この作品はオリジナルキャラクターを含みます。
忘形見
-
- 1 : 2020/09/24(木) 20:47:42 :
- 超遅刻してるオリジナルコトダ祭りです
実はここまで時間経っておいて、まだ全部書き切ってるワケではないのですが、とりあえず立てとかないとコレいつまで経っても完結しねーなという、自分へのプレッシャーも兼ねてやってます
フフフ、そう何個も未完を抱えたくはあるまいよ?
完結までは少し時間がかかりますが、超遅刻組のオリコ後夜祭、始めます
-
- 2 : 2020/09/24(木) 20:49:01 :
- 『おにいちゃん!これ開けて!』
『えー…これ俺苦手なんだけど』
「………懐かしいな」
幼い頃の夢を見るなんて何年ぶりだろうか
少なくとも最近は見てなかったのに、どうして急に見るようになったんだ
「今さら見たって……いや、気にしても意味無いな」
さて、今日も仕事だ
-
- 3 : 2020/09/24(木) 21:11:15 :
「…………すまないが、もう一回言ってくれないか?」
「はい!!私、命を狙われてるので、護ってください!!」
「…………」
「私、命を狙われてるので」
「いや、二回も言わなくていい」
「だってもう一回言えっていったのサトウさんじゃないですか!!」
「言い方が悪かった。三回も言わなくていい」
「言い方じゃなくて数え方では?」
「漬け物にしてやろうかこのジャリ」
「どういうことですか!?」
「あのな…俺の仕事は探偵だぞ?ボディーガードじゃない。そもそも、命を狙われてるなら警察に行くべきじゃないのか?」
「いいえ。警察には行きません」
「なんでだよ。なにか警察に恨みでもあるのか?」
「いいえ。警察に恨みはありません」
「じゃあ、なにか他に理由があるのか?」
「はい。他に理由はあります」
「……………」
「……………」
「今日はパンを食べたか?」
「いいえ。今日はご飯を食べ」
「聞かれたことしか答えねぇのかよ」
「守秘義務ってものがありますからねー」
「それはこっちが護るものだ。お前が言うなら個人情報とかその辺りだろうが」
「おおっ、サトウさん賢いですねー」
「…………もういい。帰れ」
俺の名前は、とりあえずサトウで
俺は自営業というか、探偵事務所をひっそりと開いている。今日も依頼があったのだが…
なんなんだコイツは。最初からおかしかったんだ
まず命を狙われてるから護ってくれ?俺は探偵だぞ?警察でもボディーガードでもない
それに俺は、護ることなんて出来やしないんだよ
「えー、いいんですか?断って」
「話をする気がないなら帰れ。あと護衛なんて探偵の仕事じゃない。それだけの話だ」
「でもー、それ本当に言ってるんですか?」
「………護衛なんて探偵の仕事じゃないだろうが」
「そうかもしれませんけどー、これを前にして本当にそれ言えるんですか?」
「これ、依頼料の1億ですよ。アナタ探偵って言っても仕事全くないからもやしで繋いでるんですよね?」
「…………………………でも」
「ちなみに依頼を果たしてくれたら300%に上乗せしますよ」
「…………………クッソ…」
やるやれないじゃない、やるしかない……のか……!
-
- 4 : 2020/10/19(月) 12:02:04 :
- 「本当になんの説明もされてないんだが」
「まあまあ。そんなに難しく考えなくてもいいですってサトウさん。ただ私を護ってくれればいいだけなんですから」
「………あのな、さっきも言ったけど、俺は誰かを護ることなんて」
「はいはい。でも、一度受けたからには仕事を果たしてもらいますからね」
「……………………」
なんなんだよ、本当に
いや、たしかに報酬金に目が眩んだのは事実だ。これに関しては俺が悪いだろう
だが、それよりも前に言ったはずだよな?護ることなんて出来ないと。それはコイツからしたらマズいはずだ
なのに、なんでコイツはここまでして俺に依頼を?
別に俺は、有名な探偵でもなければ、知る人ぞ知るという感じでもない、どこにでもいる冴えない探偵なはずだぞ
分からない…いったいコイツはなんなんだ
「………ますか?サトウさん」
「………………ん?」
「もう、聞いてますか?って、さっきから言ってるんですけど」
「ああ……悪い、考え事してて聞いてなかった」
「………なんで謝るんですか」
「は…?」
「………なんでもないです」
-
- 5 : 2020/11/01(日) 19:07:42 :
「なあ、少なくとも何からお前を護ればいいのか教えてくれないか?俺には護ることなんてできないけど、それぐらいは教えてもらなきゃ仕事のしようがないぞ」
「うーん、サトウさんには私のそばにいてもらえればそれでいいんですけど」
「は?なんだそれ。護衛と言えばそれでいいんだろうけど、対象を教えろよ」
「だから、そばにいてくれればいいんですって」
「…………まあ、ワケありってんなら無理に教えてくれなくてもいい。悪かったな、無理に聞こうとして」
「………………なんでですか?」
「ん?」
「なんで、サトウさんが謝るんですか?」
「いや、教えられない理由があるんだろ?なのに無理に聞こうとしたのなら、こっちが悪いだろ」
「………………」
「………なぁ、俺がなにかしたか?」
「……何もしてません」
「そうか。じゃあ、早いとこ目的地まで案内してくれよ」
なんで、そうやって何でも自分のせいにするんですか
- 著者情報
- 「ファンタジー」カテゴリの最新記事
- 「ファンタジー」SSの交流広場
- ファンタジー 交流広場