ssnote

x

新規登録する

作品にスターを付けるにはユーザー登録が必要です! 今ならすぐに登録可能!

この作品は執筆を終了しています。

アルヒチ 優しい君は都会のお姫様

    • Good
    • 11

loupe をクリックすると、その人の書き込みとそれに関連した書き込みだけが表示されます。

▼一番下へ

表示を元に戻す

  1. 1 : : 2014/08/22(金) 01:59:26
    外は強い風が吹き荒れている
    僕の隣にいる女の子は凄く楽しそうにしてくれている



    アルミン「…」



    そんな彼女の隣を歩いてる僕は、これが夢か幻ではないかと疑ってしまうんだ……



    アルミン「ふぅ」



    友達の家に泊まるだけ
    それだけなのに何故か照れてしまう



    その理由は分かってるんだ


    アルミン「…」


    君が好きだから―――――









    http://www.ssnote.net/archives/20744
    エレアニ 文化祭~夏の贈り物~
    ↑こちらの続きになります↑

    アルミンとヒッチのお話です!
    良かったらお付き合いお願いします。

    SSを読者の皆様に気持ちよく読んで貰うために、作品が終了するまでコメントを制限させて頂きます。

    コメントを貰えると本当に嬉しいです
    しかし、途中で貰ったコメントを非表示にするのは心が痛みます。

    ですので、作品が終了するまではこちらにコメントを頂けると嬉しいです!

    http://www.ssnote.net/groups/347/archives/5
    作品の感想
  2. 2 : : 2014/08/22(金) 02:00:39
    エレン達と別れたあとに、僕はヒッチの家に招待して貰えた



    アルミン「ね、ねぇ?本当に泊まっても良いの?」


    ヒッチ「良いって言ってるじゃん?何回目?その質問は?」


    アルミン「5回目……かな」


    ヒッチ「そんなに泊まるのは嫌なのかなぁ~?」


    アルミン「違うよ!是非泊まりたい……けど」


    ヒッチ「けど?」


    アルミン「僕は男だし……付き合ってもないのに」ゴニョゴニョ


    ヒッチ「何言ってるか~聞こえませ~ん」


    アルミン「(こうなったら……やけくそだ)」


    アルミン「ヒッチの手料理が楽しみでさ」


    ヒッチ「え…あ!味わって食べなさいよね?」


    アルミン「うん!もちろんだよ」


    ヒッチ「……えへへ」


    アルミン「(ヒッチの時々見せる笑顔って可愛いなぁ)」



    大人らしさを見せようとしている彼女が時々見せる子供のような笑顔……


    ヒッチ「何々?何か私の顔についてる?」


    アルミン「何もついてないよ?」


    ヒッチ「何でジロジロ見てるの?」


    アルミン「内緒だよ……内緒!」


    ヒッチ「うわぁ、むかつくし」


    アルミン「あはは!怒らないでよ!」


    何だかカップルらしくて……
    まだ付き合ってないよ!まだ?あれ?


    頭の中では彼女と付き合っているような感情に陥ってしまったアルミンだった。
  3. 3 : : 2014/08/22(金) 02:01:16
    アルミン「ヒッチの家って大きいよね」


    ヒッチ「親が共働きで頑張ってくれてるからねぇ」


    アルミン「ヒッチの事が大好きなんだね」


    ヒッチ「大好きなら……さ」


    アルミン「?」


    ヒッチ「たまには家に帰ってきてほしいよ」


    アルミン「…」


    ヒッチ「あ……忘れてた」


    アルミン「何を?忘れ物?」


    ヒッチ「今日はお小遣いの日だよ!欲しかった香水があるんだよねぇ!」


    アルミン「…」


    ヒッチ「何気に高いんだよね……景気が悪いって最悪だよね?」


    ヒッチ「最近じゃバイトも受からないって言われてるし……マジ最悪だよ」


    アルミン「ヒッチなら大丈夫だよ?」


    ヒッチ「?」


    アルミン「絶対に大丈夫!うん、大丈夫だよ!」


    ヒッチ「何が大丈夫なの?意味不明って感じだよ?」


    アルミン「あ!雨降ってきたよ!急ごうか!」


    ヒッチ「うわぁ!先に行くとか最低だしぃ!馬鹿だし!」



    僕は将来……君と暮らせる関係なら絶対に幸せにして見せるよ

    今は少しでも君に男として見られるように努力しないとね。
  4. 4 : : 2014/08/22(金) 02:01:52
    ヒッチの家についた頃には、雨と風は凄く強くなってしまっていた



    ヒッチ「ギリギリセーフだったね」


    アルミン「うん……台風が近付いて来てるんだね」


    ヒッチ「まぁまぁ!そんな怖い顔しなくても大丈夫だって!」


    アルミン「え?」


    ヒッチ「停電とか普通にあり得ないし!そんなの運の悪い人達だけだって!」


    アルミン「それって……フラグだよ」


    ヒッチ「ドラマじゃあるまいし、ないない」ニヤニヤ


    アルミン「でも近くを通りすぎるみたいだしね……懐中電灯とか用意しとこうか」


    ヒッチ「えぇ~そこまでする必要あるかなぁ」


    アルミン「備えあれば憂いなしだよ」


    ヒッチ「うげぇ……頭痛くなる…漢字も数学も大嫌い」


    アルミン「はははっ!ヒッチらしくて良いよ」



    その後はヒッチと2人で懐中電灯などを用意しておいたんだ

    何だか新婚さんみたいな気分になってしまったよ
  5. 5 : : 2014/08/22(金) 02:03:02
    準備を揃えて僕が足りないものがないかを見ていたら


    ヒッチ「よ~し!」


    アルミン「どうしたの?」


    ヒッチ「晩ご飯!晩ご飯の準備してくる!」


    アルミン「僕も手伝うよ!」


    ヒッチ「それは遠慮しておきますぅ」


    アルミン「えぇ?何か悪いよ」


    ヒッチ「いいからぁ!アルミンはお風呂にする?」


    アルミン「お風呂……しまった!着替え持ってくるの忘れたよ」


    ヒッチ「あ、余裕だし」


    アルミン「え?」


    ヒッチ「お父さんの新しい服が何着か残ってるし!それ着れば良いじゃん」


    アルミン「悪いよ!ちょっと取りに戻るね」


    ヒッチ「戻らなくて良いって!泣くよ?アルミンに泣かされたって言いふらしてやる」


    アルミン「そ、それは何か困るね」


    ヒッチ「なら出てくの禁止だからね?さぁ、お風呂にする?それとも…」


    アルミン「それとも?」


    ヒッチ「わ・た・し?」


    アルミン「お、お風呂入らして貰うね!///」



    その発言に顔を真っ赤にしてお風呂場の場所を聞くアルミンを見たヒッチは…


    ヒッチ「ぶっふ!ちょっ!顔!顔が赤すぎ!!」


    アルミン「ヒッチが悪いんだよ!」


    ヒッチ「だってさぁ……アルミンの顔が可愛くてさ」ニヤニヤ


    アルミン「可愛いって、僕も男だからね!」


    ヒッチ「知ってますよ!ほらほら!お風呂に入って出たらヒッチ様の美味しいご飯が待ってますよ~?」


    アルミン「絶対に分かってない……けど、楽しみに待ってるね!」


    そう伝えたら彼女は微笑んでキッチンへ向かって行った

    僕は彼女に教えて貰った、お風呂場に彼女の父の服を持って向かったんだ
  6. 6 : : 2014/08/22(金) 14:21:01
    外の風は時間が経つに連れて激しさをまして行く

    窓に強い雨が音をたてて当たっている



    アルミン「…」


    そんな音すら耳に入らなくなってしまう『物』が置いてあった


    アルミン「ひ、ヒッチ!!」


    大きな声で彼女の名前を叫び、彼女を呼んで片付けてもらおうとする



    ヒッチ「ん~?」


    アルミン「これ……片付けてよ///」


    ヒッチ「アルミンが持ってたのかぁ~アルミンも男の子だもんね」ニヤニヤ


    アルミン「ヒッチの下着でしょ!!最初からここに置いてました!!」


    バスタオルが置いてある場所に、片付けられずに放置されていた『下着』を発見した彼は目を瞑って彼女に片付けさせようとする



    ヒッチ「失礼しました……ねぇねぇ?」


    アルミン「な、何?」


    ヒッチ「可愛いでしょ?これ、凄い気に入ってんだよね」ニヤ


    アルミン「い、いや……えっと!うぅ、か、からかうの辞めてよ///」


    ヒッチ「あはははっ!ごめん、ごめん!しまい忘れてたんだよ」


    そう言って片付けようとする彼女を見ていたら、何故か悔しく思えてしまった。



    アルミン「…」


    ヒッチ「じゃあ、お風呂で疲れをとってくださいな」ニヤニヤ


    アルミン「し、失礼します///」



    色々と考えてしまうけれど、僕は好きな女の子の家で風呂に入ろうと………
  7. 7 : : 2014/08/22(金) 14:21:23
    ヒッチの家は凄いと思う


    アルミン「す、凄いな……何だろ?始めてみるタイプのお風呂だね」


    アルミン「……」


    アルミン「落ち着かない!」



    エレンの家に泊まったりするのとは訳が違う緊張感があるんですよ

    家に電話した時、おじいちゃんが…




    おじいちゃん『頑張ってこいよ』




    何を頑張れって!?
    僕は何を頑張れば良いの!?



    アルミン「頭を先に洗わないとね……うんうん、マナーだよね」

    独り言が多くなるのが分かっているが
    声を出していないと変な緊張感に押し潰されそうな気分だった。


    アルミン「…」シャカシャカ


    アルミン「このシャンプー良い匂いする」


    アルミン「何処で買ってるんだろ?見たことないや」


    色々と聞きたいことは多いけど、さっきから僕のお腹から音が聞こえるんだ



    アルミン「お腹減ったな」
  8. 8 : : 2014/08/22(金) 14:21:50
    その頃の……



    ヒッチ「えっと……鍋にサラダ油を熱して……その間に牛肉の色が変わるまで炒める…と!」


    ヒッチ「肉じゃがって美味しいけど作るの面倒だなぁ」


    ヒッチ「(スーパーとかで売ってるの作ってる人に弟子入りしないとヤバイかもね)」


    ヒッチ「(でも、でも!肉じゃがとしょうが焼きでアルミンの胃袋はゲットだよね!)」


    男が作って貰えると嬉しいと、雑誌の特集で書かれていた料理で勝負に出た彼女で……

    台風が来るとニュースで見た時にアルミンを家に泊めようと密かに企んでいた彼女だった

    そして今日の為に何度も練習をして自信がある料理である。




    ヒッチ「うん、大丈夫だね……多分だけど」


    ヒッチ「…」


    ヒッチ「美味しいに決まってるし……味見とか……」


    ヒッチ「しておこうかな」


    ヒッチは作り掛けの肉じゃがのじゃがを食べてみた



    ヒッチ「あつ……ん…まぁ、まぁ?」


    ガチャッ


    アルミン「お風呂ありがとね」


    ヒッチ「服大きいねぇ」


    アルミン「ちょっとね、でも気にならないし、大丈夫だよ」


    ヒッチ「なら良いや……ゆっくりしててよ」


    アルミン「あ……肉じゃがの臭いがする!」


    ヒッチ「ヒッチ様特製だからね!」


    アルミン「ヒッチ凄いね!僕は料理は全然だからね」


    ヒッチ「キャンプの時は私も全然だったし、気にすることないない」


    アルミン「あの時はヒッチも苦手だったのにね」


    ヒッチ「苦手じゃないしぃ!あの時から得意だったけど!作るのが面倒だから嘘ついてただけだし!」


    アルミン「(素直じゃないな……さっきも練習してるって僕に言ってたのにね)」クス


    ヒッチ「信じてないでしょ?ふ~んだ!」


    アルミン「信じてるよ!うん!凄く信じてる!!」


    ヒッチ「絶対に信じてない!!その言い方は信じてないって証拠だよ!」



    その後はヒッチの料理を手伝おうとしたけど、彼女に邪魔者扱いをされてしまったので……


    1人で台風情報を見るためにニュースを見に行くのだった。
  9. 9 : : 2014/08/22(金) 15:32:31
    アルミン「…」ピッ


    アルミン「(台風はどうなってるのかな)」


    『見てください!ご覧の通りに現地は強風と雨で立っているのも危ういです!!』


    アルミン「うわ………凄いことになってるね」


    台風の凄さは家の中に居ても分かるぐらいの凄さだった

    ガタガタと音をたて、家に振動を与えてくる



    アルミン「(うん、正直に言っちゃえば僕も嫌い何だよね)」


    アルミン「(雷とかビックリするんだよね……でもヒッチの前だから頑張らないとね)」


    ヒッチ「ア~ルミ~ン?」


    アルミン「何?」


    ヒッチ「机の上さ、片付けておいてくれたら最高に嬉しいかも」


    アルミン「う、うん!任してよ!」



    さっきから美味しそうな匂いがしていたから、僕のお腹はさっきから音が鳴っているんだ

    机の上を片付けてる自分が小さな子供の様に思えて笑ってしまった






    ヒッチ「……まぁ、見た目は気にしちゃダメだよ?」


    アルミン「凄い美味しそうだよ!」


    ヒッチ「そ、そうかなぁ?」


    アルミン「うん!早く食べたいな!」


    ヒッチ「ちょっと待ってて、ジュース持ってきてあげるから」スッ


    アルミン「(何かヒッチ可愛いな///)」
  10. 10 : : 2014/08/22(金) 15:33:00
    アルミン「(肉じゃが美味しそう)」


    ヒッチ「お待たせしました~夏の人気のカルピスでぇ~す」


    アルミン「ありがとう!ヒッチが作ってくれた料理凄いね!」


    ヒッチ「?」


    アルミン「美味しそうだもん!」


    ヒッチ「何回も同じことは言わなくて良いし!」


    アルミン「(あ、照れてる)」クス


    ヒッチ「見てないで食べなよ?冷めたら不味くなるし」


    アルミン「不味くはならないと思うけどね……いただきます!!」


    アルミン「肉じゃがから……ん…」モグモグ


    ヒッチ「…」


    アルミン「美味しい!ヒッチ凄い美味しいよ!!」


    ヒッチ「当たり前じゃん(よっし!よっし!!)」


    アルミン「凄い……こんな美味しいの初めて食べたよ!!」


    ヒッチ「ヒッチ様が作ってんだもん!美味しいに決まってます」ニッ


    ヒッチ「おかわりは?ねぇ?沢山作ってあるからさ!!」


    アルミン「うん!食べ終わったら貰うよ!!」


    ヒッチ「(うわぁ……何か嬉しいんですけどぉ)」


    アルミン「しょうが焼きも美味しいよ!」モグモグ


    ヒッチ「(やばぁ……ニヤけそう…ニヤけてるかも)」ニヤ


    アルミン「(何か幸せかも……台風に感謝しないとね)」
  11. 11 : : 2014/08/22(金) 15:33:39
    ヒッチの手料理を食べてる時に…


    アルミン「ヒッチは食べないの?」


    ヒッチ「食べてるよ~」


    アルミン「………さっきから僕の方を見てるよ?箸もってないし」


    ヒッチ「実は私ね?」


    アルミン「?」


    ヒッチ「目を瞑って髪の毛のセットが出来ちゃうんだよね、だから箸を持たずにご飯を食べるなんて余裕なんだ」


    アルミン「…」


    ヒッチ「…」


    ヒッチ「ごめん……忘れて、今言った言葉は全部綺麗に忘れて///」


    アルミン「…」フルフル


    ヒッチ「笑うの我慢してるし!ムカつくし///」


    アルミン「だ、だって……ヒッチが…」フルフル


    ヒッチ「ふ~んだ!」



    髪型のセットとご飯は絶対に関係ないのに、自信満々な顔で言ってきたから



    アルミン「ぶふふっ!あはは!」


    ヒッチ「あ~笑ったし!酷すぎるし!///」


    つい大声で笑ってしまったんだ。
    そんな僕を見て頬を膨らます彼女は時々見せてくれる女の子姿だった…
  12. 12 : : 2014/08/22(金) 16:39:06
    ヒッチ「後でアルミンの髪型ヤンキーにしよ」


    アルミン「えぇ!?」


    ヒッチ「中々の長さあるし……ちょっと遊んじゃお~」


    アルミン「…」



    僕は今まで1度も髪の毛をイジったりしたことがないんだよね

    だから、ヒッチの言葉を聞いた時に思わず箸を止めてしまった。




    アルミン「ごちそうさまでした」


    ヒッチ「ねぇ!美味しかったでしょ?また食べたくなった?」


    アルミン「うん!ヒッチの手料理は本当に美味しいよ!毎日食べたいぐらい!」


    ヒッチ「ぶぶっふ!」


    アルミン「うわぁ!ちょっと、大丈夫!?」


    ヒッチ「げほっ、ご、ごめん、ごめん!」


    アルミン「大丈夫?」


    ヒッチ「大丈夫、大丈夫!(毎日って……ぶっ飛びすぎでしょ~?)」


    アルミン「僕なにか変なこと言っちゃったかな?」


    ヒッチ「(自覚はなしか……まぁ、これからだよね)」


    ヒッチ「言ったかもよ?教えてあげないけどね~」ニヤニヤ


    アルミン「意地悪しないで教えてよ?」


    ヒッチ「嫌でぇすげと?」


    アルミン「何か今の喋り方凄いね」


    ヒッチ「でしょ?可愛いとか思うわけ?」


    アルミン「え……ヒッチは可愛いよ?いつも可愛いって思ってる」


    ヒッチ「そ、そうなんだ///」


    ヒッチ「(アニが言ってた…恥ずかしくなるって気持ちが凄く分かる気がする)」


    アルミン「?」


    ヒッチ「お風呂入ってくる!!」


    アルミン「う、うん(そんな大きな声で言わなくても)」
  13. 13 : : 2014/08/22(金) 16:39:45
    ヒッチ「アルミンって覗きの趣味とかある?」


    アルミン「ないよ!!何でそんな趣味があると思うの!?」


    ヒッチ「男の子は皆、変態だからね」ニヤ


    アルミン「僕は覗き何かしたことないよ!」


    ヒッチ「ふぅ~ん(温泉に行った時に覗こうとしてたってユミルが教えてくれたから知ってるし)」ニヤニヤ


    アルミン「何?え?ヒッチ……?」


    ヒッチ「アルミン……めっちゃくちゃ可愛いよ」


    アルミン「か、可愛い!?」


    ヒッチ「さ~て、お風呂に行ってきま~す」スッ


    アルミン「…」


    お風呂場に向かって歩いていくヒッチの後ろ姿を見つめていたんだ

    僕にも1つ、本気で悩んでいた事があったんだ


    アルミン「………可愛い…か」


    小学校の頃から女の子に可愛いと言われる事が多かった彼にして見れば

    エレン、ジャン、ライナーのように格好いいと言われる男子に憧れを持っていた



    アルミン「う~ん、どうせなら格好いいって言われたいな」

    どんな行動をしたら格好いいと思われるか、彼は真剣に悩むのである


    アルミン「僕って可愛いかな…?自分の事を可愛い何て思った事ないもんな」


    アルミン「(そもそもさ、可愛いって……ヒッチとかクリスタみたいな女の子に言う台詞であって、男の僕に言うのは侵害だよ)」


    アルミン「…ヒッチがお風呂か……」


    アルミン「僕も男の子なんだよ……はぁ」
  14. 14 : : 2014/08/22(金) 17:26:30
    アルミンが自分と葛藤している時に…



    ヒッチ「あ~美味しいって言って貰えて良かったぁ」


    ヒッチ「(私って完璧じゃん?罪な女だわ、クリスタに負けてない……気がする)」


    ヒッチ「(うん、スタイル良いし!大丈夫じゃん?)」


    お風呂場で自分に言い聞かしていた。




    ヒッチ「(アルミンが覗きに来たら責任とって貰うのにな)」


    ヒッチ「…………流石にないかぁ…そんなことされたら恥ずかしくて死ぬし///」


    行動と発言は強気なヒッチさんですが、本当は純情な彼女なのでしてた…

    ヒッチ「クリスタはライナーと付き合ってるし……チャンスだよね」


    ヒッチ「(家に泊めたのも私に振り向かせる為だし……ぶっちゃけ台風とか怖くないしね)」


    アルミンを家に泊めるため、台風が怖いと嘘をついたのだった。
  15. 15 : : 2014/08/22(金) 17:26:52
    ヒッチ「(アルミンは何してるのかな?)」




    その彼は今現在――――




    アルミン「ん……うん…zzz」



    夢の中に旅立っていたのだった。
    夢の中で、彼は幼い頃の光景を見るのだった




    アルミン『…』


    友達『アルミンは女みたいだよな』


    アルミン『僕は男の子だよ!何でそんな事を言うの?』


    友達『可愛い顔してるって皆が言ってるもん』


    アルミン『僕は男の子なのにな……可愛いって変だよね?』


    その質問に友達は声を揃えて僕は女だと言ってくる

    女の子を馬鹿に何かしてないよ
    それでも僕は男の子だから…男として思われたかったんだ

    その後は泣きながら家に帰ったんだよ
    悔しくて、悔しくて仕方がなかったんだ



    アルミン『ただいま』



    僕が家に帰るとお母さんが心配してくれたのを思い出した

    お母さんは優しい人だから
    僕を叱りはしなかったんだ……

    そんな僕を見ている、ある人が僕と2人だけでお話がしたいと言ってきたんだ



    アルミン『おじいちゃん?』

    僕と話がしたいと言い出してくれたのは僕のおじいちゃんだった

    いつも優しくしてくれるから、今日も慰めてくれると思っていたんだ
  16. 16 : : 2014/08/22(金) 19:00:18
    おじいちゃん『アルミン?』


    アルミン『何?』


    おじいちゃん『泣いてばかりいると弱虫と思われちゃうぞ?』


    慰めて貰えると思ってたんだ
    自分の事を励ましてくれるものだと思っていたんだ

    だから、その言葉を耳にした時は本気で驚いてしまった



    アルミン『え?』


    おじいちゃん『お前は男の子なんだから、泣くのを我慢しないといけない時が来るかもしれん』


    おじいちゃん『その時もお前は泣くのか?』


    その言葉を聞いたから、今の僕が居るのだと思うんだ

    小学校でも中学校でも、僕は可愛いと言われてきた

    今通っている高校でも可愛いと言われる事が多い…

    初恋の相手であるクリスタにも、今僕が密かに想いを寄せてる女の子にも

    僕は可愛いと言われている
    今でも悔しく思えてしまうのが本音だ

    それでも泣かないで次に進もうと思えるのは、僕が少しだけ強くなれたからなのかもしれない……
  17. 17 : : 2014/08/22(金) 19:00:43
    ドオオオオーーーーーン!!!!!!!



    アルミン「うわぁ!!」



    ブッン


    急に大きな音が鳴ったから、僕は慌てて起き上がったんだ


    アルミン「て、停電!?ちょっと……確かこの辺に…」ガサガサ


    机の上に置いておいた懐中電灯かスマホを手で探り、見つけようとした




    アルミン「あ!懐中電灯だ!」カチ


    アルミン「わぁ……停電になっちゃったね」


    アルミン「…」


    アルミン「ヒッチ!!ヒッチ大丈夫!?」


    僕は慌ててヒッチの元へ向かったんだ
    きっと驚いていると思ったんだ

    別に覗こうとか思ってる気はないです
    ただ心配で仕方がなかったんだ





    ガチャ



    アルミン「ヒッチ!?大丈夫だった!?」


    お風呂場に居るであろうヒッチに声をかけたが反応がなかった



    アルミン「ヒッチ?」


    反応がないから次に何をすればいいのか?僕には分からなかった

    だって、このドアを開けてしまったら
    僕は明日から社会的に抹殺されてしまうかもしれない

    確かに目の前のドアを開けてたところで、次のドアを開けない限り大丈夫

    けれど、僕はリスクを背負うことに恐怖を感じている



    アルミン「……」
    そんな時に好きな漫画の言葉が頭に浮かんだんだ…

    アルミン「何かを変えることが出来るのは……何かを捨てることが出来る者…ヒッチ!!」


    ヒッチ「なぁ~に?」


    アルミン「え?」


    ヒッチ「やっぱり覗きたかったんだね~?」ニヤニヤ


    目の前には髪の毛が濡れてて、服は着ているが凄く色っぽい姿のヒッチが…


    アルミン「あ、あれ……以外に驚いてないね」

    僕は精一杯の余裕ぶってる雰囲気を見せる


    ヒッチ「覗きに来ると思ってたからね…いや~ん、アルミンのエッチ」ニヤニヤ


    アルミン「て、停電の事だよ!!」


    別に期待なんかしていなかった
    うん、僕は紳士だからね………多分…
  18. 18 : : 2014/08/22(金) 19:03:35
    ヒッチ「何だ……(マジで覗きに来たかと思ってたし)」ドキドキ


    アルミン「もう、大丈夫だった?」


    ヒッチ「スマホで何とか助かったよ」


    ヒッチ「スマホ様々だね」


    アルミン「取り合えず部屋に戻ろ?」


    ヒッチ「はいはぁい…あ、髪の毛は乾かしたいかも」


    アルミン「あ…でも……無理かも」


    ヒッチ「だよねぇ………最悪だよね」



    僕達は元々いた部屋に戻ったんだ
    もちろん、テレビも使えない、クーラも使えないで

    はっきり言ったら現代っ子の僕達にしてみたら最悪の状態であるのは分かる


    ヒッチ「うげぇぇ~暑い、暑いよ~」


    アルミン「クーラが使えないもんね……早く復旧しないかな」


    ヒッチ「あ~あ、電気がないと人間って何も出来ないよね」カチカチ


    アルミン「うん……何してるの?」


    ヒッチ「皆にアルミンと1つ屋根の下でラブラブしてるって送ろうかなって」


    アルミン「ちょっ!?えぇ!?」


    ヒッチ「アルミンが変態だってアニ達に教えてあげないとね」


    アルミン「だ、だからね?覗こうとした訳じゃないよ!」


    アルミン「心配で仕方なかったからであって!下心なんて1ミリも……」


    ヒッチ「…」ジドー


    ヒッチ「本当?」


    アルミン「うっ……」


    ヒッチ「1ミリもないって……そんなに魅力がないわけ?」


    アルミン「違うよ!!魅力的に……」


    ヒッチ「?」


    アルミン「魅力的に決まってる……よ///」


    ヒッチ「(おふっ……乙女か)」


    アルミン「怒らしてゴメン!僕ってそう言うのに頭が回らないから」


    アルミン「本当にごめんなさい!!」


    ヒッチ「じゃあ、許してあげるから私のお願い聞こうよ?」


    アルミン「う、うん!何でも言ってよ!」
  19. 19 : : 2014/08/22(金) 19:04:03
    ヒッチ「私のお願い一つ目!」


    アルミン「複数あるの!?」


    ヒッチ「今日は私と遅くまで起きて、お話しすること!」


    アルミン「うん……大丈夫だよ」


    ヒッチ「二つ目!」


    アルミン「(やっぱり複数あるんだね)」


    ヒッチ「また私と動物園とかに行くこと!これは絶対に!」


    アルミン「それは僕からもお願いしたいな!ヒッチと遊びに行くの楽しいし!」


    ヒッチ「うんうん!私って罪な女だわ」


    アルミン「ふふふっ」


    ヒッチ「はい!三つ目!」


    アルミン「まだ!?」


    ヒッチ「これが最後、さ~いご!」


    アルミン「分かったよ?僕に出来ることなら良いよ」


    ヒッチ「私が寝るまで起きててよ?」ニヤ


    アルミン「わ、分かりました(僕って寝るの早いんだよね)」


    ヒッチ「(何か今日は寝れそうにないからね……先に寝られたら私が暇で死んじゃうし)」


    アルミン「(一つ目のお願いと似てるし、ほとんど同じだよ?)」苦笑い
  20. 20 : : 2014/08/22(金) 19:04:24
    その後は……


    ヒッチ「アルミン、懐中電灯で照らしておいてよ」


    アルミン「こんな感じかな?」


    彼女は濡れた髪の毛をタオルで拭いていた。
    早く復旧すれば寝る前に乾かせる事が出来るから一時の辛抱である。


    ヒッチ「ヘアゴム……あった!」


    アルミン「髪の毛、縛るの?」


    ヒッチ「好きじゃないけどね……まぁ、可愛いから似合うんだけどね」


    停電で怖がるかと思っていたけれど、そんな姿は何処にもなかった

    いつも通りの強気な口調と癖のある性格はヒッチの良いところだと思う




    ヒッチ「短いしね……こんな感じでいいや」


    アルミン「似合ってるよ!何か可愛い!!」


    ヒッチ「可愛いって当たり前だよ~だ///」


    アルミン「それもそうだね!」



    彼女は嬉しいことを言われると、作り笑顔じゃなく

    ありのままの笑顔を僕に見せてくれるんだ。
  21. 21 : : 2014/08/22(金) 19:05:31
    僕達は電気が復旧しない状態で少しだけ不安になっていたんだ


    ヒッチ「髪の毛……乾かせないかもね…ってゆーか…乾いてるし」


    アルミン「やっぱり髪が痛んじゃったりするの?」


    ヒッチ「う~ん、ほとんどアイロンだよね?パーマかけたら楽なんだろうけどね」


    アルミン「あれ?パーマかけてないの?」


    ヒッチ「これは地毛でぇ~す!もう少しいい感じの地毛なら完璧だったのにさ」


    アルミン「ヒッチは完璧……」


    ヒッチ「ん?何?」


    アルミン「な、何でもないよ///」


    ヒッチ「?」


    アルミン「(僕は何を言おうとしたんだろ……あれ?さっきから僕ってヒッチに可愛いってたくさん言ってたよね!?)」


    アルミン「(恥ずかしい……好きってバレてるのかな///)」


    ヒッチ「暇になっちゃったね~?漫画でも持ってこようか?」


    急にヒッチが漫画を持ってくると言ってきて、流石に1人で行かせるのはダメだと思い

    自分も手伝うと言って、2人で漫画を取りに行くことにした。
  22. 22 : : 2014/08/23(土) 10:16:47
    隣の部屋に漫画があると教えてもらい
    その部屋の中に入ってみると……


    アルミン「ヒッチの部屋?」


    ヒッチ「ううん?ここは誰の部屋でもないよ……まぁ、私の第二の部屋みたいな?」


    アルミン「第二の部屋って何か格好いいね」


    ヒッチ「でしょ?あ……アルミンが好きそうな漫画があればいいけど」


    アルミン「進撃中だ!僕好きだよ!」


    ヒッチ「じゃあ、アルミンは進撃中持っていきなよ…私はこの辺の漫画を持ってこ~と」


    アルミン「(少女漫画ってやつだね)」


    アルミン「少女漫画が多いね!ヒッチって色々な漫画の話もするから少年系の漫画も家にあると思ってたよ」


    ヒッチ「……苦手だから」


    アルミン「え?そうなんだ…ちょっと意外かも」


    ヒッチ「だってさぁ」


    アルミン「うん?」



    彼女は学校で色々な話を聞き、その話を上手く聞き流している

    そんな彼女だから流行っている漫画も読んでいるものだと思っていたけれど

    彼女が苦手だと言った理由を知った時、僕は改めて彼女に惚れ直してしまったんだ。
  23. 23 : : 2014/08/23(土) 10:17:07
    ヒッチ「読んでて心が痛くならない?」


    アルミン「痛い?」


    ヒッチ「小学校の時とかさ…歴史とか……あ~中学校もか…」


    アルミン「?」


    ヒッチ「戦争の事を学ぶじゃん?」


    アルミン「うん、昔の人達の歴史を知ることが僕達の使命かもしれないからね」


    ヒッチ「そう考えるとさ……辛くなるよね?」


    ヒッチ「本当に撃たれて死んだ人も居るし、斬られて死んだ人も居るし」


    アルミン「ヒッチ?」


    ヒッチ「私ね?想像しちゃうんだよね」


    アルミン「想像しちゃう?」


    ヒッチ「うん、人が死ぬときの光景とかさ……漫画読んでて酷い殺され方する人とか」


    ヒッチ「殺されずに酷い事をされてるシーンとかさ……拷問シーンとか大嫌い!」


    ヒッチ「今も私達が笑ってる……この今もさ?何処かで漫画とか映画と同じシーンの……」


    アルミン「…」


    ヒッチ「た……助けて?とか言ってるかもしれないって………想像しちゃうんだよね」


    ヒッチ「だから…何か苦手かも……別に否定はしないけどね?少年系の漫画も好きだし、そういう映画も見ないこともないし」


    ヒッチ「ただ……私は…どうせなら可愛いお話とか、綺麗なストーリーが好き……かな?」


    アルミン「ヒッチは優しいんだよ」


    ヒッチ「や、優しいに決まってるじゃん!私は完璧な女の子だもん!///」



    たかが作り物のお話、そんな物に本気で悩み、そこまで深く考えてるヒッチは本当に優しい女の子だと思った

    言われてから気付いたんだ
    彼女の言う通り、今のこの瞬間にも人が死んでいる

    この瞬間に、誰かが監禁され、酷い事をされているかもしれない


    アルミン「ヒッチは優しいよ……僕はそこまで考えてなかったよ」

    僕達が生まれた時代は平和な時代
    戦争は体験していないから、戦争の怖さを教科書などから知るしかない


    ヒッチ「頭の良いアルミンにしては意外だね?」


    アルミン「僕は頭なんか良くないよ?」


    ヒッチ「それは嫌味だよ」


    アルミン「ち、違うよ!効率良く勉強してるだけだよ!」



    彼女の優しい心に、僕は改めて惚れ直してしまうよ




    僕は本当に君が大好きだ
  24. 24 : : 2014/08/23(土) 10:17:46
    漫画を読んでた時間なんて数十分だったよ?せっかく2人で話す事が出来るんだから―――



    ヒッチ「動かないの!」


    アルミン「い、痛い!ヒッチ……もう少し優しく!」


    ヒッチ「アルミンが動くからぁ!髪の毛引っ張っちゃうよ?」


    アルミン「僕の髪型をヤンキー風にするヒッチが悪いんじゃ」


    ヒッチ「私のお願い四つ目!」


    アルミン「えぇ!?」



    今のこの時間は大切にしたい。


    ヒッチ「完成……ぶっふ!」


    アルミン「な、何で笑ってるの?」


    ヒッチ「…べ…別に……」フルフル


    アルミン「笑いたいなら笑いなよ……僕は似合わないと思ってるし」


    ヒッチ「くぁ……も、もう……ダメ!あははは!!」


    アルミン「…」



    僕の髪型をヤンキー風にセットして遊びだしたヒッチは

    自分の好きな感じのヘアースタイルにしたのだが


    アルミン「(絶対に似合わない)」


    髪の毛をアイロンで軽くいじられ、どことなくヒッチの髪型に似てる気がする


    ヒッチ「写メ!これは永久保存だよ!」


    アルミン「それだけはダメ!嫌だ!」


    ヒッチ「日本語は難しいねぇ!ほら笑って!!にぃ~って!」


    アルミン「も、もう……ヒッチには勝てないよ」


    新しい自分を発見した気がしたんだ
    僕の髪の毛の長さだと色々と楽しいらしい

    無邪気に笑ってるの君を見ていると、僕も無邪気に笑ってしまう

    そんな日常って普通の事なのかもしれないね?

    けど、君が言う通りに日常の幸せを願ってるが

    そんな生活を送る事が出来ていない人が世界に居るのも確かなんだよね
  25. 25 : : 2014/08/23(土) 16:58:16
    ヒッチ「この写真はLINEのトップ画だね」


    アルミン「だ、ダメだよ!」


    ヒッチ「新しいアルミンを皆に見せてあげないとね?」ニヤ


    アルミン「絶対に楽しんでるだけじゃん!」


    ヒッチ「ふひひ!」


    アルミン「その笑い方は絶対に悪いこと考えてる!!」


    ヒッチ「変えちゃおう!一思いにアルミンのLINEのトップ画もこれにしちゃおう!」


    アルミン「僕のトップ画もヒッチのトップ画もダメ!!」



    まだ電気は復旧していない
    僕達は集めた懐中電灯の光で夜を乗り越えようとしている

    僕は暗闇は苦手なんだ
    でも、今だけは不思議と怖いとは思わなかった

    女の前だと男は格好をつけようとする無意識な行動なのか?

    僕は今までで1番、勇気が自分にあるような感情に……思い込みかな?
  26. 26 : : 2014/08/23(土) 16:58:36
    外から強い風の音、強い雨の音が聞こえてくる

    内心は不安に思ってしまう


    ヒッチ「うわぁ、見て!これ見てみてよ!」


    アルミン「あはは!エレンとアニだね!」


    ヒッチ「仲良すぎだよね?家が目の前だからって……もうエレンとかアニの家の子じゃん?」


    アルミン「カップルって言うより夫婦みたいな感じだよね」


    LINEのグループでエレンがアニの家で寝ている写真を公開されていた

    そんな、やり取りがあるから安心するのだろうか?

    きっと違うと思うんだ
    1番安心してしまうのは隣に君がいるからだと思う


    ヒッチ「夫婦ねぇ、アニとか結婚するの早いだろうなぁ」


    アルミン「そうかな?」


    ヒッチ「エレンとこのままゴールインだと思うよ」


    ヒッチ「あ~あ、アニに負けるのか」


    アルミン「ヒッチは結婚するなら……どんな人が良いの?」


    僕は何って馬鹿な事を聞いてしまったのだろうと思った

    その僕の質問に面食らったのか?
    ヒッチは僕の顔を見てくれなくなってしまった


    アルミン「ごめん!変な質問しちゃったね!」

    僕は慌てて話題を変えようとしたんだ
    そんな僕の話には耳を傾けずにヒッチは話し出した


    ヒッチ「私だけ言うとか卑怯じゃん?」


    アルミン「うん?」


    ヒッチ「アルミンが教えてくれたら、私も教えてあげないこともない」


    どうしよう?
    凄く気になってしまうけれど、聞いてしまったら……

    その前に僕が結婚したい相手……
    その前に、僕が君の事が好きだと言うことがバレてしまうのではないか?
  27. 27 : : 2014/08/23(土) 16:59:04
    そんな不安もあるけれど―――


    アルミン「ぼ、僕は……」


    ヒッチ「…」


    アルミン「僕は…」


    ヒッチ「その前にさ?好きな人いるの?」


    アルミン「……」


    その質問に言葉が出なかったんだ
    好きな人は君だからかな?僕は何て言えば良いのか分からなかったんだ

    夜の部屋で数秒間だけ沈黙になってしまう


    ヒッチ「いるんだ~誰よぉ!教えてよ!この、このぉ!」


    アルミン「わぁー!お終い!この話は終わり!!」


    ヒッチ「詰まんないなぁ、恋バナは女の子のエネルギーなのにさ」


    アルミン「また嘘ついて……もう」


    ヒッチ「嘘なんかじゃありませんよ~だ」


    今は伝えれそうにないんだよね
    今の僕には勇気がないんだ

    ヒッチ「そろそろ寝ますかね……眠くなってきたし」

    アルミン「ね、ねぇ?」

    それでも1つだけ、聞いておきたい事があったんだよ


    アルミン「ヒッチは……好きな人いるの?」
  28. 28 : : 2014/08/23(土) 16:59:45
    ヒッチ「ん~私は……」


    アルミン「…」


    ヒッチ「内緒」ニヤ


    アルミン「……うん、絶対にそう言うと思ってたよ」



    その後は何度か同じ質問をしてみたけれど、結局は教えてくれなかった

    ヒッチは自分の部屋のベットで寝ようと言っていたから

    僕は1階のソファで寝ることにしたんだ




    アルミン「電気は戻らなかったね」


    ヒッチ「あ~あ、アルミンは約束破るよね」


    アルミン「ちょっと!?えぇ!?」


    ヒッチ「私が寝るまで起きててよって約束は守れそうにないねぇ」


    アルミン「起きてるよ!起きてます!!」


    ヒッチ「それじゃあ、私の部屋でお話しようね~?」ニヤ



    男子高校生がこんな遅くに女の子の部屋に居ても良いのだろうか?



    ガチャ


    ヒッチ「散らかってるけど許してよね」


    アルミン「お、お邪魔します」


    彼女らしい部屋だった
    お洒落な服が沢山あり、部屋には好きな有名人のポスターも貼ってあった

    少しだけポスターの相手に嫉妬してしまう自分は心の狭い男なのかもしれない



    ヒッチ「ふぁ~、アルミン何かお話してよ?面白い話が良いなぁ」


    彼女は自分のベットに寝転がってアルミンの方を見つめる

    そんな姿にドキドキしながらもアルミンは話し出した。
  29. 29 : : 2014/08/23(土) 19:15:43
    アルミン「昔のお話だけどね」


    ヒッチ「実話?ねぇ!?」


    アルミン「どっちだと思う?」


    話をする前に子供のように身を乗り出して聞いてくる彼女を見ると

    可愛くて、抱き締めてみたいって感情が出てきてしまう

    そんな感情を押さえて話の続きを語りだしたんだ。



    アルミン「都会に舞い降りたお姫様のお話だよ?」

    この話は僕が幼い頃に母にしてもらったお話で

    作り話って事は気付いてしまうと思う



    ヒッチ「ロマンチックな気もしなくもないね」


    アルミン「あはは!それでね?」



    そのお姫様は、昔この土地で暮らしていたお姫様でした


    そのお姫様は心の優しい人で、戦で人が死んでしまうことを心から嫌っていたんだ


    ヒッチ「優しいお姫様だねぇ」


    アルミン「うん…それだけじゃなくてね?」


    相手の兵が死んでしまうことすら嫌っていたんだ

    自分達の兵が死ぬことも嫌で、相手の兵が死ぬことも許せないお姫様


    ヒッチ「負けちゃうじゃん?」


    アルミン「そうだね、しかも城の中でお姫様をよく思わない人達も居たんだよ」


    城の中で暮らしてる人達は優しいお姫様が自分達の国の安泰を邪魔すると考え出したんだ

    優しい人は戦場の雰囲気を壊してしまう、そんな人を見た兵が無駄死にすると言い出しんだ


    ヒッチ「何それ?めちゃくちゃ最低な奴等?」


    アルミン「人を殺すのに……正義も悪もないからね」


    アルミン「どちらも自分達が正しいと思って戦ってるんだ」



    お姫様は自分達の国が戦ってる事を悲しいと思う

    そして、自分の命を守るために死んでいく人達を見るのが辛くなるんだ

    兵士の中には小さな子供もいたらしい
    今でもあるよね?少年兵みたいに小さな子供が銃やナイフを持って人を殺すんだ……
  30. 30 : : 2014/08/23(土) 19:16:12
    ヒッチ「あるね………ニュースとか…世界のビックリとかで聞く話だよ」


    アルミン「うん」


    ヒッチ「本当にある話だよ……子供が戦うって……まぁ、人間同士が戦うこと変かもしれないよね」


    アルミン「その話のお姫様もね」




    小さな男の子と女の子と話すシーンがあるんだよ

    その男の子は女の子に惚れているんだ
    女の子は気付いていなかったけどね?

    お姫様は小さな子供達が笑って暮らせるような国にしたいと考え出したんだ

    その日からお姫様は戦で死ぬ人を見ないように、考えないようにしたんだ

    それでも毎日のように繰り広げられる戦いに人は減っていき

    しまいには小さな子供達までが戦士として戦うことになる


    ヒッチ「何それ?」


    アルミン「小さな子供が戦士として戦場に駆り出されるんだよ」


    ヒッチ「そういう親ってさ……何を思うんだろうね?」


    アルミン「きっと、辛いと思うよ……中には辛いなんて思わない人も居ると思うけどね」


    ヒッチ「平和に生きたかったよね……普通ならさ」


    アルミン「お姫様はね?」



    城から子供達が戦士として戦場に駆り出される様子を見ていたんだ

    男の子の両親が声を出して泣いていて
    我が子を戦場に送り出した、お姫様達を恨みこもった目で睨み付けるんだ

    お姫様は目を背けていた現実に少しずつ、自分の行いが間違っていたと考え始めます

    お姫様はふと城の近くにある家に目を向けます

    その家には男の子が恋心を寄せていた女の子がいました

    彼女は父に抱き締められ、父の言葉に耳を傾けています

    その女の子も戦場に駆り出される事になってしまったのです



    アルミン「…」


    ヒッチ「バットエンドじゃん」


    アルミン「続きがあるんだよ」


    ヒッチ「どうなっちゃうの?」


    アルミン「お姫様が戦場に向かうんだよ」


    ヒッチ「へ?」
  31. 31 : : 2014/08/23(土) 19:16:41
    お姫様は自ら戦場に足を運ぶんだ
    そして、戦場にいる兵士全てに語りだすんだ


    自分達の正義を貫くために、どれだけの人が命を落としたのか


    自分達の友達、これから仲良くなるはずだった人達……


    多くの人が血を見たい訳じゃない
    普通に生きることを望んでいるのだと



    ヒッチ「それで?どうなっちゃうの?お姫様は?」



    もちろん敵の兵士に囲まれてしまうんだ
    そんな中でも涙を流さずに語りだしたんだ

    自分達は勝者でも敗者でもないと
    戦場に駆り出された子供達はお姫様の回りに集まり

    お姫様は小さな子供達を優しく抱き締めました

    そんな光景を見た、敵の兵士は自らの正義を貫くため

    お姫様達を殺そうとする
    しかし、お姫様が危険な戦場に足を運び

    自分達の【命】を大事にしてほしいという意思が伝わり

    武器を捨ててしまうのです


    アルミン「そんな姿を見た……ヒッチ?」


    ヒッチ「ん……んzzz」


    アルミン「寝ちゃったか……その後ね?」



    お姫様は目を閉じるんだ
    そして、強く願ったんだよ

    自分達が望んだ平和な世界になりますようにって

    すると不思議な光景が目に浮かんだんだ

    そこは自分達が生きていた場所とは全然違う世界が見えたからね

    どんな世界だと思う?

    その世界では皆が仲良く笑ってるんだ
    お姫様が1番強く願っていた世界が目を閉じると見える

    お姫様には1つだけ【不思議な力】が宿っていました

    その力は強く願うと1つだけ望みを叶えてくれる力でした


    お姫様は何を願ったのでしょう?
  32. 32 : : 2014/08/25(月) 21:55:00
    アルミン「……」


    ヒッチ「ん~zzz」


    アルミン「無防備過ぎるよ?」



    彼女は気持ち良さそうに眠ってしまっている
    僕は頭を優しく撫でてから、1階のソファに向かう

    階段を降りてる時に、何で母の作り話をしたのかは分からないけれど

    少しだけ自分が話した理由がわかる気がするんだ



    アルミン「ヒッチも優しいからね」



    人間らしいと言うことは、物事をしっかりと考えてる人だと思うんだ

    何が正しいか、何が間違っているのか?

    そんな事が分かる人なんか、世界中を探しても居ない

    ただ、1つだけ言えることが事があるとすれば




    アルミン「世界中の人間は……皆…幸せになりたいんだよね」


    なら僕が君と幸せになりたいという気持ちは間違ってはいない

    素直じゃないけれど、少しだけ我が儘かもしれない

    ―――――それでも僕は








    ピリリリリリ


    ヒッチ「くぁ~」


    ヒッチ「あれ………アルミン?」


    目を覚ました私はアルミンをお越しに行こうと1階に降りたんだ


    ヒッチ「(話の最後を聞く前に寝ちゃうとか……ってか、最後はどうなるのさ?)」


    そんな事を思いながら彼女は1階に降りて、ドアを開ける

    目の前にはソファに寝転がって眠ってしまっている彼の姿があった



    ヒッチ「朝だよ~?アルミン?」


    アルミン「zzz」


    ヒッチ「早く起きないとアルミンのヤンキー写真を皆に送るよ?」ニヤニヤ


    アルミン「だめ……ヒッチ…それはダメだよ……zzz」


    ヒッチ「寝言じゃん!ウケるんだけど!!」


    ヒッチ「(アルミンが誰を好きであろうと関係ないしね)」


    ヒッチ「振り向かしてやるし……私色に染めてやるからね?」






    君が好きなんだ―――――
  33. 33 : : 2014/08/25(月) 21:55:22
    僕はその後……



    アルミン「ん?」


    髪の毛をイジられてる感触によって目が覚めたんです。


    アルミン「え……あれ?」


    ヒッチ「にひひ!完成したよ!」


    アルミン「え?え?」


    ヒッチ「鏡見てみなよ!久し振りにワックス使った気がするよ」


    僕は恐る恐る鏡を除いてみたんだ
    そこには昨日の僕よりも一段と髪型がパワーアップしている僕の姿がある


    アルミン「…」


    ヒッチ「アルミンって髪の毛さ、何もしてなくても可愛いし格好いいけどさ」


    アルミン「格好いい?」


    ヒッチ「髪の毛とかイジると男らしさが増すかもね!うん、流石はヒッチ様だね!いい仕事したよ!」


    アルミン「でも何か僕じゃないみたいだよね」


    ヒッチ「チャラミンだね」


    アルミン「あはは……はは」


    ヒッチ「それより暴風警報解除されたから遊びに行こうよ」


    アルミン「え……でも危ないと思うよ?」


    外を見ると強い風がまだ吹いている
    僕は危険なことはなるべくしたくないのだけれど…


    ヒッチ「ショッピング!行くよ!」


    アルミン「まだ時間的に…」


    ヒッチ「もう11時になるね?朝ごはんも外で食べちゃおうよ?ね!」


    アルミン「りょ、了解であります」



    今日もわんぱくお姫様の隣でボディーガードで1日が終わる気がしてきたよ
  34. 34 : : 2014/08/25(月) 21:55:53
    ビュオオオオオオオーーーー



    アルミン「ほ、本当に行くの?」


    ヒッチ「風がヤバイね」


    アルミン「ヒッチ?」


    ヒッチ「ぶっふ!ぶははははっ!!」


    アルミン「え?どうしたの!?」


    ヒッチ「ちょっ、アルミン!髪の毛チョーヤバイよ?」


    ヒッチ「風で髪の毛ぐちゃぐちゃになってるし!」


    アルミン「え…」サワサワ


    アルミン「うわ!ヒッチがワックス使ったからだよね!どうしよう!?」


    ヒッチ「あはははは!大丈夫、大丈夫!どっかの店で私が直してあげるからさ!」



    僕達は風の強い中を歩き回り、小さなレストランに入ることにした



    カラン



    アルミン「うわぁ…体力持ってかれたよ」


    ヒッチ「…」フルフル


    アルミン「ヒッチ?」


    僕の隣で笑いを堪えてるヒッチの名前を呼んでみた

    彼女は僕の顔を……
    いいや、僕の頭を見て笑っているんだ


    ヒッチ「お、オールバックになってるよ?」フルフル


    アルミン「な、直して!僕にはオールバックなんて似合わないよ」


    そんな僕の必死なお願いを聞いてくれた彼女は、案内された席に座ってから僕の頭を改造し始めたんだ

    ヒッチ「そんなにワックス使ってないんだけどね」


    アルミン「そうなの?」


    ヒッチ「うん、まぁ似合ってるよ!弁護士みたいなイメージ?」


    アルミン「オールバックってヒッチにしてみたら弁護士なの?」


    ヒッチ「いや?全然!」ニヤニヤ


    アルミン「…僕はヒッチに勝てない」


    嫌がってるふりをしているけれどね?
    本当は楽しくて仕方がないんだ。

    毎日のようにヒッチと遊べたりしたら楽しいと思えるぐらいにね。
  35. 35 : : 2014/08/25(月) 21:56:20
    髪の毛を改造されてから、僕達は朝ごはんと昼ごはんである、朝昼ご飯を注文したのである



    ヒッチ「私は……グラタンにしようかな!」


    アルミン「僕はパスタにしようかな」



    店員の人が僕達の注文した料理を運んできてくれるまでは

    ご飯を食べ終わったら、次はどこに遊びに行こうかと話をしていた



    ヒッチ「そう言えばさ?」


    アルミン「うん?」


    ヒッチ「昨日のお話は最後は結局どうなっちゃうの?」


    アルミン「ヒッチ、寝ちゃってたもんね」クス


    お話の最後をもう一度だけ教えてあげたんだ

    ヒッチは僕の思ってた異常に真剣に聞いてくれたんだよ


    ヒッチ「最後は聞いた人がどう思うかって感じで終わるんだね」


    アルミン「人それぞれ思うことは違うからね」



    人間には人権があり、一人一人考えることは違う

    嫌いは嫌い、好きは好き
    嫌いだけれど何も言わない大人らしさがある人


    ヒッチ「別に否定はしないけどさ?」


    アルミン「?」


    ヒッチ「世の中には沢山の人間がいるわけじゃん?皆が皆、お前と同じ考えじゃねぇしって言ってやりたくなるときない?」


    アルミン「あるよ……凄く分かるよ」



    自分の意見が正しいと思い込む人がいて、その人の発言が争いを生むことは多い


    ヒッチ「1番ムカつくのってさ、面と向かって言えないからって影で言う奴等だよね」


    アルミン「そうだよね……今の時代ならネットでも出回る時があるからね」


    ヒッチ「それね~まぁ、便利だけどね」


    ヒッチ「………人間って面白いことにね?アルミンなら知ってるかも知れないけどさ」


    アルミン「?」


    ヒッチ「自分と同じ考えの人を探そうとする習性があるんだってさ」




    自分と好きな物が同じ人
    自分と嫌いな物が同じ人

    自分と好きな人のタイプが同じ人
    自分と嫌いな人のタイプが同じ人

    それらを探すのはインターネットを通せば沢山見つかるかもしれない


    ヒッチ「それって凄いよね?」


    アルミン「それで気持ちが楽になる人も居たりするんだろうからね」


    ヒッチ「まぁ……そうだよね」


    アルミン「世の中は難しいよね」


    アルミン「今の時代も絶対に平和とは言えないかもね」


    ヒッチ「うん、うん!……って何を暗い話ばかりしてんだろうね!」


    ヒッチ「あ!頼んだ料理が来たみたいだよ!」


    アルミン「お腹ペコペコだよ」



    私は想像しちゃうんだよね
    アルミンが話してくれたお姫様は平和な世界を生きたかったんだろうなって

    お姫様は多分だけど、現代の様子を見たのだと思う

    不思議な力でお願いを叶えたのは【平和な世界】かもしれないよね

    ならさ?私達が生きてる世界って平和な世界なのかな?



    ヒッチ「グラタンとか久し振りに食べたよね……今度作ってみようかな」


    アルミン「本当!?僕も食べてみたい!ヒッチが作ったグラタン!!」



    今もどこかで人が苦しんでるかもしれない

    私達が笑ってる『今、この瞬間に』泣いてる人が居ると思うんだよね


    ヒッチ「良いよ~?高いけどね!」ニヤ


    アルミン「お金とるの!?」


    なら私は前を向いて生きようと思うんだ

    平和な時代で、平和な世界に生まれることが出来たんだ

    絶対に幸せになってみせる




    ヒッチ「(柄にもないこと考えちゃったし、アルミンのお話が悪いんだよね)」


    アルミン「パスタも美味しいよ」


    ヒッチ「(罰として今日も私に1日付き合ってもらうし)」
  36. 36 : : 2014/08/25(月) 21:58:21
    遅い朝昼ご飯?を食べ終わった後は、何処に行こうかの相談をしていた



    ヒッチ「風強いね?」


    アルミン「うん、まだ完全に安全とは言えないよね」


    ヒッチ「アルミンの髪型……ぷふっ……ふふっ」


    アルミン「僕の髪型は関係ないの!」


    ヒッチ「だってさぁ、外に行くとアルミンの髪型が……ふひひ」


    アルミン「ヒッチが悪いんだよ!全く!」


    ヒッチ「ごめん、ごめん!ならさ?近くにゲーセンあるから行こうよ」


    アルミン「ゲームセンター?別にいいけど?」


    ヒッチ「じゃあ、出発ね~!ほら!早く行くよ!」


    アルミン「うん!分かったよ」





    彼女が行きたいと行っていたゲームセンターへ行くために

    僕は風の強い中へ身を再び投げ出すのであった

    思った通りに強い風によって、僕の髪型は再びオールバックに……
  37. 37 : : 2014/08/25(月) 21:58:39
    ヒッチ「空は晴れてるのにねぇ」


    アルミン「それでも風は強いよ」


    ヒッチ「風で飛ばされちゃうからアルミンにしがみつこうかな?」ニヤニヤ


    アルミン「…///」


    ヒッチ「嘘だよ~だ!顔真っ赤!」


    アルミン「もう!」ギュウ



    僕は悔しくなってしまい、ヒッチの手を握って歩き出したんだ

    ヒッチ「へ?え!?///」

    ヒッチらしくない声を耳にしたけれど、僕はお構い無く手を握っていたんだ

    これは強い風で彼女が飛ばされないようにするためだって

    何度も自分に言い聞かしていた
    でも本当は彼女の手を握っている現実に胸の鼓動が静かになることはなかった。



    ヒッチ「……ツ///」


    アルミン「あそこかな?」


    ヒッチ「そ、そうそう!」


    アルミン「ゲーセンの中に入ったら髪型直してね?」


    ヒッチ「ぶっ!」


    アルミン「また笑う!酷いよ!」


    ヒッチ「ぶっふ、あはははは!了解、りょうかーい!」




    照れ隠しに大きな声を出して笑っていたことをアルミンは知らない。
  38. 38 : : 2014/08/25(月) 21:58:58
    ゲームセンターの中に入ると彼女は僕の髪型直してくれた

    彼女の小さな手が髪に触れるとドキドキしてしまうのは気のせいだろう


    ヒッチ「よし!完成だよ」


    アルミン「手慣れてるよね?女の子もワックス使うものなの?」


    ヒッチ「ん~?私は使わないなぁ」


    アルミン「え?それにしては上手だよね?」


    ヒッチ「中学の時に男友達の髪イジったりしたからね」


    アルミン「……」


    ヒッチ「家にあったワックスは中学の時に私に渡して忘れてる馬鹿友達の忘れ物って奴だね」


    彼女は人付き合いが上手だから、中学の時も回りに友達が居たと思う

    それは良いこと何だけど
    少しだけ悔しく思ってしまうんだ



    ヒッチ「アルミン?考え事?」


    僕は高校からの彼女しか知らないから
    中学が同じだったら、その時から僕は君に恋してたのかな?


    アルミン「ヒッチ!」


    ヒッチ「な、何?大きな声だしちゃってさ?」


    アルミン「何か欲しい物ない?頑張って取ってみせるよ!」


    その過去を埋める事は出来ないから、今を一緒に過ごしたいと考えてしまうんだ


    ヒッチ「え~?大丈夫かなぁ」ニヤ


    アルミン「任せてよ!少しは自信があるんだ!」


    少しでも喜んで貰いたい、本当に僕らしくない考えだと思う

    それでも僕は間違ってないって言えるよ
  39. 39 : : 2014/08/25(月) 21:59:25
    限られた時の中で、出来ることなど限られている


    ヒッチ「落としちゃダメだよ!ねぇ!」


    アルミン「慌てないで大丈夫だよ!多分落ちないから」


    ヒッチ「多分かい!」


    可愛いぬいぐるみが欲しいと言った彼女の為に頑張ってしまうのは

    僕は単純だからだと思うんだ


    アルミン「ほら!取れたよ!」


    ヒッチ「中々やるねぇ、じゃあ次は隣のお願いね」


    アルミン「任せてよ!(お小遣い増やしてくれないかな)」


    その後、僕はゲーセンでお金を使いまくってしまったのだ

    たまには良いかもしれないね
    普段お金を大事に使っているけれど

    たまにはライナーのように兄貴風になることも大事だと思ったんだ


    ヒッチ「アルミンって凄いねぇ」


    アルミン「え?何がかな?」


    急に凄いと言われたことに少しだけ驚いてしまった


    ヒッチ「頭も良いし、基本的に何でも出来るからね……マジ羨ましいわぁ」


    アルミン「頭は良くないよ?勉強にはやり方があるんだ!ヒッチも出来るよ!」


    ヒッチ「勉強とか、適当で大丈夫でしょ~?面倒臭いしさぁ」


    アルミン「でもヒッチって何だかんだ真面目だよね」


    ヒッチ「生まれつき真面目ですよ~だ!」


    こんなやり取りをしていたらゲーセンで数時間を過ごしてしまったんだ
  40. 40 : : 2014/08/25(月) 21:59:49
    空はほんのりと暗くなってきたから…


    アルミン「そろそろ帰ろうか」


    ヒッチ「えぇ~?まだ大丈夫でしょ?」


    アルミン「今日はお終い!」


    ヒッチ「詰まんないの~」


    アルミン「また遊びに行こうよ?ヒッチが良かったらさ」


    ヒッチ「デートのお誘いかぁ、私ってモテモテだよね~」


    アルミン「……ダメかな?また動物園でも…行ける所ならどこでも良いから!」


    ヒッチ「じゃあさ?取り合えずもう1つ付き合ってよ」


    アルミン「?」


    ヒッチはゲーセンの奥に引っ張っていった

    そこには大勢と遊んだ時に何度か使った事がある機械が置いてあった




    アルミン「い、いいの?」


    ヒッチ「別に変な物でもないじゃん?ただのプリクラだし」


    ヒッチ「まぁ、アルミンが緊張しちゃうのは分かるけどね」


    アルミン「へ?」


    ヒッチ「私みたいな可愛い女の子と2人きりだもんねぇ?」ニヤ


    アルミン「ツ……は、早く撮ろうよ!」


    正直に言えばそうなんだ
    皆とプリクラを撮る時と何かが違う感じがしてしまうんだ

    緊張しながらお金を入れようとしたら


    ヒッチ「これは私がお金払うよ」

    アルミン「僕が払うからいいよ!!400円ぐらい何とも…」


    全てを言い切る前にお金を入れてしまった彼女は、勝ち誇ったような笑顔を見せてくる
  41. 41 : : 2014/08/25(月) 22:00:11
    ヒッチ「私の勝ち!」


    アルミン「ヒッチ」


    ヒッチ「情けない顔はしない!気持ち悪い!」


    アルミン「きも……気持ち悪いって酷いよ!」


    ヒッチ「嘘に決まってんじゃん、う~そ!」


    彼女は僕と話ながら手を動かし、プリクラの準備を進めていく

    彼女らしい選択に少しだけ笑ってしまったが、心の中は緊張で一杯だった…



    アルミン「(ど、どすれば良いの!?)」


    皆と撮る時は色々なポーズするけど、今は女の子と2人だけなんだよ…

    しかも、好きな女の子と………


    ヒッチ「ほら!アルミン!前向いてないと変な顔で写るよ!」


    アルミン「え!あ、うん!」


    ヒッチ「ほら!ピースする!」


    彼女につられてピースをした
    彼女は僕と違って緊張はしていないようだ
  42. 42 : : 2014/08/25(月) 22:01:26
    プリクラを撮る時のポーズで悩んでいたが、彼女が次々と決めてくれる

    最後の1枚になった時に彼女が少しだけ悩んでいる様子を見せた



    アルミン「ヒッチ?最後だよ?」


    ヒッチ「…」


    アルミン「ヒッチ?」


    ヒッチ「……手…手繋いでみない?」


    いきなりのお願いに少しだけ驚いてしまった

    目を合わせずに話し掛けてきたヒッチの手をゆっくり握ってみた

    さっきも繋いだ小さな手は僕の手よりも小さかった

    少しだけビクッと驚いた様子を見せてきたが、少しだけ嬉しそうな顔をしていた



    ヒッチ「(恋人繋ぎとか……知ってるよね?頭良いんだし)」


    アルミン「え!?ひ、ヒッチ?」


    強引に恋人繋ぎにしてみたら
    アルミンは子供の様な素振りを見せる

    ヒッチは可愛いと思っていたけれど、もう1つだけ思っている事があった




    ヒッチ「あはは!恋人繋ぎって緊張しちゃうんだねぇ」


    アルミン「そ、そうだね!緊張したよ……僕も///」


    ポリポリと頬っぺたをかきながなら答えた

    照れ隠しになっていないが、今の彼にとったら精一杯の照れ隠しであった


    ヒッチ「落書き!私が落書きしたい奴がある!」


    アルミン「うん!良いよ?僕は残ってるので良いから」


    彼女は自分が落書きしたい写真を選択し、落書きをし始めた

    横目でチラッと彼女の方を見てみたら、少しだけ顔が赤くなっていた
  43. 43 : : 2014/08/25(月) 22:01:48
    その帰り道に……


    アルミン「だいぶ風が弱くなったね」


    ヒッチ「あ~あ、もう少しアルミンと遊んでたかったけどなぁ」


    アルミン「じゃ、じゃあさ?来週の土曜日……遊びに行かない?」


    アルミン「急だけどダメかな?動物園また行こうかなって」


    ヒッチ「私がダメな日とかないから!土曜日ね!」


    ヒッチ「土曜日に何処に集合にしようかな」


    集合する場所を決める時の彼女は小さな子供の様なイメージだけれど

    彼女は人間らしいと思う
    楽しむ時は誰よりも楽しもうとするし
    嫌な時も嫌がってはいるけれど、やれるだけの事をする

    たまにサボったりするけれど、それは人間らしいと思うんだ



    アルミン「そう言えば……ヒッチが落書きしたプリクラ送ってほしいな」


    ヒッチ「え~?送ってほしいんだ」


    アルミン「だ、ダメかな?はっきり言って凄く欲しいです」


    ヒッチ「仕方ないなぁ」ニヤニヤ


    ニヤニヤと笑いながら彼女は僕のスマホにプリクラを送ってくれた

    そのプリクラは最後に撮ったプリクラである

    恋人繋ぎをしているプリクラの僕は顔が真っ赤になってしまっている

    彼女は僕よりは赤くはないが………



    少しだけ赤くなっている様に見える。
  44. 44 : : 2014/08/25(月) 22:02:06
    彼女の家に向かって歩き出したんだ
    他愛ない会話をしていたけれど、僕は凄く楽しかったんだ




    ヒッチ「あ……家に誰かいるし」


    アルミン「車が止まってるよ?お母さんかな?」


    ヒッチ「みたいだねぇ、久し振りに帰ってきたし」



    面倒臭いと言っているけれど、少しだけ嬉しそうな顔をしている

    本当に素直じゃないなって思うよ





    アルミン「それじゃあヒッチ!またね!あ、学校でお昼食べる時さ!」


    ヒッチ「もちろん一緒に食べるつもりだよ」


    アルミン「うん!待ってるね!」


    ヒッチ「楽しみにヒッチ様が来るのを待ってなさい」


    アルミン「あはは!そうするよ!」


    ヒッチ「ねぇ?」


    アルミン「何?」


    ヒッチ「アルミンはワックスとか使わなくても格好いいよ?使っても格好いいけどね?」


    アルミン「え?」


    ヒッチ「それじゃあ、またねぇ~」フリフリ



    彼女は家の中に入って行ってしまった
    僕はその場で動けなくなってしまったんだ



    アルミン「格好いい……か」


    アルミン「…………やった!」


    声に出して喜んでしまった自分は素直だなって思ってしまった

    昨日も今日もとても楽しい1日でした。
  45. 45 : : 2014/08/25(月) 22:05:01
    それから数日間が過ぎて……



    アルミン「…」


    今日は土曜日で学校が休み
    皆で遊びに行こうと誘われていたけれど


    アルミン「(早く来すぎたかも知れないな)」


    待ち合わせ時間より、30分も早く来てしまっている

    天気は晴れで最高のデート日和である
    きっと今頃は皆も遊びに行ってると思う



    アルミン「…」

    2回目のデートなのに、初めてのデートと同じぐらい緊張してしまっている

    告白はもう少し先になると思うんだ
    僕にはまだ勇気がないみたい




    アルミン「こっちだよ!」


    お洒落な服を着て、可愛い髪型をした女の子が僕の方に歩いてくる


    ヒッチ「流石じゃん!!女を待たせるのはダメな男だからね?」


    アルミン「知ってるよ?だから早く来たんだ!」



    都会に舞い降りたお姫様はね?
    素直じゃなくて、少しだけ我が儘な女の子なんだ

    それでも本当に優しい女の子で、とても人間らしい女の子なんだよ




    ヒッチ「ほらほら!動物園行くよ!早く行かないと混むよ!」


    アルミン「あはは!そうだね!」




    都会に舞い降りた優しいお姫様は今日も元気一杯です。







    アルミン「ところでさ?停電した時にアイロン使えたよね?」


    ヒッチ「あれは充電式のアイロンだよ、少しだけ高いんだけどね」


    アルミン「そんなアイロンが売ってるんだ………謎が溶けたよ」





















    ~優しい君は都会のお姫様~
    ――Fin――











    最後まで見てくれた皆様ありがとうございました!!
  46. 46 : : 2014/08/25(月) 23:20:05
    めっちゃ面白かったです
    ニヤニヤが止まらなかったです!
    次の作品も期待してます!頑張ってください!!
  47. 47 : : 2014/08/25(月) 23:26:19
    アニ大好き野郎さん
    いつもありがとうございます!!
    そう言って貰えて嬉しいです!
    次も頑張っていきますね!!
  48. 48 : : 2014/08/27(水) 18:23:38
    凄く面白かったです!!
    次作も期待です!!
  49. 49 : : 2014/08/27(水) 18:36:58
    ヒッチが可愛い!
    次も期待です!
  50. 50 : : 2014/08/27(水) 19:18:11
    超期待!!!
    初めて書きますが今までのやつ全部見ました!
    はやく続きが見たいです
  51. 51 : : 2014/08/27(水) 22:27:34
    次も期待!
  52. 52 : : 2014/08/27(水) 22:33:43
    ここまで大長編になってくるとどうゆうラストを迎えるのかも気になってくるな
    期待!!!
  53. 53 : : 2014/08/28(木) 00:28:42
    名無しさん
    ありがとうございます!!
    次も楽しんで貰えるように頑張っていきます!

    名無しさん
    ヒッチが可愛いと思って貰えて嬉しいです!ありがとうございます!!

    名無しさん
    全部読んでくれたんですか!!
    凄く嬉しいですよ!
    次も時間がとれるときに頑張っていきます!

    名無しさん
    ありがとうございます!!
    次も期待に応えれるよう頑張っていきます!

    @トロスト区出身さん
    このストーリーの最後はまだ悩み中ですので(笑)最後を書くときも楽しんで貰えるように頑張っていきます!

    皆さんコメントありがとうございます!!
  54. 54 : : 2014/08/28(木) 20:28:55
    面白かった
    ヾ( ^ω^ )ノ
  55. 55 : : 2014/08/28(木) 22:07:27
    俺は神になる(なれねーよ)さん
    ありがとうございます!!!
  56. 56 : : 2014/08/29(金) 04:52:46
    面白かったです!!続き気長に待ちます
  57. 57 : : 2014/08/29(金) 15:57:24
    アニゃっぷる(눈_눈 )♪さん
    ありがとうございます!!
    続きを気長にお待ちください♪
  58. 58 : : 2014/08/29(金) 16:20:21
    めちゃくちゃ面白い!
    これからも頑張ってください!
  59. 59 : : 2014/08/29(金) 21:04:36
    ハローハッピー!さん
    ありがとうございます!!!
    凄く嬉しいです!!
  60. 60 : : 2014/08/31(日) 22:10:10
    面白かったです!
    次作が早く読みたい!!
  61. 61 : : 2014/08/31(日) 23:53:58
    名無しさん
    ありがとうございます!!
    次も楽しんで貰えるように頑張ります!!
  62. 62 : : 2014/09/01(月) 11:16:00
    http://www.ssnote.net/archives/22910
    ライナーとクリスタのお話です!!
  63. 63 : : 2014/09/10(水) 23:33:28
    http://www.ssnote.net/archives/23423
    続きです♪よかったら見てください♪

▲一番上へ

このスレッドは書き込みが制限されています。
スレッド作成者が書き込みを許可していないため、書き込むことができません。

著者情報
ani45

EreAni&88★

@ani45

この作品はシリーズ作品です

エレンとアニ シリーズ

「進撃の巨人」カテゴリの最新記事
「進撃の巨人」SSの交流広場
進撃の巨人 交流広場