この作品は執筆を終了しています。
恋ノ歌二4 (モブハン)
-
- 1 : 2014/06/16(月) 16:49:05 :
-
第一弾 http://www.ssnote.net/archives/16033「リヴァペト」
第二弾 http://www.ssnote.net/archives/17125「ジャンミカ」
第三弾 http://www.ssnote.net/archives/17653「アニ」
そして……第四弾「ハンジ」ですっ!!!
長らくお待たせしましたっ(←待たせすぎww)
今回は、ハンジさんのちょっと切ない恋を執筆していこうと思います。
さて、今回も和歌が少しでも素敵はものだと思っていただけるような作品を目指しますっ♪♪♪
少し亀さん更新になるかもしれません。
コメントがあると大変嬉しいですね(*^^*)
-
- 5 : 2014/06/16(月) 17:00:18 :
- ***
ーハンジsideー
ーねぇ、貴方が#んでから何年たったと思う?
ーもう10年もたったんだよ
ー貴方が隣にいたのが昨日のように私には、思えるのに……
ーこんなに時が流れても、今でもまだ貴方のことを想っている
ーしつこいかな?うざったいかな?
ーやっぱり、諦めの悪い自分なんだよね
ーでも……こんな私でも愛してくれるのかな、モブリット?
-
- 7 : 2014/06/18(水) 18:59:44 :
- ー注意ー
◆モブハンです
◆とても亀さん更新です
色々と至らない点がありますが、よろしくお願いします!
-
- 10 : 2014/06/19(木) 18:48:38 :
- 1、
モブリットside
百人一首50
・君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな
( きみがため おしからざりし いのちさえ ながくもがなと おもいけるかな )
《君が僕のことを想ってくれるなら、この命だって惜しくないと思っていた。でもいざ君が想ってくれると、
ー彼女のことを「変人でふざけてて、とても頼りない」とは誰が言ったのだろうか?
ー少なくても彼女は、さりげなく優しくて、責任感が強くて、人一倍元気で……
ー人一倍、寂しがり屋だ。
ーたかが副官である僕は彼女に恋をした。そして、決意した。
ー彼女……ハンジ・ゾエを絶対に一人にはさせない、と。
少しでも永く、この幸せの中で生きたいと思うようになったんだ……》
***
あなたと一夜を重ねたその翌日の朝は、驚くほどに輝いて見えたんだー……。
???「いやっほぉーいっ!!!!気分はどう、モブリット ! 」
朝っぱらから声を張り上げながら、駆け寄ってきたのはハンジ分隊長。
相変わらずのボサボサな焦げ茶色の髪の毛は、癖っ毛でところどころにはねている。
こういう子供っぽいところもハンジの魅力的な部分だと思う。
モブリット「何か変な感じですね……。っていうか、ハンジさんは大丈夫なんですか?」
ほぼ徹夜状態で眠くはないだろうか?
普通は足腰立たなくなるほど、翌日は大変らしいが……どうなのだろうか?
ハンジ「んー、同じく何か変な感じはするけど、大丈夫っぽい ! 」
まぁ、まさか初めてだと聞いた時は驚いたが……、特に気に障る点もなくいつもどおりの元気で騒がしいハンジだ。
ハンジ「いつにも増して、モブリットが元気に見えるんだけど~?どうしたの?」
少し背伸びしながら、僕の顔を覗き込む。
上目づかいで瞳を輝かせるハンジを眺めていると、思わず頬が緩んでしまう。
ちなみに、ハンジのその顔は半分、僕をからかうようにニヤニヤと笑っている。
モブリット「さぁ?何ででしょうね」
僕はわざとおどけて見せた。
するとハンジは、両頬を膨らませ「何それーっ!?」と、文句をブツブツと呟いていた。
恋人同士になってから、僕の知らない様々な表情を見せてくれる。
それが嬉しくもあり、また、今まで知らなかったことへのもどかしさが積もる。
と、ハンジが真剣な眼差しになり、僕に向き直った。
ハンジ「……私の傍を離れたら、許さないからね!」
やっぱり寂しがり屋な人だ。
一緒にいてほしいのなら、そう言えばいいのに。
遠回しなのは、恥ずかしいからだろう。
ハンジが「恥ずかしい」と、思っているなんて可愛いものだ。
僕は、そっとハンジを抱き締めた。
ハンジは一瞬、何が起きたのか分からないような表情をしたが、やがて僕の首に手を回してきた。
頬が薄く赤くなっているが、その瞳は僕を真っ直ぐと見つめていた。
モブリット「絶対に一人には、させない……」
うん、と涙ぐんでハンジは頷いた。
ーハンジのためなら、この命も惜しくないと思っていた。
ーけど、君と今一緒にいられる幸せの喜びを噛み締めてからは……
ーそう、僕は決意したんだ。
ー彼女を一人にさせないために。
ー悲しませないために。
ー幸せであり続けるために、僕は
モブリット「……ーハンジを守るよ」
それからの日々は、目まぐるしく進んでいった。
約100年ぶりの巨人達の襲来により、人類は為す術もなく平和は終わりを告げる。
人類が初めて巨人に勝利した日。
巨人化出来る能力をもった少年の登場。
"女型"という名の新たな脅威。
……いくつもの困難を乗り越えてきた。
ーそして、これからも人類の勝利のために、"自由の翼"を掲げ戦っていくんだ。
ーいつかは、今あるこの幸せも終わりを迎えることは知っている。
ーだから、今君と一緒にいられるこの幸せが少しでも永く続いてくれることを僕は祈るんだ。
-
- 11 : 2014/06/19(木) 19:03:10 :
- 《解説》
1、百人一首50の読み人は、「藤原義孝(ふじわらの よしたか)」です。
「君がため」……「あなたのため」という意味だが、「あなたと逢うために」という気持ちも表します。
「惜しからざりし」……捨てても「惜しいとは思わなかった」の意味。
「命さへ」……命までも。
「長くもがな」……長くあってほしい。願望の終助詞。
→「もがな」、これは、「~したい」という意味。
和歌では、この「もがな」はちょくちょく出てくるので、覚えておくと「和歌を読む上では」便利です。
1は、どうでしたか???
いきなりのモブリットsideで驚いてしまったお方には、申し訳ありませんでした。
続きは少しだけお待ちください。
コメントがあると嬉しいですっ(*^^*)!!!!
-
- 20 : 2014/07/20(日) 15:22:17 :
- 2、
ハンジside
古今集113
・花の色は うつりにけりな いたづらに 我が身世にふる ながめせしまに
( はなのいろは うつりにけりな いたづらに わがみよにふる ながめせしまに )
《長い雨が降っているのをぼんやり眺めているうちに、花の色は移ろっていってしまった。
ーもう貴方がいなくなってから10年……。
ー世界は"平和"に近づいている。いや、戻ったというべき?
ー時々さ、こうやって貴方のことを思い出すんだよね。
ー約束、破られちゃってちょっぴり残念。
ー何時になれば、また貴方に逢えるのかな……?
私の若さも美貌も同じように、無駄に時間を過ごすうちに失われていってしまうのだ……》
***
『嫌だよ……。ねぇ、モブリット。嫌ああああああああああああああああああああッ!!!!!』
つんざくような悲鳴が耳に障る。
『どうして……何でッ、嫌だよ……』
独り言のように叫んで、喚いて。
『私は、一人じゃ生きていけない……ッ』
掠れる声をやっとの事で出して。
『……大丈夫です。愛してます、ハンジ』
ー最愛の人はそれだけを言い残し、世界から消えた……。
*
ふと目を開けるとザアアアッ、と止む気配のない激しい雨は降り続いていた。
ハンジ「雨……、止まないね」
どうやら、本を読んでいるうちに寝てしまったらしい、私は霞む窓から遠くを一人眺めていた。
目線を読みかけの本に戻すが、いまいち本を読む気にはなれなかった。
ぼーっと呆けている方が目には楽だ。
ーあぁ、何だかおばさんくさくなってるなぁ……。
もうおばさんという歳になっている現実が悲しすぎる。
否定しようもない。
ーふと……悪夢のようにあの光景は、私を襲う。
寝覚めの悪いことだね、まったく。
嫌になるよ。
ハンジ「モブリットぉ……世界はね、"平和"だよ。貴方や兵士達、皆のおかげ様でね」
今から約10年前、最後の巨人である"獣の巨人"を倒し、世界は"平和"と"自由"を勝ち取った。
"獣の巨人"を倒す時、貴方は私を庇って#んでしまった。
刻一刻と冷たくなっていく貴方の亡骸に私は泣きついたよね……。
周りの皆なんて、リヴァイなんてさ、私が泣いてることに少し驚いていたぐらいだからね。
変人じゃない私を見て、相当自分の気を疑っただろうね。
あの後さ、色んな人に支えてもらったんだよ。
やっぱりさ、皆良い人なんだよ。
ー貴方のいなくなった世界は少し寂しいけど、でも大丈夫みたい。
たくさんの大きな代償があったけど、貴方達のおかげでこの世界の私達は今、生きているから。
いつか……お礼しなきゃね。
あ、そういえばさ。
エレンとミカサが結婚して、もう子供もいるんだって。
私達もさ、結婚する約束してたよね。
いや別に怒っている訳じゃないよ。約束を守れなかったのは私にも責任があるからさ。
きっと貴方は「ハンジのせいなんかじゃありませんよ」と少し無愛想に怒るんだろうなぁ……、想像が止まらないね。
もうこの歳じゃ、あんなひらひらでふわふわした綺麗なドレスなんて着れないよ。
さすがに恥ずかしいって。
ハンジ「独り言もこんだけ増えてくると、いよいよおばさんだね……」
思わず、苦笑してしまう。
私は立ち上がり、外の窓を開けベランダへ出る。
雨は小降りで空を仰ぐように見上げると、ほんのりと虹がかかっていた。
雲の隙間から注ぎ込む日差しが眩しい。
ーこんな風景をいつかも見た。
貴方が#んでしまったときもこんな風景だった。
あの時は嫌いで仕方なかった風景が、今ではとても好きになってしまう。そんな風景だ。
世界も色んな角度から見ないと分からないことが多い……まるで、貴方の表情を一つ一つ知るかのように。
あれは楽しかったね。
ハンジ「ねえ、見えてるモブリット?」
見えやしない、聞こえやしない相手を想い浮かべながら私は叫ぶ。
変人ハンジさんの出番だ。
昔は恥ずかしくて言えなかったセリフが、今では何故か素直に伝えられる気がした。
もう二度と貴方の目の前では伝えられないことを私は今、伝えたいから。
ー聞いてください。
ハンジ「私も愛してるからっ、モブリット!!!!!」
ーおばさんだって、"恋"をするのだから。
恋ノ歌二4(モブハン)ーfinー
-
- 21 : 2014/07/20(日) 15:39:37 :
- 《解説》
2、古今集113の読み人は、「小野小町(おののこまち)』です。
「花の色は」……「花」は、古典では「桜」を意味。「桜の花の色」という意味ですが、ここでは「女性の若さ・美しさ」を表します。
「うつりにけりな」……色褪せる、衰えるというような意味。
「いたづらに」……無駄に、という意味。現代語の「いたずら」とは関係ない。
「世にふる」……「ふる」は「降る」、時が経っていくことを意味します。
「ながめせしまに」……「ながめ」は「物思い」という意味と「長雨」の掛詞で「物思いにふけっている間に」と「長雨がしている間に」という二重の意味があります。
2はどうでしたか???
-
- 22 : 2014/07/20(日) 15:51:52 :
- ーあとがきー
はいっ、「モブハン」はここで執筆終了です!!!
途中から、「ハンジさんの恋目線だけじゃ物足りん……!!!」と言うわけでモブリットsideを投入しました。
何だか混乱してしまった方にはすいません。
応援していただいた皆様と拝読者様に感謝の思いを。
本当にありがとうございました!!!!
さて、今回も和歌が少しでも素敵なものだと感じていただけましたか???
そう感じていただけたのなら、執筆を頑張ったかいがあります。
次の5ですが……私、砂糖楽夢音は受験勉強のため執筆活動が7月いっぱいになってしまいます。
なので5は、半年後の執筆となります。申し訳ありません。
また次にこのシリーズを執筆する時はさらに、素敵な作品を届けれるように頑張りたいと思っております!!!!
最後にコメントがあると嬉しいですねっ(#´ω`#)ノ♪♪♪
-
- 23 : 2014/07/24(木) 18:41:42 :
- いいですねー・・・ロマンリックです!
-
- 24 : 2014/07/24(木) 20:14:08 :
- >>23ハンジもどき@ハンジそのものになりたい!さん
ハンジもどきちゃん、コメントありがとうございますっ!!!!!
ロマンリックでしたか!!そう思っていただけて、良かったです
お星さまをつけていただき、感謝ですっ!!!!!(>_<)♪
-
- 25 : 2014/07/24(木) 21:12:37 :
執筆お疲れ様でした。
今回のストーリーと和歌の選択、とても合っていて切なさ倍増ですね…
シリーズの中で一番好きになりました。
次回は半年後との事ですが、楽しみにお待ちしております(。-_-。)
-
- 26 : 2014/07/24(木) 21:43:44 :
- >>25月子さん
うきゃあ、つ、月子さん!!!!!!こんばんは!
和歌の選択は本当に毎回悩んでいますので、そう言っていただくと大変嬉しいです。
なんか私が書くssって、どうしても切なくなっている気が……(笑)
はい、おそらく次回は半年後を予定しています。
次回も『好き』と言ってもらえるようなそんな作品を目指していきたいです。
楽しみに待っててくださいね~(^-^ゞ
お星様をつけていただき感謝ですっ!!!!!(>_<)♪
- 著者情報
- この作品はシリーズ作品です
-
恋ノ歌ニ シリーズ
- 「進撃の巨人」カテゴリの最新記事
- 「進撃の巨人」SSの交流広場
- 進撃の巨人 交流広場