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この作品は執筆を終了しています。

XUS CLIFT 第一話 「終焉への夜明けー復讐せしは、俺の道」

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  1. 1 : : 2014/08/25(月) 12:10:41
    主に土日更新していきます

    少しずつ執筆していくバトルシリーズです


    伏線、謎に挑戦していきたいので、楽しんでいただけたら、幸いです



    ↓以下、作者の前置きコメント





    •えっと.......ですね.......とりあえず頑張ります。
    •連作ということで、執筆完了にはかなりの期間を費やします
    •しっかり、丁寧に、分かりやすくをモットーに。
    •二作目の長編となるんですができるだけ後付けなしを目標に。
    •真昼〜夜の時間帯には更新は無理そうです。
    •好きな設定や展開もバンバン盛り込みます。








    第一話始まるよ!
  2. 2 : : 2014/08/25(月) 12:11:08
    遥かなる昔



    この世界がまだ


    どこまで行っても果てしなく続く海と


    尽きることなく広がる空だけだった頃




    四柱の神が生まれた


    仙神、巨神、時空神......そして、滅神



    最も強大な力を持った滅神が、他の神々の命を奪おうとした


    結果........時空神と巨神が骸となり、仙神が己の活力と引き換えに滅神を封印することに成功した


    四柱の神々は自由を失う寸前



    それぞれの島を東西南北散り散りに創り上げた



    そして......


    時は流れ.......
  3. 3 : : 2014/08/25(月) 19:21:29
    超期待でーす
  4. 4 : : 2014/08/25(月) 19:23:10
    ハンパなく期待でーす
  5. 5 : : 2014/09/04(木) 01:52:52
    期待です!
  6. 6 : : 2014/09/22(月) 05:59:12
    〜とある島〜



    二人の兵士が逃げ回るかのように駆けていた


    ミケ「おい、リヴァイ!急げよ!」




    ミケ「もう前衛は壊滅で、俺達ももうフォトンと炎が残り少ない!




    リヴァイ「完全にやられたな......まさかこれほどの数と戦力を整えてたとは...」




    ミケ「ゼナーガ共め......まるで我々が今日攻め入ることを知っていたかのように.....!」




    リヴァイ「ゴチャゴチャ喚いても何も変わらねぇ....飛空船に戻るぞ!」





    ミケ「どうやって!?俺達の船もゼナーガ共に包囲されてるに決まってる!」




    ミケ「さっきも言っただろ!?お前も俺もフォトンと炎がほぼ空っぽなんだよ!!いくらお前でも、剣二本だけじゃ限界あるだろ!」





    リヴァイ「ほぅ?俺が一度でもお前に底を見せたことがあったか?




    リヴァイ「覚悟決めろ!どうせあの船しかここから脱出する方法はねぇんだ」




    二人はその視界の中に飛空船を捉える





    ミケ「......見えてきたな.......またどエライ数がいやがる.......」



    リヴァイ「よし、ここで二手に別れるぞ。俺が先手を打つ。それを合図にお前も奇襲を奴らにかけ、船を奪い返せ」




    ミケ「二正面作戦か.....なるほどな......何もかも尽き掛けてる今、それが最善の策だが......」





    リヴァイ「あぁ.....成功率は良くて40%ってとこだろう」





    ミケ「どのみちここがまさに正念場なんだ、やってやるぜ!」




    リヴァイ「どうしたよ?今日は随分素直じゃねぇか」




    リヴァイ 「訓練兵の時からは想像もつかねぇ」





    ミケ「かもな。死の危険が迫った時......人間ってのはたまに開き直って何も怖くなくなるらしいな」





    リヴァイ「ほぅ......初耳だな。新たに教本の項目に加えとくか?」






    ミケ「やめとけ、縁起でもねぇ。特に新兵の野郎どもにはよ。」






    リヴァイ「相変わらず冗談の一つも通じねぇ白ける野郎だぜ」





    ミケ「相変わらずこんな切羽詰まった状況で冗談ぬかすイカれた野郎だぜテメェは」






    リヴァイ「.......お喋りもこのへんにして.......始めようか」





    リヴァイ 「人生の思い出は振り返り終わったか?」





    ミケ「振り返っておかねぇと後悔するようなモンはねぇよ」




    ミケ「.........明日の夜にでも.....久し振りに杯を交せる事でも願ってる」




    リヴァイ「.........」




    ミケ「じゃ、武運を祈ってる。」



    リヴァイ「しなくていいぜ。気持ち悪ィ」
  7. 7 : : 2014/09/22(月) 06:13:25
    ミケ、リヴァイは正反対の方向に進み岩陰から奇襲の機会を伺っていた


    ミケ「ここで生き残れれば......ちったぁ俺の人生にも華がつくだろうよ」


    ミケ「.........ん?」


    彼は背後に気配を感じ振り向く


    ミケ「ありゃあ.......リヴァイ?」


    そこには一人の兵士が立っていた


    だがそれは.......さっき別の方向へと向かったはずのリヴァイだった


    ミケは疲弊した身体を動かし彼の元へと迫っていく


    ミケ「おい、お前こんなとこで何やってんだよ?作戦はどうした!?」


    返事はなかった......


    ミケ「おいコラ、聞いてんのか?お前の持ち場はどうした?まさか今更作戦変更か?」


    返事は.......未だにない


    リヴァイはミケに見向きもせず遠くを見つめている


    ミケ「テメェ!いい加減にしろよ!?何とか言え!お前が奴らの気を引いて––––––––」


    リヴァイの胸ぐらに掴みかかろうともう一歩詰め寄ろうとした時........


    ドスっ.........!


    ミケ「がっ.......!!」


    リヴァイの剣がミケの腹を貫いていた


    ミケ「テメェ.......何してんだよ?」


    口から血を吐き飛びそうな意識を必死に繋ぐ


    リヴァイ「..............」


    「...............クックク!」


    ミケ「!」


    リヴァイはその顔に奇妙な微笑みを浮かべる

    そんな表情は二十年以上の付き合いのミケですら一度も見たことがないもの


    ミケ「お前......!」
  8. 8 : : 2014/09/22(月) 06:22:46
    〜一方その頃.......


    ミケと反対方向に移動し、ゼナーガを見つめる男......


    リヴァイがいた


    リヴァイ「あいつもそろそろ着いた頃か?」


    持っていた通信機を取り出し


    リヴァイ「おい、ミケ!聞こえるか?10秒後に俺が撹乱させる。用意いいか?」


    だが.......通信機からは何の応答も聞こえてはこなかった


    リヴァイ「ミケ!何してる!?そっちで何があった!?」


    リヴァイ「応えろ!」


    彼の叫びは虚しく辺りに響くだけであった............
  9. 9 : : 2014/09/22(月) 07:06:16












    –––––––––––––––––––––––––
    ––––––––––––––––––
    ––––––––––––
    ––––
    ––






    遥か東に位置する神々に創られた四国の一つ


    東の島(イースト•リゾラ)


    豊かな生命と資源に恵まれ


    4つの島で最も多くの人が住み、最も富があり、最も多彩な命が栄えている

    人類が住む本島を中心にそれを囲むように5つの諸島が並ぶ


    数十年前に外敵から身と土地を守るために高さ100mを誇る『壁』を建設する

    そして今.......その壁の数は15にまで迫り、この島はそれから一度も何の襲撃にあっていない


    尚、人類が生活しているのは、中央から数えて三番目の壁の内側のみ


    獰猛な原生生物も潜んでいる為である


    島の外側に進めば進むほど生物の危険度は上がる



    つまり『壁』は島の生態系をも維持してると言っていい


    その島の中に一人の少年が産まれる


    名をエレン•イェーガー


    両親は彼が産まれて直ぐに彼の元から姿を消した。


    詳しい事情は彼にも聞かされておらず、現在に至るまで友の『ミカサ』の家庭で育ってきた

  10. 10 : : 2014/09/22(月) 14:32:33
    美しい街並みの中........一人の少女が静かに歩みを進めていた


    ミカサ•アッカーマンである


    長く綺麗な黒髪を靡かせ、振り向く男も少なくない


    彼女は一人の少年に声をかける


    ミカサ「アルミン」


    アルミン「あ、ミカサ!おはよう」


    アルミンと呼ばれた少年は振り返るや直ぐにミカサに手を振る


    ミカサ「おはよう。エレンを知らない?」


    アルミン「僕も今探してたんだ。一緒に行こうか?」


    ミカサ「もちろん」


    この金髪の華奢な少年もエレン同様に両親の顔を知らず、独り暮らしを始めたばかり


    二人は再び歩き始める
  11. 11 : : 2014/09/22(月) 14:44:19
    季節の花が満開に咲いた花畑の傍らに二人が探し求めているエレン•イェーガーがいた



    いくつか花を摘み草原に腰掛けている



    その隣には長いブロンドを丁寧に手入れした少女、クリスタ•レンズ



    日の光が当たり、美しい金髪に更に磨きがかかる



    クリスタ「エレン、何を作ってるの?」



    エレン「これか?リースだよ」



    クリスタ「もしかして.....私に?」


    エレン「いや........お前じゃなくて.....オバサンにな」


    クリスタ「ミカサのお母さん?」


    エレン「あぁ、今日誕生日らしいからな」


    クリスタ「へぇ.....それにしてもエレンは見かけによらず本当器用ね。」


    エレン「見かけによらずは余計だろ」


    クリスタ「ふふ、ごめんなさい」


    エレン「お前にはまた別の物な」


    エレン「去年のやつまだ使ってるか?」


    クリスタ「もちろん。大切に毎日使ってるよ」


    エレン「そっか」


    エレン「ここをこうしてっと.......ほら、出来た!」
  12. 12 : : 2014/09/22(月) 14:50:00
    完成と同時にアルミンとミカサが二人を見つけ歩み寄る



    アルミン「おーい、エレーーン!クリスターー!」


    エレン「アルミンにミカサ」


    エレン「たった今できたとこなんだよ」


    エレン「ほい、俺特製リース」


    アルミン「エレンはやっぱ見た目と違って器用だね」


    エレン「うるせ!ってか、クリスタと同じこと言うな!」


    アルミン「ははは、クリスタも言ったんだ。」


    クリスタ「だって見えないもの」


    ミカサ「『俺そんな細かい作業向いてねぇし』とか言いそう」


    エレン「ミカサまで.....」


    アルミン「ところで......」


    エレン「ミカサの母さんの誕生日祝いだ」


    アルミン「よく僕が言いたいことが分かったね」


    エレン「顔に書いてあった」

  13. 13 : : 2014/09/22(月) 15:04:06
    ミカサ「急にどうしたの、エレン?今までそんなことしなかったのに」


    エレン「俺の本当の親は..........別にいるけどよ。一応あの人達は俺の育ての親だしな」


    エレン「何かしたくて気付いたらコレを作ろうってなってた」


    エレン「.......おかしいか?」


    ミカサ「いいえ......きっと喜ぶ」


    エレン「いつか......兵士になって見違えさせてもやるさ」


    アルミン「やっぱり......調査兵団かい?」


    エレン「あぁ!」


    エレンは天に向け人差し指を立てる


    その先には宙に存在する調査兵団空中本部『サテライト』があった


    エレン「いつか......あそこの兵士になって、ゼナーガを倒しまくって.......兵長の座についてやる!」


    エレン「お前らは無理して付いてこなくてもいいんだ」


    エレン「仲間引っ張ってまでしねぇといけないことじゃない」


    ミカサ「エレンならきっとやれる。父さんも母さんも祝福してくれる」


    アルミン「両親といえば.....」


    エレン「ん?」




    アルミン「今頃.......エレンのご両親は何してるかな?」


    エレン「さぁな......顔も名前も知らねぇからな...」


    ミカサ「.......」


    クリスタ「ミカサ?」


    ミカサ「何でもない。エレン、それは何という花を使ったの?」


    エレン「よくぞ訊いてくれた。これはな–––––––––––」
  14. 14 : : 2014/09/22(月) 15:21:13
    ––––––––––––––––––––––––
    ––––––––––––––––––
    ––––––––––––
    ––––



    日が沈み........空の色は茜色へと


    アルミン「あ〜あ.......訊くんじゃなかった......」


    クリスタ「結局2時間丸ごとだったね.......ハハハ.....」


    ミカサ「自分の特技のことになると周りが見えなくなる......エレンの悪い癖。」


    エレン「いや......そんなに語った覚えはないんだけどな」


    アルミン「話してる方は楽しいだろうけどさ!途中から話題変わってたろ!僕樹木について何か質問したかい!?」



    エレン「だから.......悪かったって....」


    ミカサ「アルミン......慣れるしかない」


    クリスタ「ミカサはもう何十回とかだもんね––––––––あっ、そろそろ家に帰らないと」


    エレン「そんな時間か?もうちょっと–––––––––」


    クリスタ「そうなんだけど、今日はお買い物済ませなきゃだから。それじゃ!」



    そう言い残しクリスタは去って行く


    エレン「忙しないな.......言ってくれりゃ手伝ったものを...」


    アルミン「僕も今日はこれで」


    アルミン「読み終わってない本があるから」


    エレン「本なんていつでも–––––」


    アルミン「んじゃ!」


    アルミンも駆けて行き、やがて姿が見えなくなる


    エレン「聞いてねぇし!」




    ミカサ「私達も帰ろう」



    エレン「はぁ......わぁ〜ったよ」




    ごく平和なこの島


    争いはなく、平穏と呼ぶに相応しい光景


    そんな彼らを見下ろし.......一つの黒い人影が..........壁の上に降り立つ.....
  15. 15 : : 2014/09/22(月) 16:06:25
    期待です!
  16. 16 : : 2014/09/23(火) 14:04:49
    ミカサ「エレン」


    エレン「ん?何だ」


    ミカサ「どうして.......調査兵団に入らなければいけないの?」


    エレン「........どういう意味だよ?」


    ミカサ「そのままの意味。調査兵団に入ってわざわざゼナーガと戦う必要なんでないと思う」


    エレン「あのな。確かに俺達人類はこの数十年間、何の襲撃も受けてねぇ」



    エレン「だが、それがずっと続くと.......誰が保証できる?」


    エレン「壁がいつか壊されるかもしれない」


    エレン「地面からいきなり現れるかもしれない」


    エレン「そんな時に......戦える力がなかったら、どうする?」


    ミカサ「........そうね」


    ミカサ「今のは忘れて欲しい」


    エレン「気にすんなよ」


    エレン「と.......言っても、俺もゼナーガを見たことがねぇんだが......」



    エレンが言い終わるのと同時に町の鐘が鳴る


    それは兵士の生還を意味するもの
  17. 17 : : 2014/09/23(火) 14:19:20
    エレン「噂をすれば何とやらだ!兵長二人が帰ってきた!」


    ミカサに振り向くことなくエレンは走り出してしまう


    ミカサ「エレン!待って!」


    エレン「急げミカサ!英雄の凱旋だ!」


    エレン達が走っていく方向には一隻の飛空船が着陸しかけていた


    エレンが野次馬の元へ着いた頃には生還者が船から降りていた


    だがそこに.......期待していた英雄の凱旋は感じられなかった


    船から出てきたのはリヴァイ.......ただ一人のみ


    装備も身体も傷付き、全身のいたるところに軽傷を負い、流血した跡が見て取れる


    「リヴァイ兵長!何故お一人なのですか!?」


    「ミケ兵長のすがたがありませんが!?」


    ほぼ全ての市民の疑問はそれだった


    だが、リヴァイは彼らに応えることなく、痛々しい脚でゆっくりと......王都へ向かう
  18. 18 : : 2014/09/29(月) 00:49:37
    内地への入り口となる門へと向かうクリスタ


    だが突然.......



    クリスタ「うっ......!」


    激しい頭痛に襲われその場に座り込んでしまう


    彼女は目を閉じて痛みに耐える


    すると.....


    頭の中に、奇妙な映像が流れ込む



    燃えている街、崩れいく建物



    そしてその燃え盛る業火の中心に......


    エレン•イェーガーがいた....



    クリスタ「え....?....今のは.....?」


    彼の服装は......今日見たものと全く同じだった


    今見えたのは何なのか?


    そんな疑問を抱こうにもサッパリ見当はつかない


    クリスタ「少し.......疲れてるのかな....」


    気にもとめず、再び歩き出す
  19. 19 : : 2014/09/29(月) 00:49:58
    一方............



    王都へと辿り着き、リヴァイは遠征の結果報告を


    ダリス「それで......ミケ兵長はいずこに?」


    この国の最高権力者『ダリス•ザックレー』の御前で行っている最中であった




    リヴァイ「死んだ.......だろうな」


    リヴァイ「これしか見つからなかった」



    彼の右手には、ミケの武器であった


    『鉤爪』のほんの一欠片



    ダリス「.......そうか」



    ダリス「 “ また1人 ” .......兵長の座に空きができてしまったな」


    エルヴィン「ミケの件は非常に残念だが.......」



    ここで調査兵団総指揮官、エルヴィン•スミスが口を開く


    エルヴィン「とにかく、ご苦労であった」



    ダリス「しかし何故.......ゼナーガ共は我々の殲滅作戦に気付いた?」


    リヴァイ「さぁな........内通者がいるとかな」



    エルヴィン「よせ......縁起でもない」



    リヴァイ「ふん.......冗談だ」


    リヴァイは彼らに背を向け部屋を出て行こうとする



    ダリス「ゆっくり休みたまえ」


    ダリス「英雄君」


    リヴァイ「..........チッ」


    静かな舌打ちを最後に部屋を出る
  20. 20 : : 2014/09/29(月) 00:50:21
    その頃.............



    エレン達の頭上の空に



    突如黒い炎が灯る



    エレン「何だ.......あれ?」



    炎は忽ち拡大し、空に大きな穴が開いたような光景になる


    エレン達だけでなく周りの住民達全てが空をただただ黙視していた



    だが........平穏は突如壊される



    巨大な穴から数体........どころではなく、次々と数十体の黒い謎の生命体がなだれ込む



    蜘蛛のような形をした『ソレ』は



    大地に降り立つなり、人々に襲いかかる
  21. 21 : : 2014/09/29(月) 11:02:56
    エレン「走れミカサァ!!」


    巨大な穴が開いた場所はエレン達の居場所からさほど近くはなかった


    エレン「母さん達を探さねぇと!」


    ミカサ「今日は家から出てないはず!」


    エレン「よかった!なら急いで–––」


    ドゴォォォォーーーーーン!



    何の前触れもなく大きな爆発が発生する


    エレン「何だ!?」



    ミカサ「私達の家の方角だ......!」



    爆発の真下には黒いローブを被った男がいた.........
  22. 22 : : 2014/10/05(日) 15:23:49
    「フゥ〜!爽快〜!」


    爆発に見とれているローブの男


    「ゲルビー。私たちの役目は直接住民を殺すことじゃない」


    その男に近づくもう一人の男


    彼はローブは身につけていないが、ゲルビーと呼ばれた男と似通った色の服装をしていた


    ゲルビー「うっせ。俺達が手出すのと、ゼナーガ共にやらせんの、どっちも変わらねぇだろ?」


    ゲルビー「第一、お前が引き連れてきたゼナーガ共は仕事が遅いんだよ、ファラフラ」


    街の惨劇を退屈そうに見つめるローブの男


    ファラフラ「私は君に同行など頼んだ覚えはありませんがね......」


    ゲルビー「俺が全員虐殺でいいじゃねぇか」


    ファラフラ「なりません。我々はまだ姿を見られるわけにはいきません」


    ファラフラ「君は先に帰っていて下さい」


    男は右手に黒い炎を灯す


    その炎はローブの男を無理やり飲み込む


    ゲルビー「て、てめっ!あとで覚えてろ!」


    そう言い残し一人の男はその場から消え失せる



    ファラフラ「.....やれやれ......ん?」



    遠くにエレンとミカサが彼のいる方向に走ってくるのを発見する



    ファラフラ「私も身を潜めるとしましょう」


    彼自身は炎を使うことなくその場を立ち去る
  23. 23 : : 2014/10/05(日) 15:24:25


    少し時間が経ち.......



    エレン「......おい、ミカサ......」



    エレン「さっき人影を見なかったか?」


    ミカサ「.....特に何も」



    エレン「気のせいか....?」



    走ってる二人の目の前に彼らの生家が姿を見せ始める


    だが......すっかり原型など留めていなかった



    エレン「何だよコレ.......」



    先程の爆発により辺りの家が悉く潰されていた



    ミカサ「母さん!父さん!」


    父母の二人は逃げる間もなく崩れた家の下敷きとなってしまっていた


    「ミカサ.......エレン......?」
  24. 24 : : 2014/10/05(日) 15:24:52



    彼らは奇跡的に意識があり、喋る事も出来た


    エレン「待ってろ!今助けるから!」


    瓦礫をどかそうと力を込めるがビクともしない


    エレン「うぐぐ......!ミカサ!手伝え!」


    ミカサ「分かった!」



    ミカサの力が加わっても、家一つ分の質量をどうこうできるはずもない



    「二人とも.....逃げろ!」



    ミカサ「父さん......何言ってるの?」



    「化け物が来てる!」



    黒い蛇のような骨格をしたゼナーガが四人に忍び寄っていた



    その大きさは先程見た蜘蛛型とは比べ物にはならない



    「ミカサ、エレン!私達を置いて逃げて!」


    父だけでなく母までも子供達に強く申し付ける



    エレン「嫌だ!四人で逃げるんだ!」



    「.......無理だ」


    エレン「何で!?」


    「俺も母さんも.......足が潰れてる」


    「これを退けさせることができても......もはや歩くことすらままならん」



    エレン「俺が担いで走る!だから諦めんなよ!」



    両の腕に全力で力を入れる



    指や掌からは血が流れ始めている



    だが、そんな痛みなど御構い無しに



    エレン「動け!動け!動けェェ!」



    「エレン........それは?」



    母はエレンが腰に括り付けていたリースに目を止める



    「もしかして今日のために?」



    エレン「そうだけど.......今そんなことどうでもいいだろう!!」



    「手に取らせて.......よく見せて」



    母は........笑っていた



    命の危機が最大限にまで達しているこの空間で


    そんな様子に



    エレンの興奮も減退していた



    手の痛みも、死の恐怖も感じない



    エレン「........ほら」



    花のリースをそっと力乏しい手に置く


    「綺麗........ありがとう、エレン」

  25. 25 : : 2014/10/05(日) 15:25:31
    腹に宿していた子が産まれてきたかのように父母はそのプレゼントを涙ぐんで見つめている



    少ししてからエレンはハッと我に帰る



    エレン「って......こんなことしてる場合じゃねぇ!急いで–––––––––」



    ハンネス「エレン!ミカサ!」



    エレンの言葉を遮り、駐屯兵団の一兵士、ハンネスが駆けつける



    エレン「ハンネスさん!早くこの瓦礫を!」


    黒蛇はもうすぐそこまで迫っている


    「ハンネス.......!子供達を連れて逃げてぇ!」



    ハンネス「逃げるだぁ?甘く見てもらっちゃあ困る」


    ハンネス「駐屯兵の意地......見せてやる!」


    彼は抜刀し、黒蛇を見据える


    それと同時に


    三人のハンネスの同僚達が現れ、一斉に黒蛇に向かっていく



    「戦っては––––」



    母が短い一言を言い終わる前に......



    一人の兵士が首を食い千切られた



    ハンネス「な......!」



    二人目は鞭のような尻尾で遠方に吹き飛ばし



    残る1人を長い体躯で締め上げる



    「うわぁぁぁぁぁぁぁーーー!」



    その悲鳴........いや、断末魔はハンネスの恐怖心を更に煽った

  26. 26 : : 2014/11/07(金) 02:25:16
    ヤバい
    めっちゃ面白い
    期待大
  27. 27 : : 2014/11/08(土) 01:14:15
    ありがとうございます!
  28. 28 : : 2014/11/25(火) 22:37:44
    おぉ…もどってきておりましたか!
    期待です!
  29. 29 : : 2014/11/30(日) 20:29:39


    エレン「何なんだよアイツ.......」




    戦闘経験すらないエレンにもハッキリと理解できていた。




    『コイツは別格』だと.......



    産まれて初めて直面する『足を動かすことすらできない恐怖』にただただ息を呑む



    手足が凍ったような感覚に見舞われ、手に握っていたリースが零れ落ちる。



    「ミカサ......エレン........逃げて」



    それを拾い上げ、瓦礫の下敷きになりながらも声を振り絞る



    ミカサ「母さん達を........置いて行けるわけない」




    ミカサとエレンはその場にいる全員が助かる最後の希望である男に眼差しを向ける。




    だが......




    その希望は..........

    ハンネス...........はいつの間にか.........




    剣を納めていた



    剣を納めて、エレンとミカサをそれぞれ両腕に抱え込んだ



    エレン「おい.........ハンネスさん......何やってんだよ.....」



    ハンネスは何も喋らずただ走り.......



    両脚に武装している装置を遣い、大きく跳躍する



    崩壊した家と、黒い大蛇との距離はみるみる離れていく





  30. 30 : : 2014/12/21(日) 10:09:07


    エレン「ハンネスさんっ!二人を見殺しにすんのかよ!?」



    エレンはハンネスの腕の中でもがきながら、声を出来うる限り荒げる



    それでも返答はない.......



    ミカサは自分の置かれている立場を未だに理解できず、瓦礫の下敷きとなっている両親をただ呆然と見つめるのみ。



    その二人の眼前にまで迫った大蛇は、瓦礫に鋭刃のような尻尾を突き刺し、宙に放り投げる。



    エレン「二人共っ!逃げてくれっ!」



    エレンの叫びは虚しく響くのみ。



    もう既に二人共両足が潰れ、立ち上がることすらままならない。

  31. 31 : : 2014/12/21(日) 10:19:43



    ミカサの両親二人一緒に鞭を思わせる尻尾に身体を巻き付け、ゆっくりと持ち上げる。




    口を大開きにし、何十もの鋭牙がその姿を露わにする。



    エレン「やめろぉぉおぉぉおぉーーー!!」



    彼の叫びには見向きもせず、二人の上半身を一瞬で噛み千切る



    母が手に持っていたリースは、バラバラに散桜のように宙を舞う



    エレンとミカサはあまりの光景に息をする事さえ、忘れてしまう。
  32. 32 : : 2014/12/21(日) 10:38:50


    ハンネスが内地へと続く壁門を目前に差し掛かろうとした時–––––––––––




    エレン「ハンネスさん............降ろせよ」



    ハンネス「..........黙ってじっとしてろ」



    彼はようやく口を開くも、彼の頼みを聞き入れる素振りすら見せない。



    エレン「いいから降ろせって..............」



    エレン「言ってんだろうがぁ!!」




    力任せに身体を暴れさせ、ハンネスの腕から離脱する



    ハンネス「イッテテ........おい!」



    受身も取れず全身をぶつける形で着地したエレンだったが、何事もなかったかのようにゆっくりと立ち上がる。




    だがしかし––––––––––




    ハンネスとミカサは絶望に顔を歪ませる。



    エレンの––––––彼の前方から、蜘蛛型のゼナーガが5体程近付いていた–––––




    ミカサ「ハンネスさんっ!」



    ハンネス「駄目だ、間に合わねぇっ!」



    二人はその場から咄嗟に身体が動かせずに、ただエレンの背中を傍観することしかできなかった。




    エレン「テメェら.........!」



    ミカサ「エレン逃げてぇ!」



    エレン「一匹残らず、駆逐してやるッッッッッ!」




    その瞬間–––––––––




    エレンを中心に爆炎が発生する




    彼に襲い掛かろうとしたゼナーガ達は跡形もなく消し飛ぶ

  33. 33 : : 2014/12/22(月) 16:31:15




    周りの建造物や地面をも焼き払うも、エレンはその豪炎の中で力尽きたかのように倒れ伏す




    ミカサ「今のは.........何?」




    次々と目の前で起こる今までの日常とは乖離した光景



    ミカサはそれにただただ呆気に取られる



    ハンネス「炎........!? それに.......さっきの色は.....」



    ミカサ「何......ハンネスさん?」




    ハンネス「いいや.......取り敢えずエレンを運ぶ」



    ハンネスはもう一度二人を抱え、壁の内側へとその身を投じる

  34. 34 : : 2014/12/22(月) 16:45:31



    突如、空から降り注いだ暗黒生命体『ゼナーガ』により、一つの区が甚大な被害を被った



    死者多数、軽重問わず、怪我人は治療が追いつかないほど続出



    外傷なく意識を失った少年、エレン•イェーガー



    彼が壁の内側に避難した直後に、憲兵団がゼナーガ共を殲滅にかかろうとしたが




    またもや、空に黒い炎が現れ、ゼナーガはその中へと消えていった



    兵士達は迂闊に近づけず、その様子を手の届く距離で見る事しかできないでいた。




    そして–––––––



    それから数ヶ月が立ち行き



    エレン、ミカサ、アルミンは





    兵士となる為、訓練兵団に志願する


  35. 35 : : 2014/12/22(月) 16:55:47





    アルミン「エレン.......いよいよ今日からだね」



    エレン「あぁ..........だけど本当にいいのか........お前まで」



    アルミン「自分の意思でなるって決めたんだ。それに.........仲間が苦しい思いをしてる時に、自分だけ呑気に放蕩できるもんか」




    エレン「そうか......」



    アルミン「そんなことより......」



    エレン「何だよ?」




    アルミンが何か言いかけたとほぼ重なり、二人のいる部屋の扉が開く。



    ドアを開けたのはミカサだった。




    ミカサ「二人共、そろそろ集合の時間だから。急いで」



    アルミン「分かった」



    三人は訓練兵に支給される兵服を既に着用しており、より一層気を引き締める。



    アルミン「エレン、行くよ」




    エレン「さっき......何て言いかけたんだ?」



    エレンの問いにアルミンは少しの間言葉を詰まらせ、表情を曇らせる



    アルミン「これから行く場所で分かるよ」



    三人は部屋を後にする–––––


  36. 36 : : 2014/12/22(月) 17:21:14
    期待です!
  37. 37 : : 2014/12/24(水) 18:35:54
    期待です!
  38. 38 : : 2014/12/24(水) 18:44:19
    期待
  39. 39 : : 2014/12/25(木) 02:34:05


    ありがとうございます!
  40. 40 : : 2014/12/26(金) 15:19:58



    エレン、ミカサ、アルミンの三名は




    104期訓練兵の集結場所となっている訓練兵舎の武道場に到着する




    総勢150名以上の若き未来の兵士が既に立ち並んでいた



    エレン「流石にスゲェ数いやがるな......」



    ミカサ「キョロキョロしない」



    アルミン「えっと.....僕達は....」




    「おい、お前達」



    入り口で立ち惚けている三人に一人の男が声をかける



    ライナー「さっさと整列しろ。もうすぐ訓練教官が来る」



    エレン「あぁ.......でも、並ぶってどこに?」



    ライナー「空いてるとこなら、何処でもいい。急げ!」



  41. 41 : : 2014/12/26(金) 15:34:00




    エレン「じゃあ......お前の隣......いいか?」




    三人はそれぞれ別々の場所へ移動する




    エレンはライナーの隣で



    アルミンとミカサはその一列後ろで訓練教官を待機する



    そして突然ドアが開き、尋常ではない顔付きをした男が入ってくる



    この男こそが、104期訓練兵の教官、キース•シャーディスである



    彼は整列した訓練兵を見渡すやいなや、口を開く



    キース「私が貴様らの担当だ。生憎、貴様ら全員の腹積もりを訊いていくつもりは毛頭ない」



    キース「簡易な身分説示の後、直ちに明日からの地獄のような訓練に備えてもらう」





  42. 42 : : 2014/12/26(金) 15:43:55





    キース「まずは貴様だ!貴様は何者だ!?」




    最前列の最先端にいた男子訓練兵を睨みつけ、迫る



    キース「何しにここに来た!?」



    「憲兵団に入り、家族を内地に連れて行きます」



    キース「ほぅ、御立派な考えだ」



    「恐縮です!」




    キース「だが、貴様のような腑抜けが入れるほど甘くはない。今からでもゼナーガの餌になるのを覚悟しておくんだな」




    場の空気が凍てつく––––––




    形振り構わず、キースは問答を続行していく
  43. 43 : : 2014/12/26(金) 16:01:18






    数十名の質疑応答を終えた後



    キースは歩を進め、エレンの左隣



    ライナーの前に仁王立ちする




    キース「貴様は何者だ!?」




    ライナー「北の島(ノース•リゾラ)出身!ライナー•ブラウンですっ!」




    キース「何しにここに来た!?」



    ライナー「調査兵団に入り........ゼナーガ共を根本から殲滅する為です」




    エレンは勿論.........その場の全員が驚嘆の表情を見せた




    今までの兵士は誰一人、死亡率の最も高い調査兵団を志願する者はいなかった



    キース「成る程、死ぬのが怖くないのか?」



    ライナー「いいえ、恐ろしいです。」



    ライナー「ただ、俺の身一つで人類に平和と言う名の栄光が舞い降りるのなら..........喜んでこの身を投げ出しましょう」




    ライナー「それに........自分の力不足や拙い判断力で大切な仲間を次々に失ってしまっては...........後で死にたくなる。」




    ライナー「どうせこの命果てるのなら..........人類の勝利の礎となります」





    エレン「......」



    物言いはごく静かだが、彼の気迫は並ではなく、側にいるエレンは左腕が身震いしていることに気付く





    キース「よかろう。三年後、唯の餌になってるか、人類の希望の刃となっているかは貴様次第だ........修練に励めっ!」




    ライナー「.......御意!」




  44. 44 : : 2014/12/26(金) 16:25:48



    キースの反応は今まで者に対するのとは、明らかに違っていた



    キース「貴様は何者だ!?」




    杜絶を差し込まずに、エレンに面を向ける



    エレン「ウォールマリア、シガンシナ区出身.......エレン•イェーガーです!」



    キース「.......イェーガー?.......それは誠の名か?」




    エレン「ハッ!........それが何か?」



    キース「いいや、構うな。続けろ」




    エレン「調査兵団に入団し、ゼナーガを一匹残らずに全滅させます。その為に今日ここへ来ました」



    エレンの発言直後–––––––周囲の者達はまたも感嘆の声を漏らす




    二人目の調査兵団志願者に、皆騒つく




    頭のおかしな奴がいたもんだ、いやいやきっと自殺志願者だろうと語り合い始める––––––––––––––





    キース「私語を慎めっ!誰が発言を許可したっ!?」




    だが、一瞬後には、教官の怒声によりそのざわめきは、沈黙に覆された





    キース「貴様..........シガンシナ区出身だったな?ならば、既に味っているはずだ」




    キース「奴等がどれ程の存在なのかを..........絶望を味わった筈だ」


  45. 45 : : 2014/12/26(金) 16:41:25


    エレン「えぇ......自分の無力も.......奴等の強さも.......アナタの言うその絶望も........これでもかというくらい焼き付けられました」



    エレン「だけど.......己が無力なら、強くなればいい」



    エレン「奴等が恐ろしく強いのなら、それを打ち砕ける程強くなればいい」



    エレン「絶望に呑まれたなら、それすら振りほどく程、強くなればいい」



    エレン「そう思っただけです」



    エレンの面構えには迷いが一切合切見て取れない。



    キース「ほぅ.......偉い鼻息だが、勝算はあるのか?」




    エレン「あろうがなかろうが、自分でそう決めました。誰にも揺さぶられるつもりはありません。」



    エレン「それから.......」



    エレンはライナーの方に視線を向ける



    エレン「俺は左の奴とは違い、玉砕覚悟なんて全くありません。」




    ライナー「.......フッ」



    一瞬強張るも.......ライナーは口角を上げ視線を正面に戻す



    キース「いいだろう........小童の割には骨がありそうだと.......期待しておいてやる。精々落胆させてくれるなよ」



    エレン「仰せのままに」



    キース「二列目っ!後ろを向けっ!」
  46. 46 : : 2014/12/28(日) 06:52:20


    その後、エレンとライナーを追うように調査兵団への志願者が数名その名を列ねる




    ミカサ、アルミンをはじめとした数名




    エレンは自分の同伴者の存在に安堵の表情を浮かべる




    だが・・・・その表情は次の瞬間に一変する




    キース「貴様は何者だ!?」




    一人の少女に教官が歩み寄った




    クリスタ「ウォール・シーナ出身!クリスタ・レンズですっ!」




    エレン「・・・・・・・・・え?」




    ミカサ「何でクリスタが此処に・・・・?」




    アルミン「・・・・・・・・・・・」






    キース「何しにここへ来た!?」




    クリスタ「ゼナーガを一匹でも討ち、人類繁栄のため貢献します!」





    キース「それは素晴らしいな!貴様は奴らの囮になってもらおう!」




    キース「五列目!後ろを向けっ!」
  47. 47 : : 2014/12/28(日) 15:38:20



    長い通過儀礼が終わり–––––––––




    キース「これより貴様らのフォトンの強度を計ってもらう!」




    キース「準備はできてるのか?」




    ハンジ「もっちろん」




    キース「それでは、一列目から始めろっ!」



    一列目に整列していた兵士達がハンジに装置を手渡される




    一方で–––––––––––




    エレン「クリスタ.........何で来ちまったんだよ.....」



    クリスタ「エレンが教えてくれたんだよ?後悔しない道を選べって」



    エレン「それはそうだけど.......」



    ミカサ「どうして黙っていたの?」



    アルミン「言えばエレン達が止めるからって.....」



    クリスタ「それにほら!私は結構頑丈だから!」




    エレン「.......」




    エレンの心中は極めて複雑だった



    そこへ––––



    ライナー「おい、エレン。取り込み中悪いが、そろそろ二列目の番だぞ」



    エレン「あぁ....。」



    エレン「くれぐれも......無茶だけはするなよ?」



    クリスタ「うん!」

  48. 48 : : 2014/12/28(日) 15:46:46


    エレン「あの、お願いします」



    ハンジ「はいよ、まずはこれを付けて」



    腕時計のような物を左腕に装着させられ



    ハンジ「よ〜し、力抜いてね?」




    そしてモニターに映し出されな数値にハンジは驚愕する



    ハンジ「え......これは.....」




    キース「どうした?」




    ハンジ「いや......彼の数値なんだけど.......機械の故障かなぁ?」



    キース「高かったのか?」



    ハンジ「いいや......逆だよ.....139......低過ぎる」



    エレン「え?」



    ハンジ「平凡な訓練兵でさえ1000は下回らないんだが.....」



    キース「.........イェーガー、貴様は後でもう一度計り直せ」



    エレン「.....はい」




    ハンジ「よっし、次の子どうぞ〜」
  49. 49 : : 2014/12/28(日) 15:58:35

    期待でっす。
  50. 50 : : 2014/12/28(日) 15:58:58



    ライナー「エレン、どうだった?」




    エレン「139.....らしい?」




    ライナー「ん?低過ぎやしねぇか?」



    エレン「一応、後で再検査に行くけど......お前は?」



    ライナー「俺は3000強だ」



    エレン「そうか........ミカサ、アルミン、お前達は終わったか?」



    ミカサ「えぇ、2800」



    アルミン「僕は1900だよ」




    エレン「どうして.......俺だけ.....」



    ライナー「........まぁ、フォトンってのは修練次第でほぼ無限に増幅する」



    ライナー「落ち込むのはまだ早いだろ」



    エレン「あぁ、分かってる」







    キース「五列目っ!始めろ!」



    更に数十人の訓練兵が計測を行う




    ライナー「おい、あの子の出番だぜ」



    クリスタがハンジの元で計測をしているのが彼ら達からも見て取れた




    エレン「クリスタ........」



    酷く心配そうに呟くが.....それはあまりにも杞憂だった




    ハンジ「そんな馬鹿な......!」



    キース「今度は何だ?」




    ハンジ「この子の数値がさ.....!」



    キース「また異常に低かったか?」



    ハンジ「違う!桁外れに高い!」



    キースがモニターを覗き込むと––––




    キース「ろ.....六万......!?」




    ハンジ「こんな数値見たことない....」



    クリスタ「あの.......何か問題なんでしょうか?」



    ハンジ「君の数値はここにいる訓練兵はおろか、人類史上の最大記録をも塗り替えたよ」



    クリスタ「えっ?」



    キース「正常に作動してると見ていいんだな?」
  51. 51 : : 2014/12/28(日) 15:59:24
    >>49

    あざっす!!
  52. 52 : : 2014/12/28(日) 16:07:57




    ハンジ「あぁ、機械は正確に機能してる」



    キース「故障ではないということか」



    クリスタ「もう外してもいいでしょうか?」



    ハンジ「あぁ、すまない」



    クリスタは二人の元から立ち去る



    ハンジ「さて!全員終わったかな?」



    彼女の部下は二つ返事で肯定する



    キース「最初の科目は座学だ!遅れたものは夕飯抜きだ!行け!」
  53. 53 : : 2014/12/28(日) 16:16:05

    訓練兵達が立ち去った武道場にて......



    ハンジ「さーて、どうしたもんかね」



    キース「とんでもないのが紛れ込んだものだ」



    ハンジ「それだけ期待できそうじゃないか」



    ハンジ「この世代は」



    キース「お前はさっきのデータを至急解析しろ。やはりあの二人の数値は異常だ」



    ハンジ「やれやれ、骨な仕事になりそうだ」



    キース「貴様の好物であろう」




    ハンジ「にししっ!まぁね!」



  54. 54 : : 2014/12/29(月) 10:37:45


    歓談中の2人にハンジの部下、モブリットが歩み寄る



    モブリット「あの.......お見せしたいものが」



    ハンジ「どったの?」



    モブリット「これなんですが......」



    モブリットは先程収集したフォトン値のデータの一つを取り出しハンジ達に見せつける



    ハンジ「どれどれ..........0!?」



    モブリット「はい.......数値が低いのならまだしも........この訓練生からはフォトンが検出されもしませんでした」



    キース「........其奴の名は?」




    モブリット「はい.......確か....」




    モブリット「ジャン•キルシュタイン.......だったと思います」
  55. 55 : : 2014/12/29(月) 16:42:08


    〜〜座学の教室〜〜




    教官「私が君達の座学の担当だ。3年間しっかり知識を身につけるように」



    教官「それでは早速予め机に置いてある教本を開いてくれ」



    教官「おっといけない.......まずは人類の敵、『ゼナーガ』と我々の武器、『フォトン』について解説せねばな」



    教官「まずはゼナーガだが........この中で実際に見たことがある者は?」



    エレンとアルミン、そしてミカサのみが手を挙げる




    教官「驚いたな........三人もいるのか」



    教官「よくぞ生き延びた」




    教官「さて、このゼナーガだが」




    教官「遥か昔、滅神が仙神に封印される際に己の力を引き裂き、創り上げた島に残留させた」



    教官「これから生み出されてる暗黒生命体と言われてるのが、ゼナーガだ」



    アルミン「言われている?」



    教官「実はまだ確証が得られていない」



    教官「なんせ、滅神の創り上げた『ウェスト•リゾラ(西の島)』はここから数千キロ離れている。」



    教官「この島に今まで最も近付けたのは、二番隊兵長のリヴァイだけだ」



    エレン「近付いた......と言いますと?」




    教官「このイースト•リゾラ同様、本島の周辺に幾つかの小島がある」



    教官「数は8.....現在確認されている」
  56. 56 : : 2014/12/29(月) 16:46:45


    教官「続いて、ゼナーガの種類だ」



    教官「エレン君、君が見たゼナーガは、どんな形をしていた?」




    エレン「そうですね.......蜘蛛のような体裁でした」




    教官「なるほど.......恐らく最も個体数が多い『ダガン(四足歩行型)』だろう」



    エレン「他にもあるのですか」



    教官「あぁ、他にも『ブリアーダ(浮遊型)』や、『シュトゥラーダ(飛行型)』なども確認されている」




    教官「ここまでで.......何か質問はあるかね?」



    エレン「あの......」



    教官「何かな?」
  57. 57 : : 2014/12/29(月) 16:53:57



    エレン「俺はあの日.......蛇のような形をしたやつを見ました」



    教官「蛇?」



    エレン「はい。それは確認されていないのですか?」




    教官「いいや、そういう報告は今までにない」



    教官「誠なのかい?」



    ミカサ「私も見ました」



    教官「そうか......新たにリストに書き加える必要があるな」




    アルミン「新種というところでしょうか?」




    教官「多分な.......今までにも妙な報告があってな」




    教官「ゼナーガの大群の中に、人間らしき影を見たらしい」




    ライナー「ゼナーガがその人間を襲っていただけでは?」



    教官「いいや.......話によれば、ゼナーガ達はその人間らしきものに従って動いていたように見えた.....とのことだ」




    教官「君達も十分気をつけろ。あいつらはまだ大きな何かを隠してる」
  58. 58 : : 2014/12/29(月) 18:34:53


    教官「さて、次にフォトンについてだ」



    教官「説明できる者はいるか?」



    アルミン「はい、人類が皆生まれ持つもので、ゼナーガを倒す唯一の手段だとか......」




    教官「うむ......間違ってはいない」




    教官「君の言う通り、皆が持って生まれる」



    教官「身体の内で生成されるエネルギーのようなものだ。仙神により生み出された我々なら当然というところだ」



    教官「ひとたび武器に纏わせれば、威力は数倍に跳ね上がる」



    教官「だが、この他にもゼナーガを討伐する手段はある」



    アルミン「え?」



    教官「炎だ」




    エレン「炎?」




    教官「これも我々全員が持っているもの......いや、秘めているものと言った方がいいか」




    教官「フォトンが初段階だとすれば、差し詰め炎は上級者向けだ」



    教官「血の滲む努力と、卓越した才能を持つ者のみが発現させることができる」



    教官「この二つの武器のみがゼナーガの甲殻を打ち砕き、核を破壊することができる」



    エレン「核.....というのは?」




    教官「説明しよう。ゼナーガは全て例外なく赤色の球体をした『核』と呼ばれる器官を有している」




    教官「我々のいう心臓のようなものだ」



    教官「これを破壊することでゼナーガを討伐したことになる」



    教官「甲殻を破壊しても時間はかかるが再生してしまうからな」



    教官「この核が甲殻で固く護られているのが『被種型』。剥き出しとなっているのが『裸種型』だ」



    教官「先程のゼナーガの種類に加え、これも大きな特徴となる」
  59. 59 : : 2014/12/29(月) 18:44:59


    教官「さて.......炎について詳しく解説しよう」



    教官「先程も言った通り、発現には時間と努力がいる」



    教官「それにこの炎にも種類......すなわち属性がある」




    ミカサ「属性......」



    教官「そうだ。全部で7つ」




    教官「太陽、月、彗星、流星、海王、冥王、天王」



    教官「これらを踏まえて、天体の七属性と呼ぶ」



    アルミン「属性が違うと何が変わるんですか?」




    教官「いい質問だ。それぞれの炎が特性を持っている。」



    教官「実際に見せた方が早かろう」



    教官の右手に灯された緑色の炎がチョークを包む




    左手に灯された炎が教本を包み込む




    教官「よーく見ておけ」




    チョークを教卓の上に残し、教本を持ち距離を開ける




    教官「来い!」




    教官が呟いた直後にチョークが浮き上がり、教官が手に持つ教本に吸い寄せられる




    ライナー「チョークが浮いた!?」



    教官「これが私が発現させた『天王』の属性の炎の特性......『磁力』だ」
  60. 60 : : 2014/12/29(月) 18:52:12
    教官「このように、属性ごとに色と特性が違う」



    教官「中でも、『太陽』の炎は希少中の希少であり、発現出来た者は長い歴史の中でも、片手の指で数え切れてしまうほどだ」




    教官「だが、希少なだけにそれ程特別な特徴を持つ。」




    教官「それは、唯一この炎だけが七属性の中で普通の炎のように熱を有している」




    教官「一度だけだが、昔目にしたことがあってね........鮮やかな赤橙色は今でも記憶に焼き付いてる」




    ミカサ「赤橙色......!?」




    教官「何かね?」




    ミカサ「い、いえ」



    ミカサは驚きを隠せなかった。




    何故なら先日目にしたエレンから湧き上がった炎の色が........今教官が言った色と全く同じだからだ
  61. 61 : : 2014/12/29(月) 18:57:30

    教官「ここまで見せておいて何だが、訓練所ではこの炎については一切レクチャーしない。独学で発現してもらう」



    エレン「ちぇっ、見せびらしたかっただけかよ」



    教官「ハッハッハ、そう言うな。炎は戦闘に役立つ特性ばかりだ」




    教官「会得できれば、兵長の座も夢ではないぞ」



    教官「さて........炎に関してはよかろう」




    教官「最後に今日は、先程述べたフォトンを使用して行う『立体起動』について説明しよう」
  62. 62 : : 2014/12/30(火) 08:11:52


    教官「これが兵士全員が装着している立体起動装着だ」



    教官「簡単に言ってしまえば、フォトンの力を増幅し、跳躍力を劇的に上げる。その為、この装置は両足に装着する」



    エレン「見たことがあります。あの日俺たちは駐屯兵団のハンネスさんに担がれ助けられたのですが..........その装置だったとは」




    教官「ハンネスと知り合いかね?彼と私、ついでにキースは同期だ」



    教官「それにしても、子供があの日生き延びたのには疑問を感じていたんだ。そうか、あいつに救われたか」



    教官「この立体起動装置は、採点科目の一つだ」



    教官「取り扱いには万全を期すように」



    教官「以上!今日の座学を終了する!」



    教官「今日の訓練は終わりだ」




    教官「過酷な訓練は明日からだ。各自体調を整えておくように!解散!」
  63. 63 : : 2014/12/30(火) 08:39:07


    兵士達は食堂に集まり、夕食を各々とりはじめる



    ライナー「ここ......いいか?」



    エレン「あぁ、座ってくれ」



    エレン、ミカサ、アルミン、クリスタの元にライナーが夕食を運んでやってくる




    その後を追うように–––––––



    ベルトルト「やぁ、僕もいいかな?」



    エレン「もちろん。えっと.....お前は.....」



    ライナー「ベルトルト•フーバー。俺と同じノース•リゾラ出身だ」



    ベルトルト「よろしく」




    ライナー「そんであっちが........」



    ライナーが目だけを動かし、エレンもつられその方向に目を向ける



    アニ「....何?」



    ライナー「アニ•レオンハート。人見知りだ」



    アニ「違う」




    アルミン「それで君達は.......何者なんだい?」




    ベルトルト「僕たちはね」



    ライナーはアニにも自分達の机に来るよう手招きする




    ベルトルト「凛華(リンカ)というノース•リゾラで一番の戦闘特化家系からの送り込まれた若き親衛隊........ってところかな」




    アルミン「親衛隊?ってことはお偉いさんも来てるの?」




    ベルトルト「うん、ここにいるよ」




    ベルトルトは左隣のライナーを指差す



    エレン「えっ?」



    ライナー「........自己紹介がまだだったな...........凛華家第18代目当主の、ライナー•ブラウンだ」



    クリスタ「当主!?」



    ベルトルト「そうだよ、ライナーは徒手空拳の天才と謳われ、史上最年少で次期当主になる為の及第点を獲得したんだ」



    アニ「今日はやけに喋るね、ベルトルトの奴」




    ライナー「そうか?普段からこんなだが」



    ライナー「ちなみにアニが蹴り技と剣さばき、ベルトルトが槍術の達人だ」



    エレン「じゃあお前ら!戦ったら強えのか!?」



    ライナー「まぁ........自分の得意な戦術同士での勝負なら、生まれてから負けたことはないが」



    ベルトルト「同じく」



    アニ「同じく」



    エレン「じゃあよ!明日の対人格闘、俺と組んでくれ」




    ライナー「勿論構わねえが.......いきなり俺相手か?」



    ベルトルト「いいや、僕が組むよ。お手並み拝見といかせてもらうよ」
  64. 64 : : 2014/12/30(火) 09:20:31



    夕食の時間が終了を告げる鐘が鳴る




    訓練生達はそれぞれ各自の部屋に戻る



    エレン達と別れたミカサは女子寮に戻る際、一人の男に声をかけられる



    ジャン「おい、アンタ!」



    ミカサ「......何か?」



    ジャン「いや.......その.......とても綺麗な黒髪だ。思わず見惚れちまった」



    ミカサ「.......どうも」



    短く言い残し、ミカサは彼のもとを去る




    しかしジャンは微塵も鼻持ちならぬ感情を抱かず、その後ろ姿をただ見つめる



    ジャン「近くで見ると益々だったなぁ......」

  65. 65 : : 2014/12/30(火) 10:03:48


    〜〜〜翌日〜〜〜




    午前の対人格闘を行う広場に訓練生達は整列する




    キース「それでは各自ペアを作り、対人格闘を始めろ!」







    エレン「さーて、早速やりますか」




    ベルトルト「いつでもいいよ」



    エレンとベルトルトの二人が広場の中心で対峙する




    エレンは指をボキボキ鳴らし、姿勢を前のめりにし構える




    ベルトルト「来ないのかい?なら.......」




    最初にベルトルトがエレンへ突っ込む



    ベルトルト「こちらから行くよっ!」
  66. 66 : : 2014/12/30(火) 10:18:11

    ベルトルトは初手、上段蹴りをエレンのコメカミめがけ繰り出す




    それを難なくエレンはさっと躱す



    ライナー「.......ほぅ」



    その隙を突こうとエレンは右の正拳突きをベルトルトの腹部に命中させる





    –––––––筈だったが




    ベルトルト「惜しかったね」




    拳を寸前で受け止められる




    だが、その行動を見てエレンはニヤッと口角を上げる




    エレン「むしろそれが狙いだっ!」




    自分の拳を受け止めたベルトルトの腕を左手で掴み




    胸ぐらを右手で鷲掴む



    エレン「うおおりゃあ!」



    ベルトルト「!」



    そのまま背負い投げの要領でベルトルトの長躯を投げ飛ばす




    アニ「あいつ.....」




    アルミン「エレンはただの少年じゃないよ」



    アルミン「10歳になってから護身術や格闘術を磨き、一年前から大人相手にも負けない」



    ミカサ「私との勝負も勝ち越している」



    アニ「ほぅ.......なら、アンタの実力を私が見よう」




    ミカサ「.......上等」




    アニとミカサは、エレン達から離れた場所で対人格闘を始める
  67. 67 : : 2014/12/30(火) 10:22:23
    期待
  68. 68 : : 2014/12/30(火) 11:17:42

    エレンに投げられたベルトルトは両手で受け身を取り、そのまま逆立ちのまま回転蹴りに移る




    その蹴りを右腕でエレンは間一髪受け止めた




    –––––––––––が、衝撃を防ぎ切れず体勢を崩される




    エレンはそこから生まれた勢いを利用しベルトルトの両腕を左足で払う



    回転を模したその蹴りによって地面には円の跡がくっきりと残る



    自身の身体を支えるものを失ったベルトルトはそのまま仰向けに地面に倒される




    ベルトルト「うぐっ!」




    そこに間髪入れずにベルトルトの顔面にエレンは殴りかかる




    衝撃を覚悟し目を瞑ったベルトルト



    だが打撃の痛みはやってこなかった



    恐る恐る目を開けると、鼻先の一歩手前で拳は止まっていた




    エレン「お前の負けだ、ベルトルト」




    顔から拳を引き離し、ベルトルトから距離を置く




    ベルトルト「.......みたいだね」




    エレン「逆立ちから行う蹴りは確かに強力だが、それを支える両腕は完全に無防備だ」




    エレン「そこを突かれたら、一巻の終わりだぞ。実戦なら特にな」


  69. 69 : : 2014/12/30(火) 11:17:59
    >>67


    ありがとうございます
  70. 70 : : 2014/12/30(火) 11:25:04


    ベルトルト「あはは......お説教まで食らっちゃ完敗だよ」




    ライナー「見事だったぞエレン、丸腰状態とはいえ、ベルトルトに勝つとはな」



    ベルトルト「丸腰だと貧弱みたいに言わないで」




    ライナー「あっちを見てみろ」



    ライナーが促す方を見てみると.....



    ミカサ「ハァ......ハァ......!」




    アニ「ふぅ......やるじゃん」




    ライナー「アニと張り合うか.......あいつも末恐ろしいな」




    ライナー「俺も........血が滾ってきた」




    エレン「待ってましたっ!」





    ベルトルト「やるのかい?ライナー」




    ライナー「おう。言っておくが手心は加えんぞ?」



    エレン「あったりまえだ!本気で来てくれ」




    二人は睨み合い数秒固まった......




    ライナー「お前........先手は取りに行かないクチか?」




    エレン「持論だが.......こういう素手の組手は先に動いた方が負けると決まってるんでね......俺の経験上」




    ライナー「なるほど.......だが残念......その大層な持論.......今日限りだっ!」



    ライナーは地面を蹴りエレンへと突進していく


  71. 71 : : 2014/12/30(火) 11:34:26


    ライナー「まずは喰らいな!」



    右腕を引き、エレンの胸部へと勢いよく押し出す




    エレンは胸の前でその正拳を防ぐが–––––




    エレン「い"っ!⁉︎」



    ライナーの拳は先程のベルトルトの蹴りより遥かに重かった




    ライナー「防御の仕方は悪くない。だが己の視界を狭めるのは戦士にとって命取りだっ!」



    ガラ空きとなったエレンの腹に容赦ない左拳の一撃が決まる




    エレン「ぐはっ!」



    ライナー「敵をよく見ろ!何をしてくるか些細の動きも見逃すなっ!」



    エレン「言われなくても......っ!」



    一瞬怯むも、得意の回し蹴りでライナーの横腹を狙う




    ライナー「遅いっ!」



    回し蹴りを跳躍して躱し、両手を膝の辺りに置く




    そこを土台に両手でエレンの脚を押し、ライナーは空中で一回転する




    その勢いにのせた強力な踵落としをエレンの後頭部に直撃させる



  72. 72 : : 2014/12/30(火) 11:37:12


    エレン「あがっ!」




    アルミン「エレンっ!」




    ライナーの動きは力があるだけでなく、巨大からは想像もつかない機敏さを誇る




    地面に叩きつけられうつ伏せのままエレンは臥せる




    ライナー「筋は悪くない。ただ、予備動作がデカ過ぎる」





    彼に向けて語りかけたものの、余りの威力にエレンは気絶してしまっていた



    ライナー「.......ちょっと、やりすぎたな」
  73. 73 : : 2014/12/30(火) 14:36:53
    気を失ったエレンはライナーに医務室に連れられる



    エレン「う.......ここは?」



    ライナー「医務室だ」



    ライナー「悪かったな。手加減はしないと言ったが、少々やり過ぎた」




    エレン「いや、いいよ」



    エレン「それより、今何時だ」



    ライナー「12:30。丁度昼休憩だ」




    エレン「そうか。よかった」



    ライナー「午後からは立体起動装置の訓練だからな。目眩でもするなら止めておけ」



    エレン「いや、大丈夫だ」



    ライナー「そうか」




    エレン「........」




    ライナー「.......」




    玉響、沈黙が医務室を支配する



    ライナー「一つ......訊いていいか?」



    エレン「何だよ?」




    ライナー「お前........何で調査兵になって戦いたいんだ?」



    エレン「は?」



    ライナー「調査兵団ってのは最もゼナーガに遭遇する兵団だ。」



    ライナー「そんな場所になんの理由もねぇで執着してるとは思えない」



    ライナー「有る筈だ.......強い動機が」



    エレン「動機......か」




    エレン「あるぜ.......家族をゼナーガに殺された」




    ライナー「ゼナーガにか!?」




    エレン「あぁ.......つっても、血の繋がってないミカサの両親だ。俺の両親は俺が物心つく前から消息不明だ」



    ライナー「そうなのか」



    エレン「笑えてくるだろ?顔も名前も知らネェんだ」



    ライナー「まさか.......復讐か?」




    エレン「その通りだ.......俺は奴らを一匹残らず駆逐する」



    エレン「復讐せしが.......俺の道だから.........!」




    ライナー「........」
  74. 74 : : 2014/12/30(火) 14:56:21






    新期訓練生達は互いに実力を高め合いながら、鎬を削った




    個々の望みは違えど、全ての者が末末、自分の兵士としての役割を全うする為に血の滲む奮励を重ねる





    それぞれの想いが入れ混じり






    2年の月日が立ち入った––––––
  75. 75 : : 2014/12/30(火) 15:02:14



    〜〜対人格闘の訓練〜〜




    ライナー「さぁ、始めるぞエレン」




    ライナー「久方振りに、太極拳を見せてやる」




    エレン「あれか.......厄介なんだよな....」




    ライナー「怖気づいたか?」




    エレン「まさか」









    キース「ライナー•ブラウン。訓練生達の中で随一の体格を誇り、対人格闘ではその圧倒的な強さで1位の成績を獲得。幾つもの流派を使いこなし、同期の何人をも軽くいなすその姿、まさに超軼絶塵。」
  76. 76 : : 2014/12/30(火) 15:12:31


    〜〜〜座学〜〜〜




    教官「今日は昨日のおさらいからだ」



    教官「調査兵団の空中本部.......名を『サテライト』」



    教官「では、このサテライトを総括する団長は誰だったかな?」




    アルミン「一番隊兵長兼調査兵団団長、エルヴィン•スミスです」



    教官「その通りだ」



    教官「それじゃあ、サテライトが誇る蓄積したフォトンは一気に放出する最大の兵器は?」




    アルミン「サテライトキャノン......でしたか?」




    教官「正解だ」



    教官「だが、長い人類の歴史の中でも使用された片手の指で数えれる程だ」













    キース「アルミン•アルレルト。ずば抜けた叡智で、座学の成績において同期の何者の追随を許さず。体力面ではやや劣るも人一倍熱を込めた姿勢を見せる」
  77. 77 : : 2014/12/30(火) 15:21:52


    〜〜立体起動装置訓練〜〜





    訓練生全員が森の中で行われる20kmもの距離を完走することを課せられている





    アニ「教官、終わりました」




    キース「10分足らずか.......大したものだ。休憩に入っていろ」



    アニ「了解です」




    数分遅れてエレン、ミカサ達がゴールする




    エレン「ハァ......ハァ......アニの奴速すぎるだろ」




    ライナー「仕方ねぇよ。アイツは元々足にフォトンを集中すんのに長けてる」














    キース「アニ•レオンハート。立体起動装置訓練において非凡なスピードと秀逸な小回りを見せる。対人格闘でも上位の成績を修め、立体起動装置訓練では見事一位を勝ち取る」













  78. 78 : : 2014/12/30(火) 15:30:18


    〜〜対人格闘(剣術)〜〜




    生徒達はそれぞれペアを組み、木刀でうちあう



    そのなかでも.......




    ミカサ「ハッ!」



    ライナー「イッテェ!!」




    ミカサの一太刀がライナーこ脇腹に直撃する




    ライナー「少しは加減してくれ......俺は剣はからっきしなんだ」



    ミカサ「それでは訓練にならない」



    ミカサ「はい、もう一本」




    ライナー「クソ.......!」







    ベルトルト「僕もあまり剣は得意じゃないかな」



    エレン「そうか?俺はもう大分慣れたぞ」



    ベルトルト「にしてもあれ......」




    エレン「ミカサは剣道の天才だからな.......気の毒だ」











    キース「ミカサ•アッカーマン。卓越した剣術で無敗を誇る。一位の成績を修めるも、決してそれに満足せず修練に更に磨きをかける。尚、他の訓練でも優秀な成績を見せつける」














  79. 79 : : 2014/12/30(火) 15:38:17


    エレン「ライナー、今日こそは負けてもらうぜ」




    ライナー「こう見えても、戦闘特化家系の当主なんでね.......簡単には負けられねぇよ」





    アニ「いつもいつも、良い度胸だねアイツは」



    アルミン「負けず嫌いだからね。勝ち越されるなんて耐えきれないんだろう」




    エレン「ウォォォーーー!!」



    ライナー「ハァァァァーー!」








    キース「エレン•イェーガー。全ての科目で2位を獲得する非常にバランスのとれた成績を叩き出す。努力を怠らず皆からの信頼は厚い。最終成績で、104期首席候補筆頭の呼び声も高く、周りの期待も絶大」
  80. 80 : : 2014/12/30(火) 15:43:13



    ジャン「俺も負けてらんねぇさ!憲兵団に入るためにな!」



    アルミン「そういやジャンは憲兵団志望だっけ」



    ジャン「調査兵団とか冗談じゃねぇ」



    ジャン「とんだ死に急ぎ野郎共が紛れたもんだぜ」








    キース「ジャン•キルシュタイン。対人格闘や座学では上位に座し、理想の為の執念の凄惨さは104期随一。バランスのとれた実力だが、立体起動の訓練の成績は最下位となっている」
  81. 81 : : 2014/12/30(火) 15:52:22




    〜〜武道場〜〜





    兵士達が整列し、キース教官に真剣な眼差しを向ける




    キース「心臓を捧げよっ!」



    『『『ハッ!!!』』』



    キース「訓練期間も残り僅かとなった!」




    キース「貴様らの中には焦りを見せてる者もいるだろう」




    自分は強くなれているのか?




    今の順位で目的の兵団に入れるのか?





    キース「不安や葛藤はそれぞれあるだろうが.........ここでチャンスをやる」




    キース「一週間後に実地訓練を実施する!」




    キース「この成績次第で順位が大きく変わることもあり得る」




    キース「肝心の実地だが........特別に最難関を用意させてもらった!」




    キース「10人ずつの班に別れての自給自足の雪山探索訓練だっ!!」
  82. 82 : : 2014/12/30(火) 15:52:46





    第一話–––––––––完–––––––––––––
  83. 83 : : 2020/10/27(火) 10:07:59
    http://www.ssnote.net/users/homo
    ↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️

    http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
    ↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
    ⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️

    ⚠️害悪登録ユーザー提督・にゃる・墓場⚠️
    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
    10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
    みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
    今回は誠にすみませんでした。


    13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
    >>12
    みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
    現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました

    私自身の謝罪を忘れていました。すいません

    改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
    今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
    あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
    SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
    本当に今回はすみませんでした。




    ⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️

    http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi

    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️

    56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ごめんなさい。


    58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ずっとここ見てました。
    怖くて怖くてたまらないんです。


    61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
    お願いです、やめてください。


    65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    元はといえば私の責任なんです。
    お願いです、許してください


    67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    アカウントは消します。サブ垢もです。
    もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
    どうかお許しください…


    68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    これは嘘じゃないです。
    本当にお願いします…



    79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ホントにやめてください…お願いします…


    85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    それに関しては本当に申し訳ありません。
    若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
    お願いですから今回だけはお慈悲をください


    89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    もう二度としませんから…
    お願いです、許してください…

    5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
    ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
    本当に申し訳ございませんでした。
    元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
    私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
    今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。

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yuyahamase19970

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XUS CLIFT 〜掴んだ闇に照らされる〜 シリーズ

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