに散弾を見舞う。
ジャン「おい!やめろ、死にたいのか?!」
ハンネス「離せ、離しやがれぇ!!」
後ろから羽交い締めにする。ラチがあかないと悟ったジャンは、そのままハンネスを絞め落とした。
後方を確認すると、アニは迫るウォーカーの対応に捕まってしまい離れてしまっていた。
エレン「ジャン!」
ジャンは駆け寄ってきたエレンにハンネスを預ける。
エレン「ジャン…?」
エレンを見るジャンは何かを決意したかのようだった。
ジャン「エレン!」
ジャン「お前とはもう一緒には行けない。もう後戻りはできねぇんだ!俺は…俺自身のやり方で…!」
そう言い切るとミカサの方を一瞬見やり、アニの方に駆けて行った。
ジャン(じゃあな。ミカサ、エレン。)
ミカサ「ジャン?!」
エレン「おい!何言ってんだ?!戻れ、戻ってこいジャン!ジャン!!」
ついにジャンとアニはウォーカーに囲まれ、姿が見えなくなった。
ベルトルト「アニ!頼むライナー、アニを助けに行かせてくれ!!」
ライナー「やめろ!もう無理だ!倒されるのを見た、もう二人とも…!」
ベルトルト「ふざけるな!実の妹だろう?!!」
ガッ!
ライナー「ああそうだよ!大事な一人だけの兄妹だ!!お前、俺が何とも感じないと思ってるのか?!」
ライナーは怒りで涙を浮かべていた。
ベルトルト「!!…うぅ…うわぁぁぁぁぁ!!!!!」
すがるベルトルトを車内に押し込め発進させる。
エレン「くそぉ!!!何でだ、どこでだ!何が間違ってこうなっちまたんだ!!親友を、親友を失ってまで…!」
エレンは泣き叫びながらアクセルを踏む。
エレンとベルトルト、ライナーの三人の叫びがまるでレクイエムのように漁村に響いた。
seaon2 ep4 end
次回予告
「容体はどうなんですか?」
「…ツ!すまない俺はエレンを助けられなかった。」
「いつまで寝てんのさ、いいかげん起きな。」
season2 ep5 追憶のかなたに
-
- 34 : 2015/01/01(木) 20:02:51 :
- 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
やっと終わりました。毎回お待たせしてすみません。
本当はもう少し早く切るつもりだったんですが、プラン変更により長くなっちゃいました。
さて、次でseason2はラストエピソードとなります。
今回はいかがでしたでしょうか?もう大分オリジナル要素が入ってきています。
感想などよろくおねがいします。
-
- 35 : 2015/01/02(金) 18:25:07 :
- ジャンがショーン同様ウォーカーになって殺されるんじゃなくて良かったです笑
次も楽しみです!!!
-
- 36 : 2015/01/02(金) 22:40:10 :
- ななしさん
ありがとうございます!ジャンの生死については後々わかってきます。
死んでいる、とも言えませんし、生きている、ともまだ言えません。
次も気合いれて頑張ります!
-
- 37 : 2015/01/03(土) 16:21:54 :
- 次作です。
http://www.ssnote.net/archives/29777
- 著者情報
- この作品はシリーズ作品です
-
進撃のウォーキングデッド シリーズ
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