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日向「超高校級の……魔王?」

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  1. 1 : : 2014/08/15(金) 14:41:48
    >そうだよ

    日向「魔王って、具体的にはどんな才能なんだ?」

    >悪魔を呼び出したり出来るよ

    日向「えっ、す、凄いな……!」

    >オレだけの力ではないんだけどね

    日向「そ、そうなのか……ところで、お前の名前は?」

    >オレの名前は……

    アベル「哀川述(アイカワ ノベル)。知り合いにはよく『アベル』って呼ばれてるんだ、よろしく」

    日向「哀川か、よろしくな」


    ※このSSは、「スーパーダンガンロンパ2」と「デビルサバイバー overclock」のクロスオーバーです

    ※ダンガンロンパしか知らなくても楽しめると思いますがどちらもプレイしておくと良いかもしれません

    ※デビルサバイバーしか知らない人への配慮はしておりません、ごめんなさい

    ※初SSです。拙いところは大目に見ていただけると幸いです……。

    ※2回プレイして章の大まかな流れは覚えておりますが、細やかなセリフを誰が言ったかなどは曖昧です。その辺りはお見逃しください。

    ※次のレスからは「>」で始まる文はアベルの心情になります。
  2. 2 : : 2014/08/15(金) 14:42:04

    (海のくだりは割愛します)


    >なんだかムカつく声で呼び出しが入った。どうしようか……。

    日向「なぁ、哀川……あの放送、どう思う?明らかに怪しいよな……」

    アベル「正直今の状況のほうがずっと怪しい気がする」

    日向「それもそうだけどさあ……!もっとこう、嫌な予感がするって言うか……」


    (ピンポンパーンポーン……)

    「あーあー、マイクテス、マイクテス……見えてるんですよ、日向クン、哀川クン!早くジャバウォック公園に来なさーい!」

    日向「あっ、しまった!早く行こう、哀川!」

    アベル「分かった」

    >ジャバウォック公園へ急ぐことにした……
  3. 3 : : 2014/08/15(金) 14:44:20
    >ジャバウォック公園に着いた。オレたちを呼び出した何かの姿は、まだないようだ。

    ウサミ「やいやい!どこにいるんでちゅか!隠れてないで出てきなちゃい!」

    モノクマ「ここだよー!ふふーん」

    >ウサミの目の前に白黒のクマが現れた。

    左右田「なっ、何だあいつ!」

    アベル「新種の悪魔かな?」

    左右田「まだそんなこと言ってんのかよテメーは!」


    モノクマ「ボクはモノクマ……希望ヶ峰学園の、学園長なのだー!」

    アベル「学園長?」

    ソニア「学園長……?希望ヶ峰学園の学園長は『霧切仁』という方ではないのですか?」

    モノクマ「そんなこともあったかもしれないけど、今はボクが学園長なの!それより、オマエラぜんぜん駄目だね!ぬる過ぎだよ!」

    九頭龍「ぬる過ぎだぁ……?」

    モノクマ「そうだよ!修学旅行とか言って、そんなのんびりした生活送ってちゃだめだよ!そこでボクから、『コロシアイ修学旅行』の提案をさせてもらうよ!」

    ウサミ「やいやい!そんなことだめでちゅよ!」

    モノクマ「あれれー?ピンクのウサギがなんか言ってるけど……まあ、そんなのはどうでもいいよね!」

    ウサミ「みなちゃんはあちしが守りまちゅ!」

    モノクマ「あれあれ?本当にそんなことできるのかな?……出でよ、モノケモノー!」

    >モノクマの声に呼応して、ジャバウォック公園の中央に置かれた像が動きだした!

    ウサミ「いやああ!?なんでちゅかこれ!」
  4. 4 : : 2014/08/15(金) 14:44:49
    左右田「おい!オメー俺たちを守るんじゃなかったのかよ!」

    ウサミ「うう……そ、そうでちゅ、あちしは皆さんを守るんでちゅ……!」

    >ウサミはモノクマに果敢に立ち向かっていった……が。

    アベル「……」

    日向「……」

    モノクマ「いやっはー!エクストリーム!」


    >ウサミは。

    >モノケモノの攻撃で。

    >無残にも、リボンだけを残し、消えてしまった。


    左右田「ギャーーーーッ!!」

    西園寺「なによ……なんなのよこれ……!」



    モノクマ「さてと、これで邪魔者も消えたし、コロシアイ修学旅行の説明をさせてもらうね?ルールは簡単だよ!誰かを殺したらこの島から出られる、それだけだからね!じゃっ、ボクは準備があるからこれで!」


    >沈黙。

    >全員の間を、重苦しい空気が漂っていた。

    >そこで、メンバーのうち一人……十神白夜が口を開いた。


    十神「いつまで、こうしているつもりだ?」


    ――prologue 日常の終焉 End――
  5. 5 : : 2014/08/15(金) 15:29:15
    ――Chapter 1 絶望封鎖――


    >十神は言った。

    >今此処で疑心暗鬼になっているだけでは、何も進まない。

    >オレも確かにそう思う。あの東京封鎖を乗り越えた、今なら分かる。

    >あのあと、十神の言葉のあと、皆なんとも言えない雰囲気で解散していき、オレも自分に割り当てられたコテージへ戻った。

    >オレは苦々しい思いを胸に閉じ込めて、とにかく体力を温存するために、ゆっくりと目を閉じた。


    >翌朝。目を覚まし、朝の支度を整えながら、昨日の出来事は夢ではなかったのだなと実感する。

    >理由は簡単だ。

    (ピーンポーンパーンポーン……)

    モノクマ「えーと、希望ヶ峰学園修学旅行実行委員会がお知らせします……」

    モノクマ「オマエラ、グッモーニンッ!本日も絶好の南国日和ですよーっ!さぁて、今日も全開気分で張り切っていきましょう~!」

    >このなんとも言えぬアナウンスのせいだ。

    >朝食でも食べに行くか、と思っていると、コテージのチャイムが鳴った。

    アベル「どうぞ」
  6. 6 : : 2014/08/15(金) 15:29:36
    狛枝「おはよう、哀川クン」

    >部屋に入ってきたのは、「超高校級の幸運」狛枝凪斗だった。

    >彼はオレの従兄のナオヤと似たような雰囲気がある。……要するに信頼できない雰囲気だ。

    アベル「どうしたんだ?」

    狛枝「十神クンにみんなをレストランに集める手伝いを頼まれちゃってね。一緒に来てもらっていいかな?」

    アベル「わかった。ほかのみんなは?」

    狛枝「先に集まってるよ。うん、キミが最後みたいだね」

    アベル「なんだ、もっと早く起こしてくれても良かったのに」

    狛枝「なんだか、昨日の様子からして疲れてるみたいだったからね、少しだけ寝かせておこうって十神クンが言ってたんだ」

    アベル「あとでお礼言わなきゃな」

    狛枝「アハハ!そうかもね……それじゃ、いこっか」

    アベル「ああ」
  7. 7 : : 2014/08/15(金) 15:30:10
    >レストラン。ナギトの言うとおり、たしかに既にみんな集まっていた。

    >それはともかく……なぜか、丁度「超高校級の保健委員」罪木蜜柑が良く分からない転び方をしているところだった。

    罪木「はっ、はわわわわぁー!こっ、こっ、転んでしまいましたー!」

    日向「そ、それって転んでるのか?」

    十神「どうやって転んだら……そんな体勢になるんだ!」

    花村「いや嬉しいけどさぁ!堪らなく嬉しいけどさぁ!」

    罪木「ひゃーん!恥ずかしいですぅ!た、助けてくださぁあい!」

    アベル「と、とにかく助けよう……」

    >みんなでミカンの絡んだアレコレを解いた。

    狛枝「つ、罪木さん……大丈夫だった?」

    罪木「うゆぅ……なんか頭がガンガン痛みますけど、大丈夫ですぅ……」

    >大丈夫じゃない気がする。

    小泉「でも、ドジッ子ってレベルじゃなかったよね。ほとんど手品みたいな転び方だったよ……」
  8. 8 : : 2014/08/15(金) 15:30:44
    七海「それよりさ……これで全員集まったんだよね?だったら、そろそろ始めようよ。……眠く……なってきちゃったし。」

    >オレよりこの子のほうが疲れてるんじゃないか?

    十神「そうだな、名残惜しいが朝食はいったん中断して、話を始めるか」

    アベル「入ってきたとき食べてるとは思ったがまだ食べてたのか」

    十神「フン、毒見だ」

    >まあなんでもいいけど。

    十神「……さて、とにかく。お前たちに質問だ。俺たちはあのモノクマによってコロシアイを命じられた訳だが」

    >ふむ。

    十神「そんな、“異常な状況下”を生き抜くに当たって、今の俺たちに必要なものは何だと思う?」

    >チームワークか何かを言おうとしているのだろうか。

    九頭龍「チッ、知るかよ。いいからさっさと本題に入れや」

    アベル「そういうことを真っ先に言うやつは死ぬぞ」

    九頭龍「けっ」

    十神「本題に入ってほしくば、さっさと答えることだ」

    終里「オレらに必要なモン?そんなのメシと寝る事だろ?」

    弐大「否ッ……便を忘れておるのぉ……。つまり、答えは『快食、快眠、快便』じゃあああ!!」

    十神「……もっとマシな答えはないか?」
  9. 9 : : 2014/08/15(金) 15:31:06
    狛枝「もしかして……それって“絆”なんじゃないかな?」

    日向「絆……?」

    狛枝「ボクは思うんだ……超高校級のみんなが協力し合えれば、不可能なんてないって……。どんな絶望をも乗り越えられる希望だって、生み出すことが出来るって」


    狛枝「だから……この島から脱出するために必要なのは、ボクらがお互いに結束し合う事なんじゃないかな!」


    アベル「でも、それだけじゃ足りないと思う」

    狛枝「足りない?」

    アベル「……ああ、足りない。たしかにオレも絆は必要だと思う、だけど絆だけじゃどうにもならない」

    狛枝「じゃあ、何が足りないのか教えてよ」

    アベル「指導者、つまりリーダーだよ。優秀なリーダーがいなくちゃ“集団”は上手く動かせない」

    十神「その通りだ。哀川、貴様はなかなか良く分かっているようだな」

    アベル「そういうものが必要な状況を切り抜けてきたからな」

    十神「フン……なるほどな。……今哀川が言った通り、今の俺たちに必要なのは、明確なリーダーによる“秩序を持った統率”だ!」

    弐大「なるほどのぉ。団体競技でもキャプテンが必要不可欠だしのぉ」

    十神「喜べ、俺がその役を引きうけてやろう」

    日向「……は?」
  10. 10 : : 2014/08/15(金) 15:31:31
    十神「と言う事で、前置きは終わりにして、そろそろ本題に入るとしようか」

    小泉「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!幾らなんでも強引過ぎでしょ!?」

    アベル「強引?」

    小泉「勝手にリーダーなんて決めちゃって!しかも、どうしてアンタなのよっ!」

    十神「俺以上の適任が何処にいる?俺は十神家の“超高校級の御曹司”だ、人の上に立つことを宿命付けられた人間だぞ?」

    小泉「だっ、だから!そういうアンタの態度が強引なんだって!」

    狛枝「……小泉さん、ちょっと待って。確かに、十神クンは強引かもしれないけど。でも、状況が状況な訳だし……」

    アベル「そうだな、ある程度強引なぐらいじゃないとリーダーは務まらない」

    >正直オレは狛枝のほうが適任な気がするけどな

    小泉「それは……そうかも知れないけど……人の上に立つ役割なら、ソニアちゃんだって……」

    ソニア「いいえ、とんでもありません。わたくしなんてお飾りみたいなものですから」

    狛枝「そもそも、この状況でリーダーを買って出てくれただけで、彼にはその素質があるとも言えるよね」

    小泉「みんなが良いなら、アタシもいいけどさ……」

    十神「であれば、決まりだな。安心しろ、この俺がリーダーになった以上は、一人の犠牲者も出させん。約束してやる。」


    十神「この俺が、お前たちを導いてやるとな」


    澪田「うっきゃー!頼もしいっす!!」

    >確かに頼もしい。

    >なるほど、人の動かし方を分かっているな。

    十神「では、お前たちに見せたいモノがある。……中央の島の、ジャバウォック公園に来い」

    >心に疑問を抱きながら、俺たちはジャバウォック公園へ出向くことにした。
  11. 11 : : 2014/08/15(金) 15:55:06
    >中央の島。

    >ジャバウォック公園に着くと、一目で異常性が見て取れるものがあった。

    >中央に設置された、タイマーがついた、大きな爆弾のようなモノ。

    >あと21日、と表示されたそれは、妙に禍々しい雰囲気を放っていた。

    十神「来たか」

    アベル「見せたいものって、アレか」

    十神「ああ。……今朝、改めて島の中を見回っているときに見つけたんだ。いつの間に設置されていたかは……不明だ。」

    辺古山「あのモノクマが設置した物のようだが……あのカウントダウンは何を意味しているのだ?」

    澪田「うーん、心当たりすらないっすね」

    アベル「まさか爆弾とかじゃないよな」

    左右田「ばっ、爆弾んんんッ!?」

    十神「島を爆破するのが目的ならすぐにやるはずだ。わざわざカウントダウンする意味がない……」

    罪木「だったら、何をカウントダウンしているんですかねえ?」

    終里「……謎だな。」

    モノミ「謎でちゅね!」
  12. 12 : : 2014/08/15(金) 15:55:26
    ソニア「きゃあっ!」

    モノミ「きゃあああ!」

    日向「ウサ……ミ?」

    モノミ「そうでちゅ、でもあのモノクマにストックまで含めて改造されちゃいまちて……今はモノミでちゅ……」

    日向「そ、それより、どうしてお前がここにいるんだよ!?」

    モノミ「パトロールしてたらみんなの声が聞こえたので、寄ってみたんでちゅけど……」

    澪田「そうじゃなくて、モノクマに殺されたはずじゃないっすか?」

    モノミ「あー、それでびっくりしちゃってるんでちゅか?ぷすー、くすくす!心配しなくても大丈夫でちゅよ!あちしは死にまちぇんから!」

    田中「そうか……貴様は黄泉の国より蘇りし不死のモノか……」

    アベル「バルドルみたいだな。ヤドリギで倒せるんじゃないのか」

    モノミ「ちがいまちゅよ!」

    七海「モノミって機械仕掛けのヌイグルミなんでしょ?そもそも死ぬも何もないんじゃない?」

    左右田「そう言やそうか……スペアがあればいいってだけだもんな。」

    アベル「ああ、それでストックがどうとか言ってたのか」

    モノミ「そんな感じでちゅ」

    十神「それより……貴様、あのカウントダウンが何を意味するか答えろ!」

    モノミ「ほえ?カウントダウン?……ほわわ、これって!……え、えっと、すみまちぇん……あちしには……ちょっとわかりかねますね……」

    >怪しい。
  13. 13 : : 2014/08/15(金) 15:55:45
    辺古山「本当に知らぬのか?」

    モノミ「ご、ごめんなちゃい……モノクマのする事まではちょっと把握してなくて……」

    西園寺「モノクマそっくりなのに知らないんだー」

    モノミ「あちしは、モノクマの仲間なんかじゃありまちぇーん!……とっ、とにかく、一緒に頑張りまちょうね!」

    十神「カウントダウンについて知らないなら用はない。さっさと消えろ」

    モノミ「えーと、一緒に頑張って……」

    十神「消えろ!」

    アベル「そう邪険にしなくても」

    モノミ「ふえーん、哀川くんだけが味方でちゅ……」

    アベル「いい悪魔合体の材料になりそうじゃないか」

    モノミ「鬼でちたー!?」

    >モノミは下がって行く。本心を言っただけなんだけどな
  14. 14 : : 2014/08/15(金) 16:17:39
    ソニア「あの……ちょっといじめ過ぎではないですか?なんだかかわいそうになってきました……」

    左右田「ソニアさん!ソニアさんと呼んでいいですか!いやっ、呼ばせて頂きますよ!……あんなヤツに同情なんか必要ないですって。どうせ、モノクマとグルなんですから」

    アベル「オレにはそうは見えないけどな」

    左右田「だーっ、なんでもいいんだよ!とにかくそれより、あの時計はなんなんだよ!」

    十神「不気味だろう?誰がどうやってたった一晩で、あのオブジェを設置したんだろうな?」

    日向「……想像も付かないな」

    花村「つまり、リアリティーがない!それって致命的だよね!」

    十神「だが、想像が付かないのはそれだけではない。この島で起きている事は、俺たちには想像も付かない謎だらけだ」

    アベル「どうやってオレたちがこの島に連れてこられたのか、とかもわからないからな」

    十神「ああ……その通りだ」

    左右田「メンドクセーから考えないようにしてたけど、確かに謎だよな」

    アベル「オレの悪魔を使えば、不可能でもないかもしれないけどな」

    十神「謎はまだあるぞ……リゾート地として有名なはずのジャバウォック島が、どうして無人島になってしまった?この島には観光客はおろか島民さえもいない……そんなことが本当に可能なのか?」

    田中「おごる文明は没落する運命にある……無は有に……そして有は無に……」

    罪木「滅びちゃったんですかぁ!?」


    >そこでオレは、なんとも言い知れぬ違和感を覚えた。

    >そんなことが出来るのは、『オレ一人しかいない』。

    >十神は十神財閥や九頭龍の組織、それにソニアの国ほどの規模がないと出来ないことだと言うが、

    >それは違う。オレの悪魔ならこの程度は造作もない。

    アベル「……」

    十神「ともかく、今日は解散だ」

    >十神のその声で我に返る。

    >皆その言葉を皮切れに、散り散りにどこかへ去っていく。

    >そんな中、十神はオレをじっと見ていた。

    十神「おい、哀川」

    アベル「何だ?」

    十神「少し、話がある」
  15. 15 : : 2014/08/15(金) 16:42:01
    アベル「なるほど、パーティか」

    十神「そうだ。その成功のためには、貴様の協力が必要不可欠だ」

    アベル「かまわないけど、何をすれば良いんだ」

    十神「貴様は以前悪魔を呼べると言ったな。そこで、いくらか雑用を頼まれて欲しい」

    アベル「何をすれば良いんだ?」

    十神「掃除と警備と言ったところか。もちろん手伝いが必要ならば誰かに手伝いを要請してもかまわん」

    アベル「分かった。じゃあ、任せてくれ」

    >十神が言うには、全員の親交を深めるために夜中までパーティを開くつもりらしい。

    >そしてその手伝いにオレが選ばれた。

    >左右田でも誘って準備を進めよう。
  16. 16 : : 2014/08/15(金) 16:45:18
    アベル「おーい」

    >海岸に丁度左右田がいたので声をかけると、左右田はこちらを振り向いた。

    左右田「オウ、哀川」

    アベル「何をしているんだ?」

    左右田「あぁ、ココナッツを割って飲んでたんだ。日向がもってた模擬刀で、辺古山がバコーン!ってな」

    アベル「一口もらって良いか?」

    左右田「おうよ!美味いぜ」

    >確かに美味い。

    アベル「美味いな、良くこんな事考え付いたな、カズイチ」

    左右田「はは、気分転換のつもりで頼んだだけだけどな。それはそうと、何か用があってきたんじゃないのか」

    アベル「ああ、かくかくしかじかで……」
  17. 17 : : 2014/08/15(金) 16:51:29
    左右田「なるほど、パーティの準備の手伝い……って、何でオレがそんなことの手伝いをしなきゃいけねーんだよ!」

    アベル「断るのか」

    左右田「当然だろ!」

    アベル「じゃあ、誰かがパーティのときに机の下に凶器を隠してても、わからないよなぁ」

    左右田「わ……わーったよ!手伝えば良いんだろ手伝えば!」

    >よし。

    日向「なぁ……なんで左右田なんだ?」

    アベル「雰囲気が友人に似てるんだ。帽子とかが」

    日向「そ、そうか……」
  18. 18 : : 2014/08/15(金) 17:07:05
    アベル「ハジメも一緒に掃除するか?」

    日向「ああいや、俺はちょっと疲れてるから遠慮しとくよ……」

    アベル「疲れてる?」

    日向「ああ……いろいろありすぎて、ちょっとな」

    アベル「ミカンに相談したほうがいいかもな」

    日向「ああ、そうかもな。ありがとう、哀川」

    >ハジメとの話を終えると、カズイチと共にホテル旧館へ向かった。

    >旧館の前には、十神とモノミが立っている。

    アベル「十神」

    十神「ああ、来たか哀川。今モノミに旧館を開けさせていたところだ」

    モノミ「でちゅよ!みなちゃんが仲良くなるためならあちしは協力を惜しみまちぇん!でも、旧館は床がすかすかで大変でちゅから気をつけてくだちゃいね」

    アベル「だって。気をつけろよカズイチ」

    左右田「なんで俺なんだよ!」

    アベル「どうでもいいだろ」

    左右田「よくねーよ!」

    モノミ「うふふ……みなちゃん仲がいいでちゅね。それではあちしはこれで失礼しまちゅ」

    >モノミは去って行った。

    >さて。

    アベル「それじゃあ、手伝ってくれそうな悪魔を喚ぶか」
  19. 19 : : 2014/08/15(金) 21:01:32
    アベル「……」

    >そう言えば、この島に来てから悪魔を召喚したことはなかった。

    >なんだか、妙に緊張する。

    アベル「召喚……“シルキー”」

    >昔は召喚にも機械が必要だったが、もうオレにはそんなもの必要ない。

    >理由は簡単だ。オレは魔王なのだから。オレの呼びかけに答えない悪魔は、存在しない。

    >こうして――オレはこの島で始めて悪魔を召喚した。

    左右田「す、スッゲエエエ!!」

    >現れたのはエプロンドレス姿の緑髪の女性型の悪魔、『妖精 シルキー』だ。

    アベル「彼女は家事全般が得意なんだ。オレも重宝してる」

    左右田「なるほどな……掃除にはうってつけってワケか」

    アベル「その通り。シルキー、旧館の掃除を手伝ってくれるか?」

    >オレが問いかけると、シルキーはこくりと頷いた。そして旧館へ入って行く。

    アベル「さて、彼女がいれば百人力。オレたちもがんばろうな」

    左右田「お、おう……!本格的に俺がいる意味がわかんねえけど頑張るぜ!」

    >こうやって、パーティの準備は着々と進んでいった。
  20. 20 : : 2014/08/15(金) 22:47:03
    >……そして、掃除が終わった。

    >掃除が始まったのが丁度正午ぐらい、そして今は……

    左右田「……17時か、ずいぶんかかっちまったな」

    アベル「お疲れシルキー。もう戻っていいよ」

    左右田「ふう……掃除ってのも骨が折れるな」

    アベル「まあ、コレだけでオレたちがみんなで楽しめるならいいじゃないか」

    左右田「それもそうだな……さて、このあと準備もあるんだろ?」

    アベル「カズイチ、頼みが」

    左右田「自分でやれ」

    アベル「じゃあカズイチ、オレが戻ってくるまでここで誰も旧館に入らないよう見張っててくれない?」

    左右田「まあそんぐらいならいいか。……早く戻って来いよ」

    アベル「大丈夫、分かってる」

    >当然だがこの場合頼みと言うのは十神を呼びにいくことだ。


    >オレは少し小走りに十神のコテージへと急いだ。
  21. 21 : : 2014/08/15(金) 23:27:09
    >インターホンを押す。

    十神「入れ」

    アベル「十神、掃除、終わったぞ」

    十神「そうか、ご苦労。ここからは俺も手伝おう」

    アベル「手伝う?」

    十神「ああ。パーティだ、飾りつけも必要だろう」

    アベル「なるほどね。……じゃあ、カズイチを待たせてるし早く戻ろう」

    十神「見張りに立たせているのか」

    アベル「まあね。誰かが入ってこっそり凶器を隠したりなんてしたら困るし」

    十神「フム、一理あるな」

    >すぐに旧館前に戻ると、左右田がドアにより掛かって待っていた。

    アベル「ただいまカズイチ。誰も通してないよね?」

    左右田「たりめーだろ」
  22. 22 : : 2014/08/16(土) 13:00:47
    十神「では、会場の飾り付けだが……」

    左右田「うお、もう見取り図まで用意してあんのか。準備万端だな」

    アベル「室内にはオレたちしか入ってないはずだけど、それはどこで?」

    十神「モノミに言って書かせた。線がガタガタだが使えなくもない」

    左右田「ああ、確かにガタガタだな……まあ別にいいけどよ」

    >十神はその見取り図にペンで書き入れながら、オレたちに会場の飾り付けの説明をする。

    >机を運んできたりと、なかなか重労働も多そうだ。

    アベル「……力持ちの悪魔が必要か?」

    十神「ああ。頼めるか」

    >力持ちの悪魔というと、頭が悪いと言う印象が強いが、実はそうでもない者も存在する。

    >例えば、“鬼神”。神である彼らは、すさまじい力と共に、理性を備え持つ。

    >例えば、“幻魔”。英雄が多く含まれる彼らには、当然力と賢さが備わっている。

    アベル「それじゃ、呼ぶぞ。――召喚、“トール”、“クー・フーリン”!」

    >現れたのは、筋骨隆々とした男の姿をした『鬼神 トール』と、

    >長髪の騎士の『幻魔 クー・フーリン』だ。

    アベル「二人とも、荷物運びを手伝ってもらっていいか」

    トール「お安い御用だ」

    クー「以前の瓦礫運びに比べれば楽なものですね」

    >そう言うわけで、机や必要な資材、その他諸々を彼らの協力、十神の監修のもと行った。

    >室内であった掃除のときとは違い、道中イブキに見つかってクー・フーリンが絡まれたり、

    >まあ、いろいろあって、あとでみんなの前で再度悪魔を召喚する事になったが、滞りなく設置は進んだ。

    十神「よし、設置も完璧だな」

    左右田「あとは施錠して明日の夜を待つだけだな。そういや料理はどうすんだ?」

    アベル「テルテルが作るってさ。さっきアシスタントが一人欲しいって言ってたからキキーモラでも召喚してやるつもりだ」

    >誰がシルキーをアシスタントに付けるか。

    十神「では、また明日の朝のアナウンス後にレストランに集合だ。遅れるなよ」

    アベル「ああ、また明日な」

    >気付けば、既に夜時間ギリギリだった。

    >誰かがこっそり入り込まないよう、モノミに施錠してもらうと、オレたちはそれぞれ休息についた。
  23. 23 : : 2014/08/17(日) 20:55:31
    >翌日。

    >アナウンスと共に目を覚まし、朝の支度を済ませるとオレは外に出た。

    >ちなみにオレのコテージは、一人だけハブられたかのように端っこに配置されていて、少し寂しい。

    >モノクマか誰かの嫌がらせだろうか。

    >それはさておき、オレがレストランへ向かうと、ハジメとばったり会った。

    アベル「あ、ハジメ」

    日向「よう、哀川。今からレストランか?」

    アベル「ああ。一緒に行こう」

    日向「いいぜ」

    >というわけで、ハジメと一緒にレストランへ行った。

    >レストランには、十神、ナギト、ナナミ、ミカン、ヒヨコ、マヒルが既にいた。

    >……カズイチがいないな。

    日向「お前なんでそんなに左右田に信頼寄せてるんだ?」

    アベル「前にも言ったけど雰囲気が知り合いにそっくりなんだ」

    日向「どの辺りが?」

    アベル「ビビりなとことか?」

    日向「そうか……」

    >ハジメと会話をしていると、次々人数が集まり、最終的には全員が集まった。

    >どうやらみんな、オレの『召喚』に興味があるらしい。
  24. 24 : : 2014/08/17(日) 22:36:22
    アベル「なにかこんな悪魔が呼んで欲しい、ってのあれば」

    花村「ムッチムチのお姉さんの悪魔がいいなあ!」

    罪木「じゃ、じゃあ……やさしい悪魔さんがいいですぅ……」

    西園寺「ハッ、優しい悪魔なんているわけないじゃん」

    小泉「うーん、アタシはあんまり強くない悪魔がいいなあ」

    田中「我が眷属が如き悪魔を所望する」

    ソニア「ジャパニーズ・オーガがいいです!」

    左右田「昨日のネーちゃんとか……駄目かな」

    七海「ゲームできる悪魔がいい……と思うよ?」

    狛枝「うーん、かっこいい悪魔、なんて抽象的すぎるかな?」

    日向「普通の悪魔がいいな……」

    終里「うめー食いもんつくってくれる悪魔はいねーのか?」

    >ふむ。

    >意見があるのはこれだけらしい。

    >……統一性がなさ過ぎるので、適当にいくつか意見を拾って召喚する事とした。

    >むっちむち、動物、かっこいい、と。

    アベル「じゃあ、呼ぶから少し下がってろ」

    >“魔王”にこの条件に適合する悪魔がいたはずだ。

    アベル「召喚――“ヘカーテ”!」

    >オレの声に呼応して、獅子と馬と狼、三つの頭を持ち、女性の身体を持った悪魔――

    >『魔王 ヘカーテ』が、現れた。

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