やはり俺の青春ラブコメはいらなかった

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やはり俺の青春ラブコメはいらなかった

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
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- 八幡
- 由比ヶ浜
- 雪乃
- 小町
- 平塚
- 海老名
- 葉山
- 三浦

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1 : 皓 : 2014/11/09(日) 18:22:19

どもども
こんばんわ　こんにちは　またまた書かせていただきます！
今回は後味が悪い感じ？な、話なんですけど両方のルートを書きたいのでお願いします！

今回の比企谷君はクラスに馴染んでいるけど考え方は同じなのでお願いします

それでは、どうぞ見ていってください。
2 : 皓 : 2014/11/09(日) 18:35:02

「・・・・せ・・・・い・・」

「い・・・あ・・・・・・め・・・・あ！」

「な・・・・で！・・・」

泣きながら俺は彼女に喋りかける。あれは誰だ

八幡「ってえ！」

ベットから転げ落ち夢から覚める。この頃この夢を毎日みてしまう
みたくもないのにフラッシュバックをするのは嬉しくもない。

小町「お兄ちゃん何の音大丈夫！？」

大きい音を出したのに驚いたのか小町が確認に来た

八幡「ああ、ベッドから落ちてな」

小町「もう～ビックリしたなー！朝ご飯できてるから早く来てね！」

八幡「ああ、すぐ行くな」

俺は立ち上がり気だるい気持ちでカーテンを開けた
3 : 皓 : 2014/11/09(日) 19:17:19

制服に着替えて洗面所で顔を洗いリビングに行くと朝食が用意されているいつも通りの朝だ。

八幡「おはよう小町」

小町は制服に着替え終わってとっとと朝食を食べていた。

小町「おはよ～お兄ちゃん」

こちらには見向きもせずテレビの占いをみている。

小町「ああ～小町１０位だー残念」

占いの順位が低いらしく小町が残念がっていた

八幡「いやいや小町君お兄ちゃんは１２位なんですけど」

なんなら昨日の順位もな、もう狙ってるだろ狙ってますよね？

小町「お兄ちゃんはいいの！でも小町はだめなの」

なにその差別。

八幡「てかお前今日日直は？」

すると小町は２秒ほど固まり俺と目があった

小町「ど、どうしよお兄ちゃん」

八幡「はぁ・・・行くぞまだ間に合う」

小町「うん！」

焼いてあったパンを口の中に押し込み俺と小町は家を出た

ー小町の中学ー

小町「ほー！ギリギリセーフかなありがとお兄ちゃん！」

全速力で尚且つ安全に小町の学校に到着した

八幡「あいよ、次は気をつけろよ」

他の人の視線をこれ以上なくすため俺は学校に向かった

ー総武高ー

学校に着き自転車を停める、下駄箱に行くとクラスの奴らが挨拶をしてくる、前の俺ならこんなことはあるはずもないな。
教室に行き席につく。

葉山「やあ比企谷おはよ」

挨拶をしてきたのは葉山隼人上位ランカーでもあり俺の友人だ

八幡「よお葉山お前いつも早いな」

葉山「ああ、朝練とかあってな」

八幡「大変だな」

葉山「そんな事ないさ、それに部活楽しいから」

ははあ流石葉山だな運動部で朝練とか１日でばっくれるわ。

戸部「うお！比企谷君はよー！」

こいつは戸部翔葉山と同じサッカー部だ

八幡「うっす、戸部も朝練か」

戸部「そうなんよー！朝まじはええからさ、もうキツいし暑いしやんなるっしょ」

葉山「夏の朝練は楽しいだろ、戸部だけだと思うぞキツイの」

まあな、夏の朝練はキツそうだが楽しいもんな。やったことねえけど

戸部「いやまじむりっしょ！」

海老名「ぐふふ、比企谷君達が男同士の話あい・・・ぐふふ」

この人は海老名姫奈　見た目はおしとやかでしっかりしてる感じもするが本性をしれば・・・うん。

三浦「姫奈擬態しろし！」

この人は三浦優美子見た目は怖い感じもするが、面倒見がよく相手の事をよく考えている

八幡「海老名に三浦おはよ」

海老名「おはよ比企谷君」

三浦「八おはよ」

葉山「あれ、一限目なんだっけ？」

戸部「数学じゃね？」

海老名「違うよ物理だよ～」

この光景はほとんど朝の恒例だなすがすがしいほどでもある

由比ヶ浜「ギリギリセーフ！皆おはよ！」

三浦「お、結衣きたー」

海老名「おはよ結衣」

この人は由比ヶ浜結衣見た目はアホで頭もアホだが周りの事をよくわかっていて元気の源みたいな奴だ。

そして俺が救わなきゃいけない人だ。
4 : 皓 : 2014/11/09(日) 20:35:11

葉山「結衣おはよ」

戸部「結衣おっはよ！」

由比ヶ浜「隼人君に翔君おはよ！」

相変わらずの元気さだな、１日が始まったという泣きたい気持ちになってくるなどと思っていると由比ヶ浜と目があった。

由比ヶ浜「ヒッキーもおはよ」

八幡「お、おーおはよ」

この挨拶はやっぱなれねえ、なんか慣れないんだよな。

三浦「・・・」ﾆﾔﾆﾔ

海老名「・・・」ﾆﾔﾆﾔ

八幡「んだよ」

三浦「べつにー？」

海老名「そうそうべつにだよ？」

いや絶対それはないだろ。

ー昼休みー

三浦「てかそろそろ文化祭じゃね？」

葉山「そうだな今回はもっと盛り上がるといいな」

戸部「やっべえ！テンションあがってきた！」

八幡「また学祭が来るのか」

海老名「あれ比企谷君学祭苦手？」

八幡「いや別にそうゆうわけでも・・・」

理由を聞かれると困るが学祭が苦手な理由が浮かんでこないのだが苦手という感情が一番にくる。

由比ヶ浜「んーでも今年は楽しいから！ね？」

八幡「・・・ああ」

戸部「そんな事より夏って言ったら花火っしょ！」

戸部が急に大きな声を出し謎発言をしてきた、じゃあ冬と言ったら炬燵か？うんそうだな。

三浦「そうじゃん！隼人今年は皆と行ける？」

隼人「うん行けるよ」

戸部「皆でパアーッとやろうぜ！」

三浦「八も来れるっしょ？」

八幡「ああー多分」

行けるか分からないから確証はない返事をしてしまう

海老名「だめだよ！来てくれないと隼人君達との絡みが！」

いやそっから離れろよ。

隼人「まあ考えといてくれよ？」

八幡「ふ・・・ああ考えとく」

戸部「お、今比企谷君笑った！」

隼人「あれ、笑うとこあったか？」

八幡「なんでもねえよ」

ｷｰﾝｺｰﾝ　ｶｰﾝｺｰﾝ

三浦「あー終わっちゃったよ５限だる」

由比ヶ浜「まあまあがんばろ！」

いつもの日常他愛無い会話、話す事はどうでもいい話なのに心地が良いのはなんでだろうな。
5 : 皓 : 2014/11/09(日) 21:53:01

ー放課後ー

戸部「うわー授業終ったのに部活とかマジねーわ！」

葉山「そう言うなってじゃあな比企谷」

手をあげて挨拶をする葉山は絵になってるな

八幡「おうまたな」

クラス内を見回す、友達と喋る人、携帯を弄る人、それから・・・

八幡「戸塚も部活か？」

戸塚「うんそーだよ！」

この子は戸塚彩加俺の心の桃源郷であり心の故郷だ。色々と可笑しいな、言いくるめると天使だ。

戸塚「八幡も部活？」

八幡「ああまあな」

戸塚「そっか、あ、僕そろそろ行かないとじゃあね八幡！」

手をふりふりと振ってくる戸塚可愛いな。

由比ヶ浜「なにボーっとしてるの？」

八幡「うわ！びびったな由比ヶ浜か」

由比ヶ浜「そんな驚かしてないよ！それより部活いこ？」

八幡「ああんじゃ行くか」

ー特別塔ー

外を眺めると野球部が既にグラウンドを走っていたりサッカー部もドリブル等の練習をしている、やっぱり運動部は新鮮な気がするな。

由比ヶ浜「？ヒッキーなんか悩んでる？」

八幡「へ！？」

不意に言われた事に驚いてしまう

由比ヶ浜「いやーなんかそんな感じが」

八幡「いや別に・・・てか急すぎてビビったぞ」

由比ヶ浜「えーそう？そんな驚かないと思うけど」

八幡「ふーん？じゃあ俺が好きって言ったらどうする？」

由比ヶ浜「え！？」

八幡「・・・な？こんな感じだよ」

由比ヶ浜「・・・・えっと嘘ついたな！」

八幡「ははー」

自分で言ったのにめちゃくちゃ恥ずかしいんだがなんだこれ。

由比ヶ浜「もー、あ！今週の土曜日遊ばない？」

八幡「今週か・・・ああ・・えっと」

土曜は金曜の怠さを無くす休みなのに遊びねえ・・・

由比ヶ浜「・・・・・だめかな？いやいいんだけど」

oh・・・断りにくい

八幡「ん、まあいいぞ」

由比ヶ浜「やった！じゃあ優美子達にも言っとくね！」

八幡「え？」

由比ヶ浜「ん？」

あ、てっきり二人かと想像してました。てへぺろ・・・

八幡「いやなんでも、てか着いたな」

ｶﾞﾗﾗﾗ
6 : 皓 : 2014/11/11(火) 22:01:43

ドアを開けると見慣れた姿が目の前にいた。

雪ノ下「あら、こんにちは由比ヶ浜さん」

そう。こいつは雪ノ下雪乃成績優秀眉目秀麗おまけにスポーツも万能ときたもんだ、だが性格には難あり。

八幡「おい俺もいるんだが」

いつもの事だが毎度毎度は傷つくぞ

雪ノ下「あら、こんにちはえっと、ひき、ひき、比企ダニ君？」

八幡「人の原型すら留めてねえな」

なにダニ目と腐った目でもかけたのかな？上手くねえぞ

雪ノ下「それより由比ヶ浜さん文化祭の件なのだけれど」

由比ヶ浜「あ、うんうん」

雪ノ下は由比ヶ浜に文化祭の要件を話出した。

以前俺が寝ている間に勝手に実行委員にさせられ、女子の実行委員（生贄）を行い相模の皮肉を諸共せず由比ヶ浜は実行委員を引き受けてくれた。

いやーあのまま相模だったら多分俺役負担で過労死してたと思うな、うんうん。

雪ノ下「貴方も話を聞いていなさい、いちお実行委員の端くれなんだから」

端くれは余計だろ。

因みに雪ノ下は実行委員長だ。まあ流石ゆきのんって感じだな

要件も話し終え俺らは自分らの好きな事をし始めだしていた。

雪ノ下は本を読み　由比ヶ浜は携帯を弄り　俺は・・・俺は特にしてねえな。

外では野球部員がボールを打つ音さえ煩いと思えるほど静かな空間　入部当時なんてこの空気が嫌で仕方なかったが今となっては心地よいのかもしれない。

雪ノ下「それにしても貴方が実行委員なんて明日は台風かしら」

八幡「俺は強制なんだよ、なんなら辞退したいまである」

雪ノ下「そう、それにしても貴方前までリア充は爆発だの言っていたのだけれど、どうゆう心境の変化かしら」

八幡「まあ・・・なんだ、人間少しずつ変わっていく生き物なんだろ」

ちょこっと、ちょこっとな

雪ノ下「・・・少ししか経ってないのに。それにすぐに馴染めるものかしら・・・」

やばい、雪ノ下が不自然がっている、やばいなこれは。

由比ヶ浜「あー！書き直しだ・・・」

雪ノ下「ここはこうすればいいわ」

ナイスだ由比ヶ浜！これで話が逸れた

雪ノ下「今日はこの位で終わりましょう」

依頼主は来ずいつもと同じ自由な感じで終了してしまった

由比ヶ浜「あ、ゆきのん鍵一緒に行こ！」

毎度聞く台詞雪ノ下は必ずこう答えるだろう

雪ノ下「いいえ、席に帰っていてちょうだい」

嫌われているなんて思っている筈もないのだが由比ヶ浜は悲しそうだった

ーーーーー
ーーー
ー
7 : 皓 : 2014/11/11(火) 22:53:48

雪ノ下「それではさようなら」

由比ヶ浜「うん、じゃあね」

雪ノ下が立ち去る姿を由比ヶ浜はただみていた

八幡「・・・あー。由比ヶ浜一緒に帰らねえか？」

驚いた表情で由比ヶ浜は俺をみる。いやわかるよ俺だって何言ってんだよって思うもん

由比ヶ浜「うんわかった帰ろ！」

ー駐輪場ー

他の部活も終わりなのか制服を着た生徒が駐輪場で屯していた

八幡「お、葉山に戸部部活終わりかお疲れさん」

戸部「比企谷君じゃん！お疲れ～！」

部活が終わっても戸部はテンションが高いな。まあそれがこいつのいい所か

葉山「お疲れ、比企谷も今終わりか？」

八幡「ああ、今から帰りだ」

葉山「そうか、気を付けて帰れよ」

お母さんみたいな言い方すんなよ

八幡「おう、お前らも早く帰れよ」

戸部「じゃねー比企谷君！」

俺は軽く手を振り駐輪場を後にした

ー校門ー

八幡「お待たせさん」

由比ヶ浜「んん、全然早くいこ！」

そういや由比ヶ浜と帰るの初めてじゃねえか？別にドキドキしないけど・・・

八幡「あ、実行委員引き受けてくれてあんがとな助かったわ」

あのままやってたら嫌々決まってたしな、そんなの俺が嫌だ精神的に。

由比ヶ浜「ん？別にヒッキーの為じゃないよあたしはやりたかったら引き受けたんだよ」

八幡「・・・そうか」

由比ヶ浜「でも」

八幡「？」

由比ヶ浜「ヒッキーとやりたかったってのもあるけどね」

八幡「・・・・そ、そうか」

瞬時に顔を逸らしてしまう俺、瞬時過ぎて首ごきごきいったんですけど痛てえ

由比ヶ浜「ゆきのん、あたしの事信用してないのかな・・・」

表情は暗く声のトーンは低い

八幡「いやち違うだろ頼り方を知らねえんだなんでも自分でやってきた、だから急に「やって」なんて言えるわけがない」

自分で理解して自分で学んでいくしかやり方がわからないんだ

由比ヶ浜「でも頼ってくれるよね？」

俺の目をみて問いかけてくる由比ヶ浜に俺は知りもしないのに答えるしかなかった

八幡「ああ頼るさそれまで気長に待てよ」

由比ヶ浜「うんわかった！」

悩みが消えたのか由比ヶ浜はスキップをし始めた。おいおい高校生ですか？小学生ですか？などと考えながら自転車を押しなおした。
8 : クリーム : 2014/11/11(火) 23:00:19

数好くなり俺ガイルｓｓ期待頑張れ
9 : 皓 : 2014/11/13(木) 19:20:48

時麺系様　コメント有難うです！ぐだぐだにならないよう頑張ります！
10 : 皓 : 2014/11/13(木) 19:58:49

「・・・・きろ！」

「・・・きて・・・くれ！」

ああ、またこの夢だ。何回見させるんだ

「・・・た・・・から・・・」

この夢は見たくもないと言った筈なのに言う事すら聞いてくれない

「頼むから・・・ーーー」

やめろやめろーーー

小町「お兄ちゃん！ヤバいよ！」

頭に衝撃をうけ起き上がる目の前には小町は急いでいるはずなのに食パンを食べて余裕そうに俺をみていた

八幡「全然ヤバい感じがしないんですが」

てか頭超痛てえ、どんな起こし方してくれてんの小町ちゃん

小町「お兄ちゃん時計を確認してみなさ～い」

言われた通りに時計を確認してみる。時間は８時40分。は？

八幡「あれれ、小町ちゃんこの時計壊れてる？」

認めない、認めない、小町に確認をとってみる。
すると小町は携帯を取り出し俺にみせてくる

小町の携帯の時間も8時40分であった

八幡「・・・・・なんで起こさなかった」

小町「いやー小町も熟睡しちゃってさ♪」

可愛く♪マークつけても時間は戻らない、いや戻ってくれ。

八幡「しゃあねえ、小町着替えるから待ってろ送ってく」

小町「さすがお兄ちゃんそうゆうとこは好きだよ！」

そうゆうとこはってどうゆう事ですかねえ？
小町は部屋をでていき俺は制服に着替える為服を脱いだ

ーーーーー
ーーー
ー

小町「じゃあお兄ちゃんありがと！じゃあねえ～」

小町はダッシュで学校内に入って行った、時刻は8時50分
一限目は・・・国語・・うわあ、行きたくねえ
俺は重くなったペダルを踏み学校に向かった

途中からくる学校というものは中々楽しく自分しかこの世界にはいない！など中二発言をしてしまうほど静かだった。
上靴をはき自分の教室に行くクラスに行こうとすると他のクラスは授業だからつい視線がこっちにくるんだよな、嫌だよな。

自分のクラスのドアにつき恐る恐るドアを開ける。
開けるとクラスメイトは俺に視線が向くまあ当然だな、いえーい僕人気者。

平塚「ほほう、重役出勤ご苦労後で話でもしようか？」

お話だってなんだろうね？生きて帰れる気がしないがまあいいだろう、視線など無視し俺は自分の席につく。
途中戸塚に手を振られ俺の怠さは一気にお花畑へとメガ進化した
今ならなんだってできるぜ！

ーーーーー
ーーー
ー

いや・・・できるとはいったけどさ？限度があるじゃん？
言葉の綾であって俺の気持ちじゃどうこうできないわけよーー

平塚「それでなぜ遅れた？」

ましてやこんな状況じゃね。

八幡「違うんですよ、遅刻じゃなんです。道に御婆ちゃんが倒れてて」

遅れた理由はこれを言えば確実だ、よく失敗してるやつもいるがそいつらは経験が浅いルーキー達だからだな。

平塚「ほう？それではどの病院かいいなさい。私からも挨拶をしておこう」

まあこんなもんですよ？嘘は言っちゃいけねえ

八幡「いててて・・・」

嘘をからというかついてもつかなくても殴られた気がするんですけどね。

平塚「相変わらず君は返し方まで捻くれて素直にならんな」

まじめ人間は必ず不幸になりますからねソースは俺。俺？

八幡「素直になりすぎると現実から飽きてしまいそうでね」

平塚「ふむ、では飽きないようまた鉄拳をー「すいません」」

この人は容赦がねえな。
11 : 皓 : 2014/11/13(木) 21:52:35

平塚「それより文化祭実行委員はどうだ？」

平塚先生はコップを持ちズズズとコーヒーを飲み香ばしい香りがこちらまで漂ってきた

八幡「いいんじゃないですか？ペースもいいし」

あっちの方だと相模が実行委員長になり雪ノ下が体調を崩しペースが低下する事態があったからな、こっちはなんとかなるかもしれん。

平塚「ふむそうか、比企谷も地味に仕事を頑張っているようだしな」

地味にってなんすか、なんで皆俺の仕事の良さを誉めないんだ。

八幡「はあ、どうも」

特に話す事もなく沈黙が訪れる

八幡「先生あの、次の授業・・・」

平塚「ああ、すまない。行きたまえ」

俺は軽く会釈をすると部屋からでた

今日の授業はまったく頭に入らずただひたすらあることをずっと考えていた。外をぼうっと眺め飛んでいる鳥を数えるだけで時間は刻々と過ぎて行った

ー放課後　実行委員会議室ー

文化祭も近づき作業量は増えこの部屋に来るのも多くなった、もう俺の部屋に入るペースくらいかもしれん。雪ノ下はてきぱきと指示をし由比ヶ浜もペースはゆっくりだがしっかりと仕事をこなしている。

俺はというとゆっくり平常ペースで仕事をこなしていた。いやー平常っていいわ。

「雪ノ下さんここはこうですか？」

実行委員が確認の為に雪ノ下に聞きに行ったのだろう

雪ノ下「ええ、大丈夫よ進めてちょうだい」

雪ノ下は確認場所をチラチラとみながらパソコンをうっている
忙しいですね、俺も忙しいわーてか量が多い。

「雪ノ下さん、ここはどうですか？」「こっちはどうですか？」

色んな生徒が雪ノ下に押しかけ確認をとろうとしている

雪ノ下は、はっきり丁寧に説明をしている辺りでは「凄い」だの「さすが雪ノ下さん」と他人まかせな言葉が聞こえる。確かに雪ノ下は凄い状況をしっかり把握できて仕事もこなしている
だが雪ノ下の表情は少し疲れているようにみえた。
12 : 皓 : 2014/11/14(金) 22:09:05

皆一丸となり作業をしているとドアをガラガラと開ける音が聞こえた

陽乃「はぁ～い雪乃ちゃん♪」

この人は確か雪ノ下　陽乃　雪ノ下の姉であり外見とは裏腹に腹黒い人と有名（俺の中で）　この人のお陰というかこの人のせいでめんどくさくなるんだよな。

雪ノ下「・・・姉さん何をしに来たのかしら」

うわあ会いたくねえ。という顔で雪ノ下は陽乃さんをみた

陽乃「酷いな～可愛い妹が作業をしていると思ってみにきたのに」

よよよ、とウソ泣きをしたと思えばすぐに雪ノ下の方に行きなにかを話だした

陽乃「ねえ雪乃ちゃ～ん有志団体出たいんだけどいい～？」

上目づかいをした陽乃さん。やり方があざといな

雪ノ下「姉さんが？どうゆう風の吹きまわし？」

陽乃「やだな～祭りは楽しみたいのよあたし」

クスクスと笑いながら陽乃さんは辺りをキョロキョロとし始めた

陽乃「いや～文化祭はこうでなきゃね、楽しむのもそうだけどしっかりと仕事はしなきゃね」

そう言いうんうんと感心したように頷いている

雪ノ下「はぁ、有志団体も足りていないしやりたいというのならどうぞ」

観念したように息を吐き陽乃さんをみる

陽乃「やった！じゃあそうゆう事で！」

早足でドアを閉め部屋を出て行ってしまった

八幡「・・・」　雪ノ下「・・・」

雪ノ下と目があいお互い視線を逸らす。あれ、なんで逸らすんだ

城廻「皆お疲れ様！今日はお終いにしよ！」

この人は城廻　めぐり先輩　3年生で生徒会長。しっかりものというかおっとり系なのか？話し方にも特徴があり癒し系だな
さすがめぐめぐ。

実行委員共は鞄をすぐさま持ち部屋から続々と出ていく、それをみながら俺も自分の鞄を持ち椅子をしまい部屋を出る

外は日が沈みかかり暗くなろうとしている
俺はそれを横目で流しながら帰ろうと前に歩こうとしたら雪ノ下がいた

八幡「よお、お疲れさん」

俺をみるなり視線を逸らす、ちょっと失礼じゃないですか？

雪ノ下「貴方もお疲れ様」

八幡「ペースは良いほうか？」」

雪ノ下「ええ、これなら大丈夫なはずよ」

ドアから出てくる人たちは俺らを凝視しながら帰っていく、いやみてるのは俺だと思うんですけどね。

八幡「そうか・・・」

お互いに黙り込む、チャイムが鳴る音が煩く耳に残るように鳴り響く。

雪ノ下「それじゃあ私は帰るわね」

八幡「ああ、じゃあな」

雪ノ下「ええ」

逆の方向へ歩きだす一歩一歩が重く感じる
あの文化祭がまた来てしまう、何回も繰り返す文化祭に「次こそは、次こそは」と思うのに上手くいかない

次はないと自分で思っていても変えなきゃいけない絶対に
一歩を強く踏み出し俺は帰路へついた

文化祭まであと少しだ
13 : 皓 : 2014/11/14(金) 23:35:52

ー昼休みー

住めば都。どんな場所でもずっと住んでれば居心地がよく思ってしまう、冬の炬燵なんて正にそうだな昼間から夜まで永遠と居たいくらいだ。もうあそこで暮らせるんじゃね？と言うほど住み着いてるからな俺いわば炬燵の番人みたいな感じ、なにそれカッコいいな

購買でパンとマッ缶を買い俺のお気に入りの場所ベストプレイスに来ていた
やっぱここが一番いいな。教室で食べてるとなんか食べてる感じしねえもんダークマターの食感しかしねえもん。

由比ヶ浜「あれヒッキーじゃんどうしたの？」

声の主は由比ヶ浜だった

八幡「お前こそどうしたこんなとこ来て」

好き好んでこんなとこ来ないしな、あ、俺は好きですよ？

由比ヶ浜「ヴぇつに？それよりここで食べるの？」

喋り方に違和感があったが言わないでおこう

八幡「ああ教室ではなんか食べる気がしなくてな」

前の俺なら教室なんて授業か寝るくらいしかいなかっただろうな

由比ヶ浜「ふーん、じゃあああたしもここで食べよ」

よいしょ、と由比ヶ浜は座りだした。え、おい急に座んなよドキドキすんだろ

パンを食べマッ缶を飲む、ああ～なんて幸せなんだマッ缶がある時代に生まれておいら幸せだ

不意に由比ヶ浜に聞きたい事を思い出し尋ねてみることにした

八幡「なあ由比ヶ浜」

由比ヶ浜はこっちを向き「なに？」という顔をしている

八幡「由比ヶ浜はタイムリープとか信じるか？」

た、たいむろーぷ？などとアホ発言をしているということは知るわけねえか

八幡「簡単に言うと過去の自分自身に戻れるって感じだな」

アバウトすぎたか？と思ったが由比ヶ浜だからよしとしよう

由比ヶ浜「へえ～」

こいつほんとにわかってんのか？

八幡「他にもタイムトラベルってあってな過去の世界に自分が向かうんだ、自分が二人になってしまうがタイムリープは過去の自分に戻るから二人にならないんだ」

由比ヶ浜「ほーそれでヒッキーは急にどうしたのそんな話して」

まあ急に言われてだから？ってなるわな

吹き付ける風心地よい息を吸い吐き出す

八幡「い、いやー暇だからお前に知識を与えてやろうと思ってな」

由比ヶ浜「なんで上から目線！？ほっとけー！」

ぽかぽかと俺の方を叩く仕草が妙に可愛い

ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ

昼終了のチャイムが鳴りだした

由比ヶ浜「ヤバ！ヒッキー行こ！」

八幡「ああ」

危うく俺の失言で下らんことを話そうとしてしまった、人間有り得ないことは全く信じない、「俺昨日10万拾ったんだぜ！」と言い「まじかよ！すげえ！」と言う。だが信じるわけがない証拠もないし見てもない、だから信じれるわけないだろう。
俺が話したところで由比ヶ浜は信じる訳もないし近くの病院を勧められるだろう。

どうしたらいいんだ、そう自分に問いかけ残ってたマッ缶を飲み干した。
14 : 皓 : 2014/11/15(土) 15:34:23

ー教室ー

三浦「それで八あの件どうする？」

当然三浦に話しかけられた「あの件」ってなんだ？よくある怪しい取引とかか？

八幡「あの件？」

よく分からず三浦に尋ねる

三浦「だから遊ぶ話っしょ！」

そういわれ戸部の言葉を思い出す「そんな事より夏って言ったら花火っしょ！」か？あれで遊びに繋がるとはリア充様の思考はよく解らんな

八幡「ああー、遊ぶのか？」

あまり気乗りがしないので遠まわしに遊びたくない発言をしてみる

三浦「はぁ？遊ぶっしょ当たり前っしょ」

遊ぶのは既に確定らしい、ほんと面倒っしょ

葉山「まあまあいいじゃないか楽しそうじゃないか」

突然葉山が話に入ってきた、いつから聞いてたんだよ

三浦「でしょ！そうゆうこんだから八もだかんね」

さすが三浦、俺の発言を聞かないまま去っていく。
そこにシビれる！あこがれるゥ！

八幡「はぁ」

葉山「やっぱり遊ぶのは嫌か？」

俺の溜息で察したのかなんともいえん表情でみてくる

八幡「あー微妙だな」

正直な気持ちだ。遊びたくないという訳ではないが面倒という気持ちもある

葉山「遊べば楽しいさ、それに結衣も来るしさ？」

八幡「・・・なんで由比ヶ浜がでてくるんだよ」

視線を逸らし机に置いてある教科書に目をむける

葉山「いや別に、戸塚も誘ったらどうだ？それに雪ノ下さんも」

何故雪ノ下？と聞きたいところだが戸塚も誘えると聞きそんな事はどうでもよくなっていた。よっしゃ！戸塚が誘えるぜ！

八幡「んじゃあ誘ってみるな」

叫びたい気持ちを抑え葉山に小さくそう言う

葉山「ああ頼む」

そういい葉山は教室から出て行った。

由比ヶ浜「ヒッキーそろそろ実行委員のとこいこ？」

由比ヶ浜に話しかけられ5限6限を使っての作業を思い出す
うわー働きたくねえ。教室で寝ててえ。劇の練習をする戸塚を見ていたい、そう永遠に！

八幡「へいへい、んじゃ行くか」

椅子から立ち上がり由比ヶ浜と教室を出る
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
他のクラスも最後の準備をしている、衣装を作ったり看板をペンで塗る人もいたりサボって遊んでいる奴もいる

皆作業をし笑ったりして楽しんでいる。明日は文化祭、楽しみに決まっているクラス中から聞こえる雑音を聞き流し気乗りのしない仕事を目指した。
15 : 皓 : 2014/11/18(火) 19:44:47

部屋に入ると既に実行委員が椅子に座り作業の注意事項や打ち合わせなどをしていた。
平塚先生や陽乃さんもいるらしく嫌な緊張感の元行われた。

パソコンのキーボードをカタカタと打つ打つたびになにを考えながら打っているのかすら分からない意識をすると字を間違えてしまう

間違えた所を消し周りを見る、

「おいそっちいいか！」　「大丈夫だ！」「こっちもおーけー！」

追いついていないのか急ぎ何かを確認しあっている、いやー俺も忙しいな。いやマジで

陽乃「ひゃっはろ～比企谷君」

声がした方に目を向けると陽乃さんがいた。このタイミングでか

八幡「どーも」

そっけない返事をし作業をしなおす

陽乃「冷たいな～比企谷君は」

そういい陽乃さんは俺の隣の椅子に座る。おいよせ緊張してそれどころじゃねえ

陽乃さんはこちらをずっと見つめている

八幡「・・・なんですか？」

陽乃「貴方誰？」

鼓動が早くなり冷や汗をかくほど驚いた

八幡「な、なに言ってるんですか？」

俺を見ながら陽乃さんはんーんー考えている

陽乃「なんか比企谷君なんだけどそうゆう感じがしないんだよね」

この人鋭すぎるだろ雪ノ下の罵倒並に鋭いぞ

八幡「何いっとるですか俺が二人もいたらこの世の終わりですよ」

自分で言ってこれ程悲しいものはない

陽乃「・・・ふ～んまあいいや♪」

諦めたのか察したのか陽乃さんは話題を変えようとしている

陽乃「雪乃ちゃん頑張ってるね」

もっとへんてこりんでしょうもない話かと思ったが妹の成長を喜んでいるのか、とも思ったが表情が嬉しそうと思えない

八幡「そうですね意外でしたけど」

陽乃「そう？あたしはやると思ったけどな」

あははと笑いながら俺の肩を叩く、痛いんですけど

雪ノ下「雑務仕事をしなさい」ﾄﾞﾝ

ほら来ちゃったじゃないですか。てかなにこの分厚い量の紙束。

陽乃「あたしもなにかしようか？」

雪ノ下「大丈夫よなにもしないでちょうだい」

さすが雪ノ下意地でも手を借りない気だな。

陽乃「ま、そういわれてもやるんだけどね♪」

この人もこの人で強情だな

雪ノ下「はぁ、決算でまだやっていないとこがあるからやるならそこにして」

陽乃「はぁーい♪」

陽乃さんはすぐにいってしまった。そんなに仕事好きなら僕のやってくれませんか？

雪ノ下「・・・」ｷﾞﾛｯ

ふえぇ・・・ゆきのん怖いよ。
16 : 皓 : 2014/11/22(土) 23:11:26

由比ヶ浜「ねえ、ヒッキーってさ好きな人いるの？」

いきなり由比ヶ浜に意味の分からないことを言われアホな顔に俺はきっとなっていただろう

八幡「さあないるかもしれないしいないかもしれん」

由比ヶ浜「どっちだし！」

いや言ったら終わりでしょ色々とさ。

八幡「お前はどうなんだよ」

話を変えようとしたのだが気になって聞いてしまった

由比ヶ浜は聞かれると思わなかったらしく分かりやすいリアクションをしながら戸惑っている

由比ヶ浜「え、えー。いる、けどさ」

目を逸らしたりこっちをみたりして中学の頃ひそひそと俺の方を見ながら話してた女子を思い出す。まあモテてたんだよな・・・

八幡「そうか、よし取り掛かるか」

作業に打ち込み話を無かったことにするのが一番いいな。

由比ヶ浜「言わせといてその反応！？おしえろー！」

大声出さないでくださいよ他の方の視線が俺にくるんですけど

八幡「ちょ、おま、静かにしろって、俺が睨まれるんだよ」

やってるのは由比ヶ浜なのにな。なにこの仕打ち

由比ヶ浜「ヒッキーだしいいよ！ねえはやく！」

いやよくねえよ、なんも改善されてねえしさ

八幡「いるいるってだから少し声小さくしろ」

これ以上騒がれると雪ノ下とかいう最終兵器が動き出すからな

由比ヶ浜「その人はわたしも知ってるの？」

まだその話かよ。なんで女子は恋の話のが好きなんだ？俺なんか誰を貶めようか材木座と貶め話しかしねえのしさ

八幡「ああ知ってる知ってる」

残っている資料をぱらぱらとめくりながら確認する大体こういうのは他の奴らが確認してたから見る必要もないのだが。

由比ヶ浜「そっか、うんうん」

なにに納得したのかはわからんがその後由比ヶ浜は何かの確認で雪ノ下の方へ行ってしまった

ーーーーー
ーーー
ー

雪ノ下「これで以上です　明日の件で何か質問はありませんか？」

明日の文化祭の最終確認を終え雪ノ下が質問がないか俺らに聞いている、ないだろハードスケジュールだがよく考えられてスムーズに回せる流石としか言いようがない。

雪ノ下「それではこれで終わります明日は宜しくお願いします」

挨拶を終え部屋から人がどんどんと消えていく。

いつもなら俺もすぐ出るべきなのだが雪ノ下の方に行った

雪ノ下「・・・なにか？」

用はないがなんか気になった。なんて言えねえ、言ったらなんだこいつみたいな目でみられ何かしら言われる・・・

八幡「いや特に用はない」

なんか殆ど意味同じだろ、しかも他誰もいねえから沈黙だしさ由比ヶ浜なんでいねえんだよ！

雪ノ下「ふふ、貴方が一日も休まず作業に率先するとは思わなかったわ」

雪ノ下がこの沈黙を打破するとは思わず驚いた

八幡「ほんとだったらバックレるとこだが後々怖いからな」

どこかのアラサーさんとか正に。

雪ノ下「・・・難波ともあれ助かったわ」

雪ノ下から発せられたお礼。たかがお礼な筈なのにとても嬉しくやったかいがあったとおもえてしまう

八幡「・・・ついでだついで良いとこみせときゃ得点アップすんだろ」

まあ決められたのは強制なんですけどね★

雪ノ下「貴方は最初から点数ダダ下がりだものね」

どうゆうことですか？目ですか？性格ですか？

八幡「うるせえ、点数じゃなく内面で評価されてるんだよ」

性格の汚さなら俺がNo1だな

雪ノ下「こうやってまた他愛も無い話ができるのね」

雪ノ下のいつになく綺麗で優しい表情だった

八幡「いつでもできるだろ」

雪ノ下「そう、ね」

微妙な返事をし椅子から立とうとしようとしたらよろけ倒れそうになり咄嗟に雪ノ下を支えた

八幡「大丈夫か？」

雪ノ下「ええ大丈夫よつまずいただけよ」

弱音を見せない雪ノ下は強がり自分の弱さを見せない
俺が勝手に口出しすることではないと思い「そうか」と返事をした

雪ノ下「それでは明日ね」

八幡「ああ、またな」

雪ノ下が歩いている姿をただ見つめていた。
俺が違う行動をとったせいでまた[変わってしまった]

ただ未来を変えたいだけで他の未来が変わってしまっている
これは幸か不幸かわからない解りたくない。

明日は文化祭。

俺の最後となるだろう悔やまないよう後悔しないよう変えてやる
17 : 皓 : 2014/11/24(月) 15:36:49

「くそ、なんで！」

ああまたこの夢か。今日だからか？記憶が鮮明に映る

赤い絵の具のようなものがどんどん道路に広がっている

「起きろ！ふざけるな！」

怒鳴り散らす俺にピクリとも反応しない彼女

周りでは一般人共が煩く自分が被害にあったかのように叫んでいる

「・・・なんでお前が死ぬんだ、お前が死ぬくらいなら俺が死ねばよかった」

後悔したって遅いそう自分に言ってた自分が憎い

「なあ頼むから。起きてくれ由比ヶ浜！」

ーーーーーー

小町「おにーちゃん！早く起きろ！」

目を開けると薄ら薄らに小町の姿が見える

八幡「ここは天国ですか」

小町「何言ってるの？」

小町からの鋭い視線いただきました！いやー朝から快調だな。

八幡「はぁ、今日は文化祭か」

重要な時にどうでもいいイベントは困るんだけどな。
まあ変えすぎたからな。多分大丈夫だろう

俺は制服に着替え小町とリビングに行き朝食を食べた
テレビでは今週のにゃんこだの今話題のスイーツ(笑)と、どうでもいい内容を特集してた。

八幡「そういや小町今日来るんだろ？」

パンをもぐもぐと食べている小町はニヤッと俺を見る

小町「うん行くよー！でもまあお兄ちゃんい文化祭とか関係ないよね」

八幡「まあな、ボッチは馴れ合いや楽しむ傾向がないからな」

独断と偏見だがまあそんなもんだろ？

小町「ねえ、結衣さんとはどうなの？」

急に由比ヶ浜の名前を言われむせてコーヒーを溢した

八幡「うぇ、お前なんて事言ってくるんだよ」

ど、同様なんてしてないんだからね！

小町「えー？気になるじゃん！で、どうなの？どうなの？」

どこぞの母親の言い方すんな。いやうちの母俺に構いもしないんですけどね(笑)

八幡「なんもねえよ」

いつもは見ない新聞を広げ興味がないようにみせる

小町「ふーん・・・」

八幡「・・・なんだよ」

新聞を横に置き小町を見る

小町「べーっつに。お兄ちゃんはなんか損しかしない生き方するね！」

八幡「ふっ、俺は未来に生きる男なんだ今は関係ないんだ」

やばい、これ決まっただろ？と思い小町の方をドヤ顔をしたい気持ちを抑えチラリと小町をみる

小町「あーそう」

うん。まあ予想通りだよな。
18 : 皓 : 2014/11/28(金) 21:54:56

小町は後から来るらしく俺は一人で学校へと向かった。別に悲しくないんだからね！

正門を通ると焦りながら準備をする輩共がいた。焦りながら仕事をなんとかこなしていく、社会ってこうやって出来ていると思ったりもするんですよね。あ、専業主夫志望ですけど

俺はそれを眺めながら自分の教室へと向かう
教室に入ると衣装合わせや台本などを呪文のように独り言っている人もいる。てかこれ川・・・川島さん？も手伝ったんだろ、すげえな。

「ねえねえ」ﾂﾝﾂﾝ

誰かが俺の頬を指で当ててきた。おい、誰だ俺に気安くー

戸塚「えへへ、やっはろ～八幡」

大天使ですか？新たな何かに目覚めるとこだった。破壊力有りすぎだろ

八幡「彩加その衣装似合うな」

自分でもキモイと思うほどの台詞。

戸塚「そ、そうかな？///ありがと八幡」

も～そんな反応ダメよぉ～ダメダメ

八幡「そういや由比ヶ浜いるか？」

話を変えないと俺の理性が危ない・・・限界突破する勢い

戸塚「由比ヶ浜さん？開会式の打ち合わせとか言ってたよ？」

意外にも由比ヶ浜は仕事を率先していた。いや意外じゃないな
あいつは努力家で頑張れるやつだしな

八幡「サンキュじゃあ俺も行くわ」

戸塚「八幡僕たちの劇見に来てね！」

八幡「ああ粗方終わったら行くな」

軽く手を振り教室をでる、頑張って作ったポスター。雑ながらしっかりとできている飾り。もうすぐ始まる。祭りが始まる。いずれ賑わい大勢の人が来るだろう。誰もが、笑い、喜び、そして楽しむ筈だ

さあ文化祭の始まりだ。
19 : 皓 : 2014/12/02(火) 18:55:54

体育館に向かうと装飾は完成されており、リア充らしくきらりんにレボリューションしていた。
文化祭になるとテンション凄い上がるやついるよな、ほらまさにそこの奴とか前日に「俺文化祭とかどうでもいいわ」とか言ってたくせに当日になると「やべえ文化祭マジ楽しみっしょ！」とかどこの誰とは言わないけどね。ね？戸部君。

キョロキョロと周りを見ていると誰かが俺の肩を叩いた

雪ノ下「あら、驚いた人体模型かと思ったわ。いつ白骨化してくれるのかしら？」

おいおい、しょっぱなから飛ばしてくるな・・・

八幡「遠まわしに死んだことにしないでくんない？あと白骨してんだろ」

ああいや俺じゃなくてね？

雪ノ下「そんな事より遅いわよ。実行委員はもっと早くに来なさい」

ごもっともな事を言われぐうの音も出ない

八幡「わるい」

雪ノ下「まあいいわ、もうすぐで始まるから貴方も指示を聞きなさい」

待ってくれていたのか知らないが。雪ノ下は全員に号令をかけ全体流れを説明した。
出るわけでもないのに緊張するのは文化祭のせいなのね、そうなのね。

ーーーーー
ーーー
ー

体育館には全校生徒がガヤガヤと期待を膨らませまだかまだかと待ち望んでいた

俺はインカムのスイッチを押し、発報した。マイクが声を拾うまでラグがあるので数秒待ち話し始める

八幡[開演３分前　開演３分前]

耳に嵌めたイヤホンにザザッとノイズが走る

雪ノ下[雪ノ下です。各員にに通達。オンタイムで進行します。なにかあればすぐ発報を」

落ち着いた声が話し終えるよ、ブツッと通話が切れる。

すぐにノイズが走る。

[照明問題なし]

[こちらPA大丈夫です]

[楽屋裏、キャストさん準備やや押し気味です。けど出番までには間に合います]

いくつもの部署から連絡が入るがよく分からん

自分の仕事で手一杯だからな他に充てるほど余裕がない
俺の仕事は・・・まあ雑用やら舞台上の人に「そろそろ時間ですよ」とか「時間余ってますよ」とか教えるだけの楽な作業だ

雪ノ下[了解。ではキューだしまで各自待機]

周りの騒がしさは次第に無くなり、俺は時計を見つめている

他の生徒は何を思っているのだろうか？「うわー早くしろよ」
「めんどくせえ、とっとと終われ」「仕事やりたくねえ」とか思ってんのかね？あ、それ俺だ。

時計を確認し開演まで１分となる。先ほどまでの騒がしさは何処にいったと言うほどに静まり返っている。

インカムのボタンを押す

[十秒前]

息を吐く。

[九秒前]

時計から目を離さない。

[八秒前]

息を止めた。

[七秒前]

合間に息を吐く。

[六秒前]

あと少し。

[五秒前]

誰かがカウントを奪う。

[四]

声音は落ち着いていて、冷たさも感じる声だ。

[三]

そしてカウントの声が消える
誰かが指で[二]を刻む
無音の中[一]を数え終える
20 : 皓 : 2014/12/02(火) 19:09:38

突然ステージ上に眩しいほどの光が爆ぜる

城廻「お前ら！文化してるか！？」

「うおおおおおおおお！」

城廻先輩の元気さに他の生徒も付いて拳を振りかざしている

城廻「千葉の名物、踊りとー！？」

「祭りいいいいいい！」

いやまあ、強ち間違ってないけど

城廻「同じ阿保なら、踊らにゃー！」

「シンガッソーー！！！」

めぐり先輩の謎のコールなどで生徒たちは熱狂しだす
すぐさま曲は流れだし配置されていたダンス部員は踊りだし
それに生徒はノリだしぐるぐる回ったり踊ったり男同士で押し合いなどもしている

うわー祭りと言うより戦争みたいだぞ。海老名さんがみたら「腐フフ」とか言いそう。いや言ってるだろ。

ぼーっとみているわけにもいかず仕事をする

[こちらPA。間もなく曲あけまーす]

[了解です。雪ノ下委員長。スタンバイします]

雪ノ下はとっくにスタンバイしているだろう。
ダンスチームが下手側にはけて、上手側に立っためぐり先輩が呼び込む

城廻「続いて文化祭実行委員長よりご挨拶があります」

雪ノ下はゆっくりと歩き出し生徒からは「雪ノ下先輩だ」「やっぱすげえ」などの声も聞こえてくる

雪ノ下の挨拶はまるで先ほどの説明をしているように丁寧に尚且つしっかりと話をした。

挨拶はスムーズに終わり相模の件のような事にはならなかった

オープニングセレモニーは終わり、次の進行に移る。

幸先のいいスタートを切った。
21 : 皓 : 2014/12/06(土) 16:13:10

オープンセレモニーが終わると、文化祭もいよいよ本番だ
文化祭は２日間行われ一般公開は２日目だ。今日は校内のみだ

１年の時は深く思わなかったが文化祭も変わったな
チラシをくばったりプラカードを持った集団が歩いていたり変な衣装をしウエーイウエーイ叫んでる奴らもいるし、こちらが恥ずかしくなっている。

教室に着いたのはいいがやることもなく海老名さんや三浦が喋っていることにうんうんと頷いているだけだ。
俺に気づいたのか海老名さんが近寄ってくる

海老名「あれ比企谷君今暇なの？」

いや暇じゃないこうして居る事が仕事だと言いたい。

八幡「特にやる事もないからな」

海老名「じゃあ受付やってくれない？」

首を振り振りやらないの一点張り。
これ以上仕事とかこまっちゃう～

三浦「暇なんしょ？八やんなよ」

睨みつける三浦。「やんなよ（威圧）」にしか聞こえないんだが
渋々承諾をしてしまう。

教室をでて受付場所として設置されている椅子に腰かけ紙をみる
てか座ってるだけで仕事になるとか最高の仕事だろ。受付技術検定とかあったら即応募するわ。てか受付技術検定ってなんだよ

戸部「うっしゃ！んじゃ景気づけに円陣やるっしょ！」

急に声を上げだす戸部。景気づけに一杯じゃねえんだからさ。
他の皆は「えー」「マジで？」とかいいつつ円になる。

海老名「ほら川崎さんも」

川崎「あたしはいいよそうゆうの苦手だから」

海老名「はやく、ほら！」

袖を引っ張り円の輪強引に入れる海老名さん。はぁと溜息を吐きながらも円に入る川崎をみていると三浦が俺に寄って来る

三浦「八も来な」

輪の真ん中に俺を入れて皆で蹴るの？なにそれ怖い。

八幡「お、俺はいいです」

三浦「早くしろし！」

八幡「はい」

三浦に連れてこられ円陣を組む。
クラスのイベントに入る事すらしなかった俺。由比ヶ浜と目が合い、不器用な笑顔をしてしまう

戸部「海老名さんがここは仕切んないと！」

海老名「え、あたし？」

三浦「ほら真ん中いきな」

どんと押され行くのは真ん中。円の中心。戸部が海老名さんスペースを用意していたのは心の底にしまっておこう。

海老名さんが声をかけオーと盛大の声がクラス中に響き渡り団結力を高める。
初めて組んだ円陣は新鮮なもので案外悪いものではなかった。
22 : 皓 : 2014/12/07(日) 20:02:25

暗幕の中へ入り自分が立てれるスペースを探す
お客はすでに満員でいちいち向けられる視線は「お前の席ねえから」などと勝手に想像してしまい、つい視線を逸らしてしまう

途中から入ったのだが盛り上がりは上々だな。
なんか隣から「本当は、はやはちが良かったのに」と聞こえたのは星と一緒に消えたことにしとこう。
ともあれ、海老名さんが言ったことも頷ける。あ、いやはやはちとかそんな悪の諸本を作ろうとしてるわけじゃないぞ？俺が言いたいのはだな。

戸塚「ぼくと一緒に遊ぼうよ。ぼくは、今すごく悲しいんだ・・」

そう。葉山の役をとり俺がやりたかった。
だって葉山だけずるいじゃん！いいとこばっかしとっていってさ、ああ可愛い衣装を着た戸塚にあんなこと言われたかった言われたらすぐさま家に連れ帰りキツネじゃなく狼に豹変するのに。くそ、委員会がなければ！なければ！

葉山「王子様・・・ぼくは君の笑う声が、好きだ・・」

葉山の台詞に女子勢が「キャー」やら「ヒャー」やら聞こえる
だが葉山お前はまだまだだ。俺なんてお化け屋敷に入るだけで
お化けに「ギャー！」って言われるレベルなんだぜ、すごいだろ・・・？

葉山「ぼくたちはずっと一緒だ」

再び葉山の台詞に満たされたような溜息。

ヘビに噛まれ音もなく倒れる王子様。消え入りそうな戸塚の演技に客席が息を呑むのがわかる。

スポットライトが葉山に当たり「ぼく」のモノローグでラストシーンが締めくくられる。
すると客席からは拍手が鳴り響く。
第一回公演は満員御礼大盛況で幕を閉じた。

いやーよかったよかった。それにしても、鼻血垂らして倒れてる人は大丈夫なんですかね。
23 : 皓 : 2014/12/21(日) 16:14:38

公演が終わり、椅子に座りながら店番を続けている。
他の奴らは休憩や他の所に行ったりしている、明日は文実の仕事でここには来れないからな、まあしょうがないと思える。
今思えば仕事仕事と続いて俺仕事しかしてなくね？としか思えない
なんという自分自身の更生！・・・強制なんですけどね

由比ヶ浜「おつかれー！」

ドサッと置かれたビニール袋が置かれた。見上げると由比ヶ浜だった

八幡「おつかれ」

もう一つの椅子に由比ヶ浜が座りそわそわした感じに聞いてくる

由比ヶ浜「どうだった？」

八幡「よかったんじゃね？お客さんも喜んでたし」

実際に海老名さんプロデュースは怖い感じがしたがしっかりと作りこまれてたしキャラクターを演じるギャップの面白味、演じている方も笑顔があり見ているこっちも楽しくなれる作品だった。

由比ヶ浜「でしょでしょ！頑張ったんだから」

えっへんと胸を張り自分が褒めらているかのように上機嫌な由比ヶ浜。あの、胸を張るのはいいんですが強調される部分があるのでやめていただきたい。

八幡「まあいなかったからわからんが」

由比ヶ浜「文実あったんだししょうがないよ」

八幡「流れ的に円陣に入ったけど部外者の俺が入ってよかったのか？」

チラリと由比ヶ浜に視線をむけると俺を睨んでいた

由比ヶ浜「部外者なんて誰も思ってないよ。それとも円陣なんて入りたくなかった？」

八幡「いや、正直やって気持ちいいとさえ思った。すまん俺が悪かった」

軽く頭を下げると由比ヶ浜は固まりそして笑いだした

由比ヶ浜「ほんとヒッキー性格変わったね、なんか打ち解けやすくなった？クラスにも馴染んでるし」

八幡「そうでもないぞ、昼食とかいつもの場所だし」

由比ヶ浜「教室で食べなよ・・・でも皆言ってたよ」

おいおい、俺がいないときにどんな話してんだよ。まあ大体は三浦とか戸部とかその辺だろう。
24 : 皓 : 2014/12/22(月) 20:17:22

八幡「気になってたんだがそれなんだ？」

視線をビニール袋に向け由比ヶ浜に尋ねる

由比ヶ浜「あ、そうそう。お昼まだでしょ？良いもの買ってきたんだ！」

ビニールからだし紙パックの中からまた紙パックを出す、へえ面白いマトリョシカだなー。

と、思ったが違った。

パンみたいなパンだった。いやこれパンだよね？生クリームを塗りたくられチョコソースがかけられカラフルなトッピングチョコがまぶされている。たが、よくみればただのパンだ、どこぞの春のパン祭りですらこんなのやらないぞ。こんなの見たらクーデターか？ってくらいの驚き用。

八幡「これなに？」

思わず苦笑いで聞いてしまった

由比ヶ浜「ハニトー！」

ハニトー・・・ああ。あれね皆大好き老若男女万物共有毎日食べても飽きない食べ物だろ？ま。毎日食べてたらそれこそハニトーみたいな身体になるけどな。

由比ヶ浜「いただきます！」

素手で取り分けられたハニトーに目を通す。素手でやるのかよ、まあいいけどさ。

由比ヶ浜「うまっ！これ美味しい！」

頬にクリームを付けながら笑顔で食べている彼女をみているだけで自分もハニトーが好きになれそうな気がする。

わくわくしながら口の中に入れる

・・・パン硬てえ。　・・・蜂蜜下まで染み込んでねえし。

途中から罰ゲーム？って思えるくらいだぞ、ある意味たこ焼きハバネロ６分の１ゲームより達が悪い。

由比ヶ浜「生クリームうま！」

おいおいそれハニトーである必要あんのか？しかもそのクリーム俺んとこから奪ってるだろ。

言いたいことは色々あるのだが、笑顔でもさもさと食べている由比ヶ浜にそんな事が言える筈もなく最後はお茶で締めくくる。
・・・ほう。お茶と合わせると意外に美味いもんだな。

由比ヶ浜も食べ終わったらしく口元をティッシュで拭いている
ハニトーは二人で食べても結構なボリュームであったまあパン一斤だしな。
まるごと一斤なのだからそれなりの値段がするはずだ。

八幡「いくらだった？」

財布を取り出し由比ヶ浜に尋ねる

由比ヶ浜「いいよこのくらい別に」

八幡「いやそうゆう訳には」

由比ヶ浜「いいの！」

八幡「いやダメだろ」

頑なに譲ろうとはしない由比ヶ浜。だがこちらとて譲るわけにはいかない

八幡「・・・俺は養われる気はあるが施しを受ける気はない」

由比ヶ浜「何そのよくわからないプライド！？」

んー。と唸りながら、少し考える由比ヶ浜それからぼやくように囁く

由比ヶ浜「はー、ヒッキーめんどくさいなー。・・・わかったじゃあ今度ハニトー奢ってもらう。・・・千葉の、パセラで」

八幡「場所指定すんのかよ・・・」

毒づいて返したが、それが何を意味をしているのかくらいはわかる。

由比ヶ浜は良い奴だ、文実も自分から言ってやってくれたし頼ってしまっている。
自分を自制しなければならない、由比ヶ浜の優しさに甘えるな由比ヶ浜の親切に安易に頼ってはいけない

仮に、それが優しさや親切心からではなく、もっと違う何か別の感情に起因するものだとすればなおさらのこと。それは人の弱みにつけ込む行為だから。

感情の処理は適切に。

彼我の距離は適当に。

――なら、もう一歩くらいは、踏み込んでも、いいのだろうか。

言いたいことはあるのに頭の中で上手く考えれない。
後悔をしないため、後で悔やまないようするため緊張しつつ小さく口を開ける

八幡「・・・な、なんか別のもんでもいいか？」

由比ヶ浜「うん、いいよ」

にこやかに由比ヶ浜は笑う

由比ヶ浜「・・・で、いつにする？」

その笑顔が妙に怖い

八幡「またメールします」

なぜか敬語になってしまった
俺の返答にくすっと笑う由比ヶ浜
文化祭はまだ１日目

けれども必ず終わりがくる。

刻一刻と進む時計はまるでタイムリミットのように思えた
25 : 皓 : 2014/12/27(土) 18:20:17

文化祭もようやく２日目を迎えた。
１日目は生徒だけだったが今日は一般公開日で他高や近所人中には受験を控え見学にくる人も見える、土曜なのでお休みの人も多く結構な賑わいがある。

１日目のアホみたいな空気とは違い２日目は静かな気もする。
そんなわけで今日は文実の仕事がウェルカムしていた、祭りのはずなのに仕事というのも乙な味だな。ほんとに珍味以外の何物でもない、不味すぎる。

文実の仕事で文化祭の風景や楽しんでいる人たちをカメラで撮る写真、楽には楽なんだが写真を撮るたびゴミを見る目で見られるのは少々傷つく。しっかり腕章つけてるでしょ！

由比ヶ浜「ヒッキーそっちは大丈夫？」

そう由比ヶ浜も俺と同じ雑用班なのだ、本当はリア充（笑）の先輩から俺とトゥギャザーしようぜ感満々の人に誘われていたのだが俺の雑用を手伝うといい今に至る。

八幡「ああ、まあなんとかな」

こっちも由比ヶ浜がいてくれるとハラハラしなくて助かる。

小町「おにーーちゃん！！」

ずしっと背中に重みが、と思い振り返ると小町がいた
流石俺の小町マジ可愛い永久就職はお兄ちゃんの下でありますように。

由比ヶ浜「あ、小町ちゃん！」

小町「結衣さん！」

二人はぺちゃくちゃと会話を始め俺は蚊帳の外。ふぇぇ・・・寂しいよう
26 : 皓 : 2014/12/27(土) 19:17:17

小町「それでお兄ちゃん何してるの？」

八幡「見て解んねえのかよ」

小町「ストーカー？」

八幡「お兄ちゃんにそうゆう事言うなよ・・・仕事だよ」

小町「お、お兄ちゃんが仕事？」

驚きを隠せないのか戸惑ってるのか反応できない小町

小町「バイト始めて「見てろ俺は伝説になるぜ」とか言ってた割に１週間で「あの親が厳しくて」とかわけわかんない理由で辞めてたお兄ちゃんが？」

よせ、やめろ。しょうがないだろバイト始める前なんてなんでもできるオーラが漂ってくるんだよ、店長の無理なオーダー受けたり客は捌けねえし。諦めが肝心★

小町の目からは水滴が落ちる

小町「小町嬉しいよ・・・あれでもなんでかなーお兄ちゃん遠い存在に見えるよ」

シクシクと顔を隠す小町。母ちゃんかよ、テストで始めて１００点取った時は「八幡、よくやったね！」と褒められた事が嬉しくなんとか２度目が取れたのだが「ふーん、そう」と言われた記憶を思い出しちゃっただろ。

八幡「ま、使いっぱしりみたいなもんだがな」

小町「なーんだ」

パッと泣き止みすました顔をされる。え、なにさっきのウソ泣き！？お兄ちゃんちょっと嬉しかったんだからね。

小町「結衣さんもすいませんねこんな兄の為に」

由比ヶ浜「ううん全然あたしも仕事だから！」

小町「ゆ、結衣さん・・・」

グシグシと目を拭う小町。それはさっきやっただろ、ちょっちね

小町「そうですか、じゃあ小町色々とみてくるから！それじゃあ結衣さんお兄ちゃんまたねー！」

颯爽と去っていく小町、あいつは何がしたかったんだ

由比ヶ浜「行っちゃったね小町ちゃん」

八幡「だな、じゃあ俺らもー・・・」

由比ヶ浜「？ヒッキー？」

仕事に取りかかろうとしたが人波の中に彼女の姿を見つけてしまった。雪ノ下　雪乃は一つ一つの教室をじっくり見ている。
仕事なのだろうと思い俺も彼女の姿をただ見ている

視界の中に俺達を捉えたのだろうこちらに向かってくる

雪ノ下「仕事？」

八幡「ああ」

由比ヶ浜「ゆきのんも仕事なの？」

雪ノ下「ええ。私は見回りよ」

八幡「昨日もしてただろ、クラスの方はいいのか？」

雪ノ下「…あんなのに行くのなら仕事をしてたほうがマシよ」

偉く不機嫌な雪ノ下は答える。
そういやＪ組はファッションショーか国際教養科は女子が９割らしいからな人を集めるのなら目立たせるしかない、そう考えると雪ノ下は駆り出されるのが必然だな。うわあそりゃ出たくないわな、嫌々ながらショーに出る雪ノ下も少々見たい気もする。

由比ヶ浜「うわー！楽しそう！ねえゆきのんもあたし達と見回りしない？」

雪ノ下「え？」

由比ヶ浜「私だけだとヒッキー見てられないの、それにゆきのんとも文化祭回りたいしさ」

子供の御守りじゃねえよ。それに部活意外だと由比ヶ浜と雪ノ下はクラスも違うし会う事が殆どないからなこうゆう時に思い出を作りたいのだろう。

雪ノ下「…そ、そうね。比企谷君が何をするかわからないものねいいわ一緒に回りましょう」

由比ヶ浜「うん！あ、ヒッキー写真撮って！」

雪ノ下の腕にくっつく由比ヶ浜。溜息をつくも視点をこちらに合す雪ノ下。見慣れた光景なのに懐かしいと思ってしまう、見れなくなった光景。彼女の笑顔。それが現実になっていることに喜びを覚えてしまう。だが大丈夫きっと今日それが証明される。

アングルを彼女らに合わせパシャりと写真を撮った。
27 : 空月 : 2014/12/30(火) 19:49:00

期待です。
28 : 皓 : 2014/12/30(火) 20:29:54

空月様
数々のコメント有難う御座います。
頑張らせて頂きます！
29 : 皓 : 2014/12/30(火) 22:15:10

由比ヶ浜の提案した一言により俺達は３人で見回ることになった。
傍からみたら「うわ、あいつリア充かよ、死ね」と思うかもしれん
だがな、この雪ノ下　雪乃と１週間一緒にいてみろ一週間前の自分を千葉の藻屑にしたくなること間違いなし。現に俺がなりそうでもある。

由比ヶ浜「うわ！すごあれなに！？あ、あれもあれも！」

雪ノ下「由比ヶ浜さん、もう少し静かにしてもらえるかしら」

文化祭で煩いとはいえ隣でハンドメガホンみたいな声ずっと出されてたら五月蠅いわな。

八幡「んでさっきから適当に歩いてるっぽいけど何処行くだ？」

雪ノ下「目的地には近づいてるわよ」

雪ノ下の後を追い、急に立ち止まる彼女にぶつかりそうになる

雪ノ下「着いたわ」

由比ヶ浜「ここって体育館？」

開け放たれた扉からは、もう結構な人たちがぞろぞろと集まっている。

雪ノ下「行きましょう」

雪ノ下達に続き俺は体育館の扉をくぐる。

並べられた席は満席座る場所すら見当たらない

由比ヶ浜「人多いね、騒ぎとか起きないのかな」

雪ノ下「……すぐ静かになるわ」

雪ノ下の言う通り先ほどのざわざわとした声は徐々に無くなり皆無言会場は静けさに覆われた。
セッティングされた楽器を横目で流しながら俺らは立ち見客達がいる最後方へ移動をしようとした時ざわつきが起きた。

ステージに目をやると様座な楽器を抱えた女性たちが華麗なドレスを身に纏い入場してくる。

そして、悠々とした足取りで登場するのは　雪ノ下　陽乃

陽乃さんがスカートの端を摘み上げ、淑やかに一礼する。
高いヒールで指揮台に上ると。タクトを手にし、すっと上に掲げ見る者に制止を強制する。

そして、鋭く振りぬいた。

鳴り響く旋律にきっと俺は驚きを隠せなかったに違いない
いつも見ている陽乃さんの姿とは一変しタクトを振りかざしている陽乃さんを素直にカッコいいと思ってしまう。指揮に続きヴァイオニスト達は立ち上がり、扇情的に弦を掻き鳴らす。

続いてフルート、ピッコロ、オーボエと次々と奏者達が立ち上がり軽やかにそのままステップを踏んだ。

しっかりまじまじと見たことがなく楽器を演奏する奏者達の気迫勢いのある序奏、さらには型破りに派手で激しい動き。

観客は新しい玩具を渡された子供の用に興味深々と只々ステージを見つめている。

不意に陽乃さんが高々と手を挙げ、左右に振った。
見る者の意識がその手に集まる。細く、長い指先がカウントを刻む。
そして、覚えのあるフレーズが耳に飛び込んでくる。大体の人がこの曲がなんであるか理解してきただろう。

陽乃さんは再び半身になって身体を反らせる。タクトは奏者に手は観客に手が勢いよく振られた。

ステージも観客も飛び跳ね、叫ぶ。

「Ｍambo!」

熱狂をそのままに、演奏はより加速する

そして、荒波のようにもう１度やってくる「Mambo!」

雰囲気はライブハウスそのものだった。
周りの者を巻き込んでしまうほどの演奏、観客たちは巻き込まれているのにも気づかず惹きこまれている

雪ノ下「……わ」

大迫力の中掠れ掠れで小さな声が聞こえた。

八幡「なんて？」

首を曲げ、耳を傾ける

雪ノ下「さすがだわ。と言ったのよ」

暗闇の中はっきり聞こえる。それは互いの距離が近い事を意味して思わず身を引いてしまう

八幡「意外だなお前が褒めるなんて」

雪ノ下「……そうかしら？これでも私は姉さん相当高く評価しているのよ」

近づいた分、しっかり聞こえるはずなのだが最後の部分は音にのまれるくらい小さかった

雪ノ下「私も、ああなりたかったから」

視線はステージの方へと向けられる。そこには美しく、何者も魅了し、かつ壮麗にタクトを振る陽乃さんがいた。

八幡「……なんなくていいだろ。今のままで」

発した呟きは、拍手と歓声で消えてしまったのか、雪ノ下の方を見ると彼女は床に倒れていた。
30 : 皓 : 2014/12/31(水) 18:24:33

頭が真っ白になった。
由比ヶ浜が叫んでいるのをただ立ち尽くしみているだけ、なにをすれば良いのか頭が回らず今の現状を一人で自問自答しているだけだった。駆け付けた平塚先生が担架を要求し他の先生と保健室に雪ノ下を連れて行った。

由比ヶ浜「……ッキー？」

なんだ、どうゆう事だ。なぜ彼女が被害を受ける。

由比ヶ浜「ヒッキー！！」

耳元まで聞こえる彼女の声は煩く耳に響いた

八幡「お、あ、由比ヶ浜か」

由比ヶ浜「ゆきのんのとこ行こ？」

由比ヶ浜は表情は暗く声のトーンはいつもより低い

八幡「ああ、行こう」

震えた拳を抑え、動かない自分の脚を無理やり言い聞かせるように動かし、人混みが溢れる廊下を掻き分け走った。
31 : 皓 : 2015/01/01(木) 13:58:37

室内は不穏な空気が漂い、病院のあの雰囲気のようだった。
まるで時が止まったように部屋の中は静かで居心地が悪い。

由比ヶ浜「平塚先生…ゆきのんは」

平塚「大丈夫だ、なあに安心しなさい」

安心。ベッドに横たわっている彼女をみて安心だなんて、先生だって本当は解っている筈なんだ。

由比ヶ浜「ゆきのんは、なんで急に・・・」

平塚「過労だそうだ。無理して仕事をしていたんだろう」

過労？どうして彼女が無理をしてまで仕事をする？相模の件は無い、実行委員が仕事を放棄しクラス店に行くような事はさせてもいない、負担が掛かる事もなく分担し皆仕事をしていた。

じゃあ何故彼女が倒れる？

平塚「比企谷大丈夫か？」

八幡「何がですか」

平塚「いや、なんでもない。それよりエンディングセレモニーはどうする？」

最後の挨拶を雪ノ下がして、文化祭は終了というのが今回の終幕だ。だが、雪ノ下がこうなっている以上それはムリだろう。
今頃三浦達が演奏をしているだろう、となれば今から代役を立てるか。いやムリだ、他の奴らは自分の仕事で手一杯の筈だ暇な奴がいたとしてもそいつが易々と引き受けてくれる訳がない。

由比ヶ浜「ヒッキー…？」

焦っているのがバレたのか由比ヶ浜が様子を窺がってくる

どうする。この際放送で発表したことにして終わらせるか？
そんなの納得してもらえるわけがない…くそ、どうして毎回俺は役に立てないんだ。

「……だ、大丈夫よ」

声がした方に目をやる。

そこには、よろよろとよろめきながら平然を保とうとしている雪ノ下　雪乃がベッドから起き上がっていた。
32 : 皓 : 2015/01/06(火) 00:51:35

平塚「雪ノ下」

由比ヶ浜「ゆきのん…」

雪ノ下「私は大丈夫よ。このくらい本当はなんともないの」

由比ヶ浜「でもゆきのん、すごい辛そう」

雪ノ下「大丈夫よ。少し疲れていただけだから」

心配する由比ヶ浜に大丈夫と言う雪ノ下。その姿を見るだけで胸が苦しくなのはあの時と同じで吐き気を催しそうになった。

平塚「雪ノ下残念だが、君をこの部屋から出すわけには行かない。もし、君がまたこのような事になっては困るからな」

雪ノ下「次はならー「なってからでは遅いんだ！」

初めて聞いた平塚先生の怒鳴り声に俺達は驚き響き渡る声をただ聞いていた

平塚「雪ノ下が倒れたと聞いて私は驚きと同時に怖かった。君は優秀だ。優秀と同時に努力家だ。そんな君だ、必ず無茶をするに決まっていると思った、文実は仕事ペースもよく回っていると思っていたのだが君は家に帰ってまた作業をしていたな？」

由比ヶ浜「え・・・」

表情を隠せない由比ヶ浜は固まったまま雪ノ下を直視している

雪ノ下「……」

平塚「雪ノ下。君は頼りたくないのかもしれない。頼らないのは悪い事ではない、だが、頼ってほしいと思っている物がここにいる事を意識して欲しい」

由比ヶ浜はうんうんと頷き俺は小さく頷く

雪ノ下「…はい」

小さく聞こえる声が少し嬉しそうだったのは気のせいか？

平塚「さて、言いたいことはまだまだあるがこの辺にしよう、雪ノ下もう大丈夫だな？」

雪ノ下「はい」

平塚「うむ、私は少々用事ができた。君たちはまだ若い悔いが残らないようにしなさい」

ドアが閉まる音と同時に沈黙が訪れる。

その沈黙を破ったのは雪ノ下だった。

雪ノ下「ごめんなさい、私のせいでエンディングセレモニーが」

由比ヶ浜「セレモニーなんてどうでもいいよ。ゆきのんが倒れた方が心配だよ」

雪ノ下「由比ヶ浜さん…」

由比ヶ浜「だから…約束！今後こんな事しないで！もっと頼ってあたし達友達なんだから」

雪ノ下「友達・・・ええ、そうさせてもらうわ」

由比ヶ浜「うん！」

抱き付く由比ヶ浜に暑いと言う雪ノ下、なにこのアウェイ感。
一瞬でお花畑化しちまったぞ、なにこれ。なにゆり？

雪ノ下「比企谷君。由比ヶ浜さん」

八幡「あん？」

由比ヶ浜「なに？」

雪ノ下「私は言われた通りここを抜けるわけには行かないの。それでもセレモニーは完了させなければいけない、迷惑なのは重々承知なのだけれど、この頼みを聞いてくれないかしら？」

由比ヶ浜「迷惑だなんて思ってないよ」

八幡「ああ。なんならもっと頼ってくれて構わない恩を着せれるからな」

雪ノ下「貴方は相変わらずね。それでも、ありがとう、宜しく頼むわ」

俺は手を挙げ返事をする。これから待つ難関を知らず。でも、難関くらいどうって事ないように思えてしまう、たかが彼女が俺らを頼ってくれるだけでなんでもできてしまいそうに思えてしまうのだ。

俺は一呼吸しドアを開けた
33 : 皓 : 2015/01/06(火) 21:25:13

体育館へ向かう廊下の途中由比ヶ浜は小さく笑った

八幡「どうした？」

由比ヶ浜「ゆきのんもっと頼ってくれるといいね」

八幡「さっきのか、徐々にでいいだろ。いきなり頼まれるとこっちが困る」

容赦なさそうだからな雪ノ下

由比ヶ浜「またそういって本当は嬉しい癖に」

八幡「はっ。どうだか」

由比ヶ浜「それよりセレモニーどうするの？」

問題はそれだ。と思っているうちに体育館に着いてしまった。
長い長いと思っていた廊下もあっという間で今となっては特になんとも思わない。

俺らは舞台裏に行き現状を把握する
ステージで三浦達が時間は過ぎたはずなのに演奏をしている遅くなっている俺たちの為に時間を稼いでくれたのだろう。雪ノ下から貰ったこの集計結果の紙。さて、ここからが本題だ。俺はギターなど弾けないし歌だって上手くないこれ以上の時間稼ぎはムリだ。

となれば、この状況で発表をしてくれる人を探さねばならん

だが、それで彼女は納得するのだろうか？

頼む事を恐れ勇気を出してまで言った彼女の発言は俺らに向けて言ったのではないのか？

ここで他人に任せては彼女の意志に背いてしまうような気がする

ならば、俺がすることは―――――

戻って来る三浦達に礼を良い自分がすることの準備をした
準備といっても特に用意するものもなく、ただ心を落ち着け緊張を無くすだけだなと思う。

エンディングセレモニーつつがなく行われる。

着実と進んでいく進行と、共に鼓動は高鳴ってくる。
ああきっと俺は今日黒歴史をまた一つ刻んでしまうのだろう。

[それでは最後に文化祭実行委員長より発表があります！委員長お願いします！]

聞いたことのあるおっとりぽわぽわ癒し系声が今やオラオラ系ドＳ声に聞こえる。ふぇぇ…行きたくないよう。

足取りは重く足枷を付けているようだ。歩く一歩は小さくまるで行くのを拒む別の生き物の用に思えてきた。

あてられるスポットライトが眩しくいつもより目が腐っているに違いない。外野から聞こえる「誰だあれ？」「あれ違うような？」と聞こえるのも分かっている、自分でも正直なにをしているのか未だはっきりしない

相模が緊張し内容が飛ぶのも理解できる。
というか頭空っぽ過ぎてなんていえばいいかわからん…

雪ノ下の代わりに出たのはいいが他の奴らが状況を把握できてなく俺が喋っても「は？」みたいな反応しか返ってこないだろう
ハハハこれでまた自分で自分の黒歴史を作ったな。今回のは相当高いだろ…

そう自分で自分に喋っていると後ろから走って来る足音が聞こえる

由比ヶ浜「委員長は体調が優れない為私達が代わりに行います！」

八幡「ゆ、由比ヶ浜…」

小さく聞こえるように喋ると由比ヶ浜も習うように小さく喋りかけてくる。

由比ヶ浜「ゆきのんは"私達"に頼んだんでしょ？」

"比企谷君。由比ヶ浜さん。この頼み聞いてくれないかしら"

雪ノ下の言葉を思い出し由比ヶ浜の方を向く

八幡「すまん」

由比ヶ浜「ううん、いいよ。でもヒッキーも一人で抱え込まないで？」

向けられた視線は優しく見つめてしまう程綺麗だった

八幡「…ああ」

由比ヶ浜「うん！皆文化祭お疲れ―！」

彼女が進める挨拶は普段とは違う頼もしさがあり、生徒たちもそれにつられて笑い、拳を挙げる。皆声を高らかにし「お疲れ！」「楽しかったぞ！」「また頑張ろう！」と、声を上げていた

ステージから見る彼ら彼女らの顔は笑顔で満ち、不満や不穏な空気は一切なくその光景は文化祭の終わりを実感した。
34 : 皓 : 2015/01/25(日) 20:33:11

何とか閉会式を終え、俺と由比ヶ浜は雪ノ下が居るであろう保健室に向かっていた。昼間のような人混みや雑音は無く、所々に捨てられているゴミ、片づけられていく道具を見ながら寂しく思ってしまう。文化祭が終わるから？これで何もかもが終わるから？そんな事を思いながら目的地へと向かう。

保健室に着き　ドアの前に立つ、ふと由比ヶ浜の顔を見る、由比ヶ浜は察したのか小さく首を縦に振り俺はドアを開けた。

部屋に入ると直ぐに彼女の姿が目に入った。
夕暮れの陽にあてられている彼女は何時か見た彼女そっくりだった

雪ノ下「…迷惑をかけたわ」

雪ノ下は俺らの方に少しずつ近づき少し距離を置き止まった

八幡「気にすんな」

由比ヶ浜「そうだよ！終わりよければ全てよしでしょ！」

うわでたよ、その言葉。家庭科の時たこ焼き作るはずなのにそいつがタコ忘れてタコ無し焼きになってそいつもそんな事言ってやがったな。タコ無しとか小麦粉の味しかしなかったぞ。俺のだけソースすらかかってなかったし…。

雪ノ下「由比ヶ浜さん。比企谷君」

真剣な声音を放つ雪ノ下を俺らは見つめる

雪ノ下「ありがとう。本当に助かったわ」

薄くだが笑う彼女はなんというか綺麗で顔を逸らしてしまった。

由比ヶ浜「ゆきのん！」

雪ノ下「由比ヶ浜さん…苦しい」

雪ノ下の腕にくっつき離れない由比ヶ浜。その光景は奉仕部の放課後のようだった。

ーーーー
ーーー
ー

報告書を書くために奉仕部にいる。ここしか落ち着ける場所ねえし
殆どの奴らはどうせ今頃うぇいうぇいしてんだろ…羨ましくねえけど。

八幡「てかお前はいてもいいのか？」

雪ノ下「ええ、体調は大分良くなっているから大丈夫よ」

雪ノ下もなにか書類を書くためにいるらしい。由比ヶ浜はいつの間にかいなくなっていた。忍者かよ。ドロン。

雪ノ下「それより聞いたわ貴方一人でステージに行ったそうね」

八幡「お前の情報早すぎだろ。なに俺の事ストーカーしての？」

俺も有名になったなー嫌な意味で。

雪ノ下「気持ち悪い解釈はやめて頂戴。由比ヶ浜さんから聞いたのよ」

おのれ由比ヶ浜…なんでも言いやがって。その内小町にも聞いてきそうな予感。

雪ノ下「でも…それでも。私はー「やっはろー！」

煩い声を出したのはご存知の通り由比ヶ浜。なんか後ろにぞろぞろいるけど？

八幡「その変な挨拶いい加減直せよ」

うちの小町も変な挨拶真似しちまってお兄ちゃんはちょっと心配です。

由比ヶ浜「変じゃないし！あ、そうそう。ゆきのんとヒッキーも行くでしょ？」

八幡「何処に？」

三浦「打上げっしょ」

咄嗟にビクッと反応してしまう。ビビった三浦かよ。それに葉山や海老名さんなども後ろにいた。

八幡「俺は行ってもいいぜ」

雪ノ下「・・・」　由比ヶ浜「・・・」

見られている。確実に見られている。その視線恐いんでやめてもらえます？

八幡「なんだよ」

雪ノ下「いいえ」　由比ヶ浜「べつに」

揃えて言うな益々怖い。

葉山「雪ノ下さんも行こうよ」

ニコッとイケメン笑顔の葉山が誘う。相変わらず流石だな。

雪ノ下「いえ私は…」

三浦「べつにこればいいんじゃない？」

意外だ。犬猿の仲だった三浦が誘うのは驚いた。

由比ヶ浜「ゆきのん・・・行こうよ？」

雪ノ下「私は・・・」

すいませんここで分岐ルートがあります。

1.　行く

2.　行かない

１と２でエンディングが変わります。面倒くさいかもしれませんが見たい方にコメントを下さいお願いします。
35 : クリーム : 2015/01/31(土) 18:42:07

１　期待です！
36 : ぺ : 2015/02/01(日) 01:20:52

1で
37 : 皓 : 2015/02/01(日) 21:45:47

じけい＠クリーム様

　ぺ　様

コメント有難うございます！御二方の選択が同じで良かったですそれでは書かせていただきます。

雪ノ下「私は…行くわ」

由比ヶ浜「やったあー！それじゃ皆で行こ－！」

雪ノ下が断らない？いやそれが可笑しいわけじゃない。何回目のルートを繰り返しても雪ノ下が行くことはなかった。どうゆう事だ？
危機が去ったのか？成功と言えるのか？俺はこれで悲しまなくて済むのか？

葉山「比企谷？大丈夫か？」

肩を叩かれ様子を聞かれるがあまり意識ができない

八幡「あ、ああ　すまんなんでもない」

葉山「そうか？」

由比ヶ浜「遅い二人とも早く！」

扉の前で支度を終え待っている由比ヶ浜達が俺らを待っていた

八幡「今行く」

慎重に。何があるか分からん、いつだってそうだったろ。まだ由比ヶ浜の事が心配だ　目を離さないようにしないとな。

机の上にあるバッグを持ち　教室を出る　窓から見る外は夕日が綺麗でそのせいなのか目を逸らさないと頭がくらくらする。

呼ばれた声に反応し俺は軽く手を挙げ　ドアを閉めた。
38 : 皓 : 2015/02/03(火) 22:07:51

校門を出る途中で俺の心の天使である戸塚　彩加に会い戸塚も誘うとピョンピョン跳ねながら行く行く！と嬉しそうに言ったため俺も心がぴょんぴょんした。

学校を出て少し歩いていると戸塚に肩を叩かれた。やばい、なんだこれ　フラグか？告白フラグか！？金のエンゼル当たるくらい嬉しい。戸塚の缶詰は俺が貰う！だが、俺の当ては外れたらしく戸塚は怯えた表情で空を見上げている。

八幡「戸塚どうした？」

戸塚「は、八幡。赤い月が…」

八幡「は？」

暁？あれだろ、うん　よくテレビで観たし分かるぞ。強いよなあいつら…んで誰だっけ？

八幡「すまん。俺中忍試験のとこで観るのやめたんだ」

戸塚「八幡何を言ってるの？僕が言いたいのは空の赤い月の事を言ってるの！」

赤い月？俺は空を見上げ確認をするがいつもと変わらない月が見える

八幡「いや、いつもと変わらないが…」

戸塚「え？あ、本当だ。あれ？」

由比ヶ浜「ヒッキー達遅いよー！早く！」

由比ヶ浜達は随分先まで行っていたらしく立ち止まり俺らを待っていた。

八幡「すまん今行く。行くか戸塚」

戸塚「…うん」

戸塚の発言が気になっていたがその時の俺は然程気にせずいつの間にか忘れてしまっていた。

―――――
―――
――
39 : 皓 : 2015/02/04(水) 20:39:26

それから俺らは葉山が場所を予約していた場所に向かった。
中に入るとお洒落なアンティークや大人の雰囲気を醸し出すようなカウンター席等。俺が到底行くことはないだろうと思える店だった

葉山「８名で予約しておいた葉山なんですが」

葉山は店員に確認を取りに行った。ん…？八人？
戻ってきた葉山はニコッと笑顔を作る

葉山「こっちだ行こう」

俺は気になり葉山に尋ねることにした

八幡「おい葉山さっき８人って最初から分かってたのか？」

葉山は俺の顔を見ると「まさか」と軽く笑い予約の取ってあった席で止まった。

葉山「元々皆を誘うつもりだったんだ。　もし７人でも都合が悪かったって事で言えばいいしさ、皆これてよかったよ」

八幡「そ、そうか」

半分苦笑いになってしまったが気にしてもしょうがないか。
その後俺らは料理を頼み楽しいひと時のようなものを過ごした。

―――――
―――
―
店を出て次は何処に行くかも分からず、後ろの方で葉山達を追っていた。

戸部「いやーまじ美味かったべ」

三浦「でしょ隼人本当センスいい」

確かに。正直美味いと思った、だが。パスタもピザも肉も野菜も全部サイゼにあるだろうが！入った感じ「あれ、ここサイゼのパクリ？」とか思っちまったよ　やっぱりサイゼ最高。家のご飯ですらサイゼのドリアに思えてくるぜ。…小町さんごめんなさい。調子こきました。
40 : 皓 : 2015/02/07(土) 13:49:13

お腹も膨れ　俺的には早く終わって欲しい気もあったがあいつらはそうは思わないらしい。
いつもの用に葉山グループは戸部が煩い声を上げそれを葉山が軽く笑いながら答える。三浦は携帯を弄りながら話を聞いてるしもう一人の人はさっきから鼻血垂れてますけど本当に大丈夫ですか？

雪ノ下達はというと由比ヶ浜や戸塚とワイワイ楽しく話をしている。
俺？俺は話す人もいなければ途中の話に割り込むスキルもなければコミュニティー能力もないからな、後ろ３歩下がって眺めるだけだ。

葉山達の足取りが止まりなんだ？と見ると、どうやら来たかった場所に着いたらしい。

戸部「いややっぱ打上げの後はゲーセンで決まりっしょ！」

なんで打上げの後まで雑音聞かなあかんねん。なんだよその鍋食べ終わった後は必ずしめのラーメンだな！みたいな感じ。どちらかというと俺うどん派なんだよ。

中に入るとクレーンゲームやらカードゲームなど幅広い機械が冷蔵庫の用に並んでいる。耳に鳴り響く雑音が発砲をした後の耳鳴りに近いような気もする。

雪ノ下「前と同じようにこの音は変わらないのね」

俺の隣でポツンと発言をする雪ノ下。
ああ。由比ヶ浜の誕生日プレゼント買いに来た時一度一緒に行ったことあったからか。

八幡「またパンさんグッズがあるといいな」

雪ノ下「…い、いらないわよ」

不機嫌になったのか早足で由比ヶ浜達の方へ向かう雪ノ下。
軽く息を吐き周りを確認をすると壁に貼られたポスターに視線をむけると[パンさんフェア実施中！]の文字が見えた。
41 : 皓 : 2015/02/08(日) 22:26:12

並べられたクレーンの機械を横目で流しながら見ていると聞こえ慣れた声の方へ行った。

雪ノ下「…どうしてとれないのかしら…」

無口な機械に問いかけるように睨みつけながらブツブツ言っている雪ノ下を見つけた。

狙っているのは、そう。パンさんフェアのぬいぐるみらしい。
驚かせるのは悪いと思い少し様子を見ようと思った。

意地になっているのか金銭を入れボタンを押す、狙いどころは良いと思うのがバカ正直に対象を取ろうとしても取れない事が多い。
対象の物を押しながら取る方法も。引っかけたり取る方法もある。
だがそうゆうやり方は失敗する事が多くお金の消費が多い。いやどれも消費は多そうだが。

これまたとれなかったらしく雪ノ下は溜息を吐きながら周りを見る。

八幡「・・・」　　

雪ノ下「・・・」

彼女の顔が急に苺のように真っ赤になりどんどんと近づいてくる

雪ノ下「前々から貴方の行動には呆れていたのだけれど。人の行動を監視する趣味もあったなんて気持ち悪いわ」

貶されるのは毎度の事なのだがそんなに顔を赤くしながら言われても俺もどうすればいいか分からないんだが。

八幡「わ、悪かった」

雪ノ下「わかればいいのよ、それじゃ」

欲しいのに素直にならない雪ノ下ゆっくり歩きながら物欲しそうにパンさんを見ている

八幡「はあ…とってやるよ」

雪ノ下「"取ってやる"？貴方日本語はしっかりと使った方がいいわよ？貴方がするのは人にまかせて取ってもらうのでしょ？」

ぐぬぬ・・・そうだ。以前の俺はそうだ。あの方が楽だし、それにお金がそんなにかからなくてすむ。だが見てろよ。

俺はクレーンゲームの前に立ちコインを入れる。不可解な音が鳴りボタンの色が光る、ボタンを長押しをし転がっているパンさんをみる。俺がやっているのは商品がは穴に引っかければ取れる簡単な物なのだがその穴が小さく狙いずらい。

長押しされたボタンを穴の近くに停め最後のボタンを押す。
クレーンは下に下がりムダな緊張を漂わせる

良い所に狙ったらしく上手く入りそうなところまでいく、だが良い具合に外れてしまう。

八幡「くそう…」

雪ノ下「比企谷君。あれ」

八幡「んあ？」

商品の箱が押されそのまま落ちた。

俺はなにを感じることもなくその物を雪ノ下に手渡した

雪ノ下「こ、これはなにかしら？」

八幡「お前が欲しがってたものだよ」

雪ノ下「私がいつ欲しいなんて言ったかしら？」

うわあ、めんどくせえ…小町だったら「お兄ちゃんありがと！大好き」くらい言って他のも取りに行くんだけどな。うわ、俺ちょろすぎ

八幡「はあ、いいからやるって」

雪ノ下「いいえ貴方のお金で取ったのでしょ？貴方が持っているべきよ」

ここまで遠慮されるとこれはこれで傷つく。

八幡「お前にやりたかったから取ったんだよ、ほら」

強引に渡してしまったが、また「いらない」とか言われるんだろうな。
雪ノ下に視線をむけると雪ノ下は一瞬固まりそして、視線をそらした

雪ノ下「か、返さないわよ」

八幡「いや、いらないから」

雪ノ下「後から言っても渡さないわよ」

八幡「欲しくてとってねえって」

雪ノ下「でも、嬉しかったわ。その、ありがとう」

ぬいぐるみに顔をうずめてちらりと見てくる姿に慣れない感情が出てしまい不覚にも心臓が高鳴った。俺は「ああ」とだけ返事をし、込み上げてくる喜びを抑え頭を掻いた
42 : 皓 : 2015/02/11(水) 20:33:33

楽しい事はあっという間と言うがそれは本当らしい。
葉山達は挨拶を済ませ三浦達と帰って行った。しっかり礼を言う事が出来なかったな、また礼を言っとかないとな。ああ、でも

次に会うことが出来るか分からないか

戸塚「雪ノ下さん　由比ヶ浜さんばいばーい！」

雪ノ下「さようなら」

由比ヶ浜「さいちゃんまた明日ねー！」

手をぶんぶんと振りながら駅の改札を通る可愛らしい戸塚を見送った、いや別に俺だけ言ってくれなかったからっていいんだよ？いいけど目から汗が出て止まらないんだが。

「はちまーん！」

遠くから聞こえた声を元に目を向けるとニコニコと笑顔をむける戸塚がいた

戸塚「八幡ばいばーい！！」

か、可愛すぎやろ…なんなら改札通り越して戸塚を抱きしめたい
ああ、いかんいかん。それはいけないだろ。まずは切符を買ってからしっかり通らねば。

戸塚「また明日ね！」

八幡「・・・あ、ああ。また、な」

手を振りその後丁度来た電車に乗る戸塚の姿を確認した。

―――――
―――
―

由比ヶ浜を送るため由比ヶ浜と一緒に行ったのだが雪ノ下も付いてくることになった理由を聞くと「貴方が邪な考えで由比ヶ浜さんに被害があったら困る」と言う事らしい。どんだけ信用してねえんだよ。

八幡「由比ヶ浜、今日はありがとな」

由比ヶ浜「ん？へ？」

何のこと？と解りやすい表情の由比ヶ浜。由比ヶ浜らしいな。

八幡「セレモニーの事だよ、お前がいなかったら進めれなかった」

由比ヶ浜「あああれね！いえいえ、どういたしまして」

ニカッと笑いながら由比ヶ浜は空を眺めはじめた

由比ヶ浜「ゆきのんも体調治って良かったよ」

雪ノ下「ありがとう、由比ヶ浜さん達のお陰よ」

"達"って俺も入ってんのか？いや、それはないか、平塚先生とかだよな。そういや平塚先生は何してんだろうな。

八幡「治ったのはいいが口調は相変わらずなんだよな」

雪ノ下「あら貴方も一度体調を崩したら？あら？表情からしてもうかかっているのかしら？」

八幡「おい、そのちょっといい笑顔で俺を苛めるのやめてくんない？表情とか元々だろうが、一応放課後に見てんだろうが」

自分でも鏡見たら「あれ？俺やばくない」って思っちゃった時あるんだよ主に目が原因だよな。

由比ヶ浜「・・・ふふっ」

急に小さく笑う由比ヶ浜、え、なにこの子怖い。由比ヶ浜は俺らを見ながら更に笑う

由比ヶ浜「なんか久しぶりだよね。いつもの放課後みたい」

八幡「・・・そうだな」

雪ノ下「そうね」

いつもの放課後。それがどんなに大切だったのか

由比ヶ浜「あ、来た来た」

来た、というのはバスの事だろうか？停留所にバスが停まり由比ヶ浜はくるっと振り向き小さく手を振る。

由比ヶ浜「ヒッキー、ゆきのん、また明日」

照れくさいのか顔が少しずつ赤くなるのがよく分かる、こっちまで照れ臭くなるからやめろ、いやまじで。

八幡「またな」

雪ノ下「由比ヶ浜さん、さようなら」

発車するバスの音を聞きながらバスを見る。
窓をみると由比ヶ浜が手を振りながら「ばいばい」と言っている
子供か。と言うのを抑え手を振ってしまう

バスが見えなった。やった、やったぞ　等々終えた。

俺は救えたか？未来を変えれたのか？

また　彼女の笑顔を見ることが出来るのか？

もう一度バスを確認し、誰も居ない道路を眺め拳を握りしめた。
43 : 皓 : 2015/02/25(水) 16:13:56

不安が確信へと変わり安堵し地面へ跪いてしまう
時刻を確認し事故のあった時間を通り過ぎていることに気が付く

八幡「や、やった。これで、もう大丈夫だよな…？」

つい独り言を言ってしまい隣にいた雪ノ下が不安げにこちらを見ている

雪ノ下「比企谷君今日はもう帰りましょう」

雪ノ下からそんな言葉が出るとは。と思ったがまだ今日は終わってはいない、何があるから帰るわけにはいかんか。

八幡「わり、今日はもう少し適当に歩いてるは」

雪ノ下「貴方只でさえ不審者みたいな顔なのに夜に一人で歩いていたら警察沙汰になるのは確実よ」

心配してくれているのか、それともただ俺を貶したいのか解らん奴だ。いや明らか貶してるよな？

雪ノ下「だから私もついてくわ」

八幡「は？なんで？」

雪ノ下「だめかしら？」

八幡「いやいいが・・・」

本当ならばここでまたなにか言われるのだろうと思っていたのだが俺の予想を変えた事に驚いた

―――――
―――
―

あれから特に異常もなく由比ヶ浜にメールを送ってみるとやたら顔文字が多い頭の悪そうなメールが返ってきた。既に由比ヶ浜は家に着きリビングでテレビを見ているとの事だった

一方俺らはというと、特に話す事も無く。気味の悪い空のしたゴールの見えないウォーキングのような事をしていた
俺は聞きたい事を思いつき聞いてみることにした

八幡「なあ、なんで今日打上げなんか来たんだ？いつもなら来ないはずだろ」

雪ノ下「あら、貴方だって普段なら行かないはずでしょ？どうゆう風の吹き回しかしら？」

質問に質問を返されるとは…適当なこと言っても信じてくれねえしな。

雪ノ下「行かなきゃいけないと決めたからよ」

急にわけわからない事を言われ俺の頭の上にはきっと？なマークが浮上していたに違いない

八幡「打上げにか？」

雪ノ下「いいえ、でも後悔はしたくないの」

八幡「・・・」

雪ノ下の見る視線の先にはきっと違うものが映し出されているんだろう。どんな事を思ってそんな発言をするのか。まるで俺のようだ。だが、そんなのは勝手な理想だ。理想は理想。俺の考えで勝手な事を押し付けるのはお門違いだろう。俺が彼女を解ろうとするにはどれだけ犠牲を払えばいいのだろう。
44 : 皓 : 2015/03/01(日) 13:39:30

どれほど歩いただろうか？確認をする物の偶然なのか電源が切れ真っ暗の画面を見つめている、あの後俺らは言葉を交わすことなくただひたすら歩いている

こんなに静かな夜は初めてで空間だけ何処か別の世界にあるのでは、とか俺らしかこの世界にはいないのでは。と思ったりもしてしまう

だが疑問に思ってしまうのは　雪ノ下の事だ。特に理由も無く俺と一緒に歩くか普通？可笑しい。やはり今日の雪ノ下は可笑しい。いやいつも可笑しいんですけど。俺が言うのもなんだけど

何処か見慣れた場所に着いたと思い辺りを見回した。

そこは俺が一番来たくない場所だった

此処は由比ヶ浜を亡くしてしまった場所だ

色々な事を思い出してしまうからここは通らないようにしていたのだがここまで来ていたとは

だがもう大丈夫だ。過去を俺は救った、だからもう思い出さなくて済む、俺は横断歩道を軽い足取りで渡ろうとした。車が近づいていることに気づき音の方へ向く

車はスピードを落とそうとはせず。気のせいか先程よりスピードが増していっている気がする。俺はやばいと思い足を動かそうとする。だがどうしてだ足が動かず誰かに掴まれているような気持ち悪さがある。

八幡「・・・俺、死ぬのか？」

ふと口に出してしまう、由比ヶ浜を救えてまたあいつが生きていてくれさえすれば・・・まあいいか。

八幡「…ああ。でも死にたくねえな…」

そう口にした後俺は強い衝撃を受け道路の脇の所へ飛ばされた
45 : クリーム : 2015/03/01(日) 15:52:35

頑張ってください
46 : 皓 : 2015/03/01(日) 20:20:03

じけい＠クリーム様

有難うございます！次でこの作品は終わると思いますのでそれまでお付き合いお願いします。
47 : 皓 : 2015/03/04(水) 12:21:01

目を開けると少しの痛みを感じた誰かに脇腹を殴られるような、頬を抓られ痛いと思うような、何とも思えない痛み。

跳ねられてこの位の痛みって俺大丈夫か？あれ・・・

どうやら痛いのは肩や横腹だけらしく他に目立った怪我は見えない
俺はよろよろと立ち上がり状況を把握しようとした。

軽い軽傷で済むに決まってる　痛みが全身にこないわけだ

彼女が俺なんかを庇ったのだから

道路に倒れピクリとも動かない彼女を見た瞬間あの時を思い出した

身体は冷え切り心臓は太鼓のような大きくされどひ弱な音を鳴らしていた

八幡「お・・い　おい雪ノ下」

彼女は反応さえせず目を瞑っている

俺は雪ノ下を揺らしどうにか起こそうとする　するとピクリと肩が反応をした

雪ノ下「・・・ひ、きがやくん？」

鼓動は高鳴りを止めず　安否を確認したにも関わらず手は震えたままだ

八幡「取りあえず病院へ「・・まって」なんだ？」

雪ノ下「もう。いいわ」

彼女から聞きたくない一言。弱音とも言えず何かを悟ったような一言。その一言が聞きたくない。まるで、もう諦めたかのようで

八幡「よくねえよ　今からでｍ「貴方が助かっただけで十分だわ」

八幡「・・・は？」

雪ノ下「貴方は何をするか解らないわね、でもこれでいいわ私の役目は終わったのかしら・・・」

意味が分からん、雪ノ下は何を言っているんだ？役目？何をするかわからん？

雪ノ下「・・・葉山君に頼んだのは失敗だったわ」

八幡「まて何を言ってるんだ」

雪ノ下「あのぬいぐるみ本当に嬉し、、かったわ」

次第に彼女の手が冷たくなっていくのがわかる、全身が蒼白しだし　まるで体温がなくなってるよう・・で

雪ノ下「ひ、きが・・やくん。私ね。ほんと、、うは。み・・」

だらん、と腕がぶらぶらゆっくりとゆっくりと・・・

その途端頭にジジーとノイズ音が聞こえだした

[アハハハ、ねェうマく往くト思った？]

聞いたこともない声。若すぎずかと言って大人すぎる声でもない声が頭中に響く

[アガいてドうに可なると想ッてタわケ？]

お前は誰だ煩い俺の中で話しかけるな。問いかけてもそいつが俺に反応をすることはない

[でもシょうガないよな？そレがおまエの償いなノだから]

[オマえはだれモ救えない。オマエは無力だ]

淡々と喋りかけるそいつはゲームの説明をするように軽やかに話す

[デモもう救えナいねそロソろタイむオーバぁだ]

[そレではバイバイ　ヒキ谷くン♪]

雑音と共に不気味な声は消え去り頭痛が治まった。

"償い"か

八幡「・・・ああ、そうか俺が全部悪かったのか」

俺は彼女をゆっくり抱きかかえ顔を上げる。

ああ。そうゆうことか。

不気味な赤色をした月は俺の無様さを笑うかのように綺麗にそして気味の悪い星を放っていた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　完
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　
48 : トールネーゼ : 2015/04/24(金) 23:20:16

楽しかったよ。
49 : 名無しさん : 2015/04/25(土) 15:54:42

違う事する八幡ってのも面白い
打ち上げ行かないルートも読みたかったな

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著者情報

皓

@kyamkoki

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