非凡のグルメ ポケモンSVパロ
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- 1 : 2023/01/01(日) 11:38:26 :
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アオキ「どうも、アオキです。
あけましておめでとうございます。
年末特番のパロディだそうですよ。
このあとすぐです。」
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- 2 : 2023/01/02(月) 19:58:25 :
12月31日
宝食堂
アオキ(今年の仕事は、長かった。
営業マンとしてはごく平凡。
ジムリーダーの仕事が今年はきつかった。
才能あるトレーナーが何故か今年はわんさかきたし、相手にするのも一苦労だった。
四天王としての仕事は、あれはもうお上の無茶振りが酷い。ひこうタイプを使えという意味は少し分かったけど、あくまで仕事だからやるだけ。
しかも今年の視察は、新たにチャンピオンになった子供まで使って…
いかんいかん、心のなかでまた言いたいだけ言ってしまった。
なんせ今日は大晦日。
流石に来る人も少ないし、ジムリーダーの仕事ももうすぐ……
宝食堂の店員「アオキさ〜ん! 出番だよ〜!」
アオキ「……」
ネモ「えへへ、来ちゃった。アオキさん、バトルしよ?」
アオキ「ネモさんですか、最後まで楽させてはもらえませんね。」
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- 3 : 2023/01/02(月) 21:27:07 :
勝負後
アオキ(チャンピオンネモ相手におかわり2敗目…
とにかく、これで仕事納めだし、宝食堂も店仕舞い。)
宝食堂の女将「元気だしなよアオキさん! 来年もまたよろしく頼むよ!」
アオキ「今年もありがとうございました。いつもここはうまいから、思わず無表情に…いや、表情に出てしまいます。」
宝食堂の女将「じゃあ良いお年を!」
アオキ「良いお年を。」
アオキ(今年の大晦日は紅白ポケモン合戦、これは既に予約済み。何かと話題のアローラチャンピオンサトシがメドレーを歌うから、これは永久保存版になりそうだ。
ロケット団のガキの使いやあらへんでは…諸事情で放送が終わってしまった。サカキにしばかれるムサシとコジロウ、ヤマトとコサンジが面白かったのに。
逃亡中はナンジャモさんとエレキンさんの出演が話題。クラベルさんも参戦する。いい年して大丈夫なのだろうか。ナンジャモTVでは張り切っていたけど。
何を見るか迷うな。
ジム戦がなければ宝食堂で食事が出来たのに、もう店仕舞いの時間になって……
しまった。
食事のことを考えたら、腹が、減った……)
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- 4 : 2023/01/02(月) 22:44:08 :
アオキ(今から自宅で仕込みをするのは、正直めんどくさい。
でもこの時期、大晦日の夜にやってるところなんかそうそうない。
困ったなぁ…)スマホ取り出す
アオキ(お、年越しのイベントで、ハイダイさんがマリナードタウンで出店を。
なるほど、仕入れた食材をその場で調理するのか。マリナードタウン年末恒例の大競り、行ったことなかったしな。
これは、行くしかない。大晦日くらい奮発するか。)
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- 5 : 2023/01/02(月) 23:02:41 :
マリナードタウン
タクシー運転手「ありがとうございました〜! 良いお年を〜!」
アオキ(遅い時間でも対応してくれるパルデアタクシーに感謝。
マリナードタウンの市場は、と……あったあった!)
「ホウエン産、伝説のマボロシしまのチイラの実、そちらの別嬪さんがお買い上げ!」
「さぁほかにないか! ないか!」
「カロス地方アズール湾産のヤドンの尻尾! 5000円からスタートだ!」
「ジョウト地方モーモー牧場のモーモーミルク24本入り、2500円から!」
「4500円!」
アオキ(やってるやってる。
年末の大競りでは普段入らないような貴重な食材がわんさかやってくる。これは無表情にならざるを得ない。
なんで今までこなかったんだろう。
いや、そんなことはどうでもいい。とにかく今は目の前の競りを楽しまなければ。)
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- 6 : 2023/01/02(月) 23:56:21 :
「ガラル地方ヨロイじま産、ガラルヤドンの尻尾、5500円から!」
アオキ(ガラル地方のヤドンの尻尾。これは珍しい。
確かガラル地方のヤドンは、他の地方とは一味違う。よし。)
アオキ「6
「6500円!」
「6500円! ほかにないか!」
アオキ(しまった…声の小ささがこんなところで災いした。ハッサクさんの長い説教、聞き流すんじゃなかった。)
「7500円!」
「8000円!」
アオキ「850
「9000円!!」
「9000円! さぁ他にないか! ないか! はい、では、そこのガタイの良いお兄ちゃんが9000円でお買い上げ!!」
アオキ「……」
アオキ(そうだ。私は今日はここに食べに来たんだった。
私としたことが、場の空気に呑まれてしまった。
マリナードタウンの市場…恐ろしい。)
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- 7 : 2023/01/03(火) 00:46:23 :
アオキ(気を取り直して、ハイダイさんの出店屋台はと……)
ハイダイ「へいらっしゃい! 今夜は特別! 年越しの市場で精一杯のおもてなし! さあさあ、ドドンといっぱい召し上がれ!!」
アオキ(いたいた…市場のどこにいても目立つハイダイさんの声。市場の端のバトルコートから聞こえてくる。私もあれくらい声を出せたら…)
ハイダイ「お、こりゃアオキさんじゃないかい!」
アオキ「今年もお世話になりました。」ペコリ
ハイダイ「ひさしぶりだい! ここに来たってことは、オイラの料理を食べに来たってことかい!?」
アオキ「人並みには食べるので。」
ハイダイ「そうこなくっちゃ! 今日はいい食材が入ったから普段は作らない料理を作ろうと思ってるんだい! 男ハイダイ、活きのいい料理を作ってもてなすからな!」
アオキ(ハイダイ倶楽部料理長、ハイダイ。
カラフジムのジムリーダーでもある。セルクルジムのジムリーダー、カエデの師匠。その豪快な手腕が産み出す料理の出来栄えや如何に。)
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- 8 : 2023/01/03(火) 01:02:23 :
アオキ(バトルコートに設けられたテーブルに座って、と…
どの席からでも調理場のハイダイさんがよく見える。
即席の厨房をコートの真ん中に作って目の前で料理をしてみせる。ここはまさしく料理のポケモンバトルのバトルコート。
ジムリーダーの…いや、ハイダイ倶楽部料理長のハイダイが勝負をしかけてきた。)
店員「いらっしゃいませ、アオキさん。ご注文をどうぞ。」
アオキ(おっと! まだメニューを見ていなかった! どれどれ…)
アオキ「あっ…」思わず手で口を押さえる
店員「?」
アオキ「これは失敬。」(思わず声を出してしまった。さっき買いそびれたヨロイじまのヤドンの尻尾を使った料理があるじゃないか! これは迷わず注文だ!)
アオキ「えっと、これと、これと、これをお願いします。」
店員「かしこまりました! 少々お待ちくださいませ!」
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- 9 : 2023/01/03(火) 01:40:41 :
アオキ(よぉし、今日は食うぞ!)
店員「お待たせいたしました! ノノクラゲとトマト、ラッキーの卵炒め、ライス付きです!」
アオキ(キタキタ! 新鮮なノノクラゲとトマト、ラッキーの卵炒め!
いつもは酢の物として食べるノノクラゲを、今日は炒めもので、食べてみたかったんだ〜!
このごま油の香り。
ハイダイさんがこだわって取り寄せたホウエン産の豊かな香り…かなり食欲をそそる。
まずはノノクラゲから一口。
うん、うん……口の中で走り回ってノノクラゲ! これは時速50km出てるわ。
歯ごたえと旨味と、口の中に広がるごま油の香り、トマトの酸味!
こういうのでいいんだよこういうので。
シンプルなようでいて、素材の良さを引き立て合わせる。男ハイダイ、まずは一勝。)
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- 10 : 2023/01/03(火) 01:54:51 :
アオキ(いや、まだ早い!
卵とトマトを一緒に食べてみなくては…
うん、うん……こうかは抜群だ。
ラッキーの卵炒めがまず柔らかい。この柔らかさはなかなか出せない匠の技だ。
コリコリとしたノノクラゲと、ふわふわとしたラッキーのダブルバトル。2体を引き締めるトマトの酸味。
そこにシンオウ産のライスが加わればもう無敵のトリプルバトル!
ライスの甘味が口を整えて、また新しい気持ちで卵炒めを食べさせてくれる。
やっぱりこの勝負、ハイダイさんの一勝!)
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- 11 : 2023/01/03(火) 02:34:36 :
店員「お待たせいたしました! ヤドンの尻尾とかおるキノコのアヒージョ、カロスパンのバゲット付きです!」
アオキ「ありがとうございます。」ペコリ
アオキ(キタキタ! これが食べたかったんだ! ヨロイじまのヤドンの尻尾!
ハイダイさんはこれを、パルデアの人間なら食べ慣れているアヒージョにしてきた。自分の腕によほど自信ありと見た。
う〜ん、この香り!
セルクルタウンのオリーヴァの、エキストラバージンオイルを使った香り。熱しすぎると香りが飛んでいってしまうから、繊細な火加減を必要とする。
オリーブオイルの香りの奥から、ニニクの実の香りもしてくる。かおるキノコの芳ばしい香りも微かに混じっている。
これだけ香りを極めたアヒージョ……渾身の一作に違いない!)
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- 12 : 2023/02/13(月) 09:44:28 :
アオキ(ではまず、パンにオリーブオイルを染み込ませて、と……
ん〜……これは、やっぱり香りが鼻をくすぐってくる!口の中で収穫祭が来たかの如し! セルクルジムのジムテストが目に浮かぶなぁ。
少しピリッとくるのは、ヤドンの尻尾の風味。かおるキノコの芳醇な香りもある。
うん、うん! おかわり2敗目だ!)
ハイダイ「セルクルのオリーヴァから取れたオリーブオイルの香りだい。」
アオキ「とっても良いです。これは無表情になります。」
ハイダイ「そう言いながら、顔はニヤけてるんだい。」
アオキ「うっ…」(まさか!? 私としたことが!? まあ仕方ない。こうなればもうお構いなしだ!)
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