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メガネ兵長!2 〜エピソード:サシャ

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  1. 1 : : 2014/08/09(土) 23:47:17
    しばらくぶりですにゃ。
    4ヶ月ぶりだそうです。
    14巻読んだらここどうなってんのかなって気になってね。
    きてみたら仕様がずいぶんと変わっていてびっくりしましたです。

    びっくりついでに書いていこっかな。
    そんな気分でまたーり書きまーす。

  2. 2 : : 2014/08/10(日) 00:07:42

    サシャ・ブラウスです。
    突然ですが、私はいま、本に夢中です。
    本なんて食べれませんし、お腹の足しにもなりません。
    そもそも、書物は大変高価なものですから、そんなものに我が労力となけなしの財産を費やすことなど、私の人生においては、ありえませんでした。

    にもかかわらず、私が、厳しい訓練の合間に、兵団の書庫へ足しげく通うには、理由があります。

    はじめは、おいしい料理についての文献があるという噂をミカサから聞いたことがきっかけでしたーーー・・・



    ー調査兵団・書庫ー

    サシャ「あー」

       「おいしそーーーですねええーーーーー」

       「じゅるり」

    ぺら

    サシャ「!」

       「な、なんと、こっちのページには、なすをまるでお肉のような味わいでいただける調理方法が書いてあります!!」

       「なんて素敵な本なんですか!!?」



       「・・・でも、食材や調味料が手に入らなければ、そして、厨房を自由に使える環境がなければ、」

       「こんなもの、夢のまた夢・・・なんですよね・・・」はぁ・・・



       「兵団に入れば、美味しいものがたくさん食べれると思っていたのに・・・」

       「アァ・・・・・」


  3. 3 : : 2014/08/10(日) 00:18:57
    お帰りなさい!そして、期待です(*´∀`*)ノ
  4. 4 : : 2014/08/10(日) 00:29:29
    >>3あざまーす!!!続けます!!



    私が、レシピ本の開いていたページの上に覆いかぶさるように、机につっぷしながら、夢と現実の間で悶え苦しんでいた、まさにそのときでした。
    1人の男性の声が、私の脳天へと突き刺さったのです。



    リヴァイ「おい、こらてめえ」

        「ふざけた真似してくれてんじゃねえかよ」

        「本が汚れちまうだろうが」

    サシャ「ハッ!?」がばっ

       「リ、リヴァイ兵長!?」


    そう、その声の主とは、調査兵団きっての戦力を誇る、リヴァイ兵士長だったのです。
    声色の鋭さもさることながら、私を見下ろすその目つきは、本当に厳しくて、まるで温度が感じられません。
    私は、驚きと恐怖のあまり、バカみたいに口をパクパクさせるので精一杯でした。


    リヴァイ「!」

        「てめえは・・・」

        「誰かと思えば、食料庫荒らしじゃねえか」

    サシャ「ビクッ」

       (ま、また、怒られるーーー・・・!!)ひぃぃぃ〜〜〜ッ

  5. 5 : : 2014/08/10(日) 00:52:28
    私は、思わずギュッと目を瞑りました。
    条件反射のようなものです。
    以前、空腹のあまり寝付けず、夢遊病者のように食料庫へと侵入したときには、運悪く、リヴァイ兵長に見つかってしまいました。
    そのときのことが、フラッシュバックしたのです。


    リヴァイ「読書とは、てめえにしちゃ、高尚な活動に勤しんでるようだな?」

    サシャ「・・・へ?」


    意外にも、兵長の声音は、穏やかなものでした。
    私は、そうっと目蓋を開けると、そこに、逆光の中に佇むリヴァイ兵長の姿を認めました。
    よくよく見ると、今日は眼鏡をかけていらっしゃいます。


    リヴァイ「なんだよ」

        「人の顔をじろじろ見やがって」

        「なんかついてるか?」

    サシャ「い、いえ!」

       「ただ、兵長の眼鏡姿を初めて見たので・・・」

       「その、意外といいますか、ちょっと驚いてしまって」

    リヴァイ「・・・」


    兵長は、私の言葉が気に障ったのか、あるいは、全く気にしていないのか、真意のほどは私にはわかりませんが、黙りこんでしまわれました。
    気まずい数秒が、沈みかけた日の光を静かに取り込む書庫に流れます。


    リヴァイ「あ」

  6. 6 : : 2014/08/10(日) 01:20:41

    サシャ「え!?」

    リヴァイ「そらみたことか」

        「おまえがつっぷしてたせいで、ページにシワができちまってんじゃねーか」

    サシャ「あ、あらー・・・」

       「アハハハ・・・」


    よくみると、シワだけではなく、私の涎によるシミまでしっかりと付着しています。
    こうなったらもう、笑ってごまかすくらいしか、この場を切り抜ける方法はありません。


    サシャ「と、ところで!」

       「兵長はこんなところで、一体何をしてるんですかぁ!?」


    声は、自分でもそうとわかるほどに、不自然に上ずってしまいます。
    我ながら、もっと気の効いたことは言えないものかと、情けなさがこみ上げてきました。


    リヴァイ「いい質問だ」


    兵長は、表情を崩すことなく、冷たく言い放ちます。


    リヴァイ「本を探して読むか、あるいは借りて返すか」

        「それ意外に答えがあるなら、ぜひとも聞いてみたいもんだ」

        
    私は返す言葉も見つからず、ただ、痙攣した口角をひきつらせることしかできませんでした。


  7. 7 : : 2014/08/10(日) 01:22:39
    地味に読んでた俺としては期待せざるをえないな

    期待です
  8. 8 : : 2014/08/10(日) 10:52:49

    カタン、と木のイスをずらす音がしました。
    リヴァイ兵長が、机を挟んで私の正面に腰をおろします。


    サシャ(お説教、されちゃうのかなー・・・)


    押し寄せる不安とは裏腹に、私の指が、おもむろに本のページをめくります。
    単に、手持ち無沙汰だったのかもしれません。
    私の視線は新しいページの上をうろうろとさまよいながら、
    一方で、リヴァイ兵長の鋭い眼光を痛いくらいに感じていました。


    サシャ「あ、の・・・?」


    ついに、あまりに張りつめた空気に耐えられなくなった私は、ページに視線を落としたまま、慎重に慎重を重ねて、小さく沈黙を破りました。


    リヴァイ「なんだ」


    兵長が、いたって静かな口調で問い返してきます。


    サシャ「い、いえ、なんでも・・・」


    消え入りそうな言葉が自分の唇からこぼれると、私は、ますますどうすればいいのかわからなくなって、項垂れてしまいました。

    リヴァイ兵長は、容赦のない人だということは、きっと、新兵の中では、私が一番よくわかっていると自負しています。
    お腹を空かせて徘徊する可哀そうな新兵に、1ミリの同情も投げかけてはくれないのですから。
    本当に、恐ろしい人なのでした。

    だからこそ、次の瞬間、彼が口にした言葉が、あまりに頼りなく響いたので、私は、とても意外に思いました。


    リヴァイ「ああ、俺がここにいちゃ、読書の邪魔か」

        「悪かったな」

    サシャ「え、えっと、」

       「まぁ、そうですね・・・」


  9. 9 : : 2014/08/10(日) 11:57:35
    リヴァイ兵長の言葉は、確かに、意外といえば意外なものでした。
    私は、彼が人様に気遣いできるような人間ではないと思い込んでいたので、それも仕方のないことです。
    しかし、そんなことを気にする余裕は、私にはありませんでした。
    なぜなら、一秒でも早くこの計り知れない緊張感から開放されたいがために、すがるような思いでいたのですから。

    それにしても、私にしてはずいぶんと愛想よく答えたものだと思っていると、兵長が、またもや意外な反応を返してきました。


    リヴァイ「ふっ・・・」


    銀色の眼鏡の縁が、キラリと揺れました。
    これは、笑った、のでしょうか。
    それとも、単に呆れて声にもならない言葉を、吐息にまぜて吐き出しただけ、なのでしょうか。
    私には、皆目、見当のつけようもありませんが、ただひとつ言えることは、いつも張りつめたままの兵長の眉間が、わずかに緩んだように見えたということです。


    リヴァイ「エルヴィンの受け売りじゃねえが」

        「こんな紙っぺらでも、人類にとっては貴重な財産だ」

        「ぞんざいに扱うんじゃねえぞ」

    サシャ「は、はぁ・・・」


    兵長の粗野な言葉遣いの向こうに、なにか暖かいものが見え隠れしているような気がして、私は、なんだか、ふわふわとした落ち着かなさに襲われました。


    リヴァイ「俺はもう行くが、まだ残るなら戸締まりを頼む」


    そう言うと、兵長は立ち上がり、私に右手を差し出しました。
    チャリ、と小さな音をたてて、銅製の鍵が私の目の前で揺れています。


    サシャ「あ、いえ、自分ももう出ますから!」

       「すみません、ちょっとだけ、待っててもらえませんか!」


    兵長は、一度私に差し出した鍵を、無言でその手の平の中に納め直しました。
    それを了承の意と捉え、私は、本を元の位置に戻すため、慌てて席を立ち上がったのでした。


  10. 10 : : 2014/09/11(木) 21:34:29
    次は、他の方がメガネのやつ、書いてほしいです!!
  11. 11 : : 2014/09/19(金) 22:25:22
    >10 いいっすね。おもしろそう。
  12. 12 : : 2014/09/19(金) 23:27:11

    リヴァイ兵長は、真鍮の鍵でもって書庫の扉を厳重に閉めました。
    静かな廊下には、時々ほんのりと夕餉の匂いがたゆたうので、私のお腹の虫が騒ぎ始めるのも時間の問題です。


    ぐぎゅるるるるる〜〜〜〜〜


    サシャ(はうあぁぁぁぁーーーーーッ!!!)


    リヴァイ「・・・・・」


    私の可哀そうなお腹の虫が告げるタイムオーバーの音は、確実に、リヴァイ兵長のお耳にも、届いたはずなのですが。
    兵長は、何も言わず、ゆっくりと(たぶん)食堂の方へと歩き出しました。

    濃いオレンジ色の西日が、突き刺さすように窓から差し込んでいます。
    兵長は、あまりの眩しさに目を細めているようにも、あるいは、(かなり可能性は低いのですが)微笑んでいるかのようにも、私の目には映りました。
    私はなんだかくすぐったい気持ちになって、つい、軽口をたたいてしまいたくなります。


    サシャ「こ、今夜は、きのこのシチューですねっ!」

    リヴァイ「…なぜわかる」

    サシャ「えっと、匂い、しません…?」


    リヴァイ兵長は、鼻を少しひくひくさせてると、ずれたメガネを指先でついっと押し上げました。


    リヴァイ「…ああ、そうかもな」

    サシャ「いえ、絶対にそうです!」

    リヴァイ「大した自信だな」

    サシャ「はい、ありがとうございますっ!!」

       「えへへ」


    リヴァイ「・・・・・」


  13. 13 : : 2015/03/31(火) 19:20:33
    コメントだけでも残しておきます

    めたんさん最高でした!
    それだけです!

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