このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
とある少年の物語「5」改
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- 1 : 2014/03/12(水) 21:01:10 :
- お騒がせしてすいません。
それと、申し訳ないんですが、疲れたので明日書きます。
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- 2 : 2014/03/12(水) 21:03:52 :
- いや、触りだけ少し書きます。
その後、エレン達は第三の王国「へリングブレッド」に向かうため荷馬車に乗り込み、アニが馬を進ませようとした時、サシャが走って来て、アニに
「今日は…本当にありがとうございました!…おかげで私の仲間は全員無傷で無事、生還することができました。…本当に感謝の気持ちでいっぱいです!」
と言う。
アニは
「そうか…それは良かった。…で、それだけ?」
と馬を進ませようとしたその時、サシャは
「私をメンバーに入れてもらえないでしょうか?…上官に命令されまして…。…でも、それだけではないんです。…先程の恩返しも兼ねて、貴女方の目的である魔界への入り口である『冥界の門』の在処をお教えしますから」
と頭を下げ、頼んだ。
アニは数秒間黙り、その後、
「……いいだろう。…でも、あんまり食料はとるなよ。…ただでさえ少ないんだ」
とサシャの申請を許可した。
「やった…。…よーし、頑張りますよ〜!」
サシャが荷馬車に乗り込むとアニは第二の王国「ゼアル」を出国した。
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- 3 : 2014/03/12(水) 21:07:21 :
- ここで一旦切ります。
ああ、疲れた…。
明日から再開します…。
本当、すいませんでした!
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- 4 : 2014/03/12(水) 21:14:51 :
- >>3謝らなくてもいいです! 期待です
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- 5 : 2014/03/12(水) 22:02:39 :
- 紅蓮の巨人さん、本当いつもありがとうございます!
励みになります〜!
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- 6 : 2014/03/12(水) 22:05:04 :
- 期待
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- 7 : 2014/03/12(水) 22:21:33 :
- 新世紀さん、毎度ありがとう!
とりあえず、みなさん、今日はやめておきまーす。
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- 8 : 2014/03/13(木) 01:34:06 :
- このシリーズ好きです
期待してます
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- 9 : 2014/03/13(木) 08:26:06 :
- いや〜、ベーさんありがとうございます!
午前10時から再開するぜ!
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- 10 : 2014/03/13(木) 10:07:21 :
- よーし、再開します!
北へ近付いている印であろうか、草木が揺れる草原の風景から一転し、乾いた茶色く長い草が広がる荒原となり、何処か寂しさを感じさせる。
吹きつけてくる風も冷たさを増し、時折、空から雪や霙が降ってくる。
エレンは車内の天井にある、吊り下げ式の灯がついていないランプをおろし、その時、ライナーが自分の懐からマッチ箱を渡してくれ、それで火を灯した。
やんわりとした火が灯り、微かな熱気がその火から発せられる。
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- 11 : 2014/03/13(木) 10:29:25 :
- すると、サシャがライナーに言った。
「あの…、これから先はちょっと辛い光景ばかりになりますので、其処のところは…」
「ああ…、分かってる。…なんせ、『北』だもんな…。…第三の王国はどうなってる?」
ライナーが彼女に訊くと、サシャは顔を伏せ、
「……もう、先月の話ですが号外、…見てませんでしたか?」
彼女の呟くような声にアルミンは「まさか…」と勘付き、
「嘘…ですよね?…あの国が潰されるなんてそんな馬鹿な冗談を…」
とそれであっても自分の勘を否定するかのようにサシャに訊くが、
「いえ…、冗談ではありません…。…もう、崩れ去ってしまったようです…まるで王国内から破滅の嵐が巻き起こるかのように…」
サシャは小さく笑い、天井を仰ぐ。
「……この大陸は何故こんなにも『闇』に支配されているんでしょうかね?…第1の王国に引き続き、第三の王国の崩壊。…次は私の祖国にまた魔の手が伸びるのだと思います…。…本当、怖いなあ…」
彼女はため息を吐き、ライナーとベルトルトを見ると、
「それなのに、何故貴女方は旅を続けられるのですか?…私は両親が病死してしまったからというのがあって、祖国の部隊に入ったのですが…」
と訊いた。
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- 12 : 2014/03/13(木) 10:34:54 :
- 訂正です。
「第1の王国に引き続き〜」だと時系列的におかしいので「第三の王国に引き続き〜」に変えてください。
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- 13 : 2014/03/13(木) 11:16:21 :
- ライナー、ベルトルトは互いに顔を合わせ、ため息を吐くと、ライナーは語り出した。
「エレン、クリスタ、アルミン、…要約だけど話すよ…。昔の話だ…。俺たちには先生がいた。その先生はいつも一生懸命に俺たちに接してくれた。時には厳しく、時には優しくな…でも、とある日のこと、アニが先生のところに行ったのさ。…そして、見たものは…「血みどろになった先生の姿だった」…アニ…悪いな…」
「いや…、いい。…いい加減はなした方がいいと思ったんだろ?…話してやりなよ」
アニは微かに笑い、促す。
ライナーは続ける。
「俺とベルトルトにアニが震えながら息も絶え絶えにその先生の姿を伝えに来てな…正直最初は何かの勘違いなんじゃないか思った…だが、それは勘違いではなく、本当だったよ。…脳天をかち割られてて…今でもトラウマだしな…。…それで、俺たちはもちろん犯人探しを始めた。…そうしたら誰が犯人だったと思う?…同じ先生のグループの人間だったんだよ!…それで、当然、そいつを衛兵につき出した…でも、数日でそいつは刑期終了だってよ…人を殺したのにも関わらずだ!…何で刑期が短かったのかって?…その国の最高司令が出したからさ。…その刑期の判決を…そして、助力をしたのが俺たち以外の国民達だった。……その理由は自分のグループを有名にしたいから…と言う低レベルな物だった」
「それで…良く、旅商人になろうと思いましたね…。」
サシャがそう返すと、
アニが
「『先生の意志を継ぎ、彼らのようにならない』と誓ったからね…。はい、これで終了」
そう締めくくり、過去の話は終了となった。
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- 14 : 2014/03/13(木) 11:22:15 :
- と、ここで一つお詫び申しあげたい事が…、上であげたアニ達旅商人グループの話は多少削りましたが、有る程度は内容が分かってしまいましたね…「意味ねえじゃん!」とどうか仰らず、番外編もお読み下さると幸いです。
では、頭の回転が不調なので、昼頃から再開します。
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- 15 : 2014/03/13(木) 12:13:55 :
- 駄目だ…文章が思いつかない…。
今日中に有る程度進ませたいんだけどなあ…。
思いついたら書くのでもう少し時間を下さい。
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- 16 : 2014/03/13(木) 13:58:45 :
- ふうー、有る程度は考えられました。
では、続きです。
その後、アニ達は幾つかの崩れ去ってしまった小国を見た。
焼け、圧され、ある国は内部崩壊したかの様に塵と化していた。
中でも酷かったのが、潰された後であっても「血の雨」が降り注ぐ国である。
死体が抉れ、捩じられ、そこからこれでもかというほどの血液を絞り取っているのだ。
ただでさえ不気味で異様な光景なのに、その様を見てしまうとなると、目を逸らさずにはいられない。
そして、アニ達は第三の王国「へリングブレッド」へと到着する。
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- 17 : 2014/03/13(木) 14:11:17 :
- 「……何も…残ってない…。…ただの荒地じゃないか…」
エレンは現状(今)の王国を観て、言葉を紡ぐ。
もう、何も残っていなかった。
服の切れ端、家屋の破片など一つも…。
「これが…奴ら(魔物)の仕業なのか?…だとしたら、本当酷えよ」
凍てつく風が吹き荒れ、エレン達の頬を撫でる。
「……だったらそれ相応の報いは受けさせないと亡くなっていった人は浮かばれない。…でも、そいつらにただ復讐するだけでは駄目なんだ」
「……どうして?」
エレンはクリスタ、アルミンに肩越しに振り返ると、
「……俺は…あいつらを…魔物を…知りたいと思ってしまったから…。…可笑しい…かな?」
と自虐的に笑った。
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- 18 : 2014/03/13(木) 14:23:54 :
- 「普通に考えれば可笑しいんだ。…被害者が加害者を知ろう、と思うのはその人に罪の意識を持たせる為。…でも、俺の場合は全く別物。…そいつのこれまで辿ってきた道つまり経緯を知りたいんだ…まるで一個人の人間の様に…」
「つまり……エレンは魔界の生物とお友達になりたいのかい?…ごめん、僕には理解出来ないよ君の事が…」
アルミンは怪訝な顔でエレンを見る。
「だよな……でも、何時しか解り合えたらと…思うよ」
エレンは遠くを眺め、そう呟いた。
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- 19 : 2014/03/13(木) 14:51:21 :
- その言葉にまるで呼応するかのように前から爪が非常に長いといった歪な手をした人間が現れた。
「……ふふ、やあ人間諸君。…君達かい?…『彼ら』を送り込んだのは…」
その歪な手を翳し、魔法陣を描き、そこから「何か」を取り出し…、放り投げた。
べシャア…。
エレンの足下に落下したそれは……人間の腕一つだった。
それは…草臥れ、年老いたように干からびている。
クリスタは「ひっ…」と息を飲み、カーテンで身を隠す。
エレンは
「……それ…違うやつだろ?…それに俺たちが送り込んだ訳じゃない」
と言うと、
「ほう…分かったか……なら、何故…わが故郷を粉々に打ち滅ぼした…人間風情の分際で!」
と彼は殺気を放ち、睨みつけ、叫ぶ。
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- 20 : 2014/03/13(木) 14:54:00 :
- 「……知らないよ!…君達が先にやって来たんじゃないか!…当然の報いだろ!」
アルミンはその叫びに対して怒りを覚えた。
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- 21 : 2014/03/13(木) 15:04:36 :
- 「……それにその腕はなんだよ!…どっからどう見ても人間の腕じゃないか!…君達に対してやったことは…全て当然の事だ‼︎」
「おい!…アルミン…それは言い過ぎ…じゃないか…」
エレンはアルミンのその叫びに徐々にトーンを落としていった。
その言葉は当然だ…と。
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- 22 : 2014/03/13(木) 15:07:38 :
- 言い過ぎでも何でもない。
これは全てのこのゼアル大陸に住む人間が持つ感情…「魔物に対する憎悪」。
エレンがどうこう言ってもアルミンのその感情がなくなる訳ではないのだ。
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- 23 : 2014/03/13(木) 15:25:52 :
- 彼は急に笑い出し、子供の様に語り出した。
「ふっふふふふ、あひゃひゃひゃひゃっ‼︎…言ってくれるな。…我は半魔人のキルと言う。…そして、先程放り投げたその腕は勇者の片腕さ!…魔王様を奴が殺した時、張って置いた罠が上手く作動してくれた…。…自信に満ち溢れたあの顔を思い出す旅に吐き気が…でも、上手い具合に捕まってくれたよ!…嬉しかったなあ……」
恍惚した顔をし、
「……これで、拷問が出来るってね…」
と言う。
その彼に対するゾワッといった怖気がエレン達の背中を走る。
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- 24 : 2014/03/13(木) 15:45:38 :
- 彼は言い続ける。
「……先ずは両腕を引き裂いた。…次に両脚を断ち、業火で炙り、止血する。…でも、すごいよね勇者って。…普通なら死んでるはずじゃん。…それが全然死なないんだよ?…面白かったな〜、今では飽きて、縛って放置してるけどね。…魔王様のお部屋の中で」
「……エレン…これで分かっただろ?…こいつら魔物には碌な奴がいないんだって事が!」
アルミンはもう限界が来たのだろう、エレンに言う。
しかし、エレンは何も答えない。
「………」
「エレン!…刀を抜くんだ…!」
アルミンは殆ど金切り声に近い声で叫ぶ。
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- 25 : 2014/03/13(木) 15:56:20 :
- キルはお構い無しに話し続け、
「……それで、拷問を続ける事数日、大分分かったのさ。…君ら人間の戦力と知力、そしてこの大陸の地形…そして、『真星』の力を持った者が必ず現れ、世界を変えるとの予言も聞けちゃった。…それって本当であるのなら、凄い事で、……魔界の生物にはそういうのは現れず、人間達の誰かに現れるってさ。…そこらへんが不満だな。…人間なんて屑の極みだからさ」
と言って、唾を地面に吐き捨てた。
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- 26 : 2014/03/13(木) 16:07:52 :
- 「……と言う訳で、人間諸君…殺させてくれないか?」
と言い、その手を突く様に出すと紫色の瘴気でできた怪物が放たれた。
陸孫は咄嗟に荷馬車から降り、それに合わせて加速魔法の形態魔法『衝』を放つ。
すると、双方無音で消え去った。
「…え?」
エレンは疑問を浮かべる。
何故、衝撃波の塊である筈の『衝』を放ったのに、音が出なかったのか。
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- 27 : 2014/03/13(木) 16:09:14 :
- 誰か見てくれている人いますか?
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- 28 : 2014/03/13(木) 16:39:14 :
- いないようなので夜に再開します。
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- 29 : 2014/03/13(木) 22:08:32 :
- 再開します。
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- 30 : 2014/03/13(木) 22:20:53 :
- 何故、爆発もせず双方共に消滅したのか…。
そう考えていると、
「…エレン、危ない!」
アルミンの声が聞こえ、気付いた時には、彼に覆いかぶさられ、仰向けに地面に倒れていた。
そして、ドーンっ‼︎と言う衝撃音が後ろの方で鳴り響いた。
エレンは…ゾクッとして、
後ろを視線だけ動かすと…大丈夫な様だ…ケイが結晶の壁で荷馬車を護っていた。
エレンは安堵し、胸を撫で下ろした。
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- 31 : 2014/03/13(木) 22:49:24 :
- ごめんなさい。
夜にこれ見てますから
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- 32 : 2014/03/13(木) 22:49:30 :
- 期待
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- 33 : 2014/03/14(金) 01:01:43 :
- 新世紀さんありがとう!
昨日投下分はある程度終わり、続きは明日(今日ですが)書いて行きます。
今日はある程度組み立て終えたので今日の午前10時から再開します。
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- 34 : 2014/03/14(金) 10:07:51 :
- 再開します。
しかし、…。
「それだけで終了な訳ねえだろ」
その声が聴こえたと同時に金属音が甲高く響き渡った。
「させねえよ…この野郎…」
エレンはアルミンに「ごめん…退いてくれ」と頼み、陸孫とキルの戦闘を観る。
「は…させねえって?…じゃあ、本当に出来るのか?」
キルは嗤い、瘴気でできた怪物を複数体顕現させる。
「…なに…する気だ…」
陸孫はその怪物達を斬り裂き、消滅させつつ、キルを睨む。
「なーに、こうするんだよ」
キルが嘲笑したかと思った次の瞬間、消滅した筈の怪物達の残滓が寄り集まり、爆散した。
「ごは…っ⁉︎」
陸孫は仰け反る様に吹っ飛ばされる。
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- 35 : 2014/03/14(金) 10:20:25 :
- そのまま、結晶の壁に背を叩きつけられ、肺に溜まった空気の塊が吐き出される。
「ぐ…ああっ…、何だ…それだけか?…ぜ…全然痛くも痒くもねえなあ?」
咳き込みながら壁に手をつき、フラフラと態勢を整える。
「舐めてんじゃねえぞ、このうすのろ」
陸孫は痛みに歪む顔を強引に笑みに変えて、キルの眼を見据える。
大丈夫…エヴィル・プロスネイトよりは強くねえ!
「エレン!…魔界の生物と分かりあいてえんなら、立ち上がれ、立ち向かえ!…共に、闘おうぜ?」
エレンにそう言い、彼は駆けた。
エレンは
そうだな…俺に考える、悩むなんて似合わねえ。…行動で示さねえとな!
刀を握りしめ、キルを睨み…。
「俺は…お前を倒す!」
陸孫と共にその刃を振り下ろした。
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- 36 : 2014/03/14(金) 10:47:59 :
- 「…だから…効かねえって…」
しかし、…エレン達の斬撃は掌で受け止めれてしまった。
「…あのなあ、人間の汚らしいそのお遊び道具、一端の騎士の様に扱わないでくれないか?…吐き気がする」
「ぐああっ⁉︎」
エレン達は彼の周囲で発生した爆発により、無理矢理後退させられる。
「クソっ!」
エレンはもう一度斬りかかるが弾き飛ばされる。
それを何度も繰り返していると、
「もう…やめて!」
クリスタが叫びが聴こえてきた。
彼女は荷馬車から降り、結晶の壁に軽く触れる。
すると、それだけで塵となって四散した。
「あ…、クリスタ?」
ケイは彼女を訝しげに見守る。
「もう…やめて…、これ以上…やるとまた…うっ⁉︎…また…頭が…」
クリスタが言葉を紡ごうとした時、不意に彼女は頭を抑えた。
「く…クリスタ?」
クリスタの身体から殺気のようなものが放出され始め、そしてそれは金色の光へと変化する。
エレンは
あの時の⁉︎
「駄目だ…クリスタ!…それは使ったらいけねえ!」
クリスタに駆け寄り、言うが、その手を払われる。
そして、まるでエレンなど眼中にないかの無視し、キルの方へと歩き続け、クリスタはあの魔法の詠唱を口ずさむ。
「ラーゼンフロイド、クラシメイト、フゼイド(我が身は天源の刃、楚は天に示され、光とならん)」
その詠唱はまるで一つの唄の様に。
不思議なリズムの調子。
そして、最後にしめるその句は。
「トライアルフォーラム、クレイゼル、レイ、聖魔道!(三刻を過ぎ、闇を射んとする光の力、聖魔道!)…発動」
邪龍神を退けるその光の刃がまた、彼女から放たれた。
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- 37 : 2014/03/14(金) 13:21:22 :
- その大質量の光は天を穿ち、エレン達以外を巻き込み、肥大化を続ける。
「……何だ…この光は…ひっ…身体が…消め…ぎゃああああああっ⁉︎」
キルはその光に飲み込まれ、肉片残さず、塵と化し、その存在をこの世から抹消された。
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- 38 : 2014/03/14(金) 13:34:06 :
- そして、その光が収縮して消え去った後、エレン達は気を失い、倒れていた。
数分後、エレンは目覚めた。
「はっ⁉︎…俺は……気を失っていたのか?…あ!…おい、クリスタ!」
彼は気付き、周囲を見回してクリスタを探す。
すると、陸孫の近くに倒れていた。
エレンは近寄り、声をかける。
「おい、おい!…クリスタ!…大丈夫か?」
「う…うーん…。…ふわっ…おはよう、エレン」
クリスタは前と同様眠りから醒めた様に欠伸をする。
「いや…おはようって…」
エレンはその彼女のおどけた感じについ苦笑する。
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- 39 : 2014/03/14(金) 13:45:18 :
- そして、彼女は何もない荒地を見回し、またカタカタと震え出した。
「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」
と謝りながら。
エレンは彼女の華奢な掴み、
「俺が見えるか?…俺が分かるか?」
と聞き、静かに抱き締めた。
「…大丈夫。…大丈夫だから。…俺がいる。…俺たちが必ずついてる」
「そうじゃないの…私…また、制御出来なかった…グスッ…折角、魔法の勉強を頑張ったのに!」
彼女は泣き叫んだ。
魔法の勉強を寝る間も惜しんでやったのに、使いこなせる様になったと思った矢先にこれだ。…相当悔しいのだろう。…彼(エレン)達にまた心配をかけさせたのが。
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- 40 : 2014/03/14(金) 13:49:09 :
- そんな彼女にエレンはこう言った。
「…自分一人で抱え込まなくていい……。さっきも言ったけど、俺が、俺たちがついてるから…」
クリスタは
「………うん」
と頷き、顔を伏せ、最後に目に溜まった涙を落とした。
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- 41 : 2014/03/14(金) 14:01:25 :
- と、不意にエレンの背後から異様な殺気が放たれた。
エレンは恐る恐る振り返ると、そこには修羅のような冷笑を浮かべたアルミンがいた。
「やあ、エレン…。…まあ〜た、性懲りも無く、僕に許可なくやってくれたねえ?」
アルミンはゆらあっ首を傾げる。
「ア、アルミン?…ど、どうした?」
エレンはおどけた様にアルミンに聞くと、
「ねえ、いい加減きれていいかな?」
とエレンに対して訊いたその時、
「おうおう、お熱いことで。…お取り込み中失礼だが、さっさと行こうぜ」
ライナーの声が聞こえてきた。
アルミンは「チイッ」と舌打ちして殺気を放出するのをやめ、踵を返して荷馬車の方へと歩いて行った。
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- 42 : 2014/03/14(金) 14:15:54 :
- アニ達はその荒地と化した第3の王国を出て、幾つかの潰された小国を横目に山道に入った。
もう、目の前には世界を侵食し続ける「冥界の門」が見える。
「あの渦が…『冥界の門』…魔界への入り口…」
エレンは禍々しく真っ黒く瘴気を放出し続ける巨大な渦を見据える。
近付くごとにその濃度が濃くなっていく。
サシャがアニ達に向かって言った。
「いいですか皆さん。…ここから先は一つの容赦はありません。…全力で戦わなくてはただ犬死にするだけです。…そして、絶対に生きて帰ること!…これを誓って下さい!」
「「「おおっ‼︎」」」
エレン達は互いの拳をぶつけ合い、そして、
「突入するぞ!」
アニがそう宣言した時には『闇』の中に入っていた。
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- 43 : 2014/03/14(金) 14:21:57 :
- エレンは全方位真っ暗闇の世界の中で彷徨っていた。
暗え…、何も見えない…。
…怖い。
…ただ怖い。
何かが壊れそうで、何かを失いそうな…そんな負の感情が…心を支配する。
そして、
果てに光が…小さな光点が見えた。
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- 44 : 2014/03/14(金) 14:23:01 :
- エレンは必死にそこへ向かい、辿り着くと、
異様な世界のど真ん中に立っていた。
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- 45 : 2014/03/14(金) 14:29:22 :
- 前はマグマの池に囲まれた西洋風の宮殿。
外装はガーゴイルだろうか?
その様な彫像でされている。
足下は乾ききった荒地で所々に亀裂が走っていた。
天を見上げれば空は禍々しい紫色で太陽はなく、代わりに『二つの満月』が不気味に輝いていた。
吹き付ける風は何処か気持ち悪く、この世界にずっと居続けると身体に良くないと思わせる。
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- 46 : 2014/03/14(金) 14:30:56 :
- エレンは
「ま…まさか、ここが『魔界』?」
と独りで呟いた。
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- 47 : 2014/03/14(金) 15:29:42 :
- 「あ⁉︎…み、皆は?…おい、皆!…アルミン、クリスタ、アニ、サシャ、…ライナー、ベルトルトおおっ!」
歩き、周囲をグルリと見回す。
誰もいない。
「嘘…だろ?」
誰もいない。
「誰か返事をしてくれ!」
エレンのその叫びが虚しく響き渡る。
そして、とある一人の声が背後から聞こえた。
「…貴方が……エレンですか?」
人の気配。
女性の高い声。
エレンは一縷の望みをかけ、振り向いた。
しかし、そこにいたのは…。
「ようこそ、魔界へ」
肌が黒く、耳が長い女性であった。
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- 48 : 2014/03/14(金) 15:35:19 :
- 「お前は誰だ、何故俺の名前を知っている。俺の仲間は何処にい…「貴方のお仲間より仰せつかわれました、ダークエルフのシェイズ・ボーンです。…貴方をこれより、魔王城へとご案内します」…え?」
様々な疑問が錯綜し、彼女に問いただそうとした時、彼女は宮殿の方へと歩いていた。
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- 49 : 2014/03/14(金) 15:39:47 :
- 「おい、待てよ!…俺は人間だぞ?…殺さねえのか?…絶好の機会じゃねえか!」
エレンは彼女の肩を掴み、そう聞くと彼女は
「ええ、そうでしょうね。…昔の私なら貴方を有無を言わさず殺すことなど容易でしたでしょう。…ですが今は違います。…とにかく今は着いてきてください」
と言い、エレンの手を振りほどいた。
エレンはそれきり黙り、彼女に着いて行った。
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- 50 : 2014/03/14(金) 16:16:20 :
- 魔王城一階…中央階段前。
エレンとシェイズは刀身に謎の文字が刻まれた大剣が突き刺さった台座を見ていた。
そして、彼女はエレンに言った。
「あれを抜いて下さい。…あれが邪龍神の息の根を止めるのに必要となります」
「なあ、お前さっきからなんで人間の味方みたいな事をしてるんだ?」
エレンは彼女にそう訊くと、
「ええ、先程申し上げましたように、魔物討伐隊の皆さんに頼まれたのですよ。…『エレンと言う少年に『厄災を退ける力』を秘める剣を与えてやってくれ』…とね」
と答えた。
「でも…「つべこべ言わずさっさと抜きなさい!」…は、はいっ!」
エレンは叱られ、その大剣の柄を渋々掴む。
すると、その大剣の刀身に刻まれた謎の文字がユラユラと輝きだし始めたではないか。
そして、エレンをその光が包み込み、その場からエレンと共に消失した。
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- 51 : 2014/03/14(金) 16:17:53 :
- 「では…、頑張って…」
シェイズを消し去った大剣にそう呟いた。
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- 52 : 2014/03/14(金) 16:19:07 :
- 訂正です。
「シェイズはエレンを消し去った大剣に」
に変えてください。
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- 53 : 2014/03/14(金) 16:26:21 :
- 全方位真っ暗闇の世界。
エレンは歩き続けていた。
「ここは…何処だ?」
俺は…大剣の柄を握って…
「ここに飛ばされたのか俺は…」
不安で胸が痛んでくる。
そして、前に一人の少年が現れ、
「やあ、僕は『魔王』さ。…ようこそ、僕の残留思念の世界へ」
とその少年はエレンに笑いかけた。
-
- 54 : 2014/03/14(金) 16:31:44 :
- と言う事で、ここまで終わりました!
次で終章へと真っしぐらです!
では、次スレたてますね〜!
-
- 55 : 2014/03/14(金) 21:58:55 :
- はーい
- 著者情報
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-
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