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本当の強さ〜私が教えてもらったこと〜
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- 1 : 2014/12/07(日) 23:33:43 :
- 海未爺「海未ちゃん、ちとこっちへおいで」
海未「なんでしょうかお爺様」
海未爺「海未ちゃんは今夢中になってることはあるかい?」
海未「そうですねぇ...毎日穂乃果とことりと遊ぶくらいです」
海未「あの2人ったらいっつも危ないことばかりして大変なんです」
海未爺「ははははは、そうかいそうかい」
海未爺「海未ちゃんは大変だな」
海未爺「でもねぇ、この歳になると海未ちゃんのことがおじいちゃんは心配で心配で」
海未「??お爺様どうしたんですか」
その時のお爺様の顔は今でも覚えています
いつも陽気なお爺様とは違い何か遠くの物を悲しげにじっと見つめているような顔
海未「大丈夫ですよお爺様、私は強くなります」
気を利かせてなのか本心からなのか
私は気がつくとそう言っていました
海未爺「そうか、強くなってくれるか」
途端に明るくなる顔
海未「はい、だからお爺様ーーーを教えてください」
海未爺「それは構わないけど無理していないかい?」
海未「はい!もちろんです!」
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- 2 : 2014/12/07(日) 23:37:22 :
- 私は園田海未
音ノ木坂学院2年生です
由緒正しき園田家の跡取り娘で学校では弓道部とアイドル研究部に所属しています
可笑しいですよねこの組み合わせ
アイドル研究部は親友で幼馴染の高坂穂乃果の突然の思いつきに巻き込まれて始めたんです
弓道部は昔から武道をやっていまして、その延長で始めました
弓道以外にも剣道や日舞も多少心得があります
なかでも弓道を含めた武道には少し思い入れがありまして、今回はその話を少しさせてください
話は中学2年生まで遡ります
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- 3 : 2014/12/07(日) 23:37:48 :
- 海未「はい、だからお爺様武道を教えてください」
そうお爺様に伝えて数日後から私の武道の道が開かれました
穂乃果「うーみちゃん!」
海未「なんですか?穂乃果」
穂乃果「えへへ、放課後あーそぼ!」
海未「そうですねぇ、せっかく誘っていただいたのですが今日はお稽古がありますし」
穂乃果「えー、海未ちゃん最近そればっかだよー」
海未「すみません、穂乃果」
穂乃果「むーー」
海未「あ、そうです、明日なら大丈夫ですよ」
穂乃果「ほんと!?いぇーい!ことりちゃん誘ってこよーっと」
海未「ほんとに誰かさんみたいですね」
そう、誰かさんみたい
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- 4 : 2014/12/07(日) 23:38:19 :
- 海未爺「うっみちゃーん!おっかえりー!」
海未「はい、お爺様ただいま」
父と母は仕事の都合上昼間は中々顔を合わせることはなく、お爺様の妻おばあさまに当たる方も私が産まれる少し前に他界してしまっており昼間はお爺様と過ごす時間が大半を占めていました
海未「お爺様今日もご指導よろしくお願いします」
海未爺「そんなかしこまらなくてもいいのに」
海未「しかし礼儀は礼儀ですし」
そう言うとなんだかお爺様は少し悲しそうな顔をし、すぐに明るい顔に戻ります
海未爺「そうかねぇ、まぁ気を取り直して」
海未爺「なんと今日は特別ゲストをお呼びしております!」
穂乃果「ジャジャーン!」
海未「穂乃果ぁ!?」
ことり「ことりもいまぁす」
海未「なんで2人とも」
海未爺「いいかい?海未ちゃん」
海未爺「強くなってくれるのも嬉しいけどおじいちゃんは友達と遊んでる海未ちゃんを見るのが1番幸せなんだ」
海未「はい」
お爺様はいつだって私を思い
色々なことを教えてくれました
海未爺「それじゃあ今日は折衷案でみんなで稽古しちゃおーう!」
穂乃果「稽古!?そんなの聞いてないよ!?勉強嫌だよ!?」
海未「ふふふ、勉強じゃありませんよ弓道ですよ、弓道」
それから弓道だけでなく剣道も教わり辛く楽しく充実した毎日を送っていました
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- 5 : 2014/12/07(日) 23:40:02 :
そして高校1年生になってすぐのことです
真夜中のことでした
バタバタバタッ
海未「うるさいですねぇ...」
あまりの騒がしさに起きてしまった私はなぜ騒がしいのかを確かめに行きました
海未母「海未さん!?私は今から病院にいきますから部屋に戻ってお休みになられてください」
これは...救急車の音?病院?どうして?誰か何かあったのですか?
私の頭の中は大混乱
とにかく今は寝ろと言われ
何があったかはおそらく教えてはもらえないだろうと思ったので早朝ことの真相を確かめるためにもこの日は早く床につきました
早朝
母も父も見当たらず昨晩のことをお爺様に聞こうと思い探しましたが見つかりません
海未「一体みなさんどこへ...」
その後は結局誰も家には帰ってこず
仕方なく学校に向かいました
穂乃果「ねぇ?海未ちゃんち方で夜中救急車止まらなかった?」
海未「!?やっぱり救急車だったのですか」
穂乃果「うん、誰か怪我とかしたの?大丈夫?」
海未「寝ぼけていたのでわかりませんが心配です」
穂乃果「帰りに病院寄ろ?」
穂乃果「穂乃果すごく嫌な予感がするんだ」
海未「不安を煽らないでくださいよ穂乃果」
海未「...ですが私も心配です、行きましょう」
父が?母が?母はあの時私が見た
父は屈強だ、じゃあ一体誰が??
まさか...
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- 6 : 2014/12/07(日) 23:41:00 :
- 海未「お爺...様...?」
海未「なんで?なんでお爺様なんですか!?」
海未「お医者様なんでしょ!?治してくださいよ!!治して...お願い...」
穂乃果の目の前であのかっこいい海未ちゃんは泣き崩れていて、穂乃果が何を言ってもそこから離れようとはしなかった
こんなに取り乱した海未ちゃんは今まで見たことなかった
海未ちゃんのおじいちゃんは病気だった
しかも重症の...
病名は“白血病”
穂乃果にはよくわからないけど
簡単に言うと血液の癌なんだって
お医者さんによるともうどうにもできないって
余命は数日〜数週間
残された時間はあと少しだよ
海未ちゃん...
翌日海未ちゃんは学校には現れなかった
その次の日も
その次の日も
穂乃果「もー!海未ちゃん今日も休み!」
ことり「仕方が無いよ...」
穂乃果「ねぇことりちゃん行こう」
ことり「行くってどこに?」
穂乃果「海未ちゃんのとこだよ!」
海未爺「今日も学校へは行かないのかい?」
海未「はい、お爺様のそばに居たいのです」
海未爺「そうか、おじいちゃんは嬉しいよ」
海未爺「でもね海未ちゃん、おじいちゃんは海未ちゃんが友達といるのを見るのが1番幸せなんだ」
「強くなってくれるのも嬉しいけどおじいちゃんは友達と遊んでる海未ちゃんを見るのが1番幸せなんだ」
前にも同じような事を言われましたね
すっかり忘れていました
海未「...」
海未「...わ..」
海未「私は...あの日から何も変わっていません!自分の悲しみを少しでも和らげようと...目を背けようと!少しも...少しも強くなんかなっていなかった!」
こんな怒鳴って言うつもりはありませんでした
でも...でも...
海未爺「違うよ、強いよ海未ちゃんは」
海未爺「強いのは武道が出来るから?それとも悲しみや痛みに耐えられるから?」
海未爺「どれも合ってるけど違う、本当の強さは優しさだよ」
海未爺「学校を休んだのもおじいちゃんが悲しくないように、側にいれるようにでしょ?」
海未爺「海未ちゃんは強いよ」
海未爺「強い海未ちゃんの周りには強い友達がいる。穂乃果ちゃんやことりちゃんを忘れたわけじゃないだろう?」
海未爺「頼っていいんだ友達を」
海未「はい...はい...」
ガラガラガラッ
穂乃果ことり「海未ちゃん!!」
海未「うぅ...ほのかぁことりぃ」
海未爺「やぁ、いらっしゃい」
海未爺「ほら海未ちゃん行っておいで」
海未「はい!」
穂乃果「あ、」
穂乃果「海未ちゃんのおじいちゃん!海未ちゃんは任せといてよ!」
海未爺「あぁ、頼んだよ」
その翌日
お爺様は旅立たれました
苦しかったはずなのに笑顔で...
武道は私とお爺様を繋ぐ架け橋
私の強さの証です
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- 7 : 2015/02/07(土) 19:48:02 :
- ........ふ
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- 8 : 2015/03/30(月) 16:43:25 :
- 乙
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