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キース「第一回!104期首席争奪!?チキチキ大バトル大会ぃぃぃぃぃぃっ!!」
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- 1 : 2014/01/28(火) 19:48:31 :
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かつて、調査兵団団長を務めていた経歴を持つ伝説の教官、キース・シャーディス。
トロスト区訓練兵団において、巨人殺しの技術を指導する熱血教官である。
かつて伝説とまで謳われた彼の指導によって、訓練兵達は、各々様々な技能を身に付けていた。
彼の育て上げた優秀な訓練兵達が明日、卒業を迎える。
しかし、今年度は上位12名が同率首位のため、単独首席が存在しない。
毎年、首席で卒業した訓練兵には、卒業後に所属した兵団に置いて、
エスカレーター式に幹部へと上り詰めることができる権利が与えられるシステムになっている。
このままでは、この権利を誰が得るのかという事になり、12名が一触即発の雰囲気を醸し出していた。
そのため急遽、首席を決定するための一大イベントが決行された…
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- 4 : 2014/01/28(火) 19:55:06 :
~兵団施設の裏山洞窟内~
キース「よくぞ集まった、上位12名の訓練兵諸君!まずは無事、3年間の訓練課程を終えたことを祝福する!」
キース「だが!諸君らも知ってのとおり、今期は単独首席が存在しない!これは由々しき事態だ!!」
キース「そこで本日諸君らには、首席の座をかけて、正々堂々戦ってもらう!!この洞窟は、そのためのフィールドだ!!」
キース「貴様らはこの3年間、立体機動や馬術を差し置いて、何より戦闘訓練を重視して行ってきた!」
キース「その結果、現役時代の私にも負けない、立派な兵士へと成長を遂げた!!非常に嬉しく思う!!」
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- 5 : 2014/01/28(火) 20:00:11 :
キース「本日行うのは実戦形式、と言っても、訓練ではない!相手を殺す気で挑め!!その覚悟がない者は、今すぐここから去るがいい!!」
一同「…」シーン…
キース「誰も去る者はいないか。よかろう、それでこそ我が弟子たちだ!!」
キース「それでは、3年間私が叩き込んだ技術を行使し、相手を蹴落とし、今期の頂点を競い合え!!」
一同「はっ!!!」
キース「良い返事だ。ではこれより、要綱を説明する」
キース「貴様らの眼前には、1~12の番号が書かれた洞穴が存在している。そこから一つを選択し、各自先へ進め」
キース「その道の先は第1ステージとなっており、道の先で合流したもう一人と遭遇、そこで戦闘開始だ」
キース「勝者は先へ進み、第2ステージへと向かう。第2ステージの先は、決勝ステージとなっているからな」
キース「選んだ番号がどの道に続き、誰と合流するのかは、進まなければ分からない!相手が誰であれ、手を抜くことなく蹴落としに向かえ!!」
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- 6 : 2014/01/28(火) 20:05:12 :
~チョイスタイム~
エレン「さて、どの番号にするか…」
ミカサ「ここで番号を選ぶ意味はあまりない。誰であろうと、目の前の敵は倒すだけ」
アルミン「僕は慎重に選ばないと。いきなりミカサに当たっちゃったら、ゲームオーバーも同然だからね」
ジャン「初っ鼻からエレンと当たればいいな。速攻で蹴散らしてやるぜ!」
マルコ「そういうこと言わないの。あまり舐めてると、足元掬われちゃうよ?」
アニ「心配しなくても、私が掬ってあげる。物理的にね…」
ライナー「おぉ、怖っ!少なくとも、アニとはやりたくねぇな」
ベルトルト「僕はできれば真っ先に戦いたいな。厄介な相手は、先に潰しておきたいんだ」
コニー「どう頑張ったって、お前らは天才の俺様には勝てねぇよ」
サシャ「その言葉、後で後悔させてあげますよ!」
クリスタ「…」ゴォォォ…
ユミル「おぉ、気合入ってんなクリスタ。オーラが違う…」
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- 7 : 2014/01/28(火) 20:10:11 :
キース「番号選びは終わったようだな。貴様らの戦い、見届けさせてもらうぞ」
キース「これまでの訓練で私に恩義を感じているとしたら、そんなものは不要だ!!」
キース「もし、どうしてもというのなら、結果で示せ!!それこそが、私の最高の喜びとなるであろう!!」
一同「はっ!!!」
キース「それでは、第1回!104期首席争奪!?チキチキ大バトル大会…」
キース「…開始っ!!!!」
一同「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!」
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- 8 : 2014/01/28(火) 20:10:35 :
~訓練兵団施設~
???「邪魔するぞ…」
シーン…
???「誰もいねぇのか?面倒臭ぇな…」
???(向こうの山から、気配がするな。行ってみるか…)
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- 9 : 2014/01/28(火) 20:15:10 :
~第1ステージ・エリア1~
マルコ「へぇ、ステージは洞穴内の大空洞になっているのか。相当広いや。そして、最初の相手は君か…」
マルコ「…ジャン」
ジャン「まさか、お前と真っ先に潰し合う事になるとはな。残念だぜ、マルコ」
マルコ「そうだね。なぜなら、ジャンが第1ステージで散ることになるんだからね」
ジャン「ほう、言ってくれるじゃねぇか、マルコ。確か、戦闘訓練の成績は、俺のほうが上だったはずだが?」
マルコ「成績はね。それに、訓練ごときで僕が本気を出していたとでも?」
ジャン「訓練で実力を晒すような奴が、上位12人に残れると思ってるのか?あそこに残ってるのは、そういう連中だぜ?」
マルコ「そうだね…。ようやく、僕も自分の全パワーを解放することができるんだね。この日が待ち遠しかったよ…」
ジャン「お前の実力、俺が受け止めてやるよ。そしてそれを跳ね除け、勝つのは俺だ!!」
マルコ「…お喋りの時間はそろそろおしまいだ。決着を付けよう、ジャン」
ジャン「…望むところだ」
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- 10 : 2014/01/28(火) 20:20:12 :
審パァン『お二人とも、準備はよろしいですか?』
ジャン「うぉっ!?なんだこいつ!?」
審パァン『私の名は審パァン。この戦いをジャッジするための、パン型ロボットです』
マルコ「何でもアリだね…。パンが審判を務めるなんて、後にも先にも初めて見たよ」
審パァン『あまり無駄話もよろしくありませんので、始めさせていただきましょう…』
審パァン『ジャンVSマルコ、用意…』
ジャン「…」
マルコ「…」
審パァン『始めっ!!』
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- 13 : 2014/01/28(火) 20:25:08 :
ジャン「行くぞ!!キルシュタイン家に代々伝わる、肉体錬成術…」
ジャン「…『突然変馬(ジャンモルフォーゼ)』!!!!!」
ジャン「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」ゴオォォォォォォォッ!!!!!
マルコ「あれは…!?ジャンの肉体が、みるみる…」
ジャン「ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」モコモコモコモコモコ…!
ゴオォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!
シュウゥゥゥゥゥゥゥ…
ジャン「…ふぅ、待たせたな」
マルコ「何てことだ…!ジャンの肉体、主に下半身が、まるで馬のように…」
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- 14 : 2014/01/28(火) 20:30:19 :
ジャン「今の俺の下半身は、調査兵団の馬をも凌ぐ高スペックだ。お前じゃ、このスピードにはついてこれないぜ」
ジャン「先祖代々、キルシュタイン家の男はこの力を受け継いできた。今のこの姿は、さしずめ『ジャンタウロス』!!!」
マルコ「…どうやら、君の実力を見込んだ僕の目に、狂いはなかったようだね」
ジャン「強がっていられるのも今のうちだ。覚悟しな、マルコ!!」ダッ!
ドドドドドドドドドッ!!
マルコ「速いっ!!」
ジャン「回避は不可能だ!!喰らえ、『ジャンパンチ』!!!」ブンッ!!
マルコ「こうなったら…『半場投身(はんばとうしん)』!!」
ジャン「無駄だあぁぁぁぁぁっ!!!!」
スカッ!
ジャン「…あれ?外れたのか!?」
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- 15 : 2014/01/28(火) 20:35:10 :
マルコ「どうしたのジャン?僕はここだよ…?」
ジャン「なっ…!?お前、マルコか…!?」
マルコ「今更何を言ってるのさ。僕はマルコだよ」
ジャン「だって…お前…」
ジャン「体の右半分、どこに行ったんだよ…!?」
マルコ「これが僕の能力、『半場投身』。肉体の半分をこの場に残し、もう半分を異次元へと投げ出す」
マルコ「君が狙った体の右半分は、今は異次元に存在しているというワケさ」
ジャン「異次元だと…!?理屈はどうなってやがるんだ…」
マルコ「君の能力だって、原理はチンプンカンプンじゃないか」
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- 16 : 2014/01/28(火) 20:40:15 :
マルコ「もともと僕は、この能力をうまく使いこなせなかった」
マルコ「でも、伝説の教官であるキースさんの付きっきりの指導により、僕は『半場投身』を自分のものにすることができたんだ」
ジャン「それを言ったら、訓練所の奴らはほとんどそうだろうが。ミカサみたいな例外もいるけどな…」
マルコ「かつて、小指のささくれだけで巨人のうなじを正確に抉り取ったと言われるキース教官…」
マルコ「あの人に恩を返すためにも、僕は必ず首席になるんだ!!」
ジャン「そう考えてるのは、お前だけじゃねぇんだよ!!」
マルコ「それはいいけど、ジャン、油断してていいの?」
ジャン「あん?」
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- 17 : 2014/01/28(火) 20:45:21 :
マルコ「まさか、僕の右半身がただ異次元に消えただけなんて思ってないよね?」
ジャン「何…!?」
スッ…
ジャン「!?」
ドゴォォォッ!!!!!
ジャン「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」ドサッ!
マルコ(右)「僕の消えた半身は、こうやって好きな場所から出現させることもできるのさ」
マルコ(左)「出入り自由、神出鬼没、君にこの技が破れるかな?」
ジャン「クソッ…!舐めんじゃねぇっ!!」ダッ!
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- 19 : 2014/01/28(火) 20:50:25 :
ジャン「だったら、消えられねぇ左半身を狙えばいいだけだっ!!」
マルコ(右)「そうはさせないよ」スッ…
ジャン「今度は後ろかっ!?」
マルコ(右)「ふっ…!」ビュッ!
ジャン「あぶねっ!!」ヒョイッ
マルコ(右)「どこを見てるの?こっちだよ」スッ…
ジャン「クソッ!!一瞬で消えて、また一瞬で出てきやがる!!」ダッ!
マルコ(左)「走り回っても無駄だよ」
マルコ(右)「ふっ…」スッ…
ジャン「くっ…!」ダッ!
マルコ(右)「こっちかな?」スッ…
ジャン「またかっ!」ダッ!
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- 20 : 2014/01/28(火) 20:55:11 :
マルコ(左)「しぶといね。その馬の下半身のスピードも、なかなかのものだね」
ジャン(どうする…?このままじゃ左半身に近付けねぇ!それどころか、徐々に壁際に追いやられてる…。打開策を…)
ジャン(…そうだ!もしかして!)
ジャン「おい、マルコ!」
マルコ(左)「何だい?」
ジャン「お前の分裂した半身は、空中に出現させることもできんのか?」
マルコ(左)「それを知ってどうするのかは知らないけど、答えはノーだ」
マルコ(左)「僕の半身を出現させられるのは、足が付けられる場所のみ。空中や、壁などの側面は不可能だよ」
ジャン「そうかい…」ニヤァ…
マルコ(左)「何を…!?」
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- 21 : 2014/01/28(火) 21:00:12 :
ジャン「『突然変馬・完全変化(ジャンモルフォーゼ・パーフェクター)』!!!」バッ!
マルコ(左)「何をする気だ…!?」
ジャン「とくと見やがれ…!俺は今から、馬になる…!!」
マルコ(左)「いや、馬面に馬の下半身、すでに9割馬だけどね」
ジャン「…そう、いつだってそうさ」
ジャン「みんなして、俺のことをそうやって馬扱いしやがる…!」
ジャン「みんなの前じゃ平静を装っていたけどな、俺が裏でどれだけ涙を流してきたか、お前らは知らねぇだろっ!!」ポロポロ
マルコ(左)「ジャン…」
ジャン「俺だって人間なのに…!俺だって、お前らと同じだってのによぉ!!」
ジャン「少々顔が長ぇってだけで、常に馬ネタでイジられる!!この気持ちが、お前らに分かるワケねぇよなぁ!!」
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- 22 : 2014/01/28(火) 21:07:23 :
ジャン「だけど、あの人は違った…」
ジャン「キース教官だけは、そんな俺を人間として認め、且つ、正面から向き合ってくれた…」
ジャン「まだ上手にこの能力を使えねぇ俺に、つきっきりで指導してくれた。その時、俺は決心したんだ…」
ジャン「この人のためなら、俺はなれる。本物の馬に。そう誓ったんだよ!!!」
ジャン「そしてこれが、キース教官のために極めた、俺の力だあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
カッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!
ジャン「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」
マルコ(左)「そんな…!ジャンが、正真正銘の全身馬になってしまった!!」
ジャン「まだだ!!」
マルコ(左)「何っ!?」
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- 23 : 2014/01/28(火) 21:11:09 :
ジャン「俺はキース教官との特訓で、この馬の肉体にある物をプラスすることに成功した!!」
マルコ(左)「ある物…!?一体、何を!?」
ジャン「俺は立体機動の訓練で、空を飛ぶ感覚を体に覚え込ませた。そうするうちに、馬の肉体の方にも変化が現れた…」
ジャン「そう、馬の姿でも空を飛びたいと、肉体が強く願ったんだ!!」
ジャン「これがその結果だ!!見やがれ…」
ジャン「『突然変異・天馬翔(ジャンモルフォーゼ・ペガサス)』!!!!!」
ジャン「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」
マルコ(左)「ペガサスだって!?」
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- 24 : 2014/01/28(火) 21:15:14 :
ジャン「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」
カッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!
シュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…
マルコ(左)「…あれは!!」
バサッ!バサッ!
ジャン「…見ろよ、これが俺だ。俺の、ありのままの姿だ!!」
マルコ(左)「…美しい。なんて神々しい姿なんだ、ジャン」
ジャン「もう、馬であることに引け目を感じたりしない。俺は、この姿で生きて行く…」
ジャン「その恩返しのために、まずはお前に消えてもらうぞ、マルコォォォォォォォォォッ!!!!!」
マルコ(左)「受けて立つぞ、ジャァァァァァァァァァァァンッ!!!!!」
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- 25 : 2014/01/28(火) 21:20:17 :
ジャン「う…おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!」シュシュシュシュシュッ!
ジャン「馬の脚力を最大限に生かし、流星のように降り注ぐ無数の蹴り…」
マルコ(左)「あれは…!!」
ジャン「喰らえ!!『ペガサス・流星脚』!!!!!!!」
ジャン「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」シュシュシュシュシュッ!!!!
マルコ(左)「マズい、避け切れ…」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!!!!!!!!!!
ジャン「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」
マルコ(左)「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!!!!!!!!!!
シュウゥゥゥゥゥゥゥゥ…
パラパラ…
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- 26 : 2014/01/28(火) 21:25:31 :
ジャン「…終わったか?」スタッ…
マルコ(左)「」
ジャン「…マルコ、恐ろしい相手だった。お前の相手が俺じゃなきゃ、決勝ステージまで行けてたかもな」
マルコ(右)「その言葉、そっくりそのままお返しするよ、ジャン」スッ…
ジャン「なっ…!?しまっ…」ビシッ!
ジャン「た…」バタッ…
マルコ(右)「…君の技を受け切るためには、左半身を犠牲にするしかなかった。これはある意味賭けだった」
マルコ(右)「もし僕の左半身が君の技で死んでいたら、右半身は永遠に異次元を彷徨い続けることになっていたからね…」
マルコ(右)「さて、審パァンさん、勝敗は?」
審パァン『勝者、マルコ!!』
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- 27 : 2014/01/28(火) 21:30:12 :
マルコ(右)「…ふぅ。戻れ、左半身」
マルコ(左)「」ヴヴヴ…
マルコ「」シュゥゥゥ!
マルコ「…くっ!!」ガクンッ!
マルコ(右半身の受けたダメージが、そのまま僕に流れ込んできたか。こりゃ、次はきついかな…)
マルコ(それでも僕は、負けるわけにはいかない。散っていったジャンのためも…)
ジャン「」
マルコ(僕の技に磨きをかけてくれた、キース教官のためにも!!)
スタスタ…
第1ステージ・エリア1
勝者・マルコ
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- 29 : 2014/01/28(火) 21:40:08 :
~洞窟入口~
真・審パァン『マルコ・ボットが勝利したようです』
キース「伝達ご苦労。ボットが勝つとは、初戦から番狂わせ…」
キース「…いや、奴の力を考えれば、そうでもないか」
キース「この先の戦いも楽しみにしておるぞ、諸君…」
キース「…おっと、エリア2でも戦いが始まるようだな」
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- 30 : 2014/01/28(火) 21:45:12 :
~第1ステージ・エリア2~
アルミン「やぁ、最初の相手は君か…」
アルミン「…クリスタ」
クリスタ「ミカサと当たったらどうしようかと思ってたけど、あなたでよかった」
アルミン「クリスタとやるのは気が引けるけど、僕も簡単にやられるわけにはいかないんだ。悪いけど、ここで散ってくれ」
クリスタ「ごめんね。私は悪い子だから、アルミンの言うことを素直に聞けないの。だから…」
クリスタ「…本気で行かせてもらうよ?」ゴォォォォォォッ!!!
アルミン「うわっ…!」
アルミン(すごいオーラだ…!やはり、戦闘訓練では手の内を隠していたか…!)
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- 31 : 2014/01/28(火) 21:50:11 :
審パァン『二人とも、用意はよろしいですね?』
アルミン「うわっ、なんだコレ!?」
審パァン『二度目なので説明は不要ですね。成り行きで理解してください』
アルミン「何を言ってるか分からないけど、審判らしいという事は分かったよ…」
審パァン『それではクリスタVSアルミン、用意…』
クリスタ「…」
アルミン「…」
審パァン「…始めっ!!」
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- 32 : 2014/01/28(火) 21:55:22 :
クリスタ「『女戦士(ヴァルキリー)』…」
クリスタ「…『天使(レベル・エンジェル)』!!」バッ!
アルミン「なっ…!?クリスタの体に、天使の翼が…!?」
クリスタ「今の私は、天使クリスタ。今からあなたの、悪の心を駆逐します!!」
クリスタ「『怒れる聖天使(イカレル・ミカエル)』!!」
ピカァァァァァァァァァァァァッ!!!!!
アルミン「うっ!!眩しいっ…!!」
クリスタ「さぁ、さらけ出しなさい。あなたの悪の本性を!!」
アルミン「う…。少し眩しかったけど、体に異変は…」
アルミン「…う!?」ズキッ!
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- 33 : 2014/01/28(火) 22:00:14 :
クリスタ「効果が現れたね…」
アルミン「何だ、この感覚は…!?体内で、何かが膨らんでいるような…!?」
クリスタ「『怒れる聖天使(イカレル・ミカエル)』は、人間の中に潜む悪の心を肥大化させ、最終的には破裂させてしまう技」
クリスタ「この技を浴びたあなたの中の悪の心は、徐々に肥大化し、あなたもろとも破裂してしまうでしょう」
アルミン「それって、僕も…」
クリスタ「死にます」
アルミン「天使でも何でもない!!悪魔はどっちだよっ!!」
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- 34 : 2014/01/28(火) 22:05:12 :
クリスタ「そう言っている間にも、あなたの悪の心は肥大化を続けています。もう、残された時間はわずかでしょう」
クリスタ「残り少ない人生で、今までの悪行を悔い改めなさい」
アルミン「くっ…!そんな、こんなところで死ぬわけには…」
アルミン「…そんなワケにはいかないんだぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
アルミン「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」
ズズズ…
クリスタ「…何なの!?アルミンの体から、黒い物体が…!?」
ズズズ…
ドサッ…!
アルミン「…はぁっ!危なかった…」
クリスタ「何が起きたの…?」
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- 35 : 2014/01/28(火) 22:10:14 :
???「よぉ、ご主人、久しぶりだなぁ」
アルミン「あぁ、久しぶりだね…」
アルミン「…『下衆民(ゲスミン)』」
下衆民「こうしてあんたの体を離れて行動できる機会も、そうそうねぇからな。また好き勝手させてもらうぜ」
クリスタ「どういうこと!?アルミンの体から、アルミンそっくりの人が…!?」
アルミン「こいつの名は下衆民。言うなれば、僕の悪の心の化身ってところだね」
アルミン「僕はいつでも、この悪の塊を体外に出すことができるんだ。おかげで助かったよ」
クリスタ「下衆民…。まさか、そんな方法で切り抜けるなんて…!」
下衆民「ご主人はなかなか外に出してくれねぇからな。やっぱ外の空気は最高だぜ」
アルミン「あまり君に好き勝手されると、僕のピュアなイメージが台無しだからね。おとなしくしててくれると助かるんだけど」
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- 36 : 2014/01/28(火) 22:15:21 :
クリスタ「悪の心が分裂したから何だっていうの!?それならば、もう一度喰らいなさい!!」
クリスタ「『怒れる聖天使(イカレル・ミカエル)』!!」
ピカァァァァァァァァァァァァッ!!!
アルミン「悪の心を取り去った僕は平気さ!」
下衆民「う…お…」
下衆民「ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!」
クリスタ「それ見なさい!!悪の心の塊なら、この技がどれほど苦しいか!!」
下衆民「」ムクムクムク…
クリスタ「…えっ!?」
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- 37 : 2014/01/28(火) 22:20:12 :
アルミン「迂闊だったね、クリスタ。君の技は確か、悪の心を肥大化させてしまうんだったね」
クリスタ「…まさか!!」
アルミン「そう。普通の人なら、体内で増幅した悪の心を抱えきれず、破裂してしまうんだろう」
アルミン「だけど、下衆民は悪の心そのもの。肥大化しても、破裂するものが何もない。つまり…」
巨大下衆民「ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!」
アルミン「君は自らの手で、強大な敵を生み出してしまったという事さ!!」
クリスタ「そんな…!」
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- 38 : 2014/01/28(火) 22:25:16 :
巨大下衆民「喰らえぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」ブンッ!!
ドゴオォォッ!!!!!
クリスタ「きゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」バッ!
アルミン「うまく避けたね。だけど、いつまで続くかな…?」
巨大下衆民「はぁぁぁ…」スゥゥ…
巨大下衆民「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」
ドゴドゴドゴドゴドゴゴドゴドゴドゴドゴッ!!!!!!!
クリスタ「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」
アルミン「あはははははっ!!!もうおしまいだよっ!!!!」
シュゥゥゥ…
パラパラ…
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- 39 : 2014/01/28(火) 22:30:13 :
クリスタ「う…うぅ…」
アルミン「まだ息があるとは、しぶといね。でもそろそろ、限界じゃないかな?」
巨大下衆民「おいご主人、こいつ、喰ってもいいか?」
アルミン「いいよ。ただし、丁寧にね。お残しは許さないよ」
巨大下衆民「あいよ。それじゃ…」ガシッ!
クリスタ「あっ…」
巨大下衆民「いただきまーす…」カパァ…
クリスタ(まだ…こんなところで…)
クリスタ「終われない!えいっ!!」ゲシッ!
巨大下衆民「いてっ!!」ベキッ!
下衆民の歯「」コーン…
巨大下衆民「うおぉぉぉぉっ!!!歯が折れた!!!!」
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- 40 : 2014/01/28(火) 22:35:21 :
クリスタ「どうにか、脱出しないと…!」
アルミン「うあぁぁぁぁぁっ!!!」
クリスタ「アルミン…」
クリスタ「!?」
アルミンの歯「」コーン…
クリスタ(どうして、アルミンの歯まで折れているの…?)
クリスタ「まさか…!!」
アルミン「マズい、気付かれた!!急げ下衆民っ!!」
巨大下衆民「クソッ!!!」
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- 41 : 2014/01/28(火) 22:40:14 :
クリスタ「させないっ!!『女戦士・女神(ヴァルキリー・レベル・ゴッデス)』!!!」
クリスタ「『切札・浄化(ジョーカー・ジョーカー)』!!!!!」
パアァァァァァァァァァァァッ!!!!!
巨大下衆民「何だ、この強烈な光は…!!」
巨大下衆民「苦しいっ!!あぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」シュウゥゥゥゥゥゥゥゥ…
クリスタ「この技は、私に触れている者の悪の心を浄化する」
クリスタ「悪の心そのものであるあなたなら、壮絶な苦しみを味わいながら消滅するでしょう」
クリスタ「…そして!!」
アルミン「ぐっ…!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」ゴロゴロ!
クリスタ「やはりそう。あなたとアルミンは、同じ肉体から生まれた運命共同体」
クリスタ「片方がダメージを受ければ、もう片方も同じようにダメージを受ける」
クリスタ「そうやって同じ姿をお互いに保っていなければ、再び一つに戻れないから!!」
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- 42 : 2014/01/28(火) 22:45:10 :
アルミン「全てお見通しか…!さすがクリス…あぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」シュゥゥゥ…
巨大下衆民「も…う…駄目…だぁ…ぁ……」シュウゥゥゥ…
巨大下衆民「あっ…」フッ…
クリスタ「下衆民が消えた。おそらくアルミンも…」
アルミン「うぅ…」フッ…
クリスタ「消えた。つまり…」
審パァン『勝者、クリスタ!!』
クリスタ「…ふぅ、こんなんじゃ、この先で勝ち続けるのは難しいかな」
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- 44 : 2014/01/28(火) 22:50:29 :
クリスタ「…」
クリスタ「…『女戦士・聖母(ヴァルキリー・レベル・マドーラ)』」スッ…
クリスタ「『戻りの御魂(リターナ・ミターマ)』…」
キラキラキラキラ…
アルミン「」スゥゥ…
クリスタ「せめてもの情けで、蘇らせてあげた。これからは、悔い改めて余生を楽しみなさい…」
スタスタ…
第1ステージ・エリア2
勝者・クリスタ
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- 46 : 2014/01/28(火) 22:56:11 :
~洞窟入口~
キース「ほう、レンズの技を逆手にとってアルレルトが有利かと思ったが、そこから形勢を逆転させるとは、見事」
キース「だが、これほどまでにレベルの高い戦いを見せてくれるとは、私も指導の甲斐があったというものだ」
キース「さて、次はどいつかな…?」
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- 50 : 2014/01/29(水) 20:00:06 :
~第1ステージ・エリア3~
ベルトルト「やぁコニー、15分ぶりだね」
コニー「最初の相手はお前か。こりゃ、安パイだぜ」
ベルトルト「どういう意味だい?」
コニー「そのまんまの意味だよ。お前もバカになっちまったか?」
ベルトルト「いや、そんなことはないさ。僕が知りたいのは…」
ベルトルト「…君と僕、どちらが安パイなんだろうね、ってことさ」
コニー「なぁに、そんなもん、答える必要もねぇだろ」
コニー「戦ってみりゃ、おのずと答えが出るんだからよ…」
ベルトルト「同感だ。死んでも文句は言わせないよ…」
-
- 51 : 2014/01/29(水) 20:05:13 :
審パァン『お二人とも、準備はよろしいですか?』
ベルトルト「審判かな…?わざわざ用意してくれるとは」
コニー「サシャの奴、齧り付いてねぇといいけどな」
審パァン『それでは、ベルトルトVSコニー、用意…』
ベルトルト「…」
コニー「…」
審パァン「…始めっ!!」
-
- 52 : 2014/01/29(水) 20:10:26 :
ベルトルト「そっちからどうぞ」
コニー「遠慮するな。先手はお前に譲るぜ」
ベルトルト「ならば、後悔しないことだね。『薄影(インヴィジブル)』…」スウゥゥゥ…
コニー「なっ!?ベルトルトが、消えた!?」
ベルトルト「僕はちゃんといるよ、君の目の前に。ただ、君の目に見えていないだけさ」
ベルトルト「この技は自分の存在感を極限まで薄くすることで、敵の視界から完全に消え去ってしまう技」
ベルトルト「この壁内のいかなる生物の目でも、今の僕を視界に捉えるとは不可能だよ」
コニー「クソッ…!本当に見えねぇっ!!」
-
- 53 : 2014/01/29(水) 20:15:08 :
ベルトルト「…はっ!!」ビュッ!!
コニー「ぐっ!!」ドゴッ!!
ベルトルト「痛いかい?」
コニー「あぁ、結構な。お前も戦闘訓練は、上位だったもんな」
ベルトルト「でも、僕が感じていた痛みはこんなものじゃないよ」
コニー「…何の話だ?」
ベルトルト「君たちは僕のことを、影の薄い奴だとか後ろで冷や汗かいてるだけだとか、ボロクソ言ってくれたよね」
ベルトルト「それがどれだけ、僕の心を絞めつけていたか、その痛みは君には分からないだろう?」
コニー「…あぁ、分かんねぇな。だからどうしろと?」
-
- 54 : 2014/01/29(水) 20:20:13 :
ベルトルト「陰で僕のことを言ってるうちはまだよかったよ。そのうち、僕が後ろにいるのにも気付かず、僕の悪口を言い出す始末」
ベルトルト「好きでこんなに影が薄いわけじゃないのに、どうして君たちは、そうやって僕をないがしろにするんだよ」
ベルトルト「もう、うんざりだったんだ。こんなことなら、いっそ本当に消えてしまおうかと…」
ベルトルト「どうせ、僕なんていてもいなくても大差ないんだろう。だったら…」
ベルトルト「…でもそんなとき、手を差し伸べてくれたのは、キース教官だった」
ベルトルト「教官は、僕の影の薄さは長所だと言ってくれた。そんなもの、自分の頭の薄さに比べたら、屁みたいなものだと…」
ベルトルト「影の薄さを短所ではなく、武器にしろ。それはお前が生まれ持った才能だ。教官はそう言ってくれたよ…」
コニー「ベルトルト…」
-
- 55 : 2014/01/29(水) 20:25:08 :
ベルトルト「教官の指導のおかげで、僕はこの『薄影』を完璧に自分のものにできた!!」
ベルトルト「この劣等感から生まれた技を、君みたいな奴にそう易々と攻略されるわけにはいかないんだ!!」
コニー「劣等感、ね。それを感じているのが、お前だけだとでも言いたいのか?」
ベルトルト「君に何が分かる!!その場にいても存在を認識してもらえない、僕の!何が!!」ビュッ!!
コニー「」ドゴッ!!
ベルトルト「このっ!!このっ!!」ブンッ!!
コニー「」バキッ!ベキッ!
ベルトルト「…なんで平然としているんだ?痛くないのか…?」
コニー「痛く…ねぇなぁ。俺、馬鹿だから」
ベルトルト「そんなはずはない!全力で殴っているんだぞ!?」
-
- 58 : 2014/01/29(水) 20:30:38 :
コニー「だから、そんなの痛くもかゆくもねぇよ。馬鹿だから、痛覚なんて忘れちまったんだよ」
ベルトルト「そんな、まさか…!?」
コニー「そう、これが俺の能力、『馬鹿の一つ忘れ』だ」
コニー「俺はこいつで、身体の感覚を一つだけ、忘れることができる。今は痛覚を忘れてるから、痛くない」
ベルトルト「そんな…!」
コニー「これだって、俺の頭の悪さをカバーするために、キース教官から指導してもらって身に付けた技だ」
コニー「自分の劣等感を武器として見出されたのは、何もお前だけじゃないんだぜ、ベルトルト?」
-
- 61 : 2014/01/29(水) 20:35:15 :
ベルトルト「ふっ…」
ベルトルト「はははははははは…」
ベルトルト「そうだったのか。僕はてっきり…」
コニー「それにな…」
ベルトルト「…?」
コニー「お前は、自分の姿を認識してもらえないって言ったけど、そんなことはない」
コニー「俺には、お前がちゃんと見えていた。ライナーの後ろで冷や汗かいてる時も、部屋の隅っこで丸くなってる時も」
ベルトルト「そんな…!嘘だ!」
コニー「狩猟民族を舐めるなよ。目で見える景色だけが全てじゃねぇんだ…」
コニー「目、鼻、耳…。五感をフルを使って、狩人は狩りを行う。それに比べたら、お前を見つけることなんてワケねぇさ」
ベルトルト「…っ!」
-
- 63 : 2014/01/29(水) 20:40:24 :
ベルトルト「だが!じゃあ、今はどうだ!?君の目には、僕は見えていないだろ!?」
コニー「あぁ、確かに見えねぇな。でも…」
コニー「…ちゃんと『視えてる』。お前が、どんな動きをしているかが、な」
ベルトルト「馬鹿な!!じゃあ、答えてみろ!僕は今、何をしているか!!」サッ!
コニー「右手を頭の上につけたな」
ベルトルト「なっ…」
コニー「図星か?」
ベルトルト「…じゃ、じゃあ今度は!?」サッ!
コニー「片足で立って、両手は斜め下に垂らしてるな」
ベルトルト「くっ…」
ベルトルト「じゃあこれは!?」ボロンッ
コニー「ばっ!お前、ナニ出してんだよっ!!」
-
- 64 : 2014/01/29(水) 20:45:12 :
ベルトルト「…本当に見えているのかい?」
コニー「…あぁ」
ベルトルト「…そうか」
ベルトルト「…うぅっ!」ガクンッ!
コニー「おい、ベルトルト!」
ベルトルト「そうか、僕は…」ポロポロ
ベルトルト「もう、見つけてもらえていたんだね…」ポロポロ
コニー「ベルトルト…」
-
- 65 : 2014/01/29(水) 20:50:12 :
ベルトルト「…もう、これ以上君とは戦えない。降参するよ」
コニー「おい、いいのかよ!それじゃお前…」
ベルトルト「もともと、首席の特権にはさほど興味はなかったんだ。ただ、自分がどれだけやれるのか知りたかっただけで…」
ベルトルト「それに、僕の能力は『薄影』で存在を消すだけ。後は体術に頼るくらいしか手段がないけど…」
ベルトルト「痛覚を消せて、『薄影』も通用しないなら、僕に勝ち目はないよ」
審パァン『勝者、コニー!!』
コニー「ベルトルト…」
ベルトルト「頑張れ、コニー。君ならきっと、頂点に辿り着けるだろう」
コニー「…ありがとよ、ベルトルト!俺、頑張るぜ!!」
-
- 66 : 2014/01/29(水) 21:00:16 :
コニー「教官の域にはまだまだ届かねぇけど、きっと俺、壁内でも頂点に立てるように努力するよ!!」
ベルトルト「教官の域、ね。知ってる?教官の伝説を」
コニー「あぁ、俺が知ってるのは、教官の唾は巨人の再生能力を奪う、ってやつくらいだな」
コニー「四肢を切断された巨人に唾を吐きかけると、再生できずに悶絶しながら蒸発するんだと」
ベルトルト「恐ろしいよね。ほんとかどうか分からないけど、もしそうなら気を付けないと…」
コニー「気を付ける?何の話だ?」
ベルトルト「…こっちのこと」
コニー「?」
-
- 67 : 2014/01/29(水) 21:05:11 :
ベルトルト「ほら、早く行かないと。もしかしたら、すでに次の相手が待ちくたびれてるかもしれないよ?」
コニー「おう、そうだな。じゃあ、行ってくるぜ!!ありがとよ、ベルトルト!!」
タッタッタッタッ…
ベルトルト「こちらこそ…」
ベルトルト「…見つけてくれて、ありがとう」
第1ステージ・エリア3
勝者・コニー
-
- 68 : 2014/01/29(水) 21:10:26 :
~洞窟入口~
キース「…」
真・審パァン『どうなされました?』
キース「いや…何でもない。目にゴミが少々…」グスッ…
真・審パァン『?』
キース(スプリンガー、フーバー、お互いに自分の短所を補って、成長してくれたなぁ…。私は嬉しいぞ…!)
キース(だが、唾でそんな芸当ができるわけないだろう!せいぜい、唾の粘着力で動きを止めるくらいに過ぎん!!)
キース(下らん都市伝説を広めおって…!後でゲンコツだな…)
キース「…さて、次は」
-
- 70 : 2014/01/29(水) 21:15:06 :
~第1ステージ・エリア4~
アニ「…」
サシャ「このパン…硬いですねぇ…」ガジガジ
審パァン『やめてください。私はパンではありません』
サシャ「え?そうなんですか?非常に残念です…」
アニ「残念なのはあんたの頭だよ…」
サシャ「あ、アニ、いつからいたんですか?」
アニ「あんたがその変なのにかじりついてる時から、ずっと後ろにいたよ」
サシャ「そうだったんですか。全然気付きませんでした」
アニ「後ろから襲おうかと思ったけど、あんたの行動があまりにも予想外すぎて、思わず固まってしまったよ。不覚にもね」
サシャ「そんなこといって、ツンデレさんですねぇ。フェアに勝負したくて、わざわざ待っててくれたんですよね?」
アニ「よし、じゃあ今からラフプレーの嵐であんたを沈めてあげるよ…」スッ…
サシャ「あっ…!やだなぁ、冗談ですよ、冗談…」
-
- 71 : 2014/01/29(水) 21:20:07 :
アニ「まぁ、何でもいいさ。勝負になったら、どの道本気で潰しに行くからね」
サシャ「私とて、負けませんよ!兵団の幹部になれれば、毎日ご馳走三昧です!!」
審パァン『お二人とも、準備はよろしいですか?』
アニ「私はいつでもいいよ」
サシャ「私もです!!」
審パァン『それでは、アニVSサシャ、用意…』
アニ「…」
サシャ「…」
審パァン『始めっ!!』
-
- 72 : 2014/01/29(水) 21:25:18 :
アニ「…」スッ…
サシャ「やはりアニはその構えですか。迂闊に近づいたらやられそうですね」
アニ「意外と冷静だね。いつも通り、馬鹿みたいに直進してくると思ったけど」
サシャ「攻撃とは、攻め入るだけではありません。私だってそのくらいは分かっていますよ」
アニ「へぇ、見直したよ…」
サシャ「それに、アニは勘違いしているようですね」
アニ「勘違い?それは一体何だい…?」
サシャ「さっきも言ったはずです、攻め入るだけが攻撃ではないと…」
サシャ「ならば私がこうして攻め入ってない状態でも、攻撃が始まっていないという保証はないでしょう…?」
-
- 73 : 2014/01/29(水) 21:30:12 :
アニ「…何を!?」
ヒュッ…
アニ「!?」
サシャ「いけっ!!」
バクンッ!!!
アニ「あぶなっ!!」ヒョイッ
サシャ「…避けましたか」
アニ「これは…!?」
岩壁「」ボロッ…
アニ「岩壁が、抉られてる!?まるで、何かにかじり取られたみたいに…」
-
- 74 : 2014/01/29(水) 21:35:26 :
サシャ「ふむ…。岩もなかなか、美味ですねぇ…」モグモグ…
アニ「…はっ!?」
サシャ「あぁ、言い忘れてましたけど、実は私、口と胃袋をあと一つずつ持っているんですよ」
アニ「言ってる意味が分からないね…。それだけじゃ、岩を食べたっていう理由にはならないんだけど?」
サシャ「説明が足りませんでしたね。正確には、口と胃袋を『体外』に持っているんですよ」
サシャ「私の体よりはるかに大きな口と胃袋でしてね。なので、この空間内に漂わせてあるんですよ。まぁ、他人には目視できませんけど」
アニ「つまり、あんたの巨大なもう一つの口と胃袋が、私を狙ってその辺に浮かんでるっていうのかい?」
サシャ「そういう事です。私の口では食べられない物も、その口と胃袋なら食べられます。岩であろうと…」
サシャ「…人体であろうと、ね。名付けて、『胃ただき口(マウス)』」
アニ「…っ!」ゾクッ!
-
- 75 : 2014/01/29(水) 21:41:33 :
サシャ「夜な夜なお腹を空かせて、食糧庫を荒らす私を見かねた教官が、この技を指導してくれました」
サシャ「この技を発動した私に、食べられない物はありません。さぁ、アニの全てを味わわせてください…」
アニ「ふざけるんじゃないよっ!!」ダッ!
サシャ「おっと、気を付けてくださいね。その辺は…」
ヒュッ…
アニ「しまっ…」
バクンッ!!!
サシャ「ほら、言わんこっちゃないです」モグモグ…
アニ「あ…」
アニ(右脚を…食われた!?)
アニ「う…あぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」ゴロゴロッ!!
-
- 76 : 2014/01/29(水) 21:45:21 :
サシャ「痛いですか?すみません、一口で全部食べるつもりだったんですが。じっとしてくれれば、これ以上苦しめたりしませんので…」
アニ「じょ…」グググ…
アニ「冗談…じゃないっ!」スクッ…!
サシャ「無理に立ち上がらなくてもいいですよ。私がひと思いに…」
アニ「正直、この力は人に見せたくなかったんだけどね。こうなったら仕方がない…」
サシャ「一体、何を見せてくれるんですか?」
アニ「『Tomorrow~明日は幸せ~』…」
シュゥゥゥゥゥ…
サシャ「なっ…!?足が…」
-
- 77 : 2014/01/29(水) 21:50:09 :
アニ「」シャキーンッ!
サシャ「再生した!?何故!?」
サシャ(再生と言えば巨人の代名詞ですが、その際、大量の蒸気が発生するはず!しかし、今のアニは…!)
アニ「この力はね、ちょっと厄介なんだ。あんたの頭で理解できるかね?」
サシャ「何なんですか、それ!?足だけじゃなく、ズボンとブーツまで再生してるじゃないですか!!」
アニ「私の脚を再生させたものの正体、それは…」
アニ「…雑菌さ。私の脚に住まう、無数の雑菌。乙女として、これほど屈辱的な能力はないだろう?」
サシャ「雑…菌?」
-
- 78 : 2014/01/29(水) 21:55:12 :
アニ「人というのは誰しも、足に大量の雑菌が住んでいる。私とて例外じゃない。もちろん、あんたも」
アニ「だけど私の雑菌は、他人とは違う。とある理由で、独自の進化を遂げたのさ」
サシャ「とある理由とは…?」
アニ「私は戦闘訓練で、足技を多く使ってきた。その影響で足への衝撃が多く、足の細胞の死滅が人より多かったんだ」
アニ「その大量に死滅した細胞を、雑菌が毎日食べていた。もちろん、大量に…」
アニ「私は、人とは少々違う体質でね。その特殊な体質の細胞を食べた雑菌も、おのずと特殊な雑菌になる」
サシャ「違う体質って…?アニって、そんな特殊体質でしたっけか?」
アニ「まぁ、その辺は詮索してないでもらえるとありがたいよ」
アニ(実は巨人です、なんて言えないしね…)
-
- 79 : 2014/01/29(水) 22:00:23 :
アニ「そして誕生した特殊な雑菌たちは、こともあろうに、私の意思で操ることができるようになってしまった」
アニ「最初はどう操っていいのか分からなかったけど、キース教官に手とり足とり指導してもらって、どうにかコントロールを覚えたのさ」
サシャ「雑菌を操作…!?でも、それが再生能力とどうつながるんですか!?」
アニ「私の細胞を食べた雑菌は、当然、私の遺伝子の情報を記憶している」
アニ「その情報を基に、失った体細胞の情報を雑菌が構成し直し、周囲の細胞に再生の助力を仰ぎながら、元の脚に再生させたというワケさ」
サシャ「そんな…!!なんて無茶苦茶な…!!」
アニ「ズボンとブーツが再生したのは、雑菌がそれらの繊維も食べていたからだろうね。情報さえあれば、元に戻すのは不可能じゃない」
アニ「その気になれば、私のクローンだって作れるかもしれない。まぁ、今の私の技量では、そんなことはできないけどね…」
サシャ「何てハチャメチャな能力ですか…」
-
- 80 : 2014/01/29(水) 22:05:07 :
アニ「あぁ、それとさっき、あんたは私の脚を丸ごと食べたんだっけ?」
サシャ「えぇ、そうですけど…」
サシャ「…まさか!?」
アニ「気を付けな…って、言っても遅いけどね。あんたはもう、私の雑菌に蝕まれている…」
サシャ「そんな…」
サシャ「…うっ!?」
アニ「暴飲暴食は控えないと、後で痛い目に遭うのは自分だよ…」
サシャ「う…ぐ…ぐるじいっ!!いだいですっ!!!」ゴロゴロ
サシャ「おながも!!せながも!!あちこちいだぐで…!!だずげでっ!!!」バタバタ!
-
- 81 : 2014/01/29(水) 22:10:30 :
アニ「そうなったら、もう止められない。あんたの体は、胃袋を通じて私の雑菌に支配されている」
アニ「本当は、もっといろんな技を見せてあげたかったけど、どうやらここまでのようだね…」
アニ「『Tomorrow~憂鬱な日には~』…」
サシャ「う…あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!!!!」
サシャ「あ゛っ…」ガクンッ!
アニ「…終わったか」
審パァン『勝者、アニ!!』
-
- 82 : 2014/01/29(水) 22:15:14 :
サシャ「」
アニ「安心しな。私の雑菌は、私の体を離れると1時間と持たずに死滅する。あんたの苦しみもそれまでさ」
アニ「この戦いが終わったら、パンでも奢ってあげるよ。それまでは、おとなしく寝てな…」
アニ「…」
アニ「さて、『誰に』とは言わないけど、これだけは言っておく…」
アニ「これからの季節、食中毒や胃腸炎には、十分注意することだね。それじゃ…」
スタスタ…
第1ステージ・エリア4
勝者・アニ
-
- 83 : 2014/01/29(水) 22:20:16 :
~洞窟入口~
キース「」ガタガタ…
キース(レオンハートめ、あの能力をあそこまで使いこなせるようになっているとは…恐るべし!!)
キース(私も、暴飲暴食は控えないと、後が怖いな…)
キース「…オッホン!!」
キース「さて、次の戦いでも見るとするか…」
-
- 89 : 2014/01/30(木) 20:00:14 :
~第1ステージ・エリア5~
ユミル「マジかよ…!私はなんてツイてねぇんだっ!!」
ミカサ「よろしく、ユミル…」
ユミル「11分の1の確率で何でお前と当たっちまうかなぁ!!初戦敗退確定じゃねぇか!!」
ミカサ「そんなことを言われても、私にはどうしようもない。私はただ、目の前の相手を倒すだけ」
ユミル「くっ…!どうしろってんだよ、これ…」
ミカサ「…」
ユミル(こいつと同じ空間にいると、空気が重いな。ここは…)
-
- 90 : 2014/01/30(木) 20:05:10 :
ユミル「おいミカサ、知ってるか?」
ミカサ「何を?」
ユミル「キース教官は現役時代、あの頭を発光させて巨人どもの目をくらませ、兵士たちを巨人の手から守っていたらしいぜ?」
ミカサ「…それで?」
ユミル「」
ユミル(駄目だ、取り付く島もない…。もうさっさと戦って終わろうかな…)
審パァン『お二人とも、会話のほうはそろそろよろしいですか?』
ユミル「さっきのが会話に見えたんだったら、お前は相当なポンコツだ」
ミカサ「私のほうの準備はとっくにできている。ユミルが無駄話をするから、始められないだけ」
ユミル「言わせておけば…!」
ユミル「私のほうもOKだ!いつでも始めてくれ!!」
審パァン『それでは、ミカサVSユミル、用意…』
ミカサ「…」
ユミル「…」
審パァン『…始めっ!!』
-
- 91 : 2014/01/30(木) 20:10:13 :
ミカサ「…」スッ…
ユミル「先手必勝!!喰らえっ!!」バッ!
ミカサ「何を…?」
ドォンッ!ドォンッ!ドォンッ!
ミカサ「!?」
ユミル「まだまだ行くぜ!!はっ!!!」バッ!
ドォンッ!ドォンッ!ドォンッ!ドォンッ!
ミカサ「くっ…!爆弾!?どこから…!?」
-
- 92 : 2014/01/30(木) 20:15:08 :
ユミル「オラオラオラオラッ!!ボケっとしてると餌食になるぜ!?」
ミカサ「いったん退避を…!!」ダッ!
ユミル「逃がすかよっ!はあっ!!」バババッ!
ミカサ「…!?」
シーン…
ミカサ「…何も起きない?」
ユミル「…周りを見て見な」
ミカサ「周り…?」
ミカサ「…これは!?」
謎の浮遊物「」フワフワ…
ミカサ「黒い小さな玉…のようなものが、無数に浮いている…?」
-
- 93 : 2014/01/30(木) 20:20:11 :
ユミル「それこそが、さっきの爆発物さ」
ミカサ「あなたの能力は…この爆発物を生み出すこと!?」
ユミル「まぁ、そういうことになるな。不本意ながら…」
ミカサ「不本意とは…?」
ユミル「その黒いツブツブと私、連想するものがあるだろ?」
ミカサ「ユミルと、この黒い玉で連想するもの…?」
ミカサ「…まさか!?」
-
- 94 : 2014/01/30(木) 20:25:18 :
ユミル「そう、そのまさか。そいつの正体は、私のそばかすさ」
ミカサ「そばかすを爆発物に!?どういう理屈で!?」
ユミル「詳しいことは知らん。だが、これが私の能力…」
ユミル「…『リコレクションズ・アー・オルウェイズ・ビューティフル』だ」
ミカサ「リコレ…長い…」
ユミル「この能力を得たのも、私のそばかすに活路を見出してくれたキース教官のおかげだな」
ユミル「お前らは、このそばかすが私にとって、どれだけのコンプレックスだったか知らないだろう?」
ミカサ「…」
-
- 95 : 2014/01/30(木) 20:30:16 :
ユミル「男共はこの顔を見て、やれブスだの、やれそばかす女だの、散々好き放題言ってくれたよな」
ユミル「まぁ、私のこんな性格も相成って、そういう事を平気で言うようになったんだろうが、これでも結構クるものがあるんだぜ?」
ユミル「今となってはどうでもいいことだが、これでも昔は、花も恥じらう乙女だったんだ。信じられねぇだろ?」
ユミル「その時から、この消えないそばかすのせいで、どれだけ辛い思いをしてきたか…。思い出すだけでも吐き気がする」
ユミル「おまけに、このそばかすは、どんだけ消そうとしても消えてくれなかった。まるで、呪いのようにな」
ユミル「それこそ、様々な医者に診てもらい、ありとあらゆる治療を施したが、それでもこいつが消えることはなかった」
ミカサ「消えない…?一体、どうして…?」
ユミル「さぁな。それが分かりゃ苦労しねぇよ」
ユミル(ま、巨人の再生能力ってのも無関係じゃねぇんだろうな、きっと…)
-
- 96 : 2014/01/30(木) 20:35:18 :
ユミル「正直、諦めてた。もう消えない物だと思って、人知れずずっと塞ぎ込んでいた…」
ユミル「…キース教官に出会うまではな」
ユミル「教官に全ての悩みを打ち明けたら、あの人はこう言ってくれたよ」
ユミル「『消えないのなら、武器にすればいい。何度でも、いくらでも生み出せる無限の武器。夢のような話じゃないか』とな」
ユミル「それから私と教官で、地獄のような特訓を行った」
ユミル「正直、そばかすを武器にしようなんて考えるのは、この広い壁内を見渡しても、キース教官くらいなもんだ」
ユミル「本当にモノになるのかと毎日が不安だったが、努力は嘘をつかなかった」
ミカサ「そして、その能力が完成したと…?」
ユミル「あぁそうさ。モノにしたときは、本当に嬉しかった。涙すら溢れてきたよ」
ユミル「きっとお前らには、この気持ちが理解できねぇんだろうなぁ」
-
- 97 : 2014/01/30(木) 20:40:14 :
ミカサ「こう言っては何だけど、そばかすを持っているのはあなただけではない。それこそ、マルコやハンナだって…」
ユミル「あいつらと私を一緒にするな!!」
ミカサ「!!」
ユミル「マルコは男だし、ハンナはフランツがいるだろうが。お前も女ならわかるだろ。私だって…」
ユミル「…綺麗になりたかったんだよぉ。周りの男共からチヤホヤされるお前らが、羨ましかったんだよぉ!!」
ミカサ「ユミル…」
ユミル「叶わねぇ願いだってのは分かってる!!それでも、やっぱり諦めきれなくてなぁ…」
ユミル「そんな時に手を差し伸べてくれたのがキース教官だ!!教官は、私のそばかすを綺麗だとすら言ってくれた」
ユミル「調査兵団の団長だろうが、兵団トップの総統様だろうが、私はふんぞり返って見下せる。だけどな…」
ユミル「…キース教官にだけは、何があっても頭を上げられねぇんだよぉ」
ミカサ「…」
-
- 98 : 2014/01/30(木) 20:45:14 :
ユミル「女にはなれなくても、立派な女兵士にはなれる」
ユミル「私はこの戦いを勝ち抜き、キース教官に恩を返さなきゃならねぇんだ!!お前には、ここで消えてもらうっ!!」
ミカサ(…来る!!)
ユミル「この爆弾は、無限に生み出せる。お前を蹴散らすまで、永遠に生み出し続けられるっ!!」
ユミル「ミカサの周囲に浮遊する爆弾よ、ミカサに集って吹き飛ばせっ!!」グッ!
ヒュンヒュンヒュンッ!!!
ミカサ「しまっ…」
ドオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!
パラパラ…
-
- 99 : 2014/01/30(木) 20:50:12 :
ミカサ「…くっ!」バタッ…
ユミル「まだ意識があったとは、さすがだミカサ」
ユミル「だが、お前はもうここまでだ。意外とあっけなかったなぁ」
ミカサ「うっ…」ギュッ!
ユミル「マフラー…。そんなに大事なものなのか?」
ミカサ「これは、エレンにもらった大切なマフラー。エレンとの思い出がたくさん詰まっている…」
ユミル「思い出はいつも綺麗だが、それだけじゃお腹が空くだろ、ミカサさんよ?」
ユミル「私の爆弾を腹いっぱい味わわせてやる。それで、終わりだ…」
-
- 100 : 2014/01/30(木) 20:55:11 :
ミカサ「まだ、負けるわけにはいかない…」スクッ…
ユミル「は…!?立ち上がっただと!?馬鹿な!!」
ミカサ「私はまだ、負けられない。こんなところで負けていては、エレンに置いて行かれてしまう!!」
ミカサ「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」
ユミル「なっ…!こいつはやべぇか!?」
ミカサ「ふっ!!!」ビュッ!!
ユミル「速い!!見えな…」
ドゴォッ!!!!!
-
- 101 : 2014/01/30(木) 21:00:16 :
ユミル「…ぐふぅっ!」ミシッ…
ミカサ「…ごめんなさい、ユミル」
ユミル「か…は…」
ユミル「」バタッ…
審パァン『勝者、ミカサ!!』
ミカサ「ユミル、あなたは強かった。私が敗北の危機を感じるほど」
ミカサ「最初の相手が私じゃなければ、もしかしたら決勝まで残っていたかもしれない。強敵だった…」
-
- 102 : 2014/01/30(木) 21:10:18 :
ユミル「ゲホッ…!よく言うぜ、一撃で沈めておきながら…」
ミカサ「あなたは…」
ユミル「あん?」
ミカサ「あなたは本当に思っているの?誰も、あなたのことを綺麗だと思っていないと…」
ユミル「当たり前だろ。誰がこんな奴を綺麗だと思うって」
ユミル「ま、お前みたいな容姿端麗な美少女様には、到底分からねぇんだろうけどよ」
ミカサ「分からない…」
ユミル「ほらな」
ミカサ「分からない…。なぜ、あなたが気付かないのか」
ユミル「あん?」
-
- 103 : 2014/01/30(木) 21:15:11 :
ミカサ「あなたに魅力を感じている同期は、たくさんいるはず。それを、あなたが知らないだけ」
ユミル「んなわけあるかよ。だってこんなんだぞ?嫌味な性格してるしよ」
ミカサ「そんなだから、なおさら。あなたが本当に嫌な奴なら、誰もあなたの周りに集まらない」
ミカサ「思い出して。あなたのまわりには、常に誰かがいたはず。クリスタ然り、サシャ然り、コニー然り…」
ユミル「…」
ミカサ「まぁ、その…うまくは言えないけど…」
ミカサ「あなたは可愛い。綺麗。だから、自信を持ってほしい。それだけ…」
ユミル「ミカサ…」
-
- 104 : 2014/01/30(木) 21:20:08 :
ユミル「くっ…」
ユミル「ははははははははっ!こいつは傑作だ!!」
ユミル「お前に励まされるようじゃ、私もまだまだだな!!」
ミカサ「ユミル…」
ユミル「いいよ、もう、元気になった。お前もたまにはいいこと言ってくれるじゃねぇか」
ミカサ「たまには、は余計」
ユミル「おう、悪い悪い。ありがとな、ミカサ」
ミカサ「どういたしまして…」
-
- 105 : 2014/01/30(木) 21:25:07 :
ユミル「お前なら、普通にやれば余裕で勝ち抜ける。まぁ、せいぜい頑張れ」
ユミル「あ!クリスタに乱暴したら許さねぇからな!!覚えとけよ!!」
ミカサ「善処しよう」
ユミル「…行って来い」
ミカサ「…うん」
タッタッタッタッ
ユミル「…ふぅ、私も年かねぇ。どうも、ああいうクサい雰囲気は苦手でしょうがねぇ」
ユミル「60年ぶりに、恋する乙女にでもなってみましょうかねぇ…」
第1ステージ・エリア5
勝者・ミカサ
-
- 106 : 2014/01/30(木) 21:30:10 :
~洞窟入口~
キース「まさか、アッカーマンが勝つとは…。そばかす爆弾の能力は、数十年に一度の逸材だったというのに、それすら退けるとは…!」
キース「だが、それもまた運命というものか。この戦いを、最後まで見届ける義務が私にはあるからな」
キース「さて、第1ステージも次が最後だな」
キース「イェーガー対ブラウン、これもなかなか見ものと言えよう…」
-
- 107 : 2014/01/30(木) 21:35:16 :
~第1ステージ・エリア6~
ライナー「ほう、最初の相手はお前か、エレン。手加減はせんぞ」
エレン「こっちこそ、望むところだ!全力で行くぞ!!」
ライナー「戦う前に一ついいか?」
エレン「何だ?」
ライナー「お前は、首席特権を狙ってこの戦いに参加してるのか?」
エレン「…いや、俺はそんなものに興味はない」
エレン「ただ、純粋に自分の力を試したかっただけだ」
エレン「ここで勝ち抜けないようなら、どの道巨人を駆逐することだってできないからな」
ライナー「…さすがだ、お前は立派な兵士に慣れるぞ、エレン」
-
- 108 : 2014/01/30(木) 21:40:16 :
ライナー「…だが、だからと言って、俺もそう易々と価値を譲るわけにはいかない」
ライナー「俺も特権にはさほど興味はないが、仮にもお前らの兄貴分だと自負してきたプライドがある」
ライナー「弟分のお前らに負けていられないんでな。本気で潰しに行かせてもらう!」
エレン「…来い、ライナー!!」
審パァン『お二人とも、準備はよろしいですか?』
エレン「いつでも来い!!」
ライナー「さぁ、楽しいバトルを始めよう…!」
審パァン『それでは、エレンVSライナー、用意…』
エレン「…」
ライナー「…」
審パァン『…始めっ!!』
-
- 109 : 2014/01/30(木) 21:45:09 :
ライナー「こちらから行くぞ!!はっ!!」バッ!
ライナー「『ドリルライナー』!!!!」ギュルルルルッ!!!
エレン「何だ!?高速回転して…!?」
ライナー「」ギュルルルルッ!!!
エレン「地面に潜っちまった!!下は硬い岩盤だってのに!!」
シーン…
エレン「…どこから出てくる!?いつ出てくる!?」
ライナー「下ばかりに気を取られていると、痛い目に遭うぞ?」
エレン「!?」
-
- 110 : 2014/01/30(木) 21:50:12 :
ライナー「はっ!!」バッ!
エレン「天井からだと!?」
エレン(地面に潜って、壁を掘り進んで上から出てきやがったのか!?)
ライナー「おらっ!!」ブンッ!!
エレン「ぐあっ!!」ドゴッ!!
ライナー「まだまだケツが青いな、エレン。型に囚われていては、俺には勝てんぞ?」
エレン「クソッ…!なんて能力だ…」
ライナー「穴を掘ることにかけて、俺の右に出る奴はいない。どんなものでも俺には掘れる」
ライナー「なんなら、お前の体に直接教え込んでもいいぞ?お前の穴を…」
エレン「や~~~~~め~~~~~~て~~~~~~」
-
- 111 : 2014/01/30(木) 21:55:12 :
ライナー「ならば、物理的に潰すまでだ!!『ドリルライナー』!!」バッ!
エレン「また地中に!?」
ライナー「『サウンド・掘るァイズン』…」
エレン「うわっ!?」ボコッ!
エレン(ここは…!?ライナーが掘った穴に落ちちまったのか!?)
ライナー「よう、『サウンド・掘るァイズン』にようこそ」
エレン「お前…!ふざけてないで、ここから出せっ!!」
ライナー「そうはいかん。お前には、優雅なメロディを聞かせてやる…」
ライナー「…勢い余って昇天するほどの、な」
エレン「!?」
ライナー「『ドリルライナー』!!」ガキィンッ!!
ガキィィィィィィィィィィィィ……
エレン「うっ…!!音がスゲー反響しやがる…!何だよこれ…」
-
- 112 : 2014/01/30(木) 22:00:10 :
ライナー「ここは最大限に音が反響するように計算して掘られた、『クラシック・コンサート掘ーる』」
ライナー「そしてこれから俺が奏でる、魂の楽曲に酔いしれろ!!」
ライナー「曲目は、『シュレースヴィヒ・掘るシュタイン音楽祭』!!!!!」
ライナー「うおぉぉぉぉっ!!!!!」
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!!!!!!
エレン「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」
エレン(ドリルが岩を砕く音が反響して、鼓膜も頭も吹き飛びそうだ!!!!)
エレン(このままじゃ、おかしくなっちまう!!!!!)
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!!!!!!
ライナー「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」
エレン「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」
-
- 113 : 2014/01/30(木) 22:05:16 :
エレン(駄目だ、もう…)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
エレン「…何だ、この音は!?」
ライナー「しまった、やっちまったか?」ピタッ
エレン「ライナー、お前何をした!?この音は何だ!?」
ライナー「ここは危険だな。よっと」ピョンッ
エレン「俺も、今のうちに外に…」ヨジヨジ
エレン「…よっと」ピョンッ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!
エレン「音が近くなってきた!!何が…!?」
ライナー「…来た!」
ブシャァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!
-
- 114 : 2014/01/30(木) 22:10:22 :
エレン「これは…!?」
ライナー「間欠泉だ。ここの地下に水脈があったらしいな。勢い余って掘っちまったみたいだ」
ライナー「そうだな…。お前を倒したら、祝勝会も兼ねてひとっ風呂浴びてから次に行こうか」
エレン「お前、ふざけたことを…!」
ライナー「別にふざけてなどいない。それに、ボケっとしてていいのか…?」
エレン「何がだ…?」
ライナー「『ワーム掘ーる・ロックオン』…」スッ…
ライナー「…『ファイア』!!」バッ!
ジャバババババババッ…
ヴーン…
エレン「!?」バシャッ!!!
-
- 115 : 2014/01/30(木) 22:15:22 :
エレン「あっつ!!何だ!?熱湯!?」
ライナー「間欠泉だ。噴き出した熱湯が、お前の顔にかかっただけだ」
エレン「何で!?下から上に吹き出してるのに、今のは明らかに俺の顔めがけて横向きに吹いてきたぞ!?」
エレン「しかも、俺と間欠泉はこんなに離れてるのに、何でだ!?」
ライナー「それも、俺の能力だ。『ワーム掘ーる』で、間欠泉の出口とお前の顔までの空間を、トンネルでつなげたのさ」
エレン「空間を…!?そんな芸当もできるのかよ…!」
ライナー「言ったろ?俺に掘れないものはない。たとえ、空間であっても。そして…」
ライナー「…お前もな!」
エレン「!?」
-
- 116 : 2014/01/30(木) 22:20:12 :
ライナー「『ワーム掘ーる』…」スッ…
エレン「しまっ…」
エレン(さっきの技で、今度は直接俺のところに…!?)
ライナー「…『姦・ケツ・腺』!!!」
ズボッ!!!
エレン「アッ…」♂
ライナー「『性感トンネル………開通』!!!
グッッッッッ!!!!
エレン「ア…ア…」
アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♂
-
- 117 : 2014/01/30(木) 22:25:14 :
エレン「うぅ…」ヒリヒリ
ライナー「安心しろ、今回は指に留めておいた。さすがに、男で本戦をヤるような性癖は持ち合わせていないのでな」
エレン「お前…覚えてろよ…!」ヒリヒリ…
ライナー「ケツを抑えた状態で言われても、凄みも何もないぞ」
エレン「クソッ!お前なんか…」
エレン「お前なんかっ!!!」ゴオォォォォォォォッ!!
ライナー「!!」
ライナー(何だ…?あいつから、鬼気迫るものを感じる…。早めに勝負を付けたほうがいいか…?)
-
- 118 : 2014/01/30(木) 22:30:23 :
エレン「お前は俺が一撃で…」
エレン「一撃で…!」
エレン「一撃でっ!!!!!」ゴオォォォォォォォォォォォォォッ!!!
ライナー(…まただ。何だ、これほどまでの気迫は!?)
エレン「お前は俺の次の一撃で負ける。絶対だ!!」
ライナー「何を根拠に…?無理に決まっているだろう?」
エレン「いや、俺はやる!必ず、お前を一撃で!!」
ライナー「何なんだ、その自信は…?」
エレン「行くぞっ!!」ダッ!!
ライナー「なんだかよく分からんが、そこまで言うならやってみろぉ!!!」
-
- 119 : 2014/01/30(木) 22:35:10 :
エレン「はあぁぁぁぁっ!!!!」
エレン「うおらあぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」ブンッ!!!
バッキィィィッ!!!!!
ライナー「…っ!」ゴッ!!
ドサッ…
ゴロゴロゴロ…
ピタッ…
ライナー「」
エレン「…やったか?」
審パァン『勝者、エレン!!』
-
- 121 : 2014/01/30(木) 22:40:51 :
エレン「…っはあ!!」ガクンッ!
エレン「何とか俺の能力も効いてくれたか…。とりあえず、一安心だな」
エレン「しかし、あちこち痛いな…。ケツも耳も頭も。ライナーの野郎、後で覚えとけよ…」
間欠泉「」ジャババババ…
エレン「…」
エレン「…入浴しよ」
第1ステージ・エリア6
勝者・エレン
-
- 123 : 2014/01/30(木) 22:45:31 :
~洞窟入口~
キース「さて、これで第1ステージのすべての戦いが終わったか」
キース「勝ち抜けたのはボット、レンズ、スプリンガー、レオンハート、アッカーマン、イェーガーか…」
キース「誰が生き残っても不思議ではなかったが、最初の3名は少々驚いたな」
キース「生き残った奴らの、今後の健闘に期待するとしよう…」
-
- 128 : 2014/01/31(金) 19:30:15 :
~第2ステージ・エリア1~
コニー「よぉ、次はお前か」
アニ「まさか、あんたが勝ち上がってるとはね。驚いたよ」
コニー「アニは妥当って感じだな。まぁ、ここでおしまいだけどな」
アニ「寝ぼけたこと言ってるね。私があんたに負けるとでも?」
コニー「思ってるさ。確かに純粋な格闘術じゃ、俺はお前に歯が立たねぇ」
コニー「だけど、この勝負はそういったものを超越した戦いだ。俺にだって分があるさ」
アニ「あんた、馬鹿だと思ってたけど、結構分かってるじゃないか。見直したよ」
コニー「…いや、俺は馬鹿だぜ。馬鹿は馬鹿なりの戦い方ってもんがあるんだ。それを教えてやる」
アニ「へぇ、楽しみだね…」
-
- 129 : 2014/01/31(金) 19:35:12 :
審パァン『お二方、第1ステージ突破、おめでとうございます。第2ステージは、私がジャッジを務めさせていただきます』
コニー「お前、第1ステージと一緒の奴じゃねぇか」
アニ「正直、こいつは必要なの?開始前と終了後のコールくらいしか仕事してないじゃないか」
審パァン『まぁそう言わずに。広い心で受け入れてくだされば幸いです』
アニ「まぁ、どうでもいいけど…」
審パァン『それでは、準備はよろしいですか?』
コニー「おう、ばっちりだ!!」
アニ「いつでもいいよ」
審パァン『それでは第2ステージ、コニーVSアニ…』
コニー「…」
アニ「…」
審パァン『始めっ!!』
-
- 130 : 2014/01/31(金) 19:40:08 :
アニ「行くよ…」ダッ!
コニー「どわっ!!速っ…」
アニ「ふっ!!」ゲシッ!!
コニー「いっ!?」ドサッ!!
アニ「はあぁぁぁっ!!!」ビュッ!!
ゲシッ!ドゴッ!バキッ!
コニー「…っ!!」
アニ「…ふっ!!!」
ドッゴォォォッ!!!!!
コニー「ぎっ…!?」メキッ…
-
- 131 : 2014/01/31(金) 19:50:09 :
コニー「…ゲホゲホッ!!」ガクッ!
アニ「…どう、少しは効いた?」
コニー「…あぁ、効いた…と思うぜ」スクッ…
アニ「…まさか立つとは」
コニー「蹴られたところがあちこち変な感じだが、痛くはねぇな」
アニ「どんなカラクリだい?それだけ蹴られて、痛くないってのは…」
コニー「俺は体の感覚の一つを、忘れることができるのさ。今の俺は、痛みを感じない」
アニ「痛覚を忘れた、即ち消したってことか。あんたらしい能力だね」
コニー「褒めても何も出ないぜ?」
-
- 132 : 2014/01/31(金) 19:55:13 :
アニ「痛みを感じなくても、当然ダメージはあるんでしょ?なら、その能力も無限というわけではない…」
コニー「まぁそうだろうが、痛くねぇから肉体の極限まで戦える。変に傷を庇って戦うようなこともしなくて済むしな」
アニ「じゃあ、今その状態で痛みを思い出したら、どうなるんだろうね…」
コニー「…あん?」
アニ「『Tomorrow~辛いことも~』…」シュゥゥゥ…
コニー「何を…」
コニー「…い゛っ!?」
プゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン…
コニー(臭ぇ!!何だこの臭い!!意識が飛びそうだっ!!)
-
- 133 : 2014/01/31(金) 20:00:09 :
アニ「これは、私の脚の雑菌が、大気中の臭いの元を集めて集約させ、何十倍にも増幅させたもの」
アニ「この臭いを嗅ぎ続ければ、あんたは間違いなく意識を失う」
コニー「だったら、鼻つまめば済む話だっ!!(鼻声)」ギュッ!
アニ「無駄。私の雑菌が大気に飛散し、あんたに侵入して嗅覚を直接刺激する。鼻をつまんだところで無意味さ」
コニー(ほんとだ!!鼻つまんでも全然ダメだ!!こうなったら…)
コニー「嗅覚遮断っ!!」
アニ「やはり、そうするか。でも…」
コニー「…がはっ!!」ガクンッ!
コニー(痛ぇぇぇぇぇぇっ!!さっきのアニの蹴り、こんなに痛かったのかよっ!!)
-
- 135 : 2014/01/31(金) 20:05:13 :
アニ「今度は、まだ抜けきってない蹴りのダメージを味わうことになる。苦渋の選択でしょ?」
コニー「ぐ…アニめ!」
アニ「まぁ、何を忘れたところで、あんたはすでに負けが決まっている。そう…」
アニ「私の雑菌の侵入を許した時点でね。覚悟しな」
コニー「な…に…!?」
アニ「『Tomorrow~憂鬱な日には~』…」
コニー「…あ゛っ!?」ズキッ!!
コニー「ぐ…があぁぁぁぁぁっ!!!」ゴロゴロッ!!
アニ「あんたに侵入した雑菌が、体内からあんたを侵食し、細胞組織を破壊する」
アニ「死ぬ寸前で止めといてあげるけど、それまであんたは地獄の苦しみを味わうことになる」
-
- 136 : 2014/01/31(金) 20:10:38 :
コニー「ぐ…ぎぎぎぎ…!!!」
コニー(やべぇっ!!死ぬ…!!!)
コニー(…こうなったら、出し惜しみしてる場合じゃねぇな!!やるしかねぇっ!!)
アニ「…終わったね。私は先に行かせてもらうよ」スタスタ…
コニー「…ちょっと待てよ」
アニ「!?」バッ!
コニー「…俺はまだ終わってないぜ?勝手に行くんじゃねぇよ」
アニ「馬鹿な…!!あんたは私の雑菌の浸食を受けたはず!!何で立っていられるの!?」
アニ(痛覚を消した!?いや、それなら今度は臭いでやられるはず!!第一、痛みを感じないからと言ってどうこうできる技ではない!!)
-
- 139 : 2014/01/31(金) 20:15:09 :
コニー「本当は、決勝まで取っておきたかったんだけどな。やむを得なかった」
アニ「一体、何をしたっていうの!?」
コニー「知ってるか?バカってのは、薬が必要ないんだぜ?」
アニ「…どういうこと?」
コニー「聞いたことあるだろ、『馬鹿に付ける薬はない』ってな。そういうことさ」
アニ「全く意味が分からないんだけど…」
コニー「つまり、俺の体を治すのに薬は必要ない。どんな身体異常も、馬鹿である俺なら治すことができるってことよ」
アニ「なんて無茶苦茶な…!」
コニー「まぁ、この技は一日一回限定。だから本当は、こんなところで使いたくなかったんだ」
-
- 140 : 2014/01/31(金) 20:20:18 :
アニ「こんなところとは言ってくれるね…。私なんか、最初から眼中になかったと?」
コニー「そう言うワケじゃねぇけど、やっぱ奥の手は残しておきたかったからよ。でも、やっぱさすがだな、アニ!」
アニ「…まだ、安心するのは早いんじゃないの?」
コニー「ん?」
アニ「大気中には、まだ私の雑菌が浮遊している。もう一度あんたの体を蝕んで、同じ苦しみを味わわせることもできるけど?」
コニー「そうか。じゃ、やってみろ」
アニ「…後悔するよっ!!」バッ!
シュウゥゥゥ…!
コニー「…」
アニ「そろそろ効いてくるころ…」
コニー「…」ケロッ…
アニ「…そんな!効いてないの!?」
-
- 141 : 2014/01/31(金) 20:25:14 :
コニー「残念だが、もうその技は通用しない。『馬鹿の一つ覚え』ってな」
コニー「俺が過去に受けた技の中から一つだけ、その対処法を完璧に体に刻み込むことができる」
コニー「アニの雑菌への対処法は、俺の体が完璧に理解した。もう、その技は通用しない」
アニ「なっ…!!」
コニー「さらに驚かせてやろうか。俺は今、嗅覚を遮断していない。このキツい臭いが立ち込める空間の中で、だ」
アニ「ふんっ…!そんなハッタリが通用するとでも?」
コニー「残念だが、ハッタリじゃない。『臭しと知りて嗅ぐは馬鹿者』ってな」
コニー「さっきは咄嗟だったから嗅覚を忘れたが、今は違う」
コニー「俺自身に悪影響を及ぼすものを、あえて自分から受け入れることで、その効力を無効化することができるんだ」
アニ「そんな…」
アニ(何て奴…!私の技が、これほどまでに通用しないなんて…!!)
-
- 143 : 2014/01/31(金) 20:30:08 :
コニー「それと、アニ。お前、さっきから俺をずっと見てるよな?ざっと5分くらいか?」
アニ「それがどうかした?生憎、私はあんたに対してこれっぽっちも…」キュンッ
アニ「!?」キュンッ
コニー「…効いたかな?」
アニ(何、この気持ちは!?コニーのことを見ていると、なんだか…)チラッ…
コニー「」キラキラ…
アニ(か…かわ…かわ、い、い…!?)キュルルンッ
コニー(効果が出たようだな。『馬鹿な子ほどかわいい』ってな)
コニー(俺の姿を5分以上見続けた奴は、俺のことをかわいいと思っちまう。アニとて例外じゃなかったな)
コニー(これでアニは、俺のことを迂闊に見れなくなったはずだ…)
-
- 144 : 2014/01/31(金) 20:35:14 :
アニ「あうぅ…」キュン
コニー「どうした、アニ?何で顔を背けてるんだよ。こっち見ろって」
アニ「う…うるさい!あんたなんて、別に何とも…」チラッ…
コニー「」キラキラ…
アニ「はうっ…!」ズキュンッ!
アニ(駄目だ…!直視できないっ!!)
アニ(おまけに、尋常じゃないくらい心臓の鼓動が早まってる…!このままじゃショック死…)ドキンドキンッ!
コニー「よぉ」ヒョコッ
アニ「!?」ズキュゥゥゥゥゥンッ!!!
アニ「」バタッ…
-
- 145 : 2014/01/31(金) 20:40:12 :
コニー「…あれ?おーい、アニさーん?」
アニ「」
コニー「あわわわわ…」
コニー(死んでる!!やべぇ、やりすぎたっ!!)
コニー「どどどどどどうしようっ!!こんなつもりはなかったんだぁぁぁぁぁっ!!!」ウワァァッ!
コニー「せめて、祟りとかはやめてくれよ!!ナンマイダーナンマイダー…」ナムナム
審パァン『勝者、こn…』
ドクンッ!!
コニー「!?」
-
- 148 : 2014/01/31(金) 20:45:09 :
ドクンッ!!ドクンッ!!
コニー「…何の音だ!?」
アニ「」ムクッ
コニー「ひっ!!」ビクッ!
アニ「…まったく、随分と私をコケにしてくれたね。覚悟はいいかい?」
コニー「ひいぃぃぃぃぃぃぃっ!!!ゾンビだあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
アニ「悪かったね、ゾンビで。あんたを倒すために、死の淵から蘇ったのさ」
コニー「あ…あぁ…」ガタガタ
アニ「…冗談に決まってるでしょ。どんだけ驚いてるのさ」
-
- 149 : 2014/01/31(金) 20:50:15 :
コニー「何だ、冗談か…。って、何で死んだのに復活してるんだよ!?」
アニ「あんたの顔を至近距離で見た私は、事もあろうに、ショックで心臓が破裂したらしい」
コニー「どんだけ心臓に負荷かけたんだよ…」
アニ「その破裂箇所を、私の雑菌が治してくれたおかげで、こうしてまた蘇ることができたのさ」
コニー「理屈はよく分かんねぇけど、とりあえずお前が生きててよかった。安心したぜ…」
アニ「…どうも」
コニー「さて、それじゃ続きと行こうぜ!!」
アニ「悪いけど、もう決着はついてるよ」
コニー「何!?」
アニ「もう、あんたのかわいい顔を見る必要もない。これで終わりだ…」
ピギャアァァァァァァァァァッ!!
コニー「な…!?何だ、この声は!?」
-
- 150 : 2014/01/31(金) 20:55:18 :
巨大生物「ピギャアァァァァァァァァァァァっ!!!!!」
コニー「ぎゃあぁぁぁぁぁぁっ!!!!何だこいつはぁぁぁぁぁぁっ!?」
アニ「私の雑菌が、地面や大気に存在する数多の微生物と結合し、成長を促進させ巨大化した姿」
アニ「『Tomorrow~夢見るだけで~』…」
コニー「ひ…あぁ…」
アニ「こいつを生み出すには、少々時間が必要でね。あんたと最初にこの空間で出くわしたときに仕込んでおいた」
アニ「ちょうどいいタイミングで完成してくれて助かった。後はよろしく…」
巨大生物「」ズウゥゥゥゥゥゥン…
-
- 151 : 2014/01/31(金) 21:00:03 :
コニー「あ…」
コニー「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」ダダダッ!!
巨大生物「ピギャアァァァァァァァァァァァっ!!!!」バッ!
バクンッ!!
コニー(下半身)「」バタッ…
アニ「あ…と、やりすぎたかな…」
審パァン『勝者、アニ!!』
アニ「消えな」
巨大生物「」フッ…
アニ「」チラッ
コニー(下半身)「」
アニ「殺すつもりはなかったんだけどね…。仕方ない…」
アニ「『Tomorrow~明日は幸せ~』…」
シュウゥゥ…
-
- 153 : 2014/01/31(金) 21:04:23 :
コニー「」シュゥゥゥゥ…
アニ「私の雑菌にあんたの細胞を食べさせ、その情報を元にあんたの食われた肉体を再生させる」
アニ「本当は、こんなことしてやる義理はないんだけどね。せめてもの情けだよ」
アニ「…」
アニ「…まぁ、さっきあんたが私の命を案じてくれたこと、嬉しくなかったと言ったらウソになる、ってことかね」チラッ
コニー「」
アニ「…っ!」キュンッ
アニ「…行こ///」スタスタ
第2ステージ・エリア1
勝者・アニ
-
- 155 : 2014/01/31(金) 21:15:09 :
~第2ステージ・エリア2~
クリスタ「あっ、エレン!」
エレン「よぉクリスタ、次の相手はお前か」
クリスタ「何か、エレンの体が、さっぱりしてない?」
エレン「あー…。さっき丁度、間欠泉が噴出してな。時間もあったし、ひとっ風呂浴びてきたんだ」
クリスタ「え、ズルい!」
エレン「後でみんなで行こうぜ。秘湯ってやつだな」
クリスタ「そうだね。みんなにも教えてあげないと。それにしても…」
クリスタ「…アルミンの次はエレンかぁ。この分だと、次の相手はミカサかな?」
エレン「へぇ、アルミンを倒したのか。大したもんだな。だけど…」
エレン「すでに次の相手のことを考えるなんて、気が早いんじゃないか?」
-
- 156 : 2014/01/31(金) 21:20:12 :
クリスタ「そうでもないよ?だって、勝つのは私だもん」
エレン「言ってくれるな…。数分後、そこらに寝転んでるのはお前だぞ、クリスタ」
クリスタ「エレンこそ、寝転ぶための肉体が残ってるといいね」
エレン「どういう意味だよ…」
審パァン『あの…』
エレン「お、ここにもいたか、審判」
審パァン『審パァンです。その辺り、よろしくどうぞ』
エレン「まぁ、どっちでもいいんだけどよ…」
審パァン『あまり長話もアレですので、そろそろ始めさせていただきたいのですが…』
エレン「そうだな。見かけに似合わず腹黒いこいつを、早く黙らせて次に行かねぇとな」
クリスタ「腹黒いとは心外だなぁ。どっちの心が黒いのか、戦いの中で教えてあげるよ」
審パァン『それでは、エレンVSクリスタ…』
エレン「…」
クリスタ「…」
審パァン『…始めっ!!』
-
- 157 : 2014/01/31(金) 21:25:13 :
エレン(まずは、様子見と行くか…)
クリスタ「…来ないの?エレンのことだから真っ先に飛び込んでくると思ったけど」
エレン「残念ながら、手の内も分からないような相手に、迂闊に飛び込むようなマネはさすがにしないさ」
クリスタ「そう、なら安心した。心置きなく、これを使えるから…」
クリスタ「『女戦士・天使(ヴァルキリー・レベル・エンジェル)』!!!」バッ!
エレン「なっ…!?天使!?」
クリスタ「『怒れる聖天使(イカエル・ミカエル)』!!!!!」
ピカァァァァァァァァァァァァッ!!
エレン「くっ…!眩しい…!」バッ!
-
- 158 : 2014/01/31(金) 21:30:33 :
クリスタ「さぁ、エレンに住まう悪の心よ。増幅し、主を破滅へと導きなさい…」
エレン「お前、何を言って…」
エレン「…!?」ドクンッ!!
エレン(何だ!?身体の中から、何かが…!?)
クリスタ「アルミンには通用しなかったけど、エレンにはあんな芸当はできないでしょう?」
クリスタ「自らの肥大化した悪の心を抱えきれず、あなたの肉体は破裂するの!!」
エレン「な…なんて…技だっ!!」ガクッ
エレン(このままだと、俺の中の悪の心が、俺ごと破裂しちまうってことか!?そいつはマズいな…!)
エレン「こうなったら…」
クリスタ「何をしても無駄。一度この技を受けてしまえば、あなたに残されているのは破滅の道のみ!!」
クリスタ「無駄な抵抗はやめて、残された時間でおのれの悪行を悔い改めなさい!!」
-
- 159 : 2014/01/31(金) 21:35:10 :
エレン「そう言うワケには…いかないんだよ…!」
エレン「俺は何としても、悪の心を抑え込む…」
エレン「抑え込む!!」ゴオォォォォォォォォォォォォォッ!!!
クリスタ(何、この気迫!?)
エレン「俺は絶対に負けない!!自分の悪の心で、破滅なんてするか!!」
エレン「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」
カッッッッッッッッッッッッッ!!!!!
シュゥゥゥゥゥゥ…
クリスタ「…ウソ!」
エレン「…はぁ、はぁ、収まったか?」
クリスタ(そんな…!?どうやってあの技を打ち消したの!?何か能力を発動したようには見えなかったけど!?)
-
- 160 : 2014/01/31(金) 21:40:14 :
エレン「まさかお前が本気で殺しに来るとはな。それだけ、お前もこの戦いにかけてるプライドがあるってことか」
クリスタ「…そうだよ。私は元々貧弱で、本当ならこんな戦いなんてとてもできる身体じゃなかった」
クリスタ「皆から、女神とか天使とかいろいろ言われていたけど、だからと言って何か特別なことができたワケじゃなかった」
クリスタ「でも、キース教官の付きっきりの指導で、私はこうしてさまざまな能力を操り、エレンたちと肩を並べることができた」
クリスタ「ここで勝ち抜くことが、キース教官への恩返し!私は負けられないっ!!」
エレン「なるほど。お前もみんなと一緒なんだな。だけど…」
エレン「俺だって負けられない!!ここで負けたら、今まで積み上げてきた物がなくなっちまうんだよ!!」
-
- 161 : 2014/01/31(金) 21:45:14 :
クリスタ「うるさいっ!!『女戦士・女帝(ヴァルキリー・レベル・エンプレス)』!!」
クリスタ「…『聖炎の闘士(ファイヤー・ファイター)』!!」ゴオォッ!!!!
エレン「すげぇオーラ…!なんかヤバそうだな…!」
クリスタ「行くよ!はあっ!!」ダッ!
エレン「くっ!!」ヒョイッ
クリスタ「まだまだっ!!」ブオンッ!
エレン「うわっ!」ヒョイッ
エレン(速い…!クリスタが突然インファイターになりやがった…!これは厳しいな…!!)
-
- 162 : 2014/01/31(金) 21:50:07 :
クリスタ「しぶといね…。じゃあ、これならどう…?」
クリスタ「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」シュッシュッ
エレン「しまっ…」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!!
エレン「ぐ…はっ…!」
エレン(ヤバい…意識が…)
ドサッ…
エレン「…うぅ」
クリスタ「まだ意識があるんだね。あれだけの拳を受けたのに、さすがエレン…」
クリスタ「でも、さすがに立てないでしょ?」
-
- 163 : 2014/01/31(金) 21:55:35 :
エレン「お…れ…は…」
エレン(そうだ…。俺はこんなところで…)
エレン「こんなところで、負けられない…!」グググ…
クリスタ「無駄だよ。口だけは動いても、身体には伝わらない」
クリスタ「それだけのダメージを受けてしまった肉体は、もうあなたの脳からの命令を遂行する力が残っていないの」
クリスタ「脳と肉体、お互いが足並みをそろえて、初めて人間は行動できる。でも、それができないあなたには、もう勝ち目はない」
エレン「…いや、あるさ」
クリスタ「…何を!?」
エレン「…足並みがそろわないのなら、無理やりにでも揃えればいい。俺には、そうできる力がある」
エレン「俺は、まだやれる…」
エレン「やれる…!」
エレン「やれるんだっ!!!!!」ゴオォォォォォォォォォォォォォッ!!!
クリスタ「!?」
クリスタ(また!?今度は、さっきを上回る気迫!!一体どうなっているの!?)
-
- 164 : 2014/01/31(金) 22:00:18 :
エレン「うおぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!」
エレン「うらあぁぁぁぁぁっ!!!!!!」ガバッ!
クリスタ「嘘…!立ち上がった…!?」
エレン「俺が俺自身を、微塵も疑うことなく信じ続ければ、俺にできないことはない」
エレン「俺の取り柄って言ったら、バカみたいな精神力と根性だけだ」
エレン「最初はそれを戦いにどう生かせるのか、全く見当もつかなかったよ」
エレン「さっきクリスタが言ったように、どんだけ頭で考えても体がついてきてくれなきゃ、意味がないもんな」
エレン「だけどキース教官は、それを生かすための技を考案し、俺にみっちり仕込んでくれたんだ」
クリスタ「仕込んだ…!?その技とは、一体…!?」
-
- 165 : 2014/01/31(金) 22:05:27 :
エレン「俺が俺自身を信じること。微塵も疑わないこと。言葉の力を、現実に変えること」
エレン「俺が一撃で倒せると信じれば、敵を一撃で倒せる」
エレン「俺が悪の心を抑え込めると信じ切れば、完全に抑え込める」
エレン「俺がまだやれると疑わなければ、もう一度立ち上がることができる」
クリスタ「それって…!!」
エレン「これが俺の能力、『不惑の言霊(シュプラーヘ・デス・アルタース・ヴォン・フィルツィヒ)』!!!!!」
エレン「俺が100%自分自身を信じ抜き、それを言葉として発することで、どんな不可能も可能にすることができる」
エレン「逆に、ほんの少しでも無理だと思ったり、諦めの念が入ってしまえば、この能力を使うことはできない」
-
- 166 : 2014/01/31(金) 22:10:44 :
クリスタ「不惑…!?」
クリスタ(口で言うのは簡単だけど、自分のことを微塵も疑わずに信じることは、難しいなんてもんじゃない!)
クリスタ(ましてや自分が圧倒的不利に立たされた状況では、どうしても諦めや弱気などの雑念が入ってしまう)
クリスタ(でも、エレンはそれらに打ち勝ち、自分を信じ切れるだけの精神力を持っている)
クリスタ(つまり、これはエレン以外には到底マネすることのできない、エレン限定の最強能力!!)
エレン「分かってくれたか、クリスタ。俺みたいな奴には、こんな能力しか使いこなせないけど…」
エレン「俺は、こんな強靭な精神力を身に付けさせてくれた両親、親友、そしてキース教官に、心から感謝しているんだ」
エレン「そのためにも、こんなところであっさり倒れるわけにはいかないんだ」
-
- 167 : 2014/01/31(金) 22:15:26 :
クリスタ「そうだね。よく分かったよ。エレンも…」
クリスタ「…私と一緒で、絶対に負けられないっていう事が!!」
クリスタ「決着を付けよう!お互い、悔いを残さないようにっ!!」
エレン「…望むところだ、クリスタ!お前の技を、受け止めてやるっ!!」
クリスタ「手加減はしないよ!!『女戦士・堕天使(ヴァルキリー・レベル・フォーリンエンジェル)』!!」
クリスタ「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」
ビキビキビキッ!!
エレン「なっ…!」
エレン(クリスタの体が、ドス黒く染まっていく!!すげぇエネルギーだ…!)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!
シュウゥゥゥゥゥゥゥ…
-
- 168 : 2014/01/31(金) 22:20:10 :
エレン「…収まった」
クリスタ「…ふぅ。お待たせ、エレン」ゴオォッ!!
エレン「…すげぇ姿だな、クリスタ。まるで、悪魔みてぇな」
クリスタ「堕天使、って言ってもらえる?もう今の私は、皆が知ってるクリスタじゃないの」
クリスタ「できることなら、この姿にはなりたくなかった。ヘタすれば、もう元のクリスタに戻れなくなってしまうから」
クリスタ「だけど、力をセーブして負けてしまえば、それこそ悔いしか残らない。そんなのは嫌」
クリスタ「それに、今はすごく気持ちいいの。何故だか分かる、エレン?」
エレン「…さぁな、皆目見当もつかねぇよ」
クリスタ「きっと、意図的に封じていた力を解放できたからじゃないかな。もう、後のことはどうでもいいや」
クリスタ「私の全力を持って、エレン、あなたを倒す!覚悟はいい!?」
エレン「来いっ!!俺だって、全力でお前を迎え撃ってやる!!」
クリスタ「そうこなくちゃ。流石エレン…」
-
- 169 : 2014/01/31(金) 22:25:18 :
クリスタ「…行くよっ!!」
クリスタ「『五感喪失(センス・ナンセンス)』!!」ポワアァァァ…
ポワポワポワポワポワ…
エレン「何だ、あの黒い玉は…!?クリスタの掌から、複数出現した…?」
クリスタ「…行きなさいっ!!」ビュッ!
玉「」ビュンッ!
エレン「何か…ヤバそうだっ!!」
エレン「ふっ!!」ヒョイッ!
クリスタ「まだまだっ!!行きなさいっ!!」
玉「」ビュンッ!
エレン「うっ…!」
-
- 170 : 2014/01/31(金) 22:30:13 :
クリスタ「…そこっ!」
玉「」ビュンッ!
エレン「しまっ…」
ビリビリビリッ!
エレン「あぁぁっ…!!」
クリスタ「受けたね。これであなたは…」
エレン「いてて…。あれ、ここどこだ?何で、いきなり真っ暗な空間に…」
クリスタ「いいえ、エレン。あなたも私も、さっきの場所から移動してないよ。どうして、真っ暗なんだろうね?」
エレン「は…?じゃあ、いきなり洞窟が暗くなったのか…?」
クリスタ「…それっ!」
玉「」ビュッ!
ビリビリビリッ!
エレン「うっ…!?」
-
- 173 : 2014/01/31(金) 22:35:18 :
エレン「またアレを喰らっちまったのか…」
エレン「…え?」
クリスタ「気付いたね…」
エレン「あーっ!あーっ!俺はエレン・イェーガー…」
エレン「…そんな!」
エレン(何でだ!?何も聞こえない!!俺は今、間違いなく声を出していたのにっ!!)
クリスタ「その玉に触れると、あなたの五感のうちどれか一つが奪われるの。まぁ、聞こえてないだろうけどね」
クリスタ「さぁ、どんどん行きなさいっ!!」
玉「」ビュッ!
玉「」ビュッ!
玉「」ビュッ!
ビリビリビリッ!
エレン「あぁぁぁぁっ!!!!」
ドサッ…
-
- 174 : 2014/01/31(金) 22:40:18 :
クリスタ「全弾命中。これであなたは、五感のすべてが失われた」
エレン(あれ…?俺は今、何をしてるんだ?どこを向いてる?何を触ってる?)
エレン(…駄目だ、まったく分からない。次は、どこから攻撃されるんだろう…)
エレン(また、攻撃される…?見えないのに!?聞こえないのに!?そんなの…)
エレン「…怖いっ!!!」ガタガタ!
エレン「やめてくれクリスタッ!!もう怖いんだっ!!もう、終わりにしてくれっ!!」
クリスタ「さすがのエレンも、何も感じることができなくなって、恐怖と絶望で精神崩壊寸前だね…」
エレン「あぁぁぁぁっ!!!!見えないっ!!聞こえないっ!!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」
-
- 175 : 2014/01/31(金) 22:45:12 :
クリスタ「…私自身、この技の恐ろしさを改めて確認したよ。エレンほどの精神力があっても、やはり絶望してしまうんだね」
クリスタ「そして、早くその恐怖から解放してあげるね、エレン。もう少し待ってて」
クリスタ「『希望は闇へ…(ダークネス・ホープレス)』…」
クリスタ「この技は、相手の絶望のエネルギーを糧として膨らみ続けるエネルギーの球」
クリスタ「相手が絶望すればするほど球は大きく膨らみ、破壊力を増していく」
クリスタ「そして今のエレンの絶望エネルギーは…」
球「」ゴオォォォ…
クリスタ「直径3メートルってところだね。もちろん、これからまだまだ大きくなる」
-
- 176 : 2014/01/31(金) 22:50:17 :
エレン「ううぅ…あぁぁぁっ!!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」」
エレン(怖いよぉ!!母さんっ!!父さん!!ミカサっ!!助けて……助けてぇぇぇぇぇっ!!!!!)
エレン(どうすればいいか分からないっ!!俺は死ぬの…!?)
エレン「死にたくないっ!!あぁぁぁぁっ!!!!!助けてよぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」
クリスタ「…」
クリスタ(これほどまでに絶望して這いずり回るエレンは、正直見たくなかったかな)
クリスタ(でも、仕方ないよね。エレンも一人の人間だったってことで…)
球「」ゴゴゴゴゴ…
クリスタ「5メートルを超えたかな。順調に大きくなっているね」
-
- 177 : 2014/01/31(金) 22:55:20 :
エレン(…)
エレン(あれ?俺は、何でこんなことしてるんだ?ってか、何をしてたんだっけ…)
エレン(ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ)
エレン(あぁ、そうだ。確か、首席を決めるためのバトル大会で、クリスタと戦ってたんだっけ…)
エレン(ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ)
エレン(それで、俺は五感を奪われて、絶望してたんだっけ…)
エレン(ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ)
エレン(…おかしいな。さっきまで絶望感に襲われてどうしようもなかったのに、どうして今はこんなに冷静でいられる?)
エレン(どうして、自分を客観視できているんだ…?)
-
- 178 : 2014/01/31(金) 23:00:11 :
エレン(ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ)
エレン(…そうか。苦しんでいるのは、お前なのか。だから俺はこうして、自分を保っていられるのか)
エレン(ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ)
エレン(…そうか。俺は今、試されている。こんな状況でも、自分を心底信じることができるのかを)
エレン(こんな絶望の淵に立たされてこそ、どれだけ不惑を貫けるか。それができてこそ、本物だってことだよな)
エレン(ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ)
エレン(…ありがとう。お前が苦しんでくれていたおかげで、俺は俺を思い出せた。後はもう、ゆっくり休んでてくれよ)
エレン(ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ…)
エレン(あ…あ…あ…)
エレン(…行くか)
-
- 179 : 2014/01/31(金) 23:05:36 :
球「」ゴゴゴゴゴゴゴ…
クリスタ「10メートルを超えた。そろそろ、終わりにしようかな…」
エレン「」スクッ…
クリスタ「…立ち上がった!?」
エレン「俺は…大丈夫…大丈夫…」ブツブツ…
クリスタ「独り言をブツブツと…?まさか、自分を取り戻したの!?」
エレン「俺は、大丈夫。やれる。まだまだやれる。だから…」
エレン「だから俺は…」
エレン「俺は、やれるんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」ゴオォォォォォォォォォォォォォッ!!!
球「」フッ…
クリスタ「!?」
クリスタ(球が消えた!?自分で絶望を振り払ったっていうの!?)
-
- 180 : 2014/01/31(金) 23:10:13 :
エレン「お前がどこにいるか分かんねぇし、何も聞こえねぇけど、いるんだろ、クリスタ」
クリスタ「…」
エレン「これが、俺の不惑だ。何者にも縛られず、俺が俺を信じ抜いた形だ」
エレン「正直、この状況でお前が俺に攻撃を仕掛けてくれば、俺は抵抗もできずに喰らい続けるだろう」
エレン「だけどな!!」
エレン「お前がどれだけ俺に攻撃を加えようと、俺は何度でも立ち上がる」
エレン「それこそ、お前が攻め続けることに疲れ、嫌気が刺すほどになったとしても、何度でもだ」
エレン「来いよ、クリスタ。俺の不惑の力、好きなだけ見せてやる!!」
クリスタ「エレン…」
クリスタ(もうこれは…終わりだね…)
-
- 181 : 2014/01/31(金) 23:15:17 :
クリスタ「」フッ…
エレン「…おっ?」
クリスタ「何とか元に戻れた。エレンも、失った五感は元に戻ったはずだよ」
エレン「クリスタ…何で?あのまま続けていれば、お前は…」
クリスタ「もういいよ、エレン。あの技を受けてなお、自力で這い上がってくるような人に、どんな攻撃をかけても勝てる気がしない」
クリスタ「この勝負は、私の負け。あのまま続けて、逆に痛い目に遭うのも嫌だしね」
エレン「んだよ…。自分ばっかり好き放題に攻撃したくせに…」
クリスタ「ごめんね?次も頑張って!」
エレン「ちぇっ…」
審パァン『勝者、エレン!!』
-
- 182 : 2014/01/31(金) 23:20:39 :
クリスタ「さて、と。いっぱい汗かいちゃったから、エレンの言ってた温泉に行ってみようかな」
エレン「気を付けろよ。ライナーもいるから」
クリスタ「大丈夫だよ。もしもの時は、ね?」ニコッ
エレン「…っ!」ゾクッ…
クリスタ「それじゃエレン、頑張ってね」
エレン「…おう!」
スタスタ…
エレン「…」
エレン「俺も行くか」
エレン(次はクリスタ以上の強敵が待ってるんだろうな。心してかからねぇと…)
スタスタ…
第2ステージ・エリア2
勝者・エレン
-
- 186 : 2014/02/01(土) 11:48:32 :
~第2ステージ・エリア3~
マルコ「うわっ!」
ミカサ「…どうも」
マルコ「第1ステージは当然勝ち上がってると思ってたけど、よりによってここでミカサと当たるのか…」
ミカサ「よろしく、マルコ。当然、手加減するつもりはない」
マルコ「ははは…」
-
- 187 : 2014/02/01(土) 11:54:10 :
ミカサ「ところで…」チラッ
審パァン『…はい?』
ミカサ「あなたは、今勝ち残ってる人達の情報は把握しているの?」
審パァン『えぇ、まぁ、把握していますが…』
ミカサ「では、それを教えてもらえないだろうか?」
審パァン『いやしかし、私の独断でそう言った情報を後悔することは』
ミカサ「教えて」ギロッ
審パァン『アニとエレンです』
マルコ(ミカサ…)
-
- 188 : 2014/02/01(土) 12:00:29 :
ミカサ「そう、エレンも残っているの。それならよかった」
ミカサ「アルミンは残念だけど、決勝で潰し合う必要が無くて済む。これについては安心した」
マルコ「決勝でエレンと戦う気かい?」
ミカサ「もちろん、やるからには全力で行かせてもらう。けど、それについて考えるのはまだ早い」
ミカサ「まだ目の前にあなたという相手がいる以上、今はその相手を全力で倒しにかかる必要がある」
マルコ「へぇ…。思いのほか冷静だね。僕はてっきり、エレンにお熱を上げて、自分を見失ってるかと」
ミカサ「あまり舐めないでほしい。私は、そんなことで自分を見失ったりはしない」
マルコ「そう…」
-
- 189 : 2014/02/01(土) 12:06:11 :
審パァン『それでは、そろそろ始めさせていただいてもよろしいですか?』
ミカサ「構わない」
マルコ「僕もいいよ」
審パァン『それでは、ミカサVSマルコ…』
ミカサ「…」
マルコ「…」
審パァン『…始めっ!!』
-
- 190 : 2014/02/01(土) 12:12:09 :
マルコ「『半場投身』…」スゥゥ…
ミカサ「…!?マルコの半身が消えた!?」
マルコ(左)「僕の右半身は、異次元の中さ。どこからでも、君を狙って攻撃できるよ」
ミカサ「異次元…!?不思議な技…」
マルコ(左)「ボケっとしている暇はないよ?それ…!」
ミカサ「…!?」
マルコ(右)「はっ!!」ビュッ!
ミカサ「くっ!後ろから!?」
マルコ(右)「よくかわしたね…」スゥゥ…
ミカサ「…消えた。異次元の中に入り込んだ?」
-
- 191 : 2014/02/01(土) 12:18:17 :
マルコ(左)「さぁ、次はどこから出てくるかな…?」
ミカサ「…」スッ…
マルコ(左)(…何を?瞑想…?)
マルコ(左)「…まぁいい。どの道、君に僕の右半身を捉える術はない。いつまで避けつづけていられるかな?」
ミカサ「…」
マルコ(左)「聞こえてないのかな?ならば…」
マルコ(右)「…行かせてもらうだけだっ!!」ビュッ!
ガシッ!?
マルコ(右)「!?」
-
- 192 : 2014/02/01(土) 12:31:59 :
ミカサ「…捉えた」
マルコ(右)「馬鹿な!!今、明らかに僕が攻撃する前に反応していた!!どうして!?」
ミカサ「足音が聞こえた。どこか、別の空間を移動する、あなたの足音が」
マルコ(右)「バケモノか、君は…」
ミカサ「身体半分で活動しているあなたに言われたくない。はっ!!」ブオンッ!!
マルコ(右)「うわっ!!」ドサッ!!
ミカサ「もう、異次元には行かせない。ここでまとめて、あなたを倒す」
マルコ(左)「くっ…こうなったら…」
マルコ(右)「いったん元に戻る!!」
スゥゥゥゥ…
-
- 193 : 2014/02/01(土) 12:36:22 :
マルコ「…ふぅ。そして…」
ミカサ「遅い」ヒュッ
マルコ「うっ…!?」
ドゴッ!!
マルコ「う…あ…」
ミカサ「…今私は、あなたのある『ツボ』を捉えた。このツボを刺激されたあなたは、もう身体がいう事を聞かなくなる」
マルコ「ツボ…だって…?」
ミカサ「そう。背中を通る、脊髄と神経の伝達路。その中枢を押させてもらった」
ミカサ「ここに強い衝撃を加えることで、全身の神経が麻痺し、しばらく自由に行動できなくなる」
マルコ「そんなものを知っているとは…。君は恐ろしい奴だね…」
-
- 194 : 2014/02/01(土) 12:42:22 :
ミカサ「もう、そんな悠長に会話している場合ではないはず」
ミカサ「選択してもらおう。おとなしく棄権して敗北するか、このまま私に痛めつけられて敗北するか」
マルコ「ひどい二択だね…。どの道、僕が負けるしかないじゃないか…」
ミカサ「さぁ、答えて。さもなくば、このままあなたを…」
マルコ「その選択肢の中に、これを加えておいてくれないかい…?」
ミカサ「…え?」
マルコ「『動けないと思っていた相手から、不意に一撃をもらう』ってね…」
ミカサ「何を…!?」ゴスッ!!
ミカサ「…かはっ!!」ガクッ!
-
- 195 : 2014/02/01(土) 12:48:15 :
マルコ「残念だったね。君のツボとやらは、僕には効いていないよ」
ミカサ「馬鹿な…!?過去にジャンやコニーで試した時は、確かに効いていたはず…」
マルコ「確か、脊髄と神経の伝達路を刺激するんだっけ?それじゃ、今の僕には通用しない。だって…」
マルコ「…今の僕の体内には、それらが無いんだからね」
ミカサ「…!?」
マルコ「信じられないって顔だね。いいよ、教えてあげよう」
マルコ「僕の能力『半場投身』は、自分の体の半分を異次元へと転送する技。当然、異次元の中では誰の干渉も受けない」
マルコ「まぁ異次元にあるって言っても、肉体は繋がってる状態と何ら変わりない。細かい理屈は、僕自身もよく分からないけどね」
ミカサ「それが、ツボが通用しないことと何の関係があるの…?」
-
- 196 : 2014/02/01(土) 12:54:15 :
マルコ「僕が異次元に転送できるものは、何も体の右半分に限らないってことさ…」
ミカサ「…どういうこと!?」
マルコ「つまり、『体の半分』ではなく、『肉体の半分』ってこと」
ミカサ「それって…!?」
マルコ「そう。僕が今異次元に転送しているのは、僕の内臓や骨」
マルコ「外見はそのままで、肉体の半分の質量に相当する分の内臓などを、異次元に送っている状態ってことさ」
ミカサ「つまり、あなたにツボが通用しなかったのは、そもそも今のあなたの体にツボが存在していないから、ということ…?」
マルコ「そういうことになるね。今の僕は肉と皮だけの、ハリボテ人形みたいなものかな」
ミカサ「本当に不思議な技…」
マルコ「褒め言葉として受け取っておくよ」
-
- 197 : 2014/02/01(土) 13:00:16 :
ミカサ「…一つ、聞きたいのだけれど」
マルコ「ジャンみたいだね、君は。一体何だい?」
ミカサ「異次元の内臓が潰されれば、ダメージはすべてあなたに行くの?」
マルコ「…何を言っているんだ?」
ミカサ「率直な疑問。肉体を異次元に転送した状態でも、肉体がつながっている状態と変わらないのなら、そういうことになるの?」
マルコ「…まぁ、そうだけど。知ってどうするつもりだい?」
ミカサ「ならば、今は無防備な内臓を狙う事にしよう…」
マルコ「ば…!馬鹿な!!だって僕の内臓は、異次元の中だよ!?君が干渉できるはずがないっ!!」
ミカサ「忘れたの?私はさっき、あなたの隠れた右半身の位置を割り出し、捕えている」
ミカサ「同じ原理で、あなたの内臓のある場所を察知することもできる。そう思わない?」
-
- 198 : 2014/02/01(土) 13:06:19 :
マルコ「だっ…」
マルコ「だとしても!!どうやって異次元の中の内臓に攻撃を仕掛けると言うんだい!?」
ミカサ「私の能力なら、それができる」
マルコ「無理だね!!僕の創りだした異次元には、いかなる能力を使っても干渉することはできない!!」
ミカサ「本当に、そう断言できるの?私の能力も知らないのに?」
マルコ「うっ…」
マルコ(確かに、ミカサの能力は未知数。もしかしたら、本当に異次元の中に干渉できる力を…!?)
マルコ(…いや待て、そんなはずはない!きっとハッタリに決まっている!!)
マルコ(もし本当に干渉できるのなら、最初に僕が右半身で攻撃をかけたときに、使っているはずだ!!)
-
- 199 : 2014/02/01(土) 13:12:05 :
ミカサ「…」ジッ…
マルコ(…待てよ。さっきは何か事情があって、能力を使えなかったという線はないだろうか?)
マルコ(僕のように、能力を使える範囲を制限されていたり…)
マルコ(そう考えると、やはりミカサは異次元に干渉できる何かを持っているのか…!?)
マルコ(…駄目だ!考えれば考えるほど分からない!!今の僕は、どうするべきなんだ!?)
ミカサ「…時間切れ。それじゃ、あなたはここで散ってもらおう」スッ…
マルコ「!!」
-
- 200 : 2014/02/01(土) 13:18:12 :
マルコ「戻れっ!!!」
シュゥゥゥゥゥゥ…
ミカサ「…ようやく戻してくれた。賭けは、私の勝ち」
マルコ「えっ…!?」
ドゴッ!!
マルコ「う…あ…」
マルコ(さっきのツボの箇所…!しかも今は内臓を戻したから、今度は…)
ミカサ「手応えあり。もうあなたは、自由に動くことは適わない」
マルコ「この瞬間を…狙って…?」
ミカサ「ハリボテのあなたを痛めつけ続ける手もあったけど、決勝が控えている状態で無駄に体力を消費したくない」
ミカサ「あなたがまんまと、私のハッタリに引っかかってくれて助かった」
-
- 201 : 2014/02/01(土) 13:24:08 :
マルコ「なっ…!?じゃあやはり、異次元の中に干渉できる能力を持っているというのは…」
ミカサ「真っ赤な嘘。そんな能力があるのなら、最初から使っている」
マルコ「…はっ」
マルコ「これは見事に、一杯喰わされたね。まさか君が、頭脳戦を仕掛けてくるなんてね…」
ミカサ「それも、要らない先入観が引き起こした、心の迷い。あなたは、私の術中にまんまとはまってくれた」
ミカサ「私が能力を隠していたのも、このための布石。自分の手の内は、簡単に晒すものではない」
マルコ「本当に、その通りだよ。僕はいらないことを深く考え過ぎて、疑心暗鬼になっていた」
-
- 202 : 2014/02/01(土) 13:30:12 :
マルコ「まぁ、そうは言っても、あのまま戦い続けていても、どの道僕に勝ち目はなかっただろうね」
ミカサ「…勝負事というのは、最後まで分からないもの」
ミカサ「今だって、あなたが不意に動き出すかもしれない。常に警戒は怠っていない」
マルコ「心配しなくても、僕は全く動けないよ。これは勝負あったね…」
ミカサ「…」
審パァン『それでは、棄権という事でよろしいですか?』
マルコ「あぁ、よろしく頼むよ」
審パァン『それでは、勝者、ミカサ!!』
-
- 203 : 2014/02/01(土) 13:36:18 :
ミカサ「…ふっ!」
ドスッ!!
マルコ「うっ…!」
ミカサ「ツボを解除した。これであなたは、普通に動けるようになる」
マルコ「ははは、ありがとうミカサ。助かったよ」
ミカサ「助けたのではなく、元に戻しただけ」
マルコ「全く。そういう時は、素直に『どういたしまして』って言うもんだよ?」
ミカサ「…そう」
マルコ「ミカサ、ありがとう」
ミカサ「…どういたしまして」
マルコ「ふふっ…」
-
- 204 : 2014/02/01(土) 13:42:21 :
ミカサ「何だか、マルコにバカにされているようで腑に落ちない」
マルコ「そんなことないよ。ただ会話しているだけだって」
ミカサ「…」ムスッ
マルコ「…ほら、そろそろ行かないと。アニとエレンが待ちくたびれてるよ?」
ミカサ「そうだった。エレンが心配だから、早く行かなければ」
マルコ「相変わらずだね。がんばって」
ミカサ「…うん」
タッタッタッタッ…
マルコ「…はぁ、あっさり負けちゃったな。せめて、ミカサの能力くらい知りたかったのに」
第2ステージ・エリア3
勝者・ミカサ
-
- 205 : 2014/02/01(土) 13:48:13 :
~洞窟入口~
キース「これで、決勝ステージ進出はレオンハート、イェーガー、アッカーマンか。まぁ、妥当と言えば妥当だな」
真・審パァン『あの…』
キース「何だ?」
真・審パァン『先ほどいらっしゃった6名の訓練兵は、一体…』
キース「奴らか。決勝ステージを始める前に、少々面白いイベントを用意したのでな」
真・審パァン『はぁ…』
キース「このまますんなり戦いが終わるのは面白くない。こういった大会には、乱入者がつきものなのだ…」
真・審パァン『乱入者ですか。それで、面白いイベントとは…?』
キース「黙ってみていろ。じきに分かる」
真・審パァン『はぁ…』
キース(さて、第1ステージで散った6名の訓練兵よ、気を抜いている場合ではないぞ)
キース(貴様らには、再び試練を乗り越えてもらわねばならん…)
-
- 208 : 2014/02/01(土) 20:00:12 :
~第1ステージ・エリア4~
サシャ「」パチッ…
サシャ「はっ!ここは!?」ガバッ!
シーン…
サシャ「あぁ、アニがいない。私は負けたんでしたっけ…」
サシャ「いつの間にか苦しいのが治ってましたけど、アニが手加減してくれたんですかね?」
サシャ「…」
サシャ「うわーんっ!!兵団幹部になりたかったぁぁぁぁぁっ!!!ご馳走三昧したかったよぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」
サシャ「何なんですかあの能力はっ!!どう考えても強すぎですよっ!!反則ですあんなのっ!!!」
サシャ「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!!!」
ダズ「うるせぇぞ、ピーピー喚くな」
-
- 209 : 2014/02/01(土) 20:05:12 :
サシャ「…ダズ!?」
ダズ「ああそうだ。俺の名はダズ、今更名乗るまでもねぇがな」
サシャ「ヘタにかっこつけてる姿が、かえって痛々しいです」
サシャ「というか、何であなたがここに!?ここは、我々上位12名のみが呼ばれていたはず!!」
ダズ「そうだなぁ…。言うなれば俺達は、乱入者ってところか」
サシャ「乱入者…!?それに、俺“達”という事は…!?」
ダズ「他にもいるぜ。全部で6人だ」
ダズ「キース教官のちょっとした戯れでな。俺達乱入者と、第1ステージで負けた6人でこれからバトルを行う」
ダズ「そこでお前らがもし負ければ、憲兵団行きの切符は剥奪、代わりに勝ったやつが憲兵団行きの資格をもらえるってワケだ」
サシャ「そんな…!それじゃ、せっかく今まで頑張ってきた3年間が…」
ダズ「バブル・オブ・ウォーターだ」
サシャ「いや、そういう言い回しやめてもらえますか?すごくイラッとするので」
-
- 211 : 2014/02/01(土) 20:10:14 :
サシャ「それにしても、あんまりじゃないですか…!負けて傷心モードの私達に、そんな追い打ちをかけるなんて…!」
ダズ「この世は、強い者こそが正義さ。成績は、戦闘訓練を含めた全ての訓練の総合的な内容で算出され、順位が付けられる」
ダズ「総合点ではお前らに負けていたとしても、純粋な戦闘に関してはお前らより強い奴がいるはずだ」
ダズ「そう言った連中が躍起になって、お前らに挑む。それで勝てれば、順位がひっくり返る。妥当なシステムだと思うが?」
サシャ「そんな…!」
ダズ「恨むんなら、教官を恨むんだな。尤も、そんなことができる奴はこの104期にはいねぇと思うが?」
サシャ「…そうですね。私達104期は、キース教官の手によってここまで能力を扱えるようになりました」
サシャ「恩義を感じても、恨むようなことは決してありません!」
-
- 212 : 2014/02/01(土) 20:32:19 :
サシャ「教官がそう決めたのなら仕方ありません!今ここで、私はあなたを正々堂々迎え討ちますっ!!」
ダズ「…そうこなくちゃな。言っとくが、俺も戦闘に関しちゃ、お前らに劣っているとは思わねぇ」
ダズ「数分後、負けて泣き面をしているお前の姿が目に浮かぶぜ…」
サシャ「言ってくれますね!私だって、圧倒的な力の前に屈して嘔吐しているあなたの姿が、明確に見えますよ!!」
ダズ「おしゃべりもここまでだ。始めようぜ、サシャ…」
審パァン『それでは、サシャVSダズ、用意…』
サシャ「…」
ダズ「…」
審パァン『…始めっ!!』
-
- 213 : 2014/02/01(土) 20:35:29 :
サシャ「『胃ただき口』!!まずはダズの…」
ダズ「!?」
サシャ「…右腕をっ!!」
バクンッ!!
ダズ「がっ…」
ダズ「いてぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!畜生っ、喰われたっ!!!!!」バタバタッ!
サシャ「ほう、意外と美味ですね、ダズ。吐瀉物の臭いしかしないと思ってましたよ…」モグモグ…
ダズ「くっ…!何もないところからいきなり食われるなんて…!油断してたわけじゃねぇが、こいつはあんまりだ!」
-
- 214 : 2014/02/01(土) 20:40:16 :
サシャ「こうしている間にも、私の口はあなたを狙っています」
サシャ「肉体が食いつくされてしまう前に、降参したほうが身のためですよ…?」
ダズ「…降参、ね」フフフ…
サシャ「…何が可笑しいんですか?」
ダズ「お前が俺を食いたいと言うのなら、いくらでも食わせてやるよ…」
ダズ「…胃袋がはち切れるまでなっ!!」
サシャ「何を…!?」
-
- 215 : 2014/02/01(土) 20:50:12 :
ダズ「『Re:birth~再生~』…」
シュウゥゥゥゥゥゥゥ…
サシャ「なっ…!?」
サシャ(ダズの右腕が…)
ダズ「」シャキーンッ!
サシャ「再生したっ!?どうして!?」
ダズ「『Re:use~再利用~』…」
サシャ「今度は…」
モゾ…
サシャ「…!?」
ダズ「気付いたか?自分の胃袋の中の異変に…」
-
- 216 : 2014/02/01(土) 20:55:07 :
サシャ「なんだか…お腹の中で何かが…!?」
ダズ「お前に噛み砕かれたはずの俺の右腕、お前の腹の中でどうなってるかな…」
サシャ「…まさか!?」
ダズ「そう。このままじゃ俺の肉体の『資源』が勿体ねぇからな。再利用させてもらうぜ」
サシャ「お腹の中で、元に戻ったってことですか…?」
ダズ「元に戻っただけじゃねぇ。俺が、その腕をもう一度使えるようにしたんだ。こんな風にな」
ダズ「『Re:sist~抵抗~』…」
ドゴッ!
サシャ「うぶっ…!」
ドゴドゴッ!
サシャ「ぐえ…!お腹の中で、腕が暴れているっ!?」
-
- 217 : 2014/02/01(土) 21:00:22 :
ダズ「抵抗してんのさ。このままじゃ、消化されちまうしな。さぁ、どうする…?」
サシャ「どうするもこうするも…」ウプ…
オエェェェェッ!!!!
右腕「」ドサッ!
サシャ「ゲホゲホッ!何とか吐き出せました…。助かった…」
ダズ「本当にそうかな…?」
右腕「」ビュンッ!
ドゴッ!
サシャ「…がっ!?」
ダズ「まだ、右腕は動かせるんだぜ?吐き出したところで、お前は敵を増やしただけに過ぎねぇんだよ」
-
- 218 : 2014/02/01(土) 21:05:24 :
サシャ「ぐ…ふっ…!」ガクンッ!
ダズ「おっと、膝をつくのはまだ早いぜ?お楽しみは、これからさ」
ダズ「『Re:vive~復活~』…」
右腕「」キュイィィィィィィンッ!
サシャ「ゲホ…!今度は右腕が、光り出した…?」
サシャ「…えっ!?」
モコモコモコモコモコ…
ダズ「…こいつが俺の能力の真髄さ」
ダズ2「…よぉ、俺。元気だったか?」
サシャ「ダズが…二人!?」
ダズ「千切れた右腕から、俺を『復活』させたのさ。再生とはまた違うぜ?」
ダズ「お前の胃袋から出てきたこいつは、さしずめ『嘔吐マータ(自立人形)』とでも言うべきかな?」
-
- 219 : 2014/02/01(土) 21:10:15 :
ダズ2「俺一人でも手こずっていたのに、さらにもう一人だ。お前に勝ち目はないぜ?」
サシャ「あ…あぁ…」
サシャ(もう駄目だ…勝てない…)
ダズ「俺の能力『Re:』の前じゃ、どんな奴でも無力だ。さぁ、覚悟を決めな」
サシャ「…」
サシャ(こんな時、どうすれば…)
サシャ(教官に鍛えてもらった能力は、私の食欲は、所詮この程度だったのか…)
サシャ「…」
サシャ(いや、違う!!私の力は、食欲は、こんなもんじゃないっ!!)
サシャ(思い出せ!!私の力の源を…)
サシャ「抑えきれない、食欲をっ!!!」
-
- 220 : 2014/02/01(土) 21:15:13 :
ダズ2「どうした、突然?気でも狂ったか?」
サシャ「いえ、正気ですよ。一か八か、賭けに出ようと思います…」
ダズ2「ほう、そいつは楽しみだ。一体何を…」
バクンッ!!
ダズ2「いぎっ!?」ドサッ
ダズ「こいつ、性懲りもなく…。今度は下半身を食いやがったか」
サシャ「これなら…イケるっ!!もう、あなたの技は通用しませんよっ!!」
ダズ「寝ぼけたことを…。おいダズ2、さっさと再生しろ」
ダズ2「いてぇ…!クソッ、さっきと同じことをやってやる!!まずは『Re:birth』…」
ダズ2「…」
ダズ2「…あれ?」
-
- 221 : 2014/02/01(土) 21:20:09 :
ダズ「おい、何してんだ。さっさと再生しろって」
ダズ2「いや、やってるよ!でも、なぜかできねぇんだ!!」
ダズ「調子でも悪いのか?しょうがねぇなぁ…」
ダズ2「仕方ねぇ。だったら、お前の腹でもう一度暴れるだけだ!!『Re:use』!!」
シーン…
サシャ「」ケロッ
ダズ2「何故だ!?何故発動しないっ!?」
ダズ「おいおい、どうなってやがる…!?」
-
- 222 : 2014/02/01(土) 21:25:13 :
サシャ「無駄ですよ。あなたの技は、私が食べてしまいましたから」
ダズ「俺の技を食った!?どういうことだ!?」
サシャ「私の無尽蔵の食欲は、あなただけに飽き足らず、あなたの技も食してしまったのですよ」
サシャ「今まで一度も成功したことがありませんでしたが、ようやくモノにできました。やはり私は、本番に強いタイプですね」
ダズ2「じゃあ…!さっき俺が発動しようとした技は、全部お前に食われたってことか!?」
サシャ「そういうことです。この先も、あなたが技を使おうとすれば、同じように私が食べてしまいます!さぁ、どうしますか?」
ダズ2「ふざけんなよ…何だよそれ…」
-
- 223 : 2014/02/01(土) 21:30:09 :
サシャ「最期に、言いたいことはありますか?」
ダズ2「…」
ダズ2「…そんなふざけたことが、あってたまるかぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
バクンッ!
ダズ「あ…あぁ…」
サシャ「…ごちそう様でした」ペロリ
ダズ「ひ…」
ダズ「ひいぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」ダダダダッ!
ダズ(普通に考えれば分かることだ!!こいつら上位の連中には、どうやったって勝てねぇってことが!!)
-
- 224 : 2014/02/01(土) 21:35:14 :
サシャ「…気を付けてくださいね。そのあたりには、私の口が」
ダズ「あ…!?」
バクンッ!
サシャ「…手遅れでしたね。さようなら、ダズ」
審パァン『勝者、サシャ!!』
サシャ「ふぅ、手強い相手でしたね。さすが、教官に能力を見出されただけのことはありますね」
キュイィィィィィィンッ…
サシャ「…ん?」
ドサッ!
ダズ「あっぶねぇぇぇぇぇっ!!!何とか戻って来れたぁぁぁぁぁっ!!!」
-
- 225 : 2014/02/01(土) 21:40:15 :
サシャ「あれ、ダズ?どこから現れたんですか?」
ダズ「『Re:turn』でどうにか戻って来たんだよ!この力が食われてたら、俺は一生お前の胃袋の中だったぜ…」
サシャ「なるほど。ダズ2は美味しくいただきましたが、とりあえずあなたが無事でよかったです」
ダズ「人を食っておいて言うセリフじゃねぇよ、それ…」
サシャ「とにかく、勝負は私の勝ちです。負け犬は、おとなしく退散してください」
ダズ「…畜生っ!!」ダッ!
ダダダダッ…
サシャ「…ふぅ。とりあえず、上位の座は死守できました」
サシャ「先に進んだ人たちが気になりますね。私も行ってみますか」
スタスタ…
-
- 226 : 2014/02/01(土) 21:45:19 :
~第1ステージ・エリア3~
ベルトルト「なっ…!?君は…」
サムエル「よぉ、ベルトルト。まさかお前が第1ステージで負けてるとはな」
ベルトルト「こっちもいろいろあってな。と言うか、何で君がここに?」
サムエル「こっちもいろいろあるんだよ。簡単に言えば…」
サムエル「今からお前と戦って、勝った方が負けた方と成績の順位が入れ替わる。それだけだ」
ベルトルト「えっ…!?なんだよそれ…!?」
-
- 227 : 2014/02/01(土) 21:50:16 :
サムエル「細かい話は気にするな。要は勝てばいいんだからよ。さぁ、やろうぜ?」
ベルトルト「そんな、急に言われても…」
ベルトルト「第一、そんな勝手なことが認められるわけがないだろ?」
サムエル「残念、これは教官からの指示だ。俺達に負けるような上位組には、もう用はないってよ」
ベルトルト「そんな…あんまりだっ!!」
サムエル「つべこべ言ってねぇで、さっさとハラ括れ。どうあがいたって、この決定事項は覆らねぇんだ」
サムエル「それとも何か?同率首席様ともあろうものが、俺みたいな末席に恐れをなしてるとでも?」
ベルトルト「それは…」
-
- 228 : 2014/02/01(土) 21:55:15 :
ベルトルト「…そうだね。今の僕には、失うものは何もない。どうせ、憲兵団行きの権利も、今はそんなに重要じゃない」
ベルトルト「大切なのは、3年間の訓練で身に付けた、この戦闘技術と価値」
ベルトルト「上位組のプライドにかけて、君に負けるわけにはいかない。受けて立つよ」
サムエル「そうこなくちゃな…。楽しみだ」
審パァン『それでは、ベルトルトVSサムエル、用意…』
ベルトルト「…」
サムエル「…」
審パァン『…始めっ!!』
-
- 229 : 2014/02/01(土) 22:00:22 :
ベルトルト「『薄影(インヴィジブル)』…」フッ…
サムエル「なっ…!?消えた!?」
ベルトルト「今の僕は、いかなる生物の目にも映らない。誰にも認識できないよ」
サムエル「厄介な技だな…」
ベルトルト「それでもコニーは僕を見つけてくれた。けれど、君にはきっと僕を見つけることはできないだろうね…」
サムエル「コニーが…?馬鹿のくせに、やるな…」
ベルトルト「君がコニーを馬鹿にする権利はないっ!!」ビュッ!!
バキッ!!
サムエル「ぐあっ!!」
-
- 230 : 2014/02/01(土) 22:05:08 :
ベルトルト「僕は初めて見つけてもらえた。この能力を使ってなお、コニーは僕を見つけてくれた」
ベルトルト「コニーには感謝しきれないよ。キース教官と同じくらいにね」
ベルトルト「僕を見てくれる人を馬鹿にするやつは許さない。サムエル、たとえ君であってもね」
サムエル「許さない、か。いいだろう、望むところだ」
サムエル「姿が見えなくても、お前はそこにいるんだろう?ならば、問題ないな」
ベルトルト「…何をする気だ?」
サムエル「『マインズ・スクエア』…」バッ!
-
- 231 : 2014/02/01(土) 22:10:21 :
シーン…
ベルトルト「…何も変化がない。何をしたんだい?」
サムエル「今に分かるさ。ヘタに動き回らないことをお勧めするぜ…」
ベルトルト「…どういう意味か分からないけど、僕の姿を認識できない君など、恐るるに足らないよ」
サムエル「じゃあ、やってみろ。忠告はしたからな?」
ベルトルト「…減らず口をっ!!」ダッ!
ピンッ!
ベルトルト「!?」
シュパッ!
ベルトルト「いっ…!?」
-
- 232 : 2014/02/01(土) 22:15:15 :
サムエル「…触れたな?」
ベルトルトの腕「」ツー…
ベルトルト「血が…?僕は今、一体何に触れたんだ…?」
サムエル「よーく目を凝らせば見えるはずだ。この空間に張り巡らせてある、ある物にな…」
ベルトルト「ある物…」ジー…
ベルトルト「…これは!?」
ワイヤー「」ピーン
サムエル「そう、ワイヤーさ。しかも、タダのワイヤーじゃない」
サムエル「そのワイヤーは特殊な材質でできていてね。触れただけで、その対象の物体を傷つけることができるのさ」
-
- 233 : 2014/02/01(土) 22:20:28 :
ベルトルト「触れた物を…『スライサーワイヤー』という奴かい?」
サムエル「その通り。そしてこの空間には、そいつが無数に張り巡らせてある」
サムエル「これこそが俺の能力『マインズ・スクエア』。地雷のように仕掛けられたワイヤーによって、お前の体を切り刻んでやる」
ベルトルト「それは厄介だね…」
ベルトルト(どこに張られているかはっきりと見えない以上、迂闊に動き回るのは自殺行為だ)
ベルトルト(幸い、向こうもこっちが見えていない。じっくり慎重に攻め立てるだけの余裕はある…)
サムエル「まさか、悠長なことを考えてるんじゃねぇだろうな?」
ベルトルト「えっ!?」
-
- 234 : 2014/02/01(土) 22:25:08 :
サムエル「俺はとっくに、お前の居場所なんか見破れてるんだぜ?」
ベルトルト「それは、どういう…?」
ギシッ!
ベルトルト「うっ!?」ギチッ!
サムエル「おっと、腕を捕えたか?」
ベルトルト「何故、僕の居場所が…?」
サムエル「張り巡らせてあるのは、何もスライサーワイヤーだけじゃないんだぜ?」
ベルトルト「何…!?」
サムエル「もう一種類、殺傷能力はないが、非常に細く繊細、且つ無敵の強度を誇る…」
サムエル「『サーチャーワイヤー』。こいつも一緒に張り巡らせてあるのさ」
-
- 235 : 2014/02/01(土) 22:30:43 :
ベルトルト「サーチャー…?索敵!?」
サムエル「ご名答。このワイヤーは触れてもほとんど感触がない。故に、お前は気付いていないだろ?」
サムエル「今、お前の体には、無数のサーチャーワイヤーが絡みついている。それのおかげで、俺はお前の動きが手に取るように分かるのさ」
ベルトルト「…そんな、いつの間に…!?」
サムエル「そして、すでにお前の敗北は決まっている…!」
サムエル「…『蜘蛛縛り(ホールデッド・ウェブ)』!!!!」
ギュルルルルッ!!
ベルトルト「しまっ…」
ベルトルト(無数のワイヤーが、絡みついて…!!)
ギュルルルルルルッ!!!
ピーンッ!
ベルトルト「ぐ…ぅ…」ギチッ!!
-
- 236 : 2014/02/01(土) 22:35:16 :
サムエル「勝負あったな。もうお前は、その状態から身動きできない」
ベルトルト「クソッ!こんなもの…」グッ!
ベルトルト「うぐっ!!」ギシッ!
サムエル「やめておけ。ただでさえ、お前の体にスライサーワイヤーが食いこんでるんだ」
サムエル「ヘタに動こうとすれば、その食い込みはさらに増し、挙句の果てにはお前の体を切断するぜ?」
ベルトルト「ク…ソ…」ギシッ!
サムエル「今のお前は、蜘蛛に捕らわれた哀れな虫ケラだ」
サムエル「どうだい?自分より下位の者に、コケにされる感想は?」
ベルトルト「…最悪の気分だね。君が弱いと思ったことはなかったけど、まさかこれほどとは」
-
- 237 : 2014/02/01(土) 22:40:12 :
サムエル「意外と喋るんだな、あんた。驚いた」
ベルトルト「僕だって、話しかけられれば無視はしないさ。だから、そっとしておいてもらえると助かるね」
サムエル「…言うじゃねぇか。はあっ!!」ビュッ!
ベルトルト「うっ!?」
ベルトルト(何だ!?胸にワイヤーが伸びてきた…!?)
サムエル「そのワイヤーは『命綱』。お前の命に直結している状態だ」
ベルトルト「僕の命に…直結!?」
サムエル「そう。そのワイヤーが切れれば、お前も死ぬ。単純で分かりやすいだろ?」
ベルトルト「そんな…!?」
-
- 238 : 2014/02/01(土) 22:45:13 :
サムエル「命綱の解除方法は簡単だ。ただ、手で引っこ抜けばいい」
サムエル「まぁ、その状態で出来ればの話だがな。今のアンタに、そんな芸当は不可能だ」
ベルトルト「くっ…!」
サムエル「ワイヤーってのは大事だぜ?立体機動装置だって、そうだろ?」
サムエル「万が一、壁の上から落下するようなことがあっても、ワイヤーがあれば命を繋ぎとめることができる。違うか?」
ベルトルト「それは…その通りだね」
サムエル「俺のワイヤー能力は、言い換えれば命の能力。俺のワイヤー一本で、人間を生かすも殺すも選択することができるんだ」
ベルトルト「大層な能力だ…」
-
- 239 : 2014/02/01(土) 22:50:16 :
サムエル「そろそろ、決着の時間だ。選んでもらおうか。素直に負けを認めて上位の座を俺に明け渡すか…」
サムエル「無意味に抵抗を続け、この場で死を迎えるか…」
ベルトルト「残念ながら、答えはそのどちらでもないよ」
サムエル「何…!?」
ベルトルト「今の僕は、あくまで生物の目に認識されないだけ。でも、この能力のポテンシャルは、こんなものではない…」
サムエル「何を言ってやがる…!?」
ベルトルト「見るがいい…と言っても、見えてないだろうけど。これが僕の『薄影』の真の力…」
ベルトルト「『無双薄影(インビンシブル・インヴィジブル)』!!」フッ…
サムエル「ふんっ、今更何を…!?」
パサッ…
サムエル「なっ…!?」
サムエル(奴を拘束していたワイヤーが、全て外れただと!?)
-
- 240 : 2014/02/01(土) 22:55:09 :
ベルトルト「これが僕の最強技『無双薄影』だ」
ベルトルト「もともと僕の『薄影』は、いかなる生物にも認識されなくなる技」
ベルトルト「しかし、君の扱うワイヤーのように、物体には認識されてしまう」
サムエル「それがどうした!?」
ベルトルト「でも、この『無双薄影』は、僕が認識を拒絶した物体、例えば君のワイヤー」
ベルトルト「そういった物の認識を一切受けなくなり、何物も僕を捕えることは不可能になる」
サムエル「言ってる意味が分からねぇ…」
-
- 241 : 2014/02/01(土) 23:00:17 :
ベルトルト「僕が認識を許可すれば、君に僕が認識できるようになる。こういうふうにね…」スゥゥ…
サムエル「いた!そこかっ!!」ビュッ!
スカッ…
サムエル「なっ…!?」
ベルトルト「君の認識は許可したけど、ワイヤーの認識は許可していない。つまり、そのワイヤーで僕を捕えることは不可能というワケさ」
サムエル「そんなの…アリかよ…」
-
- 242 : 2014/02/01(土) 23:05:16 :
ベルトルト「君にまだ、打開策が残されているのだとしたら、このまま戦いに付き合うけど…」
ベルトルト「そうでないのなら、ここで負けを認めてほしい。無駄に暴力を振るうのは、好きではないから…」
サムエル「…」
サムエル(俺のワイヤーで捕えられないんじゃ、どうしようもないな。こいつは…)
サムエル「俺の…負けだ…」
審パァン『勝者、ベルトルト!!』
-
- 243 : 2014/02/01(土) 23:10:27 :
ベルトルト「…ありがとう」
サムエル「…何がだよ?」
ベルトルト「実はあの技、さっき思いついたんだ」
サムエル「はっ!?ぶっつけ本番ってことかよ!?」
ベルトルト「そうだね。君と戦って、ああいう窮地を経験していなかったら、あの技は生まれなかっただろう」
ベルトルト「もともと僕には、能力を強くしようと言う向上心が足りなかった」
ベルトルト「バリエーションに乏しかったのも、そう言った理由なんだろうね」
サムエル「あんたに追いつくどころか、踏み台にされちまったってワケだ。笑えねぇな、そりゃ…」
ベルトルト「そんなことはない。君との戦いは、貴重な経験だった。本当にありがとう」
サムエル「…おうっ!」
ベルトルト「…ふふっ」
-
- 244 : 2014/02/01(土) 23:15:24 :
サムエル「さて、と…」
サムエル「決勝ステージに行った奴らが気になるからよ、行ってみねぇか?」
ベルトルト「そうだね。ここでこうしていても仕方ないし。誰が進んだのか気になるしね」
サムエル「そうと決まれば早速…」ダッ!
ベルトルト「あ、ちょっと待って…」ダッ!
ダダダダッ…
-
- 247 : 2014/02/02(日) 11:54:14 :
~第1ステージ・エリア2~
ユミル「おい、起きろ」
アルミン「う…ん?」
ユミル「呑気なもんだな。こんなところでお昼寝とは」
アルミン「ユミル!?なんでここに!?」
ユミル「別に。一人でいるのも退屈だったから、逆走すれば誰かに会えると思ってな」
アルミン「という事は、君も…」
ユミル「あぁ、負けたよ。ミカサ相手じゃ、どうにもならねぇって」
アルミン「ははは…。それじゃ、仕方ないね」
-
- 248 : 2014/02/02(日) 12:00:16 :
ユミル「お前は?」
アルミン「…えっ?」
ユミル「お前の相手は誰だったかって聞いてんだよ」
アルミン「僕は…」
アルミン「…クリスタ」
ユミル「はあっ!?お前、まさかクリスタを傷つけてないだろうな!?」
アルミン「傷は…つけてないよ。多分」ボソッ…
ユミル「おい、最後なんて言った?」
アルミン「何でもないよ、ははは…」
-
- 249 : 2014/02/02(日) 12:06:20 :
ユミル「…まぁいいか、本人に聞けば早い話だ。それより、事態は少々厄介な事になってるんだが」
アルミン「と、言うのは?」
ユミル「どうやら、キース教官がちょっと遊びに走ったらしくてな。もうすぐ、下位の訓練兵が、私らを倒しにここへ来る」
アルミン「えっ…?話が理解できないんだけど?」
ユミル「私もロボットに聞いただけだから、何とも言えんが…。とにかく、迎撃の準備が必要だってことだ」
アルミン「もしかして、入れ替えの話かな…」
ユミル「入れ替え…?」
アルミン「前に、誰かが言ってたのを小耳に挟んだんだけど…」
アルミン「今日の大会の際、上位組と下位組の入れ替え戦をゲリラ的に行うっていう話らしいんだ」
アルミン「第1ステージで敗れた僕らを対象に、入れ替え戦を始めたという事なのかもしれないね…」
-
- 250 : 2014/02/02(日) 12:12:18 :
ユミル「おいおい、冗談じゃねぇぞ。せっかく訓練で手に入れたこの順位を、易々と手放せってのか!?」
アルミン「弱者に用はないってことなんだろうね。何にせよ、僕らはその人たちを迎え撃ち、勝たなければいけない…」
フランツ「その通りっ!!」
アル&ユミ「!?」
ハンナ「あなたたちが負ければ、代わりに私達が憲兵団行きの権利を手にするの!単純明快でしょ?」
アルミン「フランツ、ハンナ…」
ユミル「私らの相手はバカ夫婦か。他の場所でも、似たようなことをやってるのかね?」
フランツ「そうだよ。簡単に君達に勝てるとは思ってないけど、一人くらいは入れ替えを達成した人がいるんじゃないかな?」
ハンナ「能力の使い方なら、私達は上位組に負けるとは思ってないからね。覚悟しなさい!」
アルミン「第1ステージで誰が負けたのかは知らないけど…」
ユミル「お前らみたいな連中に負けるわけねぇだろ。出直して来やがれ!」
フランツ「言ってくれるね…」
ハンナ「その言葉、そっくりそのまま返してあげるっ!!」
-
- 251 : 2014/02/02(日) 12:18:13 :
ユミル「アルミン、戦闘用意だ!!タッグマッチと行こうぜ!!」
アルミン「分かった。よろしくね、ユミル!」
フランツ「タッグマッチか。あえて、不利な条件を選ぶとは」
ハンナ「私達の愛の力、あなたたちに破れるかしら!?」
ユミル「ギザギザハートにしてやるよ…」
アルミン「子守唄には最適だね…」
審パァン『それでは、アルミン&ユミルVSフランツ&ハンナ、用意…』
アル&ユミ「…」
フラ&ハン「…」
審パァン『…始めっ!!』
-
- 252 : 2014/02/02(日) 12:23:25 :
ユミル「行くぞ、『リコレク…」
フランツ「行くよハンナっ!!」
ハンナ「えぇ、フランツっ!!」
フラ&ハン「『愛の巣(ラブリー・キャッスル)』!!!」
ユミル「…っておい!」
ゴゴゴゴゴゴゴ…
アルミン「これは…!?」
ユミル「この空間が、変化してるのか!?」
ゴゴゴゴゴゴゴ…
ユミル「何か、全体的にピンクがかった変な場所になったな…」
フランツ「そう!ここは僕らの愛の巣!!」
ハンナ「この空間の中では、私達の愛の力が全てを支配するの!!」
-
- 253 : 2014/02/02(日) 12:30:14 :
アルミン「よく分からないけど、あまり僕らには有利に働きそうにないね」
ユミル「何だっていいさ!喰らえ、『リコレクションズ・アー・オルウェイズ・ビューティフル』!!!」
アルミン「長っ!!!」ガビーンッ!
爆弾「」フワフワ…
アルミン「これは…?」
ユミル「まぁ、爆弾ってとこだ。無限に生成可能だ」
アルミン「すごいね…」
ユミル「そら、飛んでいきやがれっ!!」バッ!
爆弾「」ヒュゥゥゥ…
-
- 254 : 2014/02/02(日) 12:36:10 :
フランツ「おっと、あれは爆弾だそうだよ、ハンナ」
ハンナ「こわーい!あんなものは、私達の愛の巣には必要ないわ!」
フラ&ハン「『愛・0・灯(ラブ・ラブ・ランプ)』!!!」
ランプ「」バッ!
アルミン「何だ!?天井に突然ランプが…」
ランプ「」ピカッ!!
ユミル「うわっ!眩しっ…!!」
アルミン「…そんなっ!!」
爆弾「」フッ…
ユミル「爆弾が…消えただと!?」
-
- 255 : 2014/02/02(日) 12:42:08 :
ユミル「そんな馬鹿な!!もう一度、喰らいやがれっ!!」バッ!
爆弾「」ヒュゥゥゥ…
フランツ「何度やっても同じさ!」
フラ&ハン「『愛・0・灯(ラブ・ラブ・ランプ)』!!!」
ランプ「」ピカッ!!
爆弾「」フッ…
ユミル「また消えた…。どうなってやがる!?」
フランツ「教えてあげるよ、何が起きたのかをね」
ハンナ「私達の愛の結晶であるあのランプは、敵の攻撃を0(ラブ)、つまりゼロにできるの」
フランツ「あのランプに照らされれば、どんな技でも無効化さ。僕らの愛の巣で、部外者の好き勝手は許さないよ!」
-
- 256 : 2014/02/02(日) 12:48:20 :
ユミル「なんつー技だ…。どんだけ自分らに都合よくできてんだ、この部屋は…」
アルミン「あのランプをどうにか破壊できればいいんだけど…」
ユミル「おいアルミン、お前の能力は何だ?どうにか、この局面を打開できるようなのはないのか?」
アルミン「僕の能力は…」
ユミル「…どうした?」
アルミン「…ごめん。僕のは、クリスタとの戦いの中で、浄化されて消滅してしまったんだ」
アルミン「今の僕に、使える能力は何もない」
ユミル「はっ!?それじゃ、こいつらを私一人で相手しろってのか!?」
アルミン「…ごめん」
-
- 257 : 2014/02/02(日) 12:54:14 :
ユミル「…無能ってのは、まさにこのことだな」
アルミン「…」
ユミル「…それなら、指くわえて見てろ!あんなバカップルなんざ、私一人で十分だ!!」ダッ!
アルミン「あっ!ユミル、迂闊に飛び込んだら危険だ!!」
ハンナ「私達の愛を引き裂こうなんて、許せない!」
フランツ「お願いします、『お義父さんっ』!!」
ユミル「は…?」
ゴゴゴゴゴゴゴ…
ユミル「何だ…!?」
ドーンッ!
お義父さん「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」
ユミル「何だあんた!?どっから出てきた!?」
-
- 258 : 2014/02/02(日) 13:00:20 :
フランツ「この方こそ、僕らの愛を妨害するものを駆逐する、その名も『お義父さん』!!」
フランツ「さぁ、やっちゃってください!!」
お義父さん「娘をくださいだと…?」
ユミル「いや言ってねぇし!!」
お義父さん「娘は…」スッ
お義父さん「…やらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!!!」バキッ!!
ユミル「へぶしっ!!!」ドゴッ!!
ハンナ「もう…お父さんったら…」テレテレ
フランツ「いいですよ、お義父さんっ!!」
-
- 259 : 2014/02/02(日) 13:06:08 :
お義父さん「娘は…」ヌッ…
ユミル「しまっ…」
お義父さん「やらんやらんやらんやらんやらんっ!!!!!」ドゴッ!ベキッ!
ユミル「がっ…!!」
フランツ「そのまま叩きのめしちゃってください、お義父さん!!」
アルミン「ユミルっ!!」
アルミン(駄目だ、このままじゃユミルがやられてしまう!だけど…)
-
- 260 : 2014/02/02(日) 13:12:04 :
ユミル「ぐふっ…」フラ…
お義父さん「娘は…」
ユミル「何度も喰らって堪るか!『リコレクション…」
ハンナ「させないっ!」
フランツ「『愛・0・灯』!!!」
ランプ「」ピカーッ!
ユミル「またこれか…!」
お義父さん「…ヤらせんっ!!」ブンッ!
ユミル「孫の顔見たくねぇのかアンタ!!」ヒョイッ
-
- 261 : 2014/02/02(日) 13:18:10 :
アルミン「…」
アルミン(どうして、僕はこうも無力なんだ…。仲間がピンチだっていうのに、何もできないなんて…)
アルミン(結局僕は、一人じゃ何もできないのか…。一人じゃ…)
アルミン「下衆民…」
アルミン「…!?」
アルミン(待てよ!?そもそも、僕はなぜ、下衆民を生み出すことができたんだ!?)
アルミン(いくらクリスタの能力が強力だからと言って、他人の能力を完全に消し去ることなんて、できるわけがないはずだけど…!?)
アルミン(そう考えると、まだ可能性があるのか…?)
アルミン「僕の能力が『下衆民』ではなく、『下衆民を創りだす』ことだと言う可能性が…?」
-
- 264 : 2014/02/02(日) 13:24:28 :
アルミン(そもそも、僕が初めて下衆民と出会った時、僕は何をしていた…?)
アルミン(その時のことを思い出せれば、僕の能力のヒントが分かるはずだけど…)
アルミン(…もしかしたら、あの時…!!)
ユミル「おいアルミン!一人で何考えこんでんだ!?こっちに手を貸せっ!!」
お義父さん「お前を…殺るっ!!」ブンッ!
ユミル「ついに標的を変えてきやがった!!」ヒョイッ
アルミン(…おそらく、そういう事だ。ならば、早速やってみるか)
-
- 265 : 2014/02/02(日) 13:30:19 :
アルミン「…」
ユミル「あいつ、ダンマリかよ…!もういい、役立たずは放っておいて、私一人でも…!!」
フランツ「しぶといね、ユミル。もう少し、こちら側に勢力が必要かな?」
ハンナ「今度は私が!お願い、『恋のキューピッド部隊』!!」
ザザザザッ!!
ユミル「今度は何だ!?」
キューピッド部隊「」ザッ!
ハンナ「標的はあの人!!さぁ、やっておしまい!!」
ユミル「弓矢兵だと!?しかも、数十人はいるか!?」
キューピッド部隊「」ギギギ…
ユミル(冗談じゃねぇ…!あれだけたくさんの弓矢が放たれたら、かわしきれねぇぞ!!)
-
- 266 : 2014/02/02(日) 13:36:18 :
ハンナ「…放てぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」
キューピッド部隊「」バシュッ!
ヒュンヒュンヒュンヒュンッ…
ユミル「あ…」
ユミル(終わった…)
アルミン「諦めちゃだめだ!!」
パサァッ…
矢「」ボトボトボト…
ユミル「…んぁ?」
ハンナ「なに!?巨大な布で、矢が払われた!?」
フランツ「これは…訓練兵団のマント!?アルミンがやったのか!?」
-
- 267 : 2014/02/02(日) 13:42:08 :
アルミン「その通り。この布は、僕が能力で創りだしたものさ」
ユミル「能力だと!?だってお前、能力はクリスタに消されたんじゃ…」
アルミン「僕の能力は消えていない。クリスタに消されたのは、僕の能力で創りだした産物に過ぎなかったんだ!」
ハンナ「どんな能力かは知らないけど、またあのランプで無効化してあげるっ!!」
アルミン「させないよっ!」バッ!
巨大マント「」パサッ
フランツ「なっ!?マントがランプに覆いかぶさった!?」
ハンナ「無駄よ!ランプが灯れば、あのマントも消える!!『愛・0・灯』!!」
アルミン「それはどうかな…?」
シーン…
フランツ「…あれ!?」
-
- 268 : 2014/02/02(日) 13:48:16 :
ハンナ「…どうして!?ランプは灯っているはずなのに、マントが消えない!?」
アルミン「ランプが灯っている?本当にそうかな…?」
ユミル「なるほど、そういうことか」
ハンナ「何、どういうこと!?」
アルミン「あのランプは、中に火を灯すことで光るタイプだ。なら、その火を灯せなくすれば、どうなるかな…?」
フランツ「まさか…」
アルミン「そう。あのマントで覆う事によって酸素を遮断、火は酸素が無ければ燃焼することができないからね」
ハンナ「それじゃ、もうあのランプであなたたちの能力を消すことは…」
アルミン「できないよ。さぁ、反撃開始だっ!!」
-
- 269 : 2014/02/02(日) 13:54:15 :
ユミル「それにしても驚いたな、アルミン。一体、お前の能力は何なんだ?」
アルミン「大したものじゃないよ。ただ、頭の中で思い描いたイメージを、形にできるっていうだけさ」
ユミル「イメージを形に!?おいおい、そいつはとんでもねぇ能力じゃねぇか」
アルミン「まだ全部は把握してないんだけど、どうやらいろいろと制限が多いみたいでね」
アルミン「具現化させる物体の形状、特徴、性質などの情報を完璧に把握している物でなければ、具現化できないみたいだ」
ユミル「そうなのか…。だから、普段から慣れ親しんだ訓練兵団のマントだったのか」
アルミン「弓矢を防ぎ、且つランプを遮断するにはどうしたらいいかと考えて、真っ先に出てきたのがアレだった」
アルミン「冷静に考えれば、もっといいものがたくさんあったのにね」
ユミル「何だっていいさ、助かったんだからな」
-
- 270 : 2014/02/02(日) 13:57:16 :
アルミン「正直、能力がなくなった時、僕は絶望したよ」
アルミン「戦えなくなってしまったことに対してではなく、何もできない自分の、存在価値がなくなってしまったことに対して」
アルミン「でも、もうそんなことを考えなくて済むんだ。今僕は、ここに在るべき意味(mean)を見出したのだから…」
アルミン「すなわち、これは『存在意義(アル・ミーン)』!!」
ユミル「『アル・ミーン』か。いい能力じゃねぇか」
-
- 273 : 2014/02/02(日) 14:03:45 :
アルミン「さて、と。出ておいで…」
アルミン「…下衆民」
下衆民「お呼びかい、ご主人?」ヌッ
アルミン「久しぶり。また君に会えてうれしいよ」
下衆民「俺もだぜ、ご主人。ようやく自分の能力に気付いてくれたんだからな」
アルミン「一番最初に君を創りだした、その理由が分かったよ」
アルミン「だって君は僕自身。僕が一番、その特徴も性質も、全て把握しているんだからね」
下衆民「その通りだ。俺とご主人は一心同体。これからもよろしく頼むぜ?」
アルミン「ふふっ、こちらこそよろしく」
-
- 274 : 2014/02/02(日) 14:06:49 :
ユミル「さーて、それじゃそろそろ決着を付けさせてもらおうか…?」
フラ&ハン「ひっ!!」ビクッ!
ユミル「よくも下らん技で私をコケにしてくれたな…。ひと思いに吹き飛ばしてやる…」
ユミル「ほら、こんなに爆弾が出てきちまった。こんな下らねぇ部屋ごと、お前らをブッ飛ばすには十分だ…」
爆弾「」フワフワ…
ハンナ「あ…あぁ…」ガタガタ
-
- 275 : 2014/02/02(日) 14:12:16 :
フランツ「あ…そうだ!そばかすっ!!」
ユミル「あん?」
フランツ「君のその爆弾!そばかすからできているんだろう?」
ユミル「それがどうした?」
フランツ「それが技なのなら、僕らの能力で君のそばかすを消すことができる!きれいさっぱりね!!」
ハンナ「そ…!そうよ!あなたが密かに、そばかすに悩んでいたのは知ってるわ!私達なら、あなたの力になってあげられる!!」
ユミル「へぇ…」
フランツ「君たちが降参してくれれば、僕達は君のそばかすを消してあげる。悪い話じゃないはずだ!」
ハンナ「女の子としては、辛い悩みだよね!?私だって、フランツがいなかったら、今頃どうなっていたか…」
-
- 276 : 2014/02/02(日) 14:18:09 :
ユミル「…」
アルミン「ユミル…」
フランツ「よ…よし!さぁアルミン、あの布を取り払ってくれ!!ユミルはきっと、そばかすを消すように頼んで…」
ユミル「悪いが…」
フラ&ハン「!?」
ユミル「このそばかすは私の誇りだ。誰にも消させやしねぇよ。まぁ、誰かさんの助言のおかげで、こんな風に思えるようになったんだがな」
ユミル「そう言うワケで、お前らのお気遣いは無用。消えてくれ…」
ユミル「…『リコレクションズ・アー・オルウェイズ・ビューティフル』」
爆弾「」バババババッ…!
-
- 277 : 2014/02/02(日) 14:24:15 :
アルミン「すごい数だ…」
フラ&ハン「ひいぃぃぃぃぃぃ…!」ガタガタ
ユミル「…『一点集中(コンセントレート)』!!」バッ!
爆弾「」ブワッ!!
フラ&ハン「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」
ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!!!
パラパラ…
フラ&ハン「」
ユミル「…安心しろ。殺傷性能は抑えたからよ。しばらくそうやって、仲良く寝てろ」
審パァン『勝者、アルミン&ユミル!!』
-
- 278 : 2014/02/02(日) 14:28:41 :
アルミン「ユミル!」
ユミル「おう、お疲れ。こいつらの技を封じてくれてありがとな」
アルミン「ううん。こちらこそ、助けてくれてありがとう」
ユミル「別に、いいってことよ。それに…」
ユミル「…無能なんて言って、悪かったな。やっぱお前は頼りになるよ、アルミン」
アルミン「ふふっ、照れるなぁ…」
下衆民「あんたも意外とかわいいとこあるじゃねぇか、姐さん」
ユミル「は!?そいつは私の事か!?」
下衆民「さぁな。自分の胸に聞いてみな」
ユミル「見た目はアルミンなのに、スゲー生意気だな、こいつ…」
アルミン「ははは…」
-
- 279 : 2014/02/02(日) 14:30:40 :
下衆民「さて、俺はそろそろご主人に戻らせてもらうぜ。またさっきの女神様に、消されるのもゴメンだしな」
アルミン「うん、ありがとう。お疲れ様」
下衆民「」フッ…
ユミル「…さて、私らも先に進んでみるか。向こうで、どんな戦いをしてるのかも知りたいしな」
アルミン「そうだね。きっと、僕らの想像をはるかに超える、壮絶な戦いが繰り広げられてると思うよ」
ユミル「そんじゃ、行きますか」
アルミン「…うんっ!」
-
- 283 : 2014/02/02(日) 19:30:09 :
~第1ステージ・エリア1~
ジャン「…」
ジャン(負けちまったのか、俺。あんだけ大口叩いたのに、結局…)
ジャン「はぁ…」
トーマス「どうしたの、ジャン?暗い顔して」
ジャン「お前…トーマスか?何でここに…?
トーマス「理由…ね。それは…」
トーマス「…お前から上位の座を奪うためさ!さぁ、俺と勝負しろ、ジャン!!」
ジャン「は…!?何言ってんだお前、頭打ったか…?」
-
- 284 : 2014/02/02(日) 19:35:07 :
トーマス「俺の頭は正常だよ。状況が理解できてないのはそっちだろ?」
ジャン「当たり前だろ、いきなり現れて、上位の座を奪うとか…」
ジャン「大体にして、何で俺がお前と戦わなきゃならねぇんだ?そんな勝手なことが許されるワケがねぇ」
トーマス「残念ながら、これはキース教官の指示だ。拒否することはできない」
ジャン「教官の…!?」
トーマス「と言うわけで、今から俺とお前で、上位の座をかけた戦いをしなければならない」
トーマス「それとも、“暫定”上位のジャン様が、下位の俺に恐れをなすなんてことはないよな?」
-
- 285 : 2014/02/02(日) 19:40:28 :
ジャン「暫定…?言ってくれるじゃねぇか、トーマス」
ジャン「俺は正真正銘の上位組だ!!今からお前に、そのことをみっちりたたき込んでやる!!」
トーマス「そうこなくちゃな。ってことで、早速始めようぜ。おい、審判!」
審パァン『それでは、ジャンVSトーマス…』
ジャン「…」
トーマス「…」
審パァン『…始めっ!!』
-
- 286 : 2014/02/02(日) 19:45:11 :
ジャン「さて…」
ジャン(こいつは一体どんな能力を持ってやがる…?少し、様子を見ねぇとな…)
トーマス「さすがだな、ジャン。隙がほとんどない。迂闊に飛びこめないよ」
ジャン「ほとんどじゃなくて、全くねぇんだよ。突っ込んできても、返り討ちにしてやる」
トーマス「いや、ほとんどさ。だってジャン、お前の下半身は…」
ジャン「下半身…?」
ジャン「…って、何っ!?」
ジャンのキルシュタイン「」ハロー
ジャン「何で俺の息子があらわになってんだよ!!いつの間にズボンが脱げたんだ!?」バッ!
-
- 287 : 2014/02/02(日) 19:50:28 :
トーマス「ズボンのベルトを見てみろよ…」
ジャン「ベルト…?」カチャカチャ…
ジャン「…!?」
トーマス「気付いたかい?」
ジャン「ベルトの金具が、破損してやがる…!」
トーマス「実を言うとそのベルト、俺のベルトなんだ。さっきまで、俺も壊れたベルトを付けていたんだ」
ジャン「はっ…!?何でお前のベルトが、俺のベルトになってるんだよ!?」
トーマス「交換したのさ。俺のベルトと、ジャンのベルトをね」
ジャン「ベルトの…交換!?」
-
- 288 : 2014/02/02(日) 19:55:20 :
トーマス「ベルトだけじゃない。他にもいろいろと交換できる。自分の物と、相手の物を一つずつね」
トーマス「これが俺の『列車交換(チェンジ・ワグナー)』さ」
ジャン「お前…舐めた真似を!!」
トーマス「とりあえず金具の端っこを、立体機動用のベルトに引っ掛けておきなよ。そうすればずり落ちてこないから」
ジャン「舐めやがって…」ゴソゴソ
トーマス「さらに…」スッ…
ジャン「何だよ、その石は…?」
トーマス「『石炭』さ。俺はこいつをエネルギー源として、技を使うことができる」
ジャン「石炭を…!?どういうことだ…?」
-
- 289 : 2014/02/02(日) 20:00:19 :
トーマス「こういうことさ。『燃焼(ヴァーン)』…」
石炭「」ボォォォォォッ!
ジャン「石炭が、燃えてやがる…」
トーマス「石炭を燃やし、己のエネルギーへと変換する!!喰らえっ!!」
トーマス「『蒸気(スチーム・ワグナー)』!!!」
ジャン「はっ…!?」
ブシュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!!!
ジャン「あぶねっ!!!」バッ!
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…
-
- 290 : 2014/02/02(日) 20:05:07 :
トーマス「よくかわしたな、ジャン」
ジャン「何だよ、アレ!?蒸気が物凄い勢いで、一直線に襲い掛かってきやがった…」
トーマス「蒸気の槍、とでもいうべきかな?殺傷力は低いが、喰らえば火傷間違いなしだ」
トーマス「まぁ、技の強さは燃焼させた石炭の量に比例する。今のは一個だったが、もっと強力にすることも可能だ」
ジャン「一個であの威力…。冗談じゃねぇっ!!」
ジャン「…だが、その石炭はどこにあるって!?お前が持ち運べるのは、せいぜい2、3個だろうが!!」
トーマス「そうだね。俺がこの状態で持っているのは、ポケットに入れている2個だけだ」
トーマス「だから、俺はこうやって石炭を持ち歩くのさ…」
トーマス「…『貨物車両(キャリー・ワグナー)』!!」バッ!
ドーンッ!!
ジャン「何だ!?」
-
- 291 : 2014/02/02(日) 20:10:23 :
箱「」ズゥゥゥン…
ジャン「どこからともなく、デカい箱が出てきた…?何だこりゃ?」
トーマス「俺の倉庫だ。こいつの中に石炭を大量に入れ、持ち歩いている。出し入れ自由さ」
トーマス「この石炭を使い果たさない限り、お前への攻撃は止まない。どう、少しはビビった?」
ジャン「なんてこった…!あんな技、避け続けられるワケがねぇ!」
トーマス「さぁ、行くぞ!!『蒸気・五両編成(スチーム・フィフスワグナー)』!!!」
ジャン(また蒸気!?しかも今度は、5本だと!?)
-
- 292 : 2014/02/02(日) 20:15:10 :
ジャン「くっ…!!」バッ!
ジュウゥゥゥゥゥッ!!
ジャン「ぐっ…!!」
ジャン(右腕がっ…!!)
ドサッ!
ジャン「ぐ…あ…」
トーマス「全部は避け切れなかったか。でも、さすがだよ、ジャン」
トーマス「寝転んでいる暇はないよ。どんどん行くぞ!!」
トーマス「『蒸気・都心駅(スチーム・メトロポリスワグナー)』!!!」
蒸気「」ボボボボボボボボボボボボッ!!!!!!
-
- 293 : 2014/02/02(日) 20:20:07 :
ジャン「何て数だ…!かわすためには…」
トーマス「無駄だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」
蒸気「」ビュンッ!!!
ジャン「『突然変馬(ジャンモルフォーゼ)』!!」
トーマス「ん?」
ジャン「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」
ギュンッ!!ギュンッ!!ギュンッ!!
トーマス「なっ…」
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…
ジャン「…ふぅ、最初からこうすればよかったぜ」
トーマス「蒸気を全部かわした?何て速度だ、目で追えないほど速かった…」
-
- 294 : 2014/02/02(日) 20:25:12 :
ジャン「どれだけ数が多くても、直線状の動きなら、この程度ワケないぜ」
ジャン「俺を倒したいのなら、もうちっとマシな技を考えてくるべきだったな!」
トーマス「…調子に乗るなよ、ジャン。高速移動できるのが、お前だけだと思うな!」
ジャン「はっ…!?」
トーマス「『超特急(エクスプレス・ワグナー)』…」
トーマス「…はっ!!」ギュンッ!!
ジャン「えっ…」
ドッゴォォォォォォォォォォォンッ!!!!!
パラパラ…
ジャン「は…!?」
岩壁「」ボロッ…
ジャン(外れた…のか?岩壁があんなに抉れて…!?何て威力だ…)
-
- 295 : 2014/02/02(日) 20:30:16 :
トーマス「ふぅ、外れちまったか。一度スピードに乗ると、中々軌道修正が効かなくてな」
トーマス「だが、純粋な速度だけなら、さっきのお前の馬よりも速い。一撃当てれば、俺の勝ちも同然だ」
ジャン「だ…!だが、当てられればの話だろ!?そんな雑な攻撃、今の俺に当たるかよっ!!」
トーマス「じゃあ、こいつはどうかな…」
トーマス「…『黒煙(スモーク・ワグナー)』」
モクモクモクモクモク…
ジャン「なっ…!?」
ジャン(何だ、この黒煙は!?あいつの能力か!?クソッ、何も見えねぇ…)
-
- 296 : 2014/02/02(日) 20:35:11 :
トーマス「これで、俺がどこから攻撃を仕掛けてくるか分からねぇだろ?」
ジャン(その通りだ!だが…)
ジャン「お前だって、俺の位置が分からねぇだろうが!!」
トーマス「問題ない。俺には、暗闇の中でも走ることのできる能力がある…」
トーマス「『寝台列車(ナイト・ワグナー)』…」
トーマス「…はっ!!!」ダッ!
ジャン(チッ…!どこから来る…!?どこから…)
ダッ!
ジャン「そこかっ!!!」ヒョイッ!
-
- 297 : 2014/02/02(日) 20:40:14 :
トーマス「かわすとは、さすがだ。だが…」
トーマス「…『レール切替(ターン・ワグナー)』!!」ダッ!
ギュンッ!!
ジャン(なっ…!?急激な方向転換だと!?)
ドッゴォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!
ジャン「がぁっ…」メキッ…
トーマス「…決まった」
ヒュンッ!
ジャン「」ドッサァァァァァァッ!!!!!!
トーマス「…終わりだな。あれだけモロに突撃を喰らったんだ、立ち上がれるわけがない」
-
- 298 : 2014/02/02(日) 20:45:10 :
ジャン「…」
ジャン(痛ぇ…。いや、もう痛ぇのかどうかもはっきり分からねぇ)
ジャン(俺はこのまま死ぬのか…?マルコにも勝てず、トーマスにも勝てずに…)
ジャン(キース教官への恩返しだの、俺を見下した奴らへを見返すだの、デカい口叩いた割にはこのザマかよ…)
ジャン(情けねぇなぁ、俺。態度ばっかりデカくなって、中身は小せぇままじゃねぇか…)
ジャン(これでいいのか、俺…)
ジャン「」
ジャン(…よくねぇよな、やっぱ)
ジャン(少し休んだら、なんか動けるような気がしてきた)
ジャン(立ち上がってもまた痛い目に遭うんだろうけどよ、どうせ黙って殺されるくらいなら、もう少しだけ頑張ってみようぜ…)
-
- 299 : 2014/02/02(日) 20:50:16 :
ジャン(…立ち上がれ、俺!!)
ジャン「」ムク…
トーマス「…起きた!?どれだけタフなんだ、お前は!」
ジャン「上位組ともあろうものが、あっさりとやられるわけにはいかねぇんだよ…」
ジャン「つーワケで、仕切り直しだ。今から俺の本気、とくと見やがれ!!」
ジャン「『突然変異・天馬翔(ジャンモルフォーゼ・ペガサス)』!!!」
トーマス「なっ…!?ジャンの体が!?」
ジャン「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」
-
- 300 : 2014/02/02(日) 20:55:22 :
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…
バサッ!バサッ!
ジャン「…よぉ、どうだい、幻獣ペガサスを初めて見た感想は?」
トーマス「…素晴らしいよ。けど、顔がジャンと言う時点で、非常に残念だな」
ジャン「十分許容範囲だろ?なんてったって、俺は馬面なんだからな」
トーマス「あぁ、そうだったな…」
ジャン「幻獣ついでに、もう一つのとっておきを見せてやるよ。目に焼き付けて、親兄弟に自慢してやりな」
ジャン「『突然変馬・極(ジャンモルフォーゼ・エクストリーム)』!!」
ジャン「…『一角獣(ユニコーン)』!!!」
ジャン「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」
-
- 301 : 2014/02/02(日) 21:00:18 :
トーマス「ユニコーン…だと!?」
ゴオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!!
トーマス「これは…!?」
カッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…
ジャン「…待たせたな。これが俺の能力の真髄だ!!」
トーマス「純白の肉体、華麗な翼、そして雄々しくそびえる一本の角…」
トーマス「…間違いない、あれは正真正銘のユニコーン!!」
ジャン「…これで決まりだ!覚悟しろっ!!」
-
- 302 : 2014/02/02(日) 21:05:15 :
ジャン「『一角彗星突』!!!!!!」ギュンッ!!
トーマス「速いっ!!かわせな…」
グッサァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!!!
トーマス「がっ…はあぁぁぁっ!!!」
ジャン「…逝ったな、トーマス」
トーマス「」ドサッ…
ジャン「ふぅ…」スタッ
-
- 303 : 2014/02/02(日) 21:15:09 :
トーマス「う…ぐ…」
ジャン「無理に動くな。お前の腹には、どでかい風穴が開いてんだ。無理すると死ぬぞ」
トーマス「う…お客様の中に…お医者様は…いらっしゃいませんか…」
ジャン「何言ってんだ…?」
トーマス「」シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…
ジャン「なっ…!?」
ジャン(俺の角で貫かれた腹の傷が、治ってやがる!?)
トーマス「…危なかった。これが俺の、『偶然乗り合わせていた医者(ドクター・ワグナー)』さ」
ジャン「何でもありだな、お前。純粋な能力の強さなら、お前のほうが上だよ」
-
- 304 : 2014/02/02(日) 21:20:19 :
トーマス「それでも、お前に勝てなかった。やっぱり上位組は違うな」
ジャン「お前…」
審パァン『勝者、ジャン!!』
トーマス「さて、調査兵団と駐屯兵団、どっちに行くのか決めないとな」
ジャン「今のお前の実力なら、どっちに行っても通用する」
ジャン「むしろ、憲兵団の中で腐らせておく方が勿体ない。宝の持ち腐れだ」
トーマス「ありがとよ、ジャン。恩に着るぜ」
ジャン「いいってことよ。それより、他の連中が気がかりだ」
トーマス「それなら、見に行こうか?俺も気になっていたんだ」
ジャン「そうだな。じゃあ、行くか」
スタスタ…
-
- 305 : 2014/02/02(日) 21:25:19 :
~第1ステージ・エリア6~
クリスタ「ライナー!ライナー、大丈夫!?」ペチペチ
ライナー「う…ん…?」
クリスタ「良かった、目が覚めた!エレンにやられたんでしょ?」
ライナー「いや、俺はヤってもヤられてもいないが…」
クリスタ「寝ぼけてるの…?」
ライナー「それより、何でお前がここに?」
クリスタ「さっき、エレンに負けちゃって…。でも、ここでお風呂が湧き出したっていうから、見に来たの」
-
- 306 : 2014/02/02(日) 21:30:14 :
ライナー「あぁ、そう言えばそうだったな。その岩の向こう側だ」
クリスタ「じゃあ、ちょっと入ってこようかな…」
ライナー「」ゴクリ…
クリスタ「覗かないでね?」
ライナー「あ…!当たり前だ!!ははは…」
クリスタ「まぁ別に覗いてもいいけど、その時はライナーを存在ごと消し去るから」
ライナー「」
クリスタ「私の能力なら、それも可能だしね。それじゃ…」タッタッタッ
ライナー「…」
ライナー「兵士には…いや、男には引いてはならない時がある。それが今だ」
ライナー「消滅?上等だ!天使の裸体を拝めるのなら、存在が消えて無くなろうが、知ったことではない!!」
ミーナ「変態」
ライナー「!?」
-
- 307 : 2014/02/02(日) 21:35:19 :
ミーナ「カッコつけて気持ち悪いこと言わないでくれる?」
ライナー「ミーナ、なぜお前がここにいる?」
ミーナ「私とあなたが勝負する。勝った方が上位。OK?」
ライナー「だいぶ説明を端折ったな…。なんとなくだが、理解した」
ミーナ「それにしても、あなたが女の子好きとか、あり得ないんですけど」
ライナー「いや、別にあり得なくはないだろう。俺だって、れっきとした男だ」
ミーナ「困るのよ、それじゃ…」
ライナー「…は?」
ミーナ「あなたには、永久にホモでいてもらわないと、困るって言ってるの」
ライナー「えーと、ミーナさん…?」
ミーナ「でないと、私の…私の…」
ミーナ「ふふふふ……」
ライナー(怖ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!)
-
- 308 : 2014/02/02(日) 21:40:24 :
審パァン『それでは早速ですが、始めさせてよろしいですか?』
ミーナ「えぇ、早く始めてちょうだい!!」
ライナー「あ…あぁ…」ブルブル…
審パァン『それでは、ライナーVSミーナ…』
ライナー「…」
ミーナ「…」
審パァン『…始めっ!!』
-
- 309 : 2014/02/02(日) 21:45:13 :
ミーナ「先手必勝!!出てきなさい、マイフレンド!!」
ミーナ「『腐りし少女の醜姿(フェル・ホモォズ)』!!!」
ホモォ…
ライナー「何だ!?」
ホモォ達「ホモォ…」┌(┌^o^)┐
ライナー「何だこいつらは!?」
ミーナ「私の性癖を具現化した姿、『ホモォ』よ!!」
ミーナ「全部で7体。この子たちは、あなた自身を活動エネルギーとして行動するの!!」
-
- 310 : 2014/02/02(日) 21:50:12 :
ライナー「俺自身を…!?どういう意味だ?」
ミーナ「これを見なさい!!」⊃本
ライナー「何だその本は?少々、薄いような…」
ライナー「…!?」
ライナー(何だあの表紙は!?俺と…ベルトルトか!?なんてあられもない姿で…!!)
ミーナ「この子たちは、私が書いたこれらの本を餌として、ここまで成長したの」
ミーナ「でも、ここまで大きくなったこの子たちを養うためには、そろそろ本だけでは限界」
ミーナ「そこで、真のホモであるあなたをエネルギーとして取り込めば、この子たちはさらに成長できるというワケよ!!」
ライナー「全く意味が理解できん…。何故俺なんだ?」
ミーナ「言わずもがな、でしょ?」ウィンク
ライナー「…まったくついていけん。俺はどうしたらいいんだ…?」
-
- 311 : 2014/02/02(日) 21:56:07 :
ライナー「言っておくが、俺はホモではない。野郎のケツを追い回すような性癖など、持ち合わせていないんだ」
ミーナ「恥ずかしがらなくても大丈夫よ、ライナー。あなたのことは、皆が理解してくれてる」
ライナー「理解って何だ?俺がそういう性癖だってことか…?」
ミーナ「さらけ出しても大丈夫。誰もあなたを怖がったり、引いたりしないから」
ライナー「俺はすでにミーナが怖い。おまけにドン引きなんだが…」
ライナー「大体にして、その生物がそもそも分からん。どういう過程で、そんなものを生み出したんだ?」
ミーナ「この子は友達。それ以上の説明は不要よ」
-
- 312 : 2014/02/02(日) 22:00:40 :
ミーナ「さぁ皆、あなたたちにとって、私はなぁに?」
ホモォ達「みぃなぁ、まぁい、ふれぇんどぉ…」┌(┌^o^)┐
ライナー「…」
ミーナ「そして、あのゴツい人はあなたたちにとってなぁに?」
ホモォ達「らいなぁ、まぁい…」┌(┌^o^)┐
ホモォ達「…でぃなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」┌(┌^o^)┐カサカサカサッ!
ライナー「来たぁぁぁぁぁっ!!!!!しかも気持ち悪いっ!!!!」ダッ!
ミーナ「ホモォ達の一斉攻撃、すなわち『総攻め』よ!逃げ切れるかしら!?」
ホモォ達「ホモォォォォォォォォォォォッ!!!!!」┌(┌^o^)┐ババッ!!
ライナー「うわっ!!」
ホモォ「」┌(┌^o^)┐ガブッ!
ライナー「いってぇ!!喰うって、物理的にかっ!?」
-
- 313 : 2014/02/02(日) 22:05:19 :
ミーナ「さぁ、真のホモであるライナーを食することで、あなたたちはさらに成長できるの…」
ライナー「狂ってやがる!!ミーナも、こいつらも!!」
ライナー「俺から離れろっ!!『ドリルライナー』!!」ギュルルッ!!
ホモォ達「ホモォっ…!!」┌(┌^o^)┐ヒュゥゥゥ…
ドサドサッ…
ミーナ「みんなっ!!」
ライナー「はぁ、はぁ…。食い尽くされるかと思った…」
-
- 314 : 2014/02/02(日) 22:10:22 :
ホモォ達「ホモォ…」┌(┌^o^)┐ピクピク…
ミーナ「許さない…」
ライナー「ん…?」
ミーナ「この子たちにひどいことして、絶対に許さないっ!!」
ライナー「自分が俺に対して、どれだけひどい仕打ちをしているかについては、棚に上げるんだな…」
ミーナ「こうなったら、なんとしてでもあなたを食べさせる!!」
ミーナ「おいで、『もう一人の腐りし少女(アナザー・ホモォ)』!!」
ホモォ…
ライナー「こいつは…!?」
アナザーホモォ「ホモォ…」┌(┌^o^)┐
ライナー「もう一体…。姿形はまったく一緒だが、こいつは…?」
-
- 315 : 2014/02/02(日) 22:12:01 :
- ミーナ…
-
- 316 : 2014/02/02(日) 22:15:11 :
ミーナ「この子は、奥の手として残しておいた特別な子」
ミーナ「この子自身が特別なものを持っているわけじゃなけど、ホモォ達が8体揃った時、それは…」
ミーナ「とくと見なさい!!『腐りし少女たちの共同出版(ユニオン・ホモォズ)』!!!」
ホモォ…
┌(┌^o^)┐┌(┌^o^)┐┌(^o^┐)┐┌(^o^┐)┐
┌(┌^o^)┐┌(┌^o^)┐┌(^o^┐)┐┌(^o^┐)┐
ライナー「何だ…?あいつら8体が、一か所に集まって…」
ポヨンポヨンポヨンッ
ライナー「…これはっ!!」
-
- 317 : 2014/02/02(日) 22:20:13 :
ミーナ「出でよ、合体せしホモォ達の姿…」
ミーナ「…『キング・ホモォ』!!」
キング・ホモォ「ホモォォォォォォ…!」┌(┌^o^)┐
ライナー「で…!デカい!!さっきの奴らの10倍はあるぞ!!」
ミーナ「サイズ10倍、パワーは20倍よ!!さぁ、覚悟しなさいっ!!」
キング・ホモォ「ホモォォォォォォ…!」┌(┌^o^)┐ズシィィン…
ライナー「くっ…!ならば『ドリル…」
ビュッ!!
ライナー「えっ…」
ドッゴォォォッ!!!!
ライナー「ぐ…あぁっ…!!」
ドサッ!
-
- 318 : 2014/02/02(日) 22:25:12 :
ライナー(速い…!動きが見えなかった…!俺は、奴のタックルを…!?)
ミーナ「言い忘れてたけど、スピードは30倍よ。もうあなたに、逃げ場はないわ!!」
キング・ホモォ「ホモォォォォォォ…!」┌(┌^o^)┐ズシン…
ライナー(くっ…!意識が飛びそうだ…!俺は、あんな奴に食われてしまうのか…)
ライナー(目の前が霞んできやがった…!まるで、湯気で視界をおおわれているかのように…)
ライナー(…湯気?)
モワモワモワモワ…
クリスタ「えっ…ライナー…?」
ライナー(…これはっ!!!)
-
- 319 : 2014/02/02(日) 22:30:20 :
クリスタ「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」
ライナー「Fooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo!!!!!!!!」ブバアァァァァァァッ!!!!!!
ミーナ「クリスタっ!!しまった、そっちは入浴中だったのね!!」
ミーナ「しかも、何て量の鼻血………まさか!?」
ライナー「あぁ、そうさ。最初から何度も言ってるだろう」
ライナー「女の裸を見て、これだけの墳血。息子もギンギンだ。そう、俺は断じて…」
ライナー「…ホモではないっ!!!!!!!」ドーンッ!!!
ミーナ「そんな…」
キング・ホモォ「ホモォォ…」┌(┌^o^)┐シオシオ…
-
- 320 : 2014/02/02(日) 22:35:20 :
ミーナ「しまった!キング・ホモォが!!」
ミーナ(合体は、ただでさえ多くのエネルギーを使う技!!)
ミーナ(ライナーからエネルギーを得られると踏んで発動したけど、このままでは…!!)
キング・ホモォ「ほ…も…」┌(┌^o^)┐
ライナー「縮んできたな。俺がホモでないと知って、エネルギー切れを起こしたか?」
ミーナ「死んじゃだめ!!ほら、大好きな薄い本よ!!さぁ、食べて!!」
キング・ホモォ「ほ…も…」┌(┌^o^)┐イヤイヤ
ミーナ「そんな…!やはり、ダメなの…」
キング・ホモォ「みぃなぁ…」┌(┌^o^)┐
ミーナ「!?」
-
- 321 : 2014/02/02(日) 22:40:28 :
キング・ホモォ「まぁい…ふれぇんどぉ…」┌(┌^o^)┐
フッ…
ミーナ「あっ…」
ライナー「…消えた」
ミーナ「うっ…あぅっ…」グスッ…
ミーナ「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!!!!!」ポロポロ
クリスタ「ミーナ…」
ライナー「こればかりは、どうにも…」
-
- 322 : 2014/02/02(日) 22:45:33 :
審パァン『ミーナ、戦闘を続行しますか?』
ミーナ「しないわよ!あの子がいないなら、もう私なんてどうなっても…」
クリスタ「『女戦士・聖母(ヴァルキリー・レベル・マドーラ)』」
ライナー「…!?」
クリスタ「『戻りの御魂(リターナ・ミターマ)』…」
キラキラキラキラ…
ホモォ達「」スゥゥ…
ミーナ「…みんなっ!!」
ライナー「蘇った…?クリスタの能力か?」
クリスタ「うん。むやみやたらには使えないんだけどね。あのままじゃ、ミーナがどうなるか分からなかったから」
-
- 323 : 2014/02/02(日) 22:50:07 :
クリスタ「大切なお友達なんでしょ?いつまでも、大事に仲良くしてね」
ミーナ「うんっ!!ありがとう、クリスタ!!!」
ホモォ達「くりすたぁ、まぁい、ふれぇんどぉ…」┌(┌^o^)┐
クリスタ「ふふっ、ありがとう」
審パァン『勝者、ライナー!!』
ライナー「ふぅ、何はともあれ、終わったな」
クリスタ「まだ終わってないよ…」ゴゴゴゴゴ…
ライナー「…えっ?」
-
- 324 : 2014/02/02(日) 22:55:13 :
クリスタ「先に忠告したのに、結局覗きに来たよね、ライナー…?」ゴゴゴゴゴ…
ライナー「ばっ!あれは!不可抗力だ、俺の意思で覗いたのではないっ!!」
クリスタ「理由なんてどうでもいいよ。問題は、私の裸を見たのかどうかという事…」ゴゴゴゴゴ…
ライナー「お、おいミーナ!お前も何か言ってやってくれ!!」
ミーナ「…」
ライナー「何故黙る!?じゃあ、お前ら!!お前らが吹き飛ばしたせいだぞ!!何とか言え!!」
ホモォ達「ライナーが自分の意思で覗きました」┌(┌^o^)┐
ライナー「!?」
クリスタ「情状酌量の余地はないね。覚悟して…」ゴゴゴゴゴ…
ライナー「あ…あぁ…」ガタガタ…
アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!!!
-
- 325 : 2014/02/02(日) 22:59:07 :
~洞窟入口~
キース「ふむ、上位組は全員、乱入者に打ち勝ったか。そうでなくては困る」
キース「それにしても、下位組の奴らも、能力だけなら上位組には負けていない」
キース「卒業後、腕の磨き方次第では、十分立派な兵士へと成長を遂げるだろうな」
キース「…」
キース「さて、それではお待ちかね、決勝ステージを始めるか。私も出向こう…」ガタッ
スタスタ…
-
- 326 : 2014/02/02(日) 23:00:44 :
~外・洞窟付近~
???「…あそこから、大勢の人間の気配がするな」
???「さっさと用を済ませてぇんだが、面倒臭ぇな…」
スタスタ…
-
- 329 : 2014/02/03(月) 16:40:13 :
~決勝ステージ~
エレン「…ここか」ザッ!
アニ「遅いよ。待ちくたびれたじゃないか」
エレン「アニっ!やっぱお前も残ってたか」
アニ「当然。私が簡単に負けるわけないでしょ」
エレン「だよな。だとすると、もう一人は…」
アニ「…来たみたいだよ」
ミカサ「…」ザッ!
エレン「…やっぱ、お前だよな」
ミカサ「エレン、ここで再会できたことをうれしく思う。でも、勝負になったら、手を抜くわけにはいかない」
エレン「望むところだ!手加減なんかしたら、承知しねぇからな!!」
-
- 330 : 2014/02/03(月) 16:45:14 :
アニ「それにしても、決勝に進んだのは3人でしょ?どういうルールで戦うんだろうね?」
エレン「確かに。1対1なら、一人余っちまうしな…」
サシャ「ほっ!到着したみたいですよ!」
ダズ「へぇ、ここが…」
エレン「サシャ、ダズ、お前らも来たのか?」
サシャ「せっかくの決勝戦ですからね。生で見たいと思って、来ちゃいました」
ダズ「俺はまた、隙を見て食われるんじゃないかとヒヤヒヤしてたぜ…」
ベルトルト「皆も来てたんだね」
サムエル「やっぱ、皆考えることは一緒か」
アニ「ベルトルト。それに…………………………………………サムエルか」
サムエル「ずいぶん間があったな、アニさんよ…」
-
- 331 : 2014/02/03(月) 16:50:29 :
アルミン「エレンっ!ミカサっ!」
ユミル「ほう、やっぱ決勝はあんたらか」
ミカサ「アルミンっ!」
エレン「お前らも来たか。でも、何でユミルが一緒に?」
ユミル「細かいことは気にすんな」
フランツ「ちょっと、僕らを置いていくなんてひどいじゃないか!」
ハンナ「一声かけてくれてもよかったじゃない!」
ユミル「お、お前らも来たか」
アルミン「いやぁ、気持ちよさそうな顔で寝てたから、つい…」
ジャン「思いのほかにぎやかになってたな、ここは」
トーマス「ほぼ全員集合じゃない?」
-
- 332 : 2014/02/03(月) 16:55:18 :
ミーナ「うわっ、結構人いる!」
クリスタ「お待たせ、みんな。ライナーも、引き馬ご苦労様」
ライナー「はっ、女王様…」
ユミル「…何があった?ライナーにそり引かせてたのか?」
クリスタ「ちょっとしたお仕置き。『女王(レベル・クイーン)』の能力で、ライナーを従えただけだよ」
クリスタ「はい、ご褒美だよ。たっぷり味わいなさいっ!!」ペチーンッ!!
ライナー「あぁっ!!ありがとうございますっ!!」
エレン「鞭って…」
アルミン「女王様のテイストが違う気がするんだけど…」
コニー「お、俺達が最後か」
マルコ「試合は…まだみたいだね。間に合ってよかった」
ジャン「よぉマルコ。これで全員揃ったな」
-
- 333 : 2014/02/03(月) 17:00:14 :
キース「集まったか、貴様ら!!」
一同「!!」
キース「よくぞ厳しい戦いを勝ち抜き、決勝へと駒を進めたな、貴様ら!!」
エレン「…」
ミカサ「…」
アニ「…」
キース「これから貴様ら3人には、同時にステージに上がってもらい、バトルロイヤル形式で優勝を決めてもらう!!」
-
- 334 : 2014/02/03(月) 17:05:08 :
アルミン「バトルロイヤルだって!?」
ジャン「なるほどな…。だが、それじゃ…」
ミカサ(ならばまずは、エレンと共闘してアニを倒し、その後、私とエレンで真の決勝を…)
アニ(…ってなことを考えてるんだろうね、ミカサは。どうしたものか)
エレン(バトルロイヤルか…。どういう戦術で行こうかな…。うーん…)
キース「言うまでもないが、ステージ上で最後まで立っていた者が、今期の首席となる」
キース「ここまで来れば、首席の座など二の次であろう。お前たちが本当に争っているのは、戦闘術における頂点の座」
キース「私が3年間叩き込んでやった技術を行使し、全てを蹴散らして一番上を勝ち取れ!!いいか!?」
エレン「はいっ!!」
ミカサ「…はい!」
アニ「はい…」
-
- 335 : 2014/02/03(月) 17:10:10 :
キース「それでは早速だが、決勝戦を始める!!ステージへ上がれ!!」
エレン「いよいよだな…」
ミカサ「エレン、戦いが始まったら、私のところへ…」
アニ「…」
アルミン「いよいよだね…」
ジャン「目に焼き付けて置かねぇとな。これが頂上決戦だ」
-
- 336 : 2014/02/03(月) 17:15:07 :
真・審パァン『それでは、これより決勝戦を行います!!』
一同「わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!」
真・審パァン『エレンVSミカサVSアニ、用意…』
エレン「…」
ミカサ「…」
アニ「…」
真・審パァン『始めっ!!』
-
- 337 : 2014/02/03(月) 19:00:20 :
アニ(『Tomorrow~夢見るだけで~』…)スッ…
コニー「アニの奴、アレを仕込んだか…?」
サシャ「アレって何ですか?」
コニー「じきに分かるさ」
ミカサ「エレンっ!!」
エレン「うわっ!!お前が相手か!?」ビクッ!
ミカサ「そうじゃない、聞いて」
ミカサ「まず、私とあなたで共闘し、アニを倒す。それから、最後にあなたと私で戦って、頂点を決めよう」
-
- 338 : 2014/02/03(月) 19:05:10 :
エレン「えっ?でも、それじゃ…」
アニ「別に、私は構わないよ。好きにしな。まぁ、それに…」
アニ「…いちいち他人に助力を仰がなきゃ勝てないような奴は、私の眼中にないしね」
ミカサ「…っ!」カッチーンッ!
ミカサ「…言ってくれる。つまり、私一人ではあなたを倒すことはできないと?」
アニ「それ以外の意味に聞こえた?あんたの感じたとおりの意味だけど」
ミカサ「…それは、私に対する宣戦布告と受け取っても?」
アニ「…構わないよ。いつかの訓練の時の決着、ここでつけさせてもらおうか」
-
- 339 : 2014/02/03(月) 19:10:29 :
エレン「あの…。俺は一体どうすれば…」
ミカサ「エレンはそこで待ってて。さっさとこいつを片付けて、あなたと真の決勝戦をするから」
アニ「そう言うワケで、そこでおとなしくしてな。すぐ相手してあげるから」
エレン「えぇ…。教官、あの…」
キース「別に、ルール上は問題ない。そういった事態もまた、バトルロイヤルの醍醐味だ」
エレン「…」
アルミン「じゃあエレン、ステージ端に来て話そう。エレンを見てるといたたまれないよ…」
ライナー「向こうの決着が着くまで、俺達が話し相手になってやる。な?」
エレン「…あぁ、助かるよ」スタスタ…
-
- 340 : 2014/02/03(月) 19:15:15 :
ミカサ「…」
アニ「…」
ミカサ「そちらからどうぞ」
アニ「ずいぶんと余裕だね。そんなんで、本当に大丈夫かい?」
ミカサ「…どういう意味?」
アニ「すでにあんたの周りは、私の雑菌たちが取り囲んでいるってことさ」
ミカサ「雑菌が…!?」
アニ「と言っても、当然目には見えない。けど、あんたの命を狙っている。今か今かと待ち侘びながらね」
-
- 341 : 2014/02/03(月) 19:20:25 :
ミカサ「一体どんな…」
ボッ!!
ミカサ「!?」
ミカサ(なに!?何もない空気中で、いきなり発火した!?)
アニ「知ってるかい?大気中の微生物の中には、細胞が発火性に富んだ種類がいるってことを」
ミカサ「…それがどうかしたの?」
アニ「そうは言っても、所詮微生物。燃やしたところで、大した影響はない」
アニ「けど、そいつがある程度の大きさに成長し、その状態で発火したとしたら、どうなると思う?」
ミカサ「…まさか!?」
-
- 342 : 2014/02/03(月) 19:25:19 :
アニ「そう。私の雑菌が、空気中のそいつと結合し成長を促進、十分な大きさになったところで、発火を促す」
アニ「一発ずつなら大した炎にはならないだろうけど、無数に生息している微生物が一斉に発火したら…」
ミカサ「…っ!」ゾクッ!
アニ「もう遅い。あんたはすでに包囲されている。逃げ場はないよっ!!」
アニ「『Tomorrow~朝が来れば~』!!!」
ボォンッ!!
ミカサ「しまっ…」
ミカサ(対象物が見えないのでは、避けようがないっ!!このままでは…)
-
- 344 : 2014/02/03(月) 19:30:25 :
ボォンッ!!ボォンッ!!ボォンッ!!ボォンッ!!
ミカサ「あっ…!!」
ジャン「おい、ミカサの奴、やべぇぞ!!」
アルミン「エレンっ!!」
エレン「くっ…!俺の能力でどうこうできるレベルじゃ…!!」
アニ「…一斉に燃え上がりなっ!!」
ボォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!!!!!
エレン「ミカサぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」
バッシャアァァァァァァァァッ!!!!!!!
エレン「え!?」
-
- 345 : 2014/02/03(月) 19:35:12 :
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…
ミカサ「…危なかった。あと一瞬判断が遅ければ、丸焦げになっていた」
アニ「火が消えた…?この液体は…!?」
ミカサ「水。見れば分かるはず。それとも、目にするのは初めて?」
アニ「そんなワケないでしょ!私が聞きたいのは、どうして何もないところから水が噴き出したのかってこと!!」
ミカサ「水は、私の体から噴き出した。そして…」
ザザザザザザ…
ライナー「水が…」
ベルトルト「引いていく。ミカサの体に…」
-
- 346 : 2014/02/03(月) 19:40:13 :
ミカサ「…ふぅ。これで元通り」シュッ
アニ「それがあんたの能力…?水を操るの…?」
ミカサ「…んっ!」ガリッ!
エレン「手を噛み切った!?何してんだよ、ミカサ!」
ミカサ「痛い…。けれどこの痛みが、あなたの自由を奪う…」ポタポタ…
アルミン「結構な出血量だ…!相当強く噛み切ったんだ!!止血しないと…」
ミカサ「その必要はない。はっ!!!」ビュッ!!
アニ「うわっ!!」ベシャッ!!
-
- 347 : 2014/02/03(月) 19:45:17 :
アニ「…っ!ちょっと、あんたの血でベトベトだよ、どうしてくれるんだい?」ポタポタ…
ミカサ「…」
アニ「何か言ったらどう…」
アニ「…!?」グッ!
ミカサ「気付いてももう遅い。あなたはもう、身動きが取れないのだから…」
アニ「何だいコレ…!?血が固まって、動きが…」グググ…
ユミル「おいおい、一体何が起きてやがるんだ!?」
クリスタ「血って、たしか空気に触れると固まるんだよね!?」
マルコ「だけど、人間一人を拘束できるほどの強度はないはず!いったいあれは!?」
-
- 348 : 2014/02/03(月) 19:50:10 :
ミカサ「人間の血液の中には、鉄分が含まれている。アニの動きを止めているのは、鉄分を大量に含ませた血液」
ミカサ「よって、固まった血液は鉄の硬度を誇る。あなたの力で抜け出すことは不可能」
アニ「鉄…!?どうりで…!だけど、さっきの水と言い、あんたの能力は一体…!?」
ミカサ「人間の体は、約7割が水で構成されていると言われる。さっきの水は、その一部を使って消火しただけ」
ミカサ「私は、自身の肉体を構成する成分を、自由に出し入れ、且つ自在に操作することができる」
ミカサ「幼少の頃得た、肉体を支配する力。これを極めた結果、原子単位で自分の肉体をコントロールすることが可能になった」
コニー「なっ…!?マジかよ、それ…」
アニ「だから、さっきの水があんたの体内に戻っていったってワケかい…」
-
- 349 : 2014/02/03(月) 19:55:11 :
ミカサ「私の体内に存在する物質は、全て私の意のままに動く、いわば家臣のようなもの」
ミカサ「私の体を『城』として、肉体を構成しつつ、城を守る『兵』となる」
ミカサ「そんな彼らの長である私の能力、即ち『城主』!!」
エレン「城主…」
アルミン「『ミカサ』と言う城を支配する長、まさにその通りだ…」
ミカサ「さらに、自然治癒力を一点集中させれば…」シュゥゥゥゥ…
ミカサ「…この通り。傷を一瞬で治すことも可能」
アニ「ついに本物のバケモノに成り果てたってワケだね、あんた…」
ミカサ「ミクロ単位で物質を操作するという点では、あなたと同じ。あなたも立派なバケモノ」
-
- 350 : 2014/02/03(月) 20:00:13 :
アニ「言ってくれるじゃないか、ミカサ…」
アニ「だけど、私の体を拘束している物質が鉄と分かれば、もう怖くないよ…」
ミカサ「何を…?」
鉄「」ボロッ…
ミカサ「なっ…!?」
ミカサ(アニを拘束している血の塊が、崩れてきている!?何故…!?)
アニ「これは、私の雑菌たちに命令して、鉄分を分解してもらってるのさ」
アニ「なんだかんだ言っても、結局は人体の構成物質であるのなら、私の体細胞の情報を使って分解するくらいワケないってこと」
ミカサ「そんな手で…」ギリッ!
-
- 351 : 2014/02/03(月) 20:05:18 :
アニ「よっと。これで晴れて自由の身だね」ピョンッ
エレン「あぁ…。なんか俺とは全然違う次元で、戦いが進んでるなぁ…」
ジャン「諦めろ。もともとあいつらはそういう次元に生きてる奴らだ…」
アルミン「ははは…」
アニ「さらにあんたは、さっき盛大に水を撒いてくれたね?」
ミカサ「それが、どうかした…?」
アニ「知ってるかい?雑菌ってのは、湿り気が大好きなんだ。湿度がある程度高くなると、活発に繁殖する」
アニ「おかげで、私が最初に仕込んだ奴が、早く完成しそうだよ…」
コニー「やっぱり!!アニの奴、アレを仕込んでいやがった!!」
サシャ「だから、アレって一体何ですか!?」
-
- 352 : 2014/02/03(月) 20:10:17 :
アニ「出てきな…」
ピギャアァァァァァァァァァッ!
ミカサ「!?」
エレン「おい、何だあいつ!?」
超巨大生物「ピギャアァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!」
ライナー「でかい!!5メートルを超えているぞ!!」
コニー「俺の時よりでけぇ!!倍はあるんじゃねぇのか!?」
アニ「湿り気によって大幅に雑菌が増えたおかげで、結合した個数、成長速度、共に私の予想をはるかに上回っていた」
アニ「こいつはかなりの大物だよ。あんたに止め切れるかい?」
ミカサ「くっ…」
-
- 353 : 2014/02/03(月) 20:15:12 :
超巨大生物「ピギャアァァァァァァァァァァァッ!!!!!!」バッ!
マルコ「動き出したっ!!」
アニ「狙いは…」
超巨大生物「」グンッ!!
エレン「えっ!?俺!?」
ミカサ「エレンっ!!!」
ガシッ!!!
エレン「ぐっ…」グググ…
超巨大生物「ピギャアァァァァァァァァァァァッ!!!!!!」グググ…
アルミン「受け止めたっ!?」
-
- 354 : 2014/02/03(月) 20:20:14 :
ジャン「馬鹿野郎!!さっさとそいつから離れねぇと、喰われちまうぞ!!」
エレン「そんなこと…言ったって…」グググ…
ミカサ「アニっ!!あいつをエレンから遠ざけて!!あなたの最初の狙いは私のはず!!」
アニ「あんたの相手もちゃんとしてあげるよ。向こうは向こうの戦いがある。邪魔するのは野暮ってもんでしょ?」
ミカサ「アニっ…!」ギリッ!
エレン「ぐ…おぉ…!」グググ…
エレン(俺はやれる…!こんなところでは屈しない!!こんなバケモノごときに…!!!)
エレン「絶対に、屈しないっ!!!!!!」
-
- 355 : 2014/02/03(月) 20:25:11 :
エレン「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」ゴオォォォォォォォォォォォォォッ!!!
超巨大生物「!?」
エレン「おらあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」
ドッゴォォォッ!!!!!!!
超巨大生物「ギャアァァァァァァァァァァッ!?」
ドッサァァァァァァッ!!!!
超巨大生物「ア…アァ…」ピクピク
アルミン「すごい…!あの巨大生物を、殴り飛ばした!!」
ライナー「バケモノはどっちだよ…」
-
- 356 : 2014/02/03(月) 20:30:13 :
エレン「はぁ、はぁ…」
エレン「…ぐふっ!」ガクンッ!
ベルトルト「エレンっ!!」
エレン(…マズいな、精神に負荷がかかりすぎたか…?中からぶっ壊れちまいそうだ…)
ユミル「一体どうしたってんだ…?」
クリスタ「エレンの能力は、精神力で自分を強引に奮い立たせるものなの」
クリスタ「だけど、当然無理を続ければ、肉体や心にかかる負荷は尋常じゃないはず!エレンに限界が来てるんだよ!!」
ジャン「限界って、さっきの一回でか!?大したことねぇな、あいつ!!」
クリスタ「ううん、違うよ!私と戦った時も、相当無茶をしてたはず!!このままだと危険だよ!!」
-
- 357 : 2014/02/03(月) 20:35:12 :
アルミン「エレン…」
エレン「はぁ、はぁ…」
エレン(クソッ、情けねぇな…。もう一息だってのに、身体が言う事を聞かねぇ…)
エレン(俺の力に限度があるのは分かってるけど、もう少しイケると楽観視してた…)
エレン(所詮、俺の精神力も、まだこの程度でしかなかったってことなのか…)
超巨大生物「ピギャアァァァァァァァァァァァッ!!!!!!」
ライナー「マズい、奴が吹き返したぞ!!」
マルコ「エレン、早く立つんだ!!」
-
- 358 : 2014/02/03(月) 20:40:07 :
エレン「んなこと、言われなくても…」
エレン「わか…て……る………」
エレン「」バタンッ…
ミカサ「エレン…?」
ユミル「ダメか…」
アルミン「エレン、そんな…」
エレン「」
審パァン『エレン、リタイア。ミカサVSアニで試合を続行します』
-
- 359 : 2014/02/03(月) 20:45:16 :
ミカサ「ちょっと待って、アニ」
アニ「?」
スタスタ…
ミカサ「エレン…」スッ…
エレン「」ダキッ…
ジャン「あの野郎、ミカサのお姫様抱っこ羨ま…しくはねぇな、普通逆だもんな」
アルミン「ミカサ…」
ミカサ「エレンをお願い、アルミン。ステージの上にいては危険だから」
アルミン「分かったよ。ミカサは最後まで頑張ってね」
ミカサ「うん。エレンの分まで頑張って、優勝しなくてはならないから。任せてほしい」
-
- 360 : 2014/02/03(月) 20:50:38 :
ライナー「頑張れよ。まぁ、当然ながらアニの応援もさせてもらうがな」
ミカサ「構わない。応援があろうとなかろうと、私は必ず勝つ」
アニ「まだ?そろそろ待ちくたびれそうなんだけど?」
ミカサ「今戻る。あなたを倒すために…」スタスタ…
アニ「そっちの奴も、お腹を空かせてるんでね」
超巨大生物「ピギャアァァァァァァァァァァァッ!!!!!!」
ミカサ「アニ、一つ聞きたいことがある」
アニ「なに?」
-
- 361 : 2014/02/03(月) 20:54:12 :
ミカサ「さっきの発火性の微生物は、まだその辺に浮遊しているの?」
アニ「一応してるけど、それがどうしたの?どうせ使っても、またアンタに消火されるしね」
ミカサ「それを聞いて安心した…」シュゥゥ…
アニ「…何をする気?」
ミカサ「こうする…」
ミカサ「…はっ!!!」バッ!!
アニ「何を!?」
ピッカァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!
アニ「うっ!!すごい光…」
アルミン「眩しいっ!!!!」
-
- 362 : 2014/02/03(月) 21:02:00 :
超巨大生物「ギャアァァァァァァァァァァッ!!!!!!」
ジャン「何だってんだ、この光は!?」
ミカサ「この光の元は、私の体内のマグネシウム」
アルミン「マグネシウム…!?そうか!!」
ミカサ「マグネシウムという物質は、燃焼させると激しい光を放つ性質がある」
ミカサ「私はマグネシウムを、発火性の微生物にぶつけ、燃焼させることでこの光を作りだしただけ」
アニ「人の戦術を逆手に取ったってワケかい…」
ミカサ「今のあなたたちは、まともに視界が効かないはず。この隙に…」
ミカサ「…ふっ!!」ビュッ!
超巨大生物「!?」ゴックンッ!
-
- 363 : 2014/02/03(月) 21:05:13 :
マルコ「ハッキリ見えなかったけど…何かを巨大生物の口の中に投げ込んだ!?」
アニ「今度は一体、何をしたんだい…?」
超巨大生物「ピギャ!?」ガクッ!
超巨大生物「ギャ…アァァァァァァァァッ!!!!!!」バタバタッ!
コニー「あのバケモノが、突然苦しみだした…!?」
サシャ「ミカサは一体何をしたんですかっ!?」
ミカサ「私がさっきそいつに投げ入れた物、それは…」
ミカサ「私の体内に存在する、抗体。カルシウムで作りだしたボールの中に抗体を入れ、そいつの体内に直接放り込んだ」
ミカサ「それが体内で拡散し、内部からそいつを駆除しているだけ」
アニ「直接抗体で…!?常識外れにもほどがあるよ、あんた…」
-
- 364 : 2014/02/03(月) 21:10:31 :
超巨大生物「ピ…ギャ…」
超巨大生物「」スゥゥ…
アルミン「消えた…」
アニ「やってくれるね…」
ミカサ「さて、これでようやくあなたと1対1。エレンは負けてしまったけど、ようやく決勝にふさわしい戦いになりそう」
アニ「…残念だけど、その戦いはもう終わってるよ」
ミカサ「…なぜ?」
アニ「あんたが巨大生物に気を取られている隙に、すでにあんたを倒す準備は整っていたのさ…」
ミカサ「どういう……!?」ガクンッ!
アルミン「ミカサ!?」
-
- 365 : 2014/02/03(月) 21:15:26 :
ミカサ「う…ぐ…苦しい…!」
ジャン「何だ!?突然ミカサが苦しみだした!!」
サシャ「あれは…!」ゾワゾワッ
コニー「俺も思い出した…」ゾクッ…
ミカサ「はぁっ、ぐぅっ!!」
アニ「目に見えないってのは、厄介でしょ?すでにあんたの体内には、無数の雑菌が侵入していたのさ」
アニ「さっきのアンタの仕掛けで生き残った一部の雑菌が、あんたの抗体を食べて、対処法を記憶した。もうあんたの抗体は効かないよ」
アニ「じわじわと苦しめられながら、敗北と言う屈辱を味わうんだね」
ミカサ「うぐっ……あぁっ!!」バタッ!
ジャン「ミカサっ!!」
-
- 366 : 2014/02/03(月) 21:20:15 :
アニ「これでサヨナラだよ、ミカサ。『Tomorrow~憂鬱な日には~』…」
ミカサ「…」
アニ「…ん?」
ライナー「…ミカサの様子が?」
ユミル「まさか、くたばっちまったのか!?」
クリスタ「…いや!あれを見て!!」
ミカサ「…」スクッ…
アニ「立ち上がった!?私の雑菌は、確かにあんたの体を蝕んでいたはず!!」
コニー「まさか、俺みたいに一発限りの治療技でもあるのか!?」
-
- 367 : 2014/02/03(月) 21:25:17 :
ミカサ「アニ、私は最初に教えたはず。私の能力のことを」
アニ「城主って言ったかい?あんたの体内の物質を、あんたの意のままに操る…」
アニ「…まさか!?」
ミカサ「あなたの雑菌が私の体内に侵入していることは、すでに察知していた」
ミカサ「突然の敵襲で少々混乱はあったようだけど、どうやらすべて捕えて捕虜にすることができたみたい」
ミカサ「そしてその捕虜達に問うた」
ミカサ「『このまま処刑されるのを待つか、こちらの味方になって共に戦うか』と」
アニ「それじゃ、私の雑菌は…!?」
ミカサ「すべて、私の家臣となった。あなたが私の城に送り込んだ兵はすべて、私側に寝返ったという事」
-
- 368 : 2014/02/03(月) 21:30:26 :
ミカサ「さらに…」
アニ「…かはっ!!」ガクンッ!
ベルトルト「アニっ!!どうしたの!?」
ライナー「この状況から考えると、おそらく…」
ミカサ「寝返った兵は、今度は敵となってあなたに襲い掛かる。すでに私の配下なのだから、当然」
ミカサ「こうなってしまえばもう、あなたに対抗する手段はない。違う?」
アニ「が…はっ…!」
アニ(駄目だ!雑菌が私の命令を受け付けない!!既にミカサの支配下にあるから…!?)
アニ(このままじゃ、やられる!!かと言って、何も手だてが思いつかないっ!!)
-
- 369 : 2014/02/03(月) 21:35:21 :
ミーナ「アニ…」
アニ(ミーナ…)
ミカサ「自分の技にやられたとあっては、アニのプライドに関わる。ここは…」ピキピキ…
アルミン「ミカサの右手が、黒く染まっていく…」
ジャン「あれはまた『鉄』か?まさか、あのまま…」
アニ「何を…」
ミカサ「こうするの…」スッ…
アニ(速いっ!!一瞬で目の前に…)
ゴスッ!!!!!!
ミカサ「…」
アニ「が…あっ…」メキメキッ…
キース「…勝負あったな」
-
- 370 : 2014/02/03(月) 21:40:31 :
アニ「わ…たし…が……」
アニ「…はっ……」バタッ…
ミカサ「…終わった」
審パァン『勝者、ミカサ!!』
アルミン「ミカサが…」
ジャン「勝った…」
アル&ジャン「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」
ライナー「はしゃぎ過ぎだ、お前ら。アニの気持ちも察してやれ」
-
- 371 : 2014/02/03(月) 21:45:19 :
ベルトルト「アニっ!しっかりして!」
アニ「う…私は…?」
ミーナ「残念だったけど、すごい戦いだったよ!!アニ、お疲れ様!!」
アニ「そう、負けたんだね…」
ミカサ「アニ」
アニ「…」
ミカサ「あなたの体内に巣食った雑菌は、全て駆除させてもらった。もう、身体の異常はないはず」
アニ「まさか、自分の技を返されて負けるとはね。想像だにしてなかったよ」
ミカサ「違う。あなたは、私の拳で沈んだ。雑菌で負けたわけではない」
アニ「ふっ…。慰めのつもりかい?もう少しましな嘘をつくんだね」
-
- 372 : 2014/02/03(月) 21:50:18 :
ミカサ「…」
アニ「…」
ミカサ「…あなたとこの場で戦えたことを、誇りに思う。全力を出し切って戦えたからこそ、新たに見えてくるものもあった」
ミカサ「あなたとはこの先もずっと、ともにライバルであり続けたいと思うのだけれど、どう?」
アニ「あんたが思いたいのなら、勝手に思ってればいいんじゃないの?私はそう言うのはどうでもいいから…」
ミーナ「『是非よろしくお願いします』、だって!!」
アニ「は…!?」
ベルトルト「今の発言はそういう解釈でいいんでしょ?素直じゃないんだから」
アニ「あんたら、なに勝手なことを!!」
ミカサ「…ふふっ」
-
- 373 : 2014/02/03(月) 21:55:12 :
アルミン「エレン、起きて!ミカサが勝ったよ!!」
エレン「…」
アルミン「…あれ?」
ジャン「おいお前、起きてるんだろ?」
エレン「…」
ライナー「何だ?自分だけ向こうの輪に入れなくて、悔しくてふて寝か?」
エレン「ちげぇよ!!なに適当なこと言ってんだお前!!」
ライナー「お、起きたな」
エレン「…」ムスッ
アルミン「エレンも褒めてあげなよ。すごい戦いだったんだから」
ジャン「まぁ、殴って蹴っての壮絶な戦いとまではいかなかったが、手に汗握る激闘だったってのは事実だな」
???「お前ら、本気でそう思っているのか?」
一同「!?」
-
- 374 : 2014/02/03(月) 22:00:34 :
エレン「…あなたは!?」
キース「なぜお前がここにいる…」
キース「…リヴァイ」
リヴァイ「エルヴィンにちょっとした用を頼まれて施設を訪れたんだが、もぬけの殻と来たもんだ」
リヴァイ「この洞窟から人の気配がしたんでな。わざわざ出向いてやったってワケだ」
キース「そうか。ご苦労だったな」
リヴァイ「それにしても、何だあの戦いは?ガキの喧嘩じゃあるまいし」
キース「ちょうど、今期の首席を決めるためのバトル大会を行っていたのだ。たった今、優勝が決まったがな」
リヴァイ「優勝?お前が…?」チラッ
ミカサ「…」
-
- 375 : 2014/02/03(月) 22:05:18 :
リヴァイ「…認められねぇな、あんなレベルじゃ。今期の訓練兵は、みんなこいつ以下なのか?」
ジャン「こいつ以下って…!こいつの強さは本物ですよ!誰もこいつには勝てないんですから!!」
リヴァイ「…それじゃ、今期の訓練兵から、調査兵団への入団は認めない。それでいいな?」
エレン「は…!?」
キース「お前、何を勝手なことを…」
リヴァイ「訓練兵が全員、こいつより弱いんじゃ、壁外調査では到底生き残ることは不可能だ」
リヴァイ「それなら黙って、ドブ臭ぇ壁の中で安全にぬくぬくと暮らしているべきだ。違うか?」
キース「お前、そこまで…」
-
- 376 : 2014/02/03(月) 22:10:16 :
リヴァイ「言っとくが、ウチの兵はみんなこいつ以上だ。それくらい、お前なら分かってるだろう?」
キース「む…確かにそうだが…」
ジャン「すげぇ、さすが調査兵団だ。ミカサレベルがわんさかいやがるのか…」
リヴァイ「どうせ入団しても食われていなくなるくらいなら、ハナから誰も必要ない。そういう事だ」
リヴァイ「野暮用の内容は途中のロボットに伝えておいた。後で聞いておけ。それじゃな」
ミカサ「待ってください!」
リヴァイ「…何だ?」
ミカサ「今期の調査兵団入団を認めないというのには、納得できません」
リヴァイ「理由はすでに説明したはずだが?」
-
- 377 : 2014/02/03(月) 22:15:12 :
ミカサ「私やエレンやアルミンには、夢があります。すべての巨人を倒し、外の世界を探検するという夢が…」
ミカサ「調査兵団入団は、その夢のための第一歩なんです。私達の夢を邪魔する資格は、あなたにはないはず!!」
リヴァイ「…どうしろと?」
ミカサ「…私と勝負してください。私が勝ったら、今期の調査兵団入団拒否を、撤回してくださいっ!!」
エレン「おい、ミカサ!!正気か!?」
アルミン「勝てるわけないよっ!相手は人類最強の兵士だよ!!絶対無理だ!!」
ミカサ「できる」
アルミン「…っ!」
ミカサ「戦わなければ、勝てない。このままでは、私達は夢への第一歩を踏み出すことさえできなくなる」
-
- 378 : 2014/02/03(月) 22:20:34 :
ミカサ「そんな状況を、ただ指をくわえて見ているだけなんて私にはできない。戦って、自分で道を切り開くしか手段はない」
アルミン「ミカサ…」
ミカサ「こちらが負けたら、あなたの言う通り調査兵団入団は諦めます。だから、どうか…」
リヴァイ「ダメだ」
ミカサ「そんな…」
リヴァイ「勘違いするな。俺がダメだと言ったのは、お前が負けたときの条件だ」
ミカサ「えっ…?」
リヴァイ「お前が負けたら、今期の訓練兵は全員、どの兵団に入団することも認めん」
一同「えっ!?」
-
- 379 : 2014/02/03(月) 22:25:16 :
リヴァイ「当然だ。お前みたいな雑魚ばかりが入団したところで、クソの役にも立たねぇで終わるのが目に見えてる」
リヴァイ「それなら、ハナから入団なんかしなくていい。荷物まとめて、とっとと家に帰れ」
キース「それはいくら何でもあんまりだろう、リヴァイ…」
リヴァイ「俺は本気だ。こいつらも、そのくらい本気でこの女に託せるくらいじゃねぇと、俺だけ馬鹿を見る羽目になるだろうが」
ミカサ「しかし、それを私が決めるわけには…」
エレン「構いませんよ」
ミカサ「エレンっ!?」
-
- 380 : 2014/02/03(月) 22:30:11 :
アルミン「僕もです。リヴァイ兵士長の言う通り、僕らの実力が足りてないという判断であれば、入団しない方がベストだと思います」
ジャン「俺は……ミカサを信じるぜ!」
ライナー「やれやれ、とんでもない事につき合わされちまうようだな」
ベルトルト「どうせ乗り掛かった舟だ。最後まで付き合うよ」
アニ「私の“自称ライバル”の戦いを邪魔するのは野暮ってもんだね」
コニー「しょうがねぇな。ミカサが負けたら、村でひっそり、狩猟生活でもするか」
サシャ「同感ですね」
マルコ「もし今年駄目でも、鍛えなおしてまた最初から訓練兵をやり直すさ」
クリスタ「私も…みんなと同じ意見だよ」
ユミル「やれやれ…。とんだ茶番につき合わされちまったぜ」
ミカサ「みんな…」
-
- 381 : 2014/02/03(月) 22:36:13 :
トーマス「どうせ、俺達は最初から内地の特権はないしな」
サムエル「実力不足なら、巨人との戦闘の可能性がある兵団に入るのは危険だな」
フランツ「僕はハンナがそばにいてくれさえすれば、他には何もいらないよ」
ハンナ「もう、フランツったら」
ダズ「お…俺も、ミカサに全てを託してやるっ!!」
ミーナ「そう言うワケだから。ミカサ、ビシっと決めてきなさいよ!!」
ミカサ「…うん!」
リヴァイ「決まったようだな。さっさと上がれ、軽く捻ってやる…」
ミカサ「…」ザッ!
-
- 382 : 2014/02/03(月) 22:40:45 :
キース「アッカーマン!」
ミカサ「…はい」
キース「気負う事はない。貴様に全てを預けたのは、こいつら自身だ。責任はこいつらにある」
キース「貴様は勝敗など気にせず、自分の持てるすべての力で、リヴァイに向かって行くだけでよい」
ミカサ「…はい!」
キース「…頑張れよ、アッカーマン」
リヴァイ「無駄話はそこまでだ。外野も余計な口出しをするな」
一同「…」
リヴァイ「とっとと始めろ、審判。俺はさっさと帰って、やらなきゃならねぇことがあるんでな」
-
- 383 : 2014/02/03(月) 22:45:06 :
真・審パァン『それでは正真正銘、最後の戦いを始めさせていただきます』
真・審パァン『リヴァイVSミカサ、用意…』
リヴァイ「…数秒後、転がってるのはてめぇの亡骸だ」
ミカサ「…いえ、我々の希望です」
真・審パァン『…始めっ!!!』
一同「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」
-
- 386 : 2014/02/04(火) 18:20:17 :
リヴァイ「…かかってこい。てめぇの力量を測ってやる」
ミカサ「では…」スッ…
ボボボボボッ!
鉛玉「」バッ!
エレン「あれは…金属の玉!?たくさん出てきたぞ!!」
アルミン「おそらく、鉛を固形化した玉だろう。あれを…」
ミカサ「…はあっ!!」バッ!
鉛玉「」ビュンッ!
ジャン「飛ばした!!速いぞっ!!」
-
- 387 : 2014/02/04(火) 18:25:20 :
リヴァイ「ほう、飛び道具で様子見とは。舐めやがって…」シュルッ…
ライナー「胸元のスカーフを取り出した…?」
キース「出るぞ。あれこそがリヴァイの能力…」
リヴァイ「…ふっ」ヒュッ…
鉛玉「」パッ…
ミカサ「…えっ?」
ユミル「消えた!?スカーフで振り払っただけでか!?」
ベルトルト「弾いたりしたわけじゃない…!本当に、跡形もなく消え去ってしまった!!」
-
- 388 : 2014/02/04(火) 18:30:20 :
キース「よく見ておけ、貴様ら。あれがリヴァイの能力…」
リヴァイ「『清掃(クリーンアップ)』。俺のスカーフに触れた物は、全て掃除され、消滅する」
リヴァイ「てめぇの汚ねぇ鉛玉に触るのも癪だったんでな。掃除させてもらった」
ミカサ「掃除…!?そんな技で…」
ミカサ「…ふっ!!」ガキッ!
アニ「あれは…!さっき私に使った、鉄で腕を硬化させる技!?」
ミカサ「はっ!!」ダッ!
リヴァイ「馬鹿が…」スッ…
アルミン「ミカサ!無闇に突っ込んだら駄目だ!!」
-
- 389 : 2014/02/04(火) 18:35:07 :
ミカサ「…はあっ!!!」ブンッ!!
リヴァイ「『清掃(クリーンアップ)』…」スッ…
パサッ…
ミカサ「…はっ!?」
ジャン「あぁっ!!!!」
エレン「ミカサの…右手が…」
ミカサ「…消えた!?」
リヴァイ「この能力は、対象を選ばねぇ。人体だろうが物体だろうが、俺の気に入らねぇ物は全て掃除する」
リヴァイ「消されたくなければ、迂闊に俺に近付かねぇことを勧めるが?」
-
- 390 : 2014/02/04(火) 18:40:13 :
アルミン「そんな…!ミカサ、ミカサっ!!」
ミカサ「落ち着いてアルミン!私は大丈夫!」
ミカサ「…ふっ!!」シュウゥゥゥゥ…
アルミン「…再生した?傷をふさぐだけじゃなく、失った四肢も再生できるのか…」
ミカサ「これは、消えた分の細胞を他から寄せ集めて再生しただけに過ぎない。よって、そう多用はできない」
ミカサ「あまり使いすぎると、細胞が足りなくなり、やがて私自身が消えることになってしまうから」
リヴァイ「ほう、そりゃ残念だ。どうやらお前は、今日ここで消滅する羽目になるからな」
キース「リヴァイ、貴様っ!!」
-
- 391 : 2014/02/04(火) 18:45:35 :
リヴァイ「文句は言わせねぇ。もともと、こいつから吹っかけてきた勝負だしな」
リヴァイ「それに壁外じゃ、一切の甘え言は許されねぇ。命乞いの通用しねぇ奴しか存在しねぇからな」
リヴァイ「『すいませんでした』で俺が引き下がると思ったら大間違いだ。お前は、そういう奴を相手に喧嘩を吹っ掛けたという事だ」
ミカサ「分かっています…」
リヴァイ「話が早くて助かる。それじゃ、続きと行くか…」
リヴァイ「『清掃手袋(クリーンアップ・グローブ)』…」シュッシュッ…
エレン「何だ…?スカーフで自分の手を拭いた?」
キース「『手袋』を装着したのだ。リヴァイの両手は今、あのスカーフと同等の効力を持っている」
コニー「それじゃ、あの手に触られてもアウトか!?」
-
- 392 : 2014/02/04(火) 18:50:10 :
サシャ「マズいです!!ミカサ、気を付けてくださいっ!!」
リヴァイ「だ、そうだが?俺も同意見だが…」ダッ!
ミカサ「くっ…」スッ…
リヴァイ「ふっ!」ビュッ!
ミカサ「うっ!」チッ!
アルミン「あぁっ!かすった!!」
リヴァイ「いつまでかわし続けられるか…?」ビュッ!!
ミカサ「ふっ…」
リヴァイ「遅い…」
ズバッ!!!
ミカサ「あっ…!」
エレン「ミカサぁぁぁぁっ!!!!!」
-
- 393 : 2014/02/04(火) 18:55:22 :
ミカサ「…っ!」ドサッ!
ライナー「おい、腹を思いっきり斬られたぞ!!」
クリスタ「ミカサ!無事なら返事をして!!」
ミカサ「う…あ…」ドクドク…
リヴァイ「チッ…汚ねぇな。さっさとその汚らわしい血を止めやがれ」
ジャン「あの人…!ミカサの腹ぶった斬っておいて、何て言い草だ!」
アルミン「斬られた…というより、消されたっていうほうが正しいね。ミカサのお腹の一部は、あの手袋によって消されてしまった」
ミカサ「…ふっ!!」シュウゥゥゥゥ…
アニ「また他の部位から寄せ集めて治したのかい…。このペースじゃ、長い時間は持たないね…」
マルコ「かといって、短期決戦に持ち込むのも難しい。やはり人類最強の壁は厚いか…」
-
- 394 : 2014/02/04(火) 19:00:12 :
リヴァイ「心なしか、縮んだか?目線が低くなったような気がするが…?」
ミカサ「どうですかね。それでも、まだあなたよりは大きいですけど…?」
リヴァイ「…減らず口を。今に、ミジンコみてぇになっちまうだろうな」
リヴァイ「『清掃』…」スッ…
ユミル「今度は自分の足元を拭いて………って、えぇっ!?」
リヴァイ「」フワフワ…
エレン「飛んでる…!?嘘だろ!?」
アルミン「もしかして、リヴァイ兵士長がさっき掃除したのは…」
リヴァイ「重力だ。俺は重力を掃除し、自分の体を浮かせている。てめぇらには、到底できねぇ芸当だ」
ジャン「飛行能力って…!そんなのアリかよっ!!」
マルコ「それを君が言うか、ジャン?」
-
- 395 : 2014/02/04(火) 19:05:09 :
リヴァイ「『清掃・首位打者(クリーンアップ・リーディングヒッター)』…」
ポワァ…
ミカサ「…!?あれは何…!?ボールのようなものが?」
リヴァイ「この玉に触れると、触れた物も同じように掃除される。便利なブツだ…」
リヴァイ「さらにこいつは追尾機能が付いている。狙った相手を、高打率(ハイアベレージ)で仕留める…」
ミカサ「くっ…!」
リヴァイ「せいぜい、全部持ってかれねぇように気を付けろ。はあっ!!」ビュッ!
球「」ブーン…
ライナー「来たぞミカサ!!避けろっ!!」
-
- 396 : 2014/02/04(火) 19:10:06 :
ミカサ「くっ!!」ヒュッ
リヴァイ「無駄だ。そいつの追尾からは逃れられねぇ」
球「」ブーン…
ミカサ「はっ!」バッ!
リヴァイ「遅い」
球「」ギュンッ!
ミカサ「しまっ…」
ミカサ「あぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」バアアァッ!!!!
ジャン「ミカサっ!!!」
-
- 397 : 2014/02/04(火) 19:15:13 :
ミカサ「くっ…」バタッ!
リヴァイ「…左腕か。思ったより掃除できなかったな」
ミカサ「う…あ…」シュゥゥゥ…
アルミン「再生はできているけど、徐々にミカサの体が縮んでいる気がする…」
エレン「気がするんじゃなくて、縮んでるんだろ!このままだと、あいつ本当に消えて無くなっちまうぞ!」
リヴァイ「『清掃・打点王(クリーンアップ・RBIキング)』…」
バババババババババババッ!!!!!!!!!
ベルトルト「今度は球が無数に!?さっきよりだいぶ小さいけど、すごい数だ!!」
リヴァイ「161発だ。さっきのように追尾機能はねぇが、無数の球でお前を掃除し尽くす…」
リヴァイ「再生途中にどれだけ動けるのかは知らねぇが、耐えられるものなら耐えてみろ…」
-
- 398 : 2014/02/04(火) 19:20:11 :
キース「貴様ら、離れろ!!巻き添えを食うぞ!!」
一同「うわあぁぁぁぁぁぁっ!!!」ダダダダッ!
リヴァイ「消えろ。はあっ!!!!」バッ!!
球「」ボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボッ!!!!!!!!!!!!
ミカサ「くっ…」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!!!!!!!
ミカサ「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!」
エレン「ミカサぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!」
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…
パラパラ…
-
- 399 : 2014/02/04(火) 19:25:12 :
リヴァイ「…さて、どうなった?」
ミカサ「くっ…ぁ…」シュゥゥゥゥゥゥ…
アルミン「よかった!まだ姿を保てている…!」
アニ「けど、だいぶ小さいじゃないか!身長も50センチあるかどうか…」
ジャン「ロリミカサっ!!ロリミカサっ!!」
ライナー「ふんっ!!」ドゴッ!!
ジャン「ぐぼっ!?」ドサッ!
ライナー「ふざけてる場合じゃないだろう!仲間の命の危機だと言うのに!!」
ジャン「」
マルコ(ジャン…)
-
- 400 : 2014/02/04(火) 19:29:52 :
ミカサ「はぁ、はぁ…」シュウゥゥゥゥ…
リヴァイ「どうした?防戦一方だな。大口叩いた割には、もうおしまいか?」
ミカサ「…」
ミカサ(相手が空を飛んでいる以上、こちらの攻撃は届かない。おまけに、あの消滅させる球、厄介すぎる…)
ミカサ(このまま勝負を続けても、一方的に消されて、最後には私は消えてしまうだろう。どうすれば…)
ミカサ「…!!」
ミカサ(…もしかしたら、さっきのアニとの戦いで得た経験が、この窮地をひっくり返す切り札になるかもしれない!!)
ミカサ(そうと決まれば、一か八か…)
-
- 401 : 2014/02/04(火) 19:35:20 :
ミカサ「…」キッ!
リヴァイ「気に食わねぇな。死にかけてるってのに、その希望に満ちた目が。すぐに、絶望に変えてやる」
リヴァイ「『清掃・HR王(クリーンアップ・HRキング)』」
ボオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!!!!!
一同「!?」
ジャン「何だありゃ!?とんでもないデカさだぞ!!」
アルミン「周りの壁や天井が、すべて消されたっ!!」
ミカサ「…大きいっ!!」
リヴァイ「直径60メートルの球だ。お前に対して打ち込めば、その周りの奴らもみんな消える」
-
- 402 : 2014/02/04(火) 19:40:15 :
リヴァイ「死にたくなかったら、他の奴らは今すぐこの球の範囲から出て行け。40秒で支度しろ」
一同「う…」
一同「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」ダダダダダッ!
キース「リヴァイ、貴様…」
キース(本気でアッカーマンを消す気か!?)
エレン「ミカサ…」
アルミン「エレンも早く離れてっ!!」
エレン「けどよっ!!」
ミカサ「エレンっ!!」
エレン「ミカサ…」
ミカサ「私は大丈夫。エレンは早く安全な所へ」
エレン「…分かった。死ぬんじゃねぇぞ!!」ダッ!
-
- 403 : 2014/02/04(火) 19:45:15 :
ミカサ「…」
リヴァイ「覚悟は決まったか?こいつを喰らえば、間違いなくお前は消滅する」
リヴァイ「ずいぶんと余裕の顔してやがるが、どういうつもりだ?」
ミカサ「もうあなたの技で、私を消し去ることはできない。そういうこと」
リヴァイ「…面白れぇ。てめぇが口先だけの首席兵か、本物の兵士か、この技で見極めてやろう…」
リヴァイ「うああぁぁぁぁっ!!!!!」ブンッ!!!
球「」ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
エレン「来た…!!」
アルミン「ミカサ、どうか…」
ミカサ「…ふっ!!」
ドオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!!!!!!
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…
-
- 404 : 2014/02/04(火) 19:50:10 :
ライナー「…どうなった?」
ベルトルト「…すごい、ステージがあった場所が、抉られたように消えてしまっている」
アニ「この分じゃ、ミカサは…」
リヴァイ「…他愛もねぇな。口だけは達者だったが、跡形もなく消え去ったか」
リヴァイ「お前ら!これで分かっただろう!?お前らレベルの実力じゃ、到底兵団ではやっていけないと!!」
ミカサ「それはまだ分からない…」スッ…
リヴァイ「!?」ガシッ!
リヴァイ(こいつ、何故生きて!?しかも、不意打ちで捕まれた!!)
-
- 405 : 2014/02/04(火) 19:55:11 :
エレン「ミカサっ!!」
アルミン「良かった、生きてた…!でもどうやって!?」
リヴァイ「てめぇ、一体どんなカラクリを使った?しかも、何故空中に居やがる…?」
ミカサ「それは、地上に降りてからお話しします…」
ミカサ「…ふんっ!!!」ドゴッ!!!!
リヴァイ「ぐっ…!!」メキッ!!
ミカサ「はあぁぁぁっ!!!!」ドゴドゴッ!!!
リヴァイ「調子に……乗るなっ!!!」ブンッ!!
バキッ!!!
ミカサ「…っ!」ヒュゥゥゥ…
リヴァイ(チッ…!バランスが…)
-
- 406 : 2014/02/04(火) 20:00:07 :
ヒュルルルルルルル……
ドサッ…
ミカサ「うっ…」
リヴァイ「がっ…」
キース「リヴァイを空中から引きずりおろした…。やるな、アッカーマン!」
リヴァイ「てめぇ、よくも…。タダで帰れると思うな…!」
ミカサ「あなたこそ、ここまでやられた以上、無傷で返すわけにはいかない。覚悟してください!」
-
- 407 : 2014/02/04(火) 20:05:07 :
リヴァイ「その前に約束だ。地上に降りたら話すと言っていたな。てめぇのカラクリの正体は何だ?」
ミカサ「私は、自分の肉体を構成する物質を、自在に操ることができる。水分然り、鉄分然り…」
ミカサ「それらの物質のことは、私自身が無意識のうちに、原子単位で把握し、操っていた」
ミカサ「その知識に加え、さっきのアニとの戦いで得た、雑菌のコントロールする術」
ミカサ「両者を組み合わせることにより、私の能力はまた新たな高みへの進歩した」
ミカサ「そう、今の私は、自分自身を原子単位に分解し、最構成も操作も自由自在にできるようになった」
コニー「えっと…?ミカサの言ってる意味が、全く理解できねぇんだけど?」
エレン「原子単位で…?俺もよく分からねぇ…」
-
- 410 : 2014/02/04(火) 20:11:46 :
アルミン「今までは、自分の体の中にある物質を変化させて、操っていただけに過ぎなかったんだけど」
アルミン「今のミカサは原子単位にまで物質を細かくし、操作できるってこと」
アルミン「つまりさっきの消滅を逃れたのは、自分の体をいったん原子に分解し、技を回避した後空中で再構成、元のミカサに戻ったってことだよ!!」
ライナー「もう、いろいろとぶっ飛んだ能力だな、あいつ…」
アニ「バケモノっていうレベルじゃないね、あれ…」
キース「私は、なんと恐ろしい奴を育て上げてしまったのだ…」
-
- 411 : 2014/02/04(火) 20:15:09 :
リヴァイ「つまり今のてめぇは、自分の体を好きなだけ細かく分解できるってのか?」
ミカサ「そういうことになる。まだ不慣れなため、何回も自在にというわけにはいかないけれど…」
ミカサ「いずれはこの能力を使いこなして、調査兵団で人類の役に、そして、私達の夢のために、活用するつもりです!」
リヴァイ「…甘ったれるな。まだお前は、俺に勝ったわけじゃねぇ」
リヴァイ「原子レベルに分解できるから何だ。俺の能力で、まとめて消せば済む話だろう」
ミカサ「そんなことはできない。それはあなたが一番よく分かっているのでは?」
リヴァイ「何…?」
-
- 412 : 2014/02/04(火) 20:20:05 :
ミカサ「さっきのあなたの攻撃、私は肉体を分解したけど、全ては回避できなかった」
ミカサ「肉体の半分ほどの原子があなたの技に飲まれた。にもかかわらず、こうして元の姿に再構成することができた」
ミカサ「これは、あなたの能力の穴を的確についたため、だと思われるのだけれど…?」
リヴァイ「能力の穴、だと…?」
ミカサ「自分が一番分かっているんじゃないですか?」
リヴァイ「てめぇ…」
エレン「どういうことだ?ミカサの奴、一体何を言ってるんだ?」
アルミン「さぁ…」
-
- 413 : 2014/02/04(火) 20:25:17 :
ミカサ「掃除と言うものは普通、落とすべき汚れをその目で捉えて、その部分を的確に綺麗にするものですよね」
ミカサ「それと同じように、あなたは能力で私を消す際、必ず私の姿を視界に捉えていたはずです」
リヴァイ「…」
ミカサ「ですが、さっき私が原子化したときは、能力の効果範囲内であるにもかかわらず、私を消すことができなかった」
ミカサ「つまりあなたの能力は、『視界に捉えた汚れ』だけを綺麗に落とすことができるもの。違いますか?」
リヴァイ「なら聞くが、俺が重力を消して空を飛んでいたのは、どういう理屈だ?お前の推測から行くと、俺は重力は消せねぇはずだが?」
ミカサ「確かに、重力と言うのは目に見えない物。あなたの能力が私の推測通りなら、消すことはできません。でも…」
ミカサ「そもそも消す必要がなかったんです。あなたの能力なら」
-
- 414 : 2014/02/04(火) 20:53:01 :
リヴァイ「…ほう、そこまで見破っていたか」
ライナー「どういうことだ?二人の会話がさっぱり理解できん…」
ミカサ「さっきあなたの背後に回った時、驚くべきものに触れました。そう…」
ミカサ「あなたの背中には、翼が生えていた。見えない翼が。そうですよね?」
キース「翼だと…?私はそんなものは知らないぞ!」
リヴァイ「…こいつは、俺とエルヴィンしか知らねぇ物なんだがな。てめぇが背後に現れるなんざ、考えもしなかった」
リヴァイ「てめぇの言う通り、俺の背には透明な翼が生えている。周囲の景色と同化して見えなくなるほどの、な」
リヴァイ「俺が初めて壁外に出た時に得た、あの解放感。この翼は、その時感じた自由の結晶…」
リヴァイ「…『自由の翼(フリューゲル・デア・フライハイト)』!!!」
-
- 415 : 2014/02/04(火) 20:56:28 :
エレン「自由の…翼!!」
アルミン「重力を消したと偽ってまで隠そうとした能力…なぜ?」
リヴァイ「こいつはさっきも言った通り、俺の自由の象徴だ。そんなもんを、てめぇらの汚ねぇ手で触られたくねぇんでな」
リヴァイ「こいつが周囲に知られれば、自由も自由でなくなっちまう。だから俺は、こいつの存在を隠し通す必要があった」
キース「相変わらずだな、リヴァイ。理由が非常にお前らしい」
リヴァイ「翼を見破ったから何だ?どの道、お前の勝機はねぇはずだが?」
ミカサ「そうでもありません。そろそろ、自分の体に違和感が現れませんか?」
リヴァイ「違和感…だと?」
リヴァイ「…!?」ピキッ!
ライナー「何だ?リヴァイ兵士長の動きが、突然止まった!?」
-
- 416 : 2014/02/04(火) 20:59:30 :
リヴァイ「てめぇ…何をした?」グググ…
ミカサ「私の肉体の原子を、あなたの体内に送り込みました」
ミカサ「あなたの脳から発せられる、身体に命令を送り動かすための命令信号。その経路を、私の原子で遮断させてもらいました」
ミカサ「命令が肉体に伝わらないあなたは、もう自らの意思で体を動かすことはできません」
リヴァイ「てめぇ…やってくれるじゃねぇか!」グググ…
アニ「目に見えないってのは、相当厄介だね。他人の技を見て、ようやくその強みを理解したよ」
コニー「俺も」
サシャ「私も」
-
- 417 : 2014/02/04(火) 21:06:05 :
ミカサ「さらに、身体が縮んでいる今の状態だからこそできる技をお見せしましょう…」
ミカサ「もともと、私は自らの細胞の動きを限界まで活性化させ、平常時の10倍の運動量を可能にできます」
ミカサ「しかし現状では力量が足りず、発動してもうまく使いこなせませんでした」
ミカサ「理由は簡単。肉体の細胞が多すぎて、操作が追い付かなかったため」
ミカサ「ですが、今の私の体は元の3分の1程度。当然、細胞の数も3分の1」
ミカサ「この状態なら、その技も十分に使いこなせるはず」
ミカサ「これが今出せる、私の全力。この技で、何としてもあなたに打ち勝つ!!」
ミカサ「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」ゴオォォォォォォォォォォォォォッ!!!
リヴァイ「…っ!!」
エレン「すげぇ気迫だっ!!」
アルミン「これなら……イケるかも!?」
-
- 418 : 2014/02/04(火) 21:10:12 :
シュウゥゥゥゥ…
ベルトルト「収まって来た…」
ミカサ「…」ゴオォォォォォォォォォォォォォ…
リヴァイ「大層なもんだな。その程度で、俺を倒せるとでも思ってるのか?」
ミカサ「…倒せます。今の私に、倒せない敵はいません」
ミカサ「細胞の限界を引き出し、狂戦士と化した私は、肉体が悲鳴を上げるまで止まりません。そう…」
ミカサ「『三笠狂戦士(ミカサーク)』!!!!!!」
-
- 419 : 2014/02/04(火) 21:15:06 :
リヴァイ「チッ…」グググ…
ミカサ「はあっ!!!!」ダッ!!
リヴァイ「速…」
ドッゴォォォォォォォッ!!!!!!
リヴァイ「ぐ…っふぅぁっ!!!」メキメキッ!
ミカサ「…はああっ!!!」ブンッ!!
バッキィィィィッ!!!!
リヴァイ「があ…ぁっ!!!」ガクンッ!!
ミカサ「あぁぁぁぁっ!!!!!」
ドゴッ!!バキッ!!メキッ!!
リヴァイ「うがっ…!!」バタッ…
エレン「すげぇ…一方的だ…」
キース「あのリヴァイが、膝をつくとは…!アッカーマン、お前は本当に…」
-
- 420 : 2014/02/04(火) 21:20:14 :
ミカサ「うああぁぁぁっ!!!!」ブンッ!!
リヴァイ「」ドゴオォォォッ!!!
ミカサ「はぁぁ…」グラッ…
ミカサ「!?」ガクンッ!
アルミン「ミカサ!?」
ミカサ(マズい、やはり肉体への負担が大きすぎた…。細胞の損傷が激しい)
ミカサ(持ってあと10秒。その間に、早く勝負を決めないと…)
リヴァイ「…痛ぇじゃねぇか、てめぇ。服も血で汚れちまった」ユラァ…
マルコ「まだ立てるのか…!さすが、人類最強…!!」
-
- 422 : 2014/02/04(火) 21:25:22 :
ミカサ「はぁ、はぁ、ならば次で…」
リヴァイ「『清掃(クリーンアップ)』…」サッ…
エレン「えっ!?」
アルミン「そんな馬鹿な!!」
ミカサ「…ウソ!?」
リヴァイ「…言ってるだろうが。てめぇには勝ち目なんざねぇと」
キース「そうだった…。リヴァイの能力は汚れに限らず、自らの傷、ダメージ、それらでさえも掃除することができる」
キース「今のリヴァイは、戦闘開始当初と同じ状態。どれだけダメージを与えても、すぐにあのように元通りだ」
-
- 423 : 2014/02/04(火) 21:30:28 :
ユミル「おいおい、そんなの反則だろうがよ…」
クリスタ「どうやって勝てばいいの…」
リヴァイ「勝てない。答えはこの一点だ。お前が俺に喧嘩を吹っ掛けた時点で、もう勝負はついてんだよ」
ミカサ「そんな…」ガクガク
ミカサ「…かはっ!!」バタッ!
エレン「ミカサっ!!」
アルミン「無茶な体の使い方をしたから、もう肉体が悲鳴を上げてる!!あれ以上は無理だ!!」
サシャ「そんな!!それじゃ、ミカサの…」
アニ「…負け!?」
-
- 424 : 2014/02/04(火) 21:35:11 :
ミカサ「あ…うぁぁ…」プルプル…
リヴァイ「そんなになるまで、よく頑張ったな。お前は称賛に値する」
リヴァイ「だが、これでチェックメイトだ。俺に膝をつかせたという栄誉を、あの世で自慢するんだな…」スッ…
ライナー「あのスカーフを…!ミカサを消す気か!?」
エレン「やめてくださいっ!!勝負はもう付きました!!負けたときの条件なら、ちゃんと飲みますから!!」
リヴァイ「寝ぼけたことを言うな。壁外じゃ、命乞いも降参も存在しねぇ。生きるか死ぬかだけだ」
リヴァイ「そういう考えが甘ったれだと、俺は最初から言ってるんだ」
リヴァイ「こいつは見せしめだ。こいつの死をもって、自分達の甘さを悔い改めて出直して来い…」
アルミン「そんな…」
-
- 425 : 2014/02/04(火) 21:40:11 :
ミカサ「…っ!」ガクガク
リヴァイ「最期に言い残すことはあるか…?」
ミカサ「…私は、あなたに勝つ。何としても…!!」ガクガク
リヴァイ「ふっ…。その状態でそこまで吠えれりゃ上出来だ。楽しかった…」
リヴァイ「…消えろ」
サッ…
キース「終わったか…」
アルミン「あぁっ…」
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- 426 : 2014/02/04(火) 21:45:10 :
ミカサ「…!?」
エレン「…えっ!?」
クリスタ「消えて…ない!?」
ライナー「どういうことだ?確かにミカサは、スカーフで拭き取られたはずだが!?」
ミカサ「…なぜ?」
リヴァイ「俺もヤキが回ったな。目の前の粗大ゴミを、ゴミだと認識できなくなっちまうとはな」
リヴァイ「俺がゴミだと思わねぇってことは、それなりに価値のあるモンって事なんだろうな」
リヴァイ「そう言うワケだ。俺はお前を消せなかった。屈辱だがな」
リヴァイ「ならばせめて、本物のゴミになる前に、てめぇの力を有効活用させるんだな。そう、例えば…」
リヴァイ「…調査兵団、でな」
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- 427 : 2014/02/04(火) 21:50:15 :
ミカサ「それでは、私は…!!」
リヴァイ「俺の目には、そっちの奴らもこいつと同じに見える。ってことは、てめぇらもゴミじゃねぇんだろう」
リヴァイ「だったら、てめぇらも兵団でみっちりコキ使われるべきだ。異論は認めん」
マルコ「それじゃ、僕らも…」
アルミン「入れるんだ…。調査兵団にっ!!」
エレン「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」
一同「っしゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」
アルミン「ミカサ、お疲れ様。立てる?」
ミカサ「ありがとう、アルミン。少し休めば大丈夫」
エレン「お前、そんなに体が縮んじまって、どうするんだよ…」
ミカサ「たくさん食事をとって栄養を補給すれば、元の体に戻れるだけの細胞を生み出せる。問題ない」
アニ「バケモノ…」
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- 428 : 2014/02/04(火) 21:52:22 :
キース「リヴァイめ、粋なことをしおって。もともと、そのつもりであったのだろう?」
リヴァイ「さぁな。俺は自分に従って判断した。誰も、俺の自由を止めることはできない」
リヴァイ「我が儘だと罵る連中もいるかもしれない。だが、それでも俺はこの自由の翼に従って生きて行く」
キース「そうか…」
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- 429 : 2014/02/04(火) 21:56:11 :
キース「ところで、お前がここにわざわざ出向いた理由とは何だ?」
リヴァイ「さっきも言ったが、ロボットに預けてきた。と言っても、今となっては勿体ぶる必要もねぇか」
キース「勿体ぶる?どういうことだ?」
リヴァイ「今度、三兵団対抗の大バトル大会が開催される。ロボットに預けたのは、その要綱だ」
リヴァイ「見学してぇ訓練兵もいるだろうとのことで、エルヴィンがわざわざ招待券も用意しやがった」
エレン「それじゃ、今回以上の派手な戦いを、間近で見ることができるってことですか!?」
リヴァイ「それは保証する。てめぇらの戦いが、ただのガキの喧嘩に過ぎなかったと改めて実感することになるだろうがな」
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- 430 : 2014/02/04(火) 22:00:21 :
リヴァイ「大会は一週間後。今年の入団式は特例で、その大会の翌日になった」
リヴァイ「残り一週間の訓練兵生活、せいぜい楽しむんだな」
ライナー「ベルトルト、アニ…」ボソッ
アニ「分かってるよ」ボソッ
ベルトルト「僕らの作戦は延期だね!」
ライ・ベル・アニ「…よしっ!」
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- 431 : 2014/02/04(火) 22:01:37 :
リヴァイ「それじゃ、今期の首席もめでたく決定したところで、来週また会おう。そう…」
リヴァイ「…『第一回!三兵団対抗!?マジキチ能力大バトル大会!!』でな」
第一回!104期首席争奪!?チキチキ大バトル大会!!・続………かない
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- 432 : 2014/02/04(火) 22:03:30 :
- 続…こうよ
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- 434 : 2014/02/04(火) 22:06:04 :
- 続…いてほしかったです
お疲れさまでした!
個人的にはこういう話めっちゃ好きです!!
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- 436 : 2014/02/06(木) 01:41:29 :
- 続いてよ
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- 437 : 2014/02/08(土) 16:15:23 :
- ええええええええええええええーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
続いてよーーーーーーー❗️❗️❗️❗️❗️
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- 438 : 2014/02/09(日) 07:04:46 :
- 続いてほしいですww
あと、キースさんが戦うのみてみたいw
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- 439 : 2014/02/09(日) 22:54:25 :
- ありがとうございます。
ではとりあえず、ネタができるまでは、保留という事でお願いします。
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- 440 : 2016/01/08(金) 03:18:31 :
- あなたは本当に良い作品を作りますね。
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- 441 : 2016/08/20(土) 13:26:06 :
- この作品はもっと評価されるべき
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- 442 : 2020/10/06(火) 13:12:29 :
- 高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
http://www.ssnote.net/archives/80410
恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
http://www.ssnote.net/archives/86931
害悪ユーザーカグラ
http://www.ssnote.net/archives/78041
害悪ユーザースルメ わたあめ
http://www.ssnote.net/archives/78042
害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
http://www.ssnote.net/archives/80906
害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
http://www.ssnote.net/archives/81672
害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
http://www.ssnote.net/archives/81774
害悪ユーザー筋力
http://www.ssnote.net/archives/84057
害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
http://www.ssnote.net/archives/85091
害悪ユーザー空山
http://www.ssnote.net/archives/81038
【キャロル様教団】
http://www.ssnote.net/archives/86972
何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
http://www.ssnote.net/archives/86986
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