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サイタマ「え?ここどこ?」
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- 1 : 2021/03/01(月) 16:13:42 :
- 初めまして!!
単なるワンパンマン×ファンタジー物です
良ければ期待してください
「てか、身体動かねえ。どうなってんのコレ」
(記憶だと俺はいつも通り布団に入って眠った…)
「はっ、まさか夢か?」
(って言っても前みたいな血が滾る感じの夢では無さそうだけど)
「とりあえず…」
「ふんっ」ボゴォ
「お、出れ………た……?」
(草原…光でわかったけど俺寝間着じゃん)
「…というか俺、地面に埋まってたのか」
「にしても眩しいな……え?」
(太陽が…二つ…?)
「小さいのと…大きいの…んー…今回の夢は相当ファンタジックな夢だな」
「どうしよ、夢つってもなぁ…自分殴れば目覚めるか?」
ーーーーーー!!!!
「……あ、やべ、草原が…」
「あちゃー、地面抉れてんじゃん、どうすんだコレ」
「てか…ちゃんと痛みもあったし、なんなら…」
「お?」
「…なんかくるな」
◇▽◇▽◇▽◇▽
音が鳴った。鳴ったというより、鳴動したといえばいいのだろうか。
その波は波紋のように広がり、あろうことか古城で満足そうに卵と生まれたての子龍を何匹か抱えながら眠っていた翡翠の龍の耳にも届いた。
煩わしそうに龍は瞼を開ける。方向はアゼル平原から。近くにミメイの森があるのでどうせまた人間とエルフがお互いに魔法でも撃ち合っているのであろう。だが龍にとってはその両方の種族が劣等である事を認識していた為、特に気には止めなかった。
同じ翡翠色の鱗を逆立てながら、龍の中にいる子龍がか細く、甲高い鳴き声を一声、出した。
龍が重い身体に鞭を打ち、筋肉に神経を通らせる。風が舞った。
恐らくそれは子龍にとって、怯えた声だったのだろう。涙目になりながら、恐いと訴える子供に応えるようにして子龍の鼻を舐める。
龍は一度、劣等種らに思い知らさねばならんとし、爛々と眼力を強め、蒸気と見間違えるような白い息を荒々しい歯の隙間から吹き出し、鋭く低い唸り声で鳴くと、一気に古城のてっぺんまで行き、自分が昔作り出したであろう大きな穴を潜って外へ出て行った。
◇▽◇▽◇▽◇▽
大災害【ゼネ】が動き出した。
その事を記録官から伝えられた。如何なものか。とガスケル水門都市の長、ひいては都市長にあたるジルマはは思う。
どうも最近、魔の一族が活発化してきたと思ったら、今度は龍か。そもそも、その事を伝えて都市長如きに何が出来ると言うんだ。
今やそのような肩書きは持ち合わせているものの、それは完璧な飾りだ。もはや大国の属国のようなものであり、出された案を淡々とこなし、都市の存続を願うしかないのだ。
この様な大きな出来事はそれこそ大国に連絡が行っているだろう。すぐ様騎士団を隊列させ、がら空きの古城を我が物とせんといきり立っていそうだ。
ガスゲルに騎士団と呼べる隊が無く、やはり己の出来ることはない。と、白く染まった髭を撫でた。
◇▽◇▽◇▽◇▽
「おわ、なんかきた…え、龍?」
龍は不思議だった。どうして人間もエルフもいない。というかこの人間は何だ。まさかこの人間がこれをやったというのか。
いや、見るからにこの人間には魔力を欠片ほども感じぬ。だが、この人間がいる方向から聞こえた。まさか、もう少し外れか。いや、そんな事は無い。自分の聴覚には傲慢と言われる程の自信がある。元々龍は耳が良いのだ。
ふと、この人間の下に大きなクレーターが出来ているのを発見する。
「へえー、龍ってこんななのな。怪人しか見たことないから空想上の生物だと思ってた。」
…まあいい、とりあえず興味深そうな目で見てくるこの人間は、鬱陶しいので殺そう。
龍は口に小さな風のブレスを纏い、人間に発射する。まるでドームが出来たかのように風の膜がその場所を覆う。未だに風は勢い衰えず、人間をじわじわと嬲り殺しているようで、龍は気分が良かった。
ただ、その風の膜が一瞬にして晴れ、人間が姿を現すまでは。
「とりあえず、なんか悪いやつっぽそうだし」
「ここでも正義執行だ!」
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- 2 : 2021/03/01(月) 22:47:35 :
- 余談ですがサイタマ視点は地文が無いです。何とも思ってないので。
戦闘においての感情の起伏が全くないのは、ジェノスより余っ程サイボーグしてると思います
「だから!貴様!なんだよな!これをやったのは!」
「違います」
「嘘をつくな!その返り血は何だ!」
(参ったな…めんどくさいタイプのヒーローじゃん…獲物横取りされたから怒ってんのかな)
「いや…そのケチャップ零して」
「けちゃっぷとはなんだ!」
「え?知らないの?」
「知らん!だから私と決闘だ!」
「いや流れ持ってくなよ、俺帰るから…あ」
(やべえ、今気付いたけどここ何処だ?全く知らん)
「……良いぜ!!その決闘、受けて立つ!」(キメ顔)
「おお!受けてくれるか!請うてみるもんだな!」
「だが決闘、その形式だとやはり勝者と敗者が決まる。なら、俺が勝った時はどうしてくれるんだ?」(キメ顔)
「当然だ。なんでもしよう」
「マジ?なら家まで送り届けてくんね?」
「む、そのような事でいいのか。なら、貴様が負けた時、何を支払ってくれると言うんだ?」
「うーん…特に差し出せるもんとかは無いな…あ、なんでもするよ、なんでも」
「フッ、その意気やよし!ならば下がれぃ!」
◇▽◇▽◇▽◇▽
現在、目の前では不可思議な事が起こっていた。
胸から顔にかけて何かに貫かれたように穴を開けて倒れ伏している龍と、恐らく首謀者であろうハゲの男。
騎士団が古城にいるもんだから、龍を探しに行くと着いてきたばっかりなのに。
ああ、また始まったよ、と親衛隊の兵士達は思う。
親衛隊は、王国で民や王族と貴族を守り、時には任務遂行の為遠征する事もある騎士団とはまた違う。
つまるところ、王国でトップクラスの実力者、〘椿紫呉〙ポニィに仕えるノーマークの隊である。
仕えると言っても弟子のようなもので、日々のポニィのしごきに耐えられた者など未だにいない。
彼女は感覚派で、人に教えるのも上手くはないが、何故かその強さの魅力だけは留まることを知らない。
才能に才能と才能を混ぜて作られたような彼女に惚れ込んで隊入りする者も少なくない。
ただ、どうにも強き者に惹かれる運命にあるようで、ついこの間も〘英雄〙アストロに立ち向かって無惨にも地面とキスしていた。
彼女は相当鍛えているようで、その腹筋はもはや板チョコはポニィの腹筋に似ていますね、と言われるくらいに割れている。
髪はストレートの桜色で、緑の瞳は鋭く尖り、今にも襲い掛かりそうだ。口から見える八重歯は番犬を想起させる。
大きな胸を圧迫するような無理矢理着ている白のキャミソールに、デニムホットパンツ。その横には鞘をぶら下げる縄がついている。
なんとも言い難い夏用みたいな服装だが、本人がいうには魔防倍率が高いらしい。でもその大半の理由は動きたいからだ。
対して男もポニィと変わらないような服装をしている。まるで寝間着のような…恐らくポニィの装備みたいな効果がある両方ストライプの…いや寝間着…あれ寝間着じゃねこれ?
とはいえ、龍を殺したんだ、このハゲの体力はそこを尽きているだろう。このハゲの男は負けるんだろうな。兵士達は憐れみの視線を向けた。
◇▽◇▽◇▽◇▽
「ワケあって下は明かせんが、許してくれ。」
「総合隊特別親衛隊隊長〘椿紫呉〙ポニィ」
「あ、えーと、〘ヒーロー〙サイタマ」
「む、貴様も…いや、良い。始めようか」
「おお…カッコイイなその剣の抜き方」
「そうだろう、これは我が師が直々にお教え下さったのだ」
「へぇー」
(そういやジェノスどうしてんだろ)
「では…参る…!はァァァ…!」
「で、出るぞ!ポニィ様の究極奥義!」
「喰らえ!!«樱しぐっはァァァァ!!!!!」
グルグルグルグル……ビターン!!
「…あ」
「…えっ?」
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