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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

赤松「超高校級の能力者コロシアイ」

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  1. 1 : : 2022/07/02(土) 02:16:06
    昔書いていたssをリニューアルして復活させることにしました!!

    キャラ崩壊⚠️注意⚠️

    暴力描写⚠️注意⚠️
  2. 2 : : 2022/07/02(土) 02:19:04
    1度世界は滅びかけた。かつてこの世界には科学と魔法が存在し、戦争をしてたらしい。長い戦いの末、魔法が勝利を収め、その戦いの中心であり英雄になった少女は
    【超世界級の魔女】と呼ばれしばらく世界を支配した。
  3. 3 : : 2022/07/02(土) 02:21:24
    しかし魔力が強すぎて死ねなかったその魔女は長い時の中で絶望し世界ごと消滅しようとした。何万人もの魔法使いを集結させなんとか世界が消えるのは防いだが、その結果魔法は世界から魔力を使い果たし消えてしまった。

    これを「世界史上最大最悪の絶望的事件」とする
  4. 4 : : 2022/07/02(土) 02:24:24
    そうして今この世界には発達した科学文明だけが残っている。魔法はかつて科学とは真逆の存在で、その仕組みもカラクリも分からない代物だったらしい。理屈じゃない。なんだかよく分からないが「魔法だから」で全て説明がついてしまう
  5. 5 : : 2022/07/02(土) 02:28:04
    そんな曖昧なものに1度世界は滅ぼされかけてるなんて、世界史の授業で習った時は、なんだか納得が行かなかった。
    世間一般では魔法は滅んだことになっている。しかし私は知っている。ごく稀に高校生くらいの大人になる直前の時期まで、不思議な力、すなわち魔法が時代を超えて
    「超高校級の能力」として発病する事例が存在する事を・・・
    その所謂「能力者」マジシャン
    は都市伝説となり噂好きの間ではもっぱらの話題になっていた。
  6. 6 : : 2022/07/02(土) 02:31:28
    そんな能力者マジシャンはとても厄介で、思春期の少年少女なら尚更である。しかし魔法の使えない大人では太刀打ちできない。それを解決するために国の警察が考えたのが・・・
    「魔法が使える超高校級の高校生を【対魔法犯罪取り締まり超高校級特務機関】通称:魔取 まとり として配属する事」だった。
  7. 7 : : 2022/07/02(土) 02:33:06
    目には目を歯には歯を魔法には魔法を、という事らしい。
    そんな重役を国から高校入学と同時に任された私は、ドラマで見るかっこいい刑事の仕事を想像して警視庁の魔取まとり 部屋のドアを開けたのだが・・・
  8. 8 : : 2022/07/02(土) 02:35:00
    「嘘でしょ・・・魔取ってまさか、私1人だけなの!?」

    警視庁対魔法犯罪取り締まり超高校級特務機関 刑事
    【赤松楓】は空いたドアと誰もいない小さなボロ部屋の前でガッカリしていた。
  9. 9 : : 2022/07/02(土) 02:38:02
    赤松「ここで仕事しろって言われたって、何をどうすればいいかも分からないよ・・・」

    赤松は頭を抱える。とりあえず部屋に入ってはみたものの、チリとホコリの多さに顔を顰める。

    赤松「初出勤って言われたから学校休んでまで来たのに・・・何この扱い・・・???」

    しくしくと涙を流しながら赤松は早速帰る準備をする。
  10. 10 : : 2022/07/02(土) 02:39:34
    しかし、そのまま帰るのも後ろめたくなり、やっぱり制服に着替える。制服と言っても警察の制服では無く、あくまで特務機関なのでほぼ制服という名の私服である。警察感がまるでなくて悲しいと、赤松は思った。

    「とりあえず、外のパトロールでもしよう・・・」
  11. 11 : : 2022/07/02(土) 02:43:39
    魔法犯罪と言っても、能力者 マジシャン 自体稀なので、こまめなパトロールが重要なのである。仕事用の自転車を漕ぎ出し赤松は街へと飛び出す。道路を抜けて路地を曲がろうとしたら、路地裏でタバコを吸っているいかにも悪そうな集団が目に入る。足元にはタバコの吸殻やゴミが散乱していて赤松は思わず注意しに行く。
  12. 12 : : 2022/07/02(土) 02:45:57
    赤松「あの、ちょっといいかな!!町を汚しちゃいけないよ!!」

    中でも一際背の高いリーゼントに特攻服の男がこちらへ振り向く。

    大和田「あ?なんだぁ?てめぇ?」

    完全に半グレだ、赤松はビクッと怖気付いてしまいそうになる。
  13. 13 : : 2022/07/02(土) 02:48:37
    大和田「おい、てめぇ。警察でもねーのにでしゃばんのか?あ?」

    赤松「違うよ・・・警察だよ・・・」

    大和田「はっ!!この乳臭いガキが警察ぅ?」

    一斉にみんな笑い出す。赤松はそれでも我慢する。

    大和田「で?警察が何の用だ?」

    赤松「だから、町を汚すのは・・・」

    大和田「声ちっさくて何言ってんのか聞こえねぇぇよ!!」

    赤松「だからっ!!町を汚すのは良くないって言ったんだよ!!」

    赤松は腕を下にピンと伸ばし声を張り上げる
  14. 14 : : 2022/07/02(土) 02:52:05
    大和田「こいつは生意気なクソガキだなぁ!!おいお前ら!!この路地裏の奥にこいつ連れてけ!!」

    リーゼントの男が赤松を掴んで連れていこうとする。

    赤松「やめて!!公務執行妨害だよ!!」

    男が笑う、それにつられて周りの奴らも笑う。

    大和田「なにいってんだ?俺は能力者マジシャンだぞ?おめーなんて人捻りなんだよ!!わかったら大人しくしろや!!」

    赤松が口元を緩ませニヤッとする。
  15. 15 : : 2022/07/02(土) 02:56:07
    大和田「あぁ?何笑ってんだ?死にてぇのか?」

    大和田「「ぶっ飛ばすぞ」ぞ!!」

    赤松「能力者マジシャン だったんだ、良かった、実に好都合だよ!!」

    大和田「あ?」

    赤松「これで君を心置きなく「ぶっ飛ばせる」からねっ!!」

    赤松は制服の上着を脱ぎ捨て警察手帳を見せつける

    赤松「これは立派な魔法犯罪行為だよ!!脅迫に公務執行妨害のダブルコンボ!!完全に執行対象だよ!!」
  16. 16 : : 2022/07/02(土) 03:05:40
    大和田「おもしれえ、本当におもしれえ女だ!!」

    男が顔面に青筋を立てて笑う。

    赤松「警視庁魔取 刑事 赤松楓!!君を取り締まるよ!!」

    赤松がまとりと名乗ると男がピクっと反応する。

    大和田「魔取・・・か。都市伝説だと思ってたけどよぉ。やっぱ存在してたんだな。能力者マジシャンが存在してる見てぇに・・・」

    赤松「当然だよ、君みたいな人が犯罪を犯さないようにね!!」

    大和田「じゃあよ、おめーも魔取ならもちろん能力者マジシャン なんだよなあ?」

    男が指をポキポキ鳴らしてから赤松を睨む。

    大和田「女には手を出さない主義だけどよぉ、魔取なら別だぜ!!俺とタイマンしやがれ!!おめーが勝ったらゴミ拾って大人しく帰ってやるよ。ただしおめーが負けたら・・・」

    大和田「殺すぞ?」

  17. 17 : : 2022/07/02(土) 03:11:20
    男の皮膚が盛り上がり全身を包み鼠色の鎧を着た巨人の様な姿に変わる。皮膚が変質し、さらに形まで変形している。普通の人間なら絶対に勝てないだろう。

    大和田「俺の能力は身体を鉄に変える」

    【喧嘩 轟霊夢】ケンカ・ゴーレム!!

    鎧化した皮膚の隙間から煙を噴き出す。

    大和田「おめー最初に好都合だって言ってたよな?・・・それは俺も同じだぜ!!だってよぉ・・・魔取をこうやってぶっ飛ばせるんだからよぉ!!」

    大和田「さあ!!喧嘩の時間だぜ!!」

    大和田「喧嘩ってのはなあ!!」

    男が大きく右腕を振り上げる。

    大和田「ゲンコツから始まるんだぜ!!」
  18. 18 : : 2022/07/02(土) 03:15:14
    赤松「きゃ!!」

    男の鉄で被われた巨大な拳が赤松の脳天を狙い落ちてくる。

    赤松「・・・嘘でしょ・・・凄いね・・・コンクリートだよ・・・」

    地面に叩きつけられた拳は赤松が数秒前まで居たはずだったコンクリートの地面を粉砕していた。

    赤松「うわ・・・避けてなきゃ死んでたんじゃ・・・」

    赤松は身軽にバックステップでパンチを避けた後に、隕石が落ちてきた跡の様な地面を見て目を丸くしていた。

    大和田「ごちゃごちゃちょこまかと!!うぜぇぞごらっ!!」

    そう叫ぶと男はパンチを両手で交互に叩きつけてゆっくりと赤松を追い詰めるように前進してくる。その名の通りまるで鉄のゴーレムだ。動きはノロいがパワーは凄いタイプだなと赤松は分析する。

  19. 19 : : 2022/07/02(土) 03:20:48
    大和田「はぁはぁ・・・女だからこそ身軽だな・・・」

    赤松「疲れてるみたいだね、私は能力をまだ使ってないのにね」

    男の眉間がピクリと反応する。

    大和田「そうか、まだ俺の事を舐めてるみたいだなぁ!!」

    男が両手を上に掲げる。すると皮膚が丸くなり鉄の玉と化し、そこから無数の数の針が剣山のように飛び出してきた。
    こんなのでパンチされた日には顔面は穴だらけだろうと赤松は思う。

    大和田「逃げられねぇぞ!!」

    大和田「針千本竜巻」ケンカ・トルネード!!

    男がトゲトゲの両腕を身体を回転させ回しながら近づいてくる。掠っただけでも大怪我だろう。かと言って壁に追い詰められてるので後ろに逃げることも出来ない。



    赤松「お披露目するしかないみたいだね、魔取に抜擢された、私の能力を!!」
  20. 20 : : 2022/07/02(土) 03:27:58
    赤松が掌を下に突き出して左手を後ろに向けたポーズをとる。掌を地面に翳した場所からピンクの魔法陣が出現し、赤松の身体を下から上へスキャンする。

    赤松の着ている服は紫に輝く背中の空いたドレスへと変わり、金髪の髪はツインテールに結ばれる、髪にに彩りを添える様に頭に雪の結晶の髪飾りが現れる。

    昔ピアノのコンクールで賞を取った時のお気に入りの衣装だ。
    赤松が両手を広げると目の前に白と黒の鍵盤が出現し、赤松の身体をぐるりと1周する。まるで魔法のピアノコンサート、赤松の前にいるのは観客と言ったところだろうか。

    ただし音を聞いてもらうのではなく、音を直接受けてもらう事になるが・・・

    「私の音を喰らって凍てつけ!!」

    「響け!!弾丸音波」ダンガンオンパ!!

  21. 21 : : 2022/07/02(土) 03:29:25
    能力者ファイル01【赤松楓】

    能力名【弾丸音波】ダンガンオンパ

    自身の周りに出現させたピアノの音を絶対零度の氷に変換する能力。

    音の種類で氷の形も変わる。

  22. 22 : : 2022/07/02(土) 03:33:57
    赤松「おいで!!私の分身!!【ド】は【ドール】のド!!」

    そう言い放って赤松がピアノのドの音を弾くと、空中で小さな氷がパキパキと音を立てて広がっていき、どことなく赤松に似た、しかし少し筋肉質にも感じられる、大きな少女を型どったツインテールの氷の人形になり、地面に落ちて右膝を立て左膝を地面に付く形でドスンと着地する。

    赤松「いくよ!!人形」ドール

    赤松「もう1人の私!!」






    能力者ファイル01【赤松楓】追加ファイル

    【ド】は【人形】ドールのド

    自分の10倍の身体能力を持つ氷の人形を召喚し、半径五十メートル以内で自由に操作する音の形
  23. 23 : : 2022/07/02(土) 03:34:37
    別の人の能力者コロシアイのオマージュ作品です
  24. 24 : : 2022/07/02(土) 03:34:43
    また明日
  25. 25 : : 2022/07/03(日) 02:21:39
    期待!
  26. 26 : : 2022/07/06(水) 23:44:21
    楽しみです!
  27. 27 : : 2022/07/13(水) 20:32:56
    赤松「ドール、ダッシュでアイツに突っ込んで!!」

    ドールが回転する男にクラウチングスタートの体勢から飛び跳ねて前傾姿勢で突っ込んでいく。

    大和田「バカめ!!そんな氷の塊が歯向かってもブッ壊れるだけだ!!」

    ガキンッ!!

    大和田「!?」

    ドールが右手を横に挙げて鉄のハンマーを受け止めた。
    ドールは回転の間に素早く挟まり、右回転の男に対して左回転でいなしながら男の手がドールの手に合わさるタイミングで氷を広げて止めたのだ。
    この能力を使いこなせた赤松だからこそ出来る芸当だった。

    大和田「ちっ!!まあいい・・・バカな事に変わりはねぇ、人形の動きが止まって隙が出来てやがる!!」

    男が手の鉄皮膚を変形させ、巨大なアイスピックの形へと変わる。

    男がアイスピックの形の両手を連打して殴り続けてくる。
  28. 28 : : 2022/07/13(水) 20:38:04
    大和田「ウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラッ!!壊れろっ!!ブッ壊れてかき氷にでもなっちまえ!!」

    鉄が氷に擦れる摩擦熱で溶けた氷が蒸発する時の水蒸気と割れる氷の飛沫でドールが見えなくなる。男が攻撃を辞めるとそこにはボロボロに穴の空いたドールが立っていた。

    大和田「はっ!!おめーの実力とやらも大した事ねぇなぁ!!」

    男の両手が巨大な鋏に変わる。

    大和田「大丈夫だぜ!!このハサミでおめーの臓物も切り刻んでやるからよォ・・・」

    大和田「喜んで死ねやあああああああああ!!」
  29. 29 : : 2022/07/13(水) 20:43:06
    大和田「・・・・・・あ゛?」

    そう叫んだ男の身体がピタリと止まる。

    男の身体中には大量の氷が付着して固まっていた。

    赤松「残念だったね・・・君がドールを殴りまくったお陰で、大量の氷の破片が飛び散った・・・」

    赤松「その氷の破片は大きく広がり」

    赤松「君の身体を【留めている】っ!!」

    赤松がそう言うと、穴だらけだったドールがパキパキと音を立て、穴がみるみる氷で塞がり元通りになっていた。

    赤松「私を倒さない限り、ドールは【永遠に蘇る】っ!!」

    大和田「くっ・・・くそがァァァァァァァァァ!!」
  30. 30 : : 2022/07/13(水) 20:51:37
    赤松がピアノで旋律を奏でる。するとその旋律で踊るかの如くドールも華麗に氷を舞散らして動き出した。

    赤松「いくよ!!ドール!!」

    「氷譚の夜想曲!!」アイス・ノクターン

    赤松が声を張り上げながらピアノを乱れて弾く。

    赤松「ウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラッ!!!」

    それに合わせてドールが、身動きが取れなくなった男を殴打し始める。まさに滅多打ちだ。
    赤松が音劇のラストフィニッシュを決める。

    赤松「ウラァァァァァァァァァァ!!」

    ジャーンと音が鳴った頃には男の身体は金属の板が凹んでボコボコになって地面に倒れ伏していた。

    赤松「ちょっとやり過ぎちゃったかな?でもまあいいや、今回は逮捕せずに見逃して・・・」

    赤松「!?」

    そう言って赤松が後ろを振り向いた時、血なまぐさい臭いと共に戦慄の光景が広がった。

    死んでいたのだ、倒した男の仲間が全員。
  31. 31 : : 2022/07/13(水) 20:56:33
    腹から臓物を撒き散らして死んでいた。

    赤松「うっ・・・うええええっ!!なにこれっ!!」

    赤松の息は荒くなる。後ろで音がする。さっきの男の倒れている方向だ。嫌な予感がする。見たくない。知りたくもない。しかし見なければ自分もこの目の前の【人間だったモノ】になってしまう気がした。

    赤松「っ!!」

    赤松が後ろを振り向くとそこには、さっきの男なんて比べ物にならない、マンション二階建て分くらいの巨大な白と黒のクマのぬいぐるみが、目の前で口から血を垂らしながらこっちを見ていた。
  32. 32 : : 2022/07/13(水) 21:01:04
    そこら中に充満する血と臓物の臭いで赤松は胃が逆流して吐き、噎せる。目の前の未知との対峙。死を本能的に悟った時、自然と巨大なクマに、ドールのフックアッパーが炸裂していた。

    赤松「・・・!?ドールのパンチが、すり抜けた!?」

    赤松は動揺しながらピアノを弾き続け、ドールの拳を必死に巨大なクマにぶつける。しかし全てのパンチは一撃も当たらず、全てすり抜け、ふわりと黒い靄となり、まるで幻かの様にまた実体に戻る、その繰り返しだった。

    赤松「そんな・・・攻撃が効かないんじゃ、どうしようもできない・・・」
  33. 33 : : 2022/07/13(水) 21:08:55
    巨大なクマは人間だった肉片の一部を吐き捨てあくびをしている。その隙に赤松は一計の策を案じる。両手を横に広げドールにも同じポーズをさせる。そのまま鍵盤に両手を叩き付けると、ドールの両手から無数の氷の結晶が飛び出し。空中で留まりながら回転し、段々と大きくなり、六角形の手裏剣型の弾丸となり、巨大なクマを取り囲み円の中に突っ込む形で飛んでいく

    赤松「撃ち殺せ!!」

    【銃撃】ショット

    赤松「幾万の氷弾!!」



    能力者ファイル01 【赤松楓】追加ファイル

    【シ】は【銃撃】ショットのシ

    ドールの両手から無数の氷の弾丸を飛ばす音の形、
    弾の形は好きにアレンジできる。弾は追尾型で必ず命中する。
  34. 34 : : 2022/07/13(水) 21:12:50
    氷弾が当たると紫の霧が発生し。驚く事にその中からあまりにも可愛い声がして赤松は困惑する。

    モノクマ「ちょっとちょっと、酷いよ!!こーんなにカワイイ僕を虐めるなんて!!国家転覆並の大罪だよ!!まあ、この超可愛い僕に嫉妬しちゃう気持ちはわかるけど!!うぷぷぷ〜」

    モノクマ「それともあれ?カワイイ物を虐める趣味があるの?もしそうだったら救えない変態さんだね!!でも大丈夫なのです!!僕はカワイイ上に心も寛大なので身体を触る位なら許してあげちゃうのです♡」

  35. 35 : : 2022/07/13(水) 21:18:46
    それは完全にぬいぐるみのクマだった、さっきまでの巨大なクマはどこかへと消えて、霧の中から可愛らしい巨大なクマのミニバージョンが出現したのだ、赤松は目を丸くする。

    赤松「凄いね・・・どんなトリックなの・・・」

    赤松がぬいぐるみから底知れないオーラを感じ取り後ずさりする。

    モノクマ「あ、いや、これは僕の能力じゃないんですよ!!僕はちょっと色々トクベツなのです!!まあそりゃ当然だよね!!可愛さもトクベツなんだから他もトクベツじゃないと!!」

    赤松「は・・・はぁ・・・???」

    赤松は別のベクトルで困惑してしまう。目の前の異質なぬいぐるみは性格もクセが強く、ついていけない。

    モノクマ「おっと!!自己紹介が遅れたね。僕は【モノクマ】!!【超世界級の魔女の使い魔】だよ!!ちゃんと覚えてよね!!」

    モノクマが自慢げにエッヘンと手を腰に当てポーズを取り赤松を見上げる。モノクマのサイズがちっこいので赤松は腰を下ろす。
  36. 36 : : 2022/07/13(水) 21:31:33
    赤松「ちょっと話を聞かせてくれるかな!!超世界級の魔女の使い魔って言ったけど、どういう意味かな!?」

    モノクマがヤレヤレと両手を横に開きため息をついて首を横にふる。

    モノクマ「???そのままの意味だよ?赤松さんは世界史の授業をサボってたんですか?悪い女ですね!!ならこの僕が教えてあげるよ!!【使い魔】とは超世界級の魔女に使えるとってもカワイイ物の事です!!普段はキュートな見た目をしてますかま、戦闘態勢に入ると巨大なクマの姿に化けるのです!!凄いでしょ!!うぷぷぷ〜!!」

    赤松「いやぁ・・・あの・・・そこじゃなくて・・・」

    モノクマ「ああもう!!赤松さんもシャイな女の子なんだね!!分かるよ、そうでも無い相手には直接好きとか可愛いとか言えるけど、本当に好きな相手には面と向かってそう言うこと言えないってやつだよね!!わかるわかる!!僕はカワイイが過ぎるので恋に堕ちてしまうのも無理はありません!!さぁ!!恥ずかしがらずに言っていいんだよ!!モノクマカワイイ〜ってね!!」

    赤松は呆れて涙目になってしまう。

    赤松「うぅ・・・違うのモノクマ!!そうじゃないよ・・・私は世界史の授業では超世界級の魔女は【今も眠っている】って習ったけど、モノクマがその使い魔なら、超世界級の魔女は今も起きてるって事?」

    モノクマがニヤリと歯を見せる。
  37. 37 : : 2022/07/13(水) 21:40:11
    モノクマ「ご名答だよ赤松さん!!とゆうかそんなことより、こんなカワイイ僕に目もくれず超世界級の魔女に興味を持つなんてありえないよ!!僕の調査ではこの国はケモナーが多いはずなのに!!」

    赤松がモノクマの言葉も聞かずに話を続ける。

    赤松「嘘でしょ・・・じゃあこの世界の皆が認知してる事実と全く違うじゃん・・・。世界の魔女が起きてるなら、また絶望して世界を消滅させようとするかもしれないって事!?」

    食い殺した男達の血で染った路上の換気扇にいつの間にか座って短い足をブラブラと遊ばせているモノクマが首を傾げる。

    モノクマ「絶望?消滅?さっきから赤松さんは何を言ってるの?とりあえず今言える事実は、超世界級の魔女は元気って事ですよ!!毎日ベッドでゴロゴロしてます!!そして僕もゴロゴロしています!!」

    モノクマが自慢げに自慢出来ないことを話す。

    赤松「へ、へぇ・・・随分楽しそう・・・」

    赤松はガックリと白目をむいて首を下に向ける。

    モノクマ「まあ井戸端会議もここまでだよね!!こんなにカワイイ僕がわざわざ出向いたのには訳がありますからね!!赤松さんとこのヘバッてる大和田君に【招待状】を渡す為なのです!!」

    そう言ってモノクマはストンと地面に足をつけくるりと一回転しながら赤松に【1枚の手紙】を差し出した
  38. 38 : : 2022/07/13(水) 21:46:44
    赤松は手紙を開け中の紙に目を通す。

    【3日後に「魔女の館」に3時に来なさい「超世界級の魔女より」】

    そう書かれた手紙には謎の住所と地図も書いてあった。

    赤松は顔を顰めモノクマの方を見る・・・

    がモノクマの姿はもうそこには無かった、驚く事に死体も全て消えていた。

    赤松「何だったんだろう。私、幻でも見てたのかな、怖いな・・・あはは・・・」

    モノクマの消えた跡には幽かな血の臭いと黒い霞だけが不気味に残っていた。

    幻ではない、現実だと言わんばかりに手紙が手元に握られていた。

    赤松「そういえばモノクマ、なんで私の名前知ってたんだろう、名乗った覚え無いのにな・・・」

    赤松の思考をかき消すように黄昏が街に影を産み始めていた。

    もうすぐ日が暮れるので赤松はそのまま警察庁の魔取の部屋へと戻り、私服に着替え、色々と分からないまま不安と疲労でクタクタになり家に帰宅するのだった。
  39. 39 : : 2022/07/13(水) 21:57:42
    赤松は自宅の鍵を開けドアを引き中に入る。まだ午後7時なのにも関わらず家の中は真っ暗で誰も居ない。

    赤松「・・・・・・ただいま」

    独りぼっちの玄関で明かりひとつ無い廊下に向かってボソリと赤松は呟いた。

    お気に入りのピンクのスニーカーを脱ぎ捨ててリビングに入る。照明を付けると臭いを放つゴミ袋の山が目に入ってきた。

    赤松「・・・・・・捨てといてって言ったのにな」

    赤松はテーブルの上にポツリと寂しく置いてあるカップ麺に電子ケトルで沸かしたお湯を注ぎ、音1つ無い寂しいリビングで食べた。

    ゴミを捨て、赤松は階段を上がり水色のドアをした自分の部屋へと入る。

    中は桃色のカーペットと白い机、黒いベッドには薄ピンクの布団が敷いてある。

    棚にはピアノのコンクールで取った様々な賞のトロフィーが飾ってあり、横には笑顔でトロフィーを持ってピースをして写っている、小学生の頃の赤松の写真が貼ってあった。

    赤松はその写真を憂鬱な表情で見つめた。

    赤松「・・・・・・お風呂でも入ろう・・・」
  40. 40 : : 2022/07/13(水) 22:02:15
    赤松は湯船に浸かりながら考える。ただのモノクマという1人の能力者のイタズラなのかと。

    赤松「世界の・・・魔女・・・」

    話でしか聞いた事のない伝説上の存在からの手紙に赤松は奇々怪々な思いだった。

    赤松「モノクマのイタズラなのかなあ?でも・・・なんだか魔法犯罪の匂いもするんだよなぁ・・・」

    ぶくぶくと口を風呂水に浸け息を吹き泡を立てる。

    赤松の魔取の勘が嫌な予感がすると告げている。

    シャワーをあび風呂から上がり部屋へと戻る。

    ベッドへそのままダイブしゴロゴロと人形を抱き抱えながら赤松は夜を過ごす。

    赤松「人形・・・か・・・お母さん・・・結局帰って来なかったな・・・」
  41. 41 : : 2022/07/13(水) 22:04:58
    赤松の家は母と赤松の二人だけだった。父は物心ついた時から居なかった。

    理由なんて知らないし、知りたくもない。

    母の帰りはいつも気まぐれでいつ帰ってくるのかも分からないので、実質赤松の一人暮らしだった。

    珍しく今日の朝は居たが、一言も話さず出て行き帰らなかった。

    その事実に赤松はショックを受ける。と、同時に昔の事を思い出していた。
  42. 42 : : 2022/07/13(水) 22:13:34
    赤松「ねぇ、お母さん・・・今日ね、テストで100点を取ったの・・・先生も凄いって言ってくれたよ・・・」

    赤松は100点と花丸の書かれたテスト用紙を母に見せる。

    「・・・・・・・・・そう」

    そう言って母はメイクをする作業に戻る。赤松は涙目で下を向いた。














    赤松「お母さん・・・1ヶ月連続で100点だったよ・・・」

    「・・・・・・忙しいから、あっちへ行って」

    赤松「・・・・・・はい・・・」














    赤松「ねぇお母さん!!ピアノのコンクールで賞を取ったの!!一番だよ!!楓、一番になったんだよ!!」

    赤松は必死に母に報告する。引きつった笑顔で縋りついて笑う。

    「・・・・・・頼むからお母さんの邪魔しないで」











    しかし、赤松の求める答えが返ってくる事は1度もなかった、それでも赤松は諦めなかった。それでも赤松は頑張った。











    赤松「お母さん!!お部屋ぜーんぶ綺麗に掃除しておいたよ!!すごいでしょ!!ピカピカだよ!!ほら!!」

    「勝手に部屋に入ったのね、本当に悪い子!!」

    赤松「痛い・・・痛いよ・・・」

    赤松は何回も叩かれた。ポロポロと声の出ない涙が零れる。
    それは小学生の赤松にとってはあまりにも残酷過ぎた。

    「泣いてないで、さっさと部屋に戻りなさい!!」

  43. 43 : : 2022/07/13(水) 22:29:55
    最初は厳しいだけだと思っていた、いつか優しく頭を撫でてくれる。赤松はそう信じていた。

    しかし、中学に入っても母は変わらなかった。












    赤松「ねぇお母さん!!ピアノの全国大会で優勝したよ!!日本で1番になって新聞にも載ったんだよ!!」

    赤松「いっぱい・・・いっぱい練習したんだよ・・・だからっ!!だからっ!!」

    練習のやり過ぎて痣だらけになった指で、ストレスで傷つけて包帯だらけの腕で、赤松は母の肩を揺さぶる。

    しかし願いは叶わない。

    「お母さんは男の人と会う約束で忙しいの!!準備してる時になんなの!!鬱陶しい!!」











    「あんたなんて、産まなきゃよかった!!」












    褒めて欲しかった。笑顔で笑って抱き締めて欲しかった。

    ただ、それだけだった。

    苦しかった。辛かった。何度も泣いた。
    トイレに辛さを何度も吐き出した。
    それでも頑張った。
    願いが叶う日が来ると信じて、必死に頑張った。












    でも、もう限界だった。















    赤松「・・・ねぇ、お母さん・・・痛いよ・・・苦しいよ・・・このままじゃ・・・死んじゃうよ・・・」











    わざと自分の顔面を叩いた。顔はボロボロになっていた。

    全身をカミソリで切り刻んだ。右腕もわざと折った。

    真っ赤な血のドレスを着れば、母は振り向いてくれると思った。











    「ほんとうに、気持ち悪い子供」













    もう何度も頑張っていた、血のドレスを着て自分を着飾っても、返ってきたのは愛情ではなく嫌悪だった。











    赤松「ねぇ、お母さん、私ね、警察官になるんだ。学生だけど特別に選ばれたんだよ。お母さん、ねぇお母さん。」

    赤松の目に光は無かった。ほぼ何もかも諦めていた。
    それでも最後に母に報告をした。現実より幻想を求めた。

    「・・・・・・もうお母さんに話しかけて来ないで」











    やっと赤松は気がついた。

    母にとって自分は

    ただの人形ドール なんだと・・・

    赤松の心は冷たく凍った、まるで氷の様に。













    能力者についての資料に関して以下の記述がある。

    能力を発病する人間は、心に何らかの【絶望】を抱えている場合が多い。

    そしてその能力は【本人の絶望と深く関係している】事が判明している。











    赤松は、暗い部屋で鏡を見て呟いた。


    「私は、氷の人形だ」










    赤松は両手で自分の首を締める、そして苦しくなって嗚咽を吐く。

    赤松「どうせだれも私の心配なんてしてないんだし、この手紙を信じて行ってみるのもアリかな、一応仕事だし・・・」

    赤松「・・・・・・あはははははははははははははははは!!」

    赤松は睡眠薬を大量に飲み、深い眠りについた。
  44. 44 : : 2022/07/13(水) 22:30:34
    赤松のSAN値は低めに設定してあります

    じゃあ続きはまた今度

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