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進撃の巨人Another ――番外編―― 第10話 『訪れた、運命との出会い』
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- 1 : 2013/11/13(水) 22:01:36 :
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進撃の巨人Another ――番外編―― 第10話
――Part 1――
――――前回までのあらすじ――――
104期訓練兵・第5席「ユーク・トラス」は、己の使命と今の楽しい日々を
天秤に掛ける事ができず、限られた期限が迫りつつある事に、迷いと焦りが生じている
ユークはアルミンへ座学・主席の座と共に、面倒な課題も纏めて譲渡して、外出を堪能した
ミカサとクリスタは、アニに料理を習い、その腕が上達!休暇に皆にご馳走を振る舞った!
そしてジャン、お願いだからさ!クリスタの方もちゃんと見てあげて!!――――
――――――――
――――
――
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- 2 : 2013/11/13(水) 22:02:01 :
――――教室 兵法講義――――
ユーク「(アルミン、随分疲弊してたけど、結局、何の課題をさせられてたんだろうな?)」
ユーク「(あの光景は、微笑ましかったな)」
ユーク「(ミカサはエレンに、クリスタはジャンに美味しくシチューを食べて貰えていて)」
ユーク「(ただ、ジャン!お前はもっとクリスタの好意に気付くべきだ!!)」
ユーク「(クリスタも遠慮していて、押しが弱い印象もあったな)」
ユーク「(何か理由でもあるんだろうか?)」
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- 3 : 2013/11/13(水) 22:02:28 :
ユーク「(まぁ、そんな事よりもだ!)」
ユーク「(またアニの美味しい手料理が食べられて、僥倖だった!!)」
ユーク「(『あの時』、好きなものを聞いていたのは、そういう意味もあったのだろうか?)」
ユーク「(ともあれ、皆幸せでWIN-WIN達成だな!!)」メデタシ メデタシ
ユーク「(最近は、季節も移り変わりつつある)」
ユーク「(おかげで…)」チラ
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- 4 : 2013/11/13(水) 22:03:02 :
ザーーーッ
ザーーーッ
ユーク「(この様に雨まっしぐら)」
ユーク「(まさしく梅雨でございます)」ジメジメ
ユーク「(あまり、好きじゃないんだよね…梅雨って…)」ドヨーン
ユーク「(妙に蒸し暑いし、じめじめするし、洗濯物は全然乾かないし…)」ハァ
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- 5 : 2013/11/13(水) 22:03:15 :
ユーク「(外での訓練も大幅に減り、この様に兵法講義と技巧ばかりが執り行われている)」
ユーク「(まぁ、座学も技巧も得意だから、それはそれでいいんだ)」フンス
ユーク「(だけど、外に出て遊べないってのは…うずうずするよね?)」ウズウズ
ユーク「(この講義が終わったら…多分、マルコとかとチェスでもして遊ぶんだろうけど…)」
ユーク「(チェスって、ちょっとね…)」ウーン
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- 6 : 2013/11/13(水) 22:09:24 :
アニ「(雨…止まないなぁ)」ジーーッ
ミカサ「(じめじめ~…じめじめ~…)」ジーーッ
ユーク「(ちゃんと講義聞いてなよ、2人とも…)」ジーーッ
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- 7 : 2013/11/13(水) 22:10:08 :
――――夕食後――――
マルコ「ユーク、また対局しないかい?」
ユーク「いいよ。盤ある?」
マルコ「一式、持って来たよ」ジャラジャラ
ユーク「じゃあ、食堂でするか。何か飲みながら…」カチャカチャ
アニ「(そうだ!“アレ”持って来よう!!)」タッタッタ
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- 8 : 2013/11/13(水) 22:10:19 :
マルコ「ここの所、負け続けだから、今日は勝たせてもらうよ!」ヨォーッシ!
ユーク「ふふ、勝てるかな?」
アルミン「僕は観戦するね」
マルコ「じゃあ、終わったら、次は僕と対局してね?」
アルミン「うん。いいよ」
ユーク「じゃあ、瞬殺するかな」ケロッ
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- 9 : 2013/11/13(水) 22:11:36 :
マルコ「そう簡単に、させないよ?」ニヤリ
ユーク「お!秘策でも考えてきたか?」
マルコ「まぁ、見てて」
ユーク「楽しみだな」ニヤリ
アルミン「(ユークの動き、ちゃんと見ておかないとね!)」ジーーッ
マルコ「よしっ!僕の先攻だ!!」スッ
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- 10 : 2013/11/13(水) 22:12:35 :
――――試合経過――――
ユーク「あぁ、そのナイトそう使って来たのか」ウムム
マルコ「これで、ユークはクイーンへの道を開けざるを得ないでしょ?」ウキウキ
ユーク「(俺が考えた攻防一体のバランスが取れた陣形…ようやく崩される時が来たか)」
ユーク「(今までは、いろんな陣形を試したけど)」
ユーク「(一番勝率が高いから、ずっと使ってきたんだよね)」
ユーク「(もう、世代交代かな?)」ウーン
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- 11 : 2013/11/13(水) 22:13:07 :
マルコ「さぁ、どうする、ユーク?」ワクワク
ユーク「(マルコ、楽しそうだなぁ…さて、どうしよう)」
ユーク「(仕方ない。陣形崩してでも、クイーンは守りに行くか)」
ユーク「(…いや、思いついた。マルコの戦術を無力化する1手を)」ピコーン
ユーク「……」スッ
マルコ「え?…あ!なんだって!?」ガーン
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- 12 : 2013/11/13(水) 22:14:17 :
ユーク「…後、少しの所だったけどな」
ユーク「マルコの解答は不正解だったようだ」クス
マルコ「逆に僕のクイーンが、3手先で取られてしまう」
ユーク「それまでの2手はビショップを守るために手を費やされる」
ユーク「だが、ビショップの失墜を放置したら、キングまで一直線」
ユーク「直に、チェックメイトになる」
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- 13 : 2013/11/13(水) 22:15:25 :
マルコ「これじゃあ…ユークの罠に、正面から掛かりに行くしかないじゃないか」ガガーン
ユーク「俺も、たまたま今思いついたんだよ。危なかった」ヒヤリ
アルミン「今回も駄目そうだね、マルコ」
マルコ「くっ、アルミン。僕の仇は君に任せたよ!」ガクッ
アルミン「うん。僕もできるだけ頑張るよ」
アルミン「というわけで、次は僕だよ、ユーク!!」イザ!
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- 14 : 2013/11/13(水) 22:16:48 :
ユーク「ん?次はアルミンとマルコの対局じゃないのか?」
マルコ「いいよ、アルミンに仇を頼んだから!」
アルミン「そういうわけだから、始めるよ!!」
ユーク「いいだろう、かかってこい」
アルミン「絶対に!その防御壁を打ち破ってみせる!!」
ユーク「(アルミンはどう来るかな?)」
――――――――
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- 15 : 2013/11/13(水) 22:18:49 :
アルミン「ぐわぁ、嵌められたっ!!」ガーンッ
ユーク「ふぅ、実に紙一重の攻防だったな」
マルコ「互いに罠の張り方が凄く深かったね」
マルコ「一進一退の攻防だった」ドキドキ
ユーク「最後に、アルミンが引っかかった罠」
ユーク「実は12手目から、ずっとばれないように狙ってたんだよ」ニヤリ
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- 16 : 2013/11/13(水) 22:19:11 :
アルミン「そうだったんだ」
アルミン「自分の行動を遅らせるような、少し奇怪な動きだったから」
アルミン「てっきり、ミスしたんじゃないかと思って、放置しちゃったよ」
ユーク「じゃあ、俺は部屋に戻ろうかな」スクッ
マルコ「あっ、待ってよ!もう一局、勝負して!!」ハイ!
アルミン「僕もリベンジだ!!」ハイハイ!
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- 17 : 2013/11/13(水) 22:20:35 :
ユーク「…悪いな、チェスはもう…飽きたんだ」ハァ
マルコ「なんで?ずっと勝ってるじゃないか」
アルミン「嫌いになる理由でもあるの?」
ユーク「いや、嫌いではないよ。でも好きじゃない」
マルコ「どういう事?」
アルミン「うん。訳を聞いてもいいかな?」
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- 18 : 2013/11/13(水) 22:22:07 :
ユーク「…チェスってさ、相手の駒を取ったら、それで終わりだろ?」
マルコ「うん、そうだね」
マルコ「チェスは、相手の駒を減らす戦争ゲームがモデルだから」
アルミン「巨人が居る今の世界では、人間同士の戦争なんて考えられないけどね」
ユーク「(いずれ、起こるさ…いや、俺達がその戦争のトリガーを引く事になる)」
ユーク「そう。だから好きじゃないんだよ」
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- 19 : 2013/11/13(水) 22:26:08 :
ユーク「駒(人)を取って(殺して)全滅させて、『はい終わり!』なんて、不毛だろ?」
ユーク「戦火の残滓《ざんし》は、憎しみ以外に何も残らない」
ユーク「そんなのは…虚しいだけさ…」
マルコ「そんな事まで…考えた事はなかったよ…」
アルミン「ユークは、優しいんだね…」
ユーク「そんないい人じゃないさ、俺は…」
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- 20 : 2013/11/13(水) 22:26:34 :
ユーク「(俺は…いずれ君達の…敵になるから…)」ズキズキ
マルコ「じゃあ、何か他の遊びないかなぁ」
アルミン「チェスがメジャーだから、他の遊びはわからないなぁ」
ミカサ「そういう時は、私にお任せ」ヒョコッ
ユーク「待ってましたよ、ミカサさん」
ユーク「さて、今日はどんな騒動を起こしてくれるんだい?」ハァ
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- 21 : 2013/11/13(水) 22:28:04 :
ミカサ「随分なご挨拶で、心外だ」
ミカサ「ユークが退屈そうにしていた」
ミカサ「ので、お誂《あつ》え向きのゲームを紹介しようと思っていたのに」シュン
ユーク「ごめんな」
ミカサ「それで、それはどんなものなんだい?」
ミカサ「私の故郷に在った、チェスに似たボードゲーム」
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- 22 : 2013/11/13(水) 22:28:54 :
- >>21訂正
ミカサ「それで、それはどんなものなんだい?」
↓
ユーク「それで、それはどんなものなんだい?」
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- 23 : 2013/11/13(水) 22:29:23 :
ミカサ「名前は、『将棋』」
ユーク「『将棋』?なんだい、それは?」
ミカサ「将棋の基礎ルールは、チェスに似ていて、ルーツは同じと思われる」
ミカサ「ただし将棋には、チェスにはない独特のルールがある」
ミカサ「例えば、駒の配置はチェスとは違い、更に駒の数も多い」
ユーク「ふぅーん」
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- 24 : 2013/11/13(水) 22:31:11 :
ミカサ「そして、ここからが将棋の最大の特徴」
ミカサ「ので、ちゃんと聞いて」
ユーク「…?」
ミカサ「それは、『取った相手の駒を今度は、自分が持ち駒として使える』という事」
ユーク「…!?」
ミカサ「ふふふ、やはり貴方は、このルールの面白さに、早速、食いついた様」ニヤリ
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- 25 : 2013/11/13(水) 22:32:27 :
ユーク「その話、詳しく!」ワクワク
ミカサ「そのルールは、勿論相手も同様」
ミカサ「相手の駒を使えるから、戦略が大幅に広がる」
ミカサ「これがチェスには無い、将棋の面白さ」
ミカサ「どう、ユーク?」
ユーク「大変、興味深いんだが、君は将棋を再現できるのかい?」
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- 26 : 2013/11/13(水) 22:32:49 :
ミカサ「その点は、問題ない」
ミカサ「駒の配置や種類、数、能力は全て覚えている」
ミカサ「ので、まずは紙で駒を代用して、模擬対局を行う」
ミカサ「少しの間、ここで待っていて。準備してくる」スタスタ
ユーク「2人は、将棋は知っていたか?」チラ
マルコ「いや、僕も初耳だった。けれど、面白そうだ」キラキラ
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- 27 : 2013/11/13(水) 22:33:03 :
アルミン「僕も今までミカサから聞いた事はなかったよ、初耳だ」ビックリ
ユーク「俺の勘が、将棋に反応している」
ユーク「ので、絶対に会得するぞ!!」グッ
マルコ「ははっ、ユークったら、口調がミカサになってるよ」
アルミン「随分、インスパイア(触発)されちゃったね」
ユーク「はっ!危ない、危ない!!」アセアセ
――――――――
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- 28 : 2013/11/13(水) 22:33:37 :
ミカサ「それでは、準備が整った」
ミカサ「ので、説明を始める」
ユーク「面倒くさいから、細かい説明は端折《はしょ》るよ?」
ミカサ「ん?一体誰に話しかけてるの?」
ユーク「じゃあ、飛ばすぞ?」
ミカサ「ユーク、話を聞いて、ねぇねぇ――――」
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- 29 : 2013/11/13(水) 22:33:49 :
――――説明終了後――――
ミカサ「――――という事」
ミカサ「これが将棋の一連の流れ」
ミカサ「皆、理解できただろうか?」
ユーク「あぁ、説明が上手で、解り易かった」
マルコ「とりあえず、駒を動かす事はできそうだ」
アルミン「紙に駒の動きも書いたから、初めは見ながら確認する事にするよ」
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- 30 : 2013/11/13(水) 22:34:25 :
ミカサ「では、私はユークと練習する」
ミカサ「ので、アルミンはマルコと練習してみて」
ユーク「よろしく、ミカサ」
ミカサ「ええ、こちらこそ」
アルミン「しっかり覚えようね!」
マルコ「うん、ユークに勝てるようにね!」
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- 31 : 2013/11/13(水) 22:35:41 :
――――――――
ユーク「早速、ライバルにされちゃったな」ハハッ
ミカサ「貴方のチェスの腕は、確かだった」
ミカサ「アルミンにも勝てるのだから」
ユーク「それじゃあ、俺達も練習だ!」
ミカサ「ええ、今回は教える立場だけど、私も実力はまだまだ」
ミカサ「ので、お手柔らかに」ペコリ
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- 32 : 2013/11/13(水) 22:40:55 :
ユーク「よろしく」ペコリ
ユーク「でも一局目は、ミカサが先導してくれよ?」
ユーク「実際に動かしながらじゃないと、気付けない事も多いからさ」
ミカサ「わかった。では、私の先攻」スッ
ユーク「俺もまずは、テキトーに駒を動かしてみるよ」スッ
ミカサ「では、こちらの番――――」スッ
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- 33 : 2013/11/13(水) 22:41:55 :
ユーク「――――これで、ミカサの『歩』を取ったわけだな」センシュ!
ミカサ「ええ、それは貴方の持ち駒置き場へ置いて、次の貴方の番から出せる」ヨカッタワネ
ユーク「そうか、やったな!」イエーイ!
ミカサ「ただし『歩』には、『二歩』という例外なルールがある事に気を付けて」メッ!
ミカサ「慣れて来ても、対局に集中すると、見逃す事が多々あるから」
ユーク「あぁ、今のところ、『歩』を場に置くことはできないな」ウーン
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- 34 : 2013/11/13(水) 22:42:06 :
ミカサ「たかが『歩』だと思って嘗めていると、後に痛い目を見る事もしばしば」スッ
ユーク「油断大敵って事か」スッ
ミカサ「ええ、続けましょう――――」スッ
――――――――
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- 35 : 2013/11/13(水) 22:49:52 :
今日はここまでです
また明日!
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- 36 : 2013/11/14(木) 14:06:37 :
――Part 2――
ユーク「――――あっ!これは詰んだな」
ミカサ「ええ、貴方が次に『王』をどこへ動かそうと、他の駒を使って守ろうと」
ミカサ「次の私の一手で詰む」
ミカサ「よってこの対局は、私が勝利した」エヘン
ユーク「うん。おめでと」
ユーク「これで具体的な流れも解った」
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- 37 : 2013/11/14(木) 14:06:50 :
ユーク「(それと同時に、おそらくコツも掴めた気がする)」
ユーク「(このゲームでは、相手を詰むのに効果的で、独特の動きをする駒が存在する…)」
ユーク「(この『桂馬』という駒…何となく気に入った)」
ユーク「(次は、これで仕掛けよう)」ヨシ!
ユーク「ミカサ、次の対局を申し込む」スッスッ
ミカサ「ええ、もっと練習しましょう」スッスッ
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- 38 : 2013/11/14(木) 14:07:02 :
ユーク「(いいや、練習はもういい)」
ユーク「(ここからは“勝ちに行く”)」キラン
ユーク「(例え練習ばかりしていても、“本番”では勝てないからな)」
ミカサ「それでは、先攻は貴方がどうぞ」
ユーク「あぁ。じゃあ、これで」スッ
ミカサ「はい」スッ
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- 39 : 2013/11/14(木) 14:07:21 :
ユーク「……」スッ
ミカサ「……」スッ
ユーク「……」スッ
ミカサ「(ん?なんか変な動き…)」スッ
ユーク「(ここに罠を張っておこう)」スッ
ミカサ「うーん…」スッ
ユーク「……」スッ
――――――――
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- 40 : 2013/11/14(木) 14:07:35 :
ミカサ「――――あれ?まずい、追い込まれそう」アセアセ
ユーク「どうした?ミカサの実力は、こんなもんか?」
ミカサ「むっ!さっきまで教わっていた立場なのに、生意気」スッ
ユーク「(出来るだけ、ペースを乱してくれよ?)」ニヤリ
ミカサ「あっ!むむぅっ!!どうしようか」ウーン ウーン
ユーク「(さっき手持ちの確保した『桂馬』を使うまで…あと少し)」チラ
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- 41 : 2013/11/14(木) 14:08:44 :
ミカサ「こ、これで…どうだろうか…?」スッ
ユーク「(網に掛かった!容赦なく、止めを刺しに行こう)」スッ
ミカサ「(あっ!まずい、まずい、まずい!!)」アセアセ
ミカサ「(二局目で初心者に負けてしまうなんて、恥ずかし過ぎる)」アセアセ
ミカサ「(でもこのまま続けても、戦略性で劣る私が負けるのは、火を見るよりも明らか)」
ミカサ「(どうしよう…どうしよう…)」アタフタ
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- 42 : 2013/11/14(木) 14:09:23 :
ユーク「(さぁ、悩め、悩め!)」ニヤニヤ
ユーク「(君が悩む程、俺の仕掛けた蜘蛛の糸に、足を取られる事となる)」ニシシ
ミカサ「(…そうだっ!『あの話』を使おう!!)」ピコーン!
ミカサ「ところで、ユーク」スッ
ユーク「なんだい?」スッ
ミカサ「貴方は、女の子としてのアニの身体に、興味はない?」スッ
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- 43 : 2013/11/14(木) 14:09:47 :
ユーク「……」ピタッ
ミカサ「(…反応有り!いけるっ!!)」ニヤリ
ユーク「…それは、どういった意味だい?」ススッ
ミカサ「(駒の扱いが、少しだけ雑になった)」ジーーッ
ユーク「……」
ミカサ「(きっと動揺している証拠)」ニシシ
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- 44 : 2013/11/14(木) 14:10:08 :
ユーク「(ミカサめ、何を考えているんだ?)」ドキドキ
ミカサ「単刀直入に言おう」ジッ
ミカサ「私はこの前、お風呂でアニの胸に触った」スッ
(『――番外編―― 第8話』参照)
ユーク「…へぇ、それは僥倖だったね」スッ…
ミカサ「(腕が少し震えていたのを、私は見逃さなかった!もう少し!!)」
ミカサ「あの触り心地は、まるで最高級の絹のようだった」
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- 45 : 2013/11/14(木) 14:10:31 :
ミカサ「いや寧ろ、それ以上の肌触りと『弾力』だった」(強調!)スッ
ユーク「…………そうかい」
ユーク「それは…良かったね」…スッ
ミカサ「……」ジーーッ
ミカサ「(一切、視線をこちらに向けず、間がとても長かった)」
ミカサ「(やはり、ユークも1人の男だったという事だろうか)」ニヤニヤ
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- 46 : 2013/11/14(木) 14:11:01 :
ユーク「……」
ユーク「(…ミカサにペースを乱されている)」ムムッ
ユーク「(全く…俺らしくないな)」ハァ
ユーク「(動揺するな!冷徹なプレイングをしろ!!)」カッ
ミカサ「貴方も是非、頼んでみては、どうだろうか?」スッ
ミカサ「きっとアニなら、許してくれるはず」ニコ
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- 47 : 2013/11/14(木) 14:11:17 :
ユーク「ぶっっ!!」
ミカサ「あら、どうかしたの、ユーク?」ニマニマ
ユーク「ふんっ、気にするな。続けよう」スッ
ミカサ「……」ニヤリ
ミカサ「(とても動揺している)」
ミカサ「(この前の仕返しも含めているので、もっと虐めておこう)」ニヤニヤ
(『――番外編―― 第9話』参照)
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- 48 : 2013/11/14(木) 14:15:55 :
ユーク「……」グヌヌ
ユーク「(ミカサめ、この前耳に息吹き掛けて遊んだ事を、まだ根に持ってるのか?)」ジッ
(『――番外編―― 第9話』参照)
ミカサ「……」チラ
ミカサ「(ふふふ、もっと苦しむがいい)」ニヤニヤ
ユーク「……」
ユーク「(くっ!何も言い返せない自分が不甲斐ない…)」グギギ
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- 49 : 2013/11/14(木) 14:16:05 :
アルミン「……」
マルコ「……」
アルミン「(2人して、なんて会話をしてるんだ)」アゼン
マルコ「(僕達が隣にいること、すっかり忘れてるよね?)」ボーゼン
アルミン「(いや、ミカサの事だから、ユークを困らせる意味で、わざとの可能性も…)」
マルコ「(ユークも随分、頑張って平静を保ってるね。感心するよ)」
――――――――
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- 50 : 2013/11/14(木) 14:16:30 :
ユーク「さぁ...どうした...?ミカサよ…君の番だ」
ミカサ「ふっふっふ。すっかり冷静さを失っている」
ミカサ「今の貴方になら、目を瞑っていても、容易に逆転できそう」クスス
ユーク「くっ!卑怯な!!」
ミカサ「卑怯ではない」
ミカサ「だから貴方もアニに頼めばいいと、こうして勧めている」ニマニマ
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- 51 : 2013/11/14(木) 14:17:48 :
ユーク「頼めるわけないだろう!」
ユーク「この常識知らずの騒動姫がっ!!」プルプル
ミカサ「ふふ、言葉に覇気がない」
ミカサ「そんな言葉は、今の私には一向に効かない」ニーヤニーヤ
ユーク「ならば、この対局だけでも!勝利して見せる!!」カッ!!
ミカサ「ふふふ、私も負けない...」
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- 52 : 2013/11/14(木) 14:18:27 :
アニ「はい、お茶」トンッ
ユーク「え?」チラ
ミカサ「ア、アニ?」ドキリッ
アニ「ん?何、驚いてんの?」
ユーク「寮に帰ったんじゃなかったのか?」
アニ「ううん。この前買ったお茶の葉を、取りに戻ってたんだよ」
(『――番外編―― 第7話』参照)
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- 53 : 2013/11/14(木) 14:18:44 :
アニ「アンタには、奢って貰うばかりだったから、何かお返しがしたくてさ」
ユーク「そうだったのか…で、いつから食堂に居た?」
ユーク「(聞かれてないかどうかだけが心配だ)」
アニ「20分くらい前に戻って来て、厨房でお湯沸かして、お茶を煎れてたんだよ」
ユーク「そ、そうか。わざわざありがとな!」ニッ
ユーク「うん、美味しいよ。このお茶」ズズ
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- 54 : 2013/11/14(木) 14:20:18 :
アニ「そう、よかった」ニコ
ユーク「ははは...」ニコ…ニコ…
ユーク「(なんとか、聞かれてなかったみたいだ。よかったぁ)」ホッ
ミカサ「......」ムスッ
ミカサ「(…なんか、つまらない。どうしてくれようか…)」ジーーッ
アニ「なに、ミカサ?アンタもお茶飲みたいの?」
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- 55 : 2013/11/14(木) 14:21:20 :
ミカサ「…?」
アニ「…?」
ミカサ「いただけるのであれば、喜んで戴く」チョウダイ!
アニ「じゃあ、煎れてくるから、待ってて」
アニ「アンタ達も飲む?」
アルミン「あ、うん。是非戴くよ。楽しみだなぁ」アセアセ
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- 56 : 2013/11/14(木) 14:22:21 :
マルコ「ありがとね。今度お返しするから」ソワソワ
アニ「ふふっ、いいよ。お茶くらいで」
アニ「じゃあ、少し待っててね」トコトコ
ユーク「ふぅ、危機一髪だった」フゥ
ミカサ「私としては、これではつまらない」ムスッ
ミカサ「どうせなら、聞こえていた方が…」ボソリ
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- 57 : 2013/11/14(木) 14:22:29 :
アルミン「ミカサ、何て事を言うんだ!」
マルコ「ユークがまだ寛容だから良かったものの」
マルコ「一歩間違えれば大惨事だったよ!!」
ユーク「全くだ!君はもっと人の気持ちというものをだな――――」ガミガミ クドクド
ミカサ「…はい、ごめんなさい」シュン
――――――――
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- 58 : 2013/11/14(木) 14:22:57 :
アニ「何?ミカサ、アンタまた、ユークに怒られたの?」クスッ
ミカサ「ええ、彼は最近よく私を叱る」
ミカサ「ので、慰めて」ガバッ
ユーク「叱られるような事をする、君が悪いよ!」ガミガミ
アニ「そうだよ、ミカサ」
アニ「それに危ないから、急に縋《すが》りつかないで」アチチ
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- 59 : 2013/11/14(木) 14:23:09 :
ミカサ「おっと、それは申し訳なかった」パッ
ユーク「本当に申し訳ないと、思ってるのかい?」クス
ミカサ「ええ、本当に思っている」キリッ
アニ「なら、初めからふざけるのは、止めてほしいね」フフッ
ユーク「それは、それで静かでよくもあり、悪くもあるかな?」
アハハハハ クスッ
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- 60 : 2013/11/14(木) 14:23:19 :
マルコ「あの2人、ミカサの扱いが日に日に上達していくね」
アルミン「ミカサ、そのうち2人に飼われちゃいそう」ソワソワ
マルコ「それは、エレンが嫉妬しちゃうよ」
アルミン「うぅーん、まだそこまではいかないかも――――」
――――――――
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- 61 : 2013/11/14(木) 14:23:51 :
ユーク「――――じゃあ、これで詰みだ」スッ
ミカサ「ぎゃすっ!」グテーン
アニ「ミカサ、アンタこの前、ユミルに言葉遣いを注意したばかりじゃないか」
(『――番外編―― 第9話』参照)
ミカサ「ごめんなさい。でも一度だけ言ってみたかった」キリッ
アニ「へぇ」
ミカサ「アニも一度、言ってみてはどうだろうか?」
-
- 62 : 2013/11/14(木) 14:24:21 :
アニ「え?私は、別にそんな変な言葉なんて、言いたくないよ」
ミカサ「きっと可愛いから、一度だけ!」ネッ?
アニ「う、うぅーん」チラ
ユーク「……」ジーーッ(興味津々)
アニ「うぅ、じゃあ、一度だけね?」モジモジ
ミカサ「ええ、お願い」
-
- 63 : 2013/11/14(木) 14:24:38 :
アニ「…ぎゃ…ぎゃす…///」プイッ テレテレ
ミカサ「(……ぐはぁっ!!)」バタン
ユーク「(……うん、よかった。俺は生きてる!)」キリッ ゼェゼェ
マルコ「(2人に何が起こったんだろう?)」チラ
アルミン「(さぁ、わかんないね。確かにアニが可愛かったけどさ)」チラ
アニ「…?///」キョトン
-
- 64 : 2013/11/14(木) 14:25:35 :
ユーク「アニ、お茶のお変わりを貰っていいかい?」
アニ「あ、うん。わかった」
アニ「今、煎れてくるよ」トテトテ
ユーク「…ミカサ、いい加減起きなよ」ユサユサ
ミカサ「…とても可愛かった」ウットリ
ユーク「それは俺の台詞だ。横取りしないでくれ」ムスッ
-
- 65 : 2013/11/14(木) 14:25:58 :
アルミン「言及するところは、そこかい?」
マルコ「僕達が入り込む余地はないね」
ミカサ「貴方こそ以前、私の台詞を横取りして、撃退者気取りだった」
(『――番外編―― 第5話』参照)
ミカサ「ので、今回は私の番」
ユーク「はいはい。あの時は、悪かったね」スッ
ミカサ「ありがとう」パシッ ググッ スクッ
-
- 66 : 2013/11/14(木) 14:26:32 :
ユーク「もう一度やってほしいな」ボソ
ミカサ「それこそ、頼めばいい」
ユーク「また、今度ね」
ミカサ「ええ、胸の方もね」
ユーク「それは、もういいから!」
ミカサ「うふふ、ごめんないさい」ニコ
――――――――
-
- 67 : 2013/11/14(木) 14:27:10 :
アニ「はい、お代わり持って来たよ」スッ
ユーク「ありがとう!いただきます」ズズ
アニ「それで、何やってたの?」
ユーク「あぁ、チェスに似た将棋って遊びだよ」
ミカサ「私の故郷の遊びだった。駒はないので、紙で代用している」
アニ「ふぅーん、私も覚えよっかなぁ」
-
- 68 : 2013/11/14(木) 14:27:33 :
ユーク「どういう風の吹き回しで?」
アニ「別に、気紛れさ」
アニ「(ユークと遊ぶ時の、きっかけになるかもしれないし…)」
ミカサ「(お?これは期待!!)」ワクワク
ユーク「じゃあ、俺が教えるよ!ミカサはもう倒しちゃったし」ニヤ
ミカサ「むっ!たった1回勝ったくらいで、良い気にならないでほしい」
-
- 69 : 2013/11/14(木) 14:27:48 :
ミカサ「今度また勝負するまでに、腕を磨いておく」
ミカサ「ので、その時は覚悟っ!!」
ユーク「いいぞ!俺も将棋は好きになったから、全力で臨むよ!!」
アルミン「ユークの全力か。恐ろしい事になりそうだ」
マルコ「チェスの時は、半分嫌気が差した状態でも、あの強さだったわけだからね」
アルミン「それが今、将棋にハマったとなると――――」
――――――――
-
- 70 : 2013/11/14(木) 14:30:04 :
ミカサ「では、私はこれで寮に戻る」
ミカサ「ので、皆、おやすみなさい」フリフリ
ユーク「あぁ、お休み」
アルミン「また、明日ね」
マルコ「おやすみ」
アニ「あっ、ミカサ!」
-
- 71 : 2013/11/14(木) 14:30:54 :
ミカサ「何、アニ?」
アニ「私も終わったら戻るからさ」
アニ「鍵は開けといてね?」
ミカサ「わかった」スタスタ
ミカサ「それじゃあ、皆、おやすみなさい」フリフリ
スタスタ ガチャ バタン
-
- 72 : 2013/11/14(木) 14:31:11 :
アニ「それじゃあ、ユーク。教えてね」ニコ
ユーク「あぁ、アニが興味を持ってくれて、嬉しいよ」ニコ
アニ「それで、これはどうやって動かせばいいの?」
ユーク「この駒達の動きはな、――――」
アニ「へぇ、面白いんだね」
ユーク「早速、俺を相手にして、練習だ!」ワクワク
-
- 73 : 2013/11/14(木) 14:31:23 :
アニ「アンタ、嬉しそうだね」クスッ
ユーク「そりゃあ、嬉しいさ」
ユーク「アニと遊べるんだからな!」
アニ「そ、そうかい…///」モジモジ
ユーク「始めるぞ?」ワクワク
アニ「う、うん」キリッ
-
- 74 : 2013/11/14(木) 14:31:41 :
ユーク「…はい」スッ
アニ「初めは…どう動かせばいいの?」
ユーク「俺は初めに何も言わないから、アニの思うように動かしてみて?」
ユーク「そうすれば、いずれ分かってくるからさ」ニコ
アニ「うん、分かった」
アニ「じゃあ、これで!」スッ
-
- 75 : 2013/11/14(木) 14:31:59 :
ユーク「うん。じゃあ、俺はこうだ!」スッ
アニ「はい!」スッ
ユーク「その『歩』もらった!」スッ
アニ「あっ!取られちゃった!!」ガーン
ユーク「慌てないで、反撃に出るんだ!」
アニ「う、うん。頑張る!」ウロウロ
-
- 76 : 2013/11/14(木) 14:32:14 :
ユーク「(初々しいなぁ)」ホッコリ
アニ「うぅーん、うぅーん…」ウロウロ
ユーク「(…見てて、癒される)」ニッコリ
アニ「あっ!また取られちゃった!!」ガガーン
ユーク「(ミカサが俺に教えてくれたように、手加減しようかな?)」
アニ「うぅぅ…ユークぅ…」ウル…ウル…
-
- 77 : 2013/11/14(木) 14:32:32 :
ユーク「(まずい…なんとかしなきゃ…)」アセアセ
アニ「…あっ!その『駒』もらった!!」ヤッター!
ユーク「(よかった…ちゃんと気が付いてくれて)」
アニ「……♪」ウキウキ
ユーク「(…分かり易いなぁ)」ホッコリ
アニ「ユークの番だよ?」ルンルン♪
-
- 78 : 2013/11/14(木) 14:32:51 :
ユーク「…そうだな」スッ
アニ「あっ!またいただきっ!!」ヤッター!!
ユーク「(…子供をあやしている感覚だ)」
アニ「楽しいね!」
ユーク「あぁ、とてもね」ニコ
アニ「(ユークともっと遊びたいなぁ♪)」
-
- 79 : 2013/11/14(木) 14:33:05 :
ユーク「(アニにちゃんと教えられているのかな?)
アニ「あれ?もしかして私…負けそう?」アセアセ
ユーク「そうだな…これで『詰み』だよ」スッ
アニ「あーあ、負けちゃった」
ユーク「もっと練習しなきゃな?」クスリ
アニ「じゃあ、付き合ってよ!」
-
- 80 : 2013/11/14(木) 14:34:01 :
ユーク「喜んで」ニコ
アニ「今度は、私が勝つからね!」
ユーク「勝てればな?」
アニ「むっ!」
アニ「きっと勝つさ!!」ビシィ
ユーク「(…楽しいな、アニと遊ぶのは♪)」
-
- 81 : 2013/11/14(木) 14:34:30 :
Part2終了です
また、明日来ますが、どちらをやるかは未定
-
- 82 : 2013/11/16(土) 18:59:22 :
――Part 3――
――――翌朝 食堂――――
ミカサ「おはよう、2人とも」
ユーク「…おはよう、ミカサ」
アニ「…おはよう」
ミカサ「...?」
ユーク「……」ウトウト
アニ「……」ウツラウツラ
-
- 83 : 2013/11/16(土) 19:00:06 :
ミカサ「2人とも、少し眠そう」
ユーク「…少し、寝不足かな?」ウトウト
アニ「昨日、熱中しちゃってたしね」ウツラウツラ
ミカサ「そんなに夢中になっていたとは、教えて良かったのだろうか」パッチリ
アルミン「ううん、よかったんだよ」
マルコ「ユークにも、夢中になるものが見つかったんだし」
-
- 84 : 2013/11/16(土) 19:00:56 :
ミカサ「(『既にユークはアニに夢中である』)」
ミカサ「(…という事は、今は言わない方がいいだろう)」
ユーク「ミカサ、準備が整ったら、挑みに来なよ?」
ユーク「挑戦は、いつでも待ってるからさ」ゴシゴシ
アニ「ユーク、目ぇ掻いちゃダメでしょ」グイ
ユーク「あっ、すまん」パッ
-
- 85 : 2013/11/16(土) 19:01:12 :
ミカサ「わかった。私も特訓したら、申し込みに行く」
ミカサ「ので、首を長くして待っていて」
ユーク「楽しみだよ…俺に完封されて悔しがる表情を浮かべる、君の姿がね」ニヤリ
ミカサ「その言葉、そっくりそのまま返す事になるだろう」ニヤリ
アニ「まぁーた、始まった」ヤレヤレ
アルミン「ユーク、今日の訓練は技巧だけど、その様子で大丈夫なの?」
-
- 86 : 2013/11/16(土) 19:01:37 :
ユーク「あぁ、大丈夫だ!ご飯を食べれば、目も覚めるだろう」
マルコ「今日も雨が降ってるから、午後はきっと座学だろうね」チラ
アルミン「ほんと、止まないね、雨」チラ
ミカサ「2人は、寧ろ得意科目ばかりで嬉しいんじゃない?」ニコ
アルミン「まぁ、本音を言うとね」ニッ
マルコ「僕達は、肉体派じゃないからさ、体力訓練は苦手なんだよね」アハハ
-
- 87 : 2013/11/16(土) 19:02:01 :
ユーク「まぁ、どっちかといえば、俺も技巧派・頭脳派だし」ウツラウツラ
アニ「私も技巧は得意な方かな。座学はわかんないけど」ケロッ
ユーク「アニの座学は、俺がサポートするので、何も心配は要りません」ウトウト
アニ「いつもありがとね。パン少し分けてあげるよ」ハイ
ユーク「おお!ありがとう!!」パクパク
アニ「ふふっ」ニコ
ミカサ「……」ニコ
-
- 88 : 2013/11/16(土) 19:02:30 :
――――技巧 立体機動装置整備――――
ユーク「あれ?ここのトリガーの射出口の部品おかしいぞ?」コレ!
アルミン「ほんとだ、錆《さ》びてるのかな?」カチャカチャ
マルコ「湿度も高いもんね。毎日の整備が大変だ」フキフキ
ユーク「なぁ、この立体機動装置の技術力についてどう思う?」イジイジ
アルミン「唐突だね」カチャカチャ
マルコ「まぁ、何も思わないわけじゃないけど、一体なんだい?」フキフキ
-
- 89 : 2013/11/16(土) 19:03:19 :
ユーク「固定砲台や、その他の各種武器の命中精度が、極めて低い中で」
ユーク「この立体機動装置だけは、とんでもない完成度を誇ってるよな」イジイジ
アルミン「そうだね。立体機動装置の発明者、『アンヘル・アールトネン』」
アルミン「彼が如何に天才だったかが、よくわかる技術力の差だよね」カチャカチャ
マルコ「でも、立体機動装置を使っても、まだまだ巨人には勝てない事も多いんだよね」
ユーク「まぁ、訓練とはいえ、動かない巨人の的ばかり相手してても」
-
- 90 : 2013/11/16(土) 19:03:45 :
ユーク「実践の恐怖や緊張感はないから、どうしても実践では動けない人が多いらしいな」
アルミン「他に効率的で、充実する訓練内容が思いつけばいいんだけどね」
マルコ「でも、僕らは、まだまだ子供だし。訓練で危険すぎることは…」
ユーク「そうだな。これだけ訓練を積んでも、その技術を使わないままでいて」
ユーク「内地で肥えただけの奴だって、過去に腐るほど居たはずだ」
アルミン「それは、今の兵団のシステムが『飴と鞭』の方式を取っていて」
-
- 91 : 2013/11/16(土) 19:04:38 :
アルミン「立体機動などの高度な技術を後世へ伝える為には」
アルミン「その愚策を講ずるも、致し方のない事だと思うんだ」
ユーク「じゃあ、話題を変えるが、現在の根本的な問題として」
ユーク「巨人を迎え撃つための壁の迎撃システムについてはどう思う?」
アルミン「これはまた」
マルコ「高度な問題を投げ込んで来たね」
-
- 92 : 2013/11/16(土) 19:05:02 :
ユーク「だが、これは大事な事だろ?」
ユーク「(いずれ俺達が、再び壁を進撃するときのヒントが得られるかもしれないし)」
アルミン「そうだね。壁に守られていて安心しきっているのか」
アルミン「5年前までは壁の補修すらまともに行われてこなかったもんね」
アルミン「駐屯兵団は朝からずっと、お酒飲んでたし」
マルコ「それは、酷いね」
-
- 93 : 2013/11/16(土) 19:06:04 :
ユーク「でも、それくらい認識が甘かったんだろ?」
アルミン「うん。超大型巨人が現れるまでは」
ユーク「......」
ユーク「(すまんな、あいつの事です)」チラ
ベルトルト「……」カチャカチャ
ライナー「うーん…」カチャカチャ
-
- 94 : 2013/11/16(土) 19:06:36 :
ユーク「(あの2人もまじめにやってるな)」
ユーク「(アニの方は…)」チラ
ミカサ「アニ、ここはどうやるんだっけ?」
アニ「あぁ、そこは、こうやってやるといいって、あいつも言ってた」ソコ ソコ
ミカサ「『あいつ』とは、またユークの事?」ニヤリ
アニ「…だから、知らないってば///」プイッ
ミカサ「照れて可愛い」モダエ
-
- 95 : 2013/11/16(土) 19:08:42 :
ユーク「(ミカサと仲良くやってるみたいで、安心した)」ホッ
アルミン「ユーク?」
ユーク「あぁ、すまん、すまん!」
ユーク「えぇっと…各兵団が今できる事についてだったな!」
マルコ「そうそう!ユークの考えは?」
ユーク「そうだな…」
-
- 96 : 2013/11/16(土) 19:09:44 :
ユーク「壁を補強する以外にも、出来る事はあるはずなのに」
アルミン「なぜできないのか」
マルコ「単に考えてもいないし、必要な努力を“やってないだけ”なんだよね」ハァ
ユーク「その通り、人類の希望と呼ばれる兵団が聞いて呆れる」ハァ
アルミン「あんな、前線の様子も知らないような内地の輩の所為で...」
アルミン「親やおじいちゃんが生贄にされたかと思うと…僕は、悔しくて仕方がないんだ」
-
- 97 : 2013/11/16(土) 19:11:22 :
ユーク「なら、お前がこの世界の仕組みを根本から変えてやれ」
ユーク「お前なら、出来る可能性はきっとあるさ」
アルミン「うん、僕頑張るよ!!」
マルコ「僕もだ!絶対に憲兵団に入って、腐敗を取り除く為に頑張るよ!!」
ユーク「あぁ、その意気だ。頑張れ!」
アルミン「壁以外の迎撃システムについて、話がまだ終わってないよ?」
-
- 98 : 2013/11/16(土) 19:11:42 :
ユーク「そうだったな。再開しよう」
マルコ「確か、壁の周りに穴を掘って、巨人を足止めするって話もあったんだよね?」
アルミン「うん、でもそれは現実的には、無理だと判断されたんだよ」
ユーク「巨人が蔓延《はびこ》っているのが、現状だからな」
ユーク「そんな中、壁外へ出て大穴を掘るなんて、それこそ自殺行為だ」
ユーク「人間の行進の跡もいずれ、消えてしまいかねない」
-
- 99 : 2013/11/16(土) 19:12:28 :
ユーク「もっと、現実的に考えへシフトすべきだ」
ユーク「それを机上の空想に終わらない為にもな!」
マルコ「じゃあさ、こういう作戦はどうだろうか?」
マルコ「――――っていう感じに、巨人達の進行を誘導するって案なんだけど」
ユーク「うぅーん、それだと壁外調査に出た調査兵団なんかが、帰れなくなるから」
ユーク「その意見には、あまり賛同はしたくないかな」
アルミン「その事については、僕にも考えがあってね――――」
-
- 100 : 2013/11/16(土) 19:15:01 :
ペチャクチャ ワイワイ
アーダ コーダ
教官「(中々興味深い議論だな…メモメモ)」サラサラ カキカキ
ミカサ「(あちらの会話は凄い)」
アニ「…あれ?」カチャ…カチャ…
ミカサ「(あの3人が集まると、104期の頭脳が完成する!!)」ワクワク
アニ「あっ!ワイヤーが絡まっちゃった!!」グチャグチャーン
-
- 101 : 2013/11/16(土) 19:15:21 :
ミカサ「(あの頭のよさ…私もあやかりたい)」ジーーッ
アニ「(いそげっ!いそげっ!!)」イソイソ イソイソ
ミカサ「……」ジーーッ
アニ「(ユーク!助けてぇ!!)」アセアセ
ミカサ「(アニ…貴方一体、何をやっているの…)」ジトーーッ
-
- 102 : 2013/11/16(土) 19:15:46 :
――――午後 教室 兵法講義――――
教官「――――」ペチャクチャ
ユーク「……」
アニ「……」
ミカサ「……Zzz」
ユーク「…...」
ユーク「(あっ、そうだ!)」
-
- 103 : 2013/11/16(土) 19:16:09 :
ユーク「(あの場面でなら、『桂馬』が効いてくるかも!!)」ピーン
アニ「ねぇ、ユーク」チョイチョイ
ユーク「(でも、その際、『銀』を捨てなければいけないのが、ネックだなぁ)」ウーン
アニ「ねぇってば…」ユサユサ
ユーク「…ん?何だい、アニ?」
アニ「さっきから呼んでるよ、全く」プンプン
-
- 104 : 2013/11/16(土) 19:17:12 :
ユーク「ごめん、将棋の戦術を思いついて、気付かなかったよ」
アニ「そう、随分ハマったんだね」ヒソヒソ
ユーク「あぁ、あれはいいものだ」ヒソヒソ
ユーク「『気に入った』っていうレベルじゃないな!」
アニ「それで、私の話なんだけどさ」
ユーク「ん?そういえば、話って何だい?」
-
- 105 : 2013/11/16(土) 19:17:33 :
アニ「ここの話、よく分かんないんだけど、教えてくれない?」ココ!
ユーク「あぁ、それは、陣形の右翼が崩れた時に、右後方が――――」
アニ「へぇ、アンタ将棋の事ばっかり考えてて、聞いてなかったんじゃないの?」ジッ
ユーク「うん?何その含みのある言い方」
アニ「別に…」
ユーク「もしかして、俺を試してた?」
-
- 106 : 2013/11/16(土) 19:17:55 :
アニ「だって、アンタ今日講義の内容、全然聞いてなさそうだったし」
ユーク「一応、耳には入ってたよ?」
アニ「そうみたいで、安心したよ」
ユーク「なんでアニが安心するの?」
アニ「だって、アンタのノートがないと、私は座学で点数獲れないんだもん」
ユーク「はいはい、わかった、わかった」
-
- 107 : 2013/11/16(土) 19:18:20 :
アニ「頼んだよ?」
ユーク「わかったってば」
ミカサ「アニ、またユークに頼りっきり」パチリ
ミカサ「そういうのは、感心しない」ジロッ
ミカサ「ので、もっと自分の力で頑張るべき」
アニ「別にいいじゃん!なんだってさ」ケロッ
-
- 108 : 2013/11/16(土) 19:19:43 :
ユーク「俺も納得してるから、いいんだよ?」
ミカサ「むぅ。それでは注意した私が悪者の様で、納得がいかない」プクーーッ
ユーク「ミカサも講義に集中したら?」
ミカサ「(…理不尽だ…こうなったら!『ここで言ってやる』!!)」
ユーク「ほら、講義に集中するよ、2人とも?」ヒソヒソ
アニ「はいはい、わかったよ」ヒソヒソ
-
- 109 : 2013/11/16(土) 19:20:01 :
ミカサ「アニ」ボソリ
アニ「ん?」チラ
ミカサ「ユークは、本当はアニの女の子らしい身体が、とても気になっていた」
ミカサ「ので、講義に集中できていなかったのよ、アニ?」
ユーク「は?」ドキッ
アニ「え?」ドキリ
-
- 110 : 2013/11/16(土) 19:20:20 :
ユーク「いやいやいや!ないから、ないから!!」ブンブン
アニ「え?え!?どういう事?」ドキマギ
ミカサ「どうもこうもない。言葉のまま」ニヤリ
ユーク「ミカサ!!」ドンッ
教官「こら、そこ!やかましいぞ!!」
ユーク「…すみません」
-
- 111 : 2013/11/16(土) 19:20:36 :
ユーク「ミカサ、それとアニも…ちょっと来て」ギュ グイグイ
ミカサ「……」ニヤニヤ ズルズル
アニ「え?いきなり何?」トテテテ
ユークノ ヤツ トツゼン ドウシタンダ?
オンナノコ フタリノ テヲ ヒイテ イッタワヨ!
シュラバ? シュラバナノ?
ワイワイ ガヤガヤ
教官「はぁ、講義どころじゃなくなったよ、全く」ブツブツ
-
- 112 : 2013/11/16(土) 19:21:31 :
――――教室の外――――
ユーク「こら、ミカサ!何て事を言ってくれたんだ!!」ガミガミ
ミカサ「別に、ユークも本当は、そう思ってるんでしょ?」ニヤリ
アニ「ねぇ。結局、何の話してるの?」
アニ「これじゃあ、私だけわからないよ」
ユーク「アニは興味を持たなくていい事だからさっ!気にするな!!」ガシッ
アニ「え!?う、うん…///」ドキドキ
-
- 113 : 2013/11/16(土) 19:23:00 :
ミカサ「…ほら、ユーク。アニだって貴方に掴まれて、顔を赤くしている」
ミカサ「ので、いっそ言ってしまった方が、楽になる」
ユーク「違う!俺がアニに抱いている感情は、そんな事じゃない!!」
アニ「え?ユークは何を言ってるの?」
ミカサ「アニ、ユークには昨日、以前にお風呂で貴方の胸を触った事を話した」
アニ「えぇ!?」
-
- 114 : 2013/11/16(土) 19:24:10 :
ミカサ「『興味があるなら、貴方もアニに頼めばいい』とも言った」
アニ「な、何て事を言ってんのさ!!///」カァァ
ミカサ「ユークもそれを聞いて、動揺していた」
アニ「え!?」ドキリ
ミカサ「ので、ユークも1人の男の子に過ぎないという事がわかった」
アニ「あ、そ、そうなんだ…///」チラ
-
- 115 : 2013/11/16(土) 19:24:39 :
ユーク「アニ!そんな目で俺を見ないでくれ!!」
ユーク「俺はアニを家族として、大切にしたいんだよ!!」ジッ
アニ「ほ、ほんとに…?///」ジッ ドキドキ
ユーク「本当だ」ジッ
アニ「う、うん…なら、いいんだ///」ドキドキ
ミカサ「(ちぇっ、失敗した…悔しい)」グヌヌ
――――――――
-
- 116 : 2013/11/16(土) 19:25:06 :
ユーク「(…アニ、ごめん。半分は…嘘なんだ)」
ユーク「(アニを大切にしたい気持ちは、俺の中で一番を占めているのは、間違いない)」
ユーク「(…でも、アニに興味がないというのは、限りなく嘘に近いんだ)」
ユーク「(家族失格だよな…俺は不純だ…)」ガックシ
――――――――
-
- 117 : 2013/11/16(土) 19:26:24 :
アニ「……///」ドキドキ
アニ「(びっくりした…でも、ユークはすぐに否定していたし)」ドキドキ
アニ「(私もこれ以上、気にしてたら…駄目だよね)」
アニ「(ユークの名誉の為にも…)」
アニ「(…でも、本当に“そう”だったら、私は…どう思うんだろう…?)」ドキドキ
アニ「(ユークも男の子だったら…私は…っ!!)」プシューーッ カッ! ボンッ!!
-
- 118 : 2013/11/16(土) 19:27:31 :
――――――――
ボンッ!!
ミカサ「(爆発音!?)」キョロキョロ
アニ「……///」プシューーッ マッカッカ
ミカサ「(なんだ、アニか)」ヤレヤレ
ユーク「“一応”、解決したんだし、教室に戻らないか?」
ミカサ「えぇ、行きましょう。ユークはアニの手を引いて行ってあげて」アレ!
アニ「……///」プスプス
-
- 119 : 2013/11/16(土) 19:27:58 :
ユーク「…あぁ、わかったよ」ギュ
アニ「あ、ユーク…///」ギュ
ユーク「迷惑かけて、ごめんな?」ナデナデ
アニ「い、いいよ。私もみっともないところ見せて、ごめん///」
ユーク「アニの所為じゃないよ。みーんな、彼女が悪いからさ」ギロリ
ミカサ「さぁ、私は知らなぁーい」シレッ
-
- 120 : 2013/11/16(土) 19:29:59 :
ツカツカツカ
ユーク「(今日の所は、俺の汚点という形で許すけどさ)」
ユーク「(今度騒動を起こしたら、覚悟しておけよ、ミカサ?)」イライラ
アニ「(ユークは、私を女の子として…)」
アニ「『異性として』…見てくれてるのかな…?///)」ドキドキ
アニ「(私も、ユークの事…///)」ポーー
ユーク「(アニは…家族のようなもの…だ!――――)」ツカツカ
-
- 121 : 2013/11/16(土) 19:30:41 :
Part3終了です
-
- 122 : 2013/11/17(日) 10:46:46 :
――Part 4――
――――夜 女子寮――――
ミカサ「ねぇ、アニ」
アニ「なんだい?」
ミカサ「明後日の休暇は、一緒に街に出掛けよう!」
アニ「なんで、私と?」
ミカサ「そんなつれない事、言わないでほしい」
アニ「別に、いつも通りさ」
-
- 123 : 2013/11/17(日) 10:47:08 :
ミカサ「今までにも、何度も一緒にお出掛けした仲」
ミカサ「ので、この前のお詫びの目的も兼ねて、お菓子を食べに行こう」
(『――番外編―― 第9話』参照)
ミカサ「勿論、お菓子は私がご馳走する」
ミカサ「ので、アニは何も心配せずに、私と一緒に街へ出掛けてほしい」
アニ「そういう事なら、ご馳走になるよ。楽しみだ」ニコ
ミカサ「ええ、良い店を教えてもらったから、期待していて」ニコ
-
- 124 : 2013/11/17(日) 10:47:35 :
アニ「じゃあ、楽しみが増えたところで、明日に備えて寝ようか?」
ミカサ「ええ、おやすみなさい」
アニ「おやすみ――――」
-
- 125 : 2013/11/17(日) 10:48:52 :
――――次の日 夜 食堂――――
ユーク「……」
ミカサ「ねぇ、ユーク」ジーーッ
ユーク「…ふんっ」フイ
ミカサ「あの…」オロオロ
ユーク「……」プイ
ミカサ「き、昨日の事は…」ワナワナ
-
- 126 : 2013/11/17(日) 10:49:40 :
ユーク「…知らない」ツーン
ミカサ「う…あぅぅ…」シュン
ミカサ「(今日1日…ずっと口を利いてもらえていない)」
ミカサ「(ので、とても寂しい…)」ウルウル
ユーク「……」ツーン
アニ「ねぇ…ユークさぁ」ジッ
-
- 127 : 2013/11/17(日) 10:50:03 :
ユーク「…なんだい、アニ?」チラ
アニ「…許してあげたら?」チラ
ミカサ「あぅぅ…」ウルウル
ユーク「……」
アニ「ねぇ…」
ユーク「わかったよ…」ハァ
-
- 128 : 2013/11/17(日) 10:50:29 :
ユーク「ごめんよ、ミカサ」
ユーク「知らんぷりした俺が悪い…」ペコリ
ミカサ「…!!」パァァ!!
アニ「(現金だね、この子も)」クスリ
ユーク「(昨日も…俺自身の汚点だって、認めたばかりじゃないか)
ユーク「(女の子のミカサに…八つ当たりするなんて…)」
-
- 129 : 2013/11/17(日) 10:50:47 :
ユーク「(男として…最低だな…俺)」
アニ「(ユーク…)」
ユーク「だから…元気出してくれ、ミカサ」チラ
ミカサ「ええ!とても元気になった!!」
ミカサ「ので、ありがとう!!」ギュ
ユーク「…はいはい」ニコ
-
- 130 : 2013/11/17(日) 10:51:05 :
アニ「(ミカサも良かったね)」
ユーク「(それもあるけど…ね)」
ユーク「ミカサ…手」チラ
ミカサ「...?」キョトン
アニ「ほら、ミカサ」
ユーク「この前、注意したでしょ?」
(『――番外編―― 第9話』参照)
-
- 131 : 2013/11/17(日) 10:52:11 :
ミカサ「…あっ!そうだった」パッ
ユーク「別に、無理強いは…しないけどね?」
アニ「(私は、ちょっと…嫌…かな?)」モヤモヤ
ミカサ「折角、注意してもらったのだから、この機会に直したい」
ミカサ「ので、またしてしまった時は、お願い」ジッ
ユーク「わかったよ」ニコ
-
- 132 : 2013/11/17(日) 10:52:25 :
アニ「(ユーク…)」モヤモヤ
ユーク「…そういえば、明日は休暇日だったな」
ミカサ「そうね、ユークは何か予定はあるの?」
ユーク「いいや、ないよ」ボケーー
アニ「……」
ミカサ「そう」
-
- 133 : 2013/11/17(日) 10:53:22 :
ユーク「君達は?」チラ
ミカサ「ええ、ある」
ユーク「そうかい」
ミカサ「でも…」
ユーク「...?」
ミカサ「秘密」ニコ
-
- 134 : 2013/11/17(日) 10:53:58 :
ユーク「何だい、そりゃ?」クスリ
ミカサ「アニも」
ユーク「アニも?」チラ
アニ「う、うん…明日は、出掛けて来るから…」モジモジ
ユーク「そうかい、楽しんでおいで?」ニコ
アニ「!!…う、うん」モジモジ
-
- 135 : 2013/11/17(日) 10:54:21 :
ユーク「……」ニコニコ
ミカサ「ユーク、将棋の方はどう?」
ユーク「『どう』…とは?」
ミカサ「面白い戦術でも見つけた?」
ユーク「…あぁ、そう言う事ね」
ミカサ「そう」
-
- 136 : 2013/11/17(日) 10:54:35 :
ユーク「講義中も考えていたから、見つけたよ?」
ミカサ「そう、また次の対局が楽しみ」ニコ
ユーク「多分、ミカサじゃあ、俺には勝てないよ?」ニヤリ
ミカサ「むっ!そんな事はない」
ユーク「どうかな?」
ミカサ「勝負に、絶対はないから!」
-
- 137 : 2013/11/17(日) 10:55:39 :
ユーク「…次を楽しみにしてるよ」
ミカサ「ええ」
アニ「(私も…ユークと遊びたい)」ウズウズ
アニ「(でも…いつ誘おうかな...?)」モヤモヤ
ユーク「(将棋をすること自体は、とても楽しみだ...でも)」
ユーク「(将棋も紙の駒でやるのは…もう無理があるかもな)」
-
- 138 : 2013/11/17(日) 10:56:44 :
ユーク「(…明日は、1日休みか…よしっ!!)」ガタッ
ミカサ「どうかしたの、ユーク?」
アニ「突然、立ち上がって」
ユーク「明日、やる事が出来たからね!」
ユーク「今晩のうちに、準備を始めるのさ!!」
アニ「...?」キョトン
-
- 139 : 2013/11/17(日) 10:57:40 :
ミカサ「何かは分からないけど、とてもやる気が感じられる」
ミカサ「ので、頑張って!」
アニ「よく分からないけど、頑張りな?」
ユーク「ありがとう、2人とも!」
ユーク「それじゃあ、俺はもう行くよ!!」スタスタ
ガチャ バタン
-
- 140 : 2013/11/17(日) 10:57:56 :
ミカサ「ユークは…一体何を考えたのだろうか?」
アニ「さぁ、あいつの行動原理も、時々よく分からないからさ」
ミカサ「『時々』?」
アニ「う、うん?」
ミカサ「という事は、いつもは何でも分かるという事?」
ミカサ「アニとユークは以心伝心?」ニヤニヤ
-
- 141 : 2013/11/17(日) 11:01:23 :
アニ「え!?そ、そう言う訳では…ないけどさ…」アセアセ
ミカサ「ふふっ、焦らなくてもいい」
ミカサ「少しからかっただけ」クスリ
アニ「も、もう、ミカサ!」
ミカサ「ふふっ、ごめんなさい?」ニコニコ
アニ「むぅぅ…///」テレテレ
-
- 142 : 2013/11/17(日) 11:04:08 :
ミカサ「では、アニ」
アニ「…?」
ミカサ「私達も、もう戻りましょう」
アニ「そうだね、明日に備えなきゃ」
ミカサ「ユークには、どこへ行くか言わなかったけれど、大丈夫だろうか?」
アニ「きっと、大丈夫さ」
-
- 143 : 2013/11/17(日) 11:04:52 :
ミカサ「どうして、そう思うの?」
アニ「あいつも『楽しんで来い』って、言ってくれていたしさ」
ミカサ「ええ、そうね」
アニ「私は、楽しみさ」
ミカサ「ありがとう、アニ」
アニ「お礼を言うのは、私の方じゃないの?」
-
- 144 : 2013/11/17(日) 11:05:10 :
ミカサ「いいえ、きっと私の方」ニコ
アニ「そうなのかな?」ポカーン
ミカサ「ええ、きっとそう――――」
-
- 145 : 2013/11/17(日) 11:06:57 :
――――翌日 休暇日――――
ミカサ「アニ、支度はできた?」
アニ「うん、万端だよ」
ミカサ「それでは、偶には女の子どうしで、お出掛けしましょう!」
アニ「はしゃぎすぎだよ?」クスッ
ミカサ「おっと、癖が出てしまった」
ミカサ「今日は、あくまでおしとやかに」
-
- 146 : 2013/11/17(日) 11:07:31 :
アニ「アンタに、おしとやかさを我慢できるの?」クスクス
ミカサ「普段、『やんちゃ』とばかり言われている」
ミカサ「ので、この機会に頑張ってみる!!」
アニ「まぁ、頑張りな?」クスス
ミカサ「ええ、私も変わってみる事にする」
ミカサ「(そう…『私も』――――)」
-
- 147 : 2013/11/17(日) 11:08:04 :
――――街中――――
ミカサ「どうやら、ここのお店のよう」ピタ
アニ「外観は、雰囲気がいいね」ジーーッ
ミカサ「まぁ、見ていても始まらない」
ミカサ「ので、早速、中へ入りましょう」
アニ「そうだね、今日はご馳走になります」ペコリ
ミカサ「ええ、大船に乗ったつもりでいて」ニコ
カランコロン
-
- 148 : 2013/11/17(日) 11:09:19 :
――――店内――――
アニ「――――うん!美味しいね、ここのお菓子」パクパク
ミカサ「ええ、とても癒される味がする」ウットリ
アニ「まぁ、こんなにいいお菓子が食べられたという事で」
アニ「アンタに胸の1つや2つも、触られた甲斐があったというものだね」パクパク
ミカサ「アニ、そんな安っぽい言い方をするのは、ダメ」
ミカサ「もっと自分を大切にしてほしい」
-
- 149 : 2013/11/17(日) 11:10:03 :
アニ「ごめん、そうだね」
アニ「でも、大丈夫だよ」
アニ「そう簡単に、他の奴には触らせたりなんてしないから」
アニ「(この先、そんな事が再び来る事なんて、ないかもしれないし)」
ミカサ「ええ、アニの胸はランク付けで例えると、最高ランクだった」
ミカサ「ので、これからもむやみに、他人に触れさせてはダメ」
-
- 150 : 2013/11/17(日) 11:11:38 :
アニ「それは…きっと」
アニ「アンタが、暴走しない限りはね」クスッ
ミカサ「うっ、それは言わないでほしい」シュン
アニ「ふふっ、もう済んだ事だから良いんだよ」
ミカサ「ありがとう。アニは人としての器が大きい」
ミカサ「その大きな胸も収まるくらいに」
-
- 151 : 2013/11/17(日) 11:11:54 :
アニ「あはは」
ミカサ「うふふ」
アニ「上手い事を言えだなんて、言ってないよ?」クスッ
ミカサ「ふふっ、偶にはこういうのもいいかと思って」クス
ミカサ「でも、アニ」
アニ「なんだい?」
-
- 152 : 2013/11/17(日) 11:12:20 :
ミカサ「貴方はもしかして、『彼になら別に構わない』と思っていたりしない?」
アニ「げほっ!…突然なんだい?」
ミカサ「…正直に答えてほしい」
ミカサ「今の私は、貴方の切実な答えが欲しい」ジーーッ
アニ「うっ…まぁ、私の事を女の子として、見てくれているのなら…」
アニ「それも…あまり悪い気はしない…って感じ」オズオズ
-
- 153 : 2013/11/17(日) 11:13:24 :
ミカサ「そう…わかった。ありがとう」
アニ「う、うん///」モジモジ
ミカサ「まぁ、こういう下世話な話は、これで終わりにするとして」
アニ「そ、そうだね」ドキドキ
ミカサ「今度は、貴方が彼の事を“異性として”、どう思っているのか」
アニ「…!!」
-
- 154 : 2013/11/17(日) 11:13:52 :
ミカサ「それを単刀直入に聞きたい」
ミカサ「ので、お願い。また正直に私の問いに答えて」ジッ
アニ「そ、それは…」ウッ
ミカサ「……」ジッ
アニ「……最近、よくわからなくなってきたんだ」
ミカサ「それは、つまり?」
-
- 155 : 2013/11/17(日) 11:14:38 :
アニ「今は、上手く説明できないんだけど…」
アニ「今まで思ってきた『家族』っていう枠組みから、あいつの存在が最近大きくなって」
アニ「私の中で、何か多くを占めるようになってきた気がするんだよ」
ミカサ「…そう」
アニ「ミカサは、私の“この気持ち”が一体何なのか…知ってるのかい?」ジッ
ミカサ「ええ、知っている」コクリ
-
- 156 : 2013/11/17(日) 11:15:02 :
アニ「…教えて」ジッ
ミカサ「…いいえ、教えられない」フルフル
アニ「なんでさ…?」
アニ「…少し…苦しいんだよ…私は」ポロッ
ミカサ「どうして苦しいの?」ジッ
アニ「あいつの事が、ずっと頭から離れないんだ」ポロポロ
-
- 157 : 2013/11/17(日) 11:15:31 :
アニ「この際だから白状するけど、最近はずっと…あいつに甘えていたいって思っていて」
アニ「また、膝枕とかしてほしいって…ずっとずっと!思ってたんだ!!」
ミカサ「…アニ、さっきの貴方の質問に答えよう」
アニ「教えてくれるの?」ジッ
ミカサ「いいえ、“それ”は、教えられない」フルフル
アニ「何さ、それ…」グスッ
-
- 158 : 2013/11/17(日) 11:16:19 :
ミカサ「私が答えるのは、貴方が『なんで?』と聞いた事についてだけ」
アニ「もう、それでいいから、教えてよ。辛いんだよ」グスグス
ミカサ「アニ、貴方の求める答えは、実はすぐ身近にある」ジッ
ミカサ「今は、盲目になっていて、その正体に気付けないだけ」
ミカサ「けれど落ち着いて、よく見つめ直したら、きっとそれが何なのかが解るはず」
ミカサ「頑張って。私は、アニをずっと応援してるから」ニコ
-
- 159 : 2013/11/17(日) 11:16:51 :
アニ「厳しい試練だね」グスッ
ミカサ「ええ、――は盲目って言うから」
アニ「え?今、何て言ったの?」
ミカサ「今の貴方には、絶対に教えない――――」ニコッ
-
- 160 : 2013/11/17(日) 11:17:32 :
――――訓練兵舎 食堂――――
ユーク「おかえり、2人とも」
ユーク「街へ出掛けていたんだね」
アニ「…ただいま」ボソリ
ミカサ「ええ。2人でゆったりと、ティータイムを楽しんだ」ニコ
ユーク「そうかい...」
ユーク「アニを連れて行ってくれて、ありがとね」ペコリ
-
- 161 : 2013/11/17(日) 11:18:30 :
ミカサ「いいえ、私もとても楽しかった」
ミカサ「ので、頭は上げて」
ユーク「ありがとう」スッ
ミカサ「それより、ユーク」
ユーク「何だい?」
ミカサ「晩御飯までの間、一局付き合って貰えないだろうか?」
-
- 162 : 2013/11/17(日) 11:18:58 :
ユーク「…将棋にかい?」
ミカサ「ええ、貴方と話す機会を設けたくて」
ユーク「(話す機会…か)」
ユーク「(今度、俺もベルトルトと相談するのに、この手を使おう!)」
(『――番外編―― 第8話』参照)
ユーク「あぁいいよ。じゃあ盤を用意しようか」ジャラジャラ
ミカサ「…これは?」
-
- 163 : 2013/11/17(日) 11:19:26 :
ユーク「将棋の盤と駒一式だよ」
ミカサ「貴方が作ったの?」ジーーッ
ユーク「そっ!休みの日くらいじゃないと、凝って作ってる暇なんてないからね」エヘン
アニ「凄いね、アンタの器用さは」ヒョイッ
ユーク「ありがとう!」ニコニコ
ミカサ「本当に上手に出来ている」
-
- 164 : 2013/11/17(日) 11:19:42 :
ミカサ「駒の形状も指に馴染んで、指し易すそう」
ユーク「ずっと使う事になるだろうからね」
ユーク「駒を作るのは初めてだったけど、本気を出した」
ミカサ「これは未使用品?」ニヤ
ユーク「勿論。ミカサとの対戦の為に、使う機会は取っておこうと思っていたんだが」ニヤ
ユーク「その必要も初日から無くなったみたいで、俺も喜ばしいよ」ニッ
-
- 165 : 2013/11/17(日) 11:20:54 :
アニ「じゃあ、私は一旦寮へ戻って、着替えてくるから」ヒラヒラ
ユーク「あぁ!夕食は、一緒に食べような!!」ブンブン
ミカサ「是非、私も一緒に」ハイ!
アニ「ふふっ、いいよ」
アニ「それじゃあね!」スタスタ
-
- 166 : 2013/11/17(日) 11:21:19 :
――――――――
ユーク「よしっ!じゃあ早速、対局開始だ!!」パチッ
ミカサ「とてもいい指し音がする」パチッ
ユーク「なんたって俺の本気と、こだわりの材質を使ったからな」エヘン
ミカサ「使うのが勿体無いくらいに、いい音が鳴っている」パチッ
ユーク「でも、折角作ったんだから、思いっきり使ってくれ」ニコ
ミカサ「ええ、ありがたく使わせてもらう」ニコ
-
- 167 : 2013/11/17(日) 11:21:51 :
ユーク「今日は、2人でお菓子を食べに行っただけ?」パチッ
ミカサ「いいえ。その後には、また服屋と雑貨屋を見て回ったりした」パチッ
ユーク「アニは、楽しそうだった?」パチッ
ミカサ「ええ、とてもはしゃいでいた」パチッ
ユーク「ははっ、俺の眼がなかったのもあったのかな?」パチッ
ミカサ「きっと、それだけではないと思う」クスッ
-
- 168 : 2013/11/17(日) 11:22:52 :
ユーク「ん?どういう事?」パチッ
ミカサ「アニ自身にとって、自分の気持ちを見つめ直す、良い機会となったみたい」パチッ
ユーク「どういう事?その話、詳しく聞きたいな」ワクワク
ミカサ「ダメ。貴方には、絶対に話さない」クスッ
ユーク「『絶対』とは、酷いな」ハハ
ミカサ「ええ。貴方もいずれは、アニと同じ気持ちになる時が来る」
ミカサ「ので、今は焦らずに、“その時が来る”のを、ジッと待っていて――――」ニコ
進撃の巨人Another ――番外編―― 第10話
『訪れた、運命との出会い』
La Fin.
-
- 169 : 2013/11/17(日) 11:23:36 :
【投稿完了 / シリーズ名 / 話数 / タイトル / URL】
――本編――
【13/11/15 進撃の巨人Another 第21話 『鍵《ヒント》』】
http://www.ssnote.net/archives/2740
【13/11/10 進撃の巨人Another 第20話 『懐古、そして展望』】
http://www.ssnote.net/archives/2440
【13/11/08 進撃の巨人Another 第19話 『待つ者』】
http://www.ssnote.net/archives/2307
【13/11/06 進撃の巨人Another 第18話 『以心』】
http://www.ssnote.net/archives/2219
【13/11/05 進撃の巨人Another 第17話 『志と命』】
http://www.ssnote.net/archives/2140
【13/11/04 進撃の巨人Another 第16話 『選ぶ』】
http://www.ssnote.net/archives/2041
【13/11/03 進撃の巨人Another 第15話 『悪癖』】
http://www.ssnote.net/archives/1992
【13/11/02 進撃の巨人Another 第14話 『クチは...』】
http://www.ssnote.net/archives/1943
【13/11/01 進撃の巨人Another 第13話 『ドウキ』】
http://www.ssnote.net/archives/1886
【13/10/31 進撃の巨人Another 第12話 『人柄』】
http://www.ssnote.net/archives/1841
【13/10/30 進撃の巨人Another 第11話 『危機と嬉々』】
http://www.ssnote.net/archives/1815
【13/10/29 進撃の巨人Another 第10話 『見上げる先』】
http://www.ssnote.net/archives/1748
【13/10/28 進撃の巨人Another 第9話 『辛辣』】
http://www.ssnote.net/archives/1702
【13/10/10 進撃の巨人Another 第8話 『本物』】
http://www.ssnote.net/archives/805
【13/10/10 進撃の巨人Another 第7話 『捨てる』】
http://www.ssnote.net/archives/800
【13/10/10 進撃の巨人Another 第6話 『側』】
http://www.ssnote.net/archives/796
【13/10/10 進撃の巨人Another 第5話 『指令』】
http://www.ssnote.net/archives/795
【13/10/10 進撃の巨人Another 第4話 『再び』】
http://www.ssnote.net/archives/793
【13/10/10 進撃の巨人Another 第3話 『解散式の夜』】
http://www.ssnote.net/archives/792
【13/10/10 進撃の巨人Another 第2話 『見たもの、見るもの』】
http://www.ssnote.net/archives/791
【13/10/10 進撃の巨人Another 第1話 『4人目』】
http://www.ssnote.net/archives/790
-
- 170 : 2013/11/17(日) 11:23:56 :
――番外編――
【13/11/17 進撃の巨人Another ――番外編―― 第10話】
http://www.ssnote.net/archives/2668
【13/11/12 進撃の巨人Another ――番外編―― 第9話】
http://www.ssnote.net/archives/2257
【13/10/27 進撃の巨人Another ――番外編―― 第8話】
http://www.ssnote.net/archives/1550
【13/10/24 進撃の巨人Another ――番外編―― 第7話】
http://www.ssnote.net/archives/1374
【13/10/15 進撃の巨人Another ――番外編―― 第6話】
http://www.ssnote.net/archives/1078
【13/10/14 進撃の巨人Another ――番外編―― 第5話】
http://www.ssnote.net/archives/1040
【13/10/13 進撃の巨人Another ――番外編―― 第4話】
http://www.ssnote.net/archives/941
【13/10/12 進撃の巨人Another ――番外編―― 第3話】
http://www.ssnote.net/archives/923
【13/10/12 進撃の巨人Another ――番外編―― 第2話】
http://www.ssnote.net/archives/878
【13/10/11 進撃の巨人Another ――番外編―― 第1話】
http://www.ssnote.net/archives/845
――雑談――
【13/10/14 進撃の巨人Another シリーズ ――思い出(過去コメント)保管所――】
http://www.ssnote.net/archives/1038
【13/10/12 進撃の巨人Another シリーズ ――雑談所――】
http://www.ssnote.net/archives/924
-
- 171 : 2013/11/17(日) 11:26:09 :
お付き合いいただき、ありがとうありがとうございました。
ユークの人生に大きな影響を与えうる将棋との出会い
図らずもそのきっかけを与えたのは、将来、敵と成り得るミカサ...
現実として、運命とは皮肉なものですよね
さて明日は、本編22話!
クリスタとユミルと外へお出かけの予定だったかな?
また明日、お楽しみに!!
-
- 172 : 2020/10/06(火) 15:01:49 :
- 高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
http://www.ssnote.net/archives/80410
恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
http://www.ssnote.net/archives/86931
害悪ユーザーカグラ
http://www.ssnote.net/archives/78041
害悪ユーザースルメ わたあめ
http://www.ssnote.net/archives/78042
害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
http://www.ssnote.net/archives/80906
害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
http://www.ssnote.net/archives/81672
害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
http://www.ssnote.net/archives/81774
害悪ユーザー筋力
http://www.ssnote.net/archives/84057
害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
http://www.ssnote.net/archives/85091
害悪ユーザー空山
http://www.ssnote.net/archives/81038
【キャロル様教団】
http://www.ssnote.net/archives/86972
何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
http://www.ssnote.net/archives/86986
http://www.ssnote.net/categories/%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E5%B7%A8%E4%BA%BA/populars?p=51
-
- 173 : 2020/10/06(火) 15:02:52 :
- 高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
http://www.ssnote.net/archives/80410
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