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仮面ライダーぼっち13

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  1. 1 : : 2014/03/09(日) 22:33:31
    みんな大好き戸塚登場!
    彼はどんな変身を見せてくれるのか!?
    そして、伝説のテニス対決はライダーの影響を受け……?
  2. 2 : : 2014/03/09(日) 22:49:31
    気持ちを変えれば態度が変わる。
    態度が変われば行動が変わる。
    行動が変われば周りが変わる。
    周りが変われば世界が変わる。
    世界が変われば人生が変わる。
    そして……月が変われば体育の種目が変わる。
    我が校の体育は三クラス合同で行われ、男子総勢60名をにたつの種目に分けて行う。
    今月からはテニスとサッカー、いかにもリア充といったスポーツだ。
    「よーーし、それじゃ二人組作って練習やれ」
    出たな、ぼっちに言ってはいけない言葉の代名詞!
    だがそれは、逆にいえばいくらでも対応策を考える時間があるということでもある。
    受けてみろ!我が奥義!
    「すいません、俺調子よくないんで壁打ちしていいっすか?みんなに迷惑かけることになっちゃうんで」
    そう言って、教師の言葉も待たずにさっさと歩きだす。
    特にこの『迷惑かけたくない』が、集団行動を重んじる体育会系には有効だ。
    「うわぁっ!今のやばくね!?マジやばくね?」
    「マジやばいわー。激熱だわー」
    一際大きい声のする方を見ると、そこには葉山たちの集団があった。
    「うわ、隼人君すげー」
    「やっぱ違うなー」
    その集団は、葉山を目印にしてどんどん数を増していく。
    その数はあっという間に二桁となった。
    優に六分の一が葉山王国の国民だ。
    あっという間に体育の授業は彼の王国に支配された。
    彼らは一様に騒いでいるが、それ以外は反比例するように静かになる。
    葉山グループにあらずンば人にあらず。
    だが、歴史が語るように、そんなものは長続きしない。
    英雄になる、などという男が王ではなおのことだ。
    ふと、葉山と目があった。
    その目が凍てつくような冷たさを一瞬持ったのを、俺は見逃さなかった。




  3. 3 : : 2014/03/09(日) 23:02:17
    昼休み。いつものように、マイベストスポットで一人飯を食う。
    購買で買った大してうまくもないパンをもぐもぐと咀嚼する。
    視界の隅に移るテニスコートから聞こえる打っては返すラケットとボールの当たる音が眠気を誘う。
    レモンティーをすすっていると、ふと風向きが変わった。
    天候にもよるが、海の近くにあるこの学校では、昼を境に風の方向が変わる。
    この風を一身に受けながら過ごす時間が俺は嫌いじゃない。
    「あれー?ヒッキーじゃん」
    風に乗って聞きなれた声が聞こえる。
    「なんでこんなとこにいんの?」
    「普段ここで飯食ってんだよ」
    「なんで?普通に教室で食べればよくない?」
    ……察せよ。
    「つーかお前こそなんでこんなとこいんだよ」
    「そうそう、それそれ。ゆきのんとの罰ゲームに負けちゃったんだー」
    「罰ゲーム……俺と話すことがかよ」
    「ち、違う違う!負けた人がジュースを買ってくるの!」
    「そうか、よかった。危うく契約のカード破り捨ててドラグレッダーに食われるとこだったわ」
    「ちょっ、でもそうなったらあたしがヒッキーを守ってあげる!」
    「そりゃどうも」
    俺がそつない返事を返すと、由比ケ浜が微笑を浮かべる。
    と、そこに、とたとたと誰かの走る音が聞こえてきた。
    「おーい、由比ケ浜さーん!」
    「あ、さいちゃーん!」
  4. 4 : : 2014/03/16(日) 16:28:18
    いろはすが出るのはいつですか?
  5. 5 : : 2014/03/18(火) 11:23:01
    いろはすが出てくるのはもうしばらく先です。
    カメレオンのライダーになる予感……?
  6. 6 : : 2014/03/18(火) 12:09:41
    「さいちゃん、練習?」
    テニスウェアを着たその少女に由比ケ浜が問う。
    見りゃわかんだろ……。
    「うん。うちの部弱いから、いっぱい練習しないと……。お昼も使わせてくださいって申請して、最近オッケーが出たんだ」
    「授業でもテニスやってるのに偉いねー」
    「ううん。好きでやってることだから。そういえば比企谷君、テニス上手いよね」
    なんでこいつ俺の名前知ってるんだ?
    「そーなんす?」
    ソーナンスって……お前はポケモンかよ。
    「うん、フォームがとってもきれいなんだよ」
    「いやー、照れるなー……。で、君は誰?」
    「はぁぁっ!?同じクラスじゃん!ていうか体育一緒でしょ!?信じらんない!」
    「いやお前あれだよ、俺はみんなの平和とか守ってるから一人ひとりの名前までは覚えられないんだよ」
    「あはは。やっぱり覚えてないよね。同じクラスの戸塚彩加です」
    「ごめんなー……。ほら、でも、クラス変わったばっかだし」
    「一年の時も同じクラスだったんだよ……。えへへ、僕、影薄いから」
    「いやそんなことないさ。俺女子とほとんどかかわりないし。何ならこいつの本名も知らないし」
    言って由比ケ浜を指さすと、
    「ファイナルベントォッ!」
    思い切り方を叩かれた。
    お前、そこはスイングベントくらいにしとけ……。いや、やっぱやめてください。
    「由比ケ浜さんとは仲いいんだね」
    「ええっ!?全然よくないよ!むしろ殺意しかない!ファイナルベントで殺した後にコピーベントで化けて悪評を立てまくるレベル!」
    お前それガチの奴じゃねぇか……。
    「ホントに仲いいね」
    ぼそりとつぶやいて、戸塚は俺に向き直る。
    「僕、男なんだけどなぁ……。そんなに弱そうに見える?」
    ぴたりと俺の思考が停止した。
    わお、びっくりドンキー。
    由比ケ浜に目で問うと、うんうんとうなずいている。
    マジかー……。
    「とにかく、悪かったな。知らなかったとはいえ女扱いして」
    「ううん、大丈夫」
    「それにしても戸塚、よく俺の名前知ってたな」
    「うん、比企谷君目立つから」
    「どこが?」
    由比ケ浜が真顔で問う。
    ちょっと傷付くんですけど……。
    「一人で教室にいたら目立つだろうが」
    「あ!それは確かに目立……ごめん」
    そういう態度の方が傷つくと彼女は学ぶべきだ。
    「比企谷君、テニス上手だけど、経験者か何かなの?」
    「小学生のころマリオテニスやったぐらいかな。リアルでは特に……」
    「あ、あのみんなでやるやつだ!」
    「は?俺は一人でしかやったことねぇぞ?」
    「あ、あー……。ごめんなさい」
    「お前わざとやってない?」
    「わざとじゃないもんっ!」
    と、その時昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
    「もどろっか」
    戸塚が言って、由比ケ浜がそれに続く。
    それを見て少し不思議に思う。
    教室が同じなんだから一緒に行くのが当然なんだと。
    そしてふと、自分たちのことを思う。
    俺達奉仕部は、向かう方角は一緒なのだろうか……と。
  7. 7 : : 2014/03/18(火) 12:20:32
    数日の時を置いて、再び体育の時間がやってきた。
    度重なる一人壁打ちの末、俺はすでにテニスをマスターしつつあった。(ただし一人専用)
    今日もけなげに一人練習に打ち込んでいると、
    とんとんと肩をたたかれる。
    振り返ると、頬に誰かの人差し指が当たる。
    「あはっ、ひっかかった」
    可愛い笑顔を浮かべるのは戸塚彩加その人である。
    えー、何この気持ち。恋かな?ピンときたら、セイ、恋かなえって!
    これが男じゃなかったら告白して振られるとこだった。
    よかった、戸塚が男で。
    「どした?」
    「うん、今日ね、ペアの子が休みだから、よかったら僕と組んでくれないかな?」
  8. 8 : : 2014/03/21(金) 21:30:25
    そう言われて断る理由は俺にはない。
    「じゃぁ、始めよっか」
    戸塚はテニス部だけあってそれなりに上手い。
    壁相手に会得した正確な俺のサーブを受けて、正面に正確にレシーブしてくる。
    何度もやっているうちに、単調に感じたのか戸塚が口を開く。
    「やっぱり比企谷君上手だねー」
    「相当壁打ちしたからなー、テニスは極めたー」
    「テニスじゃないよー、それはスカッシュだよー」
    他愛もない話をしながら、戸塚とのラリーは続く。
    他の連中が打ちミスなどしてとぎれとぎれになる中、俺達だけが長いこと続いていた。
    「少し、休憩しよっか」
    「おう」
    二人で地面に座る。なんでお前は俺の隣に座るんだ?なんか距離近くない?近くなーい?
    「比企谷君に、ちょっと相談があるんだけど」
    「なんだ?」
    「うん。うちのテニス部って、すっごく弱いでしょ?それに人数も少なくて……。人が少なくて自然とレギュラーになるから、モチベーションも上がらないし……」
    「なるほど、な」
    頷ける話だ。弱い部活にはありがちなことだ。
    休んでもさぼっても大会には出られて、試合をすればそれなりに部活をしている気分になれる。勝てなくてもそれなりに満足してしまう。
    そんな奴らは決して強くならない。だから人が集まらない。
    負の連鎖は止まらない。
    「だから……比企谷君にテニス部に入ってほしいんだ」
    「は?」
    だからって何?なんでそうなるんだよ。
    「比企谷君テニス上手いし、もっと上手になると思う。それにみんなの刺激にもなると思うし……」
    なるほどね、俺をカンフル剤にしようってわけか。
    だが……
    「悪いな。それは無理だ」
    俺は自分の性格をよくわかっているつもりだ。毎日部活に行くなんて意味がわからないし、集団の中にいることを苦痛に感じるような人間だ。
    仮に入ったとしても一ヶ月経たないうちに退部する自信があるし、戸塚をがっかりさせてしまうこと請け合いだ。
    「……そっかぁ」
    戸塚は本当に残念そうな声を出す。
    「まぁ、何だ。代わりと言っちゃなんだが何か方法を考えてみるよ」
    「……ありがとう。比企谷君に相談してみて気が楽になったよ」





  9. 9 : : 2014/03/21(金) 21:58:44
    「無理ね」
    雪ノ下は開口一番にそう言ってのけた。
    「いや、無理ってお前さー」
    「無理なものは無理よ。ブランク体でドラグレッダーに勝とうとしたあなたぐらい無理よ」
    その話をほじくり返すなよ……。
    ことの始まりは、俺が戸塚から受けた相談を雪ノ下に話したことだ。
    「でもよぉ、俺を入部させようとする戸塚の考えはあながち間違ってないと思うぞ。要はテニス部の連中を、このままじゃ危ないぞ、って脅かしてやればいいんだから」
    俺のその言葉を、雪ノ下は鼻で笑う。
    「あなたという共通の敵を得て集団が団結することはあっても、それは排除するための努力で、自身の向上ぬそれが向けられることはないわ。ソースは私」
    「確かにな……。ん、ソース?ソースならウスターが好きだが」
    「そのソースじゃないわよ。あなた本当に国語学年三位?」
    「ちょっとしたジョークだろうが」
    「私、中学時代に海外からこちらに戻ってきたの。そこで転入先の女子たちは、私を排除しようと躍起になったわ。誰一人として私に勝てるよう努力をした者はいなかった。あの低能共、ダークウイングに捕食させたいわ……」
    お前何折本みたいなこと言ってんだよ。
    俺は話題を変えようと試みる。
    「戸塚のためにも、何とかできねぇかな……」
    「珍しい。あなたが誰かのために何かするなんて……」
    「いや何、相談されたのなんて初めてだからな。うれしくってさ」
    「そう、私もよく相談されたけどね」
    雪ノ下が少しだけ胸を張って言う。しかしあれだな、貧乳の奴が胸を張るというのはそこはかとない滑稽さがあるな。
    「久しぶりに戦いたいのかしら……?」
    こちらをキッと睨んでバックルを取り出す雪ノ下。やめてくださいおっかないから。ていうかなんで俺の考えてることがわかんの?
    「まったく……。言っておくけどね、人の価値はそんなものでは決まらないのよ」
    「誰もそこまで言ってねェだろうが……。でもあれだよな、気にしなくていいもんでもないよな」
    「なに?喧嘩売ってるのかしらゲス谷君?」
    「だって考えてもみろよ。人間の雌のホルモンは胸から出るんだぞ?それが小さいってことは問題なんじゃないか?」
    「それは科学的根拠でもあるのかしら?あるのなら早く言ってみるといいわ。断じて気になるなんてことはないけれど」
    あれだよな、こいつ焦った時とかとにかくまくしたてるよな。
    「普通の生物は尻からフェロモンが出るけどよ、人間は二足歩行だからそれを見れねェだろ。あ、ちなみにこれは視覚に訴えかけるホルモンだからな?
    で、尻以外にそのホルモンを出す場所として、人類は胸を選んだんだよ。だからそれが小さいってのはほっといていいことじゃないと思う」
    「……なら、どうしろって言うのよ」
    雪ノ下はぼそりとつぶやき、そしてそれを隠すようにして続けてる。
    「ああ、だから比企谷君はいつも由比ケ浜さんの胸をじろじろ見ているのね」
    「そうだな、それも仕方ないことだよな。だからそんな非難の目で見られる覚えもないんだが」
    「これは後で由比ケ浜さんにも教えてあげないと」
    「好きにしろ。こちとら好感度なんてドブに捨ててんだよ。いまさら誰にどれだけ嫌われたって痛くもかゆくもないね!」
    「やっはろー!」
    そこに頭の悪そうな挨拶とともに由比ケ浜が入ってきた。
    と、その後ろに不安そうな顔をした人物が目に留まる。
    「あ……比企谷君っ!」
    瞬間、透き通っていた肌に血の色が戻り、花が咲くような笑顔を浮かべる。
    「戸塚……」
    トテトテと俺に近づいてきて、そっと俺の袖口を握る。
    「比企谷君、ここで何してるの?」
    「ん、部活だけど。お前はどうしたんだ?」
    「今日は依頼人を連れてきたよ!」
    戸塚に代わって由比ケ浜が答える。
    「やー、ほらなに?あたしも奉仕部の一員として?ちょっとは働こうと思ってさー。そしたらさいちゃんが悩んでるみたいだから連れてきたの!」












  10. 10 : : 2014/03/21(金) 22:13:00
    「由比ケ浜さん」
    「ゆきのん、お礼なんて全然いいよー。部員として当たり前のことだから?」
    そういう由比ケ浜は言葉とは裏腹に自信満々といった様子だ。
    「由比ケ浜さん、別にあなたは部員ではないのだけれど……」
    「違うんだっ!?」
    え!?違うの!?おいこら、思わずスリムクラブみたいな声出しちまったじゃねぇか。
    「ええ。入部届けをもらっていないし顧問の承認もないから部員ではないわ」
    「書くよ!そのくらい書くから仲間に入れてよっ!」
    涙目になりながら由比ケ浜は「にゅうぶとどけ」とひらがなで神に書き始めた。そのくらい漢字で書けないのか……?
    「で、戸塚彩加君だったかしら?」
    「あ、あの……。テニスを強くしてくれるん、だよね?」
    「由比ケ浜さんがなんて言ったかは知らないけれど、奉仕部は便利屋ではないの。強くなるもならないもあなた次第よ。信じるか信じないかも、あなた次第よ」
    お前それ言いたかっただけだろ……。
    「そう、なんだ……」
    少し落胆したように肩を下げる戸塚。由比ケ浜が調子のこと言ったんだろうな……。当の由比ケ浜は、「はんこはんこ」と呟きながら鞄をごそごそと探している。なに、お前いつも持ち歩いてんの?
    と、その由比ケ浜を雪ノ下がちらりと睨む。その視線に気づいた由比ケ浜は顔を上げる。
    「ん?どったの?」
    「どったのじゃないわよ由比ケ浜さん。あなたの無責任な発言で一人の少年の淡い希望が打ち砕かれたのよ?」
    「んん?でも、そうした方がいいってあたしの占いでもそう出たし!あたしの占いは当たるんだー。
    それに、ゆきのんとヒッキーなら何とかできるでしょ?」
    由比ケ浜は何の考えもなしにあっさりと言った。それは受け取り方によっては「できないのか?」と挑発しているようにも聞こえる。
    そして、そういう風に捉えるやつがここに入るのだ。
    「……ふうん、あなたも言うようになったわね、由比ケ浜さん」
    「え?えへへー。照れるなー」
    別にほめられてはないぞ?
    「いいでしょう。戸塚君、あなたの依頼を受けましょう。テニスの技術向上を助ければいいのね?」
    「はい。そうです。僕がうまくなれば、きっとみんな頑張ってくれると思うから」
    「ま、手伝うのはいいけどよ。具体的にはどうするんだ?」
    「簡単なことよ」
    にやりと笑って雪ノ下は告げる。
    「死ぬまで走って死ぬまで素振り、死ぬまで練習よ」
  11. 11 : : 2014/03/21(金) 22:25:00
    翌日の練習から地獄の特訓は始まった。
    テニスコートのは雪ノ下と由比ケ浜、戸塚がすでにそろっている。
    「では、始めましょうか」
    「よろしくおねがいします」
    雪ノ下に向かって戸塚がぺこりと頭を下げる。
    「まずは戸塚君に致命的に足りていない筋力を上げましょう。まずは腕立て伏せを死ぬ寸前までやって見て?」
    「し、死ぬ寸前……?」
    由比ケ浜が驚きの声をあげる。
    「ええ。筋肉は痛めつければ痛めつけただけ強くなるの。これを超回復というわ」
    「あー、つまりサイヤ人みたいなもんか」
    「まぁ、すぐに筋肉がつくわけではないけれど、基礎代謝を挙げるためにもこのトレーニングはする意味があるわ」
    「基礎代謝?」
    「簡単に言うと、運動に適した体になるのよ。カロリーを消費しやすくなる、エネルギーの変換効率が上がるの」
    「カロリーを消費しやすく……つまり、やせる?」
    「……まぁ、そうなるわね」
    「あたしも一緒にやる!」
    戸塚と由比ケ浜は横ばいになってゆっくり腕立て伏せを始める。
    「んっ……くっ、はぁ」
    「うっ、はぁっ……んんっ!」
    二人の吐息が聞こえてくる。薄く汗をかいて頬は上気している。
    何というか……いけない気分になるな。
    「……あなたも運動してその煩悩を振り払ったら?」
    「はっ、笑わせるな雪ノ下よ。人間というのは煩悩あってこそだ。それをなくしたらもうそれは人間じゃねぇよ」
    そう言って俺は二人の観察を続ける。
    「はぁ……」
    雪ノ下はため息をついて俺を睨み続ける。
    ……いや、なんてーの?これはあいつが怖いわけじゃないよ。ないけど、まぁそのなんだ?ライダーバトルには体力がいると思うし……?
    俺は黙って昼休み中筋トレを続けた。

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