ssnote

x

新規登録する

作品にスターを付けるにはユーザー登録が必要です! 今ならすぐに登録可能!

このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

洞窟の中で

    • Good
    • 0

loupe をクリックすると、その人の書き込みとそれに関連した書き込みだけが表示されます。

▼一番下へ

表示を元に戻す

  1. 1 : : 2016/11/29(火) 19:19:38

    ソニー・ビーン 食人一家の進撃バージョン。
    鬱&badend それでもよければ。

    エロ・グロシーンあり。
    近親相姦有り。
  2. 2 : : 2016/11/29(火) 19:26:07

    「はぁ……」





    エレンは大きなため息を吐いた。
    それには訳がある。…その訳とは。









    _________________


    エレンは世間で言う盗賊である。
    生まれながらの腕っ節を頼りに、今まで何人もの人間を遅い、金品を強奪。

    が、そんなものいつか足がつくに決まっている。そして、そんな事は初めからわかっていて、対策も考えた。


    まぁ、対策と言っても、ただ単に、襲った人間を、女だろうが子供だろうが、誰彼構わずに殺しているだけだ。

    だだ、それだけ。








  3. 3 : : 2016/11/29(火) 19:29:44


    そんなエレンは、数年前に、強盗に親を殺されてから、ずっと山に篭っている。

    ____殺す以外の人間との、関わりを持たずに。


    だが、そんな生活はつい1年ほど前に終止符が打たれた。





    ミカサだ。






    ミカサは、エレンが襲って、殺せなかった初めての相手だ。


    一目見て…目を、心を奪われた。


    だが、こちらも生活がかかっている。
    そんな甘い事を言ってはいられないのが現実だった。 が、



    _____やはり、何も出来なかった。
  4. 4 : : 2016/11/29(火) 23:15:17


    「…ねぇ。どうかしたの?道に、迷ったの?」




    しびれを切らしたのか、むこうから話を振られた。






    今から貴女を襲って、金品を奪ってから殺すつもりです。大人しくしてて下さい。……なんて言えるわけがない。


    言わなくても、殺せばいいのだが、そちらも勿論出来るはずもない。


    ナイフを持った右手が震える。




    ジロジロと、初めて見た獣を見るかのような視線を送る彼女。


    確かに、今の自分の格好は、
    あまり清潔とも言えないシャツに、曲がったズボン。 汚れた靴に汚れた靴下。


    と、薄汚れた自分自身。


    怪しまれて当然だ。まぁ、実際殺そうとした訳だから、怪しくて当然だが。









  5. 5 : : 2016/11/29(火) 23:17:21


    「迷った、訳じゃ、無い。」



    震える声、今まで殺してきた相手は、ガリガリに痩せた冴えない男や、小さな子供を連れた髪の長い女。…など、自分1人でも、油断を誘えば何とかなる相手だった。




    今回も、多分上手く殺せるだろう。
    でも、今になって、手が震える。



    「こいつは………殺せな……い、」





    「ころ………え?」



    先ほどよりは、少し恐怖を交えた顔で、聞き返す少女。



    「あぁ……いや、何でも、ない。」


    そう言うのが精一杯だった。







  6. 6 : : 2016/11/29(火) 23:24:43





    「貴方、一人ぼっちなの?」



    手をぱん、と叩いてそう少女は言った。






    「……え?」


    「…私も、一人ぼっち。」





    悲しげな顔をして、手を差し出してくる少女。その手は幾分震えている。


    完全に思考が停止した俺は、何も考えないまま、彼女の手を握り返していた。


    「一緒なら、怖くない。」


    そう、不器用に彼女は微笑んだのだった。













  7. 7 : : 2016/11/29(火) 23:27:32



    話を聞くと、どうやら彼女は自分と同じ歳らしい。

    親もとうに亡くなって、親戚の家に居たものの、何故か嫌われたらい回しに。


    今の家だって、きっともうすぐ追い出されるだろう、との事。





    ぽつり、ぽつりと自分の事を教えてくれる彼女に、自分もいつの間にか今までの生活を彼女に伝えていた。



    殺そうと、していた事まで、言ってしまった。





    彼女は、泣いていた。

  8. 8 : : 2016/11/29(火) 23:30:07


    「…ごめん、本当にごめん。」


    「…大丈夫。」



    鼻をすすって、何とか泣きやもうとするが、後から後から涙が出てくるらしく、「もう今日は帰る」と言って、(エレンの家となっている)洞窟を出ていってしまった。



    もう来ないかもしれないな、と、ぼんやりと思った。










    「なんで……だろう…なぁ…」




    気が付くと、涙が出ていた。

  9. 9 : : 2016/11/29(火) 23:34:14


    1週間後、とうとう食料も金も底をついてしまった。(あれから、何となく一度も人を襲っていないからだ。)


    このまま死んでしまおうか、とも考えた。



    あの一件があってから、自分の中の何かが死んでしまったような気持ちになる。


    何をしようにも、体が動かない。
    動こうと、思えないのだ。



    もう一度、死ぬ前にあの子に会いたい。
    そう言えば、名前すらも聞いていない。


    外に出れば、もう一度会えるだろうか?
    そんな根拠の無い希望に縋って、エレンは立ち上がった。





    すると、ぱたぱた、と足音が聞こえた。
    誰かに、ここが見つかったか。と、警戒しながらナイフを手に取った。










    「エレン!!」


  10. 10 : : 2016/11/30(水) 17:21:10



    そこに居たのは、あの、少女だった。
    エレンは頭が真っ白になった。


    「嘘…だろ……?」


    もう一度見ることの出来た安堵からか、一気に体の力が抜けた。


    へた、とその場に座り込む程に。




    「え、エレン…?」


    よく見ると彼女は泣いていた。
    それに、顔にはまだ紫がかった生々しい痣が浮かんでいた。



    「……どう、したんだよ?」








    「……一人、ぼっちになっちゃった……」






    涙を零しながら小さく笑った。



  11. 11 : : 2016/11/30(水) 17:22:08
    期待
  12. 12 : : 2016/12/01(木) 06:39:46
    小さな洞窟の中でロケットランチャー
  13. 13 : : 2016/12/02(金) 18:29:56
    小さな洞窟の中でロケットランチャー

▲一番上へ

名前
#

名前は最大20文字までで、記号は([]_+-)が使えます。また、トリップを使用することができます。詳しくはガイドをご確認ください。
トリップを付けておくと、あなたの書き込みのみ表示などのオプションが有効になります。
執筆者の方は、偽防止のためにトリップを付けておくことを強くおすすめします。

本文

2000文字以内で投稿できます。

0

投稿時に確認ウィンドウを表示する

著者情報
sfk__rinko

リン小町

@sfk__rinko

「進撃の巨人」カテゴリの最新記事
「進撃の巨人」SSの交流広場
進撃の巨人 交流広場