この作品は執筆を終了しています。
苗木「学園生活の記憶が……!?」
-
- 1 : 2014/07/27(日) 01:18:26 :
- どうも、ちょっと気になってしまった事を突き詰めた結果出来上がった超短編です。
時間軸としては“最後の学級裁判の最中”なので、一応ネタバレ注意です。
では、一気に投下します。
-
- 2 : 2014/07/27(日) 01:18:48 :
- 霧切「二年間もの記憶を……失っていたっていうの?」
十神「だが、そう考えるしか……」
江ノ島「まあ、それが正か」
葉隠「いや、そりゃ筋が通らねえんじゃねえか?」
腐川「え?」
江ノ島「……何を言ってるのかな」
苗木「け、けどさ……ボクだって信じられないけど。葉隠クンにもさっき見せたよね? 君がこの学園で授業を受けていた形跡のある、ノートをさ」
葉隠「たしかに、そりゃ見たけどよ。でもそれだとおかしい事があるべ。なあ、朝日奈っち?」
朝日奈「え、私?」
十神「おい、朝日奈……何かあるのか? あるなら早く言え」
朝日奈「え、私は別に……何も思いつかないんだけど」
葉隠「おいおい、しっかりしてくれって。自分の事じゃねーか」
朝日奈「そう言われても……葉隠、何の事言ってんの?」
-
- 3 : 2014/07/27(日) 01:19:02 :
- 葉隠「オメーら、朝日奈っちの足見てみろ」
苗木「あ、足?」
霧切「別に……普通の足だと思うけれど」
葉隠「その足には、何が付いてる?」
苗木「付いてるって……」
腐川「……絆創膏?」
葉隠「そうだ! それだっての」
十神「ちっ、馬鹿馬鹿しい。絆創膏如き、別に珍しいものでもないだろう。何を言い出すのかと思えば……」
朝日奈「っていうか絆創膏がおかしいってどういう事?」
-
- 4 : 2014/07/27(日) 01:19:20 :
- 葉隠「俺の記憶によると、その絆創膏は俺達がここに閉じ込められた初日には既に貼ってあったはずだべ」
朝日奈「まあ、うん。貼ってたけど」
葉隠「でもよ、そん時朝日奈っちは違和感を覚えなかったわけだろ?」
苗木「違和感?」
霧切「何を言おうとしているの……?」
葉隠「だーから! オメーらの話だとよ、“入学前日”は二年前の事なんだろ? でも俺らはその記憶を失ってたから、二年前の事を昨日の事みてーに思っちまってた、って事だよな?」
腐川「そ、そういう話だったわね……」
葉隠「だったらやっぱりおかしいべ! オメーらの話が全部正しいなら、朝日奈っちは二年間同じところに絆創膏を貼り続けてたんか!?」
苗木「……あ」
霧切「そういえば、そうね……」
腐川「ふ、ふふふ……不衛生よ!」
十神「黙れ、お前が言うな」
朝日奈「っていうか幾ら私でも二年間も絆創膏貼ったりしないよ!」
江ノ島「え、あ、いやー……」
朝日奈「……え?」
江ノ島「うん、貼ってたね」
朝日奈「……う、嘘」
江ノ島「いや、ホント」
朝日奈「そ、そんな……」
江ノ島「なんか一人勝手に絶望しちゃいました……こっちからは何もしてないのに……これって、凄く……絶望的、です……」
-
- 5 : 2014/07/27(日) 01:19:36 :
- 苗木「……違う」
江ノ島「え?」
苗木「それは違うよ!」
BREAK!
-
- 6 : 2014/07/27(日) 01:19:58 :
- 朝日奈「え!?」
苗木「朝日奈さん。さっきも議題に上がった集合写真をよく見てよ……この写真を見る限り、朝日奈さんは絆創膏を付けていないんだ!」
朝日奈「あっ! ホントだ!」
葉隠「つまり……どういう事だべ?」
十神「フン……大方、江ノ島が入学当時の俺達の格好を再現していたという事だろう」
霧切「つまり、二年前の朝日奈さんが絆創膏を貼っていたのと同じ場所に、江ノ島さんは絆創膏を貼った、という事かしら」
十神「そうなるな」
腐川「ど、どどど……どうなのよ、江ノ島?」
江ノ島「……」
霧切「都合が悪くなったらだんまり、かしら?」
江ノ島「いや失敬失敬、あまりの驚きに賞賛を送る事すら叶わなかったよ。うん、流石は苗木君だね」
江ノ島「けどなあ、苗木ィ! それがどういう事なのか、ここまで来たオメーには当然分かるよなあ!?」
苗木「えっ? それって……?」
江ノ島「仕方がありません。少しヒントをあげましょう。たしかに私は皆さんの格好を入学当初のものと合わせる事にしました。ですが……」
江ノ島「当然! 二年前の服が今のみんなに着せられるわけないよね? そこで私が取った行動とは、いったいなんだったのでしょーか!」
苗木「江ノ島さんがとった……行動?」
苗木(それって……)
-
- 7 : 2014/07/27(日) 01:20:25 :
- 【閃きアナグラム】
○○か
た○か
たいか
退化
苗木「これだ!」
-
- 8 : 2014/07/27(日) 01:20:51 :
- 苗木「退化……まさか……」
江ノ島「辿り着いたようだね。そう、その通り。みんなの肉体を二年前の状態に巻き戻したのさ」
霧切「待って。そんな事、幾らなんでも……」
江ノ島「何故出来ないと言い切れるのかな。ここは希望ヶ峰学園、あらゆる分野のエキスパートが集う……いや、集っていた学園だ。何故不可能だと言い切れるんだい?」
十神「まさ、か……そんな事が……」
江ノ島「だからよぉ、苗木ィ! オメーもせっかくこの二年間で伸びた身長が、見事に二年前の状態まで縮んじまってるって事だよ!」
苗木「なっ……!?」
葉隠「えっ? 気にしてたんか?」
江ノ島「……どうやら、苗木君は絶望に沈んでしまったようだよ。それに霧切さん」
霧切「な、何……?」
江ノ島「君も、この二年間で……“手が綺麗に”なっていたかもしれないよ」
霧切「……」
江ノ島「朝日奈さん。君はオリンピックに出られるまでに身体能力が強化されていたかもしれない」
朝日奈「……」
江ノ島「腐川さん。君は自分の内に眠る殺人鬼が消えていたかもしれない」
腐川「……」
江ノ島「十神君。君は“超高校級の完璧”として……視力も完璧に矯正されていたかもしれない」
十神「おい、俺の話がショボいぞ。どうなっている」
江ノ島「葉隠君。君は……」
葉隠「いや、俺の場合……無くしてた臓器が戻って来てたりするかもしれんから……たぶんトントンだべ」
江ノ島「……」
-
- 9 : 2014/07/27(日) 01:21:13 :
- 江ノ島「と、とにかく」
江ノ島「この二年間で得た物、ぜーんぶみんなは失っちゃったのです!」
苗木「……」
霧切「……」
十神「……」
腐川「……」
葉隠「……」
朝日奈「……」
江ノ島「オイオイ、オメーらいい表情するじゃねえか! 絶望に満ちたイイ顔してるぜぇ!」
-
- 10 : 2014/07/27(日) 01:21:45 :
- 霧切「……違うわ」
苗木「……!」
霧切「それは、違うわ!」
江ノ島「……はあ?」
霧切「苗木君。よく見て頂戴。貴方がさっき示した集合写真よ」
苗木「う、うん」
霧切「これを見て分かる通り……ほぼ、身長は変わっていない。つまり……」
霧切「身長が二年間の間で伸びたというのは、嘘よ!」
BREAK!
-
- 11 : 2014/07/27(日) 01:22:08 :
- 苗木「いや『BREAK!』じゃないよ。出るタイミングも微妙に間違ってるし。というか、それはそれで傷付くんだけど」
霧切「それに、朝日奈さん。この二年間で身体能力が伸びたというなら、今のあなたにもそれだけのポテンシャルがあるはずよ。取り返しは効くわ」
朝日奈「あ……!」
霧切「腐川さん。貴女の場合は少しデリケートな問題かもしれない。けれど、対話が不可能なわけじゃないでしょう? 実際どうだったのか、筆談でも何でもして確認すればいいわ」
腐川「か、簡単に言ってくれるじゃない……」
霧切「十神君。さっきの集合写真を見てみなさい。貴方はずっとメガネよ。安心して」
十神「おい霧切、俺だけ随分適当じゃないか」
霧切「葉隠君……は……頑張って」
葉隠「こっちはもっと適当だべ!」
霧切「それに私も、手を綺麗にしたいだなんて思わないわ。これは私が背負っていくべき過去の業よ」
江ノ島「な、なな……何なの、アンタら! さっきまでいーい感じに絶望してたと思ったら! 急に輝き出しちゃって!」
苗木「え、輝いてるように見えるんだ……」
十神「ちっ、不愉快なだけだ」
葉隠「俺もだべ……」
-
- 12 : 2014/07/27(日) 01:22:24 :
- 苗木(……その後)
苗木(なんだかんだで江ノ島さんを追い詰め、なんだかんだで江ノ島さんが処刑されて……なんだかんだで脱出できるようになった)
霧切「苗木君」
苗木「何?」
霧切「ここを出たら……シークレットブーツでもプレゼントするわ」
苗木「余計な御世話だよ」
-
- 13 : 2014/07/27(日) 01:22:48 :
- 以上になります。
最初は朝日奈さんの絆創膏について気になっただけなのにどうしてこうなった……。
-
- 15 : 2014/07/27(日) 03:04:53 :
- 自分のスレと間違えて書いてたから消しといてください
-
- 16 : 2014/07/27(日) 03:05:27 :
- あと作品の方はなるほどって思いました!
- 著者情報
- この作品はシリーズ作品です
-
短編集 シリーズ
- 「ダンガンロンパ 」カテゴリの最新記事
- 「ダンガンロンパ 」SSの交流広場
- 【sn公式】ダンガンロンパ交流広場