このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
舞園「メンヘラ失格」
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- 1 : 2022/07/13(水) 22:46:12 :
- 元ネタは太宰治のアレです
キャラ崩壊⚠️注意⚠️
文学ネタ多めです
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- 2 : 2022/07/13(水) 22:55:34 :
- 私、【舞園さやか】は恥の多い生涯を送ってきたと自分でも思う。
さやかが自分と他の人間が、どこか悪い意味で違うと思い始めたのは、小学校の頃だった。
友達に
「やーい、さやか!!あんたはその2階の教室からも飛べない臆病者だ!!」
と、罵られた時、なんだか急に死にたいと思い本当に窓から飛び降りた事があった。
母からは
「本当に死にたいなら2階じゃなくて屋上だろ」
と怒られたので次の日、本当に屋上から飛ぼうとしたら、学校中の先生と警察総出の大騒ぎになった事がある。
その次の日からクラスメイトからのあだ名が自殺女になった。
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- 3 : 2022/07/13(水) 23:00:23 :
- 中学の時はサッカー部エースの先輩の背中にこいをして、3日でフラれ、
次の日サッカー部の部室に忍び込み、先輩の休憩用の布団と練習着に顔を埋めて泣いていたら、
本人に見つかり本気でドン引きされ、あだ名が妖怪泣き布団になったりした。
思い返すとさやかは真っ当な女の子の生活というのが見当もつかず、分からない。
みんなが口を揃えて最高と言っている、イケメンアイドルグループの音楽より、もっとダークで背徳的な曲が好きだったし、
みんなの話す純愛なんて、本当にくだらないと内心思っていた。
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- 4 : 2022/07/13(水) 23:03:10 :
- そこで考え出したのは、さやかが道化になる事だった。
心を空っぽにして、みんなに嫌われないように、顔に仮面を被りニコニコとやり過ごす。
バカにされてもおどけておどけてケタケタと笑った。
そのうち心なんて無くなって、何も感じなくなっていった。
周りと違うのが怖いから、本当の事は何も言わず。
ただ相手に言われるがまま、従順な犬の様に心も身体も許していた。
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- 5 : 2022/07/13(水) 23:05:47 :
- 「ねぇ見て、さやかの腕の傷、また増えてない?」
学校中の人がさやかを好機の目で見る。
「うわ、包帯の量ヤバいね、気持ち悪い」
聞きたくもない悪口がさやかを貫く。
「また顔に痣できてるよ、身体中にも痣あるし、見てると怖いから水泳部から抜けて欲しいわ」
その日にさやかは水泳部を抜けた。
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- 6 : 2022/07/13(水) 23:08:12 :
- 「聞いた?さやかの彼氏DVらしいよ、道理で痣だらけなんだね。それなのに毎日ニコニコ明るくて、本当に不気味な奴。絶対メンヘラだよね」
さやかは学校へ行くのを辞めた。
そして、そのまま彼氏の【桑田】という男の家に居候して暮らし始めた。母とは仲が悪かったので行先がそこしか無かった。
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- 7 : 2022/07/13(水) 23:11:44 :
- 舞園「ねぇ、桑田くん、何で帰りがこんなに遅いんですか?もう12時過ぎてますよね?」
家のドアを開けた桑田の目の前にさやかが死んだ目で立っていた。
桑田「・・・・・・別に良いじゃねーか、舞園ちゃんには関係ないだろ」
桑田が目を逸らして答える。
舞園「なんで?ねぇなんで?なんでいつもそうなんですか?夜の7時からずっと電話かけ続けてますよね!?ラインもいっぱい送りましたよね!?なんで電話取ってくれないんですか!?なんで返事1つくれないんですか!?」
さやかがヒステリックに大声をあげる。
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- 8 : 2022/07/13(水) 23:17:56 :
- 桑田「うるせーなもう!!何だっていいだろ!!いちいち五月蝿いんだよ!!着信と通知の繰り返しだ!!頭がおかしくなるだろーが!!」
桑田がさやかをグーで殴る。
舞園「そうか!!わかりました!!女ですね!!他の女と浮気しているんですね桑田くん!?だから理由も話してくれないんですね!?」
さやかが桑田の肩を揺さぶる。何回も何回も執拗に。
桑田「いい加減にしろよ!!昨日も説明しただろ!!ただの飲み会だって言ったじゃないかよ!!」
舞園「嘘だっ!!」
舞園「桑田くんは嘘ばっかりです!!私の事嫌いになっちゎったんですか!?ねぇハッキリ言ってくださいよ!!どこがいけなかったんですか!?ねぇ!!ねぇ!!やめてください!!捨てないでください!!何でもしますから!!言う事なんでも聞きますから!!」
さやかは膝から崩れ落ち泣きじゃくる。
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- 9 : 2022/07/13(水) 23:25:20 :
- 桑田「知るかそんなこと!!自分で考えろメンヘラ!!」
そう言って桑田は風呂へと行ってしまった。
さやかは激怒した。
自分に薄情な桑田に呆れたのだ。
さやかは部屋に戻り新品のカミソリを取り出す。
そして自分の腕の包帯を取ってから、まだ癒えてない傷に傷を付けるのだ。
さらに自分で自分の顔を殴りつける。身体中に自分で痣を付ける。
桑田「・・・・・・何やってんだよ、舞園ちゃん」
桑田が後ろから声をかける。
桑田「ダメだろ舞園ちゃん、そんな事したら。」
いつも冷たい桑田でも傷ついた自分をみたら優しくしてくれる。そう気がついたのはいつからだろうか?もう覚えていない。
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- 10 : 2022/07/13(水) 23:30:45 :
- 桑田「いま救急箱持ってくるから・・・」
そういった桑田のスマホが鳴った、桑田の頬から汗が伝う。
霧切「もしもし、桑田君?私よ、【響子】よ。今日はとっても楽しかったわ、少し声が聞きたいの。電話に出てくれるかしら?」
桑田は青ざめた顔をして電話を取る。
桑田「や、やぁ響子ちゃん、どうしたの?」
霧切「桑田君の声を聞くだけで心がウキウキするの!!とても幸せな気分になって心臓がドキドキするの!!」
霧切響子と言う女が電話越しに楽しそうに話している。
桑田「ああそうだね響子ちゃん!!俺も今心臓がドキドキしているよ!!」
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- 11 : 2022/07/13(水) 23:35:47 :
- さやかが桑田の肩を掴みニコッと笑う。
舞園「誰ですかその女?」
電話から響子の低い声がする、怒気を含む声だ。
霧切「桑田君・・・誰?その隣にいる女は?」
桑田「違うんだよ響子ちゃん!!隣の女の子はただの友達で・・・」
舞園「は?私だけを愛するって約束は嘘だったんですか!!桑田君!!」
さやかが手に力を込めて問う。
桑田「ちょ、うるさい舞園ちゃん。響子ちゃん、この女の戯れ言なんて気にしなくていいんだからね!!」
響子がかん高い声で叫ぶ。
霧切「酷いわ・・・桑田君・・・私を騙したのねーー!!」
桑田「響子ちゃん!!誤解だからちょっと待って・・・」
プツンと電話が切れた。
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- 12 : 2022/07/13(水) 23:41:16 :
- さやかは桑田の方を睨む。
桑田「あ・・・あはは・・・変な女が変な電話かけえきたね・・・」
桑田が大汗をかきながら後ろへ後ずさる。
舞園「・・・・・・・・・・・・コロス」((ボソッ
さやかはそう呟きキッチンへと向かった。
桑田「まままてまて舞園ちゃん!!なな何をする気だよやめろぉ!!」
さやかはキッチンから持ってきた包丁を桑田に向ける。
舞園「桑田君を殺して私も死ぬ!!」
桑田「ひいーーーーーーーー!!」
桑田の情けない悲鳴が深夜の住宅街に木霊する。
舞園「最後にきいてやりますよ!!私を愛していますか!!?」
さやかは桑田に問う。
桑田「響子ちゃんバンザーイ!!」
舞園「くそがあああああああああァァァァァァァァァァ!!」
さやかの投げた包丁は綺麗に真っ直ぐ壁に突き刺さる。
桑田「はぁはぁ・・・交番に駆け込んでやるっ!!」
舞園「逃がすかぁ!!」
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- 13 : 2022/07/13(水) 23:47:55 :
- さやかは包丁を壁から抜き取り、逃げる桑田を追い駆けて、夜の住宅街を駆けていった。
太陽に背を向けて走ったメロスの様に、さやかも月に背を向けて必死に走った。
「警察だ!!殺人未遂で逮捕するっ!!」
舞園「うわぁぁぁぁぁん!!放してっ!!放せっ!!放せっ!!ごろじでやるぅぅぅぅぅぅ!!」
「落ち着きなさい君、一体どうしたんだね!!?」
舞園「落ち着いてられますかぁあぁあぁ!!悪魔ぁ!!最低なクズの人でなしい!!」
「その右手の危険物を離すんだ!!」
警察に羽交い締めにされたさやかは包丁をブンブンと振り回し意味のわからない言葉の羅列を叫んでいた
舞園「くぁwせdrftgyふじこlp」
桑田「こ・・・この狂女めっ!!しっしっ!!どっかいけ!!」
桑田が本気で忌み物を見る目でさやかを睨み、手でホコリをはらう仕草で別れを告げる形となった。
「午前1時5分!!確保っ!!」
舞園「ふえーん!!」
さやかは高校二年生の秋、初めて逮捕された。
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- 14 : 2022/07/13(水) 23:59:51 :
- そこからは大変だった。さやかは学校をクビになり、仕事もせず家に引きこもりゲームとリスカを繰り返すだけの1年を送った。
「さやか!!もう4月よ!!いつまで引きこもってるの?」
舞園「うっせぇババアぁ!!ノックしろよおおお!!」
「あんたみたいな子はどこか遠くへ消えてしまいなさい!!」
舞園「う、うわぁー!!やめろー!!離せー!!」
さやかは黒のキャミソールとスカートだけの姿で少しの着替えとメイク道具とスマホと充電器とピンクの財布と小さなリュックだけで放り出されてしまった。
「ほら!!これで生きていきな!」
母が10万円だけドアの横から投げ捨て、家の全ての鍵をかけたので、犬みたいにそれを拾ってスクッと立ち上がった。
舞園「うぅ・・・これからどうすればいいんですかぁ・・・」
さやかはぐったりと桜の満開の道をトボトボと歩いた。
舞園「桜の花の下がこんなに恐ろしいのは初めてです」
しかしその歩みは確実に駅へと向かっているのだった。
舞園「東京行きの切符をください!!」
さやかは東京行きの切符の買い方が分からなかったので駅員に仕方なく聞く。
「そんな姿で何しに東京に行くんだい?」
舞園「うっさいです!!私の勝手です!!」
さやかはプンスカと駅員を怒鳴りつける。
「間もなく。東京行きが一番線にまいりまーす。」
夕焼けが車内を照らし影が映る。母に捨てられたショックでさやかの心は空っぽになっていた。
舞園「さやかよ、さやかよ、何故泣くの、母の心が分かって恐ろしいのか?」
昔読んだ小説の唄を口ずさむので周りの乗客に頭のおかしい女だと思われながら、さやかは東京を目指すのだった。
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- 15 : 2022/07/14(木) 00:00:09 :
- 明日から東京編入ります
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- 16 : 2022/07/14(木) 00:00:13 :
- おやすみ
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- 17 : 2022/07/24(日) 02:34:47 :
- 舞園さん…
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