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進撃の調査劇団~アラジンとふしぎなランプ~

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  1. 1 : : 2014/06/29(日) 09:55:24
    おはようございます。執筆を始めさせていただきます。

    * ケイジが、ニファに想いを寄せる、という、数珠繋ぎの妄想設定を搭載。(ケイニファ?)

    * 本ッ当に今さらですが、アニメ派の方、ネタバレ注意です。

    * 前作でも当然の様に出てきた髭ゴーグルについてですが、コミックをお持ちでない方は確認できず申し訳ないですが、第13巻52話にて、ハンジの隣で腕組みして座っている、彼です。ハンジの班と思われます。アニメ第25話でも、ハンジと一緒に屋根の上のシーンでちょろっと出ています。(今後、彼がハンジ班じゃないと発覚したら、数珠繋ぎは白目むいて倒れます。)
    従って、オリキャラではありません。ただ、名前が出ていないため、髭ゴーグルと表記させていただきます。

    …色々あやふやな点も多く、申し訳ないのですが、それでも良い、という方は、ぜひ劇場の中へお入りください。
  2. 2 : : 2014/06/29(日) 10:16:48
    【開演前、挨拶】

    ハンジ 「…ねぇ、エルヴィン…元気だしなよ…」

    エルヴィン 「…ああ…大丈夫だ…」

    ハンジ 「…とか言いつつ、目ぇ腫れてるよ。昨日の夜、泣いてたんでしょ?」

    エルヴィン 「…それは誤解だ。今後の壁外調査の作戦について考えていたらいつの間にか朝に…」

    ※エルヴィンは前作で、演技指導を試みるも、言うことを聞いてもらえず、落ち込んでいます。

    ハンジ 「大丈夫。今回はエルヴィンの言うことを聞くように、私の班の子達には言ってあるからさ。さ、今日の演目はなに?」

    エルヴィン 「今回は…アラジンとふしぎなランプだ。」

    ハンジ 「うんうん。良いと思うよ。じゃあ配役から決めようか。」

    エルヴィン 「…もう決めてある。」

    ハンジ 「落ち込んでるわりに、やること早いね。」

    エルヴィン 「ただ…ランプの精の役をリヴァイにしたら、リヴァイにすごく怒られて…」

    ハンジ 「…まぁ…彼は嫌がるだろうね…」

    エルヴィン 「汚いランプの中に入る役なんて、絶対に嫌だ、と。」

    ハンジ 「ああ、そっちね…」

    エルヴィン 「とにかく、開演時間が迫っている。幕を上げるぞ。」

    ハンジ 「そういえば、モブリットもフルで出演するんでしょ。裏方の仕事はどうするの?」

    エルヴィン 「…エレンに頑張ってもらうことにした。」

    ハンジ 「…おーい、エレ~ン、大丈夫!?」

    エレン 「は、はい…えっと幕を上げるスイッチは…どれだ!?」

    エルヴィン 「…ご来場の皆さま、今回は、照明が突然消えたり、変なBGMが流れたり、といったアクシデントが起こるやもしれませんが、すべてエレンのせいなので、ご了承ください。」

    ハンジ 「…どうかエレンがパニクって、巨人化しませんように…」
  3. 3 : : 2014/06/29(日) 10:31:39
    【開演】

    エルヴィン 「昔むかし、ある砂漠の真ん中に、大きな街がありました。そこに、アラジンという名の、怠け者の若者が住んでいました。」

    ケイジ 「今回、初主役です!よろしくでっす!」

    エルヴィン 「ではケイジ、怠けるんだ。」

    ケイジ 「了解です!…ソファーセット、OK。手の届く範囲に、お菓子、ジュース、ゴミ箱…よし、完璧だ。」

    エルヴィン 「…ケイジ…」

    ケイジ 「…は、何か落ち度が…?」

    エルヴィン 「肝心のテレビのリモコンが無いぞ。いちいち取りに立ち上がる気か。」

    ケイジ 「はっ!いけねぇ忘れてた!」

    エルヴィン 「それと、別マガとポテツもあると、なお良い。」※毎度お馴染み、世界観崩壊です。ちなみに、エルヴィンのこのセリフは、進撃の巨人公式ガイドブック、攻を参考にしました。

    ケイジ 「平日の昼間からゴロゴロォゴロゴロ…ですね!さっすが団長!」

    エルヴィン 「…まぁ、な。とにかく、アラジンは今日も怠けており、ふと気まぐれで街をぶらついていました。」
  4. 4 : : 2014/06/29(日) 10:46:44
    ケイジ 「…あ~今日も良い天気だなぁ…」

    髭ゴーグル 「…もし、そこの君…」

    エルヴィン 「1人の男が、アラジンに声をかけました。」

    髭ゴーグル 「いいアルバイトがあるんだが…」

    ケイジ 「…バイト、か。どんな?」

    髭ゴーグル 「これから行く洞窟の奥から、ランプを取ってきてほしいんだ。」

    ケイジ 「そんぐらいのこと、自分でできるだろ。どうせ何か裏があるんだ…」

    髭ゴーグル 「…おい、ケイジ…」

    ケイジ 「…なんだよ。」

    髭ゴーグル 「今回のお姫様の役、誰だか知ってるか?」

    ケイジ 「そういえば、自分の役以外、気にしてなかったな…」

    髭ゴーグル 「お姫様は…ニファだぞ。」

    ケイジ 「おい、なにしてる。早く洞窟へ急ぐぞ!」

    髭ゴーグル 「よし、行くか…」

    ケイジ 「っしゃあランプゲットぉぉっ!」

    髭ゴーグル 「…そう、今回の姫は、ニファなんだ…」

    最後の髭ゴーグルのつぶやきは、ケイジには届かなかった。
  5. 5 : : 2014/06/29(日) 10:56:56
    エルヴィン 「アラジンたちは、洞窟の前にたどり着きました。」

    髭ゴーグル 「…よし、洞窟の入り口を開けるぞ…開け~ゴマ!」

    …シーン…。

    ケイジ 「呪文が違うんじゃねぇか?」

    髭ゴーグル 「…いや。そんなはずは…」(そういえば今回の裏方は、新兵がやってたな…とりあえず場をつなげなくては…)

    髭ゴーグル 「…アブラカタブラッ!」

    …シーン…。

    髭ゴーグル 「チンカラホイッ!」

    …シーン…。

    髭ゴーグル 「テクマクマヤコン!」

    …シーン…。

    髭ゴーグル 「マハリクマハリタ!」

    …シーン…。

    ケイジ 「…開かねぇな…」

    髭ゴーグル ハァッハァッ…。「…ちくしょう…」
  6. 7 : : 2014/06/29(日) 13:28:19
    ケイジ 「…開かねぇな…」ポリポリ。

    髭ゴーグル 「…ちょっと、裏方の新兵に指示を…」

    ケイジ 「いや。多分、呪文が間違ってるんだ。正しい呪文を唱えれば、開くはずだ。」

    髭ゴーグル 「…しかし…」

    洞窟の前に立ちはだかるケイジ。

    ケイジ 「…俺は…ニファが好きだあぁぁぁっ!!!」

    髭ゴーグル 「はっ!?」

    …シーン…。

    ケイジ 「…ちっ、ダメか…」

    髭ゴーグル 「ダメだろそりゃ。」

    ケイジ 「…突然の告白をすれば、この大岩も驚いて、動くと思ったんだが…」

    髭ゴーグル 「その微妙なメルヘン思考は、どこから来るんだ…」

    エルヴィン 「アラジンと男は、突然の告白を続けました。」

    ケイジ 「…だそうだぞ。」

    髭ゴーグル 「突然の告白と言われてもな…」

    ケイジ 「そういやお前、好きな女とかいるのか?お前、女の話とかしないから、気にはなってたんだが…」

    髭ゴーグル 「………べ、別にいない…女にうつつをぬかしてる場合ではないからな…」

    ケイジ 「そ~の~顔は~、いる顔だな。誰だ?まさか、恋人がいるとか?色々経験しちゃってるとか?まさか結婚して妻子持ちか!?」

    髭ゴーグル 「好きな女も、恋人も、もちろん妻も子もいない。よって僕は、告白することなど、何も無い。」

    ケイジ 「…だそうですが団長…」

    エルヴィン 「この大岩は、アラジンを連れ出した男のドッキリするような告白を聞かなければ、開きませんでした。」

    髭ゴーグル 「…くっ…この大岩はな、手動で開くんだ!…くぅおのぅ~!!!」

    ケイジ 「…おい、無理するな。手を痛めるぞ。」

    エルヴィン 「早く告白しなさい。」

    髭ゴーグル 「…こ、こんな大衆の場で…あいつが好きなんて言えるかぁぁぁぁっ!!!」

    ケイジ 「ひぇい!?」

    …ゴゴゴ…

    髭ゴーグル 「岩が…動いた…」
  7. 8 : : 2014/06/29(日) 13:45:39
    ケイジ 「…開いたな…」

    髭ゴーグル フー。「…ああ。開いた…」

    ケイジ 「さっきのお前の叫びは、今は触れないでおいてやるよ。」

    髭ゴーグル 「…できれば忘れてもらいたいところだが…」

    ケイジ 「それは無理な相談だな。」フフン。

    髭ゴーグル ハハ。「とにかく、お前は奥へ入って、ランプを取ってきてくれ。」

    ケイジ 「オーケー。バイト代は要らねぇ。お前のさっきの叫びについて、詳しく聞かせてくれればな。」

    髭ゴーグル 「しつこいなお前も……」

    髭ゴーグル …グッ…。

    髭ゴーグル 「…いいだろう。聞かせてやるよ。後でな。」

    ケイジ 「そうこなくっちゃ。じゃ、ちょっくら行ってくる。」

    髭ゴーグル 「…ああ…気をつけてな…」

    ケイジ 「大丈夫だ。まさか巨人が出るわけでもあるまいし、な。」ハハハ。

    髭ゴーグル 「」

  8. 9 : : 2014/06/29(日) 14:05:07
    エルヴィン 「アラジンは、洞窟の奥へと進んでいきました。途中で宝物がたくさんありましたが、アラジンは脇目もふらず、奥へと進みました。」

    ケイジ 「お、あれだな…」

    エルヴィン 「アラジンは、ランプを見つけました。」

    ケイジ 「よし、じゃあ入り口へ戻るか…」

    髭ゴーグル 「…お、戻ってきたな…」

    ケイジ 「おい、これだろ…」

    髭ゴーグル 「…ああ。これだ…」

    ケイジ 「…な、聞かせてくれよ。お前の好きな人を…」

    髭ゴーグル 「…すまないケイジ…話の筋書き上、お前をここに…」

    ケイジ 「…へ?」

    ケイジを洞窟の中に突き飛ばす髭ゴーグル。

    髭ゴーグル 「閉じ込める必要があるんでね…」

    ケイジ 「…ちょ、ちょっと…」

    ゴゴゴ…バタン…。

    エルヴィン 「洞窟の入り口は閉ざされ、アラジンは閉じ込められてしまいました。」
  9. 14 : : 2014/06/29(日) 14:44:35
    ケイジ 「…なんだよあいつ…痛ぇな…」

    ケイジ 「……さて、こっからどうするか…」

    手元にあるランプを見つめるケイジ。

    ケイジ 「…確か…こいつをこすれば…」

    キュッキュ…。

    ♪石や~き芋~お芋~♪

    ケイジ 「…な、何でここで石焼き芋屋が出てくるんだ!?」

    リヴァイ 「…エレンのやつ…BGMを間違えたようだ…」

    ケイジ 「…はっ、リヴァイ兵長!?」

    ♪1年せ~いになった~ら~♪♪1年生~になった~ら~♪

    リヴァイ 「…また全然違うBGMを…」

    ケイジ 「リヴァイ兵長が、ランプの魔神の役なんですね!?」

    リヴァイ 「…ああ。言っておくが、石焼き芋屋でも、1年生でもねぇ。」

    ケイジ 「それはまぁ…分かりますが…」ハハ。

    リヴァイ 「さっさと望みを言え。そしてそのランプを、キレイに磨いておけ。」
  10. 15 : : 2014/06/29(日) 15:01:22
    ケイジ 「…了解です。しっかりと磨いておきますね…」キュッキュ。

    リヴァイ 「…で、望みは?」

    ケイジ 「ここから出て…家に帰らせてもらえますか?」

    リヴァイ 「…なんだ、そんなことか。」

    洞窟の入り口の前に立つリヴァイ。

    リヴァイ 「…エルヴィン.スミスの20番目の元彼女は、実は人妻だった!」※あ、もちろん妄想設定ですよ。

    …ゴゴゴ…

    ケイジ 「開いたし!…ていうか今の発言、どっから突っ込みゃいいか、分からねぇ!」

    リヴァイ 「…さて、帰るか。」

    ケイジ 「団長…えっと、20番目で、しかも元、ってことは、21番目以降がいるってことで…でその元彼女は人妻で!?」

    リヴァイ 「…その人妻ってのが、薄ら髭の妻じゃないことだけは、保証しておいてやる。」

    ケイジ 「…誰ですか、その薄ら髭って…」
  11. 28 : : 2014/06/29(日) 21:41:58
    【公演再開】

    徒歩でアラジンの家に向かう2人。

    ケイジ 「…それにしても、20人以上の女性とお付き合いしただなんて…団長も…その、経験豊富というか…」

    リヴァイ 「…しかも、1度に最高5人も同時に回してた時期もあったみてぇだしな…おそれいるな。」

    ケイジ 「5股ですか!?」ソリャア…。

    エルヴィン 「…リヴァイ、あることないこと仄めかすのは、やめてもらえないか。」

    リヴァイ 「…ほぅ。あること、とは?5股か、はたまた不倫のことか。」

    エルヴィン 「…若い読者が多いというのに、話せるわけないだろう。」

    リヴァイ 「…じゃあ両方か…」

    エルヴィン 「物語に、話を戻そうか、リヴァイ。」

    ケイジ 「団長!お願いですから否定してくださいっ!」
  12. 31 : : 2014/06/29(日) 22:06:16
    <アラジンの家にて>

    ケイジ 「…ただいま…」

    リヴァイ 「…邪魔するぞ…」

    オルオ 「お帰りなさい、兵長!」

    リヴァイ 「ちがうだろ。お前が迎えるべき相手は、こっちのアラジンだ。」

    ケイジ 「…てか、何でこいつが俺の母親役なんだろう…」

    オルオ 「アミダで決まったんだ。しょうがねぇだろ。ささ、兵長、座ってください。」

    リヴァイ 「…ああ。」ガタッ。

    オルオ 「何か飲みますか、紅茶?コーヒー?」

    リヴァイ 「…紅茶をくれ。」

    ケイジ 「俺、ココア!」

    オルオ 「てめぇは自分で飲みやがれ!」

    ケイジ 「あ?てめぇは俺の母親役だろうが!」

    オルオ 「母親に全部やらせんのかこのマザコン野郎が!」

    ケイジ 「んだとこの…」

    リヴァイ 「…やめろ…何の意味も無い争いは嫌いだ。」

    オルオ 「ですよね兵長。ったく、血の気の多いやつはこれだから…」

    ケイジ 「…な、なんだよ…血の気の多いのが、そんなに悪いかよ…」

    オルオ 「さっきも聞こえてたぜ…ニファが好きだあぁぁってな。ニファってあの、同じハンジ班の女だろ。なかなか可愛いよな…」

    ケイジ 「…き、聞いてんじゃねぇよ…///」

    リヴァイ 「…恐らく、劇場内にいれば、誰しもが聞いていただろうな…」

    ケイジ 「…え、マジ…?」

    オルオ 「ニファちゅわぁ~ん、愛してる~ん♪」キシシ。

    ケイジ 「…て、てめぇ…///」

    リヴァイ 「…なぁオルオ、お前こいつと意外に気が合うんじゃないか?お前だって同じ班のペトラに惚れてるだろ?」

    オルオ 「…へ、へ、へ、兵長…それ、言っちゃ…」

    ケイジ 「…ほ、ほ~お、知ってるぜ。ペトラって、あの気の強そうな女だろ。お前にしちゃ、良い趣味だな、おい。」

    オルオ 「…お前にペトラの何が分かる…俺とペトラはな、もうそれなりの関係にだな…」

    ヒュー…カーン!

    舞台袖から、オルオめがけて、フライパンが飛び、オルオに見事ヒットする。

    ケイジ 「…どっから飛んできたんだ…?」

    リヴァイ 「舞台袖からだ。投げたやつは、大体見当がつく。」

    オルオ チーン。
  13. 40 : : 2014/07/02(水) 08:13:39
    リヴァイ 「…で、俺はあと何をすれば良いんだ?」

    ケイジ 「とりあえず、金貨や、宝物を出してください。そうして、アラジンは金持ちになるんです。」

    リヴァイ 「…そうか。じゃあ出すか…」

    リヴァイが合図すると、黒子が(エレンですが)金貨や宝物(作り物ですが)を運んでくる。

    リヴァイ 「…とりあえず俺の役目はここまでか。また何かあれば呼べ。あと、ランプをキレイにしておけ。」

    ケイジ 「了解です。」

    エルヴィン 「アラジンは、ランプの精が出した宝物や金貨で、大層な金持ちになりました。そんなある日、アラジンは街でこの国の王様とお姫様を連れた行列に遭遇しました。」

    ケイジ 「いよいよニファ姫の登場か~テンション上がるなぁ♪」
  14. 41 : : 2014/07/02(水) 08:32:47
    ※王様役はモブリット、お姫様役は、ニファが演じます。

    モブリット 「…あぁ…僕、王様なんて性に合わないな…」

    ニファ 「そんなことないですよ副長、よく似合ってます。」

    モブリット 「ありがとう。ニファのお姫様も、とても可愛いよ。」

    ニファ 「それはどうも。でも、どうせならハンジさんに言われたかったな~。」

    モブリット 「…なんか、ごめん…」

    グンタ 「…くっ…けっこうキツいな…」

    エルド 「がんばれグンタ、お城まであと少しだ。」

    ※モブリットとニファの乗った籠を、グンタとエルドの2人で担ぎ(…キツいかとは思うけど)、ペトラが大きな扇子で王様とお姫様を扇いでいます。

    ペトラ 「…アミダくじの結果、私たちは召し使い役…どうせなら、兵長にお仕えしたかったなぁ…」ハァ。

    モブリット 「…なんか、ごめん…」

    エルド 「…くそ、肩が痛みだした…」

    グンタ 「…ああ。俺もだ…」

    モブリット 「ごめんよごめんよ。みんな、ごめん…」

    ニファ 「副長、あんまり思い詰めると、また胃を悪くしますよ。」

    ケイジ 「…ニファ…」

    ニファ 「!…な、何よ…」

    ケイジ 「なに、怒ってるんだよ?」

    ニファ 「っさいわね!どっか行って!」

    ケイジ 「…はぁ?」

    エルド 「…おい、ケイジ、自分の今までこの舞台でしてきた事を思い返してみろ。ニファのこの態度は、無理ないと思うぞ。」

    ケイジ 「…あ、もしかして、あの洞窟でのシーンのことか?」

    ニファ 「あんたがそう思うんなら、そうなんじゃないの?あんな大声で何バカなこと叫んでるの!?」

    ケイジ 「バ…俺は、真剣だぞ!」

    ニファ 「///…は!?全っ然そうは思えない!ふざけているようにしか、ね。」

    ケイジ 「ちょ…待てよ、ニファ!」

    グンタ 「…すまん、ケイジ。俺たちももう限界でな。先にお城へ行ってるから、お前も後から来てくれ。」

    足早に去ってゆく籠。

    ニファ 「…べ~っだ!」

    ケイジ 「…あ?ふざけてんのは、お前の方だろうが!」
  15. 42 : : 2014/07/02(水) 08:47:42
    ケイジ 「…とにかく、お城へ向かわなきゃな…にしてもニファのやつ…」ワナワナ…。

    ケイジ 「…お姫様役…可愛いじゃねぇかよちくしょおぉぉぉっ!!!」

    ※もちろんこの叫びも、劇場内に響き渡りましたとさ。

    エルヴィン 「アラジンは、お姫様との結婚を申し込むため、一旦家に戻り、ありったけの宝物を準備しました。」

    ケイジ 「けけっけ、けけけけけ、け…」

    オルオ 「…おい、お前…大丈夫か?」

    ケイジ 「…けけっこ、こけっこ…」

    オルオ 「ニワトリかよwそういえば、この前食べたニワトリ、うまかったな…」

    ケイジ 「ああああああのアラビアンプリンセススタイルのニファと結婚した暁にはニファとあんなことやこんなことを…」ハァハァ…。

    オルオ 「…鼻血拭けよ…」

    ケイジ 「はは、早く宝物を持ち込んで…ぬふふ…ふふ…」

    エルヴィン 「アラジンは、お城へと向かいました。」

    オルオ 「いいのか…このまま進めて…」
  16. 43 : : 2014/07/02(水) 08:57:20
    <お城にて>

    モブリット 「…お疲れ様。これで多少、肩の疲れがとれるといいけど…」モミモミ。

    エルド 「…すみません、とても、肩が楽になります。」

    モブリット 「そうかい。良かった。じゃ、グンタにも…」モミモミ。

    グンタ 「…くぅ…モブリットさん、マッサージお上手ですね…」

    モブリット 「よく、分隊長や…たまに、エルヴィン団長の肩もマッサージしてさしあげてるんだ。」

    ペトラ 「へ~え。あの、私たちにも、マッサージの方法、教えてもらえませんか。こんど、兵長にもやってさしあげたいんです。」

    モブリット 「ああ。いいよ。…よく、見ててごらん…ここの手をこうして…」モミモミ。

    ニファ 「…なんか、現実でもこういう王様が、うまく国を治めたりして…」ナンテ。

    エルヴィン 「そこへ、アラジンがやってきました。」
  17. 44 : : 2014/07/02(水) 09:06:30
    ケイジ 「王様、宝物をお持ちしました。お姫様を…俺…じゃなくって、僕にください!」

    モブリット 「えっ…ニファ、どうするの?」

    ニファ 「…なんか、物と引き換えに、みたいなとこが気にくわないけど…話の筋書きだと、結婚することになってるんでしょ。いいわよ。してあげるわよ。どうせお芝居なんだしね。」フン。

    ケイジ 「…なんか、胸の奥が痛いのは、なぜだろう…」

    エルヴィン 「アラジンはお姫様と結婚し、しばらくのあいだ、幸せな時間を過ごしました。」
  18. 45 : : 2014/07/02(水) 09:19:12
    ケイジ 「…ニ、ニファ…」

    ニファ プイッ。

    ケイジ 「ニファちゃ~ん?」

    ニファ プイダ。

    ケイジ 「…いい加減、機嫌直せよな…」

    ニファ 「イヤ。」

    ケイジ 「俺が悪かったって…」

    ニファ 「なにが、どう悪いってゆうのかしら…」

    ケイジ 「…えっとだな………あ、俺が正直過ぎたとこが…」

    ニファ 「…もう、いいわよ。だいたい、なんであんたがアラジンの役なのよ。」

    ケイジ 「だってよぉ…主役やってみたかったというか…」

    ニファ 「こんなことになるんなら、髭ゴーグルにアラジンやってもらったほうが、良かったわよ。」

    ケイジ 「!?…お、おいお前…あいつに気があるのか!?」

    ニファ 「そんなんじゃないけど、少なくとも、あんたよりは頼りになるし、大人っぽいし、とにかく、あんたよりはマシ。」

    ケイジ 「…そ、そんな…」

    落ち込むケイジ。

    ニファ 「ちょ、ちょっと、ホントに落ち込まないでよ。」

    ケイジ 「…とにかく、次は俺が出掛けてからのシーンだから…俺は舞台袖にぬけるよ…」トボ…。

    ニファ 「ちょっと…元気だしなさいよね…」
  19. 47 : : 2014/07/02(水) 11:24:53
    エルヴィン 「アラジンが出掛けていたある日のこと、以前街でアラジンに声をかけ、ランプを取ってこさせようとした男が、ランプ売りに変装し、お城へとやってきました。」

    髭ゴーグル 「古いランプがあれば、新しいものと交換しますよ。」

    ニファ 「…あ、ランプって、これのこと?」

    髭ゴーグル 「ああ、それだと思うが…ずいぶんとキレイだな…」

    ニファ 「なんかケイジが、やたら一生懸命磨いてたわよ。」

    髭ゴーグル 「…そういえば、リヴァイ兵長が磨けと言っていたな…とにかく、今度は俺がランプをこすって、と…」キュッキュ。

    ハンジ 「は~い、呼ばれて飛び出てジャジャジャジャ~ン!」

    ニファ 「まあ、ハンジさん!」

    髭ゴーグル 「ランプの精の役は…リヴァイ兵長では?」

    ハンジ 「それがね、リヴァイもあまり乗り気じゃなかったもんだから、私とダブルキャストってことにしたの。」

    ニファ 「ナイスな計らいですね、ハンジさん!」

    ハンジ 「…で、用件は?」

    髭ゴーグル 「このお城を…姫ごと隣の国へ運んでほしいのですが…」

    ハンジ 「城って、このケイジとニファの、2人の新居のことだね。」

    ニファ 「あくまでお芝居の中でのことですけど。」

    ハンジ 「分かった。やっておくよ。それより、今度私を呼び出すときは、くしゃみしてよ、くしゃみ!」

    髭ゴーグル 「…ハンジさん…それ、違います。」

    ニファ 「あくびをしたら、私が出ることにしましょうよ!」

    髭ゴーグル 「…あのなぁニファ、それは違うんだぞ…」ハァ…。

    エルヴィン 「ランプの精は、たちまちお城に姫と男を残したまま、隣の国へ運んでしまいました。」
  20. 48 : : 2014/07/02(水) 11:33:01
    エルヴィン 「さて、お城がなくなり、姫も行方不明になってしまった王様は、大慌てです。」

    モブリット 「…し、城が…消えてしまった…姫も見当たらない…アラジン、一体どういうことなんだ!?」

    ケイジ (副長…迫真の演技だなぁ…)「…わ、分かりません…しかし、この俺が、必ず姫を取り戻してみせます。」

    エルヴィン 「アラジンは、姫を捜し、何日も何日もさ迷いつづけました。」
  21. 49 : : 2014/07/02(水) 11:42:38
    <隣の国へ運ばれたお城にて>

    エルヴィン 「…さて、城の中で姫と2人きりになった男は、姫にしつこく結婚を迫りました。」

    髭ゴーグル 「…だってさ。」ハハ。

    ニファ 「…ま、この辺のシーンは適当に流しましょうよ。それよりも、聞いてよ。ケイジのやつ、最悪なんだから…」

    エルヴィン 「…いや、2人共、真剣に演技してもらわないと、困るんだが…」

    …ガタン!

    突然照明が消え、劇場内が暗闇に包まれる。

    次第に、観客席がざわつきだす。

    ニファ 「…や、やだ…何でいきなり暗くなるのよ…」

    髭ゴーグル 「…裏方の新兵が、またやらかしたな…しかし、ちょうどいい…」

    ニファの手をとる髭ゴーグル。※至近距離に近づくと、お互いの顔が認識できる程度の暗さです。

    髭ゴーグル 「…ニファ、こっちへ…」

    ニファ 「え?…ええ…」

    髭ゴーグル 「…この分だと、もうしばらくは暗いままだろう。ここなら、マイクで音声も拾えない…」

    ニファ 「…?」
  22. 50 : : 2014/07/02(水) 12:04:44
    髭ゴーグル 「…ニファ、1度しか言わない。聞いてほしい。」

    ニファ 「…な、なに…を?」

    髭ゴーグル 「僕は…君のことが、好きなんだ。」

    ニファ 「…は…?」

    髭ゴーグル 「冗談でも、ふざけているわけでもない。僕は、真剣なんだ。」

    ニファ 「…え…そんなこといきなり言われても…」

    髭ゴーグル 「君が、僕の気持ちに応えられないことは、充分承知している。この気持ちを伝えれば、君が苦しむであろうことも…でも、伝えておきたかった。このまま、人類に心臓を捧げ、散ってゆく前に…」

    ニファ 「」

    髭ゴーグル 「…すまない…僕のエゴなんだ…でも、君には、ずっと変わらずに、笑顔でいてほしい。そのためなら、僕は何だってできる…そのことを、頭の片隅にでも、置いておいてもらえると、嬉しいよ…」

    ニファ 「…あの…」

    …パッ…。

    照明が復旧する。

    ケイジ 「…っててて…」

    髭ゴーグルとニファの近くで、痛そうに顔を歪め、足をさするケイジ。

    ニファ 「!?ケイジ、あんたいつからそこに!?」

    ケイジ 「…つい、さっきだけど…なんせ暗くてよ…角に足をぶつけちまった…お~痛ぇ…」

    髭ゴーグル 「…ケイジ、さっきの話、聞いてたのか?」

    ケイジ 「…は?なんのことだ?話、進んでたのか?」

    髭ゴーグル 「…いや。話は進んでいない。変なことを聞いて、すまない。」

    エルヴィン 「…観客の皆様、照明トラブルにより、舞台の進行が止まってしまい、大変ご迷惑をおかけしました。只今より、再開いたします。」

    ニファ 「…さ、続きも頑張りましょ!」

    髭ゴーグル 「…ああ。そうだな。」

    ケイジ 「」
  23. 51 : : 2014/07/02(水) 12:54:09
    エルヴィン 「アラジンは、やっとのことで城とお姫様を見つけました。」

    ニファ 「アラジン!来てくれたのね!」

    ケイジ 「…ああ。」

    ニファ (…?)「…さ、ちゃっちゃと男にお酒でも睡眠薬でも飲ませちゃって、ランプを取り戻しましょ。」

    ケイジ 「…ニファ…そりゃ、早くハンジさんの出番を作りたいって魂胆が、みえみえだぞ。」

    ニファ 「…バレたか~。」テヘッ。

    エルヴィン 「姫は男に睡眠薬入りのお酒を飲ませ、そのすきにランプをアラジンに渡しました。」

    ケイジ 「…よし、じゃあ擦るぞ…」キュッキュ。

    ハンジ (声のみ)「くしゃみしてくんなきゃ出ないよ~ん!」

    ニファ 「そ、そんな~ハンジさん、出てきてくださいよぉ…」

    ハンジ (声のみ)「やだよ~ん!」アハハアハハ。

    ケイジ 「…しょうがねぇ。くしゃみ出すか…」

    ニファ 「頑張ってケイジ!」

    ケイジ 「とは言っても…なかなか出ねぇもんだよな…」

    ニファ 「早くしてよ!ハンジさんの出番が来ないじゃない!」

    ケイジ 「…」

    ケイジ 「…なぁ、ニファ…」

    ニファ 「なぁに?」

    ケイジ 「今から…2分以内にくしゃみが出たら…キスしてくれ。」

    ニファ 「…は!?何言って…」

    ケイジ 「…約束したからな…あと、ほっぺじゃなくて口な…」

    ニファ 「…ちょっと、何勝手に決めてんのよ!?」

    ケイジ 「…急いでこよりを作るか…」

    急いでこよりを作り、鼻の穴をくすぐり始めるケイジ。

    ケイジ 「ふぇ…ふぇ…っ…」

    ケイジ 「ふぇっ…」

    髭ゴーグル 「ぶぇっくしょい!!!」

    ケイジ 「…ふぇい!?」

    くしゃみをしたあと、何事も無かったかのように寝たふりを続ける髭ゴーグル。

    ハンジ 「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャ~ン!」

    ニファ 「ハンジさん!やっと会えたのね!」

    ハンジ 「うん…出てきたのは良いけれど、ご主人様は、寝てしまっているようだね…」

    髭ゴーグル Zzz…。※寝たふりです。

    ハンジ 「お~い、起きろ~!」

    髭ゴーグル (小声で)「…起きても良いのですか?」

    ハンジ (小声で)「…良いよ。台本なんて、無いんだから。」

    髭ゴーグル 「…あ~あ、良く寝た…」

    ハンジ 「ご主人様、ご用件を何なりと。」

    髭ゴーグル 「…ああ…そうですね…」チラ…。

    ニファ 「?」

    髭ゴーグル 「すみませんが、姫としばらく、遊んであげてもらえませんか。」

    ハンジ 「お安いご用で!」

    ニファ 「ま、まぁ!ハンジさんと遊べるなんて!!」

    ハンジ 「よ~しニファ、あっそぶぞ~!」

    ニファ 「きゃあ!待ってハンジさ~ん!」

    髭ゴーグル フッ…。

    ケイジ 「なかなか粋な計らいだな、髭ゴーグル…」

    髭ゴーグル 「まぁ、な…」

    ケイジ 「ニファも、変わらず笑顔でいるだろうよ…」

    髭ゴーグル ハッ…。「…やっぱりお前、あの時の話を…」

    ケイジ 「…だったら、どうだって言うんだよ…」

    髭ゴーグル 「…お前も、俺にとって大事な仲間だと思ってる。お前のニファへの想いは、前々から気づいてた…僕の想いはやはり、自分の胸の内に留めておくべきだったと、後悔しているよ…」

    ケイジ 「…俺はお前に、気を遣わせてたってのか…」

    髭ゴーグル 「…いや、そんなことは…」

    ケイジ 「…俺、良く分からねぇけど、自分に正直になっても良いと思うぞ。俺たちお互い、いつどうなるかも分からないからな。お前がどうあれ、俺はお前のこと、大事な仲間だと思ってる。だから、安心しろ。」

    髭ゴーグル 「…ケイジ…」

    エルヴィン 「ランプの精とお姫様は、仲良く遊んで、楽しい時間をすごしました。そしてそのあと、無事王様のもとへと帰ることができましたとさ。めでたしめでたし。」

    ケイジ 「…幕がおりるな…アラジンとも、これでおさらばだ…」

  24. 52 : : 2014/07/02(水) 13:04:36
    【カーテンコール】

    <そのころ、モブリットとリヴァイ班の面々は…>

    エルド 「…ここでマッサージの腕を磨き…兵長に喜んでもらわねば…」モミモミ。

    グンタ 「…なかなか力加減が難しいな…」モミモミ。

    モブリット 「…う~ん、もう少し力を込めて…そうそう、いい感じ気持ちいい…」フゥ。

    ペトラ 「…モブリットさん、脚の方はどうですか?」

    モブリット 「…その力加減でちょうど良いよ。もう少し、上の方もほぐすといいかな…そうそう。」

    オルオ 「モブリットさん、腕はどうです?」

    モブリット 「ちょっと力が入り過ぎてるな…あ、そうそう…それくらいで…」

    モブリット (…は~。たまにはこういうのも…いいかもね~…)フゥ…。
  25. 53 : : 2014/07/02(水) 13:06:43
    ※以上で終了とさせていただきます。
    ご来場いただいた方々、S席をご購入いただいた方々、コメントをくださった方々、ありがとうございました。
    またよろしくお願いします。

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kaku

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