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アニ「私たちに足りないもの」
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- 1 : 2024/11/23(土) 22:45:42 :
- アニ「あるよね」
ベルトルト「ある?」
ライナー「分からん」
アニ「・・・あるだろ」シュ
ライナー「待て、ファイティングポーズを取るのはやめろ」
ベルトルト「早まらないで」
ベルトルト「ここはある事にしておこうよ、ライナー」コソッ
ライナー「りょ」
アニ「じゃあそれは何?答えて」
ベルトルト「・・・」
ライナー「・・・」
アニ「ふたりとも、新しい足技の練習台を志願してくれて、どうもありがとう」シュ
ライナー「待て待て待て」
ベルトルト「あとちょっと!あとちよっとで思い出すところなんだ!」
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- 2 : 2024/11/23(土) 22:46:13 :
- アニ「じゃ足りないものは?何?」
ベルトルト「えっ・・・暴力で解決しない、公平さかな・・・」
アニ「ふーん」シュッシュッ
ライナー「ばっかお前、あいつウォーミングアップしてるじゃねーか。火に油をぶち込むなよ、ごめんなさいしとけ」
ベルトルト「ごめんなさい」
アニ「いいよ。蹴らせて貰えるなら」
ライナー「ここに墓立てるかあ」
ベルトルト「止めろよ」
-
- 3 : 2024/11/23(土) 22:46:45 :
- ライナー「やれやれ・・・悪いけどな、アニ。足りないものが何なのか全く分からないんだ、教えてくれないか」
アニ「成績次席と三席が聞いて呆れるね」
ライナー「こんな理不尽クイズ、教室で習った覚えないからな」
アニ「どうかな」
ライナー「どうかな、じゃねえだろ。そうだろ」
ベルトルト「うける」
ライナー「うけるな」
アニ「なんかアイツうるさくない?」ヒソ
ベルトルト「ね」ヒソヒソ
ライナー「目の前で陰口叩くな」
-
- 4 : 2024/11/23(土) 22:47:13 :
- ベルトルト「うーん足りないものか・・・僕、結構クイズ得意なんだけどなあ」
ライナー「じゃあ本気で当ててみせろ、油ぶちこんでないで」
ベルトルト「・・・身長?」
ライナー「だから油なんだって」
アニ「ふっ」バキィ
ベルトルト「痛あ!!」
ライナー「ほーら燃え盛ってら」
ベルトルト「ごめんなさい・・・」
アニ「いいよ。許さないけど」
ベルトルト「それは"いいよ"なのか・・・?」
ライナー「俺ら何の話してた?」
アニ「なんだっけね」
ベルトルト「なんだったかなあ」
アニ「まったく、誰なんだい?こんな所に呼び出したのは」
ライナー「お前なんだよなあ」
-
- 5 : 2024/11/23(土) 22:47:35 :
- アニ「思い出した」
ライナー「偉い」
アニ「そう、足りないもの。それは今週の標語」
ベルトルト「えっ、今って道徳の時間?」
ライナー「初耳だなあ、そんな時間割り」
アニ「やっぱりさ、大きなゴールを目指すには長期中期短期で分けて目標を作らないといけないね。でないと、大きな目標だけ掲げて突っ走っても道を見誤るし、達成度が見えなくてモチベーションも下がるってわけ」
ベルトルト「違う、これ道徳の授業じゃない。ビジネスセミナーだ」
アニ「時間が無いあなたには特別な商材も売ってます」
ライナー「しかも怪しい方の」
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- 6 : 2024/11/23(土) 22:49:12 :
- アニ「というわけで、私たちの長期目標は使命を果たすこと・・・中期目標は、なんかそれぞれで頑張ること。はい、今から短期目標として、今週の標語決めるよ」
ベルトルト「なにも、"というわけで"ではない・・・」ゴクリ
ライナー「中期目標ふわっとし過ぎてないか?」
ベルトルト「短期よりそっち先に話し合った方がいいんじゃないかな・・・」
アニ「異論を唱える者には蹴りを入れる」
ベルトルト「素晴らしい案だ!最高だ!」
ライナー「ああ、アニの聡明さには感涙だな」
アニ「泣いてないくせに、調子いいこと言っちゃって」
ライナー「ドライアイなんだ」
アニ「ふーん、許す」
ベルトルト「許すの?僕は?」
アニ「許さない」
ベルトルト「流れで許して・・・」
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- 7 : 2024/11/23(土) 22:49:29 :
- ライナー「標語な・・・挨拶はちゃんとしよう?」
ベルトルト「歯をきちんと磨こう?」
アニ「ふざけてるの?」
ライナー「一番ふざけてる奴が言うなよ」
ベルトルト「例が欲しい・・・」
アニ「・・・マッチ1本火事の元!」
ライナー「それは標語じゃない。火の用心だ」
ベルトルト「愛と憎しみは紙一重?」
ライナー「語感だけで提案するな。今週の標語なんて題にふさわしくねえだろ、それ」
アニ「いや・・・アリかも」
ライナー「ぶっちぎりでナシだ」
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- 8 : 2024/11/23(土) 22:50:05 :
- ベルトルト「ライナーも提案してくれよ」
アニ「そうだよ」
ライナー「ええ・・・あー」
ライナー「ご飯は残さず食べること」
ベルトルト「いいね」
アニ「ふざけてるじゃん、ぶっ飛ばすよ」
ベルトルト「そうだそうだ」
ライナー「手のひら即座に返しすぎだろ、折れるぞ手首」
ベルトルト「ごめん・・・流されるのが僕だから」
アニ「ベルトルトの手首はもうバキバキだよ」
ライナー「もっと自分を持て。あと手首は大事にしろ」
ベルトルト「努力します」
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- 9 : 2024/11/23(土) 22:50:29 :
- アニ「はあ・・・結局さ、文句つけといて自分も微妙な案を出すとはね」
ライナー「まあ待て、俺は知ってるんだぞ。二人が好き嫌いして時々残してることをな」
ベルトルト「ぎくっ」
アニ「へえ・・・サシャに処理させてたからバレないと思ったのに」
ベルトルト「その手があったか」
ライナー「真似するんじゃない、ベルトルト」
ベルトルト「じゃあ今週の標語は残さず食べること?」
アニ「なんかダサいね」
ライナー「誰かさんふたりが好き嫌いするからだ」
ベルトルト「・・・ライナー」ヒソ
ライナー「あん?」
ベルトルト「喘がないでよ」
ライナー「今のはどう考えても違えだろ」
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- 10 : 2024/11/23(土) 22:50:47 :
- ライナー「なんだ」ヒソ
ベルトルト「どうしてアニが突然、標語なんてこと言い出したか分かる?」ヒソヒソ
ライナー「いいや全く」ヒソヒソ
ベルトルト「だよね・・・」
アニ「私の頭上で内緒話しないでくれる?喧嘩売ってる?」
ベルトルト「ご、ごめん」
ライナー「ははは、1回100円」
ベルトルト「ライナー!」
アニ「買った」
ベルトルト「ライナー!!!」
-
- 11 : 2024/11/23(土) 22:55:50 :
- アニ「というか、使命を果たすというゴールに対して、この標語はふさわしいの?」
ライナー「急にまともになったな」
ベルトルト「まあふさわしくは無いね」
ライナー「そんなことないぞ、好き嫌いしないで何でも食べればガタイが良くなる。身長も伸びる」
ベルトルト「僕、偏食だけど」
ライナー「例外もある」
アニ「信用ならないね。とりあえず一蹴りいい?」
ライナー「おいベルトルト、お前が無駄にデカいせいで流れ弾食らいそうなんだが」
ベルトルト「良い奴だった・・・」
ライナー「殺すな」
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- 12 : 2024/11/23(土) 23:04:10 :
- アニ「まあいいや。標語これね」
ライナー「提案しといてなんだが、いいのか?」
ベルトルト「今日の議題は終わりか・・・」
アニ「いいや、まだだね」
ベルトルト「えっ他に何かあった?」
ライナー「ベルトルトの寝相が、ついに兵舎を飛び出した件とかか?」
ベルトルト「それは3ヶ月も前からやってるじゃないか」
ライナー「もうそんな経つのか」
アニ「待った、寝相の域を通り越してない?縛ったり対策した方が良いと思うけど」
ベルトルト「いくら縛っても抜け出しちゃうんだよね・・・」
ライナー「最終的にベッドに括りつけた時には、夜中ベッド背負って兵舎飛び出してたもんな」
アニ「怖」
ベルトルト「ちょ、照れるからその話はやめてくれよ、ライナー」
アニ「褒めてないんだけど」
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- 13 : 2024/11/23(土) 23:14:15 :
- ベルトルト「何の話だっけ」
ライナー「脱線しまくるなあ」
アニ「まあ、そういうとこ嫌いじゃないよ。面白いし」
ライナー「お褒めに預かり光栄だな」
ベルトルト「あ、ありがとう」
アニ「ベルトルトは許さないけど」
ベルトルト「許してよ・・・」
ライナー「なあ、もう帰っていいか?」
アニ「ダメに決まってるだろ、まだ議題は残ってるんだって・・・ベルトルト、いけっ」
ベルトルト「え!?」
アニ「ライナー取り押さえて」
ベルトルト「は、はい」ガシッ
ライナー「ベルトルトを顎で使うな。あと首締まってるんだが、本格的に落とそうとしてないか?これ」ギギ
ベルトルト「ごめん・・・お、大人しくしてくれ・・・」グッ
ライナー「あーやばいやばい意識飛ぶ、ギブだギブ」バシバシ
アニ「じゃ、勝手に帰ろうとするんじゃないよ」
ライナー「分かったっての・・・ったく天国に帰そうとするなよ」
ベルトルト「はは、上手いこと言うね」グッ
ライナー「おいまだ首締まってんじゃねえか、死ぬわ」
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- 14 : 2024/11/23(土) 23:16:50 :
- ライナー「げほっ・・・ひでえ目に遭った」
ベルトルト「力加減が分からなくて・・・ごめん」
アニ「多少日頃の恨みもこめてる感じだったね」
ベルトルト「そんなこと!」
ベルトルト「・・・」
ベルトルト「ないよ!」
ライナー「今の間なんだ?」
アニ「確定演出だね」
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- 15 : 2024/11/23(土) 23:23:29 :
- ライナー「俺に恨みなんか抱く要素あるか?」
ベルトルト「・・・あるさ。君は・・・目立つ」
ライナー「目立つ?」
アニ「ベルトルトも成績良くて背が高いから、ライナーの腰巾着って言われてることもあるけど、存在感薄い割に目立ってるよ。大丈夫」
ベルトルト「ありがとう、でもそういうことじゃないんだ・・・あとフォローになってないよ」グス
ライナー「随分デカい巾着だなあ」
アニ「煽りつよ」
ベルトルト「もっと本気で締めれば良かったかな・・・」
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- 16 : 2024/11/23(土) 23:29:44 :
- ライナー「ははは・・・冗談だ」
ベルトルト「笑ってられるのも今の内だからな」
ライナー「マジの目やめろ、悪かったって」
アニ「・・・そう、目立つ。私も次の議題に挙げようと思ってたとこ」
ベルトルト「目立つよね」
アニ「本当にね」
ライナー「俺の味方はいないのか」
ライナー「目立つと何が問題なんだ?」
アニ「問題大ありでしょ。行動しづらくなるじゃないか」
ベルトルト「目立たず覚えてもらわないで地味に過ごした方がいいよね、使命的に」
アニ「ああ。なのにそこの筋肉ときたらさ・・・」
ライナー「聞き間違いか?俺の名前はライナー・ブラウンだ」
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- 17 : 2024/11/24(日) 10:07:59 :
- アニ「そこの、筋肉・ブラウンと来たらさ・・・」
ライナー「惜しいなあ」
アニ「色んなやつにちょっかいかけたり、世話焼いたりして」
ベルトルト「目立とうとしてるよね」
アニ「本当にね」
ライナー「お前らがコミュニケーション希薄なだけじゃないのか?」
アニ「体も無駄にデカいしさ」
ベルトルト「そうそう・・・えっ」
アニ「足を削いであけたいくらいだね」
ベルトルト「雲行き怪しくなってきたな」
ライナー「ベルトルトのがデカいんだよなあ」
アニ「ベルトルトから削ごうかな」
ベルトルト「こらー!」
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- 18 : 2024/11/24(日) 10:17:28 :
- アニ「シッ・・・待った」
ベルトルト「え?」
ライナー「なんだ」
アニ「喋らないでよ、ちょっと待って・・・」
ベルトルト「どうする?どれくらい待つ?」
ライナー「んー3分」
ベルトルト「わかった」
アニ「喋るなって言ってるでしょ」
アニ「・・・なんか外から聞こえない?」
ベルトルト「そう言われてみれば・・・」
ライナー「おっさんの話し声だな」
アニ「教官かな・・・このままだとこっちに来るかもしれない。夜中に寮を抜け出したのがバレるのはごめんだわ」
ベルトルト「ど、どうする?」
アニ「仕方ないな・・・誰か外に回って猫の鳴き真似してきてよ」
ライナー「は?」
ベルトルト「そんな古典的な」
ライナー「引っ掛かる奴いねーだろ」
アニ「いるよ。この間はキース教官が居もしない猫を探して訓練場を駆け回ってたよ」
ライナー「いるのかよ」
ベルトルト「よりによって鬼教官・・・猫派なんだあ」
アニ「犬の鳴き真似でもイケたよ」
ベルトルト「動物好きなんだあ」
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- 19 : 2024/11/24(日) 10:26:54 :
- アニ「それじゃじゃんけんね。はい、さいしょはグー」
ベルトルト「と、唐突すぎる」
アニ「じゃんけんぽい」グー
ベルトルト「はい」グー
ライナー「おら」チョキ
ベルトルト「ライナーの負けだ」
アニ「行ってらっしゃい」
ライナー「マジでやんの?」
アニ「私はいつでもマジだよ。ほら行きなって」グイ
ライナー「おい、窓から押し出すな!・・・おわっ」ガタッ
アニ「ふう・・・やっと行ったか」
ベルトルト「ここ2階だよね?」
アニ「そうだっけ」
ベルトルト「窓からライナーが押し出されたよね?」
アニ「そうかな」
ベルトルト「つまり彼は2階から落ちたよね?」
アニ「そうかも」
ベルトルト「ラ、ライナー!!」ガバッ
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- 20 : 2024/11/24(日) 12:58:16 :
- ライナー「呼んだか」ヒョコ
ベルトルト「うわあ!?」シュッ
ライナー「あぶねっ・・・呼んだ奴がパンチしてこようとするな!」
ベルトルト「ご、ごめん・・・2階から落ちたと思ったら、急に窓から顔出してきて幽霊かなってびっくりして・・・」
アニ「幽霊殴るタイプなんだ」
ベルトルト「誰でも殴られるのは嫌だろうから、効くと思ってる」
ライナー「生死問わず仲間を殴ろうとするなよ」
アニ「幽霊って触れるの」
ベルトルト「多分触れる。気合いで」
アニ「気合い」
ベルトルト「おばあちゃんが、何でも気合いが大事って言ってたから・・・」
ライナー「おばあちゃん大分脳筋だな」
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- 21 : 2024/11/24(日) 13:05:52 :
- ベルトルト「まあ何はともあれ、生き返ったのか、身長が2階まで伸びたのかは知らないけど、こうしてまた君と話すことが出来てよかったよ」ホッ
ライナー「どっちもハズレだなあ」
アニ「正解は」
ライナー「1階から突き出たヘリに立ってる」
アニ「ふーん、本当に2階まで身長が伸びてたんだったらぶっばしかねなかったよ。命拾いしたね、ライナー」
ライナー「俺の成長期を信じすぎじゃないか?」
アニ「は?ベルトルトなんか一日で1メートル伸びてたことあるんだから、有りうるでしょ」
ライナー「・・・なんて言ってるが」
ベルトルト「盛りすぎ盛りすぎ」首ブンブン
アニ「いや、多分それくらい伸びてたって。恐らく。多分。」
ライナー「嘘の見切り発車が過ぎるぞ」
ベルトルト「アニ、そういうとこあるよね。熱くなって言い切っちゃうやつ」
アニ「悪い?」
ベルトルト「ほ、褒めてます」
アニ「あ、そう」
ライナー「褒めてるか・・・?」
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- 22 : 2024/11/24(日) 13:13:50 :
- ベルトルト「そういえば鳴き真似しに行かなくていいの?」
アニ「そうだった、早く行ってきてよライナー」
ライナー「ええ・・・まあ努力してみるが」
ベルトルト「何の動物にするか決めた?」
ライナー「犬猫以外に選択肢あるのか?自由度高いな」
アニ「サシャとか」
ライナー「違うだろそれは」
ベルトルト「いいね」
ライナー「よくねーよ」
アニ「まあ性別違うし、ライナーが似せることはできないか」
ベルトルト「確かに」
ライナー「サシャの鳴き真似ってなんだ?あいつに固有の鳴き声あんのか?」
-
- 23 : 2024/11/24(日) 13:21:29 :
- ベルトルト「サーシャサシャサシャ、このパァンは美味いサシャねえ」
ライナー「んな台詞聞いたことねえよ、一度も」
アニ「・・・っ」プルプル
ベルトルト「ア、アニ?・・・お腹抱えてどうしたんだ、寒いの?」
ライナー「腹痛か?」
ベルトルト「も、毛布でも持ってこようか」
ライナー「うんこか?」
アニ「っ、・・・・・・ふー」
ライナー「うんこか」
アニ「うるっさいな、ツボにはまって笑ってただけだよ。トイレに詰めて流してやろうか」
ライナー「やってみろ、やれるもんならな」ハハハ
アニ「・・・」ジャキ
ベルトルト「ライナー待って!この子どこからともなくブレード持ち出してる!」
-
- 24 : 2024/11/24(日) 13:32:45 :
- ライナー「殺意がマジ過ぎる」
アニ「言ったでしょ、私はいつでもマジだって・・・」ジャキリ
ベルトルト「華麗な伏線回収が過ぎるよ・・・恐ろしいくらいに」ゴクリ
ライナー「そうだ、俺にはやることがあったんだ。じゃあな」シュッ
アニ「チッ・・・逃げたか」
ベルトルト「鳴き真似披露してもらわないと、このまま見つかって怒られちゃうしね」
アニ「何の動物で来るかな」
ベルトルト「やっぱり無難に猫じゃない?」
アニ「好き?」
ベルトルト「うん、好き」
ベルトルト「・・・」
ベルトルト「今の、猫の話だよね!?」
アニ「は?うん」
-
- 25 : 2024/11/24(日) 17:15:54 :
- ライナー「帰ってきたぞ」ヒョコ
ベルトルト「うわあ!?」ブンッ
ライナー「っぶねえな!同じ手に引っかかるなよ!」
ベルトルト「じゃあ同じところから出てこないでくれ!ちゃんと玄関からノックして入ってきてよ、もう・・・」
アニ「それだと見つかるね」
ライナー「はあ・・・俺はちゃんと仕事を全うしてきたっていうのに、酷い言い草だな」
アニ「ちゃんと鳴いた?聞こえなかったけど」
ライナー「仕事を全うしたって言ったろ?その証拠に、教官たちは運動場に走って行ったぜ」
ベルトルト「ちなみに何の動物にしたの」
ライナー「モルモット」
ベルトルト「モルモット!?」
-
- 26 : 2024/11/24(日) 17:20:27 :
- アニ「モルモットって鳴くの?」
ライナー「プイープイー」
アニ「え、今の何」
ベルトルト「モルモットの鳴き真似だね・・・甲高い声で鳴くらしいよ」
ライナー「どうだ、迫真の演技だろ」
ベルトルト「僕、聞いたことないから分かんないや。教官たちもさぞびっくりしただろうね、奇声が聞こえてきて」
ライナー「いや、鳴いた瞬間、モルモットが近くにいる!って言って探しに行ったぞ」
ベルトルト「分かるんだあ」
アニ「・・・っ」プルプル
ベルトルト「ま、またお腹抱えてる」
ライナー「うんこか」
アニ「うっさい、ぶっ飛ばすよ!」バシッ
ライナー「痛え!」
ベルトルト「もうぶっ飛ばされてるね・・・」
-
- 27 : 2024/11/24(日) 23:06:04 :
- アニ「はー・・・あんたら、よくシュールなやり取りして平然としていられるね」
ベルトルト「そうかな、いつも通りだけど」
ライナー「こんな会話、腐るほどしてるもんな」
ベルトルト「寝れない時とかね」
ライナー「深く考えずに感覚で話してるとこうなるよな」
ベルトルト「ね」
アニ「仲良しアピールやめてくんない?」
ベルトルト「そ、そんなつもりないけど」
アニ「そうだ、目立つといえばあんたら二人の距離感だよ。普段から馬鹿に近くて目立ってるんだけど」
ライナー「なんか飛火したぞ」
ベルトルト「今日はよく怒られるなあ・・・」
アニ「試しにお互いしばらく別行動にしたら?」
ベルトルト「えっ」
ライナー「そこまですることか?」
アニ「あんたらには分かんないだろうね・・・二人一組のペアを作れって言われた時に感じる心労が」
ライナー「結構返しに困る話来たな・・・」
ベルトルト「ご、ごめんアニ!僕らが悪かったよ・・・」
ベルトルト「いや悪いのか?」
ライナー「悪かったことにしとけ、でないとあいつもっと怒るぞ」
-
- 28 : 2024/11/25(月) 22:33:13 :
- アニ「じゃあんたらふたり、しばらく別行動ね」
ベルトルト「うーん」
ライナー「まあ、いいけどよ」
アニ「で、ベルトルトは明日から私と行動をともにすること」
ベルトルト「はい」
ベルトルト「え?」
────
──
ベルトルト「お、おはようございます・・・」
アニ「遅いね、早く食堂行くよ」
ベルトルト「う、うん」
ベルトルト(・・・どうしてこんな流れに?)
-
- 29 : 2024/11/28(木) 10:28:23 :
- アニ「あー朝食のスープ、私の嫌いな野菜が入ってるな・・・」
ベルトルト「はは・・・」
アニ「いる?」ポチャ
ベルトルト(答える前に僕の皿へ入れられてしまった)
アニ「・・・来たよアイツが」
ベルトルト「ん?ああ・・・ライナーか。こっちに呼ぼうか」
アニ「ダメに決まってるだろ。何のためにアンタたちふたりを引き離したのさ」
ベルトルト「ご、ごめん」
アニ「・・・ベルトルトさあ」
ベルトルト「あっ・・・なに?」
アニ「日中はあんまり喋らないんだね」
ベルトルト「そう・・・だね。うん」
アニ「なんか理由あるの」
ベルトルト「うーん・・・まあ目立たないようにするためって言いたいところだけど、これが本来の僕だから・・・」
アニ「・・・夜、集まった時は演じてるってこと?」
ベルトルト「あっいや・・・そうじゃないけど・・・」
ベルトルト「深夜テンション、かな」
アニ「ふーん」
-
- 30 : 2024/11/28(木) 13:47:15 :
- ────
──
アニ「じゃ明日もよろしく」スタスタ
ベルトルト「明日も・・・」
ベルトルト(本当にしばらく続ける気なんだな・・・)スタスタ
ライナー「よう、どうだった?一日」
ベルトルト「ああ、ライナー・・・なんか、疲れたよ。慣れないっていうか・・・」
ライナー「そうだろうなあ」
ベルトルト「明日もだって」
ライナー「へえ、アニも強情な奴だ」
ベルトルト「途中キツくて、アニをライナーだと思い込みながら訓練をこなしてたよ」
ライナー「・・・それは無理があるんじゃねえか?サイズ的に」
ベルトルト「そうなんだよ・・・サイズ的に」
ライナー「お前そんなにアニのこと苦手だったか?むしろ喜ぶべき事態なんじゃないのか」
ベルトルト「・・・嬉しいのと、接しやすいかは、別だから・・・・」
ライナー「まあ、息が詰まる気持ちは分かる。あいつ愛想良くないしな」
ベルトルト「僕、疲れたからもう寝るよ・・・おやすみ」
ライナー「おう」
-
- 31 : 2024/12/04(水) 13:09:51 :
- ベルトルト(ライナーと離れてアニと組むようになってから、早一週間か・・・)
アニ「おはよう」
ベルトルト「おはようございます・・・」
アニ「相変わらず生気がないね。シャキッとしなよ」
ベルトルト「は、はい・・・あの、アニ」
アニ「ん?」
ベルトルト「まだ僕とその、組むつもり?・・・あ、いや問題がある訳じゃなくて、いつまで続くのかなって・・・」
アニ「アンタさ、何を焦ってるの」
ベルトルト「えっ」
アニ「まあ・・・今夜の集会次第で決めるかな。次は私、ライナーと組むか考えてる」
ベルトルト「えっえ」
ベルトルト「・・・ライナーはオススメしない!ガサツだし、デカイし、面倒見はいいし、人望はあるし」
アニ「後半褒め言葉だね」
ベルトルト「そ、そんなことないよ!僕のことをよく気にかけてくれるし、アニのわがままも平気で聞くし」
アニ「良い奴じゃないか」
ベルトルト「そうなんだよな・・・」
アニ「とにかく今夜、例の場所ね」
ベルトルト「う、うう・・・」
-
- 32 : 2024/12/04(水) 13:10:23 :
- ────
──
アニ「早いね、ベルトルト。・・・ライナーは?」
ベルトルト「た、多分うんこ」
アニ「汚な・・・」
ベルトルト「はは・・・」
アニ「・・・」
ベルトルト「・・・」
アニ「ベルトルト、何か隠してるでしょ」
ベルトルト「え、うーん・・・?な、何が?」
アニ「あんたが嘘つく時って、毎回唸るんだよね。それ癖なんじゃないの」
ベルトルト「う」
アニ「まあもう私、分かっちゃったんだけどさ・・・・昼間、ベルトルトが見てない間にライナーに話しかけたんだ」
ベルトルト「え」
アニ「今週の標語は?って聞いたよ。そしたら、アイツ・・・知らないってさ。その上、私がベルトルトと最近一緒にいるのを不思議がってたよ」
ベルトルト「・・・」
-
- 33 : 2024/12/04(水) 13:10:48 :
- アニ「あとベルトルトってさ、ライナーの前だと頑張ってたくさん喋ってるよね」
ベルトルト「・・・・ごめん」
アニ「急に謝られてもね。何について謝罪してるんだか・・・」
ベルトルト「・・・」
アニ「まあ、なんの事か想像はついてるよ」
ベルトルト「・・・僕とたくさん話してる時は、普通なんだよ・・・」
アニ「そう」
アニ「もっと早くに教えて欲しかったね」
ベルトルト「うん・・・」
アニ「私たちには、こういうのが足りないんだろうな」
-
- 34 : 2024/12/04(水) 13:18:33 :
- 終。
昔のノリで書いてみたけど
お、重い・・・無理でした
よくこんなの量産してたな
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