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エレンちゃんとリヴァイさんと調査兵団

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  1. 1 : : 2014/02/04(火) 21:21:31
    人物紹介!

    エレン・・・謎の美少女。調査兵団の敷地内をウロウロしていたところをリヴァイに保護される。13歳。

    リヴァイ・・・調査兵団の兵長。25歳。

    エルド、グンタ、ペトラ、オルオ・・・調査兵団の精鋭。全員20歳。

    エルヴィンやハンジ、ミケもでてくるかも知れませんが職業は同じで、年齢は順に30、25、27です。
  2. 2 : : 2014/02/04(火) 21:34:09
    期待!
  3. 3 : : 2014/02/04(火) 21:41:08
    ピカッ!ゴロゴロ・・。

    天候が怪しくなってきたな・・。リヴァイは訓練をしている部下に訓練を中止するよう伝えた。

    部下を一足先に帰らせ、エルヴィンのところに寄ったあとリヴァイもかえろうとしていた。

    ガサッ。物音がした方を見てリヴァイは固まった。

    そこにいたのは幼いが誰もが息をのむような美少女だったのである。

    リヴァイもその容姿に一瞬見とれたがさすが人類最強。すぐにもとにもどった。

    リヴァイは少女のもとへ近づいた。

    リヴァイ「オイ、お前。どこからはいってきた?」

    少女「・・・」

    黙ったままの少女に少し苛立ちながら、質問を変えた。

    リヴァイ「名前は?」

    少女「・・・エレン。」

    リヴァイ「そうか、エレン。なぜここにいる?どこから入った」

    少女ーーエレンはビクッと体を震わせ泣きそうになった。
  4. 4 : : 2014/02/04(火) 21:59:48
    その美しい翡翠色の瞳がうるみ、エレンは懇願した。

    エレン「オ、私、なんでもします。だから、ここに置いてください!」

    次の瞬間、エレンが崩れ落ちた。あわててリヴァイが駆け寄ると、どうやら熱を出しているようだった。

    リヴァイ「・・・チッ。まずいな・・」

    リヴァイはエレンを抱き上げると体の負担にならない程度の速さで調査兵団の本部へ走った。

    リヴァイ「オイ、タオルを持ってこい!」

    ペトラ「あ、兵長!ってその子は一体!?」

    彼の部下、ペトラは上司が突然連れてきた美少女に驚きを隠せないようだった。

    リヴァイ「いいから、さっさとしろ!それからハンジも呼べ!」

    リヴァイは固まっている部下たちにイライラしながら怒鳴った。
  5. 5 : : 2014/02/04(火) 22:20:00
    やっぱ兵長【カッコイイ】*'ω`*)ゞ惚れ♪
  6. 6 : : 2014/02/04(火) 23:37:06
    リヴァイが怒鳴るとさすが精鋭たち。瞬く間にタオルを出しハンジをつれてきた。

    エルド「兵長!ハンジ分隊長をお連れしました!」

    ハンジ「リヴァイ?いったい何の・・ってなにこの美少女は!?」

    驚いているハンジに、後で説明するといい、熱があることを伝えた。

    ハンジ「わかった。じゃあ、そこの部屋を借りるよ」

    リヴァイ「ああ」

    ハンジがエレンを運び、先程までの慌ただしい空気が消えると、リヴァイは部下の質問責めにあった。

    リヴァイはハンジがきてから話す、と質問責めを回避した。

    しばらくするとハンジが出てきた。
  7. 7 : : 2014/02/05(水) 21:46:40
    リヴァイはハンジにエレンの容態を尋ねた。

    ハンジ「ああ、熱と軽い擦り傷だけだから2~3日で回復すると思うよ」

    リヴァイの安堵した顔(一般人からみたらポーカーフェイス)を確認して、ハンジはリヴァイに経緯を尋ねた。

    リヴァイは簡単に説明した。

    リヴァイ「敷地内をウロウロしてやがったんで質問をしていた。その途中でぶっ倒れやがったんでここまで連れてきた」
  8. 8 : : 2014/02/05(水) 22:07:06
    説明を聞いたハンジとリヴァイの部下、エルド、グンタ、ペトラ、オルオは納得した顔と同時に驚いた顔をしていた。

    “器用なやつらだな”とリヴァイが思っていたことなどどうでもよく、彼らの中にはある疑問が浮かんでいた。

    その疑問をグンタが口に出した。

    グンタ「あの子、どこから入ってきたんでしょう?」

    グンタに続いてハンジも思っていたことを口に出す。

    ハンジ「ああ。ここの敷地に入るには門を通る以外の方法はない。だが」

    ペトラ「門を警備している方たちから誰かが通ったという報告は入っていない」

    ハンジ「ちょ!ペトラ!私の台詞とらないでよ!」

    ハンジが台詞をとられ、悔しそうに叫ぶ。

    ペトラ「もう、ハンジさん。そんなことで怒らないで下さい」

    ぷりぷりと怒っているハンジをペトラが宥める。もはやどっちが年上か分からない。
  9. 9 : : 2014/02/05(水) 22:23:52
    それでもまだギャーギャーいうハンジにリヴァイのパンチが飛んだ。

    ハンジ「いっってえぇ!なにすんだよ、リヴァイ!」

    リヴァイ「てめぇがギャーギャーうるせぇからだ。静かにすることができねぇのか?」

    ハンジは不服そうだったがリヴァイがブレードを構えるとあわてて黙った。

    そのとき、ガチャリと音がしてエレンが出てきた。

    まだフラフラしている足取りでリヴヵイたちの前までくるとお礼をいった。

    エレン「この度は助けていただいてありがとうございます」

    そこで倒れかけたエレンをハンジがあわてて支える。

    ハンジ「えっと、エレン?お礼は今度でいいから今は寝てて」

    エレンは力なく笑い、すみませんといってベットに戻った。
  10. 10 : : 2014/02/05(水) 22:30:57
    まだフラフラ~の部分がリヴヵイになってます。すいません><
  11. 11 : : 2014/02/05(水) 22:49:54
    エレンが戻った後、リヴァイたちはしばらくぼぅっとしていた。

    リヴァイ(・・・)

    エルド(さっきは慌ただしくて顔をよく見てなかったが・・)

    グンタ(すごい美少女だな・・・)

    ペトラ(すごくキレイな子だなぁ・・)

    オルオ(かなりの美人だったが、生憎オレにはペトラという妻が)

    ペトラ「オルオ、一回死ぬ?」

    オルオ「何も言ってないぞ!?」

    オルオとペトラの漫才は置いておき、エレンはハンジの言う通り3日目には熱も引き、あっという間に回復した。

    エレンは改めてお礼と自己紹介をした。

    エレン「改めて、助けていただきありがとうございました!オ・・私、エレンといいます!それで・・」

    エレンは一瞬ためらってから言葉を紡いだ。

    エレン「私、皆様にお礼をしたいです。ですのでどうかここに置いておいていただけませんか?」

    リヴァイたちは顔を見合わせ、リヴァイは少し待っていろと言うと馬に乗ってどこかに行ってしまった。
  12. 12 : : 2014/02/05(水) 23:06:42
    しばらくするとリヴァイはエルヴィンを連れてきた。

    エルヴィン「ほう、中々の美人だな」

    その言葉が聞こえたのかエレンは顔を赤くして滅相もないですと言った。

    エレンはそこで自分が助けてくれた恩人たちの名前も知らないことに気づいた。

    エレン「あのぅ、申し訳ありませんがお名前をお伺いしてもよろしいですか?」

    リヴァイたちはそれぞれ順番に自己紹介をした。

    自己紹介を終えた後、リヴァイがエルヴィンに尋ねた。

    リヴァイ「おい、さっきの話はどうなんだ」

    エルヴィン「ああ、かまわないよ」

    エルヴィンから何かの許可を得たリヴァイはエレンに近づき

    リヴァイ「お前はオレの監視下でならここにいてもいい」

    淡々としたリヴァイの言葉にエレンぱァッと顔を輝かせた。
  13. 13 : : 2014/02/06(木) 23:17:18
    エレンまさかの女体化⁈
  14. 14 : : 2014/02/06(木) 23:39:08
    エレン「ありがとうございます!」

    美しいエレンの笑顔に全員がうっとりとした。だがエレンは黙ってしまった目の前の人々に不安を感じたのかオロオロし始めた。

    その様子をみたリヴァイたちがあわてていると、夕食の時間だと気付いたペトラがエレンを食堂に連れていくことで、話をそらした。

    リヴァイたちは安堵し、食堂へ向かった。

    今日の食事の担当はペトラだったがなぜか彼女は席についていた。

    リヴァイたちを見つけると困ったように笑って言った。

    ペトラ「エレンが『置いていただく身なのでせめて家事は自分がします!』っていうので、断ったのですが頑なに言い張るので彼女が作ってます」

  15. 15 : : 2014/02/07(金) 00:02:37
    そのときエレンが顔を覗かせ、好き嫌いと人数を尋ねた。

    兵士が好き嫌いなどをしては食事はできないため好き嫌いは誰も無いことと、リヴァイたちとハンジ、エルヴィンも食べるそうなので7人と伝えた。

    しばらくするとなんともいいにおいがしてきた。

    全員のお腹が鳴った。その音に気付いたエレンがクスッと笑った。

    エレン「もう少しですから、待っててください」

    10分ほど経つと、なんとも美味しそうな食事が出てきた。

    エレン「お口に合うか分かりませんがどうぞ、召し上がって下さい」

    エレンの一言で料理を口にすると、今までこんなに美味しいものは食べたことがない!というくらい美味しかった。

    エルドやグンタがうまい!というとエレンは両手を頬に添え、顔を紅潮させて照れていた。

    食事の後はエレンへの質問会だった。エレンは13歳で家事は全般できることなどを聞いている部下たちやどうでもいい話をしているハンジとエルヴィンを見ながらリヴァイはふとエレンの服を見た。
  16. 16 : : 2014/02/07(金) 00:26:16
    エレンに惚れました
  17. 17 : : 2014/02/07(金) 23:34:24
    早く続き読みたーい!更新楽しみにしてます!!
    エレンかわゆすww
  18. 18 : : 2014/02/07(金) 23:57:17
    エレンの着ている服は汚れてはいるもののかなり高価なもののようだった。

    リヴァイはエレンに尋ねた。

    リヴァイ「おい、エレン。お前の着ている服はかなり高価なようだが、お前はどこの出だ?」

    誰もが聞きたくても聞けずにいた質問をあっさり言ってのけたリヴァイに呆れつつも全員が拍手を送った。むろん、心の中でだが。

    リヴァイが質問すると、エレンはふるふると首を振って黙ってしまった。

    エルヴィンが言いたくなければ言わなくていいよと言うと、エレンは今は言いたくないですと小さくもはっきりとした声で言った。
  19. 19 : : 2014/02/08(土) 12:37:27
    もちろんリヴァイも強制する気は無かったため、この話は取り止めとなった。

    次の日、立体機動の訓練を行っていると、家事を終わらせたらしいエレンがうらやましそうに訓練の様子をみていた。それを見たグンタがエレンに

    グンタ「やってみるか?」

    と冗談で尋ねると、エレンはパァッと顔を輝かせた。

    それを見てグンタはしまった!と思い、ペトラに怒られた。そのやりとりに苦笑しながらエルドはエレンに言った。

    エルド「エレン、これは訓練兵の時の適性試験に合格しないとできないんだ」

    するとエレンは驚くべき事実を述べた。

    エレン「大丈夫です!オ、私、訓練兵に入っていたので適性試験にはギリギリですが合格しています!!」
  20. 20 : : 2014/02/08(土) 12:55:51
    その言葉に全員が絶句した。はっとしたリヴァイがエレンを除く4人を集めた。

    リヴァイ「お前ら、エレンをどう思う?」

    リヴァイ班「・・・どうって」

    5人がチラッとエレンを見るとエレンは不思議そうな顔でこちらを見ていた。

    リヴァイ班「不思議な子です」

    リヴァイ「・・・そうか」

    オルオ「あ、ところで兵長。エレンに立体機動の訓練をさせてやりますか?」

    オルオの質問にリヴァイは合格してるならいいだろうと返し、エレンにやらせてみるよう促した。

    エルドがエレンを呼び、立体機動を付け、訓練を開始した。

    エレンは上手かった。悔しいことにリヴァイの次に速かったのだ。割りと(かなり)ショックを受けたリヴァイ班の面々か明日から必死で頑張ろうと心に決めていたことをエレンは知らない。
  21. 21 : : 2014/02/08(土) 13:17:30
    この日からエレンは家事を終わらせるとリヴァイたちの訓練に混ざるようになった。

    エレンはどれも上手く、特に対人格闘には目を見張った。エレンの手足は細くさすがに無理だろうと思っていたが、なんと、あのリヴァイとほぼ互角だったのだ。これにはリヴァイも驚いていた。

    訓練が終わった後のエレンはいきいきとしていて全員の顔がほころんだ。

    訓練には時々、エルヴィンやハンジ、ミケが混ざり彼らもエレンの強さに驚き、調査兵団に入らないかと勧誘までしていた。

    エレンと暮らしはじめ1ヶ月がたった頃だった。エレン宛に一通の手紙が届いた。

    全員が怪しいと思った。誰もここにエレンが居るなどとは言ってないからだ。

    エレンも怪訝そうな顔をし、手紙を読んだ。
  22. 22 : : 2014/02/08(土) 20:35:10
    手紙を読んだエレンは悲しそうなそれでいて何かを決めたような顔をしていた。

    エレンは手紙の内容を一切話さなかった。それどころか手紙の話をしようとすると上手く話題を変えた。

    その日からエレンの1日の過ごし方が変わった。

    訓練に混ざることはしなくなり、外出している時間が多くなった。(相変わらず家事はきちんとこなしている)

    エレンの行動の違いに全員が困惑した。
  23. 23 : : 2014/02/08(土) 21:37:31
    そして、エレンの行動のカギを握るであろうあの手紙がどこにあるかもわからない。

    一度、エレンが出掛けている間に手紙を捜索したことがあった。だが見つからなかったのだ。

    そんなある日、エルヴィンを代表とした幹部が王都に召集された。

    召集された理由は、調査兵団員が悪事を働いたため連帯責任として1ヶ月の活動停止をしろ、とのことだった。

    エルヴィンは驚き、悪事を働いた兵士の名とその情報を教えた人物を尋ねた。

    憲兵「なぜ、情報を渡した人物を尋ねる」

    憲兵の質問にエルヴィンは

    エルヴィン「調査兵が悪事を働いたならばなぜ団長である私に伝えなかったかが気になったので」

    と、すました顔でもっともらしいことを言ったが内心、焦っていた。理由もそんなことではなく嫌な予感が頭をよぎったからだ。

    憲兵「ああ、情報提供者なら今来ている。入ってこい」

    ガチャリ。扉を開け一人の人物が現れた。
  24. 24 : : 2014/02/08(土) 21:51:24
    少年「こんにちは。はじめまして、ジャン・キルシュタインです」

    エルヴィンは自分の予想していた人物でないことに安堵した。そして、ジャンと名乗った少年にどこで悪事を発見し、なぜ自分に言わなかったかを尋ねた。

    ジャン「発見したのは***です。団長に言わなかったのは間違っていました。申し訳ありません」

    ジャンの証言により、調査兵団は1ヶ月の活動停止を言い渡された。
  25. 25 : : 2014/02/08(土) 23:18:16
    リヴァイはイライラしていた。活動停止について何かが引っ掛かるのだ。彼がジャンに話しかけようとしたとき、チッと舌打ちが聞こえた。

    その方向に目を向けると貴族がいた。あの貴族は以前リヴァイのせいで下流となったことがあった。

    リヴァイはハッと思い出した。あの貴族が自分に叫んだ言葉を。

    貴族『くそっっ!お前に復讐してやる!!』

    リヴァイ(あのときはうるせぇ豚としか思ってなかったが、そうか・・あいつが絡んでるかもしれねぇのか)

    リヴァイは馬車の中でエルヴィンにそのことを伝えた。エルヴィンは険しい顔をしてそうかと言った。

    本部に帰ると、ペトラが青ざめた顔で走ってきた。

    ペトラ「へ、兵長・・、団長、ハンジさん、ミケさん・・。エ、エルドとグンタとオルオが!!」

    ペトラがそこで崩れ落ちた。ハンジが支え、リヴァイが続きを促した。

    ペトラ「か、勝手なことをして申し訳ありません。き、今日エレンを、尾行しようとしたんです。でも、全員行くわけにはいかないので、私が残って3人が追跡したんです」

    ペトラはそこで息を吸い、続けた。

    ペトラ「でも、帰って来るはずの時間を過ぎても帰って来ないので不審に思ったんです。そしたら・・・」

    ぺトラ「門の警備の方が、倒れてたっていって3人を、連れてきたんです」

    リヴァイたちはそこまで聞くと3人のいる場所に案内するようペトラに伝えた。

    ペトラはうなずき、急いで4人を案内した。
  26. 26 : : 2014/02/08(土) 23:39:54
    ペトラに案内され、3人を見るとひどいやられようだった。

    リヴァイたちに気づいたエルドが申し訳なさそうに口を開いた。

    エルド「申し訳ありません、兵長。自分たちは勝手にエレンを尾行し怪我まで負いました」

    リヴァイ「言い訳はいい。それよりその時の状況をいえるか?」

    エルドはうなずき、その時の状況を語った。

    エルド「まずエレンは兵長たちが出ていってすぐ、出発しました。自分たちもそれに合わせ追跡しました。エレンは船でシーナまで行き、我々もついていきました。しかし、今日は人が多くエレンを見失ってしまいました。しかし、途中でエレンらしき人物を見つけ追いかけました。そこで背後から現れたやつにやられ、今に至ります」

    リヴァイたちは絶句した。いくら背後から&不意打ちでも彼らは精鋭。そう易々とやられはしないからである。

    その彼らにここまで怪我をさせたとなると相手は相当手強いようである。
  27. 27 : : 2014/02/08(土) 23:51:37
    だがリヴァイは彼らに致命傷がないことに気づいた。

    これだけ傷をあたえた敵である。殺してもおかしくはない。だが、決め手となる傷は一つもなかったのである。

    リヴァイ(意味がわからねぇ。なにがしてぇんだ。この相手は)

    彼らからさらに驚きの事実が発覚した。

    なんと、相手はたった一人だというのである。

    ありえない。とリヴァイは思った。精鋭の彼らをたった一人で倒すなど調査兵団の幹部並の強さである。
  28. 28 : : 2014/02/09(日) 12:58:06
    リヴァイは考えた。内地の憲兵や貴族に彼らがやられるはずがない。調査兵団の幹部は内地に呼び出されていた。

    そこまで考えたとき、一人の人物が頭に浮かんだ。

    リヴァイ(まさかな・・・)

    エルヴィンたちを見ると誰かが浮かんだようだった。皆、青ざめた顔をしていた。

    そのとき、ガチャリと音がした。リヴァイたちは殺気を放った。

    エレン「え、あの皆さん?」

    入ってきた人物ーーエレンを見ても誰も殺気を止めなかった。むしろ、さらに強くなった殺気を感じエレンは眉を寄せた。

    エレン「皆さん・・?どうしたんですか」

    エレンの質問に答えず、リヴァイは逆に質問した。

    リヴァイ「その前にこちらの質問に答えろ。・・・今日、お前はどこで何をしていた?」

    エレンの顔が僅かに歪んだのをリヴァイは見逃さなかった。

    エレン「えっと、今日は隣町へ行っていました」

    エレンの答えにリヴァイは眉間にしわを寄せた。

    リヴァイ「ほぅ、ひとつ聞こう。本当か?」

    エレン「・・本当です」

    リヴァイは怒鳴った。

    リヴァイ「ふざけてんじゃねぇ!今日こいつらがお前を尾行していた!その証言によるとお前は今日シーナにいったそうじゃねぇか」

    エレンはリヴァイ班の面々に顔を向けた。
  29. 29 : : 2014/02/09(日) 13:14:14
    エレン「皆さん・・・」

    エレンの顔には驚きと軽蔑がうかんでいた。

    エレン「どうして、そんなことを・・。そして、その傷は一体どうなさったのですか」

    その言葉を聞いてリヴァイは完璧に切れた。エレンにつかみかかろうとしてエルヴィンに止められた。

    リヴァイ「・・・離せ」

    エルヴィン「落ち着くんだ、リヴァイ。・・・エレンがもし彼らを傷つけたのなら今日シーナにいた、というはずだろう。彼らから証言がでるのだから」

    後半はリヴァイだけに聞こえるように喋り、エルヴィンはエレンに向き直った。

    エルヴィン「エレン。君は彼らを傷つけていないのかい?」

    エレン「当たり前です!」

    エルヴィン「そうか。では何故嘘をついたんだい?」

    エレンはうつむいた。そしてカバンの中に手を入れた。一瞬、武器がでるのかと身構えたリヴァイたちが見たのはなんとも意外な物だった。
  30. 30 : : 2014/02/09(日) 13:26:15
    ハンジ「それは・・・」

    エレンが出したのは美しいマグカップだったのである。

    エレンは、はにかみながら説明した。

    エレン「えっと、私、ここにおいてもらって1ヶ月以上たったけどあんまりお返しできてないなって思ったのでシーナにいる知り合いの職人の方にお願いして皆さんのイメージに合うように作っていただいたんです。最初に頼んでから一週間はかかると言われたので何かお手伝いできないかとここ最近そこに通っていたんです。ご迷惑をおかけしました」

    リヴァキたちは唖然とし、エレンに謝罪した。

    エレンはいいですよと笑って許した。

    それから一人一人にマグカップを渡し、お先に失礼しますと言って就寝した。
  31. 31 : : 2014/02/09(日) 13:27:32
    リヴァイがリヴァキになってます。すいません><
  32. 32 : : 2014/02/09(日) 13:52:58
    後に残されたリヴァイたちはエルヴィンを中心に会議を行った。

    内容はもちろん彼らを襲った犯人についてとエレンについてだ。

    犯人については大体の目星がついたのでエレンについての話題に移動した。

    まず、エレンについて知っていることを挙げた。

    エレンについて

    ・年齢は13歳

    ・訓練兵だった時期がある

    ・家事は全般できる

    ・美人←エルヴィン&リヴァイ

    エルヴィン「こんなものかな」

    ハンジ「なんか、最後だけどうでもいい気がするんだけど」

    リヴァイ「あ?全部大事だろ」

    ハンジ「ソーデスカ」

    次にエレンについての疑問を出しあった。

    疑問点

    ・なぜ身元がわかるようなことはいわないのか

    ・今日のマグカップ代はどうやってだしたのか

    ・なぜ高価な服を着ていたのか

    ・なぜあんなに美人なのか←リヴァイ

    ハンジ(・・・もうつっこむ気力もない)

    リヴァイ班(ハンジさん、心中お察しします・・・)

    この会議はpm10:00まで行われ、そのあと解散となった。
  33. 33 : : 2014/02/09(日) 18:29:17
    リヴァイは自室に戻り、今日の出来事について考えた。エレンの謎は全然解けないし、エルドたちを襲った犯人も絞られたとはいえ、完璧にはわかっていない。

    リヴァイ(チッ。なんだってんだ)

    このままでは寝られないと判断したリヴァイは食堂でコーヒーを飲むことにした。

    リヴァイが食堂に向かっているとわずかに人の気配がした。

    リヴァイはとっさに自分の気配を押し殺した。

    足音が近い。もうすぐここに来ると感じたリヴァイは物陰に身を隠した。
  34. 34 : : 2014/02/09(日) 19:33:44
    だが、足音は反対方向に行ったようだった。

    リヴァイはチッと舌打ちをした。

    もしかしたら今回の事件に関係のあることが分かるかも知れないと思っていたからだ。

    リヴァイ(・・・オレも相当気を張っているみてぇだな)

    その夜リヴァイは食堂に行かずそのまま就寝した。

    次の日、エレンが出かけてくるというので今度はリヴァイが尾行することにした。
  35. 35 : : 2014/02/09(日) 19:55:05
    リヴァイほどの者なら簡単にはやられないというエルヴィンの判断のためだ。

    リヴァイも承諾し、尾行が始まった。

    エレンは昨日と同じように船でシーナまで行き、人通りの多い場所へと向かっていた。

    リヴァイ(エルドたちはこの辺りで見失ったといっていたな)

    リヴァイはエレンを見失わないようにしっかりとついていった。

    ところが老人にぶつかり謝っている間にエレンを見失ってしまった。

    リヴァイ(くそ!これじゃあエルドたちと同じじゃねぇか)

    リヴァイはエレンを探した。すると橋の下の近くにエレンらしき人物を見つけた。

    そこはさっきまでとうってかわって静かだった。リヴァイが橋に入った瞬間背後から殺気が近づいた。それに気づいたリヴァイは相手の攻撃を辛うじて避けた。

    相手の方を向くと相手はフードを深く被っており顔は判断できなかった。
  36. 36 : : 2014/02/09(日) 20:12:24
    相手は素早い身のこなしでリヴァイに再度攻撃をした。攻撃力はリヴァイと同等くらいだが経験はリヴァイの方が上だった。相手の動きを読み、瞬く間に相手を捕らえた。

    リヴァイは相手のフードをはずし尋ねた。

    リヴァイ「お前の名前は?」

    名を問われた相手は言った。

    相手「・・・ミカサ」

    ミカサと名乗った少女は悔しそうに唇をかんだ。リヴァイはさらに尋ねた。

    リヴァイ「昨日、オレの班員を襲ったのもお前か」

    ミカサは反応しなかった。それを見てリヴァイが無理に吐かせようとしたときだった。

    フードの敵「ミカサを離せ」
  37. 37 : : 2014/02/09(日) 20:27:59
    どこからか現れたフードを被った人物がリヴァイに攻撃を仕掛けた。

    攻撃を避けた瞬間にミカサを押さえつけていた手が離れ、ミカサはリヴァイの手から脱出した。

    フードを被った人物は背中にミカサを庇いながらミカサに逃げるよう指示した。

    ミカサは束の間迷っていたがすぐにうなずき、逃げ出した。

    リヴァイは後を追おうとして失敗した。フードを被った人物が攻撃をしてきたからだ。リヴァイは持っていた短刀で応戦した。そのときリヴァイの短刀でフードが切れ相手の顔が露になった。
  38. 38 : : 2014/02/09(日) 20:54:56
    リヴァイは相手を見て言葉を発した。

    リヴァイ「やはりお前か・・・。エレンよ」

    エレンはにっこりと笑い、返した。

    エレン「やはりってことはオレが元凶かもってことには気づいてたんですね。さすが調査兵団」

    ちゃかすように言うエレンにリヴァイは至って冷静に返した。

    リヴァイ「ハッ。よく言うな。全てお前のシナリオ通りだろうに」

    リヴァイの口調に全く怯む様子がなくエレンは言った。

    エレン「あは♪いつから気づいてたんですか?けっこう上手く演技できてたんですけどね♪」

    リヴァイ「最初っから変だとは思ってたんだよ。てめぇが現れてから不思議なことだらけだったからな」

    エレンはくすくす笑って答えた。

    エレン「ではリヴァイさんにオレのシナリオをお教えしましょう。まず、立体機動を使って兵団の敷地内に入る。そして誰かに見つけてもらい、兵団に置いてもらう。さらに訓練に混ざり兵士の戦闘能力を量る。そして悪事を起こしそうな兵士を使い調査兵団を活動停止にさせる。・・・まぁ、オレの後を尾行したくるとは思いませんでしたが」

    エレンのシナリオを聞いたリヴァイはじゃあ、あいつらを襲ったのは?と尋ねた。

    エレンはキョトンとしてくくっと笑った。

    エレン「はい、もちろんオレです。そんなことわかっていたからオレをおってきたんでしょう?」

    リヴァイはエレンの元に近寄り首に短刀を当てた。
  39. 39 : : 2014/02/09(日) 20:57:23
    したくる→してくるです。すいません><
  40. 40 : : 2014/02/09(日) 22:35:15
    首元に短刀が当てられてもエレンは平然としていた。そして目の前にいるリヴァイに向かって言葉を紡いだ。

    エレン「リヴァイさん。オレのシナリオは完璧でした。いえ、完璧なはずでした。でもオレのシナリオにない予想外のことが3つ起こりました。聞きたいですか?」

    リヴァイはエレンをじっと見つめ言ってみろと促した。

    エレンは微笑んで続けた。

    エレン「1つはさっきも言ったようにエルドさんたちがオレを尾行してきたことです。2つ目は調査兵団の方々がとても優しくて親切だったことです。だからオレはエルドさんたちを殺すことができなかった。そして3つ目は・・・」

    エレンはそこでリヴァイを見つめた。そしてリヴァイを見たまま言葉を続けた。

    エレン「あなたを好きになってしまったことです、リヴァイさん」

    リヴァイ「!?」

    リヴァイは驚いた。まさかそんな言葉を言われるとは思ってもいなかったのだ。唖然としているリヴァイにお構いなしにエレンは続けた。

    エレン「好きになってはいけないと何度も何度も自分に言い聞かせました。でも抑えきれなかった!毎日あなたを目で追うようになっていました。このまま、組織を裏切ってあなたたちに味方しようかと思いました。・・でも、手紙が届いてから私はその思いを押し殺しました。・・・あの手紙です。読みますか?」

    エレンが差し出してきた手紙をリヴァイは受け取り、読んだ。

    リヴァイ「・・・!!?」

    リヴァイは絶句した。13歳の子供に向けるには残酷すぎる内容だったからだ。
  41. 41 : : 2014/02/09(日) 22:58:14
    リヴァイはエレンを見つめた。エレンは視線をそらし言葉を紡いだ。

    エレン「その手紙は立派な証拠になると思います。・・・使ってください」

    リヴァイはエレンに尋ねた。

    リヴァイ「・・お前も捕まるかもしれねぇぞ。いいのか」

    エレンは優しく笑った。

    エレン「捕まりたくなかったらあなたとここでのんきにしゃべってはいません。今のうちにここから帰ってください」

    リヴァイ「なぜだ」

    エレン「恐らくミカサが増援をつれてくるでしょう。・・そしてオレの裏切りがばれるのも時間の問題です。ですから早くここから」

    エレンの言葉は続かなかった。銃声が聞こえた。その瞬間、エレンが崩れ落ちた。リヴァイはエレンの元に駆け寄った。

    リヴァイ「おい!エレン!」

    エレンはうっすらと目を開き笑った。

    エレン「リヴァイ・・さん。これからいうこと・・調査兵団の皆さんに・・・伝えて」

    リヴァイ「おい、しゃべるな!」

    エレンは首をふって続けた。

    エレン「もう、だめ・・だから、皆さんに・・すいませんと・・だいすきって伝えて」

    リヴァイはエレンの止血をしていた。だが止まらなかった。

    エレン「あと・・リヴァイさん。・・・・あなたを、あ、いしてます。迷惑な、ら忘れ、てください」

    リヴァイはエレンに叫んだ。

    リヴァイ「馬鹿言え!オレもお前が好きだ。だから生きろ、エレン」

    エレンはわずかに微笑み、息絶えた。
  42. 42 : : 2014/02/09(日) 23:11:51
    リヴァイは泣いた。彼が泣いたのは後にも先にもこれだけだった。

    彼は走った。彼女の最後の願いを聞き届けるために。追ってを巻き無事本部にたどり着いた。

    リヴァイを見つけたハンジはエレンがいないことに気づいた。

    リヴァイはエルヴィンたちを集めろとハンジに言った。

    エルヴィンたちが集まるとリヴァイはさっきまでのことを話した。

    話を聞いたメンバーは泣いた。そしてエレンの仇うちを心に決めた。
  43. 43 : : 2014/02/09(日) 23:20:28
    翌日、エルヴィンは内地に行き、ハンジとミケも同行した。リヴァイは行かなかった。いかなくていいとエルヴィンたちが考慮してくれたためだった。

    静かな本部でリヴァイは独り言を言った。

    リヴァイ「なぁ、エレン。お前は幸せだったか?」

    ~終わり~


    こんばんは、ひなです。なんだか中途半端に終わりましたが許してください。このあとは特別編でエレンが受けとった手紙を書いておきますが、読まなくても構いません♪
  44. 44 : : 2014/02/09(日) 23:25:27
    ~手紙~

    エレンへ

    まだぐずぐずしているのか。さっさと報告を送れ!

    お前の両親の命がかかってるんだぞ。

    わかっているだろう?

    まさか調査兵に惚れた訳ではあるまいな。わしを裏切ってみろ、お前とお前の両親の両方の命はないぞ。

    *****
  45. 45 : : 2014/02/10(月) 20:13:18
    最高
  46. 46 : : 2014/02/20(木) 22:22:51
    すごい\(^o^)/
    最後、ちょっと感動した(涙)
  47. 47 : : 2017/08/28(月) 09:58:17
    感動

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