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【完結編】104期訓練兵&調査兵団「とびだす!こんちゅうの森3!!~ひとのふるさと・むしのふるさと~」

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  1. 1 : : 2013/10/30(水) 20:25:02

    とびだす!こんちゅうの森シリーズ
    http://www.ssnote.net/series/12

    も、よろしくお願いします<m(__)m>


    さて、いよいよ3部作の完結編になります。

    ただ、少々政策が難航しているうえ、日本シリーズをやっているので、
    投下は金曜日、もしくはシリーズ終了後になると思います。

    それまでは、しばしお待ちを・・・


  2. 10 : : 2013/11/01(金) 19:13:06

    ~昆虫討伐作戦より10日後・調査兵団本部~


    アルミン「教官、本日、我々訓練兵が調査兵団本部に呼ばれたのは、どういった理由でしょうか?」


    キース「うむ、実は私も、詳しくは教えてもらっておらんのだ。何でも、巨大昆虫発生事件の
        原因が分かったから、討伐に関わった訓練兵を連れてきてほしいと」


    アルミン「そうですか…。しかし…」







    エレン「ここが調査兵団本部か!すげぇぇぇぇ!!」


    ミカサ「エレン、キョロキョロしない。注意力が散漫になってる」


    エレン「は?なんだよ、3万って。じゃあお前は、いったい何万あるんだよ?」


    ジャン「そういう意味じゃねぇだろ…」


    サシャ「参考までに、私の注意力は……53万ですよ!!」ドヤァ!!


    コニー「す、すげぇぇぇぇぇっ!!いや、すげぇのか!?よく分かんねぇ…」


    ユミル「注意力だけは宇宙の帝王だな。脳内はスッカラカンのブラックホールだけどな」


    アニ「胃袋もでしょ」


    ユミル「違えねぇ」


    クリスタ「ちょっとユミル!」


    マルコ「あまり騒がないほうがいいよ」


    ライナー「まったくだ。お前らが怒られる分にはいいが、俺らまでまとめてバカ扱いされちゃ、かなわないからな」




    ベルトルト(今後のことも考えると、あまり調査兵団に目を付けられたくないしね…)
  3. 12 : : 2013/11/01(金) 19:18:35

    キース「さて、着いたぞ、この部屋だ。ここにはハンジという男、いや、女?どっちだったかな?
        とりあえず、研究好きの変人がおる」


    キース「調査兵団の分隊長を務める実力者だが、少々奇行が目立つので、一筋縄ではいかない部分がある。
        存分に注意してくれ。では、入るぞ」






    コンコン






    「どうぞ」






    キース「失礼する」


    一同「失礼します!」


    ハンジ「待ってましたよ前団長!それから、訓練兵の諸君も!」


    キース「前団長はよせ、ハンジ。今は教官の身だ」


    ハンジ「それは失礼しました、教官。さて皆さん、私は調査兵団分隊長のハンジ。初めまして」


    一同「初めまして!」


    ハンジ「うん、元気いっぱいだ。皆を今日ここに呼んだのは、一連の巨大昆虫発生事件について、
        私が知り得たことを教えるためなんだ」


    アルミン「と、言いますと?」


    ハンジ「巨大昆虫がどうして発生したのか、そしてどこから来たのか、さらには、
        壁外で起こった異常気象や、先日の大寒波に至るまで、全てね」



    一同「おぉ~~っ!!」


    ハンジ「説明の最後に、要点をまとめたものを配布するから、とりあえず一度聞いてね」

  4. 13 : : 2013/11/01(金) 19:22:06

    ハンジ「まず、巨大昆虫がどこから来たか。これについては、ウォール・マリア領にある
        『ゴンジー村』というところから来ていることが判明した」


    キース「昆虫がすべて、その村から来たというのか?」


    ハンジ「ええ。実はうちの団員が2名、ある理由でその村を訪れた際に、巨大昆虫、及び
        体の一部分のみが巨大化した昆虫を目撃しています」


    コニー「あ!それ、この間俺も拾いました!訓練兵団の施設内で!!」


    キース「この間のクワガタか!奴も、その村から飛んできたというのか!?」


    ハンジ「そうでしょうね。あのクワガタはウォール・マリア領内にしか生息していない種類。
        そう考えるのが自然かと」


    キース「しかし、本当にその村だけなのか?巨大昆虫が生息しているのは?」


    ハンジ「昆虫の巨大化には、ある2つの要因が存在します」


    アルミン「2つ…ですか…」

  5. 14 : : 2013/11/01(金) 19:25:40

    ハンジ「うん。まず一つ目は、『土』だ」


    ハンジ「ゴンジー村の土は、50年前、とある人物の手によって、ウォール・ローゼ領内の『ある森』から
        運び出され、その村に利用されていた」


    ハンジ「その『ある森』とは、君達が昆虫達と戦った、例の森だ。すなわち、ゴンジー村の土と、
        その森の土は全く同じものなんだ」


    マルコ「つまり、昆虫達がその森を目指して飛来した理由も…」


    ハンジ「うん、その土は昆虫達が好むある物質、仮に『α物質』としておこう。
        その物質を豊富に含んでいる」


    ハンジ「さらに、その物質を含む土壌で育った昆虫達の体内には、同じα物質が吸収されている。
        まずこれが、巨大化要因の一つ目さ」

  6. 15 : : 2013/11/01(金) 19:29:44

    ハンジ「そして、2つ目の要因。壁外で降った『雨』だ」


    キース「やはり、あの雨が巨大化現象に一枚かんでいるということなのか?」


    ハンジ「ええ、その雨の中に含まれる物質、『β物質』としておきましょう。
        土の中のα物質、そして雨の中のβ物質、この二つが組み合わさると何が起きるか…」スッ…


    ハンジ「」⊃ハサミでっかち


    コニー「俺が見つけたクワガタだ!…でも、死んでる…!?」


    ハンジ「このように、α物質を吸収した昆虫が、雨からβ物質を吸収した結果、昆虫の細胞が
        肥大化し、このような姿になる。その際、組み合わさった二つの物質は変質する」


    ハンジ「私はこれを、巨大化成分『タイタニウム』と名付けた」


    ハンジ「ただ、巨大化に関して、必ずしも成功するわけじゃない。ほとんどの昆虫が、タイタニウムに対して
        適合できないんだ。だからこうして、一部分だけ巨大化した後、すぐ死んでしまう」


    キース「つまり、タイタニウムに適合した、数少ない昆虫が巨大化し、先日のように飛来したと…!?」


    ハンジ「その通りです。そして、先日襲ってこなかった残りの巨大昆虫は、まだ村に滞在していると思われます」


    キース「何ということだ…!まだ奴らが、襲撃してくる可能性があるということか…!
        それに、その謎の雨がまた、しかも壁内で降ったとしたら、あの森の昆虫共も巨大化してしまうではないか!!」


    ハンジ「ご心配には及びません。雨は、二度と降りませんから…」


    キース「なぜ、そのようなことが言える…」











    ハンジ「当然ですよ。あの雨を降らせたのは……私ですから」


    一同「!!!」

  7. 17 : : 2013/11/01(金) 19:35:10

    アルミン「あの雨を分隊長が降らせた!?いったい、どういうことなのですか!?」


    ハンジ「…そのゴンジー村というのはね、私が訓練兵になる前にすごしていた開拓地の村なんだ。
        そこで、ゴンじいさんという人にお世話になった」


    ハンジ「その人は今、ウォール・ローゼ東部の開拓地の村にいるんだけどね、その地域は今年はとても降雨が少ないんだ。
        それで、どうにかできないかと考えて、やっとの思いで『人工降雨装置』を作ることに成功したんだ」


    アルミン「人工降雨装置?」





    ハンジ「特殊なチリを含んだ気体を空へと打ち上げて、雨雲を増幅させて人工的に雨を降らせる装置さ。
        実験は壁外に向けて行い、雨が降って成功した。だけど……」


    ハンジ「直後に、あの巨大昆虫騒ぎ。雨が原因の可能性とは言われていたけど、まさか私が降らせた
        雨が直接の原因だなんて、考えもしなかったからね」


    キース「貴様が作った人工降雨装置、その中にβ物質を含む成分を使っていたと…?」


    ハンジ「…そういうことになります」






    キース「なぜ、そこまで分かった?」


    ハンジ「…先日持ち帰ったコーカサスオオカブトの一部、及び捕獲した巨Gの体内から、私が
        チリに使ったものと同じ成分が検出されました」


    ハンジ「さらに、ゴンジー村から団員が持ち帰った土の中の成分と反応させた結果、巨大化を引き起こす
        物質に変化するということが分かりました」


    キース「…」


    アルミン「…つまり、今回の事件の首謀者は、ハンジ分隊長ということでよろしいですか」


    マルコ「おいアルミン、首謀者なんて言い方は…!」









    ハンジ「…そうだね。今回の件は、すべて私が引き起こしたものだ」


    アルミン「そうですか…」スタスタ…


    エレン「おいアルミン、何する気だよ…!?」


    アルミン「これから先、無礼を承知で進言させていただきます…」ガシッ!!


    ハンジ「!?」

  8. 18 : : 2013/11/01(金) 19:42:25

    ミカサ「分隊長の胸ぐらを!!何をする気なのアルミン!?」


    アルミン「あんたの軽率な行動で、どれだけの人類を危機にさらしたと思っているんだ!!!!!
         訓練兵の中には、死者も出たんだぞ!!!!!!」


    一同「!?」









    アルミン「雨を降らせたかったんだか何だか知らないが、そんなのはあんたの勝手な都合だ!!!
         結果的に甚大な被害を残し、未だに終息には至っていない!!!!!」


    アニ「ちょっと、アルミン…」


    アルミン「アニは黙ってろ!!!」


    アニ「っ!」ビクッ!!








    アルミン「まさか、『ごめんなさい』で済ませるつもりじゃないだろうな!!!!!
         あんたの責任は大きいぞ!!!!簡単に償いきれる問題じゃないんだぞ!!!!!」


    キース「いい加減にしろ、アルレルト!!!!!」


    アルミン「…っ!!」


    エレン「アルミン、やり過ぎだ!!その手を放すんだ!!」


    アルミン「…」パッ…


    ハンジ「…ッ!!」ドサッ…

  9. 19 : : 2013/11/01(金) 19:56:19

    ミカサ「アルミン、いったいどうしたの?こんなの、あなたらしくない…」


    アルミン「…ああ、僕は冷静じゃない。キース教官、止めていただいてありがとうございます。
         どのような懲罰でも、甘んじて受ける所存です」


    キース「当たり前だ!!貴様は今後一週間飯抜き!!!さらには……」


    ハンジ「キース教官…」


    キース「!」






    ハンジ「その子は、正しいことを言っています。罰則なんておかしいでしょう。悪いのは私です」


    キース「しかしだな…」


    ハンジ「上の者の過ちに対して、正面から反論できる、素晴らしいじゃないですか。
        君、名前は?」


    アルミン「…訓練兵団所属、アルミン・アルレルトです」


    ハンジ「アルミン、ありがとう。君のおかげで、スッキリしたよ。
        ただ、女の子を怒鳴り付けるのは、あまり感心しないなぁ」


    アルミン「…あっ!」


    ハンジ「…ちゃんと、謝っておいで」








    アニ「…」


    アルミン「…えっと…アニ、さっきは、ごめんね?」


    アニ「…いいよ、別に気にしてないし。それより、あんたがいきなりあんなことするなんて、驚いたよ」

  10. 22 : : 2013/11/01(金) 23:04:02

    エレン「ほんとだぜアルミン。お前のあんな姿、初めてみたよ!」


    ミカサ「アルミンだってやればできる。今回、秘めたる実力の一片を垣間見た」


    エレン「ハンジ分隊長の気持ちも分かってやってくれ。オレ達も開拓地にいたころ、雨が降らなくて
        大変な思いをしたじゃないか」


    ミカサ「悪気があったわけじゃない。アルミン、どうか許してあげて」


    アルミン「ははは…。なんだか、今更すごい罪悪感が……。
         分隊長、今回の無礼な真似、大変申し訳ありませんでした!!」


    ハンジ「ふふふ…。君は将来、大物になれそうだねぇ♪」







    キース(…驚いた。まさかアルレルトが、このような行動に走るとは。
        今後の訓練でも今のような姿勢がみられるなら、評価を改めねばならんな)

  11. 23 : : 2013/11/01(金) 23:08:16

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ハンジ「えーっと、どこまで話したかな?」


    キース「昆虫巨大化の原因だ。土と雨に含まれる成分で、細胞が肥大化するという部分だ」


    ハンジ「ああ、そうでしたね」


    マルコ「ちなみに、巨大昆虫については謎が解けたんですが、最近の気温の低下、及び南からの強風、
        さらには大寒波。これらもすべて、今回の件と関係があるのでしょうか?」


    ハンジ「それが、大アリだったんだよね」





    ハンジ「まず、雨水に含まれていたβ物質、これが水蒸気となって地表から空へ舞い上がる時、
        低温の気流になるんだ。今回、これらがすべて壁内の方角へと流れ、冷たい南風となった」


    ハンジ「そして、数日かけて壁内の上空にたまった冷たい気流は雲を発生させ、先日の大寒波を引き起こした。
        最近肌寒い気温だったのも、そのせいだったのさ」


    マルコ「なるほど、昆虫の巨大化も、近日の異常気象も、すべての原因はそのβ物質だったということですね」


    ハンジ「まぁ、β物質っていうか…私っていうか…」テヘッ

  12. 24 : : 2013/11/01(金) 23:12:17

    キース「なんにせよ、これで万事解決というわけではあるまいな」


    ハンジ「ええ、まだ、ゴンジー村に残った巨大昆虫がいます。壁内での大寒波を察知して、
        身を潜めていたようですが、そろそろ、例の森を目指して動き出してもおかしくないかと」


    ハンジ「なので、まず残った昆虫の討伐、そして、村に残ったβ物質を分解するために、
        この薬液を混ぜた雨を村に降らせます」⊃薬液


    キース「…今度は大丈夫なんだろうな?」


    ハンジ「…抜かりはありません!」


    キース「ならよいが…。それで、わざわざ訓練兵を呼び出したのは、今の話を聞かせるためだけか?」


    ハンジ「討伐にかかわった訓練兵達は、この事実を知る権利があります。
        まぁ、目的はもう一つあるんですけど、それは……」











    「それについては、私から話そう」

  13. 25 : : 2013/11/01(金) 23:16:31

    キース「…エルヴィン!?」


    訓練兵一同「!?」


    エルヴィン「やぁ、訓練兵の諸君。私は調査兵団団長、エルヴィン・スミスだ。よろしく頼む」


    訓練兵一同「よ、よろしくお願いします!!」






    エルヴィン「キース教官、お久しぶりです。どこもお変わりありませんね」


    キース「何を言うか。この5年で、毛根の10割が死んだ。5年で10割。
        現実的でない数字だ」


    ユミル(これって、笑っていいのか…?)


    エレン(団長になると、毛根も駆逐されるんだなぁ…。覚えとこ)

  14. 26 : : 2013/11/01(金) 23:19:51

    キース「それで、もう一つの目的というのは…?」


    エルヴィン「ゴンジー村へ、昆虫討伐に向かいます。
          …訓練兵を連れて」


    一同「!?」






    キース「訓練兵を壁外にだと!?冗談はよせ!!」


    エルヴィン「冗談ではありません。巨大昆虫と交戦し、戦果を挙げた優秀な訓練兵だからこそ、
          ぜひとも今回の討伐作戦に協力していただきたい」


    エルヴィン「事実、昆虫との戦闘は、巨人との戦闘とまるで勝手が違います。調査兵団の精鋭と言えど、
          経験は皆無に等しい。そこで、昆虫と交戦した訓練兵を、という次第です」


    キース「だが、壁外には巨人がいるだろう!いくらなんでも、今の段階で訓練兵を
        死地に送り込むようなマネはできん!!」


    エルヴィン「村への移動は、夜に行います。討伐メンバーを絞り、かつ、月明りに照らされていれば
          夜道に馬を駆ることは、十分可能です」


    キース「確かに、満月だったのは3日前であったな。月明りは十分かもしれんが…」


    キース「昆虫との交戦も夜に行うわけではあるまい。当然、村も壁外。巨人がやってくるだろう!」


    ハンジ「その点については、ご心配なく。β物質を含んだ土は、なんと、巨人が拒んで
        寄ってこなくなるのです」


    キース「なん…だと!?」

  15. 27 : : 2013/11/01(金) 23:26:07

    ハンジ「うちの団員がその村に立ち寄った際、巨人に追われていたそうなんですが、その村に入ろうとした途端、
        巨人があからさまに嫌がり、もと来た道を帰ってしまったそうです」


    キース「そ…そんなことが…!なら、その土を身にまとえば、壁外でも巨人から襲われることはなくなるのではないか!?」


    ハンジ「それを昨日試してみました。私の体に土のう袋を吊り下げ、立体機動装置で壁からぶら下がり
        巨人の反応をうかがってみたのですが…」


    ハンジ「結果は、ダメでした。最初は私から遠ざかっていましたが、人間と認識するや否や、
        次々と寄ってきて、結局効果がありませんでした」


    ハンジ「おそらく、土に含まれるα物質の効果なんでしょうが、大量のα物質じゃないと、
        巨人が嫌がるほどの効果がないのかもしれません」


    キース「そうか…。だが、それが分かっただけでも、大きな進歩といえような。
        とりあえず、その土がある村には、巨人は来ないというわけか…」


    エルヴィン「その通りです。研究を重ねれば、巨人に襲われずに壁外調査を行える日が来るのも、
          そう遠い未来ではないでしょう」







    アルミン(…すごい!今、この場で、巨人に関する常識がどんどん覆されている!!)


    ライナー(俺達にとっては、あまりよろしくない情報だな…)


    ベルトルト(どうにか、研究を阻止しないとね…)


    アニ(眠くてほとんど聞いてなかった…)

  16. 28 : : 2013/11/01(金) 23:34:14

    エルヴィン「それで、話を戻しますが、壁外に連れていく訓練兵を決めていただきたい。
          できれば、今日中に」


    キース「それはつまり、今夜出発するということなのか…?」


    エルヴィン「善は急げ、というやつです…」






    キース「…分かった。訓練兵達と話し合いたい。どこか、部屋を貸してもらえるか?」


    エルヴィン「いいでしょう。では、奥の会議室へ…」

  17. 29 : : 2013/11/01(金) 23:42:25
    まとめ

    1. 年表、及び巨大化の原因

    ・50年前、ゴンという男がウォール・マリア領内に村を作った。その際、ウォール・ローゼ内の森
    (第一作目の舞台)から土を運び出し、村に持ち込んで利用した。


    ・十数年前、訓練兵になる前のハンジが、ゴンの住む開拓地の村で過ごす。のちにハンジは訓練兵となる。
     5年前のウォール・マリア陥落の際、ゴンはウォール・ローゼ東部の開拓地の村に移り住む


    ・2か月前、ハンジがゴンの住む東部の村を訪れる。(第一作目のおまけ2参照)
     その際、ゴンが、雨が少なくて嘆いていることを知る。


    ・このころ、ハンジが内地の工場都市に出入りするようになる。理由は、強化型立体機動装置、
    カタナ、及び、対 特定目標拘束兵器を制作するため。(第二作目終盤参照)


    ・数日前、ハンジが人工降雨機の開発に成功し、壁外に向けて降雨の実験を行う。
     結果は成功だが、後に、冷たい南からの強風が吹くようになる。
     謎のクワガタが訓練兵団施設内で発見される。(第一作目おまけ1参照)


    ・巨大昆虫が発生。訓練兵団、駐屯兵団、及び調査兵団によって討伐される。
    その際、エルドとグンタの乗っていた馬が暴走し、行方不明となる。


    ・壁内で大寒波が発生。その後、気象状態は通常に戻る。


    ・一週間後、エルドとグンタが帰還。身を潜めていたのが、かつてハンジとゴンが住んでいた村だったと判明。その際、巨大昆虫の発生源であることも判明。(第二作目おまけ2参照)


    ・その村の土、及び例の森の土は同一の物であり、『α物質』というものを含んでいることが判明。
     その土壌で育った昆虫達も、体内に『α物質』を蓄えていた。


    ・ハンジが降らせた雨の中には、『β物質』と呼ばれるものが含まれていた。
    これが昆虫の体内で『α物質』と結合することにより、細胞を巨大化させる『タイタニウム』に変化する。
    ただし、すべての昆虫が巨大化できるわけではなく、適合できなかったものは体の一部分のみが巨大化したのち、死に至る。


    2. 異常気象の原因

    ・大本となったのは、ハンジが降らせた雨。β物質を含んだ雨水は水蒸気となって大気中に舞い上がる際、
    冷たい気流を発生させる。


    ・その気流が、壁内に強く吹く、冷たい南風となった。その気流が壁内の上空にたまり、
    後の大寒波を発生させた。



    3. その他

    ・土に含まれるα物質は、巨人を寄せ付けない作用があると思われる。ただし、少量では効果がないため、
     壁外遠征で携帯することは困難と思われる。


    ・ウォール・シーナの特別保安林の中にしか生息していないはずのコーカサスオオカブトがなぜ、
    壁外からやって来たか。謎である…(第二作目、VSコーカサス戦冒頭参照)


    以上、まとめおわり。後付け設定とかじゃないよ?ちゃんと一作目の時から考えてたから(笑)
    最初のほうから伏線みたいなセリフはあった……はず?たぶん…
  18. 33 : : 2013/11/02(土) 13:38:50

    ~会議室~


    キース「えー、諸君らも聞いての通りだ。私ですら、驚きを隠せない」


    キース「正直私の考えとして、誰一人、壁外に行ってほしくはない。先日も訓練兵を数名失ったばかりだ。
        これ以上、卒業間近な諸君らを、こんなところで死なせるのは忍びない」


    キース「一応、希望を取るが、少しでも不安を抱える者は立候補するな。誰も責めたりなどしない。
        ただし、片腕の折れているスプリンガーは除外とする」


    一同「…」








    エレン「」スッ…


    ミカサ「」スッ…


    キース「イェーガー、アッカーマン…」








    アルミン「…僕も行きます」スッ…


    キース「アルレルト…」








    ライナー「」スッ…


    ベルトルト「」スッ…


    アニ「」スッ…


    キース「ブラウン、フーバー……、レオンハート…」


    残り6人「…」









    キース「…そこまでとする。立候補は6人、もう一度問う。貴様ら、本当に壁外遠征についていくのだな」


    6人「はい!」







    キース「…分かった。エルヴィンに伝えてこよう。それまで、貴様らはここで待機していろ」






    スタスタ ガチャンッ






    一同「…」

  19. 34 : : 2013/11/02(土) 13:42:03

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    エレン「まさか、こんなところで壁外に行けるチャンスが巡ってくるとはな!」


    ミカサ「エレンが行くのなら、私も行く。エレンは私がいないと、早死にする」


    アルミン「…僕も、一度この目で見てみたい。その村が、いったいどうなっているのかを!」


    ジャン「…こいつらはともかく、お前らまで行くとはな。ライナー、ベルトルト、アニ」


    サシャ「お二人はともかく、アニは憲兵団志望じゃありませんでしたっけ?」


    アニ「まぁね…」


    ライナー「ほら、あれだ。憲兵団に入っちまえば、壁外に出る機会なんてまずないだろ?」


    ベルトルト「とりあえずは壁外の景色を見納めってところかな?ね、アニ?」


    アニ「そんなところだね…」


    コニー「変わったやつらだな。俺も憲兵団志望だが、壁外なんて行きたいとは思わないね」


    マルコ「僕も、正直壁外は怖い。今回は、遠慮させてもらうことにするよ」


    クリスタ「」ガタガタ…


    ユミル「クリスタ、お前、何震えてるんだよ…?」ボソッ…






    クリスタ(壁外に行けば簡単に死ねるのに…。怖くて行きたくないと思っている自分がいる…)


    ユミル(こいつ…)
  20. 35 : : 2013/11/02(土) 13:47:23

    エレン「今回は巨人の駆逐が目的じゃねぇけどさ、いずれはオレ達の手で必ず巨人を絶滅させるんだ!
        見納めとか最後とか、寂しいこと言ってんじゃねぇよ!!」


    アルミン「…そうだね。今回の壁外遠征が、僕達の夢の第一歩だ!!」


    ミカサ「…頑張ろう、エレン、アルミン」


    ライナー「おいおい、俺達はのけ者かよ?


    ベルトルト「夢の第一歩、僕達にも共有させてほしいな」


    アニ「…」


    エレン「ああ、もちろんだ!!」






    ジャン「おい、エレン…」


    エレン「?」






    ジャン「てめぇが壁外に行こうがどこに行こうが、俺の知ったことじゃねぇが…」









    ジャン「…死ぬんじゃねぇぞ!」


    エレン「…任せとけ!!」









    ライナー「ベルトルト、アニ…」ボソッ…


    ベルトルト「分かってる」ボソッ…


    アニ「こいつらがもし巨人化できるとして、壁外で危険が迫れば、とっさにその力を使う可能性が高い。
       監視にはもってこいだね…」ボソッ…


    ライナー「ああ、可能性が低いが、もしそうなった場合は…」ボソッ…


    ベル&アニ「」コクン…
  21. 36 : : 2013/11/02(土) 13:50:21

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    キース「エルヴィンと話を付けてきた。希望者6名は、今夜もう一度、この部屋に集合すること、だそうだ」


    一同「…」








    キース「希望者の6名は残ってくれ。それ以外は、解散とする」


    ジャン「ほんじゃな」


    コニー「ちゃんと帰って来いよ」


    サシャ「気をつけてくださいね…」


    マルコ「信じてるよ…」


    クリスタ「行ってらっしゃい…」


    ユミル「そんなツラすんじゃねぇよ、お前ら。旅立つこいつらを、笑顔で送ってやろうじゃねぇか」


    ライナー「変な気回しはいらんぞ、ユミル。俺達はちゃんと、全員揃って帰ってくる」


    ユミル「そうかい。ほんじゃ、首長くして待ってるよ」







    ゾロゾロ…







    ガチャン

  22. 37 : : 2013/11/02(土) 14:00:43

    キース「…しつこいようだが、本当に行くんだな」


    エレン「はい…!」






    キース「…そうか。ならば、もう止めぬ。そして約束しろ、必ず、生きて帰ってくると。」


    キース「エレン・イェーガー」


    エレン「はい!」






    キース「ミカサ・アッカーマン」


    ミカサ「…はい!」






    キース「アルミン・アルレルト」


    アルミン「はいっ!」






    キース「ライナー・ブラウン」


    ライナー「はい」






    キース「ベルトルト・フーバー」


    ベルトルト「…はいっ」






    キース「アニ・レオンハート」

    アニ「はぃ…」






    キース「以上6名、最後の昆虫討伐の任を命ずる!!心臓を捧げよっ!!!」


    6人「」バッ!!!

  23. 38 : : 2013/11/02(土) 14:06:47

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ~トロスト区・夜~


    ピクシス「おお、ようやく来たかね」


    ハンネス「…どうも、お待たせして申し訳ありません」


    ピクシス「よいよい。さぁ、今日はわしの奢りじゃ。存分に飲み明かしてくれ」トクトクトク…


    ハンネス「では、今夜は遠慮なく行かせていただきます!」グイッ!


    ピクシス「おお、良い飲みっぷりじゃ。そうじゃろ、ドーク師団長?」


    ナイル「ま~だまだ、オデに比べちゃ、そんなん甘いですよぉ!」ベロン



    ハンネス「ナイル師団長、おられたのですか。すっかり出来上がってしまって…。
         腰のほうは大丈夫なのですか?」


    ナイル「オデを誰だと思っている!?けんぺ~団のしだんちょ~だぞ!?
        春日部のサラリ~マンなんぞに心配される筋合いはないわっ!!」


    ハンネス「師団長、私はヒロシではなくハンネスです…」






    ピクシス「そういえば今夜、調査兵団が壁外に出るらしいのぉ。何でも、昆虫達の住処を見つけたとか。
         訓練兵も数名、連れていくそうじゃ」


    ハンネス「訓練兵をですか!?まさか…」


    ピクシス「お主の知り合いも、訓練兵におるんじゃったのう」


    ハンネス「ええ…」


    ピクシス「この間も生き残った連中じゃ、大丈夫じゃろう。
         いらぬ心配はせずに、今夜は飲み明かそうぞ」


    ハンネス「…そうですね。私が心配したところで、あの子らに煩がられるだけでしょうからね」


    ナイル「ヒック…」ウィ~

  24. 39 : : 2013/11/02(土) 14:18:28

    ~調査兵団本部・夜~


    エルヴィン「集まったか…」


    ハンジ「確認するよ。エレン・イェーガー、ミカサ・アッカーマン、アルミン・アルレルト、
        ライナー・ブラウン、ベルトルト・フーバー、アニ・レオンハート。以上でOK?」


    6人「はい!」


    ハンジ「村に着くまでは全員で移動、そこからは、いくつかの班に分かれてもらう。
        今回、参加する調査兵団のメンバーを紹介するね」






    ハンジ「まず私、ハンジと、同じく分隊長のミケ」


    ミケ「」スンスン


    ライナー「おわっ!?なんですか一体!?」


    ハンジ「ああ、ミケはね、初対面の人の臭いを嗅いでは……」


    ミケ(…こいつ…!?)


    ハンジ「鼻で笑う癖が……ってあれ?笑わない?どうしたの、ミケ?」


    ミケ(こいつの臭い、いったい…!?)


    ライナー「あの…そろそろいいでしょうか…?」


    ミケ「あ、あぁ、すまなかったな…」








    ハンジ「あとはナナバと、村の案内役にエルドとグンタ。ペトラは耳がまだ万全じゃないから連れて行けないけど、
        オルオを付き添わせとけばいいでしょ。あとは…」


    リヴァイ「俺も行こう」ガチャ…


    エレン「リ…!リヴァイ兵士長!!!」バッ!!

  25. 40 : : 2013/11/02(土) 14:26:07

    リヴァイ「…敬礼はいらねぇ。そのままにしてろ」


    ハンジ「さっすが、人類最強。モテモテだねぇ」


    アルミン「重傷を負われていたとお聞きしましたが、大丈夫なのですか?」


    リヴァイ「てめぇか、ハンジに食って掛かった威勢の良いガキってのは?」


    アルミン「あ…!その節は大変失礼しました!アルミン・アルレルトと申します!」


    リヴァイ「…てめぇの根性は気に入った。2、3発、拳を入れてもらっても構わなかったがな。
         まだ少々早ぇが、希望はどこの兵団だ?」


    アルミン「調査兵団です…」


    リヴァイ「…悪くない。簡単に死ぬんじゃねぇぞ」


    アルミン「はいっ!!」


    エレン(いいな、アルミン。あのリヴァイ兵士長に気に入られて…)






    エルヴィン「今回の遠征、指揮の全権はリヴァイに託す。私は今回、ここに残ろう」


    ミカサ「…団長がお残りになるのですか?」


    エルヴィン「また、あの昆虫共が飛んでくるかも分からん。遠征メンバーは、戦力的には十分とみている。
          壁内で不測の事態が起こった場合の、いわば保険というやつだな」


    ミカサ「そうですか…」


    リヴァイ「俺じゃ不安だと言いてぇのか…?」ジロ


    ミカサ「いえ、そんなつもりは…」






    ミカサ(何、こいつ?とても感じが悪い。私とは、馬が合わなそう…)

  26. 41 : : 2013/11/02(土) 14:33:13

    ハンジ「それじゃ、班を分けようか。まずは……」







    ミケ「…ハンジ!」


    ハンジ「?」


    ミケ「…ちょっと、いいか?」


    ハンジ「どうしたの?」


    ミケ「…」ヒソヒソ…


    ハンジ「!?」







    ミケ「…頼む」


    ハンジ「…分かったよ」


    リヴァイ「どうした?」


    ハンジ「とりあえず今はいいや。じゃあ、発表するよ」


    リヴァイ「?」

  27. 42 : : 2013/11/02(土) 14:42:23

    ハンジ「まず第一班、リヴァイ、エレン、ミカサ」


    エレン「マジで!?リヴァイ兵士長と一緒か!!」


    ミカサ(エレンが一緒なのはいいけど、あいつも一緒か…)


    ライナー「すごいな。リヴァイ兵士長とミカサのコンビで、すでに人類最強の班じゃないか」


    ベルトルト「やっぱり訓練兵には調査兵団の人が付くみたいだね…」ボソッ…


    アニ「監視しづらいけど、しょうがないね…」ボソッ…






    ハンジ「第二班、ミケ、ライナー」


    ライナー(ゲッ!さっきの人か!また臭い嗅がれるのか…?)


    ミケ「…」ジロ


    ライナー「よ…よろしくお願いします…」


    ミケ「あぁ…」ジロ


    ライナー(なんでこんなにジロジロ見てくるんだ?なんか変な臭いでもしたのか?)







    ハンジ「続いて第三班、ココにはいないけどエルド、そしてベルトルト」


    ベルトルト「…はい」







    ハンジ「そして第四班、同じくいないけどナナバ、グンタ、そしてアニ」


    アニ「はぃ…」







    ハンジ「そして第五班、ここに私とアルミン」


    アルミン「はい!」


    ハンジ「まぁ、私らは戦闘は極力避けて、人工降雨機の設置及び準備が中心かな」


    アルミン「例の、β物質を分解する雨ですね…」


    ハンジ「そう。これ、準備するのに結構手間がかかるからさ。モブリットを連れて行こうとしたんだけど、
        いろいろ忙しいみたいでさ…」


    ハンジ(まぁ、私が仕事を押し付けちゃったからなんだけどね♪)テヘッ








    ハンジ「以上、全五班。村に入ったら、そのメンバーで行動してもらうからね」


    一同「了解!」

  28. 43 : : 2013/11/02(土) 14:48:40

    ハンジ「あと最後に。エルヴィン、シーナの森にしかいないコーカサスオオカブトが、なぜ壁外から来たか、
        疑問だったよね?」


    エルヴィン「ああ、そうだな。何か分かったのか?」


    ハンジ「それについては…。入ってきて!」






    ガチャ…







    「どうもこんばんは、調査兵団の方々。それから、ハンジ」


    一同「!?」

  29. 44 : : 2013/11/02(土) 14:57:30

    ハンジ「こんばんは、ゴンじいさん」


    ゴン「どうも、ゴンです。わしの話は、ハンジのほうから伺っておりますかな?」


    エルヴィン「驚いた…。どうも、団長のエルヴィン・スミスです。話は伺っておりましたが、
          まさかこちらまでいらっしゃるとは…」


    ゴン「ふふふ、ハンジがどうしても、と言ってな。なにやら、今回の巨大昆虫の事件は、
       わしの村が深くかかわっておるとか」


    ハンジ「うん、さっき話した通りだよ、ゴンじいさん。それでゴンじいさんには、
        コーカサスオオカブトについて話してほしいんだ」


    ゴン「おお、もしや『たろすけ』の子孫のことかな?」


    エルヴィン「たろすけ?」


    ゴン「もう40年ほど前になるかのう。兵士だったわしは、一度だけウォール・シーナの内地に
       行く機会があったんじゃ。そこで、コーカサスオオカブトが住む、特別保安林に案内された」


    ゴン「その時、お土産にと、一匹のコーカサスオオカブトをもらったのじゃ。
       まぁ、メスだったがの」


    エルヴィン「メス、ですか。もしや、それが…」


    ゴン「そう、そいつが『たろすけ』じゃ」






    エレン(メスなのにたろすけ?)


    ミカサ(エレン、そこは突っ込んではダメ…)


    アルミン(そもそも、この壁内の世界観をガン無視した名前だ…)

  30. 45 : : 2013/11/02(土) 15:03:18

    ゴン「そのたろすけじゃが、村に持って帰ってしばらくしたころ、卵を産んだのじゃ。
       その卵がかえり、またカブトが生まれ、また卵を産んでの繰り返しじゃった」


    エルヴィン「つまりその村では、毎年新たなコーカサスオオカブトが生まれていたと?」


    ゴン「ああ。5年前の巨人の襲撃の際、村のカブトたちはそのままにしてきてしまったんじゃが、
       未だに卵を産み続けていたんじゃなぁ…」


    ハンジ「そのうちの一匹が巨大化し、今回の事件で襲撃してきた、というわけさ」


    ミケ「なるほどな。だが、他にも数匹カブトがいたんだろ?巨大化したのが一匹だけということは、残りの奴らは…」


    ハンジ「うん、残念だけど…」


    ゴン「…そうじゃのう。ハンジはわしらのことを思ってやったことじゃ。仕方がないんじゃよ」


    ハンジ「ごめんね、ゴンじいさん…」

  31. 46 : : 2013/11/02(土) 15:09:40



    ゴン「そういえばもう一匹、気になるやつがおるのじゃ」


    ハンジ「気になるやつって?」


    ゴン「10年ほど前じゃったかの、一匹のコーカサスオオカブトが産まれたんじゃが、
       その姿に目を疑ったんじゃ」


    ゴン「突然変異なのかわからんが、本来の姿から大きくかけ離れた、何ともいえん姿でな」


    ハンジ「何それ?ってか、そいつがどうかしたの?」


    ゴン「本来、カブトムシは一年周期で生まれ変わる。じゃが、そいつは、少なくともわしらが村から逃げた時も
       まだ生きておったんじゃ。5年間、村に住み続けていた」


    ハンジ「え!?5年も生きてたの!?セミの幼虫じゃあるまいし!!」


    ゴン「今も生き続けているという可能性は無きにしも非ずじゃ。もし生きていて、
       且つ巨大化して居ようものなら、とてつもない相手になると思うぞ…」


    ハンジ「それって、どんな姿なのさ…?」


    ゴン「ああ、あれはじゃな……」

  32. 47 : : 2013/11/02(土) 15:20:09

    ~トロスト区外門前・夜~


    住民「おいおい、こんな夜中に壁外遠征とか、正気かよ…」


    住民「何でも、こないだの巨大昆虫の残党を退治しに行くらしいぜ…」


    住民「確かに、あんなのがまた襲ってきたら溜まったもんじゃねぇな…」


    住民「巨人以外にも、害虫駆除も請け負うようになったんだな、調査兵団は。
       今度、うちのG駆除もお願いしようかな。はっはっは…」








    ハンジ「さーて、そろそろ出発するけど、みんな準備はいいかなー?」


    エル&グン「いいともーっ!!」


    一同「」シーン…






    エルド「あ……。そういうノリじゃなかったか…」


    グンタ「なんか…すみません…」


    リヴァイ「お前ら二人、もう一度あの村に置いてきてやっても構わねぇんだぞ…?」


    エル&グン「すいませんでしたっ!!」


    ハンジ「まぁまぁ、冗談はそのくらいにして」


    ハンジ「各自、班員同士で確認事項があれば今のうちに。村に着いてからだと、いろいろあって忙しいからね」

  33. 48 : : 2013/11/02(土) 15:26:23

    リヴァイ「名前はエレン、ミカサでよかったか?」


    エレン「はい、エレン・イェーガーです!」


    ミカサ「…ミカサ・アッカーマンです」


    リヴァイ「向こうでの戦闘は任せておけ…と、言いたいところだが、生憎今の俺は体が万全じゃねぇ。
         お前らも兵士の端くれだ。多少なりとも、コキ使わせてもらうぞ」


    エレン「了解です、リヴァイ兵士長!!」









    ミケ「ライナーといったな。何か、確認しておきたいことはあるか?」


    ライナー「いえ、問題ありません」


    ミケ「…そうか」






    ミケ(こいつから感じ取った臭い、後、ノッポ男と金髪女からも似たような臭いがした…。
        タダ者ではなさそうだな…)

  34. 49 : : 2013/11/02(土) 15:32:58

    エルド「よう、俺はエルド・ジン。よろしくな」


    ベルトルト「ベルトルト・フーバーです。よろしくお願いします」


    エルド「しかし、お前は本当にデカいな。いったい、何を食ったらそんなデカくなるんだ?」


    ベルトルト「いやぁ、別段変わったものは食べてないですけど…」


    エルド「そうか。まぁ、デカけりゃいいってもんじゃねぇよな。
        頼りにしてるぜ、暫定三位さんよ」

    ベルトルト「どうも…」







    エルド(ミケ分隊長が、こいつには警戒しろって言ってたけど、特にヤバそうな雰囲気は感じないな。
        一体、何を感じ取ったって言うんだ…?)









    ナナバ「私はナナバ、こっちはグンタ。よろしくね、アニちゃん」


    グンタ「よろしく頼むぜ」


    アニ「よろしくお願いします…」


    ナナバ「聞いたよ、暫定四位なんだってね。希望はやっぱり、憲兵団?」


    アニ「一応…」


    グンタ「すげぇなぁ。俺らの代じゃ、女でこれだけの実力者はいなかったぜ。
        気が向いたら、調査兵団に来いよ。な?」


    アニ「今のところは、そんな気はありません…」


    グンタ「もったいねぇなぁ。もし入ってくれたら、俺が手とり足とり、戦術を指南してやれるのに」


    ナナバ「指南されるのはどっちかな?そんなこと言ってると、アニちゃんに首を掻き斬られるよ?」


    グンタ「それも悪くねぇな。もし俺を殺すんだったら、痛みを感じないように一瞬で頼むぜ?」ワハハハ…


    アニ「覚えておきます…」







    ナナバ(ミケが感じ取った何か、というのがよく分からないけど、確かに、何かを背負ってそうな、
        どこか影を感じる子だね。用心に越したことはない、か…)

  35. 50 : : 2013/11/02(土) 15:39:26

    アルミン「分隊長、向こうで僕は何をすればよろしいでしょうか?」


    ハンジ「うーん、とりあえず言ってから説明するよ。ここで言っても、あまり理解できないだろうし。
        基本的には私の指示通り手伝ってもらうだけだから、あまり深く考えなくていいよ」


    アルミン「そうですか、了解しました」





    アルミン「…」


    ハンジ「昼間のこと、まだ気にしてるの?」


    アルミン「気にしていないと言えば、嘘になりますが…」


    ハンジ「君は正しいことをしたんだよ。何を後ろめたいことがあるんだい?
        君みたいな人間が、物事を大きく動かす原動力になるのさ」


    アルミン「…ありがとうございます」


    ハンジ「応援してるよ。がんばって」

  36. 51 : : 2013/11/02(土) 15:42:30



    ハンジ「それでは皆さん、いっちょやりましょうか!」


    一同「おう!!」







    ハンジ「それじゃ、かいも~~~~~~ん!!!」


    駐屯兵団「開門っ!!!」







    ガラガラガラガラガラガラガラガラ……!!







    ハンジ「すっすめぇ~~~~~~~~!!!」










    ドドドドドドドドドドドドド……!!

  37. 52 : : 2013/11/02(土) 15:46:53

    ~訓練兵団施設、男子寮・夜~


    ジャン「そろそろ、あいつら出発したころかな…」


    マルコ「だろうね。それにしても、いつもいる連中がいないと、寂しいものだね」


    コニー「まったく、静かすぎて暇だぜ」


    ジャン「…なぁ、やっぱ俺も、行くべきだったと思うか?」


    マルコ「どうして?」


    ジャン「いや、なんつーかよ、あいつらだけ壁外に行かせちまって、なんか見殺しにしてるみたいでさ…」


    コニー「そんなことあいつらが思うかよ」


    マルコ「行くのは彼らの意思、残ったのは僕らの意思。誰にも言われず、自分の意思で決めたんだ。
        咎められる理由はないよ」


    ジャン「…」


    マルコ「僕らにできるのは、彼らが無事に帰ってこれるように祈ること。でしょ、コニー?」


    コニー「よく分かんねぇけど、分かった」






    ジャン「…そうだな。とりあえず、ここで考えたって仕方ねぇな。
        どうせ明日も訓練だ。さっさと寝るぞ、お前ら」


    マルコ&コニー「おやすみ~」
  38. 53 : : 2013/11/02(土) 15:50:33

    ~訓練兵団施設、女子寮・夜~


    サシャ「」ギュゥゥゥゥゥゥゥ…





    クリスタ「サシャ、何してるの?それ、ぬいぐるみ?」


    サシャ「そうです。ミカサがアニに買ってきたキツネと、アニから私が譲り受けたテントウムシ。
        二人の意思が宿った、言うなれば守り神様ですね」


    ユミル「間抜けなツラの守り神だな。ってか、なんでキツネとテントウムシ?」


    サシャ「それはよくわかりませんが…。キツネはメスらしいです」


    ユミル「少し理由が分かった気がする…」






    サシャ「こうしてギューッってしてあげて、お祈りするんです。
        二人が無事に戻ってこられますように、って!」


    クリスタ「サシャ、優しいんだね。私もやるっ!!」ギュゥゥゥゥゥゥゥ


    サシャ「天使のご加護ですね」


    ユミル「おいおい、私にもくれよ、天使のご加護!」ギュゥゥゥゥゥゥゥ


    サシャ「あ、ちょっとユミル、苦しいですってば!!」ギュゥゥゥゥゥゥゥ

  39. 54 : : 2013/11/02(土) 15:57:57

    ~壁外~


    ドドドドドドドドドドドドド……







    ハンジ「いやぁ、月明りだけでも案外イケるもんだねぇ。これから壁外調査は、夜にやっちゃう?」


    リヴァイ「馬鹿言え、夜間じゃできる作業も限られるだろうが。暗所での作業は、不測の事故を生みやすい」


    ハンジ「やっぱそうかぁ。でも、移動中に巨人が来ないっていうだけでも、気分的に違うもんだよね」


    リヴァイ「万が一ってのもある。油断はするんじゃねぇ…」


    ハンジ「はいはい♪
        エルド、グンタ、トロスト区から村までは2時間くらいってことでいいんだよね?」


    エルド「ええ。暴走した馬がまっすぐ走ってそのくらいの時間でした」


    グンタ「もうそろそろ、見えてきてもおかしくないと思いますが…」


    ハンジ「じゃあ、村に着いたら班に分かれて、明るくなるまで待機ね。
        使ってない家とかがあるだろうから、その中で各自休むもよし、遊ぶもよし」


    ミケ「遊ぶようなバカはいないだろう」


    ハンジ「おお?そうこうしているうちに、見えてきたんじゃないですかぁ?」


    ミケ「!!」スンスン








    ミケ「気を付けろ!!何か来るぞ!!」









    ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ


    一同「!!」









    ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……










    ハンジ「ちょっと、何かが上空を飛んで行ったよ!」


    ミケ「壁内に向かって飛んで行ったようだな…」


    リヴァイ「チッ、やはりあの森か…。エルヴィンを残してきて正解だったな…」


    ハンジ「何事もなければいいけど。頼んだよ、エルヴィン…」

  40. 55 : : 2013/11/02(土) 16:03:01

    ~訓練兵団施設・朝~


    ジャン「おぃーっす」


    マルコ「おはよう、サシャ、クリスタ、ユミル」


    サシャ「おはようございます」


    ユミル「うーっす。頭数が足りないと、どうも寂しいな」


    クリスタ「おはよう。コニーは?」


    ジャン「部屋で寝てるよ。どうせ訓練にも出れねぇだろうから、起こさないで来た」


    ユミル「それより、男どもは聞いたか?またデカい虫ケラが、森に侵入したって話」


    ジャン「マジかよ!?調査兵団が退治しに行ったんじゃねぇのか!?」


    サシャ「空を飛んできたんじゃないですかね?もしくは、入れ違いになったとか?」


    マルコ「また僕らが駆り出されるんだろうか…?」


    クリスタ「…」


    ユミル「まったく、勘弁してほしいね。こちとら、戦力の大半を壁外に出しちまってるんだ。
        例のなんちゃらオオカブトみたいなのに来られたら終わりだぞ」






    ガチャ


    一同「!?」







    キース「貴様ら、ここにいたか。緊急招集だ、営庭に集合せよ!」


    ジャン「おいおい、最悪の事態じゃねぇのか、これ……」

  41. 56 : : 2013/11/02(土) 16:07:06

    ~ゴンジー村・ハンジ、アルミン班~


    ハンジ「ふぅ、すっかり明るくなったね。よく眠れたかい?」


    アルミン「いえ、眠れたような眠れなかったような…。やはり壁外だと、落ち着きませんね…」


    ハンジ「休めるときには休んでおかないと。そろそろ準備にかかるけど、手伝ってもらえるかな?」


    アルミン「はい、もちろんです。
         …これが、『人工降雨機』ですか…」


    ハンジ「そうだよ縦、横、2メートルってところかな。これでもだいぶ小型にしたんだけどね。
        手元の穴から降雨誘発塵を投入すると、上の煙突から大気中に放出し、雨雲の元を形成する」


    ハンジ「それらが大気中の水分を吸収し、雨雲を肥大化させ、やがて降雨をもたらす。
        難しいことは考えずに、ただ単純に『雨を降らす装置』って覚えておいてもらえばいいよ」


    アルミン「…非常に興味深いです。後ほど、詳しい仕組みについて教えていただいてよろしいですか!?」


    ハンジ「お、興味を持ってもらえてうれしいよ。帰ったら、みっちりレクチャーしてあげる♪」

  42. 59 : : 2013/11/02(土) 22:09:44

    ~ナナバ、グンタ、アニ班~


    ナナバ「グンタ、アニちゃん、朝だよ」


    グンタ「ふぁ~~っ。見張りご苦労さん。よく寝たぜ」


    ナナバ「いいよ、グンタのほうが見張りの時間長かったし」


    アニ(まだ日が昇り切ってない…。寒いし眠いし、最悪……)






    ナナバ「アニちゃん、シャキッとして。昆虫は早朝の時間帯に動き出すのが多いからね。
        寝覚めの運動に、ちゃちゃっと片づけちゃおうよ」


    アニ「…」ゴシゴシ…


    グンタ「相当寝起きが悪いみたいだな、君は。普段からそうなのか?」


    アニ「まぁ…」ボトッ…


    アニ(頭に何か落ちてきた…?)⊃ダンゴムシの死骸(30センチ)







    アニ「!!」ポイッ!!!


    ナナバ「うわっ、でかっ!!」


    グンタ「災難だったなぁ。今ので、目が覚めたんじゃないか」ニヤニヤ


    アニ「はぁぁぁぁ…(最悪…)」

  43. 60 : : 2013/11/02(土) 22:13:17

    ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ……


    3人「!!」







    ナナバ「何か…転がってくる音がする!!」


    グンタ「外に出るんだ!!」


    アニ「…」


    ナナバ「…あれは!!」






    巨大ダンゴムシ×3「」ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…







    グンタ「ダンゴムシだ!!だが、あまり大きくないな。2メートル弱ってところか?」


    アニ「まだ巨大化の途中ってことですかね?」


    ナナバ「あり得なくはないね。っていうか、さっき投げ捨てたダンゴムシの復讐に来たんじゃないの?」


    アニ「…!」

  44. 61 : : 2013/11/02(土) 22:18:03

    ナナバ「冗談だよ。相手は3匹いるから、ちょうど一人一匹だね」


    アニ「私もやらないとだめですか?虫、苦手なんですけど…」


    ナナバ「…戦場で、そんな言い訳が通用すると思う?巨人が嫌いだって言えば、巨人と戦わなくて済むの?」


    アニ「…先日の昆虫襲撃の際、私は戦っていません。それに今回は、戦闘経験のない訓練兵に代わって、
       調査兵団の精鋭が戦ってくれるものとばかり思っていたので」


    グンタ「…なんだ、暫定4位様は意外と腰抜けか?それとも……なにか別の企みでもあるのか?」


    ナナバ「君がどういう意図をもってそういうことを言ってるのかは知らないけど、とにかくここでは
        君にもやってもらわなければならない。分かってくれるかい?」


    アニ「…了解しました…」










    ~アニ回想~


    ライナー『村で戦闘が始まり、ある程度混乱してきたら、俺らの誰か一人がエレンとミカサの班に近付き、
         二人の監視を行う』


    ベルトルト『あのおじいさんの言ってた虫が巨大化しているとしたら、巨人化して戦うのは避けられない可能性が高いからね。
          もちろん、エレンとミカサが巨人化能力者だったらの話だけど…』


    アニ『リヴァイ兵士長はどうするの?こっちが少しでも不審な動きをすれば、怪しまれそうだけど…』


    ライナー『兵士長に限らず、ミケ分隊長も文字通り相当鼻が利く。俺の臭いを嗅いで、
         何かを嗅ぎつけたかもしれん。ヘタな動きはできんぞ』


    ベルトルト『わざわざ僕らを別々の班にして、精鋭のメンバーを班員にしたのも引っかかる。
          最悪、今回の監視は見送るほうが無難かもしれないよ』


    ライナー『…そうだな。今回は、『可能であれば監視』、ということにしておこう。
         まだ無理をする段階じゃない。ここで下手に目を付けられると、後々に響く』


    アニ『…』


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~








    アニ(適当な言い訳で戦いを避けて、エレンとミカサのいるところに行こうかと思ったけど、無理そうだね…。
       ライナーとベルトルトがどう動けるかだけど。今回は厳しいか…)

  45. 62 : : 2013/11/02(土) 22:22:41

    ダンゴムシ達「」ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…






    ナナバ「来たよ!私は真ん中、グンタは左、アニちゃんは右をお願い!!」


    グン&アニ「了解!」バッ!!







    ナナバ「さーて、この間はカッコ悪いところ見せちゃったからね。今回は負けないよ!」バッ!


    ダンゴムシA「」ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…


    ナナバ「まずは……ブレードっ!!」シャキンッ!!






    ガキィィィンッ!!






    ナナバ「…っ!!」ビリビリビリ…


    ナナバ「堅っ!!手がしびれちゃったよ!!」ジーン…


    ダンゴムシA「」ノソッ…


    ナナバ「団子状態を解除すると、意外と胴が長いんだね」





    ナナバ(さて、どうする?こいつの背中は、刃が通らないほど固い。
        なら、お腹ならどうだろうか…?)


    ナナバ「…どうにか、ひっくり返してみようかな?」

  46. 63 : : 2013/11/02(土) 22:27:45

    グンタ「ナナバっ!!」


    ナナバ「どうしたの?」





    ダンゴムシB「」マルッ






    グンタ「こいつ、刃が通らないほど堅い!ひっくり返してみようかと思うんだが…」


    ナナバ「うわっ、私と全く同じこと考えてるよ。それで、どうかしたの?」


    グンタ「協力してひっくり返そう。一人一匹じゃ厳しいが、二人で一匹ずつやれば可能なはずだ」


    ナナバ「あの子はどうするの…?」チラッ…


    グンタ「…あまり構ってほしくなさそうだからな。とりあえず、俺達は先にこっちを仕留めよう」


    ナナバ「了解。それで、方法は?」

  47. 65 : : 2013/11/02(土) 22:33:00

    グンタ「まずは、立体機動装置のワイヤーを向こうの樹に打ち、たるませた状態で地面に置く。
        次に奴らをおびき寄せ、ワイヤーの上に乗ったら急速に巻き取り、ワイヤーを張って上に弾き飛ばす」


    ナナバ「悪くないと思うけど、あいつらの体重考えたら厳しいんじゃない?樹はともかく、
        こっちの腰が折れちゃいそう」


    グンタ「腰には付けないさ。とりあえず、こっちの家の柱にでも括り付けて…と」カチャカチャ


    グンタ「」パシュッ






    向こうの樹「」サクッ






    ワイヤー「」ダラーン…






    グンタ「これで準備完了だ。俺がタイミングを見て巻き取る。ナナバは、奴らを引き付けてくれ」


    ナナバ「普通、役割が逆じゃない?こういうのは、男が率先してやるべきじゃないの?」


    グンタ「男だか女だか分からん奴に言われたくないな」


    ナナバ「…覚えときなよ、その言葉」ダッ


    グンタ「…おー、怖っ!」 

  48. 66 : : 2013/11/02(土) 22:35:32

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ダンゴムシA&B「」モソモソ…






    ナナバ「あー気持ち悪い。おーい、こっちに来なよー!」


    ダンゴムシA&B「」ヨンデル?






    ダンゴムシA&B「」ノソノソ






    ナナバ「来た来た。ほら、こっちこっち」タッタッタッ


    グンタ「いいぞ、その調子だ…」







    ダンゴムシA&B「」ノソノソ


    ナナバ「もう少し…」







    ダンゴムシA&B「」ノソノソ





    フミッ





    ナナバ「いいよグンタ!」


    グンタ「よしっ!」ギュゥゥゥンッ!!






    ワイヤー「」ピーンッ


    ダンゴムシA&B「!?」シュパンッ!!







    ダンゴムシA&B「」ヒュゥゥゥゥゥ…










    B&Aシムゴンダ「」ドサァッ!!

  49. 67 : : 2013/11/02(土) 22:38:58

    グンタ「おーおー、予想以上にうまくいったな」





    B&Aシムゴンダ「」ジタバタ





    ナナバ「ひっくり返ると自力で起き上がれないんだね。カメみたい」


    グンタ「やはり腹は柔らかそうだ。起き上がられる前に、さっさと仕留めよう」シャキンッ


    ナナバ「そうだね」シャキンッ


    B&Aシムゴンダ「」オタスケー






    ズバァァァァァァァッ!!


  50. 68 : : 2013/11/02(土) 22:42:05



    B&Aシムゴンダ「」






    グンタ「サイズが小さいせいかもしれんが、あっけなかったな」


    ナナバ「ほんとだよ。この間は見事にやられちゃったから、挽回しようと思ったのに。
        歯ごたえなさすぎ」


    グンタ「ポジション的に、あまり大それた活躍ができない宿命なんだよ。お前は」


    ナナバ「あんただって、せめて死ぬなら、ちゃんと巨人に殺されなよ…」


    グンタ「それは言うなって…」


    ナナバ「さて、と。アニちゃんのほうはどうなってるかな?」








    グンタ「…おいおい、あいつ、装備全部外しちまってるぞ」

  51. 70 : : 2013/11/02(土) 22:46:25

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ダンゴムシC「」ノソノソ






    アニ(ほんとは触りたくもないけど、仕方ないね。
       装備は邪魔だから全部外しちゃったけど、やっぱりこのほうがいい…)


    アニ「」グッ…!







    アニ(お父さんから教わった格闘術、訓練じゃある程度加減しなきゃいけなかったけど、
       こいつ相手なら思う存分やれる…)






    ダンゴムシC「」ゴロゴロ…






    アニ「…ふっ!!」ゲシッ!!





    ドゴッ!!





    ダンゴムシC「?」


    アニ「痛っ…!…ずいぶん堅いね…」


    アニ(丸まってる状態じゃ、こちらの攻撃は通らない。ならば…)

  52. 71 : : 2013/11/02(土) 22:50:50

    アニ「…はっ!!」ゲシゲシゲシッ!!

    ダンゴムシC「!?」






    アニ(丸まった側面への三連打…。そして…)


    ダンゴムシC「」イタイナァ…






    アニ(団子状態を解除する瞬間、お腹を空へ向けて蹴り上げるっ…!)


    アニ「…はぁぁっ!!」ゲシィィィッ!!


    ダンゴムシC「ガァァァァッ!!」ドゴォォォッ!!!






    ダンゴムシC「」ヒュゥゥゥゥゥ…






    アニ(…落ちてきたところを……ダイレクトにっ!!)


    アニ「セイッ!!」ドゴォォォッ


    ダンゴムシC「」ズザザザザァァァァァッ!!


    アニ(丸まられる前に…)ダダダダダッ







    アニ「…ふっ!はっ!せぇぇぇぇいっ!!!」ドゴッ!ドガッ!ドゴォォォォッ!!


    ダンゴムシC「アァァァァァァァァァァァッ!!」ザザザザザッ!!








    アニ(今度はもう一度上に…蹴り上げるっ!!)ダダダダダッ


    アニ「…はっ!!」ドゴォォォッ!!






    ダンゴムシC「ア゙ァァァァッ!!」ヒュゥゥゥゥゥ…








    ダンゴムシC「」ドサッ!!

  53. 72 : : 2013/11/02(土) 22:53:47

    アニ「…私の全力の蹴り、ボディに入ったら、すぐには起き上がれないよ…」ザッ…


    ダンゴムシC「!!」ジタバタ







    アニ「…そうなると、自力で起き上がれないんだ。そうと分かれば、遠慮なく行かせてもらうよ」スゥゥ…


    アニ(…とどめは真上からの………かかと落としっ!!!)







    アニ「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ドッゴォォォォォォッ!!!


    ダンゴムシC「ガァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!」ドゴォォォッ!!!







    ダンゴムシC「」ガクッ…!







    アニ「…終わったね」


    アニ(…ここまで全力でこの技を使ったのは初めて。手加減しなくていいなんて、すごく気持ちよかった…。
       )スッキリ

  54. 73 : : 2013/11/02(土) 22:57:51

    ナナバ「」ニヤニヤ


    グンタ「」ニヤニヤ


    アニ「!!」ハッ!!






    ナナバ「お見事だったね、アニちゃん♪」


    グンタ「ずいぶんイキイキしてたじゃないか?何かいいことでもあったか?」


    アニ「いえ、別に…」


    ナナバ「素手でやっつけちゃうなんて、タダ者じゃないね。やっぱ君に任せて正解だったね」


    グンタ「念のため、もうちょい刻んでおくか」ザシュザシュ






    ダン/ゴム/シC「」






    ナナバ「それだけ素晴らしい力を持ってるなんて、ますます気に入ったなぁ。
        調査兵団に来ない?手厚くもてなしてあげるけど?」


    アニ「遠慮しておきます…」


    ナナバ「そう…」







    ナナバ(とりあえず、この子がタダ者じゃないことは分かった。近くに置いておきたかったけど、
        憲兵団に行くという意志は固そうだね…)

  55. 74 : : 2013/11/02(土) 23:00:39

    ドォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!


    3人「!?」







    グンタ「なんだ!?すごい音が…!?」


    ナナバ「あっちは、ミケたちのいる方向だ!!何かあったのか!?」


    アニ(ライナー!?一体、どうしたっていうんだい!?
       まさか……!!)









    グンタ「よし、俺達も行くぞ!」ダッ


    ナナバ「了解!!アニちゃん、付いてきて!!」ダッ


    アニ「…」ダッ

  56. 75 : : 2013/11/02(土) 23:04:42

    ~訓練兵団施設・営庭~


    キース「集まったようだな」


    エルヴィン「訓練兵諸君、急に呼び出してしまってすまない」


    ジャン(団長がわざわざこんなところに来るとはな…)


    エルヴィン「駐屯兵団から連絡が入ってな、巨大昆虫が再び例の森に侵入したとのことだ。
          討伐のためにもう一度、諸君らの力を貸してもらいたい」


    キース「今回も訓練兵だけにやらせるのか…?」


    エルヴィン「いえ、うちの精鋭のオルオ・ボザドとペトラ・ラルがいます。
          諸事情で壁外には連れていけませんでしたが、こういった事態に備えて残しておいて正解でした」


    キース「ならばよいか」


    エルヴィン「この5名を2班に分け、オルオとペトラをそれぞれ付き添わせます。よろしいですか?」


    キース「分かった。では、ボザド班にはキルシュタインとブラウス、残りはラル班に入れ」


    サシャ「おぉ、ジャンと一緒ですか。よろしくお願いしますね!」


    ジャン「おう」







    マルコ「僕の班は女性ばかりだね」


    クリスタ「頼りにしてるよ、マルコ」


    ユミル「クリスタにケガさせるんじゃねぇぞ?前の時のあざが、ようやく治ったばっかなんだからな」









    エルヴィン「それでは、全員配置についてくれ」


    一同「」ザッ!

  57. 76 : : 2013/11/02(土) 23:08:33

    ~ゴンジー村・ミケ、ライナー班~


    ライナー「…」


    ミケ「…」






    ライナー(…気まずい。非常に。この人、喋らなさすぎだろ)







    ミケ「…ライナーとやら」


    ライナー「!」


    ミケ「出身地は、どこだといったかな…?」


    ライナー「…ウォール・マリア南東の、山奥の村です」


    ミケ「…そうか、マリアの…。大変だったな」


    ライナー「ええ、まぁ…」





    ミケ「他に、同郷の者はいるのか?」


    ライナー「今回作戦に参加した、ベルトルトも同じ出身です」


    ミケ「…ああ、あの背の高い奴か。他には?」


    ライナー「そいつだけです」


    ミケ「…ほう…」


    ライナー「…?」

  58. 77 : : 2013/11/02(土) 23:09:15

    ミケ「…あの、アニとかいう女は違うのか?」


    ライナー「!?」








    ミケ「…どうなんだ?」


    ライナー「…どうしてそのように思うのですか?」


    ミケ「いや、君らと同じ匂いを感じたんでな」


    ライナー「…仮に彼女が同郷だとして、だから何だというんですか?」


    ミケ「どうということはない。ただ、そうじゃないかと思っただけだ。それとも、
       そんなに敵意をむき出しにしなければならないほど、触れてほしくないことでもあるのか?」


    ライナー(この人…!!)






    ミケ「例えば、もし君らが……」


    ミケ「!!」スンスン…


    ライナー「どうしたんですか!?」










    ミケ「…」


    ライナー「…ミケ分隊長?」

  59. 78 : : 2013/11/02(土) 23:12:41

    ミケ「s@さうpkwじゃfd;あklじmば;みあしjksじょいjたいおじおじょじゃ!?!?!?」


    ライナー「えぇ!?」








    ミケ「ぷw82くgなまkjgはいま::dぁkfじゃ:kdlまm、c、:v:あkdkふぁあ@いえd!!!!!」


    ライナー「ど、どうしたんですかっ!?」








    ミケ「dしうあkさうあb3p7あま;mだうfじゃいあ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」


    ミケ「」バタッ…


    ライナー(ヤダ!この人怖いっ!!!)ガタガタ






    ドシン…


    ライナー「!!」








    ドシンドシン…








    ライナー「何か来る!!…ってか、なんだか…」スンスン









    プ~~~~~~ン…









    ライナー「なんか臭ぇぞ!?なんだこの臭いは!?」






    ドシンドシンドシン…






    ライナー「あ……!あいつはっ!!」













    巨大カメムシ「」ズゥゥゥゥゥン…

  60. 79 : : 2013/11/02(土) 23:17:34

    ライナー「やぁだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁやめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!」


    ライナー「最悪だぁぁぁぁぁぁっ!!なんでよりによって、あんな生物兵器が俺の相手なんだ!
         ハチといいカメムシと言い、殺人昆虫ばっか来やがって!!!」







    巨大カメムシ「」ドシンドシン…






    プ~~~~~~ン…







    ライナー「くっさ!!既に存在してるだけで臭いっ!!
         触りたくないどころか、近付きたくもないっ!!!」ダダダッ!






    巨大カメムシ「」ドシンドシン…







    ライナー「…だが、逃げてるだけでは何も始まらん!カメムシは、刺激を与えると強烈な臭いを
         出すんだったな。ならば、臭いを出される前に一撃で仕留めるっ!!」シャキンッ!


    ライナー「よーし、覚悟を決めて……」




    ライナー「行くぞっ!!」ダッ!


    ライナー(立体機動で近付くが、奴にアンカーを指すのはまずいな。ならば、隣の大木に!)パシュッ!






    大木「」サクッ






    ライナー(よし!このまま一気に、奴の頭を刎ね落としてやる!!)シュゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!!


    巨大カメムシ「!!」


    ライナー「気付いたか。だが遅いっ!!もらったぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ヒュゥゥゥゥゥン!!!!



    巨大カメムシ「」プッ…









    プ~~~~~~ン…











    ライナー「おうふっ……」ドサッ バタァァァァン!!!

  61. 80 : : 2013/11/02(土) 23:21:13

    ライナー(な……何だ、この臭いは…。さっきの比じゃねぇぞ…。
         体の自由もきかんし、意識が今にも飛びそうだ……)


    ライナー(あぁ、ベルラッシュ、アニラッシュ、ぼく、なんだか疲れたよ。とても眠いんだ…)


    ライナー(あぁ、川が見える…。その向こうに、俺達の故郷が…。
         向こう岸で、ベルトルトとアニが笑ってやがる…)




    ほわほわほわほわ~~ん











    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    妄想ベル&アニ『あははははははははははははははっ』


    ライナー『お…、俺も今から、そっちに行くぞ…!』



    妄想アニ『…らぃなぁ、ぁんたゎまだ、こっちに来ちゃ、ダ~~~~~メッ!』ゲシッ!!

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~








    ライナー「いてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!
         …はっ!!俺は今まで何をしていたんだ!?」


    巨大カメムシ「」オキタ?



    ライナー「そうだ、俺はこいつの臭いで気がおかしくなっていた!」


    ライナー(故郷に帰るまで、くたばるわけにはいかん!!ましてや、こんな奴に殺されたりなんかしたら、
         恥ずかしさやら悔しさやらで、死んでも死に切れんっ!!)

  62. 81 : : 2013/11/02(土) 23:24:42

    ライナー「秘密兵器を使うか…」ゴソゴソ…


    ライナー「」⊃洗濯バサミ


    ライナー「女子寮からこっそり、干してあるクリスタのパンツを拝借したときに、一緒に持ってきてしまったこいつが、
         まさかこんなところで役に立つとはな…!」


    ライナー「」ムギュッ


    ライナー(洗濯バサミ装備)「これで、貴様の臭い攻撃はもう効かん(鼻声)」


    巨大カメムシ「」ムムム…






    パシュッ!!






    大木「」サクッ






    ライナー(洗濯バサミ装備)「さぁ、第2ラウンドと行こうかい!!(鼻声)」ヒュゥゥゥゥゥン!!






    巨大カメムシ「」プゥゥゥゥゥッ…














    ライナー(洗濯バサミ装備)「おうふっ……(鼻声)」ドサッ バタァァァァン!!!

  63. 82 : : 2013/11/02(土) 23:27:26

    ライナー(…く…口呼吸なのに臭いが入って来たぁぁぁぁぁ!!!
         だめだ!!手の打ちようがねぇ!!!!)


    ライナー(あ、また故郷が見えてきた…。これ、アカンやつや……)



    ほわほわほわほわ~~ん









    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    妄想トルト『貴様、性懲りもなくまた来おったのか…』


    妄想アニ『もぉ、また蹴られたぃのっ?』


    ライナー(許してくれ…。あんな奴、勝てるわけがねぇ…。このままだと戦士どころか、
         天に召されて天使ライナーになっちまうんだよ…)


    妄想トルト『…貴様がその程度の奴だったとはな…。失望したぞ』


    妄想アニ『ぁたし達のことも、故郷のことも、どぉでもィィんだねっ?』


    ライナー(頭では分かっているんだが…体が言うことをきかないんだ!!)






    妄想トルト『…自分の手を噛み千切るくらいの力はあるのではないか…?』


    ライナー(…馬鹿な。こんな場所で、巨人化しろってのか?)


    妄想アニ『でもぉ、ぃまなら誰も見てなぃょ?』チラッ


    ミケ「(゚∀゚)」チーン


    ライナー(…)









    妄想トルト『…戦え。戦わなければ生き残れない!!』


    ライナー(…もう、こうなったらヤケだ!!どうにでもなっちまえ!!!)

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  64. 83 : : 2013/11/02(土) 23:31:21

    ライナー「」ガバッ!!








    ライナー(洗濯バサミ装備)「…ベルトルト!アニ!
         …見ててくれ。これが俺の……変身っ!!!(鼻声)」ガリッ!!!









    カッッッッッッッッ!!!!!












    鎧の巨人(洗濯バサミ装備)「」ズゥゥゥゥゥゥゥゥン…










    ライナー(臭いを防ぐ目的を持ったら、洗濯バサミ装備状態で巨人化しちまった…。
         だが、好都合だ。まったく臭いを感じないぞ!!)


    巨大カメムシ「」ナニコイツ!?


    ライナー(これだけの臭いが立ち込めてる場所じゃ、ミケ分隊長は目を覚まさないだろう…。
         誰にも見られないうちに、一気に決める…)






    巨大カメムシ「」ドシンドシン…






    ライナー(…と思ったけど、いくら直接じゃないとはいえ、触るのは抵抗あるなぁ。
         風呂上がりにパンツ履いたらカメムシがいて、股に臭いが染みついたのは一生のトラウマだ)


    ライナー(まぁ、言ってても仕方ないか。帰ったら思いっきり手を洗おう。
         さて、行くぜカメムシ野郎…!!)

  65. 84 : : 2013/11/02(土) 23:35:08

    鎧の(略)「ウォォォォォォォォォォォッ!!!!!」ドドドドド…


    巨大カメムシ「」ガシッ!!







    ライナー(このまま投げ飛ばしてやる!!うおらぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!)


    鎧の(略)「ウォォォォォォォォォォォッ!!!」ブンッ!!








    巨大カメムシ「!!」ヒュゥゥゥゥゥ…









    巨大カメムシ「」ドシィィィィンッ!!!






    プッ…








    プ~~~~~~ン…








    ライナー(ふははははははっ!!そんなもの、今の俺には通用せんぞ!!)


    ライナー(喰らえ!!直線の軌道で襲い掛かる拳!!ライナーぱーーーんちっ!!!!)


    鎧の(略)「ウォォォォォォォォォォォッ!!!」ブォンッ!!








    巨大カメムシ「ギャァァァァァァァァァァァッ!!!」ドゴォォッ!!





    プゥゥゥゥゥ…





    ライナー(無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁぁぁぁぁ!!!)ドドドドドドド


    巨大カメムシ「ァァァァァァァッ!!!」ドゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!






    ライナー(とどめだぁぁぁぁぁぁっ!!!!)


    巨大カメムシ「」ブルブルブルブルブル……







    巨大カメムシ「」ブゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!!








    プ~~~~~~~~~~~~~~~~~ン…









    鎧の(略)「おうふ………」バタァァァァン!!

  66. 85 : : 2013/11/02(土) 23:38:15

    ライナー(ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!
         なんでうなじの中まで臭ぇんだよぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!)


    巨大カメムシ「」ドシンドシン…






    ライナー(…くっ…。意識が飛ぶ前に、カタを付ける…!!
         ライナぁぁぁぁぁぁぁっ!!じゃ~~~~~~~んぷっ!!!)


    鎧の(略)「ウォォォォォォォォォォォッ!!!」ピョ~~~~~ンッ


    巨大カメムシ「!?」









    ライナー(喰らえ悪党!!!ライナぁぁぁぁぁぁぁっ!!き~~~~~~~~~~~~っく!!!!!!)


    鎧の(略)「オォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!」ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!










    ドゴォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!










    パラパラ……









    巨大カメムシ「」チーン









    ライナー(…終わったな)

  67. 86 : : 2013/11/02(土) 23:40:19

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ドゴォォォォォォォォォォォォォンッ!!!









    ナナバ「なに!?ものすごい音がしたよ!?」


    グンタ「いやな予感しかしないなぁ…」


    アニ(やっぱりライナー、巨人化を…!?だったら、この二人をこのまま行かせるとまずいね…)






    ナナバ「ミケたちは大丈b……」ビシッ!


    ナナバ「」バタンッ!






    グンタ「ナナバ!?いったいどうs……」ビシッ!


    グンタ「」バタンッ!


    アニ「すいませんね…。少し、眠っててください…」








    鎧の(略)「ウォォォォォォォォォォォッ!!!」


    アニ「!!」








    アニ「この声は…!ライナー、あんたやっぱり…」ダッ!


    アニ「いた!!……って、洗濯バサミ…?」

  68. 87 : : 2013/11/02(土) 23:42:01

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ライナー「ふぅ、少しは臭いが薄れたかな…?」









    アニ「ライナー!」


    ライナー「おお、アニか。今、とてつもない害虫を駆除したところだ」


    アニ「このひどい臭いで大体察しはつくよ。それよりあんた、巨人化なんかして、
       見られたらどうするつもりだったのさ」


    ライナー「分隊長殿は、鼻が利きすぎてあの通りさ」


    ミケ「(゚∀゚)」チーン






    ライナー「お前のところの班員はどうした?」


    アニ「ちょっと眠らせた」キランッ


    ライナー「」ゾクッ…!

  69. 88 : : 2013/11/02(土) 23:44:19

    アニ「それよりあんた、この洗濯バサミは何?
       この間、女子寮でも干してある洗濯物ごと、洗濯バサミがなくなったんだけど」


    ライナー「え!?いや、洗濯バサミなんてどこにでもあるだろう…?」アセアセ


    アニ「色、形とも、女子寮のやつにそっくりなんだけど…?」


    ライナー「だ…!男子寮のもこんな色だぞ!?」ワタワタ




    アニ「おまけに、私のパンツまでなくなるし…」


    ライナー「え?あれ、お前のだったの?」


    アニ「」


    ライナー「」









    アニ「」ピキッ!


    ライナー「あっ…」











    アニ「辞世の句を聞こうか…」ゴキゴキッ…


    ライナー「ま、まて!!ほら、あれだ!!パンツの中にカメムシがいないかチェックしようとしてだな…!!」











    アニ「…あんたはカメムシ以下の害虫のようだね…。つまらない辞世の句だった」


    ライナー「あ……あぁ………」ガタガタ












    アニ「…消えなっ!!!!」ゲシィィィィィィッ!!!









    ドゴォォォッ!!!!









    ライナー「」ア~~~レ~~~……

















    キランッ☆

  70. 92 : : 2013/11/03(日) 14:30:59

    ~こんちゅうの森・オルオ、ジャン、サシャ班~


    ジャン「訓練兵のジャン・キルシュタインです」


    サシャ「サシャ・ブラウスです」


    オルオ「オルオ・ボザドだ。お前らも、あのバケモノと戦ったんだったな?」


    ジャン「はい」


    サシャ「私もです」


    オルオ「なら、言うまでもねぇが、油断は即、死を意味する。お前らも、目の当たりにしてるだろ?」


    ジャン&サシャ「…っ!!」







    オルオ「訓練兵は俺達調査兵団の管轄じゃねぇがな。とりあえず、お前らの命は保証してやる。
        ただ、万全ってことはあり得ねぇ。自分の身は自分で守りやがれよ」


    ジャン&サシャ「はいっ!」

  71. 93 : : 2013/11/03(日) 14:37:15

    オルオ「そんでもって、今回俺達が戦うであろう相手は、巨大な『蚊』だ。出発前に聞いたよな?」


    ジャン「ええ、そのように伺っていました」


    サシャ「ジャン、その水筒は何ですか?タオルなんか巻いて…?」


    ジャン「ああ、これか。ちょっとした、対策ってやつだな」


    サシャ「?」






    オルオ「知ってると思うが、蚊は血を吸うのはメスだけだ」


    サシャ「子育ての養分を摂取するためなんですよね。お父さんから教わりました」


    オルオ「血液ってのは、養分が豊富だからな。一度にそれほど吸わなくてもいいらしい。
        ただ、あれだけ馬鹿でかい蚊になると、そうもいかねぇかもしれんが…」


    ジャン「ゾッとしますね…」

  72. 94 : : 2013/11/03(日) 14:49:14

    プゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ…


    3人「!?」







    オルオ「この、身の毛もよだつような羽音は…」


    ジャン「ヤツですっ!!」






    巨大蚊「」プゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!!






    サシャ「でっ蚊ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!」


    オルオ「よよよよよよしお前ら、おちつkkkけけけけ、まずはあいt」ガリッ!ブシュッゥゥゥゥ!


    ジャン「オルオさんしっかりしてください!!」






    オルオ「」チーン






    ジャン「嘘だろ…。調査兵団の精鋭が、こんなところでくたばるなんて…」


    サシャ「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」ダダダダダッ!


    ジャン「サシャお前どこ行くんだっ!!
        俺を一人にするな!!!こっち来て俺を助けろくださいっ!!!!」

  73. 95 : : 2013/11/03(日) 14:52:13

    巨大蚊「」プゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ






    サシャ「こっちこないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!しかも速いぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」ダダダダダッ!


    ジャン「おい、逃げきれねぇぞ!!」






    プスッ


    サシャ「刺されたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
        痛いっ!!かゆいっ!!あれ、痛い!?いや、やっぱかゆいぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」バタバタッ!


    ジャン「落ち着けサシャ!!」ザッ!


    サシャ「ジャン助けてくださいぃぃぃ…。刺されました死んじゃいますよぉぉぉぉぉぉぉっ…」


    ジャン「死なねぇっつーの!よくみろ、腫れも大したことねぇだろ?
        やっぱデカくても、一回の吸血量は少ねぇみたいだ」


    サシャ「ううぅ…。でも痛いしかゆいですよぉ…」グスッ…


    ジャン「そのための…これだ!!」⊃水筒


    サシャ「さっきの水筒…?いったいどうするんですか?」

  74. 96 : : 2013/11/03(日) 14:59:12

    ジャン「これの中身を、こうして…」トポトポトポ…


    サシャ「水筒の中身をタオルに浸して…何をするんですか…?」


    ジャン「こうするのさ」ペチャッ


    サシャ「患部にタオルを…?…って熱っ!!!これお湯!?熱っ!!!!!!!
        何してくれとんじゃボケェェェェェェェェェェッ!!!!」ドゴッ!!


    ジャン「ひでぶっ!!!」ズザザザザァァァァァッ!!







    サシャ「うぇぇぇぇぇぇぇんっ!!あんまりですぅぅぅぅぅ!!蚊に刺されたうえに、熱湯タオルまで…!
        『馬面に蚊』とは、まさにこのことですぅぅぅぅぅ!」ウェェェンッ!!


    ジャン「それをいうなら『泣きっ面にハチ』だろうが!!最後の蚊はともかく、
        馬面って実質ダメージ0だろうがっ!!」


    サシャ「痛いですぅぅぅぅぅ!!かゆいですぅぅぅぅぅ!!熱いですぅぅぅぅぅ!!」ウェェェンッ!!


    ジャン「泣くなよ。患部を見て見ろ。ほんとにまだかゆいか?」


    サシャ「え…?」グスッ…


    ジャン「俺がさっきあてたのは、熱湯じゃねぇ。50度のお湯だ。
        50度のお湯は、蚊の毒素を消して、かゆみを取り除いてくれるんだぜ?」


    ジャン「事前に蚊が相手と聞いてたからな。こういう事態に備えて、準備してたというわけだ」ドヤァ






    サシャ「ドヤ顔のところ、大変言いにくいんですが…」


    ジャン「え?」







    サシャ「それ、ほぼデマみたいなもんなんですよね…」


    ジャン「え゛!?」







    サシャ「お湯が蚊の毒素を消せるという確かな確証はなくて、かゆみを感じなくなるのもただ単に
        お湯の熱さでかゆみを感じる感覚が鈍ってるだけらしいですよ…」


    ジャン「…」タラタラタラ…







    サシャ「おまけに、低温やけどの危険性があるから、やらないほうがいいと…。
        一時期ツイッ○ーで流行りましたけど、まさかジャンがそれらを鵜呑みにしているとは…」


    ジャン「…ゴメーヌ」ハハハ…







    サシャ「ひどいですっ!!!乙女の柔肌に傷をつけられた挙句、低温やけどだなんてっ!!!
        あんまりですよぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」ウェェェェェェェンッ!!!


    ジャン「いや、その…。マジで悪かったって…」オロオロ…

  75. 97 : : 2013/11/03(日) 15:03:47

    オルオ「これを使え」スクッ


    サシャ「オルオさん…。これは…?」


    オルオ「特製の軟膏だ。虫さされ、火傷、その他の肌のトラブルによく効く。
        こんなこともあろうかと、準備しておいたんだよ」


    オルオ(ほんとはペトラに使ってもらおうと思ったんだがな。
        訓練兵と言えど、ここで見殺しにするようなマネはできんさ。さすが、俺…!)


    サシャ「…ありがとうございますっ!!どこかの馬面とは大違いですねっ!!」ジロ…


    ジャン「…っ!!」






    オルオ「さーて?どこのどいつだろうなぁ…」ニヤァァァァァァッ!!!


    ジャン(あのブロッコリー野郎…!!!)ギギギギ…

  76. 98 : : 2013/11/03(日) 15:15:48

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    巨大蚊「」プゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ







    オルオ「やつめ、腹いっぱいになったのか知らんが、襲ってくる気配はないな」


    サシャ「しかし、うるさい羽音ですね。聞いてるだけで鳥肌が立ちます」


    ジャン「近付こうとしても、あの音がどうしても嫌でな…。どうにか音を掻き消せればいいんだが…」


    サシャ「簡単じゃないですか。ここにジャン馬がいますよ」


    ジャン「なんだよジャン馬って!?馬面ネタしつけぇぞお前!」


    サシャ「ジャンが大声でジャンジャン言いながら突撃すればいいんですよ」


    ジャン「そんなふざけた作戦があるかっ!!」






    サシャ「熱かったです…」グスッ…


    ジャン「」







    オルオ「もうなんでもいい、さっさと行って羽を斬り落として来い。別にお前が死んでも構わん」


    ジャン「最初に命の保証はしてやるって言ったじゃないですか!!」


    オルオ「自分の身は自分で守れ、とも言ったな」


    ジャン「うわっ、最低だこのブロッコリー!尊敬してた俺が馬鹿みてぇ!!」


    オルオ「んだとコラァ!?この頭のどこがブロッコリーだ!?
        どっからどう見ても、リヴァイ兵長のツーブロックと瓜二つだろうがよ!!」


    ジャン「笑わせんな!!リヴァイ兵長とは似ても似つかねぇだろうが!!
        それとも、その髪型流行ってんのか!?ツーブロックォリーってか!?」


    オルオ「よし、表出ろ。望み通りケンタウロスにしてやる。
        馬面を馬の体にくっつけることになっちまうが、問題はねぇだろう」


    サシャ「ちょっと、やめてくださいよ!」

  77. 99 : : 2013/11/03(日) 15:22:29

    巨大蚊「」プゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ


    3人「!!」






    ジャン「あぶねぇっ!!」バッ!!


    巨大蚊「」プゥゥゥ……







    オルオ「あの野郎、わざわざ俺達の近くを飛びやがって…。
        あの音マジで嫌いなんだよ…」


    サシャ「二人が喧嘩ばかりしているので、ここは私が行くしかありませんね…」


    ジャン「サシャ、お前…!!」


    サシャ「今こそ、コニーとの対人格闘で身に付けた格闘術を披露する時が来たようです!!」


    オルオ「あんな訓練で、何かが身に付くとは思えねぇが…?」


    サシャ「訓練だけでは編み出せません。訓練に加えて、先日のモスラとの戦闘、そして今回の
        巨大蚊との戦闘。すべてを糧として、ついに完成しました!!」


    サシャ「…蛾のように舞い、蚊のように刺す…。名付けて『獅子狼牙蛇龍拳』!!!!」


    ジャン「なんかスゲーいろんな生物混じってんだけど!?蛾なの!?蚊なの!?
        ライオン!?オオカミ!?蛇!?龍!?もはやキメラ!!」


    オルオ「蛾のように云々って、もはや元からだいぶ劣化してやがる…」

  78. 100 : : 2013/11/03(日) 15:28:05

    サシャ「…甘く見てはいけませんよ、この…えーと…、面倒なのでキメラ拳でいいです」


    ジャン「キメラに甘んじやがった。お前の頭はキメラっつーか、カオスだな」


    サシャ「巨大モスキート、覚悟するですっ!!カオスキメラ拳!!!」ダダダダダッ!


    オルオ「混沌と合成獣を混ぜたら、もはやこの世はおしまいだ…」













    ~一分後~


    サシャ「また刺されました…」グスッ…


    ジャン&オル「でしょうね」

  79. 101 : : 2013/11/03(日) 15:35:59

    ジャン「そろそろまじめにやりましょう…」


    オルオ「そうだな…」


    サシャ「少し遊びすぎましたね…」


    ジャン&オル「お前が一番だけどな」






    巨大蚊「」プゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!!


    3人「!!」







    ジャン「今度は向こうから来やがった!!」


    オルオ「自分から突っ込んでくるとは、馬鹿な奴め!!返り討ちにしてやる!!」シャキンッ!!


    サシャ「二回も刺してくれて、もうカンカンです。倍返しですっ!!」シャキンッ!!






    巨大蚊「」ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン…







    ジャン「は、速い!!こいつ、いきなり速度を上げやがった!!」


    オルオ「残像を残しつつ、高速で横移動…。肉眼でとらえられん!!」


    サシャ「…これは、残像拳!!コニーの村に伝わる、秘伝の技!!」


    ジャン「んなわけあるかっ!!何者なんだよコニーは!?」


    サシャ「…これを見破れるのは、コニーしかいませんっ!!ジャン、急いでコニーを!!」


    ジャン「馬鹿言うな、あいつは片腕折れてるんだ、戦場に連れてこれるかっ!!」

  80. 103 : : 2013/11/03(日) 15:41:25

    オルオ「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」ブンブンブンブン





    スカスカスカスカッ…





    オルオ「だめだ、かすりもしねぇ…」





    プスッ






    オルオ「うあぁぁぁっ!!後ろからやられたっ!!畜生っ、かゆいっ!!!」






    巨大蚊×6「」ブゥゥゥゥンッ…






    ジャン「クソっ、本物はどれだ…」


    サシャ「すべてが本物であり、偽物です!高速で移動してるので、実体が常に変化しています!」


    オルオ「それじゃ、手の打ちようがねぇな…!」






    プスッ






    ジャン「クッソ!今度はこっちか!!想像以上にかゆいっ!!」

  81. 104 : : 2013/11/03(日) 15:44:33


    サシャ「こんなことなら、コニーから見破り方を習っておけば……」フラァッ…





    サシャ「…っ!」バタンッ!!


    ジャン「サシャ!!どうした!?」


    サシャ「すいません、ちょっと貧血が…。少量とはいえ、二回目はちょっとキツいですね…」


    オルオ「このまま俺達、じわじわと刺され続けたら、いずれは全員、血を全部抜かれちまうぜ…」


    ジャン「マズいですね…」






    巨大蚊×6「」ブゥゥゥゥンッ…







    「お困りのようだな!!」


    3人「!?」








    コニー「呼ばれてないけどジャジャジャジャーンッ!!天才コニー様、参上だ!!」


    ジャン&サシャ「コニー!!」

  82. 105 : : 2013/11/03(日) 15:50:19

    オルオ「こいつが!?マルコメ君かと思ったぜ…」


    ジャン「お前、怪我はいいのか!?」


    コニー「よくねぇけど、お前らが心配でいてもたってもいられなくなったんだよ!
        俺の力が必要なんだろ!?」


    サシャ「ええ、そうなんです!あの蚊は、残像拳の伝承者でした!!
        どうか、奴の実体を見極めてください!!」


    ジャン「マジでやれるのかよ…?」


    コニー「任せろっ!!」

  83. 106 : : 2013/11/03(日) 15:54:53

    巨大蚊×6「」ブゥゥゥゥンッ…


    コニー「」ジーッ…


    3人「ゴクンッ…」








    巨大蚊×6「」ブゥゥゥゥンッ…


    コニー「」ジーッ…







    コニー「」ピコーンッ!








    コニー「ふっ…」スタスタ…


    ジャン「おいコニー、どこ行くんだよ!?」


    コニー「俺が五つ数えたら、一番右端の奴を斬れ…」


    サシャ「コニー、数字数えられるんですか!?」


    コニー「馬鹿にしすぎだろ!!自分である程度バカなのは認めるけど、数字くらいは数えられるわっ!!」


    オルオ「コニーとやら、お前を信じるぜ…」シャキンッ!!

  84. 107 : : 2013/11/03(日) 15:58:19

    コニー「いきますよ…。いち…」


    サシャ「ゴクンッ…!」








    コニー「に…」


    ジャン「いけるか…」








    コニー「さん…」


    オルオ「焦るな、俺…」








    コニー「よん…」


    巨大蚊×6「」ブゥゥゥゥンッ…













    コニー「…ごっ!!!!!」


    ジャン&サシャ「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」


    オルオ「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」ブゥゥゥゥンッ!!


    巨大蚊×6「!!」










    スカッ…

  85. 108 : : 2013/11/03(日) 16:02:30

    オルオ「なにっ!?」


    ジャン&サシャ「外したっ!?」


    コニー「…お見事です、先輩!」







    巨大 / 蚊×6「キィァァァァァァァァァァァッ!!!!!」ズバァァァァァァァッ!!!







    ジャン「時間差で、6体同時にっ!?」


    サシャ「攻撃が外れたはずでは!?」


    オルオ「いや、刃を振った瞬間は外れたと思ったが、後から手ごたえがあった」


    コニー「奴らの残像も、もとは一体。一匹仕留めれば、おのずと6体全部真っ二つってワケさ」


    サシャ「どうしましょう、今日のコニーがかっこよすぎます…」


    ジャン「まぁ、たまにはこういう日もあっていいかもな…」

  86. 109 : : 2013/11/03(日) 16:08:32

    オルオ「それより、サシャとやら、さっきの軟膏を俺達にも分けてくれないか?かゆくてたまらん」


    サシャ「あ、はい、どうぞ。ただ、これあまり効かないんですよね。まだずっとかゆいです」


    コニー「ん?蚊に刺されたのか?
        薬なら、よく効く薬草がこの森にいっぱい生えてるぞ?」


    ジャン「マジか!?」


    コニー「ここに来る途中に結構生えてた。拾ってきてくれるなら、作ってやれるけど?」


    ジャン「あれ?おかしいな?俺の知ってるコニーは、こんなにスペック万能じゃないはずだが…?」


    オルオ「これはアレだ、助っ人補正ってやつだ。普段役に立たん奴でも、助っ人としてなら活躍できるってアレだ…」


    サシャ「きっとこういう男の人がモテるんですよね。デマに踊らされてドヤ顔してる人なんかより」


    ジャン「それ、蚊の針より深く刺さる一撃だぞ、サシャ…」

  87. 111 : : 2013/11/03(日) 22:19:15


    ~ゴンジー村・エルド、ベルトルト班~


    エルド「なんだか、そこらじゅうが騒がしくなってきたな。みんな、ドンパチ始めやがったのか?」


    ベルトルト「そうかもしれませんね…」


    エルド「お前も、あのバケモノとやり合ったんだよな?どうだった?」


    ベルトルト「あ…っと、大したことはありませんでした。僕の手に負えるレベルの相手で助かりました」


    エルド「そうか、そいつは頼もしいな。俺の足はまだ本調子じゃないんでね、いざとなったらお前にお願いするよ」


    ベルトルト「あ……、はい…」


    エルド「もうちょい元気出せよ!辛気臭いツラしてると、女の子にモテないぜ?」


    ベルトルト「気を付けます…」









    エルド(こういうタイプの奴、苦手だぁ…。会話が続かないし、こいつが何考えてるのか分からん…)


    エルド(ミケ分隊長が警戒しろって言ってたけど、本当にこんな奴が、何かやらかそうってハラなのか?)

  88. 112 : : 2013/11/03(日) 22:22:17


    ベルトルト「あの…」


    エルド「どうした?」


    ベルトルト「あそこの樹なんですけど…」





    樹「」ズーン





    エルド「樹だな。周りの樹に比べて随分大きいが、それがどうかしたか?」


    ベルトルト「微かにですけど、動いているように見えませんか…?」


    エルド「樹が、か?」





    樹「」グラッ…





    エルド「ん?」ゴシゴシ


    エルド「」ジーッ…






    樹「」シーン






    エルド「いや、俺には動いているようには見えんが…?(最初、なんか揺れたように見えたけど…)」


    ベルトルト「そうですか。いや、僕の知っている昆虫で、樹に擬態する種類がいるので、もしかしたらと思って…」


    エルド「そういうなら、俺が見てこよう。多分、気のせいだと思うが…」


    ベルトルト「よろしくお願いします」

  89. 113 : : 2013/11/03(日) 22:32:04


    エルド(後輩の手前、ああは言ったが、やっぱり俺の目にも動いたように見えた。
        少しでも気になることは、ちゃんと確かめないとな)スタスタ




    樹「」ズーン


    エルド「やっぱり、ただの樹だよなぁ…」


    エルド(しかし、この樹だけ異様にデカいのは不自然だ。30メートルくらいあるんじゃないか?)







    ゴゴゴゴゴゴゴゴ…


    エルド「なんだ!?」







    ベルトルト「エルドさん、上ですっ!!!」


    エルド「上だと!?」バッ!!







    樹「オォォォォォォォォォォォォォッ!!」ゴォォォォォッ!!!







    エルド「樹が倒れてきたぁ!?」ダッ


    ベルトルト「走ってください!!」


    エルド「言われなくてもそうするってーの!!!」ダダダダダッ!









    ドォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!












    シュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

  90. 114 : : 2013/11/03(日) 22:38:26


    エルド「はぁ、はぁ、危なかったぜ…」


    ベルトルト「間一髪でしたね。ですが、やはりこいつは、ただの樹ではなかったようです…」


    エルド「何っ!?」バッ!!






    巨大ナナフシ「オォォォォォォォォォォォォォッ!!」ズゥゥゥゥゥゥゥゥン






    エルド「な、なんだこいつは!?こいつも昆虫なのか!?」


    ベルトルト「ナナフシです!木の枝や葉っぱに擬態する昆虫です!!
          しかし、樹そのものに擬態しているのは初めて見ました。これも、巨大化の影響かと…」


    エルド「よく喋るようになったじゃねぇか。戦闘では頼りになるみたいだな、ベルトルト!」


    ベルトルト「…っ!」

  91. 115 : : 2013/11/03(日) 22:41:23


    エルド「お前、あいつの生態には詳しいのか!?」


    ベルトルト「ええ、一応、子供のころから昆虫についての知識は、多少はあります!」


    エルド「そいつは助かる。まず、あいつは飛べるのか?飛行能力の有無で、こちらの出方も大幅に変わる」


    ベルトルト「飛べる種類と飛べない種類がいますが、奴は後者かと。何より、あの巨体では羽が生えていても
          自在に飛ぶのは不可能だと思います」


    エルド「体長30メートル、デカいというより長いな。お前みたいなやつだぜ」


    ベルトルト「…」


    エルド「超大型巨人は、あいつの倍のサイズってことか。想像してたのより、相当デカいんだな」


    ベルトルト「…っ!!」ギクッ!!

  92. 116 : : 2013/11/03(日) 22:45:04


    エルド「まぁ、奴が飛べないなら、脚だ。奴の脚を削いで、機動力を奪う。
        とりあえず狙いは、右側3本だ。図体がデカい分、動きが鈍いから、一気に決めようぜ!」


    ベルトルト「動きが鈍いなら、脚を削がなくても直接本体を狙っては…?」


    エルド「万が一ってことがあるからな。この間のバケモノゼミとの戦いで、油断は禁物だと
        改めて学んだ。巨人と違って分からないことだらけだから、なおさら、な」


    ベルトルト「そうですか。了解しました…」


    エルド「物分かりがよくて助かるぜ」





    ベルトルト「では、どちらかが後ろに回りましょうか?」


    エルド「俺が正面から攻める。お前は後ろから。
        先に真ん中の脚を削いだほうが勝ち、ってのはどうだ?」


    ベルトルト「勝ち負けを競うつもりはありませんが、作戦については了解です。では…!!」ダッ!!


    エルド「行っちまいやがった。相変わらずつれないねぇ」

  93. 117 : : 2013/11/03(日) 22:47:41

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ベルトルト「よし、この辺りからなら行けるか…」




    エルド「あいつ、準備できたみたいだな。よし、いくか!!」ダッ!!




    ベルトルト「エルドさんが出た!!僕も…!!」ダッ!!






    巨大ナナフシ「!?」


    エルド「気付くのが遅いぜっ!!!」ダダダダダッ!





    巨大ナナフシ「」オロオロ…


    エルド「鈍い!!もらったぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ザッ!!






    ズバァァァァァァァッ!!!


    脚「」ボトッ!






    巨大ナナフシ「アァァァァァァァァァァァッ!!!」


    エルド「へへっ、まずは1本!!」

  94. 118 : : 2013/11/03(日) 22:51:31


    ベルトルト「さすがは調査兵団の精鋭だ。よし、こっちも…」ダダダダダッ!


    ベルトルト「…ふっ!!」ダッ!!






    ズバァァァァァァァッ!!!


    脚「」ボトッ!







    巨大ナナフシ「キアァァァァァァァァァァァッ!!!」バタバタ


    ベルトルト「よし、2本目!!」








    エルド「あいつもうまくやったな!さて、最後の一本を…!!」





    巨大ナナフシ「」モコモコモコモコ…


    ベルトルト(あれ?エルドさんが斬り落とした部分が何か…?)

  95. 119 : : 2013/11/03(日) 22:54:53


    巨大ナナフシ「」モコモコモコモコ…




    巨大ナナフシ「」シャキーンッ!!





    ベルトルト「脚が再生した!?エルドさん、後ろです!!逃げてっ!!!」






    巨大ナナフシ「」ブォォォォォンッ!!!


    エルド「え!?しまったっ!!!」





    ドゴォォォッ!!






    エルド「ぐ…あぁっ!!!」ズザザザザァァァァァッ!!!


    ベルトルト「エルドさんっ!!」





    巨大ナナフシ「オォォォォォォォォォォォォォッ!!」モコモコモコモコ…





    ベルトルト「こっちの脚もか!!くっ…!!」ダッ!!


    エルド「ベルトルト…」


    ベルトルト「エルドさん、いったんここは退きましょう!!担いでいきます!!」ガシッ!!

  96. 120 : : 2013/11/03(日) 22:58:00

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ベルトルト「このくらい距離を取れば、とりあえずは大丈夫だな…」


    エルド「なんであいつの脚は再生してやがるんだ…?巨人が化けてやがるのか…?」


    ベルトルト「ナナフシは元々、敵に襲われた時の防衛手段として、自分の足を切断して
          逃走を図ろうとする習性があります…」


    エルド「トカゲの尻尾切りみたいなもんか…?」


    ベルトルト「ええ。そして、脱皮とともに切断した足が徐々に再生するんです。ですが、それは
          幼虫時での話。成虫のナナフシに、再生能力はありません…」


    エルド「要するに、あいつはバケモノだってことだな。さすが、『タイタニウム』っていうだけあるな。
        巨大化というより、巨人化に近いのかもな…」


    ベルトルト「…」

  97. 121 : : 2013/11/03(日) 23:02:48


    エルド「なんにせよ、再生されるんじゃ脚を斬りおとす意味はないな。本体を直接狙う…
        と、言いたいところだが、生憎俺は今、動けそうにねぇな…」イテテ…


    エルド「ベルトルト、お前一人でやれるか?あのデカブツを相手に…?」


    ベルトルト「少し、考える時間をいただいてもいいですか…?3分くらい…」


    エルド「40秒で考えろ…」


    ベルトルト「…」





    ベルトルト(あの巨体に対抗できる手段は、現時点で僕が思いつく方法はただ一つ。だが、
          当然エルドさんに見られるわけにはいかない…)


    ベルトルト(逆に、この場にエルドさんさえいなければ、他に誰も見ている人はいない…)

  98. 122 : : 2013/11/03(日) 23:06:54


    エルド「考えはまとまったか…?」


    ベルトルト「ええ…」


    エルド「…どうする?」


    ベルトルト「…少し、後ろを向いてもらっていいですか?」


    エルド「よくわからんが、こうか?」クルッ…


    ベルトルト「ありがとうございます…」






    ビシッ!


    エルド「うっ…!」バタッ…









    ベルトルト「…すみません。でもこれで、僕はあいつと戦えます」


    エルド「」

  99. 123 : : 2013/11/03(日) 23:13:32

    ベルトルト「さて、相手は30メートルか。全身を出す必要はないな。
          上半身を出して、あばらで地面に固定させて…。これでいこう…」




    巨大ナナフシ「オォォォォォォォォォォォォォッ!!」




    ベルトルト「君に恨みはないけれど、僕もここで死ぬわけにはいかないんだ。
          恨むなら、君達を巨大化させたハンジ分隊長を恨んでね」


    ベルトルト「」ガリッ!!






    カッッッッッッッッ!!!!






    超大型巨人(上半身)「ウオォォォォォォォォォォォォォッ!!!!」ドォォォンッ!!


    巨大ナナフシ「!?」

  100. 124 : : 2013/11/03(日) 23:16:48

    ベルトルト(よし、地面に固定されてて安定しているな。このサイズならこっちも30メートルくらいだし、
          相手は大した能力もない。負ける気はしないよ!!)



    巨大ナナフシ「」ズシンズシンズシン…




    ベルトルト(近付いてきたね。こちらは動けないから、好都合だ!)




    超大型(略)「」ブォォォォォンッ!!


    巨大ナナフシ「!?」ガシッ!!




    ベルトルト(ふふっ、捕まえたぞ。相手の腰に腕を回してしがみつく姿は、まさに『ベルト』!!
          見せてやろう、超大型巨人の超奥義!!)




    超大型(略)「ウォォォォォォォォォォォッ!!!」


    巨大ナナフシ「キヤァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」バタバタ

  101. 125 : : 2013/11/03(日) 23:20:35

    ベルトルト(喰らえ!!
          『ハイパーヒート・ウルトラデススチーム・グレイテストフレイム・ヴェノムヘルベルト』!!!!!!!!!!)


    巨大ナナフシ「厨二病乙」








    超大型(略)「オォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!」シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!


    巨大ナナフシ「キヤァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」バタバタ!!!








    ベルトルト(逃がさないよ!!このまま高熱の蒸気で仕留める!!)








    超大型(略)「オォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!」シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!


    巨大ナナフシ「キヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!」バタバタ!!!











    シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ………

  102. 126 : : 2013/11/03(日) 23:25:39

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    巨大ナナフシ「」




    ベルトルト「ふぅ、ちょっとやりすぎたかな?」バッ






    ガサッ!!






    ベルトルト「誰だ!?(マズい、見られたか!?)」






    「…あんた、その巨体で巨人化って、誰かに見られたらどうするの?」


    「まったくだ。しかもこの辺、暑すぎだろ。加減を誤ると怪しまれるぞ」





    ベルトルト「アニ、ライナー…」ホッ…


    アニ「ライナーのほうはともかく、こっちは巨人化する必要あったのかい?」


    ベルトルト「いやぁ、さすがに相手が大きすぎたからね。大きさに関して、僕が負けるわけにはいかないだろ?」


    ライナー「お前が巨人化してるのを見たときは、肝を冷やしたぞ。幸い、近くに誰もいなくて助かった」


    ベルトルト「二人の班員はどうしたの?」


    ライナー「ミケ分隊長とグンタさん、ナナバさんはまとめて寝かせてきた。
         そっちで伸びてるエルドさんも、一緒に置いてこようか」






    エルド「」

  103. 127 : : 2013/11/03(日) 23:28:35


    ライナー「それにしても、相変わらず派手な大技だったなぁ」


    ベルトルト「うん。僕の奥義、『クリムゾンファイナル・デスヘルヴェノムヴォルケーノ・スチームライジングサンベルト』だからね」


    ライナー「…そうか…。昔聞いた技名と微妙に違う気がするが、まぁいいか」


    ベルトルト「なんだよ、ライナーだって昔は『ライナーきっく』とか言ってたくせに」


    ライナー「む…!昔の話だろうが!!今はそんなふざけた技なんかない!!」アセアセ


    アニ「どーだか…」


    アニ(私が持つ、巨人を呼び寄せる技『有事だよ☆全員集合っ!!!』のほうが断然かっこいいしね…)







    ベルトルト「そもそも5年前だって、シガンシナの扉を破った僕の
          『キラーヘルブレイク・ウォールクラッシュ・デスドーハキック』の力があったからこそだろ!?」


    ライナー「何でもデスだのヘルだの付けるな、厨二臭いぞ。しかも、ドーハとか悲劇の技じゃないか!」


    アニ「あんたら、その辺にしときなよ…」

  104. 131 : : 2013/11/04(月) 15:23:31

    ~こんちゅうの森・ペトラ、マルコ、クリスタ、ユミル班~


    ペトラ「…~でね、それがまた傑作だったのよー」


    クリスタ「そうなんですかー」


    ユミル「はははははっ」


    キャッキャッ♪








    マルコ「…」


    マルコ(完全に僕だけハブられてる…。4人組に見せかけて、実は3人組+ぼっちっていう
        すごくいたたまれない構図だよ、これ…)










    女子三人「あははははっ♪」


    マルコ(…せめて少しくらい、僕のことを気にかけてくれてもいいじゃないかっ!!完全スルーかよっ!!
        ほんと辛いわー…。どんだけ影薄いんだよ、僕)

  105. 132 : : 2013/11/04(月) 15:30:55

    クリスタ「あ、そういえばマルコ、この間の訓練なんだけどさー…」


    マルコ「!!」ピキーンッ!!


    マルコ「何だいクリスタ!!僕なんかでよければ、何なりと聞いてくれ!!!」


    ユミル「さっきまでハブられてたからって、がっつきすぎだろ。引くわぁ…」ウワァ…


    マルコ「」






    ペトラ「ごめんね、仲間外れにしてたつもりはなかったんだけど、ちょっとこっちで盛り上がっちゃって」テヘッ


    ユミル「なんかお前と会話しても、話が合わなそうな気がしてなぁ…。悪く思うなよ?」


    マルコ「」スゥゥゥ…


    クリスタ「ちょっと、マルコから生気がどんどん抜けてるよっ!!」


    マルコ(いいんだよ。今ここで、生きているだけで…。この先、何が起こるか分からないんだから…
        巨人に体半分を食べられるかもしれないし、立体機動装置を奪われるかもしれないんだから…)


    ユミル「…今度は何か悟ったような顔してるぞ?」

    ペトラ「大丈夫かしら、この子…?」

  106. 133 : : 2013/11/04(月) 15:35:18


    ペトラ「それにしても、この森広いわねー」


    クリスタ「この間は6つに分けたうちの一つを探索したんですけど、それでも結構広かったです」


    ユミル「こんな森に隠れられたら、見つかるもんも見つかりませんよ」


    マルコ「そうでもないよ」


    クリスタ「え?」


    ペトラ「何か見つけたの?」


    マルコ「さっきから、僕らの周りで何かがうごめいています。周囲を複数で囲まれているかと…」


    クリスタ「複数って…」


    ユミル「おいおい、ハリガネムシは勘弁してくれよ…」











    ガサッ!!


    4人「!!」

  107. 134 : : 2013/11/04(月) 15:38:56

    ピョーンッ…








    ピョンピョンピョン…









    ペトラ「…今、なにか跳んでった?」


    ユミル「3、4匹はいましたね」


    クリスタ「向こうに行ったけど…。どうするの…?」


    マルコ「追いかけるしかないよ。僕が先頭を行く、3人は後ろをついてきて」


    ペトラ「さすが、こういう時に男子は頼りになるねぇ」


    ユミル「い、今だけは頼ってやってもいいぞ?感謝しな」アセアセ


    クリスタ「ユミル、意地張らないのっ!お願いね、マルコ」キラキラ…


    マルコ「うん(やべっ!これが天使の眼力か!!)」スタスタ

  108. 135 : : 2013/11/04(月) 15:43:25

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ユミル「と、言うわけで、」


    ペトラ「やって参りました」




    洞窟「」ドーンッ!




    クリスタ「中はどうなってるのかな…?」ソ~~ッ…


    コウモリ「キャキャッ」バサバサバサ!!


    クリスタ「きゃあぁぁぁぁぁぁっ!!!」ドサッ!!


    ユミル「クリスタ、大丈夫か!?おのれクソコウモリどもめ、根絶やしにしてやる!!」


    マルコ「ユミル、目的変わっちゃってるから。コウモリじゃなくて、謎の跳躍昆虫を探しに来たんでしょ」


    ユミル「チッ!命拾いしたな、コウモリ野郎が…」

  109. 136 : : 2013/11/04(月) 15:49:14

    ペトラ「さて、中に入るのはイイとして、真っ暗だよ…?」


    マルコ「ふむ。さすがにこんな闇の中を進むのは危険だな…。どうしようか…?」


    ペトラ「たいまつ」ハイッ


    クリスタ「レミーラ」ハイッ


    ユミル「壁に右手をつき、壁伝いに進む」ハイッ


    マルコ「ストップ。なぜ皆さんはド○クエ思考なの?ユミルに至っては、ただの洞窟抜けの定説だよね?
        何世代前の話してるの?」


    ペトラ「レミーラとか、ないわー。そんなのにMP使うくらいなら、それをホイミに回すし。
        第一、 Ⅱ以降はお払い箱じゃない」


    クリスタ「そんなことないですよっ!たいまつより視界広いし、トル○コのダンジョンとかでは
         まだ役に立ちますもんっ!!」


    ユミル「あのな、誰もが苦労したであろうロンダルキアの洞窟はな、右手を壁に付けて歩けば
        難なくクリアできるって開発者が言ってんだぞ!?」


    マルコ「ストーーーップ!!今の学生世代に伝わらないってそれ!!
        確かにロンダルキアは僕も苦労したけどっ!!!」


    ユミル「だろ?リメイク版じゃなくFC版でやるから鬼畜具合がさらに……

  110. 137 : : 2013/11/04(月) 15:54:54

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    マルコ「…それで、洞窟を照らす方法だけど」


    ユミル「しゃーねーな。おいマルコ、そこら辺から適当な樹を拾ってきな。松明を作ろう」


    マルコ「でも、火種なんか持ってないよ?」


    ユミル「ここに…」


    クリスタ「何それ?小さな棒と……ヤスリ?」


    ユミル「こっちの棒は、先っちょに硫黄やら松脂やらを混ぜたものを付けてある。
        こっちのヤスリみたいなのは、まぁ赤リンやらなにやらを塗ってある」


    ユミル「この二つをこすり合わせると…」シュッ!






    シュボッ!!






    ペトラ「火が付いた!!」


    マルコ「すごいね」


    クリスタ「火を自在に扱うなんて…。そばかすといい目つきといい、オレンジのテンガロンハットが似合いそうだね」


    マルコ「それじゃ、どこかの海賊王の息子みたいになっちまうよい」


    ユミル「やめろ、結構気にしてんだから!!」

  111. 138 : : 2013/11/04(月) 16:06:12

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ユミル「と、言うわけで、」


    ペトラ「洞窟内」


    クリスタ「松明だけでも十分明るいですね。ペトラさん、すみませんでした」


    ペトラ「分かってくれればいいの。でも、レミーラだって大切よ。MP残量に気を付けてね」


    マルコ(あれ?僕らって、今から魔王倒しに行くんだっけ?)





    ユミル「しかし、思ったより中は狭いな。正面と後ろから虫に挟み撃ちされたら、結構ヤバくないか?」


    マルコ「そうだね。でも、この狭さなら、2体以上が横に並べるようなスキマはないからね。
        前後同時に襲われても、虫との1対1で、2人いれば事足りるよ」


    ペトラ「お取込み中悪いんだけど…」


    クリスタ「なんか広いところに出ちゃった…」


    マル&ユミ「!?」





    開けた空間「」デーン

  112. 139 : : 2013/11/04(月) 16:10:17

    マルコ「うわぁ、こんなに広い場所があったなんて。もし、入り口がもう少し広ければ、
        この間の巨大昆虫が潜伏していてもおかしくないね」


    ユミル「さっき跳んでった奴なら、十分入れるサイズだけどな」


    ペトラ「天井は吹き抜けみたい。あまり大きくないけど、穴が開いてる」




    カラッ…


    4人「!?」





    マルコ「なんだ!?」


    ペトラ「なにかいるっ!!」


    クリスタ「…あっちにいるっ!!!」




    巨大ノミ×4「」ズーンッ…





    ユミル「ノミぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」


    マルコ「サイズは1メートルくらいだけど、それでも十分大きい!!」


    ペトラ「ちょっと待って、あいつらの後ろにあるのって…」


    クリスタ「…卵!?」


    マルコ「マズい、ノミは繁殖能力が非常に高い!放っておけば、数日で何百匹にも増殖してしまう!!」


    ユミル「ふざけんな!小せぇのですら相当手を焼くってのに、あんなのにウジャウジャたかられたら
        やってられねぇぞ!!」

  113. 140 : : 2013/11/04(月) 16:13:57

    ペトラ「とりあえず、4匹だけなら何とかなる!一人一匹、できる!?」


    クリスタ「え…」


    ユミル「よしマルコ、私らの分もくれてやる!お前が3匹だ、ありがたく思え!!」


    マルコ「えぇぇぇぇぇ!?こんなときだけ譲り合いの精神とかいらないよ!!」


    ペトラ「言ってる場合じゃないわ!!なにかするつもりよ!!」




    巨大ノミ×4「」ピョーーーーーンッ!!





    マルコ「高く跳び上がった!!なんで僕の相手はいつもこんなのばっかなんだ!!」


    クリスタ「天井辺りまで跳んだ…?」


    ユミル「吹き抜けから地上に出ちまったんじゃねぇか?降りてこないぞ?」






    ヒュゥゥゥゥゥ…


    4人「!!」






    ペトラ「落ちてきたっ!!!」


    ユミル「マズい、よけろっ!!」


    4人「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」








    ドォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!







    パラパラ……

  114. 141 : : 2013/11/04(月) 16:19:42

    マルコ「危なかった…。隕石が落ちてきたみたいだ…」


    クリスタ「落ちてきた場所、穴が開いてる…」


    ペトラ「さらに恐ろしいこと、言っていい…」


    ユミル「私も気づいてます…」






    ペト&ユミ「あと3匹落ちてくるっ!!!」


    マル&クリ「!!!!」





    ヒュゥゥゥゥゥ…





    ドォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!ドォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!ドォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!






    4人「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

  115. 142 : : 2013/11/04(月) 16:22:42

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ペトラ「みんな、大丈夫…?」


    ユミル「何とか…」


    クリスタ「…マルコ?」






    マルコ「」







    ユミル「おい、どうした!?」


    マルコ「…うぅ…」


    ペトラ「ちょっと、頭から血が!!」


    マルコ「ノミが…落ちてきたときに……、落下の衝撃で岩が飛んできました…。それが頭に…」


    クリスタ「…許せない…!!」ザッ

  116. 143 : : 2013/11/04(月) 16:26:59

    ユミル「おい、クリスタ!!何する気だ!?」


    クリスタ「私が4匹、全部倒すっ!!」


    ペトラ「ちょっと、無理よ!!」


    クリスタ「できます!!この間は、全然役に立てなくて、目の前で仲間を失いました!!
         もうそんな思いはしたくありませんっ!!!」





    巨大ノミ×4「」ピョーーーーーンッ!!





    ユミル「また跳びあがった!!」


    ペトラ「今度こそ下敷きにされるわよ!!早く、一旦通路まで下がって!!」





    クリスタ「」シャキッ!!





    ユミル「あいつめ…刃を構えやがった…」


    クリスタ(落下速度は、特別速いわけじゃない。落ちるだいぶ前から、姿をとらえることはできる。
         落ちてくる瞬間を、真っ二つにする!!)


    ペトラ「やめて!!危険すぎるっ!!」


    ユミル「こうなった時のあいつは、誰の言うことも聞きませんよ…」


    ペトラ「でも…!」


    ユミル「やらせてやりましょう…」

  117. 144 : : 2013/11/04(月) 16:30:37

    巨大ノミA「」ヒュゥゥゥゥゥ…





    ユミル「来たぞクリスタ!!気ぃ抜くなよ!!」


    クリスタ「分かってる!!」





    クリスタ(まだ…)


    巨大ノミA「」ヒュゥゥゥゥゥ…






    クリスタ(もう少し…)


    巨大ノミA「」ヒュゥゥゥゥゥ!!








    クリスタ(そろそろ。1、2の……)










    クリスタ「…さんっ!!!!」ジャキッ!!!






    ズバァァァァァァァッ!!






    巨大/ノミ「ピキィィィィィィィィィィッ!!!」











    ドサッ!!ドォォォォォォォンッ!!!

  118. 145 : : 2013/11/04(月) 16:33:19

    ペトラ「すごい…。落ちてきたノミを、そのまま一刀両断なんて…」


    ユミル「さすがだな…。天使というよりかは、戦いの女神さま、ってところか?」





    巨大ノミB、C、D「」ヒュゥゥゥゥゥ…





    ユミル「連続で次来たぞ!!行けるか?」


    クリスタ「任せて…」





    クリスタ(1、2の…)





    クリスタ「…さぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!」ジャキッ!!






    ズバァァァァァァァッ!!!ズバァァァァァァァッ!!!ズバァァァァァァァッ!!!






    ドォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!









    マルコ「すごいね…」

  119. 146 : : 2013/11/04(月) 16:35:40

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    巨大/ノミ×4「」シーン…





    ペトラ「とりあえず、ココに潜んでいたのはこいつらだけみたいね…」


    ユミル「クリスタ、お疲れさん」


    クリスタ「えへへっ。私だってやればできるんだよ?」


    マルコ「すごかったよ。そのうち、僕もクリスタに抜かれちゃうね?」


    クリスタ「そんなことないよ。私、頭悪いし。それよりマルコ、もう動いて大丈夫なの?」


    マルコ「傷は大したことなかったみたいだ。もう大丈夫だよ」


    ユミル「ケッ!我らが聖天使様に戦わせやがって。影が薄いだけじゃ飽き足らず、役立たずにまで成り下がりやがったな」


    マルコ「」


    ペトラ「やめて!!もうマルコのライフはゼロよ!!」

  120. 147 : : 2013/11/04(月) 16:40:11

    クリスタ「そうだ、卵!あれを早く何とかしないと!」







    卵「」シーン…







    ユミル「この間みたいに火炎放射器でもあればよかったんだがな。仕方ない…」チャッ…


    ペトラ「あ、さっきの『火を起こす棒』…」


    ユミル「これと、サシャの奴から強奪した食用油、こいつを卵にぶっかけて…」


    ペトラ「何でも持ってるのね…」





    卵「」アブラッ…
  121. 148 : : 2013/11/04(月) 16:43:11

    ユミル「さてと、皆様のご期待にお答えしますか…」パスッ…


    クリスタ「あ!テンガロンハット!!どこから持ってきたの?」


    ユミル「秘密だ…」スタスタ…


    マルコ「わざわざ距離を取って、何をする気だい?」


    ユミル「なーに、必殺技をな…」シュボッ


    ペトラ「え?ちょっと危なっ!!離れよっ!!」




    ユミル「行くぞ……火拳っ!!!!!」ポイッ!!






    シュッ…






    卵「」ボォォォォォォォォォォォォォォッ!!!









    ペトラ「うわっ、すごっ!!」


    クリスタ「よく燃えてるね~」


    マルコ「さすが、二番隊隊長の力だよい」


    ユミル「もっと褒めていいんだぜ?不死鳥の一番隊隊長さんよ?」


    クリスタ「今回はいろいろアウトな発言が多かったなぁ…」


    3人「お前もな!」

  122. 149 : : 2013/11/04(月) 16:47:07

    ~ゴンジー村~


    エルド「うっ…」


    ミケ「目が覚めたか?」


    エルド「ミケ分隊長…。ここは…?」


    ナナバ「村の中だよ。私達はみんな、ココで倒れてたんだ」


    グンタ「どういうことか分からんが、別々の班の4人が一か所にまとめられて寝かされてた」


    ナナバ「しかも、私達の残りの班員は…」


    エルド「あいつらか…」




    ミケ「お前は気絶する前の記憶はあるか…?」


    エルド「後ろを向けと言われたのは覚えているんですが…。そこから先は分かりません…」


    ナナバ「私達も、たぶん後ろからやられた。覚えてないから、確証はないけど」


    ミケ「俺に至っては何も分からない。どうやって気絶させられたのか、見当もつかないな」


    グンタ「きっと、想像を絶するような卑劣な手段を使ったんでしょう」


    ナナバ「許せないね…」


    ミケ「…ライナーといったな。何か証拠をつかんだら、覚えていろよ…!!」

    (※ライナーは何もしてません)

  123. 150 : : 2013/11/04(月) 16:51:21

    エルド「しかし、俺達が相手をしていた昆虫は、みな倒されているようですね…」



    巨大ナナフシ「」シーン…




    ミケ「俺の相手はどうなったか知らんが、とりあえず、あいつらは俺達に危害を加えるつもりではなかったようだな…」


    ナナバ「目的がさっぱり見えないね…」


    エルド「…とりあえず、今回は泳がせておいていいんじゃないですかね?」


    グンタ「…警戒は続けるが、危険視するほどでもないか」


    ナナバ「…調査兵団に入団するって言うなら、話は別だけど」


    ミケ「とりあえず、俺達はいったんハンジ達と合流しよう。リヴァイ達がどうなったのかも気になるしな」







    ドォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!


    一同「!?」







    エルド「なんだ、この音は!?」


    ナナバ「足音…!?」


    グンタ「おいおい、この間のコーカサスみたいな大物じゃないだろうな…」


    ミケ「…とにかく移動だ。少人数で対処できるような相手ではなさそうだしな」

  124. 151 : : 2013/11/04(月) 16:54:25

    ~ゴンジー村・ハンジ、アルミン班~


    ハンジ「ふぅ、とりあえず準備完了かな?」


    アルミン「とても興味深い構造でした」


    ハンジ「いやぁ、やっぱり君とはウマが合うみたいだね。帰ったら、いろいろと資料を見せてあげるよ」


    アルミン「ありがとうございます」

  125. 152 : : 2013/11/04(月) 16:55:02

    ハンジ「それにしても…」


    アルミン「?」


    ハンジ「今回の件で、つくづく人間が自分勝手な存在だと思い知ったよ。私のせいで無理やり巨大化させられた上に、
        危険だからと言って次々に討伐される。昆虫は何も悪くないのにね」


    アルミン「それは…」



    ハンジ「できることならそのままにしておきたいけど、放っておけば自然の生態系は崩れるし、
        壁内に入ってくれば巨人以上の脅威になる。私はこれでも、結構心を痛めているんだよ?」


    アルミン「心中お察しします…」




    ハンジ「戻ったら、昆虫達に深い謝意と敬意をもって、丁重に弔ってあげよう。
        私の罪が消えるわけじゃないけど、少しでも救われるような気がするから…」


    アルミン「…」




    ハンジ「ごめんね、暗い話になっちゃった…」


    アルミン「いえ。それより、出発前にゴンさんがおっしゃっていた、例の昆虫のことなんですが…」


    ハンジ「ああ、あれのことね…」
  126. 153 : : 2013/11/04(月) 16:58:06

    ~回想~


    ゴン『今も生き続けているという可能性は無きにしも非ずじゃ。もし生きていて、
        且つ巨大化して居ようものなら、とてつもない相手になると思うぞ…』


    ハンジ『それって、どんな姿なのさ…?』


    ゴン『…ああ、あれはじゃな、しいて言うなら《神虫》の姿じゃったな』


    ハンジ『しんちゅう?』


    ゴン『甲虫のような姿で、8本の脚を持ち、災厄・疫病を退散させると言われている伝説の虫じゃ。
       まぁ、わしらの村にいたのは、ただの突然変異で8本脚になっただけのカブトムシじゃが…』






    こんなの↓
    http://www.narahaku.go.jp/collection/v-1106-3.html
    実際には、こんなにグロくない。とりあえず脚8本のカブトムシで、ツノが5本生えてるということで


  127. 154 : : 2013/11/04(月) 17:00:40

    ハンジ『へぇ、そんなやつがいるの!?』


    ゴン『うむ。初めて見たときは、わしも大変驚いた。以来、そいつは村の守り神として、
       皆に丁重に扱われておったのじゃ。』


    ハンジ『コーカサスですらめちゃくちゃ手を焼いたのに、そんな奴まで相手にしなきゃなくなったら…』


    ゴン『できれば、殺さずにおいてほしいんじゃがなぁ…』


    ハンジ『私らだって、できることなら殺したくないけどね。ただ、虫達との意思の疎通を図ることはできない。
        生かしておくことで悪影響を及ぼすとしたら、残念だけど…』


    ゴン『そうじゃな…』
  128. 155 : : 2013/11/04(月) 17:04:31

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ハンジ「…とりあえず、人工降雨機を起動させたら、私達も探索に行こう。皆がどうなったかも気になるしね」


    アルミン「はい…」

  129. 156 : : 2013/11/04(月) 17:05:05

    ~訓練兵団施設・営庭~


    ジャン「ふぅ、えらい目にあったぜ…」


    サシャ「でも、コニーの作った薬草、効き目ばっちりですね。もうかゆみはなくなりました」


    オルオ「でかしたぜ、マルコメ君よ」


    コニー「いやぁ、それほどでも」ヘヘッ


    マルコ「みんな、戻って来たみたいだね」


    ジャン「おう、マルコ。お前らも終わったか」


    マルコ「いやぁ、僕だけ全然役に立たなかったよ。女子と言えど、やっぱり兵士ってのは頼もしいね」


    ジャン「何があったんだ?」




    マルコ「」サァァァ…




    サシャ「マルコが砂に!?」


    コニー「おい、しっかりしろっ!!」


    オルオ「相当辛い思いをしたみたいだな…」

  130. 157 : : 2013/11/04(月) 17:09:06

    エルヴィン「皆戻ったようだな」


    キース「よくぞ任務を成し遂げた。女性兵たちは中で休んでおる。貴様らも休め」


    一同「はっ!!」




    ブゥゥゥゥンッ…


    一同「!?」




    巨大アブ「」アブブブブブブブブブーン…






    キース「ここにも巨大昆虫が!?」


    ジャン「まだいやがったのか!?」


    サシャ「アブですよアブ!!あいつに喰われると地味に痛いんですよ!!」


    コニー「俺なんか頭を何度喰われたことか!!」


    オルオ「ちっ!もう一仕事か!!」

  131. 158 : : 2013/11/04(月) 17:12:27

    エルヴィン「いや、ここは私がやろう」チャキ


    キース「エルヴィン!?」


    エルヴィン「少々、体を動かしたいと思っていたところでして。ろくに戦闘描写がないせいで、
          ザコ扱いされるのもしゃくなので…」


    キース「そうか。では、訓練兵諸君は下がっておれ。ボザド、貴様もだ」
  132. 159 : : 2013/11/04(月) 17:13:17


    エルヴィン「さぁ、来い…」


    巨大アブ「」アブブブブブブブブブブブブーン…






    キース「来たぞエルヴィン!!」


    エルヴィン「はぁぁぁぁ…」シャキンッ!!






    エルヴィン「はぁっ!!!!!!」






    ズバァァァァァァァッ!!!






    巨大/アブ「」ドサァッ!!









    ジャン「すげぇ!!一瞬でやっつけたぞ!!」


    マルコ「これが、調査兵団団長の実力…」

  133. 160 : : 2013/11/04(月) 17:15:41

    エルヴィン「」パサッ…


    キース「あ…」


    エルヴィン「どうしました、キース教官?」


    ジャン&マル「あ…」


    コニ&サシャ「うそ…」


    オルオ「やっぱりか…」





    エルヴィン「いったいどうしたというのだ?私に何かついているか?」


    オルオ「いや、付いているというか、付いていたのが取れたというか…」


    キース「5年で10割とはいかなくても、結構駆逐されたようだな…」


    エルヴィン「え…?」サスサス…
















    エルヴィン「あっ…」サァァァァァッ…

  134. 163 : : 2013/11/04(月) 18:46:04

    ~ゴンジー村・リヴァイ、エレン、ミカサ班~


    エレン「…」


    ミカサ「…」


    リヴァイ「…」





    エレン(やっべぇぇぇぇぇぇ!!いったい何を話したらいいんだ!?すげぇ空気が重苦しい…)


    エレン(ミカサ!!なんか話題ないか!?…って、こいつに期待しても意味ないか…)チラッ…


    リヴァイ「…おい」


    エレ&ミカ「!?」
  135. 164 : : 2013/11/04(月) 18:50:07

    リヴァイ「あのアルミンとかいうやつは、お前らの馴染みらしいな」


    エレン「ええ、ずっと昔からの幼馴染です」


    リヴァイ「そうか…」


    エレン「…」


    ミカサ「…何が言いたいのですか?」


    リヴァイ「あいつは調査兵団希望と聞いたが、お前らも調査兵団希望なのか?」


    エレン「はい!オレは調査兵団に入って、この世から巨人を全て駆逐します!!」





    リヴァイ「そっちの女はどうする?」


    ミカサ「…エレンとアルミンが行くのなら、私も調査兵団に入ります」


    リヴァイ「…そうか。安心した」


    エレン「?」


    リヴァイ「ミカサと言ったか?今季の暫定主席は。数十年に一度の逸材と聞いた。
         馴染みということなら、アルミンにくっついて調査兵団に入るんじゃねぇかと思ってな」


    リヴァイ「優秀な奴ほど憲兵団に入っちまうのが習わしだが、今年は期待していいな。
         アルミンとともに期待しているぞ、ミカサ」


    ミカサ「ありがとうございます…」









    エレン(オレは?)グスン…

  136. 165 : : 2013/11/04(月) 18:52:44

    ドォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!


    エレ&ミカ「!?」








    リヴァイ「…構えろ。何かが近付いてきてやがる」チャキ…


    エレン「足音からして、すごいサイズですね!」チャキ…


    ミカサ「もしかして、例の『神虫』…?」チャキ…


    リヴァイ「あり得なくはない。もしそうなら、正直言って勝てる見込みはかなり薄い…」


    エレン「え!?」




    リヴァイ「この間も、馬鹿でかいカブトムシとやりあったが、その時はいろんな奴の助けを借りた。
         刃も砲弾も通じない。特殊な武器と兵器でやっと、という感じだな」


    エレン「そんな…」
  137. 166 : : 2013/11/04(月) 18:55:13

    ミカサ「その武器と兵器は、今回持ち込んでいないのですか?」


    リヴァイ「武器のほうは壊れ、製造も容易ではないらしい。兵器のほうは、ある程度人数がないと運べん…」


    エレン「でも、神虫がいるのは事前に分かっていたことじゃないですか!!」


    リヴァイ「夜間に、大人数で壁外を移動することはできない。それに、この村に、兵器を仕掛けられる場所は存在しない」


    エレン「そんな…」


    ミカサ「では、どうやって…」


    リヴァイ「…あまりやりたくはねぇが、一つだけ、手段を考えている。成功率は……まぁ、高くはねぇな」


    エレ&ミカ「…」






    リヴァイ「とりあえず、むやみな戦闘は避けろ。俺の指示に従え。いいな?」


    エレ&ミカ「はい!」

  138. 167 : : 2013/11/04(月) 18:58:37

    ドォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!





    リヴァイ「だいぶ近付いてきたな…」


    エレン「!!」


    ミカサ「あそこに!!」









    神虫「ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!」ズゥゥゥゥゥゥゥゥン!!








    エレン「8本脚、5本ヅノ、ありえねぇ姿だ!!!」


    ミカサ「あれが、神虫…」


    リヴァイ「そんなおとぎ話のバケモノじゃねぇ。あいつはただの、突然変異のカブトムシだ」


    エレン「待ってください!!後ろで誰か、倒れています!!」


    リヴァイ「何だと…!?」






    神虫「ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!」


    ナナバ「」


    エルド「」


    グンタ「」








    リヴァイ「あいつら…!!」
  139. 168 : : 2013/11/04(月) 19:02:08

    ミカサ「他には!?アニ達は、一緒の班だったはず!!」

    ミケ「そいつらなら、どこかへ行ってしまった」

    リヴァイ「ミケ…!お前は無事か…」

    ミケ「ああ。こちらへ向かってくるあいつを仕留めようとみんなでかかったが、返り討ちにあった。
       案の定、刃も通じない。お手上げだな」



    ミカサ「それより、アニ達がどこかへ行ってしまったというのは、どういうことですか?」

    ミケ「さぁな。俺達もワケあって気を失っていた。目を覚ました頃には、3人ともいなかった」



    エレン「分隊長達を置いて、どこに行ったって言うんだ、あいつら…」
  140. 169 : : 2013/11/04(月) 19:06:32

    リヴァイ「今はそんなことはどうでもいい。あいつを仕留めるための作戦を実行する。
         ミケ、協力してもらうぞ」

    ミケ「了解だ。だが、まずはあの3人を回収しないとな。いつまでも、ケガしたまま放っておけんだろ」


    リヴァイ「それも織り込み済みの作戦だ。俺とミケで、奴を3人から遠ざける。
         エレン、ミカサ、頃合いを見てあいつらを安全な場所に運べ」

    エレ&ミカ「はい!」



    リヴァイ「終わったら、もう一度俺達と合流しろ。続きはその時に説明する。任せたぞ…」ダッ

    ミケ「こっちだ、バケモノ…」ダッ



    神虫「ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!」ドシンドシン…




    ミカサ「エレン、私達も!」ダッ

    エレン「おう!!」ダッ
  141. 170 : : 2013/11/04(月) 19:09:57

    ~~~~~~~~

    ミケ「リヴァイ、どうする?この間の武器はないんだろ?ハンジ達と合流するのか?」

    リヴァイ「いや。ヘタにこいつを近づけて、人工降雨機を破壊されても面倒だ。
         こいつをこのまま、村の外に連れ出す」

    ミケ「村の外に?だが、外に出れば巨人が襲ってくるぞ」


    リヴァイ「俺達ではこいつを倒せん。だが、巨人どもに群がらせれば、いくらこいつとてタダでは済まん」

    ミケ「分かっているとは思うが、巨人は人間以外の生物には興味を示さない。どうやって巨人を…?」



    リヴァイ「…要は、人間がいればいいんだろ?」



    ミケ「…おいおい、正気か、リヴァイ!?」




    リヴァイ「村の外に出たら、できるだけ巨人を集める。そして、俺があのバケモノの背に飛び移る。
         そうすれば、巨人どもは俺を目指して、嫌でもヤツに群がるというわけだ…」


    ミケ「相当な賭けだな。リスクも大きい。万が一、お前を失うようなことになれば、人類は大損害だ。
       そういうことなら、俺がやるべきだろう」


    リヴァイ「嫌な仕事を部下に押し付ける上司ってのは、ゲスの極みだ。訓練兵なんぞにやらせられることでもねぇしな。
         それに、俺がこんなのでくたばるとでも思ってるのか?」




    ミケ「…まったく、お前というやつは…。上司の鑑だよ」

    リヴァイ「そういうことだ。昆虫というのは、高温にも弱い。高熱を持つ巨人が束になって囲めば、
         いくら奴でも生きながらえることはできないはずだ。まぁ、ハンジの受け売りだがな…」

    ミケ「…十分、希望が持てる作戦だ。全力で協力させてもらうぞ、リヴァイ兵士長殿」





    神虫「ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!」ドシンドシン…
  142. 171 : : 2013/11/04(月) 19:12:02

    ~~~~~~~~

    エレン「しっかりしてください、エルドさん、グンタさん!」



    エルド「…うぅ…」



    グンタ「…まったく…情けねぇなぁ…」




    ミカサ「ナナバさんっ!」



    ナナバ「…最近、やられてばっかりだね、私…」





    エレン「とりあえず、安全な所へ運びます!じっとしていてください!!」

    エルド「…いや、自分で動ける。大丈夫だ…」

    グンタ「…俺のほうも、心配には及ばない。それよりお前ら、早く兵長達と合流しないとな…」

    エレン「…はい…!」




    ナナバ「…私らのことはいいから、早く兵長達を助けてあげて…」

    ミカサ「…分かりました…」




    グンタ「…くれぐれも、足を引っ張るんじゃねぇぞ!」

    エルド「…期待してるぜ、調査兵団の、未来のホープ共!!」

    エレ&ミカ「はいっ!!」
  143. 172 : : 2013/11/04(月) 19:14:40

    ~~~~~~~~

    ライナー「…ちょっと目を離した隙に、エライことになってるな…」

    ベルトルト「…話には聞いてたけど、想像以上の怪物だね、あれは…」

    アニ「…帰っていい…?」




    ライナー「とりあえず、エルドさん達に合流しないか?このまま姿をくらましてると、いい加減怪しまれそうだ」

    ベルトルト「突っ込まれたら、なんて言い訳するの…?」

    ライナー「とりあえず、虫が襲ってきて戦ってました、みたいに言っとけ。
         お前らが直接気絶させたところは見られてないんだろ?」



    アニ「…とりあえず、言い訳は任せるよ…」
  144. 173 : : 2013/11/04(月) 19:19:16

    ~~~~~~~~

    エレン「リヴァイ兵長!!」

    リヴァイ「…エレンか。よく追いついたな」

    エレン「思ったより、動きは早くないですね、あいつ」



    神虫「」ドシンドシン…




    リヴァイ「そのようだな。もしくは、手を抜いてやがるのかもしれないが…」

    ミケ「とりあえず、説明が先だろう、リヴァイ」

    リヴァイ「そうだな」



    ~説明中~




    エレン「そんな、兵長が!?」

    ミカサ「…さすがに危険すぎるのではないですか…?」


    リヴァイ「じゃあ、お前らがやるのか?残念だが、卒業もしていない訓練兵に任せられるほど、軟な任務じゃない」

    エレ&ミカ「…」
  145. 174 : : 2013/11/04(月) 19:22:25

    リヴァイ「それに、お前らにはもっと大事な任務がある。馬を使い、外の巨人を集めて来い。
         これはこれで、なかなかやりがいがあるとは思うがな」

    ミケ「おい、それは聞いてないぞ!いくらなんでも危険すぎだ!!」




    エレン「…やります…!」

    ミカサ「…私もやります…」




    ミケ「お前達!!もしかして、ただ馬に乗って走ればいいと思っているんじゃないだろうな!?
       極力戦闘を避けているはずの壁外での移動ですら、毎回犠牲者は少なくはないんだ!!」

    エレン「…でも、誰かがやらないといけないんですよね…?」

    ミケ「…っ!」




    リヴァイ「その通りだ。話が早くて助かる」

    エレン「…どの道、こんなことで死ぬようじゃ、巨人を駆逐なんてできるはずがない!
        俺はこの任務をやり遂げ、必ず調査兵団に入団しますっ!!」




    ミケ「…覚悟は本物というわけか…」

    リヴァイ「諦めろ、お前の負けだ、ミケ」




    ミカサ「…では、私達は今から行きます。エレン、行こう。馬は村の入り口につないでいる」






    ???「その話、俺達も乗った!!」

    一同「!?」
  146. 175 : : 2013/11/04(月) 19:24:56

    エルド「水臭いじゃねぇか。訓練兵だけでそんな危険なことするつもりか?」

    ナナバ「私達が信用されて無いみたいで、なんだか心外だね」

    グンタ「まったくだ。と、言うわけで兵長、勝手ながら、俺達も作戦に参加させてもらいます」

    エレン「みなさんっ!!もう大丈夫なんですか!?」

    リヴァイ「お前ら…」




    エルド「ほんとは最後まで休んでようかと思ったんだけどな。それをこいつらが許してくれなかったってわけさ」

    エレン「…こいつら…?」
  147. 176 : : 2013/11/04(月) 19:27:36

    ライナー「よう、エレン、ミカサ。なんか久しぶりだな」

    ベルトルト「村に着いてからはずっと離れ離れだったもんね」

    アニ「…」




    ミカサ「…あなたたちも一緒に…?」

    ライナー「全員でやれば、効率もいいし、多少なりとも危険は減るだろ?」

    エルド「一人でやるよりはマシだろ?」




    リヴァイ「…お前達…」

    一同「!!」





    リヴァイ「…誰一人、死ぬことは許さん。命令だ」

    一同「はっ!!」




    リヴァイ「行くぞ、ミケ。俺達はこっちだ…」

    ミケ「ああ…」





    神虫「」ドシンドシン…
  148. 177 : : 2013/11/04(月) 19:30:54

    ナナバ「さて、とりあえず3つくらいの組に分けよう。どう分ける?
        理想は、訓練兵に私達が付く形だけど…」

    ライナー「いえ、俺、ベルトルト、アニで組ませてください。訓練兵同士、お互い気心が知れています。
         かといって、エレンとミカサの間に割って入るのは無理そうなので…」


    ナナバ「…まぁ、私らと組むよりはうまく連携が取れるってことかな?なら、そこはその3人で」

    エルド「となれば、エレンとミカサも確定か。ここには俺が入ろう。残りはナナバとグンタの2人でいいか?」

    グンタ「問題ない」

    ナナバ「了解だよ」



    エルド「一つだけ注意事項だ。全員、無茶はするな。作戦より、自分の命を優先しろ。
        巨人を集められなかったからと言って、作戦に重大な障害が発生する、ということはないからな」

    訓練兵一同「はいっ!!」




    グンタ「お前らはこんなところで死ぬような器じゃない。将来の調査兵団を背負って立つ人間だ。
        あ、そっちの3人は違うんだったか?」

    ナナバ「何だっていいよ、今は。気が変わったら、うちにおいで」

    アニ「…熟慮しておきます…」




    エルド「さて、俺達もそろそろ始めよう!!行くぞ!!」
  149. 178 : : 2013/11/04(月) 19:42:36

    ~ハンジ・アルミン班~

    ハンジ「なんだか向こうが騒がしくなってきたね」

    アルミン「そのようですね」




    人工降雨機「」ゴゴゴゴゴゴゴゴ




    ハンジ「これで起動完了。あとは、少しすれば塵を大気に打ち出すよ。
        さて、私達も向こうに行こうか」

    アルミン「はい」



    ハンジ「この雨が、全てに決着をつけ、洗い流してくれる」



    アルミン「雨に始まり、雨に終わる、ということですね」



    ハンジ「…そうだね…」




    アルミン「…」
  150. 179 : : 2013/11/04(月) 19:44:57

    ~村の外・グンタ、ナナバ班~

    グンタ「クソッ!普段は勝手に来るくせに、いざ探すとなるとなかなかいねぇもんだな!!」

    ナナバ「ほんとだね。意外といないもんだね。土のせいで、村の近くにはいないのかも!!」

    グンタ「まいったな。あまり村から離れると、移動距離が延びてリスクが高くなる。
        できれば、この辺一帯で集めたいんだが…」




    ドドドドドドド……

    グン&ナナ「!?」





    ナナバ「足音!?」

    グンタ「巨人か!?なんだって、いきなりこんな多数で!?」
  151. 180 : : 2013/11/04(月) 19:48:16

    ~村の外・ライナー、ベルトルト、アニ班~

    ライナー「この辺まで来ればいいだろう。要は、巨人を集めて、兵長に群がらせればいいんだろ?」

    ベルトルト「そのまま、兵長ごとやっつけてもらえばいいんだけどね…」

    ライナー「まぁ、みすみす喰われるような人じゃないだろう。人類最強を謳っている人だ。
         そう簡単にはくたばらんさ」



    アニ「…この作戦を成功させていいのかい?
       あいつらが追いつめられるほど、尻尾を出して巨人化する可能性が高いんじゃないの?」

    ライナー「それについてだがな、やはり可能性は薄いと見た。仮にエレンやミカサが巨人化能力者だとして、
         それを隠す理由がない。むしろ、巨人への強力な対抗手段として利用しているはずだ」

    ベルトルト「何かワケありっていう線はないの?僕らみたいな…」


    ライナー「ないわけじゃないが、そうだとしてもどっちみち、ここでは巨人化しないだろう。
         人の目が多すぎるから、隠し通せないだろう」

    ベルトルト「じゃあ、壁内に残った訓練兵の誰かか、もしくは、まったくの第三者が…」



    ライナー「先日現れたという、謎の巨人の正体ということになるな」
  152. 181 : : 2013/11/04(月) 19:50:43

    アニ「…もう、監視も考えるのもめんどくさい。私は犯人探しからは降りるよ。あんた達だけでやって」

    ライナー「そうだな。極力お前に負担をかけないようにするよ」

    ベルトルト「と、言いつつ、今から早速かけちゃうけど…」




    アニ「…はぁ…」




    ライナー「すまないな。ここであいつらを全員始末するのは簡単だが、俺達だけ壁内に帰れば、
         かえってみんなの注目を浴びて、今後の行動に支障が出る」

    ライナー「とりあえず、今回は作戦を成功させて、一緒に壁内に帰るのが最善策のようだ。分かってくれ」



    アニ「…あんまりこの力を使いたくないんだけどね…」

    ライナー「すまないな」

    ベルトルト「気を付けてね、アニ…」

    アニ「…」






    ガリッ…!
  153. 182 : : 2013/11/04(月) 19:54:19

    ~村の外・エルド、エレン、ミカサ班~

    ドドドドドドドドドドドドド…






    エレン「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!大量の巨人がぁぁぁぁぁぁっ!!!」

    エルド「これだけの数、どっから湧いて出やがった!?」

    ミカサ「…右後方から、誰か来ます!」




    グンタ「おーい、エルドー!!」

    エルド「グンタ!!それに、ナナバ!!どうしたんだ!?」


    グンタ「全然巨人がいねぇと思ってたんだが、突然大量に湧き出した!!
        全力で逃げてる最中だ!!」

    ナナバ「とりあえず、このままいけば村にたどり着けるね。兵長達は準備できてるかな?」


    エルド「戻ってみないとわからんな。それに、見ろ。巨人集団の先頭の奴を…」

    エレン「先頭の奴…?」






    ミカサ「…遠目でよく分かりませんが……女性の姿をしているような…?」

    グンタ「へぇ、女の巨人ってのは、実在したのか。ピクシス司令が喜ぶぜ!」

    ナナバ「ふざけてる場合じゃないよ!馬も疲れてきてる!急がないと!!」


    エルド「あの女巨人が、大量の巨人を引き連れてきたのか?」

    グンタ「分からん。とりあえず、作戦に利用できるものは、利用してやろうじゃないか」






    ドドドドドドドドドドドドド…
  154. 183 : : 2013/11/04(月) 19:56:30

    ~ゴンジー村・リヴァイ、ミケ班~

    神虫「」ドシンドシン…





    リヴァイ「ようやく、村の入り口まで誘い出せたな。見かけどおりの鈍ガメ野郎で苦労するな…」

    ミケ「まったくだ。動きは余程遅い部類らしい」

    リヴァイ「…さて、あいつらもうまく事を運んでくれたようだ…」



    ミケ「…!!」スンスン





    ミケ「…想像以上の数だ。あいつら、みんな無事なんだろうな…」

    リヴァイ「…戻ってきたようだ…。だが、5人か…?」
  155. 184 : : 2013/11/04(月) 20:01:01

    ~~~~~~~~

    エルド「兵長、巨人を集めてきました!!」

    リヴァイ「よし、一旦村に入れ。巨人どもは入ってこないはずだ」

    エルド「みんな、急いで村に入れ!!」




    グンタ「だぁぁぁぁぁぁっ!!!!死ぬかと思ったぁぁぁぁぁ!!」

    ナナバ「間一髪だったね…」



    リヴァイ「エレン、ミカサ。残りの奴らはどうした?」

    エレン「それが、俺達も見ていません。無事だとは思いますが…」

    リヴァイ「…そうか。まぁいい、とりあえず今は作戦を遂行する。
         お前らは万が一に備えて、村の入り口で待機していろ」パシュッ



    サクッ



    神虫「!?」



    リヴァイ「鎧の継ぎ目は、同じようにアンカーが刺さるな」ヒュゥゥゥゥゥン



    神虫「」スタッ




    エレン「神虫の上に兵長が乗った!!」

    リヴァイ「ミケ、村の外まであと数メートル、最後までこいつの誘い出しを頼む」

    ミケ「…了解した…」ダッ







    ドシンドシン…
  156. 185 : : 2013/11/04(月) 20:04:39

    エルド「兵長が乗っても、特に暴れる様子はないな…」

    グンタ「あれだけの体高があれば、巨人は簡単には兵長に届かないだろうが…。
        どうやって兵長は、あそこから離脱する気なんだろうな…?」

    ナナバ「さぁね。何か考えがあるんだよ、きっと。それより…」





    巨人軍団「」ドドドドドドドドドドドドド…





    ナナバ「さっきの女巨人、いつの間にかいなくなっちゃってるよ」

    エルド「本当だ。せっかく、何か新しい発見があるかと思ったのによ…」

    グンタ「何より、ハンジ分隊長が黙ってないだろう」




    ハンジ「呼んだ?」ヒョコッ

    一同「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
  157. 186 : : 2013/11/04(月) 20:07:27

    ハンジ「驚きすぎでしょ。雨を降らせる準備が終わったからこっち来たけど、私の出る幕はなさそうだね」

    アルミン「そのようですね」

    エレ&ミカ「アルミンっ!」



    アルミン「久しぶり。二人とも無事で安心したよ。ライナー達は?」

    エレン「…それが…」

    アルミン「?」




    ミカサ「…大丈夫。3人とも、きっと無事。アルミンは、何も心配しなくていい」

    アルミン「そう、それならよかった…」
  158. 187 : : 2013/11/04(月) 20:08:09

    ~~~~~~~~

    神虫「ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!」ドシンドシン…





    ミケ「リヴァイ!!すまんが俺はここまでだ!!巨人どもが迫ってきている!!」

    リヴァイ「…あとは任せろ…」

    ミケ「…健闘を祈る…」ダッ!





    巨人軍団「」ドドドドドドドドドドドドド…





    リヴァイ「さぁ来い。俺が喰いたければ、ここへ群がれ…」

    巨人軍団「アァァァァァァァァァ…」ワラワラ…





    神虫「ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!」ジタバタ



    ドゴッ!!ザシュッ!!ドォォォォォォォンッ!!!!





    リヴァイ「チッ…!さすがにおとなしくはしてねぇか…」グラッ…





    エレン「兵長!!落ちるっ!!」ダッ!!

    ミカサ「エレン、行ってはダメ!ここにいないと、巨人の餌食になってしまう!!」ガッ!!

    エレン「でもよ…!」

    エルド「少しは兵長を信じろ…!」

    エレン「…っ!」
  159. 188 : : 2013/11/04(月) 20:11:34

    神虫「ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!」



    巨人「アァァァァァァァァァ…」シュゥゥゥゥゥゥ……




    ナナバ「…バケモノのほうも黙ってないね…」

    グンタ「無理もない。あれだけ高温の生物が取り囲んでるんだ。抵抗するなというのは無理な話だ」

    ハンジ「ツノや脚で巨人を傷つけるから、なおさら蒸気がすごいことになっているね。
        リヴァイがほとんど見えないよ…」




    モクモクモク…




    リヴァイ(…すげぇ高温だ。かなり暑いな。これだけ巨人の蒸気が立ち込めてりゃ、当然か…)



    神虫「ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!」バタバタ!!



    リヴァイ(おまけに、こいつが予想以上にしぶとい。巨人の熱は効いてる筈なんだが、いつまでも暴れやがる…)





    巨人「アァァァァァァァァァ…」グワッ…

    リヴァイ「…チッ!!ここまで登ってくる奴も出てきたか!!」ザシュッ…!

    巨人「ウゥゥゥゥ…」ドシーンッ!!





    巨人軍団「アァァァァァァァァァ…!!」
  160. 189 : : 2013/11/04(月) 20:13:29

    神虫「ゴ……ゴゴ………!」ピタッ…




    リヴァイ(ようやく動きを止めたか…。さて、後はどうやってここから抜け出すか…)




    巨人「ウアァァァァァァァァァッ…」


    巨人「アァァァァァァァァァァッ…」


    巨人「ウゥゥゥゥゥゥゥゥッゥッ…」




    リヴァイ「…前に一体、後ろに二体。他にも、登ってきやがったか。少々マズいか!?」
  161. 190 : : 2013/11/04(月) 20:15:50

    ~~~~~~~~

    ハンジ「ねぇねぇ、神中が動きを止めて、巨人達が登り始めたけどさ、リヴァイはどうやってあそこから脱出するの?」

    エルド「…それが、俺達にも分かりません…」

    ハンジ「え!?もしかして、無策で飛び込んだんじゃないの!?」

    ナナバ「…兵長に限って、そんなことは…」



    アルミン「蒸気でよく見えませんが…。兵長の背後から巨人が近付いて…?
         ……もしかして、気付いてないんじゃないでしょうか!?」

    一同「!!!」




    エレン「大変だ!!皆さん、助けに行きましょう!!もう迷ってる場合じゃないでしょう!!」

    ミケ「待て!!」

    エルド「ミケ分隊長!!」



    ミケ「馬を貸してくれ!俺とナナバ、エルドで行こう!!
       どこか一方の巨人を集中的に蹴散らし、リヴァイを救出する!!」

    エルド「はいっ!!」

    ナナバ「了解だよ!!」



    エレン「…よろしくお願いしますっ!!」

    グンタ「…頼む!!」





    ダダダダダッ…
  162. 191 : : 2013/11/04(月) 20:17:22

    ミカサ「…」ホッ…




    アルミン「…エレンが行かなくて安心した、ミカサ?」

    ミカサ「…本音を言えば、アルミンの言う通り…」

    ハンジ「…二人はアツアツだもんねぇ?」ニヤニヤ

    ミカサ「…!!」




    アルミン「い、いきなり声をかけないでください!!驚きました…」

    ハンジ「今は訓練兵である君達を、おいそれと危険な場所に放り込むようなマネはしないけど、
        将来は君達が、今のミケ達のような行動をとれるようにならなきゃね?」




    ミカサ「…もちろんです…」
  163. 192 : : 2013/11/04(月) 20:18:09

    ~~~~~~~~

    ザシュッ!!


    巨人「ウアァァァァァァァァァッ…」ドシーンッ!!




    リヴァイ「…はぁ、はぁ…。クソッ、キリがねぇな…」

    ミケ「リヴァイっ!!」

    リヴァイ「…ミケ…!」



    ミケ「俺達が退路を作る!!それまで何とか持ちこたえろ!!」シャキンッ!!

    エル&ナナ「」シャキンッ!!



    ヒュパァァァァンッ!!



    ザシュッ!!



    アァァァァァァァァァ…




    リヴァイ「…お前ら…」





    巨人「」ガシッ!!

    リヴァイ「!!」



    ミケ「リヴァイ!!!」

    エル&ナナ「兵長っ!!」
  164. 193 : : 2013/11/04(月) 20:20:40

    リヴァイ(チッ…!暑さで感覚が鈍ってる時に、背後から掴まれるとは…!離しやがれ…!!)




    ミケ「うおぉぉっ!!どけぇぇぇぇっ!!」ガシッ!!

    巨人「ガァァァァァァァァァ…」⊃ミケ

    ミケ「しまった!!」

    エルド「ミケ分隊長!!」

    ナナバ「マズい!!助けが間に合わないよ!!」





    ミケ「う……おぉ……」メキメキ…

    リヴァイ「…チッ…」メキメキ…

    巨人「ウアァァァァァァァァァ…」





    エルド「…駄目だ…」

    ナナバ「…そんな…!ここまでなのか…!!」








    キィヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!

    4人「!?」
  165. 194 : : 2013/11/04(月) 20:25:20

    ~~~~~~~~

    エレン「マズい!!兵長もミケ分隊長も捕まった!!」

    ハンジ「ちょっと!!トップ2が揃いも揃って何してるんだよ!?」

    グンタ「助けに行かないと!!」

    ハンジ「間に合うわけないだろ!!エルドとナナバも巨人に邪魔されて助けに行けないんだから!!」

    グンタ「じゃあ黙ってみてろって言うんですか!!」

    エレン「行きましょう!!俺達も!!!」

    ミカサ「ダメ!私達が今行っても、何の力にもなれない!!」

    アルミン「エレン!!冷静になるんだっ!!」

    エレン「けどよっ!!」





    キィヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!





    一同「!?」






    ハンジ「…なんだ?ものすごい声だったな…」

    グンタ「動物の声ではないですよね…?」

    ミカサ「…巨人達が…!」

    アルミン「…いったい何が…?」
  166. 195 : : 2013/11/04(月) 20:26:43

    ~~~~~~~~

    巨人「」ポイッ…

    リヴァイ「…っ!」ドサッ!

    ミケ「うっ!」ドサッ!





    巨人軍団「アァァァァァァァァァ…」




    ドドドドドドドドドドドドド…




    シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…






    ナナバ「…何が起きてるの…?」

    エルド「…巨人達が、一斉にいなくなっちまった…」

    ミケ「いずれにせよ、命拾いした。リヴァイ、無事か?」

    リヴァイ「…なんとかな。おかげで、傷が開いちまったがな…」

    ミケ「そいつは大変だ。今行く…」パシュッ



    エルド「とりあえず、俺達はここから離れよう。巨人がいつ、また帰ってくるか分からんしな」

    ナナバ「そうだね。この子も、もう動けそうにないしね…」





    神虫「オ…オォォ……」
  167. 196 : : 2013/11/04(月) 20:30:09

    リヴァイ「…呆れたもんだな。まだ息があったとは…」

    ミケ「だが、もう永くはないだろう…」




    ハンジ「リヴァイ!!ミケ!!」

    ミケ「ハンジ。お前らも来たのか」

    グンタ「無事で何よりです!」

    エレン「よかったです!!本当によかったですっ!!!」



    アルミン「それより、さっきのは一体…!?」

    ミケ「さぁな。巨人どもの考えは、俺達にはよく分からん」

    リヴァイ「別にあいつらは、何も考えちゃいないだろう…」

    ミケ「違いないな」




    ???「おーいっ!!!」






    エレン「…あれは…!!」
  168. 197 : : 2013/11/04(月) 20:31:04

    ミカサ「…ライナー達。みんな、やはり無事だった」



    ライナー「すまん。いきなり巨人の群れが来たもんだから、身を隠していたんだ」

    ベルトルト「突然来たと思ったら、今度は帰っちゃった。それにしても、すごい叫び声だったね」

    アニ「…」グテ~…




    ミカサ「…アニだけ、やたら疲れているように見えるけど…?」

    ライ&ベル(!!)ギクッ!!

    アニ「…気のせいだよ…」

    ミカサ「…そう…」




    ハンジ「何にせよ、みんな無事でよかったよ!リヴァイの無鉄砲さには、ヒヤヒヤしたなぁ。
        もう少しちゃんと考えてから行動してよっ!!」

    リヴァイ「…そう思うなら、この間の兵器を用意しておくべきだろう。違うか?」

    ハンジ「そうだけどさぁ…」




    ポツ…

    一同「!!」







    ザァァァァァァァァァァァッ…
  169. 198 : : 2013/11/04(月) 20:33:51

    アルミン「…雨が…」

    ハンジ「成功したみたいだね」

    ミケ「例の、なんとか物質を分解する雨とやらか?」

    ハンジ「うん。これで、もう巨大昆虫が現れることはなくなるだろうね」




    神虫「オォォォォ……」






    ハンジ「…ごめんね、私のせいでこんな姿にしてしまって。巨人がこの村に寄り付かなかったのは、
        土だけじゃなく、君が守ってくれてたんだよね」




    神虫「ウゥゥゥ…」





    ハンジ「私達は、君の仲間をたくさん殺してしまった。君の仲間に、私達の仲間も殺された。
        もうこんな悲しい戦いは、二度と繰り返さないことを、ここに誓わせてもらうよ…」




    神虫「…」





    アルミン「…不思議だ。ハンジ分隊長の言葉を、理解しているみたいだ…」

    リヴァイ「…気のせいだ…」



    エレン「…」

    ミカサ「…」
  170. 199 : : 2013/11/04(月) 20:34:30

    ハンジ「人の故郷、虫の故郷。これらは本来、互いに不可侵でなくてはならない。
        その理を侵せば、今回のようなことが起きてしまう。教訓だね」


    ミケ「元凶がハンジとはいえ、元はと言えば、繁栄を求めた人類の過ちの結果だからな。
       責任は俺達にある。こいつらは何も悪くない」


    ハンジ「いつだって、悪いのは人間さ。今回の件、そして巨人という存在そのものが、
        調子に乗りすぎた人類への戒めなのかもしれないね…」





    神虫「…」





    ハンジ「君のことは、ゴンじいさんに伝えておくよ。村の仲間達と、ゆっくりお休み…」
  171. 200 : : 2013/11/04(月) 20:37:45

    ~~~~~~~~

    リヴァイ「…ようやく、雨が止んできたようだな…」

    ハンジ「人工降雨機の片付けも終わったし、いつでも帰れるよ」

    ミケ「帰還は日が暮れてからだ。訓練兵もいるからな」

    エルド「あーあ、早く帰りてぇなぁ」

    グンタ「同感だ。あちこち、デカい虫の死骸が転がってて不気味で仕方ない」

    ナナバ「そんなこと言わないの。ちゃんと弔ってあげるんだよ」

    エル&グン「へいへい」





    ハンジ「…ちょっと思い出したんだけど…」

    リヴァイ「…何だ…?」




    ハンジ「…確実に、片付いてない例の『ヤツ』のことを…」

    ミケ「…あぁ…」ハァ…

    ナナバ「…巨Gだね…」




    ハンジ「壁外に一斉に逃げたけど、その後どうなったか分からないんだよね。
        てっきり、土を求めて村にいるかと思ったんだけど、全然姿が見えないし…」







    うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!

    一同「!?」
  172. 201 : : 2013/11/04(月) 20:38:45

    グンタ「何だ!?訓練兵の声が!?」




    アルミン「た、大変です!!巨大なGが、村に潜んでいました!!」

    ハンジ「…あちゃー、やっぱりいたか…」

    リヴァイ「…てめぇが片付けて来い…」

    ハンジ「いやぁ、さすがに一人では限度があるよ…」




    アルミン「出現したのは1匹ですが、村の外へ行きました!!」

    リヴァイ「それなら放っておけ。いちいち俺達が手を下す必要はない」






    エレン「大変だーーーっ!!」

    リヴァイ「今度は何だ!?」




    エレン「巨Gが、村の外で巨人と遭遇しました!!」

    ミケ「それがどうした?外には巨人がいる、珍しいことではないだろう…?」

    エレン「それが…!とにかく来てください!!」




    一同「?」
  173. 202 : : 2013/11/04(月) 20:41:29

    ~~~~~~~~

    リヴァイ「…何が起きてる…?」

    ライナー「…いや、俺達にもよく分かりません…」

    ハンジ「…まさか、巨人があんな動きをするなんて…!!」




    巨G「」カサカサ…



    巨人A「ウゥゥゥ…」オドオド…



    巨人B「ガァァァァ」クワッ!






    アルミン「一体はおびえてるように見えますし、もう一体は敵意をむき出しですね…」

    ハンジ「まさか、人間以外に興味を示すなんて!!これは大発見だっ!!」
  174. 203 : : 2013/11/04(月) 20:42:19

    巨G「」カサカサッ!!




    巨人A「アァァッ!!」ビクッ!




    巨人B「ウウァァァッ!!」ドシーンッ!!






    エレン「巨人が巨Gを叩き潰そうとしている!?」

    ミカサ「まるで、Gにおびえる妻と、退治しようと勇敢に立ち向かう夫!!
        すなわち私とエレンっ!!」

    アルミン「ミカサ、何を言ってるの…?」
  175. 204 : : 2013/11/04(月) 20:44:54

    巨G「」カサッ…



    ドシーンッ!!





    巨G「」ペチャンコ



    巨人A「アァァア…」ホッ…

    巨人B「ウウァァ…」



    ドシンドシン…






    ハンジ「行っちゃった…」

    ミケ「…不思議な光景だったな…」

    リヴァイ「…他のG共も、ああやって巨人が退治してやがるってのか…?」


    ハンジ「人間がGを恐れるのは、はるか昔、Gの先祖が2メートルを超す巨体で、人間を捕食していたからと言われている。
        それが本能に刷り込まれているから、Gに対して言いようのない恐怖を覚えるんだ」


    ハンジ「巨人も、本能の赴くままに行動すると言われている。彼らにも遠い昔の人類の記憶があるとしたら、
        本質は私達人間と何ら変わりないのかもしれない…」


    ミケ「俺達と同じようにGを恐れるのは、本質が俺達と同じだからということか…?」

    ハンジ「その可能性が出てきたってことだよっ!!今回の件で、巨人についての新しい発見がいっぱいだ!!」ウヒョーッ!!
  176. 205 : : 2013/11/04(月) 20:45:44

    アニ「…巨人達は、Gを叩き潰した手で、そこら中を歩き回ってるっていうの…?」

    ベルトルト「…そういうことになるのかな…」

    ライナー「…さすがにキツイな、それは…」








    アニ「…向こうに行こう…」ウェェ…

    ライ&ベル「…了解…」スタスタ…
  177. 206 : : 2013/11/04(月) 20:47:49

    アルミン「…ハンジ分隊長…」

    ハンジ「何だい?」




    アルミン「巨人達が退治してるとはいえ、巨Gはあれだけの数がいました。いつまた壁内に侵入するとも限りません。
         ここは、壁の側面にGホイホイを設置してはどうでしょうか?」


    ハンジ「そうだね。さすがに全面は無理だから、あの森の地点と、
        とりあえずトロスト区の壁に仕掛けておこうか」

    アルミン「ありがとうございます」



    ハンジ「固定砲整備とかの時に、間違えて落ちてくっついたりしないように気を付けてね」

    アルミン「はい…」ハハハ…
  178. 207 : : 2013/11/04(月) 20:48:49

    ~~~~~~~~

    アルミン(壁内へと帰還した後は、ハンジ分隊長ら調査兵団の手によって、壁にGホイホイが設置された。
         ちなみに、訓練兵の中でこのことを知るものは少ない)



    アルミン(その後に僕達は、今回の事件で犠牲になった訓練兵、
         及び巨大昆虫達の追悼式を執り行った)



    アルミン(ハンジ分隊長から参加者へ、今回のことの経緯がすべて説明され、深い謝意と敬意の念をもって昆虫達を弔った)



    アルミン(人類の進歩の過程で犠牲になるのは、常に自然である)



    アルミン(今回の件をもって、僕達は改めてその事実を痛感し、深く考えさせられたのであった)






    アルミン(そして時は流れ、訓練兵団解散式の翌日、トロスト区外門壁上にて……)
  179. 208 : : 2013/11/04(月) 20:55:41

    ~~~~~~~~

    超大型巨人「」ズゥゥゥゥゥゥゥゥン……






    エレン「…よぉ…。5年ぶりだな…!!」






    ベルトルト(うわっ、エレンだ…。まぁいいや、スルーしてさっさと扉を破ってしまおう。
          このまま立ってると不安定だから、壁に手をついて…)ベチャッ!

    ベルトルト(!?)






    コニー「巨人の野郎、Gホイホイにかかったぞ!!」

    ベルトルト(Gホイホイ!?何それ、聞いてないよ!!なんでそんなのを壁に仕掛けてるの!?
           ってか、全然取れないぃぃぃぃぃぃぃっ!!!)グググ…






    ミーナ「Gは一匹もかかったことないのに、まさかこっちのG(Giant)がかかるなんて!!」

    ベルトルト(僕はG以下なのか!?一時期ラスボス説まで飛び出したこの超大型巨人が、
          G以下の扱いを受けるなんてっ!!!)グググッ…
  180. 209 : : 2013/11/04(月) 20:58:41

    サシャ「人類の仇と言った割には、意外と大マヌケさんだったんですねぇ」フーッ!

    ベルトルト(サシャのドヤ顔ムカツクぅぅぅぅぅぅっ!!
          …いや待て、そもそも扉を蹴破ればいいんだから、手なんかどうでもいいじゃないか!)


    ベルトルト(扉にはホイホイがないみたいだし、このまま蹴破ってドロンしよう。
          エレンが大人しいうちに早くしないと…。って、エレンがいない…?)




    ヒュゥゥゥゥゥ…





    サムエル「行けぇぇぇぇぇぇっ!!!エレぇぇぇぇぇぇぇぇンっ!!!」





    ベルトルト(後ろかっ!?いつの間に!!ってか、このままじゃヤバいっ!!)
  181. 210 : : 2013/11/04(月) 21:01:41

    エレン「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」シャキンッ!!






    トーマス「このままうなじまで一直線だ!!行けぇぇぇぇぇぇっ!!!」






    ベルトルト(ヤバいヤバいヤバいヤバいっ!!防がないとっ!!
          だぁぁぁぁぁぁっ!!!!手が動かないよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!)グググ…







    エレン「もらったぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ヒュゥゥゥゥゥ…

    ベルトルト(あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!)














    人類の反撃は、これからだ!!!!!




    「とびだす!こんちゅうの森!!」シリーズ・完




  182. 211 : : 2013/11/04(月) 21:04:26

    と、言うわけで、このシリーズは以上になります。
    長編三本立てで長々と続けてしまいました。


    要らない設定とかで混乱させてしまったのなら、それはすいませんでした。
    自分的には書き切った感があって満足です。


    同時進行で「進撃の日本シリーズ第7戦」
    http://www.ssnote.net/archives/1937

    も、制作中ですのでよろしくお願いします。


    4は書きません。絶対失敗するから。超サイヤ人みたいに。
    スピンオフ書きたいとかって人がいたら書いてもいいよ。勝手に。


    感想・苦情等はこちらまで。最後までありがとうございました。

  183. 212 : : 2013/11/04(月) 23:36:17
    非常に面白いSSでした!
    大変楽しませてもらいありがとうごさいました!
  184. 213 : : 2013/11/04(月) 23:49:55
    遂に完結しましたねっ
    面白かったです!!次回作も期待してます!!てか次もまたありますよね?(*^^*)
  185. 216 : : 2018/08/05(日) 22:04:36
    ワロタ
  186. 217 : : 2020/10/06(火) 10:39:01
    高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
    http://www.ssnote.net/archives/80410

    恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
    http://www.ssnote.net/archives/86931

    害悪ユーザーカグラ
    http://www.ssnote.net/archives/78041

    害悪ユーザースルメ わたあめ
    http://www.ssnote.net/archives/78042

    害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
    http://www.ssnote.net/archives/80906

    害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
    http://www.ssnote.net/archives/81672

    害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
    http://www.ssnote.net/archives/81774

    害悪ユーザー筋力
    http://www.ssnote.net/archives/84057

    害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
    http://www.ssnote.net/archives/85091

    害悪ユーザー空山
    http://www.ssnote.net/archives/81038

    【キャロル様教団】
    http://www.ssnote.net/archives/86972

    何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
    コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
    http://www.ssnote.net/archives/86986

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harumav2

神宮の燕³

@harumav2

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