次にご紹介する価値の落ちない高級腕時計ブランドは、オーデマピゲです。パテックフィリップと同様に世界三大時計に数え上げられており、また1875年の創業以来、一貫して買収を許さず創業者一族の経営を貫いてきた企業姿勢から、「経営者に愛される時計」などと称されることもあります。
深い歴史を有するブランドだけあり、時計製造技術も業界ピカイチ。1882年に世界初のグランドコンプリカシオン懐中時計を、1892年に世界初のミニッツリピーター搭載腕時計を開発する等、時計業界に与えてきたインパクトは絶大です。
一方でただ伝統を踏襲するのみならず、革新的な機構や全く新しいコレクションを続々輩出するような姿勢でも知られています。

ロイヤルオークはオーデマピゲが1972年にローンチした、ラグジュアリー・スポーツウォッチです。
ラグジュアリー・スポーツウォッチ、通称ラグスポ、現在時計業界のトレンドの一つとなっていますね。
ラグジュアリー・スポーツウォッチにいまだ決まった定義はありませんが、ラグジュアリーメゾンが手掛ける薄型スポーツウォッチで、ケースとブレスレットが一体型となったフォルムを有するモデルを概ね指していると言えます。
このラグジュアリー・スポーツウォッチのパイオニアが、何を隠そうオーデマピゲ ロイヤルオークです。
1972年当時、オーデマピゲと言う雲上ブランドでは考えられなかったケース直径39mmのステンレススティール製スポーツウォッチで、かつ随所にエッジを効かせた意匠やビス留めされた八角形のベゼル等は、非常に型破りな高級腕時計として扱われました。
当時はケース直径31mm~35mm程度の小径ラウンドケースが主流であったため、初代ロイヤルオークは「ジャンボ」の異名でも親しまれたと言います。

ロイヤルオークをデザインした鬼才ジェラルド・ジェンタは様々な名作を手掛け、自身の銘の入った腕時計も商品化していきますが、1970年代当時にこのデザインは非常に奇抜であったことでしょう。また、非常に高価格帯であったことも手伝って(なんせ、1970年代は機械式時計の斜陽の時代ですから)、発売当初は商業的に成功していたとは言えませんでした。
しかしながらその後、パテックフィリップ ノーチラス(同じくジェラルド・ジェンタのデザイン)やヴァシュロンコンスタンタンの222などに代表されるように、ラグジュアリーメゾンが続々と対抗馬を打ち出したこと。そして現在ではオーデマピゲのアイコンであり、カルト的な人気を誇っていることから見ても、ロイヤルオークの偉大さは明白と言えるでしょう。
https://www.rasupakopi.com/rolex_z68.html
オーデマピゲCODE11.59
さらに近年では、CODE11.59の存在もオーデマピゲの革新の姿勢として高名です。
2019年―ロイヤルオーク誕生から47年ぶりの新コレクションですが、1993年にロイヤルオーク オフショアがリリースされています―にローンチされたモデルで、一見するとベーシックなラウンドフォルムながら、随所にオーデマピゲらしい独創性があしらわれます。
なんと、ミドルケースがロイヤルオークを想起させる、八角形になっているのです!