この作品は執筆を終了しています。
苗木(霧切さんと食堂にやってきた)
-
- 1 : 2014/07/16(水) 20:12:15 :
- 息抜きに書いた超掌編です。
たぶん十レス行きません。
カップリング要素(ナエギリ)を含むので苦手な方はご注意を。
また、スクールモードで一番好きなお出かけの選択肢についての妄想なので
リロード未プレイの方はネタバレ注意
です!
それでもよろしければどうぞ。
-
- 2 : 2014/07/16(水) 20:12:35 :
- 苗木(今はボク達の他に誰もいないみたいだ)
苗木(さて、どうしようかな……あ、そういえば霧切さん、前にモノモノマシーンで出てきたルアックコーヒーあげたらすごく喜んでくれたっけ。じゃあ……)
苗木「コーヒー、飲む?」
霧切「えぇ、頂くわ。ありがとう」
苗木(良かった、無難だったみたいだ)
霧切「もしかして、苗木君もコーヒー派なのかしら?」
苗木「うーん、まあそうかも。紅茶も嫌いじゃないし、むしろ好きだけどね。コーヒーと紅茶で並べられたらコーヒーの方を選ぶことが多い気はするよ」
苗木(話しながらボクは霧切さんの分と自分の分の二杯、コーヒーを淹れる)
霧切「そう、まあ私も紅茶を毛嫌いしているわけでもないし、そんな所よ。……なら、少し好みの味について話してみない?」
苗木「え? うん、いいけど……」
苗木(思いの外話、広がるなあ)
霧切「いえ、そうね……せっかくなのだから、知識比べをしましょう」
苗木「コーヒーの知識比べかあ。霧切さんに勝てるとは思えないけどな」
苗木(苦笑しながら、淹れたコーヒーを霧切さんの前に置く。勿論、自分の分も自分の座る椅子の前に置いた。霧切さんは「ありがとう」と一言口にしてから話を続ける)
霧切「そうね、じゃあ、貴方の知識を試す、という形にしましょう」
苗木「あはは、クイズみたいな感じって事かな。それならまだ何とかなるかも」
苗木(軽い気持ちで霧切さんの提案を承諾する)
霧切「もし、私の想像以上だったら、そうね……」
苗木「何か景品でも貰えるのかな」
苗木(何気なく呟いたボクの一言を聞いて、霧切さんはボクが淹れてきたコーヒーを一瞥した。そうかと思うと、再びボクの方へ視線を向け、不敵な笑みを浮かべこう言い放った)
霧切「今度は私が貴方のために特別な一杯を淹れてあげてもいいけど?」
苗木「えっ……!?
苗木(特別な一杯って何だ……? う、うう、なんだか緊張する響きなんだけど……それに、そうじゃなくてもコーヒーに精通してそうな霧切さんの淹れる一杯だ。きっと美味しいんだろうな)
苗木「よ、よし、頑張るよ」
霧切「あら、思ったより食い付くわね。ふふ、それでこそよ。じゃあ行くわよ……」
苗木(こうして、霧切さんの“特別な一杯”をかけた知識比べが始まった……!)
-
- 3 : 2014/07/16(水) 20:12:58 :
- 苗木(知識比べが始まって、およそ三十分が経過した)
苗木(霧切さんの出す問題の六割程度は正解するものの、一歩踏み込んだ内容については答えられない……!)
霧切「……だいたいこんな所かしら」
苗木(どうやら問題は出尽くしたみたいだ。はあ、これじゃダメだろうなあ)
苗木「うーん、一歩届かずって感じかな?」
霧切「そうね。予想の範疇……どころか、ピッタリ予想通りの結果よ」
苗木(キッパリとそう言われてしまった。ボクってそんな分かりやすいのかなあ?)
霧切「……けれど、なんだかんだで楽しめたことは事実よ」
苗木(え? ってことは)
苗木「それじゃあ……!」
苗木(例の“特別な一杯”を……?)
霧切「ええ。またやりましょう」
苗木「あ、ああ、うん」
苗木(ちょっと残念に思ってしまった)
霧切「勿論、今後私を驚かせる事が出来るような知識を蓄えていれば淹れてあげるわ。“特別な一杯”を、ね」
苗木「う、うん。頑張ってみるよ」
苗木(まあ、まだ未来に可能性はある、って事だ。うん。その日を楽しみにしてよう)
-
- 4 : 2014/07/16(水) 20:13:19 :
- ――――
―――
――
―
苗木(モノクマの野望がよく分からないままに潰え、よく分からないままに希望ヶ峰学園を脱出し、学園の外の現状に愕然として……そして、未来機関にそんな状態のボク達が保護されて。今は未来機関所属という形になっている)
苗木「はあ、絶望の残党もなかなか減らないね……」
苗木(未来機関の協力で記憶を取り戻した。おかげでボク達はだいたいの現状を把握できていたけど、把握できたからと言って事態が好転するわけじゃない。絶望の残党の勢力が濃い地域について纏められている報告書などの書類を整理しながら、ボクは誰にともなくボヤいた)
霧切「それだけ江ノ島盾子の影響が強かった、という事ね」
苗木(しかし、ボクの呟いた言葉を聞いた霧切さんが後ろからそう声をかけてきた)
苗木「そういう事になるのかなあ。……その江ノ島盾子自身も行方不明だし。どうしたもんかな」
苗木(ボク達はあのモノクマ製作に追われた学園生活の中で、江ノ島盾子と対面し、江ノ島盾子と直接対決をし、江ノ島盾子を倒したわけではない。ただモノクマがよくわからないままに倒され、脱出スイッチを手に入れただけだ。あのあと希望ヶ峰学園に踏み込んだ未来機関の職員の話によれば、江ノ島盾子は既に学園内に存在していなかったという)
霧切「それについては考えるだけ無駄ね。物量に物を言わせて捜索するしかないんじゃないかしら」
苗木「はは、豪快だね……」
霧切「……それより、苗木君」
苗木「何?」
苗木(書類を整理しながら訊き返す)
霧切「あまり根を詰めすぎるのも良くないわ。少し休憩したら?」
苗木「え?」
苗木(言われて時計を見る。どうやら昼休みに入っていたようだ)
苗木「ホントだね……じゃあ何か食べに行こうかな」
霧切「ご一緒させてもらっていいかしら?」
苗木「勿論。じゃあ行こうか」
霧切「ええ」
-
- 5 : 2014/07/16(水) 20:13:39 :
- 苗木(機関内の食堂は既に混雑を極めていた。そりゃそうだ、だってお昼時だもんね)
霧切「込んでるわね」
苗木「だね。ここで食べていくのはちょっと無理そうかな」
霧切「じゃあお弁当でも買いに行きましょう」
苗木「そうしよっか」
苗木(食堂の隅にあるお弁当の販売所へ向かい、ボクはからあげ弁当を、霧切さんはハンバーグ弁当を購入した)
苗木「さて、どこで食べようかな」
霧切「そうね、中庭や屋上も結構人がいそうだし……」
苗木「やっぱりデスクに戻って食べる?」
霧切「ふう、そうね。それが一番落ち着けるかもしれないわ」
苗木「じゃ、戻ろうか」
-
- 6 : 2014/07/16(水) 20:13:53 :
- 霧切「そういえば」
苗木(ボクのデスクの右隣りが霧切さんのデスクだ。ちなみに左隣は舞園さんのデスクで、それぞれ学園生活の時の寄宿舎の個室と同じ並びになっている。そんなデスクに戻ってきて、弁当を食べ始めたところで霧切さんがそう切り出した」
霧切「以前の約束、覚えているかしら?」
苗木「約束って?」
霧切「コーヒーの、知識比べよ。『またやりましょう』って言ったわよね?」
苗木「ああ、うん。それなら覚えてるよ」
苗木(あれからコーヒーについていろいろ調べたからなあ……あれからこれまで使う事のない知識になってしまったけど)
霧切「なら話は早いわ。昼休みが開けるまでしばらく時間もあるし、貴方の知識がどこまで伸びているのか試してみましょう」
苗木「え、今から?」
霧切「ええ。食べながらで構わないわ」
苗木「う、うん。分かったよ」
霧切「じゃあ、始めるわよ……」
-
- 7 : 2014/07/16(水) 20:14:10 :
- ――――
―――
――
―
霧切「……さすがに、驚いたわ」
苗木(今回は勉強の甲斐あって、霧切さんの出す問題に全て答えることが出来た)
苗木「ボクもあれからいろいろ調べたからね……」
霧切「ふふ、それでも“想像以上”だったわ。あの時の約束通り、“特別な一杯”……淹れてあげましょう」
苗木「ホントに?」
苗木(あの時からずっと気になっていた、霧切さんの言う“特別な一杯”。それをとうとう味わえるのかと思うと、ドキドキするな……!)
霧切「ええ。……今日の仕事が終わったら、ね」
苗木「あ、うん……」
苗木(今からじゃないんだ。残念)
霧切「だからあともうひと頑張りしましょう」
苗木(けど)
苗木「そうだね、まだまだやらなきゃいけない事はあるし」
霧切「ええ。絶望の残党の処理だけじゃなくて、どうやって世界に希望を発信するのか。それも考える必要があるわ」
苗木(ボクは“特別な一杯”をただ興味本位で飲んでみたいわけじゃない)
苗木「そうだね。それも、というかそっちの方が難題かも」
霧切「ふふ、そうかもしれないわね。けど」
苗木「けど?」
霧切「貴方なら……きっとどうにかしてくれるって、信じているわ」
苗木「出来るだけ期待に添えるよう頑張るよ……」
苗木(“特別な一杯”の味も勿論楽しみだけど、その一杯を“特別な人”と飲む。それが、楽しみなんだ。……“特別な人”も、同じ気持ちでいてくれてるかな?)
霧切「ええ、私もサポートはするわ」
苗木(そう言って、“特別な人”はくすりと笑った)
-
- 8 : 2014/07/16(水) 20:14:59 :
- 以上になります!
SS自体は六レス分で終わっちった……。
-
- 9 : 2016/07/26(火) 18:46:11 :
- なんか…短編の中でも一番好き…っ
- 著者情報
- この作品はシリーズ作品です
-
短編集 シリーズ
- 「ダンガンロンパ 」カテゴリの最新記事
- 「ダンガンロンパ 」SSの交流広場
- 【sn公式】ダンガンロンパ交流広場