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エレン「栄光への架け橋」 完結編
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- 1 : 2016/06/17(金) 22:03:38 :
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こちらに、最新投稿番号を置いておくので、最新のから読みたい方はこちら >>361 をクリックしてくださればすぐに読めますので、どうぞ!
皆さん初めましての方は初めまして! どこかでお会いした方はどうもこんばんわ! アラン・ファブレガスです!
今作は エレン「栄光への架け橋 後編」の続編となっております。(前回のURL→ http://www.ssnote.net/archives/34766 )
※注意事項
誠に申し訳無いのですが、私は野球の経験がないので、野球経験者様や野球ファンの方達に失礼なことを書いてしまう恐れがありますのでお気に示さない場合はブラウザバッグをお願いします。
この作品を作るに至って参考にしている漫画・アニメ・ドラマ等があります。ですので不快に思った方には申し訳ないですがこちらもブラウザバッグをおすすめします。
この作品を執筆中はコメント記入はOFFにしておりますが、作品が終わり次第ONにしますので、ご感想等をお願い致します。
それでは、注意事項はここまでにしてこれより物語を始めていきます。 どうか、ごゆっくりお読みくださいませ。
前回までの、栄光への架け橋
ついに、全国高校野球ウォールマリア選手権大会 夏の大会が始まった。
初戦のリーブス商業高校相手には 12-9で逆転サヨナラで勝ち
続いて3回戦マリア西高校は 10-0でコールド勝ち
4回戦中央第一憲兵大付属高校には 6-5で逃げ勝ち
次の準々決勝バルト学院高校には 7-1で力の差を見せつけ圧勝
そして...迎えた準決勝...
相手は、アルミンのライバル...イアン・ディートリッヒ率いる駐屯高校には 9-8でギリギリの勝利...
準決勝時、エースであるエレンは怪我のため、今まで出ていなかったが...9回でアクシデント発生
マウンドで投げていた【ミカサ・アッカーマン】が負傷したため...なんと出てきたのは、怪我で休んでいた【エレン・イェーガー】だった。
なんとか投げ抜き、試合は終了...危なげなくシガンシナ高校は決勝へと行くことになった...
だが、そこに待ち受けている敵は調査高校だけでなかったのだった...
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- 2 : 2016/06/17(金) 22:35:34 :
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目次 第八十三話 三星シガンシナ学園高校対調査高校 >>3
第八十四話 調査高校の野球 >>8
第八十五話 ファーラン・チャーチ >>15
第八十六話 猛攻 >>23
第八十七話 実力の差 >>29
第八十八話 往生際 >>33
第八十九話 宣告 >>37
第九十話 嘘 >>42
第九十一話 届かないメッセージ >>48
第九十二話 言葉じゃなくてボールで >>52
第九十三話 最後の我儘 >>59
第九十四話 決断 >>67
第九十五話 前夜 >>71
第九十六話 最終決戦 >>72
第九十七話 プレイボール >>79
第九十八話 見ていた >>86
第九十九話 迷いと本心 >>91
第百話 同世代のナンバーワン >>100
第百一話 初得点! >>108
第百二話 流れ >>111
第百三話 お祭り男 >>115
第百四話 使い道は100通り >>118
第百五話 ヒストリア >>122
第百六話 人それぞれのコンプレックス >>126
第百七話 急成長する天才 >>136
第百八話 お祭りに必要なモノ >>141
第百九話 暗転 >>145
第百十話 敗北と悲鳴 >>150
第百十一話 教師としてのやるべきこと >>155
第百十二話 これぐらいしか >>159
第百十三話 無いものと、有るもの >>163
第百十四話 鎧対鉄腕 >>167
第百十五話 嵐の前の静けさ >>173
第百十六話 覚悟と葛藤 >>180
第百十七話 型 >>186
第百十八話 レン・イェーガー >>188
第百十九話 何かを無くす前に >>196
第百二十話 いってくる。 >>199
第百二十一話 全滅 >>207
第百二十二話 どうして? >>215
第百二十三話 やるべきことと、信じること >>221
第百二十四話 高揚した。 >>228
第百二十五話 雑草魂 >>232
第百二十六話 焦りと苛立ち >>238
第百二十七話 憧れたその先 >>250
第百二十八話 最後の約束と最初の約束 >>254
第百二十九話 フルスイング >>257
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- 3 : 2016/06/19(日) 00:11:42 :
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第百三十話 ついてこい。 >>262
第百三十一話 ここから先は... >>265
第百三十二話 野球馬鹿の正体 >>268
第百三十三話 心配 >>272
第百三十四話 見えてる >>276
第百三十五話 差別化 >>280
第百三十六話 二つの顔 >>286
第百三十七話 いつも通り >>289
第百三十八話 王手 >>294
第百三十九話 怪物 >>297
第百四十話 不運 >>300
第百四十一話 ここにいる意味 >>308
第百四十二話 後輩としての尊敬 >>313
第百四十三話 伸びるボールと沈むボール >>323
第百四十四話 支え >>330
第百四十五話 真逆の人生 >>337
第百四十六話 未来への咆哮 >>343
第百四十七話 終止符 >>349
ハイライト >>357
第百四十八話 決着 >>361
第百四十九話 真実 >>371
完
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- 4 : 2016/06/19(日) 00:12:08 :
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準決勝第一試合終了後...
スタンド
アニ「日陰のある三塁側で昼食取るよ!」
「はいッ!」
スタスタ
ミカサ「エレン、肘は大丈夫なの?」
エレン「あぁアイシングしてるから問題ない」
ミカサ「...とう...」ボソッ
エレン「は...?」
ミカサ「あの時...またエレンに救われた...ありがとう!」ニコッ
エレン「なっ!?/// べ、別に...あの時は...試合中だったし...それに...」ボソボソ
エレン「〔それにあの時は...〕」
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9回 一死二三塁
ミカサ「〔この一球に闘魂をッ!!!!!!!〕」シュッ!!!
ハンネス「〔俺がこの手で...けりをつけるんだッ!!!!〕」スッ!!
キーンッ!!
アルミン「ッ...」
実況「う、打ったァッ!!!!!」
エレン「ぁッ」
「だめッッッ!!!!!!」バッ
ゴリゴリッ!!! ミカサ「う”ぁっ!?」
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エレン「〔あいつの辛い顔...あれ以上見たくなかったし...〕」
ミカサ「? どうしたの?」ヒョコ
エレン「なっ、なんだよ!?///」ビクッ
ミカサ「だってエレンが口ごもってた...ので、何か言いたいのかと」
エレン「〔ま、まさか俺表情に出てた!? バレた!? バレたのかぁぁぁああああああ!?〕」
「でも...嬉しかった」
エレン「え...?」
ミカサ「エレンがあそこで...」
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マウンド
ミカサ「ハァ、ハァ、ハァ...ごめ...んな...さい...」ウルウル
ミカサ「やく...そく...まもれ...なかった...」ウルウル
エレン「...」
ポンッ
エレン「ミカサ...お前いつも俺に助けてもらったって言ってたよな」
ミカサ「え...?」
エレン「...逆だよ、いつも...いつも助けてもらってるのは...俺の方だ」
エレン「だから、今度は...俺がお前を助ける番だ。」
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ミカサ「あぁ言ってもらえて...すごく嬉しかった!」ニコッ
エレン「!」
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- 5 : 2016/06/26(日) 23:15:10 :
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ミカサ「だから、言わせてほしいエレン...」
エレン「え...? なんだよ...? ま、まさかお前...」ゴクンッ
ミカサ「エレン...」
エレン「まっ、待て! こ、こういうのって...ほら...タイミングってもんが...心の準備ってもんがあるだろ...」オドオド
エレン「そ、それに...俺達...甲子園目指す仲間だろ...? こ、こういうのはあんまり...やばいんじゃないか...!?」オドオド
ミカサ「ありがとう、エレン」
エレン「......え?」キョトン
ミカサ「あの時...私を救ってくれて...ありがとう」ニコッ
エレン「ッ...なんだよ...救ってくれてって...」ワシャワシャ
ミカサ「つくづく思う...私は...エレンには到底敵わない」
エレン「はぁ? お前の方が上手いのに、何が敵わないだよ!?」
ミカサ「私の言ってる敵わないは、野球の上手さじゃなくて...」
エレン「ったく...馬鹿にしやがって...!」プンプン
ミカサ「〔単純で...些細な事で怒って...不器用で...でも、真っ直ぐな姿勢は誰にも真似できない...あなたの個性...〕」
ミカサ「〔その真っ直ぐな姿勢に...私はどれほど救われてきたか...数えきれない...〕」
ミカサ「〔いつか...いつか...〕」
ミカサ「〔この好きな気持ちを...伝えられる日が...来るといいな...〕」
エレン「おい、ミカサ」
ミカサ「!」
エレン「お前、手怪我してんだろ病院行けよ」
ミカサ「...うん!」
ミカサ「〔きっといつか...あなたに言いたい言葉が...言えると...いいな...///〕」
エレン「ほら、早く弁当食っちまおうぜ」
ミカサ「うん!」
ウグイス「三星シガンシナ学園高校シートノックの準備をお願い致します。」
ナイル「おーっっし、出るぞッ!!!」
「オーッ!!!!」ダッ
実況「さぁやってまいりました。 全国高校野球ウォールマリア選手権大会 夏の大会 準決勝第二試合 三星シガンシナ学園高校対調査高校の試合です。おっと、その前にアップでした!」
実況「ではまず、三星シガンシナ学園のスターティングメンバーを紹介しましょう。」
実況「1番セカンド どんな内野ゴロでもすべて内野安打にしてしまう俊足の持ち主、モブセカンド
2番ショート 巧みなバットコントロールと安定した守備をする、モブショート
3番ファースト 1年生ながらレギュラーに入り好成績残した、フランツ・ケフカ
4番サード その一打で試合を決めてしまうパワーとミート力を持った、ヴァルツ
5番キャッチャー 打っては打点王守っては鉄砲肩を持つ男、デニス・アイブリンガー
6番ピッチャー 多彩な球種で追い込み威力あるストレートで三振を数々取る奪三振王は、ナイル・ドーク
7番ライト その肩から放たれる送球はまるで弓矢、モブライト
8番レフト チーム唯一の2年生でチームを引っ張る、モブレフト
9番センター 試合中に彼の声を聞こえなかったことがないというほど声張る男、モブセンター
監督は、トラウテ・カーウェン監督です。」
実況「諫山さん、三星シガンシナ学園はどのようなチームなのでしょうか?」
諫山さん「そうですね、投手力が豊富なチームです。特にエースのドーク選手は全国でも名を轟かせています。」
実況「なるほど...ベンチを見てみますと...今年は1年生が多いですね」
諫山さん「そのようですね、今年は1年生を育てようという方針になったのではないでしょうか...?」
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- 6 : 2016/06/26(日) 23:15:27 :
ウグイス「調査高校シートノックの準備をお願い致します。」
ミケ「よし...行くぞッ!」
「おうッ!!」ダッ
実況「さぁ出てきました。 歴代で最も逸材が揃ったと噂されている調査高校です。では、調査高校のスターティングメンバーを紹介しましょう。」
実況「1番セカンド 1年生ながらにレギュラー、更には1番として起用されている。爆速を持ち味としてセカンドを守る、イザベル・マグノリア
2番センター 確率論を無視するかのようなバント成功率、ミスターバント職人と呼ばれるのは、モブリット・バーナー
3番キャッチャー 1年生とは思えないバッティングセンスと相手の意表をつくリードをするのは、ファーラン・チャーチ
4番ショート 投げても怪物・打っても怪物・守っても怪物、もはやすでにプロ級の実力を持つ怪物と言われるのは、リヴァイ
5番ライト このチームの主将であり、クリーンナップでもあり、マリアのカタパルトと言われる強肩強打の、ミケ・ザカリアス
6番サード マリアのアーチストと呼ばれ、次々にホームランを生み出していくのは、エルド・ジン
7番ファースト 打ったその弾道はまるでミサイルの如くバックスクリーンまで運んでしまう、ケイジ
8番レフト チームで唯一の守備型のプレイヤー、だが打撃もクリーンナップ級実は禿げているのは、ディータ・ネス
9番ピッチャー チームの次期エース候補甲子園でも数々の三振を取り、マリアのドクターKとまで呼ばれるように成長したのは、ナナバ
監督は、エルヴィン・スミス監督です。」
実況「諫山さん、今大会マリア圏内での...いえ、もはや甲子園の優勝候補とまで噂されている調査高校ですが...どう思われますか?」
諫山さん「今年の主力選手達は3年である、あの自由の翼が主力となっておりますから相当な手強さ...いや手強いという以上のものでしょう」
実況「えぇそうですね。 更に...今年の春大ではすべてのゲームをコールド勝ちしてきたという前代未聞の事態になりました。」
諫山さん「どうやら調査高校はその春大で、また新たなチームが作り上げられたと聞きます。」
実況「噂の...【復活した、自由の翼】と呼ばれるものですね?」
諫山さん「そうですね。 前までの自由の翼は、現シガンシナ高校に在学しているアルミン・アルレルト選手を合わせて言われたものです。」
諫山さん「高校ではアルレルト選手だけが離れてしまったわけですので、一度は【折れた翼】とまで言われたくらいです。」
実況「それほど、アルレルトの存在力があったということでしょう。」
諫山さん「ですが、新2年生で次期エース候補のナナバ選手と新1年生の期待のルーキー マグノリア選手とチャーチ選手が加わったことで、新生な自由の翼が生まれました。」
実況「その【復活した、自由の翼】と元祖自由の翼は...どちらが強いのでしょうか」
諫山さん「それは対決してみないと計り切れませんねぇ。」
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- 7 : 2016/06/26(日) 23:16:29 :
審判「整列!」
実況「まもなく、試合が始まります。」
ダッダッダ
審判「それでは只今より、全国高校野球ウォールマリア選手権大会準決勝第二試合...三星シガンシナ学園高校対」
ナイル「...」
審判「調査高校の試合を始めます。」
ミケ「ふっ」ニヤッ
審判「両チーム、お互いに礼!」
「よろしくお願いしますッッッ!!!!!」
ナイル「甲子園に行くのは俺らだ」
ミケ「ふっ、まだ言うか...まぁいい、結果は見えてる」ニヤッ
ナイル「口の減らない奴だ...そのニヤけた顔もすぐに崩してやるからな」
マルロ「〔ふぅ...準決勝か...エレンの奴...本当に勝ち上がって来やがった...くそっ、ここで負けたら申し訳が立たないぞ〕」
「へぇ、三星も1年入れてるんだ」
マルロ「は...?」
ファーラン「見た感じ、み~んな初めての夏大って顔してんもんなぁ!」
ファーラン「おっ、同じ顔つきが...2人...4人...5人も! すっげぇ!!」
マルロ「〔こいつが調査高校の1年生ながらマスク被ってる逸材...【ファーラン・チャーチ】〕」
ファーラン「リヴァイパイセ~ン!起きてるスか???」
リヴァイ「あ? 見りゃわかんだろ?」イラッ
ファーラン「いやぁリヴァイパイセンだったら野球しながら寝てるっていうことも出来ると思ったス!」
リヴァイ「んな超人じゃねぇ」
ファーラン「確かにィ、リヴァイパイセンは長人ではないスからねぇ...」
リヴァイ「誤字してんのか? それとも、馬鹿にしてるのか?」イラッ
ファーラン「嫌だなぁ! 俺がリヴァイパイセンのこと馬鹿にするわけないじゃないスか! 今までにしたことあるッスか?」
リヴァイ「常日頃からしてんだろ、埋めるぞ。 それからさっきから『パイセン、パイセン』うるせぇぞ」
ファーラン「埋めるってなんスか!埋めるって!」ゲラゲラ
リヴァイ「ナナバ、こいつの相手を代わってくれ。 俺はそろそろ罪を犯しそうだ。」ピキピキ
ナナバ「い、いや...私もあいつの相手はちょっと...」アセ
リヴァイ「ハァ...今年は特にうるせぇのがいるな...」アキレ
「へーちょ!!」
オルオ「何か困ってるんですか!?」
リヴァイ「〔またうるせぇのが来やがった...〕」
リヴァイ「オルオ、あの調子に乗ってる糞ガキを黙らせろ」
オルオ「了解です!」
マルロ「〔そしてこれが...あの怪物リヴァイ...間近で見ると圧力半端じゃないな...〕」
ボリス「マルロ、ベンチ戻るぞ」
マルロ「あぁ」
マルロ「〔この化物集団を倒さなきゃ...あの舞台には立てない...上等だ...やってやる!〕」
フランツ「どうした?」
マルロ「いや...何でもない」
フランツ「それより聞いたぞ、お前の友人がいる学校決勝まで上がったんだってな」
マルロ「エレンのことか?」
フランツ「あぁ、俺らが初めて敗けたところだ」
マルロ「...あいつなら上がってくるって、なんとなく思ってさ」
フランツ「...だな、自由の翼のアルミンさんもいることだし」
マルロ「そんなことよりお前!そんな余裕あっていいのかよ?」
フランツ「余裕? ハハハッ、余裕なんてどこにもないよ」
マルロ「その笑い事態余裕があるって言ってんだよ!」
フランツ「そんな堅いこというなって」
マルロ「ハァ...頼むぞ、クリーンナップ」
フランツ「あぁ」
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- 8 : 2016/06/26(日) 23:17:28 :
スタンド
ジャン「そう言えば調査高校って1年レギュラー入してんだよな」
コニー「えぇーっ!? マジでぇー!? すげぇ、1年でレギュラーかぁ」
マルコ「いやいやニュースとか新聞とか雑誌とかに載ってるでしょう!?」
コニー「え!? そいつら有名人なの!? すげぇ!!」
マルコ「もうやだ...ホントに馬鹿...」シクシク
トーマス「落ち着けって、相手は最強の馬鹿なんだから仕方ねぇよ」ポンッ
ミカサ「確かそのレギュラー入は二人もいる...とか」
ライナー「今更だが、あの調査高校で1年生ながらでレギュラーとか...考えられないな」
ダズ「あ、あのさ...俺調査高校のことあんまわからないんだけど...1年でレギュラーってそんな凄いことなのか?」
「当たり前だろッ!!」
ダズ「ひぇっ!? ご、ごめん!」
ジャン「調査高校っつたら、どんなに中学時代で活躍してようが4番だろうがエースだろうが...3年間で1軍に入れるかどうか...いや下手したら2軍も無理かもな」
ダズ「そんなにか!?」
ミカサ「その中でも唯一スタメンに入れるのは、わずか9人のみ...ベンチメンバーもマリア予選では10人、甲子園に行けば1人減って9人しかベンチ入出来ない。」
トーマス「うひぇ~、何百人といる中でその18人や20人入れるのなんてほんの一握りくらいなんだな」
コニー「なぁなぁなぁ、もし俺ら全員調査高校野球部だったとして誰が1軍行けると思う?」
「え?」
マルコ「まぁ...3年間努力すれば全員1軍入r...」チラッ
ダズ「...え?」
マルコ「......努力すれば...」アセ
ダズ「気使わなくていいから!」
マルコ「ごめん...」
ジャン「でもま、ミカサはすぐさま1軍入だろうな」
ライナー「あぁ、ミカサならベンチ入...いやもしかしたらレギュラーも入れるかもな」
ベルトルト「うん」
ミカサ「えっ、いや私は...」
トーマス「ミカサは当たり前だとして...他は?」
ミリウス「ベルトルトとか」
「あぁ~確かに」
ベルトルト「ぇっ!?」
エレン「確かにベルトルトなら、さっきの駐屯高校とも互角に戦えてたしな」
ベルトルト「い、いや...そんな...」
ライナー「なにビビってるんだ、褒めてるんだぞ?」
ベルトルト「いや...そうじゃなくて...」
「?」
ベルトルト「僕はそんなこと...考えたくない」
ジャン「な、なにマジで言ってんだよ! たらればの話だろうが」
ベルトルト「たらればでも...僕は...シガンシナの皆とだから...戦えるんだ」
「!」
ベルトルト「もし調査高校に行ってたら...皆とだって友達になれたかわからないし...」
ジャン「...っへ、ったぁく...言ってくれんじゃねぇかよ!このっ!」パシッ
ベルトルト「いてっ」
トーマス「ホント、奥手だなぁ!」
アニ「ふっ...」クスッ
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- 9 : 2016/06/26(日) 23:22:00 :
エレン「ジャンは代走要因として使われそうだな!」
マルコ「うん、何かわかっちゃう」
ジャン「なんで代走要因なんだよ!?」
エレン「馬だからな」
ジャン「ぶっ飛ばす!!」ダッ
ガヤガヤ
ミカサ「そう言えば...あの1年二人は元センタマリアって聞きましたけど...アルミン先輩知ってるんですか?」
アルミン「え...? あぁファーランとイザベルのこと? うん、知ってるよ」
ミカサ「...どんな選手なんですか?」
アルミン「どんな...か」
アニ「それは私も気になってたんだ」
アルミン「イザベルに関しては...まぁコニーがもうちょっと大人しくなった感じかな...プレースタイルはジャンに似てるよ」
ジャン「えっ...?」ピトッ
アニ「もう一人のファーランって奴は?」
アルミン「...アニは覚えてないかな?ファーランのこと」
アニ「は...? いつ?」
アルミン「リトルの時、最後の年で僕の一個下の捕手が強いって言われてたチームと当たったの...覚えてないかな?」
アニ「...」
アルミン「まぁ無理もないか...あの時は...「思い出した」
アルミン「え?」
アニ「...確かにあいつだった...けど、そんなに上手いとは思わなかったけど」
「〔辛辣...〕」
アルミン「あの時のファーランと、今のファーランは...全然違うよ。 特に守備では、ね」
アニ「どういうこと?」
アルミン「僕も直接聞いたわけじゃないから詳しくはわからないけど、ファーランは僕に憧れてセンタマリアに来たらしい。だから、色んなことを真似して...」
アルミン「そして、いつの間にかプレースタイルが...全く同じになってしまったんだ。」
「!」
アルミン「1つ1つのプレーが...まるで僕自身を見ているようだったって言われたよ。」
エレン「〔アルミン先輩の...プレースタイルと同じ...〕」
アルミン「バッティングは...ここ1年見てないからどう成長したかは知らない...けど」
アルミン「調査高校に入った以上...確実に僕より上手くなってるって言えるのは確かだよ」
「えっ!?」
ライナー「〔アルミン先輩より...上手いのか〕」
マルコ「〔正直アルミン先輩が一番バッティングが上手いから...あれ以上のバッティングができる選手がいるなんて思えないな...〕」
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- 10 : 2016/06/26(日) 23:29:15 :
「俺達...勝てる...かな」
エレン「は...?」
ダズ「え、あ...いやっ、そうじゃなくて!」
ダズ「今更だけど、調査高校って毎年甲子園優勝してるから...俺達とは経験と実力が月とスッポンの差があると思って...」
ジャン「ぁ...ハァ...〔くそっ、何も言い返す言葉がねぇ...〕」
アルミン「確かに経験と実力には差があるけど、勝てないわけじゃないよ」
「え...?」
アルミン「調査高校は個性的なメンバーが揃ってる...でも、僕らだって個性は持ってる...そして何より偶然にも...」
アルミン「今年の調査高校と僕らは、プレースタイルが類似してる所が多いんだ。」
エレン「プレースタイルが...似てる...?」
アルミン「うん、例えるなら...ジャンとイザベル...」
アルミン「僕が思うに、考えられる類似点はまだあるんだ。」
エレン「あるんですか...?」
アルミン「僕とファーラン、ライナーとミケさん」
ライナー「!」
アルミン「それと...ミカサとリヴァイ...」
ミカサ「...」
アルミン「今言った4人はプレースタイルが似てるから...太刀打ち出来ないってことはないよ。ちゃんとその人の弱点を見つけ出して、そこをつく」
ミリウス「で、でも...見つかる以前に...あるんですか?」
アルミン「あるよ、人には必ず1つは弱点がある。」
「お、おぉ...!」
アルミン「だけど...それを三星シガンシナがどれだけ勘付くか...がこの試合のポイントだ。」
アルミン「だから全員...自分のライバルを見つけて...そのライバルの弱点を見つけ出すんだ。」
「はいッ!!」
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- 11 : 2016/06/26(日) 23:29:54 :
審判「プレイ!」
ウーーーーーッ
ウグイス「1回の表、三星シガンシナ学園高校の攻撃は...1番セカンド、モブセカンド君 背番号4」
モブセカンド「ふぅ...来い!」
実況「さぁ今始まりました。 1回三星シガンシナの先頭バッターは、モブセカンド。 対する調査高校の先発はナナバ」
ファーラン「...」サイン
ナナバ「」コクッ
モブセカンド「〔チッ、1年と2年のバッテリーか...舐めやがって...だが、相手は調査高校だ。油断はするな!〕」
ドッ!!
ナナバ「ッ!!」シュッ!
パシンッ!!!
審判「ボール!」
実況「初球内外れてボール。ストレートでしたね」
諫山さん「そうですね、彼は優秀な投手です。ですが、初回はなかなかエンジンが掛からないのが短所です。」
モブセカンド「〔この投手の弱点はとにかく前半は【スロースターター】な所、慎重に行って甘い球が来たら手を出す!これがこいつの攻略法だ!〕」
ファーラン「ナーイスボールッス!」シュッ
ナナバ「皮肉か、この野郎...」パシッ
ファーラン「」サイン
ドッ!!
シュッ!
パシンッ!!!
審判「ボールツー!」
実況「今度も内低めワンバン、これもストレートです」
ドッ!!
シュッ!
パシンッ!!!
審判「ボールスリー!」
パシンッ!!!
審判「ボール、フォア!」
モブセカンド「っしゃぁ」
実況「先発ナナバ、先頭バッターを歩かせてしまいました。」
ナナバ「くそっ」
ファーラン「ドンマイ!ドンマイ!いつも通りッスよ!」
ナナバ「うるさいっ!」
ウグイス「2番ショート、モブショート君 背番号6」
モブショート「よぉし!」
実況「ノーアウト一塁、バッターボックスには2番のモブショート」
ドッ!!
シュッ!
パシンッ!!!
審判「ボール!」
モブショート「〔やっぱこの投手、初回はエンジン掛からない...ここで一気に叩く!〕」
ドッ!!
シュッ!
モブショート「〔外高め、甘い球!〕」スッ!!
キーンッ!!
ナナバ「うわっ」
ポタッ ガシッ!!
モブリット「ドンマイ、ノーアウト!」シュッ
イザベル「ノーアウト、ノーアウト! ナナバ先輩、打たせて行きましょう!!」
ナナバ「あぁ」
ケイジ「楽に投げろ!」
エルド「ランナー一二塁だ、気を引き締めて行けよ」
リヴァイ「これ以上ランナー出すなよ」
ナナバ「リヴァイ先輩...その言葉グサグサ来ます...」
ファーラン「せ~んぱい!固くならない!固くなるのは下だけでいいッスから!」
ナナバ「お前は少し恥を知れっ!!」
ナナバ「ったく...」
ナイル「ふんっ、試合中というのに余裕を見せながらお喋りとはな...今に見てろ、吠え面にしてやる」
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- 12 : 2016/06/26(日) 23:30:23 :
ウグイス「3番ファースト、ケフカ君 背番号12」
フランツ「〔ノーアウト一二塁でクリーンナップの俺...ここで打たなきゃな〕」
マルロ「頼むぞ、フランツ」
フランツ「...あぁ、任せろって!」
ナナバ「スゥーッ...フゥーッ...」
フランツ「〔調査高校だからチャンスがこんなにも早くに回ってくるとは思わなかったけど...運が良かった、この運を今使わずにどこで使う〕」
フランツ「〔だけど...こいつら全員平然としてるな...まだ1回だからか?〕」
フランツ「〔それにキャッチャーは俺と同じ1年か...信じらんねぇな〕」
ドッ!!
シュッ!
パシンッ!!!
審判「ボール!」
実況「初球外低めわずかに外れてボール!これもストレート!」
フランツ「〔またストレート...〕」
ファーラン「オーケイ、オーケイ!oh K!」
ナナバ「〔マジで黙れっ!!〕」
フランツ「〔この投手は比較的球種が多い方だから、てっきり変化球で攻めてくると思ったけど...ストレートで押してくるのか?〕」
フランツ「〔いや、惑わされるな...引き続きストレート狙いだ!〕」
ドッ!!
シュッ!
フランツ「〔ほら来た、ストレートの甘い球!〕」スッ!!
キーンッ!!
観客「おぉぉぉおっ!?」
ピーーッ
審判「ファール!」
ウグイス「ファールボールにはご注意ください。」
フランツ「〔くそっ、外高めの甘い球だと思ったのに...〕」
ファーラン「...ふっ」
フランツ「〔このチャンス逃すわけにはいかないんだ...くそっ、今の一球無駄にした...〕」
「フランツ!」
フランツ「!」
監督「〔相手は同じ1年なんだ、大丈夫だ。お前も負けてねぇ〕」サイン
フランツ「〔ヒッティング?〕」
監督「〔見せてやれ、お前のバッティング!〕」
フランツ「!」
審判「プレイ!」
フランツ「〔何弱気になってんだ、チャレンジャーが弱々しくなるな!〕」
フランツ「〔次のヴァルツさんに繋げるために...俺がここで打つんだ!〕」
ファーラン「...」サイン
ナナバ「!」
ドッ!!
シュッ!!
クイッ!! フランツ「〔ッ、スライダー!? これが噂の...くそっ、今更止めるな!〕」スッ!!
キーンッ
実況「外のスライダーを引っ掛けた...が、詰まった当たりは...落ちるか!?」
ポタッ
実況「落ちたァ!! レフト前落ちました!」
フランツ「よっしゃぁ!」
タッタッタ!!
実況「その間にランナーは三塁へ、さぁノーアウト満塁! このビックチャンスに迎えるのは...」
-
- 13 : 2016/06/26(日) 23:30:52 :
ウグイス「4番サード、ヴァルツ君 背番号5」
スタスタ
ヴァルツ「〔来いよ...調査高校初失点は俺が取ってやる!〕」
スタスタ
ファーラン「いやぁ、打たれちゃったッスねぇ!」
ナナバ「どうするんだよ、ノーアウト満塁だぞ」
ファーラン「ま、でもほら!満塁の方が守りやすいッスよ!」
ナナバ「今お前明らかに逃げたよな」
ファーラン「元は言えばこのピンチ作ったの誰だって言うんスか~?」
ナナバ「う、うるさい!」
ファーラン「まぁでも...大丈夫ッスよ!」ニッ
ファーラン「つーことで、今日も任せるッスよ...頼れる先輩達! と一匹の豆」
イザベル「あぁ?誰が豆だ?このヒョロヒョロ人間」
ファーラン「...え?ナナバ先輩今何か言いました?」
ナナバ「は?何も言ってないよ」
ファーラン「あれぇ~空耳かなぁ...それともちっちゃすぎて見えない小人でもいるのかなぁ...」
イザベル「ぶっ殺す!!」
ガシッ ケイジ「まぁまぁ落ち着け、イザベル」
イザベル「離してください!今こいつをしばかないと試合中熱中症で倒れるかもしれないんで!!」
ケイジ「取り敢えず、長打警戒すんべ」
エルド「だな、最悪1点は仕方ない」
ナナバ「うっ...すみません...」
「どうだっていい」
ファーラン・イザベル・ナナバ「!」
リヴァイ「ここで点取られようが関係ない、裏で取り返せば帳消しに出来る」
ナナバ「うぅ...リヴァイ先輩が初めて私の味方を...!」
リヴァイ「だから、早いとこ終わらせるぞ。 何点取られるかわかったもんじゃねぇしな」
ナナバ「〔前言撤回〕」
ファーラン「...よしっ、元気に行くッスよ!」
ナナバ「お前は少し風邪でも引いといてくれ...」
イザベル「そのまま一生治るな!」
リヴァイ「永眠しろ」
ファーラン「ちょっとォ!最後のはさすがに酷いッスよ!?」
ガヤガヤ
エレン「何か...緩いって言ったら可笑しいですけど...賑やかですね」
アルミン「ん?あぁ...ファーランのこと?」
エレン「え、あ、はい」
アルミン「確かにファーランとイザベルがいると賑やかだよ...まるでコニーが2人いるみたいで」
マルコ「コニーが2人...う”っ!? 考えただけで頭がっ...」ズキッ
トーマス「コニーが2人とか考えられねぇ」
ジャン「けどよ...なんつーか...あいつも思ったより普通だな」
ライナー「あいつ?」
ジャン「1年二人だよ...特にキャッチャーのファーランって奴だ。 1年でレギュラー...しかも、捕手って聞いたからどんな化物かと思ったら」
「多分それは...様子見をしてるんだ」
ジャン「えっ、様子見...?」
アルミン「これは調査高校の監督の指示だと僕は思う。」
エレン「ってことは...調査高校はまだ本気じゃないってことですか...?」
アルミン「簡単にいえばそうだね」
「えぇっ!?」
アルミン「恐らく...動くのは2順目...でも、さすがの調査高校もノーアウト満塁で本気を出さないってことはないだろうけど」
エレン「〔調査高校の本気...〕」
-
- 14 : 2016/06/26(日) 23:32:52 :
審判「プレイ!」
ドッ!!
シュッ!!
クイッ!!
パシンッ!!!!
審判「ストライク!」
実況「初球外低めにストライク!スライダーでしたね!」
諫山さん「ナナバ投手の得意変化球でもあるスライダーが、ようやく決まりましたね。 そろそろエンジンがかかるかもしれません。」
ヴァルツ「〔これが調査高校次期エースの変化球...キレッキレだな〕」
ドッ!!
シュッ!!
ヴァルツ「〔ッ、テンポが上がってる!?〕」
パシンッ!!!!
審判「ストライクツー!」
実況「なんともう追い込みました。」
諫山さん「テンポがよくなって来ましたね。」
ヴァルツ「〔そう言えばこの投手はテンポの速さも武器なんだよな〕」
実況「さぁ早くも追い込みました。 次で決めるのか...?」
ドッ!!
シュッ!!
ヴァルツ「〔例え凄い変化球を投げようとも...テンポが速くても...お前より1年長く練習してきてんだよ!!〕」スッ!!
キーンッ!!
実況「強烈な当たりはライトへッ!?」
タッタッタ!!
ヴァルツ「〔入っちまえ!!〕」
パシッ!!!
ヴァルツ「ッ!?」
審判「アウトォ!!」
モブセカンド「〔いやだが、フェンスギリギリの位置なら犠牲フライで間に合う!〕」ダッ!!
「ふっ、馬鹿め」
タタッ!! 「ウォォォォォオオオッ!!!!」シュッ!!!!
コーチャー「バック!戻れェ!!」
モブセカンド「えっ...?」チラッ
パシッ!!!!
ポンッ
ファーラン「ほい、お疲れさん」
審判「アウト!」
観客「おぉぉぉぉぉぉおおおおおっっっ!!!!」
実況「なんと...ライトフェンスギリギリから...レーザービームのごとく投げられたその一球は...一瞬にしてホームベースにまで送られたァ!!!」
諫山さん「今まで、あんな遠くからの送球で間に合うシーンなんて見たことがないです。 さすがは調査高校主将です。」
ミケ「ふっ」ニヤッ
ジャン「あ、あり得んのかよ...」
ライナー「...あんな肩...初めて見たぜ」
アルミン「通称:マリアのカタパルト...これがミケ・ザカリアスだよ」
ライナー「...」
アルミン「でもま...ライナーとならタメはれるかもね」
ライナー「えっ!?」
アルミン「さっきも言ったけど、ミケさんとライナーなら...少なからずパワーなら負けてないと思うよ」
ライナー「!」
アルミン「だから...一々そんなに驚くことや自信を無くすことはないと、僕は思うよ」
アニ「...ふっ、全く...本当に頼もしくなったね」クスッ
-
- 15 : 2016/07/15(金) 08:48:18 :
実況「さぁ状況は先程と一変して、ツーアウト一二塁...諫山さん、先ほどのザカリアスのダブルプレー凄かったですね!」
諫山さん「そうですね、さすがといった肩です。 あのピンチで、あれだけの実力を出せてしまう。これも調査高校の強さの1つでしょう。」
ウグイス「5番キャッチャー、アイブリンガー君」
ナイル「デニス、まだチャンスは終わってないぞ!続けて打て!」
デニス「おう!」
「チャンスは終わってない...かっ」
ファーラン「じゃぁうちはピンチには変わりないってことだよなぁ」
デニス「?」
審判「プレイ!」
デニス「〔今この1年...何かぼやいてたな〕」
ファーラン「チャンスはまだ終わってない...だから、まだ勝機はあるってことかなぁ?」
デニス「〔こいつ...頭逝っちゃってるんじゃねぇか? 暑さでやられたか、丁度いい...同じ捕手同士...負けられないんでね〕」
ファーラン「ほぇ~...まだチャンスは終わってない...ねぇ」ギリッ
アルミン「!」
アルミン「アニ、みんな!見るんだ!」
アニ「?」
エレン「え?」
ファーラン「じゃぁさ...こういう結論は考えつかなかったのかなぁ」
デニス「〔ぁあ? なんだ、こいつさっきから...〕」
ファーラン「ピンチはチャンスに代わる。 すなわち、チャンスはピンチに代わる...ってこと」ギロリッ
デニス「〔ッ、なんだこいつ...急に人が変わったみたいに...〕」アセ
ドッ!!
ナナバ「ッ!!」シュッ!!
デニス「〔ストレート〕」スッ!!
カクンッ!
パシンッ!!!!
デニス「〔ッ、フォーク...!? あんな速いフォークあるのか!?〕」
審判「ストライクワン!」
実況「初球外低めにフォークボールをストライク! 諫山さん、出ましたね!ナナバのフォーク!」
諫山さん「そうですね、彼のフォークは通常のフォークより沈みは浅いですが、その分速いです。三星シガンシナにとって、この高速フォークは厄介になりそうです。」
デニス「〔データでは使ってる回数が少なかったから...そんなに要注意しなかったけど、ありゃやべぇな...下位打線じゃ手も足も出ない〕」
「人の心配してる余裕あるの?」
デニス「はっ...!?」
ファーラン「今バッターボックスに立ってるのはあんたなんだ、自分の心配したら?」
デニス「〔こいつ...さっきからなんなんだ...〕」
ファーラン「」サイン
ナナバ「〔! いいのか!?〕」
デニス「〔確かにコイツの言う通り...人の心配をしてる場合じゃねぇけど...〕」
デニス「〔ってあれ...なんでだ...俺声に出してたか...?〕」
アニ「...なるほどね、あれは厄介極まりないね」
ジャン「え、何がですか?」
アニ「あいつのプレースタイル...アルミンに似てるって...さっき言ったでしょ?」
ジャン「はい」
アニ「しかも、ただ似てるだけじゃなくて...一つ一つのプレーがアルミンのプレーに似てる...ってことはどういうことかわかる?」
ジャン「ッ、まさか...」
アルミン「そう...」チラッ
ファーラン「...」スッ
アルミン「ファーランは...」
僕と同じ、【バッターの心境を読み取る】ことが出来るんだ。
アルミン「だから...ファーランには今相手がどんな状況を考えていて、次に何をしようとするか...これを読み取るんだ。」
ドッ!!!!
ナナバ「ッ!!」シュッ!!!
デニス「〔ッ、さっきよりはy パシンッ!!!!!
審判「ストライクツー!」
観客「おぉぉぉぉぉおおおおおおッッ!!!!!!」
コニー「ん?なんだぁ?」
エレン「!」
ミカサ「どうしたの?」
エレン「いや...なんであんなに騒がしいのか...わかったんだ」
ミカサ「?」
エレン「今日の試合の...最高球速が更新されたからだ」
ミカサ「!」
【148km】
-
- 16 : 2016/07/15(金) 08:49:24 :
-
ファーラン「ナーイスボールッス!」
ナナバ「ふっ、調子のいいことぬかしやがって」
デニス「〔速すぎだろ...148? あと2kmで150じゃねぇか...いやそれだけじゃない...ストレートのキレも半端じゃない...〕」
ファーラン「」ニヤリッ
ドッ!!!
シュッ!!!
デニス「〔くそっ、スライダーか!〕」スッ!!
クイックイッ!!!
パシンッ!!!!! 審判「ストライクバッターアウト!スリーアウトチェンジ!」
観客「おぉぉぉぉぉぉおおおおおッッッ!!!!」
実況「最後は切れ味抜群のスライダーを外低めいっぱいに決めて三振!!」
諫山さん「エンジンがかかってきましたね」
ナナバ「よっし!!」グッ
ファーラン「ナイピッチッス!!」
ナナバ「うるさい!お前は黙れ!」
ファーラン「えっ!? なんでッスか!?」
ケイジ「つか、お前...スイッチオン・オフ激しすぎんだろ」
ファーラン「えぇ?そんなこと無いッスよ!」
リヴァイ「いつもあれぐらいなら疲れねぇのにな」
ファーラン「そこっ!?」
エルド「まぁいいさ、どんなに変な奴でもお前は調査高校(うち)の正捕手なんだ。 ちゃんと投手を管理してくれればなんだっていい」
ファーラン「エルド先輩...」
ファーラン「一瞬聞いた時は感動したッスけど、よくよく考えてみれば『変な奴』ってdisられてるスよね」
エルド「気づいたか」
ファーラン「関心するとこ違うッスよ!?」
イザベル「〔いつもはうるさいただのガキなのに...試合になると、あぁも別人になって...ったく、本当に頼りがいのあるチャラ男だよ〕」クスッ
ファーラン「あぁ~ん? てめぇ、クソチビ...今なんつったぁ?」ゴゴゴッ
イザベル「ハァ? 誰もてめぇって言ってねぇだろうが、自意識過剰すぎんだろ。 なんだ?自覚あるのか?ありですか?自覚ありの自意識過剰パターンですかぁ?」ゴゴゴッ
ファーラン「あぁん? んだァ?このクソ豆?んァ?やんのかぁ?」ゴゴゴッ
イザベル「あぁ?いいぜぇ?やってやろうじゃねぇか、二重人格野郎」ゴゴゴッ
ケイジ「ふっ、全く今年は頼もしい1年が入ってきたな」
エルド「あぁ、あれぐらいの活気がなきゃ調査高校(うち)のレギュラーはやってけないさ」
リヴァイ「...そうか? ただうるさいのが入ってきただけだろ」
ファーラン・イザベル「え”っ!?」
スタスタ
デニス「悪いナイル」
ナイル「慌てるな、まだ1回だ」
デニス「あぁ...」
_______________________________
___________________________________________
_____________________________________________________
シュッ!!!
デニス「〔くそっ、スライダーか!〕」スッ!!
クイックイッ!!!
パシンッ!!!!! 審判「ストライクバッターアウト!スリーアウトチェンジ!」
デニス「くそっ...」
「ふぅっ...」
デニス「ッ」チラッ
ファーラン「ふっ、ナイピッチッス!!」ニッ
_____________________________________________________
___________________________________________
_______________________________
デニス「〔あの時、また人が変わったように...今度は笑っていた...〕」
ナイル「何をグズグズしてる、さっさと行くぞ」
デニス「あぁ」
-
- 17 : 2016/07/15(金) 08:51:12 :
ザワザワ
ジャン「今度は何の騒ぎだよ」
マルコ「! 違う...ただの騒ぎじゃない」
調査高校援団「えー、今日も熱い中応援に来てくださったことを誠に感謝致します!」
マルコ「調査高校の援団だ」
ダズ「ひ、ひぇ...凄い数...」
トーマス「こりゃ迫力あるな」
ミリウス「これだけの厚みだと...応援される選手も相当やる気が出るだろうな」
「でも、うちの方がもっと凄いぞ?」
ダズ・トーマス・ミリウス「え!?」
エレン「お前ら試合に夢中だから気づいてないだろうけど、うちも結構な数いるし...何よりチアリーダー部は全国トップレベル・吹奏楽部も全国レベル...別に大した差はないと思うぞ」
ミカサ「ふふっ」ニコッ
ライナー「確かにエレンの言う通りだぜ、俺らの援団も負けちゃいねぇ」
ベルトルト「うん、驚くことじゃないと思うよ」
ダズ・トーマス・ミリウス「...」ポカーン
ジャン「んなことは皆重々承知してんだよ」
ジャン「それに問題は...そこじゃねぇだろ」
アルミン「うん」コクッ
エレン「〔調査高校の攻撃...一体どんなチームなんだ...?〕」
-
- 18 : 2016/07/15(金) 08:51:59 :
ウグイス「1回の裏、調査高校の攻撃は...1番セカンド、マグノリア君 背番号4」
実況「さぁ1回の裏の先頭バッターはマグノリア。諫山さん、爆速のマグノリアVS三星シガンシナ...どう思われますか」
諫山さん「そうですね、マグノリア選手は1年生とは思えないレベルの足を持ってます。 ですので、三星シガンシナとしてはバットに当てさせてはいけない勝負です。」
スタスタ
イザベル「お願いしますッ」
審判「プレイ!」
ジャン「〔俺と同じスタイル...どんなプレイするんだ?〕」
ナイル「〔1年で1番バッター...光の速さを誇るスピードスター...イザベル・マグノリア〕」
ナイル「〔確かに厄介な相手だ、だが勝てないわけではない〕」
ドッ!!
ナイル「ふっ!」シュッ!!
イザベル「...」スッ
ナイル・デニス「〔! セーフティ!?〕」
クイックイッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
イザベル「...ふぅ」
ナイル「〔初球セーフティ...それをわざとか? なぜ当てに行かなかった?〕」
デニス「〔スライダーで良かったぜ〕」
ナイル「〔探りに来てるのか、それとも本当に当てられなかったのか...どっちだ〕」
ドッ!!
シュッ!!
スッ
ナイル「〔ッ、またセーフティ!〕」ダッ
パシンッ!!!
審判「ストライクツー!」
実況「ドーク、早速追い込みました!」
諫山さん「バントの構えをしてますね、探りでしょうか?」
ナイル「〔構えのみで...当ててこないだと...?〕」
チラッ
ミケ「ふっ」ニヤッ
ナイル「〔何を企んでいる...ミケ〕」
ドッ!!
ナイル「〔ふんっ、バントをするなら好きにしろ...その代わり...〕」
ナイル「〔怪我をしても知らないぞッ!!!〕」シュッ!!
イザベル「!」
スッ!!
デニス「〔ふっ、やっぱりストレート狙いだったか!サードのヴァルツを前に出しておいて正解だったぜ!〕」
キッ
実況「セーフティバン! あぁっと!? しかし、サードのヴァルツがそれを読んでいたかのように前進していたァ!!」
コロコロ
ガシッ! ヴァルツ「はっ、バントってわかってりゃ...例え爆速だろうがなんだろうが、意味ねぇんだよッ!!!」シュッ!!!
パシッ!!!
審判「セーフ!!」
フランツ・ナイル・デニス「ッ」
観客「おぉぉぉぉぉぉおおおおおッッ!!!!!!」
ヴァルツ「なに!?」
「へっ、何が意味ねんだよ...だって?」
ヴァルツ「!」
イザベル「そういうことは、アウトにしてから言えってんだ!」
ヴァルツ「なっ...いつの間に...」
-
- 19 : 2016/07/15(金) 08:52:25 :
トーマス「は、はぇ...ジャンより速いんじゃねぇか?」
ジャン「...かもな」
エレン「...んだよ馬面、弱気かよ」
ジャン「はぁ?どこが?別に勝負に敗けたわけじゃねぇし...それに野球はチームスポーツだ、試合に勝ちゃいいんだよ」
アルミン「...ふっ、わかってきてるじゃないか」クスッ
コニー「でもなんで間に合ったんだ?単に足が速いだけじゃなさそうに見えたけど」
ジャン「あれはただ足が速いだけじゃねぇ...走塁の技術の基本がなってんだよ」
マルコ「基本?」
ジャン「バントした直後、スターダッシュ...右バッターより左バッターの方が一塁から近いってのは常識だろ?」
マルコ「まぁそれは」
ジャン「バントした後の一歩目...あいつは左足じゃなくて、右足から一歩目を踏んだ」
マルコ「どういうこと? そりゃ右の方が近いけど...単純にそう練習したってことでしょ?」
ジャン「いくら練習しても、左打席で右足を一歩目って相当な柔軟性がねぇと出来ねぇんだ」
ジャン「だからまぁ...あいつは単純に足が速いってわけじゃねぇってこった」
アルミン「〔良かった、それが気づけて〕」
-
- 20 : 2016/07/15(金) 08:53:03 :
ウグイス「2番センター、バーナー君 背番号8」
モブリット「よろしくお願いします」
ナイル「〔定石通りならバントだが...〕」
スッ
デニス「〔やっぱりバントか...次はあの1年捕手...やばいな〕」
ナイル「〔案ずるな、すでにこいつらは攻略済みだ〕」
ドッ!!
シュッ!!
クインッ!!
モブリット「!」
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
モブリット「〔今の球は...〕」
実況「諫山さん、今の変化球はなんでしょうか?」
諫山さん「スライダーですね、が厳密に言うならば...スラーブでしょう」
モブリット「〔カーブほどブレーキはかからなく、スライダーほど鋭く変化しない...良く言えば混合種、悪く言えば中途半端な球種。〕」
デニス「〔この一球でもたすか〕」
ドッ!!
シュッ!!
クイッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライクツー!」
実況「今度は外いっぱいにキレのあるスライダー」
諫山さん「スラーブとは、中途半端な球種ではありますがスライダーとカーブを混ぜあわせれば、スラーブの真骨頂が見えてくるでしょう。」
モブリット「〔なるほど、これは見抜けが難しい〕」
ナイル「〔ふっ、せいぜい的を絞って...〕」ドッ!!
ナイル「〔博打打ちをしていろ!!〕」シュッ!!
クイッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!バッターアウト!!」
デニス「ナイピッチ!!」
ナイル「ふんっ、どうだ!!」
スタスタ
ファーラン「ドンマイドンマイッスよ!俺が弔い合戦してやるッス!!」
モブリット「チャーチ、勝手に殺すな」
ファーラン「...でどうッスか?」ボソッ
モブリット「スライダー、カーブは少し手間がかかるが...スラーブは問題ない」ボソッ
ファーラン「了解ッス!」
スタスタ
モブリット「はぁ...」
ミケ「どうした?」
モブリット「いやチャーチ相手にするのが疲れただけだ」
リヴァイ・ナナバ「わかるぞ、モブリット(わかります、先輩)」ポンッ
ケイジ「でもま...恨めない奴なんだけどな」
-
- 21 : 2016/07/15(金) 08:53:51 :
ウグイス「3番キャッチャー、チャーチ君 背番号2」
ファーラン「おっねがいしまーッス!」
ナイル「〔こいつも1年か...ふんっ、舐めやがって〕」
ドッ!!
シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
実況「初球内低めにストレート決まってストライク!」
諫山さん「いいですね、ストレート走ってます。」
デニス「〔1年で3番起用だもんな...相当な実力なんだろうな〕」
ナイル「〔恐れる必要性などない、いつも通り抑えるだけだ!〕」ドッ!!
シュッ!!
クイッ!! ファーラン「...」ジィーッ
パシンッ!!!
審判「ボール」
実況「二球目は外角わずかに外れてボール」
ファーラン「...っし」ギュゥッ!!
デニス「〔! バットの握りを確かめた?〕」
デニス「〔こりゃ次振りに来るかもな...ならここはもう一球外に...〕」
ドッ!!
ナイル「ふっ!!」シュッ!!
クインッ!!
エレン「ッ、カーブを外!あれじゃ空振り...」
アルミン「!」
ギュゥッ!! ザッ!!!
デニス「〔やっぱり引っかかったか! だが、お生憎様だな! タイミングがズレまくりだぜ!〕」
ファーラン「...んん”ッ!!」グググッ!!!
ナイル「ッ」
ファーランの打席、三球目のカーブで完全にスイングのタイミングがズレて、誰もが空振りになると思っていた...
...が
チクッタクッ0.0秒 チクッタクッ0.1秒 チクッタクッ0.2秒 チクッタクッ0.3秒 チクッタクッ0.4 チクッタクッ0.5
このコンマ0.5秒の間...何かが起きた。
ゴォッ!!! ギュゥッ!!!
ファーラン「...ッ!!」カキーンッ!!!
ファサッ!!!
・・・
観客「お、おぉぉぉぉぉおおおおっっ!? 入ったァ!?」
実況「は...入りましたァ!! 2ランホームラン!!」
ザワザワ
タッタッタ
ファーラン「一丁上がり」
デニス「〔い、今...何が起きた...?〕」
デニス「〔確かに今...スイングが早くて、空振りになるはずだったのに...〕」
実況「いやぁ驚きましたねぇ、諫山さん」
諫山さん「そうですね、完全にタイミング抜かれてましたから誰もが空振りだと思いましたが...それを上手く流してフェンス超えですからね」
-
- 22 : 2016/07/15(金) 08:55:20 :
トーマス「...今俺の目に狂いがなければ...空振りしたと思ったんだけど...気のせい?」
コニー「え!? 木の精なの!? 妖精なんているの!?」キラキラ
トーマス・マルコ「」カチンッ
ギャーギャーッ
エレン「トーマスの言う通り...今の完全にタイミングズレてましたよね。それにあのスイング...」
アルミン「うん...まぁ答えなんて...簡単だけど」
エレン「え?」
アルミン「単に堪えただけ...と言ってもそれが難しいんだけど」
エレン「堪えた?」
アニ「スイングのタイミングがズレれば、誰だって一瞬だけど修正するでしょ? それをあいつは...いとも簡単に修正仕切ったってこと」
エレン「えっ」
アニ「はっきり言って...あんなの誰でも出来るわけ無い。むしろ、出来るのが本の一握り...うちで言うなら...アルミンとミカサくらい」
ミカサ「私も...ですか?」
ライナー「あぁ、4回戦の時マルセルのSFFを打った時のことですか」
アニ「そう」
アニ「でも、アルミンもミカサも...あれだけズレたタイミングを修正は出来ない...っていうのは断言できるね」
ベルトルト「どうしてですか?」
アニ「まぁ...ストレートに言えば...”体格の差”って奴かな」
エレン「!」
アニ「アルミンもミカサも平均的な身長は持っても...あいつみたいに180超えてるわけじゃないからね」
サシャ「ファーラン・チャーチ...身長182cm 体重70km 右投げ右打ち、ポジションはキャッチャーですね。」
「うぉあっ!?」
ジャン「お、驚かせんなよ」
サシャ「何を驚くところがあるんですか!私これでもマネージャーなんですよ?」
エレン「急に出てくるなよ!びっくりしただろ!」
サシャ「その様子だとエレン...お化けとか苦手なんですか?」ニヤニヤ
エレン「はっ、ハァ!? こ、怖くなんて...ねぇよ!」アセ
「〔めっちゃ目泳いでるじゃねぇか!〕」
ライナー「...ってか今...身長182って言ったか?」
サシャ「はい」
ライナー(185cm)「俺とあまり変わらないのか」
ジャン(175cm)「ライナーと同じくらいでも、うちには大型巨人がいるから安心しとけ」
ベルトルト(192cm)「そ、その呼び方やめて...」ナミダ
ミカサ(170cm)「でも、大きいに越したことはないと思うからそんなに悲観することではないと思うベルトルト」
エレン(170cm)「怖くねぇ!怖くねぇ!怖くねぇぇぇぇえええええ!!!!!」
サシャ(168cm)「面白いぐらい拒絶しますねぇエレン...今度お化け屋敷に連れてってあげます!「いらねぇ親切だな!」
コニー(158cm)「お、おい!? なにすんだよ!?」
トーマス(174cm)「うるっせ!お前が余計なこと言うからだ!」
マルコ(178cm)「コニーくーん? そろそろカンニング袋が切れるよぉ?」
ダズ(168cm)「やっぱ保冷剤もっと入れてくれば良かった...」
ミリウス(177cm)「え、入れてきてないの?」
ハンジ(170cm)「ぃやっほーぅ!熱い中の麦茶は最高だぜぇ!」
アニ(162cm)「あっつ」パタパタ
アルミン(172cm)「...みんな来るよ」
「え...?」
-
- 23 : 2016/07/15(金) 09:03:05 :
イザベル「お前しちゃすげぇな!ま、まぐれだろうけどな!」
ファーラン「うるせっ!お前に言われたかぁねぇよ!!」
「お前ら少しは静かにしろ」
イザベル・ファーラン「!」
リヴァイ「スゥーッ...フゥーッ...」キリッ
ファーラン「〔! この感じ...リヴァイ先輩本気になってる?〕」
ファーラン「パイセン!なにガチ集中モードになってんスか!」
ミケ「ファーラン、やめとけ」
ファーラン「!」
ミケ「仮にも今は試合中だぞ、ふざけていいとは言っていない」
ファーラン「〔違う...リヴァイ先輩だけじゃない...みんなも...?〕」
エルド「ふぅッ...」キリッ
ケイジ「スラーブか...面倒って言っちゃ面倒だな...」キリッ
ネス「だがまぁ、打てなくはないだろう」キリッ
モブリット「ふぅ...次は打つ...」キリッ
ナナバ「集中切らすな...このまま今日も無失点...」ブツブツ
ファーラン「〔やっぱ...甲子園経験してるだけあって...全然ちげぇ...貫禄とかそういうのじゃない...〕」
ファーラン「〔みんながみんな...自分を追い込めてるのか〕」
イザベル「どうやら俺ら...少し舐めてたな」
ファーラン「...あぁ...けど、やることは変わんねぇよ」
「「試合に、勝つのみ」」
エルヴィン「〔...ふっ、わかっていればいい...〕」
-
- 24 : 2016/07/15(金) 09:10:11 :
実況「さぁ突然の失点で動揺を隠せないドーク。いえ、三星シガンシナ学園ナインですが...無理もないでしょう。」
実況「次のバッターは...」
調査高校援団長「パターンA、ドラ○エ3!!」
調査高校援団「オーーーッッッ!!!!!」
ザワザワ
観客「おい、来るぞ!」
観客「ついに来るか!!」
観客「楽しみだぜ!!」
スタスタ
「ふぅ...」ギリッ
♪ドラ○エ3 戦闘曲♪
「おぉぉぉぉおおおおおッッッ!!!!」
トーマス・マルコ・コニー「なんだ!?」
実況「さぁ球場内すべてから大声援・大歓声がまるで、波の如く沸き起こっています。 その原因はただ1つのみ...それはなんと言ってもプロも...いえあのメジャーでさえも大注目している...あの男が打席に立つからであります!!」
諫山さん「来ましたねぇ、今応援歌でドラ○エ3の戦闘曲が流れてますが、まさにラスボスとも呼べるでしょう。」
ウグイス「4番...ショート...リヴァイ君 背番号1」
ナイル「クッ、きたか...化物め...」
ザッザッザ!!
リヴァイ「来いよ、ナイル」ギュゥッ!!!
実況「おぉっと!? ここでリヴァイ、ホームラン予告をしたァ!!!!」
ナイル「ふんっ、舐めた真似をしやがって...だが負けるのは...お前だッ!!!」スッ!!!
実況「リヴァイに対しての初球...ドーク振りかぶって...」
ドッ!!!
実況「投げたァ!!」
シュッ!!!
パシンッ!!!!
審判「ボール!」
実況「初球外低めに外れて、ボール!速い球でしたね!」
諫山さん「今のが全力投球でしょうね、145km速いです。」
ナイル「チッ、入らなかったか」
デニス「〔いきなり全力投球とか聞いてねぇぞ...でも、ナイスボール!球威上がったな!〕」
デニス「〔次はもう一球外...今度は...〕」
ナイル「〔ふっ、わかってるさ...元々俺はそのつもりだったさ!!〕」スッ!!!
ドッ!!!
シュッ!!!
デニス「〔完璧なコースだ!!〕」
クインックインックインッ!!!!
パシンッ!!!!!
審判「ストライク!!」
観客「おぉぉぉぉぉぉぉおおおおッッ!!! 三星シガンシナも負けてねぇ!!!!!」
観客「今のカーブ...どんだけ変化するんだよ!? それにストレートとの緩急やばすぎだろ!?」
デニス「〔ナイル...やっぱお前最高だぜ、このビハインドの状況で潜在能力解放するなんてな!〕」
ナイル「...ふぅッ」
デニス「〔見ろ、自由の翼のエース...リヴァイでも振らないんだ!〕」
マルロ「...ははッ、すげぇなあの人...」
観客「これ...良い勝負になるんじゃないか?」
観客「なに馬鹿なこと言ってんだ!! あのリヴァイだぞ!? 負けるはずがねぇだろ!!」
観客「だけど、あの緩急打てるのか!? いやまず当たるのか!?」
リヴァイ「...」
コツッコツッ コツッコツッ
マルロ「〔? バットでスパイクについてる砂を落とした...?〕」
ザッザッザ!!!! リヴァイ「...ふぅ...」スッ!!!!
バァンッ!!!!
・・・
ナイル・デニス「ッ」
バァンッ!!!!
マルロ「...ぇ」
バァンッ!!!!
ジャン「嘘だろ...?」アセ
ライナー「なんだ...この音は...」アセ
ミカサ「...」アセ
アルミン「来るか...」アセ
エレン「え...な、何んだ...?」
実況「な、なんという風切り音でしょうか。これには球場内全員が驚きを隠せません!」
諫山さん「か、彼は本当に高校生か疑いたくなりますね。」ハハッ
ヒョァァァァアアアアッッッ
エレン「うわっ!? だ、誰の声だ!?」ビクッ
アルミン「違う...風だ」
その風はまるで...この球場が...ある一人の男の素振りによって、恐ろしくて怯えながら叫んでいるかのような...声...
そして...その声は微かにこう聞こえた...
I scream
-
- 25 : 2016/07/15(金) 09:11:55 :
リヴァイ「...来いよ」ギロッ
ナイル「ふっ、今更逃げる術などない...一度乗った船には、次の島まで乗るのが男」スッ!!!
ドッ!!!
ナイル「ハァッ!!!」シュッ!!!
パシンッ!!!!
審判「ボール!」
実況「3球目は外高めにストレート、浮きました!」
ドッ!!!
シュッ!!!
パシンッ!!!!
実況「ボールスリー!」
実況「4球目も内低めにストレート、どうしたのでしょう?急に入らなくなりました」
諫山さん「無理もないでしょう。なんと言っても...先ほどの素振り...あれは相手の動揺を誘うほどのものでしたから」
ナイル「ふんっ、脅しのつもりか...? そんな子供だまし...俺に通用するとでも?」
リヴァイ「ごちゃごちゃ言ってねぇで、投げろよ。 それとも何か? 入らねぇのか?」
ナイル「ふざけたことをっ...ならば...喰らうが良い...」スッ!!!
ドッ!!!!
ナイル「この球をッ!!!!」シュッ!!!!
エレン「ッ、スライダーかカーブかスラーブか...わからない!?」
アルミン「いやあれは...」
クインックインックインックインッ!!!!
ジャン「ここでスラーブかよ!? 勝負出たのか!!」
ライナー「けど、あのキレ半端じゃねぇぞ」
ミカサ「...」
リヴァイ「〔なるほど、さっきのカーブは伏線か...ストレートとカーブで押して...緩急攻めで来ると思わせて、最後は今日一の切れ味スラーブか...確かに悪くねぇ...が〕」
パシンッ!!!!!
審判「ストライクツー!!」
観客「うぉぉぉぉぉぉおおおおおおおッッッ!!!!!!! 追い込んだぁぁぁあああああ!!!!!!」
実況「5球目は外いっぱいに脅威の切れ味スラーブです!! 良いところに決まりましたねぇ!」
諫山さん「あそこのコースは、前にカーブを投げていたコースですね...どうやらすべては伏線を張っていたようです。」
ジャン「お、追い込んだぞ...?」
ライナー「ま、まさか...な」
ミカサ「...」
エレン「すげぇ...」
アルミン「?」
エレン「あの人にあんな厳しいコースを...しかも、今日一の切れ味で...へっ、やっぱピッチャーってすげぇ!」
アルミン「...ふふっ、そうだね」クスッ
-
- 26 : 2016/07/15(金) 09:12:33 :
「ナイル!ナイル!ナイル!ナイル!!」
「リヴァイ!リヴァイ!リヴァイ!リヴァイ!!」
実況「さぁフルカウント、次の一球でこの打席の勝負は決まるのか!?」
ナイル「〔最後の一球はもう決まってる...〕」ギュゥッ!!!!
スッ!!!!
ドッ!!!!
エレン「〔どっちだ...どっちを投げて来るんだ...?〕」
アルミン「〔スライダーか...カーブか...それとも...〕」
ミカサ「〔スラーブか...〕」
ナイル「...エェェッリャァァァアアッッッ!!!!!!!!」シュッ!!!!
エレン・アルミン・ミカサ「〔ッ、ストレート!?〕」
デニス「〔よし注文通り、ギリギリ内低めいっぱいいっぱいのコース!!〕」
「ナイル...てめぇの脳は、そのスカスカな髭みてぇに小さいのか?」
ナイル「ハァっ!?」
「俺に最後の一球はストレートで決めたかったのか? だが、そいつは残念だったな」
リヴァイ「てめぇのストレートじゃ俺は喰えない。」
ナイル「ッ」
リヴァイ「なぜなら...てめぇのストレートは...」ザッ!!!!!
リヴァイ「偽物だからだァッッッ!!!!!!」
ゴォッ!!!!!
カキィーンッッッ!!!!!!
・・・
デニス「...ん? ボールは...どこだ...?」
フランツ「え...あ...あれ...」キョロキョロ
ヴァルツ「?」
グルングルンッ
デニス・フランツ・ヴァルツ「!」
審判「ホームラン!」
マルロ「え...え...?」
観客「い、今...打ったんだよな...?」
観客「あ、あぁ...でも...」
観客「打ったボールが...見えないなんて...ありえるのか!?」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおッッッッ!!!!!!!」
実況「なっ、なんということでしょう!? 打った球が速すぎて見えませんでした!!」
諫山さん「さ、さすがに...驚きますね...」
-
- 27 : 2016/08/01(月) 00:38:49 :
ミカサ「...」
アルミン「...」
エレン「ぇ...」チラッ
タッタッタ リヴァイ「...チッ、ぎゃーぎゃーうるせぇな」
エレン「打球が見えないなんてこと...あり得るのか...?」
ライナー「さすがに...笑えないな...」
ベルトルト「...うん」
「はぁ~...なぁにブルーになってんだよ!!」
ライナー・ベルトルト「!」
ジャン「打球が見えなかった?だから化物だァ? んなことは、もうとっくに知ってんだろ!」
エレン「!」
ジャン「今更怖くなって逃げたくなったとか言うんじゃねぇだろうな? 俺達は、自分でこの道を選んだんだ。」
ジャン「だったらちゃんと現状を受け止めて、前を向くしかねぇだろ!シャキッとしろ!!」
トーマス「お、おう! そうだな!」
コニー「何かジャンには似合わねぇ言葉だな!」
ジャン「っるせぇ!」
ライナー「...正直驚いたな、夏大前のジャンとは比べ物にはならないくらい...キャプテンシーがあるというか...」
マルコ「そうかな?」
ライナー「え?」
マルコ「僕は昔から...ジャンなら指揮をとれるって信じてたよ。」
アルミン「〔僕も正直ジャンがここまで成長するとは思わなかった。これもアニの采配や教育のおかげかな〕」チラッ
アニ「ん?なに?」
アルミン「いや...何でもないよ」ニコッ
アニ「...気持ち悪っ」ゾクゾク
アルミン「なんで!?」
観客「やっぱりあいつは化物だ、一人だけ別格だぜ」
観客「あのメジャーも注目してるだけのことはあるな」
ミケ「ナイスバッティング、リヴァイ」
リヴァイ「あぁ」
ミケ「凄い飛距離だったな」フッ
リヴァイ「馬鹿言え、お前のが飛ばすだろ」
ミケ「...ふっ、なら試してみるか」
リヴァイ「あぁ見せてもらおうか」
-
- 28 : 2016/08/01(月) 00:41:41 :
調査高校援団長「次、We will rock you!!」
調査高校援団「オーーーッッッ!!!!」
ウグイス「5番ライト、ザカリアス君 背番号9」
スタスタ
ミケ「ふっ」ニヤッ
ズンズンッ パンッ ズンズンッ パンッ ズンズンッ パンッ
ジャン「〔ったぁく、ベンチ入出来なかった連中全員でwe will rock youかよ...迫力ありすぎんだろ...〕」
実況「さぁこの聞き覚えのある応援歌は、まさにこの人に合っているといえるでしょう...」
諫山さん「えぇ、リヴァイ選手とはまた違った迫力です。 失礼な言い方ではありますが、リヴァイ選手は体は小さいです。ですが、それを超える巨大なオーラが出ている感じで、まさに『小さな巨人』という言葉が当てはまります。」
諫山さん「逆に、ザカリアス選手は体は大きく、そしてオーラも巨大です。しかし、その姿は巨人ではなく...『巨大な鬼』に見ますね。」
実況「ではその鬼がバットを持っていることから、鬼に金棒という言葉がまた似合いますね」ハハハッ
諫山さん「そうですね。」ハハハッ
デニス「ナイル、大丈夫か」
ナイル「あぁ...だが...」チラッ
ミケ「ふっ」ニヤッ
デニス「どうする、敬遠するか?」ボソッ
ナイル「なっ、するものか!!」
デニス「ははっ、まだ元気はありそうだな! ならこの5番で流れ切ろうぜ」
ナイル「くそっ、舐めやがって...」
ザッザッザ
ナイル「〔デニス...感謝するぞ、俺を活気付けるために...本当はあいつも怖いはずなんだ...なのに俺は...〕」ギュゥッ
審判「プレイ!」
ナイル「〔ピンチを防げないで...何がエースだ...!〕」スッ!!!
ドッ!!!
ナイル「〔チームを勝たせるのが...エースの仕事だろ...それを初回3点も取られて...〕」
ナイル「〔この背番号を背負った以上...俺には責任がある!!〕」
ナイル「〔俺を信じて付いて来た仲間の想い...ベンチ入出来なかった部員の想い...応援をしてくれた家族や友達の想い...〕」
ナイル「〔エースの俺が...折れたらダメだろッ!!!!!〕」シュッ!!!
「すんっすんっ...ふっ、甘いな」ニヤッ
ナイル「ッ」
スッ!!!! ゴォッ!!!!
ミケ「うぅぅぅぉぉおおおおおッッ!!!!!」グググッ!!!!
カキィーンッッッ!!!!!
ナイル「...」
フランツ「...」チラッ
マルロ「ぁ...ぁ...」
「うぉぉぉぉぉぉおおおおおおおッッッ!!!!!! 3打席連続ホームラン!!!!!」
ナイル「ぁ...ぅっ」ピクピクッ
タッタッタ
ミケ「すんっすんっ、リヴァイより飛ばなかったか...」
フランツ「は...?」
フランツ「〔今...なんて言った...? リヴァイより飛ばなかった...? 試合なのに...公式戦なのに...〕」
「仲間と張り合ってるのかよ...」
三星シガンシナ監督「不味い、マルロ!伝令だ!」
マルロ「...ぁっ、はい!」
ザッ
審判「ホームイン!」
エルド「またド派手に飛ばしたな」
ミケ「いやリヴァイよりは飛ばせなかった、あと20m足りなかった」
エルド「ふんっ、どっちにしても場外には変わりない」
ファーラン「ミケ先輩!どんだけぶっ飛ばしてんスか!!」
ミケ「リヴァイよりは飛んでない」
モブリット「いやいや張り合う相手間違ってるから...でも、まぁうちのクリーンナップは全員同じようなものか」
「いいぞ、その調子でいい」
エルヴィン「手を抜くな、初回で試合を決めろ」
調査ナイン「はいッ!!」
-
- 29 : 2016/08/01(月) 00:43:10 :
イザベル「なぁ、ファーラン」ボソッ
ファーラン「なんだ?」ボソッ
イザベル「コールドって確か5回からで10点以上だったよな?」ボソッ
ファーラン「あぁ、そうだ」ボソッ
イザベル「今の勢いだったら、5回までが程遠くね?」ボソッ
ファーラン「まぁ...な」ボソッ
イザベル「だよな...はぁ...何かあんまり燃えねぇ...もうあの投手ヘロヘロだし」
ファーラン「萌えない? お前...そっち系?」
イザベル「いちいち誤字変換すんじゃねぇよッ!! わざとらしい!!」
ファーラン「〔んまっ、こいつの言いたいこともわかる...〕」
カキィーンッッ!!!
実況「な、なんと...また入ったぁぁぁぁああああああああ!?」
実況「4打席連続ホームラン!!!」
ファーラン「〔あのピッチャー...体力より先に精神的に...ぶっ壊されちゃってるからなぁ...〕」
「ハァッ...ハァッ...ハァッ...」ゼェハァ
フランツ「ぁ...ど、ドンマイドンマイ!! バッター勝負です!!」
ヴァルツ「ぉ、オォッ!! バッター勝負だ!!」
モブセカンド「う、打たせていけ!!」
モブショート「ナイル!試合はまだ...終わってないぞ!!」
ファーラン「〔ははっ、そんな励まし...逆に煽ってるじゃん...今あの投手にはもう...希望という二文字じゃなくて...〕」
絶望という二文字しか...頭にないだろうな...
ファーラン「〔現実を見せられて、自分達の小ささが目の当たりにして...〕」チラッ
マルロ「!」
ファーラン「〔もう...諦めた方がいいんじゃない? これ以上やっても結果は変わらない〕」
マルロ「...クッ」
マルロ「先輩!大丈夫です!まだ1回なんですから!」
ナイル「...あ、あぁ...」
マルロ「どうしたんですか! いつもの調子はどこに行っちゃったんですか!」
デニス「...まだだ!マルロの言う通り...試合はまだ終わってない!次のバッターから下位打線だ!ここをきっちりアウトにして...表で俺らが絶対逆転してやる!」
ナイル「...あぁ」
デニス「〔ッ、覇気がない...いつものナイルじゃないみたいだ...〕」
アルミン「...不味いね」
エレン「え?」
アルミン「三星シガンシナはもう...折れるかもしれない」
エレン「お、折れるって...まだ試合はッ!!」
アルミン「確かに試合は終わってないよ...でも...」チラッ
三星シガンシナ学園高校 0
調査高校 5
ナイル「...」ビクビクッ
アルミン「ナイルさんが...エースが調査高校には通用しなかった...どころか、歯も立たない。」
アニ「エースが崩されたことによってチーム全体に影響が出たってこと。」
トーマス「な、なるほど...」
-
- 30 : 2016/08/01(月) 00:44:10 :
エレン「でもっ...」ギュゥッ
_______________________
______________________________________
________________________________________________________
春の合宿、三星シガンシナ学園高校との練習試合後...
ボリス「償わせてくれないか?俺達とまた...野球やらせてくれないか?」
エレン「ッ」
エレン「...気持ちは嬉しいけど...もう戻れない」
マルロ「なんでだよ!?」
エレン「ッ、マルロ」
マルロ「やっと...皆の誤解が晴れたのに...やっとこれからお前と出来ると思ったのに...それに...寂しくないのかよ!」
エレン「ッ」
エレン「...大丈夫、寂しくない...だって俺には...」
エレン「シガンシナ高校の皆がいるから!」ニコッ
マルロ「ッ...」
エレン「また...今度...やろう」
マルロ「...え?」
エレン「あ、いやっ、なんでも...ない」
スタスタ
マルロ「絶対...な?」
エレン「! うん...絶対、今度は...公式戦で」
マルロ「あぁ...負けんなよ!絶対!」
________________________________________________________
______________________________________
_______________________
エレン「〔マルロ...ボリス...みんな...〕」ギュゥッ
ミカサ「...エレン...」
カキーンッ!!! エレン「ッ」
実況「打ったぁぁぁぁあああ、大きい!これは入るか...また入ってしまうのかァ!?」
ポンッ!!!
実況「レフト見上げたぁぁぁぁあああああああ、5打席連続ホームランッッ!!!!」
諫山さん「圧倒的な実力の差が出てしまいましたね...」
実況「これでなんと...初回6点です!!」
ナイル「ハァッ...ハァッ...クッ...」
ジャン「...洒落になんねぇ...」
ライナー「決してあの投手が弱いからじゃない...バッターの...調査高校が...化物なんだ...」
ベルトルト「...なんだか...見てられない...」
トーマス「あぁ...なんつーか...同じ高校生とは思えねぇ」
マルコ「明後日...あそこと戦うんだよね...」
ミリウス「あぁ」
ダズ「...」
アニ「〔さっきの...ファーランの打席まではまだ正気を保てていた...けど、さすがに私もここまで見させられると...〕」
「...ふっ」ニッ
アニ「ッ」
アルミン「やっぱ調査高校は...自由の翼は...凄い...」ニッ
アニ「〔アルミン...?〕」
アルミン「〔だからこそ、倒したい...あの化物集団を...ゼロからスタートさせた...この一輪の花で...自分の力で...〕」
アニ「アルミン?」
アルミン「えっ、あ、ごめん」
アニ「どうしたの?」
アルミン「ん、なんでも...ないよ!ただやっと...ここまで来たんだって...実感が湧いただけだよ」
アニ「...ふっ、あんたらしいね」クスッ
-
- 31 : 2016/08/01(月) 00:46:12 :
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!!」
観客「マジかよ、たった1回で7点取ったよ調査高校」
観客「いや逆にもっと取れたんじゃねぇの?って思ったの俺だけ?」
観客「いや俺も!」
観客「コールド勝ち間違いなしだな、こりゃ」
観客「三星シガンシナは今年もベスト4止まりってことか、何かジンクスか?」ゲラゲラ
観客「男子校だから、女子いねぇのか...そりゃやる気も無くすわな!」ゲラゲラ
観客「ここまで差を見せつけられると、本当三星シガンシナに同情するわぁ」ゲラゲラ
エレン「なっ、言いたい放題言いやがって...!!」スクッ
ミカサ「ッ、エレン!?」
ジャン「ん...って、おい!? まさかお前...!!」
ライナー・ベルトルト「え?」
スタスタ
わかってんだよ...調査高校とは実力の差が、あまりにも大きいってことは...
わかってんだよ...いくら練習を頑張ったって...結果は勝った者にしかついてこないってことは...
わかってんだよ...自分達がどれだけ無謀なことをしてるかってことは...
でも...それでも...
ガシッ!! 観客A「は...おぉっい!? なにすんだよ!?」グイッ
エレン「俺の大切な友達を、バカにすんじゃねぇ!!!」
アルミン・アニ「ッ」
エレン「あいつ(マルロ)は、俺の...ヒーローだったんだッ!!!」スッ!!
ガシッ
エレン「ッ」
ケニー「おいおいおい、やめとけってエレン」
スタスタ
ミカサ「おじさん...?」
ケニー「今何をしようとしてた?ん?」
エレン「何って...こいつらを黙らせようとしただけだッ!!」
ケニー「黙らせる...そのために暴力か」
エレン「そうだよ、何が悪いっていうんだよ!? こいつら何か殴られたって当然なんだ!!」
ケニー「そいつぁ...ちげぇな、エレン...」
エレン「はぁ!? 何が違うって言うんだよ!?」
ポンポンッ
ケニー「まぁまずは...落ち着け、話はそれからだ」
エレン「...スゥーッ...ハァーッ...すみません、熱くなり過ぎました...」
ケニー「ふんっ、まぁわかりゃいいんだ」
ケニー「それから...あんたらさ...」
観客A「な、なんだよ!?」
ケニー「コート内の選手を煽るのは...まぁルール上規則されてないけど...限度ってもんがあるだろうが限度ってもんが」
観客A「あぁ? 俺達はただ見てるだけの観客なんだよ!観客に文句あるなら試合に出なきゃいい話だろ!」
ケニー「はぁ...いつになってもこういうアホみたいな観客はいるんだな...」
観客A「誰がアホだ!!」
ケニー「でもよ...あんた、周り見てみろ」
観客A「あぁ!?」チラッ
他校「態度わりぃ観客...あぁいう奴がいるから俺らも試合の途中で心折れたりするんだよな」
三星シガンシナ観客「なんだあいつ、失礼なやつだな」
ジャン父「全くだぜ、ケニー...」
ジャン母「今のはエレン君に同情するわ、行為は良くなかったけど」
ガヤガヤ
観客A「なっ...くそっ...お、お前らだって言ってただろ!?」チラッ
観客BCD「ふ、ふ~ふ~ふ~ん」♪~(´ε` )
観客A「なっ、ずるいぞ!?お前ら!!」
ケニー「んで、どうする?」
観客A「...くそっ、悪かったよ...やり過ぎた」
ケニー「はっ、最初から謝っとけばいいものを!あ~ぁ、無駄にエネルギー使っちゃったから酒飲みたくなってきた!」
「〔切り替え早すぎだろ、おい〕」
-
- 32 : 2016/08/01(月) 00:47:51 :
スタスタ
エレン「...」
ポンッ 「おい、これいるか?」
エレン「えっ、あ...すみません、いただきます...」
ケニー「まぁ気にするな、あぁいう観客はどこに行ったっているさ。」
エレン「でも、俺...許せなくて...」グググッ
ケニー「...なぁ、お前がさっき言った俺の友達って三星にいるってことだよな?」
エレン「え、あ、はい」
ケニー「今試合に出てるのか?」
エレン「...いえ、ベンチ入が限界だったみたいで」
ケニー「そうか...でも、三星みたいな強豪校で1年ベンチ入でもすげぇ方だと思うぞ」
エレン「...はい、だからこそ...凄い奴なんです、あいつは...」
ケニー「...お前の憧れか?」
エレン「えっ...あ、いや...はい...多分...そうだと思います。」
ケニー「...そうか、なら仕方ないな」
エレン「...え?」
ケニー「誰でも憧れの人をバカにされたら腹は立つ」
エレン「...」
ケニー「だが、暴力はいけねぇな...もし大会側に見つかっちまったら、お前は次の決勝出れなくなっちまうところだったんだからな」
エレン「...はい」
ケニー「...ふっ、大丈夫だ!みんなお前の気持ちわかってるからよ!」
エレン「...ありがとう...ございます...」ウルウル
ケニー「え、えぇーっ!? なんで泣くんだよ!?」
エレン「いや...何か...こういう風に誰かに叱られるのって...久々で...その...父さんもこんな感じだったのかなって...」
ケニー「〔ッ、そうか...エレンは、グリシャの子だったな...〕」
エレン「すみません...みっともない姿みせて...」ゴシゴシッ
ポンポンッ
ケニー「バカ野郎、男がめそめそ泣いてんじゃねぇよアホンダラ」
ケニー「ミカサの前で泣いたらバカにされちまうぞ」
エレン「...そうですね...あいつに見られたら...バカされる...」
ケニー「よしっ、見に行くか」
エレン「はい!」
スタスタ
ケニー「〔泣き虫なところはグリシャには似てないが...さっきの友達をバカにされてぶん殴りに行く所は...あの執念はグリシャそっくりだ〕」クスッ
「おぉぉぉぉぉおおおおおおおッッ!!!!!!」
ケニー・エレン「!」
三星シガンシ学園高校 0 0 0 0 0
調査高校 7 8 6 2 23
実況「さぁ場面は4回の裏調査高校の攻撃、ツーアウト・ランナーは一二塁、打席には1番のマグノリア」
イザベル「さっ、こーい!」
エレン「! ピッチャー変わってる...」
ジャン「ん、おぉ...帰ってきたか暴れん坊エース」
エレン「なっ、誰が暴れん坊だ!!」
ミカサ「エレン、おかえり」
エレン「ッ、ミカサ...あぁ、ただいま」
ミカサ「ピッチャーが変わって3人目」
エレン「3人...そんなにか?」
ライナー「あぁ、2人目はなんとか3回まで持ったが...やっぱ点差的にも...精神的にも...きつかったんだろうな」
ベルトルト「でも、この投手になってからはまだ2点しか取られてないよ」
ライナー「あぁ、この投手は...何かエレンと同じ匂いがする投手だ」
エレン「え...」チラッ
「ハァ、ハァ、ハァ...くそっ」
マルロ「まだ...終わってねぇ...!」
エレン「ッ、マルロ...」
ジャン「あ~あとそれからな」
エレン「え?」
ジャン「キャッチャーも交代された、接触プレーで怪我人が出た。」
エレン「ッ、ってことは...」
ボリス「ツーアウト!ツーアウト!!!」
ジャン「あぁ、お前の中学時代の...ダチだ」
-
- 33 : 2016/08/01(月) 00:50:14 :
イザベル「〔へっ、こいつ結構やるじゃん!うちから早くもアウト2つ取って、かつ2点までに抑えて〕」
マルロ「ハァ...ハァ...」ドッ!!
マルロ「うぉらッ!!」シュッ!!
イザベル「〔そういう奴にこそ...〕」スッ!!!
ボリス「〔ッ、またセーフティ!?〕」
キッ
ポタッ コロコロ
審判「フェア!フェア!!」
ガシッ!!
ヴァルツ「クッ!?」
ダッダッダ!!!!
ザッ!!!! 審判「セーフ!」
「うぉぉぉぉおおおお、はぇえええええっっっ!!!!」
イザベル「っしゃ」
マルロ「くそっ...」
実況「さぁこれでツーアウト満塁です!」
ウグイス「2番センター、バーナー君」
ボリス「〔くっそ、何で来る...さすがにツーアウトだからスクイズはない...ならヒッティングか!?〕」
マルロ「ボリス!!」
ボリス「!」
マルロ「バッター勝負!!」
ボリス「...あぁ、バッター勝負!!」
ドッ!!
マルロ「ッ!!」シュッ!!
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
ケニー「ほぉ、いいコントロールだ」
ボリス「ナイスボール!」
モブリット「〔確かにナイスコースだ...が〕」
ドッ!!
マルロ「ッ!!」シュッ!!
モブリット「〔コントロールだけで甲子園には行けないぞッ!!〕」スッ!!!
マルロ・ボリス「〔なっ、セーフティスクイズ!?〕」
キッ
ポタッ 審判「フェア!!」
ダッダッダ!!!
ズサーッ!!!
審判「セーフ!」
ボリス「ファースt...なっ!?」
モブリット「ふぅ...」
オルオ「さすがバント職人のモブリット先輩!!」
グンタ「にしても上手すぎる!」
マルロ「くそっ...」
ボリス「マルロ!まだ終わってないぞ!」
マルロ「! あぁ!」
「へぇ、まだ終わってない...か」
ファーラン「んなら、そろそろ終わらせてあげようか」
ウグイス「3番キャッチャー、チャーチ君」
ファーラン「往生際が悪いねぇ」
ボリス「なに!?」
ファーラン「もう24点差もついてるのに...まだ諦めないんだもんね」
ボリス「クッ...言ってろ!」
ファーラン「は~い、じゃぁ言ってるわ」
「確かに...あんたら化物集団には...敵わないかもしれない...でもッ」
マルロ「自分から諦めるなんてことは...絶対にしたくないッ!!!」ドッ!!!
シュッ!!!
ファーラン「!」
カクンッ!!!
ファーラン「〔この軌道...外低め...入ってる!!〕」スッ!!!
パシンッ!!!!
審判「ストライク!」
ファーラン「〔ッ、今までの落差がある...〕」
「何度でも言うぜ...」
マルロ「まだ試合は終わってない...だから俺は...まだ戦えるッ!!!」
ファーラン「...ははっ、あはははっ」
マルロ「!」
ファーラン「いやぁごめん...何かこのチーム口だけの人が多かったから...正直見下してた...つか、今も見下してる...」
ファーラン「でもま、お前とならガチンコで出来そうだわ」ギリッ
マルロ「〔ッ、雰囲気が変わった...さっき以上に集中してる〕」
マルロ「〔ふっ、光栄だぜ...あの名門校のしかも、同じ1年で正捕手やってる奴と本気で戦えるなんて...やべぇ、すっげぇ燃えてきた...〕」
マルロ「スゥーッ...ツーアウトォォォォォオオオオオオオッッッ!!!!!!!」
ボリス・フランツ・ヴァルツ「!」
ボリス「...ふっ、ツーアウトツーアウト!! ここで切るぞ!!」
フランツ「おぉッ!! 打たせていけ!! マルロ!!」
ヴァルツ「後ろは任せろッ!!!!」
モブセカンド・ショート「自分のペースでな!!」
ケニー「〔エースではないが...こいつは将来のエース候補だな...何か一言やワンプレーでチームを活気付けることが出来る奴は多くない。ははっ、すげぇな本当にこの点差でも〕」
-
- 34 : 2016/08/01(月) 00:51:19 :
ドッ!!!
マルロ「ッ!!」シュッ!!!
カクンッ!!!
ファーラン「...グッ!?」グググッ!!!
キッ!!
ボリス「ッ、取れるッ!!!」ダイブッ!!!
ポタッ ズサーッ
審判「ファール!」
ボリス「くそっ、悪い!」
マルロ「大丈夫、バッター勝負!」
ボリス「あぁ、バッター勝負!!」
ファーラン「〔あっぶねぇ...今キャッチャーフライでアウトかと思った...つぅか、聞いたことねぇぞこの投手〕」
イザベル「〔あのミート力のあるファーランでも捉えきれないのか...〕」
マルロ「〔絶対に...勝つんだッ!! 勝って決勝で...あいつとまた試合を...するんだッ!!!!〕」ドッ!!!
マルロ「ッ!!!」シュッ!!!
ファーラン「〔今度はジャストミートさせるッ!!!〕」ザッ!!!
シュルシュルッ
ファーラン・イザベル「〔ッ、チェンジアップ!?〕」
ファーラン「〔こんのォ...また厄介な...球投げやがってぇぇぇえええええッッ!!!!〕」グググッ!!!
グラッ
ボリス「〔よしっ、体勢崩した!〕」
ファーラン「〔やっべぇ...このままじゃ...空振っちまう...!!〕」
「なぁんてな」
マルロ「!?」
ザッ!!!! ファーラン「崩れても...軸足しっかり固定しとけば、どんな体勢であろうとも当てるだけで...!」
ゴォッ!!!!
ファーラン「内野超えるんだ...ぜッ!!!」キーンッ!!!
マルロ「なっ!?」
ボリス「センター!!」
ポタッ ガシッ!!!
ダッダッダ!!!
イザベル「〔帰ってやるッ!!!〕」ダッ!!!!
ヴァルツ「ッ、サードランナー!!!」
モブセンター「〔くそっ、ホームは踏ませねぇッ!!!!〕」シュッ!!!
ダダダダッ!!!!
イザベル「ふっ!」ダイブッ!!!!
ズサーッ!!!!
審判「...セーフ!」
「おぉぉぉぉぉぉおおおおおおおッッッ!!!!!」
観客「間に合うもんなのか!?あれ」
観客「いやあいつだからこそ間に合うんだ...爆速のマグノリア」
イザベル「へっへへ~ん!どんなもんだい!!」
マルロ「...ふぅっ...」
ボリス「〔マジかよ...なんつー体勢で打ったんだ...〕」
ザッ!!!! ファーラン「崩れても...軸足しっかり固定しとけば、どんな体勢であろうとも当てるだけで...!」
ゴォッ!!!!
ファーラン「内野超えるんだ...ぜッ!!!」キーンッ!!!
ボリス「〔上半身はほぼ倒れかけてた...なのにアイツ...腕と腰の回転だけで...内野を越しやがった!?〕」
「...ははっ、すげぇな」
ボリス「!」
マルロ「やっぱ1年でクリーンナップになることだけはある...正直参るぜ」
ボリス「...ふっ、でもまだ終わってないんだろ?」
マルロ「あぁ...当たり前だ...」
マルロ「勝って絶対...エレン達と試合をするんだ!」
観客「でも...あの1年ピッチャーよく投げてるよな...」
観客「あぁよく諦めずに...まだ戦ってられるよ」
観客「勝機はないはずなのに...すげぇな」
観客「いや...でももう諦めずには終えないだろ...なんて言ったって次は...」
-
- 35 : 2016/08/01(月) 00:54:13 :
ウグイス「4番ショート、リヴァイ君」
リヴァイ「ふぅっ...」
マルロ「〔正直...今のでもう...心折れそうだ...けど、待ってるんだ...アイツが...エレンが...頂上で...!〕」
マルロ「〔あいつが見てる前で...諦める姿を見せるわけにはいかねぇだろッ!!!〕」
ライナー「...正直...もう見てられないな」
ジャン「...チッ」
ミカサ「...」
エレン「マルロ...もういい...もういい...」ギュゥッ
エレン「もう...やめてくれ...」ウルウル
ザッ!!!!
マルロ・ボリス「!」
リヴァイ「...」
マルロ「〔これが...あの怪物の...リヴァイ...威圧感が半端じゃねぇ...〕」アセ
ボリス「〔な、なんだよこれ...俺が相手してるわけじゃないのに...なんで...〕」
プルプルッ ボリス「〔なんで震えが止まらねぇんだよ...!!〕」
ボリス「〔これが本当に俺らと同じ高校生なのか...!?〕」
マルロ「〔まるで目の前に...小さな巨人がいるみたいだ...〕」
マルロ「でも...やることは変わんねぇ」
マルロ「バッター勝負ッ!!!」
ボリス「!」
フランツ「マルロ...あぁッ、バッター勝負!!」
ヴァルツ「マルロ、リヴァイ何かぶっ倒しちまえ!!」
ドッ!!!
マルロ「〔あいつは俺を待ってくれてるんだ...約束を守んなきゃ...あいつに見せる顔が...ねんだよ!!〕」シュッ!!!
パシンッ!!!!
審判「ストライク!!」
観客「驚いたな...まだストライク入れられる精神状態なのか...」
観客「ある意味...すげぇよ...」
マルロ「っしゃぁ!!」
ボリス「ナイスボール!!」
リヴァイ「ほぅ...」
マルロ「〔例えそれが...何百点差になろうとも...あいつだけに...無残な姿は見せれねぇ...昔からそうだった...喧嘩でも...何でも...俺があいつを引っ張って行かなきゃ...あいつはいつも一人になっちまう!!〕」
マルロ「〔だから...俺だけが簡単に諦めるわけには...〕」ドッ!!!
ダッ ミカサ「え、エレン!?」
なんでだよ...なんで...なんで、そこまでしてお前は...!!
ガシッ! エレン「もういいッ、マルロ!! これ以上投げるなッッ!!!!」
マルロ「いかねぇんだよッッッ!!!!!」シュッ!!!
カクンッ!!!
ファーラン「〔ッ、あのフォークは俺が捉えきれなかったフォーク!〕」
「ここまで差を見せつけられて、よく諦めずに戦ったな。」
マルロ「!」
「誰もが皆諦めていく中で、お前一人は諦めやしなかった。」
ミカサ「...ぁ」
「そのお陰でチームメイトは随分活気付けられて、ここまで立ち直った...改めて敬意をしてやる。」
ジャン「...ッ」
「だが...」
ザッ!!!!!
リヴァイ「てめぇの球じゃ...俺は喰われない。」
カキィーンッッッ!!!!!!
マルロ「...ぇ」
実況「またも場外ホォォォォォムッラァァァァアアアン!!!!!!」
タッタッタ
リヴァイ「大した奴だ、ここまで粘ったんだからな」
ガクッ
ボリス「ッ、マルロ!!」
マルロ「くそっ...ちくしょう...くそっっ!!」
ウグイス「三星シガンシナ学園高校、選手の交代をお知らせ致します...」
エレン「...」ギュゥッ
ミカサ「...」
ジャン「...」
ライナー「...」
ベルトルト「...」
アニ「〔これ以上居ても余計チームの士気が悪くなる一方だね...〕」
パンッ アニ「はい、今日は熱いからもうここまでにするよ」
「!」
アニ「帰って学校でミーティングやって...そしたら明後日はついに決勝だからね...その気持ちを忘れないようにね」
「はいッ!!」
アニ「〔ジャン達は大丈夫そうだね...でも〕」
エレン「...」
アニ「〔エレンは別...かな〕」
エレン「グスンッ...グスンッ...」ポロポロ
-
- 36 : 2016/08/04(木) 18:02:02 :
スタスタ
ジャン「おーっし、全員いるなぁ?」
ミカサ「エレンが...まだ来てない」
ジャン「あぁ...まぁあいつはいい」
ジャン「バスってここに来るんですよね?」
アニ「うん、ハンジ先生がここで待っててって言ってたからね」
ジャン「じゃぁ邪魔にならないように、ここで待つぞ~!」
「はーい」
その頃、ロッカールーム前では...
スタスタ
「グスンッ...くそぉ...」
「悪い...俺が、あそこで...」
「今更謝るなよ...」
ナイル「もう敗けたものは仕方がない。 帰って柔軟して今日は解散だ。」
「...はいッ!!」
ボリス「あれ、マルロの奴...どこ行ったんだ?」
ミーンッ ミンミンミンミーッ
マルロ「...」
ガサッ
マルロ「! 誰かいるのか?」
スタスタ
エレン「ま、マルロ」
マルロ「え、エレン...!?」
ゴシゴシッ マルロ「なっ、なんだよ...いきなり」
エレン「...」
マルロ「...慰めだったら...いらないからな」
エレン「...」
マルロ「...ハァーッ...やっぱ強いな、調査高校」
エレン「...」
マルロ「想像してたのと...全然違った...」
マルロ「よくよく考えればせこいよな、あんな化物集団...なんで集まってるんだよな...」
マルロ「ぐうの音も出やしない...」
エレン「ま、マルロ...!」
マルロ「...なんだよ、人が語ってるときに」
エレン「1つだけ...聞かせてくれ...」
エレン「どうして...あんなに差があったのに...もう負けるってわかってたのに...どうして...」
エレン「最後まで...投げたんだよ...」
マルロ「なっ...お前...今...なんて言った...?」スタッ
マルロ「あんなに差があったのに...諦めないでなんで戦ったかなんて...そんなもん決まってるだろ...」
ガシッ エレン「うぐっ!?」
マルロ「お前と...約束したから...!」グググッ
マルロ「また...試合を...野球をやるって言ってくれたから...!」
エレン「ッ」
マルロ「なのに、お前は...お前は、なんで諦めないんだって...そう言いたいのかよッ!?」
スタスタ
ボリス「! マルロ...と、エレン...?」
マルロ「俺だけだったのかよ...お前と...また野球をやりたいって思ってたのは...」
エレン「そ、そうじゃない...!」
マルロ「何が違うっていうんだよ。 今お前が言った言葉はそうとしか捉えられないぞッ!!」
エレン「違うッ!!」ブンッ
エレン「俺が言いたいのは...どうして...どうして俺何かと...野球をやるがために...自分の身を削ってまででも...戦えるんだよ...」ウルウル
マルロ「...そんなの...決まってるだろ...」
マルロ「中学の時...出来なかったことを...”今やりかったからだッ!!”」
エレン「!」
ガサッ
エレン・マルロ「だ、誰だ!?」
ボリス「あ、わりぃ」
マルロ「なっ、ボリス...お前聞いてたのかよ!?」
ボリス「いや悪いと思いつつも...ついな」
ボリス「そんなことよりも、もう行くぞマルロ」
マルロ「あぁ」
エレン「ま、マルロ!」
マルロ「!」
エレン「俺...決勝...絶対...勝つから」
マルロ「...ふっ、そんなことわかってるよ...」
マルロ「ただまぁ...こんなこと本当は言いたくなかったけど...」
マルロ「決勝勝って...先に甲子園で待っててくれ...すぐに追いつく、いや追い越す!」
エレン「!」
マルロ「じゃぁな、決勝見に行くからな!」
エレン「...あぁッ!絶対甲子園に行くよ!!」
スタスタ
エレン「〔俺は...もう...迷わないぞ...〕」
「「決勝も勝って...甲子園に行くッ!!!!」」
-
- 37 : 2016/08/05(金) 00:08:54 :
ブーンッ キキーッ
ジャン「ん、来たか」
ガチャッ
「失礼致します。 アルミン様はいらっしゃいますでしょうか?」
ジャン「ん...? え、あ、あんた確か...」
スタッ
アルミン「ッ、フリーダさん...?」
フリーダ「アルミン様、お疲れ様でした。」
アルミン「あ、うん...ありがとう」
フリーダ「早速ですが、旦那様がお呼びでございます。お話があると」
アルミン「父...さん、が...か」
アニ「〔! この人ってアルミンのお家の...〕」
アルミン「アニ...ごめん、先に行ってて」
アニ「え、あ、うん...わかった」
アルミン「...じゃぁ...また後で...」
クルッ
根拠はない...だが、確かではあった...
アルミンが振り向いた一瞬...顔が見えた。
その顔は、まるで...
冤罪で捕まった者の裁判で...
その判決が、死刑を下された時の...
残酷な世界を見た時の...顔であった。
アニ「あ、アルミン...?」
ピトッ アルミン「...何?」
アニ「...学校で待ってるからね?」
クルッ アルミン「うん」ニコッ
ガチャッ ブーンッ
車内
アルミン「...」
「あの...」
アルミン「ん?」
フリーダ「試合の方は...どうでしたか?」
アルミン「無事勝てたよ」
フリーダ「そうですか...良かったですね!」
アルミン「うん、ありがとう」
フリーダ「これでいよいよ夢の前の決勝ですね」
アルミン「え?」
フリーダ「あっ...申し訳ございません。その...TVのインタビューの方を見てしまいました...」
アルミン「あ、いやいや謝らなくてもいいよ!そっか、フリーダさんも見てくれたのか...!」
フリーダ「はい、とても感動しました。私もアルミン様を応援致します!」
アルミン「ふふっ、ありがとう」
フリーダ「きっと...アニ様にも想いが届いてると思いますよ」
アルミン「...想いが届くだけじゃ...ダメなんだ...」
フリーダ「!」
アルミン「今回は...想いだけじゃなくて...形に残さなきゃダメなんだ。」
フリーダ「そうですね、今回こそ...絶対に甲子園に行ってほしいです私も」
アルミン「フリーダさん...」
アルミン「道間違えてるよ」
フリーダ「えっ!?」
アルミン「...ありがとう」ボソッ
フリーダ「今、何か言いましたか?」
アルミン「ん...何でもない」
-
- 38 : 2016/08/05(金) 01:08:43 :
ガチャッ
アルミン「〔久々に帰ってきたな...〕」
アルミン「〔前は5月の練習試合の時だっけか...〕」
アルミン「スゥーッ...フゥーッ...」
キリッ アルミン「〔さぁ行こう〕」
ガチャッ
執事A「アルミン様、お待ちしておりました。」
アルミン「あ、うん」
スタスタ
執事A「奥様はお出かけになっています。旦那様はご自分の部屋で待っております。」
アルミン「うん」
スタスタ
コンコンッ
「なんだ」
執事A「旦那様、アルミン様がお帰りになりました。」
「入れろ」
執事A「かしこまりました。」
執事A「ではアルミン様どうぞ」
アルミン「...うん」
アルミン「スゥーッ...フゥーッ...よし」
コンコンッ アルミン「失礼します。」
ガチャッ バタンッ
アルミン父「楽にしていいぞ、そこに座れ」
アルミン「いえ、結構です。」
アルミン父「そうか」
アルミン「...」
アルミン父「どうした?」
アルミン「何がでしょうか?」
アルミン父「なぜ黙る」
アルミン「...特に意味はありません」
アルミン父「まぁいい」
-
- 39 : 2016/08/05(金) 01:09:31 :
アルミン「あの...話とは...なんでしょうか?」
アルミン父「何をとぼけている?」
アルミン「!」
アルミン父「私がわざわざお前を呼び出してまで話すことなど...1つしかないだろ」
アルミン「...」プルプル
アルミン父「もうこの話をするのは...何回目だ? そろそろ現実を受け止めたらどうなんだ。」
アルミン父「私の跡継ぎをするために、他国へ留学する。これはもうお前の宿命なのだ。」
アルミン「...」プルプル
アルミン父「...そうか、口が開くことはなさそうだな...なら仕方がない。」
スッ ペラッ
アルミン「これは...?」
アルミン父「航空券だ、ドイツ行きのだ。出航日は明後日の朝だ。」
アルミン「あさっ...て...?」プルプル
アルミン父「今すぐ寮に置いてある荷物を片付けろ、もちろんお前に拒否権はない。」
アルミン「ま...ま...」プルプル
アルミン父「お前にやらないという選択はない。お前は私の跡継ぎをやってもらう。なぜなら、お前は人生の成功者である俺の息子だからだ。」
アルミン「待ってくださいッ!!!」
アルミン父「...なんだ?」
アルミン「出航日が明後日...? 今すぐ寮の荷物を片付けろ...? 無理です、そんな急な話無理ですッ!!」
アルミン父「何度も言わせるな、お前に拒否権はない。」
アルミン「〔あぁッ...もう...いつもこの人とはっ...話が通じない...〕」
アルミン父「今から留学して、ビジネスの基礎を頭に叩きこめば、まだ間に合う。」
アルミン「でも...その日は、野球部の試合があります!予選の...決勝があるんですッ!!!」
アルミン父「野球部...? お前はまだそんなことをしているのか」
アルミン「〔なっ、そんなこと...!?〕」ギュゥッ
アルミン父「お前はそんなことをしてないで、世に役立てる勉強をしろ。そのために、あの学校へいったんだろう?」
アルミン父「それに野球をやって、人のため...世のためになるのか?ならないだろ。」
アルミン父「だが、ビジネスは違う。ビジネスは家族を養うための、地域を活性化させるための、会社の利益を上げるための、国の借金を返すための金が入る。」
アルミン父「たかが部活に何をそんなに本気になっているんだ。お前にはもっと本気になってもらうものがあるだろう。」
アルミン「...クッ」ギュゥッ!!!
アルミン父「それに...お前はまた私に恥をかかせる気か? 去年も決勝に出るや、惨敗して回りに叩かれ...同じことを何回繰り返すんだ。」
アルミン「ぅ...クッ...」プルプル
アルミン「お、同じじゃ...ないです...!」
アルミン「こ、今年は...去年とは違います...! 今年こそ、甲子園に行けます...いや行きます絶対n「ふんっ、お前はとことん甘いな」
アルミン「えっ...」
アルミン父「今年こそや、今回こそなどという言葉ほど、信用出来ないものはない。そもそも根拠はあるのか?確証はあるのか?保証はあるのか?」
アルミン「ッ」
アルミン父「あるはずがないな? プロ野球を目指すならまだしも、所詮高校野球などは人生の遊びにすぎん。それに、お前がプロに行けるほどの実力があるとは思えん」
アルミン「...」プルプル
アルミン父「今留学すればお前の未来はまだ保証される。 これは指示ではない、命令だ。行け。」
アルミン「...少し...時間をください...」
アルミン父「また逃げるつもりか?」
アルミン「いえ...野球部の皆に...どう伝えるか...考えたいんです...」プルプル
アルミン父「ふんっ、好きにしろ。だが、忘れるな。今回はもう逃げられないからな」
アルミン「......失礼、しました。」
ガチャッ バタンッ
アルミン「...くそっ...どうして...こんな時に...!」グググッ
-
- 40 : 2016/08/05(金) 02:07:09 :
ガンッ!!
アルミン「...どうして...どうしてっ...!」グググッ
ガタッ
アルミン「! 誰...?」
スタスタ
フリーダ「...申し訳ございません。」
アルミン「...聞いてたの?」
フリーダ「盗み聞きのつもりはございません、その...ここを通る途中...耳にしてしまいました。」
アルミン「いや...いいよ...」
フリーダ「あの...アルミン様、ほ、本当に...その...お辞めになるんですか...?」
アルミン「...仕方がないよ...こればっかしは...あの人は...一度決めたことは、絶対に辞めないから...」
フリーダ「で、ですが!」
アルミン「ごめん!」
フリーダ「!」
アルミン「...一人に...させてくれないかな...少し風にあたりたい...」
フリーダ「ぁ...はい、すみません暑がましいことを...」
アルミン「いいんだ、別に...ただ...」
アルミン「少し...厳しいかなっ...て...」ウルウル
フリーダ「!」
アルミン「...また後で...学校に送ってもらうよ...」
フリーダ「は、はい!いつでも行けるよう準備しておきます!」
スタスタ
あぁ...ダメだ...こればかりは...
男が涙を流す時は...誰もいない場所で流せとか書いてあったっけ...
これは...きついなぁ...
アニに...エレンに...みんなに...
なんて言えば...いいのかな...
アニ...君ならこういう時...どうする...?
アニ「ん?」
ジャン「どうしたんすか?監督」
アニ「いや何か誰かに呼ばれた気がして...」
ジャン「空耳じゃないっすかね?」
アニ「まっ、それはいいとして...」
アニ「はいッ、今日の反省会するよ」
「はいッ!!!」
-
- 41 : 2016/08/05(金) 02:07:29 :
ジャン「何か反省点あるか?まずは攻撃から」
ノ
ジャン「ん、ライナー」
ライナー「今日の試合、駐屯高校にデータ読まれてたから大半は捕手のリード通りの結果になっちまった。」
ジャン「だな、予想はしてたけど...あまりにも対抗力がなかったな」
マルコ「それもそうだけど、何より準々決勝とは違ってその場での雰囲気に飲まれて自分のプレーが出来なかったというか...」
トーマス「あぁ、俺もそれある!」
ジャン「んじゃ、まとめっと...準決勝だから観客も多くなって大分賑やかになった。その分、雰囲気に飲まれて自分のプレーが単純になっちまった...つーことだな?」
ジャン「他あるか~?」
ジャン「ないみたいだな、よし次守備な!」
ノ
ジャン「ベルトルト」
ベルトルト「相手のとっさの行動で動揺して、隙をつかれて点を取られたシーンがあった。」
コニー「あぁこれは俺も~!」
ジャン「そうだなぁ、バスターの時はまさにそれだったな」
ジャン「じゃぁ次...良かった点」
ミリウス「ダズがヒットを打った」
ジャン「っへ、だな」
ダズ「あ、あぁ」
マルコ「ごめん、ダズ...」
ダズ「いやいいって別に!」
トーマス「まぁでも、やっぱ一番は最終回のアルミン先輩の一打だろ!」
エレン「あぁ!」
ライナー「あれは正直、見入っちまったぜ」
ジャン「バーッカ、比べるのがアルミン先輩とライナーじゃ天と地の差だよ」
ライナー「何!?」
「はははっ」
ダズ「で、でもよ...やっぱり試合を決めたのは...」
マルコ「うん、だね」
トーマス「当たり前だな」
ライナー「あぁ」
ベルトルト「うん」
ミリウス「うん」
コニー「ん?なんだお前らわかったのか!?」
「...もういい」
コニー「えぇ!?なんだよぉ、教えろよぉ!!」
ジャン「エレンだろ、普通に考えてバーッカ」
コニー「あぁ、そう言えばお前出てたな!」
エレン「うるっせ!」
アニ「〔本当...正直どうなるかと思ったよ〕」
ライナー「それで大丈夫なのか、肘は?」
エレン「あぁ、アイシングしたからもう大丈夫だ」
マルコ「それで...ミカサは大丈夫なのかな?」
ジャン「わかんねぇ...今病院で見てもらってる頃だろ」
スタッ
「あ、あの...」
クルッ
エレン「ッ、ミカサ」
ミカサ「すみません、遅れました。」
アニ「早かったね」
ミカサ「病院が空いてたので」
エレン「で...どうだったんだよ」
ミカサ「うん、問題ない「んなわけあるかっ!!」
エレン「ちゃんと教えろよ」
ミカサ「...うん...」
・・・
「えぇっ!? 全治3週間の捻挫!?」
ミカサ「先生はあぁ言ってたけど、問題ない。ちゃんと動かせる。」クイクイ
クイ ズキッ ミカサ「ぅっ...」
エレン「バカ、無茶すんなよ」
ミカサ「無茶じゃない、少し注射の傷が痛いだけ」
エレン「アホか、注射の跡なんてどこにもないだろ」
ライナー・マルコ・トーマス「〔いつの間にか漫才コンビが結成されてた〕」
ジャン「くっそ...ミカサは出れないのかよ...」
ミカサ「ジャン、大丈夫私は出れる。」
ジャン「はぁ?出れねぇだろうが!さっきドア閉める時だって左手で閉めてただろ!」
トーマス「なんという洞察力、いや盗撮力」
ジャン「誰が盗撮だッ!!」
エレン「〔みんな...なんだかんだで...元気だ、あの試合を見た後でも腐ってない...!〕」
エレン「〔今年こそ...行けますよ...そうですよね、アルミン先輩!〕」
-
- 42 : 2016/08/05(金) 20:51:04 :
MTG終了後...
エレン「〔結局あれからアルミン先輩来なかったな...〕」
ジャン「じゃぁ明日、練習開始は8時からな!予報じゃ雨だけど、怪我だけはすんなよ!」
「おうッ!!」
ジャン「それじゃ、お疲れさんっしたっ!!」
「お疲れ様でしたッ!!!」
ジャン「寄り道しないでまっすぐ帰れよ!」
ミカサ「エレン、帰ろう」
エレン「あ、あぁ」
ミカサ「どうしたの?」
エレン「いや結局アルミン先輩来なかったなって思って」
ミカサ「確かに」
エレン「まぁでも監督から伝言で言われると思うし...大丈夫だろうな」
ミカサ「アルミン先輩は賢い、ので何らかの方法で調査高校の欠点を掴んでるはず」
エレン「...だな、帰るか!」
ミカサ「うん!」
アニ「〔アルミン...結局来なかったね...携帯にも連絡がないし...〕」パカッ
ハンジ「か~んとく~!明日は最終調節と、ビデオ鑑賞会でいいんだよね~?」
アニ「〔まっ、でもあいつが何かあったらすぐ連絡来ると思うし...それにお腹が空けば帰ってくるだろうし...〕」
アニ「はい、明日はそれでお願いします!」
アニ「〔夢の甲子園...約束の甲子園まであと一歩...今度こそ連れてってもらうからね、アルミン...!〕」
その頃、アルレルト邸では...
執事A「アルミン様、今日のご食事は如何なされますか?」
アルミン「ぁ...いや、いいかな...あっちで食べるよ...多分...もうアニの手料理を食べるのも...最後だろうし...」
執事A「失礼致しました。では、送りの方をさせていただきます。」
アルミン「う、うん...それはフリーダさんに頼んだから...いいよ」
執事A「かしこまりました。お気をつけていってらっしゃいませ。」ペコッ
スタスタ
アルミン「〔不味いな、結局MTGに間に合わなかった...携帯にしようかな...いや...〕」
アルミン「〔今...アニの顔を見たら...僕自身...そんな表情をするのか、予想もつかないから...少し散歩しようかな...〕」
ガチャッ
フリーダ「アルミン様、ご準備は整っております。」
アルミン「...うん、わかった。いこう」
-
- 43 : 2016/08/05(金) 20:51:35 :
バタンッ ブーンッ
アルミン「...」
フリーダ「...あの...アルミン様」
アルミン「え...? あ、何?」
フリーダ「私に...何か出来ることはございませんか...?」
アルミン「...」
フリーダ「余計なお世話だということは、重々承知でございます。ですが、このフリーダ...アルレルト家に身を任せる者として...何かアルミン様に出来ることはないかと...」
アルミン「ありがとう」
フリーダ「!」
アルミン「...気を使ってくれて...でも、大丈夫...少し落ち着いたから」
フリーダ「そ、そうですか...失礼致しました。」
アルミン「...ねぇ、フリーダさん」
フリーダ「はい?」
アルミン「1つ...聞いてもいいかな」
フリーダ「! はい、私に答える事のできるものならなんなりとも!」
アルミン「...約束を破っちゃった時って...いつもどうしてる?」
フリーダ「約束...ですか?」
アルミン「うん...」
フリーダ「そう...ですね...正直に謝ることが正論なんでしょう。ですが...時に、嘘をつくことも...大切なのだと思います。」
フリーダ「正直に謝って許してくれる相手もいますが、全員が全員そうとは限りません。」
フリーダ「ましてや...その相手が自分にとって、どんな存在なのか。それ次第でございます。」
アルミン「どんな存在...か」
フリーダ「ですが、これはあくまで私の言い分であります。アルミン様がそれに従う理由はございません。」
アルミン「...いや...その通りだと僕は思うよ。」
フリーダ「え?」
アルミン「...スゥーッ...フゥーッ...アニや皆には...隠すよ...それ以外の先生達には...伝える。」
フリーダ「ッ...そうですか...もう...決めたんですね...」
アルミン「うん...アニや皆には悪いけど...この事情は僕個人の問題だ。皆に迷惑はかけられない。」
フリーダ「...はい...」
キキーッ
フリーダ「着きました。」
アルミン「! ありがとう!」
ガチャッ バタンッ
アルミン「明日には荷物をまとめて、そっちに行くよ...明後日の朝...空港まで送ってくれる?」
フリーダ「はい、何でも致します。」
アルミン「じゃぁおやすみ」
フリーダ「おやすみなさい。」
ブブーンッ
アルミン「〔...ふふっ、フリーダさん...気を利かせて...寮より少し前で降ろしてくれた。気は使わなくていいって言ったのに〕」
-
- 44 : 2016/08/05(金) 20:52:07 :
スタスタ
アルミン「スゥーッ...フゥーッ...」
ピンポーンッ
ガチャッ アニ「アルミン、遅かったね」
アルミン「ごめん、ちょっと話し込んでてさ...!」
アニ「そう」
アルミン「ただいま」
アニ「おかえり」
アルミン「今日のご飯は何かな?」
アニ「チーハンだけどいい?」
アルミン「やった!アニのチーズハンバーグ、大好きなんだよね!」
アニ「ふっ、子供じゃないんだから...何をそんなにはしゃいでるのさ」クスッ
アルミン「だって久々じゃない?チーズハンバーグ」
アニ「先月も食べました。」
アルミン「えっ、あれっ!?そうだったっけ!?」
アニ「あんた...勉強は出来るのに...なんでそういう時だけ抜けてるのさ」
アルミン「あ、あははっ...きょ、今日の試合で頭フル回転しちゃって...」
アニ「ハァ...まぁいいけど、手洗ってきな」
アルミン「うん」
スタスタ
アルミン「フゥーッ...大丈夫...だい、じょう...ぶ」プルプルッ
アルミン「〔あれ...なんでだろ...アニの顔を見た瞬間...涙が...出そうだ...〕」ゴシゴシ
アルミン「〔ダメだ...こんなんじゃ...チーハン食べた時なんか...耐えられそうにないや...〕」シャバッシャバッ
アルミン「〔下唇を思いっきり噛みすぎて...血が出てきそうだ...〕」ギュゥッ
アルミン「〔大丈夫...大丈夫...〕」
アニ「あ、そうだ...」
アニ「アルミン、悪いんだけど...チーズ切らしちゃってたから、私今から買いに行ってくる。だから待ってて」
アルミン「!」
アルミン「いやいいよ!僕が行ってくるよ!」
アニ「え、いやいいって。私行ってくるから」
アルミン「いいよ!MTG出れなかったから、その罰として!それにか弱い乙女をこんな暗い外に一人で歩かせるわけにはいかないからね!」
アニ「なんか...あんたにか弱い乙女って言われると、凄くムカつく」
アルミン「えぇっ!?なんで!?」
アニ「だって...」スッ
アルミン「えっ」
コツンッ アニ「昔は、私よりか弱かった奴が...今じゃチームで一番頼りがいのある奴にまで、成長したんだもん」
アルミン「ッ」ウルッ
アニ「ホント...男らしくなって...あんた、いつの間にそんなにかっこよくなったの?」クスッ
クルッ
アニ「ん?どうしたの?」
アルミン「いっ、いやっ...なん...でもっ...ないよ!」ゴシゴシ
アニ「何さっきから、気持ち悪い」
アルミン「と、とにかくっ!僕が買ってくるから!アニは準備してて!すぐ帰ってくるから!」
アニ「...ふっ、はいはい...わかったよ、相変わらず変な所で頑固だね」クスッ
アルミン「じゃ、じゃぁ行ってくる!」ガチャッ
バタンッ
アルミン「...グスンッ...ははっ...アニ...やめてよ...急にそんなこと言うのは...」ポロポロ
アルミン「不意に言われたから...もう...涙が...止まらないよ。」ポロポロ
-
- 45 : 2016/08/05(金) 20:53:56 :
シガナーマート
アルミン「〔あ、アニにどこのチーズか聞くの忘れてた〕」
アルミン「〔ど、どれだろう...あ、しまった!! 携帯持ってくるのも忘れた...〕」
アルミン「〔...じゃ、じゃぁこの...さ、さーけるチーズで...いいかな...うん、何か美味しそうだし〕」
「ありがとうございましたー」
スタスタ
アルミン「...少し、公園でアイス食べようかな」
アルミン「アニに怒られちゃうかな...すぐ戻れば大丈夫だよね...」クスッ
スタスタ
スタッ アルミン「ハァっ...ちょっと精神的に...疲れたなぁ...」ノビーッ
アルミン「〔...とてもじゃないけど...隠し通せる気がしない...〕」
タッタッタ ピトッ
「ッ、アルミン...先輩...?」
アルミン「えっ...エレン...!?」
エレン「ハァ...ハァ...ハァ...何してるんですか?こんなところで...」ゼェハァ
アルミン「...君こそ何をしてるのさ」
エレン「俺は...見ての通り、走りこみですよ...隣いいですか?」ゼェハァ
アルミン「走りこみ...だって今日投げたじゃないか」
エレン「はい、投げました...でも、打たれました」
アルミン「えっ」
エレン「最後の一打席...5番のミタビさんに打たれました。なので、罰としてのランニングです。」
アルミン「〔打たれたと言っても...ファーストライナーでアウトを取ったのに...〕」
アルミン「ふふっ...相変わらず負けず嫌いだね」クスッ
エレン「そんなことより、アルミン先輩こそどうしたんですか。MTGにも来ないで...しまいには夜一人で公演で座ってるなんて...何か前にもありましたよね...こんなこと」
アルミン「...うん...あったね。前は...アニが入院した時だっけ...」
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エレン「え!?監督が!?」
アルミン「うん...」
エレン「え、じゃぁ行かなくていいんですか!?」
アルミン「...いいよ、もうアニとは...縁が切れちゃったから...」ニコッ
エレン「...いいんですか?アルミン先輩は...こんな形で監督と別れて」
アルミン「...仕方ないよ、守れなかったのは僕だ...責任は僕にある」
グググッ
エレン「そんなんじゃ...アニ先輩に失礼じゃないですかッ!!」
アルミン「ッ」
エレン「どうして挨拶して来なかったんですか...何も言えないまま...お別れをするのは...凄く辛いんですよッ!!!!」
アルミン「...わかってる...わかってるよ...」
エレン「!」
アルミン「じゃぁ...どうすればよかったんだよ!?あのままアニのお父さんに引き続き僕に任せてくれって言うのか!?そんなの無理だ!!!」
エレン「最初から諦めてちゃ、何をやっても無理ですよッ!!!」
アルミン「諦めるしかないじゃないかッ!!!じゃぁエレンだったらどうするつもりだったんだい!?言ってごらんよ!!」
エレン「ッ...」
アルミン「ほら!言えないじゃないかッ!!」
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アルミン「あの時は...エレンに助けてもらったよ、勇気をもらえたから」
エレン「...」
-
- 46 : 2016/08/05(金) 20:54:56 :
-
アルミン「さぁてとっ、もう行こうかな」
スタスタ
「待ってください」
ピトッ
アルミン「...なに?」
エレン「先輩...俺に...いや俺達に...何か隠してること...あるんじゃないですか?」
アルミン「ッ」
・・・
アルミン「やだなぁ...エレン」
アルミン「僕が隠し事?そんなのないよ、強いていうなら今日の僕のご飯がチーハンだってことくらいだよ」ニコッ
エレン「また...そうやって嘘を付くつもりですか」
アルミン「...」
エレン「先輩に何かあった時...必ず公園で考える...先輩の癖です。」
アルミン「...」
エレン「何か...あったんですか...?」
アルミン「...ふっ、本当に君は...生意気な後輩だよ」ニコッ
エレン「はい、俺はクソ生意気な1年です。ですから...話してください。」
エレン「バッテリーに、嘘は「「つかない。」」
エレン「!」
アルミン「...全く...野球部に入って無ければ、君に追い詰められることはなかったのに...」
・・・
スタスタ
アニ「〔アルミン...遅い、全く何してるのさ...〕」
エレン「えっ...野球部を...辞める...?」
ピトッ アニ「〔ッ、エレン...? と...隣にいるのは...〕」
アルミン「...うん」
アニ「〔アル...ミン...? それに今、辞めるって...?〕」
エレン「え...あ、あの...すみません...よく意味が理解出来ないんですが...」
エレン「...え? ど、どうして...ですか...?」
アルミン「...ビジネスを学ぶために、ドイツっていう国に...留学することになったんだ。」
エレン「りゅ、留学...?」
アルミン「うん...」
エレン「え?え?ちょ、ちょっと待って下さい...な、なんで今なんですか...」
アルミン「...」
エレン「どうして...今なんですか...それは...別に、来年でも...再来年でも...大学に進学してからでも...良いじゃないですか...」
アルミン「...この話は...もう...ずっと前から...父さんと話してたんだ。」
エレン「意味が...わからないですよ...じゃ、じゃぁ...」
エレン「監督との...アニ先輩との約束は...どうするんですか!?」
アニ「ッ」
アルミン「...仕方がないよ...もう...決まったことなんだ」
エレン「ッ」
ガシッ!!!
エレン「ふざけないでください...もし嘘をついてるのなら、俺...先輩のことを本気で殴りますからね...」ウルウル
アルミン「...嘘だったら...どんなに良いことか...」ウツムキ
エレン「...なんで...なんで、ここまで来て...!」ウルウル
アルミン「僕だって...皆と...アニと...決勝を戦いたかったよ...」
アルミン「でも...もう...どうしようもないんだよ...」ウルウル
エレン「!」
アルミン「ごめん、本当に...皆には...言わないでほしい...もちろん、アニにも...」
アルミン「それと...一つだけ...頼みがある...」
ペコッ
アルミン「僕の代わりに...アニを甲子園に連れて行ってほしい。」
アニ「!」
-
- 47 : 2016/08/05(金) 20:55:26 :
アルミン「ごめん...本当に...無責任で...ごめん...」
エレン「そんな...そんな...」ウルウル
エレン「で、でも...まだ...終わったわけじゃ...」ウルウル
アルミン「...クッ」ギュゥッ
ザッ
アルミン「早くどっかに行ってくれッ!!! もう僕のことはほっといてくれよッ!!!」
エレン「ぁ...ぁ...」ウルウル
アルミン「君とは...もう...」ギュゥッ
アルミン「バッテリーでも...チームメイトでもないんだッ!!! この...目つきが悪くて鈍感でバカで諦めが悪くて...僕よりも...凄く...野球馬鹿で...本当に生意気な...たった一人の...相棒だったんだよぉおっ!!!!」
エレン「ぁ...ぅっ...うぅ...」ウルッ
ダッ!!
エレン「うぁぁぁぁあああああああああああああああああッッッ」ポロポロ
アルミン「〔これでいい...これでいいんだ...エレンには...エレン達には...甲子園に行ける力がある...僕なんかのために...自己犠牲はさせない...〕」ウルウル
アニ「...」
アルミン「頼んだよ...僕らの...エース...」ニコッ
・・・
ガチャッ
アルミン「ただいま」
アニ「...」
アルミン「ごめん、遅くなっちゃった」
アニ「...」
アルミン「アニ?」
アニ「えっ...あ、おかえり...」
アルミン「ごめん、どこにもチーズ売ってなくて...結局駅の方まで行っちゃったよ」
アニ「...アルミン?」
アルミン「なに?」
アニ「...甲子園...行こうね」
アルミン「...」
クルッ
アルミン「うん、きっと行けるさ...【このチームなら】」ニコッ
アニ「!」
アルミン「さぁ遅くなっちゃったけど、食べよう」
アニ「...そう...だね...」
・・・10分後・・・
アニ「ごちそうさま」
アルミン「え、早いねアニ」ハハハッ
アニ「うん...もうすぐあれが来る日だから...食欲がない。」
アルミン「えっ、大丈夫!?」
アニ「〔嘘に決まってるじゃない...どうしてあんたはいつも...自分の事より他人の事を優先させるんだい...〕」
アニ「じゃぁ、おやすみ」
アルミン「おやすみ、食器は後で片付けとくから」
アニ「うん、ありがとう」
ガチャッ バタンッ
アルミン「...」
アルミン「...いただきます...」
パクッ ポロポロ
アルミン「...うん...うん...美味しいよ...アニ...」ポロポロ
アニ手作り料理最後のチーズハンバーグは...なぜだか、少ししょっぱかった。
アルミン「ごめんアニ...」
僕はやっぱり...弱い人間だ。
結局彼女に、謝ることだけしか出来ない...弱者
仲間をも、裏切ってしまうことになった...弱者
約束を...1つも守れなかった...弱者
あぁ...本当はこんなこと思ってちゃいけないんだろうけど...
どうしても...思ってしまう...
あの時...野球部に入らなければ...いや...
もっと言うなら...アニと...同じ高校に入らなければ...こんな苦しい思いはしなかったのに...
-
- 48 : 2016/08/05(金) 23:44:43 :
ワァァァァアアッ
エレン「ハァッ、ハァッ、ハァ...」ゼェハァ
エレン「〔なんだこれ...足が...石になったみたいで重い...腕は...まるで鎖で縛られてるみたいだ...〕」ゼェハァ
エレン「〔あ、あれ...ここは...どこだ...?〕」チラッ
シガンシナ高校 0 0 0 0 0 0 0 0 0
調査高校 1 2 3 4 5 6 7 8 36
エレン「〔!? 36対0!?〕」ゼェハァ
エレン「〔くそっ...まだ終わってない...まだ...!〕」
リヴァイ「...」
エレン「〔リヴァイさん...ここは絶対...抑えなきゃだッ!!〕」
「エレン、ナイスボール!」
エレン「!」
エレン「〔アルミン先輩...!〕」チラッ
?「イイタマキテルゾ」ニヤッ
エレン「ッ」
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______________________________________
_______________________
「うわぁぁぁぁぁああああああああああっっっ!!!???」ガバッ
エレン「ハァ...ハァ...ハァ...」ゼェハァ
エレン「ハァ、ハァ、ハァ...夢か...」ゼェハァ
ザーッザーッザーッ
エレン「雨...凄いな...」
エレン「〔そうだ、明日はいよいよ決勝なんだよな〕」
エレン「〔でも...〕」
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______________________________________
________________________________________________________
エレン「えっ、野球部を...辞める...?」
アルミン「...ビジネスを学ぶために、ドイツっていう国に...留学することになったんだ。」
エレン「監督との...アニ先輩との約束は...どうするんですか!?」
アルミン「...仕方がないよ...もう...決まったことなんだ」
アルミン「それと...一つだけ...頼みがある...」
アルミン「僕の代わりに...アニを甲子園に連れて行ってほしいッ!!」ペコッ
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_______________________
エレン「〔もう...アルミン先輩は...野球部にいないんだよな...〕」
-
- 49 : 2016/08/05(金) 23:45:11 :
ピンポーンッ
エレン「ッ!? は、はい!?」ダッ
ガチャッ
ミカサ「あ、ごめんなさい...こんな朝早くから。」
エレン「みっ、かさ...」
ミカサ「今日の練習が午後からになった。それともしかしたら明日の試合が中止になるかもしれない。」
エレン「お、おう...」アセ
ミカサ「? 凄い汗、どうしたの?」
エレン「い、いや...何でもない...」
ミカサ「そうには見えない、何かあったなら教えてh ダキッ
ミカサ「ッ!? え、エレン!?/// ど、どうしたの?///」
エレン「ミカサ...俺...どうしたらいいか、わかんねぇよ...」
ミカサ「え...どういう...こと?」
エレン「...わかんねぇ...わかんねぇよ...」ウルッ
ミカサ「...エレン、話してほしい...あったこと全部...」
エレン「...」
ミカサ「...エレン、あなたは今まで私を含めシガンシナの皆を何度も助けてくれた。その時に必ず言っている言葉がある。それは...」
「「”仲間”だから、友達だから助けたい」」
ミカサ「と...なら今の私もそう。エレンは私の...私達の仲間だから、友達だから助けたい...だからお願い...エレン、話して」
エレン「...わかった...話す、から...その...///」モジモジ
ミカサ「え...?」キョトン
エレン「あの...俺からしたのに...悪い...その...離してもいいか?///」
ミカサ「...ぁっ///」バッ
エレン「ほ、本当にごめん...俺...」ポリポリ
ミカサ「い、いえ...その...気にしなくても...いい...///」
エレン「...まぁ...上がれよ」ボソッ
ミカサ「! お、お邪魔します。」
-
- 50 : 2016/08/05(金) 23:45:28 :
・・・しばらくして・・・
エレン「...スゥーッ...ハァーッ...」
エレン「...アルミン先輩が...チームを離脱するって...」
ミカサ「えっ...」
エレン「親がビジネスを学ばさせようとして、アルミン先輩留学をさせられるんだ。だから、明日の決勝にはもう...」ギュゥッ
ミカサ「...」
エレン「でも...でも...それじゃぁ...あんまりだろ...?」グググッ
エレン「あまりにも...理不尽だろ...だってそうだろ、アルミン先輩は必死で戦ってるのに...それを無理矢理途中離脱させて...夢が叶う、あと一歩ってところだったのに...」グググッ
ミカサ「...アルミン先輩はなんて?」
エレン「...仕方がないって...受け入れてた...」
ミカサ「ッ...そう...」
エレン「でも...だからって...いくら親の言うことだからって...あんまりだろっ...」ウルッ
ミカサ「...エレンは...それでいいの?」
エレン「良いわけないだろっ!! せっかく、やっとここまで来たんだ...アルミン先輩と...監督と...シガンシナの皆で甲子園に行きたいに...決まってるだろ!!」
ミカサ「なら...エレンもそうやって感情任せになって...いいの?」
エレン「はぁ!? 感情任せとかそういう問題じゃないだろ!?」
ペシッ
エレン「ぃっ...な、なにすんだよッ!!!」
ミカサ「いい加減にしてッ!!」
エレン「ッ...」
ミカサ「確かにエレンの言い分もわかる。私だって悲しい...全員で甲子園に行きたい...でも、今一番感情的になっているのは誰?今一番悔しい思いをしてるのは誰?アルミン先輩でしょ」
エレン「!」
ミカサ「あなたまで感情的になってしまったら...それこそアルミン先輩に失礼だと思う。なぜなら、これはあなたの問題じゃなくアルミン先輩自身の問題だから。他人のあなたが口を出してどうにか解決できる問題ではない。」
エレン「アルミン先輩の...問題...」
ミカサ「大切なのは仲間を想う気持ち、仲間を傷つけたまま決勝に挑んで...エレンは思いっきり野球ができるの?」
エレン「...っ...でき...ない...できない...グスンッ...できねぇよっ...できるわけねぇだろ...うっ...うぅ...」ポロポロ
ミカサ「ッ、ごめんなさい。少し言い過ぎた...」
エレン「グスンッ...いや...いい...」
ダキッ ギュッ
エレン「ッ...ミ、ミカサ...?」
ミカサ「私達に出来ることは...アルミン先輩の分も戦って...監督と...みんなで甲子園に行くこと...それで十分...それだけで...」ギュッ
エレン「うっ...うぅぅ...うぁっ...ぁっ...うああぁぁぁぁああああああああっっっ」ポロポロ
ミカサ「エレン...私も凄く悲しい...これまで一緒に戦い続けてきた、大切な仲間なのだから...私も...グスンッ...」ウルウル
「「あぁぁぁああっ、あぁぁぁああぁぁぁああああああっっっ!!!!!!」」
雨の音と共に、響かれる泣き声...
雨と共に、流れてゆく涙...
チームの大黒柱であるアルミンの離脱は、チームにとって...またエレンにとって...
とてつもない酷な現実であった。
-
- 51 : 2016/08/07(日) 21:45:39 :
寮
スタスタ
アルミン「! おはよう、アニ!」
アニ「おはよ」
アルミン「凄い雨だね...練習どうするの?」
アニ「午後からなら少し弱まるから午後開始、視聴覚室で分析して終わりかな今日は」
アルミン「そっか...」
アニ「...」
チクッタクッチクッタク
・・・
アルミン「...ぁ、そ、そう言えば...この雨じゃグラウンド荒れてるよね、明日出来るかな...」
アニ「明日...」
アルミン「え?明日だよね、決勝」
アニ「あ、うん...明日だよ予定では」
アルミン「でもこれじゃぁ中止になっても可笑しくないよね...」
アニ「〔そっか...昨日あたし...あのまま寝ちゃったんだ。〕」
アニ「〔昨日...〕」
_______________________
______________________________________
________________________________________________________
エレン「えっ...野球部を...辞める...?」
ピトッ アニ「〔ッ、エレン...? と...隣にいるのは...〕」
アルミン「...うん」
______________________________________
アルミン「それと...一つだけ...頼みがある...」
アルミン「僕の代わりに...アニを甲子園に連れて行ってほしいッ!!」ペコ
________________________________________________________
______________________________________
_______________________
アニ「...」
アルミン「じゃぁちょっと朝シャワー浴びちゃうね、洗濯物とか干してないよね?」
アニ「...」
アルミン「ねぇ、アニ?」
アニ「ぇっ、あっ、うん...干してないよ」
アルミン「...どうしたの、アニ?」
アニ「...あんた...さ...」
アルミン「うん?」
アニ「...あ、あたしに...か...」
アルミン「?」
アニ「か...か...」
アルミン「か...?」
アニ「...蚊ついてない?」
アルミン「蚊...? あ、虫の蚊ね! 大丈夫、ついてないよ!」
アニ「そ、そう...良かった...」
アルミン「じゃぁ浴びてくるね」
ガチャッ バタンッ
アニ「〔隠し事してるか...なんて...言えるわけないじゃない...〕」ギュゥッ
アニ「〔そんなこと言って、アルミンを追い詰めたって...何も変わらないことなんて知ってる...〕」
prrrr prrrr
アニ「!」
-
- 52 : 2016/08/07(日) 21:46:18 :
ジャーッ
アルミン「ふぅ...」
アルミン「〔アニ...あの感じだと、もう察したのかな...全く早いなぁ...本当に...〕」
アルミン「〔昨日夜遅くに大体持っていく荷物はまとめた...あとは...〕」
「アニに貰った...たった1つの、大切なリストバンドを...入れるだけだ。」
ガチャッ バタンッ
アルミン「サッパリしたぁ」
スタスタ
アルミン「あれ、アニがいない...どこ行ったんだろ...ん!」チラッ
「アルミンへ
ハンジさんに呼ばれたから、先に行ってくる。」
アルミン「...丁度いい...今まとめよう...」
ガサコソ
アルミン「...」
ガタッ
アルミン「? なんだろ、これ」
スッ
アルミン「!」
小学校卒業アルバム
アルミン「懐かしいな...」ペラッ
アルミン「これは小学2年で動物園遠足の時撮った写真だ!」ペラッ
アルミン「あっ、これは確か運動会の時の!」ペラッ
アルミン「あははっ、これは小学5年の時に行ったダウパー村泊まりの時のだ!」ペラッ
☆彡自己紹介コーナー☆彡
アルミン「書いた書いた、確かこれに...あっ、やっぱり!!」
好きなこと:野球 嫌いなこと:カラオケ 好きな科目:社会...
アルレルト
アルミン「未だに覚えてる...小学校のボーリング大会の後にカラオケ行って...音痴がバレて...いじられて、それ以降嫌になったの...」ズーンッ
ペラッ
☆彡将来の自分☆彡
アルミン「あったなぁ、これも...」ペラッ
プロ野球選手!!
アルミン「ひと目でわかる、これ僕のッ!!」
ペラッ
アルミン「ッ」
アルミンと甲子園に行きたい。
アルミン「...」
パタンッ
アルミン「これは...置いていこう...」スッ
-
- 53 : 2016/08/07(日) 22:13:21 :
視聴覚室
アニ「はいッ、じゃぁ揃ったね?」
「はいッ!!」
アニ「これから調査高校の試合ビデオ流すから、分析するんだよ!」
「はいッ!!」
アニ「サシャ」
サシャ「はい!」
サシャ「ん”んっ、では始めます!」
ピッ
キーンッ ワァァァァアアッ
・・・1時間後・・・
ピッ
アニ「はいッおしまい、一人ずつ意見言ってもらうからね」
ジャン「お~し、じゃぁまず攻撃面からな!」
ノ
ジャン「んっ、ミカサ」
ミカサ「上位打線・下位打線共に差がないのはわかっていたけど、バントの回数はそれなりにあった」
ジャン「確かにな、1・2・7・8・9番は普通にバント使ってたからな」
マルコ「なるほど、バルト学院よりはバントは多いかも」
トーマス「いやバルト学院が少ないだけだろ!」
ジャン「んじゃ、次は?」
ノ
ジャン「ライナー」
ライナー「6・7番はよく引っ張るバッティングしてるから、線ギリギリの打球が多い」
ミリウス「確かにビデオにも6番が一塁線抜いてるの何回かあったな」
ジャン「じゃぁまとめっと、6・7番は引っ張ることが多いから打席になったら...ダズ・トーマス・マルコ・ライナーこの4人が要注意しとくこと」
ジャン「他はあるか~?」
アルミン「〔僕にはもう何も出来ない...でも、せめてもの...情報を与える!〕」ノ
ジャン「! アルミン先輩」
アルミン「1番のイザベルはセーフティ多いけど、普通にバッティングも上手い。でも打てる方向は流す方向だけ...つまり、ショートとサードがきっちり守れば一番厄介なイザベルを塁に出さずに済む。」
アルミン「2番のモブリットさんは主にバントをしてるけど、この人もバッティングは上手い。しかも癖がなくてとっつきにくいのが厄介な点...」
エレン「〔アルミン先輩...普通だ...普通に話してる...〕」
ミカサ「...エレン」
エレン「!」
ミカサ「...あまりそのことを考えていても仕方ない。今は決勝のことだけを考えよう」
エレン「...あぁ」
「でも...」
エレン「え?」
ミカサ「どうしても...脳内に考えてしまう時もある...そういう時は...どうか...感情的にならないでほしい。」
エレン「!」
ミカサ「私達は、私達にできることをすればいい...それは試合に勝つこともそうだし、何より今は...そのことについて触れないことも...そう」
ミカサ「今アルミン先輩に問い詰めても、チームが余計にバラバラになってしまう。」
エレン「...わかってるよ」
ミカサ「!」
エレン「今は...決勝のことだけだ!」
ミカサ「...うん!」
-
- 54 : 2016/08/07(日) 22:58:54 :
ザーッザーッザーッ
ジャン「じゃぁ~今日は早いけど、この辺で上がるぞ!」
「はいッ!!」
ハンジ「あ、それから連絡事項で~す。明日の試合は中止になりました!試合は明後日になりま~す!」
マルコ「結局中止になったね」
トーマス「まぁ予報でも明日は降るって言ってたしな」
コニー「でも昼頃に止むらしいぞ~!」
マルコ「えっ、なんで知ってるの!?」
コニー「そりゃぁお前ニュース見たからだろ!」
トーマス「ハァっ!? コニーがニュースを見たァ!? やばいなこりゃ...明日雹振るぞ!!」
コニー「お前らなぁッ!! 俺がニュース見ちゃダメなのか!?」
ライナー「早く終わったからウェイトするか...先生」
ハンジ「なに~?」
ライナー「トレーニング室空いてますか?」
ハンジ「ふっふっふ...このハンジ様にかかれば...チョチョイのチョイやで~」
エレン「...」
ミカサ「エレン、どうする?私達も帰る?」
エレン「...ミカサ」
ミカサ「え?」
エレン「俺...やっぱり...納得出来ない。」
ミカサ「え、エレン...?」
エレン「将来がどうとか、わかんねぇよ...そんな先の未来何か...考えちゃらんねぇよ...」
ミカサ「エレン!感情的になっては...」
エレン「...別になってねぇよ」
ミカサ「!」
エレン「ただ俺は...先のことより...今が大事な気がするんだ...!」
ミカサ「...」
エレン「ここでやらなきゃ絶対後悔する!何十年、何百年経っても...死んだ後でも...絶対後悔する!」
エレン「だから俺...行ってくる」
ミカサ「...うん、いってらっしゃい。エレン」
エレン「ッ、止めないのか?」
ミカサ「...ハァ...だって私がいくら説得したって、止めたって...きっとエレンは言うことを聞かない。」
ミカサ「そんなことに怒る私がなんだか馬鹿に思えてきた。」
エレン「なっ、馬鹿って!?」
パシッ!!
エレン「いっ、てぇ!!」
ミカサ「ガツンと言ってきて、エレン」
エレン「...あぁ!」
-
- 55 : 2016/08/07(日) 22:59:09 :
・・・
アルミン「これでよしと...アニ、もう明後日持っていくのないよね?」
アニ「うん、ないよ」
アルミン「いよいよ...明日か...」
アニ「...」
ザッ 「アルミン先輩ッ!!」
アルミン・アニ「!」
アルミン「エレン...ど、どうしたのさ」
エレン「...俺には無理です。」
アルミン「...は...?」
エレン「俺には...アルミン先輩みたいに...考えたプレーや上手いバッティングが出来ないです。」
アルミン「...いや、だから...」
エレン「相手の意表をつくリードも、仲間に的確な指示を出すのも...全部」
アルミン「言ってる意味がわからないんだけど...」
エレン「...だから俺には...アルミン先輩の代わりに、監督を甲子園に連れて行くことは出来ないですッ!!!!」
アルミン・アニ「!」
アルミン「ちょっ、え、エレンッ!!」ダッ!!
ガシッ
アルミン「どういうつもり?どうして今アニがいるここで言った!?」
バッ
エレン「もう...考えるのが馬鹿らしくなったので...」
エレン「もう...アホみたいに泣くのが馬鹿らしくなったので...」
エレン「もう...誰かがいなくなることを...現実逃避したいのが...馬鹿らしくなったので...!」
エレン「だかk ボコッ!!
ドタッ
アルミン「いい加減にしろよッ、何勝手に自分の意見言ってるのさ!! こっちははた迷惑だよッ!!!」
エレン「...だから...だから俺...どうしても...最後に...やっておきたいことがあるので...」
アルミン「?」
エレン「スゥーッ...最後に...俺のボールを受けてくださいッッッ!!!!!!!」
アルミン「ッ」
エレン「お願いしますッッ!!」ガンッ
アルミン「...こんな雨の中で...やるの?」ハハッ
エレン「はい...いやむしろ...こんな雨の中でやりたいんです...!」
アルミン「...」
アニ「あ、アルミン...?」
スタスタ
アルミン「いいよ、じゃぁすぐに準備して」
エレン「ありがとうございますッッ!!!!!」
アニ「あ、あんた達風邪引くよ!!」
アルミン「ごめんアニ」
アニ「!」
アルミン「...最後の我儘を...通してほしい。僕からも」
アニ「アルミン...」
スタスタ
エレン「ライナー、一打席勝負してくれ」
ライナー「...エレン、言ってる意味が...」
エレン「頼む!一打席で構わない!この通りだ!」スッ
ライナー「そ、そう言われてもこの雨じゃな...」
ミカサ「ライナー、私からもお願いする」
ライナー「ミカサ?」
ミカサ「どうしても...エレンが今投げたいと言っている、ので...」
ライナー「ん~...よし、わかった...やるか」
エレン「本当か!?サンキュー!!」
ライナー「ただし、勝った方にラーメンおごり...いいな?」
エレン「あぁッ、ラーメンでもチャーハンでも何でも付けてやる!」
ライナー「ふっ、これは負けられなくなったな...男と男の本気の勝負だ、エレン!!」サッ
バサッ
ライナー「〔ふっ、決まった...〕」
ベルトルト「エレンなら、もうグラウンド行ったよ」
ライナー「...鰹節になって消えたい...」
-
- 56 : 2016/08/08(月) 00:10:40 :
グラウンド
ザーッザーッザーッ
カチャッ カチャッ
スタスタ
エレン「...ふぅ...」キリッ
スタスタ
アルミン「...いいんだね?エレン」
エレン「...はいッ!!」
アルミン「...ふっ、よし...行こうっ!!」ダッ
スタスタ
ジャン「は...?アルミン先輩とエレン...?何してんだよ、こんな雨で」
ザッザッザ
エレン「〔アルミン先輩に受けてもらうのは...昨日の駐屯高校との時以来だけど...〕」
エレン「〔なんでだろう...凄く久々な気がする...!〕」ギュゥッ!!!
パンッパンッ!! アルミン「1球ッ!!」
スッ!!!
ドッ!!!
エレン「ッ!!」シュッ!!
パシンッ!!!!
アルミン「ナイスボール!」シュッ
ライナー「ふっ、雨の中での投球っていうのに...あの試合の時と変わらない球だな!」スッ
ミカサ「勝負は一打席、もしライナーの打った当たりがボテボテでもヒットとみなす。」
ライナー「えっ、いやそれは違うだろ」
「構わねぇッ!!」
ライナー「!」
エレン「三振以外全部ヒットでいい!」
ライナー「...いいのか、エレン」
ザッザッザ!!!
ライナー「悪いが、練習にしろ何にしろ...本気で行かせてもらうぞッ」キリッ
「...っへ、あぁ上等だ...」ニヤッ
エレン「絶対勝つ...!」
ミカサ「プレイ!」
ベルトルト「監督はどっちが勝つと思いますか?」
アニ「...」
ベルトルト「監督...?」チラッ
アニ「ふっ...ぅ...」プルプル
ベルトルト「〔えっ、泣いて...!?〕」
アルミン「〔これは...エレンとの...最後の”投球練習”だ〕」
アルミン「〔...最後...か...〕」
スッ!!!
ドッ!!!
エレン「ッ!!」シュッ!!
パシンッ!!!
ミカサ「ボール!」
アルミン「ナイスボール!惜しいよ!」シュッ
ポタッ コロコロ
ライナー「!」
エレン「...先輩...」
エレン「なんで...本気でやらないんですか...」ギリッ
ライナー「ぇっ」
アルミン「い、いや、本気だよ!何言ってるのさ!」
スタスタ 「本気なら...なんで...」
ガシッ!!
ライナー「おい、エレン!」
エレン「なんで...そんな顔しながらプレーしてるんですかッッ!!!!!」
ライナー「顔...?」チラッ
アルミン「...」
ライナー「〔エレンは何を言ってるんだ?普通だぞ、アルミン先輩は〕」
アルミン「...」
エレン「まさか...これがエレンとの、最後の”投球練習”だ。なんて...思ってないですよね...?」
ミカサ・アニ「!」
アルミン「...」
エレン「だとしたら...一発...殴りますよ...」
アルミン「...」
エレン「...少なからず...俺は...俺は...」
エレン「俺は、このライナーとの勝負も、決勝と同じくらいの気持ちで戦ってますよッッッ!!!!!!」
アルミン「!」
エレン「...クッ」スタスタ
「ごめん...」
エレン「!」
アルミン「僕を一発...殴ってくれ...!」
エレン「...はいッ!!」
ボコッ!!!
ライナー「ぁっ、アルミン先輩!?」
アルミン「大丈夫...」
エレン「これで...やっといつものアルミン先輩に...戻ってくれましたか...?」
「...うん、ありがとう...エレン」
アルミン「スゥーッ...バッターしょぉぉぉぉぉおおおおぶッッッ!!!!!!!!」
ライナー「!」
エレン「...ふっ、バッターしょぉぉぉぉおおおおおぶッッッ!!!!!!!」
アルミン「〔ありがとう...エレン...僕は最後まで...自分に嘘を付くところだった...〕」
アルミン「〔大好きな野球に...嘘はつけない...昔からアニはこう言ってた...〕」
アルミン「〔全く...本当に生意気な後輩だよ〕」ニコッ
アニ「!」
-
- 57 : 2016/08/08(月) 00:13:10 :
ミカサ「プレイ!」
アルミン「〔バッターはライナー...大柄で大胆なバッティングをするのが特徴、だけど...〕」
エレン「〔ライナーのもう一つの特徴は、その大胆なバッティングをするためのミート力の上手さ〕」
アルミン「〔下手にストライクを取れば、ライナーなら簡単に弾き返せる...ならここは...〕」サイン
スッ!!!
ドッ!!!
エレン「〔内低めいっぱいに...速いストレートッ!!!〕」シュッ!!!
ライナー「〔ッ、内低め!!〕」スッ!!
パシンッ!!!!!
ミカサ「ストライクワン!」
ライナー「〔速いな、130km後半くらいか?〕」
アルミン「〔この回転...この球威...この球質...ふっ、どうやら身に付けたらしいね。〕」
アルミン「ナイスボール!」シュッ
パシッ
アルミン「〔ベルトルトやミカサとは一味違う...リヴァイと同等のキレと球質...本物のストレートッ!!〕」
ミカサ「〔...あぁこの球の回転...何だか...懐かしい...〕」
アルミン「〔球威はまだリヴァイとは並ばない...でも...〕」
ドッ!!!
アルミン「〔球のキレと球質なら...あのリヴァイと同等...いやそれ以上...!〕」
エレン「ッ!!」シュッ!!!
ザッ!!! ライナー「オラァッ!!!」スッ!!!
キーンッ
エレン「ッ」
ライナー「〔くそっ、ファールか...それにしてもジャストしたはずなのに...後ろに飛ぶか〕」
アルミン「〔キレがあることで、打たれてもなかなかジャストミートしない...球質があることで、打たれてもなかなか前に飛ばない...〕」
アルミン「〔まさに魔球...魔球っていうのは見えないからとか・凄い変化するからとか・凄い速いからじゃなくて...〕」
アルミン「〔わかってても...打てないボールだから...魔球なんだ!〕」
ライナー「〔くそっ、ストレートしか来ないっていうのはわかってるんだ...なのに...〕」
ドッ!!!
エレン「ッ!!」シュッ!!!
ザッ!!! ライナー「〔なんだこの...謎の圧力は...!?〕」スッ!!!
キーンッ
ミカサ「ファール!」
-
- 58 : 2016/08/08(月) 00:13:24 :
エレン「〔最後だから...とか...そんなこと...どうだっていい...〕」
エレン「〔とにかく...アルミン先輩と...一分でも...一秒でも長く...バッテリーでありたいッ!!!!〕」
エレン「〔俺はただ...アルミン先輩に...捕ってもらいたい...!〕」
エレン「〔あの時感じた...感覚が...今ならわかる...!〕」
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4月 アルミンを野球部に誘うことに失敗した時のこと...
エレン「さっき胸ぐら掴まれた時、ビビっと来たんだ...」
コニー・ジャン・マルコ・ミカサ「ビビッと?」
エレン「あぁ、あの時と同じ感じだった...」
エレン「小学校の頃おふくろと一緒に見た、あの試合に出て投げてたあの投手みたいな感じだった...」キラキラ
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アルミン「〔さぁエレン...決めよう...この一球で...!〕」ギリッ
エレン「〔例えアルミン先輩が、この先いなくても...今、この時間の...この瞬間を忘れないで...〕」
スッ!!!!
エレン「〔これからずっと...心の中でアルミン先輩と一緒に...戦うんだ!!〕」
戦え...
ライナー「...」
戦え...!
ミカサ「...」
戦え...!!
アニ「...エレン...アルミン...」ギュゥッ
戦えェッ!!
アルミン「...来い、エレン」スッ
ドッ!!!!
エレン「〔戦えェッッッッ!!!!!!!!!!〕」シュッ!!!!
ライナー「ぐっ...!?」
アルミン「ッ!!」スッバシーンッ!!!!!
アルミン「ッ...」
ミカサ「...ストライク!バッターアウト!!」
エレン「〔勝つんだ...調査高校にッ!!!!〕」
-
- 59 : 2016/08/08(月) 22:21:10 :
ビショビショ
ライナー「くそぉ...あの後10打席追加したのに一回も打てないなんて...」
ベルトルト「これで風邪引いて明後日に支障出たら本末転倒だよ」
ライナー「大丈夫だ、昔から体だけは丈夫だったんだ」
ベルトルト「〔でも正直驚いたな...あのライナーから10奪三振するなんて...球種だってストレート一本だったのに...〕」
エレン「あれ、アルミン先輩は?」
ミカサ「わからない」
アニ「アルミンだったら、先に帰ったよ」
エレン「〔! もしかして明日の準備で...〕」
アニ「さ、今日はもう帰んな」
エレン「ありがとうございました、我儘を聞いてもらって」
アニ「別に...それに...」
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アルミン「ごめんアニ」
アニ「!」
アルミン「...最後の我儘を...通してほしい。僕からも」
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アニ「〔あの時...小学校の頃のアルミンに...戻ってた。〕」
アニ「〔昨日から今まで...ずっと暗い表情をしてたアルミンが...少しだけ嬉しそうな顔をしてた。〕」
アニ「〔良かったね、アルミン...中学の時や去年とは違う...本物の投手(パートナー)ができて〕」
エレン「よしライナー、約束通り奢るぞ」
ライナー「え?俺勝ってないぞ」
エレン「勝っても負けても関係ねぇよ、勝負に付き合ってもらったんだ。それぐらいはさせてもらうぞ。」
ライナー「...ふっ、全く気が利く男だぜ!」
エレン「ミカサも行くだろ?」
ミカサ「えっ...いいの?」
エレン「飯は大人数で賑やかに食った方が上手いだろ?」
ミカサ「...うん!」
エレン「ベルトルトも行くだろ?」
ベルトルト「え、いいのかい?」
エレン「だから、何度も同じこと言わせんなよ!」
ベルトルト「じゃぁ...お言葉に甘えようかな!」
エレン「監督もどうっすか?」
アニ「...ふっ、ならうちに来な。私が作るから」
「おぉっ!!」
ライナー「監督の手作りか!」
ベルトルト「美味しそうだね」
エレン「なら俺、材料買ってきます!」
アニ「うん、頼んだよ」
ミカサ「エレン一人じゃ危なっかしい、ので私も行く」
エレン「なっ!? 危なっかしいってどういう意味だよ!?」
-
- 60 : 2016/08/08(月) 23:11:25 :
「ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
さっきまで土砂降りだった雨は、すっかり止んでいた。
いつ、どのタイミングで止んだかは覚えてない。でも...それだけ夢中で走った。
今なぜ、それだけ急いでいるか...答えは簡単だ。
ある人に頼みごとをするためだ。
ピタッ
アルミン「ハァ、ハァ、ハァ」ゼェハァ
ピンポーン
スタスタ
執事A「いやはや、いきなり来たものですから何もご用意出来ず申し訳ございません。」
アルミン「あぁいいんだ、用があるのは...父さんだから」
執事A「旦那様でしたら今席を外しております。ですが、すぐ帰ってくるとのことでしたので今少々お待ちを。」
アルミン「わかった。」
スタスタ
アルミン母「あら、アルミン帰ってきてたのね」
アルミン「うん...ただいま」
アルミン母「まぁ!? なぁに?その格好は...」
アルミン「あぁ...さっきまで練習してたから」
アルミン母「練習って...あなたまだ野球をやってるの?あなたは早く留学してお父さんのように立派なビジネスマンになr「わかってる!!」
アルミン「わかってるから...母さんは口を出さないでくれ」
アルミン母「ふんっ、わかっていたならさっさと野球なんて辞めてしまいなさい。」
アルミン「うん」
フリーダ「奥様、ご夕食の準備が出来ました。」
アルミン母「そっ、ならいただこうかしらね」
スタスタ
フリーダ「びっくりしました、アルミン様が帰っていたなんて」
アルミン「どうしても...父さんにお願いしたいことがあって」
フリーダ「? お願いしたいこととは?」
アルミン「...」
_______________________
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今日の分析前...
ハンジ「アルミン君!ちょっといいかな?」
アルミン「え、あ、はい!」
ハンジ「校長からお話があるって」
アルミン「! はい、わかりました。」
スタスタ
コンコンッ
「どうぞ~」
アルミン「失礼します。」
ガチャッ
ダリス「やぁ来たね、アルミン君」
アルミン「お話って」
ダリス「うん、さっきお父様から電話があってねぇ...」
アルミン「...留学のことですね?」
ダリス「わかっているなら話が速い、お父様は今すぐ...明日にはもう留学をさせると言っていた。」
アルミン「...すみません、気が早い人で」
ダリス「そこで野球部の退部と、学校の退学願いを要請してきた。」
アルミン「...はい」
ハンジ「本当にいいのかい?アルミン君」
アルミン「...もう決まったことなので」ニコッ
ハンジ「!」
ダリス「合意してくれるとこちら側も助かる、何しろ学校側は親には逆らえないからね」
アルミン「ご迷惑をお掛けしてすみません。」ペコッ
ダリス「だが...私が言うのも変だが、本当にいいのか?野球部は」
アルミン「...昔から父は頑固なんです。一度決めたことは何が何でも考えを曲げない、って」
ハンジ「だけど、アニちゃんとの約束はどうするのさ!? せっかく、目標がもう目の前まで来ているんだぞ!?」
アルミン「...先生もやっぱ見てましたか...」
ハンジ「手を伸ばせば、届くところまで来たんだ!!ここで諦めれば、二度と来ないチャンスなんだぞ!?」
ダリス「ハンジちゃん」
ハンジ「でもっ...」
ダリス「私達には口出しできない領域だ。なんて言ったってこれは、親と子の問題なのだから。」
ハンジ「くそっ...」
アルミン「失礼しました。」
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アルミン「...まぁ...色々だよ...」
-
- 61 : 2016/08/08(月) 23:11:54 :
ガチャッ
アルミン「!」
執事A「おかえりなさいませ、旦那様」
アルミン父「...なんだ、アルミン。今は忙しいんだ、後にしてくれ」
アルミン「...どうしても...お話したいことがあります...!」
アルミン父「...」
アルミン父「俺の部屋に来い」
スタスタ
フリーダ「アルミン様...」
ガチャッ
アルミン父「それで...話とはなんだ?」
アルミン「...スゥーッ...フゥーッ...野球を辞めて、留学します。」
アルミン父「...そうか、ならいい。」
アルミン「ただ...1つだけ...お願いがあります...!」
アルミン父「なんだ?」
アルミン「次の...予選決勝だけは...出させてください!」
アルミン父「...なぜだ?」
アルミン「僕は...アニと...エレン達、シガンシナ高校の皆で...甲子園に行くと約束しました。僕はその約束を守りたいだけです。」
アルミン「僕がこの手で...アニ...エレン達を...甲子園に送り出したいんです!!」
アルミン「だから次の試合だけは...出させてください、お願いしますッ!!」ペコッ
アルミン「その試合後...必ず野球を辞めて...ビジネスを学ぶために...留学をします。」
アルミン父「...いいだろう。」
アルミン「ッ...ありがとうございますッ!!!!」
アルミン「〔これで...皆と...決勝を...戦える...!〕」
アルミン「〔必ず...皆を送り出してみせる...甲子園にッ...!!〕」ギリッ
-
- 62 : 2016/08/10(水) 00:15:49 :
次の日の朝
チュンッチュンッ
ガバッ
アニ「〔...来てほしくない日が...等々来てしまった...〕」
アニ「〔今日は...アルミンが...ここから出て行く日...〕」
スタスタ
アニ「〔いつも部屋にあるはずの、アルミンの荷物も...もう跡形もなく、姿を消していた...〕」
アニ「〔きっと昨日私が寝てから運んだんだろう...〕」
スタスタ
アニ「ぁっ...!」
スッ
アニ「...あんた...どうしてこういうものだけ...置いていくのよ...」ギュゥッ
リビングにある小さなタンスの上に置かれていたのは...
かつて、小学校の頃入っていたリトルチームで獲得した...
金メダルとその時に撮った写真が...あった。
アニ「こんなもの残したって...辛いのは...あたしだけじゃない...」
アニ「〔あの時、公園でエレンと話してた時に飛び込んで...ぶん殴ってやれば良かった...〕」ウルウル
・・・
学校のグラウンド
ジャン「小雨だけど、出来ねぇわけじゃねぇな」
マルコ「うん、グラウンドも朝グラセンやったから大分マシになったね」
トーマス「にしてもやっぱ...」チラッ
JK「きゃーっ、ミカサ君!頑張ってェ!!」
地元の人「頑張れよ!シガンシナ高校!決勝も応援行くからなァ!!」
地元の人「明日は勝って、商店街に優勝旗を持ってきてくれよ!!」
地元の人「甲子園に行けたら弁当半額にしてやるからなァ!!」
トーマス「この間より増えてね?ギャラリー」
ミリウス「準決勝はTV中継もあったから、それで増えたんじゃないか?」
ダズ「ひぇっ!? TV中継あったのか!?」
ライナー「どっちにしろ、応援されるのは嫌いじゃない。むしろ、モチベーション上げるのに必須だぜ」
ベルトルト「そうだね」
コニー「でもよ...今日なんでアルミン先輩来てないんだ?」
エレン「ッ、それはっ...」
ミカサ「...」
コニー「ん?どうした?お前ら」
アニ「はい、練習開始するよッ!!」
「あ、はいッ!!」
エレン「...」
ポンッ
エレン「!」
アニ「皆には極力話さないであげて、いざというときは...私が言うから」ボソッ
エレン「...はい...」
サシャ「ではまず、調査高校の先発予定のナナバ選手対策...ストレート140km行きます!」
パシュッ!!!!
ジャン「うらっ!!」スッ!!
キーンッ
ジャン「〔くそっ...セカンドゴロ...セカンドにゃあいつ(イザベル)がいるんだよな...あいつにはぜってぇ負けねぇぞ〕」
ジャン「もう一球ッ!!」
サシャ「はい!」カチャッ
パシュッ!!!!
ジャン「こんにゃろっ!!」スッ!!
キーンッ!
アニ「左バッターのあんた達には別メニューがあるからね」
コニー・ベルトルト「え...?」
-
- 63 : 2016/08/10(水) 00:16:22 :
キーンッ キーンッ
地元の人「なんだなんだ?噂の蒼の騎士って奴の...アルミン・アルレルトってのはいねぇのか?」
地元の人「確かに今日いねぇな」
地元の人「もしかして...また逃げたとか?」
地元の人「マジかよ、また逃げたのかよっ!!」
アニ「っ...」ビクッ
エレン「なっ、また言いたい放題...!」ピキッ
ハンジ「エレン君!集中するんだ!今は投球練習だよ!」
エレン「っ、わかってますよっ!!」スッ!!
ドッ!!
シュッ!! ズキッ
エレン「う”っ」
ピピッ
ハンジ「〔130kmか...一昨日の試合では最後の一球138kmをマークしてたんだけど...やっぱ肩が暖まるまで少し時間がかかるな〕」
ハンジ「〔それとも...まさか、まだ怪我が治ってない...?〕」
エレン「〔くっそ...昨日までなんともなかったのに...また痛みが出てきやがった...でも...明日の朝状態を見てもらって、良ければ痛み止めを射ってもらえる...〕」
エレン「〔俺がアルミン先輩の分まで...戦って...勝つんだ!〕」
スタ
ドッ!!
エレン「ッ!!」シュッ!
エレン「ぁっ!?」
カシャーンッ
ハンジ「〔今の暴投といい...やっぱり怪我が...!〕」
エレン「〔今のは痛みはなかった...けど...〕」
エレン「〔なんでだ...キャッチャーが...アルミン先輩じゃないと...こんなにも不安になるもんなのか...〕」
エレン「〔いや違うっ! あの練習試合で経験しただろ! アルミン先輩ばっかりに頼ってちゃダメなんだ!〕」
スタ
エレン「〔でも...当日は...誰がやるんだ...キャッチャー...〕」
エレン「〔ミカサは怪我をしてる...なら、コニーか...それでサードにはライナーが入って...ライトにジャン...センターにミリウスか...〕」
エレン「〔もう今の俺達に...元のシガンシナ高校みたいな...力はないんだ...〕」
スタ
地元の人「しかも、あのエースナンバー背負ってる奴...何か地味だよなぁ」
地元の人「あぁ、そんなに早くもねぇし...変化球で今のところ投げてない...それに、コントロールは皆無だ。」
地元の人「準決勝はたまたまってことか」
地元の人「いや、やっぱそこはアルミンがいたからだろうな」
地元の人「じゃぁあれか、アルミンがいなきゃ無能ピッチャーってわけだ。」
エレン「ッ」
_______________________
______________________________________
________________________________________________________
中学時代
「チェッ、マジでエレンダメピーだろ」
「ホント...なんでマウンド降りないのかな...あいつのせいでチームが迷惑かけてるのわからないのかな」
「先輩達も可哀想だよな、せっかく3年間努力したのに1番をあのエレンに取られて」
「何がエースだ!早く辞めろってんだ!!」
ロッカーの中
エレン「ヒグッ...グスンッ...」ポロポロ
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_______________________
エレン「〔やっぱ俺...ダメピーなままなのか...〕」グググッ
「ピッチャー、肩に力入ってるよ!深呼吸して、もっと楽に投げな!」
エレン「えっ...」チラッ
アニ「!」
スタスタ
アルミン「ごめん、遅れた!」ニッ
アニ「ぁ...ぁ...」プルプルッ
「「アルミンッ!!!!」」
-
- 64 : 2016/08/10(水) 00:17:10 :
コニー「え?」チラッ
ライナー「ん?」チラッ
アルミン「いやぁちょっと実家に呼ばれててさ...ギリギリ間に合ったよ。」
ジャン「いや先輩アウトっすからね?」
アルミン「ははっ、それくらいは見逃してよ」
エレン「えっ...どうして...アルミン先輩が...え?りゅ、留学は...?」
アルミン「ふふっ、行くさ...決勝が終わり次第ね...」
エレン「じゃ、じゃぁ...!」
アルミン「うん...明日の決勝...僕も一緒に戦えるよ!」
エレン「...ぃ、やったぁ~!!!!」ガッツポーズ
アルミン「え、エレン!声デカイって!!」
エレン「でかくもなりますよ!!だって...だって...決勝で一緒に戦えないって思ってたんですから...!」
アルミン「...ごめんごめん」ニッ
エレン「でも...俺より先に謝る人がいますよ」
アルミン「!」チラッ
アニ「...」プイッ
スタスタ
アルミン「...ごめんね?アニ、心配かけちゃって」チラッ
アニ「...は、は...? し、心配ってな...にが...?」
アルミン「アニも...気づいてたんだよね、きっと」
アニ「だ、だから...なに...が...」
アルミン「...」
ポンッポンッ
アニ「!」
アルミン「もう...大丈夫だよ、アニに涙は流させないから。」
アニ「...グスンッ...もう...今流させてる...じゃん...よ...」ポロッポロッ
アルミン「...ごめん」
ナデナデ
アルミン「...約束を...果たす時が...やっと来たよ。」ボソッ
アニ「ッ」
スタスタ
アルミン「さぁ、決勝前の最後の練習だ...! 悔いが残らないように、自分が満足行くまで...存分に練習しようッ!!!!」
「はいッ!!!!」
ハンジ「ははっ、こりゃ本当に...何が起こるかわかんないなぁ!」
ミカサ「...ふふっ」ニコッ
エレン「...ふっ」ニッ
スタスタ
サッ パンパンッ!!
アルミン「...一球!」
エレン「〔そうだ...俺はもう...一人じゃない...ひとりぼっちの...エースじゃない...!〕」
エレン「〔俺には...ミカサが...監督が...アルミン先輩が...シガンシナの皆がいる!〕」
スッ!!!
ドッ!!!
エレン「〔みんなで...行くんだ、甲子園に...!!〕」シュッ!!!
パシンッ!!!!!
ピピッ
ハンジ「...!」
【138km】
ハンジ「〔このバッテリーなら...やってくれる...!〕」
「ナイスボール!」シュッ
ハンジ「〔調査高校に...シガンシナ旋風を巻き起こせ!!〕」
エレン/アルミン「ふっ」ニッ
-
- 65 : 2016/08/10(水) 00:57:34 :
キーンッ キーンッ
サシャ「行きます!」
パシュッ!!!
トーマス「〔こらえろ...こらえろ...!〕」
クイックイッ!!!
トーマス「〔今だ!〕」スッ!!
パシンッ!!!
トーマス「くっそ、まだ当たらないか...!」
助っ人モブ「トーマス、もうちょいボール半個分右に振ってみ!今度は当たるよ!」
トーマス「わかった!」
アニ「じゃぁ行くよ!」
パシュッ!!!
コニー「...」
クインックインッ!!!
コニー「オラァッ!!」スッ!!!
パシンッ!!!
コニー「くぅぅぅっそぉぉぉおおおお!!! あともうちょいなのに、当たんねぇよ!!」
ベルトルト「コニー、交代」
コニー「おう、いいよなぁベルトルトは...腕長くて...」
ベルトルト「え?」
コニー「だってよぉ!腕長ければめいいっぱい腕伸ばせば届くじゃん!」
ベルトルト「...コニー、もっと僕にアドバイスをしてほしいんだけど...いいかな?」
コニー「お?いいぞ!」
ベルトルト「じゃぁよろしく」
「次ッ」
エレン「ハァ、ハァ、ハァ...ふっ!」スッ!!!
ドッ!!!
エレン「ッ!!!」シュッ!!!
パシンッ!!!!
アルミン「うん、ボールは走ってる!でも、もっと厳しいコースに投げないと簡単に弾き返されるからね!」シュッ
エレン「あ、はい!」
ハンジ「〔うん...アルミン君が帰ってきたことで、チームの士気が戻ってきた!〕」
助っ人モブ2「次、ファースト!」スッ!!
キーンッ!!
ダズ「うっ!?」スッ
パシッ!!! ポロッ
助っ人モブ2「だ~からダズッ!! 取る時怖がって体引いてるから落とすんだって言ってんだろ!!」
ダズ「わ、悪い!もう一回!!」
「おに~ちゃん!!」
ダズ「! ミーナ?」
ミーナ「が、頑張って...ね!」
ダズ「...あぁッ!!」
JCモブ「あれがミーナのお兄さん?」
JCモブ2「ホントだ、本当にシガンシナ高校の野球部だ!」
JCモブ3「TVでプレー見たけど、凄い男らしくてカッコ良かったよね!」
ミーナ「そ、そんなこと...ない!」
ダズ「〔ミーナ...〕」
キーンッ!!!
ダズ「どわぁっ!?」ササッ
助っ人モブ3「はい~、ターゲットの右横逸れた~」
助っ人モブ2「くそっ、JC達にきゃーきゃーっ言われやがって...シートノック兼嫉妬ノックじゃ!」スッ!!!
キーンッ!!!
ダズ「なんでだよ!?」
パシッ!!!
ダズ「! 取れた...! ボスッ!!!
ダズ「グェボロッ!?」ズキッ
ドタッ
助っ人モブ3「命中命中」
助っ人モブ4「ターゲット、怯みました!今です!」
助っ人モブ2「俺らだって、きゃーの一言言われたいんだよぉ!!」スッ!!!
-
- 66 : 2016/08/10(水) 00:57:51 :
カキィーンッッッ!!!!!
「ふぅ...」ゴシゴシ
パシュッ!!!!!
ザッ!!!!! 「ふァッ!!」スッ!!!!!
カキィーンッッッ!!!!!
「ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
ミケ「また随分と入れ込んでるな、リヴァイ」
リヴァイ「あぁ? 別にいつも通りだ。」
ミケ「決勝は結局今年もアルミンとやることになったな」
リヴァイ「らしい...なッ!!!」スッ!!!!!
カキィーンッッッ!!!!!
ミケ「今年もまた荒れるな」ニヤッ
リヴァイ「どうだかな...ッ!!」スッ!!!!!
カキィーンッッッ!!!!!
ミケ「? お前は圧勝すると思ってないってことか?」
リヴァイ「圧勝何かしなくたっていいさ」
リヴァイ「俺は今年も甲子園に行く...そして、俺は...ドラフト1位でプロになる」
ミケ「ふっ、相変わらずの執念だな」ニヤッ
リヴァイ「お前だってそうじゃないのか?」
ミケ「...あぁ、俺もだ。今年も甲子園に行って...優勝する。」
リヴァイ「なら別にいいじゃねぇか」
ミケ「だが、今年の1年で面白そうな匂いをした奴がいる。」
リヴァイ「それはうち(調査高校)じゃなくて、シガンシナでってことか?」
ミケ「あぁ」
リヴァイ「そうか...」
ミケ「確か監督から聞いたが、5月頃お前が2軍で調節してる最中に練習試合をしたと言っていたが」
リヴァイ「...覚えてねぇな、強い奴なら覚えるが...記憶にねぇってことはその程度だったって奴等だろ」
ミケ「まぁお前がそういうなら、そうなのかもな」
リヴァイ「ただまぁ...」
ミケ「?」
リヴァイ「俺と同じ化物ではねぇが...違う存在の化物なら...いたな」
ミケ「...それはアルミンか?」
リヴァイ「あいつは化物じゃねぇ、天才なだけだ。」
ミケ「だとしたら...俺の言ってる奴と同じかもな...」ニヤッ
リヴァイ「...かもな...」
リヴァイ「〔実力とか才能とか...そういう面での化物じゃねぇ...あいつは...俺よりもっと執念が強い...精神的な強さを持ってる〕」
リヴァイ「だが、誰が来ようが関係ねぇ...勝つのは俺達だ。」
-
- 67 : 2016/08/11(木) 00:53:59 :
「次ッ、もっと来い!!」
記者1「おぉ、気合が入ってるなアルレルト!」
記者2「そりゃそうだろ、なんたって次の相手は因縁の調査高校なんだからな!」
記者1「去年は惨敗だったが...今年は去年に比べて主力が大きくなったし、勢いも全然違うからもしかしたら...」
記者3「いやそれはないと断言出来る。なにせ、あの調査高校だぞ?しかも、アルレルトが抜けて未完成の自由の翼が...今年は1年の二人によって完成された自由の翼になったんだ...敵うはずがない。」
アルミン「ハァ、ハァ、ハァ...次ッ!!」
サシャ「は、はい!」
パシュッ!!!
ザッ!!! アルミン「ッ!!」スッ!!!
カキーンッ!!!
記者1「...だな、やっぱどう考えてもあの調査高校が負けるとは思えないな。」
記者3「いくらアルレルト一人が気合を入れて頑張ったところで意味は無い。野球はチームプレーだ、9人が強くなければ勝てない。」
アルミン「ハァ、ハァ、ハァ...こんなんじゃ駄目だ...もっと来い!!」ゼェハァ
サシャ「で、でもこれで100球目ですよ!? いくら何でもやり過ぎじゃ...「足りないんだ」
サシャ「!」
アルミン「今のままじゃ...足りないんだ...もっと...もっと自分を追い詰めなきゃ...あいつの球は打てない...!」
サシャ「...わかりました、それじゃアルミン先輩の願いに答えて...150km後半...解禁します!」
アルミン「...頼む」
ガチャッ ギギギギィッ
ギュゥゥゥゥゥイイイイィンッッッ
サシャ「...行きます!」
パシュッ!!!!!
ザッ!!!! アルミン「ッ!!!」スッ!!!!
キーンッ!!!
アルミン「もう一球!」
記者2「...にしても、今日のアルレルト...何か凄い入れ込んでるな...」
アニ「〔確かに、いつものアルミンらしくない...冷静さを失ってる...?〕」
ハンジ「〔気合というより気負いじゃないか...?〕」
アニ「〔いつもより力が入りすぎてる...何をそんなに焦ってるの...?〕」
コニー「あぢぃぃぃいいいいいいいいい」
ベルトルト「さすがに、疲れたね...」
・・・
ジャン「それじゃぁこの後は部室で最後のMTGやるからな!早めに片付けて明日に備えるぞ!」
「オーッ!!」
スタスタ
アルミン「サシャ」
サシャ「は、はひぃ...」ヘトヘト
アルミン「バッティングマシーン、まだ片付けないでおいて」
サシャ「え、あ、はい...でもどうして...?」
アルミン「まだ使うから...最後は僕が片付ける」
サシャ「え、えぇ!?まだやるんですか!? さっきまであれだけやったのに...!」
エレン「え?」ピトッ
アルミン「悪いんだけど、球出すの手伝ってくれる?」
サシャ「わ、私は構いませんが...」
アルミン「ありがとう、後でアイス奢るよ」
サシャ「アイスですか!? 神ィィィイイイイイ!!!」
アルミン「それじゃ、頼むよ」
サシャ「任せて下さい!」
スタスタ
ジャン「えっ、まだやるつもりですか!?」
アルミン「うん、先に着替えててくれる?」
ジャン「え、あ、はい」
エレン「アルミン先輩...何をそんなに急いでるんだ...?」
スタスタ ミカサ「エレン?どうしたの?」
エレン「いや...さっきブルペンで投げてから...アルミン先輩の様子が変なんだ...俺何かしたかな...」
ミカサ「...」
-
- 68 : 2016/08/11(木) 00:57:57 :
・・・
アルミン「ハァッ、ハァッ、ハァッ...サシャ...もう...上がっていいよ...」ゼェハァ
サシャ「え、い、いえ...片付けますよ。アルミン先輩は先に着替えてください。」
アルミン「で、でも...」
サシャ「私はマネージャーです。マネージャーは雑用係が仕事ですから!こういう時にしか役に立たないんです...やらせてください!」
アルミン「...ごめん、ありがとう」
サシャ「その代わり...アイス奢ってくださいね?」
アルミン「うん...一個だけね」
サシャ「え”っ!?」
ブーーーンッ キキーーーッ
ガチャッ
コニー「ん?なんだァ?」
スタスタ
フリーダ「シガンシナ高校野球部一同の皆様、つまらないものですが差し入れでございます。」
パカッ
「うおおぉぉぉぉおおおおおおおっっ!!!!!」
コニー「すげぇ!はちみつれもんだ!うんそーっっ!!!」
ジャン「コルァッ!!コニィイッ!!!! 勝手に食うんじゃねぇ!!」
サシャ「い、いいなぁ...は、はちみつ...れも~~ん...」
アルミン「...食べてきていいよ」ニコッ
サシャ「い、いえ...仕事が残ってますから...」グゥゥッ
アルミン「無理しないでいいよ、行って来な」
サシャ「...じゃ、じゃぁ...お言葉に甘えて!」ダッ!!!
アルミン「〔速い...〕」
エレン「...」
ミカサ「エレン、はちみつれもん」スッ
エレン「...あぁ」
スタスタ
アルミン「ごめん、フリーダさん。わざわざありがとう」
フリーダ「いえ、とんでもございません。皆様がこの暑さで疲れていると思われたので、その疲れを少しでも取れればと思っただけでございます。」ニコッ
アルミン「...何かごめんね、気を使ってくれて...」
フリーダ「どうしてアルミン様が謝るのですか!」
アルミン「...何か...謝らなきゃいけない気がして...」
フリーダ「...」
アルミン「じゃぁ僕着替えてくる、差し入れありがとう」
フリーダ「アルミン様!」
アルミン「?」
フリーダ「あのこれ...」スッ
アルミン「えっ、この着替え...」
フリーダ「荷物はもうまとめてあるので、今日の分と明日の分の着替えでございます。」
アルミン「わざわざ届けてくれなくても、自分で取りに行ったのに...ありがとう」スッ
ギュゥッ
アルミン「!」
フリーダ「あの...アルミン様、大丈夫ですか...? 私は...心配で心配で...」ウルウル
アルミン「えっ」
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今日の練習後の居残り練習
アルミン「ハァ、ハァ...次!」ゼェハァ
サシャ「は、はい!」スッ
パシュッ!!!!!
アルミン「クッ!?」スッ!!!
キッ!!!
アルミン「ハァッ、ハァッ...」ゼェハァ
サシャ「も、もうやめましょう。これ以上やっても、集中出来てない状態で意味なんてないです!」
アルミン「ッ、集中は...してるッ!!」
サシャ「出来てません!だって、さっきよりスイングが遅くなってるじゃありませんか!」
アルミン「そ、それは...次は打つから、もう一球!」
サシャ「じゃぁこれが最後ですからね!」スッ
パシュッ!!!!!
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アルミン「もしかして父さんとの話聞いてた?」
フリーダ「いえ...ですが、大体のことはわかります」
フリーダ「だって私はアルレルト家の執事ですから」ニコッ
アルミン「!」
フリーダ「幼稚園の頃からアルミン様を見てきました。10年間という時間ですが、あなたの成長を誰よりも見てきた自信があります。」
アルミン「そっか...」
-
- 69 : 2016/08/11(木) 00:58:35 :
フリーダ「...旦那様は以前リトルの試合をよく、亡くなれた奥様とご一緒に応援をしに行っていました。」
フリーダ「旦那様と奥様は、試合で活躍をするアルミン様を見て...この子には野球の才能がある。プロにだってなれる。とそれはそれは喜んでいらっしゃいました...ですが...」
フリーダ「奥様が亡くなられて...更に、高校の時の古き友人までもが亡くなられてから旦那様は人が変わられたようになり...」
フリーダ「その奥様の姉である...今の奥様と再婚をされてからはもう...野球の事に関してはまるっきり...それどころか野球からは遠のいていきました。」
アルミン「...」
フリーダ「ですが...これだけは言わせてください。旦那様はアルミン様を憎んでなどいません。アルミン様に立派なビジネスマンになってほしいと思っているだけでございます。」
アルミン「...わかってるよ」
フリーダ「私は...旦那様とアルミン様がこのままでいるのが辛くてっ...どうしても、以前のような関係に戻ってほしいと...アルミン様は旦那様のことが...嫌いですか...?」
アルミン「...嫌いじゃ...ないよ...それに...今は、父さんは関係ない...そう...僕はただ、野球がやりたいだけだったんだ...」
フリーダ「そ、それじゃ...「昨日までは」
フリーダ「えっ...」
アルミン「でも...もう決めたんだ。」キリッ
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昨日のライナーとの一打席勝負の時...
ライナー「〔くそっ、ストレートしか来ないっていうのはわかってるんだ...なのに...〕」
ドッ!!!
エレン「ッ!!」シュッ!!!
ザッ!!! ライナー「〔なんだこの...謎の圧力は...!?〕」スッ!!!
キーンッ
ミカサ「ファール!」
エレン「...ふぅ...」
アルミン「〔最後は...ここだッ!!〕」サイン
エレン「」コクッ
スッ!!!!
ドッ!!!!
アルミン父「野球をやって、人のため・世のためになるのか?ならないだろ。」
アルミン父「だが、ビジネスは違う。ビジネスは家族を養うための、地域を活性化させるための、会社の利益を上げるための、国の借金を返すための金が入る。」
アルミン父「たかが部活に何をそんなに本気になっているんだ。お前にはもっと本気になってもらうものがあるだろう。」
...もう...悔いはない...
出来ることは...やり残したことは...もうない。
これでけりをつけるんだ...!!
アルミン「...来い、エレン」スッ
エレン「ッ!!!!」シュッ!!!!
キュルルルルルゥッッッ!!!!
アルミン「ッ」
スッバシーンッ!!!!!
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フリーダ「決めた...? とは何をですか...?」
-
- 70 : 2016/08/11(木) 00:59:00 :
-
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アルミン「〔今の球...〕」
エレン「...っしゃぁあッ!!!!!!」ガッツポーズ
アルミン「〔決して完璧なコースとか...良いコースではなかった...でも...それでも...〕」
アルミン「エレン!」
エレン「!」
シュッ
パシッ エレン「えっ」
パンパンッ!! スタッ
アルミン「...もう一球」スッ
エレン「...へへっ」ニッ
アルミン「〔今のストレートが...当日も投げられれば...あいつらに...調査高校に...リヴァイに通用する...!〕」
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アルミン「その時、やっと決意できたんだ...」ギュゥッ
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スッバシーンッ!!!!!
ミカサ「ストライク、バッターアウト!!」
ライナー「く、くそっ...6連続奪三振...かよ...!」
エレン「おっしゃぁああっっ!!」
アルミン「...」
エレン「あれ...どうしたんですか? アルミン先輩、何か浮かない顔ですけど...もしかして俺の球良くないですか!?」
アルミン「いや、良いよ...うん、凄く良い球が来てる...それに...今改めてわかったんだ。」
エレン「え、何が...ですか?」
アルミン「...僕はやっぱり...野球が大好きだ。」
エレン「...え? な、何言ってるんですか今更!」
アルミン「そして...僕には時間がない。」
エレン「!」
アルミン「まだ投げてもらうけど...大丈夫だよね?」
エレン「! はい!もちろんです!」
アルミン「〔今...僕に出来ることはなんだ...〕」
アルミン「〔今...エレン達に何が出来る...〕」
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アルミン「それを考えた結果...明日の試合を最後に...野球を辞めることだったんだ。」
フリーダ「ッ」
アルミン「何かを手にする者は、何かを捨てることが出来る者...今の僕に捨てることが出来るのは...僕自身。」
アルミン「だから、この先の...未来を捨てて...現在(今)を手にすることに...決めたんだッ!」
フリーダ「...無理なされないでくださいね。」
アルミン「大丈夫...それに...最後の試合ぐらい...無理させてほしいな。」
アルミン「なんて言ったって...これが...”本当の最後”だから...」
フリーダ「...当日はその勇敢な姿を生で見守らさせていただきますね。」ニコッ
アルミン「...うん」
アルミン「〔必ず連れて行く...アニを...〕」
アルミン「〔必ず送り出す...エレン達を...!〕」
-
- 71 : 2016/08/11(木) 01:54:39 :
寮
アニ「...あんた、行くんじゃなかったの?」
アルミン「...行くのは、また今度」
アニ「...そう」
アルミン「...勝とう、明日」
アニ「...うん」
ジャン母「ジャン坊、早く寝なさい?明日も早いんだから」
ジャン「わぁってるよ!!」
ジャン「明日は絶対勝って...甲子園に...行くッ!」
コニー母「コニー!あんたいつまでおき...っていつの間に寝たのかしら...」
コニー「がーっ、がーっ」zzz
ハンナ「トーマス君、明日頑張ってね」
トーマス「あぁ...ハンナも明日応援しに来てくれるんだろ?なら尚更負けられないな!」
マルコ父「マルコ、明日決勝なんだって?」
マルコ「うん」
マルコ父「頑張るんだぞ」
マルコ「うん!」
ミリウス父「明日も見に行くから」
ミリウス「えっ、でも仕事は?」
ミリウス父「休むよ、これぐらいしか父親らしいこと出来ないからな」
ミリウス「...ありがとう」
ダズ義理の母「ダズ、ついに決勝まで来たわね!」
ダズ「あ、はい!」
ダズ義理の父「明日も家族全員で応援に行かせてもらうよ」
ダズ「...はいッ!!」
ライナー「おーっし、これでどうだ!まいったか!?」コショコショ
ライナー弟「あはははっ、も、もうやめてよ!!」
ライナー「参ったって言うまでやめないからなぁ~」コショコショ
ライナー弟2「お兄ちゃんをいじめるなっ!とうっ!」ダイブッ
ドシンッ ライナー「ぐぉぉぉぉおおおおっ、やられたぁぁああああ!!」グテッ
ライナー弟2「やったぁ!鎧星人をやっつけたぁ!」
ガラッ
ライナー妹「にいに達うるさいッ!!!」
「あ、すみません」
ライナー「〔うちではなぜか、男は3人で女は1人の兄弟...一番したが妹なのに...一番強いです...〕」
ベルトルト「ふっ!!」シュッ!!
パシッ!!
ベルトルト父「...凄いな、いつの間にこんなに上手になったんだ?」
ベルトルト「え?わからない...でも、シガンシナの皆がいたからだと思う。」
ベルトルト父「...ふっ、変わったな!これなら安心して決勝を見届けられる!」
ベルトルト母「そろそろ寝なさい?体を休めなきゃ意味ないんだから、なんて言ったってチームで一番スタミナがないんだから。」
ベルトルト「う、うぅ...」ウルウル
ベルトルト父「母さん!あんまり言わないでっ!!」
ケニー「ミカs...!」
ミカサ「〔...お父さん・お母さん...明日の決勝...無事に...皆で甲子園に行けるように...どうか、見守ってて〕」ナムー
ケニー「...ふっ、全く良い娘を生んだな...あいつら」
カタッカタッカタッ
エレン「...うん、やっぱり屋根裏で見る星空は格別だ。」
エレン「...父さん・母さん、等々来たよ...あと一歩で...甲子園だ。」
エレン「今まで...いろんなことがあった...最初は不安でいっぱいだったけど...チームの皆が俺を...本当のエースとして迎え入れてくれたことから始まり...」
エレン「それから...先輩の過去を知って、練習試合で初めて本当のバッテリーはどうあるべきかを知って...」
エレン「それから...チームメイトの一人が...色んな過去があってここにいることを知って...皆甲子園に行くための覚悟を決めて...」
エレン「予選が始まって...監督がいなかったり・主将がスランプになったり...」
エレン「それから...新しく入った奴らには...重い過去があって、その呪縛から逃れたり...」
エレン「それから...自分に自信が持てなくて、家族に罪悪感を感じてる奴が初めて家族と触れ合ったり・先輩と監督との過去を知ったり...」
エレン「つい先日までは...チームの主力の先輩が...チームを離脱することになったり...いろんな事があった...」
エレン「でも...それでも、俺らは誰一人かけてない...かけちゃダメなんだ。全員いて...シガンシナ高校野球部なんだ。」
エレン「だから...見てて...俺達が決勝で勝って、甲子園に行く姿を...!」
-
- 72 : 2016/08/12(金) 00:41:52 :
太陽が昇る...朝
一日の始まりの...朝
そして...
運命の決着が始まる...朝
チュンッチュンッ
目を覚ますと...胸がざわめく、朝が来た...そして、そっと窓を開ける。
ガラガラッ
窓の外を見ると、青空一面の所々に夏雲が...あった。
「...ついに来た。」
エレン「甲子園出場を決める...決勝だ...!!」
・・・
ザワザワ
キース「えーシガンシナ高校の皆さんは~、東口からお入りください!」
援団員A「一緒に入らないと入場料を取られますから、お早めにお集まりください!」
吹奏楽部員「部長、全員道具を持って集まりました!」
リコ「わかった、キース!もう入る準備は出来てる?」
キース「あぁ、こっちは大丈夫だ!」
リコ「よし、行くよ」
「はいッ!!」
スタスタ
チアリーダー部員「さぁ、私達も入るよ!」
「はいッ!!」
クリスタ「わぁ、決勝なんだよねこれ...なんだか私までドキドキしてきちゃった...」
ユミル「なんだなんだ、女神様は緊張しても可愛いなぁ」
クリスタ「ユミル!!からかわないで!!」
ユミル「〔にしても...本当に来るとはなぁ...〕」
ジャン母「さぁ今日も声を張るわよ!!」
コニー母「えぇそうね!」
トーマス母「なんて言ったって決勝なんだから!」
ジャン母「決勝...ね...あの子ら...本当に来たのね...」
コニー母「最初は甲子園に行くって言って、冗談かと思ったけど...あの子ら本気だったのよね」
トーマス母「私達も...本気で応援してあげなきゃね...!」
「おぅっしゃぁ!!お前ら今日も声出せよぉお!?」
「オォーッ!!!!」
ジャン父「我が息子達を応援するため...シガンシナ高校専用大弾幕を作ってきたぜぇ!!」ジャジャーン
ジャン母「私達だって、皆で応援するために...シガンシナ高校専用メガホンを作ったんですからね!」ジャジャーン
キース「すみません、応援する時このタオルを張っていただいてよろしいですか?」スッ
ジャン父・母「なんと!?」
リコ「私達からは専用のTシャツです。上に着ていただいて、熱くなったら脱いでもらっても構いません。」
コニー母「へぇ、これ学校で作ったんですか?」
リコ「いえ、私達援団から学校側に要請したんです...無理を言って」ニコッ
トーマス母「これは...更衣室で着替えてこなきゃね!」
ハンナ「そうですね!」
リコ「私達はもう着替えてるので、来客専用の更衣室なら出口を右に行ったところです。」
ジャン母「気合が入ってきたわね!」
-
- 73 : 2016/08/12(金) 00:42:14 :
ダズ義理の母「あ、あの~...ここってシガンシナ高校応援席でよろしい...ですか?」
ジャン母「えぇ、そうですよ」
ダズ義理の母「よかったぁ...」
ミーナ「も~母さんが勘違いするから相手校の方に行ったじゃない...」
ジャン母「もしかして...ダズ君のお家の...?」
ダズ義理の母「あ、はい!いつもダズ君がお世話になってます!」
ジャン母「いえいえ、こちらこそ!準決勝の時のダズ君...カッコ良かったですね!そちらは妹さんで?」
ダズ義理の母「ありがとうざございます! えぇ、ミーナっていうんです。ミーナ、挨拶しなさい。」
ミーナ「こ、こんにちわ~」
ジャン母「こんにちわ!まぁ可愛いわぁ!年はいくつなの?」
ミーナ「今は中学2年です!」
ジャン母「そうなの!じゃぁ再来年受験ね!」
ミーナ「はい!あ、そうだ...」ガサゴソ
ミーナ「あった!あの、これ良かったら使ってください!」
ジャン母「え?これって...」
ミーナ「シガンシナ専用の旗です!と言っても小さいですけど...」
ジャン母「器用なのねぇ!ありがたくもらっとくわ!あ、これ使ってね!」スッ
ミーナ「メガホン...何か本格的ですね!」
ジャン母「ふふっ、本格的なのは私達だけじゃないのよ!うしろ見てご覧なさい!」
ミーナ「え?」チラッ
黄昏に緋を穿て! シガンシナ高校!!
ミーナ「大弾幕!? すごっ...」
ジャン母「あれうちのダンナが作ったの...全く馬鹿よね、徹夜で作って今日一睡もしてないの」
ミーナ「えっ...それって不味いんじゃ...!?」
ジャン母「でもね...それほど...情熱を注いでやりたいの...頑張ってる家族を見たら誰だって応援したくなる...そうでしょ?」
ミーナ「...はい!」
-
- 74 : 2016/08/12(金) 00:42:41 :
スタスタ
「おうおうおう...随分とまた集まってんなぁ」
ミタビ「なんつー客の数だよ」
グスタフ「セントラル・ウォールマリアスタジアム...約4万人の収容員が入るらしいぞ。」
ミタビ「4万人!? いすぎだろ...吐き気しかねぇよ」
「でもま...それほどの見ものだ。」
イアン「俺達に勝ったんだ、決勝でも勝って甲子園に行ってもらわなきゃ困る」
ミタビ「...へっ、そりゃそうだな!」
「ったく、なァんで俺まで来なきゃならねぇんだ」
スタスタ
ミタビ「アァ? サネスだァ?」
サネス「あ~れま、野生のゴリラと対面だ」
ミタビ「ぶっ○すぞ!?」
イアン「中学以来だな」
サネス「イアン...ふっ、お前見たぜ。あいつにやられたんだってな」
イアン「ふっ、それはお前も同じだろ?俺も見てたぞ」
サネス「ハァ!?」
ラルフ「あれま、駐屯高校がいるよ」
マルセル「え?あ、本当だ」
ミタビ「なんだってカオスになるのかね...」
「歩くのおっせぇよ!このメタボ爺!」
「アァ? 誰が爺だ、誰が!!」ポカッ
フレーゲル「いっでぇぇええ、なぁにすんだよ!?」
ディモ「てめぇが親に爺って言うのが悪いんだろ!このアホンダラァ!」
フレーゲル「...あ」
イアン「お前は確か...誰だ」
フレーゲル「喧嘩売ってんのか!?」
「ん?イアンじゃないか」
イアン「ん...? ジムか」
ジム「久しぶりだな、イアン」
ハンネス「おぉっ!? ダンじゃねぇか!」
ダン「ハンネス!久しぶりだな!」
キッツ「なにィ!? ダンだと!?」
ダン「あれれぇ、キッツ!久しぶりだなぁ、おい!」
ミタビ「なんだ...なんなんだこの集いは...」
スタスタ
「急いでくださいよ!」
「待て、そう焦るな」
ピュレ「僕の読んでた通り決勝まで来たんですよ!あの子達は!!」
ロイ「全く...わかってるっつの」
ピュレ「〔さぁ見せてもらうよ...君の言った約束を果たす瞬間を〕」
スタスタ
フリーダ「...アルミン様...どうか...頑張って...」ギュゥッ
-
- 75 : 2016/08/12(金) 00:43:27 :
実況「皆さんおはようございます!雲ひとつない空...真っ直ぐ伸びたその青空は...と言いたい所ですが、今日はあいにくの曇りのち雨模様です。」
実況「さて、今日も隣には解説の諫山さんにお越しいただきました。よろしくお願いします!」
諫山さん「よろしくお願いします!」
実況「さぁ今日の試合日程ですが...皆さんのお待ちかね...今大会誰もが言うであろう、優勝候補である調査高校対今大会のブラックホールである、シガンシナ高校の試合をお届け致します。」
実況「さて、もうそろそろでしょうか...?選手達がベンチに入るのは」
諫山さん「そうですね、そろそろロッカールームからベンチに姿を表す頃です。」
「...ふぅッ...」
エレン「スゥーッ...フゥーッ...」
ジャン「なんだよエレン、珍しく緊張か?」
エレン「べ、別に緊張なんてしてねぇよ!」
ジャン「あ~男のツンデレなんて見たくねー」
エレン「馬鹿にしてんのか!?」
ジャン「いいやぁ?そいつは自意識過剰なんじゃねぇか?」ニヤッ
トーマス「ったく、なんでこういう時に喧嘩するかな...」
マルコ「...いやこういう時も...だからこそ、いつも通りなんだよ...」
ライナー「...ふっ、ある意味兄弟だな」
エレン・ジャン「アァ?」
ライナー「おっと、すまない」
-
- 76 : 2016/08/12(金) 00:49:11 :
ガチャッ
関係者「シガンシナ高校さん、そろそろベンチ入をお願いします!」
ジャン「はい!」
アニ「...さっ、もう時間だよ」
アルミン「うん」
ジャン「しゃぁっっ!! 円陣組むぞ!!」
スタスタ サッ
ジャン「...お前ら緊張何か...してねぇよな...?」
マルコ「うん」
トーマス「あぁさっきのお前ら見てたら、何だか落ち着いたよ」
ライナー「俺もだ」
コニー「えぇっ!? マジでェ!? 俺めちゃめちゃしてんだけど!?「コニー!黙って!」
アルミン「...僕は少ししてる...かも」
ミカサ「...私も...少し」
ジャン「ハァ、んなのは俺だってそうだよ...いやつか、俺の方がするわぁ」
「え!?」
ジャン「え!? じゃねぇよ!!お前1年でキャプテンで決勝だぞ!? 緊張しねぇ方が可笑しいわ!!」
ジャン「けど...」
ジャン「泣いても笑っても...今年の夏の予選は、これで最後だ。」
ジャン「スゥーッ...俺達はチャレンジャーだぁッ!!!!!」
「!」
ジャン「チャレンジャーがビビって挑戦しなかったら、それは何でもねぇタダの馬鹿だ!!」
ジャン「だったら、砕けてでも...無謀な挑戦でも...勝つ確率が低くても...」
ジャン「最後までぶっ倒れるまで...粘っこく...壁にぶち当たってやろうぜっ!!!」
「おうッ!!!」
ジャン「行くぞお前ら」チラッ
マルコ・トーマス「あぁ」コクッ
ミカサ・ベルトルト「うん」コクッ
ライナー・コニー「おう」コクッ
ダズ・ミリウス「うん」コクッ
アルミン「うん」コクッ
エレン「あぁ!」コクッ
ハンジ「うん!」コクッ
サシャ「はい!」コクッ
ジャン「...」チラッ
アニ「! ふっ...うん、行こうか!」コクッ
ガシッギュッ
ジャン「ぜってぇ勝つぞォッッッ!!!!!!!!」
「オオオォォォーーーーーッッッッ!!!!!!!!」
ガチャッ スタスタ
ファーラン「だから~、違うッスよ!リヴァイパイセ...!」
リヴァイ「どうした、糞でも漏らしたか?」
ファーラン「違うッスよ...やっと来たッスよ」
リヴァイ「あ?」チラッ
ワァァァァアアアアッッ
実況「んん!? 出てきました!シガンシナ高校です!」
実況「チームの9割が1年生残り1割は2年生という新設校らしいチームバランスですが、いよいよここまで勝ち上がってきたチームです。」
スタスタ
審判「それではじゃんけんで先攻後攻を」
ミケ「よろしく」
ジャン「お願いします!」
ぽん
ミケ「ふっ、じゃぁ後攻で」
ジャン「じゃぁ先行で」
審判「わかりました。では、先に調査高校さんノックをお願いします。」
ミケ「はい」
スタスタ
ジャン「〔あれが調査高校の主将か...けっ、やっぱ化物クラスを指揮してるだけあって威圧もやべぇな...でも、試合勝ちゃいい〕」
ウグイス「調査高校、ノックをお願い致します。」
ミケ「行くぞォーっ!!」
「オォーッ!!!!」ダッ
・・・
ミケ「ありがとうございましたッ!!」
「したっ!!」
ウグイス「シガンシナ高校、ノックをお願い致します。」
ジャン「っしゃぁ!!行くぞ!!」
「オォッ!!」ダッ
ジャン母「出てきた出てきた!」
ジャン母「ジャン坊!頑張るんだよ!!」
ジャン父「ジャン!!頑張れよ!!」
ジャン「わぁってるよ!!」
ダズ義理母「ミーナも、ダズ君に声かけてあげないの?」
ミーナ「えっ、だって...」
ジャン母「ミーナちゃん!一緒にやろ!」
ミーナ「あ、はい...」
ジャン母「ダズ君!頑張れ!!」
ミーナ「...お、お兄ちゃん!頑張れ!!」
ダズ「ミーナ...あぁ、頑張るよッ!!」
ミーナ「! 返事帰ってくるんだ...」
ジャン母「ね?応援っていいものでしょ?」
ミーナ「はい!」
ジャン「ありがとうございましたっ!!」
「したっ!!」
実況「おっ、両チームのノックが終わったようです。」
実況「まもなく、試合が始まります!」
-
- 77 : 2016/08/12(金) 00:51:38 :
-
審判「...整列!!」
「オォーーーッッッ!!!!!」ダッ
実況「今、選手一同マウンドへ走って行きました!」
審判「それでは只今より...全国高校野球ウォールマリア選手権大会 夏の大会予選決勝」
ミカサ/リヴァイ「...」キリッ
審判「シガンシナ高等学校対...」
アルミン/ファーラン「...ふっ」
審判「調査高等学校の...」
ジャン/イザベル「...!」
審判「試合を...」
ライナー/ミケ「ふっ」ニヤッ
審判「始めます!」
ベルトルト/ナナバ「!」キリッ
審判「お互いに礼ッ!!」
「よろしくお願いしますッ!!!!」
アニ/エルヴィン「お願いします」
「おぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおッッッ!!!!!!!!」パチパチ
-
- 78 : 2016/08/16(火) 00:33:24 :
実況「先行はシガンシナ高校、後攻は調査高校で試合が進みます。」
スタスタ
観客「うぉっ、出てきた出てきた!」
観客「新結成された、自由の翼...調査高校!」
ガヤガヤ
リヴァイ「チッ、うるせぇな」
ファーラン「ナナバパイセーン!今日はお願いするッスよ?」
ナナバ「余計なお世話だ!」
ライナー「先発は予定通り...ナナバか」
ベルトルト「だね」
アルミン「...簡単には打たせてはくれないと思う...けど」
ミカサ「最初から諦めてちゃ何も始まらない。」
エレン「俺らだって、辛く厳しい試練を何度もぶち破ってきたんだ...ここで引くような俺らじゃねぇ!」キリッ
ウグイス「守ります、調査高校。」
ウグイス「ピッチャー、ナナバ君」
ナナバ「ふっ!!」シュッ!!
ウグイス「キャッチャー、チャーチ君」
パシンッ!!!! ファーラン「ナーイスボールッス!」
ウグイス「ファースト、ケイジ君」
ケイジ「次、セカンド行くぞ!」シュッ
ウグイス「セカンド、マグノリア君」
イザベル「おっけーです!」パシッ!! シュッ!!
ウグイス「サード、ジン君」
エルド「リヴァイ、よそ見するな!」
ウグイス「ショート、リヴァイ君」
リヴァイ「チッ、ジメジメした気温だな」
ウグイス「レフト、ネス君」
ネス「オーライ、オーライ!」
ウグイス「センター、バーナー君」
モブリット「次ライト!」シュッ!!
ウグイス「ライト、ザカリアス君」
ミケ「...ふっ」ニヤッ
ウグイス「監督:エルヴィン・スミス、アシスタント:イルゼ・ラングナー、マネージャー:ニファ」
エルヴィン・イルゼ・ニファ「」ペコ
観客「エルヴィン監督!今年も甲子園制覇頼んだぞ!!」
観客「今年もあの化物打線を魅せてくれ!!」
エルヴィン「私個人が野球をやるのではない...彼らが野球をするんだ。」
ファーラン「一回しまっていくッスよ!!」
ナナバ「黙れ~」
イザベル「取り敢えず死ね!」
リヴァイ「口を開くな」
ファーラン「なんで決勝なのに悪口言うんスかッ!?」プンプン
エレン「相変わらず...陽気ですね...あっちは」
アルミン「うん、それが...ファーランのいるチームの特徴さ...でも...」
アルミン「うちだって負けてないさ」
アニ「じゃぁ...頼んだよ、切り込み隊長!」パシッ!
ジャン「いっつぁ...はいッ!!」
スタスタ
キース「スゥーッ...こんにちわッ!!!」
「こんにちわッ!!!!!!」
キース「改めまして今日の試合を応援しに来てくださり、誠にありがとうございますッ!!!」
キース「今日この試合に勝てば選手達の目標である...夢である...甲子園に行くことが出来ます!」
キース「私達には直接何か出来ることはありません...ですが、応援という選手達をやる気付けることや勇気を与えることが出来ます!」
キース「その応援は野球と同じで一人だけ頑張っても良いものが出来るわけではありません。ですので、皆さんどうかご協力をお願い致しますッッッ!!!!!!!」
「はいッッ!!!!!」
キース「リコ、頼むぞ」
リコ「任せな、チアも頼んだよ」
クリスタ「任せてください!」
-
- 79 : 2016/08/16(火) 00:37:26 :
ウグイス「1回の表、シガンシナ高校の攻撃は...1番センター、キルシュタイン君 背番号8」
審判「プレイ!」
ウゥーーーーーーーーーッッッ
実況「さぁ今長い長いサイレンが、始まりのサイレンが鳴りました!いよいよ、決勝の開幕です!!」
キース「バッターは、ジャン・キルシュタイン!!」
シガンシナ援団員A「ルパン三世!ルパン三世いきます!」
シガンシナ援団員B「掛け声や合いの手は応援歌ブックの3ページの1行目です!よろしくお願いします!」
キース「よし、リコ!」
リコ「うん...行くよ、みんな構えて!」
吹奏楽部員一同「はい!」サッ
リコ「1.2.3!」
♪ルパン三世♬
ジャン「お願いします!」
ファーラン「〔1年でこのチーム唯一のチャンスメーカー...イザベルと同じスタイルの奴だ。〕」
ファーラン「〔今日のナナバ先輩の調子はブルペンで見た限りじゃいつも通り...なら初球からストライクを...〕」サイン
ナナバ「」コクッ
スッ!!
実況「ピッチャー第一球...」
ドッ!!
ナナバ「ッ!!」シュッ!
実況「投げた!」
ジャン「!」
パシンッ!!!
審判「ボール!」
実況「初球外れて、外低め」
ファーラン「〔惜しいな...でも甘いコースには投げてない〕」シュッ
パシッ
ジャン「〔初球ストレートを外か...確かこのピッチャー...〕」
_______________________
______________________________________
________________________________________________________
昨日の分析時
アニ「先発は予定通りのナナバだったら、の話を今からするよ。」
アニ「まずナナバの特徴は、なんと言っても打者によって決め球を変えることが出来る器用さとテンポの速いピッチングをしてくること。」
アニ「球種はストレート合わせて5種類ある。」
ノ
アニ「! アルミン」
アルミン「序盤のナナバなんだけど、きっとそんなに厳しいコースや良い球は投げて来ないのが付け所、っていうのは前の試合でわかったと思う」
アルミン「けど、もう一つある...ナナバは他の投手とは打って変わって、遊び球が多い。だから球数は毎回多くてフルカウントになることがほとんど。」
アルミン「そして、カウントを悪くした時は必ず...カウント稼ぎの”スライダー”を内角に投げてくる。」
________________________________________________________
______________________________________
_______________________
ジャン「〔まだカウントは悪くねぇ...だけど、どんなバッターにもスライダーは必ず投げてるのはデータにもあった。〕」
スッ!!
ドッ!!
ナナバ「ッ!!」シュッ!
パシンッ!!!
審判「ボールツー!」
実況「2球目も外に外れてツーボール」
-
- 80 : 2016/08/16(火) 00:39:14 :
ナナバ「...ふぅ...」
ファーラン「〔ちょっと堅いな...ヘルプいくか? いやアルミン先輩相手に早々タイムを取っても後々使う...ここは...〕」
ファーラン「どーしたんスか!バナ~ナァ先輩!もっと楽に投げてくッスよ!」シュッ
ナナバ「ふぅ...う、うるさい...」
ファーラン「〔ん...?いつもより反応が薄い...もしかして緊張してる?〕」
ナナバ「スゥーッ...フゥーッ...」
アルミン「...! アニ!」
アニ「え?」
アルミン「ナナバ、今日は上がってる」
アニ「あがって...緊張してるってこと?」
アルミン「うん」
アニ「〔なら...この隙をつかずにはいれないね、ジャン!〕」
ジャン「!」チラッ
アニ「〔相手は緊張してなかなか自分のピッチングが出来てないみたいだよ、ここは慎重にいって相手を調節させるより...〕」サイン
「「打て」」
ジャン「〔! 打て...最初は慎重に行くっていう作戦だったけど...どうやら相手ピッチャー緊張してるみてぇだな...ならここは...〕」ギュゥッ!!
ファーラン「!」
スッ!!
ドッ!!
ナナバ「ッ!!」シュッ!
ジャン「〔相手の嫌がることをしろってことだよなッ!!〕」スッ!!
キーンッ
「おぉっ!?」
審判「ファール!」
ウグイス「ファールボールにはご注意ください。」
ジャン「〔チッ、ちょっといいコースだったな...〕」
ザッザッザ!!
ファーラン「〔...やっぱりこいつ打ちに来てる...さっき監督からサインもらってたし...もしかしてナナバ先輩の不調に気づいた...?だとしたらどうやって...!!〕」チラッ
アルミン「...」
ファーラン「〔...ははっ、やっぱりアルミン先輩ッスか...隅に置けないッスねぇ...全く〕」クスッ
ファーラン「〔ならこっちも考えはあるッスよ〕」サイン
ナナバ「!」
スッ!!
ドッ!!
シュッ!
ジャン「〔相手に調子づかせる前に打てッ!!〕」スッ!!
カクンッ!
ジャン「〔うぐッ!? フォークかよッ!!〕」ググッ
パシンッ!!!
審判「ストライクツー!」
実況「4球目は外低めにフォーク!入りましたね、諫山さん」
諫山さん「そうですね、先に追い込んだのはナナバ選手ですね。」
ジャン「〔くっそ、聞いてねぇぞ!フォーク来るとか...まぁこれサシャに言ったら『誰が言うと思うんですか!何を投げますよって!!』って怒られそうだけどよっ〕」
アニ「今のフォークだったね」
アルミン「うん...どうやらあっちも気づいたみたいだね。」
アニ「...ふっ、全くあんたの後輩は厄介だね...」
アルミン「うん...全くだね」チラッ
ファーラン「〔...ふっ、負けないッスよ!アルミン先輩!〕」チラッ
-
- 81 : 2016/08/16(火) 00:40:14 :
アニ「〔でもこれでお互いの情報量は五分五分で最初に戻ったってことだね。なら作戦通り〕」サイン
ジャン「〔慎重打法...!〕」スッ
ファーラン「〔追い込んだはいい...けど、こいつ普通にナナバ先輩のストレート当ててるんだよな...〕」チラッ
ファーラン「〔左打者か...アレ使うか...? いやこいつは厄介な打者ではあるけど、強打者ではない...なら...〕」サイン
ナナバ「」コクッ
ジャン「〔カウント的に追い込んでるのはあっちだ...まだ1球だけ有余はあるぞ...どう来る...〕」
アニ「〔ジャン、よく思い出してみな? ナナバの一試合の球数は100を超える...その理由はなぜか。〕」
ドッ!!
ナナバ「ッ!!」シュッ!
ファーラン「〔良いコース!〕」スッ!!!
パシンッ!!!
審判「...ボールスリー!」
観客「あぁ~おっしぃ~!」
観客「今のよく見たな...見えてるのか?」
観客「いやぁ、見えてないだろ!まぐれだ!」
アルミン「...まぐれか...なら、なんであんなに落ち着いて構えてるのか...是非とも教えてもらいたいね。」ニヤッ
ジャン「〔やっぱり遊び球だったな...アルミン先輩に言われなかったら、正直手を出してたところだったぜ...〕」
ファーラン「〔こいつ...目がいい打者なのか、厄介だな〕」
ファーラン「今の意外に良いボールが来たッスよ!」シュッ
ナナバ「だ、誰が意外だ!」
ファーラン「〔ちょっとは堅さ取れたかな~?〕」
実況「さぁフルカウントです、諫山さんどう思いますか?」
諫山さん「そうですね、いつも通りのナナバ選手でしたらシガンシナ高校も手を焼くと思います。逆にここでキルシュタイン選手が塁に出れば一気に流れを持ってくチャンスです。」
ファーラン「〔こいつを塁に出したらうるさそうだな...でも、次の2・3番も左打者...アレを使えばアルミン先輩の前で切れる。〕」
ファーラン「〔この球でナナバ先輩を調子づかせる〕」サイン
ナナバ「!」
ジャン「〔思い出せ...フルカウント時のナナバはほぼ...〕」
ドッ!!
シュッ!
ジャン「〔スライダーを内角に!来たッ!!〕」スッ!!
クイッ!!
キーンッ!!
ナナバ「っ」
イザベル「うっ!?」ダイブッ!!
実況「抜けたァっっっ!!!!!」
「おぉぉぉぉおおおおおおおッッッ!!!!!!!」
ダッダッダ!!
ジャン「っしゃぁ!!」ガッツポーズ
♪ファンファーレ♬
ジャン母「ジャン坊!!ナイバッチ!!!」
ジャン父「ジャァァン!!!愛してるぞぉぉおおおお!!!!!」
ジャン「やめろ、糞爺!!」
ナナバ「くそっ...すみません!」
イザベル「ドンマイです!バッター勝負です!ナナバ先輩!」シュッ
パシッ ナナバ「あぁ」
ダズ「ナイバッチ!ジャン!!」
ジャン「おう!」
ダズ「...で、どうだった?」ボソッ
ジャン「あぁ、ストレートはマシンより伸てる。フォークはちょっと予想外で見れてねぇ、ただ...スライダーは目で追える。」ボソッ
ダズ「わかった」ボソッ
ファーラン「〔...まだ一球も見てないナナバ先輩のスライダーをいきなり一二塁間を抜くなんて...あいつは要注意しとこう〕」
ファーラン「ドンマイ、ドンマイ、ドン・マイケルッスよ!」
ナナバ「うるさい!」
ファーラン「〔ただ次の打者からは...〕」チラッ
-
- 82 : 2016/08/16(火) 00:42:16 :
ウグイス「2番サード、スプリンガー君 背番号5」
コニー「おぉーっ!!」
コニー母「コニー!頑張るんだよ!!」
サニー・マーティン「馬鹿兄ちゃん!打て~!」
ファーラン「〔...って〕」
コニー(158cm)「おーっし...」
ファーラン(182cm)「ちっさ!?」
コニー「ハァ!? 今俺のことチビって言ったか!?」
ファーラン「〔やっべ...思わず口にしちまった...〕」
ファーラン「悪い、ついな」
コニー「ったく、なんだァ?喧嘩売ってんのか!」プンプン
ファーラン「〔小さくて左利き...ふっ、ナナバ先輩のカモだな〕」
コニー「フゥーッ...来い!!」
キース「次、バッターはコニー・スプリンガー!」
シガンシナ援団員A「暴れん坊将軍!暴れん坊将軍いきます!」
シガンシナ援団員B「次は、3ページの2行目です!よろしくお願いします!」
♪暴れん坊将軍♬
ファーラン「〔バッター勝負はやりやすい...けど、仮にも塁には...〕」チラッ
ジャン「フゥーッ...」ギリッ
ファーラン「〔相手にイザベルがいると思うと...厄介だn...いやただちっちぇだけだわ〕」
イザベル「〔あれ...なんでだろ、今すっげぇファーランに殺意が湧いた...〕」ピキピキッ
ファーラン「〔でも、正直言って...うっぜぇな...〕」チラッ
ジャン「〔隙があったら走るぜ...〕」ギリッ
ファーラン「〔アレを使うには分が悪いな...あのランナーがいなくなれば状況は一変するが...〕」サイン
ドッ!!
ナナバ「ッ!!」シュッ!
パシンッ!!!
審判「ボール!」
ファーラン「〔つか、バントじゃないのか...?〕」チラッ
アニ「」サイン
ファーラン「〔えっ、もうサイン出してる...ってかすげぇこまめに出してないか...?〕」
コニー「しゃぁーっ、来いよオラァ!!」
ファーラン「〔もしかしてセーフティ...狙ってるのか...?〕」
ファーラン「〔だとしたら...スイッチ入れないとな...〕」ギリッ
ビリッ アルミン「!」
アルミン「アニ!」
アニ「!」
ファーラン「...」サイン
ナナバ「...」
ドッ!!
シュッ!
パシンッ!!!
審判「ボールツー!」
ドッ!!
シュッ!
パシンッ!!!
審判「ボールスリー!」
観客「おいおいおい!またスリーボールかよ!」
観客「今日のナナバ調子悪くねぇか?」
-
- 83 : 2016/08/16(火) 00:44:01 :
ドッ!!
シュッ!
コニー「」スッ
クイッ!!
ファーラン「〔予想通り〕」
エルド「」ダッ
チラッ コニー「ッ」
キッ!
エルド「!」
ポタッ 審判「ファール!」
ファーラン「〔! 今こいつわざと失敗した...?〕」
「あっぶねぇ...」
ファーラン「!」チラッ
コニー「やっぱ読まれてたか!へへっ、ドキドキするじゃん!」ニヤッ
ファーラン「〔こいつ...〕」
ファーラン「お前ってさ...」
コニー「ん?」
ファーラン「馬鹿だろ?なんで読まれてるってことをバラしてるの」
コニー「えっ、俺何か不味いこと言った...?」キョトン
ファーラン「え、は...え?いやだから...」オドオド
コニー「???」
ファーラン「〔やべぇ...馬鹿って超腹立つ~...!〕」グググッ
コニー「まぁ確かに俺は馬鹿だしチビだけど」
ファーラン「え?」
コニー「でも...馬鹿だしチビだからって甘く見るなよ」ギリッ
ファーラン「!」
コニー「身長で負けてても...野球じゃ、ぜってぇ負けねぇから。」ギュゥッ!!
ファーラン「...ふっ、そいつは楽しみだな!」ニヤッ
実況「さぁまたもやフルカウントです。」
ファーラン「〔...野球じゃ絶対負けないか...良いね、そういう奴は嫌いじゃないぜ...!〕」サイン
ナナバ「〔ッ、でもその球は...〕」
ファーラン「〔大丈夫ッスよ、もしランナーが走ったら俺が絶対刺すッス!〕」コクッ
ナナバ「〔...ふっ、ホント...生意気だね〕」クスッ
・・・
ジャン「〔...ん? なんだ、この間は...?〕」
ナナバ「スゥーッ...フゥーッ...」
ナナバ「」ギリッ
アルミン「〔この雰囲気...!〕」
スドッ!!!
ジャン「〔ッ、クイックかよっ!!!〕」
ナナバ「ッ!!!」シュッ!!!
コニー「〔真ん中甘いコース...!〕」スッ!!
クインックインッ!!!
コニー「〔ッ、この変化...やばい...とどっかねぇ!?〕」グッ!!
パシンッ!!!!!
ドテッ コニー「いってぇ...」
審判「ストライク!バッターアウト!!」
ナナバ「っし!」グッ
「おぉぉぉぉおおおおおおおおっっっ!!!!!!!」
実況「三振!最後は外低めいっぱいに切れ味抜群のシンカーで決めました!!」
諫山さん「出ましたね、彼の新しい武器である...シンカー」
コニー「〔これが...全国クラスのシンカー...!〕」プルプル
「言っとくけど」
コニー「!」
ファーラン「俺も野球じゃ絶対負けねぇから」ニヤッ
コニー「...へっ、次は打ってやるからな」
ファーラン「あぁ、それじゃ次も三振取って返り討ちにしてやるよ」
-
- 84 : 2016/08/16(火) 00:45:16 :
スタスタ
コニー母「コニー!惜しかったよ!」
サニー・マーティン「馬鹿兄ちゃんドンマイー!」
スタスタ
コニー「すんません」
アニ「...シンカー...どうだった?」
コニー「...正直、俺馬鹿だからよくわかんないです...でも...」
コニー「悔しい...です...!」ギュゥッ
アニ「そう...なら次の打席打てるんだね?」
コニー「え...?」
アニ「あんたは最強の馬鹿なんだから、一々難しいこと考えずに本能のまま動いてみな。」
アニ「私の知ってるあんただったら、あのレベルでも十分追いつけるって確信してるから。」
コニー「!」
コニー「...はいッ!俺コーチャー行って来ます!」
アニ「うん」
アニ「さぁコニーの仇取る気持ちで行くんだよ!」
「はいッ!!」
ウグイス「3番ピッチャー、フーバー君 背番号7」
スタスタ ベルトルト「...ふぅッ」
キース「次、バッターはベルトルト・フーバー!」
シガンシナ援団員A「サウスポー!サウスポーいきます!」
シガンシナ援団員B「次は、3ページの6行目です!よろしくお願いします!」
♪サウスポー♬
ベルトルト父「ベルトルト!がんばれー!!」
ベルトルト母「腕の長さ活かしなさい!」
ベルトルト「よろしくお願いします」
審判「プレイ!」
ファーラン(182cm)「〔チビの次は...なっげぇな〕」チラッ
ベルトルト(192cm)「...」
ファーラン「〔俺より10cm以上差がありそうだな...この腕の長さならシンカー届くか...?〕」
ナナバ「〔こういう打者は内より外の方が好きそうだ〕」
ファーラン「〔ナナバ先輩も同じ意見か...なら一球外に〕」サイン
ドッ!!!
ナナバ「ッ!!」シュッ!!!
パシンッ!!!!!
審判「ボール!」
実況「初球外高めに外れてボール、甘いコースでしたね。」
諫山さん「そうですね、ですが球は走ってます。後はコースだけです。」
ナナバ「〔あっぶない...〕」
ファーラン「〔コントロールしきれてない...まだ肩は温まってないか〕」
ファーラン「〔にしてもピクリともしないか、こいつも目がいいのか?〕」
ファーラン「〔それとも狙い球絞ってるのか...もう一球ストレートを、今度は...〕」サイン
ドッ!!!
シュッ!!!
パシンッ!!!!!
審判「ストライクワン!」
実況「2球目は内ストレート、またも甘いコースです。」
ファーラン「〔今の球でも振らない...どころか目だけで見送ったか。だとしたら狙い球は...スライダーか?〕」
ベルトルト「ふぅっ...」
ファーラン「〔こいつ背は高いけどヒョロっこいし、顔に出やすそうだな...ならスライダーを...〕」サイン
ドッ!!!
シュッ!!!
クイックイッ!!!
パシンッ!!!!! 審判「ボールツー!」
実況「今度は外に大きく逸れたスライダー!」
ファーラン「〔...動かない...最初から慎重打法なだけか?〕」
ファーラン「〔本来ならこの釣り球でサードゴロにしようと思ったんだけど...〕」チラッ
ナナバ「〔早くサイン...早く投げたい...!〕」
ファーラン「〔ナナバ先輩はやる気満々だ、下手に固くなって歩かせるよりかは攻めて行くか〕」サイン
ドッ!!!
ナナバ「ッ!!」シュッ!!!
パシンッ!!!!! 審判「ストライクツー!」
実況「外の真ん中にストレートでツーストライク、2-2の平行カウント」
-
- 85 : 2016/08/16(火) 00:46:31 :
ファーラン「〔ここはシンカーなしで〕」サイン
ナナバ「」クイ
ファーラン「〔えっ、ならスライダー?〕」サイン
ナナバ「」クイ
ファーラン「〔...シンカー...ッスか...〕」
ナナバ「〔甲子園に行く前に調節しておきたい、こいつらに通用すれば甲子園でも投げられる〕」
ファーラン「〔...わかったッス...でも...〕」サイン
ナナバ「」コクッ
タタッ ジャン「〔投げたらGOだ...一気に三塁まで行く気持ちで...〕」
スドッ!!!
ジャン「〔ぐっ!? またクイックかよ!!〕」ダッ!!!
イザベル「スチール!」
ナナバ「ッ!!」シュッ!!!
クインックインッ!!!
コニー「〔シンカー!ベルトルト!〕」
ザッ!!! ベルトルト「ッ!!」スッ!!!
キーンッ!!
ナナバ・ファーラン「ッ」
実況「打ったァ!!レフト前のクリーn ピョンッ!!!
ベルトルト「!」
パシッ!!!! スタッ
審判「アウt シュッ!!!!
ジャン「ッ」ダッ!!!
パシッ!!!!
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!!」
「うぉぉぉぉぉおおおおおおおっっっ!!!!!!!」
実況「な、なんとショートのリヴァイ...レフト前の当たりをジャンピングキャッチし、すぐさま一塁へ投げゲッツーッ!!!」
諫山さん「今のはまさにファインプレーですね」ハハッ
リヴァイ「チッ、手間かけさせやがって」
ファーラン「ナイスプレイッス!!一瞬ムササビかと思ったッスよ!!」
リヴァイ「あ?ムササビだ?殺すぞ」イラッ
ファーラン「なんでッスか!?」
トーマス「マジかよぉ...あれを取るのかよ!!」
スタスタ ベルトルト「すみません...」
ゴゴゴッ
エレン・ベルトルト「いぃっ!?」
アニ「〔せっかく決め球のシンカーを捉えてレフト前に落ちるはずだった打球を、あぁも簡単に取るのがさすが怪物かッ〕」ピキピキッ
マルコ「か、監督落ち着いてください!」アセ
アニ「〔今まで悪かった雰囲気が、今のプレーで逆にチームに活気づけた...本当怪物らしいことしてくれるじゃない...〕」
「...ふふっ、凄いねやっぱ調査高校は」
アニ「!」
エレン「!」
アルミン「点を取れなかったのは仕方ない、あれはあっちを褒めるしかない。」
アルミン「でも...僕らはあの調査高校からもう一本のヒットを出した。」
「!」
アルミン「これは他の誰でもない僕らがやったことだ。自信を持っていい、また次の回で点を取ればいい。」
アルミン「試合はまだ始まったばかりなんだから。」
「...はいッ!!!」
アニ「...ふっ、助かったよアルミン」
アルミン「ううん、良いんだ。 これも上級生の仕事の1つさ。」
ザッ
アルミン「さっ、今度は僕らが守る番だ。」
-
- 86 : 2016/08/17(水) 00:19:26 :
スタスタ
アルミン「一球!」
ウグイス「守ります、シガンシナ高校」
ウグイス「ピッチャー、フーバー君」
ベルトルト「ッ!!」シュッ!!
ウグイス「キャッチャー、アルレルト君」
パシンッ!!!! アルミン「ナイスボール!」
ウグイス「ファースト、ワグナー君」
トーマス「おっ、呼ばれた!」
ウグイス「セカンド、ボット君」
マルコ「トーマス、よそ見するな!」
ウグイス「サード、スプリンガー君」
コニー「お~い、ミカサ!投げるぞ!」シュッ!!
ウグイス「ショート、アッカーマン君」
パシッ!! ミカサ「マルコ!」シュッ!!
ウグイス「レフト、ゼルムスキー君」
パシッ! ミリウス「ジャン!」シュッ!
ウグイス「センター、キルシュタイン君」
パシッ!! ジャン「おっし、ライナー!」シュッ!!
ウグイス「ライト、ブラウン君」
ライナー「おう!」パシッ!!
ウグイス「監督:アニ・レオンハート、アシスタント:ハンジ・ゾエ、マネージャー:サシャ・ブラウス」
アニ・ハンジ・サシャ「」ペコ
「うぉっ、マジかよ...TVの通り監督がJKだ!」
「マジだったのか!? すげぇな...」
「ってか監督が女で大丈夫なのかよ」
「よく勝ち上がってこれたな」
アニ「アルミン...頼んだよ」
スタッ
アルミン「一回...しまっていこう!!」
「オォーッ!!!」
-
- 87 : 2016/08/17(水) 00:21:27 :
ウグイス「1回の裏、調査高校の攻撃は...1番セカンド、マグノリア君 背番号4」
実況「さぁ1回の裏調査高校の攻撃です。先頭バッターは1番爆速のマグノリア」
実況「対するシガンシナ高校の先発投手は、長身サウスポーのフーバーです。諫山さんこの対決どう思われますか?」
諫山さん「そうですね、マグノリア選手は」
調査高校援団「マグノリア!狙い撃ち!狙い撃ち!」
♪狙い撃ち♬
イザベル「お願いします!」
審判「プレイ!」
アルミン「〔イザベルは足にも注意だけど、何より今年調査高校に入ってすぐさま1番起用された理由は何か...それはミート力が上達したこと。〕」
アニ「〔この打者を抑えるためにはポイントが2つ〕」
ベルトルト「〔1つ目が好きなコースに投げて簡単にセーフティやヒッティングをさせないこと。〕」
アルミン「〔2つ目がボール球はあまり投げないこと。〕」
アニ「〔何より厄介なのは足の速さ...それとただ足が速くて調査高校の1番は任せられない。〕」
アルミン「〔今回最も注意すべきは...選球眼〕」
アニ「〔じっくり見られて、ベルトルトのストレート球質がバレたらたまったもんじゃないからね〕」
アルミン「〔今の話を前提として初球は...〕」サイン
ベルトルト「」コクッ
ドッ!!
シュッ!!
イザベル「〔! ストレート!〕」ジィッ
パシンッ!!!!
審判「ストライクワン!」
実況「初球ストレートを内角低め丁寧に投げてストライク!諫山さん、今日もフーバーは調子良さそうですね!」
諫山さん「そうですね、準決勝の時駐屯高校を抑えたように今回も調査高校を苦しめることが出来れば、そう簡単に大量得点は取れないと思います。」
イザベル「〔初球から入れてきた、コントロール良いのか...?〕」
エルヴィン「〔彼は以前練習試合をした時にはいなかった、私も彼の情報はない。なら、君が今すべきことは〕」サイン
イザベル「〔塁に出ることも重要だけど、今は情報量を出すこと優先。了解です!〕」スッ
アルミン「〔見てきた...探りに来てるのか...?〕」
イザベル「〔球質見るんだったら、バントの構えが一番だな...〕」スッ
アルミン「〔バントの構え...?〕」
イザベル「〔アルミン先輩がキャッチャーだと思うとマジでこえぇ...狙いとか簡単にバレそう〕」
アルミン「〔ストレートの球質を見ようとしてるのか、それともセーフティを狙ってるのか...いやバスターもあり得る...コニーを前に出そう〕」サイン
コニー「〔! 前進守備〕」
アルミン「〔バスターのために、一応内角にストレートを〕」サイン
ベルトルト「」コクッ
ドッ!!
シュッ!!
イザベル「〔低めにストレート!〕」
パシンッ!!!!
審判「ボール!」
実況「2球目は内わずかに外れてボール」
イザベル「〔ストレート伸びてるな...ナナバ先輩より伸びてる、でもリヴァイ先輩よりは伸びてない...キレが良いのかな...?〕」
-
- 88 : 2016/08/17(水) 00:26:27 :
アルミン「〔見てきた...構えを変えずに...球質がバレてチーム全体に伝達されたら終わりだ。ここは変化球で討ち取ろう。〕」サイン
ベルトルト「〔はい!〕」コクッ
ベルトルト「〔今日は湿度が高いな...湿度が高いと指にくっつく感じがして投げ抜くいけど、勝つためだ...握力を使え!!〕」ギュゥッ!!
ドッ!!
ベルトルト「ッ!!」シュッ!!
イザベル「〔! 外角低め...抜け球!!〕」ザッ!!
カクンッ!!
イザベル「〔うげっ!? フォーク!!〕」ググッ!!
カキンッ!
アルミン「サード!」
パシッ!! コニー「おっしゃぁ」シュッ!!
ダダダッ!!! イザベル「〔ちっくしょぉぉぉおおっ!!!!〕」
パシッ!!
審判「アウト!」
トーマス「ナイスサード!ナイピー、ベルトルト!」シュッ
ベルトルト「ワンァウト!!」
「ワンァウト!!」
スタスタ
イザベル「す、すみません...」アセ
ファーラン「なぁにやってんだよチビ」
イザベル「う、うるっせ!」
エルド「今の当たり、いつものイザベルだったら内野安打は余裕だと思ったが...」
ケイジ「単純にサードの肩が強いからじゃないのか?」
エルド「いやあの体格で肩が強くても、イザベルの足なら十分間に合ったはずだ」
ケイジ「う~ん...なら打球が強くていい具合にグラブに入ったとかじゃないか?」
「ちげぇだろ」
エルド・ケイジ「!」
リヴァイ「単純にサードを前もって前進守備にさせてたんだろ、あいつ(アルミン)が」
ケイジ「じゃぁイザベルは、アルミンの思惑通りになったってわけか」
エルド「やはりあいつは注意すべきだな...それと共に...本当に残念だ。」
エルド「うち(調査高校)に来ればもっと良い野球や経験が出来たものを...自ら道を変えた理由がサッパリわからん」
ケイジ「まぁ...あいつは、あいつなりの考えがあってそうしたんだろうがな」
リヴァイ「...どうだっていい、興味ねぇ」
イザベル「すみません」
エルヴィン「球種は?」
イザベル「ストレート2球、最後はフォークでした。」
エルヴィン「他の情報は?」
イザベル「ストレートの球威はそれほど感じませんでした。ですが、キレはあると思います。」
エルヴィン「ふむ...コントロールは?」
イザベル「今のところはなんとも言えないですが、悪くはないと思います。」
エルヴィン「そうか...よし、次の打席に備えてイメトレをしておいてくれ」
イザベル「はい!」
-
- 89 : 2016/08/21(日) 23:34:59 :
ウグイス「2番センター、バーナー君 背番号8」
調査高校援団「バーナー!必殺仕事人!必殺仕事人!!」
♪必殺仕事人♬
アルミン「〔モブリット先輩か、一番付け所がないバッターだな...〕」
アニ「〔この2番の一番やらしいところは、相手をじっくり観察して確実に攻めてくるとこ〕」
アルミン「〔目立つバッティングはしない、影でチームを支えるいわば黒子役と言ってもいい。〕」
アルミン「〔ここでやっちゃいけないのは、じっくり見られて塁に出られること。〕」
モブリット「〔マグノリアはフォークで討ち取られてたな...今のところ把握してる球種はストレートとフォークの2種類〕」
アルミン「〔さてと、モブリット先輩をどうにかしないと...4番のあいつ(リヴァイ)まで回ってくる。〕」
パンパンッ!!! アルミン「〔...よし、これでいこう。〕」サイン
ベルトルト「!」
モブリット「〔監督の指示は情報収集、恐らくマグノリアの出来なかったことをしろということだ。〕」
ドッ!!
シュッ!!
モブリット「〔ストレート!〕」
パシンッ!!!!
審判「ストライク!」
審判「初球外低めいっぱいにストレートをストライク!今日のフーバーもコントロールは抜群ですね!」
諫山さん「そうですね、ナナバ選手もコントロールはいいですが、フーバー選手も負けてません。」
アルミン「〔よし、入った。〕」シュッ
モブリット「〔アウトローいっぱいいっぱいか...良いコースだ、コントロールに自信ありか〕」
アルミン「〔間を開けずに...〕」サイン
ベルトルト「」コクッ
ドッ!!
シュッ!!
パシンッ!!!!
審判「ボール!」
実況「2球目は外に大きく外れてボール、これもストレートでした」
モブリット「〔...伸びたな、今〕」
チラッ アルミン「...」
モブリット「〔普通の130km前半のタイミングで振っても当たらないか、空振りだな...タイミングとしては130km後半ってところだ〕」
ドッ!!
シュッ!!
モブリット「〔内角にまたストレート、今度は振る!〕」スッ!!!
キーンッ!!!
実況「打ったァ!! これはセンター返し!!」
タッタッタ!! モブリット「!」
ジャン「オーライ、オーライ!」パシッ!!
審判「アウト!」
実況「なんとセンターのキルシュタイン、いつもよりも深く守っていたァ!!!!」
ジャン「ツーアウト!!」シュッ
マルコ「ツーアウト、ツーアウト!ベルトルト、ナイスピッチ!」
モブリット「〔アルレルトか...〕」チラッ
アルミン「ツーアウト!!」
スタスタ
ファーラン「どーしたんスか、モブリット先輩」
モブリット「やられた」
ファーラン「え?」
モブリット「まんまとはまったよ...アルレルトの策略に...」
ファーラン「...そうッスか、なら俺が弔い合s「だから、勝手に殺すな」
アニ「ふぅ...全く、危なげない勝負だね。」
-
- 90 : 2016/08/21(日) 23:35:27 :
スタスタ
エルド「どうした、モブリット」
モブリット「すまない、上手く打ったつもりだったが...打たされた」
イザベル「〔あのモブリット先輩でも打てなかったのか...〕」
エルヴィン「情報は?」
モブリット「ストレート球速は130km前半と出てますが、実際に打席に立つとキレがあって130km後半くらいに感じます。」
エルヴィン「そうか、変化球は?」
モブリット「ストレートしか見れませんでした、すみません」
エルヴィン「ふむ...そうか」
モブリット「はい、次は打ちまs「上手く打たされたな」
モブリット「!」
モブリット「...はい、やられました。」
エルヴィン「...ならいい、次に備えてくれ」
モブリット「はい!」
スタスタ
モブリット「〔くそっ、あの時...〕」
_______________________
______________________________________
________________________________________________________
カウント:ワンストライク、ノーボール
ドッ!!
シュッ!!
パシンッ!!!!
審判「ボール!」
実況「2球目は外に大きく外れてボール、これもストレートでした」
モブリット「〔...伸びたな、今〕」
チラッ アルミン「...」
________________________________________________________
______________________________________
_______________________
モブリット「〔見ていたのは”俺だけ”じゃなかったのか。〕」
モブリット「〔恐らくあのワンボールで、俺が次ストレートが来たら振るっていうのを予測していたんだろうな...〕」
モブリット「〔内角低めのストレート...本来ならセンター前に落ちるはずだった打球が...上がってセンター越え...〕」ギュゥッ!!
モブリット「〔だが、ストレートは当てられた...次は必ず打つ...!〕」キリッ
アルミン「〔ふぅ、なんとか打ち取れた...でも...結構持って行かれてたな...いや結果は結果だ、後ろ向きになる必要はない。〕」
-
- 91 : 2016/08/21(日) 23:38:19 :
ウグイス「3番キャッチャー、チャーチ君 背番号2」
ファーラン「お願いしまッス!」
審判「プレイ!」
調査高校援団「チャーチ!海のトリトン!海のトリトン!!」
♪海のトリトン GO!GO! トリトン! ♬
アルミン「〔さぁここからが難関だ〕」
ファーラン「〔背が高いから上から来る感じか...打ちにくそうだ。〕」
アルミン「〔ファーランを塁に出せば次はリヴァイだ...ここは絶対出しちゃダメだ。〕」
アルミン「〔この回に点を取られたら、後々の試合結果とベルトルトの調子に響く...勝つために...アニ達を甲子園に送り出すために、そのために僕はここにいるんだ...脳を使え、フル稼働だ。〕」
アルミン「〔初球内低めにストレート〕」サイン
ベルトルト「」コクッ
ドッ!!
シュッ!!
パシンッ!!!!
審判「ボール!」
ファーラン「〔初球は内角低め...外してきたな、わざとか?〕」
アルミン「〔...どうする...こんなところで行き詰まれば終わりだぞ...次は...〕」
アニ「〔アルミン...あんた...また一人で考えこんでないでしょうね...〕」
アルミン「〔...よし、次は外のストレート...全力投球〕」サイン
ドッ!!!
ベルトルト「ッ!!」シュッ!!!
ファーラン「〔外、ストレート!〕」スッ!!!
キーンッ!!!
審判「ファール!」
ウグイス「ファールボールにはご注意ください。」
アルミン「〔今度は当てに来た? いや打ちに来たのか?〕」
ファーラン「〔今の球、さっきより速かったな...あれが全力投球か?〕」
アルミン「〔ストレート2球見せた...どうする...フォークで打ち取れるか?いやファーランなら当ててくる...ならドロップカーブか...?いやこんな早く決め球を見せたら後々慣れてくる...〕」
ベルトルト「〔アルミン先輩どうしたんだろう...なかなかサイン出さないな...〕」
アルミン「〔どうする...今アウトを取るためにドロップカーブを使えば、後に目が慣れてきて合わせられる...〕」
アルミン「〔逆に、今アウトを取りに行かずに打たれれば...4・5・6番に回る可能性が出てきて、一気に4点差になることだってあり得る...〕」
アルミン「〔フォークで攻めたとしても、そこで掴まればストレートしか投げる球はなくなる...〕」
実況「どうしたのでしょう、まだ投げません。」
諫山さん「どうやらキャッチャーのアルレルト選手がまだサインを出してないようですね。」
ファーラン「〔なんだ?なんでサインを出さないんだ、アルミン先輩は...〕」
アルミン「〔駄目だ...何回シミュレーションしても...打たれる...くそっ、これじゃ何のために、僕はここにいるんだ!!〕」
アルミン「〔...ストレート、もう一球...〕」サイン
ベルトルト「!」
ドッ!!!
ベルトルト「〔全力投球を...外低め!!〕」シュッ!!!
ファーラン「〔マジッスか、同じコースに同じ球なんて...〕」ザッ!!!
ファーラン「舐められてるんスかね、俺」スッ!!!
アルミン「ッ」
キーンッ!!!
実況「打ったァ!! ライト方向、大きいぞォ!? これは入るか!?」
ライナー「くそっ!」ダッ!!
カシャンッ!!!
審判「フェア!!」
「うぉぉぉぉおおおおおおっっっ!!!!!!!」
ダッダッダ!! ズサーッ!!
審判「セーフ!」
ファーラン「ふゥっ!」
実況「外低めのストレートを打った球はライトフェンス直撃しました!! あと少しでしたね!」
諫山さん「そうですね、うまい具合にジャストミートしたんでしょう。」
アルミン「〔ツーベース...次のバッターは...あいつなのに...〕」
-
- 92 : 2016/08/25(木) 01:39:21 :
ウグイス「4番ショート、リヴァイ君 背番号1」
スタスタ
「よぉ、久しぶりだな」
アルミン「!」
リヴァイ「どうした、そんな糞でも我慢してるような顔して」
アルミン「...別に、何でもないですよ。」
リヴァイ「あぁそうかよ」
審判「プレイ!」
観客「自由の翼 怪物リヴァイ対 蒼の騎士 天才アルミンの対決だぁ!!!」
観客「怪物対天才か...見ものだな!」
ミタビ「やけに観客は楽しそうだな」
イアン「だろうな」
ミタビ「なんだよ、わかった顔しやがって!」
イアン「わかるもなにも...元センタマリア中で組んでた、黄金バッテリーとまで言われた二人だ。観客も熱くもなるだろう。」
ミタビ「...けどよ、結局はあの怪物が勝っちまうんだろ?」
イアン「さぁ...それはどうかわからないな」
ミタビ「...いけるのかよ、あいつ...」
イアン「俺達が戦った”シガンシナ高校のアルミン・アルレルト”なら勝てるだろうな。」
グスタフ「俺達が戦った?どういうことだYO」
イアン「今のあいつは...何かに焦っているようにも、何かに怯えているようにも見える。」
ミタビ「焦ってる?怯えてるだぁ?」
イアン「それがなぜだか、何が原因なのかはわからん。だが、確実に言えるのは...」
イアン「今のあいつでは、リヴァイに勝てない...どころか、試合にすら勝てない。」
イアン「〔何をやってるんだアルレルト、今のお前はまるで中学時代に戦った時のお前と同じじゃないか。〕」
マルコ「ベルトルト、ツーアウト!!」
コニー「オーッ!! サードに打たせていいぞ!!」
トーマス「自分のペースでな!」
ミカサ「後ろには皆がいる、焦らずに投げて」
ベルトルト「...うん!」コクッ
アルミン「〔ツーアウト二塁でリヴァイ...ダメだ...何も思いつかない...〕」
アニ「...アルミン」ギュゥッ
アルミン「〔敬遠するのもあり...けど、どの道危険なのは変わりない。〕」
ベルトルト「...ふぅ...」
ドッ!!
アルミン「ぇっ」
ベルトルト「ッ!!」シュッ!!
リヴァイ「」ジロッ
パシンッ!
審判「ボール!」
実況「初球はボール、ストレートは外高め」
アルミン「〔ベルトルト...〕」
ベルトルト「先輩、ボールを」スッ
アルミン「! ナイス、ボール」シュッ
パシッ
「〔先輩...困ってる...〕」
「〔今まで引っ張ってもらって...楽だと思っていた自分が腹立たしい...〕」
「〔だって...〕」
ギュゥッ!!!
ベルトルト「〔戦ってるのは...それじゃまるで...アルミン先輩だけじゃないか...!〕」
ベルトルト「〔僕だって練習したんだ...いっぱい...先輩と...皆と...〕」スッ!!
ベルトルト「〔キャッチャーが困ってるんだったら...ピッチャーが助ければいい...!〕」ドッ!!
ベルトルト「〔アルミン先輩みたいに相手の裏をかいたリードや戦術組み立ては出来ない...けど〕」
ベルトルト「〔アルミン先輩が...要求した所へ投げる...そして、アウトを取る。これが僕に出来る...先輩への、チームへのサポートだ!!!〕」シュッ!!
パシンッ!!!
アルミン「ッ」
審判「ボールツー!」
ベルトルト「くそっ...!」
実況「2球目は外低めわずかに逸れてツーボール」
アルミン「〔このコース...〕」
シュッ パシッ
ベルトルト「ふぅ...」
ファーラン「〔へぇ、こいつやるじゃん〕」
リヴァイ「...ほぅ」
-
- 93 : 2016/08/25(木) 01:40:49 :
ベルトルト「〔2球外に投げたんだ、1球内に変化球を...〕」ドッ!!
シュッ!!
リヴァイ「...」
カクンッ!! パシンッ!!!
審判「ストライク!」
実況「3球目は内角低めを丁寧に投げてストライク!フォークでした!」
ベルトルト「〔打ち取れるとは思わない...けど〕」ドッ!!
ベルトルト「〔試合に負けるとも...思ってないッ!!!〕」シュッ!!
「確かにお前のストレートは良いキレを持っている。だが...」
リヴァイ「お前のストレートは...偽物だ。」スッ!!!!
カキーンッ!!!!
ベルトルト「!」チラッ
バンッ!!!!
「は、入ったァ!!!!!」
「うぉぉぉおおおおおおおおっっ!!!!!」
実況「2ランホームラン!! ウォールマリア大会決勝の初得点は調査高校だぁ!!!!」
諫山さん「インローのストレートを上手く肘を畳んで打ちましたね。さすがです。」
「リ・ヴァ・イ!リ・ヴァ・イ!」
タッタッタ
ファーラン「うぉっほー、またでっかいの飛ばしたッスねぇ!」
リヴァイ「...」
ファーラン「?」
スタスタ
アルミン「ごめんベルトルト、僕g「先輩!」
アルミン「!」
ベルトルト「すみません。」
アルミン「えっ」
ベルトルト「サインを無視して勝手に投げて...挙句に打たれてしまって...すみません。」
アルミン「い、いや...謝るのは僕の方だ...」
ベルトルト「...サイン、出してくれないんですね。」
アルミン「ち、違う!それはっ...それは......」
ベルトルト「先輩、何かあったんですか...?」
アルミン「ッ、な...何にもない...よ、うん!」
ベルトルト「...何か背負ってるんですか?」
アルミン「...」
ベルトルト「なら...」
「その背負ってる何かを...僕にも一緒に背負わせてください。」
アルミン「ッ」
ベルトルト「何も出来なかった僕に...チームのために、一人が頑張る。一人のために、チームが頑張る...これを教えてくれたのは...先輩です。」
アルミン「!!」
ベルトルト「もし今、先輩が背負ってる。その何かに押し潰されそうなら...僕も一緒に背負わせてくれませんか...?」
アルミン「ベルトルト...」
ベルトルト「と言っても、力になれるかどうかは...定かではないですが...」ハハハッ
アルミン「...一人は...皆のために...」
ベルトルト「!」
アルミン「皆は...その、一人のために...か...」
ベルトルト「...はい!」
アルミン「〔...そうか、僕はまた...何回もまた...一人で野球...してたんだ...〕」
アルミン「〔これじゃまるで...あの練習試合の時の僕と...同じじゃないか...!〕」
アルミン「〔前と同じで...勝てるわけがない...〕」
アルミン「〔前と同じで...アニ、エレン、シガンシナの皆を...甲子園に送り出せるわけがないだろッ!!!〕」ギュゥッ!!!
「ごめん、ベルトルト」
ベルトルト「!」
アルミン「...スゥーッ...フゥーッ...君のおかげで...目が覚めたよ。」ギリッ
ベルトルト「そうですか、良かった!」
アルミン「次は5番のミケさんだ」
ベルトルト「それなんですけど...」
・・・
-
- 94 : 2016/08/25(木) 01:43:33 :
- スタスタ
モブ2「ナイバッチ、リヴァイ!」
モブ「今日も絶好調だな!」
リヴァイ「...」
モブ・モブ2「?」
ファーラン「どーしたんスか、リヴァイパイセン!」
リヴァイ「あ?」
ファーラン「なぁんスか、そんな怖い顔して...元々怖いッスけど!」
リヴァイ「...打った時な」
ファーラン「え?」
リヴァイ「打った時...確かに奴は本気で投げていた...だが、あの表情...」
_______________________
______________________________________
________________________________________________________
ドッ!!
ベルトルト「ッ!!」シュッ!!
「確かにお前のストレートは良いキレを持っている。だが...」
リヴァイ「お前のストレートは...偽物だ。」スッ!!!!
カキーンッ!!!!
ベルトルト「!」チラッ
________________________________________________________
______________________________________
_______________________
リヴァイ「〔証拠や確証があるわけじゃねぇ...だが、一瞬...感じ取った。〕」
「「〔あいつは何かを試していた。〕」」
リヴァイ「〔チッ、試した球を打つことなんて...草生えそうだ。〕」
ウグイス「5番ライト、ザカリアス君 背番号9」
ミケ「ふっ」ニヤッ
観客「うぉぉお、デッケェ...本当に高校生か!?」
観客「生で見ると迫力さが目に染みるぜ」
ハンジ「監督、いいの?」
アニ「えぇ、大丈夫です。」チラッ
アルミン「ツーアウト!! 外野バック!! 内野定位置!!」
アニ「〔信じてるからね...アルミン...!〕」
審判「プレイ!」
実況「さぁ1回の裏、調査高校の攻撃は5番マリアのカタパルトこと、ザカリアスです。諫山さん、この選手はどんなバッティングをしますか?」
諫山さん「そうですね、調査高校打線の中では唯一ミート力が欠けてる選手ですが、それを補うパワーがあります。それもとてつもない破壊力です。」
実況「なるほど、4番のリヴァイと...どちらがパワーありますか?」
諫山さん「リヴァイ選手とザカリアス選手ですか...どちらもパワーのあるバッターですが、パワーだけならザカリアス選手は負けてないと思います。」
実況「というと、リヴァイはザカリアスよりパワーでは劣ると...?」
諫山さん「いえ、劣るとまでは言いませんが...パワー勝負ならザカリアス選手の方が有利...と言っておきましょうか。」
アルミン「...」
ミケ「ふっ、随分とまた細いピッチャーだな...」ニヤッ
アルミン「そうですか...?」
ミケ「あぁ腕なんかすぐ折れそうだ。」
アルミン「...まぁ野球は外見で判断出来るほど、簡単なスポーツではないですよ。」
ミケ「...ふっ、余裕があるようだな」
アルミン「...余裕なんて、ないです。」
ミケ「...ふんっ」
ドッ!!
シュッ!!
ミケ「〔ストレート...甘いッ!!〕」スッ!!!!
パシンッ!!!!
審判「ストライク!」
実況「豪快なスイング!! 強振ですねぇ!」
諫山さん「そうですね、ザカリアス選手の怖さはどのボールに対しても強振で振ってくることですね。それにプラス、あのパワーですから...」
ミケ「〔んっ...?〕」
スタッ アルミン「ナイスボール!」シュッ
ミケ「〔なるほど...普通のストレートよりかはキレがあるか...だが、それだけでイザベルとモブリットがやられるとは思えんが...〕」
ベルトルト「ふぅ...っ」ドッ!!
ベルトルト「ッ!!」シュッ!!
ミケ「〔外か〕」
パシンッ!!!!
審判「ボール!」
実況「外低めにストレート、ボールです。」
-
- 95 : 2016/08/25(木) 01:55:49 :
ミケ「〔ストレートのタイミングは腕で合わせればいい...問題はフォークがどれぐらい落ちるかだ。〕」
アルミン「...」
ベルトルト「...ッ!!」ドッ!!
シュッ!!
ミケ「〔...ふっ、また外の...ストレートッ!!〕」スッ!!!!
キーンッ!!!
ベルトルト「っ」ビクッ
審判「ファール!」
ウグイス「ファールボールにはご注意ください。」
観客「うぉおおっ、ちょっと当たっただけであんな飛ぶかよ...!」
観客「シガンシナ大丈夫かよ、ホームラン打たれた後の打席は重要だぞ...」
ミタビ「うぉっほ、またエゲツねぇパワーしてんな」
イアン「あぁ、去年うちから2本のホームランを打った奴だからな」
グスタフ「けどYO...あの投手で大丈夫なのか、ストレートは軽いんだRO?」
ミタビ「そうだぜ」
イアン「打ち取る方法とすれば...変化球しかないだろうな...」
ラルフ「俺らとやった時もそうだったけど...あの投手案外脆い、何回で降板するかだな...」
サネス「...俺らとやった時は...の話だろ」
ラルフ「!」
サネス「〔アルミンの野郎が何の策もなしに化物集団に挑むはずがねぇ...ただ、いくらあいつでも...困難な道だろうがな〕」
マルセル「ベルトルト...頑張れよ...!」
ドッ!!
ベルトルト「ッ!!」シュッ!!
ミケ「〔また外かっ!!〕」スッ!!!!
キーンッ!!!
審判「ファール!」
フレーゲル「またファールか...結構タイミング合わせて来てるな」
ダン「おぉっ!? あのフレーゲルが野球をわかってきてる...!?」
フレーゲル「ぶっ飛ばすぞ!?」
ジム「この打席での重要視するのは...いつ、どのタイミングで変化球を投げるか、だ。」
ダン「俺らと戦った時には投げなかった投手だが...良いピッチングしてるよな」
フレーゲル「あぁ...でも、シガンシナはあの投手と天才捕手だけじゃない...あのショートだって...負けてねぇよ」
ミケ「〔これまで4球すべてストレート...やはり決め球はフォークでくるか〕」
ファーラン「〔一応追い込まれているのはミケ先輩...はっきり言って相性は悪い方...〕」
アニ「〔この打者の特徴はどんな球にもブンブン振ってくること...ということは...〕」
リヴァイ「〔コントロールが良ければ良いほど...ミケの分が悪くなる一方だ。〕」
ミケ「〔コースに決められるコントロールを持っているかは、まだわからないが...このストレートなら当てるだけで飛ぶ...ミート重視で...〕」ギュゥッ!!!
ドッ!!
ベルトルト「ッ!!」シュッ!!
ミケ「〔ふんっ、また外...今度こそッ!!〕」スッ!!!!
キーンッ!!!!
実況「打ったァ、これは大きい!!また入るか!?」
ベルトルト「っ!!」チラッ
ダッダッダ!! ミリウス「ハァ、ハァ...!」
ガタンッ 審判「ファール!」
-
- 96 : 2016/08/25(木) 02:01:05 :
実況「左に逸れてファール、惜しかったですねぇ」
諫山さん「段々タイミングが合ってきてますね、シガンシナとしてはそろそろ変化球を投げてスイングのタイミングを抜きたいところです。」
観客「すげぇ、あともう少しで入ってたな!」
観客「あぁ、いくらコースを付いても、決め球やストレートが速くなきゃミケは打ち取れねぇよ!」
ミケ「ふんっ、これだけ外・外と続けば当たる...」
アルミン「...」
マルコ「ベルトルト!ツーアウト!」
ベルトルト「う...うん...!」アセ
サネス「合ってきたな...」
ラルフ「だな、次はもう打つんじゃないか?」
サネス「だろうな...ま、あの球を投げれば...ミケでも当たらないだろうがな」
ラルフ「あの球...?」
ベルトルト「ふぅ...ふぅ...」
「ベルトルト!」
ベルトルト「!」
アルミン「バッター勝負!」
ベルトルト「...はいッ!!」
ライナー「〔ベルトルト...頼むぞッ!!〕」
マルセル「〔しっかり思い出せよ...ベルトルトッ!!〕」
ベルトルト「〔ふぅ...大丈夫...大丈夫...〕」ギュゥッ!!!
アルミン「」サイン
ベルトルト「」コクッ
ミケ「〔...何で来る...〕」
イアン「〔さぁこれであの打者はストレートに目が慣れて来た頃だ...〕」
サネス「〔投げるなら...〕」
スッ!!!
イアン・サネス「〔インローにワンバンするフォークだ。〕」
ドッ!!! ベルトルト「ぐぅっ!!!」グイッ!!!
リヴァイ「!」
ベルトルト「ッ!!!!」シュッ!!!
ミケ「〔インローのストレーt !?〕」 パシンッ!!!!!
イアン・サネス「!」
アルミン「...」
審判「ストライク!バッターアウト!! スリーアウトチェンジ!!!」
「うぉぉおおおおおおおおっっっっ!!!!!!!」
マルコ「ナイピッチ!!」
トーマス「すっげぇなぁ!!」
ミカサ「ナイピッチ!」
コニー「おっまえぇ!なんだ今の!!」
実況「さ、三振!! 最後はインローにストレートでした...諫山さん、今のは...?」
諫山さん「えぇ、今のは紛れも無い...打者の内角を抉る...クロスファイヤーです!」
ミケ「〔なっ...この投手...こんな技術を持っていたのか...!〕」ギュゥッ!!!
リヴァイ「〔なるほどな...これを試していたのか...〕」
ファーラン「〔やっぱ...アルミン先輩は侮れねぇや...〕」ニヤッ
マルセル「〔あの野郎...一回で成功させやがった...!〕」ニヤッ
-
- 97 : 2016/08/25(木) 02:01:42 :
タッタッタ
アルミン「ナイピッチ、ベルトルト!」
ベルトルト「は、はい!ありがとうございます!」
ジャン「ったぁくよ、一時はどうなるかと思ったぜ!」
ミリウス「クロスファイヤーなんて...いつの間に投げれたんだ?」
ベルトルト「えっと...うん、ちょっとね...」
ライナー「やったな、ベルトルト」スッ
ベルトルト「! ライナー...あぁ!」スッ
コツンッ
アニ「全く...出来るんだったら最初からやって欲しいくらいだよ」
アルミン「あははっ、僕も最初は驚いたけど...彼はどうやら今日のために、ずっと準備してたみたいだよ。」
アニ「え?」
_______________________
______________________________________
________________________________________________________
リヴァイの打席後...
アルミン「次は5番のミケさんだ」
ベルトルト「それなんですけど、ちょっとやってみたいことがあるんです。」
アルミン「やってみたいこと...?」
ベルトルト「はい、前からずっとあることを練習してたので」
アルミン「...また博打かな...」ハハッ
ベルトルト「でも...必ず成功させてみせます!」
________________________________________________________
______________________________________
_______________________
アルミン「まさか、あの場面でクロスファイヤーを使ってくるとは...思ってもみなかったよ。ましてや、本番のミス出来ないシチュエーションで一回で成功させるなんてね...」
エレン「ナイピッチ、ベルトルト!」
ベルトルト「! うん、ありがとう!」
エレン「すっげぇな、あれ...練習してたのか?」
ベルトルト「うん、4回戦で中央第一憲兵と当たったときにいた。僕達の幼馴染のこと覚えてるかな?」
エレン「あぁ、マルセルだったっけか?」
ベルトルト「そう、マルセルが...手伝ってくれたんだ。」
-
- 98 : 2016/08/25(木) 02:04:56 :
_______________________
______________________________________
________________________________________________________
4回戦が終わって、数日後のこと...
ライナー「ベルトルト、今日もやるだろ?」
ベルトルト「うん」
スタスタ
ピトッ ライナー「!」
ベルトルト「? どうしたんだい?ライナー」
スタッ
マルセル「よっ、お前ら」
ライナー・ベルトルト「マルセル!?」
マルセル「なんだよ、まるで死んだ人間が蘇ったところ見たような反応しやがって!」
ライナー「お前...どうしてここに...」
マルセル「どうせお前らのことだからここら辺で特訓でもやってんだろうなぁって思ってな!」
ベルトルト「す、凄い勘だね...」
ライナー「...」
マルセル「俺も参加していいか?」
ライナー「え、お前怪我は...?」
マルセル「んなもん、とっくに治ってるよ!試合でも投げてただろ!」
ベルトルト「うん、すっかり治ってたね」
マルセル「おう...ってかベルトルト、お前...すげぇ伸びたな!?」
ベルトルト「え、あ、うん」
マルセル「昔は俺らよりちっちゃかったのによぉ...ったく、泣けてくる」
ライナー「お前は親か」
マルセル「ふ~ん...なるほどな...」ジロジロ
ベルトルト「え、な、なに...?」
マルセル「いやぁ...ちょっとな、お前ならではの必殺技を教えてやろうかと思ってな...」ジロジロ
ベルトルト・ライナー「必殺技?」
マルセル「あぁ、サウスポーならでは...特有の技術だ。」
ベルトルト「特有...?」
ライナー「...お前まさか...」
マルセル「おう、アレだ。」
ベルトルト「ら、ライナーはわかってるの...?」
ライナー「あぁ...大体察しはつく...」
マルセル「どうだ?やってみるか?」
ベルトルト「...うんッ」
-
- 99 : 2016/08/25(木) 02:05:21 :
・・・
ドッ!!
ベルトルト「ッ!!」シュッ!!
パシンッ!!
マルセル「ダメだ、ダメだ! もっと体を柔らかくしろ! ひねるんだよ!!」
ベルトルト「そ、そう言われても...」
マルセル「いいか、クロスファイヤーっていうのは対角線上に投げてこその武器なんだ。」
マルセル「お前のその腕の長さと、コントロールの良さを活かせば必ず出来る!俺はそう信じてる!」
ライナー「クロスファイヤーに腕の長さ関係ないぞ?」
ライナー「ん”ん、まぁ俺ら2人とも投手を経験してるわけだが...俺からもアドバイスすると...もうちょっと軸足を手前にしてみたらどうだ?」
ベルトルト「軸足を...?」
マルセル「そうだな、けどあんまし前すぎると腕振れなくなるし、何よりフォームでバレちまう。」
ベルトルト「...マルセルはクロスファイヤーできるの?」
マルセル「俺か?出来なくはねぇと思うけど...右のピッチャーがやっても意味ねぇぞ、まぁ参考程度に...」スッ!!!
クルッ!!! マルセル「最初は普通のフォームと同じように...」
ドッ!!!
マルセル「そして、途中で上半身と下半身を交差させるようにしてッ」グイッ!!!
ベルトルト「!」
マルセル「ッ!!」シュッ!!!
パシンッ!!!
ライナー「さすがはマルセルだな、きっちりゾーン斜めから入ったぞ!」
マルセル「どんっなもんだいっ! こういう感じだ!」
ベルトルト「もう一回...もう一回見せてくれないかい?」
マルセル「え?あぁいいぜ!」
それから日は経ち、決勝前日...
ライナー「おし、来い!」
マルセル「いいか、ベルトルト!よく思いだせよ!」
ベルトルト「」コクッ
スッ!!!
ベルトルト「〔最初は普通のフォームと同じで...〕」ドッ!!!
ベルトルト・マルセル「〔そこから【上半身と下半身を交差させるようにしてッ!!】〕」グイッ!!!
ベルトルト「ッ!!!」シュッ!!!
パシンッ!!!
ライナー・マルセル「ッ...」
ベルトルト「出来...た?」
「...うぉぉぉおおおおおっっっ!!!!!!!」
________________________________________________________
______________________________________
_______________________
ベルトルト「僕だけのものじゃない、ライナーやマルセルがいたからこそ出来た技なんだ。」
エレン「...ははっ、何かそこで出来るのがお前らしいな!」
ベルトルト「え、そ、そうかな?」
エレン「あぁ、羨ましいよ。」
ベルトルト「...でも、点は取られたままだから...」
エレン「わかってるさ、まだ終わったわけじゃない...いや、始まったばかりだぜ...!」
-
- 100 : 2016/08/25(木) 02:06:01 :
スタスタ
「まさか、クロスファイヤーとはな」
ミケ「! リヴァイ」
リヴァイ「あの投手が何かを試していたのは薄々気づいちゃいたが、正直言って予想外だな。」
ミケ「...あぁ」
スタスタ
リヴァイ「ミケ」
ピトッ ミケ「ん?」
リヴァイ「どうやら去年のあいつ(アルミン)とは一味違うみたいだ。気を抜くなよ」
ミケ「...ふんっ」クルッ
スタスタ
リヴァイ「?」
エルヴィン「ミケ、情報は?」
ミケ「はい、ストレートは130km前半辺りです。球にキレがあり、少し当てにくい一面、その分球質が軽いので当たれば飛びます。」
エルヴィン「ふむ、そうか...なら聞きたいことが1つ...なぜストレート1本で押されたのかな?」
ミケ「ッ...それは...」
エルヴィン「...ミケ、私は別にお前を責めているわけではない。だが、あまりにも顔に出過ぎだ。」
ミケ「...すみません...」
エルヴィン「他のものにも伝えてくれ、これはただの野球の試合ではない...」
エルヴィン「これは”栄冠というなの、山の頂上に登り詰めるための大事な第一歩”なのだから。」
ミケ「! はい!」
エルヴィン「それからナナバ、ファーラン」
ナナバ・ファーラン「はい(ウイッス)」
エルヴィン「この回の守備はくれぐれも気をつけるんだ。何事にもリードしてる時こそ、怖いものはない。」
ナナバ「はい!」
ファーラン「ウッス!」
エルヴィン「ファーラン、ナナバのことを頼んだぞ。」
ファーラン「え?あ、はいッス!」
エルヴィン「特に4番のアルレルトの打席は...注意するんだ。」
ファーラン「...はいッス!」
-
- 101 : 2016/08/25(木) 02:06:30 :
キース「次、バッターは4番 アルミン・アルレルト!」
シガンシナ援団員A「狙い撃ち!狙い撃ちいきます!」
シガンシナ援団員B「掛け声や合いの手は、3ページの3行目です!よろしくお願いします!」
ウグイス「2回の表、シガンシナ高校の攻撃は...4番キャッチャー、アルレルト君 背番号2」
観客「アルレルト!頼むぞ!!」
観客「新しい蒼の騎士の力、調査高校に見せてやれ!!」
「新しい蒼の騎士...? ふっ、笑わせないでよ...」
アニ「あいつは、蒼の騎士でも...自由の翼の正捕手でも...天才キャッチャーでもない...!」
アニ「あいつは、シガンシナ高校野球部2年...アルミン・アルレルトよッ!!」
スタスタ
アルミン「お願いします」
審判「プレイ!」
ファーラン「〔来たか...アルミン先輩〕」
ナナバ「〔アルミン...ついに来たね、勝負する時が...!〕」ギュゥッ!!!
「フゥーッ...」ギュゥッ!!!
アルミン「...」ギリッ
ファーラン「〔アルミン先輩に甘い球は禁物...下手したら一発打たれる可能性だってある...〕」
ファーラン「〔アルミン先輩の特徴はなんつっても、ミート力の異常さとそれに加えたスイングの速さ...〕」
ファーラン「〔スイングが速ければ速いほど、ジャストミートしてなくても当たれさえすれば打球がその分速くなる...パワーがなくても、ミート力さえあれば自然と長打は打てる...全く厄介だぜ。〕」
ファーラン「〔でも、今のナナバ先輩だったら決め球のアレを使えば...例えアルミン先輩でも詰まる。なら初球は...〕」サイン
ナナバ「〔アルミン...あんたがなんでうち(調査高校)を選ばなくて、他所を選んだのか...理由は何にしろ...〕」コクッ
ナナバ「〔そういう所は...本当に心底...腹立たしい...!!〕」ギュゥッ!!!
ナナバ「〔なんであんたみたいな才能と実力と経験がある奴が...うちみたいに甲子園常連校に来ないで、わざわざゼロからやる新設校を選んだのか...後悔すればいい...いや今私がさせてやる!!〕」スッ!!!
ドッ!!!
ナナバ「えりゃぁッ!!!」シュッ!!!
クイックイッ!!!
パシンッ!!!!! 審判「...ボール!」
実況「初球は外低めにスライダー惜しくも外れてボール」
ファーラン「〔入らなかったか...けど、いいや...今”アルミン先輩はしっかりアウトローのスライダーを見た。”〕」
ファーラン「〔次は...真ん中高めボール球をストレート全力投球〕」サイン
ナナバ「」コクッ
スッ!!! ドッ!!!!
ナナバ「うァッ!!!」シュッ!!!!
パシンッ!!!!!! 審判「ボール!」
【145km】
観客「うぉぉお...はえぇ...」
観客「さすがは次期エース候補...いやもうエースと言っても過言じゃないだろ」
観客「これが...マリアのドクターK...ナナバ!!」
-
- 102 : 2016/08/25(木) 02:06:55 :
ミタビ「さすがに、調査高校様のエース候補ともなると...別格だな、おい」
イアン「ナナバは多種多様の変化球に+精確なコントロール...これが中学までのあいつ」
グスタフ「中学まで?じゃぁ今は?」
イアン「今は甲子園に出たことで自分に足りないものを取得した...それが、ストレートの球威だ。」
ミタビ「球威だァ? なんで今更」
イアン「これはアルレルトの時も言ったが、どんなに凄い変化球や凄い精確なコントロールを持ってようとも、ストレートが使い物にならなければ意味が無い。」
グスタフ「あぁ準々決勝の時のか、確か最終的にはストレートは投げざる終えない運命...だったか?」
イアン「あぁ、いずれ球種がバレれば対策はつけられる。だが、もし...ストレートにキレや球威があればどうなるか...」
イアン「答えはもうある...それが、今のシガンシナのサウスポー...フーバーだ。」
グスタフ「確かにな...あいつまだ1年だから球威こそないが...あのストレートに球威が加われば...」
イアン「あぁ、恐らく俺らの打線も相当苦しめられるだろうな。」
ミタビ「あ~ストレートの球威とキレが重要なのはよ~くわかった...けど、ナナバみたに決め球持ってりゃそう打たれねぇだろ?」
イアン「まぁ...決め球を持っていて、ストレートも良ければ鬼に金棒だが...ナナバには1つ弱点がある。」
ミタビ・グスタフ「弱点?」
マルセル「弱点...ですか?」
サネス「そうだ。あいつ中学2年の時、全国大会決勝で乱打喰らって降ろされたことあんだよ。」
ラルフ「あ~あったな」
マルセル「でもそれってまだ中学だから...じゃなくてですか?」
サネス「ば~か、弱点なんてそう簡単に克服されるもんじゃねぇんだよ。」
サネス「それに...これはピッチングの内容の問題じゃねぇ」
サネス「あいつの弱点...それは...」
「「安定感がないことだ。」」
ミタビ「安定感だとォ!?」
イアン「そうだ。あいつはスロースターターでもあるが...正直言ってスロースターターなんて弱点と言うほど弱点ではない。」
グスタフ「どういうことだ?」
イアン「要はエンジンを早くかければ良いことだ。」
ミタビ「んなもん、わかってる!それがどうにかならないから弱点なんだろ?」
イアン「違うな。ミタビ、お前練習や試合をする時どうやって集中してる?」
ミタビ「は?いやそんなもん雰囲気っつか...やるぞ!! っていう...やる気スイッチみたいなもんを心の中で押す。」
イアン「それと同じだ。」
ミタビ「は...?」
イアン「スロースターターの特徴は、自分のやる気スイッチをわかってないままピッチングするから...そう言われてるだけだ。」
グスタフ「なるほDO...簡単に言えば、準備出来てない状態でマウンドに上がることをスロースターターと呼ばれている...ってことか?」
イアン「まぁ...そういうことだ。」
イアン「調子が上がらないままマウンドにたっても、打ち取れる自信はあるか?」
ミタビ「ねぇな」
イアン「だから、自分のやる気スイッチを見つけてしまえばスロースターターなどと言われないし。被安打もなくなる。」
ミタビ「じゃぁよ、安定感ってのも似てるんじゃねぇか?」
イアン「全く違うな。スロースターターというのはやる気スイッチを押せるかどうか、つまり自分次第だ。だが、安定感がないというのは調子の良い時と悪い時の波の変動が激しいということ。つまり、いくら自分でやる気スイッチを押していても制御不能で、いつ調子が良くなるか悪くなるか自分でもわからない。ということだ。」
グスタフ「自分次第で変えられるものと、自分次第でも変えられないもの...というわけか」
イアン「そういうことだ。」
ミタビ「じゃぁあいつ...突然調子を悪くする...ってこともあるのか...」
イアン「あぁ...今のアルレルトの打席でさえも...いつ崩れるかわからない。」
ミタビ「せっかく良い実力や才能があっても...そればっかりはどうしようもねぇな」
イアン「何かに長けている者は、何かが欠けている...どの世界の人間でも、すべて完璧という人間はいない。」
-
- 103 : 2016/09/03(土) 00:06:16 :
ファーラン「〔よしツーボール...次〕」サイン
ナナバ「〔内いっぱいに...ストレート〕」コクッ
スッ!!! ドッ!!
シュッ! ナナバ「〔ッ、しまった!ストレート回転が甘い...!〕」
ザッ!!! アルミン「ふっ!!」スッ!!!
キーンッ!!!
実況「内ストレートを引っ張ったァ!!!」
審判「ファール!」
ウグイス「ファールボールにはご注意ください。」
アルミン「...ふぅ」
ナナバ「あっぶな...」
ファーラン「ナナバパイセン!振りが足らないッスよ!もっとこうブァッと!!」シュッ
ナナバ「ブァッ、じゃわからないよ!! ったく...」
ナナバ「〔知ってたさ...私はアルミンやファーラン...リヴァイ先輩みたいな天才や怪物じゃない...〕」
ナナバ「〔でもっ...私はあいつより...努力した...甲子園にも出た...経験や努力だったらあいつに負けない!!〕」
ナナバ「〔私があんたの同期じゃなきゃよかったのに...って何回、何十回思ったことか...〕」
初めてあんたに会った時から、薄々気づいていたんだ。
私より、あんたの方が野球が上手いってことを...
あんたに出会って、こんなちっちゃい奴に負けてられない。
推薦組である私の方が上手い・強い...そう思ってた。けど...
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中学1年 1軍昇格試験後...
オルオ「ん?今日はアルミンと一緒じゃねぇのか?」
モーゼス「ッ...あぁ、あいつは...今日は来ねぇ」
オルオ「ふっ、試験がボロボロで立ち直れなくなったか!」
グンタ「そうか、あいつでも落ちたかやっぱり...」
ナナバ「アルミンが落ちたのか、私はきっとこの中では一番受かる確立が高いのはアルミンだと思ってたんだが」
ナナバ「〔ふ~ん...あいつでも落ちたのか...良かった、先越されなくて〕」
「いや今日って言うか...」
モーゼス「今日じゃなくて”今日から”...だな」
ナナバ「ッ」
グンタ「それは本当か?モーゼス」
モーゼス「あぁ、昨日帰りに聞いた」
グンタ「そうか、すごいな!あいつ!」
ナナバ「やっぱりな、私の目に狂いはなかったようだ」
ナナバ「〔くそっ...やっぱり先を越されたか...アルミン何かに...絶対に上がってやる、そしてすぐに追い越す!〕」ギュゥッ
-
- 104 : 2016/09/03(土) 00:07:12 :
そして、モーゼスの代わりに1軍昇格を果たした後...
ナナバ「〔やっと来た、やっと1軍に...せいぜいポジション争いをしながら、待ってろアルミン...先に私がエースを取って...この世代ナンバーワンが誰なのか...すぐにわからしてやる...!〕」
やっとあいつの背中が見えたと思ってた...けど、1軍に来てあいつを見た瞬間...私は崖から落とされた気持ちになった。
それはなぜか...
リヴァイ「アルミン、すぐに終わらせるぞ。」
アルミン「はい、わかってます。」
スタッ アルミン「ワンァウト!!」
「オーッ、ワンァウト!!」
そこで私が見たもの...それは...
2軍の頃、共に1軍を目指し練習してきた。
純粋で真っ直ぐな、仲間の気遣いをし
何よりバッテリーである投手のことを一番に考え
あの無邪気に野球を楽しむアルミン・アルレルトがいなかった。
そこにいたのは...
まるで別人になったかのような、態度や行動
自然界の厳しさ・恐ろしさを知った狼のような眼差し
そして...
何より驚いたのは...前とは比べ物にはならないほどの実力。
私が、アルミンに掛けた第一声は...
「あんた...誰...?」
驚きのあまり...出た言葉がこれだった。
すると、あいつは...
「え?誰って、酷いな...センターマリア中学1年 アルミン・アルレルト」
やっと追いついた・見えてきた背中が...また見えなくなった。
だけど、全国大会も経験した私は3年でエースの座を奪い
このチームの...この世代のナンバーワンになれた...そう思ったのもつかの間...
あいつはみるみるうちに成長していき、私達の世代ナンバーワンへとなった...
それはどうやって証明できるか...答えは簡単だ...
試合で結果を残せた者...世に注目されている者...皆に期待されている者...
この3つを取れれば...誰がナンバーワンなのか、証明出来る。
だから私は中学で敗けた、この悔しい気持ちをバネにし...
高校で勝つと...誓ったんだ。
なのに、あいつは...
-
- 105 : 2016/09/03(土) 00:07:45 :
中学3年 冬
ナナバ「は?アルミンが受験を?」
グンタ「らしいぞ」
ナナバ「まさか...あいつも調査高校から推薦が来てるんだ。そこに行くでしょ」
グンタ「俺もそう思ったんだ。けど、昨日あいつが他所の高校に試験を受けに行ったって友達が言ってたんだ。」
ナナバ「〔そんなわけない...あいつが他所に...? あいつがそんな馬鹿な真似はしない。〕」
ナナバ「そんなわけないだろ、直接本人に確かめてみればいいんじゃないかな?」
グンタ「そうだな」
スタスタ
アルミン「え?他所の学校に志願したかって?」
グンタ「あぁ、友達が言ってたんだが...そんなわけないよな?見間違いだよな?」
ナナバ「...」
アルミン「いや見間違いじゃないよ。僕はシガンシナ高校に志願したし、もうそこに受かったよ。」
グンタ「えっ!?」
ナナバ「〔はっ...? シガンシナ...高校...?〕」
スタスタ モブ女子「えー!アルミン君、超頭いい高校のシガンシナ高校に受かったの!?」
アルミン「あ、うん。受かったよ」
モブ女子2「え~、すご~い!あそこって超難関問題が出て受けた人の半分が落ちるって噂だけど...」
アルミン「それは特進クラスだよ、普通科クラスなら倍率はそんなに高くないし...」
ナナバ「〔はぁ...? 頭良い学校って...まさか、野球...辞めるの...?〕」
モブ女子「特進!? すごっ、部活動あるのに勉強したんだ。でもでも推薦とか来なかったの?アルミン君なら絶対来てると思ったんだけど」
アルミン「あ~...うん、まぁ...確かに来たけど...断っちゃった...」
モブ女子2「えぇっ!? 断ったの!?」
モブ女子「なんでぇ~」
アルミン「う~ん、なんていうか...その...ちょっとある人と高校で一緒に野球部入る約束しててさ」
モブ女子2「ある人?その子もシガンシナ高校に受かったの?」
アルミン「うん、受かってた。」
モブ女子「アルミン君の友達なら当然か~...なら私も友達だから受かるかな!?」
アルミン「そ、そうだね...頑張れば受かるよ...あははっ...」アセ
モブ女子2「アルミン君、凄い汗かいてる~!」
アルミン「そ、そんなことないよ!」アセ
ナナバ「アルミン」
アルミン「ん、何?」
ナナバ「あんた...なんで調査高校の推薦蹴ったの?」
アルミン「...ちょっとね...」
ナナバ「なんで蹴ったのさ!あの高校は甲子園常連校なんだよ!? なんで行かないのさ!!」バンッ!
ザワザワ
アルミン「な、ナナバ...あんまり大きい声出すと、みんなに...「そんなの関係ないッ!!」
ナナバ「はぐらかさないで...ちゃんと答えなよ」
アルミン「...やりたいことができたんだ。」
ナナバ「やりたい...こと?」
アルミン「0からスタートして、100の甲子園出場を目指す...そして、その時には...」
アルミン「君達調査高校である...化物集団を倒す...ってね」
ナナバ「あ、あんた...頭可笑しいんじゃないの...? 名も知らない学校の野球部入って、甲子園目指そう...そして、私達調査高校を倒そうってわけ...?」
アルミン「うん」
ナナバ「〔理解不能...意味がわからない...なんでわざわざ遠回りをしようって言うんだ。〕」
ナナバ「なんで...なんで...?」
アルミン「え...?」
ナナバ「あんたぐらい才能と実力がある奴が...どうして...」
アルミン「...」
スタッ
アルミン「単純に...君達と戦ってみたいと思っただけだよ。」
ナナバ「はっ...?」
アルミン「決勝で待っててよ、きっと必ず...勝ってみせるから。」ニコッ
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-
- 106 : 2016/09/03(土) 00:16:44 :
そう言って...あいつは...私達の前から姿を消し...
シガンシナ高校などという、進学校に入学...更には...
去年の夏...決勝で奴は本当に勝ち上がってきた...
私には、まるで自分は凄い/お前らとはこの素人集団と組んででも勝てる。
そういわんばかりに見えた...
ナナバ「〔だが、現実はどうだ? 途中までは粘れていたが、一度打ち込まれただけで何点...何十点取られた...?〕」
ナナバ「〔結果なんて目に見えてるものだったはず...なのに、お前は...それでも...私達の前に、まだ立ちはだかるか...?〕」
ギュゥッ!!! ナナバ「〔気に食わない...!!〕」
ナナバ「〔私よりも才能を持ってる奴が...どうしてわざわざ厳しい道を選ぶのか...!!〕」
ナナバ「〔その自信に満たされた顔も...すぐに歪んだ顔にしてやるっ!!〕」スッ!!!
ドッ!! シュッ!!
クイックイッ!!
パシンッ!!!! 審判「ストライクツー!」
実況「スライダー、外決まってストライク!キレッキレですね!」
諫山さん「そうですね、フーバー選手の打席で調子を良くしたのかもしれません。」
アルミン「ふぅッ」キリッ
ナナバ「〔ッ...ふっ、相変わらず諦めが悪いね〕」
ナナバ「〔追い込んでるのはこっちっていうのに焦るどころか、集中力が増してる...〕」
ファーラン「〔すっげぇ集中力...気迫という名のオーラが半端じゃねぇ!〕」
ナナバ「〔けど、私は知ってる。〕」
ナナバ「〔甲子園を経験して1つ変わったことがある。それは...〕」
ナナバ「〔前よりも自信が付いたことによって、例えあんたみたいな天才・怪物クラスが相手だろうと自分のピッチングが出来るようになったこと。〕」
ナナバ「〔残念だね。あんたもうちに来れば甲子園を経験出来て、前より格段に強くなれたのに...〕」
ファーラン「〔アルミン先輩に外で締めるのは危険だけど、一球目のスライダーを見てさっきのスライダーも見逃した。どうする...〕」
ナナバ「〔ファーラン...頼む、あのボールでこいつをアウトにさせてくれ...!〕」スッ
ファーラン「〔ッ、でも...〕」
ナナバ「〔大丈夫、昨日のブルペンで試した限りじゃいつもより...倍キレが良くなってる!!だから頼む...!!〕」
ファーラン「〔わかったッス、最高のウイニングショットを...俺のミットまで投げてきてください!〕」サイン
ナナバ「〔あぁっ!!〕」スッ!!!!
エルヴィン「〔ファーラン...ナナバ...本当にわかっているのか...この打席の重要さを〕」
エルヴィン「〔この打席は、彼(アルミン)に打たれてはいけない場面なのだということを...〕」
ドッ!!!! ナナバ「〔見比べればいい...前の私の高速スライダーと...今の私の高速スライダーをッッッ!!!!!〕」
ナナバ「ッ!!!」シュッ!!!!
キュルルルッ クイックイックイッ!!!!
イアン・サネス「〔ッ、高速スライダー!!〕」
リヴァイ「〔チッ、馬鹿が...〕」サッ
エレン「アルミン先輩!」
アニ「アルミン!!」
ナナバ「〔外角低めいっぱいの高速スライダー...あんたに、この完璧なコース・完璧なウイニングショットが打てるはずがない!!〕」
ザッ!!!! ググッッ!!!!
ファーラン「ッ」
カキーンッ!!!!
ナナバ「ぇっ!?」
実況「う、打ったァ!! 一塁線抜けるかァ!?」
ケイジ「ぐぅっ!?」ダイブッ!!!
エレン「ぁっ」
ナナバ「〔よし!〕」
アルミン「まだだッ!!」
ケイジ「ッ」
バシンッ!!!!!
ケイジ・ナナバ・ファーラン「なにっ!?」
実況「なんとファースト、ケイジがダイビングキャッチで捕ったと思われたが、その強打はグラブごと弾き飛ばしたァ!!!!」
ファーラン「ライト、カバーッ!!」
ミケ「ッ!!」ダッ
ダッダッダ!!!
イザベル「二塁行った!!」
ガシッ ミケ「くっ...」
ズサーッ!!! 審判「セーフ!!」
「うぉぉぉぉぉおおおおおおっっっ!!!!!」
-
- 107 : 2016/09/03(土) 00:19:29 :
観客「すっげぇ...なんだ今の打球...速すぎて一瞬どこ行ったかわからなかったぞ...」
観客「いやいやそれよりも、ナナバの決め球である...高速スライダーを打った事のほうがすげぇよ!!」
観客「やっぱ蒼の騎士...すげぇな...!」
ナナバ「〔そんな馬鹿な...私の高速スライダーが...一体どうやって...!?〕」
「ナナバ、それと糞ファーラン...タイム取れ」
ファーラン「ぁっ、タイム!」
審判「タイム!」
スタスタ
ナナバ「〔そんな...どうして...〕」ギュゥッ
リヴァイ「取り敢えず...ファーラン、なんで高速スライダーを要求した?」ボソッ
ファーラン「え、えっと...それは...その...」
イザベル「なんだよ、ボソボソ喋ってないでちゃんと話せよ!」ボソッ
ファーラン「う、うるっせぇな...」
ナナバ「〔甲子園を経験した私の高速スライダーが...甲子園で通用した私の高速スライダーが...〕」
「おい、聞いてんのか。ナナバ」
ナナバ「ぇっ、あ、はい...すみません。」
リヴァイ「...取り敢えずノーアウト二塁だ。連打食らうよりかは、アルミンを帰らせた方がよっぽどいい。」
エルド「そうだな」
ケイジ「悪い...俺があそこでちゃんと取っていれば...」
イザベル「何言ってるんですか!ケイジ先輩があそこでダイビングキャッチしてなかったら三塁まで行かれたかもしれないんですよ!」
ファーラン「イザベルの言う通りッス、あれは自分のミスッス...あの場面で...「反省会は後でだ。」
「!」
リヴァイ「今はどうやってこのピンチを切り抜けるのかさえ考えればいい。」
イザベル「そうですね。おい、ファーラン!てめぇちゃんとアウトとれよ?」
ファーラン「うるっせ!てめぇこそエラー起こさないでちゃんと取れよ」
イザベル「ハァ?俺がいつエラーしたよ?」
ナナバ「...」
リヴァイ「馬鹿だな、お前」
ナナバ「え...?」
リヴァイ「あそこで、高速スライダーを投げたのは馬鹿だなって言ってんだよ。」
ナナバ「あ...すみません...」
リヴァイ「でもま...誰しも打たれたくて打たれるもんじゃねぇしな...投げたかったんだろ?あの球であいつを三振にしたかったんだろ?」
ナナバ「...はい...」
リヴァイ「だったら一々ブルーになってんじゃねぇ」
ナナバ「!」
リヴァイ「打たれたもんはもう仕方ねぇ、いつまでも過ぎちまったこと考えてっと、ぶん殴るぞ。」
ナナバ「えっ!?」
リヴァイ「...冗談だ、本気にするな」
ナナバ「じょ、冗談か...リヴァイ先輩の冗談は冗談に聞こえないですよ...」
リヴァイ「...あいつは強い」
ナナバ「!」
リヴァイ「甲子園を経験してねぇのに、まるで経験してるかのような落ち着き具合だ。」
リヴァイ「舐めてると、このままじゃ本当に喰われるぞ。」
ナナバ「ッ...はい、すみませんでした。」
スタスタ
ナナバ「〔舐めてると喰われる...か...〕」チラッ
アルミン「!」
ナナバ「...認めるよ、あんたのこと」
アルミン「認める...?」
ナナバ「0からスタートして100の甲子園出場...確かに出来るかもしれない。あんたなら」
ナナバ「でも...甲子園に行くのは、試合に勝つのは...私達だ。」
アルミン「...ふっ、うん...僕も負けない。いや僕達が勝つ。」
ナナバ「〔あんたの本気さ...伝わったよ。でも本気なのはあんただけじゃないってこと...教えてあげるよ〕」
-
- 108 : 2016/09/03(土) 00:24:18 :
ウグイス「5番ライト、ブラウン君 背番号9」
キース「次、バッターは5番 ライナー・ブラウン!」
シガンシナ援団員A「どか~ん!どか~んいきます!」
シガンシナ援団員B「3ページの5行目です!よろしくお願いします!」
♪どか~ん♬
シガンシナ高校援団員「ドカンと一発」
「ラ・イ・ナー!!」
シガンシナ高校援団員「打ってみよ~よ!」
ライナー「お願いしまっす!」
審判「プレイ!」
ファーラン「〔このバッターはパワー型、ミケ先輩と同じタイプ...なら〕」サイン
ナナバ「〔もう誰にも...打たせやしない!〕」スドッ!!!
シュッ!!!
パシンッ!!!! 審判「ストライク!」
ライナー「くっ、速い...」
ファーラン「ナイピー!やっとエンジンかかってきたッスねぇ!」シュッ
ナナバ「うるさい!」
ファーラン「〔次で打ち取る...内高めに〕」サイン
スドッ!!! ナナバ「ッ!!」シュッ!!!
ライナー「〔ぅっ、またクイックか!〕」スッ!!
キーンッ!!
審判「ファール!」
ウグイス「ファールボールにはご注意ください。」
ファーラン「〔マジかよ、クイックのナナバ先輩のストレートも当てるのか〕」
ナナバ「〔こいつも厄介そうだな〕」
ファーラン「〔悪いがもう格下だなんて思わねぇぞ〕」サイン
ナナバ「」コクッ
-
- 109 : 2016/09/03(土) 00:24:30 :
ライナー「〔大丈夫だ...落ち着け...練習したじゃないか...あれだけ...〕」
ライナー「〔だが、いざ本番となると...マジで緊張するなぁ「頑張れェ!!」
クリスタ「ライナー!!」
ライナー「〔ふっ、なんでだろうな...これだけ緊張してても、周りがうるさくても...不思議と女神の声だけはよく聞こえる。〕」
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______________________________________
________________________________________________________
試合前日の研究時
アルミン「ライナー」
ライナー「! はい」
アルミン「先発のナナバのことだけど」
ライナー「わかってます、決め球は外角低めいっぱいにスライダーか高速スライダー...でしたよね?」
アルミン「うん、そうなんだけど...きっとライナーにはスライダーを使ってこないと思うんだ。」
ライナー「え、どういうことですか?」
アルミン「あぁごめん、いきなり結論から言っちゃって」
アルミン「今回の試合、打順はもうわかってるよね?」
ライナー「はい、3番にベルトルトが入って4番に先輩で5番に俺、6番にミカサ」
アルミン「そう、今回は上位打線に左バッターが続くんだ。」
ライナー「確かにそうですね。1番のジャンはスイッチヒッターでどっちも打てるし、2番のコニーも左...」
アルミン「ってなると必然的にナナバはシンカーを使わざるを得なくなる。」
ライナー「それがどうやって、俺にスライダーを使ってこないっていう結論に...?」
アルミン「恐らくジャンにはシンカーを使わない。けど、2,3番のコニー・ベルトルトの二人にはシンカーを使ってくる。」
アルミン「そして4番には僕がいる。そこでナナバはきっと高速スライダーを使ってくるとなると、どうなるか...」
ライナー「シンカーを使って、高速スライダーを使ってくるとなると...! 球種をバラすことに」
アルミン「そう、いくら調査高校でも甲子園では苦労するから露出は嫌でも少なくしたいはず...2・3・4にウイニングショットである2つを使うことは、大きなリスクを背負うことにもなる。」
ライナー「なら、俺の時にはなるべく露出を少なくして抑える...ですか」
アルミン「と言ってもライナーも強打者だから舐めてくることはないだろうけど、かと言って連続で高速スライダーを使いたくないだろうからね」
ライナー「つまり、先輩が言いたいことは...スライダーでも・高速スライダーでも・シンカーでもない変化球で俺を仕留めてくる可能性が高い...と」
アルミン「ご名答、そしてその球種は何か...?」
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- 110 : 2016/09/03(土) 00:25:23 :
ライナー「〔ナナバの球種はストレート含めて5球種...カウント稼ぎのストレートとスライダー...更には、ウイニングショットである右打者ならではの高速スライダーに、左打者専用のシンカー...そして...〕」
アルミン「〔もう一つ...落差は浅いがスピードがあって、ストレートと見分けが難しい...かつ、カウント稼ぎにも決め球にも使える球種...それは...!〕」
「「フォークボール!!」」
ファーラン「〔内低めにフォーク!〕」
スドッ!!! シュッ!!!
カクンッ!!
ライナー「〔俺は準決勝でいくつもの失態を起こしたんだ...もうこれ以上...チームに迷惑かけられないんだよッ!!〕」スッ!!!
キーンッ!!!
ナナバ・ファーラン「ッ」
ファーラン「レフトォ!!」
ネス「くそっ、間に合え!!」ダッ!!
ウグイス「レフト線、良いコースだァ!!」
ライナー「〔落ちろ!!〕」
ポタッ!!
トーマス「落ちた!! レフト線ギリギリ!!」
ダズ「やった!長打コース!!」
ミリウス「回れます、アルミン先輩!!」
ダッダッダ!! ライナー「ハァッ、ハァッ、ハァ!」
エルド「ランナー、ホーム行ったぞ!!」
ネス「くそっ!!」シュッ!!
パシッ!!!! リヴァイ「」ギロッ
アルミン「ッ!!」ズサーッ!!!
審判「セーフ!!」
「うぉぉぉぉおおおおおおっっっ!!!!! 1点取り返したァ!!!!!」
実況「1点!シガンシナ高校1点取り返したァ!!!!」
諫山さん「ブラウン選手、良いバッティングでしたね。引っ張った打球は切れるかと思いましたが、上手くミートして切れずに落ちました。」
♪ファンファーレ♬
ライナー「おっしゃぁぁあああ!!!!」ガッツポーズ
ジャン「せぇーのっ」
「ナイバッチ!!ライナー!!!!」
観客「すげぇ!!あの調査高校から初得点を奪いやがった!?」
観客「ずっと無失点をキープしてた調査高校が...ついに初失点!!」
ナナバ「そんな...」
ファーラン「〔おいおい...嘘だろ...初めて見るフォークだったんだぞ、それをレフト前に運ぶっていうのかよ...〕」
リヴァイ「〔決してナナバのボールが悪いわけではなかった...〕」
エルヴィン「〔むしろ、これ以上にないくらいのコースに良いボールだった...これは相手を褒めるしかないな。〕」
ファーラン「ナナバパイセン!いやぁ打たれちゃったッスねぇ...」
ナナバ「あ、あぁ...悪い...」
ファーラン「な、何謝ってんスか...」
ナナバ「だって...打たれたのは私なんだ...謝って当然だろ?」
ファーラン「!」
ナナバ「悪い...次はアウト取る...必ず...」ギュゥッ!!!
「ふっ、当然ッス!」
ナナバ「え...?」
ファーラン「次期エース候補がこんなところで音を上げられちゃ、正捕手の俺が困るッスよ...全く、いつ調子悪くなるんだがわからないでリードするこっちの身にもなってほしいッスよ」
ナナバ「なっ!?/// う、うるさい!このっ...馬鹿!」
ファーラン「馬鹿って何スか!? だって事実じゃないッスか!!」
ナナバ「う、う、う、うるさい!/// あ、あんたは一言余計なんだよ!!」
ファーラン「一言余計に言ってなきゃこっちの気が済まないッスよ!!」
イザベル「...ふっ、大丈夫そうですね」
ケイジ「あぁ、全く...人騒がせなバッテリーだよ。」
ファーラン「とにかく!も~これ以上打たれたらご馳になるッスからね!!」
ナナバ「ハァ!?なんであんた何かに奢らなきゃならないんだよ!!」
イザベル「あ~...まぁ喧嘩するほど仲が良いっていうことですよね、きっと」
ケイジ「上手いな、それ採用」
ファーラン「...ふっ、ノーアウト!!バッター勝負!!」
「オーッ!!!!」
ファーラン「〔これでナナバ先輩の調子は取り戻せたかな...やれやれ〕」
ナナバ「〔ったく、あいつ...一々余計なこと言いやがって...まぁ言ってることは正しいけど...〕」
-
- 111 : 2016/09/03(土) 00:26:47 :
-
ウグイス「6番ショート、アッカーマン君 背番号6」
キース「次、バッターは6番 ミカサ・アッカーマン!」
シガンシナ援団員A「残酷な天使のテーゼ!残酷な天使のテーゼいきます!」
シガンシナ援団員B「3ページの4行目です!よろしくお願いします!」
♪残酷な天使のテーゼ♬
ミカサ「ふぅ...お願いします。」
審判「プレイ!」
リヴァイ「...」
観客「アッカーマンってどっかで聞いたことあるような名前だよな...」
観客「思い出せねぇ...」
観客「あれ...そう言えば...リヴァイの苗字って...ないのか...?」
リヴァイ「〔チッ、うるせぇな〕」
アニ「〔ここまでノーアウトでツーベースを2本打って1点返した。ここは一気に流れを持って行きたい。〕」サイン
ミカサ「〔ヒッティング...〕」
アニ「〔でも手が痛くなったらすぐに辞めるんだよ、その時は交代するからね〕」
ミカサ「〔監督...心配してくれて、ありがとうございます。でも...〕」
ギュゥッ!!!
ミカサ「〔ここまで来て...私一人ギブアップだなんて...絶対に嫌...最後まで戦うんだ!〕」
ファーラン「〔このバッターの構え...どっかで...〕」チラッ
エルヴィン「〔なるほど、彼は...リヴァイの兄弟だったか...〕」ジィーッ
リヴァイ「〔何度挑戦したって同じことだ、お前じゃ俺には勝てない。〕」
ミカサ「...」
ファーラン「〔でも確かこいつ準決勝の時、3番にいたような...〕」
ナナバ「〔今の3番の方が打てる。それだけだろ〕」
ファーラン「〔どっちにしてもノーアウト二塁に代わりねぇ...全力で潰す。〕」サイン
ナナバ「〔何かこいつの構え...リヴァイ先輩に似てるような...いやまぁどうだっていい...〕」
スドッ!!! シュッ!!!
ミカサ「!」
パシンッ!!!!
審判「ストライクワン!」
イアン「〔! 打たれた後の一球目を入れた...立て直したのか...?〕」
サネス「〔初球入れたからって調子を取り戻したか、なんてわかんねぇよな...なんせこいつは...不安定なんだからな〕」
ファーラン「ナイスボールッス!」シュッ
ファーラン「〔初球入った...アルミン先輩といい、あの5番にも連打食らったからどうなるかと思ったけど...〕」
アルミン「〔ミカサ...勝負は...序盤の3球目以内だ...〕」
ミカサ「〔ふぅ...さすが調査高校のエース候補...隙が全くない...〕」
ミタビ「これも見ものだな」
グスタフ「何がだYO?」
ミタビ「調査高校次期エース候補のナナバ対...シガンシナ高校期待の大型ルーキーのミカサ・アッカーマン...」
イアン「確かにな...奴のバッティング能力も侮れない。」
グスタフ「でもなんで6番に置いたんだ?俺らの時は3番だっただろ?」
イアン「シガンシナ監督の考えなんだろうな...それか”怪我か”」
ファーラン「〔次が決まれば...こいつは抑えられる。〕」
アルミン「〔次打てば...ナナバはまだ本調子にならずに済む。〕」
アルミン・ファーラン「〔そして、一気に流れを持っていける...!!〕」
-
- 112 : 2016/09/03(土) 00:27:26 :
実況「6番アッカーマンの打席は現在、ノーアウト二塁でノーボール・ワンストライク...諫山さん、どう思われますか?」
諫山さん「そうですね、この状況...両方にとっての...いえ、この試合初のターニングポイントになるでしょう。」
実況「ターニングポイントですか?」
諫山さん「そうです。 調査高校にとっては、4番のアルレルト選手・5番のブラウン選手に打たれての6番のアッカーマン選手です。初球は入りましたが、勝負は初球の後です。連打を浴びたこの打席、抑えれば試合の流れを持っていけるでしょう。」
諫山さん「対するシガンシナ高校にとっては、連打でナナバ選手を打ち崩してる状況ですから、ここで打たなければナナバ選手の調子が戻ってくる事になります。逆に打てば、一気に波に乗れて逆転するチャンスを作ることが出来るでしょう。」
ミカサ「〔ここで打てば、流れを一気に持っていける...そして逆転も出来る...!〕」
ナナバ「〔絶対に抑える...もうこれ以上打たれてたまるか...!〕」
イアン「〔勝負の2球目...どうなる...〕」
サネス「〔変化球で来るか...それともストレートで押すか...〕」
スドッ!!!!
ナナバ「ッ!!」シュッ!!!!
キュルルルッ クイックイックイッ!!!!
イアン・サネス「〔ッ、ここで高速スライダー!!〕」
エレン「ミカサッ!!」
ミカサ「クッ!?」スッ!!!
キュルルルッ!!!! ミカサ「〔ッ、駄目だ...このままじゃ...あた..らない...!?〕」ググッ!!!
エレン「ミカサ!無茶するなッ!!!!」
ミカサ「〔! エレン...〕」
_______________________
______________________________________
________________________________________________________
準々決勝 中央第一憲兵戦
クイッ!!!
アニ「〔ッ、SFF!?〕」
アルミン「〔駄目だ、このままじゃ空振りする!?〕」
エレン「ミカサァァァァアアッッッ!!!!!」
ミカサ「...うぅ”ッ!!」グググッ!! スポッ!!
ラルフ「〔はっ!?〕」
カキーンッ!!!
________________________________________________________
______________________________________
_______________________
ミカサ「〔いやッ...まだ...〕」ググッ!!!
ミカサ「〔終わってない...!!〕」スポッ!!!
ファーラン「ッ」
キーンッ!!!
ナナバ「なっ!?」
実況「打ったァッ!!!! 二遊間抜けたァッ!!!!」
ダッダッダ!!! ライナー「ハァッ、ハァッ、ハァッ!」
ミリウス「回れ回れッ!!!」グルングルンッ!!
ザッ!!! ライナー「〔一気にホームに行く!! 同点にしてみせる...!!〕」
実況「二塁ランナー、三塁ベースを蹴ってそのままホームへ走ったァ!!」
ファーラン「バックホームッ!!!!!!」
モブリット「くっ、同点にされてたまるかっ!!」スタッ!!!
「モブリット、貸せ!」
モブリット「!」
ダッダッダ!!!
ミリウス「ライナー、飛び込めッ!!スライだ、スライッ!!!」
ライナー「えっ...!?」チラッ
「チッ、どいつもこいつも...手間かけさせやがって...」
リヴァイ「いい加減大人しくしやがれ、鎧が」シュッ!!!!
ダッダッダ!!! パシッ!!!!
ライナー「ッ!!」ダイブッ!!
ファーラン「〔止めるッ!!!!〕」スッ!!!!
ズサーッ!!! ゴォッ!!!!
・・・
エレン「...ど、どっちなんだ...?」
ライナー「く、くぅ...」
ファーラン「...ふぅ」サッ
審判「...アウト!アウト!!」
ライナー・ミカサ・アルミン・エレン「ッ」
「うぉぉぉぉおおおおおおっっっ!!!!!!! 止めたァ!!!!!!!」
-
- 113 : 2016/09/03(土) 00:28:11 :
実況「なんと...中継に入ったリヴァイが、豪速球を投げアウトにしたァ!!!!!!」
ミカサ「そ、そんな...」
「だから言っただろ...」
ミカサ「!」
リヴァイ「お前じゃ俺には勝てない。」
ミカサ「クッ...」
ファーラン「ワンァウト!!!」
「ワンァウト!!!!」
アニ「〔くそっ、完全にやられた...流れを一気に持っていけると思ったのに...不味い...〕」
サネス「まじぃな...こりゃ」
マルセル「え?何がですか?」
サネス「今のアウトで...完全に流れを切られたな、シガンシナ」
マルセル「流れが...? どういうことですか?」
サネス「要は...流れが調査高校に渡っちまったってことだ。」
イザベル「ナイスショートです、リヴァイ先輩!!」
ケイジ「さっすが俺らのエース!!」
エルド「ふっ、やはり怪物だな...お前は」
ナナバ「助かりました、リヴァイ先輩」
リヴァイ「お前は人に礼を言うより、ちゃんと抑えろ」
ナナバ「ぐはっ!?」グサグサ
ファーラン「まぁ~ったく、ナイスボールッスよ...まるでブルペンの時に受けてたボールかと思ったッス。」
リヴァイ「アァ?てめぇもちゃんと抑えろ」
ファーラン「えぇっ!? なんで怒るんスか!! 俺褒めたんスよ!?」
リヴァイ「うるせぇ、口を開くな」
ファーラン「ん~、んんんっ、んん~っ!!」
リヴァイ「殺すぞ」イラッ
アルミン「〔不味い...完全に雰囲気も流れも...持ってかれた...〕」
アニ「〔まさか、あの場面でミカサに対して高速スライダーを使ってくるなんて...!〕」ギュゥッ!!
「まだワンァウトなんだ、しょぼくれてる暇じゃねぇだろ」
アルミン・アニ「!」
ジャン「調査高校が凄いってのはもう何度も理解したじゃねぇか」
ジャン「それを一々防がれたり、打たれたしたぐらいで...観客はうるせぇよ、なぁ?」
ベルトルト「えっ、いや僕に言われても...」
コニー「にっひひ、ジャンの言う通りだな!」
トーマス「...ハァ、だな」ハハッ
ダズ「あ、あぁ!」
マルコ「それに...まだ試合は始まったばかりだし!」
アルミン・アニ「...」ポカーンッ
コニー「? どうかしたんすか?アルミン先輩と監督」
アルミン「い、いや...なんていうか...前向きになったな...って」
ジャン「そりゃ毎日ポジティブシンキングの練習されてりゃ、こうなりますって」
ハンジ「あははっ、そうだねぇ!いやぁ私の練習の効果がこんなところで生きるなんてなぁ!」
マルコ・トーマス・ダズ「え!? じゃぁどこで活かすつもりだったんですか!?」
ハンジ「え、えぇ~?い、いやぁ...それは...えぇ~っと...」
マルコ「まさか先生、本当はこんなところで発揮する...なんて思ってなかったり?」
トーマス「運良く俺らが活かして、校長とかに給料アップしてもらおうとかしてたりな?」
ダズ「はたまた、これを今後の授業にして...お金を取ったりとか?」
ハンジ「ちょ、ちょっと!? 人聞きの悪いこと言わないでくれるぅ!?」
「じゃぁ実際はどうなんですか!」
ハンジ「え、えぇ...う、あ~...」オドオド
ハンジ「き...記憶にございません。」( ・ε・ )
「逃げるなッ!!!!!」
ガヤガヤ
アルミン「...ふっ、どうやら僕達の思っているほど...彼らはやわじゃないみたいだね。」
アニ「!」
アルミン「考えすぎだったのかもしれない...いや過小評価してたのかもしれない...彼らはもう...メンタル面では、甲子園レベルだ。」
アニ「...ふっ、かもね...」ニッ
-
- 114 : 2016/09/09(金) 02:37:26 :
-
【現在公開可能な(特にいらない)情報】
応援歌編
シガンシナ高校
1番 センター、ジャン・キルシュタイン...ルパン三世のテーマ
2番 サード、コニー・スプリンガー...暴れん坊将軍
3番 ピッチャー、ベルトルト・フーバー...サウスポー
4番 キャッチャー、アルミン・アルレルト...狙い撃ち
5番 ライト、ライナー・ブラウン...どか~ん
6番 ショート、ミカサ・アッカーマン...残酷な天使のテーゼ
7番 ファースト、トーマス・ワグナー...エル・クンパンチェロ
8番 レフト、ミリウス・ゼルムスキー...女々しくて
9番 セカンド、マルコ・ボット...タッチ
ダズ...ポパイ・ザ・セーラーマン
エレン・イェーガー...紅
出塁時...ファンファーレ
チャンステーマ1...紅蓮の弓矢
チャンステーマ秘密兵器...ジョックロック
調査高校
1番 セカンド、イザベル・マグノリア...狙い撃ち
2番 センター、モブリット・バーナー...必殺仕事人
3番 キャッチャー、ファーラン・チャーチ...海のトリトン GO!GO! トリトン!
4番 ショート、リヴァイ...ドラクエ3 戦闘曲
5番 ライト、ミケ・ザカリアス...we will rock you
6番 サード、エルド・ジン...情熱大陸
7番 ファースト、ケイジ...宇宙戦艦ヤマト
8番 レフト、ディータ・ネス...アルプス一万尺
9番 ピッチャー、ナナバ...キューティーハニー
出塁時...ファンファーレ
チャンステーマ1...チャンス襲来
チャンステーマ2...夏祭り
参考 是非聴いてみてください!→ http://braban-koshien.net/post-328/
-
- 115 : 2016/09/09(金) 23:08:47 :
ウグイス「7番ファースト、ワグナー君 背番号3」
トーマス「うぉおっしゃぁ!!!!」
マルコ「頼むぞ!トーマス!!」
ジャン「お祭り男の力見せてやれ!!」
コニー「お祭り!? 今からお祭りやるのか!?」
マルコ「ウン、ヤルヨ」
ダズ「マルコ!気を確かに!!」
キース「次はバッター、トーマス・ワグナー!」
シガンシナ援団員A「エル・クンパンチェロ!エル・クンパンチェロいきます!」
シガンシナ援団員B「3ページの8ページ目です!よろしくお願いします!」
♪エル・クンパンチェロ♬
実況「さぁワンァウト一塁で、打席には7番ファーストのワグナー」
ナナバ「〔どういうわけだ...なぜ6番にも私のウイニングショットが打たれた...?〕」
ファーラン「〔あの構えといい、スイングのフォーム...あれはまるで...リヴァイ先輩のそれだ。〕」
ナナバ「〔切り替えろ、流れはもうこっちに来たんだ。 それにここからが下位打線...こいつらにならスライダーでアウトを取れる。〕」
ファーラン「〔身長はそこまで高くないな...それに右打者か...ここはこれで〕」サイン
トーマス「〔確かジャンがストレートなら十分当てられるって言ってたな、俺は左打者でも強打者でもないから投げるならストレートか...スライダー〕」
ドッ!!
ナナバ「ッ!!」シュッ!!
トーマス「〔外低め!〕」スッ!!
パシンッ!!!!
審判「ストライク!」
ファーラン「ナイスボールッス!!」シュッ
ナナバ「ふぅ...」パシッ
イアン「〔バックのサポートとキャッチャーの励ましで立て直したか。〕」
サネス「〔チッ、投手を攻略しても後ろの内野と外野の守備が堅てぇからすぐ立ち直っちまうな...〕」
トーマス「〔うっそ、マジかよ...テンポ速く振ったのに当たんねぇ...手元で伸びてるっていうんだっけ?こういうの〕」
ファーラン「〔次...〕」サイン
ナナバ「」コクッ
ドッ!!!
シュッ!!!
トーマス「〔今度はもうちょっと速く!1.5倍早送r パシンッ!!!!!
審判「ストライクツー!」
トーマス「〔やっべぇぇええええ、高め振っちゃった...監督は...〕」チラッ
アニ「」ニコニコ
トーマス「〔超怒ってるぅぅぅうううう、違うんです!つい手が出ちゃうんです!〕」
-
- 116 : 2016/09/09(金) 23:09:43 :
トーマス「〔くっそ、早く追い込まれたな...でも...〕」
ファーラン「〔今のを振ってきたってことは、こいつはストレート狙いか...なら...〕」サイン
ドッ!!!
シュッ!!!
パシンッ!!!!!
ファーラン「!」
審判「ボール!」
ファーラン「〔今の球は振らないで見送るのか...内厳しいコースだぞ...〕」
トーマス「〔ひゃっぶねぇええ...アルミン先輩の情報すげぇな...本当に外してきたよ。〕」
ファーラン「〔まさか俺のリードパターンを読まれてる? それとも、サイン盗まれた?〕」
トーマス「〔これで1-2だ、もう一球遊び球来るか...それとも...決めに来るか...〕」
ファーラン「〔この様子からして監督の指示は出てない...サインももらってない...まぐれか?〕」
トーマス「〔コニーやベルトルトには左専用のシンカー、アルミン先輩やミカサには高速スライダー...ジャンはスライダーを打ったんだ。俺だって、同中としてあいつに負けてらんねぇ...!〕」
ハンナ「トーマス君!頑張って!!」
トーマス「〔可愛い彼女まで見に来てくれたんだ。カッコ悪い所見せるわけにはいかないだろ!!〕」ギュゥッ!!
トーマス「〔左打者専用のシンカー...強打者専用の高速スライダー...俺には、7番トーマス・ワグナー専用のスライダーを投げてこいっ!!〕」
ナナバ「」スッ!!!
ドッ!!!
シュッ!!!
トーマス「〔真ん中ら辺...ってことはこっから...!!〕」
クイックイッ!!! トーマス「〔曲がった!外の俺専用のスライダー!!〕」スッ!!
キーンッ!!
ナナバ「なっ!?」ビクッ
実況「打ったァ!! 一二塁間!!」
「うぉぉぉおおおっら!!」ダイブッ!!!
パシッ!!! イザベル「リヴァイ先輩ッ!!」シュッ!!
ダッダッダ!! ミカサ「ッ」
パシッ!!!! 審判「アウt ピョンッ!!!!
リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!
トーマス「〔うっそだろぉぉおお!!!〕」ダイブッ!!
パシッ!!!! ズサーッ!!
審判「アウト!!スリーアウトチェンジ!!!」
-
- 117 : 2016/09/09(金) 23:11:40 :
ワァァァアアア パチパチパチ
実況「一二塁間抜けたと思いましたがセカンドのマグノリアが捕り、ショートのリヴァイが二塁・一塁を刺してゲッツー!!」
諫山さん「惜しかったですね。スライダーを上手く流したと思ったのですが...さすがの守備です。」
ケイジ「ナイスセカンド!」
イザベル「あざっす!」
リヴァイ「てめぇにしちゃ、いつもよりましなトスだった。」
イザベル「うぉっほぉ、マジですか!? リヴァイ先輩に褒められたぁ!!」
リヴァイ「褒めてねぇ「えっ!?」
ファーラン「どぅ~せたまたまだろ?」
イザベル「実力だぁ!!」プンプン
スタスタ
ナナバ「...」
ポンッ 「ナイピッチッス」
ナナバ「ッ、ふ、ファーラン...」ビクッ
ファーラン「どうしたんスか、ゲッツーで抑えたんスよ?」
ナナバ「いや...何でもない...」
ファーラン「そうッスか?」
ナナバ「あぁ」
ファーラン「なら次の回も頼むッスよ!」
ナナバ「...あぁ」
エルヴィン「...」
スタスタ 「すみませぇん...」
マルコ「惜しかったな」
ジャン「あと少しで抜けてたのにな」
コニー「あそこで抜けてたらチャンスだったのになぁ!」
トーマス「うるっせ!!」
アニ「どう?スライダー打った時の感触」
トーマス「! はい...正直打てる、打ってやるって気持ちで...打ちました...」
アニ「それで正解だよ。」
トーマス「え」
アニ「自分で打てると思ったなら勝負しにいっていいし、ダメだと思ったら自分のバッティングを変えるなりしてチームのために、今自分に何が出来るかをよく考えながらやるんだよ。」
トーマス「...はい!」
ジャン「おっしゃぁ、次は守備だ!」
コニー「うぉぉお、サードに強打来ねぇかな!?」
マルコ「打ってあげようか?」
スタスタ
トーマス「おしっ、今回0点に抑えてやろうぜ!」
「おうッ!!」
アニ「〔良かった、腐ってない。トーマスはコニーみたいなムードを良くも悪くも出来るムードメーカーじゃなくて、元々作ってある良いムードをそのまま向上させる力があるからね。〕」
アニ「〔お祭り男っていう言葉は、まさにトーマスにピッタリ...けど、あんまし調子乗るとアホを見るはめになるけど〕」
マルコ「ベルトルト、打たせていってもいいんだよ?」
ベルトルト「うん...!」
-
- 118 : 2016/09/09(金) 23:15:38 :
ザッ
アルミン「...」
アニ「アルミン?どうしたの?」
アルミン「え、あ、あぁ...ごめん!」
アニ「また...考え事?」
アルミン「ううん、難しいことは考えてないよ。ただ...」チラッ
シガンシナ高校 0 1
調査高校 2
アルミン「あの調査高校から...早速1点を取れたんだな、って思うと...」
アルミン「何か...手の震えが...止まらないんだ。」プルプル
アニ「え...? アルミン...?」
アルミン「去年とは違うこの掴んだ感じ...」プルプル
ギュゥッ
アルミン「ははっ...何か...力が...勇気が...心の底から湧き出てくるよ。」ニヤッ
アニ「!!」
「先輩!守備付いてくださいよ!!」
アルミン「あ、ごめん!今行く!」
アルミン「じゃぁこの回は0点に抑えてくるから!」ニコッ
タッタッタ
アニ「...」
エレン「? 監督、どうかしましたか?」
アニ「あの感じ...」ボソッ
エレン「え?」
アニ「〔あの感じ...前にも一度見たことがある...〕」
アルミン「ノーアウトッ!!!! この回は無失点に抑えよう!!!」
「オーッ!!」
_______________________
______________________________________
________________________________________________________
小学校6年生 最後の大会の時...
シュッ!
パシンッ!
審判「ストライク!バッターアウト!!」
パチパチパチッ
モブ「くっそぉ、あの投手強すぎんだろ」
モブ2「県大会にも出て、注目を浴びてる...しかも、噂じゃあのセンタマリア中からも推薦が来てたとか...」
モブ3「あぁ~もう!なんで当たらないんだよ...」
アニ「あんた達うるさい、まだ試合も終わってないのにあきらめムード出すのやめてくれない?」
モブ・2・3「は、はいっ!すみません!」
アニ「〔でもま...こいつらの言ってることは嘘ではないんだけども...〕」チラッ
敵モブ投手「ワンァウト!!」
アニ「〔球威もあって制球力も申し分ない。これは確かにセンタマリア中からスカウトも来るわ〕」
モブ「次誰だ?」
モブ2「3番だから、アルミンだ!」
モブ3「アルミン!頼むぞ!」
アニ「〔次はアルミンか。ミート力ある分パワーないから、当てられても飛ぶかどうか...〕」
「ふふっ」ニヤッ
アニ「!」
アルミン「センタマリア中からスカウトか...確かに凄い投手だ。」
アルミン「でも必ず打つ...!」ギュゥッ
アニ「アルミン?」
アルミン「なに?」
アニ「変だね、いつもだったら厳しい顔してどう攻略していくか考えてたのに」
アルミン「え、そうだったかな?」ハハッ
アルミン「何か...今...武者震いっていうのかな...凄く楽しいんだ...野球が...!」プルプル
アニ「ふっ、野球が楽しいなんてとっくに知ってるじゃない。」
アルミン「...うん、そうだね!」ニコッ
「3番キャッチャー、アルレルト君」
スタスタ
敵モブ投手「〔3番のちっちゃいキャッチャー...こいつ何気にミート力あるからな、気をつけなきゃ〕」
ドッ!!
敵モブ投手「〔初球から全力投球行くぜ!〕」シュッ!!
ザッ!! スッ!!
アルミン「ふっ!!」
カキーンッ!!!
敵モブ投手「えっ!?」
アニ「!」
カシャンッ
「うぉぉおおおっ、ホームラン!!!」
アルミン「やったぁ!!」ガッツポーズ
________________________________________________________
______________________________________
_______________________
アニ「〔昔からアルミンは相手が強ければ強いほど笑っていた...〕」
アニ「〔それはまるで、野生の猛獣が獲物を見つけて舌なめずりをするかのような表情...〕」
-
- 119 : 2016/09/09(金) 23:17:09 :
ウグイス「2回の裏、調査高校の攻撃は...6番サード、ジン君 背番号5」
エルド「お願いします」
審判「プレイ!」
調査高校援団「バッターはジン!情熱大陸!情熱大陸!!」
♪情熱大陸♬
実況「2回の裏の攻撃は6番のジンからです。諫山さん、この選手はどういった特徴をお持ちですか?」
諫山さん「そうですね。能力的にはパワーもミート力もあり、何よりザカリアス選手と同じくらいの弾道を持ってます。」
実況「なるほど、打った球は必ず外野を越すかギリギリでフライになるか...というデータを見ての感想ですね。」
諫山さん「ただジン選手が他の打者と違うのは1つあります。それは”どんな方向にも強い打球を打てる”という点です。」
実況「どんな方向にも...ですか?」
諫山さん「はい、どんな選手にも必ず自分の得意とする打球方向があります。例えばアルレルト選手、彼は右打ちで流し方向に打つのが得意です。逆にザカリアス選手やブラウン選手何かは引っ張るタイプです。」
実況「なるほど、どんな方向にも打てる...案外簡単かもしれませんが誰しも出来るわけではないのですね。」
エルド「〔アルミン...俺はつくづく思うぞ。〕」
エルド「〔お前は器用貧乏になるタイプだとな...〕」ギュゥッ!!!
アルミン「...」サイン
ベルトルト「」コクッ
ドッ!!
シュッ!!
エルド「!」
パシンッ!!!! 審判「ボール!」
実況「初球内やや高めに外れてボール!」
エルド「〔左打者である俺にいきなり内で来たか...ふっ、そういう攻めの姿勢は相変わらずだな。〕」
アルミン「ナイスボール!球走ってるよ!」
エルド「〔今のボールは、わざとか...それとも外れたのか...〕」
アルミン「...」サイン
ドッ!!
シュッ!!
エルド「〔今度は外...入ってる!!〕」スッ!!!!
カクンッ!!
エルド「ッ」ググッ!!!
キンッ!!!
審判「ファール!」
実況「2球目は外低めにフォーク!バッターは何とか当てましたね。」
諫山さん「今のフォークでわかったのですが、フーバー選手のフォークはなかなか速いですね。それもナナバ選手と同じくらいストレートとの差がないです。」
エルド「〔なるほど、イザベルやモブリットやミケをアウトにしたのはまぐれではないようだな。〕」
ベルトルト「〔次は...〕」
アルミン「...」サイン
ベルトルト「」コクッ
ドッ!!
シュッ!!
エルド「〔外...いやだが、これは...ストレート!!〕」スッ!!!!
カクンッ!!
エルド「〔なッ!? またフォークだと!?〕」
パシンッ!!!! 審判「ストライクツー!」
実況「3球目も外低め、2球目よりも低めにまたもフォークです!諫山さん、良いピッチングしてますねぇフーバー」
諫山さん「そうですね。今日のフーバー選手も絶好調です。特にフォークのキレは前回の準決勝よりも増してます。」
エルド「〔...クッ、この投手...相当コントロールがいいな...〕」
アルミン「ナイスボール!」シュッ
エルド「〔アルミンが使いたくなるのも理解できる...だが、ストレートとフォークとコントロールだけで...俺をアウトに出来ると思うなよ。〕」
-
- 120 : 2016/09/09(金) 23:18:06 :
ドッ!!
シュッ!!
エルド「ふっ!!」スッ!!!!
キーンッ!!!!
ベルトルト「っ」ビクッ
実況「打ったァ!!ライト方向!!」
ダッダッダ!! ライナー「〔切れるか?〕」
カシャーンッ
審判「ファール!!」
ウグイス「ファールボールにはご注意ください。」
ベルトルト「〔ストレート合わされた...〕」
エルド「〔...飛ぶな、やけに...〕」
ザッザッザ
エルド「〔モブリットが言っていた、ボールが軽いというのはストレートにキレがあって、その分球質が軽いということか。〕」
エルド「〔それならやり方はある。パワーなんて一切いらない、当てればいい話だ。〕」
アルミン「...」ジィーッ
審判「ボール」スッ
アルミン「ありがとうございます!」
アルミン「」サイン
ベルトルト「!」コクッ
スッ!!!
ドッ!!! グイッ!!!
ベルトルト「ッ!!!」シュッ!!!
エルド「〔また外...今度は高めッ!!!!〕」スッ!!!!
パシンッ!!!!!
ベルトルト「...!」
審判「ストライク!バッターアウト!!!」
「うぉぉぉぉおおおおおおおおおっっっ!!!!!!!」
エルド「〔そんな...馬鹿な!?〕」
実況「さ、三振!! 6番ジン...最後は外高めの釣り球で三振です!!!」
ミタビ「ま、マジかよ!? あのエルド・ジンまで三振かよ...!」
グスタフ「そう言えばミタビ、お前エルド・ジンのファンだったっけ?」
ミタビ「ハァ!? ファンじゃねぇよ!! ただ...初めて憧れただけだ!!」
「〔それをファンっていうんだよ...〕」
ミタビ「だっ、大体な...クロスファイヤーってそんなにチートなのか?右打者にしか通用しないんじゃないのか?」
イアン「いやそんなことはない。」
ミタビ「は...?」
イアン「左打者でも使い方によっては十分武器になる。」
トーマス「ナイピッチ!!!」
マルコ「ワンァウト!!! ベルトルト、ナイピッチ!!!!」
ベルトルト「わ、ワンァウト!!」
「オーッ!!!!!」
ベルトルト「〔ほ、本当に通じた...!!〕」
_______________________
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1回の裏、終了時...
アルミン「ベルトルト、クロスファイヤーはこれからもどんどん使っていくからね」
ベルトルト「は、はい!でも...」
アルミン「? どうしたの?」
ベルトルト「い、いえ...次のエルドの打席では使えないと思うと...少し弱気になってしまうというか...」
アルミン「なんで?」
ベルトルト「えっ、だ、だって...左打者にはクロスファイヤーは使えない...というか...」
アルミン「...ふっ、左打者にもクロスファイヤーは...通用するよ。」
ベルトルト「え!?」
アルミン「確かに内角に投げても絶好の球になるだけだけど...」
アルミン「左打者にとってクロスファイヤーは外角の球を使えば、打者にはストレートなのに外に逃げる球...って錯覚するんだ。」
ベルトルト「え、えっと...?」
アルミン「つまり、左打者には内角は禁物...でも外角は使える。こういうこと」
ベルトルト「は、はぁ...でも...本当に...」
アルミン「それに、ベルトルトのストレートは伸びるから...打者にとっては相当速く見えるかもね。」
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_______________________
ベルトルト「〔最初は半信半疑だったけど...本当にアウトを取れた...!!〕」
ベルトルト「〔やっぱりアルミン先輩は...凄い!!〕」
アルミン「ワンァウト!!!」
-
- 121 : 2016/09/09(金) 23:18:32 :
スタスタ
ケイジ「どうしたよ」
エルド「...舐めてかかると痛い目に遭うぞ。」
ケイジ「は...?」
スタスタ
ミタビ「未だに信じらんねぇ...どうやって...」
イアン「フーバーの力も大きいが、やはり鍵となってるのはアルレルトだな。」
グスタフ「アルミン?」
イアン「あぁ、あの三振は...アルミンがより速く見せるリードをしたんだ。」
ミタビ「より速く見せるだァ?」
イアン「言っただろ、クロスファイヤーは使い方次第で無双するほどのものだって。」
ミタビ「無双とは言ってねぇだろ!?」
イアン「フーバーのストレートは伸びる。それに+クロスファイヤーだ。これだけでも十分だが...あの三振はそれだけじゃない。高さも利用している。」
「高さ...?」
イアン「そうだ。俺達のいる次元には前後上下左右・高さ・角度・または空間や時間がある。」
ミタビ「待て待て、なんの話だ?」
イアン「何って...アルレルトのリードについてだ。」
ミタビ「それがど~~~~~~~して次元と関係あるんだよッ!!!」
イアン「あるさ、だからそれを詳しく...「馬鹿にもわかるように教えろ!!」
「〔自分で馬鹿って...〕」
イアン「ハァ...要は...目の錯覚だ。」
ミタビ「錯覚?」
イアン「どれだけ視力の高い奴でも、試合中にメジャーなど持ってないから今投げた球が高さ何センチっていうのはわからないだろ?」
ミタビ「そりゃな」
イアン「でも明らかに高めのボールや低めのボールはわかる...なら微妙なズレはどう判断する?」
ミタビ「どうって...そんなの感だろ。」
イアン「それもあるが、そういう時に一番頼りにしてるのは...”記憶”だ。」
グスタフ「記憶...か」
イアン「そうだ、人間は何か判断をする時にデータや記憶を頼りに判断する。例えばさっきの初球...」
イアン「内角やや高めにストレートが外れた。次の2球目は外角低めにフォークをファール。次の3球目、同じ外角今度は2球目よりも低いフォークを空振り。」
イアン「4球目、内角低め2・3球目と同じくらいの高さにストレートをファール...もうわかるな?」
ミタビ「いやわかんねぇ」
グスタフ「俺はわかったZO」
ミタビ「ハァ!?」
グスタフ「低めに目を慣れさせて、勝負の5球目...外高め...それも今までにない以上の高さ...ゾーンギリギリにクロスファイヤー+ストレートってことだRO?」
イアン「そういうことだ。」
ミタビ「んんん~...よくわかんねぇが...要はアルミンが凄いってことなんだな?」
イアン「あぁ...やっぱりあいつは...天才だ。」
-
- 122 : 2016/09/09(金) 23:19:47 :
ウグイス「7番ファースト、ケイジ君 背番号3」
調査高校援団「7番バッターは、ケイジ!宇宙戦艦ヤマト!宇宙戦艦ヤマト!!」
♪宇宙戦艦ヤマト♬
ケイジ「しゃっす」
審判「プレイ!」
アルミン「〔ケイジさんか...ここは...〕」サイン
ベルトルト「」コクッ
スッ!!!
ドッ!!! グイッ!!!
ベルトルト「ッ!!」シュッ!!!
ケイジ「〔内甘い!ストレートk !!〕」スッ!!!
パシンッ!!!!! 審判「ストライク!」
実況「初球内角甘いコースを空振り!諫山さん、ケイジについてはどう思いますか?」
諫山さん「そうですね。ケイジ選手の特徴は...ズバリ、低弾道スラッガーです。」
実況「低弾道スラッガー...とは?」
諫山さん「はい、彼は先程のジン選手みたいな高さのあるバッティングは出来ません。ですが、低くて速い打球を打つ選手なんです。」
実況「なるほど、ホームランは少ないですが打率としては4番のリヴァイと同じくらいですもんね。」
諫山さん「そうなんです。ですから、この打席はシガンシナの内野の守備が鍵となるでしょう。」
ケイジ「〔ほっほ~...1年にしてクロスファイヤーか、それに案外ストレートも伸びてる...こりゃ何も情報のないミケやエルドが三振でも仕方ねぇわな〕」
ケイジ「〔わりぃけど、俺はあの二人と違ってミート力あっから三振はねぇよ...?〕」
アルミン「...」サイン
ベルトルト「」コクッ
ドッ!!
シュッ!!
ケイジ「〔外だ、フォークかストレートか...!!〕」スッ!!!!
キーンッ!!!!
実況「打ったァ!! 二遊間!!」
ケイジ「〔抜けたべ!〕」ダッ!!
パシッ!!! ケイジ「ッ」
ミカサ「マルコ」シュッ
ガシッ!! マルコ「任せろ!」シュッ!
パシッ!!
審判「アウト!!」
「うぉぉぉおおおおおっっっ!!!!!」
エレン・ダズ「おっしゃぁぁああああっっ!!!!!!!」
観客「すげぇ連携だな、あの二遊間」
観客「さっきの回の調査高校二遊間コンビに仕返しか!?」
ミカサ・マルコ「ふぅ...」キリッ
リヴァイ・イザベル「...」
アルミン「ツーアウト!! ナイス二遊間!!」
ベルトルト「ナイス二遊間!」
マルコ「ふぅ...なんとか出来た。」
ミカサ「ナイスマルコ!」
マルコ「いやいやっ、ミカサこそよくあんな速い打球取れたね...それにミカサこそナイストス!」
サシャ「調査高校の二遊間も凄いですが...うち(シガンシナ)の二遊間も負けてないですね!」
ハンジ「そりゃ高性能ミカサと冷静な判断士マルコだからねぇ!」
「なんですか、その呼び方!!」
アニ「〔でもま、ミカサが内野にいれば大概は守れるからね...全く大した子だよ。でも...〕」
サスサス
ミカサ「〔大丈夫、トスをしただけだからなんともない。〕」
アルミン「〔本当は三遊間で打ち取ろうとも考えたけど、サードがアレじゃ...きっとミカサも苦労するだろうし...結果オーライってことでいいかな〕」
コニー「〔なんだ今、すげぇ馬鹿にされた気がする...ま、いっか!〕」
観客「マジかよ、あの調査高校から未だ2点しか取られてないぞ」
観客「それに、5・6番には三振で7番のケイジはショートゴロで抑えたぞ」
観客「シガンシナの強さは本物だな...まぐれで勝ち上がってきたわけじゃなかったのか...!」
「ケッ、あったりまえだろーが!」
フレーゲル「じゃなきゃ、俺らが負けるはずねぇだろ!アホンダラが!」
ジン・ダム「〔完全に親子共通の口癖になってる...〕」
-
- 123 : 2016/09/09(金) 23:20:39 :
ウグイス「8番レフト、ネス君 背番号7」
調査高校援団「8番ネス!アルプス一万尺!アルプス一万尺!!」
ネス「お願いします!」
審判「プレイ!」
ネス「〔この投手タダものじゃないってのは確かだな...ベンチの雰囲気も不穏だったし...きっとこの流れを作ったのは...アルレルトだ。〕」
ネス「〔アルレルトとは中学時代一緒だったが、俺がベンチ入りだったせいであまり一緒に戦ったことがない。情報もその分少ない。だが、それは相手も同じだ。〕」
アルミン「〔ネスさんか、あまり目立たない選手だとしか覚えてない...〕」
アルミン「〔でもちゃんとデータはある〕」サイン
スタスタ
「おっ、やってるやってる!」
ボリス「おぉ、2回終了で1点差だ...すげぇぞマルロ!」
スタスタ マルロ「わかってるって」チラッ
シガンシナ高校 0 1
調査 高校 2 0
マルロ「〔俺やナイル先輩でも10点差を付けられたのに...未だ2点...ふっ、すげぇなエレン...お前らなら調査高校を倒せるかもな...〕」
「ちょ、ちょっとォ...マルロ早いってェ...言ってるじゃ~ん。」
マルロ「あ、すまん」
ヒッチ「あんたさ...それがレディに対する謝り方?」
マルロ「レディって...お前がそんな上品な奴には見えn ボコッ!!!
ヒッチ「さいてェー、マジあり得なァい」
マルロ「いってぇ...何するんだよ!!」
ヒッチ「別にィ~、蚊が止まってたから潰してあげただけェ~」
マルロ「ハァ!? 潰し方ってもんがあるだろ!!もっと優しくしろよ!!」
ヒッチ「ハァ!? あたしがあんたに優しくとか...キモッ」ゾゾッ
マルコ「んだとォ!?」
ヒッチ「なによォ!?」
「...相変わらず仲良いんだね。二人は」
マルロ・ヒッチ「良くないッ!!」
「息だってあってるじゃない...」
?????「喧嘩するほど仲が良いってよく言うし」
ヒッチ「あんたさァ、やめてくれなァい?こォんなガキ臭い奴と仲が良いって...鳥肌立つわァ」
マルロ「ガキ臭いってどういう意味だよッ!!」
?????「...レン、頑張ってるかな...」
マルロ「先発は他の奴やってっから多分途中で出てくるぞ」
?????「...うん、そうだね...」
ボリス「出てきたら声かけてやれば?」
?????「で、でも...レンに迷惑かけちゃうし...それに...嫌われてると思うし...いいよ...」
マルロ「お前なぁ...まだ気にしてんのか?」
?????「...」
マルロ「エレンは別にもうなんとも思ってねぇって!それにあいつ、そんなにネチネチしね...いやするか...「どっちだよ!!」
ヒッチ「そうそう、あんたのせいじゃないって。実際問題、エレンを三星から追い出したのこいつら男子なんだしィ~」
ボリス「お前が言うかよ!?」
ヒッチ「えぇ~? あたし何にもしてないですけどォ~?」
ボリス「くぅぅ...なんも言えねぇのが腹立つ!」
「みんなのせいじゃないよ...だって、レンをあの街から追い出したのは...」
ヒストリア「正真正銘、私なんだから。」
-
- 124 : 2016/09/11(日) 00:47:40 :
_______________________
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中学時代
エレン「...」
モブ野球部員「ハァ~ア!誰かのせいでま~た負けちまったよ!!」
モブ野球部員2「本当本当、誰のせいだろ~な~?」
女子モブ「ね、ねぇねぇ...イェーガー君がボロッボロに打たれたって本当?」
女子モブ2「本当らしいよ、エースナンバー貰ったのに全然抑えられなくなったらしいよ!」
女子モブ3「なぁんだ...今年は全国行けると思ったのに」
ヒストリア「...」
ギュゥッ!
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_______________________
ヒストリア「目の前で友達が傷つけられてるのを見て見ぬふりをして...助けなくて...」
ヒッチ「あ、あれはあんた一人のせいじゃないってば!あれはクラスメート達とこの男子共のせいなんだし!」
ヒストリア「それでも...何にも声をかけてあげられなかった...手を伸ばしてあげられなかった...皆の反響が怖くて...何も...」
マルロ「あ~...でもさ」
ヒストリア「!」
マルロ「確かに、俺らがやったことは許されることじゃねぇよ? ただ...今のあいつを見て...思ったんだ。」
マルロ「あいつはどこに行っても...野球馬鹿だ、ってな! あいつは元気で野球ばっかやってるよ!なぁ?」
ボリス「あぁ、準決勝後に会ったが...あっちのシガンシナでも上手くやってるみたいだったし!」
ヒストリア「ほ、ホント?」
マルロ「あぁ...だから、そんなに自分を責めるなよ。悪いのは、お前だけじゃない...俺ら全員の責任だよ。」
ヒッチ「...」
スタスタ
ナイル「マルロ、誰だその二人は?」
マルロ「ッ、ナイル先輩!この二人はえぇーっと...なんつーか...」
ヒッチ「あっ、腐れ縁って奴でェす! 私達の友達がシガンシナ高校にいるんで、応援しに来ました!」
ナイル「...ふんっ、ならマルロ、そっちで見てろ」
マルロ「え、いや俺もそっちに...!」
ヴァルツ「俺ら3年だけで見たいんだとよ、こいつ寂しがり屋だからよ!」
ナイル「おい、ヴァルツ」
デニス「友達を大切にしろってさ!な?ナイル」
ナイル「誰もそんなこと言ってない。」
マルロ「...はいッ!ありがとうございます!」
ヒッチ「わァお...成長したねぇ」
マルロ「どういう意味だ!」イラッ
ヒストリア「...ふふっ、でも...本当に久しぶりだなぁ...こうやって皆と会うの...」
ヒッチ「本当ねぇ...どっかの馬鹿のせいで予定が合わないから」
マルロ「誰に言ってんだ、顔面工場野郎」イラッ
ヒッチ「ハァ!? 誰が顔面工場野郎だって?」イラッ
マルロ「お前に決まってんだろ?」
ヒッチ「ハァ...本当最低...ヒストリア、こんなダメ男と付き合っちゃダメだからね?」
マルロ「誰がダメ男だよッ!!」
ヒストリア「ふふっ...また4人で前みたいに...会えたらいいのにな...」
マルロ・ヒッチ「え?」
ヒストリア「昔みたいに...4人でまた野球とか...下らない話とか出来たらなって思っちゃって...」
マルロ「出来るだろ」
ヒストリア「っ」
マルロ「この試合が終わったら...エレンを驚かせに行くか!」
ヒッチ「さんせェ~、あいつ絶対キョドる~」
ヒストリア「で、でもっ...レンに悪いし...」
マルロ「お前...まだ言うか、っていうかだったら何のために今ここにいるんだよ。」
ヒストリア「そ、それは...」
マルロ「何事も動かなきゃ、何も始まらねぇぞ!」
ヒッチ「うわァ~きっも~...かっこつけちゃってェ」
マルロ「うるせぇな!」
ヒストリア「...ふふっ、ありがとう」ニコッ
マルロ「おう」
-
- 125 : 2016/09/11(日) 00:48:48 :
-
ボリス「つーか...エレンとヒストリアってどこで知り合ったんだ?」
マルロ「お前と同じ、中学から...だったよな?」
ヒストリア「うん」
ボリス「そ、そうか...あ、あのよ...も、もしかしてよ...つ、付き合ってたり...するのか?///」
ヒストリア「...ううん、付き合ってないよ」
ボリス「ハァ、よかった...」ホッ
マルコ「なんでホッとしてるんだ?」
ヒストリア「というか振られちゃった、って言った方が正しいかな...」
・・・
ヒッチ・ボリス「はぁ!?」
マルロ「ん?どうした?」
ヒッチ「あ、あんた...いつの間に告ったの!?」
ヒストリア「えっと中学3年の時かな」
ボリス「〔あのっやろぉぉぉおおおおおおおッッッ!!!!!!!!〕」
ヒッチ「っていうかァ、あいつのどこがいいわけェ?」
ボリス「そうそう!!」
ヒストリア「...何事にもまっすぐで...一生懸命になって、例え自分が出来ないことでも決してふてくされないで...一緒になって戦ってくれるとこ...かな...」
「うぉぉぉおおおおおおおっっっ!!!!!!」
ヒストリア「!」ビクッ
ボリス「なんだ!?」
マルロ「! シガンシナの9番打者が塁に出たんだ。」
-
- 126 : 2016/09/11(日) 00:49:36 :
♪ファンファーレ♬
マルコ「や、やった!」
ダズ「ナイバッチ、マルコ!!」
マルコ「あぁ!」
ナナバ「くっそ...」
ファーラン「〔汗の量が明らかに多い...ただの汗じゃねぇ...動揺の汗だ。〕」
ナナバ「〔この9番にも...私のストレートが打たれた...!?〕」
ファーラン「〔8番バッターには三振で調子を戻したと思ったけど...下位打線でもストレート当ててくんのかよ!〕」
「チャンスだ!ジャン、頼むぞ!!!」
ヒストリア「!」
マルロ「お、噂をすれば...今の声はあいつだな」
ミカサ「ジャン、肩の力抜いて!」
エレン「ボールよく見ろよ!!」
ジャン「うるっせぇな!おふくろでもねぇのにしつこいんだよ!!」
ヒストリア「レン...」
実況「3回の表、ワンァウト一塁で打席は先頭に帰って1番キルシュタイン」
ウグイス「1番センター、キルシュタイン君」
ジャン「っしゃぁ!」
ファーラン「〔こりゃもう...これを使わざる終えねぇッスよ〕」サイン
ナナバ「〔あぁ...こんなところで...失点してたまるか!〕」
スドッ!!!
ジャン「〔! この踏み込みの速さ...クイックか!〕」
ナナバ「ッ!!」シュッ!!!
パシンッ!!!!!
審判「ボール!」
ナナバ「〔くそっ、思うように投げられない...なんでだ、いつもは出来てるのに...〕」
エルヴィン「...」
イアン「チャンスだな、シガンシナは」
ミタビ「は?まぁ塁にはいるが...打たなきゃ点入んないぞ」
イアン「今ナナバの調子はさっき言った、不安定によって絶不調になってる...ここで逆に取らなきゃシガンシナは今後打ちにくいぞ。」
ジャン「〔へっ、あの調査高校相手に1点取れただけでもすげぇのに...俺達今2点目まで取ろうとしてやがる...ったく、すげぇよな。ここまで成長して〕」
スドッ!!!
ジャン「〔調査高校相手にそうチャンスは訪れねぇ...ここで一気に逆転する気持ちで打つッ!!〕」
ナナバ「ッ!!」シュッ!!!
ジャン「〔ッ、これは...!!〕」ググッ!!!
クインックインッ!!!
コニー・ベルトルト「〔ッ、シンカー!〕」
パシンッ!!!!!
審判「ストライクワン!」
ナナバ「おっしゃぁあああ!!!!」
ファーラン「ナイスコース!!」シュッ
ジャン「〔ちっきしょう...シンカーかよ、割りとガチで来てんじゃねぇかよ...しかも、なんだよたった一個ストライク取ったくらいで騒ぎやがって...!!〕」
スドッ!!!
ジャン「〔シンカー来るか...スライダーか...それとも高速フォークか...!?〕」
ナナバ「うらァっ!!!」シュッ!!!
クイックイッ!!!
ファーラン「〔よっしゃグラブ構えた所にドンピシャ!!〕」
ジャン「グッ!?」ザッ!!!
キーンッ!!!
ナナバ「ッ、レフトッ!!」
ネス「オーライ、オーライ!」
パシッ!!!
審判「アウト!!」
ファーラン「ツーアウト!!」
「オーッ!!!!!」
-
- 127 : 2016/09/11(日) 00:50:28 :
タッタッタ
ジャン「〔くそっ、上げちまった...まさか外いっぱいのスライダー投げてくるなんて...どんだけコントロールいいんだよ。〕」
コニー「ドンマイ馬!」
ジャン「るっせチビ、打てよ」
コニー「おうよ!」
ウグイス「2番サード、スプリンガー君」
コニー「うぉぉおおお、来い!!」
審判「プレイ!」
ファーラン「〔このチビさっきの打席じゃ、ナナバ先輩のシンカーに全然タイミング合ってなかった。なら決め球はシンカーで...〕」サイン
ナナバ「」コクッ
スドッ!!!
ナナバ「ッ!!」シュッ!!!
コニー「〔ストレート!〕」スッ!!!
キーンッ!!!
審判「ファール!」
ウグイス「ファールボールにはご注意ください。」
実況「スプリンガーに対しての初球は内高めのストレート、それを引っ張ってファール!」
諫山さん「いいですね、ストレートのタイミングあってきました。」
コニー「〔マジかよ!ストレートのタイミング合ってきたよ!うぉっほ、こりゃ次打てるぜぇ!!〕」
ファーラン「〔チッ、ついにストレートのタイミング合ってきやがった。〕」ジィーッ
コニー「〔前の打席はシンカーにやられたからな...今回こそ打つ...!〕」
ファーラン「...ふっ、き~めた」
コニー「へ?」
スドッ!!!
ナナバ「ッ!!」シュッ!!!
コニー「ッ」
クインックインッ!!!
コニー「〔堪えて堪えて...思いっきり外に振るッ!!〕」スッ!!!
パシンッ!!!!! 審判「ストライクツー!」
実況「2球目は外いっぱいにシンカー!諫山さん、ナナバですが調子を取り戻せましたかね?」
諫山さん「そうですね。あのコースに切れ味抜群のシンカーを投げられれば問題ないと思いますよ。」
コニー「〔ちっくしょう...!! 当たんねぇ...なんでだよ!? めいいっぱい腕出してるのに...!!〕」
「お前じゃ打てねぇよ」
コニー「...は?」
ファーラン「聞こえなかったのか?お前じゃ打てねぇって言ってんだよ。」
コニー「...そんなもんやってみなきゃわかんねぇだろ」
ファーラン「わかるね、理由はただ1つ...お前のそのちっさい体じゃ届かないからな」
コニー「なッ!?」
審判「君、私語は慎みなさい。」
ファーラン「あ、あぁすみません!つい熱くなっちゃったッス!」
審判「気持ちはわかるが、暴言などは禁止だからね」
ファーラン「わかってるッス!気をつけるッス!」
ギュゥッ!!!
「当たらない理由が...体がちっせぇから?」
ファーラン「!」
コニー「上等じゃねぇか!この打席でシンカーをぜってぇ打ってやるッ!!」
ファーラン「...ふっ、やれるものならやってみろよ」
-
- 128 : 2016/09/11(日) 00:52:33 :
審判「プレイ!」
コニー「〔ちっきしょう...あったま来たッ...チビだからって馬鹿にしやがって...!!〕」
アニ「〔! コニー、あんた冷静さ...失って...?〕」
スドッ!!!
ナナバ「ッ!!」シュッ!!!
チビだからって理由で...
クインックインッ!!!
負けてたまるかッ!!!!!
ザッ!!!
コニー「うぉぉぉおおおおおッッ!!!!!!」スッ!!!
カスッ
コニー「〔ぐっ...くそ...くそっ...!!〕」
キッ パシンッ!!!!!
審判「ストライク!バッターアウト!!スリーアウトチェンジ!!!!」
実況「三球三振!! 最後は外低めいっぱいに切れ味抜群のシンカーで抑えました!」
ナナバ「よっしゃぁぁああああ!!!!!」ガッツポーズ
コニー「...クッ...ソ!」ギュゥッ
「だ~から言っただろ」
コニー「ぇっ...」
ファーラン「お前じゃ打てないってな...」
コニー「...クッ」ダッ
ファーラン「...」
タッタッタ
ジャン「んだよ、打ってねぇのかよ」
コニー「ッ」
トーマス「お~まえ、俺に言う割りには自分で打ててねぇじゃん」
・・・
ジャン・トーマス「〔...? 黙ってる...?〕」
ポタッポタポタッ
ジャン・トーマス「げぇっ!?」
コニー「...ヒグッ...グスンッ...」ポロポロ
マルコ「ってなんでコニー泣いてるの!?」
ジャン「い、いやぁ...お、俺らは...」アセ
トーマス「ちょ、ちょっとからかってやった...だけ...っていうか...」アセ
マルコ「せんせぇえええええええッ、馬とテンション馬鹿がコニーを泣かせましたぁぁああああああッッ!!!!!!」
ハンジ・アニ「え?」
ジャン「ち、ちげぇよ!」
トーマス「そ、そうだぜ...!」
サシャ「ハァ...あなた達小学生ですか...」
ジャン・トーマス「」ギクッ
サシャ「どうしたんですか、コニー!いつものコニーらしくないですね。」
コニー「...ゴニョゴニョ」モジモジ
マルコ「え?き、聞こえないんだけど...」
サシャ「...えぇーいッ、シャキッと喋らんかぁああい!!!」
バシンッ!!!
コニー「いっ、いってぇぇぇえええええ!?」
サシャ「なんですか、声出るじゃありませんか。」
エレン「ん、喧嘩か?」
ミカサ「いや...ここはサシャに任せよう」
-
- 129 : 2016/09/11(日) 00:52:59 :
サシャ「何をボケっとしてるんや!もう攻撃は終わったんですからさっさと切り替えて守備につかんかい!!」
コニー「う、うるせぇな...わかってるよ」
サシャ「わかってるんだったらさっさとしかんかい!!」
コニー「お、俺にだって落ち込むことはあるんだッ!! 試合に出てないお前なんかに俺の気持ちがわかるかっ!!」
・・・
マルコ「こ、コニー...それは言い過ぎだ!」
ミリウス「うん、サシャに謝った方がいいよ」
コニー「は、はぁ?なんで俺が...」
サシャ「...言いたいことはそれだけですか?」
コニー「え...」
サシャ「言いたいことはそれだけかって聞いとるんじゃボケェいッ!!!!」
コニー「ッ...あ...あと...ち、チビじゃないお前に俺の気持ちもわかってたまるかってんだ!!!!」
サシャ「それだけかぁッッ!!!!」
コニー「周りより背低いから俺より背高い奴全員死ねばいいとも思ってるよ!!!!!」
「え...」
サシャ「あとはないんかいッ!!!!!」
コニー「ッ...べ、ベルトルト何か腕長いのに...なんでシンカー打てねぇんだよとも思ったよ!!!!!」
ベルトルト「!」
サシャ「もうないんかいッ!!!!!」
コニー「俺馬鹿だから、頭が良いアルミン先輩とか正直むかつく!!!!!!」
アルミン「」ピキッ
サシャ「まだまだ出さんかいッッ!!!!!!」
コニー「あとは...あとは...」
コニー「シンカーが打てなくて...チビで...馬鹿で...自分にイライラしてるんだよッッッッ!!!!!!!」
「!」
コニー「もうわかってるんだよッ、俺はチビだから人より腕が短くて...頭も悪いから、考えたバッティングもできやしねぇ!!!!」
コニー「うあぁぁぁぁぁぁぁああああああっっっ!!!!!!!!!!」
コニー「ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
サシャ「...もうないんですか?」
「...ねぇよ...もう...」
コニー「どうしてだよ...なんで俺みたいな馬鹿に...そんなに優しくしてくれんだよ...!!」ウルウル
サシャ「...そんなの決まってます。」サッ
スタスタ
サシャ「私は...シガンシナ高校野球部マネージャー...サシャ・ブラウス...マネージャーは...試合に出れませんが...」
サシャ「選手である、あなた達をサポートするのがマネージャーの仕事なんですッッッ!!!!!!」
サシャ「それなのにあなたは...試合で思うような結果が出せなくて、他の選手に八つ当たりをしようとしてたではありませんか。そんなのチームの一員として間違ってます!!!」
コニー「!」
サシャ「それが本当のあなたの実力ですか!? だとしたら、その程度の選手ということです。 それが悔しいなら...」
ガシッ!!
サシャ「結果を残せるように工夫をしなさい!努力しなさい!頑張りなさい!まだどれ1つやってないではありませんかッ!!!!!」
サシャ「やってないのに負けて悔しい?当たり前です。努力もしてない人間が言う言葉じゃありません!」
コニー「...」
バッ
サシャ「あっ、す、すみません!」
ジャン「い、いや...」
マルコ「ぼ、僕達も...その...」
トーマス「反省したっていうか...浮かれてたっていうか...」
エレン「...へっ、ありがとうな!サシャ!」
サシャ「へ...?」
エレン「お前のお陰で皆目が覚めた。お前のお陰だ!」
サシャ「や、やめてくださいよ。私は何にも...!」
ライナー「...ふっ、よし!この回も0点で抑えて、次の回絶対逆転してやろうぜ!」
「お、おうッ!!!!」
-
- 130 : 2016/09/11(日) 00:54:23 :
スタスタ
コニー「...」
スッ
コニー「え...?」
サシャ「ほら、早くアウトを取ってきてください。」
コニー「あ、あぁ...」
サシャ「頼みましたよ。シガンシナが誇る最強の馬鹿!」
コニー「ッ」
タッタッタ
アニ「...ふっ、助かったよ!サシャ!」
サシャ「...いえ、コニーの気持ちも...わからなくないですから...」
サシャ「〔そう言えば...夢中になって喋ったから...いつもの方言...出ちゃったな...〕」
サシャ「〔でも...これでええんよね...コニー...〕」
サシャ「〔あなたに教えられた。 コンプレックスはあってもいいモノと...〕」
_______________________
______________________________________
________________________________________________________
5月...野球部に入って間もない頃
キーンッ キーンッ
アニ「レフト!」スッ
キーンッ
ミリウス「オーライ、オーライ!」パシッ
サシャ「〔なるほど、あの背の高くて影が薄い子はミリウスと...〕」
アニ「センター!」
キーンッ
サシャ「〔そいでセンターの馬面さんが主将のジャン...〕」
キーンッ
ライナー「オッケー!」パシッ
サシャ「〔あのゴリラっぽい顔はライナー...っと〕」
アルミン「次コニー、低めに構えて」
サシャ「〔あの金髪坊っちゃんがアルミン先輩っと〕」
「おっしゃぁ、これでどうっすか!?」
サシャ「〔ん...?どこから声が...〕」
アルミン「違う、もっと下げて」
サシャ「〔アルミン先輩...誰と話してるんでしょう?〕」チラッ
コニー「こうだーっ!!!」
サシャ「ち、ちっさい!?」
コニー「誰だァ!!! 俺をチビって言った奴!!!!」
アルミン「コニー、いい加減集中しないと怒るよ?」
サシャ「〔お、思わず口に出してしまった...でも...〕」
コニー「こ、こう?こう?」スッ
アルミン「違う、こう」スッ
サシャ「〔背が小さいですねぇ...160ありますかね?〕」
サシャ「〔あんな体じゃ野球はあんま上手くなさそうですね...やっぱ誰にでもコンプレックスはあるんやねぇ...ハッ!?また方言...〕」
-
- 131 : 2016/09/11(日) 00:55:53 :
6月 練習試合
サシャ「1番キャッチャー、スプリンガー君」
コニー「おっしゃぁああ!!!」
サシャ「〔ちっちゃいのに1番バッターなんやね...まぁ足は速そうやし...〕」
シュッ!!
サシャ「〔あ~あかん、外低めいっぱいや...振ったらあかんd スッ!!!
サシャ「〔うそぉ!? 振るんかい!!〕」
キーンッ!!!
「うぉぉぉぉおおおお!!!!! レフト越えツーベース!!!!」
サシャ「〔うっそ...あんな体が小さいのに...外いっぱいの球を強引に流した...な、なんであんなバッティングができるんや!? まさか、天才!?〕」
コニー「うぉっしゃぁ!!ライナー!頼んだぜ!!」
「ライナーは4番だ、馬鹿!」
コニー「あ、そっか!なぁっはっはっはっは!」
サシャ「〔なんや...ただの馬鹿か...でも...〕」
試合後...
コニー「おつかれー!」
サシャ「あ、お疲れd...お疲れ様です!」
コニー「え?なんで言い直したんだ?」
サシャ「〔ハッ!? しまった、バレた!?〕」
サシャ「い、いや...な、何でもないん...ないです!」
コニー「なんだ?風邪引いてるのか?」
サシャ「〔よ...良かったぁ...馬鹿で...〕」
サシャ「何でもないです!」
コニー「そうかぁ?」
サシャ「あ、あの...(あれ...なんでやろ、なんで口が勝手に...)」
コニー「ん?」
サシャ「こ、コニーって...どうしてそんなに背が低いのに...(ダメ...なんで...なんでや!?口が止まらん!)」
サシャ「野球が上手いんですか...?」
コニー「...はぁ!?」
サシャ「〔や、やってもうたぁぁぁぁあああああああ!!!!!!〕」
サシャ「〔もうあかん...もうあれや...いじめコースや...よく漫画である、性奴隷として使われる運命や...〕」
コニー「んだってぇ?このアマが!! ケツ出せ!ケツ!!」
サシャ「ひ、ひぃぃいいっ...しょ、処○だけは...処○だけはぁぁぁあああああああっっ!!!!!!」
サシャ「〔終わりや...〕」
「ったく、失礼な奴だな...」
サシャ「ひぃっ、す、ずみばせぇえええ「んなもん簡単だろ、いっぱい練習したら上手くなるよ。」
サシャ「...へ...?」
コニー「まぁ~確かにチビだと色々やりにくいけど...これでも結構俺好きなんだぜ?」
サシャ「へ、へぇ!?/// す、好き!?///」
コニー「あぁこの体...チビだけど、身軽だし!狭い所入れるし!かくれんぼの時有利だし!あ、あと鬼ごっこも有利だな...」
サシャ「〔あ...あ~~~~...なるほど...やっぱりコニーは馬鹿ですね...はい〕」
コニー「お前はどうなんだよ?」
サシャ「えっ、何がですか...?」
コニー「お前本当は何か隠してるだろ?」
ゴロゴロカッシャーンッ
サシャ「〔ば、バレてた...!?〕」
コニー「なぁに隠してるのか気になってよぉ」
サシャ「〔お、終わった...これを弱みに...〕」
コニー「げへへへっ、みんなにバラされたくなかったら俺と寝ろ!」
サシャ「そ、そんなぁ...!?///」
サシャ「〔あかん...もうこの学校に来れへん...〕」ズーン
-
- 132 : 2016/09/11(日) 00:56:14 :
コニー「あんまし気にすんな!」
サシャ「え...?」
コニー「コンフレークって奴は誰にだってあるもんだ!もちろん、この天才コニー様にもな!」
サシャ「こ、コンフレーク...? コンプレックスじゃなくてですか?」
コニー「あ、コンプレックスか!! すげぇ、お前見かけによらず頭良いんだな!!」
サシャ「〔え...えぇぇぇええええええ...いやいやいや、それぐらいわかるでしょうよ!!!!〕」
サシャ「〔ッ、でも...今コニー...〕」
サシャ「ひ、1つ聞いてもいいですか...?」
コニー「いいぞぉ!」
サシャ「...あの失礼かもしれませんが...コニーは...背が小さいこととか...嫌になったりしないんですか?」
コニー「んだよ、本当に失礼な奴だな...でも...まぁそりゃ嫌になった時とかはあるけどよ...」
コニー「それが自分らしさって奴なんじゃねぇの?」
サシャ「!」
コニー「だって俺に坊主でチビで馬鹿を取っちまったら...何にも残んねぇもん」
サシャ「...何も...残らない...ですか...?」
コニー「何もない奴より、何か短所でもいいからあった方が良くね? だってそれが...」
「「”そいつの個性になるんだから”」」
サシャ「ッ」
コニー「まぁ~だからって無理にコン...なんとかを克服したりとかさらけ出すとかはやる必要はねぇし、それにそれを受け止めるには勇気いるし!」
コニー「あ、因みに今日の晩ごはんは俺の大好きなチャーハン!!」
「...ぷふっ...あははっ...あははははっ」クスクス
コニー「な、なんだよ!? チャーハンが好きで何が悪いんだよ!?」
サシャ「あっはっは...ハァ...違いますよ...コニーって凄いですね。」
コニー「ん?お、おう!そりゃ天才だからな!なぁっはっはっは」
サシャ「〔いえ、やっぱりただの馬鹿でした。〕」
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______________________________________
_______________________
サシャ「〔その時から私はもう、コンプレックスである方言を出さないようにすることを辞め普通に話し始めました。すると...どういうわけでしょうね...抑えてる時よりも普通に話してた方が方言が出なくなったんです。〕」
サシャ「〔それから私は気付きました。コンプレックスや癖は無理して抑えるより、普通にしてた方が良いって...それで収まらないのならそれはコンプレックスではなく...その人の個性だと〕」
サシャ「〔あの時コニーに言われなかったら今だってみんなと...話せてなかったのかもしれません。だから...〕」
サシャ「〔感謝してるんですよ、コニー〕」
-
- 133 : 2016/09/11(日) 23:32:56 :
ウグイス「3回の裏、調査高校の攻撃は...9番ピッチャー、ナナバ君 背番号10」
調査高校援団「バッターは9番、ナナバ!キューティーハニー!キューティーハニー!!」
♪キューティーハニー♬
審判「プレイ!」
ナナバ「〔この投手にはシンカーをショートライナーに打たれたんだ...なら私はショート頭上を越してやる...!!〕」
ドッ!!
シュッ!!
ナナバ「〔外!〕」スッ
パシンッ!!!! 審判「ストライクワン!」
ナナバ「〔ストレート伸びてるな...皆が言うようにこいつは普通に...上手い〕」
ドッ!!
シュッ!!
ナナバ「〔また外!〕」スッ
カクンッ!!
ナナバ「〔フォーク!?〕」
パシンッ!!!! 審判「ストライクツー!」
アルミン「ナイスボール!」シュッ
ベルトルト「」パシッ
ナナバ「〔さすがあんたの相棒なだけはあるね...コントロールも精確でストレートも1年にしては速い...でも〕」
ナナバ「〔打たれたら打ち返す...!! それが私のやり方!〕」
ドッ!!! グイッ!!!
ベルトルト「ッ!!」シュッ!!!
ナナバ「〔内のストレート!!〕」スッ
キュルルルッ
ナナバ「〔ッ、内当たる...?!〕」ピタッ
パシンッ!!!!
審判「...ストライク!バッターアウト!!」
実況「さ、三振!! 最後は内角高めにクロスファイヤー!!」
ナナバ「〔なっ、こいつ...!!〕」
ベルトルト「っし!」
スタスタ
イザベル「ドンマイです!」
ナナバ「あぁ...」
イザベル「?」
ウグイス「1番セカンド、マグノリア君」
♪狙い撃ち♬
イザベル「〔今度こそ塁に出る!あいつ(ジャン)にだけは負けたくない!!〕」ギリッ
実況「さぁ打順は先頭へ帰って1番のマグノリア、前回はサードゴロで塁に出れてません。」
アルミン「...」サイン
ドッ!!
シュッ!!
イザベル「〔ストレート!〕」スッ!!
パシンッ!!!! 審判「ストライク!」
イザベル「〔やっぱストレート伸びる。でもそこまで速くない...これならセーフティも狙えそうだ。〕」
ドッ!!
イザベル「」スッ!!!
ベルトルト「ッ」
シュッ!!
アルミン「〔来た、セーフティ!でもコニーを出してるからアウトに出来る!〕」
キッ!
ダッ!!!! イザベル「〔やっば!? 少し前に出しすぎた!?〕」
ダッダッダ 「任せろ!!」
ガシッ!! コニー「うらッ!!」シュッ!!!
アルミン・アニ「!」
トーマス「おぉいッ!どこに投げてんだ!!」
実況「あぁぁ~っと!? 悪送球!?」
イザベル「おっしゃぁ!」ダッ!!!!
コニー「やべっ!?」
実況「バッターランナーそのまま一塁蹴って二塁まで行ったァ!!」
「うぉぉおっら!!!!」シュッ!!!
イザベル「ッ」ザザッ!!!
パシッ!!!
イザベル「くそっ...」スタスタ
実況「ライト、ブラウンのレーザービームで何とか二塁に進みませんでした!」
コニー「わ、わりぃ!」
トーマス「頼むぜ、コニー!」
ミカサ「落ち着いてアウトを取ろう、何事も焦る必要はない。」
コニー「あ、あぁ...悪い!」
アルミン「〔コニーが送球を乱すのは練習試合でもよくあった...けど...〕」
アニ「〔あんなに乱れたコニー...見たこと無い。〕」
コニー「は...ははっ...やべぇ、やっちまった...」
アルミン「ドンマイ、コニー!ワンァウト!」
「ワンァウト!!」
-
- 134 : 2016/09/11(日) 23:33:51 :
ウグイス「2番センター、バーナー君」
♪必殺仕事人♬
モブリット「お願いします!」
審判「プレイ!」
モブリット「〔さっきの仕返し...させてもらうぞ〕」
アルミン「〔一塁にイザベルか...厄介だな...何を仕掛けてくるかわからない。〕」
アルミン「〔一球クイックで試そう〕」サイン
ベルトルト「」コクッ
スドッ!!
シュッ!!
モブリット「〔ストレート!〕」スッ!!!
キーンッ!!!
アルミン「ショートッ!!!!」
ミカサ「ッ!!」ダイブッ!!!
パシッ!!! 審判「アウト!!」
イザベル「〔げっ!? マジかよ!?〕」ザザッ!!!
ミカサ「〔今なら刺せる!!〕」
アルミン「投げるな!ミカサ!!」
ミカサ「ッ!!」シュッ!
ズキッ ミカサ「ぅ”ッ」
ダッダッダ!!!! イザベル「!」ザザッ!!!
実況「おぉっとォ!?ランナー、マグノリア一塁に帰ると思いきやまた引き返したァ!?」
トーマス「〔なっ!? 送球が...とど...かない!?〕」ググッ!!
スポッ!!
実況「あぁっとォ!? エラー!!」
イザベル「ッ!!」ダッ!!!!
マルコ「ライナー!間に合う!!」
アルミン「いや、3つだ!ライナー!!」
ライナー「〔! そうだ、もうミスはしねぇぞ!!〕」タタッ!!!
シュッ!!!
イザベル「〔三塁狙えr パシンッ!!!
イザベル「!」ピトッ
マルコ「」スッ
ポンッ
審判「...アウト!アウト!! スリーアウトチェンジ!!!」
「...うぉぉぉぉおおおおおおおっっっ!!!!!!」
実況「な、なんと...タッチアウト...!!」
観客「あのライト良い肩持ってるな!」
観客「準決勝じゃミスが目立ってたが、あいつもレーザービームを持ってるんだよな」
アルミン「ナイスライト!」
トーマス「ライナー!助かったぜ!!」
ジャン「ったぁく、自慢かよ」
ライナー「違うわい!」
ミカサ「ライナー、ありがとう。私も冷静じゃなかった。」
ライナー「...ふっ、礼はいらないさ。なんたって俺達...チームメイトなんだからな!」キラッ
タッタッタ
ヒューッ ライナー「...」
ベルトルト「あれ?ライナー?どうしたの?」
ライナー「土に...帰りたい...」
-
- 135 : 2016/09/11(日) 23:35:20 :
スタスタ
モブリット「くそっ、まだ振り遅れてるのか...」
イザベル「すみません、自分も調子乗って三塁狙いました。」
エルヴィン「構わない、君達が判断したなら何も言わない。だが...」
エルヴィン「何の情報もなく帰って来たんじゃ、私は困る」
モブリット「...ストレートなんですが...」
・・・
アニ「ナイスライナー!あんたのお陰でまたチームが救われたよ。」
ライナー「は、はい!ありがとうございます!」
アニ「...ちゃんと準決勝での経験が活かされてるね。」
ライナー「!」
アニ「そのまま続けな、いずれそれがあんたにとっての武器となるよ。」
ライナー「...はいッ!!」
アルミン「〔それにしても...弱ったな...〕」
ミカサ「」サスサス
「痛いのか?」
ミカサ「! ぜ、全然...痛く...ない」
エレン「嘘つくな、顔に出てるぞ」
ミカサ「...」
エレン「別に監督に代えてもらうよう言ったりしねぇよ」
ミカサ「えっ...」ビクッ
エレン「お前が出れると思うから、何も言わないんだろ?だったらそれを最後まで尽き通そうぜ。それが意地ってやつだろ?」
ミカサ「...うん!」
アルミン「〔...ふっ、ミカサの方は大丈夫みたいだね...でも...〕」
コニー「...」
「コニー!」
コニー「!」
ベルトルト「...僕が仇を取ってくるよ」
コニー「え...」
ライナー「!」
ベルトルト「同じ左打者として...僕もコニーに負けられな。でも今は試合だ。競うなら...どれだけチームに貢献出来たかで競い合おう。」
コニー「〔ッ...は...? ベルトルトが...俺に負けられない...? お前の方がシンカーに当ててるのに...お前の方が身長たけぇのに...俺に負けると思ってるのか...?〕」
「いつまでグチグチ引きずってるつもりですか」
コニー「!」
サシャ「ベルトルトはコニーに負けたくなくて、コニーには負けられないから...あんなにシンカーの練習をコニーと競い合ってたんです!」
コニー「ッ」
サシャ「それがなんですか?コニー自身は、ベルトルトは眼中にないんですか?それとも”背の高い奴は、俺に勝って当然だ。”って思ってますか?」
コニー「な、なんでそれを...」
サシャ「わかりますよ。マネージャーですから」
コニー「...」
サシャ「もう一回よく考えてみてください。ベルトルトがあなたとなんで競い合ってたのか...なんでベルトルトはさっきあなたの仇を取ると言ったのかを...」
コニー「俺と...競い合ってた...俺の...仇を取る...」
サシャ「いつまでもグチグチしてると女の子に嫌われちゃいますよ!」
コニー「〔ベルトルトの奴...俺に勝って当たり前って...思ってなかったんだ...〕」
コニー「〔いつ自分のバッティングが相手に越えられるかどうか不安で...いつも戦ってたんだ...俺と...〕」
コニー「〔それなのに、俺は...〕」ギュゥッ!!!
バシンッ!!
アニ「!」
コニー「〔そうだよな...いくらコンプレックスを持ってるからって...戦い方はいくらでもあるんだ。それなのに俺は...チームの為に何もしてない...でもあいつは...〕」チラッ
-
- 136 : 2016/09/11(日) 23:37:09 :
ウグイス「4回の表、シガンシナ高校の攻撃は...3番ピッチャー、フーバー君」
♪サウスポー♬
ベルトルト「お願いします!」
審判「プレイ!」
ファーラン「〔3番のこいつからか...点差は1点...NEXTにはアルミン先輩...ここはあの球で締めるしかねぇな〕」サイン
スドッ!!!
シュッ!!!
ベルトルト「〔初球のストレート...見送る!〕」 クイックイッ!!!
ベルトルト「!」
パシンッ!!!!! 審判「ストライク!」
ベルトルト「〔スライダー...〕」
アニ「〔左打者相手に初球をスライダー? これってもしかして...〕」
アルミン「〔やり方...リードを変えてきた。〕」
ファーラン「〔もうこっからは探りなしだ。ぶっつけ本番のガチンコ対決で行きましょう!〕」サイン
ナナバ「!」コクッ
スドッ!!!
シュッ!!!
ベルトルト「〔外低め!〕」スッ!!!
カクンッ!!
パシンッ!!!! 審判「ストライクツー!」
実況「なんともう追い込まれました。」
ベルトルト「〔フォーク...あんなコースに決めてくるなんて...〕」
ファーラン「〔最後は...〕」サイン
ベルトルト「〔遊び球来るかな...リード変えてきたから遊び球はないか?〕」
スドッ!!!
シュッ!!!
ベルトルト「〔ッ、この速さ...ストレートッ!!〕」スッ!!!
キーンッ!!
審判「ファール!」
ウグイス「ファールボールにはご注意ください。」
ファーラン「〔チッ、ストレートに普通に追いついてくるか...こりゃやっぱあの球しかないっすね〕」サイン
ナナバ「」コクッ
ベルトルト「〔何で来る...もう一球ストレート?それともフォークか...それとも...〕」
スドッ!!!
ベルトルト「〔シンカーか...!?〕」
シュッ!!!
クインックインッ!!!
ベルトルト「〔来たッ、今度こそ...捉えるッ!!!!〕」スッ!!!
クインックインッ!!!
ベルトルト「〔くそっ...ダメだ...当たらない...!?〕」ググッ!!
キーンッ!
ファーラン「サード!」
パシッ!!! エルド「ッ!!」シュッ!!!
パシッ!!! 審判「アウト!!」
ナナバ「うしっ...!!」
ファーラン「ワンァウト!!」
「ワンァウト!!」
ファーラン「〔驚いたな、2打席連続でシンカーを当てるなんて...この3番気をつけた方がいいな...〕」
スタスタ
アルミン「ドンマイ」
ベルトルト「すみません」
アルミン「球種は?」ボソッ
ベルトルト「スライダー、フォーク、ストレート、最後にシンカーです」ボソッ
アルミン「わかった、ありがとう」
-
- 137 : 2016/09/11(日) 23:38:46 :
ウグイス「4番キャッチャー、アルレルト君」
♪狙い撃ち♬
ファーラン「〔さぁて、ここからが本番だな...アルミン先輩を塁に出すのと出さないのとじゃ全然違う。〕」
ナナバ「〔でもさっきは高速スライダーを打たれた...どうする〕」
ファーラン「〔いややり方はあるッス〕」サイン
アルミン「...」
スドッ!!!
シュッ!!!
アルミン「...」
パシンッ!!!!!
審判「ボール!」
実況「初球アルレルトに対しては、内のストレート...2球目は...」
スドッ!!!
シュッ!!!
クイックイッ!!!
パシンッ!!!!!
審判「ストライク!」
実況「2球目は外にスライダーが決まりました!諫山さん、ナナバですが大分調子を戻してきたんじゃないでしょうか?」
諫山さん「そうですね。徐々に戻していきたい所です。なんと言ったって相手はアルレルト選手ですから」
ファーラン「〔3球目...〕」サイン
スドッ!!!
シュッ!!!
アルミン「!」スッ!!!!
カクンッ!! キーンッ!!!!
「うぉぉぉおおおおおおおっっっ!!!!????」
審判「ファール!」
ウグイス「ファールボールにはご注意ください。」
ファーラン「〔マジかよ、内低めのフォークなのに...強引に流してあそこまで飛ばすなんて...さすがは先輩ッス、そうそうやられてはくれないっすね。〕」
ファーラン「〔でも...〕」サイン
イアン「〔一気に仕留めに来るか...それとも...〕」
サネス「〔遊び球は2球使える...どうする...〕」
スドッ!!!!
ナナバ「ッ!!!」シュッ!!!!
アニ「〔ッ、このコースまた...!〕」
キュルルルッ クイックイックイッ!!!!
エレン「〔しかも、さっきのより切れ味が良くなってる!?〕」
ファーラン「〔来た!!〕」
アルミン「...」
パシンッ!!!!!!
エレン「ッ...」
審判「...ボールツー!」
ファーラン・ナナバ「〔えっ!?〕」
-
- 138 : 2016/09/11(日) 23:38:54 :
観客「今の球よく見たな、アルレルト」
観客「あぁあんなギリギリのコース...もし審判が違ってたら入ってる可能性もあるのに...なんつー選球眼だよ。」
ファーラン「〔ちょっと待て...ゾーンからボール0.5個分だぞ...そんなに差がないのに...それでも...これを見きった...!?〕」
ナナバ「そんな...」
アルミン「ふぅッ...」ギリッ
リヴァイ「...ふっ、少しはやるみたいだな...アルミン...」
イアン「逆に追い込んだな。今ので」
ミタビ「は?なんでだよ」
イアン「調査高校は今のボールで打ち取りたかったんだろうな。」
グスタフ「なるほDO、投げる球がなくなったってことか」
ミタビ「...はぁ、相変わらず天才って腹立つなぁ...」
ファーラン「〔どうする...次は...〕」
「ファーラン!」
ファーラン「!」
ナナバ「バッター勝負」
ファーラン「〔ナナバ先輩...〕」
ナナバ「〔私はあんたのリードを信用するよ...だからあんたも、私を信用して...ミットを構えろ!〕」
ファーラン「〔...ふっ、やっぱ先輩...サイコーッスわ!!〕」サイン
ナナバ「」コクッ
ナナバ「〔アルミン...あんたがこっちの道に来ないでそっちに行った理由がなんとなく...わかった気がする。〕」
ナナバ「〔だけど...それで試合に負けるとは...別の話...試合には絶対負けない!〕」
ナナバ「〔同世代ナンバーワンは譲る...けど...〕」
ナナバ「〔全国ナンバーワンの...チームは譲らないッ!!!!〕」
スドッ!!!!
ナナバ「うぉぉぉぉおおおッッ!!!!!」シュッ!!!!
キュルルルルッッッ クイックイックイッ!!!!
イアン・サネス・エレン・アニ「〔さっきと同じ外低めいっぱいの高速スライダー!?〕」
ファーラン「〔高速スライダーのキレも球威も制球力も...文句ねぇッス!!〕」
「ふぅーッ...」スッ!!!!
ザッ!!!! アルミン「ふゥッ!!!!!!」グググッ!!!!
カキーンッ!!!!
ナナバ・ファーラン「!」
実況「打ったァ!! これは大きい!! 入るか!? 入ってしまうのかァ!?」
カシャンッ
実況「あぁ~っとォ!惜しい!! フェンス直撃!!」
ダッダッダ!!
ズサーッ!!
審判「セーフ!」
♪ファンファーレ♬
「せぇーのっ、ナイバッチー!!!!!」
アルミン「ハァ、ハァ、ハァ...」
ファーラン「〔ナナバ先輩の渾身の高速スライダーを...そのまま流して右中間まで持っていくなんて...こりゃ完全に完敗ッスわ...でも〕」
ファーラン「試合には負けてないッス、野球はチームが強ければ勝つ...一人が強くても意味は無い!!」
アルミン「...ふっ、僕だって負けない」
アルミン/ファーラン「〔試合だけには...絶対に負けない!!〕」
アニ「〔アルミン...ふっ、あんたって本当に...頼もしくなって...ちょっと腹立つよ〕」クスッ
ファーラン「ワンァウト!!!」
「ワンァウト!!!!」
-
- 139 : 2016/09/11(日) 23:39:55 :
ラルフ「おいおいサネス、今日のアルミン何か凄くね?何かいつもより動きにキレがあるっていうか...」
サネス「あぁ...だな...」
サネス「〔確かに動きは良い...結果も残せてる...だが、なんだぁ?何にそんなに急いでるんだ?試合は逃げねぇぞ〕」
ウグイス「5番ライト、ブラウン君」
♪チャンステーマ:紅蓮の弓矢♬
ライナー「〔ここで同点にすれば少しでもベルトルトの気が楽になる...ここは絶対出ないとだ...!!〕」
ナナバ「〔さっきの打席は打たれたけど、今度は打たせない。〕」
ファーラン「〔5番のこいつは見かけによらず案外ミート力がある、それにパワーも...さっきはフォークで打ち取りに行ったのが間違いだったんだ。こいつには...〕」サイン
スドッ!!!
ナナバ「ッ!!」シュッ!!!
ライナー「〔今度は内のストレート!〕」スッ!!!
パシンッ!!!!! 審判「ストライク!」
ライナー「〔少し振り遅れたな...でも狙いは変わんねぇ...カウント稼ぎと決め球に使ってくる...フォーク!〕」
ポタッポタッ ポタポタポターッ
ミーナ「え、雨...?」
ダズ義理母「予報じゃ今日も雨だからね...」
ジャン母「これもし良かったら使って?」スッ
ミーナ「うわぁ可愛い傘、用意いいんですね!」
ジャン母「たまたまよ、息子が小学校の頃に使ってた傘だけど」
ナナバ「〔雨...? 今になって降り始めた...?〕」
ファーラン「〔予報じゃ一時大雨にまでなるって言ってたっけ...雨天コールドで負けないうちに...早めに終わらせるッスよ〕」サイン
ナナバ「」コクッ
スドッ!!!
シュッ!!!
ライナー「〔ッ、またストレート!〕」スッ!!!
キンッ!!
審判「ファール!」
実況「外低めのストレートは詰まった辺りですが、ファール」
ライナー「〔簡単に追い込まれちまった...何で来る...〕」
ファーラン「〔ストレートのタイミングあってなくて、フォークはあってる...ってなるとやっぱ最初からフォーク狙ってたんだな。〕」サイン
ナナバ「」コクッ
スドッ!!!
シュッ!!!
ライナー「〔ッ、またストレート!!〕」スッ!!!
キーンッ
審判「ファール!」
実況「3球目もファール」
ライナー「〔ストレートのみ...狙いがバレたか...?〕」
ファーラン「〔最後は...〕」サイン
スドッ!!!
ナナバ「ッ!!」シュッ!!!
クイックイッ!!!
ライナー「〔ぅ”ッ、外いっぱいにスライダー!!〕」スッ!!!
キーンッ!!!
ナナバ「!」
実況「打ったァ!! ライト前のクリーンヒット!!」
エレン・ダズ「ぃよっしゃぁあああ!!!」
♪ファンファーレ♬
タッタッタ!! アルミン「〔ライトなら止まった方がいいな...センターなら帰ってたけど〕」
実況「ブラウン、これで今日2打席2安打!」
ライナー「っしゃぁ!」
ファーラン「〔嘘だろ、スライダーでも打ち取れないのかよ...なら上位打線全員に決め球使うはめになるぞ...〕」
ナナバ「〔狙い球はフォークじゃなかったのか...! スライダーも綺麗に打ち返されて...くそっ、甘く見てた...なら今度から全球高速スライダーを投げてやる!!〕」
ファーラン「ドンマイドンマイ!まぁ完璧に抑えられるほどの実力がまだないってことッスよ!」
ナナバ「〔後で一発殴る〕」
観客「今日あの5番当たってるなぁ、これで2-2だ。」
観客「あぁしかも、あのナナバ相手にだ。これなら甲子園出ても通用するな。」
観客「それにシガンシナはチャンスだ!ワンァウト一三塁だ!」
観客「それに次は...!」
-
- 140 : 2016/09/11(日) 23:40:31 :
ウグイス「6番ショート、アッカーマン君」
観客「うぉぉぉおおお、アッカーマン!!頼むぞ!!!」
観客「ここで長打を打てば逆転もあり得る!」
♪紅蓮の弓矢♬
トーマス「ミカサァ!!頼むぞ!!」
ジャン「バカッ、頼むじゃねぇよ!ミカサは怪我してんだぞ!!」
トーマス「あ、あぁ~~~そうだった...じゃ、じゃぁ頑張るな!!」
マルコ「うん、それも違う」
ミカサ「〔1点差のワンァウト一三塁で私...〕」
アニ「〔スクイズで確実に点は取りたい、けど...ミカサはバントがあんまり得意じゃないからね。〕」
アニ「〔かと言って、怪我してるあの子にスイングの指示は出せない。ならここは...〕」サイン
ミカサ「えっ...」
審判「プレイ!」
ファーラン「〔このバッターはさっき高速スライダーを当てた...くそっ、こいつも先輩級なのか...でも一三塁だ。スクイズ警戒して...〕」サイン
ナナバ「〔クイックはさっきからやってるけど、もう目が慣れてきた頃かな...なら〕」
ドッ!!!
ミカサ「〔えっ、クイックじゃない...!?〕」
シュッ!!!
クイックイッ!!!
ミカサ「クッ」
パシンッ!!!!!
審判「ボール!」
実況「初球アウトコースにスライダー外れてボール」
ナナバ「〔同点にされたら一気に流れがまた変わる...そんなこと...させるかっ!!〕」スドッ!!!
シュッ!!!
ミカサ「〔今度はクイック!?〕」
パシンッ!!!!!
審判「ボールツー!」
ファーラン「パイセン!肩に力入ってるッス!!もっと楽に!」
ナナバ「あぁわかってる!」
イアン「! ナナバ...熱くなってるな...」
ミタビ「え?」
ファーラン「〔なにここで熱くなってるんスか、ここは冷静にやらなきゃ最悪フォアボールになるッスよ!?〕」
ナナバ「〔わかってる...けどッ...〕」
スドッ!!!
シュッ!!!
ファーラン「ッ」
ボトッ!!! 実況「あぁっとォ!? ワイルドピッチ!?」
ライナー「〔二塁行けるか!?〕」
ガシッ!!! 「行かせねぇよッ!!!」スッ!!!!
ライナー「ッ」ビリッ
ファーラン「〔そんな簡単に前に進ませねぇからな...〕」ギリッ
サネス「〔あいつ...モーションだけでランナーを釘付けしやがった...!〕」
イアン「〔アルレルトもある程度の技術は持っているが、あれほどのリアルさがあるモーションをやるとはな...〕」
ファーラン「ナナバ先輩!バッター勝負ッス!!集中、集中!!」シュッ
ナナバ「わ、わかってるって...!!」
ファーラン「〔ならわかってるなら、ちゃんと俺のミットまで投げてくれッスよ〕」サイン
ファーラン「〔いくらワイルドピッチをしようが関係ないッス、そんなの俺が何度でも防ぐし...サードランナーは体を張ってでも止めてみせるッス...だから...〕」
ファーラン「〔もう打たれたことに一々苛ついてないで、いい加減バッター勝負に集中しろッス!!!〕」
ナナバ「〔...わかってる...でも...それでも...〕」
ナナバ「〔悔しいものは...悔しいんだッ!!!〕」スドッ!!!
シュッ!!!
パシンッ!!!!!
審判「ボールスリー!」
観客「おいおい、これ満塁あり得るんじゃね?」
観客「ここに来て一気に崩れたな、ナナバ」
-
- 141 : 2016/09/11(日) 23:41:14 :
ナナバ「〔くそっ...〕」
ファーラン「...タイム」
審判「タイム!」
スタスタ
ナナバ「わかってる...バッター勝負だってことは...でも...」ボソッ
「もういいッス、敬遠するッス」ボソッ
ナナバ「えっ...」
ファーラン「バッター1人相手に集中出来ない人がアウトなんて取れないッス、なら確実に取れる方を取った方が塁を埋めてでもよっぽどましッス」ボソッ
ナナバ「ま...まって...くれ...」
ファーラン「...なんスか?」
ナナバ「...いや...何でもない」
ファーラン「そうッスか、なら間違えてフェンスめがけて投げないようにしてくれッスよ」
スタスタ
ナナバ「〔...言い訳をしたって無駄だってことはわかってる...お前がきっと正しいってこともわかってる...でも...〕」
ナナバ「〔私にも...もうどうしたらいいのか...わからないんだ...!〕」ギュゥッ
ファーラン「ありがとうございますッス!!」
審判「プレイ!」
サッ
アニ「!」
ドッ!!!
シュッ!!
ミカサ「!」
パシンッ!!!!
審判「ボールフォア!!」
観客「ま、満塁だ...!!」
観客「ワンァウト満塁...逆転のチャンスだぁ!!!」
トーマス「おっしゃぁあああああ、よく見たミカサ!!!」
ジャン「これでワンァウト満塁だ!!」
マルコ「ヒット一本で同点...長打で逆転出来る!!」
トーマス「んで...次誰だ?」
-
- 142 : 2016/09/11(日) 23:42:23 :
「〔この大好機(大チャンス)...〕」
「〔この大声援...〕」
「〔この場面のバッターは...〕」
ウグイス「7番ファースト、ワグナー君」
トーマス「〔俺かよっ!?〕」ゴクンッ
アニ「トーマス」
トーマス「は、は、はい!?」
アニ「...さっきの打席の感覚...ちゃんと覚えてるね?」
トーマス「は、はい!」
アニ「それを忘れないで打席に立てば...あんたなら打てる!」
トーマス「!」
アニ「お祭りに必要なのはやる場所や道具や人じゃない...」
アニ「本当に必要なのは、誰よりも楽しめる心(テンション)を持っているかどうかだよ。」グッ
トーマス「誰よりも楽しめる...テンション...」
アニ「さぁ打ってきな!シガンシナのお祭り男!!」スッ!!!!
バシンッ!!!! トーマス「い”っ...ってきまぁぁぁぁああああすッ!!!!!」
キース「リコ、ここはチャンステーマじゃなくワグナーの応援で行くぞ」
リコ「あぁわかった。さぁあんたら構えな...お祭りの...始まりだよ!!」
吹奏楽部員「はいッ!!!!」
審判「プレイ!」
♪エル・クンパンチェロ♬
トーマス「〔うぉぉぉぉぉおおおおっっしゃぁあああああ、実力とか才能では負けてるけど...テンションの高さならまっけねぇぇ!!!!〕」
ファーラン「〔満塁でこのバッター...前回はイザベルとリヴァイ先輩でゲッツーにしたんだ。スライダーを打ったのか...でも満塁ならかえって守りやすいぜ。〕」サイン
イザベル「!」
リヴァイ「...」ササッ
実況「さぁワンァウト満塁で7番のワグナーです!」
ナナバ「〔4番のアルミンや5番に打たれたんだ...こんな下位打線に打たれてたまるか...!!〕」スドッ!!!!
シュッ!!!!
トーマス「〔高い...外れてるッ!!!〕」
パシンッ!!!!!
審判「ストライク!」
トーマス「〔げっ!? 入ってた!?〕」
ファーラン「〔このピンチの局面で球威を上げてくるなんて...〕」ニヤッ
ファーラン「ナイスボールッス!!」シュッ
パシッ ナナバ「ふぅ...」ギリッ
ハンナ「トーマス君!!頑張って!!!」
トーマス「〔さっきはスライダー良い具合に当たったんだ...今度こそ...〕」
スドッ!!!!
ナナバ「ッ!!!」シュッ!!!!
トーマス「〔ッ、またストレーt パシンッ!!!!!!
審判「ボール!」
トーマス「〔あっぶねぇぇえええ、入ってたらオワタ〕」
ファーラン「〔入らなかったけど、良いストレート...ふっ、さっき煽った介があったッスね〕」
ナナバ「〔うざいし、うるさいし、ムカつくし、生意気だし、あとうざい...けど〕」
ナナバ「〔私より一個下の後輩がここまで私を信用してくれてるんだ。私が信用しないで...どうするんだッ!!!!〕」
スドッ!!!!
ナナバ「ッ!!」シュッ!!!!
トーマス「〔まッた...はえ、ぇ!?〕」グッ
パシンッ!!!!!!
審判「ストライクツー!!」
観客「おいおい、簡単に追い込まれてるじゃねぇか!」
観客「こいつ確か準決勝とかでもゲッツー何回かやってたな...ここもやっぱダメなんじゃないか!?」
-
- 143 : 2016/09/11(日) 23:46:56 :
トーマス「〔ちっきしょう...なんだよ、さっきより速くなりやがって...チートだろ〕」
「トーマス!」
トーマス「!」チラッ
アルミン「〔信じるんだ、自分のバッティングを〕」スッ トントン
トーマス「〔え、なにあれ!?新しいサイン!? やべぇ、俺見過ごしてた!?〕」
トーマス「〔って違う。右手をグーにして胸に当ててる...むせてるわけじゃない...よな?〕」クスッ
トーマス「〔ってこれもちがぁぁぁああうッ!!!!〕」ブンブンッ
マルコ「な、何やってるんだトーマス!あれはサイン何かじゃないぞ!」
マルコ「あぁ~くそっ...やるしかない!!」
エレン「マルコ?どうした?」
マルコ「トーマス!!」
トーマス「ん!?」チラッ
ファーラン「ん?」チラッ
マルコ「スゥーッ...テンションッ!!!」
ジャン「は?」
エレン「え...?」
トーマス「!」
マルコ「テンションッッ!!!」
トーマス「て...テンション!」
マルコ「テンションッッッ!!!!」
トーマス「テンションッ!!」
アニ「...?」
エレン「じゃ、ジャン...アレなんだ?」
ジャン「俺に聞くな、後でマルコに聞け」
エレン「よくわかんねぇけど...なら俺もッ!!!」
ジャン「はぁ!?」
マルコ「テンションッッッ!!!!!」
トーマス「テンションッッッ!!!!!」
エレン「テンションッッッ!!!!!」
トーマス「テンションッッッ!!!!!」
ジャン「おいおい...マジで...やめてくれって...あぁぁ~~~もうッ!!!わぁったよ!!俺もやる!!!」
ダズ「えっ!?」
ジャン「テンションッッッ!!!!」
エレン「テンションッッッ!!!!」
マルコ「テンションッッッ!!!!」
トーマス「〔そうだ...そうだぜ!!〕」
トーマス「〔相手が凄すぎて...我を失いかけてたぜ...!!〕」
ファーラン「〔な、なんだ...あれ...儀式か...!?〕」
ザッザッザ!!!
ファーラン「!」
トーマス「〔俺はシガンシナ高校野球部1年...お祭り男こと...トーマス・ワグナー!!!〕」
トーマス「〔お祭り男がテンション下げてどーすんだッ!!! もっと上げろ...上げろ...上げろッ!!!!〕」トントントンッ
ファーラン「〔ッ、軸足で何かを刻んでる...?〕」
トーマス「〔応援歌のエル・クンパンチェロ...これを太鼓の仙人で表わせ...!!〕」トントントンッ
ファーラン「〔よくわかんねぇけど、さっきと集中力が違う...ここは...〕」サイン
ナナバ「」コクッ
スドッ!!!!
トーマス「〔あぁなんだこれ...やべぇ、超楽しい...〕」ニヤッ
トーマス「〔予選決勝なのに...相手は超名門校なのに...なんだこれ...頭の中で...エル・クンパンチェロの曲流しながら酒を飲みながら踊ってる感じがする...!!!〕」トントントンッ
シュッ!!!!
トーマス「〔さっきも打てたんだ...自信持て!! 俺には俺の...〕」トントントンッ
クイックイッ!!!!
トーマス「〔俺だけのバッティングがあるッッッ!!!!!〕」タタッ!!!! ザッ!!!!
ファーラン「〔なッ、ステップ!?〕」
トーマス「〔お祭りの始まりだぁッッッ!!!!!!〕」スッ!!!!
キーンッ!!!!
ナナバ・ファーラン「ッ!?」
実況「打ったァ!?」
イザベル「〔なっ!? 打球速っ!?〕」ダイブッ!!!
ズサーッ!!!
「抜けたぁぁぁぁぁああああああっっっ!!!!!!!」
実況「前進守備していた調査ナイン、打った打球が速くて二塁のマグノリアダイビングキャッチ間に合わず!!!!」
ダッダッダ!!!
アルミン「同点!!」
コニー「ライナー!GO!GO!」グルングルンッ
ライナー「ハァッ、ハァッ、ハァッ!!」ダッ!!
モブリット「くそっ、返させるかッ!!!!」スッ!!!!
「待てッ、投げるなッッ!!!!」
モブリット「!」
ダッダッダ!! ズサーッ!!
審判「セーフ!!」
「ついに...逆転ッッ!!!!!!!」
-
- 144 : 2016/09/12(月) 00:04:10 :
♪ファンファーレ♬
シガンシナ援団「トー・マス!トー・マス!トー・マス!!」
ワァァアア
トーマス「ぃぃい、よっっっしゃぁぁぁあああああっっっ!!!!!!」ガッツポーズ
エレン「ジャン!!あいつ本当に打ったぞ!!!本当にお祭り男だ!!!」
ジャン「るっせ!!わかってるよバァーロー!!」
ハンナ「トーマス君ッ!!ナイバッチーッ!!!!」
トーマス母「トーマス!!よく頑張ったわ!!!」
スタスタ
アルミン「ふっ、やっぱトーマスは持ってるね。」
アニ「うん、そりゃお祭り男だから...あれぐらい派手にやってもらわなきゃね。」クスッ
ダズ「俺もリズム刻めば打てるのか!?」
マルコ「...ふふっ、あれはトーマスにしか出来ない...ある意味トーマスだけのバッティングだよ。」
ライナー「だけど、逆転した...!!」
エレン「!」チラッ
シガンシナ高校 0 1 0 2
調査 高校 2 0 0
エレン「〔ついに俺らが...あの調査高校から...逆転したんだ...!!〕」
エレン「アルミン先輩!」
アルミン「なに?」
エレン「...勝ちましょう!この試合!!」グッ
アルミン「...ふふっ、うん!当たり前じゃないか!」グッ
コツンッ
ナナバ「そんな...そんな...」
ファーラン「...」チラッ
エルヴィン「...」クイ
ファーラン「」コクッ
スタスタ
ファーラン「ナナバ先輩」
ナナバ「ッ...」
ファーラン「...」
ナナバ「ま、待って...待ってくれ...まだ...まだなg「まだ投げれますか?」
ナナバ「!」
ナナバ「あぁ、投げれる。何球でも...投げれるから!!」
ファーラン「...わかったッス、次のバッターで必ず切るッスよ!!」
ナナバ「あぁ!!」
スタスタ
ファーラン「〔正直言って...もうナナバ先輩の精神的体力は...残り僅か...〕」
ファーラン「〔くそっ、キャッチャーは俺だろ!俺が何とかしてナナバ先輩をリードしなきゃいけないのに...いや、今はそれどころじゃない!まずはこの状態から抜け出すこと!〕」
エルヴィン「...」チラッ
ミケ「...!」
エルヴィン「」サイン
ミケ「」コクッ
ミケ「皆切り替えろ!! ワンァウト!!」
イザベル「オーッ!! ワンァウト、ワンァウト!!!」
ケイジ「ピッチャー、あんま気にすんな!バッター勝負でいこうぜ!」
リヴァイ「悔やんでる暇があるなら今どうやって抑えるのかを考えろ」
エルド「打たせていけ!後ろは俺達なんだ、心配するな!」
モブリット「ピッチャー!まだ球走ってるぞ!これから、これから!!」
ネス「裏ですぐに俺達が取り返してやる!まずはここを抑えようぜ!!」
ナナバ「〔! みんな...〕」
「...ふっ」ニヤッ
ファーラン「バッタァァァアアア、しょぉぉぉおおおおっぶッ!!!!!!」
ナナバ「!」
ケイジ「ファーラン、いいぞ!もっと大声出せ!そして喉潰れろ!」
イザベル「そのまま何も喋らなくなれ!!」
リヴァイ「うるせぇ」
エルド「元はお前がどうにかするんだ、ちゃんとしろ」
ファーラン「なんで俺が怒られてるんスかッッ!!!!!」プンプン
ナナバ「...ぷふっ、あははっ...全く...大した後輩だよ...本当に...」
ナナバ「ふぅッ...」ギリッ
-
- 145 : 2016/09/15(木) 21:56:12 :
ウグイス「8番レフト、ゼルムスキー君」
♪女々しくて♬
ミリウス「お願いします!」
エレン「ミリウス!まだ点は取れるぞ!」
ジャン「チャンス掴んでこーぜ!!」
審判「プレイ!」
実況「さぁ状況は変わらず、ワンァウト一三塁で打席には8番のゼルムスキー」
ナナバ「ふぅ...大丈夫、大丈夫」
ファーラン「〔このバッターは前回三振に抑えてる...このピンチを防ぎつつ、今あるあっちの流れを止める方法は1つしかない。〕」サイン
ナナバ「」コクッ
ファーラン「〔ここをゲッツーで抑える!〕」
観客「ナナバはもうだめだろ、早く変えたほうがいいぞ」
観客「そうしなきゃ、追加点取られて後々取り返しの付かないことになりかねない!」
観客「な、何馬鹿なこと言ってるんだ!あの調査高校が負けるわけないだろ!」
観客「そうだ!なんたって調査高校には”あいつ”がいるからな」
観客「なら今からでも出した方がいいんじゃないか...?」
観客「アホか!そんな早く出したら甲子園で捉まるぞ!」
ミタビ「なんだなんだぁ?なんであいつら喧嘩してんだ。」
イアン「まぁあぁいうことになりかねない。なにせ...あの絶対的王者を...逆転したんだ。」
ファーラン「〔言いたい奴等はなんとでも言いやがれ...今マウンドにいるのは紛れも無い、ナナバ先輩なんだ。そうに変わりはねぇ!〕」
ドッ!!
ナナバ「ッ!!」シュッ!!
パシンッ!!!!
審判「ボール!」
観客「打たれた後の初球をボールになったんだ。やっぱり代えるべきだ!」
観客「エルヴィン監督は何をしてるんだ!」
「叩きたければ好きなだけ叩けばいい。」
エルヴィン「この選択をしたのは私だ。だが、選手達を叩くことは間違っている。矛先を向けるべきは私だ。」
エルヴィン「しかし、試合はまだ序盤...何が起こるかはまだ...何もわからない...そう、誰にも」
ドッ!!!
エルヴィン「それは例えば、ゲリラ豪雨が来るか...」
ナナバ「ッ!!」シュッ!!!
エルヴィン「例えば、事故が起きて試合が中止になるか...」
パシンッ!!!! 審判「ストライク!」
ミリウス「クッ...」
エルヴィン「例えば、先ほどまで調子の悪かった選手が...急に調子を良くするか...」
ドッ!!!
ナナバ「エェッリャ!!!」シュッ!!!
ミリウス「〔チャンスなんだ、振らなきゃダメだ!〕」スッ!
キンッ!
実況「外のスライダーを詰まった!!」
ガシッ!!! ファーラン「2つ!」
ナナバ「ッ!!」シュッ!!
トーマス「くそぉッ!!」ダイブッ!!
パシッ!!! ズサーッ!! 審判「アウト!!」
リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!
パシッ!!!!
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!!」
実況「ダブルプレー!ピッチャーゴロでゲッツー!!」
ナナバ「おっしゃぁ!!」
ファーラン「ナイピッチッス!!」
スタスタ
ミリウス「悪い、せっかくのチャンスを...」
エレン「ドンマイ!!」
ジャン「惜しかったな!」
トーマス「気にすんな、また次打とうぜ!!」
ミリウス「あ、あぁ!」
アルミン「〔今のピッチング...ナナバはもう立ち直ったのか...?〕」
アルミン「〔だとしたら、この回は重要だ。〕」
アルミン「皆、この回...気を引き締めていこう」
「はいッ!!!」
アルミン「ベルトルト、この回からアレを使うよ」
ベルトルト「はい!」
アルミン「ミカサ、マルコ!この回はクリーンナップの4番からだ。特にリヴァイの打席は外野3人中継のミカサは連携をしっかり取れるように」
ライナー・ジャン・ミリウス・ミカサ「はいッ!!」
アルミン「〔逆転をしたんだ。この流れを一気に突っ走って終わらせる...!!〕」
-
- 146 : 2016/09/15(木) 21:56:44 :
「リヴァイ、ミケ、エルド集まるんだ。」
リヴァイ・ミケ・エルド「はい(あぁ)」
・・・
ウグイス「4回の裏、調査高校の攻撃は...4番ショート、リヴァイ君」
審判「プレイ!」
♪ドラクエ3 戦闘曲♬
観客「リヴァイ!頼んだぞ!!」
観客「前回は2ラン打ってるからな!今回もかっ飛ばせ!!」
アルミン「〔初球は...〕」サイン
ドッ!!
ベルトルト「ッ!!」シュッ!!
パシンッ!!!!
審判「ボール!」
実況「リヴァイに対しての初球は外低めボール!」
アルミン「〔さっきリヴァイ・ミケさん・エルドさんの三人が監督に呼ばれてた...ということはこの回来る...なら...〕」サイン
ドッ!!! グイッ!!!
ベルトルト「ッ!!」シュッ!!!
リヴァイ「」ギロッ
ベルトルト「っ」ビクッ
パシンッ!!!!!
審判「ストライク!」
観客「おぉ、あのリヴァイに対してインローにストレート!!」
観客「シガンシナも負けてねぇ!! サウスポー、クロスファイヤーのベルトルト・フーバーに...天才捕手、蒼の騎士 アルミン・アルレルト!!」
観客「あのバッテリー...攻めるなぁ!!」
リヴァイ「〔ほぅ...確かに良いコントロールとストレートも伸びてるな...だが...〕」
アルミン「...」サイン
ベルトルト「」コクッ
ベルトルト「〔今度こそ...抑える!!〕」ドッ!!!
シュッ!!!
リヴァイ「〔チィッ、抜け球かy クインックインッ!!!
ザァッ!!!! リヴァイ「!」
リヴァイ「〔こいつ...まだ隠し球持ってやがったのか...!!〕」グググッ!!!!
アルミン「〔三振は出来ない...けど、違う方法でならアウトは取れる!〕」
「〔インローのクロスファイヤーの後...外低めボールになる...ドロップカーブッ!!!!〕」
リヴァイ「ぐゥ”ッ!!!!」ギュゥッ!!!!!
カキーンッ!!!!!
アルミン「ッ、センターッ!!!!」
ダッダッダ!!!
ジャン「〔後ろめに下がってたのに...まだ追いつかねぇ!!〕」
ベルトルト「ッ」
ガタンッ!!!
実況「落ちたァ!! センター返しの痛烈な一打!!!」
ズサーッ!!!!
審判「セーフ!!」
「ツーベースヒットだッ!!!!」
♪ファンファーレ♬
アルミン「〔まだ見たこと無いドロップカーブを...しかも、ボール球だったんだ...それをセンター返しに...!〕」チラッ
リヴァイ「〔ふぅ、あぶねぇあぶねぇ...もう少しで弾道を上げちまうところだったぜ〕」
アルミン「〔いや...むしろ良い結果だ、リヴァイ相手にツーベースなんだ。大事なのはこの後のミケさんとエルドさんの打席だ...!!〕」
アルミン「ドンマイドンマイ!球は良かったよ!!」シュッ
アニ「〔球は良かった...その通り、コースも変化球のキレも...フォームでさえも良かった...なのに、ツーベース...ここからが化物集団の真骨頂だよ。アルミン〕」
-
- 147 : 2016/09/15(木) 21:57:35 :
ウグイス「5番ライト、ザカリアス君」
♪チャンス襲来♬
ミケ「...」
アルミン「〔さっきの打席では三振を取ったんだ。ベルトルトも自信はついたはず...今回は欲張らないでレフトフライかセンターフライで打ち取ろう〕」サイン
ベルトルト「〔ランナーは二塁...5番のこの人はライナーと同じタイプ...大丈夫、後ろには皆がいる...〕」ドッ!!!
シュッ!!!
パシンッ!!!!!
審判「ボール!」
実況「初球はストレート、惜しくも内高め外れてワンボール!」
アルミン「〔今の球を見たんだ。これなら...〕」サイン
ドッ!!! グイッ!!!
シュッ!!!
ミケ「...」
パシンッ!!!!!
審判「ストライク!」
アルミン「!」
アニ「〔内の球を振らないで見てきた...?〕」
アルミン「〔積極打法のミケさんが振らないで見た...? 指示が出てるのか...?〕」
ミケ「ふんっ...」
アルミン「〔このいつもとは違う雰囲気といい...何を企んでる...〕」
アルミン「ナイスボール!」シュッ
アルミン「〔ベルトルトの球質を考えると、高めのボールならミケさんなら簡単に外野を越す...低めに...〕」サイン
ドッ!!!
シュッ!!!
ザッ!!!! アルミン「〔! 動いた!〕」
ミケ「ふんっ!!!」スッ!!!!
キーンッ!!!!
アルミン「ッ、セカンド!!」
マルコ「〔ちょっ、と待って...打球速い!?〕」スッ!!
ズサーッ!!
実況「抜けたァ!! 一二塁間を引き裂く強烈な打球!!」
ダッダッダ!!!! 実況「二塁ランナーはホームを狙うかァ!?」
アルミン「〔来るか...!?〕」
ピトッ リヴァイ「ふぅ...」
アルミン「!」
実況「ランナーはホーム帰らず三塁でストップ!」
アルミン「〔今確実にわざと走らなかった...なんでだ?リヴァイの足なら普通に帰って来ることは出来るはずなのに...〕」
実況「さぁノーアウト、一三塁で6番のジンに回ってまいりました!!」
-
- 148 : 2016/09/15(木) 21:58:51 :
ウグイス「6番サード、ジン君」
♪チャンス襲来♬
エルド「お願いします」
審判「プレイ!」
アルミン「〔わざと走らなかった...? 一三塁にする必要があるってことか...まさか...〕」
イルゼ「監督、予定通り一三塁に出来ましたね。」
エルヴィン「あぁ...」チラッ
エルヴィン「〔さぁどうする?シガンシナ高校〕」
アニ「〔不味い...あっちはこの回でベルトルトを潰すつもりだ...ノーアウト一三塁...この状況はどういう状況なのか...〕」
サネス「チッ、不味いな」
マルセル「え?何がですか?」
サネス「ノーアウト一三塁だぞ...何をされるかわかったもんじゃねぇ」
イアン「選択欄は6つ...1つは普通にヒッティング...2つ目犠牲フライ...3つ目セーフティバント...4つ目スクイズ...5つ目セーフティスクイズ...そして...」
アニ「〔6つ目はバスターエンドラン...調査高校は王者のプライドはある...けどそれは勝ちに対してのプライド...勝つためなら例え汚いやり方でさえも使う...そう、それが内野安打でもセーフティバントだろうが押し出しだろうがなんだろうが...〕」
アルミン「〔個人のプライドさえも捨て...チームの勝利に貢献させる...調査高校の本当の強さは、この勝ちに対しての貪欲さ...〕」
アルミン「〔危ない橋渡はやらない。やるとすれば、それは本当に覚悟を持てた3年のみ...エルヴィン監督は1年や2年といった経験の少ない学年には博打打ちの指示はしない...けど、甲子園を経験してる3年にはむしろ逆で例え9回のツーアウトだろうともランナーが三塁にいればセーフティをやってくる。〕」
アルミン「〔何をやってくる...まだ序盤なんだ...勝負をするところでもない...なら塁を埋めてくる?〕」
・・・
アルミン「〔違う...そうだ、まだ序盤なんだ...ならここは勝負する時だ。点差も1点差...回は4回なんだ...まだ試合は5回もある...それも新設校のうち相手に調査高校がどれだけチャンスを作れるかなんて百も承知だ。〕」
アルミン「〔バスターやセーフティをやるなら中盤...序盤に攻めるなら...ヒッティングだ!!〕」
アルミン「〔ならここは...〕」サイン
ベルトルト「」コクッ
ドッ!!!
シュッ!!!
パシンッ!!!!!
審判「ストライク!」
観客「おぉ!ランナーが一三塁にいても初球から入れてくるこの攻めの姿勢!! 蒼の騎士はやっぱすげぇ!!」
観客「けど...ここでバスターなんてやられたらたまったもんじゃないぞ」
観客「ぁ...確かにな....」
エルド「〔初球を外低めにストレート...指示がバレたのか...?〕」
アルミン「〔わかってしまえば方法は簡単だ〕」サイン
ドッ!!! グイッ!!!
ベルトルト「ッ!!」シュッ!!!
エルド「〔クッ!? また外に!!〕」スッ!!!!
キーンッ!!!!
審判「ファール!!」
実況「2球目も外にストレート、今度はファール!」
エルド「〔くそっ、まだタイミングがズレてるのか...〕」
アルミン「...」サイン
ベルトルト「」コクッ
ドッ!!!
シュッ!!!
クインックインッ!!!
エルド「〔ッ、この変化球...縦のカーブ!!!〕」スッ!!!!
カキーンッ!!!!
アルミン「んぁっ!?」ビクッ
実況「打ったァ!! 右中間、これは大きい!!!!」
ポトンッ 審判「フェア!!フェア!!!」
「右中間の長打だぁッ!!!!!!」
ダッダッダ!!!!
リヴァイ「これで同点だ。」
アルミン「クッ...」
ダッダッダ!!!!
ジャン「ライナー、三塁だ!!!」
ライナー「あぁ!!」
-
- 149 : 2016/09/15(木) 21:59:11 :
ダッダッダ!!!!
調査モブ「ミケ!!ストップ!!!」
ダッダッダ!!!!
調査モブ「お、おい!?」
マルコ「ライナー!!バックホーム!!!!」
ライナー「えっ」
実況「あぁっと!? 一塁ランナーのザカリアス、そのままホームへ走ったァ!!!!」
リヴァイ「〔あ? ミケ...?〕」チラッ
ダッダッダ!!!!
ミケ「」ゴゴゴッ
リヴァイ「〔ッ、あの野郎...〕」
アルミン「バックホームッッッ!!!!!!!」
タタッ!!! ライナー「〔くそっ、ホームに帰させねぇッッ!!!!!〕」シュッ!!!
ダッダッダ!!!!
「〔アルミン...俺は、お前やリヴァイ...限られた天才や怪物が...憎たらしい。〕」
「〔なぜ俺は...選ばれなかったのか...〕」
「〔なぜ俺は...お前らのような天才や怪物になれないのか...〕」
「〔そんなのはもう...3年前から知っている...単純に...野球の神様に...選ばれなかっただけなのだということを〕」
「〔それだけなら、まだ...理解は出来る...だが...〕」
ミケ「〔お前のように...俺が認めた奴が...なぜ自分で自分を殺しに行くような選択をしたのかが...気に入らんッ!!!!〕」
ミケ「〔俺は...2度の敗北を味わった。〕」
-
- 150 : 2016/09/15(木) 21:59:41 :
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1度目の敗北は...中学1年の時...
小学校の俺は、周りより体の成長が早く、小学生にして180cmもあった。
そのお陰で、野球も負けなしの日々...
そんな俺に...中学の名門校からスカウトが来た。
もちろんそのスカウトは受けた。 何より、その学校から最近甲子園常連校の調査高校に行く人が多いからだ。
俺の夢は、他愛もない夢...球児なら誰でも夢描く全国大会...高校野球ならば甲子園。
俺は甲子園で優勝することが夢であったため、調査高校に入るという目標があった。
そして、俺にはもう一つの目標があった...
それは、中学名門校でも4番を任されキャプテンにもなり...
一番最初に注目になること...
だが...現実は違った。
スタスタ
ミケ「〔2軍での練習は厳しい...だが、これを乗り越えれば1軍に上がり...全国大会...そして、調査高校にスカウトされ甲子園に...!!〕」
「おいおい、聞いたかよ?」
「何がだ?」
「今年の背番号の話だよ!!」
「え?もう決まったのか?」
「はぁ!? お前マジで言ってのか!? 今年の背番号...エースナンバーの1番...」
ミケ「〔ふっ、エースナンバー...来年俺が...「マジかよ!?」
「しーっ、声でけぇんだよ!」
「わ、悪い!」
「で、でも本当か!?」
「あぁ...今年入学したばっかの...1年がエースナンバーだとよ」
ミケ「なッ!? 1年でエースナンバー!?」
「えっ、あ、あぁ」
ミケ「そ、その話は本当ですか!?」
「そうだよ、入学して1軍の試験も受けねぇで早速1軍入り...それどころか、1年からエースナンバーの1番を渡されたそうだ。」
ミケ「〔1年で...1軍...しかも...もうスタメンに...いや、それどころか入学してすぐに1軍に...!?〕」
ミケ「そ、その名前ってなんていう人なんですか!?」
「確か...リヴァイって名前だったか?」
ミケ「〔リヴァイ...聞いたことがない...全国にいたか...? いや聞いたことがない。全国大会常連校のチームにいた俺だ。 そんな化物がいたら...とっくに知ってるはずなのに...〕」
「まぁいいや、それにしても今年の3年可哀想だな。せっかく監督にアピールしてもエースナンバーが1年じゃな」
「かなり講義があったろうな」
「あぁ、話じゃ先輩軍とそいつ1人で喧嘩したんだとか」
「えぇ!?マジかよ」
「でもそいつは野球だけじゃなく、喧嘩も面構えも化物らしいぜ。先輩達10人をやっちまったんだからな」
「やべぇな...俺1軍上がれる気がしねぇ...」
「俺も...」
ミケ「〔そんな馬鹿な...俺より先に1軍に...どころかエースナンバーまで...〕」
スタスタ
ミケ「〔負けてられん、これから練習しても追いつけないかもしれないが...いや必ず追い越す!!〕」
「ッ!!」シュッ!!!
バコーンッ!!!
ミケ「? 誰だ、こんな時間に...」
スタスタ
「ッ!!!」シュッ!!!
バコーンッ!!!
ミケ「〔あんな奴...2軍にいたか?〕」
「ふぅッ...」ギリッ
ミケ「!」
「でもそいつは野球だけじゃなく、喧嘩も面構えも化物らしいぜ。先輩達10人をやっちまったんだからな」
ミケ「〔まさか...こいつが...?〕」
「なに人の練習をジロジロ見てんだ。」
ミケ「! わ、悪い!」
「まぁいいが...ふぅ...」
ミケ「お前...名前は...?」
「あ? あぁ...俺は...」
リヴァイ「リヴァイ・アッカーマンだ。」
-
- 151 : 2016/09/15(木) 22:01:37 :
ミケ「〔! リヴァイ...こいつが...!!〕」
リヴァイ「お前の名前は?」
ミケ「ミケ・ザカリアスだ。」
リヴァイ「そうか、で何だ?またエースナンバーの件で俺に喧嘩か?」
ミケ「いやそうじゃない...俺は2軍だから、関係ない」
リヴァイ「2軍...なんで2軍がここにいるんだ?」
ミケ「は...? いや...ここ2軍の練習場だし」
リヴァイ「...マジで?」
ミケ「あぁ、マジだ」
リヴァイ「...」
リヴァイ「やべぇな...またアホ出しちまった...ミカサに言われそうだ。」アセ
ミケ「〔なんだこの天然さ...これが噂の怪物 リヴァイなのか...?〕」
リヴァイ「まぁいい...取り敢えず2軍で頑張れよ」
ミケ「あ、あぁ...」
リヴァイ「ところでお前...何年なんだ?」
ミケ「え、1年...だけど...」
リヴァイ「1年か...なら同い年だな」
ミケ「うん」
・・・
リヴァイ「一緒に練習するか?」
ミケ「はっ...?」
リヴァイ「ここで会ったのも何かの縁だしな」
ミケ「〔わからない...なんでそんな結論になったんだ...? 普通ライバル意識とか、興味ないみたいなこと言って去っていくのかと思ったけど...〕」
ミケ「〔っていうかこいつ...ちっさ!?〕」
リヴァイ「ミケって言ったっけ、お前ポジションは?」
ミケ「え、まぁ一応ピッチャーだけど...」
リヴァイ「へぇ、同じか!なら見せてくれよ!」
ミケ「あぁ」
ミケ「〔俺を試してるのか...なるほど、なら見せてやる!!〕」ギュゥッ!!!
ドッ!
ミケ「ッ!!」シュッ!
パシンッ!!!
ミケ「〔ッ、良い音...って!?〕」
ミケ「キャッチャーかよ!!!」
リヴァイ「え?いやそりゃ見やすいだろ、キャッチャーの方が」
ミケ「〔こいつ...俺のストレートを普通に...他の奴なら痛がるのを平気で...〕」
リヴァイ「良いストレートだな!お前の球!」
ミケ「え、あ、ど、どうも」
リヴァイ「でも、もう少し腰を下ろして投げた方がもっとボールに力載せられるぜ!」
ミケ「〔こいつなんなんだ...俺にアドバイスまでして...〕」
ミケ「なんでアドバイスするんだ?」
リヴァイ「なんでって...そうした方がお前のためになるだろ?俺何か間違ったこと言ってる?」
ミケ「〔あぁ...わかった...〕」
ミケ「〔こいつ...天然だわ...〕」
リヴァイ「...」
ミケ「〔でもこいつ...こんな時間までいつも居残りしてるのかな...〕」
ミケ「なぁ、リヴァイ」
リヴァイ「ん?なんだ?」
ミケ「お前いつも、こんな遅くまで居残りしてるのか?」
リヴァイ「あぁしてる、まぁ今日はちょっと抑え気味だけど」
ミケ「抑え気味...? なんで?」ギリッ
リヴァイ「なんでって...そりゃ...だって本気出したら...みんな俺を嫌うし、何かグジグジ言ってくるし、最近じゃ手を出してくる馬鹿もいるし...」
ミケ「本気を出したら...みんな嫌う...? そんな理由で...本気出してなかったのか!!!」
リヴァイ「何怒ってるんだよ、ミケ」
ミケ「ふざけるな!! 本気でやらないで...本気でやってる奴より上で...何がエースだ!!」
リヴァイ「はぁ?だから何怒って...」
ミケ「本気で投げろ、俺に」
リヴァイ「は?」
ミケ「本気で投げろって言ってるんだ!!」
リヴァイ「なんだよ...ったく、やればいいんだろ?」スッ!!!!
ミケ「〔本気でやってない...? 今の今まで本気でやってなかったってことか...ふざけるな、怪物なら本気でやらなくてもいいと思っているのか...!!〕」
ドッ!!!!
ミケ「〔こんな奴に...俺は敗けたのか...!!〕」
リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!
ミケ「ッ」
バコンッ!!!!!
-
- 152 : 2016/09/15(木) 22:02:00 :
リヴァイ「だ、大丈夫か!?」
ミケ「げほっ、げほっ、あぁ...なんとか」
リヴァイ「...悪い、本気で投げちまって...いつも本気で投げると捕った奴が怪我して、謝ることになるから父さんや叔父さんに本気で投げるのはもう辞めろって言われたんだ。」
ミケ「〔あぁ...わかった...なんでこいつが本気で投げなかったのか...〕」
ミケ「〔きっとこいつは...嫌われたくてとか、周りを見下してるとか全然思ってない...〕」
ミケ「〔むしろ逆で、こいつは本気で野球を楽しみたくて仕方ないんだ。なのに...他の奴等が怪我をしたり、特別扱いしたり、化物を見る目で見たりするから親や周りの奴も勘違いして...みんな離れていったんだ。〕」
ミケ「〔本当は一人で野球なんてしたくないのに...周りが...世間が怪物扱いして、対等に接してくれないんだ。〕」
ミケ「...俺決めた。」
リヴァイ「は?何を?ま、まさか...お前先生にチクるとか言わないだろうな...!?」
ミケ「俺、ピッチャーは諦める。」
リヴァイ「...へ?」
リヴァイ「いや...いやいや、は?意味がわかんねぇよ!!なんで諦めるんだよ!!」
ミケ「〔だって、俺にはこいつを超えることは出来ないって...自分で思ってしまったんだ。その時点で俺はもう敗けた...〕」
リヴァイ「お前のストレートなら十分やっていけるって!!」
ミケ「でも、1軍入やスタメンを諦めたわけじゃない。」
リヴァイ「え?」
ミケ「俺は...俺が...」
ミケ「俺がお前のキャッチャーになる...そして、お前の友達にもなる。」
リヴァイ「...はぁ!? 意味がわかんねぇよ!! なんでそうなるんだよ!!」
ミケ「まぁ元から体は大きいから的にはなるだろうし」
リヴァイ「そういうことじゃねぇから!! ってか勝手に友達いない設定にするなよ!!!」
ミケ「だってお前1軍でハブられてるって聞いたぞ」
リヴァイ「ゲッ...」
ミケ「だから、俺がお前のキャッチャーになって...相棒になってやるよ!」
リヴァイ「なってやるよって...何様だよ!!」
ガヤガヤ
こうして、俺は2年の春に1軍入を果たした。
だが...その半年後に...俺はまた負けることになる。
-
- 153 : 2016/09/15(木) 22:05:49 :
スタスタ
ミケ「ん?どうした、リヴァイ」
リヴァイ「...いやなんでもねぇ」
スタスタ
ミケ「ん?」チラッ
キーンッ!!
アルミン「ふっ!!」スッ!!
キーンッ!!
ミケ「〔あれは確か2軍で1年の捕手だったか〕」
秋
スタスタ
ミケ「今日から新しく入ってくる奴、ですか?」
監督「あぁそうだ、名前はアルミン・アルレルト。1年で潜在能力はあのリヴァイと同化」
監督「いわゆる、天才という逸材だ。」
ミケ「〔ふんっ、俺が怪我してる代わりの捕手か...すぐに折れるな。〕」
「よろしくお願いします。」スッ
ミケ「? なんだ、その手は?」
アルミン「え?あ、握手のつもりだったんですが...」
ミケ「ふんっ、まぁいい...だが、握手はしない。」
アルミン「!」
ミケ「2軍ではどうだったかは知らないが、ここは同好会ではないんだ。試合の時では仲間でも練習中は敵同士、仲良し野球がやりたいなら他所でやれ。」
ミケ「〔どうせこういう奴はこうでも言えばすぐビビる。〕」
「確かにそうかもしれません。」
ミケ「!」
アルミン「お互いがお互いを刺激し合い効率のいい練習が出来て、その結果実力がつく...多分あなたはそう言いたいのでしょう」
アルミン「ですが、お互いがお互いを刺激し会うためにはまずお互い人相・性格を知らなければなりません」
アルミン「人間性が出来・信頼性が出来、そしてやっと良きライバルであり、良き仲間が出来ると僕は思います。」
アルミン「違いますか?」
ミケ「〔この感じ...リヴァイと似てる...〕」
ミケ「異論はない、お前の言う通りだ。」
ミケ「だが、俺とお前はまだ手と手を繋ぐほどの仲ではない」
ミケ「だからこの握手は、今は拒否する」
ミケ「これで良いか?」
アルミン「はい、ではそういうことにしましょう」ニコッ
ミケ「...ふん」
スタスタ
ミケ「〔この臭い...奴もリヴァイと同等、限られた天才・怪物〕」
ミケ「〔だが、敗けたわけではない。まだ〕」
リヴァイ「あ? 新しい捕手だ?」
ミケ「あぁ、1年のアルミン・アルレルトだ。」
リヴァイ「興味ねぇな」
ミケ「そう言うな、いずれ俺達と一緒に戦う日が来るぞ。」
リヴァイ「てめぇの鼻はよく効くからな、多分そうなるんだろうな。」
ミケ「だが、やけに不機嫌なんだな」
リヴァイ「...別に、思い出したくねぇことを思い出しただけだ。」
ミケ「...捕れそうか?」
リヴァイ「さぁな...だが、お前が言うようにいずれ捕れるようになるんじゃないか?」
ミケ「ふんっ、相変わらず愛想のない返答だな。」
リヴァイ「るせぇ」
ミケ「〔ここ最近のリヴァイは変わった。何があったかは知らないが、1年前のように楽しく野球をやる姿は完全に見せなくなった。〕」
ミケ「〔やはりお前じゃリヴァイの球は捕れないな。〕」
・・・一週間後・・・
シュッ!!!
パシンッ!!!!
リヴァイ・ミケ「!」
アルミン「捕れた...やっとリヴァイ先輩の球を!!」
リヴァイ「早く返球しろ、糞チビ」
アルミン「あ、はいッ!!」シュッ
ミケ「〔驚いたな...リヴァイの球をたった一週間で捕れるようになったとは...〕」
監督「ミケ、悪いが君は外野手に転向だ。」
ミケ「わかってます。元々俺のポジションは捕手ではなかったんですから」
監督「すまない」
ミケ「それに...俺は天才や怪物ではありませんから」
そして、俺は投手からも捕手からも身を引き、天才や怪物に譲った。
だが、奴(アルミン)は...その譲った席を「いらない。」と言って捨てた。
電車の席をわざわざ譲ったのにも関わらず、少ししか座らず、しかもその後他の座席に座ったのだ。
それを世間で言うと、なんというか...それは...
「「侮辱する」」というんだ。
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-
- 154 : 2016/09/15(木) 22:06:35 :
ミケ「〔2度も譲り...かつ、2度目は侮辱され...どういう気分になると思うか...?〕」
ミケ「〔最悪な気分だ。〕」ギリッ!!!
ミケ「〔そして、今...甲子園を優勝するという目標を邪魔をするというなら...遠慮はしない。〕」
調査モブ「スライだ!ミケ!!」
アルミン「〔アウトに出来る!!〕」
パシッ!!!!
「ストライク送球ッッ!!!!」
実況「ドストライクの送球!!完璧です!!!!」
ミケ「〔また俺の邪魔をするのか...アルミンッッ!!!!!〕」スッ!!!!!
ミケ「そこをぉどけぇぇぇぇええええええええッッッ!!!!!!!!!」
アルミン「ッ」
ドゴォッ!!!!!
「!!」
アニ「ぁっ...」
エレン「なっ...!?」
「〔勝つためだ...目標のためだ...チームのためだ...〕」
ミケ「悪く思うな」
ドサッ!!!!
ズサーッ!!!!!
・・・
審判「ッ...せ、セーフ!!セーフ!!!!」
「おぉぉぉおおおお...」
マルコ「ぼ、ボール!!」
ベルトルト「はっ、ボール!!」ダッ
ガシッ!!!
エルド「クッ...」ピトッ
ベルトルト「〔二塁刺せないか...〕」
審判「き、君!しっかりするんだ!!」ユサユサ
ベルトルト「!」
審判「大丈夫か...大丈夫かっ!?」ユサユサ
ハンジ「ッ、不味い...かんと..く...!」
アニ「いや...いや...」プルプル
「イヤァァァァアアアッッッ!!!!!!!」
-
- 155 : 2016/09/16(金) 23:34:30 :
あれ、ここは...?
「アルミンッ!! アルミンッ!!!」
誰だろ...誰か呼んでる...
「アルミン先輩ッ!! アルミン先輩ッ!!!」
なんだか頭がボーッとする...
「起きなさいよ...起きてよォッ!!!!」
意識が遠ざかって...このままどこかに...
_______________________
______________________________________
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「アルミン」
アルミン「う~ん...」
「アルミン」
アルミン「ん、あれ...ここは?」
「アルミン、起きて」
アルミン「えっ...か、母さん...?」
アルミン母「アルミン」
そこにはなぜか。
椅子に座っているお母さんの姿があった。
アルミン「母さん...母さん...母さんッ!!」ダッ
ギュッ
アルミン母「どうしたの、アルミン」
アルミン「母さん...なんで...なんで死んじゃったんだよ!!」ギュゥッ
アルミン母「ごめんね、いきなりいなくなっちゃって。寂しくなかった?」
アルミン「寂しいよ、寂しかったよ!!」ウルウル
懐かしいこの暖かい温もり
なぜだが無償に甘えたくなった。
アルミン「〔あれ、そう言えば僕...何をしてたんだっけ...〕」
アルミン「〔確か、そう...母さんが死んで...中学受験して...センタマリア中に入って...〕」
アルミン「〔入部試験で受かって...2軍の試験も、1軍昇格試験も...〕」
アルミン「〔凄いピッチャーと組めるようになって...親友を無くして...弱肉強食という世界を知って...〕」
アルミン「〔高校からは幼馴染と甲子園に行くために、わざわざ名門校の推薦を蹴って...それで...潰れて...〕」
アルミン「〔野球から離れたのに...また戻ってきて...〕」
アルミン「〔野球馬鹿がいて...初めてバッテリーのあり方を知って...〕」
アルミン「〔夏の大会が始まって...幼馴染が病気で倒れて...その幼馴染との夢を他人に話して...世間を味方につけて...〕」
アルミン「〔ライバルと戦って...そして...〕」
アルミン「〔あれっ、そうだ...決勝...決勝は!? アニは!? エレンは!?〕」ガバッ
アルミン母「どうしたの?」
アルミン「母さん、ここはどこ?」
アルミン母「ここは夢の中、あなたの夢の中」
アルミン「僕の?」
アルミン母「アルミン、あなたには何かやるべきことがあるんじゃないの?」
アルミン「!」
アルミン母「いってきなさい。」
アルミン「でも...でも、母さんも一緒に!」
アルミン母「母さんはもう行かなくちゃ」
アルミン「そんな...も、もう少しだけ...僕が...僕らが甲子園の切符を手に入れる瞬間までいてよ!!」
アルミン母「母さんはもうここにはいられない。」
アルミン「なんでよ...!! もう...僕を一人にしないでよ...!!」
アルミン母「あなたはもう一人じゃないわ。」
アルミン母「あなたには大切な人が...いっぱいいる。」
アルミン「いやだ...母さんも...母さんも!!」ウルウル
ガチャッ
アルミン母「さぁ時間よ、もう起きなさい。」
アルミン「いやだよっ、母さん!! 母さん!!」
アルミン母「大丈夫、あなたは少し臆病な所もあるけど...誰よりも賢くて優しい勇敢な...野球球児よ。」
アルミン「かあさんッ!! 母さんッ!!」
さぁ目を開けて、あなたは強い子。
世間でどれだけ、天才や秀才や人生の成功者の息子と騒がれても...
あなたは...私とアルフレッドの...たった一人の息子よ。
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______________________________________
_______________________
-
- 156 : 2016/09/16(金) 23:38:00 :
アルミン「はっ!?」
ハンジ「!」
エレン「アルミン先輩!」
アルミン「あれ...ここは...母さんは...?」
エレン「何寝ぼけたこと言ってるんですか、先輩意識は正常ですか?自分の名前はわかりますか!?」
ハンジ「エレン、今焦っても何も変わらないよ。あとは私達に任せて、君はベンチに戻るんだ。」
エレン「で...っ...はい...わかりました。」
スタスタ
ガチャッ
アニ「...ある...ミン...」
アルミン「!」
ダッ!!
ギュッ!!!
アニ「バカぁ!! 心配したじゃないッ!!!!!」ギュゥッ!!!
アルミン「ごめん...」スッ
ギュゥッ!!
ハンジ「あ、あの~...イチャイチャ中、申し訳ないんだけど...」
アルミン・アニ「!」バッ
アニ「私は取り敢えず、医務員の人を呼んで来ます。」
ハンジ「頼んだ。」
アルミン「ハンジ先生...ここは一体...」
ハンジ「シガンシナ側の待合室だよ」
アルミン「いつの間に...運ばれたんだろう...」
ハンジ「ッ、覚えてないのかい? アルミン君はクロスプレーで跳ね飛ばされて...それでタイムを取って、エレンと監督が運んでくれたんだ。」
アルミン「クロスプレー...」
_______________________
______________________________________
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アルミン「バックホームッッッ!!!!!!!」
タタッ!!! ライナー「〔くそっ、ホームに帰させねぇッッ!!!!!〕」シュッ!!!
ダッダッダ!!!!
調査モブ「スライだ!ミケ!!」
アルミン「〔アウトに出来る!!〕」
パシッ!!!!
「ストライク送球ッッ!!!!」
サッ!!!!
ミケ「そこをぉどけぇぇぇぇええええええええッッッ!!!!!!!!!」
アルミン「ッ」
ドゴォッ!!!!!
「勝つためだ...目標のためだ...チームのためだ...」
ミケ「悪く思うな」
ドサッ!!!!
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______________________________________
_______________________
アルミン「〔そうか...僕はあの時ミケさんとのクロスプレーで...〕」
ハンジ「どこか痛みはあるかい?」
アルミン「痛み...ぁっ」
ズキィッ!!!! アルミン「う”ぅ!?」
ハンジ「だ、大丈夫か!?」
アルミン「だ、大丈夫...です...それより...試合は...!?」
ハンジ「今は中止されてる、君の緊急治療時間を取るために」
医務員「どこが痛みますか?」
アルミン「左胸...肋骨辺りですっ...!」ズキズキ
医務員「ちょっと失礼しますね」サワサワ
アルミン「う”っ...うぅ...」ズキズキ
医務員「...断定は出来ませんが...恐らく左胸肋骨の...亀裂骨折かと」
-
- 157 : 2016/09/16(金) 23:41:20 :
ハンジ「亀裂骨折...」
医務員「今はまだアドレナリンが出て、痛みは和らげていますが...このまま試合に出れば、まず怪我は悪化します。」
医務員「詳しく調べるためにも病院に搬送させないと...」
ハンジ「...」
アルミン「ま、待ってください...! 僕なら平気です!やれます!だから...」
医務員「無茶を言いなさんな、喋るだけでも痛みが出るほどです。そんな状態で続行となればあなたの選手生命に...「関係ないです!」
医務員「!」
アルミン「この試合だけは...どうしても出なきゃだめなんです...!」
医務員「君はまだ2年生だろう?まだ来年がある」
アルミン「今年が最後なんです!!」
医務員「え?」
アルミン「今年が...いえ...この試合が...僕の出れる最後の試合なんです...!!」
アルミン「ですから...今選手生命を失っても...やめとけば良かった。なんて思わないです...いえ、思うはずがないです!!」
医務員「いやだめです。これは大会側からのルールでもあるんです。」
アルミン「どうして...!?」
医務員「いいか!? 高校野球は、子供に怪我をさせたまま野球をさせるようなことは絶対に許されないことなんだ!! これは他でもない、君達に対してだ。」
アルミン「そんな...そんなぁ...」
「3分ください。」
医務員「え...?」
ハンジ「3分で事細かくすべてを判断します...それと...彼を説得させます...なので...3分ください...!!」
医務員「...わかりました。私は外で待機していますので、終わったら声をかけてください。」
ハンジ「わかりました」
スタスタ
ガチャッ
アルミン「先生!!」
スタスタ
アルミン「先生も知ってるはずですよね!? 僕がこの試合を限りに野球部を辞め、留学することを...!!」
「わかってるッ!!!!」
アルミン「!」
ハンジ「わかってる...わかってるから...少し黙っていてくれ」
アルミン「...僕は絶対に出ますから...誰が何をしようとも...必ず...」
ハンジ「...」
アルミン「3分間で僕を説得なんて...短すぎですよ、そんなもんじゃ僕は納得しない。1日...いや1週間でも納得しない...!!」
ハンジ「...ハァ...仕方ない...よね...」
アルミン「先生!!」
ガサコソ
ハンジ「これを飲むんだ。」スッ
アルミン「これは...?」
ハンジ「痛み止めだ。」
アルミン「痛み止めって...それってドーピングじゃ...」
ハンジ「どうする...今決めるんだ...ルールを犯してでも夢を叶えるか...それともルールには忠実になって大人しく身を引くか...君が決めるんだ。」
アルミン「...それじゃ...ハンジ先生が...」
ハンジ「私のことはどうだっていい...処分を食らっても、せいぜい免停か取消しのどちらかさ...」
アルミン「...いいんですか...生徒一人の判断で...人生を投げ捨てても...」
ハンジ「はっ、別にいいね!ど~せろくな人生じゃなかったしィ~!あ~ぁ、生まれ変わったらスポーツ万能・頭いい・モテ男・イケメンの4拍子揃いになりたぁぁぁああああい!!!」
アルミン「...ありがとうございます...」
スッ
ポロッ
アルミン「水ありますか」
ハンジ「はいよ」
ゴクゴクッ
アルミン「ぷはぁっ...これで僕達...もう普通に生きてはいけませんね...」
ハンジ「それはお互い様だよ、アルミン君」
ハンジ「さぁ行こう、あとは任せるんだ。」
アルミン「...ははっ、何か前よりも少しだけ頼もしい先生になりましたね!」
ハンジ「それを今言うかっ!?」
-
- 158 : 2016/09/16(金) 23:42:31 :
ガチャッ
「!!」
エレン「アルミン先輩!!」
アルミン「エレン、ごめん遅くなった。」
エレン「け、怪我は...」
アルミン「うん、何とか大丈夫」
エレン「じゃ、じゃぁ...!?」
アルミン「うん、続行だ。」
アニ「...ふっ...全く...」ゴシゴシ
ハンジ「こちら側の判断は以上です。」
医務員「...どういうことですか?3分間の間に彼を説得し、病院に搬送するという話だったでしょう!!」
ハンジ「えぇ確かに3分間きっちり話しました。殴り合いもしました。」
アルミン「〔また余計なことこを...〕」
ハンジ「ですが...誰もあの時”彼を病院に連れていく説得をする”とは言ってませんよ?」
医務員「何の冗談ですか...? あなた...選手一人...いえ、生徒一人の人生を棒に振らせる気ですか!?」
ハンジ「冗談じゃないんだけどなぁ...」ワシャワシャ
エレン「え、どうしたんですか?」
アルミン「エレンは関わらない方がいい。」
エレン「え?」
ハンジ「第一に選手自身が出来ると判断したならそれで良いじゃないですか」
医務員「あんた...あんたそれでも教師か!? 子供の安全を守るのが教師の仕事だろうが!!!」
ハンジ「わかってないなぁ...教師って奴を...」ワシャワシャ
医務員「わかっていないのはあんたの方だ!!!」
ハンジ「いいやあなたの方がわかってない。教師が子供の安全を守るのが仕事?あぁ確かにそうかもしれないよ?でも、安全を守るだけなら別に学校の教師じゃなくても救急隊でもいればそれで解決じゃないですか?」
医務員「何が言いたいんだ!?」
ハンジ「教師っていうのは...子供の安全を守るために、やってるものじゃない...」
ハンジ「”子供に後悔しない道を選ばさせるために...将来困った時、一人で物事を考えられるようにする”...それが教師の役目だッ!!!!!」
医務員「!」
ハンジ「この責任は、すべて私が持ちます。」
アニ「先生」
ハンジ「いいよ、アルミン君を続行させて...あとで何か言われても私が受けるから。」
アニ「...ありがとうございますッ!!!!」
ハンジ「...アルミン君」
アルミン「はい!」
ハンジ「...あとは君次第だ。私を生きるか、殺すか...君自身が後悔するか、しないかも...」
ハンジ「全部君...いや君達次第だよ。」
アルミン「...必ず勝って...先生にあの時身を削って良かったって...思わさせます!」
ハンジ「ははっ、そりゃいい!是非ともそうさせてほしいね!」
スタスタ
ハンジ「〔全く...君って奴は...〕」
ハンジ「〔本当は...あの薬...飲んでないんだろ...? どこまで君は察しがいいのかね...〕」
ハンジ「〔あの薬は...ただの風薬...私の狙いは、プラシーボ効果っていう心理現象だったんだけど...見事に見破られてたわけか...〕」
ハンジ「〔本当に惚れちゃうな...そういう優しい所は...〕」
-
- 159 : 2016/09/16(金) 23:46:19 :
実況「ん、出てきました!! 緊急治療が終わったようです!!」
「ア・ル・ミ・ン!ア・ル・ミ・ン!」
ファーラン「出てきたってことは...大したことない怪我だったってことッスよね?」
モブリット「かもな」
ファーラン「はぁぁ~...良かったぁ...これで退場とかってなったら...俺どうしようかと...」
ネス「本当にお前はアルレルトが好きだな!」
ファーラン「そりゃぁだって...憧れの人ですもん...」
モブリット「ん、珍しく”ッス”は付けないんだな。」
ファーラン「え?あ...」
ネス「無意識だったか!あっはっはっは」
ファーラン「なっ、笑うことはないでしょうよ!!!」
ネス「また”ッス”を忘れてるッスよ!」
ファーラン「ネスパイセン...俺パイセンの秘密知ってるんスからね...?それをバラしてもいいって言うんだったら良いッスけど?」
ネス「馬鹿ぁぁああああ!!!!!!言うな!!!」
スタスタ
リヴァイ「ミケ」
ミケ「?」
リヴァイ「あれは...わざとか?」
エルヴィン「...」
ケイジ「...」
ファーラン「え?」
ミケ「リヴァイ...何のことだ?」
リヴァイ「とぼけんじゃねぇ、あのクロスプレー...あの殺人タックルは故意にやったのかって聞いてんだよ」
ミケ「...さぁな?だとしたらなんだ?」
リヴァイ「...チッ」
スタスタ
ファーラン「な、なぁ...何か...チームの雰囲気...怖くね...?」
イザベル「ぐ、偶然だな...俺もそう思ってた...」
-
- 160 : 2016/09/22(木) 22:47:27 :
JKモブ「アルミン君!! 頑張れ!!」
ケニー「おいおいおい、大丈夫かよ」
ジャン父「真正面から突っ込んできたんだ、まず無傷ってことはないだろ」
マルセル「でも...キャッチャーに接触プレーはつきものですから仕方ないんじゃ...?」
サネス「〔確かにキャッチャーは接触は避けて通れねぇ、ただあのタックルといい...ミケの野郎わざとやりやがったな?〕」
ミタビ「危険プレーで退場じゃねぇのか」
イアン「あの場合、先に送球が戻ってきてランナーをタッチするまでがプレーなんだ。いくらその場にいた審判でも判定は難しいだろうな。」
フレーゲル「もし怪我でもしてたら今後がまずくね?」
ダン「そうだな、シガンシナには大打撃かもしれない」
ジム「ただまぁ...出てきたってことはやれるって判断したんだろ」
マルロ「出てきた以上やるしかないだろ」
ヒッチ「でもすっごい音だったよね」
ヒストリア「うん...」
キース「〔だが、状況は最悪なまま...逆転され、1点差ノーアウト二塁で次は7番...この回はまだ下位打線だが...〕」
リコ「〔恐らく勝負を決めるなら今だ。チームの大黒柱であるアルレルトが負傷し、チームの士気も下がった今が絶好機...耐えるんだアルレルト...〕」
スタスタ
ベルトルト「せ、先輩!」
マルコ「!」
アルミン「やぁ、みんな!待たせてごめんね!」
トーマス「いや...全然...」
マルコ「そ、それより...大丈夫なんですか?怪我は...」
アルミン「...ふふっ、君達に心配をかけて申し訳ない...けど、大丈夫!ほら、なんともない!」グルングルンッ
ズキィッ アルミン「っ...」ググッ
ミカサ「!」
マルコ「ホッ、良かった...アルミン先輩がここで交代したら終わったと思いました。」
アルミン「あははははっ、ごめんごめん!」
トーマス「でも、状況は変わらないよな。ノーアウト二塁」
コニー「次のあいつは敬遠で8番で打ち取るとか?」
マルコ「う~ん、どうだろう...」
アルミン「〔即答の割には面白い策...けど〕」
アルミン「多分そうしたらあっちは満塁に埋めたがるからセーフティバントやらバスターやらで仕掛けてくると思う。だから、ちょっと危ないかな」
コニー「やっぱだめか...」
ベルトルト「あの...まだドロップカーブ投げられます」
アルミン「!」
ベルトルト「...」
アルミン「...うん、わかった。その作戦でいこう。」
コニー「え!?」
コニー「どういう作戦!?」
「...今から説明するから黙って聞くんだ、バカ」
-
- 161 : 2016/09/22(木) 22:49:16 :
ウグイス「お待たせしました。4回の裏、調査高校の攻撃は...7番ファースト、ケイジ君」
ケイジ「〔アルミンには悪いが、このまま死んでてもらうぜ〕」ギュゥッ!!!!
ベルトルト「ふぅ...」
ベルトルト「〔アルミン先輩は大丈夫って言ってるんだ。僕は何も気にしないで...バッター勝負にだけ...集中するんだ!!〕」ドッ!!!
シュッ!!!
クインックインッ!!!
ケイジ「〔これがリヴァイの言ってたドロップカーブ!!〕」スッ
パシンッ!!!!!
ズキィッ アルミン「ぅッ...」ズキズキ
審判「ストライク!」
実況「初球外低めにドロップカーブが決まってストライク!」
アルミン「ナイスボール!」シュッ
パシッ ベルトルト「はい!」
ケイジ「〔確かに落差はあるな...だが、角度はねぇ...さっきのクロスファイヤーの仕返しさせてもらうぜ。〕」
ドッ!!! グイッ!!!
ベルトルト「ッ!!」シュッ!!!
ケイジ「〔ッ、内低め...またクロs パシンッ!!!!!
審判「ストライクツー!!」
実況「2球目は内低め丁寧についてストライク!もう追い込みました!」
ケイジ「〔くっそぉ...こっちがクロスファイヤー嫌がってドロップカーブ狙ってるのに...アルミンの野郎やるじゃねぇか〕」
ベルトルト「〔ここを抑えて...また逆転すればいい、そうすれば少しでもアルミン先輩を楽にリードしやすくなる!〕」
ドッ!!!
ベルトルト「ッ!!」シュッ
ベルトルト「〔ぁッ、フォークに回転が...!?〕」
ケイジ「〔外抜け球だぜッ!!〕」スッ!!!!
キーンッ!!!!
実況「低い弾道!ライト前のヒット!!」
ガシッ ライナー「ドンマイドンマイ!次抑えれば良いんだからな!」シュッ
ベルトルト「う、うん!」
実況「さぁこれでノーアウト一三塁!」
ウグイス「8番レフト、ネス君」
ネス「おねがいしゃっす!」
審判「プレイ!」
ベルトルト「〔気のせいかな...雨のせいでボールが湿って...指からボールが抜けにくくなってる気がする...〕」
アルミン「〔抜け球...ボールが湿ってるから離しにくいのかな...〕」
アルミン「〔だとしたら...〕」サイン
ベルトルト「」コクッ
ドッ!!!
シュッ!!!
パシンッ!!!!!
審判「ボール!」
ベルトルト「〔外れた...?〕」
サネス「〔打たれたあとの初球外れたか...きちぃな〕」
イアン「〔崩れるぞ、アルレルト〕」
アルミン「ベルトルト、ボール低く!もっとコース狙う!」
ベルトルト「えっ、あ、はい!」
ネス「〔今のコースよりもっと低く...?〕」
ドッ!!! グイッ!!!
シュッ!!!
ネス「〔さっきと同じコース!!〕」
パシンッ!!!!!
審判「ストライク!」
ネス「えっ」
観客「今の...入ったのか?」
観客「さっきと同じコースなのにか?」
ファーラン「〔違う、普通のストレートなら外れる外の球でも...クロスファイヤーでなら外ギリギリをつけば奥行きでゾーンに入る。〕」
リヴァイ「〔それもあの審判が取ってくれる範囲以内で〕」
ファーラン「〔相変わらず...考えの読めない人ッスわ、先輩は...俺じゃ真似出来ない。〕」
ネス「〔アルレルトの仕業か...〕」
アルミン「〔今の僕に出来ることは...せいぜいこれくらい...打撃じゃ恐らく足を引っ張ることになるから...〕」
ドッ!!!
シュッ!!!
ネス「〔また外...この超山鳴り軌道...ドロップカーブ!!〕」スッ!!!
キーンッ!
アルミン「ショート!!」
パシッ!!! ミカサ「マルコ!」シュッ!
パシッ!! 審判「アウト!」
マルコ「ッ!!」シュッ!!
パシッ!! 審判「...アウト!!」
「うぉぉぉぉおおおおおおっっっ!!!!!!!」
実況「ショートゴロのゲッツー!!」
アルミン「ナイスショート!!」
ベルトルト「ナイスショート!ナイスセカンド!」
ミカサ「ツーアウト!」
「オォーッ!!ツーアウト!!」
-
- 162 : 2016/09/22(木) 22:59:57 :
ネス「すまん、ドロップカーブかなりキレがある。」
ナナバ「ドンマイです!」
スタスタ
ネス「すみません、ドロップカーブに引っ掛けてしまいました」
エルヴィン「そろそろ掴めてきたか?」
ネス「えぇ、次なら必ず捉えきれます。」
ウグイス「9番ピッチャー、ナナバ君」
アルミン「...」サイン
ドッ!!!
シュッ!!!
ナナバ「ッ!!」スッ!!
キーンッ!
「おぉぉぉおおおおおっっ!!!???」
ミリウス「オーライオーライ!」
パシッ!!
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!!」
実況「結局ノーアウト一三塁から無失点で切り抜けましたシガンシナ高校。」
スタスタ
ジャン「ドンマイ、ベルトルト!この回でまた逆転してやっからよ!」
ベルトルト「うん!」
ジャン「〔ベルトルトは大丈夫そうだな...〕」
ライナー「大丈夫なんですか?」
アルミン「大丈夫だって!ただの捻挫だよ!それより...この回は重要だよ。」
「はいッ!!」
ジャン「次はマルコか」
マルコ「高速スライダーは無いとしても、フォークがな...」
ジャン「んなこと言ってっと、高速スライダーくっぞ」
マルコ「えっ!?それはやばいって!!」
-
- 163 : 2016/09/22(木) 23:03:53 :
-
ウグイス「5回の表、シガンシナ高校の攻撃は...9番セカンド、ボット君」
♪タッチ♬
スタスタ
ベルトルト「ごめん」
コニー「え?」
ベルトルト「コニーの仇取るって言っておきながら結局打てなくて...その上、追加点まで取られちゃって...」
ベルトルト「コニーの分まで打つつもりだったのに...「それは俺がベルトルトより背が低いから、自分なら打てると思ってたから。か?」
ベルトルト「えっ...」
コニー「...」
ベルトルト「ち、違うよ!そんなこと...「俺をバカにすんじゃねぇッッ!!!!!」
アニ・アルミン「!」
コニー「俺がチビだからシンカーに当てられない?その分、ベルトルトの方が腕長いから当てられる? そんなことやってみなきゃわかんねぇだろッッ!!!!」
ベルトルト「!」
コニー「チビで当てられてない俺より...デカくて当てられてるお前の方がオドオドしてたら...まるで俺がバカみたいじゃねぇかよッ!!!」
「〔いや、バカだろ〕」
コニー「だから...」グググッ!!!
コニー「次の打席...俺は絶対打つ!! そしたらベルトルトも...絶対打てよ!それと態度は俺と同じくらいデカくなれよッ!!!」
ベルトルト「...あぁッ!!」
アニ「あのデカチビコンビ、意外と良いコンビかもしれないね。」
アルミン「うん...直接似てるわけじゃないけど...」
アルミン「バカでのんきで空気が読めなくて、いつも前向きで背が小さいコニーと...」
アルミン「考え深くて慎重であまり自分を出さなくて、いつも後ろ向きで背が大きいベルトルト...ある意味このチームで一番利害が一致してるのはあの二人かもしれない。」
ナナバ「ッ!!」シュッ!!!
マルコ「クッ!?」スッ!!
パシンッ!!!!! 審判「ストライクバッターアウト!!」
ファーラン「ワンァウト!!」
「オーッ!!ワンァウト!!」
ジャン「っしゃぁ、今度こそ打つぜ...」
コニー「ジャン!」
ジャン「ん?」
コニー「...出ろよ」
ジャン「んなことわぁってる、てめぇこそゲッツーでもしたら承知しねぇからな」
コニー「...ひっ、俺は天才だからな!そんなことしねぇ!」
「やめろ!フラグ立てるな!!」
ウグイス「1番センター、キルシュタイン君」
♪ルパン三世のテーマ♬
ジャン「しゃっす」
審判「プレイ!」
ファーラン「〔このバッターは要注意だ。塁に出たら厄介だし...ここは本気で...〕」サイン
ドッ!!!
シュッ!!!
クイックイッ!!!
パシンッ!!!!!
審判「ボール!」
ファーラン「〔少し慎重になりすぎたかな...いやこのバッターにはこれぐらいでいいか〕」
ドッ!!!
ナナバ「ッ!!」シュッ!!!
クイックイッ!!!
ジャン「〔来た。外低め、スライダーッ!!〕」スッ!!!
キーンッ!!!
ナナバ「なっ!?」
♪ファンファーレ♬
ガシッ!!! モブリット「ドンマイドンマイ!」
実況「センター前のクリーンヒットです!!」
ナナバ「〔こいつ...普通に私のスライダーを...〕」
ファーラン「〔このバッターにもうスライダーは通用しない...チッ、高速スライダーしかなかったか〕」
ジャン「しゃぁ!出たぞ、チビ!!」
-
- 164 : 2016/09/22(木) 23:08:35 :
ウグイス「2番サード、スプリンガー君」
コニー「っしゃぁぁあああああ!!!!!!」
観客「おぉっ、気合の入った声だ!」
観客「このバッター小さいけど、粘り強いバッティングするからな!」
ファーラン「〔来たか...ナナバ先輩〕」
ナナバ「」コクッ
審判「プレイ!」
ファーラン「〔このバッターはシンカーに全くあってない。でも...〕」サイン
スドッ!!!!
アルミン「〔クイック!〕」
ナナバ「ッ!!」シュッ!!!!
キュルルルルッッッ クイックイックイッ!!!!
アニ「〔ここで高速スライダー!?〕」
パシンッ!!!!!!
審判「ストライク!」
コニー「〔内低めの高速スライダー...〕」
ファーラン「〔次は...〕」サイン
スドッ!!!
シュッ!!!
クインックインッ!!!
コニー「〔シンカーッ!!〕」スッ!!!
パシンッ!!!!! 審判「ストライクツー!」
イアン「〔ここまであからさまな外し方をするとはな...〕」
アニ「〔外ボール球になるシンカーを思いっきり空振り...次また来るよ、コニー〕」
トーマス「大丈夫かよ、コニーの奴...」
サシャ「大丈夫ですよ、コニーなら」
トーマス「え?」
ミカサ「うん、大丈夫」
トーマス「ミカサまで!?」
ファーラン「〔こいつにはもうシンカー以外見せねぇ、遊び球なしで三球で決めるッス〕」サイン
ナナバ「」コクッ
コニー「ふぅ...」ギリッ!!!
サシャ「コニー...あなたなら出来ます...私は信じてます。」
サシャ「だってあなたは、人一倍負けず嫌いだから...あなたの負けたまま終わる姿なんて今まで一度も...いえ、これからも一生...見せないでください。」
エレン「コニー!!打てるぞ!!」
ベルトルト「コニー、ファイト!!」
ライナー「お前なら必ず打てる!!」
コニー母「コニー!!頑張りなさい!!」
サニー・マーティン「バカ兄ちゃん!!打てェ!!!!」
ナナバ「スゥーッ...フゥーッ...」
スドッ!!!
ナナバ「ッ!!」シュッ!!!
アニ「〔このコース...またシンカー!!〕」
サシャ「コニー!!」
コニー「〔打てる...俺なら絶対打てる...チビの俺にも...腕が短い俺にも...戦い方はいくらでもッ!!!〕」スッ!!!
クインックインッ!!!
ファーラン「〔さっきと同じ!ボール球!!〕」
グググッ!!! スポッ!!!
ファーラン「ッ」
コニー「う”ぅらぁぁぁああああああっっっ!!!!!!!」
キーンッ!!!
実況「打ったァ!! サード頭上!!」
エルド「〔捕れるかっ!?〕」ピョンッ!!
スルリッ
エルド「くぅッ...!?」
ドサッ!!! ポタッ コロコロ
審判「フェア!!フェア!!」
コニー「よっしゃぁぁああああああああ!!!!!!」ガッツポーズ
-
- 165 : 2016/09/22(木) 23:08:47 :
♪ファンファーレ♬
「コ・ニ・ィ!!コ・ニ・ィ!!」
エレン「あいつ、本当に出やがった!!」
トーマス「すげぇ!! シンカー打ちやがった!!!」
マルコ「やっぱバカだけど、凄い!!」
ベルトルト「〔コニー、本当に出た!〕」
サシャ「やった!」
ミカサ「ふふっ」ニコッ
ファーラン「〔打つ瞬間...グリップ2本ズラしやがった...待てよ...そう言えばあの6番も...〕」
ミカサ「〔いやッ...まだ...〕」ググッ!!!
ミカサ「〔終わってない...!!〕」スポッ!!!
ミカサ「〔打席の前に突然聞かれたから最初は驚いた。〕」
_______________________
______________________________________
________________________________________________________
コニーの打席前...
コニー「あのよミカサ...」
ミカサ「なに?コニー」
コニー「...お前あの投手の高速スライダーどうやって打ったのかっていうの聞きたくて...」
ミカサ「? どうして?」
コニー「いや...同じ打席から逃げる球だから...いやシンカーと高速スライダーじゃ全然違うんだけど...どうしてもこの打席打ちたいから...」
ミカサ「!」
コニー「で、でも...俺とお前じゃ身長も違うし...やっぱ無理かな...」
ミカサ「そんなことない。」
コニー「えっ...」
ミカサ「コニーは私より柔軟性があるから姿勢をもっと低くして、ボールが軸足辺りに来た所でバットのグリップを2本ズラす。そうすれば多少パワーは減ってもミートはできる。」
コニー「...あ、ありがとう!」
ミカサ「大丈夫、コニーなら打てる必ず」
ミカサ「私もサシャも皆も...コニーを信じてるから」ニコッ
コニー「!?///」ドキッ
________________________________________________________
______________________________________
_______________________
アニ「さぁお膳立ては揃ったよ。あとは決めるだけ...あんたが決めてきな!!」
ベルトルト「...はいッ!!」
-
- 166 : 2016/09/22(木) 23:11:25 :
ウグイス「3番ピッチャー、フーバー君」
キース「チャンステーマ行くぞ!」
リコ「あぁ!」
♪紅蓮の弓矢♬
ファーラン「〔ワンァウト一二塁でこのバッターか...正直シンカーは当てられてはいるが、まだ打たれてはない...けど、あの2番には打たれた。〕」
ファーラン「〔いやあの2番はたまたま打たれたって考えた方がいいな、普通グリップズラして打つ奴何かいねぇ〕」
ファーラン「〔やっぱりここは決め球はシンカー...三振狙いじゃなくてショートゴロ狙いで、ゲッツーだ。〕」サイン
ナナバ「」コクッ
ファーラン「〔ナナバ先輩やけに落ち着いてるな〕」
スドッ!!!
シュッ!!!
パシンッ!!!!!
審判「ボール!」
ベルトルト「〔打たれた後の初球がボール、しかもコースは甘い...〕」
コニー「ベルトルト、打てるぞ!自信持て!」
ベルトルト「〔コニー、君は本当に凄いよ。正直さっき身長では僕のほうが勝ってるって言われた時...ドキッとした。〕」
ベルトルト「〔確かに僕は心の何処かでそう思っていたのかもしれない。コニーよりかは当てられる、腕も長いからその分当てやすいって...〕」
ベルトルト「〔でもコニー...すべてがすべてそう思っているわけじゃないんだ。〕」
ベルトルト「〔僕だってコニーのことが羨ましいと思う時だってあるんだ。〕」
ベルトルト「〔例えば皆と仲良くじゃれあったり・ふざけあったりしてる時...僕にはああいう風に友達とコミュニケーションが取れない...〕」
ベルトルト「〔それにコニーは小回りなプレーが出来る...それによって応用的なプレーも効く。比べて僕は大まかなプレーしか出来ないから...途中で変更が出来ない。〕」
スドッ!!!
シュッ!!!
パシンッ!!!!!
審判「ストライク!」
ベルトルト「〔でもコニー...これだけは言いたい。〕」
スドッ!!!
ナナバ「ッ!!!」シュッ!!!
クインックインッ!!!
アルミン「〔外の釣り球!!〕」
ザッ!!!
ベルトルト「〔デカイ奴しか出来ないことだって、チビな奴にしか出来ないこともあるんだってことをッ!!!〕」スッ!!!
カキーンッ!!!
実況「打ったァ!! 左中間!!」
モブリット「ハァ、ハァ、くそっ!左中間割る!?」
ポタッ!!!
「左中間割ったァ!!!!!」
ミリウス「回れ回れ!!」グルングルンッ
ダッダッダ!!!
ザッ!! ジャン「同点(4点目)!!」
ダッダッダ!!!
リヴァイ「! 急げ、ネス!!」
ネス「〔ホームに返すかよっ!!!!〕」スッ!!!
ミリウス「〔! あのレフトはショートのリヴァイより肩が弱い...なら!!〕」
ミリウス「コニー、GO!GO!!」グルングルンッ!!
コニー「おうッ!!」ダッ!!!
観客「なっ、バカ!? ファーストランナー、一気にホームに行きやがった!?」
観客「なにやってんだ!?」
リヴァイ「〔ッ、あいつ俺じゃなくてネスが送球するのをわかってやがったのか...!!〕」
モブリット「! ホーム!!」
ネス「なっ!? ホームだと!? 舐めやがって!!」シュッ!!!
ダッダッダ!!!
サシャ「コニィッ!!!!」
ベルトルト「コニー!!」
ファーラン「バカが、先を見すぎなんだよッ!!!」
コニー「ッ!!」ダイブッ!!!
パシッ!!!!
ファーラン「〔もらった!!〕」スッ!!!
ガシッ!!! ファーラン「!?」
コニー「オラァァアアアアッッ!!!!」ズサーッ!!!
審判「セーフ!!」
「お...おぉぉぉぉおおおおっっ!!!!!!」
コニー母「コニー!!よく打ったわ!!」
サニー・マーティン「馬鹿兄ちゃん!! ナイバッチィ!!!」
-
- 167 : 2016/09/22(木) 23:12:47 :
実況「ぎゃ、逆転!! 再び逆転です!!!!」
ジャン「てんめっ、なんつーあぶねぇ橋渡るんだよ!!」
コニー「え?俺橋なんて渡ってねぇぞ?」
「...うん、そうだね。」
ダズ「で、でもさすがだな!小柄ことあって!」
コニー「え?」
「あ...」
ダズ「わ、悪い...!」
コニー「いいよ、別に気にしてねぇし!それにシンカー打ったし!!なぁっはっはっは~!!」
「バカって羨ましい...」
ライナー「でも今の、よく守備妨害にならなかったな...」
アルミン「捕手があれで倒れたりすれば守備妨害になるかもしれないけど、別に邪魔をしてるわけじゃないから大丈夫だよ。」
ライナー「なるほど」
エレン「ったく、お前すげぇなあんなことできるなんて!」
コニー「ふっ、まぁ天才コニー様に任せればこんなもんよ!」
ベルトルト「〔あれ...僕の活躍...今のコニーので消された...?〕」ナミダメ
ファーラン「〔くそっ...完全にやられた...〕」ギュゥッ
ファーラン「〔アウトに出来ると思ったのに...あいつ、わざと先にスライディングして俺の足を上手く使いやがった...〕」
ナナバ「...」
「...オルオ、準備を」
オルオ「は、はい!」
スタスタ
リヴァイ・ミケ「!」
「選手交代を」
審判「はい!」
ジャン「っしゃぁ、このまま追加点取って一気に流れ取るぞ!!」
シガンシナ「おうッ!!!!」
ウグイス「調査高校 選手の交代ならびにシートの変更をお知らせ致します。」
トーマス「ん?マジ!? あの調査高校の先発ナナバをノックアウト出来たのか...!?」
ダズ「お、おぉ...!!」
コニー「すげぇ!!俺らでやったんだな!!」
ジャン「バァーッカ、先発が降ろされたっつ~ことは...いよいよここから準備してない投手とやることになるってことだよ。」
「あ...」
アルミン「〔この状況下で誰を出す...あいつを出すにはまだ早いだろうし...いやもしかしたらもう出てくるか...?〕」
ウグイス「ピッチャー ナナバ君、代わりましてザカリアス君。」
アルミン「〔ミケさん...?〕」
トーマス「...ん?ザカリアスって選手いたっけ...?」
ダズ「さぁ...?」
ウグイス「ライトのナナバ君に代わり、ボザド君が入ります。」
ウグイス「5番ピッチャー ザカリアス君、9番ライト ボザド君
以上のように変更致しました。」
ナナバ「ぁ...」スタスタ
ファーラン「な、ナナバ先輩!」
ナナバ「...なに?」
ファーラン「すみません、俺の力が足りないばかりに...」
ナナバ「...別に、あんたのせいじゃないよ...これは私が単純に実力不足なだけだから...」
スタスタ
ファーラン「...くそっ...」ギュゥッ
「ファーラン」
ファーラン「!」
ミケ「切り替えろ、今は自分を悔いてる場合じゃない。今はこれ以上の失点をしないことだ。」
ファーラン「...はい!」
-
- 168 : 2016/09/22(木) 23:13:17 :
実況「おっと、調査高校が先に動きましたね。」
諫山さん「そうですね。ナナバ選手が掴まりこれ以上の失点を防ぐ...という判断でしょうか。」
「3球ッ!!!」
トーマス「どんな投手なんだ...? データにはあんまなかったけど...」
アニ「アルミン」
アルミン「ナナバほどの柔軟性のあるピッチングや、コースに決めたり...凄い決め球持ってたりするタイプではない。」
エレン「ってことは...?」
アルミン「球種は...僕が知る限りじゃストレート含めないで2球...1つはカウント稼ぎのシュート...もう1つは、決め球程度には使えるフォークだ。」
トーマス「ってことは...ナナバよりあんまり強くない!?」
ダズ「い、行けるぞ!!」
「そうじゃない。」
トーマス・ダズ「え?」
アルミン「ミケさんは...まぁ一言で言えば、岩を投げて来る感じだよ。」
「岩...?」
アルミン「要は、ベルトルトとは真逆で...ストレートにノビはない...けど、その代わりに...球質がとてつもなく...重いんだ。」
エレン「球質が重い...?」
アルミン「うん、ストレートに回転が掛かれば掛かるほど、ストレートの見た目が速く見えるんだ。」
ジャン「ベルトルトとかミカサもっすよね」
アルミン「そう、でも回転が掛かるその分球が普通のストレートより軽くなるんだ。」
アルミン「これは物理学的なことだから、あんまり首は突っ込まないけど...」
アニ「簡単に言えば、当たっても前に上に飛びにくい。ヒットが出にくいってこと。」
アルミン「うん、そういうこと。」
トーマス「ま、マジかよ...」
マルコ「それじゃ...さっきのナナバより打ち崩すのが難しいんじゃ...」
アルミン「うん、はっきり言って今の僕ら(シガンシナ高校)にとっては...嫌な相手だね。」
エレン「嫌な...相手...?」
アルミン「うち(シガンシナ高校)の打力は、まだ発展途上だからパワーがあまりない。あの手の投手にはパワーで返すしかやり方がないんだ。」
マルコ「た、確かに...うちでパワーがあるのは...アルミン先輩・ミカサ・ライナーくらいだから...」
アルミン「ベルトルトやジャンやコニーみたいな、ミート力で打つ打者にとってははっきり言って厳しいかな。」
アルミン「でも、何も出来ないわけじゃない。」
「!」
アルミン「答えはもう1つしかないんだ。パワーで打ち返す...それが出来るのが...ライナー、君だ。ミケさんの攻略にはライナーの力が必要不可欠だ。」
ライナー「お、俺...ですか...?」
アルミン「うん、大丈夫。トーマスやコニー...それにベルトルトは結果を残せたんだ。君にだって出来る。」
ライナー「!」
アニ「...ふっ、じゃぁ...頼んだよッ!!」スッ!!!
バシィッ!!!
ライナー「イギィッ!? ッてぇ...は、はい!頑張ります!!」
-
- 169 : 2016/10/10(月) 00:38:47 :
-
ポタポタポタァーッ
ジャン「段々降り始めてきたな」
マルコ「予報じゃ午後は大雨になるんだとか...」
トーマス「大雨になった場合どうなるんだ?」
ジャン「まぁ普通は中止になって待つか、雨天コールドになって終わるかの2種類だろうな」
ミカサ「投球に影響が出ると思う。 バッドを振れば何かが起こるかもしれない。」
エレン「だな」
スッ!!! ドォッ!!!!
ミケ「ふんッ!!」シュッ!!
バァシンッ!!!!!
「!?」
ジャン「な、なんつー重てぇ音だよ」
トーマス「あの人のボールだけ、絶対鉄入ってるよな...」
マルコ「そんなこと絶対にないけど...でも、本当にそう言いたくなる...」
ミカサ「これが調査高校の2番手」
エレン「すげぇな」ニヤッ
ミカサ「え...?」
エレン「こんな投手が2番手で...しかも、あの2年生次期エース候補の人も1番手じゃないって...」
エレン「1番手のリヴァイさんがどれだけ凄いか...改めてわかったぜ」
ミカサ「!」
エレン「リヴァイさん、お前の兄ちゃんはすげぇよ」
ミカサ「...うん...そう、だね...」
エレン「?」
ファーラン「ってェ、ミケ先輩!もっと軽く投げてくれッスよ!!」ナミダメ
ミケ「ふんっ、キャッチの技術がまだまだなんじゃないのか?」
ファーラン「なァにをォ!?」
スッ!!! ドォッ!!!!
シュッ!!
ファーラン「俺にキャッチの技術ないなんて...ムカつくッ!!」スッ!!!!
バシンッ!!!!!!
審判「!」
ファーラン「どォんなもんッスか!! こォれで文句ないっしょ!!!」
イザベル・ケイジ「〔ミケの奴(ミケ先輩)、上手くファーランをやる気立たせたな。〕」
ミケ「ふんっ、そんなんじゃすぐにでも手を痛めそうだな。」
ファーラン「いいィッスよ!? もういいィッスよ!? 俺本気出しちゃうもんねェ!!!」
シュッ!!
バシンッ!!!!!!
ファーラン「どうだァ!!!」
ミケ「ふんっ」ニヤッ
ケイジ「〔上手い〕」
イザベル「〔上手すぎる〕」
リヴァイ「...要は、あいつも馬鹿だってことだろ。」
「〔ド直球!!!〕」
ウグイス「お待たせしました。 5回の表、シガンシナ高校の攻撃は...4番キャッチャー、アルレルト君」
♪紅蓮の弓矢♬
審判「プレイ!」
-
- 170 : 2016/10/10(月) 00:43:32 :
-
実況「さぁ諫山さん、ザカリアスですが一体どんな投手なのでしょうか?」
諫山さん「そうですね。ナナバ選手みたく器用なピッチングは出来ない投手です。」
実況「では、ナナバよりかは実力不足ということでしょうか?」
諫山さん「いえ、言い方が悪かったようですね。ザカリアス選手は決して実力不足などではありません。むしろ、毎年春夏甲子園を経験してるわけですから経験値はザカリアス選手の方が上回っているでしょう。」
実況「というと?」
諫山さん「投手のタイプが違う、ということですね。ザカリアス選手はナナバ選手のように”派手なピッチングはしない”タイプなんです。」
実況「なるほど。確かにこれまでの実績を見てみますとナナバよりも、あまり三振は多くないですね。」
諫山さん「彼のピッチングは、ベテランのような打たせて取るスタイル...それもほとんどすべて内野でのアウトですから、なかなか崩しにくい投手です。」
アルミン「ふぅ...お願いします。」
ファーラン「〔ミケ先輩、頼むッスよ。アルミン先輩を抑えなきゃ意味がないッス。〕」サイン
ミケ「ふんっ」フッ
アルミン「〔今の僕じゃ、足手まといだ。せめて、ミケさんの状態 を把握するだけでも...!〕」
スッ!! ドォッ!!!!
ミケ「ふっ!!」シュッ!!
アルミン「ッ」サッ
パシッ!!!!!
「おぉっ!?」
エレン「あ、危なっ!!」
実況「内高め、危ない球!」
ファーラン「ミケ先輩!ちゃんとサイン見てくれッスよ!!」シュッ
ミケ「ふんっ」パシッ
アルミン「〔結構危ない球だったな...狙ってる...? いやミケさんは立ち上がりあまり制球が出来ない...もしくは...〕」
ミケ「ふっ」ニヤッ
アルミン「〔ミケさん独自の判断か...〕」
実況「初球は内高め外れてボール、2球目は...?」
ファーラン「」サイン
スッ!! ドォッ!!!!
シュッ!!
アルミン「〔外ボール球!〕」
バシンッ!!!!!!
審判「ボール!」
実況「今度は外真ん中にストレート外れてツーボール」
アルミン「〔ブラッシュボールの後に外甘いコース...やっぱり初球はわざとか...?〕」
「ふっ」ニヤッ
アルミン「!」
ミケ「〔さっきのプレゼントは効いてるか?〕」
アルミン「〔相変わらず煽るのが好きな人だ。 でも、今は個人の勝負は持ってこない。 チームのために...〕」ギュゥッ!!!
ミケ「〔ふっ、相変わらずその蒼い目は剣のように鋭く光っているな...心はまだ折れてないが...〕」
「骨は折れてる、か...」ニヤッ
ファーラン「〔ん?〕」
スッ!! ドォッ!!!!
ミケ「〔なら、お前のそのバッドも残りの折れてない骨ごと...へし折ってやる!!〕」シュッ!!
ファーラン「〔コースが甘い!?〕」
ザッ!!! アルミン「ッ!!」スッ!!!
ズキィッ アルミン「ぅ”ッ...!?」ピトッ
バシンッ!!!!!!
審判「ストライク!」
実況「3球目は内甘めの高さをストライク!」
ファーラン「〔ん...? なんだ、この違和感...なんでアルミン先輩はスイングを止めたんだ...?〕」
ドクンッ ドクンッ ドクンッ
アルミン「...」
エレン「...? アルミン先輩?」
-
- 171 : 2016/10/10(月) 01:07:34 :
実況「4球目は...」
スッ!! ドォッ!!!!
シュッ!!
クイッ!
パシンッ!!!!!!
審判「ストライクツー!」
実況「4球目は外低めにシュート、決まってツーストライク!」
ケイジ「ナイスボール、ミケ!」
イザベル「ワンァウト!ピッチャー、打たせていきましょう!!」
リヴァイ「...バッター勝負だ」
エルド「一人ずつな!」
ファーラン「〔可笑しい...今のボール...普段なら流し打ちをしてくるなり、ファールでタイミング合わせたりするはずなのに...スイングすらしてない。〕」
アルミン「ふぅ...ハァ...」アセ
アニ「〔アルミン...? やっぱり無理してるんじゃ...〕」
ファーラン「〔それに、さっきから汗の量が凄い...雨のせいじゃ...ねぇよな?〕」
スッ!! ドォッ!!!!
ミケ「ふんッ!!」シュッ!!
ザッ!! スッ!! ファーラン「ぇっ」
キーンッ!
ファーラン「ピッチャー!!」
ガシッ!! ミケ「ふっ」シュッ
パシッ!!!!
審判「アウト!」
ファーラン「ツーアウト!!」
「オーッ!! ツーアウト!!」
ファーラン「〔あっぶねぇ...今度は普通に振ってきた...でもタイミング全然合ってなかったな...それも作戦ですか、アルミン先輩〕」
スタスタ
アルミン「ごめん、ストレートやっぱ重い。 それとコントロールは出来てないみたいだから甘い球来たらセンター超えよろしく!」
ライナー「はい!」
スタスタ
アニ「アルミン」
アルミン「ハァ、ハァ...なに?」ゼェハァ
アニ「...凄い汗だね...」
アルミン「え...あ、あぁ...雨も降ってるからね...」ゼェハァ
アニ「...無理...してるの?」
アルミン「...してないよ。 だって、してたらハンジ先生に止められてるもん」ニコッ
アニ「...そう」
ズキィッ アルミン「...」ピクピクッ
アルミン「〔お願いだ...何とか守備時には何も起こらないでくれ...〕」ピクピクッ
-
- 172 : 2016/10/10(月) 01:09:33 :
ウグイス「5番ライト、ブラウン君」
♪紅蓮の弓矢♬
ライナー「おっしゃぁ!!」
ファーラン「〔ミケさんのストレートに唯一付いてこれるならこいつだ。 アルミン先輩もあっちの監督もそう考えてるはず...ならここはゾーンで勝負するのは...〕」サイン
ライナー「〔アルミン先輩でも打てなかった球なんて...俺に打てるのか...?〕」
スッ!! ドォッ!!!!
シュッ!!
ライナー「〔外はずれてる!〕」
バシンッ!!!!!!
審判「ボール!」
ライナー「〔ん...? そんなに速くない...?〕」
ファーラン「〔ナナバ先輩よりキレがないから速く感じない、当てようと思えば当てられるのがミケさんのストレートの良い部分でもあり悪い部分〕」
ライナー「〔これなら当てられる...!〕」
ファーラン「〔ただ...〕」
ファーラン「当てるだけじゃ、意味ねぇけどな」
スッ!! ドォッ!!!!
シュッ!!
ライナー「〔今度は内だ、振れッ!!〕」スッ!!!
クイッ! ライナー「ぐッ!?」
パシンッ!!!!!! 審判「ストライク!」
実況「外ストレート外れた後に、内にシュートでストライク!」
ライナー「〔くそっ、ストレートとシュートの見分けがつかねぇ...スピードも差がないし、変化もあまりしないから当てづれぇ...〕」
ファーラン「〔本当は内に変化球なんて怖くて投げたくねぇけど、さっきのストレートを見たってことはストレートの軌道を覚えてるはずならやることは簡単〕」
ファーラン「〔ストレートと同じ軌道のシュートがあるってことを意識させれば、勝手に自滅する。〕」
ライナー「〔確かにシュートは厄介だ、でも...アルミン先輩の言う通り、決め球には程遠い。シュートが来たら腕で合わせればいい。〕」
ファーラン「〔これで打ち切りましょう。〕」サイン
スッ!! ドォッ!!!!
シュッ!!
ライナー「〔ストレートならそのまま叩いて、シュートなら腕で合わせる!〕」スッ!!!
ライナー「〔振り切れッ!!!〕」
キーンッ!!
「おぉっ!?」
ファーラン「チッ、内野越えたか...レフト!!」
タッタッタ!!
ネス「〔ちょ、ちょっと待て...ミケのストレートだぞ? それを定位置より...〕」
ライナー「超えろぉ!!」タッタッタ!!
パシッ!! 実況「アウト!スリーアウトチェンジ!!」
ネス「あ、あっぶねぇ...」
ミケ「〔俺のストレートをいきなりレフトフライに...〕」チラッ
ライナー「くそっ...すみません!」
ミケ「〔同じポジション・同じ打順・同じスタイル...ふんっ、面白そうな奴がいるな〕」
ジャン「っしゃぁ、5点入ったぞ! この回無失点にして一気に流れ掴むぞ!!」
「おうッ!!!」
-
- 173 : 2016/10/10(月) 01:12:15 :
アルミン「5回締まっていこう!!」
「オーッ!!」
ウグイス「5回の裏、調査高校の攻撃は...1番セカンド、マグノリア君」
エルヴィン「イザベル」サイン
イザベル「...はい!」コクッ
審判「プレイ!」
♪狙い撃ち♬
実況「5回の裏、先頭バッターは1番のマグノリア。 諫山さん、調査高校はこの回上位打線からですがどのように思いますか?」
諫山さん「そうですね。 逆転された調査高校としては、上位打線から始まるので早いところで同点にしたいですね。」
実況「対するシガンシナ高校ですが、ピッチャーのフーバーは絶好調です。 今のフーバーから大量得点を取るのは難しいのでは?」
諫山さん「そうですね。 フーバー選手の好調がこのまま続けば、例え調査高校打線と言えどそう簡単に打つことは難しいでしょう。」
イザベル「〔1,2打席共に塁に出れなかったんだ。 今度こそ出る...!〕」キリッ
アルミン「〔もう5回だ。 動くならこの上位打線から始まるこの回。 その先頭バッターがイザベル...〕」
アニ「〔この打者を塁に出したら、まず今までの良い流れが打ち切られる。 この回が終われば、一回グラセンで試合が止まる。 ならここでやるべきことは...〕」
アルミン「〔簡単にイザベルを塁に出させないこと。 初球が肝心だ。〕」サイン
ベルトルト「」コクッ
イザベル「〔もう2打席も見たんだ、ここで塁に出なかったら1番バッターじゃねぇ...!!〕」
ドッ!!!
エルヴィン「〔狙うは...〕」
イザベル「〔初球のストレート!〕」
シュッ!!!
イザベル「〔キタッ、外のストレート!!〕」スッ!!!
アルミン「〔来た、セーフティ!〕」
キッ
ジャン父「なっ、外低めのストレートを簡単に当てやがった!?」
ケニー「いや、だが勝負には負けてねぇ」
「おっしゃぁ!!」ダッ!!
イザベル「〔ッ、サード早い〕」ダッ!!!
パシッ!! コニー「もらったぜ!!」スッ!!!
イアン「動いていたのは調査高校だけじゃないってことだな。」
ミタビ「アルミンの野郎、読んでやがったのか!!」
ファーラン「イザベル、見せてやれ!!」
イザベル「〔最初から簡単に塁に出してくれるようなアルミン先輩だって思ってねぇよ! だったら、俺が賭けれるものは決まってる!!〕」ギュゥッ!!!!!
「「爆発する混合器 」」
ダダダッッッ!!!!!
コニー「オラァッ!!」シュッ!!!
ザァッ!!!!! パシッ!!
コニー・アルミン・アニ「!」
審判「セーフ!」
「おぉぉぉぉおおおおおおっっ!!!!!!」
♪ファンファーレ♬
実況「なんという俊足...いえ、なんという爆速なのでしょうか!?」
諫山さん「足場がしっかりしないこの雨の中で...正直何も言葉が出てきません。」
ラルフ「なっ、なんつー足してんだ...!?」
マルセル「あいつ...本当に高校生...?」
サネス「〔普通ならアウトになるはずの当たりを走り抜けやがった。 あれが爆速のマグノリアの真骨頂か...〕」
サネス「来るぞ、あいつら本気で点を取りに来る。」
マルセル・ラルフ「え?」
調査モブ「ナイラン、マグノリア!」
イザベル「あざっす!」
アルミン「〔中学の時よりも、数段速くなってる...くそっ、もっと慎重にいけば...いや切り替えよう。〕」
アルミン「ノーアウト! 外野前進! 内野盗塁注意!」
「オーッ!!」
-
- 174 : 2016/10/10(月) 01:14:50 :
ウグイス「2番センター、バーナー君」
♪必殺仕事人♬
モブリット「お願いします。」
審判「プレイ!」
調査モブ「リー、リー、リー」
イザベル「」ササッ
アルミン「〔必ず走ってくる、そのことは頭に入れとくんだ。〕」サイン
ベルトルト「」コクッ
スッ!! イザベル「...」サッ
ベルトルト「」チラッ
シュッ! イザベル「」ダイブッ!!!
パシッ!! 審判「セーフ!」
実況「一塁はセーフ、牽制を一球入れましたね。」
諫山さん「そうですね。 マグノリア選手の足は警戒せざるを得ないです。 いい判断だと思います。」
ベルトルト「〔簡単に走らせやしない。〕」
イザベル「〔じゃぁ走ってやるよ...!〕」
アルミン「〔サウスポーなのが幸いだ。 一塁の動きをよく見れる。〕」
タタッ イザベル「...」キリッ
アルミン「〔ランナーのことを気にかけるのは良いこと。 でも...〕」
アルミン「ナイスベルトルト!バッター勝負!」
ベルトルト「! バッター勝負!」
アニ「〔うん、上手いことベルトルトにバッターのことに集中させたね。〕」
モブリット「...」
アルミン「〔厄介なのはランナーだけじゃない。 バッターであるモブリットさんもだ。〕」
アニ「〔定石通りなら送りバント...でも、調査高校が本気で点を取りに来てるなら”何か違う形で”動いてくる。〕」
アルミン「〔相手の監督が何を考えてるか...イザベルを確実に返すか、それともリスクを犯してでも上位打線全員を返すか...〕」
アルミン「〔初球は外そう〕」サイン
ベルトルト「」コクッ
ドッ!!! シュッ!!!
パシンッ!!!!! 審判「ボール!」
実況「初球は外高め! 速い球でしたね!」
諫山さん「ランナーであるマグノリア選手の動きを図ってのことでしょう。」
アルミン「〔初球じゃなかったか、なら次は...〕」サイン
ベルトルト「〔今度は外低めに...〕」コクッ
ドッ!!! ベルトルト「〔全力投球!!〕」シュッ!!!
モブリット「...」
パシンッ!!!!! 審判「ボール!」
ベルトルト「ぁ...」
アルミン「〔外れたか...もう全力投球じゃ、6割程度のコントロールしか出来ない〕」
アニ「〔それでも、ベルトルトの制球力なら疲れてる今でも4分割できる。〕」
-
- 175 : 2016/10/10(月) 01:15:30 :
アルミン「〔現状のベルトルトの調子と、現段階の調査高校の攻め方と、今の状況の3つを考えてのリード...どうする...どうする...〕」アセ
アルミン「〔一球内で試させてくれ〕」サイン
ベルトルト「」コクッ
イザベル「...」
ドッ!!! イザベル「ッ!!」ダッ!!!!
アルミン・アニ・ベルトルト「〔走った!?〕」
モブリット「」スッ
コニー「〔! セーフティか...!!〕」ダッ!!
シュッ!!!
アルミン「〔セーフティ...ッ、まさか...!!〕」
ダッダッダ!! コニー「〔取ったら速攻ファーストに投げる!!〕」
アルミン「コニー、来るなっ!!」
コニー「えっ?」
バッ スッ!!!!
アルミン「バスターエンドランだ!!」
モブリット「ふッ!!」
キーンッ!!!
コニー「マジかよっ!?」
実況「打ったァ! 三塁頭上!!」
イザベル「〔三塁行ける!!〕」ダッ!!!!
「ストップ!!」
イザベル「っ」ザザッ!!!
ミカサ「...」サッ
イザベル「〔あのショートいつの間に...〕」
実況「なんとショートのアッカーマン、三塁に行かずそのままサードのスプリンガーのカバーに行っていたァ!!!」
諫山さん「今の三塁に行っていたら間違えなくランナーは三塁まで走っていたでしょう。いい判断です。」
ミカサ「皆で取った5点...簡単には点を取られるわけにはいかない。」
イザベル「...へっ、おもしれぇ...お前やるじゃん。」
コニー「わりぃ、ミカサ!助かった!」
ミカサ「そんなことない、今のはコニーが前に出ていなかったらセーフティが決まっていたかもしれなかった。」
コニー「結果はバスターだったけどな」
ミカサ「でもなんとか二塁までで止められた。」
コニー「? それはお前のおかげだろ?」
ミカサ「私は何もしてない。」
コニー「???」
マルコ・トーマス「〔やべぇ...ここにもある意味馬鹿がいた...〕」ナミダメ
-
- 176 : 2016/10/10(月) 01:17:41 :
アルミン「タイム」
審判「タァイム!」
スタスタ
アルミン「ミカサ、助かったよ。」
ミカサ「いえ」
マルコ「ノーアウト一二塁...最も危ない形からは逃れましたね。」
アルミン「でもピンチに変わりはない。 何より次のバッターはファーランだ。」
タッタッタ
コニー「おう、エレン!」
アルミン「アニはなんて?」ボソッ
エレン「監督はこのバッターのアウトは絶対って言ってました。」ボソッ
トーマス「そりゃそうだよな...なんたってその次は4番のリヴァイだもんな...」ボソッ
アルミン「...ベルトルト、全力投球あと何球投げられる...?」ボソッ
ベルトルト「え...な、何球でも投げます!」ボソッ
アルミン「そうじゃなくて...今の状態からして何球投げられる?」ボソッ
ベルトルト「...それは...ちゃんとコントロールできて...ってことですか?」ボソッ
アルミン「...うん」ボソッ
ベルトルト「...投げれて...10...だと思います...」ボソッ
トーマス「えっ...じゅ、じゅう!?」
マルコ「トーマス!声デカイ!」ボソッ
トーマス「わ、悪い!!」
マルコ「だからデカイって!」ボソッ
トーマス「ごめん!!」
マルコ「デカイっての!!」
エレン「そういうマルコも声デカイぞ?」ボソッ
マルコ「はっ!? 僕は何を...」
エレン「い、いやだから...今もデカイぞ」
マルコ「ご、ごめん!僕はそんなつもりは...!?」
エレン「だからデケェっての!!」
ミカサ「エレンも移ってる」ボソッ
・・・
トーマス・マルコ・エレン「感染症や...!?」
ミカサ「デカイ」ボソッ
トーマス・マルコ・エレン「ず、ずびません」ボソッ
コニー「なぁなぁ、何話してるんだ?」ボソッ
トーマス「やめろ!お前は一番移っちゃいけぇ!!」ボソッ
マルコ「コニーまで移ったら対処しきれなくなる」ボソッ
エレン「KD ウイルスのワクチン作らねぇとな...」ボソッ
アルミン「...作戦を考えた。」
トーマス・マルコ・エレン・ミカサ・ベルトルト「!」
-
- 177 : 2016/10/10(月) 23:40:07 :
ウグイス「3番キャッチャー、チャーチ君」
♪チャンス襲来♬
実況「ノーアウト、一二塁で打席には大型ルーキー、調査高校未来のホープことファーラン・チャーチです!」
諫山さん「チャーチ選手はチャンスに強いですからね、長打は最も警戒しなければなりません。」
エルヴィン「」サイン
ファーラン「」コクッ
審判「プレイ!」
アルミン「〔いいかい?ベルトルト〕」チラッ
ベルトルト「〔はい!〕」コクッ
ジャン父「ピンチだな...」
ケニー「あぁ、それもとてつもなく...な」
マルロ「ノーアウト一二塁か...不味いな」
ヒッチ「え?まだ三塁にいないからそこまでピンチじゃなくない?」
ボリス「状況だけ見ればな...でも、ランナーは足が馬鹿速い1番と2番...バッターは3番だ。」
ヒッチ「だからなんだって言うのさ、ここ抑えればいい話じゃん」
マルロ「簡単に言うな...調査高校の上位打線だ。 戦った俺らだからよくわかる...」
例えこの3番を抑えようとも、次に控えてるのは...
絶対的な4番 ...リヴァイが待ってるんだ。
マルロ「その後も、5番のミケ...6番のエルド...考えただけで頭が痛くなるぜ。」
ヒッチ「でも、さっき抑えてたじゃん!」
マルロ「...あぁ”さっき”はな...」
ファーラン「...っし、来い!」
アルミン「...」サイン
ベルトルト「」コクッ
スッ ベルトルト「」チラッ
イザベル/モブリット「...」
ミタビ「おいおい、やばくねぇか?これ」
イアン「あぁ不味いだろうな」
ミタビ「...って、いつもみたいに何か秘策ねぇのかよ!?」
イアン「...はっきり言って、俺には考えつかない。」
ミタビ「マジかよ...」
イアン「まだフーバーがクイックを使えるのならば...何か出来ただろうがな」
ミタビ「クイックだぁ?」
イアン「誰しもクイックが出来るとは限らないし、ましてやナナバのようにクイックを使ってもコントロールやスピードが乱れないのはほぼ才能で出来ていると過言でもない。」
ミタビ「...大丈夫かよ、シガンシナ...」
ドッ!!!
ササッ イザベル/モブリット「」
ベルトルト「ッ!!」シュッ!!
ファーラン「〔内低い...!〕」
パシンッ!!!!
審判「ボール!」
ファーラン「〔球威が少し下がった...?〕」
アルミン「ナイスボール!」シュッ
ファーラン「〔この場面シガンシナにとって最悪な結果は、俺に打たれて4番のリヴァイ先輩に繋げること〕」
アルミン「〔理想はレフトフライか、三遊間...ならここは〕」サイン
ドッ!!! シュッ!!!
アルミン・ベルトルト「〔内角低めのドロップカーブ!〕」
クインクインッ!!!
ファーラン「〔! この山なり...リヴァイ先輩がセンター越えツーベースを打ったドロップカーブ!〕」ザッ!!!
アルミン「〔...何か可笑しい...なんでランナーのイザベルは...モブリットさんは走ってないんだ...?〕」
ファーラン「うらァッ!!」キーンッ!!
ベルトルト「!」ビクッ
審判「ファール!」
ウグイス「ファールボールにはご注意ください。」
アルミン「〔ここでエンドランをすれば一気に2点は入る...それに、イザベルならもし内野ゴロでもゲッツー崩しの技術は持ってるから走ってもいいはず...なのに、何もしてこない...?〕」
アニ「〔不気味だね...ここまで調査高校が静かだと何か他のことを企んでるのかも〕」
アルミン「〔だとしても、このチャンスで点を取らないわけがない。 必ず何かを狙ってくる...〕」
「...ふっ、何をそう身構える...?」ニヤッ
エルヴィン「私はなにも、企んではない。」
エルヴィン「私はただ彼らに...点を取ってこいと言っただけだ。」
エルヴィン「何かを企んでるとすればそれは、君達の方なのではないかな?」
-
- 178 : 2016/10/10(月) 23:41:44 :
アルミン「〔全く動いてこない...バッターであるファーランも”普通に打ちに来てる”みたいだし...〕」
アルミン「〔何が狙いだ...ベルトルトの体力か...? それとも、個人技に任せてるのか...?〕」
アルミン「〔とにかく外で様子を見よう〕」サイン
ベルトルト「」コクッ
ドッ!!!
ミケ「哀れだな、アルミン」
シュッ!!!
エルド「お前が注意深くなればなるほど」
ザッ!!!
ケイジ「自分の首を絞めることになるんだからな。」
パシンッ!!!!!
審判「ストライク!」
ベルトルト「ハァ、ハァ...ふぅーっ...」アセ
アルミン「〔ベルトルトの体力の問題もある...効率よく終わらせたいけど...それができる相手じゃない。〕」
ドッ!!!
シュッ!!!
クインクインッ!!!
ファーラン「〔ドロップカーブ!〕」ザッ!!!!
キーンッ!!!!
ベルトルト・アルミン「!」
アルミン「レフトォ!!」
タッタッタ!!
ミリウス「〔間に合わない...!?〕」
カシャンッ!!!! 実況「レフトオーバーのツーベースヒット!!」
ダダダッ!!!!
ジャン「ホーム間に合わねぇ!」
ミリウス「クッ!?」スッ!!
アルミン「中継!」
シュッ!
パシッ!!! ミカサ「〔ホームは...!〕」チラッ
イザベル「同点!」
「おぉぉぉぉおおおおおおっっ!!!! すぐさま追いついたァ!!!!」
ファーラン「っしゃオラァ!!」ガッツポーズ
アルミン「〔何も仕掛けずに、ただ打ってきた...? それも、ベンチからの指示はないまま... !!〕」
アニ「〔やられた。 こっちは何か仕掛けてくることに集中していたせいで、気づかなかった...調査高校は”何も、この回で決めようとしていなかった”〕」
アルミン「〔何か来るって待ち構えてても、何もしなければこっちがただ自滅するか隙を与えるだけ...くそっ〕」
-
- 179 : 2016/10/10(月) 23:43:34 :
実況「ノーアウト一二塁からレフト越えツーベースで同点に! なおも、ノーアウト二三塁で...」
ウグイス「4番ショート、リヴァイ君」
♪チャンス襲来♬
調査高校応援「一気に決めちまえ!!」
調査高校応援2「特大ホームラン見せてやれ!!」
調査高校応援3「リヴァイくーん!! 打てぇ!!!」
バァンッ!!!!! バァンッ!!!!! バァンッ!!!!!
スタスタ
リヴァイ「...うるっせぇ奴等だ」
審判「プレイ!」
アルミン「〔ノーアウト二三塁で...〕」
リヴァイ「来いよ、さっきの変化球...今度こそ打ち崩す」ギリッ
ベルトルト「!」ビクッ
イアン「最悪な展開になったな。」
ミタビ「あぁ、ここでホームランなんて打たれたらたまったもんじゃねぇな」
サネス「だが、あいつを抑えられる奴なんて今まで見たこと無いし、いるとも思えねぇ」
マルセル「なら、どうやって?」
サネス「俺なら...」
アルミン「〔...どうする、考えろ...何が一番最適だ...〕」アセ
アルミン「〔敬遠? いや5番のミケさんに内野を抜かれたら2点入る...なら、ドロップカーブ? いや前の打席に外野を越された...どうする...どうする!〕」
アルミン「〔初球は...〕」サイン
ベルトルト「」コクッ
ドッ!!! ベルトルト「ッ!!」シュッ!!
リヴァイ「」キリッ
ベルトルト「〔打たれる!?〕」
パシンッ!!!! 審判「ストライク!」
実況「初球ストレート、外低めを丁寧についてストライク!」
アルミン「〔見てきた...? 待機指示か...? いやリヴァイなら必ず振ってくる...なのに、なんで?〕」
「ちげぇな」
アルミン「!」
リヴァイ「俺はそんなヒョロい球を打ちたいんじゃねぇ...もっとキレのある変化球...山なりに急降下してくる...ドロップカーブを待ってんだよ。」
ベルトルト「!」
アルミン「〔ドロップカーブを待ってる...?〕」
ベルトルト「〔リヴァイさんを唯一ツーベースに抑えたあの球...〕」
アルミン「〔挑発に乗るか、それとも無視するか...〕」
ベルトルト「アルミン先輩!」
アルミン「!」
ベルトルト「〔勝負させてください。 あの球で...!!〕」サイン
アルミン「...」コクッ
ベルトルト「〔昔言われた〕」
ベルトルト「〔僕には心がないって...〕」
ベルトルト「〔自分の意志がないって...〕」
ベルトルト「〔確かに中学までの僕はそうだった...でも〕」
ベルトルト「〔今の僕は、ちゃんと自分の意志がある! ライナーと...エレンと...みんなと...甲子園に行く...!〕」
ドッ!!! グイッ!!!
ベルトルト「〔僕がここにいるのは...〕」
ベルトルト「〔みんなと甲子園に行くために、戦うために...ここにいるんだ!!〕」シュッ!!!
イアン・サネス・マルロ「〔! 内角低めの...クロスファイヤー!?〕」
ケニー「〔だけじゃねぇ、残りの体力を全部使った...全力投球〕」
「...チッ、ちげぇな」
ベルトルト「!」
リヴァイ「少し高い技術を手に入れたからって、調子に乗ってアホみたいに使うんじゃねぇよ」
リヴァイ「例え見た目が速くなったからって、実物が速いわけじゃねぇんだ。」
リヴァイ「てめぇのストレートは偽物 だ。」ザッ!!!!!
カキーンッ!!!!
ベルトルト「...」
リヴァイ「...!」
カシャンッ!!!!
実況「あぁっと!? 惜しい、あと数センチというところで惜しくもフェンス直撃ィ!!」
ザッ モブリット「6点目!」
ジャン「ライナー、急げ!」
ライナー「わかってる!!」シュッ!!!
パシッ!! マルコ「ッ」
ザッ ファーラン「7点目!!」
「おぉぉぉぉぉおおおおおっっ!!! 2度目の逆転!!」
実況「5対7! 5対7です!! 調査高校再び逆転です!!」
-
- 180 : 2016/10/10(月) 23:45:33 :
リヴァイ「...チッ」チラッ
ベルトルト「ハァ、ハァ、ハァ...」アセ
リヴァイ「〔捉えたはずだった...なのに...〕」
ドッ!!! グイッ!!!
シュッ!!!
リヴァイ「てめぇのストレートは偽物 だ。」ザッ!!!!!
キュルルルッ グイッ!!!
リヴァイ「〔まさか咄嗟に”カットボール”回転が掛かってるとは思わなかったぜ...チッ、胸グソわりぃ〕」
アルミン「タイム」
審判「タァイム!」
実況「ここでシガンシナは2度目のタイムを取りました。」
スタスタ
アルミン「ベルトルト」
ベルトルト「...はい、わかってます...」
アルミン「〔だけど...どうする、ミカサは怪我をしているし...エレンはまだ投げられない。〕」
エレン「俺に行かせてください!」
アニ「ダメ」
エレン「なんでですか!」
アニ「あんたはまだ投げれる状態じゃない。」
エレン「それなら大丈夫です!痛め止を射ってもらっt「それも含めて」
エレン「!」
アニ「まだ許可されてる回数じゃないでしょ。 ハンジ先生から聞いたよ。 最低でも投げれて3回って」
エレン「クッ...じゃぁどうするんですか! ミカサは投げられない、アルミン先輩だって怪我したばっかですよ!!」
アニ「わかってる...」
アルミン「〔選択欄が...ない...〕」
イアン「不味いな」
ミタビ「何がだよ」
イアン「シガンシナは投手がいない。」
ミタビ「はぁ?いるじゃんかよ、最終回に出てきたあいつ」
イアン「アルレルトに聞いたところ、あいつは負傷者らしい。」
ミタビ「なぁに!?」
マルセル「投げれるやつがいないって...やばいじゃないですか!」
サネス「だからやべぇって言ってんだろ」
サネス「〔これはさすがに...いくら、蒼の騎士 天才キャッチャー、アルミン・アルレルトだろうとも...どうしようも出来ねぇだろ〕」
アルミン「...」
「投げます。」
アルミン「!」
ミカサ「私が投げます。」
アルミン「えっ」
マルコ「何言ってるんだ!お前は怪我してるだろ!」ボソッ
ミカサ「でも、他に投げれる人はいないでしょう?」
マルコ「それは...え、エレンなら...!」
アルミン「エレンは無理だ」
マルコ「え?」
アルミン「エレンはまだ...無理なんだ。」
トーマス「む、無理ってなんですか」
アルミン「エレンには投球制限が課せられてる。」
マルコ「投球制限...?」
アルミン「医者に痛み止めは射ってもらった。 でも、射った直後は効果はない。 効果が出るのは早くて9回...そして、投球制限は...3回までの実質50球にも満たない。」
マルコ「そんな...」
ミカサ「私が出ます。」
アルミン「ミカサ...いや、ダメだ。」
ミカサ「どうしてですか?」
アルミン「準決勝の時、酷い怪我をしたってアニから聞いた。それに、打席の時も痛みを庇っていたよね?」
マルコ・トーマス・ベルトルト「!」
ミカサ「...」
-
- 181 : 2016/10/23(日) 01:55:58 :
マルコ「そ、それじゃ...どうするんですか?」
アルミン「...僕が「いえ、私が出ます。」
アルミン「ミカサ!」
ミカサ「私なら大丈夫です。 痛みはアドレナリンが出てるので、もうないです。」
アルミン「ダメだ。 アニも僕も反対だ。」
ミカサ「ならどうするんですか?」
ミカサ「このままだと試合を棄権することになりますよ。」
アルミン「!」ビクッ
ミカサ「...」
アルミン「...し、仕方な「ダメです!!」
「!」
ベルトルト「ここまで来たんです。あきらめたくない!」
アルミン「...じゃぁ...どうすればいいんだよ」
アルミン「もう僕らには...時間も、精神も、選択も余裕はない! 何をすれば正しいことなんだよ!」
マルコ「あ、アルミン先輩!落ち着いて!」
アルミン「僕だって諦めたくない...ここまで来たんだ...自分達から棄権だなんて以ての外さ...」
ベルトルト「...ならミカサを出させてください。」
マルコ・トーマス・ミカサ・アルミン「!」
アルミン「だ、だから...ミカサは怪我をしているんだ。 もし登板したとしても、怪我が悪化したらどうするんだい? 最悪審判に止められる。」
ベルトルト「...ミカサ、調査高校の打線抑えられるかい?」
ミカサ「うん、抑えられる。」
ベルトルト「...なら僕に考えがあります。」
「え?」
ベルトルト「次の5番ミケさんは、プルヒッターです。 ならミカサの多種多様な変化球のピッチングでレフトに打たせるんです。」
アルミン「そんな簡単に行くはずない。 第一そうなったとしてもリスクが高すぎるし、ミリウスじゃ荷が重すぎる。」
ベルトルト「僕がレフトに入ります。」
マルコ「えっ...」
ベルトルト「交代せずに、そのままレフトに入って僕がミカサをカバーします。 打たせて取るピッチングなら、少しでもスタミナ消費を抑えられます。」
トーマス「む、無茶言うなよ! お前体力限界だろ!」
ベルトルト「それでも...僕は最後までみんなと戦いたい。」
ミカサ「!」
ベルトルト「このチームでなら必ず甲子園に行ける...僕はそう信じてる!」
アルミン「...」
ミカサ「うん、私もベルトルトに賛成する。」
マルコ「ミカサ...?」
ミカサ「このチームは強い。 どのチームよりも強い。 それは実力や才能を持った選手が揃った強さじゃない...」
ミカサ「私達の強さは、チーム一丸となって心を1つにする...強い”意志”を持っていること。」
ミカサ「そして...その意志を私達にくれたのは...」チラッ
エレン「俺を出してくださいッ!!」
ミカサ「エレン...エレンからみんなに...強い意志を伝染させてくれた。」
ミカサ「だから、アルミン先輩...お願いします。」ペコッ
ミカサ「ダメだと思ったらすぐ降板します。 ので...」
「...ハァ~...全く...」
ミカサ・ベルトルト「!」
アルミン「...毎回毎回...何度も何度も...エレン には敵わないな...」チラッ
エレン「監督ッ!!」
-
- 182 : 2016/10/23(日) 02:01:18 :
アルミン「〔アニ〕」チラッ
アニ「!」
・・・
観客「おいおい、シガンシナどうすんだよ」
観客「さぁな? フーバーは掴まっちまったからな、アッカーマンを出すんじゃねぇか?」
観客「アッカーマンか...こりゃ楽しみだな!」
観客「流星のごとく現れた天才ミカサ・アッカーマンVS 史上最強の名を誇る調査高校」
観客「でも、準決勝のとき怪我して途中離脱してなかったか?」
観客「あ...」
ジャン父「ただでさえ、人数ギリギリっていうのに...大丈夫かよ」
ケニー「おいおいおいおい、応援する身の俺たちがネガティブ発言してどーすんだ!」
コニー父「そだぞ、キルシュタイン!」
ジャン父「わ、悪い...」
キース「〔だが、親御さん達と言う通りだ。選手層が一回りも二回りも多い相手にどう戦う...これは...実力勝負もあるが、選手の体力の問題もあるぞ...アルレルト〕」
ウグイス「シガンシナ高校 シートの変更をお知らせ致します。」
ジャン父・ケニー「お?」
ウグイス「ピッチャー フーバー君、代わりましてアッカーマン君。」
観客「おぉ、やっぱ出てきたな!」
観客「頼んだぞ!」
ウグイス「ショートのフーバー君に代わり...」
イアン「!」
ミタビ「おいおい、大幅に変えてきたな。」
イアン「パターンBに入ったな」
グスタフ「パターンB?」
イアン「シガンシナは、投手を軸にそれぞれのポジションを変えてきてるんだ。 例えるなら...」
※ベルトルトが投手 の場合...
ミリウスorダズ ジャン ライナー
コニー ミカサ マルコ トーマス
ベルトルト
アルミン
イアン「先程までのポジションになる。 だが...」
※ミカサが投手 の場合...
ベルトルトorミリウス ジャン ライナー
コニー マルコ トーマス ダズorミリウス
ミカサ
アルミン
イアン「パターンBになると、アッカーマンが移動するため内野が少し手薄くなる。 そこで、アッカーマンと組んでいたセカンドのボットが代わりにショートに入り、ファーストにいたワグナーがセカンドに入る。」
ミタビ「よくよく考えたらこれ一人2個以上はポジション守ってることになるよな...」
イアン「人数が少ない分、誰かが補わなければ穴は塞がらない。」
ウグイス「3番レフト フーバー君、6番ピッチャー アッカーマン君、7番セカンド ワグナー君、8番ファースト ゼルムスキー、9番ショート ボット君
以上のように変更致しました。」
ジャン父「すげぇ変更だな」
ケニー「おいおいおいおいおい、ミカサ...大丈夫なのかよ...いや大丈ばないだろ!?」
-
- 183 : 2016/10/23(日) 02:10:32 :
アルミン「3球!」
ミケ「〔今騒がれているルーキーか〕」
イザベル「〔へへっ、こいつピッチャーもやるのかよ!すげぇな!〕」
ファーラン「〔あのショートか、どんなピッチングするんだ...?〕」
リヴァイ「...チッ」
ケイジ「見たことないな、中学時代話聞いたか?」
エルド「いや一度も...というか...」
ケイジ「え?」
エルド「〔アッカーマンは確か...あいつの名字だったはず...〕」チラッ
リヴァイ「...」
エルド「〔たまたま一緒なのか...?〕」
エルヴィン「...オルオ、グンタ」
スタスタ
エルヴィン「彼は練習試合にいたか?」
グンタ「はい、あのライトとレフト以外は全員いました。」
エルヴィン「ふぅむ」
オルオ「ってか、今ピッチャーやってる奴へいちょーの真似する奴じゃねぇか!」
エルヴィン「?」
グンタ「オルオ、まだ言うか」
オルオ「確かに同じなんだ!へいちょーの追っかけだ、あいつは!」
エルヴィン「...オルオ、その話を詳しく聞こうか」
オルオ・グンタ「え?」
アルミン「ナイスボール!」シュッ
アルミン「〔うん、普通に投げれてる。これなら十分〕」
ウグイス「お待たせしました。 5回の裏、調査高校の攻撃は...5番ピッチャー、ザカリアス君」
♪チャンス襲来♬
審判「プレイ!」
実況「さぁ大幅にシートチェンジをしてきたシガンシナ高校ですが、ピッチャーにはアッカーマンが入りました。 諫山さん、どう思われますか?」
諫山さん「そうですね。 多種多様な変化球を持ち、かつ精確なコントロールと球威のあるストレートを持っているアッカーマン選手が調査高校相手にどう戦うのか、注目ですね。」
ミケ「〔大型ルーキー、お手並み拝見といこう〕」スッ
ミカサ「〔ふぅ...大丈夫、アドレナリンで痛みはない。〕」
アルミン「〔ノーアウト二塁は変わらず、ここはベルトルトの作戦でいこう。〕」サイン
ミカサ「」コクッ
ミカサ「...」チラッ
リヴァイ「ぁ?」ギロッ
ミカサ「...」スッ!!!
ドッ!!! シュッ!!
ミケ「〔ストレートか〕」
パシンッ!!!! 審判「ストライク!」
実況「ザカリアスに対しての初球は内低めにストレート決まって、ストライク」
アルミン「〔コース完璧〕」
アルミン「ナイスボール!ミカサ!」シュッ
パシッ
アルミン「〔次は〕」サイン
ドッ!!! シュッ!!
ミケ「〔内の次に外、またストレートか〕」スッ!!!!
クイッ!!!
ミケ「〔! シュート回転〕」
パシンッ!!!!! 審判「ストライク!」
実況「2球目は外から内に入ってくるシュートでツーストライク!もう追い込みました!」
アルミン「〔相変わらずコースはばっちし...ははっ、兄に似たんだね。 でも...〕」
アルミン「〔今は敵同士、君達の間に何があったのかはわからないし、正直わかりたくもない。〕」
アルミン「〔ただ、どうしても世間では兄妹 と比べられたり、被せられたりするかもしれない。もし君がそれを望むのならば、そのままで構わない...だけど〕」サイン
ミカサ「!」
「「それが嫌なら、戦って結果を残すまでだ。」」
ミカサ「ふぅ」キリッ
ミケ「〔目つきが変わった? バッターボックスからでも伝わる、この集中力...〕」
ミカサ「スゥーッ...フゥーッ...」ギリッ ゴゴゴッ
ミケ「〔何が来る...アルミン、何を企んでいる...〕」ギリッ
リヴァイ「...」
アルミン「〔今日、初披露目〕」
スッ!!!!
ミケ「〔ん、ワインドアップ...?〕」
リヴァイ「てめぇ、何する気だ」
アルミン「〔リヴァイ...これが、あなたを見て育った妹の野球だ。これが、あなたを理想として目指してきた妹の野球だ。これが...〕」
ドッ!!!!
アルミン「〔あなたに憧れ、あなたに付いていきたいと思ってた妹の...本心の野球だ!〕」
ミカサ(リヴァイ)「ッ!!」シュッ!!!
ミケ「ッ」
パシンッ!!!!!
審判「ストライク!バッターアウト!」
-
- 184 : 2016/10/23(日) 02:15:35 :
「おぉ...!!」
実況「三球三振! アッカーマン、インコースに全力投球を投げ込み、ザカリアスから三振をもぎ取りましたぁ!!」
諫山さん「いいストレートです。 あのキレをインコースに投げ込まれたら打つこと...いえ、振ることすら儘ならないでしょう。」
アルミン「ナイスボール!ワンァウト!」シュッ
パシッ ミカサ「ワンァウト!」チラッ
リヴァイ「...」
ミカサ「...」クルッ
スタスタ
エルド「ドンマイミケ、ストレート速そうだったな」
ミケ「あぁ、あのフォームといい・あの顔つきといい・あの雰囲気といい...リヴァイそっくりだ、いや...まるで本物だと錯覚するかもしれないな。」
エルド「リヴァイ...ふっ、やっぱりそうか...」
ウグイス「6番サード、ジン君」
♪チャンス襲来♬
ファーラン「どーしたんスか、ミケ先輩」
ミケ「...ふんっ、何もない」
ファーラン「いやいやミケ先輩がノースイングで三振取られるとか早々ないッスから、何かあったんスか?」
ミケ「...奴のストレートは...」
スッ!!!!
ドッ!!!!
エルド「〔またワインドアップ...!〕」
リヴァイ「チッ、簡単に隙を作りやがって...舐められたもんだな」ダッ!!!!
トーマス「! スチール!」
ミカサ(リヴァイ)「ッ!!」シュッ!!!
ミケ「リヴァイそのものに見えた。」
エルド「ッ!?」スッ!!!!
キーンッ!
アルミン「サード!」
調査高校コーチャー「〔切れるか!?〕」
コニー「ウォッラ!!」ダイブッ!!!
パシッ!!! ドタッ
審判「アウト!」
マルコ「セカンド間に合うぞ!」
コニー「もういっちょ!!」シュッ!!!
リヴァイ「チッ」
パシッ!!!
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!」
「おぉ!! ダブルプレー!!」
マルコ「ナイスコニー!」
トーマス「やるじゃねぇか馬鹿!」
コニー「なァにをォ!?」
ミリウス「コニー、帽子拾う。 それからナイスプレー!」
コニー「お前は少しミリウスを見習え!!」
トーマス「おめぇがな!」
アルミン「ナイピッチ、ミカサ!」
ミカサ「...はい。」
ピトッ アルミン「ん、どうしたの? あんまり嬉しそうじゃないね。」
ミカサ「そんなことはないです。 ピンチを防いだのは良かったです...けど、状況は変わってません。 負けたままです。」
アルミン「そうだね。」
ミカサ「それに...」
_____________________________
______________________________________________
______________________________________________________________
ミカサ(リヴァイ)「ッ!!」シュッ!!!
パシンッ!!!!! 審判「ストライク!バッターアウト!」
アルミン「ナイスボール!ワンァウト!」シュッ
パシッ ミカサ「ワンァウト!」チラッ
リヴァイ「...」
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______________________________________________
_____________________________
ミカサ「見られていました。兄に」
アルミン「まぁ、元々見せびらかすためにやったんだから...見られるのは、前提だよ。」
ミカサ「アルミン先輩もわかっているはずです。 兄は油断ならないと...」チラッ
リヴァイ「ァ?」ジロッ
アルミン「わかってるよ...そんなの、2年間ずっとあいつと組んできたんだ。わからないはずがない...でも、油断なんてしたこともすることもないと思うよ。」
アルミン「なにせ...ミカサの言う通り、シガンシナ には油断する余裕なんてないから。」
アルミン「それに僕には...もう一度きりの、これっきりの...最後 だから...」ボソッ
ミカサ「〔最後...〕」
-
- 185 : 2016/10/23(日) 02:16:15 :
ウグイス「5回が終わりましたので、グラウンドの整備をお願い致します。」
「オーッ!」ダッ
スタスタ
エレン「おう、ナイピッチ!ミカサ!」
ミカサ「...」
エレン「おい、ミカサ!」
ミカサ「〔最後のチャンス...アルミン先輩にとってはもう...甲子園に行く最後...でも、それは兄さんも同じこと...〕」
ミカサ「〔私は兄さんに勝って...いいのだろうか...〕」
ミカサ「〔この試合は甲子園へ行くための切符を賭けた戦い...もちろんみんなと甲子園に行きたい気持ちはある...エレンと甲子園のグラウンドで野球が出来たなら...それほど幸せなことはないだろう。〕」
ミカサ「〔でも...私が望んでいることは...本当にこれであっているのだろうか...もしかしたら私は...兄さんと...「おい!」
ミカサ「! なに?」
エレン「なに、じゃねぇよ。 さっきから声かけても全く反応しねぇし、グラセン行くぞ。」
ミカサ「うん...」
エレン「何か...あったのかよ」
ミカサ「別に...何も...」
エレン「...あぁそうかよ...」
スタスタ ミカサ「〔今になって...今頃になって...気持ちが揺らいできた...〕」
ミカサ「〔もし私達がこのまま負ければ...兄さん達が甲子園に行くことになる...それは兄さんが望んでいることでもあれば、仲間達との約束・目標・憧れであったりする...〕」
ミカサ「〔でも...でも私達が勝てば...〕」
ミカサ「〔今年の夏...最後に甲子園へ行ける、たった一度きりの...これっきりのチャンスを...奪ってしまうことになる...〕」
ミカサ「〔本当に...いいのだろうか...〕」
揺らぐ少女の心。
少女が望む道は
勝って最後のチャンスを掴むことか、負けて最後のチャンスを譲ることか
この世で、たった一人の兄妹 のことを想う少女
その葛藤が吉と出るか、凶と出るか
この先に待ち望んでいたのは...どちらか...
彼女は...いや、彼らは...知る由もない...
-
- 186 : 2016/10/23(日) 02:19:18 :
サーッ ミーナ「雨...大丈夫かな...」
審判「シガンシナ高校の監督さんと顧問の先生の方よろしいでしょうか?」
アニ・ハンジ「! はい!」
アルミン「〔アニとハンジ先生が呼ばれた...?〕」チラッ
ジャン「もしかしたら、雨天コールドのことっすかね?」
アルミン「さぁ...それは後で聞いてみないとわからない。」
ジャン「〔実際そうなったら、困るのは俺達の方だぜ...今の点差...どうなってんのか、もう一度目に染み込みさせないとな...〕」チラッ
一 二 三 四 五 六 七 八 九 計 H E
シガンシナ 0 1 0 2 2 5 10 2
調査 2 0 0 2 3 7 6 2
マルセル「なんつーか、あいつら も普通に強いですね。」
ラルフ「はぁ? この激戦区のマリア予選を決勝まで残ったんだ。当たり前だろ。」
マルセル「あ、いえ、そうじゃなくて...なんか準決勝で当たった三星シガンシナはボロボロだったのに対して、あいつら はヒット10本も打ててるし...なにより、点差が開かないなって思って」
サネス「半分はお前の言う通りあいつらが強いから...いや強くなってきた...って言った方がいいか。」
ラルフ「半分? もう半分は?」
サネス「俺はあんまり好まねぇが...もう半分は、運だろうな」
マルセル「運...ですか...」
サネス「その反応だと信用してねぇな」
マルセル「あ、す、すみません!」
サネス「まぁ、運を信じるかどうかなんて、その人次第だから俺はなんとも言えねぇが...」
サネス「あいつらがここまで喰らいついてるのは、正直言って俺も驚いてるぜ?」
ラルフ「あぁ俺も今の光景を目にするにあたって、半信半疑だよ。 本当に俺らが戦ったあいつらなのかってな。」
サネス「それに関しては、1つ言えることがあるぜ。」
ラルフ「言えること?」
ミタビ「成長してるだァ?」
イアン「あぁそうだ。 俺らとやった時、つまり準決勝の時よりアルレルト達 は、より”シガンシナ高校というチームに型がはまってきてるんだ。”」
-
- 187 : 2016/10/23(日) 02:20:02 :
フレーゲル「チームの型ってなんだ?」
ジム「そのままの意味だよ。簡単に言えば、血液型と同じ」
フレーゲル「は?血液型?」
ジム「そう、A型B型O型AB型...それぞれに個性がある、よくある答えだと『A型は几帳面、B型はマイペース、O型は慎重、AB型は自由奔放』とかな」
ジム「野球において、チームの型は大きく別けて4つある。」
1つ目 打撃を軸とした『打撃型チーム』
2つ目 守備を軸とした『守備型チーム』
3つ目 機動力を軸とした『走力型チーム』
そして、最後に4つ目 走攻守に+投手力を軸とした『総合型チーム』
ダン「大体は4つのうちの3つ目までが一般的に見るチームの型だな。」
フレーゲル「うぉっ!? びっくりさせんじゃねぇよ!急に出てくんな!」
ジム「型はそれぞれの特徴を持っている。」
ダン「例えば、打撃型チームは文字通り打撃に特化したチームだ。だからこそ、試合の展開は”1点取られたら3点取り返す”みたいな感じ...大量得点を狙うのがポイント。」
ジム「だが、大量得点を狙うってことは...どういうことかわかるか?」
フレーゲル「...守備が穴ってことか?」
ジム「そうだ。大量得点を狙うチームはそれだけ打撃に練習時間を使うからな。因みに【うち やシガンシナ、バルト学院】が打撃型だ。」
フレーゲル「じゃぁ2つ目と3つ目は?」
ダン「守備型チームはとにかく無失点を絶対条件として戦うのが基本だ。そして、ひたすら守って相手が疲れてきたら、そこで少ない点で勝つこと。ポイントは体力と集中力”耐えて耐えて隙きを狙うこと。”守備型は【駐屯高校】が有名だな。」
ジム「走力型チームは、バットにボールを当てさえすればベースまで全力疾走。”塁に出れば積極的に盗塁を狙う。”例え外野まで打たなくても、高いバウンドボールにすれば、それだけで塁に出れる。ポイントは足の速さだ。よくスモールベースボールって聞くだろ?それだ。」
ダン「走力型は【中央第一憲兵】だな。」
フレーゲル「へぇ、そうだったのか...じゃぁ最後の総合はなんだ?」
ジム「総合型か...これは滅多に見ないな。」
ダン「あぁ、甲子園にもいるかわからねぇな。」
フレーゲル「そんなもんか?総合って結構いそうだけどな」
ジム「口で総合っていうのは簡単だが、実際は時間が足りない。何に特化するかを決めることでさえ悩むのに...それを走攻守に+投手力...これはもうどこかわかるよな?」
フレーゲル「! 調査高校か...」
ジム「あぁ...本当に考えられないよ。この世に走攻守に+投手力も特化したチームが...本当に実在するんだからな...」
フレーゲル「でも尚更すげぇよな、あいつら...その調査高校相手に攻撃で負けてねぇんだぜ?」
チラッ ジム・ダン「...ふっ」クスッ
ジム「そうだな。ここまで成長出来たのは...色んなチームの型と戦ってきたからなんだろうな。」
ダン「初戦の俺ら攻撃型チームに、4回戦の中央第一憲兵の走力型チーム...」
ジム「準々決勝は攻撃に超特化したバルト学院、準決勝は鉄壁の名を誇る駐屯高校...そして...」
ジム「最後にして...最強のチーム...総合型チームの調査高校...」
ダン「俺達や他の強豪校にも勝ったんだ...ここまで来たら、何が何でも勝ってもらわないとな...」
フレーゲル「〔こんだけ野球に詳しいのに...初戦負け...くそっ、俺がもっと真面目にやってれば...来年はもうこいつらはいないってのに...〕」グググッ
-
- 188 : 2016/10/23(日) 02:20:50 :
マルロ「前半まで終わって2点差か...」
ヒッチ「2点差ってやばくない?デカイ奴 が投手になってから4番の人 も打ててないみたいだったし...」
ボリス「何言ってんだよ、調査高校相手に5回終了で2点差って上出来...いや良すぎるくらいだよ。」
マルロ「いやそうでもないぞ。」
ボリス・ヒッチ「え?」
マルロ「シガンシナは今の投手を使った時点で、結構ギリギリなんだと思う。 それに選手層は圧倒的に調査高校の方が有利だ。」
ヒストリア「でも、投手にはレンもいるわ。 まだシガンシナにも余裕は...」
マルロ「ねぇな」
ヒストリア「...どうして?」
マルロ「どうしてってそりゃあいつがk「マルロ!」
マルロ「!」
ボリス「やめとけって...」
マルロ「...あぁ悪い、そうだな。」
ヒッチ「ちょっと、何よ。 今の意味深ありげな会話は!」
マルロ「いや何でもねぇ...」
ヒストリア「マルロ、何を隠してるの...?」
マルロ「別に...何もねぇよ」
ヒッチ「あんたさぁ、それは質g「話して、マルロ。」
ヒッチ「!」
ヒストリア「話して...」
マルロ「...悪いが、これは男と男の約束なんだ。 どうしても話すわけにはいかねぇよ。」
ヒストリア「どうして? レンにそう言われたから? レンに口止めされてるから? それとも...」
マルロ「...クッ...」
ヒストリア「どうして男の人はそうやっていつもいつも...「うるっせぇな、さっきから何度も言ってんだろ。話せねぇんだよ。」
ヒストリア「!」
マルロ「あいつは約束を守ったんだ。今度は俺達と...負けたらそこで終わりの試合をするって...でも、結果俺達は負けた...約束を守れなかった。」
マルロ「もしこれで話したら...約束を2個守れねぇことになる...そんな奴が来年こそやろうって言って、信用されるわけねぇだろ。」
ヒストリア「...」ギュゥッ
マルロ「悪いがこの話はなしだ。」
ヒストリア「...1年前ある学校のクラスに...孤独で、皆に嫌われている一人の少年がいました。」
マルロ・ボリス・ヒッチ「!」
ヒストリア「〔その少年の名は...〕」
レン・イェーガー、という名前でした。
-
- 189 : 2016/10/23(日) 02:23:02 :
_____________________________
______________________________________________
______________________________________________________________
3年前のエレン達が中学1年の頃...
ヒストリア「〔私の名前はヒストリア。名字はない。小学校の頃、親に捨てられてから自分の名字は忘れるようにしてる...〕」
ヒストリア「〔忘れるというより、あまり自分を出したくないというのが本音だ。 なにせ私は親にも誰にもヒストリアという存在を認められてなかったから...〕」
ヒストリア「〔捨てられてからは児童養護施設に預けられ、そこでも私の居場所はなかった。〕」
ヒストリア「〔中学は施設の偉い人に受験を進められ、私立三星シガンシナ学園高校に入学したが...あまり嬉しくない。〕」
ヒストリア「〔だって、学校なんてつまらないもの...友達だってできやしない。小学校の頃だって、無理矢理明るいキャラを作っても1人も友達と呼べる存在は作れなかった。〕」
ヒストリア「〔私は空っぽ...何もない、ただの瓶...そんな瓶が私立に来たって同じ...ドガッ
ヒストリア「ぁっ!?」ドテッ
ヒストリア「イタイ...」
「悪い!大丈夫か?」スッ
ヒストリア「!」
???「怪我してないか...?」
ヒストリア「〔話しかけらた...どうしよう...適当に返す? でも、後で目つけられたら面倒だし...〕」
ヒストリア「だっ、だいじょぶ、です!」ニコッ
???「本当か?本当に怪我ないか?」
ヒストリア「〔嘘、本当は尻もちついて痛い...けど、ここは猫被って...〕」
ヒストリア「あ、あの...本当、大丈夫です!心配してくれてありがとう!」ニコッ
???「え...心配してくれてありがとう?」
ヒストリア「あ...〔言葉間違えたかな...〕」
???「ぶふっ、あははっ...あっはっはっは」クスクス
ヒストリア「〔笑われた...別にいいけど、侮辱するならさっさとすれば...〕」
???「あ、悪い!心配するもなにも俺が倒したんだから、当たり前のことだろ?」
ヒストリア「〔当たり前...?〕」キョトン
???「なんだ、きょとんとして。」
ヒストリア「ぁ、あ、ごめんなさい!私はほんとに大丈夫だから!」ニコッ
???「そうか?尻もちついたように見えたけど」
ヒストリア「!」
???「本当ごめんな!今度お詫びするから!」ダッ
ヒストリア「...お詫びって...名前もクラスも知らないのに、どうお詫びするんだろ...」
ヒストリア「〔でも...初めて同じ年くらいの子に優しくされた...施設ではあんな男の子はあまりいなかったから、あんなに優しく...ううん、謝られたことだって...ない。〕」
ドガッ ヒストリア「ぁっ」ガタッ
「あっ、ごめ~ん!道のど真ん中で棒立ちしてたの見えなかったぁ~、めんごめんご!」
ヒストリア「...」ギロッ
「ハァ~? なに睨んでるの~? ちゃんと謝ったじゃ~ん」
ヒストリア「...別に...〔こういうタイプ、小学校の時もいた。〕」
「おい、ヒッチ!あんま絡むなよ、お前すぐ敵視するから友達少ないんだぞ。」
ヒッチ「ハァ~? 何いってんの? あんたに言われたくないし」
「ハァ!? 俺は友達いるし、お前より」
ヒッチ「あ~もう腹立つ。なんであんたまでこの学校に来たのよ。」
「それは俺のセリフだよ。お前がなんで三星に来たんだよ。」
ヒッチ「はぁ? そんなの...あんたには関係ないじゃん!」
ヒストリア「〔この子 、あの男の子のこと好きなんだ。いいな、そういう片思いが出来て...〕」
「さっきは悪かった、こいつが皮肉交じりで謝って...俺から謝るよ、悪い。」ペコッ
ヒストリア「ぇっ、あ、いや...大丈夫...」
ヒッチ「なんであんたが謝るの、そこは私が謝るんでしょ」
「お前が他所に迷惑かけてるのを見て、謝らないこっちが恥ずかしいんだよ。行くぞ!」
ヒッチ「迷惑じゃないし!」
スタスタ
ヒストリア「〔あの二人...幼馴染なのかな...いいな...友達がいて...〕」
-
- 190 : 2016/10/23(日) 02:24:35 :
1-B 教室
教師「今日から俺がこのクラスの担任だ。みんな仲良くな!」
「は~い!」
ヒストリア「〔なるべく、目立たないようにしよう。施設に預けられてるって知られたら皆に嫌われるし...〕」
「あれ、お前さっきの!」
ヒストリア「え?」チラッ
???「同じクラスだったんだな!よろしくな!」
ヒストリア「ぇ...あ、うん...〔愛想よくしなきゃ...〕」
ヒストリア「よ、よろしく!」ニコッ
???「...あぁ、よろしくな!」
ヒストリア「うん!」ニコッ
キーンコーンカーンコーン
???「やべっ、チャイムだ。」
ヒストリア「〔...ふぅ、何かあの子...悪人顔のわりには優しそうな性格だな...あの子も...キャラ作ってるのかな...〕」
キーンコーンカーンコーン
教師2「席について~、授業始めるよ~」
ヒストリア「〔ぁ...消しゴム持ってくるの忘れちゃった...どうしよう...〕」アタフタ
教師2「えぇ~早速もう授業を始めようと思ってます。」
「えぇ~~...」
教師2「因みに皆さんに拒否権はありません。」
「ぶーっ」
ヒストリア「〔どうしよう...消しゴムがなかったら書き直せない...ノートだって、施設から持ってきた物でそんなに無駄に使えた量じゃない...いやまだ...手はある...〕」
ヒストリア「〔確率は低いけど...一度もミスをしなければ...明日まで持てば...〕」
カッ 教師2「あ、ごめんね。ここ書き直しで」
ヒストリア「ぇっ...」
コスコス 教師2「ここ、ポイントね」
ヒストリア「〔ぽ、ポイントって...絶対テスト出るところだよ、ね...どうしよう...〕」
スッ
ヒストリア「!」
???「やるよ、これ」ボソッ
ヒストリア「ぇっ...でも...」ボソッ
???「いいから、さっきのお詫びだよ。もらっとけ」ボソッ
ヒストリア「ぁ、ぁりが...とぅ...」
ヒストリア「〔どうしてこの子...私に、こんなに優しくしてくれるんだろう...〕」
???「これで、お相子だろ」
ヒストリア「おあい...こ?」
教師2「そこの二人~仲良くするのは悪いことじゃないけど、今は授業中よ」
???「す、すみません!」
ヒストリア「...ぁ、す、すみません。」
教師2「次は~」
ヒストリア「〔...優しくされたら...優しくしたくなる...ってこういう気持ちなのかな...名前...なんていうのかな...〕」チラッ
渡された消しゴムを見ると...
そこには...
恐らく新品の物であろう、消しゴムが半分に引きちぎられた跡が残っていた。
そして...その消しゴムにはある文字が書いてあった。
「「レン・イェーガー」」と...
ヒストリア「〔...レン...イェーガー...?〕」
ヒストリア「...ぁ、あの...」ボソッ
???「ん?」チラッ
ヒストリア「ありがとう、レン・イェーガー君」ボソッ
???「レン...? あ、あぁ」
-
- 191 : 2016/10/23(日) 02:28:59 :
それからというもの、隣の席にいるレン・イェーガー君はよく私に話しかけてくれて、私もいつの間にか...
ヒストリア「〔ってあれ...私...小学校の時より話せてる...?〕」
モブ女子「あ、ヒストリアちゃん!おはよ!」
ヒストリア「あ...お、おはよう」
モブ女子「もうすぐ夏だね!夏休みどこに行くかもう決まってるの?」
ヒストリア「え、いや...私はどこにも...」
ヒストリア「〔それに、レン以外にも友達...? って呼べるかどうかわからないけど、増えて...いつからだろ...〕」
ガラッ
レン「よっ、ヒストリア!」
ヒストリア「! レン、おはよう」
レン「あのさ...前から思ってたんだが...なんで俺のこと、レンって呼ぶんだよ。俺はエレン・イェーガーだって言ってるだろ!」
ヒストリア「だって、レンがくれた消しゴムにそう書いてあったから...それで覚えちゃったんだもん」
エレン「いやだとしても、本名で呼べばいいだろ! 省く意味もないだろ! 1文字だぞ、1文字!」
ヒストリア「レンって細かいところで気にするよね」
エレン「細かくも何も名前のことなんだから当たり前だろ!?」
モブ女子「なぁ~んか、お二人とも仲良いね!もしかしてもう付き合ってるの?」
エレン・ヒストリア「え...?」
モブ女子「あ、勘違いならごめん!」
ヒストリア「私レンとは友達だから付き合いも何もないけど」
エレン「俺もこいつと遊んだことないから、買い物に付き合ったことはないぞ。」
モブ女子「あ~そうだった...鈍感な二人だったんだ、ごめん今の話なしで...」
エレン「なんだ?あいつ」
ヒストリア「さぁ...?」
-
- 192 : 2016/10/23(日) 02:29:33 :
親に捨てられて、自分というものを認めてこなかった私を...
初めて、空っぽな私を受け入れてくれたレン...
こんなの...感謝してもしきれないよ...
だから、もしレンが困ったら一番最初に手をのばして、助けてあげるのは私って...そう決めた...
なのに...なのに...私は...
3-B 教室
ザワザワ
モブ「おい、聞いたか?また野球部負けたらしいぜ。」
モブ2「まじで?今年も夏の大会まであとわずかなのに...勝ったことあったか?」
モブ「いや今年は”まだ一回も”勝ってねぇ」
モブ2「やっぱ...あいつ がピッチャーやってるからじゃね?」
ヒストリア「!」
モブ女子「聞いた~? ヒストリア、あいつまた贔屓 でエーススタメンだったらしいよ。下手くそなんだから、自分で辞めればいいのに...私の彼氏もさ...」
ヒストリア「〔そんなことない...エレンは...レンは...ちゃんと実力でスタメンを取った。私はそう信じてる...〕」
ヒストリア「み、みんな贔屓って言ってるけど、か、確認はしたの?」
周囲「え?」
ヒストリア「ぁっ...いや...なんでも...ない...」
ザワザワ
ヒストリア「〔レンが困ってる...なら、私が助けなきゃ...〕」
ガラッ
周囲「!」
エレン「ぁ...お、おはよ...」
周囲「...」
エレン「...」
ヒストリア「お、おはよう。レン」
エレン「お、おはよ...ヒストリア...」
ヒストリア「...レン、正直に言って」
エレン「え...?」
ヒストリア「私に...みんなに...言って! レンは、贔屓でスタメンになったわけじゃないって...ちゃんと実力で取ったって...みんなに言お? マルロだって、普段からレンのこt「み、みんなの...言う通り...だよ。」
ヒストリア「ぇ...」
エレン「...みんなの言う通り...俺は...贔屓で...」
ヒストリア「そ、そんな...だって...あれだけ練習したじゃない!」
エレン「...」
ボリス「ヒストリア、やめとけって。おい、Mother Facker !お前のせいでチームみんなに迷惑かかってんだよ。さっさと野球部辞めろ」
エレン「ごめん...ごめん...ごめん...なさい...」ガクガク
ヒストリア「〔うそ...でしょ...レンが...贔屓で...?〕」
ヒストリア「〔あれだけ...練習頑張ってたのに...あんなに辛い練習に耐えてたのに...私だって...レンのこと...信じてたのに...レンは贔屓じゃない。そんなことしないって...〕」
ヒストリア「信じてたのに...裏切り者...」
エレン「ッ」
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-
- 193 : 2016/10/23(日) 02:32:30 :
ヒストリア「結局レンは、周りのみんなの圧力に押し潰されて...事実とは全く違う...偽りの自分を受け入れてしまって...」
ヒストリア「そして、いつの間にか全然違う...私の知らない...レンになってた。」
マルロ・ヒッチ・ボリス「...」
ヒストリア「これ以上...私の知らないところで、レンが傷ついてるのを...見過ごすのは出来ない。あの時だって...私が異変に気づいていれば...私があんな言葉かけなければ...レンはっ...レンは...悲しい思いをしないで済んだのに...」ウルウル
マルロ「...」
ヒストリア「だからお願い、マルロ...もう何も知らないまま、レンが傷つくのはイヤ...レンが私にしてくれたように、今度は私がレンに消しゴムをあげる番なの」
マルロ「...」
ボリス「マルロ、もう俺は限界だ。」
マルロ「ボリス...」
ボリス「俺もヒストリアと同じ意見だ。もう見て見ぬふり何か出来ねぇし、それに今度は...俺らがあいつを救ってあげる番なんだよ!」
マルロ「...」
ボリス「話そう、ヒストリアに...今までのことも全部...」
マルロ「...わかった。」
ヒストリア「話して...」
マルロ「...エレンには...今、肘に爆弾 を持ってる状態なんだ。」
ヒストリア「ぇっ...」
マルロ「普通なら、入院やらリハビリやらでここ には居られないはずなんだが...馬鹿だよな、あいつ...『みんなが困ってる時に、エース がいなきゃ意味ないだろ!』って言って...無理してここにいるんだ。」
ヒストリア「...」
マルロ「それと...この話...エレンには、口止めされてたんだ。お前には...絶対に聞かれたくないって。」
ヒストリア「!」
-
- 194 : 2016/10/23(日) 02:32:42 :
- _____________________________
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決勝前夜...
Prrrrr ガチャッ
エレン「もしもし」
「よう、エレン。一昨日ぶりだな!」
エレン「マルロ!もう大丈夫なのか?」
「人の心配するなんて余裕だな、おい」
エレン「余裕じゃないよ...むしろ、緊張し過ぎて胸がはちきれそうだよ。」
「はっはっは、はちきれたらニュースになるな!」
エレン「例え話だよ!た・と・え!」
「ドードー、起こるなって!そう言えば明日ボリス達と一緒に試合見に行くぜ!」
エレン「本当か!?」
「おう、ヒストリアも...来るらしいぜ。」
エレン「えっ...ヒストリアか...」
「なんだよ、あいつが来ちゃ不味いのか?」
エレン「いやそうじゃねぇけど...最近話してねぇから、その...気まずいっていうか...」
「試合するんだから、話さねぇだろ!」
エレン「そ、そうだな...」
「...で、お前達ちゃんと仲直りしたのか?」
エレン「な、仲直りって...別に喧嘩してたわけじゃねぇし」
「聞いた話じゃ『私が最後に言った言葉で、レンを怒らせた。』って言ってたぜ。」
エレン「怒ったって..いや、怒ってねぇよ!? 傷ついた方だわ!」
「そうか...でもま、これを機に仲取り戻せよ。」
エレン「あぁ...終わったら話すよ...それと...マルロに頼みがあるんだが...」
「なんだよ、珍しいな」
エレン「...俺の怪我のこと...あいつ には絶対に言わないでほしい。」
「...わかった。けど、なんで話さないんだよ。もっと心配されるぞ。」
エレン「...あいつには何も心配もしないで...ただ純粋に、俺達シガンシナ高校の野球を見て欲しいんだ。今度は...贔屓じゃなくて...実力で取った、エースナンバーを見せたい。」
「...ふっ、今度も何も...お前は中学の時からずっとエースナンバーだったろ!」
エレン「だっ、だから中学の時はマルロがエースナンバーだったんだって!」
「しつっけぇな!お前が付けてたんだし、それに...俺はお前には敵わねぇよ...」
エレン「え?」
「お前、家に帰ろうが...授業中だろうが、どこだろうが所構わずにボール触ってただろ?」
エレン「はっ!? な、なんで知ってるんだよ!?///」
「馬鹿か、俺を誰だと思ってるんだよ。一番ライバルとして見てきた奴だぞ...それぐらいわかるよ。」
エレン「!」
「だから...勝てよ。今の今までの分のお前の野球で...ピッチングで...調査高校に...勝てっ!!」
エレン「...あぁッ、俺は...俺達は必ず調査高校を倒して...甲子園に行くッ!! それが俺の...今一番の夢なんだっ!!」
エレン「だから、その姿を...一番見て欲しいのは、マルロ達なんだ!」
「ッ」
エレン「見ててくれ...俺達の...栄光という名の頂点へ...登り詰める瞬間を!!!」
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_____________________________
-
- 195 : 2016/11/04(金) 23:12:05 :
ヒストリア「ッ...」
マルロ「だから、今日誰に何を言われようとも...投げるぜ、アイツ...」
ヒストリア「...」
ヒッチ「...なんでそんなに...がむしゃらになれるのか、ホント不思議」
マルロ「いいモンだぜ...チームってのh「...ずるい」
マルロ・ヒッチ・ボリス「!」
ヒストリア「ずるいよ...自分だけかっこつけて...」ギュゥッ
ウグイス「お待たせしました。6回の表、シガンシナ高校の攻撃は...6番ピッチャー、アッカーマン君」
マルロ「! 試合、やるみたいだな。」
ボリス「これ以上強くなれば中止になるだろうけどな」
スタスタ
ミカサ「お願いします」
審判「プレイ!」
ボリス「あいつ 、練習試合の時はそれほど存在感なかったけど...決勝まで来て、随分と変わったな。」
ヒッチ「さっき交代して投げてる人だよね? へぇ、結構美人じゃん!モテそう...!」
ヒストリア「〔あの人...どこか変...怪我とか体調不良とかの意味じゃなくて...なんていうか、まるで...〕」
ヒストリア「男の子 みたい...」ボソッ
マルロ「みたいって...男だろ」クスッ
ヒッチ「たまぁ~にヒストリアって抜けてるよね~」
ファーラン「〔一回流れが止まってのピッチング...集中しないとまた流れ持ってかれるな...〕」サイン
ミケ「」コクッ
ミカサ「...」
ドォッ!!!!
シュッ!!
バァシンッ!!!!!!
審判「ボール!」
実況「アッカーマンに対しての初球は外大きくはずれてボール!」
ファーラン「〔雨も強くなってきてるからな...あんまし長時間マウンドに立ちたくないだろうし、ここは今まで通り〕」サイン
ミケ「」コクッ
ドォッ!!!!
シュッ!!
ミカサ「...」
ファーラン「〔ぅッ!?〕」
バァシンッ!!!!!
「あっぶねぇ!?」
審判「ボールツー!」
実況「2球目は内高め、バッターに当たりそうでしたがギリギリ逸れてツーボール!」
ミケ「ふんっ」ザッザッザ
ファーラン「〔マウンドが安定しないのか? でも、土は入れ替えたはずなのに〕」
ファーラン「オッケーオッケーッス!球は走ってるッス!打たせていくッス!」シュッ
パシッ ミケ「ふんっ」
ドォッ!!!!
シュッ!!
バァシンッ!!!!!!
審判「ボールスリー!」
実況「どうしたのでしょう、ザカリアス。ストライクがなかなか決まりません。」
ファーラン「〔どうしたんスか、ミケ先輩!〕」シュッ
ミケ「〔ふんっ、雨がさっきより強まったおかげでリリース時に手からボールが放しにくい...〕」
ドォッ!!!!
シュッ!!
ミカサ「...」
バァシンッ!!!!!!
審判「ボールフォア!」
-
- 196 : 2016/11/04(金) 23:24:43 :
トーマス「おっしゃぁ、ノーアウト一塁!」
ウグイス「7番セカンド、ワグナー君」
トーマス「そうだよ、次俺じゃん!?」
「忘れてたのかよ!!」
スタスタ
トーマス「〔ストレートが重いってどんな感じなんだ...当たったら打ったこっちの腕が折れるとかか? まさかな...「君、フォアボールだよ。」
トーマス「え?」
審判「大丈夫か?」
ミカサ「ぇ...ぁ、はい。大丈夫です。」
スタスタ
エレン「...」
審判「プレイ!」
♪エル・クンパンチェロ♬
トーマス「〔どうしたんだ、ミカサの奴...ボーッとして...まさか...さっきのブラッシュなんとかで、本当はどこか当たったんじゃないのか!? それってやばくね!?〕」←妄想厨なだけ
トーマス「〔ってそんなこと今は置いといて...ランナーが出たんだ。ここ大事に...〕」
ドォッ!!!!
シュッ!!
トーマス「〔ストレート!〕」
バァシンッ!!!!!!
審判「ストライク!」
トーマス「〔えぇぇ!? 何今の!? ばぁしん、いったよ!? ばぁしんって...!?〕」
ファーラン「〔このバッター、ナナバ先輩の時には結構いいスイングしてた...容赦しねぇぞ〕」サイン
ドォッ!!!!
シュッ!!
トーマス「ひぇっ!?」サッ
バァシンッ!!!!!!
審判「ストライクツー!」
ファーラン「ナイピッチッス!」シュッ
パシッ ミケ「ふんっ」ニヤッ
ケイジ「〔あ、今ちょっと喜んだ。〕」
エルド「〔あいつ、たまに本当のニヤケ顔も出すからわかりにくい。〕」
イザベル「〔最初見た時はニヤケ顔怖かった...けど...〕」
ケイジ・エルド・イザベル「〔ちょっと可愛い〕」
トーマス「〔こえぇぇ...なにあれ...ばぁしんって...本当に野球の球? 実は鉄ですよ的なドッキリじゃないの?〕」←逃げたいだけ
トーマス「〔ハァ...こりゃ打てねぇよ...〕」
ピカッ ゴゴゴッ
トーマス「〔え...?〕」チラッ
鬼アニ「〔アンタイマ、ヨケタネ? アマイコースナノニヨケタネ?〕」ゴゴゴッ
トーマス「〔ずびっ、ずびばせぇぇぇええええん!!〕」ガクガクブルブル
トーマス「〔そうだ、さっきの打席は打てたじゃねぇか...簡単に諦めんじゃねぇよ...まずは当てることから...〕」
ドォッ!!!!
シュッ!!
トーマス「〔このタイミングだ!〕」スッ!!
ギィンッ トーマス「〔おもっっってぇ!?〕」
ファーラン「ピッチャー!」
トーマス「〔やべぇ、ゲッツーになっちまう!?〕」チラッ
ミカサ「...」ボーッ
トーマス「〔は...? ミカサ...おまっ、何してんだよ!〕」
ファーラン「! 2つ!」
ミケ「!」クルッ
シュッ!!!
パシッ!!!! 審判「アウト!」
リヴァイ「〔チッ、走ってねぇだ? もう諦めたのか? 舐めやがって〕」シュッ!!!
トーマス「〔間に合えぇ!!〕」ダイブッ!!!
ズサーッ!!! パシッ!!!
審判「セーフ!」
「おぉ...!! 間に合った!!」
実況「一塁はセーフ!ゲッツーならず!」
トーマス「ぷはぁっ、間に合った...」
コニー「おう、ナイラン!トーマス!」
トーマス「おうよ!しかし...なんで走ってなかったんだ?ミカサの奴...」
スタスタ
ミカサ「すみません。」
アニ「...なんで走らなかったの?」
ミカサ「...わかりません。」
アニ「は?」
ミカサ「急にわからなくなったんです...なんで走らなきゃいけないのか...」
アニ「...どこか調子悪いの?」
ミカサ「いえ...」
アニ「...ハァ、そう...水分取って、休みな」
ミカサ「はい...」
アニ「〔参ったね...どうしたんだろ急に〕」
-
- 197 : 2016/11/04(金) 23:31:09 :
ウグイス「8番ファースト、ゼルムスキー君」
♪女々しくて♬
審判「プレイ!」
スタスタ
エレン「ほら」スッ
ミカサ「...」
エレン「おい、これ」スッ
ミカサ「! あ、ありが...とう」
エレン「...何があったんだよ、お前がボーッとしてる時は何かあるってわかるんだよ。」
ミカサ「...」
エレン「...まただんまりかy「わからなくなった」
エレン「!」
ミカサ「私達が勝てば、兄さん達は甲子園にいけなくなる。今年で最後の甲子園が...私達なんかが邪魔して...いいのかどうか...わからなくなった」
エレン「は...? はぁ? 何言ってるんだよ、お前...」
ミカサ「...そう...エレンにはわからなくて当然かもしれない...」
エレン「あァ? なんだよ、その言い方...」ブチッ
ミカサ「だってエレンには...兄妹がいないでしょ。兄妹がいないエレンに...私の気持ちなんて...わからなくて当然だ、と言った。」
アルミン「!」
ライナー「なんだ、ミカサとエレンが...修羅場か?」
エレン「ふざけんなよ...何が兄妹のいない身の俺に...お前の気持ちがわからないって...そんなもん当たり前じゃねぇかよッ!!」ガッ
ベルトルト「お、落ち着いてエレン!」
エレン「さっきから聞いてりゃなんだよお前、勝つことが申し訳ない?もし勝ったら兄さんは甲子園に行けないだぁ!? んなもん、当然だろッ!!」
ミカサ「!」
エレン「俺達がやろうとしてることは、自分達以外の他人を蹴落として甲子園に行くための切符を手に入れようとすることなんだよ! それがなんだ? 自分の兄妹が相手だからって今更になって邪魔して悪いとでも思ってんのか!? 冗談じゃねぇ!!」
エレン「誰が敵だろうが関係ねぇだろ! そんな甘い考えなんか邪道なんだよ! 兄妹がなんだ、そんなもん捨てちまえ!!」
ミカサ「ッ」
アルミン「エレン、言い過ぎだ。謝るんだ。」
エレン「な、なんで俺が...!?」
アルミン「エレンもエレンで言い方っていうものがあるんじゃないの?」
エレン「で、でも...!」
アルミン「そうやって感情任せにしてたら、大事なものを失うよ。」
エレン「!」
アルミン「...少し頭が冷えたら、きっちりミカサに謝r「兄...さんを...馬鹿...にする...な」ボソッ
エレン・アルミン「!」
スタスタ ミカサ「兄さんを...」
ガシッ グルッ ガンッ!!
エレン「い”っ!?」ズキッ
ミカサ「兄さんを馬鹿にするなッッ!!!!」
エレン「!」
アルミン「み、ミカサ!落ち着くんだ!」
ミカサ「私達のこと何も知らないくせに...」
ミカサ「知ったような口で、兄妹の関係を引き裂くようなことを...私から何かを奪うようなことを...言わないでッッ!!!!!」
エレン「っ...!!」
ミカサ「...ッ、ぁ、ご、ごめんなさっ...っ!!」ダッ
アルミン「み、ミカサ!」
ガチャッ バタンッ
エレン「ぁ...」
ポンッ エレン「!」
アルミン「エレン...謝ってきな」
エレン「...」
アルミン「大事なものを無くす前に、無くさないことが出来るなら...その何かをやっておくべきだよ。」
エレン「はい...」
スタスタ ガチャッ
アルミン「...ふぅ、我ながら目に染みる言葉だな...ははっ...」
スッ アルミン「!」
アニ「ん、水分取らないと熱中症になるよ。」
アルミン「ありがとう」スッ
ズキィッ アルミン「っ」
ピトッ
アニ「...アルミン?」
アルミン「...ん? 何?」
アニ「なにって...あんたなんで受け取ったまま私の手握ってるの?」
アルミン「ぇ、え、あ、あぁ~...ご、ごめん!/// べ、別に下心はないよ! 決してないよ、うん。断じてない!」
アニ「白々しい」
アルミン「えっ!?」
-
- 198 : 2016/11/04(金) 23:32:54 :
キーンッ!
ファーラン「オーライ、オーライ!」サッ!!!
ミリウス「くそっ」ダッ!
パシッ!!! 審判「アウト!」
ミケ「ふんっ」
ファーラン「ツーアウト!ツーアウト!」
イザベル「オーッ!ツーアウト!ミケ先輩、打たせていきましょう!!」
ケイジ「後ろは任せろ!」
ウグイス「9番ショート、ボット君」
マルコ「おーし、来い!」
スタスタ
エレン「〔くそっ、自分が試合に出れてないからって、ミカサに八つ当たりしても意味ねぇのに...馬鹿かよ、俺〕」
グスンッ
エレン「! ミカサ...? ミカサいるのか...?」
・・・
エレン「い、いるなら返事してくれ!ミカサ!」
・・・
エレン「...ミカサ、もしそこにいるなら...聞いてほしい。」
エレン「俺は...自分が試合に出れないからって、苛立って...それで...お前にあんなこと言っちまった...悪い。」
エレン「お前の...言う通りだよな...お前らの関係なんて全く知らないくせに...赤の他人である俺に...首を突っ込まれたくないよな。」
エレン「...本当に悪かっt「出てって...」
エレン「え...?」
「出てって...今は...一人にして...」
エレン「で、でもっ...」
「出てって!!」
エレン「...わかった、もうすぐ裏になるから...それだけ言っとく」
スタスタ
「〔わかってる...私がいけないことだってことはわかってる...けど〕」
ミカサ「〔けど...私の気持ちをわかってくれる人なんて...誰もいないから...もう、どうしたらいいのか...わからない...〕」ウルウル
・・・5分後・・・
ガチャッ
ミカサ「...」
アルミン「おかえり、ミカサ」
ミカサ「! す、すみません...迷惑かけてしまって...」
アルミン「いいよ、あれはお互い様だからね。」
ミカサ「...」
アルミン「でもっ、エレンはもう気にしてないみたいだったよ。」
ミカサ「...」
アルミン「さぁ、今度は僕らが守る番だ...行くよ。」
ミカサ「...はい」
コニー「ってかいつの間にアウトになったんだ?」
マルコ「」ギクッ
-
- 199 : 2016/11/04(金) 23:34:53 :
ウグイス「6回の裏、調査高校の攻撃は...7番ファースト、ケイジ君」
ケイジ「っさ、来い!大型ルーキー!」
審判「プレイ!」
♪宇宙戦艦ヤマト♬
アルミン「〔無死無塁 の状態でケイジさんか...今さっきのエレンとミカサの亀裂で調子を崩しているのかいないのか知りたい...〕」サイン
ミカサ「」コクッ
ドッ!!! シュッ!!
ケイジ「〔外!〕」
パシンッ!!!!! 審判「ボール!」
アルミン「〔要求通り、外低めボール2個分外す...相変わらず抜群の制球力だ、調子は大丈夫そうだし。〕」
アルミン「ナイスボール!」シュッ
パシッ ミカサ「...」ザッザッ
アルミン「〔さてと、ミカサの心配の次は...打者のケイジさんだ。〕」
アルミン「〔ミカサのストレートの球威なら外野を越すことはほぼない。なら...〕」サイン
ドッ!!! シュッ!!
ケイジ「〔2球目も外!〕」
パシンッ!!!!! 審判「ストライク!」
実況「2球目は外低めゾーンギリギリに決まって、ストライク!」
アルミン「ナイスコース!」シュッ
ケイジ「〔へぇ、今のコース...狙って投げたのか...だとしたら、こいつも相当コントロールいいな〕」
アルミン「〔初めて見るミカサを相手に、そう簡単に振ってくることはない。欲しいのは情報...ならここは餌で釣ってみよう〕」サイン
ドッ!!! シュッ!!
ケイジ「〔内高め...甘い球!〕」スッ!!!!
クイッ!!!
ケイジ「〔ッ、シュート!?〕」ググッ!!!
キーンッ!!
アルミン「ショート!」
パシッ!! マルコ「ッ!!」シュッ!!
パシッ!! 審判「アウト!」
アルミン「ワンァウト!」
「ワンァウト!!」
ケイジ「〔くそっ、釣り球か...〕」
アルミン「〔良かった、上手く釣れて...でも、普通なら内高めのシュートをどれだけ耐えて当てたとしても、サードに行くはずがショートに飛んだ。やっぱりケイジさんの修正力は怖いな。〕」
ウグイス「8番レフト、ネス君」
ネス「うぉぉおお!!」
♪アルプス一万尺♬
スタスタ
エルヴィン「どうだ?」
ケイジ「コントロールは良いですね。恐らくナナバと同等か。」
ナナバ「!」
エルヴィン「そうか...」
ケイジ「はい。「それで? なぜ打てなかった?」
ケイジ「!」
エルヴィン「その答えはまだ聞いていない。」
ケイジ「それはっ...〔相手を舐めてたから、だ。〕」
エルヴィン「自分で理解してるならいい。だが、間違っても...」
エルヴィン「油断をして、やられた...は、なしだ。」
ケイジ「はい!」
エルヴィン「他の者もそうだ。ここにいる全員が理解するんだ。」
エルヴィン「シガンシナ高校は強い。夏の予選をたった11人で勝ち上がってきたんだ。まぐれではないだろう。」
エルヴィン「だが、甲子園への切符を手にするのは我らが調査高校だ。それを肝に銘じておけ。」
「はい!」
パシンッ!!!! 審判「ストライク!バッターアウト!スリーアウトチェンジ!」
ファーラン「あれ、ネス先輩はいつの間にアウトになったんスか?」
ネス「なっ、そ、それを聞くな!」
リヴァイ「〔ネスとオルオを相手に二者連続三振か...ほぅ、やるじゃねぇか。〕」
ファーラン「っしゃ、この回も無失点で行くッスよ!!」
イザベル「当然だ!」
ケイジ「喋るのは良いことだけど、あんましうるさいとミケに怒られるからな。」
エルド「もし打たれたら後で説教だ。」
ファーラン「えぇっ!? なんで段々俺怒られてるんスか!?」
リヴァイ「普段の行いが悪いからだろ。」
ファーラン「リヴァイパイセン、それフォローじゃないッス!!」
ジャン「...あと3回だ。その3回で2点以上取らないと、俺らの夏は終わる...その意味はもう皆わかってるよな?」
トーマス「あぁ」
マルコ「うん」
ベルトルト「2点...」
ライナー「絶対に取り返す...」
ジャン「...っしゃぁ、この回で1点ずつ返して行くぞ!!」
「オーッ!!」
-
- 200 : 2016/11/04(金) 23:36:12 :
ウグイス「7回の表、シガンシナ高校の攻撃は...1番センター、キルシュタイン君」
♪ルパン三世のテーマ♬
ジャン「しゃっす!」
審判「プレイ!」
ファーラン「〔この1番バッターはもう塁に出させねぇ〕」サイン
ドォッ!!!! シュッ!!
ジャン「〔内甘い!〕」スッ!!!
ギンッ コロコロ
審判「ファール!」
ジャン「〔おもっっってぇぇ!? 想像以上に上がんねぇ...これ本当に内野越せるか...? いやいやっ、なに弱気になってんだ! ぜってぇ越す!〕」ギュゥッ!!!
ファーラン「〔今の球でミケ先輩の球質は理解しただろ、ならお前ならアレを狙ってくんだろ〕」サイン
エルド「」コクッ
ジャン「〔確かに重てぇけど、ただ打つだけが塁に出れる方法じゃねぇ...他にも俺にしか出来ない方法が...ある!〕」
ドォッ!!!! シュッ!!
ジャン「〔内野を越せないなら打とうとしなければいい。っつ~ことは、セーフティバントしか方法は、ねぇ!〕」スッ!!!
ギッ
マルコ「よし!上手く勢い殺した!」
ジャン「〔さっきグラセンしたばっかだからな、いくら重くてもバントでなら前に転がせる!〕」
「甘めぇよ」
ジャン「ッ」
ガシッ!!! エルド「ふっ!!」シュッ!!!
パシッ!!! 審判「アウト!」
ダズ「サード、読んでた!?」
「違う」
ダズ「え!?」
アルミン「ファーランには...すべてお見通しだったんだ。」
ファーラン「ワンァウト!!」
アルミン「〔ジャンならきっとセーフティをやってくると読んでた。それはジャンが本能で動くコニーとは違って、ちゃんと考えられるバッターだって知ってたからだ。〕」
アルミン「〔不味いぞ、この回で最低でも1点取らないと...この先が厳しい。〕」
ウグイス「2番サード、スプリンガー君」
♪暴れん坊将軍♬
コニー「おっしゃぁ!」
審判「プレイ!」
ファーラン「〔こいつはさっきの回でナナバ先輩のシンカーを打ってる...ミート力と感はピカイチだな。でも...〕」サイン
ドォッ!!!! シュッ!!
コニー「〔真ん中甘いコース!〕」スッ!!!
ギンッ!! コニー「ぅいでぇっ!?」
ファーラン「セカン!」
イザベル「まっかせろ!」ガシッ!!! ザッ!!!
シュッ!! パシッ!! 審判「アウト!」
ファーラン「ナイスチビ...セカンド!」
イザベル「わざとだろ200%!!」
ケイジ「〔というか、言い切った後に言うって...あざと〕」
エルド「〔本当にチビでも、仮にも1年なんだがな。あいつ 〕」
リヴァイ「うるせぇ、黙ってやれ」
イザベル・ファーラン「すみません(さーせん)!」
アニ「〔不味いね、あっちの雰囲気に飲まれてる...何とかしないと...と言っても、今はもう...ライナーに頼らないとこの状況を打破出来ない...〕」ギュゥッ
-
- 201 : 2016/11/04(金) 23:38:11 :
ウグイス「3番レフト、フーバー君」
ベルトルト「お願いします!」
♪サウスポー♬
審判「プレイ!」
ファーラン「〔シガンシナはほとんど非力だから何も問題はない...ただ、3番 とアルミン先輩と5番は例外だ。〕」
ファーラン「〔恐らくこのバッターは見た目ほどやわじゃない。ミート力だってある...ここはコントロール重視で...〕」サイン
ドォッ!!!! シュッ!!
ベルトルト「〔外低い!〕」
パシンッ!!!!!! 審判「ボール!」
ファーラン「ナイスボール!」シュッ
ファーラン「〔次は...〕」サイン
ドォッ!!!! シュッ!!
パシンッ!!!!!! 審判「ボールツー!」
ベルトルト「〔2ボールか...ここは慎重にいって、様子を見よう〕」
ドォッ!!!! シュッ!!
ベルトルト「〔また外!でも入ってない!〕」
クイッ!! パシンッ!!!!!
審判「ストライク!」
ベルトルト「〔ストレート続けた後、1球変化球を混ぜた...これも相手キャッチャーの思惑通りなのかな?〕」
ファーラン「〔よし、次は...〕」サイン
ドォッ!!!! シュッ!!
ベルトルト「〔また外! シュートで入れてくるか? いや今度こそ外してくるか!?〕」
パシンッ!!!!!! 審判「ボールスリー!」
ベルトルト「〔よ、良かった...今度こそ外れてた...〕」
ファーラン「〔チッ、釣られなかったか...〕」
ベルトルト「〔アルミン先輩だったらストレートで外すって思って正解だった。本当にアルミン先輩のリードに似てるな...〕」
ファーラン「〔ここで塁に出したら次はアルミン先輩だ。ちょっと甘いコースでもミケ先輩の全力投球なら早々内野は越さないッス〕」サイン
ミケ「〔ふんっ、コース重視...〕」コクッ
ドォッ!!!! シュッ!!
ベルトルト「〔内高め! でも、これ高い!?〕」ピクッ
パシンッ!!!!!! 審判「...ボール、フォア!」
観客「おぉ!よく見たな、今の!」
観客「俺には入ってるように見えたぞ...」
ファーラン「〔チッ、ちょっと浮いたな...内じゃなくて外に要求すべきだった。〕」
-
- 202 : 2016/11/10(木) 00:00:40 :
ウグイス「4番キャッチャー、アルレルト君」
♪狙い撃ち♬
審判「プレイ!」
ファーラン「〔アルミン先輩か...最も危険だ。〕」
コニー「頼みます!アルミン先輩!」
トーマス「1点ずつ取り返していきましょう!!」
エレン「先輩...」
ミケ「〔アルミン...〕」ギリッ
アルミン「ふぅ...」
ファーラン「〔アルミン先輩なら上げることはしない。狙うなら弾丸ライナーか、転がすか...どの道甘い球禁物だ。〕」サイン
ミケ「〔アルミン...まだお前の目は...死んでないっていうのか...〕」ギュゥッ
アルミン「...」キリッ
ミケ「〔その透き通るような蒼い目...ふんっ、いいだろう...何度でもそのひつこい心をへし折ってやる。〕」スッ!!!!
ドォッ!!!!! シュッ!!!
アルミン「ッ」サッ
バァシンッ!!!!!! 審判「ボール!」
ジャン「あぶねっ!?」
エレン「もう少しで当たりそうだったぞ!?」
ファーラン「〔どうしたんスか、ミケ先輩。らしくないッスよ!〕」シュッ
パシッ ミケ「〔その顔を見せる限り...俺はお前への憤りは止まない。〕」ギュゥッ!!!!
ドォッ!!!! シュッ!!!
ファーラン「〔ちょっ!? まだサイン出してないんスけど...!?〕」
バァシンッ!!!!!! 審判「ボールツー!」
ファーラン「ミケ先輩!深呼吸!」
ミケ「ふっ」ニヤッ
ファーラン「それ嘲笑うっ!!」
ファーラン「〔っていうかミケ先輩、今日はやけにアルミン先輩に対して...いや、今日じゃなくて...いつにもましてやたらとアルミン先輩を煽ってるな〕」
ファーラン「〔4回の時の接触プレーだって...何かわざとタックルしたみたいだったし...〕」
ファーラン「〔いやいや、今は相手の心配してる場合じゃねぇ!次は外低めに〕」サイン
ドォッ!!!!! シュッ!!!
ファーラン「〔ッ、逆球...って!?〕」
アルミン「っ!?」
ボコォッ!!!!
アニ「ぁっ...」
ドタッ
アルミン「ぅっ...う”ぅ...」グググッ
審判「で、デッドボール!!」
実況「おっとザカリアス、4番アルレルトに対しデッドボール!」
アニ「アルミン!!」
スタッ アルミン「...だ、だいじょうぶ...!」グッ
アニ「...あんた...」
ジャン「つ~か、あのピッチャー...さっきからアルミン先輩に対して何かわざと狙ってねぇか?」
トーマス「あぁ、さっきの4回の時とかな。」
アニ「〔もし本当にあいつ がアルミンを狙ってるんだとしたら...一体何のために...〕」
エレン「そんな暗い話は置いといて、今は最大のチャンスだ。 応援するぞ!」
トーマス「そうだな!」
-
- 203 : 2016/11/10(木) 00:02:06 :
ウグイス「5番ライト、ブラウン君」
♪どか~ん♬
実況「プレイ!」
実況「ツーアウト一二塁で、打席には今日2安打1打点と好調のブラウン。」
ライナー「よぉし...来い!」
ミケ「ふんっ」
ファーラン「〔もしシガンシナにミケさんのストレートを打てる打者がいるとすれば、アルミン先輩かこの5番...一二塁でチャンスのシガンシナにとっちゃ、ここで点を入れたいと思うはず。なら、ここはまともに勝負するより...〕」サイン
ドォッ!!!! シュッ!!
ライナー「〔外のストレート!〕」スッ!!!
ギィーンッ!!
ミケ「...」
実況「打ったァ!!」
タッタッタ!!! エルド「〔くそっ、切れるか...?〕」
ガタンッ 審判「ファールボール!」
ウグイス「ファールボールにはご注意ください。」
ファーラン「〔やっぱり振ってきた。〕」
ライナー「〔くそっ、釣り球か。〕」
ファーラン「〔これでこいつの頭の中は『ボール球には手を出さない。』ってことを意識するはず。あとはどう崩すか。〕」
ライナー「〔まだ早いか...もっとジャストに...合わせるんだ。俺が、打つ!〕」ギリッ
ドォッ!!!! シュッ!!
ファーラン「〔初球外ボール3個分外れたストレートの後に、内ボール球になるこの球が来たら嫌でも手がでるだろ。〕」サイン
ドォッ!!!! シュッ!!
ライナー「〔来た、内低め!〕」スッ!!!
ファーラン「〔引っかかった!〕」
クイッ!!
ファーラン「〔内低めにボール球になるシュート!!〕」
キーンッ!!!
ファーラン「__________」
ミケ「!」
ファーラン「レフトォッ!!」
ダッダッダ!!! ネス「ハァ、ハァ、ハァ...!」
ピーッ 審判「ファールボール!」
実況「2球目もファール。変化球でしたね?」
諫山さん「そうですね。右打者からすれば内に切り込んでくるシュートでした。」
ファーラン「〔当てた...? 空振りじゃなくて、当てるのか...? しかも、打球はレフトオーバー...?〕」チラッ
ライナー「〔もっとだ...もっと強く引っ張る...どれだけファールになろうが、空振りかキャッチされなきゃアウトにならないんだ。揺さぶりを...プレッシャーを...掛け続けろ!!〕」
ファーラン「〔プルヒッターだからこそ、右利きのミケさんのシュートはあんなに飛ぶんだ。なら...真っ向勝負!〕」サイン
ミケ「」コクッ
ドォッ!!!! シュッ!!!
ライナー「〔待ってたぜ。内低めの...ストレート!!〕」スッ!!!
ギィンッ!
ライナー「〔っつ!? さっきより重い...!?〕」
コロコロ 審判「ファール!」
-
- 204 : 2016/11/10(木) 00:02:35 :
実況「3球目は内低めにストレートをファール!」
審判「ボールを」スッ
ファーラン「あ、あざッス!」
ファーラン「ナイボ!ナイボー!」シュッ
パシッ ミケ「ふんっ」ニヤッ
トーマス「なんだ今の音、エグい音したぞ」
マルコ「ライナーでさえ、前に飛ばせないほどの球質なんて...さすが調査高校の投手だな。」
「でも、完全に抑えられてるわけじゃねぇぞ」
トーマス・マルコ「え?」
エレン「さっきのファールもそうだったけど、ちゃんと振れば内野を越すんだ。どんだけ重かろうが”当てられれば何かが起こるんだ。”」
エレン「しかも、こんだけ雨だぜ。何が起こるかわかんねぇぞ。」ユビサシ
トーマス「確かにな...調査高校もすげぇ奴等だけど、プロじゃないんだ。ミスはするよな!」
マルコ「それに、エレン言う通りで雨の中ならエラーが起きても可笑しくない。まだ終わってない!」
トーマス「打てるぞ!ライナー!!」
マルコ「しっかり振ってけ!!」
エレン「火事場の馬鹿力みせてやれ!!」
ライナー「〔打つイメージは...サード頭上のレフトオーバー...!〕」ギュゥッ!!!
ベルトルト「〔ライナー、打ってくれ...僕達を...甲子園へ導く一打を...!〕」
アルミン「〔ライナー...〕」
マルセル「ライナー...ベルトルト...頑張れよ!」
ミケ「...ん?」
ファーラン「」サイン
ミケ「」コクッ
ライナー「〔7回でツーアウト一二塁...こんなチャンス、調査高校相手にもう二度とないかもしれない。ここで...決める!!〕」ギリッ
ドォッ!!!!! シュッ!!!
ライナー「〔ストレートの真っ向勝負で...負けてたまるかっ!!!〕」スッ!!!
ゴォッ!!! ライナー「〔ミートした!あとはパワーで...押し負けるなッ!!〕」グググッ!!!
ギィーンッ!!!
実況「打ったァ!! レフト方向!」
ミケ「...」
ライナー「いけぇぇえええええええっっっ!!!!!!」
ダッダッダ!!! ダイブッ!!!
ネス「うッ!!」スッ!!!
ドサッ!!! ゴロゴロッ
「ハァッ、ハァッ、ハァッ...」ダッダッダ!!!
「〔信じて疾走れ...! 仲間の...打った球が...ヒットであると...!!〕」ダッダッダ!!!
ベルトルト「〔疾走り抜けろっっ!!!!〕」ダッ!!!
「げほっ、げほっ...」スッ
アルミン「ッ」
ライナー「...」
審判「...アウト!アウト!!スリーアウトチェンジ!!」
「お...おぉぉぉおおおおっっ!!!!!」
実況「な、なんとレフトのネス...背面ダイビングキャッチで...5番ブラウンの強打を捕りましたぁ!!!」
ファーラン「ナイスレフト!!」
モブリット「ナイスキャッチ!」
オルオ「ナイキャです!!」
ネス「あぁ、攻撃ではあまり貢献出来てないからな。なら、守備で貢献するしかねぇだろ!」
イザベル「かっけぇ!!」キラキラ
-
- 205 : 2016/11/10(木) 00:04:19 :
スタスタ
ライナー「...くそっ!!」ブンッ
カツンッ カツンカツンッ
ギュゥッ!!! ライナー「何が...俺が、打つだ...何が...ここで、決めるだ...」
ライナー「何一つ...チームの役に立てはしねぇ男が...ここ に座ってる意味なんかねぇ...!!」
「ドンマイ、ライナー」
ライナー「っ、ベルトルト...すまんっ...!」
ベルトルト「仕方ないよ、ライナーは全力を出したんだ。それで結果が出ないなら仕方ないよ...相手が一枚上手だったんだ。」
ライナー「ッ、相手が一枚...上手...?」
ベルトルト「え?」
ライナー「それじゃぁ...そんなこと言ってたら...どうしようもないだろッ!!」
ベルトルト「ら、ライナー!落ち着くんだ!」
ライナー「相手が調査高校だから結果が出ない、それは仕方ない...? そんなことわかってるっ!!」
ベルトルト「!」
ライナー「でも...でもそれじゃ...今まで俺らが取ってきた点が...抑えてきた点が...無効化されるんだぞ!? わかってるのか!?」
エレン「俺...ちょっと止めてきます!」ダッ
トーマス・マルコ「ちょ、エレン!?」
ライナー「結果が出なかったらおしまいなんだ! 仕方ないで片付けるなんて間違ってる!!」
ベルトルト「どう考えても、僕らが半年間真剣に野球を練習したからって相手は何年間も努力してきたんだ!どれだけ頑張っても、努力の差は埋まらない!僕はそう言ってるんだ!!」
ライナー「そんなことはわかってるって言ってるだろぉっ!! でも、今そんなこと言い出したら一生あいつら に勝てないままだぞ!?」
ベルトルト「じゃぁ...じゃぁどう言えばいいんだ!? ミスをした人に責めたって何も変わりはしない! なら、今は現実を受け止めて前を向くしかないんだ!!」
ライナー「どうして...どうして俺に文句の1つや2つを言わないんだ!? 俺はチャンスを潰したんだぞ!? お前がせっかく身を削ってまで作ってくれたチャンスを「そこまでな?」
ライナー・ベルトルト「!」
エレン「言い合うならベンチの中でやれよ。今は仮にも試合中だぞ。」
-
- 206 : 2016/11/10(木) 00:04:28 :
ライナー「あ、あぁ...悪い」
ベルトルト「ごめんエレン」
エレン「別に...俺はお前らみたいに試合に出れてないから、熱くならない...だからこうやって冷静に見れるのかもな。」
ライナー・ベルトルト「________」
エレン「...あっ、べ、別に今のはお前らに対しての愚痴とかじゃないからな!? なんて言えばいいのかな...こう...お前らあれだ。少し落ち着け。」
ベルトルト「エレン...」
エレン「...正直羨ましいと思ってるよ。だってそうだろ?試合に出れてるんだ!それも...」チラッ
甲子園出場への切符をかけた、こんな大舞台で...!!
エレン「しかも、相手はあの最強と言われてる調査高校。これだけでもアドレナリン出まくって、興奮するのに...その相手とほぼ互角にやりあえてるんだぜ? もっと自分達に自信持てよ!」
ライナー「っ...自信...?」
エレン「ベルトルトは、この試合中で自分を進化させてクロスファイアーを手に入れて、あの調査高校打線を苦しませた。」
ベルトルト「!」
エレン「ライナーは、今日の初得点や同点打で調査高校先発のナナバを打ち崩したんだ。」
ライナー「!」
エレン「単純に考えたら...めちゃめちゃすげぇよ、お前ら...!!」
エレン「でも...俺は何もしてない。何も出来やしない。ただの...負傷者だ。」
エレン「だからこう...あぁ~もうっ...が、が、頑張れるよ!お前らなら!!」
ライナー「エレン...」
エレン「できる...できる絶対!俺が保証する!お前らなら...できる!!」
ジャン「お~い、そろそろお前ら守備付けよ!!」
エレン「わ、悪い!」ダッ
ライナー・ベルトルト「...」
スタスタ
ライナー「まずこの回無失点に抑えるぞ、ベルトルト。」ギリッ
ベルトルト「その後、逆転しよう。」ギリッ
ライナー「〔俺達は試合に出れてるんだよ...俺達は!!〕」
ベルトルト「〔でもエレンは...怪我で出たくても出れない。それは本人が一番よくわかってる。〕」
ライナー・ベルトルト「〔なら、仲間に...あんな所を見せたら...ダメだろッ!!!〕」ダッ
サシャ「二人共、これグラブと帽子です!」スッ
ライナー「あぁ悪いな、サシャ」
ベルトルト「ありがとう...じゃぁ...」
「いってくる。」
サシャ「ッ...ど、どうしちゃったんですか!?あの二人...!? さっきまであんな喧嘩してたのに...」
エレン「...ふっ、あいつらは幼馴染なんだ。そう簡単に崩れるあいつらじゃねぇよ。」クスッ
アニ「〔まったく...またあんたに救われたね...本当にあんたは...〕」
アニ「エレン」
エレン「え...は、はいっ!?」
アニ「よくやった!!」スッ
バァシンッ!!! 「いぎゃぁ”ぁ”っっ!!!???」
-
- 207 : 2016/11/18(金) 23:31:46 :
「なぁ~んかあっちは騒がしかったッスけど...」
ファーラン「俺らも盛り上がりで負けないッスよ!! ほら、どんどん盛り上げて!!」
イザベル「うるさい、チャラ男」
モブリット「集中できない。黙れ」
ケイジ「俺あんましうるさいの好きじゃないんだわ。」
エルド「馬鹿だと思われるからやめろ。」
ファーラン「4人!? なんか増えてねぇッスか!? さっきまで3人だったのに!?」
リヴァイ「...黙れ」
ファーラン「ひどっ!?」
オルオ「コラァ、1年坊主!調子に乗ってんじゃねぇ!!」
ガヤガヤ
ケイジ「ふっ、なんやかんやでチームの士気を上げてくれるのは...正直頭あがんねぇわ。」
イザベル「そうですか?俺はただうざいとしか思わないですけど」
ケイジ「前言撤回、そりゃそうだったわ。」
ファーラン「聞こえてるッスからね!?」
エルヴィン「兎にも角にも7回だ。そろそろ、彼らに差を見せつけろ。」
「はいっ!!」
ウグイス「7回の裏、調査高校の攻撃は...1番セカンド、マグノリア君」
♪狙い撃ち♬
実況「さぁ7回の裏、調査高校の攻撃先頭バッターは1番のマグノリア。」
イザベル「おねがいっしまーっす!!」
審判「プレイ!」
アルミン「〔この回から上位打線...もっとも注意しなきゃいけないのが、4番のリヴァイ...けど、その前にイザベルだ。〕」
アルミン「〔これまではセーフティバントで塁に出る1回のみ...ならこの回もそうしてくるか?〕」サイン
ドッ!!! シュッ!!
アルミン「〔外高い...!?〕」
イザベル「〔甘い球!〕」スッ!!!
キッ
アルミン「〔ここでも来たか...セーフティ!!〕」ダッ!!
アルミン「僕が取る!」
イザベル「〔やっばい!? ちょっと勢い殺しすぎた!?〕」ダッ!!!!
ガシッ!!! アルミン「〔間に合...〕」スッ!!!
ズキィッ アルミン「う”っ!?」
シュッ
ミリウス「ぁっ!?」スッ
実況「あぁっと!? 悪送球!?」
イザベル「〔よっしゃ、このまま二塁に...!!〕」ダッ!!!!
「ストップ!」
「ッ!!」シュッ!!!
パシッ!! イザベル「〔二塁はやっ!?〕」ザザーッ!!!
審判「セーフ!」
「おぉ...!! ライト送球早い!!」
ライナー「後ろのカバーは俺達に任せてください!」
ジャン・ベルトルト「おぉッ!!」
アルミン「...ははっ...参ったな...」
サネス「〔アルミンの野郎が送球を乱した...?〕」
イアン「〔送球が間に合わないならまだわかるが、あの制球力の良いアルレルトが...エラー...?〕」
マルロ「〔しかも、ただ力んだとか握る位置を間違えたとか、雨で滑ったんじゃなくて...あれは完全に...〕」
シュッ
ミリウス「ぁっ!?」スッ
アニ「〔どこかを痛めて、体が制御したような素振り...アルミン...あんたやっぱり、あの時の怪我が...!〕」
ズキズキッ ドクンドクンッ アルミン「はぁ...はぁ...」アセ
アルミン「〔くそっ...左胸だから右で投げる分なら大丈夫だと思ったのに...投げることさえも...できないのかっ!〕」
「ドンマイドンマイ!切り替えろ!!」
エレン「たった一人ランナーが出たくらいで、しょぼくれてんじゃねぇ!!」
トーマス「エレンの野郎...」
マルコ「ふっ、試合に出れなくてフラストレーションが溜まってるはずなのに...まったく」クスッ
コニー「エレンの奴、元気なら出ればいいのにな!」
「それ絶対にエレンに言っちゃまずいやつだわ。」
アルミン「...ふっ」ニヤッ
アルミン「ノーアウト!!バッター勝負!!」
「オーッ!! バッター勝負!!」
ミリウス「ミカサ、バッター勝負!」
トーマス「打たせていけよ!」
マルコ「無理はしちゃダメだからな!」
コニー「サードに打たせろ!ミカサ!!」
ミカサ「...うん」
-
- 208 : 2016/11/18(金) 23:32:52 :
ウグイス「2番センター、バーナー君」
♪必殺仕事人♬
実況「さぁノーアウト一塁で2番仕事人のバーナー!」
モブリット「さっ、来い!!」
審判「プレイ!」
アルミン「〔ノーアウト一塁でモブリットさん...構えは...?〕」チラッ
モブリット「...」
アルミン「〔バントの構えじゃない...ってことはヒッティング?〕」
アニ「〔可能性はあるだろうね。だけど、気をつけなよ。相手は仕事人のバーナー...何を仕出かしてくるかわからないからね。〕」
アルミン「〔イザベルに走られて、尚もバントorヒットで進塁打を喰らって、3番のファーランだけはごめんだ。ここは速い球で...〕」サイン
ミカサ「」コクッ
イザベル「〔変化球投げたら走るからなぁ!〕」ササッ
ミカサ「...」スッ
モブリット「〔エルドとケイジの言う通りなら、こいつはどうもリヴァイのフォームに似てるらしい。〕」
モブリット「〔1年生で流星のごとく現れた大型ルーキー、ポジションは主にショートでピッチャーも出来る、コントロールや球速も負けず劣らず...か〕」
モブリット「〔まるで、どっかの誰かさんにそっくりだ。〕」チラッ
リヴァイ「...」
モブリット「...面白い、お手並み拝見といこうか。」ギュゥッ!!!
ドッ!!!!
ミカサ(リヴァイ)「ッ!!」シュッ!!!
モブリット「ッ」
パシンッ!!!!!
審判「ボールワン!」
実況「初球内低めに速い球をボール!」
モブリット「〔なるほど、この球速とキレならあの二人が知らないでアウトになるのも不思議じゃない。〕」
アルミン「〔今見たな...〕」
モブリット「〔肝心なのは、タイミングと体感速度...この2つが噛み合わないことにはバットに当てることは難しいな。〕」
アルミン「〔ミカサの全力投球を見たんだ。ストレートに対策を練ってくるに違いない。ならここは一球...〕」サイン
ミカサ「」コクッ
ドッ!!! シュッ!!
モブリット「〔外、変化球か!〕」グッ
クインッ!! パシンッ!!!!
審判「ストライク!」
モブリット「〔全力投球の後に一球外にカーブで入れてきたか、このパターンは...アルレルトか〕」
アルミン「〔この緩急ならそう簡単には打たれやしない。問題は...この後〕」
モブリット「〔今の俺で、どれだけ追いつけるか...現実を受け止めるしか...ほかない!〕」ギュゥッ!!!
ドッ!!! シュッ!!
モブリット「〔内低い!ストレートか!〕」スッ!!!
クイッ!!
モブリット「〔クッ!? シュートか!!〕」ググッ!!!
キーンッ!
実況「打ったァ!これはピッチャー前のボテボテな当たり!」
アルミン「〔イザベルはもう走ってる、二塁間に合わない。〕」
アルミン「ミカサ、1つ!」
モブリット「〔くそっ、上手く打ち取られたか...!?〕」ダッ!!!
ガシッ!! ズキィッ
ミカサ「ゥ”ッ...!?」ガタッ
シュッ
ミリウス「〔送球ズレてる!?〕」ノビッ!!
ザッ!!! バシンッ
アルミン・アニ「!」
実況「あぁっと!? またも送球が乱れたァ!?」
イザベル「〔今のうちに!!〕」ダッ!!!!
実況「その間にセカンドランナーが三塁へ向かったァ!!」
ライナー「〔ホームには...〕」ガシッ!!!
ライナー「返させない!!」シュッ!!!
パシッ!!! アルミン「...」
ピトッ イザベル「〔おっと...さすがにホームまでは返してくれないか、でも...〕」
モブリット「〔助かった、敵投手の悪送球に救われたな。それより...〕」
リヴァイ「...あの馬鹿野郎」
エルヴィン「〔今明らかに、投手である彼がエラーを起こした。どこか痛めているのか?〕」
ミカサ「〔クッ...右手の痛みが...〕」ズキズキ
アルミン「〔まさか怪我が...?〕」
アルミン「ミカサ!」
ミカサ「だ、大丈夫...です。」
実況「なんと送球エラー。雨の影響でしょうか?」
諫山さん「そうですね。雨も先程から強まりました。そろそろ投げにくくなってくる頃でしょう。」
アルミン「〔ミカサの心配もしたいところ...だけど...〕」チラッ
-
- 209 : 2016/11/18(金) 23:34:09 :
ウグイス「3番キャッチャー、チャーチ君」
ファーラン「しゃぁぁッス!!」
♪海のトリトン♬
実況「さぁノーアウト一三塁で、打席には3番でキャッチャーの調査高校のホープことチャーチ!」
審判「プレイ!」
アルミン「〔ノーアウト一三塁でバッターはファーラン...不味い、次はあいつだ。ここで食い止めないと...〕」
サネス「こりゃ見ものだな。」
マルセル「何がですか?」
サネス「期待のルーキー同士の対決だ。それと...」
イアン「ここでシガンシナが打たれて、4番のリヴァイまで繋がった場合...恐らく試合は決まったようなものだ。」
ミタビ「なんでだよ?まだ終わってねぇだろ」
イアン「あぁ終わってない。」
ミタビ「なら決まってようなものって言うんじゃねぇよ!!」
イアン「違う。俺が言っているのは...結果もそうだが...シガンシナの選手 のモチベーションの問題だ。」
グスタフ「モチベーション?」
イアン「そうだ。回はもう終盤の7回まで来てる。それにこの雨の中だ。この時点で身体的にもかなり堪えてるはずだ。」
イアン「それと決勝という慣れない環境の中でやっているんだ。身体的もそうだが...やはり一番は、精神的体力 だろうな。」
フレーゲル「精神的にきついってどういうことだよ?」
ジム「誰だって、終盤で点差をつけられたら不安や不満の1つや2つ出ても可笑しくない、だろ?」
フレーゲル「まぁ確かに...」
ダン「ここでリヴァイまで繋がれて...そんでリヴァイに長打を打たれたらどうなると思う?」
フレーゲル「...追いつけねぇな」
ジム「体の疲労感もあるだろうが...一番は今目の前の相手との実力の差、そして...試合の結果。これが精神的にダメージが来る原因の1つだな。」
サネス・イアン・ジム「だから、シガンシナはここで抑えられなければ...試合が終った も同然」
ファーラン「〔同じ1年同士...同じ期待のルーキー同士...ガチンコ勝負でやり合おうぜ。〕」ギリッ
ミカサ「ハァ、ハァ、ハァ...」ズキズキ
アルミン「ふぅ...ふぅ...」ズキズキ
アニ「〔アルミン...ミカサ...みんな...お願い...耐えきって。〕」ギュゥッ
アルミン「〔どうする...〕」
何で来る?
アルミン「〔どうする...?〕」
スクイズ?
アルミン「〔何が最善策だ...〕」
セーフティバント?
アルミン「〔僕に何ができる...〕」
ヒッティング?
アルミン「〔どうすればこの状況を打破できる...〕」
犠牲フライ?
アルミン「〔何を捨てられる...〕」
僕を?
アルミン「〔何が必要だ...〕」
才能?
アルミン「〔僕は何のためにここにいる...〕」
みんなを甲子園に送り出すため?
アルミン「〔どうすればいいんだ...〕」
アウトを取るために?
アルミン「〔何も...何も思い浮かばない...〕」
本当に?
アルミン「〔くそっ、くそっ、くそぉっ!! ダメだ...そんなこと思っちゃダメだ!!〕」
なんでなんだ?
アルミン「〔やめろ...〕」
なんで?
アルミン「〔やめるんだ...!〕」
なんでこんな時に
アルミン「〔やめろォッ!!!〕」
エースがいないんだ。
-
- 210 : 2016/11/18(金) 23:37:04 :
実況「どうしたのでしょう?まだ投げません。」
アルミン「...」サイン
ミカサ「」コクッ
ドッ!!! シュッ!!
ファーラン「〔外...この軌道...スライダー!〕」
クイッ!! パシンッ!!!!
審判「ボール!」
ファーラン「〔ゾーンからボール2個分か...制球力いいな、こいつ〕」
アルミン「...」サイン
ミカサ「」コクッ
スッ ドッ!!!!
ミカサ(リヴァイ)「ッ!!」シュッ!!!
ビリッ ミカサ「ぅっ!?」
ファーラン「〔来た、この速さ...全力投球か!〕」スッ!!!
キーンッ!!!
アルミン「んぁっ!?」
審判「ファール!」
マルコ「〔え...ちょっと待って...ミカサの全力投球を...まだ打席で一球も見てないのに、いきなり当てた?〕」アセ
トーマス「〔しかも、ファールって言ったって...ほぼ合ってるようなもん...あと少しでサード線抜いてたぞ...?〕」アセ
ミカサ「〔ハァ...ハァ...ストレートが通らない...?〕」ズキズキ
アルミン「〔ストレートが通らないなら...変化球でかわすしか〕」サイン
ドッ!!! シュッ!!
クインッ!!
ファーラン「〔この緩急...さっきモブリット先輩に使ってた...カーブッ!!〕」スッ!!!
キーンッ!!! ミカサ「っ」ビクッ
実況「打ったァ!! レフト方向大きい!!」
ビィーッ 審判「ファールボール!」
ウグイス「ファールボールにご注意ください。」
ファーラン「〔チッ、体を開き過ぎたか...カーブ打ちの基本である、重心を後ろにしてスイング。これやっても外に巻いちゃうってことは、このカーブ相当回転かかってんだな。〕」
アルミン「〔全力投球の後カーブで緩急をつけたのに...全くスイングが泳がなかった...?〕」アセ
アルミン「〔内角いっぱいから外角いっぱい...コースをついても...ダメなのか...?〕」
アルミン「〔いや...まだ諦めるな! 諦めるには...まだ早い!〕」サイン
ミカサ「」コクッ
スッ!!! ドッ!!!!
イザベル「〔! またワインドアップ〕」
ミカサ(リヴァイ)「ッ!!」シュッ!!!
ファーラン「〔やっぱこいつ...ワインドアップでしか、この球威は出せない! でも...〕」スッ!!!
ファーラン「負けるつもりはさらさらねぇ!!」
キーンッ!!!
アルミン・ミカサ「!」
実況「打ったァ!!」
アルミン「レフトォ!!」
ダッダッダ!!!
ベルトルト「〔届く...? いや前に落ちる!〕」ダッ!!!
パシッ!!! 実況「アウト!!」
調査高校コーチャー「GO!」
ダッ!!!!
マルコ「バックホーム!!」
ベルトルト「ッ!!」シュッ!!!
ズサーッ!!!! イザベル「8点目!!」
観客「おぉ、調査高校追加点!!」
観客「これで3点差!!」
イザベル「ナイス犠牲フライ!いい具合のフライだったぞ!」
ファーラン「うっせ!」
ファーラン「〔...チッ、後味わりぃ...捉えたはずの打球を...球威に負けてレフトフライかよ...〕」
-
- 211 : 2016/11/18(金) 23:37:13 :
ベルトルト「ごめん!僕がもっと早く送球出来てれば...」
ジャン「何言ってんだ、犠牲フライで抑えたんだぞ。それだけでも合格ラインだろ...でも次は...」
スタッ ザッ
ミカサ「!」
ウグイス「4番ショート、リヴァイ君」
スタスタ
リヴァイ「...ふぅ...」ゴゴゴッ
「おぉぉぉおおおおおおっっ!!!!! キタキタキタァー!! 怪物リヴァイ対流星のごとく現れた大型ルーキー、ミカサ・アッカーマンの初対決だぁ!!」
ミカサ「...スゥーッ...フゥーッ...」
審判「プレイ!」
実況「さぁ、この大歓声の中で出てきたのは...高校球児最強の男...怪物と呼ぶに相応しい...リヴァイの登場です!!」
イアン「...なんとか首の皮一枚繋がったな。でも、終わりだな。」
ミタビ「なっ!? どっちだよ! さっきは3番に連打喰らわなければいけるって話だっただろうが!「そうじゃない。」
ミタビ「はぁ!?」
イアン「さっきの3番の打席を見ただろ。アッカーマンの全力投球を...レフトフライだ。」
ミタビ「だからなんだって言うんだよ! 確かに犠牲フライにはなって点は取られた。けど、ランナーは一塁だ。まだ終わったわけじゃ...」
イアン「違う。俺の話を聞け。」
ミタビ「あぁ!?」
イアン「3番の...それも1年にだ。決め球である全力投球のストレートを...いとも簡単に外野まで運んだんだ。それがどういう意味かわかるだろ。」
ミタビ「...チッ、3番でレフトフライなら...4番じゃ、それ以上って言いたいのかよ。ちくしょうっ!!」
ミカサ「ハァ、ハァ...」ゼェハァ
リヴァイ「どうした、もうお手上げか?」
ミカサ「...う...さい」
リヴァイ「あ?」
ミカサ「...うるさい...私を捨てて...家族を裏切って...私を傷つけて...」
ミカサ「でも...それでも...あなたのことを....兄だと...認識してしまうと...」ギュゥッ
リヴァイ「...」
ミカサ「〔わかってる...勝負の世界に...同情や葛藤を持ってきてはいけないと...でも...〕」
ドッ!!
ミカサ「〔どうしても...そうしてしまう...〕」シュッ!
リヴァイ「...あ?」
ミカサ「〔これですべてを終えよう...これで決着をつけよう...これでもう何もかも、消してしまおう。〕」
ミカサ「〔それを...世界でたった一人の兄妹である...あなたにされるのなら...かまわない。〕」
-
- 212 : 2016/11/18(金) 23:38:23 :
-
パシンッ!!!
審判「ストライク!」
ミカサ「ぇっ...?」
リヴァイ「...てめぇ、ふざけてるのか?」
ミカサ「!」
リヴァイ「誰がこんなやる気のねぇ球を打つんだ。こんな球じゃ”はい、どうぞ。打ってください”って球じゃねぇか。」
リヴァイ「失せろ。」
ミカサ「ッ」
リヴァイ「この場に立つんじゃねぇ。そんな戦う意志のねぇ奴が、マウンドにあがるんじゃねぇ。」
リヴァイ「今のてめぇは、何の意味もねぇただの虫けらと同じだ。今すぐここから消えろ。邪魔だ。」
ミカサ「ぁ...ぁ...」プルプル
審判「ちょっと君、私語は慎みなさい。」
リヴァイ「あ?うるせぇな、今は俺が喋ってんだろうが」ギロッ
審判「!」
ケイジ「り、リヴァイの奴審判に何を...!!」
「止める必要はない。」
ケイジ「えっ、でも...」
エルヴィン「今の彼は...誰にも止められやしない。審判でさえも...恐れをなしてしまうほどの何かを放っているんだろうからな。」
リヴァイ「それとも何か?もう一度言わなきゃわかんねぇのか?」
リヴァイ「てめぇがどうしようもないくらいアホなら仕方ねぇ、この際、何回でも、何度でも言ってやるよ。」
ミカサ「ぁ...ぃゃぁ...ぃやぁ...」プルプル
リヴァイ「俺とてめぇは、もう兄妹でも家族でもなんでもねぇ。赤の他人 なんだよ。」ギロッ
アルミン「!」
ミカサ「...ぅ...うぅ....」
リヴァイ「わかったなら...とっととそこをどけ。今ベンチにいる奴と代われ。」ザッザッザ
ミカサ「ぅ...うぅぅ...ぅ...」ギュゥッ!!!
アルミン「〔ミカサ...?〕」
「...るさい...」
リヴァイ「ァ?」
「うる...さい...」
リヴァイ「...」
ミカサ「うるさい...うるさい...うるさいうるさい、うるさいッ!!」スッ!!!!
アルミン「ッ、ミカサ!やめるんだ!!」
ミカサ「〔あなたに...私の気持ちが...わかるはずがない...わかってたまるか...!!〕」
ギュゥッ!!!
ドッ!!!!
ミカサ(リヴァイ)「うぁぁぁあああああああッッッ!!!!!!」シュッ!!!!
リヴァイ「...馬鹿が」スッ!!!!
ザァッ!!!!! ゴォッ!!!!!
リヴァイ「てめぇのストレートも...偽物 なんだよ。」ギロッ
ミカサ「__________」
カキィィィイイインッッッ!!!!!
アルミン「ぁっ...!?」チラッ
アニ「っ...」チラッ
エレン「ぁ...」チラッ
リヴァイ「てめぇに1つ教えてやる。どれだけ完璧に他人 の真似をしても本物にはなれない。」
リヴァイ「所詮は似せて作った紛い物 」
リヴァイ「それを、どれだけ似寄ってもな...」
「「偽物 は本物 にはなれない。」」
-
- 213 : 2016/11/18(金) 23:38:37 :
バァンッ!!!!!
実況「は...入ったァ!! 満塁ホームラァァァアアアアンッ!!!!! その一打はまるで...シガンシナナインの僅かな望みを打ち砕くかのような強打だぁ!!!!」
「おぉぉぉぉぉおおおおおおっっっ!!!!!!!」
タッタッタ
ミリウス「...」
トーマス「...もう...無理なのか...」
マルコ「そんな...ここまでやったのに...」
コニー「まだ終わって...」
ライナー「くそっ...俺があの時...」
ジャン「...ちきしょうっ...」
ベルトルト「そんな...」
アニ「んっ...クッ...」ギュゥッ
エレン「まっ、まだ...まだ終わってねぇ!! こっからだ!!」
ダズ「そ、そうだ!まだまだ試合は終わってない!みんな、顔を上げるんだ!かお...を...」
ハンジ「〔ダメだ...中の選手は全員...集中が途切れた...いや...〕」チラッ
ダッダッダ リヴァイ「...」
ハンジ「〔彼に途切れさせられたんだ。〕」
ザッ 審判「ホームイン!」
観客「これで5-10だ! 点差が一気に開いた!!」
観客「やられたな...シガンシナ、もう全員集中切らしてるぜ。」
観客「惜しかったな...」
ミタビ「ふざけんな...ふざっけんなァっ!!! 勝手に諦めてんじゃねぇ!!」
イアン「やめろ、ミタビ」
ミタビ「ハァ!?」
イアン「...それを一番わかってるのは...これまで崖っぷちの戦いをしてきた、あいつら だ。」
ミタビ「でっ、でも...くそっ!!」ガンッ
イアン「〔まさか...ここまで差をつけられるとはな...〕」
サネス「さすがに同情だぜ。」
マルセル「え?」
サネス「前半戦まで、いい勝負をしてきたんだ。それをこうも簡単に突き放されるってのは...メンタルがっつり削られるぜ。」
ケニー「ミカサ...」
ジャン父「なんだよ、ちきしょう...」
ミーナ「そんな...」
ボリス「あいつらでも...ダメなのかよっ...!!」
マルロ「...チッ」
ヒストリア「...レン...」
-
- 214 : 2016/11/18(金) 23:39:09 :
ウグイス「5番ライト、ザカリアス君」
ミケ「ふんっ」ニヤッ
審判「プレイ!」
アルミン「〔ダメだ...もう...打つ手が...ない...〕」アセ
ミカサ「...」
アルミン「〔考えられない、頭が回らない、思考が働かない、頭が...真っ白だ...〕」アセ
・・・
キーンッ!!!
アルミン「ぁ...」
ガシッ ライナー「...ど、ドンマイ!」シュッ
実況「またストレートを捉えて、ライト前ヒット!」
エレン「クッ...」ギュゥッ
ウグイス「6番サード、ジン君」
シュッ!!
エルド「ふっ!!」スッ!!!
キーンッ!!!
マルコ「うッ!?」ダイブッ!!
ズサーッ!!
実況「二遊間抜けたァ!! これでワンァウト一二塁とまたもやチャンス!!」
ガシッ ジャン「の、ワンァウト!ば、バッター...勝負」シュッ
ウグイス「7番ファースト、ケイジ君」
ミカサ「ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
アルミン「ふぅ...ふぅ...」ゼェハァ
ミリウス・トーマス「スゥーッ...ふぅ...」ゼェハァ
コニー・マルコ「ハァ、ハァ...」ゼェハァ
ライナー・ジャン・ベルトルト「ハァ...ハァ...」ゼェハァ
ダズ「不味い...ワンァウト一二塁だ。何か対策取らないと...」
エレン「対策...監督、どうにかならないんですか?」
アニ「...」
エレン「監督っ!!」ダッ
ポタッ ポタポタッ
エレン「かっ...んとく...?」
アニ「〔情けない...監督としても...マネージャーとしても...何も...できないなんて...〕」ウルウル
アニ「〔私じゃ...何も思いつかない...何をどうしたら...どんなことを言ってやればいいか...わからないっ...〕」ウルウル
イアン「...正直...もう見てられないな。」
グスタフ「あぁ...」
観客席 からグラウンドを見渡すと...そこには...
シガンシナナインがボロボロになっている、あまりにも酷な光景があった。
イアン「シガンシナの生命線とも呼ぶべき存在である...アルレルトが、4回の接触プレーで負傷。」
シガンシナの...脳が潰れ...
サネス「そして、そのアルミンの右腕と呼んでいい存在で、期待の大型ルーキーである...アッカーマンは、準決勝でピッチャー返しで負傷。更には、自分の持てる武器で挑んだ相手に...完敗。」
シガンシナの...右腕が潰れ...
ジム「今投手であるザカリアスに唯一無二で戦える相手であった...ブラウンは、ザカリアスに完全パワー勝負で負け...自信喪失。」
シガンシナの...胴体が潰れ...
マルロ「前半戦、あの調査高校打線を苦しませ、しかも逆転打もした...フーバーは、後半戦が始まると共にスタミナ切れと目の慣れによって...被安打炎上。」
シガンシナの...左腕が潰れ...
イアン「そして...1番バッターでチャンスメーカーである、キルシュタインや...」
サネス「ムードメーカーで、チームで唯一の元気な馬鹿の、スプリンガーや...」
ジム「冷静な判断で、内野の要と言ってもいいほどの慎重さを持つ、ボットや...」
マルロ「チャンスの場面で、ここぞと言わんばかりのプレーをしたテンション馬鹿の、ワグナーや...影は薄いが守備で貢献してる、ゼルムスキーは...」
イアン・サネス・ジム・マルロ「決勝という名の大舞台での終盤、相手に絶対的な差を見せつけられて...動揺。」
シガンシナの...下半身が潰れ...
イアン「まさに全滅、と言っても過言ではない。」
-
- 215 : 2016/11/18(金) 23:40:45 :
パシンッ! 審判「ボールフォア!」
実況「フォアボール、これでワンァウト満塁!! シガンシナ高校このまま引き離されてしまうのかァ!?」
ギュゥッ エレン「...くそっ...!!(何もできないのか...俺はまた何も出来ないまま...何かを終わらせるのか...!!)」
ハンジ「...ダズ君、伝令だ。」
ダズ「あ、はい!」ダッ
エレン「ダズ、待て!」
ダズ「!」
エレン「...頼みたいことがある。」
スタスタ ハンジ「タイム、伝令を。」
審判「タァイム!」
タッタッタ
実況「おっと、シガンシナ高校ここで3回目の伝令を使いました!」
観客「シガンシナ、等々終わっちまうかもな。」
観客「あぁ、さすがにこれは逆転できねぇよ。」
観客「第一...この回はどうするんだ。ワンァウト満塁だぞ。」
ケニー「〔くっそ...何にも言い返せねぇ...!!〕」
マルコ「...」
トーマス「ぁ...う...わ、悪いな...ダズ。」ボソッ
ダズ「え、何が?」ボソッ
トーマス「伝令...多分まともに聞いてられねぇから...」ボソッ
ダズ「! ま、まだ勝負は終わってない!この回を次の打者で終わらせて、次の回でまた逆転すればいいさ!!」ボソッ
コニー「無理...じゃねぇかな...」ボソッ
ダズ「えっ...」
コニー「正直...もう...勝てる気がしねぇよ...」ボソッ
ダズ「こ、コニーまで...」
アルミン「ごめん...僕が怪我をしなければ...こんなことには...」ボソッ
マルコ「何言ってるんですか!先輩は悪くない!悪いのは...僕らですよ...」ボソッ
ダズ「...シャキッとしろよ!! まだ試合も終わってないのに...なんでもう諦めてるんだよ!!」
「!」
ダズ「ぁ...ご、ごめん...その...エレンなら...こう言うかなって...」ボソッ
トーマス「え、エレンか...」
マルコ「エレン...そうだな。」
ミリウス「え?」
マルコ「エレンならこんな時...ネガティブ発言を聞いた瞬間、怒って...そして、みんなを鼓舞するんだろうな...」
トーマス「...へっ、だな...」
コニー「...あいつのためにも...ってことか。」
マルコ・トーマス「あぁ」
コニー「そうだな...よし、何だかあいつ見てるとまだまだ出来る気がしてきた...もう一度仕切り直すしかねぇな!」
ミリウス「あぁ!」
アルミン「君達...」
マルコ「先輩も、もうネガティブ発言禁止です!まずはこの回から抑えていきましょう!」
アルミン「...あぁ、そうだね!」
-
- 216 : 2016/11/18(金) 23:42:39 :
-
ミカサ「...」ボーッ
「ミカサ!」
ミカサ「! ご、ごめんなさい...き、聞いてなかった。」ボソッ
ダズ「そ、そうじゃなくて...ちょっとミカサに言いたいことがあってさ」
ミカサ「え...私に?」
ダズ「スゥーッ...なに腑抜けた顔してるんだ!やる気がないなら俺と代われ!勝つ気のない奴がマウンドに立つんじゃない!今すぐ降りろ!!」
ミカサ「ぁ、ま、待って!ち、違う!勝つ気はある...あるけど...その...」
ダズ「その...?」
ミカサ「その...ダズならわかるかもしれないけど...相手にもし、兄妹がいて...それで...本当に勝っていいのか...迷って...しまって...」
ダズ「!」
ミカサ「でも...でもっ、そんな葛藤や同情なんて勝負に持ってきてはダメなのは知ってる。でも...それでも...」ウルウル
ダズ「あ、あともう一言伝えてないことがあるだ。」
ミカサ「ぇっ...?」
ダズ「...ミカサは、リヴァイさんじゃないんだ。ミカサはミカサらしくやればいい。」
ミカサ「っ...私らしく...兄さんじゃない...」
ダズ「あと...あと...えぇっと...なんだっけ...あ、そうだ!」
ミカサ「え?」
ダズ「そんなんじゃ...」
ダズ(エレン)「そんなんじゃ...お前と約束した意味がねぇよ。」
ミカサ「ッ...えれん...」
ダズ「って...これ全部、エレンからの伝言なんだけど。本人からはエレンが言ったって言わないでくれって頼まれたけど...やっぱ無理だよ」
ダズ「だってこんな台詞...エレンがミカサにしか言わない台詞だよ。」
ミカサ「!」
ダズ「とにかく!今の今まで全部エレンの伝言だから!俺は一切関係してないから!」ダッ
ミカサ「だ、ダズ!」
タッタッタ
エレン「悪いな、ダズ」
ダズ「大丈夫、それに...エレンってミカサのこと本当に好きなんだな。」
エレン「は、ハァ!?///」
ダズ「あ、好きって愛すって意味じゃないよ。友達としてってこと!」
エレン「な、なんだよ...」
ダズ「だって...好きじゃなきゃ...あんなこと言われた後...あんな嬉しそうな顔しないもんな...」ボソッ
エレン「なんだよ、ボソボソ喋ってて聞こえねぇよ!」
ダズ「何でもないよ!」
ダズ「〔きっとエレンなら...この状況を...どうにか変えてくれる...俺はそう信じる!〕」
-
- 217 : 2016/11/18(金) 23:44:09 :
-
ウグイス「8番レフト、ネス君」
審判「プレイ!」
ミカサ「〔エレンが私に伝言...〕」
ミカサ「〔私は...私らしく...兄さんじゃない...〕」
ミカサ「〔私とした、やくそく...ッ、約束...?〕」
ミカサ「〔そうだ...エレンと...約束した...なのに...なのに私は...〕」
ミカサ「〔エレンに酷いことを言ってしまった...〕」
_____________________________
______________________________________________
______________________________________________________________
5回終了 グラセンの時
ミカサ「兄さんを馬鹿にするなッッ!!!!」
エレン「!」
アルミン「み、ミカサ!落ち着くんだ!」
ミカサ「私達のこと何も知らないくせに...」
ミカサ「知ったような口で、兄妹の関係を引き裂くようなことを...私から何かを奪うようなことを...言わないでッッ!!!!!」
エレン「っ...!!」
______________________________________________________________
______________________________________________
_____________________________
ミカサ「〔あんな酷いことを言った上に...約束まで果たせなかった...これじゃ...これじゃまるで...私がエレンを裏切ったみたいじゃない...〕」
「ミカサ、ワンァウト!」
ミカサ「っ」ビクッ
アルミン「ワンァウトずつ!」
ミカサ「〔アルミン先輩...どうして...〕」
アルミン「...」サイン
ミカサ「〔どうしてみんなは...私を責めないの...?〕」
ドッ!! シュッ!
パシンッ!! 審判「ボール!」
ミカサ「〔さっき打たれたのだって...このピンチを作った原因だって...私なのに...どうしてみんな、何も言わないの...?〕」
ドッ!! シュッ!
ネス「〔さっきから甘いコースには来てるが、ゾーンには入ってない。押し出しを狙うか。〕」
パシンッ!! 審判「ボールツー!」
ミカサ「〔文句の一つや二つ...言ってもいいのに...いや言うべきなのに...どうして...?〕」
ミカサ「〔私があの時、兄さんとの関係で葛藤さえしなければ...こんなことにはならなかったはずなのに...チームに嫌われたって...エレンにでさえ...嫌われても可笑しくないのに...〕」
ミカサ「〔エレンに嫌われて当然のことをした...なのに...〕」
パシンッ!! 審判「ボールスリー!」
実況「これでノースリー! 諫山さん、アッカーマン完全に掴まりましたね。」
諫山さん「そうですね。リヴァイ選手にホームランを浴びせられてから、本来のピッチングが出なくなってます。これは非常に不味いですね。」
-
- 218 : 2016/11/18(金) 23:45:27 :
ミカサ「〔嫌われた、か...あぁ...またこの感じだ...〕」ズキズキ
ミカサ「〔小学校の頃、両親が殺され...更には、兄とは縁を切られ...捨てられ、何もかも終わったあの感覚が...また...足からじんわりと蘇ってくる...〕」ズキズキ
ミカサ「〔あぁ...どうせ嫌われるなら...試合前に...自分の気持ちを...エレンに伝えとくべきだった...フラレてもいい、引かれてもいい...ただ、気持ちを伝えるだけで...〕」
ミカサ「〔このまま交代されて...「スゥーッ...」
「顔あげろ!胸はれ!声出せっ!!」
ミカサ「!」
アルミン「〔...ふっ、どうやら僕ら には...君の力が必要不可欠みたいだね。〕」
ミリウス「〔エレンの奴...〕」
トーマス「〔ホンット、試合中ずっと声出してて...正直呆れる通り越して...尊敬できるぜマジで。〕」
マルコ「〔エレンがまだ諦めてないんだ。それなのに、僕達が先に諦めてちゃ可笑しいだろ!〕」
コニー「〔へへっ、あいつがベンチにいるだけで励まされるんだよな。〕」
ライナー「〔どんなに点差を付けられようとも、俺は絶対に諦めずにずっと戦うぜ。お前がいるからな...エレン!〕」
ベルトルト「〔エレンに貰ったはずの勇気が...どこかへ飛んでしまったけど...彼の声を聞くと...また思い出させてくれる!〕」
「...ったぁく」
ジャン「てめぇの取り柄は、マジで諦めが悪いところだけだな...そこだけは認めてやりゃ」ボソッ
ジャン「スゥーッ...ワンァウトォォォォオオオオオオッッッ!!!!!!!」
「オーッ!!! ワンァウトッッ!!!!」
エレン「戦え!戦うんだよ!ミカサ!!」
ミカサ「エレン...」
エレン「なにもう諦めた顔してんだよ!」
どうして
エレン「試合はまだ終わってねぇんだぞ!!」
どうして...
エレン「気持ち切り替えろ!!!」
ミカサ「どうして...? どうしてあなたは、そこまでして...私を助けようとしてくれるの...? 私は、あなたに酷いことを言ってしまった。それにあなたとの約束も果たせなかった。」ウルウル
ミカサ「なのに、どうして...? 嫌われて当然なのに...何のためにそこまでして、私を...」ウルウル
「そんなもん...決まってるだろ...」
エレン「俺がお前のことを好きだからだっっっ!!!!!!」
-
- 219 : 2016/11/18(金) 23:46:03 :
ミカサ「!!」ウルッ
ザワザワ
観客「なんだなんだ?ベンチの奴と話してたよな?」
観客「俺がお前のことを好きって...告白かよ、ここで...しかも、相手男だぞ!?」
観客「それに試合にも出れてねぇのに、なにかっこつけてるんだ?」
ポタッ ポタポタッ
観客席で、今の話を聞いた観客達がエレンに向けて誹謗中傷の声をあげる、そんな中で...
ひとりだけ...たった、ひとりだけ...涙を流すものがいた...
ミカサ「〔...ごめんなさい、エレン...〕」ウルウル
ミカサ「〔もう私は...諦めない。〕」ウルウル
ミカサ「〔今ここで諦めてしまったら...約束だけじゃなくて、あなたの気持ちにまで嘘をつくところだった...〕」ウルウル
ミカサ「〔自分の気持ちに嘘をついてしまったら...あなたを嫌うことになる...そんなことをしたら...世界が真っ黒に染まってしまう...〕」ウルウル
ミカサ「〔両親が殺され、兄と別々になって...世界の残酷さを知った私は暗闇の中で、たださ迷うだけだった...〕」ウルウル
ミカサ「〔そんな真っ黒だった私に...優しく手を差し伸べてくれた。〕」
ミカサ「〔そんな私に...人の暖かさを思い出させてくれた。〕」
ミカサ「〔私に...私に...〕」
ミカサ「野球の楽しさを...もう一度、思い出させてくれた。」ウルッ
ミカサ「〔だから...だから、この決勝は...どんなに点差を付けられようとも、どんなに自分に苦しみが待ち望んでいようとも...勝つ!〕」キリッ
ミカサ「〔なんとしてでも勝つ!! なんとしてでも抑えてみせる!!〕」ギュゥッ!!!!
スッ!!!! ドッ!!!!
ミケ・エルド・ケイジ「〔ワインドアップ!!〕」ダッ!!
ミカサ「うぁぁぁぁああああああああッッッ!!!!!」シュッ!!!!
ネス「〔内低い!? いや、それより今まで以上に速い!?〕」スッ!!!
キーンッ! 実況「打ったァ!! 三遊間抜けるかァ!?」
「ミカサが懸命に抑えてくれた、この打球だけは...!!」ダイブッ!!!
パシッ!!! マルコ「トーマスッ!!」シュッ!!
トーマス「おうッ!!」
パシッ!! 審判「アウト!」
ピョンッ!! トーマス「絶対にアウトに...!!」シュッ!!
調査高校コーチャー「〔なっ!? あのキャッチと同時にジャンピングスロー...リヴァイとイザベルのコンビネーションと同じ...!?〕」
イザベル・リヴァイ「!」
ミリウス「してみせる!!」ノビッ!!
ダッダッダ!! パシッ!! ザッ!!
審判「...アウト!スリーアウトチェンジ!!」
「お...おぉぉぉおおおおっっ!!!! 抑えたァ!!!!!」
実況「ゲッツー!! なんとシガンシナ高校、ワンァウト満塁と大ピンチを...0点に防いだァ!!!!!」
シガンシナ援団「おっしゃぁぁぁぁあああああ!!!!!!」
ネス「〔最後の一球だけ...明らかに球威とコントロールが別格だった...なんでだ?〕」
ミタビ「ぃよっっっっしゃぁぁぁああああああ!!!! 防いだぁぁああああ!!!!!」
グスタフ「す、凄い精神力だな...シガンシナ高校」
イアン「あぁ...(なにより驚いたのは、あの最悪な雰囲気の中で...いきなりゲッツーを取れたこと...やはり...)」チラッ
エレン「よっしゃぁぁあああ!!! やったぜ、ダズ!!」
ダズ「あぁ! やったな!!」
イアン「〔1番 が関わるだけで、シガンシナの選手の動きが愕然と変わる...あいつにそんな力があるとは思えないが...ひょっとすると、あいつがいれば...〕」
-
- 220 : 2016/11/18(金) 23:46:34 :
-
ミリウス「ナイス二遊間!ナイピッチ、ミカサ!!」
トーマス「うぉぉおっ!? 今のやばくね!?今のやばくねぇかァ!?」
マルコ「あぁ、今のプレーはさすがに出来すぎてびっくりした!!」
コニー「ミカサ!ナイピッチ!!」
ライナー「ミカサ、トーマス・マルコにミリウス!よく守ったな!!」
ジャン「ったぁく、出来るなら最初からやれ!!」
ベルトルト「ナイピッチ、ミカサ!!」
ミカサ「ぁ...ぅ、ぅん...」
アルミン「ナイピッチ、今まで受けてきた中で最高のピッチングだったよ。」
ミカサ「アルミン...先輩...」
ダズ「ナイピッチ、ミカサ!!やっぱ凄いな!」
ミカサ「ダズ...」
「ナイピッチ、ミカサ」
ミカサ「!」ビクッ
エレン「...絶対逆転するぞ。」スッ
ミカサ「...ぅん...うん...う”ん...ごめ、ん...なさい...ごめんなさぁ”い...ごめんなさい...」ウルウル
エレン「あ、な、泣くなって!?」
トーマス「あーっ! エレンがミカサを泣かした! 先生に言っちゃお!」
ジャン「なぁにィ!? ミカサを泣かしただとォ!? ふざけんじゃねぇぞ、エレン!!」
エレン「あぁ!? お前に何が関係あるんだよ!?」
アニ「...ふふっ、全く...本当に...グスンッ」
アルミン「ごめん、また責任負わせちゃって」
アニ「...ううん、こっちこそごめん...監督なのに何も出来なくて...」
アルミン「この世に、何も出来ない人なんていない...って僕はこの半年間で...教わったよ。彼から...」チラッ
エレン「ハァ!? なんでお前が俺とミカサに絡んでくるんだよ!? これは俺とあいつの問題なんだから首突っ込んでくんじゃねぇよ!!」
ジャン「あぁ!? 二人っきりだけの問題ってか!? ふざっけんな!! ちくしょう、羨ましいッ!!!」
マルコ「なんで!? そんなにミカサと絡みたい理由でもあるの!?」
ミカサ「...ふふっ」クスッ
エレン「...ぶっ、あははっ...」クスッ
アルミン「〔本当にエレンは凄いな...あの状況で、あの雰囲気を変えられたんだ...まさにエースナンバーを背負う者としての...必要条件だよ。〕」クスッ
ジャン「さぁてと...んじゃ、そろそろ...こっちの大逆襲の時間といこうぜ...」
ライナー「あぁ」
ミカサ「うん」
アルミン「...この回6番のミカサからだ。1点ずつでいい...取り返していこう!」
「オーッ!!!!!!」
-
- 221 : 2016/11/27(日) 21:45:22 :
ウグイス「8回の表、シガンシナ高校の攻撃は...6番ピッチャー、アッカーマン君」
審判「プレイ!」
ミカサ「お願いします!」
ファーラン「〔追加点は5点止まりか...本当ならもっと取れたけど、終わっちまったもんは仕方ない。あと2回抑えれば...ゲームセットで...〕」
ファーラン「〔俺らの勝ちだ。〕」サイン
ミケ「」コクッ
ドォッ!!!! シュッ!!
パシンッ!!!!!! 審判「ボール!」
ミカサ「〔やっぱりこの人あまりコントロールが良くない。初球や2球目は特にゾーンには来ない。ならここは塁に出れる確率を上げて...〕」
ドォッ!!!! シュッ!!
パシンッ!!!!!! 審判「ボールツー!」
トーマス「ナイセン!ナイセン!見えてるぞ!」
ファーラン「〔チッ、こいつ初球と2球目わざと見たな。ミケさんがゾーンに入らないことをわかってて...だったら〕」サイン
ドォッ!!!! シュッ!!
ミカサ「〔来た! 何球かに来る甘い球!! ストレートが重くても、ちゃんと芯で捉えれば!〕」スッ!!!
ギンッ!! ズキィッ
ミカサ「ぐッ!?」ズキッ
コロコロ ピタッ ファーラン「ショート!(打球が雨のせいで死んだ!?)」
アニ「〔チャンス、これはさすがにあっちのキャッチャーも予想外のはず!〕」
アルミン「〔定位置のポジションなら、ミカサの足でも十分間に合う!〕」
ガシッ!!!! シュッ!!!!
パシッ!!!! ミカサ・アルミン・アニ「!」
審判「アウト!」
ファーラン「ワンァウト!!」
「ワンァウト!!」
アニ「〔定位置からどれだけ反応が速くても、あんなに素早く対応はできないはずなのに...〕」
アルミン「〔...!! まさか...読んでた...?〕」
ミカサ「〔打球が死んで、上手い位置にあったはずなのに...〕」
「悪りぃが、この雨の中だ。」
ミカサ「!」
リヴァイ「そんなラッキーの1つや2つがあって可笑しくねぇ、それに高校野球はいつも予想外なところから隙をついてくる。俺らはもう何度も経験してるんだ。」
リヴァイ「こんなことも頭の片隅に入れとく...こういうのが、保険 ってもんだろ。」
アニ「〔またあいつ...ほんと厄介だね。油断の1つや2つあってもいいはずなのに...これじゃプロと試合をしてるみたい...まるで、完成されたプレイヤーだね。〕」
ウグイス「7番セカンド、ワグナー君」
トーマス「おっしゃこーい!!」
ミリウス「トーマス、頼んだぞ!!」
トーマス「任せろ!」
ハンナ「トーマス君、ファイト!」
トーマス「...あぁ」キリッ
審判「プレイ!」
トーマス「〔もう8回なんだ、攻撃はこの回含めてあと2回...点差は5点...なんでもいい。塁に出ろ!!〕」
ドォッ!!!! シュッ!!
トーマス「〔外、入ってる...かもだけど、ここは一回見るぞ!!〕」
パシンッ!!!!!! 審判「ストライク!」
トーマス「〔や、やっぱ入ってる!?〕」
ファーラン「〔こいつらやっぱりミケさんの1,2球目はゾーンに入らないことを読んでる...なら対策なんて簡単だぜ。〕」サイン
ミケ「」コクッ
ミケ「〔...ふんっ、このマウンドの荒れっぷり...嫌気しかしないな。〕」
ドォッ!!!! シュッ!!
トーマス「〔今度は内!思いっきり引っ張ればなんとかなる!!〕」スッ!!!
ギンッ! トーマス「〔い”っ!? てぇぇぇええええ〕」
ファーラン「サード!」
シュッ!!! パシッ!!!
審判「アウト!」
ファーラン「〔これであと...〕」
イザベル「〔アウト4つ...〕」ゴクンッ
ファーラン「ツーアウト!!」
「ツーアウト!!」
ファーラン「〔ミケさんのピッチングなら安定するから問題ない。このまま突っ切る!!〕」
-
- 222 : 2016/11/27(日) 21:46:25 :
ウグイス「8番ファースト、ゼルムスキー君」
ミリウス「お、おぉし...!!」
ダズ「ミリウス!頑張れ!!」
ミリウス「ダズ...あぁ!!」
審判「プレイ!」
ミリウス「〔このピッチャーの投球スタイルは大体わかった。でも、それをどうにかするのは俺じゃダメなんだ。〕」
ミリウス「〔ベルトルト・アルミン先輩・ライナー...あの3人ならなんとかしてくれる...!〕」
ミリウス「〔だから俺に出来ることと言えば...何でもいいから塁に出ること...!早くでもあの3人に繋げば...まだ勝負は...パシンッ!!!!!!
審判「ストライク!」
ミリウス「〔ッ、ダメだ...俺じゃバットに当てることさえ...〕」
ダズ「ミリウス!自分のバッティングだぁ!!」
ミリウス「ダズ...」
ダズ「お前が俺にしてくれたフォローを...今度は俺がする番だ!」
ミリウス「!」
ファーラン「〔静かなバッターだな...つか、影薄すぎて打席にいることすら忘れてたぜ。〕」
ファーラン「〔さぁてと...次の回は何番からだっ...あれ...待てよ...こいつ...〕」
ファーラン「〔何番バッターだ...?〕」
ドォッ!!!! シュッ!!
ファーラン「〔さ、さっきは7番だったから...8だよな...でも...〕」
パシンッ!!!!!! 審判「ボール!」
ファーラン「〔こんなバッター...いや、そもそもこんな選手シガンシナにいたか...?〕」
ドォッ!!!! シュッ!!
ファーラン「〔影が薄いのか...はっ!? やば!? 俺どんなサイン出してた!?〕」
ミリウス「ッ!!」スッ!!
クイッ!! キーンッ!!
ファーラン「ぅあっ!?(内角にシュート!? どんなサイン出してるんだ俺!?)」
パシッ!!!! ミリウス「!」
スタッ リヴァイ「」スッ
審判「...アウト!スリーアウトチェンジ!!」
「この回三人で抑えたァ!!!」
ミリウス「わ、悪い...」
ダズ「気にするな!次の回で一気に取り返そう!」
ジャン「気にすんじゃねぇぞ、次の回で同点にすりゃ何も問題ねぇんだからな!」
ミリウス「...あ、あぁ!」
観客「や、やばくねぇか...シガンシナ」
観客「あ、あぁ...あと攻撃は一回しかないんだ。しかも...」
観客「次の調査高校の攻撃は...9番から上位打線からだぞ...?」
-
- 223 : 2016/11/27(日) 21:50:57 :
ウグイス「8回の裏、調査高校の攻撃は...9番ライト、ボザド君」
オルオ「しゃぁオルァ!!」
審判「プレイ!」
アルミン「〔先頭バッターがオルオで助かった。オルオの前に塁にいたら、例えあのオルオ でさえも侮れないから〕」
オルオ「〔なんだなんだァ!? 今すっげぇ馬鹿にされた気がするんだがァ!?〕」
アルミン「〔オルオに対しては一打席目はストレート勝負で三振に抑えてる。タイミング合ってなかったから、この回もストレートで〕」サイン
ミカサ「」コクッ
オルオ「〔へいちょーの追っかけ野郎...へいちょーにボッコボコにされたのに、まだ続けるなんてな...その根性だけは認めてやる!だがな...〕」
オルオ「〔へいちょーに憧れてるのは、てめぇだけじゃねぇんだよ!!〕」ギュゥッ
ドッ!!! シュッ!!
オルオ「〔また初球ストレート!!〕」スッ!!!
パシンッ!!!!! 審判「ストライク!」
アルミン「ナイスボール!」シュッ
オルオ「〔ちきしょっ、全く当たんねぇ!腹立つ!!〕」
「オルオ!力みすぎだ!!」
オルオ「んぁ?」
グンタ「いつもコーチに言われてるだろ!そんなパワー頼みのバッティングは、お前には合わないって!自分のバッティングしろよ!!」
オルオ「〔うるっせ!! そんなこと...わかってるつもりだよ!! チッ、グンタなんかに励まされちまった...かっこわりぃ〕」
ドッ!!! シュッ!!
オルオ「〔かっこわりぃけど...もっとかっこわりぃのは、負けること!今目の前の相手に実力や戦術で負けることだ!調査高校のエースになるんだったら...へいちょー みたいになるんだったらこんなところで負けてらんねぇ!!〕」スッ!!!
クイッ!! キーンッ!
ミカサ「!」
ビーッ 審判「ファールボール!」
ウグイス「ファールボールにはご注意ください。」
ミカサ「〔ストレートの後スライダーでタイミングを抜いたはずなのに...付いて来た。それにこの人は、練習試合の時に兄さんを憧れてるとか言ってた。この人も...〕」
「はっ、こんなんでへいちょーの追っかけかよ...しょべぇ んだよ!!」
ミカサ「!!」
アルミン「...」
オルオ「俺の方がよっぽどへいちょーに近いぜ!!」
ミカサ「...」
オルオ「へっ...」ニヤッ
「...それはどうかな。」
オルオ「んぁ?」
ミカサ「!」
アルミン「そんなの厳密にはわからない。」
オルオ「...アルミン、てめぇ裏切り者のくせに...何を言ってんだぁ?「それに...」
アルミン「困るんだよね...勘違いされてて」
オルオ「さっきから一方的に話しやがって...それに勘違いだぁ?何が言いたいんだ!?あぁ!?」
アルミン「〔確かに、ミカサはあいつ の兄妹で血が繋がってる...けど...〕」
アルミン「今のミカサは、さっきまでのミカサとは...10倍も100倍も違うよ。」
オルオ「〔んのッやろう...!!〕」
アルミン「〔見せてやろう。君の野球を...もう今までとは違う...あいつ に囚われて無い野球を...!!〕」サイン
ミカサ「!」コクッ
スッ!!!! ドッ!!!!
ミカサ「...うぁああっっ!!!」シュッ!!!!
オルオ「〔何が...今までとは違うだ...何にも変わっちゃいねぇんだよ!!〕」スッ!!!
パシンッ!!!!!! 審判「ストライク!バッターアウト!!」
オルオ「なっ、んだと...!?」
トーマス・マルコ・コニー「おっしゃぁ!! ナイピッチ!!」
アルミン「ナイピッチ、ミカサ! ワンァウト!!」シュッ
パシッ ミカサ「...ワンァウト!!」
「オーッ!! ワンァウト!!」
サスサス ミカサ「っ...」
エルヴィン「...」
-
- 224 : 2016/11/27(日) 21:57:04 :
ウグイス「1番セカンド、マグノリア君」
イザベル「しーっ...行くぞ!」
審判「プレイ!」
アルミン「〔ワンァウトランナーなしで、イザベルか...ランナーがいる状態なら、外野は前進守備をするところだけど...ここは〕」サイン
マルコ・トーマス「〔! 内野前進の指示だ。〕」
アルミン「〔ここまででイザベルは内野を越すヒットは打ってない。塁に出れてるのは9割型足の速さでだ。なら内野を前進させて少しでもセーフティに備える。〕」サイン
イザベル「〔内野前進してる...こりゃ低めにボール集まりそうだな。セーフティは狙えない。打つしか...ない!〕」
ドッ!!! シュッ!!
クイッ!! イザベル「〔変化球!!〕」スッ!!
パシンッ!!!! 審判「ストライク!」
イザベル「〔くっそぉ...バントなら当ててあとは走るだけなのに...ヒッティングだと、的絞らなきゃいけないからめんどくせぇ!〕」
アルミン「〔普通に振りに来た...ストレートは当てられる。なら変化球で〕」サイン
ドッ!!! シュッ!!
ズキィッ ミカサ「ぅ”っ」
クインッ! イザベル「〔外!山なりの変化球、カーブか!〕」スッ!!
キーンッ! 審判「ファール!」
アルミン「〔変化球のキレがさっきより落ちた...? もしかして怪我の痛みが今...?〕」
審判「ボールを」スッ
アルミン「ありがとうございます!」シュッ
アルミン「〔だとしたら不味い。この回は最悪モブリットさんまで回ることになる。何とかしてファーランやあいつにだけは回さないようにしなきゃ...〕」サイン
ミカサ「〔痛くない...痛くない、大丈夫...私は...まだ投げられる!〕」ドッ!!! グシャァッ
ミカサ「〔ッ、足場が...!?〕」グラッ
シュッ
イザベル「〔ラッキー、抜け球!これなら...〕」スッ!!
クイッ!
キーンッ! イザベル「げっ!?」ダッ!!!!
実況「打ったァ...が、これはピッチャー正面!」
アルミン「ミカサ、1つ間に合う!」
ミカサ「〔自分の失態は自分で処理する!それが自己責任!!〕」ダッ
ガシッ!!! ミカサ「ふっ!!」スッ!!!
ズキィッ!!! ミカサ「!?」シュッ
実況「あぁっと!? またも悪送球だぁ!?」
イザベル「〔これなら二塁に...!〕」
ライナー「カバーいるぞ!!」
イザベル「!」ビクッ
審判「セーフ!」
トーマス「た、助かったぜライナー!サンキューな!」
ライナー「切り替えろ。ハッタリでも何でもいい、あいつを塁に帰らせない。それが俺らの今やるべきことだ!」
マルコ「そうだな!ありがとう、ライナー!」
イザベル「〔チッ、声のハッタリかよ...〕」
ダズ「な、なんとか二塁には行かせなかったな。」
「ミカサ...?」
ダズ「どうした? エレン」チラッ
ミカサ「う...うぅ...」ズキズキ
アルミン「ミカサ!」ダッ
スッ アルミン「!」
ミカサ「だ、大丈夫です...」
エルヴィン「...ふむ、博打を打つなら今 だな。」
-
- 225 : 2016/11/27(日) 22:08:30 :
-
ウグイス「2番センター、バーナー君」
モブリット「ふぅ...」
「モブリット」
モブリット「は、はい」
エルヴィン「」サイン
モブリット「!」
スタスタ
審判「プレイ!」
実況「さぁ状況はワンァウト一塁で打席には仕事人のバーナー!」
アルミン「〔もうミカサの全力投球は使えない。変化球で交わしたいけど...ミート力のあるモブリットさん相手にどこまで通用するか...〕」サイン
ドッ!!! シュッ!!
クイッ!!
パシンッ!!!! 審判「ボール!」
アルミン「〔見てきたか、外のスライダーなら負担も少ないしコントロールもできる...決め球はスライダーにするとして...〕」サイン
ミカサ「〔私情を挟んで、チームに迷惑をかけたのに...今度は怪我で迷惑をかけるなんて...!!〕」
ドッ!!! ミカサ「〔抑えてみせる...怪我なんて痛くない!こんな痛み...エレンの怪我に比べればなんとも!!〕」
シュッ!!
モブリット「」スッ!!!!
アルミン・ミカサ「〔ッ、セーフティバント...!?〕」
キッ!!
ダズ「よっし!前に転がし過ぎで、ミカサの守備範囲内!!」
エレン「え...ミカサ の守備範囲内...?」
エレン「ッ、ミカサァ!!」ガッ
アルミン「〔なっ!? あっちの狙いは、最初から足に賭けてるんじゃなくて...〕」
ガシッ!
ミカサ「クッ!?」スッ!!
ズキンッ!! ミカサ「うぅッ!?」シュッ
「「ミカサの送球エラーを狙ってる。」」
「...シガンシナ高校...悪く思わないでほしい。」
エルヴィン「これも、君達の実力を認めたうちの戦略だ。」
ミリウス「くそっ、届かない!!」ノビッ
ザッ!!! パシッ
審判「セーフ!!」
「おぉ...!! セーフティバント成功!!」
ミタビ「おいおい、ワンァウト一二塁のここでクリーンナップかよ...ピンチじゃねぇか!」
イアン「いや、これはただのピンチじゃない...」
イアン「〔恐らく調査高校は今、明らかに投手であるアッカーマンの送球エラーを狙ってわざとバント失敗にみせかけた。〕」
ケニー「〔なんでミカサを狙うのか、なんて答えは1つに決まってる...〕」
アニ「〔ミカサが怪我をしてることに、あっち も気づいたってこと...不味いね、こうなると徹底的に狙われる。〕」
-
- 226 : 2016/11/27(日) 22:18:29 :
ウグイス「3番キャッチャー、チャーチ君」
ジャン「ミカサ...」
ベルトルト「〔お願いだ...〕」
ライナー「〔耐えてくれ...!!〕」
アルミン「ミカサ」
ミカサ「あるみん...せんぱい...」
アルミン「〔もう無理だ。これ以上は本当に危ない。プレー続行は...不可能だ。〕」
アルミン「交代しよう、ミカサ...」
「...ぃやだ...」
アルミン「え...?」
ミカサ「まだ...戦えますっ!!」
アルミン「そ、そんな無茶なことを言わないでくれ。今だってもう...右手が痙攣してるんだろ?」
ミカサ「でも...でもっ、戦えます! ここで諦めたくない! ここで諦めたら、絶対に後悔する!」
アルミン「...もう十分だよ...」
ミカサ「えっ?」
アルミン「君はもう...十分やってくれたよ。君のお陰で、8回まで諦めずに...棄権をせずにやれたんだ...それでもう...じゅうぶ「それなら!!」
アルミン「!」
ミカサ「それなら...私のせいで苦しい状況を作ったり、勝ち越されたり、追加点を取られたりしました...!!」
ミカサ「ならせめて...最後まで私を使ってください!」
ミカサ「この試合の敗因は...明らかに私です。ので...その罪滅ぼしとは言いませんが...」
ミカサ「私に投げさせてください...お願いします。」ペコッ
アルミン「...」
「わかった。」
ミカサ「! あ、ありがとうございます!」
「でも...君一人に全部の罪滅ぼしはさせないし、責任をすべて背負わせる気はないよ。」
ミカサ「!」
アルミン「敗因は僕にもある...二人で罪滅ぼしを...受けよう。」
ミカサ「...はい!」
観客「ワンァウト一二塁で3番のファーランか!まだまだ点差つきそうだな!」
観客「あぁ、途中までは互角だったが...ここまでか、シガンシナも。」
ギュゥッ
エレン「くっそ...ミカサ...アルミン先輩...みんな...頼むから、耐えてくれ...!!」
審判「プレイ!」
ファーラン「勝負あったッスね。」
アルミン「...」
ファーラン「〔諦めた表情してるのに...まだ目は死んでないか...ははっ、さすがにタフッスね。でも、これなら遠慮はいらないッスね。〕」
ドッ!!! シュッ!!
クイッ!!
パシンッ!!!! 審判「ストライク!」
ファーラン「!」
アルミン「〔...ふっ、何がこの試合の敗因は私...だって?〕」
アルミン「〔敗因って言葉を使った時点で、負けを認めてるって思ったけど...全然そうじゃなさそうだね。〕」
アルミン「〔だって、もう諦めてる選手が...こんな良いコースに良い球は決めやしない。〕」
アルミン「〔まったく...本当に今年の1年は生意気だね...〕」ニヤッ
-
- 227 : 2016/11/27(日) 22:19:13 :
アルミン「オッケー、オッケー!ナイスコース!!」シュッ
パシッ ミカサ「〔あの場では、敗因という言葉を使ってしまったけど...実際には諦めたわけじゃない。〕」
ミカサ「〔まだ...まだあと1回...攻撃がある...! そこで同点...または逆転できれば...まだ終わってない!!〕」
ミカサ「〔だから、私が今やるべきことは...諦めて手を抜くことや怪我の心配で力を抑えるわけでもない。〕」
ミカサ「〔私が本当にやるべきことは...この回を0点に抑えること!! そして、次の回でみんなが点を入れてくれることを...信じること!!〕」
ギュゥッ!!! ミカサ「〔こんな痛みに弱音を吐くなら...〕」スッ!!!!
ドッ!!!!
ミカサ「〔最初から甲子園は目指さないッ!!!!〕」シュッ!!!!
ファーラン「ッ!?」
パシンッ!!!!!! 審判「ストライクツー!!」
アルミン「〔ッ、この球威...ミカサ、もしかして全力投球?〕」
ミカサ「ふぅ、ふぅ...」ゼェハァ
ファーラン「〔こいつ...この回でまだあんな球威を...へっ、面白れぇ...やりがいがあるぜ!〕」ギュゥッ!!!
ドッ!!!!
ミカサ「〔最初から諦めてちゃ、何も変わらない!!〕」シュッ!!!!
ファーラン「ふぅッ!!」スッ!!!!
キーンッ!!!
ミカサ「ぁっ、セカンド!!」
ダッダッダ!! トーマス「〔ぜってぇ取る...アウトにしてみせる!!〕」ザッ!!!
グシャァッ
ズサーッ トーマス「あっ!?」
審判「フェア!フェア!!」
調査高校コーチャー「GOGO!イザベル帰れるぞ!!」
イザベル「〔ここは勝負に出るより、確実に...!!〕」ザザーッ
観客「なんだよ...イザベルの奴、ホーム帰らないのか!」
観客「だが、これでワンァウト満塁だ!!」
ミカサ「そっ、そんな...」
アルミン「〔ミカサの全力投球が...〕」
ジャン「〔あの3番で同じ1年の...〕」
ベルトルト「〔ファーランにでさえも...〕」
ライナー「〔通用しない...!?〕」
ミカサ「ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
ミカサ「〔絶対に打たれちゃダメな場面だったのに...次は...兄さんなのに...〕」
-
- 228 : 2016/11/27(日) 22:21:07 :
ウグイス「4番ショート、リヴァイ君」
実況「さぁワンァウト満塁で打席には4番のリヴァイ!!」
ジャン父「〔だ、ダメだ...こんなの...防ぎきれるはずがない...〕」
ケニー「〔ただでさえ、ミカサは怪我をしてるっつのに...最悪だぜ...〕」
キース「〔くそっ...俺達は...応援しか...出来ないのか...!!〕」
リコ「〔今年のあいつの意気込みは去年とは確かに違った...けど、それ以前に相手の実力が...常軌を逸してる...〕」
アニ「...また...私は何も...」ギュゥッ
スタスタ
「監督」
アニ「!」
エレン「俺に...行かせてください!」
ミタビ「...ちっきしょう...やっぱ...ダメなのかよ...!!」
グスタフ「正直...悔しいな、俺達に勝ったあいつらが...負けるなんて」
イアン「...シガンシナは負の連鎖が続いたな。」
サネス「こりゃもう...どうにもなんねぇ」
マルセル「えっ、ダメ...ですか...?」
サネス「こればっかしはな...満塁でリヴァイ...だからな」
ジム「現状でリヴァイと互角に渡り合えてた奴なんて...いたこともないんだが...」
マルロ「まだあの6番 だったら防げるかもしれない...という僅かな希望も、さっきぶちのめされたばっかだしな。」
ヒッチ「...さすがに、私も見てられないわ~...」
「まだよ」
マルロ・ヒッチ・ボリス「!」
ヒストリア「まだ...」
エレン・ヒストリア「勝負は終わったわけじゃない。」
エレン「やって後悔するより、やらなくて後悔する方が絶対に未練も残らない...悔いの残らないように戦う...そういったのは監督ですよね!?」
エレン「なら...悔いが残らないように...俺にも戦わせてください。お願いしますッ!!!」
アニ「...」
エレン「監督ッ!!」
ハンジ「...アニちゃん、君が決めるといい。」
アニ「...ハァ...」
スタスタ
アニ「...スゥーッ...」
・・・
-
- 229 : 2016/11/27(日) 22:33:40 :
ミカサ「〔約束...守れない...守れなかった...たった一つの約束が...〕」ビクビクッ
スタスタ
ミカサ「〔エレンに...どう顔を合わせれば...〕」ウルウル
ポンッ ミカサ「っ」
エレン「ミカサ」
ミカサ「え、えれん...」
エレン「あとは任せろ。」
ミカサ「!」ウルッ
ミカサ「グスンッ...ごめん...なさい...えれん...」ウルウル
スタスタ
ミカサ「〔あれだけ我儘をいったのに...どうしてまた...我儘を思ってしまうのだろう...〕」ウルウル
ミカサ「〔エレンは...『あとは任せろ』と言ってくれた。凄く安心をした...なのに...どうしてかな...〕」ウルウル
ミカサ「〔最後まで...エレンと一緒に...野球がしたかった。〕」ウルウル
「おい、ミカサ? どこ行くんだよ」
ミカサ「え...? ど、どこってベンチ...」
エレン「おいおい、誰がお前と交代って言ったよ。」
ミカサ「えっ...? だって、さっき『あとは任せろ』って...」
エレン「マウンドは任せろってことだよ。誰も交代って言ってねぇだろ。」
ミカサ「じゃ、じゃぁ...」
エレン「あぁ...もう一回戦ってくれ。俺に力を貸してくれ、ミカサ!」
ミカサ「!」
エレン「調査高校に...リヴァイさんに...勝つために...」
エレン「俺らが甲子園に行くために、お前の力が必要だ。」
ミカサ「...ぅん...うん!」
エレン「よし、じゃぁ...頼むぜ。ミカサ」ニッ
ミカサ「〔なんでだろう...エレンのこの笑顔を見ると...とても勇気が湧いてくる。何でもやれる、そんな気がする...〕」
ミカサ「〔さっきまで痛みかけてた右手が...動かなかった右手が...なんだが不思議と...痛みも感じないし、動けるようになった気がする。〕」
ミカサ「エレン...私...兄さんとやる野球も好き...でも...」
ミカサ「エレンと一緒にやる野球は...もっと好き」ニッ
エレン「...ふっ、あぁ!俺も、お前との野球...大好きだぜ。」
「もう茶番はいいかな?」
エレン・ミカサ「えっ、あ、はい!!」
アルミン「さて...ポジションはどうする?」
エレン「ミカサをショートに、マルコをセカンドに、トーマスをファーストです。」
アルミン「まぁそう来ると思ったよ。」チラッ
リヴァイ「...」
ザワザワ
観客「リヴァイ!! ぶっ飛ばせェ!!」
観客「もう一本ぶちかませェ!!」
「...観客はみんな調査高校を応援してる...僕らの応援なんて誰一人としていない、そんな空気なんて...本当にくそ不味いよね...吸えたもんじゃない。」
アルミン「だからエレン...君の一球で...君のピッチングで...君の野球で...この空気を変えてくれ!」
エレン「...はいッ!!」
ウグイス「シガンシナ高校 選手の交代ならびにシートの変更をお知らせ致します。」
「!」
イアン「〔この状況で交代...だとすれば〕」
サネス「〔あいつしか...いねぇな〕」
ジム「〔俺らは見たことないが、シガンシナ高校のエースナンバーを背負う選手〕」
マルロ「...エレン!」
ボリス「え?」
ヒッチ「あいつ...この大ピンチに中で登板なんだ...」
ヒストリア「...レン」
ウグイス「ピッチャーのアッカーマン君、代わりましてイェーガー君」
観客「イェーガー...?」
観客「そんな奴聞いたことないぞ。」
観客「いやだが、準決勝の時に最終回で出てきた奴だ!」
観客「だけど、なんで今まで温存してたんだ...?」
観客「まぁ一番の理由は下手だからスタメン入り出来なかったんじゃねぇか?」
観客「でも、背番号1じゃん。申し訳程度であげたとかか?」
ケニー「へっ...言われたい放題言われてるなぁ、エレン」
ケニー「けどな...緊張して場の雰囲気に飲まれたり、相手の圧力に押し負けたりするようなこたぁねぇよな?」
ケニー「なにせお前は...それほど辛く厳しい練習を...リハビリをしてきたんだからな~」
-
- 230 : 2016/11/27(日) 23:02:00 :
アルミン「一球!」スッ
ドッ!! シュッ!!
パシンッ!!!!! リヴァイ「〔速いわけじゃなさそうだな。〕」
ミケ「〔いってて130kmちょいってところだな。〕」
エルヴィン「〔彼は確か...練習試合の時のか...ふむ〕」
アルミン「エレン...ついに来たね。」
「はい、わかってます。」
エレン「絶対に抑えてみせます...!!」
審判「プレイ!」
トーマス「ピッチャー、楽にな!」
マルコ「打たせていこう!」
コニー「エレン、サードに打たせろ!俺が取る!」
ミカサ「バッター勝負でいこう!」
アルミン「...ワンァウト!!」
「スゥーッ...フゥーッ...」ドクンドクンッ
夢や希望...目標や憧れ...誰もが、人生で一度は経験するこの想い...
この想いが...どういう意味で...何のためにあるのかなんて俺にはわからない...だけど、確かなのは...
この時間 が過ぎてしまえば、もう一生戻ることのできない時間 ...
後悔などすることなく、自分が納得するまで...倒れてでも、最後まで戦い抜くんだ。
勝負の行方を決める...たった一瞬のワンプレー...
そのワンプレーで...この居心地の悪い...最悪な空気を変えられるなら...
俺は、大きな聲で叫ぶ...
たとえ、喉がはち切れても...誰かの鼓膜が破れようとも...聲を荒けてでも叫ぶ。
『”勝ちたいんだ。”』
ただそれだけなんだ。
その一言を...俺の心が...体が...叫びたがってるんだ...!!
勝ちたい...! 勝ってミカサと...アルミン先輩と...みんなと...
甲子園に行くんだ...!!
ドッ!!!!
エレン「ッ!!」シュッ!!!!
リヴァイ「ッ!!」スッ!!!!
スッバシーンッ!!!!!!
・・・
審判「ストライクワン!」
「おぉ...おぉぉぉおおおおお!?」
-
- 231 : 2016/11/27(日) 23:04:36 :
-
リヴァイ「...」
ミカサ「!」
ミケ「〔あのリヴァイが...空振り...?〕」
エルド「〔そんなに速そうに見えないのに...手元で相当ノビてるのか...?〕」
エルヴィン「...」
アルミン「ナイスボール!」シュッ
アルミン「〔ははっ、本当に君って...追い込まれれば追い込まれるほど、凄いね。〕」クスッ
パシッ エレン「ふぅ...」ザッザッ
ミカサ「す、凄い...」
トーマス「〔あいつ...あんな速い球を!〕」
マルコ「〔あの試合 以降、エレンはどんな練習を...〕」
コニー「〔すっげぇ! あのリヴァイ相手に空振り取りやがった!〕」
ミタビ「お、おい...イアン...俺の気のせいか...?あいつ のストレート...俺らとやったときよりも速くねぇか...?」
イアン「〔確かにミタビの言う通り...だが、球速はどれくらい出てるんだ...?〕」チラッ
「「138km」」
イアン「〔ッ、138kmだと...!?〕」
リヴァイ「ほぉ...」ザッザッ
リヴァイ「少しはマシなのがいるじゃねぇか。」
エレン「...」
ドッ!!!! シュッ!!!!
リヴァイ「〔俺の目がイカれてんのか...? 確かにこいつのストレートはキレがいい...だが、なんでだ...バットに当たらないどころか...〕」スッ!!!!
スッバシーンッ!!!!!! 審判「ストライクツー!!」
「おぉぉぉぉおおおおお!! 2球で追い込んだァ!!??」
リヴァイ「〔バットに当たるどころか...ボックスに到達する直前...目で追えねぇ...だと?〕」ギリッ
ライナー「すげぇな...あいつ」
ジャン「は、ははっ...なんで今まで出てこなかったんだよ、あいつ...!!」
ベルトルト「凄い...たった2球で追い込んだ...」
ミカサ「〔初めて見た...あの兄がたった2球見ただけで、あんな困惑した表情をするところを...それと同時に...私は...〕」
アルミン「〔このまま勢いに乗って、3球で決めよう〕」サイン
エレン「」コクッ
ミカサ「〔もっと...もっともっと彼 のピッチングを見ていたい...ずっと見ていたいと...思わず見惚れた。そして...〕」
ドッ!!!! エレン「...うぁぁぁあああああっっっ!!!!」シュッ!!!!
リヴァイ「ッ!!」スッ!!!!!
キュルルルルッッ シュゥゥウウウッッ
スッバシーンッ!!!!!!!
リヴァイ「!?」
審判「...す、ストライク!!バッターアウト!!」
ミカサ「〔その瞬間...ほんの僅かな一瞬で...私の体中の細胞 すべてが...〕」
...高揚した。
-
- 232 : 2016/12/09(金) 23:15:43 :
-
・・・
「うぉぉぉおおおおおおっっっ!!!!!!!」
エレン「っしゃぁ!!!!」ガッツポーズ
実況「さ、三球三振!! イェーガー、三振と共に吠えました!!
まさしく、魂 の込もった球です!!!!」
トーマス「うぉぉお! ナイピッチ!!」
マルコ「ナイピッチ!! 球走ってるよ!!」
コニー「すげぇな!! お前!!!」
ミカサ「っ~!! な、ナイピッチ!! エレン!!」キラキラ
エレン「...あぁ!」
アルミン「ツーアウト!!」
「ツーアウト!!」
イアン「〔あのリヴァイを...〕」
サネス「〔三球三振に...〕」
ジム「〔抑えた...!?〕」
マルコ「...こ、これで...流れが変わるぞ...!!」
ボリス「あ、あいつ...本当にエレンか...!?」
ヒッチ「い、今のそんなに速そうには見えなかったけど...なんで三振したのさ!」
マルロ「手元でえげつないくらい球がノビてるんだ! それ以上でも以下でもねぇよ...!!」
マルロ「〔すげぇ...あいつ、いつの間にあんな球威とキレを上げてやがったんだ。
やっぱ...あの時 のエースも、今のエースも...お前だよ。〕」
ヒストリア「...」
ウグイス「5番ピッチャー、ザカリアス君」
スタスタ
ミケ「どうした、リヴァイ」
リヴァイ「...何でもねぇよ」
スタスタ
ミケ「〔あいつが三振を...それも、三球三振されるなんてな...〕」
審判「プレイ!」
ミケ「〔どんな仕掛けがあるかわからないが、今更出てきたところで...時すでに遅し〕」
アルミン「...」サイン
エレン「」コクッ
ドッ!!!!
エレン「ッ!!」シュッ!!!!
ミケ「〔内甘い!!〕」スッ!!!
スッバシーンッ!!!!!! 審判「ストライク!」
ミケ「ッ」
イザベル「〔リヴァイ先輩が空振り三振で...一回もバットに当てられなかった、ストレート〕」
モブリット「〔しかも、変化球を混ぜてない状態で...一体どんな仕組みが...?〕」
ファーラン「〔リヴァイ先輩もミケ先輩も、ボールの下を振ってる...
投げてくる初速度よりベースを通過する時点の速度の方が速いっていうのかよ...!?〕」
ドッ!!!!
ミケ「クッ...」
エレン「うぁああっ!!!」シュッ!!!!
スッバシーンッ!!!!!! 審判「ストライクツー!」
観客「す、すげぇ...また2球で追い込みやがった...!?」
観客「なんなんだ、あいつ...なんでもっと早く出さなかったんだ!?」
イアン「恐らくそれは俺らとやった時と同じで、怪我で投球制限を掛けられてるからだろうな。
だとしても...」
サネス「こりゃさすがに...調査高校 も予想外だろうな。」
ジム「試合も終盤に差し掛かってるなか、突然投手交代でエースが登場。
しかも、相手エースであるリヴァイを...三球三振に抑えた。」
マルロ「まだ試合は...終わってねぇ。この流れがもし攻撃に繋がれば...」
「「一発逆転もあり得る。」」
-
- 233 : 2016/12/09(金) 23:21:14 :
実況「2球で追い込んだイェーガー、さぁ次の1球で決めるのか...!?」
アルミン「」サイン
ドッ!!!!
エレン「ッ!!」シュッ!!!!
ミケ「グッ!?」スッ!!!!
スッバシーンッ!!!!!!
審判「ストライク!バッターアウト!スリーアウトチェンジ!!」
実況「またも三球三振!! イェーガー、エースとしての仕事を果たしました!!」
エレン「...ふぅ...っし!!」ガッツポーズ
タッタッタ
エレン「ん?」チラッ
ベシッ! トーマス・マルコ・コニー「ナイピッチィ!!」
エレン「いってて、お前ら一点集中に叩くんじゃねぇよ!!」
トーマス「ちゃぁんと愛情込めたから、愛のムチだ!」
マルコ「それぐらい感動したってことだよ!」
コニー「そうだぞ!ったく、心配掛けやがって!」
エレン「やめろ!特に男に愛のムチとか...気持ち悪いわ!!」
スタスタ
エレン「!」
ミカサ「ナイピッチ、エレン!」ニコッ
エレン「っ!?///」ポッ
トーマス「ハァァ!? お前なんでミカサからの満面な笑みは ポッ
なのに、俺に対しては気持ち悪いとか言うんだよ!ツンデレか?ツンデレなのか?」
エレン「う、う、うるせぇ!!///」
スッ
エレン「!」
アルミン「ナイスボール、エレン」グッ
エレン「...はいッ!!」グッ
コツンッ
アニ「ナイピッチ、エレン!よく凌いだね!」
エレン「ありがとうございます! でも...まだ喜べる状況じゃないです。」
「!」
エレン「水を指して悪いですが、5点差あるんです。悠長に喜んでられないです。」
「...そうだな。」
ジャン「ピンチは凌いだ。次は...俺らが攻撃する番だ!!
次の回で、最後なんだ。わかってるか、お前ら!!」
「あぁッ!!」
-
- 234 : 2016/12/09(金) 23:25:02 :
-
観客「次でシガンシナの攻撃は最後か...」
観客「正直エース投入は遅すぎたんじゃないか?」
観客「7回の時点で代えるべきだったな。まぁだとしても...」チラッ
計 H E
シガンシナ 0 1 0 2 2 0 0 0 5 10 5
調査 2 0 0 2 3 0 3 0 10 11 2
観客「5点差は...きついだろ。」
観客「あぁ、それに今の投手は”安定性のあるミケ”が投げてるんだ。
そうそう崩れないぞ。」
観客「未だシガンシナは、あの球質の重いストレートに対抗できてる奴が一人もいない。
点どころか...塁にでさえ出れるかどうか...」
エルヴィン「いいか、この回...この回さえ抑えれば試合終了で、我々の勝利だ。」
エルヴィン「なんとしてでも防いで...勝利を掴んで...甲子園に行くぞッッ!!!!」
「はいッ!!!!」
ケイジ「〔あと1回...〕」
イザベル「〔この回防げば...〕」
エルド「〔あとアウト3つ取れば...〕」
ミケ「〔俺らの勝ちで...甲子園に行ける。〕」
ファーラン「〔この回だ。この回で...決める。〕」
ファーラン「スゥーッ...この回もよろしくお願いするッス!!!」
ケイジ・イザベル「ふっ」ニヤッ
エルド・ミケ「あぁ」
リヴァイ「...?」チラッ
スタスタ
キース「ん?」
リコ「?」
クリスタ「〔みんな...〕」
「スゥーッ...円陣組むぞ!!」
ガシッ
観客「なんだ...?」
実況「シガンシナ高校全員ベンチから出て、グラウンドで何やら円陣を組むようですね。」
諫山さん「そうですね。最後の攻撃になるわけですから、気合を入れてくるのでしょう。」
-
- 235 : 2016/12/09(金) 23:47:08 :
ジャン「お前らまさか”諦めた”とか言わねぇよな。」
トーマス「さっきまでは、諦めかけてたけど...今は諦めてねぇよ。」
マルコ「普通そこは諦めてないって、嘘をついてでも言うんだよ!」
トーマス「嘘ついちゃダメだろ!?」
ライナー「実は俺も...諦めてはないが、その寸前までは...いってたな。」
ベルトルト「...そうだね。」
コニー「わりぃ、俺は一瞬...諦めた。」
「だからってなんだってんだ?」
コニー「!」
ジャン「何度も心折られそうになって...実際折られたかもしらねぇが、
諦めかけるのは俺は仕方ねぇことだとは思う。けどな...」
ジャン「全員が諦めたら...そこで本当に試合終了なんだよ。誰か一人...
一人でもいい...その誰かが、諦めずに戦い続ける馬鹿がいるんだとしたら...」
ジャン「そいつ一人に戦わせておいて...それが仲間って言えるのかどうかだ。」
ジャン「もし今ここで...この中にいる誰かが...諦めてる奴がいるとしたら...
俺はそいつを無理矢理にでも、やる気にさせる...戦わせる...そのつもりでいる。」
ジャン「だから、もし...いるんだったら...手挙げろ。俺がバシッと言ってやる。」
ミカサ「...ふっ、私は大丈夫。もう...エレンのお陰で、闘志が伝染がされた。」
アルミン「うん...僕も大丈夫だ。」
ダズ「俺も大丈夫!」
ミリウス「あぁ、俺もだ。」
サシャ「私は最初から諦めてません!」
ハンジ「はははっ、私も諦めてないよ。」
ジャン「」チラッ
アニ「!」
ジャン「監督...もしかして、心折れて...諦めてませんでしたか?」
アニ「...ふっ、うん...あんたの言う通り...監督である私は...一人諦めてたよ...」
ジャン「じゃぁ監督...俺から一言言わせてください。」
アニ「いいよ、言ってみな。」
ジャン「...俺達に...最後の指示をくださいッ!!!!」
アニ「!」
ジャン「...」
アニ「あんた...」
エレン「監督、俺達まだ諦めてないんで指示くださいよ。」
ミカサ「監督の指示なしでは...戦えません。」
アニ「あんた達...」
「アニ...」
アニ「!」
アルミン「...このチームは、アニが作ったんだ。アニが見て、考えて、試して...そして完成されたチームなんだ。」
アルミン「最後まで...アニの指揮で戦いたいんだ。僕らは」
アニ「...はっ...ホントに...あんた達って...」ウルッ
ギュゥッ
アニ「スゥーッ...フゥーッ...あんた達に最後の指示出すよ。」
アニ「全力で...勝ちをもぎ取ってこいっ!!!!」
アニ「どんなに泥汚くてもいい、綺麗なヒットを打たなくていい、転んだっていい、三振したっていい...」
アニ「あんた達なんて花で例えるなら...雑草だよ。」
「〔雑草って!?〕」
アニ「どんなに抜かれても、踏まれても、傷つけられても...何度でも生えてくる...あんた達のその諦めの悪い...」
アニ「雑草魂 を...見せつけてやりなっっっ!!!!!」
「...はいッ!!!!」
ジャン「おーっし...最後まで声出して行くぞォ!!!!」
「おうッ!!」
ジャン「諦めずに戦うぞォ!!!!」
「おうッ!!」
ジャン「ぜってぇ勝つぞぉぉおおおおおおおッッ!!!!!」
「オォーッッッ!!!!!」
キース「っ...り、リコ!」
リコ「あぁ、全く...諦めの悪い奴等だよ。」ニヤッ
リコ「あいつらが諦めてないのに、私達が諦めてどうするんだい!!
さぁ、喉が破けてでも声張りなッッ!!!!」
「はいッッ!!!!」
-
- 236 : 2016/12/16(金) 22:18:23 :
ウグイス「9回の表、シガンシナ高校の攻撃は...9番セカンド、ボット君」
♪タッチ♬
スタスタ
マルコ「お願いしますッ!!」
審判「プレイ!!」
ファーラン「〔あとアウト3つで...俺達の勝ちだ!〕」サイン
ミケ「」コクッ
マルコ「〔どんな形でもいい、とにかく塁に出なきゃ何も始まらない!〕」
ドォッ!!!! シュッ!!
パシンッ!!!!!! 審判「ボール!」
実況「初球内低め、大きく外れてワンボール!」
エレン「ナイセン、ナイセン!」
ミカサ「ボール見えてる!」
マルコ「〔初球から内低め...俺には球質の重いストレートを打ち返せるほどのパワーはない。けど...〕」
マルコ「〔俺の武器は、堅実さ...人一倍冷静になれ。頭を冷やせ。常に考えろ!!〕」
ファーラン「ナイスボールッス!」シュッ
ファーラン「〔よし球は走ってる。何も心配事はない。あるとすれば、雨で足場を崩すこと...〕」サイン
ドォッ!!!! シュッ!!
マルコ「〔甘い球が来れば振る!〕」スッ!!
ギィンッ!
マルコ「〔うぐっ、重い...!!〕」
コロコロ 審判「ファール!」
ミタビ「うぅ、あっぶねぇ...この9番パワーねぇけど、選球眼はあるからワンチャン全球見逃しでもいいんじゃねぇか?」
イアン「確かにそうだが、振ってみなきゃ何も起こらない。何か1つアクションを引き起こさないと状況は変わらないままだ。」
イアン「いわば、この状況で試されるのは...どれだけ冷静 さを持っているか・どれだけ今の状況を理解 してるか...そして...」
イアン「どれだけ勝ちたいという貪欲 さがあるかどうか。例え実力で勝っていても気持ちで負けていたら、どうにもならない。」
マルコ「〔2球目も内...あくまで打たせて取るピッチングには変わらないのか。〕」
ジャン「〔マルコ...出ろよ、絶対...〕」
マルコ「〔この投手は球質は重いけど、制球力はさほど良くない。先発のナナバよりも四死球は多い。〕」
グシャッ グシャッ
ミケ「〔ふんっ、雨で段々マウンドの状態が悪くなってきたか。〕」
ドォッ!!!! シュッ!!
マルコ「〔外だ!外れてる!〕」
パシンッ!!!!! 審判「...ストライクツー!」
マルコ「クッ...!?」
ヒッチ「マジィ!? 今の入った!?」
マルロ「〔こんな雨の中だ。雨のせいで審判の視界が悪くなって、ゾーンに入ってるように見えても可笑しくない。〕」
イザベル「おっしゃぁ!! 追い込んだ!! ナイピッチです!ミケ先輩!!」
ファーラン「〔ゾーンで構いません。思いっきりミット目掛けて投げてくれッス!!〕」サイン
ドォッ!!!! シュッ!!
マルコ「〔内、今度は入ってるか...!? いや...!!〕」グッ
パシンッ!!!!!! 審判「...ボールツー!」
「おぉ...!! よく見たな...!!」
マルコ「〔よしよし!〕」
ファーラン「〔チッ、外れたか〕」
ファーラン「ドンマイドンマイッス!次入れれば問題ないッス!!」シュッ
エレン「頼むぞ...マルコ...!!」
トーマス「先頭大事だぞ...!!」
ファーラン「〔カウント2-2の並行カウントか...まだ余裕はある,,,けど、ここで引いてちゃダメだ!勝負に出る!〕」サイン
ドォッ!!!! ズズーッ
ミケ「!」ググッ!!!
シュッ!
マルコ「〔高い!〕」
パシンッ!!! 審判「ボールスリー!」
エレン「おっし!よく見たぞ!!」
ライナー「迷うな、切り捨て御免でいこう!!」
マルコ「〔切り捨て御免をここで使うか...!!〕」
-
- 237 : 2016/12/16(金) 22:19:33 :
-
マルコ「〔って、突っ込んでる場合じゃない。2-3のフルカウントだ。ここ重要だぞ。〕」
ファーラン「〔今、明らかに足場が崩れた。そう言えばあっちの投手も...〕」
ミカサ「〔痛くない...痛くない、大丈夫...私は...まだ投げられる!〕」ドッ!!! グシャァッ
ミカサ「〔ッ、足場が...!?〕」グラッ シュッ
ファーラン「〔もうマウンドがグチャグチャなんだ。次から全力投球は望めない。〕」サイン
ミケ「」コクッ
ザッザッザ!
ミケ「〔うん、ここなら踏み込んでも大丈夫そうだな。〕」
ドォッ!!!! シュッ!!
ファーラン「〔良いコース!〕」
マルコ「うぅっ!!」スッ!!
ギィンッ! コロコロ
審判「ファール!」
ファーラン「〔チィッ、こっちは早いとこ勝負を決めたいのに...しつけぇ!!〕」
マルコ「〔簡単にアウトを当て得るな...粘れ、粘れ...相手がもうイヤと思うほど...!!〕」
ドォッ!!!! シュッ!!
マルコ「〔また外!!〕」スッ!!
ギィンッ! コロコロ
審判「ファール!」
ファーラン「〔なっ、ホンットしつっこい...!!〕」イラッ
マルコ「ハァ、ハァ...〔球速は対して速くないんだ。当てるだけなら...なんとか!〕」
ファーラン「〔ノーアウト フルカウントで、次は1番打者のアイツ だ。その前に塁にいたらもっと面倒だ。〕」
ファーラン「〔足場はさっき確保した。ならコースを付いて...!!〕」サイン
ミケ「」コクッ
マルコ「〔迷うな、中途半端は一番やっちゃいけないプレーだ。〕」
ドォッ!!!! シュッ!!
マルコ「〔ッ、この外低めのコース...振れ!!〕」スッ!!
ギィンッ! コロコロ
ファーラン「サードッッ!!!!」
マルコ「ッ」
ダッダッダ!!! エルド「〔切れるなァ!!〕」ダッ!!!
コロコロ 審判「ファール!」
観客「あっぶねぇぇええええええ」
ミタビ「あああぁぁぁああああ、もうこえぇぇよ!!」
イアン「何とか首の皮一枚繋がったな。」
マルコ「あ、あぁ...あっぶなかた...」
ファーラン「〔クッ、また...!!〕」イラッ
ベルトルト「...」ジィーッ
マルコ「〔ふぅ、落ち着け...ここまで粘ったんだ。結果残せなきゃ意味ない!〕」
ファーラン「〔ストレートだと当てられる...なら、ここは...〕」サイン
ミケ「!」
マルコ「〔来い...どんなボールでも...ゾーンに入ってるって思った球全部ファールで粘る...!!〕」
ドォッ!!!! ズズッ
ミケ「〔ッ、クッ...また足元が...!!〕」ググッ!!
シュッ!
マルコ「〔! 今リリース時に少し肘を曲げてた...? もしかしてこのボール...!!〕」
クイッ! マルコ「〔やっぱりシュート!〕」グッ
パシンッ!!!
ファーラン「ッ...」
審判「ボール、フォア!!」
「おぉ...!!」
実況「よく見た、フォアボール!」
エレン「うぉっしゃぁあ!! ナイセン、マルコ!!」
トーマス「よく見てたァ!!」
スタスタ マルコ「〔やっぱりあの投手、シュート投げるときは肘を曲げる...この情報が正しければ!〕」
ファーラン「〔なんで今...シュートってわかった...? なんで今外れてるってわかったんだ...〕」
リヴァイ「...」
エレン「よーっし、ノーアウト一塁で...!!」
-
- 238 : 2016/12/16(金) 22:21:38 :
ウグイス「1番センター、キルシュタイン君」
キース「リコ、秘密兵器を使うぞ。」
リコ「あぁ...任せな。アルレルト、レオンハート...あんた達にとっておきを聴かせてやる...!!」
クリスタ「先輩!私達も気合入れましょう!!」
チアモブ「えぇ、そうね!」
キース「バッター、キルシュタイン!キルシュタインです!!」
シガンシナ援団A「ページ数は変わって、P10の一番上が掛け声となっております!!」
シガンシナ援団B「最初は私達チアと援団が掛け声をやるので、その後に続いてくださいッ!!」
キース「スゥーッ...ジョックロック行きます!!!」
♪ジョックロック♬
キース・クリスタ「かっとばせ~!! キルシュタインッ!!」
シガンシナ援団A、B・チアモブ「かっとばせ~!! キルシュタインッ!!」
キース・クリスタ・シガンシナ援団A、B・チアモブ「かっとばせ~!! キルシュタインッ!! キルシュタインッ!! キルシュタインッ!! オー、シガンシナ!!」
ジャン「フゥーッ...よぉし、来いッ!!」キリッ
審判「プレイ!」
ファーラン「〔ノーアウト一塁で、このバッターかよ。こいつを塁に出したら、今より状況がもっと悪化する...〕」
ジャン「〔ふぅ...落ち着け、今までもこんな局面幾度もあっただろ...今更なんだってんだ。 主将が弱気になってんじゃねぇ!〕」
ファーラン「〔ランナーは走ってくるような足を持ってじゃない。それにこのバッターは足が速くても、アルミン先輩みたいにバッティングが上手いわけじゃない。〕」
ファーラン「〔さっきは運が良かっただけのまぐれだ。あんなの毎回起こるわけじゃない。〕」サイン
ミケ「〔ふんっ、そのコースは気に入らないな〕」クイッ
ファーラン「〔んでも、今ここで打たれてランナー貯められてアルミン先輩に打たれたら本末転倒ッスよ。〕」サイン
ミケ「〔だから、言っているだろ。そのコースは気に入らないと〕」クイッ
実況「どうしたのでしょう、なかなかサインが噛み合わないのでしょうか?」
ファーラン「〔この程度のバッターになら、例え高めに浮いてもちゃんと重い球を投げれば内野ゴロになるッス。〕」サイン
ミケ「〔...ふんっ、これじゃ埒が明かないな。〕」スッ!!!
ジャン「〔打つ...打つ...!! 俺はこのチャンスを...必ず活かしてみせる...!!〕」ギュゥッ
ドォッ!!!! シュッ!!
ジャン「〔ッ、外高め!!〕」スッ!!!
ギィンッ! コロコロ
審判「ファール!」
ジャン「〔うっぶねぇ...タイミングは合ってるはずなのに...本当に前に飛ばせねぇ...〕」
ファーラン「〔チッ、お前の得意なコース に投げてやってるのに、ちゃんと打ち損じろよ。〕」イラッ
ファーラン「〔こっちは早いとこ終えたいんだよ。こんなところで...お前らなんかに負けてたまるか!〕」サイン
ミケ「...ふんっ」スッ!!!
ドォッ!!!! シュッ!!
ジャン「クッ!」スッ!!!
ギィンッ!
審判「ファール!」
-
- 239 : 2016/12/16(金) 22:23:28 :
ファーラン「〔くそっ、こいつもしつっけぇな!! 三振なんて欲しくねぇんだよ! ただの内野ゴロを打てよっ!!〕」イラッ
グスタフ「今の2球とも外の球だったな」
イアン「あぁ、恐らくあのキャッチャー はこの回を...いや、この試合をとっとと終えたいんだろうな。」
ミタビ「なんだそりゃ、まぁ勝ちに急ぐ気持ちはわからなくもないが...5点差もあるんだぜ? 焦る必要ないだろ。」
イアン「あぁ、これが”ただの決勝で...雨が降ってなかったら”焦る必要性はまったくないな。」
ミタビ「なんだよ、ただの決勝で雨が降ってなかったら...って」
イアン「今この球場内の雰囲気と状況を...もう一度よく見てみろ。」
ミタビ「あ~ん?」チラッ
球場内の雰囲気は...?
キース「かっとばせ~! キルシュタインッ!!!」
シガンシナ援団「かっとばせ~!! キルシュタインッ!! キルシュタインッ!! キルシュタインッ!! オー、シガンシナ!!」
今の状況は...?
実況「さぁ、ノーアウト一塁 ツーストライクと追い込まれてます、キルシュタイン!」
観客「行けェ!! シガンシナァ!!!」
観客「まだまだこっからだぁ!!!」
観客「繋げよ!キルシュタインッ!!!」
ザワザワ
ドクンッ ミタビ「!」
イアン「どうやら、理解したようだな。」
イアン「そう...あいつ が恐れているのは...この逆境ムードの下から追い上げてくる...この緊張感。」
イアン「そして、キャッチャーとしてピッチャーを管理するのも仕事だ。怪我をされちゃ困るからな。」
イアン「それに...この雨の”量”だ。」
イアン「5回後のグラセン時にマウンドの土を新しくしたが、その後も雨は降り続けた。」
イアン「なにより、8回のアッカーマンのワイルドピッチ...あれは頭の中に、鮮明に残るだろうな...”キャッチャーなら”な。」
-
- 240 : 2016/12/16(金) 22:25:51 :
ファーラン「〔無理に三振取りに行って球数稼ぐより、ちゃんと内野の守備範囲内に打たせて取れば問題ない。〕」サイン
ジャン「〔くっそぉ、やべぇ...んだよ、この緊張感...こんなの今までの緊張感とは比べ物にならねぇ...!!〕」アセ
ジャン「〔俺にこんなチャンスの場面で打てる技術と運は持ってるのか...? いや、俺が持ってるのはチャンスを作る能力だ。今更になって...〕」
ジャン「〔今更になって...自分の無力さを腹立たしく思うなんて...くそっ!〕」
「スゥーッ...ジャンッ!!!」
ジャン「っ」ビクッ
エレン「今になって、過去のトラウマを引きずってんじゃねぇ!! 自分を守ってるままじゃ、いつまで経っても昔のお前のままだぞっ!!」
ジャン「ッ...」
エレン「いつも言ってるだろ...迷った時は...困った時は...自分のバッティングを...貫き通せって...!!」
ジャン「〔俺の...バッティング...〕」
「ジャァン坊!!」
ジャン「!」チラッ
ジャン母「頑張りなさい!!」
ジャン父「ジャァァアアン、俺はお前が打てるってことを信じてるぞぉぉぉおおおおおお」
ジャン「〔なっ、う、うるっせぇ夫婦だなっ!!///〕」
マルコ「ジャン!」
ジャン「あ?」
マルコ「」コクッ
ジャン「〔...ったぁく、どいつもこいつも...キャプテンより、頼り甲斐があんじゃねぇよ...俺がかっこ悪いだろうが!〕」ギュゥッ
ジャン「ふぅッ...」キリッ
ファーラン「〔2球連続で外に投げたんだ。そろそろ内で内野ゴロを打てよ...〕」サイン
ドォッ!!!! シュッ!!
ジャン「〔あ~ダメだ、こりゃ...いつもまで経っても俺は...俺のままだわ...変わることなんて出来ねぇや...〕」
ジャン「〔つか、人が簡単に変われるはずねぇだろ。天才や秀才なら話は別なんだろうが...俺は何も持ってねぇよ。〕」
ジャン「〔なんだこの感じ...”あの時”と全く同じ状況じゃねぇか...〕」
-
- 241 : 2016/12/16(金) 22:30:55 :
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ジャン 中学3年 最後の試合
9回 ツーアウト一塁
チームメイトA「くそぉっ、あと2点が取れねぇ!」
チームメイトB「でも、バッターは4番のジャンだ!」
ジャン「...お願いシャーっす!!」
チームメイトC「頼むぞ!ジャン!」
ドクンドクンッ ジャン「〔だ、大丈夫だ。落ち着け...いつも通りに...練習通りに...やれば!!〕」
シュッ!
キーンッ
ジャン「〔やばっ!? サード真正面に打っちまった!?〕」ダッ!
ダッダッダ
ジャン「〔ちっきしょう!! 緊張で...疲れで...足が動かねぇ!!〕」ウルッ
ジャン「〔まだアウトになってない!まだ終わってない!まだだ...まだ...!!〕」ダイブッ
シュッ!
パシッ!
ズサーッ! 審判「アウト!スリーアウト!ゲームセット!」
・・・
ロッカールーム
ガンッ! ジャン「ちっきしょう...結局練習しても...やっぱり強いところには勝てねぇじゃねぇか!」
ジャン「〔何が4番だ...何がキャプテンだ...何がチャンスで任されて、頼れる4番だよ...〕」ウルウル
ジャン「最後の最後で...緊張と疲れで...足が動かねぇって...何にも言い訳にならねぇ!!」ウルウル
ジャン「俺は...俺は...なにも...なに一つ、出来ねぇじゃねぇかぁ!!」ガンッ!
・・・高校1年 春・・・
エレン「野球のことを馬鹿にする奴は俺は許さねぇ!!!!」
ジャン「〔なんだこいつ、野球のことを馬鹿にする? てめぇの方が馬鹿にしてんだろ。〕」
ジャン「...なんだ?だからなんだって言うんだよ?」
エレン「はぁ?」
ジャン「悪いが野球は絶対やらないし、お前がいる時点でぜってぇ入らねぇ」
エレン「俺だってお前みたいな奴はぜってぇ野球部に入れねぇ!!」
マルコ「ちょっ、ちょっと!二人共!!」
スタスタ
ジャン「〔野球を舐めてるのはどっちだ。後先のことも考えず...結局気づけば、あっという間に時は過ぎて...そして...〕」
ジャン「〔強い学校に負ける運命なんだ。どんなに一生懸命になっても、結果やっぱり才能がある奴と野球に人生を捧げれる奴だけが生き残れるんだ。〕」
ジャン「〔俺はそんなことでまた学校生活3年間も棒にするのだけは、ぜってぇ御免だ。後悔しないように学校生活を楽しむ。今まで部活に捧げた時間を使ってな...〕」
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ジャン「〔でも...今思うと、不思議だな。〕」
ジャン「〔今まで嫌いだった練習や練習試合も...不思議と楽しめるようになったり、最近じゃ早く練習がしたいって思うようになってきてな...〕」
ジャン「〔なんだ、結局俺は変わってるのか?変わってないのか? どっちなんだよ、もうわけわかんねぇ...〕」
ジャン「〔けど、今この状況は...あの時 とは似てるようで違う。〕」
ジャン「〔今は、なんとしてでも勝ちたいっていう意志がある。〕」
ジャン「〔今は、かけがえのない大切な仲間もいる。〕」
ジャン「〔そして、今はあの時とは違って応援してくれる人が...たくさんいる。〕」
ジャン「〔それは親もそうだし、なにより...〕」
ジャン「〔地域の商店街や学校の友達や、まったく会ったことないおっさんや野球好きの爺共...色んな人達が応援してくれてる。〕」
ジャン「〔なんだこれ...なんなんだよ...なんか...なんか...〕」
ジャン「死んでも塁に出てやるって感じだわ。」
-
- 242 : 2016/12/16(金) 22:33:40 :
スッ!!! ギィーンッ!!
実況「打ったァ!!」
ジャン「ッ、くそっ!!」ダッ!!!!
ファーラン「サードッ!!」
エルド「!」ダッ!!!
タッタッタ!!! ガシッ!!!
エルド「〔くそっ、二塁無理か。なら一塁だ!!〕」
ダッダッダ!! ジャン「〔ダメだ、ちっきしょ...足が...足がおもってぇぇえええ〕」
ジャン「〔くそっ、くそっ!! また...また結局同じなのかよ...!!〕」
ジャン「〔また緊張と...疲れで...また...また俺はッ...〕」
ジャン「〔いくら気持ちを変えても...意識しても...やっぱり俺は俺のままじゃねぇか...1年前と...なんも...なんも...「ジャンッ!!!! ダッシュ!!!!!」
ダッダッダ!! ジャン「!」
エレン「何度も言わせんじゃねぇよッ!! お前はお前だろうがッ!!」
エレン「お前は...」
エレン/ジャン「自分のバッティングをしろ。」
ジャン「くっ!!」ダッ!!!!
ジャン「〔なんだよ、てめぇに声掛けられると...何か...腹立つけど...〕」
エルド「ッ!!」シュッ!!!
ジャン「〔やってやるって気になるのは...なんでだよ!!〕」ダッ!!!!
ジャン「〔はしれ...走れ...疾走れッ...!!〕」
「「疾走り抜けろッッッ!!!!!」」
ダッダッダ!!!! ジャン「うぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおっっっ!!!!!!」
ザッ!!!! パシッ!!!
ドタンッ ゴロンッ ドカッ ゴロゴロゴロンッ
ダズ「じゃ、ジャン大丈夫か!?」
ジャン「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
審判「...セーフ!セーフ!」
「うぉぉぉおおおおおおおおっっっ!!!!!!」
♪ファンファーレ♬
ジャン母・父「ジャァァアアアアアアン!!!!!」
ジャン「ハァ、ハァ...っっっっしゃぁぁぁあああああ!!!!!」ガッツポーズ
ライナー「よっしゃぁ、ナイラン!ジャン!!」
トーマス「これでノーアウト一二塁だ!!」
エレン「...へっ、ナイラン!」グッ
ジャン「ハァ、ハァ、ハァ...」グッ
ミカサ「...ふふっ」ニコッ
ファーラン「〔サードゴロで打ち取れるはずの当たりが...〕」
スッ!!! ギィーンッ!!
実況「打ったァ!!」
ジャン「ッ、くそっ!!」ダッ!!!!
ファーラン「サードッ!!」
コロコロ ピタッ
ファーラン「〔エルド先輩の真ん前で打球が死にやがった...くそっ! これじゃさっきまでの球数が無駄になっちまったじゃねぇか!!〕」イラッ
-
- 243 : 2016/12/24(土) 00:32:38 :
ウグイス「2番サード、スプリンガー君」
コニー「っしゃぁ!」
「コニー、ちょっといいかな」
コニー「お?」スタスタ
審判「プレイ!」
♪ジョックロック♬
コニー母「コニィ!! 頑張んなさい!!」
サニー・マーティン「にいちゃぁぁあああんっ!! がんばれぇ!!!」
実況「さぁ、ノーアウト一二塁で打席には2番のスプリンガー!」
ファーラン「〔ノーアウト一二塁で2番 か、しかも塁には...〕」チラッ
マルコ/ジャン「...」ギリッ
ファーラン「〔あの9番 が走ってくることはないにしても、一塁のあいつ だけはマジでめんどくせぇ。〕」
ファーラン「〔見た目はちっこくても、イザベルよりはパワーはある...ジャストミートしたら普通に弾き返されそうだ。〕」
ファーラン「〔ここはリヴァイ先輩の方向へ打たせる形で...〕」サイン
ドォッ!!!! シュッ!!
コニー「...」
パシンッ!!!!!! 審判「ボール!」
ミケ「っ...クッ」
ファーラン「〔5点も差がついてるんだ。バントはない。注意すべきはフォアボールか、ワイルドピッチでランナーを前に進めること。〕」サイン
ドォッ!!!! シュッ!!
パシンッ!!!!!! 審判「ボールツー!」
ファーラン「〔っ、くそっ!! こいつ...!!〕」チラッ
コニー「っし...ふぅ...」ギリッ
ファーラン「〔こっちが打たせて取りたい場面で...球数を少なく抑えたい場面で...待機指示かよっ!!〕」
ファーラン「〔んなら、わざわざカウント悪くする意味はねぇ!〕」サイン
ミケ「〔っ、ここで外角いっぱいの甘いコースだと...?〕」
ファーラン「〔ミケ先輩の球質なら、甘いコースでも外に投げれば内野ゴロは確実。あの5番なら話は別だが、こいつは5番ほどパワーは持ってない。〕」
ミケ「...フゥーッ...」アセ
ドォッ!!!! シュッ!!
ファーラン「〔注文通りッ!!〕」
「ウラァッ!!」スッ!!!
ギィンッ!!
審判「ファール!」
ファーラン「〔なっ...こいつ...!!〕」イライラ
ミケ「クッ...」
コニー「〔あっぶねぇ、打つことに専念するなら簡単だけど...ファールで粘るってのは案外難しいな。〕」
コニー「〔けど、これでいいんだろ?〕」チラッ
ベルトルト「...」コクッ
-
- 244 : 2016/12/24(土) 00:34:09 :
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・・・コニーが打席に立つ前・・・
コニー「っしゃぁ!」
「コニー、ちょっといいかな」
コニー「お?」スタスタ
ベルトルト「この打席、いつもより大分慎重にいってみて」ボソッ
コニー「いつもより身長に? どういう意味だ???」ボソッ
ベルトルト「いや背の大きさの”身長”じゃなくて...簡単に言えば、いつもよりじっくり見ていって。ってこと」ボソッ
コニー「おぉ! そういうことか! あれっ...監督からいつの間に指示出てた!? 俺またサイン無視してた!?」
ベルトルト「あぁ違う違う!」ボソッ
ベルトルト「これは監督の指示じゃなくて、僕の提案。」ボソッ
コニー「提案...? って今野球の試合中だぞ!? 意見出し合ってる場合じゃねぇぞ!!」
ベルトルト「あぁ...もう...うん...監督からの指示が僕に伝達されたんだ。」シロメ
コニー「なぁんだよ、最初からそう言えよ!」スタスタ
「それと!」
ベルトルト「ストライクゾーン入ったら、打ちに行くんじゃなくて...出来るだけファールで粘って」ボソッ
コニー「注文多いな...まぁいいけど! 了解だ!」
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ファーラン「〔1-2か...また今回も粘られたらたまったもんじゃない。〕」サイン
ミケ「〔っ...またゾーンにストライク...〕」アセ
ファーラン「〔粘られて球数も増えて、その上塁に出られたら本末転倒だ。なら最初から厳しいコースには要求しない。〕」サイン
ミケ「...フゥーッ...」アセ
アルミン「...?」
ドォッ!!!! シュッ!
ミケ「〔クッ、しまった...リリースするタイミングが少し遅れて...!!〕」
コニー「〔低い!〕」
ボタッ パシッ!!! 審判「ボールスリー!」
観客「おぉ...!! 逆にシガンシナが追い込んだ!!」
ファーラン「〔くそっ、スリーボールかよ!!〕」イライラ
ベルトルト「...」
ファーラン「〔これでもうストライクゾーンしか指示出せなくなった...今の球が入ってればまだ流れは変わってたかもしれないのに...!!〕」イライラ
ファーラン「...」サイン
ミケ「〔クッ、ノーアウト一二塁とピンチで...尚も1-3か...ここで満塁にしたんじゃ調査高校 の2番手は務まらない!〕」
ドォッ!!!! シュッ!
コニー「〔甘い球!!〕」スッ!!!
ギィーンッ!!
コニー「ゲェっ!?」
ファーラン「〔よっし、セカンドゴロ!!〕」
ファーラン「セカンッ!!」
イザベル「〔捕ったら二塁に投げてゲッツー!〕」ダッ!!!
グチャァッ イザベル「ッ!?」グラッ
ファーラン・ミケ「ッ」
イザベル「〔くそっ、足元崩したッ...間に...合えェ!!〕」ダイブッ!
ファーラン「捕れェ!! イザベル!!!」
ズサーッ! イザベル「ぁあッ!?」
観客「ぬ、抜けたァ!!!」
ダッダッダ!!
ミリウス「マルコ、ストップ!!」
ズササーッ マルコ「ハァ、ハァ、ハァ...」
ミタビ「こ、これで...」
「ノーアウト満塁だァァァアアっっっ!!!!!!」
-
- 245 : 2016/12/24(土) 00:37:27 :
イザベル「ぁ...すっ、すみません...!!」ウルッ
ケイジ「ど、ドンマイドンマイ! 次切り返すぞ!!」
エルド「今のは仕方ない。気にするな!」
リヴァイ「切り替えろよ。」
イザベル「す、すみませ...ほんとに...」ウルウル
ケイジ「気にするな! イザベル!! まだ点取られたわけじゃない!!」
ファーラン「〔今...完全に守備範囲内だった打球なのに...足場が崩れて...くっそ!!〕」イライラ
ケイジ「ファーラン、ミケ! お前らも気にするな!」
ミケ「ハァ、ハァ...あぁ」
ファーラン「...はい」
実況「これでノーアウト満塁!! 打席には3番の...!!」
ウグイス「3番レフト、フーバー君」
シガンシナ援団「頼むぞォ!! フーバー!!」
クラスメート「ベルトルト! 打てェ!!!」
ベルトルト父「う、打て!! ベルトルト!!」
ベルトルト母「もう一度チャンスを掴みなさい!!」
♪ジョックロック♬
スタスタ
ベルトルト「ふぅッ...」ギリッ
ファーラン「〔なんで...なんでこんなに不運が続くんだ...〕」
ファーラン「〔誰のせいでもない...誰のせいにも出来ない...〕」
ファーラン「〔こんな...こんなはずじゃッ...!!〕」ギュゥッ
審判「君、早く位置に戻りなさい。」
ファーラン「! す、すみません。」
審判「プレイ!」
ファーラン「〔切り替えろ...そうだ、誰のせいでもないんだ。仕方がないんだ! 考えても...無駄だ。〕」サイン
ミケ「」コクッ
ファーラン「〔満塁だ。5点差で...スクイズはない。あるとすれば、エンドラン・バスター・ヒッティングのどれかだ。〕」
ドォッ!!!! シュッ!!
パシンッ!!!!! 審判「ストライク!」
ファーラン「ナイスボール!!」シュッ
ファーラン「〔答えは1つのみ...間違えるな、迷うな、タイミングを見失うな。〕」サイン
ドォッ!!!! シュッ!!
パシンッ!!!!! 審判「ボール!」
アルミン「〔やっぱり...さっきよりミケさんのストレートは大分威力が弱まってきてる。ここはチャンスだ。ベルトルト〕」
ファーラン「〔内野ゴロなら100点、外野フライなら70点、肩の強いレフト...つまり、ネス先輩のいる方向なら85点...インフィールドフライは90点〕」
ドォッ!!!! シュッ!!
パシンッ!!!!! 審判「ボールツー!」
ファーラン「〔クッ、また慎重打法かよ...!!〕」イラ
-
- 246 : 2016/12/24(土) 00:38:36 :
「〔10-5のビハインド...ノーアウト満塁で、打席にはクリーンナップの3番...〕」
「〔ここで、もし僕じゃなく...ミカサやアルミン先輩だったら...長打を打つんだろうか。〕」
「〔この状況でシングルなら70点、ツーベースなら80点、スリーベースなら90点、そして恐らくホームランなら100点なんだろうな。〕」
「〔でも僕には...ミケの、あの球質の重いストレートをホームランにするパワーや弾道はない。あるのは、ミート力とそこそこの選球眼とそこそこの脳...それと...〕」
「〔それと...僕がこのチームで一番勝ってるのは、身長と腕の長さくらいかな...〕」
「〔でも...あと1つだけ...自分で自画自賛していいなら...ある。〕」
「〔それは...熱くならずに常に冷静に対処する...良く言えば【理性が整ってる】や【落ち着いて、物事を見る】...悪く言えば【心がない】や【無感情】〕」
ベルトルト「〔そう...僕に有るものとすれば...その2つのみ。〕」
ベルトルト「〔自分の持っている武器で...最善を尽くせ。〕」
ザッザッザ ベルトルト「ふぅ...」
ファーラン「〔一球だけシュートを...〕」サイン
ドォッ!!!! シュッ!!
クイッ!! キーンッ!!!
ファーラン「っ!!」チラッ
審判「ファール!」
ファーラン「〔くっそ、シュートで一回ボール球に投げさせて、目を慣れさせないようにしたのに...こいつッ...!!〕」ギロッ
ベルトルト「〔今のシュートは、ストレートへのカモフラージュ...〕」
ファーラン「〔どうする...フォークはもう使えない。シュートも使えないんじゃストレート以外ねぇじゃねぇか...〕」サイン
ミケ「〔内角低め...今度はボール球でいいのか。〕」コクッ
ドォッ!!!! シュッ!!
ベルトルト「...」
パシンッ!!!!! 審判「ボールスリー!」
ファーラン「クッ...!?」イラ
観客「お、おいおい...また1-3だぞ...こりゃ押し出しもあり得るんじゃないか?」
ベルトルト「〔押し出しか、それも十分投手に...そして捕手にもダメージを与えられる...けど...〕」
ベルトルト「〔ただの押し出しじゃ、点の取れる流れじゃない。ちゃんと点の取れる流れを作らないと...意味がない。〕」
ベルトルト「〔僕の後の...アルミン先輩やライナーが続けて打てるような...流れを...〕」
ギリッ ベルトルト「〔そのためには、相手捕手に...抑えたという達成感や、喜びを与えちゃダメだ。〕」
ドォッ!!!! シュッ!!
ザッ!!! スッ!!! ベルトルト「ふっ!!」
ギィーンッ! ベルトルト「〔常にストレスを、プレッシャーを与え続け...存在感を...示せ。〕」
ファーラン「〔んの野郎ッ...しつっけぇぇ!!〕」イライラ
-
- 247 : 2016/12/24(土) 00:40:02 :
-
ベルトルト「〔この捕手は...今日の試合で、恐らく一番ストレスを感じている。〕」
ベルトルト「〔決まったと思った球や...抑えたと思った打球を...打たれたり、またエラーや内野安打で...塁に出れば〕」
ベルトルト「〔一番ストレスを感じるのは投手ではなく、その指示を出した...捕手だ。〕」
ベルトルト「〔2回のアルミン先輩の打席や、初得点のライナーの打席...〕」
ベルトルト「〔4回のアルミン先輩が高速スライダーを完璧に捉えた打席や、満塁でトーマスが逆転にした打席...〕」
ベルトルト「〔5回のコニーが再逆転した打席...それに、この回のこれまでの打席...マルコ・ジャン・コニー...〕」
ベルトルト「〔あの三人に投げた球数は、どの回よりも多く投げた。ファールで粘り、ボール球はすべて見逃し...〕」
ベルトルト「〔しかも、決め球やアウトに出来た打球が...内野安打・エラーなどでアウトを一個も取れてない。〕」
ファーラン「〔高めじゃ、もしもポテンヒットが出たら最悪2点入る...低めに...低めに〕」サイン
ミケ「〔低めに...〕」コクッ
ドォッ!!!! シュッ!!
ベルトルト「ッ!!」スッ!!!
ギィーンッ!
審判「ファール!」
ファーラン「〔くそしつけぇッ!!〕」イラァッ
ファーラン「〔いい加減...〕」
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・・・9回マルコ打席・・・
ドォッ!!!! シュッ!!
マルコ「〔また外!!〕」スッ!!
ギィンッ! コロコロ 審判「ファール!」
ファーラン「〔なっ、ホンットしつっこい...!!〕」イラッ
・・・9回ジャン打席・・・
ドォッ!!!! シュッ!!
ジャン「クッ!」スッ!!!
ギィンッ! 審判「ファール!」
ファーラン「〔くそっ、こいつもしつっけぇな!! 三振なんて欲しくねぇんだよ! ただの内野ゴロを打てよっ!!〕」イラッ
・・・9回コニー打席・・・
ドォッ!!!! シュッ!!
ファーラン「〔注文通りッ!!〕」
「ウラァッ!!」スッ!!!
ギィンッ!!
審判「ファール!」
ファーラン「〔なっ...こいつ...!!〕」イライラ
ミケ「クッ...」
・・・9回ベルトルト・・・
ドォッ!!!! シュッ!!
ザッ!!! スッ!!! ベルトルト「ふっ!!」
ギィーンッ! ベルトルト「〔常にストレスを、プレッシャーを与え続け...存在感を...示せ。〕」
ファーラン「〔んの野郎ッ...しつっけぇぇ!!〕」イライラ
・・・そして、さっきの打球・・・
ドォッ!!!! シュッ!!
ベルトルト「ッ!!」スッ!!!
ギィーンッ!
審判「ファール!」
ファーラン「〔くそしつけぇッ!!〕」イラァッ
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-
- 248 : 2016/12/24(土) 00:42:45 :
-
ファーラン「〔大人しくアウトをよこせっ!!〕」サイン
ミケ「っ...」コクッ
ドォッ!!!! ベルトルト「...」ギリッ
ミケ「〔クッ...!?〕」シュッ!
リヴァイ「チッ、あいつら...」
ベルトルト「〔内の高め...甘いコース...〕」ギュゥッ!!!!
ザッ!!!! ベルトルト「〔苛立ちを含んだ動揺は、顔や態度に出て...そして、仲間にも伝染し...チームの焦りを生じる...〕」
ベルトルト「〔たった少しのズレ、されど少しのズレ...その少しのズレも数が重なり合うと、やがて大きなズレとなる...〕」
ベルトルト「〔この一瞬を僕は...〕」
ベルトルト「見逃さないよ。」スッ!!!!
ファーラン「__________」
ギィーンッ!!!!
ファーラン「ぁっ、イザベル!」
イザベル「〔くっそぉぉおおお!!〕」ダイブッ!!!
ズサーッ!!!
観客「ぬ、抜けたァ!!!」
ザッ!!! マルコ「6点目!」
ダッダッダ!!!!
イザベル「バックホーム!!」
オルオ「返させっかよッ!!」シュッ!!
ダッダッダ!!!! ジャン「オラァッ!!」ダイブッ!!!
ズサーッ!!! パシッ!!!
審判「...セーフ!セーフ!!」
「ぉ...おぉぉぉぉおおおおおおっっ!!!!」
ジャン「7点目!!」
シガンシナ援団「3点差だぁぁぁああああああっっっ!!!!!」
-
- 249 : 2016/12/30(金) 23:11:19 :
エレン・トーマス・ダズ「ィエッス!!」パシッ!
ミカサ「ナイバッチ、ベルトルト!」
アルミン「〔今ベルトルトは...狙ってたのか...? だとしたら...〕」
イアン「成長とは...怖いものだな。」ニヤッ
ミタビ「なぁに笑ってんだよ、気色悪りぃ」
サネス「ケッ、あのノッポが...」イラッ
マルセル「すげぇ、ベルトルトの奴...!」
トーマス「しっかし、ベルトルトよく打てたよな...」
ミリウス「あんな重い球、打ったこっちの骨が折れそうなくらいのにな...」
ミカサ「あれはただ狙い撃ちをしたわけじゃないと思う。」
トーマス・ミリウス「え?」
イアン「恐らくあの3番 は、あのバッテリーのほころびを待っていたんだろうな。」
サネス「しかも、ターゲットはミケじゃなく...」
「「キャッチャーの、ファーランを狙った。」」
アルミン「〔ファーランがこの回のジャンの打席辺りから、焦り始めていたのはわかってたけど...まさかそれを崩すところまでいくとはね。〕」ハハッ
ミカサ「これまであっちのキャッチャーは、アルミン先輩や私...トーマスやコニーやベルトルトと決め球を打たれたことで、ほんの僅かな苛立ちを覚えた。」
イアン「それに+さっきも言ったが、この”雨”だ。」
イアン「マウンドの状態が悪い中で、投手に捕手の要求 通りに投げさせることはとてつもなく負担がかかる。」
サネス「そのことによって、ピッチャーとキャッチャーの間に”隔たり ”が生まれちまうんだな。これが」
マルセル「隔たり?」
サネス「空間、または距離ってこった。」
マルセル「???」
ラルフ「まぁ微妙にズレが出来ちまうってことよ。」
マルセル「なるほど!」
サネス「そ~れに...あの調査高校の正捕手を1年生で任されてるくらい? すげぇ奴だったら尚更、その要求は尋常じゃない。」
サネス「俺がミケだったら、喜んでリヴァイやナナバに代わってもらうね!」
トーマス「いやいや、それでもあんな球打てる気しねぇし!」
「雨や、キャッチャーの動揺だけじゃない。」
ライナー「あいつも投手なんだ...この状況でどんなことをされたら嫌か、わかっててそのコースに投げさせたんだ。」
ミリウス「ということはベルトルトはキャッチャーの動揺だけじゃなく、ピッチャーの誘導もしてたってことか。」
ライナー「あぁ」
エレン「すげぇな」
トーマス「惚れてまうやろーッッ!!」
ミリウス「トーマス、それパクリ」
ライナー「〔ベルトルトの奴...ちゃんと結果を残しやがった。あいつは投手で投げ疲れてるはずなのに...ったく、俺も負けてられないぜ。〕」ハハッ
-
- 250 : 2016/12/30(金) 23:15:36 :
実況「7-10で3点差まで追いついたシガンシナ!尚も、ノーアウト一二塁で...!!」
ウグイス「4番キャッチャー、アルレルト君」
「うぉぉおおおおおおおおっっ!!!! ここで4番のアルレルトだぁぁああああっっ!!!!」
キース「〔アルレルト...〕」
リコ「〔ここで一発...〕」
ケニー・ジャン父「〔ぶちかませ...!!〕」
ファーラン「〔俺...何やってんだ...? 熱くならずに、いつも通りに対応をすればこんなことには...〕」
「ファーラン」
ファーラン「! タイム、お願いします。」
審判「タァイム!」
スタスタ
イアン「流石にタイムを取ったな。」
ミタビ「あったりまえだろ、こんなアウェイな雰囲気でタイム取らないわけねぇ!」
サネス「だが、どんなにタイムで相談しあっても状況は変わらねぇ。バッターは...アルミンだ。」
ジム「シガンシナは十中八九様子見だろうな、例えアルミンだろうとも相手は調査高校なんだ。打てない確率だってあるだろうからな。」
マルロ「だとしても、流れは完全にシガンシナに変わってる。これをどう交わすか...」
イザベル「すみませんっ...俺があの時捕ってれば...!!」ボソッ
ケイジ「気にするな、あれは”仕方ない。”」ボソッ
ミケ「あれは俺も打たせた場所が悪かった。だから、イザベルに責任はないぞ。」ボソッ
イザベル「ミケ先輩、ケイジ先輩...ホント...す、すみませんっ!!」ボソッ
ファーラン「...」
エルド「〔足場がしっかりしないフィールドで、慣れない雰囲気・環境の中でやってるんだ。それにイザベルはまだ1年だ。ミスをしても責めきれない。〕」
「仕方がない? 2点取られたんだぞ。仕方ないで片付けるのはちげぇだろ。」
ファーラン・ミケ・イザベル・ケイジ・エルド「!」
リヴァイ「誰も予想しなかったから、あの得点はまぐれなのか? まぐれで点を取られて、仕方ないで終わらせるのか?」
ケイジ「り、リヴァイ! 今イザベルを責めて何があるっていうんだ!」ボソッ
リヴァイ「別に俺はイザベルだけに言ってるわけじゃねぇよ。」
イザベル「え...?」
リヴァイ「この中に...誰か一人でも、このまま勝てる。点を取られずに...まぐれなど起きない限り...って考えた奴は本当にいねぇのか?」
ミケ「っ...すまん、俺は思った。いや気を抜いていたのかもしれない。」ボソッ
エルド「...俺もだ。」ボソッ
ケイジ「ッ...あぁ、俺も少しは気が緩んだ。悪い。」ボソッ
イザベル「...すみません、自分も...です。」ボソッ
リヴァイ「てめぇはどうなんだ?」
ファーラン「...すみません、俺も...いや、多分俺が一番気が緩んでました...」
リヴァイ「ここにいる全員が、理解したな?」
リヴァイ「これは”甲子園に行くための、たった一枚の切符”を賭けた戦いだ。」
リヴァイ「勝てば今年も甲子園に行けて、負ければ今年は甲子園に行けねぇ...簡単なことだ。」
リヴァイ「この場にいる全員が肝に銘じておけよ?」
リヴァイ「今日の試合は...いや、この決勝戦だけは...」
リヴァイ「”可能性が無いものなんてねぇぞ。”」
ケイジ・イザベル「...だな。(はい!)」
ミケ・エルド「あぁ。」
ファーラン「はい。」
リヴァイ「...俺からは以上だ。もう一度仕切り直して、気を引き締めてくぞ。」
「おうッ!!」
-
- 251 : 2016/12/30(金) 23:17:13 :
スタスタ
リヴァイ「ファーラン」
ファーラン「!」ピトッ
リヴァイ「てめぇならもう自覚してると思うが、今後も引きずるようなら俺からエルヴィンに代えてもらうよう言うからな。」
ファーラン「...はい。」
ファーラン「さっきのリヴァイ先輩の言葉で...頭が冷えたッス。」
ギリッ ファーラン「もう大丈夫ッス。」
リヴァイ「...ならいい。」
タッタッタ ファーラン「〔今更だけど...俺ってすげぇ場所 まで来てたんだな...〕」
ファーラン「〔甲子園5連覇中の化物揃い学校、あの調査高校の...正捕手になってるんだよな。〕」
ファーラン「〔しかも、今年は過去最強クラスとまで言われて...その上、憧れの”自由の翼”の一員にまでなれて...〕」
ファーラン「すっげぇ感激ッスわ。」チラッ
アルミン「?」
ファーラン「〔俺がここまで来れたのも...あんたがいたから、あんたの背中を追いかけたいと思ったからだ。〕」
ファーラン「〔だから俺は...〕」ギュゥッ
ファーラン「この最高の試合状況 で...この最強の仲間 で...」
ユビサシ アルミン「!」
ファーラン「あんたを...ぶっ倒したい...!!」ニヤッ
アルミン「ッ...ふっ」ニヤッ
アニ「ッ、アルミン...?」
「奇遇だね、ファーラン...」
ゾクゾクッ ファーラン「〔!! この感じ...もしかして...〕」
ミケ・エルド・ケイジ・イザベル「!」
リヴァイ「...はっ、大分出来上がってきたじゃねぇか。アルミン」
スタッ 「僕もこの手で...君を...君達、化物集団を倒したいと...」
アルミン「ずっと夢見てたんだ。」ニヤッ
ゾクゾクッ アニ「_______ッ」
エレン「監督?」
アニ「〔根拠があるわけじゃない...けど、まるで...〕」
「「中学の頃のアルミンに...戻ったみたい」」
-
- 252 : 2016/12/30(金) 23:19:18 :
♪ジョックロック♬
スタスタ
ザッザッザッ!!!
アルミン「ふぅ...」ゴゴゴッ
ケイジ「〔さすがは天才か...この終盤で、今日一と言っても良いほどの集中力だ。〕」
イザベル「〔さっきまでのアルミン先輩とは...驚くほど、威圧感が違う...〕」
エルド「〔確かにお前の選択はある意味で、間違えではなかったのかもしれない...だが...〕」
ミケ「〔勝って甲子園に行くのは...俺達だ。〕」
リヴァイ「来いよ、アルミン。」
審判「プレイ!」
ファーラン「〔もう一度...頭をリセットして...〕」
ファーラン「ノーアウトォオッッッ!!!!!! ピッチャー、バッター勝負ゥッッッ!!!!!!!」
ケイジ「オォーッ!! ミケ、打たせていけ!!」
イザベル「ノーアウト! 1つずつアウト取っていきましょう!!」
エルド「サードに打たせろ!!」
リヴァイ「ミケ、いつも通り...バッター勝負だ。」
ミケ「」コクッ
ファーラン「〔やっべぇ...なんだよ今更...〕」ドクンドクンッ
ファーラン「〔すげぇアドレナリン出てきた。ニヤニヤが止まらねぇ...心臓の鼓動が高鳴って...会場全体に聞こえそうなくらいだ...」ドクンドクンッ
ファーラン「〔こんな楽しい場所...誰にも譲りたくねぇ...!!〕」サイン
ドォッ!!!! シュッ!!
アルミン「ッ!!」スッ!!!!
ギィーンッ!!!
ズギィッ アルミン「_______ぐぅッ!?」
カシャーンッ!!! 審判「ファール!」
実況「初球は外角低めにストレート、それを右に流してファール!」
ウグイス「ファールボールにご注意ください。」
アルミン「っ...うゥッ...」ビクビクッ
エレン「あ、アルミン先輩...無理して...?」
アニ「〔アルミン...〕」
アルミン「ふぅ、ふぅ...」ズキズキッ
ファーラン「〔相変わらずスイングスピード速ぇ...攻撃ではスイングの速さとミート力を活かし、守備では頭のキレと相手の意表を突くリードを武器に。〕」
ファーラン「〔でも、俺がこの人に憧れたのはそれだけじゃない...〕」
ファーラン「〔”チーム全体の連携と個人能力の最大値”を把握し、常に味方の100%の力を発揮させる...守備信頼感。〕」
審判「ボールを」スッ
ファーラン「あざッス! ナイスボールッス! ミケ先輩!」
ファーラン「〔俺が何度真似しても、そこだけは絶対に真似出来ない技術...〕」
ファーラン「〔だからこそ、モノにしたい。だからこそ、あんたを倒したい。〕」
ファーラン「〔外に一球見せたッス〕」サイン
ミケ「!」コクッ
ドォッ!!!! シュッ!!
クイッ!!
アルミン「ふッ!!」スッ!!!!
キーンッ!!!!
実況「今度は引っ張ったァ!!」
アルミン「ハァ、ハァ...」チラッ
ダッダッダ!! ネス「〔切れるか、それとも入ってくるか...!?〕」
「ネス先輩飛び込めッス!! ファールッス!!」
ネス「!」
ネス「うぉぉぉおおおおッッッ!!!」ダイブッ!!!
ズサーッ
・・・
ネス「ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
コロコロ
審判「ファール!」
「おしぃぃぃいいいいいいいいっっっ!!!!!」
「あぶねぇぇぇええええええっっっ!!!!!」
アルミン「ハァ、ハァ...くそっ!」
観客「もうひとこえだったな。」
観客「あぁ、けど...あのキャッチャー...よく着地時点わかったよな...」
ファーラン「ドンマイドンマイッス!!」
-
- 253 : 2016/12/30(金) 23:23:10 :
ミタビ「おいおい、簡単に追い込まれちまったぞ。」
グスタフ「ノーアウト一二塁...調査高校ならトリプルプレーもあり得るZO」
イアン「無論、その可能性が0% とは思ってないはずだ。あいつも」
ファーラン「〔俺はあんたを越えることは一生出来ない。どれだけ真似したって、そんなんで越えられる簡単な壁じゃないことは俺が一番知ってる。〕」
ファーラン「〔でも...俺はあんたを倒したい。俺一人じゃ、越えられない壁でも...チームでなら越えられる!〕」
ファーラン「...」サイン
ミケ・エルド「」コクッ
エルド「...」スタスタ
ミケ「...スゥーッ...フゥーッ...」ギリッ
ドォッ!!!!!
ミケ「ッ!!」シュッ!!!
アルミン「〔真ん中甘いコースッ!!〕」スッ!!!!
ザッ!!!! ゴォッ!!!!
ファーラン「〔っへ、簡単に捉えたよ。でも意味ないッスよ。元々俺達は...三振を狙ってるわけじゃない!〕」
ゴリゴリッ!!!!
アルミン「_______グッ...ウゥッ!?」グググッ!!!!
エレン「パワーで押されてる...!?」
アニ「アルミン!」
アルミン「う、ウゥッ...うぉぉぉおおおおおッッッ!!!!」グググッ!!!!
ギィーンッ!!!!
実況「打ったァ!! 強烈な当たり!!」
ファーラン・ミケ「!」チラッ
ファーラン「サードォッ!!!」
ズギィッ アルミン「ぁ、ァアッ...クッ...ぬっ、けろォッ!!!!」
ダイブッ!!!! エルド「抜かせるかぁぁあああああっっっ!!!!!!」
アルミン「ッ」ダッ!!!
パシッ!!!! ズサーッ
審判「フェア、フェア!!」
コニー「ウォォッラ!!」ズサーッ!!!
ファーラン「〔三塁間に合わない。〕」
ファーラン「先輩、二塁!!」
アルミン「クッ...!?」ダッダッダ!!!
スタッ エルド「ッ!!」シュッ!!!!
ベルトルト「〔ゲッツーで、チャンスを終わらせてたまるかっ!!〕」スッ!!!
ズサーッ!!!
イザベル「〔ぐっ!? くそっ!! こいつ、わざと俺の進行方向に!?〕」
「イザベル、避けろッ!!」ダッ!!!!
イザベル「っ、はいッ!」ダッ
ズサーッ 審判「セーフ!!」
パシッ!!!! ザッ!!!! ピョンッ!!!!
リヴァイ「アァッッ!!!!」シュッ!!!!
ダッダッダ!!! アルミン「〔くそぉっっ!!!〕」ダイブッ!!!
ズサァッ!!!
ケイジ「...」
リヴァイ「...」
アルミン「ハァ、ハァ、ハァ...ッ」
審判「アウト!!」
「うぉぉぉおおおおおおっっっ!!!!!!」
観客「4番のアルミンを打ち取ったァ!!!!」
観客「進塁打にはなったが、アルミンが塁にいるかいないかで全然違うからな!」
ファーラン「ナイスサードッ!! ナイスショートッ!!」
イザベル「助かりました、リヴァイ先輩」
リヴァイ「いや今のは俺もベースに入るのが遅れた。こっちも助かった。」
イザベル「っ~!! はいッ!!」
リヴァイ「〔ったく...今のカバーが、さっきエラーした奴の動きかよ。随分違うじゃねぇか〕」
リヴァイ「〔それにしても、びっくりしたじゃねぇか。〕」
エルド「〔まさか、最後の最後で自分のバッティングを変えてくるとはな。〕」
イザベル「〔これまでアルミン先輩は流し方向にしか打ってこなかったのに、この打席でいきなり...引っ張った。〕」
ケイジ「〔正直ファーランが読んでなかったら、サード線抜けて一気に1点差まで詰め寄られてたかもしれない。〕」
-
- 254 : 2016/12/30(金) 23:31:41 :
ファーラン「〔...ふっ、勝った...! あの人に...!!「き、君大丈夫か!?」
ファーラン「えっ?」チラッ
エレン「...あ、るみん...せんぱい...?」
グググッ アルミン「だ、だいじょぶ...ですっ...」ズギズギィッ
観客「どうした? 怪我か?」
観客「接触あったか?」
ガシッ ギュゥッ!!!
アルミン「〔たっ、立て! 立ってベンチに、戻るんだッ...!! いつまでも寝てると...ぁ、ァニにッ...おこ、られるっ...!!〕」グググッ
アニ「ぁ、ぁ...アル...」
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__________________________________________________________
・・・アルミンの打席が始まる前・・・
ファーラン「あんたを...ぶっ倒したい...!!」ニヤッ
アルミン「ッ...ふっ」ニヤッ
アニ「ッ、アルミン...?」
「奇遇だね、ファーラン...」
スタッ 「僕もこの手で...君を...君達、化物集団を倒したいと...」
アルミン「ずっと夢見てたんだ。」ニヤッ
ゾクゾクッ アニ「_______ッ」
アニ「〔根拠があるわけじゃない...けど、まるで...〕」
「「中学の頃のアルミンに...戻ったみたい」」
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アニ「ぁ...ぁ...」
ダッ トーマス「おぉい!? どこ行くんだよ、エレン!」
審判「怪我が悪化したのか? 立てるか?」
アルミン「ハァ、ハァ...んっ...だ、だいじょう...ぶっ...です...うぐっ」ズキィッ
ケイジ「だ、大丈夫かある「すみません、足攣っちゃったみたいなんで柔軟いいですか?」
ケイジ・審判「!」
審判「タァイム!」
スタッ エレン「先輩、大丈夫ですか?」
アルミン「え、エレン...あぁごめん。」ビクビクッ
エレン「足伸ばしますね。」グイッ
観客「なんだ、足攣ったのか」
観客「無理もねぇわ、雨降ってユニホームが重いんだろ。」
観客「それに...段々冷えてきたしな」
ミタビ「なぁんだ、びっくりさせんじゃねぇよ」
グスタフ「夏だからこそ、足攣るよな。」
イアン「...まぁ”本当に足が攣ってるだけ”なら、アルレルトにとってどれだけ幸いなことなんだろうな。」
ミタビ・グスタフ「え?」
イアン「〔恐らく最後の一打とあのヘッドスライディングで、すべての力を使い果たしたんだろう。〕」
イアン「〔それだけではないか...〕」
サネス「〔あいつにとってはこの打席は最後だったんだ。残りの体力、気力もすべて使った渾身のワンプレーが...ダメだったからな。〕」
マルロ「...流れが変わるかもな。」
ヒッチ「ハァ? あんたさっき流れはシガンシナに来たって言ってたじゃん!」
マルロ「4番っていうのは、ただ打力があるとか・ただ上手いからとか・ただ頼れるからじゃ務まらない役目なんだよ。」
イアン「時には豪快 で...時には華麗 に...そして時にはかっこ悪く ...」
イアン「どんなに泥汚いヒットでも、ヒットには変わりない。結果を残すのが4番の仕事だ。が...」
マルロ「あの好機 を...シガンシナはものに出来なかった。」
ヒッチ「いやでも、まだチャンスは終わってないじゃん! むしろ、あの人のお陰で次の人はチャンスだよ?」
マルロ「確かに進塁打で、ランナーは塁を進められた。けど...」
イアン「ミケの球質に対応出来るとしたら、唯一の望みはやはりアルレルトだ。」
イアン「そのアルレルトの会心の一打が...と考えるとチームムードが一気に悪くなる。どころか...相手は増す一方だ。」
-
- 255 : 2016/12/30(金) 23:34:24 :
スタスタ
エレン「大丈夫ですか? ゆっくり行きましょう、ゆっくり」
「...めん...」ボソッ
エレン「え...?」
アルミン「ごめん...打てなかった...いや、打なきゃいけなかったのに...ごめん...」ギュゥッ
エレン「そんな、まだ試合は終わってないですよ。だから謝るのはやめてください。」
アルミン「そうだね...ごめん...」
スタスタ エレン「着きましたよ。 段差あるんで、気をつけてください。」
アルミン「...」
ハンジ「〔不味い、完全に落ちてる...さすがに今の打席はアルミン君にとって精神的に来たんだろうな...〕」
ピトッ アルミン「...」
エレン「え、アルミン先輩...? どうしたんですか、止まって」
アニ「ぁ、ぁる...みん...」
アルミン「...ごめん、打てなかった...最後の打席なのに、打てなかった。」
アニ「ッ」
アルミン「本当に...ごめん...」ギュゥッ
トーマス「〔あのアルミン先輩が...あんな悔しそうな顔を...〕」
マルコ「〔それに監督に謝って...〕」
サシャ「〔結果的には進塁打になったのに...〕」
エレン「〔悔しいんだ、アルミン先輩は...しかも...アルミン先輩にとっては...本当の意味でも、最後の打席だったんだ。〕」
アルミン「...謝ることしか出来ないけど...ごめん。」
スッ パシンッ!!!
「!」
アルミン「ぁ、ア二...? なにして...」
アニ「謝らないでよ。謝るのは...私の方なんだから...」
アルミン「え...?」
アニ「本当は...凄く怖かったんだ。無理して私と野球をやってるんじゃないかって...」
アルミン「なっ...!? そんなこと...」
アニ「バッターボックスに入る前、相手キャッチャーと張り合ってる時に感じた違和感で思ったんだろうね。いや、もしかしたら...もっと前から...」
アニ「中学で離れ離れになって、あんたはより一層野球に対しての勝敗 という概念が強くなった。」
アニ「どこで何があったのかはわからないけど、久しぶりに再会して...いざ試合で見たら...全くの別人になってた。」
アルミン「!」
アニ「高校では一緒になって甲子園に連れてってくれることを約束してもらって、また一緒に野球が出来ると思って本当に楽しみにしてた。」
アニ「でも、あんな事件が起こって...あんたは批難の的になって...私は何も言われないまま、ただ時間を過ぎていくのを待ってた。」
アニ「4月になって...野球馬鹿 のお陰でほんの少しずつだけども...段々リトルの頃のあんたに戻っていった気がしてた...」
アニ「けどそれは、やっぱり気の所為だった...だって...だって、いくら私があんたを呼びかけようとも...結局は毎回中学のあんたに戻る。」
アニ「...本当のあんたはどっちなんだろうって...思った。」
アルミン「あ、アニ...それはちが...「でも、あんたは...!!」
アルミン「!」
アニ「あんたは...重度の怪我をしながら、それに疲れ切ってる体で...なのに...」
アニ「なのに、あんたは...私に謝った。」ウルウル
アニ「勘違いをしてたのは私の方だった。勝手な思い込みで...自分で自分を煽ってた。」
アニ「思い出せば、あんたは昔からそうだった。」
アニ「相手が強ければ強いほど、勝ちに貪欲になる。ただの野球馬鹿だった、ってことを...」ウルウル
アニ「でも...でもね...1つだけ...ここで、最後の約束を私として。」
アルミン「え...」
アニ「もし...もし私との約束で...あんたが縛られてるなら...もう自分を解放してあげて。」
アルミン「ッ...」
アニ「私との...最後の約束は...”あの時の約束を忘れること。”」
-
- 256 : 2016/12/30(金) 23:36:31 :
-
エレン「えっ...!?」
アルミン「そんっ...なこと...」
アニ「お願い。もう私のためとか...他の誰かのためとかじゃなくて、今度は”自分のために”戦って。」
アルミン「...スゥーッ...フゥーッ...わかった。」
エレン「アルミン先輩!!」
アルミン「アニの言う通り...あの時の”中学の時の約束”は...忘れるよ。」
アニ「...ぅん。」
・・・
「でも僕は、自分のために野球はしないよ。」
アニ「っ...は、はぁ!? あんたさっき...「中学の時の約束は忘れるよ。」
アルミン「それでも僕は、アニのためにしか...野球はしない。」
アニ「_______ッ」
アルミン「本当はもっと前から約束してたんだ。アニは...覚えてないかな?」
アニ「い、いつ...」
アルミン「幼稚園の頃、アニとTVで甲子園を見た...あの時。」
アニ「TVで見た...甲子園...」
アルミン「僕はあの時...アニが言ってくれたある一言で、僕は甲子園に行くことを決めたんだ。」
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・・・アルミン,アニ幼稚園児・・・
アルミン「ねぇアニ」キラキラ
アニ「なに?」
アルミン「いつか僕らが高校生になったら...甲子園で野球やってみたいよね...!!」キラキラ
アニ「うん、私も...こんなキラキラした甲子園でアルミンと野球をしたい!」
アルミン「甲子園に...いつか...!!」キラキラ
アニ「”いつか、じゃなくて...高校生になったら...でしょ?”」
アルミン「っ~~!! うん!!高校生になったら...絶対二人で甲子園に行こうね!!」ニコッ
アニ「じゃぁ高校生になって甲子園に行くまでの約束ね!」スッ
アルミン「うん!! 約束するよ!!」スッ
「指切りげんまん~嘘ついたら、針千本の~ばす! 指切った!!」
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アニ「そんな昔のこと...」
アルミン「だからアニ」
アニ「!」
アルミン「最後の約束である、中学の時の約束は...ちゃんと忘れる。もう思い出さない。でも...」
アルミン「一番最初にした、幼稚園の時の約束は...絶対に忘れないよ。何が何でも...これだけは守るから。」
アニ「...ホント...あんたって...ズルい...グスンッ...」ウルウル
アルミン「それから、僕は無理してアニと野球はしてないよ。今まで一度も...アニと野球をやって嫌と思ったことなんて毛頭ない。」
アルミン「それだけは断言するからね。」ニコッ
アニ「...ふっ、全く...あんたはやっぱり最低だよ。」ニコッ
アルミン「えぇっ!? 僕なんかした!?」
アニ「ほら、そういうところとかさ...ぁりがとうね、アルミン」ボソッ
アルミン「え...?」
アニ「何でもないよ、あんたには聞こえなくていい。」
アルミン「...そっか、空耳か...なら、どういたしましてって...言っとくね。」
アニ「...ふっ、ほら。ヘルメット外して、とっとと怪我治しな。」
アルミン「いや、出来たらもうやってるからね!?」
「〔結局なにがしたかったんだ...このバカップルはッ!!!〕」
-
- 257 : 2017/01/08(日) 23:46:13 :
実況「さぁノーアウト満塁から2点をもぎ取り、なおもノーアウト一二塁で4番アルレルトがサードゴロ進塁打で、ワンァウト二三塁」
実況「チャンスはまだまだ続いている中、打席に立つのは...」
ウグイス「5番ライト、ブラウン君」
♪ジョックロック♬
ライナー弟1,2・妹「にいに頑張れ~!!」
ライナー「おう!」グッ
トーマス「我らが兄貴、頼んだぞ!!」
マルコ「深呼吸深呼吸!!」
ジャン「ゴリラパワー見せつけろ!!」
エレン「ライナー、頼むぞ!」
ライナー「...あぁ!」
「ライナー!!」
ライナー「!」クルッ
ベルトルト「...」グッ
ライナー「...」コクッ
ファーラン「〔ワンァウト二三塁で、この5番...外野フライで最悪でも1点は入る。点差は3点...〕」チラッ
エルヴィン「〔2点までは許容範囲内だ。それまではファーラン、君とミケの判断に任せる。〕」サイン
ファーラン「〔えっ、任された...?〕」
エルヴィン「〔君は、今の試合状況、場の空気を一番間近で見てる。私より君の判断を信用する。〕」コクッ
ファーラン「〔でも...〕」チラッ
ミケ「...」コクッ
ケイジ「〔ふっ、凄いじゃないか。監督に任されたなんて、自信持て!〕」コクッ
イザベル「〔お前とは中学の頃からやってんだ。慣れっこだぜ。〕」コクッ
エルド「〔誰が何を言おうと、お前は調査高校 の正捕手なんだ。俺達はお前のことを...〕」
ミケ・ケイジ・イザベル・エルド「〔信じてる〕」
「生半可な気持ちでやれねぇぞ。」
ファーラン「!」
リヴァイ「だが...お前なら問題なくできるだろ。」
ファーラン「_______っ!!」
リヴァイ「頼んだぞ、ファーラン」
ファーラン「...スゥーッ...ウイッス!!」
スタスタ
ライナー「フゥーッ...来いッ!!」
審判「プレイ!」
ファーラン「〔知らなかった~...俺って結構信用されてたんだぁ~〕」ニヤニヤ
イザベル「〔うわっ、あいつ今ぜってぇ浮かれてやがる...〕」
ファーラン「〔それはさておき、ワンァウト二三塁だ。内野は少し下がり目に。〕」サイン
ケイジ・イザベル・リヴァイ・エルド「」コクッ
ファーラン「〔初球は低めに...出来れば外の低めいっぱい...〕」サイン
ミケ「」コクッ
ミタビ「犠牲フライで最悪1点入るが...このまま下位打線にいっても打てねぇぞ。」
イアン「だからこそ、この打席は重要だ。」
イアン「〔6番のアッカーマンは今の状態だとミケの球を打つのは難しい。〕」
イアン「〔やはりシガンシナが勝つためには、ここは絶対に長打以上が不可欠だ。〕」
サネス「〔だぁけど、この雨の中だ。無理に振って内野ゴロになるよりかは、じっくり見てった方がましだな。〕」
ドォッ!!!! シュッ!!
ザッ!!!! ライナー「ふッ!!」スッ!!!!
ギィーンッ!!!!
ファーラン・ミケ「!」
審判「ファール!」
ファーラン「〔今の風切り音...フルスイング...?〕」
ミケ「〔ワンァウト二三塁という場面で、フルスイングか...ふっ、面白い。〕」
実況「2球目...」
ドォッ!!!! シュッ!!
ザッ!!!! スッ!!!!
ギィーンッ!!!!
審判「ファール!」
実況「またも強振! 諫山さん、ブラウンは強振ですね。」
諫山さん「そうですね。この最終回という局面でよく固くならずにフルスイング出来てますね。攻めの姿勢と捉えていいでしょう。」
ファーラン「〔なるほど、あくまで攻めてくってわけか。うぜぇこと極まりねぇな!〕」
ベルトルト「〔ライナー...〕」
ライナー「ふぅッ...」
-
- 258 : 2017/01/08(日) 23:47:23 :
ファーラン「〔こいつパワー勝負に賭けてやがる...なら一回シュートで〕」サイン
ミケ「」コクッ
ファーラン「〔外、外と続いて内に来たら誰だって体は強張る。しかもそれが胸元に向かってくるシュートなら尚更〕」
ミケ「」スッ!!!
ドォッ!!!! シュッ!!
ライナー「!」
クイッ!! パシンッ!!!!
審判「ボールワン!」
観客「おぉ、よく見た...!」
観客「あれを振ってたらサードゴロのゲッツーだったな。」
ファーラン「〔気づかれてた...?〕」
エルヴィン「〔見送り方に迷いがない。〕」
ライナー「〔やっぱりマルコの言った通りだ。〕」
__________________________
____________________________________________
__________________________________________________________
・・・ライナー打席前・・・
ウグイス「4番キャッチャー、アルレルト君」
ライナー「〔ネクスト入るか〕」
「ライナー、ちょっといいか?」
ライナー「ん、なんだ?」
マルコ「ミケの癖を見つけたんだ。」
ライナー「癖? 今更...?」
マルコ「うぅッ、それ今言わないで...」グサグサ
ライナー「わ、悪い」
マルコ「ミケの球種はシュートとフォーク、それと球質の重いストレートの3つだ。」
マルコ「サシャに調査高校の配球記録を見せて貰ったところ4回アルミン先輩の打席以来、一回もフォークを投げて来てないんだ。」
ライナー「一回も...? というか、それはナナバだけじゃ...いや待てよ、ミケのフォーク今日一回も...」
マルコ「そう、まだ一球も投げてない。監督は『多分雨の影響を考えて』って言ってた。」
ライナー「だとしても、あのシュートもなかなか厄介だぞ。途中までストレートと同じ軌道だし...」
マルコ「いいや、シュートとストレートのフォームが明らかに違ってたんだ。」
マルコ「ストレートの場合、リリースポイントは真上のオーバースローってわかる。だけど、シュートの場合は...」
「「”肘を少し曲げて、スリークォーター気味にリリースする。”」」
__________________________________________________________
____________________________________________
__________________________
ライナー「〔マルコが気づいてなかったら、試合が終わってたかもしれない。〕」
実況「ワンァウト二三塁、カウントはツーワンと追い込まれています。」
ライナー「〔俺が勝負できるものは、最初から決まってたじゃねぇか。〕」ギュゥッ!!!
ライナー「〔難しいボールを当ててヒットにすることよりも、当たったことを前提にして力づくで外野を越す...パワー勝負に出ることだ。〕」
-
- 259 : 2017/01/08(日) 23:48:23 :
エレン「信じてるぜ...ライナー!」
ドォッ!!!! シュッ!!
スッ!!!! ギィーンッ!!!!
審判「ファール!」
ベルトルト「...」
ドォッ!!!! ミケ「ふゥッ!!」シュッ!!
ギィーンッ!!!!
審判「ファール!」
アニ「...」
ドォッ!!!! ミケ「ハァ、ハァ、ハァ...クッ!!」シュッ!!
クイッ!! パシンッ!!!!
審判「ボールツー!」
キース「...頑張れ...!!」
リコ「食らいつけ...!!」
ドォッ!!!! ミケ「ふんッ!!」シュッ!!
ライナー「うぅッッ!!」スッ!!!!
ギィーンッ!!!! 審判「ふぁ、ファール!」
クリスタ「ライナー、頑張れェ!!」
ミケ「ハァ、ハァ...クッ」ゼェハァ
ライナー「ハァ、ハァ...」ゼェハァ
ドォッ!!!! シュッ!!
ライナー「ッ!!」スッ!!!!
ギィーンッ!!!!
ミケ「っ」ビクッ
ファーラン「レフトッ!!」
ダッダッダ!!! ネス「打球が速すぎる...!」
カシャーンッ!!!! 審判「ファール!」
マルセル「す、すげぇライナーの奴、あの調査高校を苦しめてる...!」
観客「い、今ので何球目だ?」
観客「8球目だ。」
実況「この緊張感溢れる中、ブラウンはしつこく攻めの姿勢を見せている。対してザカリアスも負けずと、球威や球質を落とさず投げている!」
ライナー「ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
ミケ「ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
イアン「〔お互いパワー型のスタイルで、しかもこの最終回ワンァウト二三塁と絶対に集中力を切れない状況だ。〕」
イアン「〔まさに...力任せの、拳と拳の殴り合い。どちらかが倒れるまで何度でも殴り合う...それはまるで、リングに立ったボクサーのように...〕」
ミケ「〔ここまでパワー勝負で付いてこれたのは甲子園でも早々いない。1年だからと言って侮れん〕」
「〔俺らが調査高校相手に勝てるとすれば、100回やっても1回あるかないかのギリギリのライン...それでも〕」
ライナー「〔100回のうちの1回を...この試合にすれば何も問題はない...!!〕」ギリッ
-
- 260 : 2017/01/08(日) 23:59:56 :
ミケ「...ん」チラッ
ビジャビジャ ミケ「〔この雨で濡れた手で...本当に抑えられるのか...俺はこの学校の主将なんだ。〕」
ミケ「〔責任を持って...俺に付いて来た、他部員達を甲子園に連れていく義務がある。〕」
ミケ「〔そんなことを思ってる奴が、手が濡れてるだけで集中できてないなんて...俺もまだまだだということだな。〕」コスコス
ファーラン「...」
「ボール代えてくれませんか?」
ミケ・リヴァイ「!」
審判「しかし、さっきのファールで代えたばかりで...」
ファーラン「代えてください。」
審判「わ、わかりました。」スッ
ファーラン「それと代えたばかりのボールを雨に濡らしたくないんで、直接渡してきます。すぐ戻るんで」
審判「わかりました。」
スタスタ
キース「〔こ、ここで打てなきゃ...6番から下位打線...〕」
リコ「〔実質5番で打てなきゃ...終わr「ちょぉぉおおおッさ高校ッッ!!!!!」ババンババンバン
キース・リコ「っ」ビクッ
調査高校援団「ちょぉおおおッさ高校!!!」ババンババンバン
ジャン父「お、俺達も黙ってねぇで応援するぞッ!!」
ケニー「あ、あぁ!」
ファーラン「ナイピッチッス! ボール代えてもらったんで、もう大丈夫ッス!」スッ
ミケ「ファーラン...ふっ、すまないな。まさかお前に気を使われるとはな。」
ファーラン「なぁに言ってんスか! 俺はこれでも調査高校の正捕sy「レッツゴー!ゴー、ゴー!シ~ガンシナッ!!!!」
ファーラン・ミケ「っ」ビクッ
シガンシナ援団「ゴー、ゴー!レッツゴー!シ~ガンシナッ!!!!」
キース「レッツゴー!ゴー、ゴー!シ~ガンシナッ!!!!」
クリスタ・ユミル「ゴー、ゴー!レッツゴー!シ~ガンシナッ!!!!」
リコ「レッツゴー!ゴー、ゴー!シ~ガンシナッ!!!!」
ジャン父,母・ケニー「ゴー、ゴー!レッツゴー!シ~ガンシナッ!!!!」
エレン「...っ~!! すげぇな!」
トーマス「あぁ!」
♪調査高校 校歌♬
調査高校援団『上空見上げて~ 昇る旭に~』
キース「レッツゴー!ゴー、ゴー!シ~ガンシナ...」
ジャン父「声で負けてどうs『永遠 の新風~ 吹かし学びや~』
調査高校援団『まだ知らぬ道へ~ いざ~ 行かん進もう~』
調査高校援団『我が調査高校~』
スタスタ
ファーラン「...っへ、ワンァウトォッ!!」
ケイジ「オォーッ!! ミケ、打たせていけぇ!!」
イザベル「1つずつ取っていきましょう!!」
エルド「バッター勝負ッ!!」
オルオ「ライトこぉおいッ!!」
モブリット「捕ったらホーム刺すぞッ!!」
ネス「オォーッ!!」
ミケ「...ふっ」ニヤッ
ミケ「〔俺はこのチームの主将で...甲子園へ行くッ!!〕」
-
- 261 : 2017/01/09(月) 00:04:34 :
審判「プレイ!」
実況「シガンシナ高校の応援が大きくなった一方で、調査高校は校歌を歌い盛り上げている! さぁ果たして決着はいつ、つくのでしょうか...!?」
ファーラン「〔ミケ先輩、バッター勝負ッス!〕」サイン
ミケ「」コクッ
ライナー「スゥーッ...フゥーッ...」ギリッ
ドォッ!!!!
ミケ「ッ!!」シュッ!!
ザッ!!!! ライナー「...ウァァアアアッ!!!!」スッ!!!!
ギィーンッ!!!!
ミケ・ファーラン「_______ッ」ビクッ
ファーラン「レフトォッッ!!!!」
ダッダッダ!!! ネス「ハァッ、ハァッ、ハァッ...」ゼェハァ
ライナー「クッ...くぅッ...!!」ビクビクッ
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・・・ベルトルト 特訓中・・・
ライナー「マルセル」
マルセル「お? なんだ」
ライナー「その...決勝前にどうしてもお前に言いたいことがあって...」
マルセル「え...お前まさか...俺に告白でもするつもりか?」
ライナー「実は俺...」
マルセル「マジかよ!?」
ライナー「お前に謝ろうと思って」
マルセル「は? なんだよ、急に」
ライナー「あれだけ小さい頃から3人で甲子園に行くって言ってたのに...俺らは...」
マルセル「...バァーッカ! 今更なに言ってんだ。」
マルセル「そりゃ確かにお前らと一緒に甲子園で野球が出来ないのは...正直恨んでる。」
ライナー「おい」
マルセル「でもな、俺は今それ以上にやりたいことができたんだ。」
ライナー「やりたいこと?」
マルセル「あぁそれは...お前らと甲子園の切符を賭けた戦い...つまり予選決勝で...お前らに勝って甲子園に行くことだ!」
ライナー「!」
マルセル「お前ら絶対決勝負けんじゃねぇぞ! お前らを先に倒すのは...俺らだからな!!」
マルセル「そして、その試合でお前の打席全部三振にする! ベルトルトは最悪1回三振取れればいい!」
マルセル「...だからそんな気にするな。」
ライナー「あ、あぁ」
マルセル「じゃぁな! 今日はおしまいだ!」ダッ
「ま、マルセル!」
ピトッ マルセル「んだよ」
ライナー「...学校は違えど...敵同士であれど...また...昔みたいに...3人で野球できるか...?」
マルセル「!」
ライナー「こ、これからも俺らと...友達でいてくれるか...?」
マルセル「...へっ、ホント馬鹿だな! そんなんもん...あったりまえじゃねぇか!!」
__________________________________________________________
____________________________________________
__________________________
ライナー「越えろぉぉぉぉおおおおおおおッッッ!!!!!!!」
ダッダッダ!!! ピョンッ!!!
ライナー「...ぁっ」
ネス「うぁぁあああッ!!!」ノビッ
ポンッ!!!!
・・・
ライナー「えっ...」
ミケ「...」
リヴァイ「...」
ファーラン「...ぁ」
実況「は...入った...?」
「入ったぁぁぁあああああああああっっっっ!!!!!!!!!」
-
- 262 : 2017/01/09(月) 00:06:29 :
-
エレン・トーマス・ジャン「うぉぉぉおおおおおおおっっっ!!!!!」ダキッ
シガンシナ援団「ぃよっしゃぁぁああああああ!!!!」
キース「やった!やりましたよ!!」ダキッ
ケニー・ジャン父「よっしゃぁああ!!」ダキッ
リコ「おい、キース!ブラウンコール!」
シガンシナ援団「ラ・イ・ナー!ラ・イ・ナー!ラ・イ・ナー!! わぁぁああああ!!!!」
調査高校援団「マジかよ...」
調査高校援団「よりにもよって、同点3ランかよ...」
エレン「すげぇぞ、あいつ!!」
トーマス「マジでか!? マジだよな!?」
ジャン「やるじゃねぇか、ゴリラァ!!」
サシャ「先生!やりましたよ!!!」ダキッ
ハンジ「やったやった!!」ダキッ
アニ「...ふっ、全く大したもんだよ。」クスッ
アルミン「ライナーなら、ミケさんのストレートについていける。とは言ったけど、まさかそれをホームランにするなんて...正直予想外だよ。」クスッ
タッタッタ ライナー「よっしゃぁぁああ!!!」ガッツポーズ
「ライナー!」
ライナー「!」チラッ
マルセル「すげぇな!」グッ
ライナー「...あぁッ!」
ザッ 審判「ホームイン!」
「これで...!!」
計 H E
シガンシナ 0 1 0 2 2 0 0 0 5 10 13 5
調査 2 0 0 2 3 0 3 0 10 11 3
エレン「同点だ!!」
スタスタ ライナー「ふぅ...「ライナー!」
クルッ ライナー「?」
ベルトルト「ナイバッチ!」スッ
ライナー「ッ...おう!」スッ
コツンッ
ファーラン「〔そんな...ちゃんと打ち取る自信があったのに...打った時だって、絶対打ち取ったって...「ファーラン」
ファーラン「っ...りゔぁい...せんぱい...」
リヴァイ「ミケ」
ミケ「...」コクッ
トーマス「おっしゃぁぁああ、このまま一気に逆転だぁ!!」
ダズ「ミカサ!無理しすぎるなよ!!」
ミカサ「...うん!」
ミタビ「同点だぜぇ!! まずは同点!!」
イアン「ふっ...本当に見間違えるように成長したな...」
マルロ「これで...一気に...!」
ウグイス「調査高校 選手の交代ならびにシートの変更をお知らせします。」
エレン「え...?」
-
- 263 : 2017/01/09(月) 00:16:36 :
アルミン「...」
ウグイス「ピッチャー ザカリアス君代わりまして...リヴァイ君」
ミカサ「ッ」
ウグイス「ライト オルオ君代わりまして...」
サネス「随分とまた大型変動のようで」
マルロ「来るのか...ついに怪物 が」
イアン「調査高校も切り札を切ってきたな。」
ミタビ「...チッ、やっと追いついたってのに...ここでラスボス登場かよ...」
ウグイス「4番ピッチャー リヴァイ君、5番ライト ザカリアス君、9番ショート トーマ君
以上のように変更致しました。」
ファーラン「...すみません...」
リヴァイ「あ? なに謝ってんだ。」
ファーラン「みんなに任されたのに...俺...結局抑えられなくて...」
リヴァイ「...ハァ、何回も言わせんじゃねぇ。こればっかしは誰も予想にしなかった。例え観客だろうともだ。」
リヴァイ「俺だって、一応驚いてるんだ。」
ファーラン「え...」
リヴァイ「さっきのイザベルがエラーした時みたいに、油断から生まれるミスなら俺だって怒るが...」
リヴァイ「今のは誰もミスはしてねぇ。ただ単にミケがあの5番 に負けたんだ。」
リヴァイ「1年坊主でチャラ男のお前にはこの試合でやらなきゃいけねぇことがある。それは俺達投手をきっちりリードすることだ。それはなぜか...?」
リヴァイ「お前が調査高校 の正捕手だからだ。これは誰でもねぇ、てめぇだけの仕事だ。」
ファーラン「リヴァイ...先輩...」
リヴァイ「だがまぁ...1年のお前はまだ経験が浅い。だから、今回だけは...」
リヴァイ「俺が引っ張ってやる、ついてこい。」
ファーラン「ッ...は...はいッ!!」
実況「さぁ怪物...これぞ本物の怪物...リヴァイの登場だぁ!!」
観客「ついにあのリヴァイが...投げるのか...!!」
観客「楽しみで仕方ねぇ...!!」
スタスタ
ファーラン「...3球!」
ザッザッザ
「〔ったく、柄でもねぇこと言って...こっ恥ずかしいじゃねぇか...まぁ仕方ねぇか。〕」
リヴァイ「」ユビサシ
アルミン「ッ...!?」
リヴァイ「てめぇは、てめぇなりの選択を見せた。なら今度は...」
リヴァイ「俺の選択を見せてやるよ。」ギリッ
スッ!!!! ドッ!!!!
リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ
スッバシーンッ!!!!!!
ミカサ「っ...」
アルミン「...」
観客「な...なんなんだ、あのストレート...」
観客「す、すげぇ...なんだあの球威...!?」
観客「今の何キロ出てたんだ...?」チラッ
【151km】
マルロ「おいおい...いきなり今日最速出しやがった...」チラッ
マルロ「あれが...怪物リヴァイのピッチング...」
スッ!!!! ドッ!!!!!
リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ
スッバシーンッ!!!!!!!
ドッ!!!!!
リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ
スッバシーンッ!!!!!!!
・・・
ヒッチ「え...? ちょ、ちょっとなんでみんな黙り込んでるのよ! 何か不気味なんだけど...」
マルロ「ただ黙り込んでるんじゃねぇ...あいつのピッチングが...黙り込ませてるんだよ...」
ゴゴゴッ リヴァイ「フゥーッ...」
ウグイス「6番ショート、アッカーマン君」
スタスタ
ミカサ「...」
リヴァイ「ちょうどいい、お前にも見せてやるよ。」
ミカサ「ぇ...?」
リヴァイ「本物と偽物の違いをな。」
-
- 264 : 2017/01/13(金) 23:11:39 :
現在公開可能な情報
学年/利き手/ポジション・サブポジション/背番号/身長・体重
S高校編(決勝までの測定)
E君:1年/右投げ右打ち/投手/1番/172cm・65kg
A君:2年/右投げ右打ち/捕手/2番/174cm・64kg
T君:1年/右投げ右打ち/一塁手・二塁手/3番/175cm・60kg
M君:1年/右投げ右打ち/二塁手・遊撃手/4番/178cm・66kg
K君:1年/右投げ左打ち/三塁手・捕手/5番/159cm・56kg
Mさん:1年/右投げ右打ち/遊撃手・投手/6番/170cm・66kg
B君:1年/左投げ左打ち/外野手・投手/7番/192cm・81kg
J君:1年/右投げ両打/外野手/8番/175cm・65kg
R君:1年/右投げ右打ち/外野手・三塁手/9番/185cm・90kg
M君:1年/右投げ右打ち/外野手・一塁手/10番/177cm・62kg
D君:1年/右投げ右打ち/一塁手・外野手/11番/168cm・59kg
T高校編(決勝までの測定)
R君:3年/右投げ右打ち/投手・遊撃手/1番/168cm・70kg
F君:1年/右投げ右打ち/捕手・外野手/2番/182cm・73kg
K君:3年/右投げ右打ち/一塁手/3番/177cm・77kg
I君:1年/右投げ左打ち/二塁手/4番/164cm・57kg
E君:3年/左投げ左打ち/三塁手・投手/5番/181cm・79kg
T君:3年/右投げ右打ち/遊撃手/6番/174cm・66kg
D君:3年/右投げ右打ち/外野手/7番/172cm・63kg
M君:3年/右投げ右打ち/外野手/8番/185cm・80kg
M君:3年/右投げ右打ち/外野手・投手・捕手/9番/196cm・106kg
N君:2年/右投げ右打ち/投手/10番/169cm・61kg
O君:2年/右投げ右打ち/投手・外野手/11番/173cm・70kg
G君:2年/右投げ右打ち/捕手・三塁手/12番/176cm・74kg
D君:3年/右投げ左打ち/二塁手/13番/170cm・61kg
L君:2年/右投げ右打ち/外野手/14番/180cm・63kg
-
- 265 : 2017/02/03(金) 23:31:11 :
実況「9回の表に5点差を同点にまで追いついたシガンシナ高校。対して調査高校はエースのリヴァイを投入し、一気に流れを変えていきたいところ。」
ミカサ「...」
エレン「ミカサ!落ち着けよ!」
ミカサ「...うん。」コクッ
審判「プレイ!」
観客「ついに、あのリヴァイが投げるのか...!」
観客「1年の冬からは怪我で投げてなかったんだよな...今は大丈夫なのか?」
観客「エルヴィン監督が出したってことは大丈夫なんだろ。」
アニ「〔練習試合でも見たけど、リヴァイのストレートはミカサやベルトルト...それに今まで戦ってきたどの投手よりも速かった。〕」
アルミン「〔それにあの時 は怪我明けだったから抜いて投げていた...今は夏本番、どれくらいレベルアップした...?〕」
ファーラン「〔ついてこい...って言われたけど、サインは俺が出すんだよな...?〕」サイン
リヴァイ「」クイッ
ファーラン「〔ぇっ、これじゃないとしたら...これか?〕」サイン
リヴァイ「」クイッ
ファーラン「〔これでもない...? だとしたら...「ファーラン」
リヴァイ「」サイン
ファーラン「〔っ、わかったッス〕」
リヴァイ「スゥーッ...フゥーッ...〔さすがに、俺もこれが怪我明け初のマウンドだからな。これでも緊張はしてるんだぜ。〕」スッ!!!!
実況「さぁピッチャーのリヴァイ...振りかぶって、第一球...」
ミカサ「...」ドクンドクンッ
ドッ!!!!
リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!
ミカサ「〔ストレートッ!!〕」スッ!!!
スッバシーンッ!!!!!! 審判「ストライク!」
実況「初球外角大きく外れたボールを空振り!」
【148km】
イアン「〔今ので148kmか...肩もまだ温まってないだろうし、リヴァイは尻上がりに調子を上げてくタイプだ。先が重いぞ、アルレルト。〕」
ミカサ「〔ボール球だったのに、手が出てしまった。これじゃダメだ。〕」
リヴァイ「フゥッ...ボール」スッ
ファーラン「ナイスボールッス!」シュッ
ヒストリア「あの人確か...」
ヒッチ「なに?知り合い?」
ヒストリア「知り合いというか...レンが投手を...野球をやるきっかけになった人。」
ファーラン「〔次は...〕」サイン
リヴァイ「〔いいやちげぇな、ストレートでも内じゃ当てられる。〕」クイッ
ファーラン「〔もう一回外っすか?〕」サイン
リヴァイ「〔俺が信用出来ねぇか?〕」
ファーラン「〔...ぶっ、あははっ...んなわけないじゃないッスか〕」パンパンッ
ドッ!!!! シュッ!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ
ファーラン「〔低めっ!!〕」 スッ!!!
キーンッ!
審判「ファール!」
リヴァイ「...ほぅ...少しはマシな面構えになったじゃねぇか。」
ミカサ「ふぅッ...」キリッ
リヴァイ「ふっ...これなら遠慮なく出来そうだな...」ボソッ
ミカサ「?」
スッ!!!!! ドッ!!!!!
リヴァイ「...ウァアッ!!!」シュッ!!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ!!
ミカサ「_______クっ!? スッバシーンッ!!!!!!!
ファーラン「...ってぇ...」ヒリヒリ
審判「ストライク!バッターアウト!」
審判「真ん中高め、三球三振!リヴァイ、最初のバッターであるアッカーマンを三振にしました!!」
-
- 266 : 2017/02/03(金) 23:39:23 :
マルセル「今のストレート、速かったですね。」
サネス「あぁ...ケっ、最初からエンジン全開ってかよ。」チラッ
【154km】
ファーラン「ツーアウト!!」シュッ
イザベル「オーッ!ツーアウトツーアウト!」
トーマス「ひぇぇ...はえぇよ...ど、ドンマイ」スタスタ
ミカサ「うん、かなり速かった。」
トーマス「全球ストレートか...ミケとはまた違った威圧感があるからもう立ちたくねぇ...」ビクビクッ
ピトッ 「でも、ここまで来たら勝ちたい...」ボソッ
トーマス「え?」
ミカサ「ぁ、いや...なんでも、ない」タッタッタ
トーマス「〔今ミカサの奴、勝ちたいって言ってたか? そりゃ俺だって勝ちたいよ。あの調査高校相手に9回で同点だもんな。〕」
審判「バッター!!」
トーマス「うわぁっ、は、はい!」ビクッ
スタスタ
エレン「ドンマイ」スッ
ミカサ「エレン...うん、ごめんなさい。打てなくて...」
エレン「こらっ!」コツンッ
ミカサ「っ!? な、に...?」ヒリヒリ
エレン「あんま後ろ向きになんじゃねぇよ、まだ試合終わったわけでもねぇのに」
ミカサ「あ、そ、そういわけじゃ...」
エレン「この回一気に逆転しようと思わなくていい。少しずつでいい。」
ミカサ「っ...」
エレン「ここから先は、俺が必ず抑えてみせるから」
ミカサ「エレン......ぶっ、うふふっ...ふふふっ...あははっ」クスクス
エレン「ハァア!? なんで笑うんだよ!!!」
「...ぶっは、はっはっは」ゲラゲラ
エレン「あぁ!?」チラッ
ジャン「かっけぇー、エレン先輩かっけぇッス!だはははっ」ゲラゲラ
コニー「すげぇかっこつけてやがる、おっもしれぇっ」ゲラゲラ
マルコ「エレン...くさいから...ぶふっ」クスクス
エレン「っざけんじゃねぇ!!」プンプンッ
ミカサ「あぁ...お腹が痛い...」クスクス
エレン「なんだよっ、お前だって前までは『私は強い、すごく強い...ので、私一人でも勝てる』とか言ってたくせによ!」
ミカサ「ぁ、あれはっ...違う!/// それに今は関係ないっ!!///」
ミカサ「エレンは過ぎたことをまた言ってくる。そういうところは嫌らしい。きっと友達から嫌われる。」ムスッ
エレン「はぁ? これでお相子だろ!」ムスッ
「〔なにこの兄妹喧嘩的な流れ...〕」
審判「ストライク!バッターアウト!スリーアウトチェンジ!!」
ジャン「はぁ~ぁ、誰かさんの決め台詞でいつの間にか攻守交代だぜ。」ニヤッ
コニー「次ももっかい決めてくれよ!今度はさっきのよりすげぇの!」ニヤッ
マルコ「もうやめて...腹筋割れるから...」プルプル
エレン「お前らなぁっ!?」
トーマス「...え?俺が居ない間に何があったの!? おい、教えろよ!! そして、俺も混ぜろ!!「黙って守備つけ!」
トーマス「なぁんだよ」
ミカサ「でも、お陰で緊張が解けた。ありがとうエレン!」ニコッ
エレン「っ/// べ、別に...狙ってやったわけじゃねぇし...///」
アルミン「さっ、この回も頼むよ。エース」スッ
エレン「...はいッ!!」ギリッ
-
- 267 : 2017/02/04(土) 00:00:32 :
・・・調査高校ベンチ・・・
エルヴィン「わかっていると思うが、この回で決着をつけなければ...試合時間が伸びる。」
エルヴィン「それは甲子園連覇を目指している我々にとって、非常にマイナス面でしかない。」
エルヴィン「相手はほとんど1年生...一部を除いて高校野球の決勝は初めてだ。」
エルヴィン「それがどういうことなのか?今どういう状況なのか? グラウンドの状況は? 周りの雰囲気は? 試合の流れはどうか?」
エルヴィン「これらすべてを君達自身で感じ取り考え、自分の答えをあそこ で私に見せてくれ。」
「はいッ!!」
エルヴィン「弱気になるな、常に勝ちに貪欲になれ!!」
「はいッ!!」
ウグイス「9回の裏、調査高校の攻撃は...6番サード、ジン君」
審判「プレイ!」
エルド「〔あのリヴァイを三振に抑えた投手...お手並み拝見といこう。〕」
アルミン「〔バッターはエルドさん、まだエレンの球を直で見ていない。〕」サイン
エレン「」コクッ
ドッ!!!! シュッ!!!
エルド「〔初球見る。〕」ジッ
スッバシーンッ!!!!! 審判「ストライクワン!」
アルミン「ナイスボール!球走ってるよ!」シュッ
アルミン「〔うん...悪くない、いやむしろキレが凄くいい。まだ肩が温まってないからなのか球威は出てないけど、これなら...〕」サイン
エレン「」コクッ
ドッ!!!! シュッ!!!
エルド「〔今度は振る!〕」スッ!!!!
スッバシーンッ!!!!!! エルド「っ」
審判「ストライクツー!」
ファーラン「〔明らかにボールの下を振ってる。〕」
ミケ「〔球威がそこまでないというなら...〕」
リヴァイ「〔キレがすげぇあるってことしかねぇだろうな...だが、あのピッチングといい...どっかで見覚えのあるフォームだ。〕」
エルド「〔ボールの下を振ってる...? 伸びてるのか〕」
アルミン「〔考える間を与えずに〕」サイン
ドッ!!!! エレン「ッ!!」シュッ!!!
エルド「〔外甘い、今度こそ!!〕」スッ!!!!
スッバシーンッ!!!!!
エルド「_______なっ!?」
審判「ストライクバッターアウト!」
「おぉ...おぉぉぉおおお!?」
実況「さ、三球三振...! なんとイェーガー、三者連続三球三振です!!」
サネス「はっ、違う意味でトリプル3だな。」ニヤッ
スタスタ エルド「くそっ...すまん。」
ケイジ「ドンマイ、あっちも全球ストレートか」ボソッ
エルド「あぁ、かなりキレがある。気をつけろ」ボソッ
ケイジ「任せろ、そう簡単に1年坊にやられてたまるか。」
「ケイジ」
ピトッ ケイジ「なんだ?」
エルド「相手はリヴァイだと思った方がいい。」
ケイジ「...ふっ、まさか...そこまでとはいかないだろ。」
エルド「〔俺だって最初はそう思ってたさ...けど、実際打席に立てばわかる。〕」
エルド「〔あの6番 とは違う。本当にあいつと同等...いや下手をすればそれ以上...〕」
リヴァイ「〔...チッ、やっぱ何球見ても...あいつのストレートは...俺と同じ...まだ未完成ではあるが...〕」
【本物のストレート】だ。
-
- 268 : 2017/02/10(金) 22:28:35 :
観客「おぉ...!! すげぇな、あの投手!」
観客「リヴァイやミケだけじゃなく、あのエルドまで三振に抑えるなんて...」
観客「けど、そこまで球速はないのにな...」
観客「キレが半端じゃないんだろうな。」
観客「あんな投手中学にいたか? 名前や顔を見たことも聞いたこともないぞ。」
「...っへ、そりゃそうだろうな。」
ケニー「なんてったって、この俺様が見たんだからな...!!」
ジャン父「さすがは努力家イェーガーの息子! 努力の成果が出たな!」
ケニー「[努力家、努力の成果...か]」
ケニー「[その結果...肘に爆弾を背負うことになっちまうなんて...]」
ケニー「[俺が”あの時”あんな馬鹿な考え方をしなければ...]」
_____________________
______________________________________
______________________________________________________
・・・ミカサ入院後・・・
公園
スタスタ
ケニー「来たなァ?」
エレン「はい!」
ケニー「ふっ、それじゃぁ早速やるか...」
エレン「はい! あ、でもやるって具体的になにを...」
ケニー「そらお前、本物のストレートを投げれるようにするんだよ。」
エレン「どうやってですか...?」
ケニー「そうだなぁ...まぁ色々とやることはあるんだが、まずはお前のピッチングを生で見たいんだが投げてくれるか?」
エレン「わかりました!投げます...何球でも!!」
ケニー「いや、そんなテンションあげなくても見るだけだぞ!?」
ケニー「じゃ~まず真ん中にな。その方が見やすいから。」
エレン「わかりました...行きます!」
スッ! ドッ!
エレン「ッ!!」シュッ!
ケニー「[んっ、少し低いか...?]」
パシッ とあまり気持ちのいいキャッチ音ではない音が鳴った。
ケニー「[あっぶねぇ、もうちょっと低く構えてたら取れてなかったぜ。けど、なんで...]」
エレン「ど、どうですか!?」
ケニー「...ん?あ、あぁやっぱ変なボールだな!」
エレン「や、やっぱり...俺のストレート...じゃなくて、まっすぐ変なのか...」ズーン
ケニー「何球か、いいか?」シュッ
エレン「はい!」
そしてまた...投げては捕って、投げては捕ってパシッ パシッ
と気持ちの良くない音が繰り返し鳴る。
エレンが投げたボールを、ケニーが捕って返球するのだが...
何球か投げた後に、その行いが突然止まった。
エレン「ケニーさん...?」
ケニー「[なるほど、球威はねぇしコントロールも微妙...しかも球質は軽そうだな...こりゃ中学の時に苦労したのも納得がいく。だが...それだけじゃねぇ。]」
ケニー「[こいつのストレート...いやストレートではねぇが...何かが可笑しい...]」
ケニー「[普通リリース後、そのボールがキャッチャーに届くまでのスピードが遅いほどボールは嫌でも空気抵抗と重力で沈む...]」
ケニー「[よくストレートが浮くとか、伸びるとかっていう表現が使われるが実際に伸びたり浮いたりするわけじゃねぇ。]」
ケニー「[沈みはするが、その”沈む量”が減っただけなんだ。]」
ケニー「[その理由は回転の多さだ。回転が多ければ多いほど、ボールに対する空気抵抗や重力は減っていき、回転が少なければ少ないほど空気抵抗と重力は増す。]」
ケニー「[エレンの場合は球威はねぇし・回転もさほど多くはねぇ...なのに、普通のストレートより沈まない...どういうからくりだ?]」
-
- 269 : 2017/02/10(金) 22:29:59 :
エレン「あ、あの...」
ケニー「あ、あぁ悪い! 次は全力投球頼むぜ!」
エレン「はい!」
ザッザッザ エレン「[合宿で学んだ。全力投球は...腕や上半身だけじゃなく、下半身も...俺のすべて体の全身 を使って...!!]」
ドッ!! と全体重の乗った軸足が地面を踏む音の一瞬...シュッ!! とさっきより早い風切り音が...
ケニー「[お、今度はいい具合に真ん中だな...
と、思ったその刹那...
ペシッ コロコロ
エレン「...ぁっ、す、すみません!」
しばらく、沈黙の時間が訪れる・・・
エレン「あ、あの...あの!ケニーさん!? すみません!俺がへましたばっかりに...くっそ!」
エレンが自分の失敗に苛立って動揺を隠せない時、一人...驚嘆の眼を見開いている者がいた。
ケニー「[おいおい...おいおいおいおい...待てよ、なんでさっきは伸びてきたのに...全力投球になった瞬間伸びなくなったんだよ...?]」
ケニー「[球威は確かに上がったし...何よりちゃんと見やすい真ん中にコントロール出来てたんだ...なのに...]」
ケニー「[_______ッ、コントロール出来てた...?]」
ケニー「エレン今度は、全力投球の後に普通のストレートを頼む!」
エレン「はい!」
エレンは振りかぶって、もう一度全力投球を投げる。
シュッ!!
すると、今度はパシンッ!! と気持ちいいキャッチ音がした。
ケニー「[どういうことだ...? 何で全力投球になった途端コントロールまで良くなるんだ? 普通は逆だろ。]」
・・・30分後・・・
ケニー「[ま、まじかよ...こんなことってあり得るのか...!?]」
ケニー「[普段の時より、全力投球の方が...コントロールがいいって...]」
ケニー「も、もう一球だ!今度は本当に全力で投げろよ!コントロールなんて気にしなくていいんだからな!?」
エレン「は、はい。わかってます。」
エレン「[あれ、可笑しいな...全力で投げてるのに...]」
不安な気持ちで全力投球をするエレン
対するケニーは、半信半疑の気持ちで捕る。
パシンッ!!
エレン「こ、今度こそ...どうですかっ!?」
ケニー「[...どういうことだよ、わっけわかんねぇ...なんでコントロールが良くなるのに、キレは無くなるんだ...]」
ケニー「[いやそもそも、こいつのストレートにキレはねぇ。あるからくりによってそう見えるってだけか。]」
ケニー「[だとしてもだ、なんでコントロールが良くなるんだ...? 全力投球したら、球威は上がるがコントロールが悪くなるはずだ。]」
ケニー「[それがどういうわけか、こいつの全力投球は球威は上がるし・コントロールはますます良くなってるじゃねぇか。]」
ケニー「[コントロールっていうのは体全身でやるものだ。そのためには軸足がしっかり固定されていないと...っ、まさか...!!]」
何かに気付いたケニーは、エレンに近づき...
エレン「? どうしたんですか」
身長190cmという長身の高さから放たれるジロジロとした目線...それはまるで...
漫画でありがちな、エロ親父が通りかかったJKを眺めるような眼差し...
まさに”セクハラ”のごとく...
因みにその目線はどこにいっているのか...それは...
人間の足と足の間...そう...ケニーが今凝視してる場所は...
太い、腿と書いて...太腿 と読む。
-
- 270 : 2017/02/10(金) 22:33:54 :
エレン「あ、あの...?」
そしてついに...男が動いた。
ケニー「エレン! 一回ズボン脱いで、下半身見せてくれ!」
エレン「ぶふーっ、な、な、なな...なに言ってるんですか!?///」
ケニー「頼む!! 一回だけでいいんだ!!」
エレン「や、やですよ!! そんなこと!!///」
ケニー「この通りだ!! 見せてくれ!!」
ザッ とケニーは体制を前かがみに落とし、なんと土下座をした。
エレン「な、なにしてるんですか!? ケニーさん!!」
ケニー「なにって、ただじゃ見せてくれねぇとは思わねぇ...だから頭下げてんだ!!」
エレン「やめてくださいよ!!」
すると...スタスタ と一人の30代くらいの男性が通りかかった。
通行人A「_______ぉ...おまわりさぁぁぁああああああああんっっっ!!!!!」
エレン・ケニー「え?」
通行人A[こいつです!! その子を離せ!! さもなくは警察に通報するぞ!!]
ケニー「は、はぁぁぁあああ!? なんで警察に通報するんだよ!?」
通行人A「うるさい、このショタコンめ!!」
ケニー「ちげぇよ!! 俺はただこいつの下半身を見たいだけなんだ!」
通行人A「立派なリベンジポルノだよっ!!!」
ケニー「リベンジポルノだぁ!? 俺は年下には興味ねぇわ!」
通行人A「何をそんな見え見えのウソを!!「あのッ!!!」
通行人A「え、俺?」
エレン「あのこの人...俺のコーチなんです。」
通行人A「え?コーチ...?」
ケニー「ったく、それ以外なにがあるんだよ。」
通行人A「...す、すすすす、すみませんでしたぁぁぁああああああ!!!!」
ケニー「ハァ...別にいいけどよ、邪魔が入ったぜ...それよりエレン!お前...実は...」
ゴクンッ
ケニー「下半身の筋肉...すげぇんじゃねぇか?」
エレン「...え?」
ケニー「いや軸足だけじゃねぇ、全身の筋肉...ちょっと触るぞ」
エレン「え、あ、はい...」
フニフニ
ケニー「やっぱり...」
エレン「え、なんか...やばいですか?」
ケニー「[俺の思った通り...こいつの筋肉...フィジカルって言った方が正しいか...化け物みてぇだ。特に太腿...軸足の左が異常だぜ...]」
ケニー「[そりゃコントロールも全力投球の方がいいわけだぜ。普通に投げてたら体重が乗らねぇから上手く下半身を使わないで投げちまう。]」
ケニー「[だが、全力投球だと全体重が軸足に乗るからそれだけの”バネ”ができる。バネが出来れば、それだけ腕に力が入る。そうしてやっとコントロールができるってわけだ。]」
ケニー「[けど、これが出来るのはプロでもほんの一握り...下半身のフィジカルとバネを支えるための腕の筋肉が必要だ。]」
ケニー「[ひょっとしてこいつ...フィジカルだけでいったら調査高校以上じゃねぇか...?]」
-
- 271 : 2017/02/10(金) 22:34:02 :
-
ケニー「[だとしたら...こいつの今現在の球速MAXはいくつなんだ...?]」
ケニー「エレン、球速MAXでいくつだ?」
エレン「え、今は...わ、笑わないでくださいよ...126kmが最高です...」
ケニー「ひゃ、126kmだとォ!?」
エレン「はは、はい!?」
ケニー「[ちょっと待て...あの筋肉で全力投球をしても126kmなのは、ピッチングに問題があるからだ。]」
ケニー「[変なフォームだから球威が出てねぇし、何より軸足の踏み込みがまだ浅い...あの筋肉ならもっと踏み込める。だとすると...すべてのブレやズレを無くし、かつフォームをしっかりしたらこいつ...]」
ケニー「[とんでもなく...球速が上がるぞ...]」
ケニー「やっとお前の正体がわかったぜ...」
エレン「ほ、本当ですか!? というか正体ってなんですか、人聞きの悪い」
ケニー「わりぃわりぃ...それにしてもお前よくそんな筋肉つけられたな。普通はそんなにつかねぇっての。」
エレン「多分毎日走り込みしてたからだと思います。」
ケニー「毎日?」
エレン「はい、母親に言われて小学校の頃からずっとリレーダッシュや階段ダッシュやってました!」
ケニー「なんじゃそりゃ...そういえばお前さん、中学の時何試合あけて登板してた?3か?4?」
ケニー「[どれだけ筋肉ついてても、回復は早くて3日か?]」
エレン「え、俺中学1年からずっとマウンド降りてません。」
・・・
ケニー「...は? いや...いやいや、お前今...なんて言った?」
エレン「え、だから1年からずっとマウンド降りてませんって...え!? ちょっ!? ガシッ
ケニー「おまえ...おまっえ!? 本気で言ってるのか!? 冗談だよな!?」
エレン「う、嘘じゃないですよ!」
ケニー「[え...は...? 俺の耳が可笑しいのか...?]」
ケニー「あ...もしかして途中で交代して...先発は必ずお前とか...?」
エレン「いや、ですから俺...マウンド降りたことないです。 え? 俺可笑しなこと言ってますか?」
ケニー「当たり前だろうがッッッ」
エレン「っ!?」
ケニー「なんだ...じゃぁずっとお前一人 で投げてたってのか?」
エレン「? はい」
ケニー「[こいつ...嘘はいってねぇ...マジで言ってやがる。]」
ケニー「因みに...一試合何球投げてるんだ?」
エレン「厳密には覚えてないですけど...あ、でも時々延長もあったりして...9回までh「ちょっと待て!?」
エレン「はい...?」
ケニー「お前まさか...7回フルで...連投してたって言わないよな...!?」
エレン「連投ですよ。」
ケニー「3年間...ずっと...?」アセ
エレン「はい!」
ケニー「ば、ばっかじゃねぇのかァ!!!!????」
エレン「ぇっ!?」
ケニー「[なんでここまでけがしてこなかったんだよ...不思議大発見だな、おい]」
エレン「あの...よくわからないんですけど...」
ケニー「?」
エレン「投手だったらみんな...マウンドは絶対譲りたくないと思いますよ。」
ケニー「_______ッ」
ケニー「[もし...本物のストレートを投げれたとして、球速も上がると...っへ、グリシャ...お前の息子すげぇな...まさに化け物、いや...]」
ケニー「[さっきの話が本当なら...本物の化け物の正体は...本物の野球馬鹿だったんだ。]」ニヤッ
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- 272 : 2017/02/17(金) 22:44:48 :
ウグイス「7番ファースト、ケイジ君」
ケイジ「〔さぁて、うちのリヴァイ・ミケ・エルド を三振にした無名のクローザー君...お手並み拝見といこうか〕」ギュゥッ
アルミン「〔ケイジさんか...まだ直接見てないから十中八九様子見でくる。〕」
アルミン「〔それでも、情報がない状態で不安な気でいるのは確か...なら、それを使わない手立てはない。〕」サイン
エレン「」コクッ
ケイジ「〔まだ何もわからない正体不明なんだ。悪いが情報を引き出させてもらうぜ。〕」
ドッ!!!! エレン「ッ!!」シュッ!!!
ケイジ「〔外のストレート!初球は手出さない!〕」グッ
スッバシーンッ!!!!! 審判「ストライク!」
実況「7番ケイジに対しても初球はストレート、真っ向勝負!!」
ケイジ「〔確かに伸びてるけど、これくらいのストレートを投げてくる投手 なんて甲子園にもいる。〕」
リヴァイ「〔だから、あまり気負いすぎずにファールで粘れば自然と目は慣れてくる...なんて俺も最初はそう思ったが...〕」
ミケ「〔合わせようにも気付けばボールはミットの中にある...〕」
エルド「〔それでも何とか修正をしても、ボールの下を振ってしまう...〕」
エルヴィン「...厄介だな。」
実況「さぁ2球目...!!」
ドッ!!!! シュッ!!!
ケイジ「〔内!今度は当てるぜ!!〕」スッ!!!
スッバシーンッ!!!!! 審判「ストライクツー!」
ケイジ「!」
イアン「良い腕の振りをしてるな。」
ミタビ「あぁ、俺らとやった時よりレベルアップしてやがる!」
サネス「はっ、ざまぁねぇぜ!見ろよ!調査高校の奴らが冷や汗掻いてるぜ!」
マルロ「エレンの奴...ピッチング変えやがったな。」
ボリス「大胆に変えたな...前はあんな腕を振り下ろしてなかったのにな」
「でも、レンはレンよ。」
マルロ・ボリス「え?」
ヒストリア「確かにフォームやピッチングは変わった、雰囲気も変わったようにも見える。けど...」
ヒストリア「本人の性格や人格が変わるわけじゃないわ。」
ボリス「? どういうことだ」
チラッ ヒストリア「〔マルロならわかるでしょ。〕」
マルロ「...」
ヒッチ「ちょっとォ~教えなさいよ、ヒストリァ~」
例えピッチングスタイルや、新しい変化球や、レンみたいにストレートが良くなったからって...
その人の癖や弱点、苦手なプレー...
そして...
過去にあったトラウマまでが消えることは...決してない。
ヒストリア「〔私はレンの野球をすべて見てきたわけじゃない。でも、すべてでなくても...数試合か見れば〕」
ヒストリア「〔レンがどれだけ苦しんでいたのか、なんてことは...言われなくともわかる。〕」
ヒストリア「〔この試合で...レンにトラウマが蘇ってしまえば...どうなるか...〕」
-
- 273 : 2017/02/17(金) 22:45:46 :
エレン「ふぅ...」
ドッ!!!! エレン「ッ!!」シュッ!!!
ケイジ「うぅッ!!」スッ!!!!
キーンッ! エレン「_______っ!! アルミン先輩!」ドクンッ
実況「あぁ~っと!? 打ち上げてしまったァ!! これはキャッチャーフライ!」
ケイジ「〔くっそ、捉えたと思ったのに...キャッチャーフライかよ〕」
アルミン「オーライ!オーライ!!」スッ!!!
パシッ!!! 審判「アウト!」
観客「おぉ...!! あの調査高校からもうアウト4つも取りやがった!!」
観客「何者なんだ、あいつ!?」
アルミン「ツーアウト!!」
マルコ「オーッ! ナイピッチ、エレン!!」
ミカサ「ナイピッチ!」
エレン「...あぁ」
ミカサ「?」
「すみません。」
エルヴィン「球質はどうだ?」
ケイジ「キレの割には重いです。ミケほどではないのですが、あの6番 よりは重いです。」
エルヴィン「そうか。」
ファーラン「〔ミート力のあるケイジ先輩でさえ、捉えきれないストレート...チッ、なんでこんなタイミングで...〕」
-
- 274 : 2017/02/17(金) 22:47:45 :
ウグイス「8番レフト、ネス君」
ネス「おっし、来い!」
アルミン「〔ネスさんに対しても初球は外〕」サイン
エレン「」コクッ
リヴァイ「〔あのフォーム...やっぱりどっかで見覚えがある...〕」
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リヴァイが小学校の頃...
リヴァイ「オラッ!!」シュッ
パシンッ
「ダメだ、ダメだ!全然なってねぇ!人の話聞いてたのか!?」
リヴァイ「くっそ...言いたい放題言いやがって...」
「いいか、踏み込む時はもっとこう...ドバッと行くんだよ!ドバっと!!」
リヴァイ「そのドバっとがわからないんだよ!!」
「あ~もう...こうやるんだ!見とけ!!」スッ!!!!
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エレン「〔もう一度思い出せ...ケニーさんに教わったことを...〕」スッ!!!!
エレン・リヴァイ「〔軸足を上げたら、下半身から上半身までの全体重を前に滑るようにしながら...〕」
エレン「〔踏み込むッ!!〕」ドッ!!!!
シュッ!!!
ネス「〔またストレート!!〕」スッ!!!
スッバシーンッ!!!!! 審判「ストライクバッターアウト!!スリーアウトチェンジ!!」
観客「おぉ!! また三振!!」
観客「4奪三振!!」
観客「っていうか延長入ったな...」
観客「こっからは実力勝負っていうよりかは、選手層で大分差が出てくるぞ。」
アルミン「〔確かにうちには交代メンバーがあと1人しかいない。対してあっちは何十人といる...これは時間と体力の勝負だ。〕」
-
- 275 : 2017/02/26(日) 00:20:27 :
スタスタ ジャン「この野郎、いきなり調査高校から三振4つなんて生意気だぜ!!」
ライナー「あの調査高校相手に互角なんて凄いな!」
エレン「あぁ...そりゃ特訓したからに決まってんだろ!」
ジャン「最初から出てくりゃいいのよ」
エレン「うっ、うるせ! こっちにも事情があんだよ!」
アニ「ナイピッチ、エレン!」
エレン「っ、はい!」
アニ「肘は大丈夫そう?」
エレン「問題ないです!」
アルミン「痛み感じたらすぐに言うんだよ。」
エレン「はい!」
「あのアルミン先輩...」
アルミン「ん、なに?」
ミカサ「ちょっと...いいですか?」
アルミン「う、うん?」
ジャン「っしゃぁ、延長だけど今までと変わんねぇ!点を取るしか勝つ方法ねぇからな!!」
「おうッ!!」
トーマス「とは言っても...相手が相手だぜ...」チラッ
ファーラン「3球!!」
ドッ!!!! シュッ!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ
スッバシーンッ!!!!!!
コニー「なんだ弱気か?」
トーマス「よわっ...そんなこと...ねぇy「騙すの下手か!!」
マルコ「確かに怪物相手には、今までみたいにいかないかもしれない...でも、最初から弱気になってたらダメだ!」
トーマス「でもよ...どうするんだよ...」
トーマス「アルミン先輩は接触プレーで怪我して、とても打てるような状態じゃないし...」
トーマス「ミカサだってそうだし...」
ダズ「でっ、でも!やってみないとわからない...だろ?」
トーマス「そうだけどよ...やっぱさっきまでとは、わけが違うし...」
「いくら怪物でも、ミスがないわけじゃない...と思うよ。」
トーマス・マルコ・コニー・ダズ「え?」
ベルトルト「さっきの回でもあってけど、足場がしっかりしないグラウンド状況だから何が起こるかわからない。」
ライナー「ベルトルトの言う通りだぜ。今の俺らにはエレンがいるしな!」
エレン「お、おう」
ライナー「それに調査高校は、エレンのストレートに”まだタイミングが合ってない。”」
エレン「_______っ」
ライナー「流れはどっちにも行ってないんだ。格上相手なのは最初から変わらない、勝負していこうぜ!」
トーマス「お...おぉ!そうだな!」
マルコ「さすが、結果を残してるだけあって重みが違うね!」
コニー「よっ、今日のヒーロー!」
ライナー「や、やめろ!褒めるな!調子に乗るから...!!///」
ジャン「そうだぜ!ライナーにはアメとムチじゃなくて、ムチとムチで十分だ!」
ライナー「ちょっと待て!? それって俺がドMのように聞こえるんだが!?」
エレン「ふぅーっ...」ドクンドクンッ
「おーい? エレン? どうしたの~?」
エレン「え、何が...ですか?」
ハンジ「何がって...この回の先頭はエレン君からだよ!」
エレン「えっ!? ぁ、すみません!」ダッ
ハンジ「どうしちゃったのかね、登板前は元気だったのに...」
サシャ「さぁ...? お腹が空いたんですかね?」グゥーッ
ハンジ「お腹が空いたのは君の方でしょ?」
サシャ「」ギクッ
・・・
アルミン「...わかった、取り合えず様子を見よう。」
ミカサ「はい...でも、もしエレンに何かがあったら...」
アルミン「いざとなったら...もう仕方ないよ。その時は覚悟を決めて棄権をするしか...やむを得ない。」
ミカサ「...はい...」
アルミン「大丈夫、信じようエレンを...僕もサポートやカバーには入るから、ミカサも協力してくれるね?」
ミカサ「っ!! はい!!」
-
- 276 : 2017/02/26(日) 00:21:59 :
ウグイス「10回の表、シガンシナ高校の攻撃は...8番ピッチャー、イェーガー君 背番号1」
スタスタ エレン「お願いします!」
審判「プレイ!」
ファーラン「〔こいつのデータは何もない。だけど、バッティングが出来る投手は早々いない。〕」
ファーラン「〔ましてや今の投手はリヴァイ先輩...舐める気はねぇが、ビビッて慎重にいく気もサラサラねぇ...!!〕」サイン
リヴァイ「」コクッ
エレン「〔憧れのピッチングを...生で見れる...すげぇ緊張する...〕」ドキドキ
スッ!!!! ドッ!!!!
リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ
エレン「っ、速い!?」
スッバシーンッ!!!!!! 審判「ボール!」
ファーラン「〔見送った...? リヴァイ先輩のストレートを見えてるのか? それともたまたまか...?〕」
リヴァイ「〔チッ、どっちにしても今のコースは際どくはなかったが、決して瞬時に判断されるほど酷いコースでもなかった...〕」
リヴァイ「〔こいつ...もしかして俺のストレートが見えてんのか...?〕」
ファーラン「〔もうこのチームには一切気を緩めやしないし、舐めた判断もしねぇ...こいつは右打者だからカーブが有効に使える。〕」
ファーラン「〔リヴァイ先輩は、ストレートと変化球の速度差である緩急+切れ味抜群のカーブ...それに精確なコントロールもあるんだ。打てることはもちろん...当てることだって〕」
ファーラン「〔けど、念には念を...一球煽ってこいつを脅す〕」サイン
スッ!!!! ドッ!!!!
リヴァイ「〔ストレートを胸元...打者が投手 だからって遠慮はしねぇぞ。〕」
リヴァイ「〔当たりそうになったらちゃんと...〕」
リヴァイ「避けろよッ」シュッ!!!!
エレン「〔インコース、胸元! ストレート見れるチャンス!!〕」グッ
アルミン・ファーラン「〔なっ!? 引かずに構えた...!?〕」
スッバシーンッ!!!!!! 審判「ストライクワン!」
実況「今度は胸元内角高め ギリギリいっぱいをストライク!諌山さん、ストレート走ってますねぇ!」
諌山さん「そうですね。さすがは怪物といったところでしょうか、なんといっても平均球速が【152km】ですからね。」
エレン「〔凄ぇ速さ...こんなのどうやったら...「エレェンッ!!」
エレン「はい!?」ビクッ
アルミン「〔いくら球筋を見たいからって...あまりにも前のめりすぎる!! 前みたいに何も考えずにただやってるわけじゃなさそうだけど...〕」ググッ
アニ「まぁ落ち着きなって、ただ馬鹿みたいに何も考えずにやってるわけじゃないだろうし」
アルミン「いや...わかってるけど...」グググッ
アニ「それに...エレンにはあいつ のストレートが見えてるかもね」
アルミン「えっ...?」
エレン「〔ちょっと前のめり過ぎたか...アルミン先輩が怒ったのは、多分当たって怪我でもしたらっていう心配をしてだ。〕」
エレン「〔でも、せっかく今目の前にいいお手本が、俺の目指してる投手像がいるんだ。〕」
エレン「〔ただ三振されて帰るのだけは御免だ。何か1つでも...良いところを奪わなきゃ...〕」ギリッ
ファーラン「〔今こいつはわざと前のめりの姿勢をして、リヴァイ先輩の球筋を確かめに来たのか...?〕」
リヴァイ「...チッ、めんどくせぇな。」
エレン「フゥーッ...」ギリッ
リヴァイ「〔ただ俺のストレートを”見てる”だけの奴だったらなんとも思わねぇ、だがこいつはちげぇ...〕」
リヴァイ「〔根拠も確証も証拠もねぇ...だが...〕」
リヴァイ「〔こいつ...ただ”見てる”だけじゃなくて、俺から”何か奪おうとしてやがる”...〕」
-
- 277 : 2017/02/26(日) 00:26:24 :
ファーラン「〔予定通りカーブで詰まらせるッス〕」サイン
リヴァイ「」コクッ
スッ!!!! ドッ!!!!
リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!
ザッ!!! エレン「〔っ、山なりの軌道...変化球!!〕」スッ!!!
キーンッ
審判「ファール!」
リヴァイ・ファーラン「〔こいつ...〕」
ミタビ「うぉおっ、あの緩急に揺さぶられないでよく当てたな!?」
イアン「〔あいつはもしかして...リヴァイの球が見えてるのか...?〕」
マルコ「ナイスカット!粘っていこう!」
トーマス「ゾーン広くな!!」
コニー「くさい球カットな!!」
アルミン「〔リヴァイの得意なパターンの【ストレートからカーブの緩急】に追いついてる? まさか本当に...エレンにはリヴァイのストレートが見えてるのか?〕」
ファーラン「〔あの山なりのカーブを当ててカットした? 狙ったのか? いやだとしても、ここからが勝負〕」サイン
リヴァイ「スゥーッ...フゥーッ...」
リヴァイ「」ギリッ
アルミン・イアン・サネス「!」
スッ!!!!! ドッ!!!!
リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!
ファーラン「〔リヴァイ先輩の得意なパターン...それは2つある...〕」
アルミン「〔1つ目は内角高め にストレートで厳しいコースに投げてから外角低め ギリギリいっぱいに山なりで変化量の大きいカーブ...それともう1つが...〕」
ファーラン・アルミン「〔外角低め にカーブを投げた後、真ん中高めいっぱいの...ストレートの釣り球!〕」
エレン「グッ!!」ザッ!!!
キンッ!!!
リヴァイ・ファーラン・アルミン・イアン「_______ッ、当てた...!?」
ファーラン「先輩! 1つッス!!」
パシッ リヴァイ「チッ」シュッ!!!
パシッ!!!! 審判「アウト!」
-
- 278 : 2017/02/26(日) 00:28:36 :
観客「あぁ~勿体ねぇ!! 今ボール球だったろうに」
観客「でも、カーブの後のストレート...それも結構な高さを...よく当てたな...」
ミタビ「だっはぁ~!! くそっ、もっとしっかり振れよな!あいつ!!」
イアン「〔今のコースを...当てた...いやタイミングは合っていた。パワーで押されてピッチャーゴロになったが...〕」
サネス「〔普通ストレートの真ん中高めはピッチャーの暴投でない限り、あまり要求しない。〕」
アルミン「〔高めのストレートは最も長打を打たれやすいコースの1つだからだ。だけど、ある条件のあるピッチャーにのみ要求する...〕」
アルミン・イアン・サネス「〔ストレートにキレがあって、球速が速いピッチャーにのみ...有効なコース〕」
ファーラン「〔コースやキレ、球威や球速は決して悪くなかったのに...〕」チラッ
エレン「くそっ...」
ファーラン「〔あいつ...リヴァイ先輩のストレートが見えてやがる...!!〕」
スタスタ マルコ「ドンマイ!」
エレン「悪い、ストレート詰まった。」
マルコ「それでどうだった?」
エレン「ストレートは眼で追える。でも、変化球を混ぜてこられると緩急で速く見える。」ボソッ
マルコ「わかった、ゆっくりとは言えないけど...ベンチで休んでて!」
エレン「あぁ、悪い」
スタスタ マルコ「〔エレンはただでさえ肘を怪我してとても登板できる体じゃないんだ。僕らが打ってサポートしていかない...と...〕」
ピタッ マルコ「って、え? ストレートは目で追える...?」
ウグイス「9番セカンド、ボット君」
マルコ「お願いします!」
審判「プレイ!」
ジャン「へっ、初打席でピッチャーゴロかよ!」
エレン「なっ、うるっせ!」
コニー「エレンはバッティング下手だからな!」
エレン「それを言うんじゃねぇよ!!」
アルミン「多分...アニの言う通りだと思う。」
アニ「え?」
アルミン「エレンにはリヴァイのストレートが見えてるかもしれない。それに...まだ希望は薄れてない。」
スッバシーンッ!!!!!! 審判「ストライク!バッターアウト!!」
・・・
アニ「...かっこつけたね、あんた」
アルミン「うっ」グサッ
マルコ「ごめん...手つけられない。」
ジャン「ドンマイ、まぁ怪物相手だからな。なるべくあいつも休ましてやりてぇし...粘るっきゃねぇ」
-
- 279 : 2017/02/26(日) 00:29:49 :
ウグイス「1番センター、キルシュタイン君」
ジャン「しゃっす!」
審判「プレイ!」
エレン「やっぱすげぇな...リヴァイさん」
ミカサ「え、あ、うん...そう...だね。」
エレン「〔でも...俺だって努力したんだ。勝つために...甲子園に行くために...!〕」
ドッ!!!!
リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ
ジャン「クッ!?」ググッ
スッバシーンッ!!!!!! 審判「ストライクツー!」
ジャン「〔くっそはえぇな、おい...マジで笑えねぇよ...球速だけじゃなくて、ストレートのキレもパネェんだろうな。〕」
ジャン「〔けど...いくらストレートのキレがすげぇからって、いくら速くたってな...消える魔球じゃねぇんだ。目が慣れるまで...くさい球は振らずに...〕」
ドッ!!!!
リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ
ジャン「〔見る!〕」
スッバシーンッ!!!!!! 審判「ストライク!バッターアウト!スリーアウトチェンジ!!」
ジャン「〔なっ!? どんだけ厳しいコースに投げんだよ...ただストレートが速いだけじゃなくて、コントロールもチートって...マジ魔王だぜ。〕」
ファーラン「ナイピッチッス!!」
リヴァイ「...あぁ」
ファーラン「?」
ジャン「わりぃ」
コニー「なぁんだよ、結局お前も三振じゃん!ってかそれってエレンより結果ひでぇジャン↑↑?」
ガシッ ジャン「てんめぇコニー...俺の名前で遊ぶんじゃねぇよ、あぁん?」ギュゥッ
コニー「いで、いででででっ...だってお前がエレンにやってたことをやっただけだろぉ!」
ライナー「まぁまだ回もあるんだ。焦らずチャンスを待とうぜ、そしてこの回も0点に抑えないと...」
アルミン「うん、サヨナラ負けだ。どっちにしても僕らが勝つには表で点を取って、裏で無失点にするしか方法はない。」
トーマス「ってことだ、エレン!三振取りまくってるからって調子乗んなよ?」
エレン「別になってねぇよ!」
ベルトルト「後ろには僕達がいるから、打たせていってもいいんだよ」
エレン「ベルトルト...」
エレン「お前も言うようになったな!この野郎!」スッ!!
バシッ ベルトルト「いたっ!?」
エレン「〔そうだ、野球は...”今の俺”は...一人でやってるわけじゃない。後ろにはこんなにも頼れる仲間がいるんだ。〕」
エレン「〔変な心配なんかして逆に打たれたら本末転倒だ!〕」
エレン「ノーアウト! バッター勝負ッ!!!」
アルミン「...ふふっ、エレン!バッター勝負!!」
-
- 280 : 2017/02/26(日) 00:34:22 :
ウグイス「10回の裏、調査高校の攻撃は...9番ショート、トーマ君 背番号16」
トーマ「おぉし...来いッ!!」
審判「プレイ!」
アルミン「〔トーマさんか...守備は上手かったけど、バッティングはそこまで注意するほどのバッターじゃない。でも気を緩めないように〕」サイン
ドッ!!!! エレン「ッ!!」シュッ!!!
トーマ「〔こいつは今のところストレート1本だ。いつ変化球投げてくるか、わからないが...まずはストレートを?まえる!!〕」スッ!!!
スッバシーンッ!!!!! 審判「ストライクワン!」
トーマ「〔! 本当に伸びてる...そこまで球速はそこまで出てないのに...〕」
アルミン「ナイスボール!」シュッ
アルミン「〔考えてる...”どうしたら打てるか”じゃなくて”どう正体を見破るか”をだ。〕」
アルミン「〔ここで変化球があれば、上手く惑わせるけど...今のエレンに変化球を投げるほどの技術はない。〕」
アルミン「〔ただでさえ、あの調査高校が見知らぬ投手相手に何人も三振を取られてかつ、まだ誰も打ってない状況...〕」サイン
トーマ「〔アルミンなら、この投手をどう使うか...いや今は打つことより、この投手の情報が最優先だ。〕」
トーマ「〔俺より上位打線の奴らの方がバッティングは上手い。今は自分の利益より...チームの勝利に貢献することだけを考えろ。〕」ギリッ
ドッ!!!! シュッ!!!
トーマ「〔また外!今度はカットするぞ!〕」スッ!!!
スッバシーンッ!!!!! 審判「ストライクツー!」
トーマ「〔ッ、カットするどころか...当てることすらままならないのか!?〕」
エレン「ふぅ...」
トーマ「〔こいつ...一体何者なんだ、こんなピッチャー今までに聞いたことがないぞ?〕」
ドッ!!!! エレン「ウアァッ!!」シュッ!!!
トーマ「クッ!?」
スッバシーンッ!!!!! 審判「ストライクバッターアウト!」
アルミン「ナイスピッチ!」シュッ
パシッ エレン「はい!」
トーマス「〔あの調査高校相手に三振5つも取りやがって...かっけぇじゃねぇか、こんにゃろ!〕」
マルコ「〔かっこいいね、それでこそエースだ!〕」
コニー「〔今度俺にも投げても~らおっと!〕」
ミカサ「エレン、ナイピッチ!」
エレン「あぁ!」
ミカサ「〔良かった、普通だ。いつも通りのエレンに戻った。〕」
-
- 281 : 2017/02/26(日) 00:36:40 :
観客「おぉ...!! これで5奪三振!!」
観客「マジで何者なんだ、あいつ!?」
ピュレ「凄い...あの調査高校から5つもの三振を取ったなんて...」
ロイ「ピュレ...お前この投手のこと、どこまで知ってる...」
ピュレ「え、いや知らないです。」
ロイ「は、は? 知らないってお前な...」
ピュレ「いやだって彼は...出場記録が未だ一回もないんです。」
ロイ「...は? 出場記録が...ないだと?」
ピュレ「はい、彼は初戦のリーブス商業相手に3球だけ投げて交代されましたから。」
ロイ「どういうことだ...? まぁいい、これは波乱だ。彼の記事を書いて、一面トップにするぞ!」
ピュレ「はい! ですが...それはこの試合が終わってからではダメでしょうか?」
ロイ「おいおい、俺らの業界じゃ速さが重要なんだ。それはお前もわかってるだろ。」
ピュレ「はい...ですが、どうしても...見届けたいんです。彼の...いえ、彼らの夢が果たす瞬間を...!」
ロイ「...ハァ...わかった、その代わり試合後お前はすぐに取材に行ってこい。」
ピュレ「えっ、でもそれはロイさんの仕事じゃ...」
ロイ「途中から俺がやるより、最初から目をつけてたお前がやった方がいいだろ。それにな...」
ロイ「...これは単純に、俺はお前が書いた記事を読んでいたいと思ったからだ。」
ピュレ「っ!!」
ロイ「最後までやり切れ。そして、最高の記事を書いて...彼らをヒーローにしてやれ。それが俺達記者の仕事だ。」
ピュレ「...っ~!! はいッ!! ありがとうございますッッッ!!!!」
ロイ「俺は今から印刷所に連絡して、いつでも刷れる準備をしてくる。」
ピュレ「...ロイさんに教わったことをすべて活かして、最高の記事を書いてみせますッ!!」
スタスタ ロイ「ふっ、そりゃ頼もしいな。」
ピュレ「〔今なら...僕史上最高の記事が書ける...そんな気がする...アルミン君〕」
ピュレ「〔勝った君達の勇氏 を最後まで見届けるから...だから...!!〕」
ピュレ「ナイスピッチ!! 頑張れェ!! シガンシナァ!!!」
観客「なんだ? 今更」
観客「今は調査高校の攻撃なはずなんだけど...」
アルミン「〔ピュレさん...ふっ、僕らには何人もの強い強い味方がいる...〕」
アルミン「ワンァウト!!」
「オーッ!! ワンァウト!!」
-
- 282 : 2017/02/26(日) 00:40:23 :
ウグイス「1番セカンド、マグノリア君」
イザベル「うぉぉっ!! 来い!!」
審判「プレイ!」
アルミン「〔さぁエレン、こっからだ。〕」
エレン「〔1番バッター、足が速い打者〕」
アルミン「〔恐らくあっちのベンチが探りを入れてくるなら、このタイミングだ。そして...次の打席 で勝負してくる。〕」
イザベル「〔あのミート力のあるリヴァイ先輩やケイジ先輩でさえ...打てなかったストレート...エルド先輩からはリヴァイ先輩と同等のストレートを投げてくるって言ってたけど...〕」
エルヴィン「〔今必要なのは"短期的な結果"ではなく”長期的な結果”つまり...〕」
イザベル「〔今後打てるようにすること。監督は今ラッキーで打つより、この先確実に打てることを望んでる。〕」
イザベル「〔球筋を見極めない他ない、球筋見るならバントの構えが一番〕」スッ
エレン「〔ッ、このバッター...俺のストレートを見ようとしてる...〕」ドクンッ
アルミン「〔バントの構え...もうイザベルの打席は捨ててるってことか。〕」
アルミン「〔ならここは素直に球筋を見せたら、こっちは損しかしない。〕」サイン
エレン「〔! そうだ...今はアルミン先輩がいる。こうやってサインをもらえる...外の低めいっぱい!!〕」ドッ!!!!
シュッ!!!
イザベル「〔外甘い球!〕」スッ
キンッ!!! エレン・イザベル「ッ」
ポタッポタポタッ 審判「ファール!」
ファーラン「〔あのイザベルが...〕」
モブリット「〔バント失敗...〕」
リヴァイ「...」
イザベル「〔あっぶねぇ...もう少し上に構えてたらアルミン先輩に捕られてたな〕」
アルミン「〔イザベルも驚いてるけど、正直僕も驚いたな。イザベルはバントは下手じゃない。いやむしろ上手い方だ。〕」
アルミン「〔調査高校のスタメンに入るくらい技術力を持ってるイザベルでさえ、上げてしまうストレートのキレ...〕」チラッ
エレン「〔ふぅ...大丈夫、大丈夫...〕」
アルミン「〔一体...どんな特訓をしたんだか。〕」ニヤッ
アルミン「ナイピッチ! 球走ってるよ!」シュッ
パシッ エレン「あ、ありがとうございます!」
イザベル「〔目で追えなかった...途中で視野から消えた。こいつのストレート...相当伸びてる。〕」スッ
アルミン「〔変わらずバントの構えか...やっぱりこの6巡目は捨ててるのか。なら〕」サイン
ドッ!!!! エレン「ッ!!」シュッ!!!
イザベル「〔今度は当てる!!〕」スッ!!!!
キンッ!!!
イザベル「_______ぇっ...!?」
アルミン「〔捕れる!!〕」ダッ!!
ズサーッ!!! ポタポタッ 審判「ファール!」
アルミン「くそっ!ごめん、捕れなかった」
エレン「ドンマイです!」
イザベル「〔マジかよ、今度は上に構え過ぎてパワーで負けた...?〕」
ミケ「〔今イザベルはいつもより少し高く構えたはずなのに...それがなぜ当たって打球はさっきより上へ飛ぶ...?〕」
エルド「〔答えはもう1つしかないな。〕」
ケイジ「〔それだけストレートのキレと球威があるってことか。〕」
イザベル「〔ただ当てるだけじゃ前に転がせない...今度はしっかり前へ押し出す、プッシュバントで...〕」スッ
アルミン「〔次は...〕」サイン
エレン「!」コクッ
スッ!!!! ドッ!!!!
エレン「ウアアァァッッ!!!」シュッ!!!
イザベル「ッ!!」スッ!!!!
キュルルルゥッ!!! アルミン・リヴァイ「!!」
キッ!!!!
イザベル「!?」
ファーラン・モブリット・ミケ・エルド・ケイジ「!」
エルヴィン「...」
ポタポタッ 審判「アウト!」
実況「なんと...スリーバント失敗!!」
「おぉぉぉぉおおおおおッッ!!!!」
-
- 283 : 2017/02/26(日) 00:43:27 :
観客「マジか!!」
観客「爆速のマグノリアが...バントで一度も前に転がせないなんて!!」
マルロ「凄い...」
ヒストリア「あれが...レンの新しいまっすぐ...」
トーマス「ナイピッチ!! お前すっげぇな!バント失敗させるなんて!!」
マルコ「ナイピッチ!ツーアウト!」
コニー「にっひひ、すげぇじゃん!」
ミカサ「ホントに凄い...」
エレン「ふぅ...ふぅ...ツーアウト!!」
「オーッ!! ツーアウト!!」
アルミン「〔最後の一球...〕」
____________________
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____________________________________________________________
スッ!!!! ドッ!!!!
エレン「ウアアァァッッ!!!」シュッ!!!
イザベル「ッ!!」スッ!!!!
キュルルルゥッ!!! アルミン・リヴァイ「!!」
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____________________
アルミン「〔あの一球だけ...今までのとは違う感じがした...あれは一体...〕」
リヴァイ「...」
スタスタ イザベル「すみません」
モブリット「どうした、お前らしくないな」ボソッ
イザベル「あいつのストレート...エルド先輩が言ってた通りでした...」ボソッ
モブリット「え...?」チラッ
・・・
モブリット「〔まさかイザベルがあんな悔しそうな顔をするなんてな...〕」
____________________
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スタスタ イザベル「すみません」
モブリット「どうした、お前らしくないな」ボソッ
イザベル「あいつのストレート...エルド先輩が言ってた通りでした...」ボソッ
モブリット「え...?」チラッ
イザベル「すみません...俺じゃどうにもできないです...だから、あとはお願いします。モブリット先輩」ギュゥッ
スタスタ
モブリット「...」
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____________________
モブリット「〔後輩があんだけ頑張ったんだ。先輩の俺が手本にならないでどうする。〕」
モブリット「〔来い、俺がお前の正体を見破ってやる...!!〕」ギリッ
-
- 284 : 2017/02/26(日) 00:45:54 :
ウグイス「2番センター、バーナー君」
審判「プレイ!」
アルミン「〔2アウトランナーなしで、2番のモブリットさんか...〕」サイン
ドッ!!!! シュッ!!!
モブリット「〔初球はじっくり見る。〕」ジッ
スッバシーンッ!!!!! 審判「ボール!」
エレン・アルミン「!」
アルミン「〔いきなり見送った...見えてるのか・それとも待機指示か...どちらにしても僕らは1本の槍しかないんだ。〕」
アルミン「〔攻め続けるしかない。〕」サイン
エレン「〔今度は低めを意識する〕」コクッ
モブリット「〔エルドやケイジ達が言うように確かに伸びてる。だが、なんだ...この雰囲気といい、綺麗な回転...どこかで見覚えがあるな...〕」
モブリット「〔とにもかくにも、まずはタイミングよりどの程度伸びてるのか...だ。〕」
モブリット「〔バントの構えじゃ煽っても効果はほぼ意味ない...ならこの構えならどうだ?〕」スッ
エレン・アルミン「!」
アニ「〔バットを長く持ってバントみたいに、ホームベース上へ垂直に構えた...?〕」
アルミン「〔この構え...〕」
ケイジ「〔あの構えは、モブリットが球筋を見たい時に使うフォーム〕」
ミケ「〔だが、あの構えをするときは...〕」チラッ
エルヴィン「...」
ミケ「〔監督の指示か...それとも自分の意志か...どちらにせよ、これで球筋を見極められることには変わりない。〕」
リヴァイ「...どうだかな」
ミケ「何がだ?」
リヴァイ「例えモブリットがあの構えをやろうとも...あいつの球筋を掴めるかはわかんねぇってことだ。」
リヴァイ「〔たった1打席程度で掴まるくらいならイザベルがバントの構えで、あんなに上へあげるわけがねぇ...と思うが〕」
エレン「〔あの構え...球筋を見極めるために?〕」
アルミン「〔やることは、今までとそう変わらない。下手に動いて掴まるより与える情報量は少量に抑える。〕」サイン
エレン「〔さっきと同じコース...低めに〕」コクッ
ドッ!!!! シュッ!!!
モブリット「...」
スッバシーンッ!!!!! 審判「ストライクワン!」
-
- 285 : 2017/02/26(日) 00:47:06 :
エレン「〔! やっぱり振ってこない〕」
アルミン「〔そうだ、モブリットさんのこの構えはある意味カモフラージュでもある。何か仕掛けてくると見せかけて何も仕掛けてこない。〕」
アルミン「〔だからって甘いコースに投げたらすぐ掴まるからね〕」サイン
エレン「」コクッ
モブリット「〔内低め...それでもバットに当たらなかった...思った以上にボールのキレがある。〕」
エレン「〔打つ気のない構えで...〕」ドッ!!!!
エレン「〔掴まってたまるかっ!!〕」シュッ!!!
モブリット「...ここだな。」スッ
キッ!!!
エレン「!!」
ポタッポタポタ
審判「ファール!」
アルミン「〔今度は当てた? それに途中まで高さが合ってなかったのに、咄嗟に高さを変えた...?〕」
エレン「〔今俺のストレートを見て当てた...もう見られてる?〕」
アルミン「〔まだ当てる段階なら何も問題はない。球筋も見極められてない。〕」
アルミン「〔それに打つ気がない打者に全力を出したところで、体力が余計減るだけ〕」サイン
エレン「〔2番の人で...3球目でもう掴まれた...〕」
スッ!!!! ドッ!!!!!
エレン「〔今度は1mも当てさせるかっ!!〕」シュッ!!!
アルミン「〔さっきより、リリースが遅い...!〕」
モブリット「ッ!!」バッ
エレン・アルミン「〔構えをやめた!?〕」
モブリット「〔誰も全球見るとは言ってない。最後の一球は...勝負するッ!!!〕」スッ!!!!
キュルルルゥッ!!! アルミン・リヴァイ・ケニー「!」
モブリット「〔クッ!? このストレート...さっきより...伸びてる!?〕」グググッ!!!!
キッ バシンッ!!! コロコロ
モブリット「〔ッ、振り逃げ!!〕」ダッ!!!
実況「あぁっと!? キャッチャーこぼした!?」
アルミン「くそっ」ダッ!!
ガシッ アルミン「〔ファースト間に合う!〕」スッ!!!
ズキィッ アルミン「〔クッ、うゥ...また!?〕」シュッ!!
ダッダッダ!!! モブリット「〔アウトにさせてたまるかっ!!〕」ダイブッ!!!
ズサーッ!!! 審判「...セーフ!!」
「おぉぉぉおおおおおおッッ!!!!」
観客「振り逃げで間に合った!!」
観客「これでツーアウト一塁!!」
モブリット「〔危なかった...今の一球だけ...急にキレが増してきた。あれは気のせいか...?〕」
アルミン「...タイム」
審判「タイム!」
アニ「ん?」
スタスタ エレン「〔えっ、俺何か...したか?〕」
アルミン「エレン...君サイン無視したね?」ギロッ
エレン「ぁ、ぁぁ、すみません!!」ビクッ
アルミン「いやでもま、そのお陰で救われたから良いんだけど...今度からは何か自分の中で違う気がしたら首振って」
エレン「! はい...すみません。」
アルミン「...で、まぁ本題はお説教じゃなくて...さっき良い球来てたよ。」
エレン「ぁ、ありがとうございます」
アルミン「いつもよりリリースが遅れて、上手く重心を前にして踏み込みを深くしてたね。あれは狙ったの?」
エレン「え、いや狙ってやったわけじゃないですけど...でも確かにいつもより軸足に力入ってる感じはしました。」
アルミン「〔エレンは無意識にあれをやったのか...だとするとあれはたまたまで、毎回できるわけじゃないってことか...〕」
アルミン「そっか、いや狙ってたなら凄いと思ってさ! 次も良い球頼むよ!」
エレン「あ、はい!」
スタスタ アルミン「〔昨日からエレンのストレートは受けてたけど、今日のではっきり理解した。エレンのストレートは恐らくあいつの【本物のストレート】と同じ。〕」
アルミン「〔どういう傾向がって似ているのかはわからないけど、今のエレンじゃまだひよっこ当然。でも、もしあいつのストレートとエレンのストレートに差別化できるものがあるなら...〕」
アルミン「〔可能性として一番高いのは...”球威とキレ”だ。〕」
ケニー「〔その他の”スピード・重さ・コースの投げ分け”に関してはまだまだリヴァイには敵わねぇけどな!〕」
-
- 286 : 2017/03/03(金) 23:39:33 :
アルミン「ありがとうございます。」
審判「プレイ!」
ウグイス「3番キャッチャー、チャーチ君」
ファーラン「お願いしまッス!」
アルミン「〔もしさっきの球が自由自在に操れるようになったら、ただ事じゃない。〕」
アルミン「〔ただそれはたらればの話で、現実に操れるわけでもない。〕」
アルミン「〔現状のエレンでも、調査高校相手にまだちゃんとしたヒットを1本も出してないんだ。これでエレンも少しは自信を持つはず...!〕」
ファーラン「〔こいつ準決勝の最終回に出てきた奴だ。あの紅の魔術師やリヴァイ先輩やミケ先輩を抑えた実力...〕」
ギュゥッ ファーラン「〔同じ1年で...負けてられねぇだろ!〕」ギリッ
ドッ!!!! シュッ!!!
ファーラン「〔外甘いコース!〕」スッ!!!
スッバシーンッ!!!!! 審判「ストライクワン!」
ファーラン「〔くそっ、つい甘いコースに来て手を出しちまう...これもアルミン先輩の狙い通りなのか?〕」
アルミン「〔次は...〕」サイン
エレン「」コクッ
スタスタ モブリット「〔こいつのフォーム間近で見ると...まだまだ日が浅いというか...〕」
モブリット「〔まだ慣れてない感じがするな、隙がありすぎて...わざとなのか・それとも投手やり始めて間もないのか...〕」
モブリット「〔いや...俺やイザベル...リヴァイやミケ、エルドやケイジ達を抑えた奴だ。そんな奴が投手やって間もないわけない。〕」
ドッ!!!! シュッ!!!
ファーラン「〔また外の甘いコース! でも今度は引き付けて...スッバシーンッ!!!!!
ファーラン「_______は...?」チラッ
審判「ストライクツー!」
ファーラン「〔いつミットまで行ったんだよ...!? 見えないなんて...あり得るのかよ!!〕」
アルミン「〔このままの勢いに乗って3球で決める。〕」サイン
エレン「〔っ、でもそれって...〕」
アルミン「〔大丈夫〕」コクッ
エレン「...」コクッ
スッ!!!!
アルミン「〔今の君なら...〕」
アルミン「〔出来る!〕」
ドッ!!!!!
エレン「ウァァアアアアッ!!!」シュッ!!!
ファーラン「〔外...低い!!〕」グッ
キュルルルゥッ!!! スッバシーンッ!!!!!!
アルミン「...ふっ、ナイスボール」
審判「ストライクバッターアウト! スリーアウトチェンジ!!」
ファーラン「なっ!?」
-
- 287 : 2017/03/03(金) 23:40:29 :
実況「三球三振!! イェーガー、調査高校のホープであるチャーチを相手に一回もバットに当てさせませんでしたッ!!」
「うぉぉぉおおおおおおおおっっっ!!!!!!」
トーマス・マルコ・コニー「ナァイピッチッ!!」スッ
バシンッ エレン「いぃっって!? なにすんだよ、二回目だぞ!!」
トーマス「おう、一度あることは二度あるっていうしな!「それを言うなら、二度あることは三度あるね」
マルコ「でも、凄いね!最後の一球は特に!」
エレン「お、おう」
コニー「今度俺にも投げてくれよ! 俺が打つからさ!」
エレン「ハァ!? 打たせねぇし、ぜってぇ負けねぇし!」
コニー「なァにをォ!? やってみなきゃわかんねぇだろ!」
ミカサ「でも...最後の一球...本当に凄かった。」
アルミン「うん、僕もそう思うよ。」
エレン「ちょ、ちょっとやめてくださいよ! そんなに褒めないでください!」
トーマス「だな、すぐ調子こくしなぁ」
マルコ「いやお前にだけは、絶対言われたくないと思うよ?」
コニー「確かに!トーマスに言われたらおしまいだな!」
トーマス「だからコニー! お前は一言余計なんだっつの!!」
「...これでうちに流れが来るんだったら...何回でも、何十回でも、何百回でも...やります。」
アルミン「え?」チラッ
エレン「そうすれば...マウンド を誰にも奪われない。」
トーマス・マルコ・コニー・ミカサ「_______ッ」ゾクゾクッ
エレン「コニー、先頭頼むぞ!」
コニー「お、おう...」
トーマス「...気のせいか? 今の寒気というか...なんというか...」
マルコ「いや...気のせいじゃない。僕もだ...」
コニー「俺も今ゾクゾクって来て...何かすげぇ島肌?牛肌?豚肌?が立っt「鳥肌ね。」
ミカサ「エレン...」
アルミン「大丈夫、悪い方へは進んでないよ」
ミカサ「はい、そうです...ね。」
まっすぐ前だけを突き進む、その姿は無邪気で野球好きな少年に見える。
けれども、時々...ほんの一瞬だが...
誰にも自分の居場所を奪われたくないという強い意志を見せるときは...
あの無邪気で野球好きな少年とは程遠い姿に見える。
それは...
才能や努力で登り詰めた者...
天才や怪物と呼ばれる存在が放つ威圧 に近いそれを...
エレンは無意識に...放っていた。
-
- 288 : 2017/03/03(金) 23:42:10 :
ミカサ「〔兄さんとは違う...けど、どこか似ている雰囲気がたまにあって〕」
ミカサ「〔その姿を重ねてしまうと...どうしても...〕」
エレン「どうだよ、俺のピッチング!」
ミカサ「え?」
エレン「いや、え? じゃなくて...俺のピッチングどうだよ?」
ミカサ「〔エレンのピッチング...〕」
____________________
_______________________________________
____________________________________________________________
ドッ!!!!!
エレン「ウァァアアアアッ!!!」シュッ!!!
ファーラン「〔外...低い!!〕」グッ
キュルルルゥッ!!! スッバシーンッ!!!!!!
____________________________________________________________
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_________________________________
ミカサ「凄く...かっこよかった...」
エレン「ホントか!? っし、ミカサに認めてもらえればこれって結構凄いよな!」
ジャン「仲間に認めてもらえなかったら逆にどうすんだよ、タコ」
エレン「はぁ!? そんな時は......もっとすげぇピッチング見せればいいんだよ!!「考える間なげぇな、おい」
エレン「じゃぁ実際にお前がやってみりゃいいだろうが!?」
ジャン「はぁ? なんで俺がピッチャーなんだよ、そもそもポジションちげぇんだよバーッカ」
エレン「ちっくしょ...あぁ言えばこう言いやがって...この屁理屈野郎が!」
ジャン「屁理屈? お前が馬鹿なだけだろ、悪人面」
エレン「んだ...とォ!?」ピキピキッ
ミリウス「まぁま、落ち着いてエレン。ジャンも余計な一言が多いよ。」
ダズ「そ、そうだぞ!喧嘩は良くないぞ!」
エレン・ジャン「喧嘩じゃねぇし!!」
ミリウス「いやどうみても喧嘩でしょ、なんで嘘つくのさ」
ダズ「相変わらず息が合ってるっていうか...子供っぽいっていうか...」
エレン・ジャン「誰がガキだって!?」
ダズ「ひぇ...ご、ごめん...」
ミリウス「ほら、息ぴったり」
トーマス「あいつら、いつから漫才やってんの?」
マルコ「入部した当初からだよ...そう...最初からなんでか気が合うんだよね。あの二人」
トーマス「俺のボケはスルーかよ」
ベルトルト「喧嘩するほど仲が良いって感じだね」
ライナー「まさにそうだな。」クスッ
エレン「いつになったら塁に出るんだよ、さっさと点取ってこいよ。」
ジャン「はぁ? 次出るに決まってんだろ、てめぇこそ調査高校相手にビビんじゃねぇぞ。」
エレン・ジャン「ふっ」ニヤッ
マルコ「ほらね。」
トーマス・ダズ・ミリウス「うわぁお」
-
- 289 : 2017/03/11(土) 00:43:26 :
ウグイス「11回の表、シガンシナ高校の攻撃は...2番サード、スプリンガー君」
ジャン「先頭出ろよ!! コニー!」
トーマス「馬鹿の力見せてやれ!!」
マルコ「いつも通りに!!」
コニー「スゥーッ...フゥーッ...お願いしまぁぁぁああああすッ!!!」
観客「気合い入ってるな、あの2番」
観客「あいつ確かナナバのシンカーを打ってたよな。すげぇチビだよな」
観客「見た目馬鹿そうなのにバッティング上手いんだよ、あいつ」
トーマス・マルコ「〔いえいえご安心を、見た目だけでなく中身も本物の馬鹿ですので!〕」
審判「プレイ!」
リヴァイ「...あ?」ギロッ
スッ コニー「おぉーし...」ペロリ
実況「スプリンガー、バントの構えをしました。」
諌山さん「恐らくリヴァイ選手の球質を確かめるためではないかと」
ファーラン「〔球質を確かめる? ぬかせ、この人にそんな小細工は...通用しねぇんだよ!!〕」サイン
「お生憎様」
マルコ「うちの馬鹿は、馬鹿であるかのように見せかけて本当に馬鹿なんだ。そんな小細工を考えれる頭はない!」
トーマス「褒めてるのか、罵倒してんのかどっちだよ!! しかも、結局馬鹿じゃねぇか!!」
ドッ!!!! リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ
コニー「!」バッ
スッバシーンッ!!!!!! 審判「ストライクワン!」
ファーラン「〔途中で構えをやめた...?〕」
コニー「いやぁ...マジですげぇな、こんなの見たことねぇ! ってか打てるか!? これ」
マルコ「ね?」
トーマス「知ってた...」
リヴァイ「〔このチビは確か練習試合で俺のストレートを打ってた奴か...〕」
ザッザッザ リヴァイ「〔なら気合い入れねぇとな...〕」ギュゥッ
ドッ!!!! シュッ!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ コニー「〔こんくらいのタイミング?〕」スッ!!!
スッバシーンッ!!!!!! 審判「ストライクツー!」
実況「2球目は内角低め にストレートを決めてツーストライク! もう追い込みました!」
ファーラン「〔タイミング全然合ってない...これなら当分は持ちそうだ。〕」サイン
リヴァイ「〔いやストレートじゃねぇな〕」クイ
ファーラン「〔え、でもこいつに変化球は...〕」
リヴァイ「〔こいつはただのチビじゃねぇ、ナナバのシンカーを打ったくらいだ。気を抜いていいやつじゃねぇ〕」
ファーラン「〔わかったッス...ならこれでどうッスか?〕」サイン
リヴァイ「」コクッ
ドッ!!!! シュッ!!!!
コニー「〔真ん中甘い...? もしかしてこのボール...〕」ギュッ!!!
キュルルルルルッ クインクインッ!!!!
アニ・アルミン「〔_______ッ、アウトコースいっぱいの...〕」
コニー「〔シンカー!!〕」スッ!!!!
コニー「うらァッ!!」 キーンッ!!
リヴァイ・ファーラン「!」
ファーラン「ショートッ!!!」
ザッ グシャァッ トーマ「ぐっ!?」
コニー「〔やっべぇ!? 思わずシンカー来て手出しちゃった!?〕」ダッ!!!
パシッ!!! トーマ「このッ!!」シュッ!!!
ダズ「コニー! スライ!!」
コニー「おぉっら!!」ダイブッ!!!
ズサーッ!!! パシッ!!! 審判「セーフ!」
-
- 290 : 2017/03/11(土) 00:44:27 :
「おぉぉぉおおおおおおおっっ!!!!」
実況「スプリンガー、ショートゴロの当たりを懸命に走り内野安打!!」
トーマ「〔くそっ、出だしで足場が崩れなければ...〕」
トーマ「すまん!!」
イザベル「ドンマイです!」
ケイジ「ドンマイドンマイ! 今のラッキーは相手の勝算だ! 気にするな!」
エルド「切り替えろ、次のプレーで取り返せばいい。」
ファーラン「トーマパイセン...」
トーマ「わ、悪い...」
ファーラン「なぁんスか、さっきの送球!! いつも『俺の方が肩強いし、送球までが速い!』とか威張ってたくせに!だぁ~はっはっは!!」ゲラゲラ
トーマ「なっ!? う、うるせ! 次はミスんねぇよ!!」
ファーラン「ホォントッスかァ?」ハナホジ
トーマ「やめろ! そのウザ顔!!」
ケイジ「〔ふっ、本当は緊張で声も出ないような状況なのに...あいつ俺ら3年を励ましてやがる...大した奴だ。〕」
イザベル「〔ホントあいつの皮肉はムカつく...けど、いつの間にかそれで元気になれてるんだよな。もっとムカつくけど〕」
エルド「〔この状況でもなお、自分を出せるとはな...ホントお前は...〕」
「〔歴代調査高校の馬鹿だよ〕」
トーマ「〔くっそぉ...覚えてろよ、あいつ...ぜってぇ見返してやるからな...〕」
トーマ「ショートこぉぉおおおおいッッッ!!!!」
ウグイス「3番レフト、フーバー君」
ベルトルト「お願いします」
審判「プレイ!」
ファーラン「〔このままだと4番のアルミン先輩との勝負はするしかなくなる...けど、もっと厄介なのは...〕」チラッ
ベルトルト「...」
ファーラン「〔この3番に...〕」チラッ
ライナー「ベルトルト! 思い切っていけぇ!!」
ファーラン「〔5番だ。こいつら今日うちから4打点も取ってる...こいつらどこの誰だよ、聞いたことねぇぞ〕」
ファーラン「〔でもまず...やるべきことはわかってる。それは...こいつを塁に出さないこと〕」サイン
リヴァイ「ふぅ...」ドッ!!!!
シュッ!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ
ベルトルト「〔抜け球〕」グッ!!
スッバシーンッ!!!! 審判「ボールワン!」
実況「初球真ん中高めのストレート抜け球をボール!」
ファーラン「〔リヴァイ先輩が抜け球?〕」
リヴァイ「チッ...」ザッザッザ
ファーラン「〔やっぱ久々の登板+決勝だからいくら先輩でも緊張で固くなってる?〕」
ファーラン「ドンマイドンマイッス! 例えフェンスに飛んでっても俺がスーパーマンのごとく飛んでいくんで大丈夫ッスよ!」シュッ
リヴァイ「あ”ぁ”?」ギロッ
ファーラン「〔いや、いつも通りだったわ〕」
-
- 291 : 2017/03/11(土) 00:45:18 :
タタッ コニー「〔へへっ、調査高校相手に盗塁なんて出来ねぇけど、やってみてぇ!〕」キラキラ
マルコ・トーマス・ダズ「〔なんか凄く嫌な予感がする...〕」
リヴァイ「フゥーッ...チッ」ギロッ
コニー「〔ん?なんかこっち見てるな...気のせいか?〕」
ファーラン「〔リード少し大きいな...走ってくるのか? でも、相手はリヴァイ先輩だぞ?〕」
コニー「〔走りてぇな...走っていいかな!? もう行っちゃっていい!?〕」スタスタ
リヴァイ「...ッ!!」シュッ!!!
コニー「ゲッ!?」ダイブッ!!!
パシッ!!! 審判「セーフ!」
観客「あっぶねぇ...結構ギリギリだったぞ!?」
観客「ノールックで、グラブにドンピシャって...やっぱすげぇな」
リヴァイ「〔走れるんなら走ってみろよ、クソガキ〕」ギロッ
コニー「〔こえぇこえぇ、マジおしっこちびりそう...〕」
マルコ・トーマス・ダズ「〔あっっっっっぶねぇぇぇええええ!?〕」
アニ「〔サイン出てないのに勝手に走ってアウトになったら絞める...けど、ふざけてやってるわけでもないし、集中してないわけでもない...ここは様子見しよう。〕」
アルミン「〔アニ、何も言わないんだ。珍しいな〕」
ベルトルト「〔コニーが上手くバッター勝負をさせないお陰で、隙はいくらでもある...僕が今やるべきことh スッバシーンッ!!!!!!
ベルトルト「ッ」
審判「ストライクワン!」
アニ「さすが...怪物だね。」
マルコ・トーマス・ダズ「え?」
アニ「〔コニーが盗塁を狙って、バッターであるベルトルトとの勝負に集中させない戦略だけど...それでもやっぱ怪物は、他とは一味違う。〕」
ファーラン「〔ランナーで注意を引いて、バッター勝負に集中させない作戦なんて...そんなもんバレバレだぜ。〕」
リヴァイ「...ふぅっ」ギリッ
ベルトルト「〔ただでさえ、この人の球を打つのは難しいのに...作戦までばれてるのか...どうする...〕」
ドッ!!!! シュッ!!!!
ベルトルト「〔っ、ダメだ!今考えてる暇はない!〕」スッ!!!
スッバシーンッ!!!!!! 審判「ストライクツー!」
ファーラン「ナイピッチッス! ボール走ってるッスよ!!」シュッ
リヴァイ「あぁ」パシッ
ザリュッザリュッザリュ リヴァイ「〔チッ、もうマウンドがグチャグチャになってやがる...〕」
ベルトルト「〔どうする...後ろには、アルミン先輩・ライナー・ミカサが続くんだ。ここでゲッツーになったらせっかくのチャンスが台無しだ。〕」
ベルトルト「〔この人は制球力も体力もストレートの球速やキレも他の人とは格別だ...〕」
「ベルトルト、いつも通りにッ!!」
ベルトルト「!」チラッ
ライナー「...ふっ、勝負していこうぜ」グッ
ベルトルト「ライナー......ふっ、うん。」コクッ
ベルトルト「〔そうだ、今悩んだって・悔やんだって...急に上手くなるわけじゃないんだ。今ある自分の武器を使って...勝つために...戦うのみ!!〕」ギュゥッ
-
- 292 : 2017/03/11(土) 00:46:16 :
ファーラン「〔一球遊び球入れていいっすね?〕」サイン
リヴァイ「」コクッ
ベルトルト「〔まだすべてが終わったわけじゃないし、試合が終わったわけでもない。〕」
ベルトルト「〔諦めずに、常に冷静さを保って戦っていれば...戦い方は必ず見えてくる!!〕」
ドッ!!!!
ベルトルト「〔うかつに手を出すな...相手はどういう特徴を持ってる...今どんな状況だ。〕」
ベルトルト「〔このキャッチャーは、制球力があるピッチャーに対してはカウントに余裕がある場合、必ず遊び球を使ってくる。〕」
ベルトルト「〔それに、この雨...もうマウンドはグチャグチャになってるはず...いくら凄い人でもミスはあるんだ。〕」
リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!
クイックイックイ!!!! ベルトルト「〔変化球!!〕」グッ
パシンッ!!!!!! 審判「ボールツー!」
実況「4球目は外低めに鋭い切れ味のシュートが外れてツーストライクツーボール! 並行カウント!」
諌山さん「今の遊び球よく見ましたね。良い判断力と選球眼です。」
ファーラン「〔見送った...まさか読まれてる?〕」
リヴァイ「〔こいつはアルミンみたいにデータベースを軸に動いてくるからあり得るかもな。〕」
ベルトルト「〔やっぱり外してきた。これで2-2だ。〕」
ファーラン「〔はっきり言って俺とこいつの相性は最悪だ。でも、野球は一人でやるスポーツじゃない。〕」サイン
「」コクッ
スッ!!!! ドッ!!!!
リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!
ファーラン「〔俺がダメなら...最強の相棒 が...それを補ってくれる!!〕」
ベルトルト「〔ぅっ!? 外...ボール球か!?〕」
スッバシーンッ!!!!!! ベルトルト・ファーラン「...」
審判「ボールスリー!」
観客「マジかよ、今の入ってないのか?」
観客「いやわかんねぇよ」
観客「ストライクゾーンなんて主観なんだし」
リヴァイ「〔チッ、入ってねぇか〕」
ファーラン「〔野球の怖いところは、審判との相性もある...くそっ、切り替えろ。〕」
ベルトルト「〔良かった、運も味方になってる。〕」
イアン「これで...フルカウントだ。」
サネス「〔いくら怪物リヴァイでも、決勝の雨で引き分けで...そして延長っていう状況...これで緊張しないわけないだろ。〕」
アニ「〔このラッキーを良くも悪くもするのも...あんた次第だよ、ベルトルト〕」
-
- 293 : 2017/03/11(土) 00:46:46 :
ベルトルト「〔フルカウント...どう来る〕」
ファーラン「〔なんも恐れることなんてねぇッスよ。確かにこいつは選球眼はいいし、頭もいい...でも...〕」サイン
スッ!!!!
ファーラン「〔こいつはまだ...一球もリヴァイ先輩のストレートをバッドに当ててすらない!!〕」
ドォッ!!!! ズズッ リヴァイ「!」
リヴァイ「〔くそ野郎...軸足が持ってかれる...!!〕」グググッ!!!!
リヴァイ「〔なんとか...腕だけでもッ!!!〕」スッ!!!!
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____________________________________________________________
リヴァイ 中学3年 春
その日の試合も...ちょうど雨だった。
アルミン「ノーアウト!!」
「オーッ!!!!」
ザリュッザリュッザリュ リヴァイ「〔チッ、厄介なグラウンド状況だな...〕」
アルミン「」サイン
リヴァイ「〔マウンドがこんなグチャグチャなのに、難しいリードしてきやがる...嫌いじゃねぇが〕」コクッ
ドッ!!! ズズッ リヴァイ「〔ぐっ!? 足場が...くそっ、なんとか腕だけでも!!〕」スッ!!!
グギィッ
リヴァイ「_______ッ!?」ズキィッ
シュッ アルミン「〔なっ!? あのリヴァイが...暴投!?〕」
カシャンッ 「回れ回れ!!」
ダッダッダ!!!
リヴァイ「くっ...うぅ”っ...」ズキズキッ
・・・
「全治3ヶ月ですね。」
リヴァイ「...は...?」
医者「肘にある軟骨が炎症し、かつ骨が曲がっている...いわゆるリトル肘というものです。」
リヴァイ「いや...いやいや...ちょっと待て...待ってくれ先生...言ってる意味がわからねぇんだが」
医者「まぁ無理もないです。この写真を見る限りじゃ...前から相当負荷を溜めていたようですね。」
リヴァイ「...」
医者「全治3ヶ月といいましたが...前言撤回します。半年間の投球禁止令を出します。」
リヴァイ「半年...半年もじっとしてろってか!?」
医者「えぇ、そうです。聞けば、あなたは投球中毒なんだとか」
リヴァイ「なっ!?」
医者「骨が元の位置に戻るまたは直すまでに最低でも3ヶ月、そしてあなたのその投球中毒を治すのに...3ヶ月は必要です。」
リヴァイ「そんな悠長にしてられる時間はねぇんだ!! 今すぐ手術してくれ、そうすれば...」
医者「ですが、手術代はあなたの予想を遥かに超えます。それに今無理して選手生命を無くすより、今きっちり治して出直してからの方が絶対に良いです。」
リヴァイ「だから...俺には...俺達には...そんな時間はねぇんだよッ!!」ガッ
ナース「お、落ち着いて!」
リヴァイ「俺は一刻も早く...プロにならなきゃいけねぇんだッ!! そうじゃなきゃ、あいつが...くそっ」
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_________________________________
リヴァイ「クッ!?」シュッ
ベルトルト・ファーラン・アルミン「ッ」
カシャンッ 実況「あぁっとォ!? 暴投だぁ!?」
コニー「おっしゃぁ!!」ダッ!!!
ミリウス「ベルトルトGOGO!!」グルングルンッ
ベルトルト「ッ!!」ダッ!!!
イザベル「ファーラン、3つ!!」
ファーラン「〔これ以上先輩の顔に泥を塗るようなことは出来ねぇッ!!〕」シュッ!!!!
ジャン「コニー、滑り込め!!」
コニー「〔またダイビングかよっ!!〕」ダイブッ!!!
ズサーッ!! パシッ!!!!
・・・
エルド・コニー「...」チラッ
審判「...セーフ!セーフ!!」
-
- 294 : 2017/03/11(土) 00:48:15 :
「おぉぉぉぉおおおおおおおっっっ!!!!!」
実況「ノーアウト一三塁!! 先に動いたのは...シガンシナ高校ですッ!!!!!」
ベルトルト「ハァ、ハァ、ハァ...良かった」ゼェハァ
コニー「あっぶねぇ...」
ジャン「ナイランじゃねぇか、チビ!」
コニー「おうよ!」
エルド「...切り替えるぞ。」
トーマ「おうッ!! 俺のミスに比べれば屁でもない!」
イザベル「ノーアウト!! バッター勝負で行きましょう!!」
ケイジ「マウンド、今のうちに足場確保しとけ!!」
ファーラン「大丈夫ッス、俺達ならこんなピンチ何度でも切り抜けられるッス!!」
リヴァイ「...あぁわりぃな」
リヴァイ「〔チッ、俺もまだまだ甘いな...たまた同じ状況になっただけだってのに...思わず体が引いちまった。〕」
観客「おいおい...これ調査高校やべぇんじゃねぇか?」
観客「ノーアウト一三塁だもんな...」
観客「何言ってんだよ、相手はあの怪物リヴァイなんだぞ。」
観客「そうだぜ、あいつならこのピンチを...逆にチャンスに変えてくるかもしれない。」
観客「いやでも、シガンシナだって負けてない。なんたって次は...」
ウグイス「4番キャッチャー、アルレルト君」
観客「来たぁ!! 怪物対天才!!」
観客「とうとうこのマッチアップが見れるのか...!!」
アルミン「ふぅっ...」ギリッ
リヴァイ「...良い顔してやがんな」
審判「プレイ!」
アニ「〔アルミン...無理だけはしないで...〕」ギュゥッ
ファーラン「まさかこんな形で勝負するとは思ってなかったッス」
アルミン「僕も...こんな一世一代のチャンスで回ってくるとは思わなかったよ。」
ファーラン「遠慮はしないッス」
アルミン「結構、むしろ本気で来なきゃ怒るよ。」
ファーラン・アルミン「ふっ」ニヤッ
ミタビ「ここで点を入れれば...裏で抑えて...勝ちだ。」
イアン「あぁ...だが、そう簡単に許してくれるような相手ではないがな」
リヴァイ「...ふぅ」
ドッ!!!! リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!
アルミン「クッ!?」スッ!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ
スッバシーンッ!!!!!! 審判「ストライクワン!」
サネス「ケッ、ワイルドピッチした後の初球を...」
マルロ「いつも通りに...入れてきたな。」
ファーラン「ナイピッチッス!!」シュッ
アルミン「〔相変わらずの球速と球威とキレとコントロール...そして精神力も〕」
パシッ リヴァイ「フゥーッ...」ギリッ
ドッ!!!! シュッ!!!!
アルミン「でもッ」ザッ!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ
アルミン「〔あなたが怪物というのは、百も承知...こっちだって生半可な気持ちで戦ってるわけじゃないんだ!!〕」スッ!!!!
キーンッ!!
リヴァイ「!」チラッ
審判「ファール!」
ウグイス「ファールボールにはご注意ください。」
リヴァイ「〔はっ、相変わらずミート力とスイングの速さは一級品だな...〕」
アルミン「〔クッ...うぅ...時間は経ってるはずなのに...痛みは増す一方か...〕」ズキズキッ
グスタフ「先に追い込んだな、リヴァイが」
イアン「...」
スッ!!!! ドッ!!!!
アルミン「〔中学の頃...僕はあなた達化け物集団を倒したいと思って...違う道を選んだ。〕」
アルミン「〔その気持ちは今でも変わってない。僕はあなたを...あなた達を...倒すッ!!!!〕」ザッ!!!!
リヴァイ「〔去年とは違うチームの雰囲気...去年とは違う顔つき...そして、何より...去年とは違う...勝つための意志〕」
リヴァイ「〔だがな、一つ教えてやる...〕」
リヴァイ「勝つための意志 は...俺達も去年とは違げぇ!!」シュッ!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ
アルミン「〔くっ...そぉ...!?〕」スルリッ
スッバシーンッ!!!!!! 審判「...ストライク!! バッターアウト!!」
-
- 295 : 2017/03/11(土) 00:49:09 :
リヴァイ「...ふぅ」ギリッ
実況「三球三振!! リヴァイ、アルレルトを三球三振のすべてストレート...真っ向勝負でねじ伏せたァ!!!」
ファーラン「ナァイスボールッス!!」シュッ
アルミン「」スタスタ
ファーラン「〔どうッスか、これが俺達の実力ッス!!〕」チラッ
ファーラン「_______ッ」
アルミン「...ふぅ...勝てないか...まぁでも、あとは頼んだよ。」
「任せてください。」
スタスタ ライナー「」ギリッ
ファーラン「〔ふっ、ホント...諦めが悪い人ッスね〕」
ウグイス「5番ライト、ブラウン君」
ライナー「お願いしまっす!!」
審判「プレイ!」
ファーラン「〔こいつは要注意だ。犠牲フライで1点入る...内野安打でゲッツー取れる...けど〕」
リヴァイ「〔グラウンドがこうも荒れてりゃ内野陣は不安で仕方がねぇ〕」
ファーラン「〔バッター勝負で行くッス。〕」サイン
リヴァイ「〔しかねぇだろうな〕」コクッ
ライナー「〔落ち着け...いつも通り...ベルトルトは結果を残したんだ。俺だけアウトになるわけにはいかねぇだろ〕」
ドッ!!!! シュッ!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ
ライナー「_______うぐっ!?」スッ!!!
スッバシーンッ!!!!!! 審判「ストライクワン!」
ライナー「〔はえぇ...アルミン先輩よく当てたな...〕」
ファーラン「〔タイミング合ってない。これなら...〕」サイン
ドッ!!!! シュッ!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ
「...う”ぅッ!!」スッ!!!!
キーンッ!!
リヴァイ・ファーラン「!!」
ファーラン「っ、センタァッ!!!!!」
ダッダッダ!!! モブリット「〔くそっ、長打を打つバッターだから後進守備をしていたのが間違いだった!〕」
ライナー「落ちろォ!!」
トーマ「ハァッ、ハァッ、ハァッ...俺が取ォるッ!!!!」ダイブッ!!!
ズサーッ!!!
・・・
ポロッ 審判「フェア!フェア!!」
リヴァイ・ファーラン「ッ」
ジャン「走れェッ!! チビッ!!!!」グルングルンッ
コニー「うぉぉぉぉおおおっ!!!」ダッ!!!
ファーラン「〔クッ、どうする...このままバックホームで刺せるか!? いや1点を諦めるなら他をアウトにするか!?〕」
「バァック...」スタッ
モブリット「ホォォォオオオムッ!!!!!!!」シュッ!!!
アニ・ミカサ・マルコ・トーマス・ダズ・サシャ「コニィッ!!!!」
ダッダッダ!!! コニー「こんにゃろっ!!」
パシッ!!! イアン・サネス・マルロ「〔ドンピシャ!?〕」
ファーラン「行かすかよッッッ!!!」グッ!!!
ザッ ピョンッ!!!
ファーラン「_______は...?」
コニー「うぅぅっら!!」
ズサァーッ!!!!
審判「...セーフ!!」
-
- 296 : 2017/03/11(土) 00:50:33 :
・・・
「お...おぉぉぉおおおおおおおおッッッ!!!!!!」
実況「か、勝ち越し!! 勝ち越しの得点が...重い重い貴重な1点が...入ったぁぁぁああああああ!!!!!」
ケニー・ジャン父「うぉぉぉぉぉっし!!!!」
マルコ・トーマス・ダズ「おぉぉぉぉおおおおお!!!????」ダキッ
サシャ「やりました!!」
ハンジ「やったやった!!」
エレン「コニーの奴...すげぇな」
アルミン「は、はは...凄いな」
アニ「...ふっ、でかしたよ...大馬鹿!」
コニー「えっ!? 嘘、マジで!? 間に合ったの!? すげぇぇえええええええ」
「本人が一番驚いてる!!」
エレン「これで...11-10だ!!」
実況「なんと...先に王手をかけたのは...先行のシガンシナ高校だァ!!!!」
シガンシナ応援団「コ・ニ・ィ!コ・ニ・ィ!!!」
ライナー「〔あれ...打ったの俺だよな...?〕」ナミダメ
トーマス「てんめっ!! このチビ、すげぇ!!」
マルコ「今だけはその馬鹿さを尊敬する!!」
ダズ「やったな!!」
コニー「お前ら褒めてるのか、悪口言ってるのかどっちかにしろよ!!」
ザワザワ
観客「マジかよ...あの調査高校が負けるのか?」
観客「信じられねぇ...」
観客「あの怪物リヴァイのストレートをいとも簡単に当てやがった...!?」
観客「こりゃ...こりゃいけるぞ、シガンシナ!!」
観客「風向きが...シガンシナになったぞ!!」
-
- 297 : 2017/03/11(土) 00:51:09 :
-
ファーラン「ぇ...ぁ...ん...ど、ドンマイッs「ボール」
ファーラン「!!」ゾクゾクッ
シュッ パシッ 「...スゥーッ...ハァーっ...」
「〔何が、まぐれでも起きない限り負けない...だ?〕」
「〔何が、可能性が無いものなんてない...だ?〕」
「〔何が、誰も予想しない出来事があって...同点にされた...だ?〕」
「何が...俺が引っ張ってやる、だ...?」
リヴァイ「〔誰が暴投でランナーを出して、ポテンヒットで点を入れられた奴の背中を...ついて来いだ?〕」
リヴァイ「〔今まで仲間のミスや甘さを指摘してきた野郎が...このザマか?〕」
リヴァイ「〔一番甘く考えてたのは...てめぇ じゃねぇか〕」
リヴァイ「フゥーッ...」
エルヴィン「...ふっ、やっと本来あるべき姿を現したか」ニヤッ
リヴァイ「〔怪我がなんだ、雨なんだ、緊張がなんだ...んなもん、試合が始まったら関係ねぇだろ。〕」ゴゴゴッ
ウグイス「6番ショート、アッカーマン君」
トーマス「ミカサァ!! このまま勢いに乗って打ってけェ!!」
ミカサ「うん」コクッ
審判「プレ スッバシーンッ!!!!!!!!
その瞬間、球場内すべての者が口を...
また、体の動きを止めた。
それと同時に
全面に広がるどす黒い雲を一刀両断にするかのような...
一本の稲妻が疾走った。
その稲妻は...野球界の怪物を降臨させるかのように音を立て
そして、マウンドには...
この世のすべてを黙らすことのできる力を持った...
怪物 が立っていた。
-
- 298 : 2017/03/19(日) 00:55:59 :
・・・
ミカサ「ぇ......?」
アルミン・イアン・サネス「_______ッ!?」
エレン「は...?」チラッ
アニ「!」
審判「す...ストライクワン!」
観客「い、今...いつ...投げた...?」
観客「いやそんなことより...あれ...あれ見ろ...」
【156km】
観客「ひゃ、ひゃく...ごじゅう...ろく?」
観客「嘘だろ...高校史上最速を...出しやがった!?」
実況「な...んと...ひゃ、156km!! 156kmをマークしました!! リヴァイ、高校史上最速の156kmを出しましたァ!!!」
ミカサ「そ、そんな...」チラッ
リヴァイ「フゥーッ...」ゴゴゴッ
ドッ!!!!!!
リヴァイ「ッ!!!」シュッ!!!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ!!!
スッバシーンッ!!!!!!!! 審判「す、ストライクツー!!」
【157km】
実況「ひゃ、157km!! またも記録更新です!!!」
ケイジ「あれが...リヴァイの本気...」
イザベル「す、すげぇ...!!」
トーマ「はっ、流れを切ってくれよ。エース」
エルド「さすがだな。」
ネス「笑えないな...」ハハッ
モブリット「やっと本性を現したか...まったく待ちくたびれたよ。」
ミケ「ふっ、これが本当のリヴァイの姿だ。」
トーマス「み、ミカサがんb ドッ!!!!!!
リヴァイ「ッ!!!」シュッ!!!!!!
ミカサ「_______クッ!?」スッ!!
スッバシーンッ!!!!!!!! 審判「す...ストライク!バッターアウト!!」
【158km】
実況「158km!! なんと2連続で記録更新!! 高校史上最速の158kmで三球三振ッ!!」
ライナー「ば...化け物だ...」
ベルトルト「そんな...」
ミカサ「...クッ」チラッ
リヴァイ「次、来いよ。」ギロッ
-
- 299 : 2017/03/19(日) 00:57:36 :
ウグイス「7番ファースト、ワグナー君」
審判「プレイ!」
ドッ!!!!!!
リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ!!!
トーマス「_______ちょっ!? スッバシーンッ!!!!!!!!
審判「ストライクワン!」
ドッ!!!!!! リヴァイ「ウアァッ!!」シュッ!!!!!!
トーマス「うっ!?」スッ!!!
スッバシーンッ!!!!!!!! 審判「ストライクツー!」
ミタビ「おいおい...さっきから速度落ちてねぇぞ...」
【156km】
イアン「あぁ...まさかここまでとはな...」
サネス「マジで1点取れて良かったな、シガンシナは...」
マルセル「あんなの...とても同じ高校生とは思えない」
ヒッチ「なにあの人、本当は高校生じゃなくて現役プロなんじゃないの?」
マルロ「そんなわけないだろ。」
ヒッチ「ハァ!? 冗談だし!本当に言ってるわけないじゃん、バーッカ!」
ヒストリア「でも、勝ってるのはレン達よ。」
マルロ「そう、怪物が今更覚醒しても...次の裏で終われば...エレン達の勝ちだ。」
スッバシーンッ!!!!!!!! 審判「ストライクバッターアウト!スリーアウトチェンジ!!」
トーマス「すみませェん...全然当たる気しない」
マルコ「ドンマイドンマイ!この回抑えれば」
コニー「俺らの勝ちなんだ!切り替えようぜ!」
トーマス「あ、あぁ...そうだな!」
ジャン「おらっ、さっさと守備ついて...そんで勝つぞッ!!」
「おうッ!!」
スタスタ アルミン「ふぅ...」
「アルミン」
アルミン「なに?」
アニ「...”この回”気を付けるんだよ。」
アルミン「...うん、そうだね。”この回”気をつけなきゃね...」
スタスタ エレン「よし...行くぞッ!!」ダッ
ミカサ「うん!」ダッ
ライナー「俺らも行くぞ、ベルトルト!」
ベルトルト「あぁ!」
「待って、二人とも」
ピトッ ライナー・ベルトルト「え?」
「それとジャンも」
ジャン「え、俺も...?」
アルミン「ちょっといいかな」
・・・
-
- 300 : 2017/03/19(日) 00:58:44 :
ウグイス「11回の裏、調査高校の攻撃は...4番ピッチャー、リヴァイ君」
審判「プレイ!」
リヴァイ「...」ギリッ
アルミン「〔リヴァイには前回三球三振で抑えた。今回はそう欲張らない。〕」サイン
エレン「〔えっ、外低めを...コントロール重視?〕」コクッ
ドッ!!!! シュッ!!!
リヴァイ「〔外!!〕」ザッ!!!!!
キーンッ!!!
エレン「_______え?」ドクンッ
ダッダッダ!!! ベルトルト「ハァ、ハァ...切れるか!?」
アルミン「ベルトルト、ダイブッ!!」
ベルトルト「ッ!!」ダイブッ!!!
ポタッ コロコロ 審判「ファール!」
観客「あぁーっ!? あぶねぇぇえええ!?」
観客「リヴァイが初球でアウトになったら洒落にならないぞ...」
観客「なんたって...この回抑えられたら...調査高校の”負け”なんだからな。」
観客「頑張れーっ!! 調査高校!!」
観客「一発打ってくれェ!! リヴァイ!!」
コニー「? なんだこの騒ぎ」
マルコ「なんで...急にこんなムードに...?」
トーマス「おいおい、何かこの雰囲気前にも味わった覚えがあるような...」
ミカサ「...来る」
「いけぇーっ!!! 調査高校!!!」
「負けるなぁ!! 調査高校!!」
「調査高校ッ!! 調査高校ッ!! 調査高校ッ!!!」
トーマス・マルコ・ミカサ・コニー「〔初戦の時に味わった...あのアウェー感〕」
ドクンッ エレン「ッ、なんだ...この緊張っていうか...手の震え...」プルプル
ライナー「〔アルミン先輩の言った通りだ。〕」
ジャン「〔チッ、つくづく厄介だぜ。観客ってのは...〕」
ベルトルト「〔もしアルミン先輩が気付いてなかったら...今頃僕らは動揺してる。〕」
アルミン「〔やっぱり来たか...この流れ...〕」スタッ
審判「ボールです」スッ
アルミン「ありがとうございます。」
アルミン「エレン!バッター勝負!」シュッ
パシッ エレン「ぇ、ぁ...バッター勝負!」
審判「プレイ!」
アルミン「〔リヴァイがエンジンをかけ始めた時から、薄々は気付いていたけど...まさかここまで流れを変えてくるなんてね〕」
アニ「〔復活のエースに待っていたのは、悲劇という名の物語 ...そして、その悲劇を乗り越えたエースを皆口を揃えてこう呼んだ。〕」
英雄 と...
-
- 301 : 2017/03/19(日) 00:59:52 :
観客「こんなところで負けんじゃねぇぞ!調査高校!!」
観客「甲子園でもお前らのプレー期待してるんだぞ!!」
ミケ「ふっ、当然...甲子園に行くのは俺達だ。」キリッ
アルミン「〔この流れで調査高校が勝負してくるのは当たり前。ならここは...〕」サイン
エレン「」コクッ
ドッ!!!!
エレン「ウァアッ!!」シュッ!!!
ザッ!!!!! リヴァイ「ふッ!!」スッ!!!!!
キーンッ!!
リヴァイ「チッ...」ダッ!!!!
実況「二塁方向、ふわーっと上がった打球は詰まった当たり!」
マルコ「〔うっ、これはどっちだ!? 僕が捕るか!? それともライナーか!?〕」
ダッダッダ!!!
ライナー「〔くそっ、追いつくか!?〕」
エレン「ライナー!!」
アルミン「ライトォッ!!」
マルコ「っ、ライナー!」ビクッ
ライナー「〔一か八か...やってみるしかない...飛び込めッ!!〕」ダイブッ!!!
ファーラン・イザベル「落ちろォオッ!!!」
ズサーッ!!!
エレン「〔どっちだ..アウトか...!?〕」
ファーラン「〔フェアだ...!!〕」
ライナー「うっ...うぅ...」
コロコロ 審判「フェア!フェア!!」
「落ちたぁぁぁぁああああああっっっ!!!!!」
「よっしゃぁぁあああああああ無死 ランナーは一塁!!」
リヴァイ「はっ、危ねぇな...」
マルコ「ライナー、大丈夫か!?」
ライナー「あぁ、ただの打撲だ...それより...くそっ、すまん!俺が捕ってれば...」
トーマス「ドンマイ、気にするな!」
マルコ「そうだよ、それに今の当たりは僕の守備範囲内なのに...」
ミカサ「二人とも切り替えて、次アウトを取れば何も問題はない。」
ライナー「あぁ...そうだな。」
マルコ「ごめん取り乱して...うん、切り替えよう。」
イアン「今の打球は難しいな。」
ミタビ「なんだよ、いつもだったら声出してコミュニケーション取れば楽勝って言ってるのによ」
イアン「確かにコミュニケーションは出来ていなかった。が...やっぱりこの状況だとな」
グスタフ「状況って、グラウンドのってことか?」
イアン「それもある...だが、今はグラウンドよりも...観客席だろうな。」
ミタビ「場の雰囲気ってやつか。」
イアン「そうだ。」
サネス「あいつら は、これまで色んなアウェー感を味わっただろうが...今日はどんなアウェー感よりも重てぇしな。」
マルセル「どんなアウェー感よりも重い...ですか?」
サネス「そりゃ甲子園の切符を賭けた決勝なんだ。緊張しないわけないだろ?」
マルセル「なるほど」
マルロ「それにシガンシナはほんとどが1年生だ。中学野球と高校野球の規模の大きさは格段と違うからな。」
ヒッチ「経験したことある人があの4番の人だけっていうのも、何か可哀そうだねぇ。」
マルロ「あぁ...もし俺が...今の状況であそこに立ってたら...吐いてるかもな。」
ヒストリア「...レン」
マルロ「ただでさえ、1点差であとアウト3つ取れたら勝ちっていう状況なんだ...どんなに些細なミスも命取りだ。」
アルミン「ノーアウト!!」
エレン「の、ノーアウト!」
-
- 302 : 2017/03/19(日) 01:02:03 :
ウグイス「5番ライト、ザカリアス君」
アルミン「〔ここでミケさんか、外野フライor内野フライで十分〕」サイン
エレン「〔内低め...〕」コクッ
ドッ!!! シュッ!!
エレン「〔っ、踏み込みが甘い!?〕」
ミケ「〔内...甘いッ!!〕」スッ!!!!
キーンッ!!!
審判「ファール!!」
ミケ「〔まだ振り遅れてるのか...〕」
アルミン「〔今の球、明らかに球威とキレが悪かった...マウンドがしっかりしてないのか?〕」シュッ
エレン「〔雨でマウンドがびしょびしょなのは、もうわかってる...でも今のは本当にマウンドが荒れてるせいなのか...?〕」
エレン「〔本当は俺...緊張で...〕」プルプル
コニー「エレン!サードに打たせろよ!! 俺が捕る!!」
エレン「っ、コニー...」ビクッ
トーマス「エレン、まさか緊張でガチガチになっていつものピッチングが出来なくなったとかいうなよ?」
マルコ「自分のペースで投げよう!」
ミカサ「エレン」
エレン「ミカサ...」
ミカサ「後ろは私達に任せて、必ず捕るから。」
エレン「...あぁ」コクッ
ドッ!!!! シュッ!!!
ミケ「〔外...ボールだ!〕」グッ
スッバシーンッ!!!!! 審判「ボールワン!」
アルミン「ナイスボール!ボール走ってるよ!」
エレン「はい! ...ふぅ」ギリッ
ドッ!!!! シュッ!!!
ミケ「〔高い...が!〕」グッ
スッバシーンッ!!!!! 審判「ボールツー!」
アルミン「〔浮いたか...でも、ストレート自体は悪くない。このまま攻めよう〕」サイン
ドッ!!!! シュッ!!!
ミケ「〔また外!今度は振る!!〕」スッ!!!!
スッバシーンッ!!!!! 審判「ストライクツー!」
エレン「よしっ!」
ミケ「〔今のままじゃ打てないな...長打はいらない。後に続くバッティングをするのみ...なら〕」ガシッ
アルミン「!」
エレン「〔さっきよりバットを短く持った...?〕」
ミケ「〔個人の結果など今は必要ない。今必要なのは...チームが勝つためのプレー〕」
ミケ「〔俺達が勝つために...甲子園へ行くために...!! そして...そのためにお前を倒す!!〕」ギリッ
エレン「ッ」ゾクゾクッ
アルミン「〔自分のバッティングを変えてきた...いよいよ、ここからが本番だ。〕」サイン
エレン「〔今...あの5番の人に睨まれた...打つ気配だ。〕」コクッ
スッ!!!! ドッ!!!!
エレン「〔だけど、俺だって...負けるわけにはいかないッ!!〕」シュッ!!!
ザッ!!!! ミケ「〔内...低めっ!!〕」スッ!!!!
キーンッ!!!
エレン「_______ッ」
アルミン「サードッ!!」
コニー「こんにゃろォッ!!!」ダイブッ!!!
パシッ!!! ズサーッ!!!
審判「フェア!フェア!!」
ダッダッダ!!!! リヴァイ「ふっ!!」スッ!!!!
ズサーッ!!!! 審判「セーフ!」
アルミン「〔二塁間に合わない〕」
アルミン「1つ!」
コニー「オラァッ!!」スッ!!!
ニュルリッ シュッ!!
コニー「〔やべっ!? 滑った!?〕」
ダッダッダ!!! ミケ「うぉぉおおおおおおッッッ!!!」ダイブッ!!!
ズサーッ!!! パシッ!
審判「セーフ!セーフ!!」
-
- 303 : 2017/03/19(日) 01:06:35 :
「おぉぉぉおおおおおおっっっ!!!!」
実況「サード、送球がズレて一塁・二塁共にセーフ!!」
観客「これでノーアウト一二塁だ!!」
観客「この回一気に逆転でサヨナラ勝ちだぁ!!」
コニー「わりぃ!エレン!!」
エレン「ドンマイ!」
アルミン「〔段々ストレートのタイミングが合ってきてるな...〕」
アルミン「エレン、ノーアウト!」
エレン「はいっ!!」
ウグイス「6番サード、ジン君」
エルド「...来いッ!」ギュッ
審判「プレイ!」
アルミン「〔ノーアウト一二塁...バッターは左打ちのエルドさん...三遊間抜かれたら厄介だ。〕」サイン
エレン「〔今度は内角低め に...〕」コクッ
ドッ!!!!!
エレン「〔全力投球 ッ!!〕」シュッ!!!
エルド「〔内角、高めっ!!〕」スッ!!!!
キュルルルゥッ!!! スッバシーンッ!!!!!!
審判「ストライクワン!」
エルド「ッ」
ファーラン「〔”今の一球”...俺が最後に見逃した”あの一球”と同じ感じ...〕」
エルド「〔さっきより球威とキレが...増した、だと...?〕」チラッ
アルミン「ナイスボール!」シュッ
パシッ エレン「はい!」ザッザッ
エルド「〔あれが全力投球なら十分大した奴だが...もし今の一球が全力投球じゃなかったら...こいつ、もしかしたらリヴァイより...〕」
ドッ!!!! シュッ!!!
エルド「〔今度は外...低い!〕」グッ
スッバシーンッ!!!!! 審判「ボール!」
実況「2球目は外やや低いストレートは、ボール!」
アルミン「オッケーオッケー!ストレート良いボール来てるよ!」シュッ
エルド「〔今のボールもアルミンの指示通りか...?〕」
エルド「〔だとしたら次は...〕」ギュッ
ドッ!!!! シュッ!!!
エルド「〔真ん中低めボール球になる...落ちる変化球!!〕」スッ!!!!
スッバシーンッ!!!!! 審判「ストライクツー!」
エルド「ストレートっ!?」
アルミン「ふっ」ニヤッ
エルド「〔しまった...罠か!!〕」
ドッ!!!!!
エルド「〔次は変化球で来るか...? いやだが、奴はまだ変化球を投げていない...まさか変化球はないのか!?〕」
エレン「ッ!!」シュッ!!!
エルド「〔クッ、考えてる時間さえもない...せめて球質を確かめだけでも!!〕」スッ!!!!
スッバシーンッ!!!!!!
エルド「_______なっ...!?」
審判「ストライク!バッターアウト!!」
アルミン「ナイピッチッ!!」シュッ
エレン「おしっ!!」パシッ
-
- 304 : 2017/03/19(日) 01:07:08 :
観客「すげぇな、あの調査高校から三振を7つも取りやがった...」
観客「しかも、こんな雨でグラウンドがグチャグチャな状態に...決勝だぜ? そんな状況で...すげぇよ」
観客「あいつマジで誰なんだ...!?」
エルド「...すまん」ボソッ
ケイジ「どうしたよ」ボソッ
エルド「どうやら俺はあいつ と相性が悪いらしい。」ボソッ
ケイジ「相性なぁ...とにかくこのチャンス逃すわけにはいかねぇだろ」ボソッ
エルド「あぁ、そうだな...頼んだぞ!ケイジ!!」
ケイジ「! お、おう!」
スタスタ ケイジ「〔珍しいな、常に冷静を保って熱くならないエルドが...俺にエールを送るなんてな...〕」チラッ
計 H E
シガンシナ 0 1 0 2 2 0 0 0 5 0 1 11 16 5
調査 2 0 0 2 3 0 3 0 0 0 10 12 3
ケイジ「〔まっ、この結果見れば...誰だって熱くなって当然だよな。いやというか、ここで熱くならなきゃ...男じゃねぇ!!〕」ギュゥッ
スタスタ エルド「〔俺らしくないことをしたな...でも、俺は...こんなところで高校最後の夏を終わりにしたくない!〕」ギュゥッ
「任せとけ、エルド!!」
エルド「!」チラッ
ケイジ「このまま黙って引き下がる俺らかよ。簡単に終わらせねぇからな...ベンチで待ってろ!」
エルド「...あぁッ!!」
-
- 305 : 2017/03/19(日) 01:07:52 :
ウグイス「7番ファースト、ケイジ君」
ケイジ「します!」
審判「プレイ!」
ケイジ「フゥーッ...」ギリッ
アルミン「〔集中してる...エレンをどう対策するとかじゃなくて、これはもう...目の前の一球にだけ一点集中って感じだ。〕」
アルミン「〔初球煽ってみよう〕」サイン
エレン「」コクッ
ドッ!!!! シュッ!!!
ケイジ「〔外甘い...けどっ!!〕」グッ!!!
スッバシーンッ!!!!! 審判「ストライクワン!」
エレン・アルミン「〔甘いコースを振りに来なかった...?〕」
アルミン「〔これは探りや待機指示じゃない。自分の判断だ。〕」サイン
エレン「〔次も外...〕」コクッ
ドッ!!!!
ケイジ「〔確かに今のは絶好球だ。いつもの俺なら迷わず振ってスタンドか、右中間あたりを割ったはず...〕」
ケイジ「〔そう...”いつもの俺”ならだ。〕」
エレン「ッ!!」シュッ!!!
ケイジ「〔だが、よく考えろ。相手は調査高校 をよく研究してるアルミンだ。俺らの癖を見抜いててもおかしくない。〕」
ケイジ「〔いつも通りのバッティングを貫き通す方法も悪くはない...だが、今のシガンシナ相手にその”いつも通り”が通用しなかったらどうするか...?〕」
ザッ!!!! ケイジ「〔答えなんて...知るか、そんなもんッ!!〕」スッ!!!!
キーンッ!!!
エレン「_____っ、ファースト!」
トーマス「えっ!?」
ダンッ!!! 実況「なんと!? 打球は一塁ベースに当たったァ!?」
審判「フェア!フェア!!」
リヴァイ・ミケ「ッ!!」ダッ!!!
アルミン「エレン!そのままベースカバー!! トーマスは捕ったら1つ!!」
エレン・トーマス「あ、はいっ!!」ダッ!!!
「〔大切なのは対応力もそうだ...けど...もっと大切なのは...〕」
ケイジ「〔今どうにかしたい、という気持ち・想いだッ!!〕」ダッ!!!!
ダッダッダ!!!
ガシッ トーマス「エレン!!」シュッ!!
ケイジ「〔漫画やドラマではよく弱小校が強豪校に勝つっていうシナリオがある...そして大概強豪は毎回甲子園で良い思いをしてると思われてるかもしれない。〕」
ケイジ「〔俺らだって...良い思いばっかしてねぇよッ!!〕」ダッダッダ!!!
ケイジ「〔優勝しても...三振されたり、打てなかったり、守備でエラー起こしたら誰だって悔しい思いはするし、悔いだって残るんだッ!!!〕」
ケイジ「〔去年出来なかったこと...悔しかったことを...今年こそ...絶対にやりきるんだッ!!!〕」
エルド「走れッ!! ケイジッ!!!!」
「だから...」
ケイジ「〔終わらせてたまるか...俺達の夏をッッッ!!!!!〕」ダイブッ!!!!
ズサーッ!!! エレン「...」チラッ
審判「...セーフ!!」
「おおぉぉぉぉおおおおおおおおおおっっっ!!!!!!」
実況「一塁セーフ!! 間に合いました!! ケイジ、必死のもがいた甲斐がありましたッ!!!!」
ケイジ「っしゃぁぁあああああ!!!」ガッツポーズ
イザベル「やっべぇえ!! ケイジ先輩かっけぇえええ!!!!!」
ファーラン「惚れるッス!!」
エルド「...ふっ、やってくれたな。」グッ
ケイジ「ハァ、ハァ、ハァ...」グッ
トーマス「わ、わりぃエレン!」
エレン「ど、ドンマイ!今のは俺もカバー遅れたし...」
トーマス「俺は打球反応遅れた...」
マルコ「はい、そこ二人!き・り・か・え!」
エレン・トーマス「お、オッス!」
アルミン「〔これで...〕」
アニ「〔ワンァウト...満塁〕」
-
- 306 : 2017/03/31(金) 23:36:39 :
ウグイス「8番レフト、ネス君」
ネス「来ぉい!」
審判「プレイ!」
イアン「〔ワンァウト満塁か...厄介な状況だな。〕」
サネス「〔それにあっち のムードも絶頂寸前だ。試合の流れは持ってかれてなくても...チームムードは最高潮〕」
マルロ「〔このまま同点にされたら...逆転サヨナラもあり得るぞ、エレン〕」
アルミン「...タイム」
審判「タァイム!」
スタスタ
ミタビ「さすがにタイム取ったな。」
グスタフ「当然じゃないか?」
イアン「あぁ、延長になれば必ず1回経つにつれてタイムが1回使えるからな。打ち合わせをするなら今だ。」
ミタビ「マウンドの空気重そうだな、おい...」
マルロ「なんたって...この回2点以上取られたら...サヨナラ負けなんだからな。」
ヒッチ「だ、大丈夫だよ!ね? ヒストリア!」
ヒストリア「...レン」
トーマス「わりぃ...正直集中力切れてた...」ボソッ
マルコ「だからネガティブになるな!」ボソッ
コニー「そうだぜ!ミスっちまったもんはもう変わんねぇよ!」ボソッ
トーマス「だぁからコニー...お前はいつも一言余計なんだよっ!!」ガッ
コニー「ほっ!?」ヒョイッ
コニー「なぁんだ!全然体力あるじゃん!」
トーマス「体力の話はしてねぇっつの!!」
マルコ「二人共KD ウイルス再発症してるから!!」ボソッ
ミカサ「エレン、肘の調子は大丈夫なの?」
コニー「おう、トーマスよりエレンの肘だな!」
トーマス「うっ...確かにエレンの肘よりかは、重要度は低いから言い返せねぇ...」
エレン「あぁ大丈夫だぞ。」
アルミン「ワンァウト満塁でネスさんだ。内野も外野も前進守備をするんだ。」ボソッ
「はい!」ボソッ
アルミン「コニーはいつもよりベース側に、ミカサは三遊間よりに、マルコは二遊間、トーマスは一二塁間寄りに守って」ボソッ
マルコ「ってことは流し方向 は捨てるんですか?」ボソッ
アルミン「うん、ネスさんはどちらかと言えば引っ張るタイプだから。三塁線をしっかり絞めようと思う。」ボソッ
トーマス「なるほど」ボソッ
エレン「あとは俺が...どれだけ抑えられるか、だけですね。」ギリッ
・・・
エレン「え...?」
「ぶっ...あははっ」クスクス
エレン「なっ、なんで笑うんだよ!お前ら!!///」
トーマス「いやぁだってさ...かっこつけすぎだろ!」
マルコ「でも、その通りだと思うよ。エレンが抑えてくれればそれで事は済むわけだし!」
ミカサ「あとはエレンが抑えられるか...だから...ふふっ...」クスクス
エレン「お前はツボにハマりすぎだろっ!!」
コニー「エレンが抑えきれなければ...」
アルミン「僕達がフォローすればいいだけさ。」
エレン「アルミン先輩...」
アルミン「さっ、気を取り直して...ここ抑えよう!」
「はいッ!!」
トーマス「〔全くこっちはミスって動揺しまくってるってのに...あいつ〕」クスクス
マルコ「〔緊張で吐きそうなくらいの状況っていうのに...ホントに敵わないな〕」
ミカサ「〔だからこそ...私達が...!!〕」
コニー「〔あいつをカバーしてやんないとな!!〕」
トーマス「エレン楽にな!」
マルコ「固くならずに自分のペースで!」
コニー「俺のところに打たせろ!絶対取るから!」
エレン「お前ら...あぁ!」
「エレン」
エレン「?」
ミカサ「ナイピッチ、もう一球!」
エレン「...スゥーッ...フゥーッ...あぁッ!!」
アルミン「外野前へ、捕ったらホーム優先!」
ライナー・ジャン・ベルトルト「おうッ!!」
アルミン「コニー、ミカサ、マルコ、トーマス!後ろは任せたよ!」
コニー・ミカサ・マルコ・トーマス「はいッ!!」
アルミン「エレン!」
アルミン「ストレート...真っ向勝負でいこう!!」
エレン「...はいッ!!」コクッ
アルミン「スゥーッ...声出していこうッ!! ワンァウトォ!!」
「オーッ!! ワンァウトォ!!」
-
- 307 : 2017/03/31(金) 23:38:34 :
観客「おぉ、シガンシナまだ諦めてない!」
観客「守り切れェ!! シガンシナ!!」
ミタビ「おぉ、おぉ...やっぱりあいつら並みの心臓持ってねぇな!」
グスタフ「2点取られたら即終了 っていう場面で、この盛り上げよう...さすがだな!」
イアン「見物だな...あの1番 がどれほどのメンタルを持ってるか...」
アルミン「ありがとうございます!」
審判「プレイ!」
実況「さぁワンァウト満塁とビックチャンスを作った調査高校のバッターは、8番のネス!」
スタスタ
ネス「ん?」チラッ
実況「なんと...シガンシナ高校、内野を全体的にサード寄りに守ってきたァ!!」
ネス「〔...アルレルトか!〕」
リヴァイ「〔この状況でも尚...冷静にデータ分析して計算でネスを打ち取ろうってか...ったく、とことん厄介だな〕」
ミケ「〔だがそれも...今や無意味〕」
ケイジ「〔俺達をここまで追い込んだんだ...タダじゃ終わらせない〕」
「〔あと2点...必ず取る!!〕」
ドッ!!!!
エレン「ッ!!」シュッ!!!
ネス「〔内野サード寄り...外野前進...穴なら...そこに にある!!〕」スッ!!!
スッバシーンッ!!!!! 審判「ストライクワン!」
ネス「〔っ...こいつ...またギアあげやがったか!? さっきよりキレ増してるぞ!〕」
アルミン「ナイスボール!!」シュッ
ネス「〔焦るな...ここでゲッツーになったら、リヴァイ達の努力が無意味になる。...考えろ、俺はどうすれば打てる?〕」
ネス「〔まずこのストレート...そして、この守備配置だ。〕」
ネス「〔モブリットやエルド達は、タイミングは140km後半と思い込んだ方がいいって言ってたな...〕」
ネス「〔ダメだ...今の俺に打てるイメージが湧かない〕」
エルヴィン「〔打てないと思うならば無理に打とうとしなくていい。カットでもいい、後に繋ぐんだ。〕」サイン
ネス「〔カット...やるしかない...〕」
アルミン「〔今あっちの監督から何かサインが出てたな...仕掛けてくるのか? でも、エレンのストレートにタイミングはあってない。〕」
アルミン「〔今の調査高校にとっては、このチャンス何が何でも掴もうとするはず...どう仕掛けてくる...〕」
ドッ!!!! シュッ!!!
ネス「〔っ、はやっ!? もう投げてる...えぇい...もう破れかぶれだッ!!〕」スッ!!!
ザッ!!! ニュルッ
ネス「〔_______ッ、まずい...バット滑る!?〕」グググッ!!!!
キーンッ!!!
エレン・アルミン「〔______なっ!?〕」
実況「打ったァ~!! 三遊間ちょうど良いコースだァ!!」
アルミン「サードォッ!!!」
コニー「〔くっそぉぉ...ぜってぇ...捕るッ!!!〕」ノビッ
シュルッ コニー「_______ッ」
ファーラン・イザベル「抜けt パシッ!!!!
リヴァイ・ミケ「!?」
ズサーッ!!! 審判「アウト!!」
アルミン「ミカサ、2つ!!」
ミカサ「クッ...うぅ...ッ!!」シュッ!!
ダッダッダ!!! ミケ「うぉぉおおおおおお!!!!」ダイブッ!!!
ズサーッ!!!
マルコ・ミケ「〔どっちだ!?〕」チラッ
審判「...セーフ!」
「おぉぉぉおおおおおおおッッ!!!!!」
-
- 308 : 2017/03/31(金) 23:46:55 :
実況「三遊間抜けたと思った当たりをサード、スプリンガーがダイビングキャッチを狙ったが届かず...ですが、なんとショートのアッカーマンがカバーに入っていたァ!!!!」
マルコ「な、ナイスカバー!ミカサ!!」ドキドキ
ミカサ「いや、それでも二塁刺せなかった...」
マルコ「自分に厳しいんだね...」
アルミン「〔それでも助かった。今の当たりが抜けてたら完全にサヨナラ負けだった。〕」チラッ
コニー「サンキュー、ミカサ!! 助かった!」
ミカサ「うん」
アルミン「〔本当に大したもんだよ。この状況でもいつも通りの守備をできるなんてね〕」
アニ「〔でも、それよりもっと気になるのは...エレンのストレートを”綺麗に当てたこと。”〕」
アルミン「〔もしかしてネスさん...ストレート見えてた?〕」
スタスタ ネス「すまん、こんなチャンスを...」ギュゥッ
トーマ「おい、暗くなるな! 俺がここで打てば何も問題ない!」
ネス「トーマ...」
トーマ「絶対に打つ...必ずまたあの舞台へ立つために!そして、レギュラーを取り戻すためにも!!」
実況「さぁアッカーマンのファインプレーでツーアウトとなったシガンシナ高校!!」
トーマス・マルコ・コニー「〔あと1つ〕」
ライナー・ジャン・ベルトルト「〔あと1つで...〕」
アルミン・ミカサ「〔甲子園ッ!!〕」
アルミン「ツーアウトォ!!」
コニー「オォーッ!! ツーアウト!!」
トーマス「バッター勝負!!」
マルコ「声出していこう!!」
ミカサ「エレン、ナイピッチもう一球!!」
エレン「ふぅ...あぁ!」
ウグイス「9番ショート、トーマ君」
トーマ「うぉおおッ!! 来い!!」
審判「プレイ!!」
「〔あと...アウト1つで...〕」
エレン「〔俺達の...勝ち...〕」ドクンドクンッ
トーマ「〔ぜってぇ打つ!何が何でも...死にもの狂いで!!〕」ギュゥッ
エレン「〔あとアウト1つ...それで俺達が...ハァ...ハァ...〕」ドクンドクンッ
アルミン「〔トーマさんか...厄介だな。〕」
調査高校2軍メンバー「そういえばトーマさんも昔自由の翼だったんだろ? なんで監督は使わないんだろ?」
調査高校2軍メンバー「そりゃショートと言えば、怪物のリヴァイさんがいるからに決まってんだろ?」
調査高校2軍メンバー「確かにそうだけど、あの人元々ピッチャーじゃん?」
調査高校2軍メンバー「何か怪我で出来ないから、代わりにショートで使ってるんだと」
調査高校2軍メンバー「何かひでぇよな。特別扱いって感じ」
ファーラン「トーマ先輩...頼むッス...」
「大丈夫」
ファーラン・イザベル「え?」
モブリット「あいつは必ず打つ。なんたって...俺ら3年の中で一番悔しい思いをしてるのは...あいつなんだからな」
モブリット「中学で”自由の翼”と言われてた頃...あいつはショートを守ってた。けど、怪我でリヴァイが投げられなくなった途端レギュラーから外されたんだ。」
ファーラン「!」
モブリット「酷い時は落ち武者とまで言われてたんだ。」
モブリット「そんなあいつが、こんなチャンスもらって黙って帰ってくることなんてあり得ない。」
ファーラン「自由の翼...」ギュゥッ
ファーラン「コース絞って、広く広く!!」
イザベル「絶対打てますッ!!」
-
- 309 : 2017/03/31(金) 23:47:56 :
トーマ「〔ネスが言ってたな...〕」
_________________________________
____________________________________________
____________________________________________________________
・・・トーマがバッターボックスに入る前・・・
ネス「トーマ、監督が無理ならカットでいいって」
トーマ「あぁ」
ネス「それと...これはあんま役に立つかわからないが...」
ネス「タイミングは、めっちゃ速いカーブを打つ感じで打ってった方がいいぞ!」
トーマ「なんだそれ!?」
____________________________________________________________
_____________________________________________
_________________________________
トーマ「〔めっちゃ速いカーブね...ってかストレートなんだから曲がるわけないだろ...ま、あくまでタイミングの話だけどな〕」
トーマ「〔カットする気持ちで...タイミングはめっちゃ速いカーブ...どんくらいだよ!!〕」
ドッ!!!! シュッ!!!
トーマ「〔ってギャグやってる場合かっ!!〕」スッ!!!
スッバシーンッ!!!!! 審判「ストライクワン!」
アルミン「〔うん...タイミングあってない。〕」
トーマ「〔あぁッくそっ!! 余計なこと考えっから...フゥーッ...カットするぞ...カット...〕」
ドッ!!!! シュッ!!!
トーマ「〔カット...カット...ってやばっ!? 溜めすぎた!?〕」スッ!!
キーンッ!!
エレン「えっ...!?」ドクンッ
審判「ファール!」
トーマ「〔え...ちょっと待て...今ので当たるのか...?〕」
アルミン「〔当てた...?〕」
トーマ「〔もしかして俺ら...”振り遅れじゃなくて”...”速く振りすぎたんじゃないか”...?〕」
アルミン「〔ここで当ててきたのは単なる偶然か、それとも狙ったのか...〕」
エレン「〔あの人...俺のストレート...もう見抜いて...?〕」ドクンッ
トーマ「〔もう一球だ、もう一球だけ...そこですべて決まるぞ〕」
アルミン「〔下手に決めに行くより、ここはじっくりいこう〕」サイン
エレン「」コクッ
ドッ!!!!
エレン「〔大丈夫...後ろにはあいつらがいる...!!〕」シュッ!!!
ザァッ!!!! トーマ「〔さっきと同様!踏み込みは早く...そして、あとは腕で合わせる!!〕」スッ!!!
キーンッ!!!
エレン・アルミン「!!」
アルミン「エレン!!」
エレン「_______ぐっ!?」ノバシッ
トーマ「抜けろぉぉぉぉおおおおおおおおっっっ!!!!!!」
シュルッ リヴァイ・ミケ・ケイジ「〔抜けた!!〕」ダッ!!!
「ピッチャー返し、センター前抜けたぁぁぁああああああああああ!!!」
ザッ!!!! リヴァイ「まずは...同点だ」
実況「同点!! 11-11の同点!!」
-
- 310 : 2017/03/31(金) 23:49:08 :
ダッダッダ!!! ミケ「ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
ライナー「っ、ジャン!ホーム!!」
ジャン「んにゃろっ!!」シュッ!!!
観客「二塁ランナー、ホーム帰ってくるぞ!!」
観客「一気に逆転だ!!!」
アニ「アルミン、ホーm...ッ」
_________________________________
_____________________________________________
_________________________________________________________
・・・4回調査高校攻撃時・・・
調査モブ「ミケ!!ストップ!!!」
ダッダッダ!!!!
調査モブ「お、おい!?」
マルコ「ライナー!!バックホーム!!!!」
ミケ「」ゴゴゴッ
アルミン「バックホームッッッ!!!!!!!」
タタッ!!! ライナー「〔くそっ、ホームに帰させねぇッッ!!!!!〕」シュッ!!!
パシッ!!!!
「ストライク送球ッッ!!!!」
ミケ「そこをぉどけぇぇぇぇええええええええッッッ!!!!!!!!!」
アルミン「ッ」
ドゴォッ!!!!!
_________________________________________________________
_____________________________________________
_______________________________________
アニ「ぁ...ぁ、ぁ...」ウルウル
_______________________________________
_____________________________________________
_________________________________________________________
・・・9回 アルミンの打席が終わった後・・・
「でも僕は、自分のために野球はしないよ。」
アニ「っ...は、はぁ!? あんたさっき...「中学の時の約束は忘れるよ。」
アルミン「それでも僕は、アニのためにしか...野球はしない。」
アルミン「だからアニ」
アニ「!」
アルミン「最後の約束である、中学の時の約束は...ちゃんと忘れる。もう思い出さない。でも...」
アルミン「一番最初にした、幼稚園の時の約束は...絶対に忘れないよ。何が何でも...これだけは守るから。」
_________________________________________________________
_____________________________________________
_______________________________________
「約束したんだから...」
アニ「ちゃんと守りなさいよ、このバカッッ!!!」
パシッ!!!! 「またストライク送球!!」
エレン「ッ、アルミン先輩!!」
「哀れな...一度ならぬ二度も...同じこと繰り返すなんてな...」
「お前が何度でも立ちふさがるなら...俺も何度でも言おう...」
ミケ「そこをどけぇッ!!!! アルミンッッッ!!!!!!!」ダイブッ!!!!
-
- 311 : 2017/03/31(金) 23:52:10 :
なんだろ...この感じ...
体の底から...漲 ってくるような...この感覚は...
体中は燃えるように熱くなって...
でも頭は...脳は...ひんやりと...凍てついていて...
周りの声や音はもちろん、ボールの位置、ランナーの位置
守備の位置、自分の立ち位置...
そして...
アニがどこで、何を言っているのかが...鮮明に聞こえるし
どんな顔で見ているのかも...見える。
よく漫画や小説で『誰かのために何かをするとき、力が湧いてくる』
という言葉が出てくる...
今なら...その当事者の気持ち...よくわかるな...
だって...
「僕が今...ここにいる意味 は...」
アルミン「誰かのためじゃなくて...みんな を甲子園に送り出すために...ここにいるんだッ!!!!」スッ!!!!
ズサーッ!!!! グググッ!!!!
エレン「ぁ...ぁるみん...先輩...?」
サッ アルミン「ふぅ...」チラッ
審判「...アウト!! スリーアウトチェンジ!!!!」
「...お、抑えたぁぁぁぁあああああああ!!!!!」
トーマス・マルコ・コニー「うぉぉおおおおおっっ!!!!」
ライナー・ジャン・ベルトルト「よっしゃぁああ!!!」
ミカサ「...ふふっ」クスッ
エレン「あ、アルミン先輩...け、怪我は...?」
アルミン「ん? そんなのアドレナリンでどっか行っちゃったよ」ニコッ
エレン「っ~!! アルミン先輩...!!」パァ
ハンジ「はぁ...ホントやってくれるね、彼は」ヤレヤレ
アニ「...えぇ、本当に...危なっかしい奴ですけど...頼れる...男です!」ニッ
ジャン「ナイスブロックです!アルミン先輩!」
アルミン「うん、ジャンの送球もよかったよ!」
-
- 312 : 2017/03/31(金) 23:52:46 :
ミケ「...」
スタスタ 「哀れはどっちだろうな」
ミケ「...リヴァイ」
リヴァイ「ったく、4回の時も同じプレーしやがって...もし審判に反則がバレてたらてめぇはとっくに退場してるぞ。」
ミケ「...あぁ...そうだな...哀れは...俺の方だな」
リヴァイ「...だがまぁ、お前もそれだけ熱くなってたってことでもういいだろ、それで」
ミケ「...いいのか、監督に言えば俺は外れるんだぞ」
リヴァイ「いいって言ってんだろ。それに...うちにはお前の力が必要だ。お前なしじゃこの試合に勝てねぇ」
リヴァイ「勝つぞ、この試合」スッ
ミケ「...あぁ...すまないな、迷惑かけて」ギュッ
ケイジ「惜しかったな、最後!」
モブリット「またチャンスを作る、大丈夫だ。俺らなら勝てる!」
イザベル「ミケキャプテンのプレー...俺は燃えました!次は必ずヒット打ってみせます!!」
ファーラン「...正直俺は許さないッス」
ミケ「ファーラン...あぁそうだな。お前の憧れの選手なのにな...すまない」
「でも」
ミケ「!」
ファーラン「試合が始まったらもう関係はない...敵にあらゆる手を使ってでも勝ちたいと思うのは当然ッス」
ファーラン「だからあんなプレーはもう...二度としないって約束してくれたら...許すッス」
ミケ「...約束しよう。」
ファーラン「...なぁんてねっ!! 見ました!? 今のミケ先輩の顔!! すっげぇしょぼくれてんの!!」ゲラゲラ
イザベル「てっめぇファーラン...キャプテンに何挑発してんだよ!! 謝れ!!」
ファーラン「ハァ? べェつに挑発してねぇしィ?」
イザベル「今も俺にしてんだろうがよォ? あぁ!?」
ケイジ「ハァ...全くお前らなぁ...」
モブリット「ま、ファーランの言うことも一理あるな。」
エルド「過ぎてしまったことはもう仕方ない。あとはもう勝つことであいつに償おう。」
トーマ「そんな汚い手を使わなくても勝てるってことをな!」
ミケ「みんな...」
「早く準備をするんだ。」
エルヴィン「でなければ選手交代させる。」
ファーラン「さぁっすが監督!! この雰囲気をわかってるッスね!!」
エルヴィン「一番最初に代えるのは誰がいいかな?」
イザベル・ケイジ・エルド・モブリット「こいつです」ユビサシ
ファーラン「ハァッ!? ちょっ、グルだ!! いけないんだ!! いじめだ、いじめ!!」
エルヴィン「ファーラン、多数決で決まったものは仕方ない」
ファーラン「って監督も最初から俺を交代させる気だったんスね!?」
ザワザワ
ミケ「...リヴァイ感謝する」
リヴァイ「はぁ? 俺は別に感謝されることはしてねぇ」
ミケ「...ふっ、相変わらず素直じゃないんだな。」
リヴァイ「どっちの台詞だ」
ミケ「勝つぞ、この試合」
リヴァイ「当たり前だ。」
-
- 313 : 2017/04/07(金) 23:28:56 :
ウグイス「12回の表、シガンシナ高校の攻撃は...8番ピッチャー、イェーガー君」
エレン「お願いします」
審判「プレイ!」
ドッ!!!!!!
リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ!!!
エレン「ぅっ!?」スッ!!!
スッバシーンッ!!!!!!!! 審判「ストライクワン!」
アニ「〔ピンチは防いだ。でも、点を取らなきゃ試合には勝てない...それで恐らく今のリヴァイの調子は絶好調〕」
アルミン「〔今のあいつ から点を取ることはおろか、バットに当てることさえも難しい... キーンッ!!!
アニ・アルミン「_______えっ...?」チラッ
実況「打ったぁ! が、しかし...」
パシッ!!! イザベル「ケイジさん!」シュッ!!!
パシッ!!! 審判「アウト!」
観客「かぁ~...やっぱダメか...」
観客「リヴァイの奴、完全にエンジンかかっちまったしな...」
ファーラン「〔あいつ...またリヴァイ先輩のストレートを...それに前の打席より速くなってるはずなのに...〕」
リヴァイ「〔こいつ...〕」
エレン「悪い」
ダズ「ドンマイドンマイ!当てただけでも凄いぞ!」
ミタビ「すげぇな、あいつ」
イアン「確かにあのストレートに目が追いついているのは凄いことだが...なんだ」
イアン「〔タイミングが合っていたとしても、リヴァイのストレートはそれだけで打てるほど甘くはない。それなのに...〕」
ウグイス「9番セカンド、ボット君」
マルコ「よし...来い!」
スタスタ エレン「すみません...塁に出れなくて」
アニ「いや当てたことだけでも一歩前進してるよ。」
エレン「ありがとうございます!」
アニ「...あのさ、あんたもしかして...あいつのストレート見えてる?」
ミカサ「!」
エレン「え、いやなんていうか...自然に手が出ちゃうっていうか...」
トーマス「それを言うなら『勝手に手が出る』だろ?」
-
- 314 : 2017/04/07(金) 23:29:08 :
アニ「勝手に手が出る...ね」
エレン「あ、あの...なんかすみません」
アニ「いや謝ることはないよ。さっきも言ったように一歩前進してるんだから、自信持ちな」
エレン「っ~!! はいッ!!」パァ
スタスタ アルミン「勝手に手が出る、か...」
アニ「あんたも気になるんだね」
アルミン「エレンやミカサ、僕以外のみんなは初めてあいつの本気を見たわけだから、普通は慣れない速さを目のあたりにして体が引いちゃうんだけど」
アニ「それがどうにも...エレンだけ はビビらずにしっかり腕を振りぬいてる。」
アルミン「まぁこれは今どうこうできる問題じゃないし、何よりエレンだけがそうなっても意味はないよ。」
アニ「わかってるよ、でも...まさかあんなに豹変するなんてね...あの”ビビりなエレン”が」
アルミン「まぁ...それはエレンが持つ一種の人格だからさ」
アニ「そう...だね」
スッバシーンッ!!!!!!!! 審判「ストライクバッターアウト!! スリーアウトチェンジ!!」
ジャン「くっそぉ...すまねぇ」
ライナー「ドンマイ! まぁそう簡単に打たせてくれるような相手じゃないからな...!!」
ベルトルト「この回も守って、次点取ればいいだけさ!」
ジャン「...っへ、なんだよ急に爽やかノッポになりやがって!!」
ベルトルト「えっ!?」
アニ「くれぐれも慎重にね、アルミン」
アルミン「うん、わかってる」
ミカサ「...あ、あのエレン」
ピトッ エレン「なんだよ?」
ミカサ「肘...少しでも違和感を感じたら言ってほしい」
エレン「なんだよ今更」
ミカサ「別に、私に言ったからってすぐ代えるとは言わない...でも...その、心配...だから...」ボソッ
「...へっ」クスッ
エレン「ありがとな、ミカサ」
ミカサ「え...?」
エレン「心配してくれるのは嬉しい...けどな、無理をしないで勝てるような相手じゃないんだ。」
ミカサ「!」
エレン「俺は今まで...お前らばっかに負担をかけて、ここ まで来ちまった。」
エレン「俺は、俺が許せないんだ。たった少しの痛みでお前らに迷惑をかけちまったことが...」
ミカサ「そ、それは...「だから今度は」
エレン「俺が...お前らを支えなきゃいけないんだ。例えこの肘がぶっ壊れても」ギュッ
ミカサ「ぁ...ぁ...」
アルミン「エレン、ちょっといい?」
エレン「あ、はい!」ダッ
ミカサ「エレン...」
アルミン「この回からまた1番のイザベルだ。きっと調査高校はここでも何か仕掛けてくる。」
アルミン「だから、今回から”全力投球”と”そうでない普通のストレート”を使い分ける。」
エレン「わかりました」
-
- 315 : 2017/04/22(土) 00:07:06 :
スッバシーンッ!!!!!!!! 審判「ストライク!バッターアウト!スリーアウトチェンジ!!」
ジャン「くそぉ...わりぃ、手つけられねぇ」
コニー「次の回点取れば関係ねぇだろ!」
マルコ「の前に、まずは次の回 を守らないとね!」
トーマス「おぉーし、今度こそエラー起こさないように...集中!!」
アルミン「いいね?エレン」
エレン「はい!」
ウグイス「12回の裏、調査高校の攻撃は...1番セカンド、マグノリア君」
エルヴィン「」サイン
イザベル「」コクッ
審判「プレイ!」
イザベル「ふぅ...」ギリッ
アルミン「〔ん? やけに静かだな...〕」
イザベル「〔前の打席はスリーバント失敗だったんだ。もうプライドがどうとか関係ない!塁に出る...それだけだ!〕」
エレン「〔全力投球と、そうでない普通のストレート...〕」
アルミン「〔初球は内低めに...〕」サイン
エレン「」コクッ
イザベル「〔この打席で俺がやるべきことは...〕」
エルヴィン「〔何が何でも塁に出ること。〕」
エルヴィン「〔情報量はまだ十分とは言えない...だが、上位打線の今こそが...〕」
イザベル「〔勝ち越し のチャンス...!!〕」
ドッ!!!! エレン「ッ!!」シュッ!!!
イザベル「〔こいつのストレートがリヴァイ先輩のと同じかどうかなんて知らないけど...〕」ザッ!!!
イザベル「〔絶対に打てない球なんてないんだッ!!〕」スッ!!!
キーンッ!!! エレン「ッ」ビクッ
実況「打ったァ!! これはレフト線良い当たり!!」
アルミン「...っ、ベルトルト!ファールだ!!」
ベルトルト「ふっ!!」ダイブッ!!!
ズサーッ!!! 審判「ファール!」
イザベル「だぁ...くそっ!」
ケイジ「惜しい惜しい!タイミング合ってるぞ!!」
エルド「打てるぞ、自信を持て!!」
ネス「俺だって打てたんだ!お前なら打てる!!」
イザベル「〔くそぉ、まだズレてるのかよ〕」
アルミン「〔さすがは調査高校対応が早いな...もうエレンのストレートに合ってきてる〕」
ドッ!!!! シュッ!!!
イザベル「〔外!!〕」グッ
スッバシーンッ!!!!! 審判「ボール!」
アルミン「〔外甘いコースだったのに...捨ててるのか...?〕」
イザベル「〔コース甘かったけど、無理に振ったら空振りでスイング泳ぐかもしれない...だったら〕」
ドッ!!!! シュッ!!!
イザベル「〔確実打てる球を投げてくるまで粘るしかねぇだろっ!!〕」スッ!!!
スッバシーンッ!!!!! 審判「ストライクツー!」
イザベル「_______クッ!?〔やべぇ追い込まれた...!?〕」アセ
-
- 316 : 2017/04/22(土) 00:08:17 :
モブ「イザベルでも当てられないのか...「は? なに言ってんスか」
モブ「え?」
ファーラン「勝手にあいつを過大評価でほしいッス」
ファーラン「あいつの一番の武器は選球眼やバッティング力やバントの上手さじゃない...本当の武器は...馬鹿みてぇな足の速さッス」
ファーラン「だから...」ギュゥッ
ガッ ケイジ「っ、ファーr「なぁに自分のこと過大評価してんだ、ドちび!!」
イザベル「っ...」チラッ
ファーラン「お前には...アルミン先輩みたいなバッティング力なんざねぇだろッ!!」
ファーラン「お前の武器は...その糞ちっちぇぇ体を活かした小回りだろうがッ!!!」
イザベル「あ”ぁッ!?」カチンッ
アルミン「〔決め球は...〕」サイン
エレン「〔外低めに...全力投球〕」コクッ
ドッ!!!!!
エレン「ウァァアアッ!!!」シュッ!!!
「誰が...」
ザッ!!! イザベル「糞ちっちぇだァ!?」スッ!!!
キーンッ!!! エレン・アルミン「_______っ、サード!!」
実況「三塁線抜けるかァ!?」
「だぁぁぁっしゃ!!」ダイブッ!!!
パシッ!!! イザベル「〔クッ、捕りやがったあいつ...!!〕」ダッダッダ!!!!
ミカサ「コニー、1つ間に合う!」
コニー「うらぁ!!」シュッ!!!
イザベル「〔先輩達が必死で同点にしてくれたんだ...だったら今度は...俺ら が勝ち越しの点を取る番だ。〕」
イザベル「〔最初から簡単に塁に出してくれるようなアルミン先輩だって思ってねぇよ! だったら、俺が賭けれるものはもう決まってる!!〕」ギュゥッ!!!!!
「「爆発する混合器 」」
ダダダッッッ!!!!!
イザベル「〔間に合う...絶対に...間に合わせるっ!!〕」ダイブッ!!!!
ズサーッ!!!! 審判「...セーフ!セーフ!」
「おぉぉぉぉおおおおおお、ノーアウト一塁!!」
イザベル「...っっっしゃぁぁああああああ!!!!!」ガッツポーズ
実況「マグノリア、まさに爆速の如く一塁ベースを踏んだァ!!!」
コニー「わりぃ!エレン!」
エレン「ど、ドンマイ!」
アルミン「〔今のはコニーのミスでもなければエレンのミスでもない...ここだね、ターニングポイントは...それより...〕」
アニ「〔エレンの全力投球を当てた...ことだろうね。〕」
アルミン「〔本人も驚いてるようだし...声かけるか?いやでも、プレイ始まったらバッター勝負になるし...〕」
エレン「〔打たれた...俺の全力投球...〕」ギュゥッ
エレン「の、ノーアウトォッ!!」
アルミン「...ふふっ」ニッ
アルミン「ノーアウト!! バッター勝負!!」
トーマス「オーッ! 1つずつな!!」
アルミン「〔良かった、エレンはちゃんと切り替えてる〕」
-
- 317 : 2017/04/22(土) 00:11:11 :
ウグイス「2番センター、バーナー君」
モブリット「〔今度こそ完璧に捉える...!!〕」スッ
チラッ アルミン「〔バントの構え〕」
アニ「〔仮にバント成功で、ワンァウト二塁の状況で打席には3番 ね...正直嫌な展開だね。〕」
アルミン「〔ここは少しでもバント失敗を狙おう〕」サイン
エレン「〔初球は内角低め に...全力投球〕」コクッ
アルミン「〔投球数もそんなに多くないから体力的にはまだ余裕がある。この回は全力投球が多くなるよ。〕」
エレン「〔試合に負けないなら...俺は何だってやります!〕」スッ!!!!
イザベル「...」ジィーッ
ドッ!!!!! シュッ!!!
モブリット「〔内甘い!〕」グッ!!!!
キュルルルゥッ!!! スッバシーンッ!!!!!!
モブリット「_______っ...!?」
審判「ストライクワン!」
ファーラン「〔今更びっくり仰天しねぇけど...でも、改めて驚くぜ〕」
ケイジ「〔あのバント職人のモブリットが...バントの構えでも当てられないなんてな...一体どういう仕掛けなんだ〕」
モブリット「スゥーッ...フゥーッ...〔バントの構えでもなお、当てられないか...〕」
アルミン「〔全力投球なら防げる〕」サイン
ドッ!!!!!
イザベル「〔こいつのフォーム...やっぱまだまだ隙だらけだ。いやこれってもしかして罠?〕」
エレン「ッ!!」シュッ!!!
モブリット「...」
キュルルルゥッ!!! スッバシーンッ!!!!!! 審判「ストライクツー!」
アルミン「〔っ、今当てる気がなかった...? わざと当てなかったのか?〕」
ザッザッザ 「フゥーッ...」
アルミン「!」
モブリット「〔もう何回とチャンスをもらってるのに活かせなかった。にも関わらず...監督は俺を信用して使ってくれている。〕」
モブリット「〔世間では、2番 に置かれた人間は影が薄くあまり活躍しないと思われている。それは上位打線の中で一番地味な仕事を任されるからだ。〕」
モブリット「〔俺は元々リヴァイやミケみたいに派手なプレースタイルではない。それゆえ何も味がないようにも一時は感じていた。〕」
モブリット「〔だけど、監督はそんな無色な俺を『一番鮮やかな色』として扱ってくれた。〕」
-
- 318 : 2017/04/22(土) 00:12:53 :
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・・・調査高校入学後・・・
ザワザワ
モブ「おいおい見ろよ、あれが今年入ってきた『自由の翼』だぞ。」
モブ「俺らより年下なのに貫禄やべぇな」
スタスタ
リヴァイ「チッ、うるせぇな」
モブ「見ろ、あいつが怪物と言われている...リヴァイだ。」
モブ「なっ!? あいつ身長何cmあんだよ...!?」
ミケ「フッ」ニヤッ
モブ「他にも、エルド・ジンやケイジ...ディータ・ネスやトーマまでいるぞ...」
モブ「俺3年間で1軍までいけっかな...」
スタスタ
モブ「ん?おい、あんな奴いたか?」
モブリット「...」
モブ「さぁ...?」
モブリット「〔わかってるさ、俺は影の薄い色の無い人間だってことを〕」
・・・練習開始後・・・
「ちわっす!」
「ちわーっす!!」
エルヴィン「次の練習は紅白戦をやる。」
「はい!」
エルヴィン「基本的に紅組は私が指揮をして、白にはアシスタントのモブ君が指揮をする。」
エルヴィン「今から呼ばれる者は紅組だ。」
エルヴィン「ピッチャー...~~~」
ネス「なぁ、これって俺らを試してるってことか?」
エルド「かもな」
ケイジ「ならいきなり俺らが紅組はあり得ないな」
トーマ「いやリヴァイならあり得るだろ」
エルド「かもな」
ケイジ「エルド、お前さっきから『かもな』しか言ってないぞ。どうした?」
モブリット「〔紅組には恐らくリヴァイと...ミケくらいか? 他の1年は白か...俺の出番はなさそうだ。〕」
エルヴィン「センター...モブリット・バーナー」
「えっ...?」
モブリット「っ...え、俺...?」
コーチ「バーナー、いないのか?」
モブリット「あ、い、います!」ダッ
モブ「誰だ、あいつ...」
モブ「もしかして自由の翼?」
モブリット「〔なんで俺が...?〕」
エルヴィン「...以上、今呼ばれた9名は1塁側ベンチに集まれ」
「はいっ!!」
コーチ「えぇ~続いて白組は...」
ケイジ「すげぇじゃねぇか、モブリット!」
エルド「いきなりスタメンとはやるな」
モブリット「あ、あぁ...」
モブリット「〔なんで俺なんだ? リヴァイじゃないのか...それに他のみんなも白組だ。〕」
スタスタ
エルヴィン「すまないな、モブリット」
モブリット「え...?」
エルヴィン「いきなりスタメン入りで気まずかったか?」
モブリット「い、いえ...」
エルヴィン「そうか、なら期待してるよ。」
モブリット「あ、あの! 監督はなぜ俺を...?」
エルヴィン「なぜ、か...君は自分に自信がないのか?」
モブリット「い、いえそんなことは...」
エルヴィン「ならいつも通りにやればいい。私は君が『自由の翼』だから選んだわけじゃない。君が”モブリット・バーナーという選手”だから選んだんだ。」
モブリット「!」
エルヴィン「周りがいくら君のプレースタイルを影が薄いと言おうが関係ない。」
エルヴィン「2番 は君にしか出来ない場所 なのだから。」
モブリット「俺にしかできない...場所」
エルヴィン「確かにリヴァイやミケといった高校生離れした実力を持った選手もとても輝かしい。」
エルヴィン「だが、私には...あの中で君が一番鮮やかな色に見えたよ。」
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- 319 : 2017/04/22(土) 00:14:44 :
モブリット「〔野球は3つアウトを取られたら終わり...そんな数少ないチャンスを犠牲にしてまで攻める。〕」
モブリット「〔バントは、後に続く者にチャンスを託す役割だ。〕」
モブリット「〔言い換えればバントが無ければ、その場で試合終了の可能性だって大きい。〕」
モブリット「〔そんな大事な役目を...俺は今までちっぽけだと思っていた...〕」
「〔だけどッ!!!!〕」
モブリット「〔この調査高校に入ってから...俺の存在、この役割の意味...そして2番という大黒柱がどれほど重要なのかを知った。〕」
モブリット「〔それはまぎれもない...監督のおかげだ。〕」
ドッ!!!!!
モブリット「〔だから...もうこれ以上...〕」
エレン「ッ!!」シュッ!!!
モブリット「監督の期待を...裏切ることはできないっ!!」グッ!!!!
アルミン「〔っ、さっきより前のめりに...プッシュバント!?〕」
キュルルルゥッ!!! モブリット「〔堪えろ...最後の最後まで...骨が砕けても、ここは絶対に繋ぐ!!〕」ギュゥッ!!!!
キッ!!!!!
ポタッ ポタポタ コロコロ
モブリット「ぅっ...くそっ!?」
審判「アウト!」
実況「あぁっと!? スリーバント失敗!!」
観客「おぉ...!! あの仕事人のバーナーをスリーバント失敗でアウトを取りやがった...!!」
アルミン「ワンァウト!!」
「オーッ!! ワンァウト!!」
アルミン「〔ふっ、大したもんだよ。あのモブリットさんからスリーバント失敗でアウトを取るなんて...〕」チラッ
エレン「ワンァウト!」
スタスタ
ファーラン「モブリット先輩ドンマイッス!任せてください!俺が弔い合s「...あぁ、頼むッ」
ファーラン「_______っ...先輩?」
モブリット「年上が年下に...こんなことを言うのは可笑しな話だが...」
ガシッ モブリット「頼む...打ってくれッ!!!」ギュゥッ
ファーラン「...は、はい...もちろんッス...」
ウグイス「3番キャッチャー、チャーチ君」
モブリット「頼んだぞ、ファーラン......頼む...」
スタスタ
ファーラン「...」
審判「? バッター!」
ファーラン「...任せろ...ッス」ギリッ
-
- 320 : 2017/04/22(土) 00:16:28 :
審判「プレイ!」
アルミン「〔ワンァウト一塁でファーラン...最高のシナリオはゲッツーで終わること。最悪のシナリオは長打を打たれてサヨナラになること。〕」
アルミン「〔どちらにせよ...全力投球は必須〕」サイン
エレン「〔また初球は内低め に全力投球...〕」コクッ
ファーラン「...」
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_________________________________________________________
ガシッ モブリット「頼む...打ってくれッ!!!」ギュゥッ
ファーラン「...は、はい...もちろんッス...」
ウグイス「3番キャッチャー、チャーチ君」
モブリット「頼んだぞ、ファーラン......頼む...」
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_____________________________________________
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ファーラン「〔あんな悔しそうな顔をするモブリット先輩...初めて見た。〕」
ファーラン「〔モブリット先輩はいつでもどんな時でも真顔で...正直つまらない先輩だと思ってた。〕」
ファーラン「〔でもそんなある日に...〕」
-
- 321 : 2017/04/22(土) 00:17:01 :
_______________________________________
_____________________________________________
_________________________________________________________
・・・ある練習試合の時・・・
キーンッ!!!
ファーラン「なっ、センター!!」
ポタッ ガシッ
相手モブ「〔そのままホームに帰ってやる!〕」ダッ!
ファーラン「〔ホーム来る!〕」
ファーラン「バックホーム!!」
モブリット「ッ!!」シュッ!!!
ファーラン「〔ん、送球少しズレてる...〕」ダッ
ダッダッダ! パシッ!!!!
相手モブ「〔くそっ、もう送球されたのかよ...仕方ねぇ一か八か...突っ込め!!〕」ダイブッ!!!
ファーラン「〔っ、んの野郎...送球されてるのわかってて突っ込んで...いいぜ...来いよッ!!〕」スッ!!!!
ゴォッ!!!! ズサーッ!!!!
相手モブ「く、くそ...」
ファーラン「ふぅ...」
審判「アウト!スリーアウトチェンジ!」
ケイジ「突っ込んできたけど...まぁお前なら大丈夫だろ?」
イザベル「んだよ、そのままぶっ飛んで死ねばよかったのに...」
エルド「その様子だと、怪我はないのか...」
ファーラン「ちょっとォ!? 俺今のファインプレーッスよね!?」
リヴァイ「うるせぇ、一々わめくな」
ファーラン「いやいや罵倒より先に褒めてくれッスよ!!」
ギャーギャー
「悪い、チャーチ」
ファーラン「?」
モブリット「少し送球ズレてたな」
ファーラン「え、あ、あぁ~...大丈夫ッスよ!怪我ないッスから!」
モブリット「いや一応見てもらう」
ファーラン「いやだから大丈夫ッスよ!!」
モブリット「念のためだ。」
ファーラン「〔かぁ~っ、この人無表情過ぎて何考えてんのかわかんねぇ...〕」
・・・
「大丈夫ですね。何も炎症も起こしてないです。」
ファーラン「ほぉ~ら、だから言ったじゃないッスか」
モブリット「すみません、ありがとうございました。」
「お大事に」
ファーラン「何回言っても聞かないんッスもん」
モブリット「...もし見えない怪我があったら困るのはお前なんだぞ!! いや俺らも困るけど...」
ファーラン「〔っ、びっくりした...急に大きい声出すから...〕」
モブリット「とにかく何も怪我がなくて...良かったよ。」
ファーラン「〔この人...あんくらいで怪我の心配って...〕」クスッ
モブリット「な、なんだよ」
ファーラン「いやぁモブリット先輩心配しすぎなんスよ、あんなのキャッチャーじゃしょっちゅうッスよ」
モブリット「だとしてもだな...」
ファーラン「というか先輩って案外キャラ濃いんスね」
モブリット「は? 何の話だ?」
ファーラン「だっていつも無表情っていうか真顔でなぁんか絡みづらいってか...リアクション薄いってイメージッス」
モブリット「そうか...」
ファーラン「ほらっ!! 今まさにそうッス!!」
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_____________________________________________
_______________________________________
-
- 322 : 2017/04/22(土) 00:17:46 :
ファーラン「〔あの人が無表情なのはいつでも真剣だから、あの人が真顔なのは...特にない。〕」
ファーラン「〔でも、影で一番みんなを支えてるのはあの人だってわかった時...〕」
ファーラン「〔こんな人とも...野球が出来て通じ合えるなんてすげぇって思った。〕」
ファーラン「〔だから、あの人達ともっと長く野球をやるために...〕」
ドッ!!!!!
エレン「ッ!!」シュッ!!!
ファーラン「勝つんだッ!!!」ザッ!!!!
キーンッ!!!
エレン「っ、ミカサ!」
ミカサ「〔捕れる!〕」ダイブッ!!!
パシッ!!! ズサーッ!!!
審判「フェア!フェア!!」
ファーラン「〔どんな形でもいい...どんなに泥汚くてもいい...塁に出れるなら...〕」ダッダッ!!!
ファーラン「称号 なんざ...惜しくねぇッッッ!!!!」ダイブッ!!!!
ミカサ「ふっ!!」スッ!!!
ビリィッ ミカサ「ぐっ!?」シュッ
ミリウス「〔送球が届かない!?〕」ノビッ
ズサーッ!!! パシッ!
審判「セーフ!!」
「おぉぉぉぉおおおおお...!!」
-
- 323 : 2017/05/01(月) 02:53:32 :
実況「セェーフッ!! チャーチ、ショートゴロの当たりをダイビングヘッドで何とか間に合わせた!!」
諌山さん「いつものチャーチ選手のように綺麗な出塁ではなく泥汚い出塁でしたが...その必死さも観客の皆さんを熱くすることでしょう!!」
実況「さぁワンァウト一二塁で打席にはこの男...!!」
スタスタ 「フゥーッ...」
ウグイス「4番...ピッチャー...」
ザッ リヴァイ「...」ギリッ
ウグイス「リヴァイ君」
観客「いけぇえ!! リヴァイ!!」
観客「この回で決めちまえ!!」
観客「いやこの回で決めろぉー!!」
ザワザワ
アルミン「〔まずい、球場全体がまた調査高校ムードに...〕」
「ワンァウトォッ!!!」
アルミン・アニ「!」
ジャン・ライナー・ベルトルト「...ふっ」ニヤッ
マルコ「...うん、ワンァウト!1つずつ取っていこう!」
トーマス「ファーストに打たせろ!俺が捕る!!」
コニー「いいや、サードに打たせろ!俺が絶対捕る!!」
トーマス「被せるなっ!!」
アルミン「〔...ふふっ、成長したのは...エレンやベルトルト、ライナーやジャンだけじゃない...〕」チラッ
ミカサ「エレン、バッター勝負っ!!」
リヴァイ「〔チーム全体が腐ってない...どころか、さっき より雰囲気を上げてやがる...ったく、俺はそこまで教えてねぇのにな〕」チラッ
ミカサ「二遊間は私が。マルコはそっち のカバーを。」
マルコ「わかった!」
エレン「〔打たれた...1番にも3番にも...さっきまで当てられなかったのに、もう打てるところまで...〕」
アルミン「エレン!」シュッ
エレン「は、はい!」パシッ
審判「プレイ!」
ケイジ「いけ!リヴァイ!!」
エルド「甘いコース来るぞ!!」
ネス「本物はどっちか、教えてやれ!!」
アルミン「〔さて、どうするか...ワンァウト一二塁...外野は下げたとして、内野は二塁ランナー を優先...〕」サイン
コニー「〔! 俺はサードベース側に...〕」スタスタ
トーマス「〔俺はファースト〕」
マルコ「〔僕は一二塁間と、セカンドベース〕」スタスタ
ミカサ「〔私は二遊間・三遊間...そして中継〕」
サスサス ミカサ「〔お願い、もう少しだけ頑張って...〕」ピクピク
アルミン「〔さっきの送球といい、もうミカサの右手は限界に近い...ここはやっぱり〕」サイン
コニー・ミカサ「!」
マルコ「〔え、あのサインって...ミカサとコニーの中継変更?〕」
トーマス「〔ってことはサードベースカバーはミカサで、中継役はコニーってことか〕」
コニー「〔外野まで運ばれたら俺が中継役だ。〕」コクッ
ミカサ「〔やっぱりアルミン先輩には気付かれてる。でも暗くなるところじゃない。役目を変えただけで、守備範囲は何も変わらない!〕」
アニ「〔アルミンが判断したんならそうするべきだろね。〕」
-
- 324 : 2017/05/01(月) 02:54:41 :
アルミン「〔内野はこれでよし、次は問題のエレンの指示...といっても一択しかないけどね。〕」サイン
エレン「〔リヴァイさんが相手なんだ、一々弱気になってたら一発で終わる...〕」コクッ
ドッ!!!!!
実況「さぁ第一球振りかぶって...」
エレン「ッ!!」シュッ!!!
実況「投げた!」
ザッ!!!!! リヴァイ「...クッ!!」スッ!!!!!
キーンッ!!!! エレン「〔っ、また当てられ!?〕」ビクッ
審判「ファール!」
実況「打球は後ろに飛びファール! 諌山さん、随分バック回転かかってますね。」
諌山さん「そうですね。恐らくですが、イェーガー選手のストレートのキレが凄まじくタイミングが合ってないということでしょう。」
リヴァイ「〔チッ、まだ振り遅れてんのか〕」
アルミン「ナイスボール!エレン!」シュッ
エレン「...は、はい」パシッ
アルミン「?」
エレン「〔全力投球なのにいきなり当てられた...それにまだカウントだってあっちが優位なのに...〕」ギュゥッ
アルミン「〔甘いコース、甘いキレのストレートを投げれば即試合終了 だ。ここから全球...〕」サイン
エレン「〔全力投球〕」コクッ
エレン「スゥーッ...フゥーッ...〔大丈夫、アルミン先輩には何か考えがある。〕」
ドッ!!!!! エレン「ッ!!」シュッ!!!
ザッ!!!!! リヴァイ「〔コースは...〕」
リヴァイ「〔外低めッ!!〕」スッ!!!!!
キーンッ!!!! エレン「っ」ビクッ
審判「ファール!」
観客「お、追い込んだぞ...」
観客「たった2球であのリヴァイを...」
観客「...頑張れェ!! シガンシナァ!!!」
リヴァイ「〔チッ、全っ然タイミング合わねぇ...〕」ザッザッザ
アルミン「〔全力投球なら今のリヴァイでも通用する。〕」
エレン「〔よしまだ振り遅れてる...大丈夫だ。俺はまだ掴まってない!〕」
アルミン「〔これで追い込んだのは...〕」
リヴァイ「〔シガンシナの方だ...どうする気だ、アルミン〕」
アルミン「〔三振はいらない。低めを引っ掛けさせて内野フライが理想〕」サイン
エレン「〔また...〕」コクッ
リヴァイ「〔考えろ...あいつ はどういうリードをしてきた。いやしてくる...〕」
リヴァイ「〔ワンァウト一二塁で1点取ったら即試合終了 という状況だ...あいつだったら...〕」
ドッ!!!!!
エレン・リヴァイ「〔外角低め いっぱいの全力投球で...内野フライ!!〕」
スッ!!! ツルッ エレン「〔ぁっ、ボールが滑って...リリースがッ!?〕」グッ!!!!
シュッ!!
アルミン「〔回転が甘い...!?〕」
ザッ!!!! リヴァイ「...緩いッ!!」
キーンッ!!!
エレン・アルミン「_______ッ、センタァア!!」
リヴァイ「チッ」ダッ!!!!
タッタッタ!!! ジャン「〔こんのっ野郎、後ろから二塁ベースまでの距離どんだけあんだよ...このスタジアムッ!!〕」ダッ!!!!
イザベル「...! 落ちる」ダッ!!!!
ジャン「このぉッ!!」スッ!!!
アルミン「ジャン、無理するな!」
ジャン「!」ピタッ
ポタッ コロコロ 審判「フェア!フェア!!」
「落ちたぁぁぁああああああ!!!」
実況「帰ってこれるかっ!?」
イザベル「〔あのショートは怪我をしてる。また送球エラーが起こる可能性を...「ジャン、よこせっ!!」
イザベル・ファーラン「!」
ジャン「おらっ!!」シュッ!!!
パシッ!!!! コニー「バックホームッ!!」シュッ!!!!
パシッ!!!! アルミン「」ギロッ
ザザーッ イザベル「ぃやべぇっ!?」ダッ!!!!
ズサーッ 審判「セーフ!」
実況「三塁セーフ!一塁、二塁共にセーフ!」
-
- 325 : 2017/05/01(月) 02:55:41 :
アルミン「......ふぅ...」アセ
ミタビ「あっぶねぇ、もうちょっと返球遅かったら終わってたぜ。」
イアン「今サードとアッカーマンがコンバートしたな。」
グスタフ「あぁ確かに、でもなんで?」
イアン「〔恐らくショートが限界に近いんだろうな...それでもなお、交代させずに残すなんて...何か意味でもあるのか?アルミン〕」
コニー「ひゅーっ...あっぶねぇ...」
ミカサ「ナイス中継、コニー」
コニー「おう、お前もナイスカバー」
アルミン「タイム!」
審判「タィアム!」
スタスタ
アルミン「取り合えず...ナイスカバー、コニー」ボソッ
コニー「あざっす!」
マルコ・トーマス「声デカいっつの!」ボソッ
アルミン「まぁ首の皮一枚繋がったわけだけど、エレンさっきのストレート回転甘かったけど...何かあったの?」ボソッ
エレン「すみません、指が滑ってリリースが遅れました...」ボソッ
アルミン「そっか、怪我はない?」ボソッ
エレン「はい」ボソッ
マルコ「ワンァウト満塁で次は確か...」ボソッ
アルミン「5番のミケさんだ。」ボソッ
トーマス「外野フライでライナーに捕らせれば何とかなるか?」ボソッ
ミカサ「いや、この状況 であの5番に外野まで持ってかれたら三塁ランナー は帰ってくる。」ボソッ
トーマス「そう...だな、犠牲フライでもダメってことか...」ボソッ
コニー「1点でも取られたらおしまいだもんな」ボソッ
アルミン「〔とはいったものの、ミケさんのパワーを考えるとミートされたら簡単に...いやエレンのストレートなら抑えられるか?〕」
「あ、あの...」
アルミン・トーマス・マルコ・ミカサ・コニー「?」
エレン「俺に...考えがあります。」ボソッ
・・・
スタスタ
アルミン「ありがとうございます」
審判「プレイ!」
ウグイス「5番ライト、ザカリアス君」
ミケ「〔ワンァウト満塁...最悪犠牲フライでもいい、この状況で...奴等 はどんな策で来る...〕」
リヴァイ「〔方法は1つしかねぇ...低めを引っ掛けさせて内野ゴロかフライで打ち取ることだ。〕」
イアン「今のシガンシナは方法が限られる。」
ミタビ「そりゃ満塁だしな。」
イアン「それもある...だが、もっと言うならば...」
イアン「ミケはパワー型で軽く振っただけでも内野を超す力は持ってる。すなわち...」
イアン「三塁ランナーのイザベルが余裕で帰れるだけの弾道と飛距離がミケにはあるということ...」
サネス「だから、シガンシナの死の境界線 は”内野まで”ってことだ。」
マルロ「でも...いくら何でも難しいな...」
ヒッチ「なんでさ」
マルロ「ミケが前の打席で...エレンのストレートを当てるだけで打てるって解っちまったからだ。」
マルロ「前の打席はミート重視のゴロ狙いでサード正面だったけど、裏を返せば上げようと思えば内野なんて簡単に越せるってことだ。」
マルロ「〔何か策でもねぇと...本当にやばいぞ、エレン...〕」
ミケ「...ふんっ」
実況「さぁワンァウト満塁と...またもやピンチとなっているシガンシナ高校! 果たしてどうやって切り抜けるのか...!?」
-
- 326 : 2017/05/01(月) 02:56:52 :
アルミン「〔...行くよ、エレン〕」サイン
エレン「〔はいッ!!〕」コクッ
エレン「スゥーッ...フゥッ...」ギリッ
リヴァイ・ファーラン・イザベル「〔来る...!!〕」ゴクンッ
「...」 ドクンッ ドクンッ
スドッ!!!!! リヴァイ・ファーラン・イザベル「〔クイック!?〕」
ミケ「〔クッ、やはり企んでいたか...アルミン!!〕」
エレン「ウァァァアアアッ!!!」シュッ!!!
「だが...」ザッ!!!!!
ミケ「〔今更遅いっ!! さっきの打席でお前のストレートのタイミングはもう掴んだ!!〕」スッ!!!!!
キュルルルゥッ!!! クインッ!!
ミケ「_______ッ!?」
スッバシーンッ!!!!!!
リヴァイ・エルヴィン「!」
イアン・サネス・マルロ「は...!?」
審判「ストライクワン!」
実況「初球外低めのストレートを空振り!」
諌山さん「今...若干変化しましたかね...?」
ミケ「〔なんだ今の球は...!?〕」
「ふっ...ナイスボール!全く...」シュッ
アルミン「〔本当に見間違えちゃうな...〕」クスッ
エレン「おしッ...!」
リヴァイ「〔ミケが空振り...単純にタイミングがあってないならまだわかるが、今のはドンピシャだったはずだ。なのに...〕」
エルヴィン「〔バットを通過し、グラブへ入った...〕」
ミケ「〔あのアルミンのことだ。何か仕掛けがあるに違いない...なら確かめる必要があるな〕」
アルミン「」サイン
エレン「」コクッ
スドッ!!!!! シュッ!!!
ミケ「ふんっ!!」スッ!!!!!
キュルルルゥッ!!! クインッ!!
スッバシーンッ!!!!!! 審判「ストライクツー!」
ミケ「...」
観客「お、おいおい...追い込んだぞ」
観客「いやさっきのリヴァイもそうだったから、まだわからない。」
ミケ「〔今...確かに...〕」
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スドッ!!!!! シュッ!!!
ミケ「ふんっ!!」スッ!!!!!
キュルルルゥッ!!! クインッ!!
スッバシーンッ!!!!!! 審判「ストライクツー!」
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ミケ「〔一瞬しか見えていないから断言はできない...だが、今までみたいにボールの下を振っているのではなく...”ボールの上を振っていた”...ということは...〕」
ミケ「〔さっきの2球とも...あのストレートは”沈んだ”ということになる。〕」
ミケ「〔奴には変化球があったのか...? ならなぜ今更になって...〕」
アルミン「〔三球で決めよう〕」サイン
エレン「!」
ミケ「〔動機など今はどうだっていい。今はこの絶好機を逃さないために...ひたすら甘い球が来るまで...粘るのみ〕」ギュゥッ
スドッ!!!!!
エレン「ウァァアアアアッッッ!!!!!!」シュッ!!!
ミケ「〔沈むとわかっていれば...何も恐れることはないっ!!〕」
ミケ「ふんっ!!」スッ!!!!!
キュルルルゥッ!!! ミケ「〔なっ...!? 今度は...伸びる...だとッ!?〕」グググッ
スッバシーンッ!!!!!! 審判「ストライク!バッターアウト!!」
-
- 327 : 2017/05/01(月) 02:57:25 :
「おぉぉぉぉぉおおおおお...!!」
アルミン「ナイピッチ!!」シュッ
エレン「はい!ツーアウト!」パシッ
「オーッ!!」
エレン「〔良かった、あの球でも...調査高校に通用する!!〕」
アルミン「〔まさか...ここでエレンの癖が良いように使えるなんて...〕」
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「あ、あの...」
アルミン・トーマス・マルコ・ミカサ・コニー「?」
エレン「俺に...考えがあります。」ボソッ
マルコ「え、何か策でもあるの?」ボソッ
エレン「保証はないけど...もうこれしか思いつかない。それに調査高校は俺のストレートが伸びるって意識してるから有効だとは思うんだが...」ボソッ
アルミン「...! もしかして...」ボソッ
エレン「はい、昔俺が癖で無意識に投げてた...【ツーシーム・ファストボール】を使うことです。」ボソッ
「!」
エレン「けど...前もやった通り、意識してやっても上手くいかなかったし...今成功するかどうかなんて...」ボソッ
コニー「じゃぁそれでいいだろ」
エレン「は...!? いやだから...」
トーマス「俺もコニーに同意だ。」
エレン「と、トーマス!お前まで...」
トーマス「第一、今防げられる策はそれしかないんだろ。だったらそれを試してみるしかないだろ?」
マルコ「うん、それに失敗しても誰も文句は言わないし責めたりもしないよ。」
エレン「そ、そうは言ってもよ...」
ミカサ「大丈夫、エレンならできる。」
エレン「ミカサ...」
ミカサ「もし失敗してもそれをカバーするのが私達チームメイトの役割。今までだってそうしてきたでしょ?」
エレン「!」
「じゃぁ決まりだね」
エレン「アルミン先輩...」
アルミン「ミカサと被っちゃうけど、エレンなら出来る。僕はそう信じてる。」
エレン「...」
アルミン「こんな時に、こんな言葉を使うなんて卑怯かもしれないけど...」
ポンッ アルミン「頼んだよ、エース」
エレン「っ...!!」
エレン「...フゥーッ...はいッ!!」ギリッ
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-
- 328 : 2017/05/01(月) 02:58:47 :
ウグイス「6番サード、ジン君」
エルド「〔段々ストレートのタイミングが合ってきたというのに、また合わなくなってきた...何をした、アルミン〕」
アルミン「」サイン
エレン「」コクッ
ギュゥッ!!!!! ドッ!!!!!
エレン「ッ!!」シュッ!
エルド「〔高い、外れてる!〕」
パシンッ!!!! 審判「ボールワン!」
実況「初球真ん中高め、ゾーンから大きく逸れてボール!」
リヴァイ「...」
エレン「〔くそっ、やっぱ成功率もまだ高くない。〕」ザッザ
アルミン「エレン、惜しいよ!ナイスボール!」シュッ
エレン「は、はい!」パシッ
アルミン「〔本人も言ってたように成功率はまだ100%じゃない。ならリスクを高めるよりかは...〕」サイン
エレン「」コクッ
エルド「〔さっきの球みたいに甘いコースにだって投げてくる。こいつはコントロールはさほど良くはない。〕」
ドッ!!!!! エレン「〔内...低め!!〕」シュッ!!!
エルド「〔来た、内高い!〕」スッ!!!!
キーンッ!!
アルミン「セカンド!」
エルド「くそっ!!」ダッ!!!
パシッ!!! マルコ「トーマス!」シュッ!
パシッ!!! 審判「アウト!スリーアウトチェンジ!!」
「お...おぉぉおおおおおっっっ!!!!!」
実況「ツーアウト満塁という状況もここは落ち着いてスリーアウト! 山を乗り越えたァ!!」
エレン「...はぁーっ...」ホッ
トーマス・マルコ・コニー「ナイピッチ、エレn「三度目はねぇぞ!?」スルリッ
コニー「なぁんだよ、二度あることは何度かあるっt「三度ね。」
エレン「それを言うんだったら三度目の素直っt「正直ね。」
トーマス「ぶっは、あっはっは! お前ら言語力無さすぎだろっ!!」ゲラゲラ
マルコ「いい加減突っ込みも疲れるからね!?」
エレン・コニー「はい...すみません。」
-
- 329 : 2017/05/01(月) 02:59:11 :
リヴァイ「〔ミケの打席といい...エルドの初球といい...あいつ何かやってたな。〕」
エルド「すまん、イザベルとリヴァイ」
イザベル「ドンマイです!次取ってやりましょう!」
ファーラン「ナチュラルに俺をスルーするのやめてくれねぇッスか!?」
エルド「すまん、無意識だ。「もっと傷つくッス!!」
エルヴィン「...ミケ、エルド、リヴァイ...来てくれ」
アニ「ナイピッチだね、エレン!」
エレン「ありがとうございます!」
ジャン「毎度同じこと言うが...出来るんなら最初からやれよ」
エレン「ピンチを防いだんだから文句言うんじゃねぇよ!」
ジャン「毎回あんなピンチになってたら寿命が縮むんだよ、死に急ぎ野郎!!」
アニ「さっ、この回上位打線だよ。点取りに行くよっ!!」
「はいっ!!」
ミケ「...というわけです。」
エルヴィン「沈む...か、エルドはどう思うんだ?」
エルド「俺の時にはそのような変化はなかったです。」
エルヴィン「ミケの打席だけか...リヴァイ、君はどう思う?」
リヴァイ「...」
エルヴィン「リヴァイ?」
リヴァイ「...ん、悪い」
ファーラン「どうしたんスか?うんこでも我慢してたんスか?」
イザベル「きったねぇな、リヴァイ先輩に失礼だろ」
ファーラン「いつもリヴァイ先輩に言われてることを言っただけだしィ~」
リヴァイ「〔フォームは見た感じまだ日が浅かった...それにストレートも俺と同等ではあるが...まだ幼い感じがした...あれは一体なんだ...〕」
リヴァイ「〔チッ...同じストレートのはずなのに、当てることでさえ精一杯になるなんてな...だとしたらこっちも...〕」
リヴァイ「負けらんねぇな」
「え...?」
リヴァイ「...何でもねぇ、ただの意気込みだ。」
ファーラン「どうしちゃったんスか!? 熱でもあるんスか!? 今日やけに喋るッスね」
リヴァイ「馬鹿言え、俺は元々結構喋る。」
リヴァイ「〔練習試合で見た時よりも随分豹変しやがって...俺はアイツみたいにビビりでもなければ、馬鹿っぽい顔もしてねぇ...だが〕」
リヴァイ「〔なぜかは知らねぇが...どこか俺と似ている気がする〕」
「...へっ、俺も同じことを思ったぜぇ?リヴァイ」
ケニー「アイツの目を見た瞬間どこかお前に似てるってな...まぁだからこそ、アイツにも教えちまったのかもしれねぇな」チラッ
-
- 330 : 2017/05/01(月) 02:59:55 :
エレン「コニー、先頭頼むぞ!」
ミカサ「狙い球絞っていこう!」
ウグイス「13回の表、シガンシナ高校の攻撃は...2番サード、スプリンガー君」
コニー「おぉーっし、来い!!」
ドッ!!!!!! リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ!!!
コニー「おらぁ!」スッ!!!!
スッバシーンッ!!!!!!!! 審判「ストライクワン!」
スタスタ
ミカサ「エレン?」
エレン「便所だよ」
ミカサ「そう...」
ポンッ ミカサ「!」
ハンジ「エレン君のこと心配かい?」
ミカサ「...いえ...と言ったら嘘になりますが...少し」
ハンジ「私も同意見だ。」
ハンジ「確かにピンチは抑えたし、肘の痛みも何の素振りも見せずに戦っている...はた目には絶好調に見えるかもしれないけど...」
ハンジ「私は逆に”絶好調を装っている”ように見える。」
ミカサ「...やっぱり肘が...」
ハンジ「どうだろう...それは本人に直接問いただせないとわからない。でもこれだけは言えるよ。」
ハンジ「いつかどこかで...崩れる。教師である私が言うのは可笑しな話だけど...そんな気がしてままならない。」
ミカサ「私もです...今は大丈夫でも、次エレンが崩れない保証なんてどこにもない...」
ハンジ「...まぁここからは私もエレン君には気をかけてみるから、ミカサちゃんは試合に集中するんだ。」
ミカサ「...はい」
スッバシーンッ!!!!!!!! 審判「ストライク!バッターアウト!スリーアウトチェンジ!!」
アルミン「ごめん、少しも粘れそうにない。」
ライナー「ドンマイです!」
アニ「〔まずいね、あっちは11回からランナーを出してない。対してこっちはピンチが立て続けに来てる...エレンの体力や精神的体力も心配だけど...〕」チラッ
マルコ「ハァ、ハァ...相手調子崩さないね」アセ
トーマス「あっちぃ...」アセ
ベルトルト「ふぅ...」アセ
サシャ「皆さん、アクエリ追加しましたよ!飲んでください!」
「サンキュー...」
アニ「〔こっちはただでさえ決勝は初めてみたいなもんだし、格上相手に戦ってるプレッシャーも尋常じゃない...どうにか集中力は切らさずにできてるけど...いつ切れるか...〕」
コニー「げぇ~...もうアンダーシャツねぇよ...今日5枚持ってきたのによぉ」
ミリウス「俺のじゃデカいよな...「なっ、チビって言うんじゃねぇよ!」
ミリウス「いや言ってないよ...」
トーマス「俺もアンダーこれが最後だ。」
アルミン「〔疲労もそうだけど...雨の湿度で参ってる感じだ。汗と雨でユニホームは重くなる一方だし...〕」
ガチャッ エレン「ふぅ...」
アルミン「ん、エレントイレ?」
エレン「...え、あ、はい!」
アルミン「〔なんだ今の間は...?〕」
ジャン「切り替えろ!次も守って...次こそ勝ち越すぞ!」
「おうっ!!」
ジャン「〔とは言ったものの...今のリヴァイから打てる気なんてねぇぞ...どうすんだよ〕」
アルミン「〔みんな口には出してないけど、本当に勝ち越せるのか...不安がよぎってる。〕」
エレン「...ふぅ...」アセ
アルミン「この回も防ぐよ、エレン」
エレン「...」
アルミン「エレン?」
エレン「あ...はい!」
アルミン「〔さっきから返事で途切れるな...集中力切れたか...?〕」
アルミン「この回はケイジさんからだ。一発もあるから...気を抜かないように注意しよう。」
エレン「はい!」
-
- 331 : 2017/05/01(月) 03:00:54 :
ウグイス「13回の裏、調査高校の攻撃は...7番ファースト、ケイジ君」
ケイジ「っしゃぁ!来い!」チラッ
エルヴィン「〔初球は見送っていい。〕」サイン
ケイジ「〔待球指示〕」コクッ
アルミン「〔初球は...〕」
ドッ!!!! エレン「〔外低めにストレート!〕」シュッ!!!
ケイジ「〔しっかり見る!〕」
スッバシーンッ!!!!! 審判「ボール!」
エレン「っ...」
アルミン「〔入らなかったか、でも球は走ってる。〕」シュッ
ケイジ「〔やっぱ普通にキレの良いストレートにしか見えないな〕」
ドッ!!!! エレン「〔今度...こそっ!!〕」シュッ!!!
ケイジ「〔ッ...良いコースには来るんだよ!〕」グッ
スッバシーンッ!!!!! 審判「ストライクワン!」
アルミン「〔積極打法から慎重打法に変えたのか...? それとも待球指示?〕」
ドッ!!!! シュッ!!!
アルミン「〔ッ、ほぼど真ん中!?〕」
ケイジ「〔これはさすがに、ねぇだろっ!!〕」スッ!!!!
キーンッ!!!
エレン「〔今度はコース甘かった...!?〕」
実況「あぁっと、ど真ん中のストレートはショートフライ!」
ミカサ「ふっ」パシッ!!!
審判「アウト!」
ケイジ「くそっ、上げすぎたか...」
ミカサ「ワンァウト!」シュッ
パシッ エレン「あ、あぁ!」
イアン「...?」
ミタビ「どうしたんだよ、イアン」
イアン「いや...何でもない」
ウグイス「8番レフト、ネス君」
ネス「さっ、こいや!!」
アルミン「〔さっきの球といい...やっぱりどこか痛めてるのか? でもそんな素振りはなかったし...マウンドが悪いのか?〕」
エレン「〔やっぱり気のせいじゃない...調査高校はもう俺のストレートに...合ってきてるんだ...〕」
ドッ!!!! シュッ!!!
ネス「〔初球は見る!〕」グッ
スッバシーンッ!!!!! 審判「ボールワン!」
アルミン「〔制球力もさっきより大分落ちてきてる...〕」
ネス「〔ストレートだったな、監督の言う変化するストレートじゃない。〕」
ドッ!!!! シュッ!!!
アルミン・ネス「ッ」
スッバシーンッ!!!!! 審判「ボールツー!」
実況「あぁっと、内高めの危ない球!」
アルミン「〔確かに危ない...でもストレート事態は腐ってない。ゾーンに入れば...〕」サイン
エレン「〔くそっ、全然入らない...雨の中でピッチングしたことなかったからなのか...思うように投げられない。〕」コクッ
ドッ!!!! エレン「ふっ!!」シュッ!!!
ネス「〔ぐっ!? 今度は外ギリギリ...入ってるのか!?〕」グッ
スッバシーンッ!!!!! 審判「...ボールスリー!」
実況「どうしたのでしょう、なかなかゾーンに入らない。」
エレン「チッ...」
アルミン「ドンマイドンマイ!ボールは走ってるよ!打たせて後ろに任せよう!」
エレン「〔打たせる...そうか、甘くても内野ゴロならみんなで...〕」ドッ!!!!
ズズーッ エレン「〔んなっ!? 軸足が安定しない...!?〕」ググッ
シュッ アルミン・ネス「〔ッ、暴投!?〕」
カシャンッ 審判「ボールフォア!」
観客「おいおい、どこ投げてんだよ」
観客「ノーコンだな。」
観客「確かアイツ...初戦でも同じことやってたぞ」
観客「マジで? 実はアルミンのお陰で良いだけで、本当はダメピーとか?」
エレン「_______ッ、ダメピー...」ドクンッ
アルミン「エレン、気にしない!ワンァウト!」
エレン「俺は...下手な...」ボソボソッ
アルミン「〔なっ、声が届いてない...マウンド行くか? いやでもタイムは一回しか使えない...〕」
エレン「ハァ...ハァ...」プルプルッ
「レン...エレン...エレンッ!!」
エレン「はっ!? み、ミカサ...?」
ミカサ「ボール落としてる」スッ
エレン「あ、あぁ...悪い」
ミカサ「後ろは私達に任せて、エレンはバッターだけに集中して」
エレン「あぁ...」
-
- 332 : 2017/05/01(月) 03:03:06 :
ウグイス「9番ショート、トーマ君」
トーマ「...します!」
審判「プレイ!」
アルミン「〔さっきミカサが声をかけてくれたお陰で、なんとか目が定まったかな...〕」サイン
エレン「〔バッター勝負...今は試合中だ、目の前のことだけ集中しろ...過去がどうであれ...今どうかが問題なんだ!〕」コクッ
ドッ!!!!
「「ダメピー」」
エレン「〔っ...うるせぇ!!〕」シュッ!!
アルミン「っ」サッ!!!!
パシッ!!!! 審判「ボールワン!」
実況「あぁっと!? バウンドボール! しかし、アルレルト冷静な判断で態勢を変え捕った!」
諌山さん「良い判断です。ランナーを進めずにきっちり捕れる姿勢です。」
アルミン「〔バウンドボール...指示とは真逆...〕」
エレン「ハァ...ハァ...ハァ...」ドクンッドクンッ
アルミン「〔さっきの観客の一言が相当効いてる...〕」
ヒストリア「レン...もう無理...しないでよ...」
ヒッチ「〔ヒストリア...本当は声かけたいんだろうなぁ...〕」
アルミン「惜しい惜しい!球は走ってるからゾーンで打たせよう!」シュッ
エレン「は、はい...!」
トーマ「〔この投手急に荒れたな...まぁ雨が強くなってマウンドが安定しないんだろうけど〕」
「「ダメピー...早く降りろよ...」」
「〔いやだ...〕」
「「お前が投げると迷惑なんだよ...」」
「〔降りたくない...〕」
「「お前がそこ にいる資格なんてないんだよ。」」
「〔まだ...まだ投げたい...〕」
「「それ はお前が付けるなんてありえない。」」
「〔いやだ...いやだ...〕」
ドッ!!!!
エレン「絶対にいやだッ!!」シュッ!!
トーマ「_______ぇっ...ボコォッ!!
トーマス・マルコ・ミカサ・コニー「!」
リヴァイ・エルヴィン「!」
エレン「...ぁ...ぁぁ...」
アルミン「っ...」
審判「で、デッドボール!」
トーマ「ってぇ...」ヒリヒリ
ファーラン「トーマ先輩!」
トーマ「だ、大丈夫だ!」
ザワザワ
観客「おいおい、背中だったからまだ良かったけど...あぶねぇぞ」
観客「ノーコン!」
観客「怪我したらどうすんだ!!」
-
- 333 : 2017/05/01(月) 03:03:31 :
アニ「アルミンッ...!!」
アルミン「っ、タイム!」
審判「タァイム!」
スタスタ
エレン「ご、ごめん...なさい...ごめんなさい...」
アルミン「エレン、落ち着くんだ。大丈夫あっちも怪我はなかったようだし」
エレン「ごめん...なさい...」プルプル
アルミン「〔まずい...この雰囲気...ビビり症候群がまた...〕」
「へいへーい、ピッチャービビってる!Wow Wow!」
アルミン「は!?」
エレン「ッ!?」
トーマス「なぁにオドオドしてんだよ!」
マルコ「そうさ!怖がることはない!」
コニー「逆にピンチで燃えるし!」
ミカサ「大丈夫、問題ない」
アルミン「き、君たち...」
トーマス「なになに?この決勝で、観客の多さと罵倒で、今更怖がっちゃってるの?」
マルコ「トーマス!言い方考えろ!」
エレン「そ、そんな...ことは...」
トーマス「あのなぁ...俺だって正直ビビってるよ、ほら」スッ
プルプルッ トーマス「もうずっと...試合が始まってから止まんねぇ」
マルコ「...まぁ実をいうと...僕も」プルプルッ
コニー「マァジでェ!?」
ミカサ「うん、私もそう」フルフルッ
トーマス「いや、お前はわざと揺らしてるだろっ!!」
ミカサ「そんなことはない」フルフルッ
トーマス「どうですか、裁判長」
マルコ「アウト」
コニー「揺らしてるな」
アルミン「...ぶふっ、あははっ...肝座ってるね、君たちは...」クスクス
トーマス・マルコ・コニー「え、どこがですか!?」
エレン「...」
ミカサ「大丈夫」
エレン「ミカサ...」
ミカサ「周りがどう言うと...私は...私達はエレンの味方だから」
エレン「!」
_______________________________________
_____________________________________________
_________________________________________________________
・・・中学1年の頃・・・
「あら、どーしたんだい?エレン」
エレン「別に...何でも...」
「まぁたやられたのかい?」
エレン「そ、そんなんじゃ...」
「...エレン、よく聞いて」
「あんたが周りからどれだけ迫害されようが、何をされようが...母さんはあんたの味方だからね」
エレン「!」
カルラ「だから、頑張って前へ歩いてみな?」
カルラ「そしたらきっと...あんたの事を真正面から見てくれる人が...必ず現れるから...」
_________________________________________________________
_____________________________________________
_______________________________________
エレン「...」
アルミン「とにかくワンァウト一二塁だ。絶対守って...必ず勝ち越そう!」
「オーッ!!」
スタスタ
アルミン「エレン!」
エレン「?」
アルミン「...バッター勝負!」
エレン「...はい!」
-
- 334 : 2017/05/01(月) 03:06:06 :
審判「プレイ!」
ウグイス「1番セカンド、マグノリア君」
イザベル「フゥーッ...こぉいっ!!」
アルミン「〔多少コースは甘くてもいい...ただし...〕」サイン
ドッ!!!!!
エレン「〔全力投球っ!!〕」シュッ!!!
イザベル「〔外甘い!!〕」スッ!!!!
キーンッ!!
エレン「ぁぁっ!?」ビクッ
アルミン「ショートッ!!」
ミカサ「ッ!!」ダイブッ!!!!
パシッ!!!! 審判「フェア!」
イザベル「〔チッ、難しい当たりなのに捕るのかよ...!!〕」ダッ!!!!
ネス「〔アウトにさせてたまるかァっ!!〕」ダイブッ!!!
ズサーッ!!! 三塁審判「セーフ!」
アルミン「三塁無理...2つ!」
ミカサ「〔セカンド...刺す!!〕」シュッ!!
ビリィッ ミカサ「クッ...!?」ズキィッ
パシッ!!! 二塁審判「アウト!」
マルコ「〔ゲッツーできるか!?〕」チラッ
ダッダッダ!!!!! 一塁審判「セーフ!」
実況「二塁はアウト!一塁、三塁はセーフ!」
アルミン「〔ゲッツーは無理だったか...でもアウト1個もらった。〕」
アルミン「ナイピーエレン!」
エレン「は...はい」
ウグイス「2番センター、バーナー君」
モブリット「〔ツーアウト一三塁...もうこれ以上のチャンスなんてない...さっきはダメだったが...2度はない。〕」ギリッ
エレン「っ...」ビクッ
モブリット「スゥーッ...フゥーッ...」ゴゴゴッ
審判「プレイ!」
アルミン「〔ツーアウト...一三塁...ランナーはネスさんと...〕」チラッ
イザベル「フゥーッ...」ギリッ
アルミン「〔二塁空いてる...ここは絶対走ってくる...〕」サイン
エレン「...」スドッ!!!
イザベル「〔クイック!おもしれぇ...勝負!〕」ダッ!!!!!
シュッ!!!
アルミン「〔ッ、初球から...!!〕」スッ!!!!
スッバシーンッ!!!! 審判「ボールワン!」
アルミン「ッ!!」サッ!!!!
イザベル「っ...!!」ズサーッ!!!!
審判「セーフ!」
モブリット「〔さすがに、釣られないか〕」
イザベル「〔でもタイミング的にはギリギリだった...やっぱモーションだけでもこえぇな...〕」
アルミン「ツーアウト!」
リヴァイ「...まぁそこまで頭は逝ってねぇことだろ」
ドッ!!!! シュッ!!!
スッバシーンッ!!!! 審判「ボールツー!」
アルミン「オッケーオッケー!ナイスボール!」シュッ
エレン「〔ボールが入らない...?〕」アセ
アルミン「〔さっきも言った通り、コースは甘くていい〕」サイン
ドッ!!!! シュッ!!
モブリット「〔甘いッ!!〕」スッ!!!!
キーンッ!!!!
エレン「っ!?」チラッ
審判「ファール!」
アルミン「〔コースだけじゃなく、キレも甘かった...これじゃ”あの球”は投げれない...〕」
エレン「〔もう...この人には...俺のストレートが通らない...そんな気がするのは...なんでだ?〕」ドクンッドクンッ
アルミン「〔もう一球...〕」サイン
ドッ!!!! シュッ!!!
スッバシーンッ!!!!! 審判「ボールスリー!」
アルミン「〔外に大きく外れてる...制球力も無くなってきてる...〕」
モブリット「...」
エレン「ハァ...ハァ...ハァ...」ドクンドクンッ
エレン「〔打たれたら終わりなんだ...絶対に勝つんだ...〕」
ドッ!!!!
モブリット「」スッ
エレン・アルミン「〔ッ、セーフティスクイズ!?〕」
エレン「ッ!!」シュッ!
パシンッ!!! 審判「ボールフォア!」
エレン「ッ...フォア...ボール...これで...」
「ツーアウト満塁!!!」
観客「調査高校サヨナラのチャンス!!」
-
- 335 : 2017/05/01(月) 03:07:41 :
ウグイス「3番キャッチャー、チャーチ君」
ファーラン「っしゃぁぁあああ!!」
ケイジ「行ってこい!ファーラン!!」
エルド「このまま決めろ!!」
ファーラン「〔ぜってぇ打つ...今の弱ったこいつなら...打てる!!〕」ギュゥッ
エレン「ハァ...ハァ...」ゼェハァ
「スゥーッ...ピッチャぁぁあああッ!!!! ビビんな、バッター勝負!!!」
エレン「トーマス...」
マルコ「オーッ!打たせていこう!」
ミカサ「エレン、私達を信じて投げて...!」
コニー「何でもいいけど、サードに打たせろ!!」
審判「プレイ!」
アルミン「〔真ん中でもいい...全力投球だ〕」サイン
ドッ!!!!!
エレン「ッ!!」シュッ!!!
ファーラン「〔内高めッ!!〕」スッ!!!!
キーンッ!!!!
エレン「っ」ビクッ
審判「ファール!」
エレン「〔コース甘いし、キレも良くない。こんなんじゃだめだ...〕」
トーマス「ナイピー!エレン!その調子だ!」
ドッ!!!!! シュッ!!!
ファーラン「〔今度は低い!〕」グッ
スッバシーンッ!!!!! 審判「ボールワン!」
マルコ「惜しいよ!際どいコース狙っていこう!」
エレン「ハァ...ハァ...」ゼェハァ
ドッ!!!!! エレン「アァッ!!」シュッ!!!
ファーラン「〔っ、良いコース...だけどッ!!〕」スッ!!!!
キンッ!!! 審判「ファール!」
ミカサ「ナイスボール!ストレート走ってる!」
「〔くそっ...なんで...〕」
ドッ!!!!! エレン「ウアァァアアッッ!!!」シュッ!!!
ファーラン「_______クッ!?」
スッバシーンッ!!!!! 審判「...ボールツー!」
コニー「良いストレートじゃん!でも三振はするなよ?サードな!」
ファーラン「〔なんで...さっき より速くなってんだよ...!!〕」
エレン「ハァ...ハァ...ハァ...」ゼェハァ
トーマス「〔今まで俺らは何度も何度もあいつ に助けられた。〕」
マルコ「〔どんなに辛い状況でも、どんなに苦しい状況でも...エレンだけは絶対に諦めなかった。〕」
コニー「〔例え自分が試合に出れていなかったとしても...どれだけフラストレーションが溜まってても俺らに一切八つ当たりせずに...誰よりも戦ってきた。〕」
ミカサ「〔だから...今度は私達が...〕」
「〔エレンを支える番なんだッ!!!!!〕」
ドッ!!!!! エレン「ウアァァアアッッッ!!!!」シュッ!!!
ファーラン「ッ!!」スッ!!!!
キーンッ!!!!
エレン「!?」ビクッ
アルミン「セカンドッ!!」
マルコ「〔高い...でも、飛べッ!!〕」ピョンッ!!!
マルコ「〔とどっ...けぇぇええええ!!!!〕」ノビッ
スルリッ マルコ「_______ッ」
ダッダッダ!!!! 「ハァ、ハァ、ハァ...」
ダイブッ!!!! ミカサ「うぁぁああああああっっっ!!!!!」ノビッ
アルミン「とっ...「捕んじゃ...ねぇぇえええええええ!!!!!」
バシンッ!!!!! ミカサ・アルミン「_______っ!?」
実況「あぁっとォ!? クラブ弾いたァ!?」
ネス・イザベル・モブリット「おっっっちろぉぉぉおおおおおお!!!!!!」
「うぉぉぉおおおおおおおおッッッ!!!!」ダイブッ!!!!
ズサーッ!!!!
ファーラン「!」
「く...うぅ...」
ジャン「ハァ、ハァ、ハァ...」スッ
審判「...アウト!アウト!!スリーアウトチェンジ!!!」
-
- 336 : 2017/05/01(月) 03:08:18 :
・・・
「お...おぉぉぉぉおおおおおお!!!!」
実況「な、なんと...!? 二遊間を抜ける当たりを...センターのキルシュタインがカバーに入って捕ったァ!!!!」
シガンシナ高校援団「抑えたぁぁああああああ!!!!!」
ジャン父「よくやったぁぁあああああああ、息子よぉぉおおおおおおおおお」
ジャン母「ジャン坊っっっ!!!!!」
ジャン「見たか、オラァッ!!」
トーマス「ジャン!!! おっまえぇえええ!!!」
マルコ「ナイスカバー!ジャン!!」
ミカサ「ありがとう、助かった!」
コニー「すげぇな!お前!!」
ライナー「確かに今のは惚れ惚れするな!」
ベルトルト「さすがキャプテンだね!」
スタスタ
ファーラン「...」
イザベル「ファーラン、戻るぞ」
ファーラン「...あぁ...〔くそっ...また俺はチャンスを...〕」ギュゥッ
「...絶対勝とう...」
ファーラン「!」
イザベル「勝って...甲子園でもあの人達 と...野球やる。」ギリッ
ファーラン「...ったりめぇだ、最後まで集中切らすなよ。」ニヤッ
アニ「ナイスプレー、ジャン!」
ジャン「うっす!」
トーマス「この回先頭だ~れだ!」
ライナー「俺だ!」
コニー「ライナー、マッスルパワーで打ってくれ!!」
ライナー「よくわからんが、取り合えず任せろ!」
-
- 337 : 2017/05/01(月) 03:09:26 :
ウグイス「14回の表、シガンシナ高校の攻撃は...5番ライト、ブラウン君」
ライナー「おねがいっします!」
審判「プレイ!」
エレン「ハァ...ハァ...ハァ...」ゼェハァ
「肘の調子はどう?」
エレン「え...あ、だいじょう...ぶです...」ゼェハァ
ハンジ「そっか、少しでも痛みが出たら言ってね?」
エレン「は...はい...」ゼェハァ
ハンジ「〔肩で息し始めてる...今の回で相当体力を持ってかれたのか...〕」
スタスタ
アニ「...エレン、どこ行くの?」
エレン「ちょっと...顔を、あらってきます...」ガチャッ
アルミン「〔顔を洗ってくる...?〕」
・・・
アルミン「〔...遅いな、顔を洗うにしても5分もかからないはずなのに...ちょっと様子見に行くか〕」ガチャッ
扉を開けると...
蛇口から出る水道水を頭から被り、体は洗面所にだれていて
いつもの闘志溢れる姿のエレン・イェーガーではなく...
疲れ切った姿に変わり果てていた。
アルミン「えっ...エレン!!」ダッ
エレン「あ...るみん...先輩」
ギュッギュッ アルミン「しっかりしろ!エレン!」ユサユサ
エレン「ハァ...ハァ...」ゼェハァ
アルミン「〔返す言葉すら出てこないのか...あの1回で...そこまで持ってかれて... ガチャッ
アルミン「!」チラッ
ミカサ「え...え、エレン...?」
アルミン「ミカサ、君はネクストだろう? ここはいいから、戻って」
ミカサ「で、でも...えれん...が...」
エレン「ハァ...ハァ...」ゼェハァ
ミカサ「え、えれ...」
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_____________________________________________
_________________________________________________________
・・・今朝・・・
エレン「おぉ、ミカサ!待たせて悪い!」
ミカサ「ううん、私も今来たところ」
スタスタ
ミカサ「え、エレン」
エレン「ん?」
ミカサ「その...決勝前に1つ聞きたいことがあって...」
エレン「聞きたいこと?」
ミカサ「あの...なぜあの時 私に声をかけてくれたのか...って...」
エレン「は? そんなの理由なんているのかよ」
ミカサ「っ...そ、そう...だよね。ごめんなさい...何でもない。」
エレン「なんだよ、いくぞ」スタスタ
ミカサ「〔そうだ...エレンは別に”何か特別な理由があって”私に声をかけたわけじゃないんだ...何を期待して...〕」
ミカサ「〔でも...いつかは...私の...気持ちを...伝えたい、な...〕」
エレン「おい、置いてくぞ。」
ミカサ「待って、今行く」
ミカサ「〔エレンはエレンのまま...あの時と同じで、真っすぐただ前を向いて突っ走るエレンがいい...今の関係が崩れるくらいならこのまま...〕」
_________________________________________________________
_____________________________________________
_______________________________________
ミカサ「ぁ...」
-
- 338 : 2017/05/01(月) 03:11:20 :
エレン「ハァ...ハァ...ハァ...」ゼェハァ
タッタッタ!!! ガチャッ!!!!
アルミン・ミカサ「!」チラッ
「ハァ...ハァ...ハァ...」チラッチラッ
アルミン「〔だ、誰だ...? 見たことない顔付きに...金髪ストレート...?〕」
「っ!! レンッ!!!!!」ダッ
ミカサ「〔レン...?〕」
エレン「ッ...ヒス...トリア...なんで...」
アルミン「〔エレンの知り合い...? というか、今レンって呼んだ...?〕」
ミカサ「〔中学の時の知り合い...? もしくは...〕」
アルミン・ミカサ「〔彼女...?〕」
アルミン「ってそうじゃない...君、誰? ここは関係者以外立ち入り禁止だよ。「レン...もう無理しないで」ガシッ
ギュッ エレン「ハァ...ハァ...」ゼェハァ
ヒストリア「レンはもう十分戦ったよ...これ以上自分を傷つけても意味ないよ。」
エレン「俺...十分...戦った...?」
ヒストリア「そう、レンは十分戦ったよ...過去のトラウマと...過去の自分に」
エレン「過去のトラウマ...過去の...俺...」
ヒストリア「戦いに諦めは良くないことかもしれないけど...でも、時には諦めることだって必要なんだよ!」
エレン「諦め...? 試合を...?」
ヒストリア「レンは...中学の時、一人で戦ってた。どんなに傷つけられようとも、どんなに自分の居場所を奪われようとしても...」
ヒストリア「ちゃんと逃げずに...ずっと戦い続けてきた。」
タッタッタ ヒッチ「ちょっと、ヒストリア!あんたどこに...!」
ヒストリア「けど、ずっと一人で戦い続けるなんて...体が...心が持たないよ!」
タッタッタ マルロ「おい、ヒストリア...ヒッチ...ここは関係者以外...! エレン...お前...」
ヒストリア「今度はもう...レンを一人にしないから...今度は私が、みんながレンと一緒にいるから...!!」
ヒストリア「だからお願い...レン、もうこれ以上自分を傷つけることだけはやめて...試合を棄権して...みんなと一緒に...また南シガンシナ に...帰ろう?」
エレン「ッ...みんなと一緒に...で、でも...」チラッ
アルミン「?」
ミカサ「...」
エレン「お、俺は...俺は...」
ガシッ 「わりぃが、そっちに戻すことはできねぇよ。」
エレン・アルミン・ミカサ「!」
ジャン「今頃になって返品なんて、そんなオプション付いてねぇぞ」
ヒストリア「本人が傷ついてても? 本人が嫌だって思ってても?」
ジャン「あぁそうだよ。こいつがどう思おうが、気持ちが揺らごうがな...」
ガシッ ギュゥッ エレン「っ...おい、ジャン...!!」
ジャン「こいつはもう...うち のエースなんだよ。そして、この背中に書いてある番号はな...」
ジャン「こいつだけの想いがあるわけじゃねぇ!俺らや応援してくれる親や友達...色んな人達の想いも込められてんだ。」
ジャン「だから...エレン」ギュゥッ
ジャン「いい加減、目覚ませッ!!!」スッ!!!!
ボコッ!!!! エレン「_______うぐっ!?」ズキィッ
ドタッ ミカサ「じゃ、ジャン!? 何を...!?」
ヒストリア「レン!!」ダッ
マルロ「ヒストリア、もうやめろ」
ヒストリア「マルロ...どうしてよ、レンはこんなに傷ついてるのに...なんで私達が助けないのよ!!」
マルロ「そりゃ...もうこいつには...」チラッ
「「大事な仲間 がいるだろ。」」
ヒストリア「!」
マルロ「今だって普通はあんなぶん殴ったりしねぇよ。それを躊躇なく本気でぶつかり合える...あいつにとっての...初めての...本当の仲間ができたんだ。」
マルロ「その居場所を...また俺らが奪っちまうってことになるぞ、ヒストリア」
ヒストリア「ッ...」
マルロ「悪かったな、シガンシナ高校...試合頑張れよ」
ジャン「当たり前だ。さっさと帰れ」
-
- 339 : 2017/05/01(月) 03:12:45 :
マルロ「ほら、行くぞ」
ヒッチ「ハァ~...また戻るの?」
ヒストリア「...レン」
エレン「なんだ...よ」
ヒストリア「...ごめん、私...レンの気持ちまた考えずに...」
エレン「そんなことねぇよ」
ヒストリア「!」
エレン「お前が中学の時...俺を庇おうとしたり、マルロ達に話して相談したりって...知ってた。」
エレン「だからその...また後で話そうぜ」
ヒストリア「...うん!」
チラッ ミカサ・ヒストリア「...」ジィッ
スタスタ
ジャン「ミカサ、お前ネクストだろ。待ってるぞ」
ミカサ「! ご、ごめんなさい。今行く!」
エレン「ハァ...ハァ...ふぅ...」
アルミン「ベンチに戻ろう」
エレン「...はい。」
キンッ!!!
ファーラン「〔当てた...ファールになる。〕」
エルド「〔間に合うか...いや間に合わせる!「触んなくていいっす!!」
エルド「!」ピタッ
コロコロ ピタッ ファーラン・エルド「っ」
ダッダッダ!!! 審判「セーフ!」
観客「の、ノーアウトでランナー出たぁ!!」
ファーラン「す、すんません!」
エルド「いや俺も判断が遅れた。すまん」
コニー「ナイスボテボテ!」
ライナー「褒めてるのか、それ!?」
トーマス「おーっし!ミカサ、いったれ!!」
ウグイス「6番ショート、アッカーマン君」
ミカサ「ふぅ...」
アルミン「...エレン、さっきのだけど...」
エレン「...」
アルミン「...いや何でもない。」
アルミン「〔あんまり触れない方がよさそうだな。〕」
・・・
実況「さぁノーアウト一塁、カウントは2-2の並行カウント」
スッバシーンッ!!!!!!! 審判「ストライク!バッターアウト!!」
ミカサ「くそっ...!」
ウグイス「7番ファースト、ワグナー君」
トーマス「うぉぉお!! 来いっ!!」
・・・
スッバシーンッ!!!!!!! 審判「ストライク!バッターアウト!!」
トーマス「だぁぁ...すまん、エレン...」
エレン「...」スタスタ
トーマス「〔はっ!? 無視!? なにその古 の嫌がらせ...!?〕」
ミカサ「...エレン...」
-
- 340 : 2017/05/01(月) 03:13:38 :
ウグイス「8番ピッチャー、イェーガー君」
アニ「アルミン、さっき騒がしかったけど...どうかした?」
アルミン「うん、ちょっとね...」
アニ「?」
ファーラン「〔来たか、唯一リヴァイ先輩のストレートを見えてる奴...〕」
リヴァイ「〔こいつには気合い入れて掛からねぇとな...〕」ギリッ
アルミン「〔今改めて...エレンの当時の心境を知った気がするな...〕」
アルミン「〔恐らく中学時代のエレンは、全員が全員敵であったわけじゃなさそうだ。〕」
アルミン「〔さっきいた彼女 やもう一人の子 ...そして、ライバルのマルロ...この3人はエレンの良き理解者だった。〕」
アルミン「〔最初は学校側が贔屓 で突然1年ながらエース番号を渡したこと。〕」
アルミン「〔やがて贔屓だってことが野球部や学校中...町中へと知れ渡り...〕」
アルミン「〔周りからは迫害され、けれどもエレンはマウンドを一度たりとも譲らなかった。それは多分...〕」
アルミン「〔親に言われたからとか、誰かに何かをされて降りなかったわけじゃない...本当の理由は...〕」
アルミン「〔エレンが馬鹿がつくほど、野球が好きだったから...ピッチャーという居場所 が唯一心の拠り所だったからだ。〕」
アルミン「〔どれだけ酷いことを言われても、辛いことがあっても...それでもマウンドを譲らないなんて...普通は出来ない。〕」
アルミン「〔マウンドを譲らない...ピッチング中毒の野球馬鹿か...〕」
アルミン「〔性格や口調、才能や実力は全く違うけれど...どことなく...アイツに似てるな...〕」
リヴァイ「フゥーッ...」ギリッ
アルミン「〔アイツもアイツで、最初こそ中学では周りから認められずに下から這い蹲って...駆け上がってきた。〕」
アルミン「〔お互い似ている経験こそあるものの...結果は真逆の人生を送ってきたはずなのに...なんだろうな...〕」
アルミン「〔片方 は周囲の誰からも信用されずに、ずっと一人で戦い続けた...野球馬鹿〕」
アルミン「〔もう片方 は実力や才能が認められ、けれども怪我で自分しか信用しなくなった...怪物〕」
アルミン「〔どっちが正しいとか、どっちが間違ってるとかわからない。でも確かなのは...〕」
アルミン「〔どれだけちっぽけな人間や落ちこぼれな人間でも...諦めずに戦い続ければ...行けない場所なんてない。〕」
キーンッ!!! リヴァイ・ファーラン「_______ッ」
アルミン・アニ「!」
実況「打ったァ!! 三遊間、際どい当たり!!」
ミカサ「エレンッ!!」
アルミン「ぇ...」
リヴァイ「!」
ドタッ エレン「ハァ...ハァ...ハァ...」ゼェハァ
ファーラン「ショート!!」
トーマ「こんのやろぉっ!!」ダイブッ!!!!
-
- 341 : 2017/05/01(月) 03:14:26 :
-
ミカサ「え、えれん...」ウルウル
_______________________________________
_____________________________________________
_________________________________________________________
・・・ミカサ入院の時・・・
ミカサ「んっ、ハァ、ハァ、ハァ...私の...目標は...」ゼェハァ
ミカサ「エレンと..シガンシナ高校野球部のみんなと...甲子園に行くこと!!!」
ミカサ「だから...エレン...ハァ、ハァ...」ゼェハァ
ミカサ「エレンが...あなたが帰ってくるまで...負けない! 私が絶対にシガンシナ高校を守ってみせる!!だから...だから...」
エレン「...ふっ」ニッ
エレン「おう、頼むぞ!ミカサ!」スッ
_________________________________________________________
_____________________________________________
_______________________________________
「いつもみたいに...また楽しそうに...野球やってよ...!!」
ミカサ「エレェンッッッ!!!!!!!」
エレン「ぅっ...ぁぁぁああああああっっっ!!!!!!」ダイブッ!!!
ズサーッ!!!! 審判「...セーフ!!」
「お...おぉぉぉぉおおおおおおおっっ!!!!!」
ミカサ「〔一緒に行くって...勝って甲子園で...みんなで野球をしよう。エレン...!!〕」ウルウル
エレン「ハァ...ハァ...ハァ...」ゼェハァ
リヴァイ「チッ...」
トーマス「おっしゃぁ!! 続けマルコォ!!!」
ジャン「ぜってぇ出ろよ!!」
マルコ「あぁッ!!」
ウグイス「9番セカンド、ボット君」
リヴァイ「〔さすがにマウンドが持たなくなってきたか...チッ〕」
ドッ!!!!!! シュッ!!!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ!!!
スッバシーンッ!!!!!!!! 審判「ボールワン!」
ファーラン「〔この流れ...嫌だな〕」
スタスタ
○○○○「へぇ、同点か...やっぱアイツすっげぇ」クスッ
・・・
スッバシーンッ!!!!!!! 審判「ボールフォア!」
実況「よく見たフォアボール!! さぁ、これでツーアウト満塁っ!!」
観客「おぉぉぉおおお、これで満塁だぁ!!」
観客「もしかしてこのまま決めちまうのか...!?」
リヴァイ「くそがっ...」
ファーラン「ドンマイッス!切り替えるッスよ!!」
-
- 342 : 2017/05/01(月) 03:18:25 :
ウグイス「1番センター、キルシュタイン君」
ジャン「っしゃぁぁああああ!!!」
審判「プレイ!」
ライナー・マルコ「〔頼むジャン...〕」
コニー・ベルトルト・トーマス・ミリウス・ダズ「〔ここで...〕」
シガンシナ高校援団「〔決めてくれ...!!〕」
キース「リコ! 最大限に盛り上げるぞ!!」ゼェハァ
リコ「わかってる! あんた達...いいね?」ゼェハァ
吹奏楽部「は、はいッ!!」ゼェハァ
ジャン「〔ライナーやエレン...それにマルコが結果を出したんだ...ぜってぇ打つ...!!〕」ギリッ
実況「第一球...振りかぶって...」
ドッ!!!!!!
実況「投げた!!」
シュッ!!!!!!
ジャン「ッ!!」スッ!!!!
スッバシーンッ!!!!!!!! 審判「ストライクワン!」
ジャン「〔チッ、もう後がねぇだ。焦ってなんからんねぇぞ...!!〕」
ドッ!!!!!! シュッ!!!!!!
ジャン「うらぁッ!!」スッ!!!!
スッバシーンッ!!!!!!!! 審判「ストライクツー!」
ジャン「くっそぉぉ...「ジャン!」
ジャン「!」チラッ
マルコ「〔大丈夫、焦る必要なんてない。自分のバッティングでいこう。〕」コクッ
ジャン「〔...っは...ったぁく...なぁにキャプテンより落ち着いてんだよ。これじゃ俺がかっこわりぃじゃねぇか...〕」
ジャン「自分の...バッティング...」ギリッ
ファーラン「〔一球外すッス〕」サイン
リヴァイ「」コクッ
ドッ!!!!!! シュッ!!!!!!
ジャン「...」チラッ
スッバシーンッ!!!!!!!! 審判「ボールワン!」
ファーラン「〔こいつ...目だけで見送りやがった...俺が言うのも可笑しいけど、こいつら 全員ホント生意気だな〕」クスッ
ファーラン「〔無名校だからとか...弱小校だからとか...そんなの関係ない。〕」
ファーラン「〔ここまで来たら、俺らはもうただの敵同士じゃねぇ...〕」
ファーラン「〔史上最高の...ライバルだ。〕」
ジャン「スゥーッ...フゥーッ...」ギリッ
ファーラン「〔これで打たれたら俺を恨んでくれッス〕」サイン
リヴァイ「〔馬鹿か、打たれたら誰の責任だと思ってやがる〕」コクッ
ドッ!!!!!!
リヴァイ「うぁぁぁああああッッッ!!!!!」シュッ!!!!!!
シガンシナ高校援団「〔ジャン...!!〕」
ザッ!!!!! ジャン「ッ!!!」スッ!!!!!
キーンッ!!!!
ファーラン「_______ははっ...マジかよ...」
実況「う...打ったぁぁあああああああああ!!!!!!」
ジャン「っしゃぁらぁああ「ウァアアッッ!!!!」スッ!!!!!
パシッ!!!!!!
ライナー・エレン・マルコ「!」
ジャン「...んなっ...!?」
ドタッ リヴァイ「ハァ...ハァ...ハァ...」ゼェハァ
イザベル「り、リヴァイ先輩!!」
スッ 審判「...アウトォ!スリーアウトチェンジ!!」
「うぉぉぉおおおおおおおおっっっ!!!!!!!!」
実況「なんと...ピッチャーのリヴァイ...自ら打球に飛びつき...アウトをもぎ取ったぁぁああああ!!!!」
リヴァイ「...っしゃぁあッッ!!!」ガッツポーズ
ケイジ「ナイキャッチ、リヴァイ!!」
エルド「さすがだな!!」
イザベル「やっぱ凄いです!!」
ファーラン「ははっ...全く...人騒がせッスねぇ」
リヴァイ「〔俺達の夏を...勝手に終わらせようとすんじゃねぇ〕」ギロッ
-
- 343 : 2017/05/01(月) 03:19:29 :
ジャン「...くそがぁっ!!!」ガンッ
ライナー「ドンマイ!」
マルコ「まぁま、そう熱くならない!」
ジャン「いや...なるだろ!?」
コニー「そりゃ決めてくれたら」
トーマス「良いなぁ~とは思ってたけども?」
ベルトルト「まぁ無理ならまだ次の回もあるわけだし」
ジャン「このノッポが!!」
ベルトルト「なんで僕だけ!?」
ザワザワ
アルミン「試合中でさえも...自分の力を最大限に発揮するなんて...なかなか出来ないのにね」
アニ「全くだよ...本当にね」クスッ
ジャン「あぁ...くそっ!! と、取り合えずこの回...凌ぐぞ!!」
「おうッ!!」
アルミン「エレン」
エレン「は...はい!」
アルミン「次の回...必ず決める。だから...この回と次の回まで踏ん張ってくれるかい?」
エレン「...もちろんです!」
アルミン「じゃぁ...いこう!!」ダッ
ウグイス「14回の裏、調査高校の攻撃は...4番ピッチャー、リヴァイ君」
リヴァイ「〔さっきの借りは...ちゃんと返さねぇとな〕」ギリッ
審判「プレイ!」
ドッ!!!! シュッ!!!
スッバシーンッ!!!!! 審判「ボールワン!」
ドッ!!!! シュッ!!!
リヴァイ「〔真ん中甘いッ!!〕」スッ!!!!!
キーンッ!!!!
審判「ファール!」
エレン「〔やっぱり...ストレートはもう...〕」
アルミン「〔合わせてくるか...なら〕」サイン
エレン「!」
ドッ!!!!! シュッ!!!
リヴァイ「〔内...少し低いが!!〕」スッ!!!!!
キュルルルゥッ!!! クインッ!!
リヴァイ「_______ぐっ!?」グググッ
キーンッ!!!! エレン「ッ...!?」
アルミン「レフトォ!!」
ダッダッダ!!! ベルトルト「ハァ、ハァ...」
パシッ!!!! 審判「アウト!」
観客「お、おいおい...マジかよ...あの怪物リヴァイを...レフトフライで打ち取りやがった!?」
観客「さっきとは比べ物にならないぞ...」
リヴァイ「〔チッ、出てきやがったか...ミケの言ってた...”沈む”ストレート〕」
-
- 344 : 2017/05/01(月) 03:20:18 :
ウグイス「5番ライト、ザカリアス君」
ミケ「〔来い...次は捉える。〕」
審判「プレイ!」
エレン「〔この人にはさっき沈む方のストレートで三振にした。〕」
アルミン「〔なら今回は...〕」
ドッ!!!!! シュッ!!!
ミケ「ふっ、やはり...”伸びる”ストレートッ!!」スッ!!!!
アルミン「〔不味いッ、読まれてる!?〕」
キーンッ!!!! エレン「ぇっ...!?」
審判「ファール!」
ミケ「ふんっ、少しズレたか」
アルミン「〔完全に読まれてたな...僕のリードを。〕」
エレン「〔俺のストレート...もう...通用しない...〕」ビクビクッ
エレン「〔だったらもう...”沈む”方しか...〕」
アルミン「〔いやもう一球〕」サイン
ドッ!!!!! シュッ!!!
ミケ「〔そして...今度は沈むッ!!〕」スッ!!!!
キュルルルゥッ!!! クインッ!!
アルミン「〔なッ!? 沈むストレート...!?〕」
キーンッ!!!! エレン「ぁっ!?」
コニー「こんにゃろっ!!」ダイブッ!!!
ズサーッ!!! 審判「フェア!フェア!!」
実況「三塁線抜けたァ!!」
ミケ「〔このまま二塁まで...「ミケ、ストップ!!」
ピタッ ミケ「!」
マルコ「...」スッ
ミケ「〔いつの間に二塁に...〕」チラッ
ベルトルト「〔良かった前進守備しておいて〕」
ミケ「〔ふっ、憎いほど感がいいな...〕」
アルミン「〔今完全に”沈む”ストレートだったな...まさかエレン...〕」チラッ
エレン「〔ど、どっちも...もう通用しない...?〕」ビクビクッ
アルミン「〔タイム取るか...? でもまだワンァウトだ。〕」
マルコ「ドンマイドンマイ!ワンァウト!」
ウグイス「6番サード、ジン君」
アルミン「〔次全力投球を...〕」サイン
エレン「〔俺のストレートはもう...調査高校には通用しないんだ...でも...降りたくない。ここ を譲りたくない。〕」
トーマス「〔え、エレン...!〕」
マルコ「〔アルミン先輩はもうサイン出してるぞ...!〕」
コニー「エレン!バッター勝負でいこうぜ!」
エレン「ぇっ...あ、あぁ」
ドッ!!!! シュッ!!!
アルミン「〔っ、この球威...全力投球じゃない!?〕」
エルド「甘いッ!!」スッ!!!!
キンッ!!!!
実況「打ったァ!! バウンド高い!!」
アルミン「〔くそっ、叩きつけられたか...!〕」
ミカサ「〔私が投げれば...アウトに!!〕」ダッ
コニー「〔中継が俺になったってことは俺が投げるんだよな...!?〕」ダッ
ミカサ・コニー「あっ!?」ピタッ
ファーラン「おっしゃ、お見合い!!」
ミケ「〔三塁は...?〕」
ベルトルト「ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
ミケ「〔またアイツか...〕」
コニー「わりぃ、ミカサ...声かけるべきだった」
ミカサ「いや私こそ...」
マルコ「ミカサ・コニー!切り替え!!」
ミカサ・コニー「お、おう!(う、うん!)」
アルミン「〔ミカサが投げれないことを知っていたんだとしたら...狙ったのか〕」
アルミン「ワンァウト!エレン、ナイスボール! ”球は走ってるよ!”」
エレン「ぇ...ぁ、はい...」
-
- 345 : 2017/05/01(月) 03:21:30 :
ウグイス「7番ファースト、ケイジ君」
ケイジ「おぉっ!! 来い!!」
アルミン「〔二塁ランナーを最優先して...初球は...〕」サイン
ドッ!!!! シュッ!!!
ケイジ「〔低い!〕」
スッバシーンッ!!!!! 審判「ボールワン!」
アルミン「惜しいよ!ナイスボール!」
ケイジ「〔上げちゃダメだ...弾道低く...いやさっきのエルドみたいに叩きつけるのも手だ。〕」
ドッ!!!! シュッ!!!
ケイジ「〔来たッ! 真ん中甘いコース!!〕」スッ!!!!
キュルルルゥッ!!! クインッ!!
ケイジ「〔っ!? これがあの...沈むストレート...!?〕」グググッ
キンッ!!
実況「詰まった当たり!!」
エレン「〔また当てられ...!? 「エレン!!」
エレン「っ」ビクッ
バッ 実況「あぁっとイェーガー、弾いてしまったァ!?」
アルミン「〔クッ、僕がカバーを!!〕」ダッ
モブコーチャー「走れッ、ケイジ!!」
ケイジ「くっそぉぉぉおおおおお!!!」ダッ!!!!
ガシッ!!! アルミン「〔三塁無理、二塁も...ならせめて一塁!!〕」スッ!!!!
ズキィッ アルミン「〔クッ!? 耐えろ...こんな痛み...どうってことない!!〕」シュッ!!!
ケイジ「どぉぉぉぉおおおっらぁぁあああ!!!」ダイブッ!!!!
ズサーッ!!!! 審判「セーフ!」
観客「お...おぉぉぉおおおお!!!」
観客「またワンァウト満塁...!!」
観客「今度こそ...サヨナラのチャンス!!」
エレン「ハァ...ハァ...ハァ...」ゼェハァ
アルミン「ハァ、ハァ...た、タイム!」
審判「タァイム!」
ミタビ「もうそろそろ限界じゃねぇのか、アイツ」
イアン「あぁ、そうだな」
ミタビ「どーすんだよ...シガンシナ...もう代えはいねぇぞ」
イアン「さぁな...だが、アイツ がもう負けだ降参です。なんて表情をしたのは...今までのどの試合でもなかったがな...」
-
- 346 : 2017/05/01(月) 03:21:56 :
スタスタ
エレン「〔ッ...きっとアルミン先輩は...俺がもう調査高校相手に通用しないって...わかってる...〕」
エレン「〔ミカサやベルトルトに...代われって言われたら...俺は...俺は...「ごめん、エレン」
エレン「_______え?」
アルミン「今のアウト取れなかった。」
エレン「...な、なんでアルミン先輩が...謝るんですか...俺がミスしたのに...打たれたのに...」
アルミン「そうかもしれないけど、仲間のミスは仲間がカバーをする。それがチームスポーツの良い所であり悪い所だからさ」
エレン「っ...」
アルミン「そうは言ったものの...ワンァウト満塁だ。大丈夫、今のエレンでも十分通用するし...何より”球は走ってる!”」
エレン「...もう...俺は...通用しないですよ...」ボソッ
アルミン「え?」
エレン「だって...だってそうじゃないですか...13回から一気に...当てられるようになったし...打たれるようにも...なって...」
エレン「その度に...みんなに迷惑をかけてる...ミカサは手首の怪我が...アルミン先輩も胸の怪我で...」
エレン「やっぱり俺は...ダメピーで...何の役にも立たない...ただの下手くそなのに、またマウンドを...「だから何?」
エレン「ぇっ...いや、だから...」
アルミン「下手だからなんだって言うのさ? 何の役にも立たない? 当てられただけで、自分はもう使い物にならない・通用しないって?」
ガシッ エレン「うぐっ!?」
アルミン「冗談じゃないッ!!!」
アルミン「僕らが全員...何でも間でもできるとでも思ってるのか? 失敗なんてないとでも思ってるのかッ!?」
エレン「!」
アルミン「全部が全部何もかも完璧な人間なんていない...裏を返せば、何もかも出来ない何の役にも立たない人間もいないんだ。」
アルミン「努力すればすべて叶うとは言わない。けど...まず努力をしなきゃ成功も失敗も...何も始まらない。」
アルミン「人は戦いをやめてしまえば、もう何も残らない。それこそただのゴミクズだ。でも...」
アルミン「諦めずに...戦えば何かが起こるって...僕は、かつての君に教えてもらったんだ。」
エレン「ッ...」
アルミン「もう一度言うよ、エレン」
バッ アルミン「球は走ってる、何の心配もせず...ただ真っすぐ...君の持ってる力すべてを...」
ポンッ アルミン「僕のところ まで...全力で投げるんだ。」
エレン「!」
アルミン「大丈夫さ、君の全力投球なら必ず押さえられる。僕は...いや僕らは全員そう信じてる。なんたって...」
アルミン「君は、正真正銘...僕らのエースなんだから。」
エレン「...」
アルミン「じゃぁ頼んだよ」
タッタッタ
アルミン「ありがとうございます。」
審判「プレイ!」
-
- 347 : 2017/05/01(月) 03:23:07 :
ウグイス「8番レフト、ネス君」
ネス「〔ワンァウト満塁でサヨナラのチャンス...ここ逃したら...男じゃねぇだろ!〕」ギュゥッ
アルミン「〔さぁ...来い、エレン!〕」パンパンッ
エレン「...」スッ!!!!!
ドッ!!!!!
エレン「ッッッ!!!!」シュッ!!!
キュルルルゥッ!!! ネス「〔クッ...!? この球威...全力投球!!〕」スッ!!!!
キンッ!!!! 審判「ファール!」
アルミン「〔もう一球...!!〕」サイン
ドッ!!!!!
エレン「ウァァアアッッッ!!!!!」シュッ!!!
キュルルルゥッ!!! ネス「〔なっ、また...!?〕」スッ!!!!
キッ!!!! 審判「ファール!」
リヴァイ「〔初球より振りが遅れてる...〕」
ネス「〔ちょっと待て...こいつさっきまで相当疲れてたよな...? なのにこの球威って...〕」
ドッ!!!!!
ネス「〔体力はもうないはずじゃなかったのか...!?〕」
「まさか...誰もない、とは...言ってませんよ。」ニヤッ
エレン「ッッッ!!!!」シュッ!!!!
ネス「〔こんのぉッ!!〕」スッ!!!!
キンッ!!!! ネス「〔くっそ...まだ振り遅れてるのか...「オーライ!オーライ!!」
ネス「_______は?」チラッ
ダッダッダ!!!
アルミン「うぉぉぉおおおおおおっっっ!!!!」ダイブッ!!!!
ドタッ ゴロンゴロンッ ドッカーンッ
アニ「アルミン!?」
「ごほっ、ごほっ...」
審判「...!」
アルミン「ん」スッ
審判「...アウト!アウト!!」
観客「お...おぉぉぉおおおおお!!!!」
観客「あのフライを無理矢理捕りに行きやがった!?」
観客「怖くねぇのか!?」
アルミン「ツーアウト!!」
マルコ「オーッ!! ツーアウト!ツーアウト!!」
トーマス「ナイスガッツです!アルミン先輩!!」
コニー「すげぇ!!」
ミカサ「ナイピッチ、エレン!」
エレン「ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
ネス「...すまん」
トーマ「ドンマイ、沈む奴か?」
ネス「...あの球威で沈むと思うか?」
トーマ「は...?」
-
- 348 : 2017/05/01(月) 03:23:16 :
-
ウグイス「9番ショート、トーマ君」
トーマ「〔あの球威って...まぁそりゃ多少速く見えたが...〕」
審判「プレイ!」
ゴゴゴッ トーマ「ッ!?」
エレン「ハァ、ハァ、ハァ...」ゴゴゴッ
トーマ「〔おい...お前...どこのどいつだよ...まるでさっきとは...別人じゃねぇか〕」
ドッ!!!!!
エレン「ッ!!」シュッ!!!!
キュルルルゥッ!!! トーマ「〔クッ...これは伸びる方かっ!!〕」スッ!!!!
スッバシーンッ!!!!!! 審判「ストライクワン!」
トーマ「〔ネスの言ってたことは...こういうことか、こりゃ確かに一筋縄ではいきそうにねぇ...けどな〕」
ギュゥッ トーマ「〔それと諦めるとは...全くの別物だからな〕」
ドッ!!!!!
エレン「ッ!!!」シュッ!!!!
キュルルルゥッ!!! トーマ「うらぁッ!!!」スッ!!!!!
キッ!!!! 審判「ファール!」
トーマ「〔これでも...まだ振り遅れてるのか...!?〕」
「ハァ...ハァ...ハァ...」ゼェハァ
アルミン「〔確かに君はリヴァイとは違って、周りから認められずにここ へ来た。だけども...〕」
アルミン「〔誰しもが、理想を描く完璧な人間なんて一人もいない。〕」
アルミン「〔それは、何も役に立たない...何も出来ない人間なんていないってこととも意味している。〕」
アルミン「〔それを教えてくれたのは他の誰でもない...君なんだ...〕」
アルミン「〔だから...もし君が中学の時みたいにまた自信を無くしたり、怖くなったら...〕」
「〔俺ら 、私ら が...そんなことないって、何度でも言ってやるッッッ!!!!!〕」
ドッ!!!!!
エレン「...うぉぁああああああああッッッ!!!!!!!」シュッ!!!!!
キュルルルゥッ!!!!! スッバシーンッ!!!!!!!
トーマ「_____ッ...」
審判「...ストライク!バッターアウト!!スリーアウトチェンジ!!!」
・・・
エレン「...っ~!!...っっっしゃぁぁああああああ!!!!!!」ガッツポーズ
実況「三振っっ!! 見逃し三振っっっ!!!」
実況「そして奪三振したイェーガーは『甲子園に行くのは自分達だ』と言わんばかりの...」
実況「咆哮を...そう、これはまさしく未来 への咆哮 だぁぁあああ!!!!!」
-
- 349 : 2017/05/19(金) 19:18:16 :
ケニー「いっ...いぃっっっ...」グググッ
ジャン父・ジャン母「っ~~!!」グググッ
キース「ぃよぉっっっ...」グググッ
ミーナ「ゃ、ゃ...」グググッ
「ぃよっっっっっしゃぁぁあああああああああああああ!!!!!」
ジャン父「よく耐えきったぁ!!!」
ジャン母「みんな凄いわぁ!!!」
ケニー「エレェン!! よくやったぁ!!!!」
シガンシナ援団「エ・レ・ン!エ・レ・ン!」
エレン「ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
ダッダッダ ガバッ
トーマス・マルコ・ミカサ・コニー「ナイピッチィッッッ!!!!!!」
エレン「んっ...ハァ、ハァ...あ、あぁ」ゼェハァ
トーマス「マジすげぇなお前はっ!!!」
マルコ「最後の一球なんて...あのリヴァイさんより速く見えたよ!」
コニー「にっひひ、お前なら出来ると思ったぜ!なんたって天才コニー様が認めたんだからな!!」
「エレン...!!」
クルッ エレン「ハァ、ハァ...み、かさ...」ゼェハァ
ミカサ「...絶対に勝とう!」ウルッ
エレン「...あぁ...約束...したから...な」ゼェハァ
ミカサ「_______ぇっ...」
エレン「強くなって帰ってきて...リヴァイさん達を倒して...そして...甲子園で野球やるって...しただろ」ゼェハァ
ミカサ「っ~~!!!」ウルッ
ミカサ「うんっ!!」ニコッ
スタスタ
トーマ「すまん...最大のチャンスを...」
「なぁに一人で落ち込んでるんスか!」
トーマ「!」
ファーラン「まだあと1回あるじゃないッスか! そんな世界滅亡みたいな顔しないで欲しいッス!」
トーマ「ファーラン...」
ケイジ「そうだぜ、次の回で決めれば問題ねぇ!」
エルヴィン「...」
リヴァイ「糞ファーラン、さっさと防具つけろ」
ファーラン「ウィーッ!!」
リヴァイ「殺すぞ」イラッ
モブリット「...ということですよ。監督」
エルヴィン「!」
モブリット「こいつらはまだまだやる気です。もちろん俺も...それにこのチームなら勝てると思って組んだのでしょう。」
モブリット「ならそんな暗い顔しないでください」
エルヴィン「...ははっ...まさか選手に心境を読み取られるとはな...」ハハッ
ミケ「俺達はまだまだやれます。監督に付いてくって決めましたから...どこまでも」
エルド「3年間という短い期間で俺らをここまで育て上げてくれたのは監督のお陰です」
イザベル「だから絶対勝って...甲子園でも野球をしたいです!!」
エルヴィン「ミケ、エルド...イザベル...」
リヴァイ「俺は元々あんたを信用して調査高校 を選んだんだ。」
リヴァイ「今になって指揮官が試合を放棄したら...さすがに笑えねぇぞ」
エルヴィン「...ふっ、それは確かに笑えないな」ハハッ
スタスタ ザッ!!!!
調査高校援団「〔! 監督がベンチを離れた...?〕」
エルヴィン「我々が今戦っているのは己自身ではなくベンチの向こう側にいるシガンシナ高校だ。」
エルヴィン「誰が予想していただろう...今のような途中経過 を...」
エルヴィン「やはり野球というのは最後の一球になるまで...何が起こるかわからない。」
エルヴィン「だから今あえて君たちに言おう。」
ギュッ!!! エルヴィン「野球馬鹿 になれ!!!!」
ケイジ・エルド・ミケ「ふっ」ニヤッ
ファーラン・イザベル「へっ」ニヤッ
リヴァイ「...っし...行くぞ」
「オォーッッッ!!!!!!!!」
-
- 350 : 2017/05/19(金) 19:18:55 :
実況「_______!! 調査高校一同が今円陣を組み、大きな掛け声を出した! 準備万端の模様!対するシガンシナ高校は...?」
ダズ「さすが名門校だな...円陣の掛け声だけでプレッシャー感じさせてくるなんて」
コニー「じゃぁ俺らもやるか」
トーマス「だな、やられたらやり返すっていう言葉があるくらいだし!」
マルコ「その方が気合いも入るしね!」
ジャン「...」
マルコ「ジャン? どうしたのさ」
ジャン「...なんでもねぇ」
マルコ「?」
アルミン「もちろんアニもやるんだよ」
アニ「はいはい」
ミカサ「サシャも一緒にやろう」
サシャ「え、いや私はマネージャーですし...」
コニー「なぁに言ってんだよ!! お前も一緒に戦ってくれた13人目の部員だろ?」
サシャ「コニー...はい!やらさせていただきますっ!!」ニコッ
ハンジ「」チラチラ
ライナー「...」アセ
ハンジ「」チラチラ
ベルトルト「......先生m「えぇ~~っ、仕方ないなぁ...!!」
「反応はやっ!!」
マルコ「あ、嫌ならいいですよ?」
ハンジ「嘘です!! 超円陣やりたい!!」
ミカサ「エレン、行こう」
エレン「ハァ...ハァ...おう」ゼェハァ
スタスタ キース「!」
ガシッ ギュゥッ
ジャン「...」
トーマス「? おい、ジャン!何黙ってるんだよ!」
ジャン「あ?あぁ、え~っと...なんだ...?」
ジャン「...くそっ...なんも出てこねぇ...」
トーマス「ははっ、キャプテン大丈夫かよ!」
コニー「ホントだぜ!しっかり頼むぞ!」
ジャン「うるっせ...」ウツムキ
ギュゥッ
マルコ「!」
ミカサ「!」
プルプルッ ジャン「...」
ライナー「ジャンどうした、うつむいたままで...具合でも悪いn...っ!!」
ジャン「いや...なんつーか...正直言って、ここまで調査高校と対等にやれるなんて...思ってなくてよ...」ウルウル
アニ「!」
ジャン「なんか...こんなに野球が楽しいって思ったこと...今までになくてっ...その...終わっちまうのが嫌っつか...ぜってぇ勝ちてぇってか...」ウルウル
アルミン「ジャン...」
ジャン「...わりぃ、変なこと言っちまって...仕切り直す...」
-
- 351 : 2017/05/19(金) 19:20:01 :
ジャン「これが泣いても笑っても本当の意味で最後の攻撃だ」
ジャン「ここで決められなかったら俺らの勝利は...ほぼ無いっつっても過言じゃねぇ。」
ジャン「だから...コニー、ベルトルト、アルミン先輩...」
コニー・ベルトルト・アルミン「!」
ジャン「...骨が砕けてでも...塁に出てくれ...」
ジャン「それで点取って...裏で必ず0点に抑えて...それで...それで...」
ジャン「今いるこのメンバーで調査高校に勝ちてぇえッッッ!!!!!!」
ジャン父・母「出来るぞ !!!!」
ジャン「!」ビクッ
トーマス「俺もッ...勝ちてぇぇぇええええええ!!!!!!」
ハンナ「トーマス君!! 頑張って!!」
コニー「俺も勝ちてぇよ、うぉぉぉおおおおおおおおおお!!!!!」
コニー母「全く...本当に馬鹿なのね」クスッ
マルコ「スゥーッ...僕も勝ちたぁぁあああああああい!!!!!!」
マルコ父「あぁ勝てるさ、お前たちなら!」
ライナー「俺だって勝って甲子園に出て...ホームランを打ちたぁぁあああああい!!!!!!」
ライナー弟・妹「にぃに、頑張れぇぇえええ!!!!」
ベルトルト「僕もみんなで優勝して甲子園に行きたぁぁあああああい!!!!!!」
ベルトルト母「あの子...いつの間にあんなに成長して...」クスッ
ダズ「俺も勝っておじさんやおばさん、ミーナにかっこいい所見せたぁぁああああい!!!!」
ミーナ「お兄ちゃん...」
ミリウス「俺も甲子園の土で野球をしてみたぁぁあああああい!!!!!」
ミリウス父「よく諦めずに戦い続けた!応援してるぞ!!」
ミカサ「私も...エレンと...みんなと一緒に甲子園で...野球がしたぁぁぁあああああい!!!!!」
ケニー「はははっ、そん時は、高校の時のダチ100人くらい集めてお前を応援するぞ!!」
サシャ「私は甲子園球場でしか売ってない美味しい食べ物が食べたぁぁああああああああい!!!!!!」
サシャ父「あの食欲猛獣が...ったく」クスッ
ハンジ「私は甲子園に出て給料アップしてもらうんだぁぁぁああああああ!!!!!!」
ザックレー「えぇっ!? そんなお金ないよォっ!?」
アニ「スゥーッ...」
アルミン「えっ、アニも...!?」
アニ「私は...私も甲子園に...アルミンと一緒に...行ってみたぁぁぁあああああああい!!!!!!!!」
アルミン「_______ッ、アニ...」
アニ父「ふっ...」
アニ「次はあんたの番だよ」クスッ
アルミン「...」ギュゥッ
アルミン「スゥーッ...絶対勝って...優勝して...そして...」
アルミン「アニと...みんなと甲子園で...野球がしたぁぁぁああああああいッッッ!!!!!!!!!」
フリーダ「アルミン様...」グスンッ
エレン「お、俺も...俺もっ...みんなで...!!」ゼェハァ
ヨレヨレ ミカサ「え、エレン!無理しないで!」
エレン「ハァ、ハァ...」ゼェハァ
ジャン「...シャキッとしろエレン、最後まで言えッ!!」
エレン「ハァ...ハァ...」コクッ
エレン「俺も...んっ、ハァ...初めて贔屓じゃない...この背番号 で...初めて本当に信頼できる仲間 と一緒に...」ゼェハァ
エレン「勝って...優勝して...甲子園に...行きたぁぁああいッッッ!!!!!!!!」
ミカサ「...ふふっ、うん!!」ニコッ
ジャン「この回...ぜってぇ点取るぞぉぉぉぉおおおおおおおッッッ!!!!!!!!!」
「オォーーーーッッッ!!!!!!!!!」
-
- 352 : 2017/05/19(金) 19:22:18 :
実況「シガンシナ高校も気合い十分!! さぁこの回から最後の15回に突入!!」
キース「聞きましたね、皆さん...彼ら はまだ諦めてませんっ!!!!」
キース「この試合、何度も何度も心が折れかけた方がいると思います...もしかしたら選手達本人も心が折れた瞬間はあったでしょう...」
「ですが!!!!!!」
キース「現に選手達はやる気に満ち溢れ...これが最後の攻撃という非常にプレッシャーがかかる、この時こそが...!!」
キース「我々が行っていた応援が必要なのではないでしょうかッッ!!!!」
キース「どうか...どうか今一度我々シガンシナ高校援団にあなたの...力 を...貸していただけないでしょうか!!!!!!!」
「はいッッッ!!!!!!!」
キース「ありがとうございます! では...行くぞ、リコ」
リコ「任せな...あんた達も...最後の最後まで力振り絞りなっ!!!!」
吹奏楽部「はいっ!!!!!」
ぺトラ「私達も今まで以上のダンスのキレを見せてあげましょ!!」
チアダンス部「はいっ!!」
クリスタ「ユミル、準備はいい?」
ユミル「...ははっ、お前が出来るんなら私は例え足が折れてでもご一緒させてもらうよ」
ウグイス「15回の表、シガンシナ高校の攻撃は...2番サード、スプリンガー君」
キース「2番コニー・スプリンガー!! 応援歌は...」
「紅蓮の弓矢」
シガンシナ高校援団A「紅蓮の弓矢です!! 今までよりも大きな声でお願いしますッッ!!!!!」
リコ「いくよ...1 2 3」
♪紅蓮の弓矢♬
コニー「っしゃぁぁああああ!!!」
トーマス「いっけぇえ、シガンシナの誇る馬鹿!!!」
マルコ「ストレート中心に絞ってこう!!」
審判「プレイ!」
ファーラン「〔ふっ、気合い十分だな...けど、それはこっちも同じだぜ!!〕」サイン
リヴァイ「」コクッ
ドッ!!!!!!
リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ!!!
スッバシーンッ!!!!!!!! 審判「ストライクワン!」
コニー「〔最終回になっても球威は落ちてないんだな...やっぱ怪物って言われるだけあってすげぇな〕」
ドッ!!!!!! シュッ!!!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ!!!
コニー「_______ぅらァっ!!」スッ!!!!
スッバシーンッ!!!!!!!! 審判「ストライクツー!」
コニー「っくそぉ...当たんねぇな」
リヴァイ「〔てめぇには練習試合の時といい色々と世話になったからな...そのお返しに...〕」ドッ!!!!!!
リヴァイ「ッ!!!」シュッ!!!!!!
ザッ!!!! コニー「_______ッぐぇ?!」
ギュルルルルッ ガクンッ!!!!!!
スッバシーンッ!!!!!!!! 審判「ストライク!! バッターアウト!!」
「おぉぉぉおおおお...!! なんだ今の落差!!!!」
観客「あれがリヴァイのフォークボールか!」
観客「なんつ~落差だ!!」
ファーラン「ナイピッチッス!!」シュッ
コニー「...」スタスタ
ベルトルト「コニー...あとはm「フォークすげぇ落ちるぞ!」
ベルトルト「!」
コニー「しかも、140kmって...もう一回勝負してぇ!!」ニヤニヤ
ベルトルト「ははっ、コニーらしいね!」
コニー「ってことで次も俺打っていいか!?」
ベルトルト「ううん、ルール上ダメだね」
-
- 353 : 2017/05/19(金) 19:24:22 :
ウグイス「3番レフト、フーバー君」
ベルトルト「お願いします!!」
審判「プレイ!」
コニー「わりぃな、骨折れてもねぇのに...そのまま帰ってきちまった」
ジャン「...なら後で折ってやるよ」
コニー「さらっと怖ぇこと言うなよ!?」
ドッ!!!!!! シュッ!!!!!!
ベルトルト「〔ストレート、真ん中高め!!〕」スッ!!!!
ギュルルルルッ クイックイックイッ!!!!!!
ベルトルト「〔なっ!? シュート...!?〕」グググッ!!!!
スッバシーンッ!!!!!!!! 審判「ストライクワン!」
ベルトルト「〔シュートというより、サネスの高速シュートと同等...いやそれ以上か...?〕」
サネス「ケッ...嫌な野郎だぜ」
ドッ!!!!!! リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!!!
ベルトルト「〔迷うな...ストレート1本に絞れ!!〕」スッ!!!!
キーンッ!!!
「おぉぉおおおおおおお...!?」
審判「ファール!」
ベルトルト「〔体を開きすぎたか...〕」
リヴァイ「ほぅ...」ギロッ
スッ!!!!!! ファーラン「〔ちょっ、ワインドアップ!? なんで今更なんスか!!〕」
ドッ!!!!!!!
リヴァイ「...ッ!!」シュッ!!!!!!!!
ベルトルト「〔_______ッ、さっきより速ぃ!?〕」ガタッ
ギュルルルルッ シュゥウウウウウウッ!!!!!!!
スッバシーンッ!!!!!!!!! 審判「...ストライクバッターアウト!!」
【159km】
観客「ま、また記録更新しやがったぁ!!」
観客「あと1kmで...160kmだぞ!?」
ベルトルト「クッ...うぅ...」
マルコ「ドンマイドンマイ!下向くな!!」
ライナー「そうだ、まだ終わってない!!」
観客「それにシガンシナ高校はあと1人だ!」
観客「これを抑えれば調査高校は引き分け以上ってことか」
観客「最後の打者は...」
キース「〔頼む...〕」
リコ「〔頼むぞ...〕」
クリスタ「〔お願いします...〕」
ケニー・ジャン父「〔この最悪の流れを...〕」
ミーナ「〔打ち切って...!!〕」
フリーダ「旦那様...お亡くなりになられた奥様...どうか...どうかアルミン様にご武運を...」ギュッ
アルミン「フゥーッ...」
スッ アルミン「!」
アニ「はい、バット」
アルミン「う、うん...ありがとう」ガシッ
ギュゥッ アルミン「ぇ...あ、アニ...? どうしたのさ」
アニ「んっ、いや...何でもない...」バッ
アルミン「行こう...僕らの...夢の甲子園に」
アニ「!」
アニ「〔行こうって言ったって...あんた...〕」
アニ「〔これが...あんたの最後の打席だっていうのに...全く昔から変わってないね...〕」クスッ
アルミン「...」
「アルミン先輩」
アルミン「?」
エレン「...ここにいるかはわからないですけど...もしここにいたら...」
エレン「お父さんに...見せてやりましょう、アルミン先輩の...野球に対する想いを」
アルミン「_______ッ...あぁ...そうだね、これが...本当に最後 だからね。」
ミカサ「...」
ハンジ「〔アルミン君...〕」
アルミン「安心して、このまま何もしないで終わらせはしないさ」スタスタ
-
- 354 : 2017/05/19(金) 19:25:58 :
実況「さぁいよいよ追い込まれたシガンシナ高校...二死無塁で打席に立つのはこの男!!」
ザッ スタスタ
「フゥーッ...」
ウグイス「4番キャッチャー...アルレルト君」
観客「来たぁぁああああああ!!!! 蒼の騎士だぁぁあああああ!!!!!」
観客「ここで一発ぶちかませ!!!!!」
観客「リヴァイ頼んだぞ!!!!」
観客「新記録の160kmで三振取ってくれ!!!!」
アルミン「...お願いします!」
審判「プレイ!」
リヴァイ「〔まさか最後の相手がお前になるとはな...〕」
ファーラン「〔この人には最後の最後まで気を抜いちゃだめだ〕」
ケイジ「〔例えお前が怪我を負っていても...〕」
イザベル「〔手加減しません!〕」
トーマ「〔むしろ、怪我さえしなきゃ俺らは負けてたかもしれない。大したもんだよお前は...〕」
エルド「〔今だからこそ言える。お前が選んだ道は間違ってなどいなかった。なにせ俺らはこの試合が最高に面白いと思っているからだ。〕」
ネス「〔最初はあまりに無謀だと思ったよ...けど〕」
モブリット「〔お前の、その野球への熱い思いが俺達をここまで脅かしているんだろうな。〕」
ミケ「〔だが、野球に対する...甲子園に対する思いは俺達だって負けない。だからこそ言おう。〕」
「「「アルミン...ここでお前を倒して...俺達は甲子園に行く!!!!!!」」」
ドッ!!!!!!!
リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ!!!
ザッ!!!! アルミン「ッ!!」スッ!!!!
スッバシーンッ!!!!!!!!! 審判「ストライクワン!!」
実況「初球は外低めの全力投球!!」
リヴァイ「ふぅ...」
アルミン「くそっ...!」
ドッ!!!!!!! リヴァイ「ッ!!」シュッ!!!!!!!
アルミン「〔今度は内低め!!〕」スッ!!!!
ギュルルルルッ ガクンッ!!!!!!!
アルミン「〔_______グッ!? フォーク!!〕」グググッ!!!!
スッバシーンッ!!!!!!!!! 審判「ストライクツー!!」
実況「2球目は内低めいっぱいにフォーク!! さぁ次で決まるのか...!?」
ファーラン「ナイピッチ!! 最高ッス!!」シュッ
リヴァイ「チッ、うるっせぇな...」クスッ
ズキズキッ アルミン「〔ぅっ、くそ...また痛みが...〕」ビクビクッ
マルコ「ナイススイング!! 振れてますよ!!」
ジャン「狙い球絞りましょう!!」
アルミン「〔あと...1球...〕」ドクンドクンッ
アルミン「〔これが終われば...僕らの勝機は消える。それはつまり、僕の退部後に再試合を行うということ...〕」ドクンドクンッ
アルミン「〔せっかくここまで来たのに...なのに...怪我と緊張で...思うように体が動かない...!!〕」プルプル
アルミン「〔本当にこれが最後...なんだっ...!!〕」ギュゥッ
アニ「アルミン...お願い...神様」ギュゥッ
アルミン「どうしていつも...「コラァーッ!!!! もう諦めた顔してんじゃねえッ!!!!!!!!」
アルミン「_______!!」チラッ
アニ「?」チラッ
エレン「誰だ...? あの人...」
リヴァイ「...あいつは...」
「お前の今のバッティングといい、その顔 見てたら...イライラすんだよッッッ!!!!!!!!」
アルミン「...ぁっ...ぁぁ...そんなっ...」ウルウル
「お前は...キノコ頭で背がちっちゃくて女っぽい男で頭が良くて野球が俺より上手くてすげぇ頼りになる.....親友 なんだ!!!!!!!」
オルオ「お、おい...」
グンタ「ま、マジかよ...」
ナナバ「うそ...」
アルミン「モーゼス...」ウルウル
モーゼス「...へへっ」ニヤッ
ガヤガヤ
観客「なんだ? あいつ」
観客「罵倒してんだか、褒めてるんだかわかんねぇな」
-
- 355 : 2017/05/19(金) 19:32:52 :
モーゼス「行くんだろ、このチームで...あの舞台 に!」
アルミン「...うんっ!!」コクッ
ファーラン「〔リヴァイ先輩が一番投げたい球を放ってくれッス〕」サイン
リヴァイ「〔はっ、随分と大人しい指示じゃねぇか...〕」コクッ
ファーラン「〔アルミン先輩...いやシガンシナはもう体力も精神的体力 も無く、気力だけで動いてるようなもの...〕」
ファーラン「〔それにこの人 は4回にミケ先輩との接触プレーで怪我をしてる...対等じゃないのは悔しいけど...でも勝負に負けるつもりはないッスよ!〕」チラッ
「スゥーッ...フゥーッ...」ザッザッザ
「〔僕は何を葛藤してたんだろ...どこに迷う所があったんだろう...〕」
「〔みんなをあの舞台 へ送り出す。それだけじゃないか〕」
「〔思い返せば、すべてが始まったのは...あの日から...〕」
・・・幼稚園の頃・・・
アルミン『高校生になったら...絶対二人で甲子園に行こうね!!』スッ
アニ『じゃぁ高校生になって甲子園に行くまでの約束ね!』スッ
『指切りげんまん~嘘ついたら、針千本の~ばす! 指切った!!』
・・・小学生の頃・・・
『ねぇアルミン知ってた? 女の子って中学から男の子と一緒に野球出来ないんだって...』
アニ『あ~ぁ立ってみたかったな、甲子園に...アルミンと一緒に...野球してみたかったな...』ウルッ
アルミン『ッ...』
アニ『だから...帰ったら...お父さんに伝えるの...』
アニ『野球はもう...辞めるって』ニコッ
・・・中学生の頃・・・
アルミン『同じ高校に行って自由の翼を一緒に倒そうよ』
アニ『はぁ!? あんた馬鹿じゃないの?』
アルミン『マネージャーとして僕に付いてきて欲しい。』
アルミン『高校生活3年間で、いつ優勝出来るかは確証は出来ないけど...』
アルミン『僕が君を甲子園へ連れてくって約束する。』
「〔高校へ上がって...現実を見せられて、逃げたけど...ある野球馬鹿のお陰でまたここ に立つことが出来た。〕」
「〔けれどやっぱり、現実は厳しく...幾度も頭を真っ白にさせられた...〕」
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・・・対調査高校2軍 練習試合・・・
アルミン『〔まずい......踏むッ〕』スッ
ドサッ! ズサーッ!
『アルミン先輩っ!!』
アルミン『だ、だいじょう...ぶっ...』ズキズキ
エレン『あ、アルミン...先輩...』
・・・
アニ『キャッチャー交代で、コニーが入って!エレンはそのままボール回してきな!』
エレン『ぁ...ぁ...』
アニ『エレン』
ガシッ!! アニ・ハンジ『!』
アルミン『クッ...うぅっ...』ギュゥッ
エレン『あ、アルミン先輩...俺アウト取ってきます。アルミン先輩に頼らなくても...みんなで守ってみせます。』
アルミン『...ぅ...ん...』グググッ
・・・
審判『バッターアウト、ゲームセット!!!』
エレン『あ、あの...あるみ、んせんぱっ...あ、あしっ...だ、だいじょうぶ...ですっか...』グスンッ
アルミン『...うん』
エレン『しあ"い...まけ...ました...』グスンッ
アルミン『_______ッ...ごめん、何も出来なくて...ごめんっ』グググッ
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-
- 356 : 2017/05/19(金) 19:34:44 :
「〔たかが練習試合で、たった1試合で...みんなが悔しい思いをした。〕」
「〔あの敗戦から、僕らは強くなるために自分を変える努力をした。〕」
「「「”努力すれば必ず報われる。その根拠や確証...保証なんて何処にもない。”」」」
「〔じゃぁ一体なんのために、僕らは血や汗や涙という努力の結晶を捧げてきたのか...それは...〕」
スッ!!!!!!!
ドッ!!!!!!!
リヴァイ「...ッ!!」シュッ!!!!!!!
ギュルルルルッ シュゥウウウウウウッ!!!!!!!
アニ「アルミンッ!!」
エレン「アルミン先輩!!」
フリーダ「アルミン様!!」
「〔今...〕」
ザッ!!!!!!!
アルミン「この時の ためだッッッ!!!!!!!!」スッ!!!!!!!
カキィィィイインッ!!!!!!!
リヴァイ「_______ッ」チラッ
ファーラン「ぁっ...」チラッ
アニ「!!」
バリィンッ
エレン「は...は...」
アルミン「...」
「入ったぁぁぁあああああああああああっっっ!!!!!!!!!!!」
実況「バックスクリーン直撃ィっ!!! なんという物語 なのでしょうかぁぁぁあああ!?」
実況「15回の表ツーアウトランナーなしの状況で4番アルレルトが、試合の結末を左右する大きく綺麗なアーチの...ホームランを打ったぁぁあああああ」
タッタッタ
アニ「...ナイバッチ、アルミン!」ガッツポーズ
アルミン「」ガッツポーズ
ザッ 審判「ホームイン!」
観客「これで...12-11のシガンシナ高校が先に動いたァ!!!!!」
観客「やっぱ蒼の騎士すげぇ!!!」
リヴァイ「...フゥーッ...ったく」
「すみません...」
リヴァイ「あ?」
ファーラン「俺がちゃんと指示すれば打たれずに...変化球で決めれば... ゴツンッ!!
ファーラン「_______いったァ!?」ズキッ
リヴァイ「うじうじうるせぇな、いつものカラ元気はどこに行ったんだ?休暇中なのか?」
ファーラン「いやだって...」
リヴァイ「もう打たれちまったもんは仕方ねぇ、それにあの時お前は俺を信用して任せたんだろ?」
ファーラン「!」
リヴァイ「今の調子なら抑えられるって、俺が言うのも癪だが絶好調だから...今ならアイツを倒せると思ったんだ。」
リヴァイ「その証拠に後ろ見てみろよ」ユビサシ
ファーラン「_______えっ...」
【160km】
リヴァイ「驚くよな...俺だって目ん玉が飛び出るかと思ったぜ...まさか自己最高記録をバックスクリーンまで運ばれちまったんだからな。」
リヴァイ「アイツは強い...本当にな...」
ファーラン「...」
「だが、まだ終わったわけじゃねぇ」
リヴァイ「こうなりゃ次の回で死んでも2点取るしかねぇ。だから...俺から1個頼みてぇ事がある。」
リヴァイ「次の回...必ず俺まで回してくれ」
ファーラン「...はいッス!!」ギリッ
ジャン・トーマス・コニー・マルコ・ダズ・ミリウス「アルミンせんぱぁぁぁああああいっっっ!!!!!」ダッ
アルミン「うわっ!?」
ベルトルト「やりましたね、先輩!」
アルミン「うん、ありがとう」
エレン「信じてました、アルミン先輩」スッ
アルミン「...あぁ」スッ
コツンッ
アニ「...で、どうだった?怪物の球を打った気分は...」
アルミン「ッ...そうだね...やってやった!...って気分だね」クスッ
アニ「...ふっ」クスッ
ウグイス「5番ライト、ブラウン君」
ライナー「来い!!」
・・・
スッバシーンッ!!!!!!!!! 審判「ストライクバッターアウト!スリーアウトチェンジ!!」
イアン「いよいよだな...」
サネス「あとアウト3つで...」
マルロ「試合の決着がつく。」
-
- 357 : 2017/05/19(金) 19:38:02 :
- これまでの
試合経過
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1回の裏 二死二塁 打者:リヴァイ 走者:ファーラン
ベルトルト「〔打ち取れるとは思わない...けど〕」ドッ!!
ベルトルト「〔試合に負けるとも...思ってないッ!!!〕」シュッ!!
「確かにお前のストレートは良いキレを持っている。だが...」
リヴァイ「お前のストレートは...偽物だ。」スッ!!!!
カキーンッ!!!!
ベルトルト「!」チラッ
バンッ!!!!
「は、入ったァ!!!!!」
『シ 0-2 調』
_________________________________________________________
2回の表 無死二塁 打者:ライナー 走者:アルミン
スドッ!!! シュッ!!!
カクンッ!!
ライナー「〔俺は準決勝でいくつもの失態を起こしたんだ...もうこれ以上...チームに迷惑かけられないんだよッ!!〕」スッ!!!
キーンッ!!!
ナナバ・ファーラン「ッ」
ファーラン「レフトォ!!」
ネス「くそっ、間に合え!!」ダッ!!
ウグイス「レフト線、良いコースだァ!!」
ポタッ!!
エルド「ランナー、ホーム行ったぞ!!」
ネス「くそっ!!」シュッ!!
パシッ!!!!
アルミン「ッ!!」ズサーッ!!!
審判「セーフ!!」
『シ 1-2 調』
_________________________________________________________
4回の表 一死満塁 打者:トーマス 走者:アルミン、ライナー、ミカサ
スドッ!!!! シュッ!!!!
トーマス「〔さっきも打てたんだ...自信持て!! 俺には俺の...〕」トントントンッ
クイックイッ!!!!
トーマス「〔俺だけのバッティングがあるッッッ!!!!!〕」タタッ!!!! ザッ!!!!
キーンッ!!!!
ナナバ・ファーラン「ッ!?」
実況「打ったァ!?」
イザベル「〔なっ!? 打球速っ!?〕」ダイブッ!!!
ズサーッ!!!
「抜けたぁぁぁぁぁああああああっっっ!!!!!!!」
『シ 3-2 調』
_________________________________________________________
4回の裏 無死一三塁 打者:エルド 走者:リヴァイ、ミケ
ドッ!!! シュッ!!!
クインックインッ!!!
エルド「〔ッ、この変化球...縦のカーブ!!!〕」スッ!!!!
カキーンッ!!!!
実況「打ったァ!! 右中間、これは大きい!!!!」
ポトンッ 審判「フェア!!フェア!!!」
リヴァイ「これで同点だ。」
ダッダッダ!!!! ミケ「」ゴゴゴッ
シュッ!!!
パシッ!!!!
「ストライク送球ッッ!!!!」
ミケ「そこをぉどけぇぇぇぇええええええええッッッ!!!!!!!!!」
アルミン「ッ」
ドゴォッ!!!!!
ドサッ!!!! ズサーッ!!!!!
審判「せ、セーフ!!セーフ!!!!」
『シ 3-4 調』
_________________________________________________________
-
- 358 : 2017/05/19(金) 19:40:41 :
5回の表 一死一二塁 打者:ベルトルト 走者:ジャン、コニー
スドッ!!! ナナバ「ッ!!!」シュッ!!!
クインックインッ!!!
ザッ!!! ベルトルト「〔デカイ奴しか出来ないことだって、チビな奴にしか出来ないこともあるんだってことをッ!!!〕」スッ!!!
カキーンッ!!!
実況「打ったァ!! 左中間!!」
モブリット「ハァ、ハァ、くそっ!左中間割る!?」
ポタッ!!!
「左中間割ったァ!!!!!」
『シ 5-4 調』
_________________________________________________________
5回の裏 無死一二塁 打者:ファーラン 走者:イザベル、モブリット
ドッ!!! シュッ!!!
クインクインッ!!!
ファーラン「〔ドロップカーブ!〕」ザッ!!!!
キーンッ!!!!
アルミン「レフトォ!!」
カシャンッ!!!! 実況「レフトオーバーのツーベースヒット!!」
『シ 5-5 調』
_________________________________________________________
5回の裏 無死二三塁 打者:リヴァイ 走者:モブリット、ファーラン
ドッ!!! グイッ!!!
ベルトルト「〔僕がここにいるのは...〕」
ベルトルト「〔みんなと甲子園に行くために、戦うために...ここにいるんだ!!〕」シュッ!!!
リヴァイ「てめぇのストレートは偽物だ。」ザッ!!!!!
カキーンッ!!!!
カシャンッ!!!!
実況「あぁっと!? 惜しい、あと数センチというところで惜しくもフェンス直撃ィ!!」
『シ 5-7 調』
_________________________________________________________
7回の裏 無死二三塁 打者:ファーラン 走者:イザベル、モブリット
スッ!!! ドッ!!!!
イザベル「〔! またワインドアップ〕」
ミカサ(リヴァイ)「ッ!!」シュッ!!!
ファーラン「負けるつもりはさらさらねぇ!!」スッ!!!
キーンッ!!!
アルミン・ミカサ「!」
実況「打ったァ!!」
アルミン「レフトォ!!」
ベルトルト「〔届く...? いや前に落ちる!〕」ダッ!!!
パシッ!!! 実況「アウト!!」
調査高校コーチャー「GO!」
ダッ!!!!
マルコ「バックホーム!!」
ベルトルト「ッ!!」シュッ!!!
ズサーッ!!!! イザベル「8点目!!」
『シ 5-8 調』
_________________________________________________________
7回の裏 無死二三塁 打者:リヴァイ 走者:モブリット、ファーラン
ギュゥッ!!!
ドッ!!!!
ミカサ(リヴァイ)「うぁぁぁあああああああッッッ!!!!!!」シュッ!!!!
リヴァイ「馬鹿が」スッ!!!!
ザァッ!!!!! ゴォッ!!!!!
リヴァイ「てめぇのストレートも...偽物なんだよ。」ギロッ
ミカサ「__________」
カキィィィイイインッッッ!!!!!
バァンッ!!!!!
実況「は...入ったァ!! 満塁ホームラァァァアアアアンッ!!!!! その一打はまるで...シガンシナナインの僅かな望みを打ち砕くかのような強打だぁ!!!!」
『シ 5-10 調』
_________________________________________________________
-
- 359 : 2017/05/19(金) 19:42:09 :
- 9回の表 無死満塁 打者:ベルトルト 走者:マルコ、ジャン、コニー
ファーラン「〔大人しくアウトをよこせっ!!〕」サイン
ミケ「」コクッ
ドォッ!!!! ベルトルト「...」ギリッ
ミケ「〔クッ...!?〕」シュッ!
ベルトルト「〔内の高め...甘いコース...〕」ギュゥッ!!!!
ザッ!!!!
ベルトルト「〔たった少しのズレ、されど少しのズレ...その少しのズレも数が重なり合うと、やがて大きなズレとなる...この一瞬を僕は...〕」
ベルトルト「見逃さないよ。」スッ!!!!
ファーラン「__________」
ギィーンッ!!!!
イザベル「〔くっそぉぉおおお!!〕」ダイブッ!!!
ズサーッ!!!
観客「ぬ、抜けたァ!!!」
『シ 7-10 調』
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9回の表 一死二三塁 打者:ライナー 走者:コニー、ベルトルト
ファーラン「〔ミケ先輩、バッター勝負ッス!〕」サイン
ミケ「」コクッ
ライナー「スゥーッ...フゥーッ...」ギリッ
ドォッ!!!!
ミケ「ッ!!」シュッ!!
ザッ!!!! ライナー「ウァァアアアッ!!!!」スッ!!!!
ギィーンッ!!!!
ミケ・ファーラン「_______ッ」ビクッ
ファーラン「レフトォッッ!!!!」
ライナー「越えろぉぉぉぉおおおおおおおッッッ!!!!!!!」
ダッダッダ!!! ピョンッ!!!
ネス「うぁぁあああッ!!!」ノビッ
ポンッ!!!!
実況「は...入った...?」
「入ったぁぁぁあああああああああっっっっ!!!!!!!!!」
『シ 10-10 調』
_________________________________________________________
11回の表 一死一三塁 打者:ライナー 走者:コニー、ベルトルト
ファーラン「〔タイミング合ってない。これなら...〕」サイン
ドッ!!!! シュッ!!!!
ギュルルルルルッ シュウウウウウウッ
「...う”ぅッ!!」スッ!!!!
キーンッ!!
リヴァイ・ファーラン「!!」
ファーラン「っ、センタァッ!!!!!」
ライナー「落ちろォ!!」
トーマ「ハァッ、ハァッ、ハァッ...俺が取ォるッ!!!!」ダイブッ!!!
ズサーッ!!!
ポロッ 審判「フェア!フェア!!」
ジャン「走れェッ!! チビッ!!!!」グルングルンッ
ファーラン「〔クッ、どうする...このままバックホームで刺せるか!? いや1点を諦めるなら他をアウトにするか!?〕」
「バァック...」スタッ
モブリット「ホォォォオオオムッ!!!!!!!」シュッ!!!
ダッダッダ!!! コニー「こんにゃろっ!!」
パシッ!!! イアン・サネス・マルロ「〔ドンピシャ!?〕」
ファーラン「行かすかよッッッ!!!」グッ!!!
ザッ ピョンッ!!!
ファーラン「_______は...?」
コニー「うぅぅっら!!」
ズサァーッ!!!!
審判「セーフ!!」
実況「か、勝ち越し!! 勝ち越しの得点が...重い重い貴重な1点が...入ったぁぁぁああああああ!!!!!」
『シ 11-10 調』
_________________________________________________________
-
- 360 : 2017/05/19(金) 19:42:33 :
11回の裏 二死満塁 打者:トーマ 走者:リヴァイ、ミケ、ケイジ
ドッ!!!!
エレン「〔大丈夫...後ろにはあいつらがいる...!!〕」シュッ!!!
ザァッ!!!!
キーンッ!!!
エレン・アルミン「!!」
エレン「_______ぐっ!?」ノバシッ
トーマ「抜けろぉぉぉぉおおおおおおおおっっっ!!!!!!」
シュルッ 「ピッチャー返し、センター前抜けたぁぁぁああああああああああ!!!」
ザッ!!!! リヴァイ「まずは...同点だ」
ダッダッダ!!! ミケ「ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
ライナー「っ、ジャン!ホーム!!」
ジャン「んにゃろっ!!」シュッ!!!
パシッ!!!! 「またストライク送球!!」
アルミン「誰かのためじゃなくて...みんなを甲子園に送り出すために...ここにいるんだッ!!!!」スッ!!!!
ズサーッ!!!! グググッ!!!!
サッ アルミン「ふぅ...」チラッ
審判「...アウト!! スリーアウトチェンジ!!!!」
『シ 11-11 調』
_________________________________________________________
15回の表 二死無塁 打者:アルミン
スッ!!!!!!!
ドッ!!!!!!!
リヴァイ「...ッ!!」シュッ!!!!!!!
ギュルルルルッ シュゥウウウウウウッ!!!!!!!
アニ「アルミンッ!!」
エレン「アルミン先輩!!」
フリーダ「アルミン様!!」
「〔今...〕」
ザッ!!!!!!!
アルミン「この時の ためだッッッ!!!!!!!!」スッ!!!!!!!
カキィィィイインッ!!!!!!!
リヴァイ「_______ッ」チラッ
ファーラン「ぁっ...」チラッ
アニ「!!」
バリィンッ
「は...は...」
「入ったぁぁぁあああああああああああっっっ!!!!!!!!!!!」
『シ 12-11 調』
_________________________________________________________
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_______________________________________
-
- 361 : 2017/05/22(月) 03:05:46 :
ジャン「っしゃぁ、これが最後の回だ。」
マルコ「ついに...ここまで来たんだね」
トーマス「大丈夫だ、俺らなら出来る」
コニー「にっひひ、すげぇワクワクしてきた!」
ミカサ「あとアウト3つで甲子園」
ライナー「絶対行くぞ、甲子園に」
ベルトルト「あぁ!」
スタスタ アルミン「...この回ですべてが決まる。」
スタスタ エレン「絶対に...勝ちましょう。」
チラッ エレン・アルミン「ふっ」ニヤッ
ジャン「...締まってくぞぉおおおおおッッッ!!!!!!!!」
「オォーーーーッッッ!!!!!!!」ダッダッダ
ダズ「みんな頑張れ!!」
ミリウス「焦らず自分達のペースでいこう!!」
サシャ「一球ずつ集中しましょうッ!!!」
ハンジ「肩の力抜いて!! みんな顔がこわばってるよ~!!!」
「...に、二ィ」ニタァ
ハンジ「こわっ!?」
ミタビ「い、いよいよラストだな...」
グスタフ「この回で決まるな...」
イアン「...静かだな」
ミタビ・グスタフ「え?」
サネス「普通1点差のビハインドなら、死にもの狂いで来るはずなんだけどな」
マルロ「なのに、熱くなるどころか...いつもより冷めてる」
「誰がいつ冷めてるって?」
ファーラン「俺らはただ、いつも通りに”俺らの野球”をやって...勝つだけだ!」
イザベル・モブリット・ミケ・エルド・ケイジ「おうッ!!!!」ギリッ
リヴァイ「フゥーッ...」ギリッ
-
- 362 : 2017/05/22(月) 03:06:12 :
実況「さぁ全国高校野球ウォール・マリア選手権 夏の大会 決勝もついに...決着がつくときがきた!!!」
実況「この最終回の先頭バッターは...」
♪夏祭り♬
ウグイス「15回の裏、調査高校の攻撃は...1番セカンド、マグノリア君」
イザベル「...さっこぉぉぉおおおおおいッッッ!!!!!!!!」
審判「プレイ!」
アルミン「〔前回イザベルは外の球を引っ掛けて内野安打...構えは?〕」チラッ
イザベル「フゥーッ...」ギリッ
アルミン「〔構えは至って普通か...何を狙ってくるのか、それを初球でわかれば苦労ないけど〕」サイン
エレン「〔初球は...〕」コクッ
ドッ!!!!! エレン「ッ!!」シュッ!!!!
キュルルルゥッ!!! イザベル「〔内高め!〕」スッ!!!!!
アルミン・エレン「〔ッ、初球からセーフティ!?〕」
キッ!!! マルコ「上がった!!」
アルミン「エレン、ファースト!」
タッタッタ エレン「〔これを取ればワンァウトに...!!〕」ガシッ!!!
ザッ!!!!! グシャァッ エレン「〔_______ぅぐっ!? 足場がッ...!?〕」シュッ!!!
ダダダッ!!!!!! イザベル「うぁぁぁああああああッッッ!!!!!!!」
パシッ!!!!! ザァッ!!!!! トーマス「アウト...アウトだ!!」
モブコーチャー「セーフ!!」
イザベル「セーフだぁッ!!!!!」
審判「...セーフッ!!!!」
「おぉ...!! 先頭打者出塁!!」
ファーラン「っしゃぁ、イザベル!! ナイラン!!!」
イザベル「うぉっしゃぁ!!!」
トーマス「〔くそっ...今タイミング的にもアウトだろ...思わず口走っちまったけど〕」
マルコ「ドンマイドンマイ! 次切り替え!!」
トーマス「おう! エレン、すまねぇ!」シュッ
エレン「ど、ドンマイ!」パシッ
アルミン「〔今の打球、サード が捕るように前に出したのに...わざとエレンの方へプッシュバントしたのか?〕」
アルミン「エレン、バッター勝負! 次ゲッツー取れば帳消しだ!」
エレン「は、はい!」
-
- 363 : 2017/05/22(月) 03:08:24 :
ウグイス「2番センター、バーナー君」
モブリット「っし...来ぉいッ!!」
審判「プレイ!」
アニ「〔一塁ランナー走ってくるよ、アルミン〕」
アルミン「〔イザベルは確実に走ってくる...ただどのタイミングで走ってくる気だ...?〕」
エレン「〔一球牽制しますか?〕」
アルミン「〔そうだね...一球様子見しよう〕」サイン
エレン「フゥーッ...」スッ!!!!!
イザベル「」ササッ
エレン「〔今!〕」シュッ!!!
ダイブッ!!!! ズサーッ!!!! 審判「セーフ!」
イアン「〔一球牽制したか、だがバッターに集中しなきゃどっちにしろ意味ないぞ。〕」
アルミン「〔まぁエレンは牽制上手い方じゃないから狙えるとは思ってない...なら一球僕に任せてほしい〕」サイン
エレン「」コクッ
スタスタ イザベル「...」ジィッ
ドッ!!!!! イザベル「ッ!!」ダッ!!!!!
トーマス「スチール!」
イアン・サネス・マルロ「〔走った!!〕」
エレン「ウァァアアッッ!!!!」シュッ!!!!
キュルルルゥッ!!! スッバシーンッ!!!!!! 審判「ボーr「ふっ!!」シュッ!!!!
ザザーッ!!!!! イザベル「!」ダッ!!!!!
パシッ!!!!! ミカサ「...」
「おぉぉお...!!!!」
実況「一塁ランナー走ったが、戻った!?」
観客「あっぶねぇ...今アウトだったな」
観客「いやいやギリギリセーフだったろ、走り切る場面だったぞ」
イアン「〔まぁ今のはタイミング的にはアウトだったろうが...判定は審判がするもの、どうなっていたかはわからずじまい〕」
イザベル「〔あぶねぇ...あのタイミングでも刺されるのか、さすがアルミン先輩だな〕」
アルミン「〔ふぅー...良かった...けど〕」チラッ
ピクピクッ アルミン「〔ダメだ...アドレナリンが出ても、もう左肩が痙攣を起こしてる...〕」
アニ「〔今の一球であっちは走れないってことがわかったはず、ここからはバッター勝負だよ。〕」
-
- 364 : 2017/05/22(月) 03:08:59 :
アルミン「〔モブリットさんか...構えはバントじゃない。〕」
エレン「〔ならヒッティング?〕」
アルミン「〔色んな選択欄があるうちで一つを選ぶ...それも間違えたら即試合終了 だ。〕」
モブリット「スゥーッ...フゥーッ...」ザッザッザ
アルミン「〔足場を慣らした?〕」
アニ「〔どうやらあっちはあくまで”打つ気”らしいね〕」
アルミン「〔外低めに...”沈む球”〕」サイン
エレン「〔沈む方...〕」コクッ
エレン「〔さっきの回まであれだけ不安だったのに...なんでだろう、今は不思議と冷静でいられる。〕」チラッ ギュゥッ
ドッ!!!!! イザベル「...」ジィッ
シュッ!!!! モブリット「〔外低い!〕」スッ!!!!
キュルルルゥッ!!! クインッ!!
モブリット「〔っ、この球...沈むッ...!!〕」グググッ
スッバシーンッ!!!!!! 審判「ストライクワン!」
実況「無死一塁のカウント1-1」
アルミン「〔沈む方を空振り...これは大きい〕」シュッ
モブリット「〔くそっ、ミケの言う沈む球か...途中まで本当に同じ軌道だから見分けがつかないぞ...〕」
イザベル「...」
エレン「〔沈む方だと空振り取れる...伸びる方だとこの人には当てられる〕」
モブリット「〔どうにか対処しないとな...まだイメージが湧かない。もう一球...〕」
エレン「〔もう一球...〕」
アルミン「〔もう一球〕」サイン
エレン「」コクッ
エレン「フゥーッ...」チラッ
ギュゥッ イザベル「...」ジィッ
ドッ!!!!! シュッ!!!!
モブリット「〔内低い...ボールだ!〕」グッ
キュルルルゥッ!!! クインッ!! スッバシーンッ!!!!!! 審判「ボールツー!」
イザベル「!」
モブリット「〔読み通りボール球来たな...やっぱり外したか、アルレルト〕」
アルミン「〔読まれたか...でもこれで沈む方は2球見た〕」
モブリット「〔俺は沈む球は打ったことはおろか、見るのでさえ初めてだ。さぁどう来るアルレルト...〕」
アルミン「〔ここで伸びる方を投げたとして、上手くいけばゲッツーかフライアウト...失敗すれば内野を抜く可能性もある。〕」サイン
エレン「〔っ、もう一球...?〕」
アルミン「〔今度は...〕」
エレン「〔外高めに...〕」チラッ
イザベル「...」ササッ
モブリット「〔二択しかない。伸びる方か...沈む方か〕」
ギュゥッ ドッ!!!!! エレン「〔思いっきり外す!〕」
イザベル「ッ!!」ダッ!!!!!
トーマス「っ、スチール!!」
エレン・アルミン「〔ッ、ここで走ってきた!?〕」
キュルルルゥッ!!! クインッ!! スッバシーンッ!!!!!! 審判「ストライクツー!」
アルミン「くそっ!!」シュッ!!!
ダダダッ!!!!! ズサーッ!!!!! 審判「セーフ!」
エレン「ッ...」
「盗塁成功だぁ!!!!!」
実況「ノーアウト一塁から盗塁成功でノーアウト二塁になったァ!!」
-
- 365 : 2017/05/22(月) 03:09:08 :
-
アルミン「〔今沈む方ってわかって走ったのか...?〕」
エレン「〔フォームを盗まれた...?〕」
イザベル「〔へっ、やっとお前の癖を見抜いたぜ。お前はあの”沈む方を投げる時だけ”一瞬握りを確認する。〕」
モブリット「〔マグノリアの奴やるじゃないか〕」
アルミン「〔ノーアウト二塁か...バントしてくる可能性がある。〕」サイン
エレン「〔沈む方も...もう見抜かれてる...〕」クイッ
アルミン「〔えっ、沈む方は嫌?〕」
エレン「〔沈む方は失敗するリスクもあります。なら伸びる方が...〕」
アルミン「〔伸びる方だとモブリットさんはミートしてる...でも君が嫌なら仕方ない〕」サイン
エレン「〔ありがとうございます〕」コクッ
ドッ!!!!! シュッ!!!!
モブリット「〔真ん中甘い!〕」スッ!!!!!
キュルルルゥッ!!! モブリット「〔クッ!? 伸びる方!!〕」
キーンッ!! エレン「っ」ビクッ
アルミン「ショート!」
ミカサ「オーライ!」パシッ!!!
審判「アウト!」
モブリット「クッ...くそっ!!」
ミカサ「ナイピッチ、エレン!」
エレン「あ、あぁ!」
アルミン「ナイスショート!ナイピッチ、エレン!」
エレン「ワンァウト!」
「オーッ!!」
エレン「〔あと...2つ...〕」ドクンッ
実況「さぁワンァウト二塁で...」
ウグイス「3番キャッチャー、チャーチ君」
ファーラン「フゥーッ...お願いしまッス!!」
審判「プレイ!」
ファーラン「...」ギリッ
アルミン「〔外低め〕」サイン
エレン「〔伸びる球〕」コクッ
ドッ!!!!! シュッ!!!!
キュルルルゥッ!!! ファーラン「...ッらぁ!!」スッ!!!!!
キーンッ!!!! 審判「ファール!」
アルミン「〔ファーランに対しては伸びる方しか使ってない〕」サイン
エレン「〔ッ、沈む方...〕」チラッ
ドッ!!!!! シュッ!!!!
キュルルルゥッ!!! クインッ!! ファーラン「...」
スッバシーンッ!!!!!! 審判「ストライクツー!」
アルミン「〔見送った...?〕」
エレン「〔このコースなら当ててくると思ったのに...振りにすら来ない?〕」
アルミン「〔何か仕掛けてくるのか、それとも単純に沈む方は捨ててるか...〕」サイン
エレン「〔遊び球なしで...〕」コクッ
ドッ!!!!! エレン「ウァァアアアアッッッ!!!!!」シュッ!!!!
イザベル「ファーラン!打てェ!!」
ザッ!!!!! 「待ってぜ...てめぇのストレートをなッ!!!!!」ゴォッ!!!!!
キーンッ!!!!! エレン・アルミン「〔_______ッ、流した!?〕」
アルミン「セカンド!!」
マルコ「〔打球が速くて...追いつけない!?〕」ダイブッ!!!
ズサーッ!!!! 審判「フェア、フェア!!」
ダダダッ!!!!! イザベル「〔帰る...ぜってぇ間に合わせる!!〕」
パシッ!!!!! タタッ ライナー「かえさせっかよぉッ!!!!!」シュッ!!!!!
パシッ!!!!! アルミン「」ギロッ
ザザーッ イザベル「くそっ...!」
「こ、これで...ワンァウト一三塁だぁぁああああああああ!!!!!」
-
- 366 : 2017/05/22(月) 03:12:50 :
エレン「ハァ、ハァ...そんな...だって次は...」チラッ
ウグイス「4番ピッチャー、リヴァイ君」
スタスタ リヴァイ「〔ったく...1年のくせに生意気だぜ〕」ギリッ
イザベル「頼みます!リヴァイ先輩!」
ファーラン「頼み通りちゃんと回したッスからね!!」
ミケ「決めろ、リヴァイ!」
エルド「お前の手で終わらせろ!」
ケイジ「後ろには俺らがいるからな!だから...」
「「〔信じてるぜ...俺ら のエース!!〕」」
リヴァイ「〔てめぇのストレートはまだ一本もちゃんと打ててねぇ...だから最後は捉える〕」ギュゥッ
審判「プレイ!」
エレン「〔い、嫌だ...ここで打たれたくない...点を取られたくない...負けたく...ない...〕」
アルミン「エレン、ワンァウト!バッター勝負!」
エレン「〔降りたくない...ここ を誰にも譲りたくない...でも、今の俺じゃ...抑えられない...〕」
キース「〔不味い...アルレルトの声が届いてない...集中しきれてない。〕」
キース「〔だが、俺らも...なんて声をかければいいんだ...? 中の選手の声でさえ通らないのに...〕」
ジャン父「〔声出してやれねぇなんて...どうすりゃいいんだよ...〕」
ケニー「〔なんて...なんて言ってやりゃいいんだ...俺達は...〕」
イアン「もはや応援団もかける声もないか...」
ミタビ「そ、そんなこと...ねぇよ」
イアン「中の選手達の眼は死んでない。だが、この最終回でのピンチという焦りと...あと2つで勝利となる緊張で...頭が回ってないんだ。あの投手は...」
イアン「今日の試合色んな場面を乗り越えてきた。が...」
サネス「こんな状況...耐えきれねぇわ、俺なら」
マルロ「見てる俺らでさえ、手が震えて体が動かないんだ。中の選手は...相当だぜ」
ヒストリア「レン...頑張って!!」
エレン「...」
ミカサ「スゥーッ...ばったああああああしょぉおおおおおおおおおおおぶッッッ!!!!!!!!」
エレン「っ、ミカサ...」ビクッ
マルコ「エレン、ワンァウト!! 1つずついこう!!」
エレン「マルコ...」
トーマス「そうだぜっ!! あんまし欲張ると罰当たるぞ!! だから三振なんて欲張らないで打たせてけ!!」
エレン「トーマスまで...」
コニー「下ばっかり向いてる暇ねぇぞ、エレン!! ちゃんとサードに打たせろよ!!」
エレン「コニーも...」
ライナー「そっち のカバーは任せたぞ、ベルトルトッ!!!!」
ベルトルト「あぁッ!! エレン、肩の力抜いて自分のペースでッ!!」
エレン「ライナー...ベルトルトまで...」
「エレンッッッ!!!!!!」
エレン「!」
ジャン「変なこと考えねぇでお前はアルミン先輩のミットまで全力で投げろ!」
ジャン「もし打たれても、必ず後ろの俺らが捕ってみせるッッッ!!!!!」
「オォーーーーーッッッ!!!!!!」
エレン「みんな...「エレン!」
パンパンッ アルミン「バッター勝負ッ!!」スッ
エレン「アルミン先輩まで...」
ダズ「エレンなら大丈夫!絶対防げる!!」
ミリウス「そうだ!自信持てェ!!」
アニ「あんた達...」
サシャ「いつまでウジウジしとんのや! シャキッとせぇんかーいッ!!!!!!」
ハンジ「最後までもうちょっとだ! 頑張れ、エレン君!!」
-
- 367 : 2017/05/22(月) 03:15:08 :
フレーゲル「リヴァイなんか三振に抑えちまえッ!!」
ダン「そうだそうだ!」
マルセル「お前なら抑えられる!もう一球ナイスボール!」
サネス「ケッ...」
ミタビ「オラァァッ!! 何勝手にセンチメンタル語ってんだ!! てめぇには10年はえぇんだよ!!」
イアン「ふっ...」
マルロ「中学の頃とはわけがちげぇだろッ!! ここで諦めたら一生後悔するぞ!!」
エレン「マルロ...」
「レン!」
エレン「!」
ヒストリア「」コクッ
エレン「...」ウルッ
スッ!!!!! ドッ!!!!!
エレン「ッ!!」シュッ!!!!!
キュルルルゥッ!!! リヴァイ「〔伸びる球!〕」スッ!!!!!
キーンッ!!!!! 審判「ファール!」
エレン「ハァ、ハァ...ふぅ...」ギリッ
...かえ
ドッ!!!!! シュッ!!!!!
キュルルルゥッ!!! リヴァイ「〔チッ、また外!!〕」スッ!!!!!
キーンッ!!!!! 審判「ふぁ、ファール!」
エレン「ハァ、ハァ...」
...たたかえ
ドッ!!!!! シュッ!!!!!
リヴァイ「クッ!?」グッ
キュルルルゥッ!!! スッバシーンッ!!!!!!! 審判「ボールワン!」
...戦え
ケニー・ジャン父「〔戦え...〕」
ジャン母・ダズ母・ミーナ「〔戦え...〕」
キース・リコ・クリスタ「〔戦え...〕」
イアン・サネス・マルロ・フレーゲル「〔戦え...〕」
ヒストリア・ヒッチ・フリーダ・モーゼス「〔戦え...〕」
アニ・サシャ・ハンジ「〔戦え...!〕」
トーマス・マルコ・ミカサ・コニー「〔戦え...!〕」
ライナー・ベルトルト・ジャン「〔戦え...!〕」
パンパンッ アルミン「〔戦え...!!〕」
「「戦え...!!」」
ドッ!!!!!! エレン「ウォォァアアアアアアアッッッ!!!!!!!」シュッ!!!!!!
キュルルルゥッ!!!
ザッ!!!!! リヴァイ「ふっ!!」スッ!!!!!!
キーンッ!!!!!!
実況「打ったァ!! センター方向!!!!!」
エレン「〔センター方向...ジャン!!〕」チラッ
ダッダッダ!!!! 「必ず捕って...胴上げしてやるよ、エース...いや...」
ジャン「エレン! うらぁぁああああああっっ!!!!」ダイブッ!!!!!
ズサーッ!!!!! 審判「アウト」
モブコーチャー「イザベル、GO!GO!!」
イザベル「ッ!!」ダッ!!!!!
ファーラン「〔よっし!! 勝った...この飛距離ならイザベルは余裕で帰ってこれる!!〕」
「ジャンッッ!!!!!」
ジャン「_______!!」
ジャン「ミカサ、頼む!」シュッ!!!
ガシッ!!!!! ミカサ「うぉぉぉぉおおおおおおおっっっ!!!!!!!」シュッ!!!!!!
ダダダッ!!!!! ケイジ・エルド・モブリット「いっけぇぇええええええ、イザベルッッッ!!!!!!」
ファーラン「ッ、イザベル!スライだァ!!!!!」
イザベル「えっ...?」
パシッ!!!!!!!
イザベル「_______ッ...!?」
ズサーッ!!!!!
エレン「ぁ...」
審判「...」
イザベル「ハァ、ハァ、ハァ...」ゼェハァ
アルミン「...」スッ
審判「...アウト!アウトォ!! ゲームセット!!!!!!!!」
-
- 368 : 2017/05/22(月) 03:17:55 :
エレン「ゃ...ゃった...のか...?」
「お...ぉ...おぉぉぉおおおおおおおおッッッ!!!!!!!!」
シガンシナ応援団「ゃ...やっっっったぁぁあああああああああああああああ!!!!!!」
トーマス「ぃよっしゃぁぁああああああ!!!!!!」
マルコ「は...はははっ...勝った...勝ったんだ...!!」ウルッ
ミカサ「うん...うん!!」
コニー「やった、やったぁ!! 勝ったぞ!! 勝ったんだぁぁあああああ!!!!!」ダイブッ
エレン「ぁぁ...」バタンッ
コニー「お、おい!? エレン、起きろ!! 優勝だぞ!!甲子園だぞ!!!」
ライナー「ジャン...ベルトルトォ!!」ダキッ
ジャン「いででででっ!? く、くるし...」シロメ
ベルトルト「あぁやったんだ!!」
アルミン「ハァ、ハァ...ぃよっし!!!!!」ガッツポーズ
ハンジ「やったやったァ!! サシャ!! 監督ゥ!!」ダキッ
アニ「ぇ、ちょっと!?」
サシャ「私も混ぜてくださいッ!!!!!」ダイブッ
ケニー「うぉぉお...ぉぉおおおおおおおおおお!!!???」
ジャン父「息子よぉおおおおおおおおおおおお、よく捕ったぁぁあああああああああ」
ミーナ「すごい...凄い!お兄ちゃん達優勝したんだ!!」
ダズ母「えぇ、そうよ!」
キース「アルレルトォォォオオ...レオンハートさぁぁああああああああああああん」
リコ「は、ははっ...やっと決着か...」
クリスタ「やった!ユミル、優勝だよ!凄いよね!!」
ユミル「あぁ正直たまげたぜ...」
マルロ「あ~ぁこれでエレンの奴に甲子園先越されちまったよ」
ボリス「来年は俺らが行くぞ」
ヒッチ「良かったじゃん!ヒストリア!」
ヒストリア「うん...!」
リヴァイ「......フゥーッ...」
イザベル「くそぉっ...すみませっ...すみませんっ...」グスンッ
ケイジ「イザベル、もう泣くな整列だ」
エルド「...くそっ」ウルウル
ネス「あぁっ...なんでだよっ...」ウルウル
モブリット「...」
ナナバ「私が...あの時にッ...」ウルウル
審判「整列ッ!!」
サッ 審判「...12-11でシガンシナ高校ゲーム!」ウーーーーッ
「ありがとうございましたっっっ!!!!!!」
トーマ「あっ...あぁぁあああああ...」ポロポロ
ミケ「...すまん...俺がもっと打っていれば...」ウルウル
ジャン「おし!スタンドまで挨拶しに行くぞ!」
「オーッ!!」ダッ
アルミン「...」スタスタ
リヴァイ「ん?」チラッ
スッ アルミン「ありがとうございました」
リヴァイ「...あぁ」ギュッ
リヴァイ「...お前の選んだ新しい道は...」
アルミン「?」
リヴァイ「悪くねぇな」
アルミン「...はい!」
タッタッタ ミカサ「...」ダッ
-
- 369 : 2017/05/22(月) 03:19:07 :
ザッ ジャン「最後くらいシャキッとしろよ?」
ジャン「スゥーッ...応援ありがとうございましたッ!!!!」
「したッ!!!!!!!」
パチパチ ジャン父「こちらこそォォオオ、感動を...勇気を...ありがとぉぉおおおおおおおおお」
ジャン母「ジャン坊!おめでとう!」
ジャン「へっ...あぁ!」
コニー母・弟「コニー!おめでとう!!」
コニー「おーう!サンキュー!!」
マルコ父「マルコ、よくやった!!」
マルコ「父さん...ありがとう!」
ハンナ「トーマス君!優勝おめでとう!」
トーマス「あぁ!応援ありがとうな!」
ケニー「ミカサァァァアアアアアア」ウルウル
ミカサ「おじさん泣きすぎ」クスッ
マルセル「ライナー、ベルトルト!優勝おめでとう!今度は負けねぇからな!」
ライナー・ベルトルト「ははっ、あぁ!」
アニ「アルミン...!」
アルミン「アニ...これで約束の、夢の甲子園に行けるね!」
アニ「うん!」ニコッ
「ミンさまぁ~!」
コニー「ん? アルミン先輩呼ばれてないっすか?」
アルミン「え?」チラッ
スタスタ フリーダ「アルミン様、優勝おめでとうございます!」
アルミン「フリーダさん、ありがとう!」
フリーダ「これで...アニ様に甲子園へ連れて行くことが出来ますね。」
アルミン「...うん」
スタスタ 「アルミン」
アルミン「えっ...どうして父さんが...?」
フリーダ「実は後半戦7回辺りから見に来てらしたんですよ」
アルミン「そ、そうなん...ですか...ありがとうございます」
アルミン父「延長15回までやるとは...ギリギリも良い所だな」
アルミン「...でも勝てたので良かったです。それに...ようやく決心もついたので」
アルミン父「そうか...航空券だ」スッ
アルミン「ありがとうございm ビリッ ビリビリッ
アルミン・フリーダ「_______え!?」
アルミン父「この試合を見て気付かされた。チームの大切さ...一人でない強さ...そして、野球の素晴らしさをな...」
アルミン父「どうやら私が見ない間に成長したらしいな、アルミン」
アルミン「えっ...」
アルミン父「留学の件や航空機の席など、すべてキャンセルしておいた。」
アルミン「ッ...」
アルミン父「これからはお前の人生はお前が選べ。プロ野球選手になるなり、政治家になるなり...何でもな」
フリーダ・アニ「_______ッ...」ウルウル
アルミン父「邪魔をしたな、私は仕事がある。」スタスタ
「あ、あのッ!!!」
ピトッ アルミン父「まだ何かあるのか」
アルミン「あの...僕は...お、お父さんに憧れて野球をやりました。キャッチャーもバッティングも真似して...」
アルミン「前にある1人の野球馬鹿から言われたことがあるんです。」
・・・合宿時・・・
アルミン『僕もあんまり親は好きじゃなかったし』
エレン『そ、そんなことないと...思います』
アルミン『え?』
エレン『だって...本当に親が嫌いだったら...親のお陰で出来た野球を...何で辞めなかったんですか?』
アルミン「って...それは多分僕が一番好きな野球をするのが父さんだったから...僕が一番尊敬するのが父さんだからだと...」
アルミン「だから僕は...父さんの背中を追いかけていたい...」
アルミン「大学を出たら、その...父さんの跡継ぎをするために...ビジネスを学ぶよ」
アルミン父「...そうか、後悔しても責任は取らないからな」スタスタ
アルミン「...ありがとうございましたッッ!!!!」
-
- 370 : 2017/05/22(月) 03:19:47 :
エレン「アルミン先輩!」
アルミン「!」
アルミン「というわけでこれからも...僕と一緒に野球をやってほしいんだけど...」ポリポリ
エレン「も、もちろんd「あったりまえじゃないですかぁ~!!」
エレン「こ、コニー!!」
コニー「今度俺にバッティング教えてください!」
アルミン「あぁ...今度ね!」
「アルミンっ...!!」
チラッ アルミン「?」
アニ「...」ウルウル
アルミン「ごめん心配かけて...これからもよろしくね、アニ」
アニ「バカァっ!!」ダキッ
アルミン「うわぁっ!? あ、アニ!ちょっと苦しいって...!」ギュゥッ
アニ「知らない...あんた何かもう知らない」ギュゥッ!!!
アルミン「いだだだだっ!? あ、ァニッ! 本当に肋骨がッ...あぁああああああああ」
ミカサ「ふふっ」クスッ
エレン「はははっ」クスッ
ジャン「っしゃ、あと何分後かに表彰式あっからそれまで柔軟な!」
「オーッ!」
-
- 371 : 2017/05/22(月) 03:20:08 :
・・・整列後・・・
ミケ「スタンドに挨拶するぞ」
「はいッ!」
スタスタ イザベル「ヒグッ...ずびま...せんでじた...」グスンッ
ケイジ「泣くなイザベル...お前...よく...やっ...た...俺ら3年の...せいだっ...」ウルウル
オルオ「なんでだよっ...なんで、なんで俺らが...負けなきゃッ...」ウルウル
グンタ「あぁ...その通りだ...」ウルウル
リヴァイ「...「...した...」
リヴァイ「?」
ファーラン「おれがっ...も、っと...うまけ...れば...もっど..あた、まがっ...よければっ...」ウルウル
ファーラン「おれが...おれがッ...おれがも、っと...も”..っと...つよげれ、ばッ...」ウルウル
リヴァイ「...馬鹿言うんじゃねぇ、お前は上手いし・頭もキレるし・強い...」
ファーラン「ぞ、んな...わけ...ないじゃッ...ないですかぁっっ!!!」ポロポロ
リヴァイ「...」スッ
ダキッ ファーラン「_______っ...」
リヴァイ「俺がもっと強けりゃ...負けなかったんだ。すまねぇな...」
ファーラン「ぁ...あぁぁあああああああっっっ...!!!!」ポロポロ
リヴァイ「ったく...いつもうるせぇけど、今日はやけにうるせぇな...」クスッ
ファーラン「りヴぁい...せんぱっ...あぁぁあああっっ...りヴぁいせぱぁぁあああああああああ」ポロポロ
リヴァイ「男がそんなに泣きわめくんじゃねぇよ、そんなに泣いてたら...泣いてた...ら...」
_______________________________________
_____________________________________________
_________________________________________________________
・・・リヴァイ 小学生の頃・・・
リヴァイ「くそっ...くそぉっ!!」ウルウル
ケニー「おいおい、いつまで泣いてんだよ」
ミカサ「お兄ちゃん大丈夫?」
リヴァイ「」プイッ
ケニー「ったく...男がそんなメソメソしてっとなぁ、ミカサに笑われちまうぞ」
ミカサ「私笑わないもん」
ケニー「え”っ!?」
ミカサ「きっとお兄ちゃんは叔父さんにいじめられた、ので叔父さんは最低」
ケニー「いやいやいやいやっ、ちょっと待て!? 俺何もしてねぇぞ!?」
_________________________________________________________
_____________________________________________
_______________________________________
ポタッ ポタポタッ
ファーラン「_______ッ」
リヴァイ「...ははっ、情けねぇ...17にもなって...悔し涙が出るなんてな...」ウルウル
リヴァイ「〔父さん、母さん...結局俺、最後の最後で...夢を叶えられなかったよ...〕」
-
- 372 : 2017/05/22(月) 03:20:40 :
「全員涙を拭けっ!!」
エルヴィン「今日の試合我々は負けた。敗因は皆それぞれ理解していると思う。」
エルヴィン「なら逆に彼らの勝因は何だったか...?」
エルヴィン「それは恐らく今の君達と同じ気持ちを味わったからだろう。」
エルヴィン「悔しいか?」
イザベル「ッ...く、くやしい...です!」
ケイジ「悔しい...勝ちたかった...です...」
ミケ「悔しいです...本当に...」
ファーラン「もう...こんな思いはしたくないですっ!!」
エルヴィン「意見は皆同じだな。彼らはそれを味わって”自分を変えよう”とした。もう二度と負けずと...それが今日の、彼らの勝因だ。」
「!!」
エルヴィン「彼らは我々の2軍と練習試合を行い、負けた。だがそこで立ち止まらず...彼らは前へ進んだ。それは辛く厳しい茨の道だっただろう。」
エルヴィン「彼らのターニングポイントは我々より早くに訪れ...そして、今日の決勝まで...努力を惜しまなかった。」
エルヴィン「決して我々は手を抜いて戦ったわけではなかった。しかし、今日は彼らが勝った。」
エルヴィン「常に自分が勝てると思っていた私は...考えが浅はかだった。でも...」
エルヴィン「今日の君達の姿は...今まで見てきた中で...一番輝いていた。」
ミケ・モブリット・ケイジ・エルド・トーマ・ネス「_______ッ」ウルッ
エルヴィン「さぁ反省会は帰ったのちに行い...この後は彼らを精一杯に称えよう。」
「...はい”ッ!!!!」
-
- 373 : 2017/05/22(月) 03:22:02 :
スタスタ エルド「リヴァイ? どこ行くんだ」
リヴァイ「便所だ」
エレン「...」ジィッ
コニー「どうしたエレン?調査高校ベンチ見て...まさか喧嘩売りに行くのか!?」
エレン「ハァッ!? そんなわけねぇだろ!」
エレン「...ミカサ」
ミカサ「なに?」
ガシッ エレン「ちょっと来いよ」スタスタ
ミカサ「えっ!? あ、あぁ...エレン!?」ズルズル
アルミン・アニ「?」
スタスタ ミカサ「え、エレン!どこに行くの?」
エレン「いいから来い!」
ガチャッ リヴァイ「...フゥーッ...」
リヴァイ「ったく...らしくもねぇ事して...俺ももう老化が進んじまったのか?」
スタスタ ミカサ「え、エレン!痛いから引っ張らないで!」
エレン「リヴァイさん!」
リヴァイ「?」
ブンッ ミカサ「うわっ!?」ドテッ
リヴァイ「あ?」
ミカサ「いたっ...ぇ...!?」ビクッ
リヴァイ「...なんでてめぇらがこっちにいるんだ?」
ミカサ「ぇ、ぇと...エレン!!」ダッ
ガシッ グルンッ ミカサ「!?」
エレン「ちゃんっと...話せ!」グググッ
ミカサ「は、話なんて...ない...よ...」
リヴァイ「...おい、糞ガキ...これは一体何の真似だ?」
エレン「見ればわかるじゃないですか、あなたの妹を連れてきたんです。」
リヴァイ「答えになってねぇよ、アホが」
エレン「俺は全部が全部あなた達の事情を知ってるわけじゃないです。」
タッタッタ アルミン・アニ「?」コソコソ
エレン「でも...ちゃんと話さずに、いきなりサヨナラなんて...酷いと思います。」
ミカサ「エレン...」
エレン「確かにこいつは天然だし・馬鹿力だし・あんま話さないし・笑顔なんて見せないし・そもそも言語力がないです。」
ミカサ「」ズーンッ
「でも...」
エレン「こいつだって人間なんです! 何も訳を話さずに突き放されて...兄弟やめるって言われて...傷つかないわけがないんです!!」
エレン「だから、この場でちゃんと説明してください。こいつにわかるように...こいつが納得するまで...」
リヴァイ「...それは今しなきゃならない事なのか?」
エレン「はいッ...もしここでしてもらえないなら...リヴァイさんを一発ぶん殴ります...!」ギリッ
リヴァイ「はっ...そりゃ...いてぇな...」
-
- 374 : 2017/05/22(月) 03:22:32 :
スタスタ 「おやおや、リヴァイ君探しましたよぉ」
リヴァイ・エレン・ミカサ「!」
ロッド「試合見てましたよ。惜しかったですね...実に...実に惜しかった...」グスンッ
リヴァイ「なんで校長が関係者以外立ち入り禁止の場所入ってんだよ」
ロッド「私も関係者じゃないの!? 校長だよ、私...」
エレン「〔こ、こんな人が調査高校の校長なのか...〕」
チラッ ロッド「おやおや? もしかして彼女があなたの妹さんかな?」
ミカサ「え...どうして私の事を...」
ロッド「あなたの事はお兄さんからお話を聞いていますよぉ。住む場所は違っても血の繋がったたった1人の大切な妹だと...」
ミカサ「_______ッ...」
リヴァイ「おい、校長...それ以上言うとあんたの秘密漏らすぞ」
ロッド「やめてくださぁぁあああい!!!」
ミカサ「な、んで...だって...あの時...」
_______________________________________
_____________________________________________
_________________________________________________________
・・・練習試合の時・・・
ミカサ「ぁ...あなたなんか...」
ミカサ「もう...兄弟でもなんでもないッ!!!!」
リヴァイ「...あぁそうだよ、お前とはもう家族でもなんでもねぇ...赤の他人だ」
_________________________________________________________
_____________________________________________
_______________________________________
ミカサ「今日の試合中だって...そう...言ってたのに...」
-
- 375 : 2017/05/22(月) 03:22:39 :
ロッド「あ、そう言えばこれを伝えに来たんでした。」
ロッド「リヴァイ君...いや、リヴァイ・アッカーマン君...おめでとう」
ロッド「君にプロ野球の中でもトップであるメジャーリーグのマリアーズから正式なオファーが来ました。」
エレン・ミカサ・アルミン・アニ「え...!?」
リヴァイ「ッ...そ、それは...それは本当か...? 校長...もし冗談だったら俺はあんたをフルボッコに...「本当ですよっ!!」
ロッド「良かったですね...これで夢である妹さんとまた一緒に暮らせますね...グスンッ...私は嬉しくてうれしくて...うぁぁああああああああ」ポロポロ
リヴァイ「なっ!? 余計なことを...!!」
「ど、どういうこと...ですか...?」
リヴァイ「!」
ロッド「あぁそうでしたね。彼は4年前の事件以来...あなたの身に危険が及ぶことが何よりも心配だったのです。」
ロッド「あなたとの安全な生活を送るためにはどうしてもお金が必要であった。しかし、中学生の彼にはお金を作ることが出来なかった。」
ロッド「そこで一番手っ取り早くかつ、高額なお金を手に入れることが出来るのが...プロ野球選手になること。」
ロッド「と言っても、ただプロ野球選手になるだけでは高額なお金が手に入らない...しかし、ある方法ならその夢が実現したのです。」
ロッド「それはプロ野球の中で最も入りにくいと言われている...メジャーリーグです。」
ロッド「しかし、マリア県内の高校生からメジャーリーグに入った傾向が今までにいない。そのために、彼は我々調査高校に入り、甲子園3連覇という前代未聞の目標を立てたのです。」
ロッド「でもまさか...今日の試合で負けてしまうなんて...うぅ...」
リヴァイ「ったく、随分と喋ってくれたな爺さん...」
エレン「そ、そうだったんですか...」
ロッド「ですが、たった先程ウォールスポーツ新聞の方からマリアーズがリヴァイ君をオファーすると聞いて...私はもう...」
リヴァイ「...まぁこんな綺麗事言っても...実際お前 にはひでぇこと言っちまったし、ひでぇ事もした。」
リヴァイ「こんな奴は兄貴失格だよな...」
「...そんなこと...ないよっ...」
リヴァイ「!」
ミカサ「だって...だって私から離れたのも、苗字を捨てるって言ったのも...私を兄妹でも家族でもないって言ったのも全部...全部私のためだって...」ウルウル
ミカサ「おに..い..ちゃん」スタスタ
リヴァイ「...あぁ」
ミカサ「お、おにい...ちゃん...」スタスタ
ダキッ ミカサ「おにいちゃん...お兄ちゃん!! お兄ちゃん!!」ギュゥッ
リヴァイ「さっきからなんだよ、返事が疲れるだろうが」ナデナデ
ミカサ「ぅ...うぅっ...うぅぅ...おにいちゃぁぁぁあああああああああああんっっっ!!!!!」ポロポロ
リヴァイ「ったく、今日は耳元で泣かれるのが多いな...」クスッ
ミカサ「うわぁぁあああああああああああああああっっっ」ポロポロ
リヴァイ「俺はこんな泣きわめく妹は育ててねぇぞ」ポンポン
アニ「グスンッ...良かったね...ミカサ」コソコソ
アルミン「うん、本当に...良かった」コソコソ
エレン「...ふぅ...」
リヴァイ「おい」
エレン「え?」
リヴァイ「妹をここまで連れて来てくれたことといい、俺の背中を押してやったこと...礼を言う、ありがとうな」
エレン「え、い、いや...俺は別に...」
リヴァイ「ほら、お前からも礼を言え」
スタスタ ミカサ「グスンッ...あり、がとう...エレン」ウルウル
エレン「あぁ、俺そろそろベンチ戻るから! 5分後くらいには戻って来いよ!」ダッ
ミカサ「わ、私も戻る!」
エレン「は? お前はもうちょっと話してろよ」
ミカサ「ううん、兄さんとは...お兄ちゃんとは後でゆっくり話す」
リヴァイ「いってこい、今は仲間と一緒に楽しんどけ」スタスタ
エレン「そう...か、じゃぁいくか」
ミカサ「うん!」ニコッ
ロッド「うわぁぁああああああああああっっっ!!!!!!」ポロポロ
-
- 376 : 2017/05/22(月) 03:23:50 :
スタスタ
ミカサ「...エレン」
エレン「なんだよ」
ミカサ「私...自分に正直でいたい。」
エレン「は? 急になんだよ」
ミカサ「だから...みんな に話そうと思う」
エレン「...そうか、お前が良いんならそれでいいんじゃねぇの」
ガチャッ トーマス「あ、おせーぞ!みんなで水ぶっかけてたのに!」
エレン「わりぃ」
コニー「あと水ぶっかけてねぇのはエレンとミカサだけだな!」
エレン「はっ!? 水...?!」
「エレン!」
エレン「!?」
ライナー・ベルトルト「そーれっ!!」バシャッ
ビジャビジャビジャッ エレン「うわっ、つめってぇぇええええええ」
マルコ「今度はミカサだね!」
エレン「は!? ちょっ「そぉーれっ!!」バシャッ
ビジャビジャビジャッ エレン「み、ミカサァ!?」
ミカサ「ぅっ...ぷはぁっ」キラキラ
「ぐはぁっ!?///」ズキューンッ
ミカサ「...ふふっ、冷たい」クスッ
エレン「っ!?///」ドキッ
ジャン「あ、それとミカサこれ」スッ
ミカサ「これは...ペンダントっ!?」ガッ
ジャン「のわっ!? いきなりちか、近づくなって!?///」
ミカサ「こ、これはどこで...!?」
ジャン「あぁこれな、丁度調査高校2軍と練習試合やった時の帰り...グラウンドに落ちてたんだ。」
ミカサ「良かった...良かった...ありがとう、ジャン!」ダキッ
ジャン「ぬぉぉぉぉおおおっはあああああああああ!!!!!?????///」
トーマス「ってかジャンはミカサに興奮しすぎだろ、お前もしかしてそういう系?」
ジャン「ハァ!? ちっげぇし!!」
ミカサ「...あの皆に聞いてほしいことがある」
「?」
ミカサ「ごめんなさい!」
「え...?」
ミカサ「実は私...皆には黙ってたんだけど...」ドクンドクンッ
ミカサ「私は...お、女...だったん...です。」
・・・
ミカサ「騙してたわけじゃない。本当に...ごめんなさい!」
ジャン「まぁ知ってたんだけどな...」
ミカサ「ぇっ...?」
マルコ「そっか、やっぱり女の子だったんだね。」
トーマス「通りで所々アレだったんだな。」
ミカサ「え...あれ...知ってた...?」
ライナー「いやまぁ知ってたわけじゃないが、何だかんだ予想は...」
ベルトルト「うん、してた」
エレン「お、お前らいつから気付いてたんだよ!?」
ミリウス「まぁ合宿の頃かな...」
マルコ「えっ!? そんなに早くから!?」
トーマス「俺もそんくらいから薄々気付いてた。」
アルミン「まぁみんなどこかで薄々は気付いてたんじゃないかな...」
コニー「...え!? ミカサって女だったの!?」
「〔馬鹿は例外として...〕」
エレン「にしてもお前ら驚かなさすぎだろ」
マルコ「え?そ、そうかな?」
ミカサ「私ももっと驚かせてしまうのかと思った」
マルコ「そ、そ、そんなことないですよ!?」
トーマス「なんで敬語なんだよ!動揺バレバレじゃん!」
マルコ「だ、だって今まで普通にしてたけど...いざ女の子ってわかると...」
ライナー「問題はそこじゃないな。」
ライナー「ミカサが女子っていうのはわかったはいい...ただそれが世間に知れ渡ったらどうなるか...」
「あ...」
ミカサ「ごめんなさい...もし私のせいで甲子園出場を取り消されてしまったら...」
ジャン「...なぁ、一つ提案なんだけどよ」
・・・
-
- 377 : 2017/05/22(月) 03:24:58 :
「これより表彰式を行います。」
「まず初めに全ウォール高校野球コミッショナーのフリッツ様より今大会の一言を」
フリッツ「えぇ~...お疲れさま。えぇ~...以上。」
「...ありがとうございました。それでは只今より優勝旗授与を行います。シガンシナ高校の代表者は前へお願いします。」
スタスタ ジャン「ふぅ...」
フリッツ「...」
ジャン「...」
「...コミッショナー、起きてください。」
フリッツ「ふぁっ!? もう昼ご飯? 今日は魚の煮物?」
「優勝旗授与をお願いします。」
フリッツ「あ、はいはい...えぇ~...優勝おめでとう」スッ
ジャン「ありがとうございます」ガシッ
パチパチ 「続いて...「あのッ」
ミケ「?」
リヴァイ「?」
ジャン「あの...突然すみません。ちょっとこの場をお借りして会場にいる皆さんに伝えたい事があります。」
観客「なんだなんだ?」
観客「まさか告白とかか?」
スタスタ 観客「お、おいおい...シガンシナ高校全員朝礼台の上に乗ったぞ...?」
フリッツ「zzz」
ジャン「この度は決勝を見に来てくださった保護者の皆さん・学校関係の方、そして地域の方や高校野球ファンの方々、今日は本当に熱い中応援に来てくださってありがとうございました。」
ジャン「最後の最後まで諦めずに戦った結果、優勝出来て本当に光栄です。俺達の目標である、またある二人の夢である甲子園に出場できるってなると...すげぇ感激です。」
ジャン「ですが、俺達は甲子園出場の切符を......調査高校に譲りたいと思います。」
「...は?」
ミケ「どういうことだ...?」
リヴァイ「何してんだ...あいつ」
ジャン「別に俺達は調査高校に喧嘩を売ってたり、他校に挑発をしてるわけじゃないんです。実はこれには理由がありまして...」
ザワザワ ケニー「あはっはっはっはっは、おっもしれぇ...なぁんだ?その理由ってのは...」
ジャン「俺達は大会のルールを破ってしまいました。」
観客「大会のルールを破った?」
観客「実は中に1年じゃなくて留年した奴が紛れ込んでたとか?」
ジャン「それは...俺達シガンシナ高校野球部員の中に女子生徒が紛れ込んで大会に参加してた、ということです。」
ケニー「なぁにぃぃいいいいいいいっっっ!!!???」
観客「...女子!?」
観客「そ、それって監督の間違えなんじゃねぇか...?」
ジャン「このことは今後、大会本部と方と話し合って決めたいと...そしてこれは全員で決めた結果です。なので...」
スタスタ ジャン「この優勝旗は、俺達は受け取れません。」スッ
ミケ「ふっ、負けた俺達に甲子園へ行けと...言いたいのか?」
ジャン「でも実際、俺達はあいつがいなかったら勝ててませんでした。それは事実です。」
ミケ「...ふん...面白い」スタスタ
アルミン「!」
キィーンッ ミケ「我々調査高校は、シガンシナ高校の身勝手な独断により甲子園出場の切符を手にしました。世間やマスコミなどではこのことを書けば...それはそれは大盛り上がりでしょう。」
ミケ「今この場にいる皆さまにどうかお願いです。彼らの犯した行動は決して許されることではありません...しかし、彼らが世間やマスコミに戦う姿勢は至って真剣です。」
ミケ「ですので、どうかご理解の方をお願いいたします。」ペコリ
ジャン「お願いします!」ペコリ
シガンシナ「お願いします!」ペコリ
「で、ですが...コミッショナーが...」
フリッツ「ん?あぁ、えぇ~っと...うん、オッケー」
「え...」
観客「ま、マジかよ...」
観客「じゃ、じゃぁ甲子園出場は調査高校なのか?」
観客「よくわからんけど...取り合えず...優勝おめでとう!シガンシナ高校!!」
-
- 378 : 2017/05/22(月) 03:25:18 :
-
フレーゲル「へっ、次は負けねぇぞ!」
マルセル「次甲子園に行くのは俺達だ!」
ミタビ「イアン...来年の夏、俺らが絶対甲子園行くぞ!」
イアン「あぁ!」
マルロ「本当にでっけぇ男だよな、お前は...でも今度戦う時は遠慮なくいくぜ」
ヒッチ「じゃ、その時はエレンの方を応援するわ~!」
パチパチ ジャン「っ...ありがとうございましたッ!!!!」
ミケ「ふっ、全く...自分達から甲子園への切符を譲るなんてな...」
ジャン「俺達が決めたことですから。それにあくまで勝ったのは俺達ですよ。」
エレン「これで良かったんだろ?」
ミカサ「うん...でも、本当に良かったんですか?アルミン先輩」
アルミン「ん?大丈夫だよ、まだ来年があるから」
アニ「それに甲子園は夏だけじゃないからね」
エレン「そうか...春の選抜もあるんだ!」
アルミン「そう、だから次僕達が目指すのは...」
マルコ「春の選抜高校野球ですね!」
アニ「と言っても予選はもうすぐに始まるんだけどね」
ライナー「アルミン先輩の怪我といい、エレンの肘といい...こりゃ忙しくなりそうだな」
ベルトルト「大丈夫さ、僕らなら出来るよ」
トーマス「そうだな!どんなにちっぽけな人間だって」
ミリウス「努力すれば報われる。」
ダズ「全部が全部報われるわけじゃない。でもまず努力をしなければ...」
ジャン「成功も失敗も...何も起こらない。」
アルミン「やってみなきゃ...何もわからないし、何も始まらない。」
アニ「途中でどんなに辛いことや厳しいことがあっても」
エレン「諦めずに戦い続ければ...きっといつか夢は叶う。」
この夏までに起きた色んな出来事や出会いを...
僕達は...こう呼んでいる...
栄光 への架け橋 ...と
-
- 379 : 2017/05/22(月) 03:48:17 :
はい、というわけで約2年半というとても長い間でしたが、ここまで読んでくださった皆様真にありがとうございました!
最後の方は更新日になかなか更新できずにいたので、皆様にご迷惑をおかけしたのですが、ようやく...ようやく終わりを迎えることが出来ました!!w ありがとうございます!
最初はこんなに長期間書くつもりはなかったのですが、書いているうちに長く長く...ただひたすらに長くなってしまって...結果こうなりましたw 何度も言います。ここまで読んでてくださって本当にありがとうございますww
この作品で伝えたかった内容としましては【チームメイトの大きさ、努力の大切さ、諦めずに続ける強さ】この3つを大きく伝えてきたつもりだったのですが...正直うっとおしかったですねw
書いてる途中「あ、これうざ」と思いつつもそれを投稿するという新手の嫌がらせ( ・´ー・`)
と...まぁ作品の感想を募集してますので、ぜひぜひ書いてってください!どんな事でも構いません!
次回作&今後の活動についてなのですが...私のグループで発表しようかなと思ってますので、よろしければそちらのグループも見てってください!URL↓
http://www.ssnote.net/groups/663
それでは皆様また会える日まで...
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- 380 : 2017/07/22(土) 18:23:50 :
- これは神作品すぎですー!!!!
まじで泣けました
-
- 381 : 2017/07/25(火) 01:08:09 :
- >>380 おまかせダビングさん
コメントありがとうございます!
その言葉が何よりの励みになります!!
-
- 382 : 2020/10/28(水) 13:47:52 :
- http://www.ssnote.net/users/homo
↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️
http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️
⚠️害悪登録ユーザー提督・にゃる・墓場⚠️
⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
今回は誠にすみませんでした。
13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
>>12
みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました
私自身の謝罪を忘れていました。すいません
改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
本当に今回はすみませんでした。
⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️
http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi
⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
ごめんなさい。
58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
ずっとここ見てました。
怖くて怖くてたまらないんです。
61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
お願いです、やめてください。
65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
元はといえば私の責任なんです。
お願いです、許してください
67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
アカウントは消します。サブ垢もです。
もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
どうかお許しください…
68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
これは嘘じゃないです。
本当にお願いします…
79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
ホントにやめてください…お願いします…
85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
それに関しては本当に申し訳ありません。
若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
お願いですから今回だけはお慈悲をください
89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
もう二度としませんから…
お願いです、許してください…
5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
本当に申し訳ございませんでした。
元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。
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