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『魔族の国の、国王になっていただけませんか?』〜第2話〜
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- 1 : 2014/11/08(土) 16:37:37 :
- 未分類初挑戦!!
第2話です(*´・ω・)
第1話
http://www.ssnote.net/archives/26346
ではでは
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- 2 : 2014/11/08(土) 22:37:17 :
-
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──────────
昼下がりの中庭
秋の涼しい風が通り抜ける
「…で、これが、片方に刃があり、大きな反りが特徴なものです」
そう言い、
堕ちた神は鞘に入った刀を渡す
「へぇ…」
人間にして、魔族の国の王
榊 凛太朗は
自分の使うための剣を選ぶため、
様々な剣の説明を受けていた
凛太朗は
渡された刀をスラリと引き抜く
日光に反射して
磨かれた刀身が輝いている
日本刀みたいだな…
そう思いながら
2、3回ほど振るってみる
「…さっきのよりは軽いな」
「そうですか」
「でもオレ、まともに剣とか刀とか使ったことないけど…本当に必要なのか?」
そう疑問に思い、口に出す
「必要ですよ?それに雷撃はまだ十分には使えませんよね?」
「う…」
たしかにその通りだ
さっき練習したときは
全く思ったようにはいかなかった
「まぁ…またそれはいつか…」
「陛下には雷撃や剣術…国王としての仕事など、とても沢山のことを覚えて頂かないといけないので」
「…がんばるよ」
「ハイ♪」
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- 3 : 2014/11/08(土) 22:38:03 :
「…ん?」
中庭からつづく廊下の前に
誰か立っていることに気付く
見た目はほぼヒトと同じ
黒の綺麗なドレスを着た女性…
たしか
まだ寝込んでるときに部屋に来た
聞き取れないくらい声の小さかったメイドさんか…
あれ…?
彼女の眼の色は…白ではなく、深い黒
…堕神と同じだ
なぜ初めて見たときに気付かなかった…?
「…」
彼女は
見ているだけで一言も発さない
「…昼食ですか?」
見かねたのか、堕神が声をかける
そうすると
彼女は小さく頷き、
廊下の奥へ行ってしまった
「…では、行きましょうか」
「わかった…」
───────────────
──────────
昼食は
様々な具材が入ったサンドイッチ
そのうちの一つを手に取り、
大きく一口かじる
カリカリに香ばしく焼けたベーコンと
新鮮なシャキシャキとしたレタス
オニオンとニンニクの風味も良いアクセントになっている
酸っぱさが強めの
濃厚なマヨネーズのようなソース
まるで全て計算されているかのような整った味
「うまい…」
思わずそう呟く
「それはよかったです♪」
「…これって……オレが元々いたところにもあるような食材か?」
「はい。この国で栽培はしたのですが、種は人間界のものですよ♪」
「…すごいな……こんなに味が変わるのか…」
「陛下専属のコックはとても優秀ですから♪」
「専属のコックなんているのか!?」
「信頼の置ける方を採用しております。陛下ももう会ったハズですよ?」
「もう会った…?」
「さっき中庭に呼びに来てくれた無口の女性ですよ」
「へぇ……あの子か…」
呼びに来たというか…
なにも喋ってなかったけど…
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- 4 : 2014/11/08(土) 22:38:44 :
「今度…作り方教えてもらおうかな」
「陛下自らがお作りになられるのですか?」
「…あ、そうか……」
もう自分で作る必要は無いのか…
1人の自分にとって
料理は数少ない
楽しみだったんだけどな…
「いや、やっぱ聞いておくよ。気になるから」
「……彼女からですか…?」
と、少し心配そうな声をかけて来る
たしかにさっきは一言も話してくれなかったけれど
部屋に来たときは話してくれたし…
きっと料理について聞くぐらいは…
「陛下!!大変です!!」
そのとき、
突然大きな音を立てドアが空き
1人の男性の魔族が入ってくる
「…どうかしましたか?」
堕神が落ち着いて声をかける
勢い良く入ってきた彼は、息を切らしながら続けた
「先ほど逃げ延びた兵士が伝えに来たのですが…」
「隣国の女王様一行が……リザードマンの群れに捕まりました!!!」
知らせを聞いて唖然とした
リザードマンという魔物の正体も、
どれほど危険な魔物なのかもわからないが
とてもマズイことが起こったということぐらいはわかる
約束したんだ…
『何かあったら全部任せろ』って…
約束は…守らなきゃな
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- 5 : 2014/11/08(土) 22:39:14 :
「…行くぞ!!」
そう言い、勢い良く立ち上がる
「陛下!?自ら行くおつもりですか!?」
堕神は少し驚いたように返す
「捜索隊を組みます!お任せください!!」
「そんな時間も惜しいだろ!」
…冷静な判断じゃ無いかもしれない
「しかし…!陛下の身に何かあっては!!」
だけど…
「そんなのどうでもいい!!…約束したんだよ!!」
こうなったら
もう何をしても揺るがない
「………わかりました。ですが…」
堕神は半分諦めたように、静かに続ける
「…私も着いて行きます。決して無茶はしないでくださいね……」
「…わかってる」
無茶をしない保証はできなかった
おそらくそれは堕神もわかっている
必ず…助け出すまで
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- 6 : 2014/11/08(土) 22:39:48 :
「それでは……陛下…城門前でお待ち下さい」
「わかった」
そうして
言われた通りに城の玄関の方へ向かい、
城門の手前で堕神を待つ
少しすると
彼が馬を2匹連れ、
長い槍を持って現れた
「陛下!こっちの馬に乗ってください!!」
そう言って、自分に手綱を渡してくる
「オレ…馬の乗り方なんかわからないぞ!!?」
「大丈夫です!魔族の馬ですから!!言語は理解できます!!」
「へぇ……すごいな…」
「あと、この槍を…」
「槍?」
そう言い、
一本の長い槍を手渡す
身長の2倍より少し短いくらいの長さだ
「まだ雷撃は完全ではないので…極力その武器をお使いください」
「…わかった」
「まだ剣術は教えていないので…」
堕神は少し申し訳なさそうに言い、さらに続ける
「…槍は剣とは違い初心者向けですから、多少は…」
「…助かるよ」
槍を右手に持ち、
あぶみに足をかけて馬に乗る
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- 7 : 2014/11/08(土) 22:42:16 :
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「一応、捜索隊は編成中です。指揮は全てあの陛下専属の料理人をしている女性に任せました」
「え…?」
「私の中で一番信頼を置ける方です」
「…わかった」
料理を担当する者が普通、軍の指揮なんてしない…
あの堕神が信頼を置くほどの魔族…
一体何者なんだ…?
まぁ、とりあえず今は…
帰って来てからだな
「行くぞ!!」
「はい。とりあえず逃げ延びた兵士の言っていた森へ向かいます」
そうして
馬の軽快な足音を鳴らしながら
隣国との境界線近くの森へ向かう
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- 8 : 2014/11/08(土) 22:42:55 :
-
一方
隣国女王一行は、
凶暴な魔物
リザードマンの群れに捕らえられてから、いくらか時間が経っていた
リザードマンは
二足歩行のワニのような見た目で
2mほどの大きな身体
大きな口とアゴ
背中から尻尾にかけ、
棘のようなものが無数に生えている
まるで鎧のように硬い鱗
手持ちの武器はほとんど通らなかった
非常に獰猛な性格で
様々な武器や鎧を装備し、
高い知性と戦闘力を持つ
本では見たことはあったけれど…
ここまでとは…
護衛の兵士も側近も、
全員捕まってしまった
金属製の手錠のような物が、きつく手首を締め付けている
ずっと私達を見張っていて、
逃げる隙も無い
何の為に捕まえているのかわからないけれど…
明らかに絶望的な状況…
だが、
護衛の兵士の人数が1人足りない…
もしかしたら…
助けが…
「グルル……」
そう思っていたとき、
一体のリザードマンが
小さく鳴き声を上げ、
自分の方へ向かって来る
「女王陛下!!」
側近や護衛の兵士がそう叫ぶ
直感的に死を悟った
私が死んでも…
それで時間が稼げれば…
せめて……
私の仲間だけは…
一匹のリザードマンに右腕を掴まれ、
無理矢理引きずられていく
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- 9 : 2014/11/08(土) 22:43:24 :
- 「女王陛下!!!」
「やめろ!!女王陛下を離せ!!」
そう口々に叫ぶ声が聞こえる
あぁ…私はなんて…
非力なんだ…
何も…することができない…
しばらく引きずられ、
近くにあった湖のそばまでへ来たとき
リザードマンは手を離した
足にも枷がはめられているので
身動きは取れない
彼女を引きずって来たリザードマンの持つ斧が、ギラリと光る
彼女はぎゅっと目を瞑り、
死を覚悟した
でもやっぱり……嫌だ…
嫌だ…
「まだ……死にたく…ない…」
そう震えた声を出したとき、
轟音が森に響いた
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- 10 : 2014/11/08(土) 22:44:36 :
- 少し遅れて、ブスブスという何かが焼ける音と
焦げたような臭いがする
「…え?」
驚いて、顔を上げる
「女王陛下!!…お怪我は!!?」
そこにはあの、
人間の国王が立っていた
「だ…大丈夫です……」
「よかった…」
安堵のあまり、涙が溢れ出てくる
「…助かり……ました……」
「…!」
「いえ…約束しましたから」
そう言って彼はニコリと笑った
少し遅れて堕神が馬から降り、こちらに走ってくる
「…陛下!!雷撃はなるべく使用しないようにと言ったはずです!!」
「あ…ゴメン……つい…」
「つい…じゃありませんよ!」
「以後気をつけマス…」
珍しく怒った堕神を見て、
少し反省する
「もう……今はとりあえず、捕まった方々を集めて保護し、防御結界を張ります」
「わかった」
「…しかし……群れを完全に殲滅しないと安全には戻れないかと…」
「…そうみたいだな」
「あと…防御結界を張っているうちは、その付近から離れられません。近くにいる敵ならともかく…」
そう堕神は続ける
「要は…群れの掃討はオレがやってくれないか……ってことか?」
「ハイ」
「…よし」
「オレに…任せとけ」
そう言い、
堕神から受け取った槍を片手でしっかりと握り直す
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- 11 : 2014/11/08(土) 22:45:10 :
「…頼んだぞ……」
「お任せあれ……陛下も…どうか」
「任せとけって言っただろ?」
そう小さく笑い、
彼は走って行った
その背中は、とても頼もしい
戦闘の仕方なんてまるで知らない
平和が当然なところにいたような
ヒトだったのに…
普通なら
正気の沙汰ではないのはわかっている
けれど
あの方になら託すことができる気がした
「やはり…彼を選んで正解ですね」
そうポツリと呟く
「では行きましょう。女王陛下」
そう言い
足と腕の枷に手をかざす
すると、枷はいとも簡単に砕ける
「あ…ありがとうございます…」
「いえ…急ぎましょう」
堕神と女王は、
捕らえられている者達のところへ向かった
──────────────
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- 12 : 2014/11/08(土) 22:45:37 :
-
「っっらぁ!!!」
一体のリザードマンに
勢い良く槍を向け、突く
リザードマンは避けなかった
否
″避ける必要がなかった″
「……!ははっ…ウソだろ……?」
全力で突いたつもりだったが、
リザードマンの硬い鱗には傷一つついていない
反動で手が少し痺れる
もはや笑うしかなかった
「ガアッ!!」
攻撃を受けたリザードマンは
声を上げ大きな斧を振り下ろす
「…!」
それをすんでの所でかわす
うん。
よく視える。
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- 13 : 2014/11/08(土) 22:46:43 :
スピードタイプの身体能力増強…
動体視力、スピード、瞬発力等の伸びは群を抜いている
ってあの堕神が言ってたな…
本当に助かるよ
「ウガァッ!!」
さらに2撃、3撃と攻撃を続けてくる
こんなものを喰らったらひとたまりもないだろう
それを全てギリギリでかわす
「ガァァァッ!!」
何度かそれを繰り返す
避けられ続けると
相手はだんだんとフラストレーションが溜まって来る
全力で当てに来ている攻撃を、
大きく避けられるのと、
ギリギリで避けられるのとでは
精神的な疲労は大違いがある
…はず
だが、今は仕留めなくてはいけない
避けてばっかりでは駄目だ
どうにかしてあの硬い鱗をなんとか…
雷撃は当たるかわからない
さっきは夢中で撃ったら上手くいっただけだ…
そう
避け続けながら頭をフル回転させる
それに
″敵は一体じゃない″
「ウガァァァァァ!!」
背後から
棍棒を持った別のリザードマンが
大声を上げながら襲いかかる
-
- 14 : 2014/11/08(土) 22:47:12 :
……。
《見ツケタ》
「ここ…だっ!!」
素早く手元を返し、
槍の切っ先を背後へ向けるように持ち変える
2m程の巨体…
大きく開けた口の間
さらにその口の奥の
喉を
斜め下から
おおよそ脳へ向けて
″突く″
「ガォッ…ガッ!」
そう奇妙な声を上げ、
リザードマンは口から血を吐きながら倒れる
「まず1体!!」
-
- 15 : 2014/11/08(土) 22:48:17 :
間髪入れずに、
前方のリザードマンに狙いを定める
仲間の死によるものか、多少の隙が生まれる
刺した槍をそのまま手放し、
懐に潜り込む
手に武器は何も持っていない
そのまま突っ込み、体当たりをする
だが、
大きな身体を持つリザードマンはビクともしない
するとリザードマンは、
わざわざ自分の懐に飛び込んだ
マヌケな獲物を捕らえようと、素早く手を伸ばす
そのとき
「これだけ接近してたら…コントロールも何も無いだろ!」
またあの轟音が響く
「上出来っ!」
そうニヤリと笑う
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- 16 : 2014/11/08(土) 22:49:48 :
──────────────
──────────
口から槍が突き刺さった者、
雷撃を受けて黒焦げになった者、
それらに軽く声をかける
敵であっても
それ以前に生き物だ
「ごめんな…」
そうして、
突き刺さった槍を引き抜き、
他を探しに歩き出す
──────────────
──────────
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- 17 : 2014/11/08(土) 22:50:37 :
-
若干青みがかった半透明の円状の球体
その防御結界の中に全員避難させた
この中にいれば皆とりあえず大丈夫だ
周囲の奴らは全員倒した…
それ以外も陛下に…
やはり心配だ…
陛下は…
「きっと大丈夫……陛下は…」
──────────────
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- 18 : 2014/11/08(土) 22:50:58 :
-
幾つかの水泡が、
水面に向かってのぼって行く
まさか湖の中で待ち伏せされていたとはな…
湖の側を通ったときに引きずりこまれ、底の方に沈められた
大勢のリザードマンがいる…
水中で、しかもこの数…
勝ち目は…
…堕神のことを信じれば
無いことは無い
それなら
アイツを信じない理由なんて無い
あいつならもう全員救出してる…
堕ちたとしても神だもんな
よし
喰らいやがれ
──────────────
──────────
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- 19 : 2014/11/08(土) 22:56:42 :
「リザードマンが…寄ってこなくなりましたね…」
そう、か細い声で女王が言う
「ですね…」
堕神は
少し不安になりながら
結界の外に出て、周りを見渡す
「…どこにも…………っ!?」
咄嗟に結界の中に戻る
物凄い勢いで″雷撃″が飛んで来た
それも複数発
…湖の方からだ
「陛下か…?」
あんなに言ったのに雷撃を使ったってことは…
大変な状況なのでは…
雷撃がおさまってすぐ
結界の外に出る
側を離れたために、
結界が崩壊して行くのを
気に留めることすらできなかった
湖の方へ走って行くと、
湖には多数のリザードマンが
白い腹を見せて浮かんでいた
そして…
「はは……やっちゃったよ」
そう言って
我が国の人間の国王は、
湖から少し気恥ずかしそうに上がってきた
-
- 20 : 2014/11/08(土) 22:57:47 :
- 「陛下…」
堕神が心配したように声をかける
「…ごめん……」
堕神に怒られると思っていた
釘を押されたのに、雷撃を使ったこと
周囲に被害が及ぶほど雷撃を使ったこと
だが返ってきた言葉は意外だった
「いえ…ありがとうございます…」
「…え……?」
「陛下のおかげです…ありがとうございました」
そう言って堕神は頭を下げた
「いや…お前がみんなを守っててくれたからだよ」
そう言ってはにかむ
自分だけだったら何にも出来なかったかもしれない
「…もう……帰って休…」
そう堕神が言いかけたとき、
背を向けていた湖から″何か″現れた
白く尖った歯が並んだ口を大きく開けて
自分は咄嗟に身を引き、
堕神は迎撃のためか、手に魔法の力を貯める
狙いは……自分だ
-
- 21 : 2014/11/08(土) 22:58:37 :
「っ!何だよ!?」
そう言い、槍を握り直す
が、何か変だ
槍が軽い
違う
改めて見ると、槍の手元ギリギリから先が無い
食い千切られた…
少しでも奥に届いていたら…腕が…
そう考えると背筋に寒気が走る
「なっ…何でここに!?」
堕神が驚いたような声を上げる
「…強いのか!?」
聴くまでもないのはわかっていた
少し距離を取ったが、
それでも大きく見える
顔だけでも、
おそらくさっきのリザードマンの身長の倍は大きい
身体は蛇のようで長く、湖の中に続いている
ピンク色で、
ウナギのようにツルツルした皮膚
だがヒレは無い
クリクリした丸い目と
二本の牙と、無数の白い歯が生えた口
およそ首のようなところから
コウモリの羽を大きくしたような形の翼が生えている
-
- 22 : 2014/11/08(土) 22:59:10 :
「ギーブルという、人間やヒト型の魔族を喰らうドラゴンです……」
「とても…強いです」
若干声が緊張している
堕神がそれほど言うくらい強いのか…
でも…
「わかった……なら女王陛下たちを頼む!!オレがやる!!」
「えっ!!?」
堕神がとても驚いた声を上げる
当然だ…
だが、彼は信じてくれた
「……わかりました。女王陛下達はお任せ下さい」
「おう、任せた」
そうして彼は走って行った
リザードマンを倒したからって
少し調子に乗ったかな…?
でも…
オレは1人も死なせない
死なせなくない
その為には
堕神が戦って
長期戦になってはダメだ
かといって、
あの反応からして瞬殺できる敵ではなさそうだ
それ程の相手の攻撃から、彼女たちを守れる気はしない
だから堕神に守っていて貰う
そして少しでも時間を稼ぎ、皆に逃げてもらう…
それが最善なはずだ
-
- 23 : 2014/11/08(土) 22:59:34 :
「さて…お互い様子見は終わりだよ」
このギーヴルとか言うドラゴン…
さっきからこちらを真っ直ぐ見て、
長く細い舌をチロチロと出している
相手の強さとか見極めているのか…?
よく見ると、
このギーヴルが乗っている落ち葉が
焼けたように黒く変色して消えていく
毒…か?
槍はもう無い…
あるのは″対人間″程度の
刀身30センチくらいの護身用短刀
鯉口を切り、それを引き抜く
…無茶は承知
でも…
-
- 24 : 2014/11/08(土) 23:00:08 :
「キュルルル…」
ギーヴルが、小さい鳴き声を上げる
その瞬間
「グル……ァっ!!」
勢い良く大口を開けて襲ってくる
口を開けた姿は余計に…
「でっっかぁ!!!」
そう叫びながら避ける
背後にあった大木を噛み砕き、
一瞬で折れる
「うっわ……」
ギーヴルの噛んだ切り口が、
シュワシュワと音を立てて溶ける
「猛毒もあってこのデカさで…」
そう言っているうちに、ギーヴルはもう一度襲って来る
「わかりやすいぐらい強敵じゃないかよ!!」
それをまた避ける
が、今度はギリギリ
ピンク色の皮膚が真横を通り抜ける
恐らく触れれば……
毒で死ぬ
「本当に厄介…」
そう呟き、
さらに大きく飛び退く
まずは……
「冷静に……かつ大胆に…」
一つ、大きく深呼吸をする
「よし!」
ギーヴルは
頭を引き、様子を見ている
「来い!!」
-
- 25 : 2014/11/08(土) 23:01:03 :
- 〜第2話 end〜
-
- 26 : 2014/11/08(土) 23:08:29 :
- 今回も良かった (`・ω・´)
-
- 27 : 2014/11/08(土) 23:09:25 :
- あず君ありがとです(*´・ω・)b
-
- 28 : 2014/11/09(日) 01:45:42 :
- 次作も期待
-
- 29 : 2014/11/10(月) 08:23:35 :
- 次回作も期待ですよ〜!
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