このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
強いといいって訳じゃなく エレンチート #2
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- 1 : 2021/07/23(金) 18:09:02 :
- やあ
このスレは続編
#1を読んでない人は、先にそっちを読んでね
ちなみに、まだスレを立てただけで、本文は明日から書くよ
ほなまた
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- 2 : 2021/07/24(土) 14:17:26 :
- こんにちは
夏休みの課題って意外に楽しいよね
でわ本文
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- 3 : 2021/07/24(土) 14:43:41 :
- あの日から2年半。エレンは未だに、巨人の巣窟となったシガンシナで生きていた。
「フッ...フッ.....」
荒れた地にかろうじて残った一本の木に、少年の傷ついた拳が淡々と打ち付けられる。エレンは荒廃したこの場所で、巨人と調査兵団の目をかいくぐり、静かに暮らしていた。ときには自らの拳と、一本の鉈で巨人を刈った。
(強く....もっと強く...)
(そして...調査兵団に....!)
あの日から、罪なき命を奪った巨人を、エレンはひどく憎むようになった。そして当然の様に、調査兵団への入団を目指した。本来、訓練所を通過しなければ、調査兵団への入団は不可能である。しかしこのときの調査兵団は、過度の人員不足のため、15歳になる青年たちの外部入団試験を設けていた。この試験が、とんでもない戦力の確保に繋がるとは、調査兵団上層部も予測していなかっただろう。
(巨人を....殺す...この命が終わるまで...!)
いつしか巨人殺しは、エレンの生きる理由となった。
そして------
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- 4 : 2021/07/24(土) 14:50:09 :
- 「おめでとう...これで、調査兵団の仲間入りだ...」
エレン14歳の春。外部入団試験により、彼を含め12人の名も無き新兵が調査兵団に入団した。
「地上最強の鬼」始まりの一歩である
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- 5 : 2021/07/24(土) 14:51:31 :
- また後で
じゃ
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- 6 : 2021/07/24(土) 17:21:20 :
- 百人あまりの青年たちが、調査兵団がもつ敷地の一角に集められた。毎年恒例、教官キースによる新兵の「洗礼」である。
「貴様、名を名乗れ!」
「はい!シガンシナ区出身、アルミン・アルレルトです!」
列の後ろまで響き渡る太い声と、それに続く、細く甲高い男の声。
「はっ、女の様な名前だな!親が付けたのか?!」
「いえ!祖父が付けてくれました!」
調査兵団とは、何の関係も無いやり取りがなされる。これが「洗礼」。教官からのの圧力にどれだけ耐えられるか、精神面を見極める大事な恒例行事だ。
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- 7 : 2021/07/24(土) 17:30:50 :
- なんか調査兵団の設定や時系列がおかしいので訂正します
「外部入団試験」は「訓練兵入団試験」とし、
「財力に余裕が無い者が実力だけで訓練兵になれるもの」にします
つまり、エレンはまだ訓練兵ですね
以上訂正です。お騒がせしました。
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- 8 : 2021/07/24(土) 17:46:56 :
- 「お、やってんなー」
「あー、昔を思い出しますね」
二人の教官が思い出話に花を咲かせていると、キースの怒号が響いた。
「貴様...何をしているっ!」
「...へ?」
教官の視線の先には、長い髪をたかく結った女がいた。
「貴様だ貴様!何をしている!!」
その女。きっと度胸があるかとんでもない馬鹿のどちらかだろう。なぜって、教官に収集されているのにも関わらず、口いっぱいにパンをほおばっているからだ。
「外だ!そとで10週!走ってこい!」
「えぇっ!?そんなぁ.....」
当たり前の結果である。
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- 9 : 2021/07/24(土) 18:03:39 :
- 訓練兵たちにも少し余裕が出てきて、淡々と洗礼は進んだ。そんなとき
「次!貴様、名を名乗れ!」
「はぁ...えと....シガンシナ区出身、エレン・イエーガー...です..?」
怠けた態度に、自分の発言に自信の無い少年の番である。
「声が小さい!貴様は相当甘やかされて育ったようだ!」
「....は?」
エレンの反抗的な態度に、教官を含めその場の全員が困惑した。
「甘やかされたやつの声が.....小さくなるんですか....?」
「なにをっ....」
「声が小さいのは...親にも否定されて....自信の無いやつじゃないですか?」
否、反抗ではなく、ただ素朴な疑問を投げかけているだけであった。エレンは社会を知らない。「空気を読む」という一種のマナーさえも、全く知らないのだ。当然...
「10週してこい!!」
「え....」
「早く行け!!」
....こうなる
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- 10 : 2021/07/24(土) 18:37:23 :
- 「洗礼」終了後、訓練兵の大半が食堂に集まる。一つ修羅場をくぐった青年たちが、同じ年の者同士、初めて顔を合わせる。あちらこちらで、和気あいあいとした話し声が聞こえる。ここもその一つ。
「なぁ!自己紹介と行こうぜ!」
頭を丸めた男が持ちかける。
「俺様は天才!最強!そして博識のコニー・スプリンガーだ!」
「ついでに心臓が右にあるんだよなー」
背が高く、そばかすの女が茶々を入れた。
「なんだぁ?!てめぇ!」
「アタシか?アタシはユミル--...まぁ、ユミルとだけ言っておくよ」
「そんで....」
「わわっ!」
ユミルが、金髪で可憐な少女を抱き寄せた。
「こいつはクリスタ。クリスタ・レンズ。アタシの嫁さ!」
「ちょっと!ごめんねみんな、冗談だから。改めまして、クリスタ・レンズです!よろしくね。」
ちらほらと笑い声がきこえた。
「次は...オレか」
ガタイのいい男が颯爽と立ち上がる。
「ライナー・ブラウンだ。まあ、仲良くしてくれ。そんでこいつは...」
「ベルトルト・フーバーです。よろしく」
背の高い男が、丁寧に、何とも覚えにくい名前を名乗った。
「そして彼女は、アニ。アニ・レオンハート。僕ら三人は幼なじみなんだ」
「....どうも」
ベルトルトに促され、背の低い女が無愛想に挨拶をした。
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- 11 : 2021/07/24(土) 19:11:39 :
- そのとき、食堂の扉が勢いよく開いた。はいってきたのは
「もう...限界..だれか....パァンを....ぐふ」
あの髪を高く結った女だった。
「あの....ぼくのパンでよければ」
一瞬、女に見間違える程にきれいな少年が、倒れた女にパンを差し出す。
「...パァンっ!!」
女はものすごい勢いで、パンにかじりついた。女はパンを一瞬でたいらげると、少しなまった音程で喋りだした。
「...はぁっ!ごちそうさまでした!あっ、私サシャ・ブラウスと申します!パンを恵んでくださって、ほんっっっっっっとうにあり-----」
「で、その優しいやつ。名前は?」
サシャが言い終わる前に、遮るようにライナーが聞いた。
「優しいなんて!そんなことないよ。僕はアルミン・アルレルト。よろしくね」
「で、彼女は...」
「私はミカサ・アッカーマン。アルミンには、私の許可無く近寄らないで。よろしく」
「ちょっと、ミカサ....」
クリスタのときとは打って変わって、皆苦笑していた。
「よし!次は俺----」
男の言葉を遮って、今度はゆっくりと食堂の扉が開いた。
「ふぅ....」
入ってきたのは、エレンである。
あ、遮られた男の代わりに。彼はジャン・キルシュタイン。つい先ほど、ミカサに一目惚れをした馬面。
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- 12 : 2021/07/24(土) 19:13:02 :
- きょうはここまで
訂正があって申し訳ない
以後気をつけます
ほなまた
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- 13 : 2021/07/26(月) 15:03:45 :
- こんにちは
昨日は投稿できなくて申し訳ない
でわ本文
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- 14 : 2021/07/26(月) 15:42:09 :
- 静かだったにも関わらず、サシャのとき以上にエレンは視線を浴びた。それもそのはず。エレンは服を肩に掛け、上裸で入ってきたのだ。とても15歳には見えないその完成された体に、女子はもちろん男子さえも魅了されていた。
「おい!お前何様だよ!?」
そんな中、ジャンだけが唯一彼にとらわれなかった。自分の見せ場を奪われた怒りが、ジャンを突き動かした。
「...ん?」
エレンは眠たい目でジャンを見て、不思議に思うように首を傾げた。
「なにすました顔してんだぁ?!俺の見せ場奪ったくせによ!」
「....しらねぇよ...んなもん」
確かに、これは誰が見てもジャンが変にキレているように見ええる。しかしこの男、こうゆうときは人一倍自己中な奴であった。
「てめぇ...!」
ジャンがエレンの胸ぐらを掴む。ジャンの方が背が高かったため、エレンはつま先立ちをする形になった。
「...あの...苦しいぞ?」
「黙れよ!舐めた口ききやがって、この....」
ジャンから、大きく振りかぶった拳が繰り出される。ふと聞こえる仲裁の声。かまわずジャンの拳は、エレンの顔面めがけて一直線に進む。ごつっ..と鈍い音が聞こえて、エレンは鼻血を出していた。ジャンは...
「ん...ゔぅ....ぐ..」
地面に膝をつき、うめいていた。その場のほとんどが、何が起きたか分からずに惚けている所、驚きの表情を見せた者が二人。
(みぞおちを、殴った....!)
(シンプルだけど...早いね..)
ミカサとアニ。この二人だけが、エレンの拳をかろうじて目視した。
うめくジャンを横目に、エレンは平然と昼食を受け取り、ジャンの元いた席に座った。ジャンは、マルコという男に医務室に運ばれた。
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- 15 : 2021/07/26(月) 15:56:29 :
- 「あの...これよかったら...」
静寂を、クリスタが破った。おずおずとエレンにハンカチを差し出した。
「....あー..どうも...?」
そういってエレンはハンカチを受け取り、垂れ流しの鼻血を拭った。そして、クリスタに続きアルミンが切り出した。
「あの、さっきは止められなくてごめん..」
「...別に、気にしてないよ...」
黙々と口にパンを運ぶエレン。何か視線を感じているが、正体はサシャである。
「...あの!君、名前はなんて言うの?!」
「...そんなはりきって聞かなくても....エレン・イエーガーです...どうぞよろしく....」
エレンはその後も、食事を続けた。彼らの会話は続くことなく、最後にはそのまま、皆宿舎に戻って行った。
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- 16 : 2021/07/26(月) 16:32:48 :
- 消灯前、女子宿舎の内一部屋。ここでは、エレンの話題で持ち切りだった。
「何が起きたのかな?」
「さぁな。あらかたとんでもない早さで殴ったりしたんじゃねーの。」
興味が絶えないクリスタを、ユミルが軽くあしらう。部屋の片隅には、答えを知ってる二人。
(とっさの判断...だったのかね...)
(きっと.....ものすごく強い..)
こちらはこちらで、布団の中で悶々としていた。
「それにしても、とんでもねぇ体だったな。」
「あっ、ユミルも思った?すごかったよねー」
こんな調子で、女子たちの夜は更けて行った。
一方、男子宿舎では...
「何が起きたか分かった?」
「いや、てんで見当もつかん。アルミンはどうだ?」
「うん、たぶん殴っただけ...じゃないかな?ジャンもお腹を抱えていたし」
女子以上に、エレンのことで盛り上がっていた。
「でもよー、腹殴っただけでこんな夜まで医務室って、変だろ?」
コニーが納得のいかない顔で問うた。そこにライナーがすかさず返す。
「アイツの体見ただろ。あれなら殴っただけって言っても、何の不思議も無いんじゃないか?」
「...そっか!」
「それにしてもすごいよね..何かやってたのかな?」
そんな会話が続く中、部屋の扉が開いた。
「....あ」
まさかのエレン同室。男子は女子より数が多いため、一部屋あたりの人数も多いようだ。
「エレン...くん!あの、仲良くしようね!」
「あぇ...?あー...うん、了解?」
(仲良くするってどうやんだっ?!)
アルミンの計らいによって、エレンは少し皆の輪に入れたようだ。こんな風に、初日の夜は過ぎて行った。
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- 17 : 2021/07/26(月) 16:35:24 :
- 今日はここまで
別に毎日投稿なんて決まりは無いですが、投稿できない日もあります
ご了承ください
ほなまた
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- 18 : 2021/07/30(金) 19:53:28 :
- お久しぶり
夏バテしてるよ
明日から投稿再開するよ
ほなまた
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- 19 : 2021/08/01(日) 17:19:28 :
- 先日は嘘をついてしまい本当に申し訳ない
急な発熱には敵わなかったよ
ということで本文
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- 20 : 2021/08/01(日) 17:41:08 :
- あれから数日。訓練兵達は、少しずつ仲を深めていく。そんな中で、一人葛藤する者がいた。
(....どうしよう..)
(仲良くするって...具体的に何するんだ...)
(そもそも...しなきゃいけないのか!?)
エレンは、あれからアルミン達一行を避けていた。小さい頃の記憶と言っても、母の看病に手を焼いたことぐらいしか無いエレンにとって「仲良くする」ということは、巨人討伐よりも頭を悩ませるものであった。
「...しかしなぁ..」
顔をしかめつつ食堂に向かうエレン。そこに鉢あわせたのは
「...あ。...あんたは...」
「...あっ!エレン..君?だよね?」
クリスタだった。彼女はかろうじてエレンと会話したことのある唯一の女子だ。
「..クリスタさん...でしたっけ?...こないだはハンカチどうも」
「あ!いえいえどういたしましてっ!」
たどたどしいエレンの感謝に、明るい笑顔でクリスタが返す。
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- 21 : 2021/08/01(日) 18:17:21 :
- それからは特にこれといった会話はなく、二人は一緒に食堂に向かった。
「...あの..どうぞ..」
エレンが扉を開け、クリスタに先に通るよう促す。エレンはこの数日で訓練兵達をひたすらに観察し続け、多少の常識や礼儀を覚えた。これもその一つである。
「...ありがとう!」
エレンの行動に驚きつつも、クリスタは食堂の中へ。そこで真っ先にクリスタのもとに飛んでくる影があった。言わずもがな、ユミルである。
「遅いぞクリスタ!?どこかに消えたと思って心配したんだぞ!?」
「ごめんごめん!ちょっとね。」
そこに遅れて、エレンが入室。
「..ん?おいてめぇ!まっ..まさか私のクリスタに手ぇ出してねぇだろうな?!」
「....はい?....あのどちら様でしたっけ..?」
ユミルがエレンを睨みつける。エレンの態度がどうやらユミルの癇に障ったようだ。
「ねぇユミル!やめてよ...!」
「クリスタはいいから!...なぁてめぇ!今後クリスタに私の許可無く近づいてみろ....ぶっ殺してやる!」
黙り込むエレン。食堂がざわめき始める。
「何とか言えよ!...それともあの馬面みたいに私を殴るか?!」
「....分かった。...今後クリスタさんには近づきません。すんません...」
「....あ?」
全員が驚愕した。当のユミルでさえも。
「別に...近づきたいとは思わね..です」
「あと、俺はやられなきゃ殴りも蹴りもしない...です?」
そう言ってエレンは昼食を受け取り、アルミンの横に座った。
「...ユミルの馬鹿!!」
「えっ!?なぁクリスタ!?」
「・・・・」
クリスタはユミルを無視し、一人で昼食を食べる。
(せっかく仲良くなれると思ったのに..ユミルったら)
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- 22 : 2021/08/01(日) 18:33:10 :
- ユミルがクリスタに泣きついている一方、エレンの方は。
(これでよかったのか..?)
(別にクリスタには今後近づかないとして...敬語?とかあれでよかったのか?)
(しかしあのそばかす女、ユミルってゆうのか)
いかにも他人事のようである。
「ねぇ、エレン君」
「.....ぇあ!?」
アルミンが話しかけた。
「あの..大丈夫?」
「なにがだy..です?」
「あんな風に言われて。」
「別に何ともないっす。」
「そっか...。あ、別に敬語じゃなくていいよ」
「あ、そう?なら助かるよ」
二人の中が着々と深まっていることを、当のエレンは気づいていない。この後、ミカサがエレンに対しての警戒心をほどくのに時間がかかったのは、別のお話。そして、波瀾万丈の昼食が終了し、訓練の時間がやってくる。
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- 23 : 2021/08/01(日) 18:35:13 :
- 本日は以上
体調管理は大切ですね
明日以降投稿を続けられたらいいな
ほなまた
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- 24 : 2021/08/15(日) 22:57:06 :
- とても面白いです!期待!
続き待ってます!
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- 25 : 2021/08/16(月) 07:23:42 :
- 頑張ってください
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- 26 : 2021/09/16(木) 20:52:00 :
- コロナってあんな辛いのね。
ということで明日から復帰したいな。
がんばるぞい
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- 27 : 2021/09/18(土) 17:20:18 :
- さ、やっていくべ。
てことで本文
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- 28 : 2021/09/18(土) 17:45:53 :
- 訓練兵団敷地内の一角。そこに、数十名の青年達の姿があった。
「これから、立体機動装置の適正確認を行う」
キースの声に全員が耳を傾ける。まあ、中には姿勢だけの者もいるが。
「これから君らに、このベルトに座ってもらう」
「不安定なこのベルトの上で、体制をキープしろ。これが出来ない様では、戦場で何の意味ももたない屑になる」
先日とは打って変わって、落ち着いた、なおかつ重い威圧感のある喋り方だ。一方訓練兵たちは、今までの座学にうんざりだった者が多かった様で、目を輝かせていた。
「それでは、一人一本ベルトを持ち、二列になってそれぞれ開始しろ」
一斉にざわめき、各々訓練兵たちが動き始める。
「ベルトねぇ.....」
「どうしたのユミル?」
「いや、こんなのが上手く出来たところで変わんのかな?。と」
ユミル達が他愛も無い話をしている今も、着々と確認が進む。
「うぁ....と、あぶっ....!」
苦戦する者
「よいしょ....」
多少のふらつきを見せる者
「ふぅ......」
(すごいな...ミカサは......)
微動だにしない者
それぞれの支柱についた教官が、それを紙に記していく。
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- 29 : 2021/09/18(土) 18:12:50 :
- するとある者に、注目が集まった。それは、大量の人に揉まれ困惑の色を隠せないエレンだった。
「君、次だぞ」
教官の一人がエレンに呼びかけた。しかしエレンは気づかない。
「おい、聞いてるか?」
「....!あ、はい!?」
エレンが謝罪を述べながら、支柱へと歩く。食堂の一件があったために、エレンへの注目は凄まじかった。しかし当の本人はそれに気づく様子も無く、自身の腰にベルトを巻いていく。
(お手並み拝見だね.....)
「エレン、頑張れ!!」
「ん?....おぅ」
アルミンの声援に、ぽそりとエレンが応えた。ハーネスが軋む。支柱が少し地面に沈む。数ミリ、エレンのつま先が宙に浮いた。瞬間、エレンの顔が少し歪み、体は思い切りのけぞった。
「.....ぅおっ!?」
ベルトが揺れる。失敗も失敗、大失敗である。あきれる声や、ため息が聞こえた。
-
- 30 : 2021/09/18(土) 20:19:08 :
- 「.....あ?」
惚けているエレンに教官の声が降る。
「はぁ...いいよ君は。一旦次に移ろう」
嘲笑やため息に混じって、数少ない心配の声が聞こえた。それが、意外に負けず嫌いのエレンに火をつけた。
「...あ、あー.....っと。もう一回やります....」
「は?いや、変わらないよ?」
教官の静止を無視して、エレンは支柱を掴み体を起こした。
(油断しちまった。もう一回だ)
(体重を掛けた瞬間、バランスとは関係なしにハーネスが動いた)
(まあそういう使用だろ。ともかく)
(そのときのインパクトで、ベルトががくんと下がる)
(そいつを体で受け流しゃいい)
ぐるぐると考え、さあもう一度。体の力を抜く。ハーネスの揺れに構える。腕の遠心力を使う。
(エレン....!!)
ハーネスが動く。ベルトは下がる。さっきよりも大きく。
小さな波が、皮膚を、骨を伝わり、次第に小さく。いいぞ、そのまま。彼の体は、彼の味方だ。
「....おいまじかよ」
すんなりと、エレンは乗りこなす。ピタリと、動かない。
「貴様....何をした」
-
- 31 : 2021/09/18(土) 20:20:08 :
- とりあえず今日は終わり
バイバイ
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- 32 : 2021/09/21(火) 17:18:12 :
- やっていこ
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- 33 : 2021/09/21(火) 17:35:32 :
- 一部始終を見ていたキースが、エレンに問うた。
「え...何ってこの通り、姿勢のキープを.....」
「違う。何故そんなことが出来るのかと聞いているんだ!」
エレンだけでなく、その場の訓練兵全員が首を傾げた。すると一人の教官が続けた。
「あのね、君のベルトのハーネスは歪んでるの!だから変わらないって言ったんだけどな....」
「あぁ...壊れてたのか、これ。どうりで...」
先刻の様な嘲笑は無く、驚愕と期待の眼差しがエレンに向けられる。
「それを貴様は....何事も無かったかの様に乗りこなした。相当のセンスと言えるだろうな...」
「はぁ。....えと..もう終わっていいすか?」
エレンのまるで他人事の様な態度に、その場の全員が唖然とした。これ以来、エレンの食堂事件とベルト伝説は、一時の噂となった。そしてそれは、調査兵団の耳にまで届いた。
-
- 34 : 2021/09/21(火) 18:08:42 :
- 「なぁリヴァイ」
栗色の髪を高く揺ったメガネの女が、リヴァイを見下ろした。
「今期の訓練兵の中に、ヤバい子がいるらしいよ?」
「...あ?」
見下ろされていることを不服に感じながらも、リヴァイが返した。
「なんでも、しょっぱなから一人医務室送り。それも半日だよ!?」
「さらには歪んだハーネスで姿勢キープ!こりゃ君も地位が揺らぐねぇ」
にやにやと女がリヴァイを煽る。
「..馬鹿が。そんな奴いたら、人間じゃねえだろうが」
「ま、噂だしねー」
するとそこへ、金髪で背の高い男が声をかける。
「おや、ハンジにリヴァイ。なにを話していたんだ?」
「あ、エルヴィン聞いてよ!今期の訓練兵、すごいってさ!」
「こいつ噂を真に受けてやがる。気にすんな」
二人が軽く言い合い始めたのを見て、エルヴィンが何やら考える。
「どう思うエルヴィン!?」
ハンジが勢いよく聞く。
「....そうだな。..なら行ってみるか、二人で」
「...へ?」
聞き返すハンジと、察してあからさまに嫌そうな顔をするリヴァイ。
「実際に言って確かめてきなさい。噂の真偽はもちろん、今期は他にも優秀な兵士が多いと聞く。それも、視察してみたらどうだ?」
「...いいねそれ!行こうリヴァイ、訓練所!」
「....馬鹿かよ」
ということで、ハンジとリヴァイの訓練所視察が決定した。この視察、後に調査兵団を救う鍵となることを、このときリヴァイは知らない.....
To Be Continued....
-
- 35 : 2021/09/21(火) 18:12:44 :
- ということで、♯2終了です。
次スレ、リヴァイとエレンが対面となります。
ではまた
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- 36 : 2021/09/22(水) 17:29:11 :
- おまけ1
ー『美小女の悩み』ー
ユミルは、私を大事にしてくれた。友達のいない私に、気さくに話しかけてくれたの。
「...はぁ」
ユミルがエレンにあんなことを言ったせいで、エレン君が私を避けている。当のユミルは
「なあクリスタ、アタシが何したってんだよ...。無視しないでくれよ...」
こんな調子で反省する様子は無い。嫌いになった訳ではない。一言「ごめん」と反省してくれれば、すぐに許したのに。ユミルが反省しない限り、私は口をきかないんだから。それより今はエレン君のほうだ。なんとか、ユミルの言葉は気にしないでっ、て伝えないと。
「....でもなー」
彼は変に素直な人だと思う。だから、私が話かけても口を開いてくれないかもしれない。あぁ..もう!全部ユミルのせいだ!
(ぐるぐる考え込むのは終わりにしなきゃ。だめで元々だもん)
そう思って私は、エレンを探しにいった。部屋を出るとき、ユミルの声がかすかに耳に触れたけれど何も言わなかった。
「....エレン君」
裏庭にいたエレン君に、肩で息をしながら話しかけた。
「あ...クリスタさん。どうしたんですか、ユミルに怒られますよ」
「え...」
驚いちゃった。だってすんなり返してくれたから。てっきり何も言わない彼に、私が喋るだけになると思ってた。
「私と、話してくれるの...?」
「....だってあなた自身は、俺を拒んでないでしょう?」
丁寧にエレンは返してくれた。そんな自分の感情に素直な彼に拍子抜けして、思わず笑みがこぼれた。
「....ふふ..あははっ!....優しいんだね..」
「...いや。..優しいのはあなたの方ですよ」
「...ありがと。遠慮しないで!敬語である必要なんてないんだからね!?」
エレン終止これと言った表情を見せなかったけれど、この時だけ気が抜けたように少し微笑んだ。
「これからは友達!...でいいよね、エレン!?」
「...あー。..はは、慣れるよう努力するよクリスタ」
「努力」なんて言葉に、彼のふとした優しさを感じた。
「ふぅ...それじゃ私、ちょっと行ってくるね」
「あぁ」
そう言って私は、自分たちの部屋で待っている彼女のもとに急いだ。「またな」なんて律儀に返す声に、一度だけ振り返って。
ー数日後ー
「ユミルー!急がないと席埋まっちゃうよ!?」
「おう、今行くよ...ってなんで死に急ぎ野郎がいんだよ..」
「おう...相変わらずだな、ユミル..」
「私が誘ったの!ほら行くよ!」
食堂では、いつもの二人に不似合いな、男の姿があった。
The End...
-
- 37 : 2021/09/22(水) 17:31:15 :
- エレンハーレムにします?
何か意見あったらお願いします
-
- 38 : 2021/09/24(金) 19:50:41 :
- おまけ2
ー『不器用な二人』ー
「エレン、スプーンはこう持って!」
「...おぅ..」
最近、アルミンがあのエレンという男に付きっきり。本人が楽しいなら構わないけれど、この男、どこか掴めない。あれだけ強いのに、それをひけらかす様子は無いし、とても謙虚である訳でも無さそう。平凡と行ってしまえばそうなのかもしれないけれど、あの強さはそれだけで説明がついていい代物じゃない。
「...アルミン。そいつにあまり近づかない方がいいかも」
「ミカサ...。エレンは悪い人じゃないよ」
「いい人かどうかは...これから知るんだ」
そこが重要なのに。未知である彼を警戒するにこしたことはな
い。だからなるべく近寄らず、なにかエピソードが出来るまで観察することにした。
ー翌日ー
「あ、ミカサ..さん。どうも..?」
「あなた、何者?」
最初はこれに限る。何者かを知る必要は無い。ただ、この反応で大抵の人柄は捉えられるし、何か隠していたら、それはそれでうろたえるから。
「はい?...特にないも無い普通の訓練兵だ...ですよ?」
「...そう」
どうやら敬語が苦手の様。何か隠しているかは..正直分からない。この質問にあの眠たい目で応えられると、いろいろ混乱してしまう。
(ひぃ..殺しの経験ありとは言えないな)
この後、一日観察をしてみたけれど、これと行って怪しい行いは無かった。
ー1週間後ー
(...変わらない)
もしかすると、エレンは本当に見たままの人間なのだろうか。そろそろ観察も切り上げようとしたその日、ちょっとした事件が起きた。
「外で喧嘩だ!エレンとジャンがまたやってる!」
食堂事件以来の喧嘩。やいのやいのと皆が外へ集まる。この喧嘩のいきさつや結果によっては、アルミンをエレンから遠ざける必要があるかもしれない。そう思い私は食堂を後にする。
「...てめぇ、皆にちやほやされていい気になりやがって!」
ジャンの声が響く。けれど、殴り合いは始まらない。ジャンはエレンに敵わないと分かっているのだろう。だからきっと、討論に持ち込んだ。
「知らねぇよ。...第一最初にお前が俺に突っかかったから注目されるハメになちまったんだ」
「いいや!俺は断じて悪くねぇ!それに、てめぇは俺を殴ったよな!?開拓地行きだぜっ!」
確かに、エレンはジャンを昏倒させたけれど、あの時はどう考えてもジャンに非がある。この場にジャンの味方はほとんどいなかった。
「...あの、それだけならもう終わっていいかな。腹へってんだよ」
「あぁ!?良い訳ねぇだろ!?」
「...うはぁ、面倒な奴」
「...このっ..!!」
遂に、我慢の限界と言わんばかりにジャンがエレンに殴り掛かった。誰もが前回と同じ結末を予想した。ジャンの拳がエレンの頬を殴り抜けた。
「痛っ...!」
座り込んだエレン。立ったままのジャン。予想外の状況に、当のジャンでさえも困惑していた。
「痛ぇよ.....。気が済んだか?」
「...あ!?」
「これで気が済んだんならいい。あぁ腹減った」
そう言ってエレンは食堂へせかせかと歩いていった。ぞろぞろと群衆も散っていく。後ろで喚くジャンを宥める、マルコを残して。
その日の午後、水汲みをするエレンに鉢あわせた。いつもより自然体に見えた彼に、疑問を放った。
「昼、何故殴られたの」
「...気まぐれですよ」
軽くあしらう彼にもう一度。
「何故」
「...はぁ」
するとエレンはこちらを向いて、つたない敬語で語りだす。
「一度目、ジャンを殴った時です」
ジャンの名前を覚えていることを少し意外に感じた。
「その時、やけに心配そうにあいつを医務室に運んだ奴がいた..です」
「心配ってね、辛いんですよ。相手が身近であればあるほど」
何とも言えない表情だった。
「ジャンを心配する奴が辛い思いをするなら、心配する奴のいない俺が殴られた方が丸く収まるだ...でしょう」
「だからあれでいいんです。別に口の中切れたぐらいで死にゃしませんし」
「...あなたは」
「ん?」
「丸く収まる」なんて言い方をする。自分を心配されないって言う。心配する人の気持ちを優先できる、あんな形だけど。すごく不器用。そしてこの不器用を、私は知っている。
「..昔の、私に似ている....」
「...今は、違うんですね?」
「ならよかった...」
「...別に敬語である必要は無い」
本当に、どこまでも
不器用な人。
「アルミン..」
「なぁにミカサ?」
「エレンはいい人。...私が断言する」
「...僕も、そう..思うんだ」
The End...
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- 39 : 2021/09/24(金) 19:54:27 :
- じゃ、♯3でもよろしく。
Bye-Bye
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