この作品は執筆を終了しています。
不器用な人達
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- 1 : 2014/02/04(火) 20:52:38 :
- 今回はガッツリリヴァハンです。ペトラがないちゃうほどでっす。読んでくれたら嬉しいです><
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- 2 : 2014/02/04(火) 20:55:54 :
- その日もハンジは研究室に篭っていた。第57回壁外調査が一週間後に迫っている為でもある。ノックの音にすら気がつかないほど研究に没頭していた。 時刻は丁度11時を回ったころだった。
リヴァイ「おい。入るぞ。この前話した作戦の資料を見に来た。」
ハンジ「入る時くらいノックしてよね。資料ならその棚の上から三番目に入ってるよ。」
リヴァイ「ノックならしたぞ。それにしてもこの部屋足の踏み場もないな。」
ハンジ「私の部屋に入りたくないなら資料は見なくていいよ。」
意地悪な笑みを浮かべる。
リヴァイ「好きでこんな部屋入りたがる奴なんかいんのか?」
リヴァイは髪をかきあげた。リヴァイは資料をとり近くのソファーに腰を下ろした。
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- 3 : 2014/02/04(火) 21:06:26 :
- あれから何時間たったかは分からない。研究に一旦区切りをつけたハンジは席を立った。いつのまにやらリヴァイは眠り込んでしまっていたらしい。、彼女は自分のジャケットをかけてやった。その時リヴァイの髪の毛に数本白いのがいるのに気がついた。
ハンジ(そういえば私達もうアラサーなんだよね。白髪の一本や二本生えててもおかしくないのか。兵士やってなかったら今頃なにやってたかな?)
少し感慨深くなった。ハンジは静かに部屋を去った。
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- 4 : 2014/02/04(火) 21:09:42 :
- 翌日ハンジは不思議と早く目が覚めた。いつもは集合時間ギリギリなのだが今日は余裕をもって訓練場に辿り着いた。
ハンジ(そういえばジャケットをリヴァイに貸したままだ。後で取り返さねばな。)
普段から時間に余裕を持って早く来ているモブリットが話しかけてきた。
モブリット「今日はお早いですね。」
ハンジ「まぁね。はやく目が覚めちゃって。」
モブリット「分隊長と兵長はそういう仲なんですか?」
ハンジ「は?そういうって?」
モブリット「プライベートでならいざ知らず、研究室ではまずいのではないかと思うのですが......。」
モブリットが言うには、早朝にリヴァイがハンジの研究室から出て来たのを見たという。やましいことをした覚えは無いので否定した。
ハンジ「まってくれモブリット。それは誤解だ。実はかくかくしかじかというわけなんだ。」
モブリット「はぁ。じゃあ研究室はリヴァイ兵長一人だったんですね。言いたいことは分かりましたよ。それで、いつまでハッキリしない関係で居るんですか?」
ハンジ「なっ!随分いきなりだな。」
顔が引きつるのが分かった。
モブリット「部下は意外と敏感なんですよ。見ているこっちが歯痒いのです。」
そうこうしているうちに訓練が始まった。ハンジにとってそれは丁度良いタイミングであったと同時に、自分の心に蓋をする結果となった。
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- 5 : 2014/02/04(火) 21:10:49 :
- 4の名無しは私です
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- 6 : 2014/02/04(火) 21:52:39 :
- その日の訓練が終わった。ハンジは研究に必要なものを街へ買い出しに行った。
リヴァイ「買い出しにの付き添いはいいが、一気に買いすぎだ。クソみてぇに重い。」
ハンジ「ははは。そのために君を連れてきたんじゃないか。後でお茶でもおごるからさ。」
リヴァイもハンジも前が見えるかギリギリのな量の荷物を抱えて道を歩く。
「ここの裏路地はね、安くていいものがいっぱい売ってるんだよ。この荷物じゃここは通れそうに無いね。私はここに荷物置いていくから、リヴァイは見張っててね。」
そう言い残し彼女は裏路地に消えた。その帰り道にちょっとしたトラブルが起こった。
ゴロツキ「姉ちゃん、俺たち暇してんだよ。ちょっと遊んで行こうぜ。」
ハンジ「悪いけど私は今忙しいの。今度ね。」
運悪くハンジは三人のゴロツキに捕まってしまった。裏路地に入る上で覚悟はしていたのだが対策は考えていなかった。掴まれた手をほどこうとするも、がっしりとした腕は離れなかった。いくら分隊長とはいえ男の力には敵わない。
ハンジ「あんたいい趣味してるね。私なんかよりもっと若い女いくらでもいると思うけど。」
その瞬間、ハンジの手をつかんでいた男が吹っ飛んだ。
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- 7 : 2014/02/04(火) 22:08:44 :
- リヴァイ「ここにも俺にしつけられたい奴がいるようだな。」
リヴァイが男を蹴り倒していた。
ゴロツキ「なんだお前。彼氏の方が随分小さいじゃねぇか。」
リヴァイ「俺の彼女に手を出すな。」
というと彼はギリッと睨みつける。
ハンジは今朝のモブリットとの会話を思い出した。モブリットの言葉が頭に響く。
"いつまでハッキリしない関係で居るんですか?"
ぐるぐる考えているうちに大きな音がした。ハンジは思わず目を瞑っていた。次に目を開ける頃には三人のガタイの良い男たちがのびていた。
リヴァイ「返って来るのが遅い。俺がいなかったらどうするつもりだったんだ。買い物の続きするぞ。」
怒ったリヴァイからはかすかな安堵を感じられた。ハンジは思わず微笑んでしまった。
ハンジ「彼女とまでいってくれるとはねー。さすが!」
ちょっと茶化してみた。いつもみたいにあしらわれるかと思いきや、リヴァイは背中を向けてスタスタ歩くのみだった。
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- 8 : 2014/02/05(水) 10:44:39 :
- 月明かりが出ていた。風呂から上がりとても心地よい気分だった。今ベットに倒れたら即夢に落ちてしまうほどに。ここはリヴァイの部屋。リヴァイは身支度を整えているところだった。
リヴァイ(そういえばハンジにジャケットを借りたままだったな。返しに行かねば。)
そう思っているとコンコンというノックが部屋に渡った。
リヴァイ「入れ。」
ペトラ「ペトラです。今日は話があって来ました。」
リヴァイ「どうした。話してみろ。」
ペトラはすぐには話し始めなかった。その頬は軽く紅潮している。重い口はゆっくりと開いた。
ペトラ「調査兵団に入る時覚悟はしていたけれど、兵士の先は長くないと思っちゃって。変ですよね急に。これまで何度も壁外から帰ってきたのに。一刻も早く生きているうちに伝えたくなっちゃって。その......あの......好きです。」
リヴァイ「落ち着け。今すぐ死ぬって訳ではなかろう。」
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- 9 : 2014/02/05(水) 16:32:05 :
- リヴァイ「本気なのは目を見れば分かる。俺は器用な人間じゃないからお前の期待には答えられないだろう。今は良き部下としか見ていない。」
兵士長ともなればこんな状況も珍しいものではなかった。対応は相手が女だろうと男だろうと変わらない。いつも通りのNOの返事だ。
ペトラ「ですよね......。想いを打ち明けられて良かったです。明日終わるかもしれない人生、悔いは残したくないから。確かに次の57回壁外調査は距離も短いのですが......。」
リヴァイ「悪いな。」
ペトラ「いえいえ、こちらこそごめんなさい。一つだけ教えてください。」
ペトラは今にも泣き出しそうだった。
ペトラ「兵長は好きな人とかいらっしゃらないのですか?」
リヴァイ「いない。」
と言って髪をかきあげた。
ペトラ「ふふふ。嘘でしょ?兵長は嘘つく時髪をかきあげる癖があるんです。気がついてませんでしたか?」
自分でも気がついていなかった。
ペトラ「人類最強もちょろいですね。相手も当てちゃいますね。分隊長のハンジさんでしょう?。」
リヴァイ「女ってのはすげぇな。あいつは俺にとって良き戦友で右腕だ。だが今の俺たちはそれ以下でもそれ以上でもない。」
ペトラ「私は兵長を応援します。ハンジさんは鈍感だから、ちゃんと言葉に出してあげて下さいね。」
ペトラの目からは大粒の涙がポロポロ溢れていた。
ペトラ「では、おやすみなさい。」
キィィ、バタン。ドアが閉まった。
部屋の外でペトラはオルオと出会った。
オルオ「どうした、ペトラ。お前泣きながら笑ってるぞ?。」
ペトラ「悲しいけど兵長には幸せになって欲しくて、でもやっぱり悲しくて。どうして兵長は私じゃダメだったのかな。人の心がこんなに複雑だったなんて思ってもみなかった。」
オルオ「生きてりゃそういうこともあるさ。」
オルオはどう対応すればいいのか分からなかったので、当たり障りのないことを言った。あのペトラが失恋している。自分にとってまたとないチャンスのはずなのに、ペトラの泣き顔を見ると素直に喜べない。
ペトラ「ごめんね。もうちょっとだけ一緒にいて。」
オルオは愛する人と過ごす時間の甘みと、愛する人が悲しむしょっぱい味を一気に感じることとなった。
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- 10 : 2014/02/05(水) 23:00:08 :
- リヴァイ(クソッ。ペトラのせいでただジャケット返しに行くだけなのに意識しちまうじゃねぇか。)
リヴァイはハンジのジャケット片手に研究室に赴く。昨日とほぼ同時刻のことだった。なぜ今日は心が落ち着かないのか。その理由は自分でも理解しているつもりだった。研究室のドアを開けると、いつも通りのボサボサ髪で研究に明け暮れるマッドサイエンティストがいた。
リヴァイ「おい、クソメガネ。これありがとな。」
ハンジ「あ、ジャケット。全然感謝していないような口ぶりだね。わざわざ持ってきてくれてご苦労。」
ハンジは一回振り向いたがすぐに研究に戻ってしまった。いつも通り素っ気ないリヴァイ。いつも通り研究熱心なハンジ。この日常は次のリヴァイの言葉によって変化が生じた。
リヴァイ「なぁ。俺たちは良き戦友だよな。」
こんなこと聞くつもりもなかった。ずっと心に秘めておくつもりだったのだが、ペトラの影響か思わず口から飛び出てしまった。
ハンジ「当たり前でしょ。」
リヴァイ「俺がお前に戦友以上の関係を望んではいけないかのか?」
彼女は振り返った。その顔は目を見開き、軽く口を開けていた。
ハンジ「どうしたんだ急に。」
リヴァイ「そろそろ自分の心に決着を......。」ハンジはおしゃべり中のリヴァイの口を手で塞いだ。
ハンジ「これ以上言わないで。」
そういうとリヴァイの口から手を離した。
リヴァイ「いつ終わるか分からない人生だからな。」
ハンジ「私たちもういい歳だもんね。」
ハンジは微笑む
リヴァイ「別に俺はおまえがどうとかじゃなく......」
今度はリヴァイの口を唇で塞いだ。それはとても不器用なものであった。
end
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- 11 : 2014/02/05(水) 23:02:41 :
- いつも通りの短いクオリティ!ここまで読んでくださった方、ありがとう!本当はこの作品には「不器用な人達」というタイトルをつけていましたが、ここに投稿するにあたり、ふさわしいタイトルに変更しました。一週間くらいしたらタイトルを「不器用な人達に戻そうと思います。
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- 12 : 2014/03/16(日) 13:23:59 :
- ひょこっと登場リヴァハン大好き人間!
モブリットの敏感さやペトラの複雑な気持ち、慰めるオルオ!
そして不器用な大人たち!
ハンジさんと兵長の心の内に素直になるまでがもう歯痒くて!ツボでした!
素敵な作品をありがとう!!!v(。・ω・。)ィェィ♪
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- 13 : 2014/09/07(日) 01:21:04 :
- おまけみたいなのちょっとないかな
ヘ へ
・д・)チラッ
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